男「スラム街のドライバー...ねぇ...」 (61)

少し未来の話。

自動運転の車が蔓延る世界。

完全な車の出現とともに、完全な道路交通網が地球を包んだ。

完全な交通整備、完全なセキュリティ、完全な事故対応

何もかもが完璧な交通システムに人々は歓喜し、安堵していた。

「その日」が来るまでは。


(車だけに)ボソッ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1432193645

まえがき

初投稿初SSです

車の知識が(ほぼ)ないまま勢いでやっちゃったんで

マニアさんから見ておかしいと思っても許してください


男「はい、まいどあり……っと」

筋肉(以下肉「いやぁいつも助かってるよおめーンとこには!ほれ!選別だ!もらっとけ!」

男「は、はぁ……」つエロ本


ここは、薄暗いスラム街。

交通網の配備によって貧民となった者

強力なセキュリティによって追い出された者

加速する世界についていけなくなってしまった者たちの墓場


男「はい、まいどあり……っと」

筋肉(以下肉「いやぁいつも助かってるよおめーンとこには!ほれ!選別だ!もらっとけ!」

男「は、はぁ……」つエロ本


ここは、薄暗いスラム街。

交通網の配備によって貧民となった者

強力なセキュリティによって追い出された者

加速する世界についていけなくなってしまった者たちの墓場

さっそく連投してもうた・・・


肉「それにしてもなんつーかなぁ……お前もデカくなったよなぁ!おい!」ワシャワシャ

男「ちょ、やめろって!」

肉「ちょぉ~っと前までピーピー泣きながら車そこらじゅうにぶつけてよ!そいつが
今やこの町一番のアントだなんてよぉ!!」


アント。日本語で蟻。

スラムに交通網はない

しかし彼らにも物資は必要である

そこに旧式の乗用車で配達、輸送をする者たちが現れた。

薄暗い街を駆ける運び屋になぞらえ、彼らは自らを「アント」と名乗った

男「うるせぇ!昔の話はいいだろ!」

肉「おうおう威勢がいいのも変わっちゃいねぇな!ハッハッハ!」

男「ったく……俺ぁ次ンとこ行くからな!」ブロロロロロロ

肉「おうよ!また頼むぜ!」


男「ふーんふふーふふーふふーんふーん♪ふーんふふーふーふーん♪」※線路は続くよ

バックミラー「ブロロロロロ」

男「ん?同業者か?にしては徐行すぎるな…」

バックミラー「ブロッ」

男(止まった……?)

見られてないけど書くぞ


バックミラー「ブロロロンッ!!ブロロロンッ!!ブロロロロロロロ!!!!」

男(急発進!?こっちに向かってる!?)

男「うおおおお!!!くそおおおお!!!」ブロロロロロロロロ

不審車「ブロロロロロロ!!!!」

男「なんなんだよ一体!この時代に覆パトとかまだいやがんのかよ!!」

不審車「ブロロロロ!!!!」

男(いや違う!!パトランプどころかナンバーさえねぇ!完全に同業者だ!!)

男「ケッ!どっちだろうと関係ねぇ!撒く!!!」キキキキキ

不審車「ブロロ!?」

男(へっ!路地に入っちまえばこっちのもんよ!)カタリンソウコウ

不審車「ブロロ・・・」バックバック

男(ふぅ……こんな狭い路地、俺ぐらいしか入れねえだろ……)

男(しかしどーゆうわけだ?俺を見つけるなりいきなり追ってきやがって…)

男(ま、そろそろどっか行ったろ。外に出さなきゃな…)ブロロロ

男「ん?エンジン音?…まさか」ブロロロロン!!!

不審者「ブロロロロン!!」カタリンソウコウ

男「!?こいつもできんのかよ!?くっそ!!!」ブロロロロ

ガンッ!!ガンッ!!

男(ちぃっ!!マシンの性能じゃこっちが不利か!!)ミチニデター

男「だったら!!!」ドリフトー

男(タイミングを合わせて…!!)180°ドリフトー

男「ひっくり返んな!!」リアバンパーアタック!!

不審車「ブロッ」

男(止まった!?)スカー

不審車「ブロロロン!!」ミチニデター

男「ちっ!!立て直して…ああクソッ!!」フロントドーン

不審車「ブロブロブロ」フロントオサエター

男「あーもー……はいはい、負けましたー。降参降参」テブラブラー

不審車「ガチャ」

不審者「」スタスタスタ

男(不審車から不審者が…)

不審者「」コンコンコン

男「はいはい、なんでしょうか」アキラメ

不審者『お前が、この町、の、「アント」、か?』

男(この声…サイボーグ?)「あーはい。そうですよー」マケターカナシイー

不審者『ならば、依頼が、ある。この、スーツケースを、都市部の、タワーに、届けて、欲しい』

男(都市部か…結構遠いな…)「ええはい。わかりました。で報酬は?」

不審者『その、スーツケースの、中身、だ。あとは、頼んだ、ぞ。』スタスタガチャブロロ

男「えっあのっ……行っちまった……」

男(依頼だったら手紙とかよこせよ…)

男「ハァ……次は整備士のおっちゃんか……」

続く

整備士「デカk(ry」

男「やめr(ry」

整「んで、おめぇどうしてそんな落ち込んでんだよ?女に振られたか?」カチャカチャ

男「いやまぁその………そんな感じだ。」ズーン

整「ハッハ!んでもってキレて暴走運転ってか!」ガチャン

男「ああうん………そうだ。そう。」ズーン

整「…………………」カチャカチャ

男「………………」

整「…………………」カチカチカチ

男「………………」

うわあ米もらえた超絶嬉しい


整「…………………ハッ!」ガチョン

男「?」

整「女の話、ウソだろ?」

男「ビクッ」

整「おめーが女でそこまで落ち込むなんざ、ありえねぇ話だからな」

男「…………」

整「ま、この町にかわいい子なんていねぇしなwwwwww」

男「…………」

整「……コイツ見りゃわかんだよ。お前、カーチェイスか何かで負けたろ?」

男「……やっぱばれちまったか」

整「ああ。一目瞭然だ。いつもの路地を通った傷、タイヤの著しい損傷、極めつけはフロントの剥がれた塗装。

お前……相撲でもしたのか?」

男「最終的にそうなっただけだ」

整「ふぅ。だいたい終わったぜ。とりあえず走れるレベルにな」

男「ああ、いつもすまない。」

整「いいってことよ!パーツも配達してくれたことだし、サービスも込めて今度細かく修理してやるよ」

男「本当か!?それはありがたい!」ガチャ

整「しかしよ、お前の愛車も親子三代で使ってるわけだし、あんまり無茶な運転はするなよ?」

男「ああ、もっと早く撒けるよう精進するよ。じゃな!」ブオーンブロロロロ

整「……ったく、親子そろって車バカだなほんと。」ヤレヤレ


TV「……それでは次のニュースです。首都のターミナルにて現在10㎞もの渋滞が発生しています。

これは新規交通網が配備されてから初の渋滞であり、政府の対応は……」

≫16逆に気なるし放置

初カキコなもんでですいません

これでだいじょぶかな

男「まいどー」ブロロロロ

女「いつもありがとねー」フリフリ

男「ふぅー……」

男(よし、今日の配達は全部終わったな。にしても……)

男(ミョーなもん預かっちまったなぁ……)チラッチラッ

男(配達期限も宛先も教えられなかったしな…それよりも)イエツイター

男(こいつはどんな物で、何に使うんだ?)スーツケースツンツン

男(無駄に重いし……)グググググ

男(開け……たくはないな)

男「こんな時…親父やじーちゃんはどうしたかな……」ネソベリー

男(考えても仕方ないか……寝よ)スリーピーン

男「zzzz……」

スーツケース「…………………ふふ」

少年「うーん……」

爺「男ぉ!朝だぞ!俺とドライブしに行かんか!?」

少年「マダネムイ・・・・・」

爺「むっ…孫の寝顔もみていたいが…」グヌヌ

爺「俺のドライビングテクニックも見てほしいんじゃぁぁあああ!!!!」コショコショコショ

少年「キャアーーーーハハハハハ!!!ジージヤメテー!」

爺「起きるまでやめんぞ!このこの!」グリグリ

父「じーちゃんやめてあげてよ」

母「朝ごはん冷めちゃうわよ」

少年「フヒ・・・フヒ・・・」グッタリ


爺「行くぞ!!バレルロール!!」グルグルグルダーン!!
https://www.youtube.com/watch?v=c5IReDAwAWM
少年「おおおー」


父「次のコーナーを……ここで左ハンドル!」

少年「はんどる!!」

父「そして右ハンドルで調整!アクセル全開!!!」

少年「ぜんかぁい!!」


父「んじゃ、僕はじーちゃんと配達してくるよ」

爺「男!ちゃんとママを守るんだぞ!」

少年「うん!!」



ザーーーーーーーーーーーー

少年「…………」

ザーーーーーーーーーーーー

少年「…………」

ザーーーーーーーーーーーー


男「ぁぁああああ!!」



男「ッハァッ!ハァッ…ハァッ…」

男「今……何か思い出せそうで……あれ?どっかいっちまった」

男「…………」

男「今夜は満月かぁ……」

チラ

スーツケース「・・・・・・・・・」

男「……朝一番で配達しよう」

今更だけど車のイメージ



今日は亀るよ(´・ω・`)

チュンチュン

男「ふあ……あ"ー……」パキポキペキ

男「朝だなー…」

男「…」チラ

スーツケース「・・・・・・・・」ナニモシテナイッスヨ

男(そうだ、今の物資じゃ都市部までもたねぇ)

男(かといって冷蔵庫にも食料ないしなぁ)

男(あ、食料はスラムを転々としていけば足りるか)ピコーン

男(だとしたら残るはマシンの修繕……)チラ

メーター「チョットキビシイッス」

男(充電もか……)

男(そういや昨日おっちゃんが直してくれるって言ってたな)

男(そうしてもらおう)

男「行くかぁー」ブロロロロロロ

~~~~整備士のガレージ~~~

男「おーい!おっちゃんー!!起きてるかー!?」

男「…………」

男「おー「なんだよ」ガラッ

男「おぉ!?車の下!?……いつもそこで寝てんの?」

整「いじってたら眠くなってな……で、何用だ?」

男「昨日言ってた修理やってくれよ!これから都市部行くんだ!」

整「都市部ぅ?あそこは自走車(自動操縦の車)だけの地域だろ?そいつで行けんの?」

男「細けえことはわからんがとにかくそっちに届ける荷物を預かってな」

整「ほー……なんか胡散臭いがとりあえず修理をしてやろう。こっちに車よこせ」

男「はいよ!」

~~~数時間後~~~

男「おーい終わったかー?」

整「ああ、今終わったとこだ。タイヤ、ブレーキ、サスペンション、ペダルの交換とオイル、充電も足しておいた。
新品同然だぜ?感謝しろよ?」

男「おっし!あんがとよおっさん!今度樽単位でビールおごってやるよ!」

整「ハッハ!無事に帰ってきたらな!」

男「おう!んじゃ!」ブロロ

整「ああちょっとまて」

男「あん?なにかあるのか?」キッ

整「えーと確かこの辺に……」ガサゴソ

整「お!あったあった。ほれ!」ポイ

男「おっと…で、なにこれ?木箱?」

整「困ったときはそいつを開けろ。助けになるかもしれん」

男「うひょ!ありがと!久々にナビ起動して……そいじゃ!」ブロロロロ

男「フンフンフフンフンフフンフフーン♪」※宇宙戦艦ヤマト

男「いやあ久々の地区外!やっぱ首都以外はなんもねぇなー♪」

男「青い空!白い雲!一面の荒野!そして地平線の先まで続く旧自動車道!」

男「入り組んだスラムもいいが、たまにはこうやってだーっとまっすぐ走るのも悪くねぇ!」

男「それに万全な状態で出る安心感!たまんねぇー!!!」クゥ~!!

男「さーてさてさて、次のスラムまでどんぐらいだ?」

ナビ「元のルートに戻ってください」ミチハズレー

男「お?なんだ?このナビ壊れてんの?」

男「んーでも目的地はあってるしなぁ」ピポパ

男「必殺!強制再起動!」テ→テ↑テ↓テン

男「お、治った治った」ミチゾイー

男「うーんそうだなー……」

男「あと2、3時間ぐらいで着く・・・ってとこか?」

男「景色と走行感は新鮮で楽しいものだが…」

男「お?お?また位置ズレしてるぞナビ君!しょぉーがないなぁー!」テ→テ↑テ↓テン

男「おー!また治った!イエス!」

男「ハッハッハッ……ハッ……ハッ……」

男「………………」

男「…………」チラ

ケース「………」シーン

男「ハッwwハッww暇だしレイディオでサンバな曲でも聞くか!!」ポチポチ

レイディオ「ドンジャカドンジャカwwwwwwwwww」

男「アードッコイショwwwwwwwwww」

ドンジャカドンジャカ
ジャカジャカジャカジャカ
ウェーイアーオイショwwww
ドンジャカドンジャカ
ウェーイ…
…………



世紀末トラックA「ドドドドドドドドド」

世紀末トラックB「ドドドドドドドドド」


寂しくても俺は書き続けるッッ!!!それで『自己満足』が満たされる限りッッッ!!!


男「ハァ………行けども行けども町は見えず……」

男「あるのは遥か彼方の高速道……」

男「向こうに行くには橋を渡らねばならず……」

男「その橋はスラムのさらに向こう……」

男「だんだん腹も減ってきたし……」グー

男「サンバは飽きた……」

男「………」

男「俺よりも運転うまいやつから依頼された薄気味悪いスーツケースの配達……」

男「仕事とはいえ退屈だ……」

男(自分で運べよ…)

男「ハァー……なんかすげえこと起きねぇかなー……」

男「なんかこう……『謎のドライバーとカーチェイス!』とかさ……」

男「ハハ……そんなこと起きるわけな……」チラ

サイドミラー「ヤベェトラック2ダイハイリマースwww」

男「」

男「なにこれ……」

サイドミラー「ギンギラヤデ」

男「カッコイイ……」

サイドミラー「ヤケドスンナヨ」

男「バイオレンスでアングリーな風貌……まさに世紀末……」

男「居場所を追い出された走り屋とトラック野郎たちの怒りと憎悪が込められたその風貌……」

男「彼らの走りで表現する魂は消えてなかったんだね……」ウルッ

男「不要とされてもなお消えぬ魂に敬礼ッ!」ビシィッ

男(はるか昔に絶滅した文化を生きた化石として2台も見れるなんて……光栄だなぁ……)

男「俺……アントやってて良かったよ……道譲ろ」ブロロガザザザ

男(少々荒れた道だが悔いはない……)

トラックAB「ガザザザザザ」

男(……え?なんであのお方たちは俺の後ろについてる?)クビカシゲー

男「車線を戻して……」ガザザザブロロ

トラックAB「ドドドドドドドドド」

男「あー……ついてねぇ……[ピーーー]気か……」

男「このままだとあの棘で串刺しか…それとも返しで吹き飛ばされるか…」

男「どうでもいいか……ま、退屈しないで済みそうだ……」

男(あの木箱……使うべきか……?)ダッシュボードパカー

男(………いや、俺一人の力で切り抜ける!)シメー

男「そっちがやる気なら……捕まえてみな!!」




男(振り向きドリフトからの……)キィーキキキ




男(遠心力で片輪走行!!)グィィッ!!




男(アクセル……全開ッッ!!!)ブォォォォオオオオン!!!!




男「抜けろぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!」グォォォォォ!!!



トラックAB「ドドドドドドド……」シューン


男(ぃよっし!!抜けたが…)「い"っ!?」


男(荷台にも武装が!?)ギラーン


男「クッソ!!避けろ!避けろ!避けろおおお!!!」シュンシュンシュン


男「ダハァッ!!……抜けた…完全に…」カタリンモドシー


男「ハァ…ハァ…ハァ…危なかった…」フリカエリドリフトー

男(あとは奴らが勝手にぶつかってくれりゃいいが…)


トラックA「ドドドドガザザザ」ヒダリセンカイー

トラックB「ドドドドガザザザ」ミギセンカイー


男「そんなわけないよな……」

男「ハッ!そんなの、旋回した隙間を駆け抜ければいいさ!」



男「フルスロットル!!!」グィーギギギ



男「まだ……まだ………」ギュルルルルルルル



男「もうすこし……!!」ギュィィィィィィ





男(見えた!!)「隙間ァァ!!!」ギュラララララララ






男「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええ!!!」ババババババ

トラックA「ガッコン」

トラックB「ガッタン」







男「!?」(まだあるのか!?)

男「抜けろ!!抜けろ抜けろ抜けろォ!!!」

荷台AB「ダーン!!」ドカンー

男(ハァ!?土管!?しかもなんでこっち側に転がれるんだよ!!)



荷台AB「パスパスパス」



男「うわっと!!」キィードカーン

男(爆弾!?どうなってやがんだよ!!そこまでして俺を葬りたいのかよ!!)


男「次から次へと…面倒くせェなこんちくしょうがァァァーーーーッッ!!!!」ドカーンドカーン



土管「ゴロゴロゴロ」パスパス



男「クソックソックソックソッたれェェェーーーーッッ!!!!」ドーンドーンドーン



土管「ゴロゴロゴロ」パスパスパス



男(隙間まであとすこし……すこし……少し……)




土管「ゴロゴロゴロ」パスパスパス

土管「ゴロゴロゴロ」パスパスパス






男(………これ……届かねぇ…)








男「……届かねぇ……」





男「…遠い…」




男「…遠いよ…」




男「…」




男「」







男車「──────────ッッ!!」





男「………ん……ぅ………」






男「…………ッ!?はっ!え!?あっ車は!?トラックは!?」フリムキー





トラックAB「ウゴケナイー」オウテン





男「………横転している……あのスピードで急旋回したから当然か……」


男「………!今のうちだ。逃げろ!」ブオーンブロロロロロ

男「………………」ブロロロロ



男「………………」ブロッブロロロロ



男「………………」ブロロロロ



男(なんで……抜けれたんだ?)


男(あの一瞬……目の前に爆弾があって、土管の隙間もギリギリで、間に合わない距離のはずなのに……)


男(目をつぶって、思いっきりアクセルを踏んだ……そこから感覚がなくて、それで……)


男(それで、気が付いたら、土管もトラックも後ろにあった……)


男(…………)


男「運が良かった……だけなのか………」


男(考えても無駄か……)


男(お、目的のスラムが見えてきた)

~~~~首都東スラム~~~~

ワイワイキャーキャー
アーヤスイヨヤスイヨー
ネーチャンウチノミセドーオー?
ヤーネーサイキンイロイロトブッソウネー
キイター?コノマエノブロロロロチョット!マエミテハシンナサイ!


男「うぉぉ……さすが地域一帯を束ねるスラム……」

男「道いっぱいにひしめく露店、そびえたつ居住ビル…通路が貼り巡られ、空が狭い……」

男「規模が違うな………」

屈強な男「おーいそこの車ぁー!とまれー!通行証か許可証見せろ!」

男「うお、警備の人か?あー……すまんが持ってないな……」

屈「だとしたらこの町にゃあ入れねぇな」

男「そうなのか?」

屈「ああ。ここはスラム街の中でもある程度安全が保障されたところだからな。住民の許可かアントじゃねえと部外者は入れらんねえ」

男「アントは入れるのか?じゃあコイツでどうよ?」キラーン

屈(!?このエンブレム…あのお方のじゃねぇか!?)

男「どうだ?かっけーだろ?じーちゃんからもらったんだ!」ニヘヘ

屈「…………」

屈(……いや、思い過ごしかもしれねぇ……)

屈「そ、そうだな。どこかのアントか知らねぇが、走りで見せてもらおう」ポッケシマイー

男(盗られた……)ガーン

屈「うーん、じゃ俺を反対側のバリケードまで乗せていってくれ」

男「ああ、わかった。それが通行料でいいか?」

屈「いや、報酬は別に払う」ガチャッ

屈「んじゃ、行ってくれ」ドカッ

男「あいよ」ブロロロロロ

やったよ8点ももらえたうれしい


男「~♪」スー

屈「………」

屈(風景がひとりでに移動したのかと思えるほど滑らかな初動………)

男「~♪~♪」スィーッ

屈(横Gを全く感じさせない緩やかなコーナリング……)

男「♬~♫~」クッ

子供「キャッキャッ」トオリスギー

屈(そしていつ減速したのかわからないほどの鮮やかなブレーキング……)

屈(上手い……上手すぎる……)

男「なあ」

屈「………」

男「……?おーい」

屈「はっ、あ、すまん。なんだ?」

男「あんたの町はバリケードで包囲されていてよくわかるんだが……その外側のこの町はなんなんだ?」

屈「そうか、伝えてなかったな……ここは首都東スラムのスラム。通称『ダスト』……だ」

男「『ダスト』……ごみ溜め……」

屈「ああ。俺らのスラムはほかのよりちょっとばかし発展しているから、それこそすげー有名なわけ。
それを聞きつけて、出稼ぎだとか安住の地を求めて~といった人がかなり来るわけよ。
だが紹介かアントじゃなければ入れない。希望をもってここまで来たのに、貧富の差のような理由で門前払い受け、絶望に打ちひしがれた
………そんなやつらが集いおこぼれと情けを受けるため、この町の周りに住み着いた………俺らの町からすれば、自分らの足にまとわりつくゴミ……ってわけ」

男「………」

屈「皮肉な話だよなぁ?かつて同じ運命をたどった仲間たちがすこーし裕福になっただけでこんなに人を見下せるんだぜ?」

男「………そうなると……」

屈「ああ、たぶんお前さんの考えていることは正解だ………門前払いをした者たち、自分をゴミだと見下している奴らを
ひじょーに不愉快に思う奴もいるだろう……そんな奴らがこの町に残る意味はなんだ?」

男「まさか………お前………!!」










屈「そう。復讐だ」










バババババババババ
バババババババババ
バババババババババ
バババババババババ

チンピラA「よーうようようお兄ちゃぁーん?こんなとこ優雅に散歩してどしたんですかぁー?wwwwwwww」

チB「うおー!いい車じゃねぇか!!こいつをボッコボコにしたらさぞ気持ちいいだろぉなぁー!wwwwww」

男「バイクの集団!?てめぇ……グルだったのかよ!!」

屈「グルではない…だが、この世界にも裏がある。言っただろう?『俺を反対側まで連れて行ってくれ』って」

男「ちっ………そういうことかよ!!」

チA「おい野郎ども!やっちまえ!!!」

チBC~Z「オオ!!」

男「おいおっさん!!しっかり掴まっとけよ!!」ブオオォォォォォオオン!!

男「飛ばしていくからな!!」ギュゥーーンッ!!!

チD「うおっ!早っ!」

男(スピードじゃこっちが勝ってるか!これなら……!)

ダンッッ!!

男「!?」

チE「ヒャハッ!!つぅ~かまぁ~えたぁ~wwwwwwww」

ダンッ!!ダンダダンッ!!

F「前見て走んなwwww」

G「チッ……同乗者はおっさんかよ!」

男(クッソこいつら!!建物を利用して飛んできやがった!?)

H「あらら~?wwwwこのままいくとパンクしちゃうよぉ~?wwwwww」

男(!!…この先にトラップが!?)

クギトラップ「チィーッスwwwwwwwwww」

男「親切にどうも…ありがとよっ!!」クルマガーン!

H「ホゲェッ!?」フットビー

男(だが……この狭い路地じゃ逃れられねえ!!)

男(いや……この方法なら…!?少々現実味がないが…)

男(一か八か……やる!!!)

男「おっさん!衝撃に備えろ!!」

屈「!!」マエカガミー

男「ふっとべえぇぇぇ!!!」キィィィッ!

チンピラズ「ブレーキ!?ぶつかるぅ!!」

なんかまとめにも載ってる嬉しい


ドンッ!ガンッ!バンッ!!

アー!!フットブー!!!

バイクガラガラガラー

男「いよっし!!」ブォォォンッ!!!

男(バイクが来た!!チャンス!!)

男「乗っかれぇぇぇ!!!」グィィィ!!

I「俺のバイクを踏み台にッ!?」

バキッ!!ダーン!!

男(俺の十八番!!)

男「おっと!」カタリンソウコウー

男「残るは……壁ェェェ!!!」

J「させねぇよ!!!」ヒャッハージャーンプ!

男(しつけえなおい!!乗るんじゃねぇ!!!)ヨロヨロ

J「ホラホラ倒れちまいな!!」グラグラグラ

男「オラァーーーッ!!」カベガーン!

J「フギャァッ!!」フットビー

スーツケース「ガチャン」

男(行けるはず!!いけるはず行けるはず!!!)




男「ちくしょぉぉぉおおおお!!!」ギュララララ



男「乗れ乗れ乗れ乗れ乗れクソがぁぁぁああああ!!!!」カベタイヤー




クギトラ「チョ、タンマ」

男(今!!!ハンドルッッ!!!)グイッ



グィィィィィッ!!



男(おっし!!!乗れッ!浮けッ!!飛べぇッ!!!)

男「おおおぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁあああああ!!!」カベダーッシュ!!




パンッ!!パンッ!!

男「ちぃぃっ!!スピードが足りなかった!!」

ダンンッ!!


男(後続!奴らは来ているか!?)クルッ

シーン……

男(いない………どこへ行った……?)

男「ハァー……ハァー……ハァー……」

パスパスパス…

男「…また修理しなくちゃな……」

男「おっさん。もう大丈夫なはずだ」

屈「ふう……すまない。君を試すようなマネをしてしまって」

男「もう試練なんてレベルじゃねえけどな……」

男(ナビ……ナビ……)

ナビ「ガレキー」

男「おいおい……こんな時にまた故障かよ……」

??「…………」

屈「おい!お前!前見ろ!!」

男「!!!」

ボスッポイヒト「ヒャヒャヒャ!我が家へようこそぉ~wwwwwwwwww」カクセイキー

チンピラ「ゾロゾロゾロゾロwwwwwwwwww」

男「これは……!?」

屈「そんな……以前はこんな群れる集団じゃなかったはずだ!!」

男「どういうことだよおっさん!」

屈「うちのスラムはアントを入れる際今のような試験を行う。比較的撒きやすい地域を通らせるものだが…この通路に、ましてや『ダスト』にこれほど大規模な組織を組める者なんて居なかったんだ!!」

男「それじゃ……こいつらもしかして!?」

屈「俺らを襲う集団が大規模化……つまり……」




男「戦争……!!!」



ポイヒト「ヒャヒャ!ちょいと早めのお披露目だがまあいい!!今まで蹂躙されてきた俺らの怒り!!最初の餌食はお前らだぁ!!ゆけ!!野郎ども!!」

ウオォォォォォォォォォ!!!!
ヒャァァァァァッッハァァァァァァァ!!!!
バババババババババ
バババババババババ

男「うおおお!!どうすんのこれぇぇぇ!!」アタマグルグル

屈「四方を包囲されている……もうだめだ……」ガクッ

男「おいナビ!!ナビ!!何とかしてくれぇぇぇ!!」ガッシグラグラ

ナビ「ガレキー」

男「あそこ!?瓦礫!?まだ治ってないんか!!おしまいだぁぁぁ!!!」

?「そのナビは間違っていません」

男「へ?」

??「そのナビの通りに動くのです」

男「何言って」

??「早く!!」

男「クソぉッ!!行けばいいんだろ行けばぁぁぁ!!!」ブォォォォン!!!

男「瓦礫の山じゃねえかよこんちくしょうがァーーーーッ!!!!」ガレキトッシンー

゙ォーン……ガラガラガラ

男(ああ……きっと瓦礫に押しつぶされて終わるんだろうなあ俺の人生…)シンミリ

ブロロロロロ

男(おお……俺の愛車もついてきてくれるのか……嬉しいぜ……)

男(…………無機物って天国行けんのかな)

男「んなわきゃねえだろ!って……ぉ……ぉ…お?なんだここ?」

屈「どうしたんだよあんちゃん独り言なんて言って」

男「ああ……気にしなくていい」

屈「それにしても……あの瓦礫の下ってこうなってやがんのかよ……」

男「え……このトンネルがあの瓦礫の下?」

屈「そのようだな……お前が突っ込んだら、穴が開いてここに入ったってわけ。出口は封鎖されてしまったがな」

男「そうだ……!!あの声のやつ……どこだ!?」

シィーーン………

男「気のせい……だったのか?」

屈「そうだな……今はとにかく、出口を探したほうがいいんじゃないか?」

男「…!!そうだった!奴らに追いつかれちまう!」ブロロロロロ

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