小鳩「クックック……我は夜の血族の真相なり」 凸守「!」ガタッ (993)

小鳩「クックック……我が半身よ今帰ったぞ」

小鷹「えらく遅かったな。心配させるなよ」

小鳩「……あんちゃん、今日友達が家に来てもいい?」

小鷹「ああ、別に構わないけど部屋は綺麗にしとけよ」

小鳩「うん!」ダッ

小鷹「さて、友達がくるならリビングとかも掃除してジュースくらい用意しておくか」

小鷹「なんたって友達がくるんだからな。友達が……」

小鷹「友達!?」

ピンポーン

小鷹「は……、はーい」

ガチャッ

凸守「おじゃまするデス!ここはレイシス・ヴィ・フェリシティ・煌の家デスか?」

六花「凸守、気をつけて。この男の荒んだ目……邪悪に満ちている」

凸守「た、確かに、凄まじい邪気を感じるデス!」

小鷹「あのなぁ……」

六花「ぴゃっ……!」

凸守「マスターが圧されるとは……やはりただ者じゃ無いデス!」

小鳩「クックック……よく此処までたどり着いたな。闇の一族よ」

凸守「レイシス・ヴィ・フェリシティ・煌!遊びに来てやったデスよ!」

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小鷹「小鳩、おまえの言ってた友達って」

小鳩「この者はミョルニルハンマーを使いし闇の住人」

凸守「ミョルニルハンマーの使い手、凸守早苗デス!」ブンブン

小鷹「うわっ、危な……で、そっちでガタガタ震えてる内股の子は?」

凸守「震えていないデス!これはそう……武者震いデス!!」

小鷹「どっちみち震えてるんだろ」

六花「や、闇の炎に、抱かれて消えろー!」

小鷹「……はぁ。小鳩、こっちは誰なんだ?」

小鳩「…………?」

小鷹「いや、知らないのかよ」

凸守「こちらは凸守のマスターにして邪」

六花「凸守、同じ闇に生きる者には説明するよりコレを見せた方が早い」

小鷹「コレをって……眼帯取ってどうす——」

六花「爆ぜろリアル、弾けろシナプス。バニッシュメント・ディス・ワールド!!」

小鷹「……は?」

小鳩「その眼は……邪王真眼!」

小鷹「知ってるのかよ」

小鳩「では早速我の根城へ誘ってやるとしよう」

小鷹「根城って……」

凸守「おじゃまするデス!」

六花「……待って」

凸守「どうしたデスか?マスター」

六花「この扉……あまりにもセキュリティーが甘すぎる。これではいつ管理局の人間が入り込んでもおかしくない状況」

小鳩「かんりきょく……?」

六花「管理局の人間は言わば我々と敵対する組織。とても危険」

凸守「確かに……ここにはパスワードを入力するような設備が無いデスね」

小鷹「そんなもん一般家庭にあるわけないだろ?」

六花「私の家には付いている。パスワードを入力しない限り開かないシステム」

勇太「マジかよ……もしかしてそっちも?」

凸守「凸守は残念ながらパスワードでは無く指紋と声紋で開くシステムデス」

小鷹「凄いな、最近の家は……」

小鳩「あんちゃん……うちもセキュリティー……パスワードほしぃ……」

小鷹「無茶言うなよ」

小鷹「とりあえず立ち話もなんだし小鳩の部屋に行ったらどうだ」

小鳩「あっ、そうだった。では我に付いているが良い」

凸守「では今度こそおじゃまするデス」

六花「闇の気配が濃くなったか……やはりいる……!」

小鷹「なんか……類は友を呼ぶってやつだな」


小鳩「此処が我の…………そうだ!あにゃにゅいにゃいにゃい……」

凸守「……なんデスか?」

小鳩「クックック……今のは夜の血族に伝わる闇の呪文。これを唱えねば扉は開かぬ仕組みよ」

凸守「なるほど……家の入口は簡単に入れても此処で敵を足止めするのデスね」

六花「そして立ち往生した所で玄関を閉め、閉じ込めた上で撃退……なるほど」

小鳩「うっ、うむ……、その通りよ。さぁ早く、敵が来る前に」

なんで勇太がいるんだよ

凸守「では改めて紹介するデス!こちらが邪王真眼の使い手にして、凸守のマスター!」

六花「小鳥遊六花。六花と呼ぶと良い」

凸守「そして私がミョルニルハンマーの使い手、凸守デス!」

小鳩「あの……えっと、よ……よろしく、六花。凸守さん」

凸守「ううぅ……そんな呼び方されたら寒気がするデス。凸守の事は凸守、もしくは凸ちゃんと呼ぶデス!」

小鳩「じゃあ……、凸ちゃん……」

凸守「? どうして赤くなるデスか?」

凸守「それで、今日は一体何をするデスか?レイシス・ヴィ・フェリシティ・煌」

六花「この家に不可視境界線の形跡が無いか探索する許可をもらいたい。レイシス・ヴィ・フェリシティ・煌」

小鳩「ちょ、ちょっと待っ…………クックック、我は人間界では小鳩と名乗っている。正体を知られては色々と面倒なのでな」

凸守「うーん……確かに、吸血鬼の真祖がいるなんて知れたら大パニックデスね」

六花「そうなると管理局の人間も黙ってはいない……。よし、私たちも小鳩と呼ぶことにしよう」

小鳩「……うん!」

凸守「どうして嬉しそうな顔してるデスか?レイシス・ヴィ・フェリシティ・煌の方がカッコイイと思うデスよ?」

小鷹「小鳩にもようやく友達か……あーあ、小鳩に先越されたかー」

小鳩「クックック……我が半身よ、リビングで何をしている」

小鷹「そういうお前こそ、お客さんはどうしたんだ?」

小鳩「これよりこの場において戦闘訓練を行う」

小鷹「あー、ゲームするのか?」

小鳩「クックック、さすが我が半身。話が早い」

凸守「凸守は喉がかわいたデス!」

六花「何か水分を要求する」

小鷹「おおう……初対面なのに、えらくアグレッシブだな」

小鳩「では処女の生き血を振る舞うとしよう」

凸守「なんか悪魔的な感じがする飲み物デス!」

六花「処女の生き血……確かに闇に生ける我々に相応しい飲み物」

小鷹「処女の生き血って言ってもただのトマトジュースだけどな」

六花「断固オレンジジュースを要求する」

小鷹「トマトジュース持ってきたぞー」

小鳩「ご苦労」

凸守「おおー……真っ赤デス!」

小鷹「そりゃそうだろ。……で、こっちがオレンジジュースな」

六花「魔獣の卵の絞り汁を飲むなんて狂気の沙汰……」

小鷹「トマトジュースがどんどん酷い扱いに……」

小鷹「さてと、俺はこれから夕飯を作るけど、良かったら食べて行くか?」

小鳩「クックック……この者の作る料理の味は我が保障しよう」

小鷹「もちろん家に電話して許可を貰えたらだけど」

六花「その必要は無い。夕食はいつも一人で済ませている。だから連絡は不必要」

凸守「もしもし、今日は夕飯はいらないと伝えて置いてほしいデス!っと、凸守もOKデス」

小鷹「んじゃ、唐揚げでも作るか」

小鳩「やったぁー!あんちゃんの作る唐揚げは…………わ、我が半身の作る唐揚げは特に美味故楽しみにするが良い」

凸守「では唐揚げが出来るまでゲームをするデス!」

小鳩・六花「おー」

小鷹(誰も手伝うつもりは無いんだな。別に良いんだけど……)

夕飯

六花「これは……確かに美味しい。うちのプリーステスに勝とも劣らない」

小鷹「プリーステス?」

六花「一緒に住んでいるプリーステスは調理師と言う職業で身を隠している」

小鷹「マジか……そりゃ敵わないな」

六花「そんな事無い。プリーステスは管理局の使い。栄養管理にもうるさい。なので好きなものばかり食べる事は許されない」

小鷹「うちは栄養管理どころか唐揚げばっかだけど」

六花「好きな物だけを沢山食べれる方が幸せ」

小鷹「そっか。で、そっちの子は——」

凸守「もぐもぐ、ぱくぱく、ほひほほっふほひゅほほひ」

小鷹「わ、分かったから落ち着いて食べてから話してくれ」

小鳩「ほひゅひひいほ」

小鷹「小鳩も落ち着いて食えよ」

小鳩「ごちそうさまー」

凸守「目つきが悪い割に料理の腕は良かったデス!」

小鷹「えっと……褒められてるのかそれ」

凸守「うちのコックとして雇っても良いデスよ?」

小鷹「はいはい、ありがとうよ」

六花「もぐもぐ……」

小鳩「六花、まだ食べてるの……?」

凸守「マスターは膨大な魔力を維持するために、エネルギーを大量に蓄える必要があるデス!」

小鷹「余ったら明日の弁当にと思ってたけど……」

六花「もぐもぐ…………おかわり」

小鷹「こりゃ余りそうに無いな」

凸守「おっと、もうこんな時間デスか」

六花「そろそろ戻らないとプリーステスと戦う事になりかねない」

凸守「ではマスター、あの件を」

六花「分かっている。……小鳩」

小鳩「?」

六花「吸血鬼の真祖である小鳩を、ぜひ我が部に特別入部させたいと思っている」

小鳩「我が部?」

凸守「極東魔術昼寝結社の夏デス!」

小鷹「なんか名前からして怪しげな部だな……」

凸守「主に魔術や不可視境界線について研究しているのデス」

小鳩「楽しそう……でもうち違う学校やし、他に部活も入っちょるし……」

六花「問題無い。特別入部だから。それに掛け持ちは何処にでも沢山いる」

小鳩「でも……」

小鷹「良いんじゃ無いか?やってみたいんだろ」

小鳩「……うん。じゃあお礼にうちも二人を隣人部に勧誘——」

小鷹「いや、それはやめとけ」

凸守・六花「?」

小鷹「なんて言うかうちの部は本当に特殊な部活だからさ……」

凸守「特殊デスか?」

小鷹「まず部活動自体ほとんど知られてないし」

六花「謎めいた部活動……なんだか胸騒ぎがする」

小鷹「メンバーも明らかにおかしな奴だけが揃ってるし」

凸守「学校中の変わり者が集まる謎めいた部……なんだかドキドキするデス」

小鳩「そういわれると、確かにあのあほのシスターが顧問なのは恥ずかしいかも……」

六花「シスター?シスターってあの神に使える……」

凸守「我々と全てが真逆で敵対するシスターの本物デスか?」

小鳩「その通り。普段から我はシスターと毎日の様に争い戦っている」

凸守・六花「殆ど知られていない部活に集う人並み離れた部員、そして敵対する神の使いシスター…………ワクワクする!」

小鷹「うちの部をテーマパークみたいに言われても……」

凸守・六花「バクハツする!」

小鷹「なんでだよ!」

小鷹「……で、結局明日はどっちがどっちの部に行くんだ?」

小鳩「うちが極東魔術昼寝結社の夏に行くか……」

凸守「凸守たちが隣人部に行くか……」

六花「どちらにせよ戦いは避けれそうに無い」

小鷹「別に争いは起きないと思うけど……」

行き先
>>42

隣人部

星奈「ちょっと!どうして急に外で部活するとか言い出したのよ!寒いじゃない!」

夜空「黙れ肉。私は外で部活をするとは言ったが、貴様に来いとは言っていない」

星奈「うっさいわねぇ!私がいないと始まらないから仕方なくついて来てあげてるのよ!」

夜空「安心しろ。肉などいなくとも部活は始まる。むしろいるから始まる物も始まらないのだ」

小鷹「ま、まぁまぁ……」

夜空「……で?正直私もこの真冬に外で部活など、相当気が進まないのだがどういうつもりだ?」

小鷹「それがさ……なんて言うか……」

星奈「なによウジウジしちゃって。あーあ、もう寒いし帰ろうかしら」

夜空「ああ、それが良い。是非そうしろ。今すぐそうしろ」

小鷹「あっ」

小鳩「あんちゃーん!」

小鷹「待たせたなー小鳩」

星奈「やだ、なんで小鳩ちゃんがこんな寒空の下にいるのよ!?まさか空から降臨したの!?」

小鷹「実は今回の事は小鳩の頼みだったんだよ」

星奈「なによ、それなら早く言いなさいよ♪小鳩ちゃんの為なら真冬にプールにだって入れるわ!小鳩ちゅわぁーん♪」

小鳩「ひっ……」

凸守「こいつが神の使い、シスターデスか?なんと言うか……偽偽モリサマーデスか?」

六花「さっそく襲い掛かって来るとは……シュバルツシ——」

星奈「やだやだ♪なにこれ、なんなのよいったい!やっぱり小鳩ちゃんみたいな天使は天使を引き付ける力があるの?!」

小鷹「あー……中学生は逃げた方が良いぞー」

星奈「名前は?どこからきたの?凄い、肌スベスベ!やだ可愛い、どうしよう♪」

六花「は、離せ、神の使いと馴れ馴れしくするなど……、まずい、身動きが……」

小鷹「そっちかよ!」

凸守「偽偽モリサマー!マスターにほお擦りするのを止めるデス!」

星奈「偽偽……なに?」

凸守「うっ……乳デス、偽モリサマーより乳ましいデス……!」

星奈「やだ、この子も可愛いじゃない……髪をおろしてみれば……」

凸守「ち、近寄るなデス!乳は敵デス!魔物デス!!」

星奈「なになに?もしかして羨ましいのかしら?なんなら触ってみる?」

凸守「いらないデス!凸守は乳など大っ嫌いデス!!」

夜空「その通りだ。よく言った中学生。乳など脂肪の塊に過ぎん」

星奈「はいはい、どうせ羨ましいんでしょ」

夜空「この肉を見た場合、第一印象の大半が乳だ。乳は脂肪の塊、つまりこの肉は脂肪の塊なのだ」

星奈「なんでそうなるのよ!」

凸守「この人を人と思わないような言動、ゴミを見るような冷たい目、まさか夜の眷属デスか!?」

夜空「貴様は何を訳の分からん事を言っている。子供はさっさと帰って宿題でもしていろ」

凸守「この目、この目デス!これさえ手に入れれば凸守も偽モリサマーを見下しゴミをみるように……」

夜空「なにをブツブツと……」

凸守「決めたデス!凸守はしばらくこの女の弟子になるデス!」

夜空「お断りだ!まったく……いったいこいつらは何なんだ」

小鷹「それがさ……実は二人とも小鳩の友達なんだよ……」

夜空「と!?」

星奈「も!?」

理科「だ!?」

幸村「ち、ですか」

一同(先越されたぁ……)

小鳩「クックックッ……我々は長き年月を経て巡り会った友」

小鷹(小鳩、なんて嬉しそうな顔してるんだ)

六花「我々は友達などではない」

凸守「当然デス!」

小鳩「そう、我々は友達…………ちゃうの!?」

小鷹(小鳩……)

星奈(ど、どうしよう。こんな時、なんて声かければ良いのかしら……)

夜空(さすがにコレはきついな……)

小鳩「あ、あんちゃん……うち、うち……」

小鷹「な、泣くな!ほら、夜の眷属は強いんだろ?」

小鳩「ずびっ……クックックッ、我は……友達など……」

六花「我々は友達や家族など超越した関係。一心同体と言っても過言では無い」

凸守「その通りデス!」

小鳩「友達以上……一心同体……?」

小鷹「なんだかよく分からんが……良かったな、小鳩」

小鳩「クックックッ、そのような事は初めから分かっておったわ♪」

星奈「さぁさぁ♪誤解もとけたみたいだし、私の家で遊びましょ♪」

夜空「黙れ肉。なぜ貴様の家になど行かねばならんのだ」

星奈「別にあんたは来なくても良いわよ。私は小鳩ちゃんとそのお友達に言ってるのよ」

小鳩「……ぃやっ!」

星奈「あぁん、小鳩ちゃんったら相変わらずツンツンなんだから♪でもだからこそ攻略しがいがあるのよね!」

小鳩「やぁっ!」

六花「小鳩、この肉と呼ばれる女はいったい何者なのか説明をしてもらいたい」

小鳩「どんな人かって……変な人なんじゃ……」

六花「つまり我々の敵?」

星奈「敵なんかじゃないわよ?そうだ、お腹すいて無い?うちに来たら美味しいものたーっくさん食べさせてあげるわ!」

小鳩「ぃやっ!そんな言葉にだまされへんもん!」

六花「美味しいもの……」ギュルル…

小鷹(さっそく騙されてる奴が一人……)

六花「騙されている訳では無いが、我が眷属である小鳩がこれ程までに警戒する相手……少し興味がある」

星奈「でしょ?でしょ?」

六花「小鳩、一人では危険かもしれないが、私もいるから平気。いざとなったら私も戦う」グゥゥ…

小鷹「そんなにお腹鳴らしてたら説得力ないだろ……」

六花「小鷹は黙ってて」

小鷹(呼び捨てにされた……)

小鳩「六花が行きたいなら……」

星奈「キター!じゃあ決まりね!すぐに迎えの車を用意させるわ!」

夜空「私は行かん。料理に毒でも入っていたらたまらんからな」

星奈「そんな物入ってる訳無いじゃない!」

凸守「凸守はこの夜空と言う女について行くデス!」

夜空「おい、糞中学生。私は高校生だ。夜空さん、もしくは先輩だろう?」グググッ

凸守「ふへ、ふぇんふぁひ、ほめんははいフェフ!」

夜空「フンッ」

理科「理科はまだジ・エンド×ニルヴァーシュの続きが見たいので理科室に戻りますね」

幸村「兄貴……夜空の姐御達に弟子が出来ても、私は兄貴だけの舎弟です」

小鷹「ああ、ありがとうよ。星奈、じゃあ小鳩の事たのむわ」

星奈「なによ、小鷹達も来ないの?」

小鷹「小鳩が遊んでる間に家の片付けとかしたいしな。夜には迎えに行くから」

幸村「でわ私もお手伝いいたします」

星奈「そう。まっ、私はこの二人が来てくれるならそれで満足だけどねー♪」

星奈「さぁ着いたわよ!」

六花「おぉー……サファリパーク?」

小鳩「……うちもう帰りたい」

六花「怯える事は無い。私がついている。小鳩、手を」

小鳩「手?」

六花「こうすることで魔力を共有し、とてつもない力を発揮出来る。これで安心」ギュッ

小鳩「うん……クックックッ、力が沸いてくるわ」ギュッ

星奈「なになに、どうして急に手を繋いだの?うそ、やだ、超萌えるんだけど!!ステラ」

ステラ「デジカメならこちらに」

星奈「分かってるじゃない!」パシャッパシャッ

小鳩「りっかぁ……」

六花「どうやら少し痛い目を見たいようだな」

星奈「痛い目?なに、どうするつもりなの?私、どんなことされちゃうの!?」

ステラ「お嬢様、落ち着いて下さい。鼻血が」

天馬「何を玄関先で騒いでいる」

星奈「あれ?パパいたの?」

天馬「いたのとはなんだ、いたのとは。今日は暇だったからたまたま」

ステラ「私がお嬢様とお友達を迎えに行くと申しました所、仕事を放り投げて戻って参りました」

天馬「こら、ステラ!」

ステラ「しかし残念でしたね。どうやら今宵は小鷹様は来ていません」

天馬「なんだ、そうなのか?」

ステラ「そのようにあからさまにガッカリなされなくても。アッー」

天馬「確か隼人の娘と……そっちの子はうちの学生では無いようだが」

六花「私は邪王真眼の使い手、小鳥遊六花」

小鳩「そして我は夜の血族、レイシス・ヴィ・フェリシティ・煌」

天馬「……ん?まぁ良い、私は部屋に戻っ」

ステラ「お待ち下さい。ご主人様の自己紹介がまだですが」

天馬「……柏崎、天馬だ」

六花「ペガサス!?」

天馬「こ、声が大きい!」

六花「ペガサス……かっこいい!」

天馬「あまり大人をからかうんじゃ——」

六花「からかってない!ペガサスかっこいい!かっこいいよ!!」

天馬「……ステラ」

ステラ「はい」

天馬「二人とも夕飯は済ませて行くんだろう?今日の夕飯はご馳走にしなさい」

ステラ「わかりました」

夕飯

六花「おおぉ……」

小鳩「なにこれ……上からチーズが流れよる」

星奈「また随分とたくさん作ったわねー」

ステラ「ご馳走にしなさいとの命でしたので」

六花「この闇の根源の様な物は一体……」

星奈「それはキャビアって言うのよ♪そうだ、食べ方が分からなかったら私が食べさせてあげるわ!」

六花「小鳩は食べ方を知っている?」

小鳩「うぅん、聞いたことはあるけど……」

六花「なら仕方ない、星奈に任せよう」

星奈「もう、気軽にお姉ちゃんって呼んでくれれば良いのに♪」

星奈「これはね、このクラッカーに少し乗せて……あとはコレをこうして——」

六花「なるほど。こうする事で体内に取り込んだ際、膨大な魔力を発生させると言うのか」

星奈「はい、出来上がり。六花ちゃん、あーん♪」

小鳩「六花はそんなんせぇへんもん!」

六花「はむっ、もぐもぐ……」

小鳩「六花!?」

星奈「≠∞b/∴≧!!!!」←言葉にならない奇声

夕飯の支度

六花「これは初めて食べる味……凄い、力がみなぎってきた気がする!」

星奈「さぁ、次は小鳩ちゃんにも食べさせてあげるわ♪」

小鳩「ぃやっ!うちは自分でできよるもん!これをこうして……」

星奈「あっ、それだと乗せ過ぎで、それは乗せない——」

小鳩「クックックッ……我は高貴なる夜の眷属、人間の手など借りはせぬ……」パクッ

星奈「……小鳩ちゃん?」

小鳩「…………」ポロポロ

星奈「小鳩ちゃん!?お水?お水よね!?はい、これ!」

小鳩「ごくっ……ごくっ……はぁ、はぁ……」

星奈「大丈夫だった?」

小鳩「クックックッ……やはり我の口にこのような人間が食す物は合わぬわ」

六花「それは違う。ちゃんとした食べ方をすればとても美味しい」

小鳩「…………」

六花「小鳩が人間の手を借りたくないと言うなら、私が小鳩に食べさせてあげても良い」

小鳩「六花が?」

六花「私も闇の眷属。同じ闇の眷属の私からなら小鳩も安心して食べれるはず」

小鳩「……うん」

六花「これをこうして……これで良かった?」

星奈「うん、それで大丈夫よ」

六花「小鳩、あーん」

小鳩「……あーん」パクッ

六花「どう?」

小鳩「おいしい……おいしい!魔力がみなぎってくる!」

六花「良かった。もう一つ食べる?」

小鳩「うん!……あーん」

六花「まだ口を開けるには早すぎ。今から最大級の魔力を込めて作る」

小鳩「りっか、早く早く」

星奈「やだ、こんなあまえんぼの小鳩ちゃんが見れるなんて、ハァハァ……ステラ!」

ステラ「ばっちり録画中ですお嬢様」

星奈「これはこれにパンを刺して、チーズをからめて……」

六花「おおぉ……」キラキラ

星奈「ふーっ、ふーっ……はい、熱いから気をつけてね♪」

六花「はむっ……はふはふ、ほれも、ほいひい」

小鳩「うぅ……りっか、うちも……」

六花「了解した。これをこうして……ふーっ、ふーっ……はい」

小鳩「あーんっ♪はふはふ、んん♪」

星奈「ハァハァ……なんなのこのプレイ、いつも天使な小鳩ちゃんが更に輝いて見えるわ!」

小鳩「りっか、次はあれを食べてみたい」

六花「星奈、次はあれが食べたいらしい。食べ方を教えてほしい」

星奈「うん♪北京ダックはこうやって包んで、はい六花ちゃんあーん♪」

小鳩「あむっ……うん、おいひぃ♪」

星奈「なっ、なっ!!こ、小鳩ちゃんが、わ、わたっ、私の手から!!」

小鳩「あっ……六花の番だったのに間違えて食べ……」

星奈「初めて手から食べてくれた!」

ステラ「落ち着いて下さいお嬢様。何だかネコの餌のCMみたいになっています」

六花「……星奈、私の分をもう一度要求する」

星奈「六花ちゃんもキター!モテ期なの?これがモテ期なのね!!」

小鳩「はぁー、もうお腹いっぱい」

星奈「喜んで貰えて私も嬉しいわ♪」

小鳩「よ、喜んでなどおらぬ……」

六花「もぐもぐ……このチーズを付けるためのパンを追加してもらいたい」

ステラ「かしこまりました」

小鳩「六花、まだたべてる……」

星奈「ほんと、こんなに小さいのによく食べるわねぇー♪」

ステラ「お嬢様の場合、栄養が胸へ集中していますが六花様の場合は……あぁ、なるほど」

星奈「ちょっと、人を馬鹿みたいに言わないでよ!……で?何か分かったの?」

ステラ「お嬢様を普段から見ているので気づきませんでしたが、六花様もなかなかの物をお持ちで」

星奈「そういわれて見れば……手の平サイズってやつかしら?フフフ……」ジュルリ

ステラ「やはり良く食べる子は良く育つのでしょう」

小鳩「うぅー……」

小鳩「う、うちもまだまだ食べるもん!」

星奈「あっ……こ、小鳩ちゃん、無理しなくて良いのよ?」

小鳩「無理なんてしてなか!……うぅ」

星奈「だ、大丈夫よ!小鳩ちゃんはそのままで十分魅力的よ?むしろその幼児体型が魅力的なのに!!」

小鳩「幼児体型……」

星奈「あっ……えっと、需要と供給的な……そういうのが好きな人もいるから……ね?」

小鳩「あほーー!!」

星奈「ひっ!」

六花「もぐもぐ……」

ステラ「お嬢様、これ以上墓穴を掘られては本気で嫌われてしまいます」

星奈「もぉー!じゃあどうすれば小鳩ちゃんの好感度をあげれるのよぉ!!」

ステラ「仕方ないですね。……小鳩様」

小鳩「良いんじゃ……うちなんて、うちなんて……」イジイジ

ステラ「お腹がいっぱいなら無理して食べる事なんてありませんよ?」

小鳩「でも……大きくなれへん……」

ステラ「それにお嬢様の言ったことも一理あります」

星奈(そうよステラ、さりげなく私をフォローしてちょうだい)

ステラ「私の見立てによりますと、小鷹様は相当なロリコンで小さな胸の女の子が大好きです」

小鳩「あんちゃんが?」

ステラ「ええ、それはそれは筋金入りのロリコンでございます。なのであまり成長されては小鷹様も残念がるのではないかと」

小鳩「あんちゃんがこう言うの好きなら……このままでも良いかも……」

ステラ「小鳩様は今でも十分御美しいですよ」

小鳩「そ、そんな事……クックックッ。しかしステラとやら、なかなか見所がある。我の眷属に加えても良いのだが」

星奈「ちょっ、ちょっと待ってよ!私も眷属に!!それに小鷹は別にロリコンじゃないし、私の胸だってしょっちゅう意識して……」

小鳩「ぁっ……うぅ…………あほーーーー!!」

星奈「ひぃっ」

ステラ「お嬢様、本当にあほーですね」

星奈「ステラまで!?」

六花「取り込み中悪いがこのチーズをつける為のパンを——」

小鳩「クックックッ……この程度の満腹感など、我にとっては苦痛などでは……無い……」

ステラ「わかりました。では存分におめしあがりください」

小鳩「存分に……」

ステラ「しかし嫌々食べると言うのは作った人間に対して失礼ですよ」

小鳩「あぅ……」

星奈「やだ、小鳩ちゃんお母さんに叱られてるみたいでちょっと萌えるわ……!」

ステラ「なので嫌々食べる事が無いよう、このような物を用意いたしました」

小鳩「わぁ……色んなケーキがいっぱい!」

ステラ「甘いものは別腹と言います。どうですか、これなら入りそうですか?」

小鳩「クックックッ、我は体内の臓物を自由に操る事が出来る。今、胃袋に空間を作ってやったわ」

六花「さすがは小鳩、我々闇に生きる者は常に戦いの中にいる。なので食事は確実に取らねばならない」モグモグ

星奈「はあぁ……大食いの女の子ってのも萌えるわぁ……♪」

一方、凸守

夜空「…………」スタスタスタスタ

凸守「はっ、よっ、たっ」タッタッタッ

夜空「貴様、どこまでついて来るつもりだ。あと、さっきから何をやっている」

凸守「今、凸守は精神を鍛える修業中デス!この白線から落ちたら凸守はすぐに死——」

夜空「そうか、なら死ね」ドンッ

凸守「ど、ぅわっ、とっ、ぁぁ!な、何をするデスか!!残機が減ってしまったデス!!」

夜空「あほらしい。もうついて来るな」

凸守「嫌デス!何としてもその目を手に入れてやるデス!!」

夜空「……」スタスタスタ

凸守「……」タッタッタッ

夜空「……よし、今から私はお前を殴る」

凸守「ゲフフフフ、戦いなら望む所デス!!」

森夏「げっ……糞中房」

凸守「でやがったデスね、偽モリサマー!」

女子「偽?丹生谷さん、知り合いなの?」

森夏「う、うん、部活の後輩なの♪悪いけど先に行ってて帰っててもらえる?」

女子「うん、じゃあまた明日ね」

森夏「ごめんね!ばいばーい」

凸守「気持ち悪い声出して何を企んでいるデスか」

森夏「何が気持ち悪い声よ、もういっぺん言って」

男子「に、丹生谷さん、さようなら!」

森夏「うん、また明日ねー♪」

凸守「やっぱり気持ち悪い声デス」

夜空「なる程、こいつがさっき言っていた敵か」

凸守「その通りデス!」

森夏「はぁ?敵?って言うか、初対面ですよね?」

夜空「当然だ」

森夏「だったら失礼じゃないですか?」

夜空「黙れ!リア充と巨乳は全員敵だ!!」

凸守「デス!」

森夏「ちょっ……なんなの一体」

夜空「確かさっき丹生谷とか呼ばれていたようだったな」

森夏「それがどうしたのよ」

夜空「よし、私たちは今日から貴様を肉谷と呼ぶ事にしよう」

森夏「や、やめてよ!それ殆ど嫌がらせじゃない!」

夜空「そうか?私の知る限りでは、肉と呼ばれて喜ぶ奴ばかりだが」

森夏「何処の世界にそんな変態がいるのよ」


星奈「へくしゅんっ」

夜空「しかし貴様、見れば見るほど肉だな」

森夏「だからいい加減に……」

凸守「観念しやがれデス!偽肉谷!!」

森夏「もう肉谷ですら無いじゃない!」

夜空「そーかそーか。そんなに肉谷が気に入ったか」

森夏「……はぁ。もう帰る。ばっかみたい」スタスタ

夜空「ふむ……肉よりアホでは無かったようだな」

凸守「さすが師匠デス!あの偽モリサマーを軽くあしらうとは」

夜空「ふんっ、まぁなんだ……貴様がリア充を敵視している事は分かった」

凸守「では凸守を是非弟子にしてもらいたいデス!」

夜空「やれやれ、もう勝手にしろ」

凸守「やったデス!」

夜空「しかしなんだ……貴様のような——」

凸守「貴様では無いデス!凸守デス!!」

夜空「黙れ凸助!師匠に口答えするなど許さん」

凸守「そうデスね……これは失礼したデス」

夜空「フンッ、まあ良い。しかし同じ志を持つ者、こうして見ると出来は悪そうだが可愛く見え」

女子1「あっ、おーい凸ちゃーん」

女子2「うわぁー、凸ちゃんだー♪」

凸守「今帰りデスか?凸守は今師匠とお話をして」

女子3「あのね、宿題をしてたらどうしても一問分からなくて……この問題を教えてもらいたいんだけど」

凸守「仕方ないデスね。師匠少しお待ちを」


女子達「すごーい!ありがとう凸ちゃん!なんだか邪魔しちゃってごめんね」

凸守「また分から無いところがあったらいつでも言うデスよ」

女子達「うん!じゃあまた明日ね!」テケテケ

凸守「やれやれデス。おっと、師匠お待たせしたデス!」

夜空「凸……貴様、今のはまさか」

凸守「今の?あれはただの友達デス」

夜空「友達……」

凸守「それよりも修業を——」

夜空「黙れ裏切り者!!貴様は破門だ!絶縁だ!!」

凸守「破門ー!?……って何デスか?」

夜空「一時でも貴様を仲間と思った自分が恥ずかしい。リア充は死ねば良いんだ」スタスタスタ

凸守「あっ、師匠!待つデス!!」

夜空「なんだ」クワッ

凸守「ヒッ……」

夜空「フンッ」スタスタスタ

凸守「な、なんだかとんでもない邪悪を感じるデス……仕方ない、今日は帰るデス」

小鳩「はぁー。クックックッ、我はもう満腹じゃ」

六花「ごちそうさまでした」

小鳩「……ごちそうさまでした」

星奈「二人とも喜んでくれたみたいで良かったわ♪」

六花「この家はとてつもなく大きい。所々で不可視境界線の気配を感じる」

星奈「不可思議……なに?」

小鳩「……」ウトウト

六花「詳しくは説明出来ないが、念のためこの家の中を探索させて貰う」ワクワク

星奈「もしかして探検したいの?やだ、六花ちゃん子供みたいでかーわーいーぃー♪」

六花「さて、まずはどの辺りから」

星奈「そりゃもうお風呂よね!お風呂しか無いわ!!」

六花「何故お風呂へ?」

星奈「なんかほら、幽霊とかも水まわりが出やすいって言うじゃない?」

六花「不可視境界線や闇の眷属と幽霊は全くの無関係」

星奈「えぇーっ、良いじゃないお風呂。ほらほら、小鳩ちゃんも♪」

小鳩「んー……お風呂……入る…………」

星奈「ふひひ……六花ちゃんも、ね?」

六花「私はそれよりもこの敷地内の探検……探索を」タッ

星奈「あぁ、待って六花ちゃーん!」

ステラ「それは残念ですね。お風呂上がりにはコーヒー牛乳とフルーツ牛乳も用意してございますが……」

六花「今は空腹も満たされて——」

ステラ「ちなみコーヒー豆は厳選した物を取り寄せ、牛乳も北海道から直送した超新鮮な物を用意」

ステラ「フルーツ牛乳のフルーツも各契約農家からこれも厳選した特選素材を使っております」

六花「なるほど……では早速いただ」

ステラ「申し訳ございません。これらの飲み物はお風呂上がりの人間しか飲めないと言う決まりが……」

六花「分かった。では早速お風呂場へ案内してもらいたい」

ステラ「かしこまりました」

星奈(良くやったわ、ステラ!)

ステラ(私も今度はどんな修羅場があるのか楽しみですから)

風呂場内

星奈「さぁ、いつでもOKよ!My Suite Angel達♪小鳩ちゅわぁーん♪六花ちゅわぁーん♪」

小鳩「やっ!!うぅ……どうしてうちはこんな所におるんじゃ……」

六花「これもフルーツ牛乳の為」

小鳩「フルーツ牛乳?……あれ、この音楽、六花の携帯?」

六花「どうやらそのよう。通信元は……DFMから」

小鳩「だーくふれいむますたー??」

六花「恐らくこの世界で唯一私と同等かそれ以上の力をもつ黒炎竜の使い手……でも邪王真眼が最強」

小鳩「クックックッ……最強は我、レイシス・ヴィ・フェリシティ・煌……」

六花「しばらくしたら私も後を追う。小鳩は先に行ってて」

小鳩「ええーっ!!ク……クックックッ、我は六花も入るまで待っ」

ガラッ

星奈「あっ、小鳩ちゃんみーっけ♪服脱いだなら早く来れば良いのにぃ♪」

小鳩「な、なんで抱えるん……、やぁー!!」

星奈「六花ちゃんも用意出来たら早く来てねー♪」サッ

小鳩「いやぁー!!」

ピシャッ

星奈「小鳩ちゃーん♪一緒に身体洗いっこしましょー♪」

小鳩「ぃやっ!」

星奈「やーん♪じゃあじゃあ、髪を洗ってあげるわぁ♪」

小鳩「……やっ!」

星奈「もー、どうしてこんなにつれないのかしら♪小鳩ちゅわぁーん♪」ダキッ

小鳩「うぅー……あっち行け言うちょるのに!」グググッ

星奈「ねぇねぇ、私の膝の上に座って一緒に浸かりましょ♪」

小鳩「うぐぅ……やっ!」

星奈「どうしてどうして?こんなに小鳩ちゃんを愛してるのに♪」

小鳩「暑苦しいし……変な所から毛がはえちょるから気持ち悪くていやぁ!!」

星奈「気持ち……悪い……!?」グサッ

星奈「ち、違うのよ小鳩ちゃん!これはね、思春期……中学生くらいになれば必ず生えるもので……」

小鳩「うちは中学生でもはえちょらんもん!」

星奈「それは小鳩ちゃんが特殊と言うか、幼児たい……」

小鳩「ガウゥゥゥ」

星奈「じゃなくて!えっと、あーもう……」

ガラッ

六花「待たせてすまない。この左手の封印を解くのに手こずってしまった」

星奈「六花ちゃん!そうだ、六花ちゃんからも言ってあげて!」

六花「何を?」

星奈「だから、高校生はここから……毛が…………」

六花「?」ツルリーン

星奈「生えて……無い……」

星奈「嘘……百歩譲って小鳩ちゃんは仕方ないとしても」

星奈「六花ちゃんは高校生で胸とかもそれなりに成長してるのに……私がおかしいの?あ、あれ?」

六花「何を一人で言っている?」

小鳩「クックックッ、奴は変な所から毛が生えてきているのだ」

星奈「だからこれは普通で、どうして二人ともツルツルなのよ!」

六花「我々闇の眷属はそのような物は生えて来ない」

小鳩「クックックッ、その通り。我が幼児体型だからでは無いのだ」

六花「代わりに我々はある時期に達すると眼を開眼する。私は邪王真眼、小鳩は碧眼」

星奈「そんな……私は……」

小鳩「クックックッ、そのような気持ち悪い物を宿している人間とは我等は馴れ合わぬ」

星奈「そんな、気持ち悪い気持ち悪いって……私、私……」ウルウル

小鳩「なっ、わ、我は別にその……」

星奈「ユ……ぐすっ、ユニバァース!!」ダダダッ

小鳩「あっ、待って……」

六花「ユニバース??」

ちょっとお休む

小鳩「行ってしもた……」

六花「ユニバース……」

小鳩「ふ……ふんっ、我は何も悪く無い……」

六花「小鳩、だったら何故そんな悲しそうな顔をしている」

小鳩「別にそんな顔しちょらんもん……」

六花「普通の人間の目は騙せても、この邪王真眼は誤魔化せ無い」

小鳩「うぅー……」

六花「大丈夫。言い過ぎたことを謝ればきっと元通りに——」

星奈「こ・ば・と・ちゃーん♪」ババーン

小鳩「ひぃっ……」

六花「ぴっ……」

星奈「見て見て♪私も二人と同じようになったわよ♪」

小鳩「りっかぁ……」

六花「これは思っていたよりメンタルが強い」

星奈「邪悪な物は無くなったし、明日には小鳩ちゃんとお揃いの碧眼も開眼する予定だからね♪」

小鳩「ぃやっ!!」

星奈「やーん♪そんな事言わずに同じ夜の眷属?になったんだし仲良くしましょー♪」

小鳩「いやぁー!!」ダッ

星奈「はぁー……せっかくのお揃いなのに……」チラッ

小鳩「フウゥゥゥゥ…ッ」

星奈「小鳩ちゃーん……」

小鳩「ぃやっ!」

星奈「ふぇーん」

六花「小鳩、身体を洗ってもいい?同じ眷属として親睦を深めたい」

小鳩「クックックッ、ならば我は後で六花の身体を洗うとしよう」

六花「では早速」

星奈「ちょ、ちょっと待って!どうしてそんなあっさり……」

六花「では早速始める」

小鳩「えへへ、あらいっこなんて初めてだから我は楽しみなのじゃ……♪」

星奈「小鳩ちゃーん……六花ちゃーん……仲間に入れてー」

小鳩「ぃやっ!」

六花「……」

六花「仕方ない、では私の頭を洗っ」

星奈「はいはいはーい♪」

六花「ま、待て、頭を洗うのは身体を洗ってから——」

星奈「ほらほら、ここに座ってー♪じゃあ洗うわね♪」

小鳩「うぅー……六花はうちとあらいっこしちょったのに!」

六花「これが終わったらすぐに続きをする。その方がゆっくり洗える。だから少しだけ待ってもらいたい」

小鳩「六花がそういうなら……仕方ない、しばしの猶予をやろう」

六花「流石は高貴なる夜の眷属、話が早くて助かる」

小鳩「クックックッ、夜の眷属として当然の事をしたまでよ」

星奈「さぁ、洗うわよー♪」

星奈「六花ちゃーん♪痒いところはございませんかぁー♪」

六花「これは……!」

小鳩「六花……?」

六花「なんだか良くわからないが凄く気持ちが良くなってきた」

星奈「でしょでしょ♪いつか小鳩ちゃんの髪を洗う為に、プロの美容師さんに習ったんだから♪」

六花「ただ難点が一つ。肩が凄く重い」ズンッ

星奈「ん?何か言った?」ボインッ

六花「いや、でもこの感覚……プリーステスと昔お風呂に入った時を思い出す。あの頃も肩に重い物が乗っていた」

星奈「プリーステス?」

六花「この世界では私の姉として生活している」

星奈「六花ちゃんはお姉さんがいるのねー。いいなぁ♪私も小鳩ちゃんや六花ちゃんみたいな妹がいたらなぁー♪」

小鳩「ぃやっ!」

星奈「小鳩ちゃん……そんな遠くから否定しなくても……」

星奈「はい、おしまい♪」

六花「とても有意義な時間を過ごせた。感謝する」

星奈「六花ちゃんならいつでも洗ってあげるわよ♪」

六花「小鳩は洗ってもらわない?変態かもしれないが洗髪の腕は私が保証する」

星奈「そうそう♪変態かもしれないけど洗髪の腕は……変態!?」

小鳩「…………」テクテク

星奈「小鳩ちゃん?」

小鳩「…………」チョコン

星奈「……」

小鳩「は、はよぉ……洗って……」

星奈「始まったわ……私の時代が……!」

星奈「小鳩ちゃーん♪痒いところはありませんかー♪」

小鳩「うむ、確かになかなかの腕前。悪く無い気分かも知れぬな♪」

星奈「はぁ……小鳩ちゃん可愛い、小鳩ちゃん御人形さんみたい♪」

小鳩「よ、余計な事は言わぬとも良い。さっさと手を動かすがのじゃ」

星奈「小鳩ちゃんの髪、細くてツヤがあって綺麗……はあぁ、小鳩ちゃーん!」

小鳩「ひっ……、もう良い。後は自分でする」

星奈「やーん♪そんな事言わないで♪」

六花「ではお礼に今度は我々が髪を洗ってやろう」

星奈「本当に!?」

小鳩「うちは嫌じゃ……」

六花「小鳩、我々が髪を洗ってあげようではないか。存分に」

小鳩「存分に?……あっ、クックックッ、良かろう。我等自らが特別に洗ってやろう」

六花「洗髪の最中は絶対に目を開けてはいけない」

小鳩「もし開けたらこの世の災いが全て降り懸かるであろう」

星奈「分かったわ。目を閉じてれば良いのね!」ギュッ

六花「では早速取り掛かる。小鳩、シャンプーを」

小鳩「うむ♪」

ワシャワシャ

星奈「はぁー……私はなんて幸せ物なのかしら♪」

六花「こうしてこうして……」ヒソヒソ

小鳩「おぉー……まきまきうんこ頭じゃ」ヒソヒソ

六花「これをこうして……こう」

小鳩「プッ……だったらこういう髪型も……」ヒソヒソ

六花「ふっ……まさに1:9分け……ふふっ」ヒソヒソ

小鳩「クックックッ……自分の髪が弄ばれておるとも知らずに呑気な奴よ……」ヒソヒソ

星奈「…………」

同時刻、星奈の脳内

星奈(目はみえなくとも神経を研ぎ澄ますのよ……)

星奈(左側は……少し手が大きいから六花ちゃんね……)

星奈(って事は右は小鳩ちゃんで……はっ、今肩に当たったのは六花ちゃんの……胸!?)

星奈(ど、どうしよう、さっきからずっと肩に当たって……ハァ、ハァ……はっ!?)

星奈(今右肘に何か……少しだけ触れたような……)

星奈(また……も、もしかしてコレって小鳩ちゃんのお腹!?)

星奈(じゃ、じゃあさっきから肩にツンツン当たってるのは……当たってるのは……!!)


小鳩「クックックッ……自分の髪が弄ばれておるとも知らずに呑気な奴よ……」ヒソヒソ

星奈「…………」

星奈「ありがとう二人とも!おかげでサッパリリフレッシュできたわ♪」

六花「それは良かった。ではのぼせてきたのでそろそろお風呂を出るとしよう」フラフラ

小鳩「えぇー!!」

星奈「小鳩ちゃん?」

小鳩「うち……まだあらいっこしちょらん……」ショボン

六花「しかし少し遊びが過ぎたのでのぼせて……では時間短縮の為こうしよう」

小鳩「?」

六花「小鳩の身体にボディーソープを付けて……」ピュッ

小鳩「あぅっ……六花、泡立ててからじゃないとベトベトする……」

星奈「胸に……ボディーソープの原液…………ハッ!……い、いけないいけない」

六花「こうしてちゃんと泡立てるから平気」ダキッ

小鳩「六花……どうするの?」

六花「お互いの身体を擦り合わせる。こうすれば二人いっぺんに洗えると言う作戦」スリスリ

小鳩「なるほど……それにこれ、タオルで擦るより気持ちい気がする」シュルシュル

六花「背中は抱き合ったまま手を背中に回して洗う」

小鳩「う、うん……」

六花「足はお互い交差して、こう」

小鳩「六花の身体は柔らかい……」

六花「ここは手で洗わないと綺麗に出来ないから手で洗う。少し足を開いて」

小鳩「足?こう…………ぁっ!り、りっか?」

六花「ここは一番汚れている所、特に綺麗に洗わねばならない」

小鳩「で、でも……なんだか、力が……」

六花「大丈夫。私にちゃんと掴まっていれば問題無い」

小鳩「でも恥ずかしいし……こんな所見られたら、また……あれ?」

六花「どうかした?」

小鳩「なんか……静か過ぎて気持ち悪…………うぎゃーー!!」

六花「こ、これは、鼻から大量の血液……まさか血染めの儀式!?」

星奈「天使が……まぐわ…………裸……」

小鳩「六花、あいつは死んでしまうん……」

ステラ「お待たせしました。フルーツ牛乳でございます」

六花「それよりも容体を」

ステラ「容体?ああ、お嬢様でございますね。たいした事はございません」

小鳩「ハァ……良かった」

ステラ「むしろ突然全裸で毛の処理を頼まれた時の方が驚きましたから」

六花「ごくっ……ごくっ……ぷはぁ。さすが特選。美味」

小鳩「ごくごく……んっ……本当じゃ、おいしい」

ステラ「そう言って頂けると牛乳を提供していただいたお嬢様も喜びます」

六花「牛乳を提供?」

ステラ「はい。お嬢様の乳から搾りたてでございます」

小鳩「なっ……なっ!!」

ステラ「ご安心ください。冗談でございます」

六花「……この者からも闇を感じる」

星奈「ごめんね小鳩ちゃん、六花ちゃん。少しのぼせちゃってたみたいなの驚き♪」


六花「鼻ティッシュ」

小鳩「鼻ティッシュ」

星奈「それにしても小鷹の奴遅いわね。もう8時前じゃない」

小鳩「あんちゃん……」

星奈「まあ私としてはこのまま二人がずーっといてくれても良いんだけどね♪」

小鳩「ぃやっ!」

ピンポーン

ステラ「噂をすればなんとやらでしょうか」ガチャッ

小鷹「すまん小鳩、遅くなった!」

小鳩「あんちゃん、遅い!何しょったと!!」

小鷹「いや、色々あってさ……」

六花「……どうして勇太がここに?まさか闇の力が共鳴して!!」

勇太「なに馬鹿な事言ってんだ。ほら、帰るぞ」

小鳩「あんちゃんの知り合い?」

小鷹「知り合いって言うか、話すと長くなるんだけど……とにかく帰るか」

ステラ「小鷹様、お待ちください。以前申しました通り、この前を通るバスは8時が最後でございます」

星奈「あんたねぇ、その最後のバスに乗ってきてどうすんのよ」

小鷹「あっ……」

ちょっとお休む。

遡ること少し前……

小鷹「悪いな幸村。片付けだけじゃなく買い物まで付き合わせて」

幸村「いえ、兄貴のお役に立てたのなら私としても幸せです」

小鷹「そんなもんなのか……?まぁ良いか。そうだ、お礼に夕飯くらい食べて行ってくれ」

幸村「そのようなお気遣いは……」

小鷹「気遣いじゃない、これはお礼だ。幸村的に言うと……男として礼を尽くすのは当然だろ?」

幸村「さすが兄貴。男の中の男です。ではお言葉に甘えて……」

小鷹「小鳩は星奈の家だし、あの六花って子もいるから少しくらい遅くなっても大丈夫だろ」

勇太(六花?)

幸村「そういえば、あの妹君のお友達は怪我をされているのですか?」

小鷹「いや、なんか眼帯とか包帯巻いてたけど特に怪我って感じじゃなかったぞ?確かじゃおうなんとかって」

勇太「もしかして邪王真眼じゃないですか?」

小鷹「あー、そうそう。確かそんなだったっけ」

勇太「やっぱり六花の奴だったのか。あいつこんな所で一体何して……」

小鷹「……」

勇太「…………」

小鷹(な、なんだ、なんだ!?なんか普通っぽい人に話し掛けられてるぞ!?)

勇太(し、しまったぁー!なんか恐そうな人に話し掛けちゃったぞ……)

小鷹(お、落ち着け俺。これは友達を作るチャンスじゃないのか?くそっ、ケンカ売られる以外で声かけられたの初めてだから分からん……)

勇太(よし、とりあえず適当に会釈してこの場を去ろう)

小鷹(とりあえず笑顔だ。笑顔で接しやすい人間を演出しろ俺!)

勇太「あ、あの、失礼し——」

小鷹「…………フッ」ニヤッ

勇太(な、なな、なんだ、なんで睨まれて……薄ら笑いまで……)

勇太(お、おち、おちつ、落ち着け俺。見た目で判断するのは良くないだろ。とにかく話題だ、沈黙は辛い)

小鷹(まいったな……何を話せば良いんだ……)

勇太(話題、話題……メイドさん?いや執事なのか?とにかくこれを話題に)

勇太「か、可愛いメイドさんですね」

小鷹「え?あ、ああ、幸村の事か」

勇太(そうだ、メイドを連れてるなんて普通じゃない=御曹子とかで中身は普通の人なのかもしれないじゃないか。髪はハーフとか……)

小鷹「こいつはメイドって言うか後輩なんだよ」

幸村「私、兄貴の身の回りをお世話させていただいている幸村と申します」

勇太「そ、そうだったんですか。あはは……」

小鷹「ハハハ……」

勇太(女子の後輩にメイド服着せて兄貴と呼ばせるなんてどうかんがえても普通じゃないじゃないか!!)

小鷹「そういえば、六花って子の事知ってるのか?」

勇太「あいつはうちの上の階に住む中二病患者ですよ」

幸村「中二病?とはいったいどのような病なのでしょうか?」

勇太「なんかアニメの世界に入り込んだつもりになったり、自分には特別な力があるとか思ったり」

幸村「なるほど」

勇太「とにかく恥ずかしくてめんどくさい病なんですよ」

小鷹「なんか……思いっきりうちの妹が該当するんだけど……」

勇太(しまった……)

幸村「……くしゅっ」

小鷹「くしゃみ?大丈夫か?」

幸村「申し訳ありません。この程度の寒さでくしゃみをしてしまい……軟弱者の私をお許し下さい」

勇太(こんなに謝るなんて、普段くしゃみしただけで一体どれだけの罰を……)

小鷹「確かに夕方過ぎると寒いし家に入るか」

幸村「はい」

勇太(はぁ……やっと帰れる……)

小鷹「幸村と二人で鍋する予定だったけど材料多めに買ってて良かったよ」

勇太「え?」

小鷹「ん?」

幸村「えっ……」

グツグツグツ……

小鷹「よし、出来たぞー」

勇太(なんでこんな事に……)

小鷹「ああ、そういえばまだ名前聞いてなかったっけ。改めて……俺は長谷川小鷹」

勇太「ああっ、富樫勇太です」

小鷹「そっか。まぁ遠慮しないで食ってくれ。幸村も座ってさ」

幸村「あにき、私は……はぁ……」

勇太(これどう考えても俺はお邪魔だったんじゃ……)

小鷹「幸村、どうかしたのか?もしかして鍋が嫌いとか……」

幸村「いえ、そういう訳では……」

小鷹「だったら良いんだけどさ。ほら隣に座って一緒に食おうぜ」

幸村「私が兄貴の隣りにですか?」

小鷹「ええ?あたりまえだろ?幸村以外に誰がいるんだよ」

「俺の隣——幸村以外に誰がいるんだよ……幸村以外に誰がいるんだよ……」

幸村「あにき……」パアァァ

小鷹「?」

約1時間後

小鷹「いやー、食った食った。いつもは小鳩に肉取られてばっかだから久々に肉食った気がする」

勇太「ははっ、六花の奴もよく食うから長谷川さんの妹さんとは気が合いそうですね」

小鷹「勇太、お前その長谷川さんっての気持ち悪いからやめてくれよ。小鷹でいいから」

勇太「流石に先輩ですから……じゃあ小鷹さんで」

小鷹「しかし1時間程で人間って変わるもんだな」

勇太「本音を言うと最初は恐そうな人なのかと思いましたから」

幸村「兄貴、私はそろそろ門限の時間なので失礼致します」

小鷹「あれ、もうそんな時間か」

幸村「僅かな間でしたが兄貴の隣に座れて幸せでした」

小鷹「大袈裟な奴だな。別に隣くらいいつでも座れば良いだろ?」

幸村「いずれは夜のお供も出来るように精進致します」

小鷹「ん?」

幸村「あっ、うぅ……私としたことが何とはしたない事を……し、失礼します!」ダッ

小鷹「幸村!?」

小鷹「どうしたんだ幸村のやつ?」

勇太「小鷹さん、本気で気付いてないんですか?」

小鷹「なにが?」

勇太(あの子も大変だな。かわいそうに)

勇太「それじゃあ僕もそろそろ失礼します」

小鷹「ああ、もう7時だもんな。7時……?」

勇太「?」

小鷹「だあぁぁぁ!!小鳩迎えに行く事すっかり忘れてた!!」

勇太「迎え?迎え、迎え……しまった!!俺も勉強から逃げ出した六花を連れ戻す為に探してたんだった」

小鷹「それなら大丈夫だ。その子も小鳩と一緒に星奈の家にいるはず!」

勇太「それじゃあ僕もついて行きます。次のテストで六花が赤点とったら部の存続に関わるんで……」


小鷹「……って事だ」

星奈「あんたの説明は長すぎるのよ」

ちょっとあれ休憩

ぬぐぐぅ……!

勇太「なんとか帰る手段はないんですか?」

ステラ「勿論バスで来た道を御戻りになられれば帰れますが……歩いてだと何時間かかるか解りかねます」

勇太「はぁ……」

ステラ「あとは私が車を出せば皆様を駅までお送り致せますが」

勇太「じゃあそれで!」

ステラ「正直めんどくさいです……」ボソッ

勇太「えぇー……」

星奈「まったく、仕方ないわね。小鷹とその六花ちゃんの知り合いもまとめて泊まっていきなさい」

小鳩「……も?」

星奈「もちろん小鳩ちゃんと六花ちゃんは泊まって行くもんね♪」

ステラ「お二人は最初から今夜お泊りになると聞いていましたが」

六花「それは初耳」

小鳩「うちそんな約束しちょらん……」

星奈「まぁ良いじゃない♪結果的にみんなまとめて泊まることになったんだから♪」

小鷹「星奈、それはもう誘拐……」

星奈「なによ、文句があるなら小鷹は外で寝ても良いのよ?今夜は雷雨らしいけど」

小鷹「すいませんでした!」

星奈「ステラ、すぐに用意できる部屋は?」

ステラ「2部屋ならベッドメイキングもすぐに出来ますが」

星奈「そう、じゃあ調度良いわ。すぐに用意してちょうだい」

勇太「あ、あの、二部屋って事は部屋割は……」

星奈「あんた達が一部屋づつ使えば良いでしょ?小鳩ちゃんと六花ちゃんは私の部屋で面倒見るわ♪」

小鳩「ぃやっ!」

星奈「もー、小鳩ちゃんったら照れ屋さんなんだからぁ♪」

小鳩「いやっ!!」

六花「小鳩がここまで激しく拒否反応を示すとは……何かとんでもない事が……」

小鷹「星奈、いい加減にしないと本気で嫌われるぞ」

星奈「うっさいわね。これは恋の駆け引きなのよ!夏美はグイグイ来られて口では嫌がるけど心は嬉しいって言ってたんだから!」

小鷹「またゲームの話かよ……」

ステラ「小鳩様、六花様、少しよろしいですか?……ヒソヒソ」

小鳩「えっ……そんなんしとうなか……」

ステラ「気が進まないかも知れませんが、それだけで今宵の身の安全は私が保障いたします」

六花「私は小鳩に任せる。もし小鳩がするなら全力でバックアップする」

星奈「なにしてるの?内緒話?やーん♪私もまぜて♪」

ステラ「小鳩様、御決断を」

小鳩「クッ……クックック……そこまで言うならその悪魔の契約を交わし、見事にやり遂げてみせよう」

六花「私は左から、小鳩は右から攻めて」

小鳩「よかろう。今こそ……魔力、かいほー!!」

六花「バニッシュメント・ディス・ワールド!」

星奈「なになに?何がはじまるの!?」ワクワク

ステラ「……」ワクワク

小鳩「うぅー……」

六花「小鳩!」

小鳩「わかっちょるばい。……ッ!」ギュッ

星奈「え?ど、どど、どうしたの小鳩ちゃん!?」

小鳩「……おねえちゃん」

星奈「!?」

小鳩「うち星奈おねえちゃんの事、好き……」

星奈「な、えぇ?!ス、ステラ!?」

ステラ「おめでとうございますお嬢様」

星奈「そうなのね……、ついに私の思いが小鳩ちゃんに届いたんだわ!小鳩ちゃーん、私も大好き……ん?」グイッ

六花「私は星奈と過ごした時は短い。だけどこれだけは確信している」

星奈「六花ちゃん?」

六花「私の方が小鳩より星奈の事が好き」

星奈「!?」

小鳩「そんな事なか!うちの方が星奈おねえちゃんを好いとうもん!」

六花「ならば星奈に決めて貰うまで」

星奈「わ、私は二人共……」

小鳩「おねえちゃん!」

六花「星奈」

星奈「あっ、うぅ……あああ!」バタンッ

小鷹「あっ、死んだ」

ステラ「ご安心下さい。頭がショートして気を失っているだけでございます」

勇太「それはそれでまずいんじゃ……」

ステラ「ご覧下さい、この顔を」

星奈「フフフ……二人と、一緒に……」ニヘラヘラ

小鷹「なんて良い顔してるんだコイツ……」

ステラ「本人も気持ち良く気を失っている事ですし、これで朝までは目覚めないでしょう」

小鳩「クックック……どうやら闇の世界へ帰る……時間が……」コクコク…

小鷹「こら小鳩、ベッドで寝ろよー」

ステラ「ではお部屋へ御案内致します」

勇太「ちょっと待って下さい!俺はまだ泊まるなんて——」

六花「大丈夫、勇太の家族には私から電話して了解をとっておいた」

勇太「お前なぁ……なに余計な事してくれてるんだよ」

六花「ちゃんと今晩は勇太と一緒に泊まると言ったから大丈夫」

勇太「いや、誤解を招くような言い方をするなよ!」

六花「誤解は招いていない。そういえば勇太に、ゴムはちゃんと付けるのよ。と伝言を頼まれた」

勇太「思いっきり誤解されてるじゃないか……」

六花「勇太はどこにゴム付けるの?男の人は髪をくくったりしないのに」

勇太「もう良い。その事は忘れろ」

ステラ「さて、お嬢様方はともかく男性方はこちらへ」

小鷹「?」

ステラ「寝る前にその薄汚れた体をお風呂で綺麗にしていただきたいのですが」

勇太「薄汚れたって……」

ステラ「お二人でゆっくりお楽しみ下さい」

小鷹「なに良い笑顔浮かべてるんですか」

勇太「僕は後で入らせて貰います」

ステラ「それは困ります。後がつかえておりますので」

勇太「そんな10分程で」

ステラ「勇太様がどうしても私と一緒に入りたいと申されますなら仕方ありませんが……」

勇太「ええ!?」

ステラ「その場合、責任は取っていただきます……」

勇太「分かりましたよ!先に小鷹さんと入らせていただきますよ!」

ステラ「……アッー」

勇太「ダメだ……俺、この人苦手だ……」

風呂上がり

ステラ「では小鷹様はこちらの部屋、勇太様はこちらの部屋でお願いします」

小鷹「小鳩達はもう部屋に?」

ステラ「小鳩様は一足先に部屋でお休みになられました。六花様は何やら儀式がどうこう……」

勇太「あいつは人の家に来てまで……って、そうじゃなくて!」

ステラ「?」

勇太「いや、兄妹が同じ部屋なのはともかく、俺と六花が同じ部屋なのはまずいですよ!!」

ステラ「そのようなまずい事をするつもりなのですか?」

勇太「そういう訳じゃないですけど……とにかく、他の部屋は借りれませんか?」

ステラ「一応我々使用人の部屋で寝るくらいなら出来ますが」

勇太「じゃあそこで!寝れるならなんでも——」

ステラ「寝るとき私は全裸です」キリッ

勇太「……じゃあ六花をそちらの部屋へ」

ステラ「因みに私は、女性でもイケるくちです。特に実りかけの青い果実等は」

勇太「あー、もういいです!この部屋で!!」

ステラ「それでは皆様、お休みなさいませ……それと小鷹様、旦那様がまたご迷惑をかけると思いますが宜しくお願いします」

小鷹「天馬さんが?今日はまだ見てないですけどいるんですか?」

ステラ「先程学園からお電話があった際、小鷹様がいらっしゃると申しました所鼻息を荒くしておられましたので」

小鷹「こんな時間までお仕事ですか」

ステラ「一度仕事を放り投げて戻って来られましたから」

小鷹「?」

ステラ「とにかくその時は宜しくお願いします」

小鷹「分かりました。ぶどうジュースを飲んで父さんの代わりをすれば良いんですね。じゃあな勇太、お休み」

勇太「お休みなさい」

ガチャッ

勇太「なんだ、六花も寝てるのか。……おい六花、儀式とかはもう良いのか」ペラッ

小鳩「スー……スー……」

勇太「…………」

小鷹「さてと、俺も寝るか」ガチャッ

六花「闇より宿りし魂よ、今この場に——」

小鷹「……あれ?」

六花「やれやれ、やはり馴れない地では召喚は難しいか」

小鷹「えっと……ステラさんが部屋を間違えたのか?」

ガチャッ

小鷹「あっ、ステラさん!部屋を間違え——」

天馬「なんだ隼人の息子が来ていたのか」

小鷹「天馬さん……髪と服装と息が乱れてますけど」

天馬「こ、これはあれだ……職務が忙しくてだな……」

マリア「あー!お兄ちゃんがおる!!あはは、おにいちゃーん♪」

小鷹「あれ?なんでマリアが?」

ケイト「たまには天馬さんと飲みながら釣りの話でもしようかと思ってねぇ」

小鷹「ケイトまで……ってか、飲むってぶどうジュースだろ」

天馬「まぁなんだ、立ち話もなんだし私の部屋で飲みながら話でもしようじゃないか」

ケイト「その言葉をまってたんさ♪」

小鷹「まぁステラさんにも頼まれてたし……行きますか」

六花「貴様は……神に仕える使徒……シスター!」

マリア「その通り!って、こいつはいきなりなんなのだ?」

六花「ここで会ったのは運命……そう、我々は戦う運命にあったと言うこと」

マリア「なんか知らんけどお前はうんこ吸血鬼と同じにおいがするのだ」

六花「我が眷属をそこまで蔑ろにするとは……この邪王真眼が許さない」

マリア「邪王真眼!知ってる!悪い奴だ!」

小鷹「お前も知ってるのかよ……」

ケイト「子供は子供通し楽しそうにしてるし、私たちも行こうさね」

小鷹「……だな」

天馬「ステラ。ワインとぶどうジュース、あと適当につまみを頼んだぞ」

ステラ「かしこまりました」

ガチャッ

マリア「なんで闇の眷属がこんな所におるんじゃ!」

六花「邪王真眼が小鳩の力に反応して導かれたまで」

マリア「ふん!おまえらうんこ眷属なんか聖なる力で浄化してやるわ!」

ギャーピーギャーピー!!

勇太「……はっ!しまった、突然の事に固まってたのか」

勇太「隣は何か騒がしいな……とにかく誰か呼ばないと」

小鳩「ん……あんちゃん、どこに行くと……」グイッ

勇太「ええ!?うわっ!」

小鳩「あんちゃん……」ギュッ

勇太「な、なっ……」

小鳩「……あんちゃん、なんか小さくなっ」パチッ

勇太「お、おはよう……なんて」

小鳩「あっ……うっ、あ……っ、ご、ごめんなさい」

勇太「いやいや、なんだか謝られると恥ずかしいから!せめて悲鳴あげるとか!」

小鳩「クックック……わ、我は高貴なる闇の眷属。悲鳴など上げぬわ」

勇太(あー……そういえば小鷹さんの話だと中二病だっけ……。年齢的に凸守みたいな感じか)

小鷹「貴様、深き眠りについていたとは言え、我にここまで接近するとはただ者では無いな?」

勇太(仕方ない……少しだけ合わせるか)

小鳩「クックック……どうやら我が魔力の前に息をすることすらままならぬようだのう」

勇太「フン……、なにを馬鹿な事を。俺の名は富樫勇太。またの名をダークフレイムマスター。黒炎竜を自在に操る闇の王だ」

小鳩「おぉー……!ダ、ダークフレイムマスター。そうか貴様があの邪王真眼とも対等に戦えると言う」

勇太(六花の奴、また余計な事を……)

小鳩「クックック、しかし話に聞くのとは違って弱そうではないか」

勇太「良いのか?そんな事を言っても」

小鳩「どうやら邪王真眼の使い手は貴様を買い被っていたようだな」

勇太「魔凰炎閃波……」

小鳩「? なんなのだ、それは」

勇太「俺は子供の頃に黒き炎を纏った竜を身体にやだしていてな」

勇太「その力を解放した時に放つ黒き炎……その名を魔凰炎閃波」

小鳩「……!」キラキラ

勇太「ちなみに渦を巻くように相手を捕らえ焼き尽くす。その温度は2億4950度だ」

小鳩「に、におく!?」

勇太「フン……、はたして貴様にこれほどの力があるのかな?」

小鳩「確かに大した能力……ならばこちらも本気を出すまでよ」

勇太「ほう……そいつは楽しみだ」

小鳩「我が真名はレイシス・ヴィ・フェリシティ・煌……偉大なる夜の血族の真祖なり」

勇太「この魔力、やはりそうか。さぁ見せてみろ!夜の血族の真祖よ!!」

小鳩「魔力、かいほー!!」

勇太「……ええ!?ちょっ、なんで脱ぐの!?」

小鳩「ぃやっ、止めんとって!!」

勇太「いやいや、止めるよ!!」

ちょっとお休む

小鳩「クックック、もう入っても良いぞ。ダークフレイムマスター」

勇太「はぁ……(ちょっと薄着になっただけで大袈裟な……)」

小鳩「まさか我が真の姿へと覚醒している間、呑気に部屋の外へ出ているとは……愚かの極みよ」

勇太「呑気?愚か?フンッ、貴様は何も分かってはいないようだな」

小鳩「何が言いたいダークフレイムマスター」

勇太「これは余裕。フルパワーの貴様を叩き潰す……その余裕があるだけだ」

小鳩「クックック……そのような余裕がいつまで続くか楽しみよのう……」ピッ

勇太「なっ、電気が消え……」

小鳩「我は吸血鬼の真祖……闇に溶け込み姿をくらまし……貴様を」

ガンッ!

勇太「ガンッ?」

小鳩「あぅぅ……足の小指を机の脚にぶつけたばぃ……」

勇太「自分も見えて無いのかよ……」

小鳩「クッ……クックック……さすがはダークフレイムマスターと言った所か……」

勇太「?」

小鳩「まさかこの状況下でトラップを仕掛けているとは……」

勇太「トラップ?……ああ、その通り。しかしそんなトラップにも気づかないとは……あまり俺をガッカリさせてくれるなよ」

小鳩「クックック、それはこちらの台詞よ。どうやらまだ気づいていないようだが私は既に貴様の後ろに回り込んでいるのだ」

勇太「なに!?(思いっきり声の位置で分かってたんだけどな……)」

小鳩「クックック……今宵は赤き満月が輝く夜……我の力も跳ね上がっておる」

勇太(思いっきり三日月だし曇ってるな……)

小鳩「さぁ悲鳴をあげよ、豚のような!」

勇太「おっと」サッ

小鳩「クックック、我の背後からの一撃をかわすとは流石はダークフレイムマスターと言った所か」

勇太「言った筈だ。俺はダークフレイムマスター。闇の世界を統べる王だ!」

小鳩「クックック……我、レイシス・ヴィ・フェリシティ・煌こそが偉大なる夜の眷属であり王であると分からせてやるわ!」

小鳩「拘束じゅちゅ……じゅちゅし……き解除!」

勇太「拘束制御術式一号解除……二号解除……三号解除…………」

小鳩「そ、そげん解除しょーても……」

勇太「更に……拘束制御術式零号解除……!」

小鳩「ひっ……」

勇太「さぁ俺に聞かせろ、偉大なる夜の眷属……貴様の悲鳴を!」

小鳩「あ……ぅっ……ぐすっ……」

勇太「あ、あれ……?」

小鳩「ぐすっ……あほー!!」

勇太「ええ!?」

小鳩「うちが先に言うたのに後から強そうなの……ずるい!」

勇太「ご、ごめんって!ほら、偉大なる夜の眷属が泣いてちゃおかしいだろ?」

小鳩「ク、クックック……ぐすっ、泣いてなどおらぬ。これは心の汗なのだ……」

勇太「なんか急に変な方向へ……」

勇太「さてと、じゃあそろそろ部屋を変わって貰わないと」

小鳩「……うちはもうちょっと遊びたぃ」

勇太「ん?」

小鳩「ク、クックック……夜が明けるにはまだ早い。まだまだ戦いに興じようではないか」

勇太「夜が明けるにはって……子供は早く寝なさい」

小鳩「子供やないもん!!」

勇太「…………いや、子供だから」

小鳩「クックック、これは仮の姿……我は数百年の時を生きる吸」

勇太「あのステラさんって人か小鷹さんを探さないとな……」

小鳩「ま、待って……!……勇太!」

勇太「勇太って……一応年上なんだから、さん付けするのが普通だろ?」

小鳩「あぅ……」

勇太「あっ、別に怒ってる訳じゃ無いんだ!うちには口の悪い中学生がいるんだけど、あんな風にならないようにって思って」

凸守「へっちゅっ!……ズズッ、誰かが凸守の噂をしているようデスね」

勇太「じゃあ誰か探してく」

小鳩「待って……あんちゃん!」

勇太「いやいや……俺はあんちゃんじゃ無いから」

小鳩「うちのあんちゃんはスグに妹ば作りよるけん……うちもあんちゃんを作ってやるんじゃ……」

勇太「そんな所で対抗しなくても……それに、あんちゃんが二人もいたらややこしいだろ?」

小鳩「じゃあ……おにいちゃん……」

勇太「なっ……、」

小鳩「うちはあんちゃんが世界一カッコ良くて大好きじゃ……でもこんな風に一緒に遊んではくれんもん……」

勇太(これがブラコンっつやつなのか……)

小鳩「でもおにいちゃんは一緒に遊んでくれるばい。だからあんちゃんの次に好いとーょ……」

勇太「はぅ……っ!」

勇太(お、落ち着け俺!この子は確かに可愛い。それは認める!)

小鳩「おにいちゃん……?」

勇太(だが道は踏み外すな!万が一踏み外せば戻って来れなくなる!)

小鳩「おにいちゃんは……うちの事嫌い……?」

勇太「うっ……うわあぁぁぁ!!」

小鳩「!?」

勇太「煩悩消えろ!煩悩消えろ!煩悩消えろー!!」ガンガンガンッ

小鳩「た、大変じゃ!おにいちゃんが壁に頭突きばしょーる!!」

勇太「はぁ……はぁ……、よし落ち着いた……」

小鳩「おにいちゃん、おでこが真っ赤になっちょる……大丈夫ばい?」

勇太「ああ、大丈夫——」

小鳩「拘束じゅ、じゅちゅ、しき、かいじょ。……よしよし」ナデナデ

勇太「……」

小鳩「これですぐ治りよーから、また遊ん…………クックック、また戦いに興じようぞ」

勇太(もうロリコンでも良い気がしてきた)

小鷹「おーい、小鳩いるかー?」コンコン

小鳩「あんちゃん!」

小鷹「あー、やっぱこっちにいたか」

小鳩「クックック、こっちにいたのだ♪」

小鷹「悪い、こいつ人見知りだから大変だったろ?」

勇太「いえ、そんな」

小鳩「さっきまでおにいちゃんと遊びよったばい!……じゃなくて、戦いを」

小鷹「おにいちゃん?」

小鳩「うん♪おにいちゃんは勇太だけどおにいちゃんだからおにいちゃんで……あれ?」

小鷹「あー、分かった分かった。それよか隣にマリアが来てるぞ」

小鳩「クックック……我々の魔力に引き寄せられ、神の使いか来たようだな」

小鷹「そういえば何か戦いはじめて大変だったな」

小鳩「では我も戦いに行ってくるのだ!」ダッ

小鷹「騒がせて悪かったな。俺の家じゃないけどゆっくり休んでくれよ」

勇太「はい(なんて言うか……敗北感……)」

良い子は寝る時間か。おやすみ

異常に性欲を持て余す時ってあるだろ!つまりそういう事だよ!!
今回だけ……今回だけは……っ!

ケイト「あらら、天馬さんもう酔い潰れちゃって」

天馬「私が……学生の頃はぁ…………」スヤスヤ

小鷹「結局毎回この話ばっかりだけど……まぁ、よっぽど楽しかったんだろうな。学生の頃が」

ケイト「さてと、天馬さんはこうなったら起きないし、私達もおいとましようかねぇ」

小鷹「そうだな」

ガチャッ

小鷹「そういえばケイトも今日泊めてもらうのか?」

ケイト「うん。部屋は天馬さんに用意してもらってるし、マリアを連れてもうねるさね」

小鷹「そっか。俺も部屋に戻って寝るかな。……っと、その前に小鳩と六花って子に部屋を代わって貰わないと」

ガチャッ

小鷹「おーい、部屋を代わっ……」

マリア「うーん……天の裁きを……むにゃむにゃ」

小鳩「スースー……」

六花「シュバ……ルツ……スヤスヤ……」

ケイト「おやおや、みんな絡まるようにして寝てるねぇ」

小鷹「どうやったらこんな体制で寝れたんだよ……」

ケイト「でもなんだか楽しそうで良かった。今日はこのまま寝かせておいてあげようか」

小鷹「そうだな……って!俺はどうなるんだ!?」

ケイト「隣が空いてるんじゃないのかい?」

小鷹「隣には勇太って別のお客さんがいてだなぁ……

ケイト「ああ、そういえば誰かいたような」

小鷹「流石に今日初対面でいきなり同じ部屋に寝泊まりはハードルが高すぎるだろ」

ケイト「うーん。じゃあ私の部屋にくるかい?調度マリアの分が空いてるし♪」

小鷹「いや、それはそれでマズイだろ……」

ケイト「細かい事は気にするな♪それわかちこわかちこってね♪」グイグイ

小鷹「なんか古……うわっ!」

ケイト「はい!ようこそお兄ちゃん♪」

小鷹「結局来てしまった……」

ケイト「さてと、パジャマに着替えてー」ヌギヌギ

小鷹「どわっ!い、いきなり脱ぐなよ!」

ケイト「へ?なにさ、この前すっぽんぽんな所を見たくせに」

小鷹「あれは事故って言うか、だな……」

ケイト「はい、着替え終わったよ。さぁ寝た寝た!」

小鷹「そういえばマリアが寝る所ってどこなんだ?」

ケイト「何言ってるんだい?ここにベッドがあるじゃないか」

小鷹「それなのか?じゃあケイトのベッドは?」

ケイト「ここにあるじゃないさ♪」

小鷹「えっ……それはマリア(俺)のベッドって……」

ケイト「あー、私達いつも一緒に寝てるからねぇ」

小鷹「だったら思いっきり俺ダメじゃねーか!!」

小鷹「やっぱり俺は部屋に戻る」

ケイト「酷い!お兄ちゃん、私より幼女3人の方が良いって言うんだね!」

小鷹「アホな事言ってないでお前も寝ろ」

ケイト「……この前裸を見られたこと喋っちゃおうかなぁ」

小鷹「なっ……!お前、それはずるいだろ!」

ケイト「さあお兄ちゃん、一緒に寝ようじゃないか♪」

小鷹「はぁ……分かったよ。じゃあここのソファーで寝るか」

ケイト「えぇー、それじゃつまんないじゃないさ」

小鷹「はいはい、おやすみ」

ケイト「むぅ……」

ケイト「分かった。じゃあ私もソファーで寝る」

小鷹「はぁ!?」

ケイト「ほらほら、もっとそっちに寄って!」

小鷹「いや、幅的にも絶対無理だろ!」

ケイト「そう。だったら上に乗るとしようかねぇ」

小鷹「上って……おうふっ……」ドサッ

ケイト「おっと、まさかレディー相手に思いとか言わないよね?お兄ーちゃん♪」

小鷹「もう分かったから」

ケイト「…………」

小鷹「あのさ、何か言ってくれないと間がもたないんだけど……」

ケイト「じゃあ……お兄ちゃん大好きー♪とか?」

小鷹「はいはい、ありがとうよ」

ケイト「あるぇー?」

ケイト「私は結構本気でお兄ちゃんの事好きなんだけどなぁー……」

小鷹「俺は結構本気で思いと思ってるけどな……」

ケイト「もう♪お兄ちゃんったら♪」グリグリグリ

小鷹「痛い痛い痛い!ごめんなさい!!」

ケイト「ふふっ。お兄ちゃんは本当に……お兄ちゃんだねぇ」

小鷹「何言ってるんだ?」

ケイト「うちのマリアがねぇ、いっつもお兄ちゃんとうんこ吸血鬼ちゃん?の話ばっかりするんだよ」

小鷹「すまん、うんこ吸血鬼じゃなくて小鳩って呼んでやってくれ……」

ケイト「お兄ちゃんが本当のお兄ちゃんだったらマリアも喜ぶと思うんだけど……」

ケイト「お兄ちゃん、マリアのリアルお兄ちゃんになってあげてよ♪」

小鷹「あのなぁ……そんな簡単に言うなよ。マリアを養子にでもさせる気か?」

ケイト「それじゃあ小鷹お兄ちゃんじゃなくて小鷹パパになっちゃうでしょ?」

マリア『あははは、パパがおるげー!パパー♪』

小鷹「…………」

ケイト「それよりももっと簡単な方法があるよ?」

小鷹「なんだよ?」

ケイト「私とお兄ちゃんが結婚してマリアのリアルお兄ちゃんになるとか♪」

小鷹「妹の為に結婚って……どんだけシスコンなんだお前は」

ケイト「別にマリアの為だけじゃないさ。私もそうなりたいだけさね……」

小鷹「あっ、あれ?ケイトさん……?おーい」

ケイト「今ならなんとなーくエバの気持ちが分かる気がするよ」

小鷹「なんだ急に……」

ケイト「お兄ちゃんも知ってるだろ?アダムとエバ。最初の人類の話しだね」

小鷹「ああ、なんかりんごを食べて楽園を追放されたとかなんとか……」

ケイト「そうそう。蛇に唆されたエバは神様から禁じられていた善悪の知識の実を食べて、結果楽園を追放された話しさ」

小鷹「なんだ、りんご食ったから怒られた話しじゃなかったのか。ってかよく知ってるなそんな事」

ケイト「ふっふーん♪一応私も神に仕える身だからねぇ♪」

小鷹「で、なんでその気持ちが分かるんだよ」

ケイト「私とマリアは天馬さんのおかげで学園と言う名の楽園でシスターをさせて貰ってる。だから天馬さんは私達にとって神みたいなもんなのさ」

ケイト「もちろんその天馬さんの娘である星奈さんも同様にね」

小鷹「あいつに神とか言ったらめちゃくちゃ調子に乗りそうだな……」

ケイト「で、お兄ちゃんは善悪の知識の実ね」

小鷹「俺は実なのか!?」

ケイト「うん、あと私はエバ。蛇は私の中にいる私ね」

小鷹「なんか頭がこんがらがってきた……」

ケイト「蛇に唆されて善悪の知識の実を食べたら神の怒りに触れてエバ達は楽園から追放された……分かる?」

小鷹「ああ、まったく分からない」

ケイト「うーん……まぁ分からないなら分からないで良いか♪」

小鷹「良いのかよ」

ケイト「簡単に言うと、今私はね……星奈さんの怒りに触れてでもお兄ちゃんを食べたいと思ってるのさ……」

小鷹「た、食べるってなんだよ!お、おい、顔、ちかっ……」

ケイト「例えそれで楽園から追放されるとしても……お兄ちゃん、大好き」スーッ

小鷹「ま、まて、待って!ケ、ケイト!!」

ガチャッ

小鳩「あんちゃん、おるー……?」

小鷹「こ、小鳩!」

ケイト「……ふふっ、あははは」

小鳩「な、なんなん?」

ケイト「いやー、残念残念。もう少しだったのに」

小鷹「あのなぁ……」

小鳩「あんちゃん、トイレついて来て……」

小鷹「はいはい、分かったよ」

マリア「お兄ちゃん、こんな所におった……って、なんで糞ババアもおるのだ!!」

ケイト「マーリーアー。お前が向こうで寝てたからお兄ちゃんがここにいたんだろうが」

マリア「そうだったのか?なら糞ババアが向こうで寝て、私はここでお兄ちゃんと一緒に寝るのだ♪」

小鳩「ばかたれー!あんちゃんはうちと寝るんじゃ!!」

マリア「なんだと、うんこ吸血鬼!!」

小鳩「あほー!あほー!」

マリア「あほって言う方があほなのだ!あほめ!」

ワイワイヤンヤヤンヤ

マリア「うん……こ……」スヤスヤ

小鳩「スー……スー……」

小鷹「結局トイレ行かずに寝るのかよ……ほら、小鳩。部屋に戻るぞ」

小鳩「うーん……」

ケイト「せっかく気持ち良さそうに寝てるし、今日はここで寝かせてあげるといいさね」

小鷹「そうか。じゃあ悪いけど小鳩の事頼むよ」

ケイト「お兄ちゃんは?」

小鷹「俺は部屋に戻る。おやすみ」

ケイト「はぁ……千載一遇のチャンスだったのに。この子達は……」

ケイト「いや、この子達のおかげで楽園を追放されずに済んだんだから感謝しないとかね……」


小鷹「なんかドッと疲れたな……」

ガチャッ

六花「くっ……扉に仕込んだ結界をいとも容易く……流石は夜の眷属と言った所か」

小鷹(しまった、忘れてた……)

六花「早く扉を閉めて!奴らが入り込んで来る!」

小鷹(なんかもう……寝れない気がしてきた……)

日が昇るぞー!寝ろー!!おやすみ

翌朝

マリア「なーんでお前が一緒に寝ているのだ!」

小鳩「それはこっちのセリフじゃ!ばかたれ!」

ケイト「はいはい、分かったから朝くらい静かにしろ」

小鷹「おはよう……」グッタリ

ケイト「うわっ、お兄ちゃんそのクマどうしたんさ……?」

小鷹「ああ……これはな……」

六花「残念。もう少しで小鷹の中から闇の力を引き出せたのに……日が昇ってしまった」

小鷹「そんなわけで一晩中寝かせて貰えなかったんだよ……」

星奈「ああーん!どうして私はこんな日に限って早寝しちゃってたのよ!!何か記憶もトビトビだし!!」

小鷹「あんまり大きな声出さないでくれ……頭が割れそうだ……」

六花「頭が!?」キラキラ

小鷹「……いや、本当に割れる訳じゃないから」


勇太「…………」スヤスヤ

昼前

小鷹「さて、そろそろ帰るか」

星奈「なによ、もっとゆっくりしていけば良いのに」

小鷹「いや、マジで体がしんどくなってきたから」

星奈「じゃあ小鳩ちゃんだけでも——」

小鷹「だーめっ。さぁ小鳩帰るぞ」

勇太「ふぁーあ……じゃあ俺達も帰るか」

六花「はっ!勇太、いつのまに」

勇太「今起きた」

小鳩「うぅー……」

小鷹「ん?どうした小鳩?」

小鳩「あ……うぅ、あの……まだ、帰りたくなぃ……」

星奈「でしょ!?ね、ね?小鷹聞いたでしょ!小鳩ちゃんはまだ私と一緒に居た」

小鳩「ぃやっ!」

星奈「えぇっ、小鳩ちゃん?」

小鳩「うちは……」チラッ

六花「?」

小鳩「うちは、六花とまだ遊びたい……」

小鷹「でもみんな帰るって言ってるんだから仕方ないだろ?」

マリア「私達はまだいるぞー?」

小鳩「でも……」

マリア「おーい、きいてるのかー?」

六花「だったら今日は小鳩が遊びにくれば良い」

小鳩「行ってもええの……?」

六花「問題無い。今日と明日はプリーステスも休みで家にいるから帰りは車で送ってもらえる」

小鷹「プリーステス?」

六花「この世界では姉と呼ばれる存在」

小鷹「でもいきなり行くのも失礼——」

小鳩「あんちゃん……」

小鷹「うーん…………分かったよ。せっかく出来た友達だし遊んでこい。そのかわりちゃんといい子にするんだぞ?」

小鳩「うん♪」

六花「交渉成立。これより我がアジトへ帰還する」

勇太「やっと帰ってきたか……」

小鳩「ここがダークフレイムマスターのアジト?」

六花「見た目は普通だが48の術式で扉を封印され」

勇太「されてない」

ガチャッ

樟葉「あっ、お兄ちゃんお帰り」

小鳩「おにいちゃ……クックックッ、貴様は一体何者なのだ」

樟葉「えっと……お兄ちゃん知り合い?」

勇太「六花の友達だよ」

小鳩「クックックッ、我が名はレイシス・ヴィ・フェリシティ・煌。偉大なる夜の血族にしておにいちゃんの妹」

樟葉「はじめまして。妹の富樫樟葉です」

小鳩「あっ……う、ん……はじめまして……」

六花「残念ながら樟葉はまだ闇の力を覚醒せざる者。我々の常識は通用しない」

樟葉「?」

勇太「そんなもん覚醒しないしさせない」パシッ

六花「あぅっ」

勇太「じゃあまたな」

六花「今夜9時に定例会議を行う。場所はランデブーポイントG、勇太の部屋」

パタンッ

六花「……」

小鳩「……」

六花「さぁ、我々も先を急ごう」

小鳩「ここが六花の家……」

六花「ちょっと待って。今コードを入力する」ピピピッ

小鳩「それは……」

六花「パスワードを入力しないと開かない仕組みになっている。いつ管理局の人間がくるか分からないから」

小鳩「おぉー……なんだか格好よか!うちもこう言うの欲しいばい」

六花「今度小鳩の家にも装着してあげる」

小鳩「やったぁー♪」

ガチャッ

十花「何を玄関先で騒いでるんだ」

六花「プリーステス!まさか先回りされていたとは……っ!」

小鳩「り、六花……この人だれ……?」

六花「プリーステスは私達と敵対する管理局の人間。私とは幾度と無く激しい戦いを繰り広げている」

小鳩「ク……クックッ……クッ、わ、我はレイシス・ヴィ……えっと、」

十花「なんだ、この子は?」

六花「私と同じ闇に生きる者。夜の血族にして吸血鬼の真祖。その名は」

小鳩「は、はせがわ……こばと…………です」

十花「なぜ隠れる?」

六花「流石はプリーステス……一睨みで小鳩をあれ程怯えさ」

カンッ!

六花「あぅっ」

十花「別にとって食ったりしない。遊びに来たんなら早く中へ入ると良い」

六花「そうだった。小鳩、私の部屋へ案内する」

小鳩「あっ……う、うん……お、おじゃまします」タッ

十花「やれやれ、嫌われたもんだな」

六花「嫌われたのでは無い。敵として認識したま」

カンッ!

六花「あぅ、いたぃ……同じ所を……」

小鳩「ひっ……」

十花「あー……、いや、別に何でもかんでも叩く訳じゃないからな?」

六花「小鳩、ここは危険。早く私の部屋へ避難を!」

小鳩「う、うん……」タッタッタッ

十花「はぁ……昼食の準備でもするか」

六花「これは古代エジプトで作られた魔具」

小鳩「すごーい……!」

六花「こっちは大昔に隕石が衝突して砕け散った魔法石のかけら」

小鳩「あっ、こっちの人形は?」

六花「それは……13世紀初頭に殺された王妃の念がこめられた呪いの人形」

小鳩「ひっ……」

コンコン

十花「お前たち、昼食まだだろ?適当に作ったから食べにこい」

六花「確かにエネルギーの補充が必要」グゥゥ…

小鳩「クックックッ、何か凄く良いにおいがするのだ……!」

六花「プリーステスは聖調理人として管理局に雇われているので味は保証する」

小鳩「クックックッ……では我がその味、確かめてやろう」

十花「なんでも良いから冷める前に食べろ」

小鳩「お……おいしぃ!なんじゃこれは!!こんなん初めて食べたばい!」

十花「お、大袈裟だな……」

小鳩「うちのあんちゃんは料理ば上手じゃけど、これはもっともーっとおいしいと!」

十花「そ、そうか、あー……こっちも食べてみるか?」

小鳩「うむ♪我は美味なる物には目が無いのじゃ♪」

六花「こっちの料理もお勧めする。特に玉葱が甘くて美味」

小鳩「た……まねぎ……」

十花「ん?」

小鳩「クックックッ……我は偉大なる夜の眷属。しかし弱点の一つが玉葱なのだ」

小鳩「玉葱を食べてしまうと、ま、魔力が低下して……えっと」

十花「ん」

小鳩「……ん?」

十花「好き嫌いせず食べろ」

小鳩「で、でも、玉葱は魔力が……」

十花「食え」

小鳩「あっ、うぅ……あむっ」

十花「よし」

六花「これがかつて凸守すら黙らせたと言う恐怖のプレッシャー……」

意識が途切れてた……またかく

十花「それじゃあ私は出掛けて来る。まぁゆっくりしていけ」

小鳩「うん!クックックッ、お言葉に甘えるのだ」

十花「……」

六花「プリーステス、帰りは小鳩を車で送り届けてもらいたい」

十花「分かっている。適当な時間に帰ってくるから安心しろ」

小鳩「クックックッ……気をつけて行くのだぞ」

十花「うーん……」スタスタ

小鳩「ふ……な、なんなのだ……!?」

十花「うん……」ナデナデ

小鳩「な、なんなん……?」

十花「うんうん……じゃあ行ってくる」ガチャッ

小鳩「??」

六花「今のはまさか……いや、魔術を封印する術式に違いない」

小鳩「クックックッ、あの程度の事で我の魔力は奪われたりせぬわ」

六花「試しに煉獄の炎を呼び出してみて」

小鳩「容易い事よ……あ、あれ?」

六花「やはり……」

小鳩「煉獄の炎を呼び出せん様になっちょる!」

六花「やはり恐るべきプリーステス」

夕方過ぎ

十花「今帰った」

小鳩「クックックッ、現れたなプリーステスよ」

六花「この数時間、練りに練った我々のプリーステス攻略作戦は完璧。覚悟!」

十花「今日は夕飯食べて帰るか?」

小鳩「本当に!?またご馳走が食べれると!?」

六花「小鳩、フォーメーションが」

小鳩「クックックッ、あのような馳走が一日に二度も食べれるとは……今日はいい日じゃ♪」

十花「期待するのは良いが、別に大した物は作らないぞ」

六花「その割には荷物が大量」

十花「……」

六花「それに見たことの無い袋……このあたりのスーパーではないと推測される」

十花「仕方ないだろ。こっちの方が品揃えが良いんだから」

六花「なるほど。つまりプリーステスは小鳩を持て成す為にあっちこっち買い物に出」

カンッ!

六花「あぅ……」

十花「じゃあ夕飯が出来るまでお前達は遊んでいろ」

小鳩「クックックッ、良い匂いがするではないか」

十花「まだもう少し時間がかかる。出来たら呼びに行くから遊んでおけ」

小鳩「クックックッ……我は早く空腹を満たしたいのだ。だからお手伝いしてもよいのだぞ」

十花「じゃあこの出来たのから机に並べてくれるか」

小鳩「そのような事この偉大なる夜の眷属、レイシス・ヴィ・フェリシティ・煌にかかれば造作もない」

十花「六花、お前もこの子よりお姉さんなんだから少し手伝え」

六花「小鳩は何百年と生き続けた夜の眷属。私とどちらが年上なのかはハッキリしていない」

小鳩「うーん……六花、これはどこに置けばよかとー?」

六花「それはここ。真ん中に置けばみんな取りやすくて最強」

小鳩「おぉー!最強!」

十花「なんだか良く分からんが……一応お姉さんしてるみたいだな」

小鳩「すごいすごい!テレビで見たレストランみたいじゃ!」

十花「机に全部置けなかったからな。向こうのはバイキングみたいに好きなのを取ると良い」

小鳩「クックックッ、では早速バイキングとやらを味わってみるとするか」

六花「こんな夕飯は初めて。やはりプリーステスの張り切り指数が」

十花「何か言ったか?」

六花「ぁ……っ、わ、では私もバイキングをしてくる」タッ

十花「ちゃんと野菜も取るんだぞ」

小鳩「」

六花「」

十花「返事は?」

小鳩「うぅ……はーぃ」

六花「だが断る!」

カンッ!

六花「あぅっ」

小鳩「ごちそうさまでした……。さぁ、お、お片付けせんと……」ソロリ

十花「待て」

小鳩「……っ」ビクッ

十花「まだ皿の上に忘れ物があるだろ」

小鳩「しかしたまねぎは魔力を低」

十花「食べないのならデザートは無しだな。せっかくあの店のケーキを買って来たんだが」

小鳩「あの店のケーキ!?…………どこの店?」

十花「食べる事が無いのに話しても仕方ないだろ」

小鳩「うぅー……」

十花「まったく、見た目だけじゃなく中身まで子供なのか」

小鳩「子供ちゃうもん!」

十花「だったらほら。あーん」

小鳩「あ、あーん……」パクッ

十花「よし、良くできました」ナデ

小鳩「うぅー…………えへへ」

十花「なんだ急に笑い出して」

小鳩「うちたまねぎの味は好かんけど、食べるとあんちゃんも、……も褒めてくれるから好きじゃ♪」

十花「ふん、変なやつだなお前は。あと私の事は十花と呼べ。毎回そんな困った顔をされたらこっちも困るしな」

小鳩「じゃったらうちも……」

十花「なんだ?」

小鳩「クックックッ、我はお前と言う名では無い。この世界では小鳩と名乗っている。なので十花も小鳩と呼ぶといい」

十花「わかったよ。小鳩」

小鳩「わぁ…………うん♪」

十花「それにしてもお前は良く食うな。まったく、作りがいがあるよ」

六花「ははまみむめ……ごくっ。食事は確実に取らねばならない」

十花「あんまり食べ過ぎるとデザート食べれなくなるぞ」

六花「問題無い。すでにそのスペースは確保している」

十花「はい、デザート」

小鳩「あぁーっ!これ知っちょる!あの有名な店のケーキじゃ!確か何時間も待たんと買えんゆうちょったばい」

十花「別にそこまで大した物じゃないさ」

小鳩「ハアァ……♪ねぇねぇ、食べてもええ!?」

十花「ああ、ちゃんとたまねぎ食べたからな」

小鳩「クックックッ、頑張って食べて良かったのだ♪……あむっ」

十花「……」

小鳩「んんーっ!……ほっぺが落ちそうじゃ♪」

十花「そ、そうか。まぁなんだ……口に合って良かった」

小鳩「?」

六花「プリーステスはこの店で聖調理人をしている。だから多分このケーキも自作」

六花「それを小鳩に褒められたから赤——」

カンッ!

六花「あぅぅ……今のは少し理不尽……」

十花「……で、お前は何故デザートの後にバイキングを始める」

六花「お腹にまだ余裕があったから食事を続行していた」

十花「それは別にかまわないが」

小鳩「……」コクッ…コクッ…

十花「こっちはもう寝そうだぞ」

六花「お腹がいっぱいになってすぐ眠くなるのとは……まさに子供」

小鳩「子供……ちゃうもん……」スヤスヤ

十花「とりあえずソファーにでも寝かせておいてやるか」

六花「では私はその間に勇太と定例会議を行う」ダッ

十花「おい!……まったく、お客を置いてどういうつもりだ」

小鳩「むにゃむにゃ……」

十花「……」

小鳩「えへへ……おいしぃ……」

十花「…………」プニプニ

小鳩「んっ……んん……」

小鳩「んー……あれ?ここどこ……?」

十花「ん?起きたか?」

小鳩「十花……ああ、そうじゃ……うち遊びにきとったんじゃった……」ウトウト

十花「六花のバカはちょっと出掛けてるんだが……そろそろ暗くなってきたし帰るか?」

小鳩「かえる……かえる?……カエル……カエル?カエルは……おへそが……」

六花「参ったな……お前がしっかりしないと帰り道が私には分からないぞ」

小鳩「ん……?」ポケーッ

十花「とりあえずもう少し寝るか?」

小鳩「うん、寝る……おやすみなさい……」パタン

十花「はぁ……それにしても六花のやつは何をしているんだ」


六花「しまった。勇太との約束は9時だった」

六花「勇太はどうやらいないみたいだし……ロープが解けて自分の部屋に戻る事も出来ない」

六花「くっ!これは明らかに管理局の罠…………ゆうたぁ、寒いよぉ……」

夜9時前

小鳩「ん……、あれ?うちいつの間にか寝とったん……?」

小鳩「えっと、時間は……えぇぇっ!もう9時前じゃ!」

十花「んっ……なんだ、騒がしいな……」ウトウト

小鳩「と、十花、うちもう帰らんと!」

十花「ああ……そうか、あんまり気持ち良さそうに寝てたからつられて私も……」

小鳩「うちはよ帰らんと——」

十花「分かった分かった、ちょっと飲み物を飲んだらすぐ送ってやる」ヨロヨロ

小鳩「だ、大丈夫……?そういえば六花はどこ行ってしもたんじゃ?」

プシュッ

十花「ゴクッ、ゴクッ……はぁ。六花の奴まだ帰って来てないのか」

小鳩「……十花」

十花「ん?なんだ?」

小鳩「それ……」

十花「ビールがどうかしたか?ビールが…………あっ」

小鳩「」

小鳩「うち……帰れんくなってしもた……」

十花「す、すまん。ついボーッとして」

小鳩「うちはどないしたらええんじゃ……」

十花「まぁなんだ……明日は日曜日だし泊まって行くか?」

小鳩「でもいきなりそんな事したらあんちゃんに怒られる……」

十花「これは私の失敗だ。だから私が小鳩の家の人に説明する。電話番号を教えてくれるか?」

小鳩「うん……」

ピピピピピ

小鷹「もしもし?小鳩、お前いつまで遊んでるつもり——」

十花「申し訳ない。私のミスで送り届ける事が出来なくなってしまった」

小鷹「えーっと……あれ?おかしいな……小鳩の携帯だよな……」

十花「小鳥遊十花。六花の姉だ」

小鷹「ああー、すみませんお邪魔してるみたいで」

十花「そう言う訳で今日は泊まって行く事になったんだが」

小鷹「いや、さすがに泊まりなんて迷惑だし……」

十花「どうしてもと言うなら送るが、その場合飲酒運転をすることになるな」

小鷹「ああー……じゃあちょっと小鳩に代わってもらえますか?」

十花「良いだろう。少しだけ声を聞かせてやる」

小鳩「あんちゃーん、うちは元気じゃから心配せんとってー」

十花「と言う事だ。ではまた明日連絡する」

プチッ、ツーッツーッ…

小鷹「まるで誘拐だな……」

十花「確か歯ブラシはあの棚にあったな……着替えは六花のを着るといい」

小鳩「クックック……心得た」

十花「後、寝る場所は……いつも一人で寝ているのか?」

小鳩「子供やないもん!」

十花「じゃあ私の部屋で寝ると良い。私はこのソファーを使う」

小鳩「でもそれじゃ十花が……」

十花「別に気にする事はない。よく仕事から帰ってココで寝てしまう事もあるしな」

小鳩「わかった……」

十花「じゃあ先に風呂に入れ。タオルや着替えは用意して置いておく」

小鳩「クックック、そなたの働き期待しているぞ」

十花「わかったからサッサと入ってこい」

お風呂

十花「着替えとタオルはここに置いておくからな」

小鳩「うわぁ!」

十花「どうかしたのか?」

小鳩「どうなっちょるんじゃ……水しか出てこんばい……」

十花「ちゃんと運転スイッチ入れてるのか?」

小鳩「うんてんすいっち?」

十花「浴槽の近くにあるだろ」

小鳩「運転……運転……あっ、あった」ピッ

小鳩「クックック、ついに観念してお湯を出したか」

十花「はぁ……。まぁゆっくり浸かって出——」

小鳩「十花、シャンプーがどれか分からん……」

十花「右の棚に赤いのがあるだろ」

小鳩「赤い……赤い……あった!この透明の?」

十花「違う。そっちはトリートメントだ」

小鳩「クッ……この我をここまで惑わすとは……」

十花「前の棚には洗顔とか置いてるから」

小鳩「うぅー……うちで使っちょるのと違うからよう分からんばい……」

十花「あー、もう分かった。ちょっと待ってろ」

小鳩「?」

ガチャッ

十花「口で説明するよりも一緒に入った方が早そうだからな」


  ( ゚д゚) ガタッ
  /   ヾ
__L| / ̄ ̄ ̄/_

  \/   /

小鳩「あ……うぅ……」ジィー

十花「なんだ、ジロジロ見て」

小鳩「もしかしたらあいつより大きいかもしれん……(胸が)」

十花「なんだ、大きくなりたいのか?だったら好き嫌いしない事だな。そうすれば背も伸びるぞ」

小鳩「良いんじゃ……あんちゃんは小さいのが好きって言うちょったもん……(ステラ談)」

十花「? まぁ良い。ほら向こう向いて座れ。頭を洗ってやる」

小鳩「うん♪」

十花「かゆいところは無いか?」

小鳩「うむ♪我は満足なのだ♪」

十花「髪、綺麗に染めているな。それにまったく傷んでる感じもしない」

小鳩「クックック……我は偉大なる夜の眷属。生れつき金色の髪を持つ者よ」

十花「と言うことは染めてる訳ではないのか?名前からして日本人っぽいが……」

小鳩「お母さ……我の偉大なる母はイギリスで生まれたのだ……」

十花「なるほど。ハーフと言うやつか。どうりで人形みたいに可愛い顔をしている訳だ」

小鳩「あぅー……」カアァァァ…

十花「どうした?」

小鳩「つ、次は我が十花の髪を洗う番なのだ!」

十花「ん?そうか?ではお願いするかな」

小鳩「うむ♪そこに座ると良いぞ」

小鳩「クックック、どうだ我がテクニックは」

十花「もう少し右をたのむ」

小鳩「こ、こっち?」

十花「そっちは左だ」

小鳩「ク、クックック……魔界と人間界では左右が逆故ややこしいのだ……」

十花「それは大変だな」

小鳩「うむ、大変なのだ」

十花「さて、お風呂に浸かるか」

小鳩「二人も入れる?」

十花「私が先に入るから小鳩は私の上に座れ」

小鳩「重くないと……?」

十花「重い訳無いだろ。……でも嫌なら交代で浸かるか?」

小鳩「ううん、一緒に入る」

十花「そうか。では先に入って……よし、良いぞ」

小鳩「う、うん」チャプッ

小鳩「クックック、なんだかお猿さんの親子みたいなのだ♪」

十花「まさか向かい合わせに座るとはな……」

小鳩「背中を向けてはちゃんとお話が出来ぬからな」

十花「それはそうだな。で、何を話す?」

小鳩「うーん……おお、おっぱいが浮いちょる!」

十花「まったく、背だけならともかくココまで無駄に大きくなって。邪魔で仕方ない」バイン

小鳩「ぁぅ……」チンマリ

十花「こんな物あっても良いこと無いぞ?肩は凝るし、寝ても重さがのしかかる」

十花「唯一この重さから解放されるのが湯に浮かべてる時だけだ」

小鳩「十花、さわってみてもええ……?」

十花「それは別にかまわんが……」

小鳩「おおー……柔らかい、ふにゅふにゅしとる♪」ムニュムニュ

十花「うーん……」

小鳩「触っているとふにゅふにゅで気持ちいいのだ♪」

十花「さ、さぁ、もう良いだろ」

小鳩「……あむっ」チュパッ

十花「な、なにっ!?」

小鳩「うむ……胸は大きいが、おっぱいは出ない————」

十花「あたりまえだ!」ビシッ

小鳩「あぅ……いたぃ…………」

十花「あっ、すまん。いつもの癖で……」

小鳩「はぁ♪しかしこうやって誰かとお風呂に入るのは楽しいものなのだ♪」

十花「そうか。家ではいつも一人で入ってるのか?」

小鳩「あんちゃんはうちが中学生になってから一緒に入ってくれんくなってしもたんじゃ……つまらん」

十花「まぁ……それは仕方ないんじゃないか?それならお母さんと入れば良いだろ?」

小鳩「お母さん…………」

十花「……あ、すまない。余計な事を言ったみたいだな。忘れてくれ」

小鳩「ううん……もしお母さんが生きとったら、こんな風にお風呂入っちょるかも知れんかったから……」

小鳩「だから今日はすっごく嬉しかったとよ♪」

十花(そうか……この子も六花と同じなのかも知れないな……)

小鳩「うちにも十花みたいなお姉ちゃんがおったら良かったのに……」

十花「ふっ……こんな口うるさい姉なんていらないだろ」

小鳩「うちの周りにはろくな年上の女子はおらんし……」

十花「?」

小鳩「うーん…………あっ!そうじゃ!ええ事思いついた!」

十花「なんだ?」

小鳩「十花がうちの本当のお姉ちゃんになればええんじゃ!」

十花「ん?」

小鳩「うちのあんちゃんと十花が結婚すれば、十花はうちのお姉ちゃんやもん!」

小鳩「あんちゃんと十花が家におって、うちは十花の妹になって、十花の妹でうちより年上の六花もうちのお姉ちゃんじゃ♪」

十花「それは少し違う気がするが……ふふっ、まぁそうなれば楽しいかもな」

小鳩「うん♪うちあんちゃんは誰にもあげんつもりじゃったけど、十花にならあげ……貸してあげても良いと!」

十花「貸してあげても……か。小鳩は本当にお兄ちゃんが好きなんだな」

小鳩「うん♪あんちゃんは世界一かっこよくて優しくて、あとえっと、えっと……」

十花「あははっ、わかったわかった。小鳩にここまで言わせるんだ、相当良いお兄ちゃんなんだろうな」

十花「私もな……六花を見ているせいか小鳩が他人には思えないんだ」

小鳩「クックック、我々は同じ闇に生きる者。似ているのでは無い、一心同体なのだ

十花「六花とは一心同体か……だったら少し良いか?」

小鳩「ん?……とっ、ふぇ……?」

十花「本当は六花にもしてやりたいんだが……なかなかどうして難しくてな」ギューッ

小鳩「…………ぅん」ギュッ…

十花「ありがとう、小鳩…………さて、そろそろあが」

小鳩「……おかあさん」ギュッ…

十花「…………よし、お風呂あがりのフルーツジュースでも飲むか」

小鳩「ジュース?うん、飲む♪」

十花「じゃあ早く上がっ」

ガチャッ

六花「さむぃ……まさかベランダで2時間も待つことになるとは……」

十花「わかったからサッサと湯に浸かれ」

小鳩「六花、顔が真っ白じゃ……」

六花「ふあぁ……寒い人肌恋しい……あったかい……」チャプンッ

小鳩「あっ……十花、六花を抱きしめるチャンスじゃなかと?」

十花「……さぁ、フルーツジュース飲むか」

小鳩「そうだ、フルーツジュース!うん♪」

ねるねるねーるね

小鳩「うちの周りにはろくな年上の女子はおらんし……」
あれ?でも幸村・・・あぁ(納得)
十花さんはせっかくのチャンスだったのに照れてしまったのかな?乙

十花「私はリビングで寝ているから何あったら気にせず起こせば良い」

小鳩「う、うん……おやすみなさい……」

十花「ああ、おやすみ」

ガチャッ

小鳩「うぅー……自分の家やないから落ち着かんと……」

『ブラッディ……プリズン!!』

小鳩「な、なん……!?」


十花「今何時だと思ってるんだ。静かにしろ」

六花「むっ……やはり管理局からの妨害が……!」

十花「しずかにしろ!」カンッ

六花「あぅっ」


小鳩「なんじゃ……六花達の声か……」

小鳩「はぁ……うぅ……泊まる事になるんやったら人形も持って来れば良かったばぃ……うさぁー……うぅー」

コンコン

小鳩「!!」

十花「何かウーウーうめき声みたいな物が聞こえるが大丈夫か?」

小鳩「うぅー……」

十花「どうした?」

小鳩「こ、このベッドは我が一人で寝るには広すぎるのだ……」

十花「そういわれれば小鳩には少し大きいか……」

小鳩(うんうん)コクコク

十花「確か向こうの部屋に客用布団があったはずだが……出してみるか」

小鳩「あぁっ!そ、そう言う事やなくて……」

十花「? なんだ?言いたいことがあるならハッキリ言え」

小鳩「だからぁ……一人で寝るには大きいっちゃけど、二人で寝れば調度ようなる思うんじゃ……」

十花「……あぁ。そういう事か。ようは夜に一人だと心細いんだな?」

小鳩「ク、クックックッ……我は闇に生まれ、闇で育ち、闇と生きる者。夜が怖いなど有り得ぬ」

十花「分かった分かった。私もソファーで寝るのは狭苦しいからな。一緒に寝かせてくれ」

小鳩「クックックッ、ならば早くベッドに入るが良い」

十花「……やっぱりソファーで寝るか」

小鳩「そ、それはならぬ。なぜなら我は既に部屋全体に結界を……」

十花「何を慌てている。冗談だよ」

小鳩「あぅ……」

十花「そっち狭くないか?」

小鳩「クックックッ……大丈夫なのだ」

十花「しかしこうやって誰かと一緒に寝るのも久しいな。昔は六花が良く来たもんだが」

小鳩「うちも久しぶりじゃ……すごく久しぶり……」

十花「それにしても今日は寒いな……どれどれ」ゴソゴソ

小鳩「な、なんじゃ?」

十花「よい……しょっと」ムギュッ

小鳩「んむー!んんー!!ぷはっ!!な、なんなんじゃいったい……」

十花「赤ちゃんは体温が高くて抱いてるだけで温かいと言うからな。湯たんぽ代わりになるかと」

小鳩「うちは赤ちゃんじゃなか!」

十花「しかしなかなか温かいぞ?」

小鳩「そんなん言うちょったら、十花だって温かいから赤ちゃんじゃ」

十花「ならギブアンドテイクだな。ほら、もっとこっちにこい」

小鳩「クックックッ……ギブアンドテイク……?なら仕方ないのだ……」ギュッ

十花「ふッ……小鳩は可愛いな」ワシワシ

小鳩「うぅー……あっ、十花の胸……ええ匂いがする……」スンスン

十花「や、やめろ。くすぐったい……」

小鳩「ん……?十花、照れよーと?クックックッ、弱点を見つけたようなのだ」スリスリ




星奈「なっ……とくいかないわこんなの!!」

ステラ「お嬢様、いかがなさいました?」

星奈「分からないわ!でも今この時この瞬間、世界のどこかで私の納得がいかない事が起こってるのよ!!」

ステラ「かしこまりました。すぐにでも精神科医をお呼びします」

小鳩「クックックッ……柔らかくて良い匂いがして……気持ち良いのだ」スリスリ

十花「んっ……分かったからもうやめろ」

小鳩「我の知る人間に同じ様に大きな胸をしている者がおるが、そいつは苦手じゃ……」

十花「同じ様な胸なのに何か違うのか?」

小鳩「よう分からんけど……その人間は苦手なのだ……」

十花「そうか。なら同じ様な私も嫌われないように気をつけないとな」

小鳩「ううん、うち十花の事は大好きじゃ♪えへへ」

十花「や、やめろ……そんな目でこっちを見るな」

小鳩「?」

十花「はぁ……。本当に……あまりそういう無邪気な顔をし過ぎると襲われるぞ」

小鳩「えぇ!?うち、襲われると……?あっ」



星奈「小鳩ちゃーん!!小鳩ちゃんマジ天使!マジマイスイートエンジェル!!小鳩ちゃん小鳩ちゃん小鳩ちゃーん!!ハァハァ」

ステラ「お嬢様、気でも狂ったのですか。そうですね?やはり精神科医を」

星奈「違うわよ!私にはわかるの……今、小鳩ちゃんは私の事を考えていたのよ!!」

星奈「この時間……きっと今はお家のベッドね。そこで一人、私の事を考えながら何してるのかしら♪何してる……ナニしてるのかしら♪ハァハァ」

星奈「小鳩になら私を何度おかずにされてもかまわないわぁ♪むしろ私をおかずにしてる小鳩ちゃんを私がおかずに」

ステラ「精神科医と警察に連絡ですね。かしこまりました」

翌日

六花「シュバルツシルト!!」

小鳩「おぉー……!かっこいい!」

十花「……さて、もうすぐ夕方だしそろそろ帰るか?」

小鳩「あれ?もうそんな時間……」

六花「……小鳩、帰りたく無いならもう一晩泊まって行けば良い」

十花「お前も小鳩も明日は学校だ。ダメに決まってるだろ」

六花「ならば我々の魔力を結集して月曜日を破壊するまで」

十花「月曜日を破壊しても火曜日がくるだけだ。それに家の人だって心配する」

小鳩「あんちゃん……」

ピピピピッ

十花「電話か?噂をすればなんとやらってやつだな。心配してるんだ、早く出てやれ」

小鳩「うん!もしもし、あんちゃ……」

十花「私は車を出して来」

小鳩「なんでお前がうちの番号しっちょるんじゃ!!」

星奈「ち、ちがうのよ小鳩ちゃん!これは、えーっと……そう!小鷹に教えて貰って」

小鳩「……」ピッ

六花「」

小鳩「あんちゃんのあほたれ!なんで勝手にうちの番号教えるんじゃ!帰って文句言わんと!」

十花「えっと……じゃあ帰る支度が出来たら下に下りてこい」

六花「忘れ物は無い?」

小鳩「うん」

六花「では出発する」

ガチャッ

六花「この階段は少し古い。足元に気をつけて」

小鳩「うん……」

勇太「ん?なんだ、今から帰るのか?」

小鳩「おにいちゃん!」バッ

勇太「は?えぇっ!?ちょっ……と!!はぁ……いきなり階段から飛び降りたら危ないだろ!?」

小鳩「最後におにいちゃんに会えてよかったばい」

勇太「大袈裟だなぁ……また遊びに来れば良いだろ?」

小鳩「でも少し遠いし……道も分からんし、次はいつ来れるかわからへんもん……」

勇太「連絡くれたら迎えに行ってやるよ。勿論しょっちゅうは無理だけどな」

小鳩「ほんまに!?」

勇太「次はうちにも遊びにこい。夜の眷属、ヴァルキュリアよ」

小鳩「うん♪クックックッ、じゃあまたなのだ!」

勇太「やれやれ……ん?」

六花「勇太、ずいぶんと小鳩には優しい……別に良いけど」

勇太「なんだよそれ?別に普通だろ?」

樟葉「へー」

勇太「樟葉まで、いつの間に……」

十花「私は家を知らないからしっかり案内頼むぞ」

小鳩「クックックッ、我にかかればナビゲートなど朝飯前なのだ」

十花「住所でだいたいの道は分かっているから近まで来たら細かい道を教えてくれ」

小鳩「安心するが良い。我は近くまで行かねば全く道が分からぬ」

六花「この辺りのナビゲートは私に任せてもらいたい」

十花「いや、この辺りの道なら私の方が詳しいから必要無い」

六花「くっ……!ならば近道を。そこの道を天高く、上へ!!」

十花「バカは放っておくとして、分かる所からで良いから頼んだぞ」

小鳩「う、うん!」

六花「ふぉ!?」

小鳩「ここをまっすぐ……そこを曲がった所」

十花「ここか?」

小鳩「あっ!あんちゃん!」

ブロロロロ

小鳩「あんちゃーん!」

小鷹「おかえり小鳩。いい子にしてたか?」

十花「とてもいい子にしてたさ。君が小鳩のお兄さんだな」

小鷹「えっと……」

小鳩「この人は十花。六花のお姉ちゃんじゃ」

小鷹「ああ、この度は小鳩がお世話になって申し訳ないです」

十花「いや、なかなか私も楽しめたさ。それになるほど……小鳩が懐くだけあって優しそうなお兄さんじゃないか」

小鷹「優しそう?……俺がですか!?」

十花「ほかに誰がいる?」

小鷹「この外見で、そんな風に言われたの初めてだ……!」

小鳩「んー……そうだ!!」

小鳩「あんちゃん!うち六花と遊びに行ってくる!」

小鷹「遊びに行くって、もう夕方だぞ?」

小鳩「うち十花にはいっぱいお世話になったから、しっかり持て成しといてよ!」

小鷹「なんだ偉そうに」

十花「そんな事は気にしなくて良い。さぁ帰るぞ六花」

小鳩「クックックッ……では遊びに行ってくるのだ」

小鷹「あっ!おい!!」

小鳩「六花、こっちばい!」タッ

六花「プリーステスに土地勘が無いことを考慮して……逃げきれる確率1%」

小鳩「とにかく逃げんと……」

六花「小鳩、なぜ逃げる?別に今日じゃなくても我々はまた会い見え——」

小鳩「うちらは会えるけど、あんちゃんと十花が会う機会はいつになるか分からんもん……」

十花「? はっ!まさかあの二人を戦わせて」

小鳩「とにかき逃げ——」

ボインッ

小鳩「うわぁっ!な、なんじゃいったい……」

六花「あぅ……っ」

星奈「ちょっと、大丈……夫……」

小鳩「あっ……」

星奈「やーん♪小鳩ちゃん小鳩ちゃん小鳩ちゃん!マイスイートエンジェル小鳩ちゃん!」ダキッ

小鳩「はなせ……!なんでお前はすぐに抱き着いてくるんじゃ!」

六花「このエンカウント率……やはり我々は戦う宿命!」

星奈「やだやだ!六花ちゃんまで……あっ、大変。膝を擦りむいてるわ!こっちきて、私がペロペロしてあ」

小鳩「あほたれー!!なんでそんな気持ち悪い事言うんじゃ!!」

星奈「やーん♪嫉妬?これが嫉妬ってやつなのね?大丈夫、小鳩なら無条件でペロペロ」

小鳩「せんでええ!」

十花「六花、小鳩、こっちか?」

六花「小鳩、追っ手が」

小鳩「くっ……」

星奈「なに?知り合い?」

小鳩「こうなったら最後の手段じゃ……」

六花「まさか拘束制御術式零番解放を!?」

小鳩「うぅー……星奈!……おねえちゃん…………」

星奈「!?」

小鳩「うちらを……うちらを少しの間さらって欲しいんじゃ!!」

星奈「さらって欲しい?……さらって好きにして欲しい?……身も心もさらって好きに欲しい?」

小鳩「だ、だれもそこまで言うちょらん——」

星奈「ステラ!小鳩ちゃんハンティングは終了!すぐに車を出してちょうだい!」

ステラ「ガッテン承知いたしましたお嬢様」

小鳩「……ハンティング?」

ブロロロロー

小鳩「あとはあんちゃんにメールして……うちらは時間が経つのをまっちょれば……」

星奈「さぁ、何処に行こうかしら?遊園地?動物園?それともホテルとか♪」

小鳩「あんちゃん……はよう進展してくれんと……うちらの身体がもたんばい……」

十花「む……見失ったか」

小鷹「いま、星奈と遊んでくるってメールが……」

十花「まったく。何を考えているんだあいつらは」

小鷹「えっと……」

十花「ああ、帰るまで車内で待たせて貰う。ここに車を止めていても大丈夫か?」

小鷹「それは大丈夫ですけど……是非家の中で待っててください」

十花「気にするな。それに車内の方が気兼ね無しに過ごせるさ」

小鷹「それがそうも行かないっていうか……」

十花「なんだ?」

小鷹「小鳩から追加でこんなメールが……」


『ちゃんと十花を持て成さんかったら絶交なんじゃから!あと、何かご馳走しちゃってよ!』


十花「フッ……さすがに妹から絶交されたらたまったもんじゃないな」

小鷹「よっぽど六花のお姉さんの事を気に入ってるみたいで……無理言ってすみません」

十花「十花でいい。では少しお邪魔させてもらうぞ」

小鷹「はい。散らかってますけどどうぞ」

十花「ん?良い匂いがするな」

小鷹「すみません、夕飯を作ってたもんで」

十花「夕飯はその……君が作っているのか?」

小鷹「あっ、小鷹でいいですよ。うちは両親が家にいないので料理は僕が作ってるんです」

十花「そうなのか……。なかなか上手いもんだな」

小鷹「そうだ。良かったら味見して貰えますか?」

十花「それは構わんが……私は味にはうるさいぞ?」

小鷹「望むところですよ」


十花「うむ……うんうん、味もなかなか美味いじゃないか」

小鷹「良かった。最近は小鳩以外に作る機会はあんまり無いから」

十花「ただ少しもの足りないな」

小鷹「!!」

十花「調味料はどこにある?」

小鷹「それならここに……」

十花「これは……なかなか珍しい物まで揃っているな」

小鷹「なんか変な調味料探すのが好きで」

十花「これとこれを少々と……あとこれを足して、こんな感じか」

小鷹「えぇ!?ちょっ、そんなに色々入れたら……」

十花「良いから食べてみろ」

小鷹「はあ……」パクッ

十花「どうだ?」

小鷹「……うまい。なんだこれ、さっきまでと全然違う!まるで別の食べ物じゃないか!!」

十花「そ、それは大袈裟過ぎるだろ……」カアァァァ…

小鷹「いや、これでも料理には自信があったけど、俺なんて全然って言うか……十花さんは何者なんですか!?」

十花「職業柄と言うか……あの店で働いている」

小鷹「働いてるって……あそこは超一流レストランじゃないですか!」

十花「だから大袈裟過ぎると言っ」

小鷹「やばい、テンション上がってきた!十花さん、もっと料理を教えてください!!」

十花「あ、ああ……」

野球憩

小鷹「冷蔵庫の材料で何か作れそうですか?」

十花「ああ。これだけあれば色々作れそうだな」

小鷹「そうだ、メモ帳を用意しないと!ちょっと待ってて下さい」ダッ

十花「ずいぶんと料理に関して熱心な奴だな。……ん?」

小鷹「お待たせしてすいません!」

十花「これは初めて見るな」

小鷹「それはしょっぱくもあり辛くもあり、しかし味わい深い人生にも似たラー油です」

十花「つまり……少し前に流行った食べるラー油と言うやつか」

小鷹「それは辛いのが苦手な小鳩も大好きなんですよ!」

十花「しょっぱくもあり辛くもあるのにか?」

小鷹「論より証拠、是非ごはんにかけて食べてみて下さい!美味いですから!」

十花「では一口…………うん、確かに美味い。絶妙な味加減だ」

小鷹「結構どこでも好評なんです!」

十花「……ん?……これは」

小鷹「あの、どうかしたんですか?」

十花「いや、なんでもない。それよりどうだ、この際買い出しに行くか?車でなら沢山買い込めるだろ」

小鷹「マジですか!?それは助かるって言うか……でもわざわざ良いんですか?」

十花「子供が大人に遠慮なんてするなバカ者。さぁ行くぞ」

小鷹「あっ、はい!」

夜空「まったく……あいつらは部活動を何だと思っているのだ!」

理科「まぁまぁ、夜空先輩。いきなり日曜日に集合と言われてもなかなか集まりませんよ」

幸村「夜空の姐御……私の力不足、お許しください」

夜空「ハァ……まぁ良い。今日は解散だ。さっさと帰るとし——」


理科「あれ?今通り過ぎた車……助手席に小鷹先輩が乗ってたような……」

幸村「私の目にもそのように見えました」

理科「車の運転が出来るって事は、相手は年上ですか……」

夜空「……よし、解散はもう少し後だ。今から我々は小鷹の家へ事実関係をたしかめに行く」

理科「ヤー!」

小鷹「なんて言うか……けっこう遠くのスーパーまで来ましたね」

十花「ここは品揃えが良いんだ。特に調味料のな」

小鷹「調味料の!?」

十花「ああ、この棚全部が調味料だ」

ズラーッ

小鷹「な、なんだこれ……こんな調味料始めてみるぞ……こっちも、こっちも!」

十花「私は食材を見てくるが……」

小鷹「あっ、俺はもう少しここに……」

十花「分かったよ。まったく、まるでお菓子コーナーから動かない子供だな」

小鷹「なんだこれ……すっげぇ辛そうだぞ」

十花「ふっ……可愛いやつめ」

小鷹「えっ?何か言いましたか?」

十花「なんでも無い。私は行くが動き回って迷子にならないようにな」

小鷹「そんな子供みたいに……おわっ!なんだこれ!!」

小鷹「うわぁー……ずいぶん食材買いましたね」

十花「それはこっちの台詞だ。なんだその瓶の山は」ドッサリ

小鷹「これはその……色々試してみたくて」ガッシャリ

十花「さあ、早く帰らないと六花達が帰って来てしまう。急ぐぞ」

小鷹「はい!」

ブロロローン


夜空「遅い遅い遅い遅い!幸村、貴様さっきからコンビニでなにをしている!!」

幸村「兄貴の御自宅に行くのに手ぶらでは行けませぬ故」

理科「なるほど……理科も手土産を持って行って女子力アピールしましょうかね!」

夜空「手土産……女子力……?それはその……私もした方が良いのか……?」

ブロロロローン

理科「あっ、小鷹先輩。今帰りでしょうか」

幸村「なにやらとても上機嫌に見えました」

夜空「ま、まだ慌てる時間じゃない……まだ……」

十花「さてと、では調理を始めるとするか」

小鷹「メモの準備はいつでもOKです!」

十花「まずは玉ねぎをみじん切りにする」

小鷹「フードプロセッサならこの棚に……はい、どう……ぞ……」

玉葱「へへっ……その必要はねぇよ……」

小鷹「そんな……振り返ったらすでに玉ねぎがみじん切りに……」

十花「次はタレだな。使うのはこの10種。メモしたか?」

小鷹「は、はい!」

十花「分量はこれで……出来上がりだ」

小鷹「ちょっ、出来上がりって……分量とかは……」

十花「そんなもの目分量に決まっているだろ?」

小鷹「これは……想像以上だ……」

十花「さぁ盛り付けるぞ。気に入った物があったら後でレシピを書いてやるから手伝え」

小鷹「マジっすか!よ、よし!盛りつけるぞー!!」

十花「うん……なかなか綺麗に盛りつけるな」

小鷹「料理作ってるうちにこだわり始めたって言うか……それでも十花さんと比べたら天と地の差だけど……」

十花「いや、たいしたもんだよ。将来調理師にでもなったらどうだ?」

小鷹「そんな、俺なんて」

十花「どうだ、将来私と一緒に料理を作ってみる気はないか?」

小鷹「えっと……それはどういう意味で……」

十花「さぁ、盛り付けた料理を並べろ。あいつらも帰って来るぞ」

小鷹「あっ、そっちのは何ですか?」

十花「これは後のお楽しみだ」

小鷹「?」

小鷹「さてと、これで全部かな。後は小鳩達が帰ってくれば……」

小鳩「もう帰るゆうちょるんじゃ!はーなーせー!!」

星奈「やだやだ、超拒否られてるぅ♪小鳩ちゃんまじ小鳩ちゃん!」

六花「料理、とても美味しかった。感謝する」

ステラ「ありがとうございます。六花様」

小鳩「はよ離さんか!あほたれー!!」

夜空「貴様、いい加減警察に捕まるぞ」

星奈「はぁ?って言うか、なんで夜空達がここにいんのよ?」


小鷹「やれやれ、なにやってんだあいつら。仕方ない出迎えに行くか」

十花「そうだな」

小鷹「おまえら、勢揃いして家の前で騒ぐなよ」

小鳩「あんちゃん!」

夜空「小鷹、貴様に聞かねばならぬ事があ……」

十花「六花、さっさと戻って来い。料理が冷める」

理科「これはこれは……強敵ですね……」

星奈「なに?誰?」

理科「スラッと伸びた身長……少し前の夜空先輩を思い出す様な綺麗なロングヘアー」

理科「さらに星奈先輩に勝とも劣らないダイナマイトバディィ!!バインバインですよ!!」

理科「さらにさらに理科のスカウターによると、ツンデレの可能性大!」

星奈「な、なによそれくらい。私には学年一位の頭脳と卓越された運動神経があるんだから」

子供「あっ!風船が風で!」

十花「よっ……。ん」

子供「うわぁ!お姉ちゃん凄い!!お空飛んだ天使さんみたい!」

星奈「運動神経は悪くないみたいね。でもまだ私には学年一位の頭脳が……」

理科「星奈先輩……あの人が頭悪そうに見えますか……?」

星奈「それは……」

理科「と言うか、あれで頭が悪かったらそれはそれで萌え要素ですよ」

星奈「ぬぐぅ……」

夜空「だいたい貴様は小鷹と何をしていたと言うのだ!!」

十花「貴様?貴様とは私に言っているのか?」

夜空「そ、そうに決まって……」

十花「最近の高校生は礼儀も知らないのか。良いだろう、私が誰か……の前に礼儀を教えてやる」ズンズン

夜空「ひっ……く、くるな!こっちへくるな!!」

理科「あの夜空先輩が威圧されている……」

幸村「あんな怯えた夜空の姐御は初めて見ます……」

小鷹「やめろおまえら。十花さんは俺に料理を教えてくれてたんだよ」

理科「小鷹先輩に料理を?でも先輩って確か料理お上手でしたよね?」

小鷹「十花さんはあの店で料理人として働いてるんだよ」

夜空「なんだ?有名なのか?」

理科「あ、あの店って言ったら超一流店じゃないですか!!」

星奈「あの店ならパパと何度か行った事あるわ。確かにめちゃくちゃ美味しいけど……」

理科「えっと……スタイルが良くて、髪が綺麗で、運動神経抜群で、頭も良くて(推測)、夜空先輩を圧倒する威圧感を持ち、料理の腕は小鷹先輩以上……」

幸村「非の打ち所が無いとはまさにこの事……」

十花「……そんな事は無い」カアァァァ…

理科「しかも押しに弱い!!残念ながら理科に勝ち目は無いですね……」

夜空「まだだ!まだ終わらんぞ!!私は小鷹の携帯番号を知っている!!」

小鷹「あっ、そうだ。……と、十花さん、良かったら……その、携帯の番号教えてもらえませんか……?色々教えて貰いたいんで」

十花「ああ、構わんぞ」

理科「夜空先輩、自爆してしまいましたね」

星奈「ま、まだよ!小鷹は私の家に来た事があるし、泊まった事だってあるんだから!!」

夜空「なんだと肉!!貴様、そんなの初耳だぞ!!」

星奈「うっさいわね!なんでいちいちあんたに報告しなきゃいけないのよ!!」

理科「どうせ帰るバスが無くなったから仕方なくとかじゃないんですか?」

星奈「うぅっ……」

星奈「それでもうちに遊びに来たと言う事実は変わらないんだから!!」

理科「あのー……星奈先輩?」

星奈「なによ。まだ何か文句あるの?」

理科「あの方……今、小鷹先輩の家から出てきたんですよ?」

星奈「……」

理科「ちなみに皆さん小鷹先輩の家に招かれた事は?」

夜空「……無い」

星奈「無いわよ」

理科「私もありません」

幸村「私は一度だけ……」

理科「!!」

星奈「ちょっと、幸村!どういう事なのよ!」

夜空「ユダか!貴様はユダだったのか!!謀反なのか!!」

幸村「わ、私は……そのようなつもりは……」

小鷹「やめろよ。幸村は家の片付けを手伝ってくれただけだ」

幸村「兄貴……」

十花「後輩をいじめるか。まったく、まったく……」ゴゴゴゴ

夜空「こ、こんな……こんなのが小鷹は好みなのか!!」

小鷹「……え?なんだって?」

夜空「くっ……覚えておけ!!」タッ

理科「夜空先輩が星奈先輩のような捨て台詞を……」

幸村「兄貴と同じく、文武両刀……新のつわものです……」キラキラ

星奈「まだ……まだよ、私には小鳩ちゃんが…………」

小鳩「クックック……十花、ただいまなのだ♪」ダキッ

十花「おかえり。本当に小鳩はよく懐くやつだな」

小鳩「十花はええ匂いがするし、柔らかいから大好きなのだ」

星奈「なっ……な、な…………」

小鷹「へぇー、小鳩がこんなに懐くなんて初めて見たな……」

星奈「ユ……ユ、ユニバアァァァス!!」ダーッ

理科「星奈先輩はお金持ちな点では勝ってると思うんですけどねー……」

理科「さて、理科も今日はおいとまさせていただきますね」

幸村「私も失礼させていただきます。兄貴」

小鷹「なんか色々と騒がしかったな……まぁまたいつでも遊びに来てくれ」

理科「良いんですか!?」

小鷹「毎日は来るなよ。時々だからな」

理科「はい♪では収穫も得たことですし、理科はこれで♪」

小鷹「おう、また学校でな」

幸村「それでは兄貴、私も……」

小鷹「俺が言うのもなんだけど、いつもあいつらが迷惑かけて悪いな」

幸村「いえ、私などには勿体なきお言葉……」

十花「六花もこれくらい従順と言うか、素直に育ってくれればな……」チラッ

六花「小鳩、アリの大群が……この辺りから闇の気配を感じているのかもしれない」

幸村「それでは兄貴、失礼します。妹君達と十花の姐御もお元気で」

十花「姐御?」

小鷹「幸村の癖みたいなもんなんで気にしないでください」

十花「そうなのか?じゃあ我々も料理が冷める前に食べるか」

小鳩「料理?食べる食べる!六花、早く!」

六花「クックック……待つのだ我が血族よ」

十花「おまえら、なんか話し方が変になってるぞ」


小鷹「しかしまぁ……十花さんに姐御は似合うな……」

十花「ん?なんだって?」

小鷹「い、いえ、なんでも無いです!さぁ飯だ飯!」

良い子は寝る時間なので、続きはまた後で書きます

小鳩「うわぁー……♪ご馳走じゃ!」

小鷹「さすがにちょっと作りすぎたか」

小鳩「あんちゃん、あんちゃん!もう食べてええ?」

小鷹「いただきますしろよー」

小鳩「うん!いただきまーす♪」

十花「六花、おまえも礼儀正しくしろ」

六花「ふぃははふぃはふ」ムシャムシャ

小鷹「あの二人、なんかああしてると姉妹みたいだな……」

十花「どっちが妹なのか分からんがな」スッ

小鷹「お互い手のかかる妹をもって大変ですね」

十花「まったくだ」


十花「姉妹と言えば小鳩が面白い事を言ってたな」

小鷹「小鳩が?」

十花「私と小鷹が結婚すれば、私と小鳩は姉妹になれるから結婚してくれとか」

小鷹「はあ!?」

十花「もし結婚して六花がついてくれば毎日こんな感じか」

小鷹「いや、話が飛躍しすぎて良く分からないですよ……」

十花「飛躍しすぎか……まったくだな。だかこう言うのも悪くない」

小鷹「えっ?」

十花「さぁ私たちも食事にしよう。山ほど作ったのに残りはあれだけだぞ」

小鷹「ええ!?ちょっ、おまえら食い過ぎだろ!」

六花「ふぁはふぁひひふぉひ」

小鳩「クックック……戦いの中にいる以上、食事は確実にとらねばならぬからな」

十花「そうだ、忘れていたがこれも食べてみてくれ」

小鷹「これは……?」

十花「しょっぱくもあり辛くもある、味わい深い人生にも似たラー油。私オリジナルだ」

小鷹「こんなのいつの間に……」

小鳩「わはぁ……♪うちこれ大好きなんじゃ♪」パクッ

小鷹「俺も……」パクッ

十花「どうだ?」

小鳩「うん!おいひぃ♪」

小鷹「本当だ……まったく同じ味に出来て…………あれ!?」

小鳩「あれ?この味少し……」

小鷹「なんだ、食べ終わった後にもう一度うま味が来るって言うか……市販のより美味しい!」

十花「あのラー油も美味しかったが後味がイマイチだったのでな。改良してみたんだが口に合って良かったよ」

十花「こっちに沢山作ってあるからまた食べれば良い」

六花「プリーステス、明日からはお弁当にコレを入れてもらいたい」

十花「そうだな。明日からはご飯の上に乗せておいてやる」

小鷹「そうだ、これも作り方教えてください!」

小鳩「うんうん!うちも毎日食べたい!」

十花「そうだな…………いや、これは教えられない。企業秘密だ」

小鷹「そんな……他は色々教えてくれたのに……」

十花「だから食べたくなったら私を呼べ。作りに来てやる」

小鷹「そんな、わざわざ悪いですよ」

十花「せっかく出来た友達なんだ。たまには六花と小鳩も会わせてやりたいし」

小鷹「ああ……確かに小鳩のやつ、楽しそうだな……」

十花「それに私もお前と会いに来たいしな」

小鷹「えっ?なん——」

十花「この距離で聞こえなかったとは言わせんぞ?」

小鷹「……」

十花「普通に食べてれば2週間くらいはもつだろう。無くなったら連絡してくれ」

小鷹「すいません、色々と……」

十花「さてと。六花、そろそろ帰るぞ」

小鳩「えっ……もう帰ってしまうん……?」

十花「そんな顔するな。また来るさ」

小鳩「またって、いつか分からへんもん……」

十花「そうだな、ラー油が無くなる頃にだな」

小鳩「じゃあうち明日から毎日ラー油食べる!」

十花「食べ過ぎは体によくないぞ。ほどほどにな」

小鳩「クックック……了解したのだ」

十花「さぁ六花、帰るぞ」

六花「小鳩、いつでも私のプロトコルコードに送信してくると良い」

小鳩「うん!」

六花「今宵は赤き満月の夜……血が騒ぐ。ではまた」

ブロロロロ

ちょっとアレしてきます

数日後

凸守「こーむぎーこーたーまーごーデース♪パン粉ーをーまーぶーすデース♪」

凸守「ん?あの人影はもしや……」

夜空「はぁ……」

凸守「やはり師匠ではないデスか!」

夜空「リア充はみんな死ねば良いのに……スタイル良い人間も料理が上手い人間もなにもかも……」

凸守「こ、これは……呪いの儀式デスか……?」

夜空「……ん?誰だお前」

凸守「師匠、凸守デス!凸守早苗デス!!」

夜空「……すまんな。絶縁した人間の事など私は覚えていないんだ」

凸守「どうして凸守が絶縁なのデスか!!」

夜空「お前がリア充だからだ!バカもん!!」

凸守「どうして凸守がリア充なのデスか!!凸守は闇に染まりし者デス!!」

夜空「私たちの世界ではな……友達がいる人間はみんなリア充なんだよ。分かったかリア充」

凸守「それだけでリア充とは浅はか過ぎデス!凸守はリア充では無いデス!!」

夜空「貴様、口答えを……しかし待てよ……もしあれが真の友達じゃなく、我々部員のような仲だとしたら……」

夜空からみた凸守
髪型=変
服装=変
性格=変
口調=変
頭=数学が得意だっただけで基本悪そう
スタイル=幼児体型
恋愛=縁が無さそう

夜空「なるほど……もしかしたら私のはやとちりだったのかもしれないな……」

夜空「良いだろう。特別にもう一度弟子にしてやる」

凸守「師匠……!凸守は感激なのデス!」

夜空「そうかそうか。これからも精進して私について——」

男子1「あっ、おーい!凸守さーん」

男子2「凸守ちゃん、何してんの?」

凸守「シッシッ!凸守は今忙しいのデス!」

夜空「うむ、そうやって近づくリア充共は蹴散らしてやれ」

男子1「じゃあすぐ帰るから一回だけ髪を解いてよ」

男子2「こいつ前に凸守ちゃんが普通にしてたの見逃したってうるさいんだよ。ね?一回だけ!」

凸守「分かったデスよ。一回見たらさっさと帰るデスよ?まったくめんどくさいデスね……」パサッ

男子1「うわぁ……凸守さんマジ天使……」

男子2「だろ?勉強の成績だけじゃなく、見た目も学校一位の美少女だよな……」

凸守「ほら、約束デス!さっさと帰るデスよ!」

男子1「あっ、うん……じゃあまた明日!」

男子2「またねー」

凸守「まったく……師匠、お待たせして申し訳無いデ……師匠?」

夜空「……もうやだ」

夜空「しまった……こいつは幼児体型などではない……」

夜空「貧乳はステータスだ、希少価値だ……私の様な中途半端が一番ダメだったんだ……」

夜空「しかも髪を解けば美少女で、成績も優秀……そう考えると服装も私には理解出来ないだけでオシャレなのかもしれない……」

夜空「私は……いったいなんなんだ……」

凸守「げ、元気出すデス!!服装があれなら凸守が師匠の為に作らせるデス!」

夜空「作らせる……?」

凸守「うちの会社は服も作っているので、デザイナーに言って師匠好みの服を作らせるデス!」

夜空「なんて事だ……金持ち属性まであると言うのか…………」

夜空「なんだ……この世はリア充で出来ていたのか……?」

凸守「元気出してください先輩!ファイトです!」

夜空「もう嫌だ……決めた、私は決めたぞ……」

凸守「師匠?」

夜空「もし世の中がリア充だらけだと言うなら、小鷹がそのリア充を知る前に……私は……」

夜空「リア充に取られるくらいなら、小鷹を……タカを私だけのモノにする!」

凸守「良く分からないデスが……これが古来から伝わる鷹狩と言うものデスか……」ゴクリ

小鷹「ん?電話……夜空か。もしもーし」

夜空「小鷹か」

小鷹「なんだよこんな夜遅くに」

夜空「すまない……昼過ぎから電話は持っていたのだが、なかなか踏ん切りがつかなくてな……」

小鷹「なんだ?何か重要な事か?」

夜空「明日……話がある」

小鷹「明日?今じゃダメなのか?」

夜空「そうだ。明日、私はお前の家に行く。その時に話す」

小鷹「でも明日は——」

夜空「明日の午前10時!必ず家にいろ!!良いな!!」ピッ

小鷹「なんなんだ?夜空のやつ……明日って……」

小鳩「クックック、我が半身よ……明日は我が眷属が来る日で間違い無いな?」

小鷹「十花さんと六花だろ?間違いないよ。ってかもうこれで今日8回目だぞ」

小鳩「そうかそうか……では我は明日に備えて眠りにつくとしよう」

小鷹「はいよ。おやすみ」

翌日

夜空「小鷹……これはどういう事だ」

小鷹「どういう事だって言われても」

十花「車、ここに止めても大丈夫か?」

小鷹「あっ、はい」

夜空「小鷹、何故この女がいる!」

小鷹「何故もなにも、小鳩の為にわざわざラー油を作りに来てくれたんだよ」

夜空「くっ……!じゃあこっちの奴らはなんだ!」

理科「理科は先輩にまた遊びに来いと言われていたので遊びにきただけですよ?」

幸村「私も約束無しでくる、世に言うサプライズと言うものです」

夜空「どいつもこいつも……」

星奈「私は私服姿の小鳩ちゃんをウオッチングしにきただけよ。六花ちゃんと家の中に入っちゃったけど……」

凸守「凸守はなんとなくマスターと小鳩の家へ遊びに来ただけデス!」

夜空「ああもう……お前らはいつもいつもいつもいつも……!」

星奈「な、なによ……」

夜空「もういい。言う、私は言うぞ……これを言うために来たんだからな…………小鷹!」

小鷹「なっ……なんだよ?」

夜空「はぁっ……す、ス……」

小鷹「すす?」

夜空「す……好きだ!私は、お前が!世界中の誰よりも!!だから私と付き合え!!」

小鷹「はあっ!?」

夜空「わ、私は……小鷹とは幼なじみだし……だから……」

星奈「ちょっと待ってよ。それなら私だって幼なじみ所か婚約だってしてるんだから!」

理科「それは既に解決済の問題ですよね?そもそも先輩を愛する気持ちなら理科は誰にも負けていませんよ?」

幸村「兄貴に仕え、一生兄貴だけに尽くすと決めた私も失礼ながら引くわけには参りませぬ」

凸守「(ここでこの男を奪い、師匠に差し出せば凸守の株も鰻上りデスね……)凸守も実は好きデス!」

夜空「ならばこの際だハッキリさせよう。誰が小鷹を手に入れるか!」

小鷹「お前らなぁ……冗談ならもっとマシな——」

十花「面白そうだな。私も参加しようか」

小鷹「いや、十花さんまで悪乗りしないでくださいよ……」

十花「悪乗りじゃない。私はお前が欲しい。それだけだ」

小鷹「そんな顔を赤くしてまで冗談言わなくても……」

六花「こっちから気配を感じる」ダッ

小鳩「まって六花。あんちゃん、遊びに行ってくるー!」

小鷹「あんまり遅くなるなよー。ってかどこ行くんだ?」

小鳩「サバトー!」タッ

小鷹「サバトって……」

日付が変わるよ!オヤスミ

そろそろ自分の中のHENTAIを抑え切れない

理科「ここが小鷹先輩の家ですか……♪」

星奈「へー。広いとは言えないけど綺麗に片付けられてるじゃない」

幸村「その節はお世話になりました」

小鷹「そういえばあの中学生はどこ行ったんだ?」

理科「あの子ならサバトと聞いて飛んで行きましたよ?」

夜空「とにかくだ、これで貴様の【小鷹の家に招かれた】と言うアドバンテージは無しだ!」

十花「……で、これからどうするんだ?」

理科「本来なら小鷹先輩に誰が一番好きなのかハッキリ言ってもらいたい所なんですが……」チラッ

小鷹「え?なんだって?」

理科「……本人がこの様子なので理科達で考えなくてはいけませんね」

理科「小鷹先輩に回りくどい言い回しをすると、はぐらかされるだけだと思うんです」

星奈「確かに小鷹ってそういうところ小心者っぽいわね」

夜空「ならば私達が直に、分かりやすく言うしかないな」

幸村「皆さんの前で公開告白と言うなんとも恥ずかしい事をするのですね」

夜空「これも、男の中の男になる為だ!」

幸村「御意」

星奈「で?選ばれた人には特典みたいな物は無いの?」

理科「特典は小鷹先輩と熱いキッスとかどうですかあぁぁぁ!!」

星奈「キス……まぁ別に良いけど……で?誰からそんな恥ずかしい事をするのよ?」

夜空「それはやはり……ふ、普段からなれている貴様から行くべきだろ」

理科「あれはスキンシップみたいなもので、本気の告白とはまた違いますよ!理科だって少しくらいの羞恥心は持ち合わせています」

幸村「では私から……」

小鷹「なんか勝手に話が……」

幸村「あにき……」

小鷹「な、なんだ?」

幸村「私は自分が真の男になる為、男の中の男である兄貴に仕えてまいりました」

幸村「しかしつい最近、皆様に女性であることを知らされ男の中の男になれない事に気づきました……」

小鷹「そうか」

幸村「でもそれと同時に思ったのです。この身体が女性だと言うならそれを受け入れよう」

幸村「女性の身体には子を宿す力があります故、私は兄貴の子をこの身にやどそうと」

小鷹「子……子!?」

幸村「兄貴、お付き合い等と大それた事は言いません。一晩、一晩で良いですから私の身体に兄貴の子を——」

星奈「ちょっ……ストップ!ストップ!!」

幸村「?」

夜空「幸村、貴様……子供がどうすれば出来るか知っているか?」

幸村「一晩愛し合えば出来ると伺っております」

理科「待ってください、理科の中では幸村君は幸村君で変換され、小鷹先輩の猛々しいソレが、幸村君の華奢な身体に、つ、突き刺さ——」

夜空「若干一名頭がおかしくなりそうだから交代だ」

星奈「次は私が行くわ」

星奈「でも何かしゃくに触るって言うか、なんで私から小鷹にこんな事……」

夜空「嫌なら危険しても良いんだぞ?肉」

星奈「うっさい!あー……もう!いい、小鷹。この全知全能の神である私が今からあんたに告白してあげるから有り難く思いなさい」

小鷹「はあ……」

星奈「本来なら小鷹が地べたを這いながら懇願する立場なのに、わざわざ私が言ってあげるんだから!」

小鷹「……」

星奈「いっとくけど私は神で小鷹は愚民なの。だから私の言う事は絶対で、これも——」

夜空「はい時間切れ。次は理科だぞ」

星奈「ちょっ、ちょっと!時間制限なんて聞いてないわよ!」

夜空「」

理科「では次は理科が♪」

理科「先輩、理科は夜空先輩や星奈先輩より付き合いは短いし幼なじみでもありません」

理科「でも……小鷹先輩をドキッとさせた回数で言うと、理科が一番だと思うんです!」

小鷹「それは……まぁ……」

理科「それに小鷹先輩を見てドキドキした回数が多いのも理科が一番だと思うんです」

小鷹「それは本人じゃないと分からないんじゃないか……?」

理科「いえ、理科は小鷹先輩がゲームをしてるだけでドキドキしてますから♪」

小鷹「ゲーム?」

理科「コントローラーどMの受けなんです……それを小鷹先輩が乱暴に……っ」

理科「そしてコントローラーが特に感じる○ボタンと□ボタンを執拗に小鷹先輩!コントローラーはカチカチといやらしい喘ぎを——」

小鷹「理科……頭は大丈夫か……?」

理科「はい!理科は先輩ならセロハンテープとでもいけますよ!!」

星奈「まったく理解できないから次。夜空の番よ」

夜空「私はあれだ……まぁさっきも言った通り……」

夜空「昔、私達は親友だっただろ?だからその……」ゴニョゴニョ…

星奈「ちょっと、そんな小さな声じゃ小鷹じゃなくても聞こえないわよ」

夜空「だから、タカとソラは親友だったけど、今の私は小鷹とそういう関係ではなくてだな……」

夜空「そ、そうだ例えるなら目玉焼きがだし巻き卵に変わる感じで」

小鷹「だし巻き卵?」

夜空「だから、黄身と白身に別れた目玉焼きではなく、一緒に混ざり合った……」

理科「つまり夜空先輩は小鷹先輩とぐちゃぐちゃになるまで交わりたいって事ですか?」

星奈「あんたエロゲーは馬鹿にするくせに……頭の中ではそんな事考えてたの?」

幸村「夜空の姐御……さすが、大人です」

夜空「ちょっ……な、そんな……っ」

夜空「と、とにかくだ!選べ!!小鷹!」

小鷹「選べって言われても、皆めちゃくちゃ……そういえば十花さんは……?」

星奈「小鷹、私達にこんな恥ずかしい思いをさせたんだから責任とりなさい」

理科「そうですよ!全ては小鷹先輩が皆に気を持たすような振る舞いをするからですよ!」

幸村「兄貴、ここは男らしくお願い致します」

小鷹「そんな振る舞いしてないだろ!?」

理科「少なくともそれは有り得ません」

夜空「まったくだ」

小鷹「そんな馬鹿な……」

小鷹「俺は……その……あ、あれだ」

理科「先輩、男らしくないですよ!」

小鷹「だからほら……み、みんな好きだ!ああ、そうだ!」

夜空「小鷹……」

星奈「考えられる最低の答えね」

幸村「兄貴……」

小鷹「ええ!?いや、本当に。例えば理科!」

理科「はい?」

小鷹「理科はいつも俺達には扱えない様な機材を使って隣人部の為に働いてくれてるだろ?」

小鷹「それだけでも凄い事だけど、それを言わず、一人黙々とこなしてくれてる……」

小鷹「そんな所がかいがいしくて好きだ!」

理科「小鷹先輩……そんな皆さんの前で……」ボッ

小鷹「そして幸村!」

幸村「はい」

小鷹「細かい所まで目が行き届き、入れてくれるお茶は最高に美味いし」

小鷹「一番皆に尽くしてくれてるのはいつも幸村だ。多分もう幸村無しじゃ部が成り立たないだろ」

小鷹「それくらい部にとっても、俺にとっても幸村は大切な存在なんだ。好きに決まってるだろ!」

幸村「兄貴……これからも日々精進いたします……!」

小鷹「それから星奈!」

星奈「な、なによ」

小鷹「お前とは小さい頃に知り合ってたり、婚約がどうこうあったり……やっぱり星奈も特別な存在なんだよ」

小鷹「まぁ性格は超高飛車、興味の無いものは名前も覚えない、小鳩に付き纏うしおまけに喧嘩っ早いけど」

星奈「小鷹、けんかうってるの?」

小鷹「でもな、それを補って余り有るくらい魅力的なんだよお前は。じゃないとそんな奴と仲良くしてないだろ」

小鷹「そんな魅力的な星奈といつも一緒にいられて俺は幸せ者だよ」

星奈「ふ……ふんっ、小鷹の割に少しは分かっているじゃない……」

小鷹「最後に夜空」

夜空「今までの発言で既に私は虫の居所が悪いんだが」

小鷹「夜空はなんて言うか……腐れ縁だな」

夜空「よし、殺す」

小鷹「だって昔は親友で、戻って来たら同じ学校の同じクラスだぞ?」

小鷹「こんなのもう腐れ縁……運命だろ」

夜空「……そう言うと響きは悪くないな」

小鷹「多分夜空とは何年たっても一緒にいると思うよ」

夜空「……それは親友としてか?」

小鷹「そんなの分からないけど、どうせずっと一緒にいるんだ。そのうち分かるだろ」

夜空「ずっと一緒か……そうだな。答えは急ぐ必要無いか」

小鷹(やれやれ、なんか……雰囲気良くなったし誤魔化せたかな……)

理科「それでは小鷹先輩!」

小鷹「ん?」

理科「茶番はこれくらいにして早く選んでください♪」

幸村「緊張してきました……」

星奈「あんたは前置きが長いのよ」

夜空「こころの準備は出来ているぞ」

小鷹「あ、あれ……」

小鷹「いや、だから皆好きだって言う話が……」

理科「はい♪だからその中から一番を選んで下さい♪」

星奈「ほら、さっさと私を選びなさいよ。本当にヘタレね」

夜空「本当に貴様は自信過剰だな。まぁその鼻も間もなくへし折られるだろうが」

幸村「兄貴、信じています……」

小鷹「だから……話を聞けって!」

夜空「そんなに言いづらいなら仕方ないな」

星奈「そうね。この繰り返しで日が変わっちゃうわ」

小鷹「はぁ……」

理科「言葉がダメなら態度で示して貰うしかないですね」

小鷹「態度って……」

理科「キスですよ、キス♪さぁさぁ、一番好きな子にさっさとチュッとして楽になって下さい!」

小鷹「そんな事出来るわけ……」

理科「乙女の純情を弄び、全員に愛想振り撒いてメデタシメデタシだ……?バーカ……そんな上手い話があるか……」ボソッ

小鷹「えっ……な、なな、なんだって……?」

星奈「あーもう!煮え切らないわね!」

幸村「我々は兄貴の答えを待つのみなのです……」

夜空「小鷹、早くしろ!」

理科「ハッキリしてくれないと理科、事件を起こしちゃうかもしれないですよ?」

小鷹「あっ……と、マジか……」

夜空「さぁ……」

星奈「さぁ……」

幸村「兄貴……」

理科「さぁ……♪」

小鷹「やっ……ちょっ、まっ……」

ガチャッ

小鳩「クックックッ……今戻ったぞ我が半身よ……って、なんじゃこれ……?」

小鷹「小鳩!!」

六花「ただならぬ妖気を感じる……これは危険レベル�……!」

凸守「レベル�!?もはや我々でも手に終えるか分からないレベルデス!!」

小鷹「小鳩、早くこっちに!!」

小鳩「あんちゃん?どないしたんじゃ……んっ、んんっ!?」

一同「なっ!?」

小鷹「…………ぷはっ!はぁ、はぁ」

小鳩「あ、あん……ちゃん……」トロン…

小鷹「すまん、皆。俺は皆の事は大好きだけど、恋愛対象は中学生以下なんだ!!」

夜空「こ、この変態め!!」

小鷹「ああそうだ!俺はロリコンでシスコンで小鳩が大好きだ!!4人の中から1人を選ぶなんて出来ないな!!」ダキッ

小鷹「あんちゃん……うちもあんちゃんのこと……すき……っ」ギュッ

星奈「やだ、どうしよう……小鷹と小鳩ちゃんがあんな事するなんて……ちょっと萌えるかも……」ボソッ

理科「理科も他の人はあれですけど、兄妹と言うのはなかなか……フフフ」

幸村「これが兄妹愛と言う物なのですね……美しいです」

夜空「おまえらも全員変態か!!」

夜空「とにかく今日はもう帰る……なんか疲れた……」

星奈「兄妹じゃ婚約も出来ないしとりあえず脅威では無いしね」

小鳩「ガルルルル……!」

星奈「あっ……ご、ごめんね、小鳩ちゃん!そんなつもりじゃ……じゃあ私も帰るわね!」

理科「理科も今日は良いオカズが出来たので帰って賢者モードになります」

幸村「兄貴、今日言っていただいた言葉は心の家宝にさせていただきます」

ガチャッ

小鷹「……ハアァ。なんだったんだいったい」

小鳩「あんちゃん……」

小鷹「悪かったな小鳩。いきなりあんなことして」

小鳩「ううん……今日は良い日じゃ……♪」

六花「小鳩のあの目は……」

凸守「ぞくに言う目がハートと言うやつデスね」

ガチャッ

十花「ん?さっきの連中はどうしたんだ?」

小鷹「帰りましたけど……十花さん、どこに行ってたんですか?」

小鷹「じつはかくかくしかじかで……」

十花「なるほど。それで小鳩がそんなトロンとした目をしているのか」

小鳩「……」ポケー…

小鷹「おーい、小鷹ー?こっちの世界にかえってこーい」

十花「しかしまさかロリコンでシスコンだったとはな」

小鷹「あれはあの場を切り抜ける為であって、本当にロリコンって訳じゃないですよ!」

十花「なら私にもチャンスは有るな」

小鷹「はい……?」

十花「小鷹、さっき一度皆を褒めちぎったと言っていたな?」

小鷹「はい……」

十花「あの遊びには私も参加していたんだ。お前からみた私の話も聞かせてくれ」

小鷹「俺から見た十花さんですか……」

小鷹「十花さんとは会って話した事もあまり無いから良くは分からないですけど……」

小鷹「スタイルが良くて、料理も上手くて、美人で、頼れる年上のお姉さんって感じですね」

十花「では今度は私から見た小鷹の印象を教えてやるとしよう」

小鷹「はあ……」

十花「目付きが悪い、ガラが悪い。小鳩と違い髪の色も綺麗では無い」

小鷹「ぐっ……良く言われます……」

十花「だがな、本当は不器用なだけで優しくて、料理の才能もある可愛い弟のような奴だ」

小鷹「なんか、そういう風に言われたのは初めてです……」

十花「弟、弟のような……弟のような、か。ふふっ、そうかそうか」

小鷹「えっと……何か笑う様な所ありま……いてっ、いてて!鼻が、鼻がもげっ……!」グググッ

六花「プリーステスが小鷹の鼻を摘んでもぎ取ろうとしている……!」

凸守「悪魔デス……まさに悪魔デス!!」

小鷹「十花さん、いたっ……苦しい……ハァッ、ん、んんー!!んっ、……ん」

十花「……っ、……んっ」

小鷹「……ッ!……ッッ!!」バンバンッ!

小鳩「……ハッ!あんちゃん!?あんちゃんがタップしとる!!」

十花「ぷはぁっ……」

小鷹「っ……色々、吸い取られた…………」

凸守「魂を吸い取られたデス!!」

十花「弟のようなと言っていた小鷹に欲情してキスするとは、小鷹がロリコンなら私はブラコンか」

小鷹「あの……十花さん?」

十花「どうした?」

小鷹「気のせいなら良いんですが……猛烈に酒臭くないですか?」

十花「うむ。参加したは良いが、どうにも色恋沙汰は苦手でな。少し外でビールを飲んで勢いをつけてみたんだが」

小鷹「勢いつきすぎですよ!完全に暴走してるじゃないですか!!」

十花「固いことを言うな。これ以上迷惑かけるまえに帰るさ」

小鷹「帰るって……誰が車を運転するんですか」

十花「うむ……」

小鷹「…………」

十花「よし、今日は泊まって行くとしよう」

小鷹「……マジですか?」

小鳩「本当!?十花と六花と凸ちゃんはお泊りしょーと!?」

十花「小鳩、悪いが泊めてくれるか?」

小鳩「うん♪うちは大歓迎じゃ♪」

六花「しかし凸守はプリーステスが鼻をもぎ取ろうとしたのを見て帰ってしまった」

小鳩「そうなんじゃ……六花は泊まって行くと……?」

六花「今宵は楽しくなりそう」

小鳩「わはぁ♪クックックッ、今から血が騒ぐのだ♪」

日付が変わったからネルよー

小鷹「泊まるって言っても着替えとかどうするんですか?」

十花「それは小鳩の服を借り——」

小鷹「100歩譲って六花は入ったとしても、十花さんは絶対に入らないと思うんだけど……」

十花「だったらもういっそ裸で良いだろ。……ヒック」

小鷹「一刻も早く目を覚ましてください」

十花「そんな訳で私は風呂に入る。案内してくれ」

小鷹「案内してくれじゃなくて、着替えも無いのに風呂なん…………んんーっ!」

六花「思い出した。プリーステスは大量の聖酒を口にしたとき、相手の口から魂を吸い取る魔術を乱発する」

小鷹「ぷはっ!!それってただのキス魔じゃないのか!?」

六花「そうとも言う」

小鷹「いやそうとしか言わないから……」

小鷹「とりあえず俺の部屋着を置いとくんで、これで我慢してください」

十花「十分だ。では酔いをさまして来る」

ガチャッ

小鳩「クックックッ、六花は我の魔力が染み込んだ衣服を着るがよい」

六花「それはたすかる。我々は闇の魔力を帯びているものしか身につける事ができないから。感謝する」

小鷹「ってか六花に小鳩の服は入るのか……?けっこうムチムチしてるけど」ボソッ

六花「え?なんだって?」

小鷹「い、いや、冗談って言うか、小鳩は特別発育が遅いから服が入るのかと——」

小鳩「あうぅ……」

小鷹「あっ、い、いや!あれだよな、小鳩は老いさばらえるあれだから大丈夫だよな!あはは……」

ガチャッ

十花「小鷹、それを言うなら老いさらばえるだぞ」

小鷹「どわっ!!と、十花さんはせめて服を着てください!!」

十花「ふう、お先に失礼させて貰ったぞ」

小鷹「あれ?早かったですね。服は着れまし……」

十花「服?ああ、大丈夫じゃないか?」

小鷹「だから何でバスタオルで……服を着てないんですか!」

十花「風呂上がりにすぐ服なんて着たら暑いだろ」

小鷹「そこは一応俺も男なんで気を使ってもらえませんか?」

十花「なんだ、欲情でもするのか?」

小鷹「それは……しませんけど……」

十花「なら良いだろ。さてと……」ガチャッ

小鷹「あの……どうしてさも当然のように冷蔵庫を開けるんですか……?」

十花「ん?ああ、さっきこれを冷やさせて貰っていたんでな」プシュッ

小鷹「それって……」

十花「ごくっ……ごくっ……ハァ。やっぱり風呂上がりはビールに限るな」

小鷹「なんで酔いをさます為お風呂へ入ったのに、風呂上がりに一杯してるんですか!!」

十花「服を着てきた。これで文句はないな」

小鷹「…………」

十花「しかし……やはり胸の辺りが苦しいな。シャツがのびたらすまない」

小鷹(なんでバスタオル巻いてる時よりエロくなるんだ……)

十花「小鷹?」

小鷹「あ、いや……そういえば小鳩達、なかなか風呂から出て来ないな……」

十花「もうそろそろ出てくるだろ」

ガチャッ

小鷹「おっ、噂をすれば——」

小鳩「うわぁーん!」ダダダッ

小鷹「うわっ、なんだなんだ?」

小鳩「あんちゃん、六花が、六花が……!」

六花「緊急事態が発生した。小鳩の服は胸の辺りが窮屈で入らない」

小鷹「ああー……やっぱり……」

小鳩「やっぱりってなんじゃあ!あんちゃんのあほたれ!!」

小鷹「とりあえずコレが一番大きなサイズか……これならワンピースだしいけるんじゃないか?」

六花「さっそく試着してみる」

小鳩「クックックッ……永遠の若さを保つ我には老いと言う概念は無く、故に成長も止まっているのだ……けして成長が遅い訳では無い」

小鷹「小鳩、悲しくなるだけだからそのはなしはやめようか……」

ガチャッ

六花「罠、これは罠に違いない……!!」ダダダッ

小鷹「今度はなんだ!?」

小鳩「なるほど…………うちの下着が入らんかったみたい」

小鷹「だろうな……ってか、パンツも穿かずにワンピースで走り回るなよ!」

小鷹逆レイプとか4Pとか考えてたけど、賢者タイムに突入してしばらくは健全にいけそう……
おやすみなさい

六花「スースーする」

小鷹「仕方ないだろ。それしかないんだから」

六花「スースーする!なんかカッコイイ!!」

小鳩「あんちゃん、うちも同じのがええ……」

小鷹「小鳩は自分のがあるんだからトランクなんて穿かなくていいの」

十花「しかし緩いとは言え小鷹の下着が穿けるなんてな……六花、少し太ったか?」

六花「ぐっ……これは精神攻撃……っ!その手には乗らない!」

小鷹「はいはい、人の家でケンカしないでくださいよ」

十花「それもそうだな。では寝るとするか」

小鷹「じゃあ十花さんは俺の部屋、六花は小鳩と同じ部屋で」

十花「サラっと女を自分の部屋に誘うとは……なるほど、なかなかハレンチな奴だったのか」

小鷹「俺は他の部屋で寝てるのでお構いなく」

十花「そうか……。こんな時、部屋が多いとつまらんな」

小鷹「つまらないとかつまらなくないとか無いですよ」

小鳩「……あんちゃん」

小鷹「ん?どうした、小鳩?」

小鳩「うち、今日は皆で寝たぃ……」

小鷹「皆でって言われてもなぁ……」

十花「客用の布団とかは無いのか?」

小鷹「それが残念な事に……押し入れに4セット程……」

十花「素直でよろしい。ではさっさと準備するぞ」

数分後…

小鷹「おーい、敷き終わったぞー」

小鳩「クックックッ♪ご苦労であったな、我が半身よ」

六花「ずいぶんと綺麗に敷かれている。間隔も完璧。まるで儀式の用意」

十花「川の字になって寝るなんて久しぶりだな」

六花「この一番左の布団から強力な魔力を感じる……!ここに決めた」

小鳩「クックックッ、では我はその隣にするか」

十花「小鷹はどっちが良い?私の右隣か……私の左隣りか」ペロリ

小鷹「い、一番右端で……」

10分後…

小鷹「……全然落ち着かん」

ゴソゴソ…

小鷹「なっ、なんだ!?」

十花「何を慌てている?夜ばいに決まっているだろ」

小鷹「十花さん、俺は貴女を料理人として尊敬してるし、憧れてもいます。でも言わせてください…………あほですか!」

十花「静かにしろ、六花達が起きる……うるさい口は封じねばいけないな」

小鷹「ちょっ、まっ…………ッッ!!」

十花「んっ……んんっ、」

小鷹「ぶはっ!!ゲホッ、ゲホッ!さ、酒臭い……なんでこんなに……」

カララーン

小鷹「な、な……なんで枕元にビールの空き缶がこんなにもあるんですか!!」

十花「夕方にも言ったが、私は色恋沙汰は苦手でな。勢いをつけた……ヒック」

小鷹「勢い付けなくて良いですよ!」

小鷹「だいたい酒に酔った勢いでこんな事されてもなんとも——」

十花「そう言うな。今は酔っているが、酒で勢いを付けてこうしたいと思ったのはシラフの私だ」

小鷹「そんな事言っても、」

十花「私は小鷹とキスがしたい。キス以上の事もしたい。でも勇気が出なくて酒の力を借りた……これでもダメか?」

小鷹「だっ、だいたい、まだ2回しか会った事ないのに!」

十花「2回で十分だ。私をこんな気持ちにさせたのはお前が初めてだからな。小鷹……ヒック」

小鷹「そんなヒックヒック言いながら言われても説得力ないですよ」

十花「なら試してみるか?」

小鷹「試す?」

十花「言っただろ?こんな気持ちにさせたのはお前が初めてだと」

小鷹「はい……?」

十花「この歳では価値も何も無いが……貰ってくれるか?その、私の初めてを……」

小鷹「…………は、はあ!?」

小鷹「お、落ち着いて、冷静に……!」

十花「私は常に冷静だが」

小鷹「そ、そうだ!部屋に干してる十花さん達の服、もう乾いてるか見——」

十花パンツ「まだ、乾いてませんよ」

小鷹「なっ、なんで十花さんの物と思わしき下着が……」

十花「六花と一緒に風呂場でサッと洗ったんだから当然だろ?」

小鷹「でも六花は下着を借りに来たけど十花さんは……」

十花「私の部屋着はズボンだったからな。別に良いかと思ったんだが」

小鷹「じゃあもしかして今……」

十花「ふっ……脱がすのが一手間はぶけたな」

小鷹「脱がせませんよ!」

十花「ここまでしてもダメだとは…………小鷹、お前はもしかして……」

小鷹「違いますよ!別に嫌とかそ」

十花「ホモなのか?」

小鷹「いい加減ツッコミを入れますよ」

十花「やれやれ……私も自惚れていたのかもしれないな……」

十花「こうして迫れば小鷹は拒否しないだろうと……しかし実際はこのザマだ」

小鷹「そんな……」

十花「キスをし、身体を密着させ、下着を付けていないと言い、恥ずかしながら処女である事も告げ……それでもダメだった。本当にもう……」

小鷹「いや、実際俺もギリギリって言うか……」

十花「いよいよもって攻略しがいのある奴だな。お前は」

小鷹「はい?」

十花「そうか、これが恋とか言う物か。フフッ……なるほど、これは楽しい……」

十花「小鷹、お前の前にいると私は私で無くなる。いや、本当の私になると言うべきか?」

小鷹「本当の十花さんって何ですか……」

十花「さあな。ただお前の前にいると他の事がどうでも良くなる。キスがしたくなる。身体を密着させたくなる。性行為をしたくなる」

小鷹「性行為って……」

小鷹「と、とりあえず一度自分の布団へ戻ってください」グイッ

十花「こんな気持ちは初めてだ。こんな私が私の中にいるなんて知らなかった」

小鷹「なんかまるで二重人格みたいな言い方ですね……」

十花「誰かを好きになると言うのはこう言う気持ちだったのか……どうやら私はお前を愛しているようだぞ、小鷹」

小鷹「あの、もう俺が恥ずかしくなってきたんですけど……」

十花「ハァ……まいったな。離れた所で気持ちが高ぶり過ぎて眠れないぞ」

小鷹「こっちも眠れませんよ」

十花「そうか……だったらもう少しそっちで一緒にいても良いか?」モゾモゾ

小鷹「だっ、今はだめだから!絶対にだめです!!」

十花「そう難い事言うなよ。難い事……硬い……」

小鷹「…………っ」

十花「なんだ、多少は小鷹も興奮していたのか?たしかココが硬くなる時はそう言う時だった筈だが」

小鷹「こ、これは生理現象で、だから……別にやましい気持ちとかは……」

十花「そうか、小鷹は私の身体で興奮していたのか。なんだか少し嬉しいな……」

小鷹「ちがっ……これはいきなりキスされたから——」

十花「そうか、小鷹はキスが好きか。なら眠くなるまで続けてみるか?」

小鷹「一生眠くならないのでやめてください」

十花「こうして上に乗れば……」バッ

小鷹「なっ……」

十花「さて、どうしてやろうか。フフフ……フフ…………フッ……」ドサッ

小鷹「え?ええ!?と、十花さん?」

十花「スー……スー…………」

小鷹「寝てる……?この体制で……まるで理事長だな」

小鷹「どうしたら良いんだ……どけようにも何処を触れば良いのか……」

小鷹「とりあえず……寝返りをうつまで待つか……」

翌朝

十花「んっ……あぁ、よく寝たな。自分の家より良く寝れた気がする」

小鷹「そりゃ良かった……」ゲッソリ

十花「どうしたんだその顔……まさか私の寝相が悪くて良く眠れなかったのか?」

小鷹「いえ……めちゃくちゃ寝相はよかったですよ……」

小鷹(朝方まで俺の上から全然動かなかったもんな……)

十花「しかし昨日は飲み過ぎた。夜の事がまったく思い出せん」

小鷹「む、無理に思い出さなくて良いと思いますよ!」

十花「そうか?それにしてもこの二人……見てみろ。仲良く同じ布団に潜って寝ている」

小鷹「本当に仲良いんだな。……ん?なんで携帯握りしめて寝てるんだ?」

六花「ゅ……た……」

小鳩「クックックッ……」スヤスヤ

十花「なんだ?寝言か?」

小鷹「気持ち良さそうに寝てるし、もうすこし寝かせといてやるか」


日付が変わるからアレしてきます。
次は時間戻って六花と小鳩のターン

時を遡る事数時間前……

小鳩「せっかくのお泊り会やのに……もう寝よるなんて勿体なか……」

ゴソゴソ

小鳩「?」

六花「シーッ……、これより布団内で秘密の会合を行う」

小鳩「かいごう?」

六花「そう。とにかく布団の中へ。管理局が目を光らせている」

小鳩「うちら見張られちょるん……!?」

六花「私の布団から小鳩の布団に来るのも命懸けだった。とにかく早く!」

小鳩「わ、わかった!」

モゾモゾ

小鳩「六花、そっちせまない?」

六花「大丈夫。それより明かりを……」ピッ

小鳩「携帯電話?」

六花「食料もある」ゴソゴソ

小鳩「ポッキーとスルメ?」

六花「戦いは長期戦も予想される。我々も食事は確実に取らねばならない」

小鳩「でもお布団でおかしば食べちょったら、あんちゃんに怒られるばぃ……」

六花「大丈夫、きっと気付かない。今頃二人とも寝ている筈。この隙間から様子を……」チラッ

小鳩「おぉ……!な、なんか秘密結社みったいでドキドキしてきた……!」チラッ


十花「んっ……んんっ、ぷはっ!ん……ッ」

小鷹「んー……っ!!」


小鳩「」

六花「」

小鳩「今……あんちゃん達、キスしちょった……」

六花「それだけでは無い。プリーステスは過剰に身体をこすりつけていた」

小鳩「でも何の意味があると……?」

六花「わからない……でも前に勇太の部屋で同じような事をしている写真が載った書物をみた。勇太ならあるいは」

小鳩「おにいちゃん?」

六花「違う。勇太は小鳩のおにいちゃん」

意味不明な所で寝落ち+投稿してた……
六花「違う、勇太は小鳩のおにいちゃんじゃない」
せめてまでは書き切りたかった
また夜に書きます

六花「私の知る限り、勇太の妹は樟葉と夢葉だけのはず」

小鳩「クックックッ、我とDFMは既に兄妹の契約を結んでいるのだ」

六花「なるほど……とにかく勇太に連絡をしてみよう」

ピッピッピッ……


勇太(あいつ……今日はベランダから入って来なかったな……)

勇太(携帯も着信無しだし……なにやってんだ……別に待ってる訳じゃないけど——)

ピピピッ

勇太「って、電話!」

勇太「……もしもし。こんな時間に何の用だよ?」

六花「さすが勇太。コールが鳴ると同時に出るとは……やはり闇の気配を感じて——」

勇太「た、たまたま携帯さわってただけだよ!」

六花「実は勇太に可及的、速やか的に聞きたいことがあって連絡した」

勇太「なんだよ?」

六花「口から魂を抜き取り、柔術の様な事をする男女をどう思うか聞きたい」

勇太「ゆし、何を言っているかサッパリ分からないから切るぞ」

六花「つまりキスをしながら身体を密着させていると言う事」

勇太「キス!?身体を密着って……あっ、呪術じゃ無くて柔術って言ったのか…あっ」

小鳩「おにいちゃん」ヒソッ

勇太「あれ?今の声……たしか小鳩ちゃんだっけ?」

六花「今日は小鳩の家にプリーステスと泊まりに来ている」

勇太「なんだ。そうだったのか…………えっと、もしかしてさっき言ってた男女って……」

六花「プリーステスと小鷹。私達は布団の中で様子を伺っている」

勇太「…………」

勇太「一度整理しなおすと、お前達は布団に潜ってて、小鷹さんと十花さんがその……あれか?」

六花「勇太のベッドの下にあった書物の中身と同じ様な形になっている」

勇太「ゴフッ」

六花「ただ書物と違うのは、プリーステス達は服を着ている事くらい」

勇太「なんだ、服は着ているのか……それなら何か勘違いの可能性も——」

六花「でもプリーステスは下着を一切着用していない」

勇太(着衣プレイ!?)

六花「ちなみに私は小鷹に言われて、小鷹のトランクスと言うのを穿いている」

勇太(小鷹さんの性癖が見えて来ない……)

六花「スースーしてかっこいいから今度勇太にも見せてあげる」

勇太「み、見せなくて良いから!」

小鳩「りっか、うち熱くなってきたから出てもええ……?」

勇太「ダ、ダメダメ!今は出ちゃダメだよ!!」

勇太「とにかく、今は気付かれないように息を殺して」

六花「どうして?」

勇太「今後いろいろと気まずくなるからだよ」

小鳩「でも熱くて息苦しいんじゃもん……」

勇太「うーん……じゃあ少しだけ隙間を開けて空気を入れ換えるとか」

六花「了解した」

くぱぁ…

小鳩「ぷはぁ……冷たい闇の風が……」

六花「…………」

勇太「おい、なんだ?どうした?」

小鳩「六花、あれ……何しとるん?」

六花「わからない……でもプリーステスの様子がおかしい」

勇太「だからどうしたんだよ?」

六花「プリーステスと小鷹と密着しているのだが……プリーステスの息が少し乱れている」

勇太「乱れてる……!?」

六花「さらに心なしかプリーステスは腰を動かしているような」

小鳩「十花、お股がかゆいん……?」

勇太「ダメダメダメダメ!!子供がそんなの見ちゃ!!」

勇太「六花達がいるのに何をしてるんだあの二人は……何を……」

六花「……勇太」

勇太「は、はい!?」

六花「その……もしかしてプリーステス達は、エッチな事をしている……?」

勇太「ええ!?いや、それは分からないけど……」

六花「でも勇太の部屋であの書物を見たときと同じ。顔が熱くてドキドキする……」

勇太「あれはもう忘れろ!お願いします!!」

六花「ゆうた……プリーステスの息使いが聞こえてくる……声も少し……」

勇太「聞くな、耳をふさげ!」

六花「でも……少し気になる」

小鳩「うちもちょっとだけ……」

勇太「とにかく寝ろ!寝てしまえば大丈夫だから!!」

六花「ハァ……ハァ……」

勇太「こらハァハァ言うな」

六花「…………」

小鳩「…………?」

勇太「お、おい、急に黙るなよ」

六花「ゆうた……」

勇太「ん?どうした?」

六花「ゆうたと……したい……」

勇太「し、したいって何をだよ?布団に潜って息を殺すなんてしたくないぞ?」

六花「そうじゃない。小鷹とプリーステスがしている事……勇太としてみたい」

勇太「な、なんだよ急に!?」

六花「分からない。でも、プリーステス達を見ていたらドキドキして……ゆうたの声聞いてたら、私も……」

勇太「なっ……お、ま……」

小鳩「六花、どうしたと……?顔が燃えてるみたいに熱くなっちょるばい」

六花「だめ。小鳩、今の私に近づいてはいけない。魔力が暴走して……最悪の場合小鳩にまで、危害を……」

小鳩「な、何を言うておる。我は偉大なる夜の血族……その眷属が苦しんでいるのを助けずにいれるほど落ちぶれてはおらぬ」

六花「小鳩……では少しだけ、その言葉に……」ギュッ

小鳩「こ……この程度の事で苦しみが和らぐのなら……」

六花「だめ……余計に胸が苦しくなってくる……」

小鳩「我も少し……六花のドキドキがうつってしまったようなのだ……」

勇太「なんだよ、いまどういう状況なんだ!?」

六花「何かを抱きしめたい衝動を抑えられず、小鳩を抱きしめたが魔力の暴走がおさまらない」

小鳩「おにいちゃん、うちもなんか……ドキドキしちょるばぃ……」

勇太(俺も何かドキドキしてきた……)

六花「はっ!分かった、この小鷹のトランクスから魔力が注がれているのかもしれない」

勇太「なんかその表現はどうなんだ……?ってかこんだけ喋ってて良く気付かれないな……」

六花「これを脱いで魔力の暴走を抑え…………」

小鳩「……六花?」

六花「こ、これは違う、これは……ち、ちがう」

勇太「落ち着け、何が違うんだよ?」

六花「これは漏らしたとかではなく、魔力が漏れ出しただけで、だから……」

小鳩「六花、なんでモジモジしちょるん?」

勇太「…………」

六花「ど、どうしよう、ゆうた……魔力が、押さえても少しずつ漏れ出して……」

勇太(素数だ、とにかく素数を考えろ……)

六花「んっ……や、だ……っ、ゆうたぁ……」

勇太(素数、素数……あれ、素数ってなんだっけ……素数……)

六花「ハァ……ハァ……んっ、んんっ!」

勇太「だ、大丈夫か?」

小鳩「おにいちゃん……?」

勇太「あれ?小鳩ちゃん?えっと……六花は?」

小鳩「自分の片手で口を押さえちょるから喋れんみたい……もう片方は……」

勇太「と、とにかく、小鳩ちゃんだけでも別の部屋で寝るとか……」

小鳩「ちゅっ……ちゅっ……」

勇太「小鳩ちゃん?」

小鳩「六花を見てると我まで魔力が高まって……今は自分の指の血を吸って落ち着かせておるのだ……血はでちょらんけど……」

勇太(自慰をしている女の子を、指をくわえながら見つめる少女……を想像しながら握)

小鳩「……あつぃ」

勇太「煩悩消えろ!煩悩死ね!!」ガンガン

小鳩「おにいちゃん!?」

六花「ハァ……小鳩、携帯を……」

小鳩「六花、大丈夫……?」

六花「もう、押さえ込む事は……出来ないから……全ての魔力を一度解放……」

小鳩「……うん」

六花「勇太、一つお願いがある……」

勇太「な、なんだ?」

六花「この電波を……通して、ハァッ……勇太の魔力も注ぎ込んでほしい……」

勇太「今から魔力解放するとか言ってるのに足してどうするんだよ」

六花「魔力を全て出し切るには勇太の力が必要、お願い」

勇太「そういわれても何すれば良いんだよ……」

六花「声……」

勇太「声?」

六花「そう……勇太の声を聞かせてくれれば……解放できる……」

勇太「それくらいならまぁ……」

六花「じゃあ……んっ、あぅ……」

小鳩「六花、はむっ、……ちゅう……ちゅう」

六花「ゆうた、何か、言って……」

勇太「あっ、えっと……げ、元気かー……とか」

六花「うん……はっ、うぅ……っ、ゆうた、ゆうたぁ……っ」

勇太「……六花」

六花「ゆうた、ゆうた……んっ、んっ……ゆう、た……」

小鳩「うちも……ちょっとだけ……」

勇太「六花、その……もう少し、か……?」

六花「もう……少し、ゆうた、すき……すき……っ」

勇太「お前、小鳩ちゃんもいるんだろ!?」

六花「すき……、すきっ、すきっ、ゆうた、大好き……ゆうた、ゆうたぁ……」

勇太「分かった、分かったから!その……俺も、六花の事、好きだから……」

六花「あっ……んん……ッッ!!」

小鳩「……んっ」ピクンッ

勇太「えっと……」

六花「はぁ……はぁ……」

小鳩「……はぅ」

勇太「おーい?」

六花「やはり魔力の全解放は疲れる……少し、休むと……する……」スヤスヤ

小鳩「うちも……疲れた……」スヤスヤ

勇太「えっ!?あっ、ええ?!」ギンギン

勇太「…………」ギンギンギンギン

勇太「だああぁぁ!!こうなったら俺も……」

六花『ゆうた、ゆうた……ゆうたぁ……っ』

小鳩『おにいちゃん、うちもいっしょに……っ』

勇太「…………」

勇太「ダメだダメだこんな事……。本で我慢しよう」ガサッ

ガチャッ

樟葉「お兄ちゃん?さっきから話し声が聞こえるけどまた小鳥遊さんが……来て…………」

勇太「うわっ!樟葉、いきなり開けるなよ!」

樟葉「またそんな本見てる……」ジトー

勇太「ちがっ!これは六花が変な事言うから——」

樟葉「小鳥遊さん?」

勇太「そうだよ。あいつが全部悪いんだ」

樟葉「また……小鳥遊さんか……」

勇太「ん?何か言ったか?」

樟葉「ううん。ただ最近お兄ちゃん小鳥遊さんの話しばっかりだから」

勇太「そうか?」

樟葉「それも小鳥遊さんのせいって事は……小鳥遊さんの事考えてそうなったんだよね……」

勇太「は、え?ああっ!!」ササッ

樟葉「小鳥遊さんが来るまでは……そういうの、私の役目だったのに……」

勇太「な、なんの事だよ?」

樟葉「お兄ちゃん、小鳥遊でどんな事考えてたの?私がそれ……今してあげても良いよ……?」

勇太「い、良いよ!もう寝るから!お休み!!」ガバッ

樟葉「私だって勇気出したのに……お兄ちゃんのいくじなし……」ボソッ

ガチャッ

樟葉「はぁ……小鳥遊さんかぁ……可愛いしお兄ちゃんああいうタイプが好きなのかな……」

夢葉「おねえちゃん、いっしょに……」

樟葉「…………」ボーッ…

夢葉「たいへん、たいへん、おねえちゃんが……」

母「なーに?樟葉がどうかしたの?」

夢葉「……おめめが、こわかった」

バタンッ

樟葉「私のお兄ちゃんだったのに……いきなりずるいよ……」

樟葉「…………泥棒猫」

とにかく休憩します

勇太「あれはその場の空気って言うか……」

六花「でも確かに私の事を好きと言った」

勇太「だから、あの時はああでも言わないとおさまらなかったって言うか……」

六花「じゃあ……勇太は私の事、好きじゃない……?」シュン…

勇太「そうは言ってないけど……ただあんな形じゃなくて、こういう事はもっとちゃをとした形でさ……」

六花「なら今すぐに可及的、速やか的に言って」

勇太「だから何でそんなに急ぐんだよ。もっとムードとかあるだろ」

六花「ムードがあれば良いの?このまえプリーステスがしてたみたいに身体を密着させて——」ダキッ

勇太「うわっ!ちょっ、ちょっと待っ……」

ガチャッ

樟葉「お兄ちゃん、うるさい。今何時だと思っ……」

勇太「あっ……」

樟葉「……」

六花「なにやら不穏な空気を察知した。一次退却すり」タタタッ

勇太「まったく、なんだったんだあいつ……」

樟葉「なんだったんだあいつ……じゃないでしょ。いつもいつも……」

勇太「仕方ないだろ。ベランダから勝手に降りてくるんだから」

樟葉「だったらお兄ちゃんから言えば良いのに。ベランダから来ないでーって」

勇太「でもまぁ別に迷惑とかじゃないし……」

樟葉「お兄ちゃんは良くても私は困ってるの!」

勇太「なんで樟葉が困るんだよ?」

樟葉「それは……話し声がうるさくて眠れないし……」

勇太「寝るには時間が早いだろ」

樟葉「勉強にも集中出来ないの!もういい!」

バタンッ

勇太「なんだったんだ、樟葉のやつ……?」

樟葉「お母さん、また小鳥遊さんベランダから来てたよ」

母「へー、そうなのー」

樟葉「そうなのーじゃなくて、落ちたりしたら危ないから止めてもらった方がいいと思うんだけど」

母「そうねぇ。六花ちゃんも玄関から入って来れば良いのに」

樟葉「玄関からって、いつも夜に来るのに……」

母「良いじゃない。一つ上の階に住んでるご近所さんなんだから」

樟葉「もう……っ」

母「どうしたのよ。樟葉がそんなに機嫌悪い所、母さん初めて見たわ」

樟葉「もういい。寝るから……」

母「うーん……あっ、もしかして樟葉……御赤飯の日?」

樟葉「おやすみなさい」

母「あれー?違ったかぁ」

樟葉「はぁ……どうしたら良いんだろう……私」

樟葉「小鳥遊さんは毎日のように来るし……お兄ちゃんもまんざらでもないみたいだし……」

樟葉「でも……やだな…………お兄ちゃん、とられたくないよ……」

樟葉「昔は私だけのお兄ちゃんだったのに……夢葉が産まれて私達2人のお兄ちゃんになって……」

樟葉「次はもう……小鳥遊さんの……」

樟葉「そんなの絶対嫌だよ……お兄ちゃんは私達の、私のお兄ちゃんなんだもん……」

翌日

コンコン…

勇太「はい?」

樟葉「お兄ちゃん……?」

勇太「樟葉か。どうしたんだ?」

樟葉「その、昨日はごめんね……なんか大きな声出しちゃって……」

勇太「ああ、本当びっくりしたぞ。珍しく機嫌悪かったみたいだけど何かあったのか?」

樟葉「う、うん……ちょっと学校で……ね」

勇太「そっか。もし何か手伝える事があったら遠慮せず言えよ。兄妹なんだからさ」

樟葉「うん、ありがとう。それで話しは変わるんだけどゲームしても良い?」

勇太「良いけどここでか?」

樟葉「うん。前にお兄ちゃんから借りた時にね、なかなか倒せない敵がいて……」

勇太「確かベッドの上に置いてると思うけど」

樟葉「えーっと……、あったあった。あのね、このモンスターなんだけど……」

勇太「どれだ?」スッ

樟葉(お兄ちゃん近い……良い匂いする……)

勇太「あー、こいつはこのドリンクを飲んで、武器はこれを……って、聞いてるか?」

樟葉「ええっ、う……うん、じゃあやってみるね」

30分後…

樟葉「はぁ……ダメ、やっぱり強すぎるよぉ……」パタン

勇太「こら、そのままベッドで寝るなよー」

樟葉「うーん……お兄ちゃんの匂いがする……」ボソッ

勇太「なに六花と同じような事言ってるんだよ。ほら、寝る前に——」

樟葉「小鳥遊さんと同じような事……?」

樟葉「小鳥遊さんも同じような事言ったの……?」

勇太「ああ、俺の服を着たときに言ってたけど……それより」

樟葉「どうして小鳥遊さんがお兄ちゃんの服を着たの?」

勇太「いや、泊まりに来たとき着る服が無かったかr」

樟葉「いつ泊まりに来たの?そんなの知らないよ?」

勇太「あの時はみんな父さんの所に行ってたからだろ?」

樟葉「じゃあ……お兄ちゃんが一人の時に小鳥遊さんが泊まりに来たの……?」

勇太「まぁ、そうなるけど」

樟葉「そっか……そうなんだ……」

勇太「ど、どうしたんだよ?」

樟葉「私部屋に戻るね。ゲームありがとう」

勇太「あ、ああ。……?」

バタンッ

樟葉「さっきのベッドの匂いも、お兄ちゃんのじゃなくて小鳥遊さんのだったのかな……」

母「ふぁーあ……おはよー」

夢葉「ふぁーぁ、おはよー」

樟葉「隠し……きれないー……移り香がー……」

夢葉「あっ、おねえちゃんおうたうたってる!ゆめはも、ゆめはも!」

樟葉「いつしか……あなたにー……しみついた……」

母「なになに?演歌?珍しい歌うたってるわねぇ♪お母さんも大好きだわぁ、天城越えよね♪」

樟葉「……お母さん、ちょっと出かけてくるね。お昼ご飯は出来てるから」ヨタヨタ

母「えっ?それは良いけど、お母さん今日は仕事夕方からだからあんまり遅くならないようにねー」

ガチャッ

夢葉「えー、おうたのつづき……」

母「はいはい、じゃあお母さんが歌ってあげよっか♪」

夢葉「うん!」

母「えっと、続きは……」

母「誰かに、とられるー……くらいならー、あなたを殺して、良いですか……って、夢葉にはまだ難しいわね」

夢葉「ゆめは、パンのおうたがいい」

母「そうね♪なにがきみーのしーあわせー♪」

夢葉「なーにをしーてーよーろこぶー♪」

小鷹「小鳩、ちゃんと言うこと聞くんだぞ?」

小鳩「クックックッ、我は我の思うがままに動くまでよ」

小鷹「でも本当に良いのか?」

ケイト「いっつもお世話になってばかりだからねぇ。たまにはうちに呼びたいってマリアの奴が」

マリア「なっ!なにを余計な事言っとるのだ糞ババア!!」

小鷹「マリア、小鳩がおじゃまするけど仲良くしてやってくれるか?」

マリア「フンッ、まぁおにいちゃんの頼みだから仕方なくうんこ吸血鬼と仲良くしてやるのだ」

小鳩「クックックッ……我をアジトに招き入れた事、後悔させてやるわ」

マリア「うるさい!お前みたいな奴は聖なる力で浄化してやるのだ!!」

ケイト「じゃあたまにはゆっくり一人で楽しんでね♪おにーちゃん♪」

小鷹「一人で楽しむ?……まぁ、よろしく頼むわ」

小鷹「さてと、帰りに買い物でもして帰るか」

小鷹「そういえば調味料もずいぶん減ったし……また十花さんに教えてもらったスーパーにも行かないとな」

スー……ッ

小鷹「おっと、すいませ……ん?あれ?今って信号赤……ちょっ!!」

パァァァーンッ!!

小鷹「あっぶねぇぇ!だ、大丈夫か?」

樟葉「…………」

小鷹「えっと、聞いてるか?……ってか、この時期にサンダル?」

樟葉「すみません、ありがとうございました……」

小鷹「あ、ああ……気をつけてな」

樟葉「……」フラフラ

小鷹「大丈夫か……あれ……って、言ってるそばから!!」

パアァァーン!!

小鷹「ハァ……ハァ……、こんな短時間で二回も事故にあいそうな奴なんて初めて見たぞ」

樟葉「すみませんでした……」

小鷹「ちょっ……待てって。何処から来たんだ?ってか、何処へ行くんだ?」

樟葉「……特に無いです」

小鷹(なんだ……また変な奴に関わったのか……?)

小鷹「どこから来たのかしらないけど、良くそんな状態で歩いてたな」

樟葉「……」

小鷹「歳は?」

樟葉「中学一年生です……」

小鷹「小鳩より年下か……」

樟葉「えっと、もう大丈夫ですから……」

小鷹「いや、どっからどう見ても大丈夫じゃないだろ。放っとけるか!」

樟葉「……うぅっ、ぐすっ」

小鷹「ええっ!?ちょっ、な、なんでいきなり泣くんだよ!?」

通行人「やだ……脅迫?誘拐……?」

通行人「警察呼んだ方がいいんじゃない?」

ざわざわ……

小鷹「ちょっ!そんなんじゃ!!」

ササーッ……

小鷹「……」

樟葉「ぐすっ、ぐすっ……」

小鷹「とりあえず……うち来るか」


理科「おや?あれは小鷹先輩……」

小鷹「あんまり綺麗じゃないけど遠慮せず上がってくれ」

樟葉「おじゃま……します……」

小鷹(なんか最近よく家に人がくるようになったな……隣人部の成果か?)

樟葉(どうしよう……なんだか気がついたら知らない人の家に……)

小鷹「ほら、ココア」

樟葉「あっ、えっと……」

小鷹「あっ、悪い。紅茶とかの方が良かったか?」

樟葉「い、いえ、ありがとうございます」ゴクッ

小鷹「……で、ちょっとは落ち着いたか?」

樟葉「おかげさまで……」

小鷹「そっか。まぁゆっくりして行っても良いし。急ぐなら帰るのも良いし」

樟葉「えっと……」

小鷹「その前に昼ご飯か。その様子だとお腹空いてるだろ?」

樟葉「いえ、大丈夫——」くぅ…

樟葉「……」

小鷹「ぷっ……ずいぶん可愛い腹の音だな」

樟葉「あっ……うぅ……」

小鷹「まあ遠慮すること無いから。材料もちょうど妹の分があるし」

樟葉「妹さんがいるんですか?」

小鷹「ああ、中学二年生の。世に言う中二病患者ってやつで大変なんだよ」

樟葉「中二病……」

小鷹「ん?」

樟葉「男の人って……中二病の女の子が好きなんですか……?」

小鷹「別に好きって訳じゃ無いけど……でもまぁ妹だしな。何でも可愛いだろ」

樟葉「妹なのに可愛いと思うんですか!?」

小鷹「そりゃまぁ妹だしな」

樟葉「えっと、あの……お名前は……」

小鷹「あっ、そうだ。忘れてた。俺は羽瀬川小鷹、高校二年だ」

樟葉「うちのお兄ちゃんは高校一年生だから……歳の差は同じなんだ……」

樟葉「うちのお兄ちゃんも妹好きだったら良かったのに……」

小鷹「あれっ……なんか俺シスコンみたいになってないか……?」

樟葉「小鷹さんは妹さんとどんな風に過ごしてるんですか?」

小鷹「どんな風にって言われてもなぁ……一緒に学校行って、ご飯食べて、たまに風呂入ったり寝たりするくらいか?」

樟葉「お風呂……寝たり……妹さんは中学二年生ですよね……?」

小鷹「うちは父さんが外国、母さんは早くに事故で亡くしてるから……それで俺に甘えてるのかもな」

樟葉「そうなんですか……すみません、変な事聞いて」

小鷹「別に良いよ。それより……えーっと、君は」

樟葉「あっ、遅れてすみません。私の名前は富樫樟葉です」

樟葉「うちもお父さんは外国、お母さんは病院勤めで似たような環境なんです」

小鷹「その割には小鳩と違ってしっかりしてる様に見えるな……」

樟葉「そんなこと無いですけど……炊事洗濯くらいは」

小鷹「中学生で炊事洗濯出来たらたいしたもんだろ。小鳩はせいぜい洗い物の手伝いくらいだぞ」

樟葉「うぅ……す、すみません、あまりそんな風に言われた事が無いもので……」カアァ…

小鷹「そんなにしっかりしなくても、中学生なんだから兄貴に頼ったり甘えたりすれば良いのに。難しいか……」

樟葉「お兄ちゃんも手伝ってくれてるんですけど、お兄ちゃんは男の子だし……やっぱりこういう事は」

小鷹「いーや、そんな事はない。今や男だって炊事洗濯するもんだ。だからもっと甘えて大丈夫だろ」

樟葉「そうなんですか……?」

小鷹「その証拠に……ほら、お昼ご飯」

樟葉「えっ、喋ってる間にこんなに……?」

小鷹「当然。小鳩の話に付き合いながら毎日作ってるからな。どうだ、お兄ちゃんってのも結構すごいだろ?……なんてな」

小鷹「さぁ、冷める前に食った食った」

樟葉「はい、いただきます」パクッ

小鷹「どうだ?それなりに自信はあるんだけど」

樟葉「……おいしい、おいしいです!」

小鷹「そりゃ良かった」

樟葉「私、なぜか男っぽい料理しか作れなくて……こういう料理作れるの凄いと思います」

小鷹「な、なんか普段あまり褒められる事がないから照れるな……」

樟葉「料理できる男の人が増えたと言っても、こんなに美味しい料理を作れる人なんてなかなかいないですよ」

小鷹「実は最近調理師の人に教えてもらったりしてるんだよ。美味いもの作れば小鳩も喜ぶし」

樟葉「そんなに想ってもらえて、妹さんが羨ましいです」

小鷹「それは何処も同じだろ?」

樟葉「うちは……どうなのかな……」

樟葉「うちのお兄ちゃん……最近、彼女みたいな人が出来たんです……だから私なんて」

小鷹「それは関係無いだろ?……いや、多少はあるかも知れないけど」

樟葉「でも……」

小鷹「仮に……仮にだけど、俺に彼女が出来たとしても、小鳩は小鳩で可愛がると思うけどな」

樟葉「それはもしかして小鷹さんがロリコ」

小鷹「いや、ロリコンじゃないから!ただ、妹ってそんなもんだ。それに小鳩は樟葉と違って甘えてばっかだからな。ほっとけないだろ」

樟葉「甘えてばかりだから……ほっとけない……」

小鷹「そう。だから樟葉ももっと甘えてみろ。妹なんだからさ」

樟葉「わ、わかりました。頑張って甘えてみます!」

小鷹「頑張って甘えるってのも変な話だな……」

樟葉「ごちそうさまでした」

小鷹「はい、おそまつさま」

樟葉「あっ、洗い物くらい私が——」

小鷹「言ってるそばから何言ってんだ。座ってろ、妹は甘えてれば良いんだよ」

樟葉「でも……私は小鷹さんの妹じゃ……」

小鷹「え?なんだって?」

樟葉「それじゃあお言葉に甘えて……」

小鷹「ん?ちょっと待った。手、見せて」

樟葉「手ですか?」スッ

小鷹「うわー……あかぎれか。痛そうだな……」

樟葉「冬場は仕方ないですよ。もうなれましたから」

小鷹「確かむこうの棚に……あったあった。ほら、もう一回見せて」

樟葉「……?」

小鷹「ちょっとしみるかも知れないけど我慢な」

樟葉「い……ッ、クリーム……ですか?」

小鷹「そう。これすげー効くから。おかげで俺の手はほらこの通り」

小鷹「ああっ!大事な物を忘れてた!!」

樟葉「?」

小鷹「しょっぱくもあり、辛くもある。しかし味わい深い人生にも似たラー油オリジナルバージョン!」

樟葉「……はあ」ポカーン

小鷹「いや、本当に美味いから!ちょっとだけ、ご飯に乗せて!」

樟葉「でも今手がクリームで……」

小鷹「俺が食わせてやるからさ!ほら、口開けて!」

樟葉「で、でもちょっと恥ずかしいです……」

小鷹「大丈夫、甘える練習だと思って。ほら、あーんして!」←ラー油を食べさせたい一心

樟葉「あ……あーん……」パクッ

小鷹「ど、どうだ……?」

樟葉「凄く美味しいと思います、多分……」

小鷹「おお、そうか!やっぱ美味いよなぁ、これ!」

樟葉「本当は緊張して味がよく分からなかったんだけど……」ポソッ

小鷹「やっぱこのラー油は最強だよなぁ!……え?なんだって?」

樟葉「な、なんでもないです!」

小鷹「っと、もうこんな時間か。まだ帰らなくて大丈夫なのか?」

樟葉「あっ……もうこんな時間……」

小鷹「そういえば何処から来たんだっけ?」

樟葉「それは————」


小鷹「ええ!?それってめちゃくちゃ遠いな……」

樟葉「そうなんですか?フラフラ歩いてたから、私ここが何処なのかも……」

小鷹「普通に車で移動するくらいの距離だぞ……」

樟葉「そんなに!?……そう言われると、歩き過ぎで足が痛いような」

小鷹「それじゃあ自転車で送って行ってやるよ。ちょうどそっちにあるスーパーにも用があるし」

樟葉「でもそれはさすがに……」

小鷹「良いから。妹はだまってお兄ちゃんに甘えてろ」

樟葉「ありがとう、……」

数十分後…

小鷹「えっと、この辺りか?」

樟葉「はい、あの建物で——」

勇太「樟葉ー!樟葉ー!!」

樟葉「お兄ちゃん?」

勇太「く……樟葉!お前、携帯も持たずにどこ行ってたんだよ!」

樟葉「ごめんなさい、ちょっと気分転換に——」

勇太「はぁ……近所の人はお前がフラフラ出て行くのを見たとか言うし、心配したんだぞ……」

樟葉「お母さん達は……?」

勇太「母さんは仕事。心配させない様にこの事は言ってないよ。夢葉は今頃お昼寝中」

樟葉「それでお兄ちゃんが一人で探してくれてたんだ……。ほら、寒いのに汗かいて……風邪ひくよ?」

勇太「誰のせいだよ。誰の……まったく」

小鷹「あー……良い感じの所悪いんだけどさ……」

樟葉「あっ!ご、ごめんなさい!色々とありがとうございました!!おかげさまで頑張れそうです!」

勇太「あれ?小鷹さん?なんでここに?」

樟葉「お兄ちゃん……知り合いなの?」

勇太「ああ、まあ……えっと、妹がお世話になったみたいで……」

小鷹「なんだ、お前の妹だったのか?」

勇太「はい」

小鷹「そっか……じゃあ俺も買い物して帰るわ。またな」

勇太「なんだかよく分からないですけど、ありがとうございました!」

樟葉「あっ、う……おに……」

小鷹「おーう。またなー」

勇太「さぁ俺達も帰るか」

樟葉「うん……」



小鷹「すっかり遅くなったな……あれ?タクシー?」

小鳩「あんちゃーん!!」タタタッ

小鷹「うわっ……と、なんだなんだ?」

ケイト「ホームシックってやつさね。マリアが寝た途端、急に寂しくなったみたいでさ」

小鷹「ホームシックって……一日も持たなかったのか……」

ケイト「じぁあ送り届けたからね♪おにーちゃんっ♪」

小鷹「悪いな。ありがとう」

小鷹「今日もイロイロあって疲れたな……」

小鳩「あんちゃーん、電話なっちょるー」

小鷹「ああ、サンキュー。もしもし?」

勇太「もしもし、勇太です。夜分遅くにすみません」

小鷹「なんだ勇太か」

小鳩「おにいちゃん!?あんちゃん、スピーカーにして、スピーカー!」

小鷹「はいはい。……で、どうしたんだ?」

勇太「実は妹が……ほら、樟葉」

小鷹「?」

小鳩「うぅー……なんか嫌な予感がする……」

樟葉「もしもし、樟葉です」

小鷹「ああ、今日は一日おつかれさん」

樟葉「本当に今日はお世話になりました……お、おにいちゃん」

小鷹「別に気に……おにいちゃん?」

プーップーップーッ

小鷹「切れてる……」

小鳩「あんちゃん!あんちゃんはもう……なんでまた妹ばっかり作るんじゃ!ばかたれ!!」

小鷹「あれ?今度は夜空から……」

夜空「ああ、小鷹か。じつは貴様が中学生を無理矢理誘拐したと言う証言が——」

ピッ

小鷹「くそっ……今度は星奈か」

星奈「もしもし?小鷹?理科に聞いたんだけど、あんたが泣き叫ぶ幼女を無理矢理——」

ピッ

小鷹「……寝よう」

寝ま寿司

小鷹「やっと明日は金曜日か。今週も長かったな」

ピピッ

小鷹「ん、夜空からメールか……」

『入院した。明日は部活を休む』

小鷹「入院か。そりゃ仕方ないな」

小鷹「…………」

小鷹「入院!?」

小鷹「入院ってあの入院だよな……なんで急に……」

小鷹「とにかく電話してみるか……」

小鷹「…………」

小鷹「も、もし重病とかだったらどんなリアクション取れば良いんだ……?」

小鷹「…………」

小鷹「だああぁぁ!!考えてても仕方ないだろ!よし、かけるぞ」

夜空「小鷹か」

小鷹「ああ……その、入院って」

夜空「まったく、病院にいる私に電話をかけてくるとは常識はずれだな」

小鷹「そ、そんな事より、入院って何なんだよ!?」

夜空「その言葉の通り。入院しているのだが」

小鷹「なんだ?どっか悪かったのか?」

夜空「それは……」

小鷹「それは……?」

夜空「言えない」

小鷹「なんで……だ…………もしかして、言いにくい理由(病名)なのか?」

夜空「まあそんな所だ」

小鷹「そ、そうか……変な事聞いて悪かったな」

夜空「気にするな。たいした事じゃ無い」

小鷹「そうだ、明日部員皆でお見舞いに——」

夜空「来るな!」

小鷹「……夜空?」

夜空「悪いが今は大勢の人間とワイワイやりたくは無い」

小鷹「そっか……」

夜空「小鷹、この事は隣人部でも内緒にしておいてくれ。あいつらの事だ、聞けば必ず見舞いにきそうだしな」

小鷹「わかったよ。見舞いには行けないけど、早く良くなる様に——」

夜空「ま、まて。私は大勢で来るなと言っただけで、別に小鷹一人くらいなら……」

小鷹「俺が一人で行っても仕方ないだろ。安静にして早く良くなれよ」

夜空「ま、まて!だから、その……一人で病院と言うのも暇だし……」

小鷹「じゃあやっぱり皆で行こうか?」

夜空「いや、病院に大勢と言うのも迷惑って言うか……だな」

小鷹「?」

夜空「えっと、その……○○病院の507号室だから!」ピッ

小鷹「なんだ今の?来いって事なのか……?」

翌日放課後…

小鷹「うわっ……でかい病院だな……」

小鷹「えっと面会の受け付けはしたし、確か507号室だったな」

507号室

小鷹「おお……個室か……」コンコン

小鷹「ま、まぁあれだ、どうせ転んで捻挫とか言う落ちだろ!……って言うか返事が無いな」

小鷹「おーい、入るぞー……?」ガラッ

小鷹「夜空?嘘、だろ……?」

夜空「…………」

小鷹「点滴に、酸素マスク……なんだよコレ、やっぱり重病……」

夜空「ん?なんだ小鷹、来ていたのか」スッ

小鷹「ああ、良いから寝てろって!酸素マスクも取らなくて良いから」

夜空「しかしこんな物付けていたら話しづらいだろう」

小鷹「話しやすさより治療が大事だろ?」

夜空「確かに酸素マスクは良いな。なんとなく付けてみたが良く寝れた気がする」

小鷹「なんとなく……?じゃあその点滴は?」

夜空「どうやら栄養が足りてなくて貧血を起こしたみたいでな。そのための点滴だが?」

小鷹「貧血……」

夜空「ちなみに転んだ拍子に右手足を捻挫した。他は至って元気だ」

小鷹「でも何で個室に?普通重病の人が個室に入るもんだろ?」

夜空「最初は大部屋だったんだがな。私が見知らぬ人間と同じ部屋なんて耐えれると思うか?」

小鷹「そんな理由で……」

夜空「別に私が頼んだ訳じゃない。医者が私の様子を見て個室に移動させたのだ」

小鷹「そんなにお前の様子が酷かったのか」

夜空「脈拍、顔色、血圧、全てにおいて異常だったらしいぞ」

小鷹「ついでに対人恐怖症も治してもらったらどうだ……?」

看護婦「三日月さーん、御夕飯お持ちしましたよー」

夜空「ありがとうございます」

看護婦「あら、今風のカッコイイ彼氏さんねえ♪それじゃあ食べ終わったら呼んでくださいねー」ガラッ

小鷹「彼氏って……」

夜空「ま、まったく、そんな勘違い……私と小鷹が、付き合っているなど……」

小鷹「と、とりあえず食べたらどうだ?冷めるぞ?」

夜空「断る。病院の食事は薄味でまずいからな。まぁ点滴をしているし大丈夫だろ」

小鷹「お前なぁ……そんな事言ってるから貧血起こして倒れたんだろーが」

夜空「大丈夫だ。後でカロリーメイトを食べるからな」

小1時間したらまた書きます

小鷹「病院食か……」

夜空「なんだ小鷹、物欲しそうな顔して」

小鷹「入院なんてしたこと無いからな。病院食にちょっと興味があるだけだよ」

夜空「そんなに食べたいなら食べれば良い。残すと看護婦に何か言われそうだからな」

小鷹「じゃあ少しだけ…………うん、栄養とかは完璧なんだろうけど確かに味は薄いな……」

夜空「……」

小鷹「でもこの煮物とかは良く味がしみてて美味しいぞ?」

夜空「…………」グゥ…

小鷹「……」

夜空「ち、ちがっ、今のは小鷹があんまりにも美味そうに食べるから……」

小鷹「食えるなら夜空が食えよ。一応病人?なんだから」

夜空「う、うん……では少しだけ」

夜空(待てよ……この箸を使うと言うことは、小鷹と間接キスか……)

小鷹「どうした?」

夜空(いや、そんな事を考えるのは小学生までだろ!私は時に何も思わず、何も考えず食べるだけだ)

小鷹「夜空?」

夜空「よし、たべるぞ……」プルプル

小鷹「……」

夜空「くそっ!里芋の分際でヌルヌルと抵抗するとは……!」

小鷹「里芋どうこうよりも、何で左手なんだよ」

夜空「うるさい、集中力を乱させるな。医者に捻挫した右手は動かすなと言われている」

小鷹「箸持つくらい大丈夫だろ……」

夜空「くそっ、こうなったら刺して……もスベルし、なんなんだもう!」

小鷹「あーあー、ぐちゃぐちゃになるだろ。ちょっと貸してみろ」

夜空「まったく、だから嫌なんだ病院食は」

小鷹「これは病院食とか関係ないだろ。ほら」

夜空「……なんだ?」

小鷹「だから、食い辛そうだったからさ。ほら、口開けろ」

夜空「な、なな……そ、そんな高度なプレイは私達にはまだ早過ぎるって言うか」

小鷹「病人怪我人が遠慮なんてするなよ」

夜空「そうか……私は今、入院している身だからな……。だからこういうのはごく自然な事であって、特別何かそういう」

小鷹「長い長い」

夜空「はぅ……、うぅー…………あー……ん」

小鷹「よし、いれるぞー」

夜空「はむっ……(なんだか破廉恥な……)」

小鷹「どうだ?美味いだろ?」

夜空「そ、そうだな……まぁ悪くは無い……」

小鷹「他に食べたい物は?」

夜空「では次は卵焼きを貰おう」

小鷹「卵焼きだな。よし、あーん」

夜空「はむっ……うむ、これも悪く無いな」

小鷹「な?病院食も悪くないだろ?」

夜空「そうだな。こんな病院食なら……いつでも歓迎だ」

夜空「しかし流石にこんなにも食べ切れんな。小鷹、お前も手伝え」

小鷹「ああ、じゃあ魚でも少しもらうか。煮付けとか家であんまり作らないし…………うん、美味い」

夜空「お前は私の使った箸を何の躊躇いも無く……」

小鷹「え?なんだって?」モグモグ

夜空「わ、私にも食べさせろと言ったのだ!馬鹿者!」

小鷹「分かったから。あんまり病院で大きな声出すなよ」

食後…

夜空「はぁ。お腹いっぱい食べてしまったな」

小鷹「さてと、俺はそろそろ帰るか」

夜空「まだ6時だぞ?面会は8時まで大丈夫なはずだが」

小鷹「いや、早く帰らないと小鳩が腹すかせてるだろうし」

夜空「そうか……小鷹は小鷹で忙しいのか……もう少し一緒にいたかったが仕方ないな……」

小鷹「そんな顔するなよ。……そうだ、明日は学校休みだし、昼から栄養つきそうな弁当作って持ってきてやるよ!」

夜空「明日……?」

小鷹「あっ、迷惑だったら来ないけど」

夜空「いや、どうせ暇だからな。話し相手がいるに越した事は無い。待っているぞ」

小鷹「じゃあまた明日な。ちょっと早いけどおやすみ」

夜空「あ、ああ、おやすみ……」


看護婦「あらっ?三日月さん、彼氏さんと一緒に行かなかったの?」

夜空「……」

看護婦「手足だけ気をつけて、先生はもう退院しても良いって言ってたわよね?」

夜空「そこをなんとか!もう一日入院させて欲しいんです!」

看護婦「ええっ?」

夜空「お願いします、お願いします!」

夜空さんを救済したい

夜空「ん……っ」

夜空(いつのまにか寝ていたのか……昨夜は今日が楽しみで眠れなかったからな……)ぽけー…っ

夜空(小鷹は昼に来ると言っていたな……今何時なんだ?)ゴソッ

夜空「!!」

小鷹「あー……7個目がどこなのか全然わからねー……」

夜空(こ、小鷹がなぜ!?いつの間に……そうか、私が寝ている間に来ていたのか)

夜空(と言うか、何故私はとっさに寝たふりなんてしたんだ……はぁ、なんか起きづらくなったな……)

夜空(目が覚めた時にどういうリアクションを取るのが正解なんだ?)

夜空(って言うか、見られた……寝顔を。恥ずかしい、何か恥ずかしいぞ!くそっ!)

夜空(そうだ、小鷹がトイレにでも行った好きに起きていれば良いじゃないか!割れながら名案だ)

夜空(さぁ小鷹、トイレへ行け。今すぐトイレへ!さっさと行け!)

小鷹「だーめだ。やめたやめた。……にしても夜空のやつ、良く寝てるな」テクテク

夜空(なっ……!何故こっちへ来る!貴様が向かうのはトイレだ!)

小鷹「ほんと……黙って寝てれば普通に可愛い女の子なんだけどなぁ」

夜空(!?)

小鷹「ん?なんか顔赤いような……まさか熱とか出てないよな?」

夜空「……」カアァァ…

小鷹「おでこはあんまりだけど……ほっぺたが熱いな……」ペタペタ

夜空(ああもう……あんまりペタペタ触るな。一応顔は洗ってはいるが、お風呂には入ってないのに……)

小鷹「でもこうしと改めて見ると……やっぱり夜空がソラだったんだよな」

夜空「……」

小鷹「早く元気になれよ、ソラ……」

夜空「……」

小鷹「ふぁーあ……こんなに気持ち良さそうに寝られたらこっちまで眠くなってくる……」

小鷹「弁当気合い入れて作り過ぎたし……疲れも…………」ボフッ

夜空「……」

小鷹「……スー、……スー」

夜空「…………」チラッ

小鷹「ムニャ……」スヤスヤ

夜空「はぁ……。まったく、病人のベッドに頭を乗せて寝るとは愚か者め……」

夜空「しかしまぁ……こうして寝ていれば、悪い目つきも隠れて可愛い寝顔ではないか……」ワシワシ

小鷹「ん……」

夜空「仕方ない、少し寝させてやるか。…………おやすみ、タカ」

数十分後…

夜空「…………」ナデナデ

小鷹「んっ……あれ?」

夜空「よ、ようやく起きたか!」サッ

小鷹「夜空……?あっ、そうか。俺はお見舞いに来て……」

夜空「こともあろうか病人のベッドの一部を不法占拠して眠りこけていた訳だ」

小鷹「不法占拠って……起きてたなら俺を起こしてくれよ」

夜空「私は小鷹のバカそうな寝顔を眺めて楽しんでいたのだ。けっさくだったぞ?」

小鷹「趣味悪すぎだろ……」

夜空「そんな事よりお腹が空いた。お前が気合い入れて作ったと言う弁当を見せてもらおうか」

小鷹「あれ?なんで気合い入れて作ったって知ってるんだ?」

夜空「そっ、そんなこと!弁当箱のサイズを見ればだいたい分かる!」

小鷹「まあ確かに……じゃあ昼飯にするか」

夜空「ほう、これは……相変わらず料理の腕だけは大した物だな」

小鷹「はいはい、ありがとうよ。あと夜空にはコレな」

夜空「フォーク?」

小鷹「そっ。フォークなら左手でも食べれるだろ?」

夜空「なっ……バ、バカ者!そんな、高校生にもなって弁当をフォークで食べるなど……」

小鷹「仕方ないだろ?」

夜空「フォークで食べるくらいなら、誰かに……た、食べさせてもらった方がマシだ!!」

小鷹「いや、それはおかしいだろ……」

夜空「…………」ツンッ

小鷹「はぁ……分かったよ。食べさせてやるから、どれから食いたいんだ?」

夜空「ではその卵焼きから……」

小鷹「おっ!お目が高いな。このだし巻き卵はなかなか上手く出来たんだよ」

夜空「そうか……」

小鷹「大きさはこれくらいか?」

夜空「うむ、では……あー……んっ」

小鷹「どうだ?」

夜空「まあ……病院食よりは美味いな……」

小鷹「そうかい。そりゃ良かった」ニヤニヤ

夜空「な、なにをニヤニヤしている!」

小鷹「べーつに」

夜空「うぅ……ええい!次はそのから揚げだ!早くしろ!!」

小鷹「へいへい、ワガママお姫様」

夜空「だっ!誰がワガママお姫様だ!!」

夜空「ふう……もうお腹いっぱいだ。小鷹もよく召し使いの様に働いてくれたな。ご苦労」

小鷹「召し使いって……しかしよく食ったなあ。その身体のどこに入ってるんだ?」

夜空「美味しいものは別腹と言うだろ」

小鷹「美味しいもの……か」

夜空「あっ……今のはあれだ、その、最後に食べたエビフライがちょっと美味しかっただけで……」

小鷹「ん?ああ、それでタルタルソースのお弁当付けてるのか」

夜空「はあ?何を訳の分からん事を——」

小鷹「えっと、ティッシュティッシュ……あった。ほら、動くなよ。口元に……」サッ

夜空「なっ……」

小鷹「タルタルソースが付いておりましたよ。お姫様」

夜空「……小鷹、いい加減それは寒いぞ」

小鷹「……すまん」

小鷹「しかし元気そうで良かったよ。入院って聞いた時は正直焦ったし」

夜空「まったく。病院も貧血と軽い栄養失調くらいで入院とは大袈裟過ぎだ」

小鷹「でもなんでそんな事になったんだよ?飯ちゃんと食って無かったのか?」

夜空「それは……」

小鷹「なんだ?ダイエットか?」

夜空「ダイエットなど必要無い!貴様は本当にデリカシーの無い奴だな!」

小鷹「す、すまん……」

夜空「……肉とお前が、幼なじみで婚約者とかいきなり言うから……食事が喉を通らなくなった」

小鷹「あれは子供の時に親が勝手に……って言うか、多分理事長しか覚えてないって!」

夜空「でも肉が小鷹と幼なじみだった過去は間違い無いのだろ?私よりもっと前から……」

小鷹「そんなの関係——」

夜空「ある!少なくとも私には……小鷹と幼なじみだった……私だけが……その支えが…………」

夜空「一番古い幼なじみで婚約者で親同士も仲良くてお嬢様で頭も良くてスポーツ万能だぞ?ふざけろ!!」

夜空「私には……小鷹と幼なじみと言う支えしか無かったのに……それさえも奴は……」

小鷹「でも……初めて親友になったのは間違いなくお前だろ」

小鷹「初めても何もこの歳まで親友だった奴なんてソラだけだ」

夜空「し、しかし、今は三日月夜空であってソラでは無い……」

小鷹「ソラだよ、お前は。間違いなく俺の親友だったソラだ」

夜空「そんな昔の話し……」

小鷹「昔の話しを始めたのは夜空だろ?」

夜空「ああー……もう分かった。肉と幼なじみだった事はもういい」

小鷹「はぁ……」ホッ

夜空「そう、過去は良い。初めての幼なじみと初めての親友で痛み分けだ。だが現在進行形で貴様と肉は婚約者だ。この事実はどうする?」

小鷹「どうするって言われても……」

夜空「初めての幼なじみは肉だ。初めての親友は私だ。初めての婚約者は肉だ」

小鷹「初めての婚約者ってなんだよ……」

夜空「だから次は私の順番だな」

小鷹「順番って……」

夜空「もう先を越されるのは懲り懲りだ……」

小鷹「夜空?」

夜空「小鷹、一応確かめておくが……に、肉とキ、キスとかしていないだろうな……」

小鷹「はあ!?そんなのしてる訳無いだろ!!」

夜空「そうか。なら決心した……私は肉より先にお前とキスをする」

小鷹「ちょっ、ま、待てって!いきなりそんな、おかしいだろ!?」

夜空「おかしくは無いだろ。だって私は……小鷹の事が好きなのだから」グッ

小鷹「えっ!なんだっ…………んんっ!?」

夜空「……んっ」

小鷹「んんっ!……んっ」

夜空「んっ…………ぷはぁっ。こんな、感じで良かったか……?」

小鷹「そんな事言われても……」

夜空「し、しかしあれだな。キスは甘酸っぱいと聞いていたが、ソースっぽい味だったな」

小鷹「それは弁当食った後だからだろ」

夜空「小鷹……も、何か感想とか無いのか……?」

小鷹「感想って言われても……柔らかかったとかしか……」

夜空「そうか。私の唇は柔らかかったか……」

小鷹「ああ……」

夜空「…………」

小鷹「ああー!もうなんだこの空気!なんかホワホワしてて恥ずかしい空気だぞ!」

夜空「ま、まったくだ。キスと言うのはしている最中は気持ちいいが、後の空気は苦手だ……」

小鷹「気持ち良かったのか……?」

夜空「……」

小鷹「あー……じゃあそろそろ帰るわ!」

夜空「待て!」

小鷹「な、なんだよ?」

夜空「私も帰る」

小鷹「はあ!?」

夜空「だから退院すると言っているんだ。もう病院に用は無い」

小鷹「でも捻挫とか……」

夜空「そんなもの痛みも引いて普通に動かせるぞ?」プラプラ

小鷹「じゃあ弁当も普通に食えたんじゃねーか!」

夜空「そうだな」

小鷹「そうだなってお前……」

夜空「小鷹」

小鷹「なんだよ」

夜空「…………色々と、その……ありがとう」

小鷹「はぁ……そりゃずるいだろ。もう良いから帰ろうぜ」

夜空「そうだな。帰るか」

アニメ見てて夜空を応援したくなったまた書きます

幸村×凸守の前にやらなくてはいけないことがあったじゃない

小鷹「ハァッ、ハァッ……!!」

ガチャッ!!

小鷹「どうしたんだよいったい!?」

夜空「…………」パラパラ

星奈「…………」ピコピコ

マリア「むにゃむにゃ……」スヤスヤ

幸村「おつとめごくろうさまです、あにき」

小鳩「クックックッ……よく来たな、我が眷属よ」

小鷹「ど、どうしたんだよ……」

夜空「どうしたも何も、本を読んでいるに決まっているだろ」

星奈「ゲームしてるのも分からないの?」

小鳩「こやつは我が魔力により混沌の世界に陥っておるのだ」

マリア「……うへへ」スヤスヤ

幸村「あにき、コーヒーでよろしいでしょうか」

小鷹「ああ、悪いな…………じゃなくて!なんだよこのメールは!!」

『隣人部で大変が事になっている。最悪の場合死人が出る。急いで部室へ助』

小鷹「このメール見て必死に来たって言うのに」

夜空「そんなもの嘘に決まっているだろ。小鷹、お前はバカなのか?」

小鷹「なんで騙された挙げ句にこんな目に……」

小鷹「夜空、冗談もほどほどに——」

星奈「そんな事より小鷹、先生があんたの事探してたわよ」

小鷹「そんな事って……先生が俺を?なんでだよ?」

星奈「そんな事知らないわよ。でも凄い剣幕だったわね……あんた何かしたんじゃない?」

小鷹「別に思い当たる節は無いけど……とりあえず職員室に行ってくる」

ガチャッ

10分後…

小鷹「おい!職員室行ったけど別に用は無い……って言うか、春休みだから先生自体ほとんどいなかったぞ!!」

星奈「…………」ピコピコ

小鷹「おい星奈、聞いてんのか!?」

星奈「うっさいわねぇ。そんなの嘘に決まってるでしょ」

小鷹「ええ!?」

星奈「あー、もう!小鷹のせいでゲームオーバーじゃない!バカ!!」

小鷹「なんでまた騙された挙げ句に怒られるんだよ……」

幸村「あにき、コーヒーでものんでおちついてください……」スッ

小鷹「そ、そうだな……ありがとう幸村」ズズッ

幸村「……」サササッ

小鷹「ブハッ……!!な、なんだこれ!?醤油!?」

幸村「はい。さようでございます」

小鷹「さようでございますじゃなくて……なんで醤油なんだ?」

幸村「そうすれば、あにきがコーヒーとまちがわれてのまれますゆえ……」

小鷹「間違えて飲む物出しちゃダメだろ!?」

幸村「しょうちいたしました。しかし、こんかいはあにきがわるいということで……」

小鷹「だからどうしてそうなるんだよ!」

小鷹「ダメだ……頭が変になりそうだ……」

小鳩「あ、あんちゃん……」

小鷹「ん……どうした小鳩?」

小鳩「えっと……うち、あの……」モジモジ

星奈「小鳩ちゃん、ファイトー♪」

小鳩「えっと、洗濯物……が」

小鷹「洗濯物?それならもう干してるぞ?」

小鳩「そうやなくて……」

小鷹「?」

小鳩「うぅー……あんちゃんとうちの洗濯物、別々に洗ってほしか!」

小鷹「なんでそんな事するんだ?めんどくさいだろ?」

星奈「あんたねぇ、小鳩ちゃんの気持ちを考えてあげなさいよ」

小鷹「は?」

夜空「つまり貴様の脱いだ服や下着と、自分が脱いだ服や下着を一緒に洗いたくないと言っているのだ」

小鷹「いや、だからなんでだよ?」

星奈「そりゃあんた、キモいからでしょ?」

小鷹「キモいって……そ、そんな事無いよな、小鳩…………」

小鳩「…………やっ」

小鷹「小鳩ー!?」

小鷹「ど、どうしたんだよいきなり?なぁ、小鳩……」

小鳩「お風呂も……あんちゃんが入った後はお湯、入れ替えたい……」

小鷹「ゴフッ……」

幸村「あにき、おきをたしかに……」

小鷹「なんで……どうしてだよ小鳩、俺達今まで仲良しの兄妹だったじゃないか……」

小鳩「…………ゃっ」

小鷹「いやじゃなくてさ、ほら……小鳩、いつも通りこっち来てくれよ。な?」

小鳩「…………っ」プイッ

夜空「見苦しいぞ小鷹。お前の妹はもう貴様を気持ち悪い男としか認識していないのだ」

星奈「多分、同じ家で暮らすのも嫌で仕方ないのよ」

小鷹「……そうか、悪かったな小鳩」ショボーン

小鳩「あぁもう……あんたはいつまで寝ちょるんじゃ!ばかたれ!!」バンッ

マリア「ふぎゃっ!な、何をするのだ!!って、あれ?おにいちゃんがおるげ!」

夜空「はぁ……仕方ない。マリア、さっき教えた通り言ってやれ」

マリア「さっき?……あっ、そうなのだ!今日はエプリルフルールだから全部嘘なのだ!!うはは♪」

小鷹「エイプリルフール……」

小鳩「あんちゃん、さっきのは全部嘘なんじゃ……」

小鷹「嘘……全部嘘……」

小鳩「あんちゃん、おこっちょる……?」

小鷹「そうか、嘘だったのか……は、ははっ、ハハハッ」

夜空「な、なんだ、小鷹が壊れたぞ」

小鷹「小鳩、小鳩小鳩!」ムギュッ

小鳩「あ、あんちゃん、どないしたんじゃ……?」

小鷹「いや、なんて言うかさ。失って初めて分かるってこういう事なんだな!」

小鳩「……?」

小鷹「小鳩、お前は俺にとって本当に本当に大切な存在だったんだ。愛していると言っても過言じゃないぞ!」

小鷹「小鳩に嫌われたと思った瞬間に気づいたんだ。小鳩の大切に」

小鳩「う……うちも、あんちゃんの事……愛しちょるから……」カァァ…

小鷹「そうだ小鳩、今日は久しぶりに一緒にお風呂入るか!」

小鳩「あんちゃんと!?うん、入りたい!」

小鷹「よーし、じゃあ帰りにお風呂グッズいっぱい買って帰ろうな」

小鳩「うん♪クックックッ♪エイプリルフールはええ日じゃ♪」

夜空(くっ……私ももう少し考えて嘘をつくべきだったか……)

星奈(私が最後に嘘つけばよかったかしら……)

星奈「ちょっ、ちょっと小鷹!」

小鷹「なんだよ?」

星奈「そんな、小鳩ちゃんとお風呂に入るなんて……色んな意味で羨ま……けしからんわよ!」

夜空「だいたい兄妹とは言え、高校生と中学生の男女が一緒にお風呂など有り得ん」

小鷹「大丈夫だ。俺達は普通の兄妹じゃない。なんせ愛し合っているからな」

小鳩「うん♪」

星奈「それでも、お風呂とか……」

小鷹「なんだよ、そんなに風呂が気になるなら星奈も一緒に入るか?」

星奈「は、はぁ!?ななな、なんで私が、小鳩ちゃんはともかく、こ、小鷹とも一緒にとか」

小鷹「いや、今のエイプリルフールの嘘に決まってるだろ」

星奈「なっ……!」

小鷹「お前、エイプリルフールって気づいてるのに騙されるなよ……」

幸村「あにき、あたらしくコーヒーがはいりました」

小鷹「サンキュー、幸村……ブハッ!!ゴホッ、ゴホッ!」

幸村「あにき……エイプリルフールとわかっていてだまされるのは、さすがにいかがなものかと……」

小鷹「……すまん」

小鷹「しかし何かスッキリしないって言うかさ……今日は騙されてばっかだったな……」

夜空「私はなかなか楽しめたぞ?」

小鷹「それはお前が騙す側だったからだろ。俺なんて皆に騙されて……皆?そういえば理科は?」

夜空「やつなら実験が終わるまで来れないらしく、今回の作戦に参加していないが」

小鷹「じゃあエイプリルフールの事に気づいて無いかもしれないのか?」

夜空「まぁ……部室に集合と言うメールしか送ってないからな」

小鷹「そうか。よし、じゃあ理科に嘘をついてみるか!」

幸村「おなごをおとしいれることに、かいかんをかんじるとは……さすがあにき、ごくあくひどうです」

小鷹「いやいや!エイプリルフールだから!ジョークみたいなもんだから!」

夜空「まぁ私たちも小鷹を騙した訳だしな。今回だけは黙って見守ってやろう」

小鷹「よーし……やるぞ!」

夜空「と、噂をすればメールか。今から来るらしいぞ」

小鷹「よし、つくぞ。とんでもない嘘を……」

理科「すみません、遅れました!」

小鷹「理科……ちょっと良いか?」

理科「どうしたんですか?先輩。顔が怖いですよ?」

小鷹「真剣な話なんだけどさ……学校卒業したら俺と、結婚してくれないか!」

理科「先輩…………」ポロポロ…

小鷹「うわっ、な、なんで泣くんだよ?」

理科「す、すみません。あまりに嬉しくてつい……」

小鷹「そ、そうか……?あー、あのさ、」

理科「理科、エイプリルフールだから嘘をつかれたのかと思っちゃうくらい信じられなかったです!」

小鷹「エイプリルフール、いやエイプリルフール……」

理科「分かってますよ。先輩の目を見れば、本気だと言うことが」

小鷹「ん……んー……?」

理科「そうだ、結婚となれば流石に家族にも連絡しないと!理科は少し失礼しますね!」タッタッタッ

小鷹「えっと…………大成功……?」

星奈「バカ」

夜空「アホだな」

小鷹「ちょっ、ちょっと理科を探して話ししてくる!!」ダッ

星奈「…………はぁ」

夜空「あいつは本当に筋金入りのバカだな」

小鳩「あんちゃん……」

マリア「おにいちゃんもまたいなくなったし寝るのだ」

幸村「あにき……なんとぶざまな……」

理科「あそこまで騙されてると、さすがに良心が痛みますね」

夜空「まぁ良いだろ。エイプリルフールはまだまだ長い」

星奈「そうね。日付が変わる直前にメール送ってあげなさい」

理科「きっと今までエイプリルフールに嘘をついて来る友達なんていなかったんでしょうね……」

星奈「悲しい話しね……人のこと言えないけど」

夜空「とにかく我々も騙されぬ用に気を引き締めて行こう」

一同「おー!」


この日、部員は誰ひとり騙される事無く(誰も話しかけて来なかった)
そして24時、小鷹の携帯には理科から「嘘です」のメールが届いた。

エイプリルフール終わったので寝ます…

凸守「はあぁぁぁぁぁ…………」

凸守「師匠のお見舞いに行ったら、まさかあんな現場に出くわしてしまうとわ……」

遡ること数時間前

凸守『ここが師匠の入院していると言う病院デスか』

凸守『ゲフフフフ、凸守の極秘ルートから手に入れた情報で知ったこの事実、活かさない訳にはいかないデス!』

凸守『突然のサプライズお見舞いで師匠の機嫌も良くなり、再び凸守を弟子に——』

小鷹『ちょっ、ま、待てって!いきなりそんな、おかしいだろ!?』

凸守『なんデスか?なにやら騒がしいデスね……』そーっ…

夜空『おかしくは無いだろ。だって私は……小鷹の事が好きなのだから』グッ

小鷹『えっ!なんだっ…………んんっ!?』

凸守『!!』

夜空『……んっ』

凸守『そ、そんな……』


凸守「ああもう!思い出しただけでムシャクシャしやがるデス!!」

凸守「マスターはDFMに取られ……師匠は小鳩の半身に取られ……」

凸守「結局凸守はまた一人になってしまったデス……」

凸守「こうして川を眺めること数時間…………」

凸守「それもこれもDFM、小鳩半身!男共のせいなのデス!!」

凸守「凸守から大切な人を奪いやがるなデス……男なんて卑怯で汚い最低の人種デス!!死滅しろデス!!」

幸村「それは聞き捨てなりませぬ」

凸守「うわっ!な、なんなんデスかお前は!……って、どこかで見たような」

幸村「以前、あにきの御自宅にて少々」

凸守「あにき?うーん…………あっ!そういえば小鳩の家に行ったとき、居たような居なかったような……」

幸村「あの時はサバトがどうこうで」

凸守「そうデス!思い出したデス!!けど、確か女だったような……?」

幸村「何はともあれ男、ましてやあにきを愚弄するのは見過ごす訳にはいきませぬ」

凸守「そうでしたか。お前のあにきと言うのは小鳩の半身の事デスね?」

幸村「さよう。なのであにきの舎弟であるわたくしがあにきの悪口は許しませぬ」

凸守「つまり凸守の師匠とお前のあにきが契約を結んだのデスね」

幸村「契約……と申しますと?」

凸守「病院で、かくかくしかじかで…………」

説明中……

凸守「と、言う訳デス」

幸村「ええー……!」

凸守「凸守もお前も捨てられたのデスよ。立場が対等でないのだから仕方ないデスけどね……」

幸村「あにきが夜空の姐御と……」

凸守「以前マスターがDFMと真の契約を結んだ際に言っていたデス」

六花『真の契約を結んだ二人は力を最大限まで解放できる。つまり今の私、邪王真眼は最強の最強』

凸守「きっと師匠やお前のあにきも最強の力を手に入れる為に契約をむすんだに違いないデス」

幸村「最強の最強ですか……なにやらわたくし、ゾクゾクして参りました」

凸守「凸守はもう死にたい気分デス。真の契約者も見つからず、マスターとも師匠とも差は開くばかり……」

凸守「はぁ……」

幸村「そう気安く死ぬと言う言葉を口にしてはなりませぬ」

凸守「別に気安く言ってないデス……凸守は本当に…………」

幸村「お前が死にたいと言って無駄に過ごした今日は、昨日死んだ奴が一生懸命行きたかった明日なんだ!です」

凸守「……お前は中二病デスか?」


勇太「お前が言うなよ!!」

六花「はうっ!びっくりした……」

勇太「あっ、すまん……なんか急に変な事言って……」


幸村「わたくしには幸村と言う名前がございます。お前ではありませぬ」

凸守「あっ……、凸守は凸守早苗デス」

幸村「さようですか。ではさなえ殿、わたくしと真の契約とやらを結んではくれませぬか?」

凸守「な、なんで凸守とお……幸村が契約を結ぶデスか!」

幸村「わたくしはあにきの真の契約者になれなかった落ちこぼれ。そしてさなえ殿も同じく……」

凸守「だから傷を舐め合うと言いたいのデスか?そんなのお断りデス!!」

幸村「いえ、我々も真の契約とやらを結び、最強の最強を手に入れるのです。そしてあにき達を……」

凸守「まさか、凸守達で師匠やマスターを倒すデスか?」

幸村「あにきに戦いを挑むなど恐れ多い事ですが……真の男ならば、いずれはあにきも越えねばならぬのです」

凸守「凸守は男では無いデスよ?」

幸村「性別など関係ありませぬ。ようは心の中に燻る何かがあるかどうか……それが有る限り人は男の中の男を目指す生き物なのですから」

凸守「心の中に燻る何かデスか……」

幸村「はい」

凸守「確かにあるデス……凸守はまたマスターと同じ次元で戦いたい、師匠を越えたいデス!!」

幸村「わたくしも同じ気持ちです。ですから真の力を手に入れる為に」

凸守「しかたないデス。真の契約を……結んでやるデス!」

???「角なし、角なし」

幸村「申し訳ございませぬ……。男の中の男を目指しておきながら、わたくしの身体は最近おなごとしての発育が……」

凸守「男の制服デスけど、やっぱり女だったデスか!?」

幸村「申し訳ございませぬ……」

凸守「そんな……そんな大切な事、何故黙っていたデスか!!最初から女と分かっていれば、凸守は……凸守は……」

幸村「……」

凸守「最初から遠慮せずに抱き合っていたものをデス!」ダキッ

幸村「さなえ殿……こんな半端者のわたくしを許していただけるのですか……?」

凸守「許すも何も、凸守達は契約を結んだ仲ではないデスか。さぁ早く真の契約の続きをするデス」

幸村「ではこのまま接吻を……」

凸守「で、凸守は初めてデスから……ありがたく受け取れデスよ……」

幸村「わたくしも初めてですゆえ、上手く出来るか分かりませぬが……」

小学生「おい!あそこでチューしようとしてるぞー!」

小学生「うわっ!本気だ!!チューしろ、チュー!!」

凸守「…………場所を変えるデスか」

幸村「はい」

こっち書き込めてなかった……こっちが先デス


幸村「そうと決まれば早速……何をすれば宜しいのでしょうか?」

凸守「マスターはDFMと抱き合った時に共鳴したと言っていたデス」

幸村「確かあにき達の場合はキスで真の契約を結んだと申しておりましたが……」スススッ

凸守「な、なんデスか!?」

幸村「ならば抱き合いキスをすればより強固な契約が結べるのではないでしょうか」

凸守「だ、だだ、だからってほとんど初対面の男相手にそんな事……無理デス!かたつむりデス!!」

幸村「何をいまさら恥ずかしがるの事があるのですか。わたくしたちは真の契約を結んだのですから」ムニュッ

凸守「そ、それとこれとは話しが別っ…………コラ!だ、抱き着くなデス!!……ん?むにゅ?」

公園トイレ

バタンッ!ガチャッ…

凸守「ここなら邪魔も入らないはずデス」

幸村「真の契約とは結ぶ事すら大変なのですね」

凸守「ではもう一度最初からやり直しデス!」

幸村「最初からと申されますと?」

凸守「だからその……抱き合う所からデス……」

幸村「なるほど。ではさっそく」ギュッ

凸守「んっ……じゃあ次は契約のキスをするデス」

幸村「それでは舌を出していただけますか」

凸守「舌?こうデスか?……べぇー」

幸村「ではまいります。……あむっ」

凸守「んんっ!?」

幸村「はむっ……ぢゅるっ……んっ、あむっ……んっ、んっ……」

凸守「んっ、んんーッッ!!ぷはっ、なん……どうして舌を吸うのデ……」

幸村「んっ……んー……」

凸守「んんッ!?んっ、んー!!」

幸村「んっ、んっ……ちゅっ、ぱっ……」

凸守「今度は舌を入れられたデス……」

幸村「もしかして何か間違っていたでしょうか?」

凸守「なんだか凸守の思ってたキスとは違っていただけデス……」

幸村「初めてですゆえ……りか殿の持つ書物を参考にしたのですが」

凸守「少し驚いたデスけど……悪くは無かったデスよ」

幸村「さようですか」

凸守「つ、次は凸守からする番デス!さっさと舌を出すデス!」

幸村「はい。それでは……んー」

凸守「……んっ」ペロッ

幸村「んっ……舌の先が、くすぐっとうございます……」

凸守「こうして舌を舐めるとくすぐったくて、ぺろっ……なんだか気持ちいいデスね……ぺろっ……ちゅっ」

幸村「さなえ殿……あまり焦らされると……わたくし……」

凸守「気がおかしくなりそうデスか?」

幸村「はい……」

凸守「凸守も同じ気分デス。ただ、焦らせば焦らす程気分が高揚して、さらに高次元の魔力が」

幸村「でももうわたくし、んっ……舌の先に全神経が集中しているかの如く……ぁっ」

凸守「ん……っ、マスター達が、真の契約を結ぶ理由が少し分かった気がするデス……んっ、はむっ……んー」

幸村「……っ、……ッッ!」ピクンッ

30分後…

凸守「ハァ……ハァ……ッ」

幸村「んっ、はぅ……」

凸守「ずいぶんと身体が暖まったデスね……魔力が高まった証拠デス」

幸村「はい。心なしか力がみなぎってくる気が致します」

凸守「しかしこの先は何をすれば良いのか検討もつかないデスね……」

幸村「契約……契約……確かどこかで……」


屈強な男『さぁ、契約通り言うことを聞いて貰おうか』

男『くっ……これ以上、俺に何をしろと……』

屈強な男『おう、しゃぶれよ』

男『ウホッ……』


幸村「そうです。確かりか殿の持つ書物に契約の事がかかれておりました」

凸守「本当デスか!?それで何をすれば良いのデスか!」

幸村「命令する側と、命令される側がございますがどちらをご所望ですか?」

凸守「ゲフフフフ、当然命令する側デス!!」

幸村「さようですか。ではさっそく」スッ

凸守「ん?どうしてしゃがむデスか?」

幸村「さなえ殿、下着を下ろしていただきとうございます」

凸守「ええっ、どうして凸守が下着を脱ぐデスか……」

幸村「ご安心ください。ちゃんと猛り狂ったそれをしゃぶりますゆえ」

日が昇ってるのに何をしてるんだろう(白目)
また書きます

凸守「ど、どうしても脱がないとダメなのデスか……?」

幸村「はい」

凸守「うー……普段隠している所を見られるのは何だか恥ずかしいデスね」スルスルッ

幸村「なるほど……やはりさなえ殿にも男性にあるアレはついていないのですね」

凸守「?」

幸村「少し失礼いたします」クニッ

凸守「ぁっ……そんな所、触っちゃダ……広げちゃだめデス!!んっ」

幸村「なにやらベトベトしたものが溢れておりますが……これはもしや」

凸守「それはきっと魔力、んっ……デス……さっき、契約をした際に……溢れ出るのを感じた、デス……」

幸村「そしてこの入口近くに……わたくしも最近発見したのですが、ここに小さいながらもソレに似た固いこりこりした物があるのです」

凸守「なんだか変な感じデスね……頭の中がふわふわするデス……」

幸村「……あむっ」

凸守「んにゃぁっ!!な、なな、なにしてるデスか!?」

幸村「猛り狂うそれの代わりにここをおしゃぶりいたします。……ちゅっ、……くちゅっ」

凸守「だ、だめデス、そんなこと……魔力が暴走……て、身体が……こと、きかなく……なる…………デス……」

幸村「んっ、ちゅっ……ハァッ、ハァ……んんー……」

凸守「そんなに吸っ……、足が震え……力が、あっ、あっ……やっ……もう、だめ……デス……」

ガタンッ!!

幸村「さなえ殿、だいじょうぶですか?」

凸守「だ、大丈夫ではないデスけど……大丈夫デス。足の力が抜けただけなのデス」

幸村「さようですか。突然くずれる様にトイレに座り込んだので驚きました」

凸守「まったく……トイレの便座が無ければ本当に崩れ落ちた所デス」

幸村「もう少し深く座っていただけますでしょうか」

凸守「深く?こうデスか?」

幸村「はい。こちらの体制の方が続けやすいので……」グニッ

凸守「ま、まだ続けるデスか……?」

幸村「もちろんです。さなえ殿がしゃせいなさるまで続けます」

凸守「しゃせい?」

幸村「この体制の方が上手くできそうです。……くちゅくちゅ」

凸守「いっ……!そんな、くちゅくちゅするのはだめデス!」

幸村「んっ……ぴちゃっ、んー……ぺろっ、ちゅっ……」

凸守「ひぁっ……!舌で舐めるのも……だめデス!」

幸村「しかし先程より反応も溢れ出る魔力の量も激しくなっております」

凸守「だめデス……これ以上されたら、凸守はだめになってしまうデス……」

幸村「ダメになるとはいかような事でしょうか」

凸守「ダメになる……は、自我を保てなく……なってしまうデス」

幸村「ご安心ください。わたくしは契約者として全て受け入れますゆえ……自我など無くとも大丈夫です…………んっ」グニッ…

凸守「ッッ!!」ビクンッ

幸村「んっ、んんっ……ぷはぁっ、あむっ……くちゅっ、くちゅっ……」

凸守「や……ッ、ふぁ……ぁっ、ハァッ、気持ちいい……の……」

凸守「気持ち良くて、変になっちゃうデス……身体の、神経がそこだけにぃ……く、んっ……、集まってるみたいになるデス……」

幸村「こうして指でぐにぐにするのはいかがでしょうか」

凸守「ひぐっ……うぅっ、そんなに強くされたら……あぁっ、幸村、幸村っ!」

幸村「はい。わたくしはここにおります」

凸守「鼓動が早いデス、身体が熱いデス、息が苦しいデス、寒くも無いのに身体が震えるデス!」

凸守「凸守は死んでしまうデスか……?もう、こうして指を噛んでいないと……気を失ってしまいそうデス……」

幸村「最後まで終わればきっと元に戻るはずです」

凸守「なら早く最後まで……最後まで、してください……」

幸村「はうぅ……今のさなえ殿、きゅんきゅんいたしました」

凸守「幸村……手で、するなら……口はあいているデス……ね」

幸村「口でした方が宜しいでしょうか」

凸守「ううん……手で良いの。……良いのデス。から、口は……もう一度、契約を」

幸村「つまり接吻しながらすれば良いのでしょうか」

凸守「そっちのほうが……多分、早く終わるデス……」

幸村「分かりました。それでは失礼して……んっ」

凸守「んっ……んん、ぷはっ……幸村、舌で……凸守の舌を……」

幸村「はい。んー……ぺろっ、ちゅっ……んっ、んっ」

凸守「あっ、んッッ!幸村、もう……凸守は、凸守は……!いッッ……!!」ビクンッ!

幸村「……?」

凸守「あっ、あっ……!力が……はぁっ、はぁっ……」ヘナッ…

幸村「さなえ殿?大丈夫なのですか?」

凸守「はぁっ、はぁっ……真っ白デス…………頭の中が……」

凸守「魔力を使いすぎたせいか、体力をほとんど使い果たしてしまったデス……」

幸村「…………」

凸守「でもこれでまた一つ、幸村と——」

幸村「……ぺろっ、ぺろっ」

凸守「なっ……幸村、何してるデスか!もうそれは終わって……」

幸村「いえ、確か最後まで終えた場合はしゃせいと言う行為が行われるはずなのです」

凸守「そのしゃせいとはいったい何なのデスか?」

幸村「書物によると、それは猛り狂うソレから大量の白濁した液を撒き散らす事らしいのです」

凸守「確かにそこまで派手には魔力を暴発させなかったデスね」

幸村「なのでまだ先があるはずなのです。それを確かめる為にも…………んんっ」

凸守「や、やめるデス!これ以上されると凸守は、凸守は……」

幸村「んっ、んっ……」

凸守「プッ……アハハ、くすぐったくて我慢出来ないのデス!くすぐったいデス、くすぐったいデス!!ゲフフフフ!」

凸守「あははっ、こ、こら、いい加減にやめるデス!」

幸村「ちろちろ……」

凸守「それ以上舐められると、フハハッ、くすぐったくて、笑い死んでしまうデス!」

幸村「くちゅくちゅ……」

凸守「本当にヤメ……あっ、やめっ……あ、あれ……?」

幸村「んっ、んっ……」

凸守「や、やめるデス……なんか、あっ……れ?……ダメ、やめて……やめてくださいデス……」

幸村「んっ、ぐぐ……あむっ……」

凸守「あっ、や……っ、終わった筈なのに、ぃっ……また、熱いのが……」

凸守「ゆ、幸村、さっきのが、また……きちゃいそうデス……」

幸村「ぷはぁ……はい♪……んっ、んっ」

凸守「あっ……うぅっ、でもこの感じ……さっきと少し違う……んくっ、あぅっ、だめデス、この感じは……っ」

幸村「んー……んっ?」

凸守「幸村、離れるデス!でちゃう……デス、おしっこ……おしっこでちゃうデス……!」

幸村「ん……はむっ」

凸守「ッッ!!」

凸守「ふぁっ……あぁ……」チョロチョロ…

幸村「んぐっ……んぐっ……」

凸守「はぁっ、はぁっ…………んんっ!」

幸村「んっ!!……けほっ、けほっ」

凸守(凸守は大変な事をしてしまったデス……早く幸村に謝らないと……なのに身体が思うように動かないデス……)

幸村「さなえ殿……」

凸守「幸村……ご、ごめ——」

幸村「申し訳ございませぬ……わたくしとした事が……あまりの勢いに飲み切れずこんなにもこぼしてしまいました……」

凸守「な、何を言っているデスか!謝らなければいけないのは凸守デス!」

幸村「いえ、猛り狂うソレからのしゃせいを口で受け止め切れぬなど……万死に値いたします……」

凸守「そんな……」

幸村「かくなる上は、わたくし腹を切る覚悟」

凸守「や、やめるです!もう今度頑張ってくれれば良いから腹は切るなデス!!」

幸村「わたくしの様な未熟者にまたチャンスをくれるとは……さなえ殿の優しさは天井しらず。さすがです」

凸守「もうなんでも良いデスよ」

凸守「ところで、契約はこれで終わりなのデスか?」

幸村「いえ、続きがあるにはあるのですが……」

凸守「?」

幸村「実は猛り狂うソレをやおい穴にぶち込むのです。が……わたくしにはやおい穴がございませぬ」

凸守「やおいあな?」

幸村「幸い、代わりに使えそうな穴は二つ程あるにはあるのですが……さなえ殿のソレだとぶち込む事は難しいかと」

凸守「純正の雄でないと難しいのデスか……」

幸村「はい」

凸守「しかし男には本当にそんな物が備わっているのデスか?」

幸村「あにきと入浴した時はよく見えなかったですし、わたくしも書物でしか見たことがありませぬゆえハッキリとした事は……」

凸守「となると一度実物を見ておいた方が良いかもしれないデスね」

幸村「さなえ殿、御心当たりが?」

凸守「一人手頃なのがいるのでマスターに相談してみるデス!」

六花「もしもし、こちら邪王真眼の使い手、小鳥遊六花」

凸守「こちら、ミョルニルハンマーの使い手、凸守早苗!」

六花「声紋の照合確認……本物と断定。どうした?」

凸守「単刀直入に言うデス!マスターの契約者、DFMこと富樫勇太の猛り狂うソレを見せていただきたいのデス!」

六花「猛り狂うソレ?」

凸守「あー……股についてる男特有の猛り狂うソレです」

六花「勇太の股にある……猛り狂うソレ……」

凸守「マスター?」

六花「…………はぅ」カアァァァ

凸守「どうしたデスか?」

六花「それはダメ。凸守にはまだ早過ぎる。私も見たこと無い」

凸守「ならばこの際マスターも一緒に!猛り狂う状態を維持するには恋仲の相手が効果的らしいのデス!」

幸村「本当は相手も男性なのですが……いたしかたありませぬ。女性で代用出来ると良いのですが」

凸守「と言う訳で、マスター?」

六花「勇太の猛り狂うソレ……ちょっと興味ある」

凸守「マースーター?」

六花「はわっ……。ま、まぁ……凸守がどうしてもと言うなら仕方ない。明日かけあってみる。ではまた後で」

寝落ち前に休憩します

くみん「もうすっかり春だねー♪」

森夏「もう4月なんだから当たり前でしょ」

くみん「モリサマちゃんはドコ行ってたの?」

森夏「モリサマ言うな!私はちょっと買い物してただけよ。……って言うか、あんたどこまでついて来る気?」

くみん「せっかく会ったんだし一緒に帰ろうよぉ♪」

森夏「うっとうしいわねぇ…………あれ?向こうから歩いて来るのって」

六花「ゆ、ゆゆ……勇太、あの、えっと……話しが、あるから……次の土曜日か日曜日に——」

くみん「あっ、六花ちゃんだー♪おーぃ……」

森夏「ちょっと、やめなさいよ!」

くみん「ん?どうして?」

森夏「見れば分かるでしょ。電話くらいで顔真っ赤にして……青春してんのよ」

くみん「青春?」

森夏「恋よ、恋。本当、恋をすると人って変わるもんよね」

くみん「恋をすると人が変わるの?」

森夏「あの子見れば分かるでしょ。中二病は相変わらずだけど、女の子っぽくなったって言うかさ」

くみん「じゃあモリサマちゃんも恋をすれば良いのに♪」

森夏「それってどう言う意味よ」

くみん「うーんとねー、恋をしてもう少し女の子っぽくな——」

森夏「余計なお世話よ!」バシッ!

くみん「あうぅ……街中でぶたないでよぉ……」

森夏「あんたの方が年上なんだから自分の事考えとけば良いでしょ」

くみん「私は幼稚園の時にたかし君と」

森夏「それは前に聞いたわよ。私は今の話しをしてるの」

森夏「あんたって、どんな人がタイプなのよ」

くみん「うーん……たかし君みたいな人かなー♪」

森夏「はぁ……じゃあそのたかし君ってのはどんな子だったのよ?」

くみん「えっとね、髪は金髪っぽくて、目付きが悪くてー……」

森夏「なに?あんた不良とか好きだったの?」

くみん「ううん、たかし君はハーフだったんだよー♪実は優しい子だったし!」

森夏「ふーん」

くみん「私、幼稚園の時は何をするのもゆっくりだったんだー♪」

森夏「今もでしょ」

くみん「そしたらね、たかし君がお前はトロいけど待ってやるから俺について来いって言ってくれたの」

森夏「たかしの癖に良い奴じゃない」

くみん「一緒に婚姻届も作ったんだよー♪」

森夏「あっ、そう。じゃあもうたかし君と結婚しなさいよ」

くみん「でも私が外国から帰ってきたらたかし君と会う事も無くなっちゃったし……今頃どこで何してるのかなぁ?」

森夏「知らないわよそんなの。って言うか、ちゃんと前見て歩きなさ……あっ、危ない!」

ドンッ

くみん「いたた……すみません、大丈夫で…………」

小鷹「悪いボーッとしてて、怪我無かったか!?」

くみん「たかし……君?」

小鷹「……いや、俺は小鷹だけど」

くみん「えぇーっ!絶対たかし君だよー!」

小鷹「だから俺はたかしじゃなくて小鷹だって言ってんだろ」

森夏「ちょっと、人違いみたいだし行くわよ!すみませんでした」

くみん「たかしくーん」

小鷹「あのなぁ……くみん、いつになったら名前覚えるんだよ」

くみん「あーっ!私の名前知ってるって事はやっぱりたかし君だ♪」

森夏「えっ?でもたかしじゃないって……」

くみん「たかし君も私のこと覚えてくれてたんだねー♪」

小鷹「少し違うな。覚えてたんじゃなくて思い出したんだ。そういえば幼稚園でずっと俺の名前たかしと勘違いしてた奴がいたって」

小鷹「しかしあれだな……久しぶりに会ったけど、いろいろ大きくなったな」

くみん「そうかなあ?学校では小さいほうだよ?」

小鷹「あ、ああ……。えっと、元気にしてたのか?」

くみん「うん♪日本に帰ってきてタカくんの家に行ったけど誰も居なくてびっくりしたよ」

小鷹「俺もお前が外国行ってる間、あちこち引っ越しばっかして…………え?タカくん?」

くみん「たかし君だけど、たかし君がこだか君って言うからたかしのたかとこだかのだかでタカくん♪」

森夏「ごめん、ややこしくて良く分からないから」

小鷹「まぁ何でも良いか。で、俺も最近こっちに帰ってきたんだよ」

くみん「それでタカくんはこれから何処に行くの?」

小鷹「あっ、そうだった!小鳩を迎えに行く途中だった」

くみん「そうだ!小鳩ちゃんも元気にしてる?」

小鷹「元気過ぎて困るくらい元気だよ。……ってか小鳩は名前間違わないんだな」

くみん「小鳩ちゃんには昔ミルクあげたりしたもんねー♪お人形さんみたいで可愛かったなぁ♪」

小鷹「もう小鳩も中学生だけどな」

くみん「今度あったらまたミルクあげよーっと♪」

小鷹「いや、だからもう中学生だって。ミルクとか飲まないから」

くみん「えぇー……、今なら出る気がするんだけどなぁ……みるく」たゆん

小鷹「……た、確かに、じゃなくて!」

森夏「でもまだ夕方なのに中学生の妹を迎えに行くなんて、妹さん思いなんですね」

小鷹「いやほら、最近物騒だろ?今日この辺りにも変質者が出たらしいんだよ」

森夏「あー、確か小学生の女の子ばっかり狙われてるって言う……」

小鷹「うちの小鳩は中学生だけど見た目は小学生だからなぁ……」

小鷹「じゃあそう言う事で。もう行くわ」タッ

くみん「ばいばーい、タカくーん」

小鷹「おー、またなー」ブンブン


森夏「ねぇ、せっかく久々にあったのに携帯の番号とか交換しなくて良かったの?」

くみん「んー?……ああっ!わすれてたぁ……」

森夏「はぁ……あんた、本当に抜けてるわね」

くみん「でも大丈夫だよ。家は知ってるし、それに……多分またすぐに会えるから♪」

森夏「その根拠の無い自信はどこからくるのよ」

くみん「だって私たち結婚するんだもん♪」

森夏「そんな幼稚園の時の事なんて誰も覚えてないわよ」

くみん「覚えてるよお♪だって私でも覚えてたんだよー?」

森夏「そもそもあんた中学まで海外に居たんでしょ?」

くみん「でも海外に行く為のお別れはしたけど、恋人としてのお別れはしてないから♪」

森夏「あっそ。まぁ覚えてたらいいけどね」

富樫家

ピンポーン

樟葉「はーい」

…………

…………

樟葉「おにいちゃん、小鳥遊さん達が来たよ……」

勇太「ああ、そういえば今日来るとか言ってたな……ん?小鳥遊さん達?」


六花「や、約束の時間」

勇太「なんだよ慌てて。ってか今日はベランダじゃなく玄関から来たのか。珍しいな」

六花「わ、私以外の人間はあのルートを使えない」

勇太「そういえば樟葉が小鳥遊さん達とか言ってたけど他に誰かいるのか?」

凸守「よくぞ見破ったデス!!さすがはDFMと言った所デスね」

幸村「その洞察力、感服いたします……」

勇太「こいつはともかく……確か前に会ったメイドさん?」

幸村「おひさしゅうございます」

勇太「なんか妙な組み合わせだな……まぁあんまり綺麗な部屋じゃないけどどうぞ」

六花「おじゃ、おじゃましゅましゅ……」

勇太「は?なんか今日のお前変だぞ?」

凸守「相変わらず殺風景な部屋デスね」

勇太「悪かったな。殺風景で」

幸村「しかしまさに男の部屋と言う感じで素晴らしいです」

勇太「あ、ありがとう。それで?今日は何しに来たんだよ?」

凸守「は?」

勇太「いや、だからさ。このメンバーでうちに何の用だって聞いてるんだよ」

凸守「マスター、まさか用件を伝えていないのデスか?」

六花「その、恥ずかしくてなかなか出せなかった。すまない……」

勇太「?」

勇太「なんだよ言い出しにくい用件って」

六花「うぅー……あ、頭が割れそう」

凸守「仕方ないデスね。では代わりに凸守が——」

幸村「いえ、ここはわたくしが代弁させていただきます」

勇太「はい……」

幸村「すぅー……」

勇太「…………」

幸村「本日は勇太殿の猛り狂うソレを拝見させていただきたく参上いたしました」

勇太「猛り狂う……なに?」

幸村「はい、ナニでございます」

勇太「え?」

幸村「はい?」

六花「…………」

凸守「ああもう!だからさっさとパンツを脱ぐデス!!」

勇太「はい!?」

凸守「マスター!命令を!!マスター!!」

六花「よ、よし、勇太を直ちに捕獲!」

凸守「了解したデス!」

幸村「五分の杯を受けた兄弟のあにきは私のあにきも同然。助太刀いたします」

六花「凸守は右腕を!幸村は左腕!!」

凸守「ガッテン承知デス!」ガシッ

幸村「心得ました」ガシッ

勇太「お前ら本当にいい加減にしないと怒るぞ!」

六花「凸守に右腕、幸村に左腕を抑えられたその状態で、今から放たれる私の全魔力を受」

勇太「いい加減に……」グイッ

幸村「はぅぅ……っ、勇太殿……余り胸元を擦らないでいただけますか……」ビクンッ

勇太「え?」フニフニ

幸村「ひゃうぅ……っ」ビクビクッ

勇太「うわぁっ!ご、ごめ……っと、ちょっ、バランスが!!」

凸守「と、倒壊するデスー!!」

バタンッ!

勇太「いてて……」

六花「フッフッ、仰向けに倒れるとは実に愚かしい!……よいしょ」ストン

勇太「なに言って……うぷっ!!」

六花「両腕を抑えられ、体の上では私に座られこれで身動きは取れないはず」

勇太「お前なぁ……」

六花「何か言い残した事は?」

勇太「……お前、ちょっと太っただろ」

六花「あぅっ!」

勇太「しょっちゅう飛び乗られてたから分かるんだよ」

六花「あぅぅ……確かにお正月に食べ過ぎて、それ以来怖くて体重を量ってないけど、違うんだよぉ……!」

勇太(増えたのかは分からないけどとりあえず効いてるな……)

六花「うぅ……太ってないもん……違うんだもん……」

勇太「俺が言うのもなんだけどさ、いくらなんでも動揺し過ぎだろ」

凸守「気を確かにマスター!これはDFMの精神攻撃デス!!」

六花「精神攻撃……?」

凸守「そうデス!これは嘘!精神を撹乱する為の作戦なのデス!!」

六花「感謝する凸守。危うく作戦にはまる所だった。さすが勇太、侮れない」

凸守「そうデス!だってマスターは最初からそれくらいムッチリしてたじゃないデスか!!」

六花「そう。私は最初からこれくらいムッチリ……ふぉ!?」

勇太「あーあ……」

凸守「どうしたデスか?」

六花「はぁぁあぅぅ……」

勇太「トドメををさしたのはお前だからな」

凸守「??」

六花「ぐすっ……勇太、よくも……よくもやってくれたデスね……」

勇太「落ち着け六花、なんかキャラも変な事になってるから」

六花「とは言えこっち向きに座っていてはズボンをおろせない。座る向きを変える」クルッ

凸守「ついに、ついにパンドラの箱が開かれるのデスね!」

幸村「わたくしも興奮してまいりました……」

勇太「やっ、やめろ!ベルトを外そうとするなよ!」

六花「うーん……なかなか外れない……」グイグイ…

勇太「だからやめろ!って言うか、六花!お前後ろからパンツ見えてるぞ!お尻の辺り!」

六花「その程度の精神攻撃、さきの悲しみを乗り越えた私には効かない」

凸守「そうデス!猫ちゃんがプリントされたパンツを見られたくらいでマスターは揺らがないのデス!」

幸村「はげしい動きで若干くいこんでいようと気にしないとは……さすがです」

六花「…………」サッサッ

勇太(あっ、なおした……)

六花「うぅーん……はずれた!」

勇太「やーめーろー!」ジタバタ

凸守「往生際が悪いデス!観念するデスよ!!」

幸村「はうぅ……じっとしていただきとうございます……」

六花「勇太、足を動かすのは禁止」

勇太「やめろやめろやめろー!」

ガチャッ

樟葉「もう、お兄ちゃん達うるさ……」

勇太「樟葉!たのむ助けてくれ!!」

樟葉「…………なにこれ」

凸守「今からDFMの猛り狂うソレを見せてもらうのデス!」

樟葉「た、たた、猛り狂うソレって、お、お兄ちゃんの……!?」

六花「猛り狂うソレと言うキーワードだけで全てを理解するとは……」

樟葉「はわわっ、ち、違います!私別にそんな」カアァァ…

六花「さすがはDFMの妹」

樟葉「…………」

樟葉「えっと……とりあえずお兄ちゃんを解放してもらえませんか……?」

六花「それは出来ない。今を逃してしまうと次はいつチャンスがくるか分からないから」

樟葉「でも本人もいやがってますから……」

勇太「樟葉……俺は良い妹を持って幸せだぞ!」

樟葉「お兄ちゃん……」キュン

六花「さすがに勇太と樟葉の二人を相手にしながら作戦を遂行するのは難しい……」

樟葉「そうですよ。だから——」

六花「では極東魔術昼寝結社の夏で続きを行う」

勇太「え?」

幸村「部活動ですか……」

六花「安心すると良い。もちろん幸村も特別招待する」

幸村「ハア……!ありがたきしあわせです」

樟葉「あ、あの……」

六花「次は万全を尽くすためにもくみんと丹生谷にも手伝ってもらう」

凸守「さすがマスター!5人掛かりでならやすやすとDFMを観察できるデス!」

幸村「いまから部活動が待ち通しいです」

勇太「だからそんなのはダ————」

樟葉「ダメー!」

樟葉「そんな、部活動で……卑猥な事はダメですよ」

勇太「そうだ樟葉、もっと言ってやってくれ!」

凸守「マスター、ここは適当にうなずいておくデス」

樟葉「って言っても小鳥遊さん達ならするだろうし。私の知らない所で……」

勇太「……ん?」

樟葉「そ、それならいっそ……私の目の届く範囲で、今してください!」

勇太「樟葉!?」

凸守「それはDFMの妹も手伝ってくれると言う訳デスか?」

樟葉「お、お兄ちゃんも部活の人に見られるくらいなら、私に見られた方が気が楽というか……」

勇太「樟葉、帰ってこーい!こんな奴らに毒されるなー!!」

六花「では樟葉には暴れる足を抑えてもらいたい。足首辺りに座る感じで」

樟葉「は、はいっ」ストン

勇太「なに良い返事してんだよ……嘘だろ……?」

六花「それではいよいよ勇太のズボンと下着をおろす」

勇太「くっそ……!でも樟葉くらいなら足を動かせ……」

樟葉「ぁっ……やっ……、おにいちゃん……変な所、ぐりぐりしないで……」フルフル

勇太「そ、そんなつもりじゃ!!」

六花「よし、ズボンは膝までおろした。後は下着……」ゴクリ

勇太「や、め……」

幸村「ぁぅ……っ」ピクンッ

勇太(ヤバイヤバイヤバイヤバイ!よく考えたらこの状況……)

勇太(左腕にはこのメイドさんの胸が当たってるし……)

幸村「はぁっ……はぁっ……」

勇太(体には六花のお尻とか太ももとか、とにかく柔らかいし……)

六花「少しドキドキしてきた……」

勇太(樟葉は樟葉で、足首に当たる柔らかくてクニクニするのって……)

樟葉「んっ……」ピクンッ

勇太(ハーレム属性なんて無い俺には耐え切れない……体が、反応してしまう!)

六花「おお……!勇太のゆうたが少し動いている!」



凸守「デコ?」

勇太(落ち着け……気を落ち着かせろ……素数だ、素数を数えろ……全ての感覚をシャットアウトしろ……)

勇太(よし……いいぞ、落ち着いてきた……何も感じず、何も聞かず……)

六花「これが勇太の……」

樟葉「すごい……昔見たときと全然ちがう……」

幸村「これが男性……なんたる神秘……」

凸守「それにしても最後の最後に抵抗しなくなったデスね」

勇太「…………」

勇太(しまったー!素数数えて感覚シャットアウトしてる間にパンツ下ろされてる!!)

六花「しかしこれは……猛り狂うと言うか……」

樟葉「元気がなさそうに見える……ですか?」

勇太(よかった……それだけは正常を保って……)

六花「勇太のゆうた、元気だして」

勇太「元気だしてってなんだよ!もう十分だろ!!」

六花「さっきはピクピク動いてたのに、少し小さくなった気がする。さっきはもっとこの辺りまで」クイッ

勇太「ちょっ、な……ええ!?握るなよ!!」

六花「おお……!若干反応あり。大きさ……それに硬さも硬くなった」

樟葉「わ、私も……こうで良いのかな……」ペタペタ

勇太「な、なんだよこのプレイ……こんなの、我慢出来る訳…………」

六花「ゆうた……」

樟葉「おにいちゃん……」

六花・樟葉「もっと大きくして……?」

勇太「ガハッ……」


六花「こ、これは……!まさに猛り狂うソレ!」

樟葉「お兄ちゃんのがこんなになるなんて……」

凸守「マスター!ここからだとよく見えないデス!」

幸村「わたくしももっと近くで見とうございます」

六花「それでは一度場所の交代を…………いや、それは必要ない」

凸守「?」

六花「勇太からはもう戦意を感じられない。手を離しても大丈夫」

勇太「…………」ポケー

幸村「たしかに……戦意どころか生気も感じられませぬ」

六花「とは言え念には念を……このベルトで————」

勇太「……ハッ!!俺は何を……ってかこの状況は!?ええええ!?」

六花「勇太、落ち着いて。取り乱さないで」

勇太「気がついたらベッドに手を縛られて身動き取れず下半身丸出しだぞ!!普通に取り乱すだろ!!」

樟葉「だ、大丈夫だよお兄ちゃん、まだ何もしてないから」

勇太「まだって、これからするみたいな言い方するなよ……」

凸守「何を言ってるデスか。これからするに決まってるデスよ?」

幸村「勇太殿の猛り狂うソレを見ていると、わたくし胸も身体もきゅんきゅんいたします……」

勇太「じょ……じょうだんだよな……?」

六花「大丈夫、勇太。このベッドの下にあった書物通りにすれば完璧」

勇太「そんなもん出すなバカ!!樟葉もいるのに——」

樟葉「お兄ちゃん……まだその本持ってたんだ……」

勇太(なんか昔からバレてた感じじゃないか……)

六花「とにかくこの書物を……」

コロコロッ……

凸守「マスター!本の隙間から謎のディスクが!」

勇太「そ、それは、ちょっと!」

幸村「さっそく再生いたします」

勇太「ちょっ!!まっ……」

樟葉「お兄ちゃん……あのDVDまだ持ってたんだ……」

勇太(こっちもバレてた!!)

ちょっとアレしてきます。また書きます

変態紳士の世論によるとギリギリで止めるのが良いとの意見が多かったので作り直してました。
このままでは確実に勇太の一物が樟葉に突き刺さってたので
明日くらいには書きます。

TV「ぎりぎり限界、ロリロリ大百科!」

勇太「あ、あ……」

TV「本当に19歳!?○学生にしか見えないね!」

勇太「ち、ちが……っ」

ピッ

勇太「…………」

妹「まあ……中学生とか好きなのは悪いことじゃないから……」

幸村「ここまですがすがしいと、あるいみ男の中の男です」

六花「私は一応学校では子供っぽいと良く言われる。だから大丈夫」

凸守「こっちのおっぱいがいっぱいの書物はカモフラージュデスか」

勇太「違う!俺は本当におっぱいがいっぱいが好きだったんだ!」

凸守「ではこのDVDはなんデスか!」

勇太「それはつい最近勝ったやつで……」

凸守「つくならもう少しマシな嘘をつくデス」

勇太「本当に最近なんだよ……目覚めたのは……」


小鳩「へっちゅっ!クックックッ、誰かが我の噂をしているようなのだ……」


樟葉「あの……本当なんです!お兄ちゃんが子供好き(性的な意味で)になったのは」

勇太「樟葉……なんか信じてもらえて嬉しいような嬉しくないような……」

樟葉「その証拠に机の3番目の引き出しの裏に先週号の雑誌が!」

勇太「樟葉さん!?」

凸守「三番目……あっ、あったデス。ロリロリ大事典」

幸村「ですがコレを発見した所でなにも事態は好転しないのでは」

六花「勇太の証言を証明するには新しい書物より、古いおっぱいがいっぱいの書物を出すべきだった」

凸守「これで分かった事は、DFMは筋金入りのロリコンと言う事デス!!」

勇太「とりあえず……解放してもらえないか……?」

凸守「こんなロリコンを野に放っては、我々の身が危険なのデス」

樟葉「わ、私は……お兄ちゃんがしたいなら別に何されても……」チラッ

六花「私には契約者として勇太の、その……猛り狂うそれを沈める義務がある」

幸村「わたくしはできれば勇太殿の猛り狂うそれはあにきに処理していただきたいのですが」

勇太「いや、あの……せめてパンツをさ……」

凸守「凸守の様な美少女は絶対に襲われるので解放しないデス!」

勇太「それは無い」

凸守「なっ!!」

勇太「安心しろ。地球がひっくり返ろうともお前にだけは絶対に何もしない」

凸守「それはそれで何だか腹がたつデスね……凸守だって中学生デスよ!」

勇太「別に中学生ならなんでも良いわけじゃないさ。俺が好きなのは美少女中学生だけだ!!」

幸村「勇太殿が……かくじつにおかしな方向へむかっておられます」

勇太「樟葉は目立たないかも知れないけど美少女だ!色白で家事も出来てしかも妹だぞ!ハッキリ言って好きだよ!最高だろ!」

樟葉「お兄ちゃん……私も……」

勇太「それから六花!高校生まで成長してこのサイズにこの可愛らしい見た目、ありえないだろ!!」

六花「勇太の好みならこのまま成長が止まっても良い……」

勇太「そこのメイドさんもロリとかは違うけど可愛いと思う。でもな、凸守。お前はダメだ」

凸守「なぜデスか!」

勇太「だってお前…………なぁ」

凸守「やっぱり腹がたつデス!!」

勇太「すぐに変な事しだすし、鼻から牛乳だすし、頭は良いけどバカっぽいし……」

凸守「あったまにきたデス!絶対に許さないデス!!」ダダダッ

幸村「さなえ殿、どちらへ」

ガチャッ

勇太「えっと……あいつがいないうちに解いてくれる?」

樟葉「うん、私は心の準備出来てるから……」

六花「性欲の赴くままに暴走すると良い」

幸村「ではわたくしが解放し——」

凸守「おまちください!」

勇太「お前……」

凸守「どうしたのデスか?変な顔して。元気出してください、先輩♪」

勇太「なんだよいきなりそんな格好とかして……」

凸守「やですよう、凸守はいつもの凸守に戻っただけですよ?」

勇太「その美少女キャラ作りをやめろ!」

凸守「び、美少女だなんて……そんな事全然ないですよう……」

勇太「……」

凸守「あらいけない、DVDのリモコンを踏んで再生してしまいました」

ピッ

勇太「うわああああ!」

凸守「先輩、こう言うのが好きなんですか?子供っぽい女の子にあんな所を舐め舐めさせたり……」

勇太「バカ、お前……」

凸守「複数の女の子に色々されてますが……幸いここにも複数の女の子がいますし……再現してさしあげますね、先輩♪」

凸守「さぁ、皆さん一緒に先輩を気持ち良くさせてあげましょう♪」

樟葉「お兄ちゃんを気持ち良く……このDVDみたいに……」

六花「勇太が望むなら……」

勇太「望んでない!望んでないから!!」

凸守「でも先輩……身体の方はどうですか?例えばこうやって耳に息を……ふぅーっ」

勇太「!!!!」

樟葉「わわっ……お兄ちゃんのが……」

六花「猛り狂うと言うか……そそり立った」

幸村「ハアァ……まさに猛々しいお姿です……」

凸守「先輩、凸守なんかでは興奮しないのではなかったのですか?」

勇太「これは違うから!」

凸守「先輩……♪ぴちゃっ……ちゅくっ……♪」

勇太「お前、耳元でなんかぴちゃぴちゃ鳴らすなよ!」

樟葉「お兄ちゃんのがピクピクしてる……」

六花「音に反応するタイプ……?」

勇太(まずい……なんか本当に……って言うか迂闊だった。そういえばこいつ美少女だったっけ……なんか良い匂いするし!)

凸守「先輩……そろそろ次のステップに進みませんか……?」

勇太(くそっ!こんな……DVDを復唱してるだけなのに、身体が……しかも)

樟葉「お兄ちゃん……このDVDと同じ様にすれば気持ち良くなれるんだよね……?」

六花「樟葉、この映像を見る限り二人で舐めている。だから私も協力する」

幸村「私はその快楽に悶える勇太殿の顔を拝見させていただきます……」

勇太(なんか全員乗り気だし!)

勇太(こんな状態を打開するにはリーダーを潰すのが基本だけど……)

凸守「どうしたんですか?……あっ、もしかして二人じゃなくて三人で舐め舐めした方が良いですか?先輩♪」

勇太(ダメだ、こいつは厳しい……ならまずは1番メンタルの弱そうな——)

六花「では早速口に……」

勇太「お前らいい加減にしろ!これ以上したら許さないぞ、六花!」

六花「っ!」

勇太「もうベランダの窓は絶対に開けないし、学校でも話し掛けないからな」

六花「で、でも私だけじゃなくて凸守や樟葉も……」

勇太「俺はお前に言ってるんだ。いいか、これ以上は許さない。もし続けるなら部活も抜けさせてもらう」

六花「どうして……私にだけ……ゆうた……」

勇太「それでも続けたいなら続けろよ。そのかわりそれで終わりだからな。何もかも」

六花「う……うう……、なんで私だけ……ゆうたが、私の事だけ…………なんなんだよおー!」ジタバタ

勇太(まずは一人、すまん六花……)

勇太(樟葉は普段大人しいし一人ならなんとかなるとして……問題はやっぱりこいつか……)

凸守「マスター!これは精神攻撃デス!落ち着くデス!!あっ、おちついてください!」

勇太「ん?そういえばお前らは何しに来たんだっけ?」

凸守「凸守達はDFMの猛り狂うそれをみに来たのですよ?」

勇太「じゃあさ……もうミッションコンプリートしてないか?見たんだし」

幸村「確かに……わたくし達の目標は見る事であってそれ以上ではありませぬ」

凸守「そういえば好きでも無いDFMにこれ以上する意味も無いデスね」

勇太「なんかグサッときた……」

凸守「とりあえずコレならソーセージとかで代用出来そうなので……幸村、ソーセージを買って試してみるデス」

幸村「やおい穴の代わりにこちらの穴へ、猛り狂うそれの代わりにソーセージをぶち込むのですね。承知致しました」

凸守「ではさっさと帰るデス」タターッ

幸村「失礼いたします」

勇太「……ハァ」

勇太「とりあえず助かった……」

樟葉「大丈夫だからね、お兄ちゃん……私は最後までちゃんとするから……」

勇太「いや、もう良いから。とにかくこの状態から解放を」

樟葉「あっ、私も脱いだ方が良いよね……?だってもうDVDもあんな事に……」

TV「やだ、おにいちゃん……そこおしりだよぉ……そんなの入らない……ッッ」

樟葉「おしり……こんなに大きいの入るのかな……」

勇太「く、樟葉?ちょっと待って、ハハハ……冗談だよな?」

樟葉「大丈夫だよ、おしりなら赤ちゃん絶対に出来ないし……」

勇太「そうじゃなくて!」

樟葉「それともこっちに入れる方が良いのかな……後半は無理矢理こっちに入れてたよね」

勇太「ああ……全部見たんだ」

樟葉「おしりは痛そうだからこっちでも良い……?こっちは何だかぬるぬるしてて入りやすそうだし……」

勇太「ぬるぬるって……」

樟葉「ゆっくり入れるから、動いちゃダメだよ……?」スッ

勇太「待て!待て待て!!ちょっ……先っぽがもう入っ————」

母「ただいまー」

勇太「母さん!そうだ、今日は日勤だった!!」

樟葉「お母さん?お母さん……お母さん!?って、お兄ちゃん何してるの!?」

勇太「何してるって言うか、されてたんだけど……」

樟葉「すぐに解くから…………よし、じゃあ私はお母さん達の相手してるからお兄ちゃんは、その……DVDとか片付けて!」ダッ

勇太「あいつ急に元に戻ったけど……二重人格?とにかく片付けを——」

六花「はうぅ……なんで私だけ悪者なんだよお……!」ジタバタ

勇太「あっ……忘れてた……」

勇太「六花、落ち着け。悪かったよ」

六花「あぅー……」ピクッ

勇太「そうだ、今度二人で不可視境界線探しに行くか!」

六花「不可視境界線……?」ピクピクッ

勇太「ちょっと遠いけど○○遊園地にあるかも知れないから一緒に探しに行かないか?新聞屋にチケット貰ったんだよ」

六花「遊園地?」ピコンッ

勇太「アイスおごってやるぞ?昼飯も!」

六花「骨付きソーセージも……?」

勇太「ウルトラ上手に焼けたこんがり肉も勝ってやるよ」

六花「……いく」ムクッ

勇太「じゃあ来週の日曜日にでも——」

六花「ゆうた」

勇太「ん?」

六花「勇太は私のこと……嫌いになってない……?」

勇太「さっきのアレは仕方なくって言うか……冗談みたいなもんだから気にするな」

六花「気にする。とても……勇太に嫌われたかと思った……」

勇太「そんな事ないから」

六花「じゃあ好き?」

勇太「うっ……そんな急に言われたら恥ずかしいって言うか……」

六花「…………」ショボーン

勇太「ああもう分かった、言うよ!言えば良いんだろ!」

六花「うん」

勇太「いっとくけど一回だけだからな……ハァ、俺は」

ガチャッ

樟葉「お兄ちゃん、お母さん達お風呂に入——」

勇太「六花の事、大好きだよ」

樟葉「」

勇太「あっ……」

六花「勇太?」

樟葉「……えっと、トモちゃんと出かけて来るからお母さんによろしく言っといてね」

勇太「よろしくって、もう暗くなってきてるぞ!ってかトモちゃんって誰だ?」

樟葉「エア友達のトモちゃん!行ってきます!!」ダッ

勇太「ちょっと待っ……」

六花「勇太、行っちゃダメ」グイッ

勇太「六花、頼むから離してくれ!早く行かないと見失う!」

六花「しかし高校生が下半身剥き出しで外に出るとこの世界では逮捕されてしまう」

勇太「え?うわっ!?そういえば……」

六花「ちなみに勇太は下半身丸出しで私に大好きと言った」

勇太「死にたくなるからやめて!!でも止めてくれて助かったよ。とにかくパンツとズボンを……」

六花「さらに言うならDVDが流れ、おっぱいがいっぱいの書物も散乱している状況をもし夢葉に見られたら」

勇太「それはダメだ!とにかく穿くもの穿いて片付けて……ん、電話?樟葉からだ!」

樟葉「もしもし、お兄ちゃん?急に飛び出してごめん。心配しなくて大丈夫だからね?ちょっとしたら帰るから」

勇太「……ああ、わかった。気をつけて早く帰ってこいよ」

樟葉「うん、じゃあね」ピッ

勇太「はぁ……とりあえず携帯持って出たみたいだし、話も普通に出来たから大丈夫か」

六花「よかった……では私もプリーステスが戻る前に帰る事にする」

勇太「ああ、またな」


樟葉「…………」フラフラ

樟葉「もうどれくらい歩いたのかな……すっかり暗くなっちゃった……」フラフラ

樟葉「ここ……どこだっけ……」フラフラ

DQN「きみきみ!こんな夜に一人で歩いてたらあぶないYO!」

DQN「そうそう!俺達が車で良いところまで送っていってあげるYO!」

樟葉「…………」フラフラ

DQN「おいおい、無視かYO!」

DQN「なんか目が死んでるし俺達が慰めてあげるYO!!」

樟葉「…………」フラフラ

DQN「おかしいな。陽気な今風のイケメンを演じてみたのに」

DQN「もう無理矢理車に積んでいこうぜ」

樟葉「……!」タッ

DQN「逃がすか、捕まえろ!!」ダッ

DQN「なんかやること言うこと噛ませ犬臭が半端ないな!!」ダッ

小鷹「買い物してたらすっかり遅くなったな。早く帰らないと小鳩がうるさいし街灯無くて暗いけど近道して急ぐか」


樟葉「ハアッ……ハアッ……」タッタッ

小鷹「あれって確か……」

DQN共「ウェェェィ!!」ダッ

小鷹「なんだ!?」


樟葉「どうしよう……変な道入っちゃったから誰もいない……」タッタッ

DQN共「ウリィィィィィ」

小鷹「よう樟葉。久しぶりだな」

樟葉「おにいちゃん……!助けてください……っ」

小鷹「ああ、もちろんそのつもりだ……よっと」ガサッ

DQN「なんだテメェそれは!」

小鷹「知らないのか?今日特売の冷凍サーモン半身598円だよ」

DQN「ふざけんじゃry」

ガンッ!

小鷹「言っとくけど冷凍サーモン半身は鈍器のように固いぜ?」

DQN「こえー!サーモン半身こえー!!」ダバダバ

小鷹「もう大丈夫だぞ」

樟葉「ありがとうございます、おにいちゃん」

小鷹「えっと……さっきも気になったんだけどおにいちゃんって……」

小鷹「とりあえず前と同じような感じだし……家にくるか?」

樟葉「いえ、大丈夫です……もうこんな時間だし……」

小鷹「あー、思い出した。それでおにいちゃんだったのか」

樟葉「?」

小鷹「前にも言っただろ。樟葉はもっと甘えろ。妹なんだからさ」

樟葉「でも私はおにいちゃんの本当の妹じゃ……」

小鷹「それも前に聞いた。で、言っただろ。え?なんだって?って」

樟葉「でも……」

小鷹「おっと、こんな所で話してる暇なかった。小鳩が待ってるんだ、急いで行くぞ!」

樟葉「あっ……、待っておにいちゃん!」

小鷹「待ってやるよいくらでも。ほら、早く来い」

樟葉「……うん」

お休みます。
兄を愛す者同士、小鳩と樟葉は仲良くなれる気がする

ったく、>>1はどこ行ったんだよ。これだけ話を広げて読者の期待を膨らませやがって。
このスレがあると、いつまでも待ってしまうだろ。だから、本編とは関係ない話を無理やり詰め込んでやるぜ。

「卒業制作、やっと出来ましたけど、タイトル長いですから、略称が必要じゃないですか?」

「同感ですね。やっぱり略称は4文字じゃないですか?」

「わかってますね。4文字と言えば、『俺妹(おれいも)』しかないですよね」

「何言ってんですか。『はがない』に決まってるじゃないですか」

「なんですか、『はがない』って」

「『俺は妹が居ない』のひらがな部分をとって『はがない』です」

「それだと何の話かわからないじゃないですか」

「『俺妹』だって、妹が居ないのに『俺妹』っておかしいじゃないですか」

「どうやら意見が合わないようですね」

「そのようですね」

「僕は妹が居なくても面白い妹物のラノベを書けるということを証明してみせますよ」

「僕だって、友達が居なくても面白いラノベが書けるということを証明してみせます」

「何言ってんだよ、僕たち、もう友達じゃないですか」

「ツカサ!」

「ヨミ!」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

夜空「男同士の崇高な友情ってやっぱりいいな。私もいつか小鷹と…」



>>1よ、戻ってきてください

小鷹「さて、家に着いた訳だが一つ問題があってな……」

樟葉「?」

小鷹「なんだか良くわかんないんだけど、うちの妹は自分以外の人間に俺をお兄ちゃんと呼ばせたくないみたいなんだよ」

樟葉「えっと、だったら私はおにいちゃんの事を小鷹先輩と呼べば言いですか?」

小鷹「ああ頼む。悪いな、変な気を使わせちゃって」

樟葉「これくらい平気です。いきなりお邪魔するのは私ですから……」

小鷹「んじゃ入るか」

ガチャッ

小鳩「あんちゃん遅い!どこまで買い物に行っ……」

小鷹「小鳩、この子は——」

樟葉「あっ……確か、レイシス……えっと、すめらぎさん……?」

小鷹「もしかして知り合いか何かなのか?」

小鳩「名前は思い出せんけど……おにいちゃんの妹なんじゃ!」

樟葉「って事は、レイシス……えっと……」

小鳩「クックックッ、この我は世界では小鳩と名乗っている。おにいちゃんの妹ならば特別にそう呼ぶ事を許しても構わぬ」

樟葉「じゃあ小鳩ちゃんで……あっ、私は樟葉。小鳩ちゃんがおにいちゃんの妹だったんだね」

小鳩「クックックッ、その通りなのだ」

小鷹「なんだ?マリアの時はそう呼ぶだけで機嫌悪くなるのに」

小鳩「だって樟葉のおにいちゃんはうちのおにいちゃんじゃから、うちのあんちゃんも樟葉のおにいちゃんなんじゃ」

小鷹「なるほど。ややこしいからもう良いや」

小鳩「それでなんで樟葉がうちに来たんじゃ?」

樟葉「それは……」

小鷹「さてと、二人でも話は弾みそうだし俺は夕飯の支度してくるよ」ガチャッ


小鳩「クックックッ、遠慮せず我に言ってみるが良い」

樟葉「実は……こんな事言うと変だと思われるんだと思うんだけど……」

小鳩「うんうん」

樟葉「私、おにいちゃんが好きなんです……」

小鳩「うんうん!」

樟葉「あの……驚いたりしないんですか?」

小鳩「うん!だってうちもあんちゃんが好きじゃ!」

樟葉「でも私の場合、好きの意味が違うと言うか……異性として好きと言うか……」

小鳩「一緒じゃ!うちもあんちゃんと結婚したい!」

樟葉「本当ですか!?」


小鷹「おーい、なに大声だしてんだー?」

小鳩「あんちゃんはだまっとって!うちの部屋にいこっ、樟葉」

樟葉「えっ、あっ……す、すみません」

小鷹「別に謝らなくて良いよ。それにしても小鳩の人見知りは改善されつつあるのか?」

小鳩「クックックッ……ではこれよりあんちゃんサミットを開催するとしよう」

樟葉「あんちゃ……お兄ちゃんサミット?」

小鳩「うむ。まずは今日うちに来た理由を聞かせてもらうとしよう」

樟葉「えっと……実はお兄ちゃんに最近彼女っぽい人ができたって言うか……」

樟葉「それは仕方ないんだけど、部活を始めてから女の子に囲まれるようになって……」

小鳩「うちも同じ!!あんちゃんのあほは部活を始めてから女にうつつをぬかしておるんじゃ!」

樟葉「子供っぽい子(凸守)から胸の大きな人(くみん・丹生谷)まで……あとすっごくお兄ちゃんにアタックしてくる可愛い人!(六花)」

小鳩「子供っぽいバカ(マリア)と胸の大きな女(星奈)とアタックしてくるあほ……(理科)あと男女(幸村)」

小鳩「うちもおんなじじゃ!あいつらぜーったいゆるさへんもん!!」

樟葉「小鳩ちゃん?」

小鳩「フウゥゥゥー!」

樟葉「お、落ち着いて」


夜空「」

小鷹「おーい、晩飯できたぞー」

小鳩「はーい、いまいくー!」

樟葉「あの……やっぱり私、晩御飯まで」

小鳩「なに言うちょるんじゃ。今日はうちに泊まって行くんじゃなかと?」

樟葉「でもやっぱり迷惑じゃ……」

小鳩「クックックッ、我は貴様を同族と認め快く我が城に迎え入れてやろう」

樟葉「小鳩ちゃん……」

小鷹「おーい!冷めちまうぞー!」

小鳩「わかってるー!樟葉、はよぉ!」グイッ

樟葉「あっ、うん!」


小鳩「待たせたな、我が半身よ」

小鷹「おそ……なんだ、随分仲良くなったんだな。手まで握って」

小鳩「クックックッ……樟葉は心に我と同じ闇を抱く存在。惹かれ合う運命なのだ」

樟葉「小鳩ちゃんって時々変になるね……」

小鷹「まぁ仲が良い事に越したことは無いし。じゃあいただきます」

小鳩・樟葉「いただきます!」

小鷹「おお……綺麗にハモったな」

樟葉「あむっ……んっ、これ凄くおいしいです!」

小鳩「はむっ、はむっ!あんちゃん、おかわり!!」

小鷹「食べ方は全然違うな……」

小鳩「あんちゃん!」

小鷹「へいへい」

樟葉・小鳩「ごちそうさまでした」

小鷹「おそまつさまでした……それにしてもよく食ったな二人とも」

小鳩「あんちゃん、食後のデザート!」

小鷹「まだ食うのかよ。ってかそんな物ねーよ」

小鳩「えぇー……お客さんが来よるのに……」

樟葉「あっ、私の事はおかまい無——」

小鷹「こら、樟葉をだしに使うなよ。食いたいのは小鳩だろ」

小鳩「うぅー……デザートぉ……」

樟葉「……あ、あの」

小鷹「ん?」

樟葉「やっぱり私もデザート食べたい……です」

小鳩「ほらぁ!樟葉も食べたい言うちょるもん!」

小鷹「いや、どう考えても小鳩に気を使ってるだけだろ」

樟葉「そ、そんな事……」

小鳩「デザート……」

小鷹「無いものは仕方ないだろ?」

小鳩「うぅー……」

小鳩「あんちゃん!」
樟葉「おにいちゃん!」

小鷹「だから声を揃えても…………ああもう分かったよ。お金渡すからコンビニで好きな物買ってこい」

小鳩「うん、わかった!樟葉、いこっ!」グイッ

樟葉「あっ、えっと……行ってきます」

小鷹「寄り道しないでまっすぐ帰ってこいよー」

またかクマ

コンビニ

小鳩「クックックッ、今宵の宴を締め括るいけにえを選ぶとしよう」

樟葉「誰もお客さんいないねー…………ん、電話?……あっ、お兄ちゃんからだ」

小鳩「電話……あんちゃんから?おにいちゃんから?」

樟葉「えーっと、うちのお兄ちゃんからかな。連絡するの忘れてたから先に選んでてね」

小鳩「うむ。いけにえ探しは我に任せておくと良いのだ」

樟葉「もしもし、お兄ちゃん?私今日はおにいちゃんの家に——」

小鳩「さてと、まずはプリンのコーナーから制圧してくれようか。クックックッ……」

店員「」

小鳩「これとこれとー……そうじゃ、ポテチも買わんと!あとはあんちゃんの好きな——」

店員「お客さん」

小鳩「……うわぁ!」

店員「商品、万引きしましたよね」

小鳩「な……なに言うちょるん……」

店員「いや、私見てましたから。とりあえず事務所の方に」

小鳩「ぃ……やぁ」

店員「嫌とかじゃなくてね、万引きは犯罪だから」

小鳩「うち……そんな事しちょらんもん……」

店員「だったら協力してくれるよね?ちゃんと検査して」

小鳩「いやぁー!」ダッ

店員「あっ!こら!!」

どんっ!

樟葉「いたた……どうしたの小鳩ちゃん?」

小鳩「うち……なんもしちょらんのに、万引きしたって言うんじゃ……!」

樟葉「万引き?」

小鳩「事務所で検査するとか……なんもしちょらんのに……」ぐすっ

店員「こら、逃げても無駄だから!」

小鳩「ひっ……」ビクッ

樟葉「……とりあえず落ち着いて話すれば分かってもらえるよ。事務所にいこ?ね?」

小鳩「でも…………わかった。樟葉が来てくれるなら……」

樟葉「じゃあ私も電話が終わったらすぐ行くから」

小鳩「!?」

事務所

店員「じゃあ鞄の中身出して」

小鳩「……」

店員「うん、何も取ってないね」

小鳩「だから……そういっとる……し」

店員「なに?はっきり言ってくれる?」

小鳩「うぅ……、もう帰る……」

店員「だめだめ!まだ終わって無いんだから」

小鳩「そんな事言うたかて……もう全部だしちょるし……」

店員「その服、ゴワゴワしてて色々隠せそうだよね?脱いでくれる」

小鳩「ぃ、いやっ!」

店員「だから嫌とかじゃ無——」

樟葉「小鳩ちゃん、おわった?」

小鳩「うわぁぁん!樟葉ー……!」ダキッ

樟葉「小鳩ちゃん大丈夫?」

樟葉「身体検査?」

小鳩「ぐすっ……」

店員「万引きして無いなら見せられるよね?」

樟葉「なるほど……暖かくなって頭がおかしくなったんですか?」

店員「え?」

樟葉「店内で証拠も無くいきなり万引き扱いしてこんな事までさせて、勘違いでしたじゃ通りませんよ?」ニッコリ

店員「いや、私は見たし……多分間違いないから」

樟葉「多分間違いない?でももし間違いだったら店員さん……しりませんよ?」

店員「な、なにが?」

樟葉「小鳩ちゃんのお父さん……小鳩ちゃんの事となると無茶苦茶するから……(適当)」

店員「無茶苦茶!?」

小鳩「確かに……うちの家は過保護過ぎるんじゃ……(真実)」

樟葉「じゃあとにかく疑いを晴らす為にも身体検査しとこう」

小鳩「でも……」

樟葉「大丈夫。さっき電話で警察に連絡して婦警さんにも来てもらってるから」

店員「警察!?」

樟葉「小鳩ちゃんの身体検査は婦警さんにしてもらお。ね?」

小鳩「婦警さんなら……」

店員「」

店員「あー……あの、やっぱり今日は帰ってもらっても……」

警官「ちーッス!あのー、警察から来たもんッスけど!」

樟葉「お巡りさん、実はかくかくしかじかで——」

警官「えっ……それってロリコンの犯罪じゃないッスか……」

店員「違う!私はただ万引きの疑いがあるから検査を……」

警官「えっ、万引きしたんッスか?」

小鳩「し、してません……!」

警官「してないって言ってるッスよ?」

樟葉(私の説明聞いてなかったのかな……)

店員(この警官なら適当にはぐらかせそうな気がしてきたな……)

警官「んじゃまぁ疑い晴らす為にもちゃちゃっと身体検査終わらせちゃいましょーか!」

樟葉「それが恥ずかしくて嫌だから警察を呼んだんですよ!」

警官「大丈夫ッス!自分、ロリコンじゃないんで!」

樟葉(アホだ……)

婦警「何を騒いでいる」ガチャッ

店員「!!」

警官「あっ、部長!遅いッスよ!」

婦警「すまん。ちょっと凄い剣幕で鳩がどうこう叫び散らす不審人物がいてな。とりあえずパトカーに乗せておいた」

樟葉「鳩……それってもしかして黒みがかった金髪の人ですか……?」

婦警「うん?そうだが」

樟葉「その人、私が呼んだおにいちゃんです……」

婦警「えっ……」

警官「誤認逮捕ッスか?」

婦警「ち、違う!とにかく凄い剣幕で店員をぶっ殺す等と叫んでいたから捕まえただけだ。あれは本当に人を殺す人間の目だったからな」

樟葉(おにいちゃん、ごめんなさい……)

婦警「とにかく、見た目だけで決めつけ確たる証拠も無しに客を犯人扱いとは聞き捨てならんな」

警官「えっ、それを部長が言うんッスか?」

婦警「……ッ!」ドン

警官「ウブッ!!……」コヒュー…

店員「しかし……本当に怪しい風体だったので……」

婦警「なぜ壁に向かって話す。こちらを向け」

店員「……」

婦警「それとこんな時間に子供だけで出歩くのも感心せんな」

樟葉「でも……こんな疑いをかけられて小鳩ちゃんが可愛そうです!」

婦警「ん?疑われていたのは君じゃなかったのか?確かにあの男とは似ていないが」

樟葉「疑われてるのはあそこで泣いてる子です。小鳩ちゃん、顔上げて」

婦警(なるほど……金髪にあの服装。それにあの兄の妹となると目つきは……確かに疑われても……)

小鳩「なんも……ぐすっ、とっとらんのに……なんで……」スッ

婦警「!!」

婦警「こちらを向け、貴様……」

店員「ひぃっ!!」

婦警「こんな捨てられた子猫の様な目をした少女を疑っているだと?」

店員「あっ、いや……」

婦警「ん?待てよ……貴様どこかで……」

婦警「そうか、思い出したぞ。貴様数ヶ月前にも別の店で同じ事をして私が捕まえたな」

店員「そ、その節はお世話に……」

婦警「あの時言ったはずだが。次は無いと…………クソが!」ドンッ!

店員「ウブッ!」コヒューコヒュー

婦警「不快な思いをさせて悪かったな。もう大丈夫だ」

小鳩「あ、あの……」

婦警「ん?なぜその子の後ろに隠れる?」

樟葉「すみません、小鳩ちゃんはちょっと恥ずかしがりやさんで……」

婦警「そ、そうか、恥ずかしがりやさんか!そうかそうか、本当に可愛い子だな」

小鳩「あ……あり……がと…………」サッ

婦警「!!」ムホオオォォー!



小鷹「小鳩!大丈夫だったか!?」

小鳩「あんちゃん!……あんちゃーん!!」ギュウゥゥ

婦警「う、うらやましいぞ、私もあの少女の兄ならば……」

警官「部長、店員パトカーに積んだッス!しっかし全然意識戻らないッスね……生きてるんッスか?」

婦警「今日はもう遅い、また後日調書をとらせてもらいたいので警察署まで来てもらいたいのだが」

小鷹「分かりました」

婦警「でわ失礼する」


小鷹「なんか大変だったな……」

樟葉「おにいちゃんも大変でしたね……」

小鷹「……帰るか」

小鷹「ただいまーっと」

樟葉「よかったね小鳩ちゃん、帰りにスーパーでデザート買ってもらえて」

小鳩「クックックッ、黒ネクのタイアップ商品のゼリーが買えて満足なのだ♪」

小鷹「お風呂用意しといたから寝る前に早く入っとけよー。風呂上がりのゼリーの方が美味いぞー」

小鳩「お風呂上がりのゼリー……!入る!樟葉、はよぉ一緒にお風呂入ろ!」

樟葉「う、うん」

小鷹「なんだ?マリアの時は一緒に入りたがらない癖に」

小鳩「あんなうんこシスターと樟葉を一緒にせんとって!」

小鷹「へいへい。分かったからさっさと入ってこい」

またかくたるます

小鳩「クックックッ……今宵も血の色に染めてやろう」

樟葉「入浴剤って気持ちいいよね。私もすきだなぁ」

小鳩「では早速入るとしよう。樟葉も洗濯物はカゴに入れると良いのだ」

樟葉「う、うん……」

樟葉(一緒にお風呂、ちょっと嫌だな……だって私……)ペターン

樟葉「はぁ……」

小鳩「樟葉、なにしょーとー?」

樟葉「!!」

小鳩「?」ペペペタコーン

樟葉「小鳩ちゃんって確か私より年上…………一緒にがんばろう!ね!」

小鳩「ん?んー……うん」

小鳩「ハァー、気持ちいい湯じゃ♪」

樟葉「……」

小鳩「樟葉?」

樟葉「男の人ってやっぱり胸は大きい方が好きななのかなぁ……」

小鳩「な、なな……何を言い出すと、急に……」

樟葉「さっきも言ったけど、お兄ちゃんの周りって何故か胸の大きい人が多いから……」

小鳩「うちのあんちゃんはそんな……の……」

樟葉「洋服を来てるときは気にならないけど裸になると……」

小鳩「で、でもあんちゃんは小さいのが好きかもしれんし……」

樟葉「小鳩ちゃん……美乳と微乳と貧乳と無乳は違うんだよ!男の人言うの貧乳はきっと美乳あたりを想像してるんだよ!」

小鳩「お、落ち着いて、そんなに熱くならんでも……」

六花は並〜並以上あるね。姉があれだと将来有望だしね(ニッコリ

最強、樟葉ばっかり贔屓しすぎじゃねー?と各界から苦情がきたのでサクッと終わらせます。
本当は吸血鬼にお風呂で全身リップサービスされて昇天する樟葉で1000まで駆け抜けたかったです

小鳩「おにいちゃん……えっと、勇太は大きいのを好いと……?」

樟葉「わからない……けど、小鳥遊さんはお姉さんがあれだから、将来有望って言うか……よくみたら背のわりに大きいし……」

小鳩「うちにはよー分からんけど……それなら樟葉も大きくすればええんじゃ!」

樟葉「うぅ……それが出来れば悩んだりしないんだけど……」

小鳩「クックックッ……我は胸を大きくする方法なら心得ておるぞ」

樟葉「本当に……?」

樟葉「忌ま忌ましいあほ女がコンピューターを通じて手に入れた情報を我は横でこっそり見ていたのだが」

小鳩「それによると胸は揉まれると大きくなるらしいのだ!」(星奈のエロゲーより抜粋)

樟葉「なるほど……やっぱり刺激を与えるのが良いのかな?」

小鳩「この方法で一番のポイントは、揉まれると大きくなる……と言う事で、誰かに揉んでもらうのが必須条件となるんじゃけど……」

小鳩「確かに我が手に入れた情報を解析した結果、すべての女子は誰かしらに胸を揉まれていたのだ」

樟葉「つまり自分で揉んでも効果がない……」

小鳩「クックックッ、大船に乗った気でいるがよい。すべて我に身をゆだねよ」

1時間後……

小鷹「あいつらいつまで風呂に入ってんだ……?」

ダダダダダッ

小鳩「あんちゃん!樟葉がなんか変な風になってしもたんじゃ!」

小鷹「落ち着け。服くらいきろよ。……で、変なふう?」

小鳩「なんか……急に変な声を出してへたれこんでしもうた……」

小鷹「まずいな……湯あたりか?」

小鳩「あんちゃん!はよぉ!!」

小鷹「あ、ああ」

ガチャッ

小鷹「…………」

樟葉「はぁっ……は、うぅ……んっ」ピクンッ

小鳩「樟葉、大丈夫?」

小鷹(なんか……エロい事になってるな……。ってか、何したらあの大人しい子がこうなるんだ!?)

小鳩「とにかく起き上がらんと。樟葉、座れる?」

樟葉「だっ、だめだよ小鳩ちゃん……今は触られたら私…………じ、自分で座れるから」

小鷹「あー、無理しなくて良いから横になってろって。とりあえずバスタオルかけて……」

小鳩「お水とうちわ持ってくる!」

小鷹「ああ頼む」

ピンポーン

小鷹「誰だよこんな時間に……樟葉、じっとしてろよ」

樟葉「はい……」

ガチャッ

小鷹「どちらさまで……って、なんだ勇太か。樟葉を迎えにきたのか?」

勇太「すみません、ご迷惑おかけして……」

小鷹「それは良いんだけど、今ちょっとのぼせたみたいで寝かせてるんだよ」

勇太「ええ!?樟葉は大丈夫そうですか?」

小鷹「いまうちわと水を持っていく所だから、とりあえず勇太も入れよ」

勇太「はい、おじゃまします」

ガチャッ

小鷹「樟葉ー、勇太が迎えにきたぞー」

勇太「樟葉、大丈……」

樟葉「あっ……お兄ちゃ…………お兄ちゃん!?」

小鳩「おにいちゃんじゃ!」

勇太「な、なな、なんで二人とも裸……?樟葉はタオルかけてるけど……」

小鳩「樟葉がのぼせてしまっちょるから、涼しくしとるんじゃ」

小鷹「水飲めるか?」

勇太(なんで小鷹さんは中学生の女の子が裸でいるのに平気なんだ……?)

小鷹「しっかし、どうして小鳩は平気なのに樟葉だけのぼせたんだ?」

小鳩「それはその……多分うちが悪いんじゃ……」

小鷹「?」

小鳩「うちが樟葉の事いっぱい吸ったから……」

勇太「吸った!?」

小鳩「お、おっぱいを大きくしたいというから……吸血鬼の真祖である我が胸を吸って刺激を与えたのだ……」

勇太「ダメだ……何を言ってるのか頭がついていかない……」

小鳩「だからこうして……あむっ」

樟葉「んっ!?……こ、小鳩ちゃん……!ダメ、だよ……お兄ちゃん達が、見てるのに…………」

小鳩「んちゅ、ちゅっ…………んっ、ぷはぁっ!……と、こうしていたのだ」

勇太「はうっ!」

樟葉「小鳩ちゃん……人前でこんなこと、恥ずかしいよ……」

小鳩「……ん?おにいちゃん、どうして前屈みになりよるん?」

勇太「こ、これはその……そんなね見せられたら誰だって……!」

小鳩「でもあんちゃんは普通……」

勇太「なんでですか!」

小鷹「なんでって言われてもなぁ……妹の裸見たところで別に……」

勇太「ええー……これじゃあまるで僕が妹達に欲情した変態みたいじゃないですか……」

小鷹「え?お前妹に欲情してたのか……?」

小鳩「おにいちゃんは変態なん?」

樟葉「お兄ちゃん、私に……欲情してるの……?」

勇太「ちょっとおぉぉ!!」

小鷹「まあアレだ。どんな理由があって家出してきたのか詳しくはしらないけどさ、兄妹でよく話し合え。な?」

勇太「は、はぁ……」

小鷹「小鳩、俺達がいたら邪魔になるだろうしむこう行くぞ」

小鳩「あんちゃん、ゼリー!」

小鷹「ちゃんと着替えてからなー」

ガチャッ

樟葉「……お兄ちゃん」

勇太「あ、あー、俺も外で待ってるからとりあえず服!服着ろ!」

樟葉「お兄ちゃん、待っ……あっ」クラッ

勇太「ばか!そんな状態で急に立ち上がったらお決まりのパタ——」

バタンッ

勇太「いてて……大丈夫か?樟葉」

樟葉「うん……お兄ちゃんこそ大丈夫?下敷きにしちゃったけど……」

勇太「うっ……あぁ!!大丈夫だから早く服着てくれ!!」

樟葉「……どうして?」

勇太「どうしてって……さすがに裸でこんな……」

樟葉「まだのぼせてるのかな……身体が熱いみたい」

勇太「じゃあ早く横に——」

樟葉「うん……」ピタッ

勇太「いやいやいや!俺の上で横になられても困るんだけど!」

樟葉「お兄ちゃん……私、お兄ちゃんの事、すき……」

勇太「はあ!?な、なんだよ急に!?」

樟葉「そんなね分からないよ……でも、樟葉ちゃんとお風呂でいろいろしてたら身体が熱くなって、何か我慢できなくて……」

勇太「いろいろしてたらって……」

樟葉「好き……好き、好き。お兄ちゃんの事が好き」

勇太「お、落ち着け。俺もほら、樟葉の事は妹として自慢だし好きだからさ。夢葉も」

樟葉「じゃあ……小鳥遊さんと私、どっちが好き……?」

勇太「なんでそこで六花が出てくるんだよ」

樟葉「それとも他の胸が大きい人が好きなの?」

勇太「他の胸が大きい人って誰だよ!(丹生谷か……くみん先輩か?それとも十花さんの事か!?)」

樟葉「小鳥遊さんもお姉さんがあんな感じだから将来はああなるよね……」

勇太「確かに六花は将来有望だし既にその片鱗も……って、何の話しだよ!」

樟葉「お兄ちゃんは胸の大きい人が好きだもんね。本もそういうの多いし」

勇太「それは言うなよ……」

樟葉「でも……大きければ良いって事じゃないよね……?」

勇太「まあ……大き過ぎるのも……って、だから!」

樟葉「お兄ちゃん、手……ちょっとかりるね」

グッ

勇太「手……?は?ええ?は、えええ!?」フニッ

樟葉「んっ……」

勇太「く、樟葉、これはどういう……」

樟葉「胸って触られると……、大きくなるんだって……」

勇太「それは本当かどうかあやしい話しだな……」

樟葉「私、お兄ちゃんが好きだから……お兄ちゃんにだけ好きでいてもらえれば良いから……」

勇太「樟葉……」

樟葉「だから私の胸は……お兄ちゃんの手で、お兄ちゃん好みの大きさに……」

勇太「なにその夢の様な育成ゲーム……じゃなくて!ダメだろこんなの!!」

樟葉「ん……っ!いたい、お兄ちゃん……もっと優しくして……」

勇太「うわぁっ、ご、ごめん!」

樟葉「お兄ちゃん……こっちも触ってくれないと大きさが……」

勇太「樟葉、そろそろ色々と限界だからさ……とりあえず離れて話しを」

樟葉「なにが限界なの?」

勇太「女の子に裸でこんな事されたら誰だって限界なんだよ。色々と」

樟葉「私だってとっくに……だからこんな事してるんだよ?」

勇太「とにかく、兄妹でこんな事しちゃダメだから!なんかほら……法律的に!!」

樟葉「……んっ、ちゅっ」

勇太「んん!?んー!!」

樟葉「ぷはぁ……兄妹でキスするくらいなら法律でも禁止されて無いよね?」

勇太「樟葉……なんかやっぱりへんだぞ?」

樟葉「そんなの当たり前。裸でお兄ちゃんに胸を触られてたら変になっちゃうよ……」

勇太「これはお前が!」

樟葉「妹がお兄ちゃんの事を好きになるのってそんなにおかしい事なのかな……?」

勇太「さあ……でも兄妹は法律で結婚出来ないし、好きになっても仕方ないだろ?」

樟葉「また法律?」

勇太「そうだよ。また法律だ」

樟葉「でも、もしかしたら法律なんて変わるかもしれないもん……」

勇太「いや、さすがに無理だろ。ってか変な所で珍しくわがまま言ったな」

樟葉「……んっ」

勇太「ん!?」

樟葉「んっ……はぁ、こうやって胸を触ったりしながらキスするのは禁止されてないのに……?」

勇太「樟葉、本当にもうやめてくれ」

樟葉「……いやだった?」

勇太「嫌そうな顔に見えるか?」

樟葉「ううん……」

勇太「こんな事するの初めてだし、健全な男子として過ちを犯しそうになるだろ」

樟葉「……したいの?」

勇太「ほ、は……ええ!?」

樟葉「お兄ちゃんの部屋で見た事あるよ……固くなってるこれ、いれるんだよね?」

勇太「ダメダメダメ!さすがにアウトだから!法律的にアウトだから!!」

樟葉「お兄ちゃん……結婚は法律で禁止されてて絶対に出来ないけど……」

樟葉「兄妹でえっちするのは法律で禁止されてても出来ちゃうんだよ……?」

勇太「」

ガチャッ

小鷹「はいそこまで」

勇太「小鷹さん!」

樟葉「おにいちゃん……今は邪魔しないでください!」

小鷹「邪魔とかじゃなくてさ……さすがに見過ごせ無いだろ。小鳩の教育にもよろしくないし」

小鳩「樟葉は大人じゃ……外まで色々聞こえとったんよ」

小鷹「冷静になれよ。知り合いの家で兄とその……淫らな行為をだな」

小鳩「みだらなこーい?」

小鷹「と、とにかく!うち的にも教育によろしくないから。せめてそういうのは自分の家でしてくれ」

勇太「いや、それも止めてくださいよ!」

樟葉「確かにその通りですよね……私、どうしちゃってたんだろう……」

勇太「樟葉……」

樟葉「あの、ご迷惑おかけしてすみませんでした。今後こういう事はちゃんと家でします」

小鷹「ああ、わかってくれてありがとうよ」

勇太「おかしい……解決の仕方がおかしいですよ!!」

樟葉「お兄ちゃん、迎えにきてくれたんだよね?私、すぐに着替えるから」

勇太「ちょっと待って……すぐには立てそうにない。いや、たってるけど……」

小鳩「たってる?」

5分後

樟葉「おじゃましました」

小鷹「またいつでも遊びに来いよ」

小鳩「クックックッ……樟葉ならいつでも大歓迎なのだ」

勇太「お、おじゃましました……」

小鷹「お前は気をたしかにな」

ガチャッ……

小鳩「あーあ……樟葉も帰ってつまらんくなってしもた……」

小鷹「まあ仲直り出来たみたいだし良かっただろ」

小鳩「……あ、あんちゃんも大きいおっぱいを好いと?」

小鷹「……いや、俺は小さいのが好きだ!」

小鳩「なるほど……我にはあのような儀式は不必要のようだ。クックックッ……では我が半身よ、ゲームに興じようではないか」

小鷹「はいよ。やれやれ……」

樟葉贔屓はこれくらいにしときますよ!はい!
またかくます

次のカプ忘れてた
>>818

そろそろ十花みたいなー(チラッ

勇太が面白い人になってるww
勇太に期待
でも、勇太×小鷹はなしな

>>818
十花さんあいわかった
>>823
……チッ

小鳩「あー、もう!このっ!このっ!!」

小鷹「休みだからって朝っぱらからゲームしてないで少しは部屋の片付けしろよー」

小鳩「うーん」

小鷹「まったく。ゲームしだすとすぐ周りの声が聞こえなくなる」

小鳩「うーん」

小鷹「適当な返事ばっかりしてないで少しは手伝——」

ブロロ…

小鳩「!!」ダッ

小鷹「おわっ、なんだよいきなり走り出して。どこいくんだ?そっちは玄関だぞー」

小鳩「あんちゃん、あんちゃん!十花が来た!」

十花「朝っぱらから悪いな。おじゃまする気は無かったんだが」

小鷹「あれ!?もしかして今日料理教えてもらう約束してましたか……?」

十花「いや、本当に通り掛かっただけだ。その……たまたまこの近くで車を止めて休憩していたら、な……」

小鷹「小鳩、もしかして車の音で十花さんって気付いて飛び出していったのか?」

小鳩「クックックッ、デビルイヤーは地獄耳なのだ♪」

小鷹「地獄耳って言うか、まるでご主人が大好きな犬じゃないか……」

小鷹「でもこんな時間に通り掛かるなんて、これから出かけるんじゃないんですか?呼び止めたら迷惑なんじゃ……」

十花「大丈夫だ。仕事帰りだから問題ない。今日はこの後も大した用事は無いしな」

小鷹「こんな時間まで仕事って……もしかしてレストランで新作メニューを考えてたら朝になったとかですか?」

十花「ん……まぁそんなところだ……」

小鷹「すげぇ……やっぱりプロは大変なんですね」

小鳩「我が半身よ、大切な客人が来ておるのだ。早くもてなさぬか」

小鷹「ああ、そうだな。とりあえず座ってください。お茶でも入れます」

十花「いや、今日は遠慮しておこう」

小鳩「えぇー……つまらん……」

小鷹「小鳩、わがまま言うな。十花さんは徹夜で疲れてるんだから」

十花「……あ、ああ、そうだ」

小鷹「?」

十花「今日仕事場でたまたまこういうのを貰ってな……」ヒラッ

小鷹「ヨコシマワンダーランド御優待券……」

十花「くろねく?と言うアニメのショーもあるらしくて、小鳩が好きだったような気がしたんだが」

小鷹「クロネクは確かに小鳩が好きですけど……」

十花「その……、一枚で三人利用できるようなんだが、良かったら、だな……」

小鷹「気持ちは嬉しいんですけど、俺達なんかより六花や勇太と行った方が……それに俺達この前——」

小鳩「行きたい!!あんちゃんと十花と絶対に行くんじゃ!!」

小鷹「お前……星奈が誘った時と大違いだな……」

十花「決まりだな。じゃあ行くか」

小鷹「え?行くかって、今からですか?」

十花「明日からしばらく仕事だからな」

小鳩「クックックッ、我はいつでも準備万端よ」

小鷹「でも徹夜明けなんじゃ……あれ?そういえば十花さんのレストランからの帰り道って、うちの前通りましたっけ?」

十花「……さあ、行くぞ!」

小鳩「ゆくのだ♪」

小鷹「はぁ……まあ良いか」

十花「二人とも車酔いとかは大丈夫か?」

小鷹「はい、平気です」

小鳩「あんちゃん!あんちゃんはあっちに座って!」

小鷹「なんでだよ。別に後ろで良いだろ」

小鳩「だめー!あんちゃんはぜーったい前に座らんとだめなんじゃー!」

小鷹「どんな理由で——」

十花「小鳩がここまでそう言っているんだ。妹のわがままくらい聞いてやれ」

小鷹「それは別に良いですけど……十花さんがそれ言いますか?」

十花「うるさい」

小鷹「……すみませんでした。で、小鳩はこれで満足か?」

小鳩「うむ。それで良いぞ、我が半身よ」

十花「小鷹、シートベルトはちゃんとしたか?」

小鷹「おっと、車に乗るの久しぶりでシートベルトなんて……」シュルッ

十花「ん?どうした?」グイッ

小鷹(なんだアレ!?襷掛け効果とかそんなやわな物じゃねー……なんて言うか、なんて言うか……)

十花「小鷹?」

小鷹「シートベルトって……すごいですね……」

十花「何を訳の分からん事を言っている。さぁ行くぞ」

ブロロロロー

小鳩「うんうん♪良い眺めじゃ♪」

小鷹「何言ってんだよ?まだ町内も出てないぞ」

小鳩「外の景色の事やないもん。車の中の話しじゃ♪」

小鷹「?」


そして、ヨコシマワンダーランドへ

またかくます

ヨコシマワンダーランド

小鳩「クックックッ……今日はどのアトラクションから蹂躙してやろうか」

小鷹「蹂躙って……」

十花「それなら一応下調べしてきたんだが……このブラックドラゴンと言うのはどうだ?看板アトラクションらしいんだが」

小鳩「ひぃっ」ビクッ

十花「ん?」

小鷹「すみません。こいつこの乗り物にはトラウマを植え付けられてて……」

小鳩「く、黒き竜の暴走は我の手にもおえぬからな……」

十花「そうか。それは少し残念だな……」

小鷹「……あの、良かったら十花さん乗ってきますか?俺達はここで待ってますよ」

十花「しかし一人で乗ると言うのもな。それに待ち時間も長そうだ……」

小鷹「大丈夫ですよ!ほら、あそこにシングルライダー専用って書いてありますよね?あそこに並べば一人ならすぐですから!」

十花「そうか?なら少し待っていてくれ」


小鷹「十花さんの性格的に気を使って断固断ると思ったけど、わりとあっさり並びに行ってくれたな……」

小鷹「もしかして本当に楽しみにしてたのかな……?」

小鳩「のう、我が半身よ」

小鷹「んー?」

小鳩「黒き竜は背に乗せた全ての者を恐怖のどん底に叩き落とした筈だが」

小鷹「ああ。乗ってる奴らは悲鳴やら意味不明な言葉から、最終的に言葉以外の物まで吐き出す始末だったな」

小鳩「やったら……十花も悲鳴あげるんじゃろうか?」

小鷹「そりゃまあさすがに…………」


十花『きゃー!きゃー!!』


小鷹「……」

小鳩「……」

小鷹「……ちょっと近くまで見に行って見ようか」

小鳩「うむ、我も少しどうなるのか興味が沸いてきたのだ」

いつも寝落ち申し訳ないです

小鷹「おっ!調度いまから乗るみたいだぞ」

小鳩「あんちゃん、どこー?人の頭ばっかりでよく見えんばい……」

小鷹「仕方ないな……肩車してやるからこい」

小鳩「うん♪」


小鳩「おぉー、よう見える…………あっ、十花じゃ!」

小鷹「おー、のぼってるのぼってる。顔は……今の所無表情か」

小鳩「クックックッ、我もあの辺りまでは余裕だったのだ」

小鷹「てっぺんまで上ったな」

小鳩「さすがはプリーステスと言った所か……まだ慌てる様子を微塵も感じさせぬとは」

『キャアァァァァァー!!』

小鷹「おお!落ちた落ち……た、けど……」

小鳩「まゆ一つ動かん……気がする」

小鷹「いくら近くまで来てもやっぱり距離があるし、スピードも早くてよく分からないな」

小鳩「あんちゃん!あれじゃ!」

小鷹「あれは……そうか!最初の落ちる所と最後あたりで写真撮られるんだっけ」

小鳩「クックックッ、以前来た時は皆悲惨な顔をしておったからな」

小鷹「小鳩は最初の落ちる所から泣いてたもんな」

小鳩「うぅー……あんちゃん!そんな事は思い出さんでええんじゃ!」

小鷹「悪い悪い。それよりも十花さんの写真を……あった!あったけど……」

小鳩「やっぱり無表情……でも最後の超恐い所の写真は——」

小鷹「……なんか腕時計みてないか?」

十花「待たせてすまなかったな」

小鳩「十花、この写真……腕時計見よるん?」

十花「ああ、そろそろクロネクとやらのショーの時間だと思ってな」

小鳩「ブラックドラゴン……恐なかったん……?」

十花「いや、楽しかったぞ?さぁショーを見に行くか」

小鳩「あんまり楽しんでる様には見えんかったけど……」

小鷹「小鳩、良くみてみろ。十花さんのアホ毛を」

小鳩「……あっ、風も吹いてない左右にフリフリ揺れとる!」

小鷹「六花も同じだったけどさ、あれってどうなってるんだろうな……」

『まもなくステージにて鉄の死霊術師ショーを開催いたします』

十花「よかったな小鳩。一番前の席が取れて」

小鳩「うん♪」

司会「みんなー♪こーんにーちわー♪」

以下略

敵「さあ誰か人質になってくれるお友達はいないかなぁ?もし人質になってくれたら後で豪華限定品プレゼントも——」

十花「限定品か……小鳩、欲しくないのか?」

小鳩「それは……欲しいけど……」

小鷹「こいつ、あんまり人前に出るのが得意じゃないんですよ」

十花「そうか……なら私が貰ってきてやろう」

小鷹「いや、それは以前どこかで聞いたような……」

十花「私が人質になろう」

司会「えーっと……お母さんの参加はちょっと……(このやり取り前にもしたような……)」

敵「では代わりにそのお嬢ちゃんを人質にもらうとしよう!」

十花「お母さん?何を言っているんだ?」

小鷹「それはその……」

小鳩「十花があんちゃんの奥さんと思われとるんじゃ♪」

小鷹「小鳩、なんか前と反応が違いすぎないか?」

十花「と言うことは小鷹が私の旦那さんか」

小鳩「うんうん♪うちは二人の子供なのだ♪」

小鷹「ばかな事言うなよ。十花さんが困るだろ」

十花「私としては別に問題ないが」

小鷹「な、なに言い出すんですか!」

小鳩「クックックッ……では行ってくるのだ」

十花「しっかり人質頑張るんだぞ」

小鷹「なんだか変な話しですね……人質頑張れって」

十花「さて、我々も娘の勇姿をしっかり応援しなくてはな」

小鷹「だからそれはもう……」

十花「……私ではお前の奥さんは役不足だったか?」

小鷹「と、とんでもない!もったいないくらいですよ!!」

十花「なら良いんだが」

小鷹「…………」カアァーッ…

小鳩「クックックッ……良い雰囲気ではないか♪」

ショー終了後…

小鷹「今回はアニメ声優さんのサインか。よかったな」

小鳩「クックックッ、頑張ったかいがあったのだ♪」

十花「人前に出るのが苦手なのに良く頑張ったな。えらいぞ小鳩」ナデ

小鷹「なぁ小鳩、それが貰えたのも十花さ——」

小鳩「ありがと、十花。全部十花のおかげやから……うち十花の事大好きじゃ♪」ニコッ

十花「小鳩は本当にかわいい奴だな……抱きしめたい衝動にかられるぞ」

小鷹(星奈が見たらショックのあまり泣いて走り出すだろうな……)

くうぅ……

小鳩「あんちゃん、お腹すいた……」

小鷹「ああ、もうこんな時間か。じゃあ昼飯でも食べに行くか」

小鳩「うん!」

十花「その、一応お弁当を持ってきているのだが」

小鷹「えっ?でも徹夜明けの仕事帰りに寄ったのにいつそんな——」

十花「ま、まかないみたいな物だからな。食材が余っていたのでたまたま作っていただけだ」

小鳩「あんちゃん、うち十花のお弁当がええ」

小鷹「確かにその変で食べるより断然美味そうだしな」

十花「では私は車まで取りに戻るから二人はそのベンチを確保しててくれ」

またかくます


誤用が多くてそういう意味になりつつあるが、『役不足』は「役に対して力量が足りない」という意味ではなく、「力量に対して役が軽すぎる」って意味ですよ

今回の意味での「役者不足」という言葉は本来存在しないそうな
会話の流れ的には「〜ふさわしくないか?」あたりがしっくりくる?

>>857
……あっ!

十花「待たせ……た、な……」

小鳩 小鷹 爺 婆 爺 婆 ギッチリ

小鷹「すみません……さすがにこの状況で空きを確保する訳にも行かなくて……」

十花「そんな事は勿論分かっている。気にするな」

小鷹「あっ!十花さんは俺の代わりに座ってくださいね。俺は立ってても平気ですから」

十花「別に気を使う必要など無い。小鳩、少し立ってくれるか?」

小鳩「うん」スッ

十花「私が小鳩の座っていた場所に座る。そして小鳩は……よし、こい」

小鳩「……?」

十花「小鳩の席は私の膝の上だ。……もしかして恥ずかしかったか?」

小鳩「ううん!座る、十花の膝の上!」ストン

十花「これはまた随分と軽いな。ちゃんとご飯は食べているのか?」

小鳩「クックックッ……食事は魔力の枯渇にも関わるので確実にとらねばならぬのだ」

小鷹(くっ……小鳩が入ってた隙間に十花さんが入ったもんだから、色々と……柔らかいな……)

小鳩「おぉー……!サンドイッチじゃ!」

小鷹「こりゃまた手の込んでそうな本格的なサンドイッチですね……」

十花「そ、そんな事は無い。いいからさっさと食べろ」

小鳩「はむっ!んぐんぐ……」

小鷹「こら小鳩、いただきますくらいしろ」

小鳩「んー……、おいしい!なんなんじゃこれ!こんなん食べた事あらへん!!」

小鷹「じゃあ俺も……いただきます」モグモグ

十花「……どうだ?」

小鷹「小鳩の言う通りですね……もうサンドイッチの店でもだした方が良いんじゃないですか?」

十花「そんなお世辞は良い……」カアァァ…

小鳩「十花も食べんと。うちが食べさせちゃるから口開けて。あーん」

十花「あ、あーん……」モグモグ

小鳩「クックックッ、どうだ美味であろう?」

十花「そうだな。小鳩が食べさせてくれるならなんでも美味いさ。ついでだ、デザートに小鳩をいただこうか」

小鳩「うちのこと食べると?」

小鷹「十花さん……それはもう酔ったおっさん——」

十花「優しくするぞ?」

小鳩「……うん、十花になら食べられてもええよ♪」

十花「小鷹……本当に、なんなんだこの可愛い生き物は……」

小鷹「はぁ……落ち着いてください十花さ」

十花「どの辺りから摘んでみようか」

小鷹「落ち着いてください!摘むってなんですか!?」

十花「それはあれだろ。例えばこの唇とかをだな」ツー…

小鳩「んんっ……十花、あんまり指で触られるとくすぐったい」

十花「……たまらんな」

小鷹「それもう完全に変態じゃないですか!星奈と一緒で小鳩に嫌がら——」

小鳩「んー、かぷっ……!クックックッ、我は吸血鬼の真祖なり。指から十花の血をいたらふのら」チュッ

小鷹「小鳩……俺は星奈になんて説明すれば良いんだ……」

小鳩「ん……クックックッ、我は少しを花を摘みに行ってくるのだ」

小鷹「花を摘みに?……ああ、トイレか。迷子になるなよー」

小鳩「あんちゃん!あんちゃんはもう……いつまでも子供扱いせんとって!」

小鷹「はいはい、分かったから。早く行かないと漏らすぞ」

小鳩「うぅー……あんちゃんのあほたれ!」ダッ


十花「小鷹、妹が相手とは言え、いまのはセクハラだぞ」

小鷹「今日の十花さんには言われたくないですよ」

十花「しかし私も先程からずっと小鷹にひじで胸を横から触られているんだが」

小鷹「ええ!?うわっ、す、すみません!でもこれはぎゅうぎゅう詰めで偶然……」

十花「まるで絵に描いたような言い訳だな」

小鷹「いや、本当に!」

十花「フフッ……、冗談だ。そんなに慌てるな」

小鷹「冗談って、そりゃ慌てますよ……」

小鷹「そうだ。話は変わりますけど、小鳩が甘えちゃってすみません」

十花「なぜ謝る?小鳩に甘えられるなんて私は幸せだが」

小鷹「でもさすがに膝の上に座ったりは……」

十花「なんだ?小鷹も座りたかったのか?」

小鷹「なんでそうなるんですか!」

十花「私は別にかまわんぞ?」

小鷹「そ、そんな事したら……」

小鷹(下に十花さんの太ももとか、背中に十花さんの胸とか……そりゃ柔らかいだろうしお願いしたいけど……)

十花「小鷹、その……全部口に出ているんだが」

小鷹「えっ……」

十花「そんなに座りたいなら本当にかまわんが……向きはどちらむきに——」

小鷹「いやいやいや!何言ってるんですか!野外ですよ!?」

十花「それもそうだな。それに小鷹の上に乗るのとするなら私か」

小鷹「なっ……上に乗るってなんですか!?」

十花「年齢や身長がどうであれ、女のひざの上に男が乗るのはおかしいだろ?」

小鷹「あ、ああ……その乗るですか……でもそういうのは普通、恋人とかがすることで……」

十花「やはり私では役不足か?」

小鷹「な……いや、あの……え?なんだって……?じゃなくて、なんですか?」

十花「だから私では役不足なのかと聞いて——」

小鷹「あ、そうだ!ずっと思ってたんですけど、その役不足って使い方間違ってますよ!」

十花「そうなのか?それはすまない」

小鷹「誤用が多くてそういう意味になりつつありますけど、『役不足』は「役に対して力量が足りない」という意味ではなく、「力量に対して役が軽すぎる」って意味ですよ」

十花「だから謝っているだろ?」

小鷹「つまりこの場合、それだと十花さんに対して俺なんかじゃ役が軽すぎるって意味で」

十花「小鷹、少ししつこいぞ」

小鷹「今日の十花さんは朝から様子が変だったし、普段ならこんな言葉の使い方を間違えたりする事も無いし、もしかして疲れ」

十花「すこし黙れ。いや、黙ってくれ」

小鷹「あっ……」

十花「私は少しお前と言う男を勘違いしていたのかもしれないな」

小鷹「えっと……」

十花「役不足の意味を教えてくれた事には感謝する」

小鷹「そんな、別に」

十花「理解した上でだ。小鷹、お前の相手が私では役不足のようだ」

小鳩「クックックッ、待たせたな。我が眷属達……ん?」

小鷹「……」

十花「さて、では他のアトラクションへ向かうか」

小鳩「う、うん……あんちゃん?」

小鷹「あっ、ああ、悪い。俺はここで荷物番してるから二人で行って来てくれ」

小鳩「えぇー……あんちゃんも一緒に……」

十花「行くぞ小鳩」

小鳩「あっ、待って十花ー」


小鷹「まずい……とっさに誤魔化そうとして怒らせちまったのか!?」

小鷹「なんかゴミを見るような目だったし……」

小鷹「でもそんなに怒る事じゃ無いと思うし少しすれば機嫌もなお——」

夕方

十花「さて、そろそろ帰るか」

小鳩「うん……」

小鷹(なおらなかった……)

帰宅

小鳩「十花、今日はありがとう……」

十花「こっちこそ、今日は楽しかったぞ」

小鳩「また一緒に遊園地行ってくれる?」

十花「ああ、時間が出来たらまた行こう」

小鳩「じゃあその時はまた十花とうちとあんちゃんの三人で一緒に——」

十花「じゃあまたな。小鳩」

ブロロローン

小鳩「うぅー……あんちゃん!」

小鷹「な、なんだよ」

小鳩「なんで帰りは助手席に座らんかったと!」

小鷹「しょーがないだろ……色々あるんだよ」

小鳩「あんちゃんのばかたれー!!十花と仲直りするまで家にいれへんから!」

バタンッ!ガチャッ

小鷹「おい、ちょっと!小鳩、鍵あけてくれよ」

小鳩「ぐすんっ……うわあぁぁぁん!あんちゃんのあほたれー!!」

小鷹「泣きたいのはこっちだよ……」

パトラッシュ……なんだ眠いんだ。おやすみパトラッシュ……

このスレももうすぐ900。いよいよ決めねばなるまいな……
HappyEndか、BadEndか、DeadEndかを!

隣人部(NORMAL)エンド
十花さん(HAPPY)エンド
ハーレム(HAPPY2)エンド
妹(樟葉)エンド
勇太(BAD)エンド
どれになるのか

>>895
勇太「いつから俺が主人公じゃないと錯覚していた」

勇太「んっ……」

六花「…………ぷはぁっ」

勇太「……」

六花「勇太、もう一度」

勇太「もう一度もう一度って、もう何十回目だよ……」

六花「魔力の交換は今ので76回目。でも舌も使った交換は26回」

勇太「律儀に数えてるのかよ」

六花「勇太、早く!ん……っ」

勇太「んっ、て……目を閉じれてもさ……」

六花「わかった。では邪王真眼を解放しよう」スッ

勇太「……眼帯取ってガン見された方がやりにくいんだけど」

六花「勇太は注文が多い……」

勇太「わかったから。……じゃあ目閉じろよ」

六花「わかった」

勇太「……じゃあいくぞ」

六花「勇太」

勇太「なんだよ!」

六花「触っても良い?」

勇太「さ、ささ……触るってナニをだよ!?」

六花「勇太の手……つないでおきたい」

勇太「なんだ手か……」

六花「なにと思った?」

勇太「うるさい、詮索するな!って言うか、なんでキスするのに手を繋ぐんだよ」

六花「勇太とキスをすると魔力が暴走して何かを掴んでおかないと制御できない」

勇太「さっきまでは平気だっただろ」

六花「そう。さっきまで繋いでいなかったからベッドのシーツがこの有様」

勇太「うわ……ぐしゃぐしゃ……」

六花「……でも別に手は繋がなくても良い」

勇太「言うことをコロコロ変えるなよ」

六花「勇太、足を伸ばして座って」

勇太「こうか?」

六花「私がそのうえに座って抱き着く。これでキスだけじゃなく全身から魔力交換が可能」

勇太「は……はあぁぁ!?いやいや、そんな所に座るなよ!って言うか抱き着くなよ!!」

六花「しかし魔力を交換することによって邪王真眼とDFMの魔力が合わさり、より高度な魔」

勇太「そんな説明はいいから!とにかくそこに座られると色々まずいんだよ……」

六花「とにかく魔力の交換を」

勇太「わかったよ、すればいいんだろすれば」

六花「んっ、ゆ……た…………んんっ……んっ……」


勇太「……これで満足だろ?」

六花「ん……勇太の心臓すごくドキドキしてる」

勇太「そんなの当たり前だろ」

六花「私もドキドキしてる。勇太、触ってみる?」

勇太「さっ、さわらないから!とりあえず魔力の交換?は終わったんだから離れろよ」

六花「勇太、もう一度」

勇太「何回目だよ!」

六花「さっきのが77回目で舌を使っ」

勇太「知ってるよ!」

勇太「とにかくもう暗くなってきてるし、その……この前の樟葉の事もあるしさ……」

六花「それなら大丈夫。プリーステスなら朝から複数人分のお弁当を作って出かけたから帰りは遅いはず」

勇太「問題はそれより樟葉の事なんだけど」

六花「それも問題無い。つい最近緊急の会合を開き、しばらくはお互いを干渉しない事で合意した」

勇太「言ってる意味がわからん、説明しろ」ビシッ

六花「あぅっ……勇太の使用権、火木土は私、月水金は樟葉、日曜日は交互で手を打った」

勇太「な、なんだよそれ!?」

六花「つまり火木土は私が何をしても樟葉は何も言わない。代わりに月水金は樟葉が何をしても私は何も言わない」

勇太「よく分からないけど……お前達的にはそれはありなのか……?」

六花「大丈夫。世の中には一夫多妻制と言うのがあるらしい」

勇太「どこのハーレム計画だよ……」

六花「もちろんいくつかの取り決めもある」

六花「まず干渉は極力しない事。学校や家でいるときは普通に接するが、相手と二人きりの時は絶対に邪魔をしない」

六花「それと、勇太に何かを強要をするのもダメ。勇太が良いと言った時だけ行為にうつれる」

勇太「このキスとか抱き着いたりするのは強要に入らないのか?」

六花「魔力の交換は勇太の了解を得ている。さっきも勇太からしてもらった」

勇太「うっ……でも抱き着くのはやめろって言ったよな?」

六花「申し訳ない。聞き漏らしていた」

勇太「お前の耳は本当に都合の良いように出来てるな」

六花「勇太が……勇太が嫌だったら抱き着かないし魔力交換もしない……」

勇太「別に嫌とかまでは言ってな」

六花「ではもう一度このまま魔力の交換を要求する」

勇太「あのなぁ……健全な男子としてはこんな体勢でこんな事してたら、おかしな事しちゃうかもしれないだろ」

六花「それも問題無い。勇太に拒否権はあるけど私には無いから。勇太がしたいなら……心の準備は出来てる……」

勇太「六花……」

六花「多分……魔力の交換によって、もう身体の方も私は準備が出来てると思う……」

勇太「お前、おかしな事でそこまで理解するなんて、実はムッツリスケベ……」

六花「申し訳ない、聞き漏らした」

勇太(わざと聞こえないふり……こんな感じの人どっかで見たような……)

またかきま

勇太「いったいどこでそんな知識手に入れてきたんだよ?」

六花「この知識は勇太のベッドの下から手に入れた」

勇太「…………」

六花「正確には勇太のベッドの下にあった書物から手に入」

勇太「悪かったよ……」

六花「勇太……?」

勇太「なんかさ……白かった六花を汚したみたいで申し訳ないと思ってさ……」

六花「勇太、アナルセックスってなに?」パサッ

勇太「ごめんって!!ほんと、それ違うから!たまたま買ったらそんな感じだっただけで……」

六花「アナルセックス?」

勇太「本当に……ごめんなさい。でもこれだけは信じてくれ。俺はアナルセックスなんて興味ないから!」

六花「じゃあ普通のセックスには興味ある?」

勇太「それは……まぁ、年頃の男子並には……」

六花「わかった。だったら普通のセックスをする」

勇太「な、何言ってんだよ。だいたいお前、やり方とか」

六花「大丈夫。この書物を見る限り、勇太のを私に差し込めば完成」

勇太「そんな工場の流れ作業みたいに言うなよ。だいたい今日は母さんも日勤だからもうすぐ」

六花「それも問題無い。私の希望的願望的妄想によれば、勇太の母親が帰るのはまだ先」

勇太「いや、それってただの妄想だから」

六花「それに気づかれないようにするから平気」

勇太「ベッドの上で裸になってたら言い訳不可能だろ」

シュルッ

勇太「なっ……なんで下着脱いでるんだよ!」

六花「勇太はベルト外したらズボンを少しずらして」

勇太「はあ!?」

六花「ここから勇太のを出して……私が上に座る」カチャカチャ

勇太「ちょっ……ちょっとー!!」

六花「相変わらず勇太の黒炎竜はまがまがしい……」

勇太「悪かったな、まがまがしくて」

六花「後は私がまたがって……こうすればスカート中でどうなってるか分からない」

勇太「こ、この状況は……スカートの中では、二人ともあれだから……」

六花「興奮する?」

勇太「し、す、するか!!興奮とか……」

六花「私はドキドキしてる。では少し腰をおろす……」スッ

勇太「あっ……ちょっ、当たってる、当たってる!!」

六花「あぅっ……私の身体も直接黒炎竜に触れられて、その魔力に反応している……んっ」

勇太「やばい……これ、多分裸でするより……」

六花「んんぅ……勇太……、黒炎竜が暴れて……」

勇太「こんなの制御出来るわけないだろ!」

六花「私には出来る。邪王真眼は最強だから……勇太の黒炎竜を私の体内に入れて鎮める」

六花「ん……っ」

勇太「ま、待て!避妊具は!?」

六花「妊娠するには精子と卵子がどうこうしなくてはならないと学校でならった」

勇太「だったら……」

六花「平気。勇太が射精する前に離脱する」

勇太「年間どれくらいの人間がそれで妊娠してることやら……」

六花「うぅー……勇太の黒炎竜、太くてなかなか入らない……」

勇太「別に普通だから!ってか、それを言うならお前の……その、あれが狭すぎるんじゃないか?」

六花「狭くてきついから黒炎竜が入りにくくて……ごめんなさい」

勇太「別に謝らなくて良いよ。むしろそっちの方が好まれるって言うか……」

六花「ほんとに?勇太は私の狭くてきついのでも嫌じゃない?」

勇太「ううっ……い、嫌じゃないよ」

六花「私も痛いけど勇太のなら我慢出来るし、勇太が気持ちいいならうれしい」

六花「少しずつ、腰をおろす……」

勇太「だ、大丈夫か?足滑らしてズドン!とか気をつけろよ」

六花「いくらなんでもベッドでそんな事にはならない」

勇太「壮大なフラグにしか聞こえないけど」

六花「しかし今なら初号機にATフィールドを破られてる使途の気持ちがわかる……」

勇太「そうか、俺にはお前の言ってる意味が分からないけどな」

六花「うぅ……うまくはいらない」

勇太「……ちょっとスカートの中に手入れるぞ」

六花「スカートの中?……あぅっ、ゆ、ゆうた、そんなに広げちゃだめ」

勇太「いいからゆっくり腰おろして」

六花「痛っ……ぃ、けど……少しはいったかも……」

勇太「……」クニッ

六花「ひぁっ、うぅ……!ゆうた、変な所さわっちゃダメ!」

勇太「あっ、悪い悪い……若さ特有の好奇心がさ……」

六花「……勇太がさわりたいなら——」

ガチャッ

母「ただいまー。勇太、いるのー?」

六花「!!」

勇太「お前の希望的願望的妄想はどうなってんだよ……」

六花「だ、大丈夫、勇太の家族がこの部屋に来る確率は2%しかな」

母「勇太ー?開けるわよー?」

六花「ひぃ……!」

ズルッ

勇太「あっ……フラグ回収早かったなぁ……」

母「あら、六花ちゃんも来て……た……」

六花「……ッッッッッ!!」バンバン!

勇太「痛い痛い!」

母「……勇太、あんた何したのよ?」

勇太「別に何もしてないよ!」

母「でも六花ちゃん泣きながらあんたに跨がってバンバン叩いてるわよ?」

勇太「これは遊んでるだけだし!な?」

六花「……っ」コクコク

母「そう?なら良いけど……もう高校生なんだから暴れるのは程々にしなさいよー」


勇太「なんとかごまかせたか……」

六花「あうぅ……お腹の中に黒炎竜が……」

勇太「大丈夫か……?」

六花「ジンジンして痛くてお腹の中が熱い……さすがは黒炎竜……」

勇太「あのさ……このまま起き上がってもいいか?座るだけだから」

六花「勇太とつながったまま?」

勇太「つながったままとか言うなよ!なんか今更恥ずかしいだろ」

六花「勇太がそうしたいなら構わない」

勇太「そうか、じゃあ……」

勇太「六花、顔色悪いぞ」

六花「……平気」

勇太「確か俺が拒否したら従うルールなんだよな?なら嘘は拒否する」

六花「……少し痛い」

勇太「六花……」


六花「ゆ、ゆうた?どうしたの?」

勇太「ごめん、もう限界だから……!少しだけ我慢してくれ」

六花「いっ……痛い、痛いよ勇太……!そんなに激しくしちゃだめ……!」

勇太「もうすこしだから!」

六花「勇太……勇太……っ!早く、だして……!こわれちゃう……!」

勇太「六花……っ!もう……」


六花「勇太?」

勇太「はっ……!」

六花「?」

勇太(俺に出来るわけないよな……そんな事)

六花「痛いけどこの体勢は好き……勇太の顔も近いし抱き着ける」

勇太「お前は木にしがみつくコアラか」

六花「勇太、キスしてもいい……?」

勇太「魔力の交換じゃなくてか?」

六花「あっ……そう、魔力の交換……」

勇太「こんな事までしてるのにそこは律儀なんだな。……別に良いけ……んんっ!!」

六花「んっ……ちゅっ、ゆうた……だいすき……んっ、ぷはぁ……」

勇太「あっ、これは……やばいな」

六花「ゆうた……少しだけならトントンしてもいい……」

勇太「トントンって……」

六花「セックスは黒炎竜を入れたり出したりするはずだから」

勇太「い、いや、でも六花が痛がってるのにそんな事——」

六花「私の事は気にしないで」

勇太「でも……それがその、あまり動くともう……我慢出来ないって言うか、出そうで……」

六花「おぉ……さすが黒炎竜。まさに気が短い暴走竜……」

勇太「なんか悲しくなるからやめてくれ……」

六花「ではゆっくりと離脱する」

勇太「むしろ早急に頼むよ……中に入ってるだけでこれほどとは……」

六花「ぁっ、んん……っ、離脱率……80%。まもなく、完全に離脱する……」

勇太「ぎりぎり間に合っ——」

六花「あっ……」

ズルッ!

勇太「ちょっ、ここでまたかよ!!」

六花「いっ……たぃ……、あうぅ…………ゆうたぁ……また奥まで入っちゃった……」

勇太「あっ……」

六花「勇太?どうし……あぅっ、勇太……お腹の中に、何か熱いのが……」

勇太「…………」

六花「びくびくって……勇太?」

勇太(高校生で妊娠とかしたら……)

六花「勇太!もしや魔力を放出した影響で!?」

勇太「……ハッ!!こんな事してる場合じゃない。六花!お風呂でよく洗わないと!!」

六花「しかしお風呂場からシャワーの音が」

勇太「母さんか……じゃあ一度自分の家で!」

六花「了承した」ヨタヨタ…

勇太「気をつけてな……」

嵐に備えて体力温存する。またかきます

7巻の13話見てたら殴る壁が無くなった

凸守と六花と森夏とくみん先輩と樟葉の文字が可愛かったな……

六花「いたた……っ」

十花「またそんな所から帰ってきたのか」

六花「はっ!プリーステス……!まさかこんな手負いの状態で……」

十花「手負い?……六花、その血はなんだ?」

六花「血?」

十花「その足元についてるのは血じゃないのか?」

六花「いたっ……、勇太のが入った時にもしかしたら損傷したのかもしれない」

十花「入った?……入っただと!?」

六花「ぴっ……!」

十花「その……入ったと言うのはあれか?……せ、性行為的な」

六花「私と勇太はまた一つ高度な契約を終えた。今、体内には勇太の熱いのが入っている」

十花「……ちょっと待て、まだ気持ちの整理がつかない」

六花「そんな時間は無い。私はいますぐにでもお風呂場へ行き綺麗に洗わなければならない」ダッ


十花「私が……遅れているだけなのか……?」

十花「いや、落ち着こう。私は私のペースで行くべきだな……」

十花「今日だって上手く出来たはずだ」

今から目薬さして書きはじめるけど2レスくらいで寝落ち間違い無し

数日前……

十花「六花、少し良いか?」

六花「!!」シュタッ

十花「別に構えなくて良い。その……お前達、最近仲が良いみたいだな」

六花「お前達?」

十花「だから、あれだ……富樫勇太とか、だな……」

六花「勇太とは最上級の契約で結ばれているから当然」

十花「それにしても仲が良すぎだろ。何かあったのか?」

六花「何故我々の仲を詮索する?さては管理局が極秘に我々を!?」

十花「私は今真剣な話をしている。最上級の契約とはなんだ?」

六花「……一度黙って管理局側の拠点に戻った時、勇太が迎えに来てくれた」

十花「よく分からんな……」

六花「好きな相手と一度離れもう一度再会した時、互いの絆はより強固な物になる」

十花「なるほど。恋の駆け引きと言うやつか」

六花「私が勝手にこの地を離れ勇太には心配をかけた。でも今ではそれの——」

十花(押して駄目なら引いてみろと言うやつだな……)

現在

十花「遊園地でそれとなく怒ったふりをして引いてみたんだが……あれいらい会話がほとんど無かったな」

十花「押して駄目なら引いてみろ……引いても駄目ならどうすれば良いんだ?」

十花「いや、それ以前にどうやって仲直りすれば良い……」

十花「…………」

十花「ああもう!色恋沙汰の事はまったく分からないんだよおおぉぉ!」ゴロゴロ

六花「プ、プリーステス……?」

十花「……」

六花「……」

十花「なんだ?風呂に入ったんじゃなかったのか?」

六花「プリーステス、今のはいったい」

十花「え?なんだって?晩御飯はいらない?」

六花「はわわ……プリーステスの携帯が鳴ってたから持ってきただけ。晩御飯は食べる」

十花「電話?……ん、小鷹からか」

六花「……」

十花「晩御飯のおかずを一品減らされたく無かったら早く風呂に入ってこい」

六花「わ、わかった!ここはとりあえず戦略的撤退」

十花「さてと……」

十花「もしもし」

小鷹「あっ!十花さん、すみません何度も電話して」

十花「それは別に構わん。何か用か?」

小鷹「実は十花さんと仲直りするまで小鳩が家に入れないって言い出しちゃって」

十花「そうか……」

小鷹「俺、そんなつもりは無かったんですけど……もし十花さんに失礼な事とか言ったらならすみませんでした!」

十花「いや、こちらこそ大人気なかった。謝罪させてくれ」

小鷹「謝罪なんてそんな!えっと、じゃあ仲直り出来たって事で良いですか……?」

十花「ああ。小鳩によろしく伝えてくれ」

小鷹「ありがとうございました!じゃあおやすみなさい!」ピッ


十花「はぁ……よかった……」ヘナッ…

十花「しかし次に会う約束をしなかったな……遊園地は今回使ったし、ラー油もしばらくは持つだろう……」

十花「きっかけが……今すぐにでも会いたいというのに……」

十花「さっき声を聞いたからか。顔が熱い、身体も熱い……会いたい……」

十花「駄目だ。自我を保てなくなる前に寝てしま…………また電話?」

小鷹「あっ!ほんとに何度も何度もすみません!」

十花「今度は何の用だ?」

小鷹「それが小鳩の奴、証拠が無いと信じないとか言い出して開けてくれなくて」

十花「そうか……よし、では私が直接言ってやろう。今回の事は私にも責任がある」

小鷹「助かります。じゃあ携帯をスピーカーにして小鳩に聞」

十花「15分程で着く。じゃあな」ピッ

小鷹「あ、電話で大丈……切れてる……」

小鳩「あんちゃん!証拠は!」

小鷹「うん、なんか十花さんがわざわざ来てくれるみたいだぞ……」

小鳩「ほんと!?」

小鷹「ああ、本当だから開けてくれよ。雨が降って」

小鳩「クックックッ……本当に十花が来たのならその扉の封印を解いてやろう」

小鷹「勘弁してくれよ……」

10分後

十花「待たせたな」

小鷹「あっ、わざわざすみません。随分早かったですね」

十花「み、道が空いていただけだ」

小鷹「それは良かっ……へっくしょん!!ズズッ……」

十花「ん、良くみたらずぶ濡れじゃないか」

小鷹「あはは……とりあえず、おーい!小鳩ー!!十花さんが来てくれたぞー」

十花「小鳩、もう仲直りしたから開けてやってくれ」

小鳩「十花ぁー!」ダキッ

十花「よしよし。あまり小鷹に迷惑をかけるなよ?……と言いたい所だが、今回は感謝している」

小鳩「感謝?」

十花「小鷹、お前はさっさと風呂にでも入ってあったまって来い」

小鷹「はい、そうしま……す……」フラフラ

十花「ん?」

小鳩「あんちゃん?」

小鷹「あっ……」パタン

小鳩「あんちゃん!」

十花「とりあえず家の中に運んだが、結構熱がありそうだな……」

小鳩「あんちゃん、ごめんなさい。うちのせいじゃ……」

十花「小鳩一人のせいじゃない、私のせいでもある」

小鷹「そんな大袈裟な……頭がふらついただけですから大丈夫ですよ……」

十花「とにかく身体が冷え切っている。小鳩、風呂場に暖房を付けてきてくれ」

小鳩「う、うん!わかった!」

小鷹「あの……さすがにこの状態で風呂は……」

十花「そんなびしょびしょでいるよりマシだ。安心しろ、私が一緒に入ってやる」

小鷹「はあ……すみません、なにから何まで…………え?一緒にって……」

十花「私だって恥ずかしいが……今はそんな事言ってる場合じゃないだろ」

小鷹「いやいや!風呂なら俺一人で!」

十花「こんなフラフラの病人が一人で風呂なんて危険だ」

小鷹「じゃあもう着替えて布団に——」

十花「そこまで身体が冷えてしまったら布団ではなかなか暖まらないだろ」

小鷹「でも……」

十花「どうしてもと言うなら……裸で暖め合うと言う方法もあるにはあるが……」

小鷹「お風呂で……お願いします……」

十花「うむ」

小鳩「お風呂場暖まったよー」

またよるにかくよー

後50レス以内にスタイリッシュに終わらせる

風呂場

小鷹「……」

小鳩「クックックッ、この場へ共に立ち入るのは数百年ぶりになるか」

小鷹「十花さん、まさか本当に入ってくるのか……?」

小鳩「うぅー……あんちゃん!少しはこっちも見てくれんと!」

小鷹「とりあえず椅子に座るか」スッ

小鳩「なら我はその膝に座るとしよう」チョコン

小鷹「ん?小鳩、少し大きくなったか?」

小鳩「ほんとに!?」

小鷹「ああ、少し重くなっ」

小鳩「あんちゃんのばかたれー!!」

小鷹「ちょっ、暴れるなよ!」

ガチャッ

十花「何を騒いでいる」

小鷹「十花さん……」

小鳩「ばいんばいんじゃ……」

十花「あ、あまりじろじろ見るな。その、恥ずかしいだろ……」

小鷹「すみません、バスタオルとか巻いてくると思ってたのでビックリして……」

十花「とりあえず身体を洗ってやるか」

小鷹「それくらいなら自分で——」

十花「私は後ろを洗う。小鳩は前を頼んだぞ」

小鳩「クックックッ、了解したのだ」

小鷹「……」


十花「これはなかなか……」ゴシゴシ

小鷹「な、なんですか?」

十花「小鷹、お前は友達を作る地味な部に入ってると言っていたが、なかなか良い身体をしているな」

小鷹「まあ……この見た目が災いして喧嘩ばかりで昔からそれなりに鍛えられてましたから……」

十花「そうか……なかなか立派な背中だな」ギュッ

小鷹「はっ、ええ!?ちょっと、どうして抱き着くんですか!?」

十花「まだ身体が冷えているからな。こうして暖めてやってるんだ。感謝しろ」

小鳩「十花だけずるいぃ!じゃあうちも!」ギュッ

小鷹(心頭滅却心頭滅却……)

十花「んっ……こうすれば二人とも身体が洗えて一石二鳥……いや、身体も暖まるから一石三鳥か……」スリスリ

小鷹(あああああ!!)

十花「とりあえず身体を洗ってやるか」

小鷹「それくらいなら自分で——」

十花「私は後ろを洗う。小鳩は前を頼んだぞ」

小鳩「クックックッ、了解したのだ」

小鷹「……」


十花「これはなかなか……」ゴシゴシ

小鷹「な、なんですか?」

十花「小鷹、お前は友達を作る地味な部に入ってると言っていたが、なかなか良い身体をしているな」

小鷹「まあ……この見た目が災いして喧嘩ばかりで昔からそれなりに鍛えられてましたから……」

十花「そうか……なかなか立派な背中だな」ギュッ

小鷹「はっ、ええ!?ちょっと、どうして抱き着くんですか!?」

十花「まだ身体が冷えているからな。こうして暖めてやってるんだ。感謝しろ」

小鳩「十花だけずるいぃ!じゃあうちも!」ギュッ

小鷹(心頭滅却心頭滅却……)

十花「んっ……こうすれば二人とも身体が洗えて一石二鳥……いや、身体も暖まるから一石三鳥か……」スリスリ

小鷹(あああああ!!)

小鳩「んっ……なんじゃ、おなかいたい……」

小鷹「!!」

十花「小鷹の看病をするのは良いが、自分まで体調を崩しては駄目だぞ?」

小鳩「そうじゃなくて……なんかお腹に硬いのが」

小鷹「おわああぁぁぁ!!」

十花「な、なんだ急に?」

小鷹「おれ、身体流してそろそろ上がりますから!」

十花「そうか、なら身体を拭いて——」

小鷹「それは自分でしますから!あ、ああ、だから二人こそ風邪ひかないようにごゆっくりどうぞ!」ダッ

十花「なんだ急に?」

小鳩「うーん……もしかしたらお腹が痛くなってトイレに行ってしもたんかもしれん!」

十花「そうか……ならすぐに上がって急かすのも悪いし、もうすこし風呂にいるか」

小鳩「でわ我が十花の背中を流してやろうではないか♪」


小鷹「やばかった……色々とやばかった……」

小鷹「処理したい気もするけど……すぐに出てくるだろうし我慢だな……」

小鷹の部屋

小鷹「身体は温もったけど……」

ギンギン

小鷹「逆に熱くなったままおさまらないぞコレ……」

ガチャッ

小鳩「あんちゃん、調子は……?」

小鷹「ああ、おかげでだいぶマシだよ」

十花「なら少しは食事も取れそうか?」

小鷹「はい。って、すっげえ良い匂い……」

十花「台所にあった材料で作った適当な料理だが……食べれそうか?」

小鷹「食べれそうもなにも、こんな良い匂いかいだら余計食欲が出てきましたよ」

十花「無理はするな。小鷹はそこで……少し身体を起こせるか?」

小鷹「これくらい平気……(しまった、今は立てないか……)」

十花「いいから。その……私が、た、食べさせてやる」

小鷹「えっと……じゃあお言葉に甘えて……」

十花「うむ、いい心がけだ。じゃあ……ふぅーっ……どうだ?熱くないか?」

小鷹「うっ……うまっ!なんだこれ!」

十花「口に合ったのなら良かった……」

小鷹「考えてみたら、風邪ひいてるのに家で一流シェフの作る料理が食えるなんてめちゃくちゃ贅沢だな」

十花「お、お世辞はそれくらいにしておけ……ばか」

小鷹「でもこのいびつな形の野菜は……」

小鳩「クックックッ、我も手伝ったのだ。心して食すが良いぞ」

小鷹「ああ、それでか」

小鳩「!」

小鷹「ごちそうさまでした。すっげー美味かったです!」

十花「これだけ食欲があれば大丈夫そうだな」

小鳩「うちも手伝ったのに……」

小鷹「小鳩の切ってくれたジャガイモも美味しかったよ」

小鳩「うん……次はもうすこし上手くできるように頑張る……」

小鷹「ありがとな、小鳩」ワシワシ

小鳩「えへへ……♪」

十花「ん、もうこんな時間か」

小鷹「すみません、こんな時間まで」

十花「困った時はお互い様だ。気にするな」

小鳩「十花、もう帰ってしまうん……?」

十花「なんだ、一人じゃ不安なのか?」

小鳩「うん……だってうち、あんちゃんがしんどい時どうしたら良いか分からん……」

小鷹「小鳩、あんまり十花さんを困らすなよ。俺だったらもう大丈夫だから」

十花「わかった。では今日は泊めてもらっても良いか?」

小鳩「うん!」

小鷹「えぇ!?でも明日は仕事なんじゃ……」

十花「仕事ならここからでも行けるさ。着替えも店においてある」

小鳩「とうか、とうか」

十花「ん?」

小鳩「十花、だいすき♪」

十花「……小鷹」

小鷹「はい?」

十花「これはその……犯罪的に、あれだな……」

小鷹「その気持ちはわかります」

3分後

十花「またせたな」

小鳩「六花は一人でも大丈夫って言うとった?」

十花「それがなぁ……帰れないと言ったら逆に喜んでいたような……」

小鳩「さてはDFMであるおにいちゃんと闇の儀式を——」

小鷹「小鳩、そっとしておいてやれ」

十花「とにかく病人もいることだし今日はもう寝るか」

小鷹「じゃあ客布団を——」

十花「それよりもシャツを一枚借りていいか?」

小鷹「それは構いませんけど」

シュルシュル…

十花「これでよし……と」

小鷹「これでよし……じゃないですよ!どうしてシャツ一枚なんですか!」

十花「何を言い出す。下着はちゃんと穿いている」

小鷹「ジーンズはどうしたんですか!ってか、そこにおいてあるのって下着ですよね……」

十花「ジーンズなんてはいて寝れるか。あと、こっちも付けたままだと胸が締め付けられて寝苦しいからな」

小鷹「その辺りは男の俺には分からないですけど……」

小鳩「うち……女の子やのに分からへん……」

小鷹「小鳩……」

十花「では寝るとしよう」

小鳩「拘束術式解除……就寝の準備は出来たのだ」

小鷹「あの……」

十花「どうした?」

小鷹「いや、どうしたじゃなくて……なんで二人とも俺のベッドに……」

十花「一緒に寝た方が暖かいだろ?」

小鳩「♪」

小鷹「あの……両手に花で嬉しいんですけど、流石に狭くて落ちたら危ないので」

十花「ではしっかりひっついておかねばならんな」ギュッ

小鳩「うちもひっつくのだ♪」ギュッ

小鷹「なんかもう……逆に熱があがりそうなんですけど……」

十花「熱は内にためずに発散させなくてはならないからな。調度良いじゃないか」

小鷹「あ、あんまり足を絡めないでくださいよ!……あっ」

十花「ん?これは……」スリスリ

小鷹「……ッ」

十花「小鷹」

小鷹「すみません……この生理現象はどうにも……」

十花「そういえばこの熱いモノからは熱い液体が出るらしいな」

小鷹「十花さん!?」

十花「熱は……内にためては駄目だろ……全部出さなくてはな……」

小鷹「あの、気のせいなら良いんですけど……若干お酒の匂いが……」

小鳩「そういえば夕飯つくっちょる時に、勢いがどうとか言ってビール飲んどったんじゃ」

小鷹「ちょっ、十花さん!さすがに小鳩もいるのに駄目ですよ!!」

十花「安心しろ。小鳩は……小鳩も一緒にお前を気持ち良くする」

小鷹「何を言ってるんですか!?」

十花「つべこべ言うな」

スポーン

小鳩「あ、あんちゃん……」

十花「勇太の本にはモザイクが入っていたが……なるほど、こうなっていたのか……」

小鷹「そんなにまじまじと見ないでください!」

十花「本では確かこれを胸で挟んだりしてたか……」

小鷹(勇太は巨乳好きか……)

小鳩「胸で……挟む……(絶望)」

十花「その役割は私がうけよう」

小鳩「じゃあうちは……?」

十花「後は……口で舐めたりくわえたりしていたな」

小鳩「それなら……口に入りきるかわからんけど……」

十花「まずはこうして挟んで……小鳩、先っぽだけなら入りそうか?」

小鳩「あー……むっ……んん、はひっふぁ……」

十花「じゃあ少し動かすぞ?」

小鳩「ふう……ん、ぷはぁっ、ちょっと変な匂い……」

十花「そうなのか……?私も少しだけ……んむっ」

小鳩「変な匂いじゃけど……嫌じゃないかもしれんばぃ……」

十花「んっ……ぐ、ぷはっ。確かに……妙な匂いはするが……嫌ではないな」

小鳩「十花、つづき……」

小鷹(煩悩死ね煩悩死ね煩悩死ね……煩悩死ね……)

十花「んっ……少し挟んだ後に擦りつけてみるか……」

小鳩「んー……ココのうらのところ、舌で触るとピクンッてしよる……ちろっ……ちろっ……」

小鷹「煩悩死ね煩悩……って、もう無理だから!!!!」

小鳩「あんちゃん?」

小鷹「小鳩、そこから口離して!十花さんも……!」

十花「こんな所で出されたらベッドが大変な事になってしまうだろ?」

小鷹「早くティッシュを!確か枕元に——」

十花「そんな物なくてもここに出せば問題無い。遠慮するな……あむっ、ん……」

小鷹「ちょ……あっ、ぐっ……!!」

十花「んんっ……!!んっ、ん……、ごほっ……んっ、ん……」

小鷹「はぁ、はぁ…………」

十花「んぐ……っ、ごほっ、ごほっ……うっ、ん……んぐ、んぐっ……」

小鳩「あ、あんちゃん!あんちゃん!!」

小鷹「ん……こ、ばと……?」

小鳩「はよ、頭から手はなさんと十花が……!」

小鷹「十花さんが……?あっ、うわああ!!す、すみません!!」

十花「けほっ、けほっ……!お前は、私を殺す気か……はぁ、はぁ……」

小鷹「すみません……ほんっとにすみません!気付いたら頭を掴んでて……」

十花「けほっ……」

小鷹「あの……もしかして飲んじゃいましたか……?」

十花「一番喉の奥に出しておいて何を今更」

小鷹「本当にすみませんでした!!」

十花「別に怒ってはいない。ただ……次はもう少し優しくたのむ……」

小鷹「次はって……」

小鳩「あんちゃんのココ……ちっちゃくなってしもうた……」

小鷹「そりゃ熱と一緒に体力も随分奪われたから……」

小鳩「これならうちでも全部くちに入りそうじゃ♪あむっ」

小鷹「あ……があああぁぁ!!」

朝ちゅんちゅん……

小鷹「ん、朝か……」

小鳩「んー……もう飲めんっちゃもん……」

小鷹「熱は下がったみたいだけど……疲れた……」

小鳩「んー……あんちゃん……?あれ?十花は?」

小鷹「そういえば……なんか良い匂いするな。もしかして朝ごはんまで?」

小鳩「朝ごはん!?うちおなかすいた!十花ー、ごはんー」

ガチャッ

小鳩「……」

小鷹「どうしたんだ?」

小鳩「手紙がおかれとった……」

『二人とも気持ち良さそうに寝ているのでこのまま仕事へ行く。朝食はちゃんと取るように』

小鷹「忙しいのにわざわざ朝ごはんまで……本当にありがたいって言うか……」

小鳩「すごい美味しそう……」

小鷹「まったく。十花さんと結婚する人は幸せだろうな。毎日こんな食事が食べれて」

小鳩「だったらあんちゃんが十花と結婚すればええんじゃ!そうすればうちも毎日十花のごはん食べれる!」

小鷹「そうだなー。そうなれば嬉しいけどこればっかりはお互いの——」

ガチャッ

小鷹「は!?」

十花「す、すまん、盗み聞きするつもりは無かったんだが……トイレに入ったら二人が起きてきてだな……」

小鷹「あの……さっきの話し……」

十花「まぁなんだ……私はその、小鷹と小鳩が気に入ったなら……将来的に毎日作っても構わないが……」

小鷹「……本気ですか?」

十花「……本気だ。ばか」

小鳩「はわあぁ……♪じゃあじゃあ!十花はうちのお姉ちゃんになるんじゃ!」

十花「そ、そんなにすぐには無理だが……」

小鳩「あんちゃん、あんちゃん!いつ結婚するん?」

小鷹「それは……まだ分からないけど……」

小鳩「うぅー……わからんわからんじゃうちも分からん!!」

小鷹「いや……結婚なんてじっくり考えて決めなきゃダメだろ」

十花「まぁ、いそいで結婚するのはできちゃった婚くらいだからな」

小鳩「じゃあできちゃった婚すればええんじゃ!」

小鷹「ちょっと落ち着け」

小鳩「あんちゃん、いまから十花と赤ちゃん作って!」

小鷹「あほか!」

小鳩「あほじゃなか!うちも手伝うから!」

十花「手伝うと言われてもな……」

小鳩「なんでもええからはよお!」

小鷹「無茶苦茶言うなよ……」

十花「でもまぁ……私は今すぐに作ってもかまわんのだが」

小鷹「いやいや、俺まだ高校生ですよ!!」

十花「わかっている。だからこれは……小鷹次第で私はいつでもOKと言う意味だ」

小鷹「朝から変な事言わないでくださいよ……」

十花「では私は仕事に行く。またな」

小鳩「うん!いってらっしゃい!お姉ちゃん!!」

おわり だね……
結局十花さんエンドでしたおすし。

そう言ってもらえるのは嬉しいけどこれで終わりなんですよ!
なぜなら最近俺の妹がこんなに可愛い訳がないをみて、
小鳩「あんちゃん!」

樟葉「お兄ちゃん!」

桐乃「!!」ガタッ

をやらなくてはいけないからなんですよ!!

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