デク「人気投票?」(21)

オールマイト「いかにも!」

デク「え……でも時期が早すぎるんじゃ? そもそもまだやると決まったわけでも」

オールマイト「思いついたネタはすぐ排出しないと具合が悪くなるそうだ!」

上鳴「下痢みてーなもんか」

八百万「下品なたとえにしないと気が済みませんの……?」

オールマイト「投票期間は約一週間! 各々の個性を存分にアピールしてくれたまえ!」

デク「人気投票かあ……」

勝己「ぜってぇ一位獲る」

翌朝

飯田「飯田ー、飯田天哉に清き一票をお願いします!」

一同「選挙か!!」

デク「すごい! 飯田くん気合入ってるなあ……」

飯田「緑谷くん、いい選挙(しあい)をしよう!」

デク「う、うん! 頑張るよ!」

お茶子「あ、デクくんおはよう」ペタペタ

デク「等身大ポスター!?」

お茶子「お父さんとお母さんが張り切っちゃって……恥ずかしいわ」

峰田「一部いくらだ?」キリッ

砂藤「普段目立たない俺らが目立つチャンス!!」

甲田「……」コクコク

青山「僕は何もしなくても目立つけどね☆」

切島「目立つっていやーやっぱ屋上だろ!」タタッ

鉄哲「お?」

切島「ん?」

鉄哲「……」

切島「……」

切島「考えダダ被りかよ!!」ダッ

鉄哲「逃げんじゃねー! てめーにゃ負けねーぞ!」

心操「ヒーロー科の皆さんごきげんよう」ガラッ

常闇「宣戦布告か」

心操「そう。調子乗ってると足元すくわれるぜ」

尾白「お前洗脳で票操作したりしないよな?」

心操「さあね」

デク「心操くんはそんなことしないよ」

心操「……やりずらっ」

物間「A組のみなさん、調子乗ってると――」ガラッ

芦戸「あ、それさっきも聞いたよ!」

物間「……」

拳藤「出鼻くじかれたな!」ツンツン

物間「……帰ろう。作戦立て直しだ」

上鳴「爆豪はなんも選挙活動とかしねーの?」

デク(すでに選挙で統一されてる……!!)

勝己「必要ねーだろんなもん」

瀬呂「なんか意外だな。俺に票入れろ!!って暴れ回んのかと思ってたわ」

勝己「お前らなんか勘違いしてるみてーだな」

勝己「お前らが票を入れるんじゃねえ。俺に票が集まるんだよ」

上鳴「俺もう分かんねぇわ……」

瀬呂「嫌いなキャラ投票とかなら一位獲れそうだけどな!」

勝己「じゃあ両方で一位獲ってやるよ。それなら文句ねえだろ」

瀬呂「おお……なんかもう逆にかっけえよお前」

上鳴「でも最近の活躍からして轟に持ってかれそうだけどな!」

轟「俺か?」

勝己「はぁ!!? んな舐めプ野郎に負けてたまるか!!!」

轟「……悪かったな」

勝己「うるせえ!! 殺す!!」

飯田「やめないか爆豪くん! 何があったのか知らないが――」

デク(そうか、見てないんだ)

お茶子「決勝戦で手を抜かれたことに怒ってるみたいやね」

飯田「なるほど。確かにあまり気持ちのいいものではないな」

勝己「俺は選挙でも手抜かねえ!! 投票しねえ奴は爆破する!!」

常闇「悪鬼が目覚めたようだな」

デク「かっちゃん……昔は聡明で優秀な子だったのに」

上鳴「轟選手! 今回の総選挙についてどうお考えで?」

轟「人気投票だろ? 別に興味ねえな」

上鳴「またまたご冗談をwww」

瀬呂「そういうやつに限って上位かっさらっていくんだよなー」

上鳴「ほんとそれな」

葉隠「炎と氷のカーニバルとかやらないの?」ワクワク

上鳴「ドラゲナイの?」

轟「やるわけ ないだろう」

デク(そういえば、轟くんって委員長決めのときも手挙げてなかった気が)

デク(轟くんが投票したのは……)

八百万「……」

芦戸「どうしたの? 元気ないよ」

八百万「いえ、大したことではないのですが……」

八百万「同じ特待生ですのに、轟さんと比べて……その、扱いが」

峰田「八百万はチート能力の割に意外とポンコツってとこで押してきゃいいと思うんだよなー」

八百万「く、屈辱ですわ……」

葉隠「でも隙があったほうが可愛いよ!」

峰田「もしくはエロいtoLOVEるに巻き込まれるとか!」

上鳴「はいはーい! 触手は定番だと思いまーす!」

耳郎「塩崎に手も足も出なかったやつが何言ってんの」

上鳴「にゅやッ!?」

峰田「茨はだめだな。ヌルヌルしてねーもん」

梅雨「筋金入りね……」

デク「……」

デク(みんないろいろ考えてるんだよなあ……)

常闇「悩み事か?」

デク「あ、常闇くんはどう思う? 人気投票について」

常闇「人気か……確かにプロのヒーローは人気商売の性格も持ち合わせているが」

常闇「周りの声に惑わされず、自らの為すべきことを全うするのがプロというものだ」

デク「流石だ……! 渋くて格好いいなあ……」

黒影「ワクワク」

デク「あっ、こっちはワクワクしてるみたいだよ!?」

常闇「静まれ……」

昼休み

上鳴『うぇーいwww上鳴ラジオの時間でーすwww』

耳郎「うわっ、ひっどいノイズ……」

切島「電波ジャックたぁやるじゃねーか!」

上鳴『今回の総選挙につきまして! 選手センセイ? したいと思いまーすww』

上鳴『えーっと、次なに喋るんだっけ? 台本どこ?』

上鳴『なぁ障子、この漢字なんて読むの?』

上鳴『つかお前っwwデカすぎんだろww今さらだけど』

上鳴『ふふっwwwダメだツボったwww』

瀬呂「グッダグダじゃねえか」

梅雨「障子ちゃん優しいわ……」

上鳴『つーわけで! みんな俺に投票してね! 特に女子!』

上鳴『ん? どした障子……えっ爆豪!? なんでここに!?』

勝己『どけカス』

拳藤『あんたらいつまで放送室に陣取ってんの?』

物間『ここから先はB組の時間だよ』

勝己『邪魔すんじゃねえ!』

上鳴『残念だったな! 今は俺のエンペラータイムだ――あっ?』

障子『時間切れだな』

勝己『マイク貸せコラ』

物間『させないよ』

ドガッバキッ

上鳴『うぇーいうぇーいwwww』

シーン…

青山『1年A組、青山優雅に投票よろしく☆』

ブチッ

一同「……」


切島「いやー、どいつもこいつもアツいじゃねーか! 負けてらんねーな」

耳郎「あんたの友達死んだんじゃないの?」

切島「バッカヤロー、あいつがこんなとこでくたばるタマかよ!」

飯田「みんな命懸けで戦っている。手助けは無用だ」

耳郎「これ人気投票だよね?」

デク「かっちゃんの積極性はやっぱりすごいなぁ……」

耳郎「あんたの幼馴染は……心配するだけ無駄か」

デク「僕がかっちゃんの心配……!? 北極に閉じ込められない限りありえないよ!」

お茶子「実は南極のほうが寒いんだって! こないだテレビでやってたわ」

デク「そうなんだ? でもかっちゃんなら何とかなりそうな気がしてきたぞ……」

勝己「そう思うんなら助けるんじゃねえクソが」

デク「あ、かっちゃんおかえり。早かったね」

轟「突っ込まねえぞ」

放課後

相澤「えーお前ら、人気投票に関してだが……」

一同「……」ゴクリ

相澤「度を越した選挙活動は禁止。以上」

一同「ですよね!!」

相澤「だいたい人気投票なんて最初に考えたやつは誰だ?」

相澤「集計は面倒臭えし、一人で何百票も送ってくる奴はいるし」

相澤「挙句の果てに他作品のキャラにまで投票しやがる」

相澤「あとは最近のポイント制だ。結局ポイントと票数でそれぞれ集計するなら意味ねえだろ」

飯田「先生! 大人の事情がダダ漏れです!」

お茶子「っていうか、集計するの先生なんだ……大変そうやなー」

デク(選挙活動……選挙活動……)

梅雨「緑谷ちゃん、主人公の座に胡坐をかくのはよくないわ」

デク「いやっ、別にそんなつもりは……」

梅雨「ライバルに首位の座を奪われてもいいの?」

デク「それは……きっと悔しいと思う」

デク「でも、どうやってアピールしたらいいか……」

梅雨「そうね。握手会なんてどうかしら」

デク「握手会!?」

梅雨「来てくれた人に投票券をプレゼントするの」

デク「順序が逆になってる気がする……」

デク「そもそも、投票券は一人一枚だよね?」

梅雨「そうだったわ。ついうっかり」

デク「自分に投票することはできないから、委員長決めみたいなことにはならないはず」

梅雨「緑谷ちゃんは誰に投票するの?」

デク「それは……もう決まってるよ」

梅雨「そうでしょうね」

デク「残り6日間……とりあえずビラ配りから頑張ってみるよ」

梅雨「緑谷ちゃんらしいわ」


デク「み、緑谷出久です! 投票よろしくお願いします……!」スッ

心操「ふーん。せいぜい頑張れよ」

デク「うん! 心操くんも頑張ってね!」


~そして、結果発表日の朝~

祝! 連載44回突破記念キャラクター人気投票結果発表!

第1位 爆豪勝己 5071票「みんなありがとう!」

第2位 爆豪勝己 3072票「フン」

第3位 爆豪勝己 1802票「神に感謝」

第4位 爆豪勝己  721票「くっ、爆豪に負けた……」

第5位 爆豪勝己 514票「妥当な順位ですね」

第6位 爆豪勝己  301票
第7位 爆豪勝己 258票
第8位 爆豪勝己 199票
第9位 爆豪勝己 176票
第10位 爆豪勝己 89票

君のお気に入りのキャラは何位だったかな? たくさんの投票本当にありがとう!

デク「って全部かっちゃんじゃないかああああああああ!!!!!!」ガバッ

デク「はっ……夢か……」

デク「おはよう」

デク母「おはよう! 今日発表日なんだって?」

デク「うん、なかなか寝付けなくて……悪夢まで見ちゃったよ」

デク母「出久が勝てるように! はいカツ丼!」ドンッ

デク「ありがとう、でも朝からカツ丼は……うっぷ」


デク「行ってきます」ガチャ

オールマイト「私が結果発表に来た!」

デク「すごい……みんな集まってる!」

お茶子「緊張するね」

デク「うん……」ドキドキ

オールマイト「では早速! 栄えある第一位は――」

オールマイト「ん?」

一同「どした?」ザワザワ

オールマイト「一位は……」

オールマイト「……」

オールマイト「……私?」

一同「うおおおおおおおおおおっ!!!!!」

ドンドンパフパフー

相澤「オールマイトさん、おめでとうございます」

オールマイト「えっ? ちょっと相澤君? これは……」

相澤「投票対象が生徒だけとは言ってない」

相澤「いいから早く受け取ってくださいよ。金メダル」

オールマイト「なんてこった! 嬉しいじゃないか!!」

clap clap…

飯田「ブラボー! ブラボー!」パチパチ

デク「みんな、やっぱりオールマイトに投票したんだ……?」

轟「当然だろ」

葉隠「なんてったってヒーローだもんね!」

お茶子「私は13号に入れたんやけど、やっぱり強いなー」

勝己「けっ」

切島「さすがの爆豪も引き下がらざるを得ねーよな!」

勝己「うるせー」

上鳴「悔しーけどこりゃ納得だわ」

常闇「まだまだ力の差は大きいな」

峰田「俺は八百万に入れたぞ? 惚れてもいいぜ?」

八百万「ありがとうございます。惚れませんわ」

青山「僕は誰に入れたと思う!?」

青山「それは……秘密さ!!」


おしまい

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