京太郎「偶然が重なって運命の人」 (1000)

京ちゃんスレでうs

キリがいいところまではなんとか頑張りたい

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「希望するチームなんてのはあります?」

咲「あの、実は私プロってよく知らなくて……なので特に希望とかは」

「お姉さんと同じチームがいい、とかは無いのかな?」

咲「お姉ちゃ…あ、違った。姉と同じになれたら嬉しいですけど」

咲「でもそうなるとおね…姉と本気の対局はできないんですよね」

咲「なので本当にどこがいいみたいなことは……」

「チームメイトの原村さんはプロには行かずに進学の予定だけど、そのことについてなにか思うことはある?」

咲「の、和ちゃんは私と違って勉強ができるので―」

ハハハッ

 
和「咲さんはまだ捕まってるんですか?」

優希「のどちゃん、お疲れだじぇ」

京太郎「そっちはもう終わりか?」

和「えぇ、プロ入りしない人間に時間を割くほど記者の方々も暇ではないでしょうし」

和「それより咲さんはうまくやってます?」

京太郎「答えを準備してた質問のときはよかったんだけど、それ以降は」

優希「記者にはウケてるけどな」

和「咲さんもいい加減慣れていいと思うんですけどね」

京太郎「引退するまでメディア慣れとかするとは思えんぞ、あいつ」

優希「そこが咲ちゃんのいいところだじょ。咲ちゃんのお姉ちゃんみたいに優等生になったらつまらん」

京太郎「あれ仮面らしいけどな」

 
咲「やっと終わったよぉ~」

京太郎「ご苦労さん」

優希「プロになって活躍したら毎日こんなだじぇ」

咲「えぇ~」

和「それはさすがに言いすぎでしょう」

京太郎「それにしても咲がプロかぁ~、なんだか遠くに行っちまったな」

咲「もう何言ってんの」

京太郎「つーか、まともに受験するのが俺だけってのが納得行かねー」

優希「麻雀頑張ってきて良かった!本当に良かった!」

咲「京ちゃんは東京の大学受けるんだっけ」

京太郎「おう、一人暮らしするんだ」

和「須賀くんの成績なら選べるんじゃないですか?」

京太郎「まぁな。でもやるからにはちょっとでもいいところに行きたいしさ」

優希「京太郎が勉強できるってのが未だに納得できん」

咲「和ちゃんが行くとこも受けるの?X大」

京太郎「一応そこが第一志望。ちょっと厳しいけどな。なので今日もこれから勉学に励むのだよ」

咲「あ、これから予備校だったの?」

京太郎「あぁ、ってことで行くわ。じゃな~」




咲「………私も東京のクラブがいいなぁ」

優希「………」

和「優希、このままでいいんですか?」

優希「いいんだ……どうせ上手く行かない、なら今の状態を壊したくない」

和「なにもしなくても、来年の春になれば今のままではいられませんよ」

優希「いいったらいいの!」

和「……そうですか」

咲「………」

 

◆ ◆ ◆


京太郎「お~い、この前のインタビューが載った麻雀todayが売ってたから買ってきたぜ~」

咲「え」

優希「あ」

京太郎「ん?」

和「学校の方に届いてましたよ?」ヒョイ

京太郎「へ?」

京太郎「………」

咲「……」

優希「……」

ヴヴヴ ヴヴヴ
和「あ、私です。ちょっと失礼しますね」

オレノ 700エン…
ソーユーコトモ アルヨ
ジンセイケイケン ダジェ



和「はい、もしもし」

『もしもし?久しぶり~元気してた?』


和「本当に久しぶりですね、憧」

とりあえずここまで

この前京憧書いてた人かしら
なんにせよ期待

検索で出ちゃうよこの酉

わ~ぉ……
一応つけとくか程度だったんだけど、アレなんで変えときます

>>8
別人だと思います

 
憧『それで麻雀today見たんだけど和、X大行くってホント?』

和「ええ、以前から声をかけて頂いてましたし」

憧『ふ~ん……じゃ、あたしもX大行こーっと』

和「そんな簡単に決めていいんですか?」

憧『別に思いつきで決めてるわけじゃないわよ。東京に行くってのは決めてたしね』

憧『せっかくなら友達がいるほうがいいじゃない』

和「それは確かに、そうですね。憧がいてくれたら私も心強いです」

憧『それはお互い様よ。やっぱり知らない土地になるんだし』

和「あ、そういえば……」

憧『ん?』


和(須賀くんもX大目指してるんですよね……)


憧『和?どしたの?』

和「あ、いえなんでもありません」


和(まぁ受かってからでも遅くないですよね)

 
和「ところで憧はX大に受かりそうなんですか?」

憧『この前の模試でもA判定だったし、まぁ大丈夫じゃない?』

和「憧は昔から成績良かったですしね」

憧『でもだからって余裕こいて油断するつもりはないけどね』

和「そういえば穏乃は進路どうするんですか?」

憧『あの子は地元の大学行くつもりよ、玄と同じところ。先生になりたいって言ってる』

和「穏乃が先生ですか……なんだか想像できませんね」

憧『だよね~、今ですら小学生にまじっても違和感ないのに』







咲「あ、和ちゃんおかえり」

優希「誰だったんだ?」

和「憧……新子憧です、阿知賀の。ソレを見たらしくて……須賀くん」

京太郎「お?」

和「受験勉強、がんばってくださいね」

京太郎「お、おう。どうした急に?」

 

~数カ月後~



京太郎「受かったぞぉ~~~!!!」

和「おめでとうございます。4月からもよろしくお願いしますね」

咲「私も東京だからよろしくね」

京太郎「はぁ~……努力が報われるって素敵だな」

和「麻雀もそれくらい頑張れば、もっと上達してたんじゃないですか?」

京太郎「そ、それは言わない約束だろっ!」

咲「そうだよ!京ちゃん頑張ってたよ!?」

和「ふふ、すいません冗談ですよ」

京太郎「頑張っても結果は伴わなかったけどな……ははっ」

咲「あー和ちゃん、泣かしたー」

京太郎「いや泣いちゃいねーけども」

和「あーもうすいませんってば」

 

◆ ◆ ◆


ピローン
和「ん?」

『無事合格!春からよろしくね』

和「……おめでとうございますっと」

和「そうだ、お互いのこと知らせておきましょうか」

和「~~」メルメル



『あぁ、覚えてるけど?』
『男子がいたってのは覚えてるけど……』


『マジか』
『そうなんだ、男子かぁ』


『あの子、勉強できるんだな。俺が言うのもなんだけどさ』
『そうよね、和の友達だもんね』


『『ひとこと挨拶したほうがいいかな?』』

ここまで

 
和「須賀くん須賀くん」

京太郎「んー?」

和「須賀くんの連絡先を憧に教えても構いませんか?」

京太郎「あー、うん。俺の方にも教えてもらえるか?」

和「はい。憧から許可はもらってますから、メールで送りますね」

京太郎「サンキュー」

和「憧にもメールしないと……」

京太郎「………むぅ」

和「どうかしましたか?」

京太郎「男の俺の方から行ったら、ガっついてるように思われないかな?」

和「考えすぎでしょう」

京太郎「まぁいいや、向こうもそういうつもりなんだろ?俺は待ってるよ」

 
◆ ◆ ◆

憧「うーん……」

憧「どう切り出せばいいんだろう」

憧「男子にメールなんて……しかもほぼ知らない人だし」

憧「はじめまして新子憧です。和に連絡先聞いてメールしました」

憧「固い……てゆーかはじましてって言っちゃダメじゃん」

憧「あーもう向こうから送ってきてくんないかなー」

 
◆ ◆ ◆

京太郎「はいはい、もしもし和どうした?」

和『こんばんは須賀くん、いま大丈夫ですか?』

京太郎「全然OKだぞー」

和『あのですね……今日、憧に須賀くんの連絡先を教えたじゃないですか』

京太郎「うん、それがどうかしたか?」

和『それで憧から相談がありまして』

京太郎「??」

和『その、どう切り出せばいいのかわからないとか言ってて』

京太郎「はぁ……?」

和『なのでやっぱり須賀くんのほうから連絡してあげてもらえませんか?』

京太郎「それは全然構わないけど」

和『すいません、お願いします』

京太郎「なんかイメージと違うな、あの子」

和『そういえば昔からちょっとめんどくさいところがありました』

 







◇ ◇ ◇

ピロロロン

憧「!!」

憧「きたっ!」

『須賀でーす届いてますかー??』

憧「軽っ!」

ここまで
基本牛歩です

 
~卒業式~


京太郎「こうやってみんなで集まるのも今日で最後か」

和「そんな、今生の別れじゃないんですから」

京太郎「いや、でもなかなか難しいと思うぜ?咲なんか明日にはもう東京だろ?」

咲「うん。ごめんね、ゆっくりできなくて」

優希「いやーしかし思えばあっという間の3年間だったじぇ」

咲「みんなにはお世話になってばっかりだったなぁ」

京太郎「たしかに」

和「そうですね」

咲「和ちゃんはともかく、京ちゃんに言われるとちょっとムカつく」

京太郎「あ?お前と優希からは感謝される覚えしかないんですが?」

優希「飼い主として褒めてやろう!偉いじょキョータロー!よーしよしよし!!」

京太郎「お前は最後までブレねーな!!」

咲「私だって京ちゃんのお世話してたしっ!」

京太郎「ほぉ、例えば?」

咲「…………………レディースランチ頼んであげたり」

京太郎「たしかにそれは世話になったな。他には?ほれほれ」

咲「…………」

京太郎「………」

咲「いろいろとお世話になりました」ペッコリン

京太郎「わかればよろしい」

 
和「そういえばあれから憧とはどうなんですか?」

咲・優希「!?」

京太郎「ぼちぼち連絡とってるぞ、メールだけだけどな」

京太郎「和と違ってお互い一人暮らしになるからさ、いろいろ情報交換みたいな感じで」

和「へぇ」

京太郎「ここんとこはお母さんから料理を叩き込まれて大変なんだと。ちなみに昨日はこれを作
ったらしい」

和「あら、おいしそうですね。ずいぶんと親しくなってるじゃないですか」

京太郎「いやーでも最初は向こうずっと敬語、ですますでさ。すげー堅苦しいの」

和「あ~」

京太郎「ようやく普通に話してくれるようになってきたんだよ、話すって言ってもメールなんだけど」

和「ふふ、ご苦労さまです」

京太郎「出会い系とかってこんな感じなのかなーってちょっと思ったり」

和「………須賀くん」

京太郎「あ……いや冗談だぞ冗談!」

和「私は須賀くんのことを信頼して、大切な幼馴染を紹介したんですよ」

京太郎「はい……」

和「冗談でもそういうことを言うのはやめてください」

京太郎「すまん、反省してる」

和「まったく……本人が聞いたらゼロに戻るどころかマイナスですからね」

京太郎「ウス、気をつけます」

咲「ま、まあまあせっかくのおめでたい日なんだから」



オーイ キョータロー
京太郎「悪い、ちょっと行くわ」

咲「あ、うん。あとでね」

優希「の、のどちゃん!」

和「?」

咲「いまの話!」

「「どういうこと!!??」」

 



和「……ということです」

優希「なるほど……」

咲「……でももう優希ちゃんには関係ないよね」

優希「っ!」

和「咲さん、そういう言い方は」

咲「ねぇ、優希ちゃん。優希ちゃんは京ちゃんのこと諦めたんだよね?」

優希「そ、それは……」

咲「私、もう遠慮する必要ないよね?」

和「咲さん……?」

優希「何を言って……」




咲「私もね、好きなんだ、京ちゃんのこと」

 
◆ ◆ ◆



~Side K~

京太郎「そういえば……」メルメル

『まだよ。そっちは?』

京太郎「向こうもまだかー」

『簡単でうらやましいわ。こっちはやっぱりセキュティとか治安とか考えないといけないから難しいのよ。もちろんお金のこともあるし』

京太郎「あぁー……」

『一応何件かピックアップはしてるけどね。今度の土日に下見に行ってそこで決める予定』

京太郎「マジかよ」

『ありえないでしょー。てゆーか正直に言っちゃうと、あたし須賀くんの顔わかんないし』

京太郎「えー……」

『だって2年前に一度会っただけよ?そっちだってあたしの顔なんて覚えてないでしょ』

京太郎「阿知賀はかわいい子揃いだったなぁ。特にあの姉妹は和と遜色無いおもちをおもち……」


京太郎「あれ?返ってこないな」

京太郎「あっ、そーだ……」

『チャラそう』

京太郎「ぐへぇ」

 


~Side A~

憧「ん?」

『そういえば新子さんはもう住むとこ決めた?』

憧「もう決まったのかな……」

『俺もまだ。でもまぁコンビニとかが近くにありゃいいかなーって。悩んだらキリがないしさ』

憧「男は楽でいいなぁ」

『あーそうか。女の子はそういうことも考えなきゃいけないのか、大変だな』

憧「ほんと、いいなって思うとこは家賃高いしさー当たり前だけど」

『マジで?俺も今度の土日に行くんだけど。もし会えたらよろしくな』

憧「……言っちゃっていいかな?いいよね」

『え、まじで?』

憧「……やっぱまずかったかな」

『かわいかったから覚えてるよ』

憧「ふきゅ」


ピロロロン
憧「!?」

『ちなみにこれ俺なんで』+自撮り写真

憧「割りとカッコいい、かな……」

憧「な、なんか返さなきゃ……!」

今回はここまでで









京太郎「ふぃ~、ようやく一段落ついたな」

京太郎「お、そうだ」

京太郎「写真も送っとくか」

 
◇ ◇ ◇



望「憧ー、入るよー?」

憧「はーい」

望「準備はどう?終わった?」

憧「うん、ばっちし」

望「そう。にしてもあんたが一人暮らしかぁ」

憧「なになに?寂しいの?」

望「そりゃあね」

憧「へ?」

望「でもそれ以上に心配かな」

憧「お姉ちゃん……」

望「かわいい妹の一人暮らしなんて心配しないわけないでしょ、それも遠く離れた東京で」

憧「大丈夫よ、ちゃんとうまくやるって」

望「あんたは男に免疫ないし悪い男に引っかからないか、そっちの方が心配で心配で」

憧「だ、大丈夫よたぶん」

望「私が言うのもなんだけど、あんたカワイイからね。男はほっとかないよ?」

憧「え、あ、うん……」

望「とっとと彼氏作っちゃうのが一番なんだけどねー」

憧「なんでそうなるの!?」

望「そりゃ彼氏持ちとフリー、どっちに男が寄ってくるのよ」

望「それにちゃんとね、真剣な恋愛はしなきゃダメよ。結果として別れたとしても、人生経験になるから」

望「あんたはそこの経験値がゼロでしょ?」

憧「ぅ……」

望「もちろん、うまく行ったら大学出てそのまま結婚ってなってもいいしね」

憧「け、結婚て……飛躍しすぎでしょいくらなんでも」

望「いやいや、何も考えないその瞬間だけの恋愛ができるのは高校生までよ?」

憧「……そういうもん?」

望「そういうもん。さてと、お風呂できてるけどどうする?」

ピロロロン
憧「あ、メール……お姉ちゃん先入っていいわよ」

望「はいはい。あんたも早く入っちゃいなさいよ」

憧「はーい」

 
『引っ越し完了!』

憧「あぁ、そういえば今日って言ってたっけ」

『そっちももうすぐだろ?すげー大変だぞ、覚悟しとけー』

憧「にしても……」

『必要最低限しか持ってきてないからな。なにがいるようになるかわかんねーし、あとは現地調達』

憧「いいなぁ男は……女の一人暮らしはそういうこともなかなか難しい…だろうし、たぶん」

『男手が必要なときは遠慮なく言ってくれよ?和もそういうつもりでってのもあるだろうしな』

憧「………やっぱり須賀くんも下心とかあるのかな」

『困ったときはお互い様だろ。俺も多分きっと絶対、新子さんと和にいろいろとお世話になると思うから覚悟しといてください』

憧「ふふっ、かっこつけとけばいいのに」

 


◆ ◆ ◆



憧「はーい、もしもーし」

和『こんばんは、憧』

憧「どしたの?」

和『昨日、須賀くんの引っ越しが終わったのは知ってますか?』

憧「あぁ、うん。メールあったし」

和『そうですか。来週には憧もこちらですよね?』

憧「うん、この週末に引っ越しだから」


和『では、改めて須賀くんのことを紹介しましょうか』

今日はここまでで

えらく難産だった……
行きます

 
憧「ね、ねぇ、変じゃないよね?」

和「…………」

憧「ねぇってば!」

和「5回目……」

憧「へ?」

和「その質問はもう5回目です……!」

憧「え、あ、ごめん……でも、だって……!」

和「いくらなんでも緊張しすぎでしょう。別にお見合いするわけじゃないんですよ?」

憧「お、おみっ!?何言ってんのよ!」

和「まぁ、別に?そうなっても私は全然構いませんけど?」

憧「ふきゅ」

和「須賀くんはまだですかもうっ」

憧「…………ねぇ、和」

和「なんです?」

憧「和と須賀くんってどういう関係なの?」

和「はぃ?」

憧「その、実は付き合ってたり……とか?」

和「ありえません」

憧「あ、即答しちゃうんだ」

和「ありえないものはありえませんから。いきなり変なこと言わないでください」

憧「だって和が男子のことをここまで信頼?してるのが意外で」

和「須賀くんとは3年間同じ部活で頑張ってきた仲間ですから」

憧「それだけ?」

和「それだけです」

憧「実は付き合って…」

和「ありえません」

 
イラッシャイマセー
京太郎「お、いたいた。悪い遅くなった」

和「遅いですよ!30分も遅刻です!」

京太郎「すまん、ぶっちゃけて言うと寝坊した」

憧「でかっ!!?」

京太郎「は!?」ビクッ

和「憧?」

憧「ご、ごめんなさい……想像以上に、その、背が高かったから」

京太郎「あー……どうも須賀です、ちなみに身長は180ちょっとです」

憧「あ、新子憧です。あたしより30センチ近く大きい……」

京太郎「待たせちゃってごめんな、新子さん」

憧「いや、あたしは全然……」

京太郎「とりあえずなんか頼んでいいか?起きてからなんにも食べてなくてさ」

和「もうお昼前ですよ?」

京太郎「こっち来てから生活のリズムめちゃくちゃでさ。いやーひとり暮らしって大変だわ」

和「それは須賀くんがだらしないだけです」

京太郎「相変わらず手厳しいね。ところで新子さん?」

憧「は、はひぃ!?」

京太郎「俺の顔になんかついてる?すげー視線を感じるんだけど」

憧「ご、ごめんなさい!そういうわけじゃないです!」

和「憧は須賀くんと会うのにものすごく緊張してたんですよ」

憧「ちょっと和!そんなこといちいち……!」

京太郎「いやまぁそれはな、俺だってちょっと緊張してるし」

憧「へ?」

和「須賀くんでも緊張とかするんですね」

京太郎「和、俺のことなんだと思ってんの?そりゃこんなかわいい子に会うってなりゃ緊張もするって」

憧「かわっ!!?」

和「このように須賀くんはナチュラルに女性を口説く習性があるので注意してくださいね、憧」

京太郎「和さーん、機嫌直してくださーい」

和「まぁ、別に?そうなっても私は全然構いませんけど?」

憧「だからァ!」

京太郎「??」

 
………



京太郎「ふ~ん、やっぱり新子さんも麻雀部入るのか」

憧「はい、正直続けるかどうか迷ってたんですけど……」

京太郎「あー、新子さん新子さん」

憧「はい?」

京太郎「敬語、やめよーぜ」

憧「え?」

和「………」

京太郎「普通に話してくれよ、メールのときみたいにさ」

憧「……そう、だよね。ごめん」

憧「それでなんだっけ……そう、麻雀続けるか迷ってたんだけど、せっかく和と一緒だしと思って」

憧「ただ和みたいに推薦組じゃないからがんばらないと」

和「それは私だって同じですよ。須賀くんはどうするんです?」

京太郎「俺?」

憧「須賀くんは麻雀強いの?」

和「いいえ」

京太郎「そこはせめて自分で言わせてくれよ……その通りだけどさぁ」

憧「でも普段から和とか宮永さんとかと打ってたんでしょ?」

京太郎「そうなんだよ、周りがモンスターしかいなくてさー」

和「モンスターって、失礼ですね」

憧「でも全国トップクラスって基本モンスターよね。宮永照は人じゃないとか言ってる人いたし」

和「もう、憧まで。で、須賀くんはどうするんですか?」

京太郎「俺は麻雀サークルみたいなのがあればそこで楽しもうかなってくらいだな。バイトもしないといけないし」

憧「あー、バイトかー。あたしもなんかしないと」

 
京太郎「和はしないよな、バイトとか」

和「えぇ……そうですね、おそらく」

憧「和はガチでお嬢様だからバイトなんてする必要ないわよねー」

和「須賀くんだって割りとお金持ちじゃないですか。憧だって地元の名士ですし」

京太郎「へぇ、そうなんだ」

憧「古くからある家ってだけよ」

和「神社ですから当然です」

京太郎「神社!?」

和「しかも世界遺産です」

京太郎「マジかよ!すっげーな!」

憧「別に、うちだけで登録されたわけじゃないし……」

京太郎「あ、じゃあさじゃあさ!新子さんも巫女服とか着てたわけ!?」

憧「まぁ、忙しいときはたまに」

京太郎「おぉ!!」

和「須賀くん、興奮しすぎです。憧が引いてます」

憧「あ、あははは……」

京太郎「ぬっ………すまん、ちょっとテンション上がってしまった」

憧「巫女でこんな反応されたのはじめてだわ」

京太郎「男なら割と普通の反応だと思うけどなぁ」

和「憧は男性の友人とかいませんから」

憧「ぅ……」

京太郎「へ?なんで?あ、阿知賀って女子校だからか」

和「それもありますけど……」

京太郎「??」

憧「あたし、男の人って苦手…ってわけじゃないつもりなんだけど……」

憧「なんて言ったらいいのかな……その、接点がないまま今まで来ちゃって」

京太郎「は~、なるほど。なんとなく分かった」

和「私が積極的に須賀くんを紹介したのはこれも理由です」

京太郎「いろいろ腑に落ちたぜ。でも見た目からはそんなイメージ全然無いけどな」

憧「……あたし、どんなイメージなの?」

京太郎「え、それ聞いちゃう?」

憧「だってそんなふうに言われたら気になるじゃない」

京太郎「なんつーか、彼氏のいない時期が無さそうな感じ?」

憧「……軽そうってこと?」

京太郎「なんでそう悪いようにとるの。かわいいからモテそうだなってだけだよ」

憧「須賀くんは……いつも違う女の子連れてそう」

京太郎「そーいや前にもチャラそうって言われたっけ」

京太郎「彼女なんていたことねーのに……」ズーン

憧「え、ウソぉ?」

京太郎「嘘じゃねーよぉ……」ズズーン

 
京太郎「俺ちょっとトイレ行ってくるわ……」







憧「はぁあああ~」

和「もしかしてまだ緊張してました?」

憧「ちょっとね………ねぇ、和。須賀くんが彼女いたことないって本当?」

和「少なくとも私が知っている範囲ではないですね」

憧「ふ~ん……女子慣れしてるし見た目もいいからモテそうなのに」

和「実際モテますよ。ただ……」

憧「ただ?」

和「その、少しばかり鈍いんですよ、彼」

憧「あー、なんとなく分かるわ」

和「あと……あぁ見えて意外と一途ですしね」

憧「それってどういう……」

京太郎「お前がそれを言うなよ」

和「あら、早かったですね」

憧「なに?どういうこと?」

京太郎「……まぁ、機会があればそのうち話すよ」

 
………



アリガトウゴザイマシター
京太郎「それじゃあ次は入学式になるのかな?」

和「そうですね。今度は遅刻しないでくださいよ?」

京太郎「大丈夫だって。あ、なんならモーニングコールしてくれても……」

和「いやですよ、めんどくさい」

京太郎「ははっ。さて、ちょっと行きたいところあるしそろそろ行くわ。またな、新子さん」

憧「あ、うん。またね」


京太郎「あー、自転車欲しいな……買おうかな」



和「じゃあ私たちも行きましょうか」

憧「うん」






和「どうでしたか?」

憧「なにが?」

和「須賀くんです。実際に会ってみて、うまく付き合っていけそうですか?」

憧「うん……大丈夫だと思う」

和「そうですか」

憧「それだけ?」

和「十分でしょう?」

憧「……そうね、そうだね」

とりあえずここまで

ようやくプロローグ的なのが終わりました

あと期待されるようなもんじゃないので、ゆる~~い感じに見てもらえれば幸いです

リッツのHPで憧ちゃんの体型について言及がありましたね
このスレの憧ちゃんはスレンダーです
そのほうが和との対比でおいしいので

個人的にも憧ちゃんは
上から、大きくはない・細い・それほど細くはない ぐらいがいいと思います

 
京太郎「腹減った!」

憧「なんでいきなりそんなテンション高いのよ。さっきまでずっとウトウトしてたくせに」

京太郎「だってさぁ一コマ90分は長すぎるだろ。そりゃ眠くもなるよ」

憧「まぁいままでのほぼ倍だしね」

京太郎「人間の集中力って15分くらいしか保たないらしいぞ。90分も集中し続けるなんて無理なんだよ」

憧「だからって寝るのはダメでしょ」

京太郎「新子さんには迷惑かけてないだろー」

憧「ないけど、あるわよ」

京太郎「どっちだよ」

憧「あたしが真面目に受けてる横で須賀くんが寝てたら、なんかムカつく」

京太郎「そんなー」


京太郎「へへっ」

憧「なに?ニヤニヤして」

京太郎「新子さんも俺に対してだいぶ遠慮がなくなってきたなぁと思ってさ」

憧「そ、そりゃこれだけ毎日一緒にいれば嫌でも慣れるわよ」

京太郎「でもまだ俺以外はダメみたいだな。横に男が座ると身構えるし」

憧「ぅ………気付いてたんだ」

京太郎「そりゃあな。まぁ無理はしなくていいからさ、ゆっくり慣れていけばいいよ」

憧「うん、そだね」

京太郎「いや……俺だけが特別ってのもなかなか捨てがたいか……?」

憧「な、何言ってんのバーカ」

京太郎「つーか和遅いな」

ピロロロン
憧「あ、和から……遅くなるから先に学食行ってて、って」

京太郎「ほーん、なら行くか」

 

~学食~


憧「なににしよっかな~」

京太郎「ほぁっ!?」

憧「ひっ!?な、なに?」

京太郎「………新子さん、何頼む?」

憧「え……えっとじゃあナポリタンセットを」

京太郎「それ、俺が頼むからさ……」

憧「?」

京太郎「レディースランチ、頼んでくんね?」

憧「へ?」

京太郎「これ、レディースランチ。俺、これ、食いたい」

憧「なんでカタコトなのよ……それくらいなら別にいいけど」

京太郎「マジで!?ヒャッホウ!新子さんマジ愛してる!!」

憧「な、なな何言ってんのよバカぁ!」


……



憧「はい、お待たせ」

京太郎「サンキュー!お礼にこのデザートのマンゴープリンを新子さんにあげよう」

憧「え、やった!ありがとっ!」

京太郎「んでは、いただきます!」

憧「いただきまーす」

 






京太郎「それにしてもさー」

憧「ん?」

京太郎「ずるいよなー、レディースランチとかレディースデーとかさ。女ばっかり得じゃん?」

憧「それを女のあたしに言われても」

京太郎「メンズランチとかもあれば……違うな、男でもレディースランチを頼めるようにすれば」

憧「それはもう普通のメニューね」

京太郎「それもそうだな」

憧「ねぇ、そういえばレディースランチだから量少ないと思うんだけど、足りるの?」

京太郎「腹減ったらなんか食うからへーきへーき」

憧「間食は太るわよ?」

京太郎「10代男子の基礎代謝舐めんなー?これくらいで太んねーよ」

京太郎「そうでなくても基本的に毎日運動はしてるしな」

憧「へぇ、なにかやってるの?」

京太郎「軽く筋トレと、あと夜走ってるんだよ。なんか面白い店とかないかなーって散策も兼ねて」

憧「ふ~ん、なんか気になるところとかあった?」

京太郎「おぉ、ロシア料理屋を見つけたんだけどさ」

憧「へぇ、珍しいわね」

京太郎「な。こういうの見ると都会だなって思うね。俺の実家周辺なんてチェーン店以外ラーメン屋とかうどん屋とかしかねーもん」

憧「うちも似たようなもんよ。そんな小洒落たお店なんて全然」

 
京太郎「ところでロシア料理ってどんなのがあるんだ?」

憧「……ボルシチとかビーフストロガノフとか?」

京太郎「ボルシチってどんなん?」

憧「ボルシチはあれよ、ビーフシチューみたいなの」

京太郎「ふ~ん……じゃあビーフストロガノフは?」

憧「なんか……ビーフシチューみたいな」

京太郎「ビーフシチューばっかりじゃねえか」

憧「あたしだってわかんないわよ!」

京太郎「じゃあ今度一緒に行ってみようぜ」

憧「…………へ?そ、そそそれってデ、デデデデー…」

京太郎「和も誘って3人でさ」

憧「あ………うん、そうね、そうよね」


和「すみません、遅くなりました」

憧「あ、和」

京太郎「よぉ、遅かったな」

和「なんの話をしてたんです?」

京太郎「ちょっとデートの約束を」

憧「は?」

和「へぇ~」

憧「ち、違うわよ!?デートとか、嘘!嘘だからね!?!?」

和「いや、わかってますけど…」

京太郎「くっくっくっ……」プルプル

憧「え、あっ……」

憧「………」

憧「もぉ!!」

ここまで

和だけ学部が違う感じで
やっぱり法学部ですかね

あんな180超の細マッチョがレディースランチなんて頼んでたら
奇異の目で見られるのは確定的に明らか


 



京太郎「あいつは一人でここまで来れるんだろうか」

京太郎「……不安だ」

咲「………」キョロキョロ

京太郎「おっ」

咲「…………」キョロキョロキョロキョロ

咲「……あ!京ちゃん!」

京太郎「久しぶりだな」

咲「そうだね、元気してた?」

京太郎「そっちこそ。つーかよく一人で来れたな」

咲「私だって電車くらい乗れるよ!」

京太郎「どうだか。どうせ駅員にどこでどうって事細かに教えてもらったんだろ」

咲「なんでわかっ……そこまでひどくないってば!!」

京太郎「ひどいだろ」

咲「京ちゃんが知らないところで、私だって日々成長してるんだよ」

京太郎「日々悪化してるの間違いじゃねーの?前みたいに近くにいないから、心配なんだよ」

咲「京ちゃ…」

京太郎「ま、嘘だけど」

咲「もう!京ちゃん!!」

 
京太郎「いまは俺も自分のことで手一杯だからな」

咲「お忙しい中、時間を作っていただき感謝しておりますー」

京太郎「ほんとだよ。てか俺んち来て何すんの?何にもねーぞ」

咲「いいよいいよ、見てみたいだけだから」

京太郎「さいですか」

咲「……ねぇ京ちゃん」

京太郎「ん?」

咲「何か言うこと無いの?」

京太郎「は?無いけど?」

咲「………久しぶりに会った幼馴染みに対して何も無いの?」

京太郎「あー……綺麗になった、というか垢抜けたな、咲」

咲「!」

京太郎「とか言われたいの?だいたい一月足らずでそんな変わるかよ」

咲「むっ!」

京太郎「どっから見ても俺の知ってる咲のまんまだよ」

咲「……今日のところはそれで許してあげるよ」

京太郎「それはどうも」

咲「あ、そうだ京ちゃん。私本屋さん行きたいんだけど、いい?」

京太郎「かまわんよ」

 

◆ ◆ ◆


~本屋~

咲「うわ~広っ」

京太郎「迷子になるなよ?」

咲「さすがに本屋さんで迷子になんてならないよ」

京太郎「じゃ俺は適当に立ち読みしてるから、済んだら連絡してくれ」

咲「えー付き合ってよ」

京太郎「やだ。お前めっちゃ長いもん」

咲「……迷子になるよ?」

京太郎「そしたら店内アナウンスしてもらうしかないな。心置きなく迷子になるといい」

咲「もう、わかったよ」



……



咲「お待たせ~」ドッサリ

京太郎「おぅ……ってお前めちゃくちゃ買ったな」

咲「えへへ……つい」

京太郎「かー、やっぱりプロは違いますねー」

咲「なかなか本屋さんとかに行く暇が無いんだよ」

京太郎「ほれ渡せ」

咲「えっ、いいよ」

京太郎「いいから」

咲「あ、ありがと。京ちゃんやさし……」

京太郎「こんなに持ってたらお前絶対コケるし」

咲「こ、コケないよっ!!?」

京太郎「いーやコケるね。何年お前のこと見てると思ってんだよ。ほら行くぞ」


咲「……………………なら手繋いでくれればいいじゃん」


京太郎「なんか言ったかー??」

咲「な、なんでもない」







憧「…………」

 


◆ ◆ ◆


咲「おじゃましまーすって、うわー何にも無いね……何にも無いね」

京太郎「なんで2回言った」

咲「だって想像以上だよ」

京太郎「だから何にもねーぞって言ったろ」

京太郎「今の時代、パソコンひとつあれば困らねーんだよ」

咲「つまんない部屋だなぁ、京ちゃんつまんない男になっちゃうよ?」

京太郎「どこかにわかる人がいるんだよきっと」

咲「割と近くにいたりして……」

京太郎「近くに?」

咲「な、なんちゃって」

京太郎「だといいけどなぁ」

咲「むぅ」

京太郎「??」

 



………


京太郎「で、どうよプロ生活は」

咲「うん、楽しいよ」

京太郎「先輩にいじめられたりとかしてねーか?」

咲「そんなことないよ、みんな優しいから」

京太郎「そうか。お前は、その……上下関係しっかりしてるところって初めてだろ?だからちょっと心配だった」

咲「ありがとう、でもほんとにそういうことは無いから安心して。京ちゃんは?大学生楽しい?」

京太郎「あぁ、友達もできたしな。ただ講義…授業はひたすら眠い」

咲「だめじゃん。学生の本分は勉強ですよ?」

京太郎「面白い授業ならいいんだけどな。ただでさえ長いのにつまらないのはもうね。寝そうになって一緒に受けてる子にいっつも怒られる」

咲「………それって和ちゃん?」

京太郎「いや違う。和から聞いてるかな?新子憧って覚えてるか?」

咲「うん聞いてる」

京太郎「そか。あの子にしょっちゅうシャーペンで突かれる」

咲「ふ~ん……」

京太郎「最初は普通に起こしてくれてたんだけど、そのうちボールペンで突いてくるようになってさー」

咲「……」

京太郎「跡が付くからやめてって言ったら、今度はシャープで突いてくるようになってさー」

咲「……………」

京太郎「これがボールペンよりいてーの……って咲?」

咲「…………なんか恋人みたいなことしてるね、付き合ってるの?」

京太郎「は?無い無い。だってそもそも向こうは男が苦手なんだぜ?」

咲「好きになったら、そんなの関係ないと思うけど。それに…京ちゃんは平気なんでしょ?」

京太郎「今んとこは俺だけな。いままで周りにいなかったタイプだから、いろいろ新鮮で面白いんだ」

咲「…………はぁ」

京太郎「なんか……お疲れか?やっぱり先輩ばっかりで気疲れしてんじゃねーの?」

咲「そうじゃない…………つもりだけど、そうなのかもね」

京太郎「ならまぁのんびりしてけよ。いまさら俺相手に気ぃ使うこともねーだろ?」

咲「ッ!………京ちゃんは優しいね」

京太郎「んなことねーよ」

咲「そんなことあるよ。優しいよ……誰にでもね」

 


………



咲「今日はありがとね」

京太郎「一人で電車乗れるか?大丈夫か?」

咲「もう!大丈夫だよっ」

京太郎「お兄ちゃんは心配で心配で」

咲「誰がお兄ちゃんだ。こんなお兄ちゃんやだよ」

京太郎「ははっ。なんかあればいつでも連絡してこいよ」

咲「うん、じゃあまたね」

京太郎「おぅ。わからなくなったらすぐに駅員さんに聞くんだぞ?」

咲「しつこいよっ!」







咲「遅すぎたのかな………うぅん、まだこれからだよね!」

ここまでで

一週間経ってる・・・

 




憧(休日に二人で買い物って完全にデートよね)

憧(やっぱり須賀くんと宮永さんは……)
オッス
憧(でも彼女いないって……あの後から付き合うようになったのかな)

『手繋いでくれればいいのに』

憧(でもそれならあんな事言わないわよね、多分)
オーイ
憧(ってことは宮永さんは須賀くんのこと……)
アタラシサンヤーイ
憧(……………あれ?そういえばなんでこんなに気になるんだろ?)

京太郎「おーいってば!」

憧「ふえっ!??あ、須賀くん!?」

京太郎「おはよう」

憧「あ、はい、おはようござます!」

京太郎「ござますって」

憧「ふきゅ」

京太郎「考えごとか?(ふきゅ?)」

憧「うぅん、なんでもない。ちょっとボーッとしてただけだから」

京太郎「ふーん、まぁいいけど」

 
◆ ◆ ◆






京太郎「ふぅ、食った食った。ごちそうさん」

和「ごちそうさまでした」

憧「……」ジー

京太郎「ん?」

憧「!」スッ

京太郎「?」

和「……??」

憧「はぁ……」

京太郎「新子さん、その唐翌揚げ食べねーの?なら俺貰っても……」

憧「え?あ、食べる!食べますわよ!」

 


……




京太郎「さて、そろそろ時間だし行くか」

和「そうですね」

憧「へ?あ、そうね」

和「…………」





和「須賀くん須賀くん」

京太郎「ん?」

和「憧となにか?」

京太郎「あぁ……今日、朝からずっとあんな感じなんだよ」

和「心当たりないんですか?」

京太郎「まったくもって」

 

◆ ◆ ◆




京太郎「ふぅ~、おしまいおしまいっと。今日も一日お疲れさん、新子さん」

憧「え、あ、うん。お疲れさま」

京太郎「………なぁ、やっぱり今日変だぞ?」

憧「へ?そんなこと……」

京太郎「なんか悩みでもあるのか?」

憧「……悩みはないけど、ちょっと気になることはある、かも」

京太郎「それ、俺絡み?」

憧「!、なんで……」

京太郎「だって今日すげー見てくるし、はじめて会ったときみたいに」

京太郎「そうでなくても新子さんって割りと分かりやすいし」

憧「えぇっ!??」

京太郎「で、なに?俺なんかしちゃった?」

憧「ぅぅ……」

京太郎「……言いたくないならいいよ」

憧「え……」

京太郎「言いたくないのか言えないのかわかんねーけども」

憧「あ、あの……」

京太郎「別に責めてるわけじゃないぞ?そりゃさすがに気になるけどさ」

憧「あのね!じゃあ聞くけど…」

京太郎「おぉ、どんと来い」

憧「宮永さんと付き合ってるの?」

 
京太郎「はぁ????宮永さんって咲??ないないないないないないないないない」

憧「そんな力いっぱい否定しなくても……」

京太郎「だってありえなさすぎるだろ」

憧「で、でも昨日二人でいるの見たわよ」

京太郎「あー、たしかに昨日は一緒にいたけど。なんだよ、声かけてくれればよかったのに」

憧「かけようと思ったけど、宮永さんいて……その、邪魔しちゃいけない雰囲気だったし……」

京太郎「だから~、そんなんじゃねーって。あいつはただの幼馴染みだよ」

憧「それにしてはずいぶんと親しそうだったし」

京太郎「あいつは子どもの頃から知ってるから、もう兄弟みたいなもんなんだよ」

憧「………向こうはそうじゃないみたいだけど」ボソッ

京太郎「つーかさ、俺、彼女いたことないって言ったよな?」

憧「そうだけど……う、嘘かもしれないじゃない!?」

京太郎「そんな嘘をつくメリットがどこにあるんだよ?逆ならわかるけど」

憧「それは……わかんないけど……女の子に近づきやすい、とか」

京太郎「……は?どういう意味だよ」

憧「えっと、彼女いませんよフリーですよーみたいな……」

京太郎「…………もしかして新子さん、俺のことそんな風に見てたの?」

憧「え?ちが……そういうことじゃなくて」

京太郎「はぁ……俺帰るわ」

憧「須賀くん!?」

京太郎「新子さんこの後部活だろ?和も待ってるだろうし早く行けよ。じゃあな」

憧「ぁ………」

 




……




憧「…………」

和「あぁ憧、遅かっ……憧?」

憧「あ、和……」

和「どうかしたんですか?」

憧「…………のどかぁ~、どうしよう~」

和「????」

とりあえずここまで

>>1
sageだけじゃなくsagaも入れた方がいいぜ
メール欄にsaga入れると唐揚げとか書くと唐翌揚げになったりするのを防げる

>>130
唐揚げはノーマークだったよ・・・
別に引っかかるようなワードはないだろうからいいと思ってたんだけど

 


………





和「それは憧が悪いですね」

憧「ふきゅぅ」

和「例え話だとしても、いい気持ちがするはずないじゃないですか」

憧「わかってるわよぉ……勢いで言っちゃったんだもん」

和「第一、須賀くんがそんな人なら憧に紹介もしませんし、そもそも友人にもなってません」

憧「それもわかってます……」

和「とにかく謝るしかないですね」

憧「許してくれるかな」

和「それは須賀くん次第でしょう」

憧「うぁぁぁぁぁぁ」

 

◇ ◇ ◇




バタン
京太郎「…………」

京太郎「あああああああああああああ!!!!!」

京太郎「やっちまった……やっちまった」

京太郎「あんなことを本気で言うような子じゃないのはわかってるだろうよ……」

京太郎「怖がらせちまったよなぁ」

京太郎「謝ろう、うん」

京太郎「電話…………いやメールの方がいいか………」

京太郎「よしっ!」




京太郎「明日にしよう」

 
◆ ◆ ◆




京太郎(今日は都合よく一限がなくて良かった……)
憧(おかげで心の準備をする時間ができたわ……)


京太郎(新子さんは……)
憧(須賀くん、まだかな……)


京太郎(……いた。いつも通り隣の席とっておいてくれてるけど……)
憧(てゆーか来なかったらどうしよう……来るよね?)


京太郎(顔合わせづれぇ……)ガタッ
憧(ってあれ須賀くん?……なんであんなところに座ってんの……)


京太郎(あぁ……俺のヘタレ)ズーン
憧(やっぱり怒ってるんだ……)ズーン



「そこ空いてます?」
憧「え!?あ、あの……」


京太郎(げっ……大丈夫か……?)
憧(うぅ……須賀くん……)



「あ、誰か来るんですか?」
憧「……いえ、すいませんどうぞ」


京太郎(うわぁ、こっからでもわかるくらい緊張してる………あっ)
憧(知らない男に挟まれたぁぁぁぁぁ…………あっ) *反対側も男



((…………))



京太郎(そんな泣きそうな顔で見ないでくれ……)スッ
憧(ッ!…目、逸らされた……!)ガーン

 

………



京太郎(やっと終わった……いままで一番長く感じたぜ……)
タタタッ
憧「す、須賀くん!」

京太郎「!、新子さん……」

憧「あの、ね……その……」

京太郎「…………新子さん」

憧「え、はい!?」

京太郎「ここじゃなんだし、学食でも行こうぜ」

憧「あ、うん……そうね」



………




京太郎「………」
憧「………」

京太郎「さっきの授業は……」

憧「!?」

京太郎「キツかったろ?ごめんな」

憧「う、うん……でも須賀くんが謝るようなことじゃ」

京太郎「いや俺がいつも通り隣に座ってれば、あんな風にはならなかったわけだし」

憧「そうかもだけど、いつまでも須賀くんに頼ってばかりじゃいられないし……」

京太郎「そっか」

憧「うん」

京太郎「…………」

憧「………」



((気まずい……))

 
~学食~


京太郎「さてどこに座ろうか……」


和「憧、須賀くん。こっちです」

憧「和?」

和「来ると思って席をとっておきました」

京太郎「さすが、恐れ入ります」

和「もう話は終わったんですか?」

憧「まだ……」

京太郎「………」

和「じゃあさっさと済ませちゃいましょう、さぁ」

憧「ちょっと…そんな簡単に言わないでよ」

京太郎「新子さん」

憧「は、はぃ!?」

京太郎「その、昨日のことなんだけど……」

憧「あ、あのね須賀くん!」

京太郎「ごめん」

憧「へ……?」

和「………」

京太郎「つい頭に血が上って……かなりキツくあたっちゃったと思うんだ」

京太郎「怖がらせちゃったんじゃないかなって、だから……」

憧「なんで?……なんで須賀くんが謝るのよ」

京太郎「いや、だからな……」

憧「悪いのはあんなこと言ったあたしなのに……なんで」

京太郎「本気で言ったのか?」

憧「違う!須賀くんがそんな人だなんて思ってない!」

京太郎「ならそれで十分だよ」

憧「ッ!」

京太郎「よし、じゃ飯にしようぜ」

 
憧「なんで……」

京太郎「ん?」

憧「なんでそんな優しいのよ……ぐすっ」

京太郎「え?新子さん?」

憧「ひどいこと言ったのはっ、ぐすッ……あたしなのにぃ………うあぁぁぁぁぁぁぁぁん」

和「あらあら」

京太郎「ちょ!?なんで泣くの!!?」

憧「だって須賀くんがぁ~~さっきだってぇ~~」

京太郎「悪かった、ごめんって!」

憧「だからなんで謝るのよぉ!」

京太郎「えぇ!?ごめん!あ、いや違う!あぁもうわかんねぇ!」

憧「須賀くんがぁ優しすぎるぅぅぅぅ」

京太郎「あーもう!新子さん落ち着いてくれよ!すげぇ見られてるし!」

和「この状況、須賀くんほんとに二股男に見られてるんじゃないですか?」

京太郎「シャレになってねーよ!」

憧「うわぁ~~~~~~!!!」




………



憧「お見苦しいとこをお見せしました……」

京太郎「いえ……」

憧「ぅぁぁぁ………」

京太郎「は、はは、ははは……」

和「とりあえずお昼にしませんか?お腹空きました」

 
京太郎「考えたんだけどさ」

憧「ん?」

和「なんですか?」

京太郎「新子さん、俺と咲の関係疑ってるじゃん?」

憧「疑ってるってそんな……」

京太郎「だから咲にもちゃんと否定してもらえばいいんじゃないかって」

憧・和「はい?」

京太郎「だからな、新子さんに咲を紹介する、俺の疑いが晴れる、咲にも友達……というか知り合いが増える」

京太郎「一石二鳥だろ!」

和「ほ、本気ですか!?」

京太郎「えー?いい考えだと思うんだけど、ダメか?」

京太郎「ちょうどもうすぐゴールデンウィーク入るし。あいつの都合次第だけど」

憧「あたしは、別に……嫌とはいえないし……ちょっと話はしてみたいかも……」

京太郎「っし!じゃあ決まりな」

和「もう知りません……!」



……


 
京太郎「じゃあそろそろ行こうぜ」

京太郎「いやー、いろいろとスッキリできてよかった」


憧「ねぇ和、やっぱり宮永さんって須賀くんのこと……」

和「えぇ、そうですよっ」

憧「まったく気づいてないんだ」

和「でないとあんなこと思いつかないでしょう」

憧「……ほんとに鈍いのね」

和「少しばかりじゃなかったですね、想像以上でした」


京太郎「おーいなにしてんだー?」

 
おまけ

◆ ◆ ◆



prrrrr
穏乃『やほー憧ーひさしぶりー』

憧「シズっ!久しぶり!元気してる?」

穏乃『それはこっちのセリフだよー。一人暮らし大変じゃないか?』

憧「まぁ、多少はね。大変だけど、でも楽しいかな」

穏乃『そっか!元気ならいいんだ!』

憧「ありがと。そっちこそちゃんと大学生やってるの?」

穏乃『ちゃんとってなんだよー!私だってれっきとした大学生だぞ!』

憧「改めて思うと、シズが大学生って……ぷぷっ」

穏乃『また子ども扱いしてるな!同い年だぞ!』

憧「ごめんごめん。で、今日はどうしたの?」

穏乃『あ、そーだ。憧、ゴールデンウィーク帰ってくる?』

憧「あー……ごめん、ちょっとこっちで予定あって帰らない」

穏乃『そっかー……まぁしかたないよ』

憧「ごめんね、夏は帰るから」

穏乃『うん、楽しみにしとくよ。そうだ、和は?一緒なんだよね?』

憧「和?うん、一緒。いろいろお世話になってますわよ」

穏乃『いいなぁ~私も和に会いたいな~』

憧「じゃあ、あたしが帰るときに一緒に連れていこうか?」

穏乃『おぉ!それいいね!』

憧「ま、和次第だけどね」

 
穏乃『あとは……なんか変わったことないの?ちなみにこっちは特に何も無いよ!』

憧「なによそれー。変わったことねぇ、そうだなぁ……あっ」

穏乃『なになに??』

憧「えっと……男友達ができた」

穏乃『おぉ!すごいじゃん憧!』

憧「べ、別に女子大じゃないんだから、それくらい普通だし」

穏乃『でも憧、中学のとき男子の友だちいた?』

憧「それはその……いなかったけど……」

穏乃『ほら!大進歩だよ!』

憧「ぅぅ……なんか恥ずかしい」

穏乃『あ、もしかして彼氏!?』

憧「ち、違うちがう!そんなんじゃないわよ!?」

穏乃『なんか慌てっぷりが怪しいなぁ~ニヒヒ』

憧「ほんとにそういうんじゃないからー!」



◆ ◆ ◆

prrrrrr
憧「もしもしお姉ちゃん?どしたの?」

望『あんた彼氏できたって本当!?』

憧「はぁ!!??」

望『あれ?晴絵から聞いたんだけど』



晴絵『え、玄からそう聞いたけど、違うの?』

玄『照れなくていいのです憧ちゃ………ヒィ!ごめんなさい!!』

ここまでで

次はまた一週間後かな?

いきます

 





京太郎「なぁ咲さんや」

咲「なに」

京太郎「いまから人と会うってのに、その仏頂面はどうかと思うんだが」

咲「誰のせいだ」

京太郎「俺ぇ?」


~~~~

京太郎『突然だけどGW中に空いてる日無いか?』

咲「えっと金曜日なら一日空いてるけど、何?も、もしかしてデートのお」

京太郎『会ってほしい子がいるんだー』

咲「誘いなわけないよねー……………子?」

京太郎『この前話したろ?新子さん』

咲「ッ!」

京太郎『彼女、俺とお前のこと疑っててさ。お前の口からもちゃんと説明してもらおうと思って』

咲「はぁ?」



 
~~~~~


咲「はぁ……」

京太郎「ほらほら笑顔笑顔。妹の宮永プロは無愛想ってネットで書かれちゃうぞ」

咲「ねぇ、やっぱり帰っていい?」

京太郎「なんでだよ」

咲「だってわざわざ私が説明なんてしなくても……」

京太郎「あー、まぁそれは建前だから」

咲「え?」

京太郎「お前、こっちで友だちって言えるの俺と和くらいだろ?」

京太郎「仲のいいチームメイトはいるだろうけど、そういうのはやっぱり別だと思うんだよ」

咲「……」

京太郎「だからな……友だちになれってわけじゃないんだけど、そういう選択肢は多いほうがいいと思うんだ」

咲「京ちゃんの言いたいことはわかるけどぉ……」


和「お待たせしました」

憧「やっほー」

 




憧「宮永さん……咲でいい?」

咲「あ、はい。全然大丈夫です」

京太郎「ん?」

憧「じゃあ咲って呼ぶわね。それと普通に話してくれていいわよ?」

咲「う、うんよろしくね新子さん」

京太郎「んん??」

和「さっきからどうしたんですか須賀くん」

京太郎「新子さんが俺のときと違いすぎる」

憧「へ?」

咲「?」

京太郎「俺のときは借りてきた猫みたいにオドオドしてたのに!」

和「たしかに」

憧「だ、だって!しかたないじゃない、わかってるでしょ!」

京太郎「わかってるけど、なんかシャクゼンとしねぇ」

咲「あ、あの……」

京太郎「まぁ、あれはあれでかわいかったけど」

憧「はぁ!?」

咲「んなっ!!?」

和「やれやれ……」

憧「ッ~~///」

咲「グヌヌ……」

京太郎「?」

 

………



咲「私と京ちゃんは……」

憧「付き合ってないんでしょ?」

咲「あ、うん」

憧「いいって言ってるのに須賀くんがわざわざこんな場を設けちゃって、ごめんね」

咲「そんな、新子さんが謝ることじゃ……悪いのは京ちゃんだよ」

憧「でもあたしは咲と話してみたかったから、ちょうどよかったんだけど」

咲「私と……?」

京太郎「ふむ、じゃあ俺はちょっと……」

和「須賀くん、どこへ?」

京太郎「おしっこ」

憧「もう!デリカシーってもんがないの?」

咲「なんか、ごめんね」

憧「でも、いまのうちかな」

咲「え?」

憧「咲は須賀くんのことが好きなんだよね?」

咲「えぇ!?」

和「ストレートに行きますね」

憧「だって気になるし」

咲「え、新子さんも知ってるの?和ちゃん?」

和「いえ」

憧「実はこの間……」


~~

 

~~


咲「あれ聞かれてたんだ……恥ずかしいなぁ」

憧「ごめんね、盗み聞きみたいなことしちゃって」

咲「うぅん、いいよ」

咲「私は京ちゃんのことが好き。でも全然相手にされてないし……それに」

憧「??」

咲「京ちゃん最近は……新子さんがお気に入りみたいだし……」

憧「へ?」

和「そうなんですか!?」

憧「ええぇえぇぇぇ!!!???」

咲「この前会ったときも新子さんの話ばっかりで……」

憧「ふわぁぁ……」

咲「それに、一緒にいると楽しいって……」

憧「ふきゅう」プシュー

和「あら~……」

咲「でも、私だって負けませんから!」

憧「ぅぁ~~////」

和「憧……憧っ!」

憧「……はっ!?え、なに!?」

咲「やっぱり新子さんも京ちゃんのこと……!」

和「それは誤解だと思いますけど……今のところは」

京太郎「よぉ、なんか盛り上がってんな」

憧「しゅがくんっ!?」

京太郎「ただいま。シュガーくん?」

咲「ぐぬぬ……」

和「相変わらず間の悪い……」

 
 

◆ ◆ ◆


京太郎「じゃあ俺はこいつを駅まで送っていくから」

咲「今日はありがとうございました」ペッコリン

和「近々また会いましょう」

咲「うん、和ちゃんまたね。新子さんも……」

憧「……」ジー

和「憧」

憧「へ?あ、はい!?」

京太郎「……」

咲「………またね新子さん」

憧「う、うん。またね咲」

京太郎「新子さん」

憧「なに!?」

京太郎「今度会うときは、いつも通りに戻っててくれよ?」

咲「…………」

憧「あ、うん任せといて!」

京太郎「なんだそりゃ」

 

………



京太郎「今日はありがとな」

咲「なに、突然」

京太郎「無理言って来てもらったからさ」

咲「別にそんなことないよ」

京太郎「そっか。ならいいんだけど」

咲「うん」

京太郎「ところで新子さん、何かあったのか?」

咲「っ!……知らない」

京太郎「たぶんまた俺絡みだと思うんだよな、この前もあんな感じだったし」

咲「知らないってば!」

京太郎「なんで怒るんだよ」

咲「別に怒ってないけど、京ちゃんが悪い」

京太郎「なんでー」

咲「自分で考えなよ、このにぶちん」

京太郎「鈍くねーし」

咲「鈍いよ」

京太郎「鈍くねーって」

咲「はいはい、そういうことにしておいてあげるよ」

 

◇ ◇ ◇


憧「ねぇ和!本当なのかな!?須賀くんが私のこと!!」

和「本人に聞いてみればいいじゃないですか」

憧「そ、そんなことできるわけないじゃない!!」

和「……憧の方はどうなんですか?」

憧「な、なにが?」

和「なにって須賀くんのことですよ。もし須賀くんに告白されたら」

憧「告白ぅ!?」

和「付き合うんですか?」

憧「そ、そそそそんなのわっかんないわよォ!」

和「憧は須賀くんのことをどう思ってるんです?」

憧「どうって……見た目はかっこいいし、優しいし、一緒にいても嫌じゃないけど……」

憧「でもっ、付き合うとかそんなの考えたことないし!」

和「いいんじゃないですか?憧が普通に接することができる唯一の男性なわけですし」

憧「そうだけど~でもでもぉ」

和「憧がはじめて須賀くんに会った日、私がなんて言ったか覚えてますか?」

憧「え?」

和「憧と須賀くんがそういう仲になっても構わない」

憧「あっ……」

和「あれは本心ですから」

憧「………和は、いいの?」

和「はい?私は…」

憧「咲のことを応援してあげなくてもいいの?」

和「あ、あぁ……そういうことですか」

和「咲さんはもちろん大切な友だちです。でもそれは憧も同じです」

憧「和……」

和「なので憧が須賀くんのことを……となれば私は二人とも応援しますよ。それに決めるのは私じゃなくて須賀くんですから」

憧「うん、ありがと………って私は違うからね!?」

和「はいはい、そういうことにしておいてあげます」

ここまで


咲さんをもっと刺々しく攻撃的にするつもりだったのに
気がついたら墓穴を掘っていた

京ちゃんは>>106以上のことは言ってません

ただ咲さんはたくましい妄想力でちょっと行間を読んじゃうだけなのです
文学少女だからしょうがないのです

 

『京ちゃん最近は新子さんがお気に入りみたいだし』

憧「ぅわわわ……」ゴロゴロ


『一緒にいると楽しいって』

憧「ぅわわわわわわわわわ……」ゴロゴロゴロゴロ


憧「こ、ここここれってやっぱりそういうこと……よね?」

憧「あっ……もしかしてあのときあんなに怒ったのは、あたしには誤解されたくなかったから?」

憧「…………」


『もし須賀くんに告白されたら、付き合うんですか?』

憧「つ、付き合う……付き合わない、付き合います、付き合うとき、付き合えば……付き合えば」

憧「デ、デートとかするのよね……手も繋いじゃったりして」

憧「それから……キ、キキキキキキスとかしたり……抱き合ったりとか……それからそれから……エ」

憧「ふきゅああぁぁぁぁぁああ!!!!」バタバタバタバタ


『憧は須賀くんのことどう思ってるんですか?』

憧「ぁ………」

憧「あたし……あたしは須賀くんのことを」

憧「…………ん?あれ?」



憧「好きって、なに?」

 

………


憧「よく考え…なくてもあたしいままで誰かを好きなったこと、無いのよね……」

憧「う~ん……どうしよう、誰かに聞く?いやそれは流石にちょっと恥ずかしい」

憧「そもそもあたしの周りって……」


ヤマ!!

オモチ!!

アッタカーイ

ワズラワシ…


憧「ダメだ……ダメダメすぎる」

憧「和や…咲には聞けないし……ぬわー」


『ちゃんと恋愛しなきゃダメよ』

憧「!」

憧「いやでも絶対からかわれる~」

 

………


望『ふ~ん……つまり気になる男の子がいるけど…』

憧「べ、別に気になるとかじゃない!…こともなくはないけど、その……」

望『はいはいわかったわかった。早い話、ライクとラブの違いが分からないってことでしょ』

憧「そ、そう!そういうこと!」

望『はぁ~……』

憧「なによぅ」

望『あんたいくつよ』

憧「今度19だけど……」

望『19の女の悩みじゃないわよコレ。中学生かっての』

憧「うぅ…返す言葉が無い……」

望『まぁでもこういう話をするようになっただけでもマシかしら』

憧「い、いいから!教えなさいよね!」

望『って言われてもねぇ……こんなのは理屈じゃないから言葉で説明するのは』

憧「お姉ちゃんは好きな人ができたらどんな感じだったの」

望『私?そうねぇ…いつもその人のことを考えちゃうとか一緒にいたいとか…』

憧(だいたい学校では一緒にいるわよね)

望『その人のことをもっと知りたいとか自分のことをもっと知ってほしいとか…』

憧(……よく考えたらあたし、須賀くんのこと全然知らない気がする)

望『あとは、その人が違う女の子と仲良さそうだったりすると面白くなかったり…』

憧(咲はそんな気持ちだったのかな……)

望『なんかありがちなことしか言ってないわね。改めて考えると難しいわ』

憧「うぅん、参考になった。ありがとね」

望『ま、がんばんなさいな。うまく行ったらちゃんと教えなさいよ?』

憧「うん、わかった…………ってさっきも言ったけど別に須賀くんのことをそういう」

望『ふ~ん、スガくんって言うの』

 

………


憧「ぅぅぅ……結局、根掘り葉掘り聞かれた……」

憧「でもお姉ちゃん……嬉しそうだったな」






咲「はぁ……」

咲「京ちゃん、また新子さんのことを気にかけてたなぁ」


咲「……………ムカつく」






和「それにしても彼はモテますね」

和「優良物件、というやつでしょうか」


和「…………惜しいことしたのかも、なんて」

 




京太郎「新子さん、女同士だとあんな感じなんだな」

京太郎「う~~ん…………」

京太郎「咲も…なのにいまだに俺のことは……」

京太郎「もうひと月ちょっとだよな…メールだけの頃からだと2ヶ月くらいか」

京太郎「無理はさせたくないけど、いつまでもこのままじゃ寂しいしな」


京太郎「よしっ!」

ここまでで

短い…

顧問の先生とかには質問しなかったのか
頼レジェンド!って感じで心強いと思うのに

の、望さんは結婚できないんじゃなくてしないだけだから・・・
きっと百戦錬磨だから・・・

>>182
冗談はその面白い前髪だけにしておけよレジェンド

 
憧「須賀くんの趣味ってなに?」

京太郎「お?唐突にどうした」

憧「そーいえばあたし須賀くんのこと全然知らないなーって思って」

京太郎「あぁ、そう………趣味、趣味ねぇ」

京太郎「そうだな、体動かすのは好きだな」

憧「そういえば走ってるとか言ってたわね。高校のとき部活とか…って麻雀部か」

京太郎「小学生のときはサッカー部だったし、中学のときはハンドボールやってたぞ」

憧「ハンドボール?…ってあれよね、手でやるサッカーみたいなの」

京太郎「まぁだいたいそんな感じだ」

憧「なんでまたハンドボールなんてはじめたの?」

京太郎「深い理由なんてないよ。中学にハンド部があって面白そうだなって」

憧「高校で続けなかったの?」

京太郎「清澄にはハンド部が無かったからなぁ」

憧「あらま。あるトコいけばよかったのに」

京太郎「いや~、そこまでは」

憧「ふ~ん。じゃ次は好きな食べ物」

京太郎「エビ」

憧「即答ね」

京太郎「あとは……そうだな、カレーうどんとプリン」

憧「カレーうどんはともかくプリン、好きなの?」

京太郎「なんだよわりーか」

憧「もう、そんなこと言ってないじゃない」

京太郎「だって男がこういうこと言うとさー」

憧「はいはいわかったわよ」

 
京太郎「なぁ新子さん、俺の方も話があるんだけど」

憧「話?なに?」

京太郎「アコ」

憧「!?」

京太郎「って呼んでいいか?」

憧「な、ななななんで!?」

京太郎「なんでってそりゃあ」

憧「……」ドキドキ

京太郎「友だちだろ?」

憧「ぁ、うん友だち……そう、だけど」

京太郎「名字にさん付けで呼ぶのって好きじゃないんだよな、よそよそしくて」

憧「それはうん、わかる」

京太郎「ってことで、いいか?」

憧「え、えーっと……」

京太郎「ダメ?」

憧「ぅ~ん……」

京太郎「……」

憧「ちょっと呼んでみて」

京太郎「へ?」

 
憧「だからその…あたしのこと、名前で呼んでみて」

京太郎「なんで?」

憧「れ、練習よ!練習ッ!!」

京太郎「練習?名前で呼ぶのに練習なんて……」

憧「逆ッ!」

京太郎「逆?」

憧「須賀くんの練習じゃなくてあたしが………っと、とにかく早く!」

京太郎「たまに意味わかんないんだよなぁ…まぁいいや。じゃあ呼ぶぞ?」

憧「いつでも、どうぞっ」

京太郎「アコ」

憧「っ!」

京太郎「?」

憧「も、もう一回!」

京太郎「憧」

憧「ふぁぁ……」ゾクッ

京太郎「おーい」

憧「ま、まあまあね」

京太郎「お、おう?……で、いいの?憧って呼んでも」

憧「……………………」

京太郎「……」

憧「…………うん、オッケーです」

 
京太郎「えらく間があったな」

憧「だってその…はじめてだし」

京太郎「なにが?」

憧「だから……男子に名前で呼ばれるのが」

京太郎「あー……つまり俺が新子さんの初めての男と」

憧「てゆーか、あたしのはじめてはだいたい全部須賀く………何言わせてんのよ!??」

京太郎「ツッコミ待ちだったのに、ノッてきて俺もビックリだよ」

京太郎「まぁ、ともかくだ。これからは憧って呼ぶな?」

憧「しょ、しょうがないわね」

京太郎「よし、じゃあもういっこはじめてなことをしよう」

憧「え……え?えっ?」

京太郎「憧のことだ、男のことを下の名前で呼んだこともないだろ?」

憧「ぁ……」

京太郎「俺のことも京太郎って呼んで……」

憧「むりむりむりむりむりむりむりむりっ!!」

京太郎「そんなに!?」

憧「無理に決まってるじゃない!何言っちゃってんのよ!?」

京太郎「えー、咲のことはもう咲って呼んでたじゃんかよー」

京太郎「それにさっきよそよそしくて嫌だって言ったら同意してくれただろ」

憧「それとこれとは別でしょ!?」

京太郎「一緒だろ」

憧「須賀くんにとっては一緒かもしれないけど、あたしにとっては全っ然違うの!」

 
京太郎「むぅ…じゃあどうしたら呼んでくれるんだ」

憧「どうしたらって………下の名前で呼び合うなんて……」ボソボソ

京太郎「??」

憧「そんな、そんなの…………こここ恋人……」ボソボソ

京太郎「……そんな嫌ならいいよもう」

憧「ふぇ?」

京太郎「ふんっ」ツーン

憧「す、須賀くん…?」

京太郎「なんだよ、アタラシさん」

憧「あっ……」

京太郎「……」ムス-

憧「……拗ねないでよ」

京太郎「別に拗ねてねーし」

憧「……なんでそんなに名前で呼んでほしいのよぅ」

京太郎「だからー、友だちだからだってば」

憧「……それだけ?」

京太郎「そうだけど……それ以外になにかあるのか?」

憧「…………なんでもない」

京太郎「ダメ?」

憧「ぅ……」

京太郎「どうしても?」

憧「ぅ~……………」

京太郎「絶対に?」

憧「ウヌヌ………………………」

 
京太郎「……なぁ、そんなに嫌なん?」

憧「その、嫌っていうか……」

京太郎「なんかもうアレだろ?意地になってるだろ?」

憧「そ、そそそんなことは」

京太郎「いまに限らず、憧はいろいろと大袈裟に考え過ぎな気がするんだよな」

憧「そんな、ことは………」

京太郎「もうちょっと楽に生きようぜ、肩の力抜いてさ」

憧「…………」

京太郎「な!」

憧「…………キョ」

京太郎「ん?」

憧「きょ、京太郎はお気楽すぎなのよ」

京太郎「!?、おい今…」

憧「ちょっと待って」

京太郎「へ?」

憧「……………………、キョータロー」

京太郎「お?」

憧「キョータローキョータローキョータローキョータロウキョウタロウきょうたろう、京太郎……」

憧「……よし、大丈夫」

京太郎「憧さん?」

憧「な、なに京太郎」

京太郎「おぉ!」

憧「なによ」

京太郎「いやいや、なんでもないなんでもない」

憧「ニヤニヤしないでよねっ!」

京太郎「なんでもないって」

 

………


憧「そういえば和はいまでも須賀くんって呼んでるじゃない!」

京太郎「あ、あー……あれはな」

憧「和とはこういう話しなかったわけ?」

京太郎「したんだけど、したのがもう知り合ってからだいぶ経ってからだったせいか……」

憧「?」


~~

和「では、京太郎くんですか?」

京太郎「呼び捨てでも構わんけど」

和「京太郎くん」

京太郎「おぅ」

和「京太郎くん……ダメですね」

京太郎「へ?なにが?」

和「なんか気持ち悪いです。あ、須賀くんの名前がというわけではなくて、いまさら呼び方を変えるということが――」

~~


京太郎「てなことがあったから、今度はそうなる前にって思ったんだよ」

憧「気持ち悪いって…あははは!」

京太郎「笑いすぎだろ」

 



◆ ◆ ◆





憧「ただいま~っと……」
ボスン
憧「疲れたぁ」

憧「……」

憧「………京太郎」

憧「京太郎……京太郎」

憧「えへへ」

『京太郎「憧」』

憧「ふきゅ」

ここまでで



ちなみに京ちゃんの好きな食べ物はルルーシュからパクリました

全然構わないし特に文句も無いが京ちゃんの中の人のネタが大体ギアスという…たまには行商やったり魔王と勇者になったり境界線上で土下座したりしてもええんやで

あまりトゲのある言葉はやめましょうよ
こんなところで

>>206
中の人ネタねぇ・・・
マンガは好きだけど、アニメそれほど見ないタチなもので
最近ちゃんと見てるのなんてスポンジボブくらい・・・

中の人





~ごく近い未来の話~


和「憧、ちょっと」

憧「ん?なに?」

和「面白いものが見れますよ」

憧「おもしろいもの?」


京太郎「♪~」


憧「京太郎じゃない、なにしてんの?」

京太郎「ん?あぁ憧か。暇つぶしにちょっとナンプレを」

憧「ナンプレ?あぁ、数独か。これ頭痛くなるわよね」

京太郎「ほい、できた。次ー」

憧「!?」

京太郎「ふんふふ~ん……」カリカリカリッ

憧「え?えっ?」

京太郎「はい、できた」

憧「ちょ、ちょっと待って!?」

京太郎「なによ」

和「フフッ」

憧「いくらなんでも早すぎでしょ。ちゃんと合ってんの?」

京太郎「失礼だな、全部合ってるよ」

憧「…………ほんとだ、合ってる」

 
和「須賀くんはこういうパズルの類が得意なんですよ」

京太郎「俺に解けないパズルはねぇ!」

憧「得意ってレベルじゃないでしょ、今のスピードは」

京太郎「ふっふっふっ…ガリレオと呼んでも構わんよ」

憧「なんでガリレオ?」

京太郎「なんとなく思いついただけです」

京太郎「でもパズルで戦う世界があれば最後まで戦える自信があるぜ」

憧「どんな世界よソレ」

京太郎「その世界ではきっとアイドルといい感じになれる気がするんだ……」

憧「むっ……」

和「しかしこの頭の回転をどうして麻雀に活かせないんでしょうね」

京太郎「ま、麻雀は相手がいることだから……」

憧「でもほんとにすごいわね、ちょっと見直したわ」

和「惚れ直したの間違いじゃないんですか?」ヒソヒソ

憧「んなっ!!?」

京太郎「??」





ファイ・ブレイン 神のパズル 面白いよ!
シリーズ3作計75話、みんなも見よう!(ダイレクトマーケティング)
http://www9.nhk.or.jp/anime/phibrain/

今日はこれだけです

やっと追い付いた
これ京太郎は和に告白して降られたけどまだ引きずってるってことでいいのかな?

>>224
どうなんすかね
大まかな流れは考えてるけど、基本その時の思いつきとノリでやってるんで



いきます
咲ちゃん回で

北海道の
空港の
お土産売場




咲「う~ん……どうしようかな」

??「お、咲ちゃんおった」

咲「え?あっ…竜華さん!」

竜華「一人でフラフラしたらあかんて言うたやろー」

咲「だ、大丈夫ですよぉ」

竜華「ダメなやつに限って大丈夫って言うし、大丈夫なやつはダメって言うねん」

竜華「咲ちゃんが迷子になると教育係のうちが怒られるんやからね。お土産?」

咲「あ、はい。友だちになにか買っていこうかと」

竜華「原村和も東京におるんやっけ」

咲「あと友だちも和ちゃんと同じ大学に行ってて」

竜華「へぇ、頭ええんやね」

咲「この前、その彼の家に行ったんですけど何にも無くて」

咲「なにか買っていってあげようかなって思ったんですけど…」

竜華「彼ってことは?男の子なんや。あ、もしかして彼氏?」

咲「ち、違いますよ!幼なじみなんです」

竜華「ほんま~?」

咲「残念ながら……」

竜華「残念ながら?……あっ」

咲「その…向こうはなんとも思ってないみたいで……」

竜華「あらら」

咲「えへへ……」

竜華「彼女はおるん?」

咲「いないはずです、いまのところは」

竜華「ならまだチャンスあるやん」

咲「はい。なので手始めに彼の家に私の痕跡を残そうかなって」

 
竜華(はぁ~…咲ちゃん恋しとるんか)
ア、コレカワイイ……スミマセン コレクダサイ
竜華(お子様やと思っとったけど、ちゃんと女なんやなぁ……)
アノ…リューカサン
竜華(うち、恋してへんなぁ……最後に誰かを好きになったんいつやっけ……)

………竜華さん!」

竜華「はぃ!!?」

咲「……大丈夫ですか?」

竜華「ごめんな、大丈夫。ちょっと小鍛冶健夜に手招きされてただけやから」

咲「はぁ……??」

竜華「で、なに?どうかした?」

咲「はい、あと和ちゃんたちに何を買っていこうか迷ってて……」

竜華「北海道土産はな、白い変人買っとけば鉄板やで」

咲「あ、あれおいしいですよね。私も好きです」

竜華「怜なんか…あ、うちの友だちなんやけど」

咲「えっと、園城寺さんですよね?」

竜華「そうそう。買っていかんと怒るからね」

咲「あははは。でもそんなに高いものじゃないからいいじゃないですか」

竜華「せやね、蟹とか言われても困るし」

竜華「あとはご当地限定のお菓子とかはウケがええかな、ハイチュウとか」

咲「なるほど、参考になります」

 
竜華「そういえば咲ちゃんはあんまりお菓子食べへんよね」

咲「え?いえ普通に食べてると思いますけど……」

竜華「あ、ごめん。お姉ちゃんと比べて」

咲「あ、あ~……竜華さんってお姉ちゃんと」

竜華「そんなに仲が良いってわけちゃうけどね。高校選抜とかで結構一緒になったりしとって」

竜華「そのときのイメージが本読んでるか、お菓子食べてるか」

咲「あはは……お恥ずかしい」

竜華「実は咲ちゃんがうちに来るって決まったとき、連絡あったんよ。よろしく頼みますーって」

咲「知らなかった……お姉ちゃん、元気かな」






◇ ◇ ◇


照「ペクチッ!」

淡「テル、風邪ー?」

照「ペキョン!!………誰かが私の話をしてる」

淡「とか言って、お腹出して寝てたんじゃないの~?」

照「私は淡みたいに寝相悪くないよ」

淡「失敬なっ!」

 



◆ ◆ ◆


咲「はいこれお土産ね。和ちゃんたちと食べて」

京太郎「またベタなもん買ってきたなぁ」

咲「先輩にこれ買っとけば鉄板だって言われたんだよ!?文句言うくらいなら、京ちゃんは食べなくていいよ」

京太郎「いえいえ、ありがたく頂戴いたしますゆえ」

咲「それと、これを…どこに置こうかな……」

京太郎「ん?なんだそれ」

咲「北海道のゆるキャラのメロン熊」

京太郎「え、なにこれは」

咲「京ちゃん、動物好きでしょ」

京太郎「まぁ好きだけども、これはどうなんだ……」

咲「この部屋、いくらなんでも殺風景すぎるからちょっとでも賑やかにと思って。貯金箱になってるから使ってあげてね」

京太郎「お、おぅ……」

咲「あとこれ」

京太郎「まだあるのか」

咲「札幌みそラーメンセット」

京太郎「おぉ!ありがたい!これが一番嬉しいぞ!」

咲「京ちゃん、ちゃんとご飯食べてる?」

京太郎「咲、今度はどこ行くんだ?」

咲「え?たしか福岡だったかな」

京太郎「おし!博多ラーメン待ってるから!」

咲「もう!私は宅急便じゃないんだからねッ!」

 
京太郎「あ、ちゃんと憧とか和とつまめるもんも買ってきてくれよ?」

咲「はいはい!わかりまし……アコ?」

京太郎「ん?」

咲「アコって新子さんのこと、だよね?」

京太郎「うん」

咲「名前で呼ぶようになったんだ」

京太郎「ちょっと前からな」

咲「ふ~ん……新子さんの方は?」

京太郎「なにが?」

咲「新子さん、前は京ちゃんのこと須賀くんって呼んでたよね」

京太郎「あぁそういうことか。なんとかして呼んでもらえるようになったぜ」

咲「……なんとかしたの?」

京太郎「最初はすげー無理無理むりむり言われたもん」

咲「そんなに呼んで欲しかったんだ」

京太郎「そういう風に言われるとちょっと恥ずかしいな」

咲「新子さんに」

京太郎「だからそう言ってんじゃん?」

咲「………ずるいなぁ新子さん」ボソッ

京太郎「??」

咲「京ちゃん」

京太郎「はい!?」

咲「京ちゃんは新子さんのこと…」

京太郎「……?」

咲「新子さん…………と仲良くなったんだね」

京太郎「まぁそれなりに……急にどうした?」

咲「なんでもなーい………はぁ」

ここまで


咲ちゃんの笑顔を曇らせTAI

咲さんって読んでる本に影響されやすそうだから、結構イタい言動してそう

 

◆ ◆ ◆




憧「あ、ねぇ京太郎」

和「……」

京太郎「ん~?」

憧「今日のレディースランチ、エビチリだって。頼んだげよっか?」

和「??」

京太郎「う~ん……いいや。今は肉を食べたい気分」

憧「あら、そう」

京太郎「悪いね」

憧「別に京太郎が謝ることじゃなくない?」

和「須賀くん、エビチリ好きなんですか?」

京太郎「エビチリというかエビだな」

憧「あれ?和、知らなかったの?」

和「えぇ、そんな話をしたことありませんし」

京太郎「たしかに」

憧「え?あれ?」

 
和「そもそもなんで憧が知っているのか、という…」

京太郎「この前聞かれた。あと趣味も」

和「なにお見合いみたいなことしてるんですか」

憧「なっ!?」

京太郎「いやそれは俺も思ったけどさ……」

憧「はぁ!!?」

京太郎「んなこと言ったら、こいつ絶対ふきゅるし」

憧「ふ、ふきゅるってなによ!!?あとこいつはやめてよね!」

京太郎「なにと言われても、そうとしか言いようが…」

和「っ……!!………ふ、ふきゅるって……!」プルプル

憧「和っ!??」

和「す、すみません……クッ…!」

京太郎「こんなにウケてる和、初めて見たぞ」

憧「もうっ!なんなのよぉ!!」

 

……


和「気がついたら名前で呼び合ってるし、お見合いしてるし」

憧「だからお見合いとか言わないでよ!」

京太郎「名前は俺が頼んだんだけどな」

和「私と話すときは須賀くんって呼んでいたので気づきませんでしたよ」

憧「ちょっ、それ言っちゃうと…」

京太郎「えー」

憧「ほらー」

京太郎「もしかしてまだ無理してたか?」

憧「違うの、京太郎のことを京太郎って呼ぶのはもう大丈夫だけど……」

憧「その、他の人…っていうか和と話すときは、なんか恥ずかしくて……」

京太郎「恥ずかしいか?」

和「私に聞かないでくださいよ」

憧「だって、名前で呼ぶようになってるーって思うでしょ」

和「それは思いますけど、それが恥ずかしいんですか?」

京太郎「俺に聞くなよ」

憧「くそぅ…味方がいない」

京太郎「お前はさぁ、この前も言ったけど考えすぎなんだって」

憧「そんな簡単に変われたら苦労しないわよ……っていうかお前っていうのやめてよね」

京太郎「もう、この子注文が多い」

 



………



京太郎「あっ」

憧「ん?」

和「どうかしたんですか?」

京太郎「咲からのお土産持ってくるの忘れた」

和「お土産?」

京太郎「あいつ遠征で北海道行っててさ、お土産買ってきてくれたんだよ」

憧「へぇ」

京太郎「明日持ってくるよ、みんなで食おうぜ」

和「お礼を言っておかないといけませんね」

憧「北海道かぁ、いいなぁ」

和「いいところですよ、食べ物も美味しいですし」

京太郎「羨ましいけど、仕事で行くってのはどうなんだろうな」

憧「あー…やっぱり観光地とか行ってるヒマは無いのかしら」

京太郎「あいつも、先輩にラーメン食べに連れてってもらったーとかしか言ってなかったな」

憧「ラーメンいいなぁ、こっち来てからお店で食べてないわ」

京太郎「でも最近の袋麺ってうまくね?」

憧「うんまぁおいしいけどね。うちの近所に、だいたいいつも行列してるお店があるのよ」

京太郎「ほぅ、何ラーメン?」

憧「とんこつ。一回行きたいなぁって思ってるんだけど……」

 
京太郎「行けばいいじゃん?」

憧「簡単に言わないでよね」

和「憧にはレベルが高すぎますよね。私でもちょっとためらわれますし」

憧「その行列に並んでるのなんて9割男だし、女の人がいてもカップルとかだし…」

京太郎「あぁ、そういうことね。たしかに憧が一人で並んでたらナンパとかされそうだしな」

憧「ナンパなんてされたことないけど」

和「まぁ、大学では須賀くんが守ってますしね」

憧「へ?」

京太郎「……」

憧「ぁ…………」

和「えっ、気づいてなかったんですか?」

憧「えっと…その……いつもありがとうございます」

京太郎「いやいや、結果的にそうなってるだけだから」

憧「そ、そうだ!和は?ナンパとかされたことある?」

和「ナンパと言っていいのかわかりませんが、知らない男性に声をかけられたことなら何度か」

憧「どうしてるの?」

和「どうもこうも…」

京太郎「和は心配いらねえよな。鉄壁だから」

和「なんですか鉄壁って。普通にお断りしてるだけですよ」

京太郎「憧も和センパイを見習って、ビビらずにNOって言えるようにならんとな」

京太郎「大学以外でだってそういうことはあるんだから」

憧「う、うんがんばります」

 
和「そうだ、そのラーメン屋さんも須賀くんと一緒に行けばいいじゃないですか」

憧「へ?」

京太郎「俺は構わんぞ、というか食べたい」

憧「じゃあ和も…」

和「すみません、私豚骨苦手なんです」

京太郎「へぇ、そうだったのか」

和「どうしてもあの匂いがダメで」

京太郎「あれがいいのに」

和「なのでお二人で行ってください」

京太郎「じゃあどうする?俺はいつでもいいけど、行列してるなら土日より平日のほうがいいよな」

憧「えっ、えっとじゃあ…明日?」

京太郎「あいよー」






和「初デートですね」ボソッ

憧「へ?…………ふきゅ」

和「ぷっ……!!」

ここまで


次は時間かかる気がする

長くなりそうなので一旦投下

 



◆ ◆ ◆


京太郎「ほい、咲のお土産」

憧「わぁ…これ好き!」

京太郎「喜んでもらえたみたいでなにより」

憧「なんで京太郎が偉そうにしてんの」

和「…………」

京太郎「和、どうした?これ嫌いか?」

和「いえ…そんなことないですよ、いただきます」

憧「??」

 


京太郎「やっぱり喉乾くな。水入れてくるよ」

憧「ありがと。ほんとは紅茶とかあるといいんだけどね」

京太郎「え?買ってこいってこと?」

憧「もう、誰もそんなこと言ってないでしょー」

京太郎「ははっ、じゃあちょっと行ってくる」

和「………」

憧「和、どうかしたの?」

和「いえ………憧が普通で面白くない、と思いまして」

憧「はぁ?」

和「もっと、デートデートで頭の中いっぱいになってるかなぁと」

憧「ふん、もう頭の切り替えはすんだのよ。昨夜さんざん悩んだんだから」

和「あ、そこは隠さないんですね」

憧「今日のはデートじゃない、ご飯食べに行くだけ。デートじゃないデートじゃない」

和「完全に自分に言い聞かせてるじゃないですか」

憧「和が行けないから結果的に2人になっただけなんだから。2人でお昼食べたことなら何度もあるし」

憧「つまり意識する必要なんて何もないのよ!」

和「完全に自分に言い聞かせてるじゃないですか」

 

………


京太郎「そういえば憧ー」

憧「なに?」

京太郎「今日だけどさ…」

憧「な、なに!?」

京太郎「2人は部活あるだろ?」

憧「う、うん」

京太郎「だから俺、迎えに来ればいいよな?」

憧「え?」

京太郎「部活終わるぐらいに迎えにくるから、そのまま直接行けば早いだろ」

憧「ぅ、う~ん……」

京太郎「……悩むようなことか?」

憧「いい、あたしも一回帰る」

京太郎「へ?なんで」

憧「なんでって……準備とかしたいし……」

京太郎「ラーメン食いに行くだけでなにを準備することが……」

憧「いろいろあるのよ!女には!」

京太郎「お、おぉ……?」

憧「ともかく!どっかで待ち合わせましょう!」

京太郎「まぁ俺はどっちでもいいけど」

憧「それじゃあ………




……

和「やっぱりめちゃくちゃ意識してるじゃないですか」

憧「ないから!」

 





◆ ◆ ◆


和「お疲れ様でした」

憧「お疲れ~」

和「憧はこの後デートですね」

憧「だからデートじゃないってば!」

和「いいじゃないですか。付き合ってなくてもデートくらいするらしいですよ?」

憧「よくないわよ!だって……」

和「??」

憧「じ、人生初デートがラーメン屋さんとか、色気なさすぎるじゃない……」

和「……ふふっ」

憧「なによぅ」

和「いえ、なんでもありませんよ」

 



◆ ◆ ◆


憧「う~ん……ご飯、それもラーメンを食べに行くだけなんだから……」

憧「かといってラフすぎるのも………」

憧「シズ…とか和とご飯食べに行くだけならこんなこと悩まないのに……」

憧「…………」

憧(こっちに来てひと月ちょっとで、男の人と2人で食事に行くことになるなんて思わなかったな)

憧(京太郎……須賀、京太郎………)

憧(優しくて、一緒にいて嫌じゃない……うぅん、違う。一緒にいて楽しいんだ……これってやっぱりあたし……)

憧「…………はっ!?やばっ!間に合わなくなる!!」




◇ ◇ ◇


京太郎「さってと、そろそろ行きますか」

京太郎「ラーメンラーメン~♪」

京太郎「うまいラーメンを~食べたい~♪」フンフフーン

 


◆ ◆ ◆


憧「約束の15分前……早すぎたかな」

京太郎「よっ!」

憧「きょ、京太郎!?なんで…」

京太郎「待ち合わせ場所に来て、なんでって言われたのは初めてだぞ」

憧「そうじゃなくて…まだ時間早いのに」

京太郎「憧のことだから早く来るだろうと思って俺も早く来た。当たりだったろ?」

憧「う、うん」

京太郎「女の子を一人で待たせるわけにもいかんしな、男として」

京太郎「それにどうせ並ぶなら早いに越したことはねーしさ」

憧「う、うん…そだね」

京太郎「ところで準備ってなんだったん……着替えてきたの?」

憧「へ?あ、あぁ…うん…………どう?」

京太郎「どうって……まぁその、なんだ…似合ってるよ」

憧「あ、ありがと……」

京太郎「と言っても、憧はいつもオシャレさんだからな」

憧「そう……?そうかな、えへへ」

京太郎「こんなことなら俺もちょっとはおめかししてこればよかったかな?」

憧「おめかしってなによ。それに京太郎だって普段から………てゆーかラーメン食べに行くだけじゃない」

京太郎「それをお前が言うか」

 

………


京太郎「そーいや憧んちってこの辺なんだよな?」

憧「あ、うん。京太郎の家ってどのへん?」

京太郎「向こうに駅あるだろ?それを越えてちょっと行ったところ」

憧「ふ~ん……割りとご近所さんなのね」

京太郎「そりゃー、同じ大学に行くために一人暮らししてんだからそうなるだろ」

憧「それもそうね」

京太郎「あぁ」


「…………」
「………」


憧「……あ!ほ、ほらあれ。もう並んでる」

京太郎「おぉ、もうあんなに並んでんのか。すげーな」

憧「これでも少ない方よ。いつも開店前から並んでて、休日とかこんなもんじゃないし」

京太郎「都会スゲー」

憧「田舎者ー」

京太郎「お前もだろ」

憧「あはは」

 

……

京太郎「しかしあれだな、ここに憧が一人で並ぶのは無理だな」

憧「わかってもらえてなによりだわ」

京太郎「和と2人…ってのもキツイな」

憧「うん…京太郎がいてくれてよかった。……ねぇ、京太郎」

京太郎「んー?」

憧「あの……その、ね?いま…あたしと京太郎ってその…カ、カップルに見られてるのかな」

京太郎「あ~……かもな。悪いね、ちょっと我慢してくれよ。ラーメンのためだ」

憧「べ、別に我慢なんて…………京太郎ならあたし嫌じゃ…」

「いらっしゃっせー!2名様でよろしいすかー!?」

憧「!?」

京太郎「あ、はい2人っす」

「では中にどぞー!」

京太郎「へーい。憧、行くぞ?」

憧「あ………うん」

 
「ご注文はお決まりですか?」

京太郎「ラーメン大盛り…と、あとライスも。憧は?」

憧「えっと……ラーメン、油少なめで」

「大盛りにライス、油少なめですねー少々お待ちください」

京太郎「そーいやさっき何か言いかけて…」

憧「べ、べつにたいしたことじゃないからっ!全然、気にしないで!」

京太郎「ならいいけど」

憧「う、うん!ほんとになんでもないから」




「お待たせしましたー」

京太郎「お、来た来た」

憧「あ、そうだ。写真撮っとこ」パシャリ

京太郎「んじゃ、いただきますっと」

憧「いただきまーす」



つづく

とりあえずここまで

おやすみなさい

昨夜ラーメン食べてきたおいしかった


↓つづき

 



京太郎「ふぅ…ごっそさん」

憧「おいしかったー。やっぱり行列できるだけのことはあるわね」

京太郎「あぁ、並んだ甲斐があった。また来ような」

憧「ぇ……う、うん!また一緒に、2人で……」

京太郎「来たくなったらいつでも言ってくれよ」

憧「うん、ありがと」

京太郎「俺はたぶん一人でもちょくちょく来るけど」

憧「なにそれずるい」

京太郎「さてっと…後もつかえてるっぽいし、行くか」

憧「そうね。財布財布…」

京太郎「すいませーんお会計~」

憧「あ、ちょっと待ってよ」

「お会計はご一緒で?」

京太郎「はい、一緒で」

憧「えっ!?」

「では1xx0円になります……ありあとあしたー」

 
京太郎「おぉ、もう暗いな」

憧「ちょ、ちょっと京太郎!」

京太郎「ん?」

憧「ん?じゃないわよ!お金!あたしの分払うから!」

京太郎「あ、まじで?助かる」

憧「はぁ?」

京太郎「いや~何も考えずにレジ行って、言われてから気づいてさ」

憧「別々でって言えばよかっただけじゃない」

京太郎「だってそれじゃかっこ悪いだろ」

憧「え……ごめんちょっとわかんない」

京太郎「あ、あいつ女の子とワリカンしてる…とか思われたら嫌じゃん?」

憧「ぅ、う~ん……??」

京太郎「まぁあれだ、男としてのプライドの問題」

憧「……そういうもん?」

京太郎「男にも色々あるんですよ」

憧「ふ~ん……あ、そうだお金!……っと、はい」

京太郎「おぉ、サンキュー」

 
憧「これからも自分の分は自分で払うからね」

京太郎「あぁ、わかったよ」

憧「でも……京太郎のプライドには付き合ってあげる」

京太郎「……憧はいい女だなぁ」

憧「ふぇ!?……い、今頃気づいたかしら?」

京太郎「いやいや、再認識」

憧「もう、調子いいんだから」

京太郎「なぁ憧、この後なんか予定あるか?」

憧「え?なにもないけど……?」

京太郎「ちょっと付き合ってほしいんだけど」

憧「えっと…………うん」

京太郎「サンキュー、じゃあ行こうぜ」

 



………



憧「京太郎は……」

京太郎「ん?」

憧「女ばっか優遇~とか言うくせに、実は結構フェミニストよね」

京太郎「そうか?まぁ…長いこと女所帯で過ごしてたからな、そのせいかね」

憧「いいことだと思うわよ?」

京太郎「憧さん的にはポイント高いっすか?」

憧「…………ま、相手によるけど」

京太郎「ミもフタもねぇやつだ、それ」

憧「きょ、京太郎ならポイント高いかもね」

京太郎「…………、そりゃどーも」

 



憧「あ、この前ここで咲と一緒にいるの見たのよ」

京太郎「あ~、そんなこともあったなぁ」

憧「ついこないだじゃない。あのあとは…………京太郎の家に行ったの?」

京太郎「うん、なんか俺んちが見てみたいとか言って、うちに来てダラダラして帰った」

憧「ふ~ん………ま、あの何もない部屋じゃすることないわよね」

京太郎「あいつにも何もない何もない言われたよ」

憧「まだあのままなの?」

京太郎「基本的には。多少生活感は出てきましたけど」

憧「散らかってきたってことね」

京太郎「さすが憧さん、スルドイ」

憧「整理整頓は習慣づけとかないと、散らかる一方なんだから」

京太郎「人の目が無いからどうしてもさ。一応誰か来るってなれば片付けるけど」

憧「だからそれじゃ……ってもういいわ。ところでどこに向かってるの?」

京太郎「ん~?いやな、さっきの話じゃないけど、俺の部屋何もないからってこの前咲が変な置物買ってきたんだよ」

憧「変な置物?」

京太郎「なんか熊の顔がメロンになってて……北海道のどっかのゆるキャラらしいんだけど」

憧「なにそれ、意味わかんない」

京太郎「俺もいまだに意味わかんない。てことで到着~」

憧「ド○キ?」

京太郎「来たことある?」

憧「入るのは初めて」

京太郎「いろいろあって面白いぜ」

 
憧「はぇ~~、いろんなものがあるのねぇ……」

京太郎「おっ……なぁ憧、これつけてみろよ」ネコミミー

憧「!?、いやよ!恥ずかしい!」

京太郎「えぇー似合いそうなのに」

憧「……京太郎が先につけたら考えてあげてもいいわよ」

京太郎「え?じゃあ、はい」ソーチャク

憧「ためらいなさすぎでしょ……ってか似合わなさすぎ!あははははっ」

京太郎「じゃあ次は憧の番な」

憧「え?あたしつけないわよ?」

京太郎「なっ!??約束が違う!!」

憧「考えた結果つけないことにしましたー」

京太郎「なんって小賢しいのかしらこの娘は!」

憧「ふふん、騙される方が悪いのよ」

京太郎「ぐぬぬ……これ買っておこう。いつか憧に着けさせてやる」

憧「なんなのよ、その執念は…」

京太郎「和は割りとこういうノリはいいからな、多分つけてくれるぞ」

憧「え?まじで?」

京太郎「マジマジ。先輩にこういうの大好きな人がいてな、和は結構ノリノリで付き合ってた」

憧「へぇ~……あたしの知らない和がいるのね」

京太郎「逆に咲はムリヤリ付き合わされてたけどな」

憧「あぁ、それはなんかわかるわ」

 
憧「ところでここに何買いにきたの?」

京太郎「あぁ、そうだった。俺の部屋が何もないと言われないために、なんか飾ろうかと思って」

憧「ふ~ん」

京太郎「そこでオシャレ自慢の憧さんに、洒落乙なものを選んでもらいたい所存」

憧「それならこんなとこじゃなくて、もっとちゃんとしたお店行きなさいよ」

京太郎「まぁそうなんだけど、今日はさっき思いついたからさ。ちゃんとしたところ行くのはまた今度な」

憧「今度……うん、そうね」

憧「でもあたしが選んじゃっていいの?どうしても女目線になっちゃうわよ?」

京太郎「そこはほら、女目線で男の部屋にあったらシャレてんなって思うものを選んでくれよ」

憧「難しいこと言うわね……そんなことしたことないし」

京太郎「まぁまぁ、よっぽどアレじゃない限りは文句言わんから。軽い気持ちで選んでくれれば」

 

………


憧「ね、京太郎。これとかどう?かわいくない?」

京太郎「……お前それ、俺の部屋に置くってこと忘れてないか?」

憧「………あっ」

京太郎「返してらっしゃい」

憧「はーい……」


京太郎「しかしえらくかわいらしいの持ってきたな……あーいうの好きなのかな」




憧「う~ん……あ、じゃあこれなんてよくない?」

京太郎「ほぉ…ほぅほぅ。よし、これにしよう」

憧「よかったー。なかなかの難題だったわ…」

京太郎「あと猫耳な」

憧「あっ…忘れてた。本当に買うの?」

京太郎「憧がつけてくれたら買わないけど」

憧「つけないから」

京太郎「ツレないなぁ。じゃ買ってくるわ」

 



京太郎「ありがとな、憧」

憧「今日はラーメン屋さんに連れてってもらったし、お互い様よ」

京太郎「そっか。じゃあぼちぼち帰るか。もう暗いし、憧んちまで送るよ」

憧「ぇ、えっと………うん、おねがいします」

京太郎「てことで、道案内よろしく」



「………」
「…………」


京太郎「あのさ…」

憧「……なに?」

京太郎「今日はラーメン食いに行ったけど、他にも行きたいところがあれば遠慮なく言ってくれればいいからな」

憧「ぅん…ありがと」

京太郎「憧にはいつもお世話になってるからさ」

憧「……なにそれ、お礼でしてくれてたわけ?」

京太郎「あぁ…いやそういうわけじゃなくて」

憧「嘘ウソ、冗談よ」

 
京太郎「ったく……」

憧「ぁ…ここ右」

京太郎「ん」

憧「……で、あれ」

京太郎「ふ~ん………小奇麗なとこ住んでんな」

憧「……ちゃんと覚えた?」

京太郎「へ?」

憧「またどこか連れてってくれるんでしょ?今度は家まで迎えに来てもらおうかしら」

京太郎「あ…あぁ、任せとけ。お呼びとあらばいつでも馳せ参じますよ」

憧「よろしい、ふふっ………今日はありがと、楽しかった」

京太郎「俺も。コレありがとな」

憧「じゃあ……また明日、ね」

京太郎「ちゃんと戸締まりしろよ?」

憧「わかってるわよ。そっちこそ、もう遅いんだから気をつけてね」

京太郎「おぅ、じゃあまた明日な」

憧「うん…………あっ、京太郎!」

 
京太郎「ん?」

憧「ぁ、あのね……」

京太郎「どうかしたか?」

憧「えっと……その、気をつけてね?」

京太郎「それさっきも聞いたぞ」

憧「そ、そだね……ごめん」

京太郎「心配すんなって。襲われても返り討ちにしてやんよ」

憧「ふふっ、誰が襲うのよ」

京太郎「ほんとだよ。じゃあまた明日な。これも2回目だけど」

憧「うん」

京太郎「ちゃんと戸締まりしろよ?」

憧「それも2回目~」

京太郎「はははっ、じゃあな」

憧「うん、おやすみ」
パタン



京太郎「…………」


『京太郎とならあたし嫌じゃ…』

『相手によるけど……京太郎なら…』


京太郎「…………まさかね」

ここまでで

息抜き

 
憧「………」イソイソ

京太郎「Zzzz………」

憧「……」イソイソ

京太郎「う~ん……」

憧「………よく寝てるわね」

京太郎「………」

憧「昨夜激しかったもんなぁ………って何言ってんのあたし!」

京太郎「…………」

憧「……………好きよ京太郎、大好き」

京太郎「そういうことは起きてるときに言ってくれると嬉しいんだけど」パチッ

憧「!?、起きてたの!!?」

京太郎「うん」

憧「いつからよっ!」

京太郎「憧が俺に脱がされた服を拾ってるところからだけど?」

憧「ッッ!!!」バシバシッ

京太郎「ちょっ、痛いイタイ!!」

憧「なに黙って見てんのよ!!」

京太郎「いや~……恥ずかしいそうに脱がされた服を集めてる憧を見てたら、昨夜のことを思い出してしまいまして……」

憧「スケべ!ヘンタイ!!」

京太郎「ハハハハッ」

憧「なに笑ってんのよ!!」

京太郎「憧ちゃんはカワイイなぁ」

憧「うっさい!」

京太郎「憧、あ~こ」

憧「なによっ!」

京太郎「好きだよ憧、大好き」

憧「~~~~~//////」ボッ

京太郎「憧ちゃんはカワイイなぁ」

憧「……うっさぃ」

京太郎「憧、おいで」

憧「……、…………ぅん」

こういうの書きたい

ということで話を進めますがほぼ進みません
おかしいこんなはずでは

 


憧「今日は楽しかったな」

憧「そうだ、メールしとこ」

憧「また…一緒に……うぅん、2人で……」

憧「2人で……デート、したいなぁ」

憧「京太郎と……京太郎、京太郎…………んっ」

憧「お、お風呂入ろう!」



◇ ◇ ◇

京太郎「う~~~~~~ん………」
ピロピロピロピロ
京太郎「お?メール……?」

『今日はアリガト。本当に楽しかった!また2人でどこか行きましょ』

京太郎「……こんな風にわざわざメールくれる子、高校時代にはいなかったな」

京太郎「2人で、か……」

京太郎「まじかー」

京太郎「………」

京太郎「………」

京太郎「………………とりあえず返事しとくか」




◇ ◇ ◇

prrrr
咲「ん?…………っ!!?」

咲「も、もしもし!?」

『久しぶりだね、咲。起きてた?』

 




◆ ◆ ◆


咲「えっと……」

淡「ぅお~い!サッキーーー!!!」ブンブン

咲「淡ちゃん!?」

照「よかった、ちゃんと来れたんだね」

咲「あ、お姉ちゃん。今日は淡ちゃんも?」

照「話したら一緒に行くって聞かなくって」

淡「めいわく?めいわく?」

咲「うぅん、そんなことないよ。久しぶりに淡ちゃんにも会えてうれしいよ」

淡「あわ~」

照「じゃあ早速行こうか」

淡「は~いッ」

 
咲「ねぇ、どこに行くの?」

照「いいとこ」フフン

淡「いいとこ~」

咲「淡ちゃんもどこ行くか知ってるの?」

淡「知ってるともさ!おいしいから期待してていいよ!」

咲「おいしい?」

照「こら淡」

淡「怒られちったーあははは」

咲「教えてくれてもいいのに」

照「行ってのお楽しみだよ。まぁ、本当においしいから。私のお気に入り」

咲「てことはお菓子だ。ケーキ屋さんとかでしょ?」

照「!?、なんで…」

咲「あはは、それくらいわかるよ」

淡「おぉ、さすがイモウト」

照「と、とにかく行こう」

咲「ここから近いの?」

淡「すぐそこだよー」

照「高校生の頃からだから私はもう5年くらい通ってる」

咲「へぇ~」

照「いまは離れちゃってるけど東京歴は咲よりだいぶ先輩だからね。いろいろと教えてあげるよ」

咲「うん!ありがとうお姉ちゃん!」

 



照「ここ」

咲「うわ~オシャレだ」

淡「こちらのお店、なんとあのはやりんプロデュースなんですのよ」

咲「へぇ~」

照「そのへんのことはよくわかんないけど、おいしいよ。特にプリンは絶品」

咲「プリン……」

淡「咲?」

照「さぁ!早く入ろう!そして早く食べよう!」

淡「あ、待ってよテルー。ほら咲も行くよー」

咲「…………ぁ、うん」





咲「おいしい…!」

淡「でっしょでしょでしょ~」

咲「お姉ちゃんがハマるのもわかるよ~」

照「ふふふ……ねぇ咲、その……最近どう?」

咲「へ?」

淡「テルは咲のことが心配でしかたないんだよー」ニヒヒ

照「ぅ……」

咲「大丈夫だよ、先輩もよくしてくれてるし………そうだ、竜華さんに聞いたよ」

照「そ、そう……」

淡「??、なになに?リューカさんてあの人だよね?千里山の」

咲「うん、いまは私の先輩なんだ。私が……」

~~

 
~~

淡「へぇ~、テルってばちゃんとお姉ちゃんしてるぅ~」

照「あ、淡っ…!」

淡「あはは、テル照れてる?照れてる?照だけに?なんちってー」

咲「あっ…」

照「……、淡」

淡「んー?」

照「少し、黙ろうか?」ニッコリ

淡「あっ………あわわわわ…」

咲(お姉ちゃんは昔から名前でからかわれるのが大嫌いなのです)

咲(とりあえずなにか話を逸らさないと……)

咲「あ、あの!二人とも!」

淡「!?」

照「……どうかした?」

咲「え、えっと……そうだ!お姉ちゃん彼氏とかいないの?」

照「ッ!?」ブフー

淡「うわ!ばっちぃ!」

 
照「ゴホッケホッ……と、突然なにを」

咲「だ、だってお姉ちゃんももうハタチ過ぎてるんだし、そういう人がいても……」

照「……………」ズーン

咲「ぁ………あ、淡ちゃんは!?」

淡「私ー?いないよー?まぁ、この淡ちゃんに釣り合う男なんてそうそういないからね、しょうがないよ」

咲「そっかー、そうなんだアハハ」

咲(よし、なんとか場の空気は変わったよ…)

淡「そういうサキは?彼氏とかいるの?」

咲「ふぇっ!?わ、私!?」

照「言い出しっぺの法則……!」

咲「私は………す、好きな人はいるよ」

淡「おぉ!」

照「!!、そうなんだ……」

淡「どんな人どんな人ー??」

咲「えっとね、幼なじみなんだけど……」

照(幼なじみ……?)

咲「優しくて背が高くて面白くて勉強もできてスポーツも得意で」

淡「顔は?1番重要じゃん!」

咲「えっと……カッコいいよ、えへへ」

照「なんだったっけ、たしか……キョーちゃん?だっけ?」

咲「あ、うん」

淡「なになに?テルも知ってるの?」

照「近所に咲と遊んでくれてる男の子がいたのは覚えてる。でもそれくらい」

淡「ふ~ん」

 
照「まだ付き合い続いてたんだね」

咲「京ちゃんも清澄だったんだよ。それでいまはこっちにいるんだ」

照「大学生?」

咲「うん。和ちゃんと同じ大学なんだよ」

淡「え、それってもしかして」

照「原村さんと付き合ってるの?」

咲「それは無いと思うよ。京ちゃん、高校生のときに和ちゃんにフラれてるし」

淡「でもでもー、諦めきれずに同じ大学とかー」

照「うんうん」

咲「う~ん……それも無いと思うな。もうなんか仲のいい友達みたいになってるし……」

咲「そもそも和ちゃんは完全にそういう風に見てないから」

淡「なるほどー」

咲「問題は私も完全にそういう風に見られてないっていう…」

淡「ありゃ~…」

照「甘いね咲……甘々だよ、まるでこのプリンのような甘さだよ」

咲「え…?」

照「人が人を好きになるのは一瞬なんだよ……!」

照「それまでずっとなんとも思っていなくても、ある瞬間その相手のことを好きになっている。それが恋なんだよ……!!」

淡「おぉ!」

照「恋と時間は無関係なのさ」

咲「時間……」

淡「すごいテル!経験あるの!!??」

照「えっ?いや、その…本とかで……」

咲「それはその二人がくっつく話だっただけだね」

照「うぐぅ」

淡「ぷすすー、テルださーい」

咲「でも……時間が関係ないっていうのはその通りだと思うよ」

照「咲…?」

 

………



照「じゃあそろそろ行こうか」

咲「あ、ここってテイクアウトもできるんだよね?」

照「うん。私もなにか買っていくつもり」

咲「竜華さんにお土産買っていってあげようっと」

照「……ふ~ん、清水谷さんに」

淡「…………テル、ヤキモチ?」ボソッ

照「べ、べつにそんなことは……っ!」

淡「ふふふふ~、テルかわいいなぁ」





咲(……京ちゃん、プリン好きだったよね」

淡「サキー?何ぶつぶつ言ってるの?」

咲「ふぇ!?」

照「二人とも行くよ」

淡「あわわ、待ってよテルー」


咲「そうだ、場所を覚えておかないと」

ここまでで

次回は5月17日です

あ、あれ?ちゃんと伝わってる、よね?大丈夫だよね?

最近時間がとれなくて辛い…
とりあえずできたところまでいきます

 
5月17日





憧「京太郎あのね……」

京太郎「お、おぅ」

憧「ほらこれ見て京太郎」

京太郎「……、どうした?」

憧「ねぇ京太郎聞いてる?」

京太郎「ちゃんと聞いてるって……」

憧「京太郎」

憧「京太郎!」

憧「京太郎!!」


和「…………」

和(これはちょっと予想外でしたね…)

和「あ、あの…少しいいですか?」

京太郎「ん?」

憧「なに?」

和「二人とも今晩予定ありますか?」

京太郎「俺は何もないけど」

憧「あ…和、もしかして……」

京太郎「なんかあるのか?」

 
和「今日は憧の誕生日なんですよ。なので私の家でちょっとしたお祝いでも、と思いまして」

京太郎「え、そうだったのか」

憧「覚えててくれたんだ」

和「当たり前じゃないですか…と言いたいところなんですけど」

憧「??」

和「実はこの前、穏乃から連絡がありまして」

憧「そうだったんだ……シズったら」

和「なので須賀くん、7時くらいにうちに来てください。憧は私と一緒でいいですよね?」

憧「うん、ありがと和」

京太郎「えっと…俺も行ってもいいのか?」

憧「来てくれないの?」

京太郎「あ、いやその……」

和「当たり前でしょう。来ないと怒りますよ」

京太郎「わかった!わかったから」

憧「よかった…」

京太郎「ッ!」





和「須賀くん須賀くん」ヒソヒソ

京太郎「ん?」

和「ちゃんとプレゼントを用意してきてくださいよ」ヒソヒソ

京太郎「あっ………そういうことはもっと早く言えよ!!」

和「すみません、忘れてました」


憧「京太郎、和、どうしたの?」

 


◆ ◆ ◆


和「どうぞ、上がってください」

憧「おじゃましまーす」

憧「そういえば今日、和の両親は……」

和「憧の誕生日パーティをやるので出てもらいました」

憧「えぇ!?」

和「なので気にしなくていいですよ」

憧「いや逆にめっちゃ申し訳ないんですけど…」

和「なーんて、冗談ですよ。今日は二人とも遅くなるそうです」

憧「ホント?」

和「本当ですって」

憧「ならいいけど…」

和「はい、いいんです。適当に座っててください。いまなにか飲み物いれますから」

憧「お構いなく~」

憧「さすが…立派なお宅だこと……」キョロキョロ

和「砂糖とミルクはお好みでどうぞ」

憧「ありがと。そういえば、京太郎って和のうちに来たことあるの?」

和「ありませんけど…なんでですか?」

憧「京太郎、一人で来れるのかなーって」

和「住所を教えておきました。あとはスマホの地図があるからなんとかなると言っていたので」

憧「ふ~ん……」

和「安心しました?」

憧「は!?な、なにが?」

和「ふふふ」

憧「なによーっ」

 


………


ピンポーン
憧「!」

和「須賀くんでしょうか…はい」

京太郎『えっと、和だよな?着いたぞー』

和「ちょっと待っててください。いま開けますから」

憧「京太郎…」



ガチャ
京太郎「よっす」

和「待ってましたよ。用意してきましたか?」

京太郎「一応な。ラストの講義終わってから速攻で探しに行ったんだぞ」

京太郎「誰かさんがいきなり言ってきたおかげでな」

和「すみません反省してます」

京太郎「まー、気のない謝罪だこと」

和「いつまでも玄関で立ち話もなんですし、上がってください」

京太郎「あいよ…お邪魔しますっと」

和「憧も待ってますしね」

京太郎「……あぁ」

 
憧「京太郎!」

京太郎「よう、さっきぶり」

憧「遅いわよ」

京太郎「ちゃんと7時くらいに来ただろ?」

憧「そうだけどぉ…」

京太郎「ちょっといろいろと準備があったんだよ」

憧「あっ…それもしかして……」

京太郎「……ま、あとでな」

憧「……うん!」

和「じゃあ私は料理を仕上げちゃいますので、少し待っててください」

憧「あ、それならあたしも何か手伝うわよ」

和「ダメです。憧は今日の主役なんですよ」

憧「は~い…」

京太郎「おぉ和の手料理か、楽しみだなー」

憧「むっ」

とりあえずここまでで

今回もできたぶんだけ

 



………


京太郎「うまい!シェフを呼べ!!」

和「私ですが」

憧「なにやってんの?」


京太郎「久しぶりに食べたけど、相変わらず和は料理うまいな」

和「ありがとうございます」

憧「ほんと、おいしい。ねぇ和、料理ってどうしたらうまくなるの?」

和「そう言われましても……やっぱり誰かに食べてもらうのが一番なんじゃないですか?」

和「自分のためにってだけだと、こう手抜き…といいますか」

憧「あー、わかる。もうこれでいいやーってなるのよねー」

和「あと私の場合はよく母にダメ出しされますね」

京太郎「マジか。充分美味いのに」

和「しょっちゅうですよ。ただ言われたとおりにやるとより美味しくなるので」

 
京太郎「つーかこういう手料理を食べることが久しぶりだ」

憧「そういえば京太郎って普段どういう食事してんの?ちゃんと食べてる?」

京太郎「んー…麺とかー麺とかー麺とかー」

和「麺ばかりじゃないですか」

京太郎「だって麺が一番楽なんだもん」

憧「まぁそれはわかるけど」

京太郎「この前は一週間スパゲッティでしのいだな」

憧「それはやりすぎでしょ!?」

和「飽きないんですか?」

京太郎「そこはほら、パスタソースって山ほど種類ありますから」

和「というか、須賀くんって料理できましたよね?」

憧「え、そうなの?」

京太郎「できるってほどできねーよ」

憧「どっちよ」

京太郎「切る焼く炒めるくらいのことはするってレベルだよ。こんな手の込んだもんはとてもとても」

京太郎「まぁだいたいのもんは塩コショウで炒めるか、ポン酢かけときゃ食えるからな。そんな感じでやってる」

憧「ふ~ん」

和「ちゃんと野菜もとらなきゃダメですよ」

 



京太郎「ごちそうさまでした」

和「おそまつさまでした」

憧「食器はシンクの方でいい?」

和「あ、いいですよ。座っててください」

憧「いいわよ、これくらい。ほら京太郎も」

京太郎「へーい」




和「須賀くん須賀くん」ヒソヒソ

京太郎「?」

和「ケーキを出しますから、憧を捕まえておいてください」ヒソヒソ

京太郎「了解……」ヒソヒソ




京太郎「ほらほら、さっきも言ったけど憧は主役なんだから、こんなことはしなくていいんだって」グイグイ

憧「あっ、ちょっとなによー」

 
京太郎「いやーそれにしてもほんとに美味かった」

憧「………、京太郎はさ」

京太郎「ん?」

憧「やっぱり…料理ができる子の方がいいの?」

京太郎「そりゃあ、できるに越したことは無いと思うけど」

憧「そうなんだ……」

京太郎「憧だって料理修行してたじゃん。写真見ただけだけど、美味そうだったぞ?」

憧「あれは教えてもらったり手伝ってもらったり、余裕があったからで…」

憧「一人になってからはなかなか……和みたいに上手にはできないから」

京太郎「まぁ経験値が違うからな、そこはしょうがないって。憧はこれからどんどん上手くなればいいんだよ」

憧「………さっき、和が言ってたじゃない?」

京太郎「へ?」

憧「うまくなるには誰かに食べてもらうのが一番だって」

京太郎「……あぁ」

憧「だからね……その、あたしが作った料理をきょぅ……」

京太郎「………なに?」

憧「な、なんでもないっ!ごめん忘れて!」

和「お待たせしました」

憧「あ、和……」

京太郎「……」

 
和「どうしました?」

憧「うぅん…なんでもない!ね、京太郎?」

京太郎「あぁ………って、おーケーキかー」

憧「うわぁ…ありがと和!」

和「誕生日といえばケーキですからね。ちなみにちゃんとロウソクも19本ありますよ」

憧「あはは、そこまでしなくてもいいのに」

京太郎「じゃあロウソクたてて……火ぃつけるぞー」

憧「19本もあると火をつけるだけでひと苦労ね」

京太郎「まったくだぜ……っと、よし準備完了」

和「では電気を消しますよ」パチン

京太郎「さぁ憧、ひと思いにやってやれ」

憧「うん!じゃあ行きます!フゥー!」

京太郎「一本残ってるぞ」

憧「むっ、こいつしつこいわね。フッ…よし!」

京太郎「誕生日おめでと~」

和「おめでとうございます」

憧「ありがと~」

和「それじゃあ切り分けますね」

京太郎「こんなちゃんとしたケーキ食うの久しぶり……つーか今日久しぶりだらけだな」

憧「ちゃんとしてないのなら食べてるわけ?」

京太郎「コンビニスイーツはよく食ってる」

憧「あー、そういえばプリン好きなんだっけ」

京太郎「最近のコンビニプリンはバカにできんぜ?」

憧「わかるわかる。普通に美味しいわよね、あたしもよく買うもん」

京太郎「でもやっぱりホンモノとは比べ物にならないよなぁ」

和「というわけで本物のケーキです。いただきましょう」

憧「わ~」

 



憧「ん~!おいし~幸せ~」

和「はじめて行ったお店だったんですけど、当たりですね」

京太郎「甘いもの食うと幸せな気分になるよな~」

憧「なに女子みたいなこと言ってんのよ」

京太郎「いま俺の心は女子だから」

憧「こんなでっかい女子がいるかっ」

和「ふふっ……」ガタッ

憧「和?」

和「憧にこれを。誕生日プレゼントです」

憧「わぁ…ありがとう!」

和「防犯グッズです。これは玄関に取り付けるタイプで、こっちが窓につけるやつです」

憧「おぉ……」

和「憧は一人暮らしなんですから、念には念を入れないとダメですよ」

憧「う、うん…ありがと」

京太郎「リアクションに困ってるじゃねーか」

憧「こういうのはちょっと予想してなかったから……」

和「あれ~?」

 
憧「でもちゃんと活用させてもらうわ。ありがと和」

和「はい、ぜひ使ってください。須賀くん?」

京太郎「ん?」

憧「!!」

和「須賀くんも用意してきてましたよね?」

憧「……」

京太郎「あー……あるけど包んであるし、帰りに渡すよ。ダメか?」

憧「………うぅん、ダメじゃない」

和「まぁ、憧がそれでいいならいいですけど」

京太郎「それに、自分がいるところで開けられるとその…恥ずかしいだろ」

憧「………」

和「恥ずかしいものなんですか?見損ないました須賀くん」

京太郎「そういうことじゃねーよ!!」

憧「あはは…」




和「…………ふぅ」

このエピは次で終わるはず

プレゼントはこしみのではありません。これだけははっきりと真実を伝えたかった



行きます

 



………


憧「今日はありがと。こんなことしてもらえると思ってなかったから、すごく嬉しかった」

和「喜んでもらえてなによりです。須賀くん、憧のことお願いしますね」

京太郎「あぁ、しっかり送り届けますよ」

憧「よろしくね」

和「忘れ物はないですか?」

憧「うん、大丈夫のはず」

京太郎「あっても問題ないだろ。明日また会うんだし」

和「それもそうですね。では憧、須賀くんおやすみなさい」

京太郎「おう」

憧「また明日ね」



京太郎「……じゃ行きますか」

憧「うん」




 

………


憧「ありがとね」

京太郎「ん?なにが?」

憧「なにって、いろいろやってくれて」

京太郎「俺は何もしてないって。昼まで憧の誕生日ってことも知らなかったんだぜ?」

憧「あ、そっか。じゃいまの感謝返して」

京太郎「またそういう無茶を言う」

憧「あははは」

京太郎「知ってりゃもうちょっとできたこともあったのにな…」

憧「来年…」

京太郎「ん?」

憧「来年、楽しみにしてる」

京太郎「…………そうだな」

憧「うん………」

京太郎「でもその前に和の誕生日だけどな」

憧「和の誕生日……たしか10月だっけ」

京太郎「おっ、よく覚えてんな」

憧「やってあげなきゃね」

京太郎「そうだな。そのときは俺もなんか手伝うよ」

憧「当たり前でしょー。そういえば……京太郎の誕生日っていつなの?」

京太郎「俺?2月だからまだまだ、ずっと先」

 
憧「ふ~ん……2月か」

京太郎「期待してていい?」

憧「う~ん、どうかしら」

京太郎「えー頼むよー」

憧「そんなにしてほしいの?」

京太郎「へ?いや、そりゃまぁ……」

憧「……」ジー

京太郎「えっとだな……」

憧「………ま、京太郎次第ね」

京太郎「そ、そっか……」

憧「ふふっ」

京太郎「……」ポリポリ

憧「ホラホラっ、突っ立ってないで。ちゃんとエスコートしてよ?」

京太郎「へいへい」

憧「♪~」

京太郎「楽しそうだな」

憧「そう?」

京太郎「あぁ」

憧「そうかな…そうかもねっ」

京太郎「………ほら、行くぞ」

憧「は~いっ」

 

………


京太郎「到着…っと」

憧「着いちゃった……」ボソッ

京太郎「なんか言ったか?」

憧「なんでもない」

京太郎「………憧」

憧「な、なにっ?」

京太郎「遅くなったけど、これ。誕生日プレゼント」

憧「あっ………ありがとっ!!」

京太郎「自分で言うのも何だけど大したものじゃないから、部屋の片隅にでも置いて飾ってくれれば…」

憧「飾っておくものなんだ」

京太郎「一応、そんな感じ。はじめてだからなにを選べばいいのか全然分かんなくて参ったよ」

憧「はじめて?」

京太郎「ん?」

憧「はじめてって…なにが?」

京太郎「なにって、その…女の子にプレゼントをすることが、ですけど」

憧「えっ………で、でも高校のときにこういうこと無かったの?京太郎以外みんな女子だったんじゃ…」

京太郎「高校のときは部員みんなからのプレゼントって感じだったからな」

憧「咲は?幼馴染だったんでしょ?」

京太郎「幼馴染だからってわざわざ誕生日プレゼントなんて渡さねえって」

京太郎「女の子同士ならそういうことするのかもしれんけど」

 
京太郎「だから…俺個人としてプレゼントっていうのは、これがはじめて」

憧「ッ!」

京太郎「恥ずかしい話なんだけどな」

憧「うぅん、そんなことない……」

憧「ありがとう京太郎…絶対大事にする」ニコッ

京太郎「っ!!」

憧「……京太郎?」

京太郎「ぁ、いや………」

憧「どうしたの?」ジッ

京太郎「やばい……」ボソッ

憧「ねぇ…」

京太郎「じゃあそろそろ俺は行くから!ちゃんと戸締まりしろよ!」

憧「え?え、えっ?」

京太郎「誕生日おめでとう!じゃあな!おやすみ!」

憧「ちょっ、京太ろ……」バタン






タッタッタッタッタッ…


京太郎(やばい)


京太郎(やばいやばいやばいやばい…)


京太郎「はぁ…はぁ…はぁ………はぁ」

京太郎「憧……」

 




◇ ◇ ◇



憧「京太郎どうしたんだろ」

憧「あ、そうだ…京太郎のプレゼント…」ガサガサ

憧「わ、かわいい」

憧「京太郎がこれを選んでくれたのよね……」

憧「あたしの、ために」

憧「えへへ……あ、これオルゴールなんだ」

♪~

憧「大切にしよう……」

憧「どこに置こうかな……う~ん」キョロキョロ

憧「!」

憧「ここなら絶対目にはいるわね、うん」

憧「……これでよしっと」
prrrrr
憧「電話?京太郎……じゃなかった」

憧「もしもーし」

 
穏乃『誕生日おめでとーーー!!!』

憧「うるさいっ!!」

穏乃『あっははは!!ごめんごめん!!』

憧「まったく……でも、ありがとね。和に聞いたわよ」

穏乃『う?なんのことかなー』

憧「いいわよ、ごまかさなくても。全部聞いてるから」

穏乃『も~秘密って言っといたのに、和めー』

憧「秘密だったの?あの子聞いてないのに全部話してくれたわよ?」

穏乃『………まぁ和って昔からそんなところあったよね』

憧「うん」

穏乃『それはそうと、改めて誕生日おめでとう、憧』

憧「はいはい、改めてありがとう、シズ」

穏乃『どうだった?』

憧「楽しかったわよ。和の料理もケーキも美味しかったし」

穏乃『えーいいなー』

憧「それに……」

穏乃『それに??』

憧「なんでもない、えへへ」

穏乃『なんだよ気になるなー』

憧「今はまだヒミツ~」

今日はこれまで

息抜き



>>297の続き

 
京太郎「憧…」ギュッ

憧「ふぁ~……」

京太郎「好きだ」

憧「ッ~~~~」

京太郎「好きだよ」

憧「あたしも~…」ギュー

憧「ぁ……」

京太郎「ん?」

憧「カタくなってる……」

京太郎「あ、あぁ……さっき言ったろ?昨夜のこと思い出しちゃって」

憧「えっち」

京太郎「否定できねーな」

憧「ばーか」

京太郎「それも否定できねーわ。なぁ、憧」

憧「なに……むぐっ!?」

京太郎「ん……んっ」

憧「ん!ん~~!//」

京太郎「んん………んむ」

憧「んんん!んん~~~~/////」

 
京太郎「ふぅ」

憧「ぷはっ……な、なにすんのよぉ///」

京太郎「嫌だったか?」

憧「イヤなわけない、けど……」

京太郎「………」

憧「ただ急にやられるとビックリするから…」

京太郎「憧ォ!」ガバァ

憧「ふきゃあ!?」

京太郎「ごめん、もう我慢できねぇ」

憧「えっ!やっ…だめ!舐めちゃ……」

京太郎「なんで?」

憧「だ、だって昨日汗いっぱいかいたし、そのままでまだシャワーもなにも……」

京太郎「たしかにちょっとしょっぱいかも」

憧「バカぁ!!……あっ」




憧「んんっ……ひゃっ!」




憧「ダメっ…………そこやぁ」


京太郎「憧ももう準備万端じゃん」

憧「ぅ~~~~////」

 
京太郎「嫌ならやめるけど?」

憧「ぅぅ……」ギュウ

京太郎「憧?」

憧「京太郎は、エッチのときイジワルになる」

京太郎「男の子は好きな女の子にはいじわるしたくなるもんなんだよ」

憧「ねぇ京太郎、キス」

京太郎「んっ…」

憧「ん……、優しくしてね?」

京太郎「俺はいつだって優しいだろ?」ゴムゴム…

憧「優しいけど…強引で、イジワル」

京太郎「それは否定できねーな」ピッ


憧「京太郎、きて」

本筋が全然進まない(怒)
たぶん今日はこれだけ

なんとか この週末には 間に合ったぞ

 







京太郎「ふぁわ~~~………」

京太郎「ねっみぃ……」

京太郎(昨日寝たの何時だっけ……たしか3時半くらいまでは覚えてるけど……)

京太郎(全然眠れなかった……)

京太郎(ずっと憧のこと考えて眠れないとか、俺…)


~~

憧「ありがとう京太郎…絶対大事にする」ニコッ

~~


京太郎「可愛かったなー……」

京太郎「いままで通り、普通でいられるかな……」

憧「あっ!京太郎!」

 
京太郎「ん?…憧!?どうして……ね、寝坊か?珍しいな」

憧「京太郎を待ってたの」

京太郎「へ?」

憧「京太郎に……、京太郎と一緒に行きたくて」

京太郎「あ、あぁ……そう」

憧「……迷惑、だった?」

京太郎「あっ、いや!そういうわけじゃないけど………その、ちょっとびっくりはしてる」

憧「突然ごめんね」

京太郎「嫌とか迷惑とかは、全然無いからなっ!」

憧「うん、よかった……連絡しとけばよかったわね」

京太郎「そ、そうだな。そしたら俺もちょっと早く家出たし」

憧「あ、そうだ」

京太郎「??」

憧「おはよう、京太郎」ニコッ

京太郎「っ!!……おはよう、憧」

憧「ふふ、じゃあ行きましょ?」

京太郎「だからやばいって……」ボソッ

憧「??、なんか言った?」

京太郎「い、いやなんでもない……行くか」

 




京太郎「なぁ、憧」

憧「ん?なに?」

京太郎「さっき、どれくらい待ってたんだ?」

憧「え?えっと……10分も待ってないわよ、たぶん」

京太郎「明日…は休みか。今度の、月曜からは俺ももう少し早く家を出るよ」

憧「え?」

京太郎「憧を待たせるの、悪いし」

憧「あ、それって……」

京太郎「え?………あっ」

京太郎「あーそっか!今日はたまたまだよな!何考えてんだ俺!ハハハ、ハ…」

憧「あ、あたしも!京太郎さえよかったらこれからもいっしょに行きたい、です…」


「「……」」


京太郎「………それなら、今後ともよろしく」

憧「こ、こちらこそ……」

 

「「…………」」


京太郎「あ、あのさ!」

憧「はぃ!?」

京太郎「その……待ち合わせ場所なんだけど」

憧「う、うん……」

京太郎「道端じゃアレだし、向こうの通りのコンビニとかにしないか?」

京太郎「あそこなら憧も通るよな?」

憧「あ、うん。そこで全然大丈夫」

京太郎「コンビニなら憧も時間潰せるだろ」

憧「……ん?時間通りに来てくれれば、時間を潰す必要なんてないんですけど?」

京太郎「それで、時間なんだけど…」

憧「ちょっと、ごまかすんじゃないわよ」

京太郎「俺だって好き好んで遅刻なんてしねーよ!」

憧「なんで京太郎がキレるのよ!」

京太郎「あ、いや、つい」

憧「もう、遅刻しそうなときはちゃんと連絡くれればいいから」

京太郎「へーい」


京太郎(よし……普通にできてるな)

 



◆ ◆ ◆


京太郎「飯食ったらまた眠くなってきた……」

憧「そういえば今日ずっと眠そうにしてたわね。寝てないの?」

京太郎「あー……昨日なかなか眠れなくてさ……」

憧「なにかあったの?」

京太郎「……ちょっと考えごとしてて」

憧「……それって昨日のことと関係あるの?」

京太郎「昨日のこと?」

憧「なんか、急にいそいで帰っちゃったじゃない」

京太郎「あっ……あー、そのなんだ……」

憧「言いたくないならいいわよ」

京太郎「えっ?」

憧「言いたくないのか言えないのかしらないけど」

京太郎「っ!!」

 
憧「別に責めてるわけじゃないわよ?そりゃあ、やっぱり気にはなるけどね」

京太郎「…………憧のことを考えてた」

憧「…………、えぇぇっ!!?」

京太郎「憧の……憧があのプレゼントで喜んでくれたか、あれで正解だったかとか考えてたらさ」

憧「あっ、そういうこと……」

京太郎(嘘はついてない、よな?)

憧「……………京太郎、顔赤いわよ」

京太郎「そりゃこんなこと言わされたら恥ずいっつーの」

憧「プレゼント、嬉しかった」

京太郎「そうか……ならよかった」

憧「本当だからね」

京太郎「わかったって」


「「…………」」


京太郎「……行くか」

憧「そうね…」

 



◆ ◆ ◆


京太郎「疲れた……」

京太郎「いままでで一番疲れた……」

京太郎「今週はいろいろあったからな…」

京太郎「休もう、うん。この週末はゆっくりする」

京太郎「それで……頭ん中を一回スッキリさせる、よし」

京太郎「とりあえず……そうだな、DVDでも借りてこようかね」
prprprprpr
京太郎「お?」

京太郎「もしもし?よぉ、どうした」

咲『もしもし、京ちゃん久しぶり』

京太郎「久しぶりか?」

咲『そんな気分なの』

京太郎「まぁいいけど。で、どうした?」

咲『うん。あのね京ちゃん、明日ヒマ?』

京太郎「明日?あー、まぁ暇っちゃ暇だが」


咲『なら…私とデートしない?』

今日はここまでで

いままでで疲れた・・・

いままでで疲れたってなんだ・・・

いままでで一番疲れただろぃ

そこまで設定固めてるなら小ネタも挟んで4スレくらいは余裕だな!

現実で言うと優希は……うーん、松本大?
長野で野球選手を輩出している学校が他に見当たらない

>>430
長野はガチで野球不毛の地だからなぁ。魔境NAGANOな咲の麻雀世界だとどうやってもしっくり来ない。
スタッフサイドならともかく、選手サイドだと野手で最高の実績が聖澤、投手で川井雄大となるレベルだし。
うん、悪い選手とは言わんが、「歴史上最高」として見たら、なぁ?

一応本編はある程度のところで区切って
あとは思いついた時にポツポツと行こうかなってな感じには考えてます

あとageても別に構わんすよ
どうせこんな亀更新スレすぐ沈むし


>>426
このペースで4スレもいけるわけないぞ
このスレが埋まるかも怪しいぞ

>>430
適当に考えただけだから真剣に考察されると困るぞ
ちょっと調べたら長野は上武大とか白鴎大とかと同じリーグになるんだね、はじめて知ったぞ

>>431-432
長野最高の選手は松商学園の上田投手らしいぞ
それと風越のモデルって絶対松商だと思うぞ



雑談はこの辺にして、行きますぞ

 







<バス停>



京太郎(やっべーもう約束の時間過ぎちゃった)

京太郎(……ま、寝ちゃったのはしょうがねぇ。時間は戻らないしな)

京太郎(一応連絡だけ入れとくか)

京太郎(悪い遅れる……っと)メルメル

 


◆ ◆ ◆


京太郎「よう、待った?」

咲「待ったよ!まさか1時間近く待たされるとは思ってなかったよ!」プンスコ

京太郎「いやー、出かけるから早めに昼飯食ったら眠たくなっちゃって、寝ちゃった」

咲「………なんか言うことあるんじゃないの?」

京太郎「はいはいメンゴメンゴ」

咲「なにそれ。私ちょっと本気で頭に来てるんですけど」ムッ

京太郎「そんな眉間にしわ寄せてちゃかわいい顔が台無しだぞぅ?」ウリウリ

咲「ふぇっ!?や、やめてよ~」

咲「も、もう…京ちゃんってば……」

京太郎「やっぱり咲は気楽でいいわ」

咲「へ?」

京太郎「ん?」

咲「な、なに?どういうこと?」

京太郎「いやな、咲は気を使わなくていいから楽だなぁと思って」

咲「……それは褒められてるの?」

京太郎「なんつーか、実家にいるような安心感?まだ実家に帰ったことねーけど」

咲「それは……ちょっと嬉しいかな、えへへ」

京太郎(最近ドキドキしてばっかりだったからなぁ)

 
京太郎「で、映画見に行くんだっけ?」

咲「うん。好きな作家さんの作品が映画化されたんだ」

京太郎「お前が好きなのってミステリーだろ?それも?」

咲「そうだよ?」

京太郎「結末知ってるミステリー見ておもしろいのか?」

咲「はぁ~……」ハァ

京太郎「なによ」

咲「京ちゃん、マンガは読むよね?」

京太郎「あぁ、まぁ」

咲「たとえばです」

京太郎「ふむ」

咲「京ちゃんがすごく好きで、単行本も買って何度でも読み返してるマンガがあるとします」

京太郎「そんなもんは無いけど、はい」

咲「それが映像化されました。見てみたいと思いませんか?」

京太郎「それは……なるな」

咲「ね?」

京太郎「でもミステリーだとまた話は別な気もするが……まぁいいや。咲が見たいってんなら」

咲「そうだよ。私が見たいんだからいいんだよ」


京太郎「あ、でも映像化ってたいていガッカリするよな?」

咲「もう!水差さないでよ!」

 
京太郎「そんじゃま、行きますか」

咲「あ、ちょっとその前に…」

京太郎「ん~?」

咲「映画に行く前に京ちゃんをいいところに連れて行ってあげます」

京太郎「いいところ?」

咲「京ちゃんが1人ではちょっと行きづらいところ」

京太郎「なんだそりゃ、気になるじゃねーか」

咲「きっと喜ぶよ」

京太郎「ふ~ん…ま、期待しないでおくわ」

咲「なんで!?期待してよ!」
 
京太郎「バッカお前、こういうのは期待しとくと、あ、こんなもんかってなるのがオチなんだよ」

京太郎「ハードルを事前に上げといていいことなんてないんだって」

咲「その理屈は分かるけど……その考え方は面白くないと思うな」

京太郎「なんとでも」

咲「………女の子にモテナイぞー」

京太郎「いいよ、別にモテなくても」

咲「えっ…」

京太郎「で、どこ行くんだ?こっから近いの?」

咲「え、あ、うん……すぐ近くだったはず」

京太郎「じゃあ早く行こうぜー」

咲「ちょっと待ってよ。いま地図確認するから」

京太郎「おぉ…咲がスマホを使っている……!!」

咲「これさえあれば私だって道に迷わないんですからね」フフン

京太郎「ほんとかー?お前ちゃんと地図読めるのかー?」

咲「ち、地図くらい見れますッ!」

 

……


京太郎「まさか咲に道案内をされるとは……」

咲「ふっふっふっ……宮永咲さんは日々バージョンアップしているんだよ。ということで到着です」

京太郎「なにここ、なんていうか…えらいファンシーだな」

咲「ケーキ屋さんです」

京太郎「ふ~ん……たしかにここは来づらいな」

咲「この前お姉ちゃんに連れてきてもらったんだ」

京太郎「あー…姉ちゃん、東京育ちだもんな」

咲「育ちって、高校3年間だけだよ」

咲「まぁいいや。それでね、ここのプリンが美味しいんだよ」

京太郎「プリン?」

咲「好きでしょ?」

京太郎「うん…!」

咲「美味しかったから京ちゃんにも食べさせてあげようと思って」

京太郎「そーかそーか!偉いぞ咲!」
ワシャワシャ
咲「や、やめてよ~」

京太郎「咲のくせに気が利くじゃねーの」

咲「うぅ……くしゃくしゃになった~……」

京太郎「なにしてんだよ咲。早く行こうぜ」

咲「誰のせいだよ!」

 
イラッシャイマセー


咲「もう…あんまり女の子の髪は触んないほうがいいよ?」

京太郎「心配しなくてもあんなことお前くらいにしかしねーよ」

咲「えっ」

京太郎「お前もプリンでいいの?」

咲「え、あ…えっとそうだね……今日は違うケーキにしようかな。プリンはこの前食べたし」

京太郎「すいませーん」

咲「わわっ、待ってよまだ決めてないよっ」





京太郎「おっ?なぁあれ、お前の姉ちゃんじゃん」

咲「え!?お姉ちゃん来てるの?」

京太郎「いやいやそうじゃなくて、あの写真」

咲「あ、なんだ…びっくりさせないでよ」

京太郎「いやお前が早とちりしただけだろ」

咲「京ちゃんが紛らわしい言い方するからだよ。へ~…高校生のときのだね、淡ちゃんもいる」

京太郎「さすが有名人だな」

咲「すごいでしょ、うちのお姉ちゃん」フフン

京太郎「いまはお前も同じ立場なんだから、負けてらんねーみたいなのは無いのかよ」

咲「もちろん麻雀では負けたくないよ。でもお姉ちゃんみたいに注目されるのは嫌かな…」

京太郎「と言ってもなぁ…プロは人気商売でもあるわけだし」

咲「わかってるよ。先輩にもよく言われる」

京太郎「ま、気晴らしくらいならいくらでも付き合ってやるよ。俺じゃなくても、こっちには和だっているんだし」

咲「うん…ありがとね京ちゃん」

京太郎「幼なじみとしてそれくらいはな」

咲「………」

つづく

感想をいただけるのを非常にありがたいし、励みにもなるんですが
や京咲N1って言われるのは心がイタイ


↓つづき

 





京太郎「…………うまっ」

咲「……」

京太郎「…………うめぇ」

咲「………」

京太郎「…………うっま」

咲「京ちゃん、黙って食べなよ……」

京太郎「だってお前めっちゃ美味いぞ、これ」

咲「おいしいのは私もよく知ってるよ」

咲「でもだからって一口ごとに感想言われても困るよ」

京太郎「無くなってしまった…なぜだ」

咲「なぜだ、じゃないよ。食べたからだよ」

咲「そんなに気に入ったんならもうひとつ頼んだら?」

京太郎「う~む……それより買って帰りたいな、5個くらい」

咲「5つも一人で食べる気?」

京太郎「さすがに一気には食わないって。何回かに分けてだな」

咲「こういうのってそんなに日持ちしないよ、わかんないけどたぶん」

京太郎「む、そうなのか」

咲「まぁ、そんなに気に入ったなら買っていったら………、あっ!」

京太郎「あ?」

 
咲「ダメだよ京ちゃん!」

京太郎「なにが?」

咲「この後映画見に行くのに、そんなの持ってたら」

京太郎「あっ……あ~」

咲「危ない…すっかり忘れてたよ」

京太郎「それならしょうがないな」

咲「うん、しょうがないよ」

京太郎「映画はまた今度ということで…」

咲「違うでしょ!?」

京太郎「映画なんていつだって見れるし、な?」

咲「な?じゃないよ!プリンこそいつだって買えるよ!」

京太郎「えー」

咲「また今度買いに来ればいいでしょ!」

京太郎「今度か……」

咲「ほら、そろそろ行こ?」

京太郎「………」

咲「…………京ちゃん?」

京太郎「え?あ、あぁそうだな」

咲「いま、何考えてた?」

京太郎「へ?いや別に…」

咲「そう……」

 




◆ ◆ ◆


京太郎「映画なんて見にきたの久しぶりだな」

咲「私もだよ」

京太郎「で、いくら?」

咲「ん~と…1800円、かな」

京太郎「たけぇ……」

咲「あ、京ちゃんは大学生だから1500円だ」

京太郎「奢ってくださいよ宮永プロ~」

咲「…………しょうがないなぁ」

京太郎「え?ウソだよ冗談だって」

咲「いいの?」

京太郎「いいよ!てかなんでお前、そんな素直に払おうとしてんだよ」

咲「だって…京ちゃんあんまり乗り気じゃなさそうだし……」

京太郎「あのなぁ…」

咲「それに京ちゃんは大学生だけど、私は一応お給料貰ってるし…」

京太郎「この、おバカッ」ペチン

咲「ぁいた」

 
京太郎「お前は俺が就職するまでの4年間、毎回おごってくれるのか?」

咲「え、いや……」

京太郎「お前が言ったのはそういうことだぞ」

咲「ぅ…」

京太郎「二度とそんな馬鹿なこと言うな」

咲「……ごめん」

京太郎「お前がこの先いくら稼ぐようになったとしても、一方的に奢ってもらうなんてゴメンだからな」

咲「わかったよ」

京太郎「そもそもだ、咲に奢られるとか俺のプライドが許さん」

咲「それはそれで失礼だよ!?」

京太郎「はははっ」

咲「もう…ふふっ」

京太郎「さ、行こうぜ」

咲「うん!」



京太郎「あっ!おい咲、チュロス食いたい!買ってくれ!」

咲「えぇ!!?」

 





………



咲(って、まだ始まって30分くらいだと思うんですけど……!!)

京太郎「Zzz……」スピー

咲「…………」

咲「はぁ」

咲(まぁいいや……こうなるような気はしてたし)

京太郎「Zzzz………」



咲(特別には見てくれてるんだよね)


咲(でも私の特別とは違う……)


咲(京ちゃんの特別は……前は和ちゃん)


咲(いまは、きっと……)

 



………



京太郎「ん~…よく寝た」

咲「だろうね!」

京太郎「いやー悪いな。最近寝不足で」

咲「だからって……これじゃ京ちゃん、お金払って寝ただけじゃん」

京太郎「咲は?映画、面白かったか?」

咲「え?う、うん。おもしろかったよ」

京太郎「じゃあそれでいいんじゃね?」

咲「ッ!」

京太郎「このあとどうする?飯食ってくか?」

咲「京ちゃんも……」

京太郎「ん?」

咲「京ちゃんもちゃんと見てよ……」

京太郎「咲…?」

 





咲「じゃあまた今度ね」

京太郎「あぁ、気をつけてな」

咲「大丈夫だよ。またね京ちゃん」





京太郎「……………怒ってたよな」

京太郎「さすがに寝ちゃったのはまずかったか……遅刻もしたしな」

京太郎「今度会ったときに謝るか……」

京太郎「それはそれとして、飯どうしよう」

京太郎「そうだ、ラーメン食いに行こう」

ここまで


まったく京ちゃんはひどい男だな

ま、そのへんはね相手によるよね



ちなみに優希は出てこないよ!
理由はじぇとかじょとかめんどくさいからだよ!

 


京太郎「アイスでも買って帰ろかなー」
ピロン
京太郎「お?」


『なにしてる?』


京太郎「……」メルメル


「借りてきたDVD返して帰るとこ」

『なに借りたの?』

「ゴジラ」
「ちょっと前にやってたハリウッドのやつな」

『子どもか!』

「ゴジラ馬鹿にすんなよ!でっかい怪獣は男子永遠の憧れなんだよ!!」
「内容は微妙だったけどさ」

『ふ~ん』
『あたしにはわかんない』

「でしょうね」
「で、どうした?なんか用?」

『別に用があるってわけじゃないんだけどね』
『なんとなく、なにしてるかなーって思って』

「暇つぶしかよ」

『ダメ?』

「いーや。俺も家につくまでの暇つぶしにさせてもらうわ」

『しょうがないわねー』

「先に言ってきたのそっちだろー」
「それにしてもこういうの久しぶりだな」

 
『どういうこと?』

「こうやってなんでもないことをLINEで話すの」
「こっち来るまではずっとこうだったじゃん」

『そうね』

「前はメールだったけど」

『もうずいぶん前な感じ』

「ほんの2、3ヶ月前のことなのにな」

『それだけいろんなことがあったってことよ』

「だな」
「なによりも母親のありがたみを痛感したよ俺は」

『こんなことまでしてくれてたんだって思うことばっかりよね』
『ところでさ』

「なに?」

『京太郎って親のことなんて呼んでる?』

「普通に父さん母さんだけど」

『なんだつまんなーい』

「何を期待してんだ」

『パパ・ママだったら面白いなーって思っただけ』

「それは無いわー」
「考えただけできもちわりー」


 

 

………


「そんなこんなで家に到着したぜ」

『じゃおしまいにしよっか』

「俺は別に続けても構わんけど」

『そこまで言うなら』

「あダメだ」

『え?なに?』

「風呂入らにゃ」

『それならしょうがないわね』

「そっちはもう入ったのか?」

『なに考えてんのよスケベ』

「なんで!?」

『なんてね』
『明日遅れないでよ』

「大丈夫だって」
「そっちこそ遅れんなよ~?」

『誰に言ってるのかしら?』

「失礼しました」

『じゃあ明日ね』
『おやすみ~』

「おぅ」
「おやすみな」





京太郎「…………」

京太郎「いま絶対ニヤけてるな、俺」

今日はこれだけ

 




憧「♪~」

憧「え…?あれ、なんで……?」

イラッシャイマセー
憧「京太郎!?」

京太郎「おぉ、憧。おはよう」

憧「ぁ、うん、おはよ。ってどうしたのよ?早いじゃない」

京太郎「あぁ、なんか目が覚めちゃってさ」

京太郎「んで二度寝なんかしたら確実に寝過ごすと思ったからそのまま起きたら、時間持て余しちゃって」

憧「ふ~ん…」

京太郎「たぶんあれだな、遅れたら憧に怒られる~って体が無意識の内に」

憧「人のせいにしないでよね」

京太郎「つーか憧も早いじゃんか」

憧「あ、あたしは……そ、そう!人を待たせるのって好きじゃないのよ!」

憧「だから常に早めの行動を心がけてるの」

京太郎「いまの俺にはちょっと耳がイタい言葉だ…」

憧「へ?なに?」

京太郎「いやこっちの話」

憧「そう?」

 
京太郎「憧も来たことだし、ちょっと朝飯買うわ」

憧「待ってるうちに買っとけばよかったのに」

京太郎「会計済ませてるのに店内って居辛いだろ」

憧「てゆーか、食べてきてないの?早く起きたんでしょ」

京太郎「いやーいつもはパン食ってんだけどな、今朝見たら無くてさ」

憧「あー…あるある」

京太郎「かといって朝からなんか作るのもめんどくさいし」

京太郎「そーいや憧って、朝はなに食べてんの?」

憧「あたし?あたしはシリアル」

京太郎「シリアルってあれか、コーンフロスティとかか」

憧「そうそう。まぁソレではないけどそういうやつ」

京太郎「なるほど…そういう選択肢もあるな」

憧「楽でいいわよ?牛乳かけるだけだしね。まぁ洗い物は出ちゃうけど」

京太郎「そしたら今度は牛乳が無いとかなるんだな」

憧「あははっ、あるある。てゆーかちょっと前にあったし」

京太郎「んじゃ、ちょっと買ってくる」

憧「うん、先に外で待ってるから」




京太郎(憧の顔を早く見たかったなんて言えねぇよなぁ…)
憧(京太郎に早く会いたかったなんて言えるわけないしっ!)

今日もこれだけで


待ち合わせに早く来ちゃうってゆーの
ベタベタだけど好きなんだ…

裸ジャージみたいなNARA styleもいいけど
KENZEN で kawaii をください

 




京太郎「あ、そうだ。なぁ和ー」

和「なんです?」

京太郎「ちょっと相談なんだけど…」

憧「……?」

和「はい?」

京太郎「豚バラのいい料理法、なんか無い?」

和「豚バラ肉、ですか?」

京太郎「うん。美味いからよく買うんだけどさ、さすがに焼くだけじゃ飽きてきて」

憧「……」ジー

和「豚バラのスライスですか?」

京太郎「そう、薄切り」

和「そうですね……豚バラ大根とかどうですか、調理も簡単ですし」

京太郎「豚バラ大根?」

和「バラ肉と大根を軽く炒めてから、水に醤油とか砂糖とかみりんとかで煮て完成です」

京太郎「おぉ、煮るとか料理っぽいな」

和「ぽいじゃなくてちゃんとした料理ですよ」

憧「………」ジジー

 
京太郎「でも俺んち、みりんなんて、無い…」

和「みりんが無ければお酒とかでも……って無いですよね」

京太郎「ないない。醤油と砂糖はあるけど」

京太郎「それって無きゃダメなの?」

和「ダメってことはないと思いますけど、やっぱりコクが無くなると思います」

京太郎「へぇ。みりんにはそんな効果があるのか」

和「あと…野菜を巻いて焼いてみたらどうですか?ニンジンとかピーマンとか」

京太郎「あー」

憧「…………」ジジジー

和「須賀くん、絶対に野菜不足になってるでしょうし」

京太郎「その辺も一応意識はしてるつもりなんだけどなぁ………ところで憧?」

憧「ん?」

京太郎「なに?」

憧「あ、バレてた?」

京太郎「そりゃわかるよ」

憧「べつに、見てただけだから気にしないで」

京太郎「気になるって」

和「……」

 
憧「てゆーかさ、そのタレのもとを買ってくればいいじゃない」

京太郎「へ?」

憧「豚バラ大根ならそれのやつ」

京太郎「そんなんあるのか?」

憧「スーパーとか行けばそういうのいっぱいあるわよ」

京太郎「へぇ」

和「そんなのあるんですね」

憧「テレビでよくCMやってるじゃない」

京太郎「今日ちょっと探してみよう」

憧「パスタのソースとかの近くにあると思うわよ?」

京太郎「パスタソースはよく買うんだけどな、全然気が付かなかった」

和「意識してないと目に入りませんからね」

京太郎「あ、でもさ、そういうのって1つで2人前とかになってたりしねえ?」

憧「大丈夫よ、小分けになってるから」

京太郎「なら大丈夫か」

和「よく知ってますね」

憧「そりゃあよく使ってますから」

憧「和はこういうのあんまり使わないの?」

和「そうですね……あまり、というかほとんど」

憧「和って大さじとか小さじとか計量スプーンできっちり量ってそう」

京太郎「……」ジー

 
憧「目分量とかでやんないでしょ?」

和「レシピの分量が一番美味しくできるんですよ」

憧「料理までデジタルねー」

和「レ、レシピに従って何がいけないんですか!?」

憧「あははははっ」

京太郎「………」ジジー

憧「……ねぇ京太郎?」

京太郎「んー?」

憧「そんなに見られると気になるんですけど」

京太郎「さっき見られてたから俺も見てやろうと思って」

憧「もう、なによそれー」

京太郎「お返しだお返し」


和「………」

和(憧はともかく……これは、あの後なにかありましたね)


京太郎「でもさ、そうやって全部自分でやってあれだけ美味いってことは、やっぱり和は料理が上手なんだな」

和「へ?えっと…そうですか?」

京太郎「だと思うぜ?なぁ、憧」

憧「まぁ、そうなんだろうけど……」

京太郎「…どした?」

和「?」

憧「所詮あたしは既製品頼みですよー」ツーン

京太郎「はぁ?」



和「…………チッ」イラッ

今日はこれだけ


最近豚バラというか豚肉が高くなって辛い

おつー
ぶっちゃけ端から見ると「両手に花、しかも三人でいちゃいちゃ(?)しやがって」って和も含めた三人に対して舌打ちされそうw

例のアレについて本気で考えてみた

 







憧「うわぁ…下着ベタベタ……」

憧「だから脱いでからって言ったのにー!!」

京太郎「ごめんー」

憧「もう……どうしよう、着替え無いのに…こんなの履きたくない…」

京太郎「いまから洗濯して干しとけば朝には乾いてるだろ」

憧「泊まってけってこと?」

京太郎「彼女をノーパンで外に出すのは流石に気が引けるからな」

憧「ノーパン言うな!誰のせいよまったく!」

京太郎「はい、全部俺のせいです。反省はしてますが後悔はしてません」

憧「あーもう!お風呂入る!着替え貸して!」

京太郎「はいはい。持ってくから行っとけよ」

憧「………入って来ないでよ?」

京太郎「信用ないなぁ」

憧「自業自得!」
パタン

 
京太郎「やれやれ……ま、風呂入れば機嫌も直るだろ」

京太郎「さて……着替え着替えっと…」


~~~

憧「見て見て!京太郎のシャツ、丈が長いからワンピースにみたいになる!」

京太郎(かわいい)

~~~


京太郎「あれはよかった……」

京太郎「てことで今回もTシャツでいいよな」

京太郎「あ、でも最近ちょっと涼しくなってきたからな、1枚だけだと寒いかも」

京太郎「ジャージでも一緒に置いとくか」

京太郎「…………」

京太郎「………」

京太郎「……」

京太郎「上だけでいいよな、うん」


ガチャ
京太郎「憧ー、着替え置いとくからな」

憧「はーい」

 


………



京太郎「相変わらず長い風呂だ」

ガチャ
憧「きょ、京太郎~……」

京太郎「お、出たか。じゃあ俺も入ろ…って、えぇー!?」

憧「さ、さすがにこれは恥ずかしいんだけど……」←例のアレ

京太郎「なんでそうなる!?」

憧「なんでって京太郎がこれしか……」

京太郎「嘘だ!ちゃんとTシャツも一緒に置いといたろ!?」

憧「えーウソー!?」
ガチャ

京太郎(尻がまる見えやんけ…)

憧「あ、ホントだ!やだもー!」

 





京太郎「気づかなかったのはいいとして、なぜアレで出てきた」

憧「京太郎があーゆーの見たいのかなーと思いまして…」

京太郎「憧さん、俺のことどんな風に見てんの?」

憧「えっちでスケベ」

京太郎「おぅふ……まぁ否定はしないけど」

京太郎「ん?でも俺のために着てくれたんだ?」

憧「へ?あ、いや…それは……///」

京太郎「……」

京太郎「お前かわいいな」ナデナデ

憧「ふきゅ」

京太郎「髪、はやく乾かさないと風邪引くぞ」ナデナデ

憧「………京太郎がやって」

京太郎「はいはい」

 


……


ゴォォォォォー
京太郎「おかゆいところはございませんかー」

憧「それはシャンプーのときのやつー」

憧「はー…幸せ~」

京太郎「それはなにより」

京太郎「実は俺、憧の髪好きなんすよ」

憧「知ってる。よく触ってくるもん」

京太郎「サラサラで触ってて気持ちいいんだ」

憧「結構、気遣ってますから」

京太郎「おし、こんなもんでいいだろ」

憧「うん、ご苦労ご苦労」

京太郎「じゃあ俺も風呂入ってくるわ」

憧「行ってらっしゃ~い」

 


………


憧「テレビつまんない」

憧「ヒマー」 ゴロゴロー

憧「…………」 ゴロゴロー

憧「…………」 ピタッ

憧「…………」 ムクッ

憧「…………」 ヌギヌギ

憧「…………」 ヌギヌギ

憧「…………」 スッスッ

憧「…………」←例のアレ

憧「………これは無いわね」

憧「なんてゆーか、えっちすぎ」

ガチャ
京太郎「はぁー、いいお湯でした」

憧「ふきゃあ!?」ビクッ

京太郎「………、何でまたその格好になってんの…?」

憧「ち、違うの!これはその……違うのーー!!」

京太郎「あ、そうだ洗濯機回さなきゃ」メソラシー

やっぱり恥じらいって大事だよ


>>489
その辺のこともね、考えてはいるんだけど
なかなか難しい

本筋を進めるぞ

 














『今週の映画ランキングのコーナーです』


京太郎「あ、これ見に行ったやつだな」

京太郎「まぁほとんど見てないんですけどね……」

京太郎(あれから咲からは何の音沙汰も無い……)

京太郎「昔からあいつはマイナス感情を引きずるからなぁ」

『そして今週の第一位はこちら!』


京太郎「おっ………」

京太郎「これちょっと見たいかも」

 


◇ ◇ ◇


『今朝のこのコーナーはスイーツ特集~。おすすめのスイーツショップを紹介していきますよー』


憧「牛乳無くなっちゃった。帰りに買ってこなくちゃ……」

憧「いただきま~す」

憧「こういう特集が行ける範囲の話ってのが、都会に来たってカンジするわね…」モグモグ

『最後はこのお店!プロ雀士で牌のお姉さんこと瑞原はやりさんが監修・プロデュースをしてることでも有名です!』

憧「監修とかプロデュースとか言って、どうせお金出してるだけなんでしょ」モグモグ

『1番人気はこの特製プリン!売上の半分はこのプリンが占めているそうです!』

憧「プリン……」

『私も友達のプロと一緒に行ったことがあるんですけど、ほんっとーに美味しいですよこのプリン!』

憧「……………」

『ちょうどそのとき隣にカップルがいまして、私が何気なく、こういうところ彼氏と来たいね~って言ったら』

『すこやんってば、こーこちゃん彼氏いるの!!?ってめちゃくちゃ食いついてきて、その時の顔がもうおかしくって』

『なんで私カメラ準備しとかなかったんだろうって激しく後悔しましたー!あ、名前言っちゃった。ごめんね小鍛冶健夜プロ!』

『ちなみに私は現在フリーなので!お金持ちなイケメンがいたら是非こちらまでご連絡ください!』


憧「彼氏と一緒にかぁ…………」

憧「……………」

憧「あ、ヤバっ!もうこんな時間!」

 


◆ ◆ ◆


京太郎「おーおー、まさに曇天って感じだな」

京太郎「まるで俺の心を表しているようだぜ…」

京太郎「雨とか降らないよな?」
ピロン
京太郎「お?」

『ごめん。ちょっと遅れちゃいそう』

京太郎「ありゃ」

京太郎「慌てなくていいぞーっと…」メルメル


……



憧「ごめん、京太郎!お待たせっ」

京太郎「おう、待った待った」

憧「ご、ごめんね」ウワメー

京太郎(かわいい)

京太郎「な、なんつってな。そんなに待ってないから気にするなよ。つーか、どうしたんだ?珍しいじゃん」

憧「ちょっとテレビに夢中になっちゃって…」

京太郎「なんか面白いことやってた?」

憧「うん、ちょっとね」

京太郎「ふ~ん……お、なんだ晴れてきたな」

憧「今日は、朝は雲が出てるけどすぐに晴れるって言ってたわよ。天気予報で」

京太郎「へぇ…まるで俺の心を表しているようだぜ」

憧「なに言ってんのよ」

 


◆ ◆ ◆


憧「んんーっ……ふぅ」ノビー

京太郎「ふわぁ~~……疲れた」

憧「あと一コマ、がんばりましょ」

京太郎「うむ……脳が糖分を求めてらっしゃる」ゴソゴソ

憧「ん?どしたの?」

京太郎「じゃーん」

憧「たけのこの里?」

京太郎「朝、憧を待ってるときに買っといた。次もこの教室だから時間あるし、一緒に食おうぜー」

憧「……京太郎はたけのこ派の人?」

京太郎「う~ん……最初は断然たけのこだったんだけどな」

憧「いまは違うの?」

京太郎「高校のとき周りがきのこ派ばっかりでさ、自然ときのこに対する抵抗がなくなってって」

憧「まんまと懐柔されたのね」

京太郎「そうとも言うな。ほいどうぞ」

憧「それじゃ遠慮無く、いただきまーす」

 
憧「あ、じゃあ和もきのこ派なの?」

京太郎「いや、あいつは違う」

憧「??、たけのこってこと?」

京太郎「あいつ…高校生になるまでどっちも食べたことなかった」

憧「マジで!?」

京太郎「はははっ、みんなそういうリアクションしたよ」

憧「は~……さすがだわ」

京太郎「あいつたまにすげーお嬢様感出してくるんだよな」

憧「あははっ、なによお嬢様感て」

京太郎「ところで憧は?」

憧「ん?」

京太郎「きのことたけのこどっち派なんだ?」

憧「…………さぁ?どっちかしらね」

京太郎「なんだよ、隠すことじゃないだろ?」

憧「隠すっていうかまだ出てきてないっていうか、そもそも出てくるのかっていうか……」

京太郎「……なに言ってんだ?」

憧「ごめん、こっちの話」

 
憧「それにしても、京太郎って甘いモノ好きよね」

京太郎「ん~、そうだな。高校のときも女子連中と一緒のモン食べてたしな」

憧「ふ~ん…………プリンもその影響?」

京太郎「いやプリンは小さい頃から好きだぞ?」

憧「そうなんだ………そっかそっか」

京太郎「そうなんですよ」

憧「……………よしっ」ボソッ

京太郎「あ、そうだ。そういえばこの前さ…」
憧「ねぇ京太郎!」

京太郎「お?」

憧「あの…あのね?」

京太郎「なに?」


憧「今度の休みに、行きたいところがあるんだけど……その、付き合ってくれない?」

ここまで


ちょっとパクりました
ゴメンナサイ

はわわこの京ちゃんは並み居るきのこ病たけのこ病の人たちを中立化させる事に性交してきたマジカル珍宝の持ち主でしたか

乙です
アコチャーは京太郎のきのこが好き(ゲス顔)

>>516
そ、そこまではパクってねーし!
うちの京ちゃん童貞だし!

>>520
だからまだそーゆーんじゃねーし!

ここんとこ急に寒くなりましたね
僕は風邪を引きました


ということで行きます

 
京太郎「行きたいところ?」

憧「うん…」

京太郎「…………」

憧「………ダメ?」

京太郎「あ、いや違う!そうじゃなくて……えっと、俺でよければ」

憧「ほんと!?」

京太郎「おぅ。で、どこに行きたいんだ?」

憧「うん!あのね、あたし今朝遅れたじゃない?」

京太郎「テレビ見てたんだっけ?」

憧「そうそう。スイーツ屋さんの特集しててね、プリンの美味しいお店があったの」

京太郎「……ん?」

憧「そこに行きたいなーって思って……京太郎?」

京太郎「あ、あぁ……俺でよければどこだって付き合うよ」

憧「………それ、さっきも言ったけど、京太郎でいいなんて思ってないからね」

京太郎「へ?」

憧「あたしは…きょ、京太郎がいいの。京太郎と一緒に行きたいの」

京太郎「憧……」

憧「ほ、ほら!そういうお店って京太郎行きづらいでしょ!?」

憧「だからあたしが連れてってあげるわよ!この前のラーメンのお返しよ、お返し!」

京太郎「そういうことなら、よろしく」

憧「う、うん!よろしく頼まれました!」

 

京太郎「なんだっけこういうの、デジャヴ?」

京太郎「同じ店だったりして……まさかね」ボソッ

憧「なんか言った?」

京太郎「いやなんでも……あ、そうだ」

憧「ん?なに?」

京太郎「俺も行きたいところが」

憧「へぇ、どこどこ?」

京太郎「いやでも、俺が個人的に行きたいだけだしなぁ…」

憧「いいじゃない、一緒に行っちゃおうよ」

京太郎「ちょっと見たい映画があって」

憧「映画!?いいじゃんいいじゃん!」

京太郎「でもなぁ、あんまり憧の趣味じゃなさそうだしなぁ」

憧「何が見たいのか言ってくれないとわかんないでしょ」

京太郎「あれ見たいんだよ、ジュラシックアイランド」

憧「あ~アレ、最近よくCMやってるやつね」

京太郎「………子どもっぽいとか思わねぇ?」

憧「なんで?」

京太郎「だってゴジラ、バカにされたし」

憧「え?全然違うじゃない」

京太郎「あ、そうなの」
京太郎(基準がわからん……)

 
憧「てゆーか別に馬鹿にはしてないからね?」

京太郎「まぁともかく、それ見たいなーと思ってて」

憧「じゃあそれも見に行きましょ」

京太郎「それじゃあお言葉に甘えさせてもらいますか」


憧(映画見て…)
京太郎(飯食って…)


憧(これ完全にデートよね!)
京太郎(完璧にデートだな…!)


「「…………」」


憧「えへへへへっ」
京太郎「はははははっ」


京太郎(ん?でもこれってこの前咲と………)


京太郎「もしかしてあれデートだったのか……?」

憧「京太郎?どしたの?」

京太郎「あ、いやなんでもない」


京太郎(いやでも咲だしな、うん)


憧「それじゃいつにする?土曜日?」

京太郎「そうだなー………

 



◆ ◆ ◆


和「憧、お疲れ様です」

憧「おっつかれー」

和「絶好調でしたね」

憧「そんなこと…あるかもッ」

和「なんだかご機嫌ですね。何かいいことでもありましたか?」

憧「んー?まぁちょっとねー」フフーン

和「須賀くんと?」

憧「ふぇっ!??な、ななななんで京太郎が出てくんのよ!?」

和「なんでって、最近の憧を見てればそうなりますよ」

憧「………あたしってそんなに分かりやすい?」

和「はい」

憧「あ、即答しちゃうんだ……そういえば京太郎にも前、言われたっけ」

和「へぇ」

憧「あたし、そんなキャラじゃないと思ってたんだけどなぁ」

和「そうですね。私も憧に対するイメージがだいぶ変わりました」

 
和「それで、なにがあったんですか?」

憧「えーっと……今度また、デートすることになりました」

和「まぁ、そんなところだろうとは思いましたけど」

憧「ぅぅ……///」

和「そういえば今度はデートって言っちゃうんですね」

憧「そ、それは…あたしはそのつもりで誘ったし……」

和「憧から誘ったんですか?」

憧「う、うん」

和「そうですかー」

憧「………それだけ?」

和「え?もっといろいろ聞いて欲しいんですか?」

憧「あ、いやそういうわけじゃないけど!なんか妙にあっさりというか……」

和「わざわざこれ以上惚気話に付き合おうだなんて思いませんよ」

憧「の、惚気てなんかないわよ!」

和「無自覚ですか。タチが悪いですねまったく」ヤレヤレ

これだけ
短いけど


適当にパロったタイトルつけただけだったんだけど
ググったらB級映画が出てきた

これからの展開とか考えてたら一週間過ぎちゃってたよ
とりあえずほんのちょっとだけ

 










和「聞いて欲しそうだから聞いてあげますか」

憧「べつにそんなことはっ」

和「どこに行くんですか?」

憧「え、えっと映画見てー食事してー…ちょっと買い物とかもしたいかなー」

和「あ、なんかちゃんとしてますね」

憧「そ、そう?」

?「おーい原村ー、憧ー」

和「はい?」

憧「泉?どしたの?」

泉「二人とも今度の日曜ヒマ?」

憧「あ、その日は……」

和「要件を先に言ってくださいよ」

泉「あぁ、わるいわるい。先輩がご飯おご「らへんぞ」

 
恭子「私はご飯食べに行こかとしか言うてへんよな?」

憧「あ、恭子さん」
和「末原先輩お疲れ様です」

泉「えー、そこは普通先輩のおごりでしょうよ」

恭子「うっさいわ。おごるとしても原村みたいな物分りのええ子だけや」

恭子「泉は無い無い、絶対無い」

泉「差別ですよ差別!」

恭子「差別ちゃうわ。区別や」

恭子「で、二人もよかったらどうや?」

和「私は、せっかくですしお付き合いさせていただきましょうか」

憧「あの…あたしその日はちょっと予定が」

泉「えー」

恭子「そか。ま、予定があるならしゃーないわ」

憧「すいません」

和「憧はその日、デートなので」

恭子「デートぉ!??」

泉「あっ……ふ~ん」

憧「ちょ、ちょっと和!」

恭子「ちょっと詳しく聞かせてもらおか……!!」

憧「えぇぇー」

これだけ

この土日にはしっかりとやりたいにゃあ

熱暴走いいよね僕も大好きだ

 
恭子「新子、あんた彼氏おったんか」

憧「え、いやその……」

泉「あの背ぇの高いのやろ?やっぱり憧の方やったんやな」

恭子「泉は知っとったんか?」

泉「憧と原村と男が一緒におるのを何度か見かけたことがあったんで」

和「そうだったんですか」

泉「そんで、どっちのなんかなーって。あんたら有名…かどうかはわからんけど目立っとるよ?」

憧「へっ?」

和「……」

泉「だって男がいつも女2人侍らしとるんやで?」

憧「は、はべっ…!?」

和「まぁそれについて考えたことがなかったとは言いませんが」

憧「そうだったの!?」

泉「しかもそのうち一人はあの原村和やし憧だって、なぁ?」

恭子「どうやって知り合ったんや?合コンとか?」

憧「ち、違います!合コンなんてしたことっ…!」

和「私の高校の友人なんですよ」

泉「元カレ?」

和「違います」

恭子「おかしいわ……私なんてもう2年ちょっとこっちにおるのに……」

憧「恭子さん……?」

恭子「なんで後輩は2ヶ月そこらで彼氏作っとんねん…」

泉「あーあー」

恭子「こちとら彼氏どころか男友達すらおらんっちゅーねん……おかしいやろ、メゲるわ」

 
憧「あの…まだ彼氏とかそういうんじゃ……」

恭子「はいはい。まだね、まだまだ」

憧「あっ、いやそれはそういうわけじゃない…ことはないんだけど……」

恭子「デートするって言っとんのに、彼氏じゃないですよーとか言われて、あ、そうなんやーってなるかボケー!」ウガー

憧「ひぃ!」

泉「せ、先輩どうどう」

恭子「ええわ、わかっとんねん。新子みたいに可愛くないし、原村みたいにスタイル良くもないし、泉みたいに社交的でも無い……」

泉「あーもうまた始まった、めんどくさい……」

恭子「どうせ私みたいな根暗陰キャラに彼氏なんてでけへんねん…はは、ははは……」

和「そんなことありません。末原先輩は綺麗ですよ」

恭子「へ?」

憧「そうよね。ただもうちょっとオシャレに気を使ったほうがいいかも…」

恭子「や、やめーや!そんなお世辞言われても…」

和「私はお世辞は言いません」

憧「正直に言うと、素材はいいのにもったいないって思ってました!」

恭子「相変わらずあんたは遠慮がないな…」

和「インハイで咲さんとやったとき…あのときすごく可愛かったじゃないですか」

恭子「あ、あれはっ!てかなんで覚えとんねん!!」

泉「まぁ根暗っちゅーかマイナス思考なのは直したほうがいいと思いますけどね」

恭子「泉は黙っとけ」

泉「なんでや!」

 
和「そうだ。日曜日は末原先輩の服とかも買いに行きませんか?」

恭子「は?」

泉「おーええね」

恭子「ちょっ…何勝手に決めとん…」

泉「安心してくださいよ。私らがばっちりプロデュースしてあげますから」

和「ちょっと楽しみになってきました…!」

恭子「えぇ……」

憧「いいなぁ、楽しそう…」


「「「………」」」ジー

憧「な、なによ…」

和「憧、心にもないことを言うのはやめたほうがいいですよ?」

憧「和!?」

恭子「来たいんならおいでや。デート、ドタキャンしてな」

憧「ぅ…、それは無理!」

泉「憧は友情よりも男を選ぶんやなぁ…アカン泣けてきたわ」

憧「もう!なんなのよッ!」

和「まぁ冗談はこれくらいにしておいて、そろそろはっきりさせたらどうですか?」

憧「は、はっきりって……」

和「あんまりウカウカしていると、誰かさんにとられちゃいますよ?」

憧「っ!」

 
恭子「そんなモテそうなん?その彼は」

泉「いやー私も遠くから見ただけなんで。本人に聞いてみたらええんちゃいます?」

恭子「せやな。そこんとこどうなん新子?」

憧「ふぇっ!??」

泉「どこに惚れたん?」

憧「な、ななななんでそんなこと言わなきゃいけないのよぉ!」

恭子「先輩命令や。ほらさっさと吐かんかい」

憧「い、嫌よ!」

泉「ははー、先輩これはあれっすわ。ブッサイクなのに惚れちゃったとかそういうパターンすわ」

恭子「あーなるほど、そら言いたくないわな。ごめんなー新子ごめんなー」

泉「ほら憧ってダメな男に引っかかりそうやし」

恭子「『この人はあたしがそばにいてあげなきゃ!』とか思っちゃうタイプやな」

憧「んなっ……!勝手なこと言わないでよね!」

憧「京太郎はそんなダメな人じゃないし!優しいし!あたしのことすごく考えてくれてるし!…………たぶん」

憧「てゆーかそもそもブサイクじゃないから!かっこいいから!それにっ!!」

恭子「ほーん」ニヤニヤ
泉「それに?それに?」ニヤニヤ

憧「はっ……!」

憧「ふきゅ」


和(咲さんはどうしてるんでしょう……)

和「ちょっと探りを入れてみますか」


憧「ふきゅあああああああああああああああああ!!!!!!」ダダダダダダッ

泉「あ、逃げた」

恭子「新子ー、どこ行くんや新子ー」

こんだけ


末原先輩は芋っぽいところがいいんだ


2回目のふきゅああああ頂きましたー

なんとか間に合った


>>559
2回目だっけ?


2回目だった

 



◆ ◆ ◆


和「さて……」

prrrrr…prrr
京太郎『はーい、もしもーし』

和「こんばんは須賀くん。いま大丈夫ですか?」

京太郎『おー全然大丈夫だけども。どうしたよ?珍しいじゃん和が電話してくるって』

和「えぇ、ちょっと。大学では話しづらいことなので」

京太郎『話しづらいって……大事な話なら直接会うか?』

和「あ、いえそんな大した話ではないので」

京太郎『あぁそう?で、どうしたんだよ?』

和「あのですね……最近、咲さんと会ってますか?」

京太郎『咲と?まぁちょくちょくは』

和「そうですか……」

京太郎『そっちは?』

和「へ?」

京太郎『咲と会ったりしてる?』

和「………正直に言うと、憧と4人で会ったじゃないですか、あれ以来…」

和「電話はたまにしてるんですけど……」

京太郎『はぁ~……向こうからかかってくること、ほとんど無いだろ?』

和「そう、ですね……」

 
京太郎『ったく、あいつは……変わんねーな』

和「……須賀くん?」

京太郎『昔からそうなんだよ。なんて言ったらいいのかな…繋がりを維持する努力をしないというか』

京太郎『仲がいいと思ってた相手もクラスが変わると途端に疎遠になるんだよな』

和「……誰だってそういうことはあると思います。私だって……」

京太郎『いやあいつはひどいんだって。和たちなら大丈夫だと思ってたんだけど……今度会ったらちょっと言っとくよ』

和「………はい」

京太郎『んで?咲がどうかしたか?』

和「あ、いえ………えっと、そんな感じなので、須賀くんの方はどうなのかなと思いまして」

京太郎『まぁさっきも言った通りだよ。この前怒らせちゃったんだけどな』

和「怒らせたって…何したんですか?」

京太郎『いやな、映画を見に行ったんだけど俺途中で寝ちゃってさ』

和「映画?2人で、ですか?」

京太郎『うん。見たい映画あるから付き合ってくれーって』

和「そうだったんですか……それで寝ちゃった、と」

京太郎『そうそう。それを軽い感じで謝ったら…なんていうか、逆鱗に触れちゃったみたいな』

和「…………」

京太郎『あんなに怒った咲、はじめて見たかもしれん』


和(でしょうね……須賀くんと違って、咲さんにとっては……)

 
京太郎『今度会ったときに謝ろうとは思ってるんだけど……』

和「須賀くんは…今度憧とも映画を見に行くんですよね」

京太郎『お?おう、憧から聞いたのか?』

和「えぇ、すごく楽しみにしていましたよ」

京太郎『そっか、そうかそうか………へへっ』

和「……」

和「須賀くん」

京太郎『ん?』

和「憧のこと、よろしくお願いしますね」

京太郎『………………、あぁ』


和(やはり、須賀くんも……)


京太郎『和も、これからも咲のこと気にかけてやってくれな』

和「へ?あ、はい。それはもちろん」

京太郎『あいつはもっと強引に連れ出すくらいでいいからさ』

京太郎『ほっといたら読書しかしねーから、いろんなところ連れてってやってくれよ』


和「須賀くん、なんだか咲さんのお父さんみたいですね」

京太郎『そこはせめてお兄さんにしてくんねぇかな』

今日はこれだけ


一つ言っておきたいのは
僕は決して咲さんのことが嫌いなわけでは無いです

当初の予定では10回目くらいでここまで来る予定だったんだがなぁ

行きます

 








京太郎「服よし」

京太郎「髪よし」

京太郎「鼻毛とか……大丈夫だな」

京太郎「財布の中身よし」

京太郎「ハンカチ、ティッシュよし」

京太郎「フリスク、よし……念のため!念のためな!?」

京太郎「って、誰に言い訳してんだよ」

京太郎「………」

京太郎「うし、行くか!」

 


◆ ◆ ◆


京太郎「ここを右……」

京太郎「あっ」
ガチャ
憧「いってきまーす、っと」

京太郎「間に合わなかったか…」

ガチャガチャ
憧「………よしっ!」

憧「♪~」タッタッタ

憧「………、!!?」


京太郎「よっ!」

憧「京太郎!?」


京太郎「いやーいい天気になってよかったなー」

憧「な、なんで?こんなとこにいるのよ!?」

京太郎「なんでってわかんねぇ?姫をお迎えに上がりました」ウヤウヤー

憧「ひ、姫!?ってそうじゃなくって!」

 
京太郎「前に言ってたろ?今度は迎えに来いって」

憧「えっ…………あっ!」

憧「でもあれは冗談で…!!」

京太郎「わかってるって」

憧「なら…」

京太郎「来たかったから、だから来た。それでダメか?」

憧「ダメじゃない、けど」

京太郎「それにほら、待ち合わせならいつもしてるしさ」

京太郎「それとも迷惑だった?」

憧「………そういう聞き方、ズルい」

憧「えっと……迎えに来てくれてありがと…その、すごい嬉しい」

京太郎「ならよかった」ニカッ

憧「っ~///」

京太郎「憧さん?」

憧「ほ、ほら!行きましょ!」

京太郎「あぁ。今日はよろしくな」

憧「ま、まかしといて!」

京太郎「ははっ、なんだそりゃ」

 


◆ ◆ ◆


憧「映画なんて見に来たの久しぶり~」

京太郎「次の上映はっと……」スタスタスタ

憧「………京太郎?」

京太郎「お、ちょうどいいな」

京太郎「憧ー、1500円な」

憧「あ、うん」

京太郎「あと学生証も準備しといてくれ」

憧「なんか……慣れてるのね?」

京太郎「は?」

憧「映画、よく来るの?」

京太郎「いや、そんなことないけど?」

憧「その割には動きに迷いがないというか……値段とか学生証がいるとか」

京太郎「あぁそういうことね。ちょっと前に咲と来たからさ」

憧「えっ………」

京太郎「だから値段とかその辺のことはまだ覚えてるんだな、うん」

憧「…………そう、だったんだ」

京太郎「あ、あとチュロスが美味いぞ!」

憧「…………」

京太郎「憧?」

憧「うぅん、なんでもない!ほら行きましょ!」

京太郎「お、おう…?」

 


………


京太郎「いやーすごかったな!」

憧「正直あんまり期待してなかったんだけど、おもしろかったわ」

京太郎「期待してなかったのかよ!?」

憧「あはは、ごめんごめん」

京太郎「まぁ楽しんでくれたならいいけどさ」

憧「最後とかホント引き込まれたもん」

京太郎「あそこはすごかったよな!」

京太郎「やっぱりこう、でっかいのとでっかいのが戦うってのは興奮するよなー」

京太郎「見に来てよかったー」

憧「ふふっ…」

京太郎「ん?なに?」

憧「テンション高いなーって思って」

京太郎「あ、あぁ…悪い、一人で盛り上がっちゃってんな俺」

憧「んーん、いいよ。京太郎がどういうのが好きなのか、もっと知りたいし」

京太郎「ッ!」

憧「??、どうかした?」

京太郎「そういうことをストレートに言われると……その、さすがに照れる」

憧「へ?……………ふきゅ」

今日はここまでで

つづきます

つづき行きます

 





京太郎「さ、さぁーて!次はお待ちかねのプリンだなー!」

憧「う、うん!そうね!」

憧「そこね、瑞原はやりがプロデュースしてるお店なんだって」

京太郎「へぇ、牌のお姉さんそんなこともしてんのか」

京太郎「そーいやあの人って実家が洋菓子店とかじゃなかったっけ」

憧「そうなの?」

京太郎「テレビか雑誌のインタビューか忘れたけど何かで見た気がする」

憧「ふーん」

憧「…………、ファンなの?」

京太郎「へ?俺がはやりんのってこと?」

憧「うん」

京太郎「う~ん……特別ファンってわけじゃないけど」

憧「……けど?」

京太郎「ちょっと尊敬はしてるな」

 
憧「尊敬?」

京太郎「プロ根性すげーなって。あの人たしかもう30だろ?」

京太郎「それであれをやり続けるんだから…すげーよ、うん」

憧「それは…たしかに、尊敬かも」ナルホド

京太郎「それでいて実力もトッププロだし、なによりスタイルもいいしな」

憧「………京太郎も」

京太郎「ん?」

憧「京太郎もやっぱり……大きい方が好きなの?」

京太郎「大きいって何が?」

憧「だから瑞原はやりみたいに、その……わかるでしょ!?」

京太郎「あっ…あー……」

憧「……」ジー

京太郎「ま、まぁ嫌いな男は滅多にいないんじゃねーかな」

憧「一般論はいいから。京太郎はどうなのよ?」

京太郎「…………」

憧「なんで黙るのよ」

京太郎「ははは……」

憧「なんで目そらすのよ」

 
京太郎「………………はい、好きです」

憧「そう、なんだ……」

京太郎「好きといってもそれは付加価値的な意味であって、それが無きゃダメだとかそういうことでは…」

憧「瑞原はやりとか和とか、あんなのはスペシャル中のスペシャルなんだからね!」

京太郎「は?」

憧「京太郎は近くに和とかいるから感覚がマヒしてるのかもしれないけど!」

京太郎「お、おいっ…!」

憧「あたしだって和と比べたらそりゃ小さいけど、それでも人並みくらいにはあるんだから…!」

京太郎「わ、分かったから!ちょっと声抑えろって!」

憧「へ?…………あっ」


(道行く人々の視線)


憧「っ~~~~/////」

 


………


京太郎「まったく……」

憧「ご、ごめん……」

京太郎「憧は割りとこう…周りが見えなくなることがあるよな」

憧「うっ……言わないでよっ……」

京太郎「そもそもあんなこと言われて俺は何を言えばいいんだよ」ハハハッ

憧「そ、それは……」

京太郎「………まぁその、なんだ」

憧「……??」

京太郎「憧は今のままでも、充分魅力的だよ」

憧「ふぇ!?」

京太郎「…………////」

憧「えっと、あのその………ぁ、ありがと////」

京太郎「お、おぅ」



憧「もっと胸があったら?」

京太郎「そりゃもっと魅力的だろ」

憧「むっ……そーいうのセクハラだからね」

京太郎「聞かれたから答えただけなのに」

憧「迷いなく答えるところがセクハラなのよ!」

京太郎「そんなー」

 








◆ ◆ ◆


憧「たしかこの辺りだと思うんだけど……」

京太郎「この辺って……」

憧「どうかした?」

京太郎「あ、いや何でもない」

憧「そう?」



京太郎(まさかホントに同じ店じゃないよな?)


 

 
憧「んーと……もうちょっと行ったとこかな」

京太郎「………」

憧「あっ!あれっぽい!?ね、京太郎!」

京太郎「oh…」

憧「京太郎?」

京太郎「まじかー……」

憧「……どうかしたの?」

京太郎「あー……実は俺、あの店に行ったことある」

憧「え……?」

京太郎「えっと……この前、咲とな。映画と一緒に」

京太郎「で、その…例のプリンもいただきまして」

憧「ウソ……」ボソッ

京太郎「あ!でもプリンは本当に美味いぞ!マジでオススメ!」

憧「…………」

京太郎「……憧?」

とりあえずここまでで
もうちょっとだけ続くんじゃ



あとどうでもいいことだけど、wikiでキャラの身長見てたら
>>553の4人で一番背が高いのが和の154cmとかなんという小人の国

阿知賀もちっちゃいおかげで咲さんが結構デカく見えるっていう
そりゃ魔王オーラ出してるように見えるよな……

乙ーもうバカップルじゃん

>>589
身長<乳周りのキャラが出てくる日も近いな

>>590
一年連中はまだ多少伸びてるだろうけど、高3で147cmの末原先輩はもう…

>>591
やだなぁまだ付き合ってませんよ?

>>595
ユキとか近い数字になってそうだよ恐ろしい



ということでもうちょっとの続きを行きます

 
京太郎「憧?どうした?」

憧「………」

京太郎「おいっ…」

憧「帰ろっか」

京太郎「は?なんで!?」

憧「だって……京太郎はもう来たんでしょ?なら……」

京太郎「お、おい憧…」

憧「映画も……あたしが一人でハシャいで……何してるんだろ……ほんと、バカみたい」

憧「あはは……ごめんね京太郎、無理に付き合ってもらっちゃって」

京太郎「憧……憧っ!」

憧「………なに?」

京太郎「俺がいつ無理してるなんて言ったんだ」

憧「それは……」

京太郎「たしかにあの店には咲と一緒に来たよ」

京太郎「でも次に来るときは憧と来たいって、そう思ってたんだ」

憧「いいわよ、そんな気休め……」

京太郎「気休めじゃねーよ!俺は本当に…………」

京太郎「なぁ憧、和に聞いたんだけど、憧は今日…楽しみにしてくれてたんだろ?」

憧「………」

京太郎「俺だって同じなんだよ。憧とこうやって出かけるのを楽しみにしてたんだ」

憧「えっ…」

 
京太郎「憧が映画も一緒に行こうって言ってくれて嬉しかった」

京太郎「さっきも言ったけど…前にあそこに行ったときも、憧にも食べさせてやりたいって思ったんだ」

憧「きょうたろ……」

京太郎「それに……」

憧「…………?」

京太郎「それに…俺はこれからも憧といろんなところに行きたいって思ってるんだよ」

憧「っ!」

京太郎「だからさ……帰るとかそんなこと、言わないでくれよ」

京太郎「憧と一緒じゃなきゃ意味がないんだよ」

憧「ごめんね……ごめん、ごめんなさい…あたし自分のことしか……」

京太郎「……」
ナデナデ
憧「ぁ……」

京太郎「さぁ、行こう」

憧「ぅん…、うん……!」

京太郎「泣くなって」

憧「泣いてないわょ…」

京太郎「そうだな、ごめんな」

 







◆ ◆ ◆




憧「おいしい……!」

京太郎「ふっふっふっ……そうだろう?」

憧「うん、ちょっとこれ止まんないかも……」

京太郎「ははっ、それじゃ俺もいただきますかね」






憧「はふぅ……美味しかったぁ」

京太郎「帰らなくてよかったろ?」

憧「うっ……い、言わないでよ」

京太郎「ははっ……なぁ憧」

憧「……なに?」

 
京太郎「東京には、こういうお店がいっぱいあると思うんだよな」

憧「……うん」

京太郎「だから、その……これからも一緒にいろんなお店に行ってさ、いろんな美味いモン探ししようぜ」

憧「京太郎……」

京太郎「な?」

憧「うん……うん!」

京太郎「やっと笑ってくれたな」

憧「え?」

京太郎「俺はさ、憧に笑ってて欲しいんだ」

憧「っ/////////」

京太郎「な?」

憧「ぅ、うん////」

 




◆ ◆ ◆



京太郎「とりあえずちょっとブラブラするか」

憧「そうね、歩いてるうちに何かあるかもしれないし」

憧「京太郎は何か欲しいものとか無いの?」

京太郎「そうだなぁ………あ、そうだ」

憧「ん?なになに?」

京太郎「帽子、買おうかな」

憧「帽子?」

京太郎「あぁ、これから暑くなるだろ?だから」

憧「じゃあ帽子買いに行きましょ!」

京太郎「いいのか?」

憧「いいわよ、何をする予定があるわけでもないんだし」

憧「あたしが京太郎にピッタリの帽子選んであげる!」

京太郎「憧が選んでくれるなら安心だな」

 
憧「どういうのがいいとかはあるの?」

京太郎「ん~…やっぱり涼しそうなやつ?」

憧「じゃあストローハットね」

京太郎「ストローハット?」

憧「麦わら帽子のこと」

京太郎「へぇ」

憧「それじゃとりあえず帽子屋さん探さないとねっ!」

京太郎「………」

憧「ほら京太郎!」

京太郎「あぁ…!」

 



◆ ◆ ◆


憧「う~ん……」

憧「男の人のを選ぶのって案外難しいかも……」

京太郎「…………」

憧「街なかでかぶるんだから、あんまりつば広じゃない方がいいわよね……」

京太郎「なぁなぁこれは?」

憧「え?……ちょっとかぶってみて?」

京太郎「ほい」

憧「う~ん、却下」

京太郎「あ、ハイ」

憧「あ、これリボンかわいい」

京太郎(どうやら俺に発言権は無いようです)

憧「やっぱりブラウンのほうが着回しが効くわよね……」

京太郎(まぁ楽しそうだからいいか)

憧「京太郎!これちょっとかぶってみて!」

京太郎「へいへい」

憧「………ちょっと違うわね」

京太郎「違うのか」

憧「じゃあ次はー……

 





京太郎「じゃあこれにするか」

憧「うん、やっぱりそれが一番だと思う。ね、もう一回かぶってみて?」

京太郎「あいよ、どうすか?」

憧「うん!かっこいい!」

京太郎「ッ!お、おぅ…じゃあちょっと買ってくるよ」

京太郎「すいませーん」



憧「あたしも帽子買おっかなー……」






京太郎「あれ?憧、どこ行った?」

京太郎「憧さーんやーい」キョロキョロ

京太郎「んー…………あっ」



 

 
京太郎「おーい」

憧「あっ、京太郎」

京太郎「何してんだー?」

憧「ね!どっちがいいと思う!?」

京太郎「はぃ?」

憧「これとコレ!」

京太郎「一緒じゃん」

憧「デザインはこれでいいから、色よ!色!」

京太郎「あぁ…そういうこと」

京太郎「そうだな……こっちの、明るい色のほうが憧に似合うんじゃないか?」

憧「そう?じゃあこっちにしよーっと」

京太郎「………憧、それちょっと見せて」

憧「ん?はい」

京太郎「サンキュ」

京太郎(俺が買ったのより高い……)

京太郎(財布に余裕あったかな……)

憧「京太郎?」

京太郎「ん、返すな」

憧「じゃあこれ買ってくるわね!」

京太郎「えっ!?あっ………」

憧「♪~」タタタッ

京太郎「あー……」

 



◆ ◆ ◆


京太郎「今日はまぁ、その…いろいろありましたけども……」

憧「もう…忘れてよ」

京太郎「ふははっ、無理だな。一生忘れねぇ」

憧「一生!?」

京太郎「ん?」

憧「なんでもないっ!」

京太郎「今度はさ…」

憧「……?」

京太郎「憧が行きたいところに行こうぜ」

憧「えっ…?」

京太郎「今日は俺の回だったから、今度は憧の回だろ」

京太郎「だから憧の行きたいところ」

憧「あたしの行きたいところ?」

京太郎「あぁ」

憧「そうね………」

京太郎「俺に気ぃ使わなくていいぞー」

憧「動物園……」ボソッ

京太郎「ん?」

憧「動物園行きたい」

 
京太郎「……これはちょっと予想外なのが出て来たな」

憧「あはは、やっぱりそう思う?」

京太郎「動物、好きなんだ」

憧「意外でしょ?」

京太郎「正直な」

憧「これでも一応山の子ですから」

京太郎「え、そんなに山なの?阿知賀って」

憧「山ん中よ。街に出るのにロープウェイ使うレベルなんだから」

京太郎「マジかよ、すげーな。あっ、すごいとか言ったらダメか」

憧「あはは…いいわよ、本当のことだし」

憧「それで動物園、いい?」

京太郎「あぁ行こう、動物園」

憧「うん!」

京太郎「意外と趣味も合うのかもな」
 
憧「ん?」

京太郎「俺も動物とか結構好きだからさ」

憧「そうなんだ」

京太郎「そうなんすよ……てことで到着」

憧「ぁ……」

 
京太郎「今日は楽しかった、よな?」

憧「うん、すごく楽しかった。ホントに…ありがと」

京太郎「うん、よかった。今度のことはまたちゃんと決めよう」

憧「そうね……」

京太郎「じゃあまた明日な」

憧「………」

京太郎「憧?」

憧「ねぇ、京太郎」

京太郎「どうした?」

憧「その……頭、撫でて」

京太郎「へっ?」

憧「ダメ?」

京太郎「あ、いや……じゃあやるぞ?」

憧「うん」

京太郎「………」
ナデナデ
憧「ふきゅぅ…………」

憧「あ、ありがとっ……それじゃ、その…また明日ね?」

京太郎「あ、あぁ!遅れんなよ!」

憧「ふふっ、そっちこそ」

 



………




憧「やばい」


憧「ダメだ、あたしもう……」







京太郎「髪サラサラだったな」


京太郎「また、触りてえな……」




 

まだ付き合ってません

>>440
>咲「もう…あんまり女の子の髪は触んないほうがいいよ?」

>京太郎「心配しなくてもあんなことお前くらいにしかしねーよ」



京ちゃんの嘘つき!!

寝起きが一番捗る

 



京太郎「にしても昨日と打って変わって今日は天気悪いなぁ」

京太郎「昨日晴れてよかったー……あっ」


京太郎「憧っ!」

憧「京太郎!おはよっ!」

京太郎「おぅ、おはよう。それ昨日買ったやつだよな?」

憧「あっ、うん。そういえば昨日、かぶってるところを京太郎に見せてなかったなーって……」

京太郎「あー、そういやそうだったな。憧、さっさと買っちゃうから」

憧「それでね、その……どう?」

京太郎「あぁ、よく似合ってるよ」

憧「ほんとっ!?」

京太郎「うん、すげー可愛い」

憧「でしょ!」

京太郎「ほんとに可愛いな」

憧「そんな何回も言わなくていいわよー」

憧「京太郎は、かぶってこなかったのね」

京太郎「あー…まだ早いかなって。もうちょっと暑くなってきたらと思ってるんだけど」

憧「んーまぁそうね。今日は日差しもそんなに強くないしね」

憧「あ、でも春でも日差しが強い日とかなら全然いけるわよ?」

京太郎「ふ~ん、勉強になります」



京太郎(つーか可愛いのは帽子じゃなくて、憧なんだよなぁ)

 


◆ ◆ ◆


和「二人とも、こんにちは」

京太郎「う~っす」

憧「やほー」

和「………憧、その帽子」

憧「ん?これ?」

和「かわいいですね」アリデスネ

憧「いいでしょ!?昨日、京太郎が選んでくれたんだー」

和「よく似合ってますよ」

憧「ふふー、ありがとっ!」

和「………選んだ?」

京太郎「おーい、話は座ってからにしろって。俺もう腹減ったよ」

憧「それもそうね。ほらっ和」

和「……えぇ」




和「須賀くん須賀くん」チョイチョイ

京太郎「ん?」

 
和「あの帽子、須賀くんが選んだと言っていましたけど……」ヒソヒソ

京太郎「あぁ、選んだって言っても色だけだけどな」

和「『選んだ』だけなんですか?」

京太郎「は?…………あ、あー……」

京太郎「べ、弁解の機会を求めます…!」

和「……許可します」

京太郎「俺もそのつもりだったんだよ」

京太郎「でも俺は俺でその前に買い物してて、財布と相談しようと思ったら、あいつさっさと買っちゃって……」

京太郎「気がついたときにはもう手遅れで……」

和「ふむ……」

京太郎「だから今度はちゃんとやりたい……いや、やるから」

和「今度の予定はもう決まってるんですか?」

京太郎「まぁ、一応な」




憧「…………」

憧「京太郎!和!何してんのー」

 


………



和「須賀くんも買ったんですか?帽子」

京太郎「あぁ。俺も…というか俺が買ったついでに憧も買った、みたいな感じなんだけどな」

京太郎「俺のは憧に選んでもらったんだよ」

憧「……」ジー

和「憧にですか?」

京太郎「自分で選ぶより憧に選んでもらったほうがセンスいいし」

和「そういえば須賀くんって帽子かぶってるイメージ無いですね」

京太郎「だろうな。そもそも帽子なんて買ったの初めてだもん」

憧「…………」ジジー

京太郎「和はよくかぶってるよな。あの、お嬢様!って感じのを」

和「またそうやってからかって……ところで憧?」

憧「へっ!?な、なに?」

和「なにか?」

憧「うぅん!別に何にもっ!」


京太郎(また変なことで悩んでるな……)
和(またしょうもないこと考えてますね……)

憧「ほんとになんでもないからねっ!?」

 



◆ ◆ ◆


憧「…………」ジー

和「………」

憧「……ねぇ和」

和「なんです?」

憧「つかぬことをお聞きしますが……」

和「なんですか、改まって」

憧「和のお母さんもその…胸大きいの?」

和「はぃ?」

憧「だからね!和はその…かなり大きいじゃない?だから……」

和「あー………もしかしてお昼もそのこと考えてたんですか?」

憧「え?あ、なんで……」

和「バレバレでしたよ」

憧「ぁぅ…ごめん」

和「……須賀くんになにか言われたんですか?」

憧「いや、そーゆーわけじゃない……こともないんですけども……」

憧「京太郎もやっぱり大きい方が好きなんだって……あっ!誤解しないでね!?」

憧「あたしが強引に聞いただけだから!京太郎は悪くないっていうか…」

和「はいはい。というかそのことなら私もよく知ってます」

憧「へ?」

 
和「もう今はそんなこともありませんけど、出会ったばかりの頃はそれはもうひどかったですから」

憧「えっと……どゆこと?」

和「須賀くんです。私の顔より胸を見てることのほうが多かったんじゃないですかね」

憧「そう、だったんだ……」

和「まぁ、昔の話ですよ」

憧「…………」

憧「でも男の人じゃなくても見ちゃうわよ」

和「こんなのいいことないですよ。服は選べないし、肩は凝るし、男の人にジロジロ見られるし……」

憧「くっ…これが持つ者……」

和「あっ、そういえば質問に答えてませんでしたね。母も大きいですね」

憧「やっぱり、遺伝なのかな……宥ねぇも玄も大きいもんね……」

憧「うちの親戚はみんな細いからなぁ……いやまぁそれはそれでありがたいんだけど」

和「私はその方が羨ましいですけどね」

憧「はぁ……」
モミ
和「!!!??」

憧「あたしもここまでとは言わないから、もうちょっとあったらなぁ……」
モミモミ
和「ちょ、ちょっと!憧!?」

憧「そしたら京太郎も……」
モミモミモミ

 


~~~~~~~~


アタシ「もう!京太郎ったらさっきから胸ばっかり見すぎよ!」

キョータロー「ごめんよ。憧があまりにも魅力的だから目が離せないんだ」

アタシ「もう、調子いいんだから…………ねぇ」

キョータロー「なんだい?」

アタシ「見るだけでいいの?」

キョータロー「えっ?」

アタシ「さ、触りたいなら触ってもいいわよ……?」

キョータロー「いいのか?本当に…」

アタシ「いいわよ……京太郎なら、あたし……」

キョータロー「憧……」

アタシ「京太郎……」


~~~~~~~~



憧「うへへ………」
モミモミモミモミ
和「あっ…やめてくださいってば…!」

 



恭子「何しとんねんアレ」

泉「さぁ……?」

恭子「スキンシップにしてもやりすぎやろ」

泉「高校のとき園城寺先輩もよく清水谷先輩にあんなコトしてましたよ」

恭子「マジか。千里山爛れてるわー」

泉「あの二人…というか園城寺先輩が特別なだけですって。あの人中身おっさんですからね」

恭子「にしても……」ジロジロ

泉「…………なんすか?」

恭子「はっ」

泉「……なんかいま、ひどくバカにされたような気がしたんですけど」

恭子「いやいや格差社会やなーって」

泉「むっ……先輩かてそんな変わらんやないですか」

恭子「はぁ!?」

恭子「私はちゃんとあるわ!あんたのまな板と一緒にすんなや!」

泉「ま、まな板ってなんすか!まな板って!!!」

恭子「凹凸もなくスーっと一直線…まな板やんけ!」

泉「ちゃんと曲線になってるわ!」

 
和「あ、憧!!いい加減に……」


恭子「……」

泉「………」

恭子「なぁ泉」

泉「なんです?」

恭子「あれだけ大きいとご利益とかあるんちゃうかな?」

泉「奇遇ですね。私も同じこと考えてましたよ」




和「あっ、二条さんに末原先輩!助けてください!」

憧「ウヘヘヘヘヘ……」モミモミモミモミモミモミ

恭子「およそ女子らしからぬ笑い声やな……」

泉「憧の次は私、お願いしまーす」

和「はぃ!??」

恭子「私らもご利益にあやかりたいと思って」

和「ご、ご利益なんてありませんよっ!!」

恭子「とりあえず拝んどくか」

泉「そうですね、きちんと挨拶しとかな」

和「なんなんですかもぉーー!!!」

 





◆ ◆ ◆



京太郎「ふ~ん……」カチッ

京太郎「昼は園内で食べればいいか」

京太郎「つーかやっぱり広いな。一日で回りきれるのかこれ」カチカチッ


京太郎「問題は夕飯だな。やっぱり…できるだけ長く一緒にいたいし……」

京太郎「どんな店がいいんだ?やっぱりパスタとかが無難なのかな」ウーヌヌヌ…

今日はこれだけで


末泉が書いてて楽しかった

行くでよ

 


憧「よしっ、いい感じ」

憧「京太郎はまっだかな~」
ピンポーン
憧「!!」

憧「はーい!」

ガチャ
京太郎「よっ」

憧「おはよ!京太郎!」

京太郎「おぅ、おはよう」

憧「もう準備できてるから、早速行きましょ」

京太郎「あれ、待たせちゃったか?」

憧「うぅん、そういうわけじゃないけどね」

京太郎「ならいいけど……なんかあれだな、いつもと感じが違うな」

憧「へ?なに?」

京太郎「いや憧の格好がさ」

憧「あぁ、うん。今日は一日歩き回るわけじゃない?だから動きやすい感じで…」

クルリンパ
憧「じゃーん、どう?」

京太郎「じゃーんて」

憧「い、いいからっ!」

京太郎「こういうのも新鮮でいいな、うん」

憧「ほんと?よかったっ」

 
京太郎「そういえば今日はリュックなんだな」

憧「あ、うん。両手空いてる方がいいと思って。ほら、パンフレットとか見ながら歩いたりするでしょ」

京太郎「気合い入ってんなぁ」

憧「だ、だって楽しみにしてたんだもん!悪い!?」

京太郎「いやいや、悪くない悪くない」ハハハッ

憧「京太郎は?」

京太郎「ん?」

憧「楽しみにしてたのあたしだけ?」

京太郎「……またお前はそういうこと言う」

憧「なんてね。冗談冗談」

京太郎「……ふん」プイッ

憧「あっ…怒った?ごめんね、あたし……」

京太郎「なんてな」

憧「え…」

京太郎「冗談ジョーダン」

憧「……もォーー!!」

京太郎「ははは、騙されてやんのー」

憧「さ、先にだまされたの京太郎のほうですーっ!」

 


◆ ◆ ◆


憧「今日ってどうやって行くの?全部任せちゃったけど」

京太郎「いろいろ調べたんだけど、電車が一番簡単そうだから電車で行くことにしました」

憧「はーい」

京太郎「それで思ったんだけどな…」

憧「なに?」

京太郎「東京、路線、多すぎ問題」

憧「あー」

京太郎「うちなんてJRしか無かったのに。レベルが高すぎる」

憧「うちは近鉄だけだったなー。街の方まで行けばJRもあるけど」

京太郎「そんなわけだから、今日も何回か乗り換えしなきゃいけないんだけど」

憧「??」

京太郎「もし間違えて変なトコロ行っちゃったらごめんな」

憧「やだ。絶対に許さない」

京太郎「え、厳しい」

憧「だって……」

京太郎「……なに?」

 
憧「せっかくの…せっかくのデートなのに、そんなことでダメになったら、やだ」

京太郎「ッ!……、そうだな…せっかくのデート、だもんな」

憧「ぅ、うん……////」

京太郎「……///」


憧「そ、そもそも駅の案内とか見てたら迷わないでしょ」

京太郎「だよな。さ……友だちにすげー方向音痴なやつがいるだけど、そういうの全然見ないんだよ」

京太郎「こっちな気がするって勘で動く。で迷う」

憧「なぜか自信満々なのよね」

京太郎「そうそう、自分の決断に対しては迷いがねーんだ」

憧「ちょっと違う、っていうか逆なんだけど…」

京太郎「お?」

憧「あたしの友だちに、どこにいても一瞬で東西南北がわかる子がいるわよ」

京太郎「あー、たまにいるな。そういうやつ」

憧「それでなんでわかるのか聞いたことあるんだけど、何て答えたと思う?」

京太郎「う~ん……勘?」

憧「ちょっと違うわね。不思議そうな顔で、空を見れば分かるじゃん?って」

京太郎「漠然としすぎててわかんねー」

憧「空を見て、直感的にわかるんだって。で、当たってるの。すごくない?」

京太郎「たぶん太陽とか雲の流れとかから判断できるんだろうけど……」

憧「たぶんそういうことなんだろうけど、そんな小難しく考えるタイプじゃないわね、あの子は」

京太郎「いろんな人がいるもんだ」

 


◆ ◆ ◆


憧「あんまり混んでないといいなぁ……」

京太郎「動物園が?電車が?」

憧「電車。あんまりギュウギュウ詰めになったら嫌だなって」

京太郎「………、あぁそっか」

憧「うん……」

京太郎「大丈夫だよ」

憧「え?」

京太郎「そのときは俺が守るから」

憧「えっ…」

京太郎「だから心配ご無用ってな」

憧「京太郎……」

京太郎「な?」

憧「……うん、ありがと」






京太郎「とは言ったものの……」

憧「うわぁ…コレに乗る、のよね……」

京太郎「これが東京か…!」

憧「あ、でも降りる人も多い」

京太郎「それでも座るのは無理そうだな」

憧「…………っし!ほら京太郎っ!」

京太郎「あぁ」

 
京太郎「あっ…憧、そこの角に入れ」

憧「う、うん」

京太郎「それで、俺が壁になれば…これで一安心だな」

憧「お世話かけます」

京太郎「気にすんなって。まぁそんなに長くは乗らないし……うぉ、まだ来るのか」

京太郎「悪い、もうちょっと詰めるぞ」

憧「え?えっ?」

京太郎「おっとと……憧、大丈夫か?」

憧「だ、大丈夫です、けど……」

京太郎「ちょっと我慢してくれな」


憧(めちゃくちゃ近いっっっっ!!てゆーかこれ壁ドンってやつじゃない!??)

京太郎「ふぅ…やっと動き出したか」


憧(きょ、京太郎の顔がすぐそこにあるし!!やだ、超カッコイイんですけど!ふわぁぁぁぁぁ)

京太郎「憧?」

憧「ふぇ!?」

京太郎「いやなんか、すげー見られてんなぁって」

憧「ぁ…ご、ごめん。なんでもないです」

 
京太郎「…………」


京太郎(今気づいたけど、コレめっちゃ近い……)

京太郎(改めて見るとやっぱり可愛いな。肌もキレイだしまつ毛長いし、それになんかいい匂いが…………)

京太郎「あっ」

憧「京太郎?」

京太郎(やべぇやべぇやべぇ、意識しだしたら………とにかく落ち着け俺!こんなところでたったら………終わる!)

憧「大丈夫?無理しないでね?」

京太郎「だ、大丈夫だから」

憧「ほんとに?なんか険しい顔してるけど……」

京太郎「それはちょっと別で……」

憧「??」


京太郎(上目遣いで小首傾げるとか反則だっつーの!!可愛いんだよチクショウ!!!)

憧(険しい顔もカッコイイ……)



京太郎(頼むから早く着いてくれ………!!)
憧(あぁ…もうずっとこのままでもいいかも……)

 


◆ ◆ ◆


(乗り換えました)

京太郎「はぁ、やっと座れた」

憧「ありがとうございました」ペコリ

京太郎「気にすんなって言ったろ?」

憧「だってしんどそうだったし、それに…」

京太郎「それに?」

憧「嬉しかったから」

京太郎「は?」

憧「ま、守るなんて言われたの…初めてだったし」

京太郎「あっ、あー……いま思い出すとちょっと恥ずかしいこと言ってんな」

憧「……他の子にあんなこと言っちゃダメだからね」

京太郎「こんなこと言う相手、他にいないって」

憧「和とか……咲とか、ダメだからね」

京太郎「わかったよ」

憧「うん」

京太郎「さ、そろそろ到着かな」

 
憧「そーいえば昨日動物園のホームページ見てたんだけどね、東と西で分かれてるんだって」

京太郎「あぁ、うん。知ってる」

憧「え………」

京太郎「ん?どうかしたか?」

憧「なんで知ってるの?」

京太郎「は?」

憧「もしかしてここも前に誰かと……」

京太郎「…………」ポカーン

憧「京太郎…?」

京太郎「ぷっ!あはははははっ」

憧「な、なんで笑うのよ!」

京太郎「いやだってさ…お前、考えすぎ」

憧「だ、だって!」

京太郎「俺も憧と同じ」

憧「え?」

京太郎「いろいろ調べたんだよ。今日のデートが楽しみだったから」

憧「っ!」

京太郎「それでライオンとかゾウもいいけど、俺としてはやっぱり珍しい系が……っと着いたみたいだな」

京太郎「さぁ行こうぜ、憧」

憧「うん!」

 






◆ ◆ ◆





京太郎「おー!テレビとかで見たことある絵面だ」

憧「あはは、同じこと思った」

京太郎「さすが、賑わってんなぁ」

憧「それになんか獣臭くなってきたわね!!ほら京太郎!早くっ!」

京太郎「なんだよ、そのテンションの上がり方」

今日はここまでで

乙です

> 憧「……他の子にあんなこと言っちゃダメだからね」
>
> 京太郎「こんなこと言う相手、他にいないって」
>
> 憧「和とか……咲とか、ダメだからね」

これで付き合ってないとか…

どうにも長くなるからできた分だけ行く

 


◆ ◆ ◆


憧「意外と安いもんなのね」

京太郎「2人で1500円でお釣りが来るとは」

憧「年間パスポートとかあるみたいよ」

京太郎「ふ~ん……4回来たら元が取れるって安いな」

憧「買っちゃう?」

京太郎「いやでも1年で4回は来ないだろ~」

憧「まぁ他にもいっぱい行きたいところあるしね」

京太郎「子どもでもいればまた違うんだろうけどな」

憧「こ、子ども……」

憧「………」

憧「エヘヘヘ……」

京太郎「憧?どした?」

憧「はっ!?だ、大丈夫!なんでもないッ!」

京太郎「お、おぉ…そうか」

憧「あ、地図発見!」

京太郎「あ、おい走んなって」


憧「ね、どうやって回る?」

京太郎「どうもこうもねぇよ、全部見る!」

憧「じゃあまずは手始めにそこのパンダね。行きましょ」

京太郎「あ、地図もらっとこ」

 





京太郎「全然動かねぇな」

憧「そうね」

京太郎「寝てんのかな?」

憧「起きてはいるんじゃない?ゴロゴロしてるし」

京太郎「ちょっと人気あるからって調子に乗ってんなー」

憧「てゆーか関西人のあたしに言わせてもらうと、パンダってそんなにありがたみ感じないのよね」

京太郎「どういうこと?」

憧「和歌山にアドベンチャーワールドってとこがあるんだけど、そこにパンダうじゃうじゃいるのよ」

京太郎「へぇ」

憧「ここのパンダが繁殖したーとかたまにニュースになるじゃない」

京太郎「あー、うん、あるね」

憧「アドベンチャーワールドなんてしょっちゅう赤ちゃん産まれてるわよ」

京太郎「へー、すごいんだな」

憧「そう、すごいのよ」

 
京太郎「憧はそこにも行ったことあるのか。ほんとに好きなんだなー」

憧「へ?」

京太郎「え?」

憧「あ、あの……行ったことは無いんだけど……」

京太郎「無いのにあんなに誇らしげだったのか」

憧「い、いいじゃない!悪いっ!?」

京太郎「あ、もしかしてこれがあれですか?関西人の東京コンプレックスってやつですか?」

憧「べ、別にコンプレックスとか持ってませんけど!?そんな大阪人じゃあるまいし!!」

京太郎「憧さんの意外な一面を見た」

憧「もう!いいから次行くわよ!次ッ!」

京太郎「へいへい」

憧「ほらゾウさん!」

京太郎(ゾウ“さん”て……)


京太郎「改めて見るとでっけーなー」

憧「ほんと…大きいというよりでっけーわね」

憧「あ、子どももいる!かわいい~」

京太郎「あれが草を食うだけでこうなるのか……」

憧「はぁ~超かわいい……持って帰りたい」

京太郎「いやそれはちょっと考え直せ」

 





京太郎「トラはよく動くなぁ」

憧「サービス精神旺盛ね」

京太郎「それに比べてさっきのライオンと来たら、寝てるだけで……」

京太郎「百獣の王とか言われて調子乗ってんな。パンダと同じだ」

憧「ねぇ、トラとライオンってどっちが強いの?」

京太郎「昔アニマルプラネットで見たシミュレーションではライオンだったけどな」

京太郎「でも単純に体格ならトラの方が一回りくらいデカイんだよなぁ、たしか」

憧「ふ~ん」

京太郎「個人的にはトラに頑張ってもらいたいね、よく動いてくれてるから」

憧「あはは、同感」

京太郎「でもタテガミふさふさのオスライオンはやっぱりかっこいいんだよなぁ」

憧「子どもはトラのほうが可愛いわよね。模様があって」

憧「てゆーかっ!トラとかライオンの子どもって超かわいくない!?ちっちゃいくせに大きい手足が!」

京太郎「でも基本的に手足がでかい生き物はでかくなるんだぜ?」

憧「どうにかして子どものままで止まるように出来ないのかしら……」

京太郎「さらっとすごいこと言うなぁ」

 





京太郎「あのゴリラがボスっぽいな」

憧「体も大きいし…なんてゆーか、お父さんみたいなオーラ出してるわね」

京太郎「やっぱ霊長類は他の生き物と違うなぁ。時折動きが人間くさい」

憧「ねぇ京太郎。手話ができるゴリラって知ってる?」

京太郎「え、なにそれすごい。マジで?」

憧「前にテレビで見たんだけどね。普通に人とコミュニケーションとってたわよ」

京太郎「はー、賢いんだな~」

憧「で、そのゴリラは猫と仲良しだったんだけど、その猫が死んじゃったんだって」

京太郎「ほうほう、それでそれで?」

憧「すっごい悲しんで一晩中泣いてたんだって」

京太郎「うわぁ…それ伝える方もキツイなぁ」

憧「ま、本当かどうかわかんないけどね」

京太郎「えぇ…急にドライになる」

憧「だってちょっと話ができすぎでしょー」

京太郎「うーん……たしかに」

憧「なんでその一頭だけなのよーとかいろいろ考えちゃうとね」

京太郎「まぁなぁ……」

憧「てかなんかテンション下がってない?」

京太郎「だって憧にダマされた……」

憧「ダマしてはないでしょうが!」

 





京太郎「知ってるか?熊って60キロで走るんだぜ?」

憧「マジ!?それもう車じゃない…」

京太郎「あのガタイで木登りも得意だし、山で遭ったらもうおしまいだよなぁ」

憧「もしかしてシズが生きてるのって割りと奇跡的……?」








京太郎「さて、そろそろお昼にします?」

憧「もうそんな時間?」

京太郎「いやちょっと早いけどな。人がいっぱいになる前の方がいいだろ?」

憧「ん、そうね。じゃあ行きましょ。どっち?」

京太郎「えっと……こっちだな」

 





憧「意外とちゃんとしてるわね」

京太郎「だなぁ。さすがにメニューは少ないけど」

憧「あたしはオムライスにしよっと。あ、パンケーキとかもあるのね」

京太郎「あんま食うと動けなくなるぞー。それに西園の方にもこううところあるし、いま食わなくてもさ」

憧「ん、じゃあそうする。京太郎は?」

京太郎「俺はカレーうどん。すいませーん」



………



京太郎「さて腹ごなしも済んだことだし…」

憧「うん。次は西園ね」

京太郎「この動物園には東園と西園を繋ぐモノレールがあるのだ」

憧「え、あ、はい」

京太郎「乗らなくても行けるけど、せっかくだし乗ろうぜー」

憧「てゆーか京太郎、乗りたいんでしょ?」

京太郎「あ、バレた?」

 
憧「やっぱりねー。京太郎ならそうだと思ったのよねー」

京太郎「お見通しかよ」

憧「そうよ。京太郎のことならなんで、も……」

京太郎「ん?」

憧「なんでもないっ!」

京太郎「ならいいけど」

憧(あっぶなー…何言おうとしちゃってんのよ、あたし)

京太郎「じゃあ行こうか、俺のことならなんでもお見通しの憧ちゃん」

憧「ってなんで聞いてんのよォ!!」

京太郎「そりゃあ憧が言ったから」

憧「言ってない!」

京太郎「えー、言ったでいいじゃんよ」

憧「言ってないし!」

京太郎「あーもう、わかったよ」

憧「そうよ!それでいいのよ、だって言ってないんだもん!」

京太郎「嬉しかったんだけどなー」

憧「………へ?」

京太郎「さーモノレール乗ろう」

憧「え?ちょ、ちょっと京太郎!!?」

京太郎「まだなにか?」

 
憧「いまのって……」

京太郎「本心だったけど」

憧「えっと、それはつまり……」

京太郎「でも憧は言ってないっていうし…はぁ、とんだぬか喜びだった」

憧「………」

憧「言ったかも」

京太郎「ん?なに?」

憧「ほんとは…言ったかも」

京太郎「何を?」

憧「だ、だから!その……」

京太郎「ゴメンゴメン、イジワルしすぎたな」

憧「ぅぅ……」

京太郎「本心だったのは嘘じゃないからな?」

憧「……ぅん」

京太郎「まぁでも、この程度でなんでもお見通ししてると思ったら大間違いだかんなー?」

憧「なによそれ…もう」

京太郎「こう見えても案外奥が深い男なんですよ」

憧「じゃあもっといっぱい京太郎のこと知らなきゃね」

京太郎「お互いに、だろ?俺ばっかり知られたら不公平じゃん」

憧「そこは努力してもらわないと。あたしは安い女じゃありませんので」

京太郎「おーおーさっきまで泣きそうだったくせにえらそーに」

憧「な、泣きそうになんてなってませんけど!?」

とりあえずここまで


なんだこいつら

あ、腹ごなしじゃなくて腹ごしらえだった
脱字もあるしケアレスミスが多い

とりあえず出来た分だけ行きます
短いし甘くないよ

 





京太郎「もう着いちゃったよ。あっという間だったな」

憧「物足りなかった?」

京太郎「うん」

憧「あたしは地元のケーブルカー…ロープウェイを思い出したわ」

京太郎「あー、例の」

憧「そ、例の」

京太郎「ロープウェイとか乗ったことねーなぁ」

憧「長野に無いの?長野って山っぽいけど」

京太郎「山って言ってもうちは山あいだからさ」

憧「ふ~ん」

京太郎「憧んちは観光地なんだよな?」

憧「まぁ一応ね。吉野の桜とか聞いたことない?」

京太郎「う~ん………ソメイヨシノ?」

憧「それは名前だけで関係ないらしいわ」

憧「でもそんな名前に使われちゃうくらい昔から桜が有名なんだけど、そこがうち」

京太郎「おぉ…すごいな。よくわかんないけど、なんか」

憧「春はホントすごいわよ。わざわざ見に来る人がいるのもわかるもん。一見の価値ありってやつね」

京太郎「へぇ、すごいんだな」

憧「そうよ、すごいんだから」

 
京太郎「そこまで言うなら一回行ってみたいなぁ」

憧「へ?」

京太郎「地元に誇れるものがあるっていいな。うちは単純に田舎だから、羨ましい」

憧「………」
憧(大丈夫、今の言葉に深い意味は無い。さすがにそれは学習したし……でも)

京太郎「それにしても憧って結構地元愛っての?強いんだな」

憧「ん?そうね…うん、地元好きよ」

京太郎「見た目に反して」

憧「なによそれー…ってゆーかそういうの、京太郎には言われたくないんですけど」

京太郎「はははっ、違いない」

憧「お互い苦労するわね」

京太郎「でも俺チャラくないよな?」

憧「……なに?もしかして気にしてたの?」

京太郎「いやそういうわけじゃないけどさ」

憧「あたしだって軽くないからね」

京太郎「お互い苦労するな」

憧「まったくね」




京太郎「つーか俺、んなこと言ってないからな?」

憧「言った」

京太郎「言ってねーよ」

憧「言われたもん」

京太郎「言ってないってば」

 






憧「ここ!ここ来たかったのよ!」

京太郎「ふれあい広場?」

憧「うさぎとかヤギとかに餌あげられるんだって」

京太郎「それは子どもだけとかではなくて?」

憧「大丈夫!大人もいける!調べたから!」

京太郎「ふ~ん」

憧「ほら、あそこにもカップルいるし」

京太郎「あ、ほんとだ」

 





憧「ほらおいで~」

憧「うぁ~食べてる、かーわーいーい~」

京太郎「寄ってくるもんだなぁ」

憧「やわらかい温かいモフモフ~」

京太郎「…………、!」

憧「ほら、お前もおいでーご飯あげるわよ~」

パシャリ

憧「んっ?」

京太郎「うむ、我ながら上出来」

憧「え、なに?写真撮ったの?」

京太郎「うん」

憧「もう!そういうことはちゃんと先に言ってよ!」

京太郎「いいじゃんいいじゃん、自然体ってやつだよ。ちゃんとかわいく撮れたし」

憧「かわっ!?ちょ、ちょっと見せて!」

京太郎「ほい」

憧「むむ……まぁ、良し」

京太郎「それはよかった。保存しとこう」

憧「次からはちゃんと前もって言うことっ!」

京太郎「はいはい」
京太郎(壁紙にしようかな…)

 
憧「京太郎も餌あげたら?かわいいわよ」

京太郎「ん?そうだな、じゃあ俺はこっちのヤギに……おーきたきた。さぁ、たーんとお食べ」

京太郎「よく食べるなぁ、ははは……ん?お前もほしいのか?ほれ」

京太郎「うぉっ!そんながっついてくんなよ!まだある!まだあるから!」

憧「あはははっ!なにしてんのよ!………あっそうだ」

京太郎「もう終わり!これでもうおしまいだからっ!もう無いっつーの!!」

パシャリ

京太郎「ふぅ、やっと行ってくれた……」

憧「モテモテだったわね」

京太郎「ヤギにモテてもなぁ……」

憧「ねぇ京太郎、これ見て」

京太郎「ん、なに?…ってお前、なに撮ってんだよー」

憧「さっき撮られたから、お返しでーす」

京太郎「かっこわるいところ撮るなよなー」

憧「いいじゃない、自然体ってやつよ」

京太郎「まったく自然じゃねーよ、それ」

憧「…………」

憧「ねぇ、京太郎」

 
京太郎「うん?」

憧「その、ね?せっかくだし……二人で撮らない?」

京太郎「えーっと……二人で写真をってこと?」

憧「だ、だからそう言ってるじゃない…」

京太郎「そ、そうだよな……うん、いいぜ撮ろう」

憧「う、うん!じゃああたしので…はい、京太郎が撮って」

京太郎「俺が?」

憧「だって京太郎のほうが腕長いし」

京太郎「あぁ確かに、そりゃそうだ」

京太郎「カメラ自撮りにして……憧、もうちょっと寄ってくれ」

憧「ぅ、うん」

京太郎「よし、二人とも入ってるな。じゃあ撮るぞー」

パシャリ

京太郎「どうよ?」

憧「……京太郎、なんか表情固いわよ」

京太郎「憧だって人のこと言えないだろ、これ」

憧「うっさい。しょうがないでしょ」

京太郎「撮り直すか?」

憧「ぅ~ん…………うぅん、これでいい。京太郎にも送るわね」

京太郎「あぁ、サンキュ」

 
憧「はじめてよね、こういうの」

京太郎「そっか…そういえばそうだな」

憧「……なんか、嬉しいかも」

京太郎「これは1枚目だな」

憧「へ?」

京太郎「この先、こういう写真をたくさん…な?」

憧「ぁ……うん、それ採用」

京太郎「やったぜ」

憧「たまには京太郎もいいこと言うじゃない」

京太郎「えー、たまにじゃないだろ?」

憧「ふふふ」

京太郎「へへっ」



憧(壁紙にしようかなこれ…)

京太郎「さて次はどこに行こうか…」

憧「えへへ…」

京太郎「憧は何が見たい?」

憧「へっ!?えっとそれじゃあ……

ここまで

えーそんなに甘いかー?
せいぜい微糖じゃないかー?



とりあえずまたできた分だけ
短いしそんなに甘くないよ

 





憧「キリンって縦に長いからヒョロヒョロなイメージあったけど……」

京太郎「すげーマッシヴだな…」

憧「でもこの巨体を支えるわけだから筋肉が無くちゃダメよね」

京太郎「ゾウもデカかったけど、また違ったデカさだなぁ」

憧「ゾウはこんなムキムキーって感じじゃないもんね」

京太郎「ゾウは皮膚が分厚いんだよ。ゾウとかカバとか…あとサイとかは」

憧「いわゆるお相撲さん体型みたいな感じなわけね」

京太郎「おぉ…あれがライオンとかを一撃必殺するというキリンの後ろ足か」

憧「それにしても……何を思ってこんなに首を伸ばしたのかしら」

京太郎「そりゃ生きるためだろうよ。生存競争だよ」

憧「このオシャレ模様も生きるため?」

京太郎「遠目だったり茂みの中だったりだと保護色みたいになるんじゃね?チーターとかヒョウとかもいわゆる斑模様じゃん」

憧「あ、そっか。たしかに」

京太郎「シマウマの縞模様も遠目だと灰色に見えるらしいし、一見ファンキーなカラーリングにもちゃんと意味があるんだよ」

憧「シマウマって地肌は黒いのよ?知ってた?」

京太郎「それくらい常識だろ」

憧「じゃあキリンの鳴き声!」

京太郎「キリンはモーって鳴く。こいつら偶蹄目だから牛に近い」

憧「ぐぬぬ……」

京太郎「ちなみにさっき言ってたシマウマは馬よりロバに近いんだぞ」

 





京太郎「おぉ…!オカピはじめて見た……!!」

憧「そういえば珍しいのが見たいって言ってたわね」

憧「なになに……世界三大珍獣のひとつで森の貴婦人とも呼ばれる……へぇ、キリンの仲間なんだ」

京太郎「なるほど……たしかに顔はキリンに似てるな」

憧「脚の模様、ストッキングでも履いてるみたいね」

京太郎「ははーん、それで貴婦人か」

憧「いやそれは多分違うでしょ」

京太郎「思ったより小さいんだなぁ」

憧「ふ~ん………、京太郎京太郎!」

京太郎「んー?」

憧「問題です!」

京太郎「へっ?」

憧「さっきオカピは世界三大珍獣と言いましたが、残りの2つは何でしょう?」

京太郎「パンダだろ?あれ、あと1個なんだ?」

憧「あ、説明見ちゃダメよ!書いてあるから!」

 
京太郎「えー……あっれ~?ダメだ、全然出てこない」

憧「正解はコビトカバでしたー」

京太郎「コビトカバ~?」

憧「だってそう書いてあるもん」

京太郎「全然ピンとこねー」

憧「それはあたしも思ったけど……コビトカバは向こうにいるみたいよ」

京太郎「じゃあちょっと見に行こうかね」





京太郎「小さいカバだな」

憧「そりゃあコビトカバだからね」

京太郎「でもそれだけだな」

憧「なんかあれね、レア感が無いわね」

京太郎「小さいだけだもんな」

憧「でもあっちの本当のカバと比べるとたしかに全然サイズ違うわね」

京太郎「本当のとか言ってやるなよ。こっちだって本当にカバだよ」

 


◆ ◆ ◆


~お土産屋さん~


憧「わぁ…!」

京太郎「すげー…壁一面ぬいぐるみ」

憧「なんかもう見てるだけで幸せになる~」

京太郎「ははは、なんだその乙女みたいなリアクションは」

憧「むっ!なによ悪いの?」

京太郎「いやいや可愛いらしくていいと思いますよ?」

憧「バカにしてる」

京太郎「してないってば」

憧「もうっ」

京太郎「ほんとにしてないって。憧も女の子だなーって思っただけだよ」

憧「はいはい、わかりました」

京太郎「憧もやっぱり家にぬいぐるみとかあったりするの?」

憧「実家にはあるわよ。でもこっちには持ってきてないから…」

京太郎「じゃあ1個くらい欲しいんじゃないか?」

憧「そうね……せっかくだし買っちゃおうかな」

 
京太郎「じゃあ……やっぱりパンダ?」

憧「う~~~~ん………」

京太郎(ところでぬいぐるみっていくらくらいするんだ………!?こんな高いの!?)

憧「ライオンも捨てがたいし……あ、キリンもかわいい」

京太郎(これより一回り小さいサイズは………あ、これなら出せるな)

憧「あっ!!」

京太郎「ん?」

憧「この子!この子にする!」

京太郎「トラ?」

憧「ほらっ!かわいくない?」

京太郎「ふむ……憧、そいつちょっと見せて」

憧「ん、はい」

京太郎(うん、これなら大丈夫)

憧「京太郎?どしたの?」

京太郎「じゃあこいつ、憧にプレゼントするよ」

憧「えっ…………えぇぇ!!?」

憧「そ、そんな!悪いわよ!」

京太郎「いいからいいから」

 
憧「で、でもっ!!」

京太郎「プレゼントしたいんだよ。俺が、憧に。ダメか?」

憧「……………そんな風に言われたらもう何も言えないじゃない」

京太郎「いいんだって、それで。俺は憧に喜んで欲しいんだからさ」

憧「京太郎……」

京太郎「じゃあこいつ買いに行こうぜ」

憧「ぅ、うん…………あっ、ちょっと待って!」

京太郎「ん?どうした?」

憧「えっと…………あっ、いた!」

京太郎「??」

憧「あの、あのね?やっぱりこっちにしたいんだけど……」

京太郎「まぁ憧の好きなのでいいんだけど……なんか小さいのに高くないか?」

憧「これ2頭セットなのよ。オスとメスで」

京太郎「あーそういうことか。2つも欲しがるとは、この欲張りさんめ」

憧「それでね、あたしも半分出すから」

京太郎「…………は?」

京太郎「いやいやいやいやいやいや、それじゃ意味ないだろ。俺の話聞いてた?」

京太郎「たしかにちょっと高くなったのには引っかかったけど、そんな気にしなくても…」

 
憧「いいからいいからっ」

京太郎「いやよくないって」

憧「お願い?半分出させて?」

京太郎「でもなぁ……」

憧「ね?」

京太郎「………はぁ、わかったよ」

憧「ありがとう、京太郎」

京太郎「も~…カッコつけようと思ったのにすげーカッコわりいよ、俺」

憧「……京太郎はいつだってかっこいいわよ」

京太郎「へ?えっと……そうか?」

憧「うん…」

京太郎「あ、ありがとう………ってなんでお礼言ってんだろ」

憧「ぷっ…あはは、ほら京太郎!行きましょ!」

京太郎「あ、おい待てって!」




京太郎(やべぇ顔が超熱い…!)

今日はこれだけ

甘いとかそういうの、おっちゃんもうわからんようになってきた


またできた分だけ
短いよ

 


◆ ◆ ◆


京太郎「帰りの電車は空いてて良かったな」

憧「あたしは混んでても…混んでて方が……」ゴニョゴニョ

京太郎「ん?」

憧「あ、うぅん!なんでもない!」

京太郎「しかしぬいぐるみ持って電車に乗るってなかなか恥ずかしいな」

憧「そう?」

京太郎「なんか…すげー見られてる気がした

憧「でも…ぬいぐるみ持ってる人がいたら見ちゃわない?」

京太郎「まぁな」

憧「ま、別に恥ずかしいもの持ってるわけじゃないんだし?」

京太郎「まぁなぁ」

憧「今後もあるだろうし、免疫つけといてくれないと」

京太郎「まぁな~………ん?」

憧「……どうかした?」

京太郎「あ、いや……う~ん?まぁいいや」

憧「そう?」

京太郎「ところで話は変わるんだけど」

憧「なに?」

京太郎「憧さん、この後なにかご予定は?」

憧「なにも無いけど…?」

 
京太郎「もしよかったら…飯食べに行かないか?」

憧「ぇ……うん、行く!行きたい!」

京太郎「よかった。じゃあ、えっと……こっちだな」

憧「お店は決まってるの?」

京太郎「あぁ。俺も行ったことはないから味の保証はできませんけども」

憧「なんのお店?」

京太郎「パスタ。女の子は好きだろ?」

憧「まぁ、好きだけど……」

京太郎「あれ?なんか不服?」

憧「京太郎と…京太郎と一緒ならなんだって美味しくなるし……」

京太郎「!?」

憧「な、なーんちゃっ…」

京太郎「奇遇だな!」

憧「ふぇ!?」

京太郎「俺も憧と一緒ならなんだっ…て………」

憧「………、どうしたのよ」

京太郎「なんか言ってて恥ずかしくなってきた……」

憧「…………」

憧「そんなこと言われたらあたしも恥ずかしくなってくるじゃない……」

京太郎「なんか、ごめん…」

憧「こ、こちらこそ……」


「「//////」」

 


………



京太郎「あ、ここだな」

憧「へぇ、いい感じなお店じゃない」

「いらっしゃいませ」

京太郎「えっと…予約してた須賀ですけど」

「お待ちしておりました。こちらへどうぞ」

憧「予約してたんだ」

京太郎「あぁ、だから憧に断られてたら困ってた」

「こちらがメニューです。お決まりになりましたらお呼びください」

京太郎「どーも」

憧「このお店、どこで知ったの?」

京太郎「食べログで探した。だから美味しいんだと思う」

憧「ふ~ん」

京太郎「……また変なこと考えてないだろうな」

憧「へ?どゆこと?」

京太郎「いや、違うならいいや」

憧「??」

 
京太郎「ほらほら、どれにする?」

憧「あっ…うん、そうね。何にしようかな……京太郎は何にする?」

京太郎「そうだな………」

京太郎「おっ!これにしよう、小エビとホタテのジェノベーゼ」

憧「あははっ、エビだ~」

京太郎「いいだろー。憧は?」

憧「あたしはー………サーモンとほうれん草のフェットチーネ、にしようかな」

京太郎「フェットチーネってなに?」

憧「麺の種類の名前よ。たしか平ぺったいの」

京太郎「あー、パスタっていっぱいあるもんな」

憧「う~ん…でも他のも美味しそう」

京太郎「じゃあまた来よう。それでいろんなやつ食べればいいさ」

憧「そうね。でもその前に食べてみて…」

京太郎「美味かったら、だな」

憧「そーそー。ふふふっ」

 




京太郎「この前、和んちでケーキ食べたときも思ったんだけど…」

憧「なにを?」

京太郎「やっぱ違うわ、美味い。いつも家でソースかけて食べるのと全然違う」

憧「そりゃあね、比べちゃダメよ。別の食べ物だと思わなきゃ」

京太郎「そんなもんかな……。憧のも美味そうだな」

憧「………、一口食べる?」

京太郎「は?」

憧「はい、あーん」

京太郎「え?えっ、おい!マジで!?」

憧「ほーらぁ」

京太郎「あ、あ~…」

憧「なんてね、うっそでーす」パクッ

京太郎「へ……?」

憧「ん~っ♪」

京太郎「……」ポカーン

憧「京太郎?どうかした?」

京太郎「ぁ、いや……どうもしてない」

憧「ふふっ」

京太郎「うん、おいしい………おいしいです」



京太郎(………あ、そっか)
憧(浮かれてるなぁ、あたし)


京太郎(俺、いま、ガッカリしてるんだ)
憧(しかたないわよね、だってこんなに…)

今日はこんだけ


このエピは次で終わるはず
年内で終わらせたい

付き合ってるとかそういうのは本人たちの心持ち次第だからね


12月はまるっとこのエピソードで埋まってしまった
行きます

 


………



京太郎「どうでした?」

憧「美味しかったわよ。合格です」

京太郎「はははっ、それはよかった。じゃあまた来ような」

憧「また来るお店リストに登録しとかなきゃ」

京太郎「なんだそりゃ。他にはどんな店があんの?」

憧「いまのところ一緒に行ったラーメン屋さんと、この前に行ったスイーツ屋さん」

京太郎「あ、あのラーメン屋なら俺この前一人で行った」

憧「え、ずるい!言ってよ!行きたかったー」

京太郎「あー、わるいわるい。今度また一緒に行こう」

憧「約束だからね」

京太郎「あぁ、約束だ」

憧「あたしも先輩にいいお店ないか聞いてみようかな」

京太郎「先輩とか和とかと行って、いいところがあったら連れてってくれよ」

京太郎「俺は甘いものも全然行けますんで」

憧「そういうところは一人で行けないもんね~」

京太郎「そうなんだよ。憧がいてくれないとさ」

憧「ど~しよっかな~」

 
京太郎「ダメなら大学で適当に女の子を誘ってみるかな」

憧「!!??」

憧「ダ、ダメよそんなの!!何言ってんのよ!!」

京太郎「……」ニヤニヤ

憧「……あっ」

憧「ッ~~~~////」

京太郎「はははっ!」

憧「わ、笑うなァ!」

京太郎「憧ちゃんはかわいいなぁ」

憧「うるさいうるさいうるさいッ!!」

京太郎「前にも言ったろ?憧と一緒じゃなきゃ」

憧「ふきゅ」

京太郎「そもそも俺なんかがナンパしたって、そんな簡単にひっかからないって」

憧「そ、そんなことないわよ!京太郎はかっこいいから女の子なんてすぐに…」

京太郎「はいはい、ありがとな」

憧「ほんとだってば」

京太郎「憧にそう思ってもらえてればいいよ、俺は」

憧「京太郎…」

京太郎「さってっと、憧はどっか寄りたいところとかある?コンビニとか」

憧「えっ…うぅん、大丈夫」

 




「「……」」

「「………」」

「「…………」」

「「あのっ!」」

「「!?」」

「「……………」」


京太郎「……お先にどうぞ」

憧「え、いいわよ京太郎から」

京太郎「いやいやここはレディーファーストで」

憧「もうっ、こんなときばっかり」

京太郎「で、なに?」

憧「じゃあ、言うけど…」

京太郎「おぅ、どんと来い」

憧「………笑わないでね?」

京太郎「それは内容によるけど、わかった」

憧「手を…繋ぎたいなーって」

京太郎「ッ!?」

憧「ダメ?」

京太郎「……ははっ」

憧「あっ!わ、笑わないでって言ったじゃないっ!!」

京太郎「いや、ごめんごめん。そうじゃなくって」

憧「もういい!知らない!」

京太郎「いいから聞けって」

憧「なによっ!」

京太郎「俺も同じこと言おうとしてた」

 
憧「えっ……」

京太郎「だから思わずさ……ごめんな」

憧「ぁ……えっと、その…ほんとに?」

京太郎「本当に」

憧「そっか、そうなんだ…京太郎もあたしと…」

京太郎「……憧」

憧「は、はいっ!?」

京太郎「手、繋ごう」

憧「は、はぃ…」

京太郎「手汗とか出ちゃったらごめんな」ゴシゴシ

憧「だ、大丈夫!むしろあたしの方がっ」

京太郎「じゃあ、そこはお互いさまってことで」

憧「そうね!てゆーか混ざっちゃえばどっちがどっちとか分かんないし!?」

京太郎「それじゃあ…」スッ

憧「ぁ……」

京太郎「……………、まだ?」

憧「ちょっと待って、心の準備が」

京太郎「そっちから言ってきたのに」

憧「スー…ハー……いきますっ」

京太郎「いつでもどうぞ」

ギュッ

「「………」」

京太郎「……じゃあ、行こうか」

憧「ぅ、うんっ…」

 





京太郎「こ、こういうのはやっぱりあれだな!緊張するな!」

憧「え……京太郎も?」

京太郎「憧も?」

憧「うん……そっか、京太郎も同じなんだ」

京太郎「さっきからずっとすげードキドキしてるよ。憧に聞こえるんじゃねーかってくらい」

憧「あはは、あたしもです」

京太郎「そのうち慣れるのかな」

憧「そうかもね」

京太郎「でも…それはそれでちょっと寂しいな」

憧「……うん」



京太郎(女の子の…憧の手ってこんなに細かったんだな……ちょっと力入れたら折れちゃいそうだ)

憧(京太郎の………おっきくてあったかくて……なんだろ、ドキドキしてるのに…すごく安心する)

 

………



京太郎「今度はさ、」

憧「へ?」

京太郎「水族館でも行こうぜ」

憧「水族館?」

京太郎「動物園ときたら水族館も抑えとかねーと」

憧「どういう理屈よそれ」

京太郎「というか俺、水族館って行ったことないんだよな」

京太郎「ほら、長野って海無し県だから」

憧「そう言われるとあたしもない気がする……ほら、奈良って海無し県だし」

京太郎「というわけで水族館、どう?」

憧「水族館かぁ……あっ、あたしイルカショー見たいかも」

京太郎「おっ!じゃあそういうのやってるとこを調べないとな!」

憧「また任せちゃっていい?」

京太郎「あぁ、下調べも結構楽しかったし」

憧「それじゃあ、任せました!楽しみしてるから」

京太郎「おぅ!任せとけ!」

 
京太郎「あ、そーだ。その帰りにラーメン食べに行こうぜ」

憧「あ、そうね、ちょうどいいし」

京太郎「よしっ!じゃあ決まりっと」

憧「でも休みの日だと混んでるから並ばなきゃいけないかも」

京太郎「あーそっか……でもまぁ待ち時間も、二人でいればあっという間だって」

憧「へっ?」

京太郎「あれ?俺だけ?」

憧「………」

京太郎「……憧さん?」

憧「……………」

京太郎「おーい?どした?」

憧「誰でも?」

京太郎「は?」

憧「誰かと一緒なら……あたしじゃなくても…」

京太郎「……ははっ、バーカ」

憧「ばっ!?」

京太郎「憧だからだよ」

憧「っ!!」

京太郎「憧だから時間が経つのが早く…ってか何回言わせんだよ。結構恥ずかしいんだぞ」

憧「ご、ごめん…」

憧「あ、あたしもね!京太郎と一緒にいるといつも時間経つの早いなって…」

京太郎「よかった、同じだ」

憧「ぅん……うん!」

 


◆ ◆ ◆


京太郎「着いちゃったな」

憧「着いちゃったわね」

京太郎「あっという間の一日だったなぁ」

憧「それだけ楽しかったってことよ」

京太郎「そうだな。楽しかった、すげー楽しかった」

憧「うん、あたしも」

京太郎「よかった、同じだ」

憧「ふふっ」

京太郎「じゃあ手、離そうか」

憧「ぁ……うん」

京太郎「名残惜しいけど、こいつを憧に渡さなきゃいけないし」

憧「………」
パッ
憧「ぁ……」

京太郎「それじゃ改めて…こいつらをプレゼント、大事にしてやってくれよ?」

憧「……、言われなくても大事にするわよ、京太郎からのプレゼントだもん。ありがと」

憧「それでね…」

京太郎「ん?なに?」

憧「こっちの子は、あたしから京太郎にプレゼント」

京太郎「へ?」

 
憧「ほらっ、受けとってよ」

京太郎「あ、はい……えっ?どゆこと?」

憧「お金、半分ずつにしたでしょ?」

憧「それってつまり京太郎がオスの方を買って、あたしがメスの方を買ったってことになるじゃない?」

京太郎「まぁ、そういう考え方もできるな」

憧「それで、京太郎は京太郎が買ったオスの方をあたしにプレゼントしてくれる」

憧「反対にあたしは自分が買ったメスの方を京太郎にプレゼント」

憧「っていう感じにしたいんだけど、どうでしょうか…?」

京太郎「そんなこと考えてたのか……でも確かにこの方が俺としてもスッキリするか」

憧「……」

京太郎「わかった。じゃあこいつはありがたく頂くよ」

憧「うん!そっちは女の子だから、あたしだと思って大事にしてね」

京太郎「ははっ、わかったよ。これから寂しい夜はこいつを抱いて寝るかな」

憧「えっ…………ふきゅ」

京太郎「ん?……………あぁっ!!」

憧「っ~~~/////」

京太郎「いや!変な意味ではなく!変な意味ではなくな!!?」

憧「ぅ、うん!わかってるから…////」

 
京太郎「じゃ、じゃあそろそろ帰るよ!」

憧「えっ!?あ、そっか……そうよね」

京太郎「………そんな顔されたら帰りづらいだろ」

憧「だって……」

京太郎「また明日会えるんだからさ」

憧「そうよね、ごめん」

京太郎「あぁ、それじゃ…」

憧「あっ、京太郎!」

京太郎「どうした?」

憧「あの、ね?えっと……」

京太郎「…………、!」

憧「その……」
ナデナデ
憧「!!」

京太郎「違った?」

憧「せ、正解です……」

京太郎「そっか、よかった」
ナデナデナデ
憧「ふぁぁ…」

憧「あ、ありがと!もう大丈夫だから!」

京太郎「ん、それじゃあ…」

憧「うん、気をつけてね」

京太郎「そっちも、きちんと戸締まりすることっ」

憧「はーい、ふふっ」

 


………




京太郎「こっちの手は洗えないなぁ」


京太郎「今日はこっちの手で……いやいやいや」






憧「この手が京太郎とずっと……」


憧「………」

ペロッ

憧「しょっぱい」

この後めちゃくちゃシた
ふたりとも


まだ付き合ってません
まだやらなきゃいけないことがあるから


あと今週末はおそらくないです
次はその次の土日くらいになると思います
気分が乗ったら早まります


クリスマスとか正月とかイベント時期ですけど
そういうのいいから本筋進めんかいって、読んでるとき思ってたので特別なことはしません
というのはまぁ半分冗談で、そっちまでやってる余裕が無いっていうのが本音です

乙です
気持ち次第の「付き合う」よりも、公的に認められる「結婚」をすればいいんじゃないかな?
んで、いつになったら「突き合う」んですかね(ゲス顔)

憧「んっ……ぁ…」

京太郎「憧……直接、いいか?」

憧「ふぇ……、ぅん」

憧「じゃぁ…脱ぐね」

京太郎「あ、待って」

憧「へ?」

京太郎「俺が脱がしたい」

憧「!?」

憧「………」

憧「えっち」




おふざけはこの辺にして、

あけましておめでとうございます

>>760の続きは土曜日にできれば、とは思ってますが予定は未定です

まだ土曜日


行きます

 


京太郎「あぁぁぁ……眠い」

京太郎「なんで今日、一限からあるんだよ……」

京太郎(ま、はやく憧に会えるからいいか)


京太郎「おっ」

憧「あっ」

京太郎「おはよう、憧」

憧「ぉ、おはよう京太郎!」


京太郎(今日も一日頑張ろう)
憧(恥ずかしくて顔が見れない…!)




京太郎「……」

憧「………」

京太郎「………」チラッ

憧「……………」チラチラッ

京太郎(手、繋ぎたい…けど……)
憧(いまはデートじゃ…ないし……)


((そもそも付き合ってるわけじゃないし……))


「「はぁ…」」

 




京太郎「ふわぁ」

憧「ふぁ~」

京太郎「…眠そうだな」

憧「ぅ……そっちこそ」

京太郎「なかなか眠れなくってさ」

憧「何してたの?」

京太郎「いやー、恥ずかしい話なんだけど…興奮しちゃって」

憧「こ、興奮っ!?」

京太郎「あ、いや!興奮っていうか…ドキドキが治まんなくて」

憧「え?」

京太郎「/////」ポリポリ

憧「それってもしかして…」

京太郎「あ、憧は!?どうしたんだよ?」

憧「へっ!?ぁ、あたしも、その………」

京太郎「……」

憧「きょ、京太郎と同じ…かも」

京太郎「ッ!!」

憧「あ、あはは……/////」

京太郎「はは、ははは……////」

 


◆ ◆ ◆


京太郎「………はぁ」

「スガどした?ボケッとして」

京太郎「へ?いや別に、腹減ったなぁって…」

「彼女と離れ離れで寂しいんだろ、ほっとけほっとけ」

京太郎「ぬ……憧は彼女とかじゃ……」

「黙れよテメー。お前らが付き合ってなかったら、世の中のカップルの大半が付き合ってねーよ」

「そもそも誰も新子ちゃんのことだなんて言ってないんだけどな」

京太郎「ぐぬぅ」

「それとも実はあっちの巨乳の子が本命か?」

「原村和なっ!めっちゃかわいい上にあの胸は反則だよなっ!」

「なんでこいつの周りにはあんな美少女が集まるんだ…!」

京太郎「あいつは高校のときからの友だちだって……前にも言ったろ。俺は体のいい男除けだよ」

「おーい、二股野郎はほっといて飯食いに行こうぜ」

京太郎「言いがかりも甚だしいっ!」

「へいへい、んじゃな」

京太郎「おー」

京太郎「………、まぁそりゃそうなるよな」

京太郎「行こう、憧……たちが待ってる」

 


◇ ◇ ◇


「お疲れ~」

「お昼なに食べる?」

憧「じゃ、あたし行くね」

「憧ちゃんもたまには一緒にご飯食べない?」

憧「えっ?えぇーっと……」

「こらこら、困らすなって」

「彼氏が待ってるもんね~うらやましい」

憧「か、彼氏じゃない!…から……」

「いやいやいや」

「ははっ、こやつめ」

「彼氏じゃないなら、私も狙っていいの?」

「やめときなって。あんたじゃ相手になんないよ」

憧「あはは……」

 
「でもいいよね須賀くん。イケメンだし」

「背高いし明るいから目立つよね」

憧「うんうん」ウンウン

「旦那を褒められてご満悦な憧ちゃんであった」

憧「ふぇっ!?だ、旦那!?」

「実際、憧ちゃんがいるから近づけないみたいなところはあるよね」

憧「へ?」

「そりゃ毎日あんなイチャイチャしてるの見せられたら、つけ入るスキ無いなーってなるって」

憧「い、いちゃいちゃなんて…!」

「傍から見てても、憧ちゃんのこと大事にしてるのがわかるもん、須賀くん」

憧「え?………えぇぇっ!??/////」

「あーもう!かーわいいなぁ!」

「リア充爆発しろ」

「あーあ、どっかに高身長イケメン落ちてないかなぁ」

憧「っ~~////」
ピロン
憧「!」

憧「メールだ……和?」

 


◆ ◆ ◆


憧「京太郎、お待たせっ!」

京太郎「いや俺もいま来たところ」

憧「じゃ行こっか」

京太郎「和がまだだぞ?」

憧「あれ?連絡きてない?」

京太郎「連絡?なにもきてないけど」

憧「今日は来れないって」

京太郎「え、まじかよ」

憧「だから今日は2人きり…」

京太郎「なんだよ和、来れないのかー」

憧「むっ」

憧「そんなに和に会いたいわけ?」

京太郎「うん」

憧「ふーん……」

京太郎「おっ!憧さん、レディースランチ頼んで!」

憧「はいはい」

 




京太郎「俺はさ、」

憧「ん?」

京太郎「たまの授業と昼くらいしか和と会えないから」

憧「ぁ……」

京太郎「憧は昼に会えなくても部活のほうで会うだろ?」

憧「うん…」

京太郎「だから会えるときに会っとかないとなーと思うわけだよ」

憧「…………」


憧(和は大切な友だちなのに…応援するって言ってくれたのに……)

憧(あたし、嫌な女だ……)


憧「はぁ……」

京太郎「??」

京太郎「なんかよくわかんないけど、これやるから元気出せよ」

憧「へ?これ、マンゴープリン?」

 
京太郎「プレゼント」

憧「いいの?プリン…」

京太郎「俺はマンゴープリンをプリンとは認めてないから」

憧「はぃ?」

京太郎「俺が好きなのはプリン!って感じのプリンなの。卵感とかクリーム感の強いやつな」

憧「はぁ……なんとなく言いたいことはわかるけど…」

憧「てっきりこれが食べたくてレディースランチがよかったのかと思ってた」

京太郎「あっ、別に嫌いだから押し付けてるわけじゃないぞ!?」

憧「……ほんとに~?」

京太郎「ほんとだって!」

憧「ふふ…あははっ!じゃあ遠慮なく」

京太郎「おぅ!」

憧「ありがと、京太郎」ニコッ

憧「あ、そうだ。お返しに京太郎に何かあげよっか?」

こんだけ


全部が全部同じ時間割ってわけでもないし
ちゃんと同性の友達もいるよいたよ

短いけど、行きまーす

 


◆ ◆ ◆


憧「それじゃ、あたし行くね」

京太郎「送るよ」

憧「送るって…すぐだよ?」

京太郎「細かいことは気にしない気にしない」

憧「まぁ別に断る理由もないからいいけど」

京太郎「そうそう、人の厚意は素直に受けるもんだぞ」

憧「なんなの、その上から目線は」

京太郎「んー、憧と話すときはどうしても上からになっちゃうからな、しかたない」

憧「はぁ?」

憧「………」ミアゲー

京太郎「な?」ミサゲー

憧「いまはそういう話じゃないでしょ!」

京太郎「はははっ」

 
憧「そもそも京太郎は無駄に大きすぎるのよ」

京太郎「えー」

京太郎「そんな言うほどでっかくないと思うんだけどなぁ、180はあるけど」

憧「あたしから見たら180は巨人よ、巨人」

京太郎「憧は意外と背低いよな、和とか…咲より小さかったよな」

憧「ぅ……ホントはもう5センチくらいは欲しかったんだけど…」

京太郎「ふ~ん」

憧「いまはあと10センチくらい欲しい」

京太郎「それは無理すぎるだろ」イヤイヤ

憧「だって京太郎が……」

京太郎「俺が?」

憧「んーん、なんでもない」

京太郎「??」

 



京太郎「部活中に寝るなよ~?」

憧「さっきまでずーっと眠たそうにしてた人に言われたくないんですけど~」

京太郎「いやー寝そうになると憧が起こしてくれるだろ?」

憧「そりゃ起こすわよ」

京太郎「それが嬉しくってさ」

憧「へっ!?」

京太郎「ついつい甘えちゃうんだよな」

憧「…………まったく、しょうがないなぁ京太郎は」エヘヘ

憧「ぁ、あたしがいないと…ダ、ダメなんだから」

京太郎「へへっ…」

憧「ふふふ」

京太郎「じゃ、じゃあ和によろしくなっ」

憧「はいはい。寂しくて泣いてたって言っとくから」

京太郎「いやいやいや」ハハハ

憧「あはは……ねぇ京太郎」

京太郎「ん?」

憧「その…夜、電話とかしてもいい?」

京太郎「お?おぉ!そんな断らなくても、憧ならいつだっていいぜ」

憧「う、うん!」

京太郎「出なかったら風呂に入ってるとでも思ってくれ」

憧「ま、まぁでも?本当にかけるかどうかわかんないけど?」

京太郎「ははっ、なんだそりゃ。ま、お暇ならどうぞ」

 


◆ ◆ ◆


京太郎「よし…」
prrrrrr…prrr
『もしもし』

京太郎「も、もしもし!俺だけど…」

『詐欺?』

京太郎「ちげーよ!」

『あはは』

京太郎「っと、その……久しぶりだな、咲」

咲『うん、どうしたの?』

京太郎「あ、いや……ちょっと会えないかなって」

咲『へ?』

京太郎「話したいこととかあるし…その、この前のこととか……」

咲『そう……』

京太郎「……咲?」

咲『うん、いいよ。いつにしよっか』

京太郎「お、おう!お前の都合のいい日でいいぞ?」

 
咲『えっとじゃあ…ちょっと待ってね、いまスケジュール確認するから……』

京太郎「はいはい」

咲『来週の日曜日は?』

京太郎「来週の日曜……あ、悪いその日はちょっと…」
京太郎(その日は…憧と……)

咲『えー。いつでもいいって言ったじゃん』

京太郎「すまん、その日はどうしても……その前の日とかはダメか?」

咲『う~ん……しょうがないなぁ』

京太郎「悪い」

咲『じゃあ来週の土曜日に京ちゃんの家に行くね』

京太郎「あ、俺んち?」

咲『……ダメなの?』

京太郎「あ、いや……うん、わかった」

咲『じゃそういうことで。ごめん、いま今度の遠征の支度の途中なんだ』

京太郎「忙しいときにかけちゃったみたいで、申し訳ないっす」

咲『ほんとにね。昔から京ちゃんは間が悪いんだから』

京太郎「そんな風に思われてたの、俺……ところで今度はどこ行くんだ?」

咲『広島だよ』

 




◇ ◇ ◇



憧「電話するとは言ったけど……」

憧「別に用事もないし……」

憧「なんて言えばいいのかな……」

憧「声が聞きたかったとか?」

憧「ハズかしいなーそれはさすがにハズかしいなー」キャー

今日はこれだけです

お久しブリーフ

 






京太郎「はぁ~~~」

京太郎「咲と話すのになんでこんなに緊張してんだろ……」

京太郎「まぁいいや。これで後顧の憂いを絶って、その次の日に…」
ピロン
京太郎「!?」

『電話していい?』

京太郎「…」メルメル

prr…
京太郎「もしも~し」

憧『え、速っ』

憧『えっと…こ、こんばんは?』

京太郎「なんで疑問形なんだよ」ハハハ

憧『だって……それより、京太郎はなにしてたの?』

京太郎「俺?ん~………別になにも」

憧『なんか間があったわね』

 
京太郎「しいて言うなら、憧からの電話を待ってたかな」

憧「またテキトーなこと言ってー」

京太郎「いやいやマジだよ、マジマジ」

京太郎「ずっと今か今かと携帯を握りしめてだな」

憧『はいはい。てゆーか、かけるかどうかわかんないって言ったよね?』

京太郎「でもちゃんとかけてきたじゃんか」

憧『それはそうだけど』

京太郎「憧も俺と同じ気持ちだと思ってたから」

憧『へ?』

京太郎「だから絶対かかってくるって信じてた」

憧『京太郎…』

 



◇ ◇ ◇


咲「ふぅ」

咲「よかった……ちゃんと話ができて」

咲「………」

咲「考えてみたらこういうとき、いつも京ちゃんから……」

咲「やっぱり優しいな、京ちゃん」

咲「でも今回悪いのは京ちゃんなんだから、わざわざ私が歩み寄ってあげる必要ないもんね、うん」

咲「………」


咲「私もちゃんと言わなきゃ」


咲「ダメかもしれないけど……」


咲「でも、このまま終わるなんてもうできないから……」




 

 






憧『今度は京太郎からかけてきてよね』

京太郎「えー、俺から?」

憧『なによ、嫌なのー?』

京太郎「別にいまみたいに憧からかけてくれればいいじゃん」

憧『う~ん……でもぉ』

京太郎「??」

憧『あたしからかけてばっかりじゃ、あたしばっかり京太郎のことを……』

京太郎「え、なんだって」

憧『ともかく!京太郎もかけてきなさい!』

京太郎「わかった、わかったよ」

憧『よろしい。最初っから素直にそう言いなさいよね』

京太郎「へいへい、申し訳ございませんっしたー」

憧『いつでもいいからね』

京太郎「あぁ、そっちもな!」

憧『うんっ』




(これからほぼ毎日電話するようになった)テッテレー

すいません
あまりの進まなさに現実逃避して新刊が出た漫画を読み返してました

本日は京誕ですが当店は平常営業でお送りします

 




咲「あ、あれ?」

咲「えっと、たしか……」

咲「ぅぅ~…」

咲「………」

咲「背に腹は代えられない……」

prrrrr…prrrrr…
咲「なんでこういうときに限って出てくれないのぉ」
prrrrr…prr
『はいはーい、もしもーし』

咲「京ちゃん……」

京太郎『咲か、どうした?』

咲「あのね…」

京太郎『なんかあったのか?』

咲「京ちゃんの……」

京太郎『俺の?なに?』

咲「京ちゃんのうちって、どこだっけ」

京太郎『はぃ?』

 



京太郎『この前スマホがあればもう迷わないって言ってなかったか?』

咲「ま、迷ってるわけじゃないもん!ただ目的地がわからないだけだもん!」

京太郎『世間ではそれを迷ってるって言うんだよ』

京太郎『つーかもう何回か来てるのに、なーんでわからなくなるかね』

咲「久しぶりなんだからしょうがないじゃん!」

京太郎『ハァ……いまからうちの住所を送るから、それをコピペして目的地設定しろ』

咲「こ、こぴ…?」

京太郎『そしたら案内してくれるだろ』

咲「京ちゃん京ちゃん」

京太郎『ん?なに?』

咲「こぴぺってなに?」

京太郎『あ、あ~~……コピーして貼り付けろってこと』

咲「あぁ、なるほど。わかったよ」


咲(“ぺ”はどこから来たのかな……)

 


◆ ◆ ◆


ピンポーン

京太郎「おっ、ようやく来たか」
ガチャ
咲「こ、こんにちは…」

京太郎「おぉ、お疲れさん」

咲「ほんとに疲れたよ……」

京太郎「まぁ、上がれよ」

咲「うん。おじゃまします」

京太郎「でも思ったより早かったな。これもスマホのおかげかね」

咲「もうこれがなきゃ生きていけない気がする…」

京太郎「麦茶でいいか?いいよな?つーか麦茶しかないんだけど」

咲「なら聞かないでよー………ん?」

京太郎「あいよ、粗茶ですが」

咲「あ、ありがと」

京太郎「どうかしたか?」

咲「うぅん。いただきます」

 
京太郎「……」

咲「………」

京太郎「……咲」

咲「……なに?」

京太郎「この前は、ごめん」

咲「………」

京太郎「咲の気持ちとか…全然考えてなかったよな、俺」

咲「………」

京太郎「付き合い長いから、それにあぐらをかいていたわけではないんだけど、その……」

京太郎「あーくそ、なんて言ったらいいかな」

咲「いいよ、もう。こっちもついカッとなっちゃったのもあるし、それに……」

京太郎「それに…?」

咲「なんでもない。京ちゃんも一応反省してるみたいだし、この話はもうおしまいね」

咲「私だっていつまでも京ちゃんとケンカしたいわけじゃないもん」

京太郎「そういってもらえると助かる。ともかく悪かった」

咲「ねぇ、京ちゃ…」
京太郎「ところで咲よ」

咲「え?あ、はい」

京太郎「もう一つ、お前に話がある」

 
咲「なに?改まって」

京太郎「和がさびしがってたぞ」

咲「へ?」

京太郎「お前からのアプローチが全然無いって」

咲「ぁ……」

京太郎「もうちょっと気にかけてやれ」

咲「うん……」

京太郎「お前はただでさえ友達が少ないんだから、今いる友達くらいは大事にしろよ」

咲「わ、わかってるよぉ」

京太郎「いーやわかってないね。だいたいお前は昔っから…」

咲「わかってるってば。和ちゃん…と優希ちゃんは大切な友だちだって、ちゃんと思ってるもん」

京太郎「そう思ってるんならもう少しお前の方からも動いてやれ。お前は受動的すぎる」

咲「はーい」

京太郎「和に遊びに誘われたら最優先で無理してでも付き合えよ」

咲「えぇー…うん」

京太郎「まぁ、それくらいの気持ちでな」

咲「わかったよ……ところで」

京太郎「お?」

咲「さっきから気になってたんだけど、あれなに?」

 
京太郎「あ、あ~……見つけてしまったか」

咲「ぬいぐるみなんて……京ちゃん買ったの?」

京太郎「実はこの前憧と…」

咲「っ!?」

京太郎「動物園に行ったんだよ。そこで買った」

咲「……」

京太郎「そのとき思ったんだけど、ぬいぐるみって高けーのな。値段見てビックリした」

咲「へ、へー……いくらだったの」

京太郎「こいつはたしか…4000円くらい」

咲「え、これでそれは高すぎじゃない?」

京太郎「実はこいつ2頭セットなんだよ。2つで4000円」

咲「セット?でも1つしか…」

京太郎「憧と半分ずつ出し合って買って」

咲「!!」

京太郎「相方の方は憧が持ってるんだ」

咲「そう…なんだ……」

京太郎「そうなんすよ」

咲「そっか…」

京太郎「いやー恥ずかしいな!こういう話を他の人にするってのは!」

咲「……」


咲「付き合ってるの?新子さんと」

今日はここまでで


咲ちゃん!!

京咲派・・・?
京咲派がなぜこんなところに・・・


慈悲はない

 
咲「……付き合ってるの?新子さんと」


京太郎「ん?……いや、付き合ってない」

咲「嘘」

京太郎「嘘じゃねーよ。嘘じゃないけど…」

京太郎「明日、またデートするんだ」

咲(明日……?)


~~

京太郎「すまん、その日はどうしても……その前の日とかはダメか?」

~~


咲「っっ!!」

京太郎「今度は水族館行くんだけど、そこでその…はっきりさせようと思ってる」

咲「……」

京太郎「まぁ、そういうわけだからさ!うまく行くように咲も祈っといてくれよなっ!」



咲「いやだよ」



京太郎「へ?」

咲「………」

 
京太郎「いやいやいや、なんでそんな冷たいんだよ」ハハハ

咲「私は……好きな人の恋愛がうまく行くのを願えるほど、人間できてないから」

京太郎「……………は?」

咲「………」ジッ

京太郎「えっ?いやちょっと待て。えー………マジで?」

咲「そんなに驚く?」

京太郎「だってお前、いままでそんな感じ全然っ……」

咲「……京ちゃんは鈍感だね」

京太郎「そんなことは……」

咲「あるでしょ。私だけじゃないよ」

京太郎「え?」

咲「優希ちゃんの気持ちにも全然気づいてなかったよね」

京太郎「優希?なんであいつが………」

京太郎「……えっ!?マジで?嘘だろ?」

咲「ほら、やっぱり京ちゃんは鈍感だ」

京太郎「ちょっと待て。理解が追いつかない……」

咲「……」

 
京太郎「お前、俺のこと好きだったの!!?」

咲「そうだよ。ずっと前から…京ちゃんが新子さんと知り合う前からずっと…」

京太郎「マジかよ……」

咲「ねぇ、京ちゃん」

京太郎「!?」

咲「私じゃダメ…?」

京太郎「咲…」

咲「私のほうが新子さんよりも京ちゃんのこと知ってるよ?」

京太郎「咲、やめろ…」

咲「いいところもダメなところも、好きなものも嫌いなものも、得意なことも苦手なものも全部っ!」

咲「全部好きなの!」

京太郎「咲っ!!」

咲「っ!!」

京太郎「……悪いけど、お前の気持ちには応えられない」

咲「ぁ……」

京太郎「俺が好きなのは…」

咲「やめて……聞きたくない」

京太郎「咲…」

 
咲「ねぇ、京ちゃん」

咲「もし…もしね?もし新子さんがいなかったら……」

咲「京ちゃんは私のこと、見てくれた?」

京太郎「…………」

咲「…………」

京太郎「………、ごめん」

咲「………、そっか」

京太郎「………」

咲「やっぱり京ちゃんは優しいね……」

京太郎「そんなことねーよ……」

咲「そんなことあるよ。京ちゃんは優しいよ……誰にでもね」

京太郎「やめろ……」

咲「私、帰るねっ」

京太郎「えっ……あ、おいっ」

咲「京ちゃん」クルッ

京太郎「咲……」

 






咲「さよなら」








 

 



ガチャ……バタンッ



京太郎「さっ……!」


京太郎「ぁ……」


京太郎「俺に追いかける資格なんてないか……」


京太郎「あー、くそっ……こんなはずじゃなかったのに……」




 

今日はこの辺で


いやー筆が進む進む

京咲はいろんなとこで勝ってるし、ここでは負けてくだち・・・


行きまーす

 


◆ ◆ ◆



「お疲れさまー」
「お疲れー」
「どこか寄ってく?」



和「お疲れ様でした」

憧「うん、お疲れー」

泉「なー、ご飯食べに行かへん?」

憧「お、いいねぇ。どこ行く?」

泉「原村も来るやろ?」

和「えぇもちろん。ですけど…憧はいいんですか?」

憧「へ?」

泉「憧、なんかあんの?」

和「明日デートですよ、デート」

泉「あーはいはい、ごちそうさま」

憧「な、なによっ!」

 
和「準備とかいいんですか?」

泉「準備?」

和「ほら、服とか」

憧「それはもう決めてあるから大丈夫」

泉「気合い入っとんなー」

憧「まぁ、多少はね」

和「多少じゃないでしょう?」

prrrrrr

憧「あ、あたしだ。ちょっとゴメン」

憧「ぇ……」

憧「………」

憧「もしもし」

憧「………??」

憧「もしもー…」


『京ちゃんのこと…よろしくお願いします』


憧「えっ?」

ツーツー…

憧「ぁ……」

 


◇ ◇ ◇



咲「ふぅ…」


咲「あーあ、フラレちゃった」


咲「わかってたけど……やっぱりキツイなぁ」


咲「………」


咲「帰ろ……」



 

 


◆ ◆ ◆



咲「………」

竜華「あれ?咲ちゃん?」

咲「竜華さん……」

竜華「ちょうどよかったわー、お土産あんねん!」

咲「……」

竜華「今日、怜と一緒に出かけたんよ」

竜華「ほら、咲ちゃんこの前プリン買ってきてくれたやろ?だから……咲ちゃん?」

咲「………」

竜華「………咲ちゃん、うちおいで」

咲「え、あの……」

竜華「ええから、ほらっ」

 




咲「おじゃまします……」

竜華「適当に座っといて。いまお茶入れるから」

咲「あ、あの…お構いなく…」

竜華「ええからええから!咲ちゃん、砂糖何杯やった?」

咲「あ、1杯で大丈夫です…」

竜華「はい、お待たせ」

咲「ありがとうごさいます…」

竜華「でな、これシュークリーム買うてきてん。一緒に食べよ」

咲「え、あの……」

竜華「咲ちゃんのために買ってきたんやから遠慮せんでえーよ」

咲「…………いただきます」





咲「あの…竜華さん」

竜華「うちからはなにも聞かんし、言いたくなかったらなにも言わんでええよ」

咲「ぇ…」

竜華「でも…あんな顔した咲ちゃんを、一人にはできんもん」

咲「……………、ありがとうございます」

 

………



咲「………」

竜華「そしたら怜がな~」

咲「……物心ついたときから一緒だったんです」

竜華「!……」

咲「私はあまり活発なタイプじゃないからいつも引っ張ってくれて……」

咲「高校で麻雀部に入ったのも彼が…京ちゃんがいたおかげで」

咲「これからもずっと一緒なんだって思ってたんです……」

咲「でも違ったみたいで…」

竜華「咲ちゃん……」

咲「私、フラレちゃいました」

竜華「っ!」

咲「えへへ……」


竜華「………ええんよ」


咲「え…?」

 
竜華「ええんよ…」

咲「あの…竜華さん…?」

竜華「ええんよ…」

咲「………ッ~~!!」

竜華「ええんよ…」

咲「ずっと好きだったんだもん!」

咲「新子さんよりも私のほうが絶対に京ちゃんのこと好きだもんっ!」

咲「なのにっ!なのに……」

ギュッ

咲「ぁ……」

竜華「ええんよ…」

咲「うぅっ…ひぐっ……」

竜華「………ええんよ、全部吐き出しちゃい…」

咲「うえぇぇえ……!!」


 

 

………



咲「すみませんでした…」

竜華「ええってええって」

竜華「うちは…勝手やけど、咲ちゃんのことを妹みたいに思っとるから…」

咲「竜華さん……」

竜華「だからちょっとでも咲ちゃんの力になれたらって」

咲「ありがとうごさいます……」

竜華「お礼なんてええってば」

咲「……竜華さんが本当のお姉ちゃんだったらよかったなぁ」

竜華「そんなこと言うたらあかんよ。お姉ちゃんに怒られるて」

咲「いいんですよ、あんなの」

竜華「いやいや咲ちゃんやなくて、うちが」

咲「あっ……それは困るな」

竜華「せやろ?」

咲「あはは…」

竜華「ふふふっ……せや、咲ちゃん今日泊まってき」

咲「え、でも……」

竜華「お姉ちゃんに遠慮なんかせんの」

咲「……もう、強引なお姉ちゃんだなぁ」

今日はここまでで


実はキャラ単体で一番好きなのは竜華です
控えめにって結婚したい

咲さんは最近、某スレでスカート穿いた男扱いされてたからこの結果は順当

あんなの……まな板が泣いています

竜華お姉ちゃん……うっ頭が

>>853
え、なにそれは

>>854
まぁ仲直りしたからこそのね

>>855
前例があったのか・・・



今日はなしです
流石に昨日の今日ではプロットもなにもできてませぬ

一番好きなキャラとか言っといて一人称を間違えるという痛恨のミスがががが



さてと、行こう

 


ピロン


「そーいや昼飯って食べた?」

『まだー。行きがてらどっかで食べて行かない?』

「俺もそのつもりだった」
「なに食べる?」

『別になんでもいいわよ』
『ファミレスとかマックとか、テキトーで』

「ファミレスだと居座っちゃいそうだな」

『あーたしかにね』

「駅前のマックで簡単にすますか」

『りょうか~い』

「じゃあいまから行くぜ~」

『は~い!舞ってま~す!』

「いや踊ってなくてもいいぞ?」

『は?』
『あ、変換ミス!!いちいちツっこむなっ!!』



 

 


◆ ◆ ◆


京太郎「……よしっ」

ピンポーン

「はーい」

ガチャ

京太郎「迎えに来たぜっ!」

憧「あ、うん」

京太郎「あれ?反応薄いな」

憧「ごめん、ちょっと声にビックリして」

京太郎「失敗した……せっかく気合入れたのに…」

憧「そんなことより」

京太郎「そんなことって、ひどくね」

憧「なにか言うことないの?」

京太郎「へ?」

憧「ほらっ」

京太郎「あぁ……、よくお似合いです、お嬢様」

憧「うむ、よろしい……なんてね」

京太郎「その服、はじめて見るな」

憧「ふふ~、かわいいでしょ?」

京太郎「いいな……うん、いい…」

憧「よかった…」

京太郎「………」
京太郎(俺のためにオシャレしてくれてるって思うと……たまんねーな)

 
憧「京太郎?」

京太郎「あぁ…悪い。じゃあ行こうぜ」

憧「ね、京太郎…」

京太郎「ほら憧、手」

憧「ぁ…うん!」

京太郎「あ、待った」

憧「え…なに…?」

京太郎「ゴホン……お嬢様、お手をどうぞ」スッ

憧「ぁ……」

憧「ふふっ、ばーか」

京太郎「なっ!?バカとはなんだ、バカとはっ」

キュッ

京太郎「ぁ…」

憧「ちゃんとエスコートしていただけるかしら?」

京太郎「お、おぅ!任せとけっ!」

憧「さ、行きましょ」

京太郎「あぁ!」

憧「♪~」

 

………



憧「……」チラッ

京太郎「………」

憧「京太郎」

京太郎「うん?」

憧「昨日って…何してたの?」

京太郎「えっ…昨日か?えっと……いや、特に何もしてないぞ」

憧「そう…」

京太郎「憧は…部活だったよな」

憧「うん。あ、そうだ」

憧「昨日ね、部活帰りに和と友達とご飯食べに行ったの、お好み焼き」

憧「一緒に行った友達が大阪の子でね、その子に連れてってもらったんだけどね」

京太郎「……」

憧「すっごい美味しかったの!店長さんも大阪の人らしくって、本場の味ってやつ?」

京太郎「………」

憧「………京太郎、聞いてる?」

京太郎「へ?あ、あぁ聞いてるよ。お好み焼きだろ?」

憧「………」

京太郎「今度連れてってくれよ」

憧「ぇ、ぁ……も、もちろん!そのつもりだったし!」

京太郎「ははっ、楽しみにしとくよ」

憧「期待してていいわよ」



京太郎「ふぅ…」
京太郎(いかんいかん、切り替えないと……今日は憧に……)

憧「……」ジー

 


◆ ◆ ◆



憧「こんな街中に水族館があるなんて…」

京太郎「想像つかねーよな。水族館って言ったら海ってイメージだし」

憧「そうそう。ね!帰りにちょっと買い物とかしていこうよ!」

京太郎「あぁ、むしろそっちだけでも一日二日潰せそうだな」

憧「やっぱり都会だなぁ」

京太郎「だなぁ。ダメだな、いまだにお上りさん感覚が抜けない」

憧「あはは、わかる。あたしも」

京太郎「お、あれだな」

憧「え?これ?」

京太郎「あぁ」

憧「駅と目と鼻の先じゃない。これが水族館だなんて、言われなきゃわかんないわよ」

京太郎「ほんとにな。でも書いてあるだろ?」

憧「うん……ここでイルカショーもやってるの?」

京太郎「あぁ、すげーよな」

憧「は~……まだ信じられない」

京太郎「ま、入ってのお楽しみってことで」

 




憧「動物園と比べると、やっぱり高いのね」

京太郎「やっぱりいろいろ金がかかるんだろう、空調だけじゃなくて水温調節もあるし」

憧「あ、ここも年間パスあるわよ」

京太郎「いくら?」

憧「えっと…2回分ね」

京太郎「え、安くね!?」

憧「まぁ元が高いしね」







憧「うわぁ…!」

京太郎「おぉ…!」

憧「別世界にきたみたい……!」

京太郎「すっげぇ…」

憧「ほらっ京太郎!はやくはやくっ!」

京太郎「そんな引っ張るなって」

とりあえずここまでで



大事なところなので続きもできるだけ早くやりたい

続きー

 





京太郎「おぉ!オウムガイ!」

憧「これっていまもいるんだ」

京太郎「は?」

憧「アンモナイトとか、そういう時代の生き物かと思ってた」

京太郎「あぁそういうことか」

憧「でもその仲間よね?」

京太郎「そうなんじゃないか?俺もよく知らないけど」

 





憧「ねぇ、どこにいるのこれ」

京太郎「ん~……あ、いた」

憧「えー?どこよー」

京太郎「そこの岩の影」

憧「むむ~……」

京太郎「!」
京太郎(無意識なんだろうが、憧の顔近っ)

憧「あ、いた!」

京太郎「かわいいな…」ボソッ

憧「ん?」

京太郎「あ、いやなんでもない」

 





憧「わぁ……キレイ……」

京太郎「これ全部クラゲなんだよな……すげぇ」

憧「宝石が泳いでるみたい…」

京太郎「お、詩人ですね」

憧「なによぅ、茶化さないでよね」

京太郎「悪い悪い。でもほんとに綺麗だな」

憧「うん……あ、そうだ!ねぇ京太郎、写真撮ろうよ!」

京太郎「おぉ、そうだな」

憧「ちゃんとキレイに撮れるかな?」

京太郎「どうだろ、カメラの性能次第だな」

憧「じゃあ、はい。ヨロシク~」

京太郎「あいよ」

 





憧「すっごい!トンネルになってるー!」

京太郎「下から見上げるってすげー新鮮だな。あ、マンタだ」

憧「あっ、亀がいる!大っきい!」

京太郎(かわいい……、そういえば)キョロキョロ

憧「何あれ!?鼻ギザギザなんだけど!サメ?」

京太郎(奇跡的に誰もいないな……今しかない…!)

憧「ねぇほら!京太ろ…」

京太郎「なぁ、憧」

憧「え、なに?」

京太郎「………」

憧「京太郎…?」

京太郎「ごめん、俺さっき嘘ついた」

憧「え……」

 
京太郎「来る途中にさ、昨日の話しただろ?」

京太郎「俺、特に何もしてないって言ったけど…ごめん、あれ嘘」

憧「………」

京太郎「昨日、咲がうちに来たんだ」

京太郎「それで………あいつに告白された」

憧「そう…」

京太郎「……驚かないんだな?」

憧「えっと…うん」

京太郎「はぁー………ほんとに知らなかったの俺だけか」

憧「……それで」

京太郎「え?」

憧「京太郎はなんて答えたの?」

京太郎「……言わなくても分かるだろ?」

憧「京太郎の口から言ってほしい」

京太郎「……」

憧「………」ジッ

京太郎「断ったよ」

キュッ

 






京太郎「俺が好きなのは憧だから」






 

 
憧「っ!」

京太郎「…////」

憧「京太郎……////」

京太郎「あ、憧の返事を、聞きたいんだけどっ!」

憧「ふぇ!?……い、言わなくても分かってるでしょ」

京太郎「わかんねぇ。俺、鈍感だからさ」

憧「もう…なにそれ」

京太郎「……」

憧「………うん」

 

 






憧「あたしも…京太郎が好き、大好き」






 

 
京太郎「ッ!」

憧「////」

京太郎「よかった。ダメだったらどうしようかと」

憧「そんなこと思ってもなかったくせに」

京太郎「いやいや思ってたぜ?純正九蓮宝燈和了るくらいの確率は」

憧「なにそれ、ダメだったら死んじゃってたわけ?」

京太郎「はははっ、かもよ?」

憧「もう……ふふっ」

京太郎「改めてこれからよろしくな、憧」

憧「うん、幸せにしてあげるから」

京太郎「へっ!?」

憧「なんてね、えへへ」

京太郎「いやそれ、男の俺のセリフじゃね?」

憧「……咲に頼まれたから」

京太郎「えっ…?」

憧「実は昨日…咲から電話があってね」

京太郎「ッ!?」

憧「だからあたし、全部知ってたの」

京太郎「そうだったのか……」

憧「ごめんね」

京太郎「憧が謝るようなことじゃないって」

憧「うん……」

 
憧「浮気したら泣くから」

京太郎「泣くだけ?」

憧「だって…京太郎のこと嫌いになんてなれないし……」

京太郎「ッ!……心配しなくても浮気なんてしないって」

憧「うん…」

京太郎「そもそも俺、浮気とかできるほど器用じゃないし」

憧「……それもそうね」

京太郎「そう簡単に納得されるのもちょっとシャクだな」

憧「あははっ」

京太郎「ははっ………なぁ、憧」

憧「なに?」

京太郎「いまからちょっと昔話をしようと思う」

憧「昔話?」

京太郎「そ、昔の話だからな」

憧「??」


京太郎「俺さ、和のことが好きだったんだ」


憧「えっ……」

 
京太郎「高1の2学期が始まる前…あのインハイの後くらいに告白もした」

憧「っ!?」

京太郎「まぁフラレたんだけど…」

京太郎「そのときあいつ、『いまはそういうことを考えられない』とか思わせぶりな断り方するもんだから、俺も諦めがつかなくて」

憧「………」

京太郎「そのあともあいつ、俺への接し方とか全然変わらなくて…あいつらしいだろ?」

京太郎「でもそれで、あぁ俺のことはなんとも思ってないんだなって、さすがの俺でも気づくわけで…」

京太郎「けじめをつけるためにもう一回告白した。2年の春だったな」

憧「!……」

京太郎「今度は、俺のことは友達としか見れないってはっきり言われて、俺もすっきりした」

京太郎「この頃になると、俺もあいつのことはもう好きな子から仲の良い友だちに変わってたからさ」

憧「……」

京太郎「それで今に至る感じ」

憧「そう、だったんだ」

京太郎「あぁ」

 
憧「………どうして」

京太郎「ん?」

憧「どうしてあたしに話したの?」

京太郎「………、他の誰かから聞くより俺の口から話したほうがいいと思って」

憧「……」

京太郎「和がわざわざこんな話するとは思わないけどさ」

憧「うん…」

京太郎「あとは……憧には隠しごとしたくないから」

憧「ぇ……」

京太郎「まぁ、自己満足だな。ごめん」

憧「うぅん、話してくれてよかった。ありがと」

京太郎「そっか…」

憧「うん……あのね、京太ろ…」
京太郎「いまになって考えてみれば…」

憧「え……?」

京太郎「好きって言うより憧れとかそういう気持ちのほうが強かったのかなって思う」

憧「そっか……」

 
京太郎「つまり何が言いたいかと言うとだな…」


憧「??」


京太郎「そのときの気持ちとは比べ物にならないくらい、いま俺は憧のことが好きだってこと」


憧「っ~~////」


憧「あ、あたしだって負けないくらい京太郎のこと、好きだからねっ!」


京太郎「お、おう…////」


「「//////」」


 

 
京太郎「で、でもさ!すごい偶然だよな」

憧「え?」

京太郎「偶然2人とも和の友だちで…」

憧「ぁ……」

京太郎「偶然2人とも同じ大学でさ…」

憧「……ねぇ、京太郎知ってる?」

京太郎「ん?なにを?」

憧「偶然が3つ重なったらそれは運命なんだって」

京太郎「3つか……1つ足りないじゃん」

憧「そ、それは……あ、相性が良かったとか」

京太郎「それだともう何でもありじゃね?」

憧「なによダメなの!?」

京太郎「まさか。俺だって、憧が運命の人だって思いたいし、思ってるよ」

憧「ふきゅ////」

京太郎「自分から言いだしてふきゅるなよ」

憧「だ、だって京太郎が……そういうことさらっと言うのやめてよね!」

京太郎「えー、じゃあこれからはこういうこと言うのやめるよ」

憧「え、やだっ!」

京太郎「どっちだよ、はははっ」

続くー


ということでいままで言ってませんでしたが

当スレは京憧 京憧スレ 京憧スレです

京(太郎が和に)憧(れる)スレ?

>>893
京(太郎が和に)憧(れてた)スレ!



京憧スレ続きいきます

 


◆ ◆ ◆


~ショップ~


京太郎「またぬいぐるみとかプレゼントしてやりたいんだけど…」

憧「え?」

京太郎「今日は入場料が高かった分、あまり余裕が……すまん」

憧「そんなっ、謝らないでよ。てゆーかそれに関してはあたしも同じだし」

憧「それにね、あたしちょっと考えたんだけど」

京太郎「ん?なに?」

憧「和になにか買っていってあげない?」

京太郎「和に?」

憧「うん。さっきの話の続きじゃないけど、あたしたちがこうなれたのは和がいたからじゃない?」

京太郎「あぁ、そうだな」

憧「だからお礼っていうわけじゃないけど…その、感謝の気持ちをね」

京太郎「それをお礼って言うんじゃ」

憧「あ、そっか……と、ともかく!」

京太郎「そうだな…うん、いいと思う」

 
憧「じゃあなにがいいかな!」

京太郎「そうだなぁ……あ、エトペンあるじゃん」

憧「あー、和好きよねコレ」

京太郎「あぁ。この辺からなんか選ぶか」

憧「う~ん……あ、これよくない?エトペン時計」

京太郎「へぇ…じゃあこれにしちゃおうぜ」

憧「あっさり決まっちゃったわね」

京太郎「こういうときは直感が大事なんだよ。麻雀も同じだろ?」

憧「あはは、たしかにね」

京太郎「あと俺たちも何か買おうぜ、記念にさ」

憧「記念?」

京太郎「付き合い始めた記念」

憧「……ふふっ」

京太郎「なに?」

憧「んーん、本当に付き合うんだなぁって思ったらまた嬉しくなっちゃって」

京太郎「実感わいてきた?」

憧「そんな感じっ」

京太郎「なにがいいと思う?」

憧「う~んそうだな~……」キョロキョロ

京太郎「あんまり高いのはダメだぞ?」

憧「わかってるってば」

京太郎(憧に任せとこう)

 
憧「あ、これカワイイ」

京太郎「ん?どれ?」

憧「ほら、このキーホルダー」

京太郎「キーホルダーか」

憧「ね、京太郎。これお揃いで買わない?」

京太郎「お揃い?」

憧「ダメ…?」

京太郎「ダメじゃないさ」ナデナデ

憧「ぁ……えへへ」

京太郎「ふ~ん、いろんな色があるんだな」

憧「そうだ!京太郎があたしの色選んでよ」

京太郎「へ?」

憧「京太郎のはあたしが選ぶから」

京太郎「お前、そういうの好きだなぁ」

憧「だって楽しいじゃない?」

京太郎「まぁ憧が楽しいならそれが一番か」

憧「京太郎もちゃんと楽しんでくれなきゃダメよ?」

京太郎「憧が楽しんでれば俺も楽しいから」

憧「ふぇ?」

 
京太郎「憧が俺のそばで笑っててくれれば、それだけで俺は幸せなんだよ」

憧「っ!……またそういうことを…////」

京太郎「はははっ…さ、選ぼうぜ」

憧「そ、そうね!」

京太郎「憧に合う色ねぇ…」

憧「う~ん………あ、これにしよっ」

京太郎「え、はや!?」

憧「ビビっときました」

京太郎「俺も早く選ばなきゃ…!」

憧「いいわよ、悩んでくれて。そのほうが嬉しい」

京太郎「ん?なんで?」

憧「だってそれだけあたしのことを考えてくれてるってことでしょ?」

京太郎「憧………ん?それじゃあ憧は俺のことを…」

憧「それはそれ、これはこれ!」

憧「さっきも言ったでしょ!直感も大事!」

京太郎「そういうことにしといてやるか」

憧「ほら!早く選びなさいよ!」

京太郎「お前さっきから言ってることメチャクチャだぞ?」

 




憧「じゃあ、はい!京太郎のはコレね!」

京太郎「黄色か」

憧「うん、やっぱり明るいのがいいと思って」

京太郎「サンキュー。じゃあ憧にはコレな」

憧「あ、ピンクかわいい」

京太郎「悩んだんだけど、やっぱり憧にはこれかなって」

憧「ありがとっ」

京太郎「やっぱり家の鍵に?」

憧「あたしはそのつもりだけど」

京太郎「だよな。俺もそうしよ」



 

 





京太郎「想像以上に楽しめたなぁ」

憧「かわいかったし、クラゲはキレイだったし、イルカショーはすごかったし……それに」

京太郎「それに?」

憧「今日のことは一生忘れないからね」

京太郎「あったりまえだ。死んだって忘れねぇよ」

憧「死んじゃダメよ、ふふっ」

京太郎「へへっ」

憧「また来たいね」

京太郎「あぁ、また来よう。思い出の…記念の場所だしな」

憧「今度来たときに年間パス買おっか」

京太郎「そうだな」

憧「えへへ…」

京太郎「おっし、じゃあラーメン食べに行くか!」

憧「うんっ!あたしお腹すいちゃったー」

続くー

イルカショーは割愛

ちょっとだけ

 


◆ ◆ ◆


アリアトアシター

憧「おいしかった~」

京太郎「あ、そうだ」ゴソゴソ

憧「??、どしたの?」

京太郎「憧もいるか?フリスク」

憧「それって辛いやつ?」

京太郎「一番普通のやつだけど、まぁ多少は辛いぞ」

憧「辛いのって苦手なのよねー。でももらおっかな」

京太郎「じゃ手出して」

憧「はい」

京太郎「ほいっ」

憧「ありがとっ」

京太郎「いえいえ」

京太郎「でもこういうのって辛いほうが効果ある気がしねぇ?」

憧「たしかにねー」

 
京太郎「どう?辛い?」

憧「ん、だいじょぶ。はー…食道までスーっとする」

京太郎「大げさだなぁ」

憧「でも、ちょっと意外」

京太郎「なにが?」

憧「京太郎、こういうの持ってるんだ」

京太郎「意外って失礼だな」

憧「あはっ、ごめーん」

京太郎「まぁ、エチケットってやつだよ」

憧「あれ?この前ここ来たときも持ってた?」

京太郎「いやあのときはまだ」

憧「じゃあ最近なんだ」

京太郎「まぁな」

憧「なんで?」

京太郎「なんでって…それは……」

憧「??」

京太郎「ま、まぁいいだろ」

憧「なんか隠してる…」

京太郎「別になんにも隠してないって」

憧「ふ~ん…」

京太郎「ほ、ほらっ、行こうぜ」

憧「うん。あ、京太郎、手」

 




憧「あのね、京太郎」

京太郎「ん?」

憧「隠しごとはしてもいいと思うの」

京太郎「へ?」

憧「言いたくないこととか、言う必要がないこととかあると思うし……あたしだって、そういうのいっぱいあるし」

京太郎「……」

憧「でも…ウソはつかないでほしいかな」

京太郎「……うん、わかった。ウソは無しな」

憧「約束ね?」

京太郎「あぁ、約束だ。指切りしとくか?」

憧「ふふっ……じゃあ、はい」小指ピン

京太郎「あ、ほんとにするの」

憧「なに?やんないの?」

京太郎「いやいや…せっかくだし、じゃあ…」

キュッ


「「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ーます…指切った」」

 

今日はこれだけ

行きまーす

 


◆ ◆ ◆



京太郎「じゃあ和に渡すやつは憧が持っててくれよ」

憧「………」

京太郎「俺、明日忘れちゃいそうだから」

憧「………」

京太郎「憧が持っててくれる方が……憧?」

憧「へっ!?あ、うん、わかった。預かっとくわね」

京太郎「ここまで来ると、憧はいつも元気なくなるな」

憧「それは、だって……しかたないでしょ」
憧(でも今日は……)

京太郎「そういうところもかわいい…」
憧「ねぇ、京太郎」

京太郎「ん?どうした?」

憧「っ!!」ダキツキッ

京太郎「!??」

 
京太郎「あ、憧!?」

憧「ずっと……ずっとこうしたかった」

京太郎「ッ!………俺もだ」ギュウ

憧「ぁ……」

京太郎「憧…好きだよ」

憧「っ~~♪」


京太郎「フフ……」ナデナデ

憧「えへへ」

京太郎「………なぁ憧」

憧「なぁに?」

京太郎「よっと……」グイッ

憧「ぁ……」

京太郎「……」ジッ

憧「京太郎…?」

京太郎「いいか?」

憧「え?……………あっ」

 
京太郎「……」

憧「は、はぃ……」

京太郎「じゃあ…」

憧「……」ジー

京太郎「………」

憧「……………あの…まだ?」ジジー

京太郎「いや、その……目を閉じてくれると、助かるんだけど……」

憧「へ?………あ、そっか!ごめん!」

憧「じゃあ、はいっ」ギュー

京太郎「そんな力いっぱい目閉じなくても…」

憧「ふぇっ?………あぅ」

京太郎「ぷっ…はははっ」

憧「わ、笑わないでよ///」

京太郎「ごめんごめん。でもおかげで肩の力が抜けたよ」

憧「もう……」

京太郎「………、憧」

憧「ん……」スッ



 

 




憧「しちゃったね」

京太郎「しちゃったな」

憧「ふふっ」

京太郎「どうだった?」

憧「どうって言われても……ただ」

京太郎「ただ?」

憧「もっといっぱいしたい、かな…えへへ」

京太郎「したいじゃないだろ」

憧「え?」

京太郎「これからもっといっぱいするんだ」

憧「ぁ…」

京太郎「な?」

憧「うん……うんっ!」ダキツキッ

京太郎「うおっ」

憧「京太郎!大好きっ!!」

ここまでで


ここまで来るのに時間かかったなぁ

ウヒヒヒ…
~~~~~

 


和「憧……憧っ!」


憧「はっ!!??」


憧「え、なに?」

和「なにって、須賀くんが来ましたよ」

京太郎「悪い、遅くなった」

憧「へ?京太郎?」

和「え?」

京太郎「はっ?」

憧「へ…?」

 
和「名前で呼ばれてるんですか?」

京太郎「いや俺もちょっとわかんないんだが…」

憧「てゆーかここ……ファミレスよね?なんで…」

和「なんでって須賀くんをちゃんと紹介するためでしょう。憧、どうしたんですか?さっきからおかしいですよ」

憧「は?和なに言って…」

京太郎「新子さん、どうかしたのか?」

憧「え……」

和「さぁ?さっきまでは普通…多少緊張はしてるようでしたけど」

京太郎「ふーん」

和「それはそうと、遅いですよ!30分も遅刻です!」

京太郎「すまん、ぶっちゃけて言うと寝坊した」

和「まったく…だらしないんですから」

憧「あ、あの……きょう…」

和「さて、肝心の須賀くんも来たことですし…ほら、自己紹介を」

京太郎「へいへい……はじめまして、みたいなもんだよな」

憧「っ!?」

京太郎「よろしくな、新子さん」

 
憧「なにこれ……」

京太郎「新子さん?」

憧「そんな呼び方しないでよ……」

和「あと、いままで憧に黙っていたんですが……」

憧「いや……」

京太郎「実は俺たち」

憧「やめて……」

和「お付き合いをしています」

憧「っ!!」

和「やっぱりこういうことは恥ずかしいですね///」

京太郎「照れてる和もかわいいよ」キリッ

和「も、もう!やめてくださいよっ///」



 

 
~~~~~


憧「いやぁっ!!」ガバッ


憧「はぁ…はぁ……」

憧「ここはうち…」

憧「今日は……6月xx日……」

憧「コタロウも…いる」*トラのぬいぐるみ

憧「誕生日のプレゼントも……ある」

憧「京太郎とのLINEも………ちゃんとある」

憧「夢よね………そうよ、夢に決まってるじゃない」

憧「なんなのよ、もぉ……」


憧「京太郎…」


憧「会いたぃ……」

 

前々回あたりからずっと全部憧ちゃんの妄想オチにしたい衝動にかられてて…

我慢できなかった

ちがうよ
ぼくはわるくない
竹井がやれって言ったんだ

 


憧「…………」


憧「……」


憧「京太郎………」


憧「あっ」

京太郎「よっ」

京太郎「おはよう憧、今日もカワ…」
憧「おっそい!」

京太郎「えぇ!?」

憧「……むぅ」

京太郎「え?いつも通りだろ?」

憧「だって……」

京太郎「そんなに俺に早く会いたかったのかー?」ハッハー

憧「……うん」

京太郎「お、おぉ…」

憧「……」ギュッ

京太郎「なんかあったのか?」

 
憧「夢を見たの」

京太郎「夢?」

憧「うん……」

京太郎「嫌な夢だったのか?」

憧「最低の夢だったわ……」

京太郎「ふ~ん……どんな?」

憧「………言いたくない」

京太郎「そんなにかよ。そこまで言われると気になる…」

憧「絶対に言わないからね」

京太郎「でも夢って起きると忘れちゃわないか?」

憧「忘れられるもんなら早く忘れたいわよ……」

京太郎「まぁどんなひどい内容でも夢は所詮夢なんだから、あんま気にするなよ」

憧「うん、わかってる」

京太郎「それにしても、なにも昨夜にそんな夢見なくてもいいのにな」

憧「ほんとよ。幸せな気持ちで寝たのに……」

京太郎「俺はそのまま清々しい朝を迎えたぞ」

憧「それならもっと早く来なさいよね。京太郎が来るまでずっと不安だったんだから」

京太郎「あー……なんとなくどんな夢かわかった気がする」

憧「ぅぅ……」

京太郎「………憧、憧」チョンチョン

憧「え?」

京太郎「好きだよ、憧」ボソッ

憧「っ!?////」ボンッ

憧「あ、あたしも……////」

 

◆ ◆ ◆


京太郎「俺たち付き合うことになったから」

和「はい、知ってました」

京太郎「はは、やっぱりそうだよな」

憧「和」

和「なんです?」

憧「嘘つき」

和「は?」

京太郎「お、おい憧」

憧「京太郎とはなんにもないって言ったくせに」

和「ぁ……」

和「話したんですか?」

京太郎「……」コクン

和「そうですか…。でも嘘をついたつもりはありませんよ」

 
憧「ま、それは冗談だけど……」

和「…?」

憧「いまさら京太郎のことが好きだとか言っても遅いからね」

京太郎「えっ」

和「はぁ?」

京太郎「俺が好きなのは憧だから、その……ごめんな?」

和「はぁ!?私は別に須賀くんなんかなんとも思ってません!」

憧「ちょっと!なんかってなによ!」

和「すいません、もう許してください」

憧「あ、そうだ。和にプレゼントがあるんだー」

和「切り替えが早い!」

京太郎「ははは」

 
憧「はい、これ。あたしたちから」

和「プレゼントと言われましても…どうして?」

京太郎「俺たちを繋いでくれたのは和だからさ」

和「そんなこと……私は本当になにも」

憧「まぁまぁ。あたしたちはそういう気持ちだけど、和は単純に水族館のお土産だと思ってくれればいいから」

和「そういうことなら…ありがとうございます」

京太郎「気に入ってもらえればいいんだけど」

憧「大丈夫よ、あたしたちが選んだんだから」

京太郎「言うねぇ」

憧「だって本当のことだし」

和「なんなんですか?」

京太郎「それは開けてのお楽しみってことで」

 

………



和「それでは、私はそろそろ行きますね」

京太郎「あ、和ちょっといいか?」

憧「……」



和「憧に聞かれたらまずいんですか?」

京太郎「うん、まぁ…」

和「??」

京太郎「この前も言ったことなんだけど……咲のこと、頼む」

和「っ!」

京太郎「俺はもう……その資格がないからさ」

和「その……咲さんと?」

京太郎「あぁ」

和「そうですか……」

和「わかりました」

京太郎「すまん、面倒かける」

和「面倒だなんて思ってませんよ。咲さんは大切な友人ですから」

和「それにもともと近々誘おうと思っていたところですし、須賀くんの尻拭いをしてきます」

京太郎「そう言ってもらえるとありがたい」

京太郎「なにからなにまで、和の世話になりっぱなしだな」

和「ほんとですよ。わかってます?」

京太郎「和さんには頭が上がりません」

和「ふふっ」

 




憧「終わったの?」

京太郎「あぁ」

憧「そう…」

京太郎「さ、俺たちも行こうぜ」

憧「京太郎も辛かったわよね……」ギュッ

京太郎「憧?」

憧「京太郎は優しいから」

京太郎「……そんなことねぇよ」

憧「あるわよ。そういう京太郎だから、あたしは好きになったんだもん」

京太郎「憧……」


京太郎「ありがとう」

今日はこの辺で


気がついたらスレが埋まりそうじゃないか
どうしよう

真田丸が終わったらはじめまする

 


◆ ◆ ◆


憧(ぁ……)


憧(もう…だめ………)


憧「zzz…」


京太郎「ん?」


京太郎(おやおや珍しい)


京太郎「フフッ…」

 

………



憧「ん…ん~……ん?」

憧「……??」ボケー

京太郎「おはよう、よく寝てたな」

憧「へっ?あ、あれ!?あたし寝ちゃ……講義は!?」

京太郎「ご覧の通り。憧が起きるまで待ってたら、もうみんな出てったよ」

憧「ぁ~…やっちゃった……」

京太郎「憧が寝ちゃうなんて珍しい…ってか初めてじゃないか?」

憧「ぅぅ……」

京太郎「例の夢のせいで寝不足か?」

憧「………4時くらいに目が覚めて、そのまま寝れなくて」

京太郎「マジかよ、そりゃ眠くなるわ」

 
憧「でも……よく寝たぁ」

京太郎「今度は変な夢は見なかったか?」

憧「あ、うん。それは無かったけど…」

京太郎「なら良かった。ま、俺がそばにいるんだから悪い夢なんか見るわけないけどな」

憧「な、なに言ってんのよもう!……てかどうしよ、なんにも聞いてなかった……」

京太郎「ほら、これコピーしとけ」

憧「えっ」

京太郎「ったく…なんでこう書くこと多い講義に限って、パソコン禁止なんだか」

憧「あ、ありがと京太郎っ」

京太郎「お礼なんていいって」

憧「でもこういうことはちゃんと…」

京太郎「いいからいいから。俺も役得があったし」

憧「へ?役得?」

京太郎「憧ちゃんのか~わいい寝顔も見れたしな」

憧「なっ!?」

京太郎「♪~」ニヤニヤ

憧「ぅ~……」


憧「えっち」

 





憧「ありがと。今日はここでお別れね」

京太郎「」キョロキョロ

憧「また夜に電話とか……って京太郎、聞いてる?」

京太郎(誰もいないよな……)

京太郎(よしっ)

憧「京太郎ってば…」
京太郎「憧、ちょっとこっち来い」グイッ

憧「え、ちょっと…」

京太郎「憧……」

憧「京太郎?」


チュッ


憧「っ!?」

京太郎「じゃ、じゃあ部活頑張ってなっ!」

憧「」

 



京太郎(うっはーやっちゃったぜー)

京太郎「へへっ……」

和「あれ?須賀くん?」

京太郎「!?の、和っ!?」

和「憧のお見送りですか?」

京太郎「あ、あぁ…そんなところ」

和「ふふ、ごちそうさまです」

京太郎「あの…和さん……?」

和「はい?」

京太郎「その…もしかして…見てた?」

和「?、何をですか?」

京太郎「いや見てないんならいいんだ!和も部活がんばれよ!」

和「あ、はい……?」

 



和「あ、憧」

憧「」ポヤー

和「いま須賀くんに会いましたよ……憧?」

憧「ぁ…のどかぁ」ポヤポヤーン

和「……」

和「何をしてたのか知りませんけど……全く」ハァ


憧「エヘヘェ…」


和「先が思いやられますね……」ヤレヤレ

ここまででー


私事ですが、実生活が忙しくなりそうだから
ちょっと間が空くかもしれない、空かないかもしれない

憧に彼氏なんてまだ早いとキレる初瀬と宥める百花

長野旅行か阿知賀旅行してほしい(それぞれの母校関係者と遭遇

そっかレジェンドはプロになるんだった…
初瀬とか存在を忘れてたよ…すまぬ…

>>988
それだとあのスレの丸パクリになっちゃうし…

>>993
実家に行くとかご挨拶じゃんちょっと早過ぎるよ…



余ってるんで埋めついでにちょっとだけ↓

 
京太郎「じゃあまた明日な」

憧「……」

京太郎「憧?」

憧「ねぇ」

京太郎「どうした?」

憧「今日はしてくれないの?」

京太郎「??、なにを?」

憧「なにってその……昨日はしてくれたじゃない」

京太郎「えーっと……あぁ、アレ?」

憧「アレ」

京太郎「いや、でも……」

憧「なによ、したくないの?」

京太郎「そうは言ってないだろ。ただ昨日は人がいなかったから……」

憧「じゃあ人がいないところ行けばいいじゃない」ムスー

京太郎「あのなぁ…」

憧「ホントは朝だってしてほしいのに……」

京太郎「!?」

憧「これからいっぱいするって言ったのは京太郎なのになー」

京太郎「むっ…」

憧「してくれなきゃがんばれなーい」ツーン

京太郎「あーもう、わかったよ!人いないとこ行くぞ!」

憧「やんっ引っ張んないでよ」

 



ン…



モウイッカイ……



モットォ……



 

 

憧「~~」トローン
ピットリ
京太郎「////」


泉「あっ」

和「憧に須賀くんじゃないですか」

「「!!?」」

和「そっちは行き止まり…ですよね……?」

憧「あのっ、これはその……」

京太郎「じゃあ俺は行くわ!」ダダッ

憧「ちょっ!逃げ……」


「……」

「……」

「……」


憧「それじゃあ…行こっか?」

泉「なにしとったん?なぁなぁなにしとったん?」

憧「う、うううっさい!あんたには関係ないでしょ////」

和「はぁ……ほら行きますよ、二人とも」

次からは次スレで

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年02月19日 (金) 21:07:37   ID: UOnC2Yoo

咲を当て馬にしないと話書けないの?

2 :  SS好きの774さん   2017年06月26日 (月) 20:37:40   ID: sBJDnkvu

珍しく原作ベースで馴れ初めからちゃんと書いてるのは好感度高い

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