まどか「見滝原高校軽音部?」 (105)

まどか「よかったねぇ、さやかちゃん同じ高校で」

さやか「いやぁ全くだよ、勉強したかいがあったかな」

まどか「ウェヒヒ、上条くんと同じ高校だもんね」

さやか「ま、まどかぁ…!」

まどか「あれ?ところでほむらちゃんは?」

さやか「さぁー、まどかがいるからって理由でここに入学したやつのことなんて知らないよ」

まどか「もう、冷たいなぁ」

さやか「…さて、もうそろHR始まるよ」

まどか「ウェヒヒ、行こっか」

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先生「えー、今日からお前らの担任である先生だ」

さやか「…うわぁ、すごいヒゲ」

まどか「さ、さやかちゃん…!」

先生「早速だがお前らには委員長を決めてもらおうかな」

さやか「お、委員長だって、まどかいっちゃう?」

まどか「い、いかないよ~」

さやか「ふひひ、愛いやつめ」

「先生」

さやか(お?早速立候補?)

先生「ん?どうした?」  

ほむら「まどかがいいと思います」

さやか「待て待て」

さやか「あんた別クラスでしょ!何やってんの!」

ほむら「ふん、まどかのクラスが私のクラスよ」

先生「おーい、美樹、知り合いか?」

さやか「コイツは別のクラスの暁美ほむらですよ!」

先生「何?いかんぞ、暁美」

ほむら「誰よあなた、汚いヒゲね」

さやか「ほむらぁぁぁあーーー!」

ほむら「あぁ、まどか、今日も可愛いわ…」ウットリ

ヒソヒソ

まどか「ほ、ほむらちゃん…!」

ほむら「まどかスリスリ」

まどか「ほむらちゃぁん…!」

B組先生「…まぁ!ここにいたのね!?暁美さん!」ガラッ

ほむら「…チッ」

B組先生「露骨に舌打ちしないで頂戴!」

ほむら「まどかあんなの無視して私と一緒にルミナスしましょう」スリスリ

先生「あー、B組先生?早く連れていってくださいよ」

B組先生「ほら、行くわよ!」グイッ

ほむら「あっ、ちょ!!まだルミナスしたりな…!まどかぁ!!」

まどか「…」カァァ

先生「…まぁ、なんだ、お前も大変だな、鹿目」

まどか「…はい」

さやか(…あいつワルプルギス超えてから悪化してるな…)

昼休み

さやか「って訳なんですよ」

マミ「あらあら」

まどか「…うぅ、高校初日から浮いちゃったよ…」

ほむら「大丈夫よまどか、私があなたを守ってあげる」

さやか「お前のせいだっての」

マミ「それにしてもまさか皆この高校に来るなんてね」

さやか「あはは、いやー」

ほむら「大方あのバイオリン男の追っかけでしょう、このストーカー」

さやか「あんたにだけは言われたくないわ!!」

マミ「ふふ、でもこうしてると少しだけ中学のことを思い出すわね」

さやか「うお、マミさんおっとなー」

マミ「ふふ、そう?」

「マミ、それくれ」

マミ「はいはい、それでね、暁美さん達」ヒョイッ

ほむら「え?」

マミ「提案があるのだけれど」

さやか「何ですか?」

まどか「ウェヒヒ、マミさんが提案なんて珍しいですね」

杏子「そうか?割とするぞ」モグモグ

さやか「うわぁぁぁぁああ!?!?」

さやか「あああああんたいたの!?」

杏子「何言ってんだ、マミのいるところ、あたしありだ」

マミ「あなたが目当てなのはご飯でしょ」

マミ「全く困ったものよ、普通に教室に入ってくるんだから」

杏子「困ったのはあたしだよ、なんでか知らねーがお前のクラスからヒソヒソ言われるんだぞ」

さやか「…あぁ」

まどか「杏子ちゃん、かっこいいもんね」

ほむら「…ぐぬぬ…」ギリリ

さやか「それで提案って?」

マミ「ふふ、実はね」

バサッ!

まどか「…なんですかこれ…チラシ?」

ほむら「…巴マミ、あなたまさか思いつきじゃないでしょうね」

杏子「…なんだなんだー?」ヒョコッ

マミ「昨日テレビ見てて、思ったの」

マミ「…凄くかっこいいなぁって」

さやか「…すぐ影響されるなぁ」

マミ「だから!」







第一話


私、音楽始めます




 

さやか「お」

ほむら「…」

まさか「…お」

杏子「…」

「音楽ーーーーっ!?」

マミ「そうよ、だってかっこいいじゃない!」

さやか「いやまぁそれは、かっこいいですけれど!」

さやか「でもそんないきなり!」

ほむら「違うわ、美樹さやか、突っ込むべきはそこじゃない」

さやか「はぁ?」

ほむら「…マミ…あなた提案と言ったわね」

ほむら「…提案ということは私たちになにかして欲しいことでもあるということ?」

マミ「ふふ、察しがいいわね、暁美さん」

マミ「是非、この私とバンドを組んでくれないでしょうか!?」ゲザァー

ほむら「却下よ」

マミ「えー…」

ほむら「私は却下、そもそも学生の本分は勉強よ、部活どうなんかにうつつを抜かしてる暇なんてないわ」

マミ「…ぐぬぬ」

ほむら「ね?まどか」

まどか「…」

ほむら「…」

まどか「…」

ほむら「ま、まどか?」

まどか「なっ、何かな?ほむらちゃん!」

ほむら「…ダメよまどか!一瞬の過ちが後後自分に帰ってくるのよ!?」

ほむら「考えても見なさい!」

ほむら「こんなダメダメ先輩が作った部活道なんて長く続く筈ないわ!?」

マミ「ダメダメ先輩!?」

杏子「なー、さやかそれくれよ」

さやか「ん」

杏子「ひゃっほーう!」モグモグ

まどか「でもね、ほむらちゃん」

まどか「私こんなだから取り柄も何もないし、何かが長く続いたことも、続けたこともないんだ」

まどか「…だからね、高校では何かやってみようと思ってたの…」

ほむら「…」

ほむら(まどかわいい、まどかわいいわ!」

さやか「出てる出てる」

まどか「…私、やってみたいです、マミさん!」

マミ「ほんと!?嬉しいわ!鹿目さん!」

ほむら「…まどかぁ…」

マミ「よし、これで部員は二人ね」

マミ「活動には最低五人必要らしいから後三人、死ぬ気で集めるわよ!」

ほむら「その必要はないわ」

マミ「え?」

ほむら「何故なら、私とこの魚も入部するからよ」

さやか「ちょ、なんで私も!?」

ほむら「黙りなさい、まどかが頑張ると言っているのよ?あなたも協力しなさい」

さやか「い、いやだよ!私音楽なんて…!」

ほむら「音楽ができたらあの坊やも少しはさやかのこと見てくれるかもね」

さやか「マミさん、私ベースで」

ほむら(ちょろい)

ほむら「これで五人揃ったわね」

マミ「え?」

ほむら「私、マミ、さやか、まどか、そして杏子でしょう?」

マミ「いや、佐倉さんは無理よ」

ほむら「あなたが餌でおびき寄せなさい」

マミ「いえ、佐倉さん、学生じゃないもの」

ほむら「…」チラッ

杏子「…ん?ふぉーふぃふぁ、ほふら」モグモグ

ほむら「必要なものは、お金と戸籍と、あと保護者」

ほむら「いける、揃うわ」

さやか「揃わねーよ!!」

さやか「無茶すんなバカ!」

ほむら「は、離しなさい!」バタバタ

ほむら「まどかの部活道を成功させるにはこれしかないのよ!」

ほむら「私はまどかのためならどんな罪でも背負えるわ!!」

さやか「やかましい!!」

マミ「あらあら」

まどか「ところで、マミさん」

マミ「なぁに?」

まどか「部活道は5人いないとダメなんですよね?」

マミ「ええ」

まどか「同好会とかは」

マミ「部費は出ないけれどね、3人いれば部屋は貸してもらえるわ」

まどか「そうなんですかー」

マミ「止めないの?」

まどか「…ウェヒヒ」

まどか「少し妬けちゃいますけど、仲良くしてる二人とっても可愛いなぁって」

マミ「ふふ、そうね」

まどか「じゃあ」

マミ「ええ、見滝原高校軽音部で決まりよ」

まどか「ウェヒヒ、楽しくなりそうですね!マミさん!」

マミ「…えぇ、とっても…!」

一話おしまい
二話予告

見滝原高校軽音部として早速活動を始めた見滝原高校軽音部員達
しかし、その先に待ち受けるのは大きな試練だった

次回
まどか「見滝原高校軽音部?」

XY?ポケモンかそりゃ?

お楽しみにしなくていい、死んだような眼で無気力にスクロールだ

第二話



XY?ポケモンかそりゃ?




 

マミ「…さて、見滝原高校軽音部、出発よ」

さやか「マミさん、ところで私達は何をすればいいんですか?」

さやか「音楽とかやったことないんで…」

マミ「うふふ、まかせて」

ほむら「というか結局部活道じゃなくて同好会扱いなのね」

杏子「まぁ、人数たりねーんだから仕方ねーさ」

まどか「ウェヒヒ、楽しみだね、ほむらちゃん!」

ほむら「えぇ」

マミ「と言ってもまだ私達には足りないものがあるわ」

まどか「え?」

マミ「それは顧問よ!」

さやか「…顧問…かぁ」

ほむら「同好会に顧問って必要なのかしら?」

マミ「いいえ、でも私達は全くの素人よ」

マミ「やっぱり技術的指導ができる顧問が欲しいわよ」

さやか「え?マミさん出来ないんですか?」

マミ「全く」

杏子「…ホント思いつきだなぁ」モグモグ

つぎの日

さやか「…はぁ、顧問かぁ」

まどか「何かこういうのって部活っぽいよね!」

さやか「そう?私はめんどくさいよ」

さやか「早く本格的な活動を始めたいわー」

ほむら「口を慎みなさい美樹さやか」

さやか「ナチュラルに居るんじゃないわよ」

杏子「さやかー、お菓子くれ」

さやか「あんたもだよ!」

女「さ、佐倉さん、これどうぞ!」

杏子「え?くれるのか?サンキュー!」

さやか「ツッコミが追いつかない!」

さやか「にしてもさー、実際問題どうすんの?」

さやか「私達に音楽できる知り合いなんている?」

ほむら「…そうね」

ほむら「まぁでもそれは最悪独学でもどうにでもなるわ」

ほむら「もっと大事なのは早くこの同好会を作ることよ」

まどか「どうして?」

ほむら「新入生の中に同じことを考えてる奴らがいたら厄介だわ」

杏子「うまいじゃん、これ」

女「あ、ありがとう!」

さやか「あっちでやれ」

先生「よう、どうした?」

さやか「んで、早速ここってわけね」

ほむら「先生、私達軽音同好会作りたいんですけど」

ほむら「協力してもらえないですか?」

まどか「お願いします!先生!」

杏子「うわ、ひっれーなここ」

先生「君はだれだい?」

杏子「佐倉杏子だ」

先生「…あー、噂の」

先生「でも許可はまだできないなぁ」

ほむら「なんですってこのヒゲ」

さやか「おいやめろ!」

ほむら「離しなさい!さやか!!」ジタバタ

先生「うーん、別に同好会作るのはお前らの勝手なんだがなぁ」

先生「美樹」

さやか「へ?」

先生「お前入学テストギリギリだったぞ」

さやか「…あっれぇ~…」

先生「うちは一応進学校だからな」

先生「勉強が不安な奴に同好会なんてさせるわけには行かないんだよ」

ほむら「…なら、どうすれば」

先生「そうだな、中間テストで美樹がいい点数を取れば考えてやらんこともない」

ほむら「そんな…長すぎるわ」

さやか「…あ、あははー…」

ほむら「笑ってるんじゃないわよ、魚頭」

さやか「なんだと!」

先生「ちなみに鹿目も不安な科目があったからな」

まどか「うぇひっ!?」

ほむら「あぁいいのよまどかは、私が教えるから」

さやか「おいこら」

杏子「なぁおっさん」

先生「凄いな君、初対面でおっさん呼ばわりかい」

杏子「なんでほむらの事知ってんだ?」

先生「なんでって?」

杏子「おっさんほむらの担任じゃないだろ?」

先生「あぁ、彼女はある意味君以上に有名人だから」

杏子「ふーん、そっか」

杏子「あいつまどかのこととなると見さかいなくなるから気をつけた方がいいぞ」

先生「…知ってる」

杏子「んじゃ」

先生(…凄いナチュラルだ…)

マミ「というわけで勉強会よ!」

ほむら「マミはさやか担当」

ほむら「私はまどか担当よ」

マミ「いいえ、逆よ」

ほむら「なんですって?」

マミ「だってあなた鹿目さん相手だと甘そうだもの」

マミ「今回は私が鹿目さん」

ほむら「…じゃあ私は…」チラッ

さやか「…てへ」

ほむら「帰るわ」

さやか「待てこらぁ!」

マミ「うふふ、鹿目さん、ここ違うわ」

まどか「あっ、ほんとだ!流石マミさんです!」

ほむら「だからそうじゃないってのよ!」

さやか「うるさいなぁ!XとかYとか数学なのにアルファベット出てくるほうがおかしいのよ!!」

杏子「XY?ポケモンかそりゃ?」

さやか「あんたは黙ってて!」

さやか「…」カリカリ

まどか「…」カリカリ

杏子「お、マミー、これ食ってもいいか?」

マミ「床に落とさないでね」

ほむら「杏子、私にも少し頂戴」

杏子「ん」

ほむら「…美味しいわねこれ」

さやか「ちょっと、なんであんただけ食べてんのよ」

ほむら「え?食べたいのかしら?食べたいなら学力をつけなさい」

さやか「学力関係ないでしょ!」

ほむら「あなたがそんなこと言ってる間にまどかはもうほとんど理解したわ」

さやか「うぇぇっ!?」

さやか「…くそぅ、今に見返してやる…」

ほむら「はいはい、期待してるわ」

ほむら(…とは言ったものの、なかなか飲み込みは早いほうなのよね)

さやか「…なんだよ?」

ほむら「いえ、汚い字だなぁって」

さやか「うるさいなぁもう!」

ほむら「いいから解きなさい、あなたみたいな馬鹿でもやり続ければ人並みの結果は出せるわ」

さやか「むきゃーーーーー!!!」

杏子「おい、暴れんなっての」モグモグ

マミ「…そろそろ休憩にしましょうか」

まどか「…ふぁ」

ほむら「まどか眠い?」

まどか「うん、ちょっとね」

ほむら「こっちへおいで膝枕してあげるわ」

さやか「かたそう」

ほむら「ぶっ飛ばすわよ」

杏子「マミー、なんか食いもんくれよ腹へったぞ」

マミ「ふふ、はいはい」

マミ「それにしてもまさか学力云々言われるとは思ってなかったわね」

さやか「ホントですよ」

ほむら「…まぁヒゲの言い分も分かるけれどね」

まどか「…私、不安だなぁ」

杏子「大丈夫だろ、あれだけ集中してれば」

杏子「きっと結果はついてくるさ」

さやか「説得力ねえぇ…」

杏子「うっせぇ」

一週間後

先生「お、どうした暁美」

ほむら「ヒ…先生」

先生「嘘だろ、本人を前にして言いかけるのか」

ほむら「同好会を作らせてください」

先生「…だから言っただろ、学力が…」

ほむら「あの二人ならもう大丈夫です」ピラッ

先生「…これは」  

ほむら「今二人とも必死に勉強してますから」

先生「…ふーむ」

先生「分かった、明日テストをする」

先生「入試の没問題だ、それの結果によって同好会の問題を決める」

ほむら「…ありがとうございます」

先生「それにしても必死だな」

先生「そんなに音楽が好きなのか?」

ほむら「…いえ」

ほむら「ただ皆で何か一つのことをやるって初めてで」

ほむら「…どうせやるなら私も出来る限りのことをしようと思って」

先生「…そうか」



杏子「…」

ほむら「明日テストよ」

さやか「へ?」

まどか「ええっ?」

ほむら「入試の没問題を出してそれが基準に達すれば良いそうよ」

さやか「ま、マジで…?」

まどか「いきなり過ぎるよぉ…」

ほむら「大丈夫よ、さやかはともかくまどかは受かるわ」

ほむら「もしさやかが落ちたら一人部員が減るだけよ」

さやか「ひどぉ!」

杏子「…」

杏子『五人でやりたいんです、初めての部活を』

ほむら「…!」ビクゥッ!

杏子『誰か一人がかけてもダメなんです』

杏子『私はこのメンバーで…』

ほむら「ちょちょちょ!!!居たの!?」

杏子「ばっちり」

ほむら「…言ったら殺すわよ…!」

杏子「言わねーよ」ケラケラ

ほむら「…ぐぬぬ」

さやか「どうしたの?」

ほむら「なんでもないわよ!」パァーン!

さやか「あいたぁっ!!!」

ほむら「と、とにかく」

ほむら「明日の放課後多目的教室でテストよ」

ほむら「二人とも、頑張りなさい」

まどか「う、うん、やるぞぉっ!」

さやか「よーし、さやかちゃん頑張っちゃう!」

ほむら「その意気よ」

杏子「…」

杏子(五人ねぇ)

杏子(さりげなくあたしを頭数に入れてるところが)

杏子(迷惑と思えないんだから、あたしも似たようなもんか)

杏子(へへ)

多目的教室

先生「よーし、じゃあ行くぞ」

さやか「…ゴクリ」

まどか「…大丈夫だよね…」

先生「用意、始め」

さやか「…」カリカリ

まどか「…」カリカリ

先生「…」

先生(…ふむ、勉強してきたってのは嘘じゃないっぽいな)

先生(…まぁ一週間かそこらで点数が上がるとは思えないが)

先生(…)

先生(…)

先生「はい、そこまで」

さやか「っぶはー!」

まどか「どど、どうしようさやかちゃん…!分かんないところが…!」

さやか「落ち着けまどか!私もあったから!!」

先生「はいはい、それじゃ後日結果を言い渡すからな」 

先生「今日はお疲れ、気をつけて帰れよ」


職員室

先生「…ふーん、なるほど」

先生「…確かに上がっちゃあいるな」

B組先生「あら?なんですかそれ?」

先生「あー、ちょっとね」     

先生「これでいい点数を取ったら同好会を作る約束なんですよ」

B組先生「あらあら」

B組先生「…まぁお世辞にもいい点数とは言えませんね」

先生「…えぇ…ん?」

ピラッ

「よう、おっさん」

「ロッキーやるから許可くれよ」

先生「…これは?」

B組先生「あぁ、さっき赤髪の女の子がおいていきましたよ」

先生「…」

B組先生「どうするんです?」

先生「そうですね」

先生「ま、今回は彼女たちの頑張りと」

先生「お願いしていた二人の顔を立てて」

先生「許可を出しますか」

B組先生「…」ペラッ

B組先生「…鹿目さん、77点、美樹さん、73点ですか」

先生「えぇ」

先生「ま、だけど人間関係は満点ですよ」

B組先生「あらあら」ニコッ

第二話おしまい
第三話予告

学力テストという学生の試練を見事乗り越えた見滝原高校軽音部
深まっていく絆の裏で見え隠れするのはあの存在

次回
まどか「見滝原高校軽音部?」


なら、あなたが楽器よ


君たちの高校人生はまだ始まったばかりだ!
あと音楽をやれ

杏子「…」モグモグ

マミ「良かったわね、二人とも」

さやか「マミさんのおかげですよ!」

まどか「ウェヒヒ、これで活動始められますね」

マミ「あら、美樹さんを手伝ったのは暁美さんじゃない」

さやか「いや、私の実力です」

ほむら「あなたの実力なら落ちてるわよ」

さやか「なんだと!」  

杏子「…んでさ」

杏子「活動を始めるっていったってどうすんだ?」
 
杏子「皆音楽について何も知らねー訳だろ」

杏子「しかもあたし達には道具も設備もねぇ、あるのは時間だけだ」

マミ「そうよねぇ」

さやか「見滝原高校軽音部とかいってその実態は放課後にケーキをつつきつつお茶を嗜む会とか私嫌ですよ」

ほむら「いつもと変わらないじゃない」

まどか「どうしよっか…」



ほむら「まどかが困っているわ、案を出しなさい、さやか」

さやか「なんで私なのよ」

ほむら「あなたなら音楽に詳しいバイオリン野郎がいるから行けると思って」

さやか「恭介はジャンルが違うじゃん」

ほむら「仕方ないわ、兵器よろしく何処かからパクって…」

さやか「パクんな!」

QB「お困りかい?」

ほむら「帰れ!」

QB「君たちに残された方法はたった一つだ」

杏子「そんなことねぇよ、いっぱい方法あるわ」

QB「さぁ、まどか、君はその対価に何を願う?何を望むんだい?」

まどか「契約はしないよ」

さやか「ごく自然に誘ってんじゃないわよ」

QB「残念だよ、契約したくなったらいつでも呼んでね」

ほむら「帰れ!」

まどか「ねぇ、QB」

QB「いいよ、さぁ、ソウルジェムを輝かせるといい」

杏子「コイツまじでなりふり構わねぇな」
 
まどか「私ね、今回だけは自分の力だけでやってみたいの」

まどか「自分の力だけで、どこまで行けるか試してみたいんだ」

ほむら「…まどか…」

QB「とは言うもののどうするんだい?」

QB「君達に手段は限られている」

QB「モノを盗むことも良しとしない、誰か知り合いに楽器を貸してくれる人がいるわけでもない」

QB「そんな君たちがどうやって音楽を始めようというんだい?」

QB「契約しかないよね」
 
ほむら「なら、あなたが楽器よ」ドガドガドガ!!

ほむら「その体で愉快で可笑しな旋律を奏でなさい」

杏子「おい!なんか飛んでくる!」 

マミ「…ここ、私の家…」

ほむら「ふぅ」

さやか「まぁ、まどかを契約させるわけには行かないしね」

さやか「恭介に当たってみるよ、貸してくれるような知り合いがいないかどうか」

杏子「しゃーねーな、あたしも聞いてみるよ」

杏子「別にあてがねぇってわけでもねぇしな」

マミ「…」

まどか「どうしたんですか?マミさん」

マミ「…凄く、部活っぽい…!」

ほむら「同好会だけどね」

学校


ほむら「…」

ほむら「…」ササッ

ほむら「…」サササッ

先生「…何してるんだ暁美」

ほむら「…」ビクッ

ほむら「…よく私に気がついたわね」

先生「いやいや、すごい挙動不審だぞお前」

ほむら「…」

先生「せっかく立ち上げた同好会なのに行かなくていいのか?」

ほむら「…そうはいったものの」

先生「設備が揃ってないなんてわけないよな」

ほむら「…」

先生「…え?マジなの?」

ほむら「ほ、本気よ!」

ほむら「ほ、本気で音楽やるつもりだったんだから!」

ほむら「だ、だけど素人だから分からなかっただけで…!」

先生「…ふーむ」

先生「なぁ、先生のヒゲどう思う?」

ほむら「何よいきなり、汚いと思うわ」

先生「…マジかぁ…センスあると思ってたのに」

ほむら「いきなりなんの話?」

先生「いや、これ、名残なんだよ」

ほむら「名残?」

先生「俺が音楽やってた頃の」

ほむら「へー、あらそう」

ほむら「…」

ほむら「…音楽…?」

先生「そう、音楽」

ほむら「どどどどどどどういうことよ」

先生「いや、お前達さえ良ければ貸してやってもいいかと思ったんだけど」  

先生「嫌か?」

ほむら「そうやってまどかをたぶらかすつもりね」

ほむら「この悪魔!」

先生「えぇ…」

ほむら「まどかに手を出したらただじゃ置かないわよ」

先生「ほんとお前は鹿目一筋だなぁ」

ほむら「そうよ、まどかは私の全てだもの」

先生「…はぁ」

先生「で、どーする?」

ほむら「…本当にまどかに手は出さないのね?」

先生「当たり前だろ、あんなつるつるてん俺の趣味じゃ…」

ほむら「そこがまどかのいいところなのよ」

先生「…」

ほむら「…」

ほむら「…お願いします」

先生「おう、いいぞ」ニコッ

ほむら「ということよ」

さやか「なんという御都合主義…」

マミ「神様もびっくりね」

杏子「まぁでも良かったじゃねぇか、これで出来るんだろ?」

ほむら「そうね、一応楽器とか設備とか一式貸してもらえるわ」

まどか「自分の力だけでって言った割には結局力借りちゃったね…」

ほむら「いいのよまどか、利用できるものは利用していきましょう」

QB「まどか、まどか」

まどか「しない」

QB「そっか」

杏子「まだいるのかよ…」

杏子「へへ、なんかワクワクするな」

マミ「ふふ、そうね」

さやか「よし、さやかちゃん頑張っちゃいますよ!」

ほむら「まどか、頑張りましょうね」

まどか「うんっ!」

QB「…」

QB(やれやれ)

QB(日常生活をこれ程楽しまれちゃ絶望なんか望めるわけもない)

QB(君たち人間は一人きりだと弱いのに、集まるとこうも強くなるんだね)

QB(そろそろ、君たちに対する評価を改めなくてはいけないね)

QB(…)

QB(君たちと協力するのではなく、敵対する立場にあるということが)

QB(少しだけ、残念だよ)

マミ「あら、もう集まっていたの?」

まどか「あ、マミさん」

ほむら「今日は先生が楽器を持ってきてくれる日だから早めに集まっていたのよ」 
 
マミ「なるほど…って美樹さんは?」



まどか「さやかちゃんは今日は風でお休みです」

ほむら「…全く、最初が肝心だというのに」

杏子「お、みんな来てるな」

杏子「あれ?さやかは?」

ほむら「風邪よ」

マミ「さやかぜらしいわ」

杏子「やかましい」

杏子「なーんだ、ようやく始められる思ったのにさ」

杏子「…にしてもなんだ」

杏子「…あっついな今日…」

まどか「ウェヒヒ、そうだね、少し暑いかも」

ほむら「いいわよ、まどか、脱ぎなさい」

杏子「何してんだ馬鹿」

マミ「楽しそうね、私も混ぜてもらえる?」

杏子「混ぜねーよ」

QB「やぁ」

杏子「お前は帰れ!」

先生「お、来てるなー」

ほむら「遅いわね、この暑い中まどかをまたせた罪は重いわよ」

マミ「先生、その髭は付け髭ですか?」

杏子「お前らやめろ!!」

先生「…あはは、じゃあ行こうか」

先生「一人じゃ運びきれないからさ」

ほむら「まどかは待っててね」

杏子「まどかもいくんだよ!!」

ほむら「なんでよ!?」

杏子「なんでもだ!!」

ほむら「…暑い」

まどか「もうほむらちゃん、無理しないでね?」

ほむら「…いいえ、この程度魔法少女にとって造作もない…はず…」

先生「魔法少女?」

杏子「あ、あははー!おっさん!これはこっちでいいか!?」

先生「あぁ、うん」

マミ「まだ五月だっていうのにすごい暑さねぇ」

マミ「よいしょ」ヌギヌギ

杏子「おらぁぁぁぁ!!!!」

マミ「いったぁぁぁい!!」

杏子「お前は馬鹿か!?男がいるのに脱いでんじゃねぇよ!」

マミ「中は水着ですぅー」

杏子「同じだ馬鹿!」

ほむら「私も暑くなってきたわ」ヌギヌギ

杏子「大体お前は危機感がねーんだよ!」

ほむら「…」

杏子「ちっとはその胸を気にしろ!」

マミ「やらしい」

杏子「何がだ!」

ほむら「…杏子」

杏子「…あん?」

ほむら「私も脱ごうと思ってるんだけど」

杏子「あぁ、うん」

杏子「いんじゃね」

ほむら「…」

マミ「大体佐倉さんは気にしすぎよ…」ブツブツ

杏子「あたしはお前のことを思ってだな!」

ほむら「杏子ぉぉー!!!!」パァーン

杏子「あいたぁ!?」

ほむら「私にはなんで何も言わないのよ!?」

杏子「お前は胸ねーだろ!!!」

ほむら「これからだから!これから膨らむんだから!」

杏子「いや、ない」

QB「まどか、彼女の胸を大きくする願いとかどうかな?」

ほむら「…」プチッ

ギャーギャーギャー

先生「…いつも、こうか?」

まどか「あはは…今日はまとめ役が…」

先生「あー…なるほど」

杏子「…はぁ…やっと…終わった…」

ほむら「…貴方達が騒ぐからよ」

マミ「違うわ、佐倉さんがうるさいから」

杏子「お前らふたりだバカ!」

まどか「ウェヒヒ、お疲れ様、皆」

まどか「はい、これ」

杏子「お、アイスとは気が利くじゃん、まどか」

まどか「ウェヒヒ、先生が買ってきてくれたの」

ほむら「…はぁ…染みる」

マミ「…ひんやり」

杏子「…」シャクシャク

マミ「…」シャクシャク

ほむら「…」シャクシャク

まどか「…」シャクシャク

先生「…」シャクシャク

QB「…」

まどか「はい」

QB「ありがとう、まどか」シャクシャク

先生「?」

先生「…で、お前ら担当の楽器とかは決めたのか?」

マミ「…え?」

先生「音楽やるなら自分の楽器を決めないと始まらないぞ」

杏子「…あー」

杏子「…ってかあたしの分あるのか?」

先生「まぁ、一応準備はしてあるぞ」

杏子「そ、そうか、すまねぇな」

先生(…口は悪いけど、何と言うか一番安定感あるなこの子)

先生「何だお前ら、希望とかないのか?」

マミ「私はギターがしたいわ」

杏子「あたしはドラムかなー、かっこいい」

まどか「…私は」

先生「五人編成だとキーボードとかも選択肢に入るんだけど、どうだ?」 

まどか「あ、いいですね!キーボードがいいです!」

マミ「そう言えば美樹さんはベースがしたいって言ってたわね」

杏子「そういや言ってたな」

まどか「じゃあほむらちゃんがボーカルだね!」

先生「なんせ音楽未経験だからな、ギターボーカルって手もあるけどまずはボーカルに専念した方がいいな」

先生「暁美がボーカルか」

杏子「お、いいんじゃねぇか?」

マミ「暁美さん、声綺麗だものね」

まどか「ウェヒヒ、一番目立つね!ほむらちゃ…」

ほむら「…」

ほむら「…」

ほむら「…」ダラダラ

ほむら「…え?」ダラダラ

杏子「…そんな暑いか…?」

マミ「アイス食べたばっかりなのに」

ほむら「いいいいいいいいえ?ななななにが?」ダラダラ

ほむら「…」ダラダラ

ほむら「…」ダラダラ

ほむら「…」ダラダラ

まどか「…ほむらちゃん?」

ほむら「…うっぷ…」

杏子「えええええええええ!?」

ほむら「…まどか…私が死んでも、幸せに…ね?」

まどか「ほむらちゃぁぁぁぁん!」

杏子「さやかぁぁぁぁぁああ!」

杏子「もう(突っ込むのは)無理だぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

次の日

ガラッ

さやか「いやーごめんごめん」

さやか「あらかた決まったんだって?」

さやか「今日からさやかちゃんも参加するよー!!」

マミ「…」

杏子「…」

まどか「…私も頑張るから」

まどか「…ほむらちゃんも頑張ろ?」

まどか「…私、ほむらちゃんの歌聞きたいな?」

ほむら「…喉が…裂けちゃう」グッタリ

さやか「…何だこれ…」

先生「はい、せーの」

ほむら「…~♪」

杏子「…」

マミ「…」

ほむら「~♪」

ほむら「~♪」

さやか「…」

さやか「…え?…めっちゃ…下手」

杏子「さやかぁぁぁぁ!」

マミ「美樹さぁぁぁぁん!」

さやか「え、うわ、どうしたの?」

ほむら「ほら!やっぱり、私は下手なのよ!!」

まどか「そ、そんなことないよ!ほむらちゃん!」

ほむら「ちょっとひきつってるもの!まどかの顔が!」

まどか「も、元々だよ!」

ほむら「そんなわけないわ!いつものまどかはもっと可愛いわ!今も凄く可愛いけれど!」

まどか「ほむらちゃぁぁん!」

ほむら「まどかぁぁぁぁ!」

さやか「…」

さやか「勉強もできて」

さやか「運動もできて」

さやか「…ルックスも最高レベル」

さやか「…」

さやか「…でも、絶望的に音痴」

杏子「やめろ、さやか!」

マミ「それ以上はいけないわ!美樹さん!」

さやか「…」

さやか「…完璧なんてこの世にはないんだね」

ほむら「み、みなまでいわないでぇぇぇ…」

先生「…やれやれ」

QB「…やれやれ」

第四話終わり
第五話予告 

まさかの事実が判明
前途多難な見滝原高校軽音部の次なる試練
絆が深まれば、必ず起こるすれ違いに彼女たちは?



次回
まどか「見滝原高校軽音部?」


あなたの事が本当に気に食わなかった


日常だけじゃなくシリアスも楽しめるなんて一粒で二度美味しい!
クソSS?美味しいものが毒じゃないとは限らない

さやか「…」

ほむら「…」

さやか「…」

ほむら「…何よ」

さやか「…何も言ってないよ」

ほむら「…じゃあジロジロ見ないで」

さやか「…」

ほむら「…はぁ…」

さやか(…一人屋上で悩んでるなんて可愛いとこあるな…)

さやか「…なー、ほむら」

さやか「今日も部活来ないの?」

ほむら「…うるさいわね」

ほむら「もともとやる気もなかったわよ」

さやか「まどかのためにーってあんなに張り切ってたくせに」

ほむら「ふん」

さやか「…練習なら付き合うからさ」

ほむら「…余計なお世話よ」

さやか「そんなこと言って悔しいんじゃないのー?」

ほむら「…」イラッ

さやか「だからさぁ、頑張ろうよ」

ほむら「…」イライラ

さやか「ね?」

ほむら「うるっさい」

ほむら「下手なものは下手なのよ!」

ほむら「あなただって特に歌が上手いと言うわけじゃないでしょう!」バタンッ

さやか「…あー…」

さやか「…怒らせちゃった…かな」

杏子「おーっす」

マミ「あら、遅いわよ、佐倉さん」

杏子「…んー」

杏子「どうもなぁ」

マミ「え?」

杏子「最近バイト忙しいんだよ」

マミ「あらあら」

杏子「…んで、ほむらも来てねーのか」

まどか「…うん」

さやか「…」

杏子「なぁ、思ったんだけどさ」

杏子「別にあいつがボーカルじゃなくてもいいんじゃねぇのか」

杏子「歌下手なんだろ?」

杏子「…」

マミ「…えぇ、勿論そのことについても考えるつもりよ」

まどか「…やっぱり、押し付け、だよね」

まどか「…ほむらちゃん…別に部活やりたいわけでもなかったし」

さやか「…」

さやか「…そんなこと、ないと思うな」

杏子「…あん?」

さやか「…杏子はさ、どう?」

杏子「…何がだよ?」

さやか「…こうしてみんなで何かをやるってどう?」

杏子「…」

杏子「面倒くせーな」

杏子「将来役に立つもんでもねぇし、別にこれで食えるとも思ってねぇ」

さやか「…」

杏子「…だけど、まぁ」

杏子「悪くは、ねーな」

さやか「…」

さやか「…私もだよ」

さやか「…私は、誰一人欠けることなく、五人でやり遂げたい」

マミ「…暁美さんはそうは思ってないわよ?」

さやか「…うん」

さやか「…だからこれは、わがままなんだ」

さやか「私がやりたいっていうわがまま」

まどか「…」

さやか「…私って最低だからさ」

さやか「…いちいち他人の気持ちなんか考えてられないんだ」ニコッ

タタタッ

杏子「…」

杏子「…なー、マミ」

マミ「…え?」

杏子「…なんでいきなりあいつシリアスになってんの?」

マミ「…さぁ」

まどか「…ほむらちゃん…押し付けだと思ってるのかな…?」

杏子「いや、ねーだろ?」

杏子「あいつだって楽しんでるだろどう見ても」

マミ「そうねぇ…」

まどか「…そうかな」

杏子「そうだよ、じゃねーとあそこまでしねーって」ニカッ

さやか「…」タタタッ

さやか「…どこだよ、ほむら…」タタタッ

さやか(…私は)

さやか(…いつもあんたといがみ合ってるけど)

さやか(…やりたいよ、もっと)

さやか(…あんたと部活がしたいよ…!)

さやか(…ほむ)

ドンッ!

さやか「あいたぁ!」

生徒「だ、大丈夫?」

さやか「…あ、ごめんなさい」

生徒「…あれ?君軽音同好会の…?」

さやか「あ、知ってるんですか?」

生徒「うんまぁ、僕も音楽をやってるからさ、割と有名だよ君たち」

さやか「…あはは」

さやか「…!」

生徒「ま、廊下は走らないでね、危ないから」

さやか「…」

さやか「…ま、待ってください」

生徒「…?」

さやか「…私に…歌を教えてください」

生徒「はい?」

さやか「こ、顧問の先生とかでもいいんです!」

さやか「と、とにかく歌が上手くなりたいんです!」

生徒「…な、なんで?」

さやか「な、なんでも!」

さやか「…わ、私も上手くならないと…」

さやか「…一緒にできないから…」

生徒「…?」

さやか「…」

さやか「…私、上手になって」

さやか「一緒に音楽をやりたい奴がいるんです」

さやか「…そいつは、歌が下手っぴで…」

さやか「…だから、私も、教えられたら…」

さやか「だ、だから…!」

生徒「ちょちょ、待って」

生徒「…落ち着いてよ」

さやか「…」

生徒「歌なんてそんなすぐに上手くなるもんじゃないよ」

生徒「生半可な気持ちで出来るもんでもないと思うし」

さやか「…」

生徒「それに、もう顧問の先生には先客がいるし」

生徒「だから君だけに特別長い時間教えてあげられる人はいないと思うよ」

生徒「顧問の先生も二人見るのは無理だろう」

さやか「…そう、ですか…」

さやか「…ごめんなさい、無理を言って…」

生徒「…うん」

生徒「…ていうかさ、よく分かんないけど」

さやか「…え?」

生徒「そんな心配、いらないと思うな」

ガラッ

さやか「…!」クルッ

ほむら「…」

さやか「…ほ、ほむら…?」

ほむら「…」

ほむら「あなたのことが本当に気に食わなかった」

ほむら「…勝手に暴走するし」

ほむら「…勘違い多いし…」

ほむら「…」

ほむら「…いつだって、あなたは私には到底できないことをしてしまう」

さやか「…」

ほむら「…私なんかのために、ここまでしようとするあなたが」

ほむら「…本当に気に食わなくて」

ほむら「…尊敬しているわ」

さやか「…ほ、むらぁ…」

ほむら「…私もね、楽しかったのよ」

ほむら「…あなた達と」

ほむら「…大好きなあなた達と一緒に何かができる」

ほむら「…そんなひと時が」

ほむら「…下手だってかまわないわ」

ほむら「だったら、人より努力すればいいだけのことでしょう」

さやか「…ほ、むらぁ…!」

ほむら「根比べなら、負けないわ」ニコッ

まどか「ほむらちゃん、お帰り!」

ほむら「まどかぁぁぁぁぁ!!!」

杏子「いきなりかこいつ」

マミ「ふふ、どうだったの?暁美さん?」

ほむら「えぇ、基礎はこの一週間で学んできたわ」

ほむら「これからは週一で指導してもらうつもりよ」

まどか「無理してない?」

ほむら「まさか」

ほむら「限界まで自分のできることをやる」

ほむら「楽しむって、そういう事よ」

さやか「…」

さやか「…」

さやか「…え?」

さやか「…みんな知ってたの?」

ほむら「あなたを見返したくて教えなかったのよ」

ほむら「面と向かって下手と言ったのはあなただけだし」

さやか「…何だよ、それぇ…」

ほむら「ふふふ」

さやか「…結局私の独り相撲か…」

ほむら「まぁ、嬉しかったわ」

ほむら「…ありがとう、さやか」

さやか「…」

さやか「…うん、これからも、よろしくね」

ほむら「…えぇ」ニコッ





さやか「…ところでなんで屋上で私にキレたの?」

ほむら「上から目線に腹が立った」

さやか「ああああああ!!!」ガンガン!

第五話終わり
第六話予告

言うほどシリアスじゃねぇよ
すれ違いというより勘違い
これでようやく役者が揃ったぞ!
さぁ、目指すは文化祭だ!
その前に魔女を狩って汚れをとろうね


次回
まどか「見滝原高校軽音部?」

これで本当にいいのかな?


ティロ・フィナーレ!
ロッソ・ファンタズマ!
スクワルタトーレ!
…爆弾
赤い亡霊は風見野へ何を求む?

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