【咲-saki- 】京太郎「麻雀郷?」咲「そうよ、京太郎さん」【東方】 (383)

※注意
?これは、咲キャラを東方projectのキャラ達に当てはめたssです。

?キャラ崩壊や独自設定など、二次or三次創作にありがちな事があります(しかしキャラアンチや死亡等は絶対ありえません!)

?咲-saki- のキャラである須賀京太郎が主人公です(でもしばらく派手なことはできなさそう)

それでもokと思ってくださる方は……。

どこかで見た饅頭「ゆっくりしていってね!(申し訳程度の東方成分)」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1432738801

初っぱなからミスってます(恥)

とりあえず今日は導入だけ書きます

21世紀……。
世界の麻雀競技人口は数億人を超え、プロの麻雀プレーヤーは人々の注目を集めていた。
高校でも大規模な全国大会が毎年開催され、高校生麻雀部員たちが覇を競う。
『インターハイ』での激戦を終えた我らが清澄高校は、その中で並み居る強豪を制し頂点に立ったわけだが……。

咲「京ちゃん!早く早く!」

京太郎「分かってるよ、お姫様。ちゃんと付いて来てるから焦んなって……」

そんな清澄でも取材に来ていた記者たちからMVPだと、もて囃されたこいつ……俺の中学からの馴染みの咲と来たら。
全くそんな化け物じみた感じには見えないくらい、笑顔で楽しそうに俺の前ではしゃいでいる。

京太郎「(まぁ、あの照さんとも仲直りは出来たらしいし。仕方ないのかねぇ)」

そう、咲がインターハイに来た理由の大半が姉である宮永照さんとの仲直りの為だったりする。
そのせいか気晴らしにどっか行かないかと誘ったのだが、断られたりしたっけ。
……つまり咲は今目標が達成出来たために緊張が解けて、抑えていた物が爆発してるんだな、多分。

咲「京ちゃん、あそこだよっ!」

京太郎「はいはい……ってコスプレ喫茶ぁ!?」

それで俺達の今回のデート(男女のお出かけ的な意味だ、他意はない)のお目当ては、インターハイで知り合い仲良くなった奴と遊ぶことだ。
しかし、今回俺は会って遊ぶと言われたのだが……詳細は内緒としか言われず、来てみればこのざまである。

咲「さ、京ちゃん。はいろっ?」

京太郎「……わかったよ、俺も覚悟きめるぜ」

今更ここまで来たのだから逃げるのは無粋とか、無駄に気を使った俺は咲と共にコスプレ喫茶に足を踏み入れた。

これから何が待っているのか知らずに……。

店に入ると如何にも見たことあるモノから、どマイナーな奴まで様々なコスチュームで着飾った人たちが茶を楽しんだりしていた。
店員も制服が自由なのか、十人十色、男も女も皆個性的だ。

淡「おーい!サキー、キョータロー!」

咲「淡ちゃん、そこにいたんだ。埋もれてて気づかなかったよぉ」

淡「えー!淡ちゃんは実力からしても、存在感としても高校百年生レベルなのにヒドイよ!」

そしてその中で、今頬を膨らませブータレている金髪(お前が言うな?知らんね)が、今日会うことになっていた大星淡だ。
彼女は照さんの所属する白糸台高校麻雀部のチーム虎姫において、大将を担っていたために咲と直接戦った人物だ。
……しかし、昨日の敵は今日の友……いまはすっかり咲に懐いてるし、俺にも気軽に話しかけてくるマブダチって奴になっている。

京太郎「いや、いくら何でも理不尽だろ……それよりお前らが、ここを選んだ理由聞いていいか?」

このまま放置してると話題が明後日に向かいそうなので、俺はさっさと本題を切り出す。
すると、咲と淡が互いに目を向け合ってニヤリと笑うと口を開いた。

咲「実はやってみたいコスプレがあってね、淡ちゃんと相談したら是非京ちゃんもって」

淡「うん、アレはキョータローに似合う!だからさ、着てくんないかなっ?」

可愛らしく首を傾げる淡……こう、天然っぽいがあざとすぎない感じはこいつの天性のものなんだろうな。

京太郎「……まぁ覚悟は決めてたし、着るよ」

東方はよーわからんが期待

咲「流石京ちゃん、話が分かるね!」

淡「そうと決まれば、早速着替えちゃおっか!スミマセーン!」

やっぱり女の子って奴は思い切りがいいよなぁ、俺なら絶対躊躇する。
と、そんなことより淡のやつは呼んだ店員に、色々注文しているようだ。
店員がメモを取り終わると、今度はこちらに向かってきた。

店員「お客様、こちらへどうぞ」

京太郎「はい、分かりま……」

店員の誘導に従おうとして、立ち上がった俺だったのだが……なんだろう、違和感の様なものを感じた。
それは目の前の店員からなのだが……目で見ても店員の外観に違和感など微塵もない、ただのメイドコスのお姉さんだ。

店員「……何か?」

京太郎「あ、いえ、多分気のせいです」

俺の様子を訝しむように見た店員に、焦った俺は彼女の誘導に素直に従った。
彼女の後についていくと、男性用の衣装部屋に案内された。
そして、山のようにあるコスチュームの群れ(多分この表現であっている)から店員は何のこともなさ気に服を選び取りだした。

店員「こちらがお客様の注文の衣装です」

京太郎「ん?これって……」

そう、確か当方だか東方だかのキャラクターの衣装だ。
前に咲にオススメされて、とりあえずPCで設定とかは調べたりしたはず。
……その時点で何かを感じ取っておけば、俺はこんな場所にはいなかったであろうと思いながらため息をつくと、店員が外に出たのを確認してから衣装を着てみる。
青と黒、線に白を使っている民族装束(アイヌっぽい?)のような模様の和装に……。

京太郎「伊達眼鏡……」

生まれてこの方眼鏡とは無縁だったため、新鮮な感覚だった。
かけると不思議と気持ちが引き締まる気がする、いや、ただの気のせいかもしれないが。
それから、この衣装のキャラについて思い返していた。

京太郎「確か魔法の森っていう場所の入り口で古道具屋をやってる人なんだっけ……なんとなく感性が独特そうだな」

魔法の森とか、確実に危険そうな名前の森の近くにいるんだし……確実に変人であろうことが予測できる。
そんなキャラのコスプレをするのか……上手くキャラになりきるってのはレベル高そうだ。

店員「お客様、よろしいですか?」

京太郎「あ、はい!もう着替え終わったんで」

外で待機していた店員が見計らったように声をかけてきた、流石プロだな。
俺は衣装部屋を出ると、彼女は笑顔で出迎えてくれた。

咲「淡ちゃん、そこにいたんだ。埋もれてて気づかなかったよぉ」

サタン「あまりに小さくて見過ごしてしまいました。お許しを」(FC版女神転生Ⅱより)

なんか似てるのでつい

店員「とても良くお似合いですよ」

京太郎「あ、あはは……どうも」

褒められたのは嬉しいと言えば嬉しいのだが、如何せん恥が捨てきれない。
美人のメイドさんに褒められたのだからなおさらだ。

店員「それではこちらです、お連れのお客様がこちらにご案内してほしいと……」

店員の指示通りついていくと、個室の前まで連れて来られた。
わざわざ個室の場所を選び案内させるとは、今更他人に見せるのが恥ずかしくなったのかと少し微笑ましく感じながら、個室のドアノブに手を掛けた。
……瞬間、何か胸がザワついた……なんだろう、このドアを開けたら最後何かが終わってしまうような……そんな気がした。

店員「……お客様?」

背中に店員の心配そうな声色の声がかかってきた。
ともすると、俺も男……お姉さんの前で今更「怖くなったんで帰りますね^^;」とは言えなくなってしまった。

京太郎「大丈夫ですよ、案内有難う御座いました」

俺は勇気を持ってドアノブを捻り、ドアを開き中に入った……後ろは振り返らない(漢気マシマシ)

店員「いえいえ……ごゆるりと……」

ああ、それが仇となったのだ……。
彼女が背後で怪しく微笑んだことを、俺は知る由もなかった。

個室に入って扉を閉めると、真っ先に目に入ったのは件の二人。
しかし……何かがおかしい。

咲?「あっ、帰って来たわよ京太郎さん」

淡?「おお、スガキョン!待ってたぜ♪」

とりあえず、俺も作品についてはかじっちゃいた。
だが二人の衣装は、咲は腋が開いた紅白の巫女服(大胆すぎだろ)、淡は白黒の魔法使いゼンとした服装(驚くほどマッチしている)
そして、一番おかしいと感じたのは口調……演技なら多少の羞恥(咲は特に)や違和感が出るはずだが。
『まるで最初からそうだったみたいに』違和感のないしゃべり方だった……というかスガキョンってなんだ。

京太郎「……え?……巫女と魔法使い?随分とミスマッチ組み合わせ……そしてどうしたその口調」

俺がそう言うと、二人は不思議そうに首を傾げた。

咲?「どうしたって、何よ京太郎さん。いつもこの喋り方じゃない」

淡?「ミスマッチって、いつものメンバーだろ?変なスガキョンだぜ」

京太郎「は?……あれ?」

二人にそう言われてから、俺は改めて周りを見渡してみると、ここは先程までいたコスプレ喫茶とは全く違う外観だったのだ。
木で造られた、かなり年季の入った建物……周りには様々なもの(ガラクタみたいな物もチラホラ)が不格好に並べられている。
急に怖気が走った……俺はシクッたのか?
確認のため、俺は二人に尋ねた。

京太郎「……つかぬことを聞くが……『お前ら、何者だ?』」

やはり不思議そうな表情になり、二人は顔を見合わせる。
……どうやらシクッた可能性がでかくなったようだ。

あわあわはマリサね

淡?「やっぱ変なスガキョンだな……まぁ、いいけどさ!」

くるりとこちらに身体を向け、弾けんばかりの笑顔で彼女は名乗った。

淡「私は大星淡!普通の100倍の魔法使いだぜ!」

京太郎「お……おう……」

淡「……なんだよぉ!相変わらずノリ悪いやつ!」

まるでさっきあった時のように頬を膨らませて、淡と名乗った魔法使い殿はブーたれていた。
……名前は変わっていない、性格もあまり変わってないように見えるが……本質的に何かが違うと、俺の心がざわめいた。
続いて、普段の咲ならあまりしないようなジト目でこちらを睨んでいる巫女が口を開いた。

咲「……私は宮永咲、『宮永の巫女』よ」

京太郎「……?宮永の巫女?」

なんだそりゃ?としか思えない謎の単語を、咲と名乗った巫女は常識であるかのように言った。
それに対して首を傾げるしか無い俺に、違和感を感じたのか、指を自分の口元にあてる巫女。
「これ異変かしら?」とか「でも京太郎さんだしな……」とか何かブツブツ言っているようだ。
不穏な感じがしたので、俺は更に踏み込んで聞いてみた。

京太郎「まあ、いいさ!それよりここって何処なんだ?」

淡「は?自分の店に何言ってんだよ。スガキョン頭でも打ったか?それとも打たれたか?」

京太郎「いや、違う、そうじゃなくて……」

俺が聞きたかったのは、残念だが彼女の言葉じゃなかった。
ぶっちゃけると、認めたくはないが……二人の言葉通りなら、俺もここの住人だったみたいだしな、認めよう(妥協)
すると、なんと聞きたかったことを巫女が言い当てた。

咲「『麻雀郷』」

京太郎「……は?」

『麻雀郷』……確かに彼女はそう言った。
それはこの店の名前と言う感じでは、間違いなく無い(なにせ雀卓の一つも置いていないのだから)
つまり……彼女が言っているのは……。

京太郎「麻雀郷?」

咲「そうよ、京太郎さん……この世界の名前は麻雀郷」

巫女がつかつかと俺の前までやって来ると、ジッと見つめてくる……その瞳は赤くて綺麗な、アイツの瞳だった。

咲「麻雀により少女たちが空を飛び、舞い、遊ぶ……そんな世界なんだから」

全ての始まりはここからだった……。
俺がこの世界で生きていく……その始まり……。
そう、何度も言うが俺はシクッたんだ。

咲「京ちゃん!どこ!?」

淡「私達を置いといて何処に行っちゃったのさ!」

その頃、コスプレ喫茶では人が消えたと大騒ぎになっていた。
理由は勿論、待っていたはずの友人がコツゼンと行方不明になってしまった、『宮永咲と大星淡』がそう言っていたからだ。
しかし……その騒ぎは突然沈黙した。

咲「あれ?私達……何で騒いでたんだっけ?」

淡「……さぁ?でも何か大事なことだったと思うんだけど……まぁ、いっか!サキー、もう遅いし帰ろ?」

咲「えっ?あ、うん……そうだね」

皆忘れていく……ここにいたはずの『彼』を……『須賀京太郎』を知る人々の記憶から、痕跡が抹消されてしまった。
……イレギュラーを除いて。

???「ーー様、全て滞りなく」

?「……それは昔使ってた名前の一つっていったでしょーーー?」

???「ッ!申し訳ありません……」

?「いえ、いいのよ………さて」

二人の影が、言葉を交わす……主従のような、古き友人の様な……そんな二人。
そして影の一人は僅かに残る明かりに照らされる。
その正体は……あのメイド店員だった。
店員が扇を取り出してかざすと、沢山の目玉が見えるスキマが現れ、それを通り抜ける。
すると、紫のネグリジェの様なドレスを着た茶髪をおさげにした少女が現れた。

?「もう……貴方は逃れられない……麻雀郷は全てを受け入れる、それはとても残酷なことですわ」

彼女は怪しく微笑み、背後の影からは青い光が瞬いた。

【next fantasia 】

今回はここまで!

次回から麻雀郷での京ちゃんの生活が始まります。

それではおやすみなさい

ゆっくりやすめていってね!(申し訳程度の(ry

中身は京太郎のまま霖之助ポジかぁ
物事に対する価値観が全く違うから商売にならないな(初めからなっていない)

旧霊夢も旧魔翌理沙のデザイン案外よかった

乙でしたー
私も東方は好きでね、期待ですよ

霖之助よりはお金稼げそうだけど、霖之助の一番強みは能力より技能だからな…

酉つけテスト兼チラリと返信。

>>10 東方知らない方もウェルカムです\(^o^)/

>>16 魔理沙ポジションは悩みましたが、金髪、星繋がり、快活なイメージで淡に決めました。

>>20 霖之助さんは本当に目利きの良いお方……(商売が上手いっとは言っていない)

>>21 旧作も良いですよね!(アリスポジションどうするかなぁ)

>>22 麻雀!(ドドンッ ご期待下さいッ

>>23 物を直したり(裁縫はお手の物)、作ったり(あのミニ八卦炉は彼作でしたね)と技能が凄く高い霖之助さん。
半妖ですから、その長い寿命で色々身に付けたんでしょうね(商売は……性格の問題ですから)

それでは出かけますので、また後で。

こーりんならぬきょーりんじゃないのか

これは安価?
それとも非安価?

>>25 ~りんは霖之助さんで、かつ香霖堂の店主だからそう呼ばれているだろうと言う私の解釈で、きょーりんにはなりませんでした。
しかし皆さまがここの京ちゃんを便宜的にそう呼ぶのは構いません、麻雀郷は全てを受け入れます(ただし、他スレに迷惑はかけないで、どうぞ)

>>26 基本的に非安価です。
しかしある程度話が進んで、小ネタを挟めるようになったら、リクエスト取りに安価をしようかと(あくまでも予定、ひっそり消えたりはしませんが念のためそう言っておきます)

見てる人はいないかもしれませんが、夜から仕事なので出来るとこまで書きます。

もし見てる人、これから見てみようとしてる人がいれば……。

ゆっくりしていってね!(申し訳(ry

須賀京太郎 麻雀郷生活一日目(朝)

はぁ……と思わずため息をつき、現在座っている場所にある机に頬杖をつく俺。
理由は言わずもがな、俺が未知の世界である『麻雀郷』とやらにいつの間にかいたこと。
そして、昨日……中学の馴染みである咲と同姓同名の巫女に、色々と肝を冷やされたからだ。

【時間はさかのぼり、この世界に来た日へ】

咲「京太郎さん、貴方は記憶喪失かもしれないわね」

京太郎「……え?」

最初はただ淡々と彼女はそう言った。
まぁ、確かに知っているべき事象や事柄を知らないわけだし、そう考えてもおかしくはないが。

淡「おいおい、いくらなんでもあっさり決めすぎだろ。何を根拠に言ってるんだ?咲」

それに対して異議ありと、淡と同姓同名の魔法使いは詰め寄った。
実際それは正しい、だって俺は記憶喪失なんじゃなくて……コスプレ喫茶から、突然ここに召喚されたんだからな(文字通り)
だが、巫女はまっすぐな瞳で魔法使いに答えた。

咲「勘よ」

京太郎「えっ」

それでいいのか、巫女!
まったく見当はずれも甚だしい勘を発揮し、それを根拠と言い張っているのだ。
俺としてはその方が面倒が無いと思ったが、いくらなんでもそれで納得するわけがない……。

淡「……勘か、それならそうなんだろうな」

京太郎「えっ」

それでいいのか、魔法使い!
突っ込めばお前は間違いなく正解を勝ち取っていただろ!?
そのポンコツ巫女の言を真に受けていいのか!?

淡「するとめんどうだなぁ、私からすれば異変も同義だぜ」

咲「私にとってもよ……まったく、手のかかる人なんだから」

そのまま何事もなかったように話は進み、俺は記憶喪失なんだと断定(諦め)
二人は厄介そうな顔で頭をかいたり、あごに手を置いたりしている。
……もしかして、この世界における俺って結構重要な存在なのか?

京太郎「あのさ……俺ってどんな奴だったんだ?」

いかにも記憶喪失の様な聞き方で、二人に尋ねると……一瞬キョトンとした後、悪戯でも考え付いた子供の様な笑みを浮かべてこう答えた。

咲「私の召使ね」

淡「私のペットだな」

そんな馬鹿な!(驚愕)

京太郎「じょ、冗談だろ?」

咲「……まぁ、流石にそれは冗談だけど……お茶出してくれたり、破れた服直してくれたり、ツケで買い物させてくれたり。良い人だったとは思うわ」

淡「世話焼きだな、色々私に甲斐甲斐しくしてくれる……アニキブンミタイナヤツダゼ」

よかった、もう駄目かと思ったよ(安堵)
しかし、二人の話を聞く限り二人に親身な人……なのかもしれない(魔法使いの最後の部分は小さすぎて聞き取れなかったが)
だが次は打って変わって、二人は文句を言い出した。

咲「だけどあのよく分からないものを勧めようとしたり、骨董品とかのうんちくを語りだしたりとか……」

淡「ンフフ……って不気味に笑ったりとか、たまに物凄くケチくさかったりとかするしな。あれはどうにかしてほしいよな」

……あれ?やっぱり変人なんじゃないのか?
いや、この二人もなかなか人のこと言えないし。
もしかしたらこの麻雀郷自体が変人の集まりなんじゃ……。

咲「今失礼な事考えなかった?」

京太郎「滅相もございません」

咲「そう、わかったわ」

危ない危ない、巫女の勘するどいじゃないか……さっき発揮されていたら面倒は避けられなかったろうな。
そして、話も一段落したところで、魔法使いはとりあえずの結論をだしたらしい。

淡「とりあえず、どうすれば良いか分からないから様子を見ようぜ?たぶん今の私らには解決案がないぜ」

咲「異変として京太郎さんぶっ飛ばしたところで、戻る保証はないし。それが妥当ね」?

今巫女がやたら物騒なことを言っていたが、聞かなかったことにした(目がマジだった)
俺の処遇が決まり、魔法使いは「そんじゃ、用事なくなっちまったしこれだけ借りとくぜ」と適当に並べてあった湯のみを一つとって帰っていった(その後湯のみが帰ってくることはなかった)

咲「……さて、京太郎さん」

京太郎「ん、何だ?」

しかし、巫女は帰らなかった……俺を見据え、椅子に腰掛けるとこう言った。

咲「貴方は京太郎さんじゃないわね……正確には、私たちの知っているが付くだろうけど」

京太郎「……な、なッ!?」

巫女の勘は外れてなんかいなかった。
バレていたのだ、こいつには。
改めて俺の知っているポンコツと違う存在なのだと思い知る。

京太郎「……いつから?」

咲「最初から……って言いたいとこだけど、確信に至れたのは『お前ら何者だ?』って聞かれた時ね。記憶喪失の人間が冷静に状況判断しようとするはずないでしょ?それに、最初に会った時も私たちを知ってるような口ぶりだった」

京太郎「だ、だよなぁ……」

すべて見透かした、その上で俺を記憶喪失と断定した。
それならどうして俺を見逃すようなことを……?

咲「何故、私がばらさなかったのか?って顔ね」

京太郎「ーーーッ!?」

咲「図星?そうね……淡の前で真実を明かすと色々面倒だからね。あの子あれで繊細なんだから、ショックで寝込むかもしれないわ」

なるほど、どうやら巫女側にも面倒を避けたい事情があったみたいだ。
だから、あの場では首の皮一枚繋がっていたのだ。
しかし、もうここに淡はいない……。

咲「安心しないで、貴方が異変なのは間違いないんだから」

京太郎「うっ……」

咲「何、今すぐ貴方をとって食おうってわけじゃないわ……ボコすのはいつでもできる、今は……そう、保護観察処分ね」

明らかな敵意を向けてくる巫女、小動物みたいだったアイツそっくりの顔で、大型肉食動物並みの迫力を出していた。

咲「とりあえず、本物の京太郎さんがどこへ行ったのか。そして何故貴方が呼び出されたのか。黒幕は何者なのか……それをハッキリさせるまでは貴方には京太郎さんの代わりを貫いてもらうわ」

京太郎「へ?」

咲「言っとくけど、拒否権は貴方に無いから。精々彼の抜けた穴の穴埋めとして生きてください」

冷酷に、淡々と、冷たい視線で俺を射殺してくる巫女。
俺自体に罪の意識がなくとも、過失で何かやっちまったかもしれない可能性は拭えないわけで。
だから俺は、不本意ではあったが彼女の言葉に頷いた。

京太郎「……分かった、そうさせてもらうよ」

咲「そう、賢明ね……長生きできるわよ、貴方」

すると彼女は最初に出会ったときの様に、俺に微笑みかける。
……とても先ほどと同一人物とは思えない。
だが、油断大敵だ。さっきの笑顔で気が緩んだ俺に近づいてきた巫女は、こう告げた。

咲「でももし、貴方が元凶なら容赦はしない」

京太郎「えっ」

咲「宮永の巫女は異変と妖怪の類は完膚なきまで潰すの……だから」

彼女が俺を見上げると互いに目が合った、その顔と声は笑っていても、目は笑ってなんかいなかった。

咲「貴方が敵なら、ゴッ倒す」

【そして時間は現在へ】

アレは怖かった……一瞬、死を覚悟したほどだ。
だが彼女はその後は事務的に、「明日また来ます、逃げたら地の果てまで追いますから」と脅された。
……流石に逃げるほど度胸はないし、地理も全く分からないわけだから逃げようがない。

京太郎「四面楚歌……救いは無いんですかねぇ……」

そもそも知り合いもいない、知り合いにそっくりな顔をした奴らがいる世界で救いなんて求めてはいけない(真理)
そんな風に一人で弱音を吐いていると、店の扉が開かれた。

咲「どうも、昨日は良く眠れました?」

京太郎「ん……まぁ、思いのほかぐっすり」

咲「そうですか、よかったですね」

入ってきたのは先ほどの話に出た、宮永の巫女だった。
一言目から何かパンチの効いた一言が来るかもと構えていたが、存外普通な入りだった。
昨日は店の一角のスペースにある、畳の場所で布団を出して寝たんだが。
これが中々に『良い香りがして』寝やすかった……この世界の俺は清潔好きなのか?
ともかく、そこで彼女は話をさっさと本題に切り替えた。

咲「今回ここに来たのは、『麻雀郷』……つまりこの世界と。貴方がいたであろう場所、『外の世界』……そしてこの世界の常識について教えとこうと思ったからです」

京太郎「お、おう。それは正直ありがたい……昨日は何だかんだ不安しかなかったからさ」

咲「良いんですよ、貴方みたいな『外の世界』から来た人……『外来人』に説明するのは巫女の仕事なんですから」

あくまでも義務だと切り捨て(分かっちゃいたが冷たいなぁ)、そのまま説明を始める巫女。
それらについての資料だとか、簡易的な地図を取り出して俺に指し示した。

咲「まず、この世界『麻雀郷』について。ここは貴方のいた『外の世界』と隔離されています」

京太郎「隔離?完全な別世界なんじゃ……」

咲「違いますよ、同じ星で同じ軸には存在してます。だけど、『外の世界』から視覚することも感知することもできません」

……つまり、同じ場所にあるけど誰にも見つけられないって事か。
なら俺みたいな奴らが、何かしらの原因でここに入ってしまうらしいのも頷ける。
だが、何故そんなことになっているのか。

京太郎「何でそうなっちまってるんだ?」

咲「簡単ですよ、結界を張ってるんですよ」

京太郎「……結界?」

結界って言うとアレか?
巫女さんとか、お坊さんが漫画とかで覇ァッ!!って防御したり、化け物を捕まえるアレ?
……だがあんな小さいものでは世界一個覆うのは厳しくないか?

咲「そうよ、でも普通のじゃない……私みたいな一部の人間が持つ力で、特殊で厳重で巨大な結界を組んでるの。四方、東西南北にそれぞれ仕掛けしたり、毎度メンテナンスしたりとかさ。結構大変なんだから」

京太郎「ほう……じゃあ、宮永の巫女ってかなり重要じゃないか?」

咲「そうよ、この『麻雀郷』を形作る『宮永結界』は、象徴たる宮永の巫女がいないと崩れるらしいからね」

……そんな重大な事実を他人事みたいに言っていいんだろうか?(どうもこの巫女、暢気だ)
と、すると巫女はハッとしたように言った。

咲「あ、お茶入れて。のど渇いた」

おいおい(呆れ)

とりあえず逆らうと後が怖そうなので、茶葉を探し出し、入れて出してやる。
すると、なぜかお茶の状態を見て不思議そうな顔をしながら茶をすすった。

咲「……おいしい……」

京太郎「お、そうか」

咲「驚いた、貴方お茶入れの才能ありますね。また今度入れてくださいよ」

茶の味に気を良くしたのか、敬語に戻っている巫女に、とりあえず頷くと「こういうのも悪くないわね」と彼女は笑った。

咲「で、どこまで話したんだっけ?」

京太郎「この世界が『宮永結界』で、『外の世界』と隔離された『麻雀郷』だってとこだな」

咲「そうそう、じゃあ続きいくわね」

そう言ってから、もう一口茶をすすった巫女は再度口を開いた。

咲「『外の世界』は貴方のいた世界、そしてそこから『麻雀郷』に迷い込んだのが『外来人』。そこまでは良いわね?」

京太郎「ああ、大丈夫だ」

咲「それで、迷い込むのは相当の偶然か。何者かによる必然しかないんだけども。どちらにしろ迷い込むのは雀士なの……つまり、麻雀できる人」

京太郎「え、そうなのか?」

つまりは初心者に毛が生えたレベルの俺でも、雀士判定らしい……なんと緩い(麻雀郷は全てを受け入れる)

咲「そう、そしてそう言う人たちが持っている力がある。それが『雀力』よ」

京太郎「『雀力』?」

咲「そう、私がこの『宮永結界』の象徴たらしめるのは、私には特殊な『雀力』があるからなの」

雀力スゲェェェェェェェ!!!

咲「でもね『雀力』は人によって千差万別、特性の違いや絶対量の差があるから平等じゃない。特にこの世界には人間の比じゃない『雀力』を持つ『妖怪』がいるの。やつらは人間を餌にするのもいるから、迷い込んだ場所が悪ければ『外来人』だと一発で餌になるわね」

京太郎「こわッ!かなり危険じゃないか!」

咲「そうよ、逃げなくて良かったわね」

この世界にいる人間や『妖怪』g

途中送信、申し訳ないorz

そして、そろそろ仕事の準備がありますので一旦おいとまします

それでは夜にまた……。

突然世界が変わったって事を表現したかったんだろうけど
口調やキャラまで変えるのは違くないか?
パロ物だから多少はパロ元にキャラが引っ張られるのは分かるけど
「」の前を元キャラにしても問題ないのはパロであってパロでないと思う

荒らすつもりとかはなく、咲も東方も好きだから純粋に思った事を書いた
もう引っ込んでROMるし、これを読んで不快に思う人がいるなら謝罪もする(荒れる要因にしたくないから謝罪コメまでしないが)
とりあえず長文すまんかった

しゃぶれよ

確かにそこは気になる
口調やキャラは咲キャラでやらないとこれは意味ないと思うな

文章や設定は良いと思うから
そこだけ直したら大分変わると思う

口調が気になるようなら、この咲ちゃんが「外来人に舐められないように気を張っている」状態で、実はぽんこつって思うといい

このままいけば紅魔館辺りでオネエ化したハギヨシさんが見れるはず

今のとこキャラ変せず単に京太郎が幻想入りで良いんじゃね?と思ってしまう

どうもこんばんわ、ただいま戻りまし……おお、なんか反応たくさん来てくれててうれしいです。

>>43 >>45 >>46 >>49
皆様の心中お察しします、私もただの一読者だったら同じようなことをコメントしてたかもしれません。
しかし、実はこれ『あえて最初は』こういう口調にしています。
「これなんかちがくね?」と突っ込まれることは想定の範囲内でした(孔明の罠)
では何故そんなリスクを覚悟でこんなことをやったのか……もちろん理由はあります。

最初は明かさないつもりでしたが、予想以上に反応が多かったので明かしましょう。

一、最初に東方を知らないとコメントされた方がいたように、その元となっているキャラがどんなキャラなのか分からない人も多分にいると思います。
ですので最初は東方原作のキャラの口調と性格を露骨に出して、まず東方のキャラってどんなの?というのを知ってもらいたかった。

二、話的にインパクトを持たせて、読者の気を引き、いろんな人に見てもらいたかった(狙い的中)

三、物語の意味に深みを持たせるため、エッセンス。これからその意味が分かります(言っておきますが、『まだ一日目ですよ?』)

ということです(どういうことだ!)
なにぶん新しい試みなので、違和感や不快に思った方もいらっしゃると思います……そこは謝罪しますorz
しかし、もう少しだけ待っていただけると幸いです。

あと、>>43 さん、ROMらなくてもいいんですよ(笑)


>>44 ファッ!?

>>47 なんかそれでも面白そうに思えてきました(おい)

>>48 お前!見たいのか!?

それでは書き始めます、お待ちください

咲「でもね『雀力』は人によって千差万別、特性の違いや絶対量の差があるから平等じゃない。特にこの世界には人間の比じゃない『雀力』を持つ『妖怪』がいるの。やつらは人間を餌にするのもいるから、迷い込んだ場所が悪ければ『外来人』だと一発で餌になるわね」

京太郎「こわッ!かなり危険じゃないか!」

咲「そうよ、逃げなくて良かったわね」

この世界にいる人間や『妖怪』が持つ『雀力』が、『麻雀郷』におけるステータスらしい。
しかし、それならこの世界に人間が普通に生活出来ているのかは、かなり不安なのだが。
……ただ気になったが、さっきこの巫女『外来人』を強調していたように思うな。

京太郎「『外来人』だと一発ってことは、原住民は大丈夫なのか?」

咲「ええ、昔『妖怪の賢者』っていうお偉いさんと先代の巫女が盟約を結んだらしくてね。人間を生き残らせるために、『人里の人間』は食べないようにって」

なるほど、だから『外来人』はアウトか。
……なら俺もアウトなんじゃないか?……いや、一応この世界の人間の代わりをやってるんだからギリギリセーフか?
なんにしてもおっそろしい話だ、『外の世界』の行方不明者の大半がここで食われてるんじゃないのだろうか。

咲「でもね、そこで問題が発生したのよ」

京太郎「問題?」

咲「妖怪側からかなりの不満と、反発が出てね……『アイデンティティ』が保てないって」

京太郎「はぁ……アイデンティティねぇ」

妖怪は人間を襲うもの、だがお偉いさんに禁止されて妖怪としてのプライドが保てない、と。
だから反発か……まぁ気持ちは分からなくはないが、それで人間が全滅しちゃったら元も子もないしな。

咲「それで、今代の巫女……つまり私が一言申し入れたの、それが今麻雀郷で行われているじゃんm(ガリッ……」

京太郎「ん?」

いま、噛んだ……こいつ自信たっぷりに語ろうとしてたら噛みやがったぞ。

咲「……ちょっと、笑いすぎじゃない?そんなに面白いのかしら……ふえぇ……」

京太郎「あー、もう触るな触るな。ばい菌入るっての」

巫女がムスッとした表情で、こちらを睨むが今は不思議と怖くない……まるでアイツと、『咲』と一緒にいる感覚だ。
舌をだして触ろうとした巫女を制して、湯のみに冷たい水をいれて彼女の舌を浸して洗う。
次に昨日寝る前に漁った時、棚に見つけた軟膏を、洗った清潔な手で塗ってやる。

京太郎「全く、触るんじゃないぞ?」

咲「……うぅ、ごめんきょう……ッ!」

まだ噛んだ舌を気にしている感じの様子である巫女に注意してやると、妙な反応をした後ぴたりと動きが止まった。

京太郎「……きょう?」

咲「……な、なんでもないわ」

……恐らくだが、元々麻雀郷にいた『須賀京太郎』を思い出したんだろうな。
何だかんだ面倒見は良かったといっていたし、コイツも懐いてたのかもしれないな。

咲「それより、続きよ!……えーっと」

京太郎「殺伐とした麻雀郷に、宮永の巫女が一言」

咲「そう、それよ!」

若干動揺しながらも、コホンと咳払いをした巫女。
俺の言葉で思い出し、語りだした。

咲「『雀幕ごっこ』よ、私が提案した妖怪と人間が平等に遊べる戦い方」

京太郎「雀幕ごっこ、また不思議な語感の用語だな」

てっきり普通に麻雀をするのかと思っていたのだが、どうやら違うらしい(そりゃ平等になんだし、当然か)

咲「ごっことは付いているけど、これにもれっきとしたルールがあるのよ」

彼女の説明によると、こうなる。

闘牌ルール概要

一、基本は一対一で行うこと。

二、互いに持ち点というものを決める、一般的には25000点を互いに持ち点とする。

三、巫女の用意したサイコロ(儀式的なもので、出目に基本的には意味が無い)を投げてごっこ開始。持ち点を消費し、雀力を弾状にして飛ばして互いを攻撃する。

四、体に弾があたると、持ち点が減る。持ち点が無くなると負け(弾には殺傷力はない、痛いけど)

五、さらに勝負に面白みをつけるために、特殊な力を持った牌『闘牌』がある。使うと壊れ、持ち手の雀力の性質に影響された強い弾が放たれる(所謂必殺技、名前を叫ばないと使えない仕様)。闘牌の数は互いに最初に決める。闘牌を使うと、『持ち点が全回復する』。

六、一回で勝負がつくのが『東風戦』、二回先取したほうが勝ちなのが『半荘戦』。どちらかはお好みで。

……確かに麻雀ではないが、麻雀の用語とかルール若干入っているあたり『麻雀郷』って感じだな。

咲「互いに殺されることもなく、でも襲い襲われの関係は維持できて、遊べる。これが私の考えた案だったんだけど、いつの間にやら浸透して、人妖問わず遊ぶようになったわ」

京太郎「……なんだろう、そう聞くと楽園みたいだが」

咲「楽園よ?貴方曰く原住民にとってはね。流石に外来人についてまでは全てをどうにか出来ないわよ」

京太郎「まぁ、それもそうか」

やはり突然やってくる外来人には、さしもの巫女様も完全対応は無理らしい。
だが、彼女は役割を果たしてるだけだしな……俺がとやかくは言えまい。

咲「貴方は外観的には完全に京太郎さんだけど、雀力は皆無に近しいんだから。がんばりなさいよ?」

京太郎「……あっ、やっぱりそうなのか!?」

咲「ええ、だって何も感じないし」

京太郎「でも、俺だって雀士だぜ?少しくらいあったって……」

彼女の言葉に驚いて、思わず反論しようと考えたが……そうなっている原因に心当たりがないわけではなかったため、言葉に詰まった。
俺の様子を見て、何を察したのか……巫女も特に突っ込んでは来なかった。に
なんというか、付かず離れずの独特な距離感を維持しているようだ……プラマイゼロ……か。

咲「……まぁ、とりあえずここから人里までは人を襲う妖怪はあまり出ることは無いから。比較的かなり安全よ、良かったわね」

さっと示された地図には、この店らしき物の背後に広大な森があり、正面には人里らしきものがあった。
他にも気になる建物もありはしたが、やはり目に付いたのは。

京太郎「やっぱあるんだな、『宮永神社』」

咲「私をなんだと思ってるのよ……」

京太郎「いやいや、分かってたけど念のためな」

彼女の拠点であろう『宮永神社』は山の上にあるらしく、結構目立っている。流石象徴。
この地図を確認し、俺はとりあえずの目標を立てた……それは。

京太郎「よし、決めたぞ巫女さん」

咲「何をよ?」

京太郎「まずこの店の中を片付ける!」

咲「え?」

確かに外も気になりはするが、俺は目下のこのチラかっている店内を掃除して、気持ちの整理もしちまおうと考えた。
一応これからは商売人の代役になるんだし、それ相応に生活できて物も売れる状態にしなくては。

咲「……ふーん」

京太郎「……ん?なんだよ?」

咲「なんでもないわよ。とりあえず今ので大体説明終わったし、好きにしてなさい」

京太郎「おうよ、そうと決まれば早速はじめるかな!思い立ったが吉日って言うし掃除用具は……」

何か興味深そうな目で俺を見た巫女は、説明の終わりを告げると昨日俺が寝た畳のエリアの向かっていった。
それを見届けてから、俺は早速掃除に取り掛かった。

京太郎「いやぁ、埃たまりすぎだろ!これじゃ売れるものも売れそうに無いなぁ、なんでこんなに物集めるのか理解に苦しむぜ」

掃除に取り掛かってから暫くたったが、やってもやってもあちこちから埃が出たり、どう見てもガラクタみたいなものがゾロゾロ出てきた。
せめてもの巨大な蜘蛛やGがいなかったのが救いではあった。
だが、俺の城にするためには綺麗にしなきゃ!と雑用魂が火を噴いている為、どうなっていようが止まる気はなかった。

?「スゥ……スゥ……」

京太郎「……ん?」

のだが、不意に聞こえた音に身体の動きを止めた。
その方向を向いてみると……。

咲「……スゥ……スゥ……」

京太郎「……ああ、お前か」

すだれで朗らかな日差しが入る中、寝ていた……彼女は。
寝ている姿は、本当に咲そのもので。
実は全部演技で、俺をずーっと騙してたとか……そんな上手い話はないのだろうが、そう錯覚させられるくらいにはそっくりすぎる寝姿。

京太郎「……『咲』?」

近づいて声をかけてみる、自分でも何を女々しいことを……とは思った。
彼女が咲であると、俺は最初から心のそこから思えていない。
だが、もし俺が踏み込んで何か意味があるとしたらと……賭けてみたくなった(分の悪い賭けだが)

咲「……んぅ……」

京太郎「咲……?」

咲「うぅ……ん……?」

彼女は俺(正確には麻雀郷の俺)布団で、名前を呼ばれるたびに反応を返してくれる。
なんとなく、それがうれしかった。

咲「きょう……さん……?」

京太郎「……まぁ、そう甘くはないか」

だが咲が呼んだのは俺じゃなく『京太郎さん』だった。
途端になんだかむなしくなってきた。

京太郎「……掃除、するか」

ゆっくりと立ち上がり、本来やろうとしていた持ち場に戻ろうとしたところで、突如扉が開いた。

???「お邪魔するわよ?」

京太郎「----なっ……」

扉を開いた人物を見て俺は硬直する、もちろん知り合いの顔だったからだ。
その人物とは、あの咲と正面から渡り合うほどの魔物であり……決勝においても猛威を奮った人物。

???「ん?どうかしたの?固まったりして、邪なことでもしてた?」

京太郎「……ネリー・ヴィルサラーゼ?」

ネリー「そうよ、他に誰に見えるのかしら。ねぇ、店主さん」

留学生を多数擁する名門校、臨海女子高校の大将『ネリー・ヴィルサラーゼ』……彼女が目の前にいた。
しかし格好は全く違い、青のワンピースのようなノースリーブに、ロングスカート。
頭に赤いリボンを巻いていて、片手に分厚い英語(?)の本を抱えている。
俺が確認するように聞いたとき、彼女はクスクスと笑った……なんだろう、まるで童話の人物のようだ。

京太郎「……今回はどんな用件で?」

ネリー「少し、ここにある本を見にね……って何があったの?あっちとかかなり物なくなってるし」

京太郎「あー、少しばかり片づけをね」

とりあえず、動揺しすぎると変に勘ぐられそうだったので気持ちを切り替えて接客することにした。
どうやら彼女は普通に客として来ているらしく、俺の店にある本を見にきたらしい。
同時に、片付けている状態をみるとかなり驚いた様子で周りを見ていた。

ネリー「店主さん、頭を打ったのかしら?それとも打たれた?」

京太郎「それどこぞの魔法使いにも言われたぞ?」

ネリー「……誰かはしらないけど、その魔法使いに同意しておくわ。何があったの?」

意外とまともそうなネリーにすらそこまで言わしめるこの世界の俺って……まぁよほどの変人だったんだろうな。
とにかく黙ってるわけにもいかないので、「気分転換だから気にしないでくれ」と伝えてから、本棚への道を開けた。

ネリー「まぁ良いけれど、ほどほどにね?」

京太郎「善処する」

ネリー「投げやりな返答ありがとう、じゃあ適当に見させてもらうわね」

そう断ってから本棚から取り出し本を読み始めるネリー……しかし、かなり様になっているな。
そんな彼女を尻目に俺は黙々と掃除を進めていく。

京太郎「(咲、淡、ネリー……まぁ、ネリーとは深い面識は無いが。知ってる顔がここまで揃ってるのも、やはり無関係じゃないよな)」

麻雀郷は雀士が流れ着く場所、とは言えど知り合いの雀士の同姓同名でそっくりな人物が存在する……この点については全く持って解決しない謎だ。
ただ、まだ俺はこの世界に来たばかりだしな、気長に調べるべきなのか、どうなのか……?


答えはまだ晴れない、だがまずこの店をどうにかしてしまおう。

申し訳ない、眠気がやばいのでここで切ります。

なんとか明日(もう今日)には確実に一日目を終わらせたい。

それではおやすみなさい

乙やで!

元の京太郎が香霖堂(に相当する店)をやっているってことは、「道具の名前と用途が分かる程度の能力」に相当するスキルがあっておかしくないと思うが、そこらへんどうするんだ?

寝る前にスマホで確認。

>>60
『京太郎さん』はおっしゃる通り、森近霖之助と同じ能力でした。
しかし、外の世界から連れてこられた京ちゃんは同姓同名の別人です?
なので、似て非なる別の能力を得る予定です。

元の京太郎にあっても今の京太郎にはなさそう
まああったとしてもキバヤシ思考の霖之助あっての能力だし

こんにちは、休日とは言えぐっすり寝すぎてしまいました(もう昼やん)

>>62
キバヤシ調に薀蓄(うんちく)を語る霖之助を幻視して噴いたので、やめるのですボク!

というわけで続き書いていきます

外からの日差しが赤に染まり、もう夕方になっている。
そんな時刻まで俺は無心に掃除をしていた、多分今の現実から逃げたかったってのも無くはなかったと思う。
その結果、店内は最初に来たときに比べると見違えるほど綺麗になった……と思う(多分知り合いの執事なら、気がついたらこれくらい終わってそうだが)
ただここに来てから『まだ一回も外を確認していないので』、もしかしたらまだ外にあるのかも知れないが……まだ今一つ外に出る勇気が出ない。
だから俺は仕上げに、カウンター用のテーブルをサッと拭いて今日は終わりにしてしまおうと思った。
と、また突然店の扉が開いた。店としては致命的なはずなのに客が多いな。

淡「よっす!スガキョン!様子を見に来たぜ……ってええッ!?」

京太郎「おう、いらっしゃいませ~」

入ってきたのは『魔法使いの大星淡』だ、昨日は色々あったもののろくに会話らしい会話をしてなかった人物だ(外の世界の淡も短時間しか会ってないから然り)
やはりと言うか、店の雰囲気の変わりように驚愕している。
特に彼女はあだ名で呼ぶくらいだから、結構親密な間柄っぽいので余計にだろうな。

淡「記憶喪失だってのは分かってたけどさ!店まで空っぽにする必要あったか!?」

京太郎「それじゃあ、まるっきり俺の頭が空っぽみたいな言い方だぞ、失敬な。とりあえず落ち着いたから色々整理をしたかったんだよ」

心から焦りと心配を顔に浮かべて詰め寄ってくる彼女は、外の淡ではめったに見れないような表情をしている。
だが発言についてはかなり遠慮が無いあたり、咲よりかは似ているのかもしれない。
とりあえず彼女の応対をしようとしたとき、静かに端っこで本を読んでいたネリーが立ち上がった。

ネリー「店主さん、ここらでお暇するわ。また今度買いに来させてもらっていい?」

京太郎「えっ、ああそれは構わないが」

淡「あっ、ネリーいたのか。と言うかお前なんで私が来たとたんいっつも帰るんだよ!」

ネリーは本を棚に戻し、早々に帰ろうとしたが淡に止められた。
俺にはおとなしめな態度だったネリー。
だが、淡を見る目はあまり友好的なものではなかった。

ネリー「……決まってるでしょ?貴女がいると静かに本が読めないし、何をたかられるか分かった物じゃないからよ」

淡「私がいつそんなことしたんだよ」

ネリー「一昨日、突然押し掛けて本をクレクレっていったのはどこの誰だったかしら」

……この淡、かなり手癖が悪そうだな。
そういえば結局昨日借りた湯のみは返してこないしな、まさか借りパクか?

淡「ちがうぜ、私は貸してくれっていったんだぜ?」

ネリー「期限は自分が死ぬまででしょ?誰も貸さないよそれは」

やはり借りパクだった!しかもかなり重度の!
外の世界だったら……いや麻雀郷だろうが、十分嫌われるだろそれ。

淡「私とお前だと寿命はお前のほうが長いだろ?なら私が死んだら、本は普通に回収すれば問題なしじゃないか」

京太郎「……えっ?」

ここで淡から妙な発言が飛び出した、寿命が長い?ネリーと淡は同じ年齢のはず……ってことは。

京太郎「ネリー、お前妖怪なのか?」

ネリー「……さっき『これ』の発言からポロッと『記憶喪失』って聞こえたのは幻聴じゃなかったのかしら?」

淡「これってお前……。ああそうだぜ、巫女の咲が勘でそう言ったんだからな!」

ネリー「……そうだったの、道理で変だなって思ったわ」

京太郎「……」

ネリーは否定しなかった、つまり暗に自分が『妖怪』だと肯定している。
まさか種族まで外と麻雀郷では違うとは、またまた謎が深まった。
そしてネリーに俺が記憶喪失だと認知してしまった、まぁその方が別人とバレるより都合はいいが。
ただそのフリを続けるのも、それはそれで大変だ。

咲「ふわぁ……朝なの?」

淡「お?」

ネリー「ん?」

咲「あら……何の集まりよこれ」

この絶妙のタイミングで起きた巫女の咲。
一人を除き、インターハイ団体戦決勝戦の大将が一同に会している(俺からすれば豪華メンバーだ)

淡「お前またスガキョンの布団で寝てたのかよ」

咲「いいじゃない?減るもんじゃなし」

ネリー「あまり迷惑をかけるんじゃないわよ?普段ならいざ知らず、今店主さん記憶喪失でまともっぽくなってるんだから」

『また』ってことは以前も寝ていたことがあるのか?
だったら昨日寝た時の布団の香りって……だめだ、意識するのは毒だ。
そして、ネリーからは記憶喪失だからまとも(っぽく)になっていると好意的な解釈をいただいた様だ。
まぁ集まって会話するのは構わないんだが、流石にもう時間的に問題なので俺から一言。

京太郎「とりあえず、もう夕方なんだしあまり長居すると夜になっちまう。今日は帰った方がいいんじゃないか?」

ネリー「ええ、私はそうするつもりだったけど」

咲「そうね、私も……って片付けたわねぇ」

淡「ああ、私もコレにはびっくりだ。ってネリーは分かるけど咲も帰るのかよ?」

ネリーの所在は分からないが、咲は宮永神社とここでは距離が開いているわけだしもう帰った方が危険が少ないだろう。
そして淡はこの店の裏手にある魔法の森に住処があるそうだ、咲にもらった地図には『大星魔法店』と名前が書いてあったな。
魔法の森は危険もあるらしいから帰ったほうがいいと俺は思ったのだが、淡はまだ帰るつもりが無いらしい。

咲「実際暗くなってきてるんだし、異変でもなければ夜の飛行は危険だからしないわよ」

ごく当然の様に飛行って言ってるが、咲は空が飛べるのか?
雀力が高いと空も飛べるのか、なんて世界だ(多分俺は飛べないんだろうな)

淡「そうかよ、じゃあ私はスガキョンと二人で仲良くしてるか。なっ、スガキョン♪」

京太郎「……俺からすると、お前も帰った方が良いと思うんだがなぁ」

淡「えー、記憶喪失でいままでの積み重ねがゼロなんだぜ?少しくらい仲良くしようと思ったっていいだろ?なっ、なっ!」

甘えるような声でそういってくる淡、どうにも彼女は俺が記憶喪失となっているのを良いことに何か企んでいるのではないかと思われる(露骨に怪しい)
その様子を見てから、帰るといった二人は「気をつけなさいよ?」とか「色々お大事に」と妙なことを言って退散してしまった。やめろよ、不安になるだろうが。
二人が帰るのを見届けてから、淡は俺に向き合うとニヤリと笑った。

淡「さて、スガキョン私が残ったのはな。……ほい、こいつらを届けるためだ」

京太郎「おおっ?な、なんかずいぶんデカイ袋だな」

てっきり悪戯か何かの類かと思ったが、そうではなくて何かを俺に届けたかったらしい。
それも大量に何かが入った、サンタクロースもビックリな大きな袋だ……。

京太郎「……中身は何だ?」

淡「明けてビックリ玉手箱ですわって感じのものだ」

多少期待していたが、一気に不安になった。

京太郎「……不安ではあるが、無碍にするのはいかんな、うむ」

淡「ちぇっ、少しぐらい信用してくれてもいいのにさ」

京太郎「ん?……鉄くず?」

俺から自分への扱いに不満げな淡は放置し、とりあえず袋の中身を確認すると鉄くずだらけだった。
首をひねっていると淡は言った。

淡「そいつは私が今まで集め続けた鉄くずとか金属っぽいものがいろいろ入ってる、記憶はなくなってるのは分かってるが、お前がほしがってたものなんだぜ?」

京太郎「え?俺がこれをか?」

淡「そうだぜ!お前は蒐集家だったからな、珍しいものとかにも興味あったんだぜ?まぁ、私もそう言う所あるけどさ」

京太郎「ほーう……」

つまり、いなくなってしまった本来の須賀京太郎に渡すはずだった代物なわけだ。
どうしてこんなものを集めていたのか、それは分からないが、これから生きるうえで何か役立つものが入っているのかもしれない。

京太郎「ありがとよ、淡。お前何だかんだ良い奴じゃないか」

淡「へへっ、本当なら記憶がある状態で言ってほしかったが……まぁこの際今は贅沢言わないぜ」

そういって純粋に笑った淡を見て、俺は多少罪悪感を感じた……結局はダマしてるわけだから。
しかし彼女はそんなことは知らないため、俺に身体に背を預けて見上げてきた。

淡「それに、スガキョンであることに変わりないしな。これは貸しにしとくぜ?」

京太郎「おおう……そうか、高い貸しを作ったなおい」

淡「いつか返せよ」

京太郎「お前もな、湯のみ」

淡「死んだらな♪」

おい、俺のさっきの罪悪感を返せ。

淡「じゃ、私も帰るけど……また明日なスガキョン!」

京太郎「……ああ、またな『淡』」

淡「……うん!」

元気に手を振ってから店を出て行く淡、いつもこの感じなら誰にも嫌われないだろうに。
……『見送る』と言う理由をつけ、多少勢いで外に出てみようか。
いつかは現実を直視しなくちゃいけないなら、これは良い機会だ……それにいい加減自分の店の名前くらい知りたいしな。

京太郎「……っておお!?」

思い切って店の外に出ると衝撃の映像の瞬間だった。
それは淡が箒にまたがり空を飛ぶ瞬間だったのだから。
魔法使いとは言っていたが、ここまで王道な存在だったとは……完全に俺はカルチャーショックを受けた。
飛んだ淡は、あっという間に飛び去った……かなり速かったな。

京太郎「ああいうのに、慣れないとなぁ……」

そうじゃないと、この先生きてはいけまい。
決意を固めた俺は夕日を背にした、俺の城である店を振り返る。
その看板にはこう書かれていた。

京太郎「『出雲(いずも)堂』……か……」

後に知ることになるが……『出雲』ってのは、『須賀』を擁する国の名前らしい。
自分の苗字に縁のある名前にしたわけだな、なんとひねりの無い(だが俺らしいかもしれん)

京太郎「今日からここが……俺の家だ!」

麻雀郷での生活は始まったばかりだが……上手くいくのであろうか。
いや、上手くいってみせる。

そして、いつか『外』に帰ってみせる!

須賀京太郎 麻雀郷生活一日目 終了

彼はまだ気がついていない、淡の持ってきた袋で胎動する『剣』の存在に。

【next fantasia】

なんとか一日目は終了しました、ここから少しずつキャラが増えたりしていきます(もちろん異変も)

では、用事があるので一旦離脱します。

また夜にお会いしましょう

帰ってきました(予想以上に早く終わった)

それでは書くの再開します

【キャラ紹介コーナーその一】

●宮永咲 元東方キャラ『博麗霊夢』

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     /___,__: : : /: /__{:|: : :|: : : : : ヽ: ヽ
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  / イ|:l': : : :{: | ,ィチ雫ミ  \_:、 ィチ雫ミ: |: }: :| : |
     l'|: : : :∧{{ _)::刈      _):刈 V|/: /: : |
     |: : :,: :{人 弋zり     弋zり ノ'}: /}: ,: |
     |: :∧:乂l}         ,         /イ ノ/}/
      l/ \叭                 ムイ://
           ゝ     ´`      イ}: /}'
            \>       </|/
            从 :|  `´  |: :/
             /⌒ |      |⌒\
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: : : l       ( ヾ}: : :`ー-.、      /:,: : : : : ヾ、
: : : `ヽ、    _フ /: : : : : : : : `ヽ.   r'‐': : : : : : :l {
: : : : : : `ー-}_ /: : : :ー‐--:、: : ><: : : : : / : |__)

`ヽ、__: : : : : :<丶: : : : : : ;.:-‐`‐ゝ-∠_ー': : : : l、
、    ̄ ̄ア(.ノ___;.-'´::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、-tニへ.
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`ヽ、__:.:.:.:/:.:::/;:/::/:::::/;イ::::/ |::::i::::::::::::::::::ヽ: : ┌'

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-‐‐'´_;.:::イ::::.:.:.:./┴、:ハ `- '  ,  ´、_/イ://:::i::l
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l:./∠-‐-、,-二ゝ、|: : _ヽ,.-三-:.:.:.:,:イ:/ノヾ:、

´ ̄_....  _ヽ   ̄`=-<´フ´:.:._;.</' 「`{
コ└‐‐‐' ヾ:|       /-<´__r‐ニ--'  |
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ァ/´ ̄,アーァ',':_: :ヽ、 / : : : r、: |ノ/ __   ̄` '   ,、   |
人_∠__ノ「´,.」_l」: :__: : : : : :_<ノ;/': | //       ヽヽ ヽ
       ヽl  }: : : :`ヽ、: :l」: :ll: : :ヾ' ー 、       `'ヽー}
  ,..-‐ァ/l |__/: : ‐-: : :`ー-; :_:/ ヽ   ヽ.      人 ノ
' ´  /'´ }_ノ: : : : : :L___: : :': :ヽ   |          |  「ヽ
   ',..-‐'´: : :/: : : : : : : `ー--: : : :ヽ. l     ヽ、   l、ノ‐'
-─': : : : : /: : : : : : : : : : : : ; : : : : : :V        ーヽ
: : : : : : : /: : : : i: : : : : : : : /: : :/: : : :ヽ          ヽ、__

麻雀郷を覆う宮永結界の象徴にして、妖怪退治のエキスパート。
また世界に異変が起こると解決に乗りだしたり、外の世界の住人である外来人が神社に来た時は対応する。
と、忙しいイメージがあるがそんなことは無く、基本的には自宅の宮永神社で茶をすすっていたり、境内を箒ではいたりしてるだけである。

大体誰に対してもつかず離れずの姿勢でおり、あまり踏み込んだりはしない中立の立場を貫こうとしている。
しかし最近は例外があり、魔法の森入り口に住む『須賀京太郎』に対してはかなり気に入っているようで、たびたび彼の店『出雲堂』に足を運ぶ。
本編内においても、彼が消えて同姓同名の『外の須賀京太郎』がやって来たことに、八つ当たりに近い怒り方をしており、相当入れ込んでいた模様。

雀力の性質は霊、少し本気を出すと神、限定条件で魔(人間は基本的には霊)
能力は空を飛ぶ程度の能力(能力は自己申告制なため、変わることがある)

「宮永の巫女は異変と妖怪の類は完膚なきまで潰すの、だから貴方が敵なら……ゴッ倒す」

東方詳しくないから、これ読んだら俺の中で博麗神社がいつも金欠な理由が、「妖怪を力で押さえつけていることによる独裁者じみたスタンスに対する抵抗の一つとしての兵糧攻め」になっていた。

実際はどうだかわかんないけど

須賀京太郎 麻雀郷生活二日目

麻雀郷に来てから、今日で二日目の朝を迎えた。
……例の布団の香りの正体はこちらの咲の物と分かってはいたものの、他に布団が置いてなかったので仕方なくそれで寝た(そして安眠できてしまった)
ともかく、俺は布団からでるとそれらを意識しないように、顔を洗ってから店の準備を始める。
昨日物を整理したおかげで、裏の倉庫に大分ものを移動できたため、住むにも売るにも快適な店周りに変わっている。
棚にあった謎のブサイクな顔がついている壷や、目玉が生えている本とか不気味なものも多数あったが……全部倉庫に下げた(こんなもの店先にあったら、普通入りたがらないだろ)

京太郎「(さて、商売する分には商品は有り余ってるが……どうも生活用品が少ない感じがするな)」

恐らく、こっちの須賀京太郎は一応店として成り立つ為の必要最低限の物しかおいてないようだった。
とは言えど、妖怪なんてものが存在する世界に、電化製品の様な文明の利器が普通に置いてるのかは定かではない。
そして調べたがこの出雲堂、表に店と生活空間が一緒であり、奥の通路の先に風呂と便所がある(流石にそれはないと……な?)
裏手には先ほど言った倉庫……全てに電化製品の気配はないため、まず無いと考えていい(明かりも丸出しのろうそくか行燈、良くてランプくらいだ)

京太郎「……水源はろ過したものを溜め込んでたのか、しっかり確保されてるし……あとは飯だな」

じつは昨日一昨日と色々あったせいでまともに食事を取っていない、流石に腹が減った。
ちなみに『食料は取り置きされていなかった』、何を食ってたんだ?某伝説のBOSSよろしく現地調達してたとでも?
……蛇とか食うのはまっぴらごめんだ。

京太郎「買いに行こう、人里に」

そう心に決めた俺は、早速昨日発見はしたものの手をつけてはいなかった金庫(らしきもの、引き出し式で鍵つき)を、倉庫に適当にあった鍵(それはいかんだろ俺)で開けてみる。
開けたとたん、俺は噴出すことになった。

京太郎「こ、これ!点棒じゃねえか!!」

いせかいってこわい、あらためてそうおもった まる

ガワも入れ替わってるのね
食事必須なわけじゃないし

まさかの麻雀郷における通貨が、『点棒』とか想像してなかったので動揺してしまったが……とりあえず人里に向かった。
どうやら点棒(かね)自体はそれなりにあったので、買い物は出来そうだった(金銭に無頓着すぎたら詰んでいただろうな)
店を出て歩いていくと、途中から人の手が入ったであろう道に入ってきた。

京太郎「おお、ここから先は安全そうだな」

ネリー「ええ、そうよ。もう大してかからない距離だもの」

京太郎「ッ!……ってネリーか」

ネリー「あ、ごめんなさい、驚かす気はなかったわ」

人のいる気配に油断していたところを背後から声をかけられたので驚いたが、声の主は俺に友好的なネリーだった。
彼女は別に悪気があって背後から声をかけたわけではなさそうなので、普通に「いや、大丈夫だよ」と答えておいた。
すると、彼女は安堵して微笑んだ。

ネリー「それにしても記憶喪失とは言え、まるで別人みたいね。以前の貴方なら、邪険にはしなくても冗談で嫌味の一つ言うくらいはしたのに」

京太郎「ずいぶん捻くれてるなぁ、良くそれで友好的に接してくれるな」

ネリー「そこだけが本質ではないからね。まぁでも、貴方は誠実に話をしてくれるから余計ありがたいわ」

俺くらいで誠実に対応してるってことは……この世界の住人、話聞かない奴ばっかりじゃないか?
そう思いながら彼女と談笑していて、一つ思ったことを聞いた。

京太郎「そういえばネリーは妖怪なんだよな?普通に人里に行っていいのか?」

ネリー「ん?……ああ、咲から聞いたのね。大丈夫、私人を襲わないタイプの妖怪だから」

京太郎「あ、そう言うのもいるのか」

ネリー「どうせ咲に『妖怪は人間を襲い、人間は妖怪を退治するもの』だとか言われたんでしょ?」

彼女の言葉に俺は素直に頷いた。
すると、笑って色々補足してくれた。

ネリー「確かにそのとおりなんだけど、妖怪にも種族によって食べるものが異なるのよ。もちろん人を食べる妖怪もいるし、人の感情を餌にする妖怪もいる。そして私の場合は食事が必要ないの」

京太郎「食事が必要ない、か……」

ネリー「あら、貴方だってそうじゃない」

……え?俺に食事が必要じゃない?
つまりあれか、本来の俺は妖怪だったってことか!?
なるほど、だとしたら咲が『京太郎さん』に『雀力』があったっていってたのもわかるな。

京太郎「そういえばそうだった、でもなんとなく食べたい気分なんだよ」

ネリー「なるほど、そこも私と同じなのね」

京太郎「……ネリーもか?」

ネリー「わたしは人間から妖怪になったばかりだから、まだ人間の習慣が残ってて……まぁ、心の栄養ね」

ああ、道理で人間らしい外観なわけだ……元人間、そう言うのもあるのか。

そんな風にネリーと話しているうちに、人里についた。
『妖怪の賢者』と人里の人間を食わない盟約を交わしていると咲は言っていたが、それのおかげで人里も繁栄しているみたいだ。
あちこちで威勢の良い呼び込みの声が聞こえたり、元気に走り回る子供たちの姿もある。
ここだけ見ると外の世界の市場や商店街を思い出すが、強いて言えば「新鮮な取れたてのいわなが一匹137点だよ!」とか「野菜がどれも一個90点!さぁどうだ!」って通貨の部分がどうしても俺には違和感の塊だった。

京太郎「さて、俺はそこらで心の栄養(しょくざい)を買ってくるつもりだが……ネリーは?」

ネリー「ん~そうね……まだ時間があるし、店主さんに少しついていくわ」
京太郎「ほう、時間があると言うことは他に用事があるって事か?」

俺の言葉に彼女は頷くと、そのまま俺に聞いてきた。

ネリー「そうだ、店主さんもこの後暇だったら見に来てくれない?」

京太郎「何をだ?」

ネリー「私のかわいいかわいい人形たちの劇をよ」

彼女は大きめな革の鞄を胸に抱えながら、微笑んでそう言った。
人形の劇とくれば、あの鞄の中は人形か……妖怪である彼女がする劇だしきっと面白いものだろう。
そう思った俺は「興味があるし、是非みせてくれ」と言ったら。

ネリー「----うん、うれしい……!」

今まで見せなかった心からの満面の笑顔でそう言った。

とりあえず、持ってきておいたバスケットに食材(生魚は厳しいので、岩塩につけた物を包んだ)を入れておき、さっき誘ってくれたネリーについて行く。
彼女が言うには、自分は種族的な魔法使いであり、淡同様に魔法の森に住んでいるらしい。
その家で静かに人形を作って一人で暮らしているんだとか……(当人は一人が良いらしいが、俺なら寂しさに負けそうだ)
話を戻すが、ネリーの向かった先は人里の中央区画であり、そこには龍の彫像が安置されている。
この龍の彫像、人里の守り神的シンボルでもあり、人間に友好的な妖怪『河童』が天気予報の機能をつけている代物なんだとか(河童の科学力すげぇ)
そしてその中央区にある広場、そこでネリーは例の人形劇を始めるらしい。

ネリー「さぁ、皆出ておいで」

彼女の言葉に反応するように、鞄から様々な人形が自分から出てくる(ナニコレ珍百景待ったなし)
それらの人形はさまざまな形をしているのだが、「シャンハーイ」とか「ホラーイ」とか鳴き声?を放っている。
そしてそれを見た周囲の子供たちが、待ってましたと言わんばかりに集まってくる。

子供A「お姉ちゃん!あれやって!シンデレラ!」

子供B「バーロー、そこは不思議の国のアリスだろ!」

子供C「あえてかちかち山」

ネリー「うふふ、はいはい順番にね」

京太郎「……」

一人が良い……ネリーは確かにそう言っていた。
だが本当にそれが本音なんだろうか?
もしかして、人との付き合い方が不得意で……それで大好きな人形で劇をやって、努力して人との縁を作っているんじゃないか?
本当は、誰かと一緒にいたいんじゃないか……ってのは俺の勝手な推測だが、あながち間違ってないと思っている、だって。

ネリー「さぁ、お行きなさいシンデレラ。王子様が待っていますよ」

子供たち「いけ、シンデレラ!王子を落とせ!」

ネリー「ふふふ……」

子供たちの笑顔をみているネリーは、本当に楽しそうだったから。

人形劇が終わり、子供たちも笑顔で「また来てね!」とネリーに言って帰っていった。
満足げな表情で鞄に人形たちを戻していく彼女を眺めていると、彼女は笑顔でこちらに向かってきた。

ネリー「どうだった?」

京太郎「想像以上に素晴らしかった、アレってどうやって操ってるんだ?」

ネリー「ああ、やっぱり気になるわよね」

俺の言葉に、ネリーは突然手を前に差し出した。
その手の指には革製の輪がはめられており、彼女が指を動かすと鞄から人形が一つこちらにやってきた。

ネリー「コレには見えない魔法の糸があってね、人形に繋がっているの。有効範囲もかなり広いから色々使えて便利よ」

京太郎「なるほど、しかし全くそんなのを感じさせなかったな。まるで自分で動いているみたいだった」

ネリー「……そう、そうね、それだったら良かったんだけど」

やはりというか魔法ではあったが、彼女の器用さも相当ないときっと複数の人形は動かせないだろうに。
それを褒めたつもりだった、だけどネリーの表情は苦笑だった。

京太郎「ん?どうした?何か気に障ったか?」

ネリー「あ、いえ、そうじゃないのよ……」

気になったので踏み込んでみたが、彼女は困ったように一歩後退した。
どうやらここから先は、あまり突っ込んでほしくなさそうだった。

京太郎「……悪い、少し気が利かなかったな」

ネリー「……いえ、貴方は……やっぱり優しいわね」

京太郎「そうでもないって、俺とかがさつな方だよ」

俺からすれば、ネリーの心の広さはありがたい(咲とかだったら間違いなく何言われたか)
さて、彼女との雑談も一区切りし、用事(食材の購入)は終わってるから後は帰るだけ……だったんだが。

里の人々「大変だ!妖怪が外で暴れてる!!」

なんだか早速問題が発生しやがった。

その声に俺とネリーは顔を見合わせてから、外にでる門の方まで颯爽と向かった。
人並みを掻き分けて着いてみるとそこには、黒い球体が右往左往しながら地面にぶつかったり、緑色の光を辺りに放ったりしていた。

京太郎「あ、あれが妖怪!?随分人外じみてるんだな!」

ネリー「いえ、あれは多分『能力』でああいう状態になっているのよ」

京太郎「能力?」

ネリー「あら、そこは説明されてなかったんだ。じゃあまだ問題なさそうだから教えておくわ」

……一応妖怪が現在進行形で暴れているんだが、まぁきっとこういうのも日常茶飯事なのかもしれないな。
とりあえず今はネリーの説明に耳を傾けた。

ネリー「麻雀郷の人妖でも、ある程度雀力のあるものは能力を持っていてね。それを妖怪の賢者に自己申告することで、それを周囲に知らせることになるわ」

京太郎「え?それって自分の手の内をバラしてるんじゃ……」

ネリー「この世界で殺し合いなんてほぼないわ、やるだけ損だもの。だからむしろ自分の強みをアピールした方が、『雀幕ごっこ』でも影響が出るし得なの」

なるほど、確かにあくまでもそう言う縄張り争いみたいなものもナンセンスなのか……本当に地元の奴らには優しい世界だ。
そして、彼女の話を汲み取るならば……今暴れているやつは、ある程度雀力を持っているから能力を使えて、その能力であの状態になっていると。

京太郎「理由は分かった、だがそれだとあれは厄介じゃないか?」

ネリー「まぁね、でも外で暴れているだけで人里に直接的に被害は与えていない。だからそこまで問題ではないのよ。ほっといても咲が退治するだろうし、もし何かあったら私もいるしね」

ああ、確かに……理由は定かじゃないが、人里自体に攻撃はしてないからセーフなのか。
そして対妖怪巫女が参上すると言うなら、確かにネリーが落ち着いているのも分かる。
そう思って納得したのだが、突如として黒い球体が動きを止めた。

京太郎「……ん?」

ネリー「……気が治まったのかしら?」

ネリーの言葉通りなら、おとなしく帰ってほしいものだった。
だがそうはならなかった、それはなぜか……。

ネリー「----ッ!?店主さん!?」

彼女の油断している隙を突いたのか、高速で突っ込んできた球体に俺が飲み込まれたからだ。

京太郎「……ん?あれ?ここは……」

気がつくと、俺は暗い闇の中に倒れていた。
たしか球体に飲み込まれたはずだったのだが、と思って身体を起こそうとしたのだが、上からかかる力で起き上がることが出来なかった。
どういうことだ?と思っていると、目の前の闇が揺らぎ、その正体を露にした。

??「……ねえ、貴方は食べても良い人類、ですかぁ?」

京太郎「----あっ!き、君は」

その正体に俺は驚愕した。
俺や咲と同じ部に所属する人物『原村和』の後輩の女の子。

京太郎「夢野……マホちゃん!」

マホ「……」

彼女は白黒の洋服を身につけ、ロングスカートを履いており、赤いリボンを頭につけている。
しかし、最大の違いは……血走った瞳とまじりっけなしの『殺意』だ。
口元からよだれがたれており、俺を見据え食べても良いかと聞いてきた。
つまり麻雀郷の彼女は『人食い妖怪』なわけだ。

京太郎「い、いやいや……駄目に決まってるだろ?」

マホ「どうして、ですかぁ?」

人食いの彼女からすれば俺はただの餌である人間。
だが、妖怪の賢者のことを考えればこういえば俺は助かるはずだ!

京太郎「俺は須賀京太郎!麻雀郷の住人で、人里にも良く来ているんだ……だ、だから俺は食べたらまずいんだぞ?」

マホ「……そーなのかー」

これは物凄く情けないかもしれない、しかし俺が今生き残るには嘘をつきとおして、彼女から食う気をそらさなくてならない!
今は恥を捨てろ!生きて外に帰るってそう決めたろ!?
……だが世界は残酷だった。

マホ「でもそれウソだよね?」

京太郎「え?」

マホ「私、分かるんだ。人里の人間なのかそうじゃないのか……匂いでね」

京太郎「はぁ!?」

まさかそんな方法で看破されるなんて夢にも思わなかった。
しかし、思い返すとつじつまが合う。
なんでこの子が突然動きを止めたあと、俺に突っ込んできたのか。
匂いだ……外来人の匂いをかぎつけて俺を攫ったんだ。

マホ「お兄さん、だめだよ……ウソついちゃ……」

京太郎「----ヒッ!!」

殺意がさっきより大きく増した、怒りを買ったから余計なんだろう。
だ、だが!まだネリーが!ネリーがいるはず!

マホ「ふふ、そうそう。あの魔法使いに期待しても無駄だよ?」

京太郎「……え?」

マホ「お兄さんを連れて人里から全速力で離れちゃったからね、簡単には追いつけないんじゃないかな」

京太郎「マジ……かよ……!」

万事休すか……?
淡はこのことを知らないだろう、咲もいつ来るかなんて分からない(間に合う保障がない)
俺に味方なんてもう他にいないだろ……。

マホ「ふふふ、じゃあ久しぶりのご飯だ♪」

京太郎「あ……あぁ……」

俺は…死ぬ?
こんなところで、知り合いの後輩の顔をした妖怪に食い殺されて、人生終わり?
絶望が俺を包み込んでいく。
夢なら覚めてくれ……頼む。
そう思って俺は目を瞑った。

マホ「いただきま」

そこまで聞こえた瞬間『闇が吹き飛んだ』。

?「まったくさ……貴方は世話焼かせてくれるわね」

京太郎「----ああ、来てくれたのか!『咲』!」

咲「当たり前でしょうが、貴方が死んだら誰が京太郎さんの代わりするんです?」

周りが明るくなり、様子がはっきり見えるようになった。
そして俺の視線の先にいたのは、宮永の巫女の宮永咲だった。
ぶっちゃけ絵面が情けないなんてものじゃないのは関係ない、ただただ嬉しかった。
俺じゃない、俺のそっくりさんでも……あの咲が俺を助けてくれたのだから。
咲は俺から視線を変えると、そこには頭を抑えたマホがいた。

マホ「いたた、巫女は乱暴だなぁ」

咲「あんたら妖怪に情けは無用でしょうが」

マホ「そーなのかー」

立ち上がり、互いに向き合う二人。
咲とマホちゃん……『外の世界』ではマホちゃんのコピー麻雀が怖かった、と咲が泣いてたっけな。
しかし、ここでは不敵な笑みを浮かべた咲と、殺意に満ちたマホちゃんが睨み合っている。

マホ「確か巫女は食べても良い人類じゃなかったっけ?」

咲「おあいにくさま、いけない人類よ」

マホ「むー、でもそこのお兄さんは食べてもいいはずだよ?」

咲の後ろにいる俺をちらりと見てくるマホちゃん、いまだ俺を餌と認識している。
そして、確かに彼女の言葉は正しいと言えば正しい。
俺は外来人なのだから、本来あの状況なら食っても許された。

咲「貴女の勘違いでしょ、彼は出雲堂の店主なんだから。食べたら妖怪の賢者との盟約に触れるわよ?」

マホ「あれー?確かに匂いが前食べたのと同じだったんだけどなぁ」

咲「たまたま匂いが同じだったんでしょ、貴女の勘違い」

マホ「うー、そーなのかー」

しかし、咲は上手いこと言って彼女を丸め込んでいる。
俺にもアレだけ堂々と発言できるだけの力があればなぁ。
しかし、咲がどういってもあまり納得している様子ではないマホちゃん。
そこで咲が言った。

咲「じゃあ、やりましょうか」

マホ「むぅっ、仕方ない」

京太郎「えっ、やるって?何を?」

俺が聞くと二人で声をそろえて言った。

咲&マホ「「雀幕ごっこ」」

と、申し訳ないですがここで切ります(明日の仕事が早いので)

次回はいよいよ初雀幕ごっこです。

おやすみなさい……しながらコメント返し

>>76 それについても本編内で解説しますので、お待ちください

>>78 『麻雀郷の京太郎』と『外の世界の京太郎』は別人と言えば別人です(これについても後々明らかになります)

それではまた(一応言っておきますと、もしかしたら明日は投下できないかもです)

返信ありがとう。でもそういう意味じゃないんだ>>1よ。咲の中の人はマジで演じてる可能性あるんだ。てるてるや塞さんは名前出してるし

>>99 実際に調べてみた(トリビア調)

中原麻衣さんは夢想夏郷霊夢
佐藤利奈さんは紅魔城伝説Ⅱ
植田佳奈さんはアールグレイ
でそれぞれ霊夢をやってたんですね。

宮永姉妹は霊夢姉妹だった(確信)

乙。ねんじぇねの霊夢はこの人っぽい。

ただいま戻りました。

>>103
ねんどろいどじぇねれーしょんはノータッチでした(驚愕)

それでは書き始めます

【キャラ紹介コーナーその二】

●大星淡 元東方キャラ『霧雨魔理沙』

         /               ヽ \
            /   ./              :.
        /   ′ /|     :∧         ::.
.       / 7  | ./ !     | ∨    |    |
       ′ !   | / ̄`∨   |´ ̄Ⅵ    |     |
       |  |   r≠ミ、∨  | r≠ミx   |     |
       |  |  从 r':::::}!八  〃r'::::::}!》  |     |
       |  |  ハ弋)ソ   \{ 弋)ソ |   |     |
       {  |   :i ,,,  ,     ,,,, /  八   !
.        |   :}          /7 /     |
        八   人   v  フ   / /}    八
         \{\( >...       仏イ/    /:  \
.           /    ≧ー <    |/   /:    \
          /   厂 ̄ |      /   /:.      \
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/〃/{{川l八ト乂l|十七::::\::::::::::::::::::::::::/:`ヽ、
| {彳ハ ィチハトヘハl|仏ハヘ:::::::::\:::::::::::::/::::::::::::\

| ハ〃ハ ヒ:ン  ヽ'| 云寸ヘ::::::::::`::::::´:::::::::::::::::::::::`
| ハゞ l::::: '_    ヒt少人ト、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
イ/ハヘ \ V` ┐:::::イ仏从ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::

(/小ハト ヽ\ ー ' -<乂从乂ハ\:::::::::::::::::::::::::::::
人ハヽゝヾ _」二// ((イゝヘr┐\> 、:::::::::::::::::::
ヽ )乂仏{  //(ゝ、ヾミミノ、 ト、ミゝミY` ̄7 フ´

ー ´ ノ /j!   (     〉/`ー厂ゞミミ乂}  r ´ミ
、_/イ〃   `ー   ハ ̄ ー;` 丶、仏/   {))`ヽ
イ /(/:::Y ー 、  -イ:::::::::/r   ノハV   _Lゝ、,.
(ハ__ゝ|::::::`ー‐r─--ヘ::::::/  >-─}l    !厶イ
    !:::::::::::::::::ヽ   '.:::j"´    / ヽ  トミミゞ
    }::::::::::::::>'y    V┐    ヽ、  / 、__
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:::::::::::ノ  / /     { /      \  ̄/ ̄「

麻雀郷に存在する森で、最も広大な『魔法の森』に『大星魔法店』と言う店を構える人間の少女。
人間としては異例で生まれから雀力性質が『魔』であり、それを自分の誇りとしている(そして自分を強く見せようと努力をしている)
本来は人里に両親がいるのだが、意見の違い等から対立して勘当されている(父親は人里の道具屋『大星(たいせい)店』と言う店を営んでいる)

性格は派手なもの好きで明るく、大概の相手に対しフレンドリー。
麻雀少女の中では一番『人間』をしているので(巫女?お察しください)、強くなる事や寿命を伸ばす事柄には貪欲(その為に、借りると称して良さげなものを盗んだり、技を真似たりと手段は選んでいない)
しかし勝負事は真正面からやり、常に努力は怠らない。

須賀京太郎との関係は、赤ん坊の頃から世話になっており、古い付き合い。
親に顔を合わせられない彼女にとって、彼は兄であり、父であり、頼れる存在だ。

雀力の性質は魔、限定条件で霊。
能力は魔法を扱う程度の能力(能力は自己申告制なので変わる場合がある)

「私は大星淡!普通の100倍の魔法使いだぜ!」

『雀幕ごっこ』……間違いなく二人はそう言ったな。

京太郎「な、何でなんだ?」

咲「この子が貴方を襲いたいって昂っている気持ちを治めるためよ。雀幕ごっこはこういう時にも役立つんだから……基本皆遊びに使ってるけど」

マホ「そーなのかー」

咲「あんたは知ってなさいよ」

なるほど、確かに戦いだし、遊びだが……儀式的な物でもあるんだっけか。
なら今回のことにも効果がありそうだけど……腐っても戦い、確か痛みがあるとルールにあったはず。
俺のせいでこんな事になっちまうなんて、申し訳ないなぁ。

京太郎「……悪い二人とも、迷惑かけちまって……」

咲「謝る必要は無いわよ、私にとっては仕事と遊びを兼ねてるんだし。この子だってこういうのは日常茶飯事だろうし」

マホ「ん?まぁ、そうだねー」

俺の言葉を咲はさらっと流し、マホちゃんはそもそも良くわかってなさそうだ。
理由はすぐに分かった……向かい合う二人はすでに臨戦態勢であり、やりあう気まんまんだったからだ(戦闘種族も真っ青だ)
そして咲は自らの袖に手を入れると、サイコロを取り出した(その袖どうなってんだ)

咲「じゃあ持ち点は基本通り25000点、『東風戦』でいいわね」

マホ「いいよー、はやくはやく」

咲「……なら望みどおり……闘牌開始!」

この世界に来て初めての『雀幕ごっこ』の目撃……今でも忘れられない衝撃だったと思う。
本当の意味で『賽は投げられた』、そしてその賽が地面に落ちたと同時に、二人は大空へ飛び出した。

BGM ほおずきみたいに紅い魂 https://www.youtube.com/watch?v=iFaXMKiRt00

まず先手を打ったのはマホちゃんだ、鮮やかで様々な色の光の弾……きっとこれが雀力により変化すると言う『雀幕』ってやつなんだろう。
彼女の場合は、暗い闇の中でも怪しく輝く光……闇なのに光?とか突っ込んじゃいけないんだろうな。

マホ「わはー!」

咲「……」

降りかかってくる光のシャワーだったが、咲はそんなものはなんのそのと全て回避している。
それも当たるか当たらないかのギリギリのラインで……余裕の表情だった。
ムキになったマホちゃんはより広く広くと放ち続けるが、それでも当たらない(咲がまだ攻撃しないのが不気味だ)

マホ「あっ、持ち点やば!しかたないなー、闘牌(ボム)つかおー」

京太郎「ぼ、ボム?」

突然の横文字に困惑したが、もしかしたら闘牌の事かもしれない(STGでは、ピンチになった時に使える必殺技兼短時間無敵の技をボムって言うことがあるらしい……何故知っている?)
そう思っていたら、本当にパッと見は麻雀牌の白にしか見えない物を取り出した。

マホ「『夜牌 ナイトバード』!!」

彼女が牌の名前を叫ぶと、白の上に黒い鳥の絵が現れて牌は壊れた。
すると彼女は腕を左右に広げ、光を左右交互に輪状で何度も放った。
……なのだが、さっきよりも激しいそれすらも咲は反撃せず避け続けている。

マホ「あ、当たらないよー」

咲「そもそも強い闘牌を作るには、相応の思いとか願い……生き様や想像力が必要なの。あんまり深く考えてない貴女みたいな妖怪じゃ、使いこなせないわよ」

マホ「そ、そんなことないし!みてろー、びっくりするんだから!」

闘牌の力が切れて雀幕が途切れてしまったマホちゃん。
しかし闘牌はまだあるらしく、すぐさま取り出した(見事に咲に翻弄されている……むしろ可哀想になってきた)

BGM 妖魔夜行 https://www.youtube.com/watch?v=RadNHtEzqNI

今度は光の弾以外にも、レーザーも交えて雀幕を張ってきた。
恐らく牽制のためなんだろうけども、弾より早いレーザーでも咲は来る場所が分かっているかのように避けてしまうため当たらないし、そもそもまだ咲は雀幕を一回も放っていない。
そのままマホちゃんは二つ目の闘牌は使用した。

マホ「『闇牌 ディマーケイション』!!」

次の闘牌は白かった牌が真っ黒になって壊れた。
踊るように、代わる代わる左右に動く光の弾たち。
それはゆっくり咲に近づいていき、逃げ場を無くそうとしているようにも見える。
さらに立て続けに、速い上に咲を狙って迫ってくるホーミング光弾も放たれた。

マホ「これなら避けられないはず!」

咲「……まだまだね」

マホ「こ、これもあたらないの!?」

マホちゃんはいけると思ったのだろうが……駄目だった。
雀幕の厚みが無さ過ぎて、存外にスキマだらけだったのだ。
きっと咲がさっき言った通り、あまり深く考えないで闘牌を作ってしまったのだろう(頭を捻っていれば、改良の余地があるだろうな)
アッと言う間に牌の効果が終わってしまい、次があるのかと言えば無かったらしく、顔に焦りが浮かんでいるマホちゃん。

マホ「う、おおおおおおおお!」

とにかく当てようとがむしゃらに雀幕を放ったが、ついに咲が前に出始め、それらを掻い潜っていく(ゆっくり、じわじわと)
むしろゆっくりなせいで、ガチな殺し合いじゃなくても恐怖してしまうだろうなアレは。
宮永の巫女の恐ろしさを、客観的な視点で味わっていた俺だったが、それもいよいよ終わりそうだ。
理由は簡単、マホちゃんが動きを止め、咲が彼女の前まで到達したからだ。

マホ「あ、ああ……」

咲「……持ち点、尽きかけなんだ?」

マホ「う、うあああ……」

咲「もう貴女は十分闘ったわ、だからこれで終わり」

そう言ったと思ったときには、すばやく咲の手に作り出された札がマホちゃんの顔面にヒットしていた。
持ち点を失い、目を回してマホちゃんが落ちていく……っておい!

京太郎「咲!?」

咲「……」

咲は何故か動かない、勝負はもう付いたのに。
マホちゃんは目をまわして気絶している……このままでは地面に落下して派手なことになるのは明白だ。

京太郎「ちぃっ、くそったれぇ!!」

咲「あっ、ちょっとあんた何を!」

考えるよりも先に、俺は行動していた。

それからどうやらしばらく気を失っていたらしく。
気が付くと、俺が知らない光景が目に映った。
どうやら何処かの縁側のようで、意外と広い場所だ、石畳も見える。

京太郎「……神社?」

俺の中での答えの帰結はそれだった、若干離れた場所に鳥居らしきものがみあたるからだ。
つまりここはあの『宮永神社』というわけだ(地図を見た限り神社はここしかなかった)

???「ん、起きたのね」

京太郎「え?」

顔を上に向けてみるとそこにはなんとネリーの顔があった。
……やっぱかわいいな、この子。

京太郎「……やっぱかわいいな、この子」

ネリー「……へっ!?」

京太郎「……あっ」

しまった、無意識に思ったことを言ってしまった。
きっと彼女も嫌な思いをしただろうに、記憶喪失している元変人にそんなことを言われて嬉しいはずがない(確信)

ネリー「……そんな事を言えるなら、もう元気よね店主さん」

京太郎「あっ、ちょっ」

やはり嫌な気分になったのか、俺は彼女によって縁側にポイ捨てされた(自業自得)
しかし、そのおかげかだんだん頭がすっきりしてきた気がする。
そして冷静になって思った。

京太郎「あれっ、そういえば膝枕しててくれたのか?悪いなネリー」

ネリー「別に……私はあの時貴方を守れなかったから、何か出来ることはないかと思ってやっただけよ、他意はないわ」

京太郎「え?ああ、うん、ありがとう」

ネリー「……礼には及ばないわ……」

やはりどこか不機嫌なネリーは、そっぽを向いてしまった。
軽はずみなさっきの自分を殴りたい。
と、彼女もそうなのだが気になることがあった。

京太郎「ところでマホちゃ……俺を襲った妖怪ってどうなったんだ?」

ネリー「え?それは……」

?「私が退治したわ」

京太郎「……え?」

ネリーが答えようとしたその時に、別方向から声が聞こえた。
それはもちろんここの家主であり、俺を助けた張本人である宮永咲である。

京太郎「……退治したって……それってどう言う……」

咲「決まってるでしょ、今後貴方に近づかないようにボコボコにしたのよ」

さも当然の様にそう言い放った……誰がだ?
……咲がだ……。
あのぽんこつ魔王が自ら、ボコボコと言ったのだ……『雀幕ごっこではなく退治』だと言ったのだ。

京太郎「……ネリー?」

ネリー「……私が着いたときには貴方と咲しかいなかった」

京太郎「……おい、それ……ああ……」

ネリーに否定してもらえれば良かったんだが、否定も肯定も彼女はしなかった。
……咲が、あの誰にでも一歩引いていて、たまに怖いが暢気で京太郎さん京太郎さんってこっちの俺に懐いてるような咲が……。
勝負がついたのに、その相手をさらに痛めつけた……それが嘘か真かはその時の俺では判断できなかった。
だから、感情に身を任せてしまった。

京太郎「なんで……何でそんなことした!」

咲「なんで?妖怪を退治するのは私の仕事なんだけど?」

京太郎「だ、だけどもう勝負はついてたろ!?なにもボコボコにすることはなかったろ!」

ネリー「て、店主さん落ち着いて……」

ネリーが諌めてくれていたかもしれないが、俺の耳には入らなかった。
ただただ疑問と困惑が心中で渦巻いて、そしてそれは段々怒りに変わっていった。
助けたはずの咲を俺は責めた。

京太郎「お前そんな奴じゃなかったはずだろ!?なぁ!?」

咲「……あのさ、『あんた』は誰を見てそれを言ってるの?」

京太郎「……は?」

そんな俺に対して咲はあくまでも冷静に言葉をかけてきた。
そして俺はその言葉に動きを止めてしまった……普段なら『貴方』と俺を呼んでいた彼女が『あんた』と呼んだからだ。
その意味がそのときは咄嗟に理解できた、この言葉は完全に『俺』に対して言っているのだと。

咲「私は貴方を助けた、恩着せがましいかもしれないけどそれは事実、それに私が退治したのは貴方を襲った妖怪。なぜそれが痛みつけられたからと怒るのかしら?」

京太郎「そ、それは……」

咲「あんた雀幕ごっこの後も、落ちたあの子を助けようと駆け寄ったわね。実際そのときあの子は無傷だったけど、貴方は頭を打って気絶し出血してた。助けなくても妖怪ならあのくらいじゃ死なないしすぐ治るのよ?」

京太郎「そう、なのかも、しれないが……」

咲の言葉は実際正しい所もあるんだろう、むしろこっちでの常識がない俺がでしゃばって色々面倒にしたのかもしれない。
それでも俺は、それを否定したかった。

咲「怪我したあんたを治療したのはネリー、顔が真っ青な貴方をけなげに回復してたわ」

京太郎「そう……なのか?」

ネリー「……何かあったら困るからって、回復系の魔法の魔導書を鞄にいれておいたのよ……」

だが、俺はここで咲が俺に言おうとしていることをやっと理解できてきた。
俺がマホちゃんに攫われたのも、マホちゃんを助けようとして怪我をしたのも、ネリーに回復の手を煩わせたのも……何よりマホちゃんが咲に退治されてしまったのも……。

京太郎「俺が……無力だって言いたいのか?」

咲「そうよ」

京太郎「----ッ!」

分かっていたが、流石に即答されるとかなりくるものがあった。
だが彼女はどんどんと続けて言った。

咲「無力と無知は違う……だから貴方だって分かっていたはずでしょ?だって無知ではないもの、私が教えていたんだし。なのに貴方はあんなことをした……それはどうしてか」

京太郎「咲……?」

咲「『あんた』は結局逃げてる、誰からも。私から、ネリーから、あの子から、淡からもかも。……そして何より、『現実と自分』から逃げてる」

それから俺はまた気が付いたら『逃げてしまった』……この場の全てから……咲とネリーを残して。

そこから先、俺はほとんど覚えていないが、身体が疲れ果てるまで走って『出雲堂』に戻ってきたらしい。
体力も限界に近い、そんな状態でズルズルと身体を引きずって椅子にたどり着いた。

京太郎「……ちくしょう……ちくしょう……」

咲の言うとおりだ、俺は逃げてた……どれだけ決意したつもりでも、この世界の奴らとちゃんと向き合ってはいなかった。
違うと分かってるのに、結局外の事ばかりしか頭に無くて、その尺度でこの世界をみていた。
そのせいで自分がピンチに陥り、沢山の奴に迷惑をかけ、あまつさえその事実からも逃げていた。

京太郎「なっさけねぇよなぁ……おい……」

……そう、『外の世界』でもそうだった気がする。
同じように逃げてしまった覚えがある……でもそれがなんだったかは、思い出せる精神状態じゃなかった。
椅子に身体を任せ、さっさと眠りにつきたかった……またそれが逃げだったとしても俺は何も考えたくなかった。

??『ああ、情けないな……落ちるところまで落ちたものだ』

京太郎「……あ?」

何かが俺の頭に語りかけてきた、それが何かははっきりとは分からなかったが、どこか懐かしいような気がした。
辛い身体に鞭打って必死に身体を起こした俺は、なんとなくその存在を感じる方へ向かいだした。
そこにあったのは……昨日淡がこっちの俺のために集めていたと言う金属を入れてあった袋だった。

京太郎「……そこにいるのか?」

??『ああ、早く出せ……暑苦しくてかなわん』

京太郎「……分かったよ」

謎の声に従って袋を開ける、すると金属の中でも一際輝くものがあった。

京太郎「……剣?」

剣?「左様、剣だ……お前同様ぼろぼろだがな」

謎の声改め、ぼろ剣は苦笑したような声でそう言った。

京太郎「ふふ……違いないけどさ、お前はまだ輝いてるじゃないか。俺はもう……」

剣?「違うよ」

俺は自分のことを卑下しようとしたが、その途端ぼろ剣に即答で否定された。

京太郎「何がだよ、お前だってさっき俺のこと情けないって言ったくせに」

剣?「それだよ」

京太郎「は?」

剣?「そう言うのが情けないと云うたのだ、自分を卑下し、すぐに諦め、同じ事を何度も繰り返して。学習することをせんな」

京太郎「……」

俺は思わず黙ってしまった、ぼろ剣が言った事を確かになと思ったからだ。
実際に俺はずっとそうして生きてきてしまったわけだしな。

剣?「良いか、よく聞け。実は逃げるのは悪いことではない」

京太郎「え?」

剣?「だが、逃げたのを逃げたままにするのが悪いのだ。例えば今回お前はあの巫女から逃げたろう?」

京太郎「な、何で知って……」

剣?「黙って聞け」

京太郎「……はい」

どうやらこのぼろ剣は俺の情けない一部始終を何故か知っているらしい、何者だこの剣。
そして口答えは許されないらしい(鬼軍曹か何か?)

剣?「この後お前は寝ようとしたよな?あれは逃げに逃げを重ねた奴の常套手段だろ、情けないに決まっている」

京太郎「……じゃあどうすれば良いってんだよ?

俺にはわからない、逃げた後どうするかなんて考えたことも無かったからだ。
これもまた情けないかもしれないが、俺は誰かと喧嘩したり意見をぶつけ合ったことが無い(だいたい周りに意見をあわせたり、相手が悪くても俺から謝ったり、急いでその場から去ったりだ)
……もしかしてそれもコイツにつつぬけなんじゃ……。

剣?「もちろんつつぬけだ」

京太郎「心読めんのかよ!」

なんてぼろ剣だ!こんなこと普通じゃ考えられない!(そもそも剣がしゃべるのがおかしい!)

剣?「まぁ落ち着け。お前は逃げに逃げを重ねてきたが……どうだ?そろそろ変わってみんか?」

京太郎「変わ……る?」

剣?「そうだ、強くなってあの巫女に文句を言わせないレベルになれば良い」

京太郎「……俺が?」

剣?「左様」

ぼろ剣が俺に言ったのは、単純明快な答えだった。
『強くなる』……いたって素直でシンプルな、たった一つの答えだ。

京太郎「だがぼろ剣……俺は雀力がほぼ無いらしいぞ?お前だって俺の心が読めるなら分かるだろ?」

そう、俺は咲に昨日そう言われたし、あればきっとこんな事にはなってないはずだ。
火のないところに煙は立たないって言うしな、希望なんてないさ(諦観)

剣?「言ったそばからそれか。そう言うのは努力して努力して……それでもどうにもならないまま死んでいく様な奴が放つべき台詞だ」

京太郎「なっ、じゃあ俺が努力をしなかったっていうのか!?」

剣?「そうだろうが、逃げない努力をしなかっただろ」

京太郎「あ……」

ぐうの音も出なくなってしまった。
反論の余地が無い……事実だものな。

剣?「分かったろう?どんな天才も全くの努力なしで天下をつかむことはできない、歴史の天下人だって失敗や逃げから学んで大成していったのだ。なのに自分を卑下してるようなお前がそれをしなかったら、底辺になるに決まっているだろう、ちがうのか?」

京太郎「……おっしゃる……通りです」

剣?「うむ、やっと素直になったか。ではしかと聞け」

ぼろ剣は俺の反応と精神状態に満足したようで、オホンッと咳払いをして話し始めた。

剣?「実は我もかつては天下人に握られるほどの業物だったのだ、だが時がたち、歴史が廃れ……気が付いた時には、我はこの世界に流れついた。」

京太郎「……そしてこんなぼろ剣に?」

剣?「ああ、使い手になれる器の存在がいなくてな……時間がたってこの世界の者ですら、今はもう皆我をただのぼろ剣としか思ってくれん」

なるほど、どんな良い物でも使ってくれる奴がいないとこうなっちゃうって事か。
……そして、俺にはぼろ剣のような輝かしい時代なんてないし……なんか余計にみじめだな。

剣?「だがな、我もようやく使い手にめぐり会えた」

京太郎「え?なんだ、良かったじゃないか」

剣?「なにを他人事みたいに云っている?お前だ」

えっ?

京太郎「俺が……お前を?」

剣?「そうだと今しがた云っただろ、こんな事は冗談でも簡単に云えんことだ」

どういうことだ?このぼろ剣が真実を言ってるんだとしたら、俺は天下を取れる器があるってことなのか

途中投下申し訳ない!

京太郎「俺が……お前を?」

剣?「そうだと今しがた云っただろ、こんな事は冗談でも簡単に云えんことだ」

どういうことだ?このぼろ剣が真実を言ってるんだとしたら、俺は天下を取れる器があるってことなのか!?
い、いやいやそんなはず……ああ、違う……こういうのが駄目なんだっけ。

京太郎「……俺がお前の使い手になったら、俺は強くなれるのか?」

剣?「あ?知らんわそんなもの」

はい!?そりゃないだろ!さも強くなれるような大仰に言ってたじゃないか!
騙したのか!?そうなのかぁ!?

剣?「まぁ、少し落ち着いて聞け。強くなれるかは知らん、何故ならここから先はお前次第なのだからな」

京太郎「へっ?俺次第……なるほど、努力次第ってことか」

剣?「多少は学んだか、そうだ。確かにお前は器として適合しているが……まだ小さいのだよ、努力してこなかったツケでな」

京太郎「ああ……そう言う……」

質が良くても器が小さいなら、どうなるか……俺も想像したら分かった。

京太郎「力をしっかりと発揮できないんだな?」

剣?「そうだぞ、よしよし飲み込めてきたな。とりあえず握れば今よりマシになるのは間違いない、我ら互いにな……だが天下人へ大成するかは、使い手の努力次第ぞ」

京太郎「……そっか…そっかぁ!」

なんだろう、ぼろぼろの身体に力が戻ってきた気がする!
塞ぎ込んでた気持ちが少しずつ回復していく。

剣?「現金なものだよ、人間は……いつの世も、絶望してたかと思えば、一度希望があるとしるや普段以上の力が出てくる。面白いな、人間って者は」

京太郎「ああ、現金だよ!それで良いじゃねぇか!人間なんだからさ!」

剣?「違いない……では、強くなる覚悟があるなら我(きぼう)を掴め。さもなくばそこらでのたれ死ね」

……選択肢一つしかなくね?いや、掴むけどさ。
だってな……俺だって本当は変わりたかったから……!

京太郎「俺は強くなる!だから力貸せ!ぼろ剣!!」

俺がぼろ剣を掴むと、店内に光が広がった。

光が晴れると、俺の手元にあったのはもうぼろ剣なんかじゃなかった。
緑の柄に、大蛇の紋様が入った鍔、そして新品同様になった鋭い刃……そんな状態の刀だった。

京太郎「ぼろ剣!お前こんなカッコいいのかよ!ずりぃな!」

剣?「阿呆が、これからお前には我相応に強くなってもらうのだからな。覚悟は決めたのだろう?」

京太郎「もちろんだぜ、今の俺……なんて言うか、力がみなぎってるぜ!」

そして俺自体も生まれ変わったようにスガスガしい気分だ(須賀だけに)
雀力が自分の中にあるのをはっきり感じる、これでやっとスタートラインだ。

剣?「さて、それではいい加減ぼろ剣ではしまらんしな。使い手よ、銘を与えてくれんか?」

京太郎「銘?」

剣?「ほら、色々あるだろ?魔剣なんとかだの妖刀なんちゃらだの」

京太郎「ああ、それか」

確かにもうぼろくないのにぼろ剣は可哀想だもんな……それに俺の希望になってくれた大切な剣だし、大事にしたい。
……よし、決めた!

剣?「……ほう」

京太郎「あっ、心読んだなこいつ!」

剣?「読めてしまったんだからしかたあるまい。だが、こう言うのは声に出して宣言すべきだな。これもまた儀式的ものだからな」

京太郎「ん、分かった。じゃあ言うぞ」

俺がこの剣を得れたのは、淡の……大星淡のおかげだ。
そしてこの剣を持って俺は大成する……だから!

京太郎&剣?「「この剣(我)の名は大星の剣(たいせいのつるぎ)だ!!」」

この銘が決まった日……俺はもう逃げないと心で誓った……新たな相棒とともに。

所変わって、京太郎が逃げた後の宮永神社では……咲とネリーが並んで座っていた。

ネリー「……咲、貴女らしくなかったわね。かなり怒ってなかった?」

咲「……そうね、らしくなかったわ。自分でもそう思う」

ふぅ……とため息をついた咲は、手元にある湯飲みのお茶をすする。
そんな様子の咲を見ながらネリーは何処か納得いっていない様子だ。

ネリー「彼も、貴女も変だった。間違いなく何かを隠してる……あの会話にはそこかしこに違和感があった」

咲「……貴女さ、実はもう気づいてるんでしょ?」

ネリー「……何に?」

ネリーの言葉に対し、咲は向き直り、彼女にそう聞いた。
しかしネリーもまたとぼけてしまった。

咲「……ったく、ほっとけばいいのに、知らないふりして帰っても問題なかったでしょう?アンタだったら、一人が好きなんだからさ」

ネリー「……論点をずらさないで、私の言葉にまず答えてよ」

咲「こうなると本当に面倒ね……分かったわよ、そうよ、アイツは外の世界から来た外来人。私たちの知る京太郎さんじゃない」

ネリー「----ッ!やっぱり……」

ネリーも実はそうなのではないかと思っていた。
人食い妖怪のマホが、外の世界の人間と麻雀郷の……それも『半妖の匂い』を勘違いするはずがないからだ。
そして、咲の答えを聞いてやっとはっきりそうだと確定された……記憶喪失だと嘘をついたのは、ほかならぬ咲なのだから。

咲「流石に京太郎さんがいなかったら、淡がショック受けるじゃない?私の調子狂うじゃない?だから記憶喪失だと言ったのよ」

ネリー「なんだかんだ貴女も単純ね……」

咲「うるさいわね、事実よ事実」

プイッとそっぽを向いて茶請けのせんべいをがりっとかじる咲、内心あまり機嫌がよろしくないらしい。

ネリー「それで、そんな風になる様な『苦手な演技』をしたのはなんで?」

咲「ん、今それを明かすわよ。出てきなさい」

ネリー「え?」

縁側横の茂みが揺れ、そこから出てきたのは、なんと退治してボコボコにしたといっていたにも関わらず『無傷のマホ』だった。

マホ「……」

ネリー「こっちも嘘だったのね、意外だわ」

咲「ちょっ!一応貴女と私は旧知だからそこまで鬼じゃないって知ってるよね!?」

ネリー「冗談よ。それで、この子は平穏無事なのに嘘をついて彼を傷つけたのには理由があるんでしょうね?」

冗談に必死に抵抗しようとした咲をスルーし、少し怒りをこめて彼女を見るネリー。
マホはだまって俯いている。

咲「……そうね、理由の一つ目はこいつ、それと貴女ね」

ネリー「……え?私とこの子にいったいどんな共通点が?」

まさかの事に驚くネリーに咲はにやりと笑って話を続けた。

咲「さっき言ったでしょ?一人が好きで必要以上に踏み込みたがらない貴女が、彼にはすごい入れ込んでたでしょ?」

ネリー「……そ、それは……純粋な興味で」

咲「ダウト、そんなキャラじゃなかったわ、貴女は」

自分の言葉にネリーがうろたえたのを見て、さっきの溜飲を下げた咲はさらに続ける。

咲「そしてね、この子については耳を澄ませば分かるわよ?」

ネリー「耳を澄ます?」

咲の言うとおり、マホのほうへ耳を傾けてみると、スンスンと鼻を鳴らす音が聞こえてきた。

ネリー「……まさか、この子泣いてるの!?」

マホ「ぐすっ、スン……ごめんなさい、京太郎先輩……マホ、マホ、そんなつもりじゃあ……」

咲「この子にいたっては重症なのよね……まるで、別人よね?」

ネリー「……どういうことなの」

咲の言葉通りならば、あのマホという妖怪と自分が京太郎と出会い、その影響を受けて変化してしまっているということなのだ。
程度は違えど、麻雀郷の住人に影響を与える外来人……。

咲「本当に異変の元凶なんじゃないかとも考えたけど、今の所事情的に退治できないし、ほっとくしかないのよね……というわけで、一旦帰ってもらって、私も少しは考えてみようかなっと……外来人ってこわいわ~」

そう言いながら暢気に茶をすする咲、この巫女は相変わらずである。
しかし、まだ話は終わっていない。

ネリー「ちょっと、一つ目って事は他にもあるのよね」

咲「あ、うん……どっちかと言うとこっちが一番の理由かしらね」

ネリー「へぇ、さっきの以上の理由となると無視出来ないわね」

咲にとって重要な理由ならばとネリーは答えを待った。
そして返ってきた答えは、コレはまた意外だった。

咲「……強くなってほしかったからよ」

ネリー「……へぇ……」

咲「……なんか勘違いしてるみたいね」

ネリーが咲の答えに鼻で笑ったため、咲はイラッときてジト目で睨みつける。

咲「……結局は彼は心が外来人のまま……匂いも取れず、その果てにまた襲われてしまうかもしれない。そのとき私や貴女みたいなのが動けなかったら、死んじゃうじゃない?だからあえて突き放して、憎まれ口を叩けば、意地で逃げずに強くなろうと奮起するかなぁって」

ネリー「なるほどね、結局は貴女も彼に影響されてるんじゃない」

咲「……どうしてそうなるのよ……まぁ、そう言うことが後々おこる可能性は否定できないけど、今回は京太郎さんの代わりが出来るのがアイツだからなんだから」

ネリー「はいはい」

焦る咲に、あしらうネリー、泣くマホ……。

そして……。



??「……頃合かしら……ね?」

笑う何者か……。

【next fantasia】

といったところで二日目終了!

なんとか書ききれた(疲労)

果てさて、強くなるのか京ちゃん!?そして笑う者は何者か!?

明日も同じ日程に書くつもりです。

それでは、おやすみなさい!



>京太郎「俺は強くなる!だから力貸せ!ぼろ剣!!」
このセリフで永遠神剣思い出した

ドーモ、ミナ=サン。>>1デス(ぺっこりん

>>124
永遠神剣を知らなかったので調べたら、なるほどと納得できました(おめでとう!私の知識が上がったよ!)

それでは書き始めていきます。

久方ぶりに……

   _,,....,,_  _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''>   ゆっくりしていってね!!!   <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ     __   _____   ______
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__    ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7   'r ´          ヽ、ン、

::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7 ,'==─-      -─==', i
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
`!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ   !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i |
,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'    L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|
 (  ,ハ    ヽ _ン   人!      | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ    レ ル` ー--─ ´ルレ レ´

【キャラ紹介コーナーその三】

●ネリー・ヴィルサラーゼ 元東方キャラ『アリス・マーガトロイド』

           「 ̄`ヽ-―‐---、__

           {:.. ,..-f( ))-、       ̄}
              广}___クーく.___{ ̄`ヽ ..:::/
          / ,..-‐r:r―┬r::r--、  }!V、_
          /7'..:::i::|^!...:::i:| |:ヒjハi::ヽ|! ヾヽ
           {ハ:::::::f':n:i、:::::{"{::n:ヾi:::.:|!  }!'^゙
           |丶弋ツ `゙ 弋;ツ}::::.|!  }!
            |:::|:i| "  '_   " .!::::.{! o|!、
             |、::|ハ:.,、  、ノ ,..ィ:ノ::リ;》=《i ゙、
         /.:ヽハ!:r‐` T"´  !イ':":.:.:.:.:\i!
       r:<>、.:.:.:.:.:.ト--、   ,..-/:.:.:,:イス) >_>、
      ζ√ーァ\:.:.:.ヽ     /:fィ_トrJ しイ.,>イ
        ∀  ! `Zf┬‐-≧ーイ:.:r'´       |_)i::}
      / .,.:彡ミy' /_,.-< ̄`ヽ::::..       !::、:::i!
      <  ̄  ノ''"   ...::::..... ::::::::.   ,.ィ:::::i!:::|

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                 ./ /::::::;ィ'=j=v=r-v-=',  ',  ニ=--
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                     ,'  {   、 、  l l ト、 } .ヽ、ヽ  '-、ヽ、
                 ,   l  、. ヽ ヽ } トi'´リヽ、 l`ー-.  ヽ、__,
                 l , , .',  ̄`ー-、 ヽ| ,rf::::T /\{ `ー ト、<
                リ, ', .ヽ.,r=气, ヾリ `¨´,イ/ 人   |从iリ
                  ', ヽ ゝ`¨´  ,    ,イ./  ヽ  }
                 >、 ヽ、\   -‐ ,.イ/iリ_  />=ー--、       , -――''''''´〉
                 .{/i \ ヽ_,rニニr.-.' f´ /::/´ ̄     ハ.,__/-‐‐-、,__/
                   i,r-‐'" ̄   \ .ヾ、Y:/        /     、   `ー-,
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          _,, -‐''"         ./i\厂,r--=- ヽ_,,,/  /⌒\   {′
          V           /i ̄__/(f      /      >/⌒`ヽ、 |
             /_______./i ̄  .{(f     /    /`ゝ、\  ヽ`ー-―――-、
           /,r-v-v-v-v-v-vf ̄   ,ィ' >=-、__     ,><´ \ ヽ  .',  ___,ノ
         /{/: : : : : : : : : : : : : : :\ _,r'´/ /  /;/ `ー- __\  ヽヽ  ',‐'´
          {、:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:´:_:V T ̄ ̄ヽ..,/   /::::::::::|  `T´\_,). \ ヽ
        V´V´V´V´V´V´V´V´V´/::;;}ニ    ` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ .}.      `´
                      <::::Yー-  ,______  j
                       `Y/ /  /;/  /____>'´ ̄:}
                     r-=ニ====-'         ,,r,}
                     {::::::::::::/  ∧ー----――''''"´:::::ヽ、

魔法の森で静かに人形を作りながら、一人で生きている魔法使い。
様々な人形を同時に操る魔法を多用し、その為に『七色の人形使い』と呼ばている。
妖怪だが元人間であり、人里の人間にも、外来人でも基本的には好意的に接しており、森で迷った時は泊めてくれるらしい(優しい)
なのだが人付き合いが得意かと言われるとそうでもないので、自分から関わるのは人里で人形劇をするときくらいである。
かつて魔界と呼ばれる世界の出身者だったのではないかとの噂もあるが、詳細は謎に包まれている(常に抱いているグリモワ(魔道書)は、その手の専門家でも理解できないところがあるそうだ)

須賀京太郎との関係は、ご近所付き合い(森の中と入り口)とお得意様(普通に買い物をしてくれるレベル、巫女や普通の100倍の魔法使いは『客』とはみなされない)と言った所。
ネリーは店主さんと呼び、普通に友人関係のようなものだった(最近色々変化があった模様)

雀力の性質は魔、限定条件で神。
能力は主に魔法を扱う程度の能力、もしくは人形を操る程度の能力(能力は自己申告制なので変わる場合がある)

「----うん、うれしい……!」

須賀京太郎 麻雀郷生活三日目

あの夜を越えた今日……つまり、この世界に来てから三回目の朝だ。
雀力が手に入ってある程度回復は出来たものの、疲れてることには変わりなかった俺は、汗だくの身体を風呂で癒してから布団で眠った。
そして今の俺は心身ともに充実している、雀力があるってすばらしい!

大星(たいせい)「昨日の感覚をしっかり戒めにしておけよ?」

分かってるよ、俺は誓ったんだからな。
身の丈を考え、だが自分に厳しく、なにより絶対に逃げない。
……そして新たな相棒もいるため、気持ちにぎやかに思う。

大星「だが昨日言ったように、我の言葉はお前しか聞くことが出来ん。他の奴らの前でうかつに声をかけるなよ?」

だからこそ今は心で喋ってるんじゃないか、お前との会話に慣れるために。
と、こんなことをしている場合でもないんだよなぁ。

京太郎「……腹減った……」

結局あの騒ぎのあと、俺が買った食材は行方知れずだった。
おまけにわき目も振らず咲とネリーの前から逃げちまったから、本当に行方が分からない。
もしかしたらどちらかが回収してるかもしれないが、最早確認するには二人の下へ向かうしかないわけだが。

京太郎「行きづれー……」

大星「自業自得とは言え、哀れな使い手だ。ほれ、逃げないなら正面から突っ込んで食材を返してもらえ」

京太郎「いやいや、こう言うのは勢いとかがないとだね?」

大星の剣の言うとおりではあったが、咲とは口論になりはしないか、ネリーに気を使わせたりしないか……そう考えると行き辛いのだ。
それに今日は気持ちを入れ替えて、まともに商売をしようと考えていただけに、予定を変更するのもあまり気持ちがよくなかった。

大星「ならば森に生えてるキノコでも食ったらどうだ、上手くいけば魔の雀力が得られるかもしれんぞ?」

京太郎「……その手があったか」

大星「おい、冗談を鵜呑みにするな。アレはお前には毒だぞ」

冗談かよ、畜生。
普通に食えるなら、この際味とかどうでもいいと考えてたのに……いや、いっそ雑草とか虫でも……。
……うーむ、自分で思うのもなんだが……結構キてるなこれ。
しかし、そんな限界ギリギリの思考は打ち切られた。
何故なら店の扉からノックが聞こえたからだ。

京太郎「ん?……どうぞ」

ネリー「……お邪魔します」

京太郎「あ……」

開店の表札にしているのに、わざわざノックするのも変だなぁ……とは思ったが、まさかネリーが来るとは思わなかった。
昨日は色々世話になって、迷惑かけて、その上逃げてしまった相手だが……ここでさらに逃げるわけにはいかない。

京太郎「いらっしゃいネリー、今日はどんな用事できたのかな?」

ネリー「……店主さん、昨日のことは……」

……どうやら俺は普通に応対出来てはいるみたいだが、いかんせんネリー自身が昨日の事をかなり気にしているみたいだな。
致し方ない、ここは彼女をしっかり安堵させてやらなきゃな。

京太郎「ああ、大丈夫だぜ。咲が言ったことは紛れもない事実だし、俺はもう受けいれた」

ネリー「え……昨日の今日で?」

京太郎「確かに俺は無力だし、逃げてばっかりだった。それは間違いない」

雀力を手に入れ、冷静になって心機一転するまではそうだったのだ。
そして、今の俺は違う。

京太郎「だからさ、俺は強くなる。咲にめったくそ言われなくなるぐらい……いや、度肝を抜かすくらい強くなる」

大星「ほう、大きく出たな」

ネリー「……そっか、そう言えるくらい精神が回復してるなら良かった……これも余計な心配だったわね」

俺の答えに大星の剣は笑い、ネリーは心から安心した様だ(笑うなよ、結構マジなんだぜ?)
そして彼女は手に持っていたバスケットを俺に差し出した……まさかこれは!

ネリー「きっと心の栄養が足りてないんじゃないかって……余計かもしれないけど料理作ってきちゃったわ、もういらないかもしれないけど」

京太郎「……いやいや、そんなわけないだろ?……確かに種族的には不要かもしれないけど、食べたいって欲求はあるぞ?それがネリーの料理ならなおさらだ」

ネリー「……妙な言い方しないでよ、そんなつもりで作ってないのだから」

ネリーが持ってきたバスケットからは、暖かくとても美味しそうな匂いがしている……これは絶対美味だ(確信)
だが俺の言葉にそっぽを向いてしまった彼女(また不機嫌に?)……このままでは彼女の料理が食べられなくなってしまうかもしれん!

京太郎「食べさせてください!」

そして必死の土下座……俺は逃げない!料理を食べるためならこのくらいのこと乗り越えてみせる(まずは小さな一歩から)

大星「……女の尻に敷かれるのが男の常だな……やはり情けない」

うるさい!美少女の貴重な手料理を味わえる機会を、ここで逃してなるものか!
それに……もう、色々限界なんだ。

ネリー「別にそこまでしなくても良いのに。……どうしても食べたかったのね、私の料理♪」

俺がネリーの言葉に顔を上げると、彼女は満足げに笑っていた。

京太郎「美味すぎる!」

大星「良い食べっぷりだな」

ネリーが俺のために作ってきたものは、『焼き魚と野菜のリゾット』……リゾットってのは、イタリア発祥の米を煮込む料理だ。
そして昨日俺が買った食材を使って作ったものだった(まぁ俺だったらこんな風には作れなかったし、結局役得なんだが)
味付けはまろやかめの塩加減で、食べやすく、ほいほい手が進む……そして皿がすぐに空になってしまった。

京太郎「あら、無くなっちまったか……まだまだ食えそうだったのに」

ネリー「……驚いたわ、店主さんかなり食べるわね」

京太郎「ははは、これでも男だからな」

大星「うむ、天下人たるものならば、腹は十全に満たさねばな。力(りき)が入るまい」

やはりと言うか、ネリーは男子との付き合いがあまりないのか……あるいは皆小食なのか、俺の食べっぷりと腹の底なし加減に驚いている。
かつて外の世界で中学ハンドボールの県大会決勝まで行った俺、今は文科系に移行はしたが、身体はスポーツ系なんだ。
それが雀力を得てより力が高まってるわけだし……もしかしたら前以上に食べないと満足できないかもな。

ネリー「ごめんなさいね、そこまで計算してなかったわ。今度はもっと沢山作らないと」

京太郎「えっ、また作ってくれんの!?」

ネリー「……機会があったらね?」

大星「ほう……」

まさかもう一度作ってくれるかもしれないとは……やはり知り合い冥利に尽きるな(感動)
昔、母親が今日出かけていないって言ったら、咲の奴がメシつくりに来てくれたこともあったし……飯に困ったことはなかったから、今の状況は身に染みるぜ。

ネリー「さて、それじゃあ店主さんの元気な姿が見れたし。次は前に買い損ねた本でも見ようかしら」

京太郎「おっとと、そうだそうだ。今日はちゃんと店をやらないとな、メシも食えたんだし」

ネリー「あら、そう。じゃあ本棚はどこかしら?前と場所が違うみたいだけど」

実際まだ物足りなくはあるが(量的な意味で)、腹に物が入っただけ良かった。
と言うわけで店を再開、ネリーが本棚の場所が分からないようで、店内を見渡しているため、本棚の場所を案内する。

京太郎「こっちだぜ、本に類するものはこっちにまとめたんだ」

ネリー「……結構分かりやすくなってる、こう言うこと得意なの?」

京太郎「まぁ、その手の仕事は一通り経験はあるが……どうした?」

ネリー「……いえ、なんでもないわ。ナルホドネェ……」

彼女が妙に俺について踏み込んで聞いてきたため、どうかしたのか聞いたが、はぐらかされてしまった。
そしてブツブツと呟きながら本棚に向かっていった。
……どうしたんだろうな、大星?

大星「くくく……いや、我も知らんな」

何笑ってんだ、コイツ。

大星「良いから仕事に戻ったらどうだ?こう言う店の店主は堂々とカウンターで客が来るのを待つべきだろう?」

はいはい、分かってますよ。
俺は大星に言われる間もなく、カウンターに向かった。
しかし再び店の扉がノックされ、その動きが止まる。

京太郎「……またか?」

大星「ふむ、また普通の客ではないのだろうな。もしかしたらあの巫女かもしれんな?」

マジか……今一番会いたくない相手ではあるが、さっきノックしたのが昨日あったネリーなんだし、その可能性はあるか。
俺は若干躊躇しかけたが、それでも扉を開いた。

淡「よっす、スガキョン!元気かよ?」

京太郎「……あれ?淡……何故わざわざノックを?」

扉の先にいたのは予想外に淡だった。
彼女は昨日の件を知らないはずだし、俺に対して遠慮するようなタイプじゃなかったはずだ。
と思うと、彼女の横からひょっこりと小さな影が顔を出した。

京太郎「……あれ?」

淡「いやぁ、私は普通に入ろうとしたんだがな。こいつが扉の前でじっと動かなかったからさ。背中押すためにノックしたんだよ、結局私の後ろに隠れたんだが……」

マホ「……」

その正体は昨日俺を捕食するために襲い、そして咲に退治されたはずだった人食い妖怪夢乃マホだった。
なるほど、理由は分かった……しかし何故彼女が俺の前に現れたのか、しかも無傷で。

京太郎「……何か用か?」

マホ「ひっ……うぅ……その……」

……なんだろう、どうも様子がおかしい。
確か咲が俺に近づかないようにボコボコにしたって言っていたはず、なのに俺の前に来た。
さらに咲じゃなくて俺そのものに怯えているようにも見える、少なくとも今の俺は彼女より格下なのに。

淡「おいおい、あんま弱いものイジメしてやんなよ」

京太郎「は?いや、俺はそんなことしてないぞ?」

妖怪マホちゃんの様子がいじめてる様に見えたのか、淡が庇ってきた。
まったく覚えがないのだが……。

マホ「!……ち、違うんです!」

淡「お、おう?」

京太郎「? じゃあ何のために来たんだ?」

マホ「き、京太郎先……京太郎さんに謝りたくて……」

謝る?……ああ、なるほど。
しかし、アレは人食い妖怪として当然の行動なんだし……俺は元から怒ってはいない。

京太郎「昨日の事か?いや、気にしなくても……」

マホ「そ、そこじゃなくて!その……!」

大星「……ん?これは……」

そこじゃない?どういうことなんだ?
全く事態が飲み込めない俺に、不意打ちで爆弾が投下された。

マホ「ま、マホ!京太郎さんの唇奪っちゃいました」

……瞬間、静かに本を読んでいたネリーが勢いよく立ち上がったり、淡が口をパクパクとさせたり、大星の剣が声を抑えて笑っていたり、外から『シャッター音』が聞こえたりしたが……うん、俺は落ち着いてる(震え声)

京太郎「……それ、いつの話だ?」

マホ「……マホが咲先……咲さんに雀幕ごっこで負けた後すぐです」

おお、ゴッド……どうやら俺は幸せな感触と共に気絶したらしい、何故覚えていないのか。
……だから落ち着け、別世界の住人とは言えマホちゃんの唇だぞ?パッと見が事案とか言うレベルじゃないぞ!

京太郎「そ、そうか……だがそれは事故だからな、ノーカンだノーカン!」

マホ「そ、そうなんですか?」

京太郎「ああ、そうだ。だから謝る必要はないぞ!」

マホ「な、なるほど!良かったです、マホ責任取らないといけないのかと……」

いや、これはあくまで気持ちの問題なわけで……それに今回は完全に事故だ。
……よし、『俺は』冷静になってきた……。

京太郎「ところでマホちゃん」

マホ「はい!何でしょう?」

                                     ,ィぃ
                     _, -――- ,_      ,ィマママム

                   ,  '": : : : : : : : : : : : : ` ,  ,イママママム
                   /.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :vママママママム
               ,: : : : : :/: : : :/: : : : : :ヽ: : : : /マママママママム

                  /: :/ : : //: : : :/: : : :ト、 : : 丶: :付寸ママママママム
              /: :/.: : :///| : : |: : : : |: :丶 : :ハ: :寸マママママメメ、
              |: :l : : _jレ代ト、: :ト、: : :.ト、 ,ハ: :ト、i: : 寸ママママママ
              |: :| : : |    ハ|∧  l ` 'l: :l: :l: : : 寸マママママ
             人∧,ハl         \l   l: :i: :| i : : :.寸ママママ
                l : : 刈,r==く      ,zx、ノノイ / : ::/`マママ
                | : : : :| l/l/  ,     ⌒ヽ.   レ⌒Y
                | : : : :|   ┌ ―┐  l/l/l ノんノ
                | : : ,仆、   マ. 丿     rく__/|
                l : : !i ト、「>rf^h_, ィ ノ|人|: :/
               /イ: :|寸〈V j i  |   i匕>、 レ′
               人| ,rく〉V l i  | ̄>′  \`
                    〉 i_〉⊥i, hく      ∧
                  ∧/ ,r一'   |rヘ、   /ヽ',
                  / r| 〈 / ̄ヽ  >く   l∧
                   / 〈 \レ': : : :/ `ヽノj_, /  !
                    /  | `ー\::/      ̄`ヽ ト一
                  V     ∧        `|
                 V     / \         |
                〉ー<     \    , イ
                /           >---く  |


淡「……」

ネリー「……」

淡とネリーはいまだに固まっている、なので今のうちに彼女に気になったことを、小声でこっそり聞いておこう。

京太郎「……もしかして、外の記憶があるのか?」

マホ「えっ、どうしてそれを……」

あ、やっぱりそうなのか……何か雰囲気が全く違うし、俺や咲のことを先輩って言いかけたりとそれらしい特徴があったからな。
……だが何故だ?……あくまでも俺の知り合いと見た目が同じで、同姓同名の別人がいるのがこの世界だったはず。
その法則がマホちゃんだけは外れた……実は素がコレだった説は、今聞いたことに反応したことで崩壊したしな。

大星「フフフ、簡単な話だろう?」

ん?大星、どういうことだよ?

大星「お前とこの娘が繋がったからだろう?接吻でな」

……はぁ!?

大星「お前が外の世界の人間だと気づいている奴という可能性もあるが、巫女も知っているのに記憶はなかっただろう?となると、もはやお前と直接肉体的に繋がったためにそうなったと考えるべきではないのか?」

む、むむむ……確かにそうなんだが、受け入れるにはちょっと破天荒すぎる事態だ。
いや、冷静に考えれば今回は事故でこうなっただけで、無理にコレをやる必要はないよな?
そりゃ外の記憶がある奴が仲間にいれば、多少今後の動きが楽になるのは間違いないが。

大星「まぁ、今回は『こう言う手もある』と知れたのだからそれで良いではないか」

うん、そうだな、そう考えよう。
俺は強くなっていかなきゃなんだし、こう言う手札はあるにこしたことはない。

マホ「京太郎先輩……?」

京太郎「あ、わりぃ。そうだな……マホちゃんは外の記憶が出る前の自分の記憶はあるのか?」

マホ「は、はい……マホ自分が怖いです」

黙っていた俺を見ながら不安になったのか、マホちゃんが呼んできたので、記憶の混濁があるのかを聞いた。
すると涙目でそう訴えてくるマホちゃん、流石に人間を食べる妖怪の記憶と、人間の記憶が混じってしまっているみたいだし、そうなるわな。

京太郎「困ってるんなら、うちに来ないか?人間としての感覚もあるから、メシくったり風呂入ったりしたいだろ?」

マホ「そ、そんな!良いんですか!?」

京太郎「ああ、って言うかさっきの聞いて放って置けるわけないだろ?」

きっとかつての純妖怪状態なら、自分の衛生状態に気を配ったとしても水浴びくらいかもしれない(それでも良い匂いなのが疑問だが)
だから昨日はマホちゃんもあまり気持ちが良い状態じゃなかったろう、そしてそれくらいなら俺でも面倒は見れる。
すると、マホちゃんは嬉しそうに俺に抱きついてきた。

マホ「やった!やっぱり先輩やさしいです!」

京太郎「あはは、おいおい落ち着けよ」

俺としてはとっても癒される、一人で放り出されたような気持ちだったから。
だが、この場でそれはいけない。

淡「ど、どういうつもりだお前ら!!」

ネリー「どういうことなの……いえ、本当に」

京太郎&マホ「あ」

大星「おうおう、面白くなってきたな」

おい、笑い事じゃないぞこれ。

淡「ふ、不潔だぜ!き、キスとか!普通好きな奴同士がするべきだろ!?」

京太郎「いや、だから事故なんだって。落ち着けよ淡」

ネリー「……なぜ昨日は黙っていたの?」

マホ「そ、それは……簡単に言っちゃいけないことだと思って!」

淡は俺を、ネリーは何故かマホちゃんを責めている……なんだこの修羅場もどき(俺主観)
ともかく二人をなんとか落ち着けないと、どうしたら治まってくれる!?

大星「接吻をすれば一発だろ、ほれ行け」

もう黙ってろよお前はぁ!!
と、そんなことをやっている間に話はどんどん変な方向に流れ出す。

淡「なんでよりによって私が知りもしないこいつなんだよ!咲とかネリーとかならまだ分かるけどなんでぇ!?」

京太郎「おい、どうしてそうなる!マジで落ち着けって!」

ネリー「理由は分かった、でもなんで二人が一緒に暮らす様な流れになっているのかしら」

マホ「きょ、京太郎先輩が許したからですよ!コレについては間違いないです!」

二人の乙女が落ち着かないことによってどんどん場が混沌としていく、くそっ!こう言う時どうすれば、俺は修羅場の経験なんてないんだ!
焦る俺だったが、ふと気が付いた。

京太郎「おい!ちょっと待て、なんか店の中暗くないか!?」

淡「あ!?夜になったからだろ!?」

京太郎「いやいやそれはない……え?」

店内が暗い、確かに夜ならばそうなってもおかしくはないが……実際のところ、そこまで時間を修羅場に費やしてはいないからまだ昼~夕方くらいのはずだ。
なのにそうなっているのはおかしいと、俺は外を確認した……そして気づいた。

外が……窓の外が赤いのだ。

京太郎「なんだこれは!」

淡「は、ええ!?どうなってんだこりゃ!?」

ネリー「紅い……霧?」

まだ紅魔館すらいってなかったのか……←いまさら

ミニスカハギーはよ

マホ「ど、どうなってるんです!?」

淡「……なぁ、流石にこれは自然に発生するものじゃないよな?」

ネリー「おそらく、私たちと同種……魔法使いが意図的に発生させている可能性が高いわね、強い魔性の雀力を感じるし」

困惑するマホ…それは当然だ、こんなもの見たことがあるはずない……紅い霧なんて。
対して魔法使い二人は、さっきと打って変わって冷静にこの場を分析している。
誰かが意図的に世界に影響を及ぼしている……ってことは……?

京太郎「これは……」

大星「うむ、間違いないな」

咲「ふぅ……ったくどこの馬鹿かしらね?」

俺は、我は、私は……これがなんなのか知っている、空気で分かる。
呼んでいるのだ、誰かが……自分に構えと、楽しみたいと、暇を持て余しているのだと。
そうやって、事件が起こることをこの世界ではこう呼ぶのだと。

京太郎&大星「「異変って奴だ」」

咲「もしかして異変かしら?……一眠りしましょうか、せっかく暗いんだしいつもより大目に、たっぷりね」

しかし、双方の温度差は激しかった。








??「ふふふ……これで麻雀郷は全て私の色に染まった、そうよね?」

?「はい、お嬢様」

一方、霧の発生源である湖の湖畔にある館では、少女が笑顔で己が従者に語りかける。
従者はただ答える、主の求める答えを……完全に、瀟洒に。

???「まったく、こんなことに手を煩わせないで欲しいわ」

??「あら、いいじゃない暇だったんでしょ?貴女も」

???「……」

そしてお嬢様と呼ばれた少女をジト目で見つめる瞳は、何処か文句ありげだったが、少女の一言に気ダルそうに帰ってしまった。

??「さて……来てくれるのかしらね?」

そしてお嬢様は待ちわびる……自らの元へやってくるであろう強者の影を。

幼透華「この私を楽しませてくれる奴らは……♪」

一「ええ、来てもらわねば困りますから」

白望「はぁ……この子に従うといっつも面倒……」



これが後に『紅霧異変』と麻雀郷中で語り草になる異変……その始まり。



【next phantasm】

といったところで今日は終了します。

次回から紅霧異変編になります、雀幕戦盛りだくさん、キャラ大放出です!

>>136 はい、もとより始まる前の設定でしたので(笑)

>>137 お前、みたいのか!?(見せるとは言ってない)

明日は仕事休みですが、予定は未定です。

それではおやすみなさい。

へっ、冗談だよ

>>137じゃないけど言わなきゃならない気がしたので

地霊殿&星蓮船キャラ(の置き換え)が出ないと聞いた俺氏涙目

俺の大好きなお燐はまた犠牲になったのか!ちくせう!!

そうだ強くなりながら相手にキスすれば良いんじゃね?

オハヨウゴザイマシタ

>>140
まさかノって頂けるとは……こう言う事があるからss書きはやめられん(歓喜)

>>141
どうやら勘違いされていますね?
私は現在麻雀郷にいる勢力の中に、風神録以降がまだいないと言っただけで『登場しないとは一言も言ってませんぞ?』
ですので、気長に待ってどうぞ(気遣い)

>>142
もしこのスレが安価スレなら

京太郎「さて、今日はどうするか……」

行動1/3回目

1、普通に店を営業(遭遇判定と売上判定)
2、雀力の修行をする(師事してくれるキャラの安価と上昇値判定)
3、人里に買い物に行く(アイテム購入安価と遭遇判定)
4、無縁塚に商品を仕入れに行く(ランダムで判定し、何がいくつ手にはいるか決まる)
5、どこかに出かける(行く勢力の場所安価)
6、『キスをする』(現在出雲堂に来るキャラから安価と判定、好感度や雀力によって成功率変化)

安価先 下3

……みたいになってるかもしれませんな(笑)
ないですが(無慈悲)

でももしかしたらキスするかどうかの安価を、何処かでとるかもしれません(笑)

と言うわけでちょっくら出掛けてきます。
戻ってきたら書きます。

ではまた。

1、日課のジョギングに向かう
2、雨が降り出す
3、早めに切り上げて全力で走って戻る
4、雨が止んだ

書けと言われた気がしたので、書き出します。

それでは紅霧異変編、開始します。

【キャラ紹介コーナーその四】

●マホ 元東方キャラ『ルーミア』

                         ___

                       ´       `丶、
                   /             \   /\
                   .:: :: :: :: / :: :: :: /:: :: :: :: ::\ :: :>'´   |__
                    /:: :: :/:: :: :: :: / / :: :: :: |:: :: :: ::く     │
                //:: ::/:: :: |:: ::/|:: :: :: :: |: | :: :: :: ::.〈_  __/

                  i : : :: :: :: 八\ |│:: :: ::|/|::..:/|:: :: :ヤ ⌒\
                  |:| :: ::|::|: |≫‐ミト|:: :: :: j斗|七|:: :: ::.|    〉
                  |八:: ::..|Y ん゚い 八:: ::N≫ーミ|:: :: ::.|   /
                   / :\:从弋:::ツ  \| ん゚いノ:: ::/:リ   〉
                     / :: :: ::(| 、、、   ,  弋:::ツ7イイ\/
                  / :: :: :: :从            、、、/_ノ:│
                ;: : | :: :: :: | \  (  )    イ:: ::.:|│
                 |: 八ト、 ::.:| _,,〕ト  _,,... <:: :: :: ::人|
                 |/∠⌒\]I⌒∀   厶イ::/]/
              xz‐=ニマ  \┃ ∧   \〕く_
           〈/_   ̄\_ ┃   ー-、 ‐リ  ニ=┰x
          ___/  `ヽ ∨^〉|┃   マ⌒∨    ┃|∧
         /   〈_ノ }__ノ //|┃    , /       |│
.         / 〈  │ }ー   マ  / i|┃    ∨       ┃|   \
       \ ヽ、{ _λ    `≪__i|╋━━__厶__━-   ┃|    \
         ー宀ー'^ー=ミ  `ヽ ̄ ̄  V7⌒ニ=ー╋|/

                 |个ーァ'’     爪    / ̄
                 [ノ          { |ハ  〈\

                   Y⌒ヽ
                  乂_  __
                  .>    ̄ ̄     `   、
            /                 \
           /                  \
             /   / __/            ヽ    /!
         /  /   /{:  ′           ゝ /:_:ノ
           { / /   ,zx {: /{   / 、        r../: : {.::/⌒i
          λj {,ハ  { 佗! {/ {  /li `ト、     〈: : : ヽし : :ノ
          〉 ' } l ヒソ   {ハv=ミ、 ! ヽ i:    〈: : : : r ´
            //{ {,从  ,     { ん心l . l: i     〈: : : }ヽ
        /'  {  人        匕:ン ハj: リ    〈/、 }
               { ∧ \丶 _,  ∠ イ /∨      、 ∨
             {,/ ヘl\ー‐ 、ァ/  /{ /  /       ヘ }
                ′    ヽjr─'ー<≦{/l /  li l\  /∨
                  l γ  ̄ ヽ二レヘj\jN  ヽ′
               r‐-. . .__l/{    ∨二\  ̄ ̄×ァ     ______
              j: : : /℃、li.     ∨ニニ\     ヾ′ x≦二二二二二二
                 {: /: : /: : }lli.      \二二ヘ___丿/二二二二二二二
                 ` ー‐<: : :∧lli.       \ニニ≧ュ/二二二二二二二二
                      ̄  父i.        ` <二二二二二二二二二二
                        _ム            ` <. _二二二二二二二
                    __<二ヘ     __γ^Y /)─ 、ヽ二二二二二二
                   __<二二二∧   / /  ノ' ∠. --<} }二二二二二二
                ,.<´二二二二二∧ /ヽ ´ ´ ´__ ,, -‐'.丿二二二二二
                 /二二二二二二二∧{ /  __ -- ^\ヽ/二二二二二二
           /二二二二二二二二二 <_..イー─_──_´二二二二二二二


宵闇の妖怪と呼ばれる、麻雀郷においてもそれなりには危険な人食い妖怪(外来人にとっては特に)
普段は宮永神社の石段付近の森を徘徊しており、そのせいで宮永神社に寄ってくる人間が減っている一つの要因になっている(今日も賽銭箱は空)

性格はマイペースでフワフワしている、だが本能には忠実。
基本的にそこらをフラフラと飛んでおり、闇を球体状に纏って姿を隠している。
しかし闇を纏うと視界が遮断されるらしく、行き先の指標がないと障害物にぶつかりまくりなのだとか(痛そう)
ただ嗅覚は発達しているため、それで何かを判断し獲物を狙っているらしい。

須賀京太郎との関係は、ぶっちゃけ無いに等しい。
麻雀郷の京太郎は神社に出向くこと事態が少なく、そもそも自分の店から外に出る時は、大概お宝探しに麻雀郷共同の墓地『無縁塚』に向かったり、知り合いに会うために人里に出向くくらいだ。
しかし最近事故で外の世界の人間『夢乃マホ』の記憶を取り込み、混濁したため関係性も大きく変化してしまった。

雀力の性質は妖、魔。限定条件で無。
能力は闇を操る程度の能力(能力は自己申告制なので変わる場合がある)

before「……ねえ、貴方は食べても良い人類、ですかぁ?」

after「やった!やっぱり先輩やさしいです!」

須賀京太郎 麻雀郷生活三~四日目

昨日あれだけ騒いでいたにも関わらず、あの紅い霧を確認した魔法使い二人は「調べ物ができたぜ!」「話はまた今度」と出雲堂から去っていった。
そして俺はとりあえずその日の店を閉め、マホちゃんに風呂を貸してやった。
色々大星と一緒に考えたが、結論としては『今日は様子を見ようだった』。
理由としては、まず一つ目にもしかしたらもう咲が出向いて異変を解決しようとしているかもしれない、その場合俺はむしろ邪魔になってしまう。
二つ目に俺は雀幕ごっこを見たことはあっても、やったことはない……ましてや自分の闘牌も作っていない俺では雀幕ごっこを本当の意味では出来ないだろう。

京太郎「ってわけで昨日、倉庫をひっくり返す勢いで闘牌やサイコロを探したわけだが……これだけか」

大星「良いではないか、三つもあればもうけものだ」

まぁ、確かにマホちゃんも二つしかなかったわけだしな……そう考えれば普通なのかもしれないが、これから雀幕ごっこする相手は遥かに格上かもしれないわけで……そうなると少なく感じる。
……だが背に腹は変えられない、闘牌を作る元手になる無地の牌は咲が作って配布しているわけで、数を増やすには彼女に会わないといけないのだからすぐに用意するのは無理なわけだし。

京太郎「……霧、晴れないな」

マホ「……はい」

大星「ふむ、あの巫女め……随分尻が重いことだ」

そして一日経った現在においても例の紅い霧は晴れていなかった。
今のところ誰も腰を上げていない、となると誰かが動かないといけなさそうだ。

京太郎「しょうがない、行くか」

大星「おう、初陣だな。久方ぶりに気持ちが滾るな」

俺の言葉に嬉しそうに答える大星の剣、天下人の剣なだけあって戦いには喜びを見出すみたいだ。
逆にマホちゃんはというと俺に対して心配そうな表情だ。

マホ「だ、大丈夫なんですか?京太郎先輩、雀幕ごっこの経験はないんじゃないですか?」

京太郎「ああ。そうだよ。だけどさ、これは俺がこの世界で変わるためのチャンスかもしれないって思ったら、行かなきゃってさ」

マホ「変わる……チャンス、ですか?」

まともに戦おうと考えたことがなかった俺が、進んでそれを実行し、投げ出さない……まぁ一番はその戦いに打ち勝つことかもしれないが、とにかく今は逃げずに戦うことこそ必要だと俺は思っている。

京太郎「今のマホちゃんを見て思った。咲は君をボコったりしてないし、むしろ俺のためにあえて憎まれ役をしてくれたんじゃないかって」

マホ「……はい」

京太郎「ん……ならさ、その想いからも逃げずに受け止めなきゃ。強くなって、しっかり期待に応えなくちゃいけないだろ?」

大星「そうだ、それでいい」

マホちゃんのことを咲はボコボコにしてなんかいなくて、そして俺が強くなるために嘘と真実を入れ混ぜて言葉で突き放した……それは紛れもない俺のためになったと証明するべきなんだ。
……何よりそれを知れて、俺は嬉しかったから。

マホ「京太郎先輩……分かりました!マホここで待ってます、京太郎先輩が安心してお店に帰ってこれるように!」

京太郎「ありがとよ、マホちゃん」

マホ「え、えへへ……」

彼女は俺の言葉を理解してくれた、だから礼もこめてその頭をやさしく撫でておいた。
そして、俺は準備万端かを確認する。
闘牌は持った、サイコロもある、水筒もあるから遠乗りだったとしても問題ない。
そして、大星の剣は店にあった別の刀の鞘を再利用し腰に下げた……忘れ物はない。

京太郎「それじゃ、『行って来ます』」

マホ「『いってらっしゃい』!」

俺は今日から始めて、逃げずに戦い、遊ぶ。

BGM ルーネナイトエルフ https://www.youtube.com/watch?v=5fNm8XUkcAc

出雲堂から外に出て、すぐに気分が若干悪くなった。
おそらくこの霧が妖怪の類によって発せられているため、人間の俺には多少馴染まない雀力を含んでいるからなんだろう。
と言うことは、人里の方でもそう言う被害で体調を崩しているやつもいるかもしれない(主に雀力が少ない奴らはそうなっていそうだ)

大星「ふむ。霧は魔法の森を越えた湖から発生している様子だな」

京太郎「分かるのか?」

大星「ああ……分かりやすく垂れ流している、多分誘っているな」

誘っている……この霧を発生させている元凶は、俺らのような異変を許さない存在が動いて、自分の下にやってくることを望んでいるってのか。
まぁ、異変を解決する巫女があんな暢気な感じだったわけだし……多分今回の異変ってのは愉快犯の仕業なのかもな。
ならその誘いに乗ってやろうじゃないか。
俺は魔法の森に入り、ずんずんと進んでいく。
すると何故か突然羽の生えた少女たちが、俺に向かって宣言もせず雀幕を張ってきた。

京太郎「ちょっ!?」

大星「なにをしている、早く我で薙ぎ払え」

京太郎「えっ、ああそうか。おらぁ!!」

大星に促され、俺は刃を抜き放ち雀力を固めた剣気をとばす。
すると、目の前に迫っていた雀幕が断ち切られて霧散した。
それを見て少女たちは慌ててその場から逃げ出した。

京太郎「どうなってるんだ、一体?」

大星「あやつらは『妖精』、人間とも妖怪とも違う存在。自然が実体を持った様な生き物ゆえに、周りの環境に影響を受けるのだ」

京太郎「あっ……もしかしてこの霧のせいで?」

大星「左様、多少興奮状態で攻撃的になっておるようだな」

それで暴走してルールも無視した上で雀幕を飛ばしてきたわけか、こえーなぁ。

大星「とはいえ、素の雀力は人間より下だ。我のいるお前ならば恐れるにたらん、そのまま進め」

京太郎「ん、分かった……んじゃ改めて……ってまだくるのかよ!!」

大星「言ったろ?奴らは自然が実体を持った様な存在だと、いくらでも沸くから雀幕ごと薙ぎ払え」

まさか無限湧きとかそんなの考慮しとらんよ(嘘泣き)
森を突破するため、妖精と雀幕の波を俺は大星の剣と共に斬り進んだ。

大星「そろそろ抜けるぞ」

京太郎「分かった!」

次々やってくる妖精を避け、雀幕は切って捨て、大星の剣の導きに沿って森を抜ける。
すると奥にそびえるうっすらと見える山、そこから続く川と合流している大きな湖……そこに建物らしきものが見えた。

大星「あれだな、あれから発せられている」

京太郎「……遠めだけど、館か?」

大星「らしいな。となると厄介な相手が住んでいそうだ」

麻雀郷を覆うほどの霧を発生させた相手が、厄介じゃないはずがない。
そんなことは分かりきっているため、とにかく前に進もうと歩き出すとまた妖精たちがやってきた。

京太郎「まだくるのか?」

?「こ、ここから先はいかせませんよ!」

京太郎「……あれ、この人は確か」

俺が警戒して大星の剣を構えると、小さな妖精たちの中から少し大きめの妖精が出てきた。
しかしその顔には覚えがあった。

京太郎「思い出した、身体は縮んでるけど『杉乃歩』だ!龍門渕のメイドの!」

歩「こ、この『大妖精』歩がいる限り!霧の湖のなわばりは荒らさせません!」

どうやら大妖精という妖精の中では大きめなサイズらしいが、やはり良くて小学生くらいの子供のサイズだ。
彼女は立場上、格上の俺であっても攻撃しなきゃいけないって事かな?

京太郎「分かった、ならば押し通らせてもらうぜ!」

歩「ひえっ!皆撃ってー!」

その場に集まっていた妖精たちが一斉にこっちに雀幕を張ってきた、無論歩もだ。
俺はそれらを強引に切り裂いて、駆け抜けると大星の刃を返し、峰打ちで腹に一発入れる。

歩「ぎゅふん!」

京太郎「わりぃ!手加減する余裕ないからさ、これで勘弁してくれな!」

流石に知り合いの顔をした人物を真っ二つにするのは気が引けたので、衝撃で気絶させた。
すると司令塔を失った妖精たちはあたりに一斉に散らばり、逃げ出した……血も涙もないな。

??「へぇ、大ちゃんをやったんだ!あんた強いじゃない!」

京太郎「……おい、その声はまさか」

歩を湖のほとりで横にしてやっていると、今度ははっきり覚えがある声がした。
何故ならそいつは俺にやたらと構ってくる上に、咲の次くらい仲が良かったんだからな。

優希「でも、私には絶対に敵いっこないわね!何故なら最強だから!」

京太郎「優希……こんな形で出会うとはな」

タコスの妖精は本当に妖精になっちまったようだ……だが性質としては、メキシカンとは正反対の冷気を纏っていたが。

BGM おてんば恋娘 https://www.youtube.com/watch?v=ea9cNe-Bq74

俺はこう言うときの心構えはあったつもりだったが、よりによってここで優希とかち合うとは。
……彼女の服装は、白のシャツの上から青いワンピース(スカートの縁に白のギザギザ模様がある)を着用。
頭に青いリボン、首元に赤いリボンが巻かれていて……背中には10枚の氷の羽を生やしている(足?裸足で寒そうだ)
そんな彼女は顔と髪型に変化は見られていないので、非常に分かりやすかった(身長は若干縮まっているが) 
湖の上で仁王立ちし、俺を見下ろす優希に対して見上げる。

京太郎「お前も俺と戦うつもりか?」

優希「もっちろん、ここは私たち妖精の縄張りなのに人間に侵入されちゃったんだもん。その上皆が負けちゃったなら、この最強のユウキ様がでるしかないっしょ!」

えへんと胸を張る様は、外の優希を彷彿とさせるが……やはり違うと感じる。
なんにしても、素直に通してくれそうなたまでないことは分かるので、俺は先にサイコロを取り出す。

京太郎「通してくれないなら、やるしかないか?」

優希「お、分かっているじゃないか人間!そうだね、最強のアタイが雀幕ごっこで相手してやるよ!」

俺の対応に満足げに笑う優希、結構好戦的らしい。
さて、雀幕ごっこに持ち込んだは良い物の……俺はまだ一回も空を飛んだことがない、戦えるか?

大星「ふふふ、誰が傍にいると思っている?」

お前何とかしてくれるのか?

大星「使い手が勝つために最善を尽くすのが武器の本懐だ、空を飛ぶことのサポートはしてやる。だがまた異変に巻き込まれんうちに、全てが終わったら空の飛び方を身につけておくのだぞ?」

すまない、感謝するぜ相棒。
大星の剣に礼を言ってからサイコロと剣を構える。
優希は俺の目の前まで降りてきて、今か今かと待っている。

京太郎「持ち点は25000点で『東風戦』……闘牌は持っている限りで」

優希「おっけー、ばっちこーい!」

京太郎「よし、いくぞ!闘牌開始!!」

前は見ているだけでしかなかった……でも今度は違う、俺が変わる第一歩を飾るのはお前だ、優希!!
サイコロが落ちたとき、俺たちはほぼ同時に空に舞った。


開始と共に俺の瞳には自分の持ち点と、相手の持ち点と闘牌数が見えていた……なるほど、これを基準に闘えばいいわけだ。
空中に出たところで、まず牽制で雀幕を飛ばす……俺の雀幕は蛇行した軌道の黒い弾だ(まるで蛇だ)
それらが優希を囲んで潰そうと執拗に付けねらって飛んでいく。

優希「ちっ!ねちっこい雀幕だな!私雀幕をみならえ!このぉ!」

そして負けじと優希も俺の雀幕を若干くらいながらも、ツララ状の氷の雀幕をまっすぐにバンバン飛ばしてくる(とても正直な雀幕だ)
しかし、真っ正直すぎるために回避は初めての俺でも余裕だった。
当たるか当たらないかの差はでかく、すぐさま優希のもちt

途中投下申し訳ない……!(おのれPC)

開始と共に俺の瞳には自分の持ち点と、相手の持ち点と闘牌数が見えていた……なるほど、これを基準に闘えばいいわけだ。
空中に出たところで、まず牽制で雀幕を飛ばす……俺の雀幕は蛇行した軌道の黒い弾だ(まるで蛇だ)
それらが優希を囲んで潰そうと執拗に付けねらって飛んでいく。

優希「ちっ!ねちっこい雀幕だな!私雀幕をみならえ!このぉ!」

そして負けじと優希も俺の雀幕を若干くらいながらも、ツララ状の氷の雀幕をまっすぐにバンバン飛ばしてくる(とても正直な雀幕だ)
しかし、真っ正直すぎるために回避は初めての俺でも余裕だった。
当たるか当たらないかの差はでかく、すぐさま優希の持ち点が減っていく。

優希「ぐぬぬ……ならばコレならどうだ!」

京太郎「ッ!来るか、闘牌!」

優希「くらえ!『氷牌 アイシクルフォール』!!」

ここでやはり彼女は一発逆転を狙って闘牌をだしてきた。
闘牌を使うと、牌に氷の塊が描かれて壊れて強力な雀幕が放たれる。
……言っちゃ悪いがマホちゃんのそれよりかは厄介で、周囲に氷の雀幕の滝を作って左右に行きづらくし、その上で正面から黄色の弾を沢山撃ってくる技だった。
さっきのもそうだが、単純だと避けれるのに、こう追い詰めるような感じだと多少こっちも避けづらく当たってしまう(結局は未経験なわけだしな)
そうして俺の点数が減り始めたので雀幕を出すのをやめて回避に専念する、これで多少あたっても事故になることはない。
苛烈な雀幕を何とか乗り切った俺だが、もちろんまだ終わりじゃない。

優希「持ち点ぜんかーい!もっかいくらえ!!」

闘牌を使うと持ち点が全回復する、マホちゃんのときはムキになった彼女が自滅したが、優希と俺はある程度拮抗している戦いなので普通の雀幕も命取りになる。
優希は冷気を弾やレーザーに変えてこっちに飛ばしてきた。
さっきのつららよりこっちの方が速くてきつい。

大星「そろそろお前も使うべきだな」

京太郎「おう、そうだな。これって使っても無くなりはしないんだろ」

正面安置かな?

大星「そうだ、あくまでもこの闘牌中使えなくなるだけだ」

京太郎「なら!」

俺は店の倉庫にあった闘牌に祈りを込めると、自らの想像力に任せて雀幕を思い浮かべてから名前を叫ぶ。

京太郎「『薙剣 須賀の型』!」

叫ぶと牌に草原が描かれて壊れ、剣の形をした雀幕が左右に薙ぎ払い、その先から雀幕が

>>154 難易度easyではなくnormalなので、安置無いです(現実)

そしてまた途中……(泣)


大星「そうだ、あくまでもこの闘牌中使えなくなるだけだ」

京太郎「なら!」

俺は店の倉庫にあった闘牌に祈りを込めると、自らの想像力に任せて雀幕を思い浮かべてから名前を叫ぶ。

京太郎「『薙剣 須賀の型』!」

叫ぶと牌に草原が描かれて壊れ、剣の形をした雀幕が左右に薙ぎ払い、その先から赤と緑の雀幕が放たれる。
それに驚いた優希は必死に避けようとしているがバンバン食らってしまっている(持ち点が一気に減っていく)
焦った優希はすぐさま次の闘牌を使った。

優希「や、やるじゃないか!でもまだ終わってない!『凍牌 パーフェクトフリーズ』!!」

今度は棘々の氷の結晶が描かれてから壊れ、光で乱反射して虹色に輝いた氷が優希を中心にばら撒かれる。

京太郎「だがこのくらい、さっきの奴の方がきつかったぜ!」

優希「甘いな!私は最強なんだ!」

と、彼女が言ったとたんその氷たちがピタリと動きと止め、俺の周囲に配置されたまま動かなくなってしまった。
最初は、動かなければどうと言うことはないと思っていたが……その状態のまま彼女は冷気の弾を放ってきた。

京太郎「キッツ!!」

優希「竦め!怯えろ!そのまま何も出来ずやられちゃえ!」

京太郎「そうは行くかい!!」

雀幕に追われて静止したほうに当たったり、そっちに動きを制限されて動く弾に当たったりで今度は俺ががんがん持ち点を減らされる。
となれば俺も二つ目を使わざるを得ない。


ご飯食べてきます


>>1休憩中……。

いってら

優希が⑨枠か…

サニーかと思ってたゾ

他にアホっぽいの居るのか?

ただいま戻りました

>>158 >>159 >>160
他にも候補はあったのですが(大妖精が妹尾佳織でチルノが蒲原智美とか)、ストーリー的にはタコスの妖精が一番しっくりくるかなって思い決定しました。

それでは書くのを再開します

京太郎「いくぜ!『斬剣 出雲の型』!!」

目には目を闘牌には闘牌って奴だ。
まだ向こうの闘牌であるパーフェクトフリーズが終わらないうちに、こっちも発動する。
今度は牌に海が描かれた後に壊れ、剣気が正面に放たれた後に、そこから左右に飛沫のように雀幕が乱れ飛ぶ。

優希「た、他人の必殺技中に邪魔するな!」

京太郎「そんなルールはなかっただろ!」

優希「ぐぬぬぅ…ッ!」

互いの雀幕がぶつかり合って相殺されていき、時間により優希の闘牌の効果が終わった後は俺の雀幕だけが彼女に降りかかった。
剣気の速度について行けず直撃し、飛沫にガリガリ削られ、向こうの表情も苦しそうだ(痛みがあるわけだし当然だな、もちろん俺だって痛い)
俺の闘牌の効果が終了すると、優希は最後の闘牌を取り出した……最後の抵抗だな。

大星「油断はするなよ?」

無論そのつもりだ、昔はよく同じ見た目をした奴にさんざっぱらボコられてたしな!

優希「まさか切り札を使うことになるとは……見せてやる!『雪牌 ダイヤモンドブリザード』ォ!!」

最後の牌は雪の結晶のマークが描かれた後壊れ、優希の手元で冷気が爆発、ゆっくりと雪のように雀幕が降り注ぐ。

優希「今度こそ終わりだじぇ!」

自らの切り札と称する闘牌……だが、それは驕りだな。
確かに弾の量は一番多いが……。

京太郎「残念、遅すぎるぜ!」

優希「な……なにぃ!?」

むしろ俺からすればある程度逃げ道があり、その上ゆっくりな雀幕などむしろ簡単だった。
結局一発もヒットせずに回避し続けることができた。
予想していなかったのか、驚きの表情にこういってやった。

京太郎「お前はやっぱり東場だけだな、優希」

優希「……じぇ?じぇえええええええ!!」

無論その後は最後の闘牌も作る必要もなく、温存して勝つことが出来た。
ピチューン!と大きな音を鳴らして落下した優希を、俺は追いかけた。

優希「ま、負けた……最強の私がぁ」

俺が優希の落下地点についた時には、彼女は悔しそうに涙ぐんでいた。
まぁ、申し訳ないがこれも勝負の常だよな……勝者と敗者がいてこそ、真の勝負と言える。

京太郎「ああ、お前は最強だったよ。妖精の中では間違いなく」

優希「うるさい、お前が話しかけるなよ!バーカ!」

京太郎「はいはい、どうせバカだよ。そんな俺に負けたお前はもっとバカだがな」

この際なので、今のうちに煽れるだけ煽っておいて溜飲を下げよう……こいつの雀幕、めっちゃ痛かったし。
さて、初勝利をしっかり飾れたし……復活されたりしないうちにあの館に向かおう。

優希「……や、やっぱり待て!」

京太郎「あ?」

優希「お前に言いたいことあるからな」

と、何故か呼び止められたので試しに話を聞いてやろうと彼女の方を向くと、こう言い出した。

優希「次雀幕ごっこする時は私が勝つ!お前名前は!?」

京太郎「え?須賀京太郎だけど……」

優希「京太郎だな!覚えたかんな!」

俺の名前をわざわざ覚えて再戦を望むとか……本当に好戦的だな。
そして痛むであろう身体を起こして、飛び上がった優希は俺を指差した。

優希「お前は私のら、ら……そうライバルだ!だから今日は見逃す……また会おう、京太郎!」

フハハハハ!と高笑いをしながら、奴は去っていった……どうも人格としてはかなり外の優希と似ていたな。
これはまた闘わなきゃいけないフラグが立ってしまったかもしれん。

大星「なに、これから因縁を山ほど作らねばならんのだからな。こんなもの序章にすぎまい」

うーん、そうなんだよなぁ……やれやれ、大丈夫かね?

next stage…。

BGM 上海紅茶館 ~ Chinese Tea https://www.youtube.com/watch?v=Fq6qNM9Pfg4

霧の湖の中央に建つ例の館に近づいていくと、だんだんその全容が見えてくる。
どうやら紅い霧に覆われていたから紅く見えていたわけではなく、館そのものが紅かっただけなのだ。
しかし、この館に近づく間だけでも妖精や……なんだこれ、毛玉?のようなものが攻撃をしてくる。

京太郎「ふーむ、めんどくさいな」

別にそこまで苦労するわけでもないが、結構相手をするのは面倒だ(あたったら間違いなく痛いだろうし)
その弾を切り払ったり、避けたりしていると背後から謎の雀幕が飛んできて、目の前のやつらを吹っ飛ばしていった。

淡「面倒くさいんだろ?私がふっ飛ばしてやったぞ?」

ネリー「あら、私もいるんだけど?」

京太郎「え?……ああ、お前らか。いきなりだったからビックリしたぞ」

その謎の雀幕の正体はあわネリのコンビだった(略し方が意味深?気にするな!)
淡は箒に乗っており、ネリーは普通に飛んできた様で、二人とも俺の左右に並飛行してきた

京太郎「調べ物は終わったのか?」

淡「ああ、どうやら間違いなくあの館にはネリーと同じ種族魔法使いの奴がいるみたいだぜ?」

ネリー「それも私より長い間魔法使いとして生きている存在みたいね、もう魔女と呼んで差し支えないレベルね」

大星「ふむ、この霧は魔女の仕業か?」

二人の言葉通りなら、元凶は魔女……なんだろうが、そう断定するのはまだ早そうだ。
何故なら手段を行使したのが魔女だったとしても、首謀者が違うのであれば倒して止める事は出来るかもしれないが、本当の意味で終わってないからだ。

大星「そうだな。ともかく先を急ぎ……む、何か来たな」

妖精たちに紛れて明らかに見た目が違う、人物が飛んできて、牽制の為か赤と青の雀幕を飛ばしてきた。
服装は、上が華人服で下がチャイナドレスの様な中華な出で立ちで、色合いは淡い緑。
頭には星の付いた帽子を被っているのだが……やはりと言うか、知っている顔だ。

京太郎「郝慧宇(ハオ・ホェイユー)?」

ハオ「えっ、どうして私の名前を?ってぐわぁ!!」

名前を呼ばれたことに反応したところの隙を突いて、二人が容赦なく雀幕を浴びせた(ごめん、俺はそんなつもりなかったんだ)
だが間違いない、彼女は臨海女子次鋒の郝慧宇……言いづらいのでハオと呼ぶか。
ともかく、一応ネリーと同じ学校の生徒なのだが、外と麻雀郷が関係ないとはいえ容赦なく攻撃したネリーは少し怖かった(小学生並みの感想)

ハオ「まさか精神攻撃を受けて油断するとは迂闊だった……こうなったら背水の陣だ!」

淡「お前一人で陣なのか?」

淡、そこは突っ込んじゃいけません。
それは偉大なる先人の知恵なんだから。

俺たちがハオを追いかけると、どうやら館の方までやってきたみたいであと少しといったところで門が見える。
そこまで来て彼女は再び姿を現した、多分これ以上進まれるのが嫌なんだろう。

ハオ「追いかけてこないでほしかったですね」

淡「もとより私らはここに行く予定だったんでな」

ネリー「どうやら貴女門番みたいだし、館を案内してくれるなら悪いようにはしないわ」

しかし、俺たちだって異変の解決のために来ているのだから引くわけがない。
きっとハオは、この館の門番としての役目を全うしようとしているだけなのだろうが。

ハオ「侵入者は許すな、それがここの主であるお嬢様との契約ですから。それともアポイントメントでもとってます?」

淡「あ?異変の元凶をぶっ飛ばすのにアポがいるかよ」

ハオ「むむむ、やはり話を聞いてはくれませんか……」

ネリー「当たり前ね、貴女が普通に仕事をしようとしていたとしても、今回はその主が問題を起こしてるのよ?」

ハオは心底困った様子だった、本当に内部の事情を深くは知らないんだろう。
俺をちらりと見ているが、すまん……俺もそのぶっ飛ばす側なんだ、助け舟はだせん。

ネリー「……埒が明かないわね、二人とも先に行って」

京淡&ハオ「「「え?」」」

ネリー「この門番の相手は私がしておくから、早く先に進みなさいと言ったの」

大星「ほう、実に合理的な策だな」

まさかのネリーの提案、だがそれはとてもありがたい申し出だった。
一刻も早く異変を止めなきゃいけない俺たちにとって、ハオだったとしても相手にしている時間が惜しい。

淡「おう、そっか!じゃあ頼んだぜネリー!ほらスガキョン、乗れ!」

京太郎「わかった!」

ハオ「ちょっ!そんなことはさせませーーーー」

淡は迷うことなく俺を箒に乗せて館に突撃し、それをみたハオは追おうとしたが、出来なかった。

ネリー「逃がさない」

すでに彼女の人形に周りを囲まれていたからだ。
迂闊に動けば、全身を人形が持つ槍や剣で剣山のようにされていただろう。
ハオは追ってこないまま、俺は淡と共に館に乗り込んだ。


ハオ「……はぁ、これはかなり絞られるかなぁ?」

ネリー「安心なさいな、絞られるのは貴女の主のほうだから」

残された二人は、互いの腹を探りながら動けずにいた。
かたや異変の元凶を倒すため、かたやその異変の元凶たる主を守るため……人形遣いと華人小娘が火花を散らす(外の世界で言えば、臨海女子の一年生コンビであろうが)

ハオ「あなた方はお嬢様とこの紅魔館をナメていますね、中には私より遥かに強い方々が控えている。今しがた進入した二人は無事には帰れないでしょうね」

ネリー「おあいにくさま、そう言うあなたこそあの二人をナメすぎよ。まず簡単にはしなないであろう人間筆頭なのだからね」 

ハオ「ふむ、なるほど。……では私は貴女を倒してからゆっくりとその過程を見届けてあげましょう」

ハオはそう言ってネリーの前にサイコロを出す……戦いの合図だ。
それを見たネリーは人形を手元に戻して、臨戦態勢をとる。

ハオ「持ち点は基本通りで『東風戦』、闘牌は三つで」

ネリー「結構よ、やりましょうか」

ハオ「……では、闘牌開始!」

サイコロを投げ、始まる二人の雀幕ごっこ。
それを上から観戦しているものがいた……今回の元凶の少女である透華だ。

幼透華「良いわね、こう言う高みの見物……わたくし好きですわ~♪……なんてね」

一「お戯れを、お嬢様……それよりも」

幼透華「分かってるわ、歓迎は任せたわよ」

一「はい」

元凶の命を受け、傍らに控えていた従者の一は忽然と消えてしまった……透華はそれを確認し、笑みを一層深めた。

【next phantasm】

といったところで今回はここまで、近所の人に飲み誘われたんで行ってきます。

明日は夜仕事なので、朝昼投下ですかね。

質問とか小ネタ案などあれば随時募集してます、この下から書いて、どうぞ。

ではおやすみなさい(ペッコリン


俺の嫁のお空の出番までまだまだ遠いな……もちろん深秘録まで書いてくれるんだよね?
地霊殿は温泉異変……つまり古明地姉妹は
……

おはようございます、出かける前にチラリ

>>170
地霊殿まで、まだまだかかりそうです(異変以外の日常話や小ネタを挟むとより……)
深秘録まで?書けません(キャラの置き換えが今のところ星か、良くて神で限界ですから)
このssでは意外な人物が置き換えされる場合が多いため、きっと驚きます(多分)

と言うわけで行ってきます(ダッシュ)

戻ってきました、それでは紅霧異変編の続きを書いていきます。


                ,. --- 、        ____
                  /,  ´ ̄ ̄` '⌒´     \
           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
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            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ
.   ///////\      \}∧         u 八/
  //////////〉        込、  __    ,.: /
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
.///////// /  イ/////\   {////}   /  「///|
'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \    |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、


「まぁ、ゆっくりしていってくれ」

【キャラ紹介コーナーその五】

●ユウキ 元東方キャラ『チルノ』

                ..-‐─ …─‐- ..
             .. '´: : : : : : : : : : : : : : :`ヽ、

        ___ r勹´ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
     -=彡' : : : {/: : : : : : :/: :/: : : : : : : : : : : : : : : : :\
.      /.:/ // ./: : /: :/: :/: :/: : ! :.:.:|: : : : : : : .、r‐=ミ、r‐、
     / /: : /:./ ./: :/: : /: :/: :/|: :.:.|: l: |: : : |: :l : : {   八_丿
      {/l: : /: :| .ニニ{_.」L._ !: :| .|: :.:.|: | :|: : : |: :| : : |`ーくヽ: :`ヽ、
      |: /|: :.|: |: : :.|/ヽ}ヽ_}: | .l : : |-r┼ト./:.:.| : : |: : : |: :\.\`ヽ
      |/ .|: : V\.:.|ィァ弋ミヽ! \ `ヽ.l .|/}\| : : |: : : |: : :| |: :l、 }
.         八: : |∨ヽ|'{ {{ r'゚}       ,r=ミ、 / : : :|: : :/: :.:.| |: :| |
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      "7. ,' . . . i. . .!/.ヽ ̄.i . .|.\i\|_」;;ハ . .', ', . . . . . .!:: :: ::\

        i. .i. . . .i .ヽ. l.r=ミN |\| ,ィf爪__「 ',.. .i. .l . . . . . l : :: :: :/
       l .j!. . . .i、. .N  Vハ`.    .r'じ゚ノ  i . l. .|. . . . . .', :: :: :/
          V ', . i | ヽ{ ハ 、ゝ°   `~"´  .jハ八.{ . . . . . .ヽ::ノ
         ヽ.ト'  .j. .ハ"" '    ""    / . . .`. . . . . . . .',
              /. . . ヽ、  、 _      ,/ . . . . . ./ . . . . . .i  ______
               /. . . . . . .ゝ、   _,,..ィノ__ノj . . ノ . . . . . . j/         /
           (,.ハノヽ,,ィ . ._.jニ爪  ,.ィ´ ヽj_/リ,ィ. .ハ . , .ノ            /
               /~7:.::/{__>く  ,.ィ;:ィ´ ̄`ヾ ,.jノ.''         /

                /  /::.::i.仁ム仁}´/:.:/     ヽ          /
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                /_/::.::.::.:`==´::.::/         }      ./
             タ~ /:.::.::.::.::.::.:.::.::.::.::〃 _,,..,,_     /___/

様々な妖怪が住むとされる『妖怪の山』の麓にある、『霧の湖』の付近をなわばりとしている妖精。
人間より弱いはずの妖精の中では、異常なほど雀力を持っていて、他の妖精からはあまり近づかれない。
ゆえに当人は恐れ慄かれていると理解し、『最強』を自負するようになる(実際現在の妖精としては最強であろう)

性格は一直線でバカがつくくらい正直者、悪戯も大好きと子供の様。
しかし、これらは妖精全般に言えることで彼女が特別かは定かではない。
違う場所はかなりの自信家で、なわばりで会った存在に力を誇示しようとするくらいには好戦的(外来人は決して可愛らしい外観に惑わされぬよう)

須賀京太郎との関係は無いと言えるが、少なくとも千年以上は妖精をやっているらしいので、もしかしたら遭遇したことがあるかもしれない(そして忘れてしまったのかもしれない、妖精は気まぐれ)
そして現在はしっかりとその名前を心に刻み、ライバルとして再戦を望んでいる(その時はいつになるのやら)

雀力の性質は精、氷。
能力は冷気を操る程度の能力、もしくは氷を操る程度の能力(能力は自己申告制なので変わる場合がある)

「お前は私のら、ら……そうライバルだ!だから今日は見逃す……また会おう、京太郎!」

BGM 明治十七年の上海アリス https://www.youtube.com/watch?v=I_syY6nO8nQ

先手必勝とばかりに先に仕掛けたのはハオ。
彼女は太極拳のイメージで、周囲にある雀力を気として取り込み、それらをエネルギー弾として雀幕を放つ。
手から拡散される弾の色合いは虹色と言うべきそれで、非常に美しい。

ネリー「なるほど、みていて飽きない雀幕ね。でも七色と言うことなら私も負けないわよ」

一方でネリーも『七色の人形遣い』と称される人物。
彼女は複数の雀幕に七つの色合いをばらばらにつけた弾をばら撒き、対抗する。
互いに一歩も譲らないが、実はこの闘いはハオが不利であった。

ハオ「て、手数が……追いつかない!」

ネリー「そうよね、だって私には人形がいるのだから」

ネリーは自らが雀幕を放ちながら、同時に人形を操作して、そこから更に雀幕を放つと言う器用すぎる芸当をやってのけていた。
そのせいもありハオの方が物量で押され、長期戦になる分厳しくなる。

ハオ「キツイ……お先に!『虹牌 彩虹の風鈴』!!」

たまらないとばかりに闘牌を使用するハオ。
牌に虹が描かれた後に牌が壊れ、虹色の弾幕が風車のように張られる。

ネリー「なるほど……それなら」

それをみたネリーは冷静に人形を手元に戻して回避に専念、そのせいか全然当たらない。

ハオ「むむむ、やりますねぇ」

ネリー「単純すぎると見切りやすいわよ、まぁ初手だし悪くはないかもしれないけど」

弾を避けきり、闘牌の効果が終了。
そのまま互いに雀幕を展開、しかし温存していたとはいえすぐにネリーの持ち点も厳しくなってくる(人形にも撃たせているため)

ネリー「じゃ、次は私……『操牌 ドールズインシー』」

彼女が名前を呼ぶと、牌に人形が車輪のようになっている絵が描かれて壊れ、ネリーの周りで人形が展開し、高速回転しながら雀幕を大量にばら撒く。
その物量は圧倒的で、ハオは一気に追いつめられる。

ハオ「こ、この人只者ではないな!くそ、『彩牌 彩雨』!!」

まだドールインシーが始まったばかりだが、気合で避けるのが厳しかったので、ハオはすぐさま二つ目の牌を使った。

牌に虹色の雨が描かれて壊れると、ハオは動き回りながら雨のように雀幕を降らせる。
互いの雀幕がぶつかり合い、弾けて鮮やかな色合いへと変わっていく。
しかしそれも長く続かず、ネリーの闘牌の効果が終了……それと同時に再び彼女は回避に専念、雨の中を掻い潜っていく。
だんだん苦しい表情になるハオと、涼しげな表情のネリー。
現在の両者ではネリーに分があった。

ハオ「その表情、まだまだ力を隠していますか?」

ネリー「ごめんなさい、簡単には全力を出さない主義なの」

ハオ「むむむ、どうやら貴女相手には旗色が悪そう……でもまだ闘牌はありますよ!」

敗色濃厚なハオだったが、それでも諦めず最後の闘牌を発動した。

ハオ「『彩牌 極彩颱風』!!」

虹色の嵐が描かれた牌が壊れ、最後だからと言わんばかりに嵐のような虹の雀幕がネリーに迫った。
しかし、ネリーはその激しい雀幕を見て口元を緩めた。

ネリー「残念だけど……避けきるわ」

ハオ「なっ!コレすらもですか!」

その器用さで複数の人形を操っていたため、広く戦場を読み、計算して戦っていたネリーにとって、自分に迫るこの雀幕たちは余裕でかわせていた。
あくまでも身体能力や反射神経ではなく、磨いてきた経験、著しく高い器用さ……それでハオの雀幕の上を行ったネリー。

ハオ「……世は広い……もっと研鑽積むべきでした」

ネリー「強かったわよ、貴女……ただ私が上だっただけね」

闘牌の効果が終わったとたんに、一転して攻勢に出るネリー。
ハオは必死に抵抗したが、確実に避けきれるものではなかった。

ハオ「お嬢様ごめんなさいー!」

ピチューン!と大きな音を立ててハオは落下していった。
それを確認したあと、一仕事終えたようにため息をつくとネリーは館に向かい入ろうとした。

ネリー「----ッ!?」

だが急に感じた謎の気配に危機感を感じて後ずさった。
その気配は館の上の方から感じる。

ネリー「……上でいったい何が……」

嫌な予感がしたネリーは、急いで館の中に乗り込んだ。

BGM ヴワル魔法図書館 https://www.youtube.com/watch?v=A9WLNK77RSE

ちょうどネリーとハオが雀幕ごっこを始めるといったくらいの頃京太郎と淡は館の奥にいた。



京太郎「こっちであってるのか?」

淡「ああ、ネリーからもらった探知機能のある人形がそう教えてくれてる」

人形「コッチジャ」

大星「……人形にも色々いるものだな」

今俺たちは今回の異変において直接的な原因になっている、『魔女』を倒すためにその雀力を追ってきている。
その為にネリーがくれたらしい便利機能つき人形が活躍している……だがなんでこんなにシュールなんだろうか(多分鳴き声のせい)
しかし、仕事はしっかりしており、奥にそれらしき扉が見えてきた。

淡「おっと、あれかな?『大魔法図書館』とか表札があるし、間違いなさそうだな」

京太郎「ああ、ようやく霧を止めることはできそうだな」

魔法図書館ともなれば、魔女がいないはずはあるまい(罠と言う可能性もあるが、誘っている以上その可能性は薄いかもしれない)
と言うわけで、箒から一旦降りて淡と共に乗り込んだ。

淡「さぁ、出て来い魔女!この普通の百倍強い淡様が、異変を止めにきたぜ!!」

京太郎「あんたも霧を発生させた以上、敵を作ることは予測してたはずだ。大人しく出てきたほうがいいぞ」

中に入ったと同時に、俺と淡は魔女を呼んだ……まぁ戦うにしろ、交渉するにしろ、止めるには彼女に会わなくてはいけない。
しばらくシン……と静まりかえっていたが、しばらくして出てきたのは随分と意外な人物であり、知り合いの顔だった。

白望「随分と無粋な客、図書館では静かにしろと言われなかったのかな?」

京太郎「----ッ!小瀬川白望さん……!」

淡「お?知り合いか?」

白望「……私は知らないはずだけど、一方的に知っている奴がいても別に驚かない。この麻雀郷、どんな力を持った奴がいてもおかしくはないのだから」

ジト目で俺と淡を見てくる彼女は、俺たち清澄が二回戦で対戦した宮守女子高校の先鋒『小瀬川白望』と同じ姿だった。
服装は薄紫のパジャマの様な出で立ちで、赤と青のリボンが服の各所についている、被っている帽子はドアキャップに似ていて、三日月のアクセサリーがくっついている。
そして俺が名前を知っていることを、能力で知ったと思ったらしい。

京太郎「あー、えっととりあえず自己紹介しましょう。俺は須賀京太郎、今回の紅い霧の異変を止めたくて来たんですが……止めるのに話し合いの余地はないですか?」

大星「なんだ、戦闘経験を増やさんのか?」

バーロー、避けられるなら避けられたほうが良いに決まっている。
やたらめたら喧嘩を吹っ掛けてたら敵ばかり作ってしまう、だからとりあえず話し合いが出来るかどうかを聞いたんだ。
淡は周囲をキョロキョロしているし、たぶん異変の元凶を懲らしめよう!って気概は実は薄いのかもしれない、それなら向こうに争う気がないな戦うこともない。
すると、白望さんはあっさりこう答えた。

白望「そうね、霧はもう止めるわ」

京太郎「……え?いや、こっちとしては嬉しいけれどもいやにあっさりですね」

白望「今回の目的は、友人であるここのお嬢様からの頼みで霧を発生させ、戦う意思のあるものを誘導することだったから……もう目的は達成できてる」

どうやら魔女たる彼女が主犯ではなく、この館の主がそれらしい……故に彼女自身は争う気も無く、霧は止めても問題はないそうだ。
白望さんは、魔道書を出して何か呪文を唱えると、魔方陣が出現し何者かが召喚される……ってあれ!?

ハギヨシ「お呼びでしたか?」

白望「そこにいる奴らをお嬢様の元に案内よろしく」

ハギヨシ「はっ、かしこまりました」

ハギヨシさん!?ハギヨシさんが召喚されただと!?
しかもハギヨシさん、見た目に何も変化無いんですけど……まさか外から直接召喚されたんじゃないよな?(滝汗)

京太郎「……あの~、ハギヨシさん?」

ハギヨシ「……ご無沙汰しています」

やはり外から直接だった!!(驚愕)
知り合いに似てるじゃなくて、ガチで本人だったよ。
まさかこんなところで会えるとは……いや、西洋風の館だしいる方が自然か。

京太郎「こっちにもお仕えしてるんですか?」

ハギヨシ「……そうですねぇ、悪魔としての契約といった感じですがね」

京太郎「え!?……いや、貴方ならそれで違和感無いな」

普段からいきなり瞬間移動してきたり、物凄いスピードで縫い物したり、気が付いたら料理が出来てたり……人間業とは思えなかったし、ある意味悪魔で納得できてしまった。

ハギヨシ「外に帰るまで色々大変かもしれませんが、影ながら応援させていただきます。それではこちらでのお嬢様の元にご案内いたします」

京太郎「ありがとうございます!それじゃ淡、この人が主犯の人物のところへ案内してくれるから行こうぜ?」

ハギヨシさんからの暖かいエールを受け、嬉しい気持ちもあるが、今は異変を完全に解決することが先決。
淡を呼び、一気に片をつけようと声をかけたのだが……淡は首を横に振った。

淡「いや、私はここに残る」

京太郎「は?なんでだよ」

淡「ちょっくら魔道書をごっそり借りようと思ってな」

いや、ちょっと待て……お前のそれは借りるじゃなくて絶対強盗だろ。
前のネリーとの会話を考えると、確実にここの本を持ち去って死ぬまで返さない。
どうやらそれを感じ取ったのか、白望さんはジッと淡をにらみつけた。

白望「だめだよ、お前には貸す気は無い」

淡「じゃあ、雀幕ごっこだな!力ずくで頂いてくぜ!」

大星「まぁ、ある意味こやつらしい選択だな。尊重してやれ、使い手よ」

……結局話し合いをしたが戦うことになった淡と白望さん……ここから先は魔法使い同士の領域だ。

京太郎「じゃあ俺は先を急ぐぞ!ごめんなさい、白望さん!今度お詫びに挨拶しに行きますんで!」

淡「おう、任せたぜスガキョン!」

白望「……あまり期待しないで待ってるわ。それじゃやろうか、白黒」

ハギヨシ「どうぞ、こちらです」

俺は二人に挨拶をすると、ハギヨシさんと共に大魔法図書館を出て行った。
それと同時くらいに、後ろから爆音が響いてきた。

書き忘れ 【next phantasm】

といったところで、短いですが今日はここまで(仕事は逃げられない)

次回は淡とシロのバトルと、京ちゃんと一のバトルの開始までを書けるといいな……といった感じです。

それでは行って来ます。

     ト、     ,. -────‐一  、
      , ヽ  /             \
        \ V´_                \
      /`¨                  ヽ \
        /                    N,、\
      ./   !        !  i、   i }  !  | l | ハ`ヽ、
      |    l      N ! \  j!  }  l Ⅵ1!
      l i   !      i Ⅵ l_斗チァ !   i  ヘハ
     ! j ハ ト、,ヘ \  ト、z斗1 -Ⅵ下1  i  ト、j
     .l .∧ ヘ ̄}ル'lハlヘ ! l  ヒ,_,i   ノ 7  i  lヘ ,
      Ⅵ V fl ____,. }! ̄`ー─‐ '´ l/ イ1 /i Ⅳ
      !  l 人ー/7^j           / ! / .l/1|ヘ!
          !/| Ⅳ/ /  、      /Ⅵ /  !/k
         / .|/'// /へ  rー、  / /Ⅵ/ /ン
            // /,へ1` 、  /  / ノ |
          /   ─-〈 7ヘ l ̄   _ ィ≦へ
          |    r-z,ノ , ィfxェ;≦三少 /:\
          !      l、//7/`¨¨´ ̄,//, ,二ニ\
      , |     !二 ||    //‐-、} ヽ:::/`ヽ
        j!/j     lィ/||___//:| r─-':/   ><7
      /7 ヾ    /<_ || ̄//、`゙'  !::::/ ,.  ´ ,.  ゝ',
    //   ,   /7 /|| ./:::::l |::`::-/. ´,.  ´    \
   ./ {     , ∧{__, 7:||/<::j l::::/ ,.  ´ _,. -‐   ̄ ̄ ̄!
  /       V  ,://:::ソ 、   `::// '´ ̄           |
  ./!        ,  ,:::/:ヘ \::>'     _,. -──一-    _|
/ 1          , ! ̄ \  V` < ´           j
| !          Y    `ー-    ヽ、        /

「またの来店をお待ちしているよ……数少ない(かは分からないが)貴重な読者諸君」


ハギヨシさんはいったい何者何ですかね…?

あくまで執事なのかー
でも小悪魔ポジってことは、一応麻雀郷の雀幕ごっこでは上位の妖怪たちには敵わなさそうだ

おはこんにちは~

>>181
(種族)あくまで執事(龍門渕の)
……ですかねw

>>182
彼は常日頃から力を封印してるので小悪魔の位置なのです。
本気を出せばきっとextraボス並みの力はあるんじゃないですかね?(すっとぼけ)

さて、それでは書き始めます。

            _,.......---............_
         ,. : ´: : : : : : : : : : : : : :` : : . 、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
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      ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
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    |: : : |: : : : : /: : : ,イ: : ,:|: : : : :ハ: : :l: :|: : : :V: : '.
    |: : : |: : : : 、|__/_}__/Nノ: : N、|_}_,:|: : : : | : : :'.
    |: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ  }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
    {: : {-从: : :{/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫}: : /:/:| リ\}

    八:{、:、__ \:lヽ  Vり         ヒり/:イ:/: :|
      `\}、: 、    /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{
     , --r--,\ ,-- 、_____  人: /  \〉
      /  |::| |::::::>  ____ソイ⌒∨
    {   ,::, {::::::::::::∧-,  r/:::::://|   }
    |   \、\::::::::::∨- /:::::://:/

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    |     | \__>、_}'__>´/}   |
    |     |    `ー=-r-- ´ ,:   |

「ゆ、ゆっくりしていってね……?」

【キャラ紹介コーナーその五】

●郝慧宇(ハオ・ホェイユー) 元東方キャラ『紅美鈴(ホン・メイリン)』
          ___
        /:.:.:.:.:.:\
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         从:/:.:. /:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:./二二二ニ=-、
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          |:.:l:.:|:.:.:.:/:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:.:/-l/八/l|:.:.:.:.:.:.:.::リ::
          八:l:.:|:/´ ̄Ⅵ:.:.:.|:.:.:.:.:.伝ミ `ヽ |:.:.:.:.:/::/::/
.           ∨八 _/ ノ \:.|:.|:.:.:.:|刈ト、  }厶仏イ::/
            ∨:.:\〈   \|:.:.:.:|_ソ´`   云/::::l/ |
           }:.:l:.::/ 、      ‐┘    /ソ'::::::::::|:|
           ノノ}:/              、∧:::::::::|:|
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霧の湖の真ん中に建っている、紅い悪魔が住むと言う『紅魔館』、そこの門を守るため雇われている妖怪。
中国拳法(八極拳や太極拳、他にも色々)を使い、周囲の気を操り自らの力にするなど純粋な戦闘能力は高い。
それゆえに、無理やり門から先に入ろうとした侵入者と肉弾戦で戦う場合もあり(よほど性質が悪そうなどの理由で)、その戦いを館の主人がテラスから観戦して娯楽としていることも少なくは無いとか。

性格は基本的にまじめで、誰に対しても敬語で接するが、気が置ける相手だとたまにタメ口になるときもある。
そのまじめさから、例え門が破られたとしてもクビになることはなく、何だかんだ重宝はされているようだ(大概妖怪は性格に難があるが、彼女は温厚そのものだから)

須賀京太郎とは全く縁が無かった様子だが、内輪でも名前で呼ばれることが珍しかったにも関わらず、フルネームで呼ばれたために多少興味がわいている。

雀力の性質は妖。限定条件で龍。
能力は気を使う程度の能力(能力は自己申告制なので変わる場合がある)

「まさか精神攻撃を受けて油断するとは迂闊だった……こうなったら背水の陣だ!」

BGM ラクトガール~少女密室 https://www.youtube.com/watch?v=aRieGZDzTzw

先に雀幕を撃ったのは淡、速攻、高火力、派手にが彼女の信条だ。
魔の雀力を固めて出来て、放つとすばやく相手に飛んでいく淡の弾幕『マジックミサイル』は、あの咲でも厄介と感じる雀幕だ(避けられないわけではない)
一方で咳き込みながらゆっくり移動している白望は、被弾しながらも自らの周りに発光体を出現させてレーザーを回転させながら撃つ。
火力には貫通力と言わんばかりにミサイルを引き裂きながら迫ってくるレーザー。

淡「んだそりゃ!ずっこいぜ!」

白望「限りある条件の中から、攻略の糸口を使用したまで……貴方のそれは単調すぎるわね」

淡「へっ、何勝った気でいるんだ?闘いは始まったばっかりだぜ!」

魔法使いとしての経験値の差はかなりでかく、実際白望の方が実力は上であろうことは淡にも分かっていた。
しかし実は彼女には弱点があった。

白望「(あー、もう。戦わずに済むと思ってたのに、こんな奴がいるなんて……ごほっ、喘息が……)」

それは暗くじめじめし、埃だらけの図書館の中に引きこもっていたため発症した喘息だ。
その為に長い詠唱ができず、強力な雀幕は放てていなかった。

淡「(どんだけ相手が格上だろうが……私に後退の二文字は無い!絶対ここの本をいただいていく!)」

その事実は知らなかったが、淡は決して引くことはせずに雀幕を撃ち続け、持ち点がギリギリとなったために闘牌を取り出す。

淡「『魔牌 スターダストレヴァリエ』ェ!!」

彼女が叫ぶと、掲げた闘牌に星空に浮かぶ箒が描かれて壊れ、淡の乗っている箒から星の形の雀幕が放たれ、自らは高速で周囲を飛びまわった。

白望「む、目で追えない……速さは私より上か、ゴホッ」

喘息で咳き込みながら星に持ち点を削られてしまう白望、彼女は激しく動くと症状が悪化するので回避がそもそも苦手だった。
その為、彼女もこうなってくると淡同様に真っ向勝負をするしかない。

白望「……『水牌 プリンセスウンディネ』」

白望が闘牌を取り出して使用すると、牌に青い女性の精霊が描かれた後壊れ、水圧のレーザーと水泡弾の雀幕で二重攻めをしてきた。
水泡は小型と中型二種類があり、交互に出して変化をつけられており、水圧レーザーによって逃げ場を消して追い詰めてくる。
しかし現在はどちらも闘牌の効果中であり、それらは互いに打ち消しあう。

淡「ちっ……!」

白望「……」

淡は実力差に焦り、白望はコンディションに焦り……互いに心中は穏やかではなかった。
それぞれの闘牌の効果が終了すると、再び雀幕の応酬かと思ったが、そうではなかった。

淡「……」

白望「(ん、撃ってこなくなった……まさか、私の喘息に気づいちゃったかな?)」

そう白望は疑ったが実際はそうではない、淡は自らの速さで通常雀幕を何とか回避し、相手の闘牌発動タイミングに切り札を使って短期決戦をしようとかんがえたのだ。

乙・・・・・と言いたいが>>1よ。美鈴の説明で重要なことが抜けているぞ。美鈴は一芸特化でなく器用貧乏キャラだ。だからこそ、吸血鬼の弱点を付こうとする人間相手の門番に適している(裏を返せば弱点らしい弱点がない)

淡「(たぶん、長引けば長引くほど不利なのは私だ……だから私の『とっておき』をお前にぶち当てて勝つ!)」

レーザーや自分狙いの雀幕を必死に掠めながらも必死に掻い潜り、持ち点も減りはしたが最小限で乗り切った淡。

白望「本当にすばしっこいね、本泥棒にはぴったりだわ」

淡「はぁ、はぁ……強くなるために努力するのが何がいけない!『恋ーーーガッ!?」

白望「後ろがお留守ね、『木牌 シルフィホルン上級』」

淡の狙いは間違ってはいなかったが、白望の方が若干上手だった。
既に動きは読まれており、こっそり後ろに配置した精霊に雀幕を撃たせて妨害したのだ。
牌に緑の風を纏った少女が描かれた後壊れ、風で流れてくる葉の様に複雑な動きで雀幕が迫ってくる。

淡「---ッ!?くっそぉ!」

淡は必死に葉の雀幕を回避し続ける。
何故こうなってしまっているのか、素直に闘牌を使えば良いと皆思うだろうが……実は彼女には事情があった。

淡「(こんなことならもう少し家の中掃除しておくんだった!どこいったんだ私の闘牌ィ!?)」

そう、淡の大星魔法店は趣味でやっているのだが、客は魔法の森を怖がってくるはずも無く、半ば彼女の蒐集品の置き場になっているのだ。
そのためうっかり闘牌をなくしてしまい、探そうにも店内がひどい有様で探すに探せなく……やむなく手元にあったお気に入りの二つのみを持ってきたわけだ。

白望「(回避に徹してる?……余程の自信家か、それとも……まあいい、なら徹底的に潰せば良い……次で終わらせよう)」

ボロボロになりつつも闘牌を使用しない淡の様子を見て、白望はそう考え、次は立て続けに闘牌を使いこの戦いを早々に終わらせようと決めた。
闘牌の効果が終わり、淡はとりあえず安心できたが持ち点はギリギリ、このままではまずい為闘牌を使わなくては負ける。
しかし迂闊にタイミングを焦って使うと致命的になりかねないこともあり、即座に闘牌を出さなかった。
そして、白望は闘牌を取り出した。

淡「……えっ?」

白望「何?別に立て続けに闘牌を使ってはいけない、なんてルールはないはず……でしょ?」

淡は自らの選択と浅慮を後悔した、もしあの時闘牌を取り出していれば倒せる保証はなくても間に合ったかもしれない……だが全てが遅かった。
白望はその闘牌の名を呼ぶために口を開いた。

……がその瞬間、淡に運が味方した。

白望「『金&水牌 マーキュリー……」

            _,.. -- 、__, 、___
            .⌒>.::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ、
.        _,....::::´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
           ̄7::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.
            /イ.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.{ ドクンッ……!!
          _/_:::::::::::::::::::::::::::::O:::::::::::::::::::|!
.         ̄´ {∧ . :::::O:::::::::::::::::::::::::::::::ト\
            {从.ハ::::::::::::::::::::::::::::::::ミ`
              ' ;.v   ァ::::::::::::マ_

白望「----はッ?……ッ!ゴホッゴホッ!」

白望は謎の気配を察知し、固まってしまった……ある程度の実力者だから分かる何かに気圧された。
そしてさらにタイミング悪く喘息の症状が襲ってくる……これをみた淡の瞳に光が宿る。

淡「今だぁ!『恋牌!」

白望「グゥッ!」

淡「マスタースパーーーーーーーーク!!』」

淡最後の牌にして切り札が発動、煌くハートが描かれた後壊れ、圧倒的極太のレーザーが淡の手元にある『須賀京太郎』作の『ミニ八卦炉』から放たれた。

白望「よ、よけられな……!!」

白望は闘牌宣言を出来ぬままレーザーに飲み込まれ、持ち点が一気にゼロになってしまった。

白望「む、むきゅ~……」

そのまま彼女は気絶して落下、下にいた精霊たちにキャッチされた。
それを見届けてから、大きく息をついてから淡は言った。

淡「雀幕はパワーだぜ!」

>>187 実は改行数の問題で削ってしまいました……AAの方を削ればよかった、申し訳ない。

BGM メイドと血の懐中時計 https://www.youtube.com/watch?v=pu531S9FUAc

ネリーがハオと戦闘中で、淡が白望と闘い始めた頃。
京太郎はハギヨシに連れられて、この館の主人であり異変の首謀者の『お嬢様』に会うため、廊下を歩いていた。


京太郎「----というわけで一時はどうなるかと思いましたけど、今はここでちゃんと生きられるように強くなろうと決めました」

ハギヨシ「なるほど、立派な心掛けだと思いますよ?あちらでも京太郎君は熱心に学ぼうとする気持ちがありましたから、きっと大成できると思います……そうですよね、剣さん」

大星「……こやつ、我の言葉を聴けるのか?」

京太郎「なぁに、ハギヨシさんならどこもおかしくは無いぜ、何でも出来るからな」

大星「大した信頼だな、まぁ実際に万能のようだがな」

大魔法図書館から抜け出した俺たちは、外から来たハギヨシさんに現在の近況を知らせていた。
彼は俺の話を紳士に真摯に聞いてくれる、頼れる友人であり、一部雑用を手ほどきしてくれた師匠的な存在でもある。
そんなハギヨシさんだったが、外について聞こうとすると、申し訳なさそうにこう答えた。

ハギヨシ「申し訳ございません、それは【禁則事項】となっていますので……」

京太郎「え……情報規制されてるってことですか?」

ハギヨシ「ええ、契約と何者かの妨害によって【禁則事項】になってしまっています」

マジか、それじゃあ外がどうなっているかは確認できないのか……残念。
せめて外の咲が混乱して、妙なことしてなければ良いが……。

大星「恐らく『妖怪の賢者』が何とかしているだろう、情報規制もそいつがやっている可能性が高いからな」

……『妖怪の賢者』、俺がこの世界に来たことに関係ありそうなんだよな……いずれは一目会ってみたいが。
だが今は何より目の前の異変だ、それを解決しないことには先に進めない。

大星「ん?……なんだ、この違和感は?この館、ここまで広かったか?」

京太郎「え?ああ、確かに結構歩いた気はするのに」

と、大星が気が付いたのは、この館が外観と中の容量が一致しないと言うことだ(やけに広く感じる)
それについて、ハギヨシさんが教えてくれた。

ハギヨシ「実はこの館、ある人物の能力によって『空間が広げられているのです』……故に広く感じると言うわけです」

京太郎「ある人物?」

ハギヨシ「ええ、きっと貴方も知っている顔ですよ。……来ましたよ、恐らくここのお嬢様にもてなしを言いつけられたのでしょうね」

ハギヨシさんが言うには、俺の知り合いの顔をした人物によってこの館が広げられているらしい(それってかなりヤバイ部類の能力じゃないか?)
そして、彼の言葉に前を向くと、こちらに歩いてくる人影が見えた。
館内が暗いため、顔まで判別は出来ないが、ミニスカートで藍色を貴重としたメイド服と純白のエプロンは確認できた。
コツコツと音を立ててこちらに近づいてくる人物、その顔がだんだん見えてきた。

京太郎「……貴方でしたか、いや、メイドですもんね……一さん」

一「……どうも、いらっしゃませ。ここのメイド長の国広一と申します」

ペコリと頭を下げる彼女は間違いなく国広一さん……ただ雰囲気がかなり違う。
自らをボクと呼び、ボーイッシュで明るい感じだった彼女は、プロのメイドさんよろしくの佇まいと、妖怪が住む館の住人に相応しい鋭い目つきだった。

一「どうも、悪魔さん案内はここまででよろしいです」

ハギヨシ「どうやらそのようですね、分かりました……その前に京太郎君」

京太郎「はい?」

一さんはハギヨシさんに案内をやめるように言うと、彼は素直に従った。
しかし俺に何か一言残してくれるらしく、耳打ちしてきた。

ハギヨシ「彼女は純然たる人間です、しかしとある優れた能力と館を切り盛りできる高いメイドの技能を持っています。外にいたならばぜひ龍門渕に欲しいと思うほどには」

京太郎「え、人間?」

今まで人外ばかりだったにも関わらず、まさかここで人間に遭遇するとは思っていなかった。
おまけに予想通り凄い能力を持っているらしく、俺の警戒ゲージがあがる。
そしてさらにハギヨシさんは付け加えてきた。

ハギヨシ「これは警告です……彼女は主のためなら敵に容赦はしません、人間と教えはしましたが、絶対に油断しないでください……それでは」

そんな怖いことを言わないで欲しかった……いや、ちゃんと警戒できるだけ教えてもらった方が良かったのかもしれないが。
ハギヨシさんはそのまま「楽しかったですよ」と手を振って帰っていった、これで平和はもう終わってしまったのだ。

京太郎「さて、メイド長……俺はどうもてなされるのかな?」

一「そうですね、お嬢様からは『歓迎しろ』と言われていますから。それ相応にお相手させていただきます」

歓迎しろか……間違いなくそのままの意味ではないんだろうな。
異変を起こした元凶がそういっているのだから間違い無い。

京太郎「お相手か……ダンスとか?」

一「大変魅力的ですが、お生憎私こちらの踊りしか知りません……」

京太郎「----ッ!」

俺が冗談混じりでそう言ったら、その途端唐突に俺の頬が何かによって切れた。
しかし、一さんは何もしていない……彼女はただスカートの端を持ち、こちらに可愛らしく礼をしただけだ。
だが俺が後ろを向くと遠くに光るものが見えた。

大星「ナイフだ、アレは」

京太郎「え?で、でも一さんはナイフを投げる動作なんて……」

そう、彼女は確かに俺の視点ではそれをしていなかった……だが、ハギヨシさんに警告されていた事柄が頭をよぎった。
能力……たぶんそれで俺にナイフを投げたことを気づかせなかったんだろう。
気が付いたらナイフで切られている、頭が極端に良くはない俺でもいくつか候補は頭に浮かぶ、だがすべて断定はできない。
だがどのみち俺からすれば十全に恐怖できた、彼女と言う存在に。

一「では始めましょう、侵入者のお客様。もうすぐ掃除の時間ですから、あまり手を煩わせぬようお願いしますね」

一さんは接客用の笑顔のまま、サイコロを取り出すとルールを決めた。

一「持ち点は25000、東風戦で、闘牌はそれぞれ持っている分で。よろしいですか?」

京太郎「か、構いません」

大星「気をつけろ、奴は間違いなくこちらより遥かに格上だ」

分かってる、そんなことは……だがここまで来て後に引ける気はしない。
だから俺でどこまでやれるか…試したいんだ


一「それでは、闘牌開始です……試させてもらいます、お嬢様と遊べる器かどうか」

彼女はサイコロを投げ、俺は身構えた。
一さんとの戦いはきっと、勝っても負けても俺の身になる……そんな気がするから……。


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{/ /   / /  / {  |  Ⅵ≧!、,|   | 、 |   _/ム斗七    /:. / }'
 '   ,イ / | { 从 | イ  {::しメ∧   l  Ⅵ   イ {::し刈 `ヽ'  ' }/
'  / /イ Ⅵ :.  Ⅵ    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /
/        | 从   |            \ ∨/        ,  /
       _∨∧ :.             ` \           ,:_ノ> 、_


だから怖くても俺は絶対に逃げたりなんかしない!

大星「器か……今回でお前と言うものが真に試されるのやもな」

緊張の中、今、闘いの幕が上がった。

【next phantasm】

といったところで今日はここまで。

いよいよ次回、紅霧異変に決着がつく予定です(明日休みなので)

初めての強者とのぶつかり合いの中、京ちゃんに何かが起こる……。

それでは仕事行って来ます。

               rz、── - 、           , .-‐zィ
                \ヽ: : : : : _\___ ,,/ : : : lシ
                 } },>''´:::::::::::::::::::::::::ヽ: : : : lイ

                  /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\: :j {
                   //:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽl j
             _,,ノ::/::/::/:::/::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::ll 〉ー-..、
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               l::|::l::|:::::|Vーlト、::ヽト、|ヽ从:j_;ノ:::::!、ー-、::::::::l
               l/VVト=|/Yハ \j  "´f":Yi:::::ヽ,ゝ |ヽ::/
                  j:}: :} 込ノ   ー‐'' |: : !j::::|::::|   |::::i|
                //ゞ゙ヘ  丶_   ,'iー'f::::::ヽ::ヽ l:::::ヽ_

                  レl/:::::::|\ `ー'  //:i:::|:::i::::::〉V  ヾ三ニ=
                 〈/:::::;'r‐ィ`i ー''_´jァl::/:::!::ノ:::/
                   , -l::::/ノ〈 ノY、´   レ'::/イ ∨
           rf  ̄`/ /∨厶イノ⌒i \イノ∨:7 、
           | ヽ/   /: : : /_,,ノTヽj  ∨┘: /   \
         _r┤ ` ー/: : // / ヽ_/ : : : ,'   _,, ゝ─┐
        <_,,,丿 |、    ,′:jゞ′ / !  \ : : : : ! ゝ´     l
        /    、\  |: : }〈  /   l    >ァ: :│/        ,イ─ - 、
    /      ヽイ´l: : :ヾ=ト,   |,r-ィノ´: : : レj_,ノ /`ソ})、ー ''´
   /    ̄ ̄`ヽ 〉┘ |: : : : : : ヾz=ゝ⌒´: : : : : :/  ヽ'´ ̄    \
   '         `}   ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : : :/    〉        ヽ

「私に直接出番は無いけど、見てくれてありがとうね。あ、素敵な賽銭箱に信仰をこめてよろしく」

.「^ヽ,ry'^i  ____
  ,ゝ"´ ⌒`ヽ /////////.|
 くi Lノノハノ)」 | ̄ ̄ ̄ ̄| |

  λ.[i ゚ ヮ゚ノi! | 奉 納 | | ここよ♪
  レ',ヘ.i`ム'」つ|____|/
  ,く_,//T.iλ
  "ーr_,t_ァ'"


( ゚_ゝ゚)ノ-④ホイ

あれ?咲ちゃん居たの?(煽り)

咲ちゃんなら俺の腕の中でぶるぶる震えてるよ

こんにちは~、出かけてました

>>193
           旦 旦 旦 旦 旦
           旦 旦 旦 旦 旦

   .「^ヽ,ry'^i   旦 旦 旦 旦 旦
   ,ゝ"´ ⌒`ヽ  旦 旦 旦 旦 旦   淹れ立てのお茶でもどうぞ~♪
  くi Lノノハノ)」  旦 旦 旦 旦 旦

   λ[i ^ー^ノi!   旦 旦 旦 旦 旦
   レ|,ヘi`'○==○ 旦 旦 旦 旦 旦
  .く_,/  || _ | 旦 旦 旦 旦 旦
   し' ̄ (_))  ̄(_))  ̄(_))  ̄(_))


>>194
でぇじょうぶだ!最後は原作主人公としてきっちり締めてくれる!(咲ちゃんと霊夢二重の意味で)

>>195
咲「京ちゃん!何書き込んでるの!?ああ、もう恥ずかしいなぁ////」

照「(咲はさっきからどうしたんだろう?)」


それでは書き始めていきます。

                _, -──-  .,_
               '´         `丶、
            /              \

           ,          /         \
.           /     .   /            ヽ
           ′     / /              `、
.          .' /   /,     // /|   |       `
         i     . /    」_ ′/  |   | i|  . i
.         i |   j/,    /イ`メ、   |  小 ||   ト.!
          j .|  ∨/    / |/ ヽ  |  ァT丁l   | |
         ノ i|  V    j 抖竿ミ    ノ ノ ,ノイjノ   | i
___ ____彡' , i|  i| j   八|:x:x:    /ィ竿ミ 刈    | }
 ̄¨ え≠  / 八 i|/l   |  |        :x:x:/ ノ    | ′
 /  -‐ '    ハ  八  ト、  ヘ.__ `  厶 イ   ノ
/    __,.斗‐=≠衣  ヽ八\ 丶.__ソ  . イ(⌒ソ  イく
     jア¨¨^\   \   \ >-=≦廴_  ア /ノヘ\
  斗ァ'′     \   \   ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ
/圦 |       、\   ヽ   、∨tl  `ヽ . ∨ V\ i
 { `|           Vi:\  ハ  i } |    } i }  ∨,} }
≧=- |         辻_V\`i}  i } |  /} iハ}   辻ノ
   ノ          ¨〕V//リ  iノ ////V〔    ¨〕

「んー、ゆっくりしていってね♪」

良く確認したら前回の奴その六なのにその五になっていた……恥ずかしい。

【キャラ紹介コーナーその七】

●小瀬川白望 元東方キャラ『パチュリー・ノーレッジ』

     \ー―――‐`         }
       \         --- 、 __ノ_⌒ヽ
      /⌒    /     /    Y^ ,
    ー=≠       /           |   ',
.   /     /      / /         \_
   /     /     / / /        /      Y´
.  /  / /   / _/_/イ_/,  、__/ ∧
  | /./ /   /´/|/´-l/   // /`^ヘ |   | l|
 八{ /  j/ ll ∧ :|芹苧豕 /l/苧豕, ∧|   | l|
   / イ / Ν/-、| | 乂_ソ}/   ヒソノ∧八 リノ

.     {  | \、_jノ        、   ,   ∨
     \八  厂〕ト       _  人  i|\)
        )/(\ノ/}>   ´ イi:i:ト、)ノ /

            (\\\   爪 i:i:i:i:i:|∧
         ⊂ニ=---、__〉\:i:i:i:|  \
         /:i:i⊂ニニヽ \{\ |:i:i:i|   } ̄ |
.         /:i:i:i:i:i:iノ  {   \_,|:i:i:i:\     |
       / ̄て二...__......_   `゙<:i:i\  ノ
        |      ∨:i:i:i:i:i:> .     ̄ ̄ `ヽ
        |      ∨:i:i:i:i:i:i:i:i:i:> .        ',
.       /|      ∨:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i> ..    }

         /:.:.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽヾl  / /
        レ': : : : : : : : : : : : : __.: : : : : : : : : : : : l i!|/ /

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      __ /:.:.:.:: : : : : : : _.: : : : : ヽ  l.: : : : : : : : : : : : ヾ´  .l
     l´: : >、____ノ: :_ノ´  ヽ,._ ノ  人.: : : : : : : : : : : : /  ヽ
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     〉:/ l i |ヘ .| l    l  l .i 」 l   l: :`¨: :,二ニ、: :l_ _./
    l: :l l .l!| l l .l   」-十_|___|__|   `ー‐' .i ノヾ、  `ヽ、
    レト、|.  i!| l.l l  二j r ァ―::ァ |    |    ヾ、.:.:.:.ヽ、   `ヽ
.     i ト'´ i!〉', i!   ̄  __弋z::シ  i!   .| l     l`フ: :〉、   /
      |__ i! ',          /_|_.  | l .l   l ,イ: :/ ヽ   /
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友人が家主である『紅魔館』の大図書館に引き籠っている魔女。
見た目は少女くらいだが、齢は百を超えているそれなりに古株の部類の魔法使い(魔法使いには先天的と後天的があり、彼女は前者らしい)であり、最近魔法使いになったネリーや人間の淡より遥かに知識と経験は豊富。
本を愛しており、「本の傍にいるものこそ自分」と言い切るほどで、暇さえあれば本に噛り付いている(その為身体能力は低く、持病の喘息があるなど、所謂もやしっ子である)

性格は理屈っぽく、沈着冷静であまり他者に関心がない様に見える……が意外と友人などへの面倒見が良い(外見は暗めだが、内面はそこまででもない)
動かない大図書館と呼称されることもあるが、たまに知識のためにアグレッシブに動くときもある(これから後に判明)
使う魔法は精霊魔法(東洋魔術における五大元素である『地水火木金』)を主としており、西洋系の人物なのに東洋系の魔法を扱うと言う変わり種(なお、淡は東洋の魔法使いでありながら西洋式だったりする)

須賀京太郎に対しては、遭遇することがなく(互いに外に出ないタイプなため)今まで存在すら知らなかった。
しかし、今後どうなるかは分からない……神のみぞ知る。

雀力の性質は魔。変化は無し。
能力は魔法(主に精霊魔法)を扱う程度の能力(能力は自己申告制なので変わる場合がある)

「む、むきゅ~……」

きたか

だるそうだしおっぱいあるし似合うな
身長くらいか
京ちゃんおんぶしてあげて

豊音が誰になるのか気になる
元ネタ的に山女の豊音だけど、山女ってどうも吸血鬼っぽい描写もあったりするんだよねぇ

昨日支援したやつだけども…お茶大杉ワロタ

BGM 月時計~ルナ・ダイアル https://www.youtube.com/watch?v=s_MjBw7rMRY

俺にとっては二回目となる雀幕ごっこ、しかし相手は妖怪とか妖精の様な人外ではなく、純粋に人間の国広一さん。
だが間違いなく、この世界における咲や淡同様に強い人間なのだろうな……何ていうか殺気の凄味が違う。
なので俺は胸を借りるつもりで先手で全力で攻撃する、俺はまだ経験も浅く弱者で挑戦者なのだから。
黒い弾が蛇のように蛇行して、一さんに襲い掛かるが、彼女がそれを黙ってみているわけが無い。

一「……なるほど、では……」

そう言って手を振るうと、彼女の周囲から小型の魔方陣らしきものが四つほど出現、そこからあふれる様にナイフが出てきた。
俺はコレを見て『彼女の能力は、物体を出現させる系の能力なのか?』と考察した。
実際それならば投げる動作をしなくてもナイフで俺に傷をつけることが出来る、俺の死覚からナイフを出現させてそのまま射出すれば頬を切るくらいは出来るはず……。
……なんだろう、やっぱり違う気がする。
俺は一瞬浮かんだ考察を捨てて、辺りに舞う短剣を回避しだした……のだが。

京太郎「分かっちゃいたが、優希とは比べ物になんねぇ!!」

大星「当たり前だな、力を持った妖精と力を持った人間では、力を持った人間の方が強い。実際人間のお前はあやつを倒しただろう」

そりゃそうだが、それでもだ!
だって周りに舞ってるもの以外にも、彼女自身から投げてくるナイフだってあるんだぞ!?
普通に一般的な闘牌クラスの雀幕を通常雀幕として張ってくるとか、思わないって!
大星の剣にそう心で叫びながら、俺はいつの間にか雀幕を放つことさえ忘れて避けることに精一杯になっていた。
それでもやはり避けきれず、俺は追い詰められていく。
このままでは持ち点が無くなると思い、急いで闘牌を使用する。

京太郎「くっ!『薙剣 須賀の型』!」

剣を左右に振るい、赤と緑の雀幕が放たれた……なのだが、それに対して一さんは特に反応もなく全て避けている……やべえ、ここまで実力さがあるとは……。
それでも俺は諦めずに雀幕を撃ち続ける、何とか当てようと必死に。
……やむなく闘牌の効果が切れ、また彼女に一方的に攻め立てられ始めた俺はこの苦境をどうしたら良いのか、全く糸口が見えない。
思考が固まらない中、持ち点が減ってきたためか、一さんが闘牌を使った。

「『幻在 クロックコープス』」

彼女が牌を掲げると、そこに時計の針が何十本もあるような物が描かれ壊れ、青い光の弾が僅かに一さんから放たれ、彼女は背を向けた。
え、何故それだけ?と思った。

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            从 , ー`≦―:.:.:.,.:.:.:. ̄:.>、 、:::ハ:}

次の瞬間、目の前に多い尽くすほどのナイフが迫っていた。

京太郎「……は?ガハァッ!!」

いてえ!身体に鋭利なものが直接的に刺さりまくる、持ち点があっという間に無くなっていく。

一「……貧弱ですね、その様なお方ではお嬢様の前に出す以前の問題……強いて言えば食料にはなるでしょうが」

京太郎「食……!?……いや、ここの主人は悪魔だっけな。ならその表現も適切か」

一「正確には吸血鬼なのですが、まぁどちらにしろ貴方様では遠目に見ることすら叶わぬでしょうね」

彼女なりのジョークかと思ったのだが、結構ガチで言っている様子で背筋が凍る。
もしかしたら、俺負けたら殺されるんじゃ……いや、そんなことを考えるな!
確かにこのままじゃ、異変の元凶に対面する前にこの人に負けて終わってしまいそうだが、諦めるのは早過ぎる。

大星「そうだ、絶望だけはするな」

京太郎「ああ!今の俺は諦めが悪いんだ!一さん、もう少し付き合ってもらうぜ!『斬剣 出雲の型』!!」

持ち点がギリギリと言った所で、出雲の型を使って彼女の雀幕を相殺しにかかる。
実際に、突然現れるはずのナイフは、放たれている剣気と飛沫の様な雀幕とぶつかって、俺の元に来る前に消えている。
さて、再び能力の考察だ……。
さっきは魔方陣からナイフを出していたのを見て、何も無いところから生み出したりする能力なのかと思った。
しかし、さっきの闘牌をみてそれは違うと断定した。
何故なら生みだしたという力の働きすら目にすることなく、いきなり目の前に現れたからだ。
そして闘牌の名前……クロック……時計……時間……ん、時間!?

京太郎「まさか、一さん!あんたの能力は……!」

一「おや、今頃気づきましたか?でもそれを知ったところで……」

互いの闘牌の効果が切れて、場が平静になり、俺はやっとこの人の能力に気づけた。
一さんの能力は『時間を操る程度の能力』だ。
時を操り止めて、ナイフを俺の前に止まった状態で配置、結果時が動き出すとそれらが俺に知覚された時には既に襲い掛かっているわけだ。
さらにこの館の空間を操り、広くしているのも彼女であるとハギヨシさんも言っていたから間違いない。
それに気づけた俺だったが、彼女の言うとおり知ったからといってそれを攻略する術を持ってはいない。

京太郎「そうだろう、確かにその通りだ……でもさ一さん、俺は諦めたくないんだ!」

強くなる、その為にここまで来た!
だからどんなに苦境でも、ギリギリでも、痛くても、逃げるわけにはいかない!

京太郎「俺は……逃げないッ!」

一「……なるほど、心構えは確かなものです。ですが、貴方様は勇気と無謀を履き違えていますね。……それを今教えて差し上げますわ」

俺は闘牌を取り出すために手を懐に突っ込んだが、その時には既に彼女は闘牌をその手に握っていた。

一「『メイド秘技 操りドール』」

彼女の闘牌が発動し、牌に串刺しの人形が描かれた後壊れ、大量のナイフを一さんは放ってきた。
どう来るか分からなかった俺は、後ろに後退しながら最後のまだ作っていない闘牌を手に握っていた。
……だが、それは悪手だった。

大星「いかん、後ろだ」

京太郎「はっ、マジか……ッ!」

大星に警告されたが気づくのに遅れ、俺は背後から時を止めてから新たに放たれたそれに気づけずに直撃する。

京太郎「グゥッ!……ゲフッ!」

背後から刺さり、続け店て正面から刺さり、血は出ないが服はボロボロになり痛みが全身に走り、耐え切れずに俺は落下した。
落ちていく俺を、一さんは冷たいまなざしで見つめていた。

大星「おい、せめて受身を取れ。本当に死ぬぞ」

京太郎「う……おおおおお!!」

死にたくない、その思いで必死に俺は受身の姿勢をとり、地面と激突する時には廊下をごろごろと転げ周った。
また強い痛みがきたが、今度はそこかしこから血がでており、慣性が無くなった今、激痛で身体が動かせなかった。
……持ち点がどうなるか、まだ減少しているのが目に入ったが負ける可能性は高いだろう。

一「お分かりいただけましたか?貴方様では客人にはなりえなかった……己の力量を計れずに、無謀にもお嬢様に挑もうとは……大変愚かね」

京太郎「へ……へへ……口が悪いメイドだな……」

一「貴方はお客様になりえなかった。つまりはただの侵入者、よって私は貴方に敬意を払う必要も無く、容赦なく排除するだけよ」

上から見下ろしながら、先ほどの彼女とは違う(恐らくこっちが素なんだろう)一さんが俺を見下していた。
だがこれも仕方ない、実際に及んでいなかったのだから……弱者と完全に確定されてしまった以上俺は何も言えない。

?「それを掃除するのを少し待っててもらえるかしら、そこのメイド」

一「……ん?」

京太郎「ッ!その……声は…ッ!」

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              {: :,: :从 ィ=ミ     ィ≠ミ/: : /-、: /
              |:/: : :{` :.:.:. '     :.:.:.:. ム: :/ Yl}ィァ
               ∧: :从     __   _   /:イ__///ア
               ∨  、   V  ノ 、 ヽイ: : ////
                   ` .   ....:::}  }'/ 〃- く
                ___   `T ´/:|    /, - }-、


咲「はーい、元気かしら?……なわけないわね」

……まさか、ここで、このタイミングで来るなんてな。
まるで見計らっていたように、アイツは……咲はいた。

一「それに従う義理はないけれど、貴女はどちら様ですか?」

咲「通りすがりの宮永の巫女ですが何か?……ったく、アンタの主人の散布した霧……外の世界に出かねないくらいでかい規模だったんだけど?」

京太郎「ッ!なん……だって……!?」

外の世界に影響を与えかねないほどの大規模なものだったのか、今回の異変!
もし急いで止めに来なかったら、今頃外はどうなっていたか……。

一「外の世界?そんなもの知りませんわ。お嬢様からの命ですもの、叶えるのは館のものの勤めです」

……は?知りません?……外がどうなろうと構わないって言うのか?
ただでさえ雀力があるこの世界の住人さえ不調を訴えたこの霧が外に出て、もし大きな被害が出たらどうしてくれんだ?
……俺の中で少しずつ、怒りが湧いてきた。
それは俺をズタズタにしたとか、見下(お)ろし、見下(くだ)したからではない……その自分さえ良ければそれで良いみたいな、明らかに自分勝手で理不尽な発想と考え方に怒りが湧いたのだ。

咲「あんたら異変を起こす奴らってのは、大概そう言う事情を無視して好き勝手やるわよね。結界に支障が出たりしたら責任問題どころじゃないわよ」

一「それをどうにかするのが、宮永の巫女と妖怪の賢者の役割なのでしょう?」

咲「あんたねぇ……いいわ、なら私が直接----」


ドクンッ……


……良いのか?
このまま、咲に全てを任せて俺はここで倒れていて良いのか?
自分勝手で異変を起こし、危険があったかもしれないのに悪びれもせず。
そんな奴らに負けたまま俺は……。

大星「良いわけがなかろう、そうだろう?」

ドクンッ……

……その通りだ、良いわけが無い。
自らが強者ゆえに、あらゆる理不尽が許されると……そう、思ってるのか?

            _,.. -- 、__, 、___
            .⌒>.::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ、
.        _,....::::´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
           ̄7::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.
            /イ.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.{
          _/_:::::::::::::::::::::::::::::O:::::::::::::::::::|!
.         ̄´ {∧ . :::::O:::::::::::::::::::::::::::::::ト\
            {从.ハ::::::::::::::::::::::::::::::::ミ`           『巫山戯るなッ!!!』
              ' ;.v   ァ::::::::::::マ_
               ヽ;:::::::::::::::::::::::::

                ,':::::::::::::::::::::::::::`:::::::::-、
               ,...:':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
           ,....::::'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i、
           .i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
            :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',


俺は激しく怒った……かつて無いほどの猛烈な怒りが俺の全身を支配していく。
戦ったことも無く、反抗したことも無かった俺……その怒りが頂点に達した……。

大星「ふむ、まずは第一首か」

大星の剣のその言葉を最後に、俺の周りを『闇』が飲み込んでいった……。

と、良いところまで来ましたがご飯に行ってきます。

>>200
きたよー(豊音風に)

>>201
小ネタ募集の際に安価とって、どうぞ

>>202
確かに血が吸われていたとか、抜かれていたとか……まぁ今回は元ネタにあわせてないキャラもいますので、豊音もその一人ですね。

>>203
               ___
      rrー-.,r'==r'ー<" ̄7」
     <.r"´     `ヽLイ,ノ

      ,' , _,, ,、 ,,_ヽ、'i>ヘ
      iハLi/!,iハヘ,,_ハリi イ ',
      `E!!'ヒ.!  'ヒ_ノE|.ノ',.  i  ドヤッ
       i.人" ー "ノ|kハ.|  !
      λハ.>r-,イ,| |、 ハ /

       ゝ/ノ レ<、リ/'、 i/

      [>iーi λi `Y ,..-'-,/]_
       ,く _k'_,_」  「   `i´
     _r´_  r─-- .,,λ.    |

もどってきました~

続きを書いていきます

BGM 神か悪魔か https://www.youtube.com/watch?v=H4wozABT1h0

一「何、これは……?」

咲「----ん、どうやらまだ終わってなかったって事かしら?」

京太郎『……』

外への影響が懸念される事態。
調べてそう分かった咲は、異変の解決の為にこの『紅魔館』にやってきた。
そして異変の元凶へあと一歩という所だったが、雀幕ごっこでボロボロの京太郎と、それを見下ろす一を見かけて足を止めた。
理由としてはこのまま放っておいたら寝覚めが悪いから、と言うようなたいした事がない理由だった、当人にとっては。
だが結果として、とんでもない場面に出くわしてしまった。

咲「あいつの持ち点、分かる?」

一「えっ……10点ね……」

咲「じゃあ雀幕ごっこ続行ね、頑張ってちょうだい」

一「……っ……」

自らの主人が求めることは絶対忠誠。
そう考え、そう行動した事に対して後悔は無いつもりだった一。
そして今若干後悔しそうだった。
先ほどまで戦っていた青年と違う、荒ぶる何かの化身の様な気配に恐怖と言うものを覚えたからだ。
そしてその荒ぶっている存在の怒りが、自分に対して向けられていることも分かる。

咲「さて、私は貴女の主人に挨拶してこなきゃね。……任せたわよ、そいつのこと」

一「……貴女に言われなくとも」

咲は異変を解決するために、お嬢様の元へ向かっていった。
本当なら一は彼女の足止めをするところだが、まだ目の前の変化した人物と雀幕ごっこをしている最中だ、追うことはできない。
故に彼女は放っておき、目の前に意識を集中する。
変化した京太郎は姿としては変わっていない、強いて言えば闇の様なオーラを纏っているだけ。
それにこれは雀幕ごっこであり、持ち点の残り10点を減らせば勝ちなのだ。
そう冷静に立ち戻って考えて、再びナイフの雀幕を作り出して投げる、先手必勝、一はそう思った。
だが、肝心の標的である京太郎は忽然と消えてしまった。

一「……え?」

虚しく空を切ったナイフが、雀力を失い消え、一だけが残っていた。
落ち着けと心に鞭を打ちながら、あたりを見回す一。
すると、天井近くで腰に下げてあった剣を抜いた状態で空を飛んでいるのを見つけた。

京太郎『……なるほど』

離れてはいたが、一にも彼がそう一言呟いたのが聞こえた。
自分の力を確かめ、納得して事実を噛み締めている、そんな様子だった。
つまりあの謎の闇のオーラは、初めて自覚したばかりの彼の能力なのかもしれない……一はそう解釈して、もう一度彼を正確に狙って通常雀幕を放つ。

京太郎『よし、いっちょやってみるか!』

しかし何やら決意したらしき京太郎は、ナイフを先ほどより素早く避けて闘牌をかざした。
それは先ほど使うことなく、ずっと手に握られていたもの。
京太郎は最後の闘牌をどうするかを決めたらしく、その名を叫んだ。

京太郎『第一首 常闇!!』

彼が叫ぶと、まるで宵闇の妖怪であるマホが使った闘牌の様に、牌が真っ黒に染まって壊れた。
すると、この廊下周辺が全て闇に包まれていく。

一「----な、これは……!」

どこまでも続きそうな闇、しかしその中で唯一闇に包まれていないのが、一だった。
彼女とその僅かの周りのみはっきり見え、それ以外はまるで見えない。
一は自分だけその場所に取り残されたような感覚に陥った。

一「(……『妹様』もこんな気持ちだったのかしらね)」

彼女は身内の一人と、今の自分を重ね、つらいのは自分だけではないと気持ちを奮い立たせる。
と、そこでどこからか雀幕が放たれた音だけが聞こえた。

一「……ツゥッ!」

警戒はしていた、しかし雀幕が飛んできても、自分まで後少しと言うところに来るまで気づけない。
気配がまるでしない、この深い闇に同化したような雀幕に、より強い恐怖を抱く一。
だが雀幕は終わらず、どんどん放たれる音が聞こえる。

一「(このままではどうにかなってしまいそう……だからなんとかしなくちゃ!)」

この場を打開するには、闘牌を使うしかない、そう考えた一はそれを掲げた。

一「『幻象 ルナーーーー』」

京太郎『させるかよ!!』

一「ッ!クゥッ!!」

だがそれをしようにも、京太郎からは一方的に場所と状態が把握されているために、使おうとしても妨害される。
避けようにも下手に動くと被弾し、どんどん持ち点が減っていく。

一「(こんな、ことになるなんて……!)」

先ほど愚かだと見下した相手、だがそれは今自分を一方的に攻撃できている。
彼女はその能力を持ってから自らの主に出会うまで、久しく戦いで敗北をしていなかった。
それゆえの自信とプライドがあったが、それはもうズタズタになってしまった。

一「(相手を侮り、試すなどと……愚かなのはどっちだったのかしらね……)」

手も足も出せないまま、一の持ち点がゼロになってピチューンと音が鳴り響く。
すると今まで広がっていた闇がサッと消え、空に浮かぶ京太郎が一から見えた。
落ち行く中で、だんだん意識が朦朧としてきた一は、その感覚に身を任せてしまおうと思った。

が、それは許されなかった。

京太郎「ふぅ……大丈夫ですか?」

一「え……」

何故なら彼女は、彼の腕の中に落ちたのだから。

ネリー「……」

BGM ツェペシュの幼き末裔 https://www.youtube.com/watch?v=ACnRux0MnPw

一方で咲は、必死に抵抗してくる妖精メイドたちを吹き飛ばしながら上へと進み、ついにテラスのあるここの主人であるお嬢様の部屋の前に着いた。
とりあえずさっさと終わらせて神社でゆっくりしたい咲は、扉を一気に開き声をかけた。

咲「そろそろ姿、見せてもいいんじゃない?お嬢さん?」

しかし、反応は無い……どうやらこの場にいないようだ。
首をかしげてテラスに出ると、館の庭園に巨大な翼の生えた影が見えた。
納得して空を飛び、屋根まで来てみると、その姿が見えた。
金髪のウェ-ブがかった髪、帽子としてピンクのナイトキャップを被っている。
服装は帽子に倣った白の強いピンク色で、西洋風のドレス。赤いリボンが随所についている。
そして背中には悪魔の様な大きな翼が生えており、小さな身体と反比例している。
長いスカートをフリフリと揺らし、彼女は咲に振り向いた。

幼透華「やっぱり、人間って使えないわね」

咲「ん?ああ、さっきのメイドね。彼女人間だったんだ」

互いに初めて会った人物……だが、互いに知っている。
どういう存在で、どういう因縁があるか……よく知っている。

幼透華「どうも、『今代の』宮永の巫女。あえて光栄だわ」

咲「……ああ、『先代の』世話になったんだったわね。ご苦労様」

幼透華「……ええ、忘れもしないわ……私が、私が……」

身体をワナワナと震わせる透華。
なにやら『先代の巫女』と因縁があったと言う話は聞いていた『今代の巫女』の咲だったが、詳しい内容までは知らなかった。
故になにやら先代と言ってから彼女がいらだちだしているのを、不思議そうに眺めている。
そんな咲に対して透華は語りだした。

幼透華「あの……あの女のせいで私は『こんな幼い姿にされてしまったのよ!』」

咲「え、それ素じゃなかったの?」

幼透華「違う!私はもっと淑女らしい外見だったわ!」

どうやら先代との因縁とは、何かしらが原因で姿を変えられたというものらしかった。

咲「まぁ、あんたの先代との因縁とか淑女だったとか……それは私には関係ないのよ、よくも危険な真似してくれちゃって。覚悟は出来てるんでしょうね」

幼透華「……フンッ、まぁ確かに今はそんな昔の話は良いか。それより目の前の暇つぶしが優先ね」

咲「暇つぶし……反省のはの字も無いわね」

幼透華「当たり前でしょ、妖怪なんてそんなものじゃないの」

咲と透華、話を本題に切り替えると互いに異変解決人と異変の元凶としてにらみ合う。

咲「そうね、それもそうだった。だからこちらも容赦はしない」

幼透華「いいわね……こんなに月も紅いから本気で殺すわよ」

空に浮かぶ月は、霧で紅く染まって見え、本当に紅い月かのように見える。
それを見て、吸血鬼たる透華は高揚しているようで、逆に咲はため息をついた。

咲「はぁ……こんなに月も紅いのに」

透華「楽しい夜になりそうね」
咲 「永い夜になりそうね」

咲&透華「「……25000点の東風戦、そして闘牌は持っている数だけ!!」」

対照的な立場と見解の二人だったが、互いに戦う気は満々であり、一緒にサイコロを持ち、一緒に投げて雀幕ごっこが始まった。

と、申し訳ない。

続きを書こうと思ったんですが、野暮用が出来てしまってここまでで(泣)

今日で終わらせようと思ったんですが、無念orz

小ネタや質問(答えられないものもあります)など募集してますので、ここから下でコメントオナシャス。

それではまた明日、次こそは完全決着だ!(紅霧異変は)

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       | |    /lヘ      ト `  ―-   、    ー=彡イ          /
      .′'    /| |\    ヽ    ーv~ )       人     /   ./
.      / /    /  l .! l` :...      `  ―‐ ´     . イ  .)    /     /
     / /    /  .! | l/ ̄ヽ、          _ . :< / /  ./    /
   / /    /   ,」-'"´:::::r<|    ー     ト、. `ヽ }//   /      /
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   /./ /::::::::::::::::::::::::/`              //   /ヽ   !    /

「見てくれてありがとな、まだまだ先は長いだろうが……仲良くしてくれよな♪」

                                 ______

                                 ´>  `ヽ、
                                ._,.'-=[><]=.,_
                                ヽi <レノλノ)レ〉'
         _,........,_                    ノレ§;゚ ヮ゚ノiゝ
三      , ´888ξ8ヽ             、_    `k'_.〉`=' !つ

       i,88ζ8888リ        *  ☆ ミ≡=_、 _i_ノ(,,i!_,-、i!>__
       ルイ)# ゚ Д゚ノi! マテヤゴルァァァァ!! +  彡≡=-'´ ̄ ̄ `~し'ヽ). ̄
 三 二 -- ;:.<(ノつ;;::つ

      ,(,ノくΣ_#〉ゝ
三    `!,ン'''´'-'

この配役だとテルーはミマーがピッタリくる

照はサトリか文あたりかな。幽々子ってのもアリか、胸がな(ピチューン

もこは妹紅
間違い無い

どうもこんにちはー。

>>221

           -‐──‐-

       . ´          `ヽ、
      /
     /                 ,
   / /   /|    ト、        ′
 ∠._/   / i|    i \      〕
    〔  |/ 八〔\ .'   \   /
.     |∧ :| ┯:┯  V ┯:┯∧ /   j
    ' ∧|  乂ノ     乂ノ   ∨、   |
.     /:Ⅴ         ""  ノ   |
    /::::入_           _  < / /| /
  /\ /∧ノ  へ ̄ ̄/  \リイ/ / 〔′
   ̄\\  r‐'   \/  //\ /
     \ヽーヽ └─ー/─'  \
      丶ー|   〉 〈   |  〈

           |  .〈∧/    !__/
           |        | |


照「私はここにいるよ」

京太郎「知ってますよ、照さん」

照「……うん」ギュッ

こうですか、わかりますん

>>222
さとり トラウマを呼び起こす× トラウマを植えつける○
文   外面が良く、風を起こす
幽々子 ふわふわしてつかみどころが無いが、意外としっかり考えている。天然

確かにこの三人の可能性は無くはないですね……うん(言葉を飲み込んでフラグ回避)

>>223
もこたんinしたお!

     人    >、/: : : : : :|: : : :|: : : ヽ: : :

     ': : : :> 、  l. r―-、 |: : : :|: : : : :l: : :i
    ’|: :: : : :|_ム≧|ト|   _`ト-r'´ ̄ ̄ }: : |
.    |/: :|: :: :l|/_」-_ | |   イ__K⌒ヽ /:l : |   チラッ
.    ||∨| : : | 心 ヽ` L.. ィ´|: ::ト 、  /: : |: |
    | ∨|: : 代_ ノ   7 リ: :ハ `マ //l: |



それでは書き始めます。

今日で透華戦を終えなくては!

【キャラ紹介コーナーその八】

●国広一 元東方キャラ『十六夜咲夜』

                ___   \
            _ -、::::::::::`ヽ、}::)
            ⌒>--::::::,..::::´ ̄ ̄ ̄:::::::......_

              /:::::::::,:::::,:::,:::::::::「 ̄ `ヽ、, ィ ̄`Y、
           :':::::::,::/:::/::/::::::::::{  ___}_ノ__   }::::ヽ
          /::::://:::::::,{:/::::::::::::,乂_,..イ::::::\_>'::l::::ハ

          |/ /:::,.イ:/::::::::::::/::-/∧:::::::::::,}|-|、:::|::::::|

          {   |/  {/::::::::::::/{//  }:::::/ }:/ |:::|:::,::}
              {  ,:':::,:::::::::/ィ笊斧` ¨´笊斧}/:イ}:/ '
               /::::/:::::,:::| V)zソ     V)ソ {::::::|'
                {:::イ:::::/ ::|_       '    叭:::|
              Ⅵ::::/ |:::|込、   r ァ  イ::::: |
                从{ _j:/-:、} >  _ .  ´ |::::::,
              __{:.:.:\/    {:.:.、   /::イ
              _{:.:/,.-‐-、:\__ 乂:.:〉、
            {:.:.:.:.:.:./    \:.} ` ´ Ⅵ}¨ヽ、
              (:.:イ:.:,'       Ⅵ     ヽ   }
                ̄´/     /  /()!     Ⅵ ,
                ,:     /` .': :∧    }∨
             _,/   ∧/: : 「 〈     乂L

                   _ __ _
               .  ´r ─ . .:::::::: _`  .
              /.f⌒i__)  (ハ ハ「 て!.::::\
              /厂 ト、 j   j /⌒j  / 厂).: \
            . '.::.: ) メ ヌ ´  ̄ ̄ ` マ ⌒ くr‐ュ.:: ヽ
.           /.::メ⌒Y/´ : r‐ 、 .:: ::: :::: :`X  ) く .:: ::::\
        .' ..(  人   .:::|    .:: :::::\ .:::\  (メ) ::::::「⌒
        l .::「`Y :l .:::l .:::| .:   .::: ::: :::::\.:::::\. く:::::人
        | /j:::/ . | .:::| .:::ト、.:\ . ::: :: ::: ::::\ .:::ヽ.ハ.::::ハ

.         ノ::/::/ . ::| .:::| .:::|. \::j\ . :::_:::: ::: :: ヽ.::::}:!::i::::{ }
         }イ:/ .::: |「 ≧xj   )j  .X´≧≠\:: ヽ从人:::\
         人!' .:i:::::|{ |r'ij::k.     .ィr' ij:::「 }}:::\ ::::::ヽ.\⌒
        /  l .: |:::从 ゞ=''      ゞ =='' |i .:::::l) ::ル' .::::\
            | .: !:::::人     .       从 ::::|ル' i:::::l⌒)
           人 .::l::X .:ハ          . イ/∧人 .:::: |::: |
             )::从:::\::〕ト .  ⌒  . <.:::j⌒{::::く.:::::斗イ⌒
         ____Ⅵト、:::〉.::::::::≧=≦ヲ´.::::::: 人::::::)人ノ.人

        /   从::Ⅵ l::リル'     〉─rく .::::)::::\へ
      . '      )\:::ル:く \  /   /::::! )´ } :::::: Y ⌒}
       /      (  Y:::メ   ∨   ./::::::|( r'⌒.「」__ メ、
.     {        ) |:从ル⌒i./∧   {::::::::| `)\メ.::::\. i
.      从       ( |「 虫 イ /「ハ  .|::::::::| }ノ /从:::::::::Ⅵ
       人 \ j   .斗j: ::入 .レ' /:::∧ j:::::: 从 /  \:::::jリ
       片≠r≦´j.メ.::::::::::::⌒ij:::/::∧ |:::::::::::::V    /⌒i!


紅魔館の家事や雑務などの仕事を、ほぼ一手に請け負っているメイド長であり、この館唯一の人間。
実質的に紅魔館の一切を取り仕切る立場におり、館の空間操作まで行っているので、彼女無くして今の「紅魔館」は成り立たない。
特技はタネ無し手品とナイフ投げで、ナイフ投げは二十間(=約36m)離れた場所に居る、頭上にリンゴを載せた妖精メイドの『額に』当てることが出来るほどの腕前で、彼女の弾幕にも多用されている(死なないとは言えひどいw)

性格は意外とマイペースで天然なところがあり、命令を受けてからの仕事中は至って真面目だが、プライベートでは意外と抜けている。
しかし『完全で瀟洒』と称されるくらいには仕事は完璧で、主人に忠実とメイドとしては優秀そのもの。
元々はかなりキツい性格だったらしいのだが、紅霧異変の以前に起こった異変がきっかけで、態度が軟化して今の状態になったらしい(人里に買い物に出たり、その買い物先の店の主人と談笑したりと和やか)

須賀京太郎との関係は特に無かったが、今回の異変でその存在をはっきりと認識するにいたる。

雀力の性質は霊。限定条件で魔。
能力は時を操る程度の能力(能力は自己申告制なので変わる場合がある)

「貴方はお客様になりえなかった。つまりはただの侵入者、よって私は貴方に敬意を払う必要も無く、容赦なく排除するだけよ」

BGM 良い今年を https://www.youtube.com/watch?v=1elDlgE2JS8

咲と透華の雀幕ごっこが始まった頃、廊下では京太郎がボロボロの一を抱えながらゆっくり先に進んでいた。


京太郎「……動けます?」

一「……まだ痛むかな、って思うわ」

京太郎「そうですか、じゃあもう少し運びます」

あの雀幕ごっこの後、一さんが痛みで動けないらしく、それを放っておけなかった俺は彼女を抱えて進む事にした(何処かに身体を休める場所があればそれで済むのだが)
先ほどの互いの言葉もあり、若干気まずい空気に思っていた俺だったが、不意に一さんが話しだした。

一「さっき、貴方私に怒っていたでしょ?」

京太郎「え?……まぁ、そうですね」

一「わけを聞かせてもらってもいいかしら、あそこまで怒った理由。気になってしまって」

それは彼女が気になっていた、俺が一さんに怒り、あんな状態になった理由だった。
……まぁ、ありのまま伝えること自体は簡単だ、だが迂闊に話してもいいものか。
少し悩んだ……だが、考えれば彼女は元々この世界にいた『須賀京太郎』とは知り合いじゃなかった様子だ。
だから、かいつまんだ事実なら問題ないかなと思い話した。

京太郎「----ってわけで、俺はこの世界に来て生活をしてます」

一「……つまり、貴方は外の世界の人間で。私があの時外の世界を蔑ろにした発言をしたから怒った……と?」

京太郎「ん、そう言うことです。あそこは今でも俺にとって大事な場所だから」

確かに彼女にとっては別の世界のことだし、そもそも価値観も結構違うみたいだから俺の気持ちは理解できないかもしれない。
それでも、知ってもらいたかったし、それを彼女も望んでいたから話した。
すると意外にも俺の話を聞いて、興味深そうな表情になった。

一「外の世界から来た、麻雀郷の住人の代役。その上ただの人間なのにこの世界に来てまだ四日目、そこから怒りで力が目覚めて私を倒した……面白いわね、貴方」

京太郎「お、面白い……ですか?」

一「ふふっ……まるで童話の主人公、でもこれは現実なわけで。そんな人が身近にいると分かったら面白いとは思わない?」

そ、そうなんだろうか?
俺は寧ろそんな人らに出会いまくって混乱しっぱなしなんですが。
やはり価値観が違うな……と彼女を見ながらボーっと考えていたら、一さんはにっこり笑った。

一「今度貴方の店に行って見て良い?『京太郎』」

京太郎「え、ああ……いいですよ、こっちとしては客が増えるのは歓迎しますし」

一「良かった、新しい楽しみが増えて嬉しい♪」

大星「……ほう……」

ネリー「ムムッ」

どうやら今回の騒動のおかげで、あらたな客が予約された様だ。
……しかしさっきから後ろでなんとなく気配を感じたので振り返ってみると、そこにはネリーがいた。

京太郎「あれ?ネリーもう来たのか」

ネリー「……ずっといた」

あれ?何故かそっぽを向かれてしまった、もしかしてしばらく気づかれなかったからか?

ネリー「……とりあえず、もう元気そうだし。そのメイドおろしても良いんじゃないの?」

あ、そういえば確かに元気そうだし大丈夫かもしれない。
実際軽くても、長時間持ち続けてると結構腕に来るしな。
……と思ったんだが、一さんは何を考えたか、いきなり俺の首に腕を回した。

BGM ドタバタ? https://www.youtube.com/watch?v=DKqNybT-5XU

一「気が変わった……京太郎、お嬢様の元までお願いしていい?」

ネリー「……えっ」

京太郎「ええ?いや、構いませんけど……」

大星「ほう、ほう……」

そして俺が抱えることを続行するように言ってきた。
……俺も男だからさ、一さんぐらい小柄な人なら大きくは疲れはしないだろうし、断りはしなかった。
のだが、何故かネリーが一気に不機嫌そうな表情になった。

ネリー「ここのメイドは随分ふてぶてしいのね、客人に自らを運ばせるなんて」

一「残念だけど、今回彼はここの客人ではないわ。たった今私の知り合いになったけれども、ね?」

京太郎「ええ……そうですけど……二人ともどうしたんです?空気が悪い様な?」

なんだか険悪な雰囲気(ネリーが主に一方的な感じではあるが)になってきたので、俺は二人に聞いた。
すると「……なんでもない」と「貴方は気にしなくても大丈夫なの」とバッサリと会話が切られてしまった。
どうしたものかと思っていると、今度は淡がやってきた……でっかい風呂敷を背負って。

淡「スガキョン!大漁だぜー!……なんだ、この状況?またなんかあったのか?」

ネリー「……淡か」

一「……侵入者が多すぎる、門番はもっと仕事して欲しいものね」

今回は明るく元気に空気を打ち壊してくれる彼女に感謝した。
俺としてもこの空間のままだと若干耐えがたかった。

京太郎「いや、まぁ色々とな。それより凄い盗ってきたな」

淡「人聞き悪いって、借りたんだぜ?」

京太郎「お、おう。そうだったな」

お前の場合違うだろ、と突っ込みたかったが、今更どう言っても変わるものじゃ無し。
彼女の言葉に俺は苦笑で返して、目の前を見据える。
そこには主人であろう『龍門渕透華』と言う表札がある大きな扉が存在していた。

一「……この先で宮永の巫女とお嬢様が雀幕ごっこを楽しんでいるでしょうね」

京太郎「ですよね。伝わってきます、大きな力二つがぶつかり合ってるのが」

ネリー「まぁ、今回は見(けん)に回っておきましょう」

淡「あいつなら負けないだろ、宮永の巫女は伊達じゃないしな!」

俺は意を決してその大きな扉を開くと、爆音と、紅い光と、白い光がテラスの向こうに見えた。

BGM 亡き王女の為のセプテット https://www.youtube.com/watch?v=3mKStUbmZ_w

急いで俺たちがテラスに駆け寄ると、館の庭園の上空で二つの影が争っていた。
それはもちろん俺らが知る宮永の巫女の咲と、今回の異変の元凶である『この世界の』龍門渕透華さんだった。

幼透華「ふふっ、ギャラリーの登場よ!派手に行きましょうか!!」

咲「好きにしたら?私はあくまでもいつもどおりよ」

幼透華「ノリが悪いわね、今代の宮永の巫女は!『神術 吸血鬼幻想』!」

どうやら既に大分撃ち合っていたのか、二人の服に損傷が見られた。
そして俺たちが来たのに気づいた、何故かかなり幼い容姿になっている透華さんが闘牌を使用。
牌が巨大な悪魔の羽を描いた後壊れ、巨大な弾を5つくらい飛ばして、その弾の軌道上から更に雀幕が現れ、辺りに拡散される。

咲「ふむ……全部を気合で避けるのは厳しいかも」

幼透華「ふふっ、当たり前じゃない!最早そんな余裕を与える隙なんて無いのだから!」

最初に見た咲のイメージで、どんな相手にも無傷で無双する感じがあったが、そんなことは無くやはり強者には苦戦させられるみたいだ。
それでもかなり回避できてるから驚きだが(俺だったら絶対に避けられる自身がないな)
放たれるたびドンドン増える小さい雀幕が、回避が凄く上手い咲でも追い詰めてしまう。

一「宮永の巫女であっても、お嬢様の運命は打ち破れないのかな?」

京太郎「……運命ですか?」

一「そう、お嬢様の能力は運命を操る程度の能力だもの」

京太郎「……はぁ!?」

きっと一さんほどの能力を持った人を従えてるんだから、かなり強いだろう事は分かっていたが。
運命を操作できるなんてチート染みた能力だったのかよ……!
……咲……。

京太郎「……咲ィィィィ!!!!」

一「……へ?」

咲「----ッ!はぁっ!!?何よ突然!!」

京太郎「ぜっっったい!!負けんなよぉぉぉ!!!」

なら俺は味方になろう、異変を解決するため、仕事だからと言いながら……結局は誰かのために戦っている咲の味方に!
俺は声をはりあげて応援する、どれだけ役に立てるかは知らないが、信じていなきゃ!

ネリー「……咲!!負けたら承知しない!!……って『店主さん』が言ってるみたいね?」

淡「お前は私のライバルだかんな!目の前でやられる様な無様は晒すなよ!」

すると俺以外の二人も叫んで咲を激励しだした。
それに対して、咲と透華はポカン……としていたが、突然噴出した。

幼透華「クックックッ……ああ、人間……人間って面白いのね。一以外にも骨があるのがいるわ」

咲「あれはバカよ。……でも、ただのバカじゃなくて」

咲は喋りながらその手に闘牌を取り出した。
初めて彼女の闘牌を見る俺はその力に驚愕することになった。

咲「本物の大バカよ!『霊牌 夢想封印』!」

牌に陰陽図が描かれ壊れ、白を基調とし、虹色にグラデーションされた巨大な雀幕の塊が、透華さんめがけて何度も何度も襲う。
そのたびに吸血鬼幻想はかき消され、さらに透華さんは闘牌の効果が終わり、そのままメッタ打ちにされる。

幼透華「グフゥッ!こ、これが貴女の闘牌か。強い!故に面白いわ!宮永の巫女!」

咲「違うわ、私は宮永咲よ。お嬢さん」

幼透華「咲?ふふふ……咲、貴女を新たな私の強敵と認めましょう!」

咲「あっそ、ありがとさん」

どうやらここまで戦って昂ってたらしい透華さんは、咲を強敵として認知し、より上空へ飛んだ。
すると彼女は懐から闘牌を取り出し、ニヤリと笑った。

幼透華「これで最後、オーラスの一牌!受け止められるものなら、受け止めてみなさい!『紅色の麻雀郷』」

彼女がそう叫ぶと牌が真っ赤に染まり、なんと月も空も何もかもが紅くなり、牌が音を立てて壊れた。
そして先ほどの吸血鬼幻想の強化版と言わんばかりに、彼女の周囲全体に大弾を飛ばしてそこの軌道から雀幕が拡散し、雀幕で埋め尽くされる。

幼透華「残念だけど!私の勝ちよ!!!」


と、申し訳ない。

仕事の時間だ(絶望)

と言うわけでお暇します。

続きは明日になります(残念……)

それではまた会いましょう^^ノシ

どうも、こんばんわ。

それでは続きを書いていきます。

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                  \   / ̄\{\\:::: \\\__,/        |::ノ|/
              / ̄ ̄ ̄ ̄\ : : : : :{\` ー \  }  }=ニ     〈

「まぁその……ゆっくりしていってね」

なんだありゃ……めちゃくちゃだろ……。
ほぼ隙らしい隙が無い、巨大な力を持った雀幕。
普通はここで負けを覚悟しちまうかもしれないが、咲はそうはならない。
だってアイツは異変を解決するものなのだから。

咲「物量ね、なら乗り切って見せようじゃないの。『夢牌 封魔陣』!」

咲が二つ目の闘牌を取り出して使用した。
そこに水色の四角い陣が描かれ壊れ、咲の周囲に巨大な防御結界陣を展開する。
紅色の麻雀郷から咲を守り、全てはじき返している。
透華さんは蝙蝠の姿(さすが吸血鬼)になり、返された雀幕を回避している。

幼透華「ふふふ、この闘牌の効果時間はまだ続くわよ?」

咲「そう、ならもう一牌。『霊牌 宮永幻影』!!」

効果が切れた直後に三つ目の闘牌を使用する咲、出し惜しみは無しのようだ。
牌に複数の咲が描かれた後に壊れ、彼女が複数人に分身した。
分身した咲は雀力の塊である幻影、それらの手によって透華さんの雀幕は防がれてしまっている。

幼透華「この物量をしのげる闘牌ばかり……!やはりもう少し温存しておくんだったかな?」

咲「勝手に勢いづいて、勝手に闘牌を連発したのは貴女なんだから、完全に自爆もいいところよ」

幼透華「むむむ……効果が終わっちゃう……」

時間がたち、流石にかなりの力を持っていた紅色の麻雀郷の闘牌の効果も終わってしまった。
運命を操る力を持っているらしいけど、勝負に使うと無粋と使わなかったのか、あるいは自由には使えないのか、はたまた咲は他人に運命を左右される存在ではなかったからか……どうであるにせよ、咲は彼女が宣言したとおりにはならなかった。

咲「申し開きは聞かない、これでおしまい!」

まだ効果が続いていた幻影たちが一斉に透華さんに襲い掛かっていく。
透華さんは既に涙目で、必死にガードのポーズ(空中で体育座りをしながら頭を抱えている)を取っている。

幼透華「じ、自業自得なのは分かってるつもりだけど……や、やさしくしウー!!!」

しかし咲とその幻影が容赦するはずも無く、グーパンとかサマーソルトキックとかお札とかで、パッと見リンチにされていた(自分だと思うとゾッとする)
あっという間に持ち点がゼロになってしまった透華さんは、ピチューンという音と共に落下した。
しかしそこは一さん、従者としての役目を全うするために主人を回収に行った。

咲「……ったく、疲れたわ。まぁ、今回はあんたらが色々やったおかげで楽だったけど」

ネリー「本当に貴女は腰が重いんだから……ま、ちゃんと終わらせてはくれたけどね」

淡「私は元々自分だけで行く気だったしな、驚いたのはスガキョンだぜ」

京太郎「あ、あはは……俺もたまにはこう言うとき役に立ちたいって思ったんだよ」

仕事を終えて一息ついた咲が、こちらに向かってきた。
淡の言葉に上手く返せたかは微妙だが、何か役に立ちたいって思ったのは本当だ。
だから俺は良い機会だと、咲に尋ねた。

京太郎「咲、俺は……役に立てただろうか?」

咲「んー……そうね、とりあえずは頑張ったんじゃない?ただボロボロみたいだし、実力としてはまだまだってとこね」

京太郎「ああ……まあ、そうだよな」

俺もこの世界で戦い始めたばかりだし、かなりギリギリだった……ネリーや淡がいなければ、ここまでこれなかったかもしれない。
でも良い経験はできた、一さんとの戦いで、俺の中の何かをつかむことが出来た気がする……それを伸ばしていこう。

咲「でもま……お疲れ様、『京太郎さん』」

京太郎「……ああ、咲」


こうして今回の異変、紅霧異変は解決されたのである。
いろんな奴らに今回出会えたけど、これが後々までの縁となるのか、今の俺には窺い知れない。

【next Phantasm】

【next phantasm】と書きましたが。

そのまま続けて書きます。

カリスマガードじゃガードブレイク喰らうわなぁ、しゃーない

須賀京太郎 麻雀郷生活五日目

あの異変が終わった後、紅い霧も晴れて人里の人たちは元気になった様子だった。
太陽も燦々と照っているし、俺も気分が良くなった……やっぱりおてんと様は出てくれてなきゃな。

大星「うむ、我もあの霧は好かなかったからな。それで使い手よ、今日はどうするつもりだ?」

どうする?決まってんだろ、真面目に店を頑張るんだよ。
今までそれをやろうとして出来なかったしな、今日こそは普通に過ごす。

マホ「京太郎先輩!お茶が入り、っとうわわ……」

京太郎「ああっと、危ない危ない。マホちゃんはカウンター用のテーブル拭きをお願いできるか?」

マホ「あ、はい!マホ一生懸命頑張ります!」

マホちゃんは昨日、心配してずっと待っていてくれたみたいで、俺が帰ってくると喜んで駆け寄ってきてた。
そして昨日決めたのだが、彼女はとりあえずの看板娘みたいな感じで、店員をお願いしている。
ドジではあるが、真面目に頑張ろうと動いているし、給金は必要ないのでその手の処理が無くて助かっている。
さて、俺はどうするかな?
テーブル拭きはマホちゃんがやっているし、他の場所の掃除とか?

大星「真っ先に浮かぶ仕事が掃除とはな……まぁこの店らしいが」

……お客さんはまだ誰も来てないし、そもそもここに来るのは、知り合いばかりだ。
一般人のお客さんは全然来ない。
寧ろ魔法の森の近所なんだし、よほど良いものがあるだとか宣伝でもしないと、来る方がおかしい。
さりとて大星の剣の言うことももっともなんだ、いずれにせよ対策は考えないとな。

大星「本気で店をやるならば、やはりお主の言うように宣伝だな。人里の人間にここがどういう場所か伝わらなければいかん」

そうだよな、宣伝だよな。
ってわけで、今回は麻雀郷において宣伝になりそうなものを色々模索しよう。

外の人間だし、まだ早苗たちが来てない時空だから河童と組めれば美味しいか?
でも河童の技術力かなりのものだから高校生レベルの知識じゃ興味持ってもらえないかもか

ああ…趣味人の城が破壊されていく…

店をやる上で一番の問題は仕入れが出来ない事だな……
無縁塚まで歩いて行けるのか?

無縁塚で仕入れする時は無縁仏の供養もね
死体の隣で物拾いするグロ耐性も必要

外の世界においての宣伝と言えば……。
チラシとか、ホームページとか、ポスターとか、掲示板とか……一般で簡単に出来そうなものと。
テレビとか、ラジオとか、雑誌とか、あと『新聞』みたいなその手のプロであるマスコミを利用したものがあるよな。
だけど電化製品やネットが存在しない麻雀郷だと、宣伝は紙媒体か口伝えくらいしかないわけで。
口伝えしてもらうには俺がよほど有名人でもなければ出来なさそうだし、やっぱ紙媒体かなって思う。

京太郎「(何か良いものはないものか……)」

やはりと言うか、俺はこの世界においての知識が少ないために、どんな方法が有効かはわからなかった。
だから確実なのはチラシとポスターだけど、この家に紙は無かったため、人里から買ってこなきゃいけない。
するとマホちゃん一人接客に残すのは不安なので、結局今日も店を閉めることになってしまう。

大星「さて、どうする?宣伝と店の運営、どちらを優先すべきか?」

……せっかく今日は店をやると決意したのに、それをいきなり折るべきかどうか。
なんだろう、ここで折ったら今後も店をちゃんと運営出来るか自信がない……。
そうやって悩み考え込んでいると、店の扉が開いた。

一「……どうも、お邪魔するわ」

マホ「いらっしゃいま……あっ」

京太郎「いらっしゃいませ、一さん」

今回やってきたのは、なんと昨日の異変で知り合った国広一さん。
たしかに店に来ていいか?と聞かれてはいたし、来るのは構わないが、まさか次の日の朝一でくるとは。
まぁなんにしても客は客だし、接客しようと立ち上がった時、彼女は俺に何かを差し出した。

京太郎「えっ、何……これ、新聞ですか?」

一「うん、今朝ウチの門番が回収したらしいの。とりあえず内容を見てくれない?」

まさか宣伝媒体がここで見つかるとは思わなかったが、内容を見てくれとは?
まずは彼女に従って、新聞を開いてみた。
新聞の一面には今回の異変について書いてあり、咲と透華さんの雀幕ごっこの一幕の写真が載っていた(どう撮ったんだ?)

一「ああ、そこはもちろんなんだけど……そこじゃなくて、こっちね」

しかし、どうやら異変の記事の話ではなかったようだ(実際おかしいところはそんなになかった)
その為、とりあえず捲ってみると……なんかどっかで見た場面が載っていた。
そして記事のタイトルはこうだった……。

京太郎「『出雲堂』の主人、三人の少女と熱愛発覚!!?」

一「これマジ?」

いやいやいやいや……。

マホ「え!?熱愛ってどういうことですか!?」

俺の驚きの声を聞きつけマホちゃんがやってきて、俺呆然としている間に、その記事俺の手から取って読み始めた。

マホ「魔法の森入り口に存在する古道具屋である『出雲堂』にて春が来ました、筆者はたまたま店の近くを通りかかると、店の中では一人の少女Mが主人に対して何やら言いづらそうにまごついていた。これは何かあると感じた筆者が身を潜めていると、Mは『M!京太郎さんの唇奪っちゃいました』と激白。その後店の中にいた他の少女Aと少女Nが突然硬直、そして口論に発展しました。口論になると言うことは、間違いなく店主は三人とそう言う関係であったのでしょう。彼は焦って弁明していたようですが、筆者からすると少しばかりヘタレて見えました。その後例の霧が発生したため、詳しく取材が出来ませんでしたが、今後より良い結果を報告できるかもしれません……って、え?」

一「異変についてどう書かれているか気になっていた、お嬢様のために回収したのに、私はそっちの方に集中しちゃったよ」

京太郎「……ああ、そういえば……あの時シャッター音みたいのが聞こえてた様な……それだったか」

その時はこの麻雀郷に新聞とかマスコミみたいなのは存在するのか、俺は知らなかったために警戒していなかったが、この世界ならそこまで有名人じゃなくても記事にされてしまうんだな……くそっ、面倒なことになった。

一「それで事実なの?」

京太郎「……確かにこの子が事故でキスをしてしまい、それを俺に言ったのも確かですし、他の二人が混乱して口論みたいになったのも事実ですけど。熱愛とかは誇張表現です、そんな関係ありません」

一「……そうなんだ、まぁ『天狗』の新聞だしなぁ……とは思っていたけれども、気になってしまってね。なるほど、キスしたのは本当なのね」

全部が全部捏造ってわけではないあたりは、まだマシなんだろうが、書いた人間の主観のせいであらぬ事実を書かれてしまっている。
そのことを一さんに伝えると、彼女は納得したように腕を組み、右手をあごに添えた。
そして彼女は気になる言い方をした。

京太郎「書いたのは『天狗』なんですか?」

一「え?まぁそりゃこんな酔狂なことをするのは天狗以外ないわよ、人里の人たちも日々の暮らしで大変のようだしね。迷惑をかけた私たちが言える義理は無いのかもしれないけど……」

京太郎「あはは……まぁこれからは気をつければ大丈夫ですよ」

どうやら新聞を書いているのは『天狗』だけらしい。
となると宣伝には今回一杯食わされた相手に頼らなくてはいけなさそうだ。
……そういえばマホちゃんがずっと黙っているなと思い、彼女の方を向いてみると、新聞を見たまま固まっていた。

京太郎「……マホちゃん?」

マホ「きょ、京太郎先輩とマホが熱愛……熱愛……!は、はわわぁ~////」

京太郎「あらよっと!」

何を想像しているのかは分からないが、彼女は顔を真っ赤にし、目を回して倒れそうになったために俺が受け止めた。

京太郎「やれやれ……どこのどいつだ?ウチの店員を再起不能にした記事を書いた猛者は?」

そして、俺はこの新聞の名前と記者の名前を見てみた。

京太郎「……『玄々。新聞』……記者、『松実玄』?」

おいおい……また知ってる名前だよ(呆れ)
しかもよりにもよって、この人か……。

くろちゃーが文か
龍を操るってことで川の流れを操る程度の能力なにとりとかかと思ってたが…意外だったじぇ

?「くろろろろろ……私の名前を呼びましたかな?」

一「ん、わざわざ出てきたわよ」

京太郎「おう?……本当だ、マジで玄さんじゃないですか」

突然名前を呼んだか?と現れた、今回話題の記者松実玄さん。
おそらく異変が終わっちまったから、今度は俺をメインに取材することに方針転換したんだろうな。
一さんがやってきたあたりからか、その前かは分からないがこっそり店の近くに潜んでいたのかもしれない。

玄「はい!私清く正しい松実玄でございます!まさか記事の当人に、私の新聞を見ていただけるとは嬉しい限りですね!」

そうやってニッコリ笑う感じは、外の彼女と変わらないようだ。
しかし服装は黒いフリルの付いたミニスカートと白い半袖シャツ、底が天狗の下駄のように高くなっている紅い靴を履いている。
頭には赤い山伏風の帽子をかぶっていて、シャツの襟元には黒いリボンがある。

京太郎「はい、確かに見させていただきました」

玄「それでなのですが……もしよろしければ取材させてはいただけませんでしょうか!今回珍しく色恋沙汰の話題ともあって、読者の方々からも意外と反応がありそうなので!」

ニコニコと笑顔を崩さず俺の前まで来ると、彼女はそうお願いをしてきた。
……まぁ彼女がどう書くのかは不明だが、とりあえず今回のことについては誤解を解く必要がある。
だから彼女には嘘はつかずに、取材を受けてありのままのことを語ることにした。

京太郎「良いですよ、ただしちゃんと事実を報じてくださいよ?」

玄「ああ、その辺の心配はご心配なく!私はこの麻雀郷における真実を報じることを信条に記事を書いておりますので!」

前回の記事に結構こじつけと思い込みが見当たったと思うんだが、ツッコミ待ちなんだろうか……。
……だが最近になって分かってきた、『この世界の住人に俺の常識はハナから通用しない』と言うことを、だから寧ろそれが当然と思おう。
常識に囚われてはいけないのだ、きっと、おそらく、メイビー。

玄「それでは早速、お願いします!」

京太郎「あー、待ってください。一さん、とりあえずお暇なら店の物みてます?それともお茶でも出しましょうか?」

玄さんの取材に答える前に、一さんは客として来ているしちゃんと接客をしないとな。
そう思って彼女に声をかけると、一さんは微笑んで畳の方へ歩いていく、

一「ん、そうね……じゃあここのスペースでお茶でも飲んでましょうか、これいただいていい?」

京太郎「良いですよ、まだ淹れてそこまで経ってはいないので、味は落ちてはいないかなと」

一「うん、ありがとう」

一さんは優雅に畳に腰掛けて、マホちゃんが入れてくれたお茶の湯飲みをすする。
すると若干渋そうな表情になった。

一「……京太郎、貴方味覚極端ね」

ああ……マホちゃん茶葉多く入れすぎたなこれ。

と、今回はここで終了します。

ようやくあと一歩だった紅霧異変を終了できました、一段落で安心(なお、紅魔郷は終わってない模様)

次回は明後日になるかなと思います(……もう一つスレ立てようかな……なんて、安価スレで)

まさかの記事を書いた正体は玄さんだった、京ちゃんは彼女の力で店を運営することが出来るのか?乞うご期待。

>>236
圧倒的な敗北フラグ、おまけにあれは普通ガードと言えませんからな(笑)

>>238
河童と組むにはまだ麻雀郷を知らなさ過ぎますしね、京ちゃんは。
でも、今後何かしらで絡む可能性はあるかもしれません。

>>239
麻雀郷のスガキョン……涙拭けよ(哀れみ)

>>240
いずれはそう言う話も出てきますね、その時は妖夢担当の人とか、紫担当の人とかいたら面白そうですね(おばけと外の世界の話)

>>241
実際墓地とかいうレベルで無いくらい怖い場所でしょうね、京ちゃんは大丈夫かな?w

>>244
玄「ひゅいっ!?に、人間!」ビックリ

……可愛いぜ。


それでは皆様またお会いしましょう。

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                /r'´}.イ^~`´`  .レヘ

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   く    /   |  ./        \  V      \  \

「こちら新作の紅茶になります……え?色が紫なのはなぜか」



途中送信申し訳ない


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「こちら新作の紅茶になります……え?色が紫なのはなぜか?それは秘密でございますわ」

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         ソリ!゚ ヮ゚ノ!   \__________
         〈つH}つ

         く/_i|_i|〉
          し'ノ


どうもこんにちは。

それでは続きを書いていこうと思います。

                                   _     /`ヽ
                                /  `ー'´`ヽ !  _丶
                                    i      / !  iノ .ノ
          ,._,.                      >    `ヽ|   /
        /   ゙、                      /´        '´   `ー' ̄フ
       /   ヽ                    ゙、_       ,、     /     |
       )    )                     /  _,::=ニ、´ _ヽ、  /       ||
        (   ノi/                 rー-‐' __  レ'.r、  |〈 `´/      |.゙、
       i   ゙、                    \_/ /  イ`i  | |   レー'´ )   | .ヽ
         |    ゙、  ______    ___       /   〉 |  i |  |>  ヾ,   !  |
.        └i r┐r┘└‐ァ ,―┘    / /  ____/  i  ! |  !.|  i 、    )  /  !
        |.| | |    / /  ,.-_-、 / /ク ,=== /  |\_ヾ'  1|  `´ _,ノ  ノ  /
    ___,ノ」__ハ___/ /_/ // /_/ /| |_/ ロ /|  |__|   | |   匚,:-‐'´   /
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ._ノ  ̄ !   i ゙、.         /
                                     `ー‐'   `ー-、__,/

{   `                                         /,ヽ
ヽ    \                                   _, -‐ ´ ∟_
  \     ヽ                              / \ /λ ヾ 、
   \     へ                          /  |iミ V.彡} l   } ヽ
       、     ー 、                     j   |l  ノ  j| |   ゝ 〉
        >、      ` ヽィュ_                    |i   ハ ゝ,  {| ヘ   \i
        /    \       \``ゝ,                }.   / ヾ、ヽ ヽゝ `,   ヽ
      /  |    , -‐       ` ヽ \           ノ. ∠`へ, '  ノ x弋 ヾミ 、 \
    〈  ',. |    }  }        \ }´`ゝ~ ュ _ . 〃  i'〈弋::リ`   ´{テ:::} 〉ヽハ   , これこそ、このスレの真のタイトル!
    ヽ  }. |   ´  / ,,_       ゝ,,._      \ゝ 从 ,,    ,   ` ,,, / 从  /
     ′. ヽ ヘ.__, -‐ ト _ >、        ̄ ` ヽ   .\ ', ヘ  ャー― ,   . /ヘ ゙,ソ /j ゝ
      ゝ  ー,,ュ, -‐ ´ ー´,,   ` ー-  ,      }  ヘ   ` ヾ , ヽ  ノ , ´{| ゝ /ノ\ `ゝ、
        ̄            ゝー‐< ,,  _`` ‐- ´   }     ヽ ー < | f メ ⅳ \  \  `\
                       , -‐  `>ー- ェ   〉     \ /V ,ヘー- ュ  ゝ   ゝ、  ` ,,
                      /   /´´      \  \    .`  ひ二つ ∧   `ヽ  } ー 、  \
                  , -‐ ´    /  '      / ヘ            〉 \  |  、  ノ  ヘ  ヽ   }
                /       ノ ノ         〉、       /   i  \ ',  {   〉  \  \



【キャラ紹介コーナーその九】

●龍門渕透華 元東方キャラ『レミリア・スカーレット』

                  / /        ./ ヘ Y.           \   |  j
                 / /        /   ヤ |      -―‐t `  |. /
                    /      .//\ /,ヘ .|   イ  7  | ヽ レ
                  ’/..     /,イ   /へ レ       /  ハ
              / /      \ /./    /′  ̄`ー‐-≦7.    ハ  ’
                 / /      /ヽ/   /'            .::  /  .ヘ  }
            / /      不、 lハ   {|            .::: /    }
            //       / { ;;;≧x、V |        /  /.    / ’
           //       ./. 弋__ツヘ  | ー=--――十 ./    / /
          //         ,イ  """      ノ   て≧芯x_ノ ./    / /
.       / ./  //     |               弋;;;__ ツクイ     / /
    /  ./  //    |. ハ       r:      """/介     ヤ /
   /   /'  / i     |.  ヽ    ト、         /"/ |    マ
 /   /{   { . |     ||./{ >、 ヽ ` ァ   ー‐' /__ ヤ   |. ヽ
    _廴_込 ヽ、   | |´   ヘ \  __  _チ'´ _. ヽマ    ヽ
    {      ヽ  `  .ト.!     ヘ      / ∨「〈.', マ¨ :.  マ     ハ ト、
    λ         マ  } .ハ ヽ    ヽ  /_  .| | マ、 ー-、  ヽ  / .l ! ::._
   / ハ.       /ヤ /ハ| ) /ミ≧≦チ_,マ  ヽ` く ̄¨¨¨.    \,.へj ̄`ヽ
.  / / ヤ    /   У′ リ / ィチ>二<< マ  フ`ーへ   ヽ    `ソ `ヽ ヘ
 / /  ヤ   /   /   / レ// / 厂|、ヾ、\、/    />  _`ー  /   `マヘ
  /     マ  .i   /  /  / /  / /  | ヽヘヽ \  ,イ /   // ̄`ヽ{     マ ヽ
      ヽ 八  .{       | .|  ./ /|   | iマヘ. > >/ | λ.  |.{三三/       .〉`

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マム:::::::::::八: {从: : : :{: :|: : ハ  、_`   ,ムイ: |: |:/
、マム::::::/  、|  ∨-Y´j: : : }≧ r -=≦_:_/: : :!: }'
 \}::/       /「/  {: : :/  /  /ィ^ヽヽ}: :/:イ
   V    ,:'匸/  从/l /  /ム` ` 八ヽ
       / 匸'   ,ィ=ミ\ / 〈_,.-、イ    \
     _/  匸{L / {:i:i:i:}} 、∨ /∧==ム  r::.、ヽ
    }:::、  L_イ  /乂i:i人 \{フム-= ヽ 、::::∨}
    |::__}、___,{ ,:'::::::::`:::::|     乂人_∧ ヽ::/ ̄}
  _,/l} / | / /:/ ::::::::::: |     / :.  ∨_Y_/}/
  '::、::`\_」 '/::::/:::::::::::::::::|    ,  _,   ヽ }--、
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::::{::::::::::::: |   \j⌒\\__}   /ヽ_::::、   ;::::::;
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 ̄\_/ { \ 〈i |〉         / /-'\:::::::::::::::/、
    '  / ̄_`¨¨\`-==-<__/}/   ':`ヽ イ::::\
   「/⌒7>´  \__/}__/ ∨/        :.  `ヽ、::: \
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´                           |      \

霧の湖に存在する紅魔館の主であり、 約500年以上の歳月を生きてきた吸血鬼の少女(それでも麻雀郷では若い方で、精神的にも若干だが幼い部分も)
吸血鬼としては少食で、人間から多量の血が吸えない。
さらに、吸い切れない血液をこぼして服を真っ赤に染めるため「スカーレットデビル(紅い悪魔)」と呼ばれている。
吸血鬼であるために弱点が数多くあり、プライドの高い当人もそれを気にしている(カリスマはブレイクするもの)

性格は尊大かつ我が儘、おまけに飽きっぽいと前述の通り幼い。
常日頃から退屈しており、気紛れで突拍子も無い事を思いついては周りを振り回している(紅霧異変もここから端を発している)
また、自らをツェペシュ(ドラキュラのモデルないし、吸血鬼の始祖)の末裔を名乗ったりしているのだが、実際の血縁関係にはない。
そして、彼女は人にあまり言いふらさないが『五歳年下の妹がいるらしい』。

須賀京太郎との関係は特に無い……様に見えるが、互いに先代巫女と面識があったらしく、全くの無縁と言うわけでもないようだ。
しかし、今の京太郎については一目で別人と判断しているのか、特に反応は無かった。

雀力の性質は魔、妖。限定条件で神。
能力は運命を操る程度の能力(能力は自己申告制なので変わる場合がある)

「クックックッ……ああ、人間……人間って面白いのね。一以外にも骨があるのがいるわ」

それから俺は玄さんに、自らが知っている事実を語った。
聞きながら彼女は手帳にスラスラと記入しているが、顔は若干不満そうだ(きっと想像していたのと違うんだろうな)
俺が話し終わると、ふむふむ……と手帳の内容をまとめ始め、手が止まった時、俺の方へと顔を向けた。

玄「……残念です、もっとこう面白い記事になる様な……そんな事態を期待していたんですが」

京太郎「やっぱりそうでしたか、そんな顔してましたもの」

玄「むむむ……し、しかしまだ取材は完全に終わってませんからね!他の当事者の方々にも取材をしませんと!」

俺の言葉に対して、まだ負けてないとばかりに筆を向けてきた玄さん。
確かに俺の意見だけでは客観的に満足な記事は書けないだろうけども。
まぁ、今の彼女の事情はさておいて……俺も用事を頼まないと。

大星「そうさな、この店のために利用できるのならば利用せねばな?」

京太郎「……玄さん、実は折り入って頼みたいことがあるんですが」

玄「くろろ?なんでしょうか、取材をさせていただいたのですから、私でよければ聞きますが?」

どうやら取材の対価として素直に受け取ってくれたようなので、俺は事情を話した。

京太郎「この出雲堂、本格的に店としてやっていきたいのですが。どうにもアピールする手段が限られていまして、それで玄さんにこの店の宣伝を新聞の広告としてやって頂けないかと……」

玄「----ッ!その話、興味がありますね。ぜひ詳しく聞かせてもらえませんか?」

京太郎「ええ、もちろんです。きっと互いに益がありますよ」

俺が頼んだのは、『現在の出雲堂』の説明と俺が指定したその日のオススメ商品(人里にウケそうなもの)みたいなものを、彼女の玄々。新聞に乗せてもらっていろんな人に見てもらうと言うものだ。
玄さんの新聞が誰かに渡り、見てもらえた時に広告が目に入れば出雲堂の存在と商品のアピールが出来るし、それで出雲堂に客が興味を示すようになったら、その広告を見てどんな商品があるかを確認しようとするはず、その時に彼女の記事も目に入るわけで。
そうして購読者が増えれば互いに利益になっていくのだ。

玄「ふぅむ、新聞大会のために購読者を増やさなくてはならない私としては、とてもありがたい話ですな」

京太郎「互いにギブアンドテイクで行けます……いかがです?」

玄「……よろしいでしょう、取材代としての価値もあるみたいですし……これで貸し借りは無しでよろしいんですね?」

京太郎「もちろん!」

どうやら俺の意思が伝わった様でよかった。
後はここの商品の写真を撮ってもらい、広告としてもらおう。
契約が成立して安堵したところで、店の扉が開いた。

淡「お邪魔するぜーーー!!」

ネリー「店主さんいる!?これどういうことなの!?」

咲「……」

玄「おお、皆様お揃いですな!」

大星「これはこれは……」

……面倒なタイミングできやがって……泣けるぜ。

淡「あ、天狗!お前か、私らがスガキョンとその……ね、熱愛なんて書いたのは!!」

ネリー「まさか元凶が自らノコノコやってくるとはね?貴女のおかげで私は人里で明らかに色気づいた目で見られたんだから、謝罪くらい欲しいものだわ」

咲「私は特に用事は無いけど、何でか二人が怒って神社に押し掛けてきてね。若干迷惑だから注意勧告ね」

玄「く、くろろろろ……そこまで怒るほどでしょうか?こちらの店主殿は穏やかに対応してくださったのですが……」

それはそうだ、俺は別にそこまで怒っているわけじゃないしな、いやマホちゃんが倒れたという被害はあるけども(寧ろそう言うので騒がれたことが無かったから、新鮮な感覚で面白かった)
しかし、他の二人は違う……在りもしないことを事実のように報じられて、周りの見る目も変わったのだからストレスにもなる(俺?まだ外の商品の様子を見る以外で外に出てませんがなにか?)

淡「これだから記者ってのは好かないぜ!捏造猛々しい!」

ネリー「まぁ、この世界ではプライベートも何もないのでしょうけど。それでも書いていいことと悪いことが……」

玄「くろろろろ……私は真実を伝えたいだけですので」

咲「……」

大星「おい、巫女がみているぞ?」

口論をしている淡とネリー、そして玄さん。
どうにも二人がヒートアップしているので、玄さんの言葉で止まる気配は無い。
そして咲はさっき神社に二人が来たと言っていた、なのに治まってないって事は、彼女の言葉では治まらなかったか、或いは咲が面倒だから特に何も言わなかったとか……(どっちもありえそうだが)
……おそらく俺を見ているのは、俺にこの場を治めろと言うことなんだろうが……俺の言葉で止まるんだろうか?

一「……全く騒がしい、落ち着いてお茶も飲めやしない」

淡&ネリー「「……ん?」」

玄「くろ?」

咲「あら、紅魔館のメイド。いたのね、本当に静かだったから気づかなかったわ」

と、ここでまさかずっと黙っていた一さんが動くとは思っていなかった。
他のメンバーもそうなのか、皆気の抜けた反応をした。
一さんはスクッとまっすぐ立ち上がると、俺の隣まで歩いてきた(何故?)

一「貴女達、記事にされて迷惑だとか思ったのは別に理解できないわけではないけれど……何故そこまで過剰に反応しているのかしら?」

淡「え?……いや、それは……」

ネリー「……別にそこまで過剰な気は無いわよ?」

一「それに記事にも書いてあったんだけど、あそこで気絶している子と京太郎がキスをしたと聞いて、かなり動揺して口論になったそうじゃない?ねぇ、記者さん」

玄「----ッ!はい!確かに私は聞きましたし、店主殿も取材でそれは事実と言ってくださいましたね!」

一さんの言うことは最もだし、玄さんに語ったことにも偽りは無い。
実際二人は動揺と言うか、錯乱というか……とにかく取り乱していたのは確かだ。
それ故にその事実はありのまま伝えた(理由ははっきりしていないので何とも言えなかったが)

突然の安価

一「となると、貴女達……その気が全くないわけではないのではなくて?」

淡「は、はぁ!?」

ネリー「なぁっ!?」

玄&大星「ほほう……」

咲「……お茶おいしい」

あんたら……ハモるなよ、そして咲は勝手に飲むな。

淡「ふ、ふざけるのも大概にしとけよ!そんな事実一片たりともありえないぜ!」

ネリー「今回は淡に賛成ね、ただの推測で物を言わないで欲しいわ」

ふむ、どうやら二人にそう言う気は全然無いらしい(安心した様な、少し残念な様な)
その言葉を聴いた一さんは、クスリと笑ってこう聞いた。

一「フフッ、そう……事実は無く、推測による空論でしかないわけね?」

淡「当たり前だろ……」

ネリー「ええ、もちろんよ……」

改めて確認をするようなその問いに、淡とネリーは頷いた。
すると、一さんは納得し、俺のほうに向き直った。

一「じゃあ、京太郎が誰と何しようが問題ないわね?」

淡「…………おい?」

ネリー「…………いや、まさか、そんなこと……」

京太郎「……ん?」

玄「----ッ!(もしや、これはシャッターチャンス!?)」

咲「……」

一さんの発言の意味を理解できなかった俺は、彼女に対して首をかしげた。
すると、一さんは目を瞑り、俺の服をキュッと握り、言った。

一「京太郎……キスして……」

京太郎「----え、ええええええ!?」

そのまま無防備な状態でキスを待つ表情になる一さん……ま、まさかこんな事になるなんて!

大星「チャンスだぞ?使い手よ」

お、俺は……。

↓から次回の開始まで安価

1、キスをする

2、頭を撫でる

よろしくお願いします。

というわけで、今回はここまで。

前に言ったように、キスで安価取ろうと言う所存ー。

ストーリーが左右されますが、何気にすることは無い、一ちゃんが好きならした方が良いといった感じですね。

次回は明日、今日と同じ時間に。

それでは仕事行って来ます

いっそディープキスでもいいんじゃよ?

何処とは言わないけれど、肉体的に繋がればいいんじゃないですかね(ゲス顔)

あくまで麻雀郷の思考ベースに外の記憶が乗るんだよね?
思考まで変わったら血液関係の仕事とかキツそう

もし京太郎の体液を摂取することだけが原因で異界の記憶が喚起されるのであれば、村の井戸とかの水源地に体液混ぜればいいわけで

異界の記憶テロとか誰得だけど。

あ、安価なら1で

>>1です

今日は昼から会議なのだと指示が来たので、短いですが今から書いていきます。

圧倒的……圧倒的1……!
というわけで、キスをする流れから。

BGM 愛のテーマ https://www.youtube.com/watch?v=DqV3BZXFROQ

1、キスをする

俺はこう言う状況下に遭遇したことは無い、女子の知り合いがいても大体良い人止まりだったし。
でも今目の前でそれが起こっていて、その相手が知り合いの美少女である国広一さん(麻雀郷の方ではあるが)
……求められている以上躊躇する必要は無い、でも緊張はするわけで……だから、俺は自分の中で理由付けをした。
紅魔館という一つの勢力の中で、協力者がいれば色々と融通が利きそうってこと。
それから、キスでおれ自身にどんな影響があるのかと言うことを調べるため(マホちゃんという前例がある以上、これは必要かもしれない)
そう考えたは良いものの……結局、無防備に待っている一さんを見たら……最早そんなことはどうでも良くなった。

一「……んぅ……!」

淡「」

ネリー「」

玄「------ッ!!!」

咲「……」

顔を近づけ、やさしく一さんの唇に自らの唇を重ねる。
やわらかく、暖かく、ねっとりとした快感があって……すごく甘い匂いがする。
気が付くと俺は無意識に彼女を抱きよせ、より深く快感を求めた。

一「ん……ふぅッ……!」

ひどい中毒めいたものがあるな、キスってものは……重ねれば重ねるほど熱くなってくる。
よくただ生の肉の感触がするだけって表現するやつもいるが、それは多分気持ちがこもってないからだ。
俺は彼女の様子を見ながら、ゆっくりと舌を『蛇のように』一さんの舌に絡ませる。

一「んん……!?」

玄「お、おおおお……」

咲「……やりすぎじゃない?」

大星「良いぞ、そのままいけ」

一さんがビクビクと反応をするのが見える、気持ちがいいのだろうか。
無論俺は気持ちが良い、『まるで力が流れ込んでくるように』感じる。
……このまま、ずっと絡めつづけるのも良いが、それだと俺も一さんも息が持たない。
というわけで、最後に彼女に感謝を込めてやさしく撫でた後にゆっくりと唇を離した。

一「あぅ……はぁっ……」

玄「……あ、シャッター押すの忘れてた……」

咲「あら残念、今後もこの人をイジる良い材料になると思ったのに」

大星「うむ、最初だしな。こんなものだろう」

唇を離すと唾液の細い糸がすぅっと伸びて途切れる(相当絡めてたから……だよな)
抱き寄せた状態のまま、息が荒い一さんに尋ねる。

京太郎「……これで良かったですか?」

一「はぁ、はぁ……ふふっ……やりすぎだよ、京太郎。死ぬかと思ったじゃないか」

京太郎「……あれ、一さん?」

話し出した一さん口調が変わっている、それも俺の良く知るそれに。
俺が改めて名前を呼ぶと、トロンとした瞳と頬が赤く染まった状態で微笑み、答えてくれた。

一「そうだよ、京太郎。ボクは国広一だよ、龍門渕の透華付きのメイドであり、紅魔館のメイド長の……ね」

どうやらキスで外の世界の記憶が流入すると言うのは本当らしい、マホちゃんの時と違って目の前で確認できたので間違いない。
一さんはそのまま俺の胸に顔をうずめると、寝息を立て始めた……やっぱり疲れたのか。

大星「まぁ、いくら強くても人間だしな。致し方あるまいよ」

当然の様にこう言う大星の剣、どんな天下人と一緒だったんだよ。

>>1「いつの間にここは下ネタスレになったんですかねぇ……」

玄「あまりの事態に驚きました……しかし、店主殿は紅魔館のメイド長とそう言う関係なのですか?」

京太郎「いえ、全く……知り合ったのも昨日の異変で初めてなくらいで」

玄「く、くろろろ……人間と言うものは、時に恐ろしいですな」

そういいながら玄さんは、笑いながら汗をかき、うちわで自らを扇いでいた(どうみても動揺している、そう言うのに耐性がなかったのか?)
一方咲はお茶を啜ったあと、俺を見ながら「京太郎さんがこうだったら……」とか「ありえないか」とかブツブツ言っている。
そして問題の淡とネリーは固まったままだ。

京太郎「……淡?ネリー?」

淡「----ハッ、なんだ?何が起こったんだ!?」

ネリー「……店主さん、あの……さっきのは……」

声をかけると、我に返ったような反応をする二人。ん
まぁ、俺にそう言う感情が無いという当たり前の事態を証明するために、突然衝撃映像を見せられたのだから普通はこうなると思う(玄さんは記者だし、咲はあんな感じだからな)
なので、改めてどういうことになったのかを説明することになった。

京太郎「というわけで、俺は一さんとキスをした……で、二人は突然のことに驚いて固まっただけ。そうだろ?」

淡「え……ああ、うんそうだぜ!突然知り合いがさ!濃厚なキスした場面とか見たらそうなっておかしくないよな!?」

ネリー「当然よ。だから私と淡は黒ではないわ(ここは冷静に話を合わせておきましょう)」

玄「ふーむ、そうですか~。まぁそれなら致し方ありませんね……今回の記事で皆様に迷惑をかけたことを謝罪し、麻雀郷の方々の誤解を解くために記事を書きましょう」

俺の言葉に二人は同意した、これで証明にはなったと思う。
しかし、玄さんはいやにあっさり引き下がった……少し嫌な予感がする。

玄「ですが、新たな事実が明らかになりましたので私は良かったですよ!さて店主殿、広告用の写真を撮らせていただきましょうかね」

京太郎「おっと、そういえばそれで引き止めたわけですからね。お願いします」

玄「はい、お任せください!」

咲&淡&ネリー「……広告?」

玄さんに言われ、彼女が居たもう一つの理由を思い出した俺は、彼女にオススメ商品を案内し、撮ってもらうことにした。
それに興味を示したのか、咲と淡とネリーは俺たちの後に続いてその様子を眺めていた。

玄「意外と骨董品以外もあるんですね」

京太郎「多分麻雀郷だと珍しいものもあると思いますし、実用的なものも無いわけではないかと」

淡「……こうみるとガラクタばっかりじゃないのな」

咲「やっぱり掃除って大事よね、隠れてるもの結構出てくるし」

ネリー「淡も掃除をするべきね」

玄さんが写真撮りを終えた後は、少女四人は俺が整理して並べた様々な商品たちを眺めていた。
それで俺はと言うと、一さんを布団で休めてあげておいて、マホちゃんを起こすことにした。

京太郎「マホちゃん、そろそろ起きろ」

マホ「ん……うぅ……あれ?京太郎先輩、私何を……?」

ぼんやりした顔で目を擦り、起き上がるマホちゃん。
キョロキョロと回りを見渡した後、ハッとした。

マホ「そ、そうです。マホ、京太郎先輩と熱愛とか書かれてて恥ずかしくなって倒れちゃったんでしたぁ」

京太郎「おお、よく覚えたな、えらいぞ」

マホ「あぅ……えへへ~」

自分がどうしてこうなったかは記憶に在った様で、顔を抑えて恥ずかしそうに頬を染めている。
そんなマホちゃんが可愛らしかったので、頭を撫でた。
……他意はないからな?

大星「語るに落ち」

黙っててくれ。

といったところで今日はおしまい。

やり損ねたコメント返し

>>272
そんな事書くから書いちゃったじゃない(転嫁)

>>273
ここはいつから(ry

>>274
流石に思考までまるまる変わるわけでもないですが、混濁状態になるので一部外の世界の思考らしい部分が出ます(マホちゃんは自分が人を食べていたことを怖がっていましたよね?)

>>275
体液じゃなく、京ちゃんと直接的に繋がることが必要なのです。
繋がることが必要なのです(大事なことなので)

次回(明日)はもう少しゆったり余裕で書けるかな……それでは会議行って来ます。

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  イ        '   /|    /|  l   |   |     |   |  l|   |    |
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 ' 〃         |   |  | |   ト,  :     /| /| /|    '  ∧|
/ / .'   ,:  ' Ⅵ |_'. |  | |   | l   |     ' }/ }/ :  /  .イ `\  またな!
{/ /   / /  / {  |  Ⅵ≧!、,|   | 、 |   _/ム斗七    /:. / }'
 '   ,イ / | { 从 | イ  {::しメ∧   l  Ⅵ   イ {::し刈 `ヽ'  ' }/
'  / /イ Ⅵ :.  Ⅵ    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /
/        | 从   |            \ ∨/        ,  /
       _∨∧ :.             ` \           ,:_ノ> 、_
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まこはマミゾウかな?

じゃあかなり先まで出番はないな

どうもこんにちは、>>1です

>>287
私もマミゾウが一番適正高いと思いますが、>>288の言うとおり出番が無い可能性が(汗)

それでは書き始めます。

                   '"    . . . . . . . . .  `

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               /   /: :. :.′/〉 7: : : : : : : |: : : :.|: |: : : :.|.: : : :.
             ′  . .:.:.:/)//i: : : : : : : :.|: __i__!:. :.:.:.|.:.:.:.| |
              |人レ:.:.// //⌒: : : : : :.:.ト、:.:.:.|: |`: : :.|: : :.| |
              __i!// //!∨八:.:.:.| : : : | \|: ト、 : |:. :.:.| |
            _/ { /  //〉x芹示ミ.x:ト : : :| ,イ芹示ミx. |: : : | |
       /  {  /∨   ,イ〃h!i:i:i :!  ` ‐┘ hii:i:i:i ! j! !: : : | |
     __/       ∧_ イ:i_.ヽ.乂ぅ;ソ       込 _ン'′!:. :.:.:|:.|
   '"              /\ノ:.|ハ           ,           ハ: :. :.|: |
/            __  イ: : :i!  """    __    """ iノ: : : l: :|
              } /:.:|: : :.lヽハ       i    }      人 : : : : : |
               //: : i!: : :|: : :.ゝ    、    ノ    イ: :.:l:. :.:/ : :.l
        __  '"/:. :.:.||:.:.:.|: : :′:.:| :>   __   <:.:.:.|: : ,′/: : : :.l
      / __.   i∧: :.| \|:. :.| : : :.v~i__    __レヘ: :.|: /: 〃/:. : l
      /`¨´ ̄\-┼‐\!‐ ┴ ┴‐‐く   入__/^ヽ  ` y/¨´: : : : : l
     ハ         \              \∧    ∧ /   `  .:.:..l
.   / !         、 |       x─‐ヘ    x─‐┐       ’'ヽ
  ´ /            `|         〉: :. :.__Y^Y__: : : :〈           ハ
ー‐                  |       〈: : : : : :.j‐┼:. :.::. :. 〉       ′ l
、                 V       〉__/i! 〈\.:.:. :.∧         |

「ゆっくりしていってね!ボクたち!」

マホ「……はっ!そ、それで……どうなったのでしょうか、その話題は?」

京太郎「ん?ああ、大丈夫当人に会って誤解は解いておいた。謝罪の記事も書くってさ」

マホ「ああ、そうだったのですね!良かったです、このままでしたら京太郎先輩に迷惑がかかってしまいましたし……」

マホちゃんはほっとした様子で胸を撫で下ろした。
……まぁ、別にそこまで迷惑に感じなかったのは黙っておこう。

マホ「ってあれ?一先輩が寝ちゃってます。どうしちゃったんですかぁ?」

そういって首をかしげるマホちゃん、しかし彼女に事実を告げるのは刺激が強すぎて、また倒れてしまうのではないか?

大星「良いではないか、伝えてやれ。どのみち外の喋り方などでバレるのだしな」

それはそうなんだろうが……こう、タイミングと言う奴がな?
などと頭の中で大星の剣と対話していると、玄さんがこちらにやってきた。

玄「店主殿、私はここら辺でお暇させていただきますよ。取材した内容と広告をまとめませんと!」

京太郎「あ、わかりました。それじゃ、またいつでも来てください。次はお客としてきてくれると嬉しいですね」

玄「ふふふ……それはどうでしょう?また取材対象……かもしれませんからね♪」

どうやら彼女は仕事のために帰るらしい、わざわざ広告の資料の為か、ウチの商品をじっくり観察していたので、仕事に対してはある程度真剣の様だ。
……しかし、また取材対象とか不吉なことを……俺は別にそんなに目立ちたいってわけでもないのに(いや、店の名前を売る為にはありなのか?)
俺はそのまま彼女の見送りに外に出たのだが、玄さんは俺に微笑んで手を振ると物凄い速度で飛び去ってしまった……あの速さ、淡よりやばかったな。

淡「ちぇっ、天狗は速いのが自慢だからな。私だってそれなりに本気出せば、負けないんだぜ?……たぶん」

咲「いや、無理でしょ。あんたじゃ」

淡「ぐぬぬ……」

俺と玄さんについて外に来ていたらしい淡は、玄さんの速さに対抗心を剥き出しにしていた(やっぱ負けず嫌いなのな)
咲に店内からつっこまれて、拗ねている様だ。

京太郎「大丈夫、努力してればいつか越えられるかもしれない。そうだろ?」

淡「----ッ!……ああ、いや、そ、そんな事しなくても追いついてやっから!見てろよスガキョン!」

京太郎「ふふっ、そうか。まぁ頑張れよな」」

淡「……ふぇっ?」

なので俺なりにフォローのつもりでそう言ったのだが、淡は突っぱねてしまった(努力苦手なのか?それとも……)
意地を張っている可能性を考え、エールをこめて彼女の帽子を外し頭を撫でる。
すると、淡は頭を抑えてポカンとした表情になった。

京太郎「ん?淡?」

淡「……な、なんでもない。何か変な感じがしただけだ……私も帰るな!」

京太郎「お、おう。またこいな」

何だか焦った様子で淡は箒に乗って帰っていった、何か距離が近いから気安くして良いのかと思っていたが、そうでもないのか?

大星「知らぬが仏よ」

何だそりゃ?

咲「……何ボウッとしてるの。客が居るんだから相手してくださいね、京太郎さん」

京太郎「おっと、すまない。確かにそうだな。それで咲は何か買っていってくれるのか?」

と、中から咲に声をかけられた……もしかしたら目ぼしい物でも見つけたのかもしれないと、彼女の元へ向かう。
そして咲の近くにあったのはお茶セット……あれ?もしかしてこれは……。

咲「そんなわけ無いじゃないですか。お茶入れてください」

ですよね~、宮永の巫女様がわざわざうちの商品買って行ってくださることはないと思ってはいたが……畜生!
そういえば以前咲に褒められた覚えがあるのが、俺が入れたお茶だったな。
ならばとりあえず従っておこうと、お湯を沸かし始める。
するとマホちゃんが「な、何か手伝えませんか!?」と聞いてきたので、本棚の整理を任せた。

ネリー「それで店主さん、淡も居なくなったことだし。話したいことがあるの」

咲「あら、言っちゃうの?」

ネリー「黙っているよりかは良いかなって」

京太郎「ん?何の話だ?」

淡がいないこの場で、咲とネリーが知っている共通の話題?
……何だろう?まさか、ネリー……俺の正体を知ってるとか……?
いや、俺については彼女に話しては居ないし、ボロを出した記憶も無いはずなんだがなぁ……。

ネリー「実は店主さんが外の世界の人間だったってことよ」

あ、バレテーラ。

京太郎「……いつからなんだ、気づいたのは」

ネリー「貴方と咲が口論になったときよ」

京太郎「ああ、あの時かぁ……」

なるほど、確かにあの時冷静ではなかったし、変な事を口走った可能性もある。
それに俺が居なくなった後で咲がネリーに全ての事実を話してたら、間違いなくそう結論されるだろう。

ネリー「そこの……マホちゃん、だっけ?その子がそんな感じになったのも、大きな証拠ではあるしね。ただ原因が……その、キスって言うのが何ともいえないんだけども……」

咲「そこよね~、十中八九外の世界の記憶が混濁しちゃってるのよね。アンタを先輩って呼ぶのもそれが原因でしょ?」

京太郎「えっ、まぁそうだけれども」

確かに今日の一さんのこともあるし、間違いなくキスで外の記憶が流入するのだろう。

咲「すると、今回キスをしたメイドもってことになるわね……あんたそれわかっててやったわけ?」

京太郎「う……まぁ、知ってはいたが。何か、不都合があったか?」

俺からすると、外の事情を知っている人物が増えれば、それだけ動きやすくなる。
しかし、麻雀郷視点から見るとそれは良くないことなのか?と思ったのだが、咲は首を横に振った。

咲「んーん、別に無いわよ。アンタが誰とちゅっちゅしてようが、私には関係ないし……うん、関係ない」

ネリー「……その発言は色々と問題があると思うだけど」

……いや、実際にキスをしている当人の俺が思うのもなんだが、ネリーの言う通りではなかろうか。
巫女ともあろうものが、いろんな奴にキスしまわってる不埒者を放置とか……普通に考えれば問題だ。
まぁ、今回はそう言う咲のスタンスのおかげで、責められることは無いのだけども(ネリーも怒っているわけではない様子だ)

咲「それに、アンタの事情を知っている奴が増えれば、アンタも過ごしやすくなるのは確かなわけだし。やりたければやりなさい……あっもちろん私はパスね」

京太郎「わかってるよ、命がいくつあっても足りないって」

流石に咲に喧嘩を売るような真似だしな、それはやらない(そもそも一さんにも求められたか出来たのであって、自分からしていくのは出来る気がしない)
そう思っていると後ろからあくびが聞こえた。

一「んぅ……おはよう、ボクはメイド長で……良いのかな?」

京太郎「あ、一さん!大丈夫ですか?身体に異常は?」

一「……やぁ京太郎、キミのキスで身体がビックリしたけど、問題はないよ、うん」

俺の言葉にのんびり答えてゆっくりと起き上がる一さん。
しかし、あんまり大丈夫っぽくないのだが……。

一「うわっと」

京太郎「ああ、やっぱり」

一「あはは……ありがとう京太郎」

と思った矢先に一さんがふらついたので、彼女を抱きとめる。
こうなってる理由が俺なのに、なぜか彼女は嬉しそうにお礼を言った……Why?(なぜ?)

大星「わからんのか?」

ああ。

大星「このたわけが」

????

凄い剣だ…

とここで終了します。

仕事はもちろん、どうも身体が不調で手が進まないorz

短くて申し訳ない!(物語り進まなくて悔しい!)

次回は明日、休みだから多めに書けそうです。

それでは仕事行ってきます。

                      /}ヽ
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      爻    |\⌒{:::::::::| `¨¨^       ^¨¨´ |:!:::::{ 'フ/.   爻
      `ーf=''|/i::`ー}::::::::!|""""""" ' """"""""从::::{.:イ  `ーf=''
      x宀x゙ 八::::{:::::::八    ____   .イ:::::/:::::|   ,x宀x
     %    % ∨)::i::::::::::〕ト|清く正しい]..イ:::|:::/i::::八 .%    %
     爻   爻  /从:::::::::}:|::| 文々。 i]::::|::::|/レレ   爻   爻
       %    %     )乂ソ/| _メモ帳 _]ヽレ′       %    %
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          /'     /  二 )………( 二  }     }
            /.      ′ ― )/{___}\( ―  !     }
         /     ,   7し' /{:i:\ しf  !
          /      '  /  /::::::八:::::\{  {      ヽ
        _,/      .ノ  イ  く::::::/:::::\/ヽ, ‘,
      /        /  ノ'   `Y^Y⌒´|二 ヽ ゚,      ‘,
     /         /   ,'    _,}__{.,__ |   `‘,  ,        \
.    {         , ゚  ,′     ー-{ {二  \__,. }  ゚:,       }
        __ア   /:         } }       :゚,   ゚ ,___    /
     \,/::/   /: : : : : .     人人 . : : : : : : : ,     \:\/
        {:/′  , \: : : : :_;.  '  {   `  : : : : :ノ:,    }::::/
      `!    /   {`¨¨     { {     ¨¨´{  \   7
       ー     }       { {         {    ー '

「どうも皆様、この清く正しい私の新聞も見ていってくださいね?」

     ヘ
   イ"´ ̄`'ヽ
   | i.|ノリハノリ〉_   新聞(弾幕)ドソー
 ,ヘルlリ ゚ ヮ゚ノiiノ㌻         三□

 ゝ,<,_,i`ハ´i,〕⊃ 三□

  `,し/~/:ハ          三□ 三□
   `'ィ ァ~ィ ァ´   三□ 三□
    T  T              三□

乙です
お大事に

あy……くろちゃーが脱いでその写真を掲載すれば男は見てくれるよ(ゲス顔)


流影陣とか使いそうな……すごい剣だ

ルーミアにはお留守番がよく似合いますね!

どうもこんにちは

>>297 >>301
このネタを知っているとは、凄い人たちだ……(例のBGM)

>>299
お気遣い心にしみます

>>300
やめるのです!ボク!

>>302
ジュースをおごってやろう(ケアル)

それでは書き始めていきます。

ネリー「……ところで、いつまで抱きついているのかしら?」

一「ん?ああ、申し訳ない。京太郎、もう大丈夫だよ」

京太郎「え、ああ分かりました」

突然不機嫌そうに腕を組んでいるネリーがこちらに声をかけてきて、一さんも大丈夫と言ったので畳にゆっくり下ろした。
確かに彼女を抱きとめたままだと、話を進めづらいしな。

咲「それでメイド。貴女の体調は大丈夫として、口調も大きく変わってるみたいだし……どうなってるのかしら?」

一「うーん、そうだね……外の記憶に存在している『国広一』と麻雀郷での『国広一』の記憶がごっちゃ混ぜになってる感じかな?」

咲「外の?……京太郎さんもいたわけだし、もしかして麻雀郷と外にはそっくりな奴がたくさん居るのかもね」

一「少なくとも、ボクの主人とその妹はボクの外での身内とそっくりそのまんまだからね……強いて言えば透華は縮んでるんだけど」

咲「ふーん……なるほどね……」

咲の言うとおり、一さんは完全に外の世界の口調になっている。
しかしその後で一さんの言っていたことは俺は分かってはいた事だが、咲は知らなかった事実だ。
其れゆえか、彼女は何か合点したようにフムフムと考え込んでいる。

一「……ああ、でも安心して良いよ、能力とかに変化は無いみたいで仕事には支障なさそうだからね……強いて言えばこっちの透華が驚きそうだけども」

一さんの力には特に変化は無い様で、大きな迷惑になることは無いようだ……とりあえず安心できる(まぁ、前例のマホちゃんは能力を失っていなかったので当然だろうが)
麻雀郷の透華さんには申し訳ないが、多少のサプライズは勘弁な?(でもこっちの透華さんなら面白がるかもしれない)

ネリー「……じゃあ外の世界に貴女の同姓同名の人物が居るとして、一応聞いておきたいんだけど、店主さんと親しげな貴女は彼とどんな間柄だったの?」

一「う~ん、そうだね……外で同じ地域に住んでいて、同じ競技の大会で知り合った感じだね。後はボクの知り合いと仲が良くて、その縁でたびたび会うことがあって仲良くなったって感じかな……簡単に言えば友達って感じだけども」

ネリー「友達……ね。それなら親しげなのも分からなくもないけど……」

どうやらネリーは俺と一さんが親しげなのを見て、外での関係が気になったらしい。
まぁ、大体一さんの言う通りなので俺は黙っておこう。
と、だんまりを決め込んでいると、一さんがこっちに視線を移した。

一「それにしても、まさか本当にキスをしてくれるとは思わなかったよ……まぁ、嬉しかったんだけどね。それも……あ、あんな濃厚なやつを……」

……それを言われてしまうと大変申し訳ない。
こっちの一さんにとっては、きっとキスって言っても触れるくらいのフレンチキスか、頬にとかの予定だったのかもしれない(なぜ俺は調子に乗ってしまったのか)
先ほどまで冷静に話せていた一さんだったが、キスを思い出して赤面している様だ……見てるとこっちまで思い出す。

ネリー「も、もう良いでしょ、その話題は」

咲「それより、国広一だっけ?……貴女はこれからどうする気?」

一「どうするって?」

ネリー「店主さんは貴女と違って完全に外から来た人間である外来人、外の記憶を持ったあなただけど、彼に対してどう動くつもり?」

確かにそこは気になるかもしれない。
向こうでは結構仲が良いつもりだったが、こっちでは敵対したこともあるんだし、どっちに転ぶか俺には判断できない。
そう思っていたのだが、彼女はあっさりこう言った。

一「もちろん、必要なら手助けするよ。彼とはとても仲が良かったからね♪」

京太郎「は、一さん……」

ああ、暖かいな……もしかしたら今まではこう言う安心感がなかった感じがする。
その点、外でも結構常識人だった(私服?NAGANOですが?)一さんはかなり癒される。

一「これからもよろしく頼むよ、京太郎」

京太郎「は、はい!」

硬く手を握り合う俺と一さん、そこには確かな絆がある。

ネリー「……むぅ……」

咲「どうどう、あれはただの友情よ」

ネリー「……今だけは貴女は信用に置けないわね、そう言う経験ゼロだし」

咲「ブフッ……み、巫女だからいいのよ」

この二人はどうしたんだ?

フレンチキスってディープキスのことなんだけどね
フランス野郎の下品なキス、みたいなニュアンスだったか。基本英語ではフランスは悪口みたいなもんでww

>>306
おもいっきりにわか知識を晒してしまった感じです、申し訳ないorz
次からちゃんと調べて書きます(決意)

メシ食べたので続き書いていきます

一「……おっと、ちょっと長居しすぎたみたいだ。もう食事の用意をしなきゃ、それじゃあ失礼するよ、京太郎」

京太郎「あ、はい。またお会いしましょう」

一「うん」

ふと時計を確認した一さんは、仕事の時間らしく、そろそろ帰らないと拙いらしい。
なので、挨拶だけ済ませてサラッと帰ってしまうようだ。
若干名残惜しいが、別に会おうと思えばいつでも会えなくは無いんだし、素直に俺は見送りに出た。

一「ああ、そうそう宮永の巫女さん。透華……お嬢様が、今度ウチに遊びに来なさいって言ってたよ」

咲「はぁ?異変も無いのに何で私が……会いたきゃ自分で来なさいって伝えなさい」

一「あはは、『あっち』ではありえないだろうけど、キミらしいね……分かったよ、バイバイ」

麻雀郷の透華さん、咲に結構執心みたいだったからな……主に強敵(とも)として。
だが、咲からすると面倒くさいのか、せっかくの誘いも適当にあしらわれてしまった(カワイソス)
そして一さん……『あっち』ってのは、あのポンコツのことですか?(言うまでも無いか)
彼女が帰ると、今度はネリーも咲も帰り支度を始めてしまった。

京太郎「お前ら、何か買っていく気はないのか?」

咲「何言ってるのよ、私はそんな用事で来たわけじゃないわよ。元はといえばアンタとそのほか多数が、面倒な記事の材料になったせいなんだから」

京太郎「……そういえばそうか……なら結局客らしい客、一人も来なかったな」

ネリー「店主さん、そう落ち込まずに頑張って。外のこととか色々悩みは尽きないかもしれないけど……私も協力してあげるから」

咲はいつもどおり、突き放した感じで冷たい……愛をください(切実)
しかしネリーは前からだが俺に協力的で好意的に見てくれている、それが外来人の別人だと分かった上でも続いているのだ(こんなに嬉しいことはない!)

京太郎「ありがとうな、ネリー。俺、頑張ってこの世界で生きてみるよ」

ネリー「ええ、応援してるわね。それじゃ、また会いましょう。暇なときは人里に来て頂戴、人形劇を特等席で見せてあげるから」

彼女の言葉に元気良く返すと、ネリーは笑顔で手を振り、魔法の森に消えていった。
と、残ったのは咲だけなのだが……帰る支度は既に済んでいるのに、ネリーが見えなくなるまで俺の隣にいた……どうしたんだ?

京太郎「……咲?」

咲「『外の世界の国広一と麻雀郷の国広一』……それが存在していることがはっきりして、あのマホって妖怪も外にいるんでしょ?」

京太郎「お?ああ、妖怪じゃなくて人間の女の子だけどな」

気になって声をかけると、どうやら外の話題についていまだに頭の中で整理していたらしい。

咲「となると、『麻雀郷の京太郎さんと外の世界の須賀京太郎』……つまりアンタは、他の二人同様につながりがあるって思っていいのかしら」

京太郎「……んー、そこについては俺も分からないんだが……たぶんそれで合ってるかもしれん」

咲「なら……私にもつながりがあるそっくりがいるわけね?」

京太郎「ああ、それは間違いないな」

現在行方が分からない麻雀郷の俺『京太郎さん』、その人物がマホちゃんや一さんの例みたいに繋がっているのかは検証できないわけなんだが。
それでも関連性が無いわけがないので、曖昧に咲にそう答えた。
すると、今度は外の自分……つまり俺の良く知る『宮永咲』について気にして来た。
まぁ、別世界に自分のそっくりさんが居るってなると気になるわな。

咲「じゃあ……外の私とアンタは、どんな関係……?」

京太郎「え?……幼馴染って言うか、腐れ縁と言うか……でも、互いに一番分かり合っていて信頼できる間柄だったと思うぜ」

どんな関係か……そう聞かれると、こう答えるのが一番合っているって思う。
実際アイツのことは信頼していたし、結局高校まで一緒だったわけだし腐れ縁とか幼馴染で問題ないはず。
そう答えたあと、咲は少し顔を伏せて思案している風だったが……。

咲「……そっか……そう、なんだ……」

     /::.:.:.:.:!:.:.:.|.:.:.:.:.:|: : ::| : : : :|: : | | .i: : | | i:. :.:.:.:.i:.:.:.:.|
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 彡 '´ リ i:.:.ヽ:.::.:.:゙、 ヽ___       ;==─-ソ::::::/ /:::!
      ヽ|:.:.ヾ:.、::ヽ≠'´ ̄`     ;;;;;;;;;;;; ノノ:ノ /;イノ

         ソ:.:.:::/::ヾー-;;;;;;;;;  ,     """ /ノ.;:‐'::/
       i.;イ:::;ハ、::゙、 """    ___      /:::::/
       ソ レ  ` ヾヽ    ヽ´  ノ   ィ´::/リ
              ` 、__    ̄  , ' |!;/
                 _"_〕ー--‐'    |__
                /:.::/:|       |:/\

京太郎「……ッ!」

笑ったのだ、心から嬉しそうに……きっと外でつながりがある俺と咲が仲が良かったため、麻雀郷での『京太郎さん』と自分も良い関係だと言えるんじゃないかと思ったのだろう。
……まぁ、思い出すだけでこんな笑顔が作れるんだから、相当仲が良かったんだろうな……少しだけ羨ましくなったぜ、『京太郎さん』よ。

咲「ん、おほんっ!……良く分かったわ……そろそろ私も帰るわね。話……聞かせてくれてありがと、それじゃっ」

京太郎「あっ……おう!またな!」

空を飛んでいく咲の顔は、今空を照らしている夕焼けのように赤くなっていたと思う。
俺はため息をついて店に戻ると、マホちゃんがこちらに気づくと心配そうな表情で近寄ってくる。

マホ「京太郎先輩!……いつか、外の世界に返ってきたら……一緒にBBQとかしましょう!……だから、そんな寂しそうな表情しないでください!」

京太郎「え?……俺、そんな顔してたのか?自覚無かった……」

自分では普通に戻ったつもりだったのに……そうなっちまうってことは、いまだに郷愁が強いのかも知れんな。
……いかんいかん、これ以上マホちゃんに心配をかけたら男が廃る、深呼吸だ、深呼吸。

京太郎「スー、ハー……ん、もう大丈夫だ。だから心配いらないぞマホちゃん、なんかメシでも食おう」

マホ「は、はい!実はマホお腹ペコペコでしたぁ!」

元気に返事してくれる彼女のおかげで、俺もそれを分けてもらえる気持ちになる。
これからの生活を支える為に、商売はちゃんと頑張ってやっていかなきゃいけない……宣伝はしたし、勝負はここからだな。

大星「そうさな、過去に思いを馳せるのは悪いことではないが、今はそっちを優先すべきだな。頑張れ使い手よ」

もちろんだとも……もう逃げないんだからな、俺は。
そう大星の剣に再度誓って、今日はもう閉店の表札にしておいた。
明日こそが、俺の本気を見せようじゃないの!


なお、次の日の玄々。新聞の記事で一面を飾ったのは、抱き合う俺と一さんのショットであり、それで人里は話題で持ちきりになったとか……やっぱりマスコミってのはよ……怖い生き物だ。

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     〃{   .}: :.:.{ :|::::i:>...      イ/.:.:/i:,′:.::.八 : .l  乂 ___ )    ._ノ         (__ノ
     {:i.:{   ハ:.:.:V :::|l:.:.:.}:.r } ̄ __ ノ/:.:./:./:.:.:.:. ::i{: . . {
.    八从 ,: .∧ :.{:::::リ::::::ノ 入_/'i{  /ィ /::/:.:.:.:. /::{:. . . .
       ∨ .:.:.:.\V‐≦ムイ  /》___.ノイ 7:.:.:.:. /廴:.. . .八
       /;..:.:.:.:.:./ \}!  r‐〉ォ´ ̄  }ノ /::.:.:.:./  , ヽ: .∧
.      /:/ .:.:::::/  ノ{{   '介′   i{ ./::.:.:.:./  /  ∨. ∧
     ノイ ..:.:.:./! く 廴. / .|乂 __人/::.:.:.:./   /    i: : . .:.
    __ノ/ ..:..::厶}/  \ ノ{ /j__ 斗-/::.:.:.. / i /      {: : . ∧


【next Phantasm】

淡は外の世界で面識あったけど、ネリーはどうなんだろう?
ネリーは咲と対局してるし、その辺りの繋がりで面識あったりするのかな?

といった所で今回の投下を終了します。

やっぱ手が進まない……早く良くならない物か……。

次回は明後日になります(仕事の都合上)

それではまたお会いしましょう。

>>310
面識は無くはないのですが、咲や淡より薄いですね。
この京ちゃんは全国終わってあまり経ってないくらいの時期の人なので。

でも確かこの世界に来たことで元の世界の京太郎は存在しなかったことになってるんじゃなかったっけ?

>>314
理由を言ったらネタバレになってしまうので、お答えできませんが……紫枠の人が唯一手を出せないのがハギヨシさんですので、彼だけは覚えています。
……強いてヒントを言えば、麻雀郷は東方の幻想郷を元に作っているため、それと同じ性質も持ち合わせています……というところでしょうか。

幻想郷の賢者さんも色々黒いが、麻雀郷の賢者さんも相当やね
忘れられた者を引きずり込んで、そいつを利用して強制的に外の存在を忘却に追いやるとは

続き来てたのか乙どす
香霖堂買ってきちゃったよこれが>>1のマーケティングの力……

どうもお久しぶりです

>>316
それが賢者のやり口ですからね、頭が良く回りくどく胡散臭い(そして少女だ)

>>317
私もマーケティングが功を奏したとは……嬉しい限りです(歓喜)

それでは書き始めていきます

須賀京太郎 麻雀郷生活七日目

昨日は散々だった……一昨日の広告によりこの店の事はしっかり伝わったが、同時に俺と一さんがそう言う仲であるとの疑いが出たと麻雀郷中に伝わったのだから。
そのため、確かにお客さんは来たのだが逐一そのことを聞かれ、追求され、持て囃された(野次馬根性甚だしかろうよ、しかも来たのは女子ばっかりだった)
なんとかそれらを捌きながら一日を終えたが……売り上げはでたものの、冷やかしも多かった。

大星「まぁ、掴みはこれで良かろう。ここから少しずつ認識を変えていけばよい、今は目立ってなんぼだぞ?」

わかってるんだが……でも、この目立ち方は良い物とは言いがたいんじゃないか?
そう大星の剣に頭で伝えながら、カウンターに座りため息をつく俺。
因みにマホちゃんには今回はお使いを頼んでおいた、その内容は俺と彼女の食料や水など生活の必需品の購入だ(パッと見幼い女の子だが、力は妖怪だから俺が行く必要はあまりない)

大星「実際客足が増えたのだろう?あの天狗には感謝せねばな」

……確かに現状を打破する足がかりにはなってくれたのだし、玄さんには感謝しなくちゃな。
「ありがとう玄さん!!」……と心で感謝をした後、俺は立ち上がる。
このままカウンターに座っていても特に何もなさそうなので、適当に商品整理でもしようと思ったのだ。
と、ここで店の扉が開く……ここで客とはバッドタイミングだな、泣けるぜ……いや、何言ってるんだ俺は。

???「須賀、失礼するぞ」

京太郎「いらっしゃ……おお、貴女でしたか」

ドアの方へ目を向けると、昨日客としてやってきた内の一人である知り合いにそっくりな人物がいた。
その知り合いとは、あの南大阪の名門である千里山高校の大将……。

京太郎「昨日以来ですね、『清水谷』さん。良くいらっしゃいました」

竜華「別にそこまで畏まらなくて良いんだがな……まぁ、お邪魔させてもらう。ここは古いものが多いから興味深いんだ」

そう、あの『清水谷竜華』さんだ。
外の世界にいた時のインターハイ、その会場で泣き腫らしている彼女を見つけて心配になって話しかけたのがきっかけで、仲良くなった相手だ。
関西弁で話し、基本的には元気で明るく、しっかりしている様で少し天然で抜けている……そんな可愛らしい人だったな。
しかし、こちらでの竜華さんは標準語で中性的な話し方だし、基本的真面目で凛とした表情をしている。
頭には頂に赤いリボンをつけた六面体と三角錐の間に板を挟んだような形の青い帽子を乗せている。
衣服は胸元が大きく開き(こう言っちゃなんだがエロい)、上下が一体になっている青い服で、袖は短く白、襟は半円をいくつか組み合わせ、それを白が縁取っている。
胸元に赤いリボンをつけていて、下半身のスカート部分には幾重にも重なった白のレースがついている……それがすごく長い。
なんとも真面目なのか大胆なのか……不思議なファッションである(まぁ巫女が腋を出している世界だから仕方ないか……)

京太郎「そうでしたか、是非ごゆっくり見ていってください。ウチは客は大歓迎ですからね」

竜華「客じゃないのが店に来るのか?」

京太郎「ええ、紅白巫女や黒白魔法使い(シーフ)等、客とは言いがたい部類の存在がいますので」

竜華「……ふむ、大変そうだが応援しているよ」

俺の言葉に納得したのか、清水谷さんは微笑むと店内の商品を見て回り始めた。
……実は彼女、俺が外来人であることを既に知っているらしいのだが……どう知ったのだろうか?
おそらく能力の関連かな?他人の思考や記憶を読み取るとか、この世界なら普通にありそうだ。

大星「我が既にそうであろうが」

確かに。



京太郎「……清水谷さんはかなり歴史とかお好きみたいですが、何か理由がおありなんですか?」

竜華「ん?そうだな……昔から単純に好きなのもあるが……今は人里の者たちにも麻雀郷の歴史を知っておいてもらいたいと『寺子屋』もやっているものでな、それ一つの要因なんだ」

寺子屋……今で言う学校みたいなものか。
女教師清水谷竜華さん……。

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外の竜華『さぁ、皆授業やで?先生の言うこと聞いてな~。あっ、ちょっ、ちゃんと聞いて!スカート捲らんといてぇ!』

京太郎「……良いな」

竜華「? 何が良いんだ?」

京太郎「あ、いえ、なんでもございません」

竜華「ん?ああ、分かった?」

……多分この反応から見て、先ほどの思考を読み取ったりとかの路線はなさそうだな。
読めたのならこの煩悩丸出しの思考に対して色々言われているはずだからな(彼女は頭突きが得意技らしいので、真っ先に飛んできたかもしれない)
それからは黙って真剣に骨董品たちを見ている清水谷さん、中には縄文とか弥生とかの土器があったり、価値が分からない絵とかが在ったりする(値段付けは大星の剣に頼んだ)
しかし、そう言うのよりも茶碗とか湯のみとかの入れ物とか、石炭ストーブとか、伐採用の斧やまさかりとか……実用的なほうが好んで買われており、清水谷さんみたいな客は本当に貴重だ……大事なので仲良くしなくてはいけない(まぁ、関係なく彼女が友好的なので仲良くしたいんだが)
そう考えているといつの間にか、表にある商品棚以外の棚にまで手を伸ばしていた清水谷さんが妙なものを発見してきた。

竜華「須賀、これはなんだか分かるか?」

京太郎「はいはいなんで……ああ、それは……」

竜華「円盤状で、キラキラしていて、その上日本語で外人ものだとか素人だとか書かれている……どんなものなんだ?」

……それはですね、外の世界の紳士諸君ご用達の『AV』っていうエッチのDVDです……とは言えない(パッと聞き理解できなくても、解説を求められたら詰む)
目を輝かせて興味津々なあたりは、外の清水谷さんを彷彿とさせるが、彼女同様その精神を汚してはならない。
俺は眼鏡(伊達)をクイッと直した後、すまなそうにこう答えた。

京太郎「……実は俺も知らないものでして、説明は出来かねますね」

竜華「ああ、そうだったか……外の物のようだし、お前なら知っていると思ったんだが。仕方あるまい」

彼女は残念そうにそれを元の場所に戻した。
しかし、俺はあんなもの商品として出した覚えないんだが……まさか、マホちゃん?
いや、彼女は純粋な娘だ、そんな事はすまい(まして外の記憶があるから、確信犯ってことになる)
多分淡あたりだな……内容が良く分からないものだからと拾ったものをここに突っ込むことはありえる(肝が冷えたぞ)

竜華「ふむ、色々見てきたが。今回はこれらを買うことにした」

京太郎「土器と金たらいですか、なかなかお目が高い。存外麻雀郷にはそう言うもの少ないですからね、貴重品です」

竜華「そもそも金属製品はそこまでないし、こういう古き歴史のあるものは中々お目にかかれるものではない……この店くらいだろうな、取り扱っているのは」

京太郎「でしょうね」

結果として彼女は最初に見ていた土器と、生活用品の欄にあった金たらいを購入した。
土器は授業で、金たらいは洗濯の時使うんだそうだ(俺も分かってるが、こっちでは手洗いしかないから大変なんだよな)
満足いった買い物が出来た様子で「また今度来るからな」と笑顔で帰っていった、これこそ店をやっている人間の醍醐味って奴だよ。
そして、俺は再びカウンターに座ってまったり客を待とうとしたら、再び店の扉が開いた。

一「やぁ、京太郎。元気にしてるかな?」

京太郎「あ、一さん。いらっしゃい」

一「ふふふ、さっき人里の寺子屋の教師とすれ違ったよ。ちゃんと客がいるみたいで安心した」

入ってきたのは、一昨日色々あって口付けを交わしてしまった国広一さんだった。
彼女はどうやらあの記事による騒ぎで、客がちゃんと入っているのか心配してくれていたみたいだ。

京太郎「ええ、おかげさまでそれなりには来てますよ」

一「どうやらボクの初めてを捧げた価値はあったみたいだね♪」

京太郎「うっ、その節は本当にすいーーーー」

女の子の口から初めてといわれると、どうもその責任が重く感じてしまう……もし外の一さんにあんなことした暁には、ガチで責任取らなくてはならないだろうしな(主に透華さんへの土下座とか)
そう思って謝る旨を伝えようと彼女に話そうとして、唇に人差し指を当てられた。

一「謝らないでよ、ボクが誘ったんだから。それとも女に恥をかかせたいのかな?京太郎は」

京太郎「……」

大星「おい使い手よ、これはまた誘われているのではないか?」

違う、そうじゃない(by鈴木雅之)
これはあくまであの場を治める為に、自分が自らの意思で身体を張っただけなのだから、謝るのは寧ろ無粋だと言っているだけなんだ。

京太郎「わかりました、じゃあその節はありがとうございました。とても気持ちよかったです」

一「----へっ?」

京太郎「ん?……あっ」

俺は何を言っているんだ(錯乱)
これじゃただ貴女とのキスで感じた変態ですって言ってるようなものだろ(事実だが)
しかし、言ってしまった言葉は取り消せない……一さんは俺から顔を背け、自分のもみあげをいじっている。

一「そっか……ボクダケジャナカッタンダ……」

京太郎「は、一さん?」

一「あ、いや、なんでもないよ!それでね、今回は少し相談があってきたんだ」

京太郎「……相談?」

少し頬が赤い一さんに、突然はぐらかすように話題が転換されてしまったが、どうやら今回は相談があってきたんだとか。
どういうことなのか、彼女は俺よりいろいろ出来るし、ぶっちゃけ自力も上だと思うんだが……。
そう思っていると、一さんは俺の手を取ると、突然外まで引っ張り出した。

京太郎「ちょっ!一さんなにを……あれ?」

一「……見えるよね、京太郎」

空が一部分だけ曇り雨が降っている、何でこんな事になっているのだろうか……それは分からないが、方向はわかる……紅魔館がある霧の湖の方向だ。
俺は一さんの顔を見ると、真剣な表情で言ってきた。

一「手伝ってほしい、あの子の……『妹様』のお相手を……」

俺は一さんがこう言う表情をする時がどう言う時か知っている。

BGM UNオーエンは彼女なのか?(オルゴール) https://www.youtube.com/watch?v=Xs5vFiFuywc

???「ねぇ、誰かいないのかな?私とアソボウ?」

面倒なことが起こった時、透華さんが冷えた時……そして。

衣「ねぇ、アソボウヨ……ねぇ……」

『かつての天江衣』と相対した時……。

【next phantasm】

といった所で今回は終わりです。

次回から紅霧異変(EX)編となります。

孤独な吸血鬼天江衣と孤独を克服しつつある京太郎。

二人の出会いはどんなことになるのか、次回をお楽しみに。

次回は明日の昼ですかね。

それでは仕事行ってきますノシ

乙です
一ちゃん可愛い!いいぞもっとやれ!
さて、次は誰とキス(とか、それ以上の事)をするのだろうか
君は誰とキスをする?♪(トライアングラー(以上)的に)

こんにちは!

昨日は結局バイオスレに躍起になって、書かなくて申し訳ない。

それでは書いていきます

紅霧異変 EX

一さんに連れられて、透華さんが主をしている紅魔館にやってきたのだが……。
先ほど遠くから確認したとおり、館を中心に霧の湖周辺上空が雲に覆われ、大雨が降っている。
多分前のことを考えると、また白望さんの仕業だろうか?……ただ気になるのが。

京太郎「なぜ館周辺に雨を?」

一「んー、それがね……閉じ込める為なんだよ、『妹様』が外に出ないように」

……閉じ込める、とはどういうことだ?
確かに雨が降ってると外に出たいと思い辛くなるだろうが、別に出ること事態は可能なのではなかろうか?

大星「使い手は知らぬ様だな、吸血鬼は流れる水というものを弱点の一つにしている。だから、雨を降らせれば確実に外に出られなくなる」

あ、そう言うことなんだ!一つ勉強になったぜ……まぁ、強いて解せない事を上げると。

京太郎「……その妹様が出られないのは分かりましたけど、これだと透華さんもあんまり良い気分しないのでは?」

一「ああ、安心してよ。透華お嬢様は今宮永神社に遊びに行ってるからね」

京太郎「なるほど、それなら問題なさそうですね……透華さんが館に戻れなくなりましたけど……」

一「あ、あはは……だからなんとかしてほしい!って巫女である咲に頼んだんだけど「妖怪の頼みをいちいち聞くわけないじゃない」って断られたんだよ。それで近くにいたボクに白羽の矢が立ったんだけど、ボクだけじゃ妹様をなだめるには力不足なんで、それで京太郎を頼ったんだ」

……つまりあれか?透華さんが宮永神社に行く→妹様が外に出そうになったから雨を降らせた→結果透華さん帰れなくなり咲に原因解決を頼むが断られる→一さんが行くことになったが、自分だけじゃ心もとないから俺も誘った(今ココ)ってことなんだな?
ともすれば巻き込まれた形だが……まぁ、知り合いが増えると考えれば良いことではあるのか。

大星「しかし分かっているか、使い手よ。閉じ込めなければならないほどの相手ということは、相当の危険人物ということになるぞ?」

あ、そう言うことになるのか……どんな相手かは聞いてなかったっけな。

京太郎「妹様はってどんな人ですか?」

一「ああ、そうだね……見た目はまさに君が知ってる衣だよ。だけど性格は衣よりはっきり子供っぽいよ、同時に情緒が不安定なんだけども」

京太郎「そりゃまた……厄介そうな人だ」

天江衣さん……龍門渕の大将で、咲をかなり苦しめた相手だ……まぁ最後には勝ったんだが。
俺も彼女とは知り合っている、主にハギヨシさんつながりからなのだが。
ただ、やっぱり外と麻雀郷では内面が違うらしい……注意しないとな。

湖を通るときいろんな妖精たちが楽しそうに踊っていた、きっと雨は自然にとって恵みだからなんだろうな。
そんな陽気な雰囲気な場所を通り抜けると、門の前で傘を差したハオの姿が見えた。
彼女は俺たちの姿を見ると、手を合わせて礼をしてきた。

ハオ「お、この間はどーも金髪の青年。それとお帰りなさいメイド長」

京太郎「どーも、ご丁寧に」

一「うん、ただいま門番。それより中の様子は分かる?」

ハオ「……先ほどからかなり爆発音が聞こえたり、光がチカチカしてますね。結構派手にやってるみたいです」

一さんの質問にそう答えたハオ。
どうやら中でこっちの衣さんが暴れているようだ。
残っているメンツを考えると、抑えてるのは白望さんなんだろうな(大丈夫だろうか?)

京太郎「急がなきゃいけなさそうですね、一さん」

一「そうだね、それじゃあここは任せたよ」

ハオ「言われずとも……あ、貴方の名前ってなんです?」

京太郎「え?」

不意に名前を聞いてきたハオ。
思い返すと、前回会ったときにはこっちが一方的に名前を知ってたってことを向こうに理解されてたんだっけ。

京太郎「……須賀京太郎」

ハオ「須賀京太郎……確かに覚えましたよ、またいずれお会いしましょう」

京太郎「……ああ、またなハオ」

そう言ったハオは笑顔で俺に手を振った。
俺はハオに手を振り返しながら、一さんと館内に入った。

BGM 魔法少女達の百年祭 https://www.youtube.com/watch?v=9dNjXOzTvhI

館内に入ると、メイド服を着た妖精たちが慌てふためいた様子で飛び回っていて、慌しい感じが伝わってくる。
まぁ、それもよく分かる……遠くから実際に爆発音も聞こえるわけだしな。

京太郎「これは混沌としてますね……」

一「普段は妹様……つまり衣は地下にいるんだけど、今日は何でか外に出ちゃったみたいだね」

地下か……吸血鬼だから光のない地下を住処とするのは別に違和感がないが、姉は上にいるのに妹は地下ってのも変だな。
……もしかして、普段から閉じ込められているとか?
外の世界でも天江さんは龍門渕の離れにある天江の別館にいさせられたりしてるし、共通項はあるな。

京太郎「何故地下に?」

一「透華お嬢様が言うには、能力が危険すぎる上に、精神的に情緒不安定だからそれを制御できてないから……らしいよ」

京太郎「ふむ……そうですか……」

ますます衣さん染みてきたな。

一「……遊び相手が欲しい……」

京太郎「え?」

一「……友達がほしいんだよ、外の衣も友達がいなくて孤独だった……だから、妹様も同じなんじゃないかな?」

京太郎「……友達……」

衣さんは咲が現れるまでは、本当の意味で孤独だった……ハギヨシさんもそう言っていたし、会場での麻雀の凄まじさを思い返せば、対等な相手が欲しくなるのも頷けるかもしれない。
自らと同じ目線、同じ領域、同じ境遇の者を求める……人間って存外そんなものだと思う……そして人に近い吸血鬼もまたそうなんじゃないだろうか。
……中学の頃の咲も……一人だったっけな……。

大星「ならば、どうする使い手よ?まぁ、おぬしならば答えなど決まりきっていそうだが……」

京太郎「……なら、俺が友達になります」

一「え?」

確かに俺はこっちに来たばっかりだし、最初は死にかけ、次はボロボロだった。
でもそんな俺でも、一人の少女の孤独に、一歩足を踏み入れるくらいはしてもいいんじゃないか?
あの時のように、お節介でもなんでも……手伝いに入るならばそれくらいしたって許されるはずだ。

京太郎「俺、こう言うことに経験があるので……きっと役に立てると思います」

一「……うん、京太郎なら。京太郎の言葉なら、ボクは信頼できるよ」

俺の言葉に頷いて微笑む一さん、信頼できる……その言葉が胸にしみるぜ。
ならば、彼女の言葉にちゃんと報いなきゃな。

京太郎「……ありがとうございます。……行きましょう!」

一「うん!」

二人で先に進んでいく、妖精たちを避けながら真っ赤な館の中を。
しばらく進んだその先でフラフラ飛んでくる影が見えた。
それはあの白望さんだった、消耗してるのか疲れ気味のダルそうな表情だ(え?いつもの表情?)

白望「おお、来たの……でももう少し早く来て欲しかった」

一「白望さま、ご無事でなにより」

白望「負けたから無事とは言いづらい……ああ、ダルい……喘息の調子良かったから頑張ったんだけどなぁ」

どうやら雀幕ごっこをしていたみたいで、白望さんの服はボロボロだった……(いや、決してチラチラ見たりしてはいないぞ?)
喘息の調子が良かったって事は、前回会ったときは今より良くなかったって事なんだろうな。

京太郎「大丈夫ですか?」

白望「あ……ちょっといい?」

京太郎「えっ?あのちょっ?」

一「……白望さま?」

と、突然白望さんが俺の背中に抱きついた!
混乱する俺といぶかしむ様な目で見ている一さんをよそに、白望さんは俺の背中でこう言った。

白望「……実家の様な安心感……ダルくない……」

……この人、外の記憶なくても影響を受けてないか!?

大星「ふむ、面白い現象だ」

何ふつうに感心してるんだよ、お前はぁ!

というところで今回は終了。

次回は明日の昼になります。

それではまた……。

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          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ ダルッ
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            . .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、

             /∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧

「……次回はもっと出番があるといいな……ダルいけど……」

おつですー

シロはキスじゃなくても充電でもすれば幻想入りするんじゃないかww

乙です
逆に麻雀郷からの妖怪パワー?を外の世界で使っているので、外の世界のシロが影響を受けてる可能性

マホちゃんとか一ちゃんとかの幻想入り組って外の世界ではどうなってるの?

こっちのキャラにむこうの記憶が混ざってるだけ

>>337
>>315

どうもこんにちは

>>335
宮守女子のメンバー(エイスリンは違うかもしれませんが)は普通に妖怪がモチーフなので親和性高いですしねw

>>336
ないですね(たぶん)

>>337
>>338>>339が言ってくれていますが、一応改めて。
紫枠の方が外の世界で須賀京太郎の記憶を消し去っていますので、世界の誰も彼のことを覚えていませんし、認識もできません。
そしてその失われた記憶がどこへ行ってしまったのか……そこを元ネタの幻想郷と照らし合わせれば分かります。

では続きを書いていきます。

白望「ふむ、疲れてるのでとりあえずこのままでよろしく。妹様はこの先にいるから、なんとか三人で抑えようか」

一「それはかしこまったのですが……そんなに彼の背中は落ち着くんですか?」

白望「うん、落ち着く。さ、頼むよ金髪君。私をこの先へ運んでほしい」

俺の困惑をよそに、ドンドン話を先に進める白望さん。
一さんは一さんで、興味ありげに俺の背中を見ているし、どういうことなの……。
理不尽を受ける覚悟は常にしている俺だが、ここはせめてもの抵抗だと名乗っておく。

京太郎「俺の名前は須賀京太郎ですよ、お姫様」

白望「おひ……うん、悪くはないんだけどさ……京太郎ね、わかった」

一「……ふーん……」

普段言われなれて無い様な呼ばれ方をされると、人は動揺する。
経験上咲にこう言ってやった時も、かなり動揺してたっけな。
してやったりと思ったが……なんか一さんが不満そうだった、何故だ?

大星「(お前が)坊やだからさ」

ははっ、こやつめ。
まぁ、運ぶこと自体は白望さんが軽いので問題はないのだが。
強いて言えば背中にめっちゃやわらかいものが当たり、幸せな感触を俺が感じていることがあるくらいだ(感じてもしょうがないじゃない、男だもの きょうたろう)
そのまま彼女を背負い、一さんとともに先に進む俺たち。
前に館に訪れたときよりも遥かに物々しい雰囲気のなか、館の中が壊れている場所を複数発見した。

京太郎「これは……」

一「妹様がやった後だよ」

京太郎「妹様がこれを全部?……雀幕ごっこでですよね?」

普通に雀幕ごっこをしても、ここまで派手に壊れるか?というレベルで壁や柱などが抉れ、ひび割れ、ボロボロだ。
その疑問に対して、背中でリラックスしている白望さんが答えてくれた。

白望「貴方は知らないだろうから教えてあげる、あの子が閉じ込められる理由はある危険すぎる能力が由縁なの」

京太郎「危険すぎる能力……確か一さんにもその話は聞きましたけど、どんな能力なんです?」

白望「……『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』よ」

……えっ、なんだそのチートは(驚愕)
何かを限定的にじゃなく、ありとあらゆるものを破壊できるという制限なしの恐ろしい能力を持ってるってのか!?
……なるほど、それでそれが制御できないから危険だと判断して、透華さんは彼女を地下に置いたんだ。

京太郎「理由は良く分かりました……でもその閉じ込めによる、退屈とストレスで出てきちゃったんですね?」

白望「そうだろうね、無差別に「アソビマショウ」と誘っていたのよあの子。相当色々溜まっていたんじゃないかしら」

一「……でも気持ちはわかります、ボ……私が同じ立場でもきっとそうなっていたかもしれませんから」

京太郎「……」

相当難しい問題だ。
ありとあらゆるものを破壊する力を持つが故に閉じ込められ妹様、『天江衣』さん。
例えばそれを理解したうえで外にだしてあげたとして、制御できずに仲の良い人をうっかり破壊してしまったら?
……衣さんの心に深い傷を残すだろうな、でも閉じ込めるのも本当に正しいことなんだろうか?

大星「そもそも。正しいことなどあるのか?」

……ない……かもな。
でも、せめて皆が後悔のない選択を取れるのが一番ベストなんだ。
その突破口を……でなくても、そこに一歩でも近づければ……そう思う。

BGM UNオーエンは彼女なのか?オルゴールver http://www.youtube.com/watch?v=Xs5vFiFuywc

少しずつ先に進むたびに、館の壊れようは大きくなっていく。
これは修繕が大変そうだ……などと考える余裕など、最初はあったが……。

衣「……だれ?」

廊下の真ん中に佇み、かなりエグい絵面で……こう破裂したような状態で転がっている妖精らしき死体から俺たちに視線を向ける少女。
それは間違いなく天江衣さんだ。
服装は透華さんに似ているが、色合いは白と赤のカラーリング。
白いナイトキャップに真紅の服とリボン、スカートは一枚の布を腰に巻いて二つのクリップで留めている、姉のロングスカートに対してこちらはミニスカート。
背中には七色の宝石のようなものがくっついている、不思議な翼が生えている(これだと飛べなくないか?とも思ったけど雀力があるんだし、問題ないか)
髪型は衣さんには珍しくサイドテールにしていた。

一「……妹様、一でございます」

白望「どうも、戻ってきたよ。妹様」

衣「あ、一に白望だ!ふふ、これで少しは退屈しないで済むかな……本当ならお姉さまとアソビたかったんだけどね」

先ほどまでの表情と打って変わり、一さんと白望さんを認識した彼女は、見た目相応の可愛らしい笑顔を見せた。

衣「それで……白望が乗っかっているのはなに?新しい使い魔とかかな?」

と、今度は俺に対して興味を示したようだ。
ここで人間と言わずに使い魔と表現したのは、この館には一さん以外人間なんていないからなんだろうな(あと、白望さんの足になってるからだな)

京太郎「いえいえ、俺はこの館のものじゃありませんよ衣さん。館の外から来た人間です」

衣「……え?人間!?私人間を初めて見たわ!」

あれ?この反応……もしかして、一さんを人間と認識していなかったのか?
いや、確かにそんじょそこらの妖怪より強い一さんを、そう認識するのは別に違和感ないのかな……。
そして、吸血鬼の館ではあるが、人間をそのままお出しする……なんて事はないだろうし、本当に見たことが無いんだろうな(妖怪の賢者との盟約は強い)

衣「ふーん、そっかぁ……貴方もアソビに来たのね?」

京太郎「ええ、その通り」

衣「あはっ、今日は三人と遊べる!しかも人間と出会えたなんて、素晴らしい日ね!」

俺の答えを聞き、満面の笑みを浮かべる衣さん。
よほどアソブのが好きらしい、まぁアソビの方法は決まっている様子だが。

衣「それじゃ、アソビマショウ。もちろん雀幕ごっこで!」

京太郎「ええ、分かりました」

一「畏まりました」

白望「ん、良いよ。ルールは三対一で使用闘牌は妹様は持っている数だけ、私たちは5つ以下に制限。持ち点は全員25000点、東風戦で構わない?」

衣「問題ないよ」

三対一……相手が強者だとは分かってはいるが、三人がかりでないといけないほどの相手とは……。
実際ルールを掲示されても眉一つ動かさず、本当に問題なさそうに彼女は答えた、よっぽど自信があるのだろうな。

大星「ふむ、気をつけろよ?相手は先ほど聞いたとおりの力を持っている、迂闊に破壊されんようにな」

わかってらい、そんな事は。
だが、気をつけていてもその瞬間ってのは予期せぬタイミングで来るものだから普通どうしようも無いだろ。
そんな風に考えていると、衣さんは先ほどのからの笑みから、狂気的な笑みに変貌し、サイコロを握り潰しながら放った。

衣「フフ、フフフフフ……せっかく面白くなりそうだからさ……簡単には壊れないでよね!!!」

七色の宝石を揺らしながら宙に舞う衣さんは手に持ったスペードのような形の先端をした、グネグネ曲がった棒を俺たちに向けて、こう言い放った。

衣「貴方たちがコンティニューできないのさ!!(お前たちの命脈も尽き果てる!!)」

京太郎「----ッ!」

一瞬、外の彼女と目の前の彼女が重なった気がした。


といった所で今回はおしまい。

次回から衣戦スタートです!

初の四人バトル(三対一ですが)の幕が開く。

京太郎は彼女を満足させ、友達になれるのか?乞うご期待。

では仕事行ってきます!

              /  /   /'´           `\ \.   ∧
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       /      / /  \{ .乂zク :::::|./:::::'/'///'/ ./ /,イ ./ /'     \
      /        / /   |ハ      ´     ´  厶イ  ////           \
    ./         / /   .!.∧             / i! /' /'.\          \
  /         / /     |'  \   `   ´   /  |      \          \
./          / /     ハ   `i::....    ....イ   .l       \          \

「さぁ、皆でともに興じよう……幻想のアソビを……」

元ネタのマルクは弱いのに妹様はとんでもねー強さだよねぇ
ゲーム下手な俺でもマルクは闘技場ノーコンでクリアできる程度だが、妹様とか勝てる気がしないわ

ミニスカころたん…

あの特徴的な羽根が生えたころたんか…
支援絵だれかはよ

スマホから

>>347
確かに共通点は多くありますけど、元ネタではないと思いますよ?(マジレス)

>>348
いいよね!(グッ

>>349
私は画力ないから無理ですが……書ける人がいたらすばらですねw

と、今日は今から出かける事になってしまったので、投下なしになってしまいました、申し訳ないorz

明日は書きます(宣言)

ではいってきまーす!

オハヨウゴザイマス、メインシステムヲキドウシマシタ

それでは書いていきます

BGM U.N.オーエンは彼女なのか? http://www.youtube.com/watch?v=ihR7E6qNZ6c&spfreload=10

空を舞った衣さんは、その特徴的な羽根を揺らしながらニヤリと笑うと、大量の雀幕放った。
その雀幕の厚さと、伝わってくるパワーは圧倒的で、時を止めたりする一さんの雀幕すらまだ可愛く感じるほどだ。

京太郎「なんとか隙間を掻い潜っていかないと!」

白望「それももちろんだけど、こちらも当てていかないと……」

一「せっかく三人がかりで許されているんだし、ここは攻めて短期決戦を狙うべきだよ、京太郎」

そうか、彼女は一人だが俺たちは三人。
数なら上なのだから、力は向こうが上手でも物量ならこちらも圧倒できるはず。
俺は回避だけでなく、必死に雀幕を衣さん目掛けて撃っていくようにした。
白望さんの魔法、一さんのナイフも放たれ、あたりを埋め尽くすほどの物量になる。

衣「アハハハハハハ!!そう、アソビはお互いに楽しまなくちゃね!!」

身体に俺たちの雀幕が当たりながら、狂ったように笑う衣さん。
手を広げながら無数の弾を撃ちながら、クルクルと回っている。

大星「流石に鬼の一種だな、痛みなどほぼ意に介さないか」

雀幕に殺傷能力はないが痛みとか衣服にダメージが入ったりとかはある、実際に体感している俺としても優希の氷は冷たく鋭い痛みがあったし、一さんのナイフは実物が刺さったんじゃないかってほどの痛さだった。
それでも彼女はそんなもの大したものではないとばかりに笑い、ただ純粋に目の前のアソビを楽しんでいる。
だが当たっているって事は持ち点は減っているってことだ、なら使ってくるはずだ、アソビをもっと長く楽しむ為に。

衣「……そろそろいこっか、禁忌『クランベリートラップ』!!」

案の定衣さんは手に握った闘牌を使った。
その牌に描かれたのは、血濡れの果実……それが雲散霧消したかと思うと俺たち三人を挟むように魔方陣が生成され、そこから雀幕が放たれる。
最初はゆっくりだった……しかし魔法陣の数が増え、俺たちの周りを回転し始めるとスピードが上がってきて気が付いたら俺は完全に追い詰められていた。

京太郎「トラップの名に恥じないですね!これは!」

一「下手に流れに身を任せないほうが良い!たまに逆らう位で無いt----グフッ!……それでも完全に避けれるものではないけどね……」

白望「こう言うタイプはあまり好きじゃないんだけど……動くの苦手だし」

衣「貴女もたまには動いた方がイイよ?だから良い機会じゃない!そう思わない!?そっちのお兄さん!」

京太郎「ノーコメントd----ゲフッ!」

確かに白望さんはもう少し動いた方が良いとは思うけど、動いたら動いたで白望さんでは無い気がするな……(故にノーコメントで)
にしても文句を言いながら被弾しない白望さん、流石に経験者ってところだな。


一「むむ……これはキツイ……悪いけど先に使わせてもらうよ!」

京太郎「あ、はい!寧ろお願いします!」

一さんはかなり持ち点が減ってしまっているらしく、急いで闘牌を取り出した。
俺も食らってはいるが、そこまで持ち点は減ってないから焦ることはない。

一「幻符『殺人ドール』!!」

かなり物騒な名前の闘牌を使用した一さん、牌には血塗れのナイフを持った人形が描かれ壊れた。
一さんはナイフを持って高度を上げると、そこから一気に大量のナイフを手の尽くす限り投げつける。
クランベリートラップと相殺になる……だから俺たちも助かると思っていたのだが、どうやら雀幕の厚みが違いすぎて俺や白望さんまでは防がれていない。

白望「うう、複数人のデメリットがこれなのよ……闘牌中に闘牌を使うと軌道がずれてわかりずr----むきゅっ!」

京太郎「し、白望s----グハァッ!」

一「……なんか、本当に申し訳ないね」

衣「あははっ!おっもっしろい♪」

まさかそんなデメリットがあるとは……おかげで俺はもちろん、軌道を知っていた白望さんまでボコボコにされていた(これはひどい)
しかし、一さんを生かすため……必要な犠牲なのだ……!
クランベリートラップが終了し、今度は通常雀幕をおかしい物量で撃ってくる衣さん。
一さんがまだ殺人ドールを使っていようがお構いなしだ(こう言うところは素直に怖い)

京太郎「くっ、こうなりゃ俺も使うしか……!」

白望「ん、私が楽になるし……頼むわ」

京太郎「はい!薙剣『須賀の型』!」 」

俺は須賀の型を使い、一さんの殺人ドールに重ねる。
二つ同時なら、いくら衣さんの雀幕が厚かろうと白望さんを防御しながら攻撃も可能だろう。

衣「へぇ……お兄さん剣が使えるんだね、じゃあ私も対抗しよっかな」

須賀の型を見て衣さんは新たな闘牌を取り出した。
アソビ故に趣向を凝らそうと考えているのか、まだ持ち点は残っているだろうはずだがドンドン使うようだ。

衣「禁忌『レーヴァテイン』!!」

彼女がその名を叫ぶと、牌に衣さんが先ほどから持っている謎の棒が描かれた後雲散霧消。
すると彼女の手にあった棒の形が変化、レーザーを放つ剣のようになり、それを薙ぎ払ってきた。
だがその規模はでかく、須賀の型よりも遥かに脅威であった。
剣に加えてそこから更に雀幕が放たれ、俺たちの生存圏はどんどん減っていく。

京太郎「これが……本当の強者の力……!」

大星「怖気づいたか?」

京太郎「……んなわけないだろ?寧ろ……」

最初は単純に強いってことがあんまり理解できなかったが、今自分と衣さんの差をありありと見せられた。
だから分かる、普通に一対一なら勝てそうにないレベルの相手だ。
でも何故だろう……気分が高揚している。
強い相手と戦うのが楽しいと思える。

京太郎「盛り上がってきたぜ……!」

大星「ふふふ……そうか、それで良い」

衣「むぅ、お兄さん……私より楽しそう、私も楽しませてよ!!」

京太郎「ええ!もちろん!」

ふむ……自覚できる、俺もすっかりこの世界の住人になってきたみたいだな……。
こんなにも雀幕ごっこが楽しいのだから。

とここで切ります。

最近投下しなくてすみません(やはり一度休むと安価とちがってゆるく考えてしまいます)

今後も不定期ではありますが、なんとか最後までやって行きたい所存。

ではまたいずれ……。

どうも、こちらでは久方ぶりすぎる>>1です。

どうもモチベーションが上がらず、このスレに全く手がつかなくなってしまったのですが……。

最近東方関連でのモチベが上がる事象があり、なおかつ待っている人がいるということで、エタらせるかどうかをずっとずっと悩んでいたこのスレですが……。

ーーーーーー『完全にリメイクすることにします!!!(安価で)』----------

一度広げた風呂敷を畳み、色々変化させた上で、より綺麗に広げられるようにしたいと考えています。

と言うわけで、このスレのHTML化依頼をしてこようと思います(待ってる人たち声を聞いて、悩んでる暇なんぞないとやっとこ思い至りました)

結構内容を変化させちゃうと思いますが、『咲-saki-×東方project』の作品ってことは変えないで行きます(今度は東方側のキャラにもちゃんと出演してもらうつもりです)

今まで黙ってほかの事をやっていて、本当に申し訳ありませんでした。心よりお詫び申し上げますorz

では、今度は『麻雀郷』ではなく……『幻想郷』でお会いしましょう。

待っていてくれた人、ありがとうございました、また会う日まで……さようならノシ

安価ってマジか
しゃーない乙ですわ

紺珠伝も出たしね
誘導はするのか?

チラッ

>>376
真に申し訳ないです

>>377
立ててから誘導するつもりですので、それまではHTML化依頼はしない予定です。

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