エリカ「たとえ火の中、水の中」 レッド「草の中。森の中」(96)

タケシ『昨日久々に骨の有るトレーナーが挑戦に来ましたよ』


エリカ『まあ、そうなんですか?』


タケシ『レッドっていいましてね、見事にバッジもっていかれましたよ。あいつはきっと大物になりますね』


エリカ『貴方がそうおっしゃるなんて、きっとすごいトレーナーなんでしょうね』


タケシ『たぶんタマムシシティまでくるのにそう時間はかからないと思いますよ』


エリカ『楽しみですわ』


タケシ『では、これで。今度の定期ジム総会で会いましょうね』


エリカ『えぇ。ではまた』

ガチャ ツーツー


エリカ(……レッドさんか……)

カスミ『今日は久しぶりに挑戦者に負けちゃったわ…いつ以来かしら』

エリカ『まあ…気を落とさないで下さい』

カスミ『でもあいつは多分もっと強くなるわ。長年トレーナーを見てきたからわかるもの』

エリカ『あら、そんなに?』

カスミ『レッドっていうのよ。そういえばちょっとイケメンだったわね///』

エリカ『ふふっ。ほだれされてません?』

カスミ『そ、そんなことないわよ///こちとら男にそんな飢えてないっての』

エリカ『そういえばタケシさんからも聞きましたわ。レッドさんの話』

カスミ『ほんと?っていうかタケシのやつ最近調子のってるのよね』

カスミ『じゃあまたね。レッドがあんたんとこ来たら宜しくいっといて』

エリカ『ええ。ではごきげんよう』

ガチャ ツーツー

エリカ(…ふふっ。レッドさんって方。順調なのね)


エリカ(…私も少し楽しみだわ)

マチス『haha~今日来たチャレンジャー、veryつよかったデース』


エリカ『(相変わらず喋り方ウザいですわね…)まあ、そうなんですか。もしかしてその方レッドさんって方ではありません?』


マチス『yes!よくわかりましたデスねー』


エリカ『ええ、タケシさんやカスミさんから伺ってますから。お強いんですってね』


マチス『exactly!彼はまだまだ強くなると思いマース!アメリカにもイマシタ。磨けばより光りそうなyoung boy』


エリカ『クチバシティに来たということは、もうすぐ私のところですわね。どんな方なんでしょう』


マチス『hahahaha!彼、smartなhandsomeネ!ブッチャケ、エリカ、惚れちゃいソウネー』


エリカ『あらあら、楽しみですわ///』

マチス『hahaー!…what?……ok……ok。sorry、エリカ。ワイフがうるさいので、切りまーす』


エリカ『あら残念ですわ』


マチス『クチバシティにきたらぜひうちによってくだサーイ。では、good bye、エリカ』


エリカ『ええ、ごきげんよう』


ガチャ、ツーツー


エリカ(…レッドさん早いわね
…もうクチバシティまで…)


エリカ(…心の準備ができてないわ…)

エリカ(…ってどうしたのかしら私。そんなに身構える必要ないじゃない…)


エリカ(…いつもどおり、いつも通りにやればいいのよ)


エリカ「ふぅ…」


エリカ「レッドさんか…」

エリカ「どうもー」


デパートの店員「あらエリカ様。今日もいつもの香りの奴ですか?」


エリカ「いえ、今日はちょっと変えてみようと思って」


デパート「珍しいですね。おつけになっている香水はお気に入りでしたのに」


エリカ「そうですけれど・・・・・・たまには趣向を変えてみようかなと思いまして」


デパート「あら・・・・・・まさかエリカ様、コレですか?」クイッ


エリカ「そ、そんなんじゃありませんわ」アタフタ


エリカ「たまたまおもいついただけです!たまたまです!」


デパート「本当かしら」クスクス

ジムトレーナー「エリカ様。挑戦者です」


エリカ「!!きましたか」


ジムトレーナー「??エリカ様?」


エリカ「いえ、こっちの話です」


エリカ(やばいわ…緊張してきた…)

レッド「たのもー。タマムシジムのリーダーにチャレンジしに来た」


エリカ「…お待ちしておりました」


レッド「お待ち…?俺のこと知ってるのか?」


エリカ「(あ…し、しまった)い、いえ。挑戦者にはこう言うのが決まりでして」


レッド「ん…そうか。じゃあ早速バトルしようぜ。エリカさん」


エリカ「気が早いかたですね。いいでしょう。いきなさいモンジャラ」

リカ(…強い…)


エリカ「負けましたわ…」


レッド「ふぅ…サンキューリザード」ナデナデ


リザード「ギュオオオオオ」


エリカ(…ポケモンに優しい方なのね)


エリカ「では、これがレインボーバッジです。大切にしてください」


レッド「ああ、ありがとう」ニコッ


エリカ(やだ…イケメン)ドキッ

レッド「あ、それとさ、誰かタマムシデパートまで案内してくれないか?新しいわざマシンが欲しいんだ」


ジムトレーナー「あ、私が行きましょうか?」


レッド「あ、じゃあお願い…」


エリカ「いえ!私が案内します!」


ジムトレーナー「エ、エリカ様?」キョトン


エリカ(し、しまった。つい勢いで…)

レッド「お、おう。別にだれでもいいんだけどな」


ジムトレーナー(…なるほどね)ニヤッ


ジムトレーナー「ではエリカ様にお譲りします」


ジムトレーナー「エリカ様。絶対ゲットですよ」ボソッ


エリカ「え、ええ!?」


レッド「そうか。じゃあエリカさんにお願いできるか?」


エリカ「は、はいい、よろこんで」

エリカ「レッドさんはマサラタウン出身なんですか?」


レッド「そうなんだよ。本当になにも無い町でさ」


エリカ「でもオーキド博士がいらっしゃいますよね」


レッド「そうだな。オーキドのじいさんにはよくしてもらってたよ。小さい頃はサファリパークに連れて行ってもらったりね」


エリカ「まあ、小さい頃のレッドさんはさぞ可愛らしいのでしょうね」


レッド「ははっ、そんなことないって」


エリカ(レッドさん…いい顔するわね)

エリカ「わざマシンは3階ですね」


レッド「ああ、エレベーターで行った方が早いな」


ガッ ウィーン


レッド「……」


エリカ「……(き、きまずい…)」


レッド「エリカさんは…」


エリカ「ひ、ひゃい?!」

レッド「ははっ、いや対したことじゃないんだ。普段デパートとかくるのかなって」


エリカ「(うぅ…変な声あげちゃった)そうですね…お花を買ったり、香水を買ったりしてますよ」

レッド「へぇ、そうなのか。」クンクン


エリカ(え、近い!?)ドキッ


レッド「この香水も?」


エリカ「(びっくりした…)え、ええ、そうですね。ここで買ったカモミールです」ドキドキ


レッド「いい匂いだな」


チーン


エリカ(…レッドさんの方がいい匂いするんですけど)

エリカ「もう買い物はよろしいんですか?」


レッド「ああ、欲しいものは買ったし。ありがとうエリカさん」


エリカ「いえいえ、お気になさらずに。好きでしたことですから」


レッド「またタマムシにきたら顔見せにくるよ。」


エリカ「え?もういくのですか?」


レッド「ああ、俺は一刻も早くチャンピオンになりたいからな」


エリカ「そ、そうですか」

レッド「じゃあまたな」


エリカ「あ、あの!」


レッド「ん、どうした?」


エリカ「あ、その…ええと…お気をつけて」


レッド「…ああ。ありがとう」ニカッ


エリカ(!!…ああ…私やっぱり…)


エリカ(でも…だめだわ、彼にはチャンピオンという夢があるもの。引き止めるわけにはいかない)


エリカ(……いっちゃった……)

エリカ「はぁ……」


ミニスカート「どうしたんだろうエリカ様。最近ため息ばかりついて」


ジムトレーナー「ああ多分この間の挑戦者の事を考えてるんだわ。エリカ様ったら、落とし損なっちゃって」


ミニスカート「ええー!恋煩いってこと?」


ジムトレーナー「多分そういうことなんじゃないかしら?」


エリカ「……はぁ……」


エリカ(レッドさん……今頃どこにいるのかしら)

おとなのおねえさん「それでね、この間ね」ペラペラ


エリカ「まあ、困りましたね」クスクス


おとなのおねえさん「やっぱり男は甲斐性よねー」


エリカ「・・・・・・」


おとなのおねえさん「・・・・・・エリカ?」


エリカ「え?なんでしょう?」


おとなのおねえさん「何?何か悩み?」


エリカ「そういうわけでは・・・・・・」

おとなのおねえさん「ふーん。まあなんかあったら言ってよ?私だってこうやって聞いてもらってるんだし」


エリカ「・・・・・・」


おとなのおねえさん「エリカ?」


エリカ「n、なんでもないですって」アセアセ


おとなのおねえさん(・・・・・・)

ナツメ『……レッド?うん来たよ。すっごく強かった』


エリカ『元気でしたでしょうか…』


ナツメ『……うん。爽やかさがとどまるところを知らなかった』


エリカ『そ、そうですの?』ピクピクッ


ナツメ『……かっこよかった』


エリカ『だ、だめです!』

ナツメ『??エリカ?』


エリカ『あ、すいません…私ったら』


ナツメ『……成る程。エリカ、貴方もたいへんね』


エリカ『あ!今心を読みましたね!?』


ナツメ『…ふふっ。案外お似合いかも』

ナツメ『……彼の心読んだら、ずっとポケモンのこと考えてた。本当にいい人』


エリカ『そ、そうですよね』テレテレ


ナツメ『…でも。もうこの街にはいない』


エリカ『は、はやいですね』


ナツメ『かれは風の人。旅が彼を呼んでいる』


エリカ(ああ、レッドさん。貴方が恋しくてたまりません…)

カスミ『へぇ、あんたがそんなに入れ込むなんてね』


エリカ『お陰で最近は食事も喉をとおりませんわ』


カスミ『まあ、あいつ多分、一つの街にとどまり続けるやつじゃないわね。忘れるのがいいわよ』


エリカ『そうなのでしょうか』


カスミ『だって、チャンピオンになるっていってるんでしょ?いくらレッドとはいえ、何年かかるかわかったもんじゃないわ。それまで待ってられる?』


エリカ『そうですね…』


カスミ『あんたはジムリーダー。あいつはポケモントレーナー。生きる道が違うのよ』


エリカ(やっぱり忘れるのが一番なのかしらね)

アンズ『いやー強い強い。さすがだねレッドってやつは。アタイの毒ポケモンにきっちり対策してきたよ!』


エリカ『そうでしょう?ふふっ』


アンズ『ん?なんか嬉しいそうだねアンタ』


エリカ『い、いえ。私も彼には期待していますから』


アンズ『ふうーん。あ、さてはアンタあいつに惚れてるね!たしかにかっこいいもんな!』


エリカ『そ、そんなことありませんよ!』

アンズ『そうなの?うちのジムの女達はしきりにアタックしてたよ?セキチクに残って!みたいな』


エリカ『へ、へえ。そうなんですの』ビキッ


アンズ『あれくらいいい男だったら多分いろんなところで声かけられてると思うけどな!多分道路とかでも』


エリカ『(!!…確かにそうかもしれない)は、はぁ』


アンズ『ま、父上ほどじゃないけどね』


エリカ(…こうしちゃいられない…!)

ミニスカート「えええ!?ジムを空ける!?」


ジムトレーナー「ほ、本気ですかエリカ様!!」


エリカ「申し訳ありません皆さん」



エリカ「しかし、私にはいかなければならない理由があるのです」キッパリ

ミニスカート「そ、そんなぁ。エリカ様がいない間どうすれば…」オロオロ


ジムトレーナー「わかりました、エリカ様。あなたがいない間、私達がジムを切り盛りします」


ミニスカート「え?大丈夫かな…」


エリカ「ありがとうございます。本当に恩に着ります」ペコッ



ジムトレーナー「ところで、エリカ様」


エリカ「はい?」


ジムトレーナー「誰に会いにいくんですか?」ニヤッ


エリカ「い、いえ、別に対したことでは…」

ジムトレーナー「さっきいかなければならない理由があるっていってませんでした?」


エリカ「あ、そ、それは…」アタフタ


ジムトレーナー「…はぁ。エリカ様」


エリカ「は、はい?」


ジムトレーナー「今度は失敗しないのですよ?」


エリカ「う、うん」


ミニスカート「え?どういうこと?」

エリカ(さよならタマムシシティ…)


エリカ(待っててくださいね…レッドさん)

ダダダダダダダダッ


おとなのおねいさん「うん?」


エリカ「レッドさあああああああああああああん!!!」ダダダダダダダダッ


おとなのおねいさん「ひ、ひっ!」


ダダダダダダダダッ


おとなのおねいさん「エリカ…?」

エリカ「ハーブティーはいかがですか?」


ヤマブキ警備員「おやまあ。若い娘さん。遠慮なく頂きますよ」


エリカ「美味しいでしょう?」ニコッ


警備員「そう…じゃな…身体がポカポカして…」


警備員「う…」ドサッ




エリカ「ふふっ。ラフレシア特性のねむりごなですよ」


エリカ「レッドさん待っててくださいね」スタスタ

エリカ「ナツメさん!!」


ナツメ「……エリカ?」


エリカ「レッドさんの居場所を教えて下さい…」


ナツメ「…レッドはまだセキチクシティにいる…」ウィィィン


エリカ「それはほんとうですの??」


ナツメ「……女の人と一緒にいる…みたい」ウィィィン


エリカ「!!」

ナツメ「…あ、見間違い…だった…ってエリカ?」キョロキョロ


ナツメ「…いないんだけど…」




エリカ「レッドさああああああああああああああん」ダダダダダダダダッ

サイクリングロード


ぼうそうぞく「最近張り合いがねえやつばっかでつまんねえぜ」


スキンヘッズ「こんなに暇だと髪の毛生えちまうぜ」


ぼうそうぞく「ん?おいみてみろよ。あれ」


スキンヘッズ「ん?」


エリカwith自転車「オラオラオラオラオラあああああ!!」ドドドドドドドッ



ぼうそうぞく「」

スキンヘッズ「」

ぼうそうぞく「なあ、さっきのってエリカ様じゃないか?」


スキンヘッズ「そ、そんなわけねえだろ?あのエリカ様が自転車で見境なく爆走するなんて」


ぼうそうぞく「そうかなぁ…」

エリカ「お、大きい」


エリカ「これが噂のカビゴンですか」


エリカ「こんなこともあろうかと」スッ


エリカ「実家からポケモンの縦笛をもって置いてきてよかったわ」ジャーン


エリカ「…すぅ」


エリカ「ピイィィイイイイイィィイイイイイイイイィイ」


カビゴン「!!」ビクッ


通行人「!!」ビクビクッ


つりびと「ああ!おれっちのコイキングがショックで死んだ!」

エリカ「あら?おかしいわね?大分抑えたつもりなのに」


エリカ「肺活量が多すぎて縦笛禁止になったのが懐かしいわ」


カビゴン(びっくりした)ドキドキ

ガサガサッ

エリカ「エンカウント率が高いですわ」ガサガサッ


エリカ「虫除けスプレー買おうかしら」


エリカ「仕方ありません。少し疲れるのですが」スッ


ラッタ(ん?)


ラッタ(人の気配がするけど)キョロキョロ


エリカ「…」


エリカ「昔キョウさんに足音を消す方法を学んでおいてよかったですわ」スッスッ

エリカ「アンズさん!!」


アンズ「ん?あれ?エリカ?なんでセキチクに?」


エリカ「そんなことより!レッドさんは!?」


アンタ「レッド?結構前に行っちゃったよ。なんでもふたごじまに行くとか」


エリカ「わかりました!ありがとうございます!」ダッ


アンズ「あ!ちょっと!?……行っちゃった。どうしたんだ?」


エリカ「レッドさああああああん!!」ダダダダダダダダッ

エリカ「す、水道!?」


エリカ(し、しまった…水タイプのポケモンは持っていませんわ…)


エリカ「かくなる上は…」ヌギッ

海パンやろう「案外、ずっと浮いてるのもらくじゃないんだよね」


ビキニのおねいさん「実は浮き輪使ってるのよね」


エリカ「はっ!はっっっ!」プハッ


海パンやろう「あ、あれは…!」


ビキニのおねいさん「こ、古式泳法!!」


海パンやろう「服を頭のうえに載せ、水に浸からないように泳ぐことが可能である!!」


ビキニおねいさん「ま、まさかこの水道を泳ぎ切ろうっていうの!?」


エリカ(小さい頃カスミさんとハナダのどうくつで遊びまわった甲斐がありましたわ)プハッ

ふたごしま洞窟


エリカ「ふんっ!はっ!」ドンッドンッ


エリカ「ひでんっ!マシンがっ!こんなにっ!必要っ!なんてっ!」ドンッドンッ


フリーザー「」


ドンッドンッ ヒューーー(穴に岩が落ちる音)


エリカ「ふぅ…なんとか体力が続いたわ」


エリカ「案外人の力でかいりきはなんとかなるものね」


フリーザー(いや、ねえよ)

レッド「たのもー!!」


カツラ「はっはっは!きたな挑戦者よ!」


レッド「あんたがグレンジムのリーダー、カツラか。さっそくバトルしてもらおう」


カツラ「ワシからきみにクイズを出そう。炎ポケモンと掛けまして、わしとのバトル後の挑戦者ととく。その心は?」


レッド「どうでもいい!早くバトルしようぜ!」


カツラ「はっはっは?その意気やよし!正解は…」


カツラ「どちらも燃え尽きるでしょう!わはははっ」


バタンっ

エリカ「あいかわらずつまらないクイズですわね!!」


カツラ「」


レッド「エ、エリカさん?」

ッド「ど、どうしてエリカさんがここに?」


カツラ「」←負けました


エリカ「そ、それはその、あの、わ、私も旅に出ようかと思い立ちまして」アセアセ


レッド「え?そうなのか?ジムの管理は大丈夫なのか?」


エリカ「だ、大丈夫ですよ。ちゃんと信頼できる子に任せてきましたから」


レッド「ふーん。まあここで会ったのもなにかの縁だし。ご飯でも食おうか」


エリカ「は、はい///」


エリカ(ら、ラッキーですわ)


エリカ(こんなに早く出会えるなんて)

レッド「ていうか大変だったろ?ここに来るまで。洞窟とか水道とか」


エリカ「え、ええ。たしかに骨が折れましたわ」


エリカ(まあ、レッドさんに会えなかった時間に比べれば全然…)


エリカ「と、ところでレッドさん!」


レッド「ん?どうした?」


エリカ「タマムシをでた後、その、女の方に随分言い寄られたとか?」ソワソワ

レッド「え?うーん、まあそんなことあったような気がしなくもないけど。ていうかなんで知ってるの?」


エリカ「(や、やばっ)アンズさんから聞いたんですっ!ジムでそんなことがあったって」


レッド「ああ、ヤマブキジムか。確かにそんなことはあったけど、俺は旅を続ける身だからな。丁重にお断りしたよ」


エリカ「そ、そうでしたの」ホッ


エリカ「で、では、その、今恋人は?」ドキドキ


レッド「いないよ」ポリポリ


エリカ(やったあああああああ)

エリカ「それでは、あの、しばらく旅にご一緒しても宜しいですか?


レッド「んー、確かにそろそろ一人旅にも飽きてきたしな。いいよ」ニコッ



エリカ「あ、ありがとうございます!!」ギュッ


レッド「そ、そんな喜ばなくても」テレテレ


エリカ「あっ、ごめんなさい」バッ


こうして私達の旅ははじまった

レッド「リザードン!空を飛んで水道を抜けるぞ!」


リザードン「ゴオオオオオオ」ファサッ


レッド「さあ、エリカ乗ってくれ」ギュッ


エリカ(あ……///体が密着して///)

レッド「そういえばエリカ、水タイプのポケモンいないよな、どうやって抜けてきたんだ?」


エリカ「あ、あの…なみのりがつかえるポケモンを借りたんです」アセアセ


レッド「ふうん。そっか」


エリカ(泳ぎきったなんて、そんなはしたないこといえないわ)ホッ

エリカ「zzzzz……」


レッド「疲れたのか。ぐっすり眠ってら」


エリカ「ムニャ……レッドさん……」zzzzzz


レッド「ん?」


エリカ「レッドさんはいますかぁ……zzzzz…」

レッド「なんだ寝言か…」


レッド「俺もねよ」


エリカ「……好き…です……」


レッド「!!」ドキッ


エリカ「zzzzz…」


レッド(寝言だ、寝言。俺のことじゃない…)


レッド(…よくみるとエリカてかわいいんだよなぁ・・・)

エリカ「きゃっ!」


レッド「ど、どうした?」


エリカ「む、虫ポケモンが…」


レッド「なんだ、キャタピーじゃないか。かわいいなこいつ」ナデナデ


キャタピー「piー!」クネクネ


エリカ「ひ、ひぃっ」

レッド「おいおい、そんなに逃げるなよ。触ってみろって。案外可愛いもんだ」


エリカ「そ、そうでしょうか」


エリカ 「…」ソー


キャタピー「pi?」


エリカ「う…」


レッド「そんなに怖がるとポケモンも怖がるぞ。勇気だして」

エリカ「…」ピト


キャタピー「pipi」


エリカ「…」サワサワ


キャタピー「pi~」♪


エリカ「あ」


レッド「お、やったじゃないか。一歩前進だな」


エリカ「ちょっと可愛く見えてきたかも」クスッ


キャタピー「pi♪」

レッド「危ない!」


エリカ「え?」グラッ


レッド「くっ!」ガシッ


ガララ…



エリカ「が、崖!!」ブルッ

レッド「危なかったな」


エリカ「え、ええ…///」ドキドキ


レッド「あ、ごめん…」バッ


エリカ「あっ…」


レッド「ど、どうした?」


エリカ「い、いえ別に……」

エリカ「それより荷物が…崖のしたに落ちてしまいましたね…」


レッド「そうだな…もうすぐマサラタウンだし、そこで足りないものを買おう」


エリカ「レッドさんの故郷ですわね」


エリカ「ご両親にご挨拶しなければ…」


レッド「ん?なんか言ったか?」


エリカ「い、いえ!何も」

レッド「しまったなぁ。エリカの分の寝袋がない」


エリカ「困りましたね」


レッド「仕方ない。俺のを貸すよ」


エリカ「それだとレッドさん寒くありません?」


レッド「大丈夫だよ。それに女の子を風に晒しとくわけにはいかないし」


エリカ「……一緒に使いましょう」


レッド「な、な?」


エリカ「一緒に寝袋使いましょう」

レッド(どうしてこうなった……)


エリカ「……」ドキドキ


レッド(せ、狭いぞ…)


レッド「なあ?流石に同じ寝袋を使うのは効率悪くないか?」


エリカ「い、いいんですこれで!…少なくとも私は」


レッド「そ、そうか…」


エリカ・レッド「…」


エリカ・レッド(眠れない…)

エリカ(レッドさんのにおい…やばすぎですわ…)


レッド(エリカ良い匂いすぎる)


エリカ(男の方の胸ってこんなに硬いんですね…すごい)


エリカ「…」ツンツン


レッド「ちょ」


エリカ「あ、ごめんなさい」


レッド(理性がもたん…)

エリカ「狭かったら…めてもいいですよ」


レッド「え?何だって?」


エリカ「も、もう!抱きしめてもいいですよって言ったんです!」


エリカ「三度目はいいません」


レッド「…」ギュッ


エリカ(わっ、わわっ)

レッド「…」ドキドキ


エリカ(あったかい…)ドキドキ


エリカ(レッドさんの心臓の音が聞こえる)


エリカ(わたしの鼓動も伝わってるのかな)


エリカ「…」ギュッ


レッド(あ、こりゃ眠れんわ)

レッド母「あら?こちらの綺麗な方は?」


エリカ「あ、あの私は」


レッド「エリカっていうんだ。タマムシジムのリーダーなんだけど、旅の途中で再会して」


エリカ「は、はい!よろしくお願いします!」



レッド母「ふうん。レッドの彼女?」

エリカ「レッドさん…」


レッド「あ、ごめんエリカ、なんか」


エリカ「いえ、別に良いんですけどね」


レッド母「ふうん?」

レッド「じゃあな母さん。最後のジム戦行ってくるよ」


レッド母「エリカさん?」


エリカ「は、はい!」


レッド母「息子のことよろしくね?」


エリカ「え、ええ///」


レッド母「あの子、ぜんぜん鈍感だから苦労すると思うけど」


エリカ「そ、そんなことありませんよ。気を使って頂いてますし」


レッド母「そうかしらね?でも我が子ながらいい男だから、後悔はさせないわよ」



エリカ「は、はい///」

レッド母「レッド、あんたもしっかり捕まえておくのよっ!!」


レッド「な、なにいってんだよ母さん」


レッド母「じゃあよろしく」コソッ


エリカ「はい、わかりました」コソッ


レッド「おい!エリカ!いくぞ!」


エリカ「はーい。待ってくださーい」


サカキ「きたな挑戦者よ」


レッド「おっさん。あんたがジムリーダーか」


サカキ「いかにも」


エリカ「あ、レッドさん。シャツでてますよ」


レッド「あ、本当だ」


サカキ「・・・・・・」

レッド「んしょ。それじゃあ早速勝負しようぜ」


サカキ「いいだろう。私の・・・」


エリカ「あ」


レッド「ん?どうしたエリカ?」


エリカ「いえ、夕飯思いついたんで」


レッド「お、何にするんだ?」


エリカ「前々からシチューに入れようと思ってた出汁が思いついたんです」


レッド「へー、今晩が楽しみだな」


エリカ「もう」


サカキ(なんだこれ・・・)

エリカ「もうすぐチャンピオンロードですね」


レッド「そうだな…。最後の戦いだから気合入れないと」


エリカ「ねえ、レッドさん」


レッド「どうした?」


エリカ「レッドさんは、チャンピオンリーグに挑戦した後はどうするつもりなんですか?」


レッド「ん~。そうだなー。ジョウト地方にすげえ強え奴らがいるらしいからな。また新しい旅にでようと思ってるよ」


エリカ「そ、そうなんですか…」ショボーン

エリカ(そうよね…レッドさんは旅に生きる人だもの…)


エリカ(あわよくばタマムシにきて欲しいなんて思ってた私が馬鹿みたい)


レッド「エリカはどうするんだ?」


エリカ「私ですか…」


レッド「…一緒に行くか?」


エリカ「え!?いいんですか?」


レッド「エリカがいいのなら、何だけど…」ポリポリ

エリカ(そうよ…レッドさんがいってしまうなら、私がついていけばいいのよ)


エリカ(思えば、レッドさんがタマムシから離れた後はほんとうに寂しかった…)


エリカ(せっかくこんな機会を手に入れたんですもの…ここを逃せば…一生後悔するわ)


レッド「やっぱり、迷うよな。長旅になるから無理強いはしないけど…」


エリカ「そ、そんなことありません。わ、わたしは!」ポロポロ


エリカ「あれ?おかしいです…涙が」ポロポロ

レッド「…」ダキッ


エリカ「え…?」


レッド「無理しなくていいんだ」


レッド「エリカについてきてほしいのなんて俺のわがままなんだから」ギュッ



エリカ「レ、レッドさ~んっ!」グスン


エリカ「そんなこと、ないんですっ」ポロポロ


エリカ「私、嬉しくてっ」グスッ


レッド「…」ナデナデ

エリカ「私実は、レッドさん追いかけてきたんですっ」


エリカ「レッドさんがタマムシから出て行ってしまった後なんて本当に寂しくて」


エリカ「私は、ジムリーダーとして構えていなきゃならないのに」


エリカ「レッドさんのこと考えるだけで、何にも手につかなくて」


エリカ「だから、本当に嬉しかったんです」


エリカ「貴方に再開できた時なんてほんとうに舞い上がっちゃいそうで」


エリカ「でも、貴方の手前そんなはしたないことできなくて…」

レッド「エリカ…。俺は嬉しいよ」


レッド「もう一度ちゃんと言う」


レッド「俺と一緒にこないか?」


エリカ「は、はいっ!!」


エリカ「私、一生ついて行きますっ。たとえ火の中、水の中でも」


エリカ「だってこんなに…」


エリカ「大好きなんですものっ!」


終わり

後日談


ミニスカート「ビッグニュース!ビッグニュース!!」


ジムトレーナー「どうしたのミニスカート」


ミニスカート「エ、エリカ様からポッポ便がきたんだけど、お、男と写ってる写真が入ってたの!!」

ジムトレーナー「どれどれ」ペラッ

ジムトレーナー「あら、エリカ様ったら、やったのね」ニコッ

ミニスカート「ええ!どういうこと?なんでジムトレーナーちゃんは知ってるの?」


ジムトレーナー「あなたもそろそろ身を固めたら?」


ミニスカート「よ、余計なお世話よ!!それよりこの男だれよ!私のエリカ様にいいいいいいいいいいいいい」


ジムトレーナー(エリカ様。こちらは今日も平和ですよ)

ポッポ「ポーー」

アンズ「ご苦労さん」


アンズ「あれ、エリカからの手紙だ」


アンズ「・・・・・・」


アンズ「うひゃー、エリカやるじゃん!!」


アンズ「ってことはこの間のあれってそういうこと?」


アンズ「・・・・・・」


アンズ「いいなー。あたいにも父上以上の男とか追っかけてこないかなー」

ナツメ「・・・・・・手紙」


ナツメ「・・・・・・」ペラッ

ナツメ「・・・」

ナツメ「さすがエリカね。」


ナツメ「この未来は正直見えていなかったけど」


ナツメ「清楚な中に激情を持つ・・・か・・・」


ナツメ「そんな人こそが運命を拓くのかしらね」

マチス「ha?オー!!これはエリカからのletterデスネ??」


マチス「hhー?oh-!!ペリーサプライジングネー!!


マチス「いわゆるセイシュンってやつデスカー??ワタシにもありました、身を焦がす程のhotな恋!!」


マチス「それがいまときたら・・・・・・」

ワイフ「hey!!!dad!!!」


マチス「オーケーオーケー・・・・・・今行きマース・・・・・・」

カスミ「あれ?エリカから手紙がきてる」


カスミ「あ、エリカのやつ。レッド捕まえたんだ。やるじゃん!」


カスミ「……ふーん。いいなぁ」


カスミ「腕くんでるし、幸せそう」


カスミ「……私も、追っかけてればよかったなぁ」


カスミ「なんてね。感傷的なのは柄じゃないっての」

タケシ「おうい。カスミー」

カスミー「む?なによあんた」


タケシ「い、いや。この間の事謝ろうと思って…」


カスミ「ふーん。で?」


タケシ「悪かったよ…」


カスミ「あ、そう?この機会だから言っとくけど、あんたってほんっっっっっっっっっとうに腹立つのよねたまに」


タケシ「う・・・」


カスミ「・・・はぁ、なんだか馬鹿らしくなっちゃった。もういいわ。許してあげる」


タケシ「え??珍しいな。お前がこんなにはやく許してくれるなんて」


カスミ「あ?」カチーン


タケシ(あ、やべ死んだ)

_____________________ ______________

拝啓 カスミ様。
新緑の候。いかがお過ごしでしょうか。

先日お話ししましたように、私はレッドさんと旅に出る事になりました。

リーグ戦の前にもう少し修業しようというレッドさんの提案もあり、ジョウトの方をしばらく回ろうと思います。

カントーに戻るのは当分先になりそうです。ですから、こちらにいる間に親しい友人に便りを出そうと思った次第です。
あ、あと私はタマムシを出て後悔はしていませんよ。
ジムリーダーは昔からの夢だったけど、それより大切な物を見つけたという事でしょうか?なにより今は幸せです。
レッドさんは思ったよりもやんちゃな方でした。わたしがついていないとだめなんだと最近は思います。一人旅の時なんか、三日に一回しかご飯を食べなかったこともあるそうです。なんでもポケモンに餌をやっていて自分が食べるのを忘れていたとか。ダメにきまっています。

ではそろそろ出発の時間ですのでこれくらいに止めて置きます。
カスミさんもお元気で


追伸

写真を同封しますね。
あと、タケシさんもそんなに悪くはないんじゃないかと思いますよ。
貴方のことを思ってのことじゃないでしょうか。
いずれにせよ、謝ってこられたら、許してあげたら宜しいのでは?

エリカより

レッド「エリカー。まだかー?」


エリカ「もうちょっと待ってくださーい」

エリカ「まだ、書き足りないのに」カキカキ

エリカ「よいしょ。これでおしまいです」

レッド「誰に手紙なんか書いてるんだ?」

エリカ「ジムトレーナーの皆さんに書いてるんですよ」

レッド「うぇ、そりゃないぜ。カントーに帰って来づらいじゃないか」

エリカ「え?どうしてですか?」

レッド「だってよ・・・」ポリポリ

エリカ「もう。いずれ皆さんには挨拶じゃなきゃいけないんですからいいじゃないですか」

レッド「ん?あー、俺がチャンピオンになったら挨拶することになるってことか?」


エリカ「もー。それもありますけど。ほらね。いずれね?」


レッド「ん?なんだよ?」


エリカ「・・・・・・もう!いいです!」プイッ


レッド「なんだよ。教えてくれよ」アセアセ


モウシリマセン!!エリカーー!!ワイワイ


エリカ(さよなら皆さん)

エリカ(そして・・・・・・)

エリカ(行ってきます、皆さん!)


今度こそ終わり

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom