夜神月「デスノートで女子とヤりまくる!」 (146)

月が女子とヤる話です。最後はLと決着します。完結記念で上げていきます。
趣味丸出しなので苦手な人は見ないように。

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2015年5月25日2時19分、デスノートに記す。
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水紀志穂 事故死
2015年5月26日0時0分までの任意の時間に[****]というアドレス宛てのメールを送る。
件名は任意。
本文は、2015年5月26日0時0分から7日後の0時0分までの間で睡眠時間を除く5時間以上自由に外出可能な時間帯。
[****]というアドレスからメールが送られて来たら、そのメールで指定された日時と場所に一人で訪れ、男性に話しかけられるのを待つ。
その際の外出理由は「昔好きだった同級生に誘われたから」とし、それよりも重要でない予定は全て断る。
待ち合わせにやって来た男性をひと目で好きになり、その人のどんな要求にも応じる。
その男性と別れた後、その男性と過ごしたことについては一切口外しない。
[****]というアドレスとやりとりしたメールは全て削除し、普段通りに生活を送り、2015年5月26日から22日後、不慮の事故に遭い死亡。
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2015年5月25日21時38分、メール着信。
件名は「空いてる日」、
本文は「30日(土)の7時から22時、31日(日)の7時から12時まで大丈夫です。」と書かれている。
土曜日は一日中暇、日曜日は午後に予定があるという感じだ。
問題ないと判断し時間と場所をメールした。
「分かりました」と一言だけ返信が来た。

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デスノートは殺したい人間を顔を思い浮かべながら名前を書き込むとその人間を[ピーーー]ことができる死のノートだ。
名前だけ書けば心臓麻痺。死因を書き込めばその通りになる。
死因を書いた後に詳しい死の状況を書き込めば好きな様に操って[ピーーー]ことも可能だ。
このノートを手にした時思った。
「ヤりまくれる」と。
死神の目も手に入れた僕は無敵だ。
この目で人の顔を見ると名前と寿命が見える。あと視力検査で計れないくらい目が良くなる。
代償として寿命が半分になってしまうがヤりまくるためにはしかたないだろう。
犯罪者を使ってデスノートで出来ることは一通り試した。
デスノートと死神の目で僕は女子とヤりまくって、ついでに新世界の神になる。
「リューク、このノートを使った代償って本当に何もないのか?」
「……強いて言えばそのノートを使った人間にしか訪れない苦悩や恐怖……」
「……」
「そして、お前が死んだ時……俺がお前の名前を俺のノートに書くことになるが」
僕とリュークの目が合う。
「デスノートを使った人間が天国や地獄に行けると思うな」
「……」
「それだけだ」
「……お前、ただかっこつけたくて言っただろ」
「なんかがっかりだよ」

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「しかし随分と殺したな」
「まあね 面白半分で犯罪者を心臓麻痺だけで殺してたら周りや警察が騒いで面白いんだよ 闇の処刑人だキラだと持て囃してネットは大盛り上がりだ」
しかも、と続ける。
「世界の影のトップとも言われるLっていう探偵も出てきて、公共の電波でキラに対して『凶悪犯罪だ』とか『お前は悪だ』とか週一ペースで喚くんだ」
「Lってやつも大したことないんだな」
……――――
「ワタリ、私の代役を使った中継は今回で終わりです 次の手を考えます ――あと次からメロンに生ハムは乗せないでください」
「かしこまりました、L」
モニターの向こうでワタリを呼ばれた人物が答える。
「キラ、必ずお前を捜し出して……もぐ」

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待ち合わせの日が来た。
指定した場所に来ると女性が一人立っていた。
「どうも初めまして 朝日って言います」
「お前夜神じゃなかったか?」
黙ってろ死神。お前の声は相手には聞こえないし見えないが僕の気が散る。
紹介していなかったがこいつは死神のリュークだ。
人間界にデスノートを落とした張本人で、死神界に退屈してこっちに来たという話だ。
意外とマメなのかわざわざノートに使い方まで書いてあった。
死神はこのノートを使って人間から寿命を貰うらしい。
落としたという割にこいつはもうひとつ自分のノートを持っているようだが、おそらく死神界には同じものがたくさんあるんだろう。
「あ、朝日さんですか 私は水紀です ……あ、あの 今日は来てくださってありがとうございます」
彼女は若干しどろもどろになりつつ答えた。
「いえ、こちらこそ 下のお名前は?」
「志穂です」
「では、志穂さんとお呼びしていいですか?」
「はい、いいですよ」
「私のことは月と呼んでください 月と書いてライトと読ませるんです」
「変わったお名前ですね」
「あはは よく言われます」
「(なにその明るいキャラ)」
「でもちょっとかっこいいです」
「はは 少しそこに座りましょうか」

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彼女は少し顔を赤くしてチラチラとこちらを窺っている。
見たところ20代前半。
死神の目を使って見た寿命からしても大体そのくらいだろう。
最初に見かけた時はスーツ姿だったが今は私服を着ている。
上は白のブラウスにベージュのジャケット、下は紺のショートパンツに濃い目の黒のストッキングという服装だ。
ほっそりした小顔に黒のショートヘアがよく似合っている。
清潔感がありいかにも仕事ができそうという印象だった。
彼女の普段のスタイルなのか、久しぶりに会う同級生に仕事ができそうな自分をアピールしたかったのか……。
いや、そもそも昔の同級生に会うというのは外出するための理由あって僕と会う理由ではないのか。
「志穂さんは今日はどうしてここへ?」
「えっと、実は古い友だちと会うことになってて……でも月さんのことを待ってて……あれ?」
「その友達はいつ来るんですか?」
「……たぶん来ません 来ないと思います」
「じゃあ今から二人でどこかへ行きませんか」
「はい!私で良ければ付き合います 今日は一日暇だったので」
「良かったなライト」
そういえば、と彼女は続ける。
「あのメールはあなただったんですか?」
「メール?何のことでしょう?」

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互いの近況や仕事の話などをしながら歩いた。
僕の方は8割が嘘だが。
彼女は4月に入社したばかりの新人らしい。
「え、東大 すごい」
「ククク……人間の女は『東大』って言葉に弱いしな……」
東大生と言うのは本当だ。
そうでなくともデスノートの効力で……、いやそうでなくとも僕の容姿で彼女は既に骨抜きなのだが。
こう見えても僕は結構モテるんだ。
「いいなあ 私も東大行きたい」
「東大に憧れてるの?」
「ライト、もうタメ口になってるぞ」
「いや、東大に憧れてるとかじゃないんだけど……」
「なに?」
「ううん が、学生に戻りたいなぁってそれだけっ」
と彼女は顔を赤らめる。
お、女をぶち犯したいと本気で思ったのは生まれて初めてだ……。

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「そこの公園入ろうか」
待ち合わせ場所から10分程度歩いた場所に公園があった。
都内でも森林浴ができる緑豊かな公園だ。
整備も行き届いていて歩きやすく絶好のデートスポットとも言える。
まだ昼前という時間だがまばらに人がいた。
僕は景色のいいベンチへ彼女を促し、自分は拳二つ分空けその左側に座った。
ここからは公園の中央にある池や今は散ってしまっているが桜の木が綺麗に並べて植えてあるのが見える。
車の走る音が遠くからうっすらと聞こえる。
周囲に人影はない。
僕は彼女の肩をそっと抱き寄せた。
「ウホッ」
……今喋ったのは死神だ。やめてくれ。気分が乗らなかったらどうする。
彼女はびっくりした様子だったが何も言わずに身体を預けてきた。
おいおい、「どんな要求にも応じる」とは書いたが僕はまだ何も要求してないぞ。
そうか、こいつは僕に惚れてるんだった。

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「私」
彼女がそっと口を開いた。
「私、付き合ってる人いるんだけど…… だめだよね……?」
「そうかな」
「うん、だめだよ…… 私、だめなの」
「志穂がだめになってくれた方が僕は嬉しいけどな」
「もー……」
僕は彼女の身体を抱き寄せて首筋に口づけをした。
彼女は息が少し荒くなり、上気した顔は耳まで赤かった。
「顔見せて」
彼女の耳元で囁く。
目と目が合った。
人差し指の甲で彼女の下唇に触れる。
透明のグロスが微かに光を反射した。
彼女を目を閉じたのを見て静かに唇を合わせた。
続けて何度も口づけを交わし、そしてだんだんと深くなっていった。
僕が舌を突き出すと一瞬抵抗があったが迎え入れてくれた。
僕はゆっくりと彼女の口の中をかき回した。
彼女は苦しそうに鼻で息をしながら、時折「ん…っ」と声を漏らし、ごくんと喉を鳴らした。
唾液を交わすたび、ぴちゃぴちゃと水音が鳴った。
そんなやりとりを続ける内、今度は彼女の方から舌を入れてきた。
恐る恐るといった感じで震えているのが分かる。
彼氏がいるといった割に拙く感じるのは緊張しているせいだろうか。
僕らは抱き合ったまま互いの唾液を分けあった。

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5分ほどして僕らは息をついた。
「はぁ、苦しかった……」
彼女は息を整えながら言った。
目は潤んで焦点が定まらないようだった。
「落ち着いてすれば大丈夫だよ」
「ムリ、すごいドキドキしてやばかった」
ドキドキしすぎて死んじゃうかと思った、と彼女は言ったが、心臓麻痺なんかでは死なないことは僕が死神に誓って保証しよう。
切り返しに彼女の胸を服の上からまさぐる。
彼女の拍動が掌に伝ってくる。
「やだ……」
と言いつつ抵抗しない彼女。
あまり大きくないが手に収まる丁度いいサイズだ。
「ねえ、誰も見てない?」
僕は問いには答えず右手で彼女の背中を支え、左手を胸の上に這わせた。
彼女は観念して自分の胸に意識を集中させてるようだった。
僕が手を動かすたびにもぞもぞと身体をよじって虚しい抵抗を続けていたが、次第に声が漏れるようになってきた。
もうすっかりその気分になってしまったのだろう。
この様子から察するにきっとどこを触っても敏感に感じてしまうに違いない。
僕がまた唇を重ねると彼女は胸を探り続ける左手に自分の右手を重ねた。

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「暑くなってきたから脱ぐね」
彼女はジャケットを脱いで丁寧に畳んで脇に置いた。
確かに日も昇って暖かくなってきた。
ちょうどお昼時なのか近くに人の気配はなかった。
ブラウスのボタンを上からひとつずつ外してやると、だんだんと胸元が露わになってきた。
「私、外でこんなことしたの初めて……」
それは僕も初めてだ。
今日この時のために調査や実験に余念がなかった。
お前が後二週間やそこらで死ぬというのが少し残念だが……。
せいぜい使い捨てオナホのごとく扱き使って捨ててやるよ。
「ククク……顔に出てるぞライト」

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ブラは白地に黒のチェック柄で中央に黒いリボンが付いていた。
女性下着に詳しいわけじゃないが二十歳を過ぎた女性が着けるものにしては少し大人しいデザインだ。
高校では確かこんな感じのブラを着けている女子がいた。
「なんか変だった?」
「そんなことないよ、可愛い」
ブラの下からそっと手を差し入れた。
指を軽く広げ乳首に当たらないようにしながら指先を乳房に這わせる。
彼女がぶるぶると身体を震わせる。
「くすぐったいっ」
上まで這わせてからまた下へと這わせる。
終わりに人差し指と親指て乳首をきゅっと摘んだ。
「んんっ」
彼女は身をよじって悶えた。
乳首はすっかり隆起して固くなっていた。

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ブラのホックを外し、上にずらした。
するとすかさず、いやっ、と言って隠されてしまった。
「はずかしい……」
「自分で見せてごらん」
そう言うと自分でブラをずらし見せてくれた。
そして、うぅ、と恥ずかしそうに目をそむけた。
形の良い胸にはうっすら青筋が浮いていて、淡い色の乳首は小ぶりで感じやすそうにツンと立っていた。
手先を使って両手で鎖骨や胸元から乳房にかけてつつつ、と優しくなぞった。
くすぐったそうに彼女は身を震わせた。
乳首の周りをぐるぐると指でなぞる。
彼女は目をつむって、はぁはぁ、と口で息をしていた。
とっさに両方の乳首を摘んだ。
「あっ」と声を出し悶えるようにビクッと身体をよじった。
そのままくりくりと指の中で弄ぶ。
ビクビクと悶えながら小さく声を上げて静かに感じているようだ。
乳首だけでこれだけ感じるなら下を触ったらどうなるんだと思わざるを得ない。
今度は乳首を口でしてあげた。
舌で舐め回すとこれが気持ちいいようで先ほどよりも熱がこもった声で感じていた。
その後も舌を絡めたり、乳首を弄ったりをしている内に結局彼女は胸から上の刺激だけでイッてしまった。
それは彼女にとって初めての事だったらしい。
ちなみにリュークがどうしていたかと言えば、
「一応俺もオス 人間のメスの裸に欲情することはないが多少興味はある」
などと聞かれてもいないことを勝手に喋っていた。

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気がつくと時間は正午をとっくに回っていて人が集まり始めていた。
さすがに人目につくので移動することにした。
定番のデートスポットとなると穴場的な場所はいくつかある。
この昼間からカップルで来る人もいなかったみたいで都合よく場所は見つかった。
ベンチに二人で腰を掛ける。さっきと逆に僕が右側に座った。
キスを合図にしてまた二人の時間に戻った。
彼女の内腿に手を入れるとストッキングの上からでもじっとり汗ばんでいるのが分かった。
彼女はスカートではなくショートパンツに黒ストッキングという格好なので、下半身を露出させるためには全て脱ぐ必要があった。
それは人が往来する危険のある屋外では本来かなりの覚悟がいるところだが、こちらは一言頼めばそれで全て済む。
かと言ってむやみやたら目立つわけにもいかないのでできるだけ人目につかない場所を選んでいるのだが。
僕はあえて何も言わず脱がしにかかった。
まずベルトと留め具を外しチャックを下ろす。
どうやらショーツはブラとセットだったらしい。
こちらも白地に黒のチェックで腰の前部に黒いリボンが付いている。
「ほんとにここでするの?」
この女、分かりきったことを聞いてくる。
「大丈夫だよ」
何が大丈夫だという話だがまあいい。
「僕は志穂のことが好きだ」
「私も……好き……」

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僕は左手で彼女を抱き寄せ、右手をショーツの中へ滑らせた。
や……、と彼女が小さく零した。
中はぬるぬるに濡れていた。
軽く指を滑らせただけでスルッと入ってしまいそうだ。
僕は口で彼女の口を塞いだ。
そして右手の中指を彼女のスジに沿わせて上下に動かす。
「んっ!……んんっ!」
彼女は身体をくねらせ、脚をかたかたと震わせながら今まで以上に感じているようだった。
僕はクチュクチュとわざといやらしい音が出るように手を動かした。
あっという間に彼女はイッてしまった。
ビクンビクンと身体を震わせ、きゅぅと脚を閉じた。
意地悪してそのまま手を動かしていると彼女が身をよじって抵抗し始めた。
「はぁっ 待って、イった、イったっ…!」
もがいいて手で振り払おうとする。
僕が「手をどけて」と一言言うと操られたみたいにその手は素直に引っ込められた。
「やめて、一回休ませて、お願いっ!」
身体をよじっても左腕でがっちり抑えられているので簡単には抜けられない。
脚もきつく閉じても差し込まれた右手は敏感な部分をこすり続けた。
「待って、ほんとにムリなの!やば、んーっ!んーっ!」
声が大きくなってきたのでまた口で塞いだ。
彼女の身体は腕の中でビクビク跳ね、脚はがくがくと震えていた。
彼女はぎゅうと力強く僕に抱きついた。
すぐにまた彼女はイッた。

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「はぁ、ほんと死ぬかと思った」
だから死なないんだけどね。
「気持ちよかった?」
「うん…… すごく気持ちよかったけど、どうにかなっちゃいそうで怖かった 今度はもっと優しくして……」
「あと私がやめてって言ったらやめて」と念を押された。
彼女はちょっと可哀想なくらいぐったりしていたので、僕に寄りかかった姿勢のまま休ませてあげた。
しばらく休むと彼女は「私もしてあげる」と提案してきた。
僕は彼女の気が済むようにさせてあげた。

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「そろそろいいよ」
十分固くなったところで彼女を止めた。
「え」
「君も下脱いで」
「う、うん」
彼女はいそいそと脱ぎ始めた。
脱ぎ終わると畳んで端の方に置いた。
「僕は仰向けになるから好きなようにしてみて」
そう言いベンチに仰向けになる。
「好きなように……」
彼女はそっと僕のものを自分の入り口にあてがった。
そしてゆっくり腰を沈めていった。
「今どうなってる?」
質問してみる。
「?」
「言ってみて」
「入ってる……」
「何が?」
「おち……」
「言って」
「月のおちんちん……」
彼女はそのまま腰を上下させる。

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出たり入ったりするたびに絡みついた体液が粘っこい水音を立てる。
彼女の息遣いもだんだんと荒くなる。
「はぁ はぁ 月ぉ…」
「何?気持ちいい?」
「きもちいぃ…っ」
続けている内に彼女も疲れてきたので、今度は彼女を仰向けにする。
この体制だと自分のことに専念できるのか、彼女はさっきより気持ちよさそうに声を出して喘いでいた。
僕は抱きついてキスをする。
感じているのか、きゅうぅと締まっているのが感じられる。
動き続ける。
「イキそう……イクっ……イクっ……ぅ!」
きゅうきゅうと締めつけが強くなる。
彼女がイキやすいように最後は速く動かしてやる。
僕は彼女と同時に中でイッた。

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狭いベンチで器用に二人で抱き合って横になっていた。
「ねぇ、デキちゃったらどうしよう」
デキたとしても生まれることはない。
「僕が責任取るよ」
「うれしい」
「人間の交尾って…生々し!…」
その日、翌朝まで僕らは一緒に過ごした。

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「なあ、ライト 家に誰も居ない様だしスプラトゥーンしない?」
「……」
「なあ、ライト スプラトゥーンやろうぜ チャージャーにハマってるんだ」
「……」
「今帰ってきたばかりなのに外行くのか?」
「……」
尾行はついているのか?この服に盗聴器は……仕込まれてない。
「聞いてる? ライト――――」
「リューク、家に監視カメラと盗聴器が仕掛けられてる可能性がある」
「え!?」
……――――
<数日前>
「夜神さん宅に盗聴器と監視カメラを仕掛けます」
「L…竜崎!そんな違法捜査日本では許されませんよ!」
「ばれたら私達も皆クビだ」
松田と相沢が反対する。
彼らはキラ捜査本部の一員として私と共にキラ事件の捜査を行う日本の警察官だ。
今は彼らを含め5人の警察官が私の捜査に協力している。
「首ではなく命を懸けて捜査していたはずです」
私の考えが確かならもうそこまで来ている。

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まず私はキラがLと名乗る者の挑発に乗って殺しを行わないか試した。
しかしそれは失敗に終わり、私に代わりテレビに姿を晒した受刑者は生きたままだった。
キラはテレビを見ていなかった……それはないだろう。
犯罪者殺しの傾向からみてテレビからも情報を得ているのは確実。
視聴者が多くいる時間帯に何度か流し、その上でたまたまどれも見なかった、というのは可能性が低い話だ。
犯罪者だけを狙って[ピーーー]キラは、「自分が正義だ」と勘違いした自己顕示欲の塊のような人間をイメージしていた。
だがここで新たな可能性が生まれた。
それは、キラが「裁き」と呼ばれる犯罪者殺し以外の殺しも普通に行っている、ということ。
これはまだ仮説に過ぎないが、もしキラが面白半分で犯罪者を殺しているのであれば、キラの精神は既に神の域に達している。
しかも、これまでの被害者の状況からキラは顔だけで人を殺せることも分かっている。
そのため私は慎重に捜査を進める必要があった。
手始めにある犯罪者の報道を関東地区にだけ流しその者が殺されるか試した。
果たしてその犯罪者は、殺された。
それを更に範囲を狭めて行っていったら都内のある一角まで絞ることができた。
そこからは秘密裏に捜査員を導入し、怪しい者がいないか探った。
キラは顔だけで人を殺せるのでこの捜査は慎重を極めた。
そこで見つけたのが夜神月。
お前は東大を成績トップで入学し、これまでの素行も模範生と言うべきものだった。
だが最近になって白昼堂々と野外で性行為を行う姿が捜査員によって目撃されている。
これは日本の正常な若者としてはありえない行動、ましてや父親は警察官……はっきり言って異常だ。
そして相手の女性も夜神月とはほぼ接点のない者ばかりで、夜神月と性行為を行った数週間後に事故や病気で亡くなった者も数名いる。
これらを偶然で片付けていいはずがない。
これまでの被害者にたまに見られた不可解な死の状況は、キラが死の前の行動を操れることを示唆している。
これでもし、心臓麻痺以外でも[ピーーー]ことが可能なのだとしたら、キラは犯罪者を[ピーーー]以外にも自らの欲望のために人を殺している。
きっと私が行った挑発もせせら笑って見ていたことだろう……。
夜神月がキラ。まだ可能性は低いが試す価値は十分ある。
キラ、必ずお前の尻尾を掴んでやる。

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「……わかった竜崎 それで息子の疑いが晴れるというなら……」
夜神が渋々と賛同する。
彼、夜神月の父、夜神総一郎は刑事局長であり、キラ捜査本部の本部長だ。
「いえ、私は夜神月とその家族、全員怪しいと睨んでいます」
「なに!?」
「キラの殺しの能力は顔さえ分かれば殺せるという人知を超えた力 血縁者は全員疑って然るべきです」
「そ、それもそうか…… ただし、やるなら見落としのないよう徹底的にやってくれ!」
「では決まりですね カメラの設置は7日間 せめてもの配慮としてプライベートな空間、各々の自室やバスルーム等は私と夜神さんのみで監視を行います」

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「でもライト どうして誰かが部屋に入ったってわかったんだ?」
「仕掛けをしておいたんだ」
「あのドアに挟んであった紙切れのことか? でも確か挟まったままだったぞ」
「死神のくせによく見てるじゃないか」
「お前、失敬だな で、どうしてだ?」
「それをいちいち話してたら字数がもったいないだろ」
「字数ってなんだよ」
「いいから、行くよリューク」
「カメラ探しだな これもまた面白!」

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「あの真面目な息子があんなサイトを…… お、おい竜崎!」
「なんですか夜神さん 家族が自慰行為の最中はカメラを止めろと?」
「せめて私だけが監視するというのは……」
「だめです 私は家族全員疑っていると言いました あなたも例外ではありません」
「しかし……」
「嫌なら見なくて結構です 私一人でも問題ありません」
「すまん竜崎…… お前のことは信用している お前なら捜査と割りきって冷静に見届けられるだろう……」
……――――
「うっ…… はーっ またロリ緊縛モノで抜いてしまった」
見られてると思うと興奮するな。
警察庁の局長の家にカメラを仕掛けるからには、さすがに日本警察が絡んでいるだろう。
女性の捜査員もいるんだろうか……。
しかし、こんなに早く捜査の手が回るとは……。
このやり口からして警察の独断とは思えない。
L、と言ったか。まさか奴の仕業か。
くそ!やられた。
「お兄ちゃーん ごーはーんだよー♪」
ふん。せいぜい妹の裸を見て興奮してろL。
僕はこの状況でお前を出し抜く。

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「ぎゃっ お兄ちゃん ご飯の後にポテチ? せっかくのイケメンが台無しだよー」
ぎゃっ、ってなんだよ。
「イケメンは関係ないだろ 受験勉強の夜食だよ」
さて、リュークの方はどうなった。
「ラ…ライト カメラ全部探したぜ 死神も頑張ると疲れるんだな…… 一回で説明するからよく聞いてくれ」
リュークが一つひとつ場所を説明する。
「以上全部で64個 カメラ付けてる奴は変態としか思えない」
やっぱりLだ!
全世界同時生中継とかいって実況民からは非難轟々だった。
奴も限度ってものを知らない!
リンド・エル・テイラー……。顔と綴りは覚えている。
いつでも殺せるが、普通に考えて奴は偽物だろう。
キラの殺しに必要な条件が分かった上でキラに対しあんな挑発を行うような奴なら、いくら警察だって手を組むはずがない。
何よりこのタイミングで奴を殺せば僕の疑いはより深まる。
「で…この状態で俺どうやってリンゴ食うの?」
無理に決まってるだろ間抜け。
どうでもいい情報だがこの死神は人間界のリンゴが大好物らしい。
最初に部屋で会った時、「うまいもんだなあ 生まれてはじめて食べた」と言っていた。
違ったか。これは机の引き出しから出てくるやつのセリフだ。
便利な道具をくれたのは確かにこいつだが。
「あ 今喋れないんだったな」
カメラの数と付け方から考えて短期間で見極めるつもりらしいが、
リュークがカメラの位置を教えてくれた事と前もって僕が仕込んでおいた物で
どう見ても勉強している受験生を装いながらデスノートで今報道されている犯罪者を[ピーーー]ことができる!

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「どうしたワタリ」
「先ほど9時のニュースで初めて報道された殺人犯が心臓麻痺で亡くなりました」
「その時間ニュースを見ていたのは娘さんだけ 奥さんは家事に勤しみ、息子さんは7時半過ぎから現在まで勉強しかしていない……」
キラだと最も疑っていた夜神月は白……。
今まで夜神月にばかり監視の目を向けていたが、夜神粧裕。
彼女も特に怪しい行動はしていないように見えた。
キラはこの状況でもボロを出さないと言うのか?
それともキラはカメラの存在に気づいていて、より疑いが薄いと思われる夜神粧裕に裁きをさせている。
そうなると夜神月は監視に気づいていながらも顔色一つ変えず自慰行為を行ったことになるが……。
普通の人間にそんなことが可能なのか?
何にせよ、夜神粧裕は見極める必要がある。
「夜神さん、あなたは奥さんと息子さんの監視を続けてください」
「ああわかった」
「私は夜神粧裕を全ての角度から監視します」

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夜神粧裕も雑誌を読みながら自慰……。
監視に気づいていてやっているのだとしたらこの兄妹の精神はどうなっている。
「竜崎!娘のそれは…!」
「家族全員を疑っている、と同じことを言わせないでください 今となっては娘さんもキラである可能性が高いくらいです」
「だが竜崎……!」
「あなたがそうやって監視の目を誤魔化そうとしている可能性すらあるんです もしそうなら今この瞬間が最もボロを出す可能性が高い」
「くっ…!」
さあ、夜神粧裕……キラ。やれるものならやってみろ。
『はぁ……はぁ……(クチュクチュ)』
彼女は壁に隣接したベットに体育座りの姿勢で腰掛け壁に寄りかかっている。
先ほど入浴を終えて今はパジャマ姿だ。着替えの様子もよく観察したが何かを隠し持った様子はなかった。
パジャマを着たまま下着の中へ右手を差し入れて小刻みに動かしている。
マイクの感度は良好で僅かな水音もしっかり拾っている。
脚や上体をもぞもぞと動かし、感じている様な素振りだ。
一見すると手で性器をいじり、ただ快感に浸っているだけに見える。
だが、もしパンツの中で何かが行われているのだとしたら監視の目を掻い潜ることは可能だ。
設置したカメラではそこまでは覗けないか。

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私は思春期の女性の自慰の習慣について統計を取ったことはないが、入浴後に行うことは一般的によくあるのだろうか。
汗をかいたりするのであれば入浴前の方が合理的なはず。
私は自慰行為はしたことがないので実体験から推測することもできないが。
彼女はパジャマの前をはだけさせてブラを外した。
続いてパジャマの下と下着も脱いだ。
彼女の部屋にカメラを設置する際、軽く調べたがドアに鍵は付いていなかった。
あの状態で万が一家族に見られでもしたらかなり恥ずかしいのではないだろうか。
そう思ったが自分のすぐ横に毛布を持ってきて置いた。
誰かが入ってきても毛布で身体を隠せば大丈夫ということか。
見る人が見れば分かりそうなものだが、思春期の女性の部屋にノックもせず無断で入る者はいないであろうと踏んで十分と判断したのだろう。
そして手近にあったタオルをお尻の下に敷いて身体を横にした。
膝を立てて脚を広げる。
まさかあの状態で物を隠し持って何かしているとは思えないが、あるとすれば膣内に装置を仕込み、指を入れて操作している?
とても現実的とは思えない。もしかするとキラは念じるだけで人を殺せるのかもしれない。
彼女は左手で胸を触りながら、右手で性器をいじった。
しばらくすると今度は手鏡とスティックのりのような物を取り出した。
手鏡で自分の性器を映しながらずぶずぶとスティックのりを膣内に押し込む。
手を緩めるとスティックのりがゆっくり押し戻される。
私はカメラを拡大して彼女の入り口付近がよく見えるようにした。
彼女は膣内に入れたり出したりといった作業を鏡で観察しながら続けた。
女性は誰でもあんなことをするんだろうか。
そこまでは調べたことがなかった。一応ワタリに調べさせるか。
彼女は手鏡を置いて、空いた方の手でも性器をいじり始めた。
そして、だんだんと行為は激しさを増していきオーガニズムに達したのか体が少し跳ね上がった。
そのままの姿勢で息をついた後、再度衣服を身につけた。
その後、間もなく就寝に入った。
結局のところ私には自慰行為にふけっていたようにしか見えなかった。
ついでに言うと自慰行為はその日以降も監視を続ける間、毎晩行われた。

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「結論から言うと、夜神家に怪しい物は……いません 私と一緒にいた夜神さんも同様です」
「結局容疑者はいずですか……」
「気を抜くな!これで操作は振り出しだ もう一度気を引き締め直すんだ」
「勘違いしないでください 映像を見ている限りは、という意味です」
「えっ」
「あの中にキラがいたとしてもボロは出さず、今までどおり犯罪者を葬っているという事です」
「では竜崎 まだ私の家族にキラがいる可能性が……」
「はい 5%ですが」
……――――
「おいライト カメラ取れてるぞ 全部だ全部」
これで僕は捜査対象から外れた。計算通りだ。
しかし粧裕は気の毒だったな。
僕は兄として妹が夜な夜な自慰にふけっていることは知ってる。
トイレやお風呂だってきっと捜査員に見られただろう。
もし僕がそのことを知ったら良き兄としてはどんな反応をするのが正しいか。まあそれはいい。
きっとLはまだ諦めず、キラを追い続けるだろう。
今回の件には必ず父が絡んでいる。
そこからLに近づき、やつを消す。
元はといえば面白半分で始めたことだが僕も本気になってきた。
面白いよL……。
キラはLを殺し新世界の神にまた一歩近づく。

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<Lによる夜神家の監視が行われる数週間前>
9時半を過ぎた頃、僕は粧裕の部屋の前に立っていた。
コンコンとドアを軽く叩く。
「粧裕、入るぞ」
と言い、間髪を入れずにドアを開ける。
「あっ、待っ……」
一瞬声がしたが構わず入った。
「貸してた本返してもらおうと思って」
本当はそんなことは思っていないが。
粧裕は毛布に包まっていたが毛布の端から下着が覗いていた。
中はきっと裸に違いない。
粧裕はバレてないと思っていただろうが部屋が隣だから耳を壁に当てれば声なり音なりで分かるんだ。
一度反応が見てやりたくて行為の真っ最中に入ってやった。
「……後にした方がよかったか?」
「もーお兄ちゃんってサイテー」
「悪かったよ 今度から気をつけるから」
部屋を出ようとしてからもう一度声をかける。
「粧裕」
「な、なに」
「もう少し声落とした方がいいぞ たまに聞こえるから」
「もーっ! お父さんやお母さんには黙っててね……?」
「言うわけないだろ 部屋のドアに鍵、つけてもらうように言っとくよ」
「……前から思ってたけどさ、お兄ちゃんイケメンだよね」
「それがどうかした?」
「むかつくーっ」
という粧裕の声を背中で聞きながら部屋を後に、しなかった。

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ドアを閉めて、粧裕の方へ向かう。
「ちょっとなにお兄ちゃん入って来ないでよ」
「粧裕、お前も可愛いと思うぞ」
これは嘘ではない。
妹だから、という意味ではなく女子としても普通よりは可愛いと思う。
僕の兄妹なんだから当然と言えば当然か。
「お兄ちゃんどうしたの? ありがとう……」
状況に着いて行けてないのか何故か感謝の言葉を口にする。
「見てもいいか?」
「なにを……ってダメに決まってるじゃん!」
「大きい声出すと下に聞こえるよ」
「ほ、本気で言ってるの……?」
「本気だ」
「何考えてるのお兄ちゃん ヘンだよ……」
「おまえが好きなんだ」
本気で言っているわけではない。
しかし、僕が目指す新世界の神は妹をもヤり込める。

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「え 私もお兄ちゃんのこと好きだけど……」
「じゃあ……言うこと聞いてくれるか?」
「やだ 何するの……?」
「マッサージかな」
「ヘンなことするつもりでしょ」
「ごめん、悪かったよ ほんとにただのマッサージだから 疲れてるだろ?」
「ホントにただのマッサージ?」
「ああ たまにしてやってるだろ」
「でもダメ 今服脱いでるから」
「着るまで後ろ向いてるよ」
「……じゃあ、わかった」
着終わるまで待つ。
「着たよ」
向き直る。薄いピンクのパジャマ姿だった。
「じゃあうつ伏せになって」
粧裕は言われた通りベッドにうつ伏せになり、枕に頭を乗せ、手を前にやった。
まずは肩から始める。
指先に力を入れず掌全体に力を込めるようにしてゆっくりと圧力をかける。
リンパの流れに沿って手を移動させていく。
肩、腕、腰、腿、脹脛と順に揉みほぐしていった。
程よく筋肉がついた中学生らしい体つきだ。
粧裕はマッサージする間何も喋らず、静かな呼吸音だけが聞こえていた。
「お兄ちゃんなんでそんなに上手いの?」
「生まれつきかな」
「ウソーっ たくさんしてるんでしょ?」
「いいや 粧裕だけだよ」

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背中側を一通り終えて今度は仰向けにさせる。
「これ顔の上にかけて、その方がリラックスできるから」
そう言ってタオルを手渡す。
さっきと同じようにまた肩から始める。
僕はベッドに上がって脚を広げまたがる姿勢だ。
ベッドは二人が乗ることを想定していない作りなのでやや不安げな音を立てた。
腕、鎖骨と腋の間、胸の両脇と順に続ける。
さりげなく胸を揉んでみる。
顔はタオルで表情は見えないが特に反応はなく黙したままだった。
粧裕はマッサージだと思っているので意識してると思われたくなくて口出ししてこないんだろう。
マッサージを続けながらばれないように少しずつパジャマのボタンを外していく。
腰をマッサージする時、地肌を直接手で触った。
マッサージを続けて血行が良くなったのか少し熱を持っていた。
そのまますーっと手を上に持って行き、ブラの下に手を入れ、両手で両方の乳房を包んだ。
「ちょっと、何してるの!」
「何ってマッサージだけど」
「そんなとこしなくていいよぉ」
「しないと大きくならないぞ」
「えぇー……」
そう言いつつ何故か為すがままにされていた。
大きくならないと言われて本気にしたんだろうか。可愛いやつだ。

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ブラを上にずらした。
粧裕の胸は見たところまだ大きくなる余地を残していた。
「いやっ、ちょっと」
あまり暴れるなよ。
僕がその気になればデスノートに書いてヤリ捨てることだってできるんだからな。
僕は粧裕の胸にしゃぶりついた。
「やだっ 何するの もう」
舌先で乳首をころころと弄ぶ。
「いやっ んっ」
顔を上げて粧裕と向き合う。
いつの間にかタオルは顔の横に落ちていた。
「可愛いよ 粧裕」
「お兄ちゃん……」
「ライト、見境なしだな」

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僕は粧裕にキスをした。
「ねぇ、兄妹でこんなことしていいの……?」
「規制する法律はないよ それに皆言わないだけで少なからずやってる」
「そうだったんだ」
もちろんそんなことはないが、粧裕は僕が言うことだったら大抵鵜呑みにする。
兄妹による性交渉は合意の上なら可能だが、粧裕はまだ15歳になったばかりの中学3年生。違法ロリだ。
粧裕の下を半分ほど脱がした。
下毛の処理はまだ覚えていないだろうが形良く歳相応に生え進んでいた。
「下はやめてっ」
そう言って手で隠した。
「どうした粧裕、怖くなったか?」
「私いいなんて言ってないし、それにしたこともないし」
「僕が教えてあげるよ」
僕は唇を奪って舌を突っ込んだ。
手で押し返そうとしてきたのでベッドに押さえつける。
たっぷり味わってから拘束を解いた。
「ちょっと…頭くらくらする……」
いい調子だ。
太腿の内側をさする。
粧裕は片手で胸を隠しながらもう片手で下を隠していた。
僕は粧裕の腰に口づけした。

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僕は粧裕の手をどかし恥部に口をつけた。
「きゃっ お兄ちゃんっ……!」
この歳だとまだ濡れにくいだろうからしっかりと口でしてやる必要がある。
ある程度は乾いていたが、入り口部分は中から滲み出した体液でしっとりと湿っていた。
一度も汚されたことのないそこは綺麗なピンク色だった。
指で軽く広げながら舌を割れ目に沿わせて上へ下へと舐める。
「恥ずかしいよ……」
今度は舌先の裏側を使って一番感じる部分を刺激する。
「んっ」
粧裕は身体を敏感に反応させ、声が出ないよう手で口を押さえながら静かに感じていた。
舌先を入り口に当てぐいぐい押し込んでみる。
やはり狭かった。こんなところに僕のものが入るわけだから粧裕にとっては辛いだろうな。
粧裕自身の汁が溢れてくるまで入念に舌と口でほぐした。

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僕は粧裕の前で固くなった下半身を露出させた。
「すご……おっきい」
粧裕は呆気に取られた様子でそれを見つめた。
「ねぇ、やっぱりやめようよ……まだ無理だよ……できないよ……」
すっかり萎縮してしまったようだった。
「大丈夫だよ 痛くしないから」
僕は常に持ち歩いているゴム取り出し手際よく着けた。
表面についた潤滑剤のお陰で多少入れやすくなるだろう。
僕は一度キスをしてから粧裕の入り口に自分のものをあてがった。
そしてゆっくり時間をかけて少しずつ押し進めた。
抱いてキスをしたり、乳首を攻めたりしながら受け入れやすい状態を作ってあげた。
そうして10分くらいかけてようやく奥まですっぽりと埋まった。
中は無理やり押し込まれたみたいに締めつけが強かった。
粧裕は時々顔を歪め苦しそうに息をしていたが痛いとは言わなかった。
「粧裕、痛くない?」
「うん……大丈夫……」
「痛かったらちゃんと言うんだよ」
「うん……ちょっとだけ痛い、かも」
「良く頑張ったな、粧裕」
「うん、お兄ちゃんのおかげ」
奥で絡み合ったまま抱き合って深くキスを交わした。

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時間をかけてゆっくり引き抜いていく。
絡みつくような感触に快感を覚える。
中学生で顔つきもまだ幼いのに粧裕の女性の部分はしっかりとその役割を果たしていた。
少し引き抜いたらまたゆっくりと腰を奥まで沈める。
少し抜いてまた沈める、を繰り返した。
粧裕の表情に少しずつ余裕が出てきた。
それを見て徐々にストロークを広げていく。
奥まで突くと粧裕は気持ちよさそうに腰を浮かせた。
「気持ちいい?」
「よくわかんないけど……奥が…いい……」
入れたり出したりするたびに繋がったところからニチニチと音がした。
「粧裕はイッたことある?」
「……うん」
「初めてはいつ?」
「…え?……結構前」
「気持ちよかった?」
「もう……お兄ちゃん…ヘンタイ……」
「どんな感じがした?」
「どんなって……」
「今はどんな感じ?」
「なんか……奥に…ずんずんくる……」
「僕も 粧裕の中 すごく気持ちいいよ」
「……そう…なんだ」
「粧裕 今、きれいな顔してる」
「そう…うれしい……お兄ちゃんの役に立てて……」
「好きだ 粧裕」
「私も…お兄ちゃん…好き……」
唇を重ね合わせる。

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激しく動くとベッドが軋むのでカーペットの上に移動した。
床に毛布を敷いて汚れそうな部分は更にタオルをかけた。
粧裕は自分から迎え入れる姿勢になっていた。
身体に似つかわずすっかり大人のものとなった部分は溢れだした体液でぬらぬらと光り、誘い込んでいるようだった。
僕はすぐには入れず、自分の先端を上下にこすりつけた。
クチュクチュといやらしい音が鳴った。
粧裕は敏感な部分に当たるのが堪えられず声を押し殺して喘いだ。
僕はゆっくりと差し込んだ。
ズンッ、ズンッと奥に当たるように突いた。
粧裕は堪らず仰け反った。
僕は片手で姿勢を保ちつつ、もう片手で粧裕の乳首をいじった。
粧裕の手も自然と空いた方の胸へと伸びた。
もう片方の手は漏れそうになる声をなんとか抑えようと口元にあてがわれていた。
息が上がり鼻から漏れる呼吸音が息苦しそうだった。

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僕はなおも粧裕を突き続けた。
「んっ…おに…ちゃん……っ」
手を口に当ててくぐもった声で喋った。
「きそぅ…ぅ……っ」
僕は腰を早くする。
「んっ…!んっ…!」
粧裕が苦しそうに喘ぐ。
そして、身体をビクビクと震わせイッた。
そのまま放心したようになり、背を丸めて横を向いた。
僕も向かい合うように横になり、手で粧裕の髪をすいた。
「大丈夫か?」
「……うん 思ったより痛くなかった」
「初めての感想は?」
「……気持ちよかった」
「そうか もう大人だな」
そう言って頭を撫でる。
「お兄ちゃんのせいじゃん」
「僕だけのせいじゃないだろ? あと『せい』ってなんだよ」
「お兄ちゃんから離れられなくなったらどうするの?」
「僕じゃ不満か?」
「そういうことじゃないのっ」

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「粧裕、僕まだなんだけど手伝ってもらえるか?」
「まだ…って」
僕はゴムを外して粧裕に見せつける。
「うわぁ」
よく分からないリアクションをする。
僕は脚を広げ手を後ろについた。
「これ…を…どうするの?」
「見たことない?」
「分かんないよそんなのっ」
分からないことはないだろ。
「……こう?」
恐る恐る手で握って聞いてくる。
「そうそう そのまま上下に」
ぎこちない手つきで扱く。
「ぎゃっ 汁出てるよ……」
「上手だよ、粧裕 咥えてごらん」
「えっ 咥えるって……」
どうするかしばらく迷って、口に咥えた。
目で確認するようにこっちを見る。
「吸いながら上下に」
ちゅっちゅと音を立てながら愛撫する。
刺激は弱いが嗜虐的な絵がなかなかそそる。

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「手でも扱いてみて」
「ん…」
手の刺激も加わる。
簡単な指示しかしていないが気持良くさせようと粧裕なりに一生懸命やっているようだ。
舌で亀頭の先をちろちろと舐める。
「何か味する?」
ちゅぱ、と口を離す。
「しょっぱい」
以前にも聞いた時、鼻水と似た味がすると言った女がいた。
「ここの先のところ擦ると気持ちいいんだ」
「こう?」
そう言って亀頭を手の平で包んで擦る。
「もっと激しくしていいよ」
粧裕は初めてにも関わらず器用にこなしていた。
教えられなくてもネットや雑誌で見てある程度は知っているんだろう。
もし見ていればだが。
「粧裕、そろそろ出そうだ」
「出る? えっ、どうしよ、どうすればいいの?」
「口で受け止められるか?」
「口でっ?」
粧裕は咥え込んで扱き続けた。

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「出るぞ 咽ないように気をつけろよ」
「んん」
びゅっびゅっと口の中にたっぷりと注ぐ。
ドロッとした生暖かい感触を口の中に受けて顔をしかめる。
どこで覚えたのか、出し終わった後、口をすぼませて「ちゅぅ」と吸い取ってくれた。
「んー」
「ほら飲み込んで」
粧裕はごくんと喉を鳴らし僕の精液を飲み込んだ。
そして、もう一度喉を鳴らした。
「ほんとに飲んだのか?」
「お兄ちゃんが飲めって」
「大丈夫か?不味かったろ」
「喉に絡まってキモチワルイ……」
「ごめん ありがとう粧裕 良かったよ」
「お兄ちゃんヒドイよぉ……」
「デスノートを使った人間は不幸になるというがライト、お前はいつも幸せそうだよな」

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<数日後>
「お兄ちゃーん 宿題教えて―っ!」
粧裕がガチャガチャとドアノブを回す。
「カギ閉めてるの?」
分かったからそのガチャガチャするのやめろ。
「ああ いいよ」
鍵を開けて迎え入れる。
「数学の二次方程式でーす」
「はいはい」
「あ こんな大人の雑誌読んでたんだ?」
床に落ちていたゴシップ誌を拾い上げて言う。
「だからカギ閉めてたの?なんかやらしーっ」
そう言いつつパラパラとめくる。
「おいおい ただ、Lとキラの記事を……っておまえが人のこと言えるのか?」
「もー お兄ちゃん、イジワルーっ」
「そうだ、良かったらこんなのじゃなくておまえが好きそうなの貸してやるぞ」
「い、いいよそんなの ていうかお兄ちゃんでもそういうの持ってるんだ……ってなんで私の趣味知ってるの!?」
「何勘違いしてるんだ エッチな本とは一言も言ってないだろ」
「そ、そんなこと思ってないもん」
からかい甲斐がある妹だ。

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「ほら この問題はこの公式を使って、こう……」
「さすがお兄ちゃん」
「じゃなくて自分で解いて理解しろよ?」
「わかってるよー」
……――――
「勉強して疲れただろ? マッサージしてやるよ」
「なんかヤな予感するんだけど……」
「いいからベッドに座って」
「この前みたいなことするの?」
「それってどんなこと?」
粧裕の肩を押してベッドに促す。
「お兄ちゃん絶対わかってて言ってる」
僕は粧裕を座らせて後ろから抱きつく。
「ぎゃっ 言ったそばから」
首筋にキスする。
「ちょっとお兄ちゃん……今まではそんなことしなかったじゃんー」
「粧裕が大人になるまで我慢してたんだ」
「まだ子供だよ あと大人になってもダメ」
「どうして?」
「兄妹なんだよ?」
「この前は僕が言ったこと納得してたじゃないか」
「納得するわけないじゃん」
「してただろ」
「あれはその時の流れで……」

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粧裕を抱えたままベッドに倒れこむ。
僕が粧裕を横向きに抱え込むような姿勢だ。
「きゃっ」
と粧裕が可愛い声を出す。
「もう私部屋戻るから……」
「部屋に戻って一人でするのか?」
「勉 強 です」
「勉強なら教えるの上手いぞ」
「知ってます 今日もありがとねお兄ちゃん」
気持ちが籠もってない。
「粧裕」
「……」
「こっち向いたらどうだ」
「なんで、やだ」
「……わかったわかった ほら帰っていいぞ」
手を解いて粧裕を開放する。
粧裕は横になったまま動かなかった。
「どうした 帰らないのか?」
「もうちょっと一緒にいたい」
「そうか わかったよ」
そう言って粧裕の頭を撫でた。
このあと滅茶苦茶セックスした。

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<Lによる夜神家の監視が行われた数日後>
「父さんが心臓発作!?」
電話は母からだった。僕はすぐに母が言う病院へと向かう。
病室で待っていたのはベッドに横たわる父と、お見舞いに来ていた母、それともう一人、知らない人物だった。
知らない人物、なんて言い方をしたが、その人物は面を着けていたのでそもそも分かりようがなかった。
なぜキャラクターの面を着けてるんだ。そして何者なんだ。
「父さん、無事でよかったよ」
「幸子、ライトが来てくれたしもう大丈夫だ 粧裕が心配しない内に帰りなさい」
「じゃあ、また明日必要な物を持ってきます ライト、あと頼むわよ」
「ああ」
母が病室を後にする。
「父さん、過労って本当か キラに狙われたんじゃ……」
「私も正直、キラか?と疑った」
「キラ事件の捜査本部長……狙われる理由としては十分です キラによる殺人未遂も0%とは言えませんしね」
面の男が話に入ってくる。
何故かパイプ椅子の上に裸足で膝を抱えてしゃがみ込んでいる。
声や体格からして二十代くらいと思われる。
白の長袖シャツに青のジーンズ。
髪は黒色でセットなのか自然とそうなったのか長めの髪をぼさぼさと立てていた。
「父さん、この人は?」
「ああ、彼は…」
「私はLです 夜神くんを待ってました」

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Lだと!?
こいつ本気で言ってるのか!?
いや、面を着けているということは本当にそうなのか?
キラは顔だけで人を殺せる。
つまりそれは、顔さえ分からなければ殺されないということ。
「Lって、あなたがあの? 父さん、本当なのか?」
「ああ、そうだ 彼がLだ 他のものに知られぬよう我々は竜崎と呼んでいるが、彼が捜査本部の指揮を執っている」
「はい そして、私はあなたがキラではないかと疑っているんです」
やはりLは本気で僕を……。
しかし何を根拠に僕を疑う。
「そんな…… 父にもそのことを?」
「全て話してあります あなたが白昼堂々野外プレイしていることも」
気づかれていたか……。
そりより、それがキラ事件とどう関係する。
「キラ事件捜査のため無理をし、その上息子さんを疑われ、更にその息子さんがグレてしまっては精神的に参ってもおかしくないでしょう」
「父さん、野外プレイと言ってもちゃんと了承の上だよ」
「いいんだライト 私も固いことは言わない 羽目を外し過ぎなければそれでいい お前はその辺の境界線を守れる男だ」
「父さん……」
境界線やたら緩いな……。
娘が15歳で兄に貫通させられたと知ったらなんて言うだろう。
監視中はさすがにしなかったが、羽目を外してハメまくっているのだが。
「そうだ、竜崎がお前と話したいらしい」
「僕を疑ってると言ったがそのことか?」
ついタメ口が口を衝いて出てしまった。何かの矯正力ってやつか。
「疑いといっても僅かなものです 場所を変えて詳しくお話します」
「じゃあ、もし僕の疑いが晴れたら僕を捜査本部に入れてくれ 父さんがこんな事になったのもキラのせいだ 僕も協力する」
そして、隙を窺ってLを[ピーーー]。
「わかりました 夜神さんから夜神くん…月くんの話は聞いています 月くんの推理力はきっと捜査の役に立つでしょう」

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「……というわけです このことについてどう思います?」
つまり、日本一と言っていいほど真面目で心の優しい全国模試一位の優等生である僕が、
大学デビューをきっかけに女の子を取っ替え引っ替えヤりまくっているのが怪しいと。
「変な要約をしないでください」
「心を読んだな」
「伊達にLという名を名乗っているわけではありませんから」
Lって名探偵じゃなくてエスパーだったのかよ。
「そうだな、彼女達が亡くなっていることは僕も驚いた 冥福を祈るよ」
「キラが心臓麻痺以外で人を殺せることについては?」
「キラが死ぬ前の行動を操れるのであればありえない話じゃないな 竜崎の推理も大体納得いくよ」
「そうですか」
「で、どうすれば僕は潔白が証明できるんだ?」
「月くんがキラでないのなら証明する必要ないじゃないですか」
「疑いが晴れたら捜査本部に入れてくれ、と僕は頼んだ」
「そのことですか 心配には及びません 私は月くんがキラであっても月くんに捜査協力してもらえればいいだけの立場にあるんです」
「僕が協力すれば捜査は進み、もしキラならボロを出すかもしれない……と、そういうことか」
「ただし交換条件というわけではありませんが、月くんの推理力をテストさせてください」
「ああいいよ 面白そうだ」

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キラも見くびられたものだ。
こいつの中のキラはこんな子供騙しに引っかかるのか。
「すごいです 月くんの推理力は」
おちょくってるのか?
「月くんを好きになる女性の気持ちがわかります 私が女性なら月くんを好きになりますよ」
おちょくってるのか!?
「月くんにかかれば初めて会った女性に公園で股を開かせるくらい簡単でしょう」
良かった、おちょくってるのか……。
「竜崎に女性の気持ちがわかるとは思えないけどな」
「こう見えても私はイギリスでテニスのJr.チャンピオンだった事があります」
今言うことなのか、それ。
「テニスなら負けませんよ?」
ああ、そう……。
「僕の実力知ってて言ってるのか?」
「試してみます?」
……――――
『ゲームセット!ウォンバイ夜神!6ゲームストゥ0!』
「さすが月くん いい勝負でした……」
「僕は本気じゃなかったよ竜崎」
「お前らただの仲良しだろ」

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「竜崎!第二のキラと名乗る人物から警察庁宛てにメッセージが!」
……――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
私はキラさんに会いたい。
殺しの力と目を持つ者同士なら顔を見るだけで互いを認識できます。
私は目を持っていませんが、キラさんなら私を見つけられるはずです。
キラさん、連絡を待っています。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「……以上が第二のキラがテレビで流せと言ってきたメッセージの全文です」
竜崎が説明する。
第二のキラだと?
他にも死神が来たのか。
この口ぶりではキラの味方のようだが判断するにはまだ早い。
しかし、こいつデスノートの所有者しか知り得ない目のことを……。
こいつを野放しにするのは危険だ。
Lより先に接触し、[ピーーー]必要がある。
「予告殺人が行われたことから見てキラと同じ力を持っていることは確定、さらにこのメッセージを流さなければ長官の命はないと言ってきています」
「驚いたな キラがもう一人いるなんて」
「月くんはこれを聞いて気になることはありますか?」
「目、ってなんのことだろうな」
「はい 私もそれが気になりました」
「ここでいう殺しの力というのはそのままキラの力ということだろう ならば目というのもキラの力と何か関係したものだと考えるのが自然だ」
ちょっと引っ掛けてやるか。
「悪人を見抜く目とか、キラかどうかを見抜く目ってところじゃないかな」
「キラかどうかを見抜く目であれば一応話の筋は通りますが、なぜ第二のキラは本物のキラが目を持っていると知っているのかという疑問が残りますね」
「そこまではさすがに分からないな」

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「リューク、ノートと死神の目を持つ者同士なら互いを認識できるってのはどういう意味だ?」
「……さぁ」
「死神の目で鏡や自分の写った写真を見ても自分の寿命が見えないことと何か関係があるのか?」
「えっ そうなの?」
「そういうことか……『ノートの所有者は寿命が見えない』」
「ああ……聞いたことあるような……」
「第二のキラは僕に探せと……それにしても使えない死神だな」
探せと言うからにはおそらくメディアに露出した人物、芸能関係者だ。
……いた。弥海砂。
こいつは寿命が見えない。
デスノートの所有者だ。
ティーン誌、ファッション誌で活躍中。深夜番組にも出演。
両親を強盗に殺され、その犯人はキラによって裁かれてる。
この世に第三以降のキラだいたとして僕の認知できるところではないが、第二のキラはこいつでほぼ確定だ。
しかしこいつ、顔もスタイルも割りといいな。
馬鹿っぽそうだが[ピーーー]前に一発ヤっとくか。

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「リューク、ノートの所有者ってことは向こうにも死神が憑いてるとみて間違いないな?」
「ああ(たぶん)」
「僕が彼女を殺そうとしたらそいつは止めると思うか? じゃなければ仕返しに[ピーーー]とか」
「普通はしないはずだが性格次第だ」
いきなり[ピーーー]のは危険か……。
彼女が[ピーーー]ば寿命より先に死んだことになりデスノートを持った僕が殺したことがばれる。
「で、リュークの性格は僕の考えてる通りでいいんだな?」
「ああ、俺はライトの味方でも誰の味方でもない だからお前が野外でお楽しみのところをこっそり見張ってる奴がいても教えない」
「今度教えてくれたらリンゴやるよ」
「お前性格悪いぞ」
「どうも」

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僕は弥を呼び出したホテルの一室にいた。
来客を告げるノックが鳴り、僕はドアを開ける。
「は…初めまして 弥海砂です ごめんなさい ホテルの部屋まで用意してもらっちゃって」
なんかむかつく声だな。
弥は長い金髪をツーサイドアップにし、ゴスロリ風のワンピースを着ていた。
私服センスは最悪だった。
ガーターストッキングはエロくて良いと思うが。
「僕は夜神だ いいよ、入って」
弥を椅子に座らせ、自分はベッドに腰をかける。
「じゃあさっそくだけどノートを」
弥がノートを取り出し、それを僕が触る。
背後に死神の姿が見えた。
リュークは黒い姿の死神だが、そいつは対になるような白色だった。
「君は死神の目を持っていないそうだが、どうやって互いを見つける方法を思いついたんだ?」
「死神の目のことをレムに教えてもらったの ノートを持っている人間は寿命が見えないって あ、レムっていうのは私の死神ね」
「リュークは知らなかったよな?」
「いいだろ別に……」
「それで、あなたは名前の分からない犯罪者も裁いているみたいだったから、目を持ってるあなたに見つけてもらおうと思ったの」
「会いたいと言ってきた理由は?」
「キラは私にとっての救世主 私の両親は目の前で強盗に殺された でも証拠不十分として犯人は懲罰を課されることはなかった」
弥の目に涙が浮かぶ。
「そんな時その犯人を裁いてくれたのはキラ 私にとってキラは絶対的な存在……だから」
「だから?」
「性奴…彼女にしてくだい」

page.54
…………。
「駄目だ 君と親密な関係になったらキラと第二のキラが繋がりを持ったと思われる 僕は今、Lにキラじゃないかと疑われてるんだ」
「……どんな下手こいたんですか?」
「警察にメッセージを送ってただろ IPを辿られたらどうする」
「海外サーバーを何重にもに経由して辿られないように工夫しました 私だって考えて行動してます」
「さっき僕のこと馬鹿にしたよな?」
「どうしても信じられないならこのノートあなたが預かってください」
「しかし、もうこのノートから何ページか切り取って隠し持ってるかもしれないじゃないか」
弥が椅子から立ち上がる。
目には涙が溜まっていた。
「隠し持っていたことは謝ります 私はあなたに性の捌け口として利用されるだけでもいいの 信じて」
「……何故そこまで言えるんだ?」
「一目惚れしたの……あなたが私を初めて見て失礼なことを考えてる時から……」
こいつもエスパーだったのか……。
僕は弥に抱きついた。
「わかった 彼氏にはなれないがオナホにはしてあげられる 私服のセンスは悪いが君の顔と体つきは最高だ」
「ありがとう……もうちょっと普通の服着るね」

page.55
「オナホかぁー 最初はそれでもいいや 私から離れられないくらい腰砕けにする自身あるし」
「…………」
「じゃあ、さっそくだけどおちんちん出して」
「そこは死神を見せる場面じゃないのか?」
「なんで急に原作の流れ意識したの?」
「いや、リュークにはツッコミっていう役割があってたまに喋るんだよ」
「お前、本当に仕舞には俺のデスノートに名前書いて[ピーーー]ぞ」
その代わりふきだしが増えてセリフが紛らわしくなるが。
「あっ じゃあ私もツッコミ共有しなくっちゃ」
ミサにデスノートの切れ端を触れさせる。
「へえー 死神といってもレムとは違うタイプね よろしくリューク」
「はいよろしく」
「そういえば夜神くんの下の名前聞いてなかった」
まあ教えてもいいか。
「ライト 漢字で書くと月だ」
「へぇ、なんかかっこいい そうそう、ライト知ってる? 死神が死ぬ方法」
「もう呼び捨てか……」
「じゃあご主人様って呼んでいい?」
「……いや、それもそそるがライトでいいよ……」

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「これは大事な事なんだが」
「はい」
「もし捕まって取り調べを受けたとしても互いの事とノートの事は絶対喋らない ノートを押さえない限り証拠はないんだ 守ると誓えるか?」
「誓います これで彼氏と彼女の契約は成立ね?」
「まあ、そうだな」
「じゃあこっちの条件 セックスは最低でも週一回」
やっぱり分かってないぞこいつ。
「さっきも言ったが僕は既にLにキラじゃないかと疑われてる」
「だから何したのよ」
「そのおかげと言ってはなんだが僕もLと接触を持てるとこまで来ている」
「え…Lとライトが絡んでるの? Lってイケメン?」
「Lは僕がキラであろうと顔を隠せば危険ではないと考え僕を直接探る為に『Lです』と名乗り出た」
しかし、と続ける。
「僕がヤリチンだからと逆恨みしている程度で何の確証も持っていない それどころかこっちが上手く振る舞えば僕を信じて一緒に捜査するつもりだ」
「じゃああとはLの顔を見ることさえできれば……」
「それが簡単じゃない Lは飲み物を飲む時もお菓子を食べる時も必ず口から上は隠してる 死神の目で名前を知るには顔の7、8割程度は見えてなきゃだめなんだ」
「ミサと親密になればそこから辿られる だからLがいるうちはセックスできないってこと?」
「いや、君は顔も良いしスタイルも良いからセフレとして付き合っていきたいとは考えている」
「よかった」

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「だからミサとヤる事が目立たないよう他の女の子とも沢山セックスする」
「えっ 何それ? 『他の女の子も孕ませます』?」
「たまにはゴム着けるよ……」
「そんなの嫌!! ライトのおちんちんを他の女の子がしゃぶるのなんて我慢できない ライトの精液は全部ミサのおまんこに注いでくれなきゃ駄目」
「ミサ 遊びじゃないんだ 二人で命懸けで世の中を変えていくんだろ?」
「ミサは世の中よりライトが好き」
「……ノートは二冊とも僕が持ってる 従えないなら僕は君を[ピーーー]」
「それはさせないよ夜神月」
死神レムが乗り出てきた。
「この娘を殺せばお前を[ピーーー] 殺そうとしていると知ればその前にお前を[ピーーー]」
「人間の寿命を延ばす為に他の人間を殺せば死神のお前は死ぬんじゃないのか?」
「そうよ レムが死んじゃうじゃない」
「私はそれでも構わない」
タチの悪い死神め……。
コンコンとドアが叩かれる。
驚いて振り向く。
「ルームサービスです お食事をお持ちしました」
そうだ、食事を頼んでおいたんだった。
「ライト優しー ミサもお腹空いてた」
「ちゃんと二人分用意するあたり、何だかんだ言っても紳士だよな ライト」

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「仕方ない、他の女の子とセックスしないというのは受け入れる だが妹となら別に問題ないよな?」
誰とするにしろミサにばれなければ何も問題はないのだが一応聞いてみる。
「えっ 妹さんいるの? いいけど大事にしてあげてね」
「お前らの倫理観おかしいぞ な、レムもそう思うだろ」
「私を巻き込もうとするな」
「じゃあ、ライトおちんちん出して」
「『じゃあ』が何かおかしいだろ 流れ的に」
「絞りとってあげるね」
僕は言われるままにズボンを下ろしてベッドに腰をかける。
ミサは慣れた手つきで触り始める。
「ライトのおちんちんおっきい……」
唾液を口に含ませてじゅるじゅるを音を立てて啜る。
しゃぶりながらも手や舌を上手く使って攻め立てていた。
「ライト、気持ちいい?」
上目遣いで聞いてくる。
妹の拙い手つきもそれはそれで味があったが、ミサは普通に上手かった。
「ああ 気持ちいいよ」
僕は数分と経たずイッてしまった。
「んはぁ ライトの精液おいし」
ミサは最後まで絞り取って飲み干した。
自分の精液を美味しそうに飲んでくれる様子に僕は満足感を覚えた。

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「ライトのおちんちんしゃぶってたら濡れてきちゃった……早く入れて……?」
ミサはパンツを脱いでベッドに座り、受け入れる構えだった。
「もうちょっと待てよ 僕はさっきイッたばかりだぞ」
「じゃあ手でして? 切ないの…ミサのおまんこ……」
「わかったよ……」
ミサは仰向けになって股を広げ、両膝を手で抱えた。
指を二本入れぐいと広げると白いおりものがトロトロと垂れた。
指を曲げて膣壁を探る。
ミサの反応がいい場所があったのでそのまま攻めた。
「あん ライト…そこすごい…っ」
ぴちゃぴちゃと音が響いた。
僕の下半身が元気を取り戻してきた。
「ミサ、入れるぞ」
「来て、ライト ミサをめちゃくちゃにして」
僕はミサの身体を思うままにした。

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「ただいま」
「ライト、遅かったわね」
「ああ、ガールフレンドができたから 今度紹介するよ」
「えっ お兄ちゃん彼女できちゃったの!?」
「おいおい、僕も大学生だ 当たり前だろ 粧裕もがんばれよ」
「うそぉ お兄ちゃん、私を置いてかないでよー」
「何言ってるの粧裕 ライト、夕飯は?」
階段を半分上がったところで母が下から声をかける。
「ん? ホテルのルームサービスで済ませた」
「ホテルって何!? もーっ、お兄ちゃんほんっとサイアク!」
「粧裕、あんたも大人になりなさい」
部屋に戻ったところでリュークが話しかけてきた。
「いいのか? お前の妹泣いてたぞ」
「また今度たっぷり慰めてやるさ」
「お前、死神以上にタチ悪いな」

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「夜神君」
「ん?」
「これからお付き合いしてくださるって言いましたよね」
「ああ、言った」
「そしてさっそくこうして肩を並べて講義を受けています」
「はい」
「なのに夜神君は少しも楽しそう嬉しそうという雰囲気はなく上の空です」
「そんな事ないよ」
「ミス東大の呼び声高い高田さんと付き合うのって周りの反感買うだろうなって考えてたんだ 事実、すごい美人だし」
「やめてください 私はミスナントカみたいなうわついた物は嫌いです」
まんざらでもなさそうだ。
「そうだね それに僕はあまり顔には出ないタイプみたいだ 僕は今も高田さんに触れたくて仕方ないよ」
「けほっ 講義中に何考えてるんですか」
「聞いてきたのは君の方だろ? 君は考えないの?」
「私は決してそういうことを聞きたかったわけでは……」
「ごめん高田さん」
「?」
「高田さんのことを想ったら下半身が固くなってしまって……」
「変な冗談やめてください」
「本当だよ 張ってるの見える?」
「や、夜神君……」

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高田の手を引いて僕のズボンの方へ導く。
「ちょ、ちょっと やめてください」
「大丈夫 この位置なら誰からも見えないよ どう?」
「本当に固い……」
僕はズボンのチャックを下ろした。
「何してんですか夜神君……!」
「君にしてもらいたいんだ」
「私、講義受けないと……」
「君の学力なら何も問題ないよ」
「本気で言っているの……?」
「こんな冗談、君に言わないよ」
僕はパンツに入ったスリットから取り出そうとする。
「こんな場所でしなくても」
僕のものはパンツからはみ出しそそり立った。
高田は僕の股間に釘付けになった。
「触れって言うんですか?」
「お願いだ、高田さん」
恐る恐る手を伸ばす。
そして引っ込める。
「やっぱり無理っ」
「大丈夫だよ こんなこと君にしか頼めない」
再度手を伸ばし、そして握った。
「あ…熱い……」
「いいよ高田さん」
高田は握ったそれを上下に扱いた。

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「これ、いつまで続ければ……?」
「最後まで」
「最後って……その、で、出たものはどうするのですか?」
「口で受け止めれば周りを汚さずに済むのかな」
「ふ、ふざけたこと言わないでください…! それにそんなことしたらさすがにばれます」
「物を拾う振りをすればばれないよ」
「夜神君、何か手に温かいものが……」
「ごめん、手を汚してしまって 気持ちいいと出るんだよ 高田さん上手だから」
「ああ、もう……私何してるの……」
もう少し刺激が欲しくなって高田の手の上から自分の手を重ねエスコートした。
「高田さん、そろそろ」
「えっ うそっ」
高田は慌てた様子で僕のものを口に咥える。
拒絶はしていたが咄嗟にそれしかないと判断したんだろう。
生暖かく柔らかい感触を受けて僕は高田さんの口の中を汚した。
「今は講師も見てないよ」
そう言って高田にティッシュを手渡す。
高田はそれを受け取り、ティッシュに吐き出した。
それから高田は手で口を覆い、しばらく黙っていた。
その顔は赤かった。

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「ごめんよ、高田さん」
高田は一つ咳払いした。
「私は平気です」
強がって見せたが、かなり心を乱されているようだ。
「僕も高田さんのこと触っていいかな」
「この期に及んで何を言うんですか」
「君がしてくれたように、僕も君にしたい」
「私は結構です」
僕は構わず高田の下半身に手を伸ばす。
「ちょっと、さすがに怒りますよ」
「君が怒ったら僕はやめるよ」
高田はタイトなロングパンツを身につけていた。
僕はパンツのホックを外した。
「何してるの夜神君…!」
「あまり動かないで」
チャックを下まで下ろすと薄いピンクのショーツが顔を覗かせた。
「夜神君…!」
僕は高田の抵抗を振りきってショーツに手を入れる。
ぬるぬるとした感触が指先に当たる。
「ほんとにやめて……」
高田が苦しそうな声を出した。
僕は一番感じる部分を指先で優しくこすった。
「や……」
高田は両手で僕の腕を掴んでくる。
「声…でちゃう…から……」
僕は講義が終わりに近づくまでの間、高田が限界に達しない程度にいじめ続けた。

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「まさか夜神君があんなことする人だとは思いませんでした」
「高田さんがあまりに魅力的だったから思わず……」
僕らは二人で大学の構内を歩いていた。
「”清楚”高田……いつから夜神なんかと」
「昨日かららしいよ」
「くそ……結局成績優秀のイケメンに持っていかれるのか」
「いや 高田の方から告ったらしいよ」
「な…なんだそれ”清楚”が見損なった」
「さっきなんか講義中に夜神のアレしゃぶってたぞ」
「まじか!あれで淫乱かよ!クッソ萌える!」
「大きい声出すなよ きっと夜神の性癖だ」
「くっそう羨ましい」

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「ライト―っ いたーっ」
ミサ!?
「この近くで撮影あって……ってなんで他の女と一緒にいるの!?」
タイミングの悪い時に……。
「夜神君、あの女性は?」
「ただの友達だよ」
「ライト、その女誰よ!」
「失礼ですが、あなたの方こそどちら様ですか?」
「私は弥海砂 ライトとは深ーい仲です」
「夜神君、どういうことか説明してください」
「勘違いしないでくれ 彼女の方から一方的に言い寄ってきて」
「何よ、この前ホテルでミサのことメチャクチャしたじゃない!」
「どういうことですか夜神君!」
「ミサ、お前は僕の彼女じゃないだろ」
「その女が彼女だって言うの!?」
「そうだ」
「ライトのバカ! 私その女[ピーーー]!」
「こんにちは、月くん お取り込み中でしたか」
竜崎!お前までこんな時に……!
「月くんにとっては嬉しかったり悲しかったりだと思いますが、弥海砂を第二のキラ容疑で確保します」

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警官がミサを連れ去っていった。
高田には後で詳しく話すと約束してその場を後にしてもらった。
「竜崎、ミサが第二のキラって……」
「弥の部屋にあるパソコンを調べたら第二のキラから送られてきたものと全く同じ内容のメッセージの送信履歴が見つかりました」
「なぜミサが怪しいと……」
「私は第二のキラが送ったメッセージの『キラさんなら私を見つけられるはず』に着目し、タレントの線で捜査を進めました」
こいつも僕と同じことを……。
「月くんの身辺も調べさせてもらいました これは月くんをキラだと疑っている私だからこそ取れた方法ですが……」
「……」
「月くんが接触を持った人物の中にタレントが一人だけいました それが弥海砂です それに加え彼女は両親を殺した犯人をキラによって裁かれています」
「……」
「大丈夫ですか? 月くん 恋人の一人が第二のキラ容疑で事情聴取、気持ちは分かります」
こいつ白々と……。
甘かった……。送信履歴くらい僕が徹底的に隠滅しておくべきだった……。
ミサが第二のキラとして捕まったことで、竜崎は僕のことを完全にキラだと思っている……。
そして、ミサが口を割れば全てが終わる……早く手を打たないと……。

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「ミサには私がデスノートの所有権を放棄させた」
レム!!
「ミサは私に『殺してくれ』と頼んだ そこでデスノートの所有権を放棄すればデスノートに関する記憶の一切がなくなり、夜神月を想う感情だけは残ると説明した」
「じゃあミサからはもう何の証拠も出ないわけだな よくやってくれたレム」
「今、ミサのノートの所有権はお前にある 夜神月、ミサを救い出せ そのためなら私も力を貸そう」

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『弥海砂』
スピーカーから無機質な音声が流れる。
「何? ストーカーさん、放す気になった?」
『寝る前までほとんど黙秘し「殺せ」とまで言っておきながら今更悪あがきか?』
「何言ってるの? ミサを眠らせて連れてきたのストーカーさんでしょ 何? 取り調べモノがしたいの?」
『君は今何故そこに縛られている?』
「は? ミサがアイドルだから?」
『弥、眠ってしまう前の話を真面目にしよう 夜神月とはどういう関係だ、何故彼に近づいた? 知らないで通す気か?』
「ストーカーさん、よくそこまで調べたわね 恋人のライトには絶対かなわないけどねー」
……――――
あれだけ黙秘していたのに今度はあっさり……。
「弥を拷問にかけましょう」
「り、竜崎! 人権はどうなるんですか!」
「そうだ! 駄目に決まってる」
「安心してください 痛みを与えるやり方はしません このまま縛っていても衰弱していくだけです 少し刺激を与えてやります」
「電流でも流す気か!?」
「いえ 性器を刺激するんです」
「性……」
「真面目に言ってるのか……?」
「私は冗談など言いませんが」
「竜崎のこと信じられなくなってきたぞ……」
「性器は女性にとって、いえ人間にとっては欠かせない器官 そこを身動きが取れない状態で刺激されれば本能的に守ろうとするはずです」
「僕、警察入って良かったかも……」
「松田ァ!!」

page.70
「ストーカーさん、ミサが悪かったからやめて!」
「サインでもおしっこでも何でもしてあげるから!」
「ミサのそこはライトの物なのぉ!」
「ダメー! 入れないで!」
「いやぁっ!」
……――――
「はぁ はぁ まだ…続くの……?」
「もう…やめて……っ」
「知らない…! 私何も知らない!」
「ああああっ!」
……――――
「もう無理……」
「ライトごめん…ライト……助けて……」
「いやっ…もういやっ…!」
「壊れそう……」
「ほんとに知らないの……」
「あああぁ…っ!」
……――――
「ああぁあ……ああっ……ああぁ……」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「ライトライトライトライトライトライトライト」
……――――
「……ぅ…………ライト……」
「やだ……やめて……」
「ぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅふふふ」
……――――
「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ」
「あああああああああ゛あ゛あ゛あ゛」
……――――
「…………………………………………」

page.71
「月くん、捜査本部にまで来て話とは一体何でしょう」
「今すぐミサを開放しろ」
「残念ですがそれはできません」
僕は竜崎に思いっきり殴りかかった。
その拍子に竜崎の着けていた面が吹き飛ぶ。
「月くん!?」「何してるんだ月くん!」
見えた! Lの本名!
今だ、やれレム!
L、そして捜査本部の者を抹殺しろ!
「痛いですよ 恋人が捕まってヤケですか?」
『ガシャン』
モニターの向こうで音がした。
「どうしたワタリ ……ワタリ?」
レム、そこまでやってくれるとは思ってなかったよ。
『ピ――――』
「データ消去?」
「ワタリにはもしもの事があればデータを全て消すよう言ってあります……」
「それってまさか……」
「皆さ…っ……」
「竜崎?」
ガタン、と竜崎が倒れる。
「竜崎!」
そして、一人、また一人と捜査本部の者が倒れる。
最後に僕だけが残った。

page.72
勝った……。
完全に僕の勝利だ。
捜査本部の者の死は第二のキラが捜査本部に捕まったことでキラを怒らせたから。
僕は正式には捜査本部の一員ではないし、たまたま居合わせたで説明が付く。
何より、Lはもういない。
その気になればいくらでもごまかしは可能だ。
レムはこの作戦に乗って自ら死ぬ道を選んだ。
L、そして捜査本部の者を全員殺せばミサは幸せに生きられる。
そう教えてやった。
これで邪魔者は全て消えた。
僕は新世界の神となる。

page.73
「夜神月…キラ やってくれましたね」
振り返るとドアの前に男が立っていた。
白の長袖シャツに青のジーンズの面の男。
「竜崎……」
「このノート……」
そう言って男は黒いノートを取り出した。
「本当に人を[ピーーー]力があるようですね」
「お前…誰なんだ……」
「私はLです」
さっき死んだLは偽物だったのか?
「このノートには捜査本部の者、ワタリ、そして私の代役である彼の名前が書かれています」
「この状況、どうなってる 皆キラにやられたのか?」
「まだ白を切るつもりですか キラはあなたです」
「どういうことか説明しろ」
そしてLが語り始める。

page.74
「私には死神が見えるんですよ」
「弥海砂がここに連れて来られたときから」
「弥の部屋の捜索を行ったとき気になった物をいくつか押収しました」
「その中の一つに切り離されたノートのページ数枚の束があります」
「何の変哲もないただの紙でしたが何故か隠すように仕舞われてありました」
「今となっては分かります」
「そのページの束はこの黒いノート…死神のノートとおそらく同じ物 デスノート、というらしいですが」
「それを触ったからでしょうか」
「弥の背後にははっきりと死神の姿が見えていました」
「モニター越しに弥と死神の会話も聞き取れました」
「デスノートの所有権の話、デスノートに関する記憶の話、弥があなたを好きであること、あなたがキラであること」
「私は別室でその様子とこの部屋を見張っていました あなたが来るまでずっと」

page.75
「デスノートの紙束に直接触れたのは私だけなので他の方には死神は見えていないようでしたが」
「あなたが死神を引き連れて来た時は肝を冷やしました」
「そしてこの時が来てしまった」
「あなたが彼の面を剥ぎ取り、別の部屋で死神がこのノートに名前を書いた」
「死神はその場で砂になり、後にはこのノートだけが残りました」
「私はそれを拾い、その足でここへやってきた」
「私が犯した失敗は皆を死なせてしまったこと」
「死神の存在を皆に知らせていればもっと早くこの状況を回避できたでしょう」
「警察の皆さんは局長の息子さんであるあなたをキラではないと信じ誰も顔を隠していませんでした」
「一方で私はあなたの前に姿を見せる時は必ず代役の彼を表に立たせました」
「彼は孤児院ワイミーズハウスで私と共に育った同志です」
「彼は頭脳や運動能力は私に劣るもののいつも私の真似をしていました」
「危険な立場であるにも関わらず進んで代役を引き受けてくれた彼に私は感謝しきれません」
「そしてワタリ……ワタリはワイミーズハウスを牽引してきた私の尊敬する人物です」
「いつも私の世話をしてくれていました」
「それが今日、あなたによって殺された」
「夜神月、お前がキラだ」

page.76
「L……僕にはあなたの言っていることが全く理解できない」
L……。
お前はもう一つ失敗を犯した。
それは僕の前に現れたこと。
僕に負けを認めさせることにこだわり、自らの足でここに訪れたこと。
「それに証拠は? 死神が映った映像や音声がないんじゃ話にならない 全部お前のでっち上げじゃないのか?」
そう言いつつ僕はLに歩み寄った。
「もしくはお前が本物のキラで捜査本部の者を全員殺した……」
「あなたが認めるかどうかはもはや問題ではありません 私はLの全権限を持ってあなたを一生拘束します それで裁きが止まれば事件解決です」
そうはさせるか……。
ここに来る前、僕は腕時計に仕込みをしておいた。
二重底を引き出せばデスノートの切れ端が出てくる。
レムがもし失敗した時に自分でも殺せるように……。
僕はLの面を狙い飛びかかった。
が、届かなかった。
顔面に思い切り蹴りを浴びる。
そして、そのまま意識を失った。
「本物の私まで運動音痴だと思いましたか? これは彼の代わりですが……一回は一回です」

page.77
目を覚ますと真っ暗だった。
辺りが暗いのではなく目隠しをされていた。
外そうと思うが身動きが取れない。
どこだここは。
そうだ、僕はLに負けた……。
くそ…まだ何か手は……。
「リューク、いるか?」
「あいよ」
「今、どうなってる」
「捕まってるな」
「お前なら何とかできるだろ 僕を助けろ」
「ライト、俺が最初に言ったこと覚えてるか」
「何のことだリューク……何を言ってる……?」
「俺はお前が死ぬのを見届けなくちゃならない 牢獄に入れられたんじゃ待つのも面倒だ」
「やめろ……リューク」
「お互い良い退屈しのぎになったな さよならだ夜神月」
「ば…やめろ! 死にたくない! L! 聞いてるんだろ! ここから出せ!」
「40秒で心臓麻痺 もう決まりだ」
「いやだ 死にたくない、ふざけるな! 粧裕、それにミサ、高田も! ヤり残したことが沢山ある! ヤらなきゃ駄目なんだよ!」

page.78
「ねえ、お兄ちゃん 彼女できたってホント?」
「ああ、本当だ」
「私も彼氏できるかな」
「粧裕なら大丈夫だろ 僕と似て顔が良いんだ」
「そうかなぁ…… あぁーあ 私、お兄ちゃんと結婚したかったなーっ」
「何言ってるんだ そんなの無理に決まってるだろ? 兄妹なんだから」
「じゃあ生まれ変わったらお兄ちゃんと兄妹にならないように今からお祈りする」
「はは そしたら僕はおまえのお兄ちゃんじゃないだろ?」
「いいもん がんばって振り向かせるから」
「がんばれよ」
「だから……」
「だから?」
「死ぬ時も、また生まれる時も、お兄ちゃんと一緒がいい」
……――――
「うわ――――っ!! 死にたくない!! 逝きたくない――――」
ドクン、と最後に言ったきり、心臓は動き方を忘れた。

page.79
「L 夜神月が死にました 姿の見えない死神に殺されたようです」
「そうですか デスノートが何処にあるのかだけでも知りたかったんですが……」
Lは面を外した。
目の下には隈が深く刻まれていた。
「この面も不要ですね ニア、良ければ差し上げます」
そう言って少年に手渡す。
「私はしばらくLを休みます キラがいなくなったことに世間が気づいた頃、戻るとしましょう」

以上で完結です。お目汚し失礼しました。

個人的には原作もこんな感じで終わって欲しかったです

page.?
「ライト、デートか?」
「ああ、どう見ても思いっ切りデートだ」
「しかし、お前今朝デスノートに犯罪者の名前書いてただろ 何かするつもりなのか?」
「あれ? リュークそいつの死の状況どう書いたか見てなかったのか?」
「ああ、それ見ちゃうとつまんないからな」
「じゃあ大人しく見てろよ」
バス停の前に女が立っている。
「ごめん遅かった?」
「まだ5分前だよ スペースランドなんて中学生以来で楽しみー しかも今日はライトと二人っきり」
「ああ、うん」
「でも受験前だから遊ばないって言ってなかった?」
「全国模試世界一位の余裕だから」
「アハハ 世界って」
……――――
走行するバスの最後部座席に座っていた。
「美奈子M大学狙いだって」
「へー」
バスが停まり、男が一人乗り込む。
来た。奴だ。
指名手配犯、恐田奇一郎。
男は運転手に銃を突きつけて叫んだ。
「このバスは俺が乗っ取った!!」

page.?
「昨日の売り上げを夕日浜バス停まで女一人で持ってこい! もし変なことしたら乗客をぶっ[ピーーー]!」
と無線機で要求を伝えた。
僕の隣に座るユリは恐怖に震えていた。
「おい! そこの最後部のお前ら!」
恐田は銃をこちらに向けて大声を出す。
「お前ら、そこでセックスしろ 他の乗客から見えるように」
「えっ……」
ユリは血の気が引いて真っ青な顔をしていた。
「早くしろ!」
この男の指示は僕がデスノートに書いたものだ。
この男は自分の役割を終えた後、誰にも危害を加えることなく死ぬ。
「ユリちゃん、言うこと聞いた方が良さそうだよ……」
「……え…?」
「ほら、やらないと 立てる?」
ユリはおぼつかない足で立ち上がる。
恐田はしっかりとこちらに狙いを定めいつでも発砲できる構えだ
「ライト…どうしよう……」
「大丈夫だ、僕がついてる」
ユリの手を引いてバスの前方に移動した。
バスは半分以上の席が埋まっており、乗客は皆こちらを注視していた。

page.?
恐田はユリの頭に銃口を向けた。
ユリは恐怖のあまり今にも気を失いそうだった。
本当に気を失われてはつまらない。
「言うとおりにすれば何もされないよ」
耳元で囁きかける。
「じゃあまず女がしゃぶれ」
恐田が言う。
僕はデスノートにそんな細かい指示まで書いていないのだが。
なんだこの男。ノリノリじゃないか。
「ごめん…ユリちゃん……」
僕はユリの前でズボンを下ろした。
「私したことない……」
「まず落ち着いて、息を整えて」
ユリはそっと口に咥えた。
「もっとちゃんとしゃぶれ」
恐田が指示を出す。
ユリが決死の思いでしゃぶり続ける内だんだんと固くなってきた。
「そろそろ良いだろ ぶち込め」
なんかこの男AV監督みたいだな……。

page.?
「ライト…私初めてだから……」
震えた声で言う。
「なるべくゆっくりするよ……」
ユリはスカートを上げてパンツを下ろし片足を抜いた。
そしてバスの手すりに掴まり腰を突き出す姿勢になる。
ユリのそこは乾いていて、唾液だけが潤滑剤だった。
僕はユリの腰を支えながら入れようとする。
「痛いっ……!」
ユリは苦痛に顔を歪める。
相当痛いはずだ。
なんとか奥まで入れる。
「ユリちゃん大丈夫…?」
大丈夫ではないだろうが大丈夫と返ってくる。
僕はゆっくり腰を動かす。
べっとりと血が付いてくる。
ユリは痛みに耐えながら苦しそうに息を切らした。

page.?
「おら、速く動け 強くだ」
と、恐田が指示がしてくる。
僕がせっかくユリを気遣ってゆっくり動いてやっていたのになかなかなことを言う。
僕が勢いを少し強めるごとに「もっとだ」と要求してくる。
おかげで僕とユリの身体はパンパンと音を立ててぶつかり合った。
ユリはそれまでなんとか理性を保ち、声を抑えて喘いでいたが、
痛みに耐えかねてか今では車内全体に声が響いていた。
「すみません…出す時くらいは抜いてもいいですよね…?」
と恐田に聞いてみる。
答えは期待通り、「中で出せ」だった。
バスジャック犯に銃を突きつけられセックスを強要、初体験を奪われた上に中に出されるというユリにとっては散々なものだった。
きっと一生モノのトラウマになるに違いない。
「ごめんユリちゃん……中で出すよ……」
ユリに返事をする余裕はなかった。
僕は思う存分ユリの中に注ぎ込んだ。

page.?
僕が手を離すとユリはその場にへたり込んだ。
顔は涙と鼻水で濡れていた。
「おい女 服全部脱いで乗客の前で[田島「チ○コ破裂するっ!」]しろ」
ああ……これは僕がデスノートに書き込んだ指示だ。
なんだか上手いことやってるな……。
だがさすがに可哀想になってきた。
「ライト……」
涙声で助けを求めてくる。
ユリは腰が抜けて立つこともできないようだった。
僕は服を脱ぐのを手伝ってあげた。
「ちゃんとイクまで続けろよ」
と恐田は言う。
確かにそれも僕がデスノートに書いた指示だがさすがにそれは無理なんじゃないか?
ユリは服を全て脱ぐと体育座りになり、脚を軽く開いた。
すかさず「もっと股開け」と指示が飛ぶ。抜け目ない。
ユリは股を広げていじり始めた。
女子大生がバスで全裸なり涙と鼻水で顔を濡らし股を広げて血まみれのあそこをいじる光景がそこでは現実のものだった。

page.?
ユリは鼻水を啜り嗚咽を漏らしながらも生きるために懸命に続けた。
そしてユリにとって、あるいは全乗客にとっての救いの時が訪れる。
恐田はその場であっさりと拳銃自殺した。
デスノートに狂いはなかった。
犯罪者を殺り、同時に女子をヤる。
これが僕の行き着いた正義と欲望の狭間に生きる新世界の神の在り方だった。

今更ながら設定の矛盾に気づいた……。
すみませんsaga入れるのは途中からは気づいてたんですが、気づいて入れて忘れました。
わざわざ指摘してもらってたのにすみません。
次から気をつけます。

気づいて入れて忘れました

気づいて入れ忘れてました

page.?
私がバスジャックに偶然居合わせた時にみた異様な光景。
私はそれが気になって仕方なかった。
バスジャック犯はカップルを乗客の前に立たせ辱めを受けさせた。
その際、女性は恐怖に震えていたが、男性の方はまるで落ち着き払っているように見えた。
いや、そんなはずはないのに。
普通の人が見たら脅されているようにしか見えなかったはずだ。
しかし、私の元FBIとしての直感が告げていた。
あの男性は怪しい。
最近、世間を騒がせているキラという殺人鬼。
私は独自に調べを進めて、――これは世間では公表されていないことだが、
キラは死の前の行動を操ることができると確信していた。
キラは犯罪者を狙って[ピーーー]。
あれはキラに操られての行動だったのか。
食い違う点としてはあの犯人の死因は心臓麻痺ではなく自殺だったこと。
だが、そう。キラは心臓麻痺以外でも殺せるのではないか?
これは新たな可能性だった。
私は調べてみたくなった。。
私はもうFBI捜査官でも探偵でも何でもないがこれは職業病だ。
あの男性、名前は「ライト」と言っていた。
私は彼らの乗車したバス停周辺にライトという人物が住んでいるか調査することにした。
そこで偶然知ったのだが、私のフィアンセであるレイもライトという男性を調べていたのだ。
誰の指示で、何のために調べているのかまでは分からなかったが、
レイに仕事の話をするのは禁じられていた。
「君は捜査官じゃないのだから」と、よくたしなめられる
そうでなくとも勝手に仕事の資料を覗いたのだから自分から聞くのは憚られた。
しかし、お陰で住所と氏名と簡単なプロフィールだけは入手することができた。
私はレイに隠れて夜神月を調べることにした。

page.?
夜神はよく女性と会う人物だった。
それも日毎に違う女性と代わる代わる会っている。
しかも野外で性行為までする場面を何度か目撃してしまった。
最近の大学生とはあんなにも有り余っているものなのか。
私とレイも若ければあれくらいできたかもしれない、と余計な想像をしてしまった。
ふとレイが恋しくなる。
いや、さすがに外でしたいとまでは思わないが……。
夜神がバスジャック犯に脅されて彼女と無理やり行為させられている時も、
今にして思えばどちらかと言えば自ら進んでやっているようだった、かもしれない。
私の目が汚れてしまっただけだろうか。
ある日、夜神と関係を持った女性が亡くなったことを知った。
一人だけなら偶然で済ませたかもしれない。
二人、三人と続いた。
まるで死神に憑かれでもしているようだった。
夜神に突かれた人は死神に憑かれるとでも言うのか。
……私としたことが詰まらない冗談を考えてしまった。
きっと私も「疲れて」いるのかもしれない。
自分の考えた冗談に思わず笑ってしまった。
こんな時に私は何を考えているんだろう。

page.?
「捜査本部の人に直接会ってお話ししたいんです」
「だから、キラ事件の捜査本部は今誰もいなくて……」
誰もいない?
誰にも会えないようにしているの?
受付の人間に何を言っても無駄と思われたがもう少し押してみることにした。
「キラ事件の真相に迫れるかもしれないんです」
「そう言われても……」
その時、後ろから誰かやって来た。
「刑事局長の息子の月です 父に届け物をしにきました」
夜神月!
まずい、今の話を聞かれたかもしれない。
夜神が本当にキラだったら何をされるか分からない……!
「すみません 日を改めます」
そう言って私は立ち去ろうとする。
「あの、今の話本当ですか?」
心臓が飛び上がった。
駄目……お願い、私に興味を持たないで……。
もし、ここで逃げ出すような真似をすればキラは私を殺すかもしれない。
顔も見られてしまった。
キラは顔を知る相手なら誰でも殺せるのだ。
上手いこと誤魔化してこの場を抜けださなくては。

すみません、一個飛びました。>>110の前がこれです。

page.?
キラは心臓麻痺以外で人を殺せる……。
夜神月はキラ……。
そう思ったらどこまでも辻褄が合うような気がして仕方がなかった。
ここまで来たら誰かに話そう。
そう決心した。
警察は今、キラ事件を捜査するため特別に本部を立ち上げている。
本部長は警察の人間だが、指揮を執っているのはLという凄腕の探偵だ。
実は私はそのLの下で一度働いたことがある。
彼は本当に凄い……。直接話してみたい。
薄い望みに賭けて警察の人間に掛けあってみることにした。

page.?
「できればお話を聞かせてください 僕も捜査本部の人間なんです」
一大学生が本部の人間なんて……でまかせで言っているの?
でも夜神の父は刑事局長。
刑事局長ならキラ捜査本部の一員あるいは本部長を勤めていても何ら不自然はない。
そのコネで入ったと言うのか。
ここは一先ず話に乗るしかない。
「あなた、学生さんですか? 警察の人ではないみたいですけど、本部の人と言うのは……」
「……外に出て話しましょうか」
私は夜神に着いて警察庁を出た。
「人に聞かれたくない話は外で歩きながらというのが僕の持論で……すみません」
「いえ」
「僕の父はキラ捜査本部の本部長なんです そのせいもあってかLに本部を出入りを認められているんです」
そんな事まで見ず知らずの人間に話していいの?
それにLが出入りを許すなんて……。
Lは夜神月を疑っていないんだろうか。
それとも夜神月をキラだと思ったからこそ出入りさせている……?
いや、夜神の話を全部信じては駄目だ。
それより私は逃げる方法を考えないと。
「すごい話ですね Lに会ったことがあるのですか?」
「ええ、あります あなたも会ったらきっと驚きますよ」
嘘だとしても羨ましい話だった。
私はLと直接会ったことがない。一度会ってみたかった。

page.?
「キラ事件の真相、とは?」
夜神が本題に入ってきた。
ここで適当なことを言えば本当の事を隠してると思われ口封じに殺される。
世間ではキラは犯罪者しか殺さないと思われているが、
私の辿り着いた推論が正しければ、何の罪のない人も殺されているのだ。
夜神と関係を持ち、亡くなった女性達。
あれがキラの仕業なら私も同じようになってしまうのだ。
そこで恐ろしいことに気づいた。
口封じのためでなくとも、キラに気に入られてしまえばそれだけで殺されてしまう。
私はもう心が折れそうだった。
レイと出会い、婚約し、退職し、幸せになるはずだった。
私の人生はこんなところで終わってしまうのか。
今からでも必死に命乞いをしたら見逃してもらえるだろうか。
弱気になっては駄目だ。
私は未だかつてこんなにも生きたいと思ったことはなかった。
FBIを辞めて3ヶ月。環境が変わり、私も少し変わった。
これからレイとの新しい人生がスタートするんだ。
絶対に生き抜いてみせる。

page.?
「キラは世間で言われてるより恐ろしい力を持っています」
「と言うと?」
「キラは人の死の前の行動を操れるんです」
私はその結論に至った過程を詳しく話した。
世間に公表されていないだけでこの程度のことは警察もとっくに調べがついているだろう。
「なるほど、それに気がつくあなたは頭が良い それに行動力もある」
夜神は何やらメモを取りながら私の話を聞いていた。
有能だと思われたら駄目だ。キラにとって害だと思われたら駄目だ。
どこまで話していいか考えないと。
「……私は夜神さん、あなたがキラじゃないかと思っています」
……え? 私は今なんて言ったの……?
「実は私、以前バスジャックに居合わせて」
駄目だ何も考えられない。
私は思っていることを全て話してしまった。
なぜかその方が良いと思えた。
……たぶん良かったんだろう。
「へえ、僕もあなたのことお見かけしたことがあると思っていたんですよ」
夜神はにやにやと笑っていた。
私、何か面白いことを言っただろうか。
よく思い出せない。
「それにしてもあなたは魅力的な女性だ 僕とセックスしませんか?」
……。
セックス? それはどういう冗談だろうか。
ふざけているのだとしてもどうしていきなりそんなこと言うのだろう。
でも私は目の前の男性とセックスしなければならない気がした。
「はい」
「そこのネットカフェの個室でいいですよね?」
ネットカフェ……。
入ったことはないがラブホのような施設ではないはずだけど……。
「はい」
それでも良かった。

page.?
私は夜神とネットカフェにチェックインした。
そして個室に足を踏み入れる。
個室は靴を脱いで上がるタイプで人二人が寝転がれるくらいの広さはあった。
床は合成皮革ような素材で若干クッション性があり、
パソコン一式、ゲーム機、クッションなどが備え付けてある。
天井はなく吹き抜けで個室同士は薄い壁で仕切られているだけだった。
こんなところでセックスしたら声だって音だって他の客に丸聞こえじゃないのか。
夜神は何を考えてこの場所を選んだのだろう。
ところで私は本当にこの男とセックスする気があるのか?
勢いで「はい」などと言ってしまったが、それまではもっと大事なことを考えていたのではなかったか。
そうだ思い出した。
私はこの男をキラだと思い、必死に逃げ出そうとしていた。
ではなぜこんなところにいる。
私がそう望んだから。
なぜそう望んだのか……それは分からない。
確かに夜神は私の好きなタイプのイケメンだ。
でも私の好きな人は他にいる。
私はいつからこんなに尻軽になったのだろう。
自分でも分からない。
もしかして私は既にキラに操られているのか?
……それはない。
私は私自身の意思でここにいる。
それだけは神に誓って言える。
そうだ、ちゃんと自分の意思はある。
何とかしてここを逃げ出そう。
彼とセックスした後で。

page.?
「夜神さん、私は自分の考えを全てあなたに伝えました
 それをLや他の捜査官の人に伝えていただければ私はこれ以上この件には関わりません」
私は本当にそのつもりだった。
今ではこの件に関わったことを深く後悔していた。
レイには申し訳が立たない。
「あなたくらい優秀な人が捜査本部にいてくれたら心強いんですけどね」
「いえ、私はもうそういう事はしないと決めたので……」
この人がキラだとはどうしても思いたくなかった。
本当にキラなら私はきっと近い内事故に遭い死ぬ。
その短い間をどうやって過ごそう。
まず、レイにこのことを全て話そう。
そして気が済むまで愛し合おう。
レイならきっと私が助かる方法を一緒に考えてくれるはず。
そうだ、今度こそLに全て話そう。
数日の間にキラが捕まれば私は死なずに済むかもしれない。
少しだけ希望が見えてきた。
夜神は服を脱ぎ始めていた。
でも私はなぜか躊躇っていた。
この男とセックスする為にここにいるはずなのに、その先のことがイメージできない。
「あなたも脱いでください」
年下の青年に言われて気に触ったが、促されてようやく私も脱ぎ始める。
壁は肩くらいの高さしかないので膝立ちになって服を脱ぎ始めた。

page.?
なんでこんな場所で脱がなくてはならないのだろう。
私は恥ずかしくて仕方がなかった。
一方で年下にリードされるわけにはいかないという変なプライドもあった。
でも私はこの男のことは別に好きではないし、好きでもないのにやろうとしている自分がまた恥ずかしかった。
私は下着姿になった。
レイとする時も大体始めはそうだ。
そして抱き合ってキスを……と、ついレイとの夜を思い出していた。
夜神も下着姿になって私にキスをする。
私は嫌悪感を覚えた。
そしてレイ以外の男性に許してしまったという罪悪感。
私は自分を酷く恥じた。
夜神はなおも私の身体を求めてきた。
年下にリードされたくないという気持ちはあったが、私はこんな状況でこんな相手との行為に正解が見いだせず、
徐々に考えるのも面倒になり夜神の言うがまま、されるがままにされていた。
せめて周りに気付かれぬよう務めたが、夜神はそれを全く聞き入れてくれず、
私の恥ずかしい音や声は壁の外に漏れ聞こえてしまっていた。
こんな恥ずかしい思いをしてまで私はこの男としたかったのか、つくづく疑問だった。

page.?
さて終わった、と思った。
私はこのまま帰れる気でいた。
すると夜神が口にした。
「隣の部屋に男性客がいます 若い彼はきっとあなたの喘ぎ声を聞いて我慢の限界のはずです
 彼ともセックスしてイかせてあげてください あ、服は脱いだままで」
夜神の言う理屈は全く理解できなかったが、一つ理解できた。
私は隣の彼とセックスしなきゃ駄目だ。
恥ずかしいなどとは言っていられなかった。
私はルックスにはそれなりに自身がある。
警察を呼ばれないようになんとか彼を説得して事を済まそう。
私は意を決して個室から出た。

page.?
「ライト、お前もあくどい事考えつくよな」
「まあね」
僕はツイてる。
偶然警察庁を訪れた時にあの女と出会えるとは。
何やらキラについて知ったふうだったので話を聞きながらデスノートに書いてやった。
キラ事件について握っている情報を全て僕に吐くこと。
僕に従うこと。
僕と別れた後、僕やキラに関することは一切口外しないこと。
そして残り三週間経たずに事故で死ぬこと。
やはりこういう時にこそ死神の目は便利に働く。
南空ナオミ……ここまでキラの真相に迫ったことは褒めてやる。
だがお前は最後の最後で神に見放されたようだな。
お前の最期は死神が看取ってやる。
隣の個室から喘ぎ声が聞こえる。
警察沙汰にはならなかったようだ。
警察を呼ばれたら僕も僕で困るところだった。
まあ、あんな美人に必死になって頼まれたら誰だってしてしまうさ。
僕はその後も彼女にいくつかの部屋を回らせた。

page.?
心も身体も限界だった。
私は汚れてしまったのか。
見ず知らずの他人に簡単に股を開くなんて。
夜神が言うことは全て正しいはずなのに、自らの意思でやっているはずなのに、
誰かを恨みたくて仕方がなかった。
そうでなければ私の心は壊れてしまう。
でも誰を恨めばいいんだろう。
それはいくら考えても答えは出なかった。
早くレイに会いたかった。
「僕は気が済んだしそろそろここ出ようか」
「はい……」
服を着直して外に出た。
徹夜で重労働をしたくらいに疲れ果てていた。
上手く回らない頭で自分がすべきことを思い出す。
夜神はキラかもしれない。
そしてそのことをLや捜査本部に伝える。
一つ気になったことを聞いてみる。
「あの、さっき誰かと話してませんでした?」
「ああ、それはですね……死神です」
「死…神……」
またしても理解できなかった。
「僕には見えるんですよ キラだから」
「えっ」

page.?
キラだから。
はっきりとそう言った。
「どういう意味……」
本当に意味が分からない。
キラだとしたらなぜ自分がキラだとばらすのか。
そんなことをして何の得があるのか。
そうだ、きっと冗談で言っているんだ。
私はそう思いたかった。
しかし、私は無理矢理にでも気付かされた。
「私の心変わり」について他にどう説明のつけようがあるだろう。
思い返せば私はこの男の言うことに全て言いなりだった。
自分でも気づかない内にキラに操られていた。
それに気づいた瞬間涙が止まらなくなった。
「私…死ぬんですか…っ!!」
「はい死にます」
「お願いです! どうか…どうか私を殺さないで!」
「私は殺しません あなたは事故に遭います もう決まったことです」
「愛する人がいるんです… まだ死にたくありせん…!!」
「喋らないでください」
「…………」
声が詰まって言葉にならない。
レイ……ごめんなさい……。
あなたの言うことを聞いていればこんなことにはならなかった。
あなたと二人でこれからの人生を歩みたかった。
家庭を持ちたかった。
子供も作りたかった。
あなたとの思い出をもっと沢山作りたかった。
私は先に逝ってしまうけど、あなたにはどうか元気でいて欲しい……。
私は……せめてこの男を殺して、全てを終わらせる。
元FBIとして格闘術には心得があるので一般的な体格の男性ならねじ伏せられる。
隙を窺う方法もあるが、この場を離れたら私は自分がどうなるか分からない。
操られてキラに近づくこともできないかもしれない。
今、この場で絞め殺す。
もうそれしかない。

page.?
私は夜神をうつ伏せに組み伏せ、馬乗りになった。
人目など構っていられない。
どうせ私はもう死ぬんだ。
この男を殺したらもうレイには会えないかもしれない。
それでも私は私の全てを奪ったキラが憎くて憎くて仕方がなかった。
レイの生きる世界にキラという人殺しはいらない。
私は夜神の首を締めた。
しかし、手に思うように力が入らない。
「なんで!?」
私はキラを殺すこともできないのか。
こんなにも無力なのか、私は。
私にはもう泣くことしかできなかった。
その時、夜神の喉が動いた。
「放せ もう僕に近づこうとするな」
私は放さなくてはならなかった。
憎くて、殺したくて堪らないのに。
私はその場を離れたかった。
もう彼に近づくのはやめよう。
そして、死ぬその時までレイと一緒にいよう。
できるだけ沢山のものをこの世に残そう。
それから……私の全てをレイに託そう。
そう固く決心して私は歩き出した。
背中の方から声が聞こえた。
「デスノートでは他人を死に巻き込むような殺し方はできない……全部計算通りだよリューク」

バスジャック~南空ナオミ編おわり

大学生のライトが理由もなく急に受験生になるのは仕様なので勘弁して下さい

>>117の月視点
page.?
南空ナオミの身体は理想的だった。
強調すべき部分は強調され、締まるべき部分は締まっていた。
その上、身体はかなり鍛えられているようだ。
年齢は20代後半といったところ。
歳相応に男性経験もあると見える。
「すみません……もうちょっと…ゆっくり……」
南空がそう要求するが僕は腰を緩める気はなかった。
僕は遊び心が芽生えて南空にセリフを言わせることにした。
パソコンでメモ帳を立ち上げ文字を打ち込む。
そして気持ちを込めて読み上げるように要求する。
「おちんちんすごくきもちいいのぉ……変なこと言わせないで…っ」
面白かった。
しばらく色んなセリフを言わせて楽しんだ。
「そろそろイキそうなんじゃないですか?」
「……はい」
「イキそうな時はなんて言うんでしたっけ?」
「イッちゃいそうですぅ……」
「イク時のセリフもお願いしますね」
「イッちゃう……おちんぽキモチよすぎてイッちゃいますぅ……」
南空がイッた後、僕もそろそろイクところだった。
「僕そろそろ出します」
「ゴムしてない…ですよね……中は…やめてください……」
「セリフお願いします」
「私のおまんこに…おちんぽミルク…たくさん注いでくださぁい……中はやめて…っ」
「僕の子供作ってください」
「中に出して……」
中に出した。

そういえば偽Lはビヨンドなんだろうか

page.80
「なんだろこのノート……」
机の引き出しには見覚えのない黒いノートが入っていた。
「デスノート……」
表紙には白い文字で「DEATH NOTE」と書かれていた。
中をめくってみるとページは全て白紙だった。
表紙の裏は英文で埋め尽くされている。
「やだ……」
気味が悪い。
誰がこんなノートを私の机に仕舞ったんだろう。
私の家には今は私と母しか住んでいない。
他の家族、お兄ちゃんとお父さんは4年前にキラ事件の捜査中、キラによって殺された。
そしてそれ以降キラによる殺人は行われなくなった。
きっとお兄ちゃん達は命懸けでキラを倒したんだ。
でも、キラがいなくなったことでまた世界中に犯罪者が溢れた。
お兄ちゃんとお父さんがしてきたことは何だったの?
良いことをしたからといって良い結果が待っているとは限らないのか。
それともキラを倒すことは悪いことだったのか。
私は未だに答えを出せないでいる。
なぜだか思考が外れてしまった。
それにしてもこのノートは一体……。

page.81
「久しぶりの下界だ」
私の前に黒い影が現れた。
よく見るとそれはおぞましい姿をしていた。
「き……」
「おっと、あんまり騒がない方がいいと思うぞ」
口を塞がれた。
「別に俺はお前を捕って喰ったりしない お前にそのノートを渡すために来た」
夢でも見ているのだろうか。
怪物が私の口を塞いだ手には全く体温を感じない。
それはこの世のものではなかった。
「昔のお前だったら俺を見ただけで心臓麻痺になってたかもな」
私を知っているの?
「んんっ」
「騒がないと誓うなら手を離してやる」
私は無言で頷いた。
「あなた…誰…?」
「俺はそのノートの届け主 死神のリュークだ」
死神と名乗る怪物は今にも私を捕って喰いそうな姿だった。
捕って喰われるのは嫌なので死神の言うことに従うことにする。
「死神……さんが…私に…?」
死神? ノートを届けにきた? 私に?
「このノートは何なの…?」
「説明を読まなかったか? それは死のノートだ」
死神が丁寧に使い方を説明してくれる。
半分ほどしか頭に入らなかったが、このノートに名前を書かれた人は死ぬらしい。
「お前の兄はそれを使って犯罪者を殺し、キラと呼ばれた」

page.82
「お兄ちゃんが…キラ…?」
お兄ちゃんはキラに殺されたんじゃなかったの?
「死神さんはお兄ちゃんのこと知ってるの?」
「ああ 俺が以前人間界にノートを落とした時に拾ったのがお前の兄、夜神月だった
 それからしばらく一緒だったからよく知ってる」
「じゃあお兄ちゃんを殺したのは誰?」
「ああ……Lって奴だな」
Lと言えば世界的に有名な探偵の名だった。
Lがキラと決着したという噂は本当だったのだ。
「Lが…お兄ちゃんを……」
でもキラはお父さんや警察の人を殺している。
お兄ちゃんはお父さんを殺したの?
「ねえ、お兄ちゃんがキラってほんとなの?」
「ああ 本当だ」
「そうだったんだ……」
何故か不思議とほっとしてしまった。
お父さんは見ず知らずの殺人鬼に殺されたわけじゃなかったんだ。
キラは犯罪者を殺して犯罪のない世界を作ろうとした。
皆からは救世主と呼ばれ、誰もが陰でキラの復活を望んでいる。
お兄ちゃんはたった一人で悪に立ち向かったんだ。
お兄ちゃんって本当に本当にすごかったんだ。
「俺が伝えることは全部伝えた 今度は俺からの要求なんだが」
ドキッとした。
きっと魂を抜かれてしまう。
「リンゴをくれ」

page.83
何かの隠語かと思ったが本当にリンゴだった。
私は拍子抜けしてしまった。
この死神は本当に死神なんだろうか。
彼?の姿はデスノートを触った人にしか見えないらしいけど。
「やっぱり人間界のリンゴは最高だな」
「死神さんは本当に死神なの?」
「ああ、俺達死神は死神界からのこの人間界を見下ろしてる
 そして死神の持つデスノートに人間の名前を書き、死んだ人間が本来生きるはずだった寿命を貰うんだ」
恐ろしい話だった。
死神に憑かれるというのはこのことだったのか。
でも実際に憑いている私の命は取らないと言う。
なんだかおかしな話だった。
「お前はそのノート使わないのか?」
「私は……」
私はどうしたいんだろう。
お兄ちゃんはこのノートを使って犯罪者のいない良い人だけの世界を作ろうとした。
でも、死んでしまった。
私はお兄ちゃんと一緒に死ぬと決めていたのに、今もこうしてお兄ちゃんのいない世界で退屈な人生を送っている。
私はお兄ちゃんが目指した世界を見てみたかった。
私がお兄ちゃんの代わりにその夢を叶えたい。
そうしたら、またお兄ちゃんと一緒になれるような気がした。
お兄ちゃんみたいに死んでしまうかもしれないけど、お兄ちゃんに会えるならそれでもいい。
待っててね、お兄ちゃん。
私、お兄ちゃんに会いに行くから。
「リューク 私、新世界の神になる」
私はペンを取った。

page.84
「L」
「どうしたワタリ」
ワタリ、そう口にするとかつてのワタリを思い出す。
「心臓麻痺で亡くなった犯罪者が多数……またキラが現れたようです」
「キラ……か」
キラは4年前、独房の中でリュークという目に見えない死神に殺されて死んだ。
それ以後、犯罪者は死ななくなり、未だかつてない無差別大量他殺事件――キラ事件は幕を閉じた。
その事件の原因となったのは死神がこの世に持ち込んだデスノートと呼ばれる殺人兵器。
殺したい相手の名前を書くだけでその相手を死に至らしめるノートは、
4年前を最後に一度も使われることなく今も厳重に保管してある。
しかし、キラが使っていたノートは見つからないままだった。
誰にも見つからない場所に隠したのか、死神が持ち帰ったのか、答えを知る者はいなかった。
いつかはこの日が来るのではないかと心の何処かで予感していた。
そしてその予感は当たってしまった。
私はまたキラを追わなければならない。
キラが現れたのはこれで三度目だ。
キラはこの先、何度現れるのだろう。
何度現れようと私は必ずキラを捕まえる。
キラという殺人鬼を正義にしてはならない。
Lと、Lを継ぐ者がいる限り。

後日談おわり

page.XXX
私は独房の中にいた。
「リューク 私を殺して」
「いいのか? お前がノートを手放して記憶を失えば元の生活に戻れるかもしれないぞ」
戻りたいとは思わない。
今の私にはここが一番落ち着く。
この場所から私は行くんだ。
お兄ちゃんのいるところに。
「いいの 殺して」
「わかった 書こう」
死ぬのは怖い。
すごく怖い。
でもお兄ちゃんに会えると思ったら嬉しかった。
やっとお兄ちゃんに会える。
時間はかかっちゃったけどまだ待っててくれてるよね。
急に胸が苦しくなった。
痛い。
苦しい。
意識が遠くなる。
身体の感覚がなくなる。
もうどこも痛くない。
温度も感じない。
今、私は笑っているんだろうか。
それとも泣いているんだろうか。
泣いていたらきっとお兄ちゃんに笑われるだろう。
早くお兄ちゃんの笑った顔が見たい。
次に会った時は……今度こそお兄ちゃんと……――
「粧裕、勉強くらい一人で出来るようになれよ」
「えへへっ だってお兄ちゃん一人じゃ寂しいかと思って」
「寂しいのはおまえだろ 全く、子供なんだから」
「もう大人だもん ――お兄ちゃんよりも同い年だね」

同い年だね じゃなくて
年上だね
です

完結と言いつつ続きましたがこの話はこれ以上書かないと思います。
読んでくださった方ありがとうございました。

>>130
ビヨンドではないです

>>139
リンク飛んだら海外のライブチャットのサイトに飛ばされた件

>>143
なんかわろた

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