穂乃果「ふふ……君も穂乃果の彼女になりたいの?」ことり「その3、です!」 (580)

穂乃果「ふふ……君も穂乃果の彼女になりたいの?」
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穂乃果「ふふ……君も穂乃果の彼女になりたいの?」ことり「その2、だよ!」
穂乃果「ふふ……君も穂乃果の彼女になりたいの?」ことり「その2、だよ!」 - SSまとめ速報
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続きです。なんと3スレ目です。見てない方はとても長ったらしいですが、是非見てみて下さい。











穂乃果君主人公、ことりちゃんヒロインです。



ルート選択中です。エロや鬱等様々です。
その都度注意書きをします。



感想をいただけると非常に嬉しいです、画面の前で飛び跳ねて喜びます、書くのも少し早くなります。……多分。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1432536831


花陽ルート。



エロあり。


キャラ崩壊かなり注意。


擬音多いので想像力にお任せします。


長さは真姫ルートくらいです。

◇小泉 花陽ルート◇







穂乃果「――ふぁぁ……んっ、あれ……ご飯は?」







真姫「おはよう……こんな時間に起きておいて何言ってるのよ」



穂乃果「あ、ほんとだ……」



にこ「ったく、そこに置いてあるから食べなさい」




穂乃果「な、なんでみんな穂乃果のこと起こしてくれないのー?」


にこ「ことりが起こしに行ったけど、困った顔して戻ってきたのよ」


穂乃果「え?」



ことり「起きない、から……あはは」

ことり「一応気を使ったつもりだったんだけど……」



穂乃果「そ、そうなの?」



穂乃果「みんなの方が疲れてるのに……ごめん」



絵里「じゃあ穂乃果が食べたら練習、始めましょうか」




穂乃果「じゃ、じゃあ急いで食べるね!!!」


ことり(あんまり……寝付けなかったのかな……)


ことり(やっぱり昨日悩んでたみたい、だし)


ことり(穂乃果ちゃん、内に溜め込むタイプだから……大丈夫かなあ)




花陽「そ、そんなにかきこまない方が……」

穂乃果「大丈夫大丈夫! にこちゃんの料理おいしいからっ!」


にこ「……//」


穂乃果「はい、ご馳走さま! お皿洗ったらすぐ行くからみんなは先に行ってて!!」




海未「砂浜にいますからね」




穂乃果「おっけー!!!」

◇◇――◇◇




海未「な、ななな……///」

ことり「日焼け止め塗るからはーい」

海未「ぅぅ……」


ことり「綺麗な肌だね」

海未「ひゃぅ……//」

ことり「こんな綺麗な身体なら、男の子も喜びそう」

海未「ど、どういう意味ですか!」

ことり「くすくす」




希「え、わしわしして欲しい?」

絵里「誰もそんなこと言ってないでしょう!?!?」


絵里「いいから塗って!!!」

希「はいはーい。そもそも安心して、流石に生わしわしは……」



絵里「あ、当たり前よ!」



絵里「変な言い方しないで!」

にこ「……」

真姫「……」




にこ「早く塗ってよ……」



真姫「……わかってる」ピトッ




にこ「ひゃっ!」ビク



真姫「な、なによ!」


にこ「なんであんたの手そんな冷たいのよ!」


真姫「日焼け止め塗ってるんだから当たり前でしょ!?」


にこ「む……ちょっとくらい手であっためてよ」


真姫「そんなの知らない」ピトッ



にこ「ひぅ……//」



花陽「り、凛ちゃんは普通に塗ってね……?」

凛「わかってるにゃー」




穂乃果「……//」





穂乃果(な、なんでいきなりみんなで塗り合いっこ始めるのさっ。……うぅ、見てられないよぉ……なんか、ちょっとえっちな感じするし……)


花陽「」チラッ


花陽(ほ、穂乃果ちゃん……やっぱり恥ずかしそう……)


花陽(そうだよね、男の子一人だけだし……目のやり場にも困るよね。しかもなんだかみんなちょっとえっちな声、出してるし)


海未「ちょ、こと……んぁ///」





穂乃果「……////」





花陽(私も……もしあんな声出しちゃったら、穂乃果ちゃんにも聞かれるんだよね)






ジワァ…

花陽「!?!?」


凛「どうしたの?」


花陽「え、あ……いや……」



花陽(気のせい、だよね……こんなことで)


花陽(……こんなことで――ぬ、濡れるわけ……)



凛「むふふ、それっ」ピトッ



花陽「ひゃぅ……///」






花陽「凛ちゃん!?」

凛「えへへ、みんなやってたし!」


花陽「はっ……」







穂乃果「……///」

穂乃果「ほ、穂乃果……ちょっとだけあっち行ってるねー……」


花陽「……」

花陽(あっちは岩場、かな?)





花陽(ほ、穂乃果ちゃんに変な声……聞かれちゃったよぉ……///)



凛「……はい、おっけーだよ!」

花陽「ありがとね」




海未「そ、そもそも何故水着で練習をする必要があるのですか!!」


真姫「ほんとよ」



にこ「せっかく海に来たんだしー、やっぱり常にそういう意識を持つべきっていうかー」

真姫「日焼けする」

にこ「ま、まあ……」


希「真姫ちゃんは少しくらい日焼けした方がいいかもねー?」

真姫「嫌よそんなの……」




ことり「あれ、穂乃果ちゃんは?」

絵里「さっきまで居たんだけれど……」



花陽「わ、私トイレ行ってくるついでに探してくるね」



ことり「あ、うん」


希「トイレなら海ですれば――」

絵里「そういうこといわない!」



希「はーい」




花陽「あはは、じゃあ……」タッタッタッ









花陽「――うーん……岩場の近くに来たと思ったんだけど……」



花陽「そ、それより……」



グチャァ……

花陽「――こ、こんなに……濡れてる……」


花陽「恥ずかしいって思っただけ、なのに……」////




花陽「うぅ……やっぱり私……変態だよね……。なんで私……こんなに、濡れやすいのかな……やだよぉ」







穂乃果「――花陽ちゃん?」



花陽「!?」


花陽「……ん、あ。ど、どこに居たの探したんだよ?」


穂乃果(み、水着だとどこ見ていいかわかんない///)




穂乃果「ごめんごめん、なんだかあそこに居づらくて」


花陽「そ、そうだよ……ね」

穂乃果(……やっぱり、おっぱい結構あるんだなぁ……///)チラッ


穂乃果「練習戻ろっか」



花陽「うんっ」



カサカサ






花陽「え――きゃぁあ!!!!」ギュゥゥ




穂乃果「!?!?」




花陽「虫!虫やだよぉ!」ムニュゥゥ



穂乃果「あ、あぅ……//////」プシュゥゥ


花陽「きもちわるい……っ」





穂乃果「――は、花陽ちゃん、とりあえず……その」



花陽「え、あ……!!」

花陽「ご、ごめんなさい!!??」



穂乃果「い、いいんだけど、さ……」カァァアアアア



花陽(ど、どうしよう!? 気持ち悪いとか思われちゃったよね、いきなり胸押し付けて……ぅぅ、もうダメだ)




穂乃果(顔真っ赤……かわいい)

穂乃果(花陽ちゃんのおっぱい、あ、あんな感じなんだ……////)



花陽「あの……本当に、どんくさくて……ごめん、ね?」



穂乃果「ううん、花陽ちゃんのそういうところ、結構好きだよ?」


花陽「……ほんと?///」



穂乃果「うん、じゃあいこっか!!」

◇――――◇

ことり「穂乃果ちゃんちゃんと見てよ?」

穂乃果「み、見れるわけないよそんなの!!」

ことり「えー、どうしてー?」




穂乃果(な、なんで水着で練習なんてするのさ……っ、みんな踊る時、胸すっごい揺れて……///)






真姫「全く……みんなして頭がお花畑なんだから」

真姫「なんで私がこんな格好で……」







花陽「はぁ……はぁ……」


穂乃果「……」






穂乃果(やっぱり、花陽ちゃん……みんなに付いていけない、か……)

◇――――◇


花陽「……」モグモグ

花陽「……」


凛「あれ、もう食べないのー?」


花陽「あ、う、うん……」

花陽「ちょっと疲れちゃったから」


凛「凛も疲れたよー……でもこういう時こそ食べなきゃダメなんだよ?」

花陽「そ、そうだよね……」

凛「ご飯食べたらお風呂入ってすぐ寝よーね?」

花陽「うん」



真姫「うえぇ……絶対日焼けしたんだけど」

希「だから真姫ちゃんは不健康に白すぎだと思うんよ。ちょうどいいんやない?」

真姫「そういうものなのかしら……」

真姫「でもこれ以上焼けるのは肌も痛くなるし、明日は絶対水着でなんか練習しないんだから!!」

海未「それはそうですよ……そもそもことりが……」

ことり「まあ、メンタルを鍛えるってことで」



穂乃果「いい迷惑だよ……」

ことり「そんなこと言わないでよー」

花陽「ごちそうさま……にこちゃん、美味しかったよ」


にこ「ありがと」



凛「あ、待ってお風呂ー!!」



穂乃果(やっぱり、変だよねぇ……ご飯残してるし)




穂乃果「……」

◇――――◇


穂乃果「明日で合宿も終わり、かあ……」



穂乃果「みんな順調だけど、でも……」


 花陽ちゃんだけは……ちょっとだけ違う。……やっぱり、ううん"やっぱり"だなんて失礼だけど、みんなについて行くのが難しいみたい。


 そっか、穂乃果と二人で練習していた時は、あんなに長い時間練習していたからみんなと同じステージにまで上がれていたんだ。


 花陽ちゃんは頼りにしてくれていた、それを穂乃果は……途中で投げ出してしまった。

 花陽ちゃんがみんなに劣っているだなんて、微塵も思わない。きっと足りないのは……。




穂乃果「……また明日から、花陽ちゃんと練習、しよう!」



穂乃果「もう遅いし、トイレ行って寝よー!」

 時刻を確認すると、もう日を跨ぎそうな時間だった。みんなは寝ているだろうけど、穂乃果は2階の寝室だからうるさくしたりする心配はなくていいよね。

 扉を開けると真っ暗な世界に寝室の明かりが流れ出す。


穂乃果「えっと、トイレはどこだっけ」

 真姫ちゃんに案内された時は……確か向こうの方だったかな?


穂乃果「……みんな寝てるね」



 月明かりが照らす広間に、みんなは布団を広げて仲良く眠っていた。この別荘の2階へと続く階段はとっても大きいから少し身を乗り出せばみんなの顔まで見えちゃうんだ。



穂乃果「明日もがんばろうね」

 
 疲れたよね、みんなが頑張ってるのは穂乃果よく分かってるよ。幸せそうな顔で眠るみんなを見ていると、こっちまで幸せになっちゃうんだ。

モゾモゾ


穂乃果「……?」


 5分くらいみんなのことを眺めていた時だった、八つの中の一つの布団が捲られて、むくっと人影が立ち上がる。


穂乃果「――花陽ちゃん?」


スタスタ


 トイレ、かな? でもそっちにトイレは無いよ……? トイレは反対方向だし、そもそもそっちには家の出口しかない。


 花陽ちゃんの姿が角に消えて行ってしばらく考えていると、大きな扉が鈍く開く音が微かに聞こえてきた。


穂乃果「……外へ、出た……?」

 なんでこんな時間に……。そう思ったら居ても立ってもいられなくなって、みんなを起こさないように静かに階段を降りてこれまた広い限界へ。


 ここに入ってきた時靴は一つも出てなかったから、全部で九足あれば花陽ちゃんは外に出ていないってことになる。


穂乃果「はち……」


 やっぱり、花陽ちゃんは靴を履いてここを出て言ったらしい。


ギィィ


穂乃果「締める時も慎重に……」




穂乃果「うわー……満月だぁ……」



 心地よい波の音で聴覚が、南国の夜空に浮かぶ孤独な満月で視覚が癒される。


穂乃果「花陽ちゃんは……」スタスタ



穂乃果「あ……」

 とりあえず海に繋がる道を渡って、階段があるところまで歩みを進める。


 砂浜の真ん中、満月の下には一人の女の子が立ち尽くしているのが見えた。


穂乃果「綺麗……」


 南国の絶景にもまるで引けを取らない美しさに、ただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった。後ろ姿だけだけれど、触れたら壊れてしまいそうな儚さに……それ以上何もすることは出来やしない。




 どれくらいその光景を眺めていたかな、何をしているのかなんて気にならなくてただただ見つめているその時間は心地よかった。そしてしばらくして、花陽ちゃんが唐突にこちらを向いて穂乃果と目が合ってしまう。




花陽「――ほ、穂乃果ちゃん!?」

 何メートルも離れたところからそう叫ぶのが、聞こえた。


 その声とともに現実に引き戻された穂乃果は、はっと自分が花陽ちゃんを探しに来たことを思い出して、階段を駆け下り花陽ちゃんの肩に両手を添える。


花陽「ひゃ……//」

穂乃果「こんな夜遅くに、どうしたの……?」

花陽「え、や……練習しようと思って」

穂乃果「練習……?」


花陽「うん……今回の合宿もついていけて無かったから……。景色見たら着替えに戻ろうと思ってたんだ」



花陽「穂乃果ちゃんは?」


穂乃果「トイレ行って寝ようと思ったら花陽ちゃんが出ていくところを見ちゃって、それで」



花陽「あ、そうなんだ」

穂乃果「……ここ、すっごく綺麗だよね」


花陽「そう、だね……」


穂乃果「そうだ、ちょっとお話しよう?」

花陽「う、うん……」



穂乃果「あ、でもここ砂浜だ……」



 それに対して花陽ちゃんは払えば大丈夫だからって微笑んで、穂乃果の横に腰を下ろした。


 日中はサンダルを履いていても暑くて暑くてたまらなかったのに、今はひんやりと冷たい。



穂乃果「……涼しいね」

花陽「そうだね」

穂乃果「こんな綺麗なら景色みんなで見たかったなー」

花陽「……」







花陽「――私は……二人で見れて……う、嬉しいよ?」

穂乃果「……」トクン…



穂乃果「ほ、穂乃果も……嬉しい」



花陽「そ、そっか……えへへ……////」

穂乃果(あ、あれ……////)ドキドキ




花陽「私ね……穂乃果ちゃんに出会えて本当に良かったって思ってる」



穂乃果「え……?」


花陽「私がみんなについて行けないって分かった時、優しく手を伸ばしてくれて引っ張りあげてくれた……私にも出来るんだって自信を付けさせてくれた」

穂乃果「……で、でも」

花陽「?」





穂乃果「穂乃果は自分のこと優先して、花陽ちゃんのことほったらかしにしちゃったんだよ!?」

花陽「……もう十分すぎるほど、色々貰ったよ?」


花陽「今までの私だったら絶対ここまで来れなかった、今日みたいについて行けなくなったらすぐに自分には向いてないのかなって思って落ち込んで――何もしなかった」


 穂乃果のことを見つめる花陽ちゃんの瞳は、穂乃果に告白する前の弱々しい花陽ちゃんのものとはまるで別人だった。

花陽「でも今は違うよ。努力すれば出来る、みんなにだってついていける。そう思って、頑張れる」




 ――なあんだ、もう知らないうちに、こんなに強くなってたんだね。足りてないと思っていた自信だって問題ない、あとは自分で……もっと強くなっていける。




花陽「――ありがとう」ニコッ


穂乃果「……//」ドキドキドキドキ



花陽「穂乃果ちゃん……?」

 こんなにキラキラしてる人に見つめられて、正気でいられるわけない。今まで見ていた人は、何故か今までとまるで違うことに気がついて、胸が激しく鼓動する。花陽ちゃんのことを真っ正面から見れない、見てしまったらその瞳に吸い込まれちゃう……。


 目を逸らして、押し寄せる波に自分の気持ちを映し出す。




 そこには――花陽ちゃんに恋をしている自分がいた。



 いつだって頑張ってる人は美しい。この南国の絶景にだって負けないくらい、その頑張りをすっごく近くで見られたことに今更ながら幸せなんだって、感じる。




穂乃果「……花陽ちゃん」

花陽「……?」






穂乃果「――好き、です」






ザアアアァァッ

 すごい、こんなにドキドキ、してる……。こんなの初めて……でも穂乃果は告白されてから告白してる、ってことは安全な橋を渡っているのと同じこと。



 花陽ちゃんや、みんなは危ない橋を渡って、報われるかもわからない想いを告げてきたんだ。……すごいや、本当にすごい。


 瞳を見開いた花陽ちゃんを見つめる穂乃果はどんな表示をしているかな、顔が真っ赤なのは勿論、もしかしたら泣きそうになってるかもしれない。



 フられたらどうしよう、返事が遅くて気が変わっていたら、どうしよう。せっかく好きって気がついたのに、自分の気持ちが分かったのに……。



 正面に向き直って立ち上がって頭を下げる。




花陽「……そ、それって」


穂乃果「――付き合ってください!」





 差し出した手、そこに触れるのは少しだけ冷んやりとした穂乃果よりも小さな手。そして思いっきり下げた頭を上げると、月よりもなによりも輝いている――穂乃果の恋人が微笑んでいた。

◇――――◇





穂乃果「ふぁ……眠い」

花陽「ダメだよ、ちゃんと食べないと」



穂乃果「えへへ……うん」




真姫「――ちょ、ちょっと待ってよ!?!?」


穂乃果「え?」


真姫「いや、いやいや……」


ことり「な、なんかさらっと重要なこと、言った気が……」



希「も、もう一回言ってくれん?」







穂乃果「え、あ……うん! ――花陽ちゃんと付き合うことになりましたっ!」



「……」



穂乃果「あ、あれ?」


ことり「な、なにそれ!?!?」

希「ほえー……」


絵里「本当なの?」


花陽「う、うん」

凛「いつ!?」



花陽「そ、その……昨日の夜一人で練習しようと思って外に出たら偶然穂乃果ちゃんも外に出てきて……そこで」


希「南国の夜の砂浜で告白なんて……素敵すぎる……!」




希「おめでとー」



海未「そうですか……おめでとうございます、二人とも」



花陽「うん……ありがとう」



ことり「……お幸せにね?」

真姫「こんな倍率勝ち抜いて穂乃果を取ったんだから、それなりの付き合い方をしてよ?」





花陽「が、がんばる!」



絵里「穂乃果ならきっと大切にしてくれる、わよね?」


穂乃果「もちろん!」

絵里「ふふ、お幸せに」



希「いいなーいいなー!」

希「油断してると取っちゃうぞー?」




花陽「だ、ダメだよぉ!!」ギュッ


希「わお」




凛「……かよちん」





花陽「……」

凛「――おめでとっ!! えへへ、凛負けちゃった……」




凛「でもね、かよちんに負けても全然良いって思えるよ? こんな幸せそうなかよちんすっごく久しぶりな気がするから!」



花陽「凛ちゃん……」


凛「かよちん……」ギュッ







穂乃果「あ、あれ……恋人は穂乃果、だよね……?」



花陽「あ! う、うん!」


凛「そっかぁ、かよちんに彼氏が出来るってなんか寂しいにゃー……」



花陽「そんなことないよ!」




花陽「……」チラッ



にこ「…………」ギリリリ



希「……?」





花陽「……」

◇――――◇




にこ「はぁ……」



希「どうしたん?」




にこ「いや、なんでもないわ」




希「……そんな風に抱えこんでも、どうにもならないよ?」



にこ「……」



にこ「――わかってる」




にこ「……そんなの、フられたんだから、わかってる……!!!」

にこ「……っ」



希「大丈夫」





にこ「――なにが、なにが大丈夫なのよ!!!!」




希「……」

にこ「穂乃果は……一人しかいないじゃない!! 私を見てくれる穂乃果なんて、いないじゃない……っ」



にこ「このまま嫉妬して、想い続ければ穂乃果は振り向いてくれるとでも言うの!?」




にこ「無責任なこと言わないでよ!!!!」


希「……ごめん」


にこ「……っ」




にこ「こんなこと。あんただって、辛いわよね」



にこ「……ごめんね」



にこ「――あーあ……初めて人を好きになったのに、なぁ……」



にこ「……そうよね、私みたいなこんな女として魅力が無いのに……選んで貰えるわけない、か……」


ギュッ


にこ「な、なによ……やめてよ」


にこ「意味わかんない、だから離してっ」

希「好きだったんだもんね、悲しいのは当然やん?」


希「それはにこっちが本当に穂乃果ちゃんに対してぶつかって行った証」



にこ「っ……ぅ、やめて」



にこ「私は、花陽におめでとうも言えなかった!!! 恨みっこなしってそう決めたのに、そんな子供みたいな理由で私は祝ってあげられなかった!!」



希「なら……後でちゃんとおめでとうって言ってあげよう? とりあえず今は自分の気持ち、整理して……ね?」


にこ「っぅ……ぅぅ……」



希「よしよし。にこっちは強い子だもんね、たとえ叶わなかった想いでも……それは無駄じゃなかったんよ?」


にこ「っ……ぅ」

希「こんなこともあったねって、いつか二人で笑い飛ばせるくらい……これから色んな楽しいこと、しようね?」



ギュゥゥ




にこ「う、ん……っ」

◇――――◇


合宿一週間後




穂乃果「……でね、そこで美味しいものいっぱい食べようね?」



花陽「う、うん……」


穂乃果「今日は楽しかったよ、ありがとね?」ニコッ


花陽「……ぁう」



花陽「あ、あの……ごめんね、手汗……すごかった、よね……」



穂乃果「そうでもないと思うよ?」



花陽「手繋ぐの、その……緊張、して」//



穂乃果「あはは……穂乃果も緊張してたよ」


花陽「……あ、あの……また遊ぼうね?」モジモジ





穂乃果(可愛い……恋人になったのに……こんな恥ずかしがって……)

花陽「ま、またね!」





穂乃果「――待って」グイッ






花陽「え……――んんぅっ!?」



穂乃果「ん、ちゅ……」チュッ





花陽「え、はわ……え!?/////」


穂乃果「えへへ……」


穂乃果「花陽ちゃんが可愛かったから、つい……」



花陽「……」カァァアアアアアア



穂乃果「あ、いや……だったかな……」


花陽「ぜ、ぜんぜんっ!!」



穂乃果「そっか……な、なんか自分でしたのに……恥ずかしいね……」//



穂乃果「ま、またあした!!!」


花陽「うんっ……」ポーッ




タッタッタッ





花陽「き、今日初めて手繋いだのに……キスされちゃった……」

花陽「……」

花陽「キス……穂乃果ちゃん、あんな強引にキス、するんだ……」ジュン…



ジワァッ……




花陽「――もっと強く、されたい、な……♡」



花陽「はっ……だ、ダメだよこんな……穂乃果ちゃんに嫌われちゃう……」

◇――――◇

花陽の部屋




花陽「……や、やっぱり濡れてる……」ベチャァ



花陽「変な想像、しちゃったからだよぉ」//

花陽「……どうしよう、こんなのだって知られたら嫌われちゃう……」

花陽「ぜ……絶対隠さないと」



花陽「でも……いつかは穂乃果ちゃんと……えっちとかもする、のかな……」


花陽「……ご、強引に押し倒されちゃったり、なんて……」





花陽「んっ……♥︎」サワサワ


花陽「はぁ、はぁ……♥︎」

花陽「んんぅ、タオル敷かないと……♥︎」


 一瞬の妄想。強引に唇を奪われて、押し倒されて、誰にも触られたことのないところを触られて……。穂乃果ちゃんのことを考えるだけで身体が火照る、手を繋いでも、キスをしても……。


 正直自分でもおかしいと思うよ……? なんでもかんでも股を濡らす変態女って言われても仕方ない、かも……。



 だ、だってそれは体質のせいもあるし……。



 周りのことを気にしないため敷いたタオルも、私が満足する頃にはきっとびちゃびちゃになってしまってる。……ベッド汚したくないし、もう一枚、敷く? いや、大丈夫だよね……ちょっと触るだけ……。


花陽「ふ、ぁぁ……♥︎」


 胸に食い込む私の手も、穂乃果ちゃんのものだって思い込んで、身体はいつもよりさらに熱を帯びる。

 
花陽「はぁ、んぅ……」

 親いないって、言えば言えばよかったかなぁ……。そういってたら、もしかして穂乃果ちゃん……私のこと襲ってくれたり、なんて……。

 だ、ダメダメっ! キスしたのも手繋いだのも初めてなのに、そんな、いきなり……。


花陽「はぁ、はぁっ……」コリッコリ



花陽「んぁぁっ、んっぅ――」キュゥゥ



ドクドクッ……♥︎
 

花陽「あ♥︎そ、そっか、声抑えなくていいんだ……」



花陽「ぁう……下着ベトベトになっちゃった……。脱ぐの忘れてたよ」


 少しだけ乳首を弾いただけなのに、下着は……洗濯をしないと履ける状態になくなってしまっていた。



花陽「ぅ……♥︎♥︎」クパァ…



 すごい、べちょべちょだ……。


 ベッドの壁によりかかって、大切なところをさらけ出す。するとちょうど目の前に置かれた全身鏡は、黒い茂みがぐちょぐちょに濡れそぼっているのを、鮮明に映し出していた。

花陽「……手入れした方がいい、よね……」

 人のはあんまりみたことないけれど、合宿のお風呂で真姫ちゃんのがチラリと見えた時は……かなり薄かったような気がする。




 昔から部屋にあった全身鏡。それをこんな風に使い出したのはいつのことだったかな……。あ、中学校の頃初めて一人でシてた時、そこに映ってた自分の姿を見て変な気分になってしまった時から……だったかな?


 最初は胸をくにくに触ってるだけだった。でもそれが乳首を触ることによって確かな「気持ちいい」に変わっていった。そして、それに歪む自分の顔を見ていると――興奮出来た。


 こんな変な顔してる、こんな気持ち悪い顔してる、学校じゃあんなに地味で暗いのに、こんなエッチな顔して一人でしちゃってる。普段の私は、自分が一番良くわかっているからこそ、鏡の中にいる私はいつもと違いすぎて、そのギャップに自分自身で興奮することが出来たんだ。



花陽「んっしょ……♥︎」



 携帯、携帯はどこかな……?
 もぞもぞ動き回って携帯を手に取ると、保存してある写真を一通り見回す。


 携帯、携帯はどこかな……?
 もぞもぞ動き回って携帯を手に取ると、保存してある写真を一通り見回す。


 そこには、過去一年分くらいの"私についての記録"があった。


 目隠しをしたり、イク寸前だったり、イってる最中だったり。とにかく人に見せたら全て壊れるような、自慰行為の記録写真。


花陽「今日はどれがいいかな……♥︎」


 今日は初めて目隠しをして自慰をした時のやつにしようかな……。あんまり多くはないんだけれど、動画なんかもあったりする。




花陽『んっ、ぁぁ……♥︎もっと、もっと……♥︎』



花陽「はぁ、はぁ……♥︎」キュンキュン


花陽『こ、これは違うの……見えないからじゃなくって……♥︎』


花陽『ごめんなさ……だから、もっとお願いします……』




花陽「んっ、ふぁ♥︎」クチュクチュ…プシュゥ


 気持ち悪い、気持ち悪い。一人で目隠しして、一人で録画して、その事実に興奮してぐしゃぐしゃにしてる画面の中の私。気持ち悪い、気持ち悪い、それを見てさらにぐしゃぐしゃにしている鏡の中の私。





花陽「で、ちゃった……♥︎ごめんね――ご、ごめんなさい穂乃果ちゃんっ……」

花陽「許して……許してよぉ……ッひぐぅ♥︎」キュッ…ビクビク…プシャァ


 穂乃果ちゃんと繋がっていた左手でソコをきゅぅっと摘まむと、自分の声が遠くなって、手がぐしゃぐしゃになっていく。穂乃果ちゃんの手、穂乃果ちゃんにされてる、そんな妄想は私を違う世界に連れて行ってくれる。




花陽「あ、ぐぅ♥︎も、いっちゃ……♥︎」


花陽「あっ♥︎あっぁぁぁ♥︎♥︎」ガクガクガク



花陽「はぁ……んぅ……穂乃果ちゃ……♥︎」


花陽「――なに、やってるんだろう……」


花陽「うぅ、また一人でしちゃった……。タオルぐしゃぐしゃになってるし……」


 はあっと一人大きなため息をついて、ぐしゃぐしゃになったタオルを畳む。なんでだろう……今までこんな気持ちになることなんてなかったのに……。


 私も穂乃果ちゃんのことを好きで、穂乃果ちゃんも私のことを好き……。だからってこんな早くそういうことを考えちゃうなんて……。


 いつもならもっともっとって気持ちいいことを続けるんだけれど、今日はそんな気分にはなれなかった。

◇――――◇


一週間後



凛「――いきなり何言ってるの!?」////



花陽「あ、あああああのこれはね!?」

凛「……?」

花陽「その……」




凛「……で、でも凛だったら嬉しい、かも?」


凛「だって、大好きな恋人が自分で興奮してエッチな気分になってくれるってことでしょ?」




凛「り、凛もそういうの、わかんないけど、多分……にゃ」

凛(昔はそうは思えてなかったのかなぁ……)



花陽「嫌じゃないのかな……」




凛「……うーん」





真姫「――そもそも、そのAちゃんはBくんと恋人同士。Aちゃんがどんな性癖を持ってたってBくんはそれを受け入れてくれるかもしれないってことはないの?」


花陽「わ、わかんないよ」







真姫「そうよね、わからないわよね。友達の話なんだものね」



花陽「あ……う、うん」

凛「そもそもその友達って誰? 高校の人?」

花陽「え!? い、いやその……」

真姫「――凛……少しくらい考えて。名前なんか言えるわけないでしょ?」


凛「あ、そっか」


真姫「ともかく、そのAちゃんは自分を思いっきり出した方がいいと思うわ」


花陽「自分、を……」


花陽「わ、わかった……やってみる」

真姫「……って、Aちゃんに伝えておいてね」


花陽「――あ、う、うんっ!!」


真姫「ほら凛、ジュース買いに行くわよ」

凛「えー、凛買わなくてもいいよー!!」

真姫「いいからっ」



花陽「……」



タッタッタッ








凛「――かよちんにそんな友達いるんだー……なんかすごいなぁ……」


真姫「……」


真姫「…………そうね」




真姫(花陽の性癖って一体なんなのかしら……。まあ、私も似たようなものね……)

◇――――◇

穂乃果「……どうしよー」

ことり「……うーん」

ことり「原因がわからないからなんとも……」

穂乃果「嫌われちゃったかな」

ことり「心当たりは?」

穂乃果「ない」

ことり「それなら体調が良くないだけじゃないかな」


ことり(生理とかもあるだろうし……)

穂乃果「やだよ、別れたくないよぉ……」

ことり「だ、大丈夫だって!」

◇――――◇

穂乃果「……どうしよー」

ことり「……うーん」

ことり「原因がわからないからなんとも……」

穂乃果「嫌われちゃったかな」

ことり「心当たりは?」

穂乃果「ない」

ことり「それなら体調が良くないだけじゃないかな」


ことり(生理とかもあるだろうし……)

穂乃果「やだよ、別れたくないよぉ……」

ことり「だ、大丈夫だって!」

穂乃果「だって最近一緒に帰ってもあんまり話してくれないし……手繋ごうとしても……避けられるてるような」

ことり「わかんないけど、もうちょっと様子見てみよう?」

穂乃果「……うん」


◇――――◇


花陽「……//」

トコトコ

穂乃果「……」



花陽(うぅ、どうしよう……二人でいると好きすぎておかしくなっちゃうよぉ……)


穂乃果「――ね、ねえ花陽ちゃん!?」


花陽「え!?」


穂乃果「あ、い、いや……」

穂乃果「最近……その、元気がないような気がして……」

穂乃果「何か悩んでることとかあるの……?」



花陽「な、悩み……?」


花陽「悩みはない、けど」


穂乃果「そ、そうだよね! でもなんか……。力になれそうなことがあれば言って欲しいっていうか……」

花陽「……」

花陽「心配してくれてるの……?」

穂乃果「うん」


 心配させちゃったんだ……。私が穂乃果ちゃんと一緒にいると、そういうことばっかり考えてしまって、それを振り払うことに集中してたせいだね……。

花陽「……大丈夫だよ、私はなんにも悩みなんてないよ?」ニコッ


穂乃果「……///」



穂乃果「そっかそれならいいんだけど。――ね、ねえ……花陽ちゃんの家まで手繋ご?」

花陽「う、うん……いいよ」


ギュッ


穂乃果「やった……ここ一週間くらい手繋いでなかったから嬉しい//」


花陽「わ、わたしも……」///

 ぅぅ……。穂乃果ちゃんと手繋いでる、ダメだよ……私手なんか繋いじゃうとエッチなことしか考えられなくなって……。だからちょっとだけ避けてたんだけど、やっぱりすっごい幸せ。




 閑静な住宅街に入ってくると、心臓の音が相手にまで聞こえてるんじゃないかって思って、手に汗が滲む。穂乃果ちゃんは夏だから仕方ないよ、って笑うけれど正直冬でもおんなじことが起こりそうな気が……。


花陽「じゃあ、ここで。また明日ね?」

穂乃果「あ、あの……花陽ちゃんの家に寄っていっちゃダメかな?」


花陽「え、あ、大丈夫だよ!」

穂乃果「本当?」

花陽「うん、少し休んで行って?」



 真夏の太陽が真上から少し傾いた頃、親は仕事でいない。照りつける太陽とともに、変な意味で身体が火照るのを感じる。







 私……何を期待しているんだろう。

◇――――◇

花陽の部屋




穂乃果「それでねー」

花陽「へぇ……」


花陽「あ、そうそうこの前凛ちゃんとパンケーキ食べに行ったんだ」

穂乃果「原宿?」

花陽「うん」

穂乃果「あそこ人多いよねぇ……」

花陽「普段行かないからびっくりしちゃった」

穂乃果「今度二人で行こうよ!」

穂乃果「洋菓子食べたいっ!!」

花陽「あはは……そうだね」


花陽「写真も撮ったんだよ」

穂乃果「見せて見せて!」

 花陽ちゃんは携帯電話を取り出して、操作を始める。パンケーキかぁ……いいなあ、クリームたっぷりフルーツも乗ってたりするのかな。それがあんこだったらと思うとゾッとするけれど。


花陽「はい、これだよ」





穂乃果「ん――……」



穂乃果「――え……?」




 花陽ちゃんがそれをおもいだしたのか、携帯電話の画面をこちらに向けて嬉しそうに微笑んでいる。二人で行きたいなぁなんて言って。でも、でも……この写真……。


穂乃果「ぁ、ぁう……////」プシュゥゥ


 きっと美味しそうなパンケーキが映ってるんだろうなって思ったよ、もしかしたら凛ちゃんも映ってるかもなんてことも考えたよ。でも、その画面に映し出されていたのは――裸で自身の下半身をまさぐってとろけるような表情を浮かべている、花陽ちゃんだった。

 まるで理解が追いつかない、なにこれ、なんでこんなの見せるの!? そもそもなんでこんな写真があるの!?


花陽「……どうしたの?」

 
穂乃果「ちょ、ちょっとよく見せて……?」

花陽「うん」


 携帯電話を借りて、一旦深呼吸。もしかしたら深呼吸すれば裸の花陽ちゃんがパンケーキに変わっているかも、なんて……。


穂乃果「ぅ……////」


 変わって、ない。

 携帯電話を片手に、たぶんこの全身鏡で撮ったものだろう。片手は下半身をまさぐっていて、ぷるぷると柔らかそうなおっぱい。

穂乃果「はぁ……はぁ……」///

穂乃果(結構おっぱい、おっきいな……すごい……///)






花陽「ど、どうしたの? そんなに美味しそう……?」


 穂乃果の目をまっすぐ見て聞いてくる花陽ちゃん。普通ならば深い理由を考えるべきなんだろうけれど……花陽ちゃんの淫乱な姿はそんな思考を吹き飛ばしてしまった。あるのは多少の戸惑いと……目の前の恋人の身体に触れたいって気持ち。




穂乃果「花陽ちゃん」

花陽「?」

穂乃果「今親御さんいないんだよね?」

花陽「う、うん……」





穂乃果「これ――どういうこと?」


 携帯電話の画面を花陽ちゃんに見せつけると、大きく目を見開いて、あうあうと何かを言い始めた。


花陽「――こ、これは違うの!!!!」バッ


穂乃果「おっと……」ヒョイ


花陽「か、返して……お願い、違うのぉ……!」




穂乃果「……この写真はなに?」



花陽「う、ぅぅ……」


花陽(な、なんで……。もしかして渡す時に間違ってスワイプしちゃったのかな……隣の写真は多分パンケーキの写真のはず、だし)

花陽(てことは……さっきまでずっと私の裸……見られてた?)ジュワァ…///





花陽「あの、だから……」ウルウル



穂乃果(可愛い……あれ、なんだろ……花陽ちゃんが泣きそうなとこ見てると……)ムラムラ



穂乃果「これ自分で撮ったやつだよね?」

花陽「……っ」

穂乃果「……答えてよ、答えてくれなきゃわかんないよ」

花陽「そう、だよ」

穂乃果「どうしてこんなの撮ったの?」

花陽「……」

穂乃果「……」ポチポチ


穂乃果「――ねえ……どうしてこんなに自分の写真ばかり撮ってるの?」



花陽「ひ……っ」


花陽「あ、えっと……あのっ」

花陽(見られた……もしかして他の写真も……?)

穂乃果「……しかも全部エッチなのばっかり」


穂乃果「……」

花陽(もうだめだ……嫌われた……こんな変態なこと知られて)


花陽「ぅぅ……」


花陽「うぁぁぁ……」ポロポロ


穂乃果「え、ちょ、ちょっと!?」


花陽「ひっぐ、やだ、嫌いにならないで、ぅぅうううう」



穂乃果「大丈夫、大丈夫だからねっ!?」

◇――――◇

十五分後



穂乃果「よしよし」

花陽「んぅ……」

穂乃果「穂乃果はどんな花陽ちゃんだって大好きだよ」

花陽「本当に……?」

穂乃果「うん」

花陽「こんな変態で、気持ち悪いことばっかりしてる、のに?」

穂乃果「うんっ」

穂乃果「むしろ、女の子がエッチなのっていいことだと思うよ?」

花陽「そ、そうなの?」




穂乃果「だって――遠慮しなくていいってこと、でしょ?」


花陽「え」



ガバッ

花陽「きゃっ」


穂乃果「はぁ……はぁ♡」

花陽「ど、どうしたの!?///」

穂乃果「んっ……//穂乃果だって、花陽ちゃんとえっちなことしたかったんだよ?」



穂乃果「でも花陽ちゃんはそういうの絶対興味ないって思ってたから、三ヶ月は待とうって決めてたのに♡」

穂乃果「――んんぅ……ちゅ、ちゅるる♡」

花陽「んぅっ♡ちゅぅぅ♡……んぁ♡」

穂乃果「あむ、えへへ……」



花陽「ハァッ……ハァッ♡ンハァ……♡」


穂乃果「キスだけなのに、そんなえっちな顔されたら止まれないよ♡」



花陽「ほのか、ちゃ……」トローン



花陽(キスされた……あれ、なんかもう、わけわかんない、よ)

穂乃果「んっ……ハッ////」ギンギン


穂乃果「どうしよっかな……」

穂乃果「あ、そうだ……服、自分で脱いでよ」

花陽「え……うん」


花陽「こ、こう……?」スルスル

穂乃果「そう、早くおっぱい見せて♡」////


花陽「ぅ、ぅ」プチッ


 ……スル


花陽「こ、これでいい……?」ウルウル



穂乃果「ハッ……ハッ♡んぐ……♡」




穂乃果(すっごいえっち……やっぱりおっきいな……っ)

花陽(穂乃果ちゃんにおっぱい見られてる……興奮してくれてる……)

花陽「ハァハァ……♡恥ずかしい、よぉ////」



穂乃果「恥ずかしいなら、どうしてそんなに興奮してるの?」



花陽「ぅ……」

穂乃果「ほらもっと見せてよ」

花陽「もっと?」

穂乃果「花陽ちゃんの大事なとこ、見せて?」



花陽「そ、それは!!」

穂乃果「……見せて?」



花陽「ぁぅ」




穂乃果「……」







穂乃果「――見せろよ」ボソッ……

花陽「ひぅ……ハッ♡はいっ……♡」

スルスル


ビチャァ…


穂乃果「……ねえ、これって……」

穂乃果「まだ下着着てるのに、スカートにまでシミちゃってるね?」


花陽「……わ、私、体質的に」


穂乃果「へぇ、下着なんてビショビショ」

穂乃果「早く脱いでよ」


花陽「……あ、あの最近――毛の処理とかしてなく、て……」

穂乃果「いいから」


花陽「……はい」

スルスル



穂乃果「ごくっ……」


花陽「……////」クパァ…





穂乃果「あは♡……はぁ、はぁ……花陽ちゃんのえっちな匂いがする♡」



花陽「や、やだっ!!////」

穂乃果「ダメ、閉じないで。よく見えないよ」

穂乃果「すっごい濡れてるね……奥からどんどん溢れてくる……」

穂乃果「濡れやすいんだ?」

花陽「……コクッ」カァァ


穂乃果「花陽ちゃん、人より濃いみたいなんだから処理しないとダメだよ?」サワサワ

花陽「/////」



穂乃果「ほんっとにビショビショなんだね?」

花陽「ひ、ぅ♡」


穂乃果「でも穂乃果は濃いのも好きだよ?」



穂乃果「そうだなぁ……あ!」




穂乃果「穂乃果の目の前で、オナニーしてよ!」

花陽「え、えええ!?」

穂乃果「だって見られるの好きでしょ?」

花陽「い、いやだよ!」

乃果「……そんなの知らないよ、早くシテ?」



花陽「むり、恥ずかしすぎて……無理だよぉ」ウルウル



穂乃果「~~~っ♡――やれって言ってるの♡」



花陽「ハッ……ハァ……♡///」ゾクゾク




穂乃果「――聞こえなかった? ヘンタイさん♡」





花陽「……は、いっ」


花陽「……///」サワサワ




穂乃果「おっぱいから触るんだ」

花陽「ハッ……♡」

花陽(見られて、る……♡一人ですること、なのに)

花陽「んぅ……♡んぁはっ♡」クニクニ

花陽「ひっぐ♡んんぅ」ピンピン

穂乃果「うわぁ……乳首おっきくなってる……♡」



穂乃果「気持ちよくなってる? 穂乃果に見られて気持ちいい?」

花陽「きもち、ぃ♡」ドクドク


穂乃果「どこが気持ちいいの? 穂乃果バカだからわかんないや」

花陽「んぅ♡乳首が気持ち、いい……♡」


穂乃果「そこが一番気持ちよくなれるところ、なの?」

花陽「……」フルフル

穂乃果「じゃあそっち触ってみて」

花陽「う、ん」

花陽「ふっぁ……♡」サワサワ

穂乃果「そこ、なんて言うんだっけ?」

花陽「し、知らないっ」

穂乃果「あ、逆らってもいいの? 穂乃果に逆らったらおしおきしちゃうよ?」

花陽「おし、おき……?」


花陽「嫌……」


穂乃果「なら言う通りにして?」

花陽「……んぁぁっ!!」クチュ……

花陽「ひっぐ、きもち……ふ、ぁ……♡」クチュクチユ



穂乃果「ねえ花陽ちゃん、さっき穂乃果さ、どこがどう気持ちいいのか説明してって言ったよね?」



穂乃果「ねえ、意味わかるよね?」



花陽「ご、めんなさっ……♡」



花陽「ここ……く……クリトリス触るとジンジン、してぇ♡」コリッコリ



花陽「ハッ♡ハァハァ♡////」


穂乃果「んっ、もっとえっちなとこ見せて……♡」ギンギン

花陽「んっ、ぁひぃ……♡おまんこの中……」ツプッ…



穂乃果(花陽ちゃん、すっごい乱れてる……こんなえっちな言葉を平気で使うなんて♡)


花陽「んんぅ♡はぅぁっ♡」ガクガク

花陽「ふっ♡んぁ♡や、だ……みないで♡」クチュ…クチ


プシュプシャァ



穂乃果「ベッドぐしゃぐしゃー」

穂乃果(すごい、えっちな匂い……♡)///

穂乃果「えっちってさ、子作りとかコミュニケーションとかそういう面でも必要かなーって思うけどさ」

穂乃果「一人えっちって、本当にただ気持ちよくなりたいだけだもんね――えっちだね、花陽ちゃんは」

花陽「い、やぁ……♡」

穂乃果「でも、穂乃果に見られながらするの気持ちいいんでしょ?」



花陽「あっ、ぐぅ♡きもちぃ……きもちいいよぉ……♡」

花陽「あんっ♡あっンンっ♡♡~~~~ッッ♡♡」ビクッビクガクガク♡


穂乃果「……イッちゃった?」


花陽「う、ん……ハッぁ……♡」


穂乃果「普段からそうやってやってたんだね。穂乃果のこと考えながら気持ちよくなってたの?」

花陽「う、ん……♡」

穂乃果「ふふっ♡」ゾク



穂乃果「――ね、自分ばっかり気持ちよくなってずるいよ」

花陽「……?」トローン♡


穂乃果「はぁ、はぁ……穂乃果にもしてよ」


花陽(す、すごい……服の下すっごいおっきくなってる……)

花陽「ぬ、脱がせればいいの?」

穂乃果「うん」

花陽「……」ドキドキ

穂乃果(手震えちゃってる……初めてだもんね……可愛い♡)

穂乃果(優しくしてあげなきゃいけないはずなのに……なんかイジメたくなっちゃう♡)


スルスル

花陽「っ……///」カァァアアアア


ボロン


花陽「ひっ……////」


花陽(お、おっき……ぃ。み、みんなこんな感じ、なのかなぁ……)


穂乃果(あは……すっごい表情……♡)

穂乃果「早くしてよ」

花陽「う」

穂乃果「えっちでヘンタイな花陽ちゃんは、男の人がどうすれば気持ちよくなるかぐらい知ってるよね?」

花陽「う、ぅぅ……触ればいいの……?」




穂乃果「……」



花陽「ご、ごめんなさいっ……♡」

花陽「はっ♡ハァハァ♡」


ピトッ……♡

穂乃果「ん……///」


サワサワ


花陽「こんな熱いんだ……」

穂乃果「ふっ、んぁ……♡」

花陽「これでいいの?」

穂乃果「もうちょっと動かしてよ」

花陽「……」シュコ…シュコ♡


穂乃果「んっぐぅ……♡」



穂乃果(花陽ちゃんの手冷たくて、気持ちいい……それに、すっごい必死で可愛い♡)

穂乃果「ハァハァ……♡ンッ……ぁっ♡」ビクビク♡


花陽「き、きもちいい……?」

穂乃果「うん、でもね。全然足りないや」



花陽「え……あ、私が下手、だから……?」



穂乃果「そうじゃなくて、もっと色んなことして欲しいな」


穂乃果「――口でして?」

花陽「口……?」



花陽「……」カァァアアアアア

花陽「わか、った……」


穂乃果「♡」


花陽「……ぺろ」


穂乃果「んっ……♡」

花陽「ぺろ……♡ちろちろ」


花陽「ちゅ……んっ♡」


穂乃果「……」




穂乃果「――舐めるだけじゃ全然気持ちよくないの、わかんないかなあ?」

花陽「ご、ごめんね……!?」アタフタ


穂乃果「ならどうすればいいと思う?」


花陽「……」

花陽(ど、どうすればいいのかなっ。気持ちよくしてあげるには……)





花陽「――は、むぅ……♡」




穂乃果「んんんぅ……♡」



穂乃果「はぁはぁ……んぁぁ♡」

花陽「んっぐぅ……♡」



花陽(おっきくて、全然咥えられな……ぃ)

穂乃果「はぁ、はぁ、人に口でしてもらうの初めてだから、んぁ♡すごぉい♡」ビクビク♡



穂乃果「ね♡咥えてるだけじゃなくて動かしてよ♡」


花陽「んっんぅぅ///」ウルウル

花陽(むり、咥えるだけで……いっぱい)

穂乃果「ね、どうしたのさ♡」



花陽「む……ひ♡」

穂乃果「んもう、なら穂乃果が動かすからいいよ」

花陽「!?!?」


グググッ

穂乃果「はぁぁ……♡♡」


花陽「ん゛っっ♡んんぅ゛ぅぅ」



穂乃果「すっご♡花陽ちゃんの喉口、さいこぉ♡♡」



穂乃果「あーもう、逃げちゃダメ」ガシッ



花陽「ん゛ん゛ん゛っっ」


花陽(頭おさえつけられて……逃げられなっ……)

花陽(こ、こんな強引に……♡)ジュワァ…

穂乃果(やば♡酷いことしてる、のに……やめられなぃ♡♡)

穂乃果「……そういえば花陽ちゃん――目隠し、好きみたいだね?」

花陽「?」

穂乃果「写真でもそういうのあったし――アイマスクが枕元に置いてあったのも、そういうことだよね?」ニヤッ


花陽「ん……」フルフル



穂乃果「じゃ、このアイマスクつけてねー♡」


パチッ


花陽「んっ、んぅぅ♡」

花陽(暗くてなにも見えない、穂乃果ちゃんの咥えてるから……息も苦し……)

穂乃果「よだれ溢れてきちゃってる、可愛い♡」



花陽(口の中でどんどんおっきくなって……♡)

穂乃果「ふふっ♡動くよー?」ガシッ


花陽「ん゛ーん゛ーっッ////」ウルウル

穂乃果「あはぁ♡」


グチュグチュ


花陽「あ゛ぐぅ♡ごっんぅ……///」



穂乃果「んぁ……きもちぃ♡花陽ちゃんは本当にヘンタイだね! こんなことされて、喜ぶなん、て!!♡」グッポグッポ



花陽「おめんあさ♡……///」

花陽(目隠しされて、こんな酷いことされてる、のにっ……♡)



穂乃果「すごっ♡喉の奥閉まって……♡」


花陽「んゔぅぅ♡んぅゔ!!!」バタバダ


穂乃果「ちょっと苦しそうだけど、んぅぅぁ♡も、穂乃果も出ちゃいそ♡」ビクっ♡






穂乃果「あ、イク♡でちゃうでちゃう♡っ~~///」グッポグッポズチュゥ♡




花陽「んゔぅぁ……がぁ……♡」

穂乃果「全部、飲んでよ!?♡♡」

花陽(息、出来なっ……♡)


穂乃果「あっ♡ぁぁああっ♡♡」ビュクッビュクッビュルルル

穂乃果「んっぁぁっ////」ビュルル……ピュッ

花陽「んっ♡んっぁ♡」ングッゴク♡


穂乃果「はぁっ♡ハァハァ……♡」ビクビク♡




穂乃果「――さいこぉ……♡」ヌプンッ…




花陽「げほっ……♡げほ……♡」

穂乃果「……」





花陽「――ぅ、うぅ……」



穂乃果「……ぁ、えと」サァァアアアア

穂乃果「――ご、ごめんね花陽ちゃんっ!!!」

穂乃果「こんな、こんな酷いことするつもり無かったの!! でも、でも穂乃果……自分のこと抑えられなくって! ごめんね、本当にごめんね!?」




穂乃果「とりあえずアイマスク取って――」スルル





花陽「……♡」

穂乃果「……?」







花陽「――もっ……と♡」






穂乃果「……え?」

◇――――◇


一週間後


ことり「仲が修復されたみたいで良かったです」

穂乃果「そもそも穂乃果の一方的な勘違い」

穂乃果「難しいなぁ……」



穂乃果「でもね、前よりもっと仲良くなれたから良かったんだ!」

ことり「そうなんだぁ」

ことり「原因はなんだったの?」

穂乃果「そ、それは……」


穂乃果「言えないごめんっ!!」

ことり「まあ二人のことだもんね?」




穂乃果「ごめんねー普通のことなら言えたんだけれど……」

ことり「……」

穂乃果「あ、あとさ」

ことり「うん?」

穂乃果「突然なんだけど、ことりちゃんてさ……その……」

穂乃果「――大人のおもちゃ? ってやつ持ってるよね?」






ことり「な……/////」


ことり「ななななんのこと!?」


穂乃果「いや、あの……はじめのころに、何かわからなかったやつ……あれそうだよね?」




◇――




穂乃果『あれ、これなに?』


ことり『うぇぇ!?』


ことり『あ、あの、それは……』///

穂乃果『……?』




ことり『ま、マッサージする、やつだよ』

穂乃果『ふぅん』



――◇




ことり「ち、ちがうもん!!」////

穂乃果「あの時はわかんなかったけど、いろいろ見てたら……ね」


ことり「……////」



穂乃果「ああいうのってどこで買うの?」

ことり「……なにに使うの」

穂乃果「え!? それは、その……」


ことり「――花陽ちゃん?」

穂乃果「い、いやそういうのじゃないのっ!!」


ことり「………………」

穂乃果「な、なにさ」




ことり「……通販だよ。いくらでもあるよそんなの」


穂乃果「あ、そっか」



ことり「と、とにかくそんなのことりにきかないで!!////」


穂乃果「顔真っ赤だよー」

ことり「ぅぅ……酷いよぉ///」


ことり「もう知らないっ」



穂乃果「あーん、ごめんー……」



穂乃果(そっか、通販かぁ……)




穂乃果(ああいうの以外にも、他にも色々売ってたり……するのかな?)

◇――――◇

3日後




 自分でもおかしいって思うんだ。



穂乃果「うふふ……」ゾクゾク


花陽「ぁ、ぅ……♡」


花陽「ほ、ほんとにこれで練習、出なきゃいけないの……?」

穂乃果「うん、こういうこと好きそうだし」

花陽「す、好きなんかじゃない、よぉ……」

穂乃果「えーだって……」

穂乃果「くす……もっとこういうことして欲しいって言ったのは花陽ちゃんだよ?」



花陽「ぅ、そう、だけど……」ウルウル



穂乃果「……♡」ゾクゾク

花陽「でも――」




ポチッ

花陽「ふぁ……んっぅ♡」ヴヴヴヴヴヴヴ


花陽「ちょ、や、めてぇ♡♡」ビクビク…////

穂乃果「ほら、気持ちよくなってる♡」

花陽「だ、だってぇ……♡」

スッ…


穂乃果「どう?」

花陽「ハァハァ……こ、んなの練習中にされたら……」

穂乃果「練習は頑張らなきゃだめだよ!」



穂乃果「――ね、ヘンタイさん♡」ボソッ


花陽「ふぅ……♡」ゾクゾク


 おもちゃで弄ばれて、それでもこの身体は、心は、嬉しいって叫ぶのだから。

◇――――◇


凛「かよちん、おはよー!!!!」

凛「穂乃果ちゃんもっ!」

穂乃果「おはよう!」

花陽「おはよー」

希「あらあら、またカップル揃って登校? おあついなー」




花陽「……///」


穂乃果「あはは……」


穂乃果「みんなもう着替えてる?」

希「うんあっちにいるよ」

穂乃果「花陽ちゃんも行ってきなよ」

花陽「うん……」

トコトコ

バタン




穂乃果「ふぅ、あっついなぁ……」

希「そうやねー」

にこ「38度?」

希「最高はね」

穂乃果「死んじゃう……」

穂乃果「穂乃果日陰に居てもいーい……?」

にこ「ダメよ」

穂乃果「えー……」

◇――――◇


更衣室




ことり「花陽ちゃんおはよー」

花陽「おはよう」

凛「かよちんかよちん、昨日は穂乃果ちゃんとお泊り?」

花陽「うぇぇ!?」


花陽「なんで知ってるのぉ!?」

凛「見えたの!」

真姫「へえ、楽しかった?」

花陽「ま、まあ……」

花陽「だから凛ちゃん先に来てたの?」



凛「カップルの中にいるのはちょっと、にゃ……」

花陽「気にしないよ……?」

ことり「そうだよ、あんまり気にしすぎるのも良くないよ?」

凛「そうなの?」


花陽「うんっ、明日からは一緒に来ようね?」

凛「やった!! 大好きかよちん!」ギュッー


カチッ


花陽「え――あっ♡ぅぅ♡♡」ビクビク


凛「ど、どうしたの?」

花陽「な、なんでも、なっ……♡♡」


花陽「なんでも、ないから、ね?」ヴヴヴヴヴヴヴ

花陽「ひゃぅ♡♡////」

真姫「ちょっと大丈夫?」


ピタッ

花陽「ハァ……♡っぁ♡はぁ……」

花陽(穂乃果ちゃん……こんな、ところで……)

花陽(どうしよう、練習中もされ、たら……)ジュワァ…





ことり「…………」

◇――――◇


真姫「なんだか花陽、調子悪い?」

真姫「最近また良くなって来たかと思ったけど」

花陽「え、あ……ごめん」

真姫「責めてるわけじゃないのよ? ただどうしたのかなって」

花陽「なんでもないよ、大丈夫だから」

真姫「そう……」





穂乃果「――花陽ちゃんっ」

花陽「」ビク


穂乃果「練習中、随分気持ちよくなってたみたいだけど♡」


花陽「ち、ちがう……♡」

穂乃果「……今日練習終わったらそのままご飯、食べいこ?」

花陽「このまま? ……つけた、まま?」

穂乃果「うんっ」

花陽「……」


花陽「はい……」


穂乃果「流石にこれ以上練習中にするのはやめるから、残りの時間は集中してね?」

花陽「本当?」

穂乃果「うん」



穂乃果(ふぅ……練習中、感じてる花陽ちゃん、可愛かったなぁ……♡)

穂乃果(今日も花陽ちゃんの家、泊まれるかなぁ……。今日こそ最後まで、したいな……♡)



ことり「――穂乃果ちゃん」


穂乃果「ん?」

ことり「…………」

穂乃果「ど、どうしたの?」



ことり「――あんまり恋人で遊びすぎちゃダメだよ」

穂乃果「え、え……?」




タッタッタッ


穂乃果「……ばれてる?」


穂乃果「ぅう……ことりちゃん鋭いよぉ……みんなの前じゃやめよう……」

◇――――◇


ファミレス




穂乃果「ねえ、今日も花陽ちゃんのお母さん達は仕事だよね?」

 この質問は……。

穂乃果「そっか、なら今日も花陽ちゃんの家に寄っていいかな?」


花陽「う、ん」

 私がそう頷くと、穂乃果ちゃんはぱあっと表情を明るくして、私の手を握る。


穂乃果「今日は穂乃果が奢ってあげるよ! 高いとこじゃないけど、好きなの食べて!」

花陽「急にどうしたの……?」


穂乃果「最近花陽ちゃんの家に行きすぎかなーって」

花陽「……全然いいのに」

穂乃果「いいからいいから」

花陽「んー、えっと……じゃあ」




 メニューを決めて、穂乃果ちゃんが店員さんを呼ぶ。店員さんがメニューを聞きに来て、穂乃果ちゃんがお先にどうぞって言うから……私はメニューに目をやって――。



カチッ



花陽「ひっ――っっぁぁ♡」


 下腹部に人工的な刺激が走り、それは背筋を通って頭へと抜けて行く。



 ただでさえ朝からこんな刺激を与えられ続けて、下着もビショビショで、かといって達することもできないくらいその刺激は一瞬なことがほとんど。それなのにも関わらず今回は、今回だけはいつもより長い。店員さんが私を見て不思議そうな顔をするけれど、私はメニューを言えるような状況にない。



 言葉を発そうと口を開いて見れば、下腹部から押し出されるように卑猥な声が出てしまう。ちらりと穂乃果ちゃんを見ると、とっても楽しそうに私のことを見ていたんだ。




花陽「は、ぁぅ♡」ビクビク

花陽「こ、れで」



 震える身体に鞭を打って、メニューを指差すと続いて穂乃果ちゃんもメニューを言って店員さんは去っていった。


花陽「あっ、ぐぅぁ♡とめ、て♡」ギュゥ////

花陽「おね、がい♡」ビクビク

穂乃果「どうして?」ニコニコ


 視界が徐々に白んで行く、下腹部にたまったなにかが少しずつ全身を満たしていく。


 夏休みシーズンの今は平日だろうと関係なしに周りにはたくさんの人がいる。ダメだ、こんな、こんなところで……っ。


花陽「や、ぁ……♡いっちゃ……も、やだ……♡」キュンキュン


 恥ずかしくて目の前の恋人の顔すら見れなくなって、もうなにをしていいのかわからなくなる。快楽に飲まれそうになるのを必死に堪えるにはその場に突っ伏す他なかった。


花陽「ひゃ、ぅ♡んっぁ♡」



 突っ伏したところで、気持ちいいのが止むはずもなく……ビクビクっていう痙攣が起こり始めた私の身体は、もう限界が近いっていうこと。

 
 もうダメだ、そう思った瞬間に穂乃果ちゃんの手が肩に触れる。穂乃果ちゃんの吐息が耳元にふっと当たる。




穂乃果「――我慢しないで、イっちゃいなよ♡」

花陽「――ぁ……♡っ……♡」キュンキュン…///




花陽「……っんんんんっぅ……♡♡♡」ガクガクガクガク/////



 穂乃果ちゃんの声が引き金になって全身を襲った快楽に為す術もなく、こんな人前で達している羞恥すらも快楽に変換されて今までとはまるで違う感覚に思考回路が焼き切れそう。



花陽「ハッ……♡ハァハァ……♡」ブルブル…グチャァ…




穂乃果「――あーあ、こんなに周りに人がいるのに……イっちゃったね?」ボソッ……♡





嘲笑うかのような穂乃果ちゃんの声色。私はタイツにまで染みてきた液体の感触に、羞恥のあまりしばらく顔を上げることが出来なかった。

次でラストシーン。調子がよければ今日中に終わるかも。

◇――――◇


花陽の部屋



花陽「んっ、はぁ……♡」

穂乃果「ちゅ、っんぅ♡ちゅるる♡」

穂乃果「……昨日は普通にお泊りだったもんね。穂乃果、我慢してたんだよ」

穂乃果「くす……花陽ちゃん、声おっきそうだから♡」

花陽「……/////」


穂乃果「それとも無理やりしてあげた方が良かったかな?」

花陽「……」








穂乃果「――すっごく優しくなんか、出来ないよ」




花陽「……♡」ゾクゾク


 にやりと微笑んだ穂乃果ちゃんが、また私の唇を奪って覆い被さる。強引で乱暴な舌技は、初めてキスをした頃の穂乃果ちゃんとは随分違う。でも……嫌じゃない。強引にされればされるほど、それだけ私を求めてくれてるんだっていう確認になるから……。

 最初の頃から……穂乃果ちゃんは私のそんな気持ちを分かってくれていたのかな?



花陽「ハッ……んぅ♡」トローン

穂乃果「じゃ……アイマスクしてね」


 いつもみたいに、差し出されるアイマスク。これをすれば私は光を失って、穂乃果ちゃんのおもちゃになる。長い長い夜が始まる。


穂乃果「……柔らかい」ムニュムニュ

花陽「んっ……♡」



穂乃果「制服着てこんなことするって、すっごく興奮するよね♡」ムギュッ


穂乃果「つい最近まで中学生だったのに……こんなにえっち♡」



花陽「ひっぐぅ……♡」

 耳元にかかる穂乃果ちゃんの吐息が荒さを増して、それと同時に手つきも強引になってくる。

穂乃果「はっぁ……♡」クリクリ


花陽「んっ♡んんんぅ♡」


穂乃果「硬くなってる、ねえ……気持ちいい?」

花陽「……♡」コクッ

穂乃果「そっか、ならもうちょっと強くするね」

花陽「え」

穂乃果「♡」ギュゥックニクニ


花陽「!?」

花陽「あ、や、ぁ……♡」

穂乃果「かわいい……♡」ペロッ

花陽「ひゃぁ♡」

花陽「な、なにして……!」ビクゥッ

穂乃果「いいでしょ?」

 耳元にあった穂乃果ちゃんの吐息が胸にかかって、ザラザラした舌の感触は未知なもので、思わず身体が飛び跳ねる。

 くすくすって少しだけ笑う声が聞こえて、穂乃果ちゃん、楽しんでるんだって楽しんでくれてるんだって嬉しくなった。


穂乃果「はむ……♡ちゅる……ちゅぅぅ♡」

花陽「あっ♡ひ、ぁ♡んんんぁぁ♡♡」

穂乃果「ふふ……ほんっと、さいこぉ♡」


 また穂乃果ちゃんの気配を耳元に感じる。するすると制服を脱がされ、まだビリビリする胸が空気に触れてすぅっと唾液が乾いていくのがわかる。


穂乃果「あ、そうだ」





穂乃果「えい」パシャ





花陽「!?」

穂乃果「――これで花陽ちゃん、穂乃果がいなくても1人でできるね」

花陽「な……」カアァァァ



 恥ずかしい、最高に恥ずかしい、のに……。いままで自分でこういうことをしてきたんだから、恥ずかしがるのも変だよね……。でも、そんなの堂々と口で言えるわけ、ないし……。


穂乃果「――大丈夫」ガバッ


穂乃果「花陽ちゃんのこと、よく知ってるつもり。まだ知らないことだってあるかもしれないけれど、これから花陽ちゃんの全部、知りたいな」


花陽「穂乃果ちゃん……」

穂乃果「だから、今日はめちゃくちゃにしたい。いい、よね?」


 いいよ、めちゃくちゃにして。穂乃果ちゃんの思い通りに、好きなようにして? 私がこうやって恥ずかしいこと口に出さなくても、わかってくれてるんだね。……時々わざと口に出させるのは……ちょっと意地悪だけど。



 私の返答よりも先に、唇を覆われて舌が侵入してくる。にゅるにゅると舌が絡みあってピリピリする感触はなにものにも変えられない。そして穂乃果ちゃんの手元は私のタイツをさすって、徐々に上の方へ。


 上半身裸で、アイマスクをさせられてる今の私はどんななのかな、後で写真を見て悶絶することになるのかな?


穂乃果「……すっごい、ほんとびしゃびしゃ……」グチャァァ……


穂乃果「ほんとに濡れやすいね♡」

花陽「はず、かし……♡」

穂乃果「わかりやすくて、穂乃果は大好き♡」

花陽「……♡」////


 極度に濡れやすい体質も、穂乃果ちゃんが好きって言ってくれるなら私もそれで良かったって思える。でも、穂乃果ちゃんはなんでもいいって言ってくれるから、あんまり関係ないのかな?

 そんなふうに考えているうちにタイツと下着を同時に脱がされて、男の人してはかなりしなやかな指が私の弱いところを軽く弾く。

花陽「……♡♡」ビクッ


 それだけで奥から奥から生暖かいものが溢れてお尻の方まで伝っていくのが分かった。どうしよう、タオル敷いてないや……。


穂乃果「♡」クニクニッ

花陽「ひっぁ♡ハッぁ♡♡」クニクニッ

花陽「や、やめて♡んんんぅ♡」

穂乃果「花陽ちゃんのやめて、はもっとってことだもんね?♡」クチュックチゥ



花陽「あっ、ああぁぁ♡」////


穂乃果「やっぱり昨日しなくて良かったね、こんなおっきい声、出すんだもん♡♡」

花陽「い、やぁ……ッ♡」////






穂乃果「――ねえ、花陽ちゃんそろそろ……」

花陽「ハッ……ん♡」コクッ////




 そろそろってことは、ようやく本番、てことだよね。覆い被さる穂乃果ちゃんの重みが心地よくて、ずっと重なってたいなんて思える。







花陽「わ、私も……穂乃果ちゃんと一つに、なりたい……////」



穂乃果「ごくっ……♡」


穂乃果(可愛すぎ……♡)ゾクゾク

 するするって衣擦れの音。見えないからよくわからないけれど、きっと穂乃果ちゃんも服を脱いでいるんだろう。お互い裸になって真昼間からこんなこと……よっぽど変態なカップルなんだろうなぁ……。



穂乃果「はぁ……はぁ♡挿入れる、よ?♡」ギンギン



 太もものあたりにとっても硬いものが押し当てられる、これが私の中に……。

穂乃果「んっんぅ♡」ニュルゥ

花陽「っっ……」

穂乃果「最初は痛いかもしれないけど、がんばってね……? 最初は優しくするから」

花陽「うん……」


穂乃果「いくよ」////





グググゥ






花陽「んっ……ぁっ……ぐぅぅ……いたっ……ぃ♡」



穂乃果「ハッ……ぁぁ……♡♡♡」ガクガク////

穂乃果「きも、ちぃ……♡♡」




穂乃果「はぁはぁ……大丈夫……?」


 
花陽「……ちょっといたいっかな……」


穂乃果「そうだよね。うん……ちょっとだけこうしてよっか。すぐ慣れるよ」


 ……穂乃果ちゃん、こういうところ優しいな。強引なところもいっぱいあるから、どっちが本当の穂乃果ちゃんなのかな。……ううん、どっちも本当の穂乃果ちゃん、なんだよね。


 私の膣内に穂乃果ちゃんのものが収まった瞬間の、身体の奥底から出てくるような声を聞く限り……相当気持ちよくなってくれてるみたい。


 本当はいますぐにでも動きたいはずなのに、私のことを待って……。


 私はアイマスクを動かして、光を取り戻す。眼前に迫った穂乃果ちゃんの表情がアイマスクをする前よりも、とろけていることが印象的だった。


穂乃果「外す?」


花陽「やっぱり言いたいことは目を見ていわなきゃって」




花陽「……私ね、穂乃果ちゃんがいっぱい好きなように動いてくれたら……嬉しい、よ?」


穂乃果「……////」

穂乃果(ヤバイ……抑えられ、ない)



 そう言った瞬間、自分も恥ずかしくなっちゃってすぐにアイマスクをし直す。穂乃果ちゃんの温もりがもっと近くなって、私の膣内にあるものが、びくんと跳ねた気がした。

穂乃果「動くよ……♡」


穂乃果「んんっ、ぁっふぁぁ♡」ズチュ…ズチュ

花陽「んっぐぅ……」


穂乃果「きもちいい♡花陽ちゃん、気持ちいい、よぉ♡」////


花陽「はっぁ、ぅ」

穂乃果「ごめ、ごめんね♡穂乃果ばっかり気持ちよくなって」グチュグチャ…パンパン

花陽「んっぁ♡ああぁ♡」

花陽(いたぃ……痛いよぉ……。でも、気持ちいいとかじゃなくて、奥つかれると、声でちゃ……♡)


穂乃果「花陽ちゃんっ♡好き、大好き♡♡」ズルズル…ズチュゥ…♡

花陽「はっぁ♡」ビクビク///

穂乃果「すごい……ふわふわしてて……ほんと、きもち……♡♡」////

穂乃果「んっんんんぅ♡ちゅっ、んっ」

花陽「ちゅるる……はぁ♡」

穂乃果「舌、舌出して……?」

花陽「こ、こう?」

穂乃果「あは♡」


穂乃果「れろっちゅるる……♡」


花陽「んんんっ♡♡」

花陽(キス……気持ちいい……ぴりぴりして……なんか下まで気持ちよく♡♡)

穂乃果「んっんんぅ♡」パンパンッ……グチュグチュ♡


 少しずつ痛みが快楽に変わって、声が勝手に出てしまうのを穂乃果ちゃんが蓋をすることによって押さえつけられる。二つの場所で一つになって、声を出せば出すほど穂乃果ちゃんの中に木霊する。私の全部穂乃果ちゃんに支配されて、とっても幸せ……。



穂乃果「気持ちよく、なってきた?♡」


花陽「う、ん♡」


穂乃果「穂乃果も、そろ、そろっ!!♡♡」ズププッ……グチュグチュ////



穂乃果「ねえ、最後にしたいことしていい!?」



花陽「あっ♡ぅんっ♡全部、なんでもしていい、からっ♡」


 なんだろう、でも、なんでも……穂乃果ちゃん、なら……。



穂乃果「♡♡♡」ガシッ…ギュゥゥ


花陽「!?!?!?!?」










花陽「――な、なんで、首……っ」

穂乃果「――首締めしながらすると、イイんだってさ♡」



穂乃果「大丈夫、ね。本当にまずかったら穂乃果の手叩いて?」


 一瞬だけ締められた感触に、そこまでの嫌悪感は無かった。やってみたいこと……そっか確かにこんなこと普通の人になんてできない。私みたいな変態にしかできないことなんだ……。


花陽「……いいよ、でも……流石に死んじゃうのは、嫌だよ?」

穂乃果「当たり前だよっ、穂乃果だって殺したいわけない」

穂乃果「でも、お願い。一回やってみたいの」


花陽「……うん」


穂乃果「……♡♡」


 さっきみたいに、穂乃果ちゃんが動き始める。もう完全に快楽に変わってしまったことで、穂乃果ちゃんが動くたびに甲高い声が喉元を突き抜けていく。――そして、それを潰すかのように首をぎゅぅっと締め付けられた。




花陽「あ゛っ、ぁぁっ♡」




穂乃果「はぁっ♡きもちッ♡――花陽ちゃんは穂乃果のもの、だよ。絶対、誰にも渡さない♡」ググググっ…





花陽「かっはぁ………♡」バタバタ



 痛い、苦しい、呼吸できない。



 でも気持ちいい感覚は絶え間無く与えられて、行き場のなくなった声はまるで快楽として身体の中に蓄積されているみたい。痛くて苦しくして、やめて欲しいはずなのに、やめて欲しくない。私は全部穂乃果ちゃんのものなんだって、強引にされればされるほど実感する。




穂乃果「すごい♡さっきより、締め付け、られてぇ♡」////


花陽「あ゛っ……ぐぁ……♡」




 きもちいいきもちいいくるしいいたいきもちいい。



 少しずつ遠のいていく意識に、時々強烈な快感が走り抜ける。穂乃果ちゃんの気持ち良さそうな声はさっきよりも大きくなって、ああもうちょっとで終わるんだなぁってなんとなくわかった。





穂乃果「でちゃぅ♡ほんと、やばっ♡♡ふぁっ♡」ガクガク

穂乃果「あっ、ああぁぁっ♡♡♡」ビュルッビュルルルルッ


花陽「は、な……してっぁ♡ぐっぁ♡」トントン


 きもちいい……でも、しんじゃ……ぅ。


 私のなかでひときわ大きく跳ねた穂乃果ちゃんのものは、私を絶頂に導く。ほとんど酸欠状態の私はふわふわした感触のまま、最高の気持ちよさを体感することが出来た。


 でも、本当にダメ。穂乃果ちゃん、手離して、死んじゃう死んじゃう。


 最後に力を振り絞って穂乃果ちゃんの手をとんとんて叩いてみたけれど、穂乃果ちゃんも絶頂のさなかにに浸っていてそれどころじゃない。


 花陽「あ゛……ぅ゛」



 意識が落ちる前に私が見たのは、本当に気持ちよさそうに、幸せな表情を浮かべた穂乃果ちゃんだった。

◇――――◇

数分後




穂乃果「あの……本当に、ごめん……」



花陽「いいけど……怖かったよ」


穂乃果「うん……。本当にごめんね」



穂乃果「前からこういうのやってみたいって思ってて、ダメなの分かってたのに……興奮して……そんなの忘れちゃって」

花陽「死んじゃうって思ったよ……」

穂乃果「ごめん」


穂乃果「跡残っちゃったね……」




花陽「……なんだか虐待されたみたい。みんなに見られたら誤解されそうだね」



穂乃果「もう2度としないから……」

花陽「うん……。でも、気持ちよかったよ」

穂乃果「本当……? 穂乃果も気持ち良かったよ。ね、今度は普通にえっちしようね?」



穂乃果「その次はまた激しくしてあげる」

花陽「……////」

穂乃果「メリハリだねメリハリ!」

花陽「ぅぅ……」



穂乃果「ね、さっきも言ったけど。穂乃果ね、花陽ちゃんのこと誰にも渡したくない」

花陽「……私も穂乃果ちゃんじゃないと嫌だよ」



穂乃果「んっ……ちゅ」


花陽「……ちゅ」


穂乃果「えへへ……」




 ちょっと今回は度が過ぎたかもしれないけれど、私の素のままを受け入れてくれる人なんて穂乃果ちゃん以外には考えられない。本当に、この人の恋人になれて良かった。どれだけこの幸せな時間が続くかなんてわからないけれど、精一杯楽しめるといいな。――ううん、精一杯楽しむんだ。

◇――――◇

部室前



花陽「ど、どどどうしよう……っ」

穂乃果「……がんばって隠してっ!」

花陽「そんなぁ……」


穂乃果「じゃ、は、入るよ!」


ガチャッ



希「お、今日も夫婦で登校ですかー」

花陽「ふ、夫婦って///」




真姫「相変わらず幸せそうね」

穂乃果「ま、まあ」




ことり「?」

穂乃果「い、いやー今日もあっついねー」








にこ「――なんで花陽はこんな暑いのにマフラーしてるの?」

花陽「え、あ、いやっ!!」

にこ「なーんか怪しいわねー」


花陽「な、なんでもないよ!!」

穂乃果「そ、そうだよ! 花陽ちゃん最近マフラーにハマってるんだよ!」

真姫「意味がわからないんだけど」

絵里「それで練習するつもり?」

花陽「も、もちろんっ」

海未「それは流石に……」



凛「かよちんなにか隠してるー?」


花陽「か、かくしてないよっ!!!」ダラダラ


にこ「ほら、汗びっしょりじゃない」

真姫「花陽、いいから外しなさい」グイッ


花陽「あっ、ちょっ……」スルッ…


穂乃果「ぁ……」








真姫「――え……」

真姫「なに、これ」

希「……首に、手のあざ」


穂乃果「……」

海未「……なんですかこれは」



真姫「花陽、誰にやられたの」



花陽「……」


ことり「……」チラッ


穂乃果「……」



真姫「ねえ、教えて?」




花陽「だ、だからその」








にこ「もしかして――穂乃果?」







凛「え……そんな」

絵里「……穂乃果、どうなの?」



にこ「……答えなさいよ」

穂乃果「ちょ、ちょっと待ってよ」



にこ「返答によってはきっとただじゃすまないけれど」






穂乃果「あの、だから……っ」

◇――――◇


にこ「……はぁ」


真姫「呆れるわね」



にこ「あんたらカップルはばかじゃないの!?」



穂乃果「……反省してます」


希「いやー……ハード思考なんやねふたりとも」

花陽「……////」


希(そっかあ花陽ちゃん、もうえっちしたんやー)


真姫(なるほど花陽の性癖はそういうのなのね……)






絵里「穂乃果、いやその……私が言えた話じゃないんだけど、そういうのはほどほどに、ね?」




にこ「ほんっとに心配して損したわ」

ことり「だから遊びすぎちゃダメだよーって言ったのにぃ」



穂乃果「……はい」



凛「なんか……すごいにゃ」





にこ「まあでも、本人達が幸せならいいんじゃない? 流石に限度はあると思うけれど」




にこ「どう、花陽」


花陽「な、なにが?」



にこ「穂乃果と付き合って、幸せ……?」



穂乃果「……」


花陽「――幸せだよ」




にこ「そう……良かったわね。ふたりともお似合いよ、前は言わなかったけど――おめでとう」



花陽「……」



花陽「……うん、ありがとう!!」

にこ「あーあ、なんだか疲れちゃった。やっぱりこんな時はまたみんなで笑顔の練習――」




凛「そんなのどうでもいいから、海未ちゃんっ、今日は暑いし少し早く帰るってのも」



にこ「ちょっ、あんたねっ!」








海未「――ダメです!」



海未「みたところ花陽も穂乃果も幸せで少しだらけているようです、ここで今一度引き締める必要がありますね」



花陽「そ、それは……」



凛「やだっ、海未ちゃんちょっと怒ってる!!」


凛「穂乃果ちゃんのせいだにゃ!!」



穂乃果「ほ、穂乃果のせいなの!?!?」





ワーワーワー



ことり「ねえ花陽ちゃん」

花陽「?」


ことり「――穂乃果ちゃんきっとこれからも暴走しちゃったりするかもされないけど、支えてあげて欲しいな」


 ことりちゃんは微笑みながらそう言った。そっか、ことりちゃんは穂乃果ちゃんのことをずっと見てきて……まるでお母さんみたいな感じなのかな? 自分の元から離れて行くみたいで少しだけ寂しいのかもしれない。



花陽「……うん、任せて」


花陽「未だに私でいいのかなって思うこともたくさんあるけど、でも……選んでくれたんだもん。穂乃果ちゃんの恋人って胸張って言えるような人になるよ」


ことり「……そっか」


ことり「大丈夫花陽ちゃんはもうそうなってるよ」


花陽「そう、なのかな?」



ことり「うんっ」


 私がそうなれているのかは、私自身ではわからない。でもね、一つ言えるのは絶対昔の私よりは強くなれてる。強くなった。


 ねえ、昔の私。


 私ね、こんなに友達が出来たよ。凛ちゃんだけじゃなくていっぱい。私ねこんなに夢中になれることも見つけたよ。私ねとっても大事な人が出来たよ。


 暗くて地味な昔の私には想像出来ないよね?


 全部みんなのおかげなんだよ。他の人におんぶに抱っこだった私だけど、これからは自分の足で歩いていくよ。





穂乃果「――ねえ花陽ちゃんもなんとか言ってよ!!!」



花陽「え、ええ……?」






 そして、隣に穂乃果ちゃんが居てくれるのなら……私は最高の幸せものだね。








◇小泉 花陽ルート◇

終わりです。とても長い期間空いて申し訳ないです。色々書きたいのありすぎて全然まとまらなかった感はありますが……このルートはこれで終わりです。




読んでくれた方、本当にありがとうございます。

【注意】

これは確認用です。安価を取る時のために確認してみて下さい。
安価は午後一時頃を予定しています。来れなかったらごめんなさい。








1 ◇星空凛◇ 凛ちゃんと付き合ってた時……楽しかったな。穂乃果がもっとちゃんと向き合ってあげてれば……。もし付き合ったら二人でいっぱい色んなところへ行きたいな。




2 ◇園田海未◇ 初恋の相手は海未ちゃん、だったなぁ。ことりちゃんもだけど、穂乃果のことを一番よく分かってくれてるね? ――あの時の花火大会とか……まだやってたっけ……もしやってるなら……。



【◆◆◆海未ルート選択により、"最近穂乃果と雪穂の様子がおかしいです……"の選択肢が解放されます◆◆◆】





4 ◇◇南ことり◇◇ ことりちゃんにはすっごくお世話になって一緒に過ごしてきたよね。やっぱり穂乃果は、ことりちゃんのこと――。





【◆◆◆ことりルート選択により、"穂乃果ちゃんはことりだけのモノ"選択肢が新たに解放されるようです◆◆◆】





5 ◇絢瀬絵里◇ 絵里ちゃんは初めての彼女……。あの日穂乃果が止めていれば絵里ちゃんを悲しませることなんてなかったのに。……もう悲しませたくない! で、でも……また奴隷になるのは……嫌、かな……? うう、昔のこと思い出しちゃった……。





6 ◇矢澤にこ◇ 何事にも一生懸命で、真っ直ぐな人。穂乃果のせいで傷つけちゃったよね……今更この人を支えてあげたいなんて……先輩に失礼かな? 



7 ◇東條希◆ 初めて会ったのは神社だったよね。とても優しくて……なんでも受け止めてくれるかな。穂乃果が暴走したせいで襲っちゃって……その償いもしたい。


 ◆――こ、今度はエッチばかりしないようにしないと……◇





穂乃果は、どうすればいいんだろう?




1 ◇星空凛◇ 凛ちゃんと付き合ってた時……楽しかったな。穂乃果がもっとちゃんと向き合ってあげてれば……。もし付き合ったら二人でいっぱい色んなところへ行きたいな。




2 ◇園田海未◇ 初恋の相手は海未ちゃん、だったなぁ。ことりちゃんもだけど、穂乃果のことを一番よく分かってくれてるね? ――あの時の花火大会とか……まだやってたっけ……もしやってるなら……。



【◆◆◆海未ルート選択により、"最近穂乃果と雪穂の様子がおかしいです……"の選択肢が解放されます◆◆◆】





3 ◇◇南ことり◇◇ ことりちゃんにはすっごくお世話になって一緒に過ごしてきたよね。やっぱり穂乃果は、ことりちゃんのこと――。





【◆◆◆ことりルート選択により、"穂乃果ちゃんはことりだけのモノ"選択肢が新たに解放されるようです◆◆◆】





4 ◇絢瀬絵里◇ 絵里ちゃんは初めての彼女……。あの日穂乃果が止めていれば絵里ちゃんを悲しませることなんてなかったのに。……もう悲しませたくない! で、でも……また奴隷になるのは……嫌、かな……? うう、昔のこと思い出しちゃった……。





5 ◇矢澤にこ◇ 何事にも一生懸命で、真っ直ぐな人。穂乃果のせいで傷つけちゃったよね……今更この人を支えてあげたいなんて……先輩に失礼かな? 





6 ◇東條希◆ 初めて会ったのは神社だったよね。とても優しくて……なんでも受け止めてくれるかな。穂乃果が暴走したせいで襲っちゃって……その償いもしたい。


 ◆――こ、今度はエッチばかりしないようにしないと……◇







>>153>>157の間で一番多いルートへ進みます。選択して下さい。

2

にこ

海未とにこで割れたので、少し経ったら二つのどちらがいいか安価をとります。

あと七分後にとります。

海未orにこ 選択して下さい。

>>163から>>167で多かったものに決めます。

にこっち

海未ちゃん

ツバサ振りのエロなしヒロインになりそうやね。これはこれで楽しみにしてます

>>168
ごめんなさい、普通にエロ……







書いてきます。またしばしお待ち下さい。

見てきました。
まあ…あまり喪失感等はなく、一応は続けられそうです。。映画の内容は直接ssには影響なさそうでしたから…。

ただ、あれみたあとならもっとツバサルートいい感じに書けたかな、と。

続きは少々お待ちください……と生存報告でした。

シリアス展開多めの生えてるss下さい……

海未「両性具有?」
海未「愛憎の果てに」

鋭意作成中。

それと答えてくれた方々ありがとうございます…一応全部みてました……。皆様もお時間があれば是非生やすやつを書いてみて…お願いします。

◇――矢澤にこ――◇








『ねえねえ、ママは寂しくないの?』



『だ、だって……パパ、全然帰ってこない、よ?』



『お仕事、そんなに大変なの?』




『だから、仕方ないの?』



『にこ、寂しいよ』



『うん、ごめんねママ……わかってる……』


 ママはその時微笑みながら、寂しくないって言った。にこがいるから寂しくないって言ってくれて、嬉しかったけれど……。



 やっぱりママはちょっと寂しそうに笑う。パパがお仕事で遅かったり出張がいっぱいあったり……。



 最後にママは、好きだから寂しく無いって言って私の頭をポンと叩いた。どうして? なんで好きだから寂しくないの? 好きならそばにいてほしいものじゃないの?




 その時のママの笑顔は決して寂しそうじゃなかった。――今でもあんまりその意味は、わからない。








『にこにもそんな人が出来るかなあ?』

◇――――◇




にこ「――ん……ご飯作ろ」

にこ「ふあぁ……ねむ」トコトコ…




にこ「……ん、ことり?」






ことり「――あ、おはようっ」

にこ「なにしてるの?」

ことり「朝ご飯作ろうかなあって」


にこ「どうしたの、私がやるわよ?」



ことり「ん、いやー……疲れてるかなあって」



にこ「ことりだって疲れてるでしょ?」

ことり「ことりは大丈夫だよー」

ことり「にこちゃんこそ大丈夫?」

にこ「私は大丈夫よ」

ことり「こんなに朝早いのに?」

にこ「慣れてるからね」

ことり「すごいなぁ……」


ことり「ふあぁ……」


にこ「ほら、眠いんでしょ変わって」スッ

ことり「あ……。うーん……にこちゃんが作った方が美味しいし、じゃあことりは見てるね?」



ことり「手伝って欲しかったら言ってね」

にこ「ええ」

にこ「ていうか私もことりもそんなに変わらない気がするけど……」


ことり「にこちゃんの方が上手いよー」


にこ「ん……ありがと」

ことり「にこちゃんはどうして料理をしようって思ったの?」


にこ「うーん……するしかなかったっていうか……」


にこ「親がどっちも忙しかったりしてね。途中からは妹や弟も出来たし」


にこ「必要だったの」


ことり「へぇ……」


ことり(あんまり聞かない方が良かったかな?)


にこ「ことりは?」



ことり「えっと……ことりは甘いものが好きなの。それで試しに作って食べて貰った時に美味しいって言ってくれたのが嬉しくて……」


にこ「へぇ、いいわね」トントントントン



にこ「……」ピタッ




にこ「――その相手は穂乃果?」






ことり「あ、うん……」///

にこ「ふふっ、あんたたち本当に一緒にいたのね」

ことり「一番長くいるからね」

にこ「そのくせ告白したのは最後、と」

ことり「そ、それは仕方ないよっ!」






にこ「……ん?」







ことり「どうしたの?」

にこ「ねえ、告白ってさ……自分の気持ち、伝えることよね」

ことり「そうだけど」

にこ「ことりは何て言った?」

ことり「そ、そんなのっ////」

にこ「お願いっ」


ことり「ふ、普通に好きって言って……付き合って下さいって……////」


にこ「――や、やっぱりそうよね」


ことり「本当にどうしたの?」



にこ「あのね、私――」

◇――――◇



ことり「あはは……そんなの大丈夫だよ」

にこ「そ、そう?」

ことり「付き合って下さいって直接的なな言葉を言わなくてもそこまで言ったなら大丈夫」

にこ「……良かった」

ことり(にこちゃん、すっごい純粋なんだなぁ……)


にこ「まあ、正直望み薄な感じはするけれど……」

にこ「なんとなくだけど、穂乃果はことりのことを選びそうな気がする」

ことり「えぇ……? それなら嬉しい、けど……」


ことり「にこちゃんはもし選ばれたら穂乃果ちゃんとなにしたい?」

にこ「え///」

にこ「な、なにって……」




にこ(な、なんだろう。おでかけとか? なんか色々? あ、どうしよう……穂乃果のこと考えてたら……頭真っ白に……////)

にこ「け……」


ことり「け?」



にこ「――結婚、とか?」////







希「……?」


ことり「あ、おはよう」




にこ「え!?」


希「――へぇ、にこっち。穂乃果ちゃんとそこまで考えてるんやー」ニヤニヤ


にこ「な……な!!」カァァァァ


希「うんうん、いいことやん。軽い気持ちよりは絶対っ!」


希「でもちょぉっと気が早いかな?」


にこ「なんであんたがここにいるのよっ!」

希「たまたま早起きしたらなーんか恋バナしてるんやもんっ!」

にこ「いつもは寝坊するくせにぃ……」

希「にしし」


ことり「……まあでも、穂乃果ちゃん迷ってたみたいだよ。すっごく」

にこ「……そんな感じだったわね」



希「そんなことよりっ、にこっちの結婚の話を――」





にこ「あ、あれは違うのよっ!!!」



◇――――◇



穂乃果「いただきまーすっ!!」



穂乃果「んーっ!!」

穂乃果「今日もにこちゃん?」


にこ「うん」



絵里「美味しいわね」


凛「凛練習してるけど全然できないよー……」

にこ「すぐ出来るようになるわ」


にこ「まあこのにこにーが作る料理が美味しいのはとーぜんよねっ!」







穂乃果「――本当だねっ。……毎日食べたいなぁ」

「……!?!?」


にこ「へ……////」


穂乃果「え……?」


穂乃果「あっ」




穂乃果「あ、えと……それは、そのっ////」



穂乃果「――それくらい美味しいってことで!」



絵里(な、なんだ……)



真姫(こんなみんなの前で言うのかと思ったわ……)



にこ「……////」




希「あらら」

希(にこっちにとってダメージおっきいなぁ。もう穂乃果ちゃんしか見れないんやない……?)クスクス

希(はっ……ウチもアピールしないとっ)





海未「とにかく、今日は合宿最終日です。頑張りましょうね」

◇――――◇


合宿後 スーパー



こころ「お姉様?」

にこ「ん? あー……なんでもない」



こころ「?」



にこ(合宿、楽しかったなぁ……)


にこ(穂乃果が来てくれて良かった……)


にこ「今日は何食べたい?」

こころ「えっと……なんでもいいかな」

にこ「そうねーそれが一番困るんだけど」


こころ「えーっとじゃあ……ここあも連れてくれば良かったね」

にこ「あーそうだったわね」

にこ「じゃあ今日は適当に――」



こころ「あっ!!!」


にこ「どうしたの?」




穂乃果「……あ」クルッ

にこ「穂乃果!?!?」



こころ「――お姉様の彼氏さんですっ!」

こころ「こんにちは!!」






穂乃果「え!?」

穂乃果「こ、こんにちはこころちゃん」



にこ「なっ!!!」////

にこ「ちょっとこころ何言ってるのよ!?」

こころ「え……あ、だって前に家で」

にこ「そ、それ以上はだめぇ!!!」

穂乃果(な、なにが起こってるんだろう?)




穂乃果「――どうしたの、夕飯の買い出し?」

にこ「え、あ……うん。そんなとこ」

にこ「穂乃果こそどうしたのよ、スーパーなんて来なそうなのに」


穂乃果「そうなんだよ!!」グイッ

にこ「……////」

穂乃果「穂乃果ね、普段買い出しなんてしないんだよ! なのにお母さんがミョウバン買ってこいって!」

にこ「ミョウバン?」

穂乃果「なにかに使うんだって」

穂乃果「ミョウバンてなに?」

にこ「あー……それならそっちの方に」


こころ「――私が案内しますねっ」

穂乃果「う、うん」


こころ「これですっ」

穂乃果「あ、これか……ふぅん。ありがとねっ!」

こころ「いえいえ!」

穂乃果「こんな小さい子に案内されるなんて……」

にこ「まあ買い物とか良くしてれば全然迷わないんだけどね」

穂乃果「そうなんだぁ」

穂乃果「えへへ、やっぱりにこちゃん達は頼りになるなあ」ナデナデ


こころ「~~~♪」


にこ(穂乃果に懐きすぎでしょ……まだそんなに会ったことないのに。まあ、穂乃果に遊び相手はしてもらってたけど)


こころ「あ、そうだお姉様」

にこ「ん?」

こころ「今日はママも遅くまでいないし、穂乃果さんがよければウチに来て下さいっ」


穂乃果「え、いいの?」


にこ「こ、こころなに言ってるの!?」



穂乃果「ほ、ほらーこころちゃんダメだよお姉ちゃん困らせちゃ」



にこ「――ダメってわけじゃ、ないけど」

穂乃果「本当?」

穂乃果「あのー……今日もにこちゃんのお母さん遅くまで帰って来ないんでしょ? 穂乃果でよければこころちゃん達の遊び相手にくらいなるよ?」


にこ「……」



にこ「こっちこそいいの?」


穂乃果「もちろんだよっ!」


にこ「じゃあ、穂乃果の食べたいも作ってあげる」

にこ「ちょうど夕飯なににしようか迷ってたのよ」

穂乃果「え、いいの!?」キラキラ

にこ(かわいい……)


にこ「あんまり高いのはダメよ」


穂乃果「うんっ! こころちゃん、何がいいかな!?」


こころ「そうですねー……」


にこ(なんか、弟が増えたみたい……)

にこ(ふふ、やった……また穂乃果がウチに来てくれる///)

にこ(こころに助けられた感じだけど、本当に良かった)


◇――――◇


にこ「だーかーらー近所迷惑になるでしょー!?」


穂乃果「ふぁい……」

ここあ「うー」

こころ「はい……」


にこ「全く……こころもここあもこたろうも、穂乃果が居て楽しいのはわかるけど」

穂乃果「ごめんなさい……」


にこ「まあいいわ」

ここあ「あれ、いい匂い」


にこ「穂乃果達が遊んでるうちに夕飯作れたから」


ここあ「お肉の匂いっ!!」



にこ「はいどーぞ」

穂乃果「おお……美味しそうっ」

にこ「豚の生姜焼きだなんて、男らしいっていうかなんていうか」

穂乃果「だって穂乃果野菜嫌いだもーん」

にこ「野菜も食べなきゃダメでしょ」

穂乃果「わかってるよぉ――じゃ、いただきまーすっ!」


ここあ「美味しいっ」

こころ「流石お姉様!」

にこ「ふふん」


にこ「……」チラッ


穂乃果「あむっ」



穂乃果「おいしぃ……さいこぉ」


にこ「良かった……」

穂乃果「こころちゃん達は羨ましいなあこんな美味しいのが普段から食べられて」

ここあ「なら穂乃果にーちゃんも毎日食べに来ればいいじゃん!」

穂乃果「そーしようかなあ!」

にこ「……////」


にこ(どう、しよ……顔熱い……。穂乃果はただここあ達に合わせてくれてるだけなのに……)


にこ(そもそも私……何を期待してるんだろ……)


穂乃果「……にこちゃん?」


にこ「ううん、なんでもない」

◇――――◇




にこ「はぁぁ……終わったぁ」

穂乃果「本当に手伝わなくて良かったのかな……?」

にこ「大丈夫だって言ってるでしょ?」

にこ「コーヒーでいい?」

穂乃果「うん」

にこ「はい」

穂乃果「ありがとー」



にこ「今日も助かったわ、ありがと」

穂乃果「こちらこそ美味しい料理をありがとねっ」ニコッ


にこ「……///」


にこ「そ、それにしてもこころ達があんなに穂乃果に懐くだなんて」

穂乃果「ね、穂乃果も驚いてる」



穂乃果「そうそう、聞きたいんだけどさ……前にこころちゃんが言ってた穂乃果が彼氏って――」






にこ「あ、いや、あれは……」



にこ「ち、違うのよっ!」

にこ「そ、その……なんていうか」








にこ「――穂乃果が彼氏なら……楽しい、だろうなって」






穂乃果「え……////」

にこ「っ……」カァァアアア


にこ「そう話しただけだからっ!」

穂乃果「そう、なんだ」



シーン……


にこ「……」


穂乃果「……」


「「ねえ」」



にこ「な、なによ」

穂乃果「そちらからどうぞっ」

にこ「そっちからっ!」

穂乃果「う、うぅ……」

穂乃果「あの、ありがとね」


にこ「?」

穂乃果「穂乃果のこと、見捨てないでくれて……」


にこ「なんのこと?」


穂乃果「……にこちゃんがいなかったら、本当に穂乃果……みんなと一緒にいられなかったかもしれない。あの時にこちゃんが命令してくれたから、穂乃果はこうやってにこちゃんの家にいることだって出来るんだよ」

穂乃果「合宿だって本当に楽しかったし、そういうのがなかったらって思うとゾッとしちゃう」


穂乃果「本当に感謝してるんだよ?」


にこ「穂乃果……」


にこ「穂乃果がそんな真面目なこと言うなんて思わなかった」

穂乃果「なにそれっ!」

にこ「ふふっ、冗談」

にこ「私、あんなキツイこと言ったのによく来てくれたわね」


穂乃果「そうかなー、すっごい優しいって思ったけど」




にこ「あの時私は許さないって言ったの覚えてる?」


穂乃果「……うん、最低だもんね……」

にこ「でも私は穂乃果を信じてるから、もうあんなことしないでしょ?」

穂乃果「約束する」


にこ「――なら許す。ごめんね、あの時は叩いちゃって」

穂乃果「ううん大丈夫。いい薬になったもん」

にこ「そっか」

にこ「そうねえ……穂乃果がそんな真面目な話してきたから、私も真面目な話しようかなー」

穂乃果「?」

にこ「私ね、ずっとひとりぼっちだったの。多少の友達とかはいたけれど、ひとりなのには変わりなかった」

にこ「もうダメなんだろうなーって諦めかけて閉じこもってた時に、あなたが現れた」


穂乃果「……」

にこ「そこからは想像つくでしょう? こんなに楽しいって思えるきっかけを作ってくれた、穂乃果のおかげ」


にこ「本当にありがとう」ニコッ


穂乃果「……//」

穂乃果「な、なんか恥ずかしいね」


にこ「そ、そうね……」

にこ「……ねえ穂乃果、私の話最後まで聞いてくれる?」

穂乃果「うん?」

にこ「……私ね、穂乃果と居るととっても楽しい」

穂乃果「……」

にこ「――こんなに人を好きになったのって、初めてなの」


にこ「前はちゃんと言えなかったから、今言わせて?」

穂乃果「え……!?」

穂乃果「……んっ」ドキドキドキドキ






にこ「穂乃果のことが好き。良かったら……私と付き合って、欲しいな」


穂乃果「……」


にこ「……」



にこ「ご、ごめんいきなりこんなこと……」


にこ「返事はまた今度で――」











穂乃果「――うんっ」

にこ「へ…………」


穂乃果「――穂乃果も……にこちゃんのことが好きみたい。だってこんなにドキドキするんだもん……」///


穂乃果「なにより、にこちゃんと一緒にいると安心するし楽しいし……」





にこ「…………」




にこ(どういう、こと)


にこ(私、選ばれたの?)


にこ(周りに、あんな……魅力的な人達がいる、のに……?)



にこ「……」ポーッ


穂乃果「な、なんとか言ってよぉっ////」

にこ「え、あ……っ。えっと、ごめん……あんまり状況が掴めてないというかなんというか」

穂乃果「あー……穂乃果も」


にこ「つまり、つまりよ? 私たち、恋人?」


穂乃果「そ、そうだよっ!」///


にこ「……っ」カァァアアアア

穂乃果「にこちゃん顔真っ赤!」

にこ「うるさいわね! 当たり前でしょ!? 穂乃果だって真っ赤じゃないっ!」

穂乃果「し、仕方ないじゃんっ」




にこ(穂乃果と、恋人……そんな、まさ、か……)




――ガチャッ


スタスタ


にこママ「ただいまー」


にこ「ママ!! おかえりっ!!」




穂乃果「え……!?」


穂乃果(にこちゃんの、ママ!? スーツ姿で、なんか背も高いし、スタイルもいい……。あれ?)




にこ「ちょっと早かったね?」




にこママ「ちょっとだけね」


にこママ「あら、そちらの方は……」


にこママ(……女の子だから友達かしら)



にこ「ああ、うん。前話してた高坂穂乃果」

にこママ「……ああ! 君が穂乃果君ね! ……ん、君てことは男の子!?」



穂乃果「あ、はい……一応」


にこママ「可愛い男の子もいるのねえ……へえ」


にこ「あ、あとね……その」モジモジ


にこママ「?」










にこ「――私の、彼氏……」

◇――――◇



穂乃果「なんだか、にこちゃん髪の毛降ろすと雰囲気違うね?」

にこ「ふふん、ギャップが大切なのよギャップが」

穂乃果「穂乃果は降ろしてる方が好きかも」

にこ「へえ」


にこ「なら普段から降ろしてた方がいい? あ、でもそれはアイドルとしのあれが――」


穂乃果「それは嫌!」

にこ「え?」


穂乃果「だってみんなといる時もおろしてたら、それはそれで特別感がないっていうか、その」

穂乃果「二人だけの時がいいっ」


にこ「……///」


にこ「ま、まあね。私もスクールアイドルとしてのプライドがあるから、常時おろしてなんかられないわ」

穂乃果「えへへ、やったっ」


穂乃果「ん……ねえ」モゾモゾ


にこ「なに?」

穂乃果「もうちょっとくっついてもいい?」

にこ「……別にいいわよ」


穂乃果「んー……」ピタッ

にこ「……」チラッ

穂乃果「えへへ」///

にこ「……///」プイッ



穂乃果「もーどうしてすぐそっち向くのさー」


にこ「こ、こんないきなり二人で寝るなんて想像出来ないに決まってるからよ!!」

穂乃果「いやあそれはにこちゃんのママが泊まっていけって……」


にこ「そうだけどっ」

穂乃果「穂乃果は嬉しいなぁ、にこちゃんとふたりっきりになれて」

にこ「私も嬉しい、けど……なんていうか……」




穂乃果「ねえこっち向いてよー」

にこ「むぅ」///


穂乃果「好きだよ、にこちゃん」


にこ「……」カァァアアアアアア


にこ「お、おやすみっ!!」


穂乃果「あーん、もう……」

穂乃果「おやすみなさいっ」



◇――1時間後――◇


にこ(穂乃果、寝たかな?)


にこ(……どうしよう、緊張してるのかな、全然眠れないんですけど……)


にこ(明日も練習なんだから早く寝ないと)


にこ(それにしても布団がないからって同じ布団に寝るってのもなかなかよね……)


にこ(身体のどこかは常にくっついてるし、いくら恋人って言ったってまだ恋人になって五時間も経ってないのに)

にこ(あーダメダメ早く寝なきゃお肌にも悪い!)


にこ(あ、そういえば今日はパックとかするのわすれて――)



穂乃果「ん……」ピタ


にこ(背中に手が……)



にこ「……起きてるの?」



穂乃果「……」ススゥゥ……サワサワ


にこ「へ……?」


にこ「――ちょ、どこ触ってっ!!」

穂乃果「んにゅぅ」ガバッ

にこ「ひゃっ……」






にこ(こ、これって……)




にこ「ま、待って穂乃果……あの、あのね今日はママもいるし、それにまだ恋人になって一日も経ってないのよ?」


にこ「あの、だからまだ私たちに"そういうの"は早いんじゃないかって。だ、だから――」ブルブルブル



穂乃果「にこひゃぁん……むにゅむにゅ」


にこ「…………」


にこ「……寝てる?」

にこ「この……っ、ふざけんなこの性獣がぁ!!」


穂乃果「あぅ……すぅすぅ」


にこ「はぁ、はぁ……。まったくなんなのよ、どんだけ寝相悪いのよっ!」


にこ「……」


にこ「――でも、そっか……いつかはそういうこと、しなくちゃいけないのかな」

にこ「そういうことしなくちゃ、続かない、のかな」










にこ「――ママだって、してたんだもん……そう、よね」







にこ「……まあ、いつか考えればいいわよね……」



にこ「おやすみ、穂乃果」



◇――――◇


希「なるほど、穂乃果ちゃんはにこっちを選んだんや」

穂乃果「う、ん」


希「おめでとう、ふたりともっ!」


穂乃果「あ、ありがとっ」


希「なーに申し訳なさそうな顔してるん?」

穂乃果「だって」


絵里「穂乃果がそんな顔するとこっちまで変な気持ちになっちゃうでしょう?」

海未「そうですよ、自信をもってにこを選んだと言ってください」

海未「それとも、仕方なく選んだのですか?」


穂乃果「そんなわけないよっ! 好きだから選んだんだよ!!」


にこ「っ……そ、そりゃあそうよねー」

穂乃果「うんっ」

にこ「ぅ」


凛「いいなーいいなー」


真姫「穂乃果、油断してるとにこちゃんだれかに取られちゃうかもよ?」

穂乃果「えぇ、それは嫌だよ!! 離さないもんっ」

希「ほんとにお熱いなー」


ことり「にこちゃんもだよ?」


にこ「?」












ことり「――穂乃果ちゃん、だれかに取られちゃうかも、なんて」









にこ「……大丈夫よ、絶対」



ことり「ふふ――そっか! うん、おめでとっ!」




絵里「はい、じゃあおめでたい話はここまで。穂乃果、この前言った練習どうするか決めてきた?」

穂乃果「あ、うん! 大丈夫!!」



◇――――◇



Love Live 決勝前





穂乃果「ふあ……」


穂乃果「んー……」



にこ「寝ないの?」

穂乃果「まだ、もーちょっとー」



にこ(もうちょっとで日が超えちゃうわね、明日は練習ないから別にいいけれど)

にこ「眠いなら眠っちゃえば?」


穂乃果「ダメだよっ!!!」

にこ「……ど、どうしたのよ」

穂乃果「覚えてないのー?」

にこ「な、なにが?」


穂乃果「むぅ、その為に今日にこちゃんち来たのに……」

にこ(な、なにかしら一体……)


穂乃果「」チラッ


ピッ






穂乃果「――やった!! 半年だよにこちゃん!!」ギューッ

にこ「あぐぐっ痛い痛いってば!!」

穂乃果「あ、ごめん」


にこ「は、半年って一体……」



にこ「……あ」



穂乃果「――穂乃果達、付き合い始めてもう半年、経っちゃったね」ニコッ


にこ「あ、うん……」

穂乃果「……嬉しくないの?」

にこ「い、いやそんなことないけど!」

にこ「なんていうか実感がわかないというか」

にこ「もう半年経っちゃったんだーって」

穂乃果「……そうだよね」


にこ「楽しいから、すぐ時間が過ぎるのよね」




にこ(……最初は続くか不安で希とかに相談もしたけれど、穂乃果となら……何も問題なさそうね)


にこ「ま、これからもよろしくね」


穂乃果「ねえねえ」

にこ「ん?」




穂乃果「んっ」チュッ


にこ「……!?」


穂乃果「……き、記念日だもん」

にこ「まったく……」

にこ「……///」



にこ「このにこにーの唇奪ったんだから、責任くらい取りなさいよね」

穂乃果「うーん? じゃあずっと一緒にいるっ!」

にこ「言ったわね? 絶対なんだから」


にこ「ふふふ」


にこ「ほら、いいから寝るわよ」

穂乃果「えー明日は練習ないんだから別にいいのにー」

にこ「だーめ、決勝近いんだからっ」



にこ(……穂乃果となら、ずっと一緒にいられる気がする)


にこ(気のせいじゃないといいな)


◇――――◇


後日


希「おー半年かぁ」

ことり「もうそんなに経っちゃったんだね」

にこ「私もそんな感じよ、実感が湧かないの」


ことり「いいことなんじゃないかな?」

にこ「私もそう思う」

希「にしし、にこっちが穂乃果ちゃんに今でもベタ惚れだから続いてるんかなー?」

にこ「ちーがーう! あっちがベタ惚れなのよっ!」

希「はいはいー」





ことり「――二人が付き合い立ての頃にしたことりたちへの相談、心配なさそうだね?」






にこ「……」



希「――あ、てことはもうえっちとかしたの!?」

にこ「な……/////」


にこ「あ、あんたなに言ってんのよっ!!//」




ことり(してないんだぁ……てことは穂乃果ちゃんここずっと一人でシテるってことなんだ。……ちょっと可哀想かも?)




希「いいねぇ、プラトニックな関係」プワプワ

ことり「そうだねぇ……」プワプワ






にこ「一体なんなのよ……」


希「――でも、寂しいとか思わないん?」

にこ「?」

希「ほら、求めて欲しいーっとか!」

にこ「うーん、それは別に……」

希「ほえー」

にこ「ともあれ、昔相談した時みたいなことにはならなそうで良かった」



ことり「……」


希「でも、穂乃果ちゃんも男の子やん? きっとそういうことしたいとか思ってるんやないかな?」

にこ「……そうだけど、現に手出されてないし」



ことり「それはだって……」


希「……ねえ?」


にこ「なによ二人してさっきから!!」

希「――なんかにこっち隙がないっていうか……そもそも前に色々あった上で付き合ってるんやから、穂乃果ちゃんも手を出しづらそうだし」


にこ「……別にいいでしょ。私、結婚するまでそういうこと、したくないもん……」


ことり「あー……」


希「あららー……」

にこ「もー!! 悪い!?」


希「あ、うーん……えっと」


ことり「――にこちゃん、あの……それじゃああんまり長続きしない、かもしれないよ?」


にこ「な……っ」


にこ「そ、そんなわけ……」


希「半年記念でハッピーになってるところやと思うけれど、ウチもそんな気がしないでもないような……」


希「それが通るなら確かに素敵だし、理想的かもしれないけれど……相手は思春期の男の子。穂乃果ちゃんのことを想うなら、その辺りも考えた方がいいかもしれんね」

にこ「私は穂乃果のこと、信用してる……っ」








希「――性欲なんてない。自分の全てを犠牲にして、にこっちのためならいつまでも待ってくれる」






希「にこっちの言う信用っていうのは、穂乃果ちゃんに自分の理想を押し付けること?」


ことり「ちょっと……希ちゃん」


にこ「っ…………」

にこ「ごめん……今日は帰るわ」








ことり「にこちゃんっ!」





ことり「なんであんなこと言ったの?」

希「……」


希「……わからない」


希「……穂乃果ちゃんが急に可哀想になって」

希「ことりちゃんだって知ってるでしょ? 穂乃果ちゃんがそういうこと、大好きなの」


ことり「…………」


希「本人達が良ければそれでいいはずなのに、ね。あーあ……今度謝ろう」


希「ウチ……にこっちに嫉妬してたんかな? 穂乃果ちゃんと楽しそうに話しているのが、羨ましくて」

ことり「希ちゃん……」


希「ダメダメ、にこっちと穂乃果ちゃんが長く続いて欲しいってのは本当なんよ? それを踏まえて、結婚までそういうことしないっていうのはちょっと……」


ことり「あはは、ことりもそう思うな……」


希「でも……本人達の問題、やもんね」


◇――――◇

 ――まるで神様が仕組んだみたいに、偶然が重なっていたのかも、しれない。





 今思い返せばその時から穂乃果の様子は少しだけおかしかった。いつも通りウチに泊まりに来たはずなのに、なぜかキョロキョロと周りを見渡す。









 どうしたの? って聞いてみても、なんでもないの一転張り。それどころか親はいないのとかこころちゃん達は? っていう質問で返されちゃう。


 あいにく今日はママが妹達を連れて出張先のパパのところに出かけている。そのことを伝えると、一層穂乃果の様子がおかしくなった。





穂乃果「……ごくっ……」

 昔、ことりと希に相談したこと。それは、"そういうこと"をさせてあげた方が良いかってことだった。




 それを相談したのは付き合ってすぐのことで、その時は穂乃果との関係が続くか不安だったしどうしていいかわからなかったからっていう感じ。



 その時も、時期が来たら勝手にそういうことになるんじゃないかっていう結論になったんだけれど……。それが来ないまま半年を迎えていたせいで、そのことはほとんど忘れてしまっていた。




にこ「ん……」ギュッ





穂乃果「なにかあった?」



にこ「ううん、ただ……今日は穂乃果にくっついて寝たい気分なの」



 今日のことを思い出して、鬱な気持ちが支配する。希の一言は、グサリと突き刺さっているのは間違いない。





 ――私の理想を押し付けているだけ……。

 もし、もしも……穂乃果がシたいって言って来たら、どうする? 


 穂乃果の希望を聞いて、身体を差し出すか……それとも、私の理想を押し付ける、か。


 穂乃果と一緒にいたいなら、やっぱり、させてあげたほうがいいのかな……。



穂乃果「んっ……ちゅ……」


にこ「んん……///」


にこ「……これで八回目」



穂乃果「数えるのー?」


にこ「うん」

にこ「いつか請求するんだから」



穂乃果「うえぇ……お金!?」

にこ「ふふふ、どうかな?」





 なんか……初めてキスしたのが二日前なのに、キスばっかりしてる気がする……。



 

穂乃果「んー、もっとしたいっ」

にこ「……//」




穂乃果(かわいい……っ//)


穂乃果「んぅ……ちゅ」


にこ「んんんぅ///」


穂乃果「は、んっ……ちゅるる」


 あ、れ? なんか長くない?

 し、しかも穂乃果の舌が入ってっ……。



にこ「ちょ、ほの……か……んっ////」

穂乃果「ぷは……えへへ……」


にこ「はぁ、はぁ///」



穂乃果「……」ゾクゾク



穂乃果「えいっ」


にこ「きゃっ……もうっ」


にこ「なにすんのよ~」


にこ(幸せ……)



イチャイチャ イチャイチャ

穂乃果「……」


にこ(なんか、急に真顔に……)




穂乃果(親もいないし――いい、よね……?)



にこ「ほの、か……?」





 別人になったみたいに、穂乃果はそのまま私のことを強く抱きしめた。


 一体なにが、どうしたんだろう。そんなことを考えている間にまたキスをされた、10回目のキスだった。



穂乃果「んっは、ちゅる……にこちゃ……///」


 

 舌を強引に入れられる。私の心ごと絡めとるみたいにして、口の中を蹂躙する。ピリピリと痺れてくる感覚に、穂乃果の経験豊富さが脳裏にチラついた。






 ――その時はもうやってきていたんだ。

 穂乃果の手が私の頬を撫でて、首筋、鎖骨と少しずつ下に降りていく。その手は、私の胸で止まった。




穂乃果「はぁ、ハッ……♡」モニュモニュ




 ほとんど他人に触られたことのないところを触られて、私はようやくここで気がついた。希が言ってたことは、もう起こってるんだ。相手は思春期の男。いままでなにもなかったのが不思議なくらい。荒い息、強引な手。



 ――つまり穂乃果は今私と、シたい、ってこと。


にこ「……んっ///」


穂乃果「かわいいよ……♡」


にこ「い、や……」ブルブル



 その時が来たらどうなるんだろうって、想像した時は全く浮かんで来なかった。そして今。現実の私は、震えて、これまたどうしていいかわからなくて……小さく声をあげるだけ。なにも出来ない情けなさに、腹がたった。

穂乃果「っ……」


 
ピタッ



穂乃果「ぁ……い、いやだった……?」





にこ「――ごめん、私、怖い……」



 そして、時が来た際の私の答えは……理想を押し付けることだった。自分勝手に穂乃果の希望を、ねじ曲げることだった。



穂乃果「……ごめん、ね。そう、だよね……」

にこ「あ、あのっ……」


にこ「――別れたく、ない!」


穂乃果「え……?」



にこ「今はエッチとか、させてあげられないけど……いつか、いつか出来るようにするから、だからっ!!」




穂乃果「……ふふっ。大袈裟だよ」


にこ「……」


穂乃果「……ま、まあしたかったっていうのは、もう隠しようがないけど……。でも、出来ないからって別れるなんてそんなのありえないよ!」

穂乃果「にこちゃんと一緒にいられれば、出来なくたって……我慢、する」


にこ「……ごめ、ん」

穂乃果「いいよ、大丈夫だから」ギュッ


にこ「穂乃果とそういうことをしたくないとか、そういうんじゃないの」

穂乃果「?」


にこ「その、昔ね……」

◇――――◇



穂乃果「そうだったんだ……」

にこ「パパとママのを見てから、なんだか怖くなっちゃって……」


穂乃果「…………」


穂乃果(なるほど……確かに、こたろうくんかなり小さいし、もしかしたらにこちゃんはその時に……? 中学生くらい、だよね)


穂乃果(親のを見るなんて想像出来ないけど……トラウマになってる可能性も……あるよね)

穂乃果(だとしたら……最低なこと、しちゃった……)




穂乃果「そんなこともわからないで、手出しちゃって……ごめ、ん」



にこ「悪いのは、私だから」


にこ「……」ギリリッ


穂乃果「にこちゃんは、それで捨てられちゃうかも、とか思ったんだ?」



にこ「――だって、男ってセックスさせてあげないと愛想尽かすんでしょ?」

にこ「そんなの、嫌……」ギュッ



穂乃果「……」




穂乃果「――待つよ」



にこ「?」



穂乃果「一ヶ月だって、一年だって、五年だって、十年だって……」



穂乃果「にこちゃんの心の準備ができるまで、穂乃果、待ってるから」



にこ「……」


穂乃果「だから、これからもよろしくね?」




にこ「……」///

穂乃果「にこちゃんには、色々嫌な思いもさせてきたかもしれないから、にこちゃんの夢が叶うまで、穂乃果が支えてあげるねっ!」



にこ「……」




にこ「……えい」ツンッ


穂乃果「ひゃっ!?」



にこ「早く寝るわよ」ギュゥ


穂乃果「ど、どうしたのさ」


にこ「いーいーからー!」


にこ「おやすみ!」



 このまま話を聞いてたら、どうにかなっちゃいそうだから。

 その人の目を見なくていいように薄い胸板に顔をくっつける。




 というか、こんな小さい胸触って……楽しいのかな……?





にこ「ありがと……」ボソッ



◇――――◇


チュンチュン




にこ「んっ……ぁぁ」


にこ「朝か……」



にこ「ほら穂乃果起きて」



にこ「まったく……」


穂乃果「んぅ……すぅすぅ……」


にこ「……」


 ほんとに、かわいいんだから。こんなかわいい顔してるくせに、最高に、かっこいいんだから……。

 私の方がわがままばっかり言って、穂乃果に我慢しかさせてないのに……支えてくれるですって?



にこ「ふふっ、大きく出るじゃない」



にこ「ほーら穂乃果! 練習始まるわよ!」


穂乃果「――ふぇ!?」ガバッ バッ



穂乃果「え!? ご飯、ご飯食べないとっ! 歯も磨いて、顔も――って……あれ?」

穂乃果「あれ、まだ全然時間大丈夫じゃん!?」


にこ「……………」

にこ「……ぁ……ぇと////」


穂乃果「どうしたの?」




にこ「に、にっこにっこにー……」



穂乃果「……?」




穂乃果「あ……////」ギンギン


穂乃果「こ、これは違うのにこちゃん!!」バッ




にこ「……わ、わかってる!」


穂乃果「ごめん……朝は、こうなっちゃうこともあるから……」



にこ(あ、あんなに盛り上がって……///)




にこ「――それ、にこがなんとか出来る……?」


穂乃果「え……?」


穂乃果「そ、それは……その、"そういうこと"しないと……」

にこ「そ、そうよね。何言ってるんだろ私……」

穂乃果「大丈夫、時間経てば収まるから……あはは」





 普通のカップルだったら……"そういうこと"をして、収めてあげたりするのかな? 穂乃果もそういうことしたいはずなのに……。



にこ「ねえ……どうして穂乃果は私と付き合ってくれてるの……?」

穂乃果「?」

にこ「こんな……言いたくはないけど……色気のかけらも無い身体だし……えっちもさせてあげないのに」

穂乃果「うーん……昨日も言ったけど、好きだし!! それだけっ!!」


にこ「……そっ、か」


 結局私は、まだ穂乃果のことを信じきれてないってこと? 

 ううん、私は穂乃果のことを信じる。待っててくれるって言った、穂乃果のことを。


穂乃果「にこちゃん前までそんなじゃなかったのに、どうしたの?」


にこ「う、うるさいっ!」///





にこ「――今から朝ご飯作るから待ってて」





穂乃果「うんっ!」

◇――――◇



希「あの……この前は……」


にこ「気にしてないよ」

にこ「逆に希にああ言われて、なんだかピーンと来たというか。自分がどんなメルヘン思想してたんだろって考えさせられちゃった」


ことり「……でも一度はそう思うこともあるよね?」

にこ「ええ。だからね――私はそれを貫くわよ」


希「え……?」


にこ「そのことで、昨日ね、穂乃果と話し合ったのよ」


希「……はは」


希「やっぱりすごいね、にこっちは」


希「世間とかに流されないで自分の考えを貫くって、なかなか出来ないよ?」

ことり「……ことりも凄いと思う」


にこ「ただの自分勝手よ」

にこ「それで穂乃果に捨てられちゃったら、仕方ないわね。その時は話し相手くらいにはなってよ?」


希「うーん、そしたらすぐ穂乃果ちゃんにアプローチかけようとして、誰も連絡つかなくなるかもね?」クスクス


にこ「なによそれ!」

ことり「大丈夫だよ。穂乃果ちゃんはきっと、ずぅっとにこちゃんのこと見ててくれるよ」





ことり「……はぁ。ことりは独身のまま生涯を終えちゃうんだぁ」

ことり「海未ちゃんと結婚しようかなぁ……」




にこ「それは大袈裟よね……」




ことり「穂乃果ちゃん以外の男の人なんて嫌だもんっ!!」

にこ「なによそれ……あんたならモテるでしょ」


ことり「じゃあ穂乃果ちゃん譲ってっ!」オネガイッ


にこ「じゃあの意味がわからないんだけど!? 、嫌よ。絶対離さないんだから」


ことり「むぅぅ……」




にこ「とぉにかぁく、ラブライブ、優勝するわよ!」

◇――――◇



NY Live 終了後 飛行機







穂乃果「ん……っ」


穂乃果「うわぁ……すごい景色」



にこ「んんっ……」


にこ「ちょっと、なにしてるの……?」


穂乃果「あ、ごめん……ちょっと見てよ」


にこ「……きれー」

にこ「なんか、アメリカに居たって言うのが夢みたいね」

穂乃果「そうだね……」

にこ「迷惑になるから、締めるわよ?」


穂乃果「あ、うん」


にこ「それにしても、アメリカの人もにこに夢中だったわねぇ。困っちゃう」




穂乃果「夢中だったかなぁ? どっちかと言えば絵里ちゃ――」

にこ「あのねえ、そこは冗談でも彼女の私をたてるのが筋でしょうよ」

穂乃果「あはは……ごめん」


にこ「……穂乃果は、楽しかった?」


穂乃果「――うん、最高だった」

穂乃果「みんなで行ったアメリカ、絶対忘れないよ」

にこ「……良かった」


穂乃果「またいつか、みんなで行こうね?」

にこ「ええ、絶対」






穂乃果「――うぅぅ……バイト代、ほとんど飛んじゃったよぅ……」


にこ「そういうこと言わないでよ……自分がスクールアイドルじゃなかったことを、恨んで……」


穂乃果「でもバイトしててよかった……してなかったら穂乃果だけひとりぼっちで中継見てるだけだったもんっ」

にこ「そうねぇ……私もみんなも、穂乃果がいてくれたからあっちでのライブが成功したんだと思うわ」





にこ「――これでちょっとでも人の目につくといいんだけど」

穂乃果「……有名になったら、声かかったりするの?」

にこ「するかもね。そうしたら、ようやくスタートラインて感じね」

穂乃果「にこちゃんが本物のアイドルになるの、穂乃果応援するよっ!!」


穂乃果「でもにこちゃんがアイドルになっても穂乃果のものだよ、みんなのにこちゃんじゃないよっ!!」


にこ「わ、わかってるわよぉ……」///







真姫(……飛行機の中でもイチャイチャイチャイチャ……にこちゃん疲れてるはずなのに、よく飽きないわね……)

◇――――◇

数日後





穂乃果「むくぅぅ……」




にこ「……?」


にこ「い、一体どうしたのよ。最近ずっとそんな感じね」



穂乃果「にこちゃんのせいだもん」

にこ「はあ……?」

にこ「にこ何かした?」


穂乃果「……なにもしてない」

にこ「いや、意味がわからないんだけど……」

穂乃果「だって、最近のにこちゃん有名になったから……」



にこ「……」


にこ「……嫉妬してるの?」


穂乃果「っ……。だ、だって2人でいる時だってにこちゃんは話しかけられて嬉しそうにしたり」

にこ「だってプライベートって言って突き返すとみんなの反感がすごかったし……」

にこ「もう、なに言ってるのよ。それとこれは別よ? ちょぉっと有名になったからって穂乃果のこと放っておくわけないでしょ?」


穂乃果「うん……ごめんね。なんか不安になっちゃって」

にこ「穂乃果……」


にこ「ねえ聞いて?」

穂乃果「?」


にこ「――昨日ね、芸能事務所の人から話を頂いたの」


穂乃果「……?」

穂乃果「それって」


にこ「結構有名なところなの」




穂乃果「…………」




穂乃果「そっか……すごいや……うんっ」


穂乃果「頑張ってねにこちゃんっ!!」



にこ「どうして私だけに話が来たのかな? 私がそういう方面志望っての嗅ぎつけられてたかな?」

穂乃果「芸能界の人って情報通だしねえ」

にこ「それとも単純に、にこが一番可愛いから――」


穂乃果「だからそれなら絵里ちゃんとかに――」


にこ「なんですってぇ!?」


穂乃果「応援するからっ!! こ、今回みたいに嫉妬なんてしないから!」


にこ「それはそれで寂しい気がするような……」


にこ「ま、見てて。サイン第一号は穂乃果にあげるから」


穂乃果「やったぁ!! ね、ねもしプロのアイドルになったら、ずっとテレビ出られる!?」

にこ「い、いやそれはわからないけど。ずっとアイドルやれるわけじゃないし」

穂乃果「?」

にこ「ほら……悔しいけど年齢だってあるでしょ?」


穂乃果「あ、ナルホド……」


にこ「私はアイドルとしてはスタートがかなり遅い方だけど、だからダラダラやるつもりはないの」



にこ「25歳」


穂乃果「?」

にこ「になったら、その時私がどうなっていてもアイドルはやめるつもり」


穂乃果「えー!? もったいないよー!!」

にこ「なにも芸能界引退するってわけじゃないでしょ? もし有名になってたらそこからタレントの道だってあるし」

穂乃果「おー……」

にこ「まあでも、そんな甘い世界じゃないのは分かっているつもりだから……精一杯がんばるしかないんだけど」


穂乃果「ぅぅー……にこちゃん好きー!!!!」ダキーッッ


にこ「もう!! 全く脈絡なしに抱きつくのやめてっ!!!!」

◇――――◇


三年後 ことりの家






ことり「そっか、穂乃果ちゃんも大変なんだね」




穂乃果「はだらぎだくなぃ~~」




ことり「あはは……」



ことり「あ、これ昨日作ったやつなんだけど……」

穂乃果「あ、いただきまーすっ」


穂乃果「おいひぃ……んぅ……」

ことり「よかったっ」


穂乃果「海未ちゃんも呼べばよかったなぁ……」


ことり「今から呼んだらくるかな?」


ことり「う、うーん……流石に寝てると思うケド……」

>>286
ことり「今から呼んだらくるかな?」×

穂乃果「今から呼んだらくるかな?」⚪︎

穂乃果「そ、そうだよねえ」

穂乃果「海未ちゃん彼氏出来たかなぁ? 最後にあったの四ヶ月くらい前だし」

ことり「あー出来たって言ってたよ?」

穂乃果「えーー!?」







ことり「――ウソだけど」



穂乃果「なんだぁ……」


穂乃果「海未ちゃんならいくらでも言い寄られそうだけどなぁ」

ことり「そうだよね、なんでかなあ」

ことり(……まあ理由なんて)


穂乃果「?」





穂乃果「あ、ことりちゃんはどうなの?」


ことり「えっ……」

ことり「こ、ことりも全然……モテないよ」アハハ

穂乃果「えー絶対そんなことないでしょ。この二年で何人から告白された?」



ことり「え、えっとぉ……8人くらい、かなあ?」

穂乃果「わお……中学の時みたいだね?」

穂乃果「どうして断っちゃうのさ」

ことり「うーん……海外、行くし……」

穂乃果「あ、そっか……」


穂乃果「外国のイケメンを捕まえるんだね」

ことり「どうしてそうなるのっ」

穂乃果「あれ、違うの?」

ことり「違うよ!」


穂乃果(でも……そんな相手を勘違いさせまくるのも悪いと思うなぁ……)

ことり「?」

穂乃果(まあ……ことりちゃんだもんね……)



ことり「ねえ、穂乃果ちゃん。にこちゃんのことなんだけどさ」



穂乃果「…………」













ことり「――本当に別れたの?」

穂乃果「……うん。仕方なかったんだよ」

ことり「……」

穂乃果「穂乃果はにこちゃんのためなら、なんでもしてあげたい」



ことり「……っ」ギリリ



ことり「辛くないの?」


穂乃果「うーん……どうかな。あはは……」






 なに、それ? そんなの、ただ縛りつけてるだけだよ。



 にこちゃんが自分の夢を叶えたいのはよく分かる。だって昔から言ってたもんね、それが叶うかもしれないんだもんね。



 でもだからって……穂乃果ちゃんを振るなんて……。



 少しだけ悲しそうに笑う穂乃果ちゃんを見て、怒りが、湧いてくる。

 聞かなくてもわかるよ、ほら……穂乃果ちゃんこんなに苦しんでる。ねえにこちゃん、こういう時なんとかしてあげるのが恋人でしょ? ねえ……。


 写真に目を向けて、無言の問いかけをするけれどきっとアイドルになったにこちゃんには届かない。私達が知ってるのはスクールアイドルのにこちゃんまでだから。





ことり「――うそだ」ギュッ…



穂乃果「……ことりちゃん」


ことり「辛いなら辛いって言おうよ、それならにこちゃんだって」

穂乃果「だって……迷惑かけちゃうし」




ことり「――それがダメなんだよっ……」




穂乃果「……」

ことり「ことりなら、そんなことしない……寂しい想いなんかさせない。たとえ遠く離れてたって」



ことり「今みたいな穂乃果ちゃん、見たくない」

穂乃果「ごめん……」





ことり「ねえ、穂乃果ちゃん。――ことりと付き合って……?」


穂乃果「え……」


ことり「……///」



穂乃果「だ、ダメだよっ! だって穂乃果、にこちゃんのこと――」


ことり「……えっちだってさせて貰えなかったんでしょ?」




穂乃果「っ」






ことり「ことりなら、いっぱいさせてあげるよ?」ムニュゥ…



穂乃果「!?!?」

穂乃果「ちょ、ことりちゃ……」////



穂乃果「ハッ……ん//」ムクムク



ことり「……やっぱり、溜まってるんだよね?」


ことり「大丈夫、ことりが楽にしてあげる」サワサワ



穂乃果「あっ♡ ハッぁ……んぅ」////



穂乃果(きも、ちぃ……やばい……ことりちゃん可愛い……ダメ、ダメなのに……)



穂乃果「でも」


ことり「ここでことりとえっちしたってバレないよ?」ボソッ

穂乃果「~~~っっ♡」ゾクゾク





穂乃果(最近ひとりでも全然してないし、えっちなんて……もう高校の時からしてない、し……)

穂乃果(ちょっとくらい、いい……よね?)///

ことり(やっぱり、可愛いなぁ……。ことりも変な気持ちになって来ちゃった)


ことり「脱がすね」





穂乃果「……」





穂乃果『にこちゃんの夢が叶うまで、支えてあげるねっ!』



穂乃果「!!! だ、めっ!!」グイッ

ことり「え……?」



穂乃果「っ…………」


穂乃果「ごめんね、ことりちゃん……やっぱり穂乃果――にこちゃんのことが好き」



ことり「……」

 なんでこの人は辛い道をわざわざ進むんだろう。付き合ってもない女の子に、どうしてそこまでするんだろう。


ことり「そっか……」

穂乃果「今でも、好きだから。ことりちゃんの気持ちには応えられない」


 きっとことりとおんなじ、なんだよね? ことりだって、付き合ってもいない目の前の男の子になんでもしてあげたくなっちゃう。

 そういうこと。辛いこととか寂しいこととか、どうでも良くなるくらい穂乃果ちゃんはにこちゃんのことを好きなんだ。



 それにことりが割って入る隙なんて、少しもないみたい。


ことり「にこちゃんが羨ましいな、あはは」




ことり「ことりが向こうに行ってもさ、穂乃果ちゃんに電話してもいい……?」



穂乃果「もちろんっ……穂乃果も寂しい」

ことり「穂乃果ちゃんやみんなと電話出来るなら……きっと寂しくないね」




ことり「――もう二人とも二十歳だしさ、お酒でも飲む?」


穂乃果「お、お酒はダメっ!!」

ことり「?」

穂乃果「の、飲んだらことりちゃんのこと絶対襲っちゃう……」


ことり「なにそれ?」

ことり「……弱いってこと?」


穂乃果「極度に……」


ことり「へぇ、ちょっと見てみたいかな」

穂乃果「ご勘弁を……」


ことり「くすくす」


穂乃果「あ! にこちゃんがテレビ出るっていうの忘れてたっ!!!」


ことり「こんな時間に?」

穂乃果「うんっ」


 穂乃果ちゃんがリモコンをとってテレビをつけると、言葉の通り、前より少しだけ有名になったアイドル、矢澤にこがひな壇で笑っていた。


穂乃果「……」ワクワク

ことり「……ふふ」


 テレビの奥を見つめる横顔は本当に楽しそう。

 穂乃果ちゃんはにこちゃんのファン第一号だもんね。

 ねえにこちゃん、にこちゃんは今楽しいのかな……? 夢に向かって、穂乃果ちゃんみたいな素敵なファンがいて……。



ことり「今日は泊まっていくでしょ?」

穂乃果「……え、でも」

ことり「いいからいいからっ」





 ――楽しいに決まってるよね?



◇――――◇






にこ「……んっ」


にこ「夜じゃない……一体私何時間寝てたのよ」



にこ「こんなことなら穂乃果と会いたかったわね」


にこ「向こうも忙しいから急には会えないことくらい、わかっているけれど」


にこ「……そもそも他の女の子と遊んでる可能性だって」


にこ「最後にあったの、いつだっけ……」

にこ「去年の……ああ、もう半年くらい前、ね」





にこ「でも、やっぱり私のために縛り付けておくなんて穂乃果に悪すぎるもんね」




にこ「……はぁ、なんでこんなに人間関係って、わけわかんないのよっ」





にこ「また寝よ……」

◇――――◇


楽屋





 ごめん、仕事だから。また会おうね?



 そうやって送ったメールは、なんともそっけない。

 楽しい時を一緒に過ごした後輩が海外に行くというのに、見送りすることすら出来ないだなんて。





 ――お仕事、がんばってね!! ことりもあっちで応援してるから!




にこ「……」




 ことりと会いたかったな、みんなは空港で会ったりとかしてるのかな?

「えー彼氏作ったならバレないようにしないとだよー」

「大丈夫だって、みんな彼氏くらいいるでしょ」



「そもそも恋愛禁止とかおかしいし」


 また彼氏だのなんだの……あんたらはアイドルじゃないの? 




にこ「…………」




「――ていうかあんな気持ち悪いオタク達の相手ばっかりしてられないってー」





にこ「っ!!!」バッ



にこ「ふざてんじゃないわよ!!」


「な、なに?」


にこ「誰のおかげであんたはテレビ出られてると思ってんの、誰のおかげでアイドルやれてるのかわかんないの!?」


「……またその話?」



「いい加減めんどくさいんだけど」


にこ「……」




「――悔しいよね。そんな情熱かけてもセンター、取れないんだもんね?」



にこ「っっ!!!」







 目の前の綺麗な顔が歪む。掴み合いになって、周りの制止が激しい。あれ、なんで、私はこんなことをするためにアイドルになったの……?

◇――――◇


穂乃果「――恋愛禁止だったんだって」



 それを聞いただけではピンと来ないのか、真姫ちゃんが首を傾げる。


真姫「だから?」


穂乃果「それが理由だよ? 別れた理由」


真姫「いや意味がわからないんだけど」

海未「――なんとなく、わかる気がしますよ」



海未「にこの場合それは規則ではなかったのでしょうね」

真姫「恋愛禁止が?」



真姫「でもにこちゃんの入ったグループって恋愛禁止じゃない」


穂乃果「真姫ちゃん、ルールは破るためにあるんだよ」

穂乃果「恋愛禁止って言ったって彼氏作って遊んでる子なんかたくさんいるんだってさ」


真姫「……」

穂乃果「でもね、にこちゃんはそれが許せなかったんだって。ファンの人たちを裏切ってると同じだって」


真姫「……でも、スクールアイドルの時は穂乃果と付き合ってたじゃない!」


海未「……スクールアイドル、だからじゃないですか?」


海未「学生らしさの中には、きっと恋愛というのも含まれているはずです」


海未「スクールではなくて、本物のアイドルになったにこは、理想とのギャップに苦しんだのでしょう」


穂乃果「……にこちゃんらしいよね。あんなアイドル、なかなかいないと思う」

穂乃果「だから穂乃果……にこちゃんに振られた時……仕方ないって思えたよ」

穂乃果「穂乃果と付き合ってると、にこちゃんの夢が叶えられなくなっちゃうんだもんね。間接的にでも協力出来たのかなって」


真姫「――馬鹿ね」


穂乃果「……」


真姫「辛くないなら、そんな顔して話さないでしょ」


穂乃果「……」



穂乃果「だって、にこちゃんきっと苦しんでる」


海未「……」


穂乃果「……人間関係がね、あんまり上手くいってないんだって」

真姫「まあにこちゃんの性格なら、仲間内でもぶつかりそうね」

穂乃果「でも、穂乃果はなんにも出来ないしっ!!」

穂乃果「どうしていいか、わかんないし……」



真姫「しばらく会ってない間に、随分消極的になったのね」

真姫「前までのあなたなら、強引にでも会って話聞くくらいしてたんじゃない?」

真姫「あなたと一緒だった時はそんな風じゃなかったんでしょう?」

真姫「なら……穂乃果はにこちゃんのこと支えてあげられてたってことよ」





穂乃果「……!!」


真姫「近いうちに、話してみたら?」





穂乃果「…………にこちゃんち、行ってみる」

◇――――◇





にこ「……はぁ」

にこ「なにしてんのよ、私は。もう21よ……暴力なんて、最低ね」



 携帯を開いて時刻を確認すると、もう日を跨ぎそう。今日のトラブルはなんとか収録には影響なかったけど……。

 こんな問題ばかり起こして、センターになれるだなんて思えない。やり方、変えるべきなのかな? もっと軽く考えてみんなとも上手くやって――。




にこ「?」



 降りしきる雨の中、家の入り口付近に青い傘を指した誰かがいるのに気がついた。ここのアパートの人かな、光が漏れてるから携帯を弄ってるみたい?

 暗くて良くわからないし、とりあえず不気味ね……。早く入ろう。


スタスタ


にこ「……」





穂乃果「――あ!!!」

にこ「へ……?」

穂乃果「にこちゃん!!」


にこ「ほ、穂乃果……?」


穂乃果「えへへ……久しぶり」



◇――――◇


にこ「真冬よ真冬!! 馬鹿じゃないの!?」


穂乃果「い、いやーほら、急に会いたくなったといいますかー」



にこ「震えてるじゃない……はい毛布」


穂乃果「ん、ありがと」


にこ「で、どうしたの急に?」



穂乃果「だから、会いたくなったんだって!」

にこ「はあ!?」

にこ「ほんとにそれだけ!?」

穂乃果「え、あー……うん」

にこ「呆れた……」

穂乃果「それより、ねえ! どうしてことりちゃんが海外行くのに来なかったの!」

にこ「仕事があったの、聞いたでしょ?」

穂乃果「そうだけど……」



にこ「……明日も仕事があるの、私は学生じゃないんだから暇じゃないの」


穂乃果「む……」ムカッ




穂乃果「……仕事仕事って、にこちゃんそれしか言わないね」

にこ「……悪い?」



穂乃果「なんか、にこちゃんっぽくないよ。らしくないよ、全然楽しそうじゃないもん!!」



穂乃果「せっかく日本一おっきいグループ入れたんだよ? せっかくそこでも結構有名になって来てるんだよ? それなのに、なんで……」



にこ「……うるさい」



にこ「――帰って」




穂乃果「……やだよ、まだにこちゃんと――」





にこ「――帰って!!!」





穂乃果「……っ」

◇――――◇


にこ「もう、ダメね……」


にこ「せっかく穂乃果が来てくれたのに、半年ぶりだったのにあんな言い方して」


にこ「楽しくないわけじゃないのよ……」


にこ「でも、どうしていいか、わかんないのよっ!!!」



にこ「あーあ、もう嫌われちゃったかな」

にこ「……」



にこ「振らなきゃよかったのかな……でも、私は」


にこ「――アイドル、辞めた方がいいのかな」

にこ「向いてない……? 辞めれば、穂乃果といられるかもしれない……」


にこ「今なら、まだ間に合うかも――」





~~~~♪♪♪



にこ「ほのか……?」


 今日はごめんね。いきなり押しかけちゃってびっくりさせたと思うし、迷惑だったよね?


 でもさっき言った通り、にこちゃんと話したかったんだ。だってにこちゃん、元気なさそうだから。穂乃果はね、にこちゃんが出る番組は絶対チェックしてるからなんとなくわかっちゃうんだよ?


 お仕事辛いなーって思ったりアイドル辞めたいなって思っちゃう時もあると思う。きっとそれは穂乃果にはわからないことだし、にこちゃんにしかわからないことかもしれない。


 でもね、そういう時は考えて見て欲しいな。にこちゃんの笑顔を見てよし今日も頑張ろう!ってなるひとがいるってこと。にこちゃんの姿を見るだけで励まされる人がいるってこと。そんな人達が日本には、世界にもきっとたくさんいるよ!! にこちゃんはいっぱいの人を笑顔にさせてるよ!!



 あとにこちゃんのファンがいなくなるってことは絶対にないから心配しないでねっ! だって穂乃果の永遠のアイドルだもん!



 急に押しかけて、急に長いメール送ってなにやってるんだって思っちゃったかな? でもね、これだけは言いたいんだ。



 にこちゃんが後悔しなくなる時まで、穂乃果はいつまでも待ってるよ!!

◇――――◇


一ヶ月後



真姫「なにか、言ったでしょ」

穂乃果「わかる?」

真姫「当たり前よ、にこちゃんがグループ抜けてソロになるわ楽しそうにテレビ出てるわでなによこれって感じ」

穂乃果「迷ってたみたいだったから……」

穂乃果「届いたかは、わからないけど…」

真姫「届いたから、ああなってるんでしょう?」




真姫「すぐに正しい道に導ける穂乃果は、やっぱりすごいのね」


穂乃果「褒めすぎじゃない?」


真姫「そう?」

穂乃果「素直になった?」

真姫「元からよ」

穂乃果「それは違うと思う」

真姫「なによ」




真姫「で、穂乃果はいつまでにこちゃんのこと、待つつもり?」


穂乃果「んー、ずっと!」

真姫「にこちゃん芸能人なのよ? 周りには一般人なんかとはレベルが違うイケメンばかりよ?」

穂乃果「ぅ」

真姫「その人達ににこちゃん、言い寄られることだってあるかもしれない。もしかしたらそのまま――」




穂乃果「うわー!!!!」

穂乃果「やだやだやだ! それは嫌だよ!!」


真姫「ふふっ、待つって言った割には随分心配そうじゃない」


穂乃果「イケメン、どうしよ……無理だ……」

穂乃果「でも穂乃果は待つよ、信じて待つよ!!」




真姫「そこは男らしく自分のモノになれとでも言ってあげれば格好いいのにね」



真姫「なんか、女の子みたい」



穂乃果「……それは、もう仕方ないよ」

真姫「知ってる、それがいいところだものね」

真姫「――そういえばずっと言おうと思ってたんだけど」

穂乃果「うん?」







真姫「自分のこと名前で呼ぶの、やめたら?」

穂乃果「な……////」


真姫「もう大人、なんだし」


穂乃果「……む、もう辞めてるよ」

真姫「え?」

穂乃果「µ’sのみんなの前以外じゃ、違う言い方してる!」


真姫「へえ、なんて言ってるの? 俺それとも僕?」


穂乃果「それは絶対教えないー!!!」


◇――――◇


四年後 同棲五ヶ月目




穂乃果「んあー……」


にこ「ほら起きなさい」

にこ「明日の準備しなきゃ」

穂乃果「もうちょっとー」

にこ「年末だからってだらけない、起きて起きて」

穂乃果「んむぅ……」

にこ「……はい」チュッ


穂乃果「ひゃっ……////」



にこ「起きた?」

穂乃果「う、うん……////」



にこ「……///」

にこ「ほらそっちの荷物まとめて? また希に英語任せるつもり?」

穂乃果「だって話せないよー……」


にこ「穂乃果の場合長期休みなんて多分これっきり無いんだから、今回だって父親に頼み込んでようやくなんでしょ」



穂乃果「いいよー、英語は希ちゃんとことりちゃんに任せるからー」



穂乃果「にこちゃんも少しは話せるんでしょ?」



にこ「本当に最低限くらいしか話せないけれどね」


穂乃果「それなら十分っ!!」


穂乃果「ことりちゃんに会えるの楽しみだなーん」

にこ「そうね、元気かしら……」


にこ「ていうか結構キツイものになりそうね……特に年越しの日は」








穂乃果「そりゃそうだよ!! でも、やっぱり年越しの時にあっちに行くんだもん、最高の思い出にしたいよ!!」

にこ「まあ、そうだけど。そこまでする?」

穂乃果(最高の、思い出に…………)


にこ「穂乃果?」


穂乃果「あんまり乗り気じゃない?」

にこ「そんなことないけど……」

にこ「多分一生に一度いけるかって感じだもんね、年齢的にも若いうちの方がいいだろうし」

穂乃果「やったっ!!」


◇――――◇


穂乃果「うん……大丈夫だよ」


ことり『……ふふっ、応援してるよ』




ことり『ちゃんと持った?』






穂乃果「大丈夫だってばぁ」

穂乃果「でも……本当に大丈夫かな?」


ことり『毎年何組もいるって聞くし、きっと大丈夫!!』

ことり『いいなあ、素敵……』


穂乃果「でも……八時間くらい立ちっぱなしだし寒いし……その後になんて……」

ことり『みんなもいるし、そんなのきっと気にならないよ』

穂乃果「そ、そうだよねっ!!」


穂乃果「本当にありがとうことりちゃん!! そっちで会おうね!!」



プツッ


穂乃果「ふぅ」


にこ「――ことりと電話してたの?」

穂乃果「え!? あ、うん。ほらータイムズスクエアってどのくらい辛いのかなーって……」

にこ「私も周りの人に聞いてみたけれど、まあキツイみたいね」

にこ「行ってよかったって人もいれば2度と行きたくないって人もいるし。こればっかりは……」


穂乃果「大丈夫、絶対……絶対忘れられない日にしてみせるよ!」


にこ「う、うん……?」





◇――――◇

穂乃果「みんなーー!!!!! 久しぶりーー!!!!」


絵里「ちょ、ちょっと恥ずかしいじゃない……」

真姫「そうよ」

穂乃果「だってだって本当に久しぶりだからっ!!」

海未「そうですね、でも昔行ったことがつい最近のようにも感じられます」

凛「凛も!! もう十年くらい前なのにね?」

希「凛ちゃん!! まだ七年やって!! そこ重要なんよ」

凛「どうしてー?」

希「いやー、年齢というかなんというか……」


凛「……あ、希ちゃんもう四捨五入したら……」


希「いやーーーっ!!!」


希「はぁぁ……もうウチおばさんかなあ?」


穂乃果「だ、大丈夫だと思うけど」アハハ


絵里「花陽達はお金とか大丈夫だったの? 就職したばかりでしょう」

凛「ぅ……なんとか……ね?」

花陽「う、うん……」



真姫「……」


穂乃果「真姫ちゃんも医学生で一番大変な時期でしょ?」

真姫「まあね」


真姫「でも、行かないわけにはいかないじゃない?」フフン

にこ「このにこにーと一緒に旅行にいけるなんて、ありがたく思いなさいよ」

真姫「はいはい」


花陽「にこちゃん、アイドル辞めてから調子はどう?」

にこ「んーまずまずかな。とりあえずいまのところは食いっぱぐれることはないと思う」

真姫「油断してると炎上発言で終わりね」


にこ「なんですって!!??」


穂乃果「まあまあ……。ね、みんなの話はさ、ことりちゃんと合流してからにしよ!?」

海未「そうですね、あっちで待っているみたいですし」

穂乃果「ことりちゃん、どんな風になってるのかなー……」

希「もっと可愛くなってて穂乃果ちゃん惚れちゃったりして……」ニシシ


にこ「穂乃果! それは許さないんだからね!?」



穂乃果「わ、わかってるよー……」

◇――――◇




NY


 

ことり「うんっ、時々見てるよ!」

ことり「でもアイドルは辞めちゃったんだね」

にこ「昔から区切りは決めてたから」

凛「人気もあったのに、かっこいいにゃー」

にこ「別に芸能界引退したわかじゃないから、かっこいいかって言われるとちょっとね」


絵里「後悔とかはないの?」




穂乃果「……」



にこ「――ええ」


にこ「トップアイドルになれたかって言われると、ちょっとわからないけど……私なりにはやり切ったつもり」

絵里「そう……よかった」



ことり「みんなも色々あったんだね」

海未「そうですね……」


「……」

穂乃果「んもうっ、なんでニューヨークに来てまでしんみりしちゃうのさ! いいから、もう一回女神像みにいこっ!!」

凛「そうだよーいこいこっ!!」



◇――――◇


ホテル




ことり「んー……やっぱり綺麗だね」

穂乃果「うん」


ことり「いいの、にこちゃんのところに行かなくて?」


穂乃果「なんか希ちゃんと絵里ちゃんと遊びにいったよ」

ことり「そっか」



穂乃果「ねえ、明日……」


ことり「やっぱり不安?」


穂乃果「う、ん……」



ことり「大丈夫、同棲だってしてるんでしょ?」


ことり「自分の気持ち、精一杯伝えればきっと伝わるよ」




穂乃果「……」

ことり「しかも、タイムズスクエアなんていう魔法の場所だよ?」


穂乃果「そんな雰囲気いいかなあ? 人もたくさんいるし」


ことり「行ってみればわかるよ♪」


ことり「……穂乃果ちゃん、にこちゃんがアイドル辞めるまで本当に待ったんだね」

穂乃果「うん」

ことり「その間誰とも付き合ってない?」

穂乃果「もちろん!」

ことり「えっちは?」

穂乃果「す、するわけないよっ!」



ことり「すごい……」



穂乃果「む、なにそれ」


ことり「ふふ」









穂乃果「――結婚、か」





穂乃果「覚悟したはずなのに、なんだか……怖いや」


ことり「もしそうなったら、ドレスのデザインはことりがしてみたい、なんて……」




穂乃果「してくれるの!?」



穂乃果「にこちゃんに聞いてみてよかったらしてよっ!!」




ことり「うんっ! ならとりあえず明日、決めなきゃだねっ!」

また深夜

◇――――◇


タイムズスクエア



にこ「みんなトイレは大丈夫!?」


穂乃果「ここからトイレはいけないよー!!」


凛「大丈夫!!」

ことり「あ、でもみんな安心して? おむつ持ってきたから」



絵里「なんかリアルで嫌ね……」


にこ「あれ手荷物検査とか……」


ことり「うふふ♪」


真姫(寒いし、大丈夫かしら…)

にこ「どうしたの?」


真姫「別に」

にこ「ふーん」



凛「真姫ちゃん漏らしちゃうかもとか考えてたんだー!!」


真姫「は、はぁ!? もう大人なんだからそんなことするわけっ!!」



真姫「はっ……」




穂乃果「?」

真姫(そ、そうよね。もう覚えてなんかないわよね……)





ことり「ダメだよ凛ちゃんそんなこと言っちゃっ」


凛「冗談だってばぁ」

絵里「まあ、そうね。ほんとにダメそうならことりの言う通りにするしかないわね」

希「世界一過酷なカウントダウンに参加するだなんて、思いもしなかったなぁ」


穂乃果「一度きりの人生!! 挑戦しなきゃ!!!」

花陽「大丈夫かなあ……人多いね」


凛「満員電車みだぃぃ」


穂乃果(こんなところで出来るのかな……)


穂乃果(でも、すごいや……昼間なのにキラキラ輝いてて、周りは東京よりも高いビルばっかりで……)


穂乃果(確かに、なんでも出来そうな気分……)

ことり「まだ昼だけど、夜になったらすごいんだよ」


ことり「人混みの中だけど、なんとかがんばってね?」


穂乃果(そういえばことりちゃんはこのイベントのこと良く知ってるみたいだけど、もしかして参加したこともあるのかな?)


穂乃果「ねえ、ことりちゃ――」




ことり「――――――――」




希「……わお」


穂乃果(近くの外国の人と話してる!?!? ぺ、ペラペラだ……話には聞いてたけど)

ことり「……?」


ことり「英語話せると、結構楽しいよ?」

希「ね!!!」


ことり「ここもすごい人混みだけど、それでもちょっとは空いてるんだー。これに参加したことある友達から教えてもらって」



凛「ほえ~……」

真姫「確かに、テレビで見るとこれよりもっとおしくらまんじゅうになってるみたいだったけど」

花陽「九人がはぐれない時点で結構すごいのかな?」


穂乃果「よしっ、あとはこのまま耐久だ!!!」

◇――――◇

六時間後



穂乃果(死ぬ……づかれだ……)


穂乃果(みんなも……疲れてるみたいだし)



穂乃果(あ、でも……)



真姫「ことりと希は元気ね」

穂乃果「色んな人と話してるねぇ」

穂乃果「穂乃果も英語喋れればなぁ」


にこ「だから言ったじゃない」

穂乃果「にこちゃんも話してくればいいじゃん」

にこ「だーかーら、最低限って言ったでしょ?」

穂乃果「さーむーいー」ギュゥゥ

にこ「あーもう! 子供じゃないんだからぁ!」

絵里「それでも今日はそこそこ暖かい日みたいね、なにからなにまで運が良くて助かるわ」



凛「あと六時間かぁ……大丈夫かなぁ?」

絵里「さすがにキツイわね……」

穂乃果「ちょっとお腹減ってきたかも……」

真姫「我慢ね」

希「おーいっ!!」


穂乃果「?」

ことり「ほらみてみてっ」



凛「うわーっ、ピザだー!!」

にこ「買ってきたの!?」

ことり「ううん? さっきねあっちにいた男の人に買ったもらっちゃった!」


穂乃果「どうやって!?」

希「にしし、ききたい?」




希「それはもう、ことりちゃんがあんなことやこんなこと……」




穂乃果「えぇー!?」

凛「こ、ここ……ことりちゃんっ、こんな日に何やって……」////



ことり「な……っ、ちがうよぉ!! ことりはそんなことしてないし、したのは希ちゃんだもんっ!」



絵里「希ったら……」

希「まあまあ、減るもんでもないしっ」


希「ちょっとしたお色気でピザが買って貰えるんならいいやん?」



絵里「それは……どうなのかしら」



ことり「あー……8ピースかぁ」





穂乃果「――あ、それなら穂乃果はいいよ?」




にこ「さっきお腹減ったって……」

穂乃果「いいからいいから」



にこ「……なら私と半分こね。それならいいでしょ?」



穂乃果「ほんと!? うん♡」





希「ラブラブやねぇ……」





穂乃果「……もう、暗いね」


にこ「そうね……」




 ふと上を見上げると、この街の本当の姿を見ることが出来た。キラキラ輝いていて、全てを受け入れてくれる。なぜだか、この景色を見ていると力が湧いてくる。自分が強くなったわけじゃないのに、そう錯覚する何かがきっとあるんだね。


 やがてそこをボーっと見てると、なんだか有名な曲が聞こえてきて、周囲の歓声は大きくなる。そしてついにあのボールが……ビルのてっぺんに見えてきた。



 なんだか、あと六時間もあるのに……もうドキドキしてる。

◇――――◇


三分前



 最後のアーティストのライブも終わって、周りの熱気は最高潮に達している。もう誰も疲れなんて感じていないみたいに、スクリーンとボールを凝視している。



 今更になってだけど、なんだか寂しい。


 正直辛すぎて帰りたいって思うことが何度もあったけれど……ここまで待ってよかったって思える。


 ――そっか、今年も終わるんだ……。


 どんな年だったかな? ふっと目を閉じてみると今年だけじゃなくて、µ’sのことが走馬灯みたいに目の裏を駆け巡る。

 辛いこともあったけれど、みんなで笑いあった日々は……なんだか今と似てるような気がするね?


 それから色々あったけれど……にこちゃんはアイドルを卒業して、穂乃果と一緒に暮らし始めてくれた。アイドルをやめた次の日に告白しに行った甲斐があったよね。




 ことりちゃんもみんなも、今日この日のために準備してくれた。こんなに辛いのに、我慢出来た。






 そして、ついにカウントダウンが始まった。

 60、59、58。


 様々な言語が飛び交う世界の中心。穂乃果もみんなも、夢中になって叫んだ。


 横にいるにこちゃんも、さっきまで辛そうにしていたけれど今は楽しそう。あんまり乗り気じゃないみたいだったけれど、誘ってよかった、よね?


 その小さな手を握りしめて、もっとくっついて、声を張り上げる。



30、29、28。



 あれ……なんか泣きそう……どうしようっ。


10、9、8。



 あれれ、もう外国人の人抱き合ったりしてるよっ!? まだ早いよーー?

 むぐっ!!

 そんな風に見てたら、にゃーって声とともに凛ちゃんが抱きついてきた。ちょっと、まだ早いよー!!

 一回決壊してしまったらもう止まるはずなんてなくて、ことりちゃんと希ちゃんが他のメンバーに抱きつき、絵里ちゃん花陽ちゃん海未ちゃんまでもが我を忘れてもみくちゃに。

穂乃果「にこちゃん!!!」



にこ「なに!?」


 周りにかき消されないように、精一杯叫ぶ。


穂乃果「今年も、ありがとー!!!!」


にこ「こちらこそー!!!」




3、2、1。


 地鳴りのような歓声が鼓膜を揺さぶる。


 鮮やかなボールが、1の次のものに合わせてビルへと落とされる。





「――HAPPY NEW YEAR!!!!」




穂乃果「!!!」



 どこからともなく吹き出てくる紙吹雪が、摩天楼を埋め尽くす。新たな年の始まりを告げる花火の音に、周りの人はハグの嵐。あ、海未ちゃんとことりちゃんキスしてるっ! 慌てる海未ちゃんかわいいなぁ。



 ……はっ!






穂乃果「ハッピーニューイヤー!!」ギュゥゥ




にこ「痛い痛いっ! でも今日は許してあげる!」

穂乃果「えへへ、んっぅ」チュゥ

にこ「んっ……」//

にこ「ちょ、みんなの前なのに!」/////


穂乃果「へーきへーき! みんなやってるしっ!」



 舞っていた紙吹雪が、少しずつ降りてきて穂乃果達を包み込む。視界が紙吹雪で埋め尽くされて、見えるのは一番近くにいる恋人の姿。周りに人はたくさんいるはずなのに、なんだか二人きりの世界になったみたい……。




穂乃果「にこちゃんっ!!」




穂乃果「ずっと、ずっと……昔っから!! 言おうと思ってた!」


にこ「……?」




 ポケットに忍ばせた指輪。









穂乃果「――穂乃果だけのアイドルに、なってくださいっ!」

◇――――◇



真姫「ごはん、食べれるの?」

にこ「……なん、とか」


ことり「にこちゃん泣きっぱなしなんだもん……」

にこ「だ、だって……」


にこ「そりゃ、あんなことされたら……」ウルッ


絵里「こっちだってびっくりしたわよ。人混みの中指輪を出してるのよ?」

希「そうやなあ、でも……なんだかあの時は二人だけ違う空間て感じがしたんよ」

ことり「不思議だね……」

にこ「確かに人混みの中にいるって気がしなかったわ」



穂乃果「ことりちゃんのおかげだね」

海未「とんだサプライズですね」

ことり「成功してよかったっ!」

にこ「ことりが噛んでたのね……道理で」

真姫「急にニューヨークタイムズで年越ししたいだなんて言ったかと思えば、私たちは公開プロポーズの出汁にされたってわけ」

絵里「まあまあ」

真姫「ま、いいもの見れたけど」


にこ「////」





希「にこっちが結婚かぁ……合宿の時結婚したいって言ってたのが懐かしいね」


ことり「そうだねっ」

穂乃果「そんなこと言ってたの?」


ことり「いいなぁ、ことりもウエディングドレス着たいかも……」


穂乃果「あれ、ことりちゃんて彼氏――」





ことり「海未ちゃんと結婚しまーすっ」

海未「!?」

ことり「キスもしちゃったもん、いいよね?」


海未「そもそも女同士でっ」


ことり「――アメリカは女同士でもオッケーなんだよっ!」


海未「な、なるほど……」

花陽「式はいつにするの!?」

穂乃果「え、えーと……」

にこ「一年後くらい?」

穂乃果「まあそのくらい、だよねえ?」

ことり「一年か……ウエディングドレスデザインして……ギリギリかな?」


絵里「当然私たちも呼んでくれるのよね?」

穂乃果「当たり前!」

穂乃果「そもそもみんな集まれるのかなぁ……」



希「集まって見せるよ! 絶対っ」






希「あといい加減同棲のきっかけ教えてよー、アイドルやめたかと思ったらいきなり同棲はじめてもうて」






にこ「……あああれね」


穂乃果「ふふ、ふたりの秘密っ!!」

◇――――◇

一年後




穂乃果『うん、ありがとう』



ことり「本当に綺麗だったね」


穂乃果『ことりちゃんがデザインしてくれたおかげ』

ことり「にこちゃんが可愛いだけだよ」

穂乃果『まあそれもある、けど//』

ことり「む……惚気るね」

ことり「でも今日だけは許しちゃう♡」

穂乃果『……酔ってる?』


ことり『酔ってないよぉ、えへへ』

穂乃果『結構飲んでたもんね』



穂乃果『ことりちゃんの結婚式の時も呼んでよ?』



ことり「当たり前だよー」

ことり「でもなんだかことり、結婚は最後になりそうな……」

穂乃果『いい人いないの?』

ことり「うーん……」


穂乃果『いつかいい人見つけられるよ、ことりちゃんなら』


ことり「うん……」

穂乃果『じゃあ今日は疲れただろうし、また今度ね?』

ことり「今度はいつになるかな?」

穂乃果『みんな忙しいからね……』


ことり「いつか会おうね」

穂乃果『もちろんっ』




にこ『穂乃果ーなにしてるのー?』


穂乃果『あ、ごめんまた今度ね!!』


ことり『うん……またね!』

穂乃果『バイバイっ!』



プツッ

ことり「ふぅ……」


海未「幸せそうでしたね」

ことり「そうだね……」


ことり「…………」


海未「ことり?」


ことり「嬉しいんだよ? 穂乃果ちゃんとにこちゃん、幸せそうで……」


ことり「あーあ……これからどうしよう。なんだか、穂乃果ちゃんが遠くに行っちゃったみたい」


海未「また見つけるしかありませんね、夢中になれるもの」



ことり「ことり達、そろそろ恋人探ししないとだよっ!」


海未「そうですね……」



ことり「……海未ちゃん、いつから穂乃果ちゃんのこと……」


海未「――もう、覚えていませんよ。出会ってから、かもしれませんね」




ことり「ことりも」





ことり「…………」ポロッ……

ことり「あ、あれ……やだな」

ことり「ぅっ……ぅ」


海未「…………」


ことり「ごめんね……ごめんっ……泣くつもりなんてなかったのに」ゴシゴシ

海未「……もう一軒、付き合いますよ」

ことり「ほんと?」



海未「はい。忘れられないかもしれませんが、切り替えもしないといけませんから……そのためならいつまでだって付き合います」




ことり「……海未ちゃん」


ことり「――ことりと結婚してっ!!」ギュゥ






海未「は、はい!?」



ことり「やだやだ、海未ちゃんじゃないとやだー!」




海未「もう……酔いすぎですよ」

ことり「酔ってないもん、ほんとに好きだもん……」トローン

海未(……酔っていることり、久しぶりにみました////)

ギュゥ


ことり「おねがぁい……♡」ウルウル


海未「ぅ……」



海未(な、なんで私はことりにドキドキしているのでしょう……。もちろん魅力的な女性ではありますが、相手は女性……)


海未(私が男の人だったら……きっとこんなの耐えられません……っ)


海未(ダメですダメですっ!)




海未「そもそもことりならいくらでも素敵な方を見つけられます」


ことり「むぅりぃだよぉーーー!」

ことり「海未ちゃんまでことりを捨てるんだぁ…………」ムクゥー


海未「もう一軒行くんですよね? とりあえず動きにくいので離れてください」


ことり「ふぁぃ……」ヨタヨタ

海未「ダメみたいですね……肩を貸しますね」



ことり「孤独死はやだよぉ海未ちゃぁん」



海未「はいはい、わかりましたから」ヤレヤレ






 ――恋に敗れ去った私達の夜は、いつもより少しだけ長そうでした。

◇――――――――◇





穂乃果「ふぅ……ん」

にこ「疲れたぁ……」



穂乃果「みんな元気そうだったね」


にこ「ええ」



穂乃果「ねえねえあの芸能人の人!! 穂乃果サインもらっちゃったよっ!」



にこ「ちょ、なにしてんのよ恥ずかしい!」



穂乃果「えぇだってぇ……」

にこ「全く……」



にこ「電気消すわよ」

穂乃果「うん」



にこ「……」


穂乃果「ふぁぁ……」

にこ「眠い?」




穂乃果「ちょっと疲れちゃったかな」



にこ「そうよね」

にこ「……好き」ギュッ


穂乃果「ありがと。穂乃果も大好き」

穂乃果「これからずっと一緒だよ」


にこ「うんっ」


にこ「――でも、今になっても信じられない」


穂乃果「?」


にこ「穂乃果が周りの女の子の中から私を選んでくれたこと、選んでくれた後……とにかく自分勝手な私を待っててくれたこと」


穂乃果「単純に穂乃果がにこちゃんのこと好きだったっていうのもあるけど……」


穂乃果「にこちゃんのこと、泣かせたくなかったから」


にこ「……」



にこ「メールで泣かせたくせに」


にこ「アメリカで泣かせたくせに」





穂乃果「それはいい泣かせ方だもん!」

にこ「ふふっ、そうね」



にこ「ねえ穂乃果?」

穂乃果「うん?」


にこ「……ちゅっ」



にこ「……////」


穂乃果(な、なんか様子がおかしい?///)


にこ「あの、あのね……私自分勝手で、今まで……その……ちょっとした触り合いっこまでしかしてこなかったじゃない?」


穂乃果「……そう、だね」



にこ「……その、私たち……もう結婚、したし、あの、だから……/// 」



にこ(さ、察しなさいよばかっ……)


にこ(あ、そっか……。私が散々好き勝手やってきたから……穂乃果からは来てくれないのよね。私が勇気、出さなきゃ)


穂乃果「ごくっ……っ」////







にこ「――子供とか……欲しい、な?」

穂乃果「っ」



ギュッゥ


穂乃果「にこちゃん……」

にこ「んっ……ちゅぅ……」

穂乃果「ハッ……はむっ……んぁ……」





にこ「――あっ!!!」


穂乃果「え?」


にこ「いいこと思いついた!」


にこ「ちょっと待ってて!」




穂乃果「ふぇ!? ちょ、ちょっと!?」






穂乃果(よ、ようやくえっち出来ると思ったのにまたお預け……!?)

また次回^^
多分次で終わりますよー

(ことりが穂乃果に選ばれなくてそれでも穂乃果以外は好きになれなくて一生独身でクソみたいな負け犬人生送る話もありますか?)

>>364
ことりちゃんは海未ちゃんと結婚するので幸せです。

(それいいですね是非書きましょう!といいたいところでしたが、流石に可哀想すぎるものは書けません)

また深夜に。

◇――――◇


五分後




穂乃果「……わぁ」





にこ「――まだまだいけるわね、流石私!」ヒラヒラ




穂乃果「うん、まだいける!」





にこ「――音ノ木の制服、とっておいてよかったわね」


穂乃果「でも、どうしてそんなもの?」




にこ「だって、こっちの方が……昔に戻ったみたいじゃない?」





穂乃果「……」トクン




ゴロン


にこ「私の身勝手のせいで、穂乃果に色々我慢させたんだから、これくらいはしないとね」


にこ「昔に戻りたいとか、そういうんじゃないの。ただ……埋め合わせだけはしたいから」



にこ「もうこんな歳になっちゃったけど……ごめんね?」




穂乃果「ううん、嬉しい」



穂乃果(……な、なんか制服着てるにこちゃん見てると、本当に……)ゴクリ


サワサワ


にこ「んっ……」ピクン


穂乃果「嫌なことあったら言ってね?」


にこ「え、ええ……」


穂乃果「こんなににこちゃんのこと近くで感じられて、幸せ」


にこ「~~~っ////」

にこ「あんたそういうかっこつけたことしかいえないの!?」

穂乃果「知らないよ、本心だもん」

にこ「む……」




にこ「――あっ……♡」ビクッ



プチプチ


ヒラッ…


穂乃果「ん、ぐ……♡ハッ……はぁ、はぁ」ジーッ


穂乃果(にこちゃんのおっぱい、ちっちゃいけど……綺麗)


にこ「そ、そんな見るほどないでしょ……///」



にこ「恥ずかしくて、死にそうよ」///



穂乃果「かわいいよ」モニュゥ……ムニュ


にこ「っぅ――ぁっ……♡」ピクン

穂乃果「♡♡」ゾクゾク





にこ(まだ胸だけなのに、ピリピリして……♡)

ツツゥゥ


にこ「ひっ」


ピトッ……クニックニ

にこ「っァ♡ゃ、んっ♡」ビクビク

穂乃果「ハッぁ……ハァハァ……♡」


穂乃果「にこちゃん、感じやすいの?」ボソッ


にこ「し、知らないわよそんなのっ!」ウルウル


穂乃果(可愛すぎ……とまんないよ♡)


にこ(やばぃ、さきっぽビリビリして)


にこ「っぁ、やっぁ♡ちょ、んんぅ♡」


ペロッ……チュゥ

にこ「ひゃっぁ♡穂乃果!?」


穂乃果「ちゅぅ、ちゅる、れろ……ぺろ♡」


にこ「や、やめっ……♡」ビクビク


穂乃果「にこひゃんの、おいひぃ」


にこ「んんんんぅぅ♡♡」



穂乃果「にこちゃん、顔がとろけちゃってる♡」


にこ「わ、悪かったわね!////」



にこ「だって、穂乃果がっ」



穂乃果「にこちゃんがこんなに感じてくれると思わなかったもん」



にこ「////」

にこ(ひとりでする時と、全然違う)

にこ(気持ちいいのもそうだけど……とにかく幸せ)

にこ(ママ達もこんな気持ちだったのかな?)



スルスル



にこ「!!」



ビチャァ…



穂乃果「すご……♡」


にこ「だ、だってっ」



穂乃果「にこちゃん、気持ちよくなってくれてるんだね」



穂乃果「ねえ、一つ聞いていい?」


にこ「なに」








穂乃果「――ひとりで、シたことある?」

にこ「な……なっ!!!」

にこ「あああああるわけないでしょ!?!?!?」


穂乃果「でも……ちょっとはしてないと、こんなに濡れないと思うんだけど……」


にこ「くぅぅ……


にこ「――わ……私だって人間なんだから、ちょっと、くらい……////」


穂乃果「アイドルにこちゃんもえっちな気持ちになるんだね♡」


にこ「くぅぅぅ……//////」


穂乃果「穂乃果のこと考えながらしてくれてたなら、嬉しいな」


にこ「……////」



クチュ……クチッ



にこ「あっ……♡」


にこ「むっ……くっ♡♡」




穂乃果「――ねえにこちゃんさっきから声抑えてばっかり。声抑えないで、全部聞かせて?」



にこ「だめ♡はず、かし♡」


穂乃果「いいから、ちゅっ……」クチャクチャ


にこ「あっぁ、きもち……♡」


にこ(こえ、抑えらな……ぃ)


にこ「んぅ……♡」ビクビク



穂乃果「スカート脱がせるから、お尻浮かせて?」

にこ「ハァハァ……んっく……」



スルッ


にこ(え、ちょ……下着まで――)


スルッ



穂乃果「うふふ♡」



にこ「――や、やめて見ないでっ!!!」バッ



穂乃果(にこちゃんの……かわいいっ♡)






穂乃果「あれ……生えてない、の?」

にこ「は、生えてるわよ! ちょっとだけ! よく見なさいよ」

にこ「よ、よく見ちゃダメなんだけどっ!!!!!」////



穂乃果「もーっ! にこちゃんの大事なとこ、もっとよく見せて?」


にこ「いやぁ……♡」ゾクゾク



グイッ



穂乃果(ほんとだ、ほんのちょっと生えてるんだ……可愛いっ)

穂乃果「それにしても、びちゃびちゃ……」

にこ「なんであんたは! いちいち口に出すのよぉ……///」ウルウル


穂乃果「にこちゃんが可愛いのが悪いんだよ♡」



にこ「ぅぅ……私だけ裸なんて、不公平よ……」


穂乃果「?」



穂乃果「靴下だけは履かせてるよ?」

にこ「…………」



にこ「これ、は……逆になんか……」////



穂乃果「ふふ、確かにそうだね、穂乃果も脱ぐよ」


スルッスルッ


ギュゥゥ


穂乃果「こうやってくっつくの、幸せだね?」

にこ「うん」

にこ(いい匂い……)




穂乃果「ぺろ……んっ」


にこ「身体……なめ、すぎ……♡」

穂乃果「いいでしょ?」


穂乃果「がまん、出来ないもん」


穂乃果「れろ……ハァハァ……♡」


にこ「――ちょ、穂乃果どこ舐めて!?」

にこ「そこはダメ!! 汚い汚いからやだぁ!!」ブンブン


穂乃果「汚くなんかないよ」チュルル……チュルッ

にこ「ハッ♡ぅんぁ……♡」ゾクゾク

にこ「やだ、ぅぁ♡あぁっ♡ッひゃ♡」ドクドク

にこ(気持ちいぃ……♡)



にこ「ダメっ♡穂乃果やめてっ♡ほんと……ダメなのぉ……」ビクビク///


にこ「あっ♡あっぁ♡やだ、ぅぁぁ♡」

穂乃果「イキそう?」クチュクチャ……




にこ「ふっぁ♡ハッハッハッ♡っぐぅ……♡」

にこ「~~~~~~っ!!!」ビクビクビクビク////



穂乃果(痙攣……すごい)


にこ「はぁ……♡はぁ……♡」


にこ「も、わけ、わかんない」グッタリ…


穂乃果「気持ち良かった?」

にこ「うっ、さい/////」


穂乃果「ふふ、可愛い」ナデナデ


にこ「……♡」



穂乃果「ね、ねえにこちゃん……穂乃果も、いい?」


にこ「……ごくっ」





ガバッ


穂乃果「も、ほんとにがまん、できなくて……♡」ギンギン

にこ「……優しくして?」



穂乃果「うん、わかってる」

穂乃果「ハァハァ……♡」

ボロン

にこ(で、でっか……こ、こんなの無理よ……)


穂乃果「んんんぅ♡」ピトッ


にこ(穂乃果と私の、当たってる……熱いしすっごくビクビクって……)



穂乃果「はっぁ……ぅ……」///



にこ(よだれ垂らしちゃってる……もうそんなに気持ちいいのかな? 我慢、させてたからかな?)


穂乃果(やっと、やっとにこちゃんと……♡)



穂乃果「いく、よ……♡」ズズズズ

にこ「!?!?」


穂乃果「ふっぁぁぁ…………♡」










にこ「――いっっったぁっ!!!!」







穂乃果「え?」グググ



にこ「――ちょっ、痛い痛い!! ほんと痛いからやめて、抜いてぇ!!」



穂乃果「ふぇ……?」



にこ「やだやだ動かないで、ほんと、痛いの!!」


穂乃果「で、でも……」



にこ「いいから抜いてっ!!」


穂乃果「ぅ……」ニュルン



にこ「ひっ……!!」




穂乃果(血…………)






にこ「…………………」


にこ「……優しくしてって言った、のに」ジトッ


穂乃果「ごめん……」


にこ「…………」



穂乃果「……あの、ほんと……ごめん」




「…………………」









にこ「……想像以上に痛いのね」








穂乃果「にこちゃんの、狭いから、かも」


にこ「ごめん……ほんとに痛かったから……今日は……」


穂乃果「そ、そう、だよね」



にこ「私から誘ったくせに、最低ね……」

にこ「でも、次からはちゃんと最後までしよう?」

にこ「穂乃果が破ってくれたみたいだし次からはこんなに痛くないと思うし」


にこ「でもこれ、ほんとに気持ちよく……なるのかしら」



穂乃果「……明日もやってみる?」

にこ「う、ん……」


にこ「今日は相当痛かったから、ダメだったけど私だって穂乃果と一つになりたいんだから」


穂乃果「本当?」


にこ「ええ、これだけは本当」




にこ「――じゃあ、ソレ収めなきゃ、ね?」


穂乃果「い、いいの?」


にこ「私から誘っておいてこのままだなんて、失礼すぎるでしょ?」


にこ「わからないから、教えてね?」


穂乃果「ご、く……♡」


ギュッ




穂乃果「ひゃんっ♡」



にこ「……痛かった!?」

穂乃果「ううん、気持ちよくて……ごめ……ん、情けない声だしてっ……」


にこ「穂乃果……そんなの気にしてるの?」

穂乃果「だって……」




にこ「声なんて我慢しないでって言ったのはあんたじゃない。なら穂乃果も我慢しちゃダメ」



ドクドク


にこ(すごいたくさん透明なの、出てきた……)

穂乃果「ハァハァ……♡」


にこ(気持ちよさそう……)



グチュ、グチュ……グチャァ


穂乃果「んんんむぅっっ♡♡」ビクビク

にこ「穂乃果の、すごい……」

穂乃果「ひゃぅ、きもちいいよ♡ほんとはじめて?」

にこ「さっき証明したじゃない」

穂乃果「うっ……」

にこ「穂乃果こそ、初めてする私なのにこんなに感じるなんてすごいわね?」

穂乃果「……気持ちいいのは仕方ないし」

にこ「この調子で大丈夫?///」グチュグチュ…シュコシュコ


穂乃果「ぅん……ハァハァ……やばぃ♡」




穂乃果「もうでちゃうよぉ……♡」ゾクゾク

にこ(口でしたら、喜んでくれる、かな……?)ジーッ



穂乃果「///?」トローン


にこ「――あむっ」

穂乃果「あ、んっ♡」

にこ「あむっ、ちゅるる……きもひぃ?」ペロペロ……シュッシュ///

にこ(硬い……それにどんどんおっきくなってる?)

穂乃果「に、にこちゃんっ♡それだめぇっ」ガグガク

にこ(気持ちよくなってくれてる……♡)ウワメ


穂乃果「////」ゾクゾクゾクゾク


穂乃果「っはぁっ♡いや、ハッハァハァ♡ッァ……でるっ、でる……っ♡」ビクビクビクビク



にこ(さきっぽが、パンっパン……はちきれそう……限界なのかな?)



にこ「いいよ、全部だして?」ペロッ……チュゥ♡


穂乃果「~~~ッっっはぁ♡♡♡」ビュルルッッッ


にこ「きゃっっ」


穂乃果「んっぁ♡とま、んなぃ」ビュクッビュク///


にこ(すごい量……)


穂乃果「ぁぁ……ん♡」ピュッ……ピュ…


にこ「全部出た……?」


穂乃果「はぁはぁ、わかんない……」


にこ「こんだけ出したのにまだ全部じゃないとかありえるの!?」ベチャァ……





穂乃果「んっ……やば……はぁ、んぅ♡ いままでで、一番でた、かも」




穂乃果「……昔から量だけは多くて困ってるんだよね」





にこ「これが精液……あっついし、ゼリーみたいにドロドロしてる……濃いってこと?」

にこ「こんなの出されたら……一発で妊娠しそうね……」

にこ「ティッシュティッシュと」






穂乃果「……次はにこちゃんの中に出したい」

にこ「……明日するんでしょ?」

穂乃果「いいの?」


にこ「だってこの調子なら穂乃果、明日だって出来そうだし」

にこ「私のことは次から気にしなくていいから」


穂乃果「♡!!」ギュゥウ


穂乃果「これから毎日えっちするからね!」


にこ「はあ!? 毎日なんて流石に……」


穂乃果「やだ! 毎日する」



にこ「うぇぇ……」

穂乃果「我慢してたもん、毎日しないと足りないー!」


にこ「はぁぁ……………そうよね。うん、穂乃果が満足するまで付き合ってあげる」



穂乃果「やったっ!!」


にこ「流石に今日は疲れたし、終わりにしよう?」

穂乃果「うん」


穂乃果「穂乃果も、眠い……ふぁ」


にこ(射精って体力使うらしいしね……)


穂乃果「……」ギュゥウ


穂乃果「これからもよろしくね」


にこ「こちらこそ」


穂乃果「おやすみ……」


にこ「おやすみ」


穂乃果「……すぅ、すぅ……」


にこ「はや、もう寝ちゃった」


にこ「……」


にこ「はぁ……私も寝よう」





にこ(ママとおんなじ立場になってわかるけど……ママは、パパのことを信じてたんだね)



にこ(きっと私も……穂乃果と少しくらい離れたって寂しくないよ。だって私は穂乃果を信じてるから。ママもそうだったんだよね?)





にこ(ねえママ……私にも、見つかったよ?)










◇にこ ルート◇

終わりです。
今回はそこそこ長めでした。
プロポーズは無人島で…と思ってましたが、映画により急遽変更……。

実際にはあんなの無理かもしれませんが……。


ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございます。

>>390
無人島じゃなくて合宿の時の南国の島です。

次の予定ですが……もう安価を取らずに書き始めるか、安価で決めるか迷っております…。

壁ドンが似合う正統派もいいねえ
こうなると次は緩急つけてドロドロ系が見たい

今回安価なし、エリーチカで行きます。理由は、にこルートで色々考えたので、今回はなにも考えずにエロいのをいきたいからです。



>>403
◆希ルート◇か◆解放後のことりルート◆◆解放後の海未ルート◆オススメです。



ただ、いまのところ引き出しがもうほぼないので◇海未ルート◇が他と丸かぶりになりそうです。あと、次回安価では凛ルートは除外する予定です。理由として、全く思い浮かびません。最悪、そのまま終わりになるかも……。

またしばらくお待ちを。

生存報告です。もう少しなんです。お待ちください。

終わりました。今日明日であげられるかもしれません。

そこそこ短いです。ちょっと今回は、出来が悪い意味でやばい気がしますが……きっと他のルートで取り返すようにがんばります




キャラ崩壊注意

絢瀬絵里





絵里『もう別れましょう?』


 本心じゃなかった。でも私の口はそんなことをいとも簡単に発していて、それを聞いた彼の顔は酷く歪んでいたことを覚えている。

 二人で別々の傘を持った私たちの間に沈黙が流れた。言葉も発さず傘に打ち付ける雨の鈍い音だけが間を埋めていた。


穂乃果『……や、だよ。別れたくないよ……』


 じゃあ、止めてみてよ。私は穂乃果のこと考えずに酷いことして、一人で暴走して……それでも穂乃果は私のことを許してくれるっていうのなら。



絵里『……』



 

絵里『じゃあね』


 当然ね。

 
 馬鹿みたいなことだけど、それでどれだけ穂乃果が傷ついていたか……わからなかったんだものね。




絵里「…………っっ」ガバッ



絵里「はぁ……はぁっ……」







絵里「……夢か」



亜里沙「お姉ちゃん!」


絵里「ひゃぁっ!!」バッ


亜里沙「?」


亜里沙「……どうして裸なの?」

絵里「え?」


絵里「あっ、こ、これはっ///」





絵里「ほ、ほら最近暑いからっ!」


亜里沙「本当だ、汗びっしょりだね?」



絵里「え、ええ……」



絵里「で、どうしたの?」




亜里沙「あ、あのね……お姉ちゃん、穂乃果さんのことまだ好きなの?」

絵里「!?」

亜里沙「だ、だって、穂乃果さんのこと話すお姉ちゃん、とっても楽しそうなんだもん」



絵里「……ええ」


亜里沙「……」


絵里「また告白もしたのよ」


亜里沙「え!?」

絵里「まだ返事は返ってこないけれどね」




亜里沙「じゃあもしお姉ちゃんと穂乃果さんがまた付き合ったら、穂乃果さんと遊べる!?」



絵里「ええもちろん」



絵里「仮にそうなっても、亜里沙には渡さないわよ?」



亜里沙「うんっ、お兄ちゃんみたいな感じだから大丈夫」




亜里沙「いい返事、返ってくるといいねっ」

◇――――◇

生徒会室

絵里「亜里沙にあんなこと言われるなんてね……」カキカキ

絵里「でも、ねえ? 私がどうこう言うアレもないし……今もアピールした方がいいのかしら?」

絵里「合宿もなにもないまま終わっちゃったし……」カキカキ

絵里「そもそもことりが告白するなんてね……かなり勝機は薄くなったと言っても……」

絵里「だってことり可愛いし、それに」ブツブツ



絵里「はっ、ダメよエリチカ! 諦めたらなにもならないでしょ?」カキカキ




絵里「そうよ、このまま穂乃果にアピールを!!!」カキカキ






希「――全然仕事進んでないやん」

絵里「え……あ、これはっ!!」


希「ほのかほのかほのかって……もう穂乃果ちゃんのことしか考えられんの?」

希「紙にも穂乃果穂乃果って……」


絵里「……////」


絵里「一回付き合ってるから、余計辛いっていうか……」


希「なるほど」

希「やっぱり楽しいん?」

絵里「それはそうよ」


希「穂乃果ちゃんもえりちがスクールアイドルやるなんて、びっくりしたやろうね」

絵里「そうでしょうね……。中学校の時はそんなことするような柄でもなかったし。今もだけど」

希「でもえりち、穂乃果ちゃんのことばかり考えんで、自分のこと疎かにしないようにね」

絵里「希こそ、センター受けないの?」

希「んー推薦取れなかったらレベル下げるからいいかなーって」

絵里「なるほどね」



希「えりちもとりあえず推薦受かるよう、がんばってな!」


絵里「ええ……」


絵里(図書館行って勉強しよ……)

◇――――◇




図書館




絵里「まず小論文よね……出来れば推薦で決めたいところなんだけど……」


絵里「本番じゃなにが起こるかわからないから、とにかく色々な経験と知識を……」



絵里「……あ、そっかそういえばこの図書館」


絵里「……………」


絵里「はぁ……もー集中出来ない、最悪……」



絵里「思い出の場所のはずなんだけどなぁ……」


絵里「……はぁ」ツップシ




絵里(集中出来ない、受験生なのに。穂乃果のことばっかり考えちゃう)

絵里(いっつも女の子に囲まれて……こっちの身にもなってよ)

絵里(――やっぱりもう一度穂乃果と、付き合いたい、な)




絵里「ダメダメっ、気を取り直して数学よ!」







穂乃果「……………」

絵里「へ……?」




絵里「ほ、穂乃果!?!?」



穂乃果「し、シーっ!」

絵里「あ……」シュンッ


絵里「どうしてここに?」

穂乃果「いや……希ちゃんが夏休みの宿題早めにやった方がいいんじゃないって」




穂乃果「普段ならしないけど、みんなに迷惑かけられないから」



絵里(もしかして、希……私がここの図書館来るの知ってて……)



絵里(希ったら……許せない)

絵里(自分は諦めるとでも、いうの?)


穂乃果「絵里ちゃん?」


絵里「う、ううんなんでもない。そうね早くやるのはいいことね」



穂乃果「そうだっ、わからないところあったら教えてくれないかな?」





絵里「!!!」

絵里「え、ええもちろんっ!」




絵里(昔も、こんな感じだったっけ……)

◇――――――◇

三年前






穂乃果『うわーんっ、ことりちゃん宿題見せてよぉっ!!!』




ことり『う、うんっ、終わらないと大変だもんね!!』




海未『――ダメです』



海未『ここまでやらなかったあなたが悪いんですよ、反省してください』



海未『ことり、穂乃果に見せる必要はありません』



ことり『え、で、でもぉ』



穂乃果『ことりちゃぁん……』



海未『ことり』






ことり『ぁ、ぅぅぅ……』






ことり『――ごめんね穂乃果ちゃんっ!!!』

◇――――◇

図書館




穂乃果『ぅぅ……わがんないよぉ……英語なんてやりたくない、計算なんてしたくない』

穂乃果『もう知らないっ、宿題なんて出さなくていいやっ。帰ろっ!!』プンスカ








絵里『…………』カキカキ




穂乃果(…………あれは)


穂乃果(絵里ちゃん、だ)


穂乃果(そういえば同じ中学校なんだよね……進学してから全然話したことないけど……昔はよく遊んでたんだけどな)


穂乃果(なんか……綺麗……)トクン…



絵里『……ん?』ピタッ


穂乃果『!!!』

絵里『……穂乃果、よね?』

穂乃果『う、うん』

絵里『そういえば音ノ木中なのよね、随分久しぶりね』



 久しぶりに間近で会った年上のお姉さんは、随分と綺麗になっていた。まだあどけなさが強く残っていた小学校の時をよく覚えている穂乃果には結構刺激的……。


 時々学校の中でも見かけることはあったけれど、こうやって話すのは初めてだった。多分背も穂乃果より全然高いし……手足もとっても長い……。


穂乃果『あんまり話す機会なかったもんね』



穂乃果『ここ座ってもいい?』



絵里『ええ』


穂乃果『……ぁ、敬語の方がいい、かな?』



絵里『敬語? そんなの気にしなくていいわよ』


穂乃果『ほんと?』



絵里『うん、昔はあんなに遊んでたでたじゃない?』

穂乃果『懐かしいね』

絵里『ね』

絵里『穂乃果はどうしてこんなところにいるの?』

穂乃果『その……宿題終わらなくて……』

絵里『ああ、ゴールデンウィークの……』


穂乃果『そう』

絵里『明けにテストもあるしねえ』


絵里『で、ここで頑張ってたと。偉いじゃないっ』


穂乃果『で、でももう帰るよ』

絵里『終わったの?』


穂乃果『終わらないけど、だってわかんないもん……海未ちゃんいじわるだから見せてくれないし、ことりちゃんにもそう言うし』

穂乃果『だから――』


絵里『ダメよ穂乃果』ギュッ


穂乃果『……//』

穂乃果(手……)



絵里『わからないなら私が教えてあげるわ』


穂乃果『……でも//』


絵里『海未だって穂乃果のことを想ってのことなのよ? わかってあげて?』



穂乃果『絵里ちゃんが、そう言うなら』



絵里『そう、じゃあ問題見せてくれる?』

◇――――◇


海未『どうして……』



海未『もしかして他の人に見せて貰ったんですか!?』

穂乃果『意地悪な海未ちゃんには教えなーい!!!』

海未『な……』

ことり『どうやったの?』


穂乃果『うーんとね、絵里ちゃんに教えて貰ったの!』

ことり『絵里ちゃん……? 一体どうして………』


穂乃果『自分でやろうって思って図書館に行ったらたまたま……』



海未『絵里ですか』



穂乃果『海未ちゃんと違って優しかった』




海未『わ、私は穂乃果のためを思って!』





ことり『あ、あの二人ともぉ――』






絵里『――あ、いたいた!』

穂乃果『あ、絵里ちゃん!』




 その瞬間、ほんとに一瞬だけれどクラスが静まり返った。


 それは、そうだよね。だってあの絵里ちゃんが入ってきたんだもの。

 ことりと違って胸がおっきくて……外国人みたいな顔立ちで……。手足が本当に長くて、あんなの中学生のスタイルじゃないよ、卑怯だよっ! 胸はEカップくらいあるって誰かが言ってたっけ…………。本当かはわからないけど。





ことり『いーかっぷ………』




ことり『…………はぁ』ペタペタ…




ことり(Aカップしかないよ……もっと欲しいな……まだこれからおっきくなるかなぁ……?)





海未『?』





 学校の男の子達はみんな絵里ちゃんのことを可愛い可愛いって言って、まさにアイドルみたいな扱いをしている。まあ……そうされるだけのものは持ってるもん。


 ――絵里ちゃんは、とにかく圧倒的だった。中学生にして……既にその枠を飛び越えてたと思う。



 そんな人を、下級生がちゃん付けだなんてクラスの男の子達がびっくりするのも無理はないね。




絵里『穂乃果、ちゃんと宿題出せた?』

穂乃果『う、うんっ』///



絵里『それは良かった』

絵里『海未とことりも久しぶりね』

ことり『う、うんっ』

海未『そうですね……なんだか話す機会もありませんでしたから』








ことり(目おっきい……顔ちっちゃい……睫毛長い……鼻高いぃ――やっぱり可愛いなぁ…………)ポワポワ

絵里『それにしても……ことり、すっごく可愛くなっててびっくりしたわ』




ことり『そ、そんな……!!』

絵里『海未は美人系……ね』

海未『は、はぁ……』



絵里(確かに二人ともモテる理由がわかるわね)グゥー



ことり(ひ、ひゃぁぁ……近いっ!!)////



絵里『それにしても、話しかけてくれれば良かったのに』


ことり『な、なんか話しかけにくかったというか……』



絵里『ふふ、なにそれ』



絵里『私は昔とちっとも変わってないわよ、これからは見かけたら話しかけてね?』




ことり『う、うんっ』



絵里『じゃ、また今度ね』



穂乃果『……』////




ことり『……?』








 なんだか、絵里ちゃんを見てからの穂乃果ちゃんの様子がおかしい……。気のせい、かな……。

また次回。

執筆ともども読めて嬉しいです。安価での選択肢は奴隷は勘弁や首絞めプレイにも理解を示すエリチなので読むの怖いと思ってたけど、めっちゃいいお姉さんキャラやん。
ここでことりが教える選択をしてたならと思わざるえないけど、冒頭裸で寝てた&鬼畜ルートでの設定考えるにどーなっちゃうのか、別れからの再燃を楽しみにしてます

>>452
ごめんなさい…基本的にss書くときそんなに深いこと考えていません……何気ないことがおっきなことに繋がることは無いと思います……

◇――――◇



一ヶ月後



 絵里ちゃんに告白して、断られちゃったんだって。これはことりと同じクラスのY君の場合。

絵里『もう……断るのも辛いわね』

ことり『ね』


絵里『ことり、この前私のクラスの人にアタックされたでしょ』


ことり『う、うん……』


ことり『断っちゃったけど』


絵里『彼氏とかいらないの?』


 彼氏かぁ……。確かにドラマとか漫画とか……かっこいい人と好き同士になるっていうのは素敵だなって思うけれど……。



ことり『うーん……』

絵里『好きな人は?』

 ことりが迷っている間に、絵里ちゃんは立て続けて質問をぶつけてくる。その質問は、今のことりでも答えることが出来るものだった。



ことり『いないよ?』



絵里『そ、そう……』



ことり『?』


絵里『ううんなんでもない』


 思い返してみれば、確かに絵里ちゃんの様子はおかしかった。
 ことりの好きな人なんてどうして気になるんだろう。




 ――それはことりが穂乃果ちゃんといつも一緒にいたからだってことに気がついたのは少しだけ後のお話。



ことり『ね、ねえ絵里ちゃんっ!』



絵里『?』


ことり『――絵里ちゃんはいつからそんなに胸が大きくなったの!?』


絵里『へ……?』


ことり『まだ中学生なのにどうしてそんなにおっきいの!?』

絵里『……どうしたの急に?』



ことり『あ、いやその……///』



絵里『ことりがそんなことを聞くなんて……気にしてたりするの?』



ことり『ちょっと、だけ』



絵里『気にするようなことでもないと思うけど……』


ことり『絵里ちゃんはそんなにおっきいからだよぉ……』

絵里『そ、そんなかしら』


絵里『……触って、みる?』ポヨヨン


ことり『いいの!?』

絵里『え、ええ……//』


ことり『じ、じゃあ失礼します……』




タユン……ムニゥ


ことり『ほわぁ……おっきぃよぉ………』プワプワ




ことり『ほぇ……♡』






絵里『も、もういいでしょ!?』

ことり『ぁ……』


ことり『どうやったらもっとおっきくなるかなあ?』ペッタンコ


絵里『……血、かしら』

ことり『やっぱり』ガックシ


絵里『でもことりはそんなの無くてもすっごく可愛いわ。まるで可愛いって言葉はことりのためにあるみたい』


ことり『な、なに言ってるの!?///』カァァアアアア


絵里『ふふっ、そういうところよ』


絵里『じゃあ、また今度ね』

◇――――◇


テスト前 放課後 教室


絵里『だから、そこは違うでしょう?』

穂乃果『うぇ? うーん……』

絵里『ほら……こうよ』グイッ


穂乃果『…………』カァァァァ…////


絵里『穂乃果?』

穂乃果『う、ううんなんでも……』

絵里(……かわいい)

絵里『ね、ねえ穂乃果……』

穂乃果『なあに?』


絵里『穂乃果って好きな人とかいる?』ニコ





穂乃果『え……ぅ。い、いる』

絵里『へ、へぇ……そうなんだ』

絵里『誰……とかきいちゃダメよね?』

穂乃果『ダメに決まってるよっ!!!!』

絵里『ごめんなさい……』

穂乃果『う、ううん大丈夫。絵里ちゃん、は……?』////


絵里『うん、いるわよ』


穂乃果『ぁ……』


穂乃果『そ、そっか……だから色んな人の告白断ってるんだ』

絵里『まあそれもあるわね』

穂乃果『絵里ちゃんモテるもんね……』

穂乃果『穂乃果なんて……』

絵里『そんなことないわ。――私から見たら、穂乃果は魅力的よ?』



穂乃果『っ……////』


穂乃果『あり、がと……』

絵里『さ、もう少し頑張りましょう?』

◇――――◇


 絵里ちゃんのことが好きなんだって。それで告白しようか迷ってるんだ。これは同じクラスの幼馴染K君の場合。

穂乃果『でも、絶対ダメ……だよね。穂乃果なんかじゃ……』


ことり『……どうして好きになったの?』

穂乃果『だって優しいし、頼りになるし……それに』

ことり『可愛いから?』


穂乃果『それも、ある……』//



 やっぱりそうだよね。絵里ちゃん、可愛いもんね……。


 でもなんだろう。穂乃果ちゃんが人のことを好きになるだなんて……。






ことり(――なんかモヤモヤする……)

ことり『じゃあまず自分に自信持とう?』


ことり『たたでさえ絵里ちゃんはモテるんだから、自信くらい持たないと本当にダメになっちゃうよ?』


穂乃果『う、うんっ!』


 ことりよりも背が低くて可愛いのに、やっぱり男の子なんだって実感しちゃう。





 この時のことりは恋心とかが全くわからなくて、苦悩する幼馴染に的確なことを言えなかった。



 今思えば……とっても簡単なのにね。

◇――――◇



 穂乃果ちゃんのことが好きなんだって。へえ、そんな人初めて聞いた気がする。あれ、どうだったかな。


 これは我らが音ノ木中学校が誇るAちゃんの場合。


 穂乃果ちゃんのお勉強を見てあげるうちに、なんだか気になり始めて……っていう感じらしい。


 確かに前までは穂乃果ちゃんから勉強教えてって言ってたけれど、最近は絵里ちゃんの方から教えてあげようかって言ってた気がする。




 ――なあんだ、両想い、か。





絵里『――穂乃果って、モテるの?』


ことり『……正直誰が相手でも絵里ちゃんなら……』


絵里『そういうことじゃないでしょう? 私、すっごく怖いのよ……?///』



絵里『ことりぃ、なにかアドバイスちょうだいっ!!』ガシガシ



ことり『ふえぇ!! そ、そんなことりは付き合ったこととか、ないし』ブンブン



絵里『ぅぅ、だってどうしようっ! 私だってわからないわよ!』



ことり『告白するのが一番、だと思うけど……』



絵里『だってだって穂乃果は好きな人がいるって!!』



ことり『……』

ことり『――それが絵里ちゃん、かもよ?』


絵里『え……?』


絵里『そ、そんなわけないじゃないっ!!!!』



絵里『穂乃果のことだからきっともっと可愛い人に……』




 絵里ちゃんより可愛い人なんて、少なくともこの学校にはいないのに。


ことり『とにかくっ、絵里ちゃんは自信持てば絶対誰でも大丈夫だよっ!』

絵里『ぅ……』

絵里『あーん、もうどうしよう……こんなの初めてだからわけわかんない……』




 恋に悩む絵里ちゃんはいつもより小さく、そして可愛く見えた。この姿を見ることが出来る人は何人くらいいるのかな?
 

◇――――◇


テスト後




ことり『あれ、穂乃果ちゃんは?』



海未『絵里が連れていきましたよ?』


ことり『?』


海未『なんでも一緒に食べよう、と』



ことり『えー……』


ことり『もう二人は付き合ってるの?』



海未『いえ、そうではないらしいのですが……』


ことり『……秒読みかなあ』





海未『……っっ』


ことり『……』


 この頃になると絵里ちゃんのことを話すたび、穂乃果ちゃんのことを話すたび、海未ちゃんの表情は暗くなっていた。


 その意味もこの時のことりはわからなかったし、わかったのも随分先になってから。


 ――まさか海未ちゃんが穂乃果ちゃんのこと好きだなんて、思わないもん。きっと苦しかったよね……。


 それを潜在的に分かっていたから絵里ちゃんは、海未ちゃんに相談しなかったのかもしれない。同じ相手を好きな人に相談することは、傷つけることとおんなじだから。



 そして自分自身のモヤモヤした感情が、「苦しい」てことにすら気がつくことができなかった。




 ……結構鈍感だったんだね、ことりは。

 

◇――――◇



絵里『テスト、どうだった?』


穂乃果『きっと前よりよくなってるよ!』

絵里『へえ、それは良かった』


穂乃果『絵里ちゃんのおかげだよ?//』

絵里『……////』



絵里『ねえ穂乃果、テストも終わったし……どこか遊びに行かない……?』




穂乃果『ふ、ふたりで?』

絵里『あ、いや……かしら?』//



穂乃果『ううん、嬉しいっ!!』

絵里『ほんと?』


穂乃果『うんっ!』



絵里『じゃあ週末にでも!』

◇――――◇

一週間後


ことり『ほぇ……』


海未『……』


絵里『ふたりには言っておきたくて……///』


絵里『特にことりにはお世話になったかなって』

ことり『そんな、ことりはなにもしてないよ』

ことり『でもこれ、すぐ学校中に知れ渡っちゃうね』


海未『確かに、絵里は人気者ですから』

絵里『もう……海未までそんなこと』

絵里『大体海未だってこの前――』


穂乃果『――絵里ちゃん!!』

絵里『あ、穂乃果!』パァァ

穂乃果『一緒にかえろー!?』

絵里『ええ、もちろん』

絵里『じゃあねふたりとも』

穂乃果『ばいばいっ!』






ことり『あれが付き合うってことなのかなぁ』

ことり『穂乃果ちゃんすっごく嬉しそう』モヤモヤ

海未『ど、うなのでしょうか』

ことり『海未ちゃん?』


海未『……少し、気分が悪いです』


海未『すみません』


ことり『あ……どうしたんだろう』

◇――――◇




希「……どうしてそんなこと、急に話してくれたん?」


絵里「きまぐれかしら」



希「やっぱりモテてたんやね」

絵里「今思い返すと……そうなのかもね?」



希「……」


絵里「冗談よ冗談」


希「ウチにはそんな経験ないからわかんなーい」



希「でも、どうして穂乃果ちゃんだったん?」

希「絶対もっとかっこいい人とか……」



絵里「そんなの、あなたもよくわかってるでしょ?」


希「…………」


希「もうっ……」

絵里「ふふっ、お互い様ね」

絵里「飾らなくても一緒にいられるっていうのは……とってもいいことだと思う」

絵里「まあ………自分でもびっくりするくらい、飾らなすぎたんだけど……」


希「?」


絵里「ああもう、思い出しちゃったじゃないっ!」

希「いや、そんなこと言われてもー……」


絵里「あと希、この前穂乃果に何か言った?」


希「んー? 勉強困ってそうやから、えりちが行くって言ってた図書館紹介しただけ。そこなら穂乃果ちゃん集中できるかなって」


希「でも話を聞いた感じじゃ、紹介する意味もなかったね」


絵里「私がその日行くことも知ってたでしょ」


絵里「どういうつもり?」


希「……」

絵里「もし穂乃果のこと、諦めるっていうんなら許さないから」


絵里「一応これは勝負なんだからね?」


希「んもう……やっぱりえりちには勝てへんよ」



希(だって……そうやん? えりちのことを見る穂乃果ちゃん……前までと全然違うんやもん)


◇――――◇

図書館

絵里「ん……今日もなのね」

穂乃果「あ……邪魔なら」

絵里「ううん、平気」

絵里「いつでもきいて?」

穂乃果「でも、迷惑とかじゃ……」

絵里「大丈夫って言ってるでしょ? 私も穂乃果と勉強できるなら、嬉しいんだから」

穂乃果「……////」


穂乃果(なんか……昔を思い出すな……)



絵里「……」カキカキ


穂乃果(前よりちょっと大人っぽくなったよね、やっぱり)


穂乃果(綺麗な顔…………)

絵里「……私のこと、見過ぎじゃない?」

穂乃果「うぇ!? そうかな」

絵里「見とれちゃった?」クスッ

穂乃果「ちがうよ///」

絵里「頑張ってね」ニコ





◇――――◇

穂乃果「ん……ぅ」


絵里「……どこまで進んだ?」

穂乃果「もうちょっとで終わりそうっ!」

絵里「おおっ!」

絵里「それなら練習に専念出来そうね」

穂乃果「こんなに早く終わるの絵里ちゃんのおかげだよ」

絵里「いつかもそんなこと言ってたわね」

穂乃果「あはは……そうかもね」


絵里「私も疲れちゃった……」

穂乃果「ね、ねえ絵里ちゃん。この後ご飯でも、どうかなあ?」

絵里「ん、いいわね」

穂乃果「やったっ!」

◇――――◇

穂乃果「んー美味しかったぁ」

絵里「そうね」


絵里「ねえ穂乃果、聞いてもいい?」

穂乃果「うん?」

絵里「穂乃果は私がしたこと、言ったこと……どう思ってる?」

穂乃果「……」


絵里「男の人の尊厳を傷つけることばっかりした私のこと、今でも気にしてる?」



穂乃果「もう気にしてないよ」




穂乃果「色々あったから……」


絵里「そう……」



絵里「私はあなたに酷いことばっかり言った記憶があるけれど……あなたは私のことを救ってくれた」




絵里「それを返そうと思っても返しきれないくらいの借金ね」フフッ

穂乃果「……」



穂乃果「ううん、返せるよ。すぐに返せる」

絵里「?」

穂乃果「ね、絵里ちゃん」









穂乃果「――もう一回穂乃果と、付き合ってよ」

◇――――◇



 それは……とっても暑い夏の日だった。

 私と穂乃果は同じ部屋でゴロゴロしてるだけ。クーラーを効かせて、本当になんにもしないで過ごしていた。

 私自身いい高校に行こうだなんて思ってなかったし、そもそも音ノ木は近年定員割れが続いてるから勉強をしなくても楽に入れてしまう。

 それでも音ノ木くらいなら……十分合格はできるんだからね? 楽に入れるからじゃなくて、ただお家も近いし、やっぱり思い入れとかも……。






 ――可愛らしい穂乃果の顔をつんとつついて、ぷりぷり怒る顔を見て楽しむ。こんな何気ない退屈な日々がとっても幸せ。でも……このからかいも、私の深層部分を表していた、のね。




絵里『もう、寝ないでよー』



穂乃果『んぅ……むにゃ』

絵里『はあ、全く』



絵里『私も寝ようかな』




 ――お昼寝、気持ちいいしね。


◇――――◇

一時間後

穂乃果『おはよぅ……』

穂乃果『んぅー? 寝てるのぉ?』

穂乃果『むぅ……』

絵里『すぅ……すぅ……』


穂乃果『……おきてよー、暇だよぉ』


穂乃果『仕方ないからもうちょっと寝ようかな』
 

絵里『穂乃果……』

穂乃果『……?』

絵里『すぅ……すぅ』



穂乃果『はぁぁ……ほんとに可愛いなぁ。なんで穂乃果のこと、好きになってくれたんだろ……他にかっこいい人なんていっぱいいるのに』



穂乃果『運が良かったのかな?』

 本人に聞いてみたらいいんだけど、なんだかそれも怖くて……。でも絵里ちゃんは穂乃果のこと好きって言ってくれたし、それだけで十分だよね。なんでとか、必要ないよね?

 

絵里『ん……』モゾモゾ


 寝返りを打った絵里ちゃんは、身体を横に向ける。そうすると、中学生とは思えない大きな胸が腕に挟まれて谷間を作り出す。


穂乃果『んっ……』ゴクッ



穂乃果『あ、あんなに普段かっこよくて可愛くてみんなからモテモテなのに……こんな無防備で……//』


 穂乃果だけが知ってる絵里ちゃんの姿。


 薄紫のキャミソール一枚の間から溢れ出る真っ白なおっぱいは、穂乃果が見たこともないような大きさでなんだか身体中が熱くなってくる。






 あれ、なんだろうこの感覚……。

 こんなに胸はおっきいのに、お腹は凹んでるんじゃないかってくらい細い……。


 クーラーの音がやけにうるさい。とっても涼しいはずなのに、熱い。ドロドロに溶け始めた理性が、そう思わせた。ごろんともう一度寝返り。仰向けになったことで、呼吸とともに胸板がゆっくりと上下する。すごい……仰向けなのにおっきい……。


 ――絵里ちゃんの身体に、触れてみたい。



 今までそんなこと思ったこともないのに、何かが変わってしまった。


穂乃果『はぁ……はぁ///』




 手を伸ばす、ちょっとだけちょっと触れるだけ。ほんのちょっと、だから。

 ――手を伸ばした先にある未来が、あんなとこだったなんて、今でも想像出来ない。もしこの時、手を伸ばしていなかったなら……一体どうなっていたんだろう?



穂乃果『……』


 キャミソールの上から触れてみて、まず思ったのは……思ったより硬いってこと。呼吸に合わせて添えるだけだったけれど、それでも……すごい質量だってことを実感できた。




穂乃果『ん……ぐっ。そっか、ブラジャーしてるんだもんね……』


 硬いわけだ。


 これさえなければもっと……。


 欲求に支配された穂乃果は、最初に考えていた少しだけ、なんてもう忘れてしまっている。それより今はもっと触りたい、もっと絵里ちゃんのことを知りたい。


 一回破ってしまったら、止まれるわけない。キャミソールの上の方に手を伸ばす。これなら脱がせずに間から絵里ちゃんのを――。


穂乃果『ハッぁ……ハッ////』サワサワ




絵里『……』パチッ


ガシッ



穂乃果『え?』



絵里『――なにを、してるの?』






 絵里ちゃんは、笑っていなかった。

また今度です。

◇――――◇


穂乃果『許し、て……』





絵里『そう……穂乃果はつまり……』



絵里『私の――こんな風にして触りたかったの?』ムニュ





穂乃果『~~~!?////』




 手を掴まれて、その確かな弾力がある"ソレ"に触れさせられる。さっきまで触りたくてたまらなかった絵里ちゃんのものに触れることができた。



絵里『ふふ』



 心臓がドクドク高鳴りすぎて、なにがなんだかわからなくなってくる。穂乃果、どうして絵里ちゃんのおっぱい触ってるんだっけ……。


 四つん這いになった絵里ちゃんは、ぐっと顔を近づけてきて妖しい笑みを浮かべた。いつもみたいに、キラキラと輝く笑顔ではない。



絵里『だからって、寝ているところを触るなんてダメだと思わない?』

絵里『わからないはずないでしょう? 穂乃果、許して欲しいくせにいやらしい気持ちになってるのよ?』


穂乃果『ぅ……』


絵里『どういうことか説明してくれないと』サワサワ

絵里(わ、私……なにしてるの……こんな、こと……)

穂乃果『ぅ……』ウルウル


絵里(細かいことは……いっか、穂乃果を見てるとなんか……)ゾワゾワ


穂乃果『あっ……♡』ピクン


絵里『……♡ねえ穂乃果、私の胸どうだった?』



絵里『こんなになっちゃってるってことは……興奮したのよね?』

穂乃果『ち、がぅもん……///』

穂乃果『やだ、やだぁ……絵里ちゃんやめて……』

絵里『穂乃果がこんなにしてるのが悪いんでしょう? それともなに? 自分で収められるの?』

穂乃果『知らない、わかんないよ』ブンブン

絵里『なら私、悪いことなんかしてないわ。穂乃果のためなんだから』スッ ズルッ


穂乃果『やだぁ、恥ずかしいよ。やだよ……』////

 
 恥ずかしいよ、なんで穂乃果のおっきくなってるの? わかんないよぉ……。昔ことりちゃんの時もこんな感じだったような。


 どうやれば収まるの? 絵里ちゃんがなんだか怖いよ、収まってよ……!


 下着姿にされた穂乃果は絵里ちゃんに抵抗する術もなく、長い指が下半身を這うたびにびくんと反応してしまう。



ビンビン



穂乃果『ハッぁ……はぁ……ぅえりちゃん……////』

絵里『脱がせるわよ』

穂乃果『やっ、やぁっ!!』



ズルッ ポロンッ…



穂乃果『ひっぐ……ぅぅぅ』


絵里『……』






絵里『――ちっちゃいのね』



穂乃果『っっ…………』ズキン


絵里『でも、穂乃果らしくて可愛い』


 気にしてるのに、全然おっきくならないの……すっごく気にしてる、のに………。

 このままだったらどうしよう。



絵里『わかる、穂乃果。女の子を見てこんなにするのは、イケないことなのよ』


絵里『他の人に知られたら軽蔑されて、避けられちゃう。友達もいなくなっちゃう』



穂乃果『そう、なの?』

純粋に疑問なんだけど
書き終わったって言ってるのになんで
数日毎に数レスだけ出し惜しみして投下するの?
一気に投下できないの?

>>490
純粋に投下作業が面倒で他のことをしたくなってしまうからです。それと今日まで投下出来る状況にありませんでした。

今日は一晩かけて投下しますので。

絵里『こんなになるのは初めてじゃないでしょ? いままでどうやって収めてた?』

穂乃果『ち、違うこと考えたり……どうしても収まらない時は……無理やり眠ったり……』


絵里(……? もしかして穂乃果……)

絵里『一人でしたこととかないの?』

穂乃果『……ひとり?』


絵里『……』


 絵里ちゃんはなにを言ってるの? ひとりとか収める、とか……穂乃果全然わかんないよ。

絵里『はぁ…………』


絵里『いいわ、教えてあげる』


 またたのしそうに笑みを浮かべた。

 と同時に絵里ちゃんのほっそりと冷たい指が穂乃果のモノに絡みついてくる。


穂乃果『ふっぁ……////』

絵里『きもちいいでしょ?』

穂乃果『ふっ……くっ……ぁ///』

穂乃果『ダメ、だめっ……っ』


 昔のことが、脳裏によぎる。わけがわからないままことりちゃんに色々されて、わけがわからないまま色々して……わけがわからないまま、ちょっと気まずくなってしまった時のこと。

 その時の感覚によく似ている、あの時もこんな感じにきぴりぴりした、きもちいい? が身体の隅々まで行き渡っていた。


絵里(皮剥ける、かな?)ググググ


穂乃果『ひっ……ぁ』


絵里『……ピンク色で可愛い♡』

絵里『さきっぽもちっちゃくて可愛いのね』フゥ


 もう、なにもわかんない。さきっぽに息をふきかけられることで、びくっってなってしまう。

穂乃果『え、りちゃ……///』ガクガク


絵里『はぁ♡はぁ♡可愛いわ穂乃果』ニュル……グチュ

穂乃果『ああぁぁっ♡』ガクガク


絵里『触っただけなのに、敏感なのね♡さきっぽぐちゃぐちゃよ』


 ほとんど触れたことのない露出させられたさきっぽをぐちゃぐちゃって触られる。
 全身がその動きに合わせてびくびく震えだす。痺れるような感覚が全身に巡っては、下半身に集まってゆく。それを、何度も何度も繰り返す。


 目の前がチカチカしてくる、絵里ちゃんの綺麗な顔が溢れ出る涙で歪む。身体の奥底から出てくる声は、抑えることなんて出来なかった。



穂乃果『んぁぁっ♡や、だ、怖い、こわいよぉっ!!』ビクビク

M

絵里『怖くないわ』

 下腹部に熱い何かが溜まってる。手を動かされると、それは少しずつずつ大きくなっていくのがわかる。どこかで変なスイッチが入ってしまった絵里ちゃんは、穂乃果がどんなに声をあげてもやめる気配はない。それどころか、さらに優しく速く先端を責め続ける。



穂乃果『おしっこ、でちゃう、ダメ……漏らしちゃう、よぉ……////』


絵里『いいから、大丈夫』

穂乃果『あっ♡あっぁ♡でちゃぅ、っなんか、でちゃぅ♡』


 おなかのしたにたまったあっついのが、もうあふれだしそうになる。からだじゅうのぜんぶのきもちいいが、下半身にあつまって……未知の感覚は穂乃果の思考回路をドロドロに溶かしていった。


 ことりちゃんとの時もこんな感じだった。でも、その時とは違うのは、こんなに溢れそうになってること。




絵里『出して?』



穂乃果『――あっぁぁぁぁあっ!!!!』




 えりちゃんのきれいなかおがしろいなにかでうめつくされる。とつぜんからだをつらぬくこのかんかくとなにかかんけいあるのかな。さいこうにきもちよくて、それにまかせたしゅんかん、ほのかのしかいはあんてんしてしまった。

◇――――◇


絵里『……気絶しちゃった』


絵里『なにこれ、ほんとに、すごい量……』ベチャア


絵里『それに、すごい匂い…………」

絵里『穂乃果のこと、精通させちゃった……よかったのかしら』


 いまだにびくびく震える下半身、目を閉じてよだれを垂らしている表情は……私の情欲を掻き立てるには十分すぎた。




絵里『私……なにしてるんだろう』


 ベタベタした手を見てふと、我に帰る。


 穂乃果に胸を触られていることに気がついて、それを追求するだけだったはず。それなのに……。


絵里『穂乃果が泣きそうなとこ見てると、なんか……』


 止まらなくなってた。泣きそうにならながら気持ち良くなってたあの表情……。



穂乃果『……ぅ』



 私の中の眠っていた何かが、目覚めてしまったような気がする。



 べったりと顔についた精液をすくって、穂乃果の顔を撫でる。





 この日が、私たちの関係が崩壊する一歩目だったのは……言うまでもないこと。

◇――――◇


穂乃果『ん……』モジモジ

ことり『どうしたの?』

穂乃果『え、あ……えっと』


ことり(なんで股のとこ抑えてるんだろう……)



穂乃果(ど、どうしようっ。この前の絵里ちゃんとの時のこと思い出したらっ……)

ムクムク




穂乃果『ひっ♡』


ことり『?』

穂乃果(収まるまで待たないと……)

穂乃果『ご、ごめんトイレ行ってくる!!』


ことり『あ、うん……?』



タッタッタツ


穂乃果『どーしよ、どーしよー!』

穂乃果『学校でこんなになることなかったのに……』

穂乃果『とりあえず人気のないトイレで収まるまで待とう……』


絵里『なあにしてるの、穂乃果?』

穂乃果『ひっ!?』

絵里『なにをそんなに驚いているの』

穂乃果『い、いやあ……あはは』

モジモジ チラチラ

穂乃果『……//』



絵里『ふぅんなんだトイレね』

穂乃果『そ、そうなの!』

絵里『……』

穂乃果『ぅえり、ちゃん?』


グイッ

穂乃果『え』


サワサワ

穂乃果『やっっ♡』


絵里『あら、やっぱり硬い』クスクス



絵里『ねえ、どうしてこんなにしてるの? ここ、学校よ?』



穂乃果『ひゃっんぅ……♡はぁっ、はあ♡』


絵里『教えて?』

穂乃果『ぅ、や、だっ』

絵里『オシエテ?』



穂乃果『こ、こ……廊下だよっ、誰かきちゃう、よぉ!!』

ムニュ…グチュ



穂乃果(で、ちゃう……パンツぐちゃぐちゃになっちゃうよぉ……///)


絵里『でも、こうして欲しかったくせに♡』ハムッ




穂乃果『~~~んぁぁッッ!!!』ビュクビュクッ


絵里『あーあ……』

穂乃果『ふぅ、ふぅ……』



穂乃果(しゃせー……きも、ちい……♡)




絵里『学校の廊下なのに、ね?』





穂乃果『ぅ……』ウルウル


◇――――◇

一週間後


穂乃果『も、もうやめよ? ねえ、えりちゃんっッ』

絵里『んー?』

穂乃果『やっっ♡あっ、で、るっぅ♡♡』



穂乃果『ふぁぁあっ!!』ビュルルルルッ



絵里『うふふ♡』



穂乃果『はぁ、はぁ……♡』


絵里『気絶、しなくなってきたわね?』



絵里『きもちいいの、慣れてきた?』


穂乃果『慣れて、ないよぉ。も、やだ……気持ちいいのやだぁ……』ウルウル


絵里『まだ今日三回目でしょう?』

穂乃果『ぅぅ……無理だよぉ』


絵里『これはお仕置きなのよ、わかんない?』ドンッ



穂乃果『ひっ……ぅ』


絵里(ああ……これこれ、この表情……♡)

絵里『お仕置きが気持ちいいことなんだから、感謝して欲しいくらいね』

 絵里ちゃんは、あの日からそういうことをしてくるようになった。穂乃果はそれに従うしかなくて、毎日毎日射精させられた。


 からっぽなのに、おっきくさせられて無理やり何度も、何度も。


絵里『まだまだ許さないんだから』クス

クニックニ


穂乃果『や、だっ。そこ、やらぁっ!!////』


絵里『乳首が感じるなんて、ふふ……ちょっと情けないわね』

穂乃果『ひ、ぁ……///』ビクビク ギンギン

絵里『あ、またおっきくなってきた♡』

絵里『ふふ、おねーさんが楽にしてあげるわ』


穂乃果『あ゛ぁ……っ』









 この時から、少しだけ絵里ちゃんのこと、こわいって思い始めてたんだ。

◇――――◇




穂乃果「はぁぁ……きんちょーしたぁ!」


絵里「何を言い出すのかと思ったわ。まさかあんなタイミングでオッケー貰うなんてね」


穂乃果「……なんだろう、考えてみたら真っ先に絵里ちゃんの顔が浮かんだっていうか……」

絵里「私、あんなにひどいことしてたのに?」

穂乃果「あはは……それは、うん」

穂乃果「あ……」






穂乃果「――なに、許して欲しいの?」






絵里「……」ゾクッ


穂乃果「……ふふ、じょーだんだよっ」



絵里「な、なんか一瞬雰囲気違ったわね」

穂乃果「そう?」



絵里(私が知らない間に、きっと色んなこと経験したからかしら……)

絵里(私だけあの時から時間が止まったまま……)

穂乃果「……大丈夫だよ?」


穂乃果「絵里ちゃん気にしてるみたいだけど、穂乃果はもう大丈夫」



穂乃果「また昔みたいに絵里ちゃんと恋人になれて嬉しい」



絵里「……」

絵里「身長が伸びただけじゃないのね」


 私なんかより、ずっと大人になってる。


絵里「なんだか置いてかれた気分」




穂乃果「そんなことないよ――おねーちゃん」

絵里「……もう、そんなの卑怯よ」

穂乃果「昔みたいに呼んでもいい?」



絵里「穂乃果がいいならいいけど……本当にいいの?」


穂乃果「もちろんっ」


穂乃果「昔みたいな上下関係は無しだよ?」


絵里「ええ……」ギュッ



穂乃果「えへへ……」

穂乃果「ねえ」

絵里「?」


穂乃果「穂乃果まだ身長伸びるかな?」



絵里「うーん、どうかしら」


絵里「穂乃果が嫌ならヒールとか履くのやめるわよ?」





穂乃果「それもやだ! 身長伸ばす!! 絶対伸ばすから!!」ピョンピョンッ



絵里「ふふ、はいはい」


絵里「でも、そうねぇ……ヒール履くと伸びるから……最低でも165cmは欲しいかも」





穂乃果「の……伸ばすもん!!!」

◇――――◇


希「かんぱいっ!」


絵里「もう、いきなりなんなの?」


希「ふふ、やっぱり負けてもーたなぁって」

絵里「……希」

希「大丈夫、ウチは気にしてない。えりちが幸せそうなら、それで嬉しいんよ?」

絵里「ありがとう……」

希「今度は失敗したらあかんよ?」

絵里「ええ、きっと大丈夫」

絵里「私が思ってる以上に、穂乃果は成長してるみたいだから」

希「そっか……」


ガチャ



穂乃果「――おねえちゃんー!?」



希「?」

穂乃果「あ……」


絵里「ほ、穂乃果っ!」


穂乃果「……///」


希「おねーちゃん?」

絵里「あ、いやこれは……」

希「……な、なるほど。色々あるんやね」

絵里「ちょっと希! なんか引いてない!?」

希「い、いやー……」


希「そう! カップルにはカップルのやり方があるしっ!」スーゥ


絵里「ぅぁー!!! もう、穂乃果! 人前じゃそう呼ばないでって言ったのにぃ!!」

穂乃果「うぇ、ご、ごめーん……」


◇――――◇


穂乃果『……』

ことり『どうしたの、最近元気ないよ?』

穂乃果『疲れちゃって……』

ことり『?』

ことり『……よく眠ってる?』

穂乃果『一応』

ことり『そっか』

ことりかつ


穂乃果『……ことりちゃん』

ことり『?』


穂乃果『――昔、ことりちゃんとしたみたいなこと、絵里ちゃんとしたいって思うの、イケないこと?』






ことり『え…………』




穂乃果『……イケないことだよね、ダメなことなんだよね!?』


ことり『ちょっと待って、一体どうしたの……?』


穂乃果『や、やっぱりなんでもないっ!!』バッ



ことり『穂乃果ちゃんっ!!』






ことり『…………』

 穂乃果ちゃん、なんて言ってた? 突然すぎて、よくわからないよ。


 整理して。



 昔ことりとしたみたいなこと……それを絵里ちゃんとしたいってこと。穂乃果ちゃんがあんなに真剣な顔で言うことで、昔ことりとしたことなんて……ひとつしかない。



 きっとトラウマを植え付けちゃった出来事。……それに絵里ちゃんの名前が出てきたってことは……。



ことり『恋人、だもんね。確かにそういうこと、する人たちもいるよね』


 でもイケないことでは、ないはず。穂乃果ちゃんは絵里ちゃんとなにかあった、のかな?


 疲れてることとなにか関係あるのかな?





ことり『……』







◇――――◇

図書館




穂乃果『ふ、ぁ……♡』ビクビク


絵里『………』カリカリ

絵里『どうしたの穂乃果、ペンが止まってる』

穂乃果『ひ、ふっ……あっ――』


絵里『ここ、図書館よ?』ニコニコ

穂乃果『!!! ……んんんぅ……ッ』

絵里『穂乃果は変なところでされるのが好きみたいね』

穂乃果『ん、はっ♡』



絵里『まさか足でされて、射精するわけ…ないわよね?』クス



グチュ…グチュ



穂乃果『~~~~っ!!!』ビクビク

 黒いソックスを履いた絵里ちゃんの足が穂乃果のモノを刺激する。ザラザラとした感触が、皮のめくれたソレにたしかな刺激を伝える。若干痛かったはずなのに、されてるうちに慣れてしまっているのが悔しい。



絵里『こんなところで射精したらどうなるのかしら……いつも出す時声あげるけど、こんなところでも出すの?』



穂乃果『知ら……な、い』


絵里『……試してみましょうか』

 


 微笑んだ絵里ちゃんの表情はとっても優しかった、でも……それとは反対に穂乃果のを刺激する足の動きは激しくなる。器用に動かして皮を剥かれて、背筋を走る快感にひっと声をあげそうになった。


穂乃果『だ、め……ほんと、ここ……としょ、か……んんん♡////』ウルウル


絵里『そうね』



 あの優しそうな表情から一転、まるで今している行為になんの興味もないかのように、ペンを走らせる。


穂乃果『も、やめ……てよぉ////』


 机に突っ伏して声をあげないように服ををきゅぅっと噛みしめる。足を動かされる度に図書館に確かに響き渡る小さな水音は、穂乃果の理性を壊していった。


穂乃果『くっぁ……♡ はぁぁ♡』

 絵里ちゃんに精通っていうのをさせられてから、とにかく穂乃果は休まる暇も無く射精させられてきた。連続ですると確かにキツイけど、その日の一回目なんかは……抵抗することはあんまりない。



 ――だって気持ちいいから。

 気持ちよすぎて、出すことしか考えられなくなる。気持ちいいことに支配されてるような気がしてなんだか怖くなってくる……。


 今日は、まだ一回目。


 毎回その後の地獄があることも、忘れて。


穂乃果(イキ、そ……♡)////




 射精したい、射精したい、おもいっきり、いっぱいいっぱい射精したい。

穂乃果『えり、ひゃ……』ガクガク


絵里『――!!!!』


 顔をあげて、もう限界だってこと伝えようとするけど、声にならない。その様子をチラリとみた絵里ちゃんは慌てて穂乃果の口に手を伸ばした。


穂乃果『んんんんんっぅぅっ!!!』ビュッビュゥゥビュルル‼︎‼︎‼︎




絵里『………はぁ』



穂乃果『はっ、ぁ……きもち……ぃ♡』ガクガク
 




絵里『――声抑える気、なかったでしょ?』




穂乃果『……そ、そんな余裕、なかったもん』




絵里『流石に危なかったわね……』


穂乃果『こんなとこでさせるからだよぉ』


絵里『その割には気持ちよさそうだったし――こんなに出してるのにね』



 机の下から少しだけ見せてきた黒いソックスには大量の白い液体がべったりとくっついている。





絵里『ねえ穂乃果……こんなにしたんだから……わかってるわよね?』





穂乃果『ぁ……』


◇――――◇



穂乃果『…………』プルプル

絵里『――お仕置きはおしまいね』

穂乃果『え……?』

絵里『終わりって言ったの。あれ、嬉しいんじゃないの?』

穂乃果『う、嬉しい! うん』


穂乃果『でも……絵里ちゃんの靴下汚しちゃったよ?』

絵里『そんなのああすれば穂乃果が射精すことくらい承知の上よ』

穂乃果『ぅ』



絵里『……』


絵里『もう一回教えて? あのとき穂乃果はどうして私の胸、触りたくなっちゃったの?』


穂乃果『え……ぅ』

絵里『答えて』

穂乃果『な、なんか……えっちな気分に、なった、から……』


絵里『そう。それで、いまでも触りたい?』

穂乃果『ぁ、えと』


絵里『――触らせてあげようか?』フフッ




穂乃果『……ごくっ』


絵里『んっ』

穂乃果『!?』




絵里『はい……』ズルッ プルン




穂乃果『!?!?』

絵里『……////』


穂乃果『ぅえり、ちゃ……ダメだよ、全部胸、見えてるよっ!』



絵里『知ってる』ムギュ


絵里『散々お仕置きしたから、今度はご褒美』

絵里『私の胸、好きなようにしていいわ』




穂乃果『ハッハァハァ……♡』

絵里『ねえ穂乃果、私のこと……お姉ちゃんって呼んで?』

穂乃果『え!?』

穂乃果『そ、それなんか恥ずかしい、よ………』

絵里『ね、お願い』

穂乃果『うぅ……おねー、ちゃん』///

絵里『よくできました』

穂乃果(亜里沙ちゃんもいるし、年下が好きなのかなあ?)

絵里『かわいい……っ』


穂乃果(きれーな、ピンク……♡///)

絵里(息荒い……くす、もうそんな余裕なさそうな顔して、可愛いんだから♡)

絵里『ほら、穂乃果……いいのよ?』ナデナデ

穂乃果(優しい……いい、のかな……本当に触っても……)ゴクリ

穂乃果(触りたい……絵里ちゃんのおっきいおっぱい……////)


ムニュゥ





絵里『はぁぁ……♡』



穂乃果『////』

穂乃果(な、なに今の声!?)



穂乃果『弾力、すごいね……手におさまんない』

絵里(……夢中で私の胸触ってる……♡)

絵里『もう、私も……恥ずかしいんだから』モジモジ///

穂乃果『んっ、はぁはぁ……♡』ビンビン


絵里『あ……んっ♡』

穂乃果(絵里ちゃんが恥ずかしがってる……可愛いっ……)

絵里『くす……穂乃果、またおっきくなってるわよ?』


穂乃果『絵里ちゃんがこ、こんなことさせてるからだよっ!』

絵里『お姉ちゃん、よ』

穂乃果『おねーちゃん……///』

絵里『触りたかったのは穂乃果でしょ?』

穂乃果『イケないこと、なんでしょ?』

絵里『そうよ、これはイケないこと。だから、みんなには秘密よ』ボソッ

穂乃果『////』ゾクゾク

絵里『ほら、力抜いて』サワサワ



穂乃果『~~~~~♡』

穂乃果『やっ……♡』


絵里『大丈夫よ、今日は前みたいに無理させないから』

穂乃果『ほん、と?』

絵里『ええ』ニコ


穂乃果『う、ん』







絵里『……』ニヤ…




絵里『私もちょっと上手くなってきた?』シュコシュコ

穂乃果『ひぅ……ひゃぁ♡』ビクビク

絵里『……さすがにもうイキそうだなんて言わないわよね?』グチュグチャ

穂乃果『……っ』ビク

穂乃果『んっ……ンッ、はっァ』

穂乃果『ダメ、ダメっ……!!』

絵里『……ねえ穂乃果、きもち――』グチュグチュ

穂乃果『――ふっぁぁっ!!』ビュルビュルッ!!


絵里『ちょっ!!』ベチャァ



穂乃果『はぁ、はぁ……』

絵里『……』






絵里(はや…………)




絵里『………』




絵里『ね、ねえ穂乃果』


穂乃果『な、に?』ハァハァ///


絵里『あ、あのね……』モジモジ



絵里(私ったらなに今更恥ずかしがってるのかしら……//)




絵里『――私ね、その……穂乃果と一つになってみたいなぁって』




穂乃果『…………』





絵里『……』ドキドキ






穂乃果『?????』

絵里『……んもう!!』ガバッ


絵里(私がするしかないじゃない……可愛いから、いいけれど……)


穂乃果『ひゃっ……』

絵里『穂乃果、ほんとにわからない?』

穂乃果『えと、えと……』

絵里『――セックスって言えばわかるかしら』

穂乃果『せっくす……あ!!』


穂乃果(保健の授業でやったし、友達とかも言ってたような……。おちんちんを女の子の割れ目に挿入れるって……。こ、ことりちゃんとのやつだ……)




穂乃果『………』////カァァァアアアア


穂乃果(でもあの時はちょっと気まずくなったしな……)

絵里『なんだ……わかってるんじゃない』ジュン…

穂乃果『でででででも! い、いいのかなぁ。穂乃果達まだ中学生だし……』


絵里『大丈夫よ、二人の秘密でしょ?』

穂乃果『……うん』



ビンビン

絵里『くす……想像しちゃったの?』

穂乃果『そういうわけじゃっ』


絵里『そういえば私ばかりやって、穂乃果には私のことほとんど見せてなかったわね』


ハラリ…スッ


穂乃果『ぁぅ……/////』


穂乃果(おねえちゃんの、大事なとこ……糸引いてる//)


絵里『……そ、そんなに見ないで』



絵里『――穂乃果はもちろん初めてよね? 私も初めてだけど……年上だし、私がしてあげる』





穂乃果『え、初めてじゃ――』




絵里『んっぅ……ちゅっ』

穂乃果『っっ』



絵里『ふふ、好きよ』


絵里(初めては痛いって言うけど……どうなのかしら)



絵里『あ、ゴムしなきゃ』


穂乃果『?』

絵里『これつけないとね、妊娠しちゃうのよ』スッ クニクニ


穂乃果『へえ、なんだか変な感じ……』

絵里『そうかもね、じゃあ穂乃果……』


穂乃果『……』コク

ニュルニュル

絵里『んん……♡』




穂乃果『ぁ、ふ、ぁ……♡』ビクビク


絵里『う、うまく、はいらない』モゾモゾ

穂乃果『ひゃんっ♡や、ば♡ふぁ……♡』



穂乃果『お、おねえひゃ……も、もう♡』///



ズズズズズ



絵里『はぁぁぁ……♡♡』


絵里『ぜん、ぶ入った……』




絵里(あんまり痛くないわね……良かった)

絵里(というかあんまり入ってる感じしないような……とにかくここからうごいて――)




穂乃果『あっっ♡ぁぁぁっっッッ♡』ビュクビュク……ガクガク///






絵里『え――も、もしかしてもう出ちゃった、の?』





穂乃果『う、ぅん……』



絵里『…………』

絵里『――あきれた……なによそれ』ボソッ


穂乃果『ご、ごめんね……?』

絵里『……』


絵里『思ってたんだけど穂乃果、はやすぎない?』


穂乃果『ふぇ?』///トローン

絵里『はやすぎるわ』



穂乃果『だって絵里ちゃんの膣内、気持ちいいんだもん……っ』





絵里『だからって挿入れた瞬間なんて信じられない!!!!!』



絵里『ちっちゃいくせに早漏なんて……』ボソッ




穂乃果『…………ごめん』ズキッズキッ



絵里『――鍛えないとダメね?』

穂乃果『え……』ゾク



ガバッ

穂乃果『ひゃ、ちょっ!!』////


穂乃果(え、おねーちゃんのお尻が目の前に……)



絵里『この体勢なんて言うんだっけ……。しっくすないん? ネットで見たの』


穂乃果『……///』




穂乃果『――おねーちゃん、おもらしした?』

絵里『!?』


絵里『そんなわけないでしょう!?』

穂乃果『だ、だって……』

ポタッ…ポタ

絵里『もうっ!///』ギュゥ

絵里(なんにも知らないのね)


穂乃果『ふぁっ!!!』ビクゥゥ

穂乃果『やだ、やだやだ!! 射精したばっかりなんだよ、変な感じするよ、やだよ!!』バタバタ

絵里『ぁ、んぅ///』

絵里『変なとこに息かけないでっ//』





絵里『――早かったおしおきよ』

穂乃果『やめ、て……』ゾク

絵里『ふふ……』

絵里(このちょっと怖がる声……さいっこう♡)ジュンッ…





絵里『ほら』グチュグチュ

穂乃果『ひ、ぁぁっ!!!!』

絵里『すごい反応ね』ヌチャヌチュ

穂乃果『や、だ! やめて、やめてぇ!!』


絵里『射精した後のさきっぽだけ触ってたら、どうなるかしら?』


穂乃果『あ゛っぁあ゛あ゛あ゛っ!!!!』

絵里『そんな大きな声出さないで、妹もいるんだから』

穂乃果『ら、って……ぇ、これ以上だ、めっ!! ああッ……また、でちゃっ――』


絵里『出していいのよ、いっぱい、いっぱい♡』



穂乃果『ぐっぁぁっ……ほんと、やだ、やめてぇ!!!!』

絵里『……♡』コネコネ クチュクチュ


穂乃果『がっあ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!』


絵里『気持ちよくなっていいのよ?』

プシュゥゥウウウ‼︎‼︎‼︎


絵里『きゃっ!! すご、なにこれ!?』


穂乃果『は……ぁ……がぁ……』ビク……ビク


絵里『透明なのがおちんちんからぶしゃーって……気持ちよかった?』


穂乃果『ひ……ぅぅ……ぅ』


絵里『穂乃果……?』



穂乃果『ううううぅぅぅ……』ポロポロ








絵里『…………』

◇――――◇

三日後


ことり『……ねえ、なんだか最近絵里ちゃんと』

穂乃果『……』ピタッ

海未『……』

穂乃果『なんでもないよ』

海未『穂乃果がそんな表情をして、なんでもないなんて、なにかあったということですね』

穂乃果『なんでもないって――』


海未『でもそれは、2人の問題……私達が介入していいことじゃ、ありませんよね』

穂乃果『………』

海未『穂乃果、これだけは覚えていてください。なにかあった時、私達は穂乃果の味方ですからね』


穂乃果『うん、でも……大丈夫だから』

海未『そうですか……』

ことり『――ふったりとも、はーいこれ』

穂乃果『ことりちゃん……これは』



穂乃果『毎回美味しいお菓子作ってくれてありがとね』

ことり『趣味だからね、それに付き合ってくれる二人にこそお礼を言いたいくらい』






絵里『――……あ、あの』


海未『絵里』


穂乃果『……』ビク


ことり『……?』


絵里『穂乃果、一緒に帰りましょう?』



海未『……』




穂乃果『……』


ことり『穂乃果ちゃん?』




穂乃果『う、うん帰ろ』



絵里(良かった……)



絵里『じゃあ二人とも、またね』

穂乃果『ばいばい』


スタスタ


海未『ことり』

ことり『うん』

ことり『でも』

海未『……わかっています』

海未『これは二人の問題、ですから』


ことり『…………』

◇――――◇


 帰り道会話がぎこちなかった。

 続かなかった。

 どうしてだろう。


絵里『…………っ』




亜里沙『あれー、お姉ちゃん、穂乃果さんはー?』


絵里『……今日は来てない』



 毎日毎日この部屋で二人で遊んで、眠って……。

 


亜里沙『毎日来てたのにー』

亜里沙『久しぶりに穂乃果さんに会いた――』






絵里『――うるさいっ!!!!』





亜里沙『っ………』

亜里沙『ご、ごめん、ね?』



絵里『……』


絵里『何言ってるんだろ、私……ごめんね、亜里沙』

亜里沙『う、うん……』


亜里沙(さっきのお姉ちゃん、す、すっごい怖かった……)

絵里『ちょっと疲れてるみたい、眠らせて?』


 亜里沙が少しだけ怯えた表情を浮かべて笑った。





 ――その顔は、なんだか穂乃果が時々みせる表情とよく似ていた。

◇――――◇


一週間後


ことり『ねえ、一つ聞いてもいいかな?』

穂乃果『う、うん?』

ことり『4日くらい前にさ、絵里ちゃんに謝られてたよね』

海未『ことりっ』

ことり『いいから』

海未『……』

ことり『……絵里ちゃんと何かあったのは、わかってる。それを話して欲しいなんて思ってないの』

ことり『でもね穂乃果ちゃん……絵里ちゃんに謝られてから――もっと避けてる、よね?』

穂乃果『そ、そんなこと、ない……』

ことり『……』

ことり『穂乃果ちゃんは、一体どうしたいの』

海未『……ダメですよ、ことり』

穂乃果『わかん、ない』





穂乃果『わかんないのっ!!!!』ダッ



海未『穂乃果!!!』


ことり『……』






ことり『――これでいい? 絵里ちゃん』


海未『え?』




絵里『ええ……』スッ



絵里『穂乃果の本当の気持ちが知れて、よかった』

絵里『協力してくれてありがとう』



海未『なるほど……』




ことり『どう、するの』

絵里『ん? どうしようかしら』

絵里『……ごめんね、心配かけて。ありがとう、それじゃあね』




 穂乃果ちゃんに続くようにして、教室を後にする絵里ちゃん。


 絵里ちゃんは自分の気持ちがわからなくて、ぐちゃぐちゃになっている穂乃果ちゃんとは対照的だった。なにか悟ったような、覚悟を決めたような……あくまで冷静に……。





 ――悲しそうに見えたのは勘違いなのかな。

◇――――◇

 玄関にいた穂乃果を捕まえて、少し歩こうって外に連れ出した。


 最近は自然に一緒に帰るってことは最近はなくなっていた。こうやって声をかけないと、一緒に帰ることすら出来ないなんて。


 外に出てみると、ポツポツと雨が降り出す。ここでも、穂乃果は一人で傘を開いてしまった。そうよね、私も傘を持っているんだのも、当然よね。……傘、置いてくればよかったかな。


 少しだけ距離を空けて、私たちは歩きだす。




穂乃果『な、なんか久しぶりだね』

絵里『そう、ね』


『…………』


 二つの傘にぽつぽつと鈍い音が鳴り響く。一粒一粒が、とっても、重い。

 絡みつく湿気のせいか、私の足は思うように前に進まない。それでも穂乃果は前へ前へ、まるで私と一緒に歩きたくないって言っているみたい。

絵里『――ねえ』


 二歩程後方からの私の声に、ぴたりと動きを止める。




絵里『ちょっと話して行きましょう?』





 少し先にある公園を指差す。

 私の思い出の場所。繋がりを失った思い出
の場所。


 このとき素直になれていたら、別れたくないって言えていたら、自分の想いを全部吐き出せていたなら……。



 そう考えたこともあるけれど、今となってはこれも私にとって必要なことだったんだろう。

◇――――◇



二週間後


 その噂はたちまち学校中を駆け巡った。絵里ちゃんと穂乃果ちゃん、どちらとも仲が良いことりはよくそのことを聞かれて対応にすっごく困っていたのを思い出す。


 最近は随分鎮火したというか、収まってきたというか……。



 絵里ちゃんがフリーになったっていうことで、また絵里ちゃんは色んな人からアプローチをされているみたい。なんだか……もう彼氏はしばらくいいって言ってたから、その人たちの想いが届くことはないんだろうけれど。


 穂乃果ちゃん自身も、絵里ちゃんと付き合ったことでちょっとだけ注目されるようになった。一体どんな人なんだって知りたいっていう女の子も増えてきた。





ことり『……今日は話せる?』



 でも、穂乃果ちゃんはそんなことを喜んでいられる状態じゃあなかった。

 絵里ちゃんに振られたこと、すっごく落ち込んで塞ぎこむようになって……。フラれた理由には心当たりがあるらしいんだけれど……言いたくない理由があるらしい。絵里ちゃんに聞いてみても、馬鹿みたいな理由だから言いたくないの一点張り。


 そ、そもそも別れた理由なんて聞くべきじゃないんだろうけれど……。


 その穂乃果ちゃんはというとここ一週間は放課後毎日ことりのお部屋に来て、ダラダラしているだけ。なんだかそうすると落ち着くっていうから……。

 このままじゃ穂乃果ちゃんのためにも良くないし、でもことりだってその振られた理由っていうの……ちょっと気になっちゃうし……。


穂乃果『……』


ことり『ご、ごめんね、言いたくないならいいんだよ?』



穂乃果『……言うよ』


ことり『ほんと?』




穂乃果『――穂乃果が、えっちなこと下手……だったから、だと思う』////





ことり『…………え?』




 その言葉な完全に予想の範疇を超えたものだった。よくあるドラマとかみたいなすれ違いとかなんか色々複雑な事情があったりするのかなって思っていたから……。

 びっくりしたことりは色々な質問を投げかけた。そのどれもがちょっと恥ずかしいものだったけれど……穂乃果ちゃんも顔を赤らめながらそれに答えてくれた。



 本当は別れたくなかった、でも、色々……ちょっと怖かったんだって。



ことり『――そっか……』


 目の前で泣き出しそうな穂乃果ちゃん。その姿を見ていると、なんだか胸の中がきゅんとなってくる。


ことり『大丈夫だよ?』


 それは昔のお話。ことりが穂乃果ちゃんにトラウマになってしまうようなことをしたお話。


 きっとことりの昔の行動のせいで、穂乃果ちゃんは絵里ちゃんとの時上手くできなかったんだよね。そして……ことりの時みたいにちょっとギクシャクしちゃったんだね。



 じゃあ、ことりが悪いね。穂乃果ちゃんは何も、悪くないね。




穂乃果『なんとかしたいけど、でも……わかんない、し』



穂乃果『ことりちゃんどうすればいいの? なんとか、してよ……助けてよ』

ことり「……』


ことり『全部ことりのせいだよね』ギュウ


ことり『ごめんね』



穂乃果『……ことり、ちゃん?』



サワサワ



穂乃果『ひゃぁっ!!』



ことり『……大丈夫、優しくするから』

穂乃果『ふぇ……?』




ことり『穂乃果ちゃんがそういうことに抵抗、なくなるまで……そ、早漏っていうの治るまで……こ、ことりがんばるからっ!!』///



ことり『だ、だめ……?』ウルウル




穂乃果(こ、ことりちゃん、こんなに可愛かったっけ……)///









 一つの関係の終わりは、新しい関係の始まりでもあった。


◇――――◇





ことり「ん……ふぁぁ……」


ことり「あれ、穂乃果ちゃんは?」

海未「もう帰っちゃいましたよ」

ことり「そっかぁ」


ことり「……雨、降ってるね」

海未「ことりが眠ってるうちに」

ことり「ごめんね、付き合わせちゃって」

海未「私も今日は特にすることがなかったので、大丈夫ですよ」

ことり「えへへ、そっか」


ことり「なんか……前もこんな感じの時あったよね」

海未「?」

ことり「中学生のとき」

海未「ああ」

ことり「懐かしいなぁ」

海未「そうですね」

海未「今回は……大丈夫そうですね。あの2人も」

ことり「うん。こんな短期間で別れられたらことりだって怒っちゃうよ」

海未「ことりが怒っているところも見てみたいですね」

ことり「そんなことばっかり言って……」


海未「ふふ……」

ことり「ねえ海未ちゃん?」

海未「なんですか?」



ことり「ん……」スゥ




海未「え……」


ことり「……」


海未(な、なななななんで唇を少し尖らせて目を閉じているのですか!?!?)アワアワ////



ことり「――ふふふ!」

ことり「どんな反応するかなって思ったら、やっぱり可愛いねっ」


海未「い、意味がわかりません!//」


ことり「くすくす」

◇――――◇

穂乃果「んっ……♡」チュゥ…

絵里「だ、だめよ穂乃果……ここ公園よ?」

穂乃果「ちょっとくらいなら大丈夫じゃないかなあ?」

絵里「そういうことじゃないの!」

穂乃果「うぅ」




絵里「はぁ……明日はどこへいく?」


穂乃果「おねーちゃんの家がいいー!」

絵里「ほんとにうちが好きなのね……」




穂乃果「リラックス出来るっていうか……」

絵里「寝てるだけだものね」

穂乃果「それは違うよ!」

絵里「そうなのかしら」

穂乃果「そうだよ!」

絵里「あと……え、えっちしたいだけ、でしょ?」

穂乃果「そう――じゃないってば!」


絵里「穂乃果のペースに合わせてたら、その……おかしくなりそうっていうか」



穂乃果「昔はそっちから仕掛けて来てたのにー!」


絵里「そ、それは昔の話でしょう!?」






絵里「穂乃果、上手くなりすぎてる、から……///」ウツムキ




穂乃果「んー、おねーちゃん可愛いっっ!!」ムギュ

絵里「むぐっ、というか……そ、その呼び方やめない……?」


穂乃果「えー!! だって最初はそっちが呼びなさいって……」


絵里「あ、あの時の私はおかしかったっていうかなんというか……もーわかるでしょう?」


穂乃果「んー、わかんないっ!」

絵里「もぉ……」




穂乃果「よし、いこ!』


ギュ

 小さな手が私の手を包み込む。

 昔はこっちから離して、そして掴んでくれることのなかった手。

 今回は離さないわよ? 例えどんなことをしたって。

 昔の私なら監禁とかしちゃってたかも……なんてね。



穂乃果「ねえ!!」

絵里「?」



穂乃果「――穂乃果ね、絵里ちゃんと同じ大学行くよ!!!」

絵里「え!?」

絵里「急にどうして――」

穂乃果「色々調べて、かなり上位のところだっていうのも知ってる!」




穂乃果「今から沢山沢山勉強して、絶対絶対おんなじとこいくー!!!」


絵里「……穂乃果」



 いきなり、なにを言い出すのかと思ったら……。




穂乃果「だって、ずっと一緒にいたいから!!」ニコッ




絵里「うん……一緒にがんばりましょう?」





 今度は二人並んで。










◇――絵里ルート――◇

ここまで読んでくださった方は、本当にありがとうございます。

現代のエロまで書く気力はなかった…
絵里さんにもっと酷いことさせようとしたのに、いざ書いてみると全然書けなくて幾つも断念…。



※確認用です。


おそらく明日の0時頃安価取りに参ります。今回は凛ルート除外してあります。ご了承を。




1 ◇園田海未◇ 初恋の相手は海未ちゃん、だったなぁ。ことりちゃんもだけど、穂乃果のことを一番よく分かってくれてるね? ――あの時の花火大会とか……まだやってたっけ……もしやってるなら……。



【◆◆◆海未ルート選択により、"最近穂乃果と雪穂の様子がおかしいです……"の選択肢が解放されます◆◆◆】





2 ◇◇南ことり◇◇ ことりちゃんにはすっごくお世話になって一緒に過ごしてきたよね。やっぱり穂乃果は、ことりちゃんのこと――。





【◆◆◆ことりルート選択により、"穂乃果ちゃんはことりだけのモノ"選択肢が新たに解放されるようです◆◆◆】







3 ◇東條希◆◆ 初めて会ったのは神社だったよね。とても優しくて……なんでも受け止めてくれるかな。穂乃果が暴走したせいで襲っちゃって……その償いもしたい。


 ◇――こ、今度はエッチばかりしないようにしないと……◆◆





1 ◇園田海未◇ 初恋の相手は海未ちゃん、だったなぁ。ことりちゃんもだけど、穂乃果のことを一番よく分かってくれてるね? ――あの時の花火大会とか……まだやってたっけ……もしやってるなら……。



【◆◆◆海未ルート選択により、"最近穂乃果と雪穂の様子がおかしいです……"の選択肢が解放されます◆◆◆】





2 ◇◇南ことり◇◇ ことりちゃんにはすっごくお世話になって一緒に過ごしてきたよね。やっぱり穂乃果は、ことりちゃんのこと――。





【◆◆◆ことりルート選択により、"穂乃果ちゃんはことりだけのモノ"選択肢が新たに解放されるようです◆◆◆】






3 ◇東條希◆◆ 初めて会ったのは神社だったよね。とても優しくて……なんでも受け止めてくれるかな。穂乃果が暴走したせいで襲っちゃって……その償いもしたい。


 ◇――こ、今度はエッチばかりしないようにしないと……◆◆







>>548から>>552の間で一番多いルートに進みます。

2

1

海未ルート書いてきます!
ちなみに希ルート、ちょっと構想してただけですが多分なかなかオススメでした

書いてきます。

ご報告です。
勝手ながらこのssは一旦HTMLとします。

続きを書きたいという意思はあるのですが、諸事情により時間が取れない日々が先も続きます。このままダラダラするのもどうかと思い、一旦ではありますが、体裁上は完結、とさせて頂きます。

また時間が取れましたら未完結の分もまとめて投稿しに戻って来る、かもしれません。



3スレ、約40万字に渡る文に付き合ってくださった方々には本当に感謝しております。ありがとうございました。


このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月25日 (月) 20:33:15   ID: qGq7XXQ0

待ってました

2 :  SS好きの774さん   2015年05月28日 (木) 22:38:19   ID: eTpzAbi6

3 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2015年05月25日 (月) 17:40:58 ID: VpTAQCC+O

馴れ合うなゴミ共

↑…キチガイが何いきがってんだかw

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