御子柴「……」柏木「……」 (33)

となりの柏木さん×月刊少女野崎くん

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御子柴(ついに来たぜ……アニメヘブン◯×店!!)

御子柴(敢えて家に近い◯◯店を選ばなかったのには理由がある……ほかのやつに会うからだ!)

御子柴(ここら辺に住んでるやつはいねーはずだ……知ってるやつに会うことはない!)

御子柴(これで心おきなく店内を回れるぜ!!)

柏木(やっぱり……◯×店は広いなぁ)

柏木(えっと……フィギュアコーナーは……あった!!)

柏木(ええと……『ガジェット☆メイド』、『ガジェット☆メイド』……)

柏木(……あった! この店舗でしか売ってない限定フィギュア!! 買おうっと!)

ピタッ

柏木(……あれ? 誰かの手が触れ……)チラッ

御子柴「……」

柏木「!」

柏木「あの……」

御子柴「!!!」

柏木「もしかしてこれ……買おうとしてましたか?」

御子柴「……おい」

柏木「は、はい……?」

御子柴「……誰に口を聞いてんだ? 永遠のラブハンターのこの俺に気安く話しかけようなんていい度胸じゃねえか……普段の俺ならお前を食っちまうところだが……」

柏木「?」

御子柴「……今日は見逃してやる!!//////」ダッ!!!

柏木「あっ……」

御子柴(あんな美少女と二人きりで話せるわけねーだろ!!///)

柏木(……行っちゃった)


御子柴「……」

柏木「……」

御子柴(おいおいおいおいおい、ここはアニメヘブンだぞ!? あのアニメヘブンだぞ!?)

御子柴(なんでそんなアニメヘブンとは無縁の……リアル美少女が……)

柏木「……」

御子柴(なんで俺の目の前にいるんだよぉ!?///)

柏木(草野くんと同じ髪の色の人だ……)

柏木(……なんで顔が真っ赤なんだろう)

御子柴(くっ……思わず店から出てきちまった……あんなこと言った後でまた現れるのも恥ずかしいし……)

御子柴(……くそぉ!! なんでまともに話せねーんだよ俺はよぉ!!)

御子柴(くっ……ここまで来るのに交通費も結構かかったからな……手ぶらで帰るわけにはいかねえ)

御子柴(もう一度入って……違うコーナーに行こう)

柏木(あの人……結局なんだったんだろう)

柏木(さっきのはなんかのアニメの台詞なのかな……あとで調べよう)

柏木(えっと……フィギュアの次は……漫画だね)

柏木(確か漫画のコーナーは……)

柏木(……あった! 『ガジェット☆メイド』の漫画版!)

ピタッ

柏木(……あれ? また誰かの手が……)チラッ

御子柴「……」

柏木「!」

御子柴(なんでなんでなんでなんでなんでなんで)

柏木(さっきの人……)

柏木「あの……」

御子柴「は、はい!?」

柏木「すいません……また……」

御子柴「あ……いやいや……別に……」

柏木「その……どうぞ……」

御子柴「いやいや! そちらこそどうぞ!」

柏木「いえ、もう一冊あるので私はそれを……」

御子柴「……」

御子柴(やべえ、可愛い)

柏木(気のせいかもしれないけど桜庭くんと同じ雰囲気がする……)

御子柴(しっかしなんでこんな美少女がここにいるんだ? オタク美少女は二次元だけの話じゃなかったのか?)

御子柴(……ああ、そうだ。 野崎みたいに漫画の資料のためとかいう変な理由でここにいるやつもいるしな、きっとそんな感じだろ)

御子柴(それにルックスはいいけど髪染めてるしな……俺の理想の清純タイプとは違うな)

柏木(この人、さっきから1人であたふたしてる……)

柏木(……離れた方がいいのかな?)

柏木「……」スッ

御子柴(あ……やべえ、お礼言ってなかった)

御子柴「あ、あの!」

柏木「は、はい?」ピタッ

御子柴「あ……あ……」

柏木「……?」

御子柴「……アニメ好きですか?」

柏木「!!」ビクッ

御子柴(何言ってんだ俺はああああああああ!!!///)

御子柴(やべえよ……いきなり見知らぬ人にアニメ好きかどうか聞くやつがどこにいるんだよ! こんなミス、ギャルゲーの主人公でもしねぇぞ!)

御子柴(ああ……きっとこの人は変な目で俺を見るか、その場から走って逃げるか……)

柏木「……はい」

御子柴「!!!?」

柏木(な……何を言ってるの私!?)

御子柴(は、『はい』……『はい』だと!?)

御子柴(この『はい』は……アニメが好きかどうかという質問に対する『はい』か!?)

柏木(な、なんでいきなりこんなこと聞いてきたんだろう……)

柏木(でもうっかり答えちゃった……)

柏木(このまま去ったら変な人って思われるかな……)

柏木「あの……」

御子柴「!」

御子柴(そうだ、これで聞いて終わりじゃ失礼過ぎだろ! こうなったら話を……)

御子柴「えーと……『ガジェット☆メイド』とか好きですか?」

柏木「はい! 大好きです!」ズイ

御子柴(めちゃくちゃ食いついてるじゃねーか!!///)

柏木(……! 私、つい……)

御子柴「お、俺も……『ガジェット☆メイド』大好きなんです!」

柏木「本当ですか!?」

御子柴「俺が好きなのはハカセなんですけど……」

柏木「私もハカセ好きです!」

御子柴「マジッスか!?」

柏木「あと、第6話の作画見ました?」

御子柴「あ! 見た! 終盤は神作画でしたよね!」

柏木「凄いですよね!」

御子柴(やべぇ……自分でも信じられないぐらいスラスラ話せる!)

柏木(……はっ!!)

柏木「……」

御子柴「ん?」

柏木「ご、ごめんなさい……私、つい興奮しちゃって……」

御子柴「……謝る必要なんかねぇよ」

柏木「でも……」

御子柴「お前はもう喋り続けるしか道はねーよ……何故ならお前は……俺のラブ・テリトリーに入っちまったんだからな☆」

柏木「???」

御子柴「//////」

柏木(これも何かのアニメの台詞なのかな?)

御子柴「え……ええと……『ガジェット☆メイド』は何がきっかけで?///」

柏木「あ、ええと……毎期アニメをチェックしてて……それで面白そうだなって……」

御子柴「な、なるほど……」

柏木「……同じですか?」

御子柴「あ、ええと……俺はある絵師をきっかけに知って……」

柏木「……絵師?」

御子柴「sayaneさん……って人なんすけど……」

柏木「!!!」

御子柴「俺、あの人のファンで……ピクティアは欠かさず見ていて……」

柏木「はぁ……」

御子柴「いや、あの人はマジで神っすよ!この間のガルプリのイラストもめちゃくちゃ可愛くて……」

柏木(そういえば、この間描いたんだった……)

御子柴「あの人、漫画家になってくんねーかなー……絶対読むのになぁ〜……」

柏木(桜庭くん以外にも……私のファンの人に会うなんて……)

柏木「……」

御子柴「……はっ!」

御子柴(や、やべえ……引いてるか?)

柏木「その人……漫画家にはならないと思います……」

御子柴「え、ええ!?」

柏木「あ……ご、ごめんなさい!」

御子柴「……そうだよな……」

柏木(どうしよう……私、つい自分のことを言っちゃった……)

柏木(私のせいで……この人を傷つけ……)

御子柴「……なんて俺はワガママなことを言ってたんだ」

柏木「え……?」

御子柴「sayaneさんの絵が見れるってだけでも素晴らしいことなのに……何をワガママ言ってんだ俺は! 気づかせてくれてありがとうございます!!」

柏木「は、はい……」

御子柴「あの……好きな絵師とかいますか? あとは漫画家とか……イラストレーターとか……」

柏木「ええと……あっ、そういえば最近ある漫画家が気になってて……」

御子柴「漫画家?」

柏木「夢野咲子先生って……知ってますか?」

御子柴「!!!」

柏木「私、少女漫画はあまり読まないんですけど……あの人の作品は好きです!」

御子柴「……」

柏木「凄いなって思ったのは……『恋しよっ』でマミコが夢の中で沢山のバラに囲まれたシーンなんですけど……」

御子柴「!!!!」

柏木「あのシーン……2ページ分、バラが凄い描き込んでいて……私も絵を描くから凄い参考になってるんです!!」

御子柴「お、おお……///」

柏木「!! ど、どうしたんですか? 顔赤いですよ?」

御子柴「あ! い、いや別になんでも!///」

御子柴「い、いやぁ……それにしても『ガジェット☆メイド』はいいですね!」

柏木「そ、そうですね!」

御子柴「何がいいって……キャラグッズとかが腐に媚びてないところ!! いいっすよね!」

柏木「! ですよね!! そこも魅力の一つですよね!!」

御子柴(な、なんかさっきよりも食いついてるな……)

柏木(アンチ腐の人がここにもいたなんて……)

柏木「それにしても……こうやって話する人がまた増えたなんて……」

御子柴「ん?」

柏木「私……その……友達にしかオタクって明かしてなくて……こういう話をするのも1人だけで……」

御子柴「そ、そんな偶然が!!?」

柏木「偶然?」

御子柴「お、俺もなんすよ!! 友達にしかカミングアウトしてなくて……」

柏木「本当ですか!?」

御子柴「はい!」

柏木「……なんだか私達、似てますね」

御子柴「そ、そうっすね!」

店内のトイレ付近

福田「全く……折角空気を読んで二人きりにさせようと思ってトイレに行ったのに……」

桜庭「うう……」

福田「あなたもトイレだなんて……」

桜庭「だって……凄いお腹が痛かったんだもん……」

福田「グチグチ言ってないで……琴ちゃんを1人にするわけにも行きませんから、早く行きましょう」

桜庭「は、はい……」

入り口前

野崎「すまないな佐倉、買い物に付き合ってもらって」

佐倉「う、ううん! 気にしてないよ!」

野崎「御子柴が言うにはこの店舗が一番広いと言っていてな……資料用に漫画やフィギュアを買おうと思っていて……まずは漫画のコーナーに寄っていいか?」

佐倉「うん!」

佐倉(野崎くんとデート……幸せだなぁ///)

福田「えーと……琴ちゃんは……」

桜庭「……あっ、いた! 柏木さ……」

福田「……どうしました?」

桜庭「あ、あれ……」

福田「……ん?」チラッ

柏木「あのシーンのアドリブは……」ペラペラ

御子柴「やっぱ声優はベテランが……」ペラペラ

福田「!!!」ダッ

桜庭「ま、待って福田さん!」

福田「琴ちゃんが絡まれてるのに待てるわけないじゃないですか!」

柏木「あれ、この声……」チラッ

御子柴「?」

福田「琴ちゃん!!」

桜庭「はぁ……はぁ……」

柏木「桜庭くん、清花……」

御子柴「し、知り合い?」

柏木「はい、今日はこの三人でここに来たんです」

御子柴(1人じゃなかったのか……)

ポンッ

御子柴「ん?」

福田「琴ちゃんに何をしたんですかー?」ニコニコ

御子柴「ひいっ!!?」

野崎「ええと……漫画のコーナーは……」

佐倉「あ、ここだよ!」

野崎「ここか……随分と広……ん?」

佐倉「どうしたの野崎くん?」

野崎「……あれはまさか……」

佐倉「『あれ』……?」チラッ













福田「正直に言わないとあと百発は喰らわせますよー?」

御子柴「がはっ……」

柏木「さ、清花! この人は何もしてないの!」

桜庭「福田さん! 柏木さんの言ってること聞いてあげて!!」










佐倉「みこりん!?」

野崎「どうしてここに……?」

佐倉「と、取り敢えずまずは助けよう!」

野崎「……」

佐倉「……野崎くん?」

野崎「こんな生修羅場、滅多に見られない! スケッチさせてくれ!!」

佐倉「いや、助けようよ!」

野崎「うちの友人がすみませんでした……」

福田「いえ……元はといえば私が早とちりをしてしまったのがいけなくて……すみません」

御子柴「……」ガクブル

桜庭「でも良かったー、柏木さんがヤンキーに絡まれたのかと思ったよー」

佐倉「ヤンキー!?」

桜庭「あ! す、すみません!! 今のは……その……」

福田「……KY以前の問題ですよ、桜庭くん」

桜庭「ご、ごめんなさい……」

福田「……では私達はこれで」

野崎「はい」

柏木「……」

桜庭「……柏木さん、どうしたの? 浮かない顔してるよ?」

柏木「! な、なんでもないの……」

福田「まさか、さっきの人によからぬことを……」

柏木「ち、違うの! 本当にそんなんじゃないの!!」

桜庭「ほ、本当に?」

柏木「うん……」

柏木(あの人に……もう会えないのかな?)

御子柴「……なぁ野崎」

野崎「?」

御子柴「お前の漫画で……どこかへ去ろうとするヒロインをヒーローが追いかけるシーンがあったよな?」

野崎「ああ……」

佐倉「……みこりん?」

御子柴「俺は今から……ヒーローになる!」ダッ!

野崎(ダメだ! お前がヒーローになったら誰がヒロインのモデルになるんだ!)

佐倉(野崎くん、変なこと思ってそう……)

桜庭「うわーーー! 凄い収穫だね柏木さん!!」

柏木「……うん」

福田「……琴ちゃん?」

柏木「あ、あのね二人とも……やっぱり私……」












御子柴「……あの!!!」

柏木「!!」

数日後

佐倉「お邪魔しまーす!」

野崎「ああ、佐倉か」

佐倉「……あれ、みこりんは?」

野崎「急用が入ったらしい」

佐倉「……またアレ?」

野崎「ああ、アレだ」

佐倉(みこりん……昔とは比べ物にならないぐらい積極的になったんだね)

佐倉(……私も負けてられないよ!)

佐倉「の……野崎くん!!」

野崎「ん?」

佐倉「こ、今度の日曜日……暇……かな……?」

野崎「原稿がある」

佐倉「で、ですよね……」

同時刻、別の場所

福田「……まだ来ないんですか?」

桜庭「だ、大丈夫だよ! きっと来るよ!」

柏木「うん、私もそう思う……だからもう少し待とう」

タッタッタッ……

桜庭「あ、来た!!」










御子柴「わ、悪い! 遅れた……」

柏木「御子柴くん……大丈夫?」

御子柴「俺は大丈夫だけど……みんなは?」

福田「……二回目はないですよ?」

御子柴「は、はい……」

桜庭「じゃあ実琴も来たし早く遊園地に行こう!」

御子柴「なぁ桜庭……」

桜庭「……何?」

御子柴「……お前、柏木の事好きだよな?」

桜庭「ええっ!? な、ななななんで分かったの!?」

御子柴「そりゃお前を見てたら分かるわ」

桜庭「す、凄いね実琴……」

御子柴「……でよ、実は……」

桜庭「?」

御子柴「……俺も柏木が好きだ」

桜庭「!!!」

御子柴「お前から見たら部外者がいきなり何言ってんだって思うかもしれねー……でも……」

桜庭「でも……?」

御子柴「好きなものは……やっぱり好きなんだよ……」

桜庭「実琴……」

御子柴「桜庭……俺はお前のライバルだ!」

桜庭「!!」

御子柴「俺はいつか必ず……柏木を振り向かせて見せる!!」

桜庭「ぼ……僕だって負けないよ!!」

桜庭「そりゃあ……実琴みたいにイケメンじゃないし……ファッションセンスもあるわけじゃないし……身長も高くないし……ギャルゲーも上手くないけど……」

御子柴「お、おう///」←嬉しい

桜庭「でも……僕は柏木さんに対する思いは誰にも……絶対に誰にも負けない!!」

御子柴「!!!」

桜庭「トゥルーエンドを狙うのは……僕だ!!」

御子柴「……良く言ったぜ!! それでこそ俺のライバルだ!!」












柏木「……二人とも、何の話をしているんだろう……」

福田「さぁ……」

福田(憎悪男がまた1人……)

福田(……)

福田(でも……それで琴ちゃんが幸せになるなら……いいのかしら)

終わりです。最初はもしもみこりんが桜庭ポジだったらというssを書く予定でしたがお蔵入りになりました。

読んでくださりありがとうございました。

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