八幡「バレンタインデーは運命の日でした」 (21)


2月

奉仕部の部室

雪乃「比企谷くん」

八幡「ん~~?」ペラ

雪乃「人が呼んでる時は、せめてこっちを向いてと言われなかった?」

八幡「小町至上主義の親に育てられたからな、教わってない」

雪乃「まあいいわ」

八幡「なんだよ?」

雪乃「これは…あくまでも、奉仕部の分析の為に聞くのだけど…」

雪乃「その、チョコレートはどのくらいもらったの?」

八幡「……」



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八幡「なんの分析に使うんだよ…」

雪乃「ぼっちのあなたでも、チョコをもらうことができるのかを検討できるでしょう」

八幡「…」

雪乃「どうなの?」

八幡「す、少しもらった…少しな…少しだけど」

雪乃「そう」

八幡「お前の、あれも足すともう少し多くなる」

雪乃「私があげたチョコレートね」

八幡「ああ」

八幡「ところで由比ヶ浜は?」

雪乃「平塚先生に呼ばれているわ。進路のことかしら」

八幡「そっか」

雪乃「話を戻すけど」

八幡「この話まだ続けるの?」

雪乃「当然でしょう?」

八幡「…」

雪乃「あなたは以前、本物が欲しいというようなことを言ってたわね」

八幡「ああ…恥ずかしいんであんま思い出させないでくれますかね」

雪乃「まだ、10代の私なんかが言えることではないけど」

雪乃「世の中は嘘が多いわ」

雪乃「欺瞞に満ち溢れ…信頼できるはずの血のつながりも、信用できない」

八幡「なんか、シリアスな話だな、おい」

雪乃「まあ、それはいいのだけれど」

八幡「いいのかよ」

雪乃「あなたが望む本物ってなにかしらね」

八幡「いや、わかんねぇよ…先生にも言われたしな」

雪乃「私もわからないけど…あのチョコは少なくとも、そういうのを込めてあなたに渡したわ」

八幡「…」

雪乃「つ、つまり…世間で言う本物という意味で…」

八幡「長い前振りだったな…」

雪乃「慣れていないのよ…」

八幡「葉山にもあげなかったか?雪ノ下」

雪乃「どこで聞いたの?」

八幡「戸塚が言ってた。目撃したとか…」

雪乃「そう…でも彼にあげたのはギリギリの義理チョコよ。もうすぐ他人というラインの方のね」

八幡「ほう」

雪乃「安心したかしら?」

八幡「…」

雪乃「顔が赤いわね、比企谷くん」

八幡「まあその…ありがとな。帰ってから見たが、あれ相当手間がかかってるだろ?」

雪乃「そうね、手作りだし。私も何回か失敗してしまったわ」

八幡「そうか…旨かったけどな」

雪乃「そう、そう言ってもらえると作った甲斐があるわね」

八幡「…」

雪乃「それで…誰にもらったの?他には」

八幡「それ、聞きます?」

雪乃「ええ。一人一人聞いて、藁人形を用意するわ」

八幡「冗談に聞こえないんでやめてもらえますかね、雪女様」

雪乃「冗談よ」

八幡「まず…小町」

雪乃「妹さんになら普通ね、それで?」

八幡「川…なんたらさんもくれたな。すごいちっさい10円チョコだが」

雪乃「完全に義理ね。彼女の性格なら、軽いお礼でも渡しそうね」

八幡「あと戸塚にもらった。これは日ごろのお礼とかなんとか…」

雪乃「意外な伏兵ね…同性だから、本命かどうかの判断ができないわ」

八幡「これは戸塚を貫けってことですかね」

雪乃「気持ち悪い発想はいいわ、やめてちょうだい。彼が相手だと綺麗に感じてしまうけれど」

戸塚『うわぁぁぁ!八幡のが…入ってくる…!…大きい…!』

八幡『大きいだって?誰と比較しているんだ?ん?』

戸塚『ち、違うんだ…!違うよ八幡…そういう意味じゃなくて…』

八幡『なにが違うんだ?』


八幡「……」

雪乃「変な妄想は終わったかしら。変態男」

八幡「な、なにもしてねぇよ…!」

雪乃「まあいいわ。それから誰にもらったの?」

八幡「海老名…」

雪乃「あら、想像できなくはないわね。おそらく修学旅行のお礼でしょう」

八幡「まさにその通り」

雪乃「じゃあ、次」

八幡「軽いな」

八幡「あとは…一色だな」

雪乃「……彼女は葉山君に渡して、そのまま付き合ったと聞くけど?」

八幡「ああ…ビックリしたが…葉山がOKを出すなんてな」

八幡「それから、俺にお礼ってことで、チョコレートと…その…」

雪乃「なにかしら?」

八幡「えっとだな…キスしていきやがって…」ポリポリ

雪乃「五寸釘が必要ね」

八幡「やめてくださいね?雪ノ下さん…マジ怖いです」

雪乃「葉山くんは私が好きだと思っていたけれど…意外ね」

八幡「気づいてたんですね、雪ノ下さん」

雪乃「ええ、でもどうでもよかったわ。安心したかしら?」

八幡「鬼っすね、雪ノ下さん…」

雪乃「まあ私は振り向かないと悟って、後輩にいったのでしょうね」

雪乃「あさましい男だわ」

八幡「ひどいっす」

雪乃「それから…由比ヶ浜さんからも受け取ってるわね?告白も」

八幡「なんで知ってるんですか…」

雪乃「なんて答えたの?」

八幡「まだ何も…」

雪乃「敵は一番近くにいたわね…」

ガラガラ

結衣「あ~~ごめん!遅くなっちゃった!」

雪乃「話はもういいの?」

結衣「うん、なんとか終わったよ~~」

八幡「…」

結衣「どうしたの?変な空気流れてるけど」

雪乃「由比ヶ浜さん」


結衣「へ?」

雪乃「負けないわよ」


おしまい

どもっす、おわりです

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