【安価】エイワス「エロゲ主人公になれ」垣根「エロゲ主人公だぁ?」【禁書】 (188)

【あらすじ】
一方通行との戦いに敗れ、能力生産機にされた垣根はどうにか復活できないかと考えていた
そんな時謎の天使・エイワスが現れ彼にこう言った

「私が考えたゲームをクリアすれば蘇らせてやろう」と――



安価と時々コンマで進行
アニメと旧約原作までのうろ覚え知識で進行。分からんキャラとかが出た場合再安価するかも

・エロはあり
・グロは程々
・ホモはなし
・安価の連取り連投は基本禁止。但し前の投稿から5分越えた場合その限りではない
・荒らしっぽい明らかにおかしい安価が来たら解釈変更なり再安価なりするかも

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1433088299

垣根「何か訳の分からん奴が出てきたと思ったら今度はなんだ?エロゲ主人公になれだぁ?」

エイワス「君は人の心がもたらす力の脅威を知らない。故に負けたのだ」

垣根「あんだと?」

エイワス「誰かを慈しみ、愛するという心……彼にはそれがほんの僅かだがあった。彼の勝因はそこにあった」

エイワス「それに引き換え君はどうだ?誰かを愛するという心が片隅にでもあったかな?」

垣根「……ぶっ殺す」

エイワス「私は君の脳内イメージに現出している。身体を持たない君に何が出来る?」

垣根「んなもん暗部の人間には必要ねぇんだよ!俺達はそういう人間だ!」

エイワス「それでもあの男は手を伸ばした。そして届いた。君は?背を向けたろ?」

垣根「野郎……!」

エイワス「まぁ聞け。私は君に復活の機会を与えようというのだ」

エイワス「それにエロゲを甘く見ない方がいい。昨今のエロゲはエロだけに留まらず、色々と複雑な仕掛けが満載だ。容易に攻略出来ないものは沢山ある」

垣根(何だコイツ)

エイワス「今の君では蘇ったところでまた第一位に負けるだろう。彼を打ち倒すには一度、彼と同じ立ち位置まで追いつく必要がある」

エイワス「その為に君は私が生み出す仮想空間で生活し、そこで足りないものを手に入れるのだ」

垣根「愛ってやつをか?ばかばかしい、誰がやるか」

エイワス「そうか、残念だ。では君はこれからも能力だけを吐き出す機械として終わりの見えない生涯を垂れ流すといい」

エイワス「可愛そうに。誰からも愛されず、誰も愛せず、己すらも見捨てる愚かな負け犬で終わるというのか」

垣根「……」

エイワス「君をここで腐らせるには惜しいと思ってやって来たが、とんだ無駄足だったようだ」

垣根「……」

エイワス「ではさらばだ、哀れな……」

垣根「……やってやろうじゃねぇか」

エイワス「ふふ、その言葉が聞きたかったんだよ」

垣根(何だよこの態度の変わりようは)

エイワス「ルールは簡単。私の作り出した世界で君が心の底から誰かを愛す事が出来ればクリアだ」

垣根「本当にクリアしたら元の体に戻れんだろうな?」

エイワス「保障しよう」

垣根「じゃ、とっとと始めようぜ」

エイワス「仮想空間のモデルは学園都市と同じだ。住人も一緒だ。ただ生活や境遇まで同じとは限らないがね」

エイワス「それとさっきも言ったように、エロゲを甘く見ない事だ。君の行動如何では悲惨な結末を迎える事もありうるぞ」

垣根「今も十分悲惨な結末を味わってんだ、今更ビビるかよ」

エイワス「ふふ、よい心がけだ。では、案内しよう――」


【自宅?】


「……ん?」

気がつくと俺は布団に包まっていた。カーテンから差し込む日差しが俺の顔を照らし、起きろと告げる

(いつの間に寝て……つか、どこだここ?)

これがアイツの言っていた仮想空間だろうか?
部屋を見渡すと素朴な4畳半の和室、どこにでも売ってそうな机に鞄、さして珍しさを感じない本棚と平凡に囲まれていた
けど、いつも生活していた高級マンションにあった無機質さがここにはなかった

(ここでの俺の立ち位置は現実と違う、か?)

などと寝ぼけた脳を回転させてあれこれ考えていたら、部屋の襖が勢いよく開けられた

「いい加減早く起きる!」

「な、何だお前は!?」


最初に現れた人物とは?>>7

すんません、今日はここまで。次回から本格始動するよ

ヒロインが彼女しか思いつかないんですが……ネトリっぽくなる?

>>8
エイワス「ここは仮想空間、細かい事は考えなくてもよい」



「何だお前とは、随分失礼な言い様ね」

呆れ顔でそう言った奴は心理定規によく似ている女だった。いや、あいつでいいのか?
違う点を挙げるとすれば、普段見ているやたら派手な赤いドレスではなく、どっかの学生服を着ているところだ
そのせいで、今の姿がどうにもコスプレにしか見えず……

「お前……何その格好」

つい口に出てしまった

「はぁ……いつまで寝ぼけてるのよ、早く準備しなさい。遅刻しても知らないから」

ため息一つ残して襖も閉めずに出て行った。学園都市第二位の頭脳もポカーンだ

「とりあえず、起きるとするか」



ここでの垣根の立ち位置(例:学生、教師など)>>10
心理定規との関係>>11

教師

担任と教え子

「いつものんびりしすぎなのよ、そんなので先生が務まるのかしら」

「余裕は大事だろ」

「ギリギリまで寝てるところのどこが余裕なのよ」

卓に並べられた卵焼きをつまみながら俺はこの世界での立ち位置とこいつとの関係を分析していた
部屋には1学年分のテスト用紙や教科書、机に投げ出されていた教員免許から、俺はどうやら教師として生活してるようだ
そして目の前の心理定規は俺の教え子……らしい。それほど歳は離れていないような気がするんだが、そういう事なんだろ
っていうか、あの天使そこらの説明一切なしかよ

「んでさぁ」

あと一つ気になるところが。何で俺とこいつが同じ屋根の下にいるのか、という点だ

「何でお前と俺が一緒にいるんだっけ?」

それを聞いた心理定規は更に深いため息をつく。ボケたのかコイツと言わんばかりに。そのしぐさに俺は不快だよ


心理定規の発言>>16

親同士が幼なじみだからあなたの面倒を見るはめになってるのよ、私が


「親同士が幼なじみだからあなたの面倒を見るはめになってるのよ、私が」

親ぁ?という言葉を喉元で食い止める。俺は自分の親がどんなのか全く覚えてねぇし、あいつの親も知る訳ねぇ。だがここではそういう事になってるようだ
あの天使の発言通りなら、知ってる誰かがその役割を当てられてるかもしれん。嫌だぞ、あのクソ第一位が親とか

「そりゃ悪いな。お詫びに単位一つ上げてやるよ」

「そんなのいいから」

可愛げのなさはここでも同じ、か……



【登校中】

「じゃ、私先行くから」

「おお」

そう言って心理定規は先に校舎へと行った。人混みに紛れればまさにどこにでもいる学生だった

「……ふーん」

あいつもああいう普通の生活を望んでいたんだろうか……

「おはよう!」

ふいに背中をバシッと叩かれて前のめりにつまずく

「誰だコラ!この俺の背中を取ろうとはいい度胸してんじゃねぇか!」

つい昔を思い出して素が出ちまった



背中を叩いた人物>>19

麦野しず

「あぁん?何そんな怒ってんだよ」

麦野沈利だった。つい最近まで本気の殺し合いを繰り広げた口の悪い女だ。まぁ俺の一方的な蹂躙だったけどな
まさかこいつもこの学校の教師か?服装から学生ではないようだが

「うっせぇ、こっちは朝から頭フル回転させてて忙しいんだよ」

「へぇー、適当なお前が頭をフル回転ねぇ。どうせやらしい妄想とかだろ?」

ちょっとだけムカついた。つか、この世界での俺はどういう奴なんだ



麦野との関係>>22

悪友

「まぁお前とは昔っからの付き合いだからな。色々アホな事してたお前が今や人にものを教える立場の人間になろうとは、感慨深いものねぇ」

一人勝手に物思いに耽ってやがるが、今の言葉だと俺とこいつは幼馴染に近い関係らしい。いや、悪友というべきか

「んじゃ、私も仕事行ってくるわ」

「そうかよ」

「遅刻すんなよ」

「お前もな」

軽く手を振って麦野は逆方向へ歩いて行った。あっちの麦野沈利は今頃どうしているだろうか……なんて事を考えながら、俺も仕事場へ向かうとしよう


【職員室】

自分の席であろう場所に座る。どうやら時間にはまだ余裕があるようだ

「珍しいですね。垣根先生が30分も早く来てるなんて」

通り過ぎる教師達は口々にそんな事を言う。俺どんだけ時間にルーズなんだよ
とりあえず今日の自分の時間割を見る。担当は能力育成らしい

(能力育成、ねぇ)

俺はこの都市の秘め事を幾つか知っている。その内の一つが「個々の能力限界」だ
ここに連れてこられた奴らは皆「誰がどんな能力をどこまで上げられるか」を調べられ、それに合わせて教育カリキュラムが組まれる
つまり、優秀な能力者はそうなるべくしてなり、落ちぶれる奴はそうなるべくしてなっている
努力なんざ、最初からなんの意味もなさない

「では皆さん集まってますね」

一番前の机の奴……教頭かそこらっぽい奴が朝礼を始めた

「この前から問題になっている例の件ですが……」

(例の件?)



問題となっている例の件とは?>>27

他校の不良に絡まれる生徒が多い

「ここ最近、我が校の生徒が他校の生徒に乱暴される事案が増えており、相手の学校側とも話をした結果、今日から下校ルートに互いの教員が下校指導に入る事になりました」

「物騒だなー」

まぁ、スキルアウトなんて人種もいるしこういう話は慣れている
カッコつける訳じゃねぇが、俺はそんな「じゃれ合い」よりもっと血生臭い世界を生きてきたんだ。ガキが何人来ようが指一本で消し炭にしてやる自信がある
そうだ、ここでは俺の能力がどうなってんだろうか。後で確認しとくか

「担任の先生方は用紙を配布しますので、授業開始前に生徒に配るようおねがいします」



【教室】

教室に入れば俺が担当の生徒が皆席についていた。その中には心理定規もいた

「お前ら全員いるなー。じゃあ大事な紙配るからちゃんと目通しとけよ」


担任クラスの生徒>>29 >>30 >>31

滝壺

御坂美琴

ふっきー


色んな奴がいる中で特に気になる奴が三人程いた

「最近こんなのばっかだね」

あれはアイテムの滝壺理后か。一瞬だがこの俺に食らいついた中々肝の据わった女だったな。こいつもここでは俺の生徒か

「全く迷惑極まりないわね」

長い黒髪の女。名簿には吹寄制理と書いてある。発育の良すぎる胸はいくら俺でも視線が向かずにはいられなかった
そして最も驚いたのが……

「私が全員とっちめてやろうかしらね」

第三位『超電磁砲』こと御坂御琴。こいつが現実通りの能力者ならこの学校は常盤台並の名門校という事になるぞ

「馬鹿な真似は考えんなよ。俺達教師が下校ルートについてやるから大人しく家に帰れよ。当然寄り道もすんなよ」

「先生面倒くさいとか言ってサボりそうー」

教室に笑いがこだまする。ホント、どんな設定にしたんだよあのクソ天使……


【昼食】

前半の授業を終え、俺は屋上で一人心理定規の作った弁当を突いていた。味は普通だった
授業の中で俺は能力がいつも通り使える事が分かった。教師をやるくらいだし、こうでないと示しがつかねぇわな

「エロゲねぇ……」

いつか、部下の輪っかがPCゲームでその手のをやってるのを見たのを思い出す
あいつ曰く「エロゲにも種類があって、ただただエロい事ばっかするのは抜きゲーって呼ばれてるっす。複雑な選択とかフラグとか殆どないので本当抜く為だけのゲームなんすよ」
あとこんなのも言ってたか。「初心者はパッケージで真ん中飾ってる子を落とす事から始めるっす。他と比べれば比較的簡単っすよ」
更には「ハーレムルートは選択肢とか高感度管理とか複雑っすから慣れないうちは一人に絞りましょう」とか
あの時のあいつはイキイキしてたなぁ……なんて空を遠く見つめていたら

「隣、いい?」

担任の生徒が俺の横に来た


来た生徒>>35

レッサー


「失礼しまーす」

確か、レッサー……だったか、そいつは俺の返答を待たず隣に座った

「おほー、愛妻弁当ですかー」

「別にそんなんじゃねぇよ」

「ふーん、では次から私が作ってきましょうか?」

「いや、いい」

「味には自信あるんですよー、1回だけ!1回だけでいいから!」

「いいっつってんだろ」

何かすげーグイグイ来る奴だな

「で、何か用かよ」



レッサーの発言>>37

今朝心理定規さんが先生の家から出てきてましたけど何してたんですか?

「今朝心理定規さんが先生の家から出てきてましたけど何してたんですか?」

ずいっと今にも噛みつかんばかりに顔を寄せてくる。正直面倒だ
年頃的に、他人のそういう事に首突っ込みたくなるんだろう
ここがエロゲの世界を模して作られたとしたなら、こういうところの答えで色々展開が変わる……んだよな?
さて、どう答えるか……



垣根の発言>>41

あー、親同士が仲いいからその腐れ縁だ。
お前が期待しているであろう不純異性交遊は残念ながら無いぞ

「あー、親同士が仲いいからその腐れ縁だ。お前が期待しているであろう不純異性交遊は残念ながら無いぞ」

変に誤魔化すよりさっさと吐いた方が楽だろう。それに実際俺はあいつにそういう感情を持っちゃいない
というか、正直俺が誰かを本気で愛するなんて事が出来るのか?俺にとってそんなもんは唾棄すべきものだったんだ。それを今頃になって手に入れろというのか

「本当にー?」

「本当だ。教師がんな事したら即刻ムショ行きだろが」

これ以上絡まれるのも鬱陶しいから職員室で食うか。そう思い食べかけの弁当箱を片付け立ち上がる

「先生!」

「何だ?さっきの話ならもうしねぇぞ」



レッサーの発言>>44

私も今度伺いますから、その時は乱れに乱れまくりますから期待しててください!

「私も今度伺いますから、その時は乱れに乱れまくりますから期待しててください!」

「アホか」

と言いつつ、ほんの少し想像した雄の本能が憎い



【職員室】

残った弁当を口に運びながら『ゲーム』について考える
もしこれが本物のゲームみたくただ相手の女を落とすだけならそれほど苦労はしないだろう
自慢じゃないが、見た目はいい方だし力もある。実際そこらの趣味の悪い女共からはちょくちょく声をかけられていた
だがこれは違う。この『ゲーム』の目標は「俺が誰かに落ちなければならない」という事。輪っかの野郎的に言えば、俺は俺自身を攻略しなきゃいけないようだ
それに万が一俺がここの誰かに恋に落ちるとする。でもここは所詮仮想空間、偽りに踊らされてるだけじゃねぇかよ

「楽しいかよ、クソ天使」

こんなのが、本当にあいつを越えるのに必要な事なのか……?
時刻はまもなく1時を指そうとしていた

【下校】

いよいよ下校時刻だ。俺は商店街の真ん中に突っ立ってうちの学校の生徒がちゃんと帰れるか見張るのと、問題が起きた時に対処しろと言われている
他所の学生は買い食いやらショッピングしてる中、うちの生徒はどこか戦々恐々といった感じだ。こんな人だかりの中でも絡まれるんだろうか

「一体どういう奴らがんな事やってんだか……」

すると、商店街の奥の方で何やら騒ぎが起き始めたようだ。まさかとは思うが……



巻き込まれている生徒>>49
起きている事>>50

フレンダ

心理定規

騒ぎの方へ向かってみると、これまた見覚えのある奴がいた。嘗て俺が仲間の情報を吐かせたアイテム構成員、フレンダ・セイヴェルンだ
うちと同じ制服を着ているそいつは他所の学校の奴らに囲まれていた

「ちょっと、私何もしてないじゃん!どいてくれる!?」

「そういう訳にはいかないんだよねー」

野次馬共を押しのけ、俺は奴らの間に割って入る

「はいはいストップ。野郎がよってたかって一人の女を囲むなんざカッコ悪いぞー」

「あ?何だテメェ」

「こいつの学校の先生。お前らか?最近うちの生徒にちょっかい出してる学校の奴ってのは」

「た、助けて先生!私訳の分からない奴らに絡まれて大変なのよー!」

どいつもこいつもギラついた目をしている。何がそんなに気に喰わないのか

「とりあえず話を聞こうか?」


不良学生達の発言>>53

フレンダが不良の溜まり場を爆破した

「この女、俺達の縄張りを爆破しやがったんだよ!かなり気に入ってた場所なのによ!」

「だからおしおきしてやらなきゃ腹の虫がおさまらねぇんだよ!」

「本当か?」

「……」

「何故目を逸らす」

「……」

この感じだとそうらしい

「ふぅ、まぁいい。こいつは後で俺が説教しとくから。あと最近うちの学校の奴らがこういうのに巻き込まれてるみたいだけど、原因は何だ?」



不良学生の発言>>53

間違えた。>>56

知らん

「知らん。俺らはただ溜まり場を壊された事にキレてるだけなんだよ」

どうやら知らないらしい。嘘をついてる可能性もなくはないがこの状態では話にならんだろう
とりあえず今はこの状況をどうにかするか

「そうか、まぁお前らもムカついたからって女を袋にすんのはカッコ悪いからやめとけよ」

「……チッ、帰ろうぜ」

そう言って連中はゾロゾロと帰って行った。とりあえずは収まったようだ


「助かった訳よ。ありがとう先生」

「で、何?お前爆破したんだって?」

「いやぁ、護身用に持ってた爆弾の線が抜けちゃって人のいない方へ投げたらどうやらそういうことだったらしくて……」

頭をかきながらたははと笑う。多分現実世界でも同じようなドジをやっていたんだろうな

「先生ってこういう事あんまりしない人だって聞いてたけど、結局ちゃんとやる時はやる男だったって訳ね」

「失礼な奴。おら、とっとと帰れ」

フレンダを見送って、俺は再び持ち場に戻る

「……」

あんな風に感謝されるのは初めて、かもしれない。まぁ、だからなんだって話だ


【自宅】

家に帰ると心理定規が晩御飯を用意してくれていた。そして何故か麦野もいた。「細かい事は気にすんな」じゃねぇボケ

「へぇー、絡まれてる女の子助けたんだって?中々やるじゃん」

「そういう仕事なんだよ」

我が物顔で目の前のから揚げを遠慮なしに貪りながらそんな話をしていた

「あなた、自分の家で食べればいいのに」

「今日はこいつの家に行きたい気分だったのさ。今度ちゃんと礼はするよ。そんな事より……」

麦野は空になった茶碗をカタンと置くと言った

「あんた、いい加減姉と仲直りしたら?」

「……」

心理定規は不機嫌そうな顔をしてさっさと部屋へと行ってしまった

「姉?」

「何、お前二人の関係知らないの?流石にどうかと思うわ」

何かすげぇ幻滅されてるのは分かった。でも知らないもんは知らないんだよ



心理定規の姉>>59
抱えてる問題>>60

雲川

酒浸り

どうやら雲川芹亜という義姉が酒浸りになっていて手がつけられないらしい。それで居心地の悪くなった心理定規は俺の家で寝泊りしている……と
何で他人のお前がそんな事を知ってるのかはあえて聞かない事にする

「どうにかしないと、あのまま潰れちゃうわよ」

「原因は?」

「そこまでは知らないわよ。寧ろ先生のあんたがやる事でしょ?」

「先生ではあっても心理カウンセラーじゃねぇよ」



【就寝】

今日で大体の立ち位置が分かった。ここから俺はどうやって誰を愛そうというのか
本当に俺は元の世界に戻れるだろうか?第一位にもう一度挑むチャンスを掴めるだろうか?

「ったく、常識の通じねぇ世界だ」

一人ごちて、俺は眠りについた――

登場キャラ

心理定規
麦野
美琴
吹寄
滝壺
レッサー
フレンダ
(雲川)


現在起きている問題

・学校の生徒が他校の生徒に絡まれる事案が多発している
・心理定規の義姉、雲川が酒浸りになっている


明日の行動指針>>64

今日はここまで。安価スレの癖に遅すぎるか?もっと投稿の速さを重視すべきか?

すまぬ、>>67で頼む

麦のんと呑み

「心理定規の義姉の事なんだが……なんであんな事になってんだっけ」

「あんた、もっとあの子の事見てやんなよ。なまじ同居してんだからさ」

別に同居したくてしてる訳じゃない、あいつが勝手に来るだけだ。だからこの問題を解決すればあいつも帰るだろう
それに、もしかしたら設定された俺の過去に何か関係があるかもしれない。それがいつか俺に災いとなって降りかかる前に対処しておこう
今回はその為に麦野を飲みに誘った。俺が酔うは誤算だったが

「まぁ、私も全部知ってるって訳じゃないんだけどさ……」

焼き鳥の残りを食べ、皿に串を置いてから言った


おおまかな原因>>75

好きだった後輩が試験に落ちて不良校に行ってしまい不幸な目に合っているからヤケになってる

「好きだった後輩が試験に落ちて、滑り止めで入った学校が素行の悪さで有名だったらしく、そこで色々悲惨な目に遭ってるを知ってヤケになってるらしいよ」

「後輩が、ねぇ……」

理解出来なかった。何故赤の他人に自分がそうも思い詰めるのか。そんな事で自分の人生を無為に過ごす意味が分からない
そんなに悔やむなら自分で助けに行けばいい。力がないなら借りるなりなんなりすればいい。ダメなら諦めればいいだけ
俺は雲川って女に少しムカついた

「その学校が最近お前んとこにちょっかい出してるとこなんだけどさ。学校同士での喧嘩なんざいつの時代だってんだよ」

どうやら、俺は何としてもあの学校に関わらなきゃいけないらしい。いざとなりゃ力でねじ伏せりゃいい。どうせここは仮想空間、失敗しても……

(失敗したらどうなるんだ?)

奴から失敗した場合の話を聞いていない。またやり直しさせるのか?それとも次はないのか?
もし後者だとしたら、俺は二度とあの生きてるか死んでるかも分からねぇ状態から戻れなくなるのか?

「おーい、どうした?」

「あ、いや、何でもねぇ」

考えても仕方ねぇ。この後雲川に会って話を聞くか。思い立ったうちにやっとかねぇとどうでもよくなりそうだからな

【雲川宅】

俺は未限物質で体内のアルコールを分解し、雲川が住むマンションに着いた
元はここに心理定規も住んでたようだが、今は一人らしい

「さて、出てくれるかなっと」

壁にあるチャイムを押した。少しして中からドタドタと音がし、扉が開けられた

「……垣根、君じゃない」

こいつが雲川芹亜。皺だらけの部屋気着に長い髪をカチューシャで止めている。そしてとにかく酒臭い。ついさっきまで飲んでたのだろうか

「ちょっと上がるぞ」

雲川の返事を待たずズカズカと入った



「お前がこうなった原因については聞いている。その後輩ってのはどいつだ?」



雲川の後輩>>81

上条

「上条当麻よ。彼の受験勉強に付き合ってあげてたんだけど、ダメだったの。それで滑り止めに入った学校で大変な事になっちゃって」

「それでヤケになって飲んだくれてるって?」

「そうよ。彼には悪い事したわ。もう少しレベルを落とせばあんなところに行かなくて済んだのに……」

そういう彼女の目からは涙が滲んでいた。酒の影響だけじゃないのかもしれない

「そいつは今どうしてる?」

「分からない。連絡も取ってくれないし、会おうにも住所を変えたみたいで」

こいつなりに償いをしようとしたんだろう。だが肝心の相手がどこにいるかも分からず、行き場のない罪悪感に押し潰されていった……という感じか



どう言葉をかける?>>84
1慰めの言葉
2辛辣な言葉
3何も言わない

3

「……そうか」

俺は特に何も言わなかった。どんな言葉を投げたところで、こいつはウジウジうなだれるだけだろう
そんな奴にいつまでも付き合う気はない。心理定規には悪いが、この問題はお前自身で解決してくれ

「いつまでも飲んだくれてないでさっさと立ち直った方がいいぞ。義妹も心配してたぞ」

当たり障りのない事を言って部屋から出ようと立ち上がった時

「待ってよ」

服の裾を掴まれた

「今日は泊まって行ったら?久々に誰かと話したら急に心細くなったというか……」

「そういうなら心理定規と仲直りしろ」

「あの子とは、まだ……」

まだ酔ってるのか、顔が少し赤らんでいる



どうする?>>88
1振り払う
2泊まっていく
3押し倒す

「……お前なぁ」

遂にイライラが抑えきれず、俺は雲川を突き飛ばし、そのまま上に覆いかぶさった

「いた!ちょ、垣根く……っ!」

「親が幼馴染だろうが、俺とお前は赤の他人。そんな奴にそんな事言ったらどうなるかくらい分かるだろ?」

戸惑う雲川の腹を服の下から撫で上げ、胸の方へと手を伸ばしていく

「どうなんだよ、なぁ」

「や、やめっ……かき、ねぇ……!」

抵抗する彼女を見て、俺は言われた通りやめた

「ちょっとは酔いが醒めたかよ」

「……ごめんなさい」

「とにかく、寂しいならまずは義妹との関係修復からだ。お前から動かないとあいつは戻って来ないぞ」

「うん、いつまでもこのままじゃダメよね。ありがとう垣根君」

発破をかけたつもりじゃなかったが、やる気を出したようだし結果オーライか
今度こそ俺は酒臭い家を出た――


【自宅】

「帰りが遅かったじゃない」

「まぁちょっと麦野と飲みに付き合っててな」

「ふーん」

「お前もいい加減家に帰ったらどうだ」

「……」

「そのうち解決するんじゃねぇか」

「そうだといいわね」

「あぁ」

「じゃ、寝るから」

「おう」



問題はとりあえず一段落ついただろう。雲川は放っておいても大丈夫かもしれない

【朝・学校】

「いいか、能力を使う時は常に冷静さを忘れるな。ちょっとした動揺でも演算が狂う。別に殺し合いしてる訳じゃねぇんだから焦るんじゃねぇぞ」

色んな奴がそれぞれの能力を鍛えようと必死になっている。幾らやったって伸びしろは決まっているのに
だが、そんな奴らの目はイキイキしている。俺にはない光を灯している

「よし、今日はこれまで、次はもうちょい難しい事するから復習しとけよ」

終了のチャイムと同時に俺はさっさと教室を出た


【昼食】

「先生」

また誰かが来た。俺は一人でのんびり食いたいっていうのに、これがエロゲ効果って奴なのか


来た人>>93
1心理定規
2美琴
3吹寄
4滝壺
5レッサー
6フレンダ

3

「どうした、吹寄。授業の質問か?」

彼女は何も言わず、ただ俺の隣に座って黙りこくっている

「何だよ、恋の悩みとかか。悪いが俺は力になれねぇぞ」

そういえば生徒会に所属してたんだっけか。この前他の生徒と何か揉めてたし、堅物に分類される女なんだろう
そんな奴が適当で通ってた俺に何の用なのか



吹寄の発言>>96

吹寄には親戚から預かっている男の子(馬場)がいて、一緒に風呂に入って身体を洗いっこするくらい仲がいい
だけど馬場もお年頃だから一緒に風呂入る度に勃起している
その度に手コキやフェラ、パイズリで抜いてあげてるんだけど、すぐに元気になっちゃって困ってる

申し訳ないが、ちょいと脚色させていただく

脚色するな
そのまま使え

「親戚から預かってる子がいて、まだ幼いから風呂にいれてあげたりしてるんだけど」

「へぇ、大変だろう」

「でも、その……最近、私を見る目が変わったというか。こう、やたらと引っ付いて来るというか、必要以上にじゃれてくるというか……」

ほう、発情期か。こんなスタイルのいいお姉ちゃんがいるんじゃ無理もないな

「まぁ、男の子なら誰でもある事だ。お前を異性として認識しはじめてるんだよ」

「うーん。でも毎日あんな感じだと流石に疲れるというか、ちょっとは休ませてほしいというか」

中々スケベなガキらしい。ちょっとだけ羨ましいぞコラ

「それで、どうにか落ち着ける方法がないか相談しに来たと」

「こういう事は同じ男性に聞いた方が解決の糸口が見えるんじゃないかなーと思って」



どう答えたものか……>>105

またやっちまった。↓1で

「水着でも着て一緒にお風呂に入ってやればいいんじゃねえか?色気消えるし」

最悪余計に目覚める可能性もあるが……全裸で入るよりマシ、だと思う

「水着か……」

少し考えたあと、吹寄は立ち上がりこう言った

「じゃあ放課後、水着選びに付き合ってもらえる?」

「な、なんで俺なんだよ。女友達と一緒に行けばいいだろ」

「女の目線と男の目線は違う。それに最近物騒な事が多いから一人で行くには危ないじゃない」

「そうだ、お前生徒会だろ。そんな事していいのか」

「先生今日は下校指導担当じゃないでしょ?監視してる体でお願いね」

どうやらそういう事になった。なってしまった

【放課後】

「……早くしろよ」

「見てくれないとどれがいいか分からないじゃない」

並べられた色とりどりの水着を見せられる。どれが似合うのか俺には分からない
それ以上に、今すぐにでも帰りたい衝動に駆られている。こんなところを他の生徒に見られれば面倒な事になる。教師という肩書きは中々窮屈だ
それに、ちょっとばかし緊張している。さっき言ったのもあるが、俺の中にある青少年の純情のようなものが燻りだしたとでもいうのか

「ねぇ、どっちがいい?」

吹寄が目の前に二つの水着を出してきた

「うーん……」



正直どっちでもいいんだが……↓1
1:赤いビキニ
2:黒いホルターネック
3:どっちでもいい

「こっちの赤い方とかどうなんだ?」

どっちが似合うかなんて分からないからとりあえず目を引く色の方を選んだ

「こっちね。ちょっと待ってて、試着するから」

そう言って試着室に入っていった

「除いちゃダメよ?」

「分かってる」

このまま放って帰るぞこのやろう
俺はカーテンに背を向けて待った。少しして後ろから絹擦れの音がした。今開けたらどう反応するだろうか、なんて邪な考えが一瞬よぎる
そして、勢いよくカーテンが開けられた

「もういいわよ」

「おぉ……」

「どう、これならあの子も落ち着くかしら?」



垣根の感想↓2

今日はここまで。もっと上手い事捌けるようになりたいね

「落ち着く落ち着く問題ない」

特に根拠もなく首肯してみる。でも実際は……

(すげーセクシーで上下とも紐だしガキでも興奮すんだろーな、より迫られて吹寄が困る顔が目に浮かぶぜ、ククク)

子供には少々刺激が強いかも知れないな、と心で笑っていた。どのみちどっちを選んでも逆効果だろうしな

「じゃあこっちにするね」

特に疑問も持たずに購入を決意したらしい。自分で言っといてあれだが、本当にそれでいいのか
将来悪い男に引っかかりそうで少し心配になった



「今日はありがとう」

帰り道、ふとそんな言葉をかけられた
ありがとう……俺にはなんだかこそばゆい響きだ

「いつもあの子の相手ばかりで、あまりこういう事が出来なかったから」

経緯は知らないが、その年で母親代わりをやるのは中々大変だろう。真面目な性格から、自分を疎かにしてしまっていたのかもしれない
そこまで他人の為に尽くせるなんて、俺には信じられなかった



垣根の言葉>>↓1
1自分も大事にしろよ
2たまにならまた付き合ってやる

「たまにならまた付き合ってやる 」

気がつけばそんな事を口にしていた。同情心からか、それとも礼を言われていい気になってしまったのか……
ここに来てから俺は少しずつおかしくなっている。でなければ、こんな言葉が出る訳ないのだから

「え……」

吹寄は目を丸くして固まっている。そりゃそうか、男教師が女子学生にこんな事いえば問題にもなろう

「別に変な意味じゃねぇ、嫌ならいいんだよ。俺とお前は教師と教え子の……」

「意外。先生ってあまり私達の事関心ないものだと思ってたから」



垣根の発言↓1
1んな事ねぇよ!
2……そうかもしれねぇ

「んな事ねぇよ!」

笑って誤魔化す

「なんなら連絡先教えてくれりゃあいつでも相手になるぞ?」

「それってまずいんじゃないの?」

「最初に俺を連れ出したのはお前だ、一緒だろ」

勢いに任せ、俺は吹寄のアドレスと電話番号を手に入れた
本当の所、俺も少し誰かに興味を持ち始めたんだと思う

「じゃあ、もう行くね。今日はありがとう」

最後に笑顔を振りまいて、黒髪の少女は去っていった

「……吹寄、制理、ねぇ」



【吹寄制理への関心が少し高まった】

【自宅】

「おう、心理定規」

「おかえり」

そういえば、雲川はあれからこいつと話をしたんだろうか。あれだけ言ったんだから何の動きもないとは思いたいが


話を切り出す?↓1
1切り出す
2切り出さない

「なぁ、雲川とは今どうなってんだよ」

それまでノートに数式を解いていた手がピタリと止まった

「あなたに関係ないでしょ」

「あるっつうの。こう毎日居座られちゃ向こうの親が心配するだろ」

「ちゃんと話は通してあるわ」

「それだけじゃねぇ、義姉は今精神的に参ってる。お前が支えてやらなくてどうするんだよ」

「……」

「実はこの前雲川に会いに行って来た。あいつは今立ち直ろうともがいてる。お前に会いたがっていたぞ」

心理定規は黙ったままだ

「どうなんだよ」

だんだん空気が張り詰めていくのを感じた。じれったいなぁ、イエスかノーかくらい答えろよ



心理定規の発言↓1

「好きな人がいるから気がおかしくなったのもわかるわ……でもやっぱり私をもっと見て考えて欲しい」

それは、現実世界でも見なかったであろう彼女の本音だった
その表情はどこか切なげで、俺の知らない心理定規の魅力のようなものをうっすらと感じていた

「なら、答えは出てるんじゃねぇかよ」

「明日、義姉さんと話をしてくるわ」

「あぁ、それがいい」

「まさか、あなたが私にそうまで首突っ込むなんて珍しいわね。どういう風の吹き回しかしら」

その言葉から嫌味を感じない。寧ろ、どこか嬉しそうにも見えた
もしかしたら、俺が背中を押してくれるのを待っていたのかもしれない

【翌日】

「あれ、あいつは休みか?」

朝、一つ空席があるのに気づいた。休みの連絡も特に聞いていない

「誰か聞いてる?」

「しらなーい」


休みの生徒↓1
1心理定規
2吹寄
3美琴
4滝壺

滝壺がいない。あまり体がよくなかったらしいが、その影響だろうか

「そうか、じゃあ授業始めるぞー」



昼休み、教師陣が一斉に職員室に呼び出された。どうやら滝壺についてらしい
聞けば、朝登校してる姿を目撃した人がいるらしく、もしかしたら何か事件に巻き込まれている可能性があるらしい
担任である俺が探さない訳にもいかず、俺は放課後、能力で空から滝壺を探す事にした

「どこ行ったんだろうなーあいつ」

ふと、金髪の男が脳裏をよぎる。あいつもこの世界にいるんだろうか?まぁどうでもいい事だが

「……あれか?」

遠目からそいつらしい人影を見つけ、高度を落とした



滝壺はどうなっている?↓2

「はまづら、これ」

「え、これは……」

「私達が付き合ってもう一年経つでしょ?これはその記念プレゼント」

「ありがとう!それと、ごめん。俺、何も用意出来てないんだ……」

「いいの、今日二人で過ごせるなら」

「た、滝壺……///」

そこで繰り広げられているのは、今に口から砂を吐き出してしまいそうな程の甘ったるい青春ラブストーリーだった
お相手はあの金髪の野郎……馬面だか熊面だか、アイテムのお荷物の男だった
あぁ、ハートが飛び交っているのが見える

「お前、学校サボって何やってんの……」

「あ、先生」

「違うんだ!俺が勝手に連れ出したんだ!決して滝壺は授業をサボった訳じゃない!」

必死に彼女を庇う健気なところは現実と変わらんらしい
それに、よく見ればそいつの制服は例の不良校のものだった

「ごめんなさい先生、でも最後に決めたのは私。だから悪いのは私。でも、後悔はしてない。人には間違いと分かっててもそうしなくちゃならない時がある」

こいつ、本当に悪いと思ってるのかよ

「せめて俺に連絡くらいよこせ。こいつの学校と揉めてるの知ってるだろ?」

そう言うと横の黄色いのはバツの悪そうな顔をする

「ついでだ。おいお前、最近お前んとこの奴らがうちの生徒にちょっかい出してくるんだが、何か知らないか?」

「はまづらは関係ないよ」

「おおありだ。現にお前を連れ出した証拠がある」



浜面の発言↓1

「それは俺の派閥じゃねえ、ウチには2つの派閥があるんだが俺の方は手を出すなどしっかり言われてる」

「派閥?」

「あぁ、最近あいつらますます過激な事しやがって、無関係な学校の奴まで襲ってるらしい」

「そのもう一つの派閥のリーダーとその目的は?」


派閥のリーダー↓1
その目的↓2

「リーダーはヴェント。女ながらウチの悪共を束ねるだけの力を持っている。ここら全ての高校を自分の配下にしようって腹だ」

「何だそりゃ、いつの時代だよ」

「そう思うだろ?でも奴は本気だぜ。既に3つの学校が奴の支配化に落ちてる」

頭が痛くなる話だ。んな喧嘩番長みたいな事を本気でする奴がいたとは

「だから、滝壺がいつアイツらに狙われるか不安で不安で」

「はまづら……」

「家でやれ」

また蜂蜜をぶちまけられる前に制止する

「最後に一つ。お前、上条当麻を知ってるか?」

「え?あぁ、知ってるけど」

「そいつは今どうなっている?」



上条の現状は……?↓1

「うちの派閥のNo.2でそれなりに元気にやってるぜ」

「……そうか。もういい」

「先生」

「一応俺が何とか報告しとくからさっさと帰れ。お前の色恋に口を挟む気はねぇが、他人に迷惑はかけんなよ」

「……ごめんなさい」

どうやら雲川の後輩は元気にやってるらしい。そして不良校の現状も何となく理解した

「さて、どうしたもんか……」



今日はここまで

【夜・ファストフード店】

今日は心理定規が雲川のとこに一泊していくらしい。その感じだと取りあえず悪い方向には傾いてないようだ

(あいつもやれば出来るじゃねぇか)

このまま関係が修復するのを祈ろう
そんな訳で俺は一人ファストフード店で油ギッシュなカツサンドバーガーを頬張っている
ここ数日誰かと飯を食べる日が多かったからこういう日は久々だった

「……」

何だか手持ち無沙汰な感じがする。別に寂しいって訳ではない、断じて

「ん?」

まるでタイミングを計ったかの如く、携帯からメール受信のバイブ音が鳴る。相手は吹寄のようだ

(何だ?)


メールの内容↓2



『なんか逆効果だったみたいで隙あらば紐をほどいてきたり、ほどいた水着を……その……おちんちんに巻きつけたりしてるのよ
だからこれからは今まで通り裸で入ることにしたわ、そっちの方がまだマシよ』


思わず口の中のものを噴出しそうになる内容だった

(たまげたガキだなぁ)

えらく性癖が鍛えられつつあるようだ。そのガキの将来が思いやられる。その一旦を担ったのが俺なんだが……ちょっとやりすぎたか


『なんかすまんかった。あまり力になれなかったみたいで。スケベなのは健全な証だが、度が過ぎるなら怒るのも大事だぞ』


そんな感じのメールを返しておく。すると少ししてまたメールが返ってきた



吹寄のメール↓1

×一旦○一端

>>162
おっとっと失礼


『でもそういうところが可愛かったりするのよね。私の胸に夢中になっちゃうところとか』

頭がクラクラする。一番の原因はお前にあるんじゃねぇかよ
この調子だとそのガキは当分治りそうにないな。当人がそれを半ばよしとしてるんじゃあ……
なんて呆れていたら、追加のメールが俺の心を微かに揺らした


『きっと母親が恋しいんだと思う。あの子の甘え方はまるで母に求めるような、なんていうか……母性を求められてるような気がするの』


母親……。変な話、俺は自分の産みの親がどんなだったか殆ど覚えてない。実験の中で忘れちまったのか、それとも俺の防衛本能が思い出したくなくて蓋を閉じているのか
会いたいとはこれっぽっちも思わない。けど、どんな奴だったのかくらいは知りたかったかも
ふと憎たらしい白もやしの顔が浮かぶ。あいつのアレは、母性を欲した結果なのだろうか?
それが、俺と奴との決定的な違いだったのか?



垣根の返信↓2


『まあ頑張れ』


これ以上の答えが浮かばなかった。母を知らない俺にしてやれるアドバイスがどれだけあるっていうんだ
教師の癖に情けねぇ……口の中のカツが油みを増して口内にへばりついてくる
だが、子供が吹寄になつく理屈が何となく分かる。上手くは言えないが、あいつと向かい合って話した時、心理定規とは違う何か……包み込まれるような雰囲気を感じた
こいつが母性というものなのか、第二位の知識でも解読には至らなかった

夜の帰り道。引ったくりなり通り魔なり出来そうな程静かで人通りもない

「――!……!」

建物で挟まれた狭苦しい暗闇の奥から人の声がする。一つではない、複数人いる。途切れ途切れに聞こえる声には荒々しさが混じっていた

「……まさかとは思うが」

無視して帰りたかったが、今日はそんな気分だった。俺は一人声のする方へ向かっていった



何が起きている?↓2

「お前らいい加減にしろ!こんな事して何になるってんだよ!」

「邪魔すんなテメェ!これは俺達の学校が嘗められねぇようにするには必要な事なんだよ!」

半分は当たっていた。うちの学校の奴が例の不良校に絡まれていた事。だが半分は違った。それは、不良校の奴ら同士で殴り合ってるという事だ
ウニみたいにツンツンな頭の男が一人、3人の男相手に奮闘している。その周りにはノビてる不良二人と腰抜かしてるうちの奴が一人

(そういえば……)

馬面が言っていた二つの派閥……もしかすればあいつは河馬面の側の奴かもしれない。そして見る限り、あいつはうちの生徒を庇っている



どうする?↓1
1助ける
2黙って見てる

「オラ、そこまでだ糞ガキ共」

以前の俺なら考えもしなかったろう。こんな正義の味方みたいな真似事するなんてな

「あぁん?何だテメェ」

「こいつの学校の先生だ。悪い事言わねぇからその辺にしとけ」

「先公だぁ?カッコつけやがって、テメェも一緒に……」

その先は“言わせなかった”

「でないと、今度は俺がテメェらをイジメたくなるからよぉ」

「チッ、行くぞ」

「上条……この借りは必ず返してやるからな!」



「すみません、うちの学校の奴らが迷惑を……」

質の悪い奴らばかり見てきたからか、こいつのような真面目な人間が珍しく見えた
そしてガキ共が去り際に言った台詞

「お前が上条当麻か?」

「え、どうして俺の名前を……」

「雲川がお前の事かなり気にかけてたぞ。自分のせいで不幸な目に遭わせちまったってな」

「雲川先輩が……」

俺は雲川の現状を簡潔に伝えた

「何か伝えとく事があるなら俺に言え。代わりに言っといてやるからよ」

「……」

「ないならないでいいけど」

少し間があって

「俺ならもう大丈夫です、いい友達に出会えました。だから先輩は自分の事だけを考えて生きてください……そうお伝え出来ますか」

「分かった」

互いが互いを思い合う関係、か……俺にはなかったものだ



今日はここまで

ここまでタイトル詐欺


【翌日・学校】

御坂美琴がやらかした。不良校の連中20人を病院送りにしたらしい
教師陣は大騒ぎだ。相手側との対応で大忙しだ。遂に本格的な騒動に発展してしまったと教頭が頭を抱えている
俺はというと、生徒指導室で御坂と面談中だ

「……」

むくれっ面のまま目を合わそうとしない

「お前の気持ちは分からんでもないが、もうちょっと落ち着け」



御坂の発言↓1

「正当防衛です正当防衛!やられそうになったから身を守ろうとしたら加減を間違えただけだから!」

「お前はレベル5だからちょっとの加減ミスで人を殺しうる力を持ってんだぞ」

「そもそも、あんた達先生がちゃんと対処しないからでしょ!皆外に出るの怖がってるの分かってる!?」

思っている以上に生徒は参ってるらしい。教師の対応が甘く見えるのも無理はない

「先生も強いんでしょ?だったら生徒の為に戦おうとは思わないの?」

残念だが御坂、俺は誰かの為に戦うなんて考えた事はこれっぽっちもないんだ

「とにかくだ、今日はお前を一日見張っとけってお達しが来てる。悪いが大人しくしてくれ」



御坂の発言↓1

「無理よ!私の後輩があいつらに乱暴されたのよ!?ここまでされて黙ってろっていうの!?」

「黙る必要はねぇ、だが今のお前は明らかに冷静さを失ってる。いまにも学校へ直接乗り込んでいきそうな勢いだ」

だから一旦頭を冷やせ、と諭す

「……」

「俺は、お前もその後輩みたいな目に遭わせたくないんだ」

「何よ、急に」

「愛する生徒を守るのが教師としての俺の使命だからな」

どっかの学園ドラマから取ってつけたようなセリフを吐いてみる。当然そんな事思ってはない、が、全部が全部嘘という訳でもない
悔しいことに、俺の心に微かだが守ろうという気持ちが芽生え出しているようだ

「だから今日は一日お前と二人っきりだ。いいな?」

「……はーい」


ここに一日限りの第二位と第三位のコンビが誕生した



すんません、今日はここまで

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