八幡「ペットを飼うという事」葉山「2回目…かな」 (82)

以前書いたものの別ルートです。
書くかどうかも未定だった為前スレは落としてしまいました。その関係で、前半は同じ内容を再掲します。葉山と別れた後から分岐します。

平塚「なぁ、比企谷。私が授業中に課した小レポートの題は何だったかな?」

八幡「えーと…確か現代社会のペットのあり方についての評論を読んで思った事だったと思いますが」

平塚「その通りだ。で、君が書いたものは何だ?」

八幡「お題に沿ったレポートだと自負してますけど…」

平塚「はぁ…。良かろう、私もいい加減君を叱るのに疲れた」

八幡「それは御愁傷様です」

平塚「煽っているのかね?」

八幡「い、いえ!そんな事は全然無いのでその握った拳を降ろしてください」

平塚「比企谷、この件についての処置は追って連絡する。君に愛の鞭は届かないみたいなのでな、少し搦手を使わせてもらう」

八幡「え、なんスかそれ。超怖いんですけど…」

平塚「もう良い、今日は下がれ。君といると若さを吸い取られる気分だよ」

八幡「ははは…。もう吸い取るもん無いんじゃ無いですかね」

平塚「何か言ったか?」

八幡「いえ!失礼します!」

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八幡「はぁ…」

小町「あ、お兄ちゃんお帰り~。どうしたの、何時もより目腐らせて」

八幡「おう、ただいま。平塚先生にお説教食らってきたんだよ」

小町「お兄ちゃん、また何かやらかしてきたの?」

八幡「今回俺は何も悪くねぇ!ちゃんとしたレポート出したのに呼び出されたんだよ」

小町「ふ~ん…。ま、何でも良いけどご飯までにはその目何とかしてね!」

八幡「おい、それは言外にこの目を見ながらは飯が食えんと言いたいのか」

小町「相変わらず捻てるなぁ。お兄ちゃんが小町の料理を美味しそうに食べるのが小町の癒しだからだよ!あ、今の小町的にポイント高い!」

八幡「へーへ、じゃあ飯出来るまでカマクラに構ってもらってくる」

次の日

八幡(さて、平塚先生の事だ。昨日の件を無罪放免って事はないだろう。清掃活動位じゃ奉仕部での放課後ティータイムを削る口実が出来て、俺の気持ちが逆にフワフワしてしまう事も恐らくバレてる)

八幡(とすると…何をさせられるのだろうか。まぁ、あの人の事だから本当に嫌な事はしてこないだろう)

由比ヶ浜「あ、ヒッキーやっはろー」

八幡「おう、と言うか朝はおはようじゃないのか」

由比ヶ浜「そう言うヒッキーだっておはようって言ってないし!」

八幡「あぁ、そうだったな。おはようさん」

由比ヶ浜「…エヘヘ、おはよ!」

八幡(何でこんなに嬉しそうなんだよ)

由比ヶ浜「あ、所でさ、ヒッキーってその…」

八幡「ん?どした?」

由比ヶ浜「なんて言うか…ぺ、ペットになりたいってホント?」

八幡「…は?何言ってんだお前。俺は養われる気はあっても飼われる気はないぞ」

由比ヶ浜「ふーん、そっか…。養われる気はあるんだ…」ボソッ

八幡「あ?今日のお前変だぞ、大丈夫か?」

由比ヶ浜「大丈夫大丈夫!じゃ、また放課後ね!」

八幡(全く、さっきの由比ヶ浜のあれは何だったんだ…?)

川崎「ちょっと良い?」

八幡「いや、今ちょっと忙しいから」

川崎「は?何が?」

八幡(怖ぇよ!なんでちょっとジョーク挟んだだけで喧嘩腰なんだよ!)

川崎「暇なんでしょ?だったらちょっと聞きたい事があるんだけど…」

八幡「はひ、何でしょう?」

川崎「アンタってさ、その…ペットとか飼ってる?」

八幡「はぁ、一応猫を飼ってるが…。一体どうしたんだ?」

川崎「いや、それが、なんて言うか…。そう、大志が!」

八幡「お前の弟がどうかしたのか?」

川崎「男は皆、女性にペットみたいに飼われたいものなんだ、って言い出して…。あ、アンタはどうなのかな、と。参考までに!」

八幡(大志…。お前どんだけ変態なの?もう小町に近付くのも話しかけるのも一切許さん)

八幡「俺にそんな特殊性癖はねぇ。お前の弟が異常なだけだ」

川崎「大志の事悪く言うんじゃないよ」ギロッ

八幡(先に言ったの貴女じゃないですかー…。何で俺が怒られるんでしょうかね)

八幡「そ、そろそろホームルーム始まるんじゃないか?席に戻った方が良いぞ?」

川崎「…解った。アンタはペットになりたいとかは思ってないのね?」

八幡「だから最初からそう言ってんだろ」

昼休みーベストプレイスー

八幡(おかしい…。今日は朝から変な絡まれ方ばかりだ)

八幡(これは戸塚のテニス姿を眺めて癒されるしかない)

八幡(あぁー今日も戸塚わいいなぁ」

一色「先輩後半口に出てますキモいです」

八幡「…いきなり現れて罵倒って酷くないか」

一色「罵倒だなんて私が先輩にそんな事するわけないじゃないですか~!」

八幡「何でちょっと怒ってんの?キレはすなの?」

一色「上手くもないし面白くもないので黙ってください。そんな事よりもですね、面白い噂を聞いたんですよ!」

八幡「噂?おかしいな、俺は誰にも認識されていないはずだから噂も立たないはずだが」

一色「またまた~、文化祭で盛大にやらかしたじゃないですか~!アレから結構時間が経ったとは言え、ヒキタニ君最低、と言う認識はまだ消えてませんよ」

八幡「…もういいだろ、その事は。若さ故の過ちだよ」

一色「何ちょっと気取ってんですかキモいです」

八幡「さっきからキモいキモい言い過ぎだろ!俺じゃなかったら自殺してるまであるぞ」

一色「大丈夫です!その辺はちゃんと言う人選んでますから!」

八幡「何、お前俺を傷つける為だけにここに来たの?」

一色「あ、忘れてた!噂の件を確かめに来たんでした。先輩、女の子の奴隷になりたいって本当ですか~?」

八幡「ちょっと待て、朝からの件で大体予想はしていたが、朝より質わるくなってんじゃねぇか…」

一色「で、どうなんですか?」

八幡「どうもこうもねぇだろ。普通に考えてそんな奴居ないだろ」

一色「えー、でもぉ、先輩普通じゃないですしぃ、先輩が私の奴隷になったら滅茶苦茶使え…嬉しいなぁって思ったんですけどぉ…どうですか?」

八幡「今更俺に上目遣いとかあざとさしか見えねぇよ。それに本音隠す気ねぇだろ」

一色「酷ーい!こんな可愛い後輩を主人にできるんですよ?先輩にはこの先こんなチャンス二度とやってきませんよ?」

八幡「俺じゃなくても奴隷になる機会なんてほとんどねーよ。用件が済んだなら帰れ帰れ」

一色「良いんですか?私には噂の証拠もあるんですよ?」

八幡「は?証拠も何も俺が今否定しただろ」

一色「被疑者の証言だけでは証拠能力は認められません!」

八幡「…そんなに言うならその証拠とやらを見せろ」

一色「えぇー…。私にとって何のメリットもないじゃないですかー?」

八幡「仕方ない、このマッ缶をやろう」

一色「…仕方ないですね、先輩の飲みさしなら考えてあげましょう」

八幡「二本に増やそう」

一色「ダメです♪逆に私の飲みかけを先輩が飲むって事でもOKですよ?」

八幡「…解った、このさっきまで飲んでたや」

一色「あ、先輩が先に飲む場合は私の目の前で口付けて下さいね?先輩の事だから開けただけとか、中身ちょっと捨てただけのとか、小癪な真似をしそうなので」

八幡(…何故解った。何、この子ニュータイプなの?)

一色「さぁ、どうします?あ、もちろん私の奴隷になるっていう選択肢もアリですよ?寧ろ推奨します」

八幡「…ちょっと待ってろ」グビッ

一色「ちょっと先輩、飲み過ぎです!私の分無くなるじゃないですか!」

八幡「微量残ってる。もっと欲しけりゃ自分で買え」

一色「もぅ…仕方ないですね。これでオッケーにしてあげます。重要なのはマッ缶のコーヒー部分では無いですし」

八幡「それは俺も同感だ。マッ缶は練乳と砂糖がメインだからな」

一色「…そういう事では無いんですが。まぁ、先輩に気付けって方が無理ですかねー」ボソッ

一色「じゃあ約束通り証拠をお見せしましょう。このメールです」

『from平塚静
to一色いろは
cc川崎沙希
cc比企谷小町
cc由比ヶ浜結衣
cc雪ノ下雪乃
title ペットを飼うということ 比企谷八幡
本文
ペットを飼う人間は少なからず彼らを見下すことで心の平穏を保っている。家族の様に扱う人もいるが、その根底にあるのは「世話をしてあげないとダメだ」という至極上から目線な考え方だ。しかし、飼われている動物達からしてみれば、無理矢理連れてこられなければ自分達だけで生活することが出来たのだ。つまり、人間のエゴの為に「飼われて貰っている」と表現した方が正しい。それを理解しているからこそ動物達も人間を見下した様な態度を取るのだろう。にも関わらず、人間は甲斐甲斐しく彼らの世話をする。これは最早立場が人間<ペットという構図になっていると考えても良いだろう。ペットは飼われているのに立場が上であると言うならば、養われている人間にも同じ事が言えるのでは無いだろうか。だから私は、将来養ってくれる女性を探そうと思う。』

八幡「何だ、これは…」

一色「何だじゃないですよ、ご自分で出したレポートでしょ?まぁ、内容は酷いですが」

八幡(搦め手ってこれの事ですか、先生…っ‼︎してやられた…これは今日の奉仕部は休んだ方が良いな、うん。放課後にはお腹が痛くなる予定だし)

一色「どうです?他の人に言い寄られる前に私のモノになっといた方が楽ですよ?言っちゃ何ですが、このメンツの中じゃ一番マトモである自信があります」

八幡「お前のモノになる位なら由比ヶ浜とかのが多少マシだ」

一色「へぇ…だそうですよ、結衣先輩!」

八幡「なっ…‼︎」

一色「なーんて、嘘です♪あれれ、顔真っ赤にして振り返ったまま固まってますけど、大丈夫ですかぁ?」

八幡「…もうすぐ昼休みが終わる。戻った方が良いぞ」

一色「何事もなかった様に振舞ってもダメですよ?とりあえず、考えておいてくださいねー?奴隷の件」

八幡(最悪の1日だ…)

八幡「…って言うか奴隷なんて一言も書いてねぇだろ」

教室
戸塚「八幡!今日はお昼ご飯長かったね」

八幡「あぁ、ちょいと面倒なのに捕まっててな」

八幡(そういやメールリストの中に戸塚は居なかったな。戸塚のペットとかだったら喜んで立候補するんだが)

戸塚「そういえばね、さっき教室に平塚先生が来て葉山君を連れて行っちゃったんだよね」

八幡「へぇ、道理であの辺が静かだと思ったわ」

戸塚「珍しいよね、先生に呼び出されるなんて。普段から優等生なのに」

八幡「優等生だからこそ呼ばれる事もあるんじゃないか?ほら、推薦の話とか」

戸塚「そっか!いつも八幡が平塚先生を怒らせて呼び出されてたから悪い事したのかと思ってた」

八幡(え、何この違和感…戸塚に罵倒されるとか新し過ぎて脳が追いつか無いんだけど。心はトキメイちゃってるが)

戸塚「あ、葉山君帰ってきた」

八幡「本当だな」

八幡(心底どうでも良いが)

戸塚「なんか、八幡の事見てるよ?」

八幡「はぁ?何で俺の方を…」

八幡(いや待て、嫌な予感がする。今葉山を見てはいけない。俺のゴーストがそう囁いている)

葉山「やぁ、戸塚、比企谷」
八幡「何の用だ?俺は今戸塚と話すので忙しいんだが」

葉山「まぁそう言うなよ。実は二人きりで話したい事があるんだ。放課後ちょっといいかな?」

八幡「部活で忙しいから無理だ」

葉山「俺も部活があるからそれに影響しないようにはするよ」

戸塚「八幡、特に問題ないなら行ってあげたら?」

八幡「戸塚が言うなら仕方ない。戸塚の為に行くとしよう」

葉山「ありがとう、恩に着るよ」

八幡「着なくていい、気色悪い」

葉山「ははは…相変わらず手厳しいな」

八幡(ここで話せないこととなると、やはり…。平塚先生に呼び出された直後という事もある。葉山にそんな趣味はないと思いたいが…)

葉山「じゃ、また放課後に」

八幡「おう、いい加減海老名さんが失血死しそうだからさっさと戻れ」

放課後
由比ヶ浜「ヒッキー部活いこ!」

八幡「悪い、先に用事があるんだ。用件次第じゃ今日は部活行けないかも知れん」

由比ヶ浜「えぇー⁉︎あ、朝の事色々、聞こうと…思ったのに…」

葉山「大丈夫だよ、結衣。用事っていうのは俺が頼んだんだ。ちゃんと彼を部室に返しに行くさ」

八幡「おい、ナチュラルに奉仕部の備品扱いすんのやめてくんない?一応人権はあるぞ」

由比ヶ浜「でもヒッキー、ゆきのんにたまにジンケン?剥奪されてるじゃん」

八幡「由比ヶ浜、今人権の発音が怪しかったが…まさか人権の意味が解らん訳じゃあるまいな」

由比ヶ浜「馬鹿にしすぎだしっ!アレでしょ、人間の顔した犬…みたいな?」

葉山「ははは…。それは、人面犬じゃないかな?」

八幡(じゃあ俺は雪ノ下から人面犬を剥奪されてたのか?そしてさっきは人面犬の所有権を主張してたのか…。由比ヶ浜からみた世界って謎だらけなんだろうなぁ…)

由比ヶ浜「え?あ、ま、間違えた!間違えただけだから!」

葉山「とりあえず、話が終わったら部室まで連れて行くよ。放っておくと帰りそうだし」

八幡「別に帰ってもいいだろ。部外者に活動を強制されたくはない」

由比ヶ浜「じゃあ私から隼人君にお願いする!これなら部外者とは言えないでしょ!」

八幡「くっ、面倒臭い事を…」

由比ヶ浜「じゃーね、ヒッキー!先に行ってるねー」

葉山「さて、比企谷。二人きりになれた事だし、早速本題に入ろう」

八幡「本題と言われてもな。俺には全く心当たりが無いんだが」

葉山「誤魔化さなくてもいいさ。いろはから聞いてるんだろう?君のレポートが出回っている事は」

八幡「何故それを…と今更言うまでもないが、どうして一色のことまで知っている?」

葉山「さぁね。さっき平塚先生から色々聞いたのもあるし、それとは別に情報が、ね」

八幡「その上で俺に話ってのはなんだ?お前には養われるのだって勘弁だぞ」

葉山「誤解しないでくれ。俺は忠告をしに来たんだ。あのメール、送信者と送信先を見たんだろう?」

八幡「あぁ、だから今日は部活をサボろうと思ってたんだがな。雪ノ下にも送られているみたいだし」

葉山「君はあのメンバーだけ回避すれば良いと思っているのかも知れないけど、メールの宛先の種類にはbccもあるのを忘れていないか」

八幡(なん…だと…‼︎ここに来てまさかの隠しキャラの存在とは…。平塚先生と俺の共通の知人となるとかなり限られてくる。そして葉山が態々忠告に来たってことは…)

八幡「雪ノ下さんか…」

八幡(葉山は肩をすくめるだけで何も答えない。口止めでもされているのだろうか)

葉山「俺に出来るのはここまでだ。じゃ、ちゃんと部活に行けよ。じゃないと結衣に嘘をついたことになってしまう」

八幡「なら宣言通りお前が連行すればいいだろ」

葉山「君がここで、雪ノ下さんに会わずに帰って陽乃さんに会ったらどうなるか、解らないはずはないだろ?」

八幡「そんな大袈裟な事にはならんだろ。あの人は俺の事からかって面白がっているだけだ」

葉山「そうか…忠告はしたからな」

八幡「余計なお世話だ」

八幡(とは言ったものの確かにこのまま帰るのは怖い。恐らく陽乃さんは俺が奉仕部を避けて帰ろうとしている事を見通しているだろう。だからここは敢えて寄って行こう)

ここから別ルート


八幡(と言うわけで部室の前まで来た訳だが…。確実に由比ヶ浜と雪ノ下はあのメールの件について突っ込んでくるはずだ…)

八幡(しかしこのままここに居ても仕方がない。大魔王にエンカウントするよりはマシだと思おう)

八幡「うっす、遅れた」ガラッ

雪ノ下「こんにちは」ニコッ

八幡(部室に入った瞬間、違和感を覚えた。え、何その笑顔。そしてが浜さんはどこ行ったの?)

八幡「お、おう…。由比ヶ浜は?」

雪ノ下「先程中々現れ無い人を探しに行ったわよ」

八幡「入れ違いか。それは悪い事をしたな」

雪ノ下「あら、誰も貴方の事だ何て言ってい無いのだけれど。自意識だけは相変わらず立派なものね」

八幡「あーそうかよ…。ってもこの部活、俺たち以外ほとんど来ないじゃねーか」

雪ノ下「そうでも無いわ。財津君が貴方に会いに来るじゃない」

八幡(名前を間違ったまま覚えられちゃうとか…。アイツどんだけぼっち界のエリートなんだよ)

八幡(って僕もクラスメイトからの認識ほとんどヒキタニ君だったテヘペロ)

雪ノ下「それにしても意外ね。貴方がそんな事を気にするなんて」

八幡「ばっか、お前、俺は今まで気を遣いまくりの人生だっての」

雪ノ下「そう…。なら、これからはそんな気を遣う必要は無いわ」

八幡「は?急にどうした?」

雪ノ下「だって貴方はもうすぐ誰とも会わなくなるもの。他人に気を使う必要は無いでしょう?」

八幡「だから、何の話だ?」

八幡(雪ノ下は相変わらずニコニコしている。やはりおかしい)

雪ノ下「なんでも無いわ。貴方が気にする必要の無い事よ」

八幡「余計気になるだろうが…」

八幡(これは戦略的撤退を選んだ方がいい。雪ノ下のこの態度があのメールに起因するものならば、過程はどうあれ結末は解る)

八幡「あー、そう言えば今日小町に買い物頼まれてんだよ。だから暇なら帰っていいか?」

雪ノ下「そう…小町さんの頼みなら仕方ないわ。今日はもう解散にしましょう」

八幡(いやにあっさりと認めたな…)

八幡「そうか、じゃあ俺は先に帰らせてもらう」

雪ノ下「えぇ、私は由比ヶ浜さんが戻るのを待つわ」

雪ノ下「また、明日」

八幡(手を振っている…だと⁉︎)

八幡「お、おう」プイッ

ー比企谷家ー
八幡「ただいまー」

八幡(無事帰宅はできた。だが、明日の事を考えると気が重い)

小町「おかえりー!お兄ちゃん、お客さんが来てるよ!お兄ちゃんにもようやく友達が出来たんだね…小町はとっても嬉しいよ…」

八幡「は?何言ってんだ小町?俺に友達なんかいるわけねーだろ」

葉山「酷いな。俺は君の事、友達だと思ってたのにな」

八幡「…葉山。何しに来た?」

八幡(って言うか前に君とは仲良くなれそうにないって言ったのお前だろ。地味に傷付いてんだからな)

葉山「そんなに睨むなよ。昼の話の続きだ」

八幡「あぁ、その件に関しちゃ感謝してる。雪ノ下は特にアクション起こしてこなかったしな」

葉山「いや、そうじゃない。雪ノ下さんは何もする必要がなかっただけだ」

八幡「…どういう事だ?」

葉山「順を追って話そう。小町ちゃん、ちょっと二人きりにしてくれないかな?」

小町「え、あ、はい。どうぞごゆっくり~…。お兄ちゃん、いくら女性にもてないからって男の人に手出さないでね?」

八幡「絶対…いや、多分ない」

八幡(戸塚をどちらに分類するかで答えが変わるからな。天使か男子か)

八幡「で?そうまでして何を言いに来た?」

葉山「まずはその上着を脱いでくれないか?」

八幡「おい、そんな冗談に付き合っていられるほど精神的余裕ないんだよ」

葉山「冗談で言っているように見えるかい?」

八幡「…まずは訳を話せ。順を追って説明すると言ったのはお前だぞ」

葉山「その上着を貸してくれたら話す。とにかく、時間がないんだ。早くしてくれ」

八幡「上着だけで良いんだな?」

葉山「当たり前だ。俺は別に君を脱がせたい訳じゃない」

八幡「…解った。ほらよ」

八幡(別に葉山を信じた訳じゃない。ただ、時間がないという言葉に引っかかりを覚えたのだ)

葉山「…」

八幡(葉山は制服を受け取ると暫く弄っていたが、何かを摘むとそのままプチっと潰した)

八幡「…で?説明してくれんだよな?」

葉山「あぁ、まず、君は昼にいろはと会ったよな?その時に盗聴器を付けられていた」

八幡「一色が?なんでそんなもん…」

葉山「雪ノ下さんと結衣、いろはは共謀してるからな」

八幡「はぁ⁉︎とういかお前はどうしてそんな事が解る?」

葉山「俺は陽乃さんの指示で、君を他の誰にも奪われないように動いている」

八幡(陽乃さんか…何故知っているか、なんて疑問は彼女の前じゃ意味がない)

八幡「じゃあ、何でさっきは奉仕部へ行くよう勧めた?」

葉山「君を陽乃さんのモノにしたくなかったから、なんて言ったら誤解されそうだな」

八幡「…それ以上近付いてきたら叫び声をあげるぞ」

葉山「まぁ、そう聞こえるか。この際、俺の動機は何でもいい。とりあえず、比企谷の味方である事に違いはない」

八幡「何の根拠もなく信じろってか?」

葉山「とにかく、話を聞いてから判断してみてくれ」

八幡「……解った。取り敢えず聞いてから判断する事にしてやる」

葉山「ははっ、相変わらずだな。じゃあ、まず初めに何であの3人が協力しているのか、から話そう。事の発端はいろはの行動だが、原因は陽乃さんだ」

八幡(葉山の説明をまとめるとこうだ)

一色『結衣先輩、雪ノ下先輩、メール見ましたよね?是非、3人で協力しませんか?』

雪ノ下『急に何を言い出すのかしら。比企谷君は私が養うに決まっているじゃない』

由比ヶ浜『ゆきのん、私だっていくらゆきのん相手でも負けないから!』

一色『正直、先輩はお二人の事とても大切にしています。端からみても分かるくらいに。だから、私じゃ勝負になりませんから、お二人に私を協力させるって形で手を打って頂けないかと思ったんです』

一色(それにはるさん先輩もどうせ動くでしょうし。そうなったら雪ノ下先輩くらいしか対抗できそうにないですもんねー)

雪ノ下『貴女がそんな事言うなんて意外ね。でも、私達に何かメリットはあるのかしら?』

由比ヶ浜『うーん、確かに…。ゆきのんと2人で、とかならまだ解るけどいろはちゃんを加えるって言うのは…』

一色『えぇ、まぁ奉仕部の関係に割って入る事になりますからね。そう言われるのは想定内です』

雪ノ下『じゃあ、何か考えがあるというのね?』

一色『恐らく皆さん、先輩を拉致っ…連れてきて監禁すれば終りと考えているでしょうが、その後の事も考えないとです』

雪ノ下『えぇ、だからそれは雪ノ下家の財力で彼に何一つ不自由させない暮らしをさせてあげるつもりよ?』

由比ヶ浜『わ、私だって!お金はないけど…ヒッキーと楽しく暮らしていく自信はあるもん!』

一色『いえ、そういう事ではなくてですね…。もっと現実的な問題ですよ。先輩が居なくなったら学校や親御さんは騒ぎ出しますよ』

雪ノ下『そんなもの、家の権力で…』

一色『まぁ、雪ノ下先輩のお家ならできそうですけど。平塚先生は黙ってないと思いますよ?』

由比ヶ浜『それこそ私達の顧問なんだし解ってくれるよ!』

一色『いやいや、結衣先輩。平塚先生の先輩の溺愛ぶりは異常ですよ?絶対にアラサーにバレるのだけは阻止しないといけません』

雪ノ下『それで?結局貴女は何をしてくれるのかしら?』

一色『えぇ、そこでいろはちゃんの出番ってワケです!生徒会長権限をフルに使って隠蔽します!』テヘペロ

由比ヶ浜『ほへぇ~、なんか凄そう』

雪ノ下『……それは確かにアリかも知れないわね』

一色『そ・れ・に!もし校内の誰かに先に先輩を取られても生徒会で徹底的に調べ上げて取り戻します』

雪ノ下『悪くないわ。独占できないのは少し心残りだけれど…他の誰かにとられるくらいなら…』

雪ノ下(それに、姉さんも動いてるみたいだし…。私一人より組んだ方が得策ね)

八幡(怖いよ、怖い。何が怖いって会話ならまだしも心の声まで読んじゃってる所とか怖い)

八幡「だ、大体状況は解った。なら、雪ノ下さんも俺を狙っているのか?」

葉山「あぁ、でも俺はそれに納得しては居ない」

八幡「はぁ、お前が何考えてるのかは知らんが態々教えてくれて助かった」

葉山「感謝はもう少し先にとっておいた方が良い。さっきも言っただろう?時間がないんだ」

八幡「あぁ、そう言えばそんな事も言ってたな」

葉山「さっき俺は君に着いていた盗聴器を潰したからね。いろは達が異変に気付くはずさ」

八幡「って事は…チッ」

八幡(時間がないってそういう事かよ!さっきの小町との挨拶で家にいる事はバレてる。なら、もうじきここにあいつらが来る)

八幡「葉山、俺を逃がす方法は用意しているのか?」

葉山「一応、な。ただ、それに乗ればそのまま陽乃さんの手に落ちる」

八幡「…2択ってわけか?」

葉山「いや、もう一つだけ君を助ける方法がある」

八幡「…俺には何も思いつかないが」

八幡(ヤバいヤバいヤバいヤバい…葉山がジリジリと近付いてくる。目がマジだ。先程の冗談染みたホモネタが逆に俺からその可能性を排除させていた)

葉山「比企谷、そんな後ずさらなくてもいいだろ?結構傷付くんだ、それ」

八幡「るせーよ。お前が傷付こうが俺には関係ない」トン

八幡(うっわーもう後ろ壁だよ。どうするどうするどうする…)

葉山「比企谷…」ドンッ

八幡(え、マジで?って言うかドッキリならそろそろ誰か出てきてくれませんかね?いや、待て待て待て顔を近づけるな気持ち悪い…)

葉山「君の家、小町ちゃんに頼んで改造させてもらったよ」ニコッ

八幡「は?うわっ」

八幡(壁が無くなった…?いや、違う。リビングの壁が回転扉になってる?)

葉山「しばらくそこに居てくれ。俺は小町ちゃんに会いに来たことにするから」ガチャン

八幡(そう言うと葉山はすぐに扉を閉めた。嘘でもそんな事は許さん!と声を張り上げたかったが、急に後ろに落ちた恐怖で声が出ない。それ以外にも色々怖かったけど)

「はちまーん!はちまーん!」

八幡「…誰だ?」

八幡(ヒソヒソと俺を呼ぶ声が聞こえる。俺をファーストネームで呼ぶ奴はかなり少ない。戸塚かな、戸塚だといいな、っていうか戸塚だろ!)

留美「八幡、大丈夫?」

八幡「…ルミルミ?って痛ぇ!叩くなよ!」

留美「そのルミルミって言うの子供っぽいからやめて」

八幡(実際子供じゃねぇか…)

八幡「それで?何でお前がここに…?」

留美「小町お義姉ちゃんに八幡がピンチだって聞いて…」

八幡(ん?まぁ、小町の方が歳上だしお姉ちゃんであってる…のか?)

八幡「って言うか小町はお姉ちゃんなのに俺は呼び捨てのままかよ」

留美「どうでも良いでしょ、そんな事。それより、表にお母さんの車あるから一旦離れよう?」

八幡「あ、あぁ。でもこれ出られるのか?と言うかここは家の中の何処なんだ…?」

留美「聞いてないの?床下に抜けられるようになってて、庭からでれるよ」

八幡「そうなのか…。葉山の奴、いつの間にこんな事を…」

留美「へぇ…葉山さんも居たの?」

八幡(おいおい…ルミルミのハイライトさん逃げてんじゃねぇよ。いや、暗いからそう見えるだけだよな?そうだよな?)

八幡「まぁ、葉山は俺の味方みたいだったけどな」

留美「ほら、外見えてきたよ」

八幡「おぉ、こんなとこに出れる様になってたのか」

留美「ほら、こっち」

八幡「解ったからそんな急がなくても…」

八幡「ってお前の母ちゃんの車があるんじゃなかったのか?」

留美「なんか、メール来てた。急ぎの用が出来たから離れるって」

八幡「えぇー…。じゃあ俺も帰ろうかな」

留美「馬鹿じゃないの?今八幡の家は危ないんでしょ?」

八幡「そういやそうだったな」

留美「一旦私の家に行こう。そんなに遠くないし」

八幡「でもその間にあいつらに見つかったらヤバくねぇか?」

留美「じゃあ八幡の自転車に乗って行こ」

八幡「…仕方ねぇな。後ろ乗れよ」

留美「…口説いてるつもり?キモいんだけど」

八幡(なんかいつもより口悪くないですか…。って言うか俯いて黙っちゃったし…。)

八幡「わ、悪い。そんなに嫌だとは思わなかったから泣かないでくれ」

八幡(こんなとこで泣かれたら完全に事案だろ。俺何も悪いことしてないのに…)

留美「泣いてないし。…で、でも急がなきゃいけないから我慢して乗ってあげる」

八幡「…悪いな、俺の都合に付き合わせて」

八幡(こんなに嫌がっている女子小学生を、自転車に無理やり乗せて、更にその子の家に上がりこむって…事案どころかHENTAIだよね)

留美「ううん、仕方ないよ。嫌だけど知り合いを見捨てたら後味悪いし。そういうの、もう嫌だから…」

八幡「…すまん」

八幡(さっきから謝ってばっかだな、俺)

ールミルミの家ー

留美「上がって」

八幡「お、おう…。オジャマシマス」

留美「何で片言なの?」

八幡「るせー、ぼっちは女子の家とか上がると緊張するんだよ」

留美「変な八幡」フフッ

八幡(何でそんなに嬉しそうなんですかね…。あれか、歳上を馬鹿にできて喜んでるのか。お前はドS!)

八幡「…で?親御さんは?」

留美「お父さんは今出張中。お母さんはさっき言った通り急用だってさ」

八幡「いつ帰って来るんだ?」

留美「わかんない。お母さん、結構忙しい事多くて、よくこういうのあるんだ」

八幡「…その間、お前は独りなのか?」

留美「…でも、寂しくなんかないよ。学校でもそうだから、独りは慣れてるし」

八幡(いくら独りに慣れてるって言ったって、幼い小学生だ。しかも、学校でだけならまだしも家でも独り。俺だって小町が居なけりゃ、ぼっちなんて寂しくて死んでしまう)

八幡「強がんなくても良いぞ。そんなの俺だって耐えられない。お前は凄いよ」

留美「…また口説いてんの?小学生に欲情するなんてロリコンだね」グスッ

八幡「そんな泣きそうな面で罵倒されても、な」

留美「中途半端に優しくしないで。次独りになった時に辛くなっちゃうじゃん」

八幡「…ずっと一緒には居てやれないが、たまに話し相手ぐらいにはなってやる」

留美「…じゃあ今日は泊まってって」

八幡「はぁ⁉︎いやいや、流石にそれはマズイだろ。夜までには母ちゃんも帰って来るんじゃないのか?」

留美「ヘーキだよ、お母さん、私の部屋には入らないから。靴だけ隠しとけば」

八幡「何でひっそり連れ込まれた彼氏みたいな事しなきゃいけないんだよ…」

留美「…嘘つき」

八幡「解った、じゃあお前の母ちゃんが帰って来るまでは居させて貰う」

留美「解った、それでいい。…勝手に帰ったら駄目だよ?」

八幡「言った事くらい守るさ。どんだけ信用ないんだよ」

留美「だって八幡、時々結衣さんとかいろはさんとかに適当な事言うじゃん」

八幡「何お前、俺の事好き過ぎて盗聴でもしてんの?」

留美「ち、違うって!結衣さんとクリスマスの時にメアド交換して…」

八幡(あいついつの間にそんな事してたんだ…?これがカースト上位の力か)

八幡「冗談だ、そんな必死に否定するとか俺嫌われ過ぎだろ」

留美「好かれてると思ってた?」

八幡(ヤバい、今日のルミルミ言葉の端々に棘がありすぎて心が痛い)

八幡「俺は誰からも好かれないからな。そんな事は微塵も思ってないぞ」

留美「誰からも、じゃないじゃん。今日の事で何人かは八幡の事自分のモノにしたいって解ったし」

八幡「…それは違うだろ」

留美「ごめん、変な話して。飲み物取って来るね」

八幡「あぁ、出来ればMAXコーヒーで」

留美「言うと思った」クスッ

八幡(クッ…不覚にもルミルミの笑顔にキュンときた…)

留美「でもさすがに無いから、コーヒーに練乳でいい?」

八幡「コーヒーに練乳とは解ってるな」

留美「いつも聴いてるから」

八幡(あぁ、そう言えば小町ともメールしてるんだっけか。どうして俺の好みの話とかしてんだよ…)

留美「お待たせ」

八幡「おう、悪いな」

留美「ホントだよ、小学生に給仕させるなんて」

八幡「俺が色々漁るよりいいだろ」フーフー

留美「それより、飲まないの?」

八幡「猫舌なんだよ、悪かったな」

留美「八幡猫みたいだもんね」

八幡「こんな目した猫なんざ誰が飼いたいんだよ」ゴク

留美「私は欲しいけど。見てて飽き無いし、寂しく無いし…」

八幡(やっぱ強がってたんだな。その分、一回口にしてしまえばその後は弱音が出やすくなってる)

留美「ねぇ、眠くなってきちゃった…。誰かが居るから安心できるのかな…」

八幡(か、可愛い…)

八幡「あー、そうだな。俺も眠くなってきたし、お前の母ちゃん帰って来るまでちょっと寝るか?」

留美「…うん。取り敢えず、これだけ飲んでからにする」

八幡(折角淹れてくれたんだし俺も飲んどくか)

八幡「あーあ、もう寝ちゃってるよ…」

八幡(風邪引くとアレだし、部屋まで運んでおこう)

ールミルミルームー

八幡(やっぱり、普段どれだけ突っ張てても、年相応の可愛らしい部屋だな)

八幡「ふぅ…。何か俺も眠くなって…きたな…」バタッ

留美「…八幡?」

八幡「zzz…」

留美「八幡、お母さん帰って来るまで居てくれるんだよね?」

留美「お母さんはもう帰ってこないから…ずっと2人で居られるよ、八幡」

ルミルミend

ルミルミ可愛い
同じくらいの期間明けてまた別のend書こうかと思ってます。だからスレ残してていいっすよね?
取り敢えず、飲みさしと八幡の心中での呼称は変えときました。

trueend的なのは良いですね
最後に書くと綺麗に締まりそうです
ただ、あーしさんと海老名さんの個別endはちょっと無理です…
自分の技量的に八幡に惚れさせちゃうとキャラ崩壊不可避な感じで…


>>17から続きで別ルート

八幡(とは言ったもののやはり部室に行くのが怖くなった。かと言って直帰すれば陽乃さんとのエンカウントの可能性もある…)

八幡「…ここはファーストブリッドくらい覚悟するしかないか」

八幡(という訳で職員室に向かっている訳だが…。渡り廊下から下を見たら陽乃さんが居た。下手したら捕まっていたかもと考えるとゾッとしない)

八幡「…失礼します」

平塚「おぉ、比企谷!どうだ、私の新たな作戦は?」

八幡「何でそんなイタズラが成功した小学生みたいな顔してんすか…」

平塚「嫌だなぁ、流石に小学生は褒めるにしても若すぎるぞ!」

八幡(いや、褒めてねーから。そんな嬉しそうにすんなよ…)

八幡「先生、相談があります」

平塚「…どうした?急に真面目な顔になって」

八幡(真面目な顔も何も切羽詰まってるから入ってきた段階からこの表情なんですけどね!俺が来たことに浮かれて気づいてなかったけど!)

八幡「実は、メールの件でして…」

~八幡説明中~

平塚「な、成る程…。まさか彼女たちがそんなにがっつくとは…」

八幡(自分で仕掛けたくせにドン引いてんじゃねーか)

八幡「まだ今は大丈夫っすけど…。正直このままだと命の危機すら感じます」

平塚「うぅむ…。まぁ、いくら行き過ぎな行動があるとは言え、流石に彼女達も取って食う様な真似はしないだろう」

八幡(本当かよ。由比ヶ浜のレイプ目とか結構ヤバかったぞ)

平塚「だから、取り敢えずもう少し様子を見よう。それでもし、エスカレートする様なら私が直接言って聞かせるさ」

八幡「…ありがとうございます」

平塚「不満そうだな?」

八幡「いえ、別に…。ただ、ストーカー被害を警察に相談しに行った女性はこんな風に思うんだろうな、とか考えていただけです」

平塚「君はもっと同級生達を信じてやりたまえ。見ず知らずの人間にストーキングされている訳じゃないんだ。幾分か猶予はあるさ」

八幡「…失礼しました」

八幡(駄目だ、先生はあいつらを信じきっている。だが俺には解る。あいつらは覚悟をしてきている人だ)

八幡「かと言ってやられる前にやるなんて出来ねぇけど…」

八幡(取り敢えず帰ろう。さっき陽乃さんも学内に居たし)

一色「あ、先パ~イ!何で帰ろうとしてるんです?これから部活のはずですよね?」

八幡「いや、急に腹が痛くなってきてな。だから一旦帰って病院へ行こうかと…」

八幡(実際一色の姿を見たら胃がキリキリしてきたし)

一色「それは大変ですね!さ、保健室行きましょう!」

八幡「ねぇ、俺の話聞いてた?帰って病院行くって」

一色「駄目ですよ!体調不良の生徒を1人で帰らせて、途中で倒れたらどうするんですか!生徒会長として見過ごせません!」

八幡「あぁー、腹痛は治ったわ。でも、小町に頼まれ事してるから帰らなきゃ…」

一色「それじゃあ仕方ないですね。今から昇降口行くんですか?」

八幡「あぁ、当たり前だろ。このまま上履きで帰れってのか?」

一色「それも良いんじゃないですか?靴隠されたいじめられっ子みたいで」

八幡「…やめろ。俺の黒歴史掘り起こさないでくれ」

一色「経験済みなんですか…。今時そんな事する人本当にいるんですね…」

八幡「あれ本当にやめて欲しいよな。まだ文房具隠されたくらいなら後日買うか見つけるかすればいいんだけど、靴だとそのまま帰って親にバレるんだよ。そんで何も言わずに新しい靴を降ろす母ちゃんの優しさが逆に辛くて泣いちまうんだよな」

八幡(新しい靴が用意されてるって、そういう事を想定してる様で悲しくなるが)

一色「いや、やめてくださいよ先輩…。聞いてるこっちが悲しくなります」

一色「あ、そろそろ仕事もあるんで…。それでは!」

八幡「おう」

八幡(なんだろう、久々に普通の会話をした気がする…。あと、いやにあっさりしてたな…。やはり昼のアレは俺をからかいに来ただけなのか…?俺が自意識過剰だっただけか?)

由比ヶ浜「あー!ヒッキーやっぱり帰ろうとしてるし!」

八幡「いや、これはだな、腹痛ででも治って小町の頼み事が…」

由比ヶ浜「もー、訳わかんない事言ってないで部室行くよ!」ギュッ

八幡(何で腕組むんですかね…?柔らかいし後、顔近いし赤いし…)

八幡「…照れるくらいならやるなよ、そういう事」

由比ヶ浜「てっ!照れてないし!って言うかヒッキーが逃げない様捕まえてるだけだから!」

八幡「じゃあ逃げないから離せ」

由比ヶ浜「…だめ。信用できないもん」

ー奉仕部部室ー

由比ヶ浜「やっはろー!ただいまー」

八幡(やっはろーって挨拶じゃないの?二重で挨拶しちゃってるよこの子。こんにちは、ただいまってどういう事なのん)

雪ノ下「あら、遅かったわね。もう今日は来ないのかと思ったわ」

由比ヶ浜「聞いてよゆきのん!ヒッキーってば私と約束してたのに帰ろうとしてたんだよ!」

雪ノ下「解ったから少し離れてくれないかしら…」

八幡「約束したのは俺じゃない、葉山だ。この場合責めを負うのは俺じゃなく約束を果たせなかった葉山だろ」

由比ヶ浜「うぇ?…そう…なのかな?」

雪ノ下「由比ヶ浜さん、簡単に騙されては駄目よ。彼の性根はあの目の様に腐り切っているのだから、言う事も正しいはずが無いわ」

八幡「いや、ちょっと待て。お前それ、ここ最近で一番酷いこと言ってない?最早悪口通り越して暴言だよね?」

雪ノ下「私は暴言なんて吐いた覚えは無いのだけれど」

八幡「あぁ、はいそうですね。全部俺が悪いですよ…」

雪ノ下「あら、流石にそこまでは言っていないわ。貴方がそうなってしまったのは周りの環境の所為もあるでしょうし。…だからちゃんと管理してあげなきゃね」

八幡(珍しく優しいこと言ってるかと思ったら…急に怖い事言いだしちゃったよこの子)

由比ヶ浜「そうだねー、ヒッキー優し過ぎるから…。周りに気使いすぎなんだよ」

八幡「お前に言われたくはないな」

由比ヶ浜「どういう意味だし!」

八幡(褒めてんだよ、言わせんな恥ずかしい…。って口に出してなかった☆)

八幡「回りくどいのは止めようぜ。流石にこれだけ周りが騒いでりゃお前らの言いたい事もある程度予想がつく」

一色「ではでは私から説明させてもらいます!」ガララ

八幡「…何でここに居んの?生徒会の仕事は?」

一色「あぁ、それでしたら今日はお休みですよ。先輩の為にお休みにしたんですからね!」

八幡「…意味が解らん。さっき仕事があるんでって言ってたじゃねぇか」

一色「えぇ、こちらの仕事ですよ?」

八幡「は?」

雪ノ下「相変わらず物わかりが悪いのね。一色さんと由比ヶ浜さんは貴方をここに連れてくるのが仕事だったの」

八幡「えぇー…でもそれなら一色は意味無かったんじゃないか?」

一色「えぇ、連れてくる事自体には絡んでませんしね。でも、昇降口で結衣さんに会ったのは偶然じゃ無いんですよ」

一色「それにぃ~、今の配置を見てくださいよ」

八幡(教室の後ろ側のドアは机で隠れているし、普段は使わないから元々鍵を開けていない。そして前のドアは今一色が入ってきてそのまま扉の前で待機している)

八幡(窓側からは雪ノ下、由比ヶ浜が立ち上がりこちらに迫っていた)

八幡「…何が目的だ?」

八幡(油断していた…。雪ノ下と由比ヶ浜があの件について触れてくるにしても二人きりの時だと思っていた)

雪ノ下「貴方、このままでは、姉さんに捕まって、遊ばれて、飽きたら捨てられる…そんな運命を辿ることになるわ」

由比ヶ浜「ヒッキーがそんな風に傷つくのは嫌だよ…」

一色「でも、雪ノ下先輩ならそんな悲惨な先輩の未来も変えてくれますよ」

八幡(なる程…。大方、由比ヶ浜は雪ノ下を応援する形、一色はあの二人には敵わないから、どちらかを味方にしようとしてこうなったのか)

雪ノ下「けれど私一人で出来ることにも限界があるわ。だから…」

由比ヶ浜「私たち3人でヒッキーのお世話することにしたの!」

一色「こんな美少女3人と暮らせるなんて先輩、ツイてますね」

八幡「俺の意思は無視かよ…」

雪ノ下「絶対に幸せにしてみせるわ」

由比ヶ浜「ゴメンね、ヒッキー。本当はこんな事したくないけど、仕方ないよね。ヒッキーをこれ以上傷付けたくないし…」

八幡(なんだそれは…。お前らのこの行為が、その好意が俺を傷付けている事に気付かないのか)

一色「逃げちゃ嫌ですよ、先輩?」

雪ノ下「そんなに震えなくても大丈夫よ、貴方はこれからずっと、私の家に居るだけで良いんだから」

由比ヶ浜「もし逃げ出したりしたら、逆に危ないからね?陽乃さんに捕まったりとか、また交通事故に遭ったりとかしちゃうかも知れないし…」

材木座「はぽぉん!八幡よ!新作を持ってきてやったぞ!その目にしかと焼き付けるが良い!」ガララ

一色「は?何ですか、誰ですか貴方?今取り込み中ですから、お引き取り願います」

材木座「え…あ…いや…スミマセン…」

八幡(一色の意識が逸れた!今ならっ…)

雪ノ下「残念ね…。本当は強引な事はしたく無いのだけれど」

八幡(走り出した途端、天井が見えた。あぁ、背中が痛い。頭も打ったのか、若干ぼーっとする)

由比ヶ浜「ヒッキー…。嫌だよ、居なくなっちゃ…」

八幡(由比ヶ浜が俺に覆い被さっている)

雪ノ下「大丈夫?なるべく痛くないように投げたつもりではあるけれど…」

八幡(雪ノ下は俺の側に屈み込み、頭部の打ったであろう箇所を撫でている)

一色「先輩⁉︎大丈夫ですか!」

八幡(一色は材木座を蹴り飛ばすと俺の元まですっ飛んでくる。って言うか材木座の扱い酷くない?)

八幡「…何でそんな必死なんだよ」

雪ノ下「この後に及んでそんな事を言うの?貴方なら解っているでしょう」

八幡「解んねぇよ、全然…」

雪ノ下「そう、それならそれで良いわ。これからじっくりと時間をかけて、私達がどれ程貴方を愛してるか、教えてあげる」

八幡「…なぁ、一つだけ頼んで良いか?小町と戸塚、それとついでにそこの奴もたまに会わせてくれねぇか?」

由比ヶ浜「え!それって…」

雪ノ下「認めてあげたいのは山々だけれど、私達がこれからする事を考えると…」

一色「そうですよねぇ、普通に考えて監禁する訳ですから…」

八幡(と言うか監禁だって意識あったんだな)

八幡「…会わせてくれるんなら、俺が進んで飼われるよ」

雪ノ下「態度が一変したわね?何か企てているの?」

八幡「お前らに飼われるのなら、それもアリかなって思っただけだ」プイッ

一色「あれ?照れてます?照れてますよね?」

八幡「お前こそ顔真っ赤だぞ、いっs…いろは」

一色「!…全く、あざといあざといって、そう言ってる先輩が一番あざといですよね」

八幡「雪乃も結衣も、これからよろしく」

由比ヶ浜「本当にいいの…?」

八幡「あぁ、それに…専業主夫と言う夢を叶えてくれるんだから万々歳じゃねぇか」

八幡(さっき投げられた時に解った。こいつらのこの行動は純粋に俺を思っての事なんだ。幾らか捻くれているが、本物の思いだ。そう思ったら否定できなくなっていた)

八幡(某鬼のお兄ちゃんも彼女に拉致監禁されて守られてたしな。俺に異能はないから脱出は出来ないかもだけど)

雪ノ下「結局何が貴方の考えを変えたのか解らないわ…」

八幡「…捻くれた本物なんて俺にピッタリじゃねぇか」

八幡(ただ、それだけだ)

奉仕部withいろはすend

…なんかごめんなさい
自分でも書いててこれ面白くねぇなと思いましたが書きたいこと盛り込んでたので投下しました
完全に[田島「チ○コ破裂するっ!」]ですみません

>>17続きから
八幡(葉山はああ言っていたが本当に陽乃さんも来るのだろうか…)

八幡(あの人は俺をからかって周囲の反応を楽しんでいるだけだと思っていた)

八幡(だが葉山の言を信じるなら、本気で監禁するつもりだということだ)

八幡(そんな事したって彼女の求める反応が得られるとは思えないのだが…)

八幡「うっす」ガラッ

雪ノ下「あら、今日は来ないかと思っていたわ」

八幡「あぁ、俺もできれば来たくないし、なんならすぐに帰宅したいんだがな」

雪ノ下「なら帰ってもいいわよ?寧ろ目障りだから消えてもらえる?」

八幡「消えると帰るって大分意味違うからね?」

雪ノ下「私の目の前から居ないのなら消えたと言っても差し支えないでしょう?」

八幡「恐ろしい程自分中心だな…」

雪ノ下「で、どうして帰らないのかしら?」

八幡「俺にだって色々事情があんだよ」

陽乃「それは私の為かなー?」

八幡「⁉︎」

八幡(最悪だ。このパターンは想定していなかった訳じゃないが、出来れば来て欲しくはなかった)

雪ノ下「姉さん、一体何の用かしら?」

陽乃「いやー、ちょっと比企谷君に呼ばれた気がしてさー」

雪ノ下「それは残念ながら勘違いよ。この男が他人を必要とするはずないじゃない」

陽乃「あっははは!相変わらず酷い事いうんだね、雪乃ちゃん」

八幡(貴女の所為だと思んですがね…)

八幡「で、本当の所何しに来たんですか?」

陽乃「やだなー。心当たり、あるでしょ?」

八幡「さぁ…?基本的に人と接する事がないもんで、心当たりと言われても」

雪ノ下「…そう。あくまでシラを切るのね。その件については私も興味があるのだけれど」

八幡(クッ…。このままここに居るのは不味いか…?)

陽乃「さて、比企谷君。何時もみたいにはぐらかして見る?」

八幡「何の事だか…。そもそもはぐらかさなきゃいけない様な事が無いんですが」

雪ノ下「比企谷君、余り曖昧な態度を取るべきではないわ。はっきり、私に養われたいと言えば姉さんの戯言に付き合う必要も…」

陽乃「雪乃ちゃん、決め付けは良くないなぁ」

八幡「あー…その、実は今日小町に買い物頼まれてて…。何で先帰ります」ガラッ

由比ヶ浜「あー‼︎ヒッキーいつの間に来てたの⁉︎探し回ったんだからね‼︎」

八幡「そういう時の為に連絡先交換したんじゃなかったのかよ…」

由比ヶ浜「へ?あ、そっか!態々探し回らなくても良かったんだ…」

雪ノ下「いいえ、良くやったわ由比ヶ浜さん。そのまま入口を塞いでおいて頂戴」

由比ヶ浜「う?うん」

陽乃「じゃあ、改めて」

雪ノ下「このメールについて、詳しく教えてもらいましょうか」

八幡(やっぱりきたか…。さて、どう切り抜けるか)

由比ヶ浜「そう!私もこれ聞きたかったの!なのにヒッキー逃げるし…」

一色「先ぱーい‼︎この間頼んどいた仕事どうなってますー?…ってそれどころじゃない感じですねぇ」

八幡「‼︎いや、その件なら俺も丁度話があったんだ。生徒会室に行こう」

雪ノ下「待ちなさい、比企谷君。そんな簡単に逃がすと思ってるの?」

由比ヶ浜「そうだよ!ヒッキー、今日は帰さないんだから!」

八幡「…ビッチかよ」

由比ヶ浜「ぬぁ⁉︎ちちち違うし!そ、そういう意味で言ったんじゃ…」

雪ノ下「由比ヶ浜さん、彼ならもう逃げたわよ…」ハァ

由比ヶ浜「えぇ⁉︎もう、ヒッキーの馬鹿‼︎」

昇降口
一色「ちょ、先輩⁉︎どこ行くんですか?」

八幡「生徒会室に行ったらあいつらに追われるだけだからな。話があるなら帰りながらでも良いか?」

一色「え、えぇ良いですけど…。その、手が…」

八幡「え、あ、あぁ、悪い」

八幡(意外だな…。一色がこんな反応見せるとは…。素で気持ち悪がってるわけじゃないよね?)

一色「とりあえず、学校から離れないと、ですよね?」

八幡「…そうだな。にしても、さっきは助かった」

一色「何か大変な状況みたいでしたねー」

八幡「…あのメールの件でな」

一色「あぁー、成る程です。でも、先輩?このまま帰っちゃって大丈夫なんですか?」

八幡「寧ろ帰って小町に癒されないと俺の精神状態が大丈夫じゃない」

一色「だから、その小町ちゃんに癒されるとは限らないって話をしてるんです」

八幡「は?何言ってんだお前。小町は天使だぞ」

一色「でも、あのメール…小町ちゃんのとこにも送られてるんですよ?」

八幡「…何が言いたい」

一色「そんな怖い顔しないでくださいよー!先輩が妹さんの事溺愛してるのは知ってますが、彼女達の様になっていない保証もないって言ってるんです」

八幡「かもな。でも、野宿するわけにもいかないし、結局は帰るしかないだろ」

一色「えぇ、そりゃ家に帰らなければ色々問題になりますし。でも、『最終的に』帰れば良いんですよ」

八幡「さっきから回りくどいぞ。結局何が言いたいんだ」

一色「はぁ…っとにこの先輩は…。気付いてないフリなのか、本気で気付いてないのか…」

八幡(なんかいろはすこわい)

一色「良いですか、このまま帰宅したら間違いなく小町ちゃんと二人きりですよね?そんな状態で、もし小町ちゃんが雪ノ下先輩や結衣先輩みたいになってたら先輩はもう二度と外に出られませんよ‼︎」

八幡(コイツ、小町の事なんだと思っていやがる…)

一色「だから、せめて両親が帰ってくるまで私の家に来ませんか、って言ってるんです!」

八幡「…は?」

八幡(途中までは理解できた。だが、その後何て言った?一色の家に行く?)

八幡「それこそお前が俺を軟禁する可能性が…」

一色「自意識過剰も大概にしてくださいね♪気持ち悪いんで。私が先輩を拉致るつもりなら、態々昼休みにあのメール見せたりしませんし、そもそももっと上手い言い訳考えて連れ込みますよ」

八幡「そ、そうか…。じゃあ、取り敢えず小町に連絡いれとく。…悪いが、世話になる」

一色「いえ、先輩には普段からお世話になってますし」

『すまんが、少し一色の家に寄ってから帰る。もしかすると結構遅くなるかもしれん。万一親父達より遅くなった時は適当に誤魔化しといてくれ』

八幡(こんな感じでメールいれとけば良いか。詮索されても面倒だし、電源切っておこう)

一色「じゃあ、行きますか!」

八幡「お、おう。頼むわ」








re:『どういう事?何で一色さんの家に行くの?小町今日はお兄ちゃんのために色々準備したのに…何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で』

一色家
一色「さぁ、どうぞ上がってください!」

八幡「お、おぅ。お邪魔します…」

一色「何キョドってるんですか、何時もの数倍キモいです」

八幡「う、うるせぇ。ぼっちに女子の家とかハードル高いんだよ」

一色「全く…。お母さんにこんなキモい知り合い居るって思われたらどうするんですか!見られても良いようにシャキッとしてください」

八幡「え、母親がいるのか…?」

一色「逆に2人きりだとでも思ったんですか?先輩と2人きりだと私の貞操が危ないのでまだ無理です」

八幡「俺に襲うような度胸あるかよ」

一色「ないでしょうねー。でも危ないもんは危ないんでダメです」

一色(私の、と言うより先輩の貞操が危なくなっちゃうかもですし)

八幡「解ったから早く部屋まで案内してくれ…」

一色「階段上がってすぐの部屋です。先に行っててください。お茶くらい出しますから」

八幡「おう、ありがとう」

一色「お母さーん!先輩来たからお菓子を…」

八幡(そう言うと恐らくダイニングへと入っていく一色。こうして見ると普通の女の子なのになぁ…)

八幡「ふぅ…。今日は色々あって疲れた…」

八幡(一色の部屋に着くと普段ならどうして良いかキョドってしまっただろうが、諸々の疲れがどっと吹き出しすぐにその場に座り込んでしまった)


ダイニングキッチン
一色(ウソ…。今日に限ってお母さん居ないじゃん‼︎何で⁉︎何時もはお夕食の準備してるのに…)チラッ

『いろはへ
ちょっとお隣さんにディナー誘われたので行ってきます
ご飯はちゃんと作っておくから温めて食べてね』

一色「ヤバイヤバイヤバイ…っていう事は今私先輩と2人きり⁉︎ど、どうしよう…意識したら先輩のとこ行けないよぉ…」

いろはの部屋
八幡(しまった…。疲れ過ぎて眠気が襲ってきやがる…。でも、ここで寝ようものなら一色に何を言われる…か…)zzz

一色「せ、先ぱーい…お待たせしましたー。…って寝てるし」

一色「もう、私の緊張返してくださいよ…。」

一色「ふふっ、可愛い顔して寝てる…。先輩は腐った目と根性以外は良いんですから何時も寝てれば良いのに」

一色(膝枕とか…しても大丈夫かな?少しくらいならバレないよね…?)

一色「よいしょっと…。何だか、雪ノ下先輩達が貴方の事を飼いたいって言うの、少しだけ解る気がします。もっと、私だけ見ていて欲しいって言うか…他の人に渡したくないって思っちゃうんですよね」

八幡「…」

一色「でも、やっぱり奉仕部に敵わないのは解ってるんです。だから、せめて今だけでも…」

一色「いや…本当は気持ちをあんなにストレートにぶつけられる先輩方の関係が羨ましいです。本当ならもっと素直に好きって言いたいですし、何なら監禁合戦にも参加したいです。」

八幡「…」

一色「…先輩?…何で瞼ピクピクしてるんですか⁉︎」

一色「ま、まさか全部聞いてました⁉︎」

八幡「…いや、気持ちよく寝てたのに頭持ち上げられたら目覚めるだろ、普通」

一色「な、なら何でその時に起きないんですか‼︎」

八幡「膝枕とかされたからタイミング失ったんだよ」

一色「最っ低です‼︎もう、さっさとどいてください‼︎」

八幡「痛って!急に立ち上がるなよ…」

一色「…で?」

八幡「でってなんだよ」

一色「全部聞いてたんですよね?何か言うことないんですか」

八幡「あー…すまん。盗み聞きするつもりはなかったんだ」

一色「…はぁ。そういう事じゃなくてですね…」

八幡「…お前になら、養われても、いいかな、と思った…な」

一色「何ですか、それ…」

八幡「うっせ。解るだろ、察してくれ」

一色「全然解りません。先輩が…私の事どう思ってるのか、鈍感ないろはちゃんには伝わってきません」

八幡「…控えめに言っても、嫌いじゃない」

一色「なんでここまで来て素直に言えないんですか!」

八幡「それが俺だからな、仕方ない」

一色「もう…。でも、確かに仕方ないですね。そんな面倒くさい所も含めて好きになっちゃったんですから」

八幡「よくそんな恥ずかしい事言えるな…」

一色「先輩が言わない分、私が言うんです!」

八幡「…お前も大概面倒くさいな」

一色「これからは私が飼ってあげますからね、先輩」

いろはすhappyend

八幡「そういや、用事は良かったのか?」

一色「あ、あれはですねー、先輩に会いに行ったら部室からただならぬ雰囲気がしたんで…」

八幡「助けに入ってくれたって訳か」

一色「打算が無かった訳じゃないですけどねー」

八幡「そういう事は黙ってて欲しいかな…」

一色「結果先輩とこうしてラブラブになれたんだからオッケーですよ」

八幡「…はぁ。まぁ、可愛いから許す」

一色「…先輩、キモいです」

八幡「…俺に彼女が出来たってのは幻想だったのか」

一色「そうですよ、私は飼い主ですから」

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