吹雪「TENGA……?」 (44)

吹雪「明石さんのお店に新しい商品が並んでるけど……」

吹雪「……TENGA?」

吹雪「これってなんだろう?」

睦月「ライトスタンド、かなぁ?」

夕立「でもでも、スイッチがないっぽい~」

三人「う~ん……」

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明石「提督にプレゼントすれば喜ばれますよ」ヒョコッ

夕立「あっ、明石さん!」

吹雪「そうなんですか?」

睦月「じゃあじゃあ、一つずつ買って持っていこうよ!」

吹雪「うん! そうしよ!」

明石「まいどあり~」ニッコリ

~執務室~

コンコン

吹雪「失礼します」

提督「入れ」

提督「……どうした? 三人そろって」

提督「何の用だ? 外出届けでも出しに来たのか?」

睦月「いえいえ、違うんです!」

夕立「提督さんにプレゼントっぽい~」ニコニコ

提督「プレゼント……?」

吹雪「はい!」ニコッ

吹雪「これなんですけど……」

吹雪「よいしょ」ゴトッ

吹雪「明石さんのお店の、新商品です!」フンス

提督「――ほう」

提督「なるほど、TENGAか」

吹雪「ご存知なんですか!?」

提督「嗜む程度にはな」

睦月「これって何に使うものなんですか?」

提督「知らずに買ったのか?」

提督「まあ、パッと見ただけでは分かりづらいからな」

提督「インテリアとして違和感ないようデザインされているため、それもやむなしと言える」

提督「TENGA、EGG、POCKET」

提督「用途もデザインも大きさも異なるこれらだが」

提督「全て、男性の自慰用に開発されたものだ」

三人「」

提督「アダルトショップに行かずとも、ドンキホーテで手に入ること」

提督「先にも述べたが、インテリアを意識したデザインであること」

提督「そして何より、独特の快感をもたらすので、、各界に愛好者は多い」

提督「ただし難点も多くてな」

提督「まず、中間的なサイズがないということだ」

提督「ホールタイプは大きく、EGGやPOCKETは小さすぎる」

提督「TENGAを使ってみたけれど、あまり気持ちよくなかった」

提督「という意見も散見するが、まず間違いなく、サイズの不適合が原因だ」

提督「万人にフィットするオナホなど存在しない」

提督「できれば、TENGAで懲りずに、別のオナホにも手を出してみてほしい」

提督「また、基本的に使い捨てという点も難点だ」

提督「『初々しい妹』など、使い込めば使い込むほど味わいの変わるオナホもあるが――」

提督「TENGAは一回限りで使い捨てるように出来ている」

提督「EGGやPOCKETならまだしも、ホールタイプを使い捨てるなど」

提督「学生や新社会人には、いささか厳しい選択と言える」

提督「だから、普段は『ボクのおなぺっと』などの低価格ホールを使い」

提督「たまにTENGAを選ぶという使い分けをしている人も多い」

提督「ただ、いいところもたくさんあって、それは――」

吹雪「も、もういいです!」カァァ

睦月「十分に分かりましたからー!」カァァ

夕立「ご、ごめんなさいっぽい~!」カァァ

三人「失礼します!」タタタタッ

提督「……」

提督「……ふむ」

提督「何だったのだろう?」

~翌日~

キャッキャッ

利根「……ん?」

利根「なんじゃ、騒がしい」

利根「一体、何をしているのだ?」ヒョイ

天龍「おお、利根! 見てみろよ、これ!」

最上「ほら、すっごいぬるぬる! なめくじみたいだよ~」ヌルヌル

利根「こ、こら、やめんか!」

利根「潤滑油でも使っておるのか? まったく、子どもじゃのう……」フゥ

最上「違うよ、これは『ペペローション』」

天龍「明石の店に入った新商品なんだぜ」フフフ

利根「新商品~? 潤滑油が?」

最上「だから、違うってば。ほら、これはこんなにぬるぬるするけど……」シャァァ

最上「ね? 水で簡単に洗い流せるんだ」

利根「なんと!?」

利根「おお……! 本当にぬるぬるで、本当にさっと流せる」シャァァ

利根「これはいい! 筑摩にも見せてやりたいな!」ニコニコ

利根「……でも、これは何に使うものなのだ?」

最上「……さあ?」

天龍「何だろう……?」

利根「知らずに買ったのか」ハァ

最上「あっ、でも、明石さんが『提督にあげると喜ぶ』って言ってたよ!」

天龍「あ、ああっ! そうだったな!」

利根「なるほど、鍵は提督、か」

利根「では、出撃じゃ!」

利根「提督に渡すついでに、この摩訶不思議な粘液の使い道を問いただすぞ!」

最上「おー!」ニコニコ

~執務室~

提督「なるほど、それでペペローションを持ってきたのか」

最上「そうだよ」ニコニコ

利根「さあ、教えてもらおうか」

天龍「何に使うんだよ、こいつを」ワクワク

提督「……ふむ」

提督「ペペローション」

提督「無味無臭の粘液。水溶性で、肌、衣服についても簡単に洗い流せる」

提督「日本が世界に誇るものの一つであり、事実、世界中で使われていると聞く」

天龍「世界水準ってわけだな!」キラキラ

提督「そうだ」

提督「そんなペペローションだが、主な用途としては――」

提督「整体やマッサージ」

天龍「おお!」

提督「性交の補助」

最上「……え?」

提督「そして、自慰だ」

利根「な、ななな……!?」

利根「提督! 貴様、何を言っておるかー!?」カァァ

提督「何もおかしなことは言っていない」

提督「性交の補助――世の中には濡れにくい女性、前戯の下手な男性がいる」

提督「そういった者の強い味方が、このペペローションだ」

提督「楽しく、豊かなセックスライフ」

提督「それにはローションは欠かせない」

最上「わ、わわわ……!?」プシュー

提督「また、自慰の心強いお供になるのも、このペペローションだ」

提督「オナホは言わずもがな、手淫の際にもぺぺは役立つ」

提督「ほら、こうして手のひらにぺぺを流してな」トロー

提督「ぬるぬるになった手で、男根、あるいは女陰を愛撫する」グチュグチュ

提督「私の友人の一人など、性交やオナホを使った自慰より――」

提督「ローション手コキが一番気持ちいい!」

提督「と、言うものまでいるほどでな」

天龍「知るか馬鹿ぁ!」プシュー

提督「しかし、ペペローションが明石の店に入ったか」

提督「これまでも通販、ドラッグストア、ドンキホーテなどで簡単に手に入ったが――」

提督「近場に置いてあるというのは、やはり心強いものがある」

提督「よし、せっかくの機会だ」

提督「この際まとめて、箱単位で買っておくか」ガタッ

天龍「ぎゃ、ぎゃー!? 来るんじゃねー!!」バタバタ

利根「ふ、ふ、不埒な真似は許さぬぞー!!」ドタバタ

最上「提督、提督の……えっちー!」バタバタ

提督「……」

提督「……何か間違ったことをしたか?」ポツーン

~翌日~

龍驤「ふんふふんふふ~ん♪」ルンタッター

青葉「おや? ずいぶんとご機嫌ですね?」

羽黒「何かいいことがあったの?」ニコニコ

龍驤「おっ、目ざといなぁ」

龍驤「そや。実は明石の店にええもんが入ってなぁ」ニヤ

龍驤「じゃーん! 精力増強剤やー!!」ズイッ

羽黒「きゃ、きゃっ……!?」カァァ

青葉「わ、わーっ!? なんてものをー!?」カァァ

龍驤「ふ、ふふふー」プークスクス

龍驤「やぁ、ひっかかった、ひっかかった!」ケラケラ

羽黒「え? え……?」オドオド

青葉「あっ、さては……騙しましたね!?」ズバリ!

龍驤「堪忍してやー。ちょっとしたジョークやで」クスクス

龍驤「あー、おもろかった」

青葉「むう」

羽黒「そ、それで……本当はなんなの?」

龍驤「あー、これ?」

龍驤「や、うちもよー知らんけど、なんやお腹の薬らしいで」

青葉「お腹の薬?」

龍驤「そーそー。一日30錠飲めば、お腹の調子が整いますよ……」

龍驤「って、30錠は多すぎやろー!」ビシッ!

羽黒「っ!?」ビクッ

龍驤「ってな感じでネタになる思てな」

龍驤「せっかくやし、提督に渡そう思ってるんや」

羽黒「それはいいね」ニコニコ

~執務室~

龍驤「ってことで、やってきたで」

提督「……唐突だな」

提督「何がというわけで、なんだ?」

龍驤「まーまー、細かいこと気にせんと……」

龍驤「っとと。ほいっ!」ドンッ

提督「なんだ? いきなり」

龍驤「提督にプレゼントや」ニコニコ

提督「プレゼント? これがか?」

龍驤「そや。お腹のお薬やで」

龍驤「でも見てみ? この説明書きのとこ……」プププ

龍驤「一日30錠って多すぎやろー!」ファーwww

提督「……ふむ」

提督「まあ、仕方ないだろう」

提督「エビオス錠とは、昔からそういうものだ」

羽黒「……え?」

青葉「なーんだ、知ってたんですか?」

提督「ああ。度々、話題になる商品だからな」

羽黒「え? でも、私、初めて聞いたのですが……」

提督「それは仕方のないことだ」

提督「これは男性にのみ関わる問題でな」

提督「これを飲めば、精液がドバドバ出る!」

提督「――と、いう話題など、女性の興味を引かないだろう」

三人「」

青葉「なっ、なななな……!?」カァァ

羽黒「え、え、ええ、えぇ……!?」カァァ

龍驤「ちょ、ちょっとちょっと! これはお腹の薬やろ!?」カァァ

龍驤「精えモニョモニョ……って、どういうことやの!?」

提督「ふむ」

提督「エビオス錠を正しく服用し」

提督「加えて、亜鉛のサプリメントも摂取すれば――」

提督「早い者では、その日の晩からみなぎってくるという話だ」

龍驤「なんでや!?」

提督「私も詳しい話は知らないが――」

提督「どうやら、エビオス錠は精液の上質な材料となるらしくてな」

提督「加えて、精子増産のために必要な栄養素も入っている」

提督「足りない亜鉛さえ補えば――」

提督「今日から君も、性豪だ」ポン

羽黒「私、女です! 私、女です!!」

青葉「さ、参考までに……そんなにすごいものなのですか?」

提督「ああ」

提督「不規則な生活を送ったり、毎日、自慰をしているような者では、効果が出にくいようだが――」

提督「若く、健康な男子が、エビオス錠と亜鉛を正しく摂取し――」

提督「その上、三日から一週間ほど溜め込めば――」

三人「……」ゴクリ

提督「――信じられないほど、精液が出る」

提督「その量たるや、普通に溜め込んだものとは比較にならないほどだ」

羽黒「はわわ……!」カァァ

提督「兵学校にいたころは、これの話題で度々盛り上がったな」

提督「みんなは元気にしているだろうか――」

提督「よし、せっかくオナホやローションをもらったのだ」

提督「早速、エビオス錠と亜鉛を飲んで、しばらく溜め込んでみるか」

提督「……って、あれ?」

提督「龍驤たちはどこへ消えたのだ……?」

~廊下~

龍驤「やばい、やばいでぇ……!」

龍驤「うちはとんでもないセックスモンスターを目覚めさせたのかもしれん……!」

青葉「信じられないほどの精液ってどれほどなんでしょう!?」

青葉「エロ同人みたいに、あそこからあふれ出すほどですかね!?」

青葉「そんなの被弾したら、大破着床間違いなしですよ!」ヒエー

羽黒「ど、どうでもいいですから……」

羽黒「この話は、この話は、もう止めにしましょう~……」プルプル



ワイワイ ガヤガヤ……

後日、この鎮守府では――。

提督は性獣。

提督は孕ませモンスター。

オナニーとセックスのことしか頭になく、

二人きりになると、その場で押し倒され、確実に襲われる。

などという噂が流布したが――。

なぜか、何かを期待する目をして、提督の近くに控える艦娘が多くなったという――。



~END~

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年06月03日 (水) 19:40:49   ID: 2v4GegHD

TENGAって使い捨てだったのか(驚愕)

2 :  SS好きの774さん   2015年06月05日 (金) 03:16:13   ID: hAVo1S_g

勉強になりますなあ(白目)

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