兄「そもさん」双子姉妹『せっぱ!』 (76)

兄「愛と恋の違いはなんぞや?」

双子姉「・・・恋は下心」ドヤァ

双子妹「愛は真心!」ドヤァ

兄「うん、妹たちのドヤ顔がウザ可愛いのは分かった」

双子妹「そんな褒めてもボクのイチゴ柄パンツしか出ないよ?」ピラッ

兄「出さんでいい」グイッ

双子姉「・・・是。パンツは普段見えない希少性にこそ価値がある」

双子妹「ふむふむ、あんまり見せると価値が下がると?」

兄「異議あり!パンツの価値はあらゆる条件下で一定であり、最高である!」

双子姉「・・・じゃあ私も出す」ピラッ

双子妹「ボクも!」ピラッ

兄「だから出さんでいい!」グイグイッ

双子妹「ところで、何の話だっけ?」

双子姉「・・・シマシマパンツとストライプパンツの違いについて」

兄「違う!愛と恋の違いについてだ」

兄「ちなみに色の幅が同じなのがシマシマ。片方の色の幅が大きいのがストライプだ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1431342498

双子姉「・・・パンツの話は置いといて、『愛は真心、恋は下心』の真偽について」

双子姉「・・・私が思うに、それは問題点のすり替えでしかない」

兄「と、言うと?」

双子姉「・・・下心と真心の違いは何かという疑問に行き着く」

兄「あぁ、ニュアンスでは理解出来るけど説明するとなると難しいな」

双子妹「恋と愛の違いもニュアンスでは理解出来るもんね」

双子姉「・・・だから問題点のすり替えでしかなく何の説明にもなっていない」

双子姉「・・・『人間とロボットの違い』を聞かれて『人間はのび太、ロボットはドラえもん』と答えているようなもの」

兄「なるほど、確かに何の説明にもなってないわな」

兄「・・・ん?じゃあ何でさっきは真心とか下心って答えたの?」

双子妹「それはもちろん!」

兄「もちろん?」

双子姉「・・・ドヤ顔したかったから」ドヤァ

双子妹「ドヤァ!」ドヤァ

兄「うん、2回目ともなるとウザさが増すなぁ」

双子姉「・・・さっきの質問の答えはこう」

双子姉「・・・『自分が幸せになるためにするのが恋、自分が幸せになるために相手を幸せにするのが愛』」

兄「なんだ、結局自分のためなのか」

双子妹「そりゃそうだよ。自分が不幸になっても相手を幸せにするだなんて間違てるもん」

双子姉「・・・例えば私たちが不幸になっても兄さんを幸せにしようとしてたらどう思う?」

兄「そりゃもちろんいい気はしないし、全力で止めるな」

双子妹「そういうことだよ。愛する人を幸せにしようと思ったら自分も幸せにならないとね」

双子姉「・・・是。愛する人の幸せこそ私たちの幸せ。だから兄さん、結婚しましょう」

兄「いやいや、その理屈はおかしい」

双子妹「兄ちゃんはボクたちを愛してないの?」ウルウル

兄「うそ泣きをやめなさい。そりゃ家族として大切に思ってるが・・・」

双子姉「・・・つまり家族愛?」

兄「まぁそうだな」

双子妹「はい、言質いただきました~☆」

兄「はぁ?」

双子姉「・・・家族愛は愛情の最終形。恋人同士が結婚して夫婦になり、子供が生まれれば家族となる」

双子妹「つまり恋人同士の愛情も最終的には家族愛に行きつくのだよ!」ドンッ

兄「な、なんだってー!?」

双子姉「・・・私たちと兄さんの間にある愛情はすでに最終形態」

双子妹「フリーザ様が登場からすでに3回変身済みだったようなものだね」

双子姉「・・・過程を省略しているだけ。だから私たちが結婚することに何の問題もない」

双子妹「だから兄ちゃん結婚しようよ」

兄「う~ん言われてみれば・・・いや、やっぱりその理屈はおかしい!」

双子妹「ちぇ!ダメかぁ」

双子姉「・・・まだだ。まだ終わらんよ」

兄「いやいや、最初のお題『恋と愛の違いについて』からかなり話が逸れてるぞ」

兄「それに俺はこれからコンビニバイトの夜勤だから」

双子妹「兄ちゃん逃げるのか!?」

双子姉「・・・よしなさい妹。兄さんのお蔭で私たちは生活出来ているのよ?」

双子妹「そっか・・・それもそうだね。苦労を掛けるね、兄ちゃん・・・」ヨヨヨ…

双子姉「・・・それは言わない約束。けど兄さんの稼ぎがないと私たちは明日からどうすれば・・・」ヨヨヨ…

兄「いや、俺がバイトしてんのは自分の車を維持するためだしな」

兄「毎回毎回、なんか両親がいないみたいな空気出すの勘弁してくれよ」

兄「オヤジは単身赴任、オフクロは毎日残業続きなだけで生活面はふたりのお蔭だろ」

兄「そりゃあ俺が夜勤の日は寂しい思いをさせてるとは思うけど・・・」

双子姉「・・・大丈夫。そんなことで我がままを言う程子供じゃない」

双子妹「そうだよ兄ちゃん。明日どっか連れてってくれればいいからさ」

兄「思いっきり我がまま言ってるじゃねぇか」

兄「それに夜勤明けに車を出すとか自殺行為だぞ」

双子妹「大丈夫だよ。運転中は妹フォーメーション『夏空の白昼夢』でいくから」

双子姉「・・・明日の順番は妹が前、私が後ろ」

兄「それっていつものアレだろ?助手席の奴が俺の左手を握って、後部座席の奴が俺の肩を揉んでるっていう」

兄「アレはアレで危ないんだけどな。てか何、その厨二的なネーミング」

双子妹「じゃあ妹フォーメーション『春風の囁き』でもいいよ」

双子姉「・・・ふたりとも後部座席に乗って、運転席の両側から顔を出して愛を囁き続けるフォーメーション」

兄「なにそれ怖い。夏空の方でお願いします」

双子妹「了解しました!じゃあ明日は『夏空の白昼夢』で!」

兄「そうだな・・・ん?なんだか騙されていうような・・・」

双子姉「・・・兄さん、そろそろ時間なのでは?」

兄「あ、やべぇ!じゃあ行ってくるな!」バタバタ

兄「戸締りしっかりして寝ろよ!誰か来ても出る必要はないからな!」タッタッタ

双子妹「は~い、いってらっしゃーい」フリフリ

双子姉「・・・兄さんもコンビニ強盗に気を付けて」フリフリ

双子妹「・・・・」

双子姉「・・・・」

双子妹「ふ、相変わらず兄ちゃんはチョロイぜ!」

双子姉「・・・是。けど、そこが兄さんの魅力でもある」

双子妹「うんうん、普段はあんなに抜けてるのにいざと言う時は頼りになるからね」

双子姉「・・・だから普段は私たちがしっかりしていればいい」

双子妹「そうだね。やっぱり兄ちゃんはボクたちと結婚するべきだよ」

双子姉「・・・是。まぁそれは、焦らずじっくりといくべき」

双子妹「それもそうか。それじゃあお風呂入って寝ようかな」

双子姉「・・・明日は私たちまで寝不足でいる訳にはいかないから」

双子妹「明日が楽しみだなぁ~っと♪」

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兄のバイト先のコンビニ。

後輩「いらっしゃいませー」

後輩「はい、3点で711円になります」

後輩「ちょうどお預かりします。ありがとうございましたー」ペコッ

後輩「いらっしゃいませー」

兄「お疲れ様、後輩ちゃん」

後輩「あ、兄先輩!お疲れさまです!」

兄「ごめんね遅くなって。妹たちの相手してたら時間を見てなくてさ」

後輩「いえいえ、まだ交代の時間まで15分以上ありますから大丈夫です」

後輩「交代の時間の30分以上前に来るの、兄先輩くらいのものですよ」

兄「いやなんか、遅れないか不安というかビビりなだけだよ」

兄「それはそうとギャルはどうしたの?バックにいる?」

後輩「あ、ギャルさんはもう上がりましたよ。デートの約束があるとかで」

兄「ったく、あいつはどうしようもないなぁ」

兄「てか、3日前に別れたとか言ってなかったか?もう新しい相手を見つけたの?」

後輩「多分そうじゃないですかね。1週間以上彼氏がいなかった期間がないって言ってましたから」

兄「マジか・・・恋人いない歴=年齢の俺とは比べ物にならないな」

後輩「気にすることないですよ。私もそんな感じですしね」

兄「別に気にしてはないけど・・・じゃあちょっと早いけど準備して勤務し始めるかな」

兄「準備出来たら後輩ちゃんも上がっちゃってもいいよ」

後輩「いえいえ、私は別にデートの予定がある訳でもないですから」

後輩「兄先輩がデートしてくれるって言うなら別ですけど」

兄「俺はこれから夜勤だっての。じゃあちょっと待っててね」スタスタ…

兄「と言っても制服羽織ってタイムカード押すだけなんだけど」カシャン!

兄「準備OKっと。じゃあ後輩ちゃん上がっちゃってよ」

後輩「あ、じゃあゴミ出ししてから上がらせていただきますね」

兄「そんな気を使わなくても・・・ギャルも少しは後輩ちゃんを見習ってくれればいいのにな」

後輩「そんな事ないですよ」

兄「いやいや、そんな事あるよ。後輩ちゃんには助けられてばかりだから」

兄「そうだな、明日からGWだし今度晩御飯でも奢るよ」

後輩「え?それってデートのお誘いですか?」

兄「うん?まぁデートの定義にもよるけど・・・俺の主観ではNOかな」

後輩「なぁんだ。期待させるだけ期待させておいて飽きたらポイ、なんですね」クスクス

兄「何の話だ。別に嫌なら無理にとは言わないぞ?」

後輩「あ、うそうそ!冗談ですって!デート楽しみにしてますね!」

兄「だからデートじゃないっての」

後輩「私の主観ではデートだからいいんです!」

後輩「じゃあ後でメールしますね。お疲れ様でした~」

兄「はいはい、お疲れさん」

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夜勤明け朝7時過ぎ、自宅2階の兄の部屋。

兄「はぁ疲れたぁ・・・腹減ったし風呂入りたいけど、何よりも眠い」

兄「今日はどうするんだっけ・・・そういやあいつ等どっか連れてけとか言ってたな」

兄「とりあえず寝て、車で30分くらいのショッピングモールでいいか」

兄「あと・・・あ、後輩のメールか」


『未読メール:1件』

『タイトル:お疲れ様です(*^_^*)

 本文:

 夜勤お疲れ様です!

 すみません、よく考えたらGW中は結構バイトを入れちゃってました(・.・;)

 明日の夜でよければ大丈夫なんですけど・・・先輩にお任せします(+o+)』


兄「明日っていうと今日のことか・・・そういや俺も結構バイト入れてたんだった」

兄「『了解。じゃあ今日の19時に家まで迎えに行きます』っと」ピッ

兄「よし、とりあえず寝るぞ・・・」…zzz

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--

自宅2階、兄の部屋。

???『ちょっと姉ちゃん!もう少し詰めてよ!』

???『・・・否。こっちはもう壁しかない』

???『じゃあいいもん!兄ちゃんの上に乗るから!』

???『・・・それは卑怯。じゃあ私は兄さんの下に潜る』

兄(うるさい・・・全然寝た気がしねぇ)パチッ…

双子妹「あ!ほら、姉ちゃんのせいで起きちゃったじゃん!」

双子姉「・・・否。妹が重かったせい」

双子妹「重くないよ!重いのは兄ちゃんへの想いだけだよ!」

双子姉「・・・全然上手い事言ってないし、重いのは感心しない」

兄「お前らうるせぇよ・・・まだ10時前じゃねぇか」

兄「いい加減にしないと寝不足で事故るぞ!?」

双子妹「ごめんね兄ちゃん!今うるさい姉ちゃんを追い出すから!」

双子姉「・・・それはこっちのセリフ。速やかに重い妹を排除する」

兄「お前ら両方うるせぇんだよ!さっさと出てかないと今日は出かけねぇぞ!?」

双子妹「おやすみ兄ちゃん!お昼出来たら起こしにくるね!」タッタッタ

双子姉「・・・おやすみなさい。兄さんが幸せな夢を見られますように」タッタッタ

兄「はぁ・・・言う事は素直に聞くんだけどな」

兄「あ、メール?後輩からか」


『未読メール:1件』

『タイトル:ありがとうございます(*^^)v

 本文:

 楽しみにしていますね!

 あ、でも自宅だと家族に冷やかされるので近くのスーパーの駐車場でお願いします(ーー;)

 先輩が私の両親に挨拶したと言うなら大歓迎ですけどね(*^。^*)』


兄「スーパー・・・あぁ農協のか」

兄「『了解。俺も楽しみです』っと」ピッ

兄「なんか眠いのに目が覚めちまったなぁ・・・けどちゃんと寝ておかないと」

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自宅2階、兄の部屋。

???『ちょっと姉ちゃん邪魔しないでよ!ボクが兄ちゃんをキスで起こすんだから!』

???『・・・否。兄さんをキスで起こすのは私』

???『姉ちゃんは6歳の時に兄ちゃんにキスして貰ったからいいでしょ!?今度は私の番だよ!』

???『・・・ホッペはノーカン。妹こそ7歳のときに怪我した指を舐めてもらったでしょ?』

???『ホッペがノーカンなら指もノーカンだよ!もう、じゃあジャンケンで決めようよ!』

???『・・・望むところ。確率によって支配された世界で私に勝てると思ったことを後悔させる』グググ…

???『ジャンケンは確率じゃなくて直感なの!机上の空論では説明のつかない結果に恐怖するがいいよ!』グググ…

双子姉妹『ジャンケン・・・』

兄「だぁああ!もううるせぇ!!普通に起こせ!普通に!」

双子妹「あぁ!?もう、起きちゃったじゃん・・・」

双子姉「・・・否。起きていても寝ていても、私はキスをする」

兄「ふざけんな!俺のファーストキスを妹に奪われてたまるかっての!」

双子妹「吉報入電!!兄ちゃんのファーストキスを奪って、ボクのファーストキスも兄ちゃんに捧げるよ!」

双子姉「・・・否。兄さんのファーストキスは私に、私のファーストキスは兄さんにこそ相応しい」

兄「はぁ?お前ら小学校低学年の時に姉妹でキスしまくってただろ」

兄「『鳥さんの真似~♪』とか言って一時期マイブームだったじゃねぇか」

双子姉「・・・・」キョトン

双子妹「・・・・」キョトン

双子姉「・・・否。女同士はノーカン」

双子妹「そ、そうだよ!ノーカンノーカン!」

兄「まぁ何でもいいけどな。とりあえず昼飯出来たんだろ?」

兄「昼飯食ったら風呂入るから、それから出かけるぞ」スタスタ

双子妹「ノーカン、だよね?」

双子姉「・・・ファーストキスに具体的な定義や枠組みはない。個人の主観によるもの」

双子妹「つまり、私たちがファーストキスだと思えばファーストキスってこと?」

双子姉「・・・是。そもそもそんな事実、私たちは今の今まで忘れていた訳だし」

双子妹「だ、だよね?あぁよかった」

双子姉「・・・とりあえず、兄さんに昼ご飯を出さなくては」スタスタ

双子妹「あ、私も~」スタスタ

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--

自宅1階、ダイニングキッチン

兄「いただきます」

双子妹「いただきます!」

双子姉「・・・いただきます」

兄「うん、お前らは相変わらず料理が上手だな」モグモグ

双子妹「まぁ料理本の通りに作ってるだけだけどね」モグモグ

双子姉「・・・兄さんは変なアレンジを加えすぎ」モグモグ

兄「いや、だってこう、自分の味を出したいというかなんというか・・・」

双子妹「そもさん!」

双子姉「・・・せっぱ」

双子妹「料理に独自のアレンジを加えることについて!」

双子姉「・・・結論から言えば悪い事ではない」

兄「だよな?じゃあ何で俺の料理は美味しくならないんだろうか」

双子姉「・・・ただし基本が出来ていないのに独自のアレンジを加えようとするのは無謀」

兄「つまり?」

双子妹「ゲームで例えて」

双子姉「・・・波動拳の出し方も分からないのに、即死コンボを組み立てようとしているようなもの」

双子妹「ガンダムで例えて」

双子姉「・・・ビームサーベルがどこに装備されてるのかも分からないのに、ジェットストリームアタックをしようとしているようなもの」

双子妹「エヴァで例えて」

双子姉「・・・目標をセンターに入れてスイッチも出来ないのに、量産型を1体23秒で片付けようとしているようなもの」

双子妹「東方で例えて」

双子姉「・・・食らいボムも知らないのに、フランドールのケツを追いかけているようなもの」

兄「まぁ・・・うん、余計分からなくなったけどダメだっていうことは分かった」

兄「要は料理本の通りに作れるようになってからアレンジを加えろってことだろ?」

双子姉「・・・是。基礎の反復練習が必要なのは何についても一緒」

双子妹「私たちも料理本なしだと微妙なのが出来るしね」

兄「まぁ俺には向いてないんだろうな」

双子妹「心配しなくても、私が兄ちゃんに毎朝味噌汁を作ってあげるよ」

双子姉「・・・私は兄さんのために毎朝魚を焼く」

兄「いや、俺朝はパン派だし」

双子妹「兄ちゃんは今までに食べた食パンの枚数を覚えてるの?」

兄「少なくとも13枚よりは多いな。パン派だから」

双子姉「・・・兄さんは今まで愛した妹の数を覚えてる?」

兄「0人だ。妹萌えではないからな」

兄「それじゃあごちそうさま。俺は風呂入ってくるから出かける準備しておけよ」

双子姉妹『はーい』

兄「あ、脱衣所にも鍵を掛けとくから突撃しようとしても無駄だぞ」スタスタ

双子姉妹『ぶーぶー』ブーイング

今日はここまでです。


双子姉「・・・第1回シスターサミット(SS)」双子妹「開幕~!!」兄「・・・」
双子姉「・・・第1回シスターサミット(SS)」双子妹「開幕~!!」兄「・・・」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1427465718/)


こちらのリメイクになります。

今回は小分けに書いていきますが内容は前回に引き続きこじ付け、強引な解釈、詭弁、狂った考え方です。

毒電波と同義なので一歩引いてお読みいただければ幸いです。

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ショッピングモール

兄「これはまた・・・混んでるなぁ」

双子姉「・・・GWだから仕方がない」

双子妹「来たはいいけど、何しようか?」

双子姉「・・・映画鑑賞」

双子妹「NO!これだけ混んでたら3人並んでは見れないと思う」

双子妹「洋服のウインドウショッピング」

双子姉「・・・NO!私たちは楽しくても寝不足の兄さんを付きあわせるには時間がかかりすぎる」

双子姉「・・・夕飯のお買い物」

双子妹「NO!近所のスーパーの方が安い」

双子妹「ゲームセンターでゲーム」

双子姉「・・・NO!騒音で会話を楽しめないし、3人一緒にはプレイできない」

兄「結論は混雑を物ともせずここまで来たかいがあり3人一緒に楽しめる、そんなルールだ」

兄「・・・てか何、この王立国教騎士団みたいな会話」

双子妹「無理難題だね」

双子姉「・・・否。このショッピングモールにただ一軒、そのルールを叶える店舗がある」

兄「・・・マジ?」

双子妹「あぁ、あそこだね!」

双子姉「・・・是。それじゃあ早速向かおう、兄さん」スタスタ

双子妹「そうそう!絶対に楽しいと思うよ」スタスタ

兄「あ、下着売り場はナシな」

双子姉妹『・・・・』ピタッ…

兄「やっぱりか。お約束と言うかなんと言うか・・・」

双子妹「い、いやだな兄ちゃんまさかそんなお約束なんてまさかそんな」アセアセ

双子姉「・・・ぜぜぜ是。そ、そのような安易な結論に至るなど思考の停止、知性の敗北、尊厳の放棄と言わざるを得ない」アセアセ

兄「動揺しまくってるじゃねぇか」

双子妹「と、とにかく!早く行こうよ!」グィ

双子姉「・・・是。パンツに頼らなくとも兄さんを楽しませてみせる」グィ

兄「俺がパンツでしか喜ばないみたいに言うな!てか両側から引っ張るんじゃねぇよ!」スタスタ

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日用雑貨売り場

兄「ここで何か欲しい物でもあるのか?」

双子姉「・・・是。新しいエプロンを買う」

双子妹「そうそう!今のエプロンも兄ちゃんが誕生日に買ってくれた大切な物だけど」

双子姉「・・・そろそろ大人っぽいエプロンに新調してもいい頃合い」

双子妹「新しい魅力で兄ちゃんをノックアウトだよ!」

兄「何故にエプロン?もっとこう、普通に私服とかでいいんじゃないのか?」

兄「そろそろ夏の新作とか出始める時期だし」

双子姉「・・・兄さん以外の有象無象にまで見られる服なんてどうでもいい」

双子妹「そうだよ!その点エプロンなら兄ちゃん専用だしね!あとパンツも!」

兄「いい加減パンツから離れろ」

双子姉「・・・だからエプロンを買いに来た」

双子妹「そうそう、私たちと兄ちゃんの悲しい妥協点がここなんだよ」

兄「何言ってるのかよく分からんが、とりあえずエプロンが欲しいんだな」

兄「まぁそのくらいだったらバイト代も出たし俺が買ってやるよ」

双子妹「さっすが兄ちゃん!結婚しよう!」

双子姉「・・・ふつつか者ですが、よろしくお願いします」

兄「別に給料3カ月分のエプロン買う訳じゃねぇよ」

兄「その代わり、あんまり変なヤツは買わないからな」

双子妹「んん~?変なヤツってどんなヤツのことかな~?」ニヤニヤ

双子姉「・・・変なヤツとは何かと問いたい。問い詰めたい。小一時間問い詰めたい」ニヤニヤ

兄「ニヤニヤすんな!さっさと選んで来い」

双子妹「んふふ~実はもう買う物は決まってるんだよね~」スタスタ

双子姉「・・・是。前回来た時にリサーチ済み」スタスタ

兄「計画的犯行かよ。まぁいいけど、あんまり高くないヤツな」スタスタ

双子妹「じゃじゃーん!今回はこれを買いまーす!」

双子姉「・・・奇を衒わず、平凡でもなく、私たちの魅力を引き出し、機能性も十分」

兄「それで行き着いたのが、その『割烹着』か?」

双子妹「ざっつらいと!」

双子姉「・・・いっつこれくと!」

兄「まぁ別段反対する理由もないけど・・・本当にこれでいいのか?」

双子妹「もちろん!」

双子姉「・・・これこそ、兄さんの鉄壁の牙城を崩す最新鋭の攻城兵器」

双子妹「ちょっと前の『制服エプロン』はかなりいい線まで行ったんだけどね」

双子姉「・・・是。高校の入学式当日は兄さんのテンションが当社比170%だった」

兄「まぁ、うん。否定は出来ないな」

兄「高校の制服の上にエプロンを着た女の子が起こしにくる」

兄「幼馴染のいない俺には一生起きないイベントだと思ってたんだがな」

双子妹「可愛い幼馴染かと思った?残念!可愛い妹でしたー」

双子姉「・・・しかも2人。ふた粒で2度美味しい」

兄「いや、ふた粒で2度美味しいのは普通だから」

兄「いや、ふた粒で2度美味しいのは普通だから」

双子妹「まぁそんな訳で新鮮味のなくなった制服エプロンの代わりに制服割烹着という訳ですよ」

双子姉「・・・最新鋭の萌え要素の前に、兄の理性は為す術もあるまい」

兄「はは、妹相手に俺の理性が敗北するなどありえんよ」ハハハ

兄「それに制服の上に割烹着を着てもなぁ」

兄「はっきり言って『給食当番』にしか見えないと思うけど」

双子妹「・・・・」

双子姉「・・・・」

双子妹「作戦たーいむ!」

双子姉「・・・両者、コーナーサイドへ」

兄「どこだよコーナーって。まぁ、早くしろよ」スタスタ

双子妹「ど、どうしよ姉ちゃん」ヒソヒソ

双子姉「・・・照れ隠し、には見えなかった。あれは本気で給食当番だと思ってる」ヒソヒソ

双子妹「だよね?割烹着やめて新しいエプロンにする?」ヒソヒソ

双子姉「・・・だとしても、入学式の朝のインパクトを再現出来るとは思えない」ヒソヒソ

双子姉「・・・私に名案がある。このまま割烹着を買って貰おう」ヒソヒソ

双子妹「そう?じゃあここは姉ちゃんに任せるね」ヒソヒソ

双子姉「・・・トラスト・ミー」ヒソヒソ

双子妹「それ失敗フラグだよ?」ヒソヒソ

兄「お~い、まだやってんのか?」スタスタ

双子妹「はっ!我が軍の行動方針が決定下であります軍曹殿!」ビシッ!

双子姉「・・・各分隊に支給される割烹着を受領後、翌朝0800に状況を開始せよ!」ビシッ!

兄「お前らのそのノリは何なんだ一体・・・とりあえず、割烹着を買えばいいんだな?」

双子妹「べ、別にありがとうなんて言わないんだからねっ!」

双子姉「・・・割烹着でご奉仕しようなんて、全然思ってないんだからねっ!」

兄「お前らキャラがブレブレだな」

双子妹「兄ちゃんの萌えポイントが分からないから、ローラー作戦中なんだよ」

双子姉「・・・是。兄さんが妹萌えだったら何の問題もなかった」

兄「俺が悪いんかい・・・とりあえずこれ買ってさっさと帰るぞ」ハァ…スタスタ

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--

ショッピングモールの出入り口。

姉妹友「・・・あれ?おーい、双子姉ちゃんに双子妹ちゃん!」タッタッタ

兄「うん?このふたりの友達かい?」

姉妹友「あ、はい。姉妹友といいます」

姉妹友「えっと、ふたりのお兄さんですか?」

兄「あぁ、はじめまして。ふたりがいつもお世話になってるね」

姉妹友「いえいえ、そんな。今日は兄妹でお出掛けですか?」

双子姉妹『うん!お兄ちゃんとデートだよ!』

兄「・・・え?は?」ビクッ

姉妹友「そうなんだ~私も家族で遊びに来たんだけど・・・」

双子姉妹『どうしたの?』

姉妹友「いやぁ、制服じゃなくて私服でも全然見分けがつかないなって思ってね」

姉妹友「お兄さんは、ふたりの見分けがつくんですか?」

兄「え・・・あ、まぁ。割と簡単に・・・」

姉妹友「すごーい!やっぱり家族だからですかね?」

双子姉妹『愛の力だよ』

姉妹友「ふふ、ふたりともお兄さんが大好きだもんね」

姉妹友「いいなぁ、ウチの兄貴と交換しようよ」

双子姉妹『まずは私たちを100%見分けられないとね!』

姉妹友「そんなの絶対無理だろうなぁ。私が髪を切っても全然気が付かないし」

兄「・・・・」

姉妹友「あ、すみません。長々と喋ってしまって・・・」

兄「あ、いや気にしないでも・・・」

姉妹友「じゃあねふたりとも!休み明けにまた学校で!」タッタッタ

双子姉妹『またね~姉妹友ちゃん~』

双子妹「・・・・」ニコニコ

双子姉「・・・・」ニコニコ

双子妹「ふぅ。じゃあ帰ろうか兄ちゃん」

双子姉「・・・是。さっそく割烹着に強化を施さないと」

兄「え?あ、まぁそうだな・・・って違う!え?何なの今の!?」

双子妹「何って私たちの友達の姉妹友ちゃんだけど」

双子姉「・・・まさか兄さん、彼女みたいなタイプが好み?」

双子妹「えぇ!?そうなの?そりゃあの子はボクたちより発育がいいけど・・・」

双子姉「・・・私たちは2倍お得。質より量」

兄「いやいや、もっと衝撃的なモノが目の前に展開されててそれどころじゃなかったわ!」

兄「お前ら本物の双子みたいだったぞ!?」

双子妹「本物の双子みたいだったって・・・ボクたち、本物の双子なんですけどぉ」

双子姉「・・・是。間違いなく一卵性の双生児」

兄「いやいや、それは分かってるけどね?喋り方とか、あと『お兄ちゃん』って・・・」

双子妹「あぁアレね。あれはまぁボクたちの外面だよ」

双子姉「・・・双子という言葉の先入観から外れるといろいろと面倒」

双子妹「そそ。すぐに腹違いとか種違いって言ってくる奴がどこにでもいるんだよねぇ」

双子姉「・・・是。反論するのも面倒だから身に着けた技」

兄「そ、そうなのか・・・俺の知らないところで苦労してるんだな」

双子妹「あ、でも兄ちゃんとは義理の兄妹でもよかったかも」

双子姉「・・・どちらとも言えない。一長一短」

兄「幸か不幸か、間違いなく俺たちは実の兄妹だよ」

兄「まぁいいや、とにかく行こうぜ」スタスタ

双子姉妹『はーい、お兄ちゃん!』ギュ

兄「それ止めろや!てか、誰が腕に抱き着いていいって言ったよ!?」

双子妹「姉妹友ちゃんになびく可能性を少しでも潰しておこうと思って」

双子姉「・・・当ててんのよ」

兄「当ててるというより押し付けてんじゃねぇか!ええい、もう知らん!」スタスタ

双子姉妹『お兄ちゃん、だーい好き!』ギュ スタスタ

---
--

帰り道。

双子妹「ねぇねぇ兄ちゃん、帰りにいつものスーパーに寄って帰ろうよ」

双子姉「・・・是。夕飯の買い物をしたい」

兄「あのスーパーかぁ・・・あそこ駐車場が狭くて嫌いなんだよなぁ」

双子妹「そう言わないでさぁ。せっかく車出したんだから」

双子姉「・・・そろそろお米も切れそうだから買っておきたい」

兄「それじゃあ仕方ないか。いつものスーパーでいいんだな?」

双子妹「うん!あそこが一番安いからね!」

双子姉「・・・安すぎて弁当やお惣菜は怖くて買えないけど」

兄「そうか?そんなに心配しなくても平気だと思うけど」

双子妹「まぁそれはいいとして、兄ちゃんは晩御飯は何が食べたい?」

双子姉「・・・今日は卵が安い」

兄「卵料理か・・・じゃあオムライスとか?」

双子姉「・・・卵料理・・・君(黄身)を俺のトロトロな卵白で包み込んでやる!的な?」

双子妹「あはは!じゃあケチャップで『YES』か『NO』の返事を書かないとね!」

双子姉「・・・是。けど、返事は『YES』一択」

双子妹「オムライスを裏返しても『YES』の文字があるよ。イエス・イエス枕みたいな」

兄「・・・ただのオムライスでそこまで妄想出来るお前らはすげぇよ・・・新人類か何かか?」

双子妹「双子姉妹は伊達じゃない!」

双子姉「・・・血縁関係だけが恋愛の決定的差ではないことを教えてやる」

兄「お前ら本当に古いネタが好きな。俺でもリアルタイムで見てないのに」

兄「・・・あ、いやスマン。俺、今日晩御飯いらないんだった」

双子妹「え?な、なんで??」

双子姉「・・・今日はバイトの予定は入ってないはずだけど?」

兄「いや、後輩と晩御飯食べに行く約束しててな。すっかり忘れてたわ」

双子妹「後輩って、バイト先の後輩ちゃんのこと?」

双子姉「・・・後輩。兄さんのバイト先の後輩にして大学の後輩でもある」

双子姉「・・・学部も兄さんと一緒、サークルも兄さんと一緒の油断ならないメス猫」

兄「合ってるけど、なんでお前らが後輩ちゃんを知ってるんだよ」

双子妹「蛇の道は蛇ってヤツだね」

双子姉「・・・スネークのロードはスネーク」

兄「わざわざルー語を使わなくてもいい」

兄「まぁそんな訳だから、今日は俺の晩飯は作らなくてもいいからな」

双子姉「・・・妹」

双子妹「へい!姉ちゃんパス!」ポイッ

兄「は?あ、おい!何で俺のスマホ投げてんだ!!」

双子姉「・・・・」ピッピッピ トゥルルル…トゥルルル…

兄「ちょ!?勝手に電話掛けんな!」

双子妹「兄ちゃん、ちゃんと前向いて運転してよ~」

兄「お前らが俺のスマホで遊んでるからだろ!?」

後輩『もしもーし、後輩でーす!兄先輩ですか~?』

双子姉「そうだけど、今電話大丈夫?」

兄「えっ!?俺の声色めっちゃ上手い!?」

双子妹「ちょっと兄ちゃん、姉ちゃんが電話してるんだから静かにしないと~」

兄「いやいや意味が分からなすぎる!何!?蝶ネクタイ型変声機でも持ってんの!?」

後輩『はい大丈夫ですけど・・・なんだか周りが騒がしいような・・・』

双子姉「あぁ妹たちが今日の外食に連れて行けって騒いでてさ。悪いけど、妹たちも一緒でいい?」

後輩『え、あ、はい。それは別にいいですけど・・・』

双子姉「悪いな後輩ちゃん。うちは両親が遅いから、なるべく妹たちに寂しい思いをさせたくないんだ」

後輩『そういうことなら。先輩は妹さん思いですね!』

双子姉「あぁ、世界で一番妹たちを大切に思ってるよ」キリッ

双子妹「きゃー///」テレテレ

兄「ちょ!おい、いい加減に・・・っ」

後輩『いいなぁ。私もそんな風に・・・』

双子姉「っ!?」

後輩『あっ!い、いえ!何でもないです!』

双子姉「そ、そう。じゃあまた後で」

後輩『あ、はい。楽しみにしていますね』

双子姉「・・・・」ピッ

双子姉「・・・スマホ、ここに置いておく」

双子妹「お疲れ、姉ちゃん」

兄「何なのお前ら・・・今日1日で衝撃的なことが起こりすぎてんだけど」

双子妹「ふっふっふ。女には108の秘密があるんだよ、兄ちゃん」

双子姉「・・・煩悩の数と同じあたり、その通りかも」

双子妹「これからもどんどん成長して、謎の多い美少女を目指すよ」

双子姉「・・・是。女子三日会わずんば括目せよ」

兄「俺は毎日会ってる筈なんだけど・・・とりあえず、スーパー寄ってから一旦家に帰るぞ」

---
--

スーパーで買い物の後、帰宅。

兄「ただいまっと」

双子妹「おかえりなさい、旦那様」

双子姉「・・・双子姉にする?双子妹にする?それとも、両方?」

兄「あ~、そのセリフを今日買った割烹着で言われたらグッと来るのになぁ(俸)」

双子妹「よっしゃぁ!早速着てくるよ~!」タッタッタ

双子姉「・・・待って。強化改造してから」タッタッタ

兄「おい、しばらくしたらすぐに出かけるからな!」

双子姉妹『はーい』タッタッタ

---
--

2階、姉妹の部屋。

双子妹「姉ちゃん早速割烹着を着てみようよ!」ワクワク

双子姉「・・・否。それよりも大事な話がある」

双子妹「うん?何なの姉ちゃん」

双子姉「・・・車の中で後輩さんに私が電話を掛けたよね?」

双子妹「そうだね!ふたりで練習した甲斐があったよ」ウンウン

双子姉「・・・その時、『世界で一番妹たちを大切に思ってる』と言った後」

双子姉「・・・後輩さんは『いいなぁ。私もそんな風に・・・』と言っていた」

双子妹「え・・・それって!?」ガタッ

双子姉「・・・是。私たちが思ってる以上に後輩さんのフラグが立ってるのかもしれない」

双子妹「ど、どうしよ!?兄ちゃん盗られちゃうの!?」オロオロ

双子姉「・・・落ち着いて。まだ決まった訳じゃない」

双子姉「・・・ただ、安心ばかりもしてられない」

双子妹「むう・・・兄ちゃんは渡せないもん!」

双子姉「・・・是。とりあえず、これからの方針を考えよう」

双子妹「今日が初顔合わせだよね?とりあえず、外向きの私たちで行く?」

双子姉「・・・否。素の私たちで行こう」

双子姉「・・・上手くいけば『似てない』と言われて私たちの機嫌を損ねた感じを装えるかも」

双子妹「なるほど!それはいいかも!」

双子姉「・・・服装もこのままお揃いで行けば、ギャップで私たちの似てなさが強調される」

双子妹「うんうん!私たちって見た目だけはそっくりだもんね」

双子姉「・・・是。兄さんの好感度を下げるのも、後輩さんの好感度を下げるのも難しいけど」

双子妹「私たちの好感度を下げるのは簡単だもんね!少なくとも、好感度が下がったのを装うのはね!」

双子姉「・・・私たちの好感度が下がったと思ったら今後兄さんは私たちに気を使って後輩さんとの接触を出来るだけ避けるはず」

双子妹「ちょっと兄ちゃんの優しさを利用するみたいで気が引けるけど」

双子妹「ボクたちの明るい未来のためには仕方がないね」

双子姉「・・・是。方針も決まったし、リビングで待機していよう」スタスタ

双子妹「だね!なんだか普通にお腹も空いちゃったし」スタスタ

---
--

1階、リビング。

兄「お?もう降りてきたのか」

双子妹「うん。お腹空いちゃってね」

双子姉「・・・是。早くご飯食べに行きたい」

兄「まぁちょっと早いけどもう出るか。後輩にメールしとこう」ピッピッピ

双子妹「ところでどこに行くの?」

双子姉「・・・デートなのだから、居酒屋に行った後お洒落なバーからホテルへ行くのが必勝パターン」

兄「デートじゃねぇよ。あとお前らも後輩もまだ未成年じゃねぇか」

兄「俺も運転があるし、誰も飲めない状況で居酒屋とかねぇよ」

双子妹「じゃあ何処?海の見えるカフェレストラン?」

双子姉「・・・初っ端からホテルの展望レストランは焦りすぎに見える」

兄「お前ら、俺はただの大学生だぞ?4人もいるならファミレスだファミレス!」

兄「駐車場もあるし、何より安いだろ?」

双子妹「あぁファミレスねファミレス!いいと思うよ」ニコニコ

双子姉「・・・ファミレスは素晴らしい。最近のファミレスは味にも力を入れているし」ニコニコ

兄「お、おう。何でそんなに嬉しそうなのかは分からんが、とりあえず行くか」スタスタ

双子妹(ふっふっふ。ファミレスならデート感もないし、少なくとも今日は何の進展もないね)スタスタ

双子姉(・・・これで後輩さんがガッカリした雰囲気でも出してくれれば完璧)スタスタ

双子姉妹『ファミレス楽しみだね!お兄ちゃん!』スタスタ

兄「だからそれ止めろ!ゾワゾワする!」ゾワゾワ

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後輩との待ち合わせ場所、スーパーの駐車場。

兄「あ~、ちょっと早く着きすぎたかな。あんまり来たことないスーパーだし、ちょっと中見て時間つぶそうか」ガチャ…バタン

双子妹「う~ん、近所のスーパーより安くはないと思うけどなぁ」ガチャ…パタン

双子姉「・・・是。安さこそ正義」ガチャ…パタン

兄「まぁ生鮮食品とか惣菜じゃなければ安さ以外に違いはないもんな」スタスタ

後輩「あ、せんぱーい!!」タッタッタ

兄「あれ、後輩ちゃん。随分早いね」

後輩「えへへ。実は楽しみだったので30分前からスーパーの中をウロウロしてたんですよ」

兄「なんだ、連絡くれたらすぐに来たのに」

後輩「いえいえ、待ち時間も含めてデートですからね」

兄「だからデートじゃないって。あ、こいつら俺の妹の双子姉と双子妹ね」

後輩「こんにちは!兄先輩の後輩です。ふたりとも可愛いね~」

双子姉「・・・はじめまして、双子姉です。兄がいつもお世話になってます」ペコッ

双子妹「ボクが双子妹だよ。早く見分けられるようになってね」

兄「え?お前らそれでいいのか?」

双子姉「・・・それってどれ?」

兄「いや、その、素の対応って言うか・・・」

双子妹「うん?いつも通りでしょ?変な兄ちゃん」

兄「まぁいつも通りっちゃあいつも通りなんだが・・・」

後輩「うんうん、こんな可愛い妹さんたちだったら先輩が大切に思う気持ちも分かる気がしますね」ウンウン

後輩「それにしてもふたりとも双子なんですよね?何て言うか・・・とっても」

双子妹(お?早速言いますか?)

双子姉(・・・想定通り。第一印象で悪くするのが一番効果的)

後輩「とってもよく似てますよね!」ニコニコ

兄「え?」

双子妹「あれ?」

双子姉「・・・む?」

後輩「え?え?私、何か変なこと言いました?」オロオロ

兄「い、いやそうじゃないけど・・・似てるか?このふたり」

後輩「ええ、とっても!瞳が大きい所とか、撫で肩なところとか兄先輩にそっくりですよ!」

双子妹「なっ!?」

双子姉「・・・これは想定外」ボソッ…

兄「え?あぁ、そっちか」

後輩「それはもう!遠くから見ててもまさに兄妹!って感じでしたよ」

後輩「私にも兄がいるんですけど、全然似てるって言われないんですよね」

後輩「なんだか少し、羨ましく思ってしまいます」ニコッ

双子妹(どうしよう姉ちゃん・・・兄ちゃんに似てるって言われてちょっと嬉しく思ってしまった・・・)ヒソヒソ

双子姉(・・・それは私も。これじゃあ気を悪くした雰囲気を装うのは不可能)ヒソヒソ

兄「何ヒソヒソしてんだ?そろそろ移動するぞ?」

後輩「あ、それなんですけど、GW初日で混んでると思ったんで勝手だとは思ったんですけどお店予約しちゃいました・・・」

後輩「あの、ご迷惑でしたらキャンセルしますけど・・・」

兄「あ、そうなの?別にいいけど、あまり高い店はちょっと・・・」

双子姉(・・・これはチャンス。自分から墓穴を掘ったみたい)ヒソヒソ

双子妹(やったね!これでボク達がファミレスが良いと言い張れば後輩さんの株は急落だよ)ヒソヒソ

後輩「あ、それは大丈夫です、近所のファミレスなので。もちろん駐車場付きの」ニコッ

双子妹「なっ!?」

双子姉「・・・またもや想定外」ボソッ…

兄「あ、それは凄い助かるよ!ありがとう後輩ちゃん!」

後輩「いえいえ!私も楽しみだったのでつい先走っちゃって・・・せめてメールしておけば良かったですね」

兄「そんな事ないよ。ほら、お前たちも後輩ちゃんを見習えよ」

後輩「いえいえそんな・・・あ、そろそろ予約の時間なので行きませんか?近所なのですぐに着きますけど」

兄「お、じゃあ出発しようか。道案内よろしくね」スタスタ

後輩「はい、お任せ下さい!」スタスタ

双子姉「・・・後輩さん。かなりの強敵」

双子妹「悔しいけどいい人だよね。負ける気はないけど」

兄「おい、何してんだ?早く行くぞ」

双子姉「・・・是。まだ戦いは始まったばかり」スタスタ

双子妹「負けられない戦いがそこにある」スタスタ

今日はここまでです

このSSに限ったことじゃないですけど、次作のアイディアばかり浮かんで今作のアイディアが全然浮かんでこないです

早く次を書きたいけど、これが完結する前にスレ立てしたらまたエタるだろうから我慢しないと・・・

次回もよろしくお願いします

次作書いてりゃこっちのアイディア浮かぶだろうし同時進行すれば良い

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ファミレスに向かう道、車中。

双子妹「解せぬ」ムムム…

双子姉「・・・解せぬ」ムムム…

兄「まだ言ってんのか? すぐそこまでじゃないか」

後輩「す、すみません・・・私が助手席を取っちゃったばっかりに・・・」オロオロ

兄「あぁ、後輩ちゃんは気にしなくていいよ。このふたりがワガママなだけだから」

双子妹「解せぬ!」

双子姉「・・・解せぬ!」

兄「あのなぁ、後輩ちゃんはお客さんなんだし道案内もして貰わないといけないから助手席なの」

兄「それに昼間は双子妹が助手席に座っただろ?」

後輩「あれ? 先輩、夜勤明けで車出したんですか?」

兄「まぁね。こいつらのワガママに付き合わされてさ」

後輩「そうなんですか・・・それは大変でしたね」

兄「まぁ俺はもう慣れたけどな」

双子妹「そもさん!」

双子姉「・・・せっぱ!」

後輩「え? えぇ?」

兄「あぁ気にしないで。こいつらのマイブームみたいなものだから」

後輩「禅問答がマイブームなんですか?」

兄「そうみたい。てか、よく禅問答って分かったね」

後輩「あ、はい。私、京都が好きなのでお寺でよく聞かせて貰いました」

兄「へぇ。なんだか意外な趣味だね」

後輩「はい、よく言われます」

双子妹「今のこの席順について!」

双子姉「・・・今のこの席順には兄さんの私たちへの愛が込められている」

兄「はぁ? 何の話だ?」

双子姉「・・・車中の上座は一般的に運転席の後ろと助手席の後ろ。助手席は一番下座にあたる」

双子妹「つまり、私たちふたりが上座に座ってるんだね!」

双子姉「・・・是。さらに全席シートベルトを締めていた場合、一番死亡率が高いのは助手席」

双子妹「ほうほう。それはまた何で?」

双子姉「・・・正面からの障害物を避けようとするとき、右ハンドルの運転手はハンドルを右に切る傾向にある」

双子姉「・・・なぜなら右側の席から見た場合、左に切ると障害物に正面からぶつかりに行くように見えるから」

双子妹「なるほど~。つまり正面から事故る時は助手席側だけがぶつかるってことだね」

双子姉「・・・是。これをオフセット衝突という」

双子姉「・・・一部分のみに衝撃が加わるため、乗員の生存率が下がる」

双子妹「その点、後部座席ならそんな心配はないね! さすが兄ちゃん」

後輩「あ、あはは・・・」

兄「お前ら黙って聞いてれば・・・そもそも安全運転してるだろうが!」

双子姉「・・・それも、私たちへの愛ゆえに」ウンウン

双子妹「きっと後輩さんとふたりっきりだったら調子に乗って飛ばしまくるよ」ウンウン

兄「そんな訳ねぇだろ! 違うからね、後輩ちゃん」アセアセ

後輩「あ、はい。それは別に疑ってませんよ」

後輩「あ、そろそろ着きます。そこを右に曲がったらすぐ駐車場の入口がありますよ」

兄「お、了解。ほら、お前らも降りる準備しろ」

双子妹「うんうん、どうにか無事に着いたね」

双子姉「・・・これも、私たちへの愛ゆえに」

兄「意味わかんねぇよ・・・」ハァ…

---
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ファミレス、予約した4人席。

双子妹「解せぬ」

双子姉「・・・解せぬ」

兄「また言ってんのか?これは自然だろ?」

兄「俺の隣に後輩ちゃんで、俺達の向かいにお前ら姉妹」

兄「他にどう座れってんだよ?」

後輩「あの、やっぱり私、お席変わった方が・・・」オロオロ

兄「いやいや大丈夫。こいつらのワガママに付き合ってたらキリがないからさ」

後輩「そ、そうですか・・・」

兄「それにしても混んでるなぁ。助かったよ、後輩ちゃん」

後輩「いえいえ、そんな大したことはしてませんよ」ニコニコ

兄「けど、もうすでに5組待ちだしなぁ・・・さすがにその後に並ぼうとは思えないわ」

後輩「それはそうかもしれませんね・・・私もこの状況なら他のお店を探すかも」

兄「それで結局どこに行っても混んでるパターンだな」

後輩「あ~よくあるパターンですね。最初の店で大人しく並んでた方が早かったみたいな」

兄「やっぱりみんな同じような経験してんだな。けど、学習しないで次も繰り返すと」アハハ

後輩「確かに。忘れてる訳じゃないんですけどね」ウフフ

双子妹「・・・・」チラッ

双子姉「・・・・」コクン


ボタン『ピンポーン!』ポチッ


兄「あ、何勝手に押してんだ!?」

双子妹「ごめーん、混んでるから早く注文した方がいいと思って(俸)」

双子姉「・・・是。混んでるときは早く食べて早く帰るのがマナー(俸)」

兄「くっ! そうかもしれんが・・・ゴメン後輩ちゃん、これメニューね」つ『メニュー』

後輩「あ、私は大丈夫です。ここに来るといつも注文するメニューは決まってますから」ニコニコ

兄「そ、そうなの? じゃあ俺だけか・・・」パラッ…パラッ…

店員「はい、ご注文お伺いします」ピッピッピ

兄「あ、もう!?」

双子姉「・・・和風ハンバーグとライス(小)」

双子妹「オムハヤシとシーザーサラダ!」

後輩「えっと・・・茄子とアスパラのトマトソースパスタとサラダのセットをお願いします」

兄「ぐぬぬ・・・じゃ、じゃあチーズINハンバーグとライス(大)で」

兄「あと、ドリンクバーを4つ」

店員「はい、ありがとうございます」ピッピッピ

店員「ドリンクバーはあちらにございます。ごゆっくりどうぞ」スタスタ…

兄「はぁ・・・何か俺だけ不完全燃焼というか、無理やり決めた感が・・・」

後輩「そんなことないと思いますよ」

後輩「ファミレスはどこもハンバーグに力を入れてるから、コストパフォーマンスが高いらしいです」

後輩「ワイドショーで言ってました」ニコッ

兄「あ、そうなの? じゃあ別にいっか」

双子妹(まさか後輩さんにダメージがいかないで兄ちゃんにだけダメージを与えるとは・・・)ヒソヒソ

双子姉(・・・まさに強敵。相手にとって不足なし)ヒソヒソ

兄「だからヒソヒソすんな。後輩ちゃんに失礼だろ?」

後輩「いえいえ、私は別に構いませんよ。姉妹仲が良さそうで何よりじゃないですか」ニコニコ

後輩「あ、私ドリンクバー取ってきますね。何がいいですか?」

兄「え? いいよそんなに気を使わないでも。4つ持ってくるのは大変だろうし」

後輩「大丈夫ですよ。ドリンクバーのところにお盆が置いてあるので全然平気です」

兄「いや、でも・・・」

双子姉「・・・アールグレイのティーバックをお湯で濃い目に淹れた後にたっぷりの氷でアイスティーにしたやつ」

双子妹「私は氷の代わりにレモンシャーベットを入れて、そこにコーラを1:2で混ぜたやつ!」

後輩「うふふ、おふたりはなかなか凝った飲み方をするんですね」ニコニコ

兄「お前らちょっとは遠慮しろよ!」

後輩「兄先輩は何にしますか?」

兄「え? あ、俺は野菜ジュースで・・・いや、やっぱり俺も取りに行くよ」

後輩「そうですか?それじゃあ、兄先輩の優しさに甘えちゃおうかな?」スタスタ…

兄「ドリンク取りに行くだけに、優しさも何もないと思うぞ」スタスタ…

双子妹「・・・・」

双子姉「・・・・」

双子妹「ま、またしても裏目に・・・どうしよ?今って私たちに物凄く不利だよね?」

双子姉「・・・認めたくないけど、是。こうなったら形振り構ってられない」

双子妹「大丈夫? 私たちへの好感度が下がったりしない?」

双子姉「・・・そこまでの強硬手段は取らないけど、万が一好感度が下がっても一時的なもの」

双子妹「それもそうか。私たちには名誉挽回のチャンスがいくらでもあるんだからね」

双子姉「・・・是。何とかして、私たちが後輩さんに敵対するような原因を作らないと」

後輩「お待たせ。ふたりで何話してたの?」

兄「ほら、面倒くさい注文しやがって。普段はお前らも野菜ジュース一択じゃねぇか」

後輩「そうなんですか?」

兄「そうだよ。いつもはジャンケンで誰が取りに行くか決めるんだけどな」

後輩「じゃあ次からはジャンケンにしますか?」

兄「いや、俺だけじゃこいつらの注文を覚えられないよ」

後輩「うふふ、さっきも普通に野菜ジュースを3つ取ろうとしてましたからね」アハハ

兄「いつものクセでさ。こいつらも別に野菜ジュースで構わんだろうし」アハハ

双子妹「・・・・」ジーッ…

双子姉「・・・・」ジーッ…

兄「な、なんだよ・・・お前ら、今日少し変だぞ?」

双子妹「別に~?私たちはいつも通りだよ~?」ジーッ…

双子姉「・・・是。仮にいつも通りじゃないとしても、それは私たちを取り巻く環境がいつも通りじゃないため」ジーッ…


兄「なんだってんだ一体・・・あ、ごめん後輩ちゃん。ちょっとトイレ行ってくる」

後輩「あ、はい。いってらっしゃい」

兄「お前ら、後輩ちゃんに迷惑掛けんなよ?」スタスタ

双子妹「・・・・」ジーッ…

双子姉「・・・・」ジーッ…

後輩「えっと・・・ふたりとも、ちょっと私とお話ししてくれるかな?」

双子妹「・・・・」ジーッ…

双子姉「・・・・」ジーッ…

後輩「あ、あはは・・・はぁ・・・」

---
--

ファミレス内、男子トイレ。

兄「ふぅ・・・まったく、あいつらにも困ったもんだな」

兄「勝手についてきて、勝手に不機嫌になってるんだから世話ないよ」

兄「けど正直、気持ちは分からなくもないんだけどな」

兄「仮にあいつらに彼氏が出来たとして、食事に行くってなったら心配でついていきたくなるし」

兄「行ったら行ったで俺も不機嫌になりそうではあるな」ウンウン

兄「まぁ実際について行ったりはしないけど」

兄「あいつらに彼氏かぁ・・・考えたこともなかったけど」

兄「あいつらももう高校生になったんだから、誰かと付き合ったりするんだろうなぁ」…モヤ

兄「・・・・」モヤモヤ

兄「・・・なんか、すげぇモヤモヤしてきた・・・何だこれ?」

兄「っと、早く戻らないとあいつら後輩に失礼な態度とってそうだな」ジャー…

---
--

ファミレス、4人の席。

兄「あれ? さっきまでの雰囲気が嘘みたいに普通に話してるな」スタスタ

兄「何か共通の話題でも見つけたか?」スタスタ



双子妹「とまぁ、これが私たちの考えだよ」

双子姉「・・・是。誰に強制するわけでもないけど、私たちはこの考えに従って行動する」

兄「お待たせ。何の話してんだ?」

双子妹「あ、兄ちゃんおかえり~」

双子姉「・・・強いて言えば、禅問答」

兄「はぁ、またそれか。後輩ちゃん、別にこいつらに付き合う必要h」

後輩「か、感動しましたっ!!!」ガタッ!!

兄「おうっ!?」ビクッ

後輩「おふたりの想い、思想、人生観・・・目から鱗が落ちた思いですっ!!」キラキラ…☆

双子妹「あはは、後輩さんなら分かってくれると思ったよ」ウンウン

双子姉「・・・是。私たちも後輩さんには物凄く共感できる」ウンウン

兄「な、何だ!? 何がどうなったんだ!?」キョロキョロ

後輩「おふたりとも! 是非、これからも愚鈍なる私めに知恵の光明をお授け下さい!」

後輩「願わくば・・・師匠と呼ばせて下さいっ!!」ペコッ

兄「ちょ、ちょっと後輩ちゃん!?」

双子妹「そんな・・・大げさすぎるよ」アセアセ

双子姉「・・・是。周りの迷惑になるし、とにかく座って」アセアセ

後輩「あ、す、すみません・・・私ったら興奮しちゃって・・・」カァー///

兄「な、何なんだ・・・一体、俺のいない間に何の話をしてたんだ?」

後輩「えっ!? それは、その・・・」

双子妹「それは言えないよ、兄ちゃん」

双子姉「・・・女と女の会話。たとえ兄さんでも教えられない」

兄「なんだそりゃ・・・一体何がどうなった? 俺は平行世界にでも迷い混んだのか?」ボーゼン…

後輩「あの、えっと・・・」

双子妹「ボクと契約して、ボク達の旦那様になってよ」ニコッ

双子姉「・・・兄さんは、私たちの最高の兄さんだったんだね」ニコッ

後輩「ふぇ!? え、えっと・・・兄先輩の戦場はここじゃない・・・感じですか?」オロオロ

兄「よし分かった、一ヵ月前からやり直そう」

兄「って、後輩ちゃんよく元ネタ分かったね」

後輩「あ、はい。あの、兄がアニメとか好きなものですから」アハハ…

双子妹「いいねぇ後輩さん。よし、じゃあ後輩さんの弟子入りを正式に認めよう!」

双子姉「・・・是。ただし何も教えないから、必要な物は盗むように」

後輩「は、はい! ありがとうございます!」ペコッペコッ

兄「・・・もうダメだ、着いていけない・・・」

今日はここまでです

昨日は寝落ちしてました・・・すみません

>>51を見て、その発想はなかった! と、実践してみました

結果、現行2つ含む書き溜め5つの同時進行になってしまい、書き溜めの速度は以前と変わらない結果になりました

そろそろどっちか完結させないとと思ってます

---
--

夕食後、後輩を送った後に帰宅。

兄「はぁ・・・ただいま・・・」

双子妹「おやおや~? 声が小さいですよ~?」

双子姉「・・・そんな事じゃ敵にやられてしまいますよ~?」

双子姉妹『はい、大きな声でもう一度! せーの・・・』

双子姉妹『ただいま~!!』タッタッタ

兄「テンションがバカ高いな・・・行く前は不機嫌そうだったのに・・・」ハァ…

兄「後輩のテンションもよく分からなかったなぁ・・・なんだ、弟子入りって・・・」

兄「あいつらは風呂に行ったのか? 俺はどうすっかなぁ」グッタリ…

兄「はぁ・・・もう明日でいいや・・・今日は早く寝たい・・・」スタスタ…

兄「まぁ後輩もあいつらも楽しそうだったから別にいいか。うん、考えても分からないことは考えるだけ無駄ってね」

兄「そんじゃまぁ、おやすみなさいっと」

---
--

翌朝、自宅2階の兄の部屋。

兄「・・・zzz ・・・zzz」

兄「んぅ・・・ふぁあ~・・・」ノビー

兄「何時だ・・・まだ7時前か。今日のバイトは午後からだったな」

兄「はぁ、二度寝すっかな。昼前に目覚ましセットしてっと」ピッピッピッ

兄「よし、んじゃ寝ますかね」

兄「・・・・」

兄「―――――」…zzz


ガチャ…


???『お? 寝てる寝てる』ヒソヒソ

???『・・・是。今がチャンス』ヒソヒソ

???『あの、本当にやるんですか?』ヒソヒソ

???『当然だよ。これも修行のうちだよ、修行の』ヒソヒソ

???『・・・まぁ否定はしない。肯定もしないけど』ヒソヒソ

???『うぅ・・・わ、わかりました・・・』ヒソヒソ

兄(・・・はぁ~、またあいつらか・・・人が寝かかってるってのに・・・)


ズシッ!!


兄(ぐぇえ!このっ!寝てる人間の上に飛び乗ってきやがって!!)

兄(だが今ので完全に目が覚めた!いつまでも無抵抗だと思うなよ!!)

兄「―――秘技っ!食虫植物の術!!」ガバッ

???『―――っ!?』

双子妹「おぉ!?掛布団がまるでハエ取り草のごとき動きを!?」

双子姉「・・・どちらかと言えばオジギソウ」

兄「ふっ・・・寝起きのオジギソウは気が荒い」

兄「眠りを妨げる者、イタズラをする者には自ら襲いかかる」

兄「少しあっけなかったな。もう少し遊んでやっても・・・え?」

兄「あれ?何でお前ら、そこにいるの?」

双子妹「なんでと言われても・・・我思う、故に我あり?」

双子姉「・・・兄想う、故に双子姉妹あり」

兄「意味わからん・・・てか、じゃあこの布団の中身は・・・」ソロー…

後輩「 」バタンキュー…

兄「うわっ!?後輩ちゃん!?」

双子妹「あはは!お兄ちゃんってば鬼畜~♪」

双子姉「・・・ここからシマネキ草とみせかけて吸血植物までが兄さんの必勝パターン」

兄「幽白ネタはもういいっての! 大丈夫、後輩ちゃん!」ユサユサ

後輩「―――・・・あ、兄先輩。おはようございまふ」ペコ

兄「え?あ、うん、おはよう。じゃなくて、大丈夫?」

後輩「ふぁい、私は元気でふよ」ニコッ

兄「・・・ホントに大丈夫か?」

双子妹「後輩さんのマスクが外れた!」

双子姉「・・・マズイな。左京さん、私の後ろに居た方がいい」

兄「元からマスク付けてないだろ。それに幽白はもういいっての!」

後輩「え、えっと・・・えいっ!」ダキッ

兄「ちょっ!?なんで俺の右足に抱き着いてるのっ!?」

後輩「えっと・・・その・・・地下爆弾(マッディボム)、です///」カァー///

兄「いや、照れるならやらなくていいからね」

双子妹「そうだよ、それじゃあマスクが外れる前じゃん」

双子姉「・・・まだまだ修行不足」

後輩「うぅ・・・精進します・・・」シュン…

兄「朝から何なんだ君たちは・・・はぁ、もう二度寝する気分じゃないな」

双子妹「じゃあ朝ごはんにしようか。ほら、後輩さんもいつまで抱き着いてるの!」

双子姉「・・・あまり長く抱き着いてると、足の付け根にあるものが本来の姿を取り戻す」

後輩「ふぇ? ――――っ!?///」バッ!!

兄「くっ! し、仕方ないだろ! 寝起きなんだから!」

双子妹「はいはい。じゃあ行くよ、後輩さん」スタスタ

双子姉「・・・早くしないと、兄さんの吸血植物に襲われる」スタスタ

後輩「っ!? し、失礼しましたー!!」タッタッタ

兄「・・・何? この理不尽な扱い・・・」ハァ…

すみません、今日はこれだけです。

次回は禅問答しますのでよろしくお願いします。

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