京太郎「表か裏か」咲「二分の一」【安価】 (78)


 もう何番番番番煎じなんだろう、という京太郎スレ
 以下の注意をご覧下さい

・須賀京太郎が主人公
・須賀京太郎がとある能力に目覚めます
・恋愛orヘイト有り

・この世界に中間はありません
・裏か表か、白黒ハッキリ分かれています
・全てのコンマ判定が二分の一の確率となっております

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 俺は須賀京太郎
 清澄高校に通う高校一年生だ

 部活は麻雀、実力は並以下
 だけど俺の仲間は全国大会でで優勝するほどの実力を持っている

京太郎「はぁ、いいよなぁ……みんなは」

 そして今は、その全国大会が終わって数ヶ月の時が流れた後
 俺を除く全員は今、プロが主催する麻雀の強化合宿に招かれている

 残った俺は一人、部室の掃除をしながらみんなの帰りを待っているってわけだ

京太郎「ま、仕方ないよな。俺が弱いんだから」

 実力が無いから負ける
 弱いからみんなと一緒にはいられない

 シンプルな答えだ  

 俺にはみんなと並び立つ資格なんて……

京太郎「あ、やべ。考えたら泣けてきた」

 畜生、こうなったら意地でも強くなってやる
 そうだ、来年こそ全国大会に出場出来るくらいに

京太郎「うぉっしゃ! そうと決まれば修行あるのみだ!」

 箒を投げ捨て、俺は麻雀の練習をすることに決めた
 誰もいないんだ、別にいいだろう

京太郎「でも一人って寂しいなー。誰か来てくれないかなー」チラチラ

 とは言っても、そう簡単に誰か来るわけないか


 ↓2

1 誰か来る
2 誰も来ない



京太郎「誰も来ない」ズゥーン

 寂しいなぁ、俺の青春
 畜生、誰も俺のことなんて考えてくれてないのかなぁ

京太郎「帰ろう」ポツーン

 俺は一人虚しく帰路に着いた
 
京太郎「……はぁ」スタスタ

 そしてこれが、俺にとってまさに人生を大きく分ける結果になる

京太郎「おわっ!?」ツルッ

 階段で足を滑らせ

京太郎「がっ、うげっ、んがぁっ!?」ドゴーン

 頭を打ったこの瞬間から

京太郎「ててて……ん? なんだ、あれ?」

 俺に【ある】能力が芽生えたんだ



 ~一日目~


京太郎「……おかしいな」

 昨日、階段で転んでから俺の目の前には一枚のコインが浮かんでいる
 いや、浮かんでいるというよりは……そう見えるだけ

 実際にコインは存在しないようで、手に触ることは出来ない
 オヤジやおふくろにも聞いたが、なにも見えないという

 つまり、これは俺の生み出した幻覚かまやかしの一種なんだろうな

京太郎「遂に頭がおかしくなっちまったのかな、俺」

 目の前にふわふわ浮かぶ、使い道の無いコイン
 全く、嫌になるぜ本当に



 そういえば、今日は部のみんなが帰ってくる日だったっけ
 思えば一週間近くもみんなと話していない

 今朝は咲に会えるかな
 いつもなら、ここいらで登校途中の咲と遭遇するんだけど

 チャリーン

京太郎「……ん?」

 なんだ? 俺の横でコインがクルクル回転を始めやがった?

京太郎「これは……コイントス?」

 幻覚がさらに悪化したのか?
 いや、これは……


 ↓2のコンマ

偶数 咲と遭遇
奇数 誰とも会わない
 



 チャリーン

京太郎「裏?」

 しかもそのまま止まっちゃったし
 意味がわからないぞ

京太郎「まぁいいや。適当に歩いていけば誰かに遭遇するだろう」

 テクテク

京太郎「まぁ、誰かに……」

 テクテク

京太郎「会うに」

 テクテク

京太郎「決まって……」

 テクテク

京太郎「まじかよ」

 全く誰にも会わずに学校に着いちまったぞ!?
 こんなこと有り得るのか?!

教師「ん? 何してるんだ須賀」

京太郎「あ、先生。あの、なんで今日は誰もいないんですか?」

教師「はぁ? おい、今日は何曜日だ?」

京太郎「え? 確か……」

 今日は、えーっと

京太郎「あ、なるほど。SUNDAYじゃねーの」

教師「そういうことだ」スタスタ

京太郎「あぁ、恥ずかしい……」

 変なところを先生に見られちまったな
 ……って、え?
 
 今日が日曜日?
 そんなことあるか? だって、俺は昨日部室の掃除をしたんだぞ?

 つまり、俺は昨日学校に行っている筈だ

 なのに、どうして……今日が日曜日?

京太郎「……くそ、幻覚の次は記憶障害かよ」

 まぁいいや
 せっかく休みになったんなら、家に帰って休まねぇと

京太郎「つっても、今日はオヤジもおふくろも家にいないんだよなぁ」

 あー、めんどくさい
 俺の為にご飯を作りに来てくれる、甲斐甲斐しい女の子でもいればいいんだけど

京太郎「なんてな」

 チャリーン

京太郎「え?」

 ↓2のコンマ

偶数 押しかけ女房がいる
奇数 いない



 チャリーン

京太郎「またコインか」

 でも、今度は表になりやがった
 表だと何かいいことあったりして

京太郎「あはは、無いか」

 グニョーン

京太郎「? なんだ、今のこの感じ」

 空間が歪んだような……
 まさか、そんなことがあるわけ

京太郎「疲れてるんだな、俺」

 コインのことといい、曜日のことといい……もうダメかもしれないな

 早く帰ろう
 ゆっくり休みさえすればいいんだ

京太郎「……」テクテク

 タタタタタッ

京太郎「? だれだ、あれ?」

 誰かが凄い勢いでこっちに走ってきてる
 一体誰だ?

京太郎「え? あれは!?」

↓2
好きなキャラ



菫「須賀ァー!!」ドドドドド

京太郎「え?」

 あれって、確か……白糸台の?

 キキィーッ

菫「ふぅ、ここにいたのか」

京太郎「え? あ、はい?」

菫「捜したんだぞ。全く、休みの日にどうして学校なんかに来たんだ」

京太郎「どうしてって……それはこっちのセリフですよ!」

 なんでこの人がここにいるんだ?
 というより! 俺、この人と面識あったっけ?

菫「?」

京太郎「あの、どうして弘世さん、がどうしてここに?」

菫「そ、それはだな。私が、き、君の……ことを」モジモジ

京太郎「は?」

菫「な、なんでもないっ……//」カァ

 なにこの急展開?
 ギャルゲ? ギャルゲなの? これ?

菫「とにかく早く帰ろう。手料理でも作ろう」

京太郎「ほ、本当ですか?」

菫「あぁ。君のために腕によりをかけて作りたいんだ」フフ

京太郎「(な、なにこれ!)」ドキドキ

 モテない人生マックスの俺にも春が!?
 
京太郎「(だとしたらこんなに嬉しいことは無いぞ!)」

 この人なんか知的だし
 顔は美人だし、いい匂いするし

 そして胸は――!

 チャリーン


↓2

奇数 巨乳
偶数 絶壁 with PAD



 チャリーン

京太郎「表?」

 ゴゴゴゴゴ

菫「どうした?」ボイーン

京太郎「(でか!?)」ゴクッ

 さすがに和ほどじゃないけど、これは大きい!
 美人で頭よくて、麻雀強くて胸が大きいのかよ!

京太郎「ひゃっほい!」

菫「ふふ、急に奇声を上げてどうしたんだ?」プルゥーン

京太郎「あ、いえ。つい……」

菫「後でゆっくり聞かせてもらうぞ? さぁ、帰ろう」ボインボイン

 ギュッ

京太郎「!」

菫「……は、はぐれない為、だからな」モジモジ ボイーン

京太郎「(天使や)」ジィーン

 こんなに可愛い彼女(?)がいるなんて!
 知らなかったけど嬉しい! よかった!

京太郎「俺、もう死んでもいいかも」

 チャリーン

京太郎「っておぉぉぉいい!? 待てぇぇぇ!!?」

菫「?」

京太郎「(今、コインが動きかけたよな? てことはまさか?)」

 もしや、これが俺の能力?
 この力で、俺は彼女をゲット出来たっていうのか!?

京太郎「(……ということは何か? これってコインの力ってことだよな?)」

 最初にコインが動いたのは咲と会えるかどうか
 二回目は押しかけん女房がいるかどうか
 そして三回目は巨乳かどうか

 つまり、俺はなんでも二択で結果を出せる力を!?

京太郎「(じゃ、じゃあ例えばだけど)」ゴクッ

菫「様子がおかしいぞ?」

京太郎「(俺がこの人と、そういう関係かどうかって……)」ドキドキ

 チャリーン!

京太郎「!」

 コインが回り始めた!

京太郎「(いけぇぇ!)」


↓2
偶数 ヤリまくりで孕ませ済み
奇数 童貞処女 


 チャリーン
 
 グニョーン

京太郎「は!?」
 
 な、なんだこの記憶!?
 頭の中に……いろんな記憶が!?

菫「す、須賀……いや、京太郎」モジモジ

京太郎「へ?」

菫「その、なんだ……もう安定期に入っていてな」カァァ

 ボイーン ボテーン

京太郎「あれれ~? おっかしぃぞ~? そんなにお腹大きかったっけ~?」

菫「久しぶりに、君の熱くて硬いのが……欲しいんだ」トロォーン

京太郎「え? ちょ、これマジ!? マジなんですかぁ!?」

 俺は心は童貞なんだけど!?
 いや、でも確かにこの胸の中には……

~~~

京太郎「おら! 孕め! 孕めこのメス豚!」パンパン

菫「くっ……孕むっ、おっ、おっ、おぉぉっ、んおほぉぉぉっ?!」ブシャァァ

京太郎「1滴残らず注ぎ込んでやる!!」ビュルルル

菫「んぶひぃぃぃぃっ!」ガクガク


~~~


京太郎「いやぁぁぁぁぁぁ!! ばっちり覚えがあるぅぅぅぅ!」

菫「あっ、蹴った。ふふ、この子もパパのミルクが欲しいそうだ」スリスリ

京太郎「あばばばっ」

菫「京太郎ぉ……私にはお前しかいないんだ」ムギュゥゥ

京太郎「あぁ、おっぱい柔らかいぃ……って、言ってる場合か!?」

 い、いかん! 
 どうにかして、この事態を切り抜けるんだ!
 
 だけど、二択でどうやってこの窮地を脱するんだよ!
 考えろ! 考えるんだ俺!



 責任を取る、取らない?
 でもそれはかなり仮に成功しても俺最低じゃないか!
 
 かといって無かったことにする、ってしてもなぁ
 弘世さんを失うことになるし……そもそも失敗すれば責任を取らなきゃいけなくなる

 どう転んでも俺は、俺は……

京太郎「いや、待てよ!?」

 俺たちは学生同士なんだ
 まず、親に認められているかどうかが問題だ

京太郎「(まずはそこをチェックしよう)」ウン

菫「そこにいいホテルがある……さぁ、朝まで私達を虐めてくれ」ハァハァ

京太郎「(おぉ、神よ!)」

菫「んっ、ふぅ……京太郎ぉ」チュー

京太郎「ジィィザァァァスッ!」

 ↓2

偶数 双方の両親から祝福済み
奇数 双方の両親から勘当済み



 チャリーン

 グニョーン

京太郎「俺、勘当されてたぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 帰る家失っちまったよ!! もう引き返せねぇよ!!
 どうすんだよ畜生!!!

菫「大丈夫さ、京太郎」

京太郎「え?」

菫「金なら、私が賭け麻雀で稼ぐ……だから、三人で幸せに暮らそう、な?」ギュッ

 俺ヒモだったぁぁぁぁぁ!!!
 最低のダメンズになっちまったよぉぉぉぉ!?

菫「何、ふたり分の学費を稼ぐくらいわけはないさ」

京太郎「あ、え? でも、俺も学校辞めた方が」

菫「いいんだ。京太郎が楽しくしている姿を見るのが、私の幸せなんだ」フフ

京太郎「え?」

菫「だから、ずっと私の傍にいてくれ。それだけで、私は満足するから……」チュッ

 なにこの良妻!!
 めっちゃいい人なんですけど! 俺、こんな人を孕ませて人生めちゃくちゃにしちゃったの!?

 いやぁぁぁぁぁあ!! 最低だぁぁぁぁぁ!

菫「さぁ、帰ろう。今は安アパートだが、いずれはもっと広い場所に引っ越さないとな」

京太郎「そ、そうですね。子供のことも考えないと……」

 どうする、どうすんのよ俺!!
 くそぉ、どうにかして二人とも幸せになる方法を!

京太郎「は!? 待てよ!」

 賭け麻雀で弘世さんが稼いでいるなら、俺にも同じことができないか?!
 この二択のチカラで、俺の実力を!! 変える!!

 チャリーン!

京太郎「(頼む! 神様! 俺と弘世さんを救ってくれぇぇぇ!!)」

 クルクルクル

京太郎「(これで俺がプロクラスに強くなれば! 二人に楽をさせてあげられるんだ!)」


 ↓2のコンマ

偶数 銀河最強レベル
奇数 うんこ


 チャリーン

京太郎「! 表だ!」

 グニョーン

 これは、なんだ!?
 俺の体に力がみなぎってくる……!

京太郎「おぉ……」

菫「京太郎?」

京太郎「……弘世さん、俺は」

菫「ぷっ、何を昔みたいに。今は菫でいいだろう?」クスクス

京太郎「そうでしたね。あの、菫さん」

菫「ああ。どうかしたか?」

京太郎「ちょっと、練習相手になってくれませんか?」

菫「え?」

京太郎「俺……ちょっくら、稼いでくるので」ゴゴゴゴ

 
 数ヶ月後


京太郎「天和、四暗刻、大三元、字一色」

健夜「ぐはっ!?」

京太郎「ありがとうございました」

咏「笑いがとまんねー」

はやり「まさかこんなに強いなんてねっ!」

京太郎「あはは。たまたまですよ、たまたま」

 あれから数ヶ月
 俺は地元の雀荘を全て荒らし、プロのジュニアユースに所属した
 どうやら、俺は強くなりすぎちまったらしい

 しかし、ジュニアユースで無双しすぎた為か……追放されちまった
 今では実業団にスカウトされてそっちでやっている
 こっちの方が金になるから、俺としてはそれで満足なんだけど

京太郎「それでは、家族が待っているので帰りますね」

健夜「うぅ、私より強い人がいるなんて……」

咏「こっちもびっくりだっつぅーの」

はやり「しかも若いっ!」

京太郎「あはは」

 今では子供も生まれ、学校にもほぼ通っていない
 金は稼いでいるし、問題なんてなにもない


 だけど――



京太郎「ただいま」

菫「おかえり。今日も勝ったのか?」

京太郎「はい。なんとか」

菫「ふふ、嘘を吐くな。余裕だったくせに」チュッ

京太郎「あの子は?」

菫「今はよく眠ってる。だから、たまには一緒にお風呂でも」モジモジ

京太郎「とか言って、また風呂場で二人目をせがむんでしょう?」サワッ

菫「んっ……ふふ、正解だ」ペロッ

京太郎「しょうがないですね、菫さんは」クスクス

 プロとして無敗の実力
 有り余る富と名声
 美人で器量のいい最愛の妻と、可愛いわが子

 なにもかもがうまく行っている
 だけど、俺はどうにもあの【能力】のことが忘れられないでいた

 そう、あのコインだ

京太郎「……」

 今も、俺の視界の片隅にはあのコインがある
 埃をかぶることもなく、ずっと――ずっと視界の端に有り続けるコイン

 俺は、このコインを封印してきた
 だけど――なぜだろうか

 俺は心のなかで、もう一度このコインを使いたいと思っている
 こんなにも、幸せだというのに



菫「すぅ……すぅ」

京太郎「……」

 子供を寝し付けて、隣で眠る菫さん
 幸せそうに眠っている

 だけど、それは本物の幸せなのだろうか?

 俺の力のせいで子供を妊娠して、両親から勘当されて――
 そもそも、俺のことなんて好きでもなんでもなかっただろうに

京太郎「こんなのは、まやかしだ」

 本物じゃない
 俺の能力によって作り出された幻覚なんだ

 だから

京太郎「菫さん」スッ

菫「ん……ふふ」

京太郎「愛してるよ、ずっと」ナデナデ

 だから――

 チャリーン

京太郎「もう、終わりにしよう」

 表か裏か
 
京太郎「……さぁ、回れコイン!」

 全ては――二分の一


↓2

偶数 全て元に戻る
奇数 この人生を受け入れる



 チャリーン

京太郎「表、か」

 グニョーン

京太郎「菫さん、起きて」

菫「んん……京太郎?」パチッ

京太郎「愛してました」チュッ

菫「あ、え?」

京太郎「さようなら」

 ゴゴゴゴゴ

菫「い、いや! 待って、待ってくれ京太郎!」

 これでいいんだ
 全て、俺の生み出したまやかし

 元に戻るのがいいんだ

菫「京太郎ぉぉぉぉぉぉお!!」

 パリィィィィンッ


 あれ? ここ……どこだ?

京太郎「俺の、家か」

 なんだか、長い夢を見ていたような気がする

京太郎「……だよな。俺が麻雀強いわけなんてないし、ましてや美人の嫁さんなんて」

 こんな幻想ばっかり見て、虚しいな俺
 
京太郎「ふぁぁぁ、学校の準備をしねぇと」

 まずは顔を洗って、朝飯食って……それで

京太郎「ん?」

 チャリーン

京太郎「コイン……?」

 なんで、こんなところにコインが?

京太郎「……回して、みよっかな」



 カンッ

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