穂乃果「最高の倍返し」(74)

おばちゃん「出て行けこの泥棒!」

おばちゃん「見せてごらん!一体何を盗んだんだい?」

おばちゃん「……これをどうするつもりなんだい!?」

おばちゃん「言いなさい!」

???「ママに、あげたくて……」

穂乃果「ちょっと待ってくださいおばちゃん」

おばちゃん「何よ穂乃果ちゃん、この盗人を庇う気?」

穂乃果「おばちゃん、この子の話を聞いてあげようよ」

穂乃果「ねぇ、一体どうしたの?話してごらん」

???「ママが病気で……、とても苦しそうだったから……」

穂乃果「……ねぇ、おばちゃんこの子が盗んだ物、穂乃果が代わりに支払います」

おばちゃん「え!?何言ってんだい穂乃果ちゃん!」

穂乃果「お願いしますおばちゃん、どうか私の顔に免じて許してください」ペコリ

おばちゃん「……わかったよ、穂乃果ちゃんに免じて許してあげようじゃない」

おばちゃん「但し、もう二度とこんなことするんじゃないよ!」

穂乃果「雪穂!おまんじゅう持ってきて!」

雪穂「……はいどうぞおねえちゃん」

穂乃果「これよかったらお母さんと一緒におまんじゅう食べてね!」

穂乃果「お母さん、よくなるといいね!」ニコッ

???「……///」サッ

穂乃果「あらら、行っちゃった」

雪穂(へんなこ~)

~20年後~

子供A「穂乃果お姉ちゃーん!おまんじゅうちょーだい!」

子供B「わたしも~」

穂乃果「はいはーい今日の新作の穂むまんだよ!たくさん食べてね!」

子供A「わーい、穂乃果お姉ちゃん家のおまんじゅうだいすきー」

子供B「すっごくおいしいよね~」

穂乃果「うふふ、ありがとうまたきてね」

子供A「バイバーイ」

子供B「またね~」

穂乃果「気をつけて帰るんだよ」

雪穂「……ちょっと、お姉ちゃん」

穂乃果「ヒィ!ゆ、雪穂」

雪穂「まーたお店のお饅頭をタダであげたでしょう!」

穂乃果「ご、ごめんなさい」

雪穂「ウチは貧乏なんだからタダであげる余裕はないんだからね!」

穂乃果「だってぇ~、あんな笑顔で頂戴って言われたらね~、あげたくなっちゃうじゃん?」

雪穂「はぁ、もういいよ、それよりさお姉ちゃん」

穂乃果「何、雪穂?」

雪穂「そろそろ結婚はしないの?さすがにアラサーはまずいでしょ」

穂乃果「またその話ですか……」

雪穂「お姉ちゃんは笑顔がイイし、モテるはずなんだけどな」

穂乃果「穂乃果はその、恋とかまだよく分からないからさ!」

穂乃果「それより雪穂はどうなの?好きな人いるの?」

雪穂「い、いるよ……」

穂乃果「嘘!?ホントに!?」

雪穂「ホントだよ、てか私付き合ってるし」

穂乃果「マジですか!全然気付かなかったよ」

雪穂「もし恋人がいるって言ったらお姉ちゃんはきっと『結婚はしないの?』って言うんでしょ?」

穂乃果「わお、雪穂ってエスパー??」

雪穂「はぁ、やっぱりね……」

穂乃果「じゃあ、聞いても「聞かないで!」」

穂乃果「ぶっー、雪穂のケチ」

穂乃果「じゃあどんな人か教えてよ、それならいいでしょ?」

雪穂「んー、そうだなぁ……可愛いところかな」

穂乃果「へ?可愛い?」

雪穂「うんすごくね」

穂乃果「ちょっと待って、質問なんだけど、ちなみに相手の性別は?」

雪穂「……女性、です」

穂乃果「Oh!これまた吃驚だね」

雪穂「やっぱり変かな?同姓でお付き合いするのは……」

穂乃果「そ、そんなことないよ!」

雪穂「でもお姉ちゃん、すごく動揺してない?」

穂乃果「してないよ!……コホン、告白は雪穂からしたの?」

雪穂「違うよ向こうから」

穂乃果「なるほどね、その子とは結構付き合い長いの?」

雪穂「付き合ってもう5年くらい」

穂乃果「5年!?」

穂乃果「―――ねぇ雪穂、恋ってどんな感じなの?」

雪穂「う~んそうだなぁ、上手く言えなんだけど」

雪穂「その人の事を思うだけで、凄く幸せな気分になるかな」

穂乃果「そっか、ありがとう雪穂」

雪穂「ごめんね、あまりうまく説明できなくて」

穂乃果「そんなことないよ、凄く分かりやすかったよ!」


チャリーン

穂乃果「あ、お客さんだ行ってくるね」

雪穂「お、お姉ちゃん!」

穂乃果「ん?」

雪穂「機会があったらさ、結婚しない理由をちゃんと話すよ」

穂乃果「ホントに!?約束だよ!」

雪穂「うん、約束」

雪穂(―――もう10年経つんだね)

雪穂(お父さんとお母さんが亡くなってすぐに、お姉ちゃんは高校を中退して)

雪穂(一人でずっとお店で仕事してて)

雪穂(私が手伝いたいっと言っても、「雪穂は学校に行ってて」って断れるし)

雪穂(毎日、朝早くから夜遅くまで仕事して、疲れた素振りも見たことない)

雪穂(そんなお姉ちゃんは私にとって自慢の姉です)

雪穂(……お姉ちゃんには早く結婚して幸せになって欲しいな)

キャーキャー、ヒトガタオレタゾ、ダレカキューキューシャ!

雪穂「……なんだろう、店が騒がしいな」

雪穂「お姉ちゃん、一体何のさわ……」

雪穂「……っ!?、お姉ちゃん!!」

_________

______

___


看護婦「先生!急患です!」

???「身元は?」

看護婦「えーと、和菓子屋を経営してる方で名前は「高坂 穂乃果」さんです」

???「それ本当!?」

看護婦「は、はい!」

???「それでいつ来るの?」

看護婦「もう間もなくです」

???「わかったわ、手術室の準備をお願いできるかしら」

看護婦「分かりました」

???(これでやっと貴女に―――)

亜里沙「雪穂!!」

雪穂「亜里沙!来てくれたんだね」

亜里沙「当たり前だよ雪穂、こんな非常時に仕事なんてしてられないよ」

亜里沙「それで、穂乃果さんの容態は?」

雪穂「お医者様がね、お姉ちゃんは脳内出血してて、成功する確率は低いんだって……」

亜里沙「そ、そんな!」

雪穂「どうしよう亜里沙、もしお姉ちゃんが死んだら私、私……」

亜里沙「ダメだよ雪穂!悪い方考えちゃ!手術が成功するよう神様に祈ろう、ね?」

雪穂「グスッ・・・うん、そうだよねごめんね亜里沙」

雪穂(神様どうか、お姉ちゃんを助けてください)

~手術開始から8時間~

ガチャ

???「・・・・・・ふぅ」

雪穂「先生!!お姉ちゃんは助かりましたか!?」

???「無事、手術は成功です」

雪穂「!?」

亜里沙「よかった~」

???「あなたのお姉さんには一ヶ月こちらで入院させてもらいます」

雪穂「分かりました」

???「暫くお姉さんの側にいてあげてください」

雪穂「はい!」

???「お大事に」

雪穂「先生、本当にありがとうございました!」

亜里沙「亜里沙はこの事を、お姉ちゃんや穂乃果さんのお友達に連絡するね」

亜里沙「雪穂、また何かあったらすぐ連絡してね」ギュッ

雪穂「亜里沙、ホントにありがとう」

亜里沙「それじゃ雪穂またね」

看護師「―――では、お部屋にご案内致します」

海未「ここが穂乃果の入院してる病院ですか」

ことり「はぁはぁ、待ってよ~海未ちゃ~ん」

海未「遅いですよことり、体力が衰えてませんか?」

ことり「ことりは仕事が忙しくて、運動する暇なんてないよ!」

海未「さて、中に入りますよ」

ことり「ちょっと海未ちゃん!?すこし休ませてよ~」

海未「え~と、穂乃果がいる病室は……たしか」

ことり「10階の1号室だよ」

海未「ふむ、それにしても今日は人が多いですね」

ことり「そりゃ日曜日だし?」

海未「エレベーターを使いたいところですが、階段で行ったほうが早いかもしれませんね」

ことり「え!?10階まで階段でいくのぉ!?」

海未「えぇ、早く穂乃果の顔が見たいですしね、行きますよことり」ガシッ

ことり「いやぁ~、エレベーターがいい~」

ことり「……はぁはぁ、もうだめ、一歩も動きたくない」

海未「さて穂乃果がいる病室はどこですかね?」

ことり「地図見た限りだと……はぁはぁ、階段をあがって
    右側の突き当たりが、穂乃果ちゃんがいる病室だよ」

海未「分かりました」タッタ

ことり「ちょ、ちょっとおぉ~ ことりを置いていかないで~」パタパタ

海未「……どうやらここですね」

ことり「だね」

コンコン

雪穂「ハーイ」ガチャ

海未「こんにちは雪穂」

ことり「やっほー雪穂ちゃん」

雪穂「海未さんにことりさん!お久しぶりです!」

ことり「えへへお久しぶり」

海未「穂乃果の具合はどうです?」

雪穂「順調に回復してますよ、さぁ早く中へどうぞ」

ことり「お邪魔しまーす」

海未「お邪魔します」

雪穂「まだお姉ちゃん眠ってるんでお静かにお願いしますね」

海未「分かりました」

ことり「ねぇ雪穂ちゃん、穂乃果ちゃんはいつ目を覚ますの?」

雪穂「お医者様がね明日には目を覚ますだろうって」

ことり「そっかぁ、海未ちゃん?どうしたの穂乃果ちゃんの顔をじっと見つめて」

海未「……昔のままですね穂乃果は」

ことり「そう、だね……」

ことり「でも変わってなくてホッとしちゃったよ」

海未「私もですよ」

雪穂「二人はお姉ちゃんと会うの久しぶりなんですか?」

海未「直接会うのは久しぶりですね、いつも電話ですこし話すぐらいで」

ことり「ことりもだよ、穂乃果ちゃん仕事が忙しくて長くは会ってないからね」

雪穂「そうなんですか…」

コンコン

雪穂「あ、ハーイ」

看護師「高坂雪穂さん、すこしお時間よろしいですか?」

雪穂「ハイ、すぐ行きます」

看護師「こちら医療費の明細書です」

雪穂「はいありがとうございます」

看護師「では、失礼します」

雪穂「……」

ガラ

海未「雪穂、おかえりなさい」

ことり「おかえり、どうかしたの?」

雪穂「い、いえ何でもありません」

海未「申し訳ないですが雪穂、私とことりはもうこの辺でお暇させていただきますね」

ことり「長く居られなくてごめんね」

雪穂「ううんそんな事ないよ、海未さん、ことりさんお見舞いに来てくれてありがとう!」

海未「どうかお大事に」

ことり「何かあったらすぐ連絡してね!」

雪穂「はい!お気をつけて!」

雪穂「……はぁ」

雪穂(治療費300万かぁ……)

雪穂(お姉ちゃんまた二人で頑張ろう)

雪穂(きっと二人なら乗り越えられるよ)

雪穂(私頑張るからね、お姉ちゃんに辛い思いはもう二度とさせないからね)ギュッ

雪穂(ふふ、お姉ちゃんの手暖かいなぁ……)



雪穂「―――う、うぅん、あれいつの間に寝てたんだろう」

雪穂「ん?何、これ?手紙?」


「支払いは既に20年前に頂いております、お薬とおまんじゅう二個です」
                
                           Dr.西木野 真姫

雪穂(え?……嘘でしょ!?)

雪穂(20年前?、……あっ)

~回想中~

雪穂(それじゃ、お姉ちゃんを手術してくれた先生って……)

雪穂(こうしちゃおられない!)ダッ


ガラッ

雪穂「先生!!」

真姫「どうかしましたか?」

雪穂「手紙、読みました……」

雪穂「なんとお礼を申し上げたらよいか」

真姫「ふふ、いいのですよ」

真姫「本当はもっと早くお礼をしたかったのよ」

真姫「遅くなってごめんなさい、雪穂さんのお姉さんが無事で本当によかったです」

雪穂「先生……」

真姫「そうだわ、雪穂さんお願いがあるのだけど」

雪穂「はい?」

真姫「私の事、お姉さんに言わないで欲しいの」

雪穂「え!?どうして?」

真姫「ふふ、それは秘密」

雪穂「すご~く気になるけど、分かりました」

雪穂「それじゃ私はお姉ちゃんの病室に戻りますね」

真姫「まって、雪穂さん」

真姫「今日は家に帰りなさい」

雪穂「え?」

真姫「あなた、三日三晩ずっとお姉さんの看病してるでしょ?」

真姫「無理しているとそのうち倒れますよ」

雪穂「でもそしたら、誰がお姉ちゃんの看病するんですか?」

雪穂「もし意識が戻って、知らない部屋にいて周りに誰もいなかったら」

雪穂「きっとお姉ちゃんは不安がります」

雪穂「だから意識が戻るまで傍に居たいんです」

真姫「もし雪穂さんが倒れたりしたら、あなたのお姉さんが悲しむわ」

真姫「あなたのお姉さんは、私が手厚く看病するわ信じて」

雪穂「……分かりました、先生」

真姫「お姉さんの意識が戻ったらすぐ連絡入れるわ」

雪穂「はい先生、どうかお姉ちゃんをよろしくお願いします」

真姫「ええ、それじゃ気をつけてね」

真姫「―――ふぅ、今日の仕事は終わりね」

真姫「さて、仕事も終わったし早くあの人の看病しないとね」

ガラッ

真姫「失礼します」

穂乃果「……」スヤスヤ

真姫「ふふ、可愛い寝顔」

真姫「早く目を覚ましてくださいね」

真姫「そしてまた、あなたの笑顔を見せてください」

穂乃果「……んっ、んんー、……あ、れ?」

穂乃果(ここは……、どこ?)

真姫「おはようございます高坂さん」

穂乃果(っ!?、うわぁ、すごい綺麗な人……)

真姫「高坂さん?」

穂乃果「は、はい!」

真姫「もしかして、気分が優れませんか?」

穂乃果「い、いえ!そうじゃないんですが……ただ、ここはどこかなって……」

真姫「ここは病院ですよ、高坂さんが眠ってる間、色々とあったんですよ」

穂乃果「―――そうだったのですか」

真姫「無事に助かって本当によかったです」

穂乃果「西木野先生には、感謝の言葉がみつかりません」

真姫「ふふ、いいんですよ、それに堅苦しい言葉を使わなくて大丈夫ですよ」

穂乃果「いえ、そんなわけには……」

真姫「私は、高坂さんとは個人的にそのぉ、仲良くなりたいですし///」

穂乃果「え///」

真姫「だからその、私のことは先生じゃなく名前で呼んでくださると嬉しいです///」

穂乃果「え!?、じゃあ、あのあの……、真姫、ちゃんも私の名前で呼んでくれるかな///」

真姫「わかったわ、ほ、穂乃果///」

穂乃果「///」

真姫「あ、そうえばもう朝ごはんの時間ね!私取ってくるわね!」

穂乃果「は、はい!」

穂乃果(何なの、この胸のドキドキ)

穂乃果(真姫ちゃんに名前呼ばれただけなのに)

穂乃果(どんどん、鼓動が早くなってるのが分かる)

穂乃果(一体なんだろうこの気持ち……)

穂乃果(真姫、ちゃん……)

真姫「おまたせ、穂乃果」

穂乃果「真姫ちゃん、ありがとう」

穂乃果「わぁ~、おいしそうなご馳走だね」

真姫「ふふ、自慢じゃないけど、うちの病院食はとても評判いいのよ」

穂乃果「ホントに!?それじゃ、さっそく……あれ?」

穂乃果「あの真姫ちゃん、お箸が見当たらないのですが……」

真姫「わ、私が食べさせてあげるわ///」

穂乃果「ええー!?」

真姫「な、何よ嫌なの?」

穂乃果「いや、その何て言うかこの年になって恥ずかしいです///」

穂乃果(嘘、実はうれしいです)

真姫「穂乃果は病人なんだから、大人しく私の言うことを聞きなさい」

真姫「ホラ、口開けて」

穂乃果「あ、あーん///」パク

真姫「どう、おいしい?」

穂乃果「……うんうん、イイ!すごく美味しいよ!」

真姫「そう、それはよかった///」

穂乃果「―――ご馳走様でした」

真姫「はい、じゃあ私は食器片付けたらそのまま仕事に戻るから」

真姫「何かあったら、ナースコール押すのよ」

穂乃果「うん!ありがとう真姫ちゃんお仕事頑張ってね!」ニコ

真姫「そ、それじゃ///」

穂乃果(……穂乃果。一体どうしちゃったんだろう)

コンコン

雪穂「お姉ちゃん!!」

穂乃果「雪穂!?」

雪穂「うわーん、お姉ちゃんお姉ちゃん!」ダキッ

穂乃果「わわっ、もう雪穂ったらうふふ」

雪穂「グスン、さっきね西木野先生から連絡があってね
   お姉ちゃんの意識が戻ったって聞いて急いで来たよ」

穂乃果「ごめんね雪穂、色々と迷惑掛けちゃって」

雪穂「ううん、お姉ちゃんは悪くない」

雪穂「お姉ちゃんの体調不良を見抜けなかった私が悪いの……」

穂乃果「もういいんだよ雪穂、お姉ちゃんは元気になったし、ほら笑顔笑顔!」ニコ

雪穂「お姉ちゃん……、えへへ」

亜里沙「失礼します」

穂乃果「亜里沙ちゃん!久しぶりだね!」

亜里沙「穂乃果さんお久しぶりです、お体の方はもう大丈夫ですか?」

穂乃果「うんもうバッチリだよ!それより亜里沙ちゃん今日はお仕事のはずじゃ?」

亜里沙「大丈夫です長期休暇を頂いたので、それにいつ穂乃果さんに
    お見舞いに行けるよう準備はしてたので」

穂乃果「どうもありがとう亜里沙ちゃん」

亜里沙「……その、穂乃果さんに大事な話があるんです」

穂乃果「ん?何かな?」

亜里沙「私と雪穂がお付き合いしてるのはご存知ですか?」

雪穂「っ!?あ、亜里沙!」

穂乃果「いや、雪穂に恋人がいるのは知ってるけど、もしかして
    雪穂の恋人って亜里沙ちゃんなの!?」

亜里沙「はいそうなんです、実は前々から穂乃果さんにお聞き
    したい事があるんです」

穂乃果「う、うん」

亜里沙「私と雪穂に結婚を前提にお付き合いをしていて
    去年、雪穂にプロポーズしてOKを頂いたのですが」

穂乃果(プ、プロポーズ!?)

亜里沙「けど、雪穂は式はまだしたくないと言ってるんです
    私は早く結婚して、雪穂と二人で暮らしたいのですが
    穂乃果さん、何か心当たりありませんか?」

穂乃果(心当たりって言われても……)

雪穂「亜里沙待って!」

亜里沙「……雪穂」

雪穂「……全部話すよ」

雪穂「私がまだ結婚したくない理由はね
   お姉ちゃんが心配だからなの!」

穂乃果(わ、私!?)

雪穂「お姉ちゃんは家事は全然できないし
   子供たちに店の商品をタダであげちゃうし
   そんなお姉ちゃんが一人でちゃんと生きていけるか
   心配なの!」

穂乃果「そうだったんだ……」

雪穂「それにね、私だけが幸せになっちゃっていいのかなって……」

穂乃果「……雪穂、ごめんね」

雪穂「え?」

穂乃果「穂乃果のせいで二人の幸せを邪魔してるんだよね」

雪穂「違うよ!そんなつもりで言ったんじゃ……」

穂乃果「亜里沙ちゃん、妹を宜しくお願いします」

亜里沙「は、はい!お任せください」

雪穂「でもお姉ちゃん!、もしまた倒れたりしたら……」

穂乃果「大丈夫だよ雪穂、もう無茶はしないから安心して」

雪穂「……信じて、いいんだよね?」

穂乃果「雪穂は心配性だなぁ、大丈夫だって!」

雪穂「お姉ちゃん、……ありがとう」

穂乃果「うん……、幸せになるんだよ雪穂」

亜里沙「では穂乃果さん、お大事に」

雪穂「それじゃお姉ちゃんまた来るね」

穂乃果「ありがとう二人共、式の日程が決まったら教えてね」ニヤニヤ

雪穂「もぉ、お姉ちゃんのバカ……///」

穂乃果「―――とうとう雪穂は結婚かぁ」

コンコン

穂乃果「ん?はーいどうぞ」

真姫「こんにちは穂乃果、気分はどうかしら?」

穂乃果「ま、真姫ちゃん!?」

真姫「ちょっとぉ、驚かれると結構傷付くんだけど……って!?」

穂乃果「ん?」

真姫「穂乃果どうして泣いてるのよ!?」

穂乃果「え!?う、嘘!?」

真姫「……穂乃果」ギュッ

穂乃果「っ!?」

真姫「落ち着くまで抱きしめて、あげるわ///」

穂乃果「……真姫ちゃん、ありがとう」ギュッ

穂乃果(なんでかな、真姫ちゃんに抱きしめられるとすごく安心する)

穂乃果「……もう大丈夫だよ真姫ちゃん」

真姫「そ、そう?」

穂乃果「ごめんね、服汚しちゃって」

真姫「いいのよ」

穂乃果「えへへ、真姫ちゃんは優しいね」

真姫「べ、別に普通よ!これくらい!」

真姫「それより汗かいたでしょ、清拭するわよ」

穂乃果「ありがとう真姫ちゃん、お願いします」

真姫「それじゃ、服を脱がすわね……っ!?」

穂乃果「どうしたの?」

真姫「な、なんで下着つけてないのよ!!」

穂乃果「ん?あ、ホントだ」

真姫「と、とりあえず下着を買いに行くから、サイズ教えなさい」

穂乃果「別に穂乃果は平気だよ真姫ちゃん、むしろ着けてない方がイイ」

真姫(いや、私にとって刺激が強すぎて……)

真姫「わ、わかったわ、……後ろ失礼するわね」

真姫(とりあえず意識しないよう注意しないと、私の理性が……)

真姫「それじゃ腕から始めるわね」

穂乃果「うん」

真姫(……穂乃果の腕、とてもぷにぷにして柔らかいわね)

穂乃果「……んっ」

真姫「な、なに!?」

穂乃果「いや、ちょっと……くすぐったくてエヘヘ」

真姫(まったく変な声ださないでよ///)

真姫「穂乃果、熱くないかしら?」

穂乃果「うん、ちょうどいいよ真姫ちゃん」

真姫「……よし、次は前を拭くわね」

穂乃果「は~い」

真姫「前に移動するわよ」

真姫「……」ゴクリ

真姫(穂乃果の胸が今私の目の前に……)

真姫「……はぁはぁ」

穂乃果「真姫ちゃん大丈夫?なんか息が荒いよ?」

真姫「な、何でもないわ!」

真姫(落ち着きなさい私!清拭に集中しないと!)

真姫「それじゃ穂乃果、脇を拭くから腕を軽く上げてくれないかしら」

穂乃果「うん」

真姫「……」フキフキ

穂乃果「んっ、んー……」

真姫(お願いだから、あまり声を出さないで///)

真姫「……それじゃ次はむ、む胸を拭くわね///」

穂乃果「……う、うん」

穂乃果(さっきからずっと真姫ちゃんの顔が赤いけど大丈夫かな?)

真姫「……」ジー

真姫(穂乃果って子供っぽい顔してるのに、結構胸は大きいのね……)モニュ

穂乃果「ま、真姫ちゃん!?」ビクッ

真姫「なにかしら?」モミモミ

穂乃果「え~と、どうして穂乃果の胸を触ってるのかな~っと……」

真姫「……………………っあ」

真姫(私ったら何やってるのよ!)

穂乃果「胸を揉むのって清拭に関係あるの?」

真姫「そ、そうよ関係あるわ!」

真姫(実は、まったくもってありませんハイ)

穂乃果「……」ジー

真姫(視線が物凄く辛いわ)

穂乃果「……穂乃果は医療行為に関してまったくわからないけど」

穂乃果「真姫ちゃんの事信じる///」

真姫「穂乃果、信じるって……」

穂乃果「だから、真姫ちゃんの好きなように揉んでいいから///」

真姫「―――」ブー

穂乃果「真姫ちゃん!?なんで鼻血でちゃってるの!?」

真姫(穂乃果……、貴女はとっても恐ろしい子ね……)ガクッ

穂乃果「うわーん、真姫ちゃんしっかりして!!」

穂乃果「えーとどうすれば……そうだ、ナースコール!!」

看護師「……はい、これで清拭は終わりです」

穂乃果「ありがとうございます」

看護師「……それにしても、西木野先生がミスをするなんてね~」

真姫「……」ズーン

看護師「次からは気をつけてくださいね」クスクス

真姫「本当に申し訳ございませんでした……」

看護師「謝るなら高坂さんにね」

真姫「穂乃果、本当にゴメン!」

穂乃果「あはは、いいよ真姫ちゃん穂乃果は気にしてないから」

看護師「では私は仕事に戻りますね」

真姫「それじゃ私も戻るわね」

穂乃果「あ、待って真姫ちゃん」

真姫「ん?」

穂乃果「穂乃果はあとどのくらいで退院できる?」

真姫「そうねぇ、検査とかまだ色々あるから、早くて三日かしら」

穂乃果「……そっか、ありがとう」

真姫「それじゃ穂乃果」

穂乃果「むぅ~それにしても暇だな」

穂乃果「何か面白いことないかな……」

穂乃果「夕飯の時間までまだ余裕あるし……」

穂乃果「そうだ、せっかく病院にいるんだし院内散策でもしよう!」

穂乃果(病院の中に入るなんて滅多にないしね!)

穂乃果「おっと点滴スタンドは倒れないよう、ゆっくりと歩かないとね」

穂乃果「ふんふふんふーん」テクテク

穂乃果「ん?あれはなんて書いてあるんだろう?」

穂乃果(ナースステーション?って何だろう?)

看護師「あら?高坂さんどうかしましたか?」

穂乃果「えーと、部屋に居ても落ち着かないのでぶらぶらと歩いてます」

看護師「そうですか、でもなるべく運動は控えてくださいね」

看護師「高坂さんは大手術したばかりなんですから……」

穂乃果「分かりました、ねぇ看護師さん」

穂乃果「ここ、ナースステーションってどんなところですか?」

看護師「ここはですね、看護師さん達の仕事場みたいなもんですよ」

看護師「よく患者さんが遊びにきて話相手になったり
    または悩み相談する患者さんが多いわね」

穂乃果「へぇ~」

看護師「何かご相談事などございましたらお気軽にどうぞ」

穂乃果「ん~、そうだ西木野先生はどこにいますか?」

看護師「西木野先生なら確か、お遊戯ルームにいますね」

穂乃果「お遊戯ルーム?」

看護師「そこは入院してる子供たち専用の遊び場なんですよ」

穂乃果「じゃあ、西木野先生はそこで子供たちと遊んでるんですね!」

看護師「はい」

穂乃果「ありがとうございます!」

穂乃果「ーーーここがお遊戯ルームだね」ガチャ

男の子「わーい俺のかちー」

女の子「ホント西木野せんせーってババ抜き弱いよね」クスクス

男の子「四捨五入したら30歳だしなー、だからババ……ぐえぇっ!?」

真姫「それは、関係ないんじゃないかしら……ウフフ」グリグリ

男の子「ひぎぃぃ、やめてくれ先生!!頭が割れる~~」

女の子「あー先生暴力いけないんだー」

真姫「違うわ、これは教育よ」

女の子「うぅ~先生目が怖い……、あれ?お姉さんだあれ?」

穂乃果「初めまして、高坂穂乃果と言います」

女の子「はじめましてー」

真姫「穂乃果!?貴女なんでここにいるのよ!!」

穂乃果「だって~暇過ぎて退屈なんだもん!」

男の子(イテテ、あやうく気絶するところだったぜ、ったく子供に容赦な……っ!?)

真姫「穂乃果、早く自分の病室にもど「おねえさん!」」

穂乃果「ん?何かな?」

男の子「貴女のお名前を聞かせてくれませんか?」

穂乃果「高坂穂乃果です、よろしくね」ニコ

男の子「」ズッキューン

真姫「」ズッキューン

男の子(て、天使―――)

真姫(穂乃果の笑顔はいつみても素敵ね///)

男の子「……」チラッ

真姫「??」

男の子「穂乃果さーん、だっこー」

真姫「っ!?」

穂乃果「ん?いいよ~、ホラおいでー」

男の子「わーい」モギュ

男の子(おぉ、やはり俺の思ったとおり、穂乃果さん結構胸が大きいぜ!)チラッ

真姫(このガキ……、子供の特権をフル活用してやがる!!)

女の子「ずるーい私も!!」

穂乃果「はーいどうぞー」

女の子「わーい」ギュー

穂乃果「ふふ、子供は可愛いね~」

男の子「ふぅ~、いや~満足満足」

真姫「……ねぇ、遺言があったら……どうぞ」ニコニコ

男の子「!?」

穂乃果「そろそろ夕飯の時間になるから、穂乃果は部屋に戻るね~」

女の子「わかった~、お姉さんまた遊ぼうね~」

穂乃果「うん!また遊ぼう!」

真姫「それじゃ穂乃果、一緒に戻りましょうか」

真姫「悪いけど女の子ちゃん、男の子くんの面倒みてあげてね」

女の子「はーい」

男の子「」チーン

穂乃果「楽しかったね真姫ちゃん!」

真姫「ふふ、そうね」

穂乃果「真姫ちゃんは、よく子供達と遊んでるの?」

真姫「まぁたまにね、これも仕事みたいなもんだから」

穂乃果「そうなんだ」

真姫「穂乃果、夕飯持ってくるから先に病室戻ってなさい」

穂乃果「はーい」

コンコン

真姫「穂乃果入るわよ」

穂乃果「どうぞー」

真姫「今日の夕飯は鮭のムニエルよ」

真姫「デザートはいちごのショートケーキよ」

穂乃果「わーいケーキだケーキ!穂乃果ケーキ大好き!」

真姫「穂乃果、まるで子供みたいに喜ぶわね」

穂乃果「そうかな?」

真姫(そんな子供っぽい穂乃果も私は好きよ///)

穂乃果「真姫ちゃん顔赤いけど大丈夫?」

真姫「へ、平気よ!それより早く口をあけなさい」

穂乃果「あーん」パクッ

モグモグ

穂乃果「うん、おいしい!!」ニコ

真姫(穂乃果の笑顔は最高ね、仕事の疲れが一気に吹き飛ぶわ)

穂乃果「真姫ちゃん、手が止まってるよ?」

真姫「ご、ごめんなさい、ほらあーん」

穂乃果「あーん」パクッ

モグモグ

真姫(穂乃果っておいしそうに食べるわね、うふふ)

穂乃果「ごちそうさまでした!」

真姫「穂乃果、消灯時間まではまだ余裕があるからゆっくりしていってね」

穂乃果「うんありがとう」

真姫「それじゃまたあとでね///」

穂乃果(またあとで?)

穂乃果「消灯時間までまだ2時間ある、どこか時間潰せる場所ないかな……」

穂乃果「そうだ!ナースステーションに行ってみよう」

穂乃果「こんにちは」

看護師「こんにちは高坂さん、どうか致しましたか?」

穂乃果「消灯時間まで何か時間潰せる場所ってありませんか?」

看護師「そうですね……あっ」

看護師「それなら図書館はどうです?」

穂乃果「え?病院なのに図書館があるんですか?」

看護師「はい、うちの病院の図書館は色んな本があるんですよ」

穂乃果「場所はどこですか?」

穂乃果「―――ここが図書館」

穂乃果(ひ、広すぎるよ!まるで外国の図書館みたいだよ)

女の子「あれ穂乃果さん?」

穂乃果「君たちはあの時の!」

男の子「穂乃果さん!二度も会うなんて運命みたいです」

女の子「男の子君、少し黙ろうね」ニコニコ

男の子「……はい」

穂乃果「あはは……」

女の子「穂乃果さんは何しにここへ?」

穂乃果「穂乃果はね、時間つぶしにここへきたんだよ」

女の子「私達と一緒だー」

穂乃果「へぇ~君たちもなんだ」

女の子「そうだ穂乃果さん!読み聞かせして~!」

穂乃果「うんいいよ!」

女の子「わーい」

男の子「いいんですか穂乃果さん?」

穂乃果「穂乃果はね一度、子供たちに読み聞かせとかしてみたかったんだ」

穂乃果「だから全然問題ないよ」

男の子「ありがとうございます」

男の子(穂乃果さんに膝枕してもらいながら聞こうっと)ニヤニヤ

女の子「……」ジー

男の子「女の子ちゃんの隣にすわっていいかな……」

女の子「うん!」

穂乃果「二人は仲がいいんだねそれじゃ始めるよ」

穂乃果「むかーしむかしあるところに―――」

アナウンス「消灯時間5分前になりました、各自速やかにお部屋にお戻りください」

穂乃果「あら、もうそんな時間かぁ」

女の子&男の子「……zzz」

穂乃果(子供の寝顔はかわいいなぁ、このままずっと見てたいけど……)

穂乃果「ほら二人共起きて」

女の子「ん、んー」

男の子「あれ、いつのまに俺は……」

穂乃果「二人共もうすぐ消灯時間だから部屋に戻ろう」

女の子「うん……」

男の子「穂乃果さーん、おん……っ!?」

女の子「……」ギロッ

穂乃果「ん?どうかしたの?」

男の子「いえ、なんでもありません……」

女の子「穂乃果さん読み聞かせありがとう、また遊ぼうね!」

男の子「穂乃果さん、おやすみなさい」

穂乃果「二人共おやすみなさい」


ガラッ

穂乃果(ふぅ、今日は充実した一日だったな……)

真姫「遅かったじゃない穂乃果」

穂乃果「ま、真姫ちゃん!?どうして穂乃果の病室に?」

真姫「どうしてって、今日一緒に寝るから」

穂乃果「えぇ~!?」

真姫「ちょっとうるさいわよ、何よ私と一緒に寝るのいやなの?」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月22日 (金) 10:40:26   ID: 0drt5NkF

早く書けよ

2 :  SS好きの774さん   2015年06月21日 (日) 20:37:48   ID: K0h5vp2j

続き期待

3 :  SS好きの774さん   2015年06月22日 (月) 18:53:21   ID: -q-9k5kY

これ元ネタあるよね

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