ぽりすこれくしょん~ぽりこれ~ (19)



※ブラウザゲー艦これのパクリ。

艦娘が警官だったら、という空想物語。

寛大な御心で見て頂けますと幸いです。




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日本、東京。

僕は今日付けで、都内へ新設された【渋谷南警察署】の署長となった。


一警察署、特に都内で事件数も多い渋谷区内の警察署に、こんな若輩の僕が異動させられるとは……全く上は何を考えているんだか。
確かに警部補スタートで一応エリートコースを歩いてきた僕だけど、多くの犯罪者が蔓延るこの渋谷区内を安全にすることなどできるのだろうか。


「署長! 失礼します!」


ふと、署長室に敬礼で入ってくる女性がいる。
恐らく警察学校を卒業したばかりの若い女性警察官だ。その未熟な敬礼の角度から僕はそう感じ取れた。


新人巡査「署長! 私、この度渋谷南警察署に拝命されました新人巡査と言います!」

新人巡査「高卒であり、先日警察学校を卒業したばかりですが、本日から署長の秘書官として精力を尽くす次第です! よろしくお願いします!」


署長「お、おう。よろしくな、はは。オレもまだ異動してきたばっかりで何も分かってないけど、一緒に頑張っていこう」


新人巡査「はいっ!」


新人巡査「……えっと……」


署長「ん? どした」


新人巡査「あ、いえ。署長室に向かってくる間、他の警官の姿が見えなかったもので……」


署長「あー。ここ新設されたばかりだからねえ」


新人巡査「というと……もしかして……」


署長「うん。今のとこ、この警察署は僕と君の二人だけだ」


新人巡査「な、なんと!」


署長「……特殊犯罪者。君も学校で習っただろうが、僕らは普通の警官ではない。人外の力を持つ犯罪者を撃滅するために生まれた存在だ」


新人巡査「は、はい! 一般の普通の犯罪者の取締りを目的とせず、特殊な能力を持った凶悪な犯罪者を撃滅させるのが我々の任務ですよね!」


署長「撃滅というか……検挙というかね。そして、彼らに対抗できるのが、君たちのように特殊な訓練を受けた『警娘(けいむす)』だ」


新人巡査「あはは……どこかで聞いたようなネーミングですが……」


署長「うむ。まあ、そこんところはうやむやにしようじゃないか。物語が進まないし」


新人巡査「ですね!」


署長「で、僕達はその特殊能力で犯罪を行う者、いわゆる『深犯棲者』を見つけ、様々な地区を奪還していかなければならない」


新人巡査「は、はい!」


署長「ただ……その、新設警察署ということもあり会計課からの予算もなかなか落ちなくてな……予算や経験が貯まれば、新しい警娘や装備を新調することができるんだが」


新人巡査「そのためには、たくさんの深犯棲者を検挙して、実績を上げないといけないということですね!」


署長「うむ。そのとおりだ」



新人巡査「いよーーし! 署長! 私、頑張ります! 頑張ってこの警察署を大きくして、深犯棲者を捕まえまくりましょー!」


署長「そうだね。これからよろしく頼むよ。新人巡査くん」


新人巡査「はいっ!」


署長「では早速、深犯棲者のパトロールに行こう。今は残念ながら移動できるパトカーの配備もないし、徒歩でいける範囲内になってしまうな」


新人巡査「そうですね! あっ、えっと、署長」


署長「ん?」


新人巡査「あ……えっと……私まだ、装備を完了していません」


署長「おう。そうだったな、すまない。実は今のところこれしかないんだ」サッ


新人巡査「け、警棒……まあ、予算もないし、そうですよね……」


署長「すまないな。こんなことしかしてやれなくて。では警ら(パトロール)開始だ! 新人巡査くん! 仲間もおらず心許ないと思うが、頑張ってくれ!」


新人巡査「はいっ!!」


新人巡査「……って。署長は行かれないんですか?」


署長「……いや。僕は君達みたいな特殊な訓練受けてないし……指示しかできないんだ……ごめんね」


新人巡査「あっ。そっか。そうですよね」


署長「うん。しかも痛覚に強い女性しか『警娘』になることはできない。男として情けないが、特殊な能力を持った君たちの力に頼るしかないんだ」


新人巡査「学校で習いました。そうですよね。私達が頑張るしかないんですよね」


新人巡査「では署長! 行って参ります!」


署長「うん! 頑張ってきてくれたまえ!」




【第一回パトロール】


場所:渋谷区千駄ヶ谷裏二丁目


出撃者:1名

新人巡査 LV1 
装備スロット1:46センチ警棒
装備スロット2:なし



警ら(パトロール)開始!!





新人巡査「よーし! 署長のために、頑張るぞー!」


新人巡査「署長っていう割に若いしカッコイイし……うふふ。いいところ見せなきゃ!」


新人巡査「えっとー。確かこの裏路地を曲がって、深犯棲者がたむろする裏千駄ヶ谷に行けるのよね……」


新人巡査「……うう。や、やっぱり初めてだし……緊張するなあ……」


新人巡査「私に深犯棲者を倒せる力なんてあるのかなあ……」



ピコーン ピコーン



新人巡査「あ! 敵予知無線が鳴ってる! 近くに深犯棲者がいるんだ!」


新人巡査「どこだろう……」


ア級犯罪者「オオオオオ……」


新人巡査「わあっ! で、出た!」


新人巡査「目が赤い……本当だ。学校で習ったとおり……姿形は人間だけど、この人たちは何かに憑りつかれたように人間を襲う!」


新人巡査「でも大丈夫。大丈夫よ新人巡査。あれはア級の犯罪者だ……軽犯罪の攻撃しかしてこない、比較的弱い奴……! これなら私でも!」


ア級犯罪者「オアアア!」バッ


新人巡査「ひっ!」


ア級犯罪者「……」シュボッ シュボッ


新人巡査「……な、何してるんだろう……あ、ライターで紙に火をつけようとしてるのかな……」


ア級犯罪者「……」シュボッ ボオオ


新人巡査「わっ! 紙に火がついた! ほ、放火まではいかないけど、建物の近くで火をつけているから、これは軽犯罪法に規定されてる火気乱用の罪に該当するっ!」



新人巡査「コ、コラー! そんなことやっちゃ、ダメれすぅ!」


ア級犯罪者「オオオオ……」


新人巡査「う……こ、怖い……でも頑張らなきゃ……!」


新人巡査「あ、当たってくださいっ」ブン


ア級犯罪者「ぐおっ!!」


新人巡査「え……た、倒した……!?」



タンタララタンタンタンタンターーーン


【完全勝利!】S



ア級犯罪者「ぐうう……」


新人巡査「い、意外と……なんとかなるもんなんだ……あはは……」


新人巡査「あれっ? ア級犯罪者さんの姿が綺麗な女性に……」


ピカーン


生安巡査「んー? ここどこっぽいー?」


新人巡査「お、おお! もしかして深犯棲者に憑りつかれていた、警娘さんですかっ?」


生安巡査「あれー? 今までの記憶がないっぽい。私は確かー。渋谷東警察署の生活安全課の、新人警娘だったっぽい」


新人巡査「やったあ! 捕らわれていた呪縛から、警娘さんを取り戻しましたー!」


生安巡査「あなた、誰っぽい?」


新人巡査「あ、わ、私は、この度渋谷南警察署に配属された、ふぶ……じゃなかった、新人巡査です!」


生安巡査「……なんか、芋っぽい」


新人巡査「う……ご、ごめんなさい」


生安巡査「でも、助かったっぽい! ありがとう! ゆうだ……あ、いや、私も、生活安全課として初めて深犯棲者と戦ったんだけど、敵に憑りつかれちゃったの。で……多分今の今まで、裏路地を彷徨ってたっぽい」


新人巡査「あ……や、やっぱり、憑りつかれていたんですね! お救いできてよかったです!」


生安巡査「うん。ありがとっぽいー」



生活安全課 巡査(1年目)が仲間に加わった!





新人巡査「さあ! では、先へ進みましょう!」


生安巡査「うん。私も手伝うっぽい。武器は備忘録しかないけど勘弁してほしいっぽい」


※備忘録
警官が持ついわゆるメモ帳のこと。
各種個人・犯罪情報を記載しているため、紛失は許されない。


新人巡査「いや……ていうかなんで深犯棲者を検挙するときに備忘録しか持ってきてなかったんですか……」


生安巡査「私、戦うの苦手っぽい」


新人巡査「大丈夫かなあ」



イ級犯罪者「オオオオ……」


ウ級犯罪者「アアアア……」



新人巡査「わっ! い、いつの間に!」


生安巡査「やばいっぽい! 囲まれてるー! 私も頑張るけど、ここは武器のある新人ちゃんに頑張ってほしいっぽい!」


新人巡査「くっそー! や、やってやりますう!」




戦闘終了!



タンタララタンタンタンタンターーーン

【完全勝利!】S



新人巡査「やったあ! 署長! 私やりましたー」LVUP!


生安巡査「っぽい!」




新人巡査「うふふ……初出撃で2回の完全勝利! 署長に褒めてもらいたいですっ!」


生安巡査「貴方のとこの署長さん、イケメンっぽい?」


新人巡査「っぽいです!」


生安巡査「楽しみっぽいー」



新人巡査「……はっ! な、なんでしょうこの空気! 少し悪感がします!」


生安巡査「ん……? あ……もしかして、ここのエリアを牛耳るボスかもしれないっぽい!」


新人巡査「ボス……!?」



パ級犯罪者「ヒャッハー!! かわいいお姉ちゃん警娘が二人もいるなあ! オレがその胸をほぐしまくってやるぜえええ!」



新人巡査「嘘……! あ、あれはまさか……!」


生安巡査「パ級犯罪者っぽい! パイプを持って振り回す、凶悪犯っぽい!」



パ級犯罪者「オラオラぁ!! 怖くて声もでねえかあ……!?」


新人巡査「う……こ、怖いですけど……じゅ、巡査、頑張りますっ!」


生安巡査「新人ちゃん、ここは私も協力できるっぽい!」


新人巡査「えっ」


生安巡査「必殺!」


生安巡査「空気を読まない職務質問!!っぽい」


※空気を読まない職務質問
生安巡査が持つ適当な職務魂が生み出す限定スキル!(要:備忘録)
相手がいくら威張っていても、空気を読まず、サラッと職務質問してしまうのだ!



生安巡査「ねえねえ、おねーさん」


パ級犯罪者「お、おねえさん!?」


生安巡査「何してるっぽい?」


パ級犯罪者「何してるって……お、お前らを襲おうとしてるんだよ!」


生安巡査「なんで襲うっぽい?」


パ級犯罪者「は、はあ!?」


生安巡査「私、襲われたくないっぽい。それに、貴方が持ってるパイプ、危ないから軽犯罪法に引っかかるっぽい」


パ級犯罪者「っぽいってなんだよ!? 確定じゃねえのかよ! どういうことだよ!」


生安巡査「あ、やだ。ネイル取れたっぽーい」


パ級犯罪者「いや話聞けよ! 何自分の爪気にしてんだよ!」


生安巡査「新人ちゃん。今チャンスっぽい」


新人巡査「え。あ、はいっ!」


ゴン!


パ級犯罪者「ぐおおっ!!」バタ


生安巡査「……」


新人巡査「……」


新人巡査「あれ……私達……勝っちゃいました?」


生安巡査「っぽい」



タンタララタンタンタンタンターーーン


【完全勝利!】S



新人巡査「や……」


新人巡査「やりましたああ!!」


生安巡査「うふふ。裏千駄ヶ谷のエリアを解放できたっぽい!」


新人巡査「ありがとうございます!! 生安巡査さんのおかげですぅ!」


生安巡査「んーん、新人ちゃんの見事な警棒さばきのおかげっぽい」


新人巡査「あはは……そんなこと……って、え!? パ級犯罪者さんが光ってます!」


ピカーン


デカチョウ「……オレの名は盗犯刑事。階級は巡査部長だ。デカチョウって呼んでくれ。……ふふふ、怖いか?」


新人巡査「……」


生安巡査「……その眼帯が中二っぽい」


デカチョウ「な、なんだと!? かっこいいだろうが! 検挙率は世界水準余裕で越してんだぞ!」


新人巡査「な、なんの世界基準ですか……」


生安巡査「貴方も深犯棲者に憑りつかれてたのー?」


デカチョウ「ん、いや、その。なんだ。ちょ、ちょっと余裕こいてたらよ……いつの間にかやられちまってて……」


生安巡査「言い訳っぽい」


デカチョウ「い、いいだろ! まあ! ほら、署に帰るぞ!」


刑事課 盗犯係 巡査部長(2年目)が仲間に加わった!




~渋谷南警察署 署長室~


新人巡査「署長!只今帰署致しました!」


署長「おう、お疲れさん。って、うわっ! 誰!?」


生安巡査「なんか地味な署長さんっぽいー」


デカチョウ「ふふ……オレの姿を見てびびってるな……怖いか?」


署長「い、いや怖くはないけど……こ、この子達どうしたの?」


新人巡査「はいっ! どうやら深犯棲者に憑りつかれていた警娘さんみたいで、この度解放されて仲間になってくれました!」


生安巡査「よろしくっぽいー」


署長「……」


署長(あー。確かに警娘運営マニュアルに書いてあったな。『警娘はたまに、裏エリアで見つけることができます』と。それがこれか)


新人巡査「そして署長! 近辺ではありますが、渋谷区千駄ヶ谷裏二丁目のエリアを解放できました!」


署長「おおー、すごい! よくやったぞ、新人巡査」


新人巡査「ありがとうございますっ!」


署長「皆も疲れただろう。失った体力を取り戻さないとな。カツ丼でいいか?」


生安巡査「……警娘だからカツ丼とか……安易っぽーい」


署長「あはは。まあいいじゃないか。じゃあとりあえず【出前】取るぞー」


※出前
艦これでいう補給と同じ。
御飯の種類・好みによって回復量が違う。

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