幼「私は貴方を」(315)

男「トープ、トープ!!」
 
神父「男!」
 
神父「お父さんと神父を混ぜて呼ぶなと言っただろう」
 
男「なあ、おれさっきな、教会の裏でな、ダンゴ虫見つけたんだぜ!!」
 
神父「そうか、どんなだったんだ?」
 
男「あのな! あのな! こんな大きくてな!」
 
神父「それは良かったな」
 

神父「でもな男」
 
神父「お前には確か幼と一緒に掃除を頼んだはずなんだが?」
 
男「あ! 忘れてた」
 
男「幼待ってるからいくね」

神父「はぁ元気なのはいいんだが」
 
神父「もう少しどうにかならないものかな」

神父「あの無鉄砲さは」
 
 

これはまだ俺が七歳のときだった
 
俺は戦争孤児だった
 
戦争といっても人間同士の戦争ではなく
 
魔物との戦争である
 
300年ほど前に突如魔王と名乗る者が各国に宣戦布告を行った
 
以来、魔物と人間は互いに殺し合いを続けている
 
俺の親は突如現れた魔物から俺を守って死んだそうだ
 
っと神父から聞いている

神父は孤児になった俺を引き取って教会で育ててくれた
 
教会にはもう一人、子供がいた
 
幼と言って、とても可愛らしい少女だった
 
彼女は教会の前に置き去りにされていたのだと言う
 
この頃が、俺にとって一番楽しかった時だ
 
この頃の俺は父親がいた
 
仲良く遊ぶ友達も、優しい先生、楽しい町の皆
 
何よりこのときの俺はまだ、
 
化け物ではなかった

おい…誰か止めてやれ

黒歴史が着々と形造られていってるぞ…

ss深夜では珍しくない

いつかのパワーになるから問題ない

ん?
別に出だしがこれって普通だろ?
問題は終わらせられるかどうか

>>5はただのアホ

>>5 ( ´艸`)

幼「男」
 
男「幼?」

男「どうした?」
 
幼「さっきね、私のハンカチがね、東の森のほうにね飛んでちゃったの」
 
男「そうか」
 
幼「だからね、一緒にね、取りに行ってほしいな」

男「悪い、今日は友達と遊びに行くから無理だ」
 
男「また後でな」
 
幼「そんな」グスグス
 
男「な、泣くなよ」
 
男「はぁ、じゃあ先にハンカチ取りに行くって友たちに言ってくるから」
 
男「幼は先に切り株のところまで言っててくれ」
 
幼「分かった! 男ありがとう!!」

男「友達にも言ったし」
 
男「早く行かないと、幼が待っる」
 
ガヤガヤ
 
男「ん? どうしたんだろう」
 
神父「早く傷の手当と用兵団に連絡を」
 
男「トープ、どうしたの?」
 
神父「男! ちょうどいい所に来た」
 
神父「町の人たちに一旦教会に非難してもらうからお前は案内を」

男「だからどうしたのさ、そんなに慌てて」
 
男「!」
 
男「樵の小父さん」
 
樵「うぅ」
 
男「どうしたのその傷!」
 
樵「魔物が、魔物が出たんだ」
 
男「ま、魔物!?」

樵「あぁ、でっかい狼みたいなのが一匹」
 
樵「東の森で仕事していたんだが、いきなり襲い掛かってきて」
 
樵「斧投げつけて逃げてきたんだ」
 
男「東の森に魔物!」
 
男「幼が危ない」
 
神父「男、どこへ行く。そっちはダメだ!!」
 

見てるからはよ

かわいい>>5がいるときいて



東の森

男「幼!! 幼ぁ!!!」
 
男「返事しろよ、幼!!」
 
幼「お、男?」
 
幼「どうしたの? そんなに慌てて?」
 

男「幼!」
 
男「良かった、無事だったんだな」
 
男「ハンカチ探しはまた今度だ」
 
男「今はともかく、ここから離れ「グルルル」よ」
 
男、幼「!」
 
魔物「グルルルッルル」
 
男「魔物!」

幼「お、男どうしよう」
 
男「落ち着け、いつもトープが言ってただろ」
 
男「焦っちゃダメだ」
 
男「とりあえず、俺が注意を引き付けるからお前は大人達を呼んできてくれ」
 
幼「でも、男が」
 
男「大丈夫だ、ここは俺の庭みたいなもんだからな」

男「でも、できれば早く大人を呼んでもらいたい」
 
幼「で、でも」
 
魔物「ガアァア!!」
 
男「幼早く!!」
 
幼「う、うん!!」
 
男「おい! 魔物こっちだ早く来い」
 
魔物「ガアァア!!」
 
男「あ、嘘嘘、やっぱり来ないで!!」
 

魔物「グルルルッルル」
 
男「畜生、超足はえじゃねーか」
 
男「このままだと、追い付かれ「ガウ!!」
 
男「え?」
 
魔物2「バグ!!」
 
男(もう一匹いたのかよ)

男(ダメだ、噛み付かれたところが超痛い)
 
魔物「ガウ!!」
 
男「うぅ!」
 
男(手が、食いちぎられる)
 
魔物「ウゥ!!」ビリビリ
 
男「オォォォオオオ!!!!」
 
男(腕が、肩から先が引きちぎられた)
 

男(痛みが引いていく)
 
男(と言うより、何も感じない)
 
男(このまま、俺死ぬのかな)

男(父さん、大丈夫かな)
 
男(幼。無事だといいけど)

 
男(神様、どうか二人をこれからも俺の分まで「生きたい?」)
 
男(え?)
 
?「生きたい?」
 
男(頭に声が響く)
 
?「まだ、死にたくない?」
 
男(なんだか聴いたことあるような)
 
?「それとも、もう楽になりたい?」
 
?「答えて!! 男‼」

男(…………)
 
男(トープのこと一回もお父さんって呼ばなかったな)
 
男(幼とも、もっと一緒にいたいなぁ)
 
男(二人とも俺が死んだら悲しむかな)
 
男(二人が、悲しむのは、泣くのはヤダ!!)

男「…………たい」
 
?「…………」
 
男「……き…たい」
 
男「生きたい!!」
 
男「まだ死にたくない!!!」
 
?「そうですか」
 
?「分かりました」
 
?「やっぱり貴方に刻む事にします」
 
?「この力を」

<男、男
 
男(なんだ、うるさいな)
 
<おきて、起きてよ男!!
 
男(そんなに、叫ばなくたって)
 
男「起きるよ」
 
幼「男!」ダキツキ
 
男「!」
 

男「どどど、どうしたんだよ!!」
 
男「いきなり」
 
幼「どうしたじゃないよ!!」
 
幼「男が、死んじゃうんじゃないかって、私、私」
 
神父「男」
 
男「と、とーぷ」
 

神父「男、何で森に入った」
 
神父「私は止めたはずだぞ」
 
男「でも、幼が」
 
神父「でもじゃない!!」
 
男、幼「!」ビク!
 
神父「一歩間違えばお前が死んでいたかもしれないんだぞ!!」
 

男「そういえば、あれ?」
 
男「腕がある?」ブランブラン
 
神父「聞いているのか!!!」
 
男「ご、ごめんなさい!」
 
神父「くぅ」ダキ
 
男、幼「!」ビク!
 
神父「…………無事で、お前が無事でよかった」
 
男「…………」

神父「本当に、本当に良かった」

男「…………」

男「ご、ごめん心配かけて」
 
神父「もういい、とりあえず待ちに戻ろう」
 
男、幼「うん!」
 

用兵a「これ、どうなってるんだ?」
 
用兵b「俺に聞かれても」
 
用兵a「だってよ、これどう見たって可笑しいだろ?」
 
用兵a「魔物の腹に木が食い込んでやがるなんて」
 
用兵b「こっちは抉れてるぞ」
 
用兵a「とりあえず、死体の回収だ急げ」
 
用兵b「おうよ」

この時はまだ、俺はおれ自身に刻まれた物がなんなのか分かっていなかった
 
もしもっと早く分かっていれば
 
もっと早くに俺が化け物だと気がついていれば
 
…………あんな事にはならなかったのに

見てるから続けちくり�・

三年後
 
男「幼!」
 
幼「男、待ってよ~」
 
男「早くしろよ」
 
幼「男は異常だよ」
 
幼「普通、こんなに歩いたら疲れてちょっとは休憩したくなるもんだよ?」
 
幼「それなのに」

男「俺体力ついたのかな?」
 
幼「体力とかそんな問題じゃ絶対ない」
 
男「そんなことよりも」

男「早く帰ろうぜ、神父が待ってるよ」
 
 幼「男さ」
 
男「ん? 何?」
 
幼「最近さお父さんのことトープっ呼ばなくなったよね?」
 
男「」

幼「何で?」キョトン
 
男「あ、あれは俺の黒歴史だ」
 
男「出来ればもう触れないでくれ」
 
幼「まあ、そんなに嫌ならもう言わないけど」
 
男「よしこの山越えたら町に着くぞ」
 
幼「ねえ、なんか騒がしくない?」
 
男「なんか建物が燃えてるな?」
 
男、幼「火事だ!!!」


 
男「おーい、大丈夫か!!」
 
幼「誰かー!」
 
男「みんなどこに行ったんだ?」
 
幼「教会行ってみようよ!!」
 
男「そうだな「まだ残ってるぞ!!」」
 
男「…………」
 
幼「…………」

男「…………」
 
幼「…………」
 
男「俺、このパターン一回経験した事あるわ」
 
女「私も」
 
魔人「おい、そこの人間」
 
男「なんだ?」
 
魔人「なんだだぁ?」
 
魔人「なんだじゃねーよ」
 
魔人「町民は全員、広場に集まれと言っただろ!!」

男「初耳なんですけど」
 
魔人「なめ腐りやがって」
 
男「(こうやって俺に気を逸らしておくから幼は教会に逃げろ)」
 
幼「(でも、皆広場にいるって)」
 
男「(神父は教会に結界を張ってるから、魔物には教会は見えない)」
 
男「(多分、広場に集まってる人たちも神父の魔法の産物なんだよ)」
 
男「(だから)」

魔人「くらえ! 昏睡魔法!!!」
 
男「しまった!!」バタン
 
幼「お、男!!」
 
魔人「やっと若い娘を捕まえられたぜ」
 
魔人「これで、頭にご褒美もらえるぜ」ニシシ

男「ん、うん?」
 
男「こ、こは?」
 
頭「起きたか」
 
男「おま、えは?」
 
頭「俺はな、お前が起きるのを待ってたんだよ人間」
 
頭「人間、俺はな絶望してる顔を見るのが大好きでなぁ」
 
頭「おい、あの女連れて来い」

魔人「へい、頭」
 
幼「い、いや」
 
幼「離してよ!」
 
頭「お前ら、ひん剥け」
 
魔人b「へい! 頭!」
 
魔人c「待ってました!!」
 
魔人「さあ、脱ぎ脱ぎしましょうね」

幼「い、嫌ああぁぁあ!!!」ビリビリ!
 
男「おい、やめろ!!」
 
男「幼に手を出すな!!」
 
頭「いいね、その顔だよ」
 
頭「最高に興奮してきた」
 
頭「おい、もういい」
 
頭「一気に犯す、縛れ」
 
幼「嫌、嫌々嫌ぁぁ」

 
男「やめろって言ってんだろ!! おい」
 
頭「さーて、お譲ちゃん」
 
頭「元気な子供を作りましょうね」
 
幼「や、やめて」
 
男「おい!! おい!!!!」
 
頭「さあ、さあ行くぜ!!」
 

つづきはよ

期待してるのでどうか終わらせてくれよ

頭「そう『グシャア』」
 
頭「」バタン!
 
魔人「か、頭?」
 
魔人b「頭、おい! 今何があった!」
 
魔人c「いきなりお頭の頭が酒樽になって」
 
魔人c「そのまま、首がなくなった」
 
魔人「おい、どうなってんだ『ブシュウ』」

魔人「ウギャアァァアアァ!!!」
 
魔人b「こ、今度は魔人の体に皿が」
 
魔人c「食い込んでる?」
 
魔人「おい! そこの人間!」
 
魔人「何しやがった!!」
 
男「」
 
魔人「舐めやがって」
 
魔人「ぶっ殺してやる!!」

魔人「火炎魔法!!!」メラメラ
 
魔人b「やったか?」
 
男「」
 
魔人c「む、無傷だ『グシャア』」
 
魔人c「」バタン
 
魔人「魔人c!!」
 
魔人b「お、おい、あの女を人質にするぞ!!」
 
魔人「いい考えだ」
 

魔人「女!!」
 
幼「ヒィ」ヒュン!
 
魔人b「お、女が」

魔人「き、消えた?!」
 
魔人b「くそ、どこ行きやがっ『ザクザク』」
 
魔人b「」コマギレ
 
魔人「魔人b」
 
男「」ユラユラ
 

魔人「!」
 
魔人「わ、悪かった」
 
魔人「あ、謝る! 謝るから許して『グサッ』」
 
男「」
 
魔人「」
 
男「…………」
 
男「…………」
 

男「…………」
 
男「…………」
 
男「あれ? 俺どうして」
 
男「え?」
 
魔人「」男腕に貫かれ中
 
男「な、なんだよこれ」
 
男「どうしちまったんだよ」
 
男「俺が、やったのか?」
 
男「俺が、こいつらを殺したのか」

男「俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が俺が」
 
男「あ」
 
男「アァァァァアァァアァアアアアアアァァアアア!!!」
 
男「ウッウエ‼」ゲボゲボ
 
男「俺が、ころし、たん、だ」バタン

とりあえずここまで

続きは起きてから書く

翌日村

村人「おい、あいつ」
 
男「…………」トコトコ
 
村人b「あれだろ、この間来た魔人全滅させた奴」
 
男「…………」トコトコ
 
村人「死体見たか?」
 
村人b「俺怖くて見てねぇよ」
 
村人「俺は村長の息子じゃん」
 
村人「だからさ幼に言われて大人が酒場に向かったとき同行したから見たんだよ」

村人「やベーよ」
 
村人「顔なし死体が二つに、細切れでもう原型が分からないのが一つ」
 
村人「ん、で」
 
村人「男の手が突き刺さったままのが一体」
 
村人「正直、俺吐きそうだったね」
 
村人「男のゲロくさかったし」
 
村人「あたりに血のにおいが漂ってんだぜ」

村人b「ていうかさ、どうやったら魔人をあんなに出来るんだ?」
 
村人「しらねぇけど、親父は魔法じゃねえかって」
 
村人「じゃねえと説明がつかないだろ」
 
村人b「でもさ、魔法って才能があるやつが訓練受けてやっと使えるようになるもんなんだろ?」
 
村人「ああ、王都の魔法学校かなんかで訓練受けないと使えないって話だな」
 
村人b「じゃあ、何で男は魔法が使えるんだ?」
 
村人「し、しらねぇよ」
 

村人「と、とにかくだ」
 
村人「しばらく、男には近付かないほうがいい」
 
村人「あんな化け物、いつ暴れだすか分かったもんじゃねえぜ」
 
 

男「小父さん」
 
八百屋「!」
 
八百屋「ど、どうしたんだい」
 
男「いや、野菜買いに来たんだけど」
 
八百屋「そ、そりゃそーか、わはっははは!」
 
男「あ、あの」
 
八百屋「す、好きなの持っていきな!」
 

男「でも」
 
八百屋「お金はいいから!」
 
八百屋「男くんだけ特別特別!」
 
男「じゃあ、分かったよ」
 
男「じゃあね、小父さん」
 
八百屋「お、おう」
 

八百屋「死ぬかともった!」
 
魚屋「八百屋! 大丈夫だったか!」
 
八百屋「な、なんとかな」
 
魚屋「切れさせたら俺らも細切れにされちまうんだろ?」
 
八百屋「俺まだ死にたくねえよ」
 
魚屋「まったく迷惑だよな、王都にでも行ってくれればいいのに」
 

三日後村

村娘「ん~! ふ~ん!」
 
村娘「村人君、熱々のスープすきだって言ってたし」
 
村娘「このスープ喜んでくれるかな?」
 
村娘「ここを~まがれば~そこはもう~」
 
男「!」ガツン!

村娘「あ!」バシャン!
 
男「あ、熱!!」
 
村娘「お、男さん!!」
 
村娘「す、すいませんでした!!」
 
村娘「わざとじゃないんです!!」
 
村娘「ど、ど、ど、どうか命だけは」
 
男「い、いや気にしなくていいから」
 
男「それにもう大丈夫だし」

男「ほら」ソデメクリ
 
村娘「!」
 
村娘「すいません!!すいません!!すいません!!すいません!!すいません!!」タタタタタ
 

一週間後村

dqn「男!」
 
男「なんだよ」
 
dqn「おまえ、魔法使いになったんだって」
 
dqn2「チョーうける!!」
 
男「たぶな」
 
dqn「なんだてめ~」
 
dqn2「口の利き方考えろや、この化け物!!」
 
男「!」

dqn「しってんぜ、おまえ化け物になったんだって」
 
dqn2「こいつさっき火傷が一瞬で治ってたんですよ」
 
dqn「不死身とか、うらやましいね」
 
dqn「おら!!」
 
男「グフ!」ボコ
 
dqn「言い殴り心地だわ」
 
dqn2「俺一回思いっきり人殴ってみたかったんだよなぁ!!」
 
男「ウッ」ガツン

dqn「血がでてんじゃん」
 
dqn2「化け物の血も赤いんですね!!」
 
男「…………」
 
dqn「おい、dqn2これ見ろよ」
 
dqn2「血が蒸発してる?」
 
dqn「やっべ、超化け物じゃん」
 
村長「何やっとるか!!」
 
dqn、dqn2「!」
 

村長「お前たち!! こんな事やって、どう言うつもりだ!!」
 
dqn「うっせぇな、化け物退治だよ化け物退治」
 
男「…………」
 
村長「化け物だと?」
 
dqn「だってそうだろ?」
 
dqn「俺知ってんだぜ! こいつは化け物なんだよ」
 

 
dqn「神父によ魔法ってどんなもんなのか、ガキの時に聞いたんだよ」
 
dqn「魔法が出来るのは、物を燃やしたり、傷を癒すだけだって」
 
dqn「それだって呪文を言わなきゃダメなんだって」
 
dqn「でも、みろよ!!」
 
男「!」
 
dqn「こいつは、一瞬で傷は直すし」
 
dqn「強力な魔法を使う魔族はぶっ殺すわ」
 
dqn「そんなこと出来るのはあいつらと同じ化け物だろ!!」
 
村長「おまえ、男は 男「いいです! 村長」」
 

男「もう、いいです」
 
男「自分でも分かってますから」
 
村長「しかし」
 
男「俺のこれは神父が使う魔法とは違うものだって、自分が一番良く分かってます」
 
男「俺は……」
 
 
男「化け物なんです」
 

焦らすなよ

バイト終わった

今から続き

夜教会
 
男「…………」ガサゴソ
 
神父「男」
 
男「!」ビク!
 
神父「何をやっている」
 
男「神父」
 
男「準備だよ」
 
神父「なんのだ?」
 
男「王都に行く」

神父「俺はいいとは言ってないぞ」
 
男「だから! 勝手に行くんだよ!!」
 
男「分かるだろ!! ここにもう俺の居場所はないんだよ!!」
 
神父「王都に、お前の居場所はないぞ」
 
神父「お前の力は王都でも扱いきれない」
 
神父「捕まって、実験台か何かにされるのが落ち 男「それでも!」」

男「それでも、みんなに脅えられて暮らすよりかはましだ」
 
神父「お前は、魔族を殺したと思っているのか?」
 
男「は?」
 
神父「お前は魔族を殺したと思っているのか?」
 
男「い、言ってる意味が」
 
神父「俺は、お前が魔族を殺したのではなく」
 
神父「幼を救ったのだと思っている」
 
男「!」

神父「確かに、魔族は死んだな」
 
神父「でも、それは幼を救ったからだ」
 
神父「お前は食事をするだろ?」
 
神父「それも、お前は殺してると思うのか?」
 
男「でも、それとこれとは話が」
 
神父「同じだ」
 
神父「目的のために、生きるために他を殺す」

神父「人はそうして生きている」

神父「でも、お前は自分が生きるためでなく、幼を生かすために殺した」
 
神父「その結果、この町の人も救われた」
 
神父「お前は人を救ったんだ」
 
男「…………」
 
神父「といっても、この言葉は受け譲りなんだがな」
 
男「受け譲り?」
 
神父「これを人に言うのは初めてだが」

神父「俺は昔勇者と友に魔王討伐の旅に出ていたことがある」
 
男「し、神父が!?」
 
神父「そうだ、その時勇者にさっきと同じ事を言われた」
 
神父「結局、勇者が病にかかり、俺たちの冒険は終わったが」
 
神父「あの言葉を俺は一生忘れないだろう」
 
男「…………」
 
神父「俺も、魔人を殺した」
 
神父「一人や二人じゃないぞ?」

神父「それはもう大勢だ」

神父「お前と同じだ、でもこうしてのうのうと生きている」
 
神父「お前が感じている罪の意識が間違ってるとは言わないが」
 
神父「どうだろう? もう一晩考えてみないか?」
 
男「…………」
 
神父「それでも、出て行くというのなら俺は応援するよ、お前の旅路を」
 

夜男の寝室

男「俺は殺した」
 
男「人殺し、ではないか魔人殺しだ」
 
男「命を奪った事には代わりないし、俺が化け物である事にも変わりない」
 
男「でも」
 
トントン
 
男「ん? 誰だ?」
 

幼「わ、わたし!」
 
男「幼かどうした?」
 
幼「あ、あの」
 
幼「い、一緒に寝てくれない?」
 
男「はぁ?」
 
幼「いいじゃん、男もあんなことあって、一人じゃ心細いでしょ!」
 
幼「だ、だから」

男「ま、まあいいけど」
 
幼「じゃ、じゃあお言葉に甘えて」モゾモゾ

男「…………」

幼「…………」

男「…………」

幼「…………」

男「…………」

幼「…………」

男「…………」

幼「…………」

男「…………」

幼「…………」

男「…………」

幼「…………」

幼「お、男」
 
男「ん?」
 
幼「ありがとね」
 
男「幼」
 
幼「正直、私あの時にもうだめだと思った」

幼「あんなさ、化け物にめちゃめちゃにされちゃうんだと思った」ブルブル
 
男「もう良いって! これ以上思い出さなくていいから!」ダキ!
 
幼「! ありがとう、男」
 
幼「でも、ね。 私ホントは怖くなかったんだ」
 
男「?」
 
幼「男が絶対助けてくれるって信じてたから」ニコ
 

男「…………」
 
幼「だ、だからね」
 
幼「こ、これからもね」
 
幼「男がね、私のこと」
 
幼「ずっと、ずっと守ってくれる?」
 

男「…………」
 
男「ああ」ギュウ
 
男「俺が、いつまでもお前の事守ってやる」
 
幼「約束?」
 
男「ああ、約束だ」
 
幼「よかった」ウトウト
 
男「もう、寝よう」
 
男「明日からも神父と男と幼と一緒に楽しく」

男「生きていくんだから」
 

えんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ?

真夜中

村人「おい教会が燃えてるぞ!!」
 
町娘「みんな、早く火を消さないと!!」
 
村長「男達! 早く水をもっと盛ってこんかい!!」
 
八百屋「俺らのせいか」
 
魚屋「俺らが男を邪険に扱ったから、男教会に火をつけて心中するきなんじゃ」

いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?

村長「馬鹿な事言ってるんじゃない!!」
 
dqn「俺、男を助けに言ってくる!!」
 
dqn2「いや、無理でしょこんな火の中教会に入るなんて」
 
dqn「あいつは、昔から俺に優しくしてくれたなのに」
 
dqn「怖かったんだ、信じられなかったんだ男の事を俺は!!」
 
dqn「だから!!」
 
 

男「ゲホ、ゲホゲホ」ヒュン
 
一同「!」
 
一同「男!!」
 
村長「それに幼も! 無事じゃったのか」
 
男「な、何とか」
 
男「し、神父は?」
 
村長「そうじゃ! おい! 誰か神父を見たものはおらんか!」

村人「見てねえ」
 
村娘「わ、私も」
 
八百屋、魚屋「俺等も見てねぇぜ」
 
dqn、dqn2「俺等も」
 
村長「まさか、まだなかに!」
 
男「!」ダダダダ
 
村長「待て! 男!」
 
村人「こんな、炎の中飛び込むなんて自殺行為だ!」
 

男「大丈夫だ」
 
男「俺は死なないから」
 
dqn「お、おとこ!!」
 
 

教会内
 
男「神父~! し~ん~ぷ~!」
 
男「くそ、寝室にもいねえってなるとどこに」
 
男「どこだよ、どこにいるんだよ」
 
男「神父!」
 

男の部屋
 
男「…………」

神父「」

男「…………」

男「何でだよ」
 
男「逃げるんだったら方向逆だろ?」
 
男「俺は魔法使えるんだから心配する事なかったのに」
 
男「なのに、なのに」
 
男「何で? ここに来たんだよ」
 
男「神父!」
 

神父「」
 
男「おい、起きろよ」
 
男「くそ、おきねえよ」
 
男「何でだよ、何で、何で」ポロポロ
 
男「まだ、死ぬなよ」ポロポロ
 
男「まだ、聞きたい事があるんだよ」ポロポロ
 
男「言いたい事もたくさんあるんだよ」ポロポロ
 

男「まだ、とう、さんって呼んでないのに」ポロポロ
 
男「なのに。なのに!」
 
男「くそぉ、くそぉ」
 
男「くそぉぉおぉおぉぉおぉぉおおおおおぉおぉお!!!!!」
 
 
 

その後、俺は神父の亡骸と共に外へ跳んだ
 
焼け落ちた教会、その燃え後の中心には
 
屋根の上に飾ってあった十字架が突き刺さっていた
 
まるで戦場で死んだ騎士の墓のように

十字架に触れると、燃えるような痛みがはしった
 
その痛みも焼けども一瞬で直っていく
 
そして、俺は現実ってやつをおもいしらされた
 
自分が化け物であること
 
そして、もう
 



俺の居場所は無くなった

今日はここまで‼

続きはまた明日

乙、乙

七年後王宮
 
男「で? あんたは結局俺に何をして欲しいわけ?」
 
家臣「貴様! いい加減にしろ!」
 
家臣「貴様は誰に口を聞いているのだ!!」
 
男「は? 見てわかんぇのか、あんた?」
 
男「ここには、俺の他にはあんたと俺の相棒」
 
男「それに」
 

男「そこに偉そうに座ってらっしゃる『王様』しかいねぇだろ?」
 
家臣「だから! お前はこの国の王に向かってなんと言う口の聞き方をしているのだ!!」
 
王「よいよい、家臣よ」
 
家臣「で、ですが王」
 
王「もう、そなたは下がれ」
 
家臣「お、王!」
 
王「二度は言わんぞ」
 
家臣「か、かしこまりました」ギロッ

男「こわっ」ニタニタ

男「しかし、結局誰が王様になってもかわらねぇな」
 
男「『国』ってやつは」
 
王「そんなこと言わないでくれよ男」
 
王「僕だってそれなりに頑張っているんだぜ?」
 
男「その頑張りが足りないって言ってんだよ」
 
男「結局、貧しいやつは苦労するし」
 
男「貴族どもは腐ってやがる」
 
王「確かにな」

男「こんな事ならいっそこの国を滅ぼしてみるか?」
 
王「か、勘弁してくれ! 男!」
 
男「冗談だよ、冗談」
 
王「男が言うと冗談にならない」
 
男「なあ、いい加減本題に入ってくれないか?」
 
王「僕としても早くそうしたかったところだ」
 
王「男、勇者になる気はな 男「無いな」いか?」

王「断るの早いよ~」
 
男「お前、俺に死んで来いって言ってんのか?」ギロッ
 
王「そ、そんなこと」ビクビク!
 
王「…………いや、そうかもな」
 
王「実際、今まで魔王討伐に言って帰ってきたものはいない訳だし」
 
王「お前に自殺しろと、言っているようなものだな」
 
男「そうとわかっていて」
 
男「俺に勇者になれと言ってるんだな?」
 
王「あぁ」
 
男「…………」
 
王「…………」

男「…………」
 
王「…………」
 
男「…………」
 
王「…………」
 
男「…………」
 
王「…………」
 
男「分かったよ」
 
王「本当か!」
 
男「代わりに報酬はたんまり貰うぞ」
 
男「この国が財政破綻するぐらい頂くからな?」

王「なんだかんだ言っても、男は引き受けてくれると信じていたよ」
 
男「お前は俺のことを信用しすぎだ」
 
男「俺は化け物だぜ?」
 
王「今は勇者だ」
 
男「…………」
 
王「だろ?」
 
男「お前は俺を信用しすぎてる」
 
王「それはもう、僕は男の事をそれこそ自分自身より信頼してるさ」

王「なんせ、僕の命の恩人だからね」
 
男「大げさなんだよ、ただ通りかかっただけだろ」
 
王「通りかかって、ドラゴンを討伐したんだよな男は」
 
男「いい加減にしてくれ、もう」
 
王「旅の資金はこちらで用意する」
 
男「当然だな」
 
王「それともう一つ、こちらで用意したものがあるんだけど」

男「なんだよ」
 
王「実はね、議員たちに男を勇者に任命するといったときに、反対意見が少しばかし出てしまって」
 
男「だから?」
 
王「一人、お前たちの旅路に監視役が着く事となった」
 
男「それは、俺に言っていいことなのか?」
 
王「議員たちはあくまで極秘にスパイとしてと言っていたのだが」
 
王「どうせ男にはすぐにばれてしまうしな」

男「まあな」
 
王「なら、最初っから言っとくかみたいな?」
 
男「この国の将来が本格的に心配になってきた」
 
王「将来より今のほうが心配だよ僕は」
 
男「そんなにヤバイのか?」
 
王「魔王が生み出した魔獣が半端無いらしくてな」
 
王「この間も一国滅びたそうだ」
 

男「それじゃあ急ぐとするか」クルリ
 
王「男」
 
男「ん?」

王「さっき、と言うかいつも言うよね」
 
王「男は人の道から外れてしまっている」
 
男「まあな」
 
王「そう男は言うけど」
 
王「それでも僕は、男ことを一番の友だと思っているよ」
 
男「そりゃどうも」スタスタ
 
バタン

シーン

王「…………男」
 
王「俺は、お前が化け物だなんて思ったことは無いよ」
 
王「誰よりも、男を化け物だと思っているのは」
 
王「男自身だろ?」

これからバイトだから

続きは帰って来てから書きます

乙( ´∀`)

バイト終わった!

今から書く!!

よしこい!( ´∀`)

王都
 
男「な~幼?」

男「お前、なんで一言も話さなかったんだよ?」
 
幼「む、むりだよ!」
 
幼「だって、王様だよ!」
 
幼「この国で一番偉い人なんだよ!!!」
 
幼「男がタメ語で話してるの聞いてたらもう、冷や汗だらだらで」
 
幼「喋る余裕なんて無かったよ!!」

男「まえは結構仲よさそうに話してたじゃないか」
 
幼「あれはまだ王様だなんて知らなかったし」
 
男「てかさ、いいのか?」
 
幼「ん? 何が?」
 
男「お前、着いてくる気なんだろ?」
 
男「魔王を倒す勇者の旅」
 
幼「もちろん!」
 
男「いやさ、今回ばかりはマジで死ぬぜ?」
 
男「お前は俺と違って不死身じゃないんだから」
 

幼「男だって本当の意味で不死身じゃないでしょ
 
男「まあ、そうだけどよ」
 
幼「そ~れ~にっ」ダキツキ
 
幼「私死なないよ?」
 
幼「だって、男は私のことずっと守ってくれるんでしょ?」
 
男「」ポカーン
 
幼「忘れちゃった?」
 
男「…………忘れるかよ」ギュウ

男「いいぜ、一生俺がお前の事守ってやる シスター「公衆の面前で堂々といちゃつくのやめてもらえますか?」」
 
男、幼「!」
 
男「だ、だれだ!」
 
シスター「申し送れました、私はシスターっと申します」
 
シスター「まあ、見ての通り修道女でございます」
 
シスター「得意魔法は回復系」
 
シスター「まあ、洋風僧侶と思ってもらって結構です」ペコリ

男「そ、そうか」
 
男「で、その洋風僧侶さんが俺たちに何のようだ?」
 
シスター「王様から伺っていませんか?」
 
男「王から、ってまさか」
 
シスター「そのまさかです」
 
シスター「王国代表としてこのたび勇者様同行させていただく事になりました」
 
男「てっきり、暗くてむさい男が来ると思ってたよ」
 

シスター「私は勇者様の意外な風貌に驚きを隠せません」
 
男「意外?」
 
シスター「えぇ、話で聞いた印象とまったく違って驚きです」
 
男「俺はどんな言われ方をしているんだ」
 
シスター「こんな公衆の面前ではとても口には出来ない言われようです」
 
男「そうか」
 

男「とにかく、シスター」

男「準備を済ませたら王都を出るから」
 
男「三日で準備済ませろよ?」
 
シスター「かしこまりました」
 
幼「うん!」

男「…………幼」

男「お前は準備俺に押し付けるだろ」

眠い!

続きは明日‼

otu!

まってるぜ

いいね

三日後国境
 
シスター「しかし」

シスター「本当に便利ですねテレポートと言うのは」ヒュン
 
男「見えてるところならいくらでも跳べるしなっと」ヒュン
 
シスター「言った事のある場所にも跳べるのでしょう?」ヒュン
 
幼「どうよ! これが男のクオリティーだよ!!」ヒュン
 
シスター「流石勇者様」
 
シスター「固有魔法が常人とは比べ物になりませんね?」
 
男「固有魔法?」
 
シスター「固有魔法の意味をご存じないのですか?」

男「あ~、俺は感覚はだから」
 
幼「無駄な事を覚えることは無いってお師匠様が教えなかったんだよね~」
 
男「固有魔法って結局なんだ?」
 
幼「固有魔法って言うのはね」
 
幼「そのままの意味だよ!」
 
男「…………説明になってねぇよ」

シスター「固有魔法はその名の通り一個人が魂と呼ばれる物に持つ魔法の事ですよ」
 
シスター「特徴として、魔法名を発さなくても魔法が発動するという点があります」
 
シスター「残念な事に、人はまだ言葉以外で世界に理に干渉する術を持っていませんので」
 
男「世界の理か」
 
シスター「逆に魔法名を発するものを汎用魔法と言います」
 
シスター「といっても、声を発するだけでは魔法が使えるなら苦労しませんが」
 
男「なるほどな」
 

シスター「改めて、男さんのテレポートは固有魔法なのでしょ?」
 
男「そうとも言えるかな」
 
シスター「そうとも言えるとは?」
 
男「見てな」ヒュン
 
シスター「いきなり剣が現れました」ビックリデス
 
男「その割には無表情のままだな」
 
シスター「驚きすぎて逆に驚けませんでした」
 
男「俺の力は空間制御とでも言えばいいのかな?」
 
男「これは別空間から剣を持ってきた」
 
男「テレポートは空間移動ってことだ」
 
男(まあ、嘘だけど)
 
男(今のところまだ、こいつがどんな奴かわからねぇし)

男(こいつの上のやつが何を企んでるかもわからないし)
 
男(下手に、手の内を明かすわけにはいかない)
 

男(そもそも、俺の魔法の正体を知っているのは今のところ幼と王だけだからな)
 
男「用心に越した事はないてことよ」ヒュン
 
シスター「何か仰いましたか?」
 
男「いいや、何にも」
 
シスター「そうですか」
 
シスター「しかし、こんなにも幾度と無くいきなり変わる景色を見させられると」
 
シスター「流石に少し気持ちが悪くなりますね」
 
幼「街が見えるよ! 男!」
 
男「じゃあ、あそこで休憩するか」
 
 

一週間後
 
男「流石にちょっと毎日毎日跳んでたらこうなるのか」オンブ
 
シスター「もうしわけございません」グロッキー
 
シスター「私が軟弱なばっかりに」ヘロヘロ
 
男「いいや、俺も考えなしにテレポートしすぎたよ」
 
男「かなりの速度で旅してるんだ」
 
男「ここらで二、三日休憩しても罰はあたらねぇよ」
 

幼「ねえねえ!! 男!!」
 
幼「どこの宿に泊まる!!」
 
シスター「お二人は疲れないのですか、特に男さん」
 
男、幼「「全然」」
 
シスター「信じられない、毎日毎日あんなに連続で固有魔法使ってるのに」
 
シスター「普通だったら死んでますよ、魔力枯渇で」
 
男「俺、いくら魔法使っても全然疲れないんだよな」
 
幼「底なし魔力だね!!!」

男「お前今日テンション高いな」
 
幼「久しぶりの、大都市だからね!!!」
 
幼「一杯、美味しいも食べるんだよ!!!」
 
男「まあ、勝手に宿は決めてくれ」
 
幼「じゃあ! あそこ!」
 
男「…………すげーぼろく見えるのは俺の錯覚か?」
 
幼「趣があるよね!!!」
 
男「どうでもいいや、別に何処でも寝れるし。俺」
 
シスター「私も横になれるなら何処でもいいです」
 
幼「じゃあ、決定!」

明日から期末試験だけど関係ねぇ‼

これから続きを書き溜めるぜ‼

支援するぜ。
心の友よ。

俺もですよ、君と同じ学校かもね

戦士「いやあ、久しぶりのお客様でテンション上がってしまって」
 
戦士「どうも、すいません」
 
男「いいよ、別に俺は気にしてない」
 
男「謝るなら、あいつに頼む」
 
シスター「」ズーン
 
戦士「大変もうしわけございませんでした!」
 
シスター「」デロン
 
男「あま、とにかく」
 
男「三人なんだが、今日泊まれるか?」
 
戦士「もちろんです」
 
戦士「お~い、母ちゃんお客様だよ!!」
 
<はいよ~

宿母「いらっしゃいませ、ようこそおいでくださいました」
 
幼「こちらこそ! よろしくお願いします!」
 
宿母「お部屋にご案内いたしますね」
 
幼「はーい」テトテト
 
男「…………」
 
シスター「…………」
 
戦士「どうなさったんです?」
 
男「いや、何か視線を感じてな」
 
シスター「えぇ。悪意のある視線では無いようですが」
 

男「多分ここか」ヨイショット
 
少女「」ブルブル
 
シスター「ちっちゃい女の子ですね」
 
戦士「妹!」
 
宿妹「お、お兄ちゃん!」ビクビク!
 
男「なんだ、お前の妹か」
 
男「脅えさせて悪かったな」
 
宿妹「あ、あなたちは悪い人?」ビクビク!

 
男「悪い人?」

宿妹「いつも、お母さんとお兄ちゃんをいじめてる人の仲間?」
 
男「またその話か」
 
男「はぁ、さっきもこのお兄ちゃんに言ったんだが」
 
男「俺たち、お客さんだ!」
 
宿妹「お客さん?」
 
男「そう、きちんとお金を払ってご飯を食べさせてもらうんだ」
 
宿妹「お母さん殴らない?」
 
男「殴らないよ」
 
宿妹「お兄ちゃん叩かない?」
 
男「叩かないよ」
 

宿妹「…………」ジー
 
男「…………」
 
宿妹「…………貴方はいい人」
 
男「よりゃ、なんたって勇者だからな」
 
男「お前さんも綺麗な眼してるし、将来は超美人になるな」
 
男「お兄ちゃんと違っていきなり切りかかってこないところがナイスだ」
 
戦士「いや~すいませんでした」
 
戦士「さっきも言いましたが、てっきり王宮の奴等かと思いまして」
 
男「隣国がこんな事になってるなんて知らなかったよ」
 

戦士「いや、前は普通にいい国だったんですけど」
 
戦士「王がお亡くなりになって息子様が王になったのですが」
 
戦士「なにぶん幼すぎて、大臣どもの言いなりで」
 
男「まあ、いいや」
 
シスター「一応、ご挨拶には行ったほうが良いのではないですか」
 
シスター「勇者なのですし」
 
男「明日でいいだろ」
 
男「今日は俺も休みたい」
 
幼「ねえ、皆!皆! 聞いてよ!!」
 
幼「ヤバよ!!」

男「何がやばいんだ?」
 
幼「今ね、宿母さんとお料理してたんだけど」
 
幼「料理、超美味しいの! まだ完成してないのにこの美味さ、半端ないね!!」
 
男「そうかそうか、それは良かったな」
 
男「じゃあ、宿母さんにまかせっきりなのも悪いから俺等も手伝うか」
 

夜宿
 
男「まだ起きてたんだな」
 
戦士「…………男さん」
 
男「俺にももらえるか?」
 
戦士「これ結構きつめの酒ですけど大丈夫ですか?」
 
男「俺は絶対に酔わないから大丈夫だ」
 
戦士「流石は勇者様って事ですか」

一時間後
 
男「…………」グビグビ
 
戦士「ホントに酔わないんですね、もう十本目ですよ」
 
男「ちゃんと金は払う、気にするな」
 
戦士「そんな心配はしてませんよ」
 
男「そうかよ」
 
男「…………」グビグビ
 
戦士「…………」チビチビ

男「…………」グビグビ
 
戦士「…………」チビチビ
 
男「…………」グビグビ
 
戦士「…………」チビチビ
 
男「何か話せよ」
 
戦士「何か、ですか?」
 
男「話したそうな顔してるからな」
 
戦士「そんな顔してますか」

男「なんか悩んでてそれを吐き出したいと思ってる顔だな」

戦士「まあ、大した事じゃないんですよ」

戦士「俺は見ての通り、元戦士なんですけど」
 
戦士「親父がいきなり死にまして、まあここを継ぐことになったんですね」
 
戦士「それは別に良かったんですけど」
 
戦士「元戦士なのに、俺は結局何にも守れないんですよ」
 
男「…………」
 
戦士「力だけじゃダメなんだなぁって思ってたところだったんですよ」
 
戦士「まぁ、こんな、こと、はなしたところで」zzz
 
戦士「しょうが、ない」バタン
 
戦士「」グガ~ zzz

男「…………」

戦士「…………男さんは…………いいな」zzz
 
男「…………」
 
男「…………」
 
男「そんなことねぇよ」

男「俺は化け物だ」

男「致命傷を負えない」

男「空腹を感じれない」

男「泥酔出来ない」

男「過度な性欲にかられない」

男「睡魔に襲われない」

男「人間として当たり前のそれを感じられない身体の」

男「どこが羨ましいんだよ」

次の日王宮

男「王宮にくるの昼過ぎになっちまったからかな」

シスター「男がもたもたしていましたからね」

男「まさかの待遇だな」
 
シスター「はい、私もまさかこんなにも熱烈な歓迎を受けるとは思わなかった」
 
男「幼つれてこなくて良かった」
 
シスター「はい、連れてこなくて正解でした」
 
騎士「お前たち、もっときびきび歩け」
 
男「分かってるよ」
 
シスター「絶対、勇者一行が受ける待遇じゃないですよこれ」
 
男「何考えてるんだ、この国のやつは」

シスター「魔王は恐ろしいですからね」
 
シスター「出来れば有事のときに対応できる人材を蓄えておきたいのでしょう」
 
男「こんなことされて、何かあったときに助けてもらえると思ってんのがまずおかしい」
 
シスター「そこらへんはあれじゃないですか?」
 
男「あれ?」
 
シスター「逆らえば私の命は無いぞ、どうのこうのてきな?」
 
騎士「お前ら、ここに入れ」
 

王宮牢獄

男「まさかな」
 
シスター「こんなにも部屋が余ってるのに」
 
男「牢獄を部屋と呼ぶのはどうかと思うが」
 
シスター「まさか、男と同じ部屋に押し込まれるとは」
 
男「いざとなったらテレポートすればいいんだし」
 
シスター「そうですね~」
 
男「とりあえず、俺は寝る」
 
シスター「もうですか、宿でも爆睡してたでしょう」
 
男「寝れるときに寝とくのが健康の秘訣だ! 覚えとけ」

シスター「そうですか」
 
男「と言うわけで俺は寝る」
 
男「」zzz
 
シスター「よく、石畳で寝れますね」
 
男「」zzz
 
シスター「ふーむ、やっぱり司教様から聞いたような方では無いようですし」
 
男「」zzz
 
シスター「そもそも、男の人と一緒の部屋、まあ牢獄ですが」
 
シスター「寝泊りするのは初めてです」
 
男「」zzz
 
シスター「まぁ、深い意味は無いのですが」
 

明日もテストなのでもう寝ます‼

続きは帰って来てから書きます

おやすみなさい

おつ 楽しみに待ってます

>>137>>141の間抜けてない?

この男、魔法科高校の劣等生の

司波達也に似てるなと思ったのは俺だけ?



>>158
どう考えても抜けてるな…

…………やっちまったぜ

次の日真夜中監獄
 
男「う~ん」
 
男「よく寝たぜ」
 
シスター「それは何よりです、というかまだ3時過ぎなのですが」
 
男「早起きしたぜ!」
 
シスター「早起きって言うレベルですかねぇ」
 
男「早起きすると三文得するんだぜ?」
 
シスター「知ってらしゃいますか?」
 
シスター「早起きは三文の得と言う言葉は実は」
 
シスター「早起きすると三文損をしなくてすむよ、って意味らしいですよ」
 
男「マジか」
 
男「初耳だぜ」
 

シスター「まぁ、高々三文なんですけどね」
 
男「三文かどうかはわからねぇけど」
 
男「損はしなったみたいだな」
 
シスター「?」

男「さーん」

男「にー」

男「いーち」
 
男「どーん」
 
ズドォォォォォォォォオオオオォォォン!!!
 
シスター「な、なんですか」
 
男「多分な、空からでかいなんかが降ってきた」
 
シスター「でかいなんか?」

ザワザワ
 
騎士「勇者さま、大変です」
 
騎士2「突然魔獣が現れまして」
 
騎士「町は魔獣が現れたときの衝撃で半壊してしまっています」
 
ヒュン
 
騎士2「しかも、市民国は魔物も現れたと報告を受けています」
 
騎士「どうか魔獣を退け 男「断る」てくだって、えぇ!」
 
男「おいおい、こんなこんな事しといてホントに助けてもらえると思ってんのかよ」
 
騎士「ッチ、下手に出ていればいい気になりやがって」
 
騎士「おい、一緒にいた女人質にするぞ」
 
騎士2「で、ですが」
 

騎士「ですがじゃない! 早くしろ!」
 
騎士2「いや、女がいないんです! 何処にも!」
 
騎士「な、なんだと」
 
男「自分の国は自分で守りな」

男「さて、俺も帰るから、バイビ~」ヒュン

深夜宿屋
 
幼「爆撃魔法!!」
 
戦士「くそどもが!!」
 
魔物「ギャス!!」バタン
 
幼「何とか、斃しきった」
 
男「よっと」ヒュン

男「ただいま~」
 
幼「男!」
 
男「どうしたんだ」
 
戦士「母さん! 妹!」

宿母、妹「」グッタリ
 
幼「ど、どうしよう」
 
幼「最初の地震の時に建物が崩れて」
 
幼「私、防御魔法発動したんだけど間に合わなくて」
 

戦士「おい、シスター! あんた回復魔法師なんだろ!」
 
戦士「何とかしてくれよ!! 頼むよ!!」
 
シスター「宿母さんは内臓が、宿妹さんは右腕が完全に破壊されています」
 
戦士「だからなんだよ!!」
 
シスター「回復魔法は!! あくまで自然回復力を高める魔法です!!!」
 
戦士「だ、だから、早く、してくれよ」ポロポロ
 
シスター「破壊された内臓も腕も自然治癒力ではどうしようもありません」
 
シスター「破壊されたものを直すのは再生魔法と言う魔法なのですが」

シスター「再生魔法は高位の魔法使いが十数人がかりでやっと指一本分程度の再生しかできません」
 
シスター「内臓のような複雑な器官はもちろん、腕一本なんて私一人の力ではどうしようも」
 
戦士「そ、そんな」
 
戦士「嘘だろ、なぁ」
 
シスター「…………」
 
戦士「なぁ、なぁどうにかしてくれよ、頼むよ」
 
男「いいよ」

シスター「…………」
 
戦士「…………」
 
男「…………」
 
シスター「…………」
 
戦士「…………」
 
男「…………」
 
シスター、戦士「「…………はい?」」
 
男「いや、だから何とかしてやるよ」
 
戦士「ほ、本当か!」
 
男「あぁ、その代わり」
 
男「しっかり直ったら、好きなだけ酒を飲ませろ」
 
男「もちろん、お前のおごりだぜ?」
 

戦士「いくらでも奢る、だから早く」
 
男「いや、もう直したし」
 
戦士「え?」
 
宿母、宿妹「「スゥー」」zzz
 
戦士「え?」
 
シスター「う、嘘でしょ、信じられない」
 
シスター「幻覚、じゃないでも」
 
男「ついでだ」
 
ヒュン
 
戦士「や、宿が直った」バタン
 
男「あんまり、使いたくなかったんだけどな、これ」

シスター「ま、まさか、これは」
 
シスター「事象干渉魔法!?」
 
男「…………よく知ってるな」
 
男「もう、そんな名前とっくの昔に忘れ去られたものだと思ってたぜ」
 
シスター「じゃあ、ホントに事象干渉魔法なんですね」
 
男「あぁ」
 
戦士「ちょっと待ってくれ」
 
戦士「母さんたちに一体何をしたんだ?」
 
戦士「事象ナンタラカンタラってなんなんだ?」
 
シスター「事象干渉魔法、通常魔法は物に作用します」
 
シスター「物を燃やす、物を直す、物を守る」
 
シスター「しかし、事象干渉魔法は違います」
 
シスター「そのなの通り、事象、つまりは出来事に干渉する魔法です」

シスター「古代の神々が使用していて、人間では扱えるものはいないと思っていたのですが」
 
男「ちなみに、俺が今使ったのは存在事象の改変だな」

男「どこにどの様に存在している事象に干渉した」
 
男「テレポートも刀剣生成も傷の再生も全部存在事象の改変の結果だ」
 
シスター「これまで黙っていらしたのは」
 
男「お前が信頼できる人物か見定めるため、スパイだとはもう王から聞いてたから」
 
シスター「説明していただいたと言う事は、信頼出来ると判断されたと言う事ですか?」
 
男「まぁ、戦士のお母さんたちを本気で助けたかったんだって気持ちが伝わってきたし」

男「長話してる間に魔獣が結構近づいてきたな」
 
幼「でかいね、城ぐらいあるんじゃない?」
 
シスター「我々が『城喰らい』と呼んでいるタイプの魔獣ですね」
 
男「まあ、俺の前じゃでかいのは何のメリットにもならないんだけどな」ヒュン
 
シスター「? なぜ剣を消してしまわれたのですか?」
 
男「消したんじゃないよ、テレポート」
 
シスター「何処にです?」
 
男「あいつの眉間」
 
シスター「剣一本じゃ大したダメージにはならないのでは?」
 

男「先に確認しとくけど、魔獣は魔王が生み出したんだよな?」
 
シスター「へ? あ、はい」
 
男「じゃあ遠慮はいらないか」
 
男「あたりの魔物はあらかたテレポートしたし」
 
シスター「何をしようとなさっているのですか?」

男「なるべく生き物は殺したくないからな」

男「普段は絶対使わないんだが」

男「幼」
 
幼「なに~男」
 
男「防御魔法、王都全体に張っといてくれ」
 
男「俺も一応ある程度は打ち消すけど」

幼「りょ~か~い」
 
幼「防御魔法!」
 
ピキーン!!
 
男「さーて」
 
シスター「お、男さん、何をおっぱじめる気ですか」
 
男「いや、剣をテレポートしたのは座標をしっかり認識するため」
 
男「ちょっと今から使う魔法は外れると危ないからな」
 
シスター「ちょっとだから何をする気」
 
男「消えろっと」ヒュイ
 
パヒュン


ズドォォォォォッォォォオオオオォォン
 
シスター、戦士「」
 
男「うお、流石にあの規模のもの消滅させると反動がやベーな」
 

シスター「ま、魔獣が」
 
シスター「一国の全武力を統合しても打ち滅ぼせない魔獣が」
 
戦士「腕を振り下ろしただけで」
 
幼「風がヤバイね」
 
男「局地的に真空状態になるからな」
 
幼「いやぁ、男が味方で良かったよ」
 
男「まあ、俺最強だし」
 
幼「流石は、私のボディーガードだね!!」
 

書き溜め誤字脱字チェックするからいったんここまで

同じ失敗は繰り返さないように気をつけます‼



真夜中宿
 
戦士「今日は存分に飲んでくれ」
 
男「俺は遠慮なんか絶対しないぞ? それでもいいのか?」
 
幼「私も!」
 
宿母「遠慮なんてなさらないでください」
 
宿妹「貴方達、ヒーロー」
 
男「じゃあ、お言葉に甘えて」バクバク
 
幼「おいしぃ、幸せだぁ!!」モグモグ
 
バタン
 

幼「? シスターちゃん」
 
男「どうしたんだ?」
 
幼「ちょっとね、お手洗いに行ってくる」
 
男「へいへい」
 

真夜中宿屋の一室
 
幼「シスターちゃん?」
 
シスター「幼さん」
 
シスター「どうなさったのですか?」
 
幼「ちょっとね、シスターちゃんは?」
 
シスター「私は少し考え事を」
 
幼「男のこと?」
 
シスター「…………えぇ」
 

シスター「私の役割はもう」
 
幼「知ってるよ、王様に聞いてる」
 
シスター「私は男さんのことを調べ、上の人に報告する事が仕事です」
 
シスター「その上で、私が男さんは危険だと判断したのなら」
 
シスター「殺す事も許可されています」
 
幼「そうなんだ」
 
シスター「でも、確かに男さんの力は危険です」
 
シスター「事象干渉魔法、神々の力をその魂に有しているのですから」
 
シスター「しかし」
 
幼「しかし?」

シスター「私は、男さんの力は危険だと思いますが、男さん自身はとてもいい人だと思うのです」
 
シスター「だから、今回のことは上に報告しようか迷っています」
 
シスター「…………」
 
幼「…………」
 
シスター「…………」
 
幼「…………」
 
幼「…………知ってる?」
 
シスター「何をですか?」

幼「男はね致命傷を負えないんだ」
 
シスター「負えない?」
 
幼「空腹を感じないし」
 
幼「泥酔できない」
 
幼「過度な性欲に睡魔にも教われないんだって」
 
シスター「それはすばらしい事では?」
 
シスター「ある意味常にベストコンディションを維持できると言う事 幼「男はね」」
 
幼「男はその身に、魂に魔法を宿してから体が常に一定の状態を保つようになった」
 
幼「でもね、男の魔法は」
 
幼「魂、心には何の効果も示さない」
 

幼「ねぇ、シスターちゃん分かる?」
 
幼「どんなに美味しそうな料理も本当に美味しく食べれない気持ちが」
 
幼「辛くて、辛くてどうしても現実から逃げたいのに酔えない人の気持ちが」
 
幼「どんなに綺麗なものを見ても感動しても、体はまったく反応しない人の気持ちが」
 
幼「暗くて寒い夜に一人いつも浅くしか眠れない人の気持ちが」
 
幼「体は傷つかなくても、心は磨耗していく人の気持ちが」
 
シスター「…………」
 
幼「私には分からないよ」
 
幼「それでも、私は男がいつか」
 
幼「幸せになれるって、心のそこから幸せを感じられるって」
 
幼「信じてる」

同時刻宿
 
男「お前はすげーよ」
 
戦士「俺が?」
 
男「俺は魔物なんて最初見た時はただただ逃げた」
 
男「お前は俺より勇気があるよ」
 
戦士「そんなこと無いですよ」
 
戦士「男さんには力があるじゃないですか」
 
男「力ね」
 
男「俺はさ、幼のおかげで生きていられるんだ」

戦士「幼さん?」
 
男「ホントだったら絶望で心が真っ暗になって、体は生きてても心は絶対死んでた」
 
男「そんな俺を、支えてくれたのが幼なんだ」
 
男「俺が強く見えるなら、それは全部幼のおかげってことだ」
 
戦士「…………」
 
男「お前さ、俺たちについてこないか?」
 
戦士「お、俺がですか?!」
 
男「お前の勇気は多分他の誰にも負けないものだ」
 
男「そんな男のなら俺は背中を任せたいと思える」

男「どうだ?」
 
戦士「…………せっかくのお誘いですが」
 
宿母「行っといで」
 
戦士「母さん、でも」
 
宿母「心配要らないよ、私たちなら」
 
戦士「でも、王宮の奴等が」
 
男「あぁもう来ないぞ」
 
戦士「え?」
 
男「あいつら、俺が魔獣消したの見てたらしくてな」
 
男「ついでだから、今度来たとき都民が一人でも生活に苦しんでたら」
 
男「お前ら一人残らず消してやるって言ったら、ちびりながら首カクンカクン振ってた」
 

男「もちろん、それだけじゃ安心できないだろうから」
 
男「知り合いの王様にちょっくら頼んだ」
 
男「何か、この国の王と旧知らしいからいろいろと話してたぞ」
 
戦士「いつの間に」
 
男「俺はなんせ最強の勇者だから」
 
男「それでも心配なら一日に好きなだけテレポートでここまで跳んでやってもいいしな」
 
戦士「…………」
 
戦士「そこまで、してもらったら断れないですよ」

戦士「俺の夢はいつか父を越えるような偉大な男になる事です」
 
戦士「男さんとならやれそうだ」
 
男「男でいい」
 
戦士「え?」
 
男「俺たちはもう、仲間だろ?」ニコッ

今日はここまでです

この話ももう少しでお終いです

頑張って最後まで書き切るので

よろしくお願いします‼




おつ



支援

一ヵ月後空の谷
 
シスター「大きな穴ですね」
 
男「向こう側がまったく見えないからな」
 
幼「どれだけ深いんだっけ?」
 
シスター「地上から空までの距離と同じだけあると言われています」
 
シスター「ホントかどうかは分かりませんが」
 
男「落ちたら間違えなく死ぬな」
 
幼「空から落ちるのと一緒って事だもんね」
 
男「ここを超えたら魔族領か」
 
幼「流石に男でもテレポートできない距離だよね」
 
男「地道に穴に沿ってテレポートしていくか」
 

幼「それでもかなり時間がかかるよ」
 
シスター「じゃあこうしません?」
 
シスター「私、幼さん、戦士で交代しながら男さんとテレポートする」
 
幼「? 皆で行けばいいじゃん?」
 
シスター「それでもいいのですが」
 
シスター「なるべく人数を減らしたほうが男さんの負担が減るかなと」
 
シスター「何百回とテレポートするわけですし」
 
幼「じゃあ、男一人でいいじゃん?」
 
シスター「流石に一人で黙々とテレポートは可哀想かなと思いました」
 
男「まあ、俺もちょっと寂しいかも」
 
シスター「なので、いかがでしょう?」

幼「私は男がいいならいいよ」
 
男「俺は別に何でもいいし」
 
シスター「ではまずは私と男さんで行って来ます」
 
シスター「二時間ほどで交代しますので、それまでは戦士と宿屋で待っていてください」
 
幼「りょーかい!」ヒュン
 
シスター「じゃあ、私たちも行きますか」
 
男「へいへい」ヒュン

十分後空の谷
 
男「で?」
 
シスター「で? とは?」
 
男「何か聞きたいことがあったからあんな提案したんだろ?」
 
シスター「流石は勇者、察しがいいですね」
 
シスター「何てことはありません」
 
シスター「今までの事を少し整理しようと思いまして」
 
男「整理?」
 
シスター「簡単に言えば魔王に対しての考察ですかね」
 
シスター「男さんは魔王の宣戦布告の内容をご存知ですか?」
 
男「いや、まったく」
 
シスター「『我は魔王! 人の道を外れ、世界の理を歪ませ 唯一つの『願い』を叶えるものなりー』」
 
シスター「そういって魔王は魔獣を生み出し国をいきなり滅ぼしたそうです」
 

男「魔王の風貌は?」
 
シスター「フードを深く被っていたそうなので分からないそうです」
 
シスター「でも、背丈は一般的な男性と変わらなかったといわれています」
 
男「じゃあ少なくとも巨人系の種族ではないと」
 
シスター「そうですね、そしてここで問題になってくる事が一つあります」
 
シスター「魔王の魔法です」
 
男「魔王の魔法」
 

シスター「話を聞いた限りでは魔王は魔獣を召喚、もしくは生み出す魔法を使います」
 
シスター「これが、魔王の固有魔法なのでしょうか?」
 
男「そんなの、俺に聞かれても」
 
シスター「あくまで推測としてです」
 
男「推測か」
 
男「今の段階で考えられるパターンは四つかな」
 
シスター「えぇ」

シスター「一つは魔王の固有魔法が魔獣召喚である場合」
 
シスター「そうなると、魔王の使う他の魔法の規模も見えてきます」
 
シスター「一般的に、固有魔法は汎用魔法より優れていますから」
 
男「二つ目は魔王の固有魔法は魔獣召喚ではなく他に固有魔法を持っている場合」
 
男「その場合は、魔獣召喚より強力な魔法が後に控えてる事になる」
 
シスター「三つ目は固有魔法を持っていないですね、これが一番理想的です」
 
シスター「固有魔法は誰しもがもっている者ではないですし」
 
シスター「魔獣なら男さんなら一蹴できますし」
 

男「最後は、そのどれでもない場合」
 
シスター「今の情報ではまだ判断がつきませんね」
 
男「確かにな」
 
シスター「ところで、話は変わるのですが」
 
シスター「男さんは何故二本剣を使われるのですか?」
 
男「へ?」
 
シスター「いえね、昨日の晩戦士と打ち合いしてたじゃないですか?」
 
男「お前だったのか見てたのは」
 
シスター「それで、二本剣を使っていたので何でかなと」
 
シスター「それに腰にも一本短剣をさしていますし」

シスター「しかも、これ白金でできてるじゃないですか」
 
シスター「そういえば幼さんの杖も白金でしたね」
 
シスター「二人ともセレブですねぇ」
 
男「これは形見なんだよ、父親のな」
 
シスター「そうでしたか、幼さんのも?」
 
男「そうだな、始めはいつも使ってる剣みたいな十字架だったんだけど」
 
男「魔物相手に振り回してたらある日ぽっきりいちゃってな」
 
男「直せない事も無かったんだが、せっかくだから幼と二人で分けたんだ」
 

シスター「そうですか十字架で魔物を」
 
男「剣を二本使うのはな、その…………」
 
シスター「その?」
 
男「お、俺さ、幼のことが好きなんだ」
 
シスター「まぁ知ってますが」
 
男「だからさ、二本なんだよ」
 
シスター「分けが分かりません」
 
男「剣一本じゃ、自分の身しか守れないんだ」
 
男「幼を一生守るって決めたから俺は二本目の剣を持ったんだ」
 
シスター「…………惚気るならさきに言ってください」
 

男「お前が言えって言ったんだろ?」
 
シスター「そうですが」
 
男「俺さ、ちょっとさ夢って言うか目標があるんだ」
 
シスター「目標」
 
男「あぁ、この旅が終わったら、つまり俺が魔王を倒せたら」
 
男「幼にプロポーズしようと思ってるんだ」
 
シスター「それを私に言ってどうしろと」
 
男「もし幼がオッケーしてくれたらさ、シスターさ」
 
男「結婚式のとき、司祭やってくれないか?」
 

 
シスター「私がですか?」
 
男「戦士には幼とバージンロードを歩いてもらって、王の奴も呼んで」
 
男「式は俺の故郷の教会で挙げる」
 
男「故郷にはもう、一回も戻ってないからな」
 
男「これが、俺の夢、目標だ」
 
シスター「別に、いいですけど」
 
男「本当か!」
 
シスター「まぁでも」
 
シスター「幼さんがオッケーしたらですけど」
 
男「あ」

明日もテストだからもう寝ます‼

続きは帰ってきてから‼

乙です。
テスト頑張ってください。

なんという盛大なフラグ・・・

乙(^o^)

一週間後魔族領とも言えなくも無い人間領
 
戦士「魔族か」
 
戦士「魔族って言うと俺はエルフしか見たことねぇな」
 
シスター「王宮にもエルフの魔法使いの他には獣人の戦士とかもいましたね」
 
幼「私、巨人さん見たことあるよ」
 
男「意外とシャイなんだよな」
 
シスター「ここは二百年前までは魔竜が住み着いていたらしいですね」

シスター「その後は、ここら辺は魔族と人との激戦地だったんですって」

男「何時の時代も争いが絶えない地ってことか」
 
戦士「まだ、俺かが生まれる前の話だろ」
 

男「魔族はもともと人間だったって知ってるか?」
 
戦士「ホントかよ」
 
男「まぁ、俺も聞いた話だからな」
 
幼「でも、多分ほんとだよ、あの人冗談は言うけど嘘は吐かないがもっとーでしょう」
 
男「あぁ、そうだったな」
 
戦士「ところで、魔王城にはまだ着かないのか?」
 
シスター「後、一ヶ月程度は歩かないとダメですかね」
 
戦士「疲れるわ~」

男「良いじゃねぇか、休みたくなったら何時でも待ちに戻れるんだぜ?」
 
シスター「他の勇者たちには無かった最高の利点ですよね」
 
シスター「好きなときに戻れて、好きなときに戻ってこれるの」
 
戦士「ホントだったら食料とかたんまり持って、よたよたと移動しなきゃならないんだよな」
 
シスター「私たちはその点恵まれてますよ」
 
シスター「食料が尽きたら取りに戻ればいいですし」
 
シスター「強力なモンスターが現れても瞬殺ですし」
 
シスター「どんな怪我でも瞬く間に治ります」
 
シスター「至れりつくせりです」
 

戦士「男一人で十分だろ」
 
男「俺もそう思ったんだが」
 
幼「私は男に守ってもらわなきゃいけないし」
 
シスター「私は男さんを監視しなければいけませんし」
 
男「男一人じゃ寂しいから戦士も巻き込んだ」
 
戦士「勇気がどうのこうのって嘘かよ!!」
 
男「嘘じゃねぇよ」
 
男「一パーセントはそう思ってた」
 
戦士「…………ほぼ百パーただの数合わせ」
 

 
幼「なんか、建物見えるよ、男」
 
男「ホントだ」
 
シスター「おかしいですね」
 
シスター「ここら辺には村も何も無いはずなのですが」
 
戦士「よけて行くか?」
 
男「いいよ、寄ってこう」
 
男「気になるから一応見ていかないと」


 
戦士「何も無いってか」
 
シスター「明らかに何かあった雰囲気ですね」
 
幼「焼けた家、壊された壁」
 
男「盗賊、魔物他には何がある?」
 
シスター「魔獣では無いでしょう、規模が小さすぎますし」
 
ボソボソ
 
戦士「何か聞こえね?」
 
シスター「何か?」
 
戦士「あぁ、何か幼い子供の話し声」
 
男「話し声?」
 
ボソボソ

幼「聞こえる、本当に子供っぽいね」
 
シスター「あそこの家から聞こえますね?」
 
男「行ってみるか」
 

滅びた村の家
 
男「いいか、開けるぞ?」
 
幼「いいよ」
 
キィー
 
ヒィー
 
男「子供だったな」
 
幼「ホント、でも」
 
シスター「ただの子供じゃないですね」
 
戦士「ハーフか」
 
シスター「おそらく」
 
幼「君達?」
 
ハーフエルフの双子(以下、双子)「「」」ビクッ!

幼「なんにもしないよ」
 
幼「どうしてこんなところにいるのかな?」
 
双子a「変な、人たちが来て皆逃げちゃった」
 
双子b「私たちも逃げようとしたけど怖くて隠れてた」
 
幼「変な人?」
 
双子「「フード被った変な人」」
 
幼「フードを被って、村一つ滅ぼせる人」
 
男「まさかな」

シスター「もしそうなら魔王ちっちゃ過ぎでしょ、やる事が」
 
戦士「見た感じ、死体は無かったし」
 
男「多分皆非難できたんだろ」
 
幼「それで、この子達二人だけ非難できなかったと」
 
幼「どうしよう」
 
男「どうしようって、親を探すにしたって何処に向かえばいいのかまったくわからねぇし」
 
シスター「行き先が分かれば未だしも、当ても無くただただ探し回るのは無謀でしょう」
 
男「生きてるなら、多分迎えに来るだろ」
 
戦士「流石に、一晩探してもいなかったら戻ってきますよ親なんだから」

双子「「お母さんは家にいるよ?」」
 
男「へ、なんだお母さんと一緒にいたの」
 
幼「一緒にここに隠れて立ってことね」
 
シスター「なるほど、お母様でお母様はどちらに?」
 
エルフ「「あそこ」」
 
男「隣の部屋か?」
 
エルフ「「うん」」
 
男「…………」
 
男「俺が見てくるからお前たちはこいつらを見ていてくれないか?」
 
シスター「分かりました。幼さん、皆で一緒に外で遊びましょう」
 
シスター「戦士は男と残ってください」
 

双子「「お姉ちゃんたち遊んでくれるの!」」
 
シスター「えぇ」
 
幼「いいよ、何しようか?」
 
双子a「おままごとがいい!」
 
双子b「私、お母さんやる」
 
シスター「じゃあ、外に行きましょう」
 
双子「「うん!」」

村の広場
 
幼「帰ったぞ~」
 
双子b「お帰りなさい貴方!」
 
双子a「お帰りお父さん!」
 
幼「おお、ただいまただいま」
 
幼「ぽ、ぽちもいいこにして、たか」
 
シスター「…………」
 
シスター「…………ワン」

双子a「ぽち、元気ないね?」
 
双子b「どうしたの?」
 
シスター「…………ワン! ワンワン!」
 
幼「ぷっ」クス
 
シスター「」ギロッ
 
幼「双子ちゃんたちは元気だね?」
 
双子「「うん」」
 
双子「「でもね、お母さん昨日から元気ないんだ」」
 
幼「そうなの?」
 
双子a「うん、昨日ね隠れてたときね、ぐたりしてて」
 
双子b「きょうもね、ふたりでね、おきて~って言っても起きないの」

双子a「いつもは私たちより早起きなのにね」
 
双子b「どうしてかな、つかれてるのかな?」
 
幼「…………」
 
シスター「幼さん」
 
幼「…………男は分かってたのかな」
 
シスター「だから、私たちを残したのでしょう」
 
幼「でも、こんなのって」
 
幼「あんまりだよ」ポロポロ
 
双子「「あ、お姉ちゃん泣いてるの?」」
 
双子a「どっかいたいの?」
 
双子b「いいこいいこしてあげようか?」
 
幼「ううん、いいの」
 
幼「本当にいい子だね」ギュウ
 
双子「「お、お姉ちゃん苦しいよ」」
 

同時刻ハーフエルフの家
 
男「やっぱりか」
 
戦士「マジかよ」
 
男「背中に刀傷、ここからの出血死だな」
 
戦士「何とかならないのかよ男!」
 
戦士「俺の時みたいに一瞬でさ、直せないのかよ」
 
男「無理だ、俺の力は魂、心には干渉できない」
 
男「もし仮に致命傷の刀傷を無かった事にしても」
 
男「限りなく生きてる死体になるだけ」

男「失われた魂は俺の力じゃどうしようもできない」
 
戦士「そんなのって…………ねぇよ」
 
男「美人さんだよな」
 
男「こんないい人そうな人も死ぬのか」
 
男「あんな、小さな子残してな」
 
戦士「どうしろって言うんだよ、なんて説明すれば」
 
男「ありのままを伝えるしか」
 
戦士「…………」
 
男「…………魔王」

三日後
 
男「高いだろ?」
 
双子「「凄い、凄いよ!! 男!!!」」
 
男「まあな、なんたって勇者だし」
 
幼「私のも凄いのよ、氷魔法!」
 
双子「「冷たいよ~」」
 
幼「えぇ~、おかしいな宿妹ちゃんにはうけたのに」
 
シスター「まぁ好みは人それぞれですし」
 
戦士「妹も遊び相手できて嬉しがってたし」
 
男「宿親さんには迷惑かけるな」
 
戦士「気にすんなよ、命の恩人なんだから」

戦士「母さんも、楽しそうだし」
 
男「じゃあ、そろそろ帰るぞ」
 
双子「「えぇ、もうちょっと男と遊びたい!!」」
 
男「わるいな、また明日、遊んでやるから」
 
双子「「約束だよ?」」
 
男「あぁ」
 
男「約束だ」
 

これからバイトなんで

続きは零時過ぎに

一応完成はしています

わくわく

魔王城
 
男「ここが魔城か」
 
戦士「でかいな」
 
シスター「流石に圧巻です」
 
幼「大きいね」
 
男「思ったんだけど」
 
戦士「なんだ?」
 
男「俺の力でさ、この城消しちゃわね?」

シスター「出来るのでしょうか?」
 
幼「それが出来ればだいぶ楽に ヒュン
 
シスター「幼さん!?」
 
戦士「おい、男お前テレポー ヒュン
 
男「戦士!」
 
シスター「これはどういう ヒュン
 
男「シス ヒュン

魔王の間
 
ヒュン
 
男「いって」ドスン
 
戦士「ここは?」
 
魔王「なにやら物騒な話をしていたのでな」
 
魔王「少しばかし、ショートカットさせてあげたよ」
 
シスター「ま、魔王」
 
戦士「あれが?!」
 
幼「でも」
 
フードを被り、迸る強大な魔力を放ち続ける男は
 
間違いなく俺がこれまでに出会ったどんな者達より、凄まじい
 
でも、その外見は

巨人ならば山のような背丈
 
エルフならば透き通る肌
 
獣人ならば毛や、独特の獣くささがある
 
魔人や、悪魔には角がある

魔族にはみな、人間には無い特徴がある
 
でも、目の前の男はまるで自分たちと同じ姿をしている
 
その背丈は一般の男性そのもので
 
肌の色は人と同じ
 
角は無く、尾もない
 
まるで、まるで────
 
魔王「普通の人間の様だと?」
 
男「」ビク!
 

 
魔王「そう硬くなるな」
 
魔王「お前には別に場を設けてある」
 
魔王「残りの者たちにはこれだ」
 
魔王「魔獣召喚」
 
グルゥゥゥゥゥウゥウウゥ
 
戦士「小型だけど」
 
シスター「魔力は城喰らいと変わりませんね」
 
男「は、こんな奴いちげ ヒュン
 
幼「男!」
 

魔王「彼を少し借りるぞ」ヒュン
 
戦士「男抜きで魔獣討伐か」
 
シスター「これでも、私宮廷では一、二を争う魔法使いだったんですよ」
 
幼「男が戻ってくるまでに」
 
戦士「いっちょ、魔獣退治しときますかな!!!」

 
異空間
 
男「ここは?」
 
魔王「お前と二人きりで語り合いたくてな」
 
魔王「この日のために作った異世界だ」
 
魔王「あえて、名をつけるなら」
 
魔王「事象と因果の水平線といったところか?」
 
男「俺と話だと?」
 
魔王「そう、」

男「お前と話すことなんて何もないが」
 
魔王「火魔法!」
 
男「っ! テレポート!」
 
男「あれ? テレポート!!」
 
男「テ、テレポートできないだと!」
 
男「熱っ!」

男(俺の事象干渉魔法を封じたのか?)
 
男(いや、こうして剣は維持できてるし)
 
男「刀剣生成」
 
男(剣を生み出せる)
 
男「でも、火傷は直らない」
 
男(おそらく、俺の力を弱体化させたの 魔王「違う」)
 
男「!」
 
魔王「先に言っておくが、俺は人の心が読める」
 
魔王「俺を出し抜こうとしても無駄だ」

男「そうかよ」
 
魔王「そして、俺はお前の力を封じたのではない」
 
魔王「女神の力を封じたのだ」
 
男「女神の力?」
 
魔王「ここにいる間、女神は俺たちには干渉できない」
 
男「おい、勝手に話を進めるな」
 
男「女神だ、何だとお前の言っている事は一つも分からん」
 
魔王「…………まずはそこから話さねばならんのか」
 
男「お前の話なんて一つも信用しないがな」

魔王「そういうな、俺とお前は良く似ている」
 
男「俺とお前が?」
 
魔王「そう、俺とお前は共に化け物と呼ばれ」
 
魔王「そして…………勇者となった」
 
男「お前が? 勇者だと?」
 
魔王「そう、元だかな」
 
魔王「そもそも勇者とは何か、お前は知っているのか?」
 
男「それは」
 
男「この世の悪に立ち向かっていくもの?」
 
魔王「違う」

魔王「確かに、俺の元にも何人か勇者を名乗る者が訪れた」
 
魔王「そのどれも、真の勇者ではなかった」
 
男「真の勇者?」
 
魔王「そう、真の勇者とはーーー」
 
魔王「ーーー女神によって選ばれ、世界の理に事象干渉魔法を刻まれた者のことをさす」
 
男「事象干渉魔法‼」
 
男「なるほど、だからか」
 
魔王「流石に聡いな」

魔王「もう俺の魔法の正体がなんなのか見いているのだろう?」
 
男「刀剣生成、テレポート、魔獣召喚じゃないなお前は魔獣を創造したんだ」
 
男「つまりお前の魔法も俺と同じ」
 
男「事象干渉魔法」
 
魔王「その通り!」
 
魔王「これで過去俺が勇者だったと信じてもらえたかな?」
 
男「それとこれとは話が別だけどな」
 

魔王「…………まあいい」
 
魔王「話を続けよう」
 
魔王「まあ、俺も元勇者だったわけだが」
 
魔王「当然女神によって勇者にされたのだ」
 
男「その女神ってやつがいまいち分からん」
 
魔王「女神とは簡単に言えば浄化装置だ」
 
男「浄化装置?」
 
魔王「そう、世界の理によって生み出された人の形をした浄化装置」
 
魔王「それが女神だ」
 

魔王「世界には常に均衡を保とうとする働きがある」
 
魔王「だが、時に世界の中には異分子が、歪みを生み出す存在が現れる」
 
魔王「お前のときなら俺、俺のときなら邪龍だった」
 
魔王「だが、世界の理は世界に何かを与える事は出来ても奪う事はできないのだ」
 
魔王「そのため、世界は女神を生み出し間接的にそれを排除しようとする」
 
魔王「だがな、男よ」
 
魔王「そもそも、太古の昔から女神は生み出されてきたが」
 
魔王「最初、勇者という者は存在しなかった」

男「勇者が存在しない?」
 
魔王「始めは女神に事象変換魔法を刻み」
 
魔王「その魔法とエネルギーの使用を許可し」
 
魔王「世界の莫大なエネルギーを与えた」
 
魔王「しかし、途中で一度問題が起きてしまった」
 
魔王「あまりにも、女神に力を集めすぎて魔法が暴走した」
 
魔王「そして歪みと共に大地に大穴を空けてしまった」
 
男「空の谷」
 
魔王「その通り! やはりお前は頭が切れる」

魔王「その後世界の理は、力を三つに分けた」
 
魔王「力の使用源を世界に」
 
魔王「力の使用権を女神に」
 
魔王「そして」
 
男「力の使用法を勇者にって事か」
 
魔王「まったく、俺たちからしたら迷惑な話だ」
 
魔王「最初の質問に答えるなら女神の力とは」
 
魔王「世界が持つ莫大なエネルギーと繋がる力の事だ」

魔王「今は私が持っているがな」
 
男「お前は女神と会った事があるのか?」
 
魔王「あぁ、それもかなり親しかったな」
 
男「今、女神をここに連れてくることは可能か?」
 
魔王「不可能だ」
 
男「やっぱり、お前の話はしんよ 魔王「俺が殺してしまったからな」」
 
男「何だと?」
 
魔王「女神を殺し、俺は女神の力も手に入れた」
 
魔王「元は同じものだからな、奪い取るのは簡単だったよ」
 

男「結局お前は俺に何をして欲しいんだ?」
 
魔王「お前にも、魔王になってほし 男「断る」い」
 
魔王「即答か」
 
男「あいにく、大事なやつがこの世界にいてね」
 
男「そいつと結婚するためにお前を倒さなきゃならねぇんだ」
 
魔王「お前の大切なものとはお前の幼馴染か?」
 
男「そうさ、刀剣生成!」
 
男「おら!」ブン!
 
魔王「おっと」ガキン!
 

魔王「不意打ちとは勇者らしくないな」
 
男「まあいいだろ、勇者らしくない勇者がいたって!!」
 
魔王「そうだなっ!!」
 
しばらく俺と魔王は剣を打ち合った
 
互いの剣は共に、自らの思いを形にしたもの
 
俺は十字架の双剣
 
奴は黒い大剣を振るう
 
幾度と無く純白と漆黒の影が打ち合い火花を散らすたびに
 
俺は奴の動きに違和感を覚える
 
それはまるで鏡を見ているのにどこと無く自分とは違う
 
いや、欠けている動き
 
男(これは)
 
男「おい! 魔王!!」バキン!
 
魔王「なんだ!!」ブオン!
 
男「お前、俺を舐めてるのか!!」バキンバキン!

魔王「舐めるだなんてとんでもない、むしろ俺の命を奪えるのはお前だけだと思っているよ」
 
男「ならなぜ、剣を二本使わない!!」
 
魔王「なに?」
 
男「しらばっくれるな」
 
男「お前の動きは両手に剣を持っていることを想定しているもの」
 
男「つまりお前は双剣使いということだ」
 
男「それなのに何故二本目を使わない!!」
 

魔王「…………お前は何故剣を二本使う?」
 
男「なに?」
 
魔王「お前と俺はよく似ている」
 
魔王「お前なら何故俺が剣と二本持ち、一本を捨てたか分かるだろう?」
 
男「…………」
 
魔王「余計なことは考えなくていい」
 
魔王「今はただ、お前と剣を交わしたい」
 
男「…………望むところだ! 魔王!!」
 

 
再び、剣を交わす
 
そして俺は思考を巡らせる
 
魔王は勇者とは女神によって選ばれると言った
 
そして世界から事象干渉魔法を与えられると
 
女神は勇者をどのようにして選ぶのか
 
完全なランダム、もしそうでないなら
 
そして、女神とは…………
 
男「まさか」
 
魔王「そのまさかだよ!」
 
男「また、心を読んだのか!!」
 
魔王「考え事はするなと言った筈だが」
 
魔王「お前は正直だな」

男「魔王ぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉおお!!!!」
 
魔王「勇者ぁぁあああぁあぁあぁあぁああああぁあっぁっぁぁぁあぁああ!!!」
 
女神の力を封じられているためなのか
 
いつもと違い一本剣を生成するたびに強い疲労感が襲う
 
生成した剣もいつもよりも遥に脆い
 
しかし、それは相手も同じようだ
 
俺たちは似ている
 
確かに鏡を見ているようだ
 
相手の疲労感が手に取るように分かる

そしてお互いに刀剣の生成できる限界を迎えたようで
 
お互いに最後の剣が音を立てて砕け散る
 
魔王はどうやら手刀で俺の心臓を貫こうとしている様だ
 
俺も手刀で迎え撃とうと手を動かそうとするも
 
右手が言う事を利かない
 
とうとう、肉体の限界が来たのだ
 
男(幼、すまない)
 
男(約束、守れなかった)
 
眼を瞑り、長い一瞬が終わりを告げた
 
 

男「魔王」
 
魔王「ははは、何てことだ」
 
魔王「この俺が」
 
魔王「世界を滅ぼす魔龍を斃したこの俺が」
 
魔王「最後にこんなナイフに負けるとは」
 
男「…………これは父さんの形見なんだ」
 
魔王「そうか、俺はお前の父親に殺されたのか」
 
男「違う」
 
男「父さんは俺を守ってくれたんだ」
 
男「お前を、殺したわけじゃない」
 

魔王「そうか」
 
魔王「男よ」
 
男「なんだ、魔王」
 
魔王「俺の力を受け取ってはくれないか?」
 
男「お前の力を?」
 
魔王「女神の力は無理そうだが、勇者の力なら受け渡しが出来そうなんだ」
 
男「別にいらねぇけど」
 
魔王「そういうな」
 
魔王「俺はお前に、俺たちは似ているといったな?」
 
男「あぁ、俺もそう感じたよ」
 
魔王「だけどな、男?」
 
魔王「俺はお前に俺と『同じ』になっては欲しくないんだ」

魔王「だから、頼む」
 
男「…………」
 
男「…………」
 
男「…………」
 
男「…………分かった」
 
男「ありがたく頂戴しよう」
 
魔王「ありがとう」
 
魔王「それと男」
 

男「なんだ? まだ何かあるのか?」
 
魔王「大した事ではないのだが」
 
魔王「この空間はもうすぐ俺たちを巻き込んで消滅するぞ?」
 
男「めちゃくちゃ大した事じゃないか!!」
 
男「どうすんだよ!! 俺の残りの魔力じゃ空間を越える事象干渉なんて出来ないぞ!!」
 
魔王「慌てるな」
 
魔王「俺の魔力もやろう」
 
魔王「元の空間の座標は俺の勇者の力と共に受け渡したはずだ」
 
男「あぁ、なんとなく感じるな」
 
魔王「そして、魔力をやる代わりに」
 
男「なんだ、自分も助けろって? 別に今までの罪を償うっていうなら」
 
魔王「違う」

魔王「この指輪を持っていってくれ」
 
男「お前はどれだけ俺に押し付ける気だ」
 
魔王「ダメか?」
 
男「いいよ、今更一つや二つ増えたところで、どおって事はない」
 
魔王「じゃあ、ついでに最後に一言」
 
魔王「我は魔王!」
 
魔王「人の道を外れ、世界の理を歪ませ」
 
魔王「そして!」
 
魔王「唯一つの『願い』を叶える者なり」
 
魔王「彼女の願いは男、お前にかかっている」
 
魔王「さあ、行けもうこの空間は持たんぞ」
 
男「あぁ」
 
男「じゃあな魔王」ヒュン!
 

魔王「…………」
 
魔王「…………」
 
魔王「男よ、お前は信じるべきものを見失うな」

魔王「俺はお前の願いを叶えられたのかな」
 
魔王「お前を殺して200年」
 
魔王「思えばとても長い時だった」
 
魔王「お前と同じとこへ行けるとは思っていない」
 
魔王「でも、せめて地獄から」
 
魔王「天国にいるお前の幸せを願っていいかい?」
 
魔王「   」
 
シュン
 

魔王の間
 
男「よっと」ヒュン
 
シスター「男さん!」
 
戦士「男、大丈夫か!」
 
男「大丈夫だ、魔王はもういない」
 
戦士「流石は勇者だぜ」
 
シスター「男さんなら大丈夫だと、きっと無事だと信じていました」
 
男「あぁ、サンキュウな」
 

男「なあ、シスターたち」

シスター「なんですか?」

男「悪いんだけど先に戦士のところの宿で待っててもらってもいいか?」
 
シスター「なぜ…………あぁ分かりました」
 
シスター「行きますよ戦士」
 
戦士「何でだよ、もうちょっと余韻に浸っても、俺だって魔獣相手に頑張ったのに」
 
シスター「馬に蹴られて死にますよ」
 
戦士「ちょ」ヒュン
 
シスター「成功を祈ってますよ男さん」ヒュン

男「…………」
 
幼「…………」
 
男「…………」
 
幼「…………」
 
男「…………なぁ幼」
 
幼「…………何」
 
男「俺さ、お前に言わなきゃいけないことがあるんだ」
 
幼「奇遇だね。私も、男に言わなきゃいけないことがあるんだ」
 

幼「先に言っていい?」
 
男「いいよ」
 
幼「私は」
 
幼「私は貴方を」
 
幼「男を────」
 
 
 
 
 



幼「────殺すよ」
 
 

ちょっと風呂入ってくる

クソ!じらしプレイかっ!?

   (゚д゚;)
   (=====)
 __(⌒(⌒ )
/\ ̄ ̄し ̄ ̄ ̄\
 ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄
     ||
    / \


男「…………やっぱりか」
 
幼「なんだ、知ってたの」
 
男「いや、半信半疑だった」
 
男「魔王に、元勇者の話を聞いて推測しただけ」
 
男「確証も何も無かった」
 
幼「昔から貴方は頭が切れたわね」
 
男「まぁな」
 
幼「まあ気がついているんでしょうけど、私の口から言わせてもらうわ」
 
幼「そうよ、私が『女神』よ」

男「お前が、女神」
 
幼「そう、で私は貴方を殺す」
 
男「魔王は、元勇者は、事象干渉の力は世界から見たら立派な歪みって事か」
 
幼「そう、歪みを除去するために勇者を作り」
 
幼「その歪みが除去できたなら、後々、歪みを生むであろう」
 
幼「事象干渉魔法使い、勇者こと男を始末する」
 
幼「それが、私が女神として行う最後の仕事」
 
幼「これが終われば私はやっと自由になれる」

幼「やっと、貴方なんかと一緒にいなくてすむ」

男「…………なんで」
 
幼「…………」
 
男「何で俺だったんだ!!」
 
男「俺の先祖は勇者だったのか」
 
幼「いいえ」
 
男「俺は魔族と人間のハーフだったのか」
 
幼「いいえ」
 
男「俺には、初めから、生まれたときから勇者になると決まってたのか」
 
幼「いいえ、私が選んだ」
 
幼「私のこと好きそうだったし、扱いやすそうだったからね」

幼「ついでに言うなら、あの日教会に火をつけたのは私」
 
幼「せっかく、村を出て行こうとする男の邪魔をするんだもの。あの人」
 
幼「邪魔だったから、殺しちゃった」
 
男「じゃあ、父さんが死んだのは」
 
幼「私のせいね」
 
男「俺が村のみんなに、人々に化け物と蔑まれたのも」
 
幼「私のせいね」
 
幼「正直、笑いをこらえるのが大変だったわ」
 
幼「傷つき、失いながら、その元凶の私を最後のよりどころにしてあがく貴方は」
 
幼「私の目にはあまりにも滑稽に見えたわ」

 
男「…………」
 
幼「…………ふん」火焔魔法
 
男「…………魔法名なしに魔法が使えたんだな」
 
幼「私は世界の理につながる力を持ってるの」
 
幼「その私が世界に干渉するのに言葉を必要とすると思う?」
 
幼「むしろ、私は世界そのものよ」
 
男「その力があったら救えた命がいくつもあったよな」
 
幼「他の人間なんて気にも留めてないわ」
 
幼「私は早く自由になりたかった」
 
幼「世界の理に縛られないそんな生活を」

幼「その上で、男に女神だとばれない事は必要不可欠だったの」
 
幼「私の自由のためなら、人の命なんて塵にも等しいわ」
 
男「そうか」
 
幼「どうする、私に殺されるのが嫌なら自殺でもすれば?」
 
男「…………俺は死なない」
 
男「刀剣生成」


こいつが俺をこんなめにあわせた原因だ

父さんを殺し

人々を見捨て

傷つき、あがく俺を嘲笑っていた

もう、無理だ

我慢出来ない
 
俺は生成した剣を突き立てた

彼女を守るためにとった剣を

男「死ぬのはお前だ」

グサッ
 

はよ

一ヵ月後
 
俺は一人、教会の一室にいる
 
こうして見ると意外と新鮮味があり
 
でもどこか懐かしさがある
 
もう一度ここにこれてよかった
 
なぜなら今日、俺は

王「男、もう皆集まったぞ」
 
男「そうか、ありがと」
 
大臣「おめでとう、男君」
 
男「大臣さん、良かったんですかホントに」
 
大臣「友人の晴れ舞台を祝いに来るのに王様も大臣も関係ないだろ?」
 
男「…………ありがとうございます」
 
王「待ってるから、早く来いよ男」
 
今日は俺とあいつの晴れ舞台
 
あの日、俺たちは─────

一ヶ月前魔王城前
 
グサッ
 
男「…………」
 
幼「…………」
 
男「…………」
 
幼「…………」
 
幼「…………なんで?」
 
幼「何で、刺さなかったのよ」
 
幼「なんで、あそこで剣をそらせるの、私が憎くないの!!」

男「俺さ、魔王からあるプレゼントを受け取ったんだ」
 
幼「はぁ?」
 
男「俺には出来ない、人の魂干渉する、心の声を聞く魔法」
 
幼「…………ま、まさか」
 
男「『嘘よ! 嘘! でも、ここで男に殺してもらわなきゃ私』」
 
幼「」プルプル

男「『男を選んだのは、男だったら信じられるって思ったからだよ!』」
 
幼「」プルプル
 
男「『私が女神だなんて、男を殺さなきゃいけないなんて今さっき知ったの!』」
 
幼「も、もうやめて」ポカポカ
 
男「痛い痛い、杖で叩くな、金属製なんだぞ! それ!」
 
幼「じゃあ、もうこれ以上私の心の声をさらすのは止めて!」ポカポカ
 
男「いやだ、嘘でもあんな事言われた俺の心は傷ついた」
 
男「最後、刺される瞬間『大好きだったよ、おと 幼「うわぁぁぁぁぁぁあああぁあああ!!」
 

幼「もうやめて~、恥ずかしくて死ぬ~」ポカポカポカ
 
男「まぁ、このくらいでいいか」
 
男「で?」
 
幼「でって?」
 
男「まだ、俺を殺す気か?」
 
幼「どうせ、嘘吐いてもばれちゃうんでしょ」
 
幼「私の気なんて関係ないよ、世界の理が私に男を殺させる」
 
幼「だから、私は男を殺すよ?」

幼「轢き殺すかもしれない、絞め殺すかも知れない、焼き殺すかもしれない
  刺し殺すかもしれない、毒を盛るかもしれないし、魔術で殺すかもしれない
  魔物に食わせるかも知れないし、撲殺するかもしれない」
 
幼「たとえ、そこに私の意思が無かったとしても」
 
幼「私は、私の体が男を殺す事を許せない」
 
男「俺は幼に殺されるなら本望だけど?」
 
幼「私に、男を殺せるわけ無いよ、だって」
 
幼「大好きなんだもん」
 
男「俺もだよ」
 

幼「でもね、こうしてる間も、世界の理は私に男を『殺せ、殺せ』って命令してくる」
 
幼「だからね、男」
 
幼「私を殺し 男「断る」て」
 
幼「って、えぇ!」
 
幼「話し聞いてた!?」
 
幼「このままだと、いつか男は私に殺されるんだよ?」
 
男「このままだと、そうなるかもな」
 
幼「なるかも、じゃ無くてなるの!!」
 
男「なんとかするよ」ダキ
 
幼「」!

 
男「俺が何とかする、前に言ったろ?」
 
男「俺が一生お前を守るって」
 
幼「…………」
 
幼「………じて…」
 
男「うん?」
 
幼「信じていいの?」
 
男「お前は俺を信じてくれないのか?」
 
幼「………そんなこと無いよ、私は男をこの世の誰より信じてるよ」
 
男「そうか」ギュウ
 
幼「うん」ギュウ
 
男「…………」
 
幼「…………」

男「…………」
 
幼「…………」
 
男「…………」
 
幼「…………」
 
男「なあ、幼?」
 
幼「なに?」
 
男「手、出せよ」
 
幼「手? こう?」
 
男「そうそう」ゴソゴソ
 
男「あった」

男「よっと」グイグイ
 
幼「! これって」

男「まぁ、もらい物だからな」
 
男「ホントのは、また今度用意するよ」
 
幼「これって、もしかして」
 
男「もしかしなくても婚約指輪」
 
男「結婚しよう、幼」
 
幼「うん、私、凄く嬉しい」ポロ
 
キュィィィィィィィィィン

男「な、なんだ」
 
幼「指輪が、光ってる!?」
 
男「くそ、魔王の奴。最後の最後で」
 
幼「え、何。これ魔王からのもらい物なの」
 
幼「そんな敵の総大将から貰った指輪を、私に着けたの?!」
 
男「めっちゃ綺麗な指輪だし、タイミング的にここだと思ったんだよ!!」
 
幼「ど、ど、ど、どうすんのよ!」
 
男「ヤバ、光が!!!」
 
ィィィィィン

男「…………」
 
幼「…………」
 
男「…………」
 
幼「…………」
 
男「…………あれ?」
 
幼「なんともな、えぇ!?」
 
男「どうした! なんかあったのか幼!」

幼「…………無くなった」
 
男「何がなくなったんだ!!」
 
幼「女神の力が、私の中から跡形も無く」
 
幼「世界の理からの声も聞こえないし」

男「…………まったくなんて男だよ」

男「最期の最後に勇者を出し抜くなんて」
 
男「…………ありがとよ、魔王」

一ヵ月後
 
シスター「馬子にも衣装ですね」
 
男「うるせ」
 
シスター「静かに、入ってきますよ」
 
バタン
 
双子「「私たち、フラワーガール!!」」
 
男「双子ぉ」
 
双子「「お兄ちゃん、おめでとう!!!」」
 
男「本当にありがとう、双子」ワシワシ
 
双子「「えへへ」」ニコニコ

シスター「来ましたよ」
 

戦士、幼「」テクテク

男「」
 
男(や、やべえ、幼超綺麗だ)
 
シスター「う、うん!」
 
男「は!」
 
戦士「俺はここまでだな。おめでとう男」
 
男「戦士、サンキュ!」
 
シスター「始めますよ」
 
一同シーン

シスター「幼さん」
 
幼「はい」スゥ
 
シスター「貴方は彼を夫とし、健やかなときも、病めるときも
    喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも
    これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命がある限り
     真心尽くすと誓いますか?」
 
幼「はい、誓います」
 


シスター「男さん」
 
男「はい」スゥ
 
シスター「貴方は彼女を妻とし、健やかなときも、病めるときも
    喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも
    これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命がある限り
     彼女を守ると誓いますか?」
 
男「誓います」
 
シスター「分かりました、私はお二人の結婚が成立したことをここに宣言いたします」
 
シスター「お二人が誓った制約を神が固め、祝福で満たして頂けますよう」
 

チィリィィィン、チィリンチィリン
 
男「父さん、見てるかなぁ」
 
幼「きっと、見てるよ」
 
男「そっか。そうだよな」
 
幼「うん!」
 
男「…………なぁ幼」
 
幼「…………何?」
 
男「俺さ、お前に言わなきゃいけないことがあるんだ」

幼「奇遇だね。私も、男に言わなきゃいけないことがあるんだ」
 
幼「先に言っていい?」
 
男「いいよ」
 
幼「私は」
 
幼「私は貴方を」
 
幼「男を────」
 
 
 
 
 


幼「────愛してる、世界中の誰よりも」ニコッ
 
fin

乙!
面白かったよ!

よかったわ


乙!楽しかった!

一応完結しました

蛇足かもしれませんが補足+後日談ぽいのをやるかもしれません

あとここが意味不明だとか質問がありましたらバシバシ答えます‼

では、最後のテストに行ってきます

おつ

補足って王様との出会いとか書いてくれるの?

後日談期待

乙、乙(^o^)

一応

王と男の出会い

魔王の過去

その後、ってネタは考えてあるけど

ここで終わったほうがいいかな?とも思ってる

男と幼のその後がみたい

やっぱり全部みたい

後日談まだー?

今書き溜め中

明日ぐらいには出来上がると思う

はよ

男「いやぁ、久しぶりだなお前が家に来るのも」
 
王「僕は忙しいからね。多忙なんだよ、多忙」
 
男「で、多忙なこの国の王様は教会に酒飲みに来たと」
 
王「教会なのは外身だけだろ?」
 
娘、息子「「おとーさん!」」
 
男「ん? どうした?」
 
娘「お母さんが料理できたから早くきてっていってたよ!」
 
男「そうかそうか、娘は俺を呼びに来てくれたのか、偉いな」
 

息子「僕も、呼びに着たんだよ!」
 
男「息子も偉い偉い」
 
娘「おとうさん、エルフお姉ちゃんたちも待ってるよ?」
 
男「今行くよ」
 
男「王も一緒に食べるだろ?」
 
王「あぁ、頂くよ」
 
男「飲むのは飯が終わってからだな」
 

 
二時間後
 
男「うめーな、これ!」
 
王「この国一番の名酒だからな!」
 
男「はぁあ」ウトウト
 
王「ん? どうした男」
 
男「いや、ちょっと昼間息子たちとはしゃぎ過ぎてな」
 
男「少し、疲れた」ウトウト
 
王「疲れて眠いのか?」
 
男「そ、そうだけど」ウトウト
 
王「…………そうか」
 
男「スゥ、スゥ」zzz

王「やったな」
 
王「お前はもう」
 
トントン
 
王「おっと、誰かな」
 
娘「私」
 
娘「あれ? お父さんは?」
 
王「ん? あぁ、すまないお父さんは寝てしまったよ」
 
娘「えぇ、今日は昔のお話してくれるって言ったのに」
 
王「昔の話?」
 
娘「うん、お父さんが冒険した話、してくれるって約束したのに」
 
王「じゃあ、変わりに僕がお父さんの話をしてあげよう」
 
娘「! ホント!」

王「ああ、本当さ」
 
王「なんたってお父さんの大親友だからね、色々知ってるよ」
 
娘「じゃあ、話して話して!」
 
王「さて、何から話そうか」
 
王「そうだな、じゃあ僕とお父さんが始めてあったときの話をしよう」

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