桐生「龍が如く短編集」遥「その3」 (69)

【雪山の兄さん】

――冴島組

真島「邪魔するでぇ~♪」

城戸「あ、叔父貴……どうしたんですか?」

真島「する事ないから遊びに来たんや」

城戸「叔父貴……」

真島「ん?」

城戸「西田さんが言ってましたよ……親父が仕事してくれないって」

真島「……城戸」

城戸「はい」

真島「組長の仕事ってなんやと思う?」

城戸「……シノギを増やしたり、縄張りを拡げたり……組をでかくする事じゃないっすかね?」

真島「……ちゃうねん」

城戸「えっ?」

真島「組長の仕事は……元気でいる事や」

城戸「…………えっ?」

真島「よう考えてみ……冴島が元気なかったら心配やろ?仕事も手につかんやろ?」

城戸「それは……まぁ……」

真島「せやろ?逆に冴島が元気一杯やったらどうや?……嬉しいやろ?仕事も捗るやろ?」

城戸「……そう…ですね……」

真島「つまり組長は元気でいる事が何よりの仕事なんや」

城戸「いや、西田さんが言ってるのは真島建設の……」

真島「ところで兄弟はおらんのか?」

城戸「……兄貴は馬場を連れて月見野に行きました」

真島「月見野に?」

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真島「何しに行ったんや?」

城戸「ほら、この前焼肉屋やったじゃないですか」

真島「ほんで?」

城戸「その時に鹿だの熊だの捕ってもらったから今度は自分がって……」

真島「お前は行かへんのか?」

城戸「いや、俺も行きたかったんすけどね……」

真島「ほんなら行けばええやないか」

城戸「3人揃って組を空けるワケには……」

真島「……」

城戸「それに俺が雪山に行ってもできる事ありませんし」

真島「……よっしゃ、ワシに任せろや」

城戸「……はい?」

――

真島「……と言うワケや」

西田「……」

真島「今から城戸と月見野に行ってくるで」

西田「あの……」

真島「なんや」

西田「俺に……何をしろと?」

真島「あ~…アレや、何や上手い事やっとけ」

西田「いやいや……そんなフワッとした感じで言われても……」

真島「……できひんのか?」

西田「えっ?」

真島「お前は役立たずなんか?」

西田「……」

真島「お前にはごっつ期待しとったのになぁ……残念やわぁ……」

真島「ホンマがっかりやで……お前に期待したワシが間違っとったわ……」

西田「……」

真島「まぁええわ……お前ができん言うなら……」

西田「……できます」

真島「あぁ?」

西田「親父達のいない間……真島組と冴島組は俺が何とかします!!」

真島「ホンマか?」

西田「はい!!親父の期待に応えてみせます!!」

真島「西田……信じとったで?」

西田「はい!!頑張ります!!」

城戸(……)

城戸(西田さん……本当にすいません……)

――雪山 集落

城戸「やっと着きましたね……まさか月見野からタクシーで来れるとは思いませんでしたよ」

真島「……」

城戸「叔父貴、どうしたんですか?」

真島「……んじゃ」

城戸「えっ?」

真島「遠いんじゃボケェ!!」

城戸「えぇっ!?」

真島「アカン……帰りたなってきたわ……」

城戸「着いてから1分も経ってませんよ」

真島「もう冴島なんかどうでもええわ……はよ帰るで」

城戸(うぉぉ……マジかよこの人……ここまで好き勝手に生きられんのかよ……)

仁科「そこで何をしてるんだ?」

真島「あぁ?」

仁科「よそ者か?お前ら誰だ?」

真島「お前こそ誰じゃボケ」

仁科「なに?」

城戸「ちょっと!?叔父貴!?」

真島「なんやねん」

城戸「いきなり何を言ってんですか!!」

真島「あのボケが……」

城戸「叔父貴!!」

真島「……うっさいのぉ」

城戸「ここは俺に任せてください」

真島「……好きにせぇ」

城戸(……この人本当に面倒くさいな……)

城戸「あの…こんにちは」

仁科「……」

城戸「えっと……俺達は兄貴…じゃなくて……冴島さんの…何て言うか……関係者…的な?」

仁科「冴島の?」

城戸「ええ、冴島さんと馬場がここ来てるって話で……」

仁科「……」

城戸「……」

仁科「あそこに奥寺って奴が住んでる、詳しい事はソイツに聞け」

城戸「……どうも」

――奥寺の家

城戸「失礼します」

奥寺「……誰だ?」

真島「ワシは真島や」

奥寺「……だから誰なんだ?」

城戸「叔父貴、話は俺がします……少し大人しくしててください」

真島「……」

城戸「俺達は冴島さんの……」

奥寺「冴島と馬場は山に入ってるぞ」

城戸「……だったらここで待たせてもらってもいいですか?」

奥寺「別に構わねぇが……」

真島「ドアホ」

城戸「えっ?」

真島「ワシらも山に行くで」

城戸「ム…ムリですよ!!素人が雪山なんて危ないっすよ!!」

真島「兄弟にできてワシにできん事なんか無いわ!!」

奥寺「……お前、もしかして真島五朗か?」

真島「あん?ワシを知っとんのか?」

奥寺「冴島が言ってた……常識が通用しない兄弟が居るってな」

城戸(……兄貴も大概だけどな……)

――雪山

城戸「叔父貴」

真島「なんや」

城戸「せっかく借りたんですから防寒着を着てください」

真島「んなモンいらんわ」

城戸「……ジャケット一枚に革パンじゃ死んじゃいますよ?」

真島「ワシが寒さなんぞに負けるはずないやろ?」

城戸「……」

真島「ん?アレは何や?」

城戸「えっ?どれですか?」

真島「アレや、あそこで何か動いとるやろ」

城戸「……兎…ですかね?」

真島「あー、見通し悪いのぉ……もうちょい近づいてみよ」

城戸「はい」

――

真島「……兎やな」

城戸「……兎ですね」

真島「捕まえてみよか」

城戸「えっ?」

真島「冴島への土産や……そこで待っとれ」

城戸「いや、道具もありませんし……」

真島「……」

城戸「捕まえるのはムリじゃないかと……」

真島「……お前はホンマにアホやなぁ……」

城戸「えっ!?俺が!?」

真島「自分より動きの遅いモンくらい簡単に捕まえられるやろ」

城戸「えぇっ!?」

――

真島「~♪」

城戸(……マジで捕まえるんだもんなぁ……)

城戸(兎より速く動けるって何なんだよ……)

真島「城戸」

城戸「はい」

真島「あそこにおるの冴島やないか?」

城戸「えっ?」

真島「ホレ、あそこにおるやろ?」

城戸「…………お、叔父貴!!」

真島「な?おったやろ?」

城戸「くくく、熊ですよ!!早く逃げましょう!!」

真島「熊?……冴島やろ?」

城戸「あんな毛深い人間いませんよ!!早く逃げないと!!」

真島「おーい、冴島ぁー」

城戸「ちょっ!?アンタはバカか!!」

熊「……」

真島「……すまんの、人違いや」

城戸「熊に人違いとか意味分かんねぇよ!!」

熊「……」

城戸「叔父貴……どうするんですか……」

真島「しゃあないのぉ……ワシが倒したるわ」

城戸「えっ?」

真島「お前はそこを動くんやないで?」

城戸(叔父貴……)

真島「ほな……いくでぇ!!」

城戸(なっ!?……叔父貴が…分身した!?)

真島A「ヒーッヒッヒッ♪」

真島B「ぶち壊したるでぇ♪」

真島C「今日から♪」

真島D「Tryやでぇ♪」

城戸(あの人なに言ってんだ?)

――

熊「」

真島「ザッとこんなモンや」

城戸(スゲェな……人って熊を倒せるのか……)

城戸(いや……叔父貴達は人間じゃなかったか……)

真島「もう大丈夫やで」

城戸「何て言うか……言葉が出ません……」

真島「ワシはごっつ強いやろ?」

城戸「正直ここまで人間やめてるとは思いませんでした……」

真島「人間やめとらんわ……ウッ!?」

城戸「叔父貴!?」

真島「うぅっ……アカン……」

城戸「叔父貴!?まさかケガしたんですか!?」

真島「……腹が……」

城戸「腹ですか!?ちょっと見せてください!!」

真島「腹……減った……」

城戸「……えっ?」

真島「アレやるとメッチャ疲れるんや……もう腹が減って動かれへん……」

城戸「叔父貴ぃ!?」

真島「兎……食わせてくれ……」

城戸「あ……」

真島「どないした…はよ……」

城戸「……逃げちゃいました」

真島「……城戸……後のことは…頼んだ……で…………」

城戸「お…叔父貴ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

――マタギ小屋

真島「」

城戸「叔父貴…俺が食い物を探してきます……」

真島「」

城戸「待っててください!!」

――――

城戸「叔父貴」

真島「うぅっ……」

城戸「一応…採ってきたんすけど……」

真島「……よぅ…やった……はよ……」

城戸「でも……キノコしかなくて……もしかしたら毒があるかも……」

真島「かまへん……」

城戸「叔父貴……」

真島「世の中には……キノコ食って…巨大化したりするヤツもおる…だから大丈夫や……」

城戸「いや、それは……」

真島「ワシを信じろ……大丈夫や……」

城戸「……分かりました……ちょっと待っててください」

――

真島「ヒーッヒッヒッ♪」

城戸「……」

真島「ワシ……復活!!」

城戸「……」

真島「いやー、危ないとこやったわぁ」

城戸「……」

真島「しかし、死の淵をさまよった事で更にパワーアップしたかもしれへんな」

城戸「……」

真島「城戸、どないしたんや?」

城戸「いや…デタラメにも程があるっつーか……」

真島「大丈夫やって、万が一毒キノコでも問題あらへん」

城戸「いやいや……」

真島「神室町のサウナに入れば一発や」

城戸「はい?」

真島「……デトックス知らんのか?」

城戸「デトックスは知ってますけど……」

真島「神室町のサウナなら毒抜きかてできるんやで?」

城戸「いや、デトックスってのは……」

真島「さすがは神室町やと思わんか?ヒーッヒッヒッ♪」

城戸「……」

――

真島「冴島おらんのぉ……」

城戸「結構奥まで来ちゃいましたね……」

真島「どっかですれ違ったんか?」

城戸「戻りますか?」

真島「せやな……お?」

城戸「また何か見つけたんですか?」

真島「冴島と馬場や」

城戸「……本当だ」

馬場「カシラと……オジキ!?」

冴島「お前ら何やっとんのや」

真島「兄弟の事が心配で探しにきたんや」

冴島「……ホンマは?」

真島「お前らだけ楽しそうなのが気に入らんかった」

冴島「……」

馬場(ジャケット一枚に革パンで雪山……やっぱ半端じゃないなこの人は……)

冴島「城戸」

城戸「すいません兄貴、叔父貴は止められませんでした」

冴島「……しゃあないわ」

馬場「アニキ、そろそろ戻らないと」

冴島「せやったな、行くでお前ら」

馬場「はい」

城戸「はい」

真島「はい」

冴島「……」

真島「なんや?」

冴島「……キッショイわ」

――冴島組

西田「あっ、お帰りなさい」

真島「おぅ、ええ感じにやっといたか?」

西田「はい、上手い事やっときました」

馬場「そのフワッとした会話は何ですか?」

城戸「馬場、気にしたら負けだ」

馬場「えっ?」

冴島「西田……すまんかったな」

西田「いや、親父の期待に応えただけなんで……」

冴島「せめてもの礼や、コレを持ってけ」

西田「えっ…と……」

冴島「俺が狩った鹿や、旨いで?」

西田(まるごと一頭渡されても……)

真島「よかったのぅ西田……ヒーッヒッヒッ♪」

西田(どうしよう……)

城戸「西田さん」

西田「城戸ちゃん……」

城戸「あの…後で俺がお届けします」

西田「うん…頼むよ……」

城戸「……本当に…すいません……」

西田「いや……城戸ちゃんは悪くないよ……」

真島「よっしゃ、今日は鹿鍋でもしよか?」

冴島「どうせやったら桐生達も呼んで皆でやろか?」

真島「おぉ!!兄弟にしては気が利くやないか」

冴島「俺にしてはって何やねん」

真島「ヒーッヒッヒッ、細かい事気にしとると……ウッ!?」

冴島「兄弟!?」

真島「うぅっ……」

城戸「叔父貴!?……もしかして毒キノコが!?」

真島「……その…もしかしてや……」

城戸「い…今救急車を……」

冴島「兄弟…お前らまさか……」

城戸「すいません……叔父貴が腹が減ったからってキノコを……」

冴島「アカン……救急車じゃ間に合わへん」

城戸「えぇっ!?」

冴島「サウナや……サウナでデトックスや!!」

城戸「えぇぇぇぇぇぇっ!?」

冴島「兄弟!!今サウナに連れてったるからな!!」

真島「おぅ…頼むで……」

西田「俺は車をまわしてきます!!」

冴島「急げや!!」

馬場「俺も行きます!!」

城戸(……)

城戸(何だコレ……)

城戸(こいつら全員バカなのか?)

城戸(それとも俺がバカなのか……?)

城戸(……)

今日は終わり

【東城会七代目】

――堂島邸

秋山「本日皆様にお集まり頂いたのは他でもありません……」

秋山「この間ここで神室町最強を決めたの覚えてますか?」

桐生「思い出したくねぇな」

冴島「せやな」

真島「何の話や?」

品田「実はですね……」

大吾(なんでウチでやるんだろう……)

秋山「まぁ、あの時は冗談半分だったんですけど……」

秋山「俺……気づいたんですよ……」

桐生「気づいた?」

秋山「ええ……遥ちゃんはガチで最強かもしれないって……」

桐生「秋山、バカ言ってんじゃねぇ」

秋山「いや、もちろん現時点では遥ちゃんは普通の女子高生です」

秋山「俺が言いたいのはポテンシャル的な話です」

冴島「どういう事やねん」

秋山「桐生さん、逢坂興業の金井って覚えてます?」

桐生「金井?」

秋山「ほら、ミレニアムタワーの前で会ったデカイ奴ですよ」

桐生「……あぁ…お前と因縁があるって奴か」

秋山「はい、その金井です」

桐生「それで、その金井がどうしたんだ?」

秋山「金井ってかなり迫力のある顔でしたよね?」

桐生「まぁ……極道らしい顔ではあったな」

秋山「アイツとは大阪で何度かやり合ったんですけどね……」

秋山「遥ちゃん……金井に全くビビってなかったんです」

桐生「……」

秋山「普通の女子高生は金井に凄まれたら気絶したっておかしくありません」

桐生「遥は極道に慣れてるから……」

秋山「そう!!ポイントはそこなんですよ!!」

秋山「極道に慣れてるがゆえに培われた胆力!!相手が誰でも一歩も引かない気合い!!」

秋山「コレは最強を語る上で欠かせない要素だと思うんですよね」

桐生「……」

品田「秋山さん、そんな事を言い出したら神室町の住人は大体が最強になっちゃいますよ?」

秋山「その通り、遥ちゃん最強説の根拠はそれだけじゃありません」

秋山「遥ちゃんね……バク宙ができるんですよ……」

桐生「バク宙なら俺だって……」

秋山「普通のバク宙なら俺もできます……遥ちゃんのバク宙は普通と違うんです」

秋山「普通のバク宙って膝や手を動かしますよね?」

桐生「……そうだな」

秋山「遥ちゃんは直立したままバク宙するんです」

品田「秋山さん、それは盛りすぎじゃないですか?」

秋山「俺も初めて見た時は目を疑いました……でもね、本当なんです」

秋山「蒼天堀ではダンスバトルってのがありましてね、遥ちゃんがやってるのを見た事があるんです」

秋山「本当に驚きました……ダンス上手いなぁなんて思ってたらその場でクルッとね……」

秋山「何かキラキラしてるし着地の時に決めポーズまでとっちゃって……」

秋山「あの身体能力は半端じゃないと思うんです、少なくとも俺にはあんな技できません」

桐生「……」

秋山「根拠はまだあります」

真島「まだあるんかい……」

秋山「桐生さん、遥ちゃんは小さい時から桐生さんと暮らしてますよね?」

桐生「あぁ、遥が9歳の頃からだ」

秋山「その頃から遥ちゃんと神室町でブイブイ言わせてましたよね?」

桐生「ブイブイ?」

秋山「遥ちゃんと一緒の時にチンピラに絡まれた事もありますよね?」

桐生「……あるな」

秋山「そんな時にはどうするんです?」

桐生「口で言って分からねぇなら……」

秋山「拳で語る?」

桐生「……あぁ」

秋山「そうです!!遥ちゃんは誰よりも近くで堂島の龍……伝説の極道の喧嘩を見てきたんです!!」

秋山「だったら遥ちゃんも桐生さんと同じ技が使えるんじゃないですかね?」

桐生「いや、見ただけでは……」

秋山「天啓……」

桐生「……」

秋山「俺達は天啓を得て技を閃いた事があります……桐生さん、天啓の技って練習しました?」

桐生「……してねぇな」

秋山「そう言う事です」

秋山「胆力、身体能力、喧嘩テクニック……全てにおいて遥ちゃんは最高レベルのポテンシャルを秘めています」

秋山「もしも何かのきっかけで遥ちゃんが覚醒したら……」

――――

遥『私は東城会七代目……澤村遥!!』

遥『手加減はしない…死にたい人だけ……かかってきなさい!!』

――――

秋山「……なんて事もあるんじゃ……」

桐生「秋山……その辺にしておけ……」

秋山「桐生さん?」

真島「秋山……」

秋山「な…何ですか?」

真島「ご……」

秋山「ご?」

真島「ごっつカッコエエやないか!!」

真島「大吾ぉ!!」

大吾「!?」

真島「お前今すぐ引退せぇ」

大吾「えっ?」

真島「ほんで遥ちゃんを七代目に指名するんや」

大吾「ちょっと待ってください!!」

桐生「兄さん…悪ふざけもいい加減にしてくれ……」

真島「ワシは本気やで?ヒーッヒッヒッ♪」

桐生「真島ぁ……これ以上遥を東城会に巻き込むつもりなら……」

真島「桐生ちゃん……久しぶりに本気でやろか?」

桐生「上等だ……」

品田(えぇ~っ……)

冴島「お前ら落ち着けや」

真島「うっさいわハゲ!!」

桐生「お前は黙ってろ!!」

冴島「なんやと?……お前らええ度胸や……」

秋山(おぉ……)

秋山(コレは……思わぬ展開に……)

秋山(やはり遥ちゃんは魔性の女……)

秋山(桐生さんを凌ぐカリスマになるかもしれないなぁ……)

今日は終わり

【極道クッキング】

――真島組

西田「親父、昼飯は何にしますか?」

真島「……グミ」

西田「えっ?」

真島「何や急にグミみたいの食べたなったわ」

西田「すいません……グミは…作れないです……」

真島「……お前はホンマに使えんハゲチャビンやな」

西田「……すいません」

真島「ほな自分で買いに行くわ」

西田「いや、俺が買いに……」

真島「ついでに散歩してくるからええわ」

西田「……」

真島(確か神室町ヒルズにスーパーがあったな……)

真島(そこならグミみたいのもぎょうさん売っとるやろ)

――神室町ヒルズ スーパーマーケット

真島(お?この辺やな?)

真島(……)

真島(……色々あってよう分からんな……)

真島(……とりあえず全部買えばええか)

遥「真島のおじさん?」

真島「ん?」

遥「こんにちは」

真島「おぉ、遥ちゃんやないか」

遥「こんな所で何してるの?」

真島「昼飯を買いにきたんや」

遥「……ここはお菓子売場だよ?」

真島「何やグミみたいのが食べたなってな」

遥「……お昼ご飯を買いにきたんだよね?」

真島「せや」

遥「……そっか」

真島「遥ちゃんは?」

遥「私は夕飯の材料を買いにきたの」

真島「ほぉ……その材料やとカレーやな?」

遥「うん」

真島「……カレーもええな」

遥「……食べる?」

真島「……ええの?」

遥「すぐには食べられないけど……」

真島「グミ食べて待っとるわ」

――桐生と遥の家

遥「今から作るからちょっと待っててね?」

真島「……」

遥「真島のおじさん?」

真島「……ワシも一緒に作ってええかな?」

遥「真島のおじさん…料理できるの?」

真島「最近はやってへんけど昔はちょいちょいやったモンやで?」

遥「じゃあ……一緒に作ろうか?」

真島「よっしゃ、任しとき♪」

――

真島「……」

遥「……」

真島「なぁ…遥ちゃん?」

遥「ん?」

真島「ワシなぁ……ずっと不思議に思っとった事があんねや……」

遥「なぁに?」

真島「何で野菜とか肉って切らなアカンの?」

遥「…………えっ?」

真島「どうせ食べる時に噛むやろ?せやったら丸ごと入っとってもええんやないの?」

遥「……」

真島「遥ちゃん?」

遥「あっ…ゴメン……ちょっとビックリしすぎちゃって……」

真島「遥ちゃんは不思議に思った事あらへんの?」

遥「……思いつきもしなかったなぁ……」

――

遥「よしっ、もう少しで完成だね♪」

真島「あとは何すればええの?」

遥「隠し味を入れて…煮込むだけかな?」

真島「隠し味?」

遥「リンゴとかハチミツとか……チョコレートやプリンなんかもあるね」

真島「……グミは?」

遥「えっ?」

真島「隠し味にグミを入れてみいひんか?」

遥「真島のおじさん……」

真島「ええアイデアやろ?」

遥「……匹夫の勇って知ってる?」

真島「なんや、ヒップホップか?」

遥「辞書を貸してあげるから良く読んでおいて」

真島「……」

――

遥「真島のおじさん」

真島「どないした?」

遥「本当にまだ食べないの?」

真島「せっかくやから桐生ちゃんが帰ってきてからにしよ」

遥「でも…お昼ご飯食べてないんでしょ?」

真島「大丈夫や、グミも食べたしな……ヒーッヒッヒッ♪」

遥「……そうだ、リンゴ食べる?」

真島「リンゴ?」

遥「うん、まだ残ってるし」

真島「いや、リンゴはデザートや」

遥「真島のおじさん……」

真島「桐生ちゃん…はよ帰ってこんかのぉ……」

遥「……」

真島「……せや」

遥「どうしたの?」

真島「……リンゴをウサギちゃんにすんのってどうやるんや?」

――

桐生「ただいま」

遥「お帰りなさい」

真島「桐生ちゃん、待っとったでぇ♪」

桐生「兄さん……また遊びにきたのか?」

真島「なんや、迷惑か?」

桐生「いや、迷惑じゃねぇが……」

遥「おじさん、今夜はカレーだよ♪」

桐生「そうか、それは楽しみだな」

真島「ワシも作ったんやで?」

桐生「……兄さんが?」

真島「おう♪」

桐生「……」

遥「だ…大丈夫だよ、私も一緒に作ったから……」

桐生「……」

――

真島「桐生ちゃん、はよ食べてや♪」

桐生(……兄さんの作ったカレーか……)

遥「おじさん……」

桐生「本当にお前も一緒に作ったんだな?」

遥「うん」

桐生「……よしっ……食べるぞ……」

遥「……」

真島「……どないや?」

桐生「…………旨い」

真島「ホンマに!?」

桐生「あぁ……本当だ」

遥「真島のおじさん!!」

真島「遥ちゃん!!大成功やで!!」

遥「やったね♪」

真島「桐生ちゃん、リンゴも食べてや」

桐生「リンゴ?」

真島「せや、ワシがウサギちゃんにしといたわ……ヒーッヒッヒッ♪」

桐生(……)

桐生(相変わらずよく分からねぇ人だ……)

桐生(ただの喧嘩好きかと思えば……こうやって子供みてぇな所もある……)

桐生(……分かろうとするだけムダなのかもな……)

桐生(本当に困った兄さんだ……)

今日は終わり

【おねだりの極み】

――スカイファイナンス

遥「こんにちは」

秋山「お?遥ちゃんじゃない……どうしたの?」

遥「おじさんがコレを秋山さんに持って行けって……」

秋山「ん?……うわっ…カニだ……」

遥「蒼天堀のお礼だそうです」

秋山「そんなの気にしなくていいのに……」

遥「本当はおじさんが自分で来るはずだったんですけど……」

秋山「……何があったの?」

遥「出掛けに大吾さんから連絡あって東城会に……」

秋山「なるほどねぇ……それで遥ちゃんが代わりに?」

遥「はい」

秋山「まぁ、カニは花ちゃんも好きだし……ありがたく頂いとくよ」

――

遥「秋山さん」

秋山「ん?」

遥「蒼天堀ではお世話になりました」

秋山「なによ、改まっちゃって」

遥「秋山さんがいなかったら…私……」

秋山「あのさ……」

遥「はい」

秋山「僭越ながら、俺は遥ちゃんを妹みたいに思ってるんだ」

秋山「まぁ…年は離れすぎてるけど……可愛い妹の為ならあのくらいはね」

遥「秋山さん……」

秋山「桐生さんには世話になってるし……なにより遥ちゃんは1人で頑張ってたからね」

遥「おじさんも永州で1人だったし……私も1人で頑張らないといけませんからね」

秋山「えっ?」

遥「……秋山さん?」

秋山(まさか…遥ちゃん……知らないのか?)

遥「……」

秋山「そそそ…そうだよねぇ、桐生さんも1人だったんだから……」

遥「ねぇ……秋山さん……?」

秋山「なん……でしょうか?」

遥「えっ?……って……どういう意味なの……?」

秋山「は…遥ちゃん?」

遥「教えて…くれるよ……ね……?」

秋山(ヒィッ!?)

――桐生と遥の家

桐生(今日は久しぶりに遥と遊ぶつもりだったんだが……)

桐生(まぁいい……明日こそ遥と……)

桐生「ただいま」

遥「いらっしゃいませ」

桐生「……遥?」

遥「お客様、一名様ですか?」

桐生(またキャバクラごっこか?)

遥「お客様?」

桐生「……あぁ、1人だ」

遥「かしこまりました、オリビエへようこそ」

桐生「……なに?」

遥「ご指名はまゆみさんで宜しいですか?」

桐生「なっ!?」

遥「おじさん、どうしたの?」

桐生「……いや…何でもねぇ……」

遥「そうだよね?私が1人で頑張ってる時に永州で同棲なんて……おじさんがするはずないよね?」

桐生「あ…当たり前じゃねぇか……」

遥「すぐにご飯にするね?」

桐生「あぁ……」

桐生(何故だ……まゆみの事は斑目達しか知らねぇはず……)

桐生(一体誰が遥に余計な事を……)

――

遥「おじさん」

桐生「なんだ?」

遥「おじさん明日も休みだよね?」

桐生「あぁ」

遥「私、久しぶりにおじさんと遊びに行きたいなぁ♪」

桐生「いいぞ、明日はいっぱい遊ぼう」

遥「やったぁ♪」

桐生(……怒ってねぇみたいだな……)

桐生(いや、別にやましい事はしてねぇから知られてもいいんだが……)

遥「おじさん、明日が楽しみだね♪」

桐生「あぁ、そうだな」

桐生(フッ……遥もまだまだ子供だな……)

遥「私……本当に楽しみだよ……」

遥「本当に……ね……?」

――

桐生「さぁ、今日は何をするかな……」

遥「まずはボーリングに行こうよ」

桐生「分かった、ボーリングだな」

――マッハボウル

遥「おじさん、パーフェクト取って♪」

桐生「あぁ、任せろ」

遥「……左手で」

桐生「なに?」

遥「左手で投げてパーフェクト取って♪」

桐生「ま…任せろ……」

――

桐生(……何とかなったな……)

桐生(しかし遥のヤツ……まさか……)

遥「おじさん凄い♪」

桐生「……」

遥「次はビリヤードに行こう♪」

桐生「あぁ……」

――Cuez BAR

遥「おじさん、ブレイクエースを決めて♪」

桐生(それなら何とか……)

遥「おじさん?」

桐生「分かった、任せておけ」

遥「3回ね」

桐生「……3回?」

遥「うん、ブレイクエースを3回決めて♪」

桐生「わ…分かった……」

――

桐生(何とかできたな……少し時間はかかっちまったが……)

遥「おじさんカッコいい♪」

桐生「……」

桐生(間違いねぇ……遥は怒ってる……)

桐生(顔は笑ってるが目が笑ってねぇ……)

遥「おじさん?」

桐生「つ…次は何をするんだ?」

遥「ゲームセンターに行きたい♪」

桐生(このまま機嫌をとり続けるしかねぇな……)

――クラブセガ 劇場前店

遥「おじさん、UFOキャッチャーやって♪」

桐生「どれが欲しいんだ?」

遥「全部」

桐生「……」

遥「UFOキャッチャーの中身を全部取って♪」

桐生「……分かった」

――

桐生(……やっと終わった……)

桐生(まさか補充分まで取らされるとはな……)

遥「おじさん素敵♪」

桐生「なぁ……遥?」

遥「なに?」

桐生「永州での事は……」

遥「えっ?永州がどうしたの?よく聞こえないよ?」

桐生「……何でもねぇ……」

遥「次は龍宮城に行こう♪」

桐生「……分かった」

――龍宮城

遥「おじさん」

桐生「何をやればいいんだ?」

遥「こいこいで30000点勝って♪」

桐生(ちょっと厳しいが最上級なら……)

遥「初級で」

桐生「……」

遥「初級で30000点……おじさんならできるよね?」

桐生「も…もちろんだ」

――

桐生(……やっと30000点だ)

桐生(……もう夜になっちまったな……)

遥「おじさん、儲かったね♪」

桐生「遥、そろそろ家に……」

遥「次はバンタムに行こう♪」

桐生「あぁ……」

――バンタム

遥「おじさん」

桐生「ん?」

遥「お酒に強い男の人ってカッコいいよね?」

桐生「……」

遥「例えばメニューに載ってるお酒を全部飲むとかさ……カッコいいよね?」

桐生「……」

遥「おじさんはカッコいい男だよね?」

桐生「……マスター、酒を全種類持ってきてくれ」

――

桐生(クッ……かなり酔っちまった……)

桐生(マズイな……このままじゃ……)

遥「おじさん」

桐生「あぁ…そろそろ帰っ……」

遥「ダーツやって♪」

桐生「……今…か?」

遥「うん♪」

桐生「……よしっ、分かった」

遥「私……スリーインザブラックが見たいなぁ……」

桐生「ま…任せて…おけ……」

遥「凄い!!3連続でスリーインザブラックなんてカッコいい♪」

桐生(……3連続か……)

――

桐生(な…何とか……できた……)

桐生(……マズイ……目が回る……)

遥「おじさん」

桐生「なん……だ……?」

遥「まさかアレくらいで酔っちゃったの?」

桐生「……全然…酔ってねぇぞ……」

遥「だよね♪」

桐生「あぁ……だがそろそろ……」

遥「最後に麻雀やろうよ♪」

桐生「あぁ……」

――六蘭荘

桐生「」

遥「おじさん?」

桐生「」

遥「おじさんってば!!」

桐生「あ……あぁ…どうした?」

遥「天和あがって♪」

桐生「……」

遥「おじさんならできるよね?」

桐生「少し…待ってろ……」

――

谷村「……で、俺達が呼ばれたワケですか……」

品田「桐生さん……大丈夫ですか?」

秋山「……」

遥「おじさん……まだなのかなぁ……?」

桐生「も…もう少し待ってくれ……」

谷村「……」

品田「……」

秋山(ど……どうしよう……)

桐生「……すまねぇが……俺が天和であがるまで付き合ってくれ……」

谷村「桐生さん、何をやらかしたんですか?」

品田「そうですよ、あんなに怖い遥ちゃんは初めて見ましたよ」

桐生「何故かは分からねぇが……永州で一緒に暮らしてた女の事を遥が……」

秋山(タッハー!!やっぱり?やっぱりそれが原因ですよね?)

秋山(ヤバいヤバいヤバいヤバい……)

秋山(もし俺が教えたなんてバレたら……)

秋山(どうする…考えろ……)

秋山(……諦めるな秋山駿!!)

秋山(……何か…何か手があるはくぁwせdrftgyふじこlp!!)

谷村「秋山さん?」

秋山「桐生さん!!」

桐生「……なんだ?」

秋山「ちょっち作戦タイムをもらいます」

桐生「作戦?」

秋山「谷村、品田さん、ちょっち来てください」

――

秋山「実は……俺なんだ……」

谷村「何がですか?」

秋山「遥ちゃんに永州の事教えたの……俺なんだ……」

品田「えぇっ!?」

谷村「秋山さん……アンタって人は……」

秋山「違うんだ!!……ほら、山笠組とか北方組とか近江連合が神室町に集まった事あったでしょ?」

谷村「……ありましたね」

品田「それがどう繋がるんですか?」

秋山「その時に山笠組の斑目組長に聞かれたんだよ……桐生さんと遥ちゃんの関係をさ……」

秋山「それで話の流れで桐生さんが同棲してたって聞いて……」

谷村「だからって……」

品田「何で遥ちゃんに……」

秋山「し…知ってると思ったんだよ!!だからつい口を滑らせて……」

秋山「俺の命の為にも桐生さんに協力を……」

桐生「そういう事か……」

秋山「き!?…きき……ききき……」

桐生「キーキーうるせぇ……」

秋山「き…桐生さん……」

桐生「悪いな…酔ってるから手加減できそうにねぇ……」

秋山「あ……あぁ……」

桐生「……死ね」

秋山「あぁぁぁぁぁぁぁ!!」

品田「秋山さんってさ……頭いいけどバカだよね……」

谷村「まったくですね……」

品田(何て言うか……ツメが甘いって言うか……)

谷村(迂闊って言うか……)

品田 谷村((……残念な人だなぁ……))

今日は終わり

【澤村会VSチーム西田】

――真島組

真島「野球?」

西田「はい、野球チーム作ったんです」

真島「お前らがか?」

西田「ええ、なので親父も一緒にやりませんか?」

真島「……」

西田「あの……親父?」

真島「……ええ事思い付いたわ、ヒーッヒッヒッ♪」

西田(あぁ……また何かとんでもない事が始まるのか……)

西田(……普通に野球したかっただけなのになぁ……)

――桐生と遥の家

真島「……と言うワケで澤村会と西田のチームの対戦や」

桐生「兄さん……」

真島「なんや」

桐生「俺と遥を巻き込むのはやめろと言ったはずだ」

真島「コレはれっきとした澤村会の活動やで?」

桐生「また適当な事を……」

真島「会長、野球やらへんか?」

遥「…………私?」

真島「せや……澤村会長、野球やらへんか?」

遥「でも……野球はアサガオの子供逹としか……」

真島「大丈夫やって、打って走ればええんやから……ヒーッヒッヒッ♪」

桐生「俺はやらねぇぞ?」

真島「ホンマに?」

桐生「あぁ」

真島「ホンマにやらへんの?」

桐生「絶対にやらねぇ」

真島「賞品があっても?」

桐生「賞品?」

真島「勝ったチームには会長との1日デート権や」

遥「えっ?」

桐生「……どういう事だ?」

真島「勝ったチームからMVPを選ぶ……ソイツが遥ちゃんと1日デートするんや」

桐生「真島ぁ……」

真島「まぁ、桐生ちゃんがやらへんのやったらワシがいただくわ」

桐生「……」

――スカイファイナンス

桐生「……秋山、お前も参加しろ」

秋山(澤村会の話って生きてたのか……)

真島「遥ちゃんとデートできるかもしれへんで?」

秋山(……野球なんて面倒くさいなぁ……)

遥「秋山さん……」

秋山「……いつなんですか?」

真島「明後日や」

秋山「あ…明後日!?」

桐生「何かあるのか?」

秋山「え~っと……明後日は……」

花「社長」

秋山(ん?……花ちゃんのあの目は……そうか!!)

秋山「すいません、明後日は集金日でして……」

桐生「そうか…仕事なら仕方ねぇな……」

花「社長」

秋山「はいはい、んで誰の集金日だっけ?」

花「明後日は集金日……じゃないです」

秋山「えっ?」

花「会社は大丈夫です、なので存分に野球をしてきて下さい」

秋山「え……えぇ……分かり…ました……」

真島「いやー、お前んとこには優秀な秘書がおってええな」

秋山「本当……優秀すぎて……泣けてきますよ……」

――冴島組

秋山「……と言うワケでして、冴島さんも……」

冴島「……」

真島「なんや、お前やらへんつもりか?」

冴島「なんで野球せなアカンねん」

真島「あーぁ、ほんなら澤村会は負けてまうわ」

真島「西田はともかく南なんぞとデートしたら遥ちゃんはどうなってしまうんかのぉ……」

冴島(遥と……南が?)

真島「アイツは頭が足らんからなぁ……ムチャな事するかもしれへんなぁ……」

冴島「……」

真島「冴島がおったら楽勝なんやけどなぁ……」

冴島「兄弟……」

真島「……やってくれるか?」

冴島「お前…ホンマにやり方が汚いで……」

真島「なんのこっちゃ」

冴島「……」

真島「そうや、城戸と馬場はおらんのか?」

冴島「アイツらは花屋のとこや」

真島「花屋?」

冴島「賽の河原や、闘技場に若くて強い奴が欲しいんやと」

真島「さよか」

冴島「アイツらならあの闘技場でも問題あらへんし……ええ小遣い稼ぎになっとるらしいわ」

秋山(あそこで小遣い稼ぎ……冴島組パネェな……)

――神室署

冴島「……っちゅーワケや」

伊達「……」

谷村「……」

冴島「野球やってくれへんか?」

伊達「その前に言いてぇ事があるんだ」

真島「なんや」

伊達「お前らバカなのか?」

谷村「遥ちゃんと秋山さんはともかく……極道が警察署に来るとか……」

桐生「俺は極道じゃ……」

谷村「桐生さん……冗談やめてください」

桐生「……」

伊達「……お前らのせいで署内は大騒ぎだバカ野郎!!」

谷村「SATに連絡がいきかけたらしいです」

桐生「……すまねぇ」

冴島「……すまん」

真島「……ヒーッヒッヒッ♪」

伊達「真島…お前……」

真島「で、野球やるんか?」

伊達「……遥の為だ……やってやる」

谷村「……仕方ないっすね」

遥「伊達さん、谷村さん……ごめんなさい」

伊達「お前は悪くねぇ、悪いのは周りの大人達だ」

谷村「!?」

伊達「……なんだ?」

谷村「いえ…別に……」

伊達「そうか」

谷村(……その言い方だと自分も入ってるじゃねぇか……)

桐生「後はアイツか……」

――錦栄町 品田の家

品田「高杉さん」

高杉「ん~?」

品田「何で毎日ここに来るんですか?」

高杉「なんだよ、俺が居たら迷惑か?」

品田「いや、迷惑ではないですけど……」

高杉「けど……なんだ?」

品田「男2人が長時間同じ部屋に居るってのはキツくないですか?」

高杉「分かった分かった、今度ウチの娘連れてきてやるよ……小2だけどよ」

品田「高杉さん娘いないでしょ!?って言うか結婚してなかったじゃないですか!!」

高杉「うるせぇなぁ……そんなにキャンキャン吠えんなよ、俺とお前の仲じゃねぇか」

品田「どんな仲ですか!!」

高杉「相棒だよ相棒……俺が居て助かっただろ?」

品田「それは……感謝してますけど……」

高杉「おい、品田」

品田「なんですか?」

高杉「電話鳴ってるぞ」

品田「ん?……桐生さんからだ……」

品田『はい、品田です』

品田『えっ?草野球?……神室町に来い?』

品田『いや、俺は名古屋で仕事が……そういう冗談はいいから早く来い?いやいや、冗談言ってるワケじゃなくて……』

品田『桐生さん?もしもし?……桐生さん?桐生さーん!!』

品田「……」

高杉「品田……」

品田「……ちょっと東京に行ってきます」

高杉「……おぅ」

――

品田「澤村会……ですか……」

真島「せや、ついでやからお前も入れ」

品田「いや、俺は名古屋に……」

冴島「ちょいちょい神室町に来とるやろが」

品田「それは…まぁ……」

真島「とにかくお前がおれば勝ちは決まりや……やるに決まっとるよな?」

品田「えぇぇ……」

桐生「品田……」

冴島「品田……」

伊達「品田……」

品田(怖ぁ……何で睨んでんのさ……)

品田「分かった!!分かりましたよ!!」

品田「でも後1人はどうするんですか?」

品田「遥ちゃん、桐生さん、真島さん、冴島さん」

品田「秋山さん、伊達さん、谷村君、俺……8人じゃ野球はできませんよ?」

真島「城戸か馬場を入れるつもりやったんやけどなぁ……」

冴島「兄弟…こっちの都合も聞かんと勝手に……」

真島「お前らの都合なんぞ知らんわボケ」

冴島「お前っちゅー奴はホンマに……」

品田「そうだ!!」

桐生「どうした?」

品田「適任者がいるじゃないですか……」

桐生「適任者?」

――東城会本部

品田「堂島君、ヤッホー♪」

大吾「辰雄!?」

品田「へへへっ……来ちゃった♪」

大吾「お前…どうやって……」

真島「ワシらは顔パスに決まっとるやろ」

大吾「真島さん!?……冴島さんに桐生さんまで……」

品田「堂島君……一緒に野球やらない?」

大吾「お前…何を言って……」

――

品田「……って事でさ、野球やろうよ」

大吾「辰雄、俺は忙しいんだぜ?」

品田「堂島君……会長って……それでいいのかな?」

大吾「辰雄?」

品田「堂島君はさ、言わば社長じゃない……それも従業員3万人の大企業の社長だよ?」

品田「普段接するのは幹部ばっかでさ、下の方の人達は堂島君と話した事もないんじゃないかな?」

大吾「……」

品田「社長が社員と一緒に野球で汗を流す……そうすれば結束も強くなるんじゃないかな?」

品田「それに……俺……堂島君と野球がしたいんだ!!」

大吾「辰雄……」

品田「夢……叶えようよ……」

大吾「……1試合だけだぞ?」

品田「堂島君……ありがとう!!一緒に頑張ろうね!!」

大吾「あぁ」

――

品田「さて、打順とかどうしますか?」

品田「正直このメンバーなら打順も守備位置も適当でいい気がしますが……」

真島「遥ちゃんがピッチャーで4番や、それだけは譲れへんで?」

遥「えっ?」

真島「1番偉いのんが1番目立つ事をやる……コレがこの世界の常識や」

遥「……」

品田「そうすると桐生さんがキャッチャーになりますね」

桐生「俺が?」

品田「俗にバッテリーは夫婦に例えられます……遥ちゃんが他の人と夫婦と呼ばれてもいいんですか?」

桐生「……俺がやる」

遥「おじさん……///」

品田「んじゃ、残りは適当に……」

真島「ワシが1番や」

品田「……はい?」

真島「ワシが1番最初にホームラン打つんや、せやからワシが1番やるで?」

品田「わ…分かりました……守備位置の希望は……」

真島「ピッチャーの次に目立つんはどこや?」

品田「そうですね……草野球ですから外野よりも内野……ショートかセカンドですかね?」

真島「ならショートでええわ」

品田「じゃあ真島さんが1番のショートで」

真島「後は適当に決めとけや」

品田(……この人ガキ大将っぽいな……)

――
品田「……こんなところかな?」

品田「それじゃ発表しま~す♪」

1番 ショート 真島

2番 セカンド 秋山

3番 ファースト 品田

4番 ピッチャー 遥

5番 キャッチャー 桐生

6番 センター 冴島

7番 サード 伊達

8番 レフト 谷村

9番 ライト 大吾

品田「こんな感じでいきます」

品田「さぁ、頑張りましょうね!!」

秋山(何だかんだ言ってノリノリだな……)

今日は終わり

――試合当日

西田「……」

真島「なんや、変な顔しおってからに」

西田「あ……あの……」

真島「せやからどないしたんや」

西田「スコアボードの澤村会VSチーム西田ってのは……」

真島「そのままや、ワシら澤村会とお前らの対戦や」

西田「お…俺らも澤村会なのでは……」

真島「……」

西田「……」

真島「……細かい事気にするとハゲるで?」

西田(えぇぇ……)

真島「そんな事よりお前らのピッチャーは誰や?」

西田「あ…俺です」

真島「ほんならコレをマウンドに置いとけ」

西田「この大量のボールは何ですか?」

真島「後で分かるわ」

西田「……」

――

品田「んじゃ始めましょうか♪」

秋山「ちょっと待って」

品田「どうしました?」

秋山「……ウチは9人しか居ないんだけど……」

品田「それが何か?」

秋山「何かって……ケガとかしたらどうすんの?」

品田「大丈夫です、花ちゃんに頼んで弁当とかスタミナンを買ってきてもらいました」

花「買ってきました」

秋山「ちょっと!?勝手にウチ秘書を使って……ってか花ちゃん何でここに居るの!?会社はどうしたのよ!?」

花「今日の分は終わらせてきました」

秋山「まだ10時前だよ!?」

花「社長……あまり私をナメないほうが良いですよ?」

秋山「で……ですよねぇ?」

品田「んじゃ、始めましょう」

秋山「ちょっと待ってってば!!」

品田「んも~……何ですか?」

秋山「ケガが弁当なんかで治るワケないでしょ!!」

品田「…………アッハッハッ♪秋山さん、面白い冗談ですね?」

秋山「えっ?」

品田「斬られても撃たれても弁当で治る……それがこの世界の常識じゃないっすか」

秋山「……」

品田「って言うかよく考えたら9人もいりません、むしろ2~3人減らしてもいいくらいですよ?」

秋山「で……ですよねぇ?」

――1回表 澤村会の攻撃

真島「よっしゃ、カッ飛ばすでぇ♪」

西田(やっぱり1番は親父か……)

西田(たぶん……)

西田(ワシが1番最初にホームラン打つんや、せやからワシが1番やるで?)

西田(とか言ったんだろうな……)

真島「西田ぁ!!はよ投げろや!!」

西田「はい!!」

西田(親父は素人……ここはストレートで!!)

真島「ドアホがぁ!!」

西田「なっ!?」

真島「……場外ホームランやな」

西田(マジかよ……)

西田(そうか……親父達は全部場外ホームランする気なんだ……だからこんなにボールが……)

真島「西田ぁ!!」

西田「はい!!」

真島「次のバッターが待っとるで?」

西田「……はい」

西田(次は秋山さんか……)

秋山(正直ダルいけど……)

西田(……どうせ打たれるんだろうな)

秋山(たまにはカッコイイとこ……)

西田(……それっ!!)

秋山(見せないとね!!)

西田(あぁ……やっぱり場外ホームランか……)

――

西田(次は元プロ野球選手か……)

品田「お願いしまぁす♪」

西田(イキイキしてるな……)

品田(やっぱ野球は楽しいなぁ♪)

西田(親父も大人気ないよな……元プロとか……)

西田(はぁ……それっ!!)

品田「カッキーン♪」

西田(……3球で3点か……)

西田(野球盤でもありえねぇよ……)

西田(次は……会長か)

遥「お…お願いします」

真島「西田ぁ!!」

西田「はい!!」

真島「……」

西田(あの目は……手加減したら殺す、せやけど打ち取っても殺すで?……か)

西田(じゃあどうしろってんだよ……)

西田(……2ベースくらいで許してもらおう)

西田(それっ!!)

遥「てぃっ!!」

西田(……よしっ、狙い通りだ)

西田(……何だろう……2ベースなのにホッとしてる俺がいる……)

――

西田(次は……四代目か)

桐生「……」

西田(凄い迫力だ……つーかなんで全員私服なんだ?)

西田(普通はスーツで野球なんてできないだろ?)

桐生「……来い」

西田(……それっ!!)

桐生「フンッ!!」

西田(…………もう帰りたい)

西田(冴島組長……)

冴島「……はよせぇ」

西田(……それっ!!)

冴島「どりゃあ!!」

西田(オイオイ……どこまで飛ばすんだよ……)

西田(……あっ…見えなくなった……)

――

西田(次は……伊達さんか)

伊達(よしっ、遥にいい所見せねぇとな……)

西田(……伊達さんなら!!)

伊達「ここだ!!」

西田(……ですよね?伊達さんもそっち寄りですもんね?)

西田(そりゃ場外ホームランですよね?)

西田(次は……谷村か)

谷村(適当に三振して終わろうと思ってたけど……)

西田(むこうは会長以外が全員人外だもんなぁ……)

谷村(手抜きしたら桐生さんにホームランの極みをされちまう……)

西田(……もうやだなぁ)

谷村(俺はまだ……)

西田(……それっ!!)

谷村(死ねないんだ!!)

西田(……はいはい、凄いっすねー)

西田(……いっそ殺してくださいよ……)

――

西田(最後は……六代目)

大吾「……」

西田(澤村会に東城会の会長がいるってのも意味分からないな……)

西田(……もういいや……それっ!!)

大吾「おらぁ!!」

西田(……ノーアウトで打者一巡か)

西田(……俺達の攻撃はあるのかな……)

――

秋山「あー、またホームランだね」

谷村「1回の表で75対0……」

秋山「野球のスコアとは思えないね?」

谷村「これがバスケだとしても大量得点ですよ」

秋山「……相手のピッチャー凄いメンタルだよね?」

谷村「俺ならとっくに心が折れてますよ」

秋山「……」

谷村「……」

――

西田(また一巡したか……)

真島「はよ投げんかい!!」

西田(……もうダメだ)

西田(……90点差なんて逆転できない……)

西田「親父……」

真島「なんじゃい!!」

西田「……ギブアップします」

真島「なんやと?」

西田「もうムリです……このまま続けたら俺達は……」

真島「……だらしないのぉ……もっと根性見せんかい!!」

桐生「兄さん」

真島「なんや」

桐生「もう終わりにしろ……兄さんも満足しただろ?」

真島「……賞品は?」

桐生「無しだ」

真島「アカン!!そんなんじゃ納得でけへんわ!!」

桐生「いつも遥と遊んでるじゃねぇか」

真島「それとこれとは違うわ!!」

桐生「兄さん、いい加減に……」

真島「うっさいんじゃボケェ!!」

桐生「……」

――

秋山「谷村」

谷村「なんですか?」

秋山「どう考えてもMVPは西田さんだよね?」

谷村「……ですね」

秋山(あーぁ……西田さん達燃え尽きちゃってるよ……)

秋山(……少しは責任感じちゃうなぁ……)

秋山(西田さん……今度何か奢りますね?)

秋山(……御愁傷様)

今日は終わり

【闘技場の女帝】

――賽の河原

桐生「……もう一度言ってみろ」

花屋「だからよ、遥に闘技場で戦ってもらいてぇんだ」

桐生「ふざけるんじゃねぇ!!」

花屋「まぁ落ち着けよ」

桐生「花屋…テメェ……」

花屋「別に遥自身がやる必要はねぇんだ」

花屋「話題作りだ、最近は闘技場もイマイチ盛り上がらねぇからよ」

花屋「現役女子高生、しかも元トップアイドルが出場なんかしたら大盛況間違い無しだ」

桐生「遥を客寄せに使おうってのか?」

花屋「なぁ……桐生さんよ……」

桐生「なんだ?」

花屋「闘技場が盛り上がらねぇのはお前の責任でもあるんだぜ?」

桐生「なに?」

花屋「殿堂入りしてるチャンピオンのお前が出場しねぇからよ……盛り上がらねぇんだよ……」

桐生「……」

花屋「1日だけでいいんだ……な?」

桐生「遥に戦いはムリだ」

花屋「対戦相手は俺が選ぶし特別ルールでやるからよ……桐生、引き受けてくれねぇか?」

桐生「……」

――桐生と遥の家

遥「私が!?」

桐生「いや、お前がリングに上がる必要はねぇ」

遥「……どういう事なの?」

桐生「カプセル怪獣って知ってるか?」

遥「まぁ……知ってるけど……」

桐生「今回はそのカプセル怪獣ルールでやる」

遥「……?」

桐生「全部で3回戦やるんだが、お前の代わりに俺と兄さんと冴島が戦う」

遥「よく分からないよ……」

桐生「とにかくお前に危険は無い、花屋に協力してやってくれねぇか?」

遥「おじさんが…そういうなら……」

桐生「大丈夫だ、お前の事は俺が守ってやる」

遥「……おじさん///」

――闘技場

真島「ごっつ盛り上がっとるな」

冴島「せやな」

真島「さっすが遥ちゃんやで♪」

冴島「桐生」

桐生「なんだ?」

冴島「ホンマに遥は安全なんやろな?」

桐生「あぁ、大丈夫だ」

冴島「それならええんやけど……」

真島「桐生ちゃん、兄弟、そろそろ始まるで?」

桐生「よしっ……行くぞ!!」

真島 冴島「「おうっ!!」」

――1回戦 VS西田

西田「……」

真島「何でお前がおんねや」

西田「花屋が……親父のピンチだからすぐに来いって……」

真島「ま……ええわ、ほんで誰を相手にするんや?」

西田「えっ?」

真島「ワシ、桐生ちゃん、冴島……誰かを対戦相手に選べや」

西田「ちょっ……何でその3人なんすか!?…って言うか何で親父達が居るんですか!?」

真島「桃太郎にもお供がおるやろ?」

西田「はい?」

真島「遥ちゃんが桃太郎、ワシが犬、冴島が猿、桐生ちゃんが雉や」

西田「いやいや……犬、猿、雉じゃないでしょ!!」

西田「狂犬、虎、龍じゃないっすか!!何ですかその凶悪な桃太郎は!!どう考えても退治される側じゃないっすか!!」

真島「……ええ度胸しとるな?」

西田「えっ?」

真島「ワシに向かってよう言うたわ……ワシが対戦相手でええんやな?」

西田「……会長が相手ってワケには……」

真島「別にええけど……どっちにしろお前は死ぬで?」

西田「どっちにしろ!?」

真島「遥ちゃんに手ぇ出したらワシら3人に殺される、せやけど女子高生に負けるようなカスは真島組にいらんわ……ワシが殺す」

西田(デッドオアデッドオアデッドオアデッドオアデッド……あれ?死ぬしかないのか?)

真島「どないする?」

西田「……棄権します」

遥(……)

――2回戦 VS曽田地

曽田地「あれ~、冴島さんじゃないですか♪」

冴島「お前何しとんねん」

曽田地「実はですね……ここでアイドルとバトルできるんですよ♪」

曽田地「アイドルに会えるだけでも嬉しいのにファイトマネーまで頂けちゃうなんて……生きてて良かったぁ……」

冴島「……」

曽田地「冴島さんはどうしてここに?……まさか冴島さんもアイドル目当てですか?」

曽田地「いや~、冴島さんも意外とミーハーなんですね♪」

冴島「ちゃうねん」

曽田地「えっ?」

冴島「俺は……お前をぶちのめす為におんねん」

曽田地「えっ?…………えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

冴島「お前の言うアイドルっちゅーのはあの娘の事や」

遥「……どうも」

曽田地「……さ…澤村…遥ちゃん……」

冴島「せや、お前も神室町の男や……どういう娘かは知っとるよな?」

曽田地「あ……あぁぁ……」

冴島「……覚悟はええな?」

曽田地「ちょっ……ちょっとウェイトプリーズ!!」

冴島「なんや」

曽田地「あの~、お嬢さん?」

遥「な…何ですか?」

曽田地「私を軽く叩いてくれませんか?」

遥「えっ?」

曽田地「お願いします!!私の命がかかってるんです!!」

遥「わ……分かりました…………えいっ!」

曽田地「ギャアァァァァァァ!!やられたぁぁぁぁぁぁ!!」

曽田地「もうダメだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!グワァァァァァァァ!!」

遥「……」

曽田地「」

冴島「……ちっとも成長してへんな……」

――3回戦 VS秋山、谷村、品田、城戸、馬場

秋山「こういう事だったのか……」

谷村「……完全に騙されましたね……」

秋山「谷村は何て言われたの?」

谷村「カジノの出禁解除です……秋山さんは?」

秋山「ホームレス仲間に頼まれてね……品田さんは?」

品田「ファイトマネーにつられて……」

馬場「カシラ……どうするんですか?」

城戸「どうするったって……秋山さん、どうするんですか?」

秋山「何で俺に聞くのよ……」

城戸「秋山さんは頭脳派じゃないっすか」

秋山「よしっ、城戸ちゃん……ドンキ行って波動砲を買ってきてくれ」

城戸「……さっきの頭脳派っては取り消します」

馬場「なんで冗談言える余裕があるんですか……」

秋山「冗談でも言わないとやってらんないでしょ……」

桐生「……遺言は決まったか?」

真島「5対3でやろうやないか……」

冴島「さっさと終わらせるで……」

秋山「皆、聞いてくれ」

谷村「何か作戦が?」

秋山「あぁ、作戦は…………命を大事に!!」

品田(……ガンガン行かされるよりはマシかな……)

秋山「じゃあ……死なないように頑張ろう!!」

――

遥(私……本当に何もしてないな……)

遥(……コレでいいのかなぁ……)

遥(…………ま、いっか♪)

終わり

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年11月29日 (日) 16:50:39   ID: 9QcAWMjQ

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