幼馴染「デュフフ…二次元最高!」男「…」(38)

幼「ややっ?これは男殿!お久しぶりでござるね!」

男「…」

幼「拙者に何か言う事でもあるでござるか?男殿」

男「…あのさ、幼」

幼「デュフフ?何でござるか?」

男「…夏休みの間に何があった?」

幼「ドゥフフ。それは秘匿事項でござるよ。コポォ」

男「…」




幼姉「あら、男ちゃん。お久しぶり」

男「あ、お久しぶりです、これ、田舎のお土産です」

幼姉「あら、わざわざどうもありがとうね」

男「そんな事より、幼姉さん!」

幼姉「あら、なあに?」

男「幼姉さん、幼に何をしたんですか?」

幼姉「あら?何の事?」

男「幼の様子がおかしいんですよ!」

幼姉「?」

男「今、家の前で会ったんですけど…」

幼姉「あら、そうね。たった今、外出したわね」

男「あんな酷い格好で…どこに出掛けたんですか?」

幼姉「あら、アニメイトに突撃って言ってたわねー」

男「…服は薄汚れてて、髪もボサボサ、しかもちょっと臭かったし」

男「言葉使いもおかしかったんですよ!」

幼姉「あら」

男「俺が田舎のじいちゃんの家に行ってた間に」

男「幼に何をしたんですか?」

幼姉「あら。んー…そうねぇ…」

幼姉「強いていうなら…」

幼姉「機械オンチだったあの子に、パソコンの使い方を教えた位かしら?」

男「…パソコン?」

幼姉「使い方をちょっと教えてあげたら」

幼姉「すっごくハマっちゃったみたいでね」

幼姉「あの子、自分の貯金でパソコン買ったのよ」

幼姉「男ちゃんが田舎に行ってた間…2週間くらい?」

幼姉「ずーっと部屋でネットしてたみたい」

男「なるほど…今度はネットか…」




幼「おや、男殿、拙者の部屋で何をしているでござる?」

男「その紙袋…いや、別にそれはいいか」

幼「ちょ!拙者のpcを勝手に起動とは!」

幼「いくら幼馴染の男殿でも、それは殺生でござる!」

男「あぁ、このフォルダの中身の事か?」

幼「ちょ!やめるでござる!やめるでござる!」

男「もう全部見た」

幼「え?」

男「ネットの履歴も、隠しフォルダの中身も全部見た」

幼「」

男「お前は何をやってるんだ、幼」

幼「あ、あの…拙者は…」

男「そのキモい喋り方は止めてください」

幼「…」

男「さぁ、説明を頼む」

幼「…あの、お姉ちゃんに、ですね」

男「パソコンの操作習ったんだろ?それは幼姉さんから聞いた」

幼「それで、ですね…」

男「…」

幼「最初は、普通に有名人のブログ見たりしてたんですよ」

男「うん」

幼「それで、ある時ですね」

幼「無料でアニメを見られるサイトを見つけたんですよ」

幼「で、見始めたら、止まらなくなってですね」

幼「二次元の素晴らしさに目覚めて、ですね」

男「…」

幼「で、そのアニメについて、もっと深く知ろうと思ってですね」

幼「ネットで色々調べていたら、その…」

幼「2ちゃんねるにたどり着きましてですね」

男「…」

幼「で、見始めたら、止まらなくなってですね…」

幼「ちょこっと影響を受けちゃった感じでですね」

男「そして、今に至るのか」

幼「そうなのでござる、デュフフ」

男「…おい」

幼「あ、すみません…」

男「…今までにもこう言う事が何度かあったよな」

男「釣りにハマって、大物釣った女子高生って、新聞に載ったり」

幼「あぁ、あったね、そんな事も」

幼「あの時のマグロ、美味しかったよね」

男「美味しかったけど、それは別の話だ」

幼「…」

男「模型作りにハマって」

男「本格的な帆船模型作って、全国のコンテストで入賞したり」

幼「…あの頃は若かったねー」

男「手品にハマって、高校辞めて、弟子入りしようとしたり」

幼「あの時は止めてくれてありがとうね、男」

男「映画にハマって、自主制作で映画1本撮ってみたり」

幼「あれも若気のいたりって事で…」

幼「それにあれは幼友も一緒になってやった事だよ?」

男「別に責めてる訳じゃないよ」

男「文化祭で上映した時、大喝采だったもんな」

幼「ドゥフフ、照れちゃうでござるよ」

男「…」

幼「あ、すみません…」

男「…幼」

幼「はい…」

男「お前は…飽きっぽいのが玉に傷だが」

男「凄く器用で、何でもこなせる」

男「正直凄いと思う」

幼「えっへっへ。褒めすぎだよ、男ってば」

男「でもな、今回のは酷いぞ、幼」

幼「…」

男「幼、今の自分の姿をどう思ってるんだ」

幼「…」

男「最近、風呂に入ったのはいつだ?」

男「最近、鏡見たのはいつだ?」

男「そのジャージ、最後に洗濯したのいつだ?」

幼「…」

男「二次元のキャラを好きになる事、別に悪いとは言わないよ」

幼「そう!そうなんだよ!」

幼「アニメや漫画のキャラには無限の可能性があるんだよ!」

幼「私が今、一番好きなのは…」

男「…あのな、幼」

幼「なつ…なに?」

男「それこそ次元が違うんだ」

幼「…」

男「俺なら…」

幼「え?」

男「俺なら、三次元だ」

幼「何言ってるの?」

男「…ずっと内緒にしてたんだけどな、幼」

幼「何を?」

男「俺はお前の事が好きなんだ」

幼「へ?」

男「真剣に交際したいと思ってた」

幼「あ、あの…え?」

男「俺は、返事も返さない、アニメのキャラとは違うぞ?」

男「幼は俺の事、どう思ってるんだ?」

男「…」

幼「…」

幼姉「あら、なんでそこで2人とも黙っちゃうの?」

幼「お、お姉ちゃん?」

男「み、見てたんですか、幼姉さん」

幼姉「幼ちゃんを変にしちゃったの、私みたいだから」

幼姉「責任感じて、ね?」

幼「だからって盗み見るのはダメだよ、お姉ちゃん!」

幼姉「あら、いいじゃない」

幼姉「幼ちゃんたら、男ちゃんの事、ずっと好きだったのに」

幼姉「言い出せずにいたんだから」

幼「ちょ、ちょっとお姉ちゃん!何言ってるの!」

幼姉「それに男ちゃんが告白する切っ掛けを作ったんだから」

幼姉「結果から言えば…」

幼姉「私は2人の愛のキューピット?」

幼「…」

男「…」

幼姉「もう、ちゅーしちゃいなさいよ!ちゅー!」

幼「もう!出て行って!」

幼姉「あら。はいはい、行きますよ」

幼「お姉ちゃんてば…」

幼「…」

男「…」

幼「…ま、まぁそういう訳で」

幼「私も男の事…その…ずっと好きだったよ」

男「そ、そうか」

幼「そ、そうだよ」

男「それじゃ、俺たち、相思相愛って事で良いのかな?」

幼「…うん」




幼「二次元最高!」

男「…」

幼「何よ?何か文句でもあるの?男」

男「夏休み終わる前に、元の姿に戻れて良かったな、幼」

幼「元の姿って何よ?」

幼「私はいつでも自分に正直に生きてるわよ」

男「1週間前のお前の姿を、今のお前に見せたいよ」

幼「…」

男「…俺たち付き合ってるんだよな?」

幼「そうね」

男「これから夏休み最後の日を楽しむために」

男「遊園地にデートに行くんだよな?」

幼「その通りね」

男「なのに、まだ二次元最高って言うのかよ」

男「俺、三次元だよ?」

幼「それはそれ!これはこれ!」

幼「理想と現実をごっちゃになんてしないわよ!」

男「…」

幼「三次元で一番好きなのは男よ!」

男「…おう…はっきり言われると照れるな」

幼「でも二次元では…」

男「ストップ!」

幼「夏目君が一番だわ!」

男「俺、ストップって言ったよね?」

幼「私の夏目君への愛は、とまらないわよ!」

幼「夏目×田沼!イイじゃない!ハァハァ」

男「…」

幼「デュフフ…名取さんも捨てがたい」

男「…」

幼「何といっても、声が石田さん…って」

幼「待ってよ、男!」

幼「先に行かないでよ!」

男「…」

幼「…泣いてるの?」

男「…ちょっとだけ」

幼「…もう、しょうがないわね、男ってば」
チュッ

男「!」

幼「…これでわかった?」

男「…何が?」

幼「私がどっちを大切に想っているか、よ」

男「…お、おぉ」

幼「だから…」

男「だから?」

幼「私が二次元好きなの、許してよね?」

男「まぁ、個人の趣味だもんな…」

幼「だから、遊園地に着くまで…」

男「…嫌だ!」

幼「私が夏目君をどれだけ愛しているのか聞いて!」

男「嫌だって言っただろ!」



おわり

これで終わりです
読んでくれた人がいたら嬉しいです

次スレは
幼馴染「馬鹿とはなんだ!」男「落ち着け」
って名前で立てたいと思います

では。

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