アリサ「リーダー!リーダー!!」【ゴッドイーター2】 (73)

・GE2RB本編の後日談
・女隊長(主人公)のいる極東支部に男リーダー(無印~GEB主人公)が帰ってくるお話
・アリサがヒロインだけど多分出番は少ない
・主人公ズの口調と性格は一応女隊長が女ボイス9(あがり症気味な優等生キャラ)、
  男リーダーが男ボイス9(GEB版、渋声な敬語キャラ)のイメージで


前作
ギルバート「なぁ隊長……」【ゴッドイーター2】
ギルバート「なぁ隊長……」【ゴッドイーター2】 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1433429399


――フェンリル極東支部アナグラ 支部長室


サカキ「やぁブラッド隊長、いきなり呼び出してすまないね」

隊長「はあ……」

リンドウ「よっ、隊長さん」

隊長「あれ、リンドウさんもですか?」

リンドウ「一応、クレイドルに関わる一件でもあるんでな」

隊長「"赤い雨"に"キュウビ"、"聖域"の件もとりあえず一段落して……最近は特に大きな騒動も起きてないし……」ウーン
   「……やっぱり、以前のアラガミの活発化は何かの兆候とか……」ブツブツ

サカキ「いや、今のところはそれも問題ないよ。君達に来てもらったのは、むしろ脅威が間近にない今だからこそ、なんだ」

隊長「……?」

サカキ「リンドウ君にはよくわかる話だと思うけど、フェンリルにも人手の少ない支部があってね」
    「幸い、極東のような激戦区は現状ほとんどないけど、当然危険がないわけでもない」

リンドウ「そこらへんサポートするのも、クレイドルの仕事の一つですからねぇ」
     「……といっても最近はここでの騒動続きで、俺達を含めて結構な人数が身動き取れなくなっちまいましたけど」


サカキ「その騒動の多くが終末捕喰に絡んでいたこともあって、尚更そういった支部は戦力不足を不安視するようになる……」
    「元々戦力が充足するまでという条件で、任期が不確定だったというのもあるんだけど、」
    「騒動が重なってしまったことで、ずっとこちらに帰ってこれなかったクレイドルの神機使いがいるんだ」

リンドウ「そんでもって、直近の"聖域"の件は本部情報局がガッツリ絡んできたおかげで、その決着も今まで以上に明瞭に」
     「そして大々的に発表されることになった。目の上のタンコブの終末捕喰はしばらくの間脅威じゃなくなったし、」
     「補充した現地の神機使いの指導もひとまず一段落したってことで、そいつはようやく任を解かれたわけだ 」
     「……博士、こんなもんで大体合ってますよね?」

サカキ「十分だよリンドウ君。……それで話は長くなってしまったけど、要はここに神機使いが一人帰ってくる」
    「ブラッド隊長、君には防衛班の時と同じく、彼のブラッドアーツ習得を優先してもらうよ」

隊長「ああ、何かと思えばそういう……今度は平和な内に、ってことなんですね」
   「……仕方のないことなんだけど、慣れないなぁこういうの」ボソッ

サカキ「大丈夫、今まで通り、君なりにやってくれて構わないよ。彼なら君と相性もよさそうだしね」
    「……それに、これから嫌でも慣れていくことになるかもしれないしね……」キラーン

隊長「えっ」


――アナグラ ラウンジ


ナナ「――それで、隊長は色んなとこから引っ張りだこってこと?」

隊長「うん……なんでも、"聖域"の件で血の力やブラッドアーツのことも広まっちゃったらしくて」ハァ
   「ブラッドアーツの教導を要請する支部も出てきたみたい。現状、効率的な促成ができるのは"喚起"の血の力を持つ私だけだし」
   「ブラッドのものを基にした新たな偏食因子の開発・量産も企画されているようだから、まだ確定したわけじゃないんだけどね」

シエル「それで試験的な措置として、イタリア支部とドイツ支部から極東支部に縁のある神機使いが一人ずつ派遣される……と」
    「……その後の状況によっては、隊長自ら各支部を渡り歩く可能性もある、ということですね」ギリッ…

リヴィ「まぁ……それも先の話なんだろう?目下の課題は、今日来るらしい神機使いのことじゃないか?」

隊長「そうだね……博士曰く凄腕の神機使いで、私と相性がいいらしいけど、どんな人なんだろう」

ナナ「あっちがもったいないから、って歓迎の準備も断わっちゃったんだっけ?今日の何時帰ってくるのかわからないし――」



ウィーン

「久々のラウンジですね……私がいた時に比べて、随分賑やかになったようで」


リヴィ「!」

シエル「クレイドルの制服……」

ナナ「……噂をすれば、ってやつ?」

隊長「すぅー……はぁー……よしっ」スタスタスタ


「さて……とりあえず目新しそうなところから来てみたものの……おや」

隊長「えっと……どうも、初めまして。私はフェンリル極致化技術開発局及び極東支部所属特殊部隊ブラッド隊長、―――です」

「これはどうも。あなたが件の……私はフェンリル極東支部独立支援部隊クレイドル所属――」



「リーダー!!」ガタッ



「!?」ビクッ

アリサ「リーダー!リーダーですよね!?」ダッ

「ア、アリサ……久しぶりですね」

アリサ「久しぶりですね、じゃありませんよ!何で帰って来るって連絡くれなかったんですか!?」

「リ、リンドウさんとサカキ博士にはちゃんと連絡を入れてましたから」

アリサ「リーダー!!確かに他の支部への派兵自体は珍しいことでもありませんけど」
    「これだけの期間を空けるなら私にも連絡ぐらいよこしてください!……その分だと、コウタにも伝えてませんね?」ジトッ

「す、すみません……あと、アリサ?前にも言いましたが私はもうリーダーでは――」

アリサ「な に か 言 い ま し た か ?」

「……いえ、何も」


ナナ「ひゃー……あんなキツい物言いのアリサさん、初めて見たかも」

リヴィ「隊長も一瞬で蚊帳の外だな……」

シエル「アリサさん……心なしか、少し嬉しそうにも見えますね」




アリサ「まったく!……でも、無事に帰ってきてくれてよかった」

リーダー「……アリサ」

アリサ「リーダー……」
    「……!」ハッ

アリサ「と、とにかく!」///
    「積もる話やクレイドル隊員として伝えたいこともあるので、30分……いや1時間……2時間後に私の部屋に来てください」
    「ではまた!」ツカツカツカ




ハヤクショルイテイシュツシテヘヤカタヅケテ…2ジカンデマニアウカナァ…アトノスケジュールモ…




リーダー「……」

隊長「……」
   「……クレイドルのリーダーさんですね、よろしくお願いします」フフッ

リーダー「違っ!?」


――アナグラ ロビー

―――
――

「やぁ、よく帰ってきてくれたねリーダー君。早速だけど、また働いてもらうよ」

「ようリーダー、長い間お疲れさん。どうだ、早速今夜ビールでも……あぁ、そういやまだ飲めないんだったな」ハハッ

「ただ今帰投しましたー……っておぉ!?お前帰ってきてたのかよ!……そりゃビビったけどさー、ちゃんと教えてくれよなぁ」

「まぁ、今回は許してあげます……でも次は!絶対!少なくとも私には連絡入れてくださいね、リーダー?」

「ようダチ公……帰還早々、アリサに絡まれたらしいな。……ま、自業自得だ」フッ

「おぉ、リーダーさんか。随分久しぶりだなぁ……ははっ、お前三年前から全然変わらないよな」

「リーダーか……お前さんのあちらでの活躍ぶりは聞いているよ、改めてよろしく」

「あらリーダーさん……フフ、帰ってきた途端痴話喧嘩だなんて大変ね……」

「久しぶりだなぁ"英雄"さんよ!俺だって強くなってんだ、もう負けねぇかんな!」

「あぁ……お前、帰ってきてたのか。……ちょうどいい、横のそいつも合わせて、今が稼ぎ時だな」ニヤ

「あ、リーダーさん!お帰りなさい!ちょうど皆さんに手作りのお菓子配ってたんです、リーダーさんもお一ついかがですか?」

「お帰り、リーダー!……君、あっちでまた無茶なことしてないよね……よかった、出ていく前に釘刺しといた甲斐があったよ」

「お帰りなさいリーダーさん!改めて精一杯、サポートさせていただきますね!」


―――
――


リーダー「……(すっかり名前で呼ばれなくなってる……)」ズーン

隊長「(無表情なのに凄く落ち込んでるのがわかる……)」
   「(……待って、確か私も……)」

―――
――


「隊長、聖域はいいぞ」

「隊長!さっきリーダーさんにおでんパン一つあげたら、何とその場で平らげちゃった!きっとすごくいい人だよー!」

「なぁ隊長……その、だな……後で俺の部屋まで来てくれないか……?」

「隊長……最近はギルと二人でいることが多くなりましたが、私との約束は忘れていませんよね……?」

「なぁなぁ、聞いてくれよ隊長!この前話したユノとシプレのコラボの噂なんだけどさ……」

「隊長……頬に小さな擦り傷があるな、この絆創膏を使ってくれ。あと……おまけに余ったゆで卵もやろう」

「よう隊長さん!最近は教えることも少なくなって、少し寂しくなっちまったな!」ハッハッハ

「隊長、土いじりはいいぞ」


「先輩先輩!今日の任務も絶好調だったね!やっぱり、私のおかげかなー?」ニマニマ

「やぁ隊長殿、ちょうど紅茶が出来上がったところなんだ。ここで君に振る舞わずして何とするっ!!」バッ

「よう隊長さん……お、今日のお前さんの格好……また俺を聖なる探索へと導いてくれそうだな!」

「隊長、たまにはあなたのおすすめする映画も見てみたいですね」フフッ

「あ、隊長さん!この前は相談に乗ってくだすって、どうもありがとうございました!」

「隊長さん……神機には精神体が宿ってるかもしれないって噂、ご存知ですか?」ニタァ

「隊長、農業はいいぞ」

―――
――



隊長「(……私もだった)」ガクッ

リーダー「……」ズーン





シュン「お?あいつら、何うな垂れてんだ?」

カレル「知るか……どうせ下らないことだろ。……おい、さっさとしろよ」ハァ

シュン「あ!待てよ!抜け駆けは許さねーからな!」ダッ

ジーナ「フフ……焦るとまた、美味しいところを持っていかれるわよ」

シュン「うるせー!」


隊長「(思えば副隊長に任命された時からこんな調子だし、ジュリウスやシエルはそうでもないのに)」
   「(私はいつの間にかこれで定着してるんだよね……)」
   「(……でも今なら、二人きりの時はギルが名前で呼んでくれて……)」




リーダー「……」ズーン

隊長「……えへへ」///





ロミオ「あ、一人立ち直った」

シエル「きっと100年寄り添える友達の事を考えて……!」モッモッ

ナナ「……さすがにそれは都合よすぎるんじゃないかなー」


リーダー「さて、気を取り直して任務に向かいましょうか」キリッ

隊長「あの、大丈夫なんですかリーダーさん?」

リーダー「労わる気があるならその呼び方を……いえ、もう気にしませんし構いません」

隊長「は、はあ……」

リーダー「今度こそ切り替えましょうか……今回の任務はあなたと私の初共同任務です」
     「お互いの力量を知る必要もありますから、気張らず、自然体で臨みましょう」

隊長「……はい!」

リーダー「……いい返事です」ニコッ
     「それでは、いきますよ!」


――極東 嘆きの平原

―ザザッ
ヒバリ『――任務完了です。早い!帰投準備の完了まで、もう少しかかります』


リーダー「身体を徐々にクールダウンさせてください……なんて、言うまでもなかったようですね」

隊長「(強い……!ブラッドアーツを使えない分、ロングブレードの基本動作を最適化出来てる)」
   「(それにタワーシールド装備とは思えない身のこなし……参考になるなぁ)」

リーダー「お見事です隊長さん。あれがブラッドアーツ……一突きで大型アラガミを怯ませる威力とは」
     「それに見たことのない軌道を描くバレット……是非あやかりたいものですね」

隊長「必殺技……とまではいきませんけどね」フフッ
   「バレットの方はブラッドバレットと呼ばれるもので、血の力がバレットの構造に影響を与えた、」
   「いわばブラッドアーツの銃身版のようなものですね」

リーダー「ほう……それはブラッドアーツ同様、私にも扱えるようになるのでしょうか?」

隊長「はい。ブラッドアーツと違って、ちょっとした調整は必要になりますけど、ブラッドアーツよりは発現しやすいみたいです」


リーダー「それはそれは……ブラッドと名のつくものは奥が深いですねぇ」
     「……話は変わりますが、やはり極東はいい……戦いの上であっても、理屈でない落ち着きを与えてくれます」
     「こればかりは、ホームの強みですね」
     「それに……タツミさんではないですが、ヒバリさんのオペレートもよく馴染みます。いい声ですねぇ……」


―ザザッ
ヒバリ『もう、からかわないでくださいよ』フフッ

―ザザッ
タツミ『そうだぜーリーダーさん。俺のヒバリちゃんにあんまちょっかいかけんなよ?』

ヒバリ『……ブラッド隊長、リーダーさん、帰投準備が整いました。気をつけてお帰りください』

タツミ『ありゃ、無視ですか……』


リーダー「そうそう、こういうのがいいんですよ」ハハッ
     「……では、帰りましょうか」

隊長「はい」フフッ

書き溜めが尽きたので今日はここまで
私自身そこまでゲームが上手いわけでもないので、リーダーageはちょっとムズ痒くなりますね
出来るだけキャラを出していきたいと思っているので、モチベ関係なく前作よりは長くなる予定

少し溜まったのでキリのいいとこまで投下
ゲーム以外は漫画のunder coverぐらいしか持ってないので設定関連はかなり適当にやってます(スパフェ、サマウォ、t2bは一応一回読んだ)


――アナグラ ラウンジ


「――あ、いたいた!」



リーダー「?」

「久しぶりだね、リーダーさん!私、あの時の宣言通り……神機使いになったよ!」

リーダー「……あぁ!あなたはエリックさんの妹の……!」

「♪」フンス

リーダー「裕福そうな少女さん!」

エリナ「ちーがーいーまーすー!エリナ!エリナ・デア=フォーゲルヴァイデ!!」

リーダー「冗談ですよ」ハハッ

エリナ「もう、そういうとぼけたところも全然変わってないんだから……」ハァ


ウィーン

隊長「お待たせしました。以降は明日の朝まで……あれ、エリナ?」

エリナ「せーんぱい♪お帰りなさい!今戻ってきたところ?」

隊長「うん、リーダーさんと一緒にね。私が経過報告の手続きしてる間、ラウンジで待ってもらってたの」

リーダー「先輩?」

エリナ「そう、先輩!」ガシッ

隊長「きゃっ!?」

エリナ「今はこの人に師事して、色々教えてもらってるの」ギュー
    「目標はもちろん、お兄ちゃんのような華麗なるゴッドイーター!」
    「もっともっと経験を積んで、いつかは先輩もあなたも越えてみせるんだから、覚悟しててよね!」


リーダー「ほう……」

隊長「ちょ、ちょっとエリナ、くっつかないで……!」///

エリナ「はーい……先輩、任務中はすっごく強いのに、こういうのにはほんと弱いよね」パッ

隊長「もう……すいません、リーダーさん」

リーダー「構いませんよ、目の保養になりましたし」ハハハ

隊長「……」ジトッ

リーダー「冗談です」キリッ

隊長「(低い声や口調から最初はブレンダンさんみたいなタイプかと思ってたけど)」
   「(何か所々軽いなぁ、この人……)」


「話は聞かせてもらったぞ、エリナ!」

エリナ「げ、エミール……」

エミール「……む、これはお初にお目にかかるよリーダー殿。僕はエミール、エミール・フォン=シュトラスブルク」
     「栄えある極東支部第一部隊所属……つまり、貴殿と同じ騎士道精神を宿せし者!」
     「……"極東に―――あり"……その勇名は聞き及んでいるよ……ああ、貴殿こそまさしく騎士の鑑!――」

リーダー「……あの、この方は?」ヒソヒソ

隊長「見たままの人物だと思ってください……」ハァ
   「でも、ちょっとズレてるだけで根は真っ当な人ですから」ヒソヒソ

エリナ「エミールうるさい!リーダーさんに迷惑でしょ!そもそも、私に用があって来たんじゃないの?」

エミール「――の野望を打ち砕き……おお、そうだった」ハッ
     「もうすぐ次の任務に関するブリーフィングが始まるから急ぐようにと、コウタ隊長殿から言伝を頼まれて来たのだよ」
     「だがその前に!君は兄のようなゴッドイーターになることが目標だと言ったな!」
     「我が盟友、エリック・デア=フォーゲルヴァイデの妹は我が妹も同然!つまり、僕を兄として目標に邁進すれば」
     「君の騎士道は曇りなき光明を指し示し、群がる闇を打ち払うだろう!」
     「さぁ妹よ!まずは手始めに、この兄の胸に飛び込んで来い!!」バッ


エリナ「はぁ?何よそれ、相変わらずわけわかんないこと言っちゃってさ!」
    「何度も何度も言ってるけど、アンタをお兄ちゃんだと思ったことなんていちっっどもないんだからね!」


エミール「……ぐぬぅっ……何故だ、何故こうも僕の想いは通じない……っ!!」ガクッ
     「こんなことでは誓いを立てた盟友に……申し訳が立たないではないか……っ!!」ドンッ

エリナ「……あーもー!そういうのがいらないって言ってんの!お兄ちゃんはお兄ちゃん!エミールはエミール!」
    「代わりなんていないし、いらないの!!……それにさ」
    「ア、アンタの事……一応、大事な仲間だとは思ってるから」ボソッ

エミール「……エ、エリナ」ジーン

エリナ「……ほら、急ぐんでしょ?さっさと立ってよ」
    「――じゃあ先輩、リーダーさん、お疲れ様でした!あと、ずっとこっちで喋っててごめんなさい!」ダッ

エミール「……っ!」ダッ



エリナァァァァァァ!!
ウワッ!?キュウニオオゴエダサナイデヨ!
ボクヲ、イヤエミールヲユルシテクレェェェェェ!!!
ワカッタカラ!ワカッタカラボリュームサゲテッテ!



リーダー「私達の背中を見ていたあの子が、よくあそこまでの成長を……」
     「きっとあなたのおかげでしょうね、先輩」

隊長「……確かに戦い方は教えましたけど、変わろうとしたのはエリナ自身ですよ」
   「それに、先輩と言っても神機使いとしての経歴にほとんど差はありませんから」フフッ

リーダー「……そういうことにしておきましょうか」ニコッ
     「では、私も先約があるので一先ず部屋に戻らせていただきます」

隊長「はい、今日はお疲れ様でした。……あ、明日はブラッドのスケジュールがこういう風になってて……」カクカクシカジカ

リーダー「……ふむ、翌朝この時間にですね。了解しました、お疲れ様です」


その日の夜……
――アナグラ リーダーの部屋

コウタ「よっ、お待たせ」

リーダー「ようこそ。むしろ予定より早いぐらいですよ」

コウタ「いやー、今日のブリーフィングはいつもうるさい二人が珍しく静かでさ」
    「口喧嘩の一つもしないから、思った以上にスムーズに終わったよ」

リーダー「やっぱり、部隊でもあの調子なんですね」ハハッ

コウタ「えっ、もうあいつらに会ってたのか?悪いね、色々騒がしくてさ」

リーダー「いえいえ。アレはアレでかつてのコウタとアリサを思い出して懐かしくなりましたよ」


コウタ「いやいや……自分で言うのも何だけど、全っ然違うだろそれ……」ハァ
    「……リンドウさんやお前から第一部隊隊長の座を引き継いでさ、最初はバリバリやってやるぜ!って気概だったんだけど」
    「新しく入ってきたあいつらがすぐ喧嘩するわ、協調性ないわで、言うこと聞かないのなんのって!」
    「新人の指導をしてきた経験もそこそこあったから、余計に自信が揺らいじゃってさ」
    「俺、向いてないんじゃないかってヘコんじゃいそうになる時期もあった」

リーダー「……」

コウタ「それで、一度ガツンと言ってやろうかとも思ったんだけど、強引に押さえつけるのも違う気がしてね」
    「アクの強いあいつらだからこそ、むしろ個性を尊重してやるのが俺なりのやり方だって考えたんだ」
    「エリナには"優しすぎ"って怒られちまったけどな」ハハッ

コウタ「……まぁ、実際最近はちょっとずつ打ち解けてきてるみたいだし、少なくとも任務中の指示は聞いてくれるから、」
    「間違ってないとは思うんだよ。あいつら筋はいいから、きっかけ掴んだ後の伸びしろも凄いんだぜ!」
    「そんで何より……当然俺だけの力じゃないんだけど、家族や極東の皆を……親友の居場所を、守れてる」

リーダー「……ありがとうございます」

コウタ「……あー、終わり!お前がいない間の話終わり!今度はそっちの土産話も聞かせてもらうからな!」
    「聞かれてもないのについベラベラ語っちまうとこ、やっぱ似てるよなぁ……」ボソッ

リーダー「?はい……そうですね、まずは――」



―――
――


コウタ「――そんでさ、家の隣の隣のオヤジが飛び出してきて……うっわ、もうこんな時間かよ……」

リーダー「喋ってるとあっという間ですね」

コウタ「ここから寝たってもうしょうがないよなー……よし、例のアレ、やるか」ニヤリ

リーダー「……やりますか」ニヤリ

コウタ「うっし!そうと決まれば俺の部屋に……」

リーダー「……その必要はありませんよ、コウタ。あなたが喜ぶだろうと、コレを仕入れてきました……私の趣味も兼ねてね」スッ

コウタ「おっ?おぉっ!?こいつは……!!」
    「極東のデータベースには存在せず、欧米地域にのみ流通しているという、"バガラリー アフター"……!!」
    「しかも放映されずお蔵入りになってた極東ローカライズ版まで収録されてやがる!……おい、これをどこで?」ヒソヒソ

リーダー「先ほども話した、向こうのよろず屋で少し……ね。いやぁ、苦労しましたよ」ドヤッ

コウタ「……ヒャッホウ!!お前はやっぱ最っ高の親友だぜぇ!!早速上映会だぁ!!」

リーダー「えぇ!」ワクワク


――アナグラ ソーマの部屋


~~~♪
シビレルゼーッ!!
ガガーリンジュニア…コンナバメンデカツヤクスルトハ…



ソーマ「……うるせぇ」イラッ





翌朝……
――アナグラ ロビー

隊長「えっと……お疲れ様、です?」

リーダー「……面目ない」フラァ


数日後……
極東 愚者の空母

リーダー「――せいっ!」ジャキッ
     「はぁっ!」ズバァッ
     「……っ」ジャコッ
     「撃ちますよ」バンッ

セクメト「グォォォッ…」グラッ

隊長「ここまで溜めた分っ!」ゴォォッ

セクメト「グォォォォォッ!?……グォォォ……」バタッ


―ザザッ
テルオミ『任務完了!……思ったんですけど、私いらないんじゃないですかね』

リーダー「ふぅ……アップグレードした神機にもだいぶ慣れてきましたね」

隊長「お疲れ様です!……オラクルリザーブもゼロスタンスもない神機なんて、私からすると考えられないなぁ」

リーダー「前の仕様でずっと戦い続けていたので、何となくこだわりがあって……でも、もうそんなことも言ってられませんしね」
     「ブラッドアーツ習得の再現性を高めるためにも、神機の状態をできるだけ現行のものに近づけなくては」

―ザザッ
テルオミ『起動した旧式第二世代神機の肢体を拝めないのは残念ですけどねぇ。極東じゃ維持してたのはあなただけでしたし』
     『まぁ、整備したリッカさんは"これでもっと長生きさせられるね!"って喜んでましたけど……』フゥ

隊長「テルのはまた別のこだわりだね……」ハァ
   「……リーダーさん?」

リーダー「……」


隊長「(あの方角……エイジス島か)」

リーダー「……!」ハッ
     「あぁ、すみません……隊長さん、"アーク計画"についてご存知ですか?」

隊長「……コウタさんとソーマさんから、一部始終を」

リーダー「なるほど……では、私からも少しだけ」
     「……計画の首謀者であり、ソーマの父でもあったシックザール前支部長は、いずれ起こる終末捕喰をあえて早め、」
     「一握りの有能な人間のみを月に避難させようとする凶行に出ました」
     「結果、計画は私達当時の第一部隊とサカキ博士、そして……人型のアラガミ、シオの存在によって阻止されましたが、」
     「……シックザールは、最初から月での自分の席を用意していなかったのです」

隊長「……」

リーダー「彼は、自分の行いを歪んだものであり、許されないことだと自覚していながら、それでも計画を押し進めようとした……」
     「全ては人類の存続のために……私自身、シックザールの行いは今でも正しいとは思いませんが」
     「彼の想いには最大限、敬意を払っているつもりです」


リーダー「そして、だからこそ……彼の計画に終止符を打ち、後手の先を見出した中の一人だからこそ」
     「私はアラガミから人々を守り、出来る限り生き抜こうと考えています」
     「……結局長くなってしまいましたが、これが私の戦う理由、ですかね」

隊長「……あなたが強い理由……少しわかった気がします」

リーダー「いやぁ、私などまだまだですよ。決心はしても、ついこうやって考えを巡らせてしまう」ハハハ



―ザザッ
テルオミ『……おや、話も終わったみたいですね。では、本日もお疲れ様でした!』

今回はここまで
次回の投下で多分全部になると思います

キャラエピはもうちょっと進んだ関係になれると思っていた時期が僕にもありました
最終投下でございます

>>29 で隊長が大変失礼なことを言っていますが、あくまでロングとブラストに限った話であり、
他の武器種をdisっているわけではございませんのでご了承ください


――アナグララボラトリ サカキの研究室

ウィーン

リーダー「お邪魔しますよ」

ソーマ「お前か……頼んでいた素材は採取できたか?」

リーダー「えぇ、この通り。……しかし、あなたもすっかり博士らしくなりましたねぇ」

ソーマ「お前もか……よしてくれ、ガラじゃない」ハァ
    「まぁ、これでアラガミ防壁の強化にも……俺の研究にも、役立つはずだ」

リーダー「……月、ですか」

ソーマ「……最初はどうやってアイツを月から引き剥がしてここに戻すか……なんて考えたこともあったが」
    「ジュリウスの例や"聖域"の状況に、そもそもアイツの意志の問題もあるんでな」
    「特に"聖域"なんざ、アイツにとっちゃ住みにくいなんてもんじゃねぇ……」フッ

リーダー「もしや月にでも住み込むつもりなんですか……?」
     「……まぁ、どちらにしても一度行ってみないと始まらない、ということですね」


ソーマ「そうだな……まず金とリソースの問題が第一だが、こればかりは個人のワガママで占領するわけにもいかないだろう」
    「別に"人類の存続"がかかった計画でもないんでな……何年かかってでもかき集めて、実現してみせるさ」

リーダー「それだけに注力せず、極東の技術力や戦力にも貢献できているのは流石ですね……」
     「もし実現出来たら、私達も誘ってくださいよ?」

ソーマ「お前がそれまで神機使いを続けられていたらな……?」ピピッ
    「……おい、リンドウが呼んでるぞ……ったく、直接連絡すればいいものを……」カタカタ

リーダー「了解。この時間帯ですし、また徹夜ですかねぇ……」ハァ

ソーマ「……コウタとバカ騒ぎしてたことを言ってるんなら、同情はしねぇぞ」


――アナグラ ラウンジ

ウィーン

リーダー「……どうも」

リンドウ「ようリーダー、復帰二日目からこっち、全然会えてなかったが、元気でやってるか?」カラン

リーダー「サテライト候補地見回りの護衛に任務書類の作成、ブラッドアーツの習得……」
     「復帰当初は少々苦労しましたが、何とかいつも通りですね」

リンドウ「おう、そりゃよかった。お前は相変わらず手のかからない優等生だねぇ、なんてな」ハハッ
     「それでな……あれだ、最近よく一緒に任務に出てると思うが、ブラッドの隊長さんはどう思う?」

リーダー「隊長さん……ですか?」
    「そうですね……普段の自信なさげな物腰とは裏腹に、冷静な判断のできる方だと思います」
    「それでいて温かさも持ち合わせていて、つい自分の身の上を話してしまうような……なんだか気恥ずかしいですね」

リンドウ「そうそう、それに無茶する危うさも人を惹きつける力もあるよな」ハハッ
     「……考えれば考えるほど、やっぱ似てるよなぁお前ら」

リーダー「コウタにも言われた気がしますが、そこまで似ていますかね?」
     「魅力的な方だとは思いますが……」

リンドウ「まぁーたお前はそういうことを……アリサに抓られても知らねぇぞ?」


リーダー「別に彼女をそういう対象だと思って言っているわけじゃありませんよ……」ハァ

リンドウ「えー、後はだな……そうだ、サクヤのやつ、最近は教官職の勉強を始めたみたいでな」

リーダー「ほう」

リンドウ「まぁ、子育てはしっかりやってくれてる、本人はいつにも増して溌剌としてる、ときたもんだから」
     「俺から特に言うこともないんだが」

リーダー「……待つだけだと、辛いものがあるでしょうしね」

リンドウ「……どうした?」

リーダー「いえ、私も遠征先で断片的な情報を頼りにしながら、仲間を信じて自分の仕事を全うすることしかできませんでしたから」
     「今になって待つ側の気持ちがわかるようになったなぁと思いまして」

リンドウ「うーむ……まぁ、信じて待ってたのはお前だけじゃないみたいだけどなぁ」


リーダー「……」

リンドウ「……えーとな、次は――」

リーダー「リンドウさん」

リンドウ「お、おう、何だ?」

リーダー「先ほどから変に口を濁したり話題を探したり……何を言い淀んでいるんですか?」

リンドウ「……あー、やっぱこういう話はダメだわ」
     「……最近、アリサのやつ、ボーっとしてることが多くてな」
     「初日以降碌に会ってないんだろうが、せっかく帰ってきたんだ。今度こそアリサのこと、ちゃんと見てやれよ?」
     「ただでさえあいつ、誰に似たのか知らんが、一人で色々抱え込むようになっちまったからな」

リーダー「……!」

リンドウ「……その反応だと、鈍いお前でもようやく思い当ることができたみたいだな」スクッ
     「いつも自分は二の次に置いて戦ってきたお前だ……そろそろ、自分の事を考えてみてもいいんじゃないか?」
     「……俺から言いたいことは以上だ、またな」


ウィーン


リーダー「……アリサ」


翌日……
――アナグラ ロビー

「――さん」

アリサ「(……リーダー)」
    「(あの日、部屋に呼んでも結局取りとめのない話しかできなかったし)」

「――リサさん!」

アリサ「(やっぱり、素直になれてないなぁ、私……)」ハァ
    「(こっちが素直になれば、きっとリーダーの方も――)」

隊長「アリサさん!!」

アリサ「!?」ビクッ
    「隊長さん……?」

隊長「あの……参加メンバー、全員集まりましたよ」

アリサ「あ……はい、そうですね」ハッ
    「これより、第一サテライト候補地の最終点検及び、その護衛任務のブリーフィングを開始します――」
    「――リーダー、隊長さん、ブレンダンさん、そして私の四名は彼らの護衛を担当します」

リーダー「……了解」

隊長「了解!」

ブレンダン「了解だ。守る戦いなら任せてくれ」


アリサ「――では、参加メンバーは45分になったら出撃ゲート前に集合してください。解散!」

隊長「……アリサさん、任務に出ても大丈夫なんですか?」

アリサ「え?え、えぇ、大丈夫です!」
    「確かにここの所、考え過ぎて上の空になってしまうことはありましたけど、戦闘中はちゃんと切り替えますから!」

隊長「本当に……?」ジーッ

アリサ「う……ほ、本当ですってば!」

ブレンダン「そういえば教官先生、アリサの世話役だったな」

リーダー「そうか、彼女がアリサのサポートを……」
     「(しかし、今のアリサの問題は私が何とかしなくては……)」
     「アリサ――」

「アリサさん!ここのポイントなんですけど――」

アリサ「あぁ、そこはですね――」

リーダー「……」グッ


――極東外部居住区外 サテライト候補地 

―ザザッ
フラン『――アラガミ、ダウンです!……!?そんな、また……!』


ブレンダン「ぐぁっ!」ザンッ
      「……キリがないな……ここは俺と教官先生に任せてくれ!二人は職員の避難を!」

リーダー「了解しました!……さぁ、こちらへ!」ダッ

隊長「当たってっ!」ドスゥッ

コンゴウ堕天「グウゥゥッ……」ズ…ン

隊長「(群生地でもないのにこの中型アラガミの数……これだけ呼び出した上で、従えられるのは……!)」

アリサ「くっ……!」ダッ
    「(せっかく入念に調査を重ねて、あと一歩のところまできたのに、これじゃあ――)」ギリッ

シユウ「グオオオオオッ!!」ゴォッ

アリサ「――っ!」

リーダー「アリサ!!」ズバァッ

シユウ「グォォォッ……」ヨロッ

アリサ「リーダー……」

リーダー「悔やむのは後でお願いします!……避難を完了させた後は、私達も援護に向かいますよ!」ザクッ

アリサ「……はい!」ジャキッ


―――
――


アリサ「こちらアリサ、職員達の安全は確保しました!これよりそちらの援護に向かいます!」ピッ


――ザザッ
ブレンダン『了解だ、助かる!』ブォン

フラン『想定外のアラガミ反応を確認!これは……感応種!』
    『三十秒後に作戦エリアに侵入します!』

隊長『侵入ポイントはそちらの方が近いです、気を付けて!』

リーダー「……了解しました」ピッ

アリサ「リーダー……ブラッドアーツは」

リーダー「……いいえ」
     「しかし、確証はありませんが、あと一歩のように感じられ……っ!」ズシッ


――ザザッ
フラン『感応種!作戦エリアに侵入しました!マルドゥークです!』


マルドゥーク「……ゥオオオォォォン!!」キィィン

リーダー「ぐっ……(神機が重い……これが偏食場パルスの影響……!)」ズシッ
     「……ですがこの程度……っ!ちょうどいい、ハンデです!」ジャキッ

アリサ「リーダー!?無理はしないで!私の援護に回ってください!」


―――
――



――ザザッ
フラン『マルドゥークの発する偏食場パルスにアラガミが引き寄せられています!』


ブレンダン「くっ……これ以上食い止めるのは……!」ズバァッ

隊長「……いや、これだけ減らせばもう十分です」
   「ブレンダンさん、少し手伝ってください」ガキッ

ブレンダン「!……ブラッドレイジか!」

隊長「……誓約を履行します!」


―――
――


アリサ「きゃあっ!?……ぐっ」ズシャア

マルドゥーク「グルルルル……」ジリッ

リーダー「アリサァ!!……っ!!」ダッ


「(――極東に復帰してから再会した仲間達……つまり、隊長さんと触れ合うことで新たな力を得た者にあって、私になかったもの……)」
「(それは戦う意義、背負うもの、弱さといった、自分自身と向き合うこと……そして――)」


リーダー「……ぉおおおおおお――」バッ

マルドゥーク「グゥゥゥゥ……」グワッ

アリサ「うっ……リーダー……!」ハッ
    「……受け取ってください!!」バシュゥッ


「(――私を想ってくれている、大切な者への想い!!)」バシュウッ


リーダー「――おおおおおおっ!!」キィィン
     「はああああああっ!!」ズバァッ

マルドゥーク「ッ!?グオオォォッ……!!」ブシャァァァ

リーダー「……」ズザァァッ
     「……何とか、間に合いましたね……!」

―――
――


―ザザッ
フラン『討伐対象は完全に沈黙しました!……心配しました……!……す、少しだけ』

隊長『リーダーさん!アリサさん!大丈夫ですか!?』


リーダー「大丈夫です。手強い個体でしたが……神機さえ動けば、何ということもありません」ニヤリ

隊長『あの土壇場でブラッドアーツを!?……もう何も言えないですよ』

ブレンダン『相変わらずの無茶だな、リーダー』


アリサ「ほんとですよ……私も危なかったけど、いきなり飛び出してきて……」ハァ

リーダー「いえ、今度は確信がありましたから。自分の力と……あなたへの想いについての確信がね」

アリサ「……え?」


―ザザッ
隊長『……あ、あの!それじゃあ通信切りますね!』ブツッ

ブレンダン『……ゆっくり歩いてそちらに向かうとするよ』ブツッ


アリサ「リーダー……今なんて……?」

リーダー「そのままの意味ですよ。……ここを発つ時、あなたは私に、私の"帰る場所でありたい"と言ってくれました」
     「その言葉を遠征先で反芻する内に……私の自惚れでなければ、あなたに想われていることに、今更気づいたんです」
     「ですが……いざ帰る時になると緊張してしまって、連絡もよこさずに来てしまいました」ハハッ

アリサ「……」

リーダー「その後も機会は何度かあったのに、気持ちの整理がつかなくて……先日リンドウさんに説教されて、やっと決心がつきました」
     「……この場で言うのも何ですが、周りが折角お膳立てしてくれたので、ね」
     「アリサ、私の"帰る場所"でいてくれて、ありがとうございます……今はこれが精一杯ですが、そのうち――」


ガバッ


アリサ「……」ギュッ

リーダー「……!」

アリサ「……ほんとにっ……今更過ぎますよ……バカっ……!」
    「信じられないほど鈍感で、無神経で、そのくせやきもきさせるのは上手で」
    「でも……一人だった私に本当の居場所をくれた、そんなあなたを……想わずにはいられないんです」グスッ
    「……これからも、ずっと……!!」

リーダー「……本当に、ありがとう」ギュッ






隊長「……合流、しちゃいましたね」フフッ

ブレンダン「あぁ、もう少しだったな」フッ

―ザザッ
フラン『……避難した職員達の移送、先に始めちゃいましょうか』フフッ




終ノ一撃

お疲れ様でした
アリサのキャラエピ見て仕事詰めの状況に弱音吐くアリサ書きてぇ!と思って書き始めたのに何だこの説明台詞の嵐はぁ!?
しかも全然弱音吐いてねぇ!でも何となくまとまったからいいか!という気持ちです
GEシリーズのSSもっと増えてください

アリサ分が足りない

>>62
こういうオチにするなら、確かにアリサの描写はもっと増やした方がよかったですね
もう依頼は出したけど、書き込めるうちにおまけ投下

おまけ


リーダーが帰ってきて二日目……
――アナグラ ラウンジ

アリサ「――では先輩方、本日はよろしくお願いします」

ムツミ「はーい!」

カノン「精一杯頑張っちゃいますから!」

隊長「……あの、これは一体」

アリサ「え、えっとですね……」

ムツミ「リーダーさんが帰ってきたから、お菓子作ってあげたいんだって!」

カノン「大切な人にプレゼント……そういうの、憧れちゃいますね!」

アリサ「……というわけです」///

隊長「なるほど……いや、だから何で私まで」

アリサ「あなたも料理全然ダメみたいですからついでに……というより、自分で言うのも何ですが、収容つかなさそうで」

隊長「ぶっちゃけますね……まぁ、当たってますけど」ズーン


カノン「そういうわけで教官先生……じゃなかった、隊長さん!今日は私が教官先生ですからね!」フンス

ムツミ「アリサさんには前にも教えたから、一人でも大丈夫なんじゃないかって気もしますけど……」

アリサ「いえ……よく隊長さんに味見頼んでますけど、上手くできる確率はまだ少ないんです……」
    「リーダーに渡すなら、万全を期したいので……!」

隊長「(アレやめてほしいんだけどなぁ……アドバイスも出来ないし)」

ムツミ「わかりました……よーし!じゃあビシビシ鍛えちゃいますよ!」

アリサ「はい!!」

ムツミ「料理は愛情!」

カノン「……そして、火力!」グッ


――こうして、アリサと隊長の修行の日々が始まった……!


ムツミ「――形容し難い、全然ダメです。作り直しお願いします」

アリサ「はい!」

隊長「(冷たっ)」


アリサ「――ダメ、下げないと!」ゴォォッ

カノン「まだです!もっと集中して、火力調節のタイミングを見極めてください……!」


――辛く


カノン「――ムツミちゃんが仕込みで忙しいので、今日は臨時講師の方に来てもらいました!」

ギル「……よろしく頼む」

隊長「……料理できたの?」

ギル「グラスゴー支部は人手が足りなかったんで、俺達神機使いが他の仕事を兼任することもあってな……」
   「……料理ってのは食べてもらう人への想いを込めることも大切だが、料理そのものへの愛情も忘れちゃならない――」


――厳しく


カレル「――カノンにしつこく頼まれたから来てやったが……ちゃんと報酬は貰えるんだろうな?」
    「基本中の基本だが、決まったものは決まった通りに作れ。愛情だの隠し味だのは、まずそれをマスターしてからだ」

アリサ「厳しい……!でも、正論ですね!」


――困難な試練が彼女達を襲った……!


コウタ「――はーい毒見役でーす……」サクッ
    「……あれ、コレ結構いけんじゃね!?」

ロミオ「マジですかコウタさん!」サクッ

コウタ「……ぐぅぁっ!?……時間差、かよ……」バタッ

ロミオ「うぅっ!?……これも全部コウタさんのせいだ……」バタッ


そして――


ムツミ「――うん、おいしい!これならきっと大丈夫ですよ!」

カノン「凄いです二人とも!」

アリサ「はぁ…はぁ…できた……!!」

隊長「私も引っ張られて何とか……」

アリサ「よし、後は……!」


>>55の後……
――極東 ロビー

ブレンダン「――お疲れ。今回は結構、骨の折れる任務だったな」

アリサ「もう、言ってくれれば私達も移送準備手伝ったのに……」

隊長「流石にアレはシュンさんでも邪魔できませんよ」フフッ
   「……それよりアリサさん、このタイミングで渡すべきじゃないですか?」ヒソヒソ

アリサ「!……そうですね、ありがとうございます」ヒソヒソ
    「リーダー!ちょっと来てくれませんか?」

リーダー「はい、何でしょう」


――アナグラ アリサの部屋前

リーダー「――それで、用とは?」

アリサ「はい!あ、あのですね……」///
    「……まずは遅くなっちゃいましたけど、お帰りなさい」

リーダー「はい。ただいま帰還いたしました」ニコッ

アリサ「それで、記念にクッキー焼いてみたんです。どうぞ」

リーダー「え゛っ」

アリサ「……その反応もわからなくはないですけど」フフッ
    「騙されたと思って、まずは一枚食べてみませんか?」

リーダー「……そうですね、先ほどあんな事があったばかりですし、想いを無下にするわけには……いただきます」サクッ
     「……」ムグムグ
     「!?……美味い……!!」

アリサ「でしょう?……あなたに会えなかった間、特訓したんですよ」フフッ



カンドウスラオボルオイシサデスネ…キョクトウニカエッテキテホントウニヨカッタ
モウ、イイスギデスヨ…クッキーハマダマダアリマスカラガッツカナイデ






隊長「……」コソッ
   「……私もギルとブラッドの皆にあげてこようっと……♪」


終末捕喰

今度こそ終わり
アニメも公式設定資料集も楽しみです

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