阿笠「特殊電子錠を開発したんじゃ」灰原「何それ?」 (133)

阿笠「ホレ、良く捕まえた犯人に逃げられてしまう事があるじゃろう?」

灰原「頻繁には無いと思うけど、たまにはあるかも知れないわね」

阿笠「じゃろう?そこで開発したのがこれじゃ」

灰原「見た目はブレスレットにしか見えないけど」

阿笠「良く見るんじゃ、片方にボタンがあるじゃろう?」

灰原「確かにね。で?どうやって使うのかしら?」

阿笠「よくぞ聞いてくれた。まずボタンがついとる方が親機じゃ。これをワシが着ける」ガチャ

阿笠「で、そちらの子機を犯人に着けたとして、ワシの親機のボタンを押すと」ポチッ

ギュンッ!!

灰原「子機が凄い勢いで博士に引っ張られて......」

ガシャッ!!

阿笠「この通りじゃ。半径50m以内におれば問答無用で引き寄せるわい」

灰原「確かに強力そうだけど、人間並みの質量を引き寄せる事は可能なのかしら?」

阿笠「そこて哀君に協力して貰いたいんじゃよ」

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灰原「だろうと思ったわ。博士がただ発明を披露するハズが無いもの。ましてや工藤君より先にね」

阿笠「まあそう言わんで、頼む!この通りじゃ」

灰原「まぁ、良いわ。丁度退屈していたし。で?私が子機を着ければ良いの?」

阿笠「いや、哀君には親機を着けて貰いたいんじゃよ。ワシが子機を着ける。ワシぐらいの体重を引き寄せる事が出来れば大丈夫じゃろう?」

灰原「確かにね。それで引き寄せられなければ、博士にダイエットさせる立派な理由になるしね」

阿笠「う......。ま、まあとにかく試してみよう。まず哀君がこちらを」

灰原「はいはい」ガチャ

阿笠「で、ワシが子機を......」

ピンポーン......

阿笠「ん?誰かのう?ちょっと見てくるわい。子機は置いておこう」トンッ

灰原「いってらっしゃい」

灰原「やれやれね。博士ももっと違う事に力を使う方が有意義だと思うけど」

灰原「それにしても......。博士の技術は時々現代のレベルを超越してると思える時があるのよね。そこは興味深いけど」

灰原「8割はガラクタなのがタマに傷なのよね......」

コナン「おーっす、灰原」

灰原「あら、工藤君だったの。何の用?」

コナン「おいおい、今度のキャンプの打ち合わせだろ?今日やる約束じゃねーか」

灰原「ああ、そうだったわね。博士の発明で忘れてたわ」

コナン「発明?ああ、そこのブレスレットみたいなヤツか?どれどれ?今度はどんな機能なんだ?」ガチャ

灰原「あ、それは......」

ビーッ!ビーッ!

コナン「えっ?」ギュンッ

灰原「え?」

ドンッ

コナン「うわぁっ!!」

灰原「きゃっ?!」

ドサッ

コナン「いてて......。一体なんだよ?いきなり体が.....。大丈夫か?灰原?」

灰原「え、ええ。大丈夫。でも、何故?ボタンは押してないのに」

阿笠「おーい、哀君!今の音は一体......?!ど、どうしたんじゃこれは?!」

灰原「どうしたもこうしたも無いわよ!工藤君が手錠を着けた途端にボタンも押してないのに引き寄せられたのよ!!」

阿笠「な、何じゃと?!」

コナン「お、おい!一体何の話だよ?」

阿笠「じ、実は......」

しばらく後。

コナン「なるほど。これが何なのかは分かったよ。で?何でボタン押してねーのに動いてるんだ?」

阿笠「恐らく、故障して誤作動しとるんじゃろう」

灰原「しとるんじゃろう、って。呑気な事言って無いで外してよ、これ」

阿笠「......無理じゃ」

コナン「ハァ?無理?何で?」

阿笠「犯人に逃げられては困るから、頑丈に作ってあるからの。象に踏まれても壊れん」

コナン「何その無駄な高機能」

灰原「じゃあ、電源は?電源を切れば外れないの?」

阿笠「そ、そうじゃな。慌てておったわい。哀君、ボタンを長押ししてくれんか」

灰原「全く、ヒヤヒヤさせないでよ......」ポチッ

「......」


灰原「......外れないんだけど」

阿笠「こりゃあ、どうやら非常用になってしまったか」

コナン「非常用?」

阿笠「非常用になると、外から解除用電波を当てんと外れないんじゃよ」

灰原「じゃあ、早く当ててよ」

阿笠「無理じゃ」

コナン「ハァ?何でだよ?」

阿笠「まだ解除用の電波発生機を作っておらんのじゃよ」

灰原「何で肝心な物を作らないで実験させたのよ......」

コナン「それ、いつ出来るんだ?」

阿笠「そうじゃな。1ヶ月位かの」

灰原「い、1ヶ月?!」

コナン「お、おい!じゃあ1ヶ月ずっと灰原とくっついてなきゃいけねーのか?!」

阿笠「いや、バッテリーはそこまで保たないからの。1週間位で電池が切れれば外れるハズじゃ」

灰原「1週間......」

コナン「もっとすぐ外す方法は無いのかよ?機械なら強烈な電磁波を当ててぶっ壊すとか」

阿笠「無理じゃ。その辺の対策も完璧じゃからな」

コナン「ホントに何その無駄な高機能」

灰原「どうするのよ、この状況......」

コナン「ったく。肝心な所が抜けてっからいつもガラクタばっか作るんだよ」

阿笠「す、すまん......。何とか早急に解除用電波発生機を作るから、せめて3、4日は我慢してくれんか」

灰原「我慢してくれんかって......」

コナン「不便で仕方ねーぞ、ブレスレットな完全に密着して離れやしねぇ」

コナン「服部達が昔手錠掛けちまった話を思い出したな。まさか自分がそうなるとは......」

>>7訂正

ブレスレットな→ブレスレットなんて

灰原「人の事を思い出してる場合じゃないわ。どうするのよ?私は1日中この推理オタクさんと密着しなきゃいけないの?」

コナン「んだよ、俺だってツンツン女と24時間一緒はゴメンだよ」

阿笠「まあまあ、ケンカせんでくれ。とにかく、新一はしばらくここで暮らすしか無かろう。向こうの家では何かと気を使うじゃろうし」

コナン「確かにな......。わーったよ。宜しく頼むよ、博士」

灰原「あら、24時間苦楽を共にするパートナーには、労いの言葉は無いのかしら?」

コナン「......よ・ろ・し・く。寝てる相田に変な事すんなよな」

灰原「あのねぇ、こちらの台詞よ。それは」

阿笠「まあとにかくじゃ。歩美君達ももうすぐやって来るし、準備をせんと」

灰原「分かったわ......。工藤君、動くわよ」

コナン「わーったよ」

配置
灰原......左手にブレスレット

コナン......右手にブレスレット

>>9訂正


寝てる相田→寝てる間

灰原(とりあえずあの子達に出す飲み物を......)

コナン(ん、トイレ行きてーな......)

グイッ

灰原「きゃっ?!」ドサッ

コナン「うわぁっ!」ドサッ

灰原「痛っ......」

コナン「ってーな......。何やったけどんだよ!灰原!」

灰原「は?私?」

コナン「オメーが引っ張るからだろ?」

灰原「冗談言わないでよ、あなたが私に合わせないからでしょ?」

コナン「合わせるも何もいきなりじゃねーか!合図も無しに!」

灰原「どこまで失礼なのよ、本当にデリカシーの無い人ね」

コナン「俺の何処がデリカシーが無いってんだよ?」

灰原「そうね、殺人が起きる度に眼を輝かせる無神経さとか、大人を舐めきった演技とか、女心を全く読めない所とか、数限りないわね」

コナン「う......。オメーだって似たようなもんだろ?」

灰原「私は基本的に演技なんてしないわ。あれれー?おっかしいぞー、とかね」クスッ

コナン「オメーだってするだろ?!ぶりっ子丸出しの下手くそな子供演技!」

灰原「子供の身体を傘に来て女湯を覗いたり彼女とお風呂にはいるようなスケベ心は持ち合わせていないわ」

コナン「俺だって人の弱味に漬け込んでブランド品ねだったりしねーよ!」

灰原「何よ!」

コナン「何だよ!」

>>12訂正

何やったけどんだよ!→何やってんだよ!

焦ると間違いだらけ......
また後程書きます。

阿笠「こ、これ。御近所迷惑になるからやめなさい」

コ哀「「うるさい!!」」

阿笠「うおっ?!」ビクッ

コナン「大体、全部博士が悪いんだ!」

灰原「そうよ、無責任な発明をするから悪いのよ」

コナン「なのに他人事みたいに言ってよ」

灰原「少し反省して貰いたいわね」

阿笠「う、ぐ......。も、申し訳無い」

ピンポーン

阿笠「お、歩美君達かの?ちょっと行ってくるわい」サッ

コナン「逃げたな」

灰原「ええ、逃げたわね」

阿笠(全く、仲が良いのか悪いのかわからんわいあの2人は。チャイムがタイミング良く鳴って良かったわい)


コナン「......しかし、どうしよう」

灰原「ええ、困ったわね。なるべくあの子達にはバレない様にしたいわね」

コナン「ああ。ただでさえ困ってるのに騒ぎをでかくされたらキツいからな。何とか誤魔化そう」

灰原「そうね、席を立たないようにして上手く乗りきりましょう」

「おじゃましまーす!」

コナン「来た!座るぞ灰原!」グイッ

灰原「ちょっと!引っ張らないで!」

コナン「あ、ワリー。つい......」

灰原(全く、先が思いやられるわね......)

灰原(でも、良く良く考えてみたら......。さっきまでパニックで頭が回らなかったけど、しばらく工藤君と密着状態で同棲する訳よね......)

灰原「......何考えてるのかしら、私」ボソッ

コナン「何か言ったか?」

灰原「いえ、何でも」

しばし後。

コナン「いいか、なるべく手元は隠せよ」

灰原「分かってるわ」

灰原(手元を隠そうと、これだけ密着してたら違和感を感じそうだけど......。と言うか、やっぱり近いわね) ドキドキ

コナン「......来たぜ」

阿笠「おお、2人共もう座っとったか。みんなが来たぞい」

歩美「こんにちは!コナン君、哀ちゃん!」

元太「よ!」

光彦「こんにちは!お2人共!」

コナン「よ、ようみんな」

灰原「い、いらっしゃい」

歩美(何だか凄くくっついて座ってるなあ。良いなあ、哀ちゃん)

光彦(何故コナン君はあんなに灰原さんに密着しているのでしょうか?羨ましい......)

元太(ハラ減ったぜ)

しばし後。

光彦「じゃあ、今度のキャンプは山で決まりですね!」

歩美「歩美、さんせーい!」

元太「俺も俺も!」

コナン(ふぅ、とりあえず話も終わりそうだな)ヒソヒソ

灰原(ええ、このまま無事終われば良いけど)ヒソヒソ

阿笠「おお、そうじゃ。話も落ち着いた所でおやつにせんかな?」

灰原「あ、ごめんなさい。用意忘れてたわ」

阿笠「大丈夫じゃよ、今ジュースとおやつを持ってくるから待ってなさい」

歩美「やったー!」

光彦「丁度喉が渇きましたね!博士!ありがとうございます!」

元太「俺もハラ減ってお腹と背中がくっついちまうよ」

灰原(それはあり得ないわね)

コナン(ハハ、元太はあり得ないだろ......)

灰原「でも、さっき転んだのですっかり飲み物の用意とか忘れてたわ」

コナン「ああ......。ん?」

灰原「どうしたの?」

コナン「いや、何か忘れてるような......」

阿笠「ホレみんな。おやつじゃよ」コトッ

歩美「わーい!ありがとう!」 ヒョイッ

光彦「いただきます!」ヒョイッ

元太「食うぜー!」ガバッ

コナン「ったく。元太は。慌てて食うなよ。俺もジュース飲むか......」ゴクッ

コナン「!!!?」ビリッ

灰原「ど、どうしたの?」

コナン「わ、忘れてたよ......。俺さっきトイレに行こうとして転んだんだ......」ピクピク

灰原「え......。まさか」

コナン「今ジュース飲んだら......。来た、急に」ピクピク

灰原(ちょっと待って!無理よ、この状況でトイレに行くのは!)ヒソヒソ

コナン(だ、だってよ、小をガマンすんのはある意味大よりキツいんだぜ......)ヒソヒソ

灰原(気持ちは分かるけどガマンして!万が一2人いっぺんにトイレに入るのを見られたらそれこそ何を言われるか分からないわ!)ヒソヒソ

コナン(ぐ、でもよ......)ヒソヒソ

歩美「どうしたの?コナン君?」

コナン「え?」

歩美「具合悪いの?」

コナン「だ、大丈夫だよ。心配いらないよ」プルプル

歩美「ホント?顔色悪いけど」

コナン「うん。大丈夫大丈夫。ハハハ......」プルプル

コナン(大丈夫じゃねーよ!もう漏れそうだよ!クソッ、コイツらには悪いけど早く帰って欲しいぜ......)プルプル

灰原(辛いけど耐えて......)ヒソヒソ

元太「なあ、灰原はおやつ食べねーのか?」モグモグ

灰原「え?」

光彦「先程から1口も手をつけてませんけど?」

歩美「ダイエットしてるの?やめた方が良いよ!哀ちゃんダイエットしなくてもとってもキレイなのに!」

灰原「え、ええ。そうね。頂くわ」

灰原(これ以上怪しまれたら困るものね)ヒョイッ

コナン「バッ、いきなり動いたら......」

ゴキッ

コナン「いってぇーっ!!」

灰原「え?」

阿笠「?!」

歩美「?!」

光彦「?!」

元太「何だコナン、腹でも痛いのか?」モグモグ

灰原「ど、どうしたの?」

コナン(バ、バーロ......。いきなり動くから肩がひねり上げられて......)ヒソヒソ

灰原(ご、ごめんなさい)ヒソヒソ

コナン(ったく。デリカシーの無いのはどっちだよ)ボソッ

灰原「......」ピキッ

歩美「ね、ねぇ、大丈夫?コナン君」

灰原「大丈夫よ、でも彼お腹が痛いみたい。とっても」グイッ

コナン「ぐあああああ!!」ミシミシ

灰原「ね?こんな状況だから、申し訳無いけど今日はお開きにしましょうか?」

歩美「うん、そうだね。コナン君具合悪いなら仕方無いね」

光彦「そうですね......」

元太「博士、おやつ貰って良いか?」

阿笠「あ、ああ。構わんよ」

阿笠(元太君はぶれんのぅ......)

この手錠って蘭の角ドリルでも壊せないのか?

>>23
蘭の角はおろか、京極さんの蹴りですら壊れません

歩美「でも、やっぱり心配だなあ......」

光彦「そうですね、病院まで一緒に......」

灰原「......」グイッ

コナン「ぐあああああっ!!」メキメキッ

灰原「大変よ!この痛がり方!重大な感染症かも!博士!急いでみんなを家まで送って!感染する前に!」

阿笠「え?いや、そんな事は......」

灰原「は・や・く・ね」ニコッ

阿笠「わ、分かったわい。みんな、送るから外へ」

歩美「う、うん。分かったよ。コナン君、お大事にね」

光彦「灰原さんだけに危険な事はさせられません、やっぱり僕は残って......」

灰原「......大丈夫だから」ジロッ

光彦「ヒッ!分かりました......」

元太「じゃあコナン!病院行けよ!」

コナン「お、おう。ありがとな......」

歩美「じゃあ2人共、またね」

光彦「......お気をつけて」

灰原「ええ。ありがとう」

ガチャッ......バタンッ......

灰原「ふぅ、何とか上手く行ったわね」

コナン「バ、バーロー......。早く手を下ろせ......」ミシミシ

灰原「あら、ごめんなさい。デリカシーが無いから気付かなかったわ」サッ

コナン「っ、痛ぇ......。オメー、いくら何でもあんまりだろ!」

灰原「あら、結果としてみんな帰ってくれたから良かったじゃない。寧ろ感謝して欲しいわね。心おきなくトイレに行けるわよ?」クスッ

コナン「ぐっ......。覚えてろよ」

灰原「あら、か弱い女性の腕を捻り上げるつもり?仕返しに。そんな人とは思わなかったわ」クスッ

コナン「......とにかく、トイレに行こう」

灰原「ええ。そうね」

コナン(ぐっ、ここぞとばかりにやりたい放題やりやがって。あー可愛くねー!)

屋外。

光彦「何だかコナン君の怒声が聞こえた気がしたような......」

歩美「きっとお腹が痛いんだよ」

光彦「そうでしょうか......?」

光彦(どうにも怪しいですね。様子が変でした。何かあるに違いありません)

歩美(2人共変だったなぁ。コナン君、ずっと哀ちゃんにピッタリくっついて。羨ましいなあ......)

元太「ちぇ、コナンのお陰でおやつこれしか持ってこれなかったぜ」

歩美「元太君......」ハァ

光彦「あなたって人は......」ハァ

阿笠(やれやれ。あの2人、あれだけ騒いで......。ワシが間に合わなかったら、どのみち学校に行かにゃならんのじゃから。バレるって分かりそうなもんじゃがのう......)

阿笠(ま、浮き足だっておるようじゃし。好きにさせるとしようかの......。また叱られてもかなわんからの)

トイレ。

コナン「ふぅ、漸く辿り着いた......」

灰原「そうね。じゃ、入って」

コナン「入ってって。何他人事みたいに言ってんだよ。オメーも一緒に入るんだよ」

灰原「え?」

コナン「え、じゃねーよ。この状態で逆にどうするつもりだってんだよ?2人いっぺんに入るしかねーんだよ」

灰原(え、工藤君と一緒に入るって事は......。つまり......)カーッ

灰原「イ、イヤよ!」

コナン「イヤもクソもねーんだよ、目瞑ってろよ。すぐ終わるから」

灰原「でもイヤ!恥ずかしいわ!」

コナン「漏らすのとどっちが恥ずかしいんだよ!もう限界なんだよこっちは!」

灰原「う......。わ、分かったわ......。早く終わらせて」

コナン「言われなくてもそうするよ!早く!」

灰原(......何のご......いえ。拷問なの。工藤君の放尿見る羽目になるなんて)カーッ

コナン「......じゃあ、下脱ぐからな」

灰原「え、ええ」ジーッ

コナン「......?なあ、なんでガン見してんの?」

灰原「え?」

コナン「恥ずかしいんだけど......。てか自分で恥ずかしいって言ってたじゃねーか?」

灰原「ご、ごめんなさい」パチッ

コナン(何だ?訳わかんねーな。クソ、何か見られてたと思うとドキドキして来やがった。て言うかトイレで灰原と2人きりって......)ドキドキ

灰原(何でイヤな筈なのに見てたのかしら。恥ずかしい。穴があったら入りたいわ)カーッ

コナン「......良し。とりあえず座ってすっから」

灰原「良いから早くして」

コナン「お、おう」

コナン(クソ、人がいると思うとなかなか出ねーや......)

灰原(まだ終わらないの?)チラッ

コナン「.....っ」

ジョロジョロ......

灰原(あ、出てる......。工藤君のおしっこ......)ドキドキ

コナン(し、死ぬほど恥ずかしいぜ......。早く終われ......)

灰原(凄く恥ずかしそうね、工藤君......。ちょっと可愛らしいわ)ドキドキ

ジョロジョロジョロジョロ......

コナン(ガマンしてたから長えよ......。早くこの生き恥を終わらせてくれ......)

灰原(こ、こんな時間を後3日も続けなきゃいけないの......?)

ジョロジョロジョロ......チョロッ

コナン「お、終わった......。ふぅ、スッキリしたぜ」ハァ

灰原「それは結構だけど、早く下を履いて」

コナン「あ、ああ。ゴメン」

灰原「べ、別に謝る事じゃ......?!」ビクッ

コナン「どうした?灰原?」

灰原「ウソ......でしょ......?このタイミングで......?」プルプル

コナン「お、おいまさか」

灰原「い、痛いの。急にお腹が......」プルプル

コナン「マ、マジかよ?!」

灰原「ど、どうしたら......」プルプル

コナン「どうしたらって......。だ、出すしかねーだろ......」

灰原「!!」

コナン「他にどうしようもない。さっさと済ませちまうしか」

灰原「イヤ!それだけは絶対にイヤ!!」

コナン「絶対にって、んな事言っても......」

灰原「他人に排便を見られるなんて、一生ものの恥よ!そんな事するなら死んだ方がマシよ!」ウルウル

コナン「気持ちは分かるけどよ、じゃあ漏らしてもいーのか?」

灰原「イヤよ、イヤだけど......。でもイヤなのよ!よりにもよってあなたにこんな恥ずかしい姿を晒したくない!」ウルウル

コナン「え?」

灰原「......何でも無いわ。とにかくイヤ!」ウルウル

コナン「......なあ、灰原。絶対見ねーから。お互い様だしよ。絶対バカにもしねーから。だから今はガマンしろよ。な?」

灰原「本当?本当に見ない?」ウルウル

コナン「見ない。絶対見ない」

灰原「軽蔑しない?」ウルウル

コナン「しねーよ。お互い様だって言ったろ?」

灰原「......分かったわ。約束よ?笑わないでよ?」グスッ

コナン「わ、分かった。絶対笑わない。約束する」

灰原「......じゃあ目瞑ってて」グスッ

コナン「あ、ああ」

コナン(クソ、あんな顔真っ赤にして切なそうな顔しやがって)

コナン(あんないじましい声出しやがって。変な気分になっちまうだろ......)ドキドキ

灰原「......」スルッ

コナン(服脱いでるな。音がする......)

灰原(約束したから見ないと分かってるけど、工藤君の目の前で服を脱いでると思うと......)ドキドキ

灰原(とにかく、さっさと終わらせないと。一瞬でも早く)トンッ

灰原「んっ......」プルプル

コナン(踏ん張ってるのかな......。漏れ出す声がな、何だか......)ドキドキ

灰原(どうして?こんな時に出ないの?あれほどの痛みがあればすぐ出る筈でしょ?)プルプル

灰原(どーしてよ!ねぇどーして?!)プルプル

コナン(クソ、目瞑ってると却って勝手に想像が働いちまう!て言うか目の前で女の子が排便してるって何のエロビだよ! )ドキドキ

灰原(分からないの?早く終わらせないと工藤君も私も恥ずかしい思いをするのよ?!なのにねぇ、どーしてよ!!)プルプル

プッ......

灰原「え......」

コナン「あ......」

灰原「......」

コナン「......なぁ、今の」

灰原「聞かないで」

コナン「......ゴメン」

灰原(もうダメ......。もう死にたい気分よ......)

コナン「......なぁ灰原」

灰原「え?」

コナン「逃げるんじゃねーぞ。自分の便意から......。逃げるんじゃねーぞ......」

灰原「今その台詞言っちゃうの?それ私にとってかなり大事な思い出の台詞なんだけど?しかもさりげなく便意って言い換えないでよ。台無しよ。バカにしてるの?」ギロッ

コナン「分かってる。でも、ここでガマンして体調崩したら元も子も無いんだ。辛いけど逃げないでくれ。何度も言うが最低あと3日はあるんだ。今向き合うしかねーんだよ。耐えてくれ、灰原......」

灰原「......分かったわ」

灰原(ああ、もうこうなったらどうにでもして......!あっ)プルプル

ミチミチミチッ......ポチャンッ

灰原(......終わったわ。何と言うか、人として)

コナン(灰原......。すまねぇ)

5分後。

ガチャッ......バタンッ

灰原「......」

コナン「大丈夫か?灰原......」

灰原「......もう何て言うか、どうにでもなれって気分よ」ハァ

コナン「あんまり落ち込むなよ、な?」

灰原「落ち込むな?無理よ。この恥辱が分かる?自分の排泄を人に見られてる女性の苦しみが......。よりにもよって」

コナン「よりにもよって?」

灰原「......何でも無いわよ」

コナン「?」

灰原(言える訳無いでしょ。好きな人の前で、なんて)

コナン「とにかく今後について考えようぜ。な?」

灰原「もうどうでも良いわよ......。くっついてるならくっついてるままで」ハァ

コナン「投げやりになるなよ......」

ガチャッ

阿笠「おお、2人とも。ただいま」

コナン「博士?随分早かったな?」

阿笠「いやあ、まだ日も高いから歩いて帰るとあの子達が言うからの。ちょっとそこまで見送って来たんじゃ」

コナン「なるほどな」

灰原「......」ツカツカツカツカ

コナン「え?お、おい灰原!?」グイッ

ガシッ

阿笠「うおっ?!あ、哀君?!」

灰原「......良い?博士?早急に解除装置を作りなさい。3日はガマンするわ」

阿笠「し、しかし」

灰原「しかしも何も無いわ。無責任に逃げようとしたら本当に容赦しないわよ」ギロッ

阿笠「ヒッ!?分かったわい......」

コナン(完全にブチキレたな。無理も無ぇか......)

夕方。

灰原「......」ハァ

コナン(あれからずっと元気ねーな。1言もしゃべらねーし)

コナン「......なあ灰原。そろそろ飯にしようぜ。落ち込んでばかりもいられねーだろ?」

灰原「......食事?どうやって作るのよ。こんな不自由な状態で料理したくないわ」

コナン「何か取ろうぜ。俺の奢りだ」

灰原「......本当に?」

コナン「ああ。気分変えようぜ」

灰原「じゃあ特上のお寿司でも取ろうかしら」ニコッ

コナン「う......。お手柔らかに頼むぜ......」

コナン(現金なヤツだな。ま、ずっと暗いままより良いか......)

灰原(下手だけど、そうやって気を遣ってくれるのがあなたの良いところよね。ちょっと見直したわ)クスッ

コナン「ま、食って寝りゃトイレの件なんて忘れるさ」

灰原(......前言撤回。サイテーね)ピキッ

30分後。

灰原「美味しそうなお寿司ね。流石特上ね」ニコッ

コナン「マジで頼みやがって。今月の小遣いパーだよ。ったく......」

灰原「あら、あなたが言い出したのよ?俺の奢りだって」

コナン「わーってるよ。あれ?そういや博士は?」

灰原「博士なら頑張って機械を作ってるわ。ちょっとムチ打ったから」

コナン「ムチ?何したんだよ?」

灰原「ちょっと1言言っただけよ。もし出来なかったら、今後博士の食事は未来永劫味の無いお粥だけだとね」

コナン「お、おう。そうか......」

コナン(怖ぇ......。コイツを敵に回すのはさけるべきだな)ゾッ

灰原「さ、とにかく戴きましょう。お腹すいたわ」

コナン「確かにな。じゃ」

コ哀「いただきます」

灰原「......うん、やっぱり美味しいわね」モグモグ

コナン「そっか。そりゃ良かったな......っ、このっ」ツルッ

灰原「どうしたの?」

コナン「いや、クソッ......。このっ」ツルッ

灰原「何してるの?」

コナン「っ、掴めねーんだよ。左手だから......」

灰原「あ、そっか。右手が塞がってるから......」

コナン「ああ。クソ、左手だとこんなに箸が使いにくいとはな......。仕方ねぇ、手で食うか」

灰原「......ちょっと待って」

コナン「え?」

灰原「......はい」ヒョイッ

コナン「な、何だよ?」

灰原「食べさせてあげようとしてるんじゃないの。はい、どうぞ」

コナン「い、良いよ!手で食べっから!」

灰原「良いから。右手が使えないのに、何してるの?なんてデリカシーの無い事言ったお詫びよ。はい」

コナン「......オメー、まだ昼の根に持ってんのか?」

灰原「違うわよ。箸が使えなくてヤキモキするあなたを気にしながらご飯を食べるのもイヤなのよ。はい、だから食べて」

コナン「う、わ、分かったよ......」

灰原「じゃあ、アーンして」クスッ

コナン「ガキ扱いかよ......」ポリポリ

灰原「はい、アーン......」

コナン「ア、アーン......」パクッ

灰原「どう?お味は?」

コナン「......わかんねぇ」モグモグ

コナン(緊張して味がわからねー。てか雰囲気に乗せられたけど、口を開くのはともかくアーンって言う必要は無かったな......)

灰原(工藤君、照れちゃって。さっきのは死ぬほど恥ずかしかったけど、こんなあなたを見れるならこの手錠も悪くなかったかもね)クスッ

コナン「......何ニヤニヤしてんだよ?」

灰原「別に?はい、アーンして」ヒョイッ

コナン(ぐっ、絶対楽しんでやがる......。クソ、やっぱり手で食べりゃ良かった......)カーッ

灰原「はい。どうぞ」

コナン「あ、ああ......」パクッ

灰原「味、少しは分かる様になったかしら?」

コナン「......ああ」モグモグ

灰原「そ、じゃあ私も」パクッ

コナン「ちょい待て!」

灰原「何?」

コナン「今思ったけど、オメーさ。箸、分けてるか?俺のとオメーの」

灰原「え?あ......」

コナン「あ......。やっぱり......。それって」

灰原「......」カーッ

コナン「......」カーッ

灰原「......今更遅いし、今日はガマンして」

コナン「い、いや。ガマンなんて。別にイヤな訳じゃ......。オメーが気にしないかなって」

灰原「べ、別に......。はい、とにかくさっさと食べて」ヒョイッ

コナン「う、うん......」

灰原(言われるまで気にしなかったのに......。気付かないままでいたら、こんな気持ちにはならないのに......)ドキドキ

コナン(余計な事言っちまったかな......。また怒られちまいそうだぜ......)ドキドキ

灰原(心音が聞こえる......。工藤君にも聞こえそうな位に)ドキドキ

コナン(ヤベ、熱くて仕方無くなって来た......)ドキドキ

コナン「......なぁ」ドキドキ

灰原「......ねぇ」ドキドキ

阿笠「2人とも、何しとるんじゃ?」

コ哀「!!」ビクッ

阿笠「あ、寿司!ワシを置いて食べるとはひどいのー」

コナン「ワリーな、博士。腹減ってつい」

灰原「お疲れ様。博士のはあそこに避けてあるわ」

阿笠「お!じゃあ戴くとするかの!」パカッ

阿笠「.....ん?」

コナン「どうした?博士?」

阿笠「あの、哀君?カッパ巻きといなり寿司しか無いんじゃが」

灰原「そうよ?間違いないわ」

つまり下痢による腹痛に見せかけて灰原を襲った犯人は便秘による腹痛、あなただ!

>>52
灰原「失礼ね、固かっただけよ」

阿笠「そ、そりゃ無いじゃろ哀君!」

灰原「ダメよ。キチンとこの件が片付くまでは博士にはペナルティを与え続けるわ」

阿笠「トホホ......」

コナン(自業自得とは言え災難だな、博士。て言うか俺さっき雰囲気で何を口走ろうとしたんだ......?)

灰原(私、さっき何を言おうとしたのかしら。雰囲気に酔って)

灰原(少し頭を冷やさないと。工藤君とこうしていられるのは、あくまで異状事態だからなのだから)

夜。

コナン「すっかり暗くなったな」

灰原「そうね」

コナン「家にはさっき博士が電話してくれたから良いけど、この状態がいつまで続くもんかね」

灰原「そうね。今日は3連休の初日。上手く行けば博士が間に合わせてくれると思うけど」

コナン「ダメなら学校行くしかねーかな?この状態で」

灰原「そうね。仕方無いかしらね。でもごめんなさい工藤君」

コナン「何が?」

灰原「せっかくの休みを、私なんかとこうする羽目になって」

コナン「気にすんなよ。オメーのせいじゃねーんだし。どうせ予定も無いからよ」

灰原「そう。ま、暇をもて余すとまた事件に巻き込まれそうだものね」クスッ

コナン「バーロ、そう毎日毎日事件に遭遇してたまっかよ」ニカッ

灰原「そうね、そうよね」クスクス

コナン「んだよ。オメーそうやって毎日笑ってりゃ良いじゃねーか」

灰原「え?」

コナン「その方がよっぽど良いぜ。仏頂面してるより」

灰原「私、普段そんなに酷い顔してるかしら」

コナン「ああ、ツンとすましたおっかねー顔してるさ。元が良いからそこまで怖くは見えねーけどさ」

灰原「え」

コナン「ん?」

灰原「元が良いからって......」カーッ

コナン「え、あ.....」カーッ

灰原「それって私の事、可愛いって言ってる......?」ドキドキ

コナン「い?!いや、その......」ドキドキ

灰原「ねぇ、工藤君......」ドキドキ

コナン「あ、あー......。もうこんな時間か。そろそろ寝るかー?」

灰原「......ゴマカシ方が古典的過ぎるわよ」ハァ

コナン「ま、まあとにかく今日はさっさと寝ようぜ!疲れたろ?」

灰原「確かにね。でも、お風呂は?」

コナン「ヘ?」

灰原「私、汗臭いままはイヤなんだけど」

コナン「ふ、風呂って?2人でか......?」

灰原「当然そうなるわね」

コナン「いや、それは流石に......」ドキドキ

灰原「彼女の裸見てるなら今更恥ずかしい事も無いでしょ?もう私はトイレの一件で吹っ切れたわ。お風呂に入らないのはイヤ」

コナン「で、でもよ......」

灰原「子供の裸なんて見てもノープロブレムでしょ?どの道3日もお風呂入らないなんて無理よ。諦めなさい」

コナン「わ、わーったよ......」ドキドキ

コナン(クソ、事件の時と2人っきりで風呂に入るの意味合いが違うだろ......。何でこんなヤバいシチュエーションばかり襲ってきやがる......)

コナン(蘭には絶対言えねーな、こりゃ)ハァ

灰原(......本当は心臓が破裂しそうな位ドキドキしてるけれど、実際お風呂に入らないのはイヤなのよね)ドキドキ

灰原(でも、工藤君と2人っきりで入浴なんて。どうせなら元の身体で入りたかったわね)ドキドキ

灰原(......何バカな事言ってるの、私)ハァ

コナン「でも、服どうすんだ?下はともかく上は脱ぎにくくてしゃーねーぞ?」

灰原「片方の袖口を切りましょう。後で縫ってあげるから」

コナン「しゃーねーか。でも着替えがな」

阿笠「それなら心配いらんぞい。ホレ」

灰原「博士?」

コナン「何だ?その服?」

阿笠「誰でも着やすい様にと開発した服じゃ。横がボタンになっておるからこの状態でも着られる様になっておるわい」

コナン「なるほどな。介護現場であるようなヤツか。ん?でも何でこんな服があんだよ?もしかして博士、ハナから俺達にこの手錠はめさせる気だったんじゃねーだろーな?」

阿笠「ま、まさか」ギクッ

灰原「確かに。子供用のサイズを都合良く用意してるのは不自然ね。私達をモルモットにする為に失敗した時の備えをしてたんじゃ」

阿笠「さ、さて解除装置を作らんとなー」サッ

コナン「間違いなく黒だな」

灰原「分かりやすいわね。制裁が必要だわ」

コナン「どんな?」

灰原「まあ、それは全て解決してからで良いわ。とにかく早く済ませましょう」

コナン「そうだな」

コナン(早く済ませて出ねーとな。興奮し過ぎてぶっ倒れる前に)ハァ

脱衣場。

コナン「......ふぅ」ドキドキ

灰原「何溜め息ついてるの?」

コナン「いや、深呼吸だよ。心の準備が」フゥ

灰原「もう袖にハサミ入れちゃったし、諦めなさいよ」

コナン「あ、ああ」ドキドキ

灰原「じゃあ、脱ぐわよ」

コナン「いや、まだ心の準備が......」ドキドキ

灰原「良いから。片手じゃ脱ぎにくいし、協力してタイミング合わせないと」

コナン「わ、わーってるよ」ドキドキ

コナン(何か良いようにあしらわれてる気が......)

灰原(死ぬ程恥ずかしいけど、こんなに私の意のままに動く工藤君なんてなかなかみれないものね。浮き足だってる内に、可愛らしい姿を目に焼き付けておきましょうか)クスッ

コナン「で、どうすんだ?」ドキドキ

灰原「じゃあ、上着脱がせて」

コナン「脱がせてって......」ドキドキ

灰原「お風呂に入るためよ。変な想像しないで」クスッ

コナン「わーってるよ......。行くぞ」ガシッ

灰原「無理やり引っ張らないでね」

コナン「ああ、気を付ける......」

コナン(外れはしないけど、スライドして向きは変えられるから助かるぜ。無理やりやってケガさせねー様にしなくちゃ)グイッ

灰原「んっ......」

コナン(左手1本だとやりにくいが......。よし、もう少しで......ん?!)ドキッ

灰原「どうしたの?」

コナン「あ、あの......。オメー、ブラは?」

灰原「してないわよ。今日は」

コナン「何で?」

灰原「たまたまよ。本当に」

コナン「あ、そ、そっか」プイッ

灰原「何故顔逸らすの?」

コナン「い、いや......。その、いきなり胸が出てくるとは思わなくて」ドキドキ

灰原「気を遣わなくて良いから、ちゃんと見て終わらせて」

コナン「う、うん......」ドキドキ

コナン(あー、ヤバい。何でこんなドキドキすんだろ。ガキの身体にこんな興奮しちまうなんて......。ロリコンなのか?俺?)

灰原(こんなにドギマギするとは思わなかったわ。工藤君がこんな身体の私に興奮してくれるとも思わなかったし)

灰原(......興奮してくれるのを喜ぶなんて、変態なのかしら。私)

しばらく後。

灰原「とりあえず上着は脱ぎ終わったわね」

コナン「お、おう」ドキドキ

灰原「じゃあ、ズボン脱がせて」

コナン「はぁ?!」

灰原「いちいち驚かないの」

コナン「いやいや、他にやり方が」

灰原「早く、ね?」

コナン「わ、わーったよ」ドキドキ

コナン(何でこんな平然としてんだ?トイレの件より俺は余程恥ずかしいと思うけどな......)

灰原(何だか私変なスイッチ入っちゃったのかしら。恥じらいながら頑張ろうとりあえずする工藤君が可愛くて仕方無いわ)クスッ

コナン「じゃ、やるぞ」

灰原「お願いね」

コナン(人のズボン......パンツまで脱がせる日が来るとはな......。しかも、灰原の)ドキドキ

灰原(あの工藤君のこんな姿を見られるなんて......)

灰原(ああ、やっぱり私この状況を喜んでしまってるのね。最低ね......)

>>67訂正

頑張ろうとりあえずする→とりあえず頑張ろうとする

コナン「よっと......」グッ

灰原「んっ」ビクッ

コナン「え?痛かったか?」

灰原「いえ、大丈夫」

コナン「そ、そっか」

灰原(いざとなるとやっぱり身体が緊張してしまう、それはそうよね。男性に服を......。下着を脱がされるんだから)

コナン(触って分かる......。体が熱いし汗ばんでる。やっぱり灰原も恥ずかしいんだな、顔に出してないだけで)ドキドキ

灰原「ねぇ、少し急いでくれる?」

コナン「え?」

灰原「......時間かかると、恥ずかしいの。やっぱり」

コナン「わ、分かった......」スルッ

コナン(クソ、あんな言い方反則だろ!てか下着が汗でなかなか滑らねぇ、焦るっ)グッ

灰原(身体が痺れてきた......。興奮し過ぎて......。少し調子に乗りすぎたかしら......)

コナン「......っし、終わった」ドキドキ

コナン(っ、信じらんねぇ光景だ。目の前にぜ、全裸の灰原がいる......)

灰原「......ありがとう。じゃあ、あなたのも」

コナン「良い!俺のは自分で何とかすっから!灰原は負担にならない様に位置取り頼む!」

灰原「でも......」

コナン「無理すんな、な!」

灰原「分かったわ......」

コナン(自分の服を脱ぐ事に集中しねーと、灰原の裸が目に入って......。あー!何でこんな......っ!クソ、目が勝手に灰原の方を見ちまう!恥ずかしがってる灰原を見ようとするなんて......。最低だ、俺は!)ドキドキ

灰原(工藤君、私を気遣って......。でも、見てくれて良いのよ......?)

灰原(こんな機会でも無いと、あなたに私を見てもらう事なんて出来ないんだから)

数分後。

コナン「な、何とか浴室まで来たな」

灰原「そうね」

コナン(人前で裸になるのがこれ程恥ずかしい事だとは思わなかった......。頭に血が昇って倒れそうだぜ......)

灰原(未だにこちらから顔を背けるのね。恥ずかしいの?それとも私なんて見たくない?)

灰原「......ねぇ」

コナン「ん?」

灰原「風邪引きたくないから、早く洗いましょう」

コナン「ああ、そうだな」

灰原「じゃあ、宜しくね」

コナン「へ?」

灰原「頭、洗って?」

コナン「え......」

灰原「ダメ?片手じゃやりにくいし。あなた側から洗って貰う方が楽だから」

コナン「え、あ、わ、分かった......」

コナン(でも、頭洗うんなら......。目瞑ってらんねーよな......)チラッ

灰原「......」

コナン(クソ、やっぱり......。ガキの身体でも灰原が裸で目の前にいる事実が......。とにかくさっさとやろう!湯船に入ればそこまで目につかないからな)ドキドキ

コナン「んじゃ、お湯かけるぞ」ドキドキ

灰原「ええ、お願い」

コナン「よっ......と」パシャッ

灰原「んっ」

コナン「あ、熱かったか?」

灰原「平気よ。大丈夫」

コナン「そっか、じゃ、じゃあもう少し」パシャッ

灰原「んっ......」

コナン(何なんだよその悩ましい声は......ん?)

フワッ......

コナン(濡れた髪からスゲー良い匂いがする......。女の子の髪ってこんな良い匂いだったのか?)ドキドキ

灰原「どうかした?」

コナン「な、何でもねーよ。シャンプーつけんぞ」

灰原「ええ、お願い」

コナン「よっと......」ワシャワシャ

灰原「あっ」ビクッ

コナン「え?」

灰原「ごめんなさい、くすぐったくて」

コナン「あ、ああ。ワリーな」

灰原(ホントはさっきから工藤君に触れられて......。反応しちゃう)

コナン(灰原の髪......。柔らかいな......。前風呂に入った時触った蘭のとはまた違う柔らかさだな......)

灰原(工藤君が私の頭に触れている......。こんなにしっかりと......)

コナン(スゲー柔らかな手触り、洗う度にする良い匂い......。ただ頭を洗ってるだけなのにやめらんねぇ......)ワシャワシャ

灰原「......?工藤君、シャンプーしないの?」

コナン「え、ああ。ワリー」

コナン(シャンプーしたら髪の匂いが......。いや、何考えてんだ。少しおかしくなってんのか?)

灰原(もしかして工藤君、私の頭を触るのに夢中に......?)ドキドキ

数分後。

コナン「よし、とりあえず......。終わったな」

灰原「ええ、ありがとう」

コナン「よし、じゃ湯船に......」

灰原「身体は?」

コナン「汗流すだけでガマンしろよ、な?」

灰原「イヤよ。せっかく入ったのに」

コナン「良いから、早く入って早く出よう」

コナン(これ以上入ってたら頭おかしくなりそうだからな......)

灰原「待ってってば。自分で洗うから。それなら良いんでしょ?」

コナン「あ、ああ。それなら......」

灰原(今更私に触れるのに恥ずかしがるのね。彼女なら出来るのに......。やれやれね)

順番まちがえましたー!
>>73から書き直します

コナン(とにかく、お湯をなじませて……)ワシャワシャ

灰原(工藤君が私の頭に触れている......。こんなにしっかりと......)

コナン(灰原の髪......。柔らかいな......。前風呂に入った時触った蘭のとはまた違う柔らかさだな。それに洗う度にする良い匂い......。ただ頭を洗ってるだけなのにやめらんねぇ......)

灰原「......?工藤君、シャンプーしないの?」

コナン「え、ああ。ワリー」

コナン(シャンプーしたら髪の匂いが......。いや、何考えてんだ。少しおかしくなってんのか?)

灰原(もしかして工藤君、私の頭を触るのに夢中に......?)ドキドキ

コナン「……もったいねーな」ボソッ

灰原「え?」

コナン「な、何でもねーよ。シャンプーつけんぞ」

灰原「ええ、お願い」

灰原(やっぱり、今のって……?)

コナン(まずかったかな、今の1人言……。とにかく洗わなきゃ)

コナン「よっと......」ワシャワシャ

灰原「あっ」ビクッ

コナン「え?」

灰原「ごめんなさい、くすぐったくて」

コナン「あ、ああ。ワリーな」

灰原(ホントはさっきから工藤君に触れられて......。反応しちゃう。でもガマンしなきゃ) ドキドキ

数分後。

コナン「よし、とりあえず......。終わったな」

灰原「ええ、ありがとう」

コナン「よし、じゃ湯船に......」

灰原「身体は?」

コナン「汗流すだけでガマンしろよ、な?」

灰原「イヤよ。せっかく入ったのに」

コナン「良いから、早く入って早く出よう」

コナン(これ以上入ってたら頭おかしくなりそうだからな......)

灰原「待ってってば。自分で洗うから。それなら良いんでしょ?」

コナン「あ、ああ。それなら......」

灰原(今更私に触れるのに恥ずかしがるのね。彼女なら出来るのに......。やれやれね)

順番を間違えておかしくなったので書き直しました。
>>72から>>78に飛んで読んでください。

申し訳ありません。

灰原「じゃあ、洗うから。工藤君、石鹸取って?」

コナン「あ、ああ。えっと......。あれか?」グッ

灰原「ちょっ、引っ張ったら......っ」

ツルッ

灰原「きゃあっ?!」

コナン「えっ?!」

ドサッ

コナン「ってぇ......。大丈夫か?はい......ばら......?」ドキッ

灰原「うっ......。何とか......」

コナン「そ、そっか。良かった......」

灰原「ええ、そう......ね......?!」ドキッ

コナン(は、灰原と完全に触れあっちまってる......)ドキドキ

灰原(わ、私今......。工藤君と裸で密着してる......!?)ドキドキ

コナン(は、離れねーと......。でも......濡れた肌がくっついて......)ドキドキ

灰原(か、身体が......。ショックで上手く動かない......。離れなきゃダメなのに......)ドキドキ

灰原「ご、ごめんなさい......。わ、私身体が......」ドキドキ

コナン「い、いや良いよ。焦ってまた転んだら困るから」ドキドキ

灰原(早く動かなきゃ......。でも動けない......!いや、私......。動きたくないの?)ドキドキ

コナン(ち、ちきしょう......。ヤベ、こんな状態じゃ......。しっかりしろ!理性保て!)ドキドキ

灰原(......直に伝わる工藤君の熱が。濡れた肌の感触が......。かかる息が......。ダメ、私の中で......衝動が......)ドキドキ

コナン(頭......。近ぇ......。また良い匂いが......。ダメ、だ......!)

ギュッ

灰原「えっ......?」ドキッ

コナン「......」ドキドキ

灰原「ちょ、工藤君......?」ドキドキ

コナン「......文句は後で聞く。でも今は勘弁してくれ。こうでもしなきゃ、理性が」ドキドキ

灰原「えっ......」ドキッ

コナン(ヤベ、紛らわすつもりで抱き寄せたけど......。余計に......。胸がくっついて......)ドキドキ

灰原(凄い胸の高鳴りを感じる......。工藤君が私に......。私で......)ドキドキ

コナン「ゴ、ゴメンな。落ちつくまでちょっと待ってくれ......。嫌だろうけど......」

灰原「......イヤじゃ、無い」

コナン「え」

灰原「イヤじゃ、無い......。まだ離れなくて良い......」

コナン「な、何言ってんだよ?!」

灰原「聞こえなかった?イヤじゃ無いって言ってるの」

コナン「どう言う意味だよ?!」

灰原「女が裸で抱きつかれてイヤじゃ無いって言ってるんだから、意味分からない?」

コナン「え......」ドキッ

灰原「ホント、何にも分かってないのね。感心しちゃうわ。逆にね」ハァ

コナン「それって......」

灰原「言わなきゃ分からない?それとも言わせたい?」

コナン「......いや、良い。でも」

灰原「分かってるわ。だから何も言わなくて良い。もう少しこうしていてくれたら」

コナン「......灰原、俺」

灰原「良いから。何か言われたら余計に惨めになるわ」

コナン「......」

灰原(......余計な事を言わなければ良かった。彼を困らせるだけなのに。つい口に出てしまった)

コナン(......俺の解釈、間違って無いよな。つまり灰原は俺の事を)

コナン(ウソ、だろ?いつから?何で?あの灰原が?)

コナン(いやいや落ち着け!灰原もきっとこの状況に酔ってるんだ、混乱してるんだ!)

コナン(落ち着かせて離れなきゃ、そうだ、それが良い。そうしよう!)

コナン「な、なあ灰原」

灰原「何?」クイッ

コナン「!!!」ドキッ

コナン(カオ、近ぇ!こんな目の前に......!)

灰原「ねぇ、何?」マジマジ

コナン(そんな眼で見んな!クソ、意外と可愛いなコイツって何言ってんだ俺て言うか頭近いからまた良い匂いが......。頭が......)

灰原「......工藤君?」

コナン「......灰原」スッ

灰原「え?」ドキッ

灰原(工藤君、カオ近付けて来てる?ウソ、ウソでしょ?)ドキドキ

コナン(やめろやめろやめろ!俺には蘭が......。でも、止まらねぇ!)ドキドキ

灰原(まさか、工藤君?!ダ、ダメよ!で、でも工藤君が私に......。キスを......?工藤君が、工藤君が......)ドキドキ

コナン(目の前に......。灰原の唇が......。クソ、もうどうにでもなれ!)ドキドキ

灰原(ああ、工藤君がこんなに近く......。もうダメ、欲求に逆らえない......!)ドキドキ

チュッ......

コナン「......!!」

灰原「......!!」

コナン(し、しちまった......。遂に......。何て事を...... )ドキドキ

灰原(こ、これは現実なの?工藤君と私の唇が......。重なって......)ドキドキ

コナン(退けなくちゃ。で、でも......。灰原の唇......。何て柔らかなんだ......)ドキドキ

灰原(身体に......。全身に感じた事の無い感覚が......。ただ唇が触れ合うのが、こんなに気持ち良いなんて)ドキドキ

コナン(クソ、最低だ俺......。気持ち良くて離れらんねぇ......)ドキドキ

灰原(離れなきゃ、いけないのに。離れたくない......!離したくない......!!)ドキドキ

コナン(ど、うしたら良いんだ......?も、何も考えられね......)ドキドキ

灰原(どうなるの?これから......?もう、どうなっても......!!)ドキドキ

コンコン

コナン「!!」

灰原「!!」

阿笠「おーい、さっき大きな音がしたが大丈夫かの?」

コナン「......っ、だ、大丈夫だよ!転んだだけだ!」パッ

灰原(あ、唇が......)

阿笠「転んだ?2人とも怪我は?」

コナン「だ、だ、大丈夫だ!すぐ出っから!」

阿笠「分かった、気を付けてな」スタスタ

コナン「ふぅ......」ドキドキ

灰原「......軽く湯船に浸かって出ましょうか」

コナン「そ、そう......だな」

灰原(ああ、終わってしまった......。もう2度とは無い時間が)

コナン(博士が来て良かったのか......?残念がってんのか?俺......。あのままだったら、どう、してたんだろ。俺は......)

数十分後。

阿笠「......2人とも、どうしたんじゃ?」

コナン「な、何でもないさ」

灰原「ええ。何でもないわ」

コナン(あれから眼も合わせらんねぇ。何て謝ったら良いんだ......)

灰原(......なんて考えてるのかしらね。謝る必要なんて無いのに)

阿笠「まあとにかく今日は休んだらどうじゃ。無事着替えも出来たみたいじゃし」

コナン「ああ、そうするよ」

灰原「そうね、疲れたわ......」

阿笠「ワシはもう少し頑張って見るわい。責任は果たさねばならんからな」

コナン「すまねぇ、博士。頼む。嫌じゃねーけど不便だからよ、やっぱ」

阿笠「へ?」

灰原「え」

コナン「ん?」

阿笠「嫌じゃ、無い?とな?」

コナン「!!!?」

灰原「工藤君......?」カーッ

コナン「な、何でもねー!博士、頼むわ!」カーッ

灰原「お、おやすみなさい、博士」

阿笠「う、うむ......」

コナン(俺は何を口走って......。こんなのがまだ続いたらおかしくなるぜ......)

灰原(工藤君......)

阿笠「......深く触れん方が良さげじゃな」

寝室。

コナン「良し、もう寝よ」

灰原「あら、一緒にかよ?とか言わないの?」

コナン「流石にもう動じねぇよ。今更......。寝るだけなのに」

灰原「それもそうね、早く休みましょう」

コナン「ああ......」

コナン(やれやれ、やっと落ち着けるか......。ハラハラしっぱなしの1日だったな)

灰原「......」

しばし後。

コナン「......」

灰原「......」

コナン(......寝れねぇ。繋がった腕が気になって。これだけで人間こんなに眠れねーもんなんだな)チラッ

灰原「......」

コナン(灰原は寝てんのか?良く寝れるな......。俺なんてさっきのが気になって余計眠れねーのに......)

コナン「図太いのか、疲れたのか......」

灰原「図太くて、悪かったわね」

コナン「何だ、起きてたのか」

灰原「腕が気になって寝れないわよ。隣り合わせで上手く寝返りも打てないし」

コナン「だよ、なぁ......」ハァ

コナン(何だか、灰原が起きてるとなると余計ドキドキして寝れなくなって来ちまったな)ドキドキ

コナン(そうだ、さっきの謝らなくちゃ)

コナン「あ、あのさ」

灰原「お風呂の件なら謝らなくて良いわよ」

コナン「良く分かったな」ドキッ

灰原「どうせそうだと思ったわ。別に気にしてないから」

コナン「いや、でもさ」

灰原「私が嫌がってるのを無理矢理したなら問題だけど、そうじゃないのだから気にする必要は無いと思うけど」

コナン「え」ドキッ

灰原「それより、この体勢は寝にくいわ」

コナン「へ?」

灰原「だから、繋がった腕を下にして......。こうやってもう片方で抱き寄せて」ゴロン

コナン「いっ?!」ドキッ

灰原「この方が楽だわ。これで寝ましょう」

コナン「この体勢の方が寝にくい気がしますが......」ドキドキ

灰原「そう?私は楽よ?」

コナン「そ、そっか?」ドキドキ

コナン(いやいや、カオ近ぇよ。真っ正面だよ。つーかこの寝方完全にアウトだろ......ん?)

フッ......

コナン(っ、寝息が......。良い匂いだな......。つーか灰原ってホント良い匂いすんな......)クンクン

灰原「......どうしたの?」

コナン「え?」

灰原「鼻、ヒクヒクさせて。私、汗臭い?」

コナン「違う!ゴメン違う!何でも無い、何でも無いから!」

コナン(あーもうこれじゃマジで変態じゃねーかよ!?人の匂い嗅いで変な気分になるなんてよ......)ハァ

灰原「......ねぇ」

コナン「ん?」

灰原「ひょっとして、私の匂い嗅いで興奮してた?」

コナン「え?!」ドキッ

灰原「してたでしょ?」

コナン「バ、バーロ!んな訳......」

灰原「無いの?」

コナン「......る」

灰原「何?」

コナン「あ......る......」

灰原「なら最初から言えば良いのに」

コナン「言える訳ねーだろ?!そんな事」

灰原「好きでも無い女の匂いで興奮する俺なんてサイテーだーって事?」

コナン「え......」

灰原「彼女のなら、別にそう思わないんでしょ?罪悪感があるならそれはそう言う事でしょ?」

コナン「......ゴメン」

灰原「謝る必要無いってば。で?罪悪感を感じてやめるのと匂いを嗅いでるの、名探偵さんはどっちを強く望むのかしら?」

コナン「?!」

灰原「ねぇ、どっち?」

コナン「何を......?!」

灰原「聞いたままよ?どっちが良いの?」

コナン「バーロ!そんなの......」

灰原「やめる?形式的に」

コナン「?!」

灰原「良いじゃない?好きでも無い女に興奮したって。こんな状況なんだし」

コナン「灰原......?何言って......?」

コナン(こんな妖しい顔付きの灰原は初めて見た......)

灰原「手錠が外れてからの事は外れてから考えたら良いじゃない?こんな状況なんだし、誰もあなたを咎めないわよ」クスッ

コナン「お、俺は......」

コナン(クソ、やめろ!そんな事言われたら)

灰原「もう1度だけ聞くわ。あなたはどうしたい?」

コナン「お、俺は......灰原の......」

コナン「匂い......。か、嗅ぎたい......」ドクン

コナン「!!」ハッ

灰原「そう。ならどうぞ」クスッ

コナン「い、いや違う。俺はそんな」

コナン(そうだよ、俺はそんな事言うつもりは)

灰原「どちらでもお好きにしたら良いわ。口でどう言おうと、その後の行動が全てだし」

コナン「一体、オメーは何が望みなんだ?こんな......」

灰原「私?今更恥ずかしがっても仕方無いし。この特殊な状況を楽しもうとしてるだけ」

コナン「......楽しむ?」

灰原「そう、あなたも楽しんだら?」

コナン「う......あ......」ドクン

灰原「で?どうする?」クスッ

コナン「......」

灰原「答えが出ないなら、元の位地に戻りましょうか」

コナン「待った」

灰原「何?」

コナン「こ、このままで居てくれ」

灰原「どうして?」

コナン「この体勢が良いんだ......。近いから」

灰原「近いとどうなの?」クスッ

コナン「っ、匂い......すっから」

灰原「聞こえないわ」

コナン「ぐっ......。オメーの匂いを嗅ぎたいんだよ、ダメか?!」

灰原「ふふ、良いわよ。どーぞ」

コナン「じゃ、じゃあ......」クンクン

コナン(どう考えても異常な事なのに、やめられねぇ......。理性を越える欲に突き動かされる!)

灰原「......で?感想は?」

コナン「......良い、匂いだ。スゲー良い匂い」

灰原「そう。良かったわね」クスッ

コナン(何で笑ってんだよ、灰原?こんな事してんのに......?)

灰原(ダメ、何だか......。タガが外れちゃったみたい。お風呂のキスで)

灰原(せっかく工藤君が側にいて......。しかも良い具合に混乱してるんだもの。せめて手錠が繋がってる間位、思う存分振り回させてもらうわ)クスッ

コナン「な、なあ灰原。何で笑ってんだ?」

灰原「?」

コナン「こんな事されて......。気持ち悪くねーのか?」

灰原「全然?愉しいわ」クスッ

コナン「愉しい?」

灰原「あなたを見てるのが愉しいわ。とっても」クスッ

コナン(っ、何だよその笑顔......)ギュッ

灰原「工藤君?」

コナン「オメーが悪いんだぜ、そんなカオしやがって......」チュッ

灰原「!!」

灰原「......」ニコッ

コナン(うっとりした表情しやがって......。余計たまらなくなっちまう......)ドキドキ

灰原「......ふぅ。不意打ちね」

コナン「仕方ねーだろ?あんなカオされたら」

灰原「キスしたくなった?彼女じゃないのに」

コナン「う......」

灰原「どう?欲望のまましたキスって?気持ち良かった?」

コナン「やめてくれよ、その責める様な言い方......」

灰原「責める?違うわ。感想を聞いてるだけ」

コナン「気持ち良かったよ......。凄く」

灰原「そ、良かったわね。まだしたい?」

コナン「え?」

灰原「まだキスしたい?」

コナン「そんな、事」

灰原「言い方を変えましょうか?今抱いてる欲求を私にぶつけたい?」

コナン「欲求......」ゴクッ

灰原「まあ、こんな身体だから出来る事は限られるけどね。でもあなたが望む事、私にぶつけても良いわよ」クスッ

コナン「したい事......」

灰原「やるかやらないかは別にして、口に出して言ってみて?あなたは何をしたい?」クスッ

コナン「お、俺は......」

コナン(何なんだよ、これ......。で、でも口に出して言うくらいなら......)

コナン「俺は......。灰原に......。キ、キスしたい」

灰原「それだけ?」

コナン「な、何をしたら良いかわかんねーんだけど......。このモヤモヤを灰原にぶつけたい......」ドクン

灰原「そう......。嬉しいわ」

コナン「え?」

灰原「あなたが私にそんな事言ってくれるなんて......。嬉しいわ」ウルッ

コナン「な、何で泣くんだよ」ドキッ

灰原「だって、欲望から出た言葉だとしても嬉しい。だって私」

灰原「あなたが......」ウルッ

コナン(灰原......。オメー、そこまで俺を......?)

灰原「ごめんなさい、工藤君。こんな所見せて」ウルッ

コナン(灰原......灰原......)

コナン「灰原っ!」チュッ

灰原「!!」

コナン(もう後先なんて知るか!!目の前のコイツが......。可愛すぎてたまらねーよ!!)

灰原(......ウソ泣きを酷評する割りには、簡単に引っ掛かるのね。工藤君)

灰原(まあ、そこがあなたの可愛い所だけどね)

コナン(灰原......灰原......っ!)ギュッ

灰原(工藤君が私をこんなに強く抱きしめてくれてる.....。幸せ......。仮初めでも......)

灰原(......やっぱり、無理。歪んだ形で溢れたこの気持ちは止められそうに無い)

灰原(この手が工藤君を繋いでいる内に、彼を......。彼の心を......)

別室。

阿笠「......さて。いよいよじゃな。どうなる事やら」

阿笠「後は神のみぞ知る、じゃの」

阿笠「ワシはきっと許されないが......。この結果が分かるまでは神様にも見逃して貰いたい」

阿笠「これが......。最初で最後のチャンスじゃよ。哀君」

阿笠「くれぐれも、悪い道に行くんじゃ無いぞい......」

つづく

予想より長くなってしまったので別スレで続き立てます

こちらはしばらく残します
夜に続き立てる予定です

とりあえずここまで見ていただいた方、ありがとうございました

皆様ありがとうございます、以前書いてた時に100越えたら見辛いから分けて欲しいと結構言われた事がありまして......

それでは、後程このスレで再開します
ご迷惑をお掛けして申し訳ありません

このスレでいいよ
スレタイ的に特殊電子錠の件が解決した後の続きを書くなら別スレ立てるのもありかな、って程度

>>112
ありがとうございます、そうします

翌朝。

コナン「ん......」パチッ

コナン「ん?ここは......」キョロキョロ

コナン「そっか、俺博士の家に......。って事は」チラッ

灰原「......」

コナン「やっぱりな......。腕にも」ガチャッ

コナン「ついてるよなあ、手錠」ハァ

コナン「て、事は昨日の夜の事は夢じゃねーんだな......。灰原に......」

コナン「クソッ、俺なんて事......」

灰原「ん......」

コナン「あ......」

灰原「おはよう、工藤君」

コナン「あ、ああ。ワリーな。起こしちまったか?」

灰原「目が覚めただけよ。あなたのせいじゃ無いわ」チュッ

コナン「なっ?!」ドキッ

灰原「何驚いてるの?」

コナン「いや、だっていきなり」

灰原「昨晩あれほどしたじゃない?今更恥ずかしがってもね」クスッ

コナン「そ、それはそうかも知れねーけど......」

コナン(確かに......。興奮に負けて先にキスしたのは俺だし......。けど)

コナン「なあ灰原......」

灰原「お腹空いたわね」

コナン「え?」

灰原「空いて無いの?」

コナン「空いたけど......」

灰原「じゃあご飯食べましょ。この手でもトースト焼く事位出来るわ」

コナン「ああ。そりゃそうだけど」

灰原「じゃあ行きましょ?」チュッ

コナン「っ?!な、何でいちいち......?!」ドキッ

灰原「イヤ?」

コナン「え?イヤじゃねーけど......。そう言う問題化じゃなくて」

灰原「じゃあ良いじゃない。欧米風の挨拶と変わらないわよ」クスッ

コナン「そ、そう......かな?」

灰原「そうよ。行きましょ?タイミング合わせてね。また転ぶのはイヤよ」

コナン「あ、ああ」

コナン(何でこんな平然としてんだ......?あれは......やっぱり夢?いや、それじゃさっきキスされたのが説明つかねぇ......?どうなってんだ?)

灰原(平然としてる様に見えるなら、大きな間違いよ。工藤君)

灰原(私は今......。必死なのよ。あんな痴態を晒してしまった以上、もう進むしか無いんだもの)

灰原(こんな状況に追い込んだ博士を怨むと同時に感謝したいとも思うわ)

灰原(......こんな自分が中に潜んでいたとは全く気付かなかったけどね。浅ましく卑しい)

灰原(でも浅ましく卑しいとしても......。気付いてしまったのよ。私は工藤君を......)

食堂。

コナン「ふぅ......」

灰原「歩くだけでそんなに疲れたの?」

コナン「いや......。何かだるくてさ」

灰原「あれだけぐっすり寝てたのに?」

コナン「え、そうなのか?」

灰原「ええ。ものの見事に。子供そのものの寝顔で」

コナン「いつ寝たんだろ......。覚えてねぇ......」ポリポリ

灰原「そんな後じゃないわ。あなたが興奮して私に......」

コナン「!!?」ビクッ

灰原「んん。まあ、疲れたのは何となく分かるわ。どうしても不自然な体勢で寝てるものね」

コナン「あ、そだな......。なぁ、やっぱり昨日」

灰原「昨日、何?」

コナン「いや、俺オメーに......キスしたよな?」ドキドキ

灰原「さっきも言ったじゃない?そんなに記憶から消したいの?それとも惚けて無かった事にしたいの?」

コナン「いや、分かってんだけどさ......。いまいちあれが現実だったのか曖昧でさ」

灰原「そう。でも心配しなくても、それを知っているのはあなたと私の唇だけよ。他の人には分かりはしないわ」クスッ

コナン「エロい言い方すんなよ......」ドキドキ

灰原「あら?そのエロい事をしたのはあなたよ?」クスッ

コナン「ぐっ......」

灰原「まあ、とにかく安心なさい。吹聴したりしないから。私にも不都合がありそうだしね」

コナン「......」

灰原(あれを夢にされたらたまらない。夢で終わらされたら困るわ。私の中に火を着けておいて......)

灰原(夢だったよね、なんて逃げ道は許さないわ)

コナン(責任逃れをするつもりは無かったんだが......。怒らせちまったかな......。だってよ)

コナン(あれが......。あんな興奮と快感が現実なんて信じられなかったんだよ)

コナン(......いずれにしろ最低か。俺は)ハァ

阿笠「やあ2人とも、おはよう」

コナン「っ!?お、おはよう」

阿笠「何じゃ、そんなに驚く事無いじゃろ?」

コナン「あ、ワリー。考え事してて」

コナン(灰原の件で頭いっぱいだったぜ......)

灰原「おはよう博士」

阿笠「哀君、おはよう。調子はその......。どうかね?」

灰原「悪くないわ。寧ろ良いかも」

コナン「っ......」

コナン(クソ、妙に平然としてっから却ってドキドキしちまうぜ)ドキドキ

阿笠「そ、そうか。なら良かったわい。哀君、悪いんじゃが進捗はまだ、その」

灰原「......進捗?」

阿笠「手錠のじゃよ。やはり3日では無理が」

コナン「い?!マジかよ博士!そこを何とかしてくれよ!でねーと灰原だって」

灰原「構わないわ」

コナン「は?」

灰原「焦らなくても構わない、と言ったのよ。聞こえなかった?」

コナン「な、昨日はあんなに早く離れたいって」

灰原「そうは言っても、無理なら急かしても仕方無いじゃない?出来ないのは出来ないで諦めるしかないわ。寧ろ焦って余計酷い目に合うのが心配よ」

コナン「そりゃ、そうだけど」

灰原「なら、構わないわね?急がなくても」

コナン「い、いや」

コナン(バーロ、こんな日が3日以上続いたら......)

灰原「出来るのよ?」ボソッ

コナン「は?な、何?」ビクッ

灰原「だから、出来るのよ?」ボソッ

コナン「出来るって......。き、昨日のアレかよ?」

灰原「さぁ?どうかしら。ただ、昨日のだとして、後1週間程出来る日が増える事にはなるわね。したいなら」クスッ

コナン「オメー、自分が何言ってるか分かって」

灰原「じゃあ、したくないのね?」

コナン「っ?!」

灰原「こうしてくっついていても、昨日の様な事はせず黙っていれば良いと言う事ね?」

コナン「......いや、それは」

灰原「じゃあ、観念しなさい。どの道開発者が無理だと言う以上は無理なのだから」

コナン「......」

灰原「それに、1つイイコトを気付かせてあげる」

コナン「は?」

灰原「こうなった以上、別に夜だけじゃなくて良いのよ」

コナン「な、何が?」

灰原「私を......好きにするのは」ボソッ

コナン「!!」ドクンッ

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