【艦これ】提督「電が再び鎮守府に着任した」 (24)

陽炎抜錨の、人間が艤装を背負って艦娘になるという設定を流用しています。
キャラ崩壊・昼ドラ・鬱展開注意。エロはありません(たぶん)。
書き溜めあり(半分程度)。ロリコンカッコガチ。今後の展開に気づいても心に留めておいて下さい。
初SSです。よろしくお願いします。


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提督「若輩者の私が鎮守府へと配属された。その際、電という、まるで小学生かと見紛うかのような艦娘も共に初期艦として配属された」
提督「はじめのうちは戸惑ったものの、何事にも一生懸命で、それでいて敵にすら情けをかけるほどの優しさを持つ彼女と打ち解けるのには、さほど時間はかからなかった」
提督「派手な戦果はない。しかし、確実に、一歩一歩進んでいった」
提督「そして、少しずつ、少しずつ、鎮守府は大きくなり、私も少しずつだが胸を張れるようになった……と思う」
提督「その傍らで支えてくれていたのは、言うまでもなく、電だった」
提督「そんな電を特別に想うことは必然だった」
提督「電の練度が最高になった時、私は指輪と共にその想いを告げた」
提督「電は喜んでそれを受けてくれた……しかし、幸せは長くは続かなかった」
提督「それからすぐに、彼女が死病に侵されていることが分かったのだ」
提督「出撃のできなくなった彼女は、秘書艦として私の仕事を手伝ってはくれるのだが、病が邪魔をして思うようにはいかないようだった」
提督「時が過ぎるにつれ、だんだんと電の動ける時間は短くなっていった」
提督「もちろん、私を含めた鎮守府の仲間たちはそんなことで彼女を責めたりなどしなかった」
提督「しかし、責任感の人一倍強い彼女にとって、それは苦痛だったのだろう。ある日、一通の封筒が執務室に置かれていた」
提督「その中には、固い、輪っか状のものが入っていることが、封を開けずとも分かった」
提督「間違いない、電からの別れの手紙だと確信した」
提督「案の定、彼女の姿はこの鎮守府から消えていた」
提督「その後、方々手を尽くして探したのだが、電の行方は杳として知れなかった」
提督「結局、十数年経った今、残っているのは封を切られていない封筒、そして空っぽの秘書艦席だ」

提督「そんな鎮守府に、今日、新たに艦娘がやってきた」

電「電(いなづま)なのです。どうか、よろしくお願いいたします」

提督「……!?」ガタッ

提督(電と名乗った艦娘は、驚くほど私の知っている電と瓜二つの容姿をしていた。本来、艦名を与えられただけの人間である艦娘は、例え同名であろうと別人である。したがって、名前が同じでも顔が同じとは限らない。しかし……)

提督「いな……づ……ま……?」

電「……?電は電ですが……司令官さん、そのぅ…誰かと間違えてないですか?」

提督「……いや……すまない。君が私の知っている女性と少々似ていてね。いや、よく来てくれた。この鎮守府の案内は、君の姉妹艦である暁たちに任せればいいかな?任務については追って連絡する」

電「はい。お気遣いありがとう、なのです」バタン

提督「……世の中には似た人間が3人は居るというが……」フゥッ

天龍「提督! やっと作戦完了で艦隊帰投したぜ!」

提督「天龍、ご苦労様……どうかね?あの娘の初任務の様子は」

天龍「オレから見れば別段問題はねえな。詳細が聞きたきゃ本人に聞きゃいいじゃねえか」

龍田「……天龍ちゃ~ん」ニコリ

天龍「お、おう」フフフ・・・コワイゼ

提督「……すまない、それもそうだな。変なことを聞いた。忘れてくれ」

龍田「別におかしい話ではないわよ~。初任務の娘の様子を聞くのは~。もっとも……聞き
たいのは別のことでしょうけれど……」

提督「……そんなに、私は分かりやすいか?」

天龍・龍田「そりゃ(それは)もうバレバレ(ですわ~)」

提督「…………」orz

天龍「十年以上経つのに、未だに誰も秘書艦にしてねえんだぜ。分からねえ方がどうかして
んぜ」

龍田「……提督。電ちゃんたちは今工廠に居るわよ~。艤装のチェックをするらしいわ~」

天龍「行くんなら行ってやんな。提督の真似事くらい、オレたちでやってやるからよ」

龍田「でもぉ……憲兵さんを呼ぶようなことにはならないでねぇ」

提督「私は電一筋だ」バタン

龍田「…………だから、じゃない……」

提督「お~い、明石~」

明石「あ、提督!いかがされました?」

暁「司令官、ごきげんよう」

響「やあ、司令官。ただいま」

雷「司令官。お疲れ様っ」

電「た、ただいまなのです!」

提督「遠征任務、ご苦労様」ナデナデ

響「これはいいな。スパスィーバ」

雷「ふふっ、もーっと私に頼っていいのよ」

暁「頭をなでなでしないでよ!もう子供じゃないって言ってるでしょ!」

電「…………」グスン

響「おや?電は撫でてやらないのかい?」

提督「あ、ああ。順番にね。おいで、電」

電「……はいなのです!」

提督「……」ナデナデ

電「…………」ハワワ

提督「………………」ナデナデナデナデ

電「……………………」ハワワナノデス!

提督「…………………………」ナデナデナデナデナデナデ

電「………………………………」ハニャァァ~

暁「っていつまでやってるのよ!」ズルイ!

雷「撫でたいのなら、雷をもっと撫でてもいいのよ!」

提督「あ……ああ、つい……」

提督(懐かしい、ひどく胸を打つこの感覚は……)

明石「提督、提督!」

提督「す、すまない!えっと、あ~、君は初めての任務だったよな!だからよくやったと思ってね」

電「はわわっ、びっくりしたのです!」

明石(提督はやっぱり……)

暁「む~~」

明石「提督、それでどのようなご用件でしょう」

提督「ああ、初任務の娘も居るようだし、様子が気になってね」

雷「そんなの、雷が居るから大丈夫に決まってるじゃない!」

響「ああ、任務はつつがなく終わったよ」

暁「だからなんで雷が……」

ワーワーキャッキャッ

明石「ご覧の通りです、提督。みんな元気いっぱい、傷一つありませんよ」

提督「みたいだな。良かった」

明石(本当はそんなことを聞きたいわけじゃないでしょうに……)

提督「それじゃあ、みんな、次の任務もその調子で頑張ってくれ」

暁・雷・電・響『はい!(なのです)』

提督「うん、いい返事だ。……じゃあ、そろそろ仕事に戻らないと……」

明石「提督!」

提督「ん?」

明石「……提督ご自身も時々修理しないとダメですよ?」

提督「…………ああ。努力する」

明石(本当は、私がメンテできたらいいのですが……)

提督「……っと、もう21時か……もう、少し書類を片付けたら……」

コンコン

提督(誰だ?こんな時間に……)

提督「入りたまえ」

電「申し訳ないのです、司令官さん。おじゃまするのです」

提督「電!?」

電「はわわ、びっくりしたのです」

提督「ああ、大きい声を出してすまない……。いや、それで、何の用だ?」

電「えっと……まずはその……」

提督「うん」

電「…………そ、そうなのです。初任務が終わったので、その報告なのです」

提督「ああ、それなら天龍たちから報告を受けているよ。頑張ってくれたそうじゃないか」

電「はい、ありがとうなのです」

提督「…………それだけ、ではなさそうだね」

電「あの…………」

提督「うん」

電「その…………」

提督「うんうん」

電「えっと…………」

提督「…………」

電「………………」ファイト!ナノデス!

電「す~~は~~す~~は~~」ヨシ!

電「し、司令官さんは、電のことを見る目が変なのです!」

提督「ぐはっ」ケンペイ=サン ハ ヤメテクダサイ!

電「はわわわ、違うのです!誤解しないで欲しいのです!そんなのではないのです!」

提督「ではどの様なものでございましょうか……」

電「司令官さん、唐突な敬語はやめるのです!」

提督「いやでも、昨今、よくやったと肩を叩いたらセクハラで訴えられたとか……」

電「そんなニュースになるほど異常なこと、まず起きないからニュースになるのです!」

提督「はっ!そういえば今日電様の頭を……!」

電「電はそんなことで訴えたりはしないのです!むしろ嬉しかったのでもっと撫でてほしかったのです!」

提督「…………え…………」

電「……あ…………」

電「//////」カァァァァァ!

提督「いや……その……あの……」

電「司令官さんのばかぁぁぁ!!」ドタドタバタン!

提督「………………」ポカーン

提督「…………とりあえず……仕事するか…………」

提督(え~、明石の報告書によると……燃料が足りないのでオリョールに潜水艦を派遣してほしい?)

扉|_・)チラッ

提督(う~む。これは潜水艦娘たちと要相談か……)

扉|_・。)ジー

提督(前の鎮守府では回りすぎて心を痛めてしまったそうだしな)

扉|・_・)ジー

提督「ん?」

扉|)≡サッ!!

提督「……気のせいか」

扉|д・) ソォーッ…

提督「ん?」

扉|ダレモイナイヨ

提督「あ~……」

扉|ダレモイネエッツッテンダロ!

提督「………うん」

扉|_・)チラ

提督(どうするかなぁ……驚かすのも面白そうだが、避けられてしまっては元も子もないしなぁ……。ここは、せっかく帰ってきてくれたのだし……)

提督「あ~~、そのなんだ……物寂しいオジサンの独り言なんだが……」

扉;)ソォーッ

提督「私には、かつて愛した一人の艦娘が居た。いや、今でも愛していると言ってもいいだろうな」

提督「その女性は、私の秘書艦にして初期艦、名前を電という」

扉「――――!」

提督「もう十年以上前のことだ。彼女は……私の元から去って行ってしまったが、唯一、私が指輪を渡した女性でもある」

扉「…………」

提督「未練がましいかもしれないのだが、だから、この鎮守府には秘書艦が居ない。そのことでみんなには迷惑をかけてしまっているがね」

提督「だから、かな。必要以上に意識してしまうのだよ……」

提督「さて……もう夜も遅い……。早く休まないと明日に障るな」

電「…………」

提督「ああ、出てきてくれたんだな。……うぬぼれかもしれないが、これが、君の聞きたかったことに対する答えになるんじゃないかな?」

電「…………」コクン

提督「じゃあ……もう、部屋に帰った方がいい。私も提督とはいえ、男だしな。変な噂が立つとも限らない」

電「…………」フルフル

電「痛そう……なのです」

提督「え……?」

電「司令官さん、笑ってる……でも……とっても痛そうなのです」ギュッ

電「前の電が居なくなって……泣きそうになってるのです」ギュウッ

提督「あ…………」

電「司令官さんは、泣くべきなのです……」ニヤリ

提督「…………うん…………そうだな…………そうかもしれない…………」

提督「でも――――――」

提督「私は満たされているよ」

電「――――――!」

提督「きっと、電も」

電「そんなわけないのです!」

提督「そんなわけあるさ」

電「嘘なのです。だって、そんなに痛そうなのに!」

提督「確かに、痛くないと言ったら嘘になるかもしれない。でも、それ以上に満足しているんだよ」

電「一緒に居なかったのに!?」

提督「ああ」

電「司令官さんは馬鹿なのです!絶対、その電も一緒に居たかったはずなのです!」

提督「そうかもしれない。でも、彼女はそれを望まなかった。だから、居なくなったんだ。そうすることが、私の、ひいては鎮守府のためになると想っていた。だから、私はそれに応える」

電「そんなわけないのです!自分たちの不幸を望む人なんて、居るはずないのです!」

提督「居るさ。それで、何万人もの人が幸せになるというのなら」

電「顔も知らないのですよ!?」

提督「それでも、だ。それが――――軍人というものだ。市井の笑顔のために、己を捧げる。これほどまでに己を誇ることができることなど、そう在りはしない」

電「~~~~!司令官さんの仕事中毒!鈍感!マゾ!ロリコン!ストーカー!ナルシスト!気持ち悪い!」

提督「ぐっふぁ!」プルプル

電「やっぱり司令官さんなんて、大っ嫌いなのです!」バタン!

提督「あ~あ……こりゃ、本格的に嫌われたかな……」

――数日後―-

電「と、いうわけで、司令官さんは電が更生してやるのです!」

提督「お、おう」

電「首を洗って待っているのです!」

提督「いやいや、それより、君は私の事を嫌っているんじゃないのか?」

電「大嫌いなのです!」フフン

提督「だったら……」

電「だから、電に惚れさせて、調教してやるのです!」

提督「はぁぁ……。君は、随分と猫を被っていたのだな……」

電「はわわ……そ、そんなことはないのです。電を怒らせた司令官さんが悪いのです」

電「とにかく覚悟するのです!…………えっと………」ゴソゴソ

提督(なになに……司令官さん攻略まにゅある?……さては暁たちの仕業か?……頭痛がしてきたな……)

電「……ま、まずは押しかけ秘書艦なのです。え、えっと、頼りになるところを見せれば、自然と司令官も電に惚れるはずよ。なんだったら電も雷を頼りなさい……よし」

電「司令官さん!」

提督「断る」

電「まだ何も言ってないじゃないですかぁー!!」

提督「気持ちは嬉しいが、そんな簡単に変わるようなら10年以上も独り身でいやしないさ」

電「なら……一人前のレディのみりき……みりき?暁ちゃん、魅力なのです。えっと、魅力で悩殺するのよ……方法が書いてないのです……」シュン

提督(なにこれかわいい…)

電「と、とにかくやってみるのです……し、司令官さん!」アハーン

電「ど、どうなのです?司令官さん」ウフーン

提督(お腹でも痛いのか?と言いそうになったのは黙っておこう)

提督「ああ、とっても綺麗だよ(棒)」ニッコリ

電「………………まだ正直に言ってもらった方がダメージは少なかったかもしれないのです……」フフフ…

提督「あ~、いや、可愛いかったのは本当だぞ?」

電「司令官さんは嘘をつくのが下手なのです……」ガックリ

提督「それは……自覚している……」

電「えっと……次は……Uspekhov!(ウスペーハフ・頑張れ!の意)」

電「…………」

提督「………………」

電「こ……」

提督「こ?」

電「これで勝ったと思うなよ!なのです!」ドタドタ バタン!

提督「…………とりあえず……仕事するか…………」


その後も、電による執務室襲撃は、時間の許す限り毎日のように続いた

電「夕日の見える丘で死ぬまで殴り合う……はわわ……殴るなんて痛そうなことできないのです……というか死んじゃだめなのです。でも……とにかくやってみるのです」

提督(やるのかよ!)

電「し、司令官さん!お、表に出るのです」

提督「……今仕事中」

電「ふぅ……よかったのです……ふっふっふっ、電が一番強いのです!」ブイッ

提督「……でも終わったらいいぞ」

電「ふあーーーっ!?」コワイノデス!

電「バーニング、ラブと大声で叫びながらだきつ……だきつく!?」

電「…………」フルフル

提督「……」

電「ば……ばあにんぐ…………」

提督「…………」ドキドキ

電「ら……ら…………」プルプル

電「やっぱり無理なのですぅ!」ドタドタ バタン!

提督「…………」ホッ

電「えっと……司令官さんにもたれかかって」ポフ

電「もっともっと褒めるがよいぞ!なのです!」

提督「…………」ナデナデ

電「くぅ~ん……」

提督「……………」ナデナデ

電「はにゃぁぁぁぁ……」

提督「………………」ナデナデ

電「ふわぁぁ……ってこれじゃあ電の方が飼いならされてしまうのです!」ガバッ

電「たまには港の外に出るのもいいのです」

提督「書類が片付いたらな」

電「ぐぬぬぬ……なら終わるまで待つのです」

――――数時間後――――

龍田「提督~居ます~?」コンコン

鳳翔「お店を開ける所でしたので、是非にと思いまして」

提督「しーー」ガチャリ

鳳翔「あら?提督の手ずから開けてくださるなんて……嬉しいです」

龍田「それで~どうしたのかしら~……あら~?」

鳳翔「まあまあ」

電「すぅすぅ……」

提督「いや、その、港外に出ようと誘われたのですが、いつもの調子で突っぱねましてね。少々、意地になって書類を片付けていたら……」

鳳翔「いけませんよ、女の子に意地悪をしては……。めっ、です」

提督「すみません……反省しています……」

龍田「でも~、こうして幸せそうに寝ているってことは~満更でもないのかしらね~」

提督「…………書類もまあ、一区切りつきましたし、久しぶりに鳳翔さんのおいしいおでんも味わいたいのですが……」

鳳翔「起こすのも、かわいそうですね」

龍田「とりあえず、このまま寝かせておくのもかわいそうだから~、隣の仮眠室まで運びましょ~?」

提督「それもそうだな……っと」オヒメサマダッコ

鳳翔「あら?」

提督「何か?」

鳳翔「いえ……お布団、整えておきますね」

鳳翔(そんな風に、その娘に触れられるのですね……。提督が変わってきていらっしゃること、ご自身は気づいてらっしゃるのでしょうか)

提督「あ、ありがとうございます……よいしょっと」

龍田「提督~、そんな風に言っていると~……年を取ったと思われますよ~?」

提督「……四十路はまだ若い……」

鳳翔「うふふ……」

電「ん~~~」

提督「おっと……」シー

電「おかーさん……おとーさん……」

電「だいすきなのです……」ニヘー

鳳翔「あら、どうしましょう。提督と夫婦だなんて、うれしいです」ポッ

龍田「あら~」ピキッ

提督「いや、その……こ、光栄です……」シドロモドロ

鳳翔「提督とでしたら、優しい家庭が築けそうですもの……っと、ここで話していては電ちゃんの邪魔になりますね。それでは……」

提督「ええ、参りましょう、ぜひ参りましょう、すぐ参りましょう」

龍田「提督~?話題を逸らそうとしても無駄ですよ~」ジャキッ

提督「勘弁してくれ……」パタン

電「…………くぅくぅ……」

提督「変な噂が立っている?」

響「ダー」

雷「そうなのよ」

暁「電が、司令官にえこ贔屓されてるって……」

雷「私が聞いたのは、電が提督の愛人だって……」

響「私は、ロリコンの司令官が夜な夜な電に悪戯をしているというのを聞いたな」

提督「最後のヤツは私への陰口だな……」

響「そういうわけで、どうにかしてくれないかい?」

提督「よし、そんな噂を流した者には相応の罰を与え……」

暁・響・雷『それはダメ!(だよ)』

提督「……何故だい?」

雷「それは……いきなり罰とか?厳しすぎる気がするし?」アセアセ

暁「噂なんて、やめろって言われてやむものじゃないわよ!」ドキドキ

響「それに、噂した者を罰するということは、肯定したとも取られるんじゃないかな?」フム

提督「そうだな……。それに、彼女の行動をきちんと戒めなかった私にも責任がある。よし、今後はあまり私に近づかないように……」

暁・響・雷『それはダメ!(だよ)』

雷「ほ、ほら?そもそも陰口は言う方が悪いわけだし?」

暁「そ、そうよ。それに、一人前のレディを遠ざけるなんて、司令官も人が悪いわ」

響「それにそんな方法だと電も傷つくんじゃないかな?」

提督「ふむ、それも一理あるか……ではどうする方がいいか……」

暁「それは……」テレテレ

響「電が司令官の……」ナァ?

雷「傍にいてもおかしくない関係になれば……」ネェ?

提督(ははぁ……なるほど、そういうことか……)

提督「つまり、電を秘書艦に?」

響「いや、無理にとは言わないさ」

電「むしろ、もっとステディな関係でもいいのよ」

暁「一人前のレディなら当然の関係ね!」

提督(この三人は、本当に電のことを想っているのだな……。陰口に関しても、嘘である可能性が高い、が……確かにこのままの関係を続けていけば、本当にそんな噂が流れかねない、か)

提督「了解した。とにかく、何らかの手は打とう。それでいいかい?」

暁「ええ!?絶対、いな……」ムグッ

雷「あまり言いすぎてもバレるわよ」ヒソヒソ

提督(もうバレてるなんて言えない)

響「……それに、急ぎすぎても良い結果は出ないよ」

暁「それもそうね。じゃあ、とにかくよろしくね、司令官」

提督「……ああ」

提督「やれやれ……私はそんな風に想ってもらえるほど、良い人間ではないのだがねぇ……」

提督「ああ、そうだとも。私はひどく傲慢で、意固地で、融通の利かない人間だ」

提督「しかも、何かを犠牲にして自分を守ろうとする、卑怯で臆病なだけの小物」

提督「最前線で戦うには難しい旧型艦や、練度の低い艦娘を教育すると言えば聞こえはいい」

提督「しかしその実、艦娘たち命が失われる所を見たくないだけの臆病者の小唄でしかないのだ」

提督「だから私は決心した」

提督「卑怯で臆病な私らしく」

提督「そう、簡単な話だ」

提督「持たなければ傷つかない。関わらなければ傷つけることもない」

龍田「え~っと、よく聞こえませんでしたので、もう一度言っていただけるかしら~?」

提督「だから、秘書艦になってほしい」

天龍「そんな気軽にする話でもねえだろうがよ、提督」

龍田「――――」

天龍「おい、龍田?龍田?目ぇ覚ませ!」

龍田「――っハッ!それで~その~、何の話でしたかしら~」

天龍「お前がボケに回るって、相当だな……」

提督「いや、そんなに気負う必要はない……というか……非常に心苦しいのだが……」

龍田「私が秘書艦私が秘書艦私が秘書艦…………」ブツブツ

天龍「だめだコリャ……」

提督(自己嫌悪で気が変になりそうだ……でも……やらなきゃな……。これは、私の意地、だ。今まで先延ばしにしていた。それが今来たってだけのことだ)

提督「ここの所、電が執務室に入り浸っているのは……知っているな」

天龍「おい、提督」ハッ

龍田「――――!」

提督「さすが、話が早くて助かる。―――そういうことだ」

天龍「てめえ、クソ提督!やっていい事と悪い事ぐらい分かんねえのか!そこまで腐ったか!?」

提督「ああ。簡単な話、当て馬に―――」

天龍「ざっけんな!!」ガスッ

龍田「天龍ちゃん!」

提督「上官への暴行は、懲罰ものだぞ?」

天龍「やってみやがれ!上等だ!」

龍田「天龍ちゃん!!」

天龍「龍田、お前は黙ってろ」

龍田「黙らない!……提督、何があったの?」

提督「……別に、何もない。強いて言うなら、これが一番効率がいいということだ」

龍田「…………」

提督「話は以上だ、出ていきたまえ」

天龍「待て、俺の話は終わっちゃいねえぞ!」

提督「出ていきたまえ!……ああ、秘書艦のことは、無かったことにしよう」

龍田「提督……」

天龍「ちっ。行くぞ、龍田!こんなヤツ、殴る価値もねえ。根性の曲がっちまった野郎なんてよ!」バタン!

龍田「天龍ちゃん!」

龍田「提督……」アノ ソノ…

提督「……」

龍田「失礼します」パタン

提督「…………すまん…………」

提督(彼女たちほどのベテランならば、個人的な感情と任務は切り離すことができるだろう)

提督「後は、彼女たちに……罰を与えれば終わり……だ」

提督「龍田は何かを気づいているようだった。」

提督「しかし、それでも、いや、だからこそ、空気を読んでくれるはずだ」

提督「空気を読んで、避けてくれるはずだ」

提督「だから…………これで終わり、だ」

提督「…………………」

提督「…………楽し……かった……なぁ……」

提督「でも、それでも……私は電のことを愛しているんだ……」

提督「だから……彼女を守れなかった私が……こんな風に安穏と過ごすことが、ゆるされるはずないんだ……」クッ

提督「そんな私を想ってくれても……互いが傷つくだけ……なんだ……」

提督「だから……こうして……離れれば……」ポタポタ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月25日 (月) 13:52:36   ID: Mg2rfSb9

クソSS

2 :  SS好きの774さん   2017年07月03日 (月) 17:59:45   ID: ZX-Go9iD

>20
その場に電いるじゃん

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