女騎士「くっ、殺せ!」プロシュート兄貴「『くっ殺した』なら使っていいッ!」 (18)



兄貴「おいオメー……さっきからうるせえぞ。『くっ殺せ』『くっ殺せ』ってよォ~~」

女騎士「くっ……私とて騎士の端くれ。辱めを受けるぐらいなら死を選ぶッ!」

兄貴「そういう言葉は俺たちの世界にはねーんだぜ。そんな弱虫の使う言葉はな……」

女騎士「……弱虫だと?」

兄貴「『くっ殺せ』……そんな言葉は使う必要がねーんだ。なぜなら……」

兄貴「俺や、俺たちの仲間は! その言葉を頭の中に思い浮かべた時には!」

兄貴「実際に相手を殺っちまって、もうすでに終わってるからだッ! だから使った事がねェーーッ!」

女騎士「……? すまないが言ってる意味がよくわからん」

兄貴「『くっ殺した』なら使ってもいいッ!」

女騎士「(……なんだこの人)」



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兄貴「女騎士。お前もそうなるよなァ~~……俺たちの仲間ならよォ……」

女騎士「いや。私たちは初対面のはずだが。というか今はそんな話をしている場合ではない!」

オーク長「おいお前ら。何を仲良くくっちゃべってやがる」

オークA「長、こいつら自分たちの置かれてる状況ってヤツがまるでわかっちゃいねえ! 特に男の方!」

オークB「ちっと痛い目見せて、わからせてやりましょうぜっへっへ」

オークC「グヒヒ。そっちの女は俺たちのビッグサーベルで良い目に合わせてやるがねェ……」

女騎士「くっ……腕の拘束さえ外れれば……こんな下品な奴らに……ッ!」

オーク長「無駄無駄ァ! その手錠は伝説の金属オリハルコンで出来てるんだぜェーー!」

オーク長「このカギを使わない限り絶対にはずれることはないッ! どんな力でも破壊することは不可能よ!」

女騎士「くっ……このまま奴らの良い様にされるぐらいなら……」

兄貴「女騎士ィ~~……何度も同じことを言わせるんじゃねーぞ。いいか。もう一度だけしか言わねーぜ……」



オークA「テメーも吊るされてるくせに何を余裕ぶっこいてやがるこのドサンピンがァーーッ!」

オークB「ムカつくぜェーー! 長! 棍棒で頭ぶっ叩いてトマトみてーにブッ潰していいですかい?」

オーク長「かまわん。人間のオスに用は無いからなぁ」

女騎士「や、やめろ! くっ……私はどうなってもいい! だから止めてくれ!」

オークB「おらあああ! ぶっ潰れろやッ!」


オークの巨体が振り回す棍棒が、拘束されたまま身動きのできない痩躯の男に向かって振り下ろされる!

圧倒的重量から繰り出される叩き付けはまさに純粋なる暴力の塊! 

それは容易く岩をも砕くエネルギーを内包し、男めがけて急降下していく!

その場にいる誰もが男の死を確信した! 次の瞬間、鮮血と脳症が辺りに飛び散る光景を誰もが予想した……

その男以外は――!




男は拘束からスルリと抜け出し距離をとった!

兄貴「ふぅ……一部分だけの老化なんざ、普段つかわねーが。意外と何とかなるもんだな……」

オークB「ピギッ!? こ、こいつ避けやがった!? なんでだ!? 身動きできねェはずじゃあねーか!?」

オーク長「お、おい!? あいつの手首から先を見てみろッ!」

オークA「なんだありゃァ!? まるでミイラみてーに骨と皮だけに……手首の先だけが異様にしなびてやがるッ!?」

オークC「あ、あいつ……自分の腕を細くして拘束から抜け出しやがったんだ! こいつ、魔法使いか何かか!?」

女騎士「(いいや違う。この男からは魔力を一切感じなかった。あれは魔法ではない、もっと別の『何か』だ)」

女騎士「(あの『何か』も恐ろしいが……それ以上に恐ろしいのはあの男の精神力!)」

女騎士「(攻撃されれば誰だって無意識に反撃しようとするだろう。私だってそうだ)」

女騎士「(だがあの男は――あの恐ろしい能力を微塵の躊躇もなく自分の身体に使用した)」

女騎士「(あの男は『覚悟』が出来ている――あの男の中では『もう終わっている』んだ)」

女騎士「(行動に……一点の淀みも無いというのか?)」



兄貴「いいか女騎士! 俺たちチームはなッ!」

女騎士「いや、だからいつから同じチームになったんだ!?」

兄貴「そこら辺のオークの巣や地下洞窟で『くっ殺せ』『くっ殺せ』って、大口たたいてるくせにすぐ快楽墜ちするような負け犬女騎士とはわけが違うんだからな」

女騎士「……ッ!!」

兄貴「『くっ殺せ』と心の中で思ったならッ! その時スデに行動は終わっているんだッ!」



オーク長「な、何をしているお前ら! あんなのはチンケな手品だ! 囲んで襲えば怖かねえッ!」

オークA「そ、そうだ……! 得体の知れねぇ能力だからってビビるこたぁねえんだ……行くぜ!」

オークB「へへっ……数じゃこっちが上なんだ。まともにやりゃあ……あぎっ!?」

オークA「どうした!? 何かされたのか!?」

オークB「い、いや……ちょっと腰が抜けたみたいで……イテテ」

オークA「こんな時にギックリ腰かよォ!? 情けねぇ。ジジイじゃねーんだから……」

オーク長「何ふざけてやがる! さっさと殺しちまえ!」

オークA「ちっ、おいC! どうした!? 何黙って……ヒッ!?」

オークC「……長ぁ~~? ワシぃ……ごはん食べたかいのォ~~……???」

オーク長「な、何だこいつ!? ヨボヨボのジジイになっちまってやがるッ! 急に何で……!?」

オークA「ひいいっ! お、長っ!? オレの身体も……ッ、手が、足が! シワシワにしぼんで行くゥゥゥ!? ヒイイ!??」

オーク長「くっ、来るな! 近寄るなッ!?」

オークB「長ぁ~~、足腰立たたないんですゥゥゥ……助けてくださぁぁぁぃ……」

オーク長「ひ、ヒイイッ!? お、オレの身体までェェェエエ!?? 何だコレは!? いったい何の魔法だ!??」

オーク長「こん、な魔法……聞いたこと、も……か、体が、ミイラみてぇに、ィ……す、衰弱死しちまうゥ……助け」


女騎士「こ、これは……ッ」

兄貴「『くっ殺した』なら、使ってもいいッ!」



女騎士「(なんてことだ……この男、たった一人でオークの群れを全滅させてしまった……)」

兄貴「じゃあ。オレはもう行く。この世界の事は頼んだぞ、女騎士」

女騎士「ま、待て! どこに行くんだ!?」

兄貴「俺には帰らなければならない場所がある。いつまでもこの世界に留まっているわけにはいかないからな」

女騎士「待ってくれ! せめて何か……お礼をさせてくれないか? お前がいてくれなかったら……私は今ごろオークどもに……」

兄貴「成長しろ、女騎士。お前なら出来る。この世界のオークどもを『さきっちょ』から『ケツ』まで、とことんやるんだ」

女騎士「わ、私ひとりでオークどもを殲滅しろというのか!?」

兄貴「女騎士。栄光はお前にあるぜ」

女騎士「分かった……この剣にかけて誓おう」

兄貴「じゃあな……アリーヴェデルチ(さよならだ)」

女騎士「……あ、兄貴ィィィィィイ!!!」


この後無茶苦茶オーク討伐した。 END

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