男「閑古鳥のお嬢様ってね」(12)

一組の男女が向かい合っている。
彼らの周りには、人の気配は無い。

男の方が何か言葉を、顔を真っ赤にして、結構な勢いで頭を下げながら発する。

それを受けて、女の方は二重まぶたの目を大きく見開いき、困ったように周りをキョロキョロと見回した後に、丁寧なお辞儀をして走り去ってしまった。

「という訳で、俺が見た一部始終はこんなもんだたな」

ばっちゃ「おまいさん振られたのかい?」


場所はある高校の二学年の中の一組の教室。
窓際の後ろから三つ目の席に、クラスの生徒の八割が集まっていた。

「つまり、姫ちゃんが走り去ったということは・・・まさかのフられたのか*」

「いやいや、分からんぞ。
もしかしたら少し考える時間をーーって話かもしれないじゃんか」

「それは何か違うんじゃないかな?」


口々に意見が飛び交う。
現在時刻は午後3時17分。
放課後と言われる時間帯が始まったのがほんの2分前になる。

そして、この集団ができるキッカケとなったスクープは、今日の昼・・・ちょうど3時間前に起こった出来事だった。

・・・誤字が多いな、俺。

>>5 気にしたら負け


学校の生徒達のほとんどが、弁当やらパンやらを、国内有数の広さの敷地内で食べている時間帯の出来事。


学校のアイドルと言われる、顔良し性格良しな男子生徒が、今年度転向してきた姫という生徒に、いわゆる愛の告白をしたのだ。

校内にファンクラブさえできてしまうような生徒が、告白をしたとなれば、その話は昼休みの間には学校中に広がっていた。


「え、あいつが告白*」

「一体誰に告白したんだ?」

そして、話題は告白の相手。
つまり、姫という女子生徒に移る。

国内有数の大企業、a社の社長の二人の娘の内の一人。

片方は今年度の生徒会長に就任したお嬢様。
そして、もう一人がこの転校生・・・姫なのだ。


何故、姉妹別々の学校に行っていたのか、という疑問が生徒の合間に浮かぶとなるかと思いきや、話題の中心になったのはその美貌と、人当たりの良い性格だった。


そして、今回の告白だ。
結果を知らない学校の生徒は美男美女カップル誕生!とか、あぁ・・姫ちゃんまでもあいつの毒牙にッ!やら、私達の運命はいつまでも貴方と共に・・と、まぁ大騒ぎになった訳だ。


しかし、その騒ぎは告白の結果と共に思わぬ方向へ向かう事になった。


学校のアイドルがフられたという結末と共に。


告白の目撃者となった、男という名の、物語りの脇役にしかなれないような、少しくらい変わった生徒が





主人公となるチャンスをつかみ、歩きだすと共に。

・・・やっとプロローグ終わった(・ω・)

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