この世界は完璧だ
全てがコンピューターに計算され、管理された世界
何一つ間違いのない世界
何一つ嘘のない世界
故に皆口々に言う

この世界は楽園だ――、と

でも私はそうは思わない
完璧だという事は何一つ欠陥がない事
間違いがないという言う事は間違って得られるものがない事
私はどこか人とずれているのだろう
人それぞれが持っている欠陥を美しいと感じるし
人それぞれが犯してしまう間違いがあるからこそ人間が愛おしいと感じる
だからこの世界が私には嘘で塗り固められた世界に見える

でもこんな完璧な世界でもたったひとつ嘘じゃない
――あなたを、愛してる

いつからだろうか
たまに私は考えてしてしまう
夢に見る、誰も見たこともないような場所へあなたと
何も追いつけないスピードを超えてたどり着きたいと

この完璧な世界から逃げ出したい
いっそ壊してしまおう
この嘘の詰まったような世界を
もうすぐ変わるよこの世界は
そして私たちの何かが変わるよ

それを聞いたあなたは私に言った
『　　　　　　』
その瞬間私の何かがずれた

どうして、ねぇコンピューター
こんなに苦しいの？
あぁ、どうしておかしいの？
絶対故障だ、てゆうかありえない
私が、君の言葉で悩むはずはない


そうして――スイッチを押した―――

エレワ編

――本当のことに気づいてしまった
　　　　　　　この世界のしくみ――
もう間に合わないかも知れないけど君に手紙を残すよ

この道を走り進み続けた
間違いを止めるために
もう地図に書いてあるはずの町は見当たらない
振り返るとそこに見えていた景色が消えていった
そして思うもっと早く気づいていれば、と

街を歩く猫だって空を飛んでいる世界で
もう君の存在さえもリアリティーがない
見えるもの全て、触れるもの全てがリアリティーがない
それでも僕は確かにここにいるよ

そして最期
地面が震えて砕け
空の太陽は落ちてきた、僕の手にひらりと
この世界僕が最後で最後だ

この世界のスイッチ押したのは誰なの？
ああ、もうすぐ消える　
　エレクトロワールド