相澤「爆豪、雄英辞めるってよ」(28)

相澤「今日のHRは以上だ。解散」

一同「!!??!?!?」

デク「かっちゃんが学校を辞める……!?」

切島「どういうことだよ先生!」

飯田「納得のいく説明をお願いします!」

相澤「本人が考えて決めたことだ」

相澤「つーかそこに爆豪いるんだから直接訊けよ」

ザワザワ

芦戸「爆豪ー! ほんとに辞めちゃうの?」

切島「なんでだよ! せっかく俺らの名前覚えてきたころだったのに」

瀬呂「俺はまだ覚えられてねーけどな!」

梅雨「爆豪ちゃんがいないと寂しくなるわ」

上鳴「そうだぜ! お前がいなくなったら俺たちはこれから……」

上鳴「一体誰をイジって遊……楽しめばいいんだよ!」

轟「言い直した意味あったか?」

勝己「うるせーな。てめえらに関係ねえだろ」

デク「あるよ!」

勝己「んだと?」

飯田「緑谷くんの言うとおりだ。短い間とはいえ共に学んだ仲間」

飯田「何も言わずに去ってしまうのはあまりに無責任だと思わないか?」

勝己「ちっ……」

お茶子「ひょっとして、学校で嫌なことでもあったの?」

常闇「もしくは闇に飲まれたか……修羅め」

勝己「違えよ! そんな目で俺を見るんじゃねえ!」

飯田「では、一体何故……?」

八百万「わざわざ学校を辞めるほどの理由となると、思い浮かぶのは……」

デク「もしかして、かっちゃん……」

デク「すでにプロからのスカウトが来てるとか?」

一同「!!」

デク「それで、史上初! あの雄英を中退してプロヒーローに!」

デク「……とかそういう肩書を狙ってたりなんかして……」

勝己「……」

勝己「クソが……! デク、デクの癖に……!!」

飯田「図星だったのか……」

切島「確かに爆豪だったら既にスカウトされててもおかしくねーよな」

上鳴「体育祭であんだけ派手に活躍してちゃなー」

瀬呂「でもそれだと轟はどうなるんだ?」

轟「俺がこの学校に留まる理由か? それは……」

一同「……」ゴクリ

轟「親が高校くらい出とけってうるさいんだよ」

峰田「そんな理由で!?」

轟「というのは冗談だ」

デク(わ、笑えない……)

轟「最初は、足かけくらいにしか思っちゃいなかった……だが」

轟「ここにいて気づかされたこともあるしな……」

デク(轟くん……)

轟「俺はもう少し試してみたい。ここで何が学べるのか、自分がどう変われるのかを」

轟「爆豪、お前も強さに胡坐かいてると足元すくわれるぞ」

勝己「はっ、負け惜しみか?」

デク(かっちゃんがどうやって轟くんに勝ったのか!? それは本誌をお楽しみに!!)

オールマイト「確かに学校で学べることは学問以外にもたくさんある!」ヌッ

デク「いつの間に!?」

切島「オールマイトからも説得してやってくれよ!」

勝己「あんたに俺が止められるのか?」

オールマイト(体育祭で優勝したから慢心しているのか……?)

オールマイト(いや違う。これは……確かな自信だ)

オールマイト「爆豪少年は今、自分の将来と真剣に向き合っている」

オールマイト「それゆえの結論だ……ならば、私たちに出来ることは」

オールマイト「彼のこれからを全力で応援すること! それだけだ」

勝己「ふん、分かってりゃいいんだよ」

切島「なんか全部持ってかれちまった感あるなー」

耳郎「本人がああ言ってるんだし、無理に引き止めなくてもいいんじゃないの?」

飯田「確かに、生徒の自主性は尊重されるべきだが……」

勝己「お前らは一生仲良しごっこやってろ!」

勝己「俺は上に行く」スタスタ

デク「あ……待って!」ダッ

お茶子「デクくん!?」

勝己「何の用だ、デク」

デク「かっちゃん……」

デク「本当に辞めるの?」

勝己「だからそう言ってんだろ」

勝己「てめえごときに心配されたかねーんだよ。失せろ」

デク「そうだね……ごめん」

勝己「……」

勝己「食い下がれよ!」

デク「どっち!?」

デク「かっちゃん、ホントは引き止めてほしいんじゃ?」

勝己「んなわけねーだろ」

デク「じゃあ、やっぱり辞めちゃうの?」

勝己「ああ」

デク「ホントに?」

勝己「ああ」

デク「本当によろしいんですか?」

勝己「ああ」

デク「とか言って実は?」

勝己「しつけええ!!」

デク(あ……もういいのか)

デク「そうだ、みんなからの色紙」スッ

勝己「……いらねーよ、こんなもん」

デク『かっちゃん新天地でもがんばってね。 出久』

勝己「てめえ一人しか書いてねーじゃねえか! 嫌がらせか!」ベキッ

デク「ごめん、急だったから」

勝己「……じゃあな。もう二度と会うこともねえだろ」

デク「かっちゃん……」

勝己「人の心配なんかしてんじゃねえよ」

勝己「残ったお前らのほうが可哀想な目に遭わねーとは限らねーんだぜ?」

デク「え……?」

デク(このネタ分かる人いるのかな……?)

デク(その後、僕たちは無事に雄英高校を卒業することになる……)

某ヒーロー事務所

社長「やあ! よく来てくれたね!」

社長「最初に言っておくがここの事務所は完全実力主義だ!」

社長「だからこそまだ高校生の君をスカウトしたわけなんだがね!」

社長「じゃあまず自己紹介からお願いしようか!」

勝己「爆豪勝己です。正直この事務所のことは踏み台としか思ってないです」

社長「クソ生意気なガキだな! こき使ってやる!」

勝己「やってみろ」

数日後

元社長「爆豪さん、頼まれてた資料持ってきました!」

勝己「おせーよカス」

元社長「ク、クソガキが……」

勝己「この事務所は完全……何だって?」

元社長「実力主義ですハイ」

舎弟「やりましたよ! ○×事務所が吸収合併に応じてきたっす!」

勝己「んな分かりきってることわざわざ報告すんじゃねえ」

舎弟「さすが爆豪さん! パネエッス!」

デク「すごい! かっちゃん社長になったんだね」ガチャ

勝己「ああ? 何しに来た、デク!」

デク「ごめん、こっそり様子を見に来たんだ」

勝己「ふん、相変わらずぬるい学園生活送ってるらしいな」

元社長「あ、あのーよろしいですか?」

勝己「言ってみろ」

元社長「代替わりしてからというもの、わが事務所の規模が拡大しているのはいいことなんですが」

元社長「強硬な吸収合併や他事務所の案件横取りなど、その……イメージのほうが」

勝己「ガタガタうるせーな。ほらよ、給料だ」ポイッ

元社長「ありがとうございます!」

勝己「この事務所はもうお前のもんじゃねえ。俺のもんだ」

デク「かっちゃん……そのキャラ気に入ったの?」

デク「でも、本当にこれでいいのかな?」

勝己「は?」

デク「かっちゃんのいるべき場所ってここなんだろうか」

勝己「どういう意味だ」

元社長「いやー、チンケな弱小事務所でどうもすみませんで……」

勝己「だから俺がデカくしてやってんだろ! 文句あんのか!」

デク「うん、確かにこういうみみっちい戦略もかっちゃんらしいっちゃらしいけど」

勝己「みみっちいだと……? ふざけんなデクてめえ!」

元社長「わー待ってください! 暴力事件なんて起こしたらますますイメージが……」

勝己「上等だ! 俺がこんなカス事務所で満足するとでも思ってんのか!? 今に見てろ!!」

デク「うん、そっちの方がかっちゃんらしいよ!」

勝己「今日付けでこの事務所を解散する」

舎弟「マジっすか!? これからどこ行きゃいいんすか!!」

舎弟「俺らまだ爆豪さんと仕事したいっす!」

勝己「……事務所だ」

舎弟「え……?」

勝己「明日俺が殴り込みに行く。ついて来たきゃ来い」

舎弟「超大手じゃないっすか! スゲー!!」

舎弟「一生ついて行くっす!!」

元社長「こうなったらヤケクソだ!!」

某巨大ヒーロー事務所

社員「来るぞ……」ザワザワ

勝己「たのもー」BOOOM

社員「い、いきなり爆破!!」

勝己「俺がNo.1ヒーローだ。以上」

社員「くたばりやがれええええ!!!!!」

舎弟「爆豪さんに続け!!」

スポンサー「こいつは凄い……!! 生中継だ、宣伝しまくれ!!」

雄英高校

葉隠「昨日のテレビ見たー?」

芦戸「すごかったね! 爆豪大暴れ!」

上鳴「子供に見せたくないヒーロー第一位だってよwwwウケるwww」

飯田「取り押さえられはしたが、その根性を買われ引き抜かれたそうだ」

切島「やってくれるなー爆豪のやつ!」

お茶子「けど、急になんか別世界の人になっちゃったね」

デク「うん、でもかっちゃんはかっちゃんだよ」

相澤「お前らほんと爆豪大好きだな……」

リポーター「本日は、街中でヴィランの集団が人質を取って暴れているそうですが……うわっ!?」ドサッ

勝己「どけカス!!! 俺の獲物だ!!!」BOOM

野次馬「出たぞ! 爆心地だ!!」

野次馬「勝己くーん! こっち向いて―!」キタコレ

野次馬「あいつ、人質いてもお構いなしかよ!?」

勝己「けっ、数が多いだけで大したことねーな」

勝己「こんな雑魚さっさと蹴散らして、俺がトップヒーローに……」

敵「そこまでだ」ガシッ

勝己「!?」

雄英高校

勝己『どけカス!!! 俺の獲物だ!!!』BOOM

デク(かっちゃんがんばれ)ドキドキ

相澤「緑谷……授業中に動画見るとはいい度胸だな」

敵『そこまでだ』ガシッ

デク「あ!」

相澤「あ?」

デク「大変だ、かっちゃんが捕まった!!」

飯田「何だって!? それは本当か!?」ガタッ

切島「大変だ! すぐ助けにいかねーと!」ガタッ

轟「世話の焼けるやつだな……」ガタッ

上鳴「よっしゃ! 撮影してイジリ倒すぜ!」ガタッ

相澤「は?」

デク「先生、ちょっとトイレ行ってきます!」ガタッ

お茶子「私も、もう漏れそう……!」ガタッ

峰田「そいつはいろんな意味で大変だな!」ガタッ

八百万「不適切な表現があったことをお詫びいたしますわ!」ガタッ

相澤「おい」

耳郎「しょうがない……付き合ってやるか」ガタッ

シーン

相澤「お前らどんだけ爆豪好きなんだよ……」

勝己「クソ、離しやがれ!!」ジタバタ

敵「もがいても無駄だ。諦めろ」

勝己「くっ……殺せ!!」

敵「くくく、そう簡単に殺してたまるか!」

勝己「何だと!?」

敵「乱暴してやるぞ! エロ同人みたいに!」

勝己「や、やめろ!!」



デク「そこまでだ!!」

デク「かっちゃんに指一本触れてみろ! 僕が許さな―――」

勝己「俺が許すかあああああ!!!!!」BOOOM

デク「いぞ?」

勝己「クソが!! 変態野郎!! 死ね!! 1000回死ね!!!!」ボカッボカッ

瀬呂「あー、こりゃ確かに子供に見せたくないヒーロー第一位だわ……」

敵「なんだあのガキ共は!?」

飯田「みんなで手分けして爆豪くんを支援しよう!」

一同「オー!!!!」

敵「おいお前ら!! 人質が見えねーのか!?」

??『こちら警察だ! お前らの要求は何だ?』

敵「やっと出たか! とりあえ――」ピタッ

心操『人質を解放しろ』

敵「ハイ解放シマス」ポイッ

心操「あとは尋問だな」ニヤ

尾白「お前、何でいるんだ……」

心操「体のいいサボり」

敵「なんつうガキ共だ! 早く逃げねえと……」

相澤「悪いな、うちの生徒が迷惑かけた」

敵「ああ……? 誰だあんた?」

相澤「お前らのせいで授業にならねえだろうが」ゴスッ

敵「理不尽!!」

相澤「もしもしオールマイトさん? あらかた片付きました」

オールマイト『私が来たかった』ショボン

相澤「あなたまで飛び出してどうするんです……どいつもこいつも」

お茶子「うっぷ……」

飯田「大丈夫か?」サスサス

芦戸「トイレあっちだよ! 頑張れー」

青山「メ、メルスィ……」

切島「やったな! 俺たちでヴィラン軍団をやっつけたぜ!」

葉隠「いい汗かいたね!」グッ

峰田「見えるけど見えないもの」ジーッ

耳郎「あー疲れた……もう勘弁してって感じ」

上鳴「うぇーい、うぇ~~~~~い」

梅雨「『とか言って実は心配だったんだろ?』と言っているようね」

耳郎「そのうぇーいって意味あったんだ……」

勝己「お前ら、何しに来た?」

瀬呂「何っておめー見てわかんねーのかよ」

飯田「みんな君のことを心配して駆けつけてきたんだ」

デク「かっちゃん……無事でよかった」

勝己「お前らに心配される筋合いなんかねえよ」

瀬呂「コレだよなあ。助けに来て損したわ」

常闇「損か得かの問題ではない」

常闇「何を得たかよりも、何を為したかのほうが重要だ」

瀬呂「お、おお……なんか名言ぽいの来たな」

勝己「けっ」

スカウト「君たち、雄英高校の生徒だよね?」ズラッ

勝己「!?」

スカウト「轟くん! 氷だけでも圧倒的な強さだね! ぜひうちの事務所に!」

轟「今回は左を使うまでもありませんでした。……卒業したら考えときます」

記者「八百万さん! 月刊ヒーローのグラビアの話が――」

八百万「丁重にお断りさせていただきますわ」

スカウト「緑谷くんだっけ!? 地味めのくせにオールマイトばりのスマッシュ持ってるじゃない!」

デク「あ、いや……まあ」テレ

勝己「て、てめえら……」

勝己「俺より目立つんじゃねえ!!!」


おしまい
野望の男・かっちゃんの明日はどっちだ!?

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