ほむら「そう……結局……」(38)

短めの予定です。
意味不明胸糞系の予定。

自分の姿も見えない程の真っ暗闇の中を歩いている。

ここがどこなのかはわからない。
ただ、なんとなく進むべきと感じたから進んでいるだけ、ただそれだけ。

ここに来るまでどこにいたのかも思い出せない。
わかるのは私が暁美ほむらだということだけ。

真っ暗の中、ようやく物をみつけた。

それは扉、光を受けているわけでも、自ら光っているわけでもないのに扉だけは色を失わずに立っている。

私にはこれを開ける以外の選択肢は無かった。

扉を開けると再び暗闇。

しかし一つだけ違うのは、真正面に見覚えのある物が居ること。


人魚の魔女だ。

何故こいつが?
そういえば最後に盾を反転させた後にも一度こいつを葬ったような気がする。

「自分が何やってるかわからなくなっちゃった。一番大事なもん蔑ろにして」

人魚の魔女は美樹さやかの声で喋り出す。

「散々強情張って、マミさんや杏子、あんたの忠告に耳を傾けずに最期はあんなんだよ。あたしってほんとバカ」

……

「結局あたしは見返りが欲しかったのかな?……あんたもなのかな?」

それを言い終えた人魚の魔女は霧散した。

私も途中から何をやってるのかわからなくなったり、本末転倒になったり、見返りを欲していたりしたのかしら?

人魚の魔女が居たところにまた扉がある。

振り返れば入ってきた扉は無くなっていた。

私は新しい扉の向こうへ進んだ。

再び暗闇、そして今度は小さい魔女。

おめかしの魔女……だったかしら?
そういえば、お菓子の魔女に食われる直前、死を実感し絶望した巴さんのソウルジェムが急に濁りきり、魔女を産んだこともあったわね。

「たった一人で戦い続けてたけど最期はあんなあっけないものになってしまうのね」

間違いない、巴さんの声色だ。

「報われることもなく戦い続けるなんて滑稽よね。私も、貴方も」

「ある意味楽に慣れたのかもしれないわ」

慣れたじゃなくてなれただわ

言い終えた魔女は同じく消えて行った。

彼女の言うとおり滑稽ね。
あれだけ繰り返して居ればもうちょっと上手く立ち振る舞えたんじゃないかしら?

出来ないから繰り返していたのだけれど。

新しく現れた不自然に明るい扉を開ける。

次に待ち受けていたのは、杏子だったもの。

武旦の魔女。

彼女は馬から降りて私に語りかけてこようとする。

「ごめんな、ほむら。本当は頭のどこかではさやかを助けられないってわかってたんだ」

……

「でも、あいつがああなっちまった以上、あたしにはもう希望が無かったんだ」

「さやかに昔の自分を重ねてたけど、結局は救えなかった」

「そればかりか、あたしについてほむらに同じ思いをさせることになっちまった……ごめんな……」

私は杏子を失いたくない一心で人魚の魔女を葬った。だけど、人魚の魔女が美樹さんだとわかった時点で杏子はもう……


また扉の奥へ進んで行く。

今度はシルクハットを被ったマネキンのような魔女が居た。

呉キリカだった物だ。

首を擡げ、私に話しかける。

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