夏凜「友奈がボンバーマンになった」【ゆゆゆSS】 (17)

数週間前

友奈「聞いて聞いて!」

東郷「どうしたの? 友奈ちゃん」

友奈「福引きで旅行券が当たったの!」

風「旅行たって……ねえ?」

樹「四国から出られない訳ですし……」

友奈「それがなんと!」

友奈「宇宙旅行なのです!!」

夏凜「は?」

友奈「ボンバー星っていうところに行けるんだって!」

友奈「私宇宙なんて初めてだよー」

東郷「樹海の中では宇宙にも行ったけどね」

園子「ゆーゆは運がいいんだね~」

東郷「くれぐれも気を付けてね、友奈ちゃん」

風「お土産待ってるわよー」

夏凜「友奈が居ないってことはしばらく平和な日常になるわね」

園子「にぼっしーは素直じゃないな~」

夏凜「うっさいわね!」

友奈「それでは行ってきまーす!」

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友奈「ただいまー」

東郷「おかえり、友奈ちゃん」

風「お勤めご苦労!」

夏凜「それで、どうだったのよボンバー星とやらは」

風「馬鹿者! 思い出話よりまずはお土産でしょうが!」

夏凜「バカはあんたよ」

友奈「はいっ、これ」ポン

風「なにこれ、爆弾?」

友奈「そうなんです!」

園子「何もないところから爆弾を出すなんて……すごい手品だね~」

東郷「私も鳩くらいなら出せるけど爆弾は流石に……」

夏凜「いやあんたら何呑気にしゃべってんのよ!」

夏凜「爆発したらどうすんのよ!」

友奈「大丈夫だよ夏凜ちゃん」

ボンッ

友奈「ボムの力はボムに有らず、心にありってね」

夏凜「訳がわからない……」

翌日

東郷「少し調べてみたのだけれど」

東郷「友奈ちゃんは所謂ボンバーマンになったのね」

樹「女性なのにマンなんですか?」

園子「女の子だってまんはあるからね~」

風「女子力の低いことを言うな!」

夏凜「それで、ボンバーマンってなんなのよ」

東郷「本来はボンバー星で産まれた人がなるようなんだけれど……」

東郷「ボンバー星を訪れたことで一時的にボンバーマンと同じ体質になってしまったと考えるべきかしら」

友奈「でも爆弾出せると便利なんだよ」

友奈「目覚まし時計の代わりになるし!」

東郷「今朝の爆発音は友奈ちゃんだったのね……」

友奈「爆弾のおかげで今朝は珍しく起きられたんだー」

東郷「そう……」

東郷(なんだか少し寂しいわね)

樹「部屋は無事なんですか?」

友奈「音だけを増大させたから被害はほとんどないんだよ」

園子「便利だね~」

風「……」

風「これは使えるわ!」

風「我ら勇者部の活動の幅が広がるわね!」

友奈「はっ! 確かに!」

東郷「費用もかからないし」

樹「用途も幅広いですし」

夏凜「威力も申し分なし」

園子「ズガーンだし~」

風「んじゃあ早速今朝入ってた依頼をこなしちゃいましょ」

樹「え」

樹「依頼って確か……」

風「そう! 新作うどんの開発よ」

夏凜「爆弾関係ないじゃない!」

風「うどんの依頼を断れるわけないでしょうが!」

東郷「なんという説得力……」

園子「流石は勇者部の部長だね~」

夏凜「伊達じゃない、ってことね」

かめや

風「新作ってことで」

風「いままでに無かったような」

風「食べた人に衝撃を与えるようなうどんを作るわよ!」

他部員『おー(~)!』

東郷(ぼた餅……)

風(どうせ夏凜はにぼしうどんでしょうね)

夏凜(にぼしうどん……と言いたいところだけど意外性は薄いわね……)

樹(胸が大きくなるような……)

園子(まず神樹様で出汁をとって~)

友奈(意外性……そうだ!)

風「準備はいーい?」

夏凜「無論よ!」

東郷「前後、不覚ありません!」

風「じゃあまず大体予想できる夏凜から!」

夏凜「フフ……」

夏凜「私がそう単純なことばかりすると思わないことね!」

夏凜「私は、これよ!」バーン

東郷「見た目は……普通?」

風「食べてみましょう」

ズルズル

ボリボリ

園子「この食感……」

樹「サプリ……ですよね」

風「文句なし不合格」

夏凜「はあ!? なんでよ!」

夏凜「こんなに栄養満天なのに!」

風「食欲をそそらなすぎるのよ」

風「確かに新食感ではあったけれども」

風「じゃあ次!」

樹「私は……これ!」

友奈「し、白い!?」

東郷「牛乳……?」

風「牛乳うどんとは……」

風「目新しいってほどでもないけれど確かに斬新ね」

夏凜「実食といきましょう」

ズルズル

風「むむっ!? これは……」

夏凜「牛乳の味しかしない……ですって!?」

樹「折角の牛乳に出汁とか入れたら勿体ないかなって……」

東郷「もしかしてこれって暖かい牛乳にうどんをいれただけ?」

樹「はい!」

園子「こんなの初めてだよ~」

風「これは流石に却下ね……」

風「んじゃ次!」

東郷「私ですね」

夏凜「どうせぼた餅でしょ?」

東郷「私がぼた餅に頼りすぎな節があるのは否めないけれど」

東郷「どうせというのはぼた餅への敬意が足りないわ」

夏凜「ぐぬぬ……」

東郷「ということで私はぼた餅うどんを作らせて頂きました」

夏凜「結局ぼた餅なのかい!」

風「見栄えは最悪……いやコロッケそばに似てるような……」

園子「美味しそうだね~」

東郷「お汁に馴染ませて麺と一緒にすすってくださいね」

ズルズル

友奈「これは……!」

風「全く予想を裏切らない味ね!」

樹「あんことうどんの味がします……」

東郷「うどんもぼた餅も今まで以上の傑作だと思いましたが」

風「是非別々に食べたかったわ……」

風「さて次はまとめて樹と園子よ!」

樹もう終わってたのか
>風「さて次はまとめて樹と園子よ!」

風「さて次は園子よ!」
に修正

園子「私はこれだよ~」

風「ずいぶん汁が透明ね……」

東郷「薄味なのでしょうか」

友奈「じゃあ早速! いただきまーす!」

ズルズル

風「味無っ!!」

樹「お汁ってただのお湯……ですか?」

東郷「でもどこか神々しいような……」

園子「お目が高いよわっし~」

園子「前に大赦の人に貰った神樹さまの枝で出汁をとったんだぁ~」

夏凜「それが出汁になるわけないでしょ」

風「むむ!」ズルズル

風「なんか……力が湧いてきた……」

友奈「私もです……」

樹「今ならバーテックスとも戦えそうです……」

夏凜「食べた人が勇者レベルになるとしたら……」

風「危険ね、これは無し」

園子「え~……」

友奈「はいはーい! 次は私!」

風「そろそろまとのなのがくると良いけど」

友奈「私はこれです!」

東郷「見た目は普通ね」

樹「食べてみましょう」

ズルズル

ボンッボンッ

風「!?」

夏凜「麺を噛むと謎の衝撃がくる!」

東郷「これは……爆弾ね!」

友奈「小さい爆弾を麺に練り込みました!」

友奈「このお菓子からアイデアを思い付いたんです」

樹「わたパチ……」

園子「これは確かに新食感~」ボンッボンッ

風「食べて美味しい、噛んで楽しい」ボンッ

東郷「!?」ボンッ

東郷「今の麺……少し味が違ったような」

夏凜「」ボンッ

夏凜「私も……」

友奈「実は味のついた爆弾も混ぜてあるんです」

風「なるほど……」

風「食感で飽きさせないだけでなく」

風「味にも変化を持たせるなんてね」

東郷「勝者は決定ですね」

夏凜「悔しいけどこれには負けるわ」

風「私も、これ以上は作れない」

園子「てことは~」

樹「友奈さんの案を採用ってことですね!」

友奈「やったー!」

東郷「流石友奈ちゃん」

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