家族少女野崎くん (23)

父「今日は打ち合わせが思ってたより伸びてしまったな……そして疲れた」

父「早く家に帰って家族みんなでご飯を食べよう」

父「そういって俺、野崎梅太郎は走り出した……」

父「……と、独り言を言っている間にもう家だ」

ガチャッ

父「ただいま」

三女「あ! パパだ! お帰りなさーい!」ギュウウ

父「ああ、ただいま千代」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1432904446

三女「見て見てパパ! 私ね、パパのためにベタしたの!! ほら!!」

父「……気持ちは嬉しいが壁にベタはやめてくれ」

三女「えっ……でも結月お姉ちゃんがそうしたらパパが喜ぶよって……」

父(またアイツか……)

二女「あ、お父さんお帰り」

父「結月……お前、千代にまた変なこと教えたんじゃないのか?」

二女「変なこと?」

父「千代に壁にベタしたら父さんが喜ぶとか吹き込んだんじゃないのか?」

二女「違うの?」

父「違う! ……とりあえず二人とも早く拭いてくれ!」

二女「はーい……面白いと思ったのになー」トボトボ

父「面白くなんかない! 早く拭け!!」

三女「……」トボトボ

父(千代は完全に黙ってたな、余程怒っている俺が怖かったんだろう……だがここは父親としての威厳を見せないといけないからな)

三女(怒ってるパパ、かっこいい///)

二女「お父さん拭いたよー」

三女「終わったよパパ!」

父「ああ、次からは気をつけてくれ……ところで母さんは?」

三女「遊お姉ちゃんと買い物に行ったよ!」

二女「そろそろ帰ってくるんじゃね?」

ガチャッ

父「噂をすれば……」









長女「ただいまー! ……あっ、お父さん」

母「なんだ、帰ってたのか」

父「さっき帰ったばっかりだ」

長女「聞いてお父さん!」

父「なんだ遊」

長女「お母さんの旧姓って『堀』って言うんだって!」

父「俺が一番知ってないとまずいだろう」

長女「ねーねーお母さん、やっぱお母さんはこういうネックレスとか似合うと思うよ!」

母「だから俺はそういうのはつけねーって言ってるだろ」

長女「じゃあハイヒール履く? そしたら背が……」

母「いらねえって言ってんだろ!」ドゴォ

長女「ぐほぉ!」

母「……ったく」

長女「……わーい! 今日もお母さんに蹴られたーー! やっぱり私が一番お母さんに可愛がられてるんだー!」

母「……」イラッ

ガンガンガンガン!!

長女「」

三女(遊お姉ちゃん、マザコンだなぁ……)

父「……母さんも女の子なんだからおしゃれぐらいしたらどうだ?」

母「俺はそういうの好きじゃねぇんだよ……」

遊「いてて……」

母「……動くな遊!!」

遊「え???」

カシャッ

母「……よし、いいアングルでイケメンのやられ姿が撮れたな」

三女(ママ、親バカだなぁ……)

母「お前ら、晩飯の時間だぞ」

長女「はーい!!」

父「母さん……そういえば実琴は?」

母「あいつなら部屋じゃねーか?」

父「そうか……ご飯はみんなで食べた方がいいからな、呼んでくる」

母「おう」











父「実琴、晩ご飯ができたぞ」ガチャッ

長男「はぁ……はぁ……アスカはやっぱ可愛いぜ……///」ダキマクラギュー

父「……」

長男「!!!!!」

父「……」バタン

長男「だからノックしてから開けろっていつも言ってんじゃねえかクソ親父いいいいい!///」

父「みんな揃ったか……いただきます」

一同「いただきまーす!」

母「ったく……実琴、お前ももう大学生なんだからいい加減二次元は卒業したらどうだ?」

長男「は、はい……」

母「それに遊、お前は最近演技が雑になってるな……今度俺がきっちり指導してやる」

長女「はーい!」

母「あと千代、お前はいつまで父さんの背中にくっついてんだ、ちゃんと自分の椅子に座って食べろ」

三女「えへへ〜///」

母「褒めてねぇよ」

父(母さんは俺以上に父さんしているな)

父「まあまあ母さん、怒るのは体に毒だから……お茶でもどうぞ」

母「おう、悪いな」

母(こいつ、俺以上に母さんしているな)

父「そういえば結月……今日はちゃんとワカに餌あげたのか?」

二女「やっべ、忘れてた」

父「全く……お前が毎日世話をするという条件で飼っているのに……毎日ちゃんとやってるか?」

結月「うん、まあー」

父「なんだその返事は……」

三女「わ、私が餌あげたい!!」

三女(そしたらパパが喜ぶもんね!)

父「ダメだ千代、それだと結月のためにならない」

三女「う、うん……」シュン

二女「分かったって、やりまーす」

ガラッ

二女「ワカー、餌だぞー」

犬「ワン!!」

ガツガツガツガツ……

二女「おー、今日はがっつくなー」

犬(3日ぶりの餌……涙が止まらない!!)

二女「よーし、それ食べ終わったらバスケしよーぜ」

犬「ワン!?」

二女「私が投げるから避けろよ! それっ!!」ビュン

犬「キャイン!!(まだ食べてる途中なのに!!)」ガン!

父「さて……みんな食べ終わったし、そろそろ作業に入るぞ」

長男「親父……俺(録画アニメとギャルゲーが溜まってるから)やりたくねえんだけど……」

父「……お前ほど完璧に花や効果を描ける人はいないんだ、頼む」

長男「へえ……よく分かってんじゃねえか……いいぜ、そこまで言うなら手伝ってやるよ……あんたのロマンスストーリーをな!!」

父「ああ、頼んだぞ、締め切りが近いからな」

長男「///」

父「じゃあ始めるぞ。千代、ここにベタしてくれ」

三女「はいっ!」

父「実琴はここに花を」

長男「おう」

父「母さんはこことここの背景を頼む」

母「分かった」

父「遊は結月が父さんたちの邪魔をしないように見張っててくれ」

長女「任せて!! 結月、部屋で遊ぼ!」

二女「おー」

父「……あ、ワカ、今日はこのトーンで頼む」

犬「ワン!!」

次の日

父「今日は千代と遊の三者面談……それに結月の授業参観があるな」

母「三人とも同じ時間だな……どうする?」

長女「私はお母さんに来て欲しい!!」

三女「私はパパがいいな!!」

父「じゃあ俺は千代で……母さんは遊を頼む」

母「ああ……けど結月はどうするんだ?」

父「そうだな……」

長男「へっ……今ここに適役がいるじゃねぇか……野崎家の長男であるこのおr二女「ワカでよくね?」

長男「!?」

父「そうだな、じゃあワカに頼もう」

長男「!!??」

犬「ワン!!」b

長男「!!!???」




















三女「パパ……実琴お兄ちゃん、すごい勢いで部屋に入ったよ?」

父「早くゲームがやりたいんだろう」

三女「……お兄ちゃんの泣き声が聞こえるけど」

父「ゲームに感動しているんだろう」

母「よし、じゃあ出かけるか」

長女「あっ、待ってお母さん!」

母「なんだ遊」

長女「口紅ちゃんと塗らn母「いらなえ」

父「うーん……」

母「どうした父さん」

父「……俺の靴下全部が跡形もなく消えてるんだが……」

母「……まさか」

ガラッ

母「千代!! 父さんの靴下勝手に取るなっつってんだろ!」

三女「ご、ごめんなさいママ!」

>>12
いらなえ×
いらねえ◯

浪漫小学校

先生「えーと……千代さんの成績なんですが……」

父(ああ……久しぶりに宮前先生に出会えた……)

父(以前授業参観に来たことがあるが……この人の教え方は本当に分かりやすい!!)

父(おかげで千代の成績も伸びてきている! ああ、この人こそ俺の憧れ!! この人のような父親になりたい!!!)

三女「……パパ、話聞いてる?」

父「! な、なんだ千代!?」

先生「その……家ではどんな感じですか?」

父「は、はい! 悪いことをしたらちゃんと怒り、いいことをしたらちゃんと褒める!! 私は理想の父親になるために日々努力をしています!」

先生「お前のことじゃねえよ」

浪漫中学校

先生「野崎さん……学校に犬を連れてくるのは……」

二女「いいじゃん都先生、私の保護者なんだし」

犬「ワン!?」

先生(保護者!? きっと複雑な事情なのね……)

先生「分かったわ……特別に許可します」

二女「やったー」

先生「では音楽の授業を始めます……まずは野崎さんから」

二女「はーい」

〜〜♪

先生(野崎さんの歌声は校内1……きっと保護者の犬さんも感動して……)

犬「zzz……」

先生(寝てるわ……)

浪漫学園

先生「そしたら女子みんな、ずっと僕としか話してないんですよーー!」

母「……」

長女(まーた前野先生の自慢話が始まっちゃった……)

先生「やっぱ僕って結構モテるほうなんですかねー!? どう思います!?」

母「……こらぁ!!!」

先生「!!!」

長女(あ、先生が怒らせちゃった)

母「……遊てめえ!!」

長女「!!?」

母「こんなチャラ男に負けてんじゃねぇ!! てめえもモテ話で対抗しろぉ!」

長女「お母さん……成績とか進路の話とか……」

母「んなもんどうでもいい!! 成績優秀なお前に言うことなんてねぇよ!!」

先生「あはは! 面白いお母さんですねー!」

母「笑ってるのも今のうちだぜ……遊、お前の武勇伝を聞かせてやれ!!」

長女(今日、何しにお母さんと学校に来たんだろう……)

父「千代……俺は宮前先生にそっくりか!?」

三女「う、うん」

父「そうかそうか!」

三女(パパ、本当に宮前先生好きなんだなぁ……)












二女「おい見ろよワカ!! アイスクリーム屋さんだって! 寄ろうぜ!!」

犬「ワ、ワン……(なんで俺が引っ張られてるんだろう……)」

















母「あの先公……遊のモテ話を聞いても何一つ驚かなかった……」

長女「そ、そうだね……」

母「遊!! 次の三者面談の時はとびっきりの話を頼むぜ!!」

長女「三者面談ってそういう話する所じゃないからね!?」










家の前

父・三女・二女・犬・母・長女「あっ……」

父「まさかみんな同じタイミングで家に着くとはな」

犬「ワン!」

三女「実琴お兄ちゃん、一人で大丈夫かな……泣いてないかな」

母「千代は優しいな、けどあいつも大学生だしそんな心配はいらねぇだろ」

ガチャッ

長女「お兄ちゃんただいまー!」

長男「……お〝がえ〝り〝」

一同「!!?」

二女「どうしたんだよ兄ちゃん」

長男「だっでよ〝……な〝んで俺じゃなぐでワガな〝んだよぉ……俺はいら〝ねえ〝のがよぉ……」

長女「お兄ちゃん、何を言ってるか全然分かんないよ……」

長男「……俺を必要どじでぐれよぉ!!!」

母「な、泣くな実琴!!」

父「実琴! お前の好きな美少女フィギュア買って来たぞ!!」バン!

長男「お、おう……」ピタッ

三女「泣き止むの早くない!?」

長男「きょ、今日の所は許してやる……晩飯できたら言えよ……」バタン!

父(さすがマミコ、ヒロインだな)

三女(マミコのモデルがお兄ちゃんだってこと、内緒にしよう)

長女「やっぱりバンビーノに泣き顔は似合わないね……」

母「いいぞ遊、ナイス演技だ」

二女「兄ちゃん変なの」

犬「ワン!!」

野崎家は今日も平和であった。



















佐倉「……はっ!!」

野崎「起きたか佐倉」

御子柴「こんだけあったけーからな、眠たくなるのも無理はねえよ」

佐倉「……」

野崎「……佐倉、どうした? ニヤニヤして」

佐倉「えへへ……何でもない///」

御子柴「??」

佐倉(いい夢だったなぁ……///)

〜終わり〜

一応キャスト紹介

野崎・父
千代・三女
みこりん・長男
鹿島・長女
堀・母
結月・二女
若松・犬
剣さん・小学校の先生
前野・高校の先生
都・中学校の先生

読んでくださりありがとうございました

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom