【ダンガンロンパ】魔法野球少年 桑田怜恩【安価+コンマ】 (1000)

ま、チープだけど自己紹介しておこうと思う。
オレの名前は桑田怜恩。
地元の中学から、何の気はなしに推薦あった高校がなぜか落とされた。
そんで、仕方がねーから手当たり次第に試験受けててたある日、家に一羽の鷹が。


【おめでとうございます
桑田怜恩様は入学試験を合格致しました
よって、今年の春から
希望ヶ峰魔法学園への入学を歓迎いたします】



思わず二度見。

ん?

【魔法学園】?

んん?
何これギャグ?


そしてつきましては、とか言われて指定された場所に行ったら―――オレの人生、全部変わった。


※ダンガンロンパシリーズ全体のおっきなネタバレがまるで地雷原
※他作品とかメタもあります
※いろいろ設定がアレです。あとハリポタ風なだけでハリポタの魔法は多分出ません。多分
※安価とコンマ使います
※判定は常に安価のコンマ使ってます
※安価については【詳細記述可能】。数字選択とか以外にもなんか書いたら従います
※連投禁止の青春
※こまけぇこたぁいいんだよ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1434029431

―――ある春の日のこと。
オレは、まぁギャグだよな?と思いながら、そこに走っていた。
それは、聞いた事も見た事もない場所。
とある寂れた駅のホームだった。

で、まあ、とりあえず行ってみたら誰もいねーでやんの。


「………は、はは、だまされた?」


だよな。
魔法学園とかレベル高いギャグかましてくるやつが、マジでそんな事言うわけねーし。
ここにどんだけの奴が集まんだ、ひとっこひとりいねーぞ。

思わず自嘲した。
やっぱな。そうだよな。


魔法なんてありゃしねーんだ、と思ってた。



「………桑田クン!」



なんもねーとこから、聞いた事ある声がするまでは。

「あ?ああ?」

辺り見回す。
いやいや、誰もいねーけど。
んじゃ、今の声は。


??「こっちだよ、桑田クン」

再び声がする。前の方……ホームの柱の辺りか?

??「ほかの人に見つかったら困るから、早く」


「は、いや、つか意味不なんだけど……」


オレは、この状況が飲み込めなくてこれ言うので必死。
マジありえねーよ。
幻覚見えちゃってる?オレ、変なもん飲んだ?


??「こっち!」


困ってるオレの体を、突然現れた腕が、引っ張って―――








バッ!





「うおおお!?」

??「よかった……ちゃんとこっちに来れたね」

「は?あ、え?」


意味不明過ぎて頭ん中がぐちゃぐちゃだわ。
なにこれ、デビル笑えねーぞ。
マジヤバじゃねーか。
つーか、さっきまでいたはずの寂れた駅はいつの間にか消えていた。

今オレがいるのは、まるで別世界。
つか、多分、ぶっちゃけ別世界。
すっごいキレーな、電車のホームだった。


??「ほんとに合格したんだね……びっくりしたよ、最初に話聞いた時は」


………んだよ、厚かましいぞいきなり。
しかしそいつにな事言えねー。
なぜならそいつはオレのフレンドだ。


「は?……な、苗木?何してんだよ、こんなとこで?」


全く意味不明だわ。マジでマキシマム意味不明だっつーの。

苗木「とにかく、合格おめでとう。それから、これからよく分かんないだろうから、ボクが案内するよ」

苗木「学園長から聞いてたんだけど、こう言う事だったんだね……」




は?意味分かんねー。

1→ここどこだよ?
2→苗木はなんでここに?
3→学園長って誰だよ?
4→つーか、さっきのなんだよ?
5→そのた

>>7

(無言で苗木の頬をつねる)

>>7


ちょ、ちょいまち。
まじでほんと何言ってんすか苗木さん?
今の笑いのポイントだと思ってんならオメーそうとうズレてるからな?

つーか、何これ?夢?

とりあえず苗木のほっぺつねっとこ。


苗木「……」ぎゅう

苗木「……な、なんで頬つねられてるの、ボク?」ぎゅう

苗木「何かすごい痛いけど!?ねぇ桑田クン!?」ぎゅう


あまりにも涙目だったから途中で離した。
なんつー顔してんだよオメー。

苗木「それは桑田クンがあんな力でつねるからだよ!?」

「はいはい分かった分かった。んで?これ何?トリックとかドッキリにしちゃ手ぇ込みすぎだけど」

苗木「ドッキリじゃない、これは魔法なんだ」


はい出ましたー。
苗木、アホー。
マキシマムアホー。


「まほう?」

苗木「うん。これは魔法の力で隠蔽されてたんだ。ここは、魔法世界に通じてる場所のひとつだから」

いや、もういいよ?苗木。

苗木「こうでもしないと、一般人……それから、魔法の事信じない人に見つかったら大変だから」

だからそれいいっての。

苗木「ボクもずっと辛かったんだ。こっちの、魔法がない世界でひた隠しにして生きてるの……」

あの、脳内世界広げるの止めにしね?

苗木「これも魔法界の規則だから……自制ある高校生の年頃になってから、本格的に魔法を学ぶのが」

聞いてます?

苗木「聞きたい事はたくさんあると思うけど、」



オレが色々と脳内で苗木を否定していた、その時。
音もなく、そこに突然、乗り物が現れた。


「………は………?」

苗木「これが、ナイトエクスプレス……新幹線だね。これで学園まで行くんだ」

「や、ちょっ、あの」

苗木「ほら、乗らないと」

「あのさ、苗木。もういいよ?」

苗木「よくないよ!桑田クン、これから入学なんだから!」

「や、そうかもしんねーけど……」

あのな、苗木。
オレが入りてーのは普通の高校な?
こんなトンチンカンなパフォーマンスするような時間あんなら、オレが入学する学園連れてけよ。


苗木「だからこれに乗って行くんだよ!」

「………はぁ?」

苗木「あ、入学後は寮生活だから。それとー……えーと、」

苗木「そうそう、入学までの下準備については、学園長からの依頼でボクがしておくよ」

「え?あの、え?」

苗木「大丈夫、そのお金はもらってるし、いろいろとあるから」


そして手を引っ張って、苗木が言ったんだ。


苗木「ほら、行こう!」


そしてなぜだか、それを断りきれず、オレはそのエクスプレスに乗せられたのだった……。

いきなり訳わかんねー内に車両に乗せられたオレは、苗木に連れられるがまま、車両を歩いた。
なんでもこの辺指定席らしい。
そんで、苗木が取ってるとか言う席に、一緒に座る羽目になった。

ボックス席だ。
4人掛けで、そんで中央にテーブルがある。
窓の外の景色は何回見てもオレが知らない風景だ。
そんで、苗木は荷物を既に乗せてもらってるらしくて、手ぶらだった。
一方のオレは着替えとかグローブとか、必要らしいもんをカバンに入れてたんだけど、
そいつは、いつの間にやら車両内で変なやつにもってかれた。

苗木曰く、「あれはザコケモノって呼ばれてる。要はしもべ妖精だよ」だとさ。
今時しもべとか使わねー……。


そんで、ようやっと席に着いた。

まだ頭の中は混乱してる。


苗木「………落ち着けそう?」

「しばらく無理」


その言葉を合図にしたかのように、列車は動き出した。




車内でイベント。
1→車内販売が来たよ
2→同年代の男の子
3→同年代の女の子
4→何か鼻持ちならないやつ
5→ザコケモノ
6→そのた

>>17

4フォイ

>>17

追加安価フォイ

1→鼻持ちならない十神フォイ
2→名前の響きかよ石マルフォイ
3→オレはやれるぜ九頭龍フォイ
4→まさかのセレフォイ
5→その他フォイ

>>25フォイ

3フォフォイ

>>25
ふゆふぉい



静かに走り出した列車。
やっぱし、外は知らない風景だ。
マジで、ほんとオレ、え?マジ?
オレ、意味不なとこ来ちゃった?

言葉が出ない。

苗木「………まさかと思ったけど桑田クン」

そこで苗木がとても気まずそうに言葉を発した。


苗木「………この学園、魔法関係ないと思って普通に受けた?」


いや、当たり前ですけど?


「ふつーに試験やって、一芸披露とか言うからボール投げたりして、そんで学園長にふぅーんって言われて来た感じなんだけど」

苗木「………そうなんだ」


すっごい気まずそうな苗木。
なんだよ、もうこれ以上ビビる事ねーから普通に言えよ。


苗木「ボク、初めて会った時から、桑田クンはこの世界の事、知ってるんだと思ってたんだよ」

「あ?なんで?つか、まだ意味わかんねーんすけど?」

苗木「桑田クン、気づいてないと思うけどさ、キミ……」


苗木が何か言い掛けたその時だった。

「雑種如きが、指定席とはいい身分じゃねぇか。オイ」


突然どこかから声がしたんで、オレも苗木も面食らう。
ふと、通路側に顔を向けると、そこに金髪の男が立っていた。
何年生だ?
同じ年?
いや、わかんね。
けど、とにかく小さかった。

後ろには、銀髪の女が立ってた。


男「……ケッ、この世界のルールも知らねーと見える。テメェ」

じろじろ、品定めするような視線だ。

苗木「あ、ボクは……」

男「ふん、テメェもそうなんだろ、雑種め」

苗木「………、う………」

途端に苦しそうな苗木。
意味分かんねーわ。何だこの流れ。
つか、雑種?苗木って何、犬的な事?

男「ったく、今年の入学生は純血少な目とかあり得ねぇなぁ、おいペコ」

女「はっ、その通りでございます」

男「おいなぁ、テメェも雑種か?そこのあけーの」

男はオレを指して言った。
ち、ちげーし、この赤いのはその、高校デビューする気漫々だったか……い、いや、野球部入ったら切る気だったんだよ!




1→雑種って犬の話っすか?
2→オレ?野球部ですけど
3→ちょっと何言ってるかわかんねーっす
4→喧嘩すか?受けますけど
5→苗木ぃ、こいつなに?
6→そのた

>>31

2

>>31



「オレ?あ、野球部っすけど」


ちょっと雑種ってのはよく分かんないから、とりあえず部活答えてみた。
オレ犬じゃねーしなぁ。
犬は家じゃ飼ってないんだよなぁ。
あ、花音が飼いたいとか言ってたっけ。

男「はぁ?」

……え?めっちゃ睨まれてんですけど……?

男「雑種ってのはな、魔法種族でも何でもないただの人間、魔法を使う事も出来ないただの屑を指す言葉なんだよ」

「へー……あ、そっすか。アザッス」

男「テメェ自分がけなされてんのわかんねぇのか?」

「いや、だって魔法とか(笑)ありえねーし(笑)」

苗木「ちょっと桑田クン……!」


煽ってるつもりマジないんすけど。
つか、魔法とかこいつ何言ってんのマジで。


男「表出ろゴルァ……オレは外出時の魔法取扱い許可が出ててよ……」

「いや、だから(笑)魔法とか意味分かんなくね、苗木」


まだオレは信用してない訳で。

だっていきなり魔法(笑)とか言われて信じられるか?
ないないないないない。
むりむりむりむりむり。
頭イかれてんのか?
ってしか思えない。

それが雑種ってんなら仕方がない。
魔法を信じられない子供が出来たんも、世界の違いだろ?

男「テメェはここで消し炭にしてやる……!」


男は懐から杖を取り出して―――って、おい、先端から何か出てますけど!

男「燃え尽きろ!」

それをそのままオレに振りかざした!

女「坊ちゃん!」

苗木「桑田クン!!」




火花みたいなのがオレに迫る。
で、腕に当たったんだけど、


ばんっ、てちっさい音と一緒に、火花は消えた。


男「………は………?」

「え………?何今の」

苗木「……うそ、そんな……」


思い思いのリアクションを取っている。



え、何これ。
1→怪我してないよな、オレも苗木も?
2→今のが魔法(笑)すか?
3→花火とか外でやれよ、あぶねーな
4→もっかい!もっかい!
5→そのた

>>43

今日はここまでや。おやすみや。

どの選択肢も後で痛い目みるフラグにしか見えんぞ!!
乙kskst

2で

やるよー。

>>43
>>44



ぱんぱん、と腕を払った。
別に痛くもかゆくも無かったけど何だったんだこりゃー。
さっきの火花すげーなー。
どうやってやったんだろ。


苗木「……えと、えーと……」


何かを言おうとして、苗木が口を開こうとするけど、
いやいや、それよりオレちょっと言いたい事あんすけど?


「え?で?今のが魔法(笑)すか?」

まっさかー。
オレを燃やすなんて言ってんだからもっとすげーのあるだろ?

「え?え?何すか今の?アレが魔法(笑)だったらビックリなんすけど(笑)」

オレは思わず半笑いになった。
だって魔法だろ?
こう、もっと派手なのがあるだろ?
なんだよあの火花。


と、思ったら、その男は苦い顔をしていた。

男「………そんな、アホな話が………」

男「オレは、今のは……」


愕然としたようで、オレの事なんか見ちゃいなかった。
どうやら、さっきのはこいつの魔法(笑)の本領じゃあねぇらしい。


女「坊ちゃん……手加減しませんでしたね?」

男「………なんで、オレは」

女「そこの赤髪」

「あ、はい?」

女「お前……本当に魔法を知らないのか?」

「いや、そっすけど?」

女「だが、有り得ない……」


つか、女の方まで狼狽してんですけど?
あれ、オレ何かした?


苗木「く、桑田クン、今のほんとに何もしてないの?」

苗木「……有り得ないよ……」


え?なんで苗木までビビってんの??




1→なんか分かんないけど勝利宣言
2→ちょい誰か理由教えて?
3→魔法!魔法!とガチ煽り
4→なんか先生にキレられた
5→そのた

>>58

>>58


「………あ、あー………」


何か分からんけど、勝った!第三部完ッ!


「あ、アホアホアホアホアホ!アホー!オメーの魔法(笑)じゃ傷はつかねー、オレの勝ちだァァァァーッ!」

男「!!」

女「!?」


男の驚いた顔がこちらに向いた。
最初こそいらついた顔をしたけど、後からすごく寂しそうにうつむいた。


男「………確かにな、今日はオレの負けらしい」

男「テメェ、名前は」

「オレ?桑田怜恩!オメーの魔法(笑)に勝った男の名だーッ!」

苗木「なにそのテンション……って言うか何で名乗ったの!?」

男「覚えたぜ……桑田」

男「オレは【九頭龍冬彦】……また会おうぜ、アホ」

「覚えてねーよなそれ!?」


くるっ、とオレに背を向けて、九頭龍と言う男は去ろうとする。

女「………お前………いや、桑田」

女「また会う事もあろう。私は【辺古山ペコ】、冬彦坊ちゃんの従者だ」

「………あ、お、おう」


その女からの殺気は、すごかった。


辺古山「今回は見逃そう、桑田怜恩」

辺古山「だが、次そんな態度を取ってみるのだな」


腰の辺りをなでる手つきは、とても滑らかだ。


辺古山「坊ちゃんが手を下さずとも、私がお前を殺してやる」


ギロッ、と言う音が聞こえるほどのにらみだった。
思わずちびるかと思ったわ!アホか!
あー、こっえぇー。


ばたんっ。


苗木「………はぁ、何もなくてよかったよ」

「あー………おう、そうな」

苗木「ほんと焦っちゃったね」

「………つかさ………」




このあと。
1→何か売り物がきた
2→別な人が隣の席に座りに
3→明らかに密航っぽいやつがいる
4→まさかの学園に着いた
5→苗木を質問責め
6→そのた

>>64

1

>>64
百見ビーンズは許して差し上げてください


苗木「そうだよ、話さなきゃいけないんだ、桑田クンの事」

仕切り直すように苗木が声を上げる。

「だからなんだって?」

苗木「だからね………」


がららぴしゃ!


そんな苗木の努力もむなしく、再び言葉は切られた。
残念な事だけど、ま、あいつらしい。


おっさん「ラッシャイ」

苗木「あ、車内販売」

「ごめんちょっとわかんねーわ」

おっさん「どうだい新入生、楽しんでるかい?」

「………ぜんっっっっぜん」

今までの事を思い出すとわっけわかんねぇ。マジで。
イライラが募ったんでついでに不快だって事を全体に見せた。

おっさん「そうかいそうかい……残念だ」

おっさん「ま、これでも食って元気だしな」

ぽい

チョコ『』

「………カエルの形のチョコ?」

苗木「あ、カエルチョコ」

「名前そのまんまかよ」

チョコ『ゲコ』

「!?」




ついでに、何か買う?
1→瓶のビールみたいなやつ
2→箱
3→なんかきらきらしてる奴
4→おまっ……魔法学園風なら百味ビーンズ出せよ!
5→そのた

>>72

2と3

>>72

「全部買う?」

おっさん「お金は持ってるかい?」

はい?

苗木「あ、桑田クンお金ないんだった」

ん、いや待って何の話?

苗木「うーん……全部は無理だよ……」

「金ならこれ………」

密かに持ってきていたオレの相棒、諭吉様を召還する。

苗木「あ、これ使えないから。」

「え」

おっさん「おやまぁ、こりゃあ表世界のもんじゃあねぇか。使えないよ。」

「ん」

苗木「これほんと紙だよ、ここだと」

「は」

………え?
何言っちゃってんのアンタら?
いや、いちまんえん………


苗木「あのね、魔法界ではこっち」


じゃらっ、と苗木がなんか別なもんを取り出した。
日本らしいっちゃらしいんだろうなぁ。
なんか勾玉とかそんな形に見える。


苗木「これがこっちのお金。それは、使えないんだ」


「………マジすか………」

つか、なんか意識遠のくわマジで……。
オレ、ほんと信じてなかったんだけど、もしかしてアレマジだった?
え?
魔法界だとか?
魔法学園だとか?

魔法を信じるかい?

いやいやいや、え、いやいやいや………。


おっさん「毎度あり」


なんて自問自答してるうちに、苗木は買い物を済ませていた。
後に残ったのは、なぞのちっさい箱と、何かきらきらした棒みたいなのだった。


がららぴしゃ!

「いや、ほんともう今なら許してやっからさ、言えって……」

オレの声が震えている。

苗木「………魔法、あるんだよ」

苗木「奇跡も魔法もあるんだよ」

「………は………?」

苗木「桑田クン、落ち着いて聞いて欲しいんだ」

苗木「桑田クンは―――」





直後、ちっさい箱が爆発した。




それからちょっとよく覚えてない。



『―――は、終点―――、奇―――到着―――』

『―――徒は降―――し―――荷物―――』




遠くからアナウンスが聞こえる………。


列車が止まっているらしい。
あ、ええっと、オレ……あの後どうなって……?

体を起こすと、苗木がぐったりしていた。
テーブルの上では同じくチョコカエルが死にかけてぴくぴくしている。
それから、ちっさい箱だが、弾け飛んだらしい。跡形もない。
あの親父、何売りつけやがった……?

それと、買ったもうひとつの、何かきらきらした棒みたいなやつは、ずっとその辺でキラキラしていた。


「おい、苗木……苗木!起きろよ!」

苗木「う………」

「苗木……大丈夫か?」

苗木「……あ、桑田クン……無事?」

「全然無事じゃねーわ!何だありゃ!」

苗木「ごめん、ボクが見てなかった……あれは【ビックリさせない箱(ジャック・ノット・ザ・ボックス)】ってジョークアイテム……」

苗木「あれはね……買う種類にもよるんだけど、ビックリ出来ない仕様なんだよね」

「何だその仕様!?」

苗木「詰まるところが、ビックリする前に寝ちゃうんだ」

「意味わかんねー!なんだそりゃあ!?」

苗木「うーん、ボク達うるさかったから、眠らされたのかな」

「はあ?ほぼあのクズリューとか言うミニリューの進化前のせいだろ!?」



1→入学式まで飛ぶよ
2→駅でいろんな人に会うよ
3→「いっちねんせーい」的なやつ
4→まさかの学園長おでむかえ
5→そのた

>>78

4

>>78


苗木「ミニリュー関係ないよね!?」

「ぜってーそうだろ、喧嘩ふっかけて魔法(笑)で帰ったあいつのせいだって!」


などと一悶着してる間に、ザコケモノがオレの荷物持ってきたり、なんなりしてて―――


「やぁ!学園入学の、みんな!あるいは、魔法界に帰ってきたみんな!」

学園長「お帰りなさい!私が来た!!」


ぞろぞろ


学園長「………あれ?みんなもう少し反応してくれてもいいんじゃないかな?特に新入生無視しないでくれないかな?」

学生「いや、学園長は変人って噂なんで」

モブ「オッスオッス」

学園長「………」


ぞろぞろ


まさかのハブられ学園長である。
つか、あー!!


「アンタ!アンタ……!」

学園長「……おおっ!キミは、覚えているよ……確か、清原君!」

「桑田な!地味に惜しい……惜しくはねーわ!」

百味ビーンズが食べて耳くそ味が当たったとかダンブルドアが言ってるシーンあったけど何で耳くその味を知っているか疑問に思った記憶があるわ

学園長「私の見立て通りだったな、キミはここにくると思っていた。」

「あの、アンタでしょ?オレの大事な友達まで巻き込んで謎のドッキリ大会開催してんの」

学園長「何がだね?」

「いい加減にしてくださいよ、魔法界だの魔法学園だの……まともな人かと思ったら全然ちげーじゃん」

学園長「残念だが、阿部君」

「桑田な?え、なに?その間違い方何?」

学園長「魔法は実在するのだよ」

全うな顔をして、その人は言った。
年は40代、行ったか行ってねーか位か。かなり若々しい。

「………は?意味が」

学園長「分からないだろうね。でも、キミが知らないだけなんだ」

苗木「そう、魔法は実在する。そしてね、桑田ク」

学園長「そしてキミは、類い希なる才能を持っていたんだよ、高橋君」

「桑田だっつって……オレが、類い希な才能?」

学園長「そう、魔法に対する素質、魔力……それを、キミは無意識に全身から放出している。それも、すさまじい量だ」

学園長「たとえるなら、それはナイアガラの滝のようなものだ。途絶える事がない流れがキミの体から溢れ出るんだ」

「……え?」


学園長「君は生まれながらにして、恵まれた存在なのだよ」


風が止んだ。

そういえば苗木は魔法使えないんだっけ?
覚醒フラグとか用意して欲しいね。

学園長「……あとは追々、そこの学友が教えてくれるだろう。だから、ちゃんと聞きたまえ」

学園長「君は恵まれた存在であると同時に、誰からも羨ましがられ、誰からも妬まれる存在なのだ、木佐貫君」

「もうオメー故意だろ」

学園長「さあ、行こうか?君達の学園へ」


勝手にしゃべって、学園長とやらはホームを歩き始めた。
途中でかわいい女の子にキレられてた。


「……」

残されたオレと言えば呆然と立ち尽くしていて。

苗木「ええと……行こっか?」

そんな苗木の言葉に連れられて、のそのそ歩き始めた。
周りにはすごい数の人間がいる。
当然さっきのクズリューとかって人もいるはずだ。
オレ達ははぐれないように気をつけながら、それでもホームから立ち去るのでやっとで……


ふと。
駅のホームを出たばかりのところに、それはあった。

真っ白な、清潔な校舎。
これが―――希望ヶ峰学園?




1→入学式
2→なんかイベント(コンマ判定)
3→同級生らしいやつと会話
4→ザコケモノ踏む
5→そのた

>>89

>>81
色と味がパッケージに書いてある、らしい。
>>85
苗木きゅんは一応魔法界の住人だけどどうだろう……


学校なんだから初期は別として
全員魔法は少しずつ使えるようになるんじゃないの?

>>89
コンマ5


ぞろぞろ、とそぞろに学生達は歩いていく。
これが、オレの入学する……学校?
真っ白で、一切の傷もない校舎がまぶしい。

苗木「これが、希望ヶ峰魔法学園。魔法界では有名な学園なんだよ」

苗木「【闇払い】が多い事もそうなんだけど、とにかくある種の才能に突出した生徒だけが入れる学園って言われてる」

苗木「あ、闇払いって、うーん……なんて説明したらいいかな」


うなる苗木をよそにオレは驚いていた。
ま、魔法って単語はさておいても、だ。
すっげぇ立派な学園だ。
新しい出会いとかもありそうなもんだよ。
こりゃ花音から逃げようって考えてたのも当たったみたいだ。


「あ、あのぉ………」


そんなオレらの後ろからかわいらしい声がした。


「あ?」


ちいちゃい、女がいた。
ふりふりのカボチャパンツだ。
すごい震えている。

カボチャ「あのぉ、ええっと………」

苗木「ど、どうしたの?」

カボチャ「その……君達も新入生なのかな……と、思って……」


震えながらカボチャパンツは続けた。
何かすっげー泣きそうなんですけど、どしたオメー。


「や、そうだけど……」

カボチャ「ほ、ほんとに?よかったぁ……」


それを聞いて安堵のカボチャパンツ。
胸をなで下ろして、泣きそうな顔を何とか引き締めた。


カボチャ「その、乗ってた場所に新入生がいなくて、みんな人間界出身で、緊張感しちゃっ、て……」

カボチャ「だから、新入生を見れただけで、安心したよぉ……」

「あー、そう?」

カボチャ「も、もしイヤじゃなかったら、一緒に行ってもいいかなぁ?」

カボチャパンツはなおも震える声で聞いてきた。
それも、上目遣いで聞いて来やがる。
くそっ、こんなの断れるわけねーだろ!

「やはー、当然オッケーに決まってっしょ?な、苗木ィ」

断んなよ、ぜってぇ断んなよ。
オレの為にも!
苗木を厳しくにらみつけた。

苗木「あ、あはは、もちろんだよ」

「っつう訳で決まりな。あ、オレ桑田怜恩。こっちはダチの苗木」

苗木「よ、よろしくね」

カボチャ「だち……」

「ん、昔っからの友達なんだよ、オレら」

カボチャ「そう、なんだなぁ……いいなぁ」

カボチャ「体が弱かったから、友達あんまいなくって……」

苗木「じゃあ、ボク達が友達になるよ」

カボチャ「えっ?」

苗木「勇気を出して声かけてくれたんだから当然だよ、名前は?」

カボチャ「ふ、不二咲千尋、ですぅ」

「千尋ちゃんな!あ、かわいいー名前じゃん?」


オレ、超ご機嫌。
いきなりかわいこちゃんと出会えるとかかなりラッキーじゃね?最高じゃね?



1→入学式まで飛ぶ!
2→入学式も飛ばして自由行動から
3→そのた

>>96

>>96


とにかくいきなり勇気を振り絞ってオレに会いに来てくれた不二咲千尋ちゃんを連れ、オレ達は学園に足を踏み入れた。



『おはよう新入生諸君』

入って速攻浮いてる幽霊見た。

『ブーン』

かめ虫見た。

『ヌルフフフ……』

へんなの見た。



「え、何これ、これ、え?魔法学園、え?」


とにかくオレからしたらもうね、動揺しまくりよ。マジ。
何か知らんけど、ふよふよ浮いてるやつが普通
にいるとかおかしいだろ!?なんだこれ!
つかかめ虫!?
あと最後の何!?


苗木「最後のはターゲットかな」

「そのマジレスいいわ!」

不二咲「あはは、面白いんだね苗木君」

苗木「そんな事ないよ?」


なんやかんや言いながら、ついにオレ達はデカいホールに足を踏み入れた。
なんか入学式らしい。

つつがなく進んだ。
いや、これがマジで。

なんかさ、クラスがたくさんあって、帽子かなんか使って組分けでもすんのかと思ったわけ、オレ。

でも、日本の魔法学園に通う層ってどうしても他国に比べると少ないんだとよ。
ほら、本場イギリスとかの学園に通わせたい人多いし。
あと日本は魔法の他、妖術とか呪術とか使う人もいるし。
ごちゃごちゃしてるから、あえて入学させないって層もいるとかいねーとか。
ってのは学園長の言葉だ。


学園長「それでもなお、この学園を選んでくれた事を、私は誇りに思う。ありがとう」

学園長「と言うわけだ、あとは………」




入学式らしいイベント。
1→みんなにペット支給
2→ほうき支給
3→なぜか桑田だけ杖の贈呈
4→そのた

>>104

1と3

>>104
欲張りさんだな。

コンマ3だからどっちもはなしやで。

杖贈呈
ペット支給

どっちか安価下

ペット支給で

なら杖はどうするんだ?

>>107

学園長「先生方、あれを」


その言葉で数人の先生が何かを取りに行った。


学園長「君達はこの学園に在籍する、学生になる。学生には、連絡ツールが必要だ」

学園長「が―――俗世で言われる携帯電話のたぐいは、この世界に存在しない」

「………マジで?」

思わずつぶやく。

学園長「そこで、ではどうやって連絡を取るか―そう、これだ」

そこで学園長は振り返った。
先生達がいくつかの籠を持っている。
なんだ、ありゃ?

学園長「君達には連絡獣を支給する。人間界出身の者は、伝書鳩とか、そういうたぐいだと思ってくれればいい」

学園長「これが君らの携帯電話代わりだ」

学園長「好きな種類を連れて行ってくれ、いいかい?」

学園長「ひとり1匹だ、それ以上は認めないよ」


そして順番に学生がそちらに行って動物を受け取っている。
ちなみにそのまま解散らしく、その後は寮に帰れるらしい。


学園長「もちろん、君にもね、桑田君」




1→鷹にする
2→かわいいし雀で
3→定番の鳩
4→そのたの動物(鳥系以外もおっけー)
5→むしろなんかのトラブルで桑田が動物になればいいじゃん
6→そのた

>>115

>>111
杖は入学前に各自買います。

コンドル

>>115


つかつかと歩いてった。
いや、つか、いろいろいすぎじゃね?


「マジどれでもいいのかよ?」

苗木「みたいだよ、あはは………」


ちなみに苗木はなんかちっちぇーひよこみたいなのに懐かれて、そのまま連れて行く事になったらしい。
どうしても離れないんだと。
なんかオメー不幸な。


「んじゃオレそいつにします」

学園長「あ、ああ、うん、わかった」


指さしたのはコンドルだ。
かっこいくね?
いや、死肉を漁る~とか言われっとこえーけどな?
でも見た目には普通じゃん?


学園長「コンドル大変だよ、寝床は高所だし死肉食べるしなんか怖いし………」


オメー殴るぞ。選んでから言うなよ。

そいつを連れ立って、オレらはついに寮にやってきた。男子寮と女子寮は、入り口で分けられているらしい。
当然、入り口には門番みたいなのがいるので、普通にやってもオレらが女子寮に入れるわけがない。
はぁ………。


いや、それはいいんだよ。

荷物とか、ペットをザコケモノに運ばれながら、オレ達は寮の中に入った。
フロア、談話室みたいなとこは広くてきれいだ。
なんかすっごいのんびり出来そうな空間だ。
つーか、寝たいわここで。


不二咲「広いねぇ……」

「だな。なかなかねーぞ、こんなとこ」

苗木「とりあえず、ボク達は個室に行こうか。ええっと……」

「ボク達?」

不二咲「ひとりひとつの個室じゃなくって、何人かで相部屋なんだよねぇ」

苗木「そうそう。相手が変な人じゃないといいんだけど」


不安そうにしながら苗木がぼやく。

苗木「さっきの九頭龍さんなんかと一緒になったらボクら……」

「………確かに。つか部屋割りって聞いた?」

不二咲「ううん、まだだよ」

「んー、と……お、談話室に張り出されてるってよ」

オレの相部屋相手は……?




1→苗木・不二咲と一緒
2→苗木と一緒
3→不二咲と一緒
4→全員バラバラだった

>>122

相部屋相手は追加安価

加速

2

>>123
2な

桑田と苗木は相部屋みたいです。


追加安価
相部屋相手、あと1~2人

ダンガンロンパシリーズ全体(ダン霧含)で学生出来そうな男子から選択
↓2と↓4

桑田苗木葉隠田中



 カ オ ス 

苗木「ボクと桑田クンは相部屋だね。あとふたりは………うん、知らない人だ」

「あ、そ。オメー知らなかったら誰もしらねーだろ……つか、不二咲は?」

不二咲「う、うう……違う人みたい」

苗木「そうなんだ、残念だね」

不二咲「またすぐ離れちゃうね」

「だなー」

苗木「………」

「………」

不二咲「………」



ん?



あれ?今オレら普通に話してるけど、不二咲こっちにいねぇ?あれ?



不二咲「あ、ごめん僕男なんだけどさ、言い出せなくて」

「先に言えや!!ちゃん付けしてたわ!!」

不二咲「あははごめんねぇ」

「つーか服が紛らわしいんだよ!!」

不二咲「これは趣味でねぇ」

苗木「趣味!?」


………疲れた………とりあえず、部屋に行くか………。
不二咲と別れて、オレらは部屋に入った。

がちゃ


「お、相部屋のやつか」

「4つの命が集いし空間………これで全てのようだな」

「だなー。つーか初めて見るやつらばっかしだべ」

「当然であろう?貴様とて、この未知に踏み出したばかりの幼子に過ぎん」


会話成り立ってんの?って思わず聞きたくなるような会話が聞こえてきた。
既に部屋の半分は占領されている。
そこにいたのは、

なんか髪型がすごいやばいウニみたいなやつと

髪型以外もすごいやばいストール巻いたやつ

の2人だった。


「………チェンジで」

ウニ「おいおいー!相部屋相手はむこう1年、変更はねーぞ!下手したら来年以降も一緒かもなー」あっはっは

ストール「ふん、貴様のような邪の道に墜ちる者と何度も同じ道を歩んでたまるかと言うのだ」

ウニ「そう寂しい事言うなっての」

ストール「寂しい?貴様にもそのような感情が残されていたのか」

苗木「えーと………これどういう状況ですか?」



1→自己紹介でも
2→もう寝る
3→部屋を片づける
4→そのた

>>141

1

>>141


苗木「ま、まずは自己紹介でもしませんか?」

ウニ「お、おう、そうか?」

「あー………ま、そだな」

苗木「先にボクらが自己紹介しますね。ボクは苗木誠です」

ストール「………苗木、だと?貴様、もしや聖者の系譜に名を連ねし者?」

ウニ「マジで?もしかしてオメー……」

苗木「あ、えと、確かに父は日本の魔法省で働いてますけど……」

「ごめん何の話?」

ストール「紅蓮の使者、貴様……この名を知らんのか?」

苗木「あ、いえ。彼は桑田……桑田怜恩クンです。今日初めて魔法界にきたから、なんにも知らないですよ」

ストール「なん………だと………?」

ウニ「ほぁー、今まだいるんだな?この手のやつ」

「なにがすか………」

なんかこいつらに引っ張られんの疲れてきた……。
つか、オレが常識ないみたいな感じだけど、マジ知らんし。

「つか、こっちは名乗ったんすけど?」

ストール「む………」

苗木「あ、そうですよ。名前だけでも教えてください」

ストール「我は制圧せし氷の覇王、【田中眼蛇夢】だ」

「」

なに、もう学園長からなにからさ、
魔法界とやらはこういうやべーのしかいちゃいけないみたいな風習あんの?


ウニ「俺は【葉隠康比呂】ってんだ。よろしくな」

苗木「あ、えーと、………はい………」

ウニ「まあまあ、力抜けっての」

ストール「そうだぞ、聖者。貴様を取って食うつもりは我らにはない」


そいつらは何となく苗木に好意的なまなざしを向けていた。
魔法省がなんなのか知らんけど、多分こいつらにはステータスなんだろ。


苗木「おふたりは………知り合いなんですか?」



田中と葉隠って知り合いなの?
1→ついさっき会ったばかりでこの打ち解けよう
2→同学年らしい(ふたりとも2年生)
3→入学は一緒だった(葉隠留年)
4→幼なじみ()
5→そのたのなんかおもしろそうなやつ

>>150

1

>>150
ふたりともこわいよぉ……ふえぇ……


苗木「おふたりは………知り合いなんですか?」

葉隠「いや?」

田中「全く」

苗木「え?」

葉隠「強いて言うならさっき会ったばっかしだな?」

田中「であるな。俺様と魂の導き手の境界線が交わったのは、つい先ほど」

葉隠「早い話がオメーらがくる何分か前に会ったばっかだ」

「それでこの打ち解けよう!?すげーなオイ!?」


このウニのスキンシップ力!?こえーよ!
なにこいつら!?


田中「ふ、俺様も仮初めの姿なれば、少しは現世の住人に馴染まねばと思ってな」

葉隠「だってよ」

「いやしらねーよ」

葉隠「ま、これから仲良くやるべ?」

すっごい不安なんですけど……。
しかし、不安がっても仕方がないんだった……。




1→翌日(教科書とか買い出し)から
2→翌日(朝起きたとこ)から
3→このあと雑談したい
4→そのた

>>155

今日はここまででぃす。おやすみなさウィッス。

3魔法界について色々教えてもらおう

やる?

>>155



「えーと、つか、その……」

そうだ、いろいろ聞かねーと。
オレはふとそんな事を思った。
こいつらは魔法の世界に生きてきたやつらだ。
オレとは全然違う。

つか、オレほんとに、そんな訳分からん場所来ちったの?


苗木「あ、よかったらこの世界の事、教えてあげてくれませんか?」


田中「『だが断る』」

苗木「!?」

田中「神秘を追い求めるが、我ら魔術の担い手に課せられた使命だ。人に教えられて学ぶ知恵はただの浅知恵に過ぎん」

「いやいや浅知恵とかってレベルじゃねぇの!その、初歩的なとこもオレわかんねぇんだよ!」

葉隠「初歩的なとこ?」

「あー……そもそも魔法ってなんなんだよ」

苗木「あ、そこから?」

田中「………それは流石に俺様からも救いを差し出してやらんとならんか………」


えー。
断られたはずのストール改め中二病がオレを哀れんだ様子で呟いた。
ひでぇ。


田中「まず、魔法とは神秘。命にして、溢れ出るものだ」

「はいもう意味不ー」

葉隠「んだけど大体そんなもんだな!」

「適当か!?」

田中「仕方があるまい?海の向こう、魔法の本場と呼ばれている場所とはまた一線引かれた独自の世界観を構築している。それが日本の魔法界だ」

葉隠「んで、だ。魔法ってのは……あー、」

続けてウニが難しい顔をして頭を掻いた。

葉隠「たとえば、オメーが火を付ける時、なにを使う?」

「なにって、ライターとかマッチとかチャッカマン?」

田中「ちゃっかまん?それは新手の英雄か?」

葉隠「………オメー、マジに人間界のこと知らなすぎだべ」

田中「仕方があるまい。俺様は氷の覇王、魔法界のみに生きる存在……純なる魔法の力がこの身に宿っている」

苗木「純血の一族なんだ………」

「………で?」

葉隠「ああ、すまねぇ。ん、例えるなら、の話だけどな」

さらにウニは続ける。

葉隠「ライターってのは、火のつくガスと、火打ち石があるだろ?で、火を付けたきゃあその石を回転させて、火花を散らせながらガスを出しゃいい」

葉隠「これを魔法に置き換えると、だ。火のつくガスは流れてる魔力、火打ち石は魔力に対してしっかり命令するための道具、例えば杖だ」

「分かるような分かんねーような……」

葉隠「火を付けたきゃ、オメーが杖を介して呪文を言うんだ。それが火花だ」

「………」

なんか頭がこんがらがりそうだな。

苗木「あ、ちょっとわかりやすいかも」

「どこがだよ!?」

葉隠「つまり、魔法ってのは便利って話だべ」

田中「もしや貴様、魔法界と人間界を出入りする【表裏者(ダブルフェイス)】なのか?」

「ちょっと黙ってて中二病」

苗木「とにかく……うーん、自分の中にある力を、形として顕す。それが魔法って言うとわかりやすい……かな」

「と、とりあえず今のところは……」

苗木「桑田クンが小説とか、マンガで見た事あるようなファンタジックな世界。アレがそのままあるって思ってもいいよ」

苗木「けど現実、あそこまで便利じゃないけどね。魔法の行使には基本的には道具がいるから」

「何でだよ?その魔力?ってのは自前なんだろ?」

葉隠「だからこそだべ」

田中「自らの肉体より溢れ流るる魔力は、生命力にも呼応する。それが日本流の考え方だ」

田中「その力は自らの意志だけでは自由にはならず、また、制御がしにくい」

葉隠「位のたかーいお偉いさんともなればまた別だけどな」

田中「故に我ら魔術の担い手には、道具が必要だ。もっとも定番なのは杖」

「何で?」

苗木「先端に力をそちらに集中しやすいとか、細長いから魔力を貯めやすいとか、自分から流した魔力を増幅しやすいとか」

苗木「理由は色々あるけど、一番は買いやすいからかなぁ。人によってはそれ以外の形状にする事もあるみたいだよ」

「へー。ボールとかでもいいんかな」

田中「それは力を留める事に長けている者が選ぶ選択だがな」




ほかになんか質問あれば↓3~4くらいまで

「つか、魔法と科学が融合したような世界でも面白そうなのになー。こう、なんつの?その幻想をぶっ壊す的な?」

田中「科学とは?」

苗木「つまり、さっきの話だと……火を付けるのにライターを使うとか、そんな事?」

「そそ!」

葉隠「……全部が全部魔法っきりって人口は年々減ってるらしいべ。それでも異端だけどな」

「ふぅん、もったいねーな。人間界?っつーの?の科学とか機械とかあーいうの便利なのによ」

田中「確かにそうかもしれん、が現実とは残酷な生き物よ」

「へ?」

田中「魔法の世界にのみ生きる人間は、魔法しか知らんのだ。貴様らが普通に理解している事を身につけておらんのだ」

田中「我らは生を受けてから今まで、ずっと魔法に囲まれていた。故にそれを他で代用する必要性もない」

「便利なのに?」

田中「ふ……敢えて言おう、「魔法こそ便利だが」と」

葉隠「それに、だ。魔法と科学ってのはどうもあんま相性がよくねーらしい。機械のたぐいってのは、人間の作ったもんだろ?自然的な魔力とは違う」

葉隠「全く相反してるんだよ、存在意義とか、発生理由がよ」

葉隠「なんで、魔法にかけられる機械類ってのは限られてるし、もしくは機械っぽいけど魔法で動いてるかってもんだ」

「………なるほど?」

葉隠「あとは単にその手のもんに不安があるやつが多いからだな。包丁を持ったら怪我するから危ないだろ!とかそう言うレベルだと思ってくれりゃあいい」


なんか、分かったようなわかんねぇような……。

「つかさ」


あ、と思った。
そんな便利なもん、逆に危なくね?


「そんな便利だったら悪用する奴とかいねーの?」

田中「もちろん、この神秘を持って邪に染まる者もいる」

田中「だが、それらを制御するのが―――魔法省だ」

「あ、さっきから出てるそれ?」

苗木「魔法に関するあらゆる事を請け負っている場所なんだよね。日本だと警察とか消防とか役場とか、その辺を全部やってるって思ってもらっていいよ」

「すげぇなそこ」

苗木「たくさんの部署があって……ボクのお父さんは【一般生活部】って部署にいるんだ」

田中「魔法を持たぬ人間にもっとも接近しなくてはならない、ある種もっとも危険な部署よ」

苗木「で、そのうちのひとつに……【魔法律部】って場所がある」

苗木「魔法の行使、発現、及び魔法界に至るありとあらゆる制限規則を全て担う部署なんだ」

「………あ?」

苗木「ほんと警察みたいな場所だね。スピード違反と殺人と危険物所持と痴漢と死体遺棄をいっぺんに取り扱ってるような場所」

葉隠「と同時に、全魔法使いあこがれの場所だべ。何でも賃金がめっちゃくちゃいいらしいぞ」

「………」

田中「風の噂では、その魔法律部の最たる者の子息が今期の新たなる修練生として現れるとの話だが」

葉隠「どんなやつだろーな?見た事ねーかも」

苗木「あはは……そ、そうなんだ……」

「……あー、なんか何となく分かったけど……」


頭を掻いた。
やっぱごちゃごちゃした話、オレ向いてねーな……。
半分くらいしか分かってねーもん。


「ぶっちゃけさぁ、魔法っつっても、使ってみないと実感湧かないんスけど?」

田中「まあそうであろうな。では俺様が手本を見せよう」


そう言うと、中二病は立ち上がって、懐から一本の杖を取り出した。

田中「タガヤサンだ。日本らしいものだとも言えるが」

よく分からんが日本の木で出来た杖らしい。

田中「芯にはユニコーンの鬣が入っている」

なんかとにかくすごいらしい。

田中「俺様の心を、よくよく伝えてくれる逸品だ―――【火走り】」


短い単語のあと、杖の先端からシュッ!と何かが走るように駆け抜けた。
その導線は赤く輝いていて、そいつが窓際のロウソクに点火し、少しだけ明るくなった。


「………これが」

田中「日本の魔法、だ」

葉隠「言葉には魂が宿る、っつー日本らしい考え方だべ」

「………」

苗木「今のが魔法だよ」

田中「そろそろ現実を見る気になったか?」


あ、そうだ。
ふと脳裏によぎったのは疑問だった。


「オレ、そういや電車で人に襲われて」

葉隠「え?」

「なんか今みたいな火花がばって当たったんだけど、何ともなかったんだよな」

田中「………なに?」

苗木「しかもなにもせずに、なんです」

田中「………見せろ」


中二病がオレの体に触れた。
その途端、血相を変えて、すぐさま離れた。


「あ?何かしました?」

田中「バカな………あり得ん!」

「え?だから?」

田中「貴様は、貴様は―――【魔力が膨大すぎる】上に【常に体を覆っている】」

苗木「!」

葉隠「!!」

「ん?」

田中「有り得ん。通常、魔力は人体の内側に流れ、それを意志を持って外界に放つのだ」

田中「貴様は常に外界に魔力が放出され続けている……有り得ん」

田中「そして、それ故、多少の魔術は効かない」

苗木「………そうだったのか………」


つまりどういうことだってばよ………。




1→はなす
2→そろそろ寝る
3→そのた

>>178

>>178
66………悪魔の数字だべ………



「えーと………?」

田中「つまり貴様は、俺様からすれば……」

田中「……邪魔だ」


冷たく言い放たれた。
さっきまでがまるで嘘みたいだった。


田中「なぜだ……なぜ……?俺様の純血は無意味なのか?なぜ……」

田中「魔と無、ふたつを持ち合わせし聖者」

田中「機械へと誘われた血を呪う魂魄使い」

田中「魔を今まで知らずにいた、ただの人」

田中「………俺様は………」


がたんっ。
中二病はベッドへと体を投げ込んだ。


葉隠「お、ちょい田中っち?」

田中「気分が優れない。俺様は寝る」

苗木「え……」

葉隠「………んー、お開きだな。また明日話すべ?」

「へ?」

苗木「……そ、そうですね。ほら、桑田クン。寝よう?」

「いや、なんで……」

その時、学園長の言葉を思い出した。


君は恵まれた存在であると同時に、
誰からも羨ましがられ、
誰からも妬まれる存在なのだ。


これが、そう言う事なのか?

あらゆる努力も、血筋も寄せ付けない、圧倒的な才能。
自らも理解していなかったほどの強い魔力。
規格外な存在。

いや、よく言い過ぎかもしんねぇけど、そう言う事になるよな?

それが、オレにあるってのか?

それがオレ自身だって言いてぇのか?



「………ちぇ………」


さっき中二病がつけたばっかのロウソクを、今度は人力で、ふっ、と消した。







ケコッコー……ケコッコー……ケコッコー……



ん………。


さわやかとはいかねーけど、朝がきた。
ゆっくりベッドから体を起こそうとする。
今……何時だろう?

とりあえず朝だって事は間違いない。


苗木「………ふぁ………桑田クン………、おきた………?」


ベッドの下から声がした。
あ、そうだった。
オレら、二段ベッド使ってんだった。
で、上はオレで下が苗木。

その下の苗木が、ようやく目を覚ましたってとこだ。


「………おきた………」

苗木「桑田クン……あの……ふぁ」

苗木「昨日は……」

「しらねーよあんなん……」

苗木「………ん」


がららぴしゃっ!


葉隠「………おはようさん」


さらになんか機嫌悪そうな声が増えた。なんだてんだ全く。


苗木「あ、葉隠さん、おはよ」

葉隠「さん付けとかいいべ……」

苗木「あ、ええっと……」

葉隠「な事より………行くべ」


………あ?




1→買い物へ
2→校舎見学へ
3→スポーツ観戦へ
4→そのた

>>184

1

>>184


「行くって、どこに……」

ベッドから頭を出して、ウニを見つめる。
明らかに寝起きで調子の悪そうなウニは、こちらに視線をやってからあくびした。


葉隠「ふぁ………そらオメー、決まってんべ。必要な本とか……あと、オメーは杖もいるだろ………」がりがり

葉隠「なんでも学園長が………目ぇかけてるらしいからな、オメー……今のうちに恩おっかぶせて、困ってる時助けてもらうべ……」

苗木「本気にしか見えない……!」

葉隠「実際本気だべ……」ふあー

「本気なのかよ」

葉隠「つーわけだ………その、談話室にいるから………支度できたら行くからな……」


そのまま、まるで幽霊のような足取りでウニは消え去った。


「………」

苗木「………うーん、教科書とかが必要なのは当然だし……行こっか、桑田クン」

「だなー………」


めんどくせー。

それから大体30分後。


葉隠「うーし、行くぞ!」


なんかやったら元気になったウニと一緒に、オレ達は学園すぐ傍の市場的な場所に来ていた。
学園すぐ近くなので、学生からは大好評らしい。
授業に必要な道具は全て揃うようになっていて、また食事やらゲーセンに近い何かまで存在してるって話だった。
いやー、なにこれ………。


苗木「うわぁ……初めて来たけど、すごいね」

葉隠「だろ、これが噂の【ホープロード】だ」


なにが噂なんかさっぱりだけど、とにかくすごい場所らしいです。
それは長い事連なっていて、もはや一介の城下町みたいな雰囲気だった。


「でー……」

葉隠「おお、そうそう。まずは今年の教科書買わんとなんねーんだ」

苗木「そうだ!桑田クン、こっちのお金持ってないよね?」

「あ、そうそう」

苗木「学園長が「全く魔法界を知らない矢野君に奨学金を用意した」って言ってたんだ」

「学園長マジな、その野球縛りやめろよ。桑田だしオレ」

葉隠「ほおー、太っ腹な学園長!」

苗木「だから、はい!」


おかねをてにいれた!

………え?


苗木「ほら、買い物いこう!」




1→教科書
2→杖
3→謎のアイテム
4→そのた

>>189

もしかしたら今日はこれで終わりかも………

2

うむ。2だべ。
すまんの、やっぱ今日は早いけどここまでだべ。
明日は杖買うとこから。いい杖買えるといいな。

ちなみにハリポタ風なだけで全部ハリポタに従うつもりはないっす。
おやすみさーん。

今日もやるよー

まずはちょっとご意見頂戴。
買い物が終了したら4月2週目あたりからついに授業がスタートするんだけども……

1→1日ごとに安価、コンマ判定していく
(利点:丁寧に桑田の日常が見れる/難点:とにかく話が長くなる)

2→週間で2回の行動指定とコンマ判定
(利点:テンポが出る/難点:判定の回数が減る)

3→パワプロ式に1週1回の判定
(利点:すっごいさくさく行く/難点:レスごとの文字数が増えてごちゃってなる)

4→そのた

↓7位まで
もうちょいしたらやるで。

2のルールで行きます。

年間行事とか、なんか大変な事が起きそうな時だけは判定が増えます。
(ボスに会いそうとか、追試受けそうとか)

じゃ、やるで。

>>189


「ちょ、苗木これ!」

苗木「学園長の支給品だよ。だからそんなに気にしなくっていいって」

苗木「教科書はセットでこれだけの金額で買えるから、あとは杖と箒を買うといいんだけど……」

「……な、それなら最低残しとかなきゃいけねー金額だけ、オメー持っといてくんね?金の事もよくわかんねーし」

ぶっちゃけ、オレがズブの素人ってのは見りゃあ一発で分かる話だった。
だからとんでもない金額をふっかけられる可能性もあった。
そんな事されちゃ困るしな。

苗木「そう?じゃあそれなら残しておくよ……」

葉隠「心配性だな、オメーは……んー」

「とりあえずさ、杖?ってーの買いにいかね?」


金の受け渡しをしながら言った。
っつーのが、オレも正直杖を持ってぶんぶん振り回してみたい感があったからだ。
あの中二病の言ってる事が正しいなら、オレはすげー魔法を打てるはず。

だからオレは早速杖屋らしきところに、苗木とウニを急がせた。

物珍しさが勝ったんだ。

からん………

じいさんが奥で静かに座ってる、それはそれは歴史を感じるたてもんだった。
辺りにはドン・キホーテかここって言いたくなるレベルで棚がある。
そんで、そのどれにも木から作られた杖が入れられてるみたいだ。
改めてドンキかここは。


じいさん「……ほう、いらっしゃい。君達が今日の一番乗りだ」


そんな事を言いながらじいさんがオレ達を迎え入れる。
なんだ、勢いねーんかい。
そこだけはドンキとは違う。

「あのー、オレら新入生で……」

じいさん「新しい杖がいるのかね」

葉隠「あ、そうなんですべ」

じいさん「………ふむ」


一言唸ってからじいさんは、オレ達を値踏みするような目で見た。


じいさん「………君達が杖を選ぶのではない、杖が持ち主を選ぶのだ。分かるね?」

じいさん「ワシのオススメとしては、杖を持つならこのあたりか……」


言うが早いが、オレらの前にばっと箱がいくつも並べられる。
苗木もウニも神妙な顔をしてそれを眺めていた。


じいさん「持ってご覧。そして、自分に一番合っていると思ったものを選びなさい」




オレは……

1→仄かにいい香りのする、短く重い杖
2→軽くねじ曲がった、艶やかな杖
3→真っ白の柔らかい杖
4→なぜか杖以外のものが来た
5→違うものにする

>>209

1

>>209


「これ、かな」


ふと、それを手に取る。
ずっしり重たくて、そんでなんか……不思議だけど、今まで持ってた事あんじゃねーの?って位しっくりと来た。


「おもっ!?」

じいさん「栗の木だ。中にはガーゴイルの爪が入ってるとか言われてるな」

はっはっは、と笑ってじいさんは続けた。

じいさん「ガーゴイルなんて言っても、君を選んだんだ。いいパートナーになるじゃろう」

苗木「あの、ボクはこれを」

じいさん「君は檜か……いいのを選ぶじゃあないか」

苗木「え、これ檜なんですか……」

じいさん「値段は他のと一緒さ。君は?」

葉隠「んー、こいつかね。俺のインスピレーションがぴーんと来たぞ」

じいさん「……白樺か。これもいい杖だ。芯は何だったかな……」


たわいもない話をバックに、俺は杖をじとっと見つめた。
なんだか、こいつがオレの内側に話しかけてくるみたいに感じる。
変な話、ほんと頭がおかしくなったんかと思った。
でも、そうじゃねぇ。

オレに従えって言ってるみたいだ。

………ま、従わせるのはオレなんだけど。

苗木「あ、えと、お代」

じいさん「代金はいい」

苗木「………え?」

じいさん「君達は全員新入生だからな。杖の一本くらい、ワシからプレゼントしよう」

じいさん「だが、もし君らの今選んだそいつが壊れてしまって、どうしても新しいのを買わなければならんとか、そう言う時は―――」

じいさん「金はもらうぞ。それも、たんまりと」


にやっ、と子供っぽくじいさんが笑った。
オレ達はそれに感謝しながらほうほうの体で杖屋を後にする。
なんかこれ以上いたら、もっと脅かされそうだぞ……。


からんっ


苗木「……ほんとにいいのかな、お代金」

葉隠「ま、いいってんならいいんだろ」

苗木「そうだけど……悪い気がして」

葉隠「そうか?杖が俺らを選んだってんだろ?なら俺ら以外に持ってかれる未来はねーべ」


理屈はさておいて、ありがたい話だった。
言ってもオレ達はあんまり金がない(らしい)。

あと必要なのは箒と教科書なんだけど……。



イベント。
1→教科書売場で有名人の握手会
2→箒の特売
3→苗木ファイアボルトを手に入れるの巻
4→おや?桑田の様子が
5→そのた

>>214

1

>>214

ざわざわざわ!!
わいわいわい!!!
がややーややーやや!!


苗木「………ん?本屋に行列が出来てるね」

葉隠「何だべ?」

「なんかイベントか?」


男「今回は新作発表にお付き合いくださりありがとうございます、紳士淑女の皆様方」

男「激情にして最速―――【アレグロ・アジタート】と呼ばれるこの【七村彗星】、これからも邁進して参ります」

男「今回の書物は希望ヶ峰の教科書にも指定いただき、至極感謝しております」


本屋でピンクのスーツを着た、いけ好かない男が演説していた。
【七村彗星】……?


苗木「ああ、あの人は魔法省に協力してる市民探偵の七村さん」

「へー、魔法界にもそんなのいるのな」

苗木「七村さんはもともと人間界出身だから……色んなところにコネクションがあって、色んなところに知り合いがいるみたい」

葉隠「俺はあーいうの苦手だけどな」

「オメーの得手不得手なんかどうでもいいわアホ」


演説はさらに続く。


七村「さて、皆様方に置かれましては、この七村彗星の次の展望をご覧ください」

七村「今期の【防衛術】の授業は私、七村彗星が請け負う事となりました」

七村「【激情にして最速の授業】をお届け致しますので、どうかご期待ください」


わーわーわーーー!!

「………つか、防衛術ってなに?」

苗木「そのままの意味だよ。魔法による身の守り方を学ぶ授業」

苗木「昔は【闇の魔術に対する防衛術】とか言う名前だったみたいだけど」

葉隠「闇の魔術、なんて言い方すっと色々問題ある魔術使いが多いからな、日本は」

苗木「あ、そうそう」

「そうなの?」

葉隠「………まーな。呪術とかの流れを汲んだやつも多いんだ」


ぞろぞろと書店の店員が後かたづけをするのを後目に、七村彗星は店の中でサイン会などやるらしい。
全く野郎には興味がない。
でも、今教科書買ったら……巻き込まれるよなぁ。


苗木「先に済ませちゃおうよ」

「え?」

苗木「箒まで買ってへとへとのところで巻き込まれるよりマシでしょ?」


その苗木の言葉でオレらは書店で教科書を買う事にしたんだけど………


七村「やあ少年、七村彗星を知っている?」

「は、あの、オレは……」

七村「そうか、知らないのであればこの本で学ぶといい」さっ

「へ?えーと」

七村「そうだ、君は希望ヶ峰の生徒だね。今年は私が君を見よう」

「あ、はい………」

………とまぁ、とにかく絡まれる絡まれる。


七村「やあ、君はファンかな?」

苗木「アッハイ」

七村「そうかい!私の今までの活躍を?」

苗木「アッハイ」


なんか心なしか苗木の目が死んでる。
しかもやたらめったら絡まれる。
つーか、なぜか本が増えている。


七村「時は金なり。そうだろう?いいね?」

葉隠「アッハイ」


え、ウニまで目ぇ死んでる。


七村「ふふ、楽しみだね!」



と、まぁひとり頭20分は絡まれ、しかも拒否権の行使がなぜか出来ない状況だったため、オレ達はすっかりぐったりだった。
そして、終わった頃には―――



おばちゃん「安いのしかないよ?」


箒屋には、初心者用の安いのしかもう残ってなかったのだった。

苗木「ファイアボルト………」

葉隠「紫電一閃……」


ふたりともねらってた箒はなくなってた。残念だったな。




【4月】



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【4月2週 月曜日】


ようやく、これから授業だ。
めんどくせ、マジめんどくせー。
やっと初めての授業。
なのに、日本の魔法学校ってのは、カリキュラムが決まっているらしい。

ちなみにイギリスだかどこだかは、自分で授業を選択出来る。
日本だと大学に近い授業スタイルを選んでいるらしい。

悲しいかな、日本は魔法人口が少ない事、加えて教師も少ないし、敷地も小さいためそれは出来ないとの事だ。


「マジダル1000%」

苗木「そう言わないでさ、今日はまず第一講義室だから。行くよ」


苗木に連れられてオレは今日最初の授業場所に行く。
確か、魔法薬学とかそんな感じの授業だった気がする。

………これから特に何もない事を祈るよ………。




2週前半の方針

1→予習復習をしっかり
2→友達と遊ぶ
3→あちこち見て回る
4→そのた

>>222
ねこまる

3

>>222

先生「席に着くのだ……」

先生「では……私が、教えよう。君達に―――」

先生「魔法薬に対する知識、並びにその材料である様々な薬草の事を」

先生「私は薬学担当の者だ。私語は慎むように」


退屈な授業の幕開けだった。
言ってる事はとてもとても楽しそうには思えない。

まずは毒薬の作り方、その発生、
現地の何とかって名前の草を摘んで、それをじっくりことこと煮込んで、そこにさらにキノコをぶち込む。
さらに煮込んだ後、宵闇猫の爪だかなんだかをぽいぽいして完成……。

分かるかい。


??「先生ッ!」


がたん。

突如部屋に響く声と、挙手。


先生「いかがしたかね?あー………」

??「先生、石丸です、【石丸清多夏】ともうしますッ!」

先生「………ああ、石丸君?」

石丸「はいっ、今先生が仰せになられた薬草なのですが、この近年レッドデータに登録されたとの話を伺いまして―――」

先生「確かに―――なるほどしかし、それは亜種の―――」

石丸「ですがこの―――薬草は―――」

先生「―――そちらを使うと、毒性が下がり―――」


おーけー、なに言ってっか理解出来ない。

葉隠「石丸、清多夏ねぇ」

ふと隣のウニが呟く。

そうそう、こいつタメかと思ったら年上なのな。そのくせ学園入学は今年とか。
バカなのかな。

「………あ?知ってんのか」

葉隠「知ってるもなにも、あいつは……」

先生「分かったのであればそのレポートを纏めるように、石丸君?」

石丸「はいッ!」

先生「君の好奇心は買おう。だが、授業の妨げになるのはいかん。後で処罰を与える」

石丸「す、すみませんでした……」

先生「それとそこでこそこそしている者。……葉隠、君か……後で私の部屋に来るように」

葉隠「………へ………」


小さい声で葉隠がうめいたのを最後に、全員黙ったまま授業を受け続けた。
ちなみに後から不二咲に聞いたら、石丸はなんでも魔法省の最高責任者の孫らしい。

ただ、そいつは現犯罪者らしいけど。




初日の授業を全部終えて、それぞれ課題とかやるべき事とか、明日の教科書とかを整理しなきゃなんねーのがめんどくさかった。

そんでまぁ、寄宿舎に帰る前、ふらーっとあちこち見回ってたら、見つけた。

寄宿舎のすぐ傍、大浴場だった。


こりゃいいぜ。
でけー風呂に入れるらしい。

しかも希望ヶ峰の生徒は全員無料。
無料!?


「入らねー手はねーよな……」


そのまま大浴場に入ったらとっても気持ちがいいもんだ。
何か泡風呂があって、そこで全身がつやつやしたような気がする。
気持ちいいー。

リフレッシュには大浴場だな。


>【大浴場】の場所を覚えた



【4月2週 木曜日】


あれから数日経過した。
授業はまだまだ慣れねーが、それでも何とか付いていけている、と信じている。

本来この最初の授業でやるはずだった箒の授業とかが、風の影響を受けて全部後ろ倒しに合っていた。
残念なもんだ。

そしてオレは―――



七村「さあ、みんな。今日は本を読むだけじゃない、簡単な呪文を学ぼう」


今週2回目となる七村彗星の授業まっただ中だ。

こいつは、とにかく話の内容がスマートだった。
なんつーか、かっこつけてるっつーの?
本来は、今までに起きた魔術による事件や、仮にそれが起きた場合の対処法、自分を守るためのすべを教えてくれる授業、らしい。
それがどうだ、なんかいけ好かない笑顔で杖をくるくるしている。

そう言えば、いろいろな授業が後ろ倒しになった結果、まだ全員で杖を握った授業と言うのはやってなかった。
バカなの?と言われそうだが、その前に杖を扱う危険性等を学ぶ必要があったんだ。
それでも持ってはいたけど。


それで、それで?


七村「みんな、お待ちかねの、杖を使った魔術の授業と言う訳だ」


教室がわっと湧いた。


七村「さあ、ひとりずつやろう。桑田君、こちらへ」

「え、オレからすか?」

七村「学園長から聞いたよ。特殊な体質だとね」

七村「さあ、まずは君の魔力の性質を図る……杖を構え、この鏡に魔力を放つんだ」



どうなるよ?

1→大きく亀裂が入った
2→何にも起きなかった
3→鏡がと言うより自分が鈍く光り始めた
4→杖が熱いんすけど
5→そのた

>>230

鏡が歪んで知らない場所が映った

>>230
>>229

知らない場所

どんなところだった?
(今後の魔法の素質とかにすっごい影響ありそう)
(桑田君は、ハンターハンターで言う変化系能力者っぽい魔法を使うみたいです)

自由回答
>>235

東京ドーム

>>235


杖の先に……意識を集中して……。

座学でやった内容だ。
最初にこれを心がけないと、魔法は暴発するって言われた。
だからオレも、そうしないように心がけるつもりで穏やかに目を開く。

ゆっくりと、杖先から魔力を放った。
ふわっ、と鏡に当たって―――


「………あん、どこだここ」

七村「……!」


鏡は、よくわからんものを写し始めた。
それは、例えるなら、こう……、暗いとこ。
オレこんな場所知らねーよ……。

しかし、次第にそこの様子が変わっていく。
なんか色んな人が来て、ユニフォームを身にまとってるらしい。
そして投球練習らしき事まで始まった。



あれ、もしかしてこれ、


東京ドーム?


ぶつんっ


七村「………すばらしい………」

「あ?」

七村「素晴らしいよ、桑田怜恩!君はやはり特殊体質!」

「ちょ、話が読めねーんすけど?」

七村彗星は大喜びでオレの手を掴んだ。
謎の興奮を覚えているらしい。


七村「君は物に違う性質を纏わせるのが得意なのかもしれないね!」

「違う性質?」

七村「そう、今のように、鏡を通信機のようにしたりだ。もしかしたら、水を球体にして運べるかも」

「なにそれこわい」

七村「なかなかいないんだよ、このような事が起きる生徒は」


七村彗星は興奮のままさらに喋りだした。


七村「通常は魔力の流れが鏡に映ったり、鏡ごとぶっ壊したり、そう言う事がある」

七村「今のような、鏡に全く別の世界が写るのは……稀だ。君の潜在意識に関わっているのかもしれない」


潜在意識?
オレが……野球好きだって事かよ?


七村「もしかすると、君は杖より、先の映像の道具の取り扱いが得意なのかもしれないね」


そう言われて、なんとなくぼんやり思った。
オレは、野球には天才的な才能がある、とか周りから言われてきた。
でも、いっつもなんだ。

チームメイトがどんどん辞めるんだ。
オレとの埋まらない溝に絶望して。

それでもボール投げて三振させんのはそれなりに面白くて……あ、しばらくボール投げてねーな。
そんな事をぼんやり考えていた。

オレが席に戻りぼんやりしている間も、そのテストは続いた。

苗木は杖を振りかざしたが、鏡に大きな変化はなかった。
だが七村彗星は「鏡は守られた」とか言いながら喜んでいた。
意味分からん。

不二咲の場合は鏡に全くの変化がなかった。
それを見て七村彗星は、わざと鏡を落としてからまた不二咲にやらせた。
鏡のヒビが、不二咲の杖から出た魔力でちょっとだけ治ったらしい。

そしてウニ……葉隠は、なぜか鏡が曇った。
七村彗星はこれもまた「異例だ」と言って狂喜乱舞だったが、何かに気付いてからは口数が減った。
どうしたんだ。


そのままぼんやりしていた。
女性陣もトライしていたようだ。

そのうちのひとりが、杖を振ったと同時に鏡を木っ端微塵にしていた。

こっわ。
あのふりふりのゴスロリ、気をつけよ……。


七村「……えー、色々な反応が合ったと思う。これが君達の体に備わっている【魔力の素質】だ」

七村「今度はそれを伸ばすための魔法を考えよう。今日はここまで」


その日はそれでお開きになった。
色々気になったけど、聞けなかった。




【金曜日】


その日は朝から魔法歴史の授業で、オレはもうこれ無理だと思って絶望しながら聞いてるところだった。
これがあと2時間も続くのか……。


教授「えー、であるからして……」かかか

教授「この、えー……大陸で魔法は、発生し……」かかか


とにかく退屈だった。
スピーカーからの一定の感覚で流れてくる低い声。
ほんと眠くて眠くてたまらない。

なーんて思ってたら。


「……あの、すいません」


ちょうど横から声がかかる。
そちらを見ると、知らないかわいこちゃんがいた。


かわいこ「突然ごめんなさい、でも……どうしても聞きたくて……」

「……どしたん?」

かわいこ「あの……クィディッチに興味ありませんか?」

「すまん、まずそれが何かから教えて?」

かわいこ「えーと、魔法界のスポーツです。私も始めたはいいんですけど……得点を取れる人が必要らしくて、それで」

「ルール説明してくれんだよな」

かわいこ「もちろんです。よければ週末、校内で練習があります。来ませんか?」

そんな事を言われた。
でも、確か街に繰り出せるのも土日だけ。
つまり、休みのがしたら次はまた来週だ。
うーん……。



後半の行動

1→クィディッチ見に行く
2→ホープロードに行く
3→魔法基礎を勉強する
4→そのた

>>243

今日ここまでやで。見づらいとか、システムに意見合ったら言ってほしいで。おやすみやで。

4
なんだか無性にボール投げまくりたい気分なんだ俺は

そろそろやる?

あいー、バットやグローブも杖代わりにできんの?

>>243


運動、か。
なんとなく体を動かしたい、と思った。
かわいこちゃんにはとても申し訳ないが、心が高揚している。


「……わりーな」

かわいこ「え?」

「なんだか、無性にボール投げまくりたい気分なんだ、オレ」

かわいこ「ボール?」





そして、土曜日。

オレは何をしたかと言うと、使われていないグラウンドの隅っこの使用許可を教授にもらった。
そして、始めたのは、壁への投げ込み。

パァンッ!

乾いた音がグラウンドに響く。
オレが自分の意志で野球をやりたいと思ったのは生まれて初めてだった。
こんな事まさか、有り得ない。
こう思う事があるんだな。

オレ、野球……好きだったんだ。

パァンッ!

再び、乾いた音。
オレの持ち込んだグローブと硬球。さすがにこれと同じ物は魔法界にはなかった。
探せばあるのかもしれんけども。




イベントだよ。
1→桑田、魔法に目覚める?(コンマ70以上)
2→誰かが遊びに来る(人物指定/今まで会ってない人でも)
3→クィディッチ会場から悲鳴が!
4→そのた

>>255

>>251
それはもうあなた方と桑田次第。

>>255
24……魔法使いにはなれなかったね



パァンッ!
パァンッ!


何度も打ち付ける、壁の音。
それはたったひとつ、それだけ残った跡が、オレがどれだけ正確に投げ込みをしていたのかが分かる。
オレ、ほんとすごいよね。
まっすぐ投げ込み出来てるとかすごいよね。
たった一カ所にしか、跡がない。

これが、オレの、野球の才能。

オレはさらに何度も何度も投げ込んだ。
野球、やりてーな。

なんせこっちじゃ野球はほとんど興味あるやつがいない。
葉隠にも不二咲にも聞いたが、どうもこっちじゃ【クィディッチ】?とか言う謎種目がはやってるらしい。
あと相撲な。ジャパニーズ相撲はみんな好きな。


「………ふー………」


額から汗が垂れる。
オレさぁ、何も間違えてなかったら甲子園行けてたよね。
もったいねー。

体がなんか、火照ったように熱くなってる気がした。
それが4月の淡い太陽のせいか、それとも自分の運動のしすぎなのか、分からない。
けど、なんかすげぇ熱くなっていた。

パァンッ!

「ッしー………」

息を吐き出した。
今の、幻のバッターが空振りしたのがオレの目に見えたんだ。
勝ったな。

こっちに転がってきたボールを拾って、さらに強く握り込む。
まるで自分がボールそのものになってしまったように、熱くたぎり―――


「ッ、フッ!」


短い、吐息。そして空を切るオレの腕。


ブォワッ!!


「あ!?」


壁に当たったボールが、突然燃えだした。
そのまま燃えてオレのところまで戻ってくる。
拾い上げる頃には、ぷすぷす燃え尽きて炭になってしまったんだった。
なんだ、これ……?


オレは……、何の魔球投げたわけ……?


何の力を得たのかも、目覚めたのかも知らないままで、オレは恐ろしくてマウンドを降りた。





日曜の午後。
オレは昨日の魔球の事を考えながら、ぼんやりと談話室に座っていた。


「桑田クン!」


声がする。
誰かと思えば苗木じゃねーか。どうした?
ふと、そちらへと向くと、苗木がなんか紙を持っている。


苗木「桑田クン、この一週間で生徒おのおのの素質判定が出たって」

「あー、あの流れ星のやってたやつな」

出された紙をみると、オレに対するあいつの評価が書いてある。


『桑田怜恩
あんな珍しい魔力の素質があるとは思わなかった。すばらしい才能だ。
しかし悲しいかな、自分の魔力をどこかに放出するための才能が全くない。
何かの道具に魔力を這わせる事は得意のようだ。例えばものに魔力を込め、それを具現出来れば―――』


「つまりどういう事だってばよ?」

苗木「桑田クンは杖使った魔法向いてないかもねって書いてある」

「……あー、そ」


……ちょっとだけ傷ついた。




【4月】



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【火曜日】


七村「さて諸君、以前送ったものはうけとってもらえたか?」

七村彗星は、今日もほほえんでいる。
それはそれはまぁ綺麗な笑顔だ。
まるで張り付いたかのような。

ほめてねーなこれ。


七村「あれは君達の素質を、私なりに解釈して書いたものだ。君達の実りになる事であればいいが」

七村「十神君や石丸君、あるいは―――ミス霧切のように優れた魔力を持った者もいるが」

七村「……あー、その……」


一瞬何かを言いよどんだ。


七村「……特殊な血筋の者も、この学年は多いようで何より……」

七村「参ったねぇ、なぜ新年度からこんな大変な事になったんだか」


やれやれと言わんばかりの七村彗星である。


「どゆこと?」

苗木「わかんないよ……」

不二咲「どうしたのぉ?」

「あー、いや、オレも変わってんのかなって……」




前半の行動
1→自分に合う魔法を七村彗星に教えてもらおう
2→誰かと遊んだりしよう
3→野球にいそしもう
4→勉強しよう
5→そのた

>>265

桑田のステータス作る?

大丈夫なら3

>>265


七村「とにかくは、君達のために色々と話を進めようか。さて」

七村「皆、杖は持ったか?」


さっ、と杖を持つオレら。
あー、でも多分オレこれ意味なくね。


七村「それでは、これより簡単な魔術から始めていこう―――」


その日はとにかく散々で。


七村「素晴らしい、ミス霧切」

霧切と呼ばれた女性「………」

七村「早くも【火走り】が長距離飛ばせている」

シュウウウーーッ!

金髪女「アタシもこんなの出来るけど」

七村「な!?これは【華火】!」

ぱんぱんぱん

ワルっぽいの「おお、こうやんのか……」

石丸「ふむ、素質はありか……」

ぱんぱんぱん

苗木「あ、出来た」

ふしゅー

「あ?出ねー出ねー!その火花出ねーから!」

ぽわぽわーん

葉隠「………ありゃ」

「何出してんのそれ!?」

ばちばちぃ!

不二咲「えへへぇ」

七村「それは【電竜】!?」

「なにそれ!?」



【水曜日】


パァンッ!

乾いた音は今日も聞こえている。
昼休み、オレはグラウンドの隅っこにまたやってきた。
野球ボールは、苗木がどっから覚えてきたんだか、簡単な修復魔法を覚えて直した。
と言っても完全には直ってない。

パァンッ!

握りは悪いけど、まぁ、仕方がねーか。
新しいもん買う事も出来なそうだしな。
はぁ………。


ボワッ!


再び、ボールが発火する。
理由は全く分からん。
オレのせい?
オレまさか、そこまでボールスピードあがっちゃった?
天元突破しちゃった?
やはー、すげー!


「………じゃねーよ!オレの野球ボール!」


新しいの出すのも勺だなと思ってたのに!
仕方ねーか、持ってきた別のボール使うか………。




それじゃ桑田クンのステータス作成するで。
これからの学園生活であがったり下がったりするで。

と言うわけで作るステータス要素↓6くらいまで

半角スペースは行の1文字目に置くと消える

>>270
ほんまそれな


と言うわけで、こんな感じ。10段階で
魔力(特殊なので固定で8くらい)
敏速
魅力(モテやすさ)
体調
悪墜ち(悪い考え)
耐久

体調と悪墜ちは固定。悪墜ちに関してはスタートはゼロな

まず初期値をコンマ末尾にして判定。
↓1で敏速(野球選手+1)
↓2で魅力
↓3で耐久



【魔法野球少年】桑田怜恩

現在【4月3週前半】

ステータス
体調  10
魔力   8(Next350)
耐久   2(Next50)
敏速   4(Next80)
魅力   8(Next350)

悪墜ち度 0(Next10)


友達一覧
苗木→マイフレンド
不二咲→顔見知り
葉隠→知り合い


持ち物
栗の杖
グローブ
野球ボール




ステータスや。
お前さんらでこの桑田クンを一流の魔法野球少年にしてくれや。



【金曜日】


教授「であるからしてー……この時妖精達は……」

教授「……これが、後の【ティアマット戦争】じゃあ……」

きーんこーんかーんこーん………

教授「今日はここまで」

わーわー………がたがたがた

教授「今週は、ティアマット戦争の始まりとその歴史についてレポートを纏める事。用紙1枚以上からの提出を認めます」


「うげ……」

最悪だ。
明日はせっかく休みだろ?それがなんで、課題なんか出されてんだって?


そう思いながら苗木と一緒に教室を出ると、二人組の女に声をかけられる。


ジャージ「あ、桑田と苗木!」

筋肉「………」

「おぉッ!?ええー………と、オメーらは確か」

ジャージ「あんま喋らないから覚えてないっす?私、【朝日奈葵】だよ。それとこっちが」

筋肉「……【大神さくら】、だ」

苗木「あ、ふたりとも」

「いやそっち魔法いるか!?」

筋肉「残念だが、我はモンク(修道士)の職を目指していてな。心身ともに鍛える必要があるのだ」

そのマジレスいいわ!
つか、たしかモンクって、その日本とかでは、修道士っつーより修行僧のイメージデカいし。
あれだろ?なんかその、あれだろ?

「あの……もう充分鍛えられてますケド。」

大神「我にはまだ足りぬ」

「」

苗木「ええっと、それでどうしたの?」

朝日奈「うん、実はさ、私達おんなじクラスなのにあんまり交流ないでしょ?それで、交流会をやろうと思うんだけど……どうかな?」

「こ、交流会?」

朝日奈「うん、おたがいのステータスって言うのかな、何を目指してるのとか、聞きたいし」


おっぱい魔神朝日奈葵がそう言った。
やべぇ。
でも課題やるべきなんじゃあ……。


苗木「か、かだいは?」

朝日奈「へっ?……それはみんなで集まった時にやればよくない?」


絶対やんねーだろ!?




後半の動き
1→週末みんなで街で遊ぶ
2→おとなしく課題をやる
3→いや、オレはやっぱ野球を
4→そのた

>>294

2

出、出、出~www課題大人片付癖にコンマ悪奴~www

>>294

「………あー、いや。オレは補修受けたくねーから先に課題やっちまうわ」

朝日奈「え?そう?」

苗木「珍しいね、桑田クン」

「珍しいとか言うなよアホ」


<素晴らしいッ!感動したぞッ!


「………あ?」

ずだだだだ!と廊下をすさまじい勢いで歩いてくるやつ。
石丸だ。
クラスのイインチョだ。

オレもう顔面蒼白ね。びっくりよ。マジ。

がしっ、と肩を捕まれた。


石丸「おお……君がそんなに【ティアマット戦争】に興味を抱いていたとはッ!やはり戦争の歴史を知る必要があるな!」

石丸「人間の歴史は戦争の歴史ッ!それはこの魔法界でもまだ間違いないのだよ、桑田くんッ!」

「お、おう」

石丸「勉学だっ!君は魔法界に付いて理解がないと聞いたからな、勉学が必要だ!」

「あー、おう………」

石丸「よし、来たまえ!」

ずるずる

「は?いや、どこ行き」

石丸「図書室だッッッッ!!」


そのまま拉致かよ拉致なのかよ!?

そして、図書室。

そこには既に真っ青な顔をした数名の生徒がいた。


リーゼント「……ど、どう言うことだゴルァ……犬型ザコケモノがいねーぞ……」

葉隠「あり?未来が見える水晶玉……」

三つ編み「う、五月蠅いのよ……黙りなさい……」

不二咲「………そもそもそんなものいるって話してないよね?」


石丸「ハッハッハ!さぁみんな、自主的な勉強の時間だぞッ!」

石丸「………はっ!しまった!図書室で高笑いなど……ぐぐ、申し訳ない……」


イインチョはひとりで笑って一人で泣いていた。
なんだこいつ、あたまおかしーのか。


石丸「……とにかく君達、これから魔法歴史学について学ぼう」

リーゼント「オレはやるなんて言ってねぇぞ」

三つ編み「ここまで来たんならやりなさいよ……そ、それともなに?あたしの顔が視界に映るのがいやだから逃げたいわけ?」

不二咲「それは違うよぉ……」


とにかくこのメンバーで、課題が終わるまで帰れませんを行うらしい。
殺す気だ……イインチョはオレらを殺す気だ……!
ちなみに外泊許可的な物はでているらしい、いつの間に……。




追加。
1→誰かと話す(話す内容の指定も出来るよ)
2→魔法界の歴史を学ぶ
3→石丸の有り難いお話を聞く
4→他の勉強をする
5→バックレる
6→そのた

>>306

1ふじさき
手分けして課題終わらせようぜ

>>306

こ、このままじゃマジに交流会出られんぞ、おい……!


「なあ、不二咲」

不二咲「ん?」

「これ、課題さ、手分けして終わらせね?」

不二咲「うん、いいねぇ。やっぱり人と考えながらの方が、話ってまとまるし……」

「ありがとな。やー、不二咲は話が分かる奴で助かるぜ」

不二咲「そうかなぁ?えへへっ」

「んじゃー、手っ取り早くやろーぜ。ティアマット戦争ったっけ?」

不二咲「うん。後に【青龍隊】って呼ばれる事になった旧日本の青年達と、他国の妖精軍の戦いの話で―――」

すっげー分かりやすく説明すっと、

他の国から妖精キタこれ
旧日本「やべー戦えねー」
若者「戦わなければ誰がやる」
ぞろぞろ集まって隊になる
一大戦争に発展(それでも世界的に見れば小規模だけど)
大将ティアマットを打ち倒した
おーわり

ってのが簡単な流れだ。

石丸「こら、君達。自分の課題に集中したまえよ」

「は?いや、これは課題にいる事だから。あー……」

不二咲「ディスカッションだよぉ」

石丸「なに?」

不二咲「ひとりだけの考え方や調べ方だと、どうしてもレポート内容に偏りが出るでしょ?だから、桑田君とディスカッションしてたんだ」

石丸「ふむ………」

ななな、ナイス不二咲!

「そ、そうだよ(便乗)」

不二咲「それに桑田君はあんまり魔法界の事知らないし、ね?」

石丸「ふむ……いい行いだ、不二咲くん」

ほっ、と胸をなで下ろす。何とか課題は終えられそうに思えた。

石丸「………だが、」

「あ?」

石丸「それならば全員でディスカッションを行うべきではないかね?全員の意見をきき、その上でレポートを纏めるべきでは?」

「………あー、あ、おう………」

こいつ……。
痛いところを突いてきた。
だが、その通りだよな……。

不二咲「それならみんなで話し合おうか?」

三つ編み「そ、そそ、そんなのいいわよ……どうせあたしの意見は受け入れられないんだし……」

石丸「そんな事はないぞ、腐川くん。そもが、君の書籍に対する知見と幅広い知識を得たくて君を呼んだのだからな」

三つ編み「………なに?そんな事言ってあたしを喜ばせたいわけ?」

「まま、まーまー。とにかくちゃちゃっと話し合いしちまおうぜ?」

三つ編み「………いい、けど」

石丸「ではまず全員の意見を順番に聞こうではないか。大和田くん」

リーゼント「……オレか?」

石丸「ああ……魔法界のならず者たる君の意見から聞こう」

「ならず者ってオメーな」

葉隠「無駄無駄、石丸っちは自分曲げねーべ」

リーゼント「ちっ………」


リーゼントの大和田、三つ編み根暗の腐川を含めて、オレ達はディスカッションを始めた。
しかし、腐川と石丸以外はぶっちゃけ最悪だった。
いや、不二咲は大体の流れは掴めてたのか。
他はもうぼろぼろ。
授業で言った部分すら覚えてない始末。


大和田「あ?これこんな長期の戦争だったか?」

石丸「ああ、ティアマット戦争はその前後を含めて指すので、トータルでは4年ほどあるな」

大和田「ぜんぜんわかんねぇぞ……時系列が……!」

葉隠「んーと、まず最初に……原生林の伐採が……」

腐川「そこからやるのね!?」

「ティアマットは何の妖精だったんだ?」

不二咲「大海の妖精って言われてるね」


結局すべての課題が終わった時には、既に日曜日だった。



【日曜日】


図書室に行ったり来たりを繰り返した。
最終的に課題は完成したが―――


「はぁぁ……交流会……」


過ぎ去った時は帰ってこない。ああ、かわいことの出会い……。

不二咲「でもよかったよぉ、課題が終わってさ?」

「かもしんねーけど……失ったものが……」

葉隠「確かに………あぁ……」

苗木「そんなに大変だったの?」

「もう大変、なんてもんじゃねーよ!最悪だわ!」

不二咲「そうだね、ほぼ缶詰だったし……」

「しかもあのイインチョのやつ、オレらの書いたレポートの添削までしやがってさ」

苗木「そ、そこまで……」

葉隠「……ま、いいべ、ちょっとはマシになったって事でな?」


>根気があがった……耐久が3になった




ついでにもいっちょイベント
1→なんか悪い魔法使いが復活したらしい
2→最近七村が変だ
3→幽霊がその辺ふらふらしてる
4→禁術を使う生徒がいるらしい
5→そのた

>>313

1

>>313

マシとかマシじゃねーとかどうでもいいよ。
オレは、ほんとそんな気ではいられなかった。

「で、苗木?オメーん方はどうなんだよ」

苗木「どう、って?」

「楽しかったんだろ、交流会」

苗木「………それが」

不二咲「何かあったの?」

苗木「うん。それが……どうも、風の噂が聞こえててね」

「おう」


苗木は、辺りをキョロキョロと見回した。
その後、注意深く声を低く落として―――


苗木「【闇の魔法使い】【禁忌の者】が復活したらしい」

不二咲「!」

葉隠「………は………?」

「ん?」

苗木「………まだ、噂だけど、それでももし本当に復活したとしたら」

葉隠「ややややや、やめようぜ苗木っち?言霊が反応しちまうってーか?」

不二咲「そ、そうだよぉ、脅かさないでよぉ……」

「悪い苗木、なにそれ」


二人の反応も気になるが、苗木が言ったその名前はなんか気になった。

闇の魔法使い?
禁忌の者?
何が起きたらそんな風に呼ばれんだ?


苗木「あ、ごめん。説明するね」

苗木「今から何年か前、日本の魔法界を震撼させた人物―――それが【禁忌の者】だよ」

苗木「なんでもイギリスの【名前を呼んではいけない人】に感化されたとかで……ああ、闇の魔術師の一番強い人なんだけど」

苗木「その人の影響を受けて、強い闇の魔術とカリスマで、魔法界を混乱させた」

苗木「ちょうど本国でも闇の魔法使いが急増してた時期だったし―――」

葉隠「そ、そいつは最悪なんだ……大変な事が起きっぞ、ゴーストが……増える……」

不二咲「……最悪だね……ほんとに」

不二咲「戦争が起きても……おかしくない」

苗木「……そうだね」

「そいつ、そんなにやべーんか」

苗木「ヤバいもなにも、出会ったらすぐに殺されるって噂だ」

葉隠「ひいいい!死にたくねーぞ、俺は!」

不二咲「うう……」


全員の反応を見る限りガチらしい。
オレも会いたくはないなと思った。

どんな奴はしらねーけど。

苗木「あくまで噂だからね」

不二咲「そ、そうだけど」

葉隠「……でもそいつ、シンパ多いんだろ?」

苗木「って言われてるね」

「そいつのシンパに襲われて死ぬかもしんねー?」

葉隠「可能性は否めねーぞ……それも、特殊な血筋となれば話はさらに複雑になる……」

不二咲「苗木君はハーフだし、僕は純血種だし……」

「んじゃオレも狙われるかもって?」

苗木「仲間にならなければ殺す……そんな文句を言い出されてもおかしくはないよ」

「最悪じゃね?」

不二咲「僕の家系の魔法が完成すれば、あるいは……」

「ん?」

葉隠「あ、不二咲っちんちは」

不二咲「うん、科学と魔法の融合を目指してるんだ」

「!?」

苗木「そんな事出来るの?」

不二咲「分からないよ、今は研究段階だし……それを言い出したら葉隠君も魂魄術みたいなの使うから」

「なんそれ」

葉隠「俺のは才能だな!ま、はえー話がスピリチュアルな力が俺にはあるって事だ」

「………うぜぇ………」


しかし、純血種?とかってのは魔法が多岐に渡ってんなー。
それもまた日本らしい、のか?
人の技術を吸収し、全く新しいものにする力。
それが出てんのかもな。



【魔法野球少年】桑田怜恩

現在【4月4週前半】

ステータス
体調  10
魔力   8(Next350)
耐久   3(Next80)
敏速   4(Next100)
魅力   8(Next350)

悪墜ち度 0(Next10)


友達一覧
苗木→マイフレンド
不二咲→顔見知り
葉隠→知り合い
大和田→知ってる
石丸→知ってる

朝日奈→知ってる
大神→知ってる
腐川→知ってる


持ち物
栗の杖
グローブ
野球ボール




今日はここまでやで。
明日からはもうちょいシステマティックに進めたいで。
おやすみやで。

は?は?は?やんないの?それってすっごい絶望的だよね……!



【4月】



カレンダー

 日 月 火 水 木 金 土

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 26 27 28 29* 30




【月曜日】


苗木が謎の噂を流してから、わずかに1日。
その噂は、寄宿舎全体に響いていたのだった。


  「まじかよ……」

  「あの【禁忌の者】が」

  「いや、そんなの噂……だろ」

  「……だがよ、俺は聞いたぜ……」

  「かといって鵜呑みには」

  「無理矢理はやめてぇー!」


すっかり噂になっていた。

不二咲「いつの間に流れたんだろうねぇ」

苗木「分かんないよ……」

不二咲「………うう、怖いなぁ」

「確かにな。なんか訳分からんけどやべー奴なんだろ?」

苗木「やべー、なんてレベルで終わればいいんだけどさ」

「……けど、授業はふつうにあるだろ」

苗木「うん、そうだね」


どこか悲しそうな顔をした苗木が遠くをみた。
なんか、あったのか?




前半の行動
1→勉強する(耐久↑/体調↓)
2→野球する(敏速↑↑/悪落ちと体調↓↓)
3→誰かと遊ぶ(体調と悪落ち↑)
4→そのた(内容次第)
>>335

>>335


「………苗木?」

苗木の顔は、相変わらず曇ったままだった。
そんなに気にする事じゃねー気がするんだケド?
だって噂だろ?
まだまだ真実味がない。


「そうへこんでんなっての、多分大丈夫だろ?」

苗木「………うん、そうだね」

不二咲「そっか、苗木君のお父さんは魔法省にいるから」

「ん」

不二咲「もし魔法界から人間界に何かあったら、苗木君のお父さんはまず最初に派遣されると思うんだ」

「………って事は、例えば魔法界のやべー連中が人間界に逃げたりなんてしたら」

苗木「限定的な魔法しか使えない状況で、戦わなきゃいけないかもしれない……お父さんが心配だよ」

「だから心配しすぎだって」

苗木「でも【禁忌の者】と【絶望の使徒】なんだよッ!」

「!」


思いがけず出てきた大声に、思わずビビった。
苗木は、なんとなく泣いていた、ような気がする。

苗木「……ごめん、ごめん」

なんかなんでか、苗木は謝った。
なんだよ。
なんで謝んだよ。

何か言い掛けたが―――


チュチュウ。


不二咲「あ、セブン」

セブン(ネズミ?)「チュチュウ……」

「んあ?それなんだよ」

不二咲「連絡獣だよ、僕の」

苗木「……何持ってるの?って、うわ!」

ひよこ「ぴーよよよーん」

「へ?もしかして………」



ばっさばっさばっさ………



コンドル「クエエエエエエエ」

「うわあああああああああ!!!!」




田中「今週末の外出は厳禁だそうだが、真紅の使者」

「るせーよ」

葉隠「残念だ、実際残念だべ……はぁー、なんだってこんな事に……」

田中「仕方があるまい。風の聲を無視する訳にはいかんだろう」

葉隠「ってもよぉ、外に行くんは最高の楽しみだぞ?」

苗木「……でも、流石に噂が広がりすぎましたよ」


その日の夜の話だった。
オレらの連絡獣が、学園からの通達を持ってやってきたんだ。
内容はたったひとつ。
【今週末の外泊、ホープロードへの外出を禁ずる】。

理由もまたたったひとつだ。
苗木の他にも、似た噂を聞いた学生がたくさんいたのだろう。

つまり、学生に害ある魔法使いがいる可能性が大いにある、と言う事だ。
おかげでオレらはしばらく学園に閉じこもる羽目となった。
ああ、めんどくせ………。


苗木「……ところで桑田クン」

「んだよ……」

苗木「頭、大丈夫?」

葉隠「しっかし、初めて聞いたぞ……自分の連絡獣にぶつかられて頭から出血のうえ気絶とか……」

「オレ、あのコンドルぶっ殺す……」

苗木「ケイスケとか名付けて可愛がってたんじゃないの?」

「それオレじゃねーよ……つけたの……」




【木曜日】


パァンッ!


乾いた音。
オレの怒りをぶつける、音だ。

この数日はほんとにやな事ばっかりだった。


七村の授業が、全く上手く行かない。
オレの魔法は杖先から出て行くのを拒否してるみたいだった。
そのたび七村は「やはり」だの「そうか」だの言ってオレをじろじろ見ている。
正直最悪だ。


しかもそれをかわいこちゃん、改めクラスのマドンナに見られていた。

彼女の名前は【舞園さやか】、魔法界のアイドルと呼ばれている。

それはなにも言い過ぎなのではなく、ほんとうにアイドルなんだ。
かわいい、それに箒使いも優れている。
昨日は全員で気張らし的に箒の授業だったんだが、特に舞園の走る姿は綺麗だった。

長い碧の髪がどこまでも、空に溶けるみたいで。


……あー、オレ?いや、箒は何となく乗れた。
多分、七村が最初に言ったあれは間違いなかったんだ。
今更、そう思った。


>敏速が少しあがった……次まであと30
>悪落ちの心がなくなった
>体調ががくっと下がった……今は総合8



後半
1→真面目に勉強する(耐久↑/体調↓)
2→こっそり外に出る(体調と悪落ち↑↑↑)
3→くぃでぃっち?とかやる(耐久↑↑/体調↓)
4→魔法の勉強(魔力↑/魔法に目覚めるかも)
5→そのた

>>349

4

>>349


パァンッ!
パァンッ!


壁にいくらぶっけてもオレの怒りは収まらない。
何か無性にイライラする。

オレは、恵まれた魔力を持ってんじゃねぇのか?

なのになんだこの体たらく。
ほんとならLLとか言う、野球のつえー学園でのんべんだらりと過ごす予定だったのに。
この学園のせいで、オレのまったり計画もおじゃんだ。

そのくせ、魔法界にすごい奴がでたとか。
外出禁止とか。
魔法が出来ないとか、出来るとか。
なんだこりゃ。

オレの知らない世界で、好き勝手周りが喋ってる。



ボワッ!



「わっ、ちぃ!」


またダメになったボールを拾って、グラウンドを去った。
オレには何にも出来やしねーのかもしれない。




木曜日の午後2時間。
それが七村彗星の持ち時間だった。


七村「さあ、前回は簡単な火の魔術の学習をしたね」

七村「次は諸君、水を扱ってはみないかい?」

わああ!
声が弾んだ生徒達。
この場で沈んでんのは、オレと………あー、あともう一人いるな。
なんか黒っぽい、ナイフを握った女だった。
いや、何でナイフ!?

七村「さあ、初歩魔法から教えるよ」


かかかっ


黒板を走る白い粉。
オレはそれをぼーっと見ながら、どうせオレには出来ないんだろ?とか思っていた。
ぼんやり眺める……。

そういや、なんでオレ魔法が出来ないんだろ。

七村「………さあ、やってみようか」

ある程度黒板に書いたところで早速そう言った。
けど、オレとそいつは見せ物になるだけだろうけどな。




イベント。
1→誰かと手合わせ
2→なんか杖がバットみたいに
3→ボール燃やした
4→ほかの生徒が魔力暴走(人物指定おっけー)
5→そのた

>>356

2

>>349では魔法に目覚めなかったか

>>359
大丈夫、内部判定的に目覚めてるで。

>>356


七村「ではミス霧切と、不二咲君」

霧切「………よろしく」

不二咲「あ、うん……」

七村「ペアになってこの【水河】を使ってみようか。水の流れを意識して―――」


相変わらず七村は、いけ好かない男だ。
けど、多分授業は向いてるんだと思う。
相手を引きつける術に長けている。
何より、淀みのないその言葉には耳を傾けやすい。

事実、女子の中では七村の好感度はかなり高いはずだ。
水曜午前の天文学などどんだけ嫌われてる事か……。


七村「お見事……さすがはミス霧切」

霧切「………やめてちょうだい」

七村「では次―――どうだい、桑田クン。舞園さんと」

「あ………うス」

ちなみに拒否権はない。
例え出来ないと分かっていても七村彗星にはやらせる義務があったからだ。

めんどくせ………。

舞園「よろしくお願いしますね」


そう言えば、あのときくぃでぃっち?がどうのこうのって言ってきたかわいこちゃんが、舞園だった。
スポーツにも興味あんだな、と思ったと同時に、クィディッチを見に行ったらよかっただろうかなんてひとり思ったもんだ。

でも、オレはあんなんには興味ない。
オレが好きなのは、野球だけなんだ。


舞園「流れて………【水河】………」

チョロチョロ

「うー………【水河】………」

ぷすん



あれ、オレ野球好きすぎね?すごくね?


舞園「………え」

あー、やべ、なにこれ。

舞園「な、桑田、君……?」

すっげー野球したい。

舞園「なんですか……それ」


オレ、やっぱ野球好きだわ。


苗木「桑田クンッ!!」

「あ?」

全員がオレの方を見ている。
あ?何が起きたって……
そして手元をみた。


オレの杖が……杖が、半透明のバットみたいになっていた。


「なんだこりゃあああ!?」


七村「………目覚めたか………」

苗木「ちょっ……どうやったのそれ!?」

眼鏡「ふん……こうでなければおもしろくない……」

残念「うそ………」

金髪女「……へぇ、あんなのもありなの?」


ええっと何これ!?


驚いて杖を落とすと、ものの数秒でただの杖に戻ってしまった。
これは……?

七村「やっぱりね、桑田クン。君の魔力の性質が、私に分かっていなかっただけだったよ」

「あ!?」


七村「そう、君の魔力はあまりに膨大すぎる。膨大すぎる故、拡散霧散しやすい。魔法に理解がないならなおさらだ」

七村「だが、君は興味がある物に……強い関心を持つ物に、執着できる。そこに魔力を集約できる」

七村「つまり、君は杖による魔術は向いていない」

「………は、」

七村「物に魔力を纏わせ、具現化する事が最も得意で、そしてその相手は恐らく硬球、ボールだろう」

「!!」

七村「君の強すぎる魔力と、強すぎる愛情が起こした珍事だよ」

こいつは、七村はそこまで言って拍手した。

七村「お見事、本当に見事だ桑田君。君に使える魔法があったよ」

七村「見つかってよかった」


そこで、七村が取り出したのは硬球だった。


七村「これに魔力を注いでごらん」

言われるままに、ボールを握る。
感覚が分かんなくて、そんで野球してーなぁって気持ちを高めてみた。
徐々に熱を帯びる体と、ボール。

そして―――


ぼわっ


「燃えた!」

七村「今の君なら、それをもう扱えるはずだ。名を付けてごらん」

「………これが、オレの魔法?」

七村「そうだよ」

「………【変火球】、とでも呼びますわ」

七村「へんかきゅう?」

「これがオレの、【変化球】」


握った手はもう熱くない。
それを投げる事も、もう微塵も怖くなかった。





「でも補習受けないとなんねーらしい」

それが金曜日の事だった。
コンドルのケイスケが再びオレの頭蓋粉砕を狙って飛んできたのだ。
足に括り付けられた紙に書かれた内容ですべてを察した。

残念だが、オレオリジナルの魔法を完成させたところで、基礎魔法が出来てないのは代わりがない。

補習は明日。

ま、外に出られないからいいんだけどよぉ……。


苗木「で、でも桑田クンは【変火球】を覚えたんでしょ?すごいよ」


苗木がまるで慰めのように言ってきた。
ちっとも足しにもならねぇよ。





補習はあと何人受けるんですかねぇ。
とりあえず戦刃とか大和田が確定みたいです。
そのほか呼ばれた生徒>>366
霧切、めがねの人、金髪ギャル以外で3名まで

安価ずれるなら葵ちゃん

【重点】もうむりねむいねる

その代わりと言っては何だが>>368-372全員出すから許してほしい。ごめん、おやすみ。

もっと我を褒め称えよ(やるよー)



そして、土曜日。
最悪だ。
本当に、最悪だ。

なんでったって、休みの日に早起きしてこんなとこにこねーとなんねって?

七村彗星は、このためだけに場所を借りているらしい。
あー、めんどくせ。
そして呼ばれたのは大ホールだった。


がちゃ


ゴスロリ「………あら、貴方もでしたか」

でぶ「当然っちゃ当然でしたでしょうに」

朝日奈「あ、桑田ー!」ふりふり

「おう、朝日奈?」

大神「………」のしっ

「って、大神?オメーは授業上手くいってたんじゃ」

大神「我が希望したのだ」

「………はぁー、そら物好きなもんで」


オレとしてはそうとしか言えなかった。
だって補習だぜ?
こんなもんやりたかねーよ!

にも関わらず大神は自分で受けたんだと。
すげーな……。

 「これで全員、すかね、」

不意に、一番奥にいた女が立ち上がる。
角付きの髪型の、珍しい女だった。
なんだありゃ。
魔法界で流行ってんの?
謎過ぎ。
あと色カラフルすぎ。


角「あとは先生がくんの待ちすかね」

「えと、あんたは?」

角「あ、そっか。唯吹の事は知らないっすよね!」

角「澪(略)でー、【澪田唯吹】っす!……あれ!?時間操作された!?」


とにかく澪田唯吹らしい。わかった、わかったよ。
話によると、オレらの上級生との事だ。
で、その上級生がなんでここに?


澪田「彗星先生のお達しっすよ。基礎魔法の練習につきあってくれって言われたんで、暇だしつき合う事にしたんす」

ゴスロリ「そうですの。かわいそうに」

澪田「暇ってそう言う事じゃないっすからね」

朝日奈「とにかく、これからみんなで補習、なんだよね」

「しっかしなんだこのメンツ?」

ゴスロリ「………私だって来たくて来ている訳ではありませんの」

朝日奈「えっと、セレスちゃんは確か留学生?なんだよね」

ゴスロリ「そうですわ」

でぶ「そのわりに日本語うまくね?」

ゴスロリ「黙ってろ」

「えっ」




このあとイベント

1→七村にみっちりしごかれたよ
2→クィディッチのお誘い
3→ひとりで野球したよ
4→誰かしら間違えてトロール出した
5→そのた

>>386

2

>>386


七村「お待たせしたね、君達」

後れた事数分。
そこに七村彗星はやってきた。
なんだかとても疲れているようにも見える。
しかも手にはなぜか箒まで持っている。


「あん、七村センセー、箒?」

七村「ああ、これか。私は熱心なクィディッチの教育者でね」

セレス「クィディッチ……ああ、あの……野蛮ですわね……」

七村「失敬な。君達を呼んだのだって今回はこれも半分なんだ」

澪田「え!?」

七村「もちろん補習もしてもらうけどね」

「まじかよ」

七村「ああ、マジだ。成績が悪かった者は私のクィディッチチームに入ってもらう」

でぶ「ひいい!?」

七村「とは言えそれはあくまで成績が悪かったら、さ。本気じゃないよ」


そう笑ったが、嘘には思えなかった。





澪田「今年は変な血筋が多いってのはほんとっすか、先生?」

七村「そうだね。特殊な魔法を使う家系が複数いるのは間違いない」

七村「しかしそれでも基礎はできていた。君達は基礎が出来ていないからね」

七村「覚えてもらうよ、みっちりとね」


その言葉から、すべては始まった。
魔法の成り立ち、どうやって理解すればいいか。
自分の魔力の使い方、それの出し方。

そんな事を習った。
いや、出せるなら出してるわ。

そのあとオレらは言われるままに練習を繰り返した。


七村はこう評した。
セレス、とか言う奴は、魔力は並らしいが応用力に長けている。
山田っつーブーデーは、力が強い。けど、闇に引きずり込まれやすい。
朝日奈は水の魔法がアホほど得意だが、加減が出来ない。
大神は心技体すべてか出来ている。が、魔力は乏しく修行者の道は険しい。
オレはオレで、魔力はアホみたいにあるけど体から離れた場所に魔法を放つ事が下手。


全員心当たりしかなくて黙ってしまう。
けれど七村彗星は、その克服方法をひとつひとつ提案してきた。

たとえばオレには、魔法として放てる距離を少しずつ、反復練習でのばすしかないと。
そのためには、まず目の前に紙を置いて、それを倒せるようにすればいいって。


………んで、だ………。




【日曜日】


わあああああ!!



「どうしてこうなった」

大神「いいではないか、こうして特等席で今年の開幕戦を見れている」


オレらはグラウンドにいた。
その理由はひとつ、七村に連れてこられたんだ。
学園には複数のチームがあるらしい。
そんでそのチームが、年間の王者を競っている。
それが【希望ヶ峰リーグ】。

なんでも日本の他高校もこのリーグに参加してるらしく、かなり激しい戦いになっているとか。

そしてそのうちのひと試合を見せられていた。

希望ヶ峰の生徒と、他校の試合だ。
チームには苗木や舞園、見た事のない上級生が複数入っている。
そいつ等はひとしきり、ボールを追っかけたりたたいたり、追っかけたりしていた。

不意に、苗木が小さな妖精みたいなボールを、見つけて―――



ぴぴーっ!


試合は苗木の勝ち。希望ヶ峰は初白星との事だ。


七村「どうだい、おもしろいだろ?始めてみないかね、君も」

「遠慮します」


それでも、オレは野球以外やる気はなかった。




 日 月 火 水 木 金 土

           1  2  3  4
  5  6  7  8  9 10 11
 12 13 14 15 16 17 18

 19 20 21 22 23 24 25
 26 27 28 29* 30     ←5週目





【魔法野球少年】桑田怜恩

現在【4月5週】

ステータス
体調   7
魔力   8(Next350)
耐久   3(Next80)
敏速   4(Next30)
魅力   8(Next350)

悪墜ち度 0(Next10)


友達一覧
苗木→マイフレンド
不二咲→顔見知り
葉隠→知り合い
大和田→知ってる
石丸→知ってる
山田→知ってる

朝日奈→知ってる
大神→知ってる
腐川→知ってる
舞園→かわいい
セレス→知ってる


持ち物
栗の杖
グローブ
野球ボール



【火曜日】


石丸「ありがとうございましたー!」

プリンス「ううん、基礎勉強は大事にね」


きーんこーんかーんこーん


チャイムが鳴る。
やっと解放された……。
すべての勉強が終わって、そうして明日は水曜日。

なんと、明日は祝日だ。


「あー………」


やっとゆっくり出来るな……。


苗木「あ、桑田クン」

「おう、苗木ぃ……明日も練習?」

苗木「う、うん。最近大変なんだ。練習期間が長いし、それにスニッチの……」

「なんそれ」


ちなみに、外出禁止令は解けていた。
と言うのも、実際土曜日の段階で風の噂の調査が終わっていたのだ。
それであぶない魔法使いはいない、という結論に至ったらしい。




明日は水曜日、なんと休みだ。
1→大浴場に行く
2→誰かと遊ぶ(複数選べるよ)
3→野球を広める
4→苗木を見に行く
5→そのた

>>395

3

>>395


野球だ。
野球以外やる事はねー。


葉隠「はあ?野球?」

「そ、暇だろテメー。そんで野球も知ってると来た。つき合えよ」

葉隠「んだからよ、俺は」

「いいだろ葉隠ぇ」

葉隠「うう……」


こいつは押しに弱い。
それはこのしばらくでよくよく分かってる事だった。
だから、オレは葉隠に押した。
野球をやるなら、知識があるやつが必要だ。

ついでにこいつにもう一押し。


「飯位ならおごってやっから」

葉隠「マジ!?うめーの頼むぜ!」


そしてこの程度で釣れる。
やれやれだぜ。

そうしてやっと水曜日。
オレらはついにグラウンドの芝生を踏んだ。
苗木とか舞園は欠席だが、誘ったら何人か来たんだ。
オレに興味があったのかもしれない。

それとも、野球に興味があったのか?


ま、どっちでもいいけどな。


眼鏡「………ふん、俗物の競技とやら、見せてみろ」

腐川「と、とが、とがみきゅん………」

石丸「ふむ、確かに人間界の競技は気になるな……」

葉隠「そんな大変な事ぁねーぞ」

朝日奈「そうなの?なんか楽しそうだけどさ」

セレス「そうですわ、ホームランは興奮………スポーツなんて野蛮ですわ」

朝日奈「スポーツは面白いよ!」

「だーよなー!」

大和田「仲いいなオメェら」

「なーに言ってんだよ、スポーツは万国共通っつーの?」
朝日奈「分かるー!」
大神「確かにそうだな」


金髪「………うぷぷ、人間界のあそび?面白そうだから見に来ちゃいました」

戦刃「なんでこっそりなの、盾子ちゃん………」





イベント
↓5くらいまでで、ダベミがなんとなく気に入ったおもしろそうなやつをいくつかやります

【悲報】オレ氏、ラッキースケベだけが入れられない

朝日奈「って言うか野球ってどんなスポーツー?」

「おう!そこは任せろ!教えるぜ……オレと葉隠が!」

葉隠「なん……だと……?」


それからくどくどと、オレと葉隠による野球講座が始まった。
簡単なルール説明から始まったそれは、次第に話が長くなり、分かりやすく、わかりにくくなり………
時々葉隠が茶々入れたり、あるいは解説しながらも野球の話をみんなにしていた。

気づけばその熱は辺りを巻き込み、次第に知らない生徒も増えていて、
段々野球に興味のある生徒が増えていた。
や、野次馬か!?


葉隠「で、だいたいの説明がー………あー、ああー………?」


そうしてふたりしてすべてを語り終わった頃、その数は驚くほどに変わっていた。
ありゃ、なんだこいつら!

 「野球ってなに」
 「おもしろそ→だね→」

「なあなあ、オレらもやっていいか?」

ざわざわ、と辺りが騒ぎ出す。
こんだけいりゃあ、出来そうだ。


―――試合が。

「ブーデー!球取れよー!」

山田「なぜ僕なんです!」

「キャッチャーは太ってると決まってんだよ!」


そうしてさらに数時間。
気が付けば、メンバー数が増え、そしてチームがふたつ作れるほどになっている。

オレの速球は、ブーデーで取れるかどうか不明だ。それでもやってみる価値はあった。
何せ野球だ。
ぶっつけ本番の試合だ。
でも、オーディエンスも盛り上がりすぎて大変な事になっている。

ま、とにかくやるしかなかった。
全員が全員、ルールもやり方ももはや理解しきっていたので、まぁ、大丈夫だろうとそう思ったんだった。


パァンッ!


まるで壁が壊れるかのような、破裂のような音。
それが、ブーデーの手の中に収まった速球からの音だ。

乾いた音が世界に響いたあと、全員からの声が挙がった。


セレス「ま、まぁ……あんなもの……!」

眼鏡「ふん」

石丸「なんだね、あれは!」

葉隠「プロ……いや、プロでもあんなん打てねーよ!」

大神「我でもぎりぎりであった」

腐川「ば、馬鹿じゃないの!?」

山田「ふぃー………致命傷で済んだ………」

「致命傷負っちゃった!?」


一応ブーデーの致命傷は嘘だったらしいので、そのまま試合はどんどん続いた。
つつがなく、2回、3回、4回………

そのうち、野球を知らなかったやつらが生の野球を理解して、興奮し始める。

 「なあなあ、もっかい頭からやらせてくれよ!」

 「そうだよ、にーちゃんはずっと知ってたからいいじゃ→ん」

外野からもそう声かあがる。
ならば仕方がない。
それにオレも燃えてきてた。
だから、初めからやり直したんだ。

ルールも決めた。
魔法は試合中3回まで、とか決めてな。


そのままさらに進んでいく。
まさかこんなにも無駄がなく、魔法界で野球出来るなんて思わなかった。
いやー、やっぱ野球は楽しいぜ。


眼鏡「ふん、こんな物の何がおもしろ」

ばきぃっ

「あー、ファールボールは気ぃつけろよ十神ー!」

眼鏡「ふ、ふん、この程度問題にもならな」

ぱりぃーんっ

腐川「白夜様ぁ!?」



「なんであいつのとこばっか球行くんだよ」

なんて言いながらオレは、次は打席に立った。
当然、それまでの打席は全てホームラン。

そして今回も―――

キイイイイイイインッ


ぱしっ

花音「ホームランボールゲット♪」

「花音!?」


そのまま楽しい野球は続き、夜までやっていた……。




4月後半~5月頭に向けてイベント案
↓5くらいまで


そのあとつつがなく休み前まで進行



学生時代なんもイベントなさすぎてイベント思いつかなくて済まんな。



 日 月 火 水 木 金 土

           1  2  3  4
  5  6  7  8  9 10 11
 12 13 14 15 16 17 18

 19 20 21 22 23 24 25
 26 27 28 29* 30     ←5週目




そして5月予定表


 日 月 火 水 木 金 土
             1 2
 3 4 5 6 7 8 9
 10 11 12 13 14 15 16
 17 18 19 20 21 22 23
 24 25 26 27 28 29 30
 31

※2~6日までゴールデンウィーク





【金曜日】


いよいよ明日からはゴールデンウィークだそうだ。

いやー、待ったわ。
待ちまくったわこの長期休暇。

なんでも、人間界に戻れるチャンスらしい。
って言うのが、元が人間界育ちの人間はここのタイミングで実家に戻れるんだそうだ。
あとは、単に遊びに行くのもおっけー、ってことだそうだ。

しかしオレとしてはどうしても突っ込まなければならない事があった。


「なんでいんだよ花音……」

花音「お兄ちゃん探してたら何となく着いた」

苗木「君ふつうの人間だよね!?」

花音「こう、なんだろ、その幻想ぶち壊したんじゃない?」

不二咲「………そ、そうなの?」


さすがに教師陣もこの事態には気付いていたらしく、花音は処遇が決まるまで学園預かりだ。
そのおかげで、こいつは【食堂での働き手】という身分を手に入れやがったのだった。
最悪だった。

こいつから逃げたくて、遠い高校受験したのに。

それでおいこれかよ。
終わってんなオレの運命。


と、伏せっているオレ達に近づく陰。
見てみると―――


澪田「おっす、唯吹っす!」

「澪田パイセン!?」

苗木「あれ?知り合いなの?」

「色々あってな。どしたんすか?」

澪田「やー、唯吹ねー、思い出したんすよ」

………なにが?

澪田「歓迎会をしてないんす!」


………。
………あー。


不二咲「ええっと、歓迎会?」

澪田「そうっす!新入生の歓迎会!してないなって!」

苗木「あ、毎年恒例なんですか?」

澪田「んにゃ?」

「えっ」

澪田「唯吹がやりてーって思ったならそのとき既に歓迎し終わってるんっす!けど!」

澪田「それじゃあみんなが楽しくないよなぁ~~~?」ドドドドド

「………つまり?」

澪田「明日にはみんな休暇っす。今日の夜、ホープロードの【喫茶 貴岩鉄】で歓迎会やるっす」

名前!

澪田「あ、お代は唯吹達がもちのロナルド・ウィーズリー!」

葉隠「俺行くますべ」

「オメーはかんけーねーだろ!あっち言ってろ根暗マンサー!」

確かに行くのはいいけどひゃくぱー疲れる気がする……。




1→オールする
2→途中で帰る
3→行かない
4→そのた

>>421

今日はここまでや。学生時代何してたか思い出せないんや。
あとサンキューカレンダーニキ。おやすみなさいや。

2

【報告】次の更新は日曜夜になりそうです。

2日振りだね。

>>421


「………あー、わかった、分かったから」

ただし、このまま話を飲むってのもなんだか恐ろしい。
だから、途中でいい感じのタイミングで帰ろう、そうしよう。
オレはそう決めて、今日のよるの歓迎会に行く事にした。


のだが。



◆喫茶 貴岩鉄


わっはっはっはっは


なんつーか、オレらが行った時点で先輩たちが楽しそうにしてた。呆然とするオレら。
おずおずと入っていくと、中には当然澪田パイセンもいた。
なんとか席に着くと、早速飲み物を運んでくる、と店員が一言行って去っていく。


澪田「ほとんどの生徒さんが集まったっすけど、何人か来てないんすね?」

苗木「………ですね」

腐川「ああんっ、なんで十神君がいないのに来なきゃなんないのよ……」

朝日奈「いいじゃんおいしいご飯が食べられるよ!?」

腐川「普段から美味しい美味しいってすごい量食べてんじゃないのよ、あんたはっ……」

不二咲「そ、そう喧嘩するのやめよ?ね?」


  「そうじゃあ、喧嘩はよくないぞ」


ずしんっ!


不二咲「………え、と?」

  「応、ワシは【弐大猫丸】じゃあ。訳ありでの」

「わ、訳あり?」

澪田「つーか、この学園って割と訳あり生徒がいるんすよ」

「は?そうなん?」

澪田「魔法を学ぼうとしたら、やっぱイギリスとか渡る人のが多いっすからね。その本国に入れない生徒がたまーにいるんすよ」

弐大「と言う訳じゃあ。ワシもな、向こうじゃああまり好かれとらん巨人種の末裔での」

大神「!」がたっ

「巨人ってあんま好かれてねーんか?」

弐大「そうなんじゃあ。まあ、純粋に魔法を学べるような種族ではないしの……ああ、ワシはクォーターとか、その程度の薄い血じゃあ」

(にしてはデカすぎね………?)


弐大、と名乗ったパイセンは、どう考えても人間と言うか常人のそれじゃなかった。
がたいがいいし、背もすごい高いし……。
巨人?ってのよくわかんねーけど、ああ、デカいんだなーって事はよく分かる。

と、1人で考えてたら、店員さんが飲み物を運んできた。
ノンアルコールのビールみたいなものを目の前に置かれる。
なんでも、特によく飲まれているもんらしい。


石丸「……ふむ、このにおいは」

大和田「とりあえず乾杯か?」

澪田「そっすね!」


なんとなーく乾杯して、そんで全員が飲み始める。
あ、これうめぇ。



……さて、いい機会だし……
1→クラスメイトと語らう
2→先輩達と語らう
3→どんドン飯を食おう
4→そのた

>>433

1

>>433

せっかくだし、普段喋らないクラスメイトと喋ろう。
舞園ちゃんと話そうかな、なんて思って目線をズラすと―――


「っつーか……オメーも来てたんか?ミス霧切、とやら」

霧切「その名を呼ばないで頂戴」


フロアになぜだかそいつはいた。
呼ばれて、断りきれなかったんだろう。
実際、こいつは「朝日奈さんに誘われたので断るのも悪くて」とぼやいてた。
だからあんまり気乗りしなくてもきたのだ。
ま、来たんなら来たでいいけどよ。


「んで?」

霧切「……想像通りよ」

「そうかよ」

霧切「それで?と聞きたいのはこちらなの、桑田君。なぜ私に声を?」

「いや、なんか1人で飲んでたから」

霧切「………え?」

「つまんねーのかと思ってな。せっかくパーティならもったいねーだろ、楽しまないと」

霧切「……貴方、ナンパでもしてるつもり?」

「まさか。オレは確かに女の子は好きだけどよ」

霧切「あらそう。それはごめんなさい」手をひらひら

「おいおい、連れないぜ?霧切ちゃん。まさかそれで終わりとか?」


霧切ちゃん、なんて呼ばないで頂戴?って声がオレに呼びかける。
でも女の子はちゃん付けだろ?
やっぱ、それが誰でもな。そうだろ、霧切ちゃん。

ざわざわ……

江ノ島「はぇー、罪木先輩は治癒術メインなんだ!」

罪木「えへへぇ……」

わいわい……

終里「オメー……強そうだな……!」

大神「ふ、やるか……?」

弐大「止めておけ終里、お前さんでは勝てん」

がやがや……


霧切「……貴方も上級生とのコネクション作りに行けばいいんじゃないの?」

「いやいや、オメーのが先だよ」

ぐっ、と飲み物を飲み干して告げる。
そういやこいつは、学園長の娘なんだったか?
ははあ、それであの七村のやつもあんな風に言ってんのか?
本人がどう思ってんのかはさておき、確かに学園長の娘ってんならそうもなるか、なんて思う。

霧切「あらそう」

「こんな機会でもねーと、オメーと話さねーかんな」

霧切「……そうね」

「普段はすぐどっか行くしよ」

霧切「……ふ、そうね……」


遂に観念したみたいな感じで霧切が笑った。




今なら霧切となんか話せそうだ……
話したいことある?↓3くらいまで
ついでに、話に加わらせたい人物がいたら追記可

「……なに、オメー人と話すの苦手とか?」

霧切「そうね、あまり話す方ではないかしら」

「やっぱ?」

霧切「もともと口数も多くはないし……貴方のように、話しかけてくる人もあまり多くはないから」

霧切「……みんな、欲しいのは私ではなく【私に連なる学園長の名と名声】よ」

「……」

霧切「そう思わない?ねぇ、私は【学園長の娘】だもの」

「……分かんねーよ」

霧切「そう」

「オレがそんな理由でオメーに話しかけるとでも思うか?」

霧切「思うわね。貴方は人間界の事しか分からない、純粋なただの人間だもの」

「だから学園長の名声がいると。はぁ、むしろいらねーよ……その学園長がどんだけすげーかも理解してねーのに」

霧切「……そう言われれば、そうね」


なんだよ、納得してんだかしてねーんだか……?
なんか分からんがとにかくオレの申し出は理解されたらしい。
別にそんな名声なんているかよ。
だってオレ、魔法界どーのなんて分からんよ?


霧切「……ねえ、桑田君」

「あ?なんだ?」

霧切「私からも聞いていい?」

「あ?なんだよ」


オレが聞き返したそのとき―――


朝日奈「あ、桑田ー!」


不意にそんな声。
朝日奈……朝日奈葵が、グラス片手にこちらに来た。
どうしたどうした?つーか、大神は?


朝日奈「ん?さくらちゃんなら、ほかの人と話してるよ?私はあんたの話を聞きにきたの」

「オレの?」

朝日奈「苗木から聞いたよー?あんた、ほんとに超純粋に人間界の人なんだねー」

霧切「らしいわよ。有り得ない、とは思うけど」

「んで何だよ」

朝日奈「ほら、こないだ教えてくれたじゃん?野球!」

霧切「野球……?」

「ああ、オレがここ来る前にやってたんだ。スポーツ……ほら、クィディッチ?とか言うのとおんなじ球技だよ」

霧切「クィディッチはただの球技じゃないわよ」

朝日奈「とにかくね、桑田は色々と知ってそうだから、教えてもらおうと思ってさ」

「は……」

霧切「……それなら私にも教えてくれないかしら?私も人間界に興味があるのよ」

それからは質問責めよ。
あー、もうびっくりした。


霧切「人間界のはやりってなに?」

「え?ラッスンゴレライ?」

朝日奈「なにそれ?なんの呪文?」

「あー……」

霧切「私達の世界とは違って、機械が多いんでしょう?」

「お、おう、そうだな。スマートフォンはひとり一台あるし……」

霧切「スマートフォン?」

「こっちで言う、伝書獣が持ち歩ける上すぐ通信が出来て色んなひととすぐつながる便利アイテムかな?そーいう会社もあんだよ」

朝日奈「あ、葉隠も似たような事言ってた!」

「あいつ何もんだよ」

霧切「ほかには?機械が多いんでしょ?」

「機械ってかインターネットが」

霧切「インターネット………」

「オレじゃ説明しきれねーぞ!?」


あれやこれやさんざん聞かれた。
当然、話は野球にも及ぶ。


朝日奈「野球ってクィディッチみたいにトーナメントしてるの?」

「あー、年間通して色んなチームが戦ってるな。こう、12のチームが2つのグループに分かれてな」

霧切「入れ替わり戦もあるのかしら?」

「ないけど、交流試合は最近やってんなぁ……」


つか、馬鹿だよな日ハムも。延期試合やり直してパーにしてさ、ソフバンに交流戦トップ譲るわ、今度は首位も譲るわ………いや、それはいいわ。

霧切「………ルールはだいたい分かったわ」


それからさらに20分は話し込んだろうか。
霧切はやっと晴れ晴れしい顔をしてオレをみる。
ついに野球のルールを理解したらしい。


霧切「面白そうって事は分かるわ」

「ま、そんでもこっちじゃあ知名度ゼロってのが残念だけどな」

霧切「………人間界に行けるのなら是非見てみたいわね」

朝日奈「あ、私も!夏休みになったら長期外泊許可証出して見ようよ!」

霧切「ふふ、いい案ね。それは言ってみようかしら」

「長期外泊?」

朝日奈「うん、夏と冬の長期休暇のタイミングで出せるんだけどね」

霧切「休みの期間、学園の寮を抜けて別の場所、つまり自宅に戻っていいの。それで、さらに理由があるなら別の場所に外泊してもいい」

霧切「それを証明する為に出すのが長期外泊許可証」

「それがありゃあ、オメーらは人間界で寝泊まり出来るって事か!」

霧切「そうなるわ。通るかどうかは分からないけどね」

朝日奈「学園長なら大丈夫だよ!」

「あ、んならよ!そのタイミングで野球やんねーか?」

霧切「あら、お誘い?今度はナンパ、じゃないのね……ふふ、考えておきましょう」




さて、時間的に話せてもう1人くらいかな?

1→クラスメイトと話す
2→パイセンと話す
3→霧切達とさらに会話する
4→そのた

>>447

2

洗濯してた。そして君達は選択だ。
折角000なんて出たので、普段のパルプンテなんかでは終わらせないぞ。

1→江ノ島・戦刃・罪木の会話に混ざらせられる(そのあと切り上げて帰る)

2→九頭龍先輩が絡んできて色んな事を教えてくれる

3→特殊な血統の人間の話をしてる人々の会話を聞く

4→そのた(ボーナス相応のもの)


ほら最速3票やで。あ、ちなみに江ノ島がラスボスとは決まってません。

九頭龍ルートやな。

霧切が少し上機嫌に笑って、オレにほかのやつと会話しろと促した。
色んな奴と話して、今は魔法世界に対する知識を増やすべきだってよ。
言ってる事はよくよく分かるんで、オレはほかの奴のところにいこうとして、止められた。


九頭龍「………テメェ、あん時の!?」

「アンタ、こないだの!」

辺古山「坊ちゃん」

九頭龍「ち、テメェ……そうか、この会にいやがったか」

「悪いかよ、九頭龍坊ちゃんよ」

九頭龍「何……」

辺古山「坊ちゃん!」

九頭龍「……分かってる」


ぱんぱん、と服をはたいてから九頭龍パイセンはこっちを見直した。


九頭龍「テメェにゃ恩こそねぇが恥は掻かされたからな。あん時の恨み、晴らしてやろうか」

「おいおーい、折角のパーティ邪魔すんなよ。それとも何か?ほかの生徒の前でオレを罵んのか?」

九頭龍「テメェが雑種なのは変わらねーからな」

「ああ、そうかよ」

九頭龍「今ここでヤってもいいんだぜ」


空気がやや不穏な物に変わる、が突然それも終わった。


辺古山「……坊ちゃん!いい加減にしてください!」

九頭龍「あ………?」

辺古山「貴方様は九頭龍家の跡取り。それが手当たり次第に喧嘩を売るとは何事ですか」

辺古山「私は貴方の従者ですが、貴方の名誉が失われるのをむざむざ見過ごす訳には行きません」

九頭龍「………」

あ?なんだ?この空気。

辺古山「………桑田、お前も別にここで決着どうの、と言うのは望むまい?」

「そらそうだろ?普通に大人しく飯食ってのんびりしてーだけだっつーの」

九頭龍「……いつか見てろよテメェ」

「だからそんなピリピリせんでも」

九頭龍「【闇】はいつでもテメェに襲いかかるんだからな」


九頭龍パイセンの目がぎらりとした。
本気だ。こいつ、ほんきだ。


九頭龍「………なんてな。ま、確かにオレも頭に血が上りすぎてた。悪かったな」

「謝るくらいならはじめっから喧嘩売るなよな?」

九頭龍「仕方がねーだろ。この世界に雑種が蔓延るのはオレの本意じゃねぇんだ」

辺古山「……本来魔法は魔法界の人間のみの技術だ。それを、魔法に恵まれない、人間界のものが取り扱うのは危険だ」

九頭龍「だから、元々それに合った血筋とか、そういったやつらが使うべきなんだ」

「オレだって入るつもりはなかったんだぜ?だけどよ」

九頭龍「だけどテメェは……特別だった」

「……あー、そうなるか」

辺古山「それは仕方がない。人間界にも極希に生まれるのだ、魔力が抜きんでて高い者がな」

九頭龍「ほら、テメェらが超能力者とか、エスパーとか呼ぶあれだよ。あいつらも魔力が高いんだ」


なんか分かるような分からんような。
とにかく、今の九頭龍パイセンは穏和な空気を漂わせている。
さっきが嘘みたいにな。



九頭龍、辺古山とお話出来るぞ。
↓3くらいまで、一緒に話に加えたい生徒いたら追記可

「なーるほど……?」

なんかほんと曖昧にしかわかんねぇ。

「………あー、こう言うのなんつーんだっけ。ノブレス・オブリージュ?」

九頭龍「高貴さには責任が伴う、か」

「アンタいい血筋なんならさぁ、こういうその、巻き込まれた人間?オレとか、守ったりなんなりしてくれてもいくね?」

そうすりゃ周りから感謝され、人柄もよくなり、自分にも確実にリターンがあるだろうに。
そう思って尋ねたんだけども。

九頭龍「はっ、そんなの出来るかよ」

辺古山「私も同意しかねるな」

「なんでだよ!?」

辺古山「私も坊ちゃんも、魔法界は魔法界で隔絶すべきと考える人間だ。そもそも魔法と科学は融合出来ない」

九頭龍「それを、ただの人間は全てを纏められると思ってやがる。それが腹立つんだよ」

九頭龍「出来るなら誰かがヤってんだろ?出来ないってすでに分かってる」

「……オレみたいなただの人間とか、ハーフとか……そういう奴は魔法を学ぶべきじゃねーって事だな」

九頭龍「分からねーかもしんねぇがな、ちゃんと自分なりには根拠があってそう言ってんだ」


九頭龍パイセンはさっきよりももっと真剣にそう言った。
根拠があって、か。
そういや葉隠も「科学と魔法は在り方が違う」とか言ってたな。

ふーん。
そう考えんのも仕方がないのかもしれんな。


「じゃさ、話変えるけど」

九頭龍「何だ?」

「【闇】、ってなに?」

九頭龍「………」

尋ねたら九頭龍パイセンは首を振った。
意味を説明出来ないと言わんばかりだ。
代わりに辺古山パイセンが、そっとオレのそばに来た。
あ、いい匂い。
そして彼女は耳打ちする。

辺古山「あまり不用意に口に出すなよ、桑田。周りがざわつく」

辺古山「先程は聞かれずに済んでよかった……【闇】とは【絶望の使徒】の別名、つまり闇の魔術師の総称だ」

「!」

辺古山「坊ちゃんはあくまで脅しで使っている。坊ちゃんは闇の魔術師ではない」

辺古山「なぜ今挑発の言葉で闇がでるかは不明だがな……時期が時期だ、かなり危険だと言うのに」


そこまで言ってため息を付いた。
当然だ。
自分の主人がいきなり他人を脅し始めたらオレだってため息付くよ。


辺古山「………後で強く言っておく。私の言葉がどこまで聞き入れられるかは分からんがな」

それを言い終わると、辺古山パイセンはオレから離れて九頭龍パイセンのすぐ横に戻ってしまった。

九頭龍「………」

「………オーケー、とりあえずオレはすごい脅されてたわけね?」

【悲報】
九頭龍パート書き終わってないけど眠いので寝ます、ごめんなさい。埋め合わせは必ずする。また明日同じくらいの時間からやる。おやすみ

こっそりと始めるよ!!!!!!

>>466の続きからナス。


なんだこいつ。
つえーのか?よえーのか?
ハッタリなのか?それとも……?

見えない。何考えてんだか全く読めない。


九頭龍「………とにかくオレはテメェを認められない、それだけだ」

「あー、んじゃこんなんどう?」

九頭龍「何?」

「アンタの卒業までにも時間あるし、卒業までにどっちが強くなるかで勝負しねー?」

辺古山「! 桑田、お前」

「とりあえず、今度の期末の成績でも比べて、な」

九頭龍「なるほどな……ヤってやってもいいぜ?オレは負けねぇ」

「分かんねーぜ?オレは特殊な体質らしいからよ」

ばちばち、と弾け飛ぶ視線。

九頭龍「……はっ、ほんとなら雑種と戦ってやる義理もねぇが、逃げる気もねぇ。おもしろい、本気で勝ちにこいよ」


ま、確かに実際、オレはこいつの土台にすら上がれてもねぇんだけどな。




………そろそろ帰るにはちょうどいい時間だな。

1→ひとりで帰る
2→誰か誘って帰る
3→みんなで帰る
4→先輩に連れてかれる(コンマ1だった場合のみ強制的に選択)
5→そのた

>>477

2舞園ちゃん

>>477

よし、そろそろ帰ろう。
明日からのゴールデンウイーク、どうするかもあんま決まってねーしな。

「んじゃ、そろそろオレはドロンするって事で……」たはは

九頭龍「あ?そんな時間か?まだ夜はこれからだぜ……」

いやそれはアンタだけだろ。

「ほら、舞園ちゃん、帰ろうぜ?」




と、振り返ると―――



苗木「帰ろっか」

舞園「そうですね、明日も早いですし」

「」

舞園「ゴールデンウイーク中もずっと練習なんて大変ですよね」

苗木「そ、そうかな?ボクはずっとやってみたかったから楽しいんだけど」

「」

舞園「すみませんみなさん、楽しかったです!それじゃあ!」

「」


ぽんっ

葉隠「ドンマイ」

「殺すぞオメー」



そうしてオレらは帰ったのだった。
あと葉隠は近いうちに殺す。



【魔法野球少年】桑田怜恩

現在【5月1週】

ステータス
体調   6
魔力   8(Next350)
耐久   3(Next80)
敏速   4(Next30)
魅力   8(Next350)

悪墜ち度 1(Next10)


友達一覧
苗木→マイフレンド
不二咲→顔見知り
葉隠→いつか殺す
大和田→知ってる
石丸→知ってる
山田→知ってる
十神→眼鏡

朝日奈→かわいい
大神→知ってる
腐川→知ってる
舞園→アイドル
セレス→知ってる
霧切→野球の約束をした
戦刃→知ってる
江ノ島→?


持ち物
栗の杖
グローブ
野球ボール



5月予定表


 日 月 火 水 木 金 土

              1  2←1週目
  3  4  5  6  7  8  9
 10 11 12 13 14 15 16

 17 18 19 20 21 22 23
 24 25 26 27 28 29 30
 31

※2~6日までゴールデンウィーク


【土曜日】


と言うわけで、いよいよヤってきましたゴールデンウイーク。

と言っても、休みがだーっとあるだけで、特段何が出来るとかではない。
残念だけど、実は魔法界から、ひいては学園のそばから離れる事は許可されてなかった。
たかが5連休だろ?くらいの考えらしい。
ま、マジかよ……。

そんなもんで、土曜日はひどく心が沈んでいた訳だ。
何か出来るって訳でもないんじゃねーのこれ?


不二咲「ええっと、あのぉ……」


なんて思ってたら朝一で不二咲が話しかけてきた。
あ、ちなみに苗木はクィディッチで離れられないらしい。
あと葉隠はまだ寝てる。


「あ?どした不二咲?」

不二咲「あのね、その……」

不二咲「………」

「なんか言いたい事あんならはっきり言ってくんね?」

不二咲「そ、そのっ」

不二咲「旅行行かない!?」

「はい!!?」


突然の計画がここに立案されたのだった。

不二咲「って言うのがね」

不二咲「ぼ、僕のお父さんが、人間界の話を聞きたいってうるさくって……」

「は、はぁ」

不二咲「それで、人間界の人が来てくれるならって限定なんだけど、ゴールデンウイーク中旅行に行かないかって話なんだ」

「お、おう………?」

不二咲「旅費は僕のお父さんが出すから是非って言って聞かないんだよね」

不二咲「桑田君さえよかったら、他にも何人か誘おうと思うんだぁ」

不二咲「どう……かな?」


上目遣いの不二咲。


ぐっ、違う、こいつは男だ!
なのになぜだ……断れない!

おかげさまでオレはあっという間に不二咲の意見を飲み込んで、
二つ返事で行くと答えてしまったんだった。

何してんだオレ。


不二咲「やったぁ!それじゃあ、みんなにも声かけてみるね!」

「………太っ腹な、オメーの父ちゃん」

不二咲「うん、それなりにお金はあるらしくて」

「それなりっておい」

不二咲「お母さんもトレジャーハンターだし」

「つ、つ、つか、旅行っつーけどどこ行くん?」




どこよ

1→山だ
2→川だ
3→街だ
4→動物園?だ
5→そのただ

>>488

2

>>488


不二咲「川だよ!」

「川?」

不二咲「そうだよ!川でキャンプ!」

「川、ねぇ」


この時期にはいいかもしれん。
折角あったけーし、な。


「川でなにすんだよ」

不二咲「ええと……いろいろ?そこはお父さんに聞かないと……」

「……あ、そ」


まぁ細かいところをつっこんでどうなる訳でもなさそうだ。
しかたがねぇか。
オレはさっさと部屋に戻って荷物を纏める事に決めた。


不二咲「楽しみだね!」

「ああ、そーだな。つか、いつから行くんだよ?」

不二咲「今日」

「えっ」

不二咲「今日だよ」

「………突然すぎね」

不二咲「お父さんが突然なんだよ」


そのお父さんどいつだよ、こえーよ。



それから数時間後。

大和田「いいのかよ、オレらまで」

葉隠「ま、タダってんなら乗らねー手はねーべ!」

戦刃「……あれ、盾子ちゃんが来るって聞いたのにいない」

不二咲「行こっか!」

「待て人選オメー人選」


なんかその、どうしたオメーらって人間が来ていた。
まあなんだ、大和田とか葉隠はもういい、諦める。
どうした戦刃。オメーが何でここにいる。


戦刃「え、私はサバイバルが得意だから、ここでもその能力が使えるんじゃないかって盾子に言われて……」

不二咲「お願いしたら来てくれたんだ!」

「そいつハメられてたっぽいけどな」

戦刃「………あれ、どうしよう」

「もう諦めてくりゃあいいんじゃねーか?」

不二咲「あと何人か呼ぼうとしたんだけど、苗木君や舞園さんは忙しいし……」

不二咲「石丸君も勉学が必要とか言って来てくれないんだ」

「ふーん……」

大和田「そうなのか?もう何人か、っつーかまだ増やす気か?」




……オレの魅力を使えば!来てくれんじゃねぇか!?誰か!

追加で呼びたい人がいたら↓3まで、知り合いから名前選択
コンマで正否判定

九頭龍で9出すなよ来ちゃうだろ………




「ついでだし増やさね?」

不二咲「へ?」




魅力判定
突然誘われて来たくなる基準値→6
コンマ6以上で来る+魅力ボーナス
よってこうなる




「朝日奈、旅行行かねー?」

朝日奈「行く(即答)」

「……まじ?」

朝日奈「さくらちゃんも行っていい?」

「いや、当然じゃね?」

大神「ほう、感謝する」





「そこの暇そうなパイセン来る?」

九頭龍「るせぇわ!誰がチビだ!」

「言ってねぇわ!」

九頭龍「ちっ、雑種のテメェに声かけられたんじゃ」

辺古山「」ぎろっ

九頭龍「」びくっ

(なんかあったんかな)

「わ、わかった、いく」

辺古山「」にかっ

(絶対なんかあったな)





………と言うわけで。


九頭龍「………」

葉隠「あら、オメーは確か」

戦刃「九頭龍先輩、だよ」

不二咲「!?」

「誘ったら来た」

葉隠「何で誘ったん?なぁ何で誘ったん?」

朝日奈「いいじゃん!旅は道連れ!」

大神「世は情け、だな……ふっ」

九頭龍「情け掛けてんじゃねぇぞゴルァ!」

「ペコパイセンにチクるよ?今の」

九頭龍「止めろ!!!!」

(絶対なんかあったわ)


とまぁ、謎の組み合わせができあがった。
そのメンバーで、校門で待つ事数分。

「それ」は突然、大音を上げて現れた。


ぶるるるるんっ!!


「………あ?エンジン?」

大和田「なんだぁ?今のはよぉ」

九頭龍「これは……」

戦刃「ドラゴン?とも違うよね、なんだろ」




    「これはエンジン音さ!!」



そして、そいつは現れた。

どことなくボロボロになってしまっている、大型のバス。
それが、どこからともなく突然走ってきたのだ。
そのまま、校門の目の前で急停止した。

ききぃ、とブレーキがけたたましく鳴り響く。

なるほど、このバスはデカい。
スクールバスにも思えるそれは、しかし、オレがバスだと思っただけで違った。

バカデカいキャンピングカーだ。


全員があっけに取られていると、不意に誰かが降りてきた。


ばたんっ


不二咲父「や、やぁみんな……今回は僕のわがままに付き合ってくれてありがとう」

不二咲父「不二咲の父です」

不二咲「お父さんです」


わかっっっっ!!?
めっちゃ若いっっ!?
って言うかさっきのテンションは!?


葉隠「あ、いつもお世話になったりなってなかったり……」

戦刃「そ、その」

朝日奈「こんちわっすー!」

大神「我のような巨躯でも問題ないだろうか」

不二咲父「……千尋、お前はお友達がたくさんいるんだね、父さん安心したよ」

不二咲「えへへぇ///」

九頭龍「待てオレも友達扱いか?」

不二咲父「おや、九頭龍冬彦君か」

九頭龍「! アンタは」

不二咲父「千尋と仲良くしてくれているのかい?ありがとう」

九頭龍「………」

「なに、なんで黙ってんの?」

九頭龍「うるせぇ」

大和田「つーか、オレらこんなにいるけど大丈夫なんスか?」

不二咲父「ああ、そこは大丈夫。僕の一族は科学と魔法の融合を目指して日々新たな技術を模索しているんだよ」

不二咲父「そしてこの乗り物……あー、車だね、これには空間を広げる魔法も備え付けてある」

不二咲父「これくらいの人数なら問題なく座れるさ」


不二咲父こえー。
空間を広げる魔法ってなんだよ、何でもありかよ魔法。
とにかく乗れるらしい。


不二咲父「さあ、乗って乗って。さっそくキャンプへ行こうじゃないか」


不二咲父は入室を促してきた。
まぁ、断ることもないしな。さっさと乗り込むか。





車内でなんかしらイベント
>>505

気になる異性についてぶっちゃけトーク

>>505
これ



乗り込んだとたん、広がってたのは………


普通の家レベルのキャンピングカーの内装だった。
いや、あの、ここなに、リビング?
全員が座れるだけの広々空間どころの騒ぎじゃない。
もうなんだ、これは。キャンプ要素ゼロか。

奥にはキッチンもあるし、なぜかシャワーまであるし。

本気で暮らせる家を動かしているような、そんな勢いじゃねーかよ。


不二咲父「ここまでするのは骨の折れる作業だったけどね」


やりすぎだよ、ちょっと考えろよオメー。
キャンプで家感じちゃってどうすんだよ。それもうキャンプじゃねーだろ、別荘とかそんなレベルだろ。

大和田「とりあえずこれが座席か?」


明らかにソファみたいなものを指して大和田が言う。
それはデカくって長くって2脚あった。
あー、真ん中はテーブルか。
そゆことね。

ちなみに後から聞いたら、一応魔法界にもバスらしきものはあるらしい。
ただ、仕組みが機械のそれとは全く違うんだと。
形はほぼ同じような乗り物なのにな。
あと材質も違うらしい。おりはるこん?なんだそりゃ。

さあ、座ってよ、と不二咲父。
言われるままにオレらはソファらしき座席に座った。


不二咲父「それじゃあ出発するよ、しばらくはのんびり行こうか」


ぶろろっ!

再びバスのエンジンに火が灯る。
そしてその家は、ゆっくりと動き出したのだった。

居心地がよすぎてほとんどわかんね……。


朝日奈「……すごいね、不二咲ちゃんのお父さん」

不二咲「そうだね、僕もそう思うよ」

ちゃん付けかよ。

不二咲「でも、ここに来るまでにはいろいろあったみたい」

とか言いながら不二咲が目を伏せる
え?なんだよ、いろいろって。
気になるじゃねーか。

大神「で、あろうな。お主の父上は、ほかの魔術師とはまた一風違った趣向の魔術を使いになられる」

不二咲「うん、そして僕もね」

大和田「そうなのか?」

葉隠「不二咲っちが人間界なんて見た日にゃすげー事んなりそうだべ」

不二咲「あは、そうかもね」

「機械と魔法の融合が出来るから?」

不二咲「んー……たぶん、そうかも」

九頭龍「何考えてんだかな、あの人も」


そんな穏和な会話をしていた。
不二咲の一族って大変だったんな。
他のやつと違う事してると、そら大変かもしれんけど。


朝日奈「………ねえねえ、ところでさ」

大和田「あ?」

朝日奈「旅行で話す内容と言えば、恋バナじゃない!?」

葉隠「どうしてそうなんの!?」

朝日奈「だってさ、普段出来ないぶっちゃけ話とかしながら心を開く会でしょ?」

九頭龍「そうは決まってねぇけどな!?」

大神「言い得て妙、ではあるか」

朝日奈「ねー、男子!気になる女の子とかいないの?」

大和田「なんでオレらに聞くんだよ……」

朝日奈「気になるじゃん!あんまり男子の好みとか聞かないし!」

戦刃「………」←ステルス決め込んでる




じゃ、折角だし安価出すか。
↓1桑田
↓2大和田
↓3葉隠
↓4不二咲
で、気になる女子の名前を上げてね。あ、重複あり。あと複数も一応あり。

桑田っち大胆ー。

朝日奈「ね、どうなの!誰が気になるの大和田っ!」

大和田「オレかよ」

朝日奈「言ってくれなかったら怒るからね、怒るから!」

大和田「……あー、霧切とか?」

「え、意外」

不二咲「へ?」

戦刃「そうなんだ」←食いついた

大和田「あ?」

朝日奈「なんで霧切ちゃんが気になるの?」

大和田「だってよぉ、あいつずっと黙ってんだろ?何考えてんのか気にならねーか?」

葉隠「あー、言われりゃ確かにな」

大神「あやつにもあやつなりの美学があるのだろう」

「単に口べたなだけじゃね……?」

大和田「つうかよぉ、ミステリアス?ってのはこう、惹かれんだよォ!」

朝日奈「いきなり大声出さないでよ!」

大和田「う、うるせっ、はずかし……」

戦刃「そうだよね。あんまり大和田君、女の子に軽々しく好きとか言うタイプじゃないっぽいし」

大和田「な」

朝日奈「分かるかも!ここぞって時のために取っておいてるよね!」

大和田「……る、るせぇぞ!ゴルァァァァ!!」顔真っ赤

「大和田も不器用だもんな、圧倒的に」

朝日奈「え、じゃ葉隠は?」

葉隠「当然舞園っちだべ?」

朝日奈「うんうん、かわいいもんね、舞園ちゃん」

戦刃「舞園さんは普段から、クィディッチのマネージャーやってるからあんまり話せないけど」

葉隠「やっぱよ、出してくるオーラ的なもんがぜんぜんちげーべ。こりゃもう有り得んべ」

大神「ふむ……オーラが何かは分からんが言いたい事は分かるぞ、葉隠」

不二咲「九頭龍先輩も知ってますか?」

九頭龍「ああ、あの女か」

「やっぱ舞園ちゃんはかわいいだろ?」

葉隠「だべ。そら気になって当然だろ」

九頭龍「ああ、あれなら仕方がねぇな」

大和田「……あの女、クィディッチの試合だとチアガールやるってマジか?」

戦刃「あ、うん、前に一回やってた」

葉隠「マジすか……!」

「それマジ可愛いんじゃね?」

朝日奈「次つぎ!不二咲ちゃんは?」

不二咲「僕は………大神さんかなぁ!うらやましいってとこがおっきいけどね」

大神「我か?」

戦刃「なるほどね。不二咲君はあんまり体強くないし、おっきくないから」

不二咲「うん、大神さんの健全な肉体?って言うのはすごく羨ましいし、すごく憧れるんだよねぇ」

大神「……ほう」

葉隠「やめとけ不二咲っち、オーガはな」

「あ?オーガ?」

大和田「大神のあだ名だ。人間なのに亜人に勝っちまった。それこそオーガっつー種族にも勝ったんであだ名がオーガなんだよ」

大神「悪い気はしないな……」

九頭龍「ああ、その話なら親父伝で聞いたぜ。マジだったのかあれ」

大神「うむ、我はただ襲いかかってきたものを払っただけなのだがな」

「それで勝っちゃうとかすごくね?」

大和田「まぁな。けどよ、見りゃわかんだろ?この女は……女っつー性別的ハンデも関係なく、マジで強いぞ」

朝日奈「女性って一般的に筋肉付きにくいからねー」

不二咲「だからこそ僕は憧れるんだ」

大神「……ほう……」

朝日奈「……それはともかく、桑田、アンタはどうなの?」

あ、オレにも来たか。
まあここは………

「……オレ?オレはオメーかなぁ、朝日奈」

朝日奈「………へっ?」

葉隠「また意外だべ。なんで?」

「なんでって、そらオメーあれだ。運動が出来るの一点だな」

戦刃「あ、そっか。桑田君がやってた野球もスポーツだもんね」

「オレ野球好きだから一緒に体動かせる奴の方がいいんかなって思ってな」

九頭龍「随分普通な理由じゃねーか」

「理由くらい普通に付けさせろよ」

不二咲「体をいっぱい動かせたら楽しいよねぇ」

朝日奈「あ、い、いいよっ、そう言うのっ!」

「照れんなよ今更」

朝日奈「ち、ちなみに九頭龍先輩は、辺古山先輩?」

九頭龍「ぶっ!」

大神「………であろうな」


恋バナは盛り上がっている。
はぁ……こんな会話楽しいか?女子よ。




そろそろつくお。
1→まだ恋愛話が尽きない
2→九頭龍をいじる
3→ほかの話題にする
4→そのた

>>521
今日ねる明日やるおやすみ

4 ちーパパの仕事について朝比奈ちゃん話題をそらす

(オーディエンス……見えますか……今貴方の見ているスレに書き込んでいます……開始する、今日の書き込みを開始するのです……)

>>521

朝日奈「ねぇねぇ、九頭龍先輩って辺古山先輩とどんな関係なの?」

朝日奈「確か九頭龍一家って超名門じゃん?」

朝日奈「そもそもなんでそんな名門の人がここにいるの!?」

九頭龍「今更!?」

朝日奈「ねえねえ!やっぱり許嫁とかそう言う……」


そろそろ九頭龍パイセンがかわいそうになってきたから助けてやるか……。


「つかさ、不二咲?」

不二咲「ん?どうしたのぉ?」

「オメーの親父さん?結局どんな仕事してんだ?」

不二咲「んー……と、」

不二咲「人間界の物を輸入したり、魔法界に違法に持ち込まれた人間界のものを取り上げたり……」

不二咲「あとはそれを改良したり魔法を新たに付与したりしてるかな。それと、魔法界でも道具が使えるようにって考えてたり」

不二咲「とにかく人間界と魔法界は共存できるって考えてるんだよねぇ」

九頭龍「なもん無理に決まってんだろ」


しかし、ここに横やりが入ってくる。
九頭龍パイセンはほんとに、この考え方には準じたくないらしい。


九頭龍「魔法と科学は相容れない。それは何万年も前から決まってる事だ」

葉隠「ん?そうなん?」

大和田「そうだったか?」

朝日奈「歴史の授業で、やったっけ?」

九頭龍「……」

不二咲「む、無理じゃないよ」

弱々しく、不二咲が言う。

九頭龍「え?」

不二咲「……お、お父さんは確かに、ほかの人とは違う事をしてるよ」

不二咲「でも、それだけで……無理って言いたくない」

大神「……」

戦刃「……不二咲、君」

九頭龍「ハッ、威勢はいいな。だが、テメェの一門は異端である、って事位は理解しとけよ」

不二咲「……ッ」

「そんな言い方しなくても」

九頭龍「魔法と科学の融合?大層なもんを目指してるようだが、オレから言わせりゃそんなもんただの詭弁だがな」

不二咲「やってないから出来ないなんて決めつけるのはおかしいよぉ」

大神「強いのだな、お主の家系は」

大和田「……強さ、か」

九頭龍「だからなんだ?魔法律で厳しく律されてる通り、人間界との混同はきわめて危険だって……」

葉隠「んーにゃ、それはただただ理解がないだけなんじゃねーの?」

戦刃「人間界って言うのはおいしい食べ物あるのかな」

「つか何が危険なのか理解できねーんだけど?」

葉隠「前も言ったとおり、在り方の違いだべ。自然か、それとも人に作られたのかってとこか?」

朝日奈「あれ、でもそれ言い始めたら馬車とかも人が作ってるじゃん?」

不二咲「基準なんて誰が最初に決めたんだろうね……?」


とか、何とか言ってたら、ふと、


   「……着いたよー」

不二咲父の声がした。
どうやらほんとに河原に着いちまったらしい……。
言われるままに、オレらはそこからゆっくり立ち上がった。

おいで、と先導する不二咲。
おい、降りるとこがなんかほんとに玄関みたいになってっけど!?


がちゃ



……そこにあったのは、本当にただの川だった。
いわゆるバーベキューにぴったりな!
砂利がいっぱいあって、なんかあったかそうな!
かわ!!

そのせせらぎはかなり穏やかで、まぁ歩いて中に入ったり出来そうな場所だ。
もっと下流に行けば釣りもなかなかに楽しめそうだ。



朝日奈「すっ………ごーい!!」

葉隠「ほぇー、ほんとに川に来たんか」

大和田「あんまり分かんなかったぜ……」

「つか、マジに川じゃん」

不二咲父「川だよ?そしてバーベキューをするのさ」

「めっちゃ楽しそう」

不二咲「へへへ、ついにみんなに、お父さんの研究の成果が出る時だねぇ!」

不二咲父「ああ、お父さんに任せておきなさい」

そして……いよいよ、バーベキューが始まる………?




1→キャンプファイアーだ
2→みんなでバーベキュー大会
3→パパ咲の発明品発表会
4→なんかやばい事になる(コンマ1の時強制)
5→そのたなんか楽しそうなイベント

>>532

5水着に着替えて水遊びしよう

>>532


不二咲父「バーベキューだ、と言いたいところだけどね」

不二咲父が空を見上げた。
ああ、まだ全然昼飯には早いみたいだ。
それに、バーベキューするんなら是非夜にしてもらいたいと思ってた。

オレ達は誰ともなく頷く。

そして、

不二咲父「まだまだ時間があるし、どうだい?ひと泳ぎ」

川を見てそう一言。

朝日奈「いいね!」

不二咲「さすがお父さんだよぉ!」

5月の川はたぶんまだ冷たいんだろうけど、それも心地よく感じられそうな位には日差しもあったかい。
こりゃ、泳ぐまでいかなくとも水遊びは楽しめそうだ。


九頭龍「………このかっこのまんまいくのか?」


ふとそう言ったのは九頭龍パイセンだった。


「へ?」

九頭龍「いや、服のまま水に入んのか?さすがにそれは……」

不二咲父「と思ってね!ちゃんと水着を持ってきたよ」

九頭龍「あ?」

大和田「おお?」

戦刃「水着?」

不二咲父「いくつかね。たぶん人数分、あるとは思うけど……」


………そして数分後。

朝日奈「わぁーっ!」

大神「ほう……?」

朝日奈と大神は、いわゆるパレオっぽいやつを着ている。
ついでになぜか不二咲も。

不二咲「すっ、ごいかわいいねえ!」

「なんでオメーがそれ!?いや、男物にしとけよ!?」

不二咲「だってかわいいよぉ!」

「いや可愛いじゃなくてな!?」

大和田「……用意いいのな」

九頭龍「なんでオレまで……」

一方、オレと大和田、九頭龍パイセンは海パンだ。

不二咲父「この間人間界の商人から仕入れておいて正解だったよ」ははは

「抜け目ねーな……この親父」

葉隠「で、あの」

戦刃「これはいったい……」

不二咲父「ああ!君達に渡したのはウェットスーツ!全身をくまなくゴムで覆うタイプの……」

「何、マジの潜水でもやる気?」

ちなみにラバースーツのせいか、実際戦刃の胸は平坦だった。

戦刃「ドーモ、戦刃むくろ……です。巨乳派は死すべし」しゅた

慈悲はない、らしい。

それから。

ばしゃばしゃっ


朝日奈「うーん、この時期の川も気持ちいいねー」

大神「水も綺麗だ。ここには魚もたくさん住むだろう」

大和田「………オレも泳いでみるかな」

「ま、こうなったら一回泳ぐのもありじゃね?」

全員で楽しい水遊びとしゃれ込む事にした。
やっぱり、どうも水は冷たいけど、その分あったかい日差しを浴びて眠くさえなる。

朝日奈「えいっ!」

ばしゃっ

「ッ、ぶっ!?」

朝日奈「あはは、ぼーっとしてるからだよ!」

「やったなテメー!」

不二咲「あはは、泳ごっか!」

平和な日常ってたぶんこういう事言うんだろうなーって、何となく思ったりした。
いやー、これいいなー。
ちなみにオレと朝日奈は水かけを大絶賛実施中だ。

九頭龍「………ずいぶんのんきなこったな」

大和田「いいんじゃねぇスか?たまにはよ」

九頭龍「ペコにも言われたから今回は着いてきたんだ。別にテメェらとよろしくやってるつもりはねぇんだよ、オレは」

大和田「………そっすか」


遠くでは大和田と九頭龍パイセンがなんか真剣な顔をしていた。
知るかよ。
………あ、戦刃が素潜りで魚取った。




1→さらに続く川遊び
2→おひるごはん
3→パパと遊ぶ
4→そのた

コンマ1だとやっぱり……

>>543

1

>>543


戦刃「とったどー!」

葉隠「おおー!大量、大量ッ!」


なんだあの軍隊!?
ラバースーツの愉快な仲間達はオレらには加わらず、下流の方にいる。
かなり離れてたが、それでもなんとか姿は見えた。

どうやら黒ラバーの仲間達は魚を捕っている模様。
もしかして、いや、もしかしなくてもそれ昼飯ですか?


朝日奈「ね、桑田!ちょっとひと泳ぎ勝負しよーよ!」

「いやいやなんでそうなんだ」

朝日奈「だってアンタ泳げそうなんだもん!」

「運動ならオーガにやってもらえばよくね?」

いつの間にかオーガは定着していた。
つか、実際オーガみたいな体だし。

朝日奈「あのね、さくらちゃんはあんまりおよげないの」

「………あ?」

不二咲「そうなの?」

大神「体に筋肉を付けすぎたせいであろうな。水に浮かばぬのだ」

あー、マッチョはカナヅチ説か。
あれマジだったんか。
実際に脂肪よりも筋肉が重いから、沈んじまうって話だった気がする。
全く仕方がねーな。
大和田と九頭龍パイセンはなんかしゃべってっし……。


「………うーし、オメー泣くなよ」

朝日奈「泣かないよ!」

オレはマジでやった。
ほんとに。
別に手を抜いたわけじゃない。
朝日奈に負けたくないから本気出したんだ。

結果?
聞く?


朝日奈「やったーっ!」

「」

朝日奈「さすがだよね、桑田!私といい勝負だった!」

朝日奈「………でも、水の中だったら絶対負けないけどね!」

「」


ぼろ負けだよ。びっくりだわ。
地上なら確実に勝ってた、いや勝てるのは知ってる。
だから水の中でも行けると思ったんだよ。
だめだったわ。
全然ちげーの。
はっえーの、朝日奈。
こう、ばびゅーんつて感じ?

朝日奈「あー、楽しかった!」


そろそろ昼にしよう、と不二咲パパ。
そうだな、なんて言ってたら、いつの間にかそれっぽい焚き火みたいなものが出来ている。
不二咲パパがいつのまにか、河原にそれ作ってたらしい。
周りには魚が棒に刺されて焼かれてる。


「………つかれた………」

不二咲父「楽しかったかい?まだ時間はあるさ、昼ご飯でも食べよう」




昼ご飯の話題
↓3くらいまでノリで

ぱちぱち、と木が燃える。
それは魔法で作ったものじゃないらしい。
なんでも不二咲パパが、人力で、起こしていたとか。
人力で?
おいバカか?


不二咲父「弓きり式さ!」

「サバイバルでも始めるつもりなんスか?」


しかし付けたんなら付けたでまあすごい話だよな。
とにかく周りで魚が焼かれている。
何匹捕ったんだよ!?多いだろ!
つか、なんだこの極彩色の魚!?


不二咲父「食べられるよ、ちゃんとね」

朝日奈「いただきまーす!」

大和田「お、焼けてんじゃねーか」

続々と戻ってくる仲間達。
それぞれが焚き火のそばの魚を見て喜んでいた。
体は濡れたまんまだったけど、まぁ、気持ちのいい風が流れていて、嫌いじゃない。

不二咲父「どうぞ召し上がれ」

不二咲「いただきますっ!」

焼けた魚はかなりぱりっとして旨い。
うーん、魚はどこの世界でも味が変わんねーもんなんだな。

不二咲父「………そうだ、せっかくの機会だし、みんなの授業の話を聞いてもいいかな?」

不二咲「うん!」

九頭龍「なんだ、そりゃあ……」

不二咲「最近の授業はずっと楽しいよぉ?」

「はぁ?」

何言ってんだ不二咲は。

オレらの取ってる科目はいくつかある。
魔法薬学、歴史学、天文学、防衛術、基礎授業(普通の高校みたいな授業)、体育と家庭科といろいろ。
そのうち記憶に残るのったら防衛術と家庭科くらいだ。
なんせ、家庭科は旨い飯が食える可能性がある。
そんで防衛術はいろいろと魔法の使い方の基礎をやるからオレには新鮮だ。

葉隠「………ん?なんかあったんか?」はぐはぐ

戦刃「体育、基礎体術の授業やったでしょ?」

ついこないだだ。

戦刃「あのときだけは私も活躍出来たから、楽しかったよ」

大神「我とは組む相手がおらんで困ったがな」

「オメーとやったら練習でも死ぬわ」

朝日奈「半死で済むかもしんないよ!」

「ダメだろ!?」

不二咲「え?魔法薬学はおもしろいよ?」

葉隠「あ、そいやこないだは回復薬の作り方やってたな」

朝日奈「あれがあれば簡単な傷くらいならすぐ治りそうだよねー!」

大神「確かに」

九頭龍「だがよ、世の中には骨を生やす薬なんてもんがあるからな」

「なにそれ怖い」

大和田「何があったらんなもん使うんだ?」

九頭龍「世の中そんなもんばっかりだぞ?目を増やす魔法だ、舌を生やす薬だと……」

不二咲「そんな話も魔法薬学で聞いたかもねぇ」

ここまで来て勉強の事を思い出させられるのは、なんかこう、いらっとする。
オレは思わず両手を上げて、ついには溜息ついた。


「あー、おーけー。魔法魔法って、おい……一回魔法から離れね?」

不二咲父「ああ、そうだね!」

ちょい疲れてきた………。

「つか魔法の話ばっかだけどよ、オメーら。魔法以外になんか趣味とかねーんかよ」

大和田「あ?」

不二咲「あ、そうだね、気になるよぉ」

「九頭龍パイセンないの?」

九頭龍「あ?何でオレが」

朝日奈「いいじゃん、けち!」

九頭龍「!………」

九頭龍「………」

九頭龍「……和菓子」

「あん?」

九頭龍「和菓子食うのが、趣味」 

朝日奈「……意外!」

九頭龍「るせぇなぁ!」

大神「我は己の鍛錬が趣味だな」

大和田「オメェのはもはや趣味の域越えてるぞ」

戦刃「………そうかもね」

葉隠「あ、俺は占いとかその手のスピリチュアルなもんがだな」

朝日奈「私は泳ぐ事かな!」

葉隠「おい無視すんな」

「オレ、野球位しか趣味ねーから、オメー等に説明が出来んのよね」

大和田「あー、あの?」

「めっちゃ楽しいぜ?」

朝日奈「体動かすのはやっぱり楽しいよね」

葉隠「疲れね?」

九頭龍「こんな年から疲労感感じてんのか?ハゲるぞ」

葉隠「ハゲねーべ!」

不二咲父「あはは………」

「オメーもやるか、野球」

朝日奈「そうだ、葉隠もちゃんと野球やろっ!こないだ審判ばっかしだったし!」

葉隠「あのなぁ………」

「………あー、そういや」

ふと、野球で思い出す。
オレはピッチャーだ。
いろいろ投げられた方が得ではある。

「増やしてーんだよな、球種」

しかしこの一言、悪手だった。
なんせオレの固有魔法も野球絡みだったからだ。

朝日奈「………あれ?桑田、もしかして魔法のこと考えちゃった?あんなに言ってたのに」

「あ?」

葉隠「魔法は増やしたに越したことねーもんな」

不二咲「かっこいいよねぇ、桑田君の魔法」


あの、話が読めない……




1→特訓だ!
2→突然モンスターが!
3→みんなからアドバイス
4→そのた

>>557

>>557


朝日奈「ま、なんも考えないで好きに投げた方がいいよ!」

と、いきなりそんな声がした。

「あ?」

朝日奈「好きこそものの上手なれって言うでしょ?好きなら好きの気持ちは絶対上回るからさ!」

朝日奈「桑田、野球はすっごい好きそうだし。それって新しい魔法のきっかけになるかもね」

「お、おう」

いや、魔法の事は一言も……

不二咲「ボールが燃えてたんだよね?」

「あ?そうだけど」

不二咲「あれって違う属性も出来ないのかな」

朝日奈「あ、それいいかも!」

九頭龍「こいつがか?無駄じゃねぇのか?」

不二咲「でも桑田君は魔力が特段高いし」

葉隠「だな。こんだけ魔力ありゃだいたいの事は出来そうだぞ?」

「あー、でもオレ魔法を遠くにとばすの向いてないって」

不二咲「それも体質ゆえ、だよねぇ」

大神「その身に魔力を纏うのは?」

朝日奈「わー、かっこいい!」

「スーツ的な?」

って、言ってもなぁ。
オレはまだ魔法には全く理解がない。
だから何がどこまで自分に出来るのか、全く分かんねーんだ。

つか、そもそも魔力を体に纏ってどーこー?ってのがやっぱり出来る気がしない。

全身に満ちてるそれをどうしたらいいやらなんだ。

大和田「オメェほんとに魔法はからきしなのか?」

「ぜんっぜんだよ」

朝日奈「もったいないよね!ほんとに!!」

「………あー」

九頭龍「ふん。確かテメェにそんな技があったら使えるかもしれねぇがな」

九頭龍「だが、テメェがそんなもんを使いこなせる気がしねぇよ」

「な、なに?なんでディスられたん?」

不二咲「桑田君には火の魔法が向いてるのかなぁ」

大和田「いっぺんよお、好きな時に好きなだけボール投げようぜ」

戦刃「ねぇ、本当に魔法使えないのかな?」

戦刃「もしかしたら、もっと考え方を変えたら……」

不二咲「後は桑田君次第だよ!」

「………」

葉隠「魔法ってのは結局自分の力だからなー……後は思いの力っつーか、よ」

朝日奈「あ、そうそうそんな感じ」

「………ち、ちょっといろいろ試してみるわ………」




そして夜。

1→不二咲父の話
2→いやな予感
3→バーベキュー
4→明日の予定立ててねる
5→そのた

>>562

夜中に隠れ魔法開発

>>562




ホーホーホー………


天使も悪魔も寝静まるであろう、夜中。
オレはひとり、起きていた。

夕暮れの辺りからバーベキューが始まったりして楽しい1日だった。
明日もまた肉を焼いたり、ちょっと出かけたりするらしい。
そりゃ楽しみだ。
なかなか出来ない体験に楽しみを夫ほえた1日だった……。

んで、その夜だ。
こっそりと、部屋を抜け出す。

あのデカいキャンピングカーはほんとに魔法で改造されていた。
なんせひとり一部屋もらえるほどの広さだったのだ。
そんなわけでオレが一人起きたとこで誰も気にするわけもなし。

足音を押し殺して、オレはゆーっくりとそとへと出て行った。
さすがに中でなんかするのは気が引けたんでな。

さて………やるか。

何を?
決まってるだろ、隠れ魔法の開発だ!

今のオレが満足に使える魔法はたったのひとつ。
硬球に火を灯し、それを投げる【変火球】。
それだけだ。

ほかはびっくりするほどだめだった。ほんとびっくりするほど。
水のも、火のも、それこそあらゆる魔法の基礎の基礎すら出来てないってのがまた残念な話だ。
あの七村彗星が匙を投げかけたのも仕方がないかもしれない。

ほんとに出来ない。

それがなぜかはわからんけど。


「………だから特訓なわけだ」


ひとの寝静まった夜。
誰に説明するでもなく、そう言った。




↓3まで、練習する内容選択

1→基礎魔法(火)
2→杖から魔力を飛ばす訓練
3→変火球
4→新しい球
5→オリジナル魔法
6→そのた

そうだ……。
オレにはやっぱこれしか、ねぇ!


ぽっけに忍ばせたそれを取り出した。
硬球。
オレの相棒にも似たそいつは、いつもと変わらぬ姿でオレの前にいる。
ぎゅ、と手に握った。

うん、オレに使えるのはこれだけだ。

基礎なんてちまちまやってるような性格じゃなかった。
だから、オレは新技の開発を、まさかの野球スタイルで始めたのだ。
ちょうど小高い丘みたいなのが川の両脇にあって、そこから奥へは森が続いているみたいだった。
その丘は高さもほどほどで、球を投げ込んで壊れるような脆さはなさそうだ。

………投げ込むか。

決めるが早いが、オレはすでに一球放っていた。


吸い込まれるように、丘へと伸びるその球の軌道。そして―――


ぱんっ!


そんな音がした気がした。
いや、向こうは壁じゃないから、もっとくぐもった音だったが。

ぱんっ!
ぱんっ!


繰り返し闇夜に聞こえる音。
オレの投げ込む音は実に静かで、実に真剣だった。
辺りの自然を破壊しない程度には優しく静かだ。
その辺に落っこちるボールを拾いに行くのはたるかったが、しかしここならしかたがないだろう。

意識をボールに集中する。
あの時の感覚を忘れたくなかった。

ボールが突然発火した、あの体感。

オレがボールを、野球を本気で受け入れたあの時の感覚を。
思い出せ、思い出せ―――

なんだか、手の中が突然ずしっと重くなったような、気がした。


(ざけんな)


もう疲れたとか言わねーよな、オレ?
まだ、まだなんだ。
オレはもっと野球をやりたい、野球を、やりたい―――


めりっ、と硬球が、丘にめり込んだ。
そしてそのまま出てこなかった。


「………あ?」


今の感覚、あれは。
あわてて丘に駆け寄ると、硬球はまるで硬いもののように土を割っている。
さっまで跳ね返されてたってのに、話が違う。

もしかしたら、これが新しい技………?

オレの気持ちは高ぶり、そのまま何度も投げ込む。これは、もしかして!
速球……そう、豪速球!
けどなんか締まりがない名前だな……今度までに考えとくか。



ちなみに翌日は寝坊した。




1→次の日のバーベキューから
2→次の日の夜から
3→ゴールデンウイーク最終日から
4→そのた

>>572

もうねるまたあすおやすみ

乙おやすみ
安価は2

もし次スレが建てられるその時はタイトルを「魔法野球少年 まじで☆クワタ」とかそんなんにしよう。
あ、やりまーす。

>>572








さて、話はその日の夜から始まる。

と言うのも、昼間はのんびり釣りしたり、不二咲パパに捕まってオレの話をしたりとあんまり記憶がないからだ。
不二咲パパは、オレのどうでもいい話に全部食いついていた。
なんだこれってレベルだ。
何に喜んでんだかももう分からん。


で、夜だよ、夜。


その日も火を燃やして、キャンプファイアーなどしながらみんなで楽しく話をしていた。
虫は多かったが、不二咲パパ謹製だという虫除けスプレーが効果を発揮している。
つまりは、虫がほとんど寄ってこず、来ても火の中に飛び込み自殺していくような状態だった。

ぷすぷす、焼け焦げるちいちゃい虫がまた増える。
やっぱ虫はどんな世界に行ってもあんま変わらんのな。

それもいつまで眺めてりゃいいかな、と思った頃に、事件は起きたんだ。



バサバサバサ………



不二咲「………なんの音ぉ?」


羽ばたきが突然聞こえた。

バサバサバサ……… 


闇から滑るように現れたのは、馴染み深い生物だった。

カラスだ。


『カー』

九頭龍「こいつは……親父の!」

大和田「あ?オメェの親父さんの?」

九頭龍「……ああ、親父の飼ってる烏だ。シャドウレイヴンっつー種類なんだが……それはいい、どうしやがった」


それは足に何かを括り付けられていた。
九頭龍パイセンがそれを開こうとして―――何かに気づき、席を立つ。


葉隠「んあ、どこ行くん」

九頭龍「どこに行こうが勝手だろうが」

不二咲父「もしかして、何かあったのかい?」

九頭龍「………知るかよ」

「何かって……なん、だよ」

九頭龍「………」


何も答えず、九頭龍パイセンは森の方に入っていってしまった。


大和田「……ありゃ、何かあったな」

戦刃「何ていうか、殺気を感じたよ」

「殺気っ、て、何で……」

不二咲父「……さぁね」

「………」


すごくいやな予感がする。
でも何が起きてるかもオレにはわかんねぇ。
どうすりゃいいんだ?
今何が起きてる?

少し遠くで、雷みたいな音がしていた。




1→肝試しやろうぜ
2→もう寝ようぜ
3→誰か特訓手伝えよ
4→そのた

>>580

イベント狙いで1

男女ペアになって1

>>580


夜ともなれば、この河原は寂しくて寒かった。
そして周りには鬱蒼と茂る森。
ここまで言えば分かるやつもいると思う。


「肝試ししねーか?」


そうオレは提案した。
ちなみに九頭龍パイセンはまだ戻らない。
しかしそれでオレらの楽しみが停滞するのもいやで、オレはそんな事言ったんだろう。


葉隠「いやいや、いや……ここにはマジモンがいそうだっての……」

朝日奈「でもこんなとこで肝試しなんて楽しいかもね!」

葉隠「……オメー……マジか……?」

戦刃「……うん、私も賛成かも。やろっか」

葉隠「いやいやいや!」

「じゃ、オメーは不二咲の親父とここで待ってりゃいいじゃねーか」

不二咲父「あはは、それでもいいよ?それか僕と行くかい?」

不二咲「お父さんは驚きやすいからダメだよぉ」

大神「幽霊を見たら正拳突きを繰り出せばよいか?」

「オメー幽霊の概念分かってますか?」


さて、肝試しすんのはいいんだけど、組み合わせはどうしたもんか……。




1→朝日奈と
2→大神と
3→戦刃と
4→仕方がねーから男子と組んでやるよ
5→ちーたんは男子じゃなくてちーたんだから

>>584

1

ちーたん「キャー!幽霊!?」
さくらちゃん「破ァ!!」ジュッ

できそうだから困る

>>584


「………あ、じゃオレ朝日奈とペア」

朝日奈「へっ?」

「いやか?」

朝日奈「や、イヤとかじゃなくて、びっくりしたって言うか……」

大和田「……九頭龍先輩はどうすんだ?」

「戻ってこなそうだし、ほっとけ」

大和田「そうか?」

戦刃「………それはさすがにまずいよ」

不二咲「ええと、じゃあ……」

葉隠「俺は行きたくねーぞ……」あぶあぶ

大神「そう言うな葉隠……我が守ってやろう」

葉隠「お、オーガ……」トゥクン

「そこ逆じゃね?」

戦刃「……私は九頭龍先輩を待つね。いってきていいよ?大和田君、不二咲君」

大和田「あん?いいのかよ、そんな事言って」

戦刃「折角みんなで来てるんだから、仲間外れなんてよくないし」

不二咲「そ、そうだねぇ。でもそれなら僕が先輩を待つから……」

戦刃「ううん、いいの」


……戦刃の顔はなんだか張りつめているようにも見えた。
理由は分からん。
だけど、そこにいる誰もが戦刃にそれ以上は何も言えなかった。


「……じゃあ、この組み合わせで肝試しな?」

不二咲「でも、肝試しって言っても何をするのぉ?」

「ほら、この辺の森はある程度歩いて回ったろ?」


この日の昼、あんまり暇だったんで周りをうろちょろしたのだ。
そんで、今でこそこんなにも鬱蒼と茂った森の中にも当然入っていった。
少し進むと広場みたいな場所があって、そこは綺麗な花がいくつも咲いている。


「ここからその花畑まで歩いていって、行った証拠に花びらを持ってくる。これでどうだ?」


正直あまり悪くない提案だと思う。
片道の距離もそんなに長くはない。
けど、今の時間帯とこの絶妙な暗さ、何よりどこからか聞こえる音と合わせるととてもスリリングだ。


大和田「花びら、だな。分かった」

戦刃「じゃあ、先にみんなは初めていいよ。私はここで待ってるから」

不二咲父「僕もいるから、みんな安心して行っておいで」

「じゃー……折角だし最初に行くか?朝日奈」

朝日奈「うん!夜のピクニックみたいで楽しそうだからね!」


朝日奈は既にやる気満々だ。
おい、なんだよ。

朝日奈「ねぇ桑田、行くならやっぱり全力でみんなをすごいって思わせたいじゃん?」

朝日奈「だからすっごい走ってすぐ帰って来るってのはどうかな!?」

「疲れんのはなしだろ!それにそれじゃなんも怖くねーし!?」

朝日奈「うーん……そっか」

「ま、遊びだと思っておきゃいいって」


唯一気がかりなのは、だんだん近付いている雷だけだった。




ほうほうほう、とフクロウらしき鳥が鳴いている。

オレと朝日奈は早速、この森の中に足を踏み入れていた。
木々を踏みしめながら、草を掻き分けながら。
確かに昼に通ったのと同じ路なのに、なんだか全然違う顔を見せてきていた。
すっげー怖い。
なんかもう、ほんとお化け出そうだ。

今更ながら、この提案をしたのを後悔しそうになる。
だって、こんなこえーとこに何で来なきゃなんねーんだ?


朝日奈「………っ、きゃっ!?」


ぱきっ、と枝の折れる音で朝日奈が飛び上がった。
もう何回目だろう。


「あー……朝日奈、あんまビビんなって」

朝日奈「うぅー、だって……」

「幽霊なんていねー……って言うと学園のあれが意味フだから言えねーけど、こんなとこに変なもん出ねーよ」

朝日奈「だよね?そうだよね?」

「そうだろ」

朝日奈「ドーナツの精霊も出ないよね?」

「………なんだそれ」

朝日奈「ドーナツの精霊なら怖くないのになぁって思ってさ……えへへ」

「意味分かんねーけどなんか面白いぜそれ」


くすっ、と笑った。
釣られて朝日奈もちょっと笑う。
よかった、ちょい怖いの薄れたか?

……それにしても、雷がだんだん近付いてる。だけど、雨が降る気配はないな。




このあと

1→蛇がいっぱい出る
2→ひとくいぐも
3→やばそうな魔法使い
4→九頭龍パイセンが誰かと話してる
5→そのた

>>593

4だな

5すぐ近くの木に雷が落ちる

(審議中)

ボスエネミーイベントでもいいのよ?

>>593


もしかして、これって雷じゃない、のか?
まさか、な。


朝日奈「なんか騒がしいね……」


本当なら何の音もしなさそうな、静かな森の中だ。
それがなんでか、ざわついていた。

なにが、って訳じゃない。

空気がって言うか、空間が、土地がざわめいている感じがした。
それに合わせて、ピシャン、とか、ゴロゴロ、とか。
そんな感じの音に似ている、雷に近い音がオレらのそばまで寄っていた。
やっぱ、雨でも降るのか?


「あー、そうだな」

朝日奈「なんだろ……?」


ピシャンッ


朝日奈「わっ!?」

「今のは特段近かったな」


森の中で何かが光ったっぽい。
うーん、やっぱり雷だな。

誰かのささやきのようなものが、森の中に広がっている。
もしかして大神とか不二咲か?
もう出発したんか?


「……なんかマズいな、早く抜け―――」







バヂィッ




朝日奈「……え」

「ああ?」




バヂンッッ!!




オレ達の目の前に、光が突然現れ、


そして、木が突然雷に打たれた。




朝日奈「……今のっ、て」

「か、雷……?」

朝日奈「でも、でも、今のは」


ああ、間違いない。
これはふつうの雷じゃなかった。




誰かが人為的に魔法で作り、魔法で放った雷だ!

「誰だ!?」


即座に頭の中で危険察知を重視する。
やばい。
まさかとは思ったけど、こんな事になるなんて。
かなりやばい。
誰かしらんけども、とにかく今この森で誰かがドンパチやっている。


「くそが、出てこいよ!テメーなにもんだ!」

朝日奈「く、桑田ッ!」

「朝日奈、テメー先に逃げろ!」

朝日奈「……え?」

「何かやべーんだろ、今!誰かしんねーけど魔法使ってる!しかもかなりガチで!」


その威力は、魔法に当てられた雷を見れば完全によく分かる状態だった。
なんせ、ほぼまっぷたつになっていたのだ。
焼け焦げた木のにおいが、オレ達の鼻を強く刺激する。
いやな感じだ。

だからこそここで朝日奈には逃げてもらうつもりだった。
仮にこんなあぶねー事してる奴に見つかっても、オレ多分大丈夫なんじゃねーか、と根拠なく思っていた。


朝日奈「バカッ、そんな事出来ない!」

「オレは死なねーんだよ、魔法あんま効かないらしいし!」

朝日奈「そう言う問題じゃないでしょ!?」


二人で押し問答している間に、木の奥に人の気配を感じ取っていた。
それはさらにこちらへと近付いてきているようにも思える。
マズい、か?

硬球は……あれ?なんで持ってねーんだよ、オレ?!




1→新技?覚える
2→誰かの顔を見る
3→幽霊が出る
4→なんかそれっぽいイベント

>>606

1

1 即興で魔翌力から短時間珠を創る隠し珠

>>606


ぱきぱきぱき、と木々の音がする。
さらに続けて何回か、森の中が光る。
やばい、ぞ。
こりゃ、かなりやばい。


「……ッ……、なんか来てんな」


武器がないのが一番痛い。
オレはボールでしか魔法を具現化出来ねーってのに!


朝日奈「……こ、こうなったらやるしかないよね」


朝日奈が杖を構えた。
さらにぱきぱきぱき、と枝が折れる。

そして、そこから姿を現したのは―――


闇。



ローブで顔を、体を隠した、男とも女とも、それともそもそも人間なのかも分かり得ないものだった。


「………!?」

朝日奈「な、にこいつ!」


それでも手が見える。
ついでに杖も握ってる。
こいつは魔法使いだ、オレらと変わらない。

そして違うのは、多分こいつは、人を殺せるって事だ。

なんか、もう空気からして、やばい……!

ローブ『………、………』


何か言っている。
だけど、聞き取れない……!


朝日奈「く、桑田ッ!避けて!」

「あ?」

ローブ『―――!』

「な……!?」


バヂンッッ!!


朝日奈が叫ぶのと、ローブの奴がなんか唱えたのがほぼ同タイミングだった。
オレは惚けた顔をしていたが、しかし、ローブの奴の杖先から光が漏れて、あわててしゃがむ。

ターゲットを失った雷は、杖から一気に伸びて、別な木を大きく傷つけた。


ローブ『………、………、………』

「あ、ぶ、ねっ……!」


正直オレの反射神経だから出来る技なので、他のやつにはオススメ出来ない。
しかしさっきの雷、ガチで撃ってきてる。
オレの、普通に持ってる魔力だけで無傷になるかどうかが分からないくらいだった。

くそ、武器さえあれば……。
杖を持ってたって、魔法が使えないんじゃいみがねぇ!

オレと朝日奈は、そのローブのやつと対峙している。
逃げ出すなんて事も出来ない。
背中を向ければ、あの雷に一瞬で飲まれるだろうから。

「くっそ、くそっ!」


考えろ、考えろ!
オレにも何か出来ねーんか!

ローブのやつがまたしても魔法を使おうとしているのか、何かをつぶやき始めた。
連射されないからと言って安心は出来ない。
さっきより早かったら避けられないし、もしかしたらほんとは連射出来るのかもしれない。
かと言って逃げ出せばその隙を突かれる。
さぁ、どうするオレ。

オレの手にボールさえあれば。

そこで発想を転換する。
じゃあ、オレがボールを作れればいいんじゃねーか?

いやいや、ボールが作れるわけねーだろ!


ローブ『………、………』

朝日奈「ちょ、桑田!さっきの、また!」

「分かってる!」


辺りの温度が上がるのが分かった。
このままじゃまたあいつの雷が飛んでくる……。
ボールは作れない。作れないけど、ボールっぽい物を作れれば……!

その時、ふとある光景を思い出した。

ちっ、こうなりゃダメもとだ!
おもむろに、地面に落ちてた手ごろな石をひっつかんだ。


朝日奈「桑田?!」

「黙っとけ!」

あの時。

七村彗星がオレに、ボールを介してなら魔法が使えるのではと言ってくれたあの時。

オレは確か、膨大すぎる自分の魔力を扱いきれず、杖をバットのような形にしていた。
あの光景を思い浮かべたのだ。
杖がバットになるなら、石をボールにも出来るのではないか、と。


「………おおおおおっ!!」


いや、やるんだ。
やるしかねーんだから。

オレのありったけの集中で、手に、石に自分の魔力を集めるイメージ。
まだまだ魔力なんて扱い切れてすらねーけど、それでもそれをかき集め寄せ集め、溜めていくイメージだ。

右手が熱くなる。
石だったはずのそれが、丸みを帯びる……!


朝日奈「え、なにその、魔法……」


そして、


ローブ『………ッ!』

「食らえ!【変火球】ッ!」


ローブのやつの雷がこっちに来たのと、
オレがボールを投げつけたのはちょうど同じタイミングだった。




1→ローブ逃げる
2→花畑に走る
3→不二咲達のところに戻る
4→徹底的に戦う
5→そのた

>>615

2

>>615


バヂイイイインッ!


静寂のはずの闇を雷がつんざいた。
その間、投擲とほぼ同じタイミングでオレは朝日奈の手をつかむ。


「逃げっぞ、朝日奈!」

朝日奈「に、逃げるってどこに!」

「分かんねーけど、花畑!」

朝日奈「へ?」


くるりと反転して走り始めた。
今ならいけると思ったんだ。
暗闇に突然生まれた光でローブのやつは目がやられたみたいだったからな。

それを口実にさっさと逃げ出す。
何にしても森の中じゃ不利だ。

後ろから追ってこない事を祈りながら、オレ達は走る。
確かこっちが花畑だったはずだと思いながら。

その道すがら、朝日奈が口を開いた。


朝日奈「ねぇ、桑田」

「なんだよ」

朝日奈「さっきのやつ……あれ、なんなの?なんであんた、あのボール……」

「あれは……ま、【公識球】とでも名付けるか」

朝日奈「へ?」

「球じゃねーもんに魔力を注ぎ込んで、周りを埋めてボールの代わりにした」

朝日奈「………」

かなり簡単そうに言ってしまったし、実際にオレはやってのけたが、そう簡単な事ではないらしい。

朝日奈「あんた、なんでそんな事出来んの?」

「って言われてもな……」


そもそも最初に葉隠や田中パイセンが言っていたとおりだ。

ふつうの人にとって、魔力とは体の内側に流れているもの。
いわばペットボトルの水みたいなもん。

ところがオレの場合は魔力がありすぎんのか、体の周りにも出てきて溢れている。
これは多分スプリンクラーが近いと思う。
ホースから流れてくる水が、先端の噴射口からバラマかれてるあんな感じ。

その違いのせいか、本来の魔力の在り方がオレは他の奴とは違う。
オレは自分でも気付かないうちに自分の体を魔力で覆っており、そしてそのやり方も無意識に学んでいたんだ。
こえー。

だからなぜ出来るのかって言われてもオレに答えられるすべはない。
「何となく出来ちゃった」が正解だ。


まぁそんなもんで、さらっと新技を披露したオレは朝日奈連れて走っていった。
やがて、ようやく開けた場所に出る。
そこはあの花畑。だけど、なんだか暗くて墓地みたいだった。


朝日奈「………ここにはいない、みたいだね」

「やっと撒いたか……」

汗だくの体を冷ます。
肌に触っている空気はなんだかぬるくて、森に目を戻せばあちこちで光が漏れていて。
不二咲達は、無事だろうか?




1→花びら取って帰る
2→誰か来るの待つ
3→誰かが襲撃されてケガしてる(コンマ)
4→味方?が来る
5→そのた

>>622
もうむりあすやるおやすみ

やばい、更新何レスかしか出来なさそう。

>>622


汗だくの体を綺麗にする方法もなくて、周りの空気が、なんか怖くて。
それでオレと朝日奈はやっぱりふるえていた。
周りのどこを見ても暗いまんまだし。


朝日奈「………ねぇ、桑田!」

その時、朝日奈は少し震えながら、オレの手をさらに掴む。
え?と思うと、あちこちが光っている事に気付く。

びしゃん、と言う雷みたいな音があちこちから聞こえてきた。


「ま、さか………?」

朝日奈「……さっきの、ひとりだけじゃない……みたい!」


まさか、そんなばかな。
オレら、かなりヤバいんじゃね?
またもし見つかったら―――


がさがさがさっ!


「!?」

「誰かいんのか!?」

朝日奈「やばいよ、もしかしたらさっきの奴が来たのかも―――」




??「動くな」



ガチャッ、と言う鉛の音がした。
突然オレの背後に人が立っている。
いつの間に………?


朝日奈「桑田!?」

??「抵抗は……無駄だ、動くな」

振り向けない。
声も出ない。
いや、出せるのかもしれないけど、出せない。

??「……手を上げろ」

朝日奈「ちょ、ちょっと……あんた、何者!?」

「朝日奈!」

??「……、……?」

朝日奈「いきなり来ていきなり手ぇあげろって言われてはい!ってやる人いないよ!」

??「………学生、か………?」


その人物は、手に持つ武器らしき物を下ろして構えを解いた。
誰だよこいつ……?
腕を下ろしてほぅ、と息を吐く。


「……何の、冗談なんすかね」

??「なぜここに、学生が……いる?」

朝日奈「どういう事?あんた、何者?」

??「待ってくれ、私もまだ理解が……出来ていない」




1→ゆっくり振り返る
2→肘鉄かます
3→無抵抗を示す
4→そのた

>>434

賢者の石か………ええやん。

>>634




ゆっくり、振り返る。


??「………」


見た事のない男がそこにいた。
どこか深い悲しみと言うか、絶望したような顔をしている。
目の奥に光がない。
右手には黒く光るものを握っている。
………誰だ、こいつ?


??「……すまない、こんなつもりでは無かった」

朝日奈「ごめんで済むなら警察はいらないの!」

「あ、警察って概念はあんのね」

朝日奈「当たり前じゃん!ちゃんとあるよ!」

??「はは、警察の私が、そんな事を……言われるとはな」

「あ?あんたケーサツなん?」

??「………ああそうだ」


そう言ってそいつは黒光りの手帳を懐から取り出した。
どこかで見覚えのある顔に、どこかで聞き覚えのある声だ。


警察「この森の中で、邪悪な魔法使いどもの集会が開催されるとの情報があってね……何かに巻き込まれたりはしていないか」

「!………いや、さっき巻き込まれて、つか巻き込まれ中だわ!」

警察「………そうか、やはり奴ら……手当たり次第か……」

警察「………済まない」

「アンタが謝ってどーこーなるんならそれでいいぜ、でもどうもなんねーだろ?」

警察「………そう、だな」

朝日奈「って言うかなにが起きてるの?私達、この辺でキャンプしてて……ちょっと肝試ししに来ただけなのに!」

警察「………、………」

朝日奈「そ、そうだ!友達が!みんながもしかしたら森の中に!」

警察「なに?まだ仲間が?」

「ああ、そうだよ。こんな事んなるとは思ってなかったかんな」

警察「………、それはマズい……どうしてこんな、それともこれもまた作戦か?」


男はぶつぶつ言いながらもオレらを守るつもりではあるらしい。
何かをかちかちと操作した後で振り返り、その顔ははっきりと見えた。
憂いを帯びたその顔には、疲れの他にも怒りと決意が浮かんでいる。


警察「………君達は、私が命に代えてでも守ろう。私にも君達ほどの息子がいてね」

「へ?」

警察「私は【石丸高秋】。魔武装警察の一員だ。今伝えられるのはそれだけ」

警察「……私が、君の友達を救いに行こう……ここを動かずにいてくれないか……」




1→おっけー
2→おことわりだ
3→一緒につれてけ!
4→そのた

>>640

とりあえず名前教えろ

3にしないと盛り上がんないでしょJK

>>641
こっち



「アホかよ!オレらも連れてけ!」

高秋「………なに………?」

「オレらの友達だぜ?そのまんまで残ってられるかよ!」

朝日奈「……そうだよ!」

「このまま指くわえて見てるなんて出来るわけ……」

高秋「……君達は言う事を聞いて……くれないのか?」

高秋「君達が襲われる事は私の、本意では」


ぴしゃんッ!!


高秋「………近い、か」

「くっそ!」



何度か、光が騒いでいる。
どこからか何度も雷の音がする。

………悲鳴が、している?


「………悲鳴!?」

高秋「バカな、もう……!?」

「急げよおっさん!!」




直下末尾
奇数で大和田・不二咲組
偶数で葉隠・大神組
数値が大きいと拮抗、小さいとヤバいかもね

っせ

あばばばばばばばばば

>>645
コンマ1→大和田・不二咲組(被害特大)





闇の中に光が何度も輝いている。
これがなにを意味するのか、バカなオレでもよく分かる。
これは、闇の魔術師のやつらの攻撃だ。
それも、雷なんてバレバレの技を使ってアピールしてきている。
恐らくそれだけの自信があるんだ、あるいは自分達の存在を世界に現すようにしている。

わざとだ。
分かる。

でも分かるのはそれだけじゃない。
この技がどんだけ危ないかって事だ。


「おいケーサツさんよ!」

高秋「………分かっている!」


オレと朝日奈、そしてケーサツのおっさんは全員揃って早足で森をかける。
なんも見えない位の薄暗さだってのに、どんだけ速まるんだよってオレの足と鼓動。


そんなオレらをあざ笑うかのように、目の前から再び、ぴしゃん。


「………おい、おいっ!!」


小さな悲鳴が耳に届いた。
今のはまさかそんな、どうして!


背中を落ちていく、汗と、血の気。

ぴしゃんッ!ぴしゃんッ!


朝日奈「今のは!今の、って!」


朝日奈が既に涙目になっていた。
オレはそれを宥めるくらいしか出来ない。


「落ち着け!オレらまであわてたら意味ねーだろ!」

高秋「………君も、だ………」

「だけどっ、」

高秋「まもなく……」


その光の元にオレ達は集っている。
ようやく、ようやく……。



開けた場所で、やっと、そいつらを見つけた。


    「もう……いいよぉ……!やめてよぉ……!」

  「………はぁ、はぁ………」

『………』

         「やらせるかよ……」
  
   「大和田君っ!」




目の前の世界はまるでおかしかった。



「………不二咲!?大和田!!」

大和田と不二咲が、さっきの黒フードみたいの魔法使いみたいなのと戦っていた。

いや、防戦一方、か?

大和田は持ち前の体の丈夫さ、簡単な防御術だけでこの場を凌いでいたようだ。
それでも全然守り切れていなくて体中が何かに切り裂かれているように見えた。
全身がぼろぼろだ。
辺りは血塗れになっている。
オレでも分かる。かなりヤバい。もうフラフラしてる。

そして不二咲は、と言うと、倒れている。
そこにいる不二咲の足が……右足が、もう……ひどい有様だった。
どう考えても使い物にはならない。
なんて言うか、……言葉には出来ない。
朝日奈も言葉に詰まって、泣きながらその場に寄り添うのがいっぱいいっぱいだった。


『………、………』


黒フードはなおもこちらに寄る。
大和田と不二咲の命を奪おうとしているんだ。
そこに、男は拳銃を握って現れた。


高秋「動くな!!」

『………!』


バチィッ、と雷の音がする。
それをケーサツさんがばしっと払った。
……圧倒的な、魔力を感じる。


高秋「動くな、貴様等は……逮捕してやる、逮捕してやる……あの子のためにも」

『! ……!!』


ばじぃ!ばぢっ!
ががががが!!


オレが差し込めるような事は一度もなさそうな攻防が目の前で始まった。


高秋「……逃げろ!」


オレ達にそんな言葉が続く。



1→逃げる
2→戦う
3→そのた

>>656

2

>>656


ぼろぼろの友達と、血塗れの地面を、見てしまった。
そしたら、逃げろなんて言葉は頭には入ってこなかったんだ。


「……わけ……」

高秋「……」

「出来るわけ……ねーだろ……!」

高秋「……!?」

「オレにもやらせろッ!」


吐き出すように言い切って、地面に落ちている石を拾い上げた。
そのまま、さっきみたいに魔力を込めようとする。
苛立ちがじゃまして上手く集中できないけど、それでもなんとか使える物が出来そうだ。

このままこいつら連れて逃げるだけ、なんて出来るわけねーだろ!?


「一発食らわせねーと納得できねーよ!」

大和田「やめとけ、桑田……」

朝日奈「止めてよ大和田っ、もういいよ……座って……!」

不二咲「……はぁ、はぁっ……」

朝日奈「不二咲ちゃん、しっかりして……ああ、もぅっ!治癒系魔法なんて使えないよぉ!」


朝日奈は半狂乱で頭を抱えて泣き出していた。
よけいイラッとする。

こいつらを困らしてんのは誰だ?

………オメーか!

ぐぐっ、と丸い硬球。
石はきっちり手の中に収まっている。
こいつで、しとめる!


高秋「………無茶を、いや、なんだ……それは!」

フード『………バカな………』


フードのやつが初めてはっきりと喋った。


「うるせぇこのクソやろうッ!」


ピッチャー、振りかぶって……


「黙っとけッ!!」



投げたッ!

それは剛速球、否、【鋼球】と言っても良かった。
普通のオレの渾身のストレートから放たれる、鋼の堅さを誇る球だった。

余りに早すぎて、それをいなす事はしなかった。


めき、めぎめぎめぎっ


フード『ぁ、ゴォッ………!?』

高秋「隙有りだな!」


それが腹に命中して、体をくの字に折り曲げて苦悶の表情を浮かべるフードのやつ。
もちろんケーサツさんがそれを見逃すわけがない。
すぐさま、拳銃を発砲する。
それも、一発なんてもんじゃねぇ。
連発だ。


パンパンパンッ!

フード『ぐ、ご、ギィッ!グ……!』

高秋「抵抗は……よせ、お前は……逮捕してやる……」

「もう一発ッ!」

高秋「……よせ!」

「なんでッ!」

フード『……!!』


ぶわっ、とフードが膨れ上がる。
それが攻撃の合図かと、オレもケーサツさんも身構えた。

が。


ばぢゅんっ!


高秋「……!」


フードのやつはその場から、まるで煙のように消えてしまったのだった。
逃げられた……!?




1→追いかける
2→逃げる
3→大神達を探しに行く
4→そのた

>>673

今日は多分ここまでじゃよ。盛り上がってきた。またな!

4 大和田達の様子見て他の組探索に出る

>>662

鳥テスト。今日もやれたら20分後くらいに。

機種変して、設定に色々てこずってるので今日はお休みです。
次回は663から。すまんの。

ちょっとだけやる。

>>663
>>662


いや、な事ぁいい!

「大和田!不二咲ッ!」


あわてて振り替える。
ふたりともひどい怪我だ。
周りから殺気がなくなって、やっと大和田が膝をついた。


大和田「……ちぃ、あいつ……」

「ばっ、かやろ……!全然大丈夫じゃねーだろオメー!」

大和田「……うるせぇ、不二咲が……あいつが先に狙われて、んで……ひとりで逃げるなんざ、出来なかったんだよ」

高秋「……よく、頑張った」

大和田「ち、っ……」

不二咲「大和田、くん、ごめんね……」

朝日奈「喋んなくっていいよッ!」


改めて不二咲を見ると、やっぱりその右足は悲惨な事になっていた。
多分もう一生まともに歩く事は出来なさそうにすら思えた。


高秋「早く治療しなければ……」

不二咲「……ごめんなさい」

朝日奈「不二咲ちゃんは何にも悪くないよ!」

「……だな。悪ぃのはあいつらだ」

不二咲「はぁ、はぁ……」


ちっ。
不二咲もぶっちゃけギリギリだ。
大和田だって、さっきまで倒れてないのがおかしいくらいの状態だった。
……おい、大神と葉隠は?
それに、九頭龍パイセンは……不二咲のパパは!?


「おい、他のやつ探しにいくぞ……!」


さっきまでの光景が頭を過って、胸が詰まる。




大神と葉隠はなにしてんの判定
直下コンマ末尾
高いと高いだけいいけど、低いと……

どうだ

>>683
コンマ9……さくらちゃん強すぎだろ


「いくぞ!」


思わず切羽詰まって叫んでしまう。
だって、もしもあいつらになんかあったら!
それだけがひどく心配で、オレは思わず顔を真っ青にした。

なっていないとは言い切れなかった。
オレはそれだけがいやだ。


「おっさん!あんたと朝日奈はふたりを頼む!」


叫びながらオレはいつのまに、走り出していた。
朝日奈とおっさんの声がそれぞれオレを追いかけてきたが、そんなもん構っている場合でもない。
それに、さっきの技が使えりゃ何とか出来そうだし。

闇雲に走っていく。
まだまだ、雷鳴が収まる気配はなかった。


ぴしゃん!!


「……むこうか!?」


ひときわ大きな音がして、オレは思わずそっちに舵を取る。

再び、雷鳴。


ぴしゃん!!


森の鬱蒼とした中でも、あの巨体ってのは案外見えるもんだった。
大神さくらの背中が、この距離からでもちゃんと見える。
いた。

オレはそちらへ走っていって、
見た。



黒フードが3人ほど倒れている。



「……は?」



ぶんっ、と言う風を切る音がした。
続けて鈍い打撃音が数回。
どちらもオーガの出した音らしい。

ゴキィ、と何かが折れる音が響いた。


どさっ。


大神「……他愛ない」

葉隠「」

大神「葉隠よ、もう敵は去ったようだが」

葉隠「」ガタガタガタガタ

大神「?」


いやオレも多分そうなるなー……。





1→声をかける
2→辺りを見回す
3→引き返して場所を教えにいく
4→そのた

>>692

1

>>692

「……オーガ?」

恐る恐るだが声をかける。
ふと、大神はそれに気づいて辺りを見回してからオレに振り返った。


大神「……む?どうした?」

「どうしたはこっちのセリフだわ、オメーなんだこれ……?」

大神「ああ、こやつらは我らを殺そうと襲いかかって来たのだ」

葉隠「……んで、俺らは反撃したってわけだ」

「オメーなんもしてねーだろ」


やっと震えの止まった葉隠が会話に加わった。
ふたりとも、大した怪我はしていなさそうでなによりだ。


葉隠「にしては妙だべ」

「あ?何が妙って」

大神「そうだな。人にしては、脆すぎる」

「脆い?」

大神「はっきり言えば、肉体を叩いた手応えがないのだ」


己の拳を見つめてオーガが言った。普段どんな戦いしてんだよ。


大神「もしや、こやつら」

葉隠「傀儡の可能性はあんな。もしくは、身代わりだったとか」

「なに、つまりあれは本物じゃねーって事かよ?」

葉隠「可能性だ。もしかしたら中にはほんものさんがいたのかもしれんな」


よくわかんねぇぞ、おい。
つまり?オレらが戦ってたのは、魔法使いじゃなくて、そのなりすましだってのか?
冗談じゃねぇぞ。

大神「それはこやつをみれば分かるだろう……」

ふんっ!と言う掛け声とともにオーガが倒れてる黒フードを攻撃した。
ばぎっ!
まるで木がぶっ壊されたような軽い音がする。
ん?木がぶっ壊された、ような?


大神「……やはり」


フードの下からは、木製の人形が出てきた。
こいつらが今日、森にはびこってたのか……。

最悪だ。


大神「ともかく今は森を出ることを考えるべきだ。出るぞ」

葉隠「おう……そうだな。もう大丈夫だ、とは思いたいけども」


本当に最悪の夜になってしまった。
大和田は怪我、不二咲は重症。
こんなのキャンプの継続してる場合じゃない。
それに、残してきたパパさんと戦刃、どっかいったパイセンもまた心配だ。

先頭にオーガが立ち、茂った森を一気に突き抜ける事にした。

本当なら大和田達と合流したいところだが、闇の魔術師がまだ潜伏している可能性と、向こうに警察がいることを伝えたらそれは不必要になった。

オーガが「我より頼りになるだろう」とか言ってたが、ぶっちゃけオメーより頼りになるやつなんかいねーわ。


さらに森を駆け抜ける。
辺りにはひたすら、森だけが続いていた。





このあと

1→翌日から
2→GW終わりから
3→次の安価ポイントから
4→そのた

>>697

早いけどここまで。また明日。ケータイ設定ががが……

1

ようやく設定が半分くらいは終わったらしい……あと文字入力も設定終わった。よし、やるべ?

>>697



……翌日。


オレ達は、病院にいた。
話が急だと思うかもしれねーが、別に全然急でもない。

森で起きた悲惨な出来事。

オレらはあのあと、森を抜けて不二咲パパと戦刃をすぐに見つけた。
その後、戻ってきた九頭龍パイセンも一緒に連れ、一気に逃げた。
不二咲の怪我の事もある。

だからこそ無理は出来なかった。
だからこそすぐさま病院に行く必要があった。


ケーサツのおっさんは、夜道を抜ける車中、ものすごい小さい声で謝った。


高秋「…すまな、かった」

「別にアンタは悪くねーだろ」


いらだち半分、ぶつけるように言ってオレはおっさんを睨んだ。
けど、本当にどうしようもないって全員がそう思っていた。
誰に言っても、どうしようもなかった。
だって不二咲パパすら知らなかった事だ。

あの森には、闇の魔術師が集まっていた、なんて。
当然知ってたら行くはずがない。

で、早速病院についたら不二咲と大和田は即入院させられた。

大和田についてはほんの数日で出られそうだとオレらは考えていたのだが、実際はそうじゃなかったらしい。
それに不二咲はどうしようもない右足の事があった。

不二咲「……治るかな」

すごく不安そうに呟いた不二咲は今にも泣きそうだったけど、それを励ますすべもなかった。
それが、夜中で。



で、オレは今、病院のベッドに寝転がっていた。



葉隠「なんでオメーまで倒れてんだ」

「知るかよ!」

病院に着いてホッとしたらいつの間にか意識を失ってたらしい。
気付いたらベッドだった。
どうも、使い慣れない魔法を使いすぎて体がおっつかなくなってたんじゃねーか、とは葉隠談。
隣ではオーガがリンゴを素手で剥いていた。
おい、それどうやってんの?

そして戦刃はそわそわしている。
どうも、自分がその場にいなかった事を後悔してるみたいだった。

ちなみに、危ないから九頭龍パイセンはすぐ帰した。




1→誰かと話す
2→ねる
3→数日飛ばす(次安価まで)
4→そのた

>>707

1戦刃

この一体感
>>707


「………どしたん、戦刃」


オレはその辺でそわそわしている戦刃に声をかけた。
はぅ、と小さい声を上げて戦刃がこっちにくる。


戦刃「あ、あの、ね」

「ん?」

戦刃「私、その………全然、気付いてなくって、ごめん」

「………あー、」

戦刃「ずっとみんな、待ってたの。九頭龍先輩は、みんながいなくなってからしばらくして戻ってきてさ。すごく困った顔してた」

戦刃「……何かあったんだ、と思うけど、分かんない」

「………」

戦刃「私、ちゃんとみんなの事、気をつけられてれば……」

戦刃「……そしたら、こんな事に……ならずに……」


なんか戦刃はめっちゃ色々と重く受け止めてるらしい。
そんな気にしなくてもいいのに。


戦刃「だって……みんなが、いなかったら、私……いやだよ」




1→あんま気にすんな
2→次は頼むぜ
3→オメーがいたって意味ねーよ
4→そのた自由に

>>711

お前が出来ないぶん俺らで補えたらいいさ

>>711

「……はっ、アホ」


そんなに大仰に考えなくたっていいだろうに。
オレはふふ、と笑いながら戦刃に言ってやった。


「オメーが出来ないぶん、オレらで補えたらいいさ」

戦刃「え?」

「オレらは出来る事だけやりゃいいだろ?」


さらに笑いながら戦刃に言うんだ。
あれ、そういやオレからだが動かないんですけど……なにこれ。


「そいつに出来る事なんか決まってんだからよ。それにオメーにも出来る事あんだろ?」

戦刃「……」

「あんま気にすんなよ。今回は、運が悪かった、って思うしかねーって」

戦刃「……かも、しれない、け、ど」

「また、なんかあったら……」


そん時ゃ、オメーに出来る事すりゃいいじゃん、と言い掛けて、



視界はブラックアウトした。




【魔法野球少年】桑田怜恩

現在【5月2週】

ステータス
体調   ???
魔力   8(Next300)
耐久   4(Next100)
敏速   5(Next150)
魅力   8(Next350)

悪墜ち度 1(Next10)


友達一覧
苗木→マイフレンド
不二咲→心配
葉隠→頼りねーな……
大和田→すごいヤツだ
石丸→知ってる
山田→知ってる
十神→眼鏡

朝日奈→マジかわいい
大神→オーガ△
腐川→知ってる
舞園→アイドル
セレス→知ってる
霧切→野球の約束をした
戦刃→励ました
江ノ島→うぷぷー


持ち物
栗の杖
グローブ
野球ボール





5月予定表


 日 月 火 水 木 金 土

              1   2
  3  4  5  6  7  8  9←2週目
 10 11 12 13 14 15 16

 17 18 19 20 21 22 23
 24 25 26 27 28 29 30
 31

※2~6日までゴールデンウィーク



【火曜日】


「……」


けだるさで目が覚める。
どうやらオレはあのあと、気を失ったらしい。
何があったんだ?

相変わらず体はあんまり動かなかった。

あ、そういや、そんな事誰かが言ってた。


ーーーーーーーーーーーーーーー


田中「自らの肉体より溢れ流るる魔力は、生命力にも呼応する。それが日本流の考え方だ」

田中「その力は自らの意志だけでは自由にはならず、また、制御がしにくい」

葉隠「位のたかーいお偉いさんともなればまた別だけどな」

田中「故に我ら魔術の担い手には、道具が必要だ」


ーーーーーーーーーーーーーーー


生命力にも呼応する、か。
オレはどうやら、自分で使える魔力の範疇を越えすぎたんかもしれない。
しかも自分の、思い通りになんねーもんを、あんだけ使ったんだし。

きっと、あの【公識球】は……かなり魔力を使うんだ。
そらそうか。
球じゃないもんを球にして、そのうえそれに魔力をさらに帯びさせて攻撃したんだ。
複数の魔法を行使していたと言ってもいい。

この気だるさは多分、そのせいだ。
オーガの顔色が、そういや悪かったような気もしなくもない。


枕元には花が置かれている。
オレは……うまく動けない。


戦刃「あ、起きた?」

葉隠「おす、お見舞いだぞ」

このふたりが部屋にいる。





1→ねる
2→誰かと話す
3→いろいろ考える
4→そのた

>>719

3

>>719


……ここに来てるふたりは多少小うるさいが、それになんか反応してやるような元気もない。

戦刃「……まだ体力、戻ってないんだね」

半分眠そうな顔でそこに寝るオレの事をみるとそう言う戦刃。
弱々しく笑いながら、そばに座った。

にしてもなんだ、めっちゃつらい。
とにかく反応が出来ない。
誰かに話すより、ひとりで何かを考えているような方が楽だった。


と、そのとき何となく、思ったのは。


……なんで、あの日だったんだ。


それだった。

何でオレらは、闇の魔術師にかち合った?
なぜあの日の夜に限ってあんな事が起きた?
誰かに導かれた?
いや、でも誰だよ。

不二咲パパ?そんなわけない、自分の子供がそんな大変な目に遭う可能性があるのに、連れて行くはずがない。
だって、でも、場所を決められる権利は不二咲パパにしか……

葉隠「にしても災難だったな」

そんな事を言いながら、葉隠がオレをぼんやりと見る。
チクショ、オメーもこうなってておかしくはなかったのに。
全部オーガに任せやがって……このアホ……。

葉隠「……ほんと、災難ってしか言えんべ」

戦刃「うん、タイミングが……悪かったね」

ふたりしてそんな事を言っている。

だが、ふと思う。

本当にただの災難だったのか?
オレ等はなんかのやーな流れに巻き込まれたんじゃないか?

勿論考えすぎなんだけど、だけど。

それに───

九頭龍パイセンは、なにしてたんだ。

オレ等がいなくなってから帰って来たってのも、なんか引っかかる。
じゃあ、九頭龍パイセンがなんかしたのか?
いや、それはやっぱあり得ねー。

じゃあ……?


戦刃「そう言えばね、桑田君」

それを遮るように話し始める戦刃。

戦刃「不二咲君は大丈夫そうだよ。いい薬をもらってるみたいで、治りも結構いいみたい」

戦刃「それに、大和田君ももう少ししたら退院出来るかもって。あとは桑田君。体力が戻るといいけど」


……そっか、よかったな。

戦刃「……不二咲君も大和田君も、しばらくは警察に話をする事になるかもしれない」

なんて、続ける戦刃。
ああ、ちなみにオーガもそうらしい。
え?葉隠?あいつはだめだ、置いてきた。

戦刃「桑田君、もしかしたらあなたも呼ばれるかもしれない」

呼ばれて、それでどうすんだ?
よくわからんが、その代わりにわかった事は少しだけある。
とにかく、不二咲と大和田が無事で何よりだった。


葉隠「……悪いな、桑田っち」

なんだよ、いきなりしおらしくなって。

葉隠「俺ら、っつーか俺、なんも出来ねーべ。ビビっちまって……逃げて……」

戦刃「……葉隠君」

葉隠「……」


いろいろ独りでに考える。
オレは結局なにが出来るんだろう。
そして、どうしてこうなったんだろう。
なにが……オレ達をこうしたんだろう?


その鍵はなんとなく、九頭龍パイセンな気がしていたけど、そのパイセンは、ここにはいなかった。
なんだよ、ちくしょう。

だるさのまま眠りについた。
それは、もんのすごい気持ちのいい眠りだった。
解放されたような、そんな感じだ。





1→5/6から(苗木と会話確定)
2→5/7から(サツと会話確定)
3→夢の話から
4→5/10から(大和田・不二咲帰還)

>>726

2

完全に半分寝てたのでここで終わりです。明日はケーサツから。おやすみん。

祝!モンキーパーマ三期!モンキーパーマ三期!モンキーパーマ三期!
放送決定ッ!!

あ、やりまぁす。

【木曜日】


結局、ゴールデンウイークののこりは全て病院内で潰れてしまった。
全くもって残念だけど、しかたがねぇ。
なんせ動く気力すら出て来なかったんだから、ほんとに仕方がねぇ。

昨日は苗木にひどく驚かれたんだった。
葉隠のバカが、連絡獣で連絡しやがったのだ。
そんですっ飛んできた苗木に色々と言われた。
仕方ねーだろ、オレだって病院に居たくて居るわけじゃねーんだよ。

「何で無理したの!」とか言われたけど、いやいや、オレも無理だとか思ってなかったんだっての。
やれると思ったからやったんだけどな。
なんて思いながら、苗木からの質問責めをかわした。


そして、木曜日だ。

ゴールデンウイークは昨日で終わっていた。 が、この一件のせいで、自宅待機を余儀なくされた生徒は多かったらしい。
色々怪しいんで10日までは全員休みになった。
その代わりに、連絡獣を使って膨大な数の課題が全員に支給された。
最悪だ……。

ちなみにオレと言えば、自宅はこっちじゃないんで戻る事は出来ない。
なんで、寮に入れられる羽目になったわけだ。

そのオレに来客があったのは午後の事だった。


幽霊『ああ、桑田よ』

「呼び捨てすんなアホ」

幽霊『学園長より呼び出しだ。なんでも、警察が来たとか。』


寮に住み込みの謎の幽霊がそう告げに来た。
ああ、めんどくせぇ。

足早に廊下を歩く。
やっぱり、人の気配がとてつもなく少なかった。
なんだ、どいつもこいつも自宅静養か?
羨ましいなオイ。

どっかの教室で、七村彗星の背中を見かけたが、それに声をかける余裕もなく、オレはさらに急ぐ。
あんまり人を待たせてもいい事はねぇ、特にこんな時は。


ぎぃっ、と扉を開けた。


学園長「ああ、桑田君。どうぞそこに」

高秋「……」

学園長と一緒に男がいる。
あの時のおっさんだ。
軽く会釈して、お互いに座った。

「……どうしたんっすか」

単刀直入に一言。

高秋「……君に、聞きたい事があって、ね」

「はぁ?オレこそ聞きてー事だらけだわ」

学園長「桑田君、ちょっと」

「なんの説明もしてくれてねーよな、アンタ?」




警察の高秋とはなせるぞ。
↓3くらいまでで話題とか質問とか

とりあえずまずはこれを聞かなければ。

「アンタは、いや……アンタもあいつらも、何であんなとこにいた?」

単刀直入。
それが一番気になっていた。

「何の目的で、アンタとあいつ等はいたんだ」

高秋「……そう、だな。そこをまず、説明しなければいけないか」

学園長「石丸さん」

高秋「彼も、被害者……です。全てを知る……権利がある」

全てを?
またずいぶん大げさだな。

高秋「……はっきり言うと、あの日、あそこで【闇の魔術師】達がある計画を実行しようとしていた」

高秋「【禁忌の者】の復活を祝うために集まっていたのだ」

「!」


【禁忌の者】……、向こうの【ヴォルデモート】とか言う危ない魔術師に影響を受けた、害悪か。
そいつの復活は噂じゃなく、まじだったのか……。


高秋「私はそれを、匿名の情報から知り、真実を確かめに行っていた」

高秋「それが事実なら、多くの犠牲がでる可能性があった。」

高秋「当然1人ではない、仲間も連れて、だがね」

「………それならいいけど、ならもっと気になるな」

高秋「なにがかね」

「あの場所にオレらがいた事が、だ」

偶然にしちゃ出来すぎだ。


「あいつらとオレらがかち合ったのは、ほんとにただの偶然なのか?」

高秋「………」

「……まさかとは思うけどよ、不二咲とか九頭龍先輩とか……なんか絡んでんのか?」

高秋「それはないな」

ばっさりと切られた。

学園長「実はね、桑田君。九頭龍君の父親は確かに危ない………ぶっちゃけヤクザとか呼ばれているけれど」

「だめじゃねーか」

学園長「けど、ヤクザじゃないんだ。それはあくまでも人間界向けのカモフラージュってわけだ」

高秋「本来彼らは、高貴なる一族。故に多方面に顔を見せておかなければならない。だからあんな風になった……扱うものが危険なのでね」

高秋「魔法界においては幻想生物、ことさらドラゴンの飼育と管理に長けた家系だよ」

そうなんだ?九頭龍パイセンちって、ドラゴン家系だったのか。へぇー。
つか、それを隠すためにチンピラになってたら意味なくね………?

高秋「それに不二咲家の線もないだろう」

さらにおっさんは追撃する。

高秋「不二咲太市は……不二咲千尋の父は、魔法省の勤めだ。自分の理想を追う面もあるが、基本は人柄は皆に知れている」

高秋「それになにより、【禁忌の者】を慕う【闇の魔術師】は、右手の甲に特殊な魔法がかけられている」

「特殊な魔法?」

学園長「……とある魔法に反応して、手の甲に模様が出るのさ。髑髏のね」


なんだそのファンキーな魔法。
意味ねー。

高秋「だからそう言う事で、九頭龍家や不二咲家、つまり彼らの家族が何かをたくらんだとは言えない」


まぁ、当たり前ではあるか。
それに不二咲の親父さんならなおさら。
子供と、その友人をそんな危険な目に遭わせるか?
あんなふにゃっとした親父さんが?
いや、ないな。


学園長「そう言う事だ。……だけど、いやな予感もする」

学園長「君達のいる時に限ってそんな事が起きたのは実際私も違和感があってね」

学園長「けれど、誰も疑いたくはないんだ、本当は」

「おい、学園長」

学園長「……」

「まさか───学園内に奴らの仲間がいるとか言わねー、よな?」

高秋「だから私が来た」

「……え?」


学園長が目を伏せる。
いらついてそこに言葉を重ねたオレを止めたのは、警察のおっさんだった。


高秋「私が……探し出す。君達が怪我をした理由は……もしかしたら、内部の犯行だからかもしらない」

高秋「皆の不安を掻き立てれば……操作は容易い……」

「なるほどな。オレらで脅そうって魂胆か?」

学園長「………」

生徒が怪我をした、となれば学園の面目はつぶれる。
当然親も、あるいは生徒本人もとても気にするだろう。
それに、その恐怖の感情があれば、人はたやすく操られる。
今回は死人が出なかったからこそ落ち着けるが、仮に誰か死んでいたら……。

そいつの死を以て、命を弄べる事を宣言できる。

そうなったら【禁忌の者】が望む展開は簡単に作れてしまうってわけか。
最悪だな。


だからこそ、このおっさんは来たんだ。


高秋「私に全て任せろ……とは、言えないし、言わない……が、だ」

高秋「私に少しくらい……任せてはくれないか」

学園長「………」

高秋「私は許せないのだよ、桑田君」

「許せない?」

高秋「ああ。君達のような学生の未来を潰そうとしている者が、ね」


おっさんが静かに怒っている。
言葉の端はしに語気を感じた。
ぎゅう、と両手を重ねて、おっさんは握る。


高秋「少しは私にも手伝わせてくれ」




1→任せた
2→オレも協力する
3→待てよ
4→話は終わってない(まだ話したい内容)
5→そのた

>>744
たぶん寝落ちします。ここまで。

2

日本刀を武器にする敵をいつか出します。あ、はい、やるよ?

>>744


「……待てよ」


オレの声は、自然とその場に広がっていた。

「こんなんされてオレが引き下がれると思うか?」

高秋「……」

「オレも協力する。」

学園長「桑田君!?」


驚いたように立ち上がる学園長。
まさか、自分からこんな危険に頭を突っ込むなんて思っちゃなかったんだろう。
だけど、オレはこれではいそうですかと言えるようなやつではなかった。


「オレも協力するっつったんだよ。アンタに100パーセント任せるとはやっぱ言えねーし」

「それに、オレらが解決しないと、いけないきがしたんだ」

高秋「……!」

「だから頼む、おっさん……高秋さん」

高秋「……ありがとう、君の気持ちは……嬉しい。けれど、もし君が、怪我をしたら……」

「野球選手に怪我はつきものだぜ?」

にやり、と笑ってみせる。
強がりではない。
本当にそう思ったからだ。


高秋「……だめだ」

「!」

高秋「私は君に、自分の息子に、みんなに、怪我をしてほしくない」

「怪我しねーと守れないやつがいるんなら、オレが怪我してやるよ」

高秋「……強いな」

「当たり前っしょ」

高秋「私に似ているのかもね、君は」

「まさか。アンタなんかに似てたら困るぜ」

高秋「はは」

「女にモテなさそうだし」

高秋「……はは、ちょっと痛いな」

学園長「失礼だな君は!?」

高秋「いえ、真実ですから」


和やかな雰囲気で、おっさんは笑った。
ああ、こうして笑ってるとあいつそっくり───


     「お父様ッ!」


どっぱーんっ!


「あ!?」

石丸「学園にいらしているならなぜ言ってくださらないのですか!」

高秋「清多夏、不躾だぞ…」

石丸「……はっ、すみません!」

学園長「いや、いいけども……うーんと、」

混乱の中、やっとおっさんは立ち上がった。
まだ不敵に笑ったままだ。

高秋「では桑田君、また何かあれば、私から連絡をしよう」

「それって……」

高秋「ああ、君の気持ちは信用するよ」


それだけでよかった。




5月予定表


 日 月 火 水 木 金 土

             1   2
  3  4  5  6  7  8  9←2週目
 10 11 12 13 14 15 16

 17 18 19 20 21 22 23
 24 25 26 27 28 29 30
 31

※2~6日までゴールデンウィーク
+10日まで学校おやすみ






10日から(大和田不二咲帰還)
11日から
そのたヤりたいことがあれば、日にち
>>753

>>752

おーけー。

【日曜日】


葉隠「そういや、桑田っち。聞いたか?」

どこにも行き場所がない生徒の一部は、この休みの期間も寮に閉じこもっていた。
そんなわけで、その日の朝。
葉隠は突然俺に話しかけてくる。
どうも朝方、連絡獣を使って大和田から連絡が来たらしい。
今日なんとかそちらに向かう、と。

「はー、そうなん」

葉隠「オメー全然覚えてねーんか?」

「……」

実のところオレの連絡獣はほぼ使い物にならない。
コンドルのケイスケはとにかく気性が荒くて、オレが近寄ると威嚇してすごかった。
あとついでに女の子を見るとおとなしくなる。
オレに似なくてもいくね、そこ。


葉隠「つーわけで、朝日奈っちからお達しだ」

で、なんだって?

葉隠「みんなで退院祝いすんだとよ?」

「あ?オレらが?」

朝早くからめんどくせぇ、などと思ったわけだが、しかし大和田と不二咲の事を考えたらその言葉は飲み込んだ。
つーか、まさかこんな早く退院出来たとはこれもまた意外だ。

いやー、でもよかった、と言っていいんだろう。
あいつらが戻ってきてくれた事は、何よりも嬉しかった。




その日の昼前、オレらは寮の前に集まった。


朝日奈「あ、桑田!葉隠!」

戦刃「よかった、来てくれた」


既に3人はそこにいた。
なんだよ、集まりいいな。
ああ、でもこいつらは指し示して集まったんだろう。

なんか当たり障りのない事を言ってなんとなーく雰囲気をつくるオレら。

朝日奈「…ほんと、よかったよ」

ふと、朝日奈はぽつりと言った。
今回の件、確かにそうだ。
命があったのが奇跡とも言える。
ほんとに、生きててよかった。

朝日奈「ほんとに……よかった。ね」

大神「そうだな。我ら、命がまだ残っている」

葉隠「………あー、」

朝日奈「あんたは逃げてただけらしいけどさ!」

戦刃「仕方がないよ……」

大神「そう怒るな。我が逆の立場でもそうするだろう」

葉隠「オーガぁ………」

「はぁ」

当たり障りのない会話。
空は澄み切っていて、晴れ晴れとしている。

その空の元、見覚えのあるぼろ車が走ってきたのだった。

あ、来た。

ぶろろ、とそいつはオレらの眼前に止まる。
見覚えのあるそれは、悪夢をともに過ごした仲間のひとつだった事は間違いなかった。

車から降りてきたのは、不二咲パパと、不二咲と大和田だ。

不二咲の右足はまだギプスに固められていて、全く動かせないようだった。
けど、それ以外は全く元気ぴんぴん。
笑顔でオレ達に手を振っている。


不二咲「みんなー!」

朝日奈「不二咲ちゃんッ!」

大和田「………おう、悪ぃな。心配かけちまって」

「全くだぜ?」


大和田の方は、目立った外傷は全て綺麗に治っていた。
どうにも、むしろ元気が有り余って居たようにすら思える。
血管が首筋に浮き出ていて、とてつもなく顔が怖い。
もしかして笑顔作ってるつもりですかね。


大和田「ま、これからは大丈夫だから」

大神「………そうか」

不二咲「ほんとにごめんねぇ、みんな」


まぁ、元気でなによりだと思わないか?
オレもそう思った。
だから今はそれを喜ぼうじゃねーかと、そう思った。




1→誰かと話す
2→不二咲達を部屋で休ませる
3→そのた

>>760

1ふじさき

>>760

「………ふ、不二咲」

不二咲「桑田君、どうしたの?」



改めて不二咲を見る。
右足はまだ無惨な様子。
ほとんど動かせないのか、不自由そうにこちらに歩んでくる。
両腕で杖を操りながらゆっくりこちらにやってくる。
どうやら不二咲は大丈夫だ、と言おうとしているようだった。


「オメー、あし」

それでもオレの声はちょっと震えていて、不二咲の様子には驚いている。
だって、あんなにぴんぴんしてた不二咲が、足が動かないなんて。


不二咲「これは、大丈夫だよ」

「でも………」

不二咲「薬ももらったし、治療も受けてるから治るよぉ?」

「………え?」

不二咲「魔法薬って言うのは万能でね、桑田君。死んでさえなければ治せる、って言われるくらいなんだ」


は?
不二咲の足が治る?

あっけに取られたオレに、さらに不二咲は笑う。


不二咲「だからほんとに気にしないでよ。今までみたいに歩けるようになるから」

不二咲「あと数日もしたら、治るからさ」


そんなのってありなん!?

不二咲「そうだよね、人間界だったら絶対に治らないよね」

「………」

不二咲「……今回だけは、自分がこっちの人間でよかったなって、少しだけ思うよ」


絶句しているオレにさらにそう言った。
そんな、バカな話ってありか?

魔法ってほんと何でもありなんな。


不二咲「とはいえ、体力はちょっと落ちちゃったかな………」

大和田「あん?体力なんざ気にしてんのか?」

大神「ならば我らと特訓をするか」

戦刃「いいね、それ」


そういや、九頭龍パイセンは、最後までこなかった。


不二咲「桑田君、心配してくれてありがとう」

不二咲「次はこうならないように………僕もがんばるねぇ」



………それからオレらは、お祝いと言う名の特訓に付き合わされたのだった。

5月予定表


 日 月 火 水 木 金 土

            1   2
  3  4  5  6  7  8  9
 10 11 12 13 14 15 16←3週目

 17 18 19 20 21 22 23
 24 25 26 27 28 29 30
 31

※2~6日までゴールデンウィーク
+10日まで学校おやすみ




【火曜日】


七村「なんと災難だったんだろうな、君達は」


ようやく日常に戻ったオレ達は、火曜日の午後、開口一番にそう言われた。
七村彗星はどうにもこうにも、オレらに対して憐れみを覚えているらしい。


七村「偶然の確率に嫌われてそうした場所に居合わせたとは、本当に災難だ」

七村「私がそこにいたのなら助けてあげたかったが───」

一回、咳払い。

七村「………残念だ、私はクィディッチを見ていたよ。すまないね」

七村「CDT48のたままを応援していてね………」


そこからはCDT48なるクィディッチ宣伝チームの話がくどくどと続いた。
やれ恋愛禁止やら。
やれプロデューサーはいつ引退するのかやら。
やれせっかく地上波にチームで出たんなら全員一回はいじられなきゃだめだやら。
ぶっちゃけ関係ない話の方が長かった。

あー、もしかしてこいつバカ?


七村「おっと、すまない。さて、練習に戻ろうか───」


授業が終わるまでの間に、全員の心が一致したのだった。




3週目行動
1→犯人探しだ(体調↓/内部ステと悪落ち↑)
2→課題をやらなきゃ(体調↓/耐久↑)
3→ノー野球ノー魔法(体調と悪落ち↓/魔力↑/コンマで新技)
4→誰かと話す(コンマ如何)
5→そのた

>>766

1

>>766
【水曜日】


「つーわけで犯人探しをする」

大和田「何物騒な事たくらんでやがる?」


大和田が呆れた様子でオレを見ている。
寄宿舎の男子寮内部、談話室の一幕だ。
オレは、既にあのおっさんに協力する気満々だったので、当然これも本気で言っていた。
だって、オレらの中に敵がいるんかもしれねーんだぞ?
だったらオレらが捕まえないでどうすんだよ。


「物騒じゃねーだろ、オメーらをこんなんしたヤツを捕まえんだ」

苗木「く、桑田クン、気持ちは分かるけど」

「んだよ、ここには犯人はいねーってか?」


ああ、そういや苗木にもその話はしたんだった。
かなり驚いた様子だったな。
まさか本当に、【禁忌の者】の手先が動き出すなんて思ってなかったんだろう。
まず煽りを受けそうなのが苗木の家族だったからな。


「いるかいねーかは正直問題じゃねーんだ。怪しいヤツがいるかどうかなんだ」

大和田「………」

「それでもしねーと、オレが、満足なんないんだわ」


ぶっちゃけ、自分の無力感が悲しかった。
魔力はあるなずなのに、何も出来なかった。
だから、今度は役に立とう!と思って張り切ってるわけで。

葉隠「ってもなぁ、怪しいヤツなんかいねーべ?」

そして、オレの気持ちを折る現実がそれだった。
この学園でそんな怪しい真似をするヤツなんざいるはずがなかったのだ。
あまりにもおかしいじゃないか、見せつけていたら。
ここまで警戒も上がっているところで、闇の魔術師である事をアピールするやつもそういない。

ちくしょう。オレらじゃ見つけられんのか?


苗木「………でも、見つける方法はあるよ」

「あん?」

苗木「闇の魔術師の【右手の甲の紋様】を浮かべ上がらせればいいんだ」

大和田「そんなん、どうやってやるんだ?」

苗木「………それは………」

葉隠「打つ手なしか」

不二咲「で、でもお、何か方法はあるはずだよぉ」

「何かってなんだよ………」

大和田「それはこれからか?」

不二咲「そうだねぇ……で、でも多分」

大和田「多分じゃどうしようもねーぞ」

葉隠「だな。確実な方法を取らないと……」

「オメーにしては真面目な事言うのな」


直後の事。
オレは多分一緒忘れないだろう。

葉隠が突然立ち上がった。

けれど、その目に今までの正気はなかった。

葉隠「……【エルフの聖水】……」

「あ?」

葉隠「それがあれば……邪なる者を払う事が出来る。お前達に必要なものだ」

はあ?何言っちゃってんの、こわーい。

大和田「………あ?オメー、どうした……」

葉隠「それは手に入れるのにあまたの犠牲を払う、それは幾重にも張られた罠の上にある」

苗木「……まさか、これ」

え、なに?なんか知ってんの?

苗木「え、うん。葉隠クンって神秘術の方に長けてるから、もしかしたら妖精とか、そのあたりのものとコンタクトが取れてるのかも」

「そんなんありかい!?」

葉隠「それは……天より降り注ぐ……邪気……」


一瞬の沈黙。
何が起きたのか分かってないのはこのバカだけだった。


葉隠「………んあ?あれ、俺何してたっけ」

「死ね」

葉隠「なんで!?」

不二咲「……と、とにかく、どうするのぉ?」

「あー、その………エルフの聖水だかがあれば、道が開けんのか?」




1→図書館へ
2→葉隠を問いつめる
3→全員で話し合う
4→そのた

>>773

>>777はたぶん叶う

>>773


苗木「エルフの聖水ってなんだっけ?」

石丸「エルフと言う耳ながの種族だな、魔法界に生息するとされ、長命と高い魔力、器用さがうりだ」

「なんでいんだよイインチョ」

石丸「聖水と聞いて飛んできたのだ!」

大和田「だから何でだよ」

石丸「む、もしや図書館に行くのか?僕も図書館に向かうところなのだ、一緒に行かないかね!」


めんどくせぇー。

オレ達の会話に割って入ったのは石丸イインチョだった。
どうやらこいつはマジにここを通りかかっただけらしい。
そして自分が課題にて書くべきだったお題の話が飛んできたもんだから、気になってついこっちに来ちゃったのだった。
残念だなイインチョ、オメーの席ねぇから。

しかし、それで諦める事はないようだ。
ここからオレらと同じ場所に行くとか言い出している。
別に断る理由もないんだが、けど一緒に行っても面倒な事になりそうに………


不二咲「うん、一緒にいこっか」


………あー………。

………図書館。
正確にはホープロード内に備えられている、大きな施設だ。
そこには大量の本が飾られている。学園内の図書室だか閲覧室だかもこんなのだったが、しかし規模が違いすぎる。

もちろん貸出禁止、下手すれば内部の持ち出しすら禁じられている本がある。
それらが堂々と本棚に並んでるんだから、この世界ってのは恐ろしい。
苗木と石丸がラインナップを見て、あまりにも大変な本でない限りは学園内の図書室でもまかなえると言っていた。

こつこつ、廊下を叩く足音。

とにかくそんな足音しかしないくらいには静かだった。
吐息すらも場をじゃまする要素、と言われて異論が出ないような、そんな空間だ。
はっきり言って怖い。


石丸「確か、君達の探しているのはこんな本か」


ふとイインチョがどっかで止まった。
それは幻想生物の棚だ。
魔法界で暮らす様々な動植物、あるいは種族を特集している本らしい。
ばらばらとめくったが、全部を理解出来るきがしねぇ……。

苗木「幸いこれは借りてってもいいみたいだし、これは借りない?」

苗木がいくつか本を手にとって言った。ま、時間はまだあるし、そう急がなくてもいいだろう。


>悪落ちが上がった。
>???が上がった。



3週後半
1→犯人探し継続
2→真面目に勉強する(体調↓/耐久↑)
3→霧切をナンパする(体調↑)
4→そのた

>>779
もうむりきょうねる。おやすみ。

霧切さんキバヤシの如く「話は聞かせてもらった、魔法界はry」と登場し操作に協力をしてくれる

そして乙&ksk

>>777も合わせて3かな

やろうか。

>>777からの>>780

【金曜日】


「………手がかりゼロに等しいよなぁ」

苗木「だね。いったい、どこにあるのかな?エルフの聖水なんて」


さて、時間は数日経ったわけだが、オレらは相変わらずだった。
図書館の本、ついでに学生向きの図書室の本。
それら歴史書やら幻想生物の本を手当たり次第に読みながら、オレらはエルフについて学んだ。

人間とは異なる、森に生きる種族。
耳長で、魔力が豊富で、あとなんか手先が器用。
森の中に普段は棲んでいる。そして、無益に殺生せず、神を信仰している、らしい。

それがエルフ。


「って、な事分かってもどうしようもなくね?」

苗木「………確かにね。何にも手に入らなさそうだし」

葉隠「だな。本にはエルフの聖水について書かれてねーし」


食堂でそんな事を話すオレ達。
ぶっちゃけ、周りのクラスメイトはほとんどが取り合っていなかったので、逆に安心だった。

しっかし、ほんとに腹立つ。
イインチョも含めて、エルフの聖水の在処を誰も知らない。
それも、本にも何も載っていない。
何なんだよ。


「これじゃ、【闇のやつら】を捕まえるのは遙か先か………」


   「おもしろい事してるのね?」


ふと、オレらに声がかかる。

「………霧切?」

霧切「あら、意外かしら」

苗木「なんで霧切さんがここに?」

霧切「そんな事いいじゃない。それよりも、話は聞いたわよ」

「は?」


呆気にとられるオレ達。
いきなり現れた霧切は、実に楽しそうに唇を持ち上げた。


霧切「エルフの聖水を探してるんですって?」

「そ、そうだけど……」

霧切「それなら提案があるわ。私はその在処を知っている」

葉隠「マジか!?」

霧切「ええ。嘘はつかない。私はあなた達に、エルフの聖水の在処を教えるわ」


本当に大胆不敵なやつだった。
うまい話だ。オレ達の目標にいきなり達せるとか、随分とあり得ないように思えた。

霧切「そのかわり、条件があるの」

「………条件?」

霧切「ええ。まず、入手は7月まで待って頂戴」

「あ!?」


突然の言葉だった。
は?今すぐ手に入れたいくらいなのに、聖水入手は7月まで待て?
な、なんで?


霧切「いくつか理由はあるけど、一番はその時期が一番やりやすいからよ」

苗木「ぬ、盗むとか………そう言う事?」

霧切「そうなるわね」

こともなげに言い切った。

霧切「それともうひとつ」

ぴっ、と指を立てる霧切。
その両手にはしっかりと手袋がしてあった。

霧切「その面白そうな話、私も混ぜてくれないかしら?」

にたり、笑いながらそう言う。

「あ?なんだ?オメーも危ない事に頭突っ込もうってか」

霧切「あなた達の話も聞こえたからね。それに」

霧切「私は知りたいだけなの───真実を。それだけでいい」

葉隠「真実を?」

霧切「そう。それが正しいか、間違っているかじゃない。私はただ真実が知りたいだけなの、それが残酷でも、私はその真実を求めてる」

霧切「魔界探偵を目指してるんだから、ね」

苗木「探偵を………」


大胆すぎるだろ。
そんな霧切に言ってやる。


「今からそんなんじゃモテねーぞ」

霧切「お生憎様、男にモテなくても事件があればそれでいい」

「もったいねーな、オメー。オレならつきあいたいって思うのに」

霧切「口説いてるつもり?」

「多少はな」

霧切「そう」くすっ


そのあとも色々言ってみたが、霧切をかわす事はとうとう出来なかった。
そして、ついに結成されたのである。
オレ達の部隊が。


5月予定表


 日 月 火 水 木 金 土

           1   2
  3 4  5 6  7 8 9
 10 11 12 13 14 15 16

 17 18 19 20 21 22 23←4週目
 24 25 26 27 28 29 30
 31

※2~6日までゴールデンウィーク
+10日まで学校おやすみ


6月予定表

 日 月 火 水 木 金 土 
     1  2  3  4  5  6
  7  8  9  10 11 12 13
 14 15 16 17 18 19 20

 21 22 23 24 25 26 27
 28 29 30



5月4週の動き
1→勉強する
2→誰かと遊ぶ
3→本を調べる
4→そのた

>>792

4九頭龍パイセンと話す

>>792
【月曜日】


どうしても早急に解決しておきたい事があった。
それを解決するには今しかねぇ、とオレもそう思っていた。
けど、急いでも急いでも、タイミングが悪いんだか出会えずにいる。

そんなオレがようやく相手に出会えたのは、週明けの事だった。

ほんとに2週間ぶりに会ったと思う。

最初は廊下ですれ違ったくらいだった。
向こうもたぶんオレには気付いていて、けどあえて声をかけない。
向こうとしても、何か話しにくいんだろうなと思う。
まぁ、そうだろう。
自分は何にもしてねーうちに事件が起きて、そして終息していたんだから。

それでもだ。


「………おーす、パイセン」

オレはそんなのんきな声を上げてパイセンを呼び止めた。


九頭龍「………」


振り返る。
パイセンはこの見ないうちに、なんだか目つきの鋭さがさらに増しているようだ。
すっごい近寄りがたいと言うか、なんつーか。

隣には勿論辺古山パイセンがいて、その辺古山パイセンも殺気がすごい。

辺古山「………なんだ、桑田。理由もないのに坊ちゃんを呼ぶな」

「理由ならあんだけど?」

周りにオレのダチもいたが、そんな事かまってる場合でもない。

「九頭龍パイセン、アンタに聞かなきゃなんねー事があるんすけど」

九頭龍「………あの夜の事か?」

ひどく冷めた声がオレの鼓膜に届く。
前に聞いたのとは全く違う声だった。
何があったんだ?
つか、何で疲れてるんだよ??

「そっすよ?つか、そこまで睨まなくてもよくね?」

九頭龍「うるせぇ。テメェに関係はねぇんだ」

大和田「おいおい先輩よォ、その言い方はねぇんじゃねぇスか」

九頭龍「………構ってる暇はねぇんだよ」

「やっぱ何かあったな?オメー」

辺古山「そこまでにしておけよ、桑田」


九頭龍パイセンの困惑と怒りを汲み取ったのは辺古山パイセンだ。
腰に手を当てるような、居合いのような所作でオレ達をにらみつける。


辺古山「わざわざお前達に話すような事はない。不二咲も無事に戻ったのだろう?」

「話してんのはアンタじゃなくて九頭龍パイセンなんすけど」

辺古山「坊ちゃんに会話を望むならまず私を倒せ」

大和田「上等だゴルァ……!」


まさに一触即発。

つーか、マジになんなんだよ?
今までは、そりゃ敵対視されてたとはいえここまでガチな雰囲気を出された事はない。
それがなんだ?今じゃ、ちょっとミスっただけで殺すぞ、みたいな顔をしてやがる。
なんだよ、オレがなにしたって?


辺古山「ちょうどお前達に付きまとわれて、坊ちゃんは迷惑していたんだ。私が潰してやる」

「ぁあ?アンタでオレ倒せんの?技食らわねーよ?」

大和田「ちィ、オレは女は殴らねーんだよ」

辺古山「なら勝手に私に殺されろ」

「言わしときゃあ………」


こきこきと首の骨をならす。
なんかムカつくしやってやってもいい、とか思った。


    「ストップ、ストップですぅ!」


人が割り込んでくるまでは。


辺古山「罪木か?邪魔立てするな」

罪木「うゆぅ、喧嘩はダメですよぉ!あんまり喧嘩すると、怪我を直すのが大変ですからぁ!」

「誰?」

九頭龍「クラスメイトだ」

罪木「と、とにかく、喧嘩じゃなくて決闘してくださぁい!」

「?」

罪木「あのあの、決闘って言うのは学園行事なんですけどねぇ、」

罪木「今月は確か月末、日曜日にこの学園内で行われるはずですぅ!」

罪木「特殊な魔法で場を覆いますから、大きな怪我でなければ自然治癒しますし……」

辺古山「勝負を預けろと?」




1→罪木や辺古山と話す
2→勝負を延期する(自動的に5/31に飛ぶ)
3→それでも九頭龍と話そうとする(自動的に5週目に飛ぶ)
4→そのた

>>798
明日は終日やります。おやすみ。

1 ルールとかについて

終日ってなんだっけ。やるよ。

>>798


「……は、そんなのでこの人等が納得するんか?」

罪木「う、うゆぅ……」

「つか、その決闘?とかってのはルールは?」

辺古山「特設の会場にて、1対1の対決をする。魔法の使用あり、相手にダメージを与える事は許可されているが、」

辺古山「死をもたらすような即死級の魔法などは禁止されている」


そのほか、細かくルールが決まっているらしい。
制限時間はないんだとか。
武器を持ち込んだりするのは許可されないが、その場にあるものを利用する事は出来る。
と言っても、ただのホールにどんだけのものがあるとは分からない。


辺古山「……相手の決め方は指名、挙手制、色々あるが、元から決めておく提出制も出来る」

「選ばれたら断れねーんか」

罪木「い、いえ、もちろん断る事も可能ですぅ」

辺古山「フェアじゃないからな」

九頭龍「……けど、テメェは断らない。そうだろ」

「まあ、そっすね」

九頭龍「まぁいい。そこなら見せ物みたいなもんだからな、人が見てる」

九頭龍「さぞかし気持ちいいだろうな、公衆の面前でテメェをぶっ飛ばすのは」

「……趣味悪ぃぜアンタ」

九頭龍「うるせぇ」

とにかく一刻も早く、この先輩がこんなに態度を変えた理由を知らなければ。


九頭龍「逃げんなよ?オレはテメェを指名してやる」

「望むところだ」

辺古山「………坊ちゃん、時間です」

九頭龍「ああ」


かつかつ、とその場を離れるふたり。
後に残ったのは何かこう、言い現せられない感情だった。


罪木「あ、その、そ……九頭龍さん、最近機嫌悪くてその………ごめんなさぁい!」


続けてもう1人も逃げるように走り去った。
なんだったんだあいつ等。


大和田「………んだ、ありゃ」

「さーな?」

大和田「しかし随分な事に巻き込まれてんな、オメェ」

「全くだよ」




1→特訓しよう
2→調査を続行しよう
3→エルフの聖水を探そう
4→そのた

>>805

どれを選んでも、次の安価(決闘)までオートで進行

1

>>805

【火曜日】


霧切「そう。それでそんな提案を受けたのね?」

「仕方がねーだろ、絶対にあのパイセン、なんか知ってる」

朝日奈「だからって危ない目にあってちゃ意味ないじゃん!」

不二咲「そうだよ、多少の怪我なら治るとは言え……桑田君まで怪我したら……」


と言うわけで翌日。
オレらは授業終わりのホールにいた。


「治るんだろ?多少なら」

霧切「ええ、けれど骨折や断裂は痛いわよ」

葉隠「ほぇ?そんな怖い事あるん」

霧切「決闘ですもの、かまいたちなんかで収まらないかもしれないわ」

石丸「全く本当に堪え性のない……」

「いやなんでいんのオメー」

石丸「霧切くんに呼ばれたのでな!」

大和田「なんで呼んだんだよ」

霧切「色々知ってそうだからよ?」

「………」


とにかく、目下課題は「九頭龍パイセンとの決闘をどうするか」。
今のオレで勝ち目は限りなく薄い。
しかしこんなとこで負けるようじゃあ、正直エルフの聖水を手に入れて闇の魔術師探し!なんてやってるような場合じゃない。

さて、どうしたものか。


大和田「………あー、そのよ」

大神「今は己の鍛錬をせねばなるまい、桑田よ」

「鍛錬………」

霧切「………そうね。鍛錬して九頭龍先輩に勝てば舞園さんもあなたを見てくれるんじゃないかしら」

「うっせ、それ関係ねーよ」

ぶっちゃけ関係あったのだが、関係あると言ってしまうのがなんとなく悔しかった。

舞園は苗木につきっきりだ。
もちろんそれは選手とマネージャーだから当然なのかも知れない。
けどオレはどうも、舞園から目が離せなかった。
何でか分かんない。
あ、当然って言っちゃおかしいけど、朝日奈も好きだ。


大神「しかしお主が鍛錬せねばならないのは間違いないだろう?」

「………だな」

葉隠「しかしどうすんだ、桑田っち?武器持ち込み禁止って」

大和田「それだよな。持ってけるのはせいぜい杖か。あとは武器じゃねーもん、っつっても」

朝日奈「あんまり必要ないもの持ってっても困らない?傷薬でも持ってく?」

「だなー」


ため息が止まらない。ほんともうやるせない。ドラゲナイ。


大和田「とにかく新技でも何でも完成させりゃいいんじゃねぇか?」


と言うことで、外へ。

霧切「ねぇ、桑田君。あなたが使える魔法って、どんなもの?」

「あ?あー………今のオレは……」


そこで思い起こしてみる。

球を炎に包む【変火球】。
球じゃないものを球にする【公識球】。
球を鋼みたいにする【鋼球】。


「………オレ、よくよく考えなくてもまともに魔法使えなくね?」


まあ当然だった。

朝日奈「じゃああれは?あの、なんか杖がおっきくなるヤツ!」

そんなわざあったか?

と思って思い出す。確か水を操ろうとして間違えて出したあれの事だ。
そのときは、魔力が杖を覆って即席バットみたいになったんだったな。
あれは特に名前とか付けてないけど多分使えるだろう。


いやいやいや。

「それが使えても意味なくね!?」

霧切「分からないわよ?もしかしたらそれが、一番の武器になるかも」


にたり笑みを浮かべる霧切が、指示を出す。
オレはこれから時間が許す限り特訓をして………





来る日も来る日もボールを投げ、バットを形どり………





九頭龍パイセンの得意魔法を調べたりしながら………





「くそ、武器の持ち込みが禁止ってのがいてーな………」


ん?武器以外は持ち込めんのか?


【5月最終週日曜日】


………あっという間に、その日は来た。
31日、決闘の日だ。


その日は朝早くから、第一講堂(ホール)が貸し切りになっていた。
中を見れば、複数の教師が空間魔法を駆使して、なんかしらのプロテクトを張っているらしい。
この部屋から外に魔法が漏れたり、部屋が壊れたりしないように、注意を払っている。
また、室内で死人は出ないようにも。

そのホールの中央部分にステージが設けられており、周りには数多くの生徒が並んでいる。
どうやら、見物客らしい。


苗木「桑田クン!」


ホール内から苗木の声がした。


「おう、苗木?どしたん」

苗木「どしたんじゃないよ、なんで桑田クンが決闘に!」

「色々あったんだよ」

苗木「無茶したらダメだからね!?」


そして、ようやくそれは始まろうとしていた。


先生「レディースエンドジェントルマン!イッツ!!ショーーーーーターーーーーイム!!」

おおおおおおお!!!




桑田の前に前哨戦。
今までのキャラから1名。なんやかんやで戦ってくれます。そいつの持ち魔法とか知る機会かも。
↓2で

小泉さん

>>814



モブビッチ「そこをお退きなさい!」

わーわーわー

モブビッチ「私様が決闘を申し込むわ、小泉真昼!」

そばかすの子「え?アタシ?なんで?」

モブビッチ「生意気なのよ、ジャーナリストの親を持ってるとか何とか……!」

そばかす「知らないよアタシ、確かに親は写真家だけどさ」


ん?なんか揉めてんな……。


モブビッチ「とにかく上がりなさい!」

そばかす「……」

和装の子「いいじゃんおねぇ、あのクソビッチ倒しちゃいなよ!」

そばかす「日寄子ちゃん……!」

モブビッチ「いいよ!こいよ!!」


なんか始まった……。



これより戦闘チュートリアルを開始します。
一時的にキャラクターが小泉に切り替わります。




……うう、なんなのよ。
今日は日寄子ちゃんがどうしてもって言うから付き添いに来ただけなのに。
でも、あのビッチちゃん?って言ったっけ、本名知らないけど……
あの子、取り巻きとかたくさんいるし、たぶん名家の人なのね。

面白くないわよね、平民のアタシなんかの家系が有名になるのは。
だからってこんなとこで因縁ふっかけなくてもいいじゃない……!


ええと、アタシの持ち味は【転写】と【撮影】。
自分の姿をその場に留めたり、時間差攻撃したり、相手を動けなくしたりする魔法が得意。
それ以外はあんまり出来ないけど、光に関する魔法が使えるし、光球の技で倒せたらいいけど……。


先生「それでは始めッ!」

わああああああああ!!


西園寺「おねぇー!やっちゃえー!」





戦闘は、コンマ末尾で正否判定。
敵側(モブビッチ)はGMレスにて判定。
基本的に数字で決定
+詳細記述が認められる。同じくコンマで正否判定。


小泉     体力5/魔力5
モブビッチ  体力3/魔力5

1→距離を保つ
2→光球(魔力1)
3→転写(魔力2)
4→そのた

>>821

お知り合いになれるチャンスかな?

前傾しカメラ構えつつ出方を見る

>>821

とりあえず、向こうの出方を見なきゃ……!


アタシはカメラを構える。
武器じゃないから持ち込める。と言うか、アタシの唯一の特技だし。
杖も勿論持ってるけど、こっちの方が得意だもんね。

前進しながら、距離を詰めながら。
相手に何かをやらせないように気をつけなきゃ。
あの子はどんな技が得意なのか分かんないし………。


「………ッ」

モブビッチ「な、なによ、その顔……」

「……だって、やるなら負けたくないし……」


相手の出方を伺う………!

モブビッチ「………そんなら行くわよ!」


モブビッチが杖を握った。
な、何かしてくるのかな……?


モブビッチ「弾けろッ!」

じゅ、と杖先から何かが飛び出す。
それはカラフルな光で、こっちに……


ぽんっ


………飛んでこなかった。
え?なに?


モブビッチ「あれ?お、おかしいわね、この私様の最高傑作の魔法なのに………このこの」


ちょうどいい距離だ。
手を伸ばしても捕まることはないけど、アタシのカメラで相手を捕まえる事が確実に出来る。
それに、杖の調子が悪いのか、次の攻撃には多分間に合わない。
アタシはゆっくりとカメラを相手に合わせた。


「………」




小泉     体力5/魔力6
モブビッチ  体力3/魔力4

1→光球(魔力1)
2→捕縛(魔力3)
3→必殺技(魔力6)
4→そのた

>>826

3

あれ………チュートリアルとはいえ小泉すげぇ………

>>826
クリティカル


「………悪いけどすぐに終わらせるから」

モブビッチ「はぁ?いや、違う、私は」

「ごめん、アタシもあんまり荒いの嫌いだからさ」


「ね、笑って?」


アタシの、奥の手を使うことにした。
それは、転写の応用。
転写は本来自分の魔力を形としてその場に残す技。
だから、悪用したらダメなの。
自分の生命力そのものを、空間に残すなんて……かなりの魔力消費量だし、身が持たない。

でもここは講堂だし、決闘だから、死人は絶対に出ない。
だから転写を応用した。


ぱしゃっ。


モブビッチ「は、まさかあんた───」

「よく撮れてるよ」


ほら、と言ってそれを具現化。
相手の像を空間に射出する。
像は相手の魔力を使ってその場に維持し続ける。
当然、これを具現化し続けるのにアタシの魔力も使う。

だからほんとに必殺技。倒せるときにしか使わない奥義。


モブビッチ「しまっ………」

「わらって、笑って?」



チュートリアルおわり





どさ、
女が倒れた。
カメラ持ってない方の女だ。


そばかす「……ふぅ、危なかったけど……」

モブビッチ「」

そばかす「……勝ちでいいよね?」


何が起きたかさっぱり分かんねー。
モブビッチの分身みたいなのが現れたと思ったら、しばらくしない内に倒れた。
どういう理屈だ?


霧切「……ずいぶんと高度な技を使うのね」

「あ、霧切……あれなんなんだ?」

霧切「さぁ?」

「あのなぁ」

霧切「ただ───あれは生命力を、あるいは魔力を大きく消費する大業って事ね」

「なんだそりゃ」


しかし霧切に促されて見てみれば、確かにそばかすの方も大きく息を乱している。
生命力と魔力は直結している、と言う考えの日本式の魔法なら、おそらくあっちも疲弊しているだろう。
つまり、さっきのは強制的に相手の魔力を使わせる技って事か……。


霧切「あたりたくない相手ね」


そうだな、と答えて顔を戻した。

先生「すばらしい魔法でしたーーーッ!」

先生「さぁ!次にオレが私がと!やりたいと言う者はッ!?」


さっ、と手が上がった。


九頭龍「………さっさとやっちまおうぜ?桑田ァ」

ぎらついた目がこちらを捉える。
不敵に笑うその姿は恐怖すら覚えた。
何なんだよ、オイ。

九頭龍「さくっと倒してやるからよ」

「んだ?そりゃオレのセリフだっつーの」


夏の日差しみたいに熱いにらみ合いが始まっている。
杖を片手に、九頭龍パイセンは促した。
さあ、こっちに来いと。


………じつのところ、今回オレはある秘策を練ってきた。
消しゴムを懐に仕込んだのだ。
それは武器じゃない。だから持ってくる事は可能だ。
だけど、ひとつしかない。
だから使えるところで、正確に当てなきゃマズいってわけだ。


ステージに上がる。

九頭龍「後悔すんなよ?」

「そっちこそ」

先生「杖を構えて………始めッ!」



桑田のステータス
体力6/魔力12

1→使えそうな魔法(消費1)
2→杖バット(毎ターン消費1)
3→奥の手
4→そのた

>>837

杖バットをバスターの構えで魔法を打ち返すようにする

大丈夫なら↑

>>837
>>836

九頭龍「【閃光】!」

ぱっ、と明るい光がオレの前に現れる。
ちっ、くしょ、目潰しか!?

「ぐっ………!」

ってことはたぶんだけど、どっかこっかから魔法を撃ってくるはず………!
それなら、あのバットが使える!
たいていの魔法はあのバットで打ち返せるのだ。
つまり、当たればオレの勝ち。


「っくしょぉ!」

杖がぶおんっ、と言った。
特訓のおかげで、スムーズに杖バットを作ることが可能になったのだ。
まるでスターウォーズ。
フォースの力はねーが、魔法の力がオレに勇気をくれる。

若干の眩しさに負けながら、それでも何とかバットを構えた。
これで、どっからくるかさえ分かれば───


九頭龍「【土竜】!」

「な………!?」


どすぅっ、と鈍い衝撃が体に走った。

左の脇腹───

何か堅いものがつっこんでめり込んできてるみたいだ。
魔法と言うより物理的な痛みを強く感じている。
ぐはっ、と息を吐いた。
思わずよろけて、オレは何とか目を開きそっちをみる。


九頭龍パイセンはいつの間にか前方より移動していて、杖を構えたままオレを睨んでいた。
どうやらさっきのも、九頭龍パイセンの杖先から放たれた技らしい。

脇腹が鈍く痛む。
骨はイかれてねーんだろうけど、とにかく痛い。
息を吸い、何とか落ち着きたい。


九頭龍「まんまとかかりやがったな?」

にやにやしながらパイセンは言う。

九頭龍「この程度か………もっと楽しませろ!【土竜】!」

そのかけ声に合わせ、ぱきぱき……と言う音がした。
土の塊みたいなものが、杖先に集まっている。
おそらくあれも魔力の具現化された形……!

九頭龍「次はいてーぞ?」


そいつがこっちへ飛んでくる!




体力5/魔力13

※魔力回復量が毎ターン2

1→撃ち返す(追加消費5)
2→バントで受け流す(追加消費なし)
3→避ける
4→こっちも何かしら撃つ
5→そのた

>>843


2

お、おう

>>843


さっきよりも九頭龍パイセンはやる気に溢れているように思える。

九頭龍「さっさと倒れとけ!」

ドギュンッ!

高速で撃ち出された土の塊。
早い………!
あれは………撃ち返すのは危険だ。
それでミスったらオレにどんだけダメージがくるか……。
仕方がねぇ、ここはバントで受け流す!

すっ、と構える。
当然バントのことを知らない九頭龍パイセンは、なんだそれは、と言わんばかりの顔をした。

大丈夫、うまくやれば………



ギャギャッッ


「!?」


バットに土の塊が接触した。
見誤った───このスピードは、避けた方が、よかっ……



ドガァァァンッ!

「……かはっ……」


さっきより、ダメージが上がってる……?
ばかな……いや、もしかして……いまのでバットもダメージ受けたとか……?
いや、まさかそんな……。


気付いたらオレは軽く吹っ飛ばされてて、天井を見ていた。
受け流しにも失敗したんだ、相応のダメージが頭に、体に残っている。
なんか色々といてぇぞ。


「っ、くそ、マジか………」

九頭龍「おいおい、弱すぎだろ」


ぴんぴんしている九頭龍パイセンも、こんな事になるとは思ってなかったらしい。
それなりにオレのことを買っていてくれたのか?
いや、な事いいんだ。
今は………とにかく、この場を切り抜けることを考えないと………。

「……っせ、まだオレは本気じゃねーんだよ……!」

九頭龍「じゃそろそろださねーとマズいんじゃねぇのか?」

「今からやるようるせぇな」

九頭龍「テメェ、ここが外なら死んでるぞ」

「………」


そんな事、分かってる。




体力3/魔力13

1→バットで殴る(詳細記述にてさらに追加攻撃)
2→燃えるバット(追加消費毎ターン2)
3→使えそうな魔法
4→奥の手を公識球(消費5+攻撃で追加消費)
5→そのた

>>854

4

(オレ氏、スマホ画面の前で頭を抱える)

>>854


九頭龍「テメェの本気は!どんなもんだ!」

「くっそ……」


やるしかねぇ!
つーか、ここしかねぇ!

オレは懐に手を伸ばす。
つかんだのは、消しゴム。
何の変哲もない消しゴムだ。

それを取り出して、手のひらに抱え込んだ。


九頭龍「あ?消しゴムでなにしようって……」

「お、ぉ、ォォォオオオオオ!!」


咆哮。
それは自分のありったけを絞り出すみたいな咆哮だった。

右手に力が籠もる。
だんだん、そいつが今までの形を失って、どんどん丸く堅くなっていく!


九頭龍「……なんだ、その技……?」

「これがオレの、隠し技だよ!正真正銘ありったけの力を込める!!」

九頭龍「……【土竜】!」

ぱきぱき………。
また杖先になんかが出来てくる。
あいつがオレに攻撃を………?

もうこうなりゃ一か八か!
杖をしまい込んでこっちに集中する!

「っ、くそおおおぉっ!」

ぼっ、と火のついた感覚があった。
オレの手の中では、硬球が燃えている。
硬球に形を整えた消しゴムだが。

九頭龍「なんだそりゃ……聞いたこと、ねぇぞ」

「オレの技だからな!!」

九頭龍「見せて見ろよ!その技とやらを!!」

「行くぜ!【変火球】!!」

九頭龍「【怒土竜】!!」


オレが振りかぶって、投げる。

それに呼応して、九頭龍パイセンが杖先から何かを飛ばした。
さっきのよりも、遙かにでかい。
でも、今のオレの技なら!



ぱきぃんっ



「………あ………?」

嘘だろおい。
オレの渾身の球が、弾かれ、て………


ドゴォッ


「あ、がっ………!?」

めりめりと土竜がオレの腹に突き刺さる。
まっすぐと、深く。
自分でも分かった。
これは肋骨を何本か持ってかれている。

はっきりと思った。
ヤられる。

強い力で押され、オレは再び地面にたたき落とされた。

ぁ、ダメだ、動かねーと。
魔力はまだ十分なんだ。オレはまだやれる。
……でも、なんでだよ、手がぴくりとも、うご……か……


九頭龍「しまいか」

「………はぁ、っ、ぁ………」

九頭龍「【土竜】」

どがぁっ

「か、っ、ぐあ……」

苗木「く、桑田クンッ!?」


外野の声が聞こえてきた。
うるせー………な、分かってんだよ、オレだって………。

でも、なんでだろ、頭が……闇の中に沈むみたいに……意識が……遠………い………て………

………。


九頭龍「……終わったな」

辺古山「さすがです、坊ちゃん」

九頭龍「やっぱあの時のは思い違いだったか」

九頭龍「………そうだよな、まさかな」


………、………。


苗木「桑田クンッ!桑田クン!!」

不二咲「なんで………どうして!」

舞園「何でこんな事に………」

十神「ふん、その程度だったのか………」



………。

………、………。


………………………………………。



九頭龍「それじゃあ、試合はオレの勝ちでいいな?」




………………………………………………勝ちたい。

ふらぁっ

苗木「!?」

江ノ島「へー……やるじゃない」

辺古山「な!?なぜ!?」

九頭龍「………あ?」くるっ


「………」


九頭龍「……なんだテメェ、まだ立てたのか……次こそヤられてぇのか」

「………たい」

九頭龍「何?」

「………タイ………かちたい」

辺古山「坊ちゃん、そいつ何か様子が」

九頭龍「な、なんだ、こいつは」


「カチタイ、」



「カチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカチタイカ」



そして完全に世界はブラックアウトした。









「………っあ!?」がばっ

罪木「あ、やっと起きましたぁ」

花音「お兄ちゃん……!?」


知らない、天井だ。
オレは仰向けに寝かされていた。らしい。


花音「よかったああああ!!起きたああああ!」がしっ

「いてぇうるせぇ抱きつくな熱いし恥ずかしい!」


部屋には罪木と、まだ預かり中の花音、そして………もうひとり。


女性「目ぇ醒めたかい?」

「………あん、た………」

女性「あんまり無理に動くんじゃないよ、まだ治りきってないだろうからね」

「………あ、はぁ………」

花音「怜恩お兄ちゃん、無事……?」

「ん?あ、腹が痛い………けど、なんとかな」

あら、オレ何してたっけ?
全然覚えてない………。



1→ベッドから降りる
2→話をする
3→部屋に戻ろうとする
4→そのた

>>874

2

>>874


「………オレは」

女性「2日ばかし寝てたよ」

「は?」

女性「今は火曜日の午後さ。信じられないかい?」


いきなりむちゃくちゃなことを言われた。
あ?オレが2日寝てた?

そんな訳ないだろ?


花音「お兄ちゃん、決闘の時に変になったって聞いて走っていったんだからね!」

「変、ってなんだよ」

花音「あの、……魔力がすごいことに」

罪木「あんなの初めて見ましたよ、私も」

「あ?」

罪木「まるで桑田さんそのものが魔力の泉みたいで……ほとんどの魔法は無効化してました」


はぁ?


女性「何があったのかはしらないよ。けどね、無茶はしちゃダメさ」

女性「ダメならギブアップしないとね」

どうも実感がわかない。
何とか動こうとしたが、やっぱりだるい。

女性「肋骨と………あと右腕もひどいことになってたよ。今は薬で日常生活が送れるほどには回復したけど」

女性「まだ完治じゃない。全く無茶しないでくれないかい?」

女性「無理が出来るのは若い内だけだけど、その若い内に無理しすぎると未来に影響が出るんだからね」


こともなげにそう伝えてきた。
その女は、桃色に似た長髪で、そしてなぜかスカジャンだった。


女性「ふぅー、まあいいか。アンタは理由がないならもう少し寝な?明日にはたぶん治るだろうさ」

花音「私も看病した」

女性「だーめ」

花音「なんでですか?私も」

女性「ふふ、ダメだよ。アンタは自分を大事にして、綺麗にならなきゃ。」

「………九頭龍パイセンは」

女性「あれもひどい怪我だったね。病院に言ってるから大丈夫さ」


ひらひらと舞う手。
………無事って言っていいんだよな?



1→話す(クリティカル特典です。詳細記述に全て従います)
2→部屋を出ようとする
3→そのた

>>879
ネムリンなのでやすみん、おやすみん

……勝ちたい。魔球だってんなら分身させたって消えさせたっていい。出来る事を増やして、今の球に磨きをかけて、とにかく負けっぱなしで終わらせたくない

ちょっと早いけどやるよ。

>>879


「……オレ」

女性「何があったか知らないけど、ね。決闘でもヤっていい事とよくない事がある。それは覚えておいてくれないかい?」

「……」


何したか覚えてない。
何が起きたか全く覚えてない。
けど、なんだろう。
それだけははっきりと覚えていて。


「……勝ちたい」

女性「……」

「魔球だってんなら、分身させたって消えたっていい」

罪木「あう……」

「出来る事を増やして、今の球に磨きをかけて」

花音「……お兄ちゃん」

「とにかく、負けっぱなしで終わらせたくない」

ぎゅ、と指先に力が入る。
その時、利き腕に鈍痛が走って、あ、やっぱ何かやったんだなって思うんだ。


花音「お兄ちゃん………お兄ちゃんは勝ったんだよ」

「オレは負けたまんまじゃ………え?」

花音「お兄ちゃんはあの日勝ったの」

「は?オレが?」

罪木「さっきも言いましたよね?魔力の泉みたいになって、ほとんどの魔法は無効化されてたって」

罪木「だから、そのまま貴方は勝ったんです」

「なんで?オレ、九頭龍パイセンをボコったってのか?」

花音「………その通りだよ」

罪木「見た事もない魔法、詠唱なしでいくつもいくつも発動して……」

花音「怖かった」

ぎゅっ

花音「なんか、お兄ちゃんがお兄ちゃんじゃなくなった、みたいで」

「………花音」

女性「はいはい、ラブラブもいいけど、そろそろアンタらは帰らないとね?」

花音「でも」

女性「花音っち、今綺麗にしておかなきゃ。女は10代が華だよ」

花音「そう……ですか」

罪木「そ、そう言う訳ですぅ。わ、私達はそろそろ、戻ります、から」

「………ああ、うん………」


なんか、すっごい後味が悪くて。
何だよ、何が起きたんだよ?
オレがどうやって九頭龍パイセンをボコったのかは不明なままだった。

気味の悪さに、オレはうまく寝付けなかった。



【魔法野球少年】桑田怜恩

現在【6月1週】

ステータス
体調   10
魔力   8(Next250)
耐久   4(Next50)
敏速   5(Next150)
魅力   8(Next350)

悪墜ち度 2(Next30)


友達一覧
苗木→マイフレンド
不二咲→一安心
葉隠→頼りねーな……
大和田→すごいヤツだ
石丸→いつの間に仲間に……
山田→知ってる
十神→眼鏡

朝日奈→マジかわいい
大神→オーガ△
腐川→知ってる
舞園→アイドル
セレス→知ってる
霧切→頼りにしている
戦刃→まあ、なんだ。頑張れ
江ノ島→うぷぷー
花音→かわいい妹


持ち物
栗の杖
グローブ
野球ボール




6月予定表

 日 月 火 水 木 金 土 
     1  2  3  4  5  6←1週目
  7  8  9  10 11 12 13
 14 15 16 17 18 19 20

 21 22 23 24 25 26 27
 28 29 30


【水曜日】


「と言うわけで課題見せろ」

石丸「開口一番がそれかね………」

「いやマジで、心配かけて悪かったって!」


闇の魔術師炙り出そうぜ会の動きは膠着していた。
それもそうだ。
霧切が、動くのは7月と定めていたのが一番の理由。
それ以外に期がないと判断したので、オレらは致し方がなく従っているところだった。

で。
水曜日の朝、オレはクラスに戻って速攻謝る羽目になる。
それもそうか。
心配かけたのに、何の言葉もこいつらにはかけてねぇ。


苗木「それにしても、すごかったね……」

「あー、あのさ。オレマジで何したか覚えてないんだけど……何があったん?」

苗木「………」

石丸「………」

え?

「ちょ、オメー知ってる?」

葉隠「あははー………はは………」

あれ、笑ってごまかされた。

「オメーは?」

朝日奈「し、しらないよ………」

不二咲「う、うん………」

大神「………」

十神「………」

なんで全員黙ってるわけ?




1週後半の行動
1→とにかくみんなと話す(体調↓/情報げーっと)
2→練習あるのみだ(体調と悪落ち↓/魔力↑)
3→勉強をしこしこ(体調↓/耐久↑)
4→どこか町へ(体調と悪落ち↑)
5→そのた

>>893

2

>>893

まぁ、とにかくこの何日かの遅れを取り戻さないと………


【で、土曜日】


「」

朝日奈「モウムリ………」

葉隠「」しゅうううう

大和田「あー………つまり、この薬草を………こう………」

石丸「なぜこうも君達は勉強が出来ないのだね……泣くぞ、と言う前からもう泣いている」だばー

「しゃーねぇだろ………」

戦刃「ええと、もしもジャングルに置いてけぼりにされたらまず水を3時間以内に確保して」

石丸「悪いがそんな話は一言もしていないぞ」

朝日奈「ぁあー!だって分かりにくいんだもん、あんたの話!」

葉隠「……若干それはあるな。もっとシンプルに言えねーんか?もっと取引先の人に言うみたいに丁寧に」

「シンプルか丁寧かどっちだよ」

石丸「ぐむむッ………!」


普段の勉強も出来てないのに、遅れを取り戻せる訳なんてありませんでした。
残念。

そんなわけでこうして勉強会が開かれたのだった。

石丸「ああ、もう!君達はそうしてすぐこんがらがってしまうから!」

「第一、今回は魔法薬学についての講習だろ?」

石丸「ああ、そうだ。エルフの聖水の話があったので、授業にも出てきていたエルフ由来の薬品について話していたのだぞ」

戦刃「………エルフ由来ってつまりどういうことなの?」

石丸「そこからかね」

朝日奈「とりあえずもう一回!」

石丸「仕方がない………」


石丸「エルフとは、我々人類よりも遙かに高い技術と魔力、寿命を持つ」

石丸「故に希少種であり、故に我々を上回る」

石丸「そして今回のテーマは、そんなエルフ達が長年の研究により作り出した薬品についてだ」

戦刃「ええと、まず共通点は全部希少価値が高いって事だよね」

葉隠「それに人力で作れるって特徴もあんな」

大和田「なるほどな。森の暮らしで作れるもんって事か?」

石丸「なんだ、分かっているじゃないか。代表的なものは【エルフの涙】と呼ばれる液体だ。これは一時的に魔力を増幅させると言われている」

「材料は?」

石丸「うむ。【トネリコの木の樹液】に【極楽鳥の血】、エルフが【喜び草】と呼ぶ草……現地語で【ハッピーハッピ】と言う草を似た汁からなる」

石丸「これらを適切な分量で混ぜ合わせ、月夜の元5時間、弱火でことことと………」


めんどくせぇ!?

>石丸の授業を耐えきるガッツを見せた。耐久が上がった。
>体調がちょっと下がった。

【日曜日】


田中「ふ、赤き野獣よ。久しいな」

「あ、田中パイセン。ちーす」

田中「今日は嫌な風が吹き荒れ、世界を混乱に導いている。外出は控えるのだな」


………つまり嵐が来てるのか?
なんとなくこのパイセンが言いたい事がわかってしまう自分がつらい。

外を見れば確かに今は曇りで、風もかなり強そうだ。
やーな日になりそうだな。

しっかし、外に出れないとなると練習も出来ねーし……町にも行けないな。
なにすっかなー。
たぶん苗木は今日もクィディッチだろう。
こんな嵐なのによくやるよなぁ。




1→誰かと話す
2→コンドルのとこに行く
3→浴場に行く
4→ぽこた………そのた

>>898

>>898

と言うわけでやる事もねーし、オレは久しぶりにコンドルのケイスケ(勝手に名付けられた)のところに行く事にした。

普段はしもべ妖精?と言うやつらが色々手配してるらしい。
ことかけてこのコンドルは肉をよく食うので、妖精達もかなり手を焼いてるみたいだ。


学校の中でも特に一番高いところに作られている、連絡獣のいれるところ。
そこにケイスケはいる。
なんで高いとこにいるかって?

その方が色々と面倒がなくて済むのだ。
多くの連絡獣は鳥だ。

鳥じゃねーやつの事は知らん。


「っと……ケイスケー」

既にその名前じゃないと反応しなくなっている我が愛鳥を探す。


   「……ふもふ……も……ふふ……」


「あ?」


どこかから声がする。
人がいんのか?




1→声をかける
2→そっと覗く
3→見なかったことにして帰る
4→そのた

>>892

2

もー、やーまーねー!なんで安価ミスするのぉー!?さーんかーいーめー!(ばしばしばし)

>>902
これ


オレは物陰からそっとそちらを覗く事にした。






辺古山「はぁっ……!もふもふ!もふもふだ!」

辺古山「……誰も見ていない、今なら少しだけ……」

兎「」
ねこ「」
もふもふけものたち「」

辺古山「ふああああっ!もふもふお!もふもふだお!」

辺古山「くそっ、ねこ……に、にゃんこ……!にゃんにゃん!かわいいぞにゃんにゃん!にゃんにゃん!!」

辺古山「くちづ、ち、ちゅう、してもいいか!」

ねこ「んみゃあ」

辺古山「ああっ!かわいいぞ!かわいい!かあいい!」

辺古山「天国だ!ここは天国なんだ!」

ケイスケ「くぁ?」

辺古山「はっ!鳥か!コンドルか!かわいいな、貴様も可愛いぞ!もふもふではないが!」

ケイスケ「」




あの九頭龍パイセンの従者の、辺古山ペコって人だった。


必死に笑いをこらえる。
やばい。面白すぎる。
しかも笑顔が苦手なのかひきつってる。
あああ、笑いそうっ。
でも、まだ見つかってない。ど、どうする?




1→声をかける
2→そっと見続ける
3→帰る
4→そのた

>>907

>>907
あっ


ダメだ………堪えろ、まだその時じゃない……



辺古山「あああああ!」

ねこ「にゃにゃ」ねこぱんち

辺古山「ぐわーっ!負けた!お前の力に負けたぞ!」

ねこ「にゃあお」

辺古山「くっ、なぜお前は私をこうも困らせるのだ!くそっ、可愛すぎる!」

セブン「ちゅうう」

辺古山「お前は………不二咲の!」

セブン「ちゅ」

辺古山「ンギャワイイッ!」

「ぶふっ」

辺古山「!?」バッ

「あっ」



終わった………
まさかンギャワイイッ!とか言うと思ってなかったんだよ………。

辺古山「きっ、きき、貴様ッ、なぜ、ここに………!?」


ぺこやまはこんらんしている!
何で、顔真っ赤なんだよ。
オレに聞かれたとは露ほども思ってなかったから?


「い、いや、オレはコンドル見に」

辺古山「な………!」

「た、タイミング悪かったっすねー………あ、あはは、その、ンギャワイイ?」

やべ、また笑えてきた。

辺古山「貴様ァ!」

顔真っ赤の辺古山パイセンは、腰から短い刀のようなものをオレに向けた。

「は?脅しっすか?」

辺古山「な、わ、私の、事を見て………」

「いやいや、アンタらほんと暴力好きな。自分の醜態見られたからって脅しかよ」

辺古山「それはッ………」




1→九頭龍パイセン元気?
2→オレももふもふ好きだよ
3→いいじゃん隠さなくても
4→ここでオレ殺す気?
5→そのた

>>913

1

>>913


「あー、ところで九頭龍パイセン元気?」

辺古山「………!」

「なん、すか」

辺古山「………お前には関係ない話だ」

「いや関係あるっしょ」

辺古山「坊ちゃんはまだ入院してらっしゃる」

「!」

辺古山「お前のせいでな」


先程よりは幾分か空気がキツくなった。
周りで動物が少し喚き出すが、あまり気にしない。
それよりも、辺古山パイセンの顔がひきつったのが気になった。


「オレ、あの日の事なんも覚えてねーんすよ」

辺古山「………だろうな。あの時のお前は正気とは思えなかった」

「何があったんすか」

辺古山「………私からは、言えない」

「え?」

辺古山「聞きたくば、坊ちゃんに直接聞くのだな」


パイセンはくるり、と踵を返す。
その顔は随分厳しいもので、俺も言葉を失った。


辺古山「それだけの事を、お前はしたのだからな」


その言葉の意味はまだ、オレには分からない。

【月曜日】


「………うーす」

朝日奈「もう元気そうだね、アンタ。おはよ」


すっかり右腕の痛みもなくなっていた、月曜日の朝。
オレは普通に登校している。
勿論傍らには苗木や不二咲も一緒だ。
そして朝日奈も。


苗木「最近は練習がハードで大変だよ」

不二咲「これから毎週、トーナメントだもんねぇ」

「かー、苗木は大変な」

苗木「大変なんてものじゃないよ、ほんと……小さな球を見つけて追いかけなきゃいけないんだから」

「似たようなもんか、野球と」

苗木「うーん………野球の、ボールがあっちこっち勝手に飛ぶ版かな」

「なんじゃそりゃ」

不二咲「………天気悪いね」

「ん?あー………」

天気予報じゃここしばらくは雨なんじゃないかって予報がされている。

不二咲「僕、水苦手なんだよねぇ……」

「雨がダメってなんだよそれ(笑)」

朝日奈「そうかなー?海とか楽しいのに………」




6月2週目前半
1→野球だ、野球あるのみ(体調と悪落ち↓/敏速↑)
2→みんなで遊ぶ(体調と悪落ち↑)
3→誰かと話す
4→そのた

>>917

3残姉

>>917


【月曜日】


「おっす、戦刃」

戦刃「あ、桑田君」


確か天文の授業だったか、たまたま横になった戦刃と話す機会があった。
ついでだし、話しかけてみるか?

「最近どうだ、そっち」

戦刃「うん、私も魔法はまだ、苦手だけど………なんとかなりそう」

「………あー、あのさ、戦刃。日曜のことなんだけど」

ふと、背後から気配。

江ノ島「なになに?おねぇちゃん、男と話してんの?」うぷぷー

戦刃「あ、そういう変なのじゃないよ」

「世間話だよ。……つか、お姉ちゃん?」

戦刃「あれ、言わなかったっけ。私と盾子ちゃんは双子なんだ」

江ノ島「絶望的です……こんな残念なお姉ちゃんは、幼い頃に全く別の家庭に引き取られたのです……」

「………へー、そうなん」


授業は淡々と進んでいる。暇だ。
つーか、戦刃と話してんのに顔出してくんなっつの。


戦刃「ええっと、それで……何の話だっけ?」




1→双子の話を聞く
2→こないだの決闘の話なんだけどさ
3→辺古山パイセンがもふもふ教だった
4→葉隠ってクズいよな
5→そのた
>>920

4

あえて聞こうか、「なぜ見えている地雷を踏みに行く」?(CV上田晋也)

>>920

「葉隠ってクズいよな」

戦刃「そ、そうかなぁ………?」

江ノ島「あー、それ分かる。めっちゃ分かる。」

「やっぱし?」

江ノ島「あのウニ頭は信用しちゃだめね。言ってる事めっちゃくちゃだったりするし」

「だよなー」

すげぇ分かる。
こないだも苗木が「頼むから内臓をくれ」と言われたとどん引きしていた。どうした。

江ノ島「………ただ」

「ただ?」

江ノ島「噂じゃ有名な【予言者】だって話もあるけど」

「予言者?」

戦刃「う、うん。この世界で信用されてる人………何年か前から予言をしてるんだ」

「なんだそりゃ」

戦刃「その予言は、結構いろんな事があるの。明日の天気とか、あるいはどこどこでどんな事件が起きるとか」

戦刃「でも、的中率は大体3割かな」

「ひっっっっく」


使えねぇ………!


戦刃「……でも、なんで信用されてるかって言うとね」

江ノ島「当たる時はめっちゃ当たるんだぜ!」

「ん?」

江ノ島「ええ、予言者の予言は、当たる時は「まるでその場に居てその有様を肉眼で見てきたかの如く当たる」のです」

江ノ島「やれやれだぜ………これで全くかすりもしねーなら、まだ救いがあったんだけどな」

………葉隠が予言者なのかどうかの信憑性は薄いが、心当たりはあるな。

「こないだの妖精に取り憑かれたのって」

戦刃「………わかんない。本当に予言者なのか、妖精に憑かれたのか、あるいはただの虚言なのか」

「だけど虚言であんな事しねーだろ?」

戦刃「と思うけどね」

江ノ島「もしかしたら」

「あ?」

江ノ島「それ、自分が予言者だってばれないようにパフォーマンスしてたんじゃない?」

「………」

まあ、可能性はあるか。
しかしなんでまた葉隠がそんな技使えんだ?
そもそもあいつ………普通の人間なのか?

戦刃「と、とにかく、葉隠君はすごいよね。そういう技もあるし、なんか、かっこいい?し」

江ノ島「絶交だわ………」

戦刃「えっ」


こりゃ気になる話題だ。
いろいろ平行して進みすぎて、気になる事がだんだん増えてきた……。

【水曜日】


朝日奈「聞いて!桑田!」

「どしたん」

朝日奈「今日からプール解禁だって!」

まだ確か、外は雨が降ってたはずですけど?

朝日奈「あのね、ここはプールは室内だから大丈夫!」

朝日奈「今日から体育の授業はプールだって!!やったね!!」

「ぜんぜんやってねーわ………」

舞園「あ、水着を持ってくるの、忘れちゃいましたね」

朝日奈「え?あ、確か水着は初回全員に渡されるはずだよ」

舞園「そうなんですか?」

セレス「私はごめんですわね」

と、割って入ったのはセレスだった。

「なんで?」

セレス「だって顔が水に浸かるのは嫌ですもの」

不二咲「ぼ、僕も泳げないからいやだなぁ……」

大神「そうか?面白いのだがな」

舞園「じゃあ、歩くプールだけでも………」

セレス「水に入りたくありませんわ」

不二咲「ちょっと怖いなぁ……」

腐川「あ、あたしだってごめんよ!水なんていい思い出がないもの………!」

十神「お前はプールに入るな、臭い」

石丸「こら、十神くんッ!」




体調:9

6月2週目後半
1→れっつプール!(体調↓↓/耐久と敏速↑)
2→みんなで遊ぶ(体調と悪落ち↑)
3→野球あるのみ(体調と悪落ち↓/魔力↑)
4→誰かと話す
5→そのた

>>926

ちょい休憩。

あるまげどんやってるの?
あ、1時間くらい。

>>926


「れっつプール!」

朝日奈「プール!プール!!」

オレらは笑顔でばっしゃばしゃと水の中へと入っていく。


腐川「あ、あたしは遠慮するわ」

セレス「私、水アレルギーですの」

不二咲「そ、そのぉ、溺れるから……」


数名に断られ、まぁ致し方がなくその場のメンバーは体育の授業を始めた。
楽しい事この上ない。
と言うのも、水温がちょうどいいのだ。
これは素晴らしい事だと思う。
温水プールみたいな温度なのに、機械葉使ってねーってのがまたすごい。


十神「ふん、俺が本当の泳ぎをみせてやろう」

そう言った十神は綺麗なバタフライを見せつける。

朝日奈「なら私もやるよ!」

ばっしゃばしゃばしゃ

戦刃「私は水面を走るね」

「何で!?つか、出来んの!?びっくり人間コンテストかよ!?」

苗木「ええっと、お、泳ご?」


なんとなく、その日は荒れた………。


>すっごい疲れた………体調が大きく下がった。
>耐久がちょっと上がった。
>敏速がちょっと上がった。

【水曜日夜】

「」

朝日奈「楽しかったねー!」

腐川「あ、あんたの体どうなってんのよ………」

朝日奈「え?ただずっと泳いでただけだよ?」

十神「……それが意味が分からん」

石丸「朝日奈くんは体力があるからな」

「」

苗木「すごいよね……一日中泳いでたの?」

朝日奈「うん!!!!ラーメン食べたい!!」

腐川「あんたの脳味噌どうなってんのよ」


オレは完全に疲れ果ててぐったりしながら全員の会話を聞いている。
何があったんだか、なぜか十神と腐川が一緒に参加してるぞ。
なんだ?明日は槍でも降るんか。


「………」

朝日奈「とにかくご飯食べちゃおう!」


今のオレらは、飯を食いに来てる。
なんでもオレらの先輩がここで飯作ってるらしいよ。



1→飯食ってまったり
2→誰かと話す(詳細記述にて内容指定)
3→ねる(コンマ次第で何かみる)
4→そのた

>>936

1

>>936


「………めし………」

朝日奈「そうだね!ごはん!!」


なぜか朝日奈はずーっと元気だ………。
ちなみに大神はと言えば「鍛錬してくる」との事でここにはいない。


朝日奈「ラーメン一丁!」

十神「俺はステーキだ」

腐川「綿埃でいいわ………」

石丸「焼き魚定食をもらおう!」

「バラバラかよ!?」

店主「はいよ!」

「出来んの!?」

店主「ははは、ぼくに作れない料理はないよ」

「………アンタは」

店主「こんばんは、いいからだしてるね?」

「は?」 

店主「きみはなにを食べるの?好きなもの言ってごらん?その後でぼくがきみを食べるよ!」


なにいっちゃってんのこいつ。


「………焼き肉丼」

店主「あいよー!任せてね!」


じゅうううう!
すごくおいしそうな匂いに、とんでもなくうまい手つき。
それがカウンターの奥からめっちゃ見えるから、よけいに腹が減ってくる。

数分後にそれはやってきた。
全員、言ったものが全く違うのに………どれもこれも寸分の狂いもない。
ラーメンも、焼き肉丼も、ステーキも焼き魚定食も………全部うまそうだ。


「って、うめぇぇぇぇ!!?」


びっくりした。
ほんとにびっくりした。
異常に旨い。
こんな旨い飯があるのか?と思うほどだった。

朝日奈「んー、やっぱラーメンは美味しいね!」

石丸「やはり魚に限る!」

「んまぁぁぁぁっ!?」

店主「ああ、うん、全部普通のものだよ?」

朝日奈「どうやったらこんな美味しくなるんですか!」

店主「普通に料理しただけだよ?」

「いやいやおかしいっしょ!」

店主「普通にやっただけだよホントに」


体に力がみなぎる………気がした。


>ちょっと体の調子が戻った。



【魔法野球少年】桑田怜恩

現在【6月2週】

ステータス
体調   7
魔力   8(Next250)
耐久   4(Next20)
敏速   5(Next120)
魅力   8(Next350)

悪墜ち度 2(Next30)


友達一覧
苗木→マイフレンド
不二咲→一安心
葉隠→頼りねーな……
大和田→すごいヤツだ
石丸→いつの間に仲間に……
山田→知ってる
十神→バタフライメガネ

朝日奈→マジかわいい
大神→オーガ△
腐川→……臭いの?
舞園→アイドル!
セレス→水アレルギー?
霧切→頼りにしている
戦刃→まあ、なんだ。頑張れ
江ノ島→うぷぷー
花音→かわいい妹………?


持ち物
栗の杖
グローブ
野球ボール




6月予定表

 日 月 火 水 木 金 土 
     1  2  3  4  5  6
  7  8  9  10 11 12 13←2週目
 14 15 16 17 18 19 20

 21 22 23 24 25 26 27
 28 29 30


【土曜日】


苗木「はぁ………」


土曜日。
外は雨だ。
むしろ木曜日あたりからずーっと雨だ。
雨雨あめあめうぜぇぇぇぇっ!!

おかげで毎日ぐっすり眠れてます(Kさん・学生)。


葉隠「そうため息つくな苗木っち、ドレッドが膨らみに膨らんだ俺の気持ちも考えてくれって」

「うるせぇ」

葉隠「………」

田中「霊を統べる者、そう落ち込む事はあるまい」

苗木「あんまり雨が降るから今日はお休みになったよ」

「まあ、たまにはいいんじゃね?」

苗木「………そうだね」


はぁ、とため息の止まらない苗木。
どうやら試合もダメになったらしく、来週やり直しだそうだ。

「………んで、どうすんだ?」

苗木「どうするもこうするも………」




1→みんなで話す(内容指定おっけー)
2→どこかに遊びに行く
3→図書室へ
4→そのた

>>944

2 娯楽室かカラオケかなんかでパッ―と盛り上がろう

>>944
>>943


「折角だしさ、どうよ?ちょい騒がねーか?わーっと」

田中「騒ぐ?そのような場所はあったか?」

「ねーの?」

苗木「あ、いや、あるかも」

「んじゃそこ行こうぜ?」


そして、連れて行かれたのは【娯楽室】とかかれた場所だった。

寄宿舎の中に設置されているそこは、非常に楽しそうな場所だった。
男女どちらでも使えるように作られており、中にはスロットやらなにやら、あるいは麻雀卓やらがあってざわ……ざわ……としている。


セレス「………あら?」

苗木「あ、やっぱり。おはよう」

セレス「やっぱり、とはなんですか」

「いつもいんの?」

セレス「ええ、まぁ。私、ギャンブルが得意でして」

!?

セレス「知りませんの?【セレスティア・ルーデンベルク】の、名を」

「ごめんオレは知らん」

苗木「ごめんボクも魔法界離れてたから」

葉隠「そんな余裕なかったです」

田中「こんな矜持はどうでもいい」

セレス「………」


と、全員でセレスの心を踏みにじる最低な所業。

セレス「………こほん」

「で?なにしてたんだ?」

セレス「今はスロットをば。見てくださる?」


『ぶっぶー、はーずれー………』

キィン!キィンキィンキィン………

セレス「激アツです」

『それは違うよ!!』論破

ばきいいいいんっ!!

ビッグボーナス!!キキキキキキン!!


苗木「………あ、うん、やったじゃん」


なぜか苗木のテンションが下がっている。


セレス「どうです、あなた方。私と勝負いたしませんこと?スロットがダメなら、ポーカーでもなんでも」

「いやそれオレらに旨味ないし」

セレス「私、先日の桑田君の【アレ】について」

「!………」

セレス「ほんの少しだけ、心当たりがありますの。その情報を渡す、それでは?」

「………勝てばもらえると」

苗木「ま、負けたら?」

セレス「そうですわね、誰か1人私の奴隷になってもらいます」

「よし、新天地でも頑張れよ葉隠」

葉隠「えっ!!!?!?」



1→ポーカーだべ!
2→スロットだべ!
3→そのただよー
4→うるせぇ吐け(コンマ好位置で成功)

>>949

>>949


「とりあえず、ポーカーで勝負にしようぜ?」

セレス「では───」

葉隠「待った!それ俺もやらして!?」

田中「ふむ、貴様もこの因果を紐解きたいと?」

セレス「………仕方がありませんわね。いいですわよ?」

「よーし!」





数分後………





「はい、フォーカード」

セレス「へ?」

葉隠「ストレートフラッシュ」

セレス「あ?」

「ん、いいねぇ」

葉隠「なんかツいてんな」

セレス「………ばかな、そんなわけが………」

しゃしゃっ

「お、フルハウス」

葉隠「うーし、フォーカード」

セレス「な、バカな、私がワンペア………!?」

苗木「え!?」

「おー!?」

葉隠「ははー!?」

セレス「!」びくっ


ぱさっ

「ファイブカードだわ」

葉隠「ロイヤルストレートフラッシュだべ」


セレス「………!!!?」


と言うわけで完膚なきまでにセレスを叩ききったオレたちだった。
(ちなみに後から聞いたら葉隠の野郎は多少ちょろまかしてたようだ。なんだこいつ……)
セレスの顔が、白から青に変わっていく………。


セレス「なん、だと………!」


「あっさり勝ったな」

苗木「はは、これって奇跡?それとも幸運?」

セレス「ビギナーズラック………だ、です、わ………!」

セレス「こんなバカな事が、あるわけ………ねえ………!」

「ま、勝ちは勝ちだろ?おうセレス、吐いてもらうぜ」

セレス「………分かりました。あなた方からの質問、何でもお受けしますわ」

田中「ほう、貴様もついに腹を括ったか」




せれっさんから何かきけるぞ。
↓3くらいまで

「んじゃ、さっさと聞くか」

こきこき、首を鳴らす。
聞く事聞かないとな。

「とりあえず、心当たりってのは?あのスーパーサイ野球人?つーの?あれなに?」

セレス「ええ。貴方の内面に何か、大きな鍵があるのですわ」

「なんじゃあそりゃ」

セレス「そう聞いた事があるのです」

苗木「どこから………」

「それ、信用出来る証拠は!」

セレス「私の情報網が偽物だったとでも?」

「それじゃ根拠にならねぇだろ?」

セレス「私の家の書庫にあった書物、です!」

「………」

セレス「それを裏付けるため、別な本も読みました」

セレス「人間の防衛本能の一種、それがあの状態」

葉隠「………なるほど?」

セレス「で、それは結局なんなのか?と聞きたいのでしょう?」

「当たり前だろ」

セレス「そんなもの分かりませんわよ」

「………は?」

セレス「ただし、言える事はひとつ。貴方の内面に大きな鍵がかかっていると言う事」

セレス「貴方の中になにがあるか知りませんが、それはある意味───悪魔とも言えるでしょう」

セレス「人間とは思えない魔力量だった」

「………」

田中「………貴様、それは」

セレス「ええ。もしかして貴方、人間ではないとか?」

「いやいや、オレはちょっと野球出来るけどただの人間だから」

苗木(普通の人間はあんな勢いでボール投げられないんだけどね)

葉隠(普通の人間はあんなスピードで走れねーべ)

田中(なぜ皆微妙な顔をしているのだ?)

セレス「とにかく理由は分かりませんが………貴方の内面に何かが潜んでいるのはまず間違いない」

セレス「その何かが何かは分からないですが、そうですわね………」

セレス「貴方、【賢者の石】はご存じで?」

「は?賢者の………」

セレス「………それは、人の魂を犠牲に払う、マジックアイテム」

セレス「それを持った者が正気を保つ事はまず不可能」

セレス「………ですが、ただの人間に持てるものではない」

セレス「あれを持つ事は、希望か絶望か………」

「それがオレとなにが関係あるって?」

セレス「………貴方の内面に、それ、もしくはそれに準ずるものがあるなら………」

苗木「……納得がいく?」

田中「だが、ありえない。そんな事が可能か?」

セレス「可能かどうかではないのです、実際に起きているのですから」

田中「………」

苗木「………桑田クンの体から魔力が溢れてるのも、それが……理由だと」

セレス「おそらくは。ただの人間とは思えませんから」

葉隠「………ふーん………」

苗木「今金になりそうとか考えてない!?」

葉隠「な事ねーべ!!」

「賢者の石、ねぇ」


それがどんだけすごいことなのか、分からなかった。というか、大丈夫か?

オレほんとに大丈夫か?ぶっ壊れたりしない?




1→セレスをさらに問いつめる
2→みんなでどっか行く
3→野球あるのみ
4→そのた

>>961

今日ここまで。明日新スレたてる。おやすみ。

4図書室で賢者の石について調べる

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