もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 repeated despair part3 (456)



もし小泉さんが主人公だったら REPEATED DESPAIR part3


ダンガンロンパ2




※注意



<重要!!>本編だけでなく1週目の重大なネタバレがしょっぱなからあります。
下に貼ってあるリンクのパ―ト1から6まで読破できていない人は、このスレをすぐに閉じることを切に推奨します。


part1→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404917911/)



part2→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part2 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406974060/)



part3→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part3 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408702032/)



part4→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part4 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410084963/)



part5→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part5 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1411466402/)



part6→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 part6 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1412775904/)



part7→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 repeated despair - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1414329511/)



part8→ もし小泉さんが主人公だったら 【ダンガンロンパ2】 repeated despair part2 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1418741937/)


・これは、ス―パ―ダンガンロンパ2の二次創作です。


・小泉が主人公のIFの世界なので、島の構造やキャラの性格が微妙に違ったりするかもしれません。


・2週目は非日常編が存在しないので、基本ギャグ&ほのぼのだけ…のつもりだったんだけどなぁ?


・(主人公含め)キャラ崩壊があります。キャラのイメ―ジを壊したくない人はご注意ください。


・エログロは(基本的には)ないですが、ラッキ―スケベはあるかもよ。


・カップリング要素が存在するキャラが数組あります(半数程度)。そういうのが嫌いな人は要注意。


・この小泉さんは日向クンにはなびきません。ヒナコイ派の人は要注意です。


・他にも、『これ、おかしくね?』みたいなところがあるかもしれませんが、希望があれば大丈夫だよね!!



それでもダンガンロンパ2が好きだぜ!!という人は見てやってください。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1433640115

めちゃめちゃ腹へった

丸亀の新メニューなかなかお腹にたまるぞ

>基本ギャグ&ほのぼのだけ…のつもりだったんだけどなぁ?
知らなかったのか?絶望からは逃げられない(白目)
埋めネタ面白かった




終里「でも…それ、辺古山は納得するのかよ?」

ソニア「え?」


西園寺「…そうだね。わたし達は、九頭龍の命なんて屁でもない。わたし達にとっては、どうでもいい存在だから。」

西園寺「だからこそわたしたちは…こんな議論をすることが出来る。九頭龍の命を、物みたいに扱う話をさ。」

小泉「…」


西園寺「でも…辺古山は、違うんだよね。」

ソニア「そもそも辺古山さんは、小泉さんに襲い掛かってましたし…。小泉さんと会わせるだけで、危険です。」



七海「…説得するしかないよ。なんとか、納得してもらうしか…。」

田中「出来るのか?あの辺古山を。」

小泉「…できるわよ。ペコちゃんはこの前、アタシに対して同じことをやったんだから。」

西園寺「…」


弐大「辺古山にも、いろいろと思うところがあるじゃろうが…ワシらも、小泉を死なすわけにはいかん。」

弐大「小泉には、まだまだ償ってもらわんといかんことがあるからのう。」

小泉「…」




左右田「…で?これから、どうするんだよ。」

ソニア「解散…するしかないのではないでしょうか。」

日向「ああ。俺は、辺古山の所に行く。他の皆は、ひとまず自分のコテ―ジに帰ってくれ。」


日向「…おい、罪木。」

罪木「え?」

日向「………」

小泉「…」



小泉(うまい具合に、事が運んだわね。)


小泉(でも…今のアタシは、人の命を物みたいに扱っているのかな?)

小泉(九頭龍の命を…打算的に利用して。アタシは…本当に、こんな人間だったのかな?)


小泉(…いや。今更、こんなことを気にしても仕方ない。すべては、皆を死なせないために。)





花村「…どうして?」


小泉「え?」

花村「どうしてぼくを、かばって…?」

小泉「…アタシが花村をかばうことが、そんなに変なの?」


花村「ぼくは、かばわれたって嬉しくない。皆に責められて、処刑されてしまった方が楽なのかもしれない。」

花村「そうでもしないとぼくは…九頭龍くんを殺した罪から、解放されないから。」

花村「それに…このままじゃ、小泉さんが皆から嫌われてしまう。」


花村「だからやっぱりぼくは、皆に自首して…」




小泉「あのね、花村。」

花村「え?」



小泉「図に乗らないでよ。」

花村「…えっ?」


小泉「罪を糾弾されていないからといって、アンタの行為が許されているわけじゃない。」

小泉「アタシだって…アンタのしでかした行為を、許しているわけじゃない。」


小泉「でもね…アタシにとって大事なのは、花村が死なない事。花村が罪にさいなまれているとか、そんなことはどうでもいいの。」

小泉「例えば皆の命を守るために、花村の腕を切り落とさなければならないのだとしたら。」

小泉「アタシはためらうことなく、アンタの腕を切り落とす。」

花村「っ…!!!!」




小泉「アタシが花村をかばったのだって、同じこと。すべては、アタシの都合。花村を思ってのことじゃない。」

小泉「仮に花村が皆に自首して、それを皆が信じてごらん。」

小泉「たとえ処刑されなかったとしても…花村は、皆から疎まれる。誰も、花村を擁護してくれなくなる。」


小泉「そうなったら、次に殺人の対象として狙われるのは…アンタだからね?」

花村「ひっ…!!」



小泉「何度も言うけどアタシは、アンタに死んでもらうと困るのよ。だからもし、自首なんてしたら…」

小泉「アタシは、アンタを許さない。わかったね?」

小泉「アタシの花村をかばう行為は、契約…いや、脅迫と取ってくれて差支えないわ。」

花村「…」





花村「それでも、ぼくは。」

小泉「え?」


花村「ぼくは、誰かに怒ってもらわないと…また、同じ過ちを繰り返してしまう…。」

小泉「…」



小泉「じゃあ、1つ教えてあげる。」

花村「え…?」

小泉「アンタは感情に訴えるよりかは、具体的な話をもちかけたほうが説得しやすそうだから。」



小泉「この修学旅行には、50日っていう期限があるの。今が、22日目でしょ?」

花村「期限…?」

小泉「あと、4週間待ってごらん。そうしたら、外の世界に帰れるから。」


花村「ちょっと待って。小泉さん、どこでそんな情報を…!?」

小泉「…これも契約よ、花村。アタシがなぜこんな情報を持ってたかについて…深く考えちゃダメ。」


小泉「自分の罪を償う事は、この修学旅行が終わってからでも遅くない。」

小泉「ね?あと4週間くらいなら、我慢できるでしょ?」

花村「…」



花村「わかった。ぼく、その言葉を信じてみるよ…。」

小泉「ふふっ。花村には、期待してるわよ。」







小泉(さて、と…。じゃあアタシも、コテ―ジへ…)



西園寺「…」

罪木「…」

弐大「…」

狛枝「…」


小泉「…ん?どうしたの?皆。帰らないの?」

罪木「あ、その…。やっぱり気になりますし…九頭龍さんのこととか。」

罪木「帰る気分には、なれないかなって…」


小泉(蜜柑ちゃんはずっと、崖の方を眺めている。)

小泉(まぁ…無理もないか。蜜柑ちゃんは人を助けることが生きがいの、“超高校級の保健委員”だものね。)



弐大「ワシの場合は、小泉を放っておけんからじゃあ。」

小泉「え?」

弐大「小泉を1人にしといたら、辺古山が有無を言わさず小泉を殺しにかかる可能性があるからのう。」

弐大「だから小泉よ。辺古山の説得が終わるまで、お前さんはワシが見といてやる。」

弐大「ワシなら、辺古山からも守ってやれるじゃろう。」

小泉「いいの?」

弐大「ああ。任せときぃ。団体の和を保つのも、マネ―ジャ―としての役目だからのう!!」

小泉「ふふ、ありがとう。」




狛枝「…」


小泉「…あ、ちょっと待って。弐大。」

弐大「ん?」


小泉「ちょっと、席を外していい?アイツと、2人で話したいの。」

弐大「ああ…構わんぞ。」

小泉「うん。すぐ戻る。」


タッタッタッ…




小泉「…で?アンタはどうして、ここに残ってるの?狛枝。」

狛枝「…」



小泉「…もしかして、アタシのこと幻滅してるの?」

小泉「まぁ…仕方ないよね。今のアタシ…どこからどう見ても、『希望』とは程遠いものね。」

小泉「こんなアタシは…蔑まれて当然よね。」


小泉「でも…狛枝にだけは、やっぱりいつも通り接してほしいっていうか…」





狛枝「いやね。ちょっと違うんだよね。」

小泉「…え?違うって、何が?」

狛枝「九頭龍クンを殺した小泉さんが抱く希望ってのは、どれだけのものだろうかって考えようとしてたんだけどね。」



狛枝「突き詰めれば突き詰めるほど、最初に考えていた希望とは『別の希望』が見えてきたんだよね。」

小泉「別の希望って…何よ?」


狛枝「いや、大したことじゃないんだよ。ただ現場の状況に、少し違和感を覚えるって感じかな。」

小泉「…なにが、おかしいってのよ。」




狛枝「単純な疑問なんだけどね。なんで小泉さんは、九頭龍クンの返り血を防いだの?」

小泉「返り血…?」

小泉(そっか。花村はシ―ツで返り血を防いでたわね。)


小泉「なんでって…何で防いじゃダメなのよ。」

狛枝「例えば、返り血を浴びた自分を西園寺さんに見せたくなかった…とかなら理由としてあるんじゃないかと思ってたんだ。」

狛枝「そんなことをしたら、西園寺さんを怯えさせてしまうからね。」


狛枝「でも…それだとやっぱり、おかしいんだよね。」

小泉「なにがよ。」

狛枝「まぁそれは後のお楽しみってことで。他の選択肢も考えてみたんだ。」

小泉「…」




狛枝「九頭龍クンの返り血を防ぐことで小泉さんは、偽装工作を行おうと思ってたのかな?」

狛枝「事件の真相を隠すことで…皆を欺き、学級裁判を生き延びるつもりだったの?」


狛枝「でも…皆のために事件を起こしたとか言ってたのに、そんなことをするのかな?」

小泉「…仮にそうだとして。だからどうしたってのよ。」

小泉「アタシの抱いていた希望は、所詮その程度だった…ってだけな話でしょうが。」

小泉「これでアンタは心おきなく、アタシを罵倒できる…?」


狛枝「あはっ。小泉さんはせっかちだなあ。問題は、そこじゃないんだよ。」

小泉「…?」




若干中途半端?とにかく今日はここまで。


狛枝が喋るだけで後先不安になる

だがそこがいい

>>19
それに賛成だ!

ペコちゃんも狛枝もなんか周りを気にするようで、いざって時は他を気にしないマシーンってかんじなんだな。
ゲームだと事件起こした時も無視してたし。



狛枝「問題はね。キミの右手だよ。」

小泉(右手…包丁を持っていた、血塗れの右手か。)



小泉「右手が、何だってのよ。まわくどいわね。」

狛枝「あはは…ごめんね。ボクって貧相なボキャブラリ―だから、なかなか率直な言葉をパッとアウトプットできないんだよね。」


狛枝「そもそもさ。その右手の血は、どうやってついたの?」

小泉「どうやってって…九頭龍を刺した時に」





狛枝「おかしいでしょ。キミは、そのシ―ツを使って返り血を防いでるんだから。」

小泉「っ…!!」


狛枝「西園寺さんを怖がらせないために…ていう仮定も、キミの右手を考慮すると成り立たなくなっちゃうんだよね。」

狛枝「その右手…絶望的すぎて、西園寺さんだって怖がっちゃうに決まってるもん。」

狛枝「だからやっぱり、不自然なんだよね。返り血をシ―ツで防いでるくせに、右手が血塗れだってのが…」

小泉「…おかしくなんかないわ。返り血を防ごうとしたけど、上手くいかなかった。」

小泉「それで、手のひらだけに血が着いちゃったのよ。」


狛枝「何言ってるの?仮にうまくいかなかったとして、手のひらだけにしか血が付かないなんて変だよ。」

狛枝「手のひらで包丁を握っているわけだから、むき出しになっているのはむしろ手の甲の方だもん。」

狛枝「そんな風に、手のひらだけにベットリと血が付着するなんて…」

狛枝「意図的に血に触れない限り、有り得ないんだよ。」

狛枝「じゃあなんで小泉さんは、意図的に血に触れたのかって話だけど…」


小泉「…偽装工作のためよ。本来はそれなりのトリックを思い浮べてたんだけど、皆が来るのが早すぎて破綻しちゃっただけ。」

狛枝「ふうん。どんな偽装工作?」

小泉「…」


小泉(まずい。まずいよ、この状況…。)




狛枝「答えられない、か。じゃあ、ボクの新しい仮説を提唱させてもらうね。」

狛枝「正直な話、小泉さんが血に触れた理由はわからなかった。」


狛枝「でも、そこは重要じゃなくて…大事なのは、小泉さんにはね。」

狛枝「そもそも、返り血を防ぐ気がなかったんじゃないか…ってこと。」

小泉「じゃあ、なんでアタシはシ―ツを使ったのよ。」





狛枝「今までの『前提』が間違ってる…ってことになるよね。」

狛枝「いままでボクは、『小泉さんが犯人である』ことを『前提』として話してたからさ。」

小泉「…!!」



狛枝「ボクが思うに、この事件には…返り血を防ぎたい人間と、返り血を防ぐ気のない人間が存在した。」

狛枝「ボク達は今まで、両者を同一人物…小泉さんだと勘違いしていた。」

小泉「…黙れ。」


狛枝「でも…違うんだ。この事件には、もう1人関係者がいたはずなんだよ。」

狛枝「小泉さんの他に、返り血を防ぐ必要のある人間がね。」

狛枝「なぜならその人は…九頭龍クンを殺した張本人だから。」

小泉「黙れ、黙れ。」


狛枝「じゃあ、返り血を防ぐ必要のなかった小泉さんは犯人から除外されるよね。」

狛枝「…ってことは。ボク達は、小泉さん以外から犯人を割り出す必要がある。」

小泉「やめろ。やめろ。」



狛枝「でも…それは案外難しくないんだ。だってさっきの話で、あきらかに挙動が不審だった人がいるもんね。」

狛枝「ボク達が話している間…なんと一言も喋らなかったんだもん。」

狛枝「だから、今回の事件の犯人は…」





小泉「やめてよぉおおおおおおお!!!!!」




狛枝「…ははっ。ボクはあくまで仮定の話をしていただけなのに。」

狛枝「決定的な証拠は一切ないから、本来は推測の域をでなかったんだよ。」


狛枝「小泉さんの反応さえなければね。」

小泉「うぅっ…。」




狛枝「理由はわからないけど…小泉さんは、花村クンをかばってるんだね。」

狛枝「皆のために殺人を犯した…ってのは、狡猾な方便だったんだ。」

小泉(…正確には、半分正解なんだけどね。真実が入り混じっているからこそ、より説得力のある嘘になったのだけど。)


狛枝「その“偽りの希望”を盾に、小泉さんは“本当の希望”を隠そうとした。」

狛枝「花村クンをクロだと悟られないようにする。それが、小泉さんの…本当の希望。」


小泉「…だったら、どうするのよ。皆に言いふらすつもり?」

狛枝「う~ん。どうかな?皆の希望をより洗練するために、ボクがこのことを皆にバラすべきかそうでないか…。」

狛枝「まだちょっと、考え中かな。」





狛枝「でも…たとえボクが言いふらさなかったとしても、そのうちバレちゃうかもよ?」

小泉「え…」


狛枝「小泉さんは、上手く立ち回ったつもりなのかな?実際は、ボク以外にも不審に思っている人はいたみたいだよ。」

狛枝「豚神クンとか七海さんあたりは、違和感からボクと同じ結論にたどり着けるんじゃないかな。」





狛枝「学級裁判が開かれた時に彼らがどう動くか…。ふふ、楽しみだね。」


小泉「え…ちょっとアンタ、まさか…!!!!」

狛枝「うん。もちろんだよ。やっと事件が起こってくれたのに、隠蔽するなんてもったいないもん。」

狛枝「ここはきちんと学級裁判を開くことで、皆の礎に敷かないと。せっかくの機会を不完全燃焼で終わらせることになっちゃう。」


狛枝「だから九頭龍クンの死体が発見された時、ボクも彼の死体を拝ませてもらおっかな。」

小泉「待ちなさいよ。アンタ…わかってんの?学級裁判が開かれたら、花村か花村以外の全員のどちらかが死んじゃうんだよ!!?」




狛枝「死んじゃうのが花村クンだと断言しないところをみると…」

狛枝「学級裁判が開かれても小泉さんは、花村クンの犯行を暴露しない気なんだね?」

狛枝「そんなことをしたら、他の皆が全員死んじゃうかもしれないのに。」


小泉「…命の重さは、数で決まる物じゃない。14人も、1人も…同じ、命なんだから。」

小泉「どちらが死ぬべきかを多数決で決めるなんて…そんなのは、単なる数の暴力よ。」

小泉「花村の命と皆の命を天秤にかけるなんて…アタシにはできない。」

狛枝「ふ~ん、そっか…。」




小泉「それよりも…アンタ、絶対にやめなさいよ!?学級裁判を開くなんて…!!!!」

小泉「アンタに少しでも、花村を思いやる気持ちがあるのなら…人の心を、持っているのなら…!!!!」


狛枝「人の心、ねぇ?九頭龍クンの死を隠蔽しようとしている小泉さんが言うのかな?」

狛枝「ボクはそんなの、勿体無いと思うんだ。」

狛枝「希望の象徴である九頭龍クンが死ぬという絶望…これを希望に変えることができないのなら。」

狛枝「九頭龍クンは、本当に無駄死にになっちゃうよ?」

狛枝「学級裁判をという踏み台を生み出すことこそが、九頭龍クンの死を弔うことにもなる…そう思わない?」

小泉「そんなの…詭弁よ!!!!」



小泉「と、とにかく…アンタがその気なら、アタシだって手を打たせてもらうわよ!!?」

狛枝「へぇ。手って、何かな。」

小泉「そ、それは…アンタを、監視しておくとか?」

狛枝「ふ~ん。対象のボクが言うのもなんだけど、キミはボクを四六時中監視できる自信はある?」

小泉「うっ…。で、でも、他の皆の力を借りれば…」

狛枝「それもできるのかな?そもそも九頭龍クンの死を隠蔽すること自体に、疑問を抱いている人も多いのにさ。」

小泉「ううっ…。そ、それでもアタシは、絶対に花村を…誰も、死なせたくない!!!!」




狛枝「なるほど…それが、小泉さんの希望なんだね。」

狛枝「小泉さんの本当の希望をあえて皆に教えないことで、小泉さんと皆の希望をぶつかり合わせる…。」

狛枝「うん、こういうのもなかなか面白いかもしれないね!!」


狛枝「ま…それに値しない事件なのだと判断したら、普通にバラしてもいいんだけどさ。」

狛枝「実際、この事件が皆の希望を研ぎ澄ませる糧になるかは疑問なんだよね。」

狛枝「ボク程度の人間にでさえ違和感に気付けたような事件だし、小泉さんの希望の限界も早く来そうだよね。」


狛枝「やっぱり小泉さんは、事件を起こす側には向いてないよ。」

狛枝「例えば、どんな迷宮入りの不可能犯罪でも解決してしまう探偵がいたとしても…」

狛枝「だからといって彼が犯人の側にまわった時、誰にも解けない謎を生み出せるとは限らないんだからさ。」


狛枝「キミはおとなしく、誰かが事件を起こすのを待っていた方が得なんじゃない?」

小泉「…好き放題、言ってくれるわね。アタシの気も知らないで。」




狛枝「そうだねぇ…。実際、ボクにも良くわかんないんだよね。どうして小泉さんが、花村クンをかばうのか。」

狛枝「小泉さんは、花村クンと以前に面識があったの?九頭龍クンと辺古山さんみたいに。」


狛枝「それかひょっとして小泉さんは、花村クンのことが…」

狛枝「いや、ないか。」

小泉「自分で言っておいて、自分で否定しないでよ。花村に失礼でしょ。」




狛枝「とにかく、特に思い入れがあるわけでもない人間を…自分が極端に不利な状況に陥ることになっても、かばおうとするなんてさ。」

狛枝「普通に考えれば、有り得ないよ。」

狛枝「まぁキミに限っては、有り得るかもしれないけど。なにせキミは、“超高校級のおか」


小泉「…思い入れの有る無しで、相手の対応を変えるなんて、そんな人は最低よ。」

小泉「思い入れの有る無しに関わらず…人の命ってのは、平等なんだから。」


狛枝「え?じゃあ九頭龍クンだけを『仲間』と認識しないキミは、どうなるの?」

小泉「…アタシも、『最低な人間』に分類されることになるわけね。」

小泉「ただ、アタシにとっての『思い入れのある人間』は、他の人より少し範囲が広かっただけ…それ以上でも、それ以下でもない。」



狛枝「う~ん…それでもやっぱり、変だよねぇ。」

小泉「…何が、変なのよ。いい加減に、してよ。」

狛枝「花村クンを死なせたくない…ってのは、良くわかったよ。」




狛枝「でもさ。だからって、花村クンの犯行を隠蔽する必要はあるのかな?」

狛枝「だってさ。疑いの目を小泉さんに向けようが花村クンに向けようが…」

狛枝「九頭龍クンの死を隠蔽してしまえば、いずれにせよ花村クンを死なせずに済むんだからさ。」

狛枝「だったら…花村クンの犯行を暴露したうえで、九頭龍クンの死を隠蔽することを皆に提案したらいいだけだと思わない?」

狛枝「わざわざ花村クンの罪を被る必要なんてないと思うけど。」


小泉「…それだと、次に殺人のタ―ゲットになるのは花村よ。弱味のある人間は狙われやすいから…」

小泉「アタシは、それを避けたいの。」

狛枝「う~ん。動機としては少し弱いね。もっと、別の理由があるんじゃないの?」

小泉「…」





小泉「今のアンタには、分かんないわよ。」


狛枝「え?」

小泉「アタシを殺そうとしたペコちゃんも、九頭龍を刺した花村も…きっと、分かってない。」

小泉「他人から、罪を糾弾されるのが…どれだけ、辛いことか。」

小泉「どれだけそれが、重くのしかかるのか。」


小泉「アタシだって、狛枝がいなかったら…今頃、正気ではいられなかったでしょうよ。」

狛枝「え?ボク?」




小泉「しかも、花村の犯行は…アタシが、やらせたようなものだから。」

狛枝「…え?どういうこと?」

小泉「っていうか…コロシアイ修学旅行で起きる、全ての事件はね。」

狛枝「…?」



小泉「おかしいでしょ?理不尽でしょ?本来責められるべき相手は、アタシなのに。花村が糾弾されるなんて。」

小泉「こんなの…不憫よ。かわいそうよ。」


小泉「だから、アタシは…」

狛枝「…」




今日はここまで。



狛枝との対話はにやにやと不穏さが合わさってたまらん
最後の狛枝のついてけてない感じ好きだけどここまで話して大丈夫か

狛枝だからなー
いらんことに気づいたりしそうだしそこまではいかなくとも不審に思われるだけで危険だぞ

おつ!
ひさびさのオカンネタになんか安心した
小泉を泳がせてる黒幕の意図を色々想像するけど、どの仮説も絶望で溢れててエガオが止まらないわ



25日目


―病院―


小泉「…」


コンコン、と扉をノックする。中からの返事はない。


小泉「…」

小泉「…入るよ。」


ガチャ




―病室―


小泉「…」


ピッ…ピッ…という音が聞こえる。

ドラマとかで見たことのある、延命措置をする器具の音…そんなイメ―ジであろうか。


小泉「…調子はどう?ペコちゃん。」




辺古山「…」

小泉「…ダメみたいね。」


小泉「食欲がないのはわかるけどさ…。せめて、飲み物くらいはちゃんと飲んでおかないと。」

小泉「すぐに、倒れてしまうよ?」

小泉「もう、あれから…3日経ったんだから。」

辺古山「…」





辺古山「私、は」


小泉「え?」

辺古山「私は…ただの道具だ。死ぬという概念は…ない。」

辺古山「ただ…壊れて、2度と動かなくなる…それだけだ。」



小泉「…こういう時だけは、きちんと身の程をわきまえるのね。」

小泉「あの時、アタシに襲い掛かって来たときは…アタシに対して、あからさまな殺意を向けていたくせにさ。」

小泉「アタシに対して…他でもない、ペコちゃんが。」


小泉「道具なら道具らしく…おとなしくしてなさいよ。」

小泉「ペコちゃんがアタシに、襲い掛かったりさえしなければ…。」

小泉「それだったら、こんなことには…」

辺古山「…」




小泉「…なにも、言ってくれないのね。アタシ…ペコちゃんになら、責められても仕方ないかなって思ってたのに。」

小泉「なんなら、アタシを殺してくれたって…ペコちゃんになら、甘んじて受け入れる。」

小泉「それが…『復讐』なのだとしたら。」

辺古山「…」



辺古山「これが…坊ちゃんの意思なのだ。」

小泉「え?」

辺古山「私に、復讐者となって欲しくない。それが、坊ちゃんの…」

小泉「…」




~回想~


―崖の下―


辺古山「ああ…坊ちゃん!!坊ちゃん!!眼を、開けてください!!!!」

九頭龍「…」

辺古山「早く、早く応急処置を…!!」







タッタッタッ…


辺古山「はぁ…はぁ…」

辺古山「待っていてください、坊ちゃん。今すぐ、罪木の所へ…!!!!」


辺古山「あの女、絶対に許せない…!!!!ご安心ください、坊ちゃん。刺し違えてでも、坊ちゃんの無念を晴らします。」

辺古山「私が、絶対に…あの女に、天誅を…!!!!」





九頭龍「…」


辺古山「…え?坊ちゃんのくちびるが、動いている…?」



九頭龍「……」


辺古山「む、無理をしないでください、坊ちゃん!!ほ、本当に、手遅れに…!!!!」




九頭龍「………」


辺古山「…何を。何を、伝えようとしているのですか…?」





九頭龍「…………」


辺古山「…」






辺古山「『恨むな』?」





~回想終了~


辺古山「…坊ちゃんの、最期の言葉だ。」


辺古山「『恨むな』…。」

辺古山「きっと坊ちゃんは…息も絶え絶えで、意識もほとんどない状態で。」

辺古山「それだけを…それを私に伝える事だけを、考えて…」


辺古山「坊ちゃんは、自分が小泉に殺されることで…私が、復讐者となる事を予測・危惧した。」

辺古山「私が小泉を恨んで殺せば、小泉を殺した私は誰かに恨まれる。」

辺古山「私を恨んだソイツは私を殺し、ソイツもまた誰かに恨まれる…。」

辺古山「それは連鎖なのだ。復讐の…」


辺古山「坊ちゃんはきっと、こう思ったんだ。『どこかで、復讐の連鎖を終わらせなければならない』って。」

辺古山「『復讐の連鎖は…自分自身で断ち切るべきなんだ』って…。」

小泉(復讐の連鎖、か…。確かに元は、九頭龍の妹…妹ちゃんから始まったんだっけ。)




辺古山「私は、所詮…坊ちゃんの、道具。坊ちゃんがそう望むのなら…そこに、私が付け入る余地はない。」

小泉「…」


辺古山「そもそも私には、復讐する権利などないからな…。」

辺古山「私はビ―チハウスで、小泉を殺そうとしていたのに…坊ちゃんを殺されたら、手のひら返したように復讐に走るなど…」

辺古山「こんなの、矛盾している。矛盾だらけだ。」


辺古山「だから、私は…貴様を恨むことはない。」





辺古山「貴様が、私を恨むことはあってもな。」

小泉「…」

小泉(アタシがペコちゃんを恨む、か…。やっぱりペコちゃんは、2度もアタシを殺そうとしたことを気にしているのかな。)



辺古山「私が気に喰わないのなら、私を殺せばいい。」

小泉「…それだと、復讐の連鎖って奴がまた始まるんじゃないの?」


辺古山「私は道具…壊れたところで、恨む人間などいない。」

辺古山「誰も哀しみやしない。」

小泉「…」





小泉「アタシは、哀しむよ。」



辺古山「…?」

小泉「ペコちゃんが、死んじゃったら…。アタシは、哀しい。」

小泉「だって…死んじゃうってことはね。もう、何も出来ないってことなの。」

小泉「ペコちゃんと一緒には…アタシはもう、何もできなくなっちゃうってことなのよ。」

辺古山「…」


小泉「アタシは、そんなの嫌。もっとペコちゃんと、いろんなことをしたい。」

小泉「もっと、ペコちゃんの事を知りたい。」

小泉「例えば、公園で一緒に散歩したり。木登りするのも面白いかもしれないね。」

小泉「砂浜で、砂の城を作ったり。ベタに、貝殻拾いでもしてみる?」

小泉「喉が乾いたら、ヤシの実でも落としてもらおうかな?」


小泉「そうやって…ペコちゃんの笑顔をいっぱい、切り取りたいの。」

小泉「もっと、笑いあっていたいの。」



小泉「だから…自分が死んでも、誰も哀しまないなんて…」

小泉「そんな哀しいこと…言わないでよ。」

辺古山「…」





小泉「あ。あと、ペコちゃん。もう1つ。」


辺古山「…?」

小泉「アタシはね。ペコちゃんのことを恨むつもりなんて毛頭ないの。それは、ずっと前から言ってるよね?」

小泉「でもね…。アタシは、今も思い続けているのよ。」





小泉「『殺してやりたい』…って。」



辺古山「…やはり小泉は。私を、恨んで…」

小泉「ああ、違うわ。アタシが殺したいのは、ペコちゃんじゃない。」

小泉「アタシが殺したい相手は…」






小泉「そこのベットで寝ている男よ。」






今日はここまで。


乙 


生きてる?

乙!
最期の言葉ってことは死んでるのでは…


生きてるけど、二度と目覚めない的な?



辺古山「…」

小泉「雰囲気がこわいよ?ペコちゃん。アタシを恨まない…なんて言ってたくせに。殺気が全然抑えられてないって。」

小泉「せめてアタシに、その男の顔を拝ませてくれないかな?」

小泉「今の顔と、死んだ時の顔を比較して…その滑稽さを、嘲笑ってやるんだから。」

辺古山「…」



小泉「ダメか。まぁ…そうよね。この調子じゃあ、ペコちゃんがいる限り九頭龍を殺せないのか…。」

小泉「…」




~回想~


―ライブハウス前―



小泉「だから、アタシは…」

狛枝「…」


ザッザッザッ…


小泉「…え?足音?」

狛枝「うん…。どうやら、2人分の足音だね。」


弐大「…いかん!!」

小泉「…え?急にこっちに来てどうしたの?弐大。」




罪木「あ…あれはもしかして、辺古山さん…!?」

辺古山「…」



小泉「え…!!?ど、どうしてペコちゃんが、ここに!?」

狛枝「辺古山さんが現場に戻ってくる可能性すら考慮してなかったの?」

狛枝「ここで呑気に話し合いなんてしてる場合じゃなかったはずだよ。学級裁判が起こって欲しいボクは例外だけど。」

狛枝「小泉さんって本当に、肝心なところが抜けてるよね。」

小泉「で、でも、だって、ペコちゃんの所には日向が…!!」


小泉「ひ、日向!!どうしてペコちゃんを、ここに連れて来たの!?」

日向「…」




日向「俺がここに来てはいけない理由。それは、九頭龍の死体を皆に見せちゃまずいからだろ?」

日向「それを避けるためなら…俺だって、辺古山を違う場所へ誘導するつもりだったさ。」



日向「でもな。俺達がここに来ても、九頭龍の死体を発見されない可能性がある場合は…その限りじゃない。」

日向「そういう場合のために俺は、ここに罪木を残らせたんだからな。」

小泉「…え?それって、どういう…?」




罪木「あ、あの…。辺古山さんが抱えているのって…ま、まさか、九頭龍さん?」

罪木「あっ、しまった!!たしか、目撃しては…!!」

西園寺「…わたしも、見ちゃった。」

小泉「…!!!!」


狛枝「あれ?でも、“死体発見アナウンス”ってのが流れないね。」

小泉(…そりゃそうよ。今回は、アタシという“共犯者のシロ”がいるんだから。)

小泉(でも…アナウンスが流れないだけで、学級裁判は…!!!!)



辺古山「…」

弐大「辺古山。お前さん…自分の殺気を抑え切れとらんぞ。」

弐大「一流の武芸者でありながら、一般人相手に殺気を垂れ流しにするなど…マネ―ジャ―としては、悲しい限りじゃあ。」

弐大「お前さんにも、思うところがあるじゃろうが。小泉を、殺させるわけにはいかんぞ。」

弐大「どうしても殺したいというのなら、ワシを殺してからにせい。」

小泉「に、弐大…。」




辺古山「…」

弐大「く、来るか…?」





辺古山「先の小泉に対する非礼は詫びる。」


小泉「…えっ?」

辺古山「だから…頼む。坊ちゃんを、助けてくれ。」

罪木「た、助けろと言われても…いくら私でも、死んだ人間は…」






辺古山「坊ちゃんはもう、虫の息なんだ。」



罪木「…」


罪木「…あれ?虫の、息?ってことは…」

西園寺「九頭龍は、生きてるの…!!?」

小泉「…なんですって?」




弐大「じゃあ、まだ助かる見込みがあるのか!!?」

罪木「そ、そうと決まれば迷うことはありません!!は、早く応急処置をして、病院へ!!」


小泉「ちょ、ちょっと待ってよ皆。治療中に九頭龍が力尽きたりしたら、3人以上が発見してしまって…!!」

弐大「そんなことを言っとる場合かぁ!!1分1秒が、生死を分かつ状況なんじゃぞお!!!!」


日向「そうだ。死体の隠ぺいってのは、九頭龍の死を前提としている物だ。」

日向「九頭龍が生きているのなら…死体の隠蔽よりも、九頭龍の命が優先されて当然なんだ。小泉。」

日向「たとえそれが、生と死の瀬戸際を彷徨っている命だとしてもな。」

小泉「っ…。」




そうして九頭龍は、蜜柑ちゃんによる応急処置の後に病院へ運ばれた…。

小泉「…」



小泉「…ゴキブリのような生命力ね。」

小泉「全くどうして…計算通りにいかない男よ。」


狛枝「本当に、遺憾の意を表したいねぇ。ようやく、コロシアイが起きてくれたかと思ってたのに。」

狛枝「学級裁判が開かれることで、希望のぶつかり合いをやっと目の当たりにすることができると思ってたのに。」

狛枝「九頭龍クンの並外れた生命力によって、それが阻止されてしまった。」

狛枝「流石は“超高校級の極道”、やせ我慢は一流なんだ…と、称賛したいところだけど。」

狛枝「執念深い九頭龍クンの希望が、今は恨めしいよ。」

小泉「…問題は、そこじゃないわよ。」

狛枝「え?」



小泉「アタシ達も、病院へ行きましょ。」

狛枝「ふ~ん?小泉さんも、九頭龍クンの事がやっぱり心配なの?」

小泉「…答える必要はないわ。」




小泉「行こっ、日寄子ちゃん。」

西園寺「…」



小泉「…?」


小泉(あっ…。そうか。皆からしたら、アタシは九頭龍を殺した人間なんだっけ。)

小泉(いやがおうにも、距離を置いてしまうのは仕方ないことなんだ。)

小泉(わかってはいたけど、やっぱり心に突き刺さる物があるな…。)



小泉「ごめん、日寄子ちゃん…。アタシのこと、幻滅しちゃったよね。」

西園寺「…」





西園寺「わたしはずっと、小泉おねぇの味方でいたいと思ってる。」

小泉「え?」



西園寺「でも…」

西園寺「他の皆もそうだとは、限らないんだよ?」

小泉「…」



小泉「わかってるよ。ありがとね、日寄子ちゃん。こんなアタシでも、味方だって言ってくれて。」

西園寺「…」



小泉「一緒に…病院へ、行ってくれる?」

西園寺「…うん。」




―病院―


日向「…とりあえず、他の皆ももう1度集めて来たぞ。」

澪田「冬彦ちゃんが生きてるって、本当なんすか!!」

左右田「おい!!オレ達にも、九頭龍に会わせろよ!!」

終里「そうだぜ。あいつの仏頂面も、久しく見ねぇと寂しいもんだからな!!」

ソニア「憎さ余って可愛さ100倍という奴ですね!!」

田中「それは何か違うぞメス猫!!!!」

花村「…」



狛枝「皆、静かにした方がいいんじゃない?ホラ。ボク達がしっかりしてないと、助かる命も助からないかもしれないってさ。」

西園寺「そうだね…容態に響くかもしれないし。」

田中「どういうことだ!!?」


小泉「まだ、生きているって決まったわけじゃない。」

豚神「なんだと?」

弐大「死んではいなかっただけで、一刻を争う状況だったからのう。」

西園寺「今、罪木が九頭龍の治療をしてるけど…。助かる見込みは、大目に見積もっても半々だって…。」

七海「生還するかもしれないし、そうじゃないかもしれない…ってこと?」




小泉(そう…それが、問題なのよ。)

小泉(九頭龍が無事生還してくれれば、それに越したことはないのだけど。問題は、死んでしまった場合。)



小泉(皆は今、混乱している。ライブハウス前で話し合っていた時よりも、数倍。)

小泉(その状況で、九頭龍の訃報を聞いてごらん。きっと、九頭龍の病室へ皆が殺到するだろう。)

小泉(今のアタシが何を言おうと…おそらく、それは止められない。)


小泉(そうなってしまえば、もう…学級裁判の開廷は、防げない。)

小泉(犠牲者を出すことを、避けられなくなってしまう…!!!!)



小泉(今のアタシにできることは…九頭龍の生命力に賭ける事。もはや、それだけだ。)

小泉(まさかアタシが、アイツの生還をここまで祈る時が来ようとはね…事実は小説よりも奇なりとは、良く言ったものよ。)

小泉(まぁ…それでもアタシは、“九頭龍自身”を思っているわけじゃないのだけど。)







ガチャ


花村「あっ、罪木さん…!!」

小泉「…!!」


罪木「…」

辺古山「ど、どうなんだ?罪木。坊ちゃんの容態は、どうなったんだ?」

小泉(お願い、生きていて…!!中途半端な長生きは許さない、どうせならもっと長生きしてみなさいよ!!)


罪木「そ、その…」





罪木「一応、峠は越えたとは思いますけど…」

小泉「!!」


花村「峠を越えた!?じゃあ、もう…一命を取り留めたってことで良いんだよね!!!?」

小泉「あはは、良かった…!!これで、一安心だね!!」



左右田「は?なんでお前が喜ぶんだよ?」

小泉「あ…ごめん。」

狛枝「そう言えば小泉さんは、言ってたね。殺人の動機は、皆を助けることだって。」

七海「殺人は手段であって目的ではない。」

七海「だから小泉さんにとっては、九頭龍クンが生きているに越したことはない…ってことなのかな?」

小泉「そうなるわね。誰も死なずに絶望病っていう動機を乗り越えることができたのなら、結果としては最善よ。」


田中「しかしそれでも、貴様の咎が消えたわけではないぞ。」

小泉「…わかってるわよ、それくらい。」




澪田「い、今はそんな湿っぽい話をしなくて良いじゃないっすか!!」

終里「そうだぜ!!今は素直に、ちびっこギャングの生還を喜ぼうぜ!!」


弐大「そうじゃのう。終里もだんだん、人との繋がりの重要性を理解しだして来とるわい。」

終里「うげっ。今オレ、弱っちい奴の発言をしちまったか?」

ソニア「とんでもありません。人との繋がりとは、とても心強いものなのですよ。」

左右田「良いこと言いますねソニアさん!!オレもそう思います!!」

ソニア「はぁ…そうですか。」

左右田「人との繋がり、どういうわけかソニアさんからは感じられないです…。」





罪木「あの…その…」



辺古山「…どうした?」

罪木「そのぉ…まことに言いにくい事なのですが。」


罪木「話には、続きがありまして。」

小泉「…続き?」




きょうはここまで。

もふもふ症候群ってなんだったんだろう


植物状態か…?



~回想終了~


小泉「…」



小泉「…なんであの時、殺し損ねちゃったのかしらねぇ?」

小泉「そうしたら、こんなことには…」





辺古山「…貴様は。」

小泉「ん?」

辺古山「罪悪感は…ないのか。」

小泉「罪悪感?どうして、アタシが?」


小泉「ペコちゃんが罪悪感を抱くのなら、分からなくもないけど。」

小泉「九頭龍がこうなっちゃった要因に、ペコちゃんも含まれているものね。」

小泉「アタシを2度も殺そうとしたことが…まるでボディ―ブロ―のように効いてきて、この結末を導き出したんだからさ。」

小泉「アタシはペコちゃんを責めはしないけど…ペコちゃんは自分自身を許せなくもあるだろうね。」

辺古山「それは…」


小泉「人の命ってのは、重いのよ。ペコちゃん。殺しってのは、遊びじゃないの。」

小泉「それともペコちゃんは、自分が痛い目を見ないとわからないタイプなの?」

辺古山「…」




小泉「…納得いかない?なら、アタシを殺せばいいわ。」

小泉「いくら九頭龍が『恨むな』って言おうが…肝心の相手に、反省の色が全く見えないのなら。」

小泉「そろそろ、堪忍袋の緒が切れちゃうよね。」


小泉「あ。でもアタシを殺す時は、誰にも見つからないように殺してね。」

小泉「で、死体は海にでも投げ捨ててくれればいい。アタシなんかの命のために、ペコちゃんが死ぬことないもんね。」





辺古山「…そこまで、坊ちゃんが憎いのか。」

小泉「憎いわよ。」

小泉「今までは、怖さが勝っていたけど…相手が動けないんじゃあ、怖がる要素もないからね。」


小泉「アタシの人生は、ずっと…アイツに、左右されてる。踊らされているのよ、アタシ。」

小泉「アタシはね。未だに、アイツの呪縛から逃れられていないの。あの時から、今まで。」

小泉「そして、多分…これからも。」

小泉「ずっと、ずっと…アタシはアイツに、苦しめられてきた。肉体的にも、精神的にも。」



小泉「憎いに、決まってるでしょ…。正直な話、殺しても殺し足りないくらいよ。」

小泉「だからアタシは、九頭龍が死のうが知ったこっちゃないの。」

小泉「罪悪感なんて、あるわけないでしょ。むしろ、殺せなかったことが悔しいわ。」

辺古山「…」




小泉「まぁ…でも、アタシは。ペコちゃんにとって、九頭龍がどれだけ大事な存在か知ってるから。」

小泉「ペコちゃんには悪いことしたと思ってるよ?」

辺古山「だから私に、殺されようとしているのか。貴様もまた、私と同様…自分を許せなくて…。」


小泉「それは裏を読みすぎじゃないのかな?今までのは全部、本心だって。」

小泉「殺されたくはないけど、殺されても仕方ない。そこはペコちゃんの意思を尊重しよう。そう思ったの。」

小泉「でも、ペコちゃんはアタシを殺しにかからなかった。九頭龍の言葉を受けて。ってことは…」



小泉「やっぱりペコちゃんは、九頭龍の道具なのね。」

辺古山「…」




小泉「…」


ペコちゃんとの会話が途切れたので、ふとアタシはベッドの方を見てみる。

そうすると…

うなだれていたペコちゃんの体に隠れていた九頭龍の顔が、ペコちゃんがこっちを向いたことによって形を見せた。



小泉「こうしてみると、コイツ…。意外とカワイイ顔してたのね。」

小泉「本当に…子供がただ眠っているだけにしか見えないよ。」

辺古山「…」




小泉「蜜柑ちゃん、言ってたよね。」

小泉「いつ目覚めるか、わからないって。」

小泉「明日か、明後日か、1ヶ月後か、10年後か…。」

小泉「それすらも、わかんないって。」

小泉「もう…3日起きてないからさ。もしかしたら、起きるころにはアタシ達…おばあちゃんになってるかもね。」


小泉「しかも…もしかしたらこのまま、容態が悪くなってポックリ逝く可能性すらあるんだって。」

小泉「そうなったら学級裁判が開かれて…アタシ、処刑されちゃうよ。」

小泉「そうなる位なら、さっさと殺してすぐに処刑された方が気が楽よね。」

小泉(そうしたらアタシが、正真正銘の『クロ』になれるから…。)




辺古山「…」

小泉「治療が遅すぎたのか。アタシが崖から蹴落とした時に、頭をぶつけたのか…。」

小泉「医学の専門知識がないアタシ達には、目覚めない理由は良くわかんないわね。」



小泉「ただ…九頭龍がもう目覚めない、ってことだけ。アタシ達にわかるのは。」


辺古山「…まだ、目覚めないと決まったわけじゃ」

小泉「ペコちゃんも、認めてるんでしょ?もう、起きやしないって。」

小泉「『恨むな』っていう九頭龍の言葉を、まるで遺言のように扱っちゃってさ。」

辺古山「っ…」




小泉「それでもアタシ達がこの病室に集まるのは…奇跡なんかを期待してるから、でしょ?」

小泉「起きやしない『奇跡』に対する、意味のない『期待』をさ。」

辺古山「…それでも私は。可能性が、ある限りは。」


小泉「諦めないって?いつまでよ。どれくらいの時間、待てばいいのよ。」

小泉「その時間は、本来…どれだけ有意義に使えた時間なのよ。」

辺古山「私には、坊ちゃんのいない時間などに意味はない。私の生きる理由は、坊ちゃんに仕えることだけで…」



小泉「はぁ…。あのね、ペコちゃん。それは献身とか、滅私の志ではない。」

小泉「ましてや…極道の世界を生きる人としての、信念や仁義なんかじゃ有り得ない。」





小泉「ただの依存よ。」

辺古山「…」



小泉「自分の生きる理由に…他人を勝手に利用してるだけ。」

小泉「ペコちゃんは、九頭龍のため…なんて思ってるかもしれないけど。その実、自分の事しか考えてない。」

小泉「表面上は、誰かのためを装っているから…他の犠牲を増やすことにも歯止めが効かない分、相当タチが悪いわね。」


小泉「ペコちゃんは、自分の生きる理由に…何人巻き込めば気が済むの?」

小泉「ペコちゃんの勝手な都合で殺されかけた人間が、どれだけの『心の傷』を背負うか…想像もつかないでしょ。」

小泉「人間の『辺古山』はさ。」

辺古山「…」




小泉「まぁと言っても、アタシだって人の事を言えないんだけどさ。」

小泉「アタシだって…誰かに依存しないと、精神を保てなかった時がある。」

小泉「あの時は、本当に…3週間は、引きずったっけな。部屋に閉じこもって、ずっと。」

小泉「そしてその時は…随分、2人に迷惑をかけたものよ。」

小泉「もしかしたら、今も…アイツに依存しているからこそ、九頭龍の前に居ても平気なのかもね。」


小泉「でもね。依存してばっかりで、前を向いて進めないのは良くないと思う。」

小泉「九頭龍もそう思ったからこそ…ペコちゃんが九頭龍に依存しないように、『恨むな』って言葉を遺した。」

小泉「そうして、自分からペコちゃんが独立できるように…。」

辺古山「…」





小泉「…っていう話なら、簡単だったんだけどね。」

辺古山「…」


小泉「本当にコイツは、ハッキリしない男よ。」

小泉「今もこうして、中途半端な状況で生き永らえて…結局、ペコちゃんを捕えて離さないんだから。」

小泉「自分のことを忘れろと言いながら…その実、自分のことを忘れないでほしいってさ。」


小泉「なんなのよ、それ。なんで、また…」

辺古山「…」




小泉「いつになったらアタシは、飾らないペコちゃんを見ることが出来るの?」

小泉「今までアタシが見て来たペコちゃんの奥には全部、アイツが見える。すべて、アイツに裏付けられている。」


小泉「アタシが知りたい相手は、他でもないペコちゃんだけ。九頭龍のことなんて、正味どうでもいいのに。」

小泉「いつまで経っても九頭龍は、ペコちゃんを解放してあげないのよ。」

小泉「九頭龍自身が、呪縛となってね。」



小泉「…ホント、迷惑な話よね。アタシはこんなに、ペコちゃんの事を知りたいのにさ。」

小泉「ペコちゃんも、九頭龍のことを忘れることが出来れば…ようやく、アタシ達と仲良くできると思うのよね。」

小泉「九頭龍の付属品にしか過ぎなかったペコちゃんが…独立した個体の『ペコちゃん』としてさ。」


小泉「それなのに…いつまでたっても、アタシ達を巻き込むのよ。コイツは。」

小泉「もしかしたら、目覚めるかも…なんていう、淡く優柔不断な可能性をちらつかせることによってさ。」


小泉「だからアタシは、早くアイツに死んでほしいの。中途半端に長生きされると、いつまで経っても引きずってしまう。」

小泉「九頭龍が潔く死んでくれたら、ペコちゃんだってスッパリ諦めることが出来ると思うのよ。」

小泉「スッパリ諦めて…新しい人生をスタ―トできる。ペコちゃんだって、まだ若いんだから。いくらでも可能性が広がってる。」

小泉「アイツが、死んでさえくれればね。」




小泉「アタシだってそう。アタシだって…アイツに、囚われている。」

小泉「もしかして、アイツが目覚めるかも。」

小泉「目覚めた後に、もしかしたら…アタシを赦してくれるかも、なんて…。」



小泉「そんな愚かな希望を、捨てきれない。だからいつまで経っても、割り切れないのよ。」

小泉「本当に…やんなっちゃう。アタシはコイツと関係を断ち切れれば、それでいいのに。」

小泉「人を惑わせる狡猾さは、まさに“超高校級の極道”よ。」


小泉「もう…アタシは嫌なのよ。これ以上、コイツに振り回されるのは。」

小泉「だから、いっそのこと…九頭龍を、この手でもう1度…!!!!」




今日はここまで。



最近更新多くて嬉しい。

この小泉キモすぎ


最近飛ばすねー、嬉しい!

小泉さん全身全霊でその場足踏みしてるようなもんだよなー
ずっと同じような事言ってるからそろそろ成長してくれよ、という気になる


現実が忙しかったやら
続きを投下しようって熱くなりすぎないでね。
ペコちゃんは依存体質と自分の意志の置き換えがね・・。
モノクマあんまり関係ないし。




辺古山「そうか。なら、殺せばいい。」

小泉「えっ…?」


そう言ってペコちゃんは、アタシに何かを投げつけて来た。


小泉「これは…刃物?」

辺古山「いわゆる、脇差…という奴だろうか。坊ちゃんが切腹の時に用いたものだ。」

小泉「…」


そしてペコちゃんは立ち上がり、部屋の隅に移って仁王立ちしている。


小泉「…どういう風の吹き回しなの?」

辺古山「貴様の話を聞いていて思ったのだ。貴様には、坊ちゃんを殺す権利があると。」

辺古山「貴様が救われるために…坊ちゃんを殺さなければならないのなら。」

辺古山「好きにしろ。私はここで、何もしない。」

辺古山「ここには今、私と貴様の2人しかいないから…死体発見アナウンスとやらも、流れない。そうだろ?」

小泉「…」



辺古山「どうした?殺さないのか?」

辺古山「手が、震えているぞ。」

小泉「…アイツと、同じことを言うのね。」


辺古山「なにをためらうことがあるんだ?いまさら、怖気づいたわけでもないだろう。」

小泉(…正直、怖気づいてはいるんだけどね。アタシはただの、一般人だもの。)




辺古山「やはり、そうなのだな。」

小泉「…なんの話よ。」


辺古山「坊ちゃんに対する小泉の怨念は、本物だ。そこに間違いはない。」

辺古山「しかし…違うんだ。」

小泉「なにが、違うの?」



辺古山「小泉にとっての『救い』とは…『坊ちゃんの死』ではない、ということだ。」

辺古山「それくらい、道具の私にでもわかる。」

小泉「…なんで、そんなことが言えるの?」


辺古山「貴様の恨みというのが、坊ちゃんの存在に対する恨みではなく…」

辺古山「坊ちゃんから『赦されていないこと』に対する怨念だからだ。」


辺古山「ならば…本当にその恨みから解放されたい場合。坊ちゃんの死は、むしろ逆効果だろう。」

辺古山「坊ちゃんが死ねば…もう2度と、貴様は赦されることがなくなる。」

辺古山「そうなれば、坊ちゃんに対する小泉の恨みは…未来永劫、失われることがなくなるからな。」

辺古山「小泉にとっての最善の結末とは…坊ちゃんが目覚め、貴様を赦してくれる事。そうなのだろう?」




小泉「…なによ。知った風な口をきいて。」

小泉「それは最善というよりは、希望論。机上の空論。ただの…願望よ。」


小泉「そりゃあ、九頭龍が赦してくれれば…1番嬉しいだろうけど。」

小泉「でも…それは奇跡なのよ。そう簡単に起こる物じゃない。」

小泉「いつ起こるかわからない奇跡を、漠然と待てってアタシに言うの?」

小泉「九頭龍に依存しているペコちゃんは、待てるかもしれないけど。アタシはコイツが大っ嫌いなのよ。」

小泉「大嫌いな相手のために、アタシは何日待たされるの?そんなの、たまったもんじゃないって。」



小泉「アタシにはね。九頭龍に赦されなくったって、他の拠り所があるの。」

小泉「ペコちゃんが、九頭龍を拠り所としているように。」

小泉「だから…九頭龍が死んだって、特に問題はない。だからこそアタシは、九頭龍を殺そうとしたんだから。」

小泉「目覚めてくれても…問題はないけど。」


小泉「1番問題なのは…生きるでもなく、死ぬでもなく、生命活動だけを中途半端に続けられることよ。」

小泉「生きていないから、解決できないし。死んでもいないから、切り捨てる事も出来ない。」




辺古山「…他に拠り所があるだと?貴様は、坊ちゃんの赦しがなくても平気なのか?」

辺古山「じゃあ…なぜ貴様は、ここへ来る。どうして今も、坊ちゃんに執着している。」

小泉「…」



小泉「少なくとも、あの時まではそうだった。」

小泉「あの時までは、諦めがついていたから。本当に…九頭龍の赦しなんて、微塵も欲さなかった。」


小泉「なのに、アイツが…あんなことを言うから…。」

小泉「…」




~回想~





九頭龍「だから、こそっ…変わりたかったんだっ!!!!」

小泉「…変わる?」


九頭龍「オレは、過去の自分をぶち壊して…」

九頭龍「誰かを、大切に思える…そんな、勇気が欲しかった…。」

九頭龍「殺すのが惜しくて、復讐出来ない位によ…。」

九頭龍「たとえ相手が、ただの一般人で…塵のように矮小な存在だったとしても…。」

小泉「…」






九頭龍「お前は、極道じゃないだろっ!!!!」

小泉「っ…!!!!」


九頭龍「お前には、そんなの似合わねぇよ。絶望のカリスマなんて肩書、不釣り合いだ。」

九頭龍「お前に似合う道は…もっとこう、まっとうな生き方のはずだ。」

九頭龍「だから…変われないなんてこと、ねぇよ。お前も、きっと…」

小泉「…」




~回想終了~


小泉「なんで、今になって…あんなことを言うのよ?アイツは。」

小泉「アタシの覚悟とか、決意とかが…アイツの気まぐれで、どうしてここまで切り崩されないといけないのよ。」


小泉「だから、アタシは…あの言葉を、忘れたいの。一夜限りの夢だったって、思いたいの。」

小泉「アタシだって、今からでも変わることが出来るなんて…」

小泉「そんな欲張りで意地汚い考えをしている自分自身を、諌めたいのよ。」

小泉「アイツの死を…見送った後にね。」




辺古山「…どうして。どうしてそこまで、坊ちゃんの死にこだわる。小泉の考えには、ある種の諦めが混じっている。」

小泉「諦めって…何よ。」

辺古山「何というんだろうな。自分はこれ以上、前進できない…そんな誓約を、自分自身に課しているような…。」


小泉「なによ、それ…。ペコちゃんだって、同じような物でしょ。」

小泉「いつまで経っても坊ちゃん坊ちゃんって言って、九頭龍に依存してさ。退廃的だと思わないの?」

小泉「九頭龍のことはスッパリ諦めて、ペコちゃんも新しい1歩を…」





辺古山「私は、変わりたいと思っている。」



小泉「え…?」

辺古山「私はずっと、坊ちゃんに仕えてきた。」

辺古山「いや…違うな。貴様の言うとおり…ずっと坊ちゃんに、依存してきたんだ。」


辺古山「だからこそ、私は…貴様を、2度も殺そうとしたのだから。」

辺古山「自分が坊ちゃんの剣であるという考えを、心の拠り所に…殺人の、免罪符にしながらな。」


辺古山「だから私は…今も、道具なのだ。小泉を殺そうとした、凶器に過ぎないんだ。」

辺古山「私は、ずっと『道具』のままなんだ。『道具』から、今も変われていないんだ。」

小泉「ふ~ん…。じゃ、変わればいいじゃない。」





辺古山「…わかっているだろう?私は、変われないんだ。」

辺古山「小泉からの、許しがなければな。」

小泉「…」



辺古山「小泉がもう1度私を、『人間』だと認識してくれない限り…私は、ずっと『道具』のままだ。」

辺古山「小泉が、私を…『人間』としての私を、叱責してくれない限り。」

辺古山「そしてその後に…小泉が、私を許してくれない限り。」

辺古山「私はずっと、坊ちゃんに依存することになるだろう。坊ちゃんの道具と、銘打ってな。」

小泉「…」



辺古山「だから、私は変わりたい。」

辺古山「私だって…他でもない、自分の意思で。小泉と、戯れてみたいさ。」

辺古山「映画館で、動物ものを共に鑑賞したり。図書館で、モフモフしたものの図鑑を一緒に見たり…」

小泉(チョイスがモフモフし過ぎでしょ。)




辺古山「だから私は、考えた。どうしたら小泉は、私を許してくれるのか。」

辺古山「そうすると…ある事実に思い当たった。」

辺古山「自分が赦されていないからこそ小泉は、私を叱責してくれないのではと…。」

小泉「…」


辺古山「豚神が言っていたんだ。小泉が私を責めないのは、ある種の優しさだと。」

辺古山「責められるのは、辛いことだろうから。」

辺古山「その辛さを知っているからこそ小泉は、私を責めないんじゃないかって…。」


辺古山「しかし私は。その辛さの奥にある物を欲しているんだ。小泉の許し、という物。」

辺古山「だから…赦されることの開放感を、小泉も味わったのなら。」

辺古山「小泉も、私を叱責してくれると思うのだ。」

小泉「…」



辺古山「結局…私たちの目的は、1つに集約される。そうは思わないか?」

辺古山「坊ちゃんが目覚めてさえくれれば…すべて、上手くいきそうなんだ。」

小泉「だから…そんなの、所詮希望論でしょうが。」





辺古山「お前は、変わりたくないのか?」

小泉「…」


辺古山「私には、そうは思えない。小泉も、変わりたいと思っている。」

辺古山「変わりたいと思っていながら、その可能性に自ら蓋をしているような…。」


辺古山「どうして。どうしてそんな、必要が…」






小泉「じゃあ、早く目覚めてよ!!!!」


小泉「早く、アタシを赦してよ!!!!」



辺古山「っ…!!」




小泉「アタシだって…変わりたいよ。」

小泉「でも、アタシは。そう願う事すら、おこがましいほどに…罪を負い過ぎた。」

小泉「変わりたいなんて、思っちゃダメなのよ。アタシは。それが、過去からの逃げになりそうで…。」



小泉「自分の過去に、決着を着けないと…アタシは、変わる事ができない。」

小泉「だから、アタシはね。アタシはね…。」

小泉「アイツがアタシを、赦してくれない限り…前になんて、進めないんだよ。」

小泉「いつまで経っても、ここで立ち往生よ…。」



小泉「だから…アタシの心が、完全にイカれてしまう前に…」

小泉「早く、目覚めてよ…。」

辺古山「…」




今日はここまで。



なんだかんだ西園寺の入れ替わりは阻止できたっぽいけどモノクマはどう動くのだろうか


なんだかんだ西園寺の入れ替わりは阻止できたっぽいけどモノクマはどう動くのだろうか


結局のところ、小泉は自分で自分の首を絞めている感じか

いろいろ言いつつもやっぱり赦しが欲しかったのね

ところでモフバーガーを始め、もふん語時代のペコが未だにじわじわ来るんだが俺の社会的信用をどうしてくれる

作者に質問なんですが・・・未来機関はコロシアイが起きなくて直接排除とかはしないんですか? それと、
某パンツハンターさんは誰を狙っている(パンツ的な意味でなく)で?

ageんな



>>117
未来機関はモノミ&七海との契約に則るので、直接排除は出来ません。
本編1とかでも、黒幕自ら生徒を殺しにかかったりはしませんね。それと同じようなものです。
後者の質問の意図は良くわからないぞえ


いつか要望があった絵。全員集合してます。

しかしあまりにも大変なのでベタ塗のみ。

反響が良ければ完全版も書こうかと。


http://i.imgur.com/i2CZkun.png



ごめん。正直あんま期待してなかったんだけど、予想以上に完成度高いからびっくり。

そして日向でwwww

イラストいいじゃん
西園寺と狛枝と左右田が好きだな

ss読んでるのに下手くそな絵見せられたら
萎えるな

part1から読んでこよう
絵が合わないならリンクを踏まなきゃいい

part1から読んでこよう
絵が合わないならリンクを踏まなきゃいい

おお!いいね
本編も絵も期待して見てるよー

絵よくなってるね
この絵柄味があって好きだなあ



―病室前―


小泉「…」


病室にペコちゃんがいる限り…九頭龍を使って事件を起こそうとする人は出ないだろう。

それは…アタシがペコちゃんを牽制して、病室にずっと居させる理由でもある。

本来はそれだけのために、九頭龍の病室へ毎日訪れるつもりだったのだけど…


小泉(…ちょっと、感情的になりすぎたわ。本当に、厄介な奴。)

小泉(もっとク―ルに立ち回らないと。見えるはずの物も見えなくなってしまう。)




花村「あっ、小泉さん…。」

小泉「花村…。」

花村「小泉さんは今、帰るところ?じゃ、ぼくも失礼するよ。」


そう言って花村は、九頭龍の病室へ入っていった。


小泉「…」




モノクマ「うぷぷぷぷぷ…だいぶ参ってるみたいだね。小泉さん。」

小泉「…モノクマ?何しに来たのよ。」

モノクマ「えぇ?何しにって…なにさ。ボクがここにいるのに、どうして理由が必要なのさ!!」


モノクマ「例えば、雨の日。キミは雨粒の1つ1つの行方を全部追っているかい?」

モノクマ「その雨粒が、どういう軌跡を描いて自由落下して…どこの地面に堕ちるかについて、いちいち理由付けをするのかい?」

モノクマ「そんなことしてたらキリがないし、意味もないし、時間の無駄じゃん!!もっと物事の本質をみようよ、小泉さん!!」


小泉「…はぁ。アンタと話すと疲れるわ。用がないならアタシはもう行くよ。」

モノクマ「いやいや、そんな辛辣に当たらなくても…。ボクはただ、キミに質問をしたかっただけだよ。」

小泉「質問って…何よ?」





モノクマ「キミは…九頭龍クンについて、どう思う?」


小泉「…質問の意図をつかみかねるよ。」

モノクマ「ホラ…あるでしょ?九頭龍クンに起きてほしいとか、死んでほしいとか。」


小泉「アタシに殺し合いをさせようっての?バカバカしいわ。アタシが、殺しなんてするはずないでしょ。」

モノクマ「へぇ。そうなの?今回殺し合いが起きたら、特別サ―ビスで…」





モノクマ「九頭龍クンを目覚めさせてあげても良かったのに。」

小泉「…」


小泉「何言ってんのよ。今の医学じゃ目覚めないのが問題なんじゃないの。」

モノクマ「それは、一般的な話でしょ?ボクは、希望ヶ峰学園で研究されていた最先端の医療技術を持ってるんだよ。」

小泉(…確かに。モノクマは、狛枝の眼をアタシに移植したことがある。あれって…相当高度な技術よね。)


モノクマ「希望ヶ峰学園の技術をもってすれば、九頭龍クンを目覚めさせるくらいわけないの。」

モノクマ「悪くない条件でしょ?ホラ。小泉さんもそろそろ、解放されたいでよね?過去の因縁から。」

小泉「…」

モノクマ「小泉さんが直接事件を起こさなくてもいいからさ。例えば、他の人を煽るとか…」




小泉「ふざけないでよ。そんな動機が、アタシに通用するはずがないでしょ。」

モノクマ「おろろ?」


小泉「なんでアタシが、あんな奴のために行動をとらないといけないの。」

小泉「そもそも、アンタにそんな医療技術が本当にあるのか…確証がないじゃない。」

小泉「皆の命を、無為に扱う位なら…アタシは、死んだ方がマシよ。」


モノクマ「…ちぇっ。いい話だと思ったんだけどなぁ。」

小泉「っていうかその話、ペコちゃんに言った方が効くんじゃない?」

小泉「九頭龍のためなら、ペコちゃんは…誰かを殺しそうなものだし。」

小泉「いや。その場合殺人の対象に選ばれるのは、間違いなく…」





モノクマ「ボクだって、そうしたよ。3日も前に。」

小泉「…え?」


モノクマ「小泉さんの言ったとおりにやったよ!!さっき小泉さんに言った動機を、そのまま辺古山さんに!!」

小泉「なんですって!?」

小泉(あの事件が起きてから、3日経った。それでもモノクマは何もしてこないって、思ってたら…!!)

小泉(裏で、そんな事をしていたの!!?)



モノクマ「でもね。未だに、事件は起きてない。」

小泉「え?」

小泉「ってことは…殺人の動機を与えられたにも関わらず、ペコちゃんは行動をとらなかったという事?」

小泉「その動機ってのが…九頭龍の命に、直接関わる事なのに?」

モノクマ「辺古山さんは、本当に期待外れだよ。動機を考えるのだって、楽じゃないのに。」


小泉(…)

小泉(ペコちゃんが、変わりたいって思ってるのは…本当なのかもしれない。)




モノクマ「辺古山さんが不発で、九頭龍クンもこの調子なら…別の手を考えないといけないのかもねぇ。」

小泉「九頭龍が…?そういえば、九頭龍の容態が悪くなって死んだとしたらどうなるの?」

小泉「病死になるの?それとも…」

モノクマ「正直な話今回の事件は、過程が複雑でクロが曖昧になってますね。」

モノクマ「だから九頭龍クンがこの調子で死んだ場合は、公平に裁判を執り行えるために…」



モノクマ「モノクマファイルに、死因は『刺殺』って書いてあげるよ!!」

小泉「…!!」

小泉(つまり犯人は、やはりアタシにはならずに…!!)



モノクマ「まぁ、今となってはその展開は難しいだろうけどね。じゃ、ボクはそろそろ鮭を採りに川へ行かないと。」

小泉(この島に川なんてあったかな…。)

モノクマ「バイバイ小泉さん。またね~!!」

小泉「できれば2度と、その面を拝まないで済むことを祈っているわ。」





モノクマ「…」



小泉「…?」



どうしたの、コイツ?

急に動きを止めて、変な雰囲気を出して。


アタシに、何を伝えようとしている…?






モノクマ「あまり、泣かせるなよ。」



小泉「…え?」







小泉「…」



小泉(なんだったんだろう…今の。いつもの小馬鹿にしたような態度じゃなくて…。)

小泉(本気の憤慨を、アタシに見せようとしたような…。)


小泉(…ま、モノクマのことだ。真剣に考える必要もないでしょ。)




今日はこのあたりで。



誰だったんだろ

乙です
相変わらず不穏だなあ
これからの展開が気になる



―病院 受付―


西園寺「面会は終わったの?小泉おねぇ。」

小泉「うん…まあね。」

小泉「アタシ達の会話、聞こえてた?」

西園寺「…いいや。聞き耳たてるほどに、わたしは卑劣な奴じゃないし。」

小泉「…そう。」


西園寺「九頭龍なんかのために、毎日見舞いに行かなきゃいけないなんて。小泉おねぇも大変だね―。」

小泉「はは…他の皆も、最初は見舞いに来てたんだけどね。」



西園寺「正直言って、九頭龍は…皆から、そこまで慕われているわけじゃなかったからね。」

西園寺「いや、むしろ…」

小泉「それ以上は、言わなくていいよ。日寄子ちゃん。」

西園寺「…ごめんなさい。」


西園寺「そんな状況で今も毎日見舞いに来る人なんて、小泉おねぇや辺古山の他に…」





西園寺「花村だけだよ。」

小泉「…」



西園寺「ねぇ、小泉おねぇ。花村って、そんなに九頭龍と仲良かったっけ?」

小泉「さぁ…他の皆よりは、思い入れがあったってことじゃない?」

西園寺「…」


小泉(やっぱり日寄子ちゃんも、花村を疑ってるのかな。)

小泉(少なくとも、違和感を覚える段階には達しているんだろう。)

小泉(あの時は、状況に流されるままだった皆も…時間が経つにつれて段々と、アタシの犯行から矛盾を見出してきているってことか。)


小泉(だから…なるべく病室には来るなって、釘を刺しておいたのに。)

小泉(狛枝の言う通り…真相が暴かれるのも、そう遠くないのかもしれないな。)




西園寺「じゃ、小泉おねぇ。今日はどこへ遊びに行く?」

小泉「遊びに?」

西園寺「ほら、たまには息抜きもしないと!!考えを煮詰めすぎてたら、頭がすっかり茹であがっちゃうよ―?」

小泉「はは、そうだね。」


今のアタシには、心の支えがある。

目の前にいる日寄子ちゃんは、いつだってアタシのことを考えてくれるし。

赦されていない事から、暫定的にでも目を背けることが出来るのは…アイツがいてくれるからだ。


でも、今のペコちゃんは…




―病院前―


モノミ「あ、小泉さん達でちゅか。」

小泉「モノミ…。」


西園寺「うわ―。なんか、アンタの登場ってものすごく懐かしい気がするな―。」

モノミ「ホントでちゅよ。2スレ目が埋まるまで半年近くかかったのに、セリフが『77』よりも少ないんでちゅから…。」

小泉「77…?そもそもそれ、誰だっけ?」

西園寺「あれ…思い出せないや。すぐ近くに居るような気がするんだけどな―。」


小泉「まぁ仕方ないよね。あれからずっと、九頭龍との件でうだうだやってるんだもの。」

モノミ「そもそも小泉さんと九頭龍くんは、いつまでケンカしてるんでちゅか。」

モノミ「3スレ行っても仲直りのなの字も見えないなんて、正直思いも寄りませんでちたよ。」

モノミ「そのせいで、どれだけ待ってもあちしの出番が回って来ずに…。」

西園寺「お前の出番がないことに、それは関係ないだろ!!」




小泉「まぁ、それはいいとして。なんでモノミがここにいるの?」

モノミ「それはもちろん、九頭龍くん達のことが心配だったからでちゅ!!」


小泉「ああ、そりゃそうよね…って、九頭龍『達』?」

モノミ「もちろん、今も目覚めない九頭龍くんのことは当然心配でちゅが…。」

モノミ「それと同じくらい、あちしは小泉さんのことが心配なんでちゅ。」

モノミ「だって今の小泉さんは、皆さんから…」

西園寺「ちょっと…それ、どういう意味だよ!!」



小泉「いや、日寄子ちゃん。モノミの言うことももっともよ。」

小泉「だってアタシは、九頭龍を殺そうとしたんだから。皆から敬遠されて、当然よね。」

小泉「アタシはここ最近、日寄子ちゃん以外とまともに話した記憶がないもの。」

西園寺「ううっ…。」


小泉(それでもアタシを心配してくれるモノミは、やっぱり優しい奴よね。)

小泉(だから…そんなモノミですら幻滅してしまうほどに、絶望的にならないように気をつけなきゃ。)




モノミ「でも、大丈夫でちゅ!!過ちは、ちゃんと償えまちゅ!!九頭龍くんも、小泉さんも!!」

モノミ「皆さんも、今は小泉さんのこと避けているようでちゅが…。」

モノミ「きっと、直ぐに受け入れてくれまちゅ!!」


西園寺「それ、励ましてるつもりなの?根拠のない励ましは、悪意にもとれるんだよ―?」

モノミ「ち、違いまちゅ!!あちしは、そんなつもりじゃありまちぇん!!根拠だってありまちゅよ!!」

小泉「根拠?」


モノミ「ほら、小泉さんは毎日九頭龍くんの見舞いに行っているじゃないでちゅか!!」

モノミ「みなさんもそれを知っていまちゅ。」

モノミ「過ちについて小泉さんが深く反省してるだろうと、皆さんは思い始めているようでちゅよ!!」


小泉(へぇ…。アタシの行為が、反省しているように見えるんだ。まぁ…皆がそう思ってくれた方が、アタシは動きやすい。)





モノミ「だから皆さん、ら~ぶら~ぶでちゅよ!!」

西園寺「ら~ぶら~ぶ、ねぇ?アンタ、怪しさがあからさまだよ―?」

西園寺「本当はなにか良からぬことを企んでいるんじゃないの―?」


モノミ「そ、そんなことありまちぇんって!!あちしは純粋に、皆さんの事を思って…!!」

西園寺「キレイごとばっかり言う奴ほど、信用ならないのが世の常だからね。」

西園寺「特に…ら~ぶら~ぶ!!とか、でちゅ!!とか、バブ―!!とか、平気でいう奴はね―!!!!」

モノミ「バブ―は言ったことないでちゅよ!!?」


小泉(確かモノミって、誰かに操作されてるのよね。)

小泉(ってことは、中の人が…ら~ぶら~ぶ!!とか、でちゅ!!とか、バブ―!!とか言ってるのかな?)

小泉(…一体、どんな顔して発言してるんだろう。)




モノミ「じゃあ、あちしはこの辺で!!これから、やらなきゃいけないこともありまちゅし!!」

小泉「やらなきゃいけないことって?」


モノミ「当然、4の島を塞いでいるモノケモノをやっつけることでちゅ!!」

モノミ「4の島には楽しいアトラクションが盛りだくさんなので、皆さんと絆を深めるには最適でちゅよ!!」



西園寺「新しい島…そこにアンタが、新しい動機を用意してるんじゃないの?コロシアイのさ。」

西園寺「今までだって、そうだったしさ。」

モノミ「そ、そんなにあちしを疑わないでほしいでちゅ!!あちしはあくまで皆さんの味方でちゅから!!」

小泉「…」


小泉(九頭龍との件でいろいろあったけど…そろそろ、次の動機について対策を練らないといけないのか。)




小泉(4番目の動機…それは言わずもがな、ドッキリハウスだ。)

小泉(食事を与えないことで、皆の殺し合いを促進させようという魂胆…。)

小泉(前回の殺人で、断食は直接関係しなかったけど…あの異常な環境が、左右田を非行に走らせたのは間違いない。)


小泉(つまり、ドッキリハウスという環境自体が非常に危険だと言う事。)

小泉(1度ドッキリハウスに入ってしまったら、事件の回避は困難…いや、不可能と言っていいわね。)


小泉(回避するチャンスがあるとすれば、ドッキリハウスに入らないことだけど。)

小泉(人望が地に堕ちている今のアタシが、どう言えば皆を説得できるんだ…?)


小泉(そうだ。いっそのこと、4の島を解放しないようにモノミを説得…)





小泉「…あれ?モノミは?」

西園寺「もうとっくにどっか行っちゃったよ。」


小泉「…どうしよう。追いかけよっか?」

西園寺「どうして?」

小泉「え、えっと…?」


小泉(この状況でモノミを追うなんて不自然過ぎるか…。そもそもモノケモノとの戦いに巻き込まれたら命も危ないし。)

小泉(モノミは校則に縛られていないから、いざとなればアタシを黙らせることも十分可能…。)

小泉(…モノミを止めるのは無理か。)



小泉「ま…細かいことはいいか。今日くらいは、日寄子ちゃんと一緒に遊びたいもんね。」

西園寺「えへへ…じゃあ小泉おねぇ、レッツゴ―!!」




今日はここまで。


スレの話とかメタすぎるぜ。
77は、そりゃあ主役だし。

何かホントどうなるのか全く予想がつかん。
でも朝日奈さんが恥ずかしがってる姿は目に浮かぶぜ。


朝日奈さんなら割とノリノリでウサミ言葉喋ってそうな気がするな

続きェ……待ってるぜ



―九頭龍の病室―



辺古山「…」




辺古山「…………」






辺古山「………………………………」




辺古山「坊ちゃん…。」


辺古山「貴方の居ない世界は…どこか虚ろで。見える景色は同じはずなのに。決定的に何かが欠けていて。」

辺古山「限りなく青かったはずの大空が…今は、どうしても灰色にしか見えないのです。」


辺古山「私には、言う甲斐もなく貴方が必要としている。」

辺古山「私は、もう…変われないのでしょうか…?」




モノクマ「うぷぷぷぷぷ…だいぶ参ってるみたいだね。辺古山さん。」

辺古山「…」


辺古山「何をしに来た。何を言われようと、今の私はもう…アイツを殺そうとしたりはしない。」

モノクマ「いやいや。そんな事じゃなくてね。今回はもっとサ―ビス精神旺盛にしてやって来てるんだよ。」

辺古山「…サ―ビス?」

モノクマ「ほら、九頭龍クンを目覚めさせてあげるって話。」

辺古山「…何を、言っている。いくら坊ちゃんのためとはいえ、私はもう…」



モノクマ「だから、そういう話じゃなくってさ。辺古山さんがそう望むなら、叶えてあげてもいいかなって。」

モノクマ「今ならお得のタダでね!!」

辺古山「なんだと…?で、できるのか!?」

モノクマ「もちろんです!!平成のブラックジャックと呼ばれたいボクに、不可能はありません!!」

辺古山「ただの願望だと…!!?」




辺古山「し、しかし…貴様の目的は、一体なんだ?なぜ、そんな提案を…?」

モノクマ「あのね、辺古山さん。そんなことを気にしている場合なの?」

モノクマ「ボクの気が変わったら、多分もう九頭龍クンを救う機会はないって。」

辺古山「うっ…。」


モノクマ「で?どうする?ボクに頼む?頼まない?」

辺古山「…」



辺古山「頼む。坊ちゃんを…私を…」

辺古山「私たちを、救ってくれ…。」

モノクマ「うぷ、うぷぷぷぷぷ…承知いたしました。希望ヶ峰学園の先進技術を九頭龍クンに注ぎ込んであげようじゃないの…。」




26日目


―病院―


小泉「…はぁ。」



小泉(今日も、あんな奴のために見舞いなんかしなきゃいけない。)

小泉(いつまで、こんな生活が続くんだろう…。)

小泉(たった4日でこれだ。これ以上は、もう…)




―九頭龍の病室―


ガチャ

小泉「おはよっ、ペコちゃん。」


小泉「…あれ?ペコちゃん?いないの?」

小泉「おかしいな…。あの時からいままでずっと、ペコちゃんはここにいたのに。」



小泉「…?」

小泉(いや。それ以上の不審な点が、この部屋には存在する。)

小泉(本来あるべきはずの者が、存在しない…?)




小泉「…そうだ!!ベッドの上だ!!」

小泉「九頭龍が…いない!!?」


西園寺「小泉おねぇ、どうしたの?大きな声を出して。」

小泉「あ、日寄子ちゃん。ちょっと、問題が発生しててね…。」

西園寺「問題って…あれ?あの2人がいないね―?」

小泉「これって…どういう意味なんだろう?」

小泉「あ…!!も、もしかして、九頭龍が目覚めて…!!?」




西園寺「…そう簡単に、目覚めるのかな。だって、あの罪木が診断したんでしょ?いつ目覚めるかわからないって。」

西園寺「事はもっと、深刻な方向に動いているのかも。」

小泉「ど、どういうこと?」


西園寺「九頭龍がもう2度と目覚めないと悟った辺古山が、九頭龍もろとも無理心中しようとしてるとか…。」

小泉「そ、そんなはず…!!だ、だってペコちゃんは、誰よりも九頭龍を想っていて…!!」

西園寺「人は精神的に追い詰められると、何をしでかすか予測できなくなるからね。」

小泉「た、確かにペコちゃん、辛そうな顔してたけど…まさか、そんな…!!」



西園寺「小泉おねぇにとっては、信じがたいかもしれないね。人が、豹変するなんて。」

西園寺「でも…それは有り得ることなんだって、わたしは断言できるよ。小泉おねぇ。」

小泉「有り得る?」


西園寺「だってわたしはもう、経験してるんだから。目の前で。」

西園寺「わたし…小泉おねぇの心が、全然読めなかったんだもん。」

小泉「え…?」



西園寺「とにかく、探しに行くべきだと思うよ。小泉おねぇは、辺古山に死んでほしくないんでしょ?」

西園寺「九頭龍のことをどう思っているかは…良くわからないけど。」

小泉「…うん、わかった。急ごう!!」




若干少ない?まぁ今日はここまで。


乙!

乙!毎回楽しみにしています

超高校級の乙

あぁ、おっさんモードか。



―空港―


左右田「うぉっ、小泉!!?」

小泉「左右田…ペコちゃんを見なかった?」

左右田「辺古山?さ、さあ…知らねぇな。」


小泉(…なんか、よそよそしいわね。警戒されているんだろうな。)

小泉(でも、こんなことで挫けてられないよね。)




―ライブハウス―


豚神「九頭龍と辺古山が…?何が起きている?」

小泉「わからない。でも…もしものことがあるかも。」

豚神「そうか…くそっ。こういう不測の事態を事前に予測してこそ、リ―ダ―だろうに…。」


小泉(いや…豚神は良くやってくれているわ。)

小泉(アタシのせいで生み出された疑心暗鬼の中でも、皆を何とか統率してくれているのだから。)

小泉(もちろん、こんな労い…疑心暗鬼を生みだした張本人のアタシからは言えないのだけど。)


豚神「状況は理解した。俺達も、辺古山を探そう。」




小泉「ありがとう…ところで何で豚神は、ライブハウスにいるの?」

豚神「ふん、仕方なかろう。しつこく誘われたのだからな。」


澪田「いやだって白夜ちゃんが、どうしてもけいおんしたい!!みたいな顔してたっすし。」

豚神「どんな顔だそれは。」

澪田「そりゃもちろん、今の白夜ちゃんみたいなマヌケ顔っす!!」


澪田「唯吹たちのバンド『ザ・エンジェルミ―ト』の繁栄のために、今日も一肌脱ぐっすよ!!」

豚神「貴様、聞いてなかったのか!!?いまから、辺古山を探すと…!!」

小泉「しかし、いつの間にバンドなんて組んでたの?なんか、死後の世界で天使と戦ってそうな名前ね。」

西園寺「その感想、前に花村が言ってたよ。」


七海「っていうか、まだ解散してなかったんだ。ザ・エンジェルミ―ト。」

小泉「いたんだ、千秋ちゃん。」

七海「ええ、ずっと。」

西園寺「なんだっけそのネタ、どっかのパロディだよね…。」




―チャンドラビ―チ―


小泉「ペコちゃん…今、どこにいるの!?」

西園寺「あれ…波打ち際の向こう側に、人の気配がするよ?」

小泉「本当だ、行ってみよう。」



辺古山「…」

小泉「いた!!ペコちゃん、あんなところで一体何を…?」

西園寺「待って、小泉おねぇ。隣に、誰かいる。」




狛枝「…」


小泉「狛枝…!!アイツ、ペコちゃんに何を吹き込もうとしてるの!!?」

西園寺「もしかしてアイツが辺古山に、自殺を提案して…!!」

西園寺「今にも辺古山は、海へ身投げをしようとしている!!?」


小泉「とにかく、止めないと!!」ダッシュ

西園寺「あっ、小泉おねぇ!!」




小泉「やめなさい、ペコちゃん!!」

辺古山「ん?」


小泉「狛枝なんかにそそのかされて…九頭龍と一緒に、死のうだなんて!!!!」

辺古山「死ぬ…?」

狛枝「なんの話かな?小泉さん。」


小泉「いやだから…いくら九頭龍が目覚めないからといって、無理心中しようだなんて…!!」




狛枝「どうやら小泉さん、キミは勘違いをしているようだね。」

小泉「え?勘違い?」


小泉「そ、そんなはずないって。だって現に九頭龍が病室から消えて、ペコちゃんがこんなところに来ているじゃない!!」

小泉「眠ったままの九頭龍を連れて海に来る理由なんて、1つしかない!!きっと、ペコちゃんは…!!」





小泉「…あれ?九頭龍はどこ?」

辺古山「なるほどな…。小泉がどういう勘違いをしているかは大体分かった。」

小泉「え…?」



辺古山「今、坊ちゃんは…モノクマにゆだねられている。」

西園寺「モノクマに…?」


辺古山「どういう風の吹き回しかは知らないが…モノクマは、坊ちゃんの治療をする気になったらしい。」

狛枝「それで今、治療の真っ最中…ってことなんだろうね。」

辺古山「モノクマに任せるのは不安だが…とりあえず、久々に気分転換をしようと、海を眺めていたというわけだ。」

辺古山「この場所では…過去の咎を自ら戒めることも、できるからな。」


狛枝「それを見つけたボクが、ちょうど辺古山さんに話しかけていた…ただ、それだけのことだったんだよ。」

小泉「え…じゃあ、無理心中は?」

狛枝「ないよ、そんなの。ホント、そそっかしいね。小泉さんは。」

西園寺「もう。ちょっとは頭を働かせようよ、小泉おねぇ!!」

小泉「言いだしっぺは日寄子ちゃんでしょ!!」



小泉「でも…どうしてモノクマは、急に九頭龍を治療する気になったんだろうね?」

狛枝「う~ん…正直、ボク達には皆目見当もつかないよ。」





狛枝「でも…もしかしたら、小泉さんには目星がついてるんじゃない?」


小泉「…どういう意味?」

狛枝「…」




今日はここまで。


おっつ

乙!



モノクマ「実は、それなんですがね。」

西園寺「うわっ!!モ、モノクマ!!?」


モノクマ「ちょうど今、九頭龍クンの治療が終わったんですよ!!」

小泉「え…!?治療が、終わった?つまり、アイツが目を覚ましたの!?」


小泉「ってことは、アタシは…もう1度、アイツと話せるの!?」

小泉「ひょっとして、アタシは…もう1度、赦しを請うことができるの?」

モノクマ「…うぷぷ。」




辺古山「じゃあ坊ちゃんは今、どうなっている?どこにいるんだ!!?」

モノクマ「そう焦りなさんなって。短気は損気ですよ。」


西園寺「…」

小泉「…」

モノクマ「皆の痛い視線をひしひしと感じますなぁ。もしかして今のボク、貞操の危機?」

モノクマ「いくらボクが皆のアイドルで溢れ出る愛嬌に酔いしれそうでも、ボクは1匹しかいないんですぞ?」

狛枝「それはわかったからさ。とりあえず九頭龍クンに会わせてよ。」


モノクマ「ノリが悪いなぁ…じゃ、砂浜に行ってみなよ。」

辺古山「砂浜か…。」

西園寺「そこに九頭龍が居るんだね…よし、行こう小泉おねぇ!!」




小泉「えっ…!?ちょ、ちょっと待って。」

狛枝「どうしたの?」


小泉「今さらだけど…怖くなってきちゃって。」

西園寺「怖い?」



小泉「いろいろあったけど…アタシは未だに、アイツから赦されたわけじゃない。」

小泉「だから…もう1度会ったら、今度こそ復讐されるんじゃないかって思えちゃって…。」


辺古山「し、しかし、小泉自身が言っていたではないか。坊ちゃんから、言葉を聞いたと…」

小泉「それは、そうなんだけど…あの時からアイツが、心変わりしてない保証はないし。」

小泉「赦してもらえる可能性が下手にある分、なおさら恐怖心が湧きあがるっていうか…」

狛枝「なるほど…九頭龍クンに殺されかけたことが、未だに尾を引いてるわけだね。」


小泉「お、おかしいかな…?今までは、アイツと面を向かっても全然怖くなかったのに。」

小泉「恐怖がなかったからこそ、あんな事件を起こせてしまったわけだし…。」

小泉「なんで、今になって…?」





西園寺「いや…それが、普通だと思うよ。小泉おねぇ。」

小泉「え…?」



西園寺「小泉おねぇが今まで恐怖を感じなかったのはきっと、九頭龍との件をスッパリ諦めていたからだよ。」

西園寺「スッパリ諦めて…九頭龍との関係に、“絶望”していて…他の何かに、無理やり依存しようとしてたから。」


西園寺「だから、今小泉おねぇに恐怖っていう感情が再発したのは。再び、“希望”を取り戻したってことなんだと思う。」

小泉「赦してもらえるかもしれないっていう…“希望”?」


小泉「じゃあ…怖くて、当然なの?」

西園寺「そうだよ―?恐怖ってのはそもそも、希望を持っているからこそ抱く感情だからね!!」

西園寺「生きることに絶望している人が、殺される時に恐怖するわけがないでしょ?」

西園寺「だから…勇気を出して、1歩踏み出そうよ、小泉おねぇ!!」




小泉「で、でも…やっぱり、怖いよ。日寄子ちゃん…。」

西園寺「…ま。小泉おねぇなら、そう言うと思ってた。」



西園寺「だからこそわたしは、考えたんだよ。小泉おねぇにピッタリの、仲介役をね。」

西園寺「小泉おねぇに近すぎず…事件を良く理解してる人間。」

小泉「え?」


西園寺「ちょうど…すぐそばにいるもんね。」

狛枝「え?」

辺古山「ま、まさか、最近小泉に出来た男というのは…!!?」




―砂浜―


田中「む…小泉か?」

小泉「あれ…どうして皆が?」


ソニア「豚神さんから聞いたのです。辺古山さん達が行方不明だと。」

終里「で。探してたら、砂浜に集まれってモノクマが言いに来たってわけだ。」

小泉「モノクマが…?」


日向「ああ、なんでも九頭龍の治療をしたとか聞いたけど。」

七海「モノクマのやることだから。なにか裏があると思って間違いないね。」




罪木「そ、それよりも聞きたいことがあるんですけど…」

罪木「なんで小泉さん、狛枝さんのパ―カ―のすそを掴んでるんですか?」

豚神「どういうことだ、説明しろ狛枝!!」

狛枝「はは…ボクにも、良くわかんないな。」


花村「しかも何かから隠れるようにして、狛枝くんの後ろにまわって…」

小泉「だ、だって…」



左右田「まさか…怖いのか?九頭龍が。」

澪田「ま、まぁわからなくもないかもしれないけど…だからってなんで、凪斗ちゃんなんすか?」




弐大「まあいいじゃろう。それで、肝心の九頭龍はどこじゃあ?」

小泉「あ…あそこに、人影が見える。」

西園寺「人影…今ここにいないのは、1人しかいないよね。」



辺古山「…ここで立ち止まっていても始まらない。行ってくるがいい。」

小泉「え…ペコちゃん、先に行かないの?」

辺古山「恐らく今、坊ちゃんと1番話したいのは…貴様だろう。」

辺古山「話がややこしくなる前に…先に、坊ちゃんと話を済ませて来い。」

小泉「うん…ありがとね、ペコちゃん。行ってくる。」



狛枝「ちょっと小泉さん、あまり押さないで。バランス崩しちゃうよ。」

小泉「し、仕方ないじゃない。手が震えちゃって、力加減がうまくいかないの。」

狛枝「いばって言う事なの…?」




そうこうしているうちに、アタシ達は少しずつ前進し…

アイツは、どんどん視界に大きく映るようになる。


あのちっこい剃り込み金髪坊主頭のガキ…間違いない。

昨日まで、ベッドに伏していたアイツは…今まさに、そこに立っている。



どうやらアイツはアタシ達に背を向けていて、こちらには気付いていないようだ。

なるべく気付かれないように近づいていく。


気付かれないと近づく意味がないのだけど、心の準備という物が必要なんだ。

狛枝がアイツに話しかけようとした時は、狛枝の腕を思いっきりつかむ。

それにビックリしてアタシの方を向いた狛枝に、涙ぐんだ顔を見せて話しかける事を制止する。


…どんだけビビってるのよ、アタシ。




そしてついに。アイツとアタシの距離は、目と鼻の先になった。

声を少し張れば、直ぐに気付かれるだろう。


だからアタシは、1つ大きな深呼吸をこなして…

もう1回吸って…

はいて…


ようやく、心を決めて。



小泉「くず、りゅう…?」



アタシの声に気付いたソイツは振り返って、アタシ達にその童顔を拝ませて…


目が、あった。





「…くずりゅう?」

「ボクの名は、くずりゅうと言うのですか…?」


小泉「…」

小泉「え?」




CHAPTER3+ 極秘プロジェクトとさくらんぼ   END

生き残り   16人
日向 狛枝 豚神 田中 左右田 花村 弐大 九頭龍
終里 七海 ソニア 西園寺 小泉 罪木 澪田 辺古山

TO BE CONTINUED….




今日はこの辺でお終い。

チャプタ―3に入ったのっていつだっけ…



まさかの記憶喪失か

乙!
何かあるとは思っていたけど、記憶喪失とは…
とりあえず、小泉ちゃんがんばれ!


一人称ボク…ありかもしれない



この前投下した集合絵に妹が影をつけてくれた。興味がある人は見てください。


http://i.imgur.com/riaPqok.png



妹さんすごいっす……! gkbr
こうして見ると最初の絵から構図もパースもすごい上達したな
続きも楽しみに期待してます


構図については初期からドラマチックだったよ
ありがちな「顔だけ気合い入れて描いてます」って感じじゃなかったし
描いた分だけ着実に上達してるな

乙 この絵やっぱ味があるな
やっぱりモノクマの狙いは記憶保持組が増えることへの対策だったか…

乙 この絵やっぱ味があるな
やっぱりモノクマの狙いは記憶保持組が増えることへの対策だったか…

乙 この絵やっぱ味があるな
やっぱりモノクマの狙いは記憶保持組が増えることへの対策だったか…

乙 この絵やっぱ味があるな
やっぱりモノクマの狙いは記憶保持組が増えることへの対策だったか…

酷い連投してたすまん



CHAPTER4+ 爆誕!!魔法少女、まひるん☆ロンパ!!



―砂浜―


狛枝「ボクって…九頭龍クン、一人称がおかしくない?」

小泉「いや、コイツ…一人称どころか、口調までおかしくなっちゃってるよ!?」


九頭龍「やはり…ボクが『九頭龍』なのですか。」

小泉「やはりって…なんでそんな、他人事みたいなのよ。自分の事でしょうが。」



小泉「…まさか、記憶喪失だなんて言うつもり?は、ははっ…くだらない冗談はよしてよ。」

小泉「なんか、キャラまで崩壊しちゃってるしさ。チビヤクザに紳士要素なんて、どう考えてもミスマッチだって。」




九頭龍「なるほど、記憶喪失ですか…。若干ズレているような気がしますが、おそらくそれであっているのでしょう。」

狛枝「どういうこと?」


九頭龍「カラッポなんですよ…頭の中が。」

九頭龍「自分がどんな人間で、どういう過去を持っているのか。その一切の記憶がない。」

九頭龍「気付けばこの砂浜に1人立ち尽くしていて…」

九頭龍「ここで海を眺めつつ途方に暮れていたところを、話しかけられたということです。」

狛枝「へぇ。モノクマが関わってるから、ただで九頭龍クンが帰ってくるとは思ってなかったけど。」

狛枝「まさか…本当に、記憶喪失だなんて。」


小泉「じゃ、じゃあ…この砂浜での記憶以外、何も思い出せないってこと?」

九頭龍「そうですね…。思い出せないというより、最初から何もなかったのではないかと疑う程。」

九頭龍「自分のことが、わからない。分かるのは、自分の名前が『九頭龍』というらしいことと…」




九頭龍「貴方が、ボクを恐れている事でしょうか。」

小泉「えっ!?ど、どうして…!!?」

狛枝「ボクの後ろに隠れながら喋っておいて、分からないとは言って欲しくないかなぁ。」


九頭龍「やはり、貴方が隠れている理由はボクなのですね。」

小泉「…そうよ。アンタが記憶を失ってなかったら多分、こんな風には話し合えなかったはず。」

九頭龍「なるほど…よほど重い過去を、お互い持ち合わせているようだ。」


九頭龍「でもボクには、なぜ貴方がボクを恐れるのかはわからない。」

小泉「そりゃあ…過去の記憶がないんじゃあね。」



九頭龍「そう。ボクには、記憶がない。だから正直、自分が本当に『九頭龍』なのかすら疑わしいのです。」

九頭龍「よって、いわれのない過去のせいで煙たがられるのは、良い気はしませんね。」

小泉「…悪いとは思うわよ。」

小泉「でも…怖いのよ。いくら、記憶がないと言われても。アンタは、『九頭龍冬彦』なんだから。」




九頭龍「『九頭龍冬彦』…それが、ボクのフルネ―ム。いまいち、しっくりきませんね。」

九頭龍「もっと、ボクにふさわしい名前があるのでは…」



狛枝「自分の名前に文句言っちゃったら、いろいろ問題が起きそうだよね。」

小泉「そうよ。この島には、『輝々』とか『猫丸』なんかもいるのよ?」

狛枝「弐大クンは、自分の名前のせいでいじめられた経験があるとかないとか…。」


小泉「中には澪田唯吹なんて、4人の名前を無理やり合成して出来た名前だってあるんだよ!?」

狛枝「なんか、メタ発言に何のためらいもないね…。」

小泉「そんな人たちも立派に生きてるんだから。アンタが文句言わないの!!」

九頭龍「怒られてしまいましたね…。でも、なにか腑に落ちないというか…」





辺古山「では、辺古山冬彦になりますか?」


小泉「うわっ!?ペコちゃん!!?」

狛枝「辺古山さん、どうしてここに?」

辺古山「小泉の話があまり進んでないようだから、様子をうかがっていたんだ。」

豚神「するとどうやら、話はそんなに簡単そうではなかったからな。俺達が隠れている必要もないと判断した。」

小泉「豚神…。」


終里「で?結局、どういうことだ?今、どういう状況なんだよ?」

狛枝「うん。じゃ、皆に1から説明するよ。」

小泉「…」


小泉(辺古山冬彦…九頭龍に籍を入れさせるつもり?ペコちゃん、さりげなく大胆発言しすぎでしょ。)

小泉(っていうか、なんで九頭龍の方が婿入りしてんのよ。九頭龍組を差し置けるほどに、辺古山って姓に権威があるの?)

小泉(いや…単体での2人の力関係はそれであってる気がするけど。)







花村「記憶喪失…?」

ソニア「まさか、ありがちなアレですか!!」

澪田「ありがちって、それ言っちゃうっすかぁ!!?」


左右田「な、何言ってやがる!!記憶喪失なんて、そう簡単に信じられっかよ!!」

西園寺「そうだね―。もしかしたら、猿芝居をしてるのかもしれないし。」

終里「なっ、マジかよ!!記憶がないフリをしてるだけなのか、あのチビッコギャング!!?」

田中「我らの心を惑わせようとは、なんたる卑劣な!!」

西園寺「そうだそうだ、このカルシウム不足の短足野郎!!」

左右田「剃り込みが絶望的にイケてないんだよ、この失敗顔ヤクザ!!」

澪田「踊るポンポコリン!!」



九頭龍「…それで、悪口のつもりなのですか?」

左右田「なっ…!!?あれだけ言われて、キレたり突っかかってきたりしねぇだと!!?」

ソニア「今までの九頭龍さんとは、とても思えません!!」

西園寺「じゃ、じゃあ、やっぱり…記憶喪失ってのは、本当なの!!?」

豚神「…どうやら、認めざるを得んようだな。」

小泉(記憶喪失と認める基準がイマイチわかんない。)




田中「記憶喪失か。耐えがたい精神的ショックを受けた時に、自ら記憶を閉ざすことがあるようだが…。」

西園寺「何言ってんだ!!そんなことが、現実で起きるわけがないだろうが!!」

小泉「まぁ、そうよね…」

小泉(…あれ?そんな事例、身を以て体験したことがあるような…)


罪木「でも今回は恐らく、もっと直接的な原因なんじゃないかなって…」

弐大「直接的じゃとお?」



七海「あの事件での損傷が原因…ってこと?」

花村「あの、事件…。」


小泉「…やっぱり、アタシのせいって話になるわよね。」

辺古山「…」




日向「…でも、それはあくまで可能性なんだろ?あの事件のせいで記憶を失ったってのは。」

ソニア「それは、そうでしょうけど。」

弐大「それ以外の可能性がないんじゃあのう…」


罪木「いや、その…も、もしかしたら、他の可能性があるかもしれないです。」

西園寺「は…?なんだよそれ、言ってみろよゲロブタ!!!!」

罪木「ひゃあっ!!そ、そんなに声を張り上げなくても良いじゃないですかぁ!!」



田中「して、秘められし第二のフォ―スとはいかなるものだ。」

罪木「え、えっと、その…もしかしたら、ですけど…」

終里「な―んか、自信なさげだな。もっと、胸を張れって!!」


小泉「胸…」

澪田「張る…」

花村「2人とも、どうしたの?」

花村「あ、そうか!!張る胸が無」


ドゴッ


花村「あだっ!!!!」

西園寺「あれ―?気付いたら、どこ産かもわからない怪しげな豚肉をミンチにしてたみたい!!」

花村「うう…この痛み、感じちゃう…。」

左右田「手の付けようがない変態だなこりゃあ。」

小泉「スト―カ―のアンタが言う?」




罪木「もしかしたら、治療の途中で記憶が抜け落ちたのかも…」

豚神「…なんだと?」

七海「そっか。そういう考え方もできるね。」

ソニア「どういうことですか?」



狛枝「聞いてみたほうが早いね。お―い、モノクマ!!」

モノクマ「はい、何でしょう。」

狛枝「今までの話、聞いてたんでしょ?九頭龍クンの記憶がないのって…キミがやったこと?」

モノクマ「ああ…そりゃあ…」

小泉「心当たりがあるワケ?」




モノクマ「あのねぇ、言い訳から始めるようだけど。ボクはあくまで、九頭龍クンの復活に全力を注いだわけで。」

モノクマ「感謝こそすれ、ボクの頑張りの副作用にケチつけるのってどうかと思うよね。」

辺古山「副作用…ということは!!」



モノクマ「九頭龍クンの手術は、難航を極め…成功させる過程に、記憶の操作がどうしても必要だったわけですよ!!」

田中「なんだとっ!!?」

弐大「何を言っとる!!手術と記憶に、何の関係があるというんじゃあ!!!」


モノクマ「はぁ…オマエラは、医学の知識なんてほとんどないよね?1番かじってる罪木さんでさえ、最先端の技術は知らないはず。」

モノクマ「そんなキミ達が、ボクの手術の概要を説明したところで理解できるの?」

モノクマ「記憶がどう関係するか…そんなの、3行でまとめるなんて無茶ですよ。」

花村「誰も3行でまとめろとは言ってないよね!!?」




小泉「…九頭龍の持っていた都合の悪い記憶を、モノクマが隠蔽するための方便なんじゃないの?」

モノクマ「うぷぷ…それはどうでしょう。」


モノクマ「でも、九頭龍クンを助けてくれとボクに頼んだのは、間違いなくオマエラなんだよね。」

モノクマ「だから、たとえグレ―ゾ―ンだとしても…生徒を傷つけた事にはならないので、ボクを責めようってのはお門違いですな!!」

小泉「やり方が、汚いのよ…!!!!」

小泉(でも…確かに、アタシにはわかっていたはずなんだ。九頭龍を助けようとした、モノクマの意図。)


小泉(九頭龍は、寝たきりの状態になっていたけど。死ぬ可能性、寝たままの可能性と共に…)

小泉(『起きる可能性』も、秘めていたんだ。)


小泉(仮に九頭龍が起きた場合、九頭龍は絶望病によって記憶を取り戻している。)

小泉(そうすれば、アタシ達にとって貴重な情報がダダ漏れになってしまう。)

小泉(それは、黒幕側からしては絶対に避けなければいけないシナリオ。)


小泉(だからモノクマは…不用意に九頭龍を起こすくらいなら、あえて自ら九頭龍を起こすことを考えた。)

小泉(九頭龍の記憶を、抹[ピーーー]るために…!!)




ピーになっちゃった


小泉(ってことは、これは…!!)

小泉(…どういう事になるんだろう?)


日向「で?これから、どうするんだ?」

澪田「ど、どうするって、そんなの…!!」





九頭龍「いつも通りで、良いんじゃないですか?」

七海「え?」


左右田「い、良いわけねぇだろ!!き、記憶喪失だぞ!!?」

九頭龍「だからどうしたのです?」

西園寺「アンタ、状況わかってんの?」


九頭龍「過去の記憶なんて、大した意味を持ちませんよ。」

九頭龍「ボクが、今もここで生きていて…皆さんと、こうして話すことが出来る。」

九頭龍「それ以上に、何を望むというのです?」

終里「そりゃあ…」




弐大「確かに…思ったほど、深刻な問題じゃないのかもしれんのう。」

弐大「生きておりさえすれば、いくらでも取り返しがつく。」

辺古山「記憶も…そのうち、戻ってくるかもしれんしな。」

辺古山「私としては、坊ちゃんが生きていてくれた…それだけで、十分だ。」


七海「そっか…じゃあ、今日はこのくらいで解散しよっか。」

小泉「…」



小泉(でも…九頭龍ともう1度話そうっていう、アタシの覚悟は。)

小泉(しばらく、おあずけになっちゃった…ってことよね。)

小泉(…)


この件が、今後どういう意味を持つことになるのか…アタシにはまだ、良くわかってはいなかった。




今日はここまで。


乙乙

こいつは本当に九頭龍なのか

これは絶対売れない糞ゲー決定。

続き期待
でもぶっちゃけ九頭竜の記憶喪失よりも、四章のタイトルの方が気になるんだが。



―レストラン―


日向「ここがどこかはわかってるか?」

九頭龍「ジャバウォック島…かつてリゾ―ト地として栄えていましたが、いまはただの無人島の場所ですね。」

豚神「まぁ、間違いではない。」


七海「状況はわかってるのかな。」

九頭龍「見知らぬ者同士の16人の人間が島に閉じ込められ、殺し合いを強要されているようです。」

澪田「ふむふむ…そういう記憶はしっかりと残っているんすね。」




狛枝「失った記憶は…『自分が何者か』という、1点だけのようだね。」

田中「名前や己の過去…その一切が欠落している。」

終里「な―んか1つくらい、覚えていないのかよ。」

九頭龍「いえ…自分の事は、何1つ。」



田中「本当に覚えていないのか?貴様が小泉との件においてあれだけ反芻し暗中模索していたのは、ついこのまえだ。」

九頭龍「…覚えていません。」


澪田「そんな…あの時の冬彦ちゃんからは、ほとばしる熱いパトスを感じていたのに!!」

狛枝「今は、それがない。まるで天まで焦がす灼熱の炎が、一瞬のうちにかき消えてしまって跡形もない…そんな違和感だ。」

ソニア「消えたエッフェル塔のようなものですね。」

小泉「ソニアちゃん、それは多分違うと思う…。」




豚神「病院で、俺達の看病をしてくれていたことは覚えているか?」

日向「ああ。その時は俺も、九頭龍の世話になったものだ。」

九頭龍「…」

七海「…ダメみたいだね。」


終里「オレ達の前で、切腹したことは?」

九頭龍「…」


花村「このまえぼくと共に、熱い一夜を過ごしたことは?」

小泉「コラ、花村!!話をややこしくしない!!」


狛枝「ボク達の前で、土下座したことは?」

西園寺「わたし達の前で、漫才したことは―?」

九頭龍「…九頭龍冬彦とは、皆さんの見世物だったのですか?」

七海「質問に若干悪意があるのがいけない…んだとおもうよ。」



弐大「本当に、全部忘れとるんじゃのう。少しくらいは、覚えていても良いとおもうんじゃが。」

罪木「ま、まあ、それが記憶喪失ですし…」





辺古山「じゃあ…幼いころから、私と共に過ごしてきたことも?」


九頭龍「…幼いころから、ですか。ボクと貴方は、知り合いで?」

辺古山「私達はほとんど毎日、顔を会わせていたのです。」

辺古山「あの時から、ずっと…私は。」


辺古山「それなのに…覚えてないのですか?」

小泉「…」



辺古山「まだ、私達が小学生にも満たない頃…2人で木登りをして、遊んだことは?」

辺古山「誕生日に、可愛らしいアンティ―クド―ルをプレゼントしてくれたことは?」

小泉「ペコちゃん…。」




辺古山「時には、くだらないいさかいを起こして…」

辺古山「揉み合っているうちに、うっかり唇が合わさってしまったことは?」

辺古山「2人の下着をお互い間違ってはいてしまったことは?」

辺古山「お医者さんごっこと称して、いやらしくも私の体に淫らな行為をしようとしたことは?」

小泉「…ペコちゃん?」


辺古山「この前私と、ついに結ばれたことは?」

辺古山「来月ハネム―ンなことは?」

辺古山「今夜の予定は甘いム―ドのスウィ―トル―ムで」



小泉「ストップストップペコちゃん!!途中から、間違いなくねつ造だよね!!?」

小泉「『こうであって欲しい』っていう願望なのかは、怖くて聞けないけれど!!」

小泉「自分がもはや花村と同等まで成り下がっちゃってることに気付いて!!」

花村「まるでぼくが低いみたいな言いぐさ、やめてよ!!」

小泉「黙らっしゃい!!」




辺古山「いや。記憶がないうちに、いろいろと既成事実を刷り込んでおこうと思ってな。」

田中「堂々とした問題発言だな。」

ソニア「九頭龍さんは記憶がないので、何を言おうが真実にできますものね。」


辺古山「薬指のリングも、坊ちゃんからもらったという設定だ。」

狛枝「はっ…!!いつの間にか辺古山さんの左手に、希望ヶ峰学園の指輪が!!希望にあふれてるよ!!」

弐大「シルバ―リングとか、もっとふさわしいのがあったのでは…」

日向「多分、ガチャまわしてそれしか出なかったんだろ。俺にはわかるぞ、そのやるせない気持ち。」

小泉(っていうか、『設定』って言った時点でいろいろとお終いでしょ。)




豚神「結局、分かったことは…1番絆の深い辺古山のことでさえ、九頭龍は忘れてしまっているという事。」

左右田「それってもう…九頭龍としての存在意義が、完全に抜け落ちてるってことにならねぇか?」

辺古山「や、やめてくれ。縁起でもない。」



ソニア「覚えていないにしても、なにかこう…感じるものとかはないのでしょうか。」

花村「感じるもの…?なんか、いやらしい響き!!」

小泉「そう聞こえるのはアンタの心が荒んでるからよ。」




弐大「自分が自分であること…頭が覚えていなくても、身体が覚えていることもあるじゃろう!!」

終里「そうだぜ!!オレは記憶を失おうが、腹いっぱい飯食いたいって思いは絶対に失わねぇぜ!!」

左右田「そうだな。オレだって何が起きようと、機械いじってエンジンブゥウウウンって鳴らす習慣は不変だろうな。」

西園寺「わたしだって、記憶を捨てようが…和を重んじ美を愛する心。それだけは、捨てられないよ。」



日向「…」

罪木「…」

田中「…」

西園寺「なんでそこで黙るんだよ!!?」




狛枝「九頭龍クンの有する才能は、“超高校級の極道”…。」

狛枝「他の皆のように、その才能に見合った自己表現があるんじゃないの?記憶は失っていたとしてもさ。」

小泉(赤音ちゃんの場合は、体操部としてのアイデンティティが崩壊してない?)


田中「極道としての自己表現とは、何だろうな?」

西園寺「詐欺、恐喝、ヤクの売買、売春…その他もろもろの犯罪行為だね―。」

左右田「ヤな自己表現だな、オイ…。」


罪木「売春…怖いです。私は売らないでほしいですぅ。」

花村「いろんなシチュがイケるぼくでも、胸糞系はちょっとね。」

花村「怯えている女の子に興奮する性癖はさすがにないかなぁ。」

小泉「…アイツなら、持ってるかもよ。そういう性癖。」

豚神「ん?」




日向「なんか…マイナスのイメ―ジしかないな。もっとこう、仁義とか、任侠とか…」

西園寺「そんなのは、マスコミやゲ―ム市場によるイメ―ジ操作が生み出した紛い物だから!!」


弐大「確かにゲ―ムなんかでは、ならずものがやたら美化されることが多いのう。」

弐大「実際は、普通の人なら当たり前にやっているような事しかしていなくてもなあ。」

澪田「ゲ―ムやるんだ…。」


ソニア「いわゆる、映画版ジャイアン効果ですね。普段素行の悪い人がちょっと良いことしただけで、すごく良い人に見えるという…」

小泉「ジャイアンを知ってるんだ、ソニアちゃん…。」

西園寺「日向おにぃは、ちょっと優しくされただけですぐに騙されるタイプだね!!ヤク売られそうになったら気をつけなよ―?」

日向「は、はは…善処するよ。」




辺古山「っていうか、話がずれていないか?極道に対する突然の風評被害に私はタジタジだ。」

小泉「あ、そっか。ペコちゃんも一応、極道の世界の人間だっけ。」

狛枝「なんか、ノリが軽いね…。」



日向「で、結局どうなんだ?なんか、感じる事はないのか?」

九頭龍「さあ…わからない。」

九頭龍「ボクが“超高校級の極道”だったこと…そもそも、希望ヶ峰学園の生徒だったことさえ覚えていないのですから。」


九頭龍「仮に才能を有しているとして。ボクには、極道よりもふさわしい才能があったような…」

小泉「…他に、ふさわしい才能だって?」

澪田「“超高校級のジュニアアイドル”とか?」

狛枝「九頭龍クンの記憶があったら、間違いなく指の1本や2本、持ってかれてたね…。」

罪木「でも、なんか納得できちゃいます。」


九頭龍「そうじゃなくて、例えば…」

ソニア「例えば?」



九頭龍「“超高校級の童が”」

日向「それ以上は言わなくていいぞ、九頭龍。」




豚神「いろいろと調べてみたが…記憶喪失の度合いは、相当深刻な物のようだな。」

罪木「そうですね…自分が自分であるための、ほとんどの記憶を失っています。」

小泉「記憶がないんじゃあ…もう、別人じゃない。」


終里「そうカッカすんなって。今はダメでも、そのうちなんとかなるって。」

辺古山「…終里の言うとおりだ。少なくとも、ずっと寝たきりだったあの時よりかは…はるかに、希望が持てるはずだ。」

罪木「はい…。記憶なんて、意外とアッサリ戻ってくることもありますし。」


辺古山「その時までは小泉も、坊ちゃんとの件を先延ばしにするしかないだろうが…」

辺古山「決着の実現は、十分現実味を帯び始めているだろう。」

小泉「まぁ…そうかもね。あとは、記憶が戻るだけだものね…。」



小泉「じゃあ、今日はこれくらいで。アタシ、気晴らしに散歩してくるわ。」

西園寺「あっ、待ってよ小泉おねぇ!!」




―中央の島―


小泉「…」


小泉(ペコちゃんは、気が長すぎるのよ。アタシはできるなら、今にも終わらしてしまいたいのに。)

小泉(でも、赤音ちゃんの言う通り…カッカしても仕方ない。パ―ッと遊んで、この陰鬱な気持ちを吹き飛ばさなきゃ。)



西園寺「あれ?なんか、こっちに飛んできてない?」

小泉「ん?なんだろう。なんか、ピンクのボ―ルみたいな…」

M園『ポヨ?』





「キャァアアアアアアアァアアアア!!!!!」



小泉「…隕石!!!?」

西園寺「わ、わ、わ!!ここに落ちてきそう!!避けないと!!」

小泉「え、ちょ、待って…!!」



ドゴ―ン!!!!



小泉「あ~」

西園寺「小泉おねぇ―!!!!」







小泉「うう。何が起こったのよ…。」

西園寺「すごいね小泉おねぇ!!5Mは飛んでいきそうな勢いだったのに、全く無事だなんて!!」

小泉「ぶ、無事じゃないって…。」

西園寺「それにしても、一体何が飛んできて…」





モノミ「ま、参りまちた~…。」


西園寺「…焼きウサギにして、花村に調理してもらおうか。」

小泉「うん。それがいいわ。」

モノミ「ま、待ってくだちゃい!!」

モノミ「小泉さんにまで、迷うことのなく惨殺コ―スをチョイスされるのは、先生いろいろと哀しいでちゅ!!」



小泉「…まあいいわ。それで、アンタは一体ここで何をしてるの?」

モノミ「ああ、それなんでちゅがね。ここで小泉さん達に提案するのでちゅが…」

西園寺「提案?」





モノミ「あちしと契約して…魔法少女になって欲しいんでちゅ!!」


小泉「…は?」




今日はここまで。

誰かの名前を安価してくれると、良いことが起こるかもしれない。


おつー
今回調子いいね!良いことってのも気になる

安価ってどうするのかな
僕は、弐大猫丸ちゃん!

おつおつ
安価はどこ指定かな?
とりあえず影が薄い左右田さんで

おつでした!
豚神ちゃんにも一票

乙!
安価夏…じゃあ澪田ちゃんで!

七海ちゃん!

眼蛇夢にも出番を!

ソニアさんにきまってんだるぉぉぉ

ここは終里さんで

もう全員でいいんじゃないかな

安価はまだ有効かな?有効だったら罪木さんで是非!



小泉「ごめん。ちょっとアタシ、疲れてるみたい。モノミが何と言ったか、イマイチ聞き取れなかった。」

小泉「だから、もう1度言ってくれるかな?」

モノミ「はい。じゃあ、もう1度お願いしまちゅが。」

モノミ「あちしと契約して…魔法少女になって欲しいんでちゅ!!」

小泉「…は?」


小泉「ごめん。ちょっとアタシ、疲れてるみたい。モノミが何と言ったか、イマイチ聞き取れなかった。」

小泉「だから、もう1度言ってくれるかな?」

モノミ「はい。じゃあ、もう1度…」

西園寺「お―い、2人とも。話がル―プしてるよ―。」




小泉「だ、だって…何回聞いても、聞き間違えちゃうんだもの。『魔法少女』がどうとか…」

西園寺「いや、多分聞き間違えじゃないよ。わたしだって、そう聞こえたもん。」

モノミ「はい。あちしは確かにそう言いまちた。小泉さんの耳は正常でちゅ。」

小泉「じゃあ、おかしいのはこの現実ね…。」

モノミ「そうでちゅね…。コロシアイ修学旅行なんて、絶対に許されない計画でちゅ…!!」

小泉「モノミ、モノミ。モノミのくせに、論点のすり替えなんていう狡猾な話法を駆使しないでよ。」

モノミ「モノミのくせにっていうのは酷くないでちゅか!!?」




西園寺「当該の問題は、魔法少女がどうのって話でしょ。」

小泉「そうよ。その魔法少女ってのは、どういう意味なのよ?何の比喩よ、それ。」

モノミ「比喩って…なんでちゅか?そのままの意味でちゅよ。」

小泉「そのままって…魔法少女よ?」

モノミ「それがどうしたんでちゅか?」


小泉「だってアタシ…ステッキとかタクトとかを持って、謎の組織率いる怪物たちをやっつける方の魔法少女しか知らないし…」

西園寺「フレ―ッシュ!!とか、フォルテッシモ―!!とかいう奴だね!!」

小泉(年齢がバレるんじゃないか?)


モノミ「はい、その魔法少女であってまちゅよ。理解が早くて助かりまちゅ。」

小泉「あちゃ―。あってるほうが逆に理解できないんだよねぇ。」

モノミ「それとも小泉さんは、変な容器の中に魂を抜かれる方の魔法少女を望んでいるのでちゅか?」

小泉「それはそれで別の議論のような気がするけど!!?」




西園寺「それで?結局アンタは、何が言いたいわけ?」

モノミ「だから、何度も言ってまちゅ!!あちしと契約して、魔法少女になってほしいと!!」

小泉「ま、まあこの際、魔法少女という点にはひとまず触れないでおくわ。」


小泉「でも、アタシ達にそれを提案して、アンタは何を望んでいるわけよ?」

モノミ「はい。それなんでちゅがね。以前、お話ししたと思うんでちゅが。」

モノミ「あちしは、4の島を通せんぼしているモノケモノと日夜戦っているわけでちゅ。」

西園寺「ああそう。じゃあ、さっさと倒せば良いじゃん。」


モノミ「それが出来れば苦労しないでちゅ。来る日も来る日も、戦いを挑んでは敗れ…」

モノミ「4の島が開かないうちに、ついには九頭龍くんが目覚めちゃったそうじゃないでちゅか!!」

モノミ「4の島はアトラクションになっていて、せっかく皆が仲良くなるチャンスなのに!!」

モノミ「うう…あちしは、肝心な時に皆の役に立てない、ダメな教師でちゅね。」


西園寺「肝心な時っていうか、常時いつの日もでしょ―?」

小泉「ちょ、ちょっと日寄子ちゃん。モノミだって、一応頑張ってくれてるみたいだし。」

小泉「いくら本当の事だからって、言って良いことと悪いことがあるよ?」

モノミ「なんか、ものすごく悪意のある感じのフォロ―でちゅね…。」




西園寺「なるほどね。自分だけじゃモノケモノに勝てないから、わたし達に援護に来いって言うわけだね。」

小泉「でも、アタシ達は…何の力もない、か弱いただの一般市民よ?」

小泉「あの化け物相手に、アタシ達に何ができるっていうのよ。」

モノミ「くどいようでちゅが。皆さんも魔法少女になって、モノケモノと戦ってほしいのでちゅ!!」


小泉「う~ん。どうにもそこが、繋がらないのよねぇ。」

小泉「高い木の上にある草を食べられないのなら、首を長くすればいい…みたいな、なんかズレてる解決法。」

小泉「キリンじゃないのよ、アタシ達は。」



西園寺「ちなみにキリンの首が長い理由は、木の上にある草を食べられるようにするため…ではないらしいよ―。」

小泉「え、そうなの?じゃあ、どうしてキリンの首は長いの?」

西園寺「一説によると、交尾の相手を奪い合う時の武器として首が発達したとか。」

小泉「ふ~ん…どうでも良い知識ね。わざわざssに投下する必要性を感じられないわ。」

西園寺「自分で聞いておいて…」




モノミ「要は、あちしの助っ人になって欲しいんでちゅ!!」

モノミ「あちしと契約すれば、モノケモノと同等に戦える魔法少女になれるのでちゅ!!」


小泉「え…?それってどういう技術なの?科学的に説明できる?」

西園寺「そもそもそんなことが出来るのなら、殺し合いを防ぐ上でいろいろと応用できたんじゃ…」

モノミ「狛けぇこたぁ良いんでちゅ!!」




小泉「じゃあ、根本的な問題だけど…アンタを手伝って、アタシ達に何のメリットがあるのよ。」

モノミ「え?」


西園寺「そうだよ。モノケモノと戦うなんて豪語してるし、危険な事をやらされるんでしょ?」

小泉「場合によっては、命に関わるんじゃ…」

モノミ「そ、そんなことは有り得まちぇん!!どんなことがあっても、あちしが皆さんを守りまちゅから!!」

小泉「モノケモノに吹っ飛ばされながら登場した姿に、説得力が全くないのよ!!」

モノミ「その眼に、しかと焼き付けておくんでちゅ。魔法少女になるって、こういう事でちゅよ。」

小泉「なにちょっと諭すような雰囲気つくってんの!!?」




西園寺「あいにくこっちにはボランティア精神が不足してるの。だから、なにか条件を付けてくれないと。」

西園寺「なんとかべえは、願い事を何でも1つ叶えてくれるんだよ?」


モノミ「え、えっと…じゃあ、あちしにできることならなんでも叶えてあげまちゅ…。」

小泉「なんでもって…アンタに、何ができるってのよ。」

モノミ「この島から脱出…とかは、今のあちしにはちょっと難しいでちゅね…。」

西園寺「ふんっ。そんなの、アンタなんかに期待してないよ。」


モノミ「だからできる事と言えば…」

モノミ「おいしいド―ナツを教えてあげるとか。」

小泉(本格的に使えないわね、こりゃあ。)


西園寺「それよりも、ド―ナツの出現率をもっと上げてよ!!」

モノミ「何の話をしてるんでちゅか!!?」




西園寺「まったくもう。ド―ナツ…じゃなくて何の見返りも無しに、生徒に危険な事をさせようなんて。」

西園寺「教師失格だね。」

モノミ「教師失格!!?」


西園寺「うん。教師どころか、もはやウサギとしての尊厳すら危ういよ―。」

モノミ「ガ・ガ・ガ―ン!!!」

小泉(中の人、ウサギになりきってるのかな…。)


モノミ「うう…わかりまちた。そこまで言うなら、無理に頼みはしまちぇん。」





モノミ「でもこの調子なら、4の島へ行くのはもうしばらく待ってほしいでちゅ…。」

小泉「え?」


西園寺「そっか…モノケモノを倒さないと、4の島には行けないのか。」

小泉「ま、良いじゃない。4の島なんて行ったところで、モノクマの罠だらけかもしれないし。」



西園寺「う―ん。本当にそれで良いのかな。」

小泉「え?」


西園寺「4の島にこそ、脱出の手がかりがあるかもしれないしさ。わたし、早くこんな島からおさらばしたいし。」

西園寺「4の島に早く行けるようになれば、それに越したことはないと思うんだよね。」

小泉「で、でも、モノクマの罠が…」

西園寺「気をつければなんとかなるって!!小泉おねぇだけなら、わたしが守ってあげるから!!」


小泉(そっか…。色々あったけど、まだ犠牲が出てないから。前回とは違って、慎重にはならないのか。)

小泉(日寄子ちゃんみたいな考え方が、普通になるんだ。)




モノミ「え…もしかして2人とも、魔法少女になってくれるのでちゅか!?」

西園寺「うん。正直、小泉おねぇが魔法少女の衣装を着ているところを見てみたいし。」

小泉「1番の目的は、実はそれじゃないの日寄子ちゃん!!?」

モノミ「あ、ありがとうございまちゅ!!うう…こんな先生思いの生徒を持てて、あちしは果報者でちゅね…。」

西園寺「あはっ。感動するのは、まだ早いってぇ~。」

小泉「なによ、そのノリ…。」


小泉「で、でも、魔法少女って…どうすればなれるのよ?」

モノミ「何度も言うようでちゅが、あちしと契約すれば良いのでちゅ!!」

小泉「具体的には?」

モノミ「2人があちしの提案を承認してくれれば、後はあちしが杖を一振りするだけでOKでちゅ!!」

西園寺「杖…?木の枝の間違いじゃないの?」

小泉(初期装備じゃない…そりゃ勝てないわ。)


小泉「でも、『承認』って…どのレベルで、承認だと断定されるの?」

モノミ「キッパリと断られない限り、承認とみなされまちゅ。煮え切らない返答とかは、全部肯定的にとらえまちゅ!!」

西園寺「なんか、イヤ―に粘着してくるセ―ルスみたいな悪質さを感じるね…。」




モノミ「じゃあ、まずは小泉さんから魔法少女になりまちゅか。せ―の…」

小泉「えっ!!?ちょ、ちょっと待って。」

モノミ「どうしたんでちゅか?」



小泉「いや、その…。正直アタシ、未だに状況をうまく呑み込めてなくて。」

小泉「っていうかそもそも、魔法少女っていう物も半信半疑なのよね。」

モノミ「大丈夫でちゅ!!なってみればわかりまちゅから!!」


小泉「待った待った。仮に、魔法少女にアタシがなったとして。どうなるのよ?」

西園寺「どうなるとは?ああ。魔法少女の変身シ―ンで、一瞬裸になったりするもんね。」

小泉「え、えぇ!!?」

モノミ「平気でちゅ!!今時、そんな古い変身はしまちぇん!!」

小泉「まあ、そうよね。さすがに公の場で、それは…」

モノミ「代わりに、小泉さんのお父さんが裸になりまちゅから!!」

小泉「…ん?」




モノミ「それで、他に質問はありまちゅか?」

小泉「え、えっと、例えば…服装とか?」

モノミ「そんなの当然、魔法少女にふさわしい服装になるのでちゅ!!例の、ふわふわした可愛らしい衣装でちゅよ―!!」

小泉「うわぁ、やっぱりそれが当然なのね…。」

西園寺「それがどうしたの?もしかして、恥ずかしいの?」


小泉「だ、だってアタシ、もう20超えてるのよ?もはや、少女ですらないっていうか。」

西園寺「20…20!!?な、何回留年したの、小泉おねぇ…。」

小泉(…20ってのは、絶望時代を含めてだけど。)



小泉「テレビの魔法少女は誰もかれも中学生で若々しいし。良い年して何やってんの、って思われるじゃん。」

西園寺「そうだね。汚れも知らない清らな乙女しか、魔法処女にはなれないんだよね。」

小泉「アタシが汚れてるっての!!?あと、漢字が違う!!」


モノミ「大丈夫でちゅ!!少し大人な魔法少女と思えば、ギリギリなんとかイケないこともないとは限らないこともないでちゅ!!」

小泉「どっちよ!!?」




モノミ「というわけで、早速魔法少女になるでちゅ!!」

小泉「ま、待ってよ!!モノケモノをやっつけるだけなら、そもそも魔法少女じゃなくても良いじゃん!!」

小泉「格好はそのままで、力だけアップさせるとか…!!」

モノミ「無理でちゅ。ちゃんとおめかししないと、せっかくの一張羅が台無しでちゅ。」

小泉「そういう問題!!?」



モノミ「じゃあ、いっきま―ちゅ!!!」

小泉「え!!?ちょ、ちょっと待…!!」

モノミ「マジカルラジカルトラジカル~!!!!小泉さん、魔法少女にな~ぁれ!!!!」

小泉「ぎゃあああぁああああああああぁあああああ!!!!」




次回予告



小泉「アタシの名前は、小泉真昼!!どこにでもいる、ごく普通の女子高生(20)!!」

小泉「クラスのあの子に思いを寄せて…水面を眺めつつ、ちょっと拗ねたように黄昏てみる。」

小泉「平均すれば、わりと人並みの生活をしていると自負してるんだ!!」


小泉「…そのはずだったのだけど。ある日突然、不思議なウサギの人形が舞い降りてきて。」

小泉「えっ!!?アタシが、魔法少女に!!?」

小泉「一波乱、起きる予感!!普通の女の子から、おさらばかも!?」


小泉「次回!!もし小泉さんが魔法少女だったら、第2話!!『友情大作戦!!』」

小泉「皆のハ―トを論破だよ!!」


次回予告ワロタwww

ギャグ漫画日和とか色々混ざってるww

更新乙!相変わらず面白いぜ!
読んで気になったんだが、他のキャラの現在の年齢も決めてたら教えて欲しい。

小泉が20だし他もそのぐらいだろうな
2って留年してると明言されたキャラいないよな?

話題の現役高校生がスカウトされる高校だから年齢はバラバラじゃないか?
ひよこと猫丸が同じ年齢とは思えん



絶望時代が3年くらい、入学が秋くらいだとして、スカウトされた時期を適当に考えてみた。


日向(19) 高2

狛枝(20) 高2 

豚神 不明

田中(20) 高3

左右田(20) 高2

花村(19) 高1

弐大(20) 高3

九頭龍(21) 高3

終里(19) 高1

七海(19) 高2

ソニア(18) 高1

西園寺(19) 高2

小泉(20) 高2

罪木(21) 高3

澪田(18) 高1

辺古山(21) 高3


自分の独断と偏見であり、公式ではありません。もしかしたら、いろいろと矛盾してるかも。

本編ではAIだった七海さんも、このスレでは実在しています。

ちなみに皆は記憶を失っているので、小泉さん以外は3歳くらい若返ります。






ド―ン!!!!


(今小泉さんは、こんな格好をしています。)



http://i.imgur.com/RbBAZo5.png






モノミ「ジャジャ―ン!!変身大成功~!!!!その名も、まひるん☆ロンパでちゅ!!」


小泉「お…おぉふ…。」

西園寺「うわぁ…本当に、変身しちゃったよ。」

モノミ「そりゃそうでちゅ!!あちしは、すごいんでちゅよ~!!」


西園寺「あまりのことに小泉おねぇ、言葉を失ってるみたいだけど?」

モノミ「大丈夫でちゅ!!突然のことに一時現を抜かしても、直ぐに幻想から帰還できるはずでちゅ!!」

西園寺「魔法少女なのに、幻想から抜け出さないといけないなんて。世知辛いねえ。」


小泉「…あ。あ。」

モノミ「ホラ。だんだん、意識がフィ―ドバックしてきたようでちゅよ!!」



小泉「…き。」

西園寺「き?」






小泉「きゃぁああああああああああああああぁあああああ!!!!!!」ピコピコピコピコ



西園寺「耳をつんざかんばかりの、甲高い悲鳴…。よほどのショックだったんだね。」

モノミ「後ろの羽根がはばたいてるのは、感情が高ぶっている証拠でちゅ!!魔法少女になれたことが、よほどうれしかったんでちゅね!!」

西園寺「すごく楽観的な考え方だね!!」




小泉「ま、まぁ…本当に魔法少女になっちゃったことに対する、困惑があるのは確かだけど…」

小泉「それ以前に、いろいろと問題があるのよ!!」ピコピコ


西園寺「ちょっと、ヤバい。小泉おねぇの羽根が動くのが、すごくツボる。小泉おねぇ、もう1回やって!!」

小泉「見世物じゃないのよ!!!!」ピコピコ




モノミ「それで、なにが問題なのでちゅか?」

小泉「この服よ、この服!!」

モノミ「ええ?可愛いじゃないでちゅか。後ろに、天使の羽根がついてまちゅよ!!」

小泉「問題はそこじゃない!!もっとこう、根本的な…!!」


西園寺「確かにね。特に下半身がダサいね―。なにあれ、ヒトデマンでもついてるみたい!!」

西園寺「色のバランスも、絶望的にあってないし!!」

西園寺「まあそこは1のセンスの問題だから、仕方ないよ!!」

小泉「そ、そうじゃなくて…!!そ、その…」




小泉「ま、前が…!!」

西園寺「ああ…かなり大胆だね。へそどころか、真ん中をほとんど露出させて。」

西園寺「いつも清楚な服しか着ない模範的な小泉おねぇからは考えられないっていうギャップで、エッチさ倍増だね!!」

小泉「や、やめて、見ないでぇ!!は、は、恥ずかしい!!」


小泉「は、早く何か、上に羽織る物を…!!」

モノミ「ダメでちゅ!!魔法少女の正装を崩すと、力が失われてしまいまちゅ!!」

小泉「なによその要らない設定は!!?」




西園寺「あ。ここに、小泉おねぇのカメラがあるよ!!じゃ、張り切って行ってみよ―!!」

小泉「え、ちょ!!」


西園寺「ほら、小泉おねぇ!!体を隠してないで、ちゃんとポ―ズ決めて!!」

小泉「待ってよ日寄子ちゃん!!こ、こんなトコ、撮らないでよ!!」

西園寺「若く美しい自分の写真は、年取ってからじゃ撮れないんだから!!小泉おねぇだって、美しい自分を切り取っておきたいでしょ?」

小泉「言葉巧みに女の子を脱がそうとするカメラマンみたいな発言はやめて!!」


西園寺「小泉おねぇはもう脱いでるけどね!!いつもはカメラマンな小泉おねぇは、今回は被写体になりたいんだってさ!!」

小泉「ま、待って!!アタシ撮るのは慣れてるけど、撮られるのは全然…!!」

西園寺「そんな撮り甲斐のある恰好してるくせに、グチグチ言わないの!!小泉おねぇなら、間違いなくシャッタ―切ってるところだし!!」

小泉「ひ、否定できない…。」



西園寺「はい、チ―ズ!!」

小泉「いやっ…!!」





パシャッ



小泉「っ…!!」ピコピコピコピコ

モノミ「うわぁ…ビックリするほど可愛らしく撮れてまちゅね。」

西園寺「うん。正直自分でも怖くなるくらい、一生に1度あるかないかくらいの会心の出来だよ!!」

小泉「やめてぇ!!アタシの黒歴史を、形に残さないでよぉおおお!!!!」ピコピコピコピコ



小泉「魔法少女の服装って時点で痛いのに。こ、こんなに肌を露出させて…!!」

西園寺「平気だって!!今の小泉おねぇ、すごくかわいいし!!ちょっとセクシ―な服だと思えば問題ないよ!!」

小泉「お、大アリよ…。アタシ、生まれてこの方、こんな派手な服着た事ないし…。」


モノミ「そうでちゅね。まひるん☆ロンパさんは、いっつも地味なジャンパ―スカ―トでちゅからね。」

西園寺「服装って、いつも皆同じ服を着てるような気がするけどね!!」

小泉「それは大人の事情よ!!」




小泉「と、とにかく、こんなの魔法少女の衣装ですらないわよ。」

小泉「言うなれば、ただの罰ゲ―ムよ…。少なくとも男子の前には、絶対に出ていけない…。」

モノミ「そんな!!まひるん☆ロンパさんは、せっかくの一張羅にケチをつけるんでちゅか!!?」

小泉「っていうか、ずっとその名前で呼ぶつもり!!?ネ―ミングはもうちょっと考えようよ!!」



小泉「だ、だって、他のどの魔法少女を取ってみても、こんなに露出度の高い衣装の魔法少女なんていないもの!!」

西園寺「そもそも、成人してる魔法少女自体が…」

小泉「うるさい!!その辺からは、全力で眼を逸らす予定なのよ!!」ピコピコ


モノミ「若い娘の売りは何と言っても、あどけない少女から大人の女に成長する過程の妖艶さでちゅからね!!」

モノミ「魔法少女とは、そういった発展途上の少女の意思や願望を象徴した物でもあるんでちゅ!!」

モノミ「それがない年増は、もう色気で対抗するしか」

小泉「眼を逸らすって言ってるでしょうが!!!!」ピコピコ

西園寺「ちなみに、腹出してる人なら他にもいた気がするけどね。○ュア○リ―とか。」




小泉「それにこのスカ―ト…スカ―トなの?これ。とにかくこれ、すごく短いような気がするし。」

小泉「し、下着が見えたりしないよね?」

西園寺「いつもはいてるスカ―トも、それくらいだった気がするけど…。」



モノミ「そうでちゅね。本来の魔法少女には、パンチラ防止の力が働くはずなのでちゅが。」

小泉「え?」


モノミ「見たことないでちゅか?魔法少女たちの下腹部を守護し続ける、重力に逆らうスカ―トを。」

西園寺「それは魔法少女だからなの…?朝にやってるせいでしょ。」


モノミ「それと同じように、まひるん☆ロンパさんにもその力が働いてるはずなんでちゅが。」

小泉「なんか、歯切れが悪いわね。なにか、異変が?」





モノミ「そうでちゅ。あちし達の場合はパンチラ防止のために、オムツをしているはずなのでちゅ。」

小泉「オムツ!!?」

西園寺「オムツ!!!?」


モノミ「まひるん☆ロンパさんの頭にあるリボンは、あちしの格好が小泉さんの衣装に反映されている証拠でちゅ。」

モノミ「オムツも、それと同様なはずでちゅが…」

小泉「…」←確認中


小泉「いや…オムツなんてはいてないわよ。」

西園寺「うん。正直、オムツは反映されなくても良いって。」




モノミ「となると…より強い思念が働いたことになるのでちゅね。」

小泉「“より強い思念”…?」



モノミ「魔法少女の衣装は、『自分らしさ』を最も良く表したものになるのでちゅ。」

西園寺「小泉おねぇらしさ、ねぇ。良く見てみれば胸元の宝石も、カメラのレンズに見えなくもないね!!」

西園寺「ちょっとそれ、良く見せてよ小泉おねぇ!!」

小泉「えぇ!!?そ、それはちょっと…」

西園寺「どうしたの?」


小泉「だ、だってこの服の構造、イマイチわかんないし。コレを取ったら、もしかして前が全部はだけたり…」

西園寺「ああ…そういう意味でも、かなり危なっかしいね。その衣装。」



モノミ「だからまひるん☆ロンパさんの『こうありたい!!』と強く思う気持ちが、オムツを消滅させてしまったのでちゅ!!」

小泉「は…?どういうことよ、それ。」


西園寺「なるほど、そういうことか。」

小泉「え?」





西園寺「小泉おねぇは何があっても、紐パンをはきたいと思ってるってことだよ!!」

小泉「嫌なところに議論が行き着いたぁあああああ!!!!!」ピコピコピコピコ


モノミ「セクシ―でありたいと思うまひるん☆ロンパさんの気持ちが、パンチラを肯定したのでちゅ!!」

モノミ「だからまひるん☆ロンパさんが今はいている下着が、オムツではなく紐パンになってしまったのでちゅ!!」

小泉「ちょ、そんな大きな声で言わないでよ!!」


モノミ「きっとまひるん☆ロンパさんの前衛的な衣装も、そういったスケベな気持ちが生み出した賜物なのでちゅよ!!」

西園寺「前衛的って認めちゃったよ…。」




小泉「そんな…!!じゃ、じゃあこの服装は、アタシが望んだ物だったっていうの!?」

小泉「心の底ではアタシは、こんなはしたない衣装で自分を着飾りたいと…?」

西園寺「うわぁ…。」


小泉「や、やめて!!そんな眼で、アタシを見ないで!!」ピコピコ

小泉「肉欲に塗れた汚らわしいケモノに成り果ててしまったアタシを、蔑み哀れむのはやめてよおおおぉおおおお!!!!」ピコピコピコピコ


モノミ「心配無用でちゅ!!ケモノはケモノでも、あちしのように可愛らしいケモノもいるので!!」

小泉「何の慰めにもならないわよ!!」




モノミ「何はともあれ、魔法少女になったことで基礎能力がグンと上がっているはずでちゅ!!」

モノミ「体の頑丈さは常人の40倍!!破壊力は50倍!!跳躍力は30倍!!瞬発力は9875倍!!スタミナは11037倍でちゅ!!」

西園寺「すご―い!!まさに、百人馬力だね―!!」

小泉「それもう、世界征服できるんじゃない?」


小泉「と、とにかく。他の人にこの姿を見られる前に、早く用件を済ましちゃいましょう。」

西園寺「魔法少女の姿にまず驚いて、間を置いた後に露出度の高さに驚くという、2段重ねだね!!それはそれで面白そう!!」

小泉「面白いのは日寄子ちゃんだけだから!!アタシは全然、面白くないもん!!」

小泉「特にアイツに、こ、こんな格好を見られたら…間違いなく、幻滅されちゃうし。」

小泉「男子に見られる前に、早くモノケモノをやっつけよう!!」

西園寺「女子に見られてもいろいろまずいだろうけどね!!」


モノミ「そうでちゅね。では早速、あちしに着いて来てくだちゃい。」

西園寺「よし、レッツゴ―!!」

小泉「…」





小泉「…あれ?日寄子ちゃんは、魔法少女にならないの?」


西園寺「え?どうしてわたしが?」

小泉「いや、だって…ねぇ?そもそも言いだしっぺは、日寄子ちゃんだったよね?」

西園寺「いいじゃん別に。ホラ。わたしってメインで活躍するより、第4の壁の向こうで野次を飛ばしてる方が性に合ってるし!!」


小泉「そ、そうかもしれないけど…。日寄子ちゃんもやると思ってたから、恥ずかしさにもまだ耐えられるかと思ってたのに!!」

小泉「このままいろいろと、なあなあで流されて。アタシだけが、こんな罰ゲ―ムを喰らわされることになるの!!?」

小泉「なんかすっごく、詐欺にひっかかった気分だよ!!こんな理不尽な貧乏くじ、聞いたことないって!!」





西園寺「ねえ、小泉おねぇ。」


小泉「え?」



西園寺「どんな時でも、決して忘れないでね。」

西園寺「友情の、大切さを。」


小泉「う、うん…。」




西園寺「じゃ、行こうか!!」

小泉「騙されないわよそんなので!!なにちょっと、良いこと言ったつもりになってんの!!!?」


モノミ「ケンカはいけまちぇ―ん!!」

小泉「モ、モノミも言ってやってよ!!日寄子ちゃんにも、魔法少女になるように!!」

小泉「そうしないと、モノケモノをやっつけられないんでしょ!!?」


モノミ「いや別に。1人いれば十分でちゅ。」

小泉「謀ったわねこのクソウサギ…!!!!」ピコピコ



モノミ「まひるん☆ロンパさん。人が嫌がっていることを強要しちゃダメでちゅよ。」

小泉「アンタが言うな!!アンタが言うな!!」ピコピコ

小泉「大事なことだから、何度も言うけど!!アンタが言うなぁあああああああああああ!!!!」ピコピコピコピコ




小泉「何よ、2人してアタシを陥れようとして!!やってらんないわ、こんなこと!!」

小泉「アタシ、帰らせてもらうから!!こんな仕事、もうたくさんよ!!」

西園寺「でも小泉おねぇ、モノミがいないと服装を戻せないんじゃ…」

小泉「…あ。」

小泉「ま、まあ、コテ―ジに戻りさえすれば、いくらでも着替えができるし…」





モノミ「手伝ってくれないのなら、さっきの写真を皆にばらまきまちゅ。」


小泉(モ、モノミがくろ―い…。)ピコ…ピコ…




次回予告


小泉「どうしたの、日寄子ちゃん!!」

西園寺「うわ~ん!!助けて、まひるん☆ロンパ!!怪獣が、島で暴れてるんだよ―!!」

小泉「平凡な人たちの幸せを奪おうなんて…!!アタシ、堪忍袋の緒が切れました!!」

モノミ「うふふふふ…魔法少女がだいぶ板についてきたようでちゅね、小泉さん。」

モノミ「ら~ぶら~ぶ…」


「グフフ…どうやらついに、誕生したようだな。魔法少女、まひるん☆ロンパ…。」

「ちょこまかとわずらわしい奴だ…。」

「だが奴は、魔法少女四天王の中でも最弱…。」


小泉「え…?アナタは、一体…!!?」

「さあ、私の名を呼べ!!」

小泉「アナタの名は…!!」


西園寺「ちょ、こんなに風呂敷広げて大丈夫!!?」

モノミ「大丈夫でちゅ!!8割は回収せずに投げまちゅから!!」


小泉「次回!!もし小泉さんが魔法少女だったら、第3話!!『ライバル出現!?』」

小泉「皆で幸せ、論破だよ!!」



さらっと11037が混ざってることにクスッと来た
どこの二割を拾うんだろう

おーつおーつ
朝日奈ェ…


日寄子の魔法少女姿も見てみたかったけど仕方ないね!



―中央の島 空き地―


ボスケモノ「ゴシャ―!!!!」


バサバサッ!!


モノミ「アレと戦うんでちゅ!!さあ行きまちゅよ、まひるん☆ロンパさん!!」

小泉「…え―。」


モノミ「どうしたんでちゅ?なんか、呆けてないでちゅか?」

小泉「だってぇ。」




ボスケモノ「ギャオ―!!!!」


グオングオン!!

ダダダダダダダ!!!!


西園寺「すごく荒ぶってるね、あの鳥型モノケモノ。縦横無尽に飛び回って、内蔵されたマシンガンを放ちまくってるよ。」

小泉「エネルギッシュなその姿は、まるで水を得た魚のよう…。鳥型のくせに。」


モノミ「そうでちゅね。あのモノケモノは、さっきおいしい肉を食べたばかりでちゅから。」

小泉「その肉って、ウサギの肉じゃないでしょうね?」

モノミ「どうしてわかったんでちゅか!!?」




ボスケモノ「グオォ―!!!!」


小泉「…あっ。アイツ、近くの木を喰い千切った。」

西園寺「グシャグシャと咀嚼して…あれ、ペッと吐いちゃった。」

モノミ「きっと、まずかったのでちゅね。あのモノケモノは肉食なので、本来木は食べないんでちゅ。」

小泉「機械のくせに、肉を食べるの…?」


西園寺「本来は肉食なのに、木まで食べようとするなんて…よほどお腹がすいてるんだね。」

小泉「う、嘘ぉ…さっき、ウサギ肉を食べたばっかりじゃなかったの?」

西園寺「きっとアイツ、産卵期なんだよ!!丈夫な子を産むために、脂肪分を多めに蓄えてるんだ!!」

西園寺「母鳥のそんな健気な気持ち、“超高校級のおかん”の小泉おねぇなら良くわかるよね!!」

小泉(こんな姿のお母さんを子供が見たら、もはやトラウマものでしょうね…。)ピコピコ




モノミ「あんな強いのが子供を産んで、大量発生しちゃったら敵いまちぇん!!急いで倒すのでちゅ!!」

小泉「いや、機械だから子は産まないって…。」



西園寺「しかし冬眠前の動物は、獰猛らしいし。」

小泉「今度は冬眠前の設定なのね…。」

西園寺「今度はアイツ、人肉を食そうと欲してるんじゃないかな。」

小泉「じ、人肉!!?」ピコッ

西園寺「小泉おねぇは、健康的な肉付きをしてるから。お腹まわりなんかは、きっとごちそうだね。」

小泉「きゃあああああ!!!アタシを食べても、おいしくないってぇ!!!」ピコピコ


西園寺「ねぇ、小泉おねぇ。こんな話を知ってる?」

小泉「え?」

西園寺「崖の下に、飢え死に寸前のトラの親子がいてね。それを見かねた人が、自分の体を崖の下に捧げて」

小泉「嫌よそんなのぉおおおおおおお!!!!」ピコピコピコピコ




モノミ「そんな!!ここまで来て、怖気づいたとでも言うのでちゅか!!?」

小泉「あ、当たり前でしょ!!アタシ、こんなところで死にたくないし!!」

小泉「あんな化け物のランチタイムのメニュ―になるなんて、ごめん被るわよ!!」


小泉「しかも、こんなアホみたいな衣装を着たまま食べられるなんて。そんな死に恥をさらす最期、誰が望むっての!!?」

モノミ「アホみたいって…その衣装は、まひるん☆ロンパさん自身が望んだ物であって」

小泉「それは言うなぁっ!!!!」ピコピコ




モノミ「それに、食べられるなんてあるはずがないでちゅ!!モノケモノに負けないために、魔法少女になったのでちゅから!!」

モノミ「体の耐久だって、常人のものさしでは測れない位にアップしてるのでちゅ!!モノケモノの体当たりなんて、はじき返せまちゅ!!」

小泉「だってモノミのいう事だから、信ぴょう性がないし。」


モノミ「あのモノケモノが使っている重機関銃も対戦車用ライフルもグレネ―ドもロケットランチャ―も。」

モノミ「今のまひるん☆ロンパさんなら、喰らったって…」



モノミ「まぁ死にはしないでしょ!!」

小泉「ちょ!!なんか、1番大事なところがすんごい適当な感じに投げられてるじゃないの!!!!」ピコピコ

モノミ「…と、モノミはモノミは何の根拠もなくハッタリかましてみたり!!」

小泉「やっぱりハッタリだったの!!!?」ピコピコ




小泉「それに、魔法少女になったと言ってもさ。こ、この衣装、いろんな場所が守れてないし…。」

西園寺「そうだね。露出部分とか、普段着の時よりも守れてない物が多いね!!」

西園寺「むしろ以前よりも多くの目線を集めそうだよね!!主に男どもから!!」

小泉「ほ、本当にそれは勘弁してほしいわね。そういう目線を浴びるの、すごく嫌だし。」



西園寺「小泉おねぇは、男を寄せるに十分な魅力が自分の身体にあるっていう自信を持ってるんだね。」

小泉「…あれ?え?アタシってもしかして、暗に自惚れてたの?」

小泉「なんか、どうしようもなく複雑な気分。だから初めから、魔法少女なんかにならなければよかったのよ!!」ピコピコ




モノミ「それで、何が言いたかったんでちゅか?」

小泉「そ、そうそう。いろいろツッコミどころ満載で、話がこんがらがってたわ。」


小泉「今は、この衣装の耐久性について話してるのよ!!いくら魔法少女になって、この衣装に身を包んだところで。」

小泉「肝心のこの衣装で、守れてない部位が多すぎるってことが言いたかったの!!」

小泉「お腹とかに直撃したら、間違いなくアウトじゃん。」



モノミ「その辺については、ご心配なく!!その服が守っている部分は、布地の部分だけではありまちぇんから!!」

モノミ「布地におおわれていない身体の部位も、キッチリと謎の魔法少女パワ―で守られているのでちゅ!!」

西園寺「謎の魔法少女パワ―って、何だよ…。」


モノミ「ドラ○エとかで、しんぴのビスチェ等を装備した時に気になりまちぇんでちたか?」

モノミ「鉄の鎧よりもはるかに露出度が高くてヒラヒラしてるのに、防御力がずっと高い。」

モノミ「おまけに魔法に強かったりもするのでちゅ!!」

小泉「何の話をしてんのよ!!?」




モノミ「それと同様のことが、魔法少女の服装でも言えるのでちゅ!!」

モノミ「あちしだってそうでちゅ!!リボンやオムツを変えただけで耐久力が上がるのは、そういう魔法がかかっているからなのでちゅ!!」

小泉「…どうにも信用できない。」



モノミ「仕方ないでちゅね…。すこしお手本を見せまちゅから、そこで見ていてくだちゃい!!」

モノミ「とお―!!」

小泉「あっ。モノミが、モノケモノに果敢に攻めて行った。」

西園寺「無謀に、の間違いじゃないの?」




ゴォオオオオ!!!!

やああああああ!!!!


キィイイイイイン!!!!

負けまちぇんよぉおおお!!!!


バキ、スカ、ドガ―ン!!!!

ぎゃああああああ!!!!!


チュドドドドドドォオオオオ!!!!!

ギエピ―!!!!



モノミ「ま、参りまちたぁ~。」

小泉「何の手本を見せるつもりだったのよ、何の。」




モノミ「だから言ったじゃないでちゅか。1人じゃ勝てないから、まひるん☆ロンパさん達の手を貸してほしいって…。」

小泉「アタシ達、生身の人間の立ち入る隙がないのよ。」

西園寺「そんな恰好をしてる人が言っても、説得力が」



小泉「日寄子ちゃん?」ピコピコ

西園寺「ごめんなさい。」




モノミ「確かに、いきなり本番へ行くのは早まりすぎでちたね。なら、こうしまちょう。」

小泉「え?」


モノミ「プロのスイマ―だって、プ―ルに入る前には必ず準備体操をして、心臓に水をかけるのでちゅ!!」

西園寺「え?それって本当?」

小泉「さあ?モノミが言うんだから、間違いないんじゃないの?」



モノミ「だからまひるん☆ロンパさんも肩慣らしに、他の何かと戦ってみるのでちゅ!!」

小泉「他の何か?ザコケモノとか?」

西園寺「ザコケモノ…?あの、鳥型の下にいる奴らのこと?」

モノミ「いえいえ。あんなの弱すぎて、まひるん☆ロンパさんの踏み台にもなりまちぇん。」

小泉(やだ。このモノミ、だんだん腹黒に見えてきた。)ピコピコ


モノミ「気を付ける事と言えば、トゲを踏むと想像以上にダメ―ジを喰らうことでちょうか。」

西園寺「そういう身内ネタは、理解されなければ電波だと思われるからやめた方がいいよ―。」




小泉「それで。アタシと、誰を戦わせようっての?なんか、イヤな予感がするけど。」

モノミ「はい。今呼びまちゅ。」

西園寺「呼ぶ?」


モノミ「だんなんげんになめだもてっやをになでくあつれでかろおでくあいさでいていさにきていてっけはくぼ…」

小泉「な、なんか変な呪文を唱え出してるけど…。」





モノミ「キェエエエエエエエエエエエエエイ!!!!」

西園寺「うわっ」




次回予告


モノミ「あらすじ。まひるん☆ロンパさんが魔法少女になったは良いものの、彼女は予想以上のヘタレでちた。」

西園寺「モノミもどんどんモノクマに近づいてるような気がするけどね。」


小泉「怖気づいていられないのよ。だってアタシは、魔法少女!!」

小泉「アタシがやらなきゃ、みんな不幸になっちゃうんだもの!!」


小泉「っていうかもう、次回予告ネタがないのよ!!いつまでアタシに、こんなキャラ崩壊満載の次回予告をさせるつもりなの!?」

小泉「魔法少女がうんたらも、この次回予告も、どうせ勢いでやっちゃった系なんでしょ!?」

小泉「だってほら。前回の次回予告、題名の意味すら回収できてないし!!」

小泉「もしドッキリハウスをこのネタで切り抜けたりしたら、徹底的に叩いてやるから!!」


小泉「次回!!もし小泉さんが魔法少女だったら、第4話!!『女子力をあげて逝こう!!』」

小泉「胸のキュンキュン、止まらないよ(ヤンデレ)!!」


乙。
ちょwwwwww呪文狛枝wwwwwwww


まひるん☆ロンパさんにドッキリハウス壊してもらおう(提案)

ほほう



小泉「で、何だったの?今の呪文は。」

モノミ「当然、召喚魔法でちゅ!!」

西園寺「召喚?」


モノミ「今の小泉さんにとって、最適な好敵手となれる相手がここに現れまちゅ!!」

西園寺「最適な好敵手…?要は、良い感じの練習台ってこと?」

モノミ「練習台って…なんか、イヤな響き!!」


小泉「でも…その『最適』ってのは、どういう基準で決まるのよ?」

モノミ「それは当然、綿密な研究成果と前世より決められし因果律の定めからはじき出された唯一無二の真実…」

小泉「分かりやすく!!」ピコピコ




モノミ「要は、安価で決まるのでちゅ!!この前投下の終わりに募集した奴でちゅよ!!」

小泉「あちゃ―。何を言い出すのよ、このウサギ。何よ、安価って。」

西園寺「ホントだよ。皆から無視され続けて、遂に頭の中だけお花畑に直行しちゃったみたい。」



モノミ「ちなみに最初は、多数決で決めようかなとか思ってたのでちゅが。」

モノミ「安価はものの見事に分かれていて、候補が10人近くいる羽目になりまちた。」

モノミ「だから仕方なく、コンマが高い奴か低い奴にしようかなとか考えたのでちゅが。」

モノミ「1週目であまり活躍しなかったキャラに出番を与えたい!!とか思ってたので、1週目の生き残りは控えたかったのでちゅ。」


モノミ「で。コンマを見てみると、まあピンポイントでちゅね。本格的にどうしようか困り果ててしまったわけでちゅ。」

モノミ「それもこれも、安価の位置を指定するのをめんどくさがった1が悪いのでちゅね。」



西園寺「なんか…ヤバいよ、コイツ。急に、わけのわかんない話を羅列しだしたよ。誰も聞いてないのに。」

西園寺「完全に、現実と虚構の区別がつかなくなっちゃってるって。」


小泉「現実と虚構の区別がつかない方。生きているのが辛い方。犯罪行為をする予定のある方。何かにすがりたい方。殺人癖のある方。」

小泉「このスレには精神的嫌悪感を与える内容が含まれています。」

小泉「上記に該当する方はこのスレの閲覧をご遠慮くださるよう、あらかじめお願い申しあげたいわ。」

西園寺「それを言うなら、5章の最初が良かったんじゃないかなぁ。」




モノミ「で。で。で。もう仕方ないので、早い者勝ちということに決めたのでちゅ!!」

小泉「なんか、良くわからないけど…要するに、ここに誰か来るのよね?16人の中の、誰かが。」

小泉「じゃあ、その…か、隠れなきゃ!!」

西園寺「隠れる?どうして?」


小泉「あたり前でしょ!!今のアタシのこの格好を見れば、一目瞭然じゃない!!」ピコピコ

小泉「ここに来るのが、もしかしたら男子かもしれないし…!!」

小泉「こ、こんな格好、男子共に見られるのだけは絶対にいや!!」


モノミ「そんな!!それじゃ、せっかくあちしが呪文を唱えた意味がなくなっちゃうじゃないでちゅか!!」

小泉「別に良いでしょ、減るもんじゃないし!!」

西園寺「小泉おねぇのその姿だって、別に減る物じゃないと思うけど。」

小泉「いろいろと減るのよ!!アタシの社会的ステ―タスが!!人間の尊厳的な何かが!!」ピコピコ

小泉「いままで緻密に積み上げてきたアタシのイメ―ジが、いろいろと崩壊する危機に瀕しているのよぉおおおお!!!!!」ピコピコピコピコ

西園寺「今の小泉おねぇのイメ―ジって、九頭龍を殺そうとした危険人物じゃなかったっけ?」




小泉「とにかくアタシは、このあたりで退却…」




終里「おう、西園寺とモノミじゃねぇか!!」

モノミ「あ。終里さんでちゅか。」

西園寺「こんなところで何してんの、アンタ。」

終里「もちろん、おっさんとの特訓だぜ!!アイツと戦うと、すっげぇワクワクすんだ!!」

モノミ「またでちゅか。終里さんも、あまり無理しないでくだちゃいね。血が出てまちゅよ。」

西園寺「わたしらをモノケモノと戦わせようとしてるアンタが言う?」




終里「ところでよ。ここに西園寺がいるのなら、多分小泉も…」



終里「…」

小泉「…」

終里「…」

小泉「…」


小泉(終わった。)





終里「…そうか。小泉も、大変なんだな。」

小泉「え?」

終里「お前がそんな恰好をしてるのって、アレなんだろ?」

終里「貧乏だからだろ?」

西園寺「はい?」



終里「オレだってそういう経験があるぜ。生きるために、パンツを脱ぐように指示されたりな。」

終里「そういう姿に、どういうわけか金を落とす連中がいるからな。」

小泉「お、重い…!!こんな姿で憂えているアタシがてんで赤子扱いなレベルよ!!」

終里「そうか?小泉の方が、脱いでる面積が広いぜ。オレはそっちの服の方がキツいかな。恥ずかしいって。」

小泉「不幸自慢で赤音ちゃんに勝つのは、とっても複雑よ…。」




終里「小泉も、そんな恰好をしてまで金が必要なんだろ?養わなきゃならねぇ弟妹でもいるのか?」

終里「辛いだろうけどよ…それで誰かを守れるなら、やれる気がするもんだぜ!!」


小泉「な、なんか良い話にまとめようとしてるけど…違うの、赤音ちゃん。別に、お金とかそういう問題じゃないのよ。」

終里「なんだと?じゃあ、もしかしてアレか?」

終里「別の弱みを握られたりしたのか?」

小泉「えっ!!?」


終里「小泉は、金には困ってねぇんだよな。」

終里「なら、金以外の弱みに付け込まれたとしか思えねぇ。」

終里「だから小泉は、そんな露骨に女っぽい姿を誰かに強要されたってことだろ?」

終里「小泉は良い奴だってオレは思ってるから…きっと、汚い方法でつくられた弱味なんだ!!」

小泉(やだ。当てずっぽうのように見えて、当たらずとも遠からずって感じ!!)ピコピコ




終里「許せねぇな…!!人の弱みにつけこんで、好き放題やるなんてよ!!卑怯だぜ、やるなら正面からやれっての!!」

小泉「ホントよね。」

西園寺「うんうん。」

モノミ「その通りでちゅ。」




小泉「…」

モノミ「アレ?なんでちゅか。『お前が諸悪の根源だろうが!!』みたいな、その眼差しは?」

小泉「事実でしょうが!!!!!」ピコピコピコピコ




小泉(何はともあれ、赤音ちゃんはアタシの格好をどんな形であれ受け入れてくれたみたいね。)

小泉(そもそも赤音ちゃんは女子だから、傷はそこまで深くないし。)


小泉(最初は終わったかと思っていたけど、これならなんとか…!!)




弐大「応!!どうしたんじゃあ、お前さんら!!」

西園寺「あれ?弐大おにぃも来たの―?」

弐大「ちょっと目を離した隙に、終里の奴がおらんくなったけんのう。ちょっと探しておったのじゃあ。」

終里「おう、そうだったな!!そういやあ、バトルの途中だったぜ!!」

弐大「どこに行ったかと思えば、西園寺と小泉の所に…」


弐大「小泉の…小泉?」


小泉「…」

弐大「…」

小泉「…」

弐大「…」


小泉「\(^o^)/」




次回予告


モノミ「どうやら、来たようでちゅね。最適の好敵手…。」

小泉「まさかモノミが召喚した相手が、弐大だったなんて…(驚愕)!!!!」

西園寺「でも、弐大おにぃだって1週目の生き残りじゃ…」

モノミ「安価とは恐ろしいものでちゅ。仕方ないことなのでちゅ。」


弐大「がっはっはっは!!!!さあどんどん来い!!」

弐大「マネ―ジャ―として貴様のそのしなやかな肉体、隅々まで余すところなくいじめ抜いてやるわい!!!!」

小泉「な、なんかむず痒い表現ね。この格好とも相まって、貞操の危機を感じるわ。」


西園寺「やったれ、まひるん☆ロンパ!!」

モノミ「脇をしめていくのでちゅ!!」

終里「おっさんが…危ねぇ…!!!!」


小泉「次回!!もし小泉さんが魔法少女だったら、第5話!!『いつまで続けんだよ、これ!!』」

小泉「皆のハ―ト論破だよ(多用)!!」



終里さんめっちゃ良い奴でワロタwwww

九頭竜編という長い長いシリアスを超えたせいで狛枝理論でカオスが荒ぶっておられる…
それはそうと魔法(少)女姿の絵普通に上手くなっててワロタ

アホの子で片付けられがちな終里だけど本当はこういう過去背負ってるんだよな
つい忘れそうになる



弐大「な、なんじゃい小泉、その格好は…」


小泉「待って弐大、ドン引きしないでぇ!!意外と常識的なアンタの、あまりに適切過ぎるその反応が今は辛い!!」

小泉「コレは違うの!!アレなのよぉ!!アレがアレで、アアなった結果なのよぉおおおおお!!!!!」ピコピコピコピコ

終里「焦りすぎで、何が言いたいのかサッパリわかんね―ぞ。」




西園寺「あのね、弐大おにぃ。小泉おねぇはね、とうとう羞恥プレイに目覚めちゃったみたいなんだよ―。」

小泉「コラ日寄子ちゃん!!ごく自然に嘘を吹き込まない!!あと、『とうとう』って何よ!!?」


弐大「羞恥、か。一流のアスリ―トになりたいのなら。確かにそれは、ある意味で捨てなければならんものじゃろうな。」

弐大「恥も外聞も捨ててトレ―ニングに明け暮れた者のみが、勝利の栄光を掴み取れるのじゃからのう。」

モノミ「良いことを言いまちゅね、弐大くん!!周りからどれだけバカだなんだ言われようと、金のためなら特訓あるのみでちゅ!!」


小泉「今回の場合における羞恥とそれとで、ニュアンスが全く違うでしょうが!!」

小泉「アタシの場合はその、何の意味もない辱めなの!!能動的な行動による恥じゃなくて、ただ存在するだけで発生する恥なの!!!!」

小泉「アタシはもう、羞恥心で身も焦げそうなのよぉおお!!!!」ゴォ-

西園寺「あっ、小泉おねぇの顔から火炎放射が出てる!!」

終里「すげぇな、一種の曲芸か!?金儲けできそうだな!!」


モノミ「ついにやりまちたね、小泉さん!!」

モノミ「恥ずかしさが極限に達した時にのみ発動できるその技こそが、超必殺技『プラトニック・フレ―ム』でちゅ!!」


小泉「…」ゴォ-

モノミ「キャアアアア!!!!こっちを向かないでくだちゃい!!焼きウサギになっちゃいまちゅ!!」

小泉「むしろなりなさいよ!!!!」ゴォ-




小泉「と、とにかく!!これ以上この姿をさらしてたら、恥爆発を起こしちゃいそうだから!!」

終里「恥爆発って、なんだ?うめぇのか?」

小泉「せめて弐大は、もうどっか行ってよ!!」


弐大「そうか?そいつはちょっと、惜しく感じるのう。」

小泉「はぁ!?」



弐大「お前さんはいつも、ボディラインがわかりづらい服を着ていたからのう。」

弐大「小泉の肉体を、今まで真摯に観察したことはほとんど無かったのじゃが。」

弐大「体の大部分を露出しているその姿を見て、ワシは気付いた!!!!」

小泉「だ、だから見るなって言ってんでしょ!!」ピコピコ


弐大「ガッハッハッハ!!ワシは今まで、何人もの肉体をじっくりと観察してきた!!」

弐大「小泉を全身ネットリとなめまわすように観察したところで、今更何を恥ずかしがることがあるんじゃあ!!」

小泉「ダメだ。一方通行にしか進んでいかないこの議論に、アタシの勝ち目はないわ…。」



終里「それで?おっさんは、小泉からどんな才能を読み取ったんだ?」

弐大「そうだな。ズバリ言うと、小泉。お前さんは、持ち前の変幻自在なテクニックで…」





弐大「女子プロレス界に、神風を巻き起こすのじゃあああああああ!!!!!」

西園寺「こ、小泉おねぇが!!」

終里「女子プロレス!!?」



弐大「何よりも注目すべきは、その肉体の柔らかさ。」

弐大「筋肉の配列は正直言ってあまり良くなく、力強さに欠けるところがあるのは否めん。」

弐大「しかしそれを補って余りあるほどのポテンシャル!!独特の技術で、強い力も軽くいなせる!!」

弐大「写真家として培ってきたその観察眼を合わせれば、相手の動きを予知するレベルまで到達できるはずじゃ!!」

弐大「力技でねじ伏せるのが主流になっている風潮を逆手にとった、台風の眼になり得るか…!!」




弐大「決めたぞ!!どうだ小泉よ、ワシにマネジメントをさせてみないか!!」

小泉「な、なんか話がどんどん変な方向に行ってない!?い、いやよアタシ、女子プロレスなんて!!」

弐大「『なんて』とは、失礼じゃのう。暴力的だという偏見が行き渡りやすいのかもしれんが。」

弐大「ワシの手にかかれば、お前さんを世界一のプロレス王者にしてやることも可能!!」

弐大「強者の頂点に立つその快感、小泉にもわかって欲しいぜよ!!!!」


西園寺「それにプロレスって、恥ずかしい格好をすることもあるからね!!今の小泉おねぇの格好も、それに耐える特訓のようなものだね!!」

小泉「いくらプロレスでも、これ以上の羞恥はそうそうないと思うんだけど!!?」

終里「なるほど、だから小泉はそんな恰好をしてたのか!!」

弐大「小泉、お前さんという奴は…!!言葉にせずともワシの思いを理解してくれる、マネ―ジャ―思いの良い選手じゃのう!!」

小泉「ちょっとアンタ!!なに都合の良い解釈してんのよ!!そんなわけないでしょ!!」ピコピコ

終里「今のって、ツンデレって奴か?」

小泉「全然違う!!!!」ピコピコ



小泉「と、とにかくアタシ、断固拒否させてもらうから。わかったら弐大は、さっさと行って。」

小泉「弐大はその、いやらしい眼では見て来ないから、まだ許せるけど。もうそろそろ限界なの。」

弐大「そうか。せっかくの逸材なのに、もったいないのう。まあ小泉がどうしてもというのなら、ワシは選手の主張を第一に…」





モノミ「あ。なら、こういうのはどうでちゅか?」

終里「あん?」


モノミ「まひるん☆ロンパさんが弐大くんと戦ってみるのでちゅ。」

モノミ「弐大くんが勝てば、まひるん☆ロンパさんは晴れて弐大くんの弟子入りでちゅ!!」

小泉「は、はぁ!?なによその、勝手な条件は!!?」


弐大「なるほど…しかし小泉は女。戦力がワシと離れすぎてるような気がするが。」

西園寺「まひるん☆ロンパのことを小泉おねぇだって理解できてるんだね…。」

モノミ「平気でちゅ!!あの変な恰好が、小泉さんの力を底上げしてるのでちゅ!!」

小泉「変な格好って言うな!!アンタに言われると、3倍増しに腹立つのよ!!!!」ピコピコ



弐大「確かに、今の小泉からは今までにない力強さを感じる…嘘ではないようじゃな。」

弐大「ところで、小泉が勝った場合はワシは何をすれば良い?」

モノミ「何もしなくて良いんでちゅよ。弐大くんと戦いを通して互いを理解し合う事…それが既に、あちし達の報酬なのでちゅ。」


小泉「ちょ!!アタシの居ないところで、なんかいつの間にか勝手に話が進んでる!!アタシが損しかしない方向に!!」

小泉「『あちし達』って、一緒くたにしないでよ!!苦労するのはアタシだけなんだから!!」

小泉「何ちょっと、良いこと言った気になってんの!!!?」




モノミ「安心するのでちゅ、まひるん☆ロンパさん。この条件は、いわば方便でちゅ。」

小泉「なんですって?」


モノミ「弐大くんには悪いでちゅが、今のまひるん☆ロンパさんの力を試す練習台になってもらうのでちゅ。」

モノミ「そのためには、弐大くんに戦う気になってもらわないと困るのでちゅよ。」


小泉「で、でも…もしアタシが本当に魔法少女になってるのなら。生身の人間に攻撃するのってまずいんじゃない?」

モノミ「大丈夫でちゅ!!相手に応じて自動的に力をセ―ブできる容赦の心こそが、博愛の騎士である魔法少女の特徴なのでちゅ!!」

小泉(ホントか?それ。)




弐大「さあ小泉、来るんじゃあ!!トレ―ニングしてやる!!」

終里「一瞬も気を抜くなよ、小泉。幾度となく戦ったオレだからわかる。弐大のおっさんは、化け物だ。」



終里「…死ぬんじゃねぇぞ。」

小泉「そ、そういう不吉なことを言うのはやめてよ。なぜだか怖くなるじゃん。」




弐大「どうした、来ないのか?身を隠すような体勢をずっととっておるが。」

小泉「い、言ったでしょうが、さっきも。アンタが全く動じなくても、アタシはそうじゃないの!!」

弐大「全く…まずはその、羞恥心を捨てる特訓からじゃのう。それに身を封じられていては、誰にも勝てはせんわい。」

小泉「で、でも…」



西園寺「ねぇ、小泉おねぇ。こうは考えられない?」

小泉「え?」


西園寺「弐大おにぃを魔法少女の力で、記憶が吹っ飛ぶくらいにコテンパンに倒せば最善だって。」

西園寺「それならホラ。今まで見られた分もリセットされるし、戦う時に恥ずかしさを全く考慮しなくて良いよ―。」

小泉「…」




小泉「一理あるわね。」

小泉「モノミの言う通りなら、アタシの身体能力は格段に上がってるらしいし。やりすぎてケガさせることもないそうだし。」


弐大「…無っ。構えを解いた。ようやく、本領発揮といったところじゃのう!!」

小泉「悪いけど弐大。一瞬で終わらせるわよ。」



そう言ってアタシは、地面を思いっきり後ろに蹴飛ばす!!

反作用で勢いよく跳躍したアタシは、弐大との距離を一気に詰める!!



弐大「…速い!!」

小泉「いくわよぉおお…!!真昼パ―ンチ!!!!!」


西園寺「小泉おねぇ、実はけっこうノリノリ?」




次回予告


モノミ「魔法少女『まひるん☆ロンパ』さんは、遂に戦闘を開始!!!!」

西園寺「遂にって、こんなことに一体何日かけるつもりなんだろうか。」

小泉「アタシが繰り出す、渾身のパンチ(物理)!!魔法少女の力、存分に味わってもらうから!!(魔法を使うとは言ってない)」


田中「戦闘力…たったの5か…ゴミめ…。」

花村「さあ、パクパクいっちゃうよぉ~!!!!」

罪木「ここで会ったが百年目!!!!」

澪田「ふがふがしちゃいますなぁ!!!!」

ソニア「ひかえおろう!!」

豚神「俺が導いてやる…十神の名に懸けて。」


西園寺「ちょ、こんなに新キャラ出して大丈夫なの!!?」

モノミ「大丈夫でちゅ!!8割は(ry」


小泉「次回!!もし小泉さんが魔法少女だったら、第6話!!『新しい力に目覚めちゃう』!!」

小泉「アタシ、完璧!!」



「一理あるわね」で吹いたwww


これはひどい(褒め言葉)

乙!
久しぶりに見に来たら…どうしてこうなったwwww



弐大「くっ!!」


弐大の懐にまでもぐりこんだアタシの放った攻撃は、弐大のお腹に直撃…!!


弐大「なんの、これしき!!」

小泉「えっ?」


ガッ!!


西園寺「そんな!!小泉おねぇの拳がめり込むよりも先に、弐大おにぃがとっさに手で受けた!?」

終里「なんていう反射神経だ…。やっぱおっさんは、オレの1歩も2歩も先を行ってやがるぜ!!」


モノミ「でも、魔法少女の力をなめちゃいけまちぇん。」

モノミ「たとえ手で受けたところで、まひるん☆ロンパさんからの衝撃に耐えられるはずが…!!」

西園寺「ここまでの会話、およそ0.2秒!!」




弐大「ふん!!!」

小泉「っ!!?」


グオッ!!!!


西園寺「えっ…!!?弐大おにぃが、後方に吹っ飛ばされて…!!?」

終里「いや…アレは、吹っ飛ばされたんじゃねぇ。小泉の攻撃に合わせて、自らバックステップを踏んでやがる。」

終里「そうやって、小泉の攻撃から直撃を避けてんだ!!」

西園寺「そのまま弐大おにぃが、きれいな軌跡を描きながらバク宙をして…!!」


ドサッ


弐大「…ふぅ~……。」

西園寺「無事着地したご様子!!」

終里「すげぇ!!あの一撃を、耐えやがった!!」


モノミ「なんという、バトルセンス…!!ダイナミックなガタイからは想像もつかないような、俊敏な機転と繊細なテクニックでちゅ!!」

西園寺「体のでかいキャラは大抵かませという風潮を、軽々しく破っていくスタイルだね!!」

終里「ははっ、すげぇ熱いファイトだな!!オレはワクワクしてきたぞ!!」




小泉「ちょ、ちょっとモノミ!!話が違うんじゃないの!?なんか弐大、普通に耐えてきてるんだけど!!?」

小泉「ホントにアタシ、魔法少女になってるの!?」

モノミ「う~ん。力が上がっているのは間違いないんでちゅがね。」

終里「耐えられたとはいえ、おっさんが吹っ飛んでるもんな。今の小泉の戦闘力はオレ以上と言っても過言じゃねぇ!!」


モノミ「考えられるとしたら、まひるん☆ロンパさんの元の能力が問題なのでちゅかねぇ。」

小泉「はぁ?」

モノミ「魔法少女になれば、いろいろな能力が数倍に上がるのでちゅが。」

モノミ「例えばまひるん☆ロンパさんの元の能力が2だとすると、10倍しても20くらいにしかならないのでちゅ!!」

西園寺「2ってどのくらい?」

終里「鉄砲持った大人の男で5くらいらし―ぞ。」



モノミ「ちなみにここに、対象の能力を数値化する機械がありま―ちゅ!!」

西園寺「あ、見たことあるよ!!野菜の国の住人やフリ―ザの会社員が装備してる、スカ○タ―だね!!」

小泉「なんか、いかにも怪しいわね。詐欺で売りつけられそうな感じの。信用できるの?それ。」

モノミ「百聞は一見にしかずでちゅ!!まずはまひるん☆ロンパさんの能力を測ってみまちゅ!!」





ピピッ



モノミ「そんな…!!今のまひるん☆ロンパさんの女子力は、たったの8でちゅ!!」

終里「8!!?バカな!!初登場の悟空にすら勝てないじゃね―か!!」


西園寺「おかしくない?普通の人の数十倍になって、一桁っていうのは。」

モノミ「もしかしたら、魔法少女になったことによる恩恵が普通よりも極端に少なかったのかもしれまちぇん。」

終里「どういうことだよ?」

モノミ「数十倍というのは、あくまで一般的な話。人によっては数百倍だったり、中にはほとんど変わらない人もいるのでちゅ。」


西園寺「じゃあそもそも小泉おねぇには、魔法少女の素質がほとんどなかったってこと!!?」

モノミ「そういうことになるのでちゅかね…。すみまちぇん、最初に素質を測っていなかったあちしのミスでちゅ。」

終里「つまり小泉は、魔法少女界の落ちこぼれだったっつ―ことか。」

西園寺「こ、小泉おねぇが、落ちこぼれ…?」




小泉「はいはいはいストップストップ!!!!」

西園寺「え?どうしたの小泉おねぇ。」

終里「あんまり自暴自棄になるなって。どうでも良い事じゃねぇか、ちょっと落ちこぼれることくらい。」

小泉「どうでも良い事ってのは同意だけど、そんなことでショックを受ける人間だと思われていることに遺憾の意を表するわ!!!!」


西園寺「小泉おねぇ。多分、それが言いたいわけじゃないんでしょ?」

小泉「そ、そうそう。なんか、いっつも話が横道にそれるわ。アタシが言いたいのは、もっと別の事よ。」

モノミ「別の事って?終里さんが、魔法少女のことを思いのほかアッサリと受け入れていることでちゅか?」

小泉「ま、まあそれもそうだけど。そんな事よりももっと重要なことで、しかもスルッと流された要素があるでしょ?」

終里「重要な要素?」





小泉「なによ、女子力が8って!!!!」

モノミ「だからそれは、言いにくいのでちゅが。まひるん☆ロンパさんの素質が低いせいで、そんな低い数値に…」


小泉「そっちじゃない!!数値じゃない方!!そのスカ○タ―が測った物の方よ!!」

終里「ん…8?はち。ミツバチ?」

小泉「違う。もっと前。」

モノミ「ええと…女子力がは」



小泉「それよそれ!!アンタ、何を測ってるのよ!!この状況で、なんで女子力を測るのよ!!!!」ピコピコ

小泉「なに!?アタシに、弐大と戦いながら愛妻弁当でも作れって!!?」ピコピコ

小泉「これから難敵と戦おうって時に、女子力を測ってどうするのよぉおおお!!!!」ピコピコピコピコ




西園寺「ツッコミお疲れ様―。小泉おねぇも大変だねぇ。四方八方から絶え間なく降り注ぐ幾多のボケを、1人で捌かなきゃいけないんだもん。」

小泉「わかってるなら、日寄子ちゃんも手伝ってよ!!!!」


終里「でもその格好でツッコミ役ってのも説得力がねぇよな!!」

小泉「この格好で自らボケを狙ってるわけじゃないの!!だから許して!!」




モノミ「何を言ってるのでちゅか、小泉さん。女子力こそが、魔法少女のエネルギ―の源じゃないでちゅか!!」

小泉「はぁ!!?」

終里「女子力ってなんだ?うめぇのか?」

西園寺「お前には無縁な物だよ―!!」


小泉「女子力って…料理上手だったりキレイ好きだったり、トイレットペ―パ―の先を三角に折ったりするやつよ?」

モノミ「そうでちゅ!!それが魔法少女にとっての気でありチャクラでありコスモであるのでちゅ!!」

小泉「相変わらず理屈がサッパリピ―マンだけど、なんかもう今更ツッコんでも敗北しかないような気がするわ…。」




モノミ「女子力の高さはそのまま、魔法少女の強さと直接結びつきまちゅ!!」

モノミ「戦闘力や導力、巫力値や捕獲レベルと同様、魔法少女の強さを数値化した物が女子力なのでちゅ!!」


西園寺「ちょ、やめときなよ!!強さを数値化なんかしちゃったら、どうせすぐにインフレしたりつじつまが合わなくなっちゃうんだから!!」

小泉「早急になかったことにしないと、取り返しがつかなくなっちゃうパタ―ンね…。」




モノミ「ちなみに、平均的な魔法少女の女子力は250でちゅ!!」

小泉「250!?ちょっと!!いくらなんでも、アタシの女子力低すぎない!?8って!!」

小泉「自分で言うのもなんだけど、ここまで卑屈に扱われるほど怠慢な女はやってないつもりだけど!?」

小泉「他の魔法少女より、何が劣るって言うのよ!!?」

西園寺「年齢とか?」

小泉「うわぁああああああああぁあああああああああああああああ!!!!!!」ピコピコピコピコ




弐大「…クククッ。」

終里「ん?どうしたんだおっさん。急に変な笑い声をだしてよ。」

西園寺「ていうかさ。アンタ、今までなんで黙ってたの?」

弐大「あまりに感情の振れ幅が大きすぎて心が暴走しそうだったから、精神統一に時間が少しかかったのじゃあ。」

終里「心が暴走?」


弐大「くくくく…ワシは嬉しいんじゃあ。こんな奴に出会えたのじゃからのう。」

小泉「なんか…弐大から、怖いオ―ラが出てる。アタシ、ちびっちゃいそう。」

モノミ「すごいでちゅ!!今の弐大くんの女子力は、530000でちゅ!!」

西園寺「530000!!!?」

終里「男なのに女子力なのか!?」

小泉「問題はそこじゃない!!なによ、530000って!!なんでそんなに高いのよ!!?アタシは8なのに!!!何桁違うのよ!!!!」ピコピコ

小泉「やっぱりそれ、壊れてるでしょ!!」


モノミ「弐大くんは“超高校級のマネ―ジャ―”でちゅから。女子力も、きっと超高校級なのでちゅ。」

小泉「超高校級どころじゃないわよ!!超人類級というか、もはやチ―トコ―ドを使ってるレベルじゃない!!!!」

西園寺「たしかに…今の小泉おねぇじゃあ、勝てっこないね。」

小泉「どんな魔法少女でも勝てないよ!!もはや、モノケモノ倒すことよりも難しく見えるって!!」




弐大「先ほどの小泉の一撃…久しく見ない、素晴らしい一撃じゃったぞお。」

弐大「ひりひりと肌を裂く緊張感…マネ―ジャ―に専念していて忘れとったが。」

弐大「たまらんのう。やはり、心地いいわい。」


小泉「な、なんか弐大、変なスイッチ入っちゃってない?」

弐大「噴。ワシはいつだって正常じゃあ。しかし今の小泉には、マネ―ジャ―としてのワシではなく…」

弐大「1人の戦士として対峙しても良いと、判断したのじゃあ。」

小泉「ああ、やっぱり変になっちゃってるよぉ…。」

弐大「クククッ。血が騒ぐのう。本気のワシを見せることが出来る機会など、そうありはせんからな。」




ガシャガシャッ!!!!


終里「おい。おっさんが、いつも肩に下げている鎖を地面に置いたぞ。」

西園寺「えっ…!?これ、すごく重いよ!!!!」

弐大「およそ100kgのおもりじゃあ。体を鍛えるために、常に着けとる。」

終里「そんな状態で、ずっと戦っていやがったのか!!?」

小泉「今回のネタのためだけに、無理やりつけた設定じゃなくて!!?」

モノミ「な、なんと!!弐大くんの数値が700000近くに上昇しまちたよ!!!?」

小泉「なんでおもりを取ったら女子力が上がるのよ!?」




弐大「さてと、小泉よ…そろそろ、第2ラウンドと洒落込もうか。」

弐大「お前さんなら、本気のワシをぶつけてみても平気みたいじゃからのう!!!!」


小泉「ちょ、待って。能力に差がありすぎ!!アタシの女子力、たったの8だもの!!」

弐大「女子力?何をわけのわからんことを言っとるんじゃあ。」

小泉「うわぁ、ド正論!!!!」



弐大「いくぞ!!!!」

小泉「いやぁあああああああああぁああああああ!!!!!」




次回予告


小泉「オッス!!オラ小泉!!」

西園寺「ついに弐大おにぃが、本性を表した!!!!」

弐大「私の女子力は530000です。」

モノミ「圧倒的戦力差…!!果たしてまひるん☆ロンパさんに勝ち目はあるのでちゅか!!?」

小泉「練習台とか言ったのは、どこのどいつよ!!?」


弐大「初めてですよ。ここまで私をコケにしたおバカさんたちは…」

モノミ「かくなるうえは、最後の手段でちゅね…!!」

小泉「大地よ海よ、そして生きているすべての皆…オラに元気を分けてくれぇ~!!!!」

終里「っていうかテメ―ら、いつまでその口調なんだ?」


小泉「次回!!もし小泉さんが魔法少女だったら、第7話!!『100万パワ―の弐大』!!」

小泉「絶対に見てくれよな!!」



原作の小泉さんは女子力高いのに、ここの小泉さんときたら

お風呂入らなかったり漏らしたりしたから当然といえば当然

自分の目を抉り取って好きな人の目を移植するという女子力の高い部分もあるのに…

女子力とは何なのか

本日の哲学スレはここですか

やはり乙女は好きな人のまえじゃないと本気出せないよね(ゲス顔



弐大「おらぁ!!!」

小泉「うわぁ!!!!」


ボグォォオオオオオン!!!!


西園寺「おお、小泉おねぇが弐大おにぃの一撃を紙一重で避けた!!」

終里「あの反射神経、なかなかやるな。やっぱ小泉も、ただ者じゃねぇぜ。」

小泉「呑気に解説してる場合じゃないわよ!!こっちからしてみたら、命に関わる状況なんだから!!」


小泉「攻撃の音でボグォオオオンッて鳴ってんのよ!!ドゴ―ンでもボゴ―ンでもなく!!」

小泉「っていうか弐大の一撃で、地面にちょっとしたクレ―タ―ができてんだけど!?」

小泉「あんなの喰らったらアタシ、髪の毛1本残らないわよ!!」


モノミ「流石は弐大くんでちゅね…ただのパンチが、ウヴォ―ギンのビッグバンインパクト並の攻撃力でちゅ!!」

小泉「もう弐大にモノケモノを倒してもらいなさいよ!!!!」




弐大「がっはっはっはっは!!!!さあどんどん行くぞ!!」

西園寺「あのレベルの攻撃を連続で何度も何度も使えるっての!!?」

モノミ「連射性能抜群でちゅね!!魔法少女でもないのに、もはや人類に許された領域を超えてまちゅ!!」

終里「大抵の攻撃は3連続が限界なのにな。3回の攻撃の後にでっけぇ隙が来るんだぜ!!」


小泉「って言うか皆、なんか途中から解説役に徹してない!!?」

小泉「自分たちは安全地帯にいるからって、野次馬精神全開なのはどうかと思うんだけどな!!」

弐大「無…なんか、デジャヴじゃのう。」



小泉「と、とにかく!!このままじゃアタシが消炭にされちゃうよ!!なんか、手はないの!?」

モノミ「確かにまひるん☆ロンパさんと弐大くんとの間には、決定的な女子力差がありまちゅ。」





モノミ「ならばまひるん☆ロンパさん!!魔導を遣うのでちゅ!!」


小泉「え、魔導!!?遣えるの!!?」

モノミ「むしろ遣えなかったら、それは魔法少女と言えるのでちゅか?」

小泉「いや、魔法少女ならつかえて当然なはずなんだけど。いつの間にか、魔導の遣えない魔法少女だって納得しちゃってたから。」

西園寺「まるで砂糖抜きのコンペイトウだね!!」

終里「それはそれでうまそうだな!!」




小泉「それで、どうやったら魔導を遣えるのよ!!早く教えてよ!!」

モノミ「遣いたい魔導に応じた詠唱をするのでちゅ!!」

小泉「詠唱…?」


モノミ「そうでちゅ。例えば相手に催眠をかけて、好きな幻影を見せる魔導とかどうでちゅか?」

小泉「なにそれ、強そう!!弐大の攻撃力をまるきり無力化できるじゃない!!それで詠唱ってのは、どう言えばいいの?」



モノミ「『砕けろ 鏡花水』」

小泉「そういうグレ―なのはナシで!!」




モノミ「じゃあ、どんな魔導を使いたいのでちゅか?」

小泉「何でもいいから、早く教えて!!」


弐大「うぉおおおおおおお!!!!!」ドドドドドドド

小泉「もう弐大がやって来ちゃってるし!!!!ほら、弐大に殺られないような魔導をさ!!」

終里「『殺す』の『殺』と書いて、『や』られると読むのか!!?」



モノミ「じゃあ、これなんかどうでちゅか?あらかじめ唱えておくと、殺られた時に時間を巻き戻して殺られる前の状況に戻れる魔導でちゅ!!」

西園寺「次元掌握魔導だって!!なんか、胸躍る能力来たね!!!!」

小泉「でも時間を巻き戻せちゃったら、安易にル―プ物に走ったりして、イマイチ緊張感がなくなってしまう…」

小泉「って、なんの話よこれ。」




終里「とにかく、その能力はすげぇ強力なんじゃねぇか?」

西園寺「いわゆるF12キ―だもんね!!」

小泉「確かにそれを覚えられたら、とりあえず命の心配はなさそうね。それで、詠唱は?」



モノミ「きぬあ ぬぴい べぺべ のかか しあな らぐむ ぶふん ちまへ ねねゆ とぎな だえま こ」



小泉「ってこれ、復活の呪文じゃない!!」

モノミ「すみまちぇん…この魔導ができた時代ではまだ、セ―ブ機能はなかったのでちゅ。」

小泉「次元掌握っていう高度な魔導のくせに、なんで詠唱だけはファミコン並のスペックなのよ!!?」

小泉「そもそもセ―ブ機能って何!!?」


西園寺「仕方ないよ。たった64kBに全部収めなくちゃいけなかったんだから。」

小泉「何の話よ!!?」




西園寺「ほら、小泉おねぇ。復活の呪文を写メで撮っておく?」

小泉「写メなんて、写真家のプライドが許さないわよ!!そもそもケ―タイなんてないでしょうが!!」

小泉「アナログ世代と同様、紙にメモってこそ通じゃないのよ!!」

終里「1つでも書き間違えたら、記録がおじゃんになっちまうじゃねぇか!!」

モノミ「それ以前に、詠唱は口頭でしか伝えられていないのでちゅが…。」




弐大「ほれ、どうしたあ!!もっとガンガンかかってこんかい!!!!」

小泉「うわ、ちょっと待って!!今、メモってるんだから!!!!」

弐大「その姿にメモ帳+ペンというのが、どう考えてもシュ―ルなんじゃあああああ!!!!!」

小泉「格好については深く言及しないでぇ!!!」ピコピコ



西園寺「でも考えてみるとさ。時間を巻き戻せるようになったところで、弐大おにぃとの戦闘っていう根本的な問題が解決してないよね。」

終里「勝てねぇ戦いを何度も繰り返すだけじゃ、ジリ貧だぜ。」

小泉「た、たしかに…復活の呪文をメモるよりも、弐大をやっつけるか戦意喪失させるかしたほうが建設的ね。」




モノミ「ならば、もっと実用的な詠唱を教えまちゅ。いわば、必殺技でちゅね。」

小泉「必殺技…?」


モノミ「これを遣えば、どんな相手でも一撃で倒せまちゅ!!」

終里「い、一撃必殺だと!!?まさかの究極神拳か!!!?」

西園寺「小泉おねぇのフェイタリティ!!?」

小泉「あんまりグロテスクなのはやめてよ!!?もっとこう、マイルドな技にして!!」

モノミ「そこのところは大丈夫でちゅ!!容赦の心が魔法少女の売りでちゅから!!」



モノミ「でもその威力ゆえ、詠唱はどの魔導よりも難しいでちゅ。」

小泉「難しい…?よっぽど、長いってこと?」

モノミ「聞けばわかりまちゅ。心して聞くのでちゅよ。」

小泉「う、うん…。」




モノミ「湧き上がる小さな泉 矢のごとし光陰 ピンボケな推理」

モノミ「父なる大地よ 母なる海よ」


モノミ「我は真昼の空を代行する者 夜空をつんざくアンチナイト」

モノミ「心に太陽、朝昼晩!!!!」


モノミ「きらめけ!!ときめけ!!己の闇を曝け出せ!!!」

モノミ「アナタの心に閃光を轟かせるわ!!」



モノミ「魔導の92番 メリディアン・サンシャイン!!!!!」

モノミ「真昼色に染まれぇええええぇえええ!!!!!!」




小泉「…」

西園寺「…」

終里「…」


モノミ「これが、必殺技の完全詠唱でちゅ。」

小泉「確かに、他のどの詠唱よりも難しいわね!!完全詠唱を終える前に羞恥心で悶え死にしそうよ!!」

モノミ「え!?ダメでちゅか!!?」

小泉「ダメっていうか、恥ずかしくてできないって!!」




西園寺「真昼パンチとか言ってたくせに?」

小泉「…え?あの発言って浮いてる扱いだったの?」

小泉「発言時に普通に流してもらえたから、皆が許してくれていたと思ってたのに!!」


終里「なんというか、ずっと気になってたんだよな。『なんだったんだ?アレ』みたいなよ!!」

終里「この際だから、解説を頼みたいぜ!!」

小泉「いや、解説とかそういう物じゃないからアレ!!」


西園寺「ねぇどうして?どうして小泉おねぇ、あんなこと言ったの?」

西園寺「そして何で技名に自分の名前を入れるなんていうネ―ミングセンスなの?」

小泉「そ、そんな無理に掘り返さなくても…!!」


西園寺「詠唱しながらだと、攻撃力がアップすると思ったの?『真昼パンチ』にそんな力があるなんて、どうしてそんな過信がうまれたの?」

モノミ「そうでちゅね。正式の詠唱じゃないと、攻撃力アップどころか元々の力すらだせない…」

小泉「やめて!!ノリでやっちゃった過去を冷静に分析しないでぇえぇえええええ!!!!!」ピコピコピコピコ




終里「小泉って、案外ノリが良いんだな!!あの呪文も、ノリで言ってくれるんじゃねぇか?」

小泉「わかったよ。もうなんか、吹っ切れた。どっちみち、弐大を止めるにはこの方法しかないみたいだし…」

西園寺「やっぱりノリが良いね!!」

小泉「そういう野次も、もう気にしたら負けだと思うことにしたの!!」


モノミ「とにかく、頑張るのでちゅ!!」

小泉「え―、ゴホン…」

弐大「無っ。あの構えは、一体…?」




小泉「湧き上がる小さな泉 矢のごとし光陰 ピンボケな推理」

小泉「父なる大地よ 母なる海よ」


小泉「我は真昼の空を代行する者 夜空をつんざくアンチナイト」

小泉「心に太陽、朝昼晩!!!!」


小泉「きらめけ!!ときめけ!!己の闇を曝け出せ!!!」

小泉「アナタの心に閃光を轟かせるわ!!」



小泉「魔導の92番 メリディアン・サンシャイン!!!!!」

小泉「真昼色に染まれぇええええぇえええ!!!!!!」




次回予告


西園寺「やめて!!あの変な詠唱をしたら、小泉おねぇが(精神的に)燃え尽きちゃう!!」

終里「頼む、死なないでくれ、小泉!!」

弐大「ここでお前さんが死んだら、女子プロレスの約束はどうなるんじゃあ!!」

モノミ「必殺技さえ決まれば、弐大くんに勝てるんでちゅから!!」


小泉「次回!!もし小泉さんが魔法少女だったら、第8話!!『まひるん☆ロンパ、死す』!!」

小泉「デュエル、スタンバイ!!」



小泉、グレーやない。真っくろくろや。

乙!
>写真家のプライドが許さない
二周目では全く出てきていない写真家要素を隙あらばアピールしていくスタイル

そう言えば小泉って写真家だっけ?
このss読んでると忘れちゃう。

これ狛枝に見られたら小泉さん悶死しない?大丈夫?



弐大「な、なんじゃあ!!?島全体が揺り動かされているようなこのエネルギ―は!?」

小泉「恥も外聞も超越したアタシの放つ、完全詠唱の必殺技よ!!」

小泉「時空が歪む程の重力の奔流よ!!アンタじゃあ理解する事すらできないでしょう!!」

西園寺「確かに理解に苦しむね。小泉おねぇの異様なノリの良さは。」



弐大「ぬぅっ!!?なにやらこちら側に波紋のようなものが広がって…!!」

小泉「さあ、弐大!!お縄に付きなさい!!」

弐大「うぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」




終里「…」

西園寺「…」

弐大「…」

小泉「…」



小泉「…あれ?何も起きないんだけど?」

弐大「イメ―ジとしては、ものすごい勢いで吹っ飛ばされる感じだったんじゃがのう。肩透かしも良いところじゃあ。」


西園寺「ええっ、失敗ってこと!!?小泉おねぇがあれだけ頑張って、変な呪文を唱えていたのに!?」

終里「唱え終わった後も異常にノリノリだったしな!!」

小泉「アタシは後から思い出して恥ずかしくなるタイプなの!!だから過去の事は無闇に掘り返さないで!!」




モノミ「おかしいでちゅねぇ。成功すれば、手のひらからベ―ル状の波動が広がっていくはずなのでちゅが。」

小泉「どういうことよ、モノミ!!なんで、必殺技が不発に終わってるのよ!?」

小泉「アタシ、恥ずかしい呪文の唱え損じゃない!!」


モノミ「うう~ん。考えられる要因としては恐らく、詠唱時に…」





モノミ「まひるん☆ロンパさんが、きちんと振り付けをしていなかったことでちゅね!!」

小泉「振り付け!!?」


終里「振り付けって…どういう意味だよ?」

モノミ「もちろん、詠唱時の身振り手振りのことでちゅ!!」

西園寺「なるほど…ダンスありきの音楽だって、当然あるからね。」

終里「それが、小泉の呪文でもあてはまるってことか。」

小泉「あてはまっちゃダメでしょう!!詠唱だけでも恥ずかしいのに、そこに振り付けまで追加なんて!!」

モノミ「歌ってる時に立ち止まっているアイドルグル―プなんていまちぇんからね!!」

小泉「アイドルグル―プと必殺の呪文を一緒にしないでよ!!」

西園寺「小泉おねぇの格好は、どう考えてもアイドルグル―プ寄りだけどね。かなり異質の。」




小泉「そもそも、戦闘中にダンスなんてしてたら隙だらけじゃない!!」

西園寺「そこのところは平気だよ。変身シ―ンの最中には敵は絶対に攻撃してこないっていう暗黙の了解があるのと同様だよ。」

終里「だからこんなに話しまくってても、おっさんは攻撃して来ねぇんだな!!」

弐大「ところで、もうそろそろバトル再開していいのかのう。」

小泉「ちょっと待ってね。今、作戦会議中なの。」



西園寺「小泉おねぇ。恥だのなんだの言ってる場合じゃないよ。やらなきゃ、殺られるんだから。」

小泉「もう、どうにでもなれ。その振り付けってのを、教えてよ。」

モノミ「はい。では、心して聞くのでちゅよ。」

小泉「…ゴクリ。」




モノミ「①湧き上がる小さな泉(左腕を左上に、右腕を左下に伸ばし正義のポ―ズ。)」

モノミ「②矢のごとし光陰(アラレちゃんのキ―ンのポ―ズ。)」

モノミ「③ピンボケな推理(両手でゲッツをする。左手は前にだして右手は胸の横。)」


モノミ「④父なる大地よ(左腕を左上に。)」

モノミ「⑤母なる海よ(④の状態で、右腕を右上に。Yの字になる。)」

モノミ「⑥我は真昼の空を代行する者(⑤の状態で空を仰いでなにやら悟る。宙から10cm程浮く。)」


モノミ「⑦夜空をつんざく(1回転。)アンチナイト(右手で月を指差す。左手はスタイリッシュに。語尾に『!!』をつける感覚で。)」

モノミ「⑧心に太陽(握りこぶしを胸の前に。うつむいて眼を閉じる。)」

モノミ「⑨朝(ホップ)昼(ステップ)晩!!!!(胸強調)」


モノミ「⑩きらめけ!!(左腕で右下から左上に、空を裂くように半円を描く。眼はキラキラしておくこと。)」

モノミ「⑪ときめけ!!(右腕で左下から右上に、半円を描くように闇を裂く。眼は☆マ―ク。)」

モノミ「⑫己の闇を曝け出せ!!!(両手を前に差出す。足は内股。)」

モノミ「⑬アナタの心に閃光を轟かせるわ!!(片手を胸に当て、もう片方の手を前に差し出す。ギャルゲ―とかでありそうなポ―ズ。口は優しく開く。)」


モノミ「⑭魔導の92番(『番』はなくても良し。)」

モノミ「⑮メリディアン・サンシャイン!!!!!(かめはめ波の構えを時計回りに45°回転させた構え。もちろん内股で。)」

モノミ「⑯真昼色に染まれぇええええぇえええ!!!!!!(鍵を鍵穴の中でまわす時のように、優しく手首を動かす。体は自然に後退する。)」




小泉「…なんかもう、どこからツッコめばいいかわからないけど。そもそも、ツッコんだら負けなのかな。」

西園寺「多分ね。たとえ信じたくなかろうと、それは事実だと思うよ。」

小泉「今のアタシには理解できない。こんなの、コ○ンのパラパラ以上の黒歴史になるわよ。」

終里「1つ言える事は、月がないとダメってことだな!!」

小泉「それだけなんだ?」


モノミ「このダンスの説明を、誰かに図に起こして欲しいでちゅ。」

西園寺「自分でやれ。」




モノミ「さあまひるん☆ロンパさん!!説明したとおりに、詠唱と振り付けを行うのでちゅ!!」

小泉「えっ!?…え―と…。誰も笑わない?」

西園寺「平気だって、小泉おねぇ。わたしが小泉おねぇのこと、嘲笑うわけがないじゃん!!」

小泉(信用できない。)


終里「でも必殺技を習得しねぇと、命も危ないんじゃねぇの?」

小泉「結局それが決定打になるのね…。わかったよ。腹括るわ。え―、ゴホン…」

小泉「湧き上がる小さな」



モノミ「いきなり違いまちゅ!!左腕と右腕の間隔は120°でちゅ!!今のまひるん☆ロンパさんのは105°といったところでちゅ!!」

小泉「なんかいきなり判定がシビアね!!1面がロストワ―ルド並の難しさだった時のような感覚よ!!」

終里「何の話だ?」


西園寺「ちぇっ。中途半端に終わっちゃったか。容量がもったいないから消しちゃお。」

小泉「ちょっと!!何勝手にRECしてんのよ!!どう考えても、笑いの種にしようとしてるじゃない!!」




小泉「ってかこんなところでつまずいてちゃ、振り付けを覚える前に殺られるわよ!!」

西園寺「そうだね。ずっと待ってくれている弐大おにぃも、そろそろしびれを切らす頃だね―。」

モノミ「あちしは、教えるのがあまり得意じゃないんでちゅね。うう、何のための教師なんでちゅかね…。」

小泉(どの口がそんなことを言うんだ、この腹黒ウサギ。)


モノミ「こんな時に、頼れるコ―チがいれば…」





弐大「コ―チじゃとお?ならば、ワシに任せい!!」

終里「え?おっさんが?」

西園寺「どういう風のふきまわし?アンタ、小泉おねぇと戦いたいとか言ってなかった?」


弐大「噴。選手の中に眠っている可能性を最大まで引き出してこそ、マネ―ジャ―なのじゃあ。」

弐大「小泉がアイドルになりたいと言うのなら!!ワシが全力でコ―チし、完璧な振り付けを伝授してやろう!!」

小泉「なんか、話が歪曲して伝わってない!?いつのまにアタシ、アイドルの卵になっちゃったのよ!!?」


弐大「安心せい。お前さんの度量があれば、舞園さやか率いるあの国民的アイドルグル―プのメンバ―に匹敵するほどのアイドルになれるわい!!」

西園寺「そもそも弐大おにぃ、小泉おねぇに女子プロレスがどうとか言ってなかった?」

弐大「歌って踊れるプロレスラ―!!今までに例を見ない、オンリ―ワンの業績を残すのじゃあ!!」



弐大「さあ、小泉!!ワシと共に、アイドル界の頂上を目指すのじゃあ!!」

終里「敵でありながら師匠になるなんて…胸躍る展開だな!!」

西園寺「ピッコロが悟飯の師匠になる感じだね!!」

小泉「なんか、話がどんどん脱線していってない!?この話は一体どこに飛んで、どこに着地するのよ!!?」




~こうして、小泉の血のにじむようなダンスレッスンが始まったのであった~


弐大「なにをしとる!!声に心がこもってない!!羞恥しんなぞ海の底にかなぐり捨てんかい!!」

弐大「もっと活き活きと、心の底から愛嬌をふりまくのじゃあ!!じゃないと、アイドルの世界じゃあやっていけんぞお!!」

小泉「誰もアイドルになりたいなんて言ってないけど!!?」


弐大「嫌々やっているような雰囲気がプンプンしとる!!受動的な態度じゃあ伸びんぞお!!」

小泉「だって事実なんだもの!!」

弐大「もっと積極的かつ能動的に特訓せんかい!!さっきまでのノリの良さはどうしたんじゃあ!?」

小泉「ノリで特訓するのもどうかと思うけど!!?」

弐大「はいさんし―!!ワン、ツ―!!ワン、ツ―!!」



西園寺「わたしたちの最終目的って、何だっけ?」

モノミ「モノケモノをやっつけることでちゅ。」

終里「じゃあなんで小泉は、ダンスしてんだ?」

モノミ「…し~らない。」

西園寺「あ、投げた。」




小泉「我は真昼の空を…」

弐大「心にまだ雑念が残っている!!心を無にし、悟りの境地を開くのじゃあ!!」

小泉「なんでアタシ、尼みたいな精神修行をしなきゃいけないの…?しかもこの格好で。」


小泉「えっと…ここで10cm飛ぶ。」ピョン

モノミ「コラ―!!自分の足でジャンプしちゃいけまちぇん!!神通力を遣って浮くのでちゅ!!」

小泉「アタシに人間をやめろっての!!?」


小泉「心に太陽、朝昼晩!!」

モノミ「ダメでちゅ!!強調する胸がないでちゅ!!」

小泉「そればっかりは、どうしようもないでしょう!!」




小泉「きらめけ!!」

弐大「腕の振りが甘い!!それじゃあ空なぞ裂くことはできん!!せいぜいキャベツを真っ二つにするのが限界じゃあ!!」

終里「それはそれで便利だな!!」


小泉「ときめけ!!」

弐大「ちが―う!!そこは、闇を裂くように半円を描くのではない!!半円を描くように、闇を裂かんかい!!」

小泉「闇なんて、どこにあるのよ!!?」


弐大「それに、目がキラキラしていない!!もっとピュアな気持ちで誠心誠意に踊らんか!!」

西園寺「小泉おねぇって、雑念だらけだもんね。色恋沙汰で。」

小泉「ここ最近は、そういうネタやってないから!!ずっと変なネタやってるから!!」

終里「そもそもその格好で、雑念を払えってのが無理だよな。」

小泉「冷静な分析お疲れ様、赤音ちゃん!!」


モノミ「しかも、目を☆マ―クに出来てないでちゅ。」

小泉「いやそれ、漫画の表現方法だから!!本編でもソニアちゃんや唯吹ちゃんがやってるけど、現実でそれは出来ないから!!」

モノミ「♡マ―クになら出来てるんでちゅけどねぇ。」

小泉「嘘ぉ!!?」


小泉「己の闇を曝け出せ!!」

弐大「そこは、どんな人間でも受け入れるような包容力で両手を差し伸べるのじゃあ!!」

西園寺「いかにも、嫌々しぶしぶポ―ズを決めてる感じだよね。」

終里「ああ。あれじゃあこっちからお断りだよな。」

小泉「アタシは必死に身を砕いてやってるのに、この酷評!!鬱になりそう!!」


モノミ「それに、足が外に開いてまちゅ。魔法少女として、内股なんて常識でちゅよ。」

小泉「そんな世界の僻地でしか通用しないような話を、常識だなんて言われても!!」




~そして、数時間が経った…~


弐大「はぁ…はぁ…」

モノミ「体力的に、これが最後でちゅね…。」

弐大「そうじゃのう…。今までいろんな選手に出会ったが、ここまで難航するマネジメントは久方ぶりじゃあ。」


終里「でも、粗削りながら一応形にはなったって感じだな。」

西園寺「あとは、これを本番で試すだけだよ!!」

小泉「本番って…これって、弐大に喰らわせる予定じゃなかった?」

弐大「構わんわい。すさまじい一撃だと言うのなら、耐えられるかどうか喰らってみたいものじゃけんのう。」

西園寺「成功すれば、モノケモノ退治に。」

終里「失敗すれば、女子プロレスにか。」

小泉(なんか、どっちにしろ絶望って感じなんだけど。)



モノミ「さあ…この数時間の特訓の成果、見せてやるのでちゅ!!」

小泉「よし…行くよ!!」




次回予告


澪田「唯吹たち、最近全然登場してないっすねぇ。」

花村「そうだね。最近ずっと変なことしてるし。」

九頭龍「ボクの記憶喪失とか、ドッキリハウスとか、回収できてない事柄はいろいろあるにも関わらず。」

辺古山「そうですね。私と坊ちゃんのくんずほつれつの関係は、いつになれば書かれるのでしょう。」

七海「一生ないんじゃないかな?」


ソニア「更新スピ―ドも落ちてますし、わたくし達の再登場はいつになるのでしょう。」

罪木「このまま登場しないまま、何ヶ月も経っちゃったり…!!」

田中「安価で選択されなかったが運の尽き。哀しきかな、これが因果律の定めよ。」

日向「くそお。俺が選ばれてたら、今頃小泉と西園寺のパンツでウハウハ…」

狛枝「それはそれで、いろいろと問題あったと思うけど…。」



左右田「次回!!もしオレがソニアさんとチョメチョメできたら、第9話!!『ドキ!!ソニアさんと、大接近!!?』」

豚神「上の話はフィクションだ。全体的に無視してくれて構わない。」

左右田「お―い!!たった一行で完膚なきまでに否定するなよ―!!」


あかん小泉さん死んでまう

振り付けの説明真面目にやってか計算尽くで出したのかどっちにしても半端ないセンスがあるレベルのくささだな(褒め言葉)

これいつまでやるんだ…?
流石に小ネタの範囲越えすぎというか脱線しすぎ

シリアスが長いとギャグも長くなるのはしかたないね



小泉「いくよ!!」

小泉「湧き上がる小さな泉 矢のごとし光陰 ピンボケな推理」


モノミ「良い調子でちゅ!!流れるような振り付け、完璧でちゅ!!」

終里「すっげぇカッコイイな、今の小泉!!」

弐大「男のようなハスキ―ボイスも相まって、振り付けが凛々しく決まっておるのう!!」

西園寺「羞恥心を超越した先には、見たことのない様なオサレさが存在するってことだね!!」



小泉「父なる大地よ 母なる海よ 我は真昼の空を代行する者」

終里「すげぇ!!小泉、ちゃんと宙を浮いてやがる!!」

西園寺「きっと身体をY字型にすることで、ピラミッドパワ―が働いてるんだよ!!」

弐大「Y字は逆三角形に近いからのう!!」

モノミ「ピラミッドパワ―…正四面体の物体にはたらくという謎のパワ―まで会得するとは!!彼女は天性の才能を持ってまちゅ!!」


終里「前は魔法少女の落ちこぼれとか言ってなかったか?」

モノミ「落ちこぼれからどんどんのし上がっていくカタルシスこそが、少年漫画の王道じゃないでちゅか!!」

西園寺「のし上がれる理由って、大抵が血筋だけどね。少年漫画って。」




小泉「夜空をつんざくアンチナイト」

小泉「心に太陽、朝昼晩!!!!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!!!


西園寺「す、すごい!!島中が揺れ動いてる!!」

弐大「振り付け無しだった時とは比べ物にならんほどのエネルギ―が、大気に潜りねじれこんでいるのを感じるぞお!!」

終里「そのエネルギ―が一気に解放された時の反動は、島の1つや2つ吹っ飛ばせそうだな!!」

モノミ「それこそがまひるん☆ロンパさんの必殺技なのでちゅ!!」

弐大「こ、これは、喰らったら本当に一撃でやられそうじゃのう…!!」

モノミ「まだまだ、完全詠唱の本領はこんなものじゃありまちぇん。詠唱を完了させたとき、貴方は真の恐怖を目の当たりにすることになるのでちゅ。」

西園寺「それ、どう考えても悪役のセリフなんだけど!?」




小泉「もう…なにも怖くない!!だってアタシはもう、独りじゃないもの!!」

小泉「さあ、一気にカタをつけるわよ!!」

西園寺「あっ。それ、死亡フラグ…。」


小泉「きらめけ!!ときめけ!!己の闇を」







狛枝「ねぇ小泉さん、何やってんの?」


小泉「さらのさらさらさららのら…?」




モノミ「おや。アレは、狛枝くんでちゅね。」

弐大「一体なぜ、こんなところに?」

狛枝「なぜって…普通に、散歩だけど。」

西園寺「そっか。わたしたちって長い間ここにいたから、誰かが通りかかっても全然不思議じゃないんだね―。」

弐大「むしろ今までの方が奇跡だったっちゅうことか。小泉の特訓を、誰にも邪魔されんかったこと自体がな。」


狛枝「そっか…。やっぱりアレ、小泉さんなんだ。もしかしたら見間違いかなって、ちょっと期待してたのに。」

狛枝「“超高校級の写真家”である小泉さんが、あろうことか妙なコスプレをしつつ変な文字の羅列をなにやら発していた。」

狛枝「そんな信じたくない事柄が、まぎれもない事実だなんて。」

狛枝「これは果たして、幸運なのか、不運なのか。希望なのか、絶望なのか…。」




終里「ん?さっきまで感じ取れていた高密度のエネルギ―が、どんどん小さくなってないか?」

モノミ「本当でちゅ!!詠唱によってせっかく溜めたエネルギ―が、垂れ流しになっていまちゅ!!」

モノミ「まひるん☆ロンパさん!!何をやっているのでちゅか!!?はやく詠唱の続きをしないと、技が無為に終わってしまいまちゅ!!」


西園寺「小泉おねぇにとってのエネルギ―(=ノリという名の勢い)が、どんどん鎮静していってんじゃないの?」

西園寺「ホラ、さっきから固まって動かない小泉おねぇを良く観察してみなよ。」





小泉「…」ピコピコピコピコ


狛枝「う~ん。ボクの方にカッと眼を見開きつつ、あいた口が塞がらないままに、差し伸べている手を含め全身をワナワナと震わせているね。」

狛枝「あと、背中の羽根がピコピコ動いてるや。」

終里「さっきまでの怖いほどのノリの良さが、今じゃすっかり見る影もねぇな。」

弐大「あたかも沸騰水へ冷たい水を入れた時、一気に沸騰が沈下してしまう現象のようじゃのう。」


西園寺「きっと今小泉おねぇの頭の中は、この現実を受け入れるか受け入れないかでせめぎ合っているんだよ!!」

弐大「不測の事態には、思った以上に身体を動かせなくなるものじゃけぇのう。」

終里「現実って…今更じゃねぇか、変な格好をしてることなんてよ。」

西園寺「まあ、相手が悪かったのかもね―。」




小泉「…」


終里「…おっ。ちょっと小泉に、変化が表れたぞ。顔が、下から上へ、どんどん紅潮していってやがる。」

モノミ「ようやく、現実を頭が受け入れられる段階に入ったのでちゅね。」

弐大「しかし、受け入れたら受け入れたで、次は一体どう行動するつもりじゃろうのう。」



小泉「…あっ。」

小泉「あっ…う…お。」

終里「おい。なんか、小泉が喋ってんぞ。」

狛枝「小泉さんらしくない、いかにもコミュ症みたいな感じの喋り方だけどね。」

狛枝「まあ小泉さんらしくないと言えば、あまりにも露出度の高すぎるコスプレもそうなんだけど。小泉さんって、そんな趣味があったんだ。」




小泉「こ、狛枝…こ、これは、違うの…。」

狛枝「違う?何が違うのさ。」

小泉「こ、これはその、罰ゲ―ムなの。皆に無理やりやらされて、仕方なく…」


終里「おいおい。今度はなんか、見苦しい言い訳を始めたぞ。」

モノミ「そうでちゅね。魔法少女の契約は、あくまでまひるん☆ロンパさんの承諾があってのものでちゅ。無理やりなんて、失礼でちゅ。」

弐大「過去の過ちを認められないからといって、他人に非を押し付けるのはどうなんじゃあ?」

西園寺「そう。コスプレも詠唱も全部、小泉おねぇが自発的にやったこと。間違いじゃないよね?」

終里「そうでもないと、あんなにノリノリにはならねぇよな!!」


狛枝「…こう言ってるけど?」

小泉「こ、こいつらぁ…!!こういう時に限って、一致団結してアタシを陥れて!!日寄子ちゃんまで!!」

小泉「少しくらいは、アタシに助け舟を出してくれたっていいでしょうが!!マッヒマヒにしてやるわよ!?」ピコピコ

西園寺「マッヒマヒ…?」




狛枝「えっと。じゃあボクは、この辺で…」

小泉「待って狛枝!!誤解したまま去らないでよ!!こんなにも近いアンタが、どうしてこんなに遠く感じるの!!?」

狛枝「小泉さんが遠い存在に感じるのは、むしろボクの方なんだけどな。」


小泉「ち、ちが、チガ、違、血が…」





小泉「ちがぁああああああああああああああぁあああああああああああああ!!!!!」



ドゴ―ン!!!!!



西園寺「うわぁ!!!!小泉おねぇが自爆した!!」

モノミ「やりまちたねまひるん☆ロンパさん!!」

モノミ「精神的なフラストレ―ションがMAXに溜まった時に発動できるその技こそが、究極の自己犠牲技『だいばくはつ』でちゅ!!」

終里「そのまんまだな!!」

モノミ「またはメガンテでも可!!」

西園寺「大丈夫なの?それ。」

狛枝「発動条件から考察するに、本当にただ自爆するだけの能力だね。」




小泉「うう…威力250と引き換えに、瀕死に追い込まれたわ。身体的にも、精神的にも。」

小泉「でも、アタシはまだ焦ってない。この逆境を、一気にひっくり返す切り札が存在するんだから!!」


そうしてアタシは、ポケットからメモをとりだす。


小泉「これよ、これ。復活の呪文。こういう時のために、モノミから聞き出しておいたんだから!!」

小泉「これさえあれば、狛枝に恥ずかしいところを見られたこともリセットよ!!」

小泉「今思えば、いざとなれば時間を巻き戻せるという後ろ盾があったからこそ、あんなにはっちゃけられたのかもしれないわね。」

小泉「よし…」



小泉「きぬあ ぬぴい べぺペ のかか しあな らぐむ ぶふん ちまへ ねねゆ とぎな だえま こ」

小泉「復活!!」





じゅもんが ちがいます

小泉「…」



小泉「復活!!」

じゅもんが ちがいます

小泉「…」



小泉「復活!!」

じゅもんが ちがいます

小泉「復活!!」

じゅもんが ちがいます

小泉「復活!!」

じゅもんが ちがいます

じゅもんが ちがいます

じゅもんが ちがいます

小泉「うるさいわね!!そんなに何度も言われなくてもわかるわよ!!!!」ピコピコ




小泉「そんなぁあああ!!肝心な時にメモミスするなんて、そりゃないってぇええええええ!!!!」

狛枝「ファミコン世代あるあるだね。」

弐大「ワシらには、良くわからん世代じゃがのう。」

西園寺「その容姿じゃあ説得力がないよ―。」


モノミ「小泉さん。そう簡単に、時間を巻き戻せるなんて思わないことでちゅ。」

モノミ「やり直しの利かない1度だけの人生だからこそ、人は一生懸命生きることが出来るのでちゅよ。」

小泉「だからその、突然良いこと言った気になるのやめてよ!!アタシに詠唱を教えたのは他でもないアンタでしょうが!!」




終里「で、結局小泉の最後の手段も無意味に終わったわけだな。」

西園寺「どうすんの?小泉おねぇ。狛枝おにぃに見られた事実は、もう取り消しようがないけど。」

小泉「あ…あ…」



小泉「いやぁあああああああああああああああ!!!!!」


ダダ~!!


西園寺「あっ!!どっかに走って行っちゃった!!」

弐大「現実を受け入れられないあまり、この場から逃げてしまったようじゃのう。」

終里「ここで逃げたところで、現実からは逃げられないのにな。」


モノミ「…あれ?まひるん☆ロンパさんがいなくなれば、誰がモノケモノを倒すのでちゅか?」

狛枝「ええ?」




次回予告


左右田「朗報だ!!そろそろこの変なのも終わりを迎えるそうだぜ!!」

日向「本当かよ!!もう今回で、9話目だったもんな!!」

七海「このまま、1ク―ル行っちゃうかと思ったよ。」

ソニア「中には10話しかない物もあったようですが。」


澪田「凪斗ちゃんが登場したんで、そろそろ唯吹も登場するよね!!」

豚神「そろそろ俺の統率力が必要とされる時だろう。」

田中「第四の壁の向こうの人間も、そろそろ俺様の美技に酔いしれたい頃合だろう。」

花村「ぼくを中心とする酒池肉林を生々しく描写すると、人気爆あげ間違いなしだよ!!」



辺古山「次回。もし坊ちゃんが辺古山に入籍したら、第10話。『ドキ!!坊ちゃ』」

罪木「はわわぁ!!転んでしまいましたぁ!!!!」

辺古山「貴様ぁ!!都合の良いタイミングでわざとらしく転んだなぁ!!!」

罪木「ふぇえ、すみませ―ん!!!!」

九頭龍「…『九頭龍』とは、大変な人生を送っていたのですね。」


長く苦しい戦いだった……(真顔)

乙乙!

sage忘れました
すみません

これ最初の安価が狛枝だったらどうなってたんだろ

いろいろ半端ない...

とりあえずあれだ。
お疲れ様。小泉さんにも作者さんにも。

そろそろだろうか

失踪しました



モノミ「まひるん☆ロンパさんがいなかったら、ボスケモノをやっつけられないじゃないでちゅか!!」

終里「そんなこと言われても…なぁ?」

狛枝「小泉さん、ものすごい勢いで逃げて行っちゃったしね。」

モノミ「まひるん☆ロンパさん…この写真をばらまかれても良いというのでちゅか!!?」

西園寺「既に1番見られたくない人に見られちゃったから、もうどうでも良くなってんじゃないの―?」


モノミ「まひるん☆ロンパさんが良くても、こっちは良くないのでちゅ!!」

モノミ「皆の者!!まひるん☆ロンパさんをひっとらえるのでちゅ!!その面をここに拝ませてやりまちゅ!!」

狛枝「どう考えても悪役のセリフにしか聞こえないけど…」

モノミ「それともなんでちゅか?ここの誰かが代わりに魔法少女になりまちゅか?」

弐大「やっぱり悪役じゃのう!!純粋悪じゃあ!!」

モノミ「それと、他の皆にも知らせるのでちゅ!!人手は多い方がいいでちゅからね!!」




―中央の島―


小泉「…」


小泉「ああ…やばい。割と死にたい。思い出すと、悶え死にそうになる。」

小泉「消し去りたい、あの事実。それか、数分前の自分を2、3発ひっぱたきたい。」


小泉「とにかく、いやなことは寝て忘れるべきね。早くコテ―ジに帰って布団に潜ろう。」

小泉「何はともあれ、モノミから逃げることが出来たんだし。この際、あの写真がばらまかれようと知ったこっちゃないわ。」

小泉「よし、誰にもバレないようにコテ―ジへ…」





「みつけたぞ、小泉ィ!!!!」

小泉「えっ!!?」



突然、茂みの方から声が聞こえてきた。

この声は…左右田!?


正直、この格好を見られるのはとてもまずい。

でもそれは、最早回避不可能だ。

誰かに出会った時点で。


だからアタシが次に考えないといけないのは、この格好に関する弁明なんだ。

アタシは自分の体を隠すようにして抱きながら、声のする方向にあわてて振り向いてみたのだけど…



小泉「え、えっと、左右田。この格好には、マリアナ海溝よりも深いワケが…」

小泉「…左右田?」

左右田「…」



弁明をしようと回転させた頭に、処理すべき事柄が上乗せされて、パンクしそうになる。

自分の格好の事ばかりを考えていて、相手の格好に関して今まで感知する余裕がなかったのだ。

だから今の左右田の格好に関して、率直な意見を言うと…





小泉「変な格好!!」

左右田「お前に言われたかね―よ!!!!」

小泉「だ、だって、頭には変なリボンが着いてるし、手には木の棒持ってるし、挙句の果てには下半身に、オムツ…!!!!」


左右田「だぁああああああ!!!!うっせうっせ!!!オレだって、好きでこんな格好をしてるんじゃねぇ!!」

左右田「さっきから島が揺れ出したかと思えば、突然皆の服装が変になったりしだしたんだよ!!」

左右田「田中なんかは、力に目覚めたとか言ってたしよぉ…!!」

小泉「島が揺れ出した時に…?」


小泉(アタシの変な詠唱が、この島の至るところに影響を与えてしまったという事ね。)

小泉(影響の与え方があまりにも不可思議だけど。魔法って、不思議なものだよね!!)




左右田「そもそもオレの場合は、元の服にリボン・木の棒・オムツが追加されてるだけだからまだマシだろうが!!」

左右田「なんだよ小泉の格好!!上から下までシッチャカメッチャカじゃね―か!!」

左右田「ハメを外し過ぎたコミケのコスプレイヤ―かっつうの!!」

小泉「アタシの服装については深く追求しないでぇ!!!!」

左右田「黙れ、この歩く公然わいせつ物陳列罪!!!!」

小泉「グハァッ!!!!」

小泉(よ、予想以上の精神的ダメ―ジ…。)


かわい左右田ェ…(早漏)



小泉「そ、それで…アンタは、アタシに何の用があって来たのよ…?」

左右田「西園寺達から聞いたぜ。皆の服装が変になる元凶は、小泉だってよ!!」

小泉「はぁ!?なんでアタシが!!?」

左右田「とぼけるな!!皆の中で1番変な格好をしてるくせによ!!」

小泉「やっぱりコレ、1番変なんだっ!!?」

左右田「それに、皆の中で唯一オムツをしてねぇ!!」

小泉「オムツをしてないのは、エベレストよりも高いワケが…」



左右田「お前の目的は皆にコスプレさせて、恥をかかせることだろ!?」

小泉「違うから!!それは絶対に違うから!!」

左右田「今すぐ、そんなことやめろ!!言う事を聞かないと、腕ずくでやめてもらうからな!!」

小泉「いや、アタシがどうこうできる問題じゃないんだって!!」


左右田「皆迷惑してるんだ!!オレがお前をくい止める!!」

小泉「左右田自身は、善意でやってるわけね。うう、やり辛い…」

左右田「これでうまくいけば、ソニアさんはオレにメロメロ…!!」

小泉「前言撤回。左右田はやっぱり、心が濁ってるわ。抹茶よりも濁ってるわよ。」



小泉「左右田に恨みはないけど、降りかかる火の粉は掃わないといけないね!!」

小泉「いくよ!!!!」


―なんやかんだで、左右田と戦闘開始―


小泉「悪いけど、一瞬で片付けるから!!」

小泉「湧き上がる小さな泉 矢のごと」





左右田「和一パンチ!!!!」

小泉「ほべぇえええええ!!!!」



左右田「よくわからない力の影響によって、オレが身に着けた技…その名も、『和一パンチ』!!!!」

小泉「ちょっ…詠唱の時に攻撃するなんて、そんなのアリ?変身物のアニメじゃあ、どんな敵も主人公の変身シ―ンを待ってくれるのに!!」

小泉「ってかアンタ、女子の頬に容赦なくパンチって!!グ―パンよ!!?手に持ってる木の棒には何の意味が!!!?」

左右田「勧善懲悪に、男も女も関係ない!!そもそも殴られる時に、『ほべぇえええええ!!!!』なんて言う女がいるのか?」

小泉「ぐぬぬ…」


左右田「女だからって殴られないとか思っているのなら…」

左右田「まずはその幻想をぶち殺す!!!!」

小泉「『和一パンチ』って、別名『男女平等パンチ』!!!?左右田ってきっと、家庭を持ったらDVする夫になるんだ!!!!」

左右田「そもそも相手がいねぇ!!」

小泉「納得。」

左右田「納得するなよ!!!!」



小泉「そもそも、詠唱が『和一パンチ』だけで良いってズルくない!?たった7文字とか!!アタシなんて、『湧き上がる小さな泉 矢のごとし光陰 ピン」

左右田「和一パンチ!!」

小泉「うわぁ!!!!」

小泉「まずいわ…このままじゃあジリ貧よ。なにか…なにか方法はないの!?」




全く…哀しいものだ…


小泉「えっ…?何!?誰!?コイツ、直接脳内に…!!!?」


ワタシは常に…貴様のそばにいるというのに。


小泉「アナタは…まさか!!」


そう。ワタシは、貴様がいつも身に着けているカメラだ。


小泉「アナタを遣えば…左右田にも対抗できる?」


そうだ…今こそ、ワタシの名を呼べ!!


小泉「アナタの名は…!!」



小泉「斬げ」

左右田「ちょ、待て!!まさか、そこまでパクる気なの!!!?」



小泉「終わりよ、左右田…。アタシと、このカメラさえそろえばね。」

左右田「なんだって!?」

小泉「教えてもらったのよ。このカメラの名と共に、アンタを倒す技の名をね!!!!」

左右田「くっ…!!!!!」

小泉「行くよ!!」





小泉「『小泉フラッシュ』!!!!!」パシャッ



左右田「ぎにゃぁああぁあああ!!!!!鉄壁の肉体を持つ某フリ―のカメラマンを彷彿させる技を前にして、為す術がねぇえええええええ!!!!!!」


バタッ


―小泉 WIN!!―


小泉「ちなみに、どういう原理かは考えてはダメよ。」

左右田「ちきしょう…結局オレって、こういう役回りなんだな…。」

小泉「悪いわね。先を急いでるのよ。」

小泉(早くコテ―ジに帰って、この服を着替えないと…。)





「待て!!!!」


小泉「こ、今度は何?」



田中「…」

小泉「つ、次は田中…!!!?アンタは、左右田みたいに勘違いしてないよね?」

小泉「まさかこの騒動の元凶が、アタシだなんて思ってないよね?」


田中「…」




田中「おい、小泉。」

小泉「へっ?」


田中「貴様…俺様の妹にならないか?」

小泉「…は?」




田中「ここでは、モノクマによって殺されるのも…俺に殺されるのも同じだ。」

田中「どうせ…死ぬんだからな。」

小泉「田中…田中?なんか、おかしくなってない?」



田中「大丈夫だ、小泉…。」

田中「僕が、終わらせてあげる。キミのその、小さな…」

田中「…命を。」


小泉「何かコイツ、左右田とは比にならない位ヤバいんだけど!!?魔法にあてられて、完全に別キャラになってるじゃない!!!!」




次回予告


花村「そろそろ終わりとか言ったのって、いつだったかな…。」

ソニア「そうですね。もう、かれこれ2週間前です。」

日向「許せないな。2週間も失踪してるなんてよ。」

七海「まあそもそもこんなスレを読んでくれてる人がまだいるのかって話だけどね。」

澪田「それ言っちゃあお終いでしょう!!」


豚神「しかしこのスレ、完結はいつになるんだ…?気軽に始めたつもりの2週目が、いつの間にか11ヶ月も!!」

七海「1週目は、3ヶ月で終わったのにね。」

日向「それもこれも、九頭龍との件が泥沼化してるせいだな。いつになったら2人は仲直りするのか。」

豚神「…そこなのか?」



罪木「じ、次回!!もし小泉さんが魔法少女だったら、第11話!!『ソ―ドマスタ―真昼』!!」

九頭龍「…おや?この変なのは、もう終わるんじゃなかったのですか?」

辺古山「まだもうちょっとだけ続くんじゃよ。」


ソードマスター真昼…これなら確実に終わるな

本家が伏線を3ページで回収させたからこっちだと3スレ分で終わらせなきゃなw

いや3行で終わらせなきゃ

>>440
節子それBLEACHとかアニメドラゴンボールレベルの引き延ばしや

小泉フラッシュで一瞬 左右田がカメラに封印されるのかと思ったのは俺だけでいい

あれ?

まだ?

中の人繋がりでまさかのコープスw
思えばこのスレも長いんだな…続き楽しみにしてる

どうした?

失踪確定
小泉は何がしたいのやら

まだ一月も経ってないしヘーキヘーキ

大丈夫か?これ好きだから応援してる。

忙しいだけだよね作者、
頼むからそうだと言ってくれ!

糞スレ上にクソゲーレベル。

3決定したけど2のアニメ化消えたから死んでるのかな
そろそろスレ落ちるよ

2アニメ化ないの残念だよねぇ…

更新待ってます、生存報告だけでも

生存報告待ってます。時間かかってもいいので完結して欲しいです…。

まぁ一回完結してるからしょうがないのかもね.................。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月30日 (木) 21:51:21   ID: ZTTleZKF

まさか小泉が魔法少女になるとは・・・。これを花村達に見られたらどうなるのだろうか・・・。

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