吹雪「この鎮守府はおかしいって言ってるのに聞いてくれません……」 (1000)

吹雪「吹雪です、本日もよろしくお願いします」ペコッ

提督「んー」ペコッ

吹雪「……じゃあ私買い物行ってきますね」

提督「あいよーバスの運賃変わったらしいから気をつけてな~」

吹雪「はーいっ」ガララッ ガラララッピシャッ


※長くなるかもしれないが↓から読んでってくれ……すまねぇ……!
1スレ目「この鎮守府はおかしいです!!」 
吹雪「この鎮守府はおかしいです!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422813372/)

2スレ目「やっぱりこの鎮守府はおかしいです!!」
吹雪「やっぱりこの鎮守府はおかしいです!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1424708332/)

3スレ目「どう考えてもこの鎮守府はおかしいです!!」
吹雪「どう考えてもこの鎮守府はおかしいです!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426297599/)

4スレ目「この鎮守府はおかしすぎます!!」
吹雪「この鎮守府はおかしすぎます!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1427736104/)

5スレ目「この鎮守府はおかしいって皆言ってますよ!!」
吹雪「この鎮守府はおかしいって皆言ってますよ!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428504320/)

6スレ目「だからこの鎮守府はおかしいって言ってるんです!!!」
吹雪「だからこの鎮守府はおかしいって言ってるんです!!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429798843/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1431283182


酉てす

夜に書くぜよ

俺は夜に書くといったな、あれは嘘だ
今日の夜だ、今日の夜に書く

もうすぐ始めちゃう

二丁目鎮守府 リビング

川内「…………」ソワソワ

川内「あの様子じゃ吹雪……普通に出撃するよね……」

川内「…………ってかあの風呂敷って普通に艤装入れる風呂敷だし……」

川内「……まぁ療養艦娘だから移動や演習以外の艤装装着は認められないとして……」

川内「夜戦の指揮まで取れないって訳じゃない!」ガタッ

川内「今から追いかけて間に合うかな……いや、間に合うはず!!」タタッ

チャラッ……

川内「えっと……鎮守府の鍵は…………ってか鍵一個しか無いじゃん……」チャリッ

川内「泥棒とか来たら大変だし……やっぱ閉めとかないと」ガラッ ガラッピシャッ カチッ


夜戦の指揮ー!!!!イヤッホーイ!!!!


隣の吉岡さん「…………隣の鎮守府うるさすぎワロタwwwwwwww……と」カタカタカタ








中学校 校庭

提督「おぉ……凄いな妖精……もう出来てる……」

妖精「……」グッ

提督「ナイスワーク、流石鎮守府の必需品と言われるだけある、使いやすそうだな」

妖精「……//」テレテレ

天龍(艤装装備)「お、出来たか……こっちも準備完了だ」

提督「あいよー…………で、これどうやって操作するんだ?」

妖精「  」ズデッ

天龍「お、お前……通信機器の実習とか受けてないのか……?提督学校の必須科目だろ」

提督「受けた……けど……あれ確か筆記はカンニングしたはず、実習は勘とwiki熟読してあとは流れだっけ……」

天龍「チクったら権利剥奪もんだぞそれ……ったく……教えてやるから座れ」

提督「ご迷惑おかけしますホントに……」カタッ

天龍「…………取り敢えず電源の入れ方飛ばすぞ……もう入ってるから……止まったら妖精に頼め」

天龍「……おい、何やってんだ、ヘッドセットつけろ」

提督「え?ヘッドセット?」

天龍「これだよこれ!!ほら!基本だろ馬鹿が!」カチャッ

提督「あ、ヘッドホンのことか……はいはい……」

天龍「時間ないってのに……耳ンとこにボタンあるだろ、それでミュートとか音量とか変えられるから使え、
    んで、前のモニターは艦娘の目線カメラみたいなもんだ、6つあるけど今回は3つか4つしか使わねぇ」

提督「……これ?」ポチッ

天龍「あぁ、ついたろ?1番左が俺、2番目は吹雪、3番目は摩耶の目線だ、目の動きに合わせてカメラが動くからな……酔うなよ?」

提督「FPSで酔わないからそのへんは大丈夫だ……所で天龍さんのカメラ何か変じゃないか?変な情報がうっすら見えるんだけど……」

天龍「あぁ……多分それ眼帯通して映してるからだだろ、ほら、右目閉じたらちゃんと映るだろ?」

提督「へぇ……ホントだ……眼帯型カメラみたいなのか……すげぇ……」

天龍「だろ?ただのオシャレだと思ったら大間違いだぜ?」フフン

提督「意外だな……さ、次教えてくれ」

天龍「お、おう……もう少し驚いて欲しかった……」

数十分後

天龍「だぁぁー!!お前物覚え悪いな!!!そっちじゃねぇっつってんだろうが!!!」ダンッ!!!

提督「あ、あぁ……こっち……?」

天龍「ちっっっっげぇよ!!!どんだけ機械弱いんだお前!!一回言ったらちゃんと理解しろ!!」

天龍「目の前だ目の前!!無線切り替えって書いてんだろ!!!斬り殺されてぇのか!!!」

提督「無線切り替え……あ、これか……」カチッ

ザザッ 

天龍「はぁ……はぁ……ったく…………誰か助けてくれ……このバカをなんとかしろ……」

提督「いやぁ……ホントに……最初トランシーバーの操作もままならなくて……」

天龍「あぁそうか…………よくパソコン使えるようになったな……あぁえらいえらい…………はぁっ……」パチパチ

提督「……とりあえず無線の切替方法とモニターの確認方法は分かりました……レーダーは……まぁ妖精さんに教えてもらいます」

天龍「……そうしてくれ……はぁ…………出撃する前から疲れた…………全員集まれー」パンパンッ


ザッザッザッザッ


摩耶「おう天龍……どうした……?エラいくたびれた顔してるけど……」

天龍「なんでもねぇ……吹雪、艤装は?」

吹雪「はい、妖精さん達に直してもらってちゃんと主砲が打てるようになりました!ありがとうございます!」ガチャッ

天龍「おう、問題ねぇな……で、レ級は?」

吹雪「あぁ……それが……ヲ級さんに挨拶してから行くって言って一度家に戻りました……」

天龍「そうか…………ったく……行く前に挨拶しろっての……提督、作戦開始時間は?」ポリポリ

提督「残り30分位でいいんじゃない?2時半が妥当っしょ」

天龍「0230な……戻ってくんだろうなアイツ……」

吹雪「あはは……大丈夫ですよ……」

天龍「……はぁ……弾は?」

摩耶「十分、浮かしとく分一箱持って行くけどそれで行けるだろ、戦艦も居ねぇし……大きさこれでいいか?」ガシャッ

天龍「それでいい……あ、そうだ、ブレードもう一本あるか?」

摩耶「一応入れてっけど、使うのか?」

天龍「何が出るか分からねぇし、分厚い奴なら一発でオシャカになるかもしれねぇしな、予備だ」

摩耶「ん、そうか、ほれ」カチッ ガタンッ ポイッ

天龍「サンキュ」パシッ シュルッ キュッ

天龍「二刀流ってやつだな……どうだ?怖いか?」ドヤッ

摩耶「はいはい怖い怖い」

天龍「馬鹿にしてんだろお前……吹雪、どうだ?」

吹雪「…………」

天龍「フフ……怖くて声も出ねぇみたいだな……どうよ、この両腰の刀……ホラ怖いだろ?」フフッコワイカ

吹雪「か……」

天龍「……?」

吹雪「かっこいいです!!天龍さん!!かっこいい!!」

天龍「……か……」

摩耶「かっこ……いい……?これがか……?」

吹雪「すごい……天龍さんかっこいいです……」パァァ

摩耶「…………びょ、病院で診てもらったほうが……」

天龍「…………ま……まぁ……悪い気はしねぇな……」テレテレ

数十分後

提督「………………で……2人も作戦に参加する……と」

川内「…………ま、夜戦だしね、指揮の手伝いはお手の物よ?」

空母ヲ級「……レ級一人では不安だからな……」チャプッ

戦艦レ級「灯台の近くにバケツがあってな、なら連れてきてもいいだろって訳だ、な?」

空母ヲ級「全く役に立っていないがな……センダイ、すまないな」

川内「いいって、味方だって分かったなら別に抵抗はないよ、ね?横須賀の天龍さん」

天龍「あー……うん………もう突っ込まねぇ…………」チラッ


ザワザワザワ


天龍「……人集りが増えてきたな……派手にヘリでやって来たから仕方ねぇっちゃ仕方ねぇけど……」

天龍「おし……じゃあ前浜町二丁目提督!!!」

提督「あ、はい?」

天龍「っ……気のない返事だなオイ……」

天龍「……オホンッ!俺達はこれからお前に命を預けて沖縄に向かう、作戦指揮者として一言景気付けに頼む」

提督「あー……なるほどそういう感じか……」

天龍「あぁ、ここはひとつ頼むぜ」

提督「おし……じゃあ簡単に一つ、やりましょうか……ゴホンッ」


提督「えー……天龍さん、摩耶さん、わざわざこんな所まで支援に来てくれてありがとう、助かる。
    こんな戦術のせの文字もないカス野郎が指揮を執る事で不安しか無いだろうけど……
    この数時間、よろしくお願いします」

摩耶「ま、よろしくな」

天龍「…………次こういう機会が来た時のためにちゃんと勉強しとけよ?俺もサポートするけど、死にたくねぇし」

提督「お、おう……任しとけ」


提督「……それとレ級ちゃん」

戦艦レ級「ん?アタシにも挨拶か?悪い気はしねぇな、へへっ」ブンブンッ

提督「……仲間を撃つことになるけど……いいか?」

戦艦レ級「勿論大丈夫だ、アタシは今、姫じゃなくてお前を信用してる、形はどうであれアタシを救ったんだ」

戦艦レ級「……何が来ても私は戦う、心配しないでくれ」コクッ

提督「分かった、頼りにしてるぞ」スッ

戦艦レ級「頼ってくれ」ガシッ ギュッ

提督「いででで……強い強い……手が潰れる……」

戦艦レ級「あ、ごめん」

吹雪「司令官……」

提督「吹雪ちゃん……大丈夫か?」

吹雪「はい……司令官の所で過ごして1ヶ月半……」

提督「あれ……二ヶ月くらいじゃなかったか?」

吹雪「あ、えー……一ヶ月半でしょ?……まぁ、短い期間でしたけど……」

吹雪「やっと私、艦娘として頑張れます……深海棲艦と戦う艦娘として……」

提督「……そうか…………深海棲艦は怖くない?」

吹雪「……正直……怖いです……今も足が震えて……」カタカタッ

吹雪「でも……でも、怖がってちゃ駄目ですから……怖いのは……皆同じだから……」

吹雪「……それに、瑞鶴さんやゴーヤさん、長門さんや古鷹さん……色々な人が私達を支えてくれたんです……」

吹雪「私達も戦って……その恩返しをしないと……結果を出さないと、格好悪いでしょ?」ニコッ

提督「そうだな、いい加減働かないと、こないだの昇進も無かったことにされかねないし」

吹雪「うん、だから今日は一緒に頑張ろう!司令官!!」

提督「おうよ、草船に乗った気分で頼ってくれ!」トンッ

吹雪「そ、それ……頼るなってことですよね……」

提督「俺の能力を考えてくれ……頑張るけどさ」



提督「よし!ヲ級ちゃんと川内ちゃんもいいな?悪いけどサポートしてくれ!」

川内「勿論、これでも大淀さんと同じ呉鎮所属だからね、戦術眼はあるよ!」

空母ヲ級「手足はないが頭は使える、任せてくれ」

提督「おし……じゃあ皆準備はいいみたいだな!!俺も準備オーケーだ!」

提督「皆はこれから何かしらの手段で海に出て沖縄に行ってもらう!多分近場をヘリで降下するかなんかだと思う!」

川内「な……何かしらって……」ガクッ

提督「まぁ、海に出たらそのまま真っすぐ沖縄に向かってくれ!深海棲艦が来るかもしれないけどその時はその時だ!倒していこう!弾は無駄に使わないようにな!」

提督「被弾とか怪我には十分注意するように!被弾したり、艤装に異常が発生したらすぐに言ってくれ!
    特に怪我は注意だ!腕がなくなったりしたら大変だからな!本当に無茶はしないでくれ!!
    援軍を要請してできるだけ助けてもらうようにはするから!!自分一人だけで作戦が成り立つと思わないように!!」

提督「寄り道禁止だぞ!一番優先するのは沖縄の人の安全と戦闘中の艦娘の救援だ!!
    途中で姫級や獲物が居たとしても脅威にらない限りは無視るんだ!」


提督「以上!!皆、遅くても夕飯までには帰って来るように!!」

天龍「全員敬礼!!」

ビシッ

提督「…………」ピシッ

ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュヒュヒュヒュヒュヒュンンッ!!!!!!!!

バタバタバタバタバタバタバタ……


提督「…………おー……飛ぶねー……」

空母ヲ級「……相変わらず人間の技術力というものは凄いな……」

川内「ヘリねぇ……あれがへリかぁ……」

提督「見たこと無いの?」

川内「無いねぇ……海と目と鼻の先だし、それに敵から案外狙われやすいしねぇ……呉れ周りは飛ばないんでしょ」

川内「…………で、どうすんの?機械の使い方とかさっぱりなんでしょ?」

提督「あぁ……基本は教えてもらったけど基本だけじゃ作戦はこなせないしなぁ……」

川内「だねぇ…………よし、じゃあレーダーとか状況の説明とかは私がやるよ、椅子ある?」

提督「多分あると思うぞ?妖精さん、ある?」

空母ヲ級「……妖精さん?」

妖精「……」コクッ テテテッ ヨイショッ

空母ヲ級「……椅子が浮いてる……!?」

妖精「……」カチャッ 

川内「ありがと、じゃあ……えっと……ヘリは今どこ飛んでるかなーっと……お、いたいた」

空母ヲ級「……今、椅子が浮かなかったか?」

川内「ん?あれ、深海棲艦って妖精見えないの?」

空母ヲ級「……ヨウ……セイ……?」

川内「…………」チラッ

提督「レ級ちゃんも妖精見えないんだよな……」

川内「マジ?でも普通の人間は見えるじゃん……雑誌とかで可愛い妖精ランキングとかあるんでしょ?」

提督「ある……みたいだけど……深海棲艦には見えないっぽいなこれ……」

川内「……へぇ……そういうもんなんだ……」

空母ヲ級「…………ようせい……か……人間にしか見えないもの……不思議だな……」

空母ヲ級「…………」チラッ


アレ、カンムスカ? アレハセンダイダネ……デモナンダロ……チイサイノガヒトリ……ダルマ?

トイウカアレ、マエハマチョウノテイトク? チャントシゴトシテタンダ……


ハーイ、ココカラサキハタチイリキンシデスヨー


空母ヲ級「……見られるのは嫌いだ……なんとかしてほしい……」

提督「……まぁ、こんな目立つ所だしな……仕方ない……」

川内「私って結構有名だったりする?」

提督「夕張さんは割と知れ渡ってたし、知ってる人は知ってるんじゃない?」

川内「へぇ……あぁ夕張も一度ここに来たっけ?」

提督「あぁ、かなり目立ってたな……」

ザワザワッ ザワザワザワザワ

男A「というかさっきのあれって、何だ?あの灰色の艦娘みたいなの……」

男B「尻尾生えてたよな……あれってたしか戦艦レ級……だっけ?最強の深海棲艦とか言う奴……」

男A「最強の深海棲艦!?何でこんな所に居るんだよ」

男B「ほら、あれ知ってんだろ?河城電器の立てこもり事件……あいつじゃね?結局行方知れずになったし……」

男A「……何だかんだで味方につけた……?」

男B「じゃなかったら何かのデータを解析したそっくりさんとか?」

男A「それだろ……多分明日のニュースで取り上げられるだろうな……ほら、あそこ、テレビ来てるぜ」


アナウンサー「愛知県後乃木市の閑静な住宅街、この前浜中学校に突如現れたヘリは、海軍の物でした!
         住人はこの突然の非日常の襲来に戸惑いを隠せないようです!」


男A「……多分深海棲艦には触れないだろうなぁ……」

男B「いや、案外触れそうだぞ?多分もみ消されるだろうけど」

男A「目撃者が多いんだぞ、そう簡単にもみ消せないだろ」

男B「いや…スパイ活動かなんかで納得させられるパターンだ」

男A「うわ、たち悪い、素直に仲間って言えばいいのに」

男B「それが軍隊だ、向こうも敵がいなければ金稼げないしな」

男A「うーわ……えー……そこまでして戦争したいの?」

男B「結局は金よ、金っ」


ザワザワザワザワ

提督「…………」フゥ

ザザザッ!! ピピーッ

提督「は、はい!」カチャッ

天龍『俺だ、横須賀からの伝言を伝えておく』

提督「あ、天龍さん……横須賀からですか?」

天龍『あぁ、【人目は気にするな、私が責任を持つ、精一杯暴れさせてやれ】だとよ』

提督「……は、はい!」

天龍『……ま、そういうこった、もうすぐ降下地点だから準備しとけよ』

戦艦レ級『提督!すげぇなこのヘリっての!海が遠いな!これ!!どうなってんだ!?どうなってんだ!?』

吹雪『れ、レ級さん……もう行きますよ、準備して下さい……』

戦艦レ級『お?おう!』

吹雪『皆さん、弾は大丈夫ですか?』

摩耶『ん?あぁ入るだけ入れといたらしいぜ?』

吹雪『そうなんですか?ならいいか……っ!?』

グゥィィーーン……

提督「お……ハッチが開いたぞ……」

天龍『おし!!降下地点だ!!レ級!!さっき言ったのやってみろ!』

戦艦レ級『……ほっ!!よいしょ……これでいいか?』

ブンッ ピピピッ

提督「……!」

川内「お、レ級の目線だ……へぇー……あれ?ちゃんとカラーになってる……赤いって聞いたけど……」

空母ヲ級「リ級以上になると視界に色がつくらしいな、他は全部赤みたいだが……」

川内「へぇー……」

提督「レ級ちゃんの目線、ちゃんと映ったぞ!」


天龍『おし……じゃあお前ら!行くぞ!!!』バッ ザバッドシュゥーーンッ!!!

吹雪『は、はい!吹雪行きます!!』ダッダッダッ バッ ザブッ

摩耶『摩耶!行くぜぇ!!』カンカンカッ ザブンッ

戦艦レ級『よっしゃ!暴れてやるかぁ!!!』フワッ ドシュゥーンッ!!!




提督「頼むぞ……皆!」

提督「……川内ちゃん、皆のスタート地点は?」

川内「えーっと……呉付近だね、ジェットエンジン載せたヘリじゃここが限界みたい」

提督「なるほど……深海棲艦は?」

川内「付近では確認できないみたい……でも油断はできないよ、支援要請送っとかないと」

提督「だな……えっと……」

川内「ここ、ここで周波数調整、各鎮守府の支援要請用の周波数はそこに書いてあるとおりだから」

提督「あ、あぁ……ありがとう」

空母ヲ級「艦娘の状態は私が行う、何かあったらすぐに知らせよう」

川内「悪いね、頼むよ、私はレーダー見とくから」

太平洋沖 

吹雪「……何も見えませんね……」

天龍「夜じゃこんなもんだ……索敵怠るんじゃねぇぞ」

摩耶「……潜水艦が居ねぇだけマシか……」

吹雪「わかりませんよ……水中電探に反応はないですけど……」コーンッ コーンッ

戦艦レ級「…………」ジッ

吹雪「レ級さん?」

戦艦レ級「…………進路上に何か居る…………提督!」

提督『どした?』

戦艦レ級「進路上、見えるか?」

提督『……あぁ…………何かいるな……』

戦艦レ級「悪いけどアタシじゃ判断できねぇ、撃つかどうか決めてくれ」

提督『…………その周り、ちょっとゆっくり見渡してくれ』

戦艦レ級「…………」ジィー

提督『周りに何も居ないな……と言うことははぐれ……か』

戦艦レ級「改造種くせぇな……どうするよ」

提督『…………ここはスルーだ、でも油断しないように、天龍さんとレ級ちゃんはを前に出て、天龍さんは近くを、
    レ級ちゃんは遠くを見てくれ、何が来ても対応できるように準備を頼む』

戦艦レ級「あいよ、前方警戒は任しとけ、天龍、聞いたな?」

天龍「おう、まぁ任せとけ、吹雪は対潜警戒、摩耶は対空警戒を怠るな、電探はフル活用しろ」

吹雪「は、はい!」コーンッコーンッ

摩耶「言われなくてもやってるっての……」キョロキョロ

天龍「……だが……周りに敵が少なすぎるな……レ級、なんか知ってるか?」

戦艦レ級「……さぁな……ただ……」

天龍「……ただ?」

戦艦レ級「結構前に北方様と港湾様が動いてた……多分今深海棲艦でも大きなことが起ころうとしてるんだと思う」

天龍「……港湾棲姫と北方棲姫か……?」

摩耶「棲姫が動く……って事は……他の深海棲艦も自然に動き出すってことか……」

戦艦レ級「その影響だろ……深海棲艦を探しても中々見つからねぇ……」

吹雪「ということは……」

戦艦レ級「多分だが、途中で深海棲艦の出来事に巻き込まれなけりゃこのまままっすぐにオキナワに着くと思う」


提督『……みたいだな……』

川内『天龍さんの周りには何も怪しい動きをする物体はない、取り敢えず今のまま進めばいいよ』

提督『……よし、スピード上げて行こう、でも警戒は怠らないでくれ』

天龍「了解だ、お前ら急ぐぞ」ドシュゥー

吹雪「……はい!」ドシュー

摩耶「……飛行機も居ねぇ…………いや……向こう側に陸攻隊が飛んでる……か……」

戦艦レ級「………………姫……どこ行ったんだ……」ドシュゥーンッ

ふぅ……吾輩は……ry
寝る!!

もうすぐ、はじめるかなぁ……

太平洋 深海

北方棲姫「…………っ……く……ぅ……!はぁ……っぅう……う……!!」

重巡ネ級「…………」

北方棲姫「…………っふ……もう終わり……?アンタも大したこと無いじゃない……はぁ……っはぁ……」

重巡ネ級「……強情ナ女ダ……」カラッ

北方棲姫「……その棒……を、私のどこに突っ込むっての……?」

重巡ネ級「…………ッラァ!!!」ブンッ!!!

ガァンッ!!!

北方棲姫「……ぐぁ……!!あぁ……!!」

重巡ネ級「……イツマデモ楽シメルト思ウナ……!!コノガキガァ……!!!」ガッ!!ゴッ!!!

北方棲姫「……が……ぐ……!!」

重巡ネ級「クソガキガ!!!棲鬼様ニ楯突コウナド!!棲鬼様ノ野望ヲ砕コウナド!!」ガンッ!!グチッ!!

北方棲姫「…………あが……が……はぁっ……!!」

重巡ネ級「オ前ハ……!!!貴様ラハ!!何故ワカラン!!人間ナド!!邪魔ナ存在デシカナイ!!」ガッガッ!!ドゴッ!!

重巡ネ級「ダトイウノニ……!!何故オマエラハ人間ノ地ヲ潰サナイ!!!!何故ダ!!情デモメバエタノカァァ!!!」グシャッ!!!

重巡ネ級「ハァ……ハァ……!!……気ニイラン……!!人間マガイノ思考シヤガッテ……!!」カランカランッ!!

北方棲姫「……言って……なさいよ…………外道どもに何言われようと……知ったこっちゃないわ……」

重巡ネ級「……ナンダト……!?」

北方棲姫「……何が野望よ……殺せるなら誰でもいいんでしょ……あんたらは……」フフッ…

北方棲姫「そんな馬鹿な事……私は勿論……水鬼様も許すわけがないわよ……」

重巡ネ級「……」

北方棲姫「…………馬鹿な奴よ……ホントあんたらは……」

北方棲姫「……馬鹿で悲しい奴よ…………」

重巡ネ級「…………妄言モ、モウ飽キタナ…………オイ!!」


戦艦レ級(改造)「…………クルル……カカカカ……」グイッ ブンッ!!


ドチャッ……


港湾棲姫「………………ぐ…………っうぅ……」

北方棲姫「……お、お姉様……!!」

港湾棲姫「北方…………酷い傷……ネ級に殴られた……の?」

北方棲姫「私は大丈夫……!お姉様……!!め……目が……!!」

港湾棲姫「……平気……片目なんて飾りだから…………あぁ……北方……こんな……ことに……」



重巡ネ級「連レテ行ケ……新シイ駒ダ、拘束スル前ニ改造シテオケ、喚ク暇ヲ与エルンジャナイゾ」

戦艦レ級(改造)「キキッ……!!ギィィッ!!!」グィッ!!!


北方棲姫「……!お姉様!!離せ!!!この化け物!!汚い手で触るなぁ!!!」

港湾棲姫「…………!!な…………!北方から離れろ……!!やめろ……!……っ……離せ……!!くそ……!」

北方棲姫「お姉様ぁ!!お姉さまぁああ!!!」


ゴゴゴゴゴッ ゴォォォンッ……!!!



重巡ネ級「……何ガオネエサマーダ……気色悪イ……」ペッ

重巡ネ級「………………ソッチノ状況ハ」スッ

重巡ネ級「……フッ……モウスグカ…………ナラバ妙ナ人間殺セバオキナワハ我ラノモノダ……」

重巡ネ級(何者ダ……人間……人間ガ我ラニ逆ラエルハズガナイ…………)

重巡ネ級「……ム……艦娘ノ増援カ……?」

ザザッ ザザーーッ

重巡ネ級「………………横須賀ノ天龍……摩耶……何ダ……ソイツハ知ランゾ……」

重巡ネ級「マァ調ベル価値ノナイゴミダロウ……もう一隻は…………何……!?」

重巡ネ級「純粋種ノ……レ級ダト……!?馬鹿ナ……何故艦娘側ニ!!視界ヲヨコセ!!」






太平洋 沖縄付近

戦艦レ級「……見つけた……敵艦だ!イ級が3!タ級が2!ワ級のエリートが6だ!!」

摩耶「ワ級?輸送船団か?」

戦艦レ級「みてぇだ……どうする?提督」

提督『沖縄の近くに輸送船か……うーん……』

吹雪「……」ジャキッ

戦艦レ級「…………向こうはまだコッチに気付いちゃいねぇ……やるなら今だ……」

提督『……全部倒すのにどれくらい掛かりそうだ?』

天龍「多分あの数なら俺とレ級なら3分でやれる、やるか?」

提督『……よし、やろう、吹雪ちゃんと摩耶さんはそのまま沖縄に進んでくれ、近くのビーチで合流するように』

吹雪「りょ、了解!」

摩耶「天龍、2分で済ませろよ……吹雪、いいな?」

吹雪「は、はい!」

摩耶「ついて来い!ビーチを確保すんぞ!!」ドシューンッ!!

吹雪「……」コクッ ドシューンッ!!!






太平洋 深海

重巡ネ級「……棲鬼様ニ逆ラッタ……屑ジャナイカ……!!」

重巡ネ級「……流暢ナ人間語……堕落ノ証……!!許セン……!!!」

重巡ネ級「…………奴ラモオキナワデ始末シテクレル……深海棲艦ノ誇リヲ汚ス愚カ者共……後悔サセテクレル!!」

沖縄 ビーチ

ザザーン……ザザァーー……チャプッチャプッ……

吹雪「……」キョロキョロ

吹雪「……敵影ありません……でもここって……」

摩耶「そこら辺に深海棲艦の死体が転がってんな……うげ……乾き切ってやがる……」ゲシッ コロッ

吹雪「……リ級……ヲ級も……一体誰が……?」

摩耶「さぁな……沖縄にも手練の艦娘が居たってことだろ……」ピクッ

摩耶「対空電探に感……後ろか!」

シュゥゥゥーーン……オォォォ……

吹雪「……戦闘機……いや……艦爆!!」ジャキッ

吹雪「…………」ゴクッ

摩耶「チッ……提督!敵の艦爆共に見つかった!レ級達の到着まで何分だ!!」

川内『90秒!いける!?』

摩耶「増援が来なけりゃ……な!!」ジャカコンッ!!

吹雪「来ます!!」


深海艦爆「…………!!」タタタタタァンッ!! 

チュチュチュチュゥンッ!!!

吹雪「…………っ!!」ビクッ

摩耶「ビビってんじゃねぇ!!吹雪!!死にたくなけりゃ撃て!!」バラララララッ!!! ドドドドォンッ!! 

吹雪「……は、はい!!」ドドンッ!!! ジャカッ タタタタァンッ!!!

摩耶「敵機は!30秒で片付けんぞ!」ドドンッバララララッ!!

吹雪「はい!!」タタタタァンッ!!!



ドォーンッ ゴォォーーッ ドボォンッ

ドドドーンッ!! ドォーンッ!!


吹雪「っ!」ドドォンッ

摩耶「貰った!!」ドンッ

ドドッカーンッ!!


摩耶「よっしゃぁ!!敵機撃墜!!」

吹雪「……っ敵機……全機撃墜……はぁ……はぁ……!」ヘナヘナ

吹雪「…………」

摩耶「……よくやったな吹雪、初戦で3機やるのはすげぇぞ?」

吹雪「……あ、ありがとうございます……対空戦闘はたまたま得意だっただけです……褒められるような事してませんよ……」

摩耶「いやいや、陸戦でアタシと同じくらいの対空能力だ、初戦でこれだかんな、伸びんじゃね?お前」

吹雪「そ、そうですか……?」

摩耶「あぁ、よくやった」ポンッ

吹雪「あ、ありがとうございます……」テレッ

前浜町

提督「……ふぅー……取り敢えず戦闘は乗り切ったか……」

川内「本体との戦闘はまだ始まってすらないよ……でも肩慣らしにはなったんじゃない?」

提督「……あれ肩慣らしなの?」

川内「ま、肩慣らしでしょ、ね?」

空母ヲ級「あの数は攻撃隊ではない、索敵隊だ、奴らは遅くても2分以内に撃墜しなければ応援を呼ばれる可能性があった」

空母ヲ級「……まぁ、摩耶はその数倍早い20秒以内で撃墜することができていた、あの様子ではおそらく増援の心配はないだろう」

提督「なるほどねぇ…………」

空母ヲ級「……だが深夜に索敵隊を飛ばす……か……付近に空母のフラグシップが居るかもしれんな……」

提督「フラグシップってことは……夜戦でも普通に戦闘機を飛ばせるやつだっけ?」

空母ヲ級「そうだ……戦闘時は航空機にも注意した方がいい……で、提督」

提督「ん?」

空母ヲ級「…………すまない……そのバケツに入れてくれないか?体が乾いてしまった……」

提督「あ、本当だ……じゃあ……」スッ チャプッ

空母ヲ級「……っ……ふ……ぅ……ありがとう……」

川内「……深海棲艦って体乾くとどうなるの?」

空母ヲ級「最悪死ぬ……水辺に住む生き物だからな……川底棲艦も同じだが乾きには弱いんだ」

空母ヲ級「……それ故に定期的に水に浸からなければならないんだ……全く……不便な体だ」

川内「へぇ……」

空母ヲ級「提督、陸戦に入るならレ級は1時間おきに水辺に下げてやってくれ、でないと戦闘時は特に体が乾いてしまう」

提督「ん、あぁ、そのつもりだ、だから水辺を守るレ級隊と中心街の敵を倒す天龍隊で分けようと思うんだ」

川内「水辺……って事は……外からくる奴を水際で叩くってこと?」

提督「そういう事、何が来るかわからないからな、沖縄付近に改造種とか言うのが出てきてもおかしくないし……」

川内「ん……じゃあ、そう伝えとくよ?」


カチャッ アーゼンインキコエル?コラ フブキ ヨソミシナイ……


空母ヲ級「……それにしても……沖縄に艦娘なんかいたのか?」

提督「……沖縄には……まぁ米軍基地があるけど、艦娘が居るとは聞いてないな……」

空母ヲ級「……そうか……じゃあ一体誰が深海棲艦を倒したと言うんだ?」

提督「……さぁ……?」


提督「吹雪ちゃん、皆、周りに敵は居ないな?」

吹雪「は、はい!問題ありません!」

提督「それは良かった……」

提督「吹雪ちゃん、皆、周りに敵は居ないな?」

吹雪「は、はい!問題ありません!」

提督「それは良かった……」



ここはいらんぞ!!

天龍「…………だとよ、つまり今から俺たちは別行動だそうだ」

摩耶「別行動ねぇ……二人組になるってやつか?」

天龍「ま、そういうこった、取り敢えずレ級、お前はこのまま海上を見張っててくれ」

戦艦レ級「え?でも街のやつはどうすんだよ?」

天龍「街の深海棲艦は俺が何とかする、お前は水がないと駄目なんだろ?」

戦艦レ級「まぁそうだけどよ……いいのか?」

天龍「いいに決まってんだろ、俺を過小評価してもらっちゃ困る」

戦艦レ級「……まぁお前がいいってんなら……アタシは別に何も言わねぇけど……摩耶は?」

摩耶「アタシは天龍と一緒に街の深海棲艦を叩く、レ級は吹雪の面倒を見てくれっか?」

戦艦レ級「ん、吹雪の子守りか、まかしとけ、な?吹雪!」グッ

吹雪「……」ポケー

天龍「……おい、吹雪?」トンッ

吹雪「ふぇ!!え?あ、私?」

摩耶「あぁ、お前だ、さっきの話聞いてたか?」

吹雪「あ……ええっと……」

天龍「……はぁ……大丈夫か?体調悪いのか?」

吹雪「い、いえ!大丈夫です!えっと……少しボーっとしてただけで……」

天龍「ならいいけどよ……お前とレ級は沖縄周辺の海を見張る役をやってもらう、いいな?」

吹雪「は、はい!頑張ります!」

天龍「……暗くて視界が効かねぇかも知れねぇけど……電探から気をそらすなよ?」

吹雪「は、はい!」

戦艦レ級「吹雪、あんま無理すんなよ?アタシがついてるからな?」

吹雪「……」コクッ

戦艦レ級「……よし天龍、街は任せたぞ」

天龍「おう、こっからが本番だ」スラッ ブゥンッ

摩耶「……」グッ

天龍「行くぜ、摩耶」ザッザッザッ!!

摩耶「おう!」ザッザッザッ!!



ザザーンッ ザザーンッ


戦艦レ級「……行っちまったなー」

吹雪「え……えぇ……」

戦艦レ級「…………見たところ誰も居ねぇな……深海電探にも何も反応がねぇし……」

吹雪「……」コーンッ コーンッ

吹雪「そうですね……何も反応がないし……気配も感じない……」

戦艦レ級「……だな………………」


ァァァー……!! ダレカァ…………!!

戦艦レ級「……姫……!?」

吹雪「…………?」

戦艦レ級「…………姫の声が……どこかで……!!」キョロキョロ

吹雪「レ級さん……?どうしたんですか?」

戦艦レ級「………………気のせい……なのか……?」

太平洋 深海棲地 工廠

北方棲姫「あぁあああーぁぁあああ!!!!!!」バチバチバチッッ!!!! 

港湾棲姫「ぐぅ……ああぁ………!!ぎ……あ……!!」バチッジジジッ……ジジーッ!!

北方棲姫「あぁ!!あああ!!出して!!ここから出してぇぇえええ!!!!」ジュウウウッ……!!

北方棲姫「あー!!あぁあああー!!!!!」ジジッジュジュジュゥウーーッ……


シュゥゥウウーーッ…… カチャカチャカチャッ

北方棲姫「……あ……ぐ……ぅ…………!!」ゼェッ ゼェッ 

港湾棲姫「……は……はぁ……はぁ……」

港湾棲姫「ほ……北方……大丈夫…………?」

北方棲姫「……大丈夫なわけ……無い……わ……!!裸にされて……体中焼かれて……こんな屈辱!!」ジャラッ

港湾棲姫「……今は耐えるしか……ない…………」

北方棲姫「耐えても……無駄よ……改造種にされるだけなんだから……」

港湾棲姫「じゃあ……どうするの……?」

北方棲姫「………………」

港湾棲姫「………………」

港湾棲姫「…………死ぬのを待つだけ……か…………」

北方棲姫「そ、そんなの!!」

港湾棲姫「……仕方がない……この鎖は姫だろうとレ級だろうと拘束し続けることが出来るタイプ……
       鍵がないと絶対に開けることが出来ない…………」

北方棲姫「……そんな……」

港湾棲姫「残念だけど……私達に出来る事は、もうすぐ来る……絶望的な痛みに耐えて喚くだけ……」

北方棲姫「…………」

港湾棲姫「……ごめんね……私じゃもう……助けられないみたい…………」

北方棲姫「…………私がしゃしゃり出て、殺すなんて提案したから……よね……こうなったのは……」

港湾棲姫「…………」

北方棲姫「…………お姉様…………こんな最期で……本当に……」

港湾棲姫「…………いいよ……でも……最期に聞きたいことが……あるの……」

北方棲姫「何……?」

港湾棲姫「レ級とヲ級……あの2人を捨てた理由……私は……最期にそれが知りたい……」

北方棲姫「…………」

港湾棲姫「…………ごめんね……こんなこと聞いて……でも私は……最期に疑問を残して死にたくないの……」ジャラッ

港湾棲姫「…………」

北方棲姫「お姉様…………」

港湾棲姫「…………うん……」

北方棲姫「…………」ジャラッ

うむ、お布団が幸せ~、というわけで夜に書くよ

ただいま、風呂入ってから始めよう

北方棲姫「…………」

北方棲姫「……戦艦レ級なんて……私には手に余るものだったのかもしれないわね……」

港湾棲姫「…………」

北方棲姫「私にはあの問題児は扱いきれない……前々からそう思ってたのよ」

港湾棲姫「…………」

北方棲姫「平気で嘘はつく、その癖に私の機嫌を取ろうとして……ほんっと……ムカつく奴だったわ……」

北方棲姫「だから前浜みたいなちっこい棲地に昔からの友達と一緒に押し込んだってわけ」

港湾棲姫「…………」

北方棲姫「……ふふ……でも……居なくなると急に寂しくなるものね……それだけ気にかけてたって事かしら……」

港湾棲姫「でも、あの子達に弱みは見せたくなかった……?」

北方棲姫「えぇ……何時迄もウジウジしてる所は見せたくない、だから何かの形で区切りをつけたかったのよ」

港湾棲姫「…………」

北方棲姫「……そんな時、あの子達が人間の居る地上で暴れまわったのよ……だから私は……!!」

北方棲姫「…………私は…………!!」

港湾棲姫「…………」

北方棲姫「……あの子達は最後の通信の時……人間の言葉を喋ってた……」

北方棲姫「……人間と交流して……人間に感化されないと……あんな流暢に喋れない……」

北方棲姫「…………あの子達は結局何がしたかったのかわからない……でも…………」

港湾棲姫「……」

港湾棲姫「……カ級は……あの子……レ級とヲ級を見たらしいわ……」

北方棲姫「……え……?」

港湾棲姫「……あの子も、レ級達と同じで、忠誠心の強い子……嘘は言ってない……」

港湾棲姫「…………」

北方棲姫「で、でも……!私はそんなの聞いてないわよ……!?」

港湾棲姫「……そりゃそうよ……だってあなた……報告聞き流してたでしょ……?役立たずだからーとか言って……」

北方棲姫「…………」

港湾棲姫「……部下を思いやるのはいいけど…………演技に入り込むのは……あなたの悪いところよ……」フフ

北方棲姫「お姉様……」

港湾棲姫「……次生まれ変わった時は……ちゃんとしなさい……お姉ちゃんからの助言よ……」

北方棲姫「お姉様……っぐ!!!あぁ!!うぁあああ!!!!」ズブッ


ザザッ キィーーン……

戦艦棲鬼『……遺言は以上か……待ってやった私の心の広さに感謝しろ……殺れ』


ジュウウウウウウッッ!!!!


北方棲姫「ぐぁっ!あ……!!し……死んじゃ……う……!!!嫌だ……あぁああ!!!」

港湾棲姫「……っぐ……うぅ……!!せめて……!機械じゃなくて……誰かに殺されたかっ……た……!!」ジュッジュウウウッッ!!!

港湾棲姫「…………っ……は……っはぁあ……!!!!」グリッ……ズブブッ!!!


戦艦棲鬼『フッ……結局貴様らも格好つけておきながら命に執着する……人間と一緒じゃないか……』

戦艦棲鬼『私はそういう輩が大嫌いでね……!死に誇りを持たん深海棲艦など、人間と同じだ……』

戦艦棲鬼『……だが安心しろ……これから貴様ら屑共を誇りある深海棲艦として生まれ変わらせてやる……』

戦艦棲鬼『…………喜ぶがいい……改造種となり私の下で働くことを……忌々しいガラクタとして生きるのは今日で終わりだ……』

戦艦棲鬼『…………改造されたその姿……楽しみにしているぞ……』ブツッ

沖縄 ビーチ

戦艦レ級「…………っ……」フラッ

吹雪「れ、レ級……さん……?」

戦艦レ級「…………頭にテレパシーのような……何かが…………」ガッ 

戦艦レ級「……姫……?やっぱり……姫の声……港湾様……じゃない……北方様!?」

戦艦レ級(ひ……姫……!姫!どこに……どこに居るんですか……!?)フラッフラッ


吹雪「レ級さん……レ級さん落ち着いて……!」スッ

吹雪「司令官……!司令官!!レ級さんの様子が……!そこから分かりますか……!?」

提督『こっちからでも分かる……ヲ級ちゃん、分かるか?』

空母ヲ級『……あぁ……レ級、聞こえるか?』

戦艦レ級「……!を、ヲ級……!姫が……姫の声が聞こえるんだ……!!」

空母ヲ級『……あぁ……分かっている……聞こえるんだろう?』

戦艦レ級「…………」

空母ヲ級『……助けに行くのか?どこに居るかもわからない姫を……』

戦艦レ級「……あぁ……助けに行くさ…………姫を助けるのは部下の仕事だ」

空母ヲ級『……だが私達はその姫に捨てられた』

戦艦レ級「関係ねぇよ……!それでもアタシは!!」

空母ヲ級『レ級!!お前の任務は沖縄にやってくる深海棲艦を叩く事だ!!姫を助けることじゃない!!
       出撃して間もないくせにもう任務を放棄するつもりか!!』

提督『……レ級ちゃん』

戦艦レ級「……っ提督……ゴメン……行かせてくれ……姫を見捨てるようなことはしたくないんだよ……!」

提督『……吹雪ちゃん』

吹雪「は……はい!」

提督『……一人で、どれくらい持ちそうだ?』

吹雪「……レ級さんが帰ってくるまで、この近辺の死守くらいは出来ます、やりきってみせます」

提督『……だ、そうだぞ?ヲ級ちゃん』

空母ヲ級『提督……でもそれじゃ……提督はまた深海の仲間を……』

提督『命に深海も天空もない、俺は空から女の子が降ってきたら受け止める派なんだ』

空母ヲ級『……すまない、もう少しわかりやすく言ってくれ』

提督『助けていいよって事だ、カッコつけてゴメン』

川内『今のセリフはさすがにないね……クサいってかキモかった』

提督『い、言うな!』


空母ヲ級『…………目星はついてるんだろうな』

戦艦レ級「…………あぁ……多分……タイワン棲地だ」

空母ヲ級『…………吹雪を一人にする事になる……何かあったらお前の責任だぞ』

戦艦レ級「……解ってる……でも姫を見殺しにするのは人間で言う親を殺すのと同じだ……」

空母ヲ級『…………』

戦艦レ級「ヲ級……しばらく無線切る、視界も映らねぇようにするから……アタシのことはしばらく忘れてくれ」

空母ヲ級『待てレ級!おい!!』ブツッ

戦艦レ級「…………吹雪、ゴメン……行くよ」

吹雪「……はい……」

戦艦レ級「……すぐ戻る」ザブッ ザブッ ザブンッ

沖縄 町中

タッタッタッタッタ!!

天龍「……こいつは…………」

摩耶「ひでぇ状況だ……生存者が居るのかすら不安になってきやがった……」ザッ

天龍「…………死者は山程いるみてぇだがな…………見境なしに殺し回ってるみてぇだ……」

摩耶「クソが……!!オイ!海軍の艦娘だ!!生きてる奴は返事しろ!!」


……しぃん……


摩耶「…………チッ……聞いちゃいねぇ……」

天龍「………………」

天龍「…………ん……?」

ガラッ

男「……っ……ぐ……」

天龍「おい摩耶!生存者だ!」

摩耶「マジか!おい!あんた!!!!」タタタタッ!

男「…………あんたら……艦娘……か?」ゴフッ

天龍「あぁ……横須賀の天龍だ……他に生存者は居るか?お前だけか?」

男「…………俺だけだ……妻も子供も皆死んだ……あの怪物に食い殺さたんだ……」

天龍「怪物……深海棲艦か!?」

男「そ……ぉ……そんなんじゃない……テレビに出てたあいつらとは全く違う……!怪物だ……!」

男「……艦娘も歯がたたない……!あんたらも逃げろ……!沖縄はもうおしまいだ……!!」

摩耶「…………怪物……?」

男「…………俺は……俺はどこに行けばいいんだ……逃げたい……逃げさせてくれ……!」

天龍「……一人で立てるか?」

男「あ……あぁ……立てる……」

天龍「オイ、無理すんな……待ってろ、今応援呼んでやるからな……」スッ

天龍「……提督、吹雪居るか?……分かった、連れて行く……」

天龍「…………肩貸す、掴まれ」

男「いや……大丈夫だ……一人で歩けるし……隠れ場所なら知ってる」ヨロヨロッ

天龍「お、おい!待てって……!」ダッ

摩耶「……!」ピクッ

摩耶「…………天龍!!」ガシッ グイッ

ドゴォオオオオオンッ!!!

う、ウワァアアアアアアーーーーーーッッ!!!!!!!


天龍「……!!!」

男「い、嫌だ!嫌だ死にたくな」ブチュッ

駆逐イ級(改造)「……………」ズウウウウウンッ!! ズゥウウウウンッ!!!

天龍「…………!!」ギリッ

摩耶「……どーやら……やるしかねぇみたいだ……」ジャキッ

天龍「…………人間を殺しやがったな……俺の目の前で……!!」スラッ チャキッ

摩耶「行くぞ!!フォローは任せろ!!」ドドドドォオオンッ!!!

天龍「楽に死ねると思うな……!人殺し野郎が……!!!」ダダダダッ!! ズバァッ!!

数十秒後

駆逐イ級(改造)「    」 ズゥゥン……


天龍「………クソが……これじゃ死んだ奴も報われねぇよ………」フォンッ ピシャッ スッ……

摩耶「………………」

摩耶「…………」

天龍「…………」

摩耶「……行くぜ、まだ生存者がいるかも知れねぇ」

天龍「おう……!!クソが……死者の数が多すぎる……!」


タッタッタッタッタッタッ 






ビーチ

吹雪「…………レ級さん……」

吹雪「…………」キョロッ

吹雪「…………」ザッザッザッザッ

吹雪(…………ここも一度戦火に巻き込まれたんだ……)カタッ

吹雪(……建物は崩れて……火の手が上がったのかな……少し煙たい……)

吹雪(…………)

川内『……吹雪?』

吹雪「…………犬小屋……崩れてる……」

川内『……戦争は家族の思い出も簡単に潰す……どんな思い出もね……』

吹雪「犬の名前……マメって名前なんだ…………」

川内『……小屋の木が腐ってるってことは、しばらく誰も入ってなかったんだろうね……』

吹雪「……」

川内『それでも大切な思い出……これがこうも簡単に壊されちゃ飼い主も可哀想そうだね……』

吹雪「……えぇ……」

川内『……絶対、この作戦は成功させるよ』

吹雪「……はい……!」

深海 台湾棲地

コポポポッ……ゴボッ

戦艦レ級「……姫!!姫ぇ!!」ドシュゥゥンッ!!

戦艦レ級(……姫!どこに居るんですか!?姫!!姫ぇ!!)

戦艦レ級「テレパシーが届かない……けどここに居るのは確かだ……!」


ドシュゥゥーーンッ!!!

レ級(改造)「ギイァアアアアア!!!!」ブンッ!!

戦艦レ級「…………」ジャキッ ドンッ

レ級(改造)「   」パァンッ!!! グチュチュチュチュ

戦艦レ級「チッ……姫!!レ級です!!深海棲艦のレ級です!!どうか返事を!!!」(深海語)


ゾロゾロゾロゾロッ





戦艦レ級「………………」

レ級(改造)「キキキ……レレレ……レ……」

リ級(改造)「コロス……チギリトル」

重巡ネ級「……戦艦……レ級…………マケイヌカ……」

戦艦レ級「…………てめぇらに用はねぇ……さっさと姫を出せ」

戦艦レ級「……出さねぇなら……ここ一体を破壊し尽くすまで暴れまわってやる……」

重巡ネ級「……コノ改造種ノ数相手ニ戦エルトデモ?」

戦艦レ級「……改造種?ハッ……失敗作の間違いだろ?」

重巡ネ級「……私ニトッテハ貴様ラコソガ失敗作ダトオモウガナ……人間ニ肩入レスルナド……」スッ

ゾロゾロゾロ……


戦艦レ級「……」

重巡ネ級「……フフフ……改造種オヨソ100体ヲ相手ニドレダケ耐エラレルカ……ミセテモラウゾ……」

戦艦レ級「…………深海語すらカタコトの失敗作が集める仲間だ……デフォが弱すぎるのがあたりまえだよな……」

重巡ネ級「…………クク……失敗作ノ策ニ溺レル貴様ノ姿ガ目ニ浮カブ……」

戦艦レ級「夢見る乙女だねぇ……おら、来いよ」

重巡ネ級「…………殺レェ!!!!」


ワァァアアアアアアアア!!!!!!!


戦艦レ級「………………人形共に……慈悲は必要ねぇな」スッ

戦艦レ級「…………全員殺してやる…………!!!」ゴッ……ゴゴゴゴゴゴ!!!!

……あぁ~まっじめんどくせぇ~……寝るよ~?

さぁ、色々始めてもいいかしら!

前浜町 

提督「……いや、だからね……」

佐督『とにかく、こっちはこっちで手一杯なのよ、人員を割く余裕はないわ、悪いけど他を当たって頂戴』

提督「そんな……他に誰を頼れば……!」

佐督『呉にでもすがってなさい、私に構わないで』ブツッ

提督「……全く……」

空母ヲ級「……駄目か……?」

提督「あぁ……横須賀の艦娘を預かってる身で呉さんに頼る訳にはいかない……」

提督「佐世保も舞鶴も駄目……アテになるのは……」スッ ペラッ

提督「…………東日本、東北方面は遠すぎるから駄目……沖縄に近い所は……」カキカキッ シュッ

提督「…………」

川内「……W島……それとラバウル……」


空母ヲ級「…………」


天龍『……っ……ゴミが……!!』ガキィィンッ!!!

空母ヲ級「天龍、先走るな、周りをよく見ろ」

天龍『言われなくても……見てるっての!!』ジャキッ ドドドォンンッ!!!

空母ヲ級「摩耶とともに戦っているということを忘れるな、彼女は今どこにいるか分かっているのか?」

天龍『あいつは……!!』ズバッ

摩耶『っらぁあああ!!!クソがぁああ!!!』ドドドドドドドドッ!!! ドドォンッドドォンッ!!

戦艦レ級(改造)『ギシャアアアアアァアアアアアア!!!!』カカカカカァンッ ユラァッ……!

摩耶『畜生……んの化け物が……!!』シュゥゥゥゥ… グッ

空母ヲ級「摩耶、砲撃を止めるな!」

摩耶『うっせぇ!!撃って死なねぇなら……!!』ブンッ!!!

ドゴッ

戦艦レ級(改造)『ガッ……?』

摩耶『力で押し潰しゃいいんだよ!!首根っこ掴んでへし折りゃだいたい死にやがるんだからよ!!!』ガシッ ミシミシ ベキョッ

戦艦レ級(改造)『…………ベッ……キ……ギェ……』エレエレ

摩耶『ッ……深海棲艦だろうが何だろうが……結局はただの生き物なんだよ……』ポイッ

戦艦レ級(改造)『………………』ドチャッ

摩耶『行くぞ天龍』

天龍『…………』チャキッ

摩耶『……おい、レ級はもう死んでんだ、さっさと奥に行かねぇと!』

天龍『……』フォンッ!!! ドスッ

戦艦レ級『…………ッァ……』ガハッ ビチビチビッッ グシュウウウッ…

天龍『……てめぇは詰めがあめぇんだよ、普通に生きてんじゃねぇか』

摩耶『……あ……』

天龍『……行くぞ、生存者はきっと居るはずだ……』 タッタッタッタッタッ

空母ヲ級「……その先だ、さっきお前たちが戦っている間に何か人影のようなものが動いていた」

天龍『……本当か?』

空母ヲ級「あぁ、深海棲艦のような艤装はつけていなかった……おそらく逃げ惑っている人間だ」

摩耶『……天龍!』

天龍『了解だ、民間人の救助に向かう』

台湾棲地 深海

リ級(改造)「キィアアアア!!!!」ドドドッドオオオンッ!!!

戦艦レ級「……」ドドドオオンッ

リ級(改造)「コロシタ……コロシタァアコロシ……ウ……?」ヨロッ

戦艦レ級「…………」ズブッ グリグリ

リ級(改造)「テ……テテ……手ェ?……オナカ……手ェ……エエェェ……」ゴブフッ…

戦艦レ級「…………」ズッ

リ級(改造)「……ッハァ……」ブシュゥ… プカァ…


戦艦レ級「……」ギロッ

重巡ネ級「……中々ヤルヨウダナ……」

戦艦レ級「……」コキッコキッ

重巡ネ級「……ダガ……コレカラガ本番ダ……今度ハ200体……耐エラレルカナ……?」スッ

ゾロゾロッ

ドォオオンッ!!!! ドゴォオオオオーーンッ!!!!!



カラカラカラッ


戦艦レ級「…………」ガコンッ プシュウウーーッ

重巡ネ級「……」チラッ

重巡ネ級「増援ヲタッタ一発デ全滅カ……貴様ノ力ハ……予想以上ト言ッテオコウカ……」

戦艦レ級「…………ダガ……タトエ100体、200体ノ改造種ヲ倒シタトシテモ…………マダ私ガ残ッッテイr」


ドォォオオオンッ!!!!


戦艦レ級「…………」

重巡ネ級「 」ドチャッ

戦艦レ級「……カタコトのくせにお喋りな奴だ……」クルッ ザッザッザッザ……

戦艦レ級「…………ダガ……タトエ100体、200体ノ改造種ヲ倒シタトシテモ…………マダ私ガ残ッッテイr」

誤字デース!

改造部屋

バァァンッッ!!!

戦艦レ級「姫!!」

タァンッ

戦艦レ級「っ……!!」ガクッ

戦艦レ級「…………」キッ

戦艦棲鬼「…………」チャカッ

戦艦レ級「………………!!ぐっ……!!」ドクッ…ドクッ…

戦艦棲鬼「……ほう……この銃……水中で撃てる上に戦艦レ級まで無様な姿に出来るのか……実に便利だ」

戦艦棲鬼「……私を忘れたとは言わさんぞ?ゴミ処理係さん」

戦艦レ級「…………お頭………てめぇ……!!」グッ


レ級「……姫をどこやった……!!!!」

棲鬼「……聞きたいか?」

レ級「いいから答えろよ……殺すぞ……」

棲鬼「……フッ……いい威勢だ……いいだろう、奥の部屋に居る……行くといい」

レ級「…………!!」ドンッ ダダダッ!!!

棲鬼「……おっとっと……」



バァンッ!!!




戦艦レ級「姫!!」

北方棲姫「…………」ポタッ…ポタッ……

港湾棲姫「…………」

戦艦レ級「…………ひ……姫…………港湾様……北方様…………?」

北方棲姫「…………」

戦艦レ級「……姫…………」ヨロッヨロッ…ヘナッ……

戦艦レ級「あんたら……何内臓出して…吊り下げられてんだよ……はは…………ドッキリにも限度ってもんがあるぜ……脅かし過ぎだっての……」

戦艦レ級「……港湾様もいい演技だな……右目どこ行った?アンタにそんな機能があるとはなぁ……」

戦艦レ級「なぁ……北方様、港湾様……だからさ……また話しかけてくれよ……久々にあんたらのとこに面貸してやったんだからさ……」

戦艦レ級「…………姫……姫ぇ……!!」ガクッ


レ級「……………………」

棲鬼「……気に入ってもらえたかな?まだ改造前だが、いい顔をしているだろう?」

レ級「…………」

棲鬼「……別れを悔やむ必要はない、貴様もすぐに会わせてやる……だがまずは……」チャカッ

レ級「…………っ……」

棲鬼「…………」

レ級「…………っとにこの世は……私を怒らせるのが上手いな…………」

レ級「…………そうかよ……そんなに私を笑わせたくないのかよ……どいつもこいつも私にきつく当たりやがって……!!」ギリギリッ

棲鬼「……そうだな、貴様本当に不運で悲しい存在だ……だから私が救ってやる」

レ級「…………救い、ねぇ…………そうだな……私は誰かに助けて欲しいんだな……」スッ

レ級「吹雪やヲ級助けてたら……自分が助け求めてるってわかんねぇんだよな……」ユラァッ

棲鬼「辛さは自分で見えないものだ、どんな者でもどこかで助けを求めている」

レ級「…………」

棲鬼「辛いだろう、苦しいだろう、心が痛んで……もう耐えられないだろう?」

レ級「……あぁ、辛いし苦しい……」

棲鬼「そうだろう……ならば私と共に来い、貴様を苦しみから救いだしてやろう」

レ級「…………」グッ…

ドゴッ

棲鬼「……ぐ……っはぁ……」ドシャッ

レ級「……育ててくれた恩を返せないってのは……本当に苦しいもんだ……!!」ガシッ……グググッ

棲鬼「っ……このガキ……!!」チャカッ タァンッタァンッ!!

ビスッ ビスッ

レ級「行き場のない私を拾ってくれた親を……!!お前はよくも奪ってくれたな……!!」ブン!! ガスッ!!!

棲鬼「馬鹿な……!直撃の筈だ……何故苦しまない!!っぐぶっ!?」ビチャァッ!!

レ級「……どいつもこいつも……私の大事なもん荒らし回りやがって……!!!」ゴッ ゴスッ!!!

レ級「…………何でだよ……!!何で私を幸せにしてくれねぇんだよ!!!!!」ガッ!!ゴキッ!!!

レ級「心のねぇ改造種を何匹殺しても……!死に誇り持つお前殺して改造種に終止符打っても……!!」

棲鬼「……が……は……あ……がぁ……!!」ポタッポタッ

レ級「……私は…………!!」ググッ…

レ級「…………っクソ……」パッ

棲鬼「………………」ドッ


レ級「やめてくれもう……!……いい加減心から笑わせてくれよ……!!」フルッフルッ…

レ級「……くっ……ぅ…………!!」ポロッポロッ…

レ級「……私はただ……吹雪やヲ級と一緒に……笑ってたいだけなんだよ…………!!!」ジャカッッ

棲鬼「…………貴様ら……が……笑顔…………笑わせて……くれ……る……」

棲鬼「……人を……コロスだけ……の存在……に……心など……いら……ん……」

棲鬼「…………感情……ヲ……許される……のは……我ら……鬼ヤ……姫だけ……だ……」クックックック

棲鬼「………………さぁ殺せ…………我の死の門出に……栄光を……!!」

レ級「…………」ギリッッ!!!

ガシッ…………!! ッグチュッリッグリグリグリッ!!ベチャッッ!!!!

棲鬼「ヒ……ハヒェ……アチャマ……エグレレアケ……」ブシュゥゥ ムクリッ フラッ フラッ ヨロヨロヨロ

レ級「…………誰が殺すかよ……てめぇは一生そのまま生き続けろや……!!!!」

戦艦レ級「……姫……!」タタッ

戦艦レ級「あぁ……ひ、姫……」スッ グッ パキンッ パキンッ

北方棲姫「……」フラッ

港湾棲姫「……」フラッ

戦艦レ級「…………」ダキッ

北方棲姫「…………」

港湾棲姫「…………いたい……」ドサッ

戦艦レ級「……あぁ……すみません港湾様……私…腕二本しか無いから……」フッ

港湾棲姫「…………気をつけて……」ムクリッ

戦艦レ級「…………」チラッ

港湾棲姫「…………」

戦艦レ級「…………」チラッ

港湾棲姫「…………何……?目は治療するから大丈夫……よ……?」

戦艦レ級「え…………いや……何で……?」

港湾棲姫「……」

戦艦レ級「……な、何で……生きてるの……?」

港湾棲姫「………そうね……………戦艦棲鬼も……ツメが甘いわ…………」

戦艦レ級「…………で、でも!!」

港湾棲姫「…………あいつは……?」

戦艦レ級「……脳ミソ半分ちぎってやりました」

港湾棲姫「……そう…………北方は……北方も大丈夫…でも……早いとこ帰るわ…………貸して」

戦艦レ級「は……はい……私も行きます!」スッ

港湾棲姫「だめよ……」

戦艦レ級「!」

港湾棲姫「……あなたは人間の……仲間…………人間を助けなさい……」

戦艦レ級「で……でも……!」

港湾棲姫「……大丈夫……後で北方に伝えとく……あなたは人間を……いい?」

港湾棲姫「フブキって子が待ってるんでしょう?」

戦艦レ級「…………港湾様……」

港湾棲姫「…………レ級……」スッ サラッ

戦艦レ級「……っ……?」

港湾棲姫「…………髪の毛……血が付いてるわよ……サラサラできれいな髪なのに…………」

戦艦レ級「…………港湾様……」

港湾棲姫「……行きなさい、レ級……新しい道を進んでるんでしょう……?私達とは違う道を……」

戦艦レ級「…………はい……!」

港湾棲姫「……話はまた今度会った時に……じゃあ……私は先に」タッ スゥーーッ

戦艦レ級「…………港湾様……凄いんだな…………私も……アタシも行かないと……」スッ ドシュゥウーーンッ!!!

断層付近

ゴポポポポッ


港湾棲姫「…………行った……?」スゥーーッ

港湾棲姫「……テレパシーの範囲……外……それに……ここだったら……ほとんど誰も来ない……」フラッ

港湾棲姫「…………カハッ……っ……」ガハッ

港湾棲姫「…………う……うぅ……!」

港湾棲姫「…………」スゥッ ドサァァ……

北方棲姫「…………」コロッ

港湾棲姫「…………北方……」ダキッ

港湾棲姫「………眠ってたのに……ごめんね……あの子は……行ったから……心配いらない……」ドクドクドクッ

港湾棲姫「…………レ級は……元気だったよ……ヲ級も……きっと……だいじょう……ぶ……」ダキッ サスサスッ

北方棲姫「…………」フラッ フラッ

港湾棲姫「………………じゃあ……寝ようか…………ごめんね……遅くなって…………」スッ

港湾棲姫「…………ごめんね…………遅れて…………一緒に……行こっ…………か…………」

北方棲姫「…………」

港湾棲姫「…………目が……重いな…………………………」

ふぅ……吾輩はちと疲れたぞ……しばらく寝る!
……吹雪の出番がぬぇ

ふぅ……さて、やりますか

吹雪「…………」

ザザーンッ ザザーンッ

吹雪「…………?」

ザブッ ザブッ ザブッ

吹雪「……ついに来た……!!」ジャカッ!!

戦艦レ級「…………」ヨロッヨロッ 

吹雪「……!……レ級さん……!無事で……」

戦艦レ級「……」フラッ ドサッ

吹雪「!!……レ級さん!!」

空母ヲ級『どうした吹雪……な……!?』

吹雪「レ級さん!大丈夫ですか!?レ級さん!!」

戦艦レ級「吹雪……!悪ぃな……遅くなった……深海棲艦は来てないか……?」

吹雪「こっちは大丈夫です……れ……レ級さん……一体何が……!」

戦艦レ級「ってて……何……ただ油断して2~3発貰っただけだ……心配いらねぇよ……っ……」

吹雪「そんな……お腹から血が……」

戦艦レ級「ツバつけときゃ治るって……それより……天龍達はどうなんだ……?」

吹雪「生存者の救出に当っています……ヲ級さん……!」スッ

空母ヲ級『彼女達は戦闘中だ、話しかけるのはやめた方がいい』

吹雪「は……はい……」

戦艦レ級「…………無線……オンにしねぇとな……」ス……カチッ

空母ヲ級『レ級!!』

戦艦レ級「よう、戻ったぜ……クズ共は全員アタシが始末してやったよ……」

空母ヲ級『レ級……大丈夫か……?怪我は……?平気?』

戦艦レ級「アタシは大丈夫……でも……姫は大怪我してて……」

空母ヲ級『…………』

戦艦レ級「港湾様が北方様連れてったが……でも……あの人……」

空母ヲ級『……その事だが……』

戦艦レ級「…………」

ふぅ……危なかった……危うく俺の酉がバレてしまうところだった

これが古い俺だぜ

十数分前 前浜中学校

提督「…………静かになったな……」

空母ヲ級「……そうだな……」

川内「…………」スヤスヤ

川内「…………はっ……」パチッ

空母ヲ級「……川内、眠いなら寝た方がいい……後のことは私がやっておこう」

川内「何っ夜が明けるまで私は大丈夫よ、今のは寝たんじゃなくて長い瞬きなんだから!」

提督「5分近く目瞑ってたけど……それでも瞬きなのか?」

川内「瞬き!提督は早く援軍呼ぶ!」

提督「とは言ってもなぁ……川内ちゃんの候補全部試したけど皆ここと同じ、沖縄防衛に出てるみたいで手を開けられそうにないんだよ……」

川内「うーん……やっぱ呉に……?」

提督「連絡したけど長門さんらも出せる艦娘をほとんど出したらしい……それにやっぱ横須賀の艦娘を援護する事はできないってさ」

川内「あぁもう……そこで妙なプライド見せなくていいじゃん……!」アタマカカエ

空母ヲ級「……厳しいな……何か手があればいいが……」

ブゥーンッ……ズズッ……

提督「……ん?パトカー?」

川内「?」

空母ヲ級「…………あのクルマ……町で暴れた時の……」

バタッ バタムッ

ザッザッザッザッザ

警察「お忙しいところ申し訳ないです、前浜町の提督さんですね?」

提督「え……えぇ……そうですけど…………あ、手帳です」スッ

警察「……あ、どうも……実はあなたに合わせるべき人物……?がいらっしゃって……」

提督「僕にですか…?」

警察「えぇ……最近話題の川底棲艦……にしては大きいし……深海棲艦にしては大人しい子が……」

提督「…………?……?」

警察「噂によると深海棲艦を仲間にしてると聞いていたし……やはりこういうのは軍の……」チラッ

空母ヲ級「あ……空母ヲ級です……」コクリッ

警察「ヒッ……!?」

警察「ととっと……とにかく……その子が道をさまよっていたので保護を……」タタタッ バタッ ザッザッザッ バタムッ

サッ……アルケルカイ…………?

警察「……どうやら言葉を喋れないようでして…………大丈夫かい?」

潜水カ級「……天才ノコノ私ヲ…………グスッ……グスッ……」

空母ヲ級「……カ級……なのか?」

空母ヲ級「カ級……!?オ前……!ナニヲシテイル……!?」

潜水カ級「ヲ級……」ジワァッ

潜水カ級「ヲ級~~……!!会エタ……ヤット会エタァァ~~」ダキッ

空母ヲ級「お……っとっと……何だ……急にどうした……!?」

提督「……ヲ級ちゃんこの子は?……ってか補導されたのか……」

空母ヲ級「私の元仲間……と言うべきか……レ級に引けをとらない馬鹿……と言うべきか……」


空母ヲ級「カ級……ドウシタ……?天才(笑)ノオマエガ私ニ泣キヲ入レルトハ……」

潜水カ級「ソレドコロジャ無イノ……姫ガ……姫ガ断層デ……断層デ死ンデッタッテ……!!」

空母ヲ級「……何……姫が……!?一体どういうことだ!説明しろ!!」

潜水カ級「ヲ級……人語ハ……ワカラナイノヨ……」

空母ヲ級「姫ガ殺サレタダト……!?本当ナノカ……!?レ級ガ助ケニ行ッタンジャナイノカ!!」

空母ヲ級「お得意ノ潜水艦用軍事ブラフ情報(笑)デハナインダナ!?」

潜水カ級「冗談ジャナイワヨ!!拘束サレテ……箱ニ押シ込メラレテマデ冗談言イニクル程無謀ジャナイワ!!」

潜水カ級「断層警備隊ガ……港湾様ト北方様ノ遺体ヲ見ツケタノヨ……スグニ情報ガ来タワ……!!」


空母ヲ級「そ……そんな馬鹿な……じゃあ……あいつは一体……レ級はどうなったんだ……!?」

川内「どうしたの……?」

空母ヲ級「……姫2人が殺されたらしい……恐らくタイワン棲地から逃げ出して……」

川内「え……!?」

提督「姫って……北方棲姫が?……死んだのか?」

警察「ほっぽうせいき……?」

空母ヲ級「……間に合わなかったみたいだ……」


空母ヲ級「……アイツノコトハ……聞イルノカ……?」

潜水カ級「アイツ……アノオ馬鹿サンハ……知ラナイワ……」

空母ヲ級「…………本当ニ……姫ハ……死ンダノカ……?」ジワッ……スゥッ

潜水カ級「……ヲ級……泣イテルノ……?涙ガ……」

空母ヲ級「…………泣イテナイ…………グスッ……」

潜水カ級「……ヲ級…………レ級ト……ヲ級ハ……イツモ姫ニクッツイテタワネ……」

空母ヲ級「…………他ノ仲間ニハ伝エタノカ……?」スンッ

潜水カ級「…………イエ……棲地ニ残ッテル深海棲艦ハ……私ダケダカラ……他ハ皆シズンダワ……」

潜水カ級「水鬼様ニハ伝エタワ……悲シンデタ……港湾様ノオ母様ハ特ニ……」

空母ヲ級「……ソウカ……」キッ

潜水カ級「……世界中ノ改造種ト改造ニ関ワッタ連中ヲ始末スルソウヨ……今スグ動クレベルデネ……」

空母ヲ級「報復行為ダト……ソレデハ奴ラト同ジダ……」ギリッ

潜水カ級「イイエ……アイツラハ姫ヲ殺シタ……反逆行為ニ対スル正当ナ行動ヨ」

空母ヲ級「…………」




提督「……川内ちゃん……ヲ級ちゃんの目……物凄く怒ってるよな……」

川内「うん……何言ってるかはわからないけど……怒りが伝わる……」

川内「……向こうからしたら提督が殺されるようなものだろうね……それも仲間に」

提督「……そりゃキツイな…………」

川内「艦娘側からすれば、喜んでいいのか悲しむべきなのかわかんないけど……」

提督「ここは悲しむべきだと俺は思うな、知り合いの親が死んだんだ……」

川内「……死を悔やむ気持ちに敵も味方もない……ね……」


空母ヲ級「オマエ、コレカラドウスルンダ……?」

潜水カ級「……天才ノコノ私ノ計算デイクト……」

空母ヲ級「潜水艦一の馬鹿が何を言う……」ボソッ

潜水カ級「何カ今人語デ失礼ナコトヲ言ッタワネ……?」ジッ

空母ヲ級「言ッテナイ……デ、何カ策ハアルノカ?」

潜水カ級「無イコトハ無イワ、3ツ程……」

空母ヲ級「……ドウスルツモリダ……?」

潜水カ級「……フフフ……天才ノ私ガ3ツも策ヲ練レル……驚イタカシラ?」

空母ヲ級「……アァオドロイタ、トテモオドロイタ………………怒リノ矛先ガオ前ニ変ワル前ニ言エ」ギロッ

潜水カ級「ハ、ハイ……エット…………1ツ目ハ……コノママ経過ヲ待ツ……」

空母ヲ級「人任セカ……イイ身分ダナ」

潜水カ級「……2ツ目ハ……私ガ姫ノ代ワリヲ……」

空母ヲ級「……アァ……リ級ノ呆レ顔ガ目ニ浮カブ」

潜水カ級「ミ……3ツ目ハ……ソノ…………」

空母ヲ級「ワケノ分カラン事イッタラ……説教ナ……」

潜水カ級「……」

潜水カ級「……ナンデモナイデス……」

空母ヲ級「……ハァ……」


空母ヲ級「……提督……」

提督「……どうした?」

空母ヲ級「この馬鹿、どうすればいいんだ?」

提督「……そうだな…………さすがに深海棲艦を何人も置いておく訳にはいかないし……」

空母ヲ級「…………」

提督「……あ、そうだ……ヲ級ちゃん、この子と少し会話したいんだけど……いいか?」

空母ヲ級「……あ、あぁ……だが提督は深海語……」

提督「通訳を頼みたいんだ……いいか?」

空母ヲ級「ツウヤク……?」

提督「俺が話した言葉を、ヲ級ちゃんがこの子に伝えて、この子が話した言葉をヲ級ちゃんが俺に伝えるんだ、できるか?」

空母ヲ級「なるほど……変換役ということか……中々いいアイデアだな分かった……任せてくれ」

提督「えーっと……君は確か……潜水カ級だったっけ?」

空母ヲ級「…………オ前ハ潜水カ級ダナ?」

潜水カ級「ハ?イキナリ何言ッテルノヨ」

空母ヲ級「当たり前、と言っている」

提督「ふむふむ……まぁ、折り入って頼みがあるんだが……」

空母ヲ級「オ前ミタイナ奴ニ頼ムンダ、感謝シロ」

潜水カ級「ハァ!?コイツソンナ事イッテンノ!?ブッコロサレタイノ!?」

空母ヲ級「貴方様のお頼みならなんでも聞きますわ!と、言っている」

潜水カ級「…………」ウガーーッ!!

提督「……何かすごい怒ってるけど……ちゃんと通訳してる?」

空母ヲ級「……さすがにバレたか……」




※ヲ級通訳


提督「……で……頼みたいことなんだが……」

潜水カ級「何かしら……?人間のあなたが私に頼むことなんか無いはずよ?」

提督「あるんですよね……ヲ級ちゃんの事で……」

潜水カ級「へぇ……まぁ天才のこの私にどうしても頼みたいというなら……話くらいは聞いてやるわよ?」フフンッ

提督「……あ、あぁ……じゃあ、お願いします…………」

潜水カ級「……ヲ級みたいなおばかさん…………」



空母ヲ級「……ホウ……?」

潜水カ級「ア、ナンデモナイデス……」

提督「ど、どうした?」

空母ヲ級「いや、何でもない……続けよう」




潜水カ級「ヲ級に関係すること……何かしら?天才で寛大な私なら聞いてあげなくもないわよ?」

提督「そうか……じゃあ……その好意に甘えて一つだけ……」

潜水カ級「……言いなさい」

提督「…………君にしかできない任務だ」

潜水カ級「……私にだけ……」

潜水カ級「い、いいわ……聞いてあげる……」ワクワクッ

提督「……ありがとう……じゃあ……」

潜水カ級「…………」ワクワクッ

提督「ヲ級ちゃんの手足を生やす処置を……お願いしたいんだ……」

潜水カ級「……!」

空母ヲ級「……提督…私は気長に待つと言ったが……」

提督「これは……勿論ヲ級ちゃんのためでもある、でも一番の目的はレ級ちゃんの心のケアだ」

空母ヲ級「……レ級の……」

提督「……ヲ級ちゃんの手足が無くなって、育ての親を殺されたんじゃ……な……流石に……」

空母ヲ級「…………」

提督「だからせめて今解決できる問題を解決できたらって思って提案したんだ」

提督「……ヲ級ちゃんも棲姫さんを失って辛いだろうけど……助けに行って助けられなくて、
    増して前々からの心に傷を負ってるレ級ちゃんからすれば……今の状況は地獄そのものだ……」

空母ヲ級「……」

空母ヲ級「…………カ級……」

潜水カ級「……天才ノ私ノ計算ニヨルト……今一番辛イノハレ級……ト出テルワネ」

空母ヲ級「……カ級……頼メルカ?」

潜水カ級「……裏切リモノヲ助ケルノハ趣味ジャナイケド……ショウガナイワネ……コンナ時ヨ……」

空母ヲ級「……アリガトウ……」

潜水カ級「……!」

潜水カ級「ベ、ベツニ……オ馬鹿サンニ救イノ手を差シ伸ベルノハ……天才ノシゴトダモノ……当然ヨッ……」

空母ヲ級「……アリガトウ……!」

沖縄 ビーチ

吹雪「亡くなられた……」

戦艦レ級「…………」

戦艦レ級「そっか……港湾様……」フルフルッ

戦艦レ級「港湾様……アタシを心配させないために……場所変えて……!!ヒッ……ぐ……!!」ポロッ……ポロッ……

吹雪「レ級さん……」

戦艦レ級「…………ヲ級……グスッ……」

空母ヲ級『…………』

戦艦レ級「……終わったら……一緒に断層……行こうな…グスッ……手足……治すんだろ……?」

空母ヲ級『……あぁ……』

戦艦レ級「…………っ……ゴメン……ヲ級……一旦……切る…………」グスッ

空母ヲ級『……分かった……終わったら……な……』ブツンッ


戦艦レ級「…………」

吹雪「…………レ級さん……私……少し離れますね……海周りも見張らないと……」

戦艦レ級「……」コクッ

吹雪「じゃあ…………」ザシャァゥッ 






戦艦レ級「…………」ガクッ

戦艦レ級「うぅぅ……く……っ……姫……!!!!」

戦艦レ級「…………北方様……港湾様…………!!!」

戦艦レ級「…………こんなのねぇよ……!!こんなの……現実じゃない……!!」

戦艦レ級「夢だ……夢なんだよ……覚めろよ……覚めろぉ!!!」

戦艦レ級「頼むから覚めてくれよ……ちくしょお!!!!!ちくしょおおおお!!!!!!」



町中 琉球街

空母ヲ級(改造)「ハナシ……ト……チガウ……!コンナ……コンナ……ニンゲン……ツヨク……ブフッ!!」ドゴォッ ドサァッ

???「…………」ガシッ

空母ヲ級(改造)「ウ……ウゥ……アリエナイ……400タイダゾ……ナゼ……カテン……ノダ……」ヨロッ

???「………………」ボキッ

空母ヲ級(改造)「ウ……アシ……ガ…………」ドサァッ

???「……遥……!どこだに居るんだ……」

天龍「……居たぞ!生存者だ」ダッ

摩耶「生きてたのか……やっと追いついた……オイ爺さん!そこでじっとして…………ろ…………」

天龍「………………」ポカーンッ


改造種の亡骸×700「……」ドドーンッ

摩耶「な……な……なんだよ……これ……」

???「お前らも深海棲艦か」

天龍「あぁ?俺達は艦娘だよ、目ぇ見えてんのかてめぇ」

摩耶「お、おい天龍……」

???「…………本物か?」

天龍「見てわかんねぇのか?」

???「…………悪いが、今の俺は女の艦娘とか言う奴だろうと深海棲艦だろうと容赦できねぇ」

摩耶「……?」

天龍「…………」

???「遥はどこだ……!!艦娘ぅ!!!」ゴゥッ ドゴッ

天龍「っ!」メキメキッ

ブワッ ドシャアァアアアッ!!

天龍「っぐ……がはっ……!!」

摩耶「ちょ……え…………」

???「…………」コォォォォ

摩耶「はは……お、おいおい……なんだよあの青いの……人間が出していいオーラじゃねぇよ……」

???「……おい」

摩耶「は、はい!!」

???「お前ら艦娘の中に、遥って子をさらった艦娘はいるか?」

摩耶「は、はるか?し、知りません!そんな人知りません!!」

???「……なら、深海棲艦の中に、艦娘に化けられる奴は居るか?」

摩耶「……え、えぇっと……今……改造種ってのが居て……その中に居るかも…………」

摩耶「そ、そもそも!艦娘はヤクザに手を出しませんし……それに、人をさらうなんてする輩はいま、せん……はい」

???「そうか…………お前らが艦娘なら、俺を救助する必要はねぇ、それと」

摩耶「……」

???「……俺はカタギだ」ザッザッザッ

摩耶「………………は、はい……お疲れ様です…………」

摩耶(……背中にでっけぇ龍背負ったカタギがどこに居るんだよ……)

ふぅ……もう……いっぱいでち…………




桐生

(あれが「艦娘」か……だが、俺が見た「艦娘」とは姿も形も違う……
遥を連れ去った「艦娘」はどこに居るんだ……)





【遥を探せ!!】  ドンドォーン

鬼!悪魔!ちひ◯!ファッキューチッヒ!

ふぅ……さ、始めるか

>>285
鬼「テメェ、なんてこと言いやがる! 俺たちもかなりあくどいが、あそこまで酷くねぇ!!」
悪魔「だいたい俺は、代償の分願いはかなえるだろうが! 訂正しろ! 今すぐ!!」

太平洋 沖縄付近

吹雪「………………」

吹雪「…………ん?」

吹雪「え……え……??」



太平洋沖

戦艦水鬼「…………台湾の棲地は片付けた」

港湾水鬼「……そうか……何も残していないな……?」

戦艦水鬼「勿論だ、お前の娘を殺した奴以外は全て消しておいた、もうあの地には水草も生えん」

港湾水鬼「……感謝する……」

戦艦水鬼「…………」ポイッ ドチャッ


戦艦棲鬼「……ヒヘ……ハハヒェ……」プルプルッ


戦艦水鬼「この屑はお前に任せる…………と言っても……まともに話せるような状態ではないが……」

戦艦水鬼「ま、都合のいいサンドバッグとして可愛がってやるといいさ、性処理道具にする価値もないだろ」

港湾水鬼「…………そうだな…………生かさず殺さずだ……」チラッ

召し使い「は……お呼びでしょうか」

港湾水鬼「……新しい奴隷だ、性処理のおもちゃにするのも良し、ストレス発散に使うのも許可する……だが殺すな」

召し使い「……有難き幸せ……今度は殺さぬよう、気をつけます……」ガシッ グイッ

戦艦棲鬼「……ウ?」

召し使い「……ふっ……上玉ですね…………では」ザブンッ

港湾水鬼「……」

戦艦水鬼「……あの男は……?」

港湾水鬼「私の忠実な執事だ、貴重な男の深海棲艦を他の棲地に渡す訳にも行かないだろう」

戦艦水鬼「……ほう……」

港湾水鬼「…………拷問は得意分野だそうだ……脳ミソがない女でも殺してくれと頼み込むかも知れんな……」ククッ

戦艦水鬼「えげつない女だな」

港湾水鬼「奴ほどではないさ…………さぁ……行くか」スッ


港湾水鬼「……沖縄の改造種を全て始末しろ、だが人間と艦娘には手を出すな、何があってもだ」

戦艦水鬼「……私はどうすればいい?」

港湾水鬼「……好きに暴れろ、目が白く光る種が目印だ、なるべく被害は出すなよ……」

戦艦水鬼「……そうさせてもらおう」スッ

戦艦レ級(flagship)「……分かっています……桐生一馬を仕留める……ですね……」

戦艦水鬼「いや、全然違うから」

戦艦レ級(flagship)「……冗談ですよ、あの鉄拳はもう受けたくないですし……おい!」

ゾロゾロッ

戦艦レ級(flagship)「分かっているな!?目の色が白い奴が目印だ!」

戦艦レ級(flagship)「まずは艦娘が攻撃されている所を狙い、敵意がないことをアピールしろ!白旗を上げても構わん!」

戦艦レ級(flagship)「改造種とそれに関わったもの全てを根絶やしにする!いいな!!行くぞ!!!!」


ドシュゥーンッ!!!!

吹雪「え…………き……来た…………」ジャキッ

吹雪「……改造種じゃない……って……えっと……えっと……!!」

吹雪「しし、司令官!!司令官!!!」

提督『み、見えてる!あれはどう見ても改造種じゃないぞ!!』

吹雪「で、でも!深海棲艦だし……!」

提督『吹雪ちゃんに向かってきてるんだよな!?じゃあ敵だ!撃つんだ!』

吹雪「は、はは……はい!!う、撃ちます……!あたってぇ!!!」ドドォンッ!!!


ヒュゥンッ ドボォン ドボォーンッ


吹雪「は、外し……!!……ひっ!?」

ゴォゥッ!!!!

吹雪「……っっ……」

戦艦レ級(flagship)「…………」

吹雪「!!……ち、近……」

川内『も、目標との距離……0……!ゼロ距離だよ……!提督!!』

提督『ま、まま……待て待て……!!め、目ぇ怖っ!?フラグシップじゃないか!!』

空母ヲ級『……フラグシップのレ級……!?彼女まで来ていたのか……!?』

吹雪「…………っ!!」バッ!!

吹雪「は……離れて!!」ゴスッ!!!

戦艦レ級(flagship)「……」クイッ

戦艦ル級(elite)「……」コクッ


ドシュゥウーーンッ!!!


吹雪「………」

戦艦レ級(flagship)「…………」ゴゴゴッ

吹雪「…………」ジャキッ ドドォンッ!!!

戦艦レ級(flagship)「……」パシパシッ パッ

ポチャッ ポチャッ

吹雪「う……う……!!」

提督『ふ、吹雪ちゃん!逃げたほうがいいって絶対!!』

吹雪「に、逃げられませんよ!!」ドドォンッ!!ドドォンッ!! 

空母ヲ級『吹雪!やめろ!そいつはお前の手に負える相手じゃない!それに……』

吹雪「……だ、駄目です!!ここで仕留めないと!!!!」

戦艦レ級(flagship)「……」スッ バサッ

吹雪「……え……!?」

提督『……し、白旗……?』

戦艦レ級(flagship)「……」クルッ ドシュゥーーーンッ!!!

吹雪「あ……しま……沖縄に……!!!」

川内『待って!吹雪!』

吹雪「川内さん!」

川内『日本軍は白旗上げた奴は攻撃できない……向こうが敵対行動をしない限りね……』

吹雪「で、でも!」

川内『……ヲ級が今カ級に事情を聞いてる、少し待って』

前浜中学校

空母ヲ級「……誰ガ来ルカ……聞イテナカッタノカ……」

潜水カ級「天才モ、ミスヲスルノヨ……」セイザ

空母ヲ級「…………馬鹿カオ前ハ……」

潜水カ級「バ、バカジャナイワ!!天才スギタノヨ!」

空母ヲ級「……ハァ……」

潜水カ級「…………ア、アノ……足ガ……ソノ……」

空母ヲ級「シバラクソノママダ」

潜水カ級「ソ、ソンナ!ムリヨ!アシガイタイノ!!」

提督「…………」

空母ヲ級「……全く……あのバカは……どの深海棲艦が向かうか聞いていなかったそうだ……」

提督「……なるほどね……」

ザザッ ピピーーッ ピピピッピピピッ

提督「……ん?」カチッ

アイオワ『突然すまない!横須賀鎮守府所属!アイオワだ!!』

提督「え、あ、はい…………?」

アイオワ『突然スローター共が沖縄に進路を取り大移動を始めた……何かあったのか!?』

提督「スローター……?」

川内「アメリカではル級をそう呼んでるらしいよ」

提督「マジか…………えっと……少し待って下さい……横須賀さんに繋げますか?」

アイオワ『分かった……繋ごう』カチッ ブツッ

横督『私だ、何か用か』

提督「横須賀さん、少し聞きたいことが……」

横督『下らん質問なら切るぞ』

提督「下らなくはないと思いますけど……」

横督『その言葉がすでに下らん、要件をさっさと言え』

提督「あ、はい……実はさっきレ級のフラグシップと遭遇して……」

横督『……』

提督「し、白旗を上げたんです、レ級が……それで……」

横督『上陸を許したのか』

提督「……も、申し訳ない……」

横督『…………深海棲艦が白旗を上げた……か、改造種ではないのだな?』

提督「それは間違いありません」

横督『……了解した、市民の避難はもうすぐ完了すると天龍から報告を受けている……二丁目、
   貴様らがロクに役に立たん鼻つまみ者だということは承知しているが、支援要請位は自分でやれ
   佐世保の連中を沖縄に向かわせた……私が指揮している』

提督「で、でも……僕が佐世保さんに要請したらきっぱり断られたんですよ……」

横督『常識力の差だな、吹雪に呆れられるほどの屑だ、どうせろくな頼み方をしなかったのだろう』

提督「……俺は普通に頼んだんだけど……」

横督『……とにかくだ、上陸した純粋種共の扱いは貴様とヲ級に任せる、事情は後で聞こう、引き続き作戦を続行しろ』

提督「は……はい……その……呉にも援軍を頼んだほうが」

横督『……君は新米少佐に泣きを入れるほど落ちぶれていたのかな?中佐殿』

提督「……う……」

横督『馬鹿なことを行っていないで作戦に集中しろ、いいな』ブツッ

沖縄 ビーチ

戦艦レ級(……アタシは……どうすりゃいいんだ……)

戦艦レ級(………………心の拠り所が居なくなっちまって……生きてる意味があんのかよ……)

戦艦レ級(…………姫の後を追うか……?)

戦艦レ級(……)

戦艦レ級(……なんてな……死ぬのが怖いアタシが……自分で死ねるわけねぇっての……)

戦艦レ級(…………)

戦艦レ級「……いつまで泣いてんだ……アタシらしく……」ポロッポロッ

戦艦レ級「…………グスッ……うぅ……」グシッグシッ

戦艦レ級「畜生……!!」


ザバッザブッザブッ


戦艦レ級「…………!?」

レ級(flagship)「……」

戦艦レ級「……戦艦水鬼様の……直属…………教官!?なんで……!?」

レ級(flagship)「14番か……ここで何をしている」

戦艦レ級「あ……あなた達こそ……何をしてるんですか……こんな所で……」

レ級(flagship)「……カ級から何も聞かされていないのか?奴らを根絶やしにしに来た」

戦艦レ級「……それは北方様と港湾様の命令ですか……?」

レ級(flagship)「戦艦水鬼様と港湾水鬼様の命令だ」

戦艦レ級「…………」

レ級(flagship)「……お前たち、行け」

ル級(flagship)「……了解、改造種のみを仕留めます」

タ級(elite)「ヘヘッ……久々に地上で戦えんな……暴れてやるぜ!!」

リ級(flagship)「少しは落ち着きなよ、僕は野蛮なことはしたくないんだ」

浮遊要塞「……」ドシュゥー

ザッザッザッザッザッ

レ級(flagship)「…………裏切り者……だったな……何故裏切った」

戦艦レ級「……裏切り者と認定されただけです……私は所詮落ちこぼれですから……」

レ級(flagship)「……そうだな、レ級14番艦と言えば、レ級の中で最も劣る存在として名高い」

戦艦レ級「……」

レ級(flagship)「……あの姫様にそそのかされたのだろう、お前は頭も悪ければ運も悪いな」

戦艦レ級「……処分されるべき存在なんでしょうね……私は」

レ級(flagship)「……本来ならばそうするべきだろう、棲地を消すのに腹に穴を開けるようではレ級の基準以下の深海棲艦となる」

レ級(flagship)「……それに簡単な用事もすぐに忘れ、医学部の受験中にヲ級の答案をカンニングするような不届き者だ」

戦艦レ級「あ……やっぱりバレてたんですか……あれ……」

レ級(flagship)「ヲ級が感づいてこっそり伝えてくれなければ一生気づくことはなかっただろうがな……油断も隙もない奴だ、お前は」

戦艦レ級「ヲ級め……って、でも……それはそれとして、何で私を解体しないんですか?」

レ級(flagship)「……それは秘密だ、何にせよ私達はお前を殺したり沈めたりすることはない、安心しろ」コツンッ

ザッザッザッ

戦艦レ級「……教官……!待って!!姫は報復なんて……!!それに今行ったら人間達が……!!」

レ級(flagship)「……人間に対する被害は最小限に抑える、心配するな」

戦艦レ級「…………最小限でも……駄目なんですよ!!!!」グッ 

戦艦レ級「……でぁああ!!!!」ブンッ!!

ガブッ ブチブチッ

戦艦レ級「ぐ!?……か……はっ……!」ドッ

レ級(flagship)「お前をこれ以上傷つける真似はしたくない、退け」

レ級(flagship)「今度私に殴りかかるような真似をしてしまった場合……脇腹で済ませられなくなる」ギッ

戦艦レ級「…………ぐっ……うぅ……」

レ級(flagship)「……行け、そしてあの艦娘と共に前浜に帰投しろ!」

戦艦レ級「…………っ……ぐ……っはぁ……はぁ……!ぐぅ……!!ま……待って下さい……!!」ドクッドクッ

レ級(flagship)「……」ザッザッザッ

戦艦レ級「…………う……ぐぅう……!!!」

戦艦レ級(畜生……)





町中

パキィーーンッ!!

天龍「……チッ…………うぉらあああ!!!」ドゴォッ!!

イ級(改造)「  」メキャッ

天龍「摩耶!!弾!!」バッ!!

摩耶「そらよ!!」ジャラッ!!

天龍「サンキュ!!」カチッ ジャラララララララッ!! ジャカコンッ

天龍「喰らえやッ!!」ドドドォンッ!! ドドドドォンッ!!!


ドカァーンッ!! 


天龍「全部か!?」

摩耶「あぁ!行くぜ!!」


ゴォゥッ!!!

天龍「!」

摩耶「今のは……レ級か!?」

天龍「違う……アイツじゃねぇ!!フラグシップだ!」

摩耶「んだと!?」

天龍「急げ!あいつらが街で暴れちゃ人間なんて即全滅だぞ!!ちゃっちゃと逃げ遅れた奴探して……」

ドゴオオオオオンッ!!!

摩耶「…………!?天龍……あれ見ろ!!」

天龍「あぁ!?」



ヒュゥウウゥゥゥ…

レ級(flagship)「…………腕が2本しか無いのは……不便だな」ギリギリギリギリギリ グチャァッ

ル級(改造)「   」


天龍「……仲間割れ……か?」

レ級(flagship)「……」バサッ

摩耶「……白旗……?敵意はないのか?」

天龍「……信用できるかよ……」グッ

天龍「……」スッ

天龍「提督……クソッ……無線機がイカれてやがる……」

摩耶「アタシが聞く……提督……レ級のフラグシップだ!」

提督『わかってる!クソ……レ級ちゃんの様子がわからない……無線は通じてるけど……』

提督『摩耶さん、多分そのレ級は水鬼……あぁそうだ……一から説明しないと……』

摩耶「そんな時間はねぇ!!」

提督『なら簡単に言うぞ!そいつは味方だ!人間に手出ししないタイプだと思う!』

提督『けど、万一のことがある……言葉は通じないだろうけどそいつと協力して改造種の撃破と生存者の救助を続けてくれ!』

摩耶「……信用できんのか?」

提督『接触してみないとわからないな……何にせよ向こうも改造種に恨みがあるみたいだ……』

摩耶「……味方か……分かった……コンタクト取ってみる」

天龍「…………で?」

摩耶「味方だとさ……行くぞ」

天龍「……ったく……あれのどこが……」

レ級(flagship)「……」ザッザッザッザッ

摩耶「……来やがった……」ジャキッ

天龍「……」ジャキッ

レ級(flagship)「……」ギロッ

摩耶「…………目がやべぇな……殺意全開じゃねぇか……」

天龍「…………言葉が通じそうな相手じゃねぇな……」

摩耶「うちのレ級とは大違いだ……アイツの目はどっちかって言うと人間に近い目つきだかんな……」

天龍「俺からすりゃどっちも変わんねぇよ……」


ドゴオオオオオンッ!!!


タ級(改造)「ギイアアアアアアアアアアアア!!!!!!」ゴオオオオオオッッ!!!


レ級(flagship)「……」ジロッ

天龍「……新手か……摩耶!」

摩耶「おう」

天龍「お前は奥に行け、多分向こうは避難所……磯波がいるかも知れねぇ!」

摩耶「……」

天龍「アイツと避難民助けたら一緒に海に突っ走れ!!いいな!?」

摩耶「お前は!?」

天龍「俺か?」

レ級(flagship)「……」チラッ

天龍「……コイツと一緒に……おいしいとこを取らせてもらう……ついでにコイツが信用できるか確かめねぇとな……」クイッ

レ級(flagship)「……」コクッ

摩耶「そうかい、下手打つんじゃねぇぞ!!」タッタッタッタッタッ

天龍「俺が打つかよ」

天龍「…………」

天龍「……さぁって……やるか……」チラッ

レ級(flagship)「……」グッ

天龍「……ぶっ殺してやらぁあ!!!!」ドドドドォオンッ!! 


タ級(改造)「ガアアアアアア!!!!」ドッドドドカァーンッ!!


レ級(flagship)「…………キキッ……」フワッ シュウーーンッ!!! ピタッ

タ級(改造)「ギッ!!」

レ級(flagship)「…………」ガシッ ブチィッ

タ級(改造)「……!」

天龍「……へぇ……首千切りたぁ分かってるじゃねぇか……」

レ級(flagship)「…………」ポイッ 

タ級(改造)「カ……」コロコロッ

レ級(flagship)「……」ニヤッ

天龍「……フッ……いいねぇお前、気に入った」フミッ

天龍「今は仲間としてお前と一緒にやってやるよ」グググッ

タ級(改造)「ガッ……ア……アガアアァアアーーーッ!!!!!!」


グシャァッ








避難所


摩耶「磯波!!無事か!!」バァンッ!!

磯波「……!あなたは……横須賀の……」

摩耶「避難民は!?」

磯波「……他の人はみんな……残ってるのはこの子だけで……」

摩耶「……そうか……大丈夫か?」

男の子「……うん……」

摩耶「そうか……よく頑張ったな……えらいぞ……」ポンポンッ

磯波「……それと……外でおじいさんが……」

摩耶「あの爺さんは大丈夫だ…………とにかく脱出すんぞ、深海棲艦の普通の種まで来やがった……」

摩耶「それにあの戦闘狂までノリだしやがって…………」スッ

摩耶「吹雪!磯波と小さい男の子を救出した!来れるか!?」

吹雪『摩耶さん!れきゅ……え!?……磯波ちゃんが!?は、はい!でもレ級さんが……』

摩耶「レ級!?どうした!?」

吹雪『……口では説明が……とにかく誰か治療できる人を……!ヲ級さんでも無理で……』

摩耶「あぁ……もう!畜生が!分かった!こっちから横須賀の奴呼ぶから!お前はとにかく沖縄の反対側で待機してろ!
    曳航ベルト持ってんな!?艤装に突っ込んどいたはずだ!!」

吹雪『は、はい……!持ってます!その……レ級さんの救出も早くお願いします!血が吹き出て……!』

摩耶「あぁ分かった!そっちは横須賀に任せて早く来い!!」


摩耶「クソが……!何でこう悪いことが重なるんだよ……」チッ

ちょっとだけ……おやすみしますっ

もうすぐ始めたい

提督「…………お、おいおい……」アワアワ

空母ヲ級「レ級!レ級!返事しろ馬鹿!おい!!」

吹雪『司令官……』

提督「……吹雪ちゃんは摩耶さんの言うとおりその場から離れて民間人を頼む」

吹雪『……はい……司令官……レ級さんを……』

提督「今、明石さんの艦隊がレ級ちゃんのところに向かってる、安心してくれ」

吹雪『…………』

提督「……って言っても無理か……とにかく今は摩耶さんの所に向かうんだ……いいな?」

吹雪『……はい』

提督「ついたら連絡してくれ……じゃあ」ブツッ

提督「…………ヲ級ちゃん、レ級ちゃんは……?」

空母ヲ級「ダメだ……意識はあるがまともに喋れる状況じゃない……さっきから呻き声ばかりだ……」

提督「……レ級ちゃん、あのフラグシップと話してたけど……あれは一体……?」

空母ヲ級「彼女は戦艦レ級3番艦、深海棲艦の教育係として深海の中では有名なレ級だ……」

提督「……きょ、教育係?」

空母ヲ級「そうだ、マリアナ大棲地に存在する教育機関の戦闘講師でもあり、一定以上の頭脳を持つ深海棲艦が」

提督「…………??」

空母ヲ級「……あー……まぁ一言で言うと偉い先生だ、マリアナの最深部で深海棲艦を教えている」

提督「マリアナって……確か……」

空母ヲ級「人間で言う首都のようなものだ、私とレ級はそこの教育施設で勉強していた」

提督「ほぉ……確か地球上で一番深い場所だったっけ?」

空母ヲ級「そうだな、今のところマリアナ大棲地が最も深い深海となっている」

空母ヲ級「……話を戻すが、あのレ級には近づかない方がいい……」

提督「…………マジ?」

空母ヲ級「……あぁ、彼女は人格者だが、本気を出した時の実力は水鬼様が束になっても敵わないと聞く」

空母ヲ級「……生半可な艦娘では睨まれるだけで失禁するそうだ……嘘か本当かは知らんがな」

提督(失禁……ほう……)

提督「…………ということは……」ユビサシ

空母ヲ級「?」

提督「天龍さんは生半可じゃないってことだな……」

空母ヲ級「……な!?」


町中

天龍「天龍様のお通りだぁ!!てめぇら道開けやがれぇえええ!!!」ドドッドドドドドォオオンッ!!!!

レ級(flagship)「ククッ…………ハァァーーッハッハッハッハッハ!!!」ゥォオンッ ドドオオオオゥッ!!!

天龍「…………」ニヤッ

レ級(flagship)「……」ククッ


前浜中学校

提督「……俺の見間違いかもしれないけど……あのレ級の砲撃って……」

空母ヲ級「……見間違いではない、霧の技術をコピーし、ダウングレードしたものだ」

提督「…………超重力砲?」

空母ヲ級「……」コクッ

提督「……確かに敵に回したくない相手だな……化け物じみてる……」ハハハ

ウラァァァーーーッッ!!!! ドオオオーンッ!!!

提督「…………ほぇー……アレ首引きちぎってんのかぁ……」



川内「……提督!これ見て!」カチャッ

提督「?」

川内「天龍とレ級のフラグシップが戦闘してる琉球街以外にも改造種の反応が消失してる場所がある!」

提督「援護が来たの?」

川内「それが……摩耶さんの電探じゃ感知できない艦種みたいで……天龍さんの電探でも感知できてない……」

提督「……?……??」

川内「…………く……どうなってんの……!」

提督「……んまぁ……改造種が駆除されてるのはいいことなんじゃないの……?」

川内「でも、もし純粋種の深海棲艦が暴れてたら……!」

提督「……あ、そりゃ駄目だな……近くに艦娘は……」

ピピッ ピーッピーッピーッ

吹雪『司令官!』

提督「ついた?」チラッ

吹雪『はい……で、でも……!』

提督「……うげ……マジか……」

吹雪『……えぇ……』



沖縄 東シナ海側


吹雪「見ての通りです……太平洋側は片付いても……」ジャキッ

提督『こっちはまだまだおかわりいっぱいか……きちぃな畜生……』ポリッポリッ

吹雪「……私がやります……」

提督『ばっきゃろう、一人でやらせるわけ無いだろ』

吹雪「……」

提督『……とはいえ、こっちもカツカツなんだよな……』

吹雪「……分かっています、摩耶山と天龍さんは街の皆を助けることに精一杯……」

吹雪「レ級さんは怪我をして戦闘続行ができない……他の艦娘たちは皆頑張ってる……」

吹雪「……私がやらなきゃ……」ガコッ カチッカチッ

提督『…………』

吹雪「初弾は絶対に当てる……怯んだ所で残りを魚雷で…………」

吹雪「…………っ…………」ドクッドクッ

川内『吹雪の心拍数が……提督!』

提督『……』

吹雪「はぁ……はぁ……!っっく……はぁっ……!!」

吹雪(沈む……殺される……!でも……でもやらないと……!)

吹雪「…………」

イ級(改造)「…………」キッ

吹雪「ひっ!!!う……うぁあああぁああああ!!!」ドドォオオンッ!!!

イ級(改造)「……」ドドッ ドカァーンッ

吹雪「っ……撃破できず……!!」ドドォンッ ドドォンッ!!

イ級(改造)「……!!」ドカァーンッ ドカァーンッ

イ級(改造)「……グァァ!!!!」カコォンッ ズドォーーーンッ!!!!


ゴォオオオォォォッ!!!

吹雪「…………!?」

吹雪(このコース……避けられない……!で、でも……体で受け止めたら……私は確実に……)

吹雪「………………はっ……」

吹雪(……白雪ちゃんは私の砲撃をあの距離で弾き返してた……!私だって……あの動きは真似できた……!!)

吹雪「……」グッ

吹雪「だぁっ……っぅう!!」ガアァンッ!!!

吹雪「……っううぁああ!!!」ブゥンッ!!

ドボォオーーンッ!!!

吹雪「…………っ……ふっ……ふぅ……っく……」ジンジンッ

吹雪「…………わ……私だって……駆逐艦なんだから……!!」ギッ

イ級(改造)「…………」

吹雪「あなた達なんかに負けるわけには……負けるわけにはぁ!!!」ドドォンッ!!!

イ級(改造)「…………!!」カコン ドォンッ!!! ドドォンッ 

チ級(改造)「……」ガコッ スコォンッ スコォンッ 


吹雪「…………大丈夫……全部見えてる……右から……まっすぐ……!」 ザシャゥッ ザシャゥウッ!!

イ級(改造)「…………!?」

吹雪「抜けた……!このまま中央を!!」キィィッ…ドシュゥウーーンッ!!!

吹雪(脱錨……ッ!!右脚部付け替え……!!)ガキィンッ

吹雪「司令官!!左脚部魚雷!!遅延信管換装!!!」

提督『……え?えっと……これか換装……えっと魚雷、左脚部……遅延信管、あった!』ポチッ

ガコォンッ ドボッドボンッ ドボンッ  グィーーンッガコンッ

吹雪「……変わりました!!行きます!!」 ドドンッ ドドォンッドドォンッ!!

イ級(改造)「ッグァ……!!!」ドドォーンッ ドドーンッ!! ドカァーンッ!!!

提督『敵が煙で……!』

吹雪「…………」ドシュゥーーーンッ!!!

吹雪「……回り込めた……!!投錨!!!」ドボォオーンッ!!

吹雪「左脚部推力全開!!」ドヒュゥーーンッ!!

吹雪「……ッ」スッ カコッ… グッ!!

吹雪「魚雷……発射ぁ!!!!」ブンッ!!!! バキィィッ!! メキメキメキッッ!!!


吹雪「っ!!」ドシュゥーンッ

イ級(改造)「   」バチバチバチッ ドシャァァッ

吹雪「……喰らって!!」ドドォンッ 

ドボォオーーーーーンッ!!!!!!

吹雪「…………はぁっ……はぁっ…………」ガクッ

チ級(改造)「……」ググッ

吹雪「っ……」ジャキッ ドドォンッ!!

チ級(改造)「……」カカァンッ

吹雪「……!?」

チ級(改造)「……」スコココココォンッ ドプンッ 

スゥーーーッ

吹雪「魚雷…………!大丈夫……回避できる!!」

ドシュゥゥゥーーッ!!

吹雪「……回避成こ……!?」

チ級(改造)「…………」ニヤリッ

吹雪「し、しま……近……!!」

ドゴッ!!!

吹雪「ぐっ!?」ブワッ 

チ級(改造)「…………」ジャキッ ドドドドォンッ!!!

吹雪「ぐ……ぁ……!!」ビスッ チュゥンッ ドシュッ!!!

提督『ふ、吹雪ちゃん!?ちょ……やば……!!』

川内『吹雪!!』

吹雪「……が……ぐ……う……!!!」ドロッ

吹雪「ち……血が…………か、肩が上がらない……!?」

吹雪「あ、足が……膝に弾が……!!う……うぅ……!」

吹雪「…………」

チ級(改造)「……コロセバ……イイ……ラク……」ジャキッ

吹雪「………………し、死ぬの……?私……嫌……嫌だよ……死にたくない……!!」

チ級(改造)「……サヨナラ、カンムス」

吹雪「い……嫌ぁ!!やだああ!!!!」

提督『…………!!』


キィイイイイイーーーーーーンッ!!!!!! ズドォーーンッッ!!!!!


チ級(改造)「…………!?」ブチィッ ボチャッ

あきつ丸「……吹雪殿!ご無事で!?」ザシャゥッ

吹雪「え……た、助かった……?あ、あなたは……!?」

あきつ丸「説明は後であります……!まずは貴艦を明石さんの元へ……!」

桜花隊『戦闘機桜花、第二次攻撃開始、各機突入後装甲を破棄、機銃掃射に当たれ』

あきつ丸「了解、東シナ海の改造種を一掃せよ、攻撃後はそのまま帰還だ、残りは艤装特務兵が片付ける」

桜花隊『了解、各機突入!!』

あきつ丸「さぁ、肩を貸すであります……提督殿!」

提督『……助かった……?あ、あなたは……』

あきつ丸「後乃木市騒ぎ以来であります、提督殿の愛人は自分、あきつ丸が保護したであります!」

あきつ丸「東シナ海の深海棲艦改造種の撃破、及び艦娘、民間人の保護は我ら陸軍が引き受けるであります!ご安心を!」

提督『……は、はい……あなたは……どこの指示で?』

あきつ丸「陸軍将校、村上 仁元帥の指示により参ったであります!」

提督『……むらかみ……じん……?』

横須賀鎮守府

横督「……」

叢雲「……で?どうだったの?久々の会話は」

横督「どうもこうもない、実に不愉快な会話だった」

叢雲「…………にしてもまぁ、血は繋がるって言うけど……アンタと将校さんはどういう関係なのよ」

横督「親子ではない」

叢雲「でも苗字は同じでしょ?」

横督「……妙な詮索を続けていると身を滅ぼすぞ」

叢雲「……なら、やめとくわ……でも気になるわね……」スタスタッ

叢雲「15年も深海棲艦と戦っている提督と歴戦の猛者、陸軍将校の関係……調べてみれば面白いかもしれないわね」

横督「好きにしろ、だが私に聞くような真似はするな」

叢雲「はいはい……で?沖縄防衛は成功しそうなの?」

横督「馬鹿共が潰し合ってくれているようだ、もうすぐ収まる」

叢雲「そ……深海棲艦の純粋種はどうするの?」

横督「二丁目に任せる、私は当事者ではないからな」

叢雲「……随分評価してるのね、アイツに何か思い入れでもあるの?」

横督「都合のいい駒を都合よく使っているだけだ、別に深い思い入れはない」

叢雲「……ふぅーん……」

横督「…………何だ……」

叢雲「いや?そういえばアンタ、呉の艦娘を一人今回の作戦に連れ出したっけ?」

横督「……加賀の航空支援は純粋に役に立つ、それがどうした」

叢雲「いや?長門さんに借りを作ってまでやることかなーって思ってね」

横督「…………何が言いたい」

叢雲「アンタ、アイツに期待してんじゃないの?」フフッ

横督「無能も使いようによっては都合良く使うことが出来る、それだけだ」

叢雲「……ま、そういうことにしとくわ、何かあったらまた来るわね」ガチャッ バタンッ




横督「…………まさか奴まで駆り出すハメになるとはな……陸軍に借りを作るのは気が進まん……」

横督「…………」フゥ

吹雪「…………う……ぐ……」

あきつ丸「…………」

提督『…………吹雪ちゃん……』

吹雪「……し……しれ……いかん…………」

提督『……吹雪ちゃん!大丈夫か?』

吹雪「…………はぃ……大丈夫……です…………」

提督『……全く……心配させてくれるな、肝が冷えて風邪引く所だったぞ……』

吹雪「……ごめん……なさい……」

提督『まぁ……でも無事で良かった……』

吹雪「…………でもまだ……艦娘としては……未熟です……ごめんなさい……」

提督『そんなこと無い、何度も言ってるだろ?俺を助けてくれるだけで十分立派な艦娘だって』

吹雪「…………」

提督『……それよりも早く体を治さないとな……痛くないか?』

吹雪「……大丈夫です……」

提督『……そうか……』

吹雪「…………司令官…………」

提督『……?』

吹雪「……心配してくれて……ありがとう…………嬉しいよ……」

提督『……ん……あ……あぁ……』


あきつ丸(これが海軍同士の恋の信号……くぅ……ニクいでありますっ)

あきつ丸(こんな純愛を魅せつけれられては自分……どの立ち位置で声をかければわからなくなってしまう)

あきつ丸(二丁目の深海棲艦との愛はどうなったのか……あぁもう……この鎮守府は頭がこんがらがるであります!)キャーッ!


吹雪「……あきつ丸さん……?」

あきつ丸「ん!なんだろうか!?自分、こう見えても恋愛小説には詳しいので恋心の打ち明け方に関しては何でも相談に乗るであります!」

吹雪「…………その……明石さんの所にもう着いてるんですけ」

あきつ丸「自分的には吹雪氏の言葉遣いは硬すぎるように思われる……そこで一風変わった呼び名を……」

吹雪「いや……あの……」

あきつ丸「む……そのかしこまり方は良くない……それでは提督殿に思いは伝わらないのであります」

あきつ丸「吹雪氏の様な女子を提督殿は好んでいるとすれば……やはりこう……」

あきつ丸「司令官……私……やっぱり司令官のことが好きなんです……だから!ッて感じで……」

あきつ丸「思いを伝える時は照れ気味ながらも抑えている気持ちを放出する……これで提督殿はイチコロであります!
      そしてそこから伝えられる提督殿の本音に歓喜するか絶望するか……そこが愛の狙い目……一番のクライマックス!
      歓喜の場合はそのままベッドに……絶望の場合は無理やりベッド……」

あきつ丸「そこから先は……あぁ……これ以上は言わせないでほしいでありますぅ……!」ヤーンッ

吹雪「…………あ、あの……」

明石「……どっちを治せばいいの?」ジトーッ

戦艦レ級「……多分……黒い服着てる方だと思うけど……」

沖縄 東シナ海方面

摩耶「磯波……平気か?」

磯波「……は、はい……」

摩耶「さっき吹雪が被弾した……こっから先は陸軍が数減らしたとはいえかなり強引に進むことになる……いけるか?」

磯波「……」コクッ

磯波「その……吹雪姉さんは……」

摩耶「大丈夫だ……アイツは無事らしい……それに今はアイツより心配するべき奴が居るだろ?」

磯波「……」

男の子「……お姉ちゃん……大丈夫……?」

磯波「……大丈夫……心配しないで……」ナデッ

男の子「…………うん……僕……頑張るから……」

磯波「…………」コクッ

摩耶「……いいな?行くぜ……磯波!アタシの後ろに隠れてな!子供離すなよ!!」ザッ バッ ザシャゥッ!!

磯波「は……はい!!……ぅ……が、頑張ります!!」





数時間後

チュンッ チュチュンッ チュンッ


空母ヲ級「…………」

川内「…………反応なし……けど、陸軍はまだ改造種……」

ピピピーーッピピッピリッピピーッ

川内「…………戦闘終了……圧勝、改造種は全て残らず排除された……」

川内「……だって!!」

提督「………………終了……?」

川内「うん、終わったよ……!」

空母ヲ級「…………」

提督「…………お……終わったのか……天龍さんは……?天龍さん!」カチッ

天龍『…………!……える…か…!?』ザザッ……ザザーッ

提督「………………天龍さん!?」

天龍『……』ザザッザッ! ギュィ

天龍『よし……直った…………こっちは片付いた、他はどうなってんだ?電探やらなんやら全部落ちちまったんだよ、眼帯も切れるし』

提督「よくそれで戦えたな……大丈夫だ、陸軍の到着で思いの外スムーズに終わったんだよ」

天龍『陸軍……?あぁ……だから飛燕やらが飛んでんのか……そうか……じゃあこれで帰れるってことか……ふぅ……』

提督「……あぁ……そうだな……損傷や怪我はないか?」

天龍『あぁ、手が青くなっただけだ……ったく……だから素手は嫌いなんだよ』ピッピッ

天龍『……摩耶は?』

提督「子供を連れて……佐世保だなこれ……佐世保に行ってるみたいだ、磯波ちゃんも一緒にいる」

天龍『……そーかい……吹雪とレ級は……?』

提督「被弾して横須賀で治療中だ……だから天龍さんたちもまっすぐ横須賀に向かってくれ、
    深海棲艦達はヲ級ちゃんとコンタクトをとる」

天龍『…………分かった……じゃあ後でな、吹雪らの見舞いは俺が行っとくわ』ブツッ

提督「……分かった……ヲ級ちゃん、通訳頼むぞ」

空母ヲ級「あぁ」

あーマジで死ぬー……死ぬほど寝かせてぇ…………

戦闘シーンとか書いてるやつしかわかんねぇだろこれ……

>>364
まぁなんだ、書いてる奴もよく分かってない
次は気をつける

やっべ、おもむろに布団はいったら普通に寝てた
さすがに今日は本編無理だから何か設定垂れ流して今日は寝るのじゃ

ある日

提督「ふぅー……」ガララッ ガララッピシャッ

提督「ただい……って油臭っ!?」

吹雪「おかえりなさい、すみません……ちょっと艤装の整備をしてて……」カチャカチャッ シューッ

提督「整備?また何かあったの?」

吹雪「えぇ……また弾詰りが起きちゃって……」

提督「マジか……ほんとにデリケートなんだなコレ……」ガチャコンッ

吹雪「えぇ、本来なら3日1回くらい整備しないといけないものですし」カチャッ キリッキリッ

提督「ふぅん……まぁ普段殆ど使わないものだしなぁ…………ん?」チラッ

提督「……なんだこれ」ペラッ

吹雪「私について書かれた冊子です、読みますか?」

提督「……まぁ読んどこうかな……」ペラッペラッ

吹雪「あとで返してくださいね?あと……艤体のページは絶対に開かないようにして下さい」

提督「艤体…………裸でも載ってるの?」

吹雪「…………見たら本当に怒りますから」

提督「大丈夫大丈夫、見てもそんな気にしないから」

吹雪「私が気にするんです!絶対に開かないでくださいね!」

提督「う……わ、分かったよ」ペラッ

艦名

・DD-01-01 (FG-DD-01-01)

・艦娘特I型駆逐艦一番艦 『吹雪』 


建造
・舞鶴鎮守府海軍工廠

所属
・前浜町二丁目鎮守府

主な参加作戦

・沖縄防衛戦 途中撤退





武装

・艦娘用12.7cm50口径2連装砲

・脚部61cm三連装魚雷x2

・艤装内臓機銃

・艦娘用防護障壁発生装置



基本性能

・身長 148cm
・体重 41.8kg

艤装装備時
・出力 810馬力
・速力 195ノット
・重量 190kg(フル装備時250kg)
・握力 1540kg
・パンチ力 1600kg
・キック力 2054kg



前浜町ニ丁目鎮守府に所属する唯一の艦娘。
基本的な性能は叢雲を除く他の駆逐艦と大差ないが、心的ハンデが酷く、実戦での経験が殆ど無い。
演習時の戦闘力は、横須賀鎮守府の軽巡『龍田』の格闘術を駆使し、非常にトリッキーな動きを見せる。

基本的に回避運動が得意で、演習時は機銃弾を目視のみですり抜け、後ろを振り向くこと無く後進が可能。
不知火が編み出した「超新水旋回(アンカー・ターン)」を行う所を目撃した者もいる。

しかし戦闘で役に立っている所は見られない、そもそも戦闘自体に参加することが無い。

性格は非常に真面目で純粋な性格をしている、基本的に誰かの言うことにはしっかり従うが、
初雪など不真面目な者に対しては非常に厳しく叱る所がある。
不真面目な性格が治らない場合は、かなり辛辣な言葉を叩きつけるそうだ(深雪、二丁目提督の報告)

建造当時から特別な趣味を持たない彼女だが、それ故に何かに打ち込むと止まらなくなる恐れがある。
打ち込むものを見つけた時のこだわりのせいで日常生活に何らかの支障が出る可能性がある。

身体的特徴はほぼ無いに等しい、強いていうならば胸が小さく、後ろ髪を小さく結んでいる所、
8月21日現在、そろそろ散髪するべきじゃないかと思っている。結んでいる髪がポニーテールになってきた(二丁目提督の日記より)

真面目な性格だが、慌てるととんでも無い事をしでかすことがある(二丁目ry)

よくスカートがめくれるが、本人はあまり自覚していない。羞恥心がないわけではないみたいだが・・・。(二丁ry)

写真に比べて上着は結構長い、ジャンプするとお腹が見えるが、日常生活でジャンプすることはまず無い。
へそチラはあまり期待しない方がいい。


何だかんだ言ってかわいい

艦娘用12.7cm50口径2連装砲

吹雪のメインウェポン的存在、よく弾詰まりを起こすが欠陥品ではない。
艦娘用艦砲弾、通称をFG弾の弾帯を内蔵している、言えば内臓ベルト給弾。
装填方法は航空機の機銃弾と同じでリンク接続されたベルトを給弾部に取り付け、小さなクランクでジャララっとやる。

整備方法は側面部の留め具を外すと上部を取り外すことが出来る。他の側面部分のネジを外すと簡単に全部分解できる。
分解は市販のボックスドライバーで可能。ホームセンター「ほむほむ」では常連客に艤装分解キットを売ってくれる(210円)。

照準器はあるが、見にくいので殆ど使わない。


脚部61cm三連装魚雷x2

太ももに取り付ける前後に回転する魚雷発射管。
直接撃つことはほとんど無く、自分で持って相手に叩きつける事がほとんど。

取り付け方は太ももに革製のベルトを巻きつけて止めるだけ、だがかなり重い。
ベルトは吹雪用の長さに調整されているがそれでもかなりキツく、ベルトを外すと跡がしばらく残るらしい。

ベルトの外側は魚雷の金属と同じ素材なので、冬場はしもやけが心配


艤装内臓機銃

背中の艤装に内蔵されている機銃、精度はかなりいい。


艦娘用防護障壁発生装置

同じように背中に内蔵されている障壁発生装置。
時に格闘用、時に防御用で活躍する偉い子。だが防御用として機能するのは駆逐艦用では精々軽巡の砲撃一発程度。
それ以降は普通に体を貫通する。爆発も同じように1発くらいは防げるが、衝撃は完全に防げない。
二発目以降は体の何処かが吹き飛ぶ事を覚悟した方がいい。3発目は……

格闘時は拳や足に展開して殴る。すのパンチ力と障壁の拒絶能力で2~3倍程度パンチ、キック力がアップする……らしい。

また何か思いついたら時々書くかも、
スーパー二度寝タイム

提督「48……これは確定だな、で……44……いや……3か?んで、50だ」

吹雪「あの……そんなにジロジロ見て何を……」

提督「……」ポンポンッ

吹雪「?」

提督「吹雪ちゃん、ブラはしてるんだよな?」

吹雪「え……えぇ……まぁ……」

提督「……」マジマジ

提督(正式に測りたいが……Aだな、ブラも申し訳程度だったし)

吹雪「……?どうしたんだろう……」

もうすぐ始めるっぽい?

沖縄 町中

天龍「…………」チラッ

レ級(flagship)「……」ジロッ

天龍「…………」

レ級(flagship)「…………」

天龍「…………」ザッザッザッザッ 



ヒュゥゥゥゥゥッ……


レ級(flagship)「…………人間側と協力するのは……今日が最初で最後だろうな……」スッ

レ級(flagship)「そっちは終わったか」

リ級(flagship)『うん……何とかね……』

レ級(flagship)「……お前だけか?」

リ級(flagship)『ル級さんは無事だよ、無線機が壊れてるだけ、タ級さんは被弾して沈んじゃったみたい……』

レ級(flagship)「……そうか……生きているならまだマシだ……沖縄に残る改造種は全て殺したな?」

リ級(flagship)『大丈夫、この近辺に生体反応はない』

レ級(flagship)「ならば帰還するぞ、人間の住処に長居は必要ない」ザッ

リ級(flagship)『了解……はぁ……つかれたぁ……』

ビーッ ビーッ ビーッ

レ級(flagship)「……ん……?……何だ…」スッ カチッ

レ級(flagship)「レ級だ、どこの棲地だ?」

空母ヲ級『教官!』

レ級(flagship)「……その声……ヲ級221番艦か?」

空母ヲ級『覚えてたんですね……はい……私です……』

レ級(flagship)「問題児の友人を忘れるわけがないだろう」ハハッ

空母ヲ級『あはは……』

レ級(flagship)「だがどうした?レ級じゃあるまいし思い出話のために呼び出したのではないのだろう?」

空母ヲ級『えぇ……教官は今の私とレ級の状態については……』

レ級(flagship)「聞いている、人間と共に暮らしているのだろう?」

空母ヲ級『…………』

レ級(flagship)「私は何も言わん、君達は深海棲艦を捨てたとしても生き物としての道を外してはいない」

空母ヲ級『……そうです……か……』

レ級(flagship)「……さぁ、要件は何か」

空母ヲ級『……人間側の提督……作戦を指揮する者が、貴方達に伝えたい事があるそうです』

レ級(flagship)「……人間が私達に?」

空母ヲ級『はい……私が人間の言った言葉を伝えます、教官は私に伝えたいことを話して下さい、その言葉を人間に伝えます』

レ級(flagship)「分かった……ふむ……人語を話せるのか……」

空母ヲ級『えぇ……』

レ級(flagship)「通りでレ級もヲ級も言葉に訛りがあるわけだ、君はまだしもレ級まで喋れるとはな……」

空母ヲ級『……私も意外でした、まさか私が彼女に教えられるとは……』

レ級(flagship)『ほう……彼女が…………また直接会って話したいものだ』

空母ヲ級『戦争が終わって、お互い生き残っていたら……ですね……では、始めます……』

レ級(flagship)「……」

前浜中学校

提督「……えっと……前浜町二丁目鎮守府の提督です」

空母ヲ級「……………………」

レ級(flagship)『………………………………』

空母ヲ級「マリアナ大棲地、戦艦水鬼軍第一大艦隊旗艦、レ級3番艦だ」

提督「ふむ……少しの間よろしくお願いします」

※深海語吹き替え


提督「改造種の撃破の協力、感謝します」

レ級(flagship)『協力したわけではない、たまたま撃破するべき相手が一緒だっただけだ』

提督「いえ、偶然の一致だとしても共に戦って下さり、人間としては非常に感謝しています、有難うございました」

レ級(flagship)『この騒ぎで罪のない人間が多数死亡したとしてもか?』

提督「あなた方が来てくれなければ、もっと沢山の人間が死亡していました」

レ級(flagship)『……提督、と言ったな?』

提督「え?……えぇ」

レ級(flagship)『……先ほどの発言……本音か?』

提督「……」

レ級(flagship)『……言葉に詰まる、と言うことは本音ではないんだな?』

提督「えぇ……本音ではありません」

レ級(flagship)『そうだろう……今の心情を言うがいい』

提督「……正直悔しいですね」

レ級(flagship)『悔しい?何故だ?』

提督「……深海、強すぎじゃないですか……?何ていうか……人間はおろか艦娘でもまるで歯が立たないじゃないですか……」

レ級(flagship)『……強すぎる……?』

提督「反則でしょあれ、数で押しこむタイプは基本個体が弱いものでしょ……あんなの卑怯ですよ!」

レ級(flagship)『と言われても……』

提督「それを独断専行で無双するレ級ちゃんってもう何なのさ!もう全部あの子だけでいいじゃん!」

提督「改造種の一隻一隻が人間向けじゃないですよ……他の子が相手してる普通の深海棲艦ってアレなんなんですか!?」

レ級(flagship)『あれは……まぁ量産型というべきか、イ級などの非人間型は感情を持たない機械のようなものだ』

提督「…………僕らは人間じゃない種に苦戦を……?」

提督「……深海の科学力は一体どうなってるんですか!?そんなの横須賀以外の艦娘で勝てるわけないじゃないですか!!」

レ級(flagship)『いや……そ、そもそも……人間が弱いって自覚しているなら海を侵略しなければ』

提督「そういうわけには行かないんですよ!!」ダンッ!!

レ級(flagship)『な……何故?……何を怒っているんだこの人間は……』ドンビキ

提督「人間が困るでしょ!!じゃあ深海棲艦は深海の生き物だから深海以外で過ごしちゃ駄目って言われたらどうするんですか!?」

レ級(flagship)『……一部の深海棲艦が暴れるが……それとこれとは』

提督「別じゃないです!僕だって正直海がどうなろうと知ったこっちゃねぇですよ!!深海に海制限されてかれこれ15年生きてるんですから!!
    はっきり言って慣れましたよ!魚だって養殖技術ガンガン進んでるし養殖魚の値段が収まれば魚普通に食べれますし!!
    輸入が難しくなった結果国産の技術もさらに上昇しましたしね!足りない分はSSTOで補えるんですから!!」

空母ヲ級「軍人としてどうなんだ、その発言は……」タジロギ

提督「でもね……でも抵抗しないといけないんですよ!!陸だけで生きてたら一部の人が暴れるから!!昔恋しい人たちが!」

提督「戦争の最前線で働いてる人からしたら僕の発言はふざけたものですけどね……正直僕戦争に深く関係してないんですよ……
    やってることといえば戦わずに山沿いの民家で川の研究してるだけですし……今回だって何故か大役押し付けられだけだし……」

提督「正直僕はこんな強い相手と戦いたくないんですよ……また今回みたいに吹雪ちゃんが出撃するようなことになってこんな強い相手と戦うことになったらあの子は……」

川内「……ZZzz……」スゥ…スゥ…

レ級(flagship)『…………』

レ級(flagship)『……つまり、君は今の戦争状態を否定したいのか?』

提督「えぇ……そうです……」

レ級(flagship)『理由を改めて聞かせて欲しい』

提督「…………吹雪ちゃんやヲ級ちゃん、レ級ちゃん達を俺の指揮で危険な目にあわせたくないから……です」

レ級(flagship)『……勝手な理由だ、それでは誰も付いてこない』

提督「……でも嫌なもんは嫌です、今日一日で吹雪ちゃんも危ない目にあって、レ級ちゃんも大変な目にあった……
    その上、ヲ級ちゃんとレ級ちゃんの大切な人は死んでしまったんです……こんなの駄目ですよ……」

レ級(flagship)『……』

提督「言いたいことは分かります、犠牲を承知で軍隊に入ったくせに虫のいいことを言ってるって……
    ……でも俺は吹雪ちゃん達を危ない目に合わせたくないんです!!」

レ級(flagship)『……ならば、人類と深海棲艦今がやるべきことを聞かせて欲しい』

提督「……そんなの知りません!!」

レ級(flagship)『……何?』

提督「どうせ互いに認め合うなんて言って、それが決まりになったとしても誰も守らないんだ!」

提督「異種同士が認め合えるなんて幻想……どうせ皆そう思ってるんだから……今だって深海棲艦に対する好奇の目が凄いんですよ……」

レ級(flagship)『……ならば、その好奇の目を打破するにはどうすればいい?』

提督「……時間が解決する以外無いです、でも戦いは今すぐやめることができます、引き金を引かず、手足を相手に振り上げなければね」

レ級(flagship)『…………めちゃくちゃなことを言うな君は、戦闘好きの意見を全く考えていない』

提督「中にはそういう人もいます、でも戦闘嫌いも同じくらい居ます」

提督「その上何で軍は深海棲艦と戦ってるか、分からない人だって山程いますよ」

レ級(flagship)『……それは深海とて同じだ、戦う理由がわからず戦っている奴が殆どだ』

レ級(flagship)『だが私達は海を我が物にしなければならない、水鬼様の命令に従うのは深海棲艦の仕事だからだ』

提督「……水鬼さんが戦えと命令したという理由……ですか」

レ級(flagship)『その通り、子は親の命令に従うために存在する生き物だ』

レ級(flagship)『自分がどんな意見を持っていようと、水鬼様の命令には黙って従わなければならない』

レ級(flagship)『……フッ……海が必要になるか、私すらわからないのだから、恐らく明確な理由を持って戦っている深海棲艦はもう居ないんじゃないか?』

レ級(flagship)『だが、私達は水鬼様に従って動いている、レ級とヲ級も昔までそうだった……』

空母ヲ級「……私達……?」

レ級(flagship)『しかし、彼女たちは君達に従うという「考え」を見せた、自ら行動し、自分なりに意見を考えた』

レ級(flagship)『機械のように命令に従う深海棲艦に人間らしい考えを芽生えさせたのは君達の鎮守府の力かも知れんな……」

提督「……僕達は何もしてません」

空母ヲ級「…………」

レ級(flagship)『……そろそろ時間だ、今回の君の意見、人間の軍人以外の意見として今回の会議の議題にさせてもらう』

レ級(flagship)『深海の生物も同じように戦う理由がわからず、無駄に消耗しあっているという事実に目を向けなければならんな……』

提督「……と……いうことは……」

レ級(flagship)『賭けになるが、もしかしたら戦争が終わる日も見えて来るかも知れんな……』

レ級(flagship)『……それと、提督、あのレ級一つ伝えてほしいことがある……』

提督「……?」

レ級(flagship)『腹を抉って済まなかった……私は君を応援している、とな 戦闘教官のセリフと聞けば分かるはずだ』

提督「……は、はい……!」

レ級(flagship)『……では、これで失礼しよう……次合う時はは敵同士かも知れんがな、ヲ級、体に気をつけるんだぞ』

空母ヲ級「……!はい……教官……教官も、お気をつけて……」

レ級(flagship)『勿論だ、では、失礼』ブツッ

早く日常編に戻りたい
もう少しだけ付き合ってくれ

残業とは、なんと情けない……企業とは誇りもないのか
生きやすいものだな、っふらやましいよ

というわけで始める、無駄にスレ消費してすまん

提督「…………」ガクッ

提督「…………ハァ……ったく……」グシグシッ

空母ヲ級「…………提督……大丈夫か……?」

提督「………………ックソォ…………」

提督(今になって今日の不甲斐なさが情けなくなってきた……)

提督「………………」ムム…

提督(心配事が2つも3つものしかかる……吹雪ちゃんの怪我の具合も気になるけど……レ級ちゃん達の事も横須賀の報告も……)

提督(……それに今回の作戦で天龍さん達にまで迷惑かけてる……他の鎮守府に俺の無能っぷりが知れ渡って……あぁもう……)

提督「……どうすりゃいいんだよ…………畜生……」ガクッ

川内「…………ん……?あ……あれ……私寝てた……?」パチッキョロキョロッ

提督「あ……おはよー……」

川内「うわっ!?ど、どうしたの!?死人みたいな顔になってるよ!?」

提督「あ゛ー……気にしないでくれ…………ちょっと色々溜まってるだけだから……」

川内「いや、それにしたって顔色がやばいよ!一回寝たほうがいいって!」

提督「…………いや……心配ない……横須賀に様子見に行かないと……吹雪ちゃんが心配だ」ヨロッ

川内「それに冷や汗が……って!提督!ちょっと!!」

提督「…………」

空母ヲ級「……提督、一度睡眠を取れ」

提督「そういう訳にはいかん……まだ戦闘が終わったからって作戦自体が終わった訳じゃない……最後まで」

空母ヲ級「お前に倒れられると私達が困る、いいから休め」

提督「……でも」

川内「ここは私達がやっとくから!何なら家……あ、じゃない!鎮守府まで一緒に行くからさ!?」

提督「………………あぁ……そう言うなら……でも……いいのか……?」

川内「いいから!休むのも仕事なんだし、休んでいい時は休みなって!」

提督「…………っくぅ……分かった……じゃあ……後の事は任せるよ……」

川内「任せといて!ね!?ヲ級!」

空母ヲ級「あぁ……提督、不安な事が山積みだろうがそれを解決する体が無ければその不安は永遠に解決しない」

空母ヲ級「まずは体を休めて、それから1つずつ解決しろ、人間も深海棲艦も全部の問題を一気に解決できる程器用な生き物じゃないんだ」

提督「……あぁ……本当にすまないな……何もできなくて……」

空母ヲ級「気にするな、悔やむのは寝てからでも出来る、とにかく今は疲れた体を癒やすんだ、いいな?」

川内「そうそう、嫌なことはお風呂入って酒飲んで忘れなって、悔やんでちゃいつまでも嫌ーな顔のままだよ?」

提督「……じゃあ、言葉に甘えるよ……悪いな……」スタスタッ





二丁目鎮守府

提督「……はぁ……ただーいまっと……」ガララッ ガラララッピシャッ

ヲ級「……ヲッ?」

レ級「……ン?」

提督「はは……何だお前たち、起きてたのか……あぁー……ソファ……」ヨロッヨロッヨロッ バタァッ

ヲ級「……ヲヲ!?……ヲヲヲ?」テテテッ ピョンッ ナデナデ

提督「悪いな……ちょっと疲れた……ご飯は少しだけ待ってくれ……」

レ級「…………ン……」コクコクッ

提督「…………はぁぁ……なんでこう上手くいかないのかねぇ……」ボッケーッ

数十分後

提督「…………」

提督「…………」ムクリッ

提督「…………ッハァ……」グシグシグシッ!!!

提督「…………あぁ……そうだった……ヲ級とレ級の朝ごはんだっけ……確か冷蔵庫に入れてたよな……」スタッスタッ

バタッ バタンッ

提督「えーっと……あぁ、あった……昨日のうちに作っといてよかった……」ガチャッ バタンッ ピッピッ

ブゥーーーーーン……

提督(…………俺のせいで吹雪ちゃんが怪我してせっかくの平和がフイになったなんて知れたら周りからどんな……)

提督「…………」ブンブンッ

提督(今は何も考えない……考えたら泣きそうになる……)

提督(一番泣きたいのはヲ級ちゃん達だ……育ての親を殺されたんだ……)

ピロリロリロリロ

提督「…………」ガチャッ

提督「よし……中まで温まってるな、これでいいか」スタスタスタ


リビング

レ級「……ウゥ……」キュゥ

提督「ごめんごめん、お腹すいたな、簡単で済まないけどこれで勘弁してくれるか?」

レ級「ンッ!」コクッ

ヲ級「ヲ……ヲッ」コクコクッ

提督「良かった、じゃあこれな」コトッ

ヲ級「ヲッ」コクッ

レ級「…………ウ?」チラ

提督「?」

レ級「…………」ジィーッ

提督「……どうした?そんな見つめて、これじゃ嫌だったか?」

レ級「……ン……ン」フルフル

提督「……じゃあ、話したいことでもあるのか?聞いてやるぞ?」

レ級「……」テマネキ

提督「……?」

ナデナデ


提督「…………え?」

レ級「…………テトク……」ナデナデ

ヲ級「……ヲ……」

提督「……な、何で撫でるんだ……?」

レ級「…………」ナデナデ

レ級「…………レ!」ニカッ

提督「……れ、レ級……お前……」

ヲ級「…………ヲヲッ……ヲヲ……?……ヲッヲヲヲヲ……」ポンポンッ

ヲ級「……ヲヲヲ……ヲヲ?」ニコッ

提督「…………そうか……何だかよくわからないが……ずいぶんシケた顔してたみたいだ……すまない、心配かけたな」

ヲ級「ヲヲッ」フルフルッ


提督の部屋

提督(結構撫でられたな……川底棲艦の手って結構すべすべしてるんだな……もっとジメジメしてると思ってたけど……)スッ

提督「…………」

提督「……よし……寝ろって言われてるんだ……今は寝るべきだ……」モゾッ

提督「………………」

提督「………………」

提督(……と言って、素直に眠寝るわけ無いよな……)

提督「………………」

提督「…………」

提督(吹雪ちゃん……大丈夫かな……当たりどころとか悪くて……)

提督(…………)

提督(気になる……でも……調べる術がない……)

提督(…………もしも……もしも吹雪ちゃんが……)

提督(…………)

提督「…………っ……くそ……俺がもっと……もっとしっかりしてれば……」

提督「………………」

提督「…………」モゾッ

提督(……寝よう……寝たら……何かとかなってるはず…………)

提督(…………寝よう…………寝よう…………)モゾッ


ゴカテイデゴフヨウニナリマシタ フルシンブン フルザッシ ダンボールナドガ……


ターケヤー サーオダッケー ウリータイ ウレーナイ


提督「…………うるさいなぁ……だから朝に寝たくないんだ……」







横須賀鎮守府 医務室

叢雲「…………」

吹雪「…………」スヤスヤ

叢雲「……姉さん……全く……調子こいて改造種に突撃するからこんなことになるのよ……血まみれでここに来て……最初死んだかと思ったじゃない……」

叢雲「……特I型の長女がこんなんじゃ、情けなくて涙がでるわよ……っとにもう……姉のくせに心配ばっかりかけて……」グシッ

ガチャッ バタンッ

叢雲「……!?」

天龍「おう叢雲、どうだ?」スタスタッ

叢雲「ふぇ……!?て、天龍!ア、アンタ入渠してたんじゃ……」グシグシッ!!

天龍「仮にも軽巡の俺が2日も3日も風呂に浸かってるかっての、で?吹雪はどうなんだ?」

叢雲「べ……別に、見てのとおり間抜け面晒してスヤスヤ寝てるわよ」

吹雪「…………しれ……ぇ……かん……」スヤスヤ

叢雲「…………全く……人の心配をよそにどんな夢見てんのかしらね……」スクッ スタスタスタ

天龍「おい、どこ行くんだ?」

叢雲「し、司令官の部屋に戻るわ、私だってヒマじゃないんだから!じゃ!」ガチャッ バタンッ

天龍「お、おい、叢雲…………ったく……何なんだ?」

叢雲「…………」スタスタ

叢雲「……」

叢雲「…………はぁ……」ゲンナリ

叢雲「無理無理……無理よ……あんな方法で目覚めさせるなんてどうかしてたわ私……」ブンブンッ

叢雲「…………」ポワワーンッ


------------------------------------------

1時間前

叢雲「…………ん?」

若葉「………………」マジマジ

叢雲「……若葉、どうしたの?」

若葉「何でもない……何やら顔色が優れないように見えるが……どうしたんだ?」

叢雲「……別に……何でもないわ……」

若葉「そうか…………」スタスタ ピタ

若葉「……愛と信頼は紙一重と言うらしい」クルッ

叢雲「は?」

若葉「かの白雪姫は毒りんごを食べて眠りについた、しかしその姫は愛する者のキスで目覚めたという」

若葉「……そのような愛する者同士のみで使える魔法があるらしいが……それならば信頼する者でも使えるんじゃないか?」

叢雲「…………私に吹雪とキスしろっての?」

若葉「目覚めてほしいと思うならば、試してみる価値はあると思うが……安心しろ、キスで妊娠はしない、何なら鉄兜を咥えてキスをするという手も」

叢雲「んなこと心配してないわよ!!いいから訓練してきなさい訓練を!!」

若葉「大丈夫だ、今日の訓練は全て」

叢雲「…………チッ」

若葉「終わっ……」ゾクッ

叢雲「……惚気話するために私を呼び止めて……相当暇みたいね……?」

叢雲「そうね……さっきから苦情やら質問やらの書類仕事ばっかでいい加減むしゃくしゃしてたのよ……!」コキコキッ

若葉「あ……そうだ……今日の炊事棟版は私だったな……では……失礼する!」タタタッ

叢雲「…………全く……」


----------------------------------------


叢雲(……………………全く…………でもあの子の唇……柔らかそ……)スッ

叢雲「………………はっ!」ブンブンブンッ

叢雲「あの雷巡みたいな事考えて……私ったら……!!」

叢雲「……睡眠不足ね…………今日の仕事は天龍に押し付けようかしら……」スタスタ

ガチャッ バタンッ

横督「…………」カタカタ

叢雲「……ハァ……またこの書類の山と向き合わなきゃならないのね……ったく……」ギィッ

横督「口を動かしている程余裕があるのか?やはり貴様に休憩を与えるべきではなかったな」カタカタ

叢雲「はいはい、ロクに読まずにハンコ押す作業に戻りますよーだ」ペラッポンッペラッポンッ

横督「いちいち宣言せず黙ってやれ」

横督「…………」カタカタカタタンッ

叢雲「…………」ポンッ ペラッ

叢雲「……で、どうなのよ」

横督「何がだ」カタカタカタ…ッタンッ カチッ

叢雲「沖縄防衛戦というアンタが指揮しても苦戦するであろう大規模作戦に彼を使った感想は」

横督「頭痛の種である改造種を消すことに成功した、生存者の救出にも少数ながら成功している、上出来だ」

叢雲「……ふぅん……」

横督「…………」カタカタ

叢雲「…………」

叢雲「…………」ペラッ ポンッ

叢雲「……それ聞いて、二丁目さんは喜ぶのかしら?」

横督「喜ばんだろう、だが事実だ」カタカタ ピタッ

叢雲「……」

横督「私にあの男を慰めろとでも言いたいのか」

叢雲「……別に」

横督「……奴が精神的に参っているのは知っている、だが今の奴に慰めの言葉をくれてやる必要はない」

叢雲「そう……何が必要だと思ってるの?」

横督「貴様に教える必要があるのか?」

叢雲「……ないわね、私一人でどうにかなる問題じゃないだろうし」

横督「物分かりがいいな、さっさと終わらせろ」

叢雲「…………」ポンッ ペラッペラッ

叢雲「………………」

横督「…………」カタカタッ ッタンッ カチッカチッ

横督「…………」

叢雲「…………」

バンッ!!

天龍「オイ提督、吹雪が目覚めたぜ」

叢雲「……!」ガタッ

横督「そうか、レ級はどうだ」

天龍「アイツはまだだ、だが生きてる」

横督「……叢雲」

叢雲「……」

横督「吹雪を見舞え、天龍はそのままレ級を見ておけ」

叢雲「わかったわ」タッタッタッタッタッ ギィッ バタンッ

天龍「……」

横督「……」

天龍「……ま、アイツにまともな艦隊指揮は難しかったってことだ」

横督「そうだな」カタカタカタッ

天龍「……」

天龍「これからアイツを戦闘用の司令官として働かせるつもりでいるなら、俺は反対だ」

横督「…………」

天龍「……選択肢を誤るなよ」 ガチャッギィッッバタンッ

横督「………………」カタカタカッ カチッカチッ

横督「…………フゥ……」

横督(私が無理に他人を戦いに駆り出すとでも思っているのか……)

横督(……命令でも受けん限り、あの男を戦いに駆り出すような真似など……)

横督「…………」カチッカチッ


PC【前浜町二丁目海軍鎮守府_戦果報告】


横督(これであの鎮守府の存在価値が認められるだろう、戦艦レ級という最終兵器をもつ鎮守府として)

横督(…………)

横督「金の事しか考えられん害虫共に一々説明せねばならんとは……面倒だな……」ボソッ

医務室

吹雪「……私……結局どうなったの……?」

叢雲「途中で意識を失ったみたい……私も詳しい事は覚えてないわ……」

吹雪「……そうなんだ……司令官は?」

叢雲「あんたの所の司令官はまだこっちに来てないわ、まだ鎮守府にいるかも……」

吹雪「……司令官……」

叢雲「……あの人なら大丈夫よ、とにかく今はゆっくり休んでて……お疲れ様」

吹雪「う……うん……レ級さんは……まだ起きてないの?」

叢雲「そうね……あいつは天龍が見てるから、起きたらこっちに運んでくるわ」

吹雪「……うん……」

叢雲「……ちょっと、飲み物持ってくるわね、待ってて」

吹雪「……叢雲ちゃん……」

叢雲「……何?」

吹雪「…………」ギュッ

叢雲「……姉さん……?」

吹雪「……ごめん……少しだけ……そばに居て……」

叢雲「…………?」

吹雪「あの時……敵に睨まれた時……本当に怖かった……」

吹雪「誰も助けてくれない……司令官達は無線機越しに声が聞こえるけど……周りは敵しか居ない……」

吹雪「そばに誰もいないって……あんなに怖いものだったんだって分かった……」

叢雲「…………」

吹雪「だからお願い…………少しだけ……少しだけでいいから……私と一緒に居て……」

吹雪「…………誰か親しい人がそばに居てくれないと……私……」

吹雪「私……怖くて……寂しくて……っ……ぅ……っく……辛いよ……ぉ……!」ギュゥゥゥッ

叢雲「……姉さん…………」

叢雲「……分かった……少しだけだけど……一緒にいてあげるわ……」

吹雪「うん…………うん…………!ありがとう……ありがとう……!!」

叢雲「……妹の前でそんな泣くんじゃないわよ……情けないわね……」ナデッ

吹雪「…………ぇく……ぐすっ……叢雲……ちゃん……」ギュウウウッ

叢雲「もう……しょうがない姉ね……」トントンッサスサスッ










昼 二丁目鎮守府 提督の部屋

提督「…………」

提督「…………」ムクリッ

提督「…………」ポリッポリッ

提督「……さて……吹雪ちゃん……迎えに連れて行ってもらうか……」コキコキッ

提督(何時迄もうじうじしてちゃ吹雪ちゃんの見本にならないしな……)

提督(……何だかんだ言っても、なるようにしかならないし……やるしか無いんだよな……)スゥーッスゥーッパタンッ

ギィッギィッギィッギィッ ガチャッバタンッ  
ハキハキッ ガララッガララッピシャッ

……このままだと、ちょっち投下は無理だし……ごめんね!休むよ!有給休暇ってやつ?

遅くなってしまった、では……

横須賀鎮守府 集中治療室

ピッ…ピッ…ピッ…

戦艦レ級「…………」

戦艦レ級「…………」

天龍『…………』


ガチャッ バタンッ



叢雲『どう?』

天龍『どうも何も、ガラス越しじゃ何もわかんねぇよ、まだ寝てるとしか言いようがねぇ』

叢雲『……そうよね……飲む?コーヒー』

天龍『ん……あぁ……』

叢雲『…………ハァ……昨日から本当に休みがなくて……疲れるったらありゃしないわ』ポスッ 

天龍『ご愁傷さんだな、デスクワーク組は作戦終了後が一番きついだろうよ……横座んぞ』ストッ

叢雲『……ま、アンタみたいに戦場に飛び込まなくていいって考えると幾分か楽だけど……』カチャッ グィッ

天龍『そうか?椅子に座って書類片付けるより暴れまわる方が楽だろ、何も考えなくていいしよ』カチャッ グビッグビッ

天龍『……ぷはぁっ……苦ぇ……目が覚めるな……』

叢雲『……戦えりゃなんでも良さそうね、あんた』

天龍『まーな、酒と血飛沫と砲弾がありゃ3年は退屈しねぇと思う』

叢雲『ハァ……単純というかなんというか……恋愛とか考えないの?』

天龍『ねぇな、男と一緒にイチャイチャって地点で俺には似合わねぇ』

叢雲『ふぅん……』

天龍『人を好きになるってのが分かんねぇんだよなぁ……男見て何を感じ取るんだか』

叢雲『愛……じゃない?こう、心がドキドキする瞬間ってあるじゃない』

天龍『だーから……そういうのがねぇんだって、男見て何でドキドキするんだよ……』ゴクッ

叢雲『寂しい人生送ってんのねぇ……』コクッ

叢雲『ま、そういう艦娘の生き方を貫くってのもありなのかもしれないけど……』コトッ

天龍『…………恋愛って柄じゃねぇよ、俺は』スクッ 

戦艦レ級「…………」

戦艦レ級「…………」

天龍『目ぇ……覚めねぇな……』

叢雲『失血がひどかったから……流れ出る血は止まったけど輸血ができないのよ……』

天龍『……目が覚める見込みはあんのか?』

叢雲『さぁ……深海棲艦を殺すことには慣れてるけど助けた事はないから、まだ何とも言えないわ』

天龍『って事は……』

叢雲『このまま目覚めない可能性も、否定出来ないわ』

バンッ

摩耶『天龍、叢雲、二丁目とヲ級と呉の川内が工廠ハッチで待ってる、来てくれ』

叢雲『呉の……?まぁ……分かったわ、すぐ行く、天龍、行くわよ』

天龍『……あぁ、分かった…………レ級、また来るからな』

バタンッ

ピッ……ピッ……ピッ……

戦艦レ級「…………」

工廠

川内「……ここが……横須賀鎮守府……」キョロキョロッ

ゴォーンッ グィーンッ バチバチバチバチッ

川内「何て言うか……全体的にハイテクって感じだね……」

提督「殆どの設備が機械化されてるせいでもあるけど、それにしてもあちこちですごい音が鳴ってるな」

空母ヲ級「…………」キョロキョロッ

空母ヲ級(明石は……居ないのか……ん?)


明石『……!……!!』ガミガミッ

妖精『……』ペコペコッ

猫『……』プラーンッ

明石『……!!』ガミガミッ


空母ヲ級(……居た……何だあれは……浮遊する四足の生き物に怒鳴っているみたいだが……)

川内「……取り敢えず……座って待とうか……」スゥッ カチッ

提督「そうだな……よっこらせっと……ヲ級ちゃん、抱えるぞ」スッ

空母ヲ級「あぁ、すまない」スッ ストッ

提督「…………はぁ……また来ちまったなぁ……横須賀鎮守府……」

川内「何回か来てんの?」

提督「まぁ仕事柄と言うか何と言うか、昇進の階級章授与とかヲ級ちゃんたちの騒ぎが終わった直後とか……」

提督「何だかんだ言ってここの提督との付き合いは長いほうだと思う」

川内「ふぅん……にしてもこの工廠……うちとは違って担当が居ないんだね……」

空母ヲ級「工廠担当……?カ級のような奴か……」

川内「うん、うちにも軽巡の夕張が改二改造とか担当するんだけど…………深海にも居るの?」

空母ヲ級「一応な、特級技師が中規模棲地以上の棲地に居なければならない、そういう決まりだ」

空母ヲ級「……生憎うちの技師は技師とは名ばかりのマッドサイエンティストだったが」メソラシ


潜水カ級『出来タワ!コノ天才タルアタクシノ……見エナイモノガ見エルスコープ!……サァレ級!ツケナサイ!』

戦艦レ級『ン……オォ……コレハスゲェ……ヲ級ノ体ガ透ケテ……オ……胸にピンク色ノ突起ガ……ホォー……』

空母ヲ級『……オ前等……一体ドコヲ見テイル……』


空母ヲ級「思い出しただけで殺意がこみ上げてくる」ケッ

川内「はは……色々大変な思いしてんのね…………ん?」


ホラ、アンタライキャクガキテンノニナニシテンノヨ! 


明石「痛い痛い!耳引っ張らないで!だって!あの猫と妖精がまたエラーを……!!」

叢雲「それでもまずは来客の対応でしょうが、優先順位ってのを考えなさい優先順位を」ズルズル

明石「うぅ…………あ……」

空母ヲ級「……」

明石「あなたは……あの時の……」

空母ヲ級「前会った時より二回りほど小さくなってしまったがな……」

明石「……でも、無事でよかったです……そちらの方は……確か……」チラッ

川内「……あ……く、呉鎮守府の軽巡、川内です……よ、よろしく……」ペコッ

明石「呉の……?あぁ、あの夜戦が好きな!」

川内(だいたい夜戦好きで覚えられてるのね……舞鶴の時も佐世保の時も夜戦=私で覚えられてたし……)

叢雲「……」

川内(……この人が……最初の艦娘駆逐艦……)

川内(現存する駆逐艦娘数百人分の強さを持つとか、戦艦レ級2体分の強さを持つとか聞くけど……)

川内(名前は……確か……叢雲さん……だっけ……威圧感が凄い……)

叢雲「……川内ね、呉鎮守府の」

川内「……は、はい、呉鎮守府所属、川内です」

叢雲「……長門さんは元気かしら?」

川内「うぇ……な、長門秘書艦……ですか……」

川内(なな……長門秘書艦と知り合い……?でもこんな人でさえ長門秘書艦をさん付けで……)

川内「……元気……と聞かれると、そうではないと言うべきでしょうか……かなり思いつめているように見受けられます」

叢雲「…………そう……まぁ……そうよね…………」

川内(帰りたい)

叢雲「……二丁目さん、うちの司令官が呼んでるわ、川内、あんたも来なさい」

提督「やっぱりか……分かった」

川内「は、はい!」

川内(……うぅ……胃が痛いよ……)





横須賀鎮守府 提督室

コンコンッ

横督「入れ」

ガチャッバタンッ

提督「ま、前浜町二丁目鎮守府提督、です」

川内「く、呉鎮守府所属艦娘!川内型軽巡洋艦一番艦!川内です!え、えっと!か、型番は!LC-04-01で……え、えっと……」

横督「奇声を発するのは夜だけにしてほしいものだな、耳が腐り落ちそうだ」

川内「  」

横督「……さて……」クルッ

横督「…………二丁目提督」

提督「う……やっぱ……今回は……」

横督「決していい作戦とは言えなかった、初めてにしても悲惨な戦績だな」

横督「旗艦は両肩、両膝に銃槍、戦艦レ級は脇腹を食い千切られ今も昏睡状態」

横督「そして私の右腕とも言える艦娘の艤装を半壊させるとは……中々面白い冗談だな」

提督「……申し訳ござません……自分の力量不足です」

横督「全くもってその通りだ、私は貴様の秘められた潜在能力を見込んで今回の作戦を任せたのだが……とんだ見込み違いだ、失望したよ」

川内「そ、そんな酷い言い方は!彼だって!!」

横督「私は黙れと貴様に命令したはずだが、部外者が口を挟むな、鬱陶しい」

川内「あ……あんたが呼んだんでしょうが!!」

横督「三度も言わせるな、黙れ」ギロ

川内「……っ……」

横督「…………さて……この失態……どう償うつもりだ、二丁目……いや、平井よ」

提督「……自分の命を」

横督「そんな無駄な覚悟は必要ない、私は貴様にもう戦闘を任せたくないと思っている」

提督「……クビ……ですか?」

横督「…………貴様の受け取り方次第だ、貴様の長所を生かし、これからも提督として生き続けるか」

横督「それとも、短所を受け入れ新たな人生を歩むか……」

川内「…………」

提督「…………」

横督「元提督は様々な知識を持っていると思いこんでいる馬鹿共が多い、貴様の新たな勤め先はすぐに見つかるぞ」

横督「……私は貴様がどちらに転ぼうと止めるつもりはない、だがいますぐ決めてもらう」

提督「…………」

横督「……」

提督「……吹雪ちゃんは、無事ですか?」

横督「……生きている、先ほど目を覚ました、歩行や航行に支障はない、療養不要だ」

提督「…………」

川内「……提督」

提督「…………横須賀さん」

横督「……」

提督「俺はこの30数年の人生、逃げてばかりでしたからね……逃げ出すって選択肢を選ぶことに躊躇はしません」

横督「貴様の身の上話など聞きたくない、辞めるか辞めないかはっきりしろ」

提督「……やりますよ、俺は、艦隊行動は戦闘だけじゃありませんから」

横督「そうか、ならば今すぐ会うべき人物に会いに行け」

提督「……失礼します」

ガチャッ バタンッ

横督「…………」

川内「…………」

横督「……無能も使い方を誤らなければ少しは役に立つものだ、まだあの鎮守府は存在し続けなければならない」

川内「…………」

横督「呉鎮守府のような存在価値の分からん鎮守府より余程使いやすいものだ、深海棲艦を保有し、負傷した艦娘のリハビリにも使える」

横督「そう思わんか、呉艦娘よ」

川内「…………何が言いたいの?」

横督「……長門秘書艦は元気か」

川内「……えぇ」

横督「……そうか、そういえば、最後に連絡を取った日からもう数日……そろそろ答えを用意してくれねば困るのだがな……」

川内「答え?」

横督「あの女から何も聞かされていないのか……どうやら、貴様の鎮守府はどこかおかしいみたいだな」

川内「……」

横督「……まぁ知らないなら、あの女の答えはまだ纏まっていないということか、奴は情報を隠す癖がある、困ったものだなぁ」

横督「このままでは内乱が起こってしまう……おっと、口が滑ってしまった、機密情報だというのに」

川内「……!」

横督「……今の言葉は聞かなかったことにしてほしい、もし長門が良からぬことを考えていると知れてしまったら呉鎮守府の士気に関わってしまう」スクッ スタスタ

横督「……他言無用だ、いいな……私は少し外の空気を吸ってくる」ガチャッ バタン

川内「………………」

横須賀鎮守府 工廠

空母ヲ級「…………」

明石「……それにしても……そんな状態で生きてるなんて……深海棲艦って一体どうなってるの?」

空母ヲ級「…………私達は核と頭部が生き残っている限りどんな状態でも生きることが出来る」

空母ヲ級「腕や足などは生活を快適にするためのオプションでしかない、いざとなれば千切って逃げることも可能だ」

明石「……ふぅん……」

バンッ

空母ヲ級「……レ級はどうだ?」

明石「吹雪ちゃんを運んでる途中……急に意識を失って……今は集中治療に入ってるわ」

空母ヲ級「…………失血か……」

明石「出来る限りの処置はしたけど、私達は人間や艦娘の処置はできるけど……深海棲艦は……」

空母ヲ級「体内構造が人間型でも全く違う…………」

明石「えぇ……止血はしたけどそれ以外の処置はさすがに」

空母ヲ級「…………そうか……済まないがレ級の所に案内してほしい……どういった状況だ?」

明石「……運ぶわ……」スッ

明石「……ジメジメしてるのね」

空母ヲ級「深海棲艦だからな、ある程度湿っていないと生きられない」

明石(……あ、意外とお腹ぷにぷにしてる)


集中治療室

ガチャッ 

天龍「…………?」

明石「失礼します、天龍さん」

天龍「……明石?何だ?」

明石「空母ヲ級を連れてきました……隣に座らせますね」スッ

天龍「……そうか……わざわざ悪いな……あ、そうだ、龍田の艤装、何かおかしいみてぇだから見といてくれるか?」

明石「あ、はい、分かりました、夕方には終わらせますね」

天龍「頼むわ」

バタンッ

空母ヲ級「……彼女は技師か?随分忠実だな」

天龍「あぁ……そうだ、アイツのしっぽ艤装の修理も明石がやってくれてな……」

空母ヲ級「……手足が生えたら礼を言わないといけないな……」

天龍「口あんだから口使えよ」

空母ヲ級「楕円形の深海棲艦のようなものに礼を言われても嬉しくないだろう」

天龍「ま、それもそうか……よっと……見えるか?」スッ

空母ヲ級「……あぁ……見える……」

空母ヲ級(……失血状態から半日……となると……早く治療しないと手遅れになる可能性がある……)

天龍「…………まぁ……待つしかねぇわな……あん時一緒にいれば幾分かマシになってたろうに……すまねぇ……ヲ級……」

空母ヲ級「…………待つ必要はない……いや……待ってはいけない」

天龍「?」

空母ヲ級「天龍、応急処置の講習は受けているか?艦娘用でも人間用でもいい」

天龍「え……あ、あぁ……一応、艦娘一人の応急処置くれぇなら……」

空母ヲ級「十分だ、吸い出し装置と艦娘用の赤い血、それと刃物……後は……輸血用の血液を送る針とチューブ、あと高熱を発する装置を持ってこい」

天龍「え、お、俺が?」

空母ヲ級「急げ!そう難しい作業じゃない!私が指示するからその通りに動け!」

天龍「え、あ、おう!分かったよ!一応提督に言うけどそれくらい待ってくれよ!」

空母ヲ級「それと他の艦娘、だれでもいいから人を寄越してくれ!治療できる場所に連れて行くか、部屋を綺麗にしなければならない!」

天龍「あいよ、すぐに呼んでくるからちょっと待ってろ!」ガチャッ バタンッ

空母ヲ級(……レ級、お前は必ず助けてやる…………こんな時に私の手があれば……すぐにでも治療していたのに……)

数分後

バンッ

天龍「許可取ってきたぞ!それと艦娘用の輸血パック、血液型とか分かんねぇから全部持ってきたぜ!」

摩耶「オイ天龍!新品のメスとドレーン?とかいう吸出し機!それとなんだっけ……これ!これ持ってきた!使うだろ!」

天龍「おぉ、輸血セットは?」

摩耶「あ……」

天龍「何やってんだよ……ちゃっちゃと持ってこい……」

龍田「天龍ちゃん、電子レンジ持ってきたよ~?」

天龍「……ヲ級、電子レンジでいいか?」

空母ヲ級「破裂せずに暖まればなんでもいい、焼けたり湿ったりしたら駄目だ」

天龍「……輸血パックに穴開けるのはどうだ?破裂しねぇぞ?」

空母ヲ級「……あまり大気に晒したくない……レ級のような密閉薬室があればいいんだが……」

龍田「うーん……」

天龍「……じゃあ……あれだな、おしぼり温めるやつ、あれ使えんじゃねぇか?」

龍田「でもー……あれじゃそんなに暖まらないよー?」

天龍「うちには深海棲艦も驚きの技師がいるだろ?リミッターの1つや2つ数十秒で外せんだろ」

龍田「それもそっかぁ……じゃ、頼んでくるねー」

空母ヲ級「…………」

戦艦レ級『…………』スゥー…フゥー…

空母ヲ級「…………」

バンッ

摩耶「輸血キット!持ってきたぜ!案外あるもんなんだなぁ!」

天龍「サンキュ」

龍田「さーっすが明石さん、すぐに外してくれたよ~?」

空母ヲ級「皆、ありがとう……じゃあ、早速だが始める、ここでやるのか?」

天龍「手術室を開けてくれた、そこでやんぞ」

空母ヲ級「分かった、そこで改めて説明しよう」

摩耶「でもお前、空母だろ?手術の指示なんか出来んのか?」

龍田「だるまさんは手、使えないんじゃないの~?」

空母ヲ級「……レ級とは違う、深海医療に関しての知識は人並み以上と自負している」

空母ヲ級「主席卒業ではないが、レ級のように授業中に寝るようなバカではない」

空母ヲ級「……やってやるさ、無免許の知識だけのレ級に一級医師免許持ちの実力を見せる時がやっときたということだ……」

天龍「……何かよくわからねぇけど、まぁ、取り敢えず手術室行くぞ、摩耶、そいつのベッド運んでやれ」

摩耶「おうよ、えっと……チューブ外して……で……よしっと」カチャッ カラララララ

手術室

空母ヲ級「マスクずれてるぞ」

天龍「ん、おお、悪い悪い」スッ

龍田「……ヲ級ちゃん、メスってこうやって持つの~?」

空母ヲ級「殺意があるようにしか見えん持ち方だな……っておい、摩耶、何してる」

摩耶「注射は空気を入れちゃ駄目……ちゃんと空気を抜かないと死んでしまう……落ち着けアタシ……麻酔を打つだけだ……」

空母ヲ級「……早くしてくれ……って龍田!待て!まだ麻酔が入ってない!!」

龍田「あれぇ?まだなのー?」クルンクルンッ

空母ヲ級「刃物を振り回すな!!」

天龍「……えっと……血液型は関係ねぇんだよな……取り敢えず俺はお前の言われた通り血ぃ作るけど、いいか?」

空母ヲ級「え、あ、あぁ……お前は普通に頼りになるな……」

天龍「えっと……レ級の血を半分混ぜて……だな……で、ヒーターにぶっこんで温度を180℃以上に……」カチチチッ


マ、マスイハイッタゼ ハーイ エットドコキルンダッケー…

アァーマテ! テキトウニキッタラトリカエシノツカナイコトニナル!!!





医務室

提督「吹雪ちゃん……大丈夫か?」

吹雪「えぇ、大丈夫です……」

提督「……はぁ……良かった……被弾した時はどうしようかと思ったけど……済まなかったな……あんな情けない指揮で……」

吹雪「ううん……司令官が声をかけてくれたから、今こうやって司令官と顔を合わせてお話ができるんですから……」

吹雪「それに、おちゃらけた感じじゃなくてちゃんと私達に指示をしてくれるの……カッコ良かったですし……」

提督「……そうかな……」

吹雪「そうですよ……だからもっと自信を持った顔でいて下さい、そんな申し訳無さそうな顔、司令官には似合いません」

提督「……あ……あぁ……ありがとう……こんな感じか?」ニヘラッ

吹雪「……ふふ…………変な顔……」

提督「お、おいおい……俺の自信満々の顔だぞ?」

吹雪「……でも、おかしな顔ですっ」

提督「……全く…………」

吹雪「…………と言うか司令官……」

提督「ん?」

吹雪「汗臭いですけど……お風呂入りました?」

提督「…………」

提督「忘れてた」

吹雪「…………横須賀さんにお風呂借りれるかどうか、聞いてきて下さい、ちょっと臭います」

提督「お、おうふ……そうストレートに言われると突き刺さるな……わ、分かった、聞いてくる」

ガチャッ バタンッ

吹雪「…………元気そうでよかった……」

不死鳥の秘密は、睡眠のタイミングにもあるんだよ

もうすぐ始めたい所存であります!

横須賀鎮守府 提督室

提督「…………フゥ……」コンコンッ

叢雲『誰?』

提督「あ、二丁目ですけど……横須賀さんは?」

叢雲『外の空気吸うとか言ってどっか言ったきりよ、多分この棟出てすぐの波止場にいると思うわ』

提督「波止場?分かった、ありがとうね」

叢雲『んー……あ、川内はこっちで呉の話聞いてるから居なくても探す必要はないわよ』

提督「呉の?……まぁいいか、分かったー」タッタッタッ




横須賀鎮守府 波止場

ザザーンッ ザザーンッ

提督「波止場って言うと……ここだよな……」キョロキョロ

提督「……波止場っていうか……防衛線レベルだな……何だこのでっかい砲台……」

横督「…………」

提督「お……いたいた……ってか……なんて言えばいいのか……お風呂貸して下さい……?いや……」

提督「と、取り敢えず……話してみるか……」タッタッタ

提督「あ、あのー……」

横督「……急に空気が悪くなったと思えば、貴様か」

提督(そ、そんなに臭いのか……?)

提督「あ、あはは……申し訳ない……」

横督「…………」

横督「……32歳で提督として鎮守府に着任、わずか二ヶ月で深海棲艦を味方につけ、日本の技術向上に貢献……」

提督「?」

横督「そんな英雄的活躍を見せる男が数年前までフリーターだったとは……人生何が起こるか分からんな」

提督「……そうですかね……世間的にはお荷物そのものでしょう?」

横督「政治家共や本営の金食い虫からはそう見られているがな、奴らからすれば戦わない鎮守府など必要ないと言い張っている」

横督「奴らに鎮守府の存在価値を分からせるには戦闘による戦果が必要だった」

提督「……」

横督「ま、そう気を落とすな、元より期待などしていなかった、むしろあの数相手によくやったと私は思っている」

提督「……まぁ、期待されていないとは思ってましたけどね……」

横督「そのほうが気楽でいいだろう……後の処理は私に任せておけ、もう貴様は用済みだ」

提督「……」

横督「……所で、貴様、今日の空を守っている戦闘機について知っていることはあるか」

提督「……はい?」

横督「深海棲艦攻撃戦闘機桜花……あの戦闘機に使われているエンジンは貴様の功績によって完成したものだ」

提督「桜花って……あの特攻機の?」

横督「あれとは似て非なる物だ、パージ可能な装甲を持つ生存性に特化し、帰還装置を搭載した戦闘機だ……正確には攻撃機だがな」

提督「……その桜花のエンジンが、何で俺と関係しているんですか?」

横督「貴様が最初に私の所に送った猫艦戦の推進装置、あのコピー品を桜花に搭載している」

横督「その他にも自衛隊のF-15、アメリカのF-22やB-2にも搭載されている」

横督「……」

横督「回りくどく語ってしまったが、要は貴様の功績は貴様が思っている以上に周りに影響しているということだ」

横督「確かに貴様は戦闘指揮に関してはチリにも満たん能力しか持っていない」

横督「だが、貴様ら鎮守府は戦場で心が傷ついた艦娘を癒やし、我が軍に有益な情報を幾つも提供している」

横督「特に廃れかけたジェット機を蘇らせた貴様の功績は、大きいの一言では済ませることが出来ん」

横督「……私は何故貴様らが正当に評価されんのか、不思議でならんよ」フゥ

提督「…………まぁ……横須賀さんが過大評価してるだけかも知れませんし……」

横督「そうか……貴様がそう思うならそのほうがいいかも知れんな、妙に付け上がられても困る」ザッ

提督「……」

横督「……レ級の治療が終わり次第すぐに出て行け、その間は自由にしてもらって構わん、だが私の視界には入るな」ザッザッザッザ

提督「……は、はい……」

横督「…………」


提督(……普通に褒められた……でも何だろう、悪い気はしないな……)

提督(と言っても……)チラッ

横督「……」ザッザッザ…

提督(あの背中に比べると俺のやってきたことなんか……まだまだちっぽけなんだろうな……)フゥ…

提督(……ま、それでもいいか、あの人の言葉をそのまま受け取ると、このままで構わないってことなんだろうし)

提督(…………)

提督「あ……風呂借りていいか聞くの忘れて……ちょ、ちょっと横須賀さーん!!いい話しに来たんじゃないんですよ俺は!!」

横督「……?」

提督「お、お風呂!お風呂を借りたくて……その……男用のお風呂を借りてよろしいですか?!」

横督「……風呂だと?何故貴様に風呂を………………!」ピクッ


横督「…………公害のような異臭がすると思ったら貴様だったのか……今すぐ風呂に入れ、風呂は向こうの建物の2階だ」

提督「あ、ありがとうございます!!では!!」クルッタッタッタッタッタッ

横督「男女共用だ、艦娘の入浴時間ではないが念のため…………あの様子だと聞こえていないな……まぁ……関係ないことだ」ハァ…

横督「全く……忙しない男だ……」フッ

脱衣所

提督「……おー……割と大きいんだな……洗濯機もあるし…………でもさすがに洗濯はマズいか……」

提督「ま……取り敢えず……」ヌギッ バサッ 

提督(……ふむ……汗かいた後はちゃんと風呂にはいらないと俺のコロニーレーザーが大変なことになるな)マジマジ

提督(こんな時に俺のデスレーザーでねらいうち行動をしてしまうと確実にクリティカルでかんつうしてしまう)

提督(やっぱ徹夜明けはちゃんと風呂にはいるべきだな、うん、汗とかすごいし)カララッ



浴室

提督「おー……ほぉー……中々いい所だな……」

提督(……ドックじゃないし怪我もしてないし普通にいい風呂だと思う……うん)

提督(…………だ、だよな……?)

提督「…………」バシャーッ

提督「ま、流石にかかり湯の湯はドックみたいな効果はないよな……」バシャーッ

提督(……問題は……)チラッ


コポコポコポコポッ


提督「…………」ソォーッ

チャプッ

提督「お……普通にいい湯だ……」チャプッザブゥ

提督「…………ふぅー……何かすげぇ久々な気がする……はぁ……」

提督「……にしても……誰も居ないんだな……この鎮守府ってやっぱ男はあの人だけなのか……?」

大井「…………」

提督「…………ん?」

大井「…………あ……あなた……!な、何で……!!」フルフルッ…

北上「んー?あ、あれ……あ……て、提督……だよ……ね?」

大井「き、北上さん!!見ては駄目!!」ペシィッ

北上「うへっ」

大井「で、出ましょう!北上さん!こんな狭い所でこんな男と一緒に居たら北上さんの足に支障が出てしまうわ!!」グィッ

提督「……あ……あの……」

北上「ちょ、ちょっ……大井っちぃ!そんなに引っ張ったらタオルがずれちゃうよぉー!」ズルズル

大井「はっ……!北上さんの裸体を……!!!」

提督「あ、大丈夫、向こう向いとくから……」

大井「………………見たらコロスワヨ……!!私の裸も北上さんの裸も…………!!」ゴゴゴ

提督「み、見ないから!!見ないから……大丈夫だ……」

大井「……全く……!さ、北上さん……お風呂はあの男が出てからにしないと……」

北上「うーん……じゃ、またね、提督ぅ」

提督「あ、あぁ……悪いな……」


ヒタッヒタッヒタッ カララッ カララッピシャッ


提督「…………ゆ、湯気で見えなかったが……まさかあの2人が……」

提督「……流石にもう居ないよな……」キョロキョロ

提督「…………この浴槽には居ないか……でも何か……不安だな……」ザバッ

提督「……取り敢えず、体洗うかぁ……」ピタッピタッ

>提督「…………この浴槽には居ないか……でも何か……不安だな……」ザバッ
このお湯の中からこんにちはー!感

提督「…………」ゴシゴシッ

提督「……………………」キョロキョロ

提督「…………いで……!目に……」

提督「………………」ゴシゴシゴシ


ッカポン ストッ ピシャーー…


提督「…………」ピタッ


シャァーーー……シャワァーーッ


提督(…………だ……誰か……隣の隣の隣くらいにいる……)


シャワァーーッ ピチャピチャッ キュッ


??「……フゥ……」

提督(じょ、女性だ……こっちが見えてないのか……?だとしても……なんとなく気配でわかるだろ!)

提督「…………」ゴシゴシゴシッシャカシャカシャカッ

提督(チキショウ……目にシャンプーが入ってなければ……すぐにでも……)

提督「…………」

カチャッ カッチャッ シャカシャカシャカッ ゴシゴシゴシッ

提督(髪の毛を洗い始めた……のか……?)

提督(…………しかし……湯気があるとはいえ俺を視認することくらい出来るだろ……)

提督(……だが、髪の毛を洗ってるということは目をつむっているはず……)

提督(今のうちに逃げ出せれば!)


キュッ シャワーーーッ ゴシゴシゴシゴシッ! キュッ


提督(髪の毛が短くてよかった……!よし……今なら……)チラッ

若葉「……ん……?…………!?」

提督「…………わ、若葉……ちゃん……?」

提督(馬鹿な……シャンプーハットだと……!?予想外だ……!!)

若葉「……な、何で……!?み……見るな……!!」バッ!

提督「い……いや!待ってくれ!誤解なんだ!」

若葉「な……何が誤解だ……!!な、何故お前がここに……!」

提督「こ、ここが男女共用だなんて知らなかったんだよ!」

若葉「そんな言い訳が通用するものか!!この変態め……!!」グッ

提督「ちょ、ちょっと待て!そこで拳を握りしめるな!色々とマズイ!!両手でどっちも隠すんだ!!」

若葉「断る!……殴る為に股を晒すのは確かに恥……だが裸体を見られ続けるのは一生の恥だ!!」


カララッ

提督「んな……まだ来る……って……えぇ……!?」

加古「んはなぁぁーー……っだるぅー……風呂ですっきりしないとなぁ~……当直とかクソ食らえっての……」

加古「ん?あ、天龍さんに摩耶さん……と、龍田さんじゃん、どったの?枕なんか持って」

空母ヲ級「誰が枕だ、丸いからってその言い方はどうかと思うぞ」

加古「うぇっぁああ!?枕が喋ったぁーー!?」


提督「    」

シュタタタタッ ザッブーンッ!!!

提督「……」ゴボゴボゴボッ

提督(マズイマズイマズイマズイ……なんでヲ級ちゃんがここに居るんだ……!?)

提督(それに天龍さんと龍田さん、摩耶さんまで……4人は一体どういう集まりだ!?)

提督(……天龍さんと摩耶さんはとにかく……龍田さんに見つかったらヤバい……どうする……どう切り抜ける!?)



……ハハ……デモ……レ……ダ?


提督(……うぐぐ……い、息が続かん…………だが……ここで出るわけに……)

ガシッ

提督(……!)

グィッ

提督「ウヌゴボボボボボッ!?!?」

提督(や、やば……バレt)


ザバァァッ


提督「……ゲホッ!ガハッ……!!ケホッ……」

龍田「…………て・い・と・く?」ニコニコ

提督「あ、あはは……え、えっと……」

龍田「…………」ニコニコ

提督「……」チラッ

天龍「…………」フルフル

提督「…………!」チラッ

摩耶「……」カオマッカ

提督「…………チラッ」チラッ


空母ヲ級「……なるほど……これがお湯というものか……」

加古「そー、んで、これがシャンプーって言ってな」



提督「…………」

龍田「…………」

提督「…………えっと……俺……これからどうなるんでしょうか……?」

龍田「そうねぇ~……提督は、山か海、どっちが好み~?」

提督(あ、死んだわこれ)

山かな(棟方感)

医務室


ンヤァアアアアアアアーーーーーーーーーッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!


戦艦レ級「………………」


ギャアアアアァァァァァァーーーーーーッッッッッッッッッッ!!!!!


戦艦レ級「………………」パチッ


アガァァーーッ!!ジヌゥウウーーーッッ!!!! ヒェェエエエエエーーーーッッ!!!!


戦艦レ級「…………」キンキンッ

戦艦レ級「…………うっせぇ……」

吹雪「あ……レ、レ級さん!!目が覚めたんですね!?」

戦艦レ級「……吹雪……お前、無事だったのか……」

吹雪「はい!レ級さんも……死んじゃったかと思って……良かったぁ……」

戦艦レ級「はは……アタシがそんな簡単に死ぬわけないだろ?」


ヒギャァァアアアアアーーーーーーッ!!タツタサン!モウカンベンシテェェエエーーーー!!!!


吹雪「……でも……お腹を食べられた時は……もう……」

戦艦レ級「あれは……確かにやばかったな……」

吹雪「……本当に心配したんですから……」

戦艦レ級「……ありがとn「ンギャアアアアアアーーーーーッッ!!!」…………」ビキィッ

戦艦レ級「……ちょっと提督シメてくる」

ガタッ ズンッズンッ!! バーンッ!!


吹雪「……あ……」

吹雪(…………)

吹雪「ま……大丈夫……だよね……」モゾッ 





風呂場

戦艦レ級「……風呂ってやつか……これが……ったく……どいつもこいつも人がゆっくりる時に……」イライラ

ガラッ!!!!

戦艦レ級「おいてめぇら!!!!人が休んでる時に何ギャーギャー……さ……わい……で…………」



龍田「いーい?提督ぅ……女の子のお風呂を覗く時はこれくらいのツボ押し拷問を受けないと行けないのよ~?」グリグリッ

提督「アンギャアァアアアアーーーーッッ!!!グエェアアアアアアアアーーーー!!!!」

龍田「だぁいじょうぶよ……耐え切ったらちゃ~んとお家に帰れるからぁー……」

天龍「お、おい……龍田……そのくらいに……」

龍田「その前に殺してくれっていう人が殆どだけど……何でかしらぁー?」グッ グリッ

提督「あぐあぁああああああああーーーー!!!!!や、やめでぇえええーーー!!!!」


戦艦レ級「…………」

戦艦レ級「…………」

カララッ ピシャッ

戦艦レ級「…………風呂って……何だ……?拷問部屋と間違えたのか……?」

戦艦レ級「………………」ポカーン

ウギャアアアアアアア

戦艦レ級「……」チラ

空母ヲ級『…………フゥ……気持ちが良いな……』

加古『だろぉ?深海棲艦も風呂には勝てないんだねぇ……』

戦艦レ級「…………」

戦艦レ級「……いや……風呂……だな……情報じゃこれは温泉か銭湯……だったはず」

戦艦レ級「…………」ヌギッパサッ

戦艦レ級「せっかくだし……アタシも入るか……な……怪我の治り具合的に大丈夫そうだし」

戦艦レ級「…………んしょ……と……」プチッポイッ ヌギッポイッ


カララッ


天龍「……ん……?あれ……レ級じゃねぇか、目ェ覚めたのか?」ゴシゴシッ

龍田「ウフフフ……耐えるわねぇ……もう少し強くしようかなぁー」

戦艦レ級「……よっ……色々迷惑かけたみてぇだな…………」

空母ヲ級「……レ級……」

戦艦レ級「ヲ級、ありがとな」ヒタッヒタッ

空母ヲ級「……別に……当然のことをしたまでだ……他意はない」

戦艦レ級「……へへ…………そうか……」ニカッ

空母ヲ級「ふん……とにかく一度湯にかかれ、風呂に入ってからお前の体をもう一度見る」


提督「……」ピクピク


戦艦レ級「……所で、何でアイツは伸びてんだ?」

空母ヲ級「……お風呂は男女別れて入るものらしい、彼はその禁断のルールを破ったそうだ」

戦艦レ級「……確かに男に裸見られんのは嫌だけど……」


龍田「…………フフフ……」グリッ

提督「イギャアアアーーーッ!!!!」


戦艦レ級「あ……あそこまでやんのかよ……提督があんな悲鳴あげんの初めて聞いたぞ……」ザバァーッ カポッ 

空母ヲ級「……さ……さぁ……龍田が過剰すぎるだけかも知れん……しかし龍田……恥ずかしくないのだろうか……?」

戦艦レ級「恥ずかしいって……?……うぉ……気持ちいい……っ」チャプッ

空母ヲ級「両腕を使って、タオルを巻かずにツボ押し拷問……提督に恥部を露出しているようなものだぞ」

空母ヲ級「……私が同じ立場なら……まずは自分の恥ずかしい所を隠すがな……」

戦艦レ級「…………アイツにとっちゃ今は戦闘中並の緊迫感なんじゃねぇの?お前だって戦闘中に剥かれても隠さねぇだろ?」チャプッ

空母ヲ級「……なるほど……それなら納得がいくな……」


ギェェエエエエーーッ


加古「……ZZzz……」

戦艦レ級「……こいつは?」

空母ヲ級「艦娘の加古だ、終始眠そうにしていたが……そんなに眠いのか……」

戦艦レ級「艦娘も色々大変なんじゃね?」

空母ヲ級「いつか労ってやりたいな……」

寝落ちか……それも悪くないっ(ドヤ顔)
夜にまた書くぜ

始めっかぁ?

提督「…………」ピクピク

戦艦レ級「……おーい、生きてるか?」ツンツンッ

提督「……体のコリと一緒に大事な物も取れた気がする……」ムクリッコキッコキッ

戦艦レ級「……うぉ……腹とか真っ赤じゃねぇか……大丈夫か?」

提督「何とか大丈夫だ……というかレ級ちゃん」

戦艦レ級「ん?」

提督「胸は隠そう、その……足の間を尻尾で隠すのはいいとして……胸はな……」

戦艦レ級「…………あ……っ……」スッ

提督「……うん、大丈夫だ、気をつけた方がいいぞ」

戦艦レ級「……悪い……気をつける」コクッ

提督「…………他の皆は?」

戦艦レ級「向こうの風呂ん中で女がする話に勤しんでる、アタシはちょっとなぁ……」

提督「女の子の話……恋話みたいなもんか……」

戦艦レ級「こいばな?」

提督「あれだろ?あの男がかっこよかったとか、恋愛の話だろ?」

戦艦レ級「…………いや……どの深海棲艦の悲鳴が気持ちいいか~とか……内臓のえぐり方とか……そんなんだ」
      ガールズトーク
提督「……艦娘談話……か……」

戦艦レ級「あぁ……話聞いてたら気持ち悪くなってよ……仕方なくな……」

提督「確かに……深海棲艦にはキツイよな、そういうの……」

提督「あ、そうだ……レ級ちゃんは体洗った?」

戦艦レ級「いや、洗ってねぇ、洗い方よく分かんねぇし」

提督「そうか、ならちょうどいい、俺が洗い方教えるよ、ちょっとこっち来てくれ」ヒタッヒタッ

戦艦レ級「?」



洗うとこ

戦艦レ級「ここに座るってのがまず分かんねぇ、こんなちっこいイスに座んのかよ」カポッ 

提督「案外丈夫だから結構座れるんだなぁ、これが」コトッ 

戦艦レ級「…………こ、こうか?」スッ 

提督「あ、尻尾、ちゃんと後ろ向けないと……」


ギュムッ

ギャゥウーンッ!?


戦艦レ級「うぅ……股隠ししてたの忘れてた……」ヒリヒリッ

提督「だ、大丈夫か?」

戦艦レ級「うっふぅ……うん……!……人間には分かんねぇよ……この痛さ……」スリスリッ

提督(男で言う砲身損傷みたいなもんか……)

戦艦レ級「…………っぐ……よっこら……しょ……」スッ

提督「うん……じゃあ、続けて大丈夫か?」

戦艦レ級「……あ、あぁ……大丈夫だ……」ナミダメ

提督「……で……背中はそのタオルで……」

戦艦レ級「なるほどな……両端で……」ゴシゴシッ

戦艦レ級「…………尻尾はどうやって洗うんだ?」

提督「尻尾か……尻尾のこれって外せないの?」コンコンッ

戦艦レ級「っ!」ビクッ ブンッ!!

提督「っ!?」ゴンッ

戦艦レ級「ふ……不用意に触んじゃねぇよ……ビビるだろうが……」

提督「……ってて……悪い悪い……顎が砕けるかと思った……」ヒリヒリッ

戦艦レ級「ったく……で、尻尾はどうやって洗うんだ?」

提督「そ、そうだな……タオルでこするのは無理そうだし……自分の手に泡つけて自分のさじ加減で洗うのが一番だと思うぞ?」

戦艦レ級「そうか……じゃ、そうするか……」スルルッ ゴシッ

戦艦レ級「…………」ゴシッ ゴシッ

提督「…………」チラッ

戦艦レ級「…………」

提督(脇腹……縫合されてるのか……)

戦艦レ級「…………」チラッ

戦艦レ級「…………お前は体洗ったのか?」

提督「ん?あ、まだ洗ってないな……頭は洗ったけど」

戦艦レ級「……なら、お前も洗えよ、アタシの体ばっか見てねぇでさ」

提督「……そうだな、はは、悪い悪い」

戦艦レ級「……」ゴシゴシッ

提督「……」アワアワッ ゴシゴシッ

戦艦レ級「なぁ、提督」

提督「ん?どした?」

戦艦レ級「……ありがとな、アタシらを拾ってくれて」

提督「……?」

戦艦レ級「前浜のでっかい建物でアタシらが捨てられた時、迷わず提督はアタシらをかばってくれたろ?」

提督「あー……あったなそんな事……色々ありすぎて忘れてた」

戦艦レ級「……確かにな……ほんと、アンタにゃ感謝してもしきれねぇよ……」

提督「……それは……嬉しいな、頑張った甲斐があったよ」

戦艦レ級「……」

戦艦レ級「…………なぁ、提督」

提督「ん?」

戦艦レ級「提督って、提督になる前はどんな生活してたんだ?提督って職業の名前だろ?」

提督「んー……まぁ、お手伝いとしていろいろな職を転々としてた、フリーターっていうんだ」

戦艦レ級「……そん時は呼び名もふりーたー?って呼ばれてたのか?」

提督「いや、普通に平井さんって呼ばれてた」

戦艦レ級「ひらいぃ?何でそんな呼び方されてるんだよ」

提督「いや俺、平井二郎って名前だし……言ってなかったっけ?」

戦艦レ級「そ、そうなのか!?お前……二郎って名前なのか!?」ガタッ

提督「あ、あぁ……そうだけど……」

戦艦レ級「すげぇ……東京じゃ二郎って名前のとこで人が集まるらしいじゃねぇか……すげぇ有名人だなお前……」

提督「ちょっと待て、二郎の知識がおかしい、多分二郎でもそれは違う二郎だ」

戦艦レ級「へぇ……平井がたしか……苗字?で二郎が名前か……って事は平井って人間が他にも居るのか?」

提督「そりゃ探せば数万は超える平井さんが日本にはびこってるだろう」

戦艦レ級「……平井が数万!?……ル級の総数並じゃねぇか……何モンだよお前……」

提督「いや、全員俺の家族じゃないぞ……?俺の家族は親戚合わせても20超えるか超えないかだから心配するな」

戦艦レ級「な……何だ……びっくりさせんなよ……数万の平井族の代表かと思ったじゃねぇか……」

提督「全国の平井さんに土下座しなきゃいけなくなるだろ……俺みたいなのが代表だったら」

戦艦レ級「はは、確かにな」

提督「そこは否定して欲しかったな……」

戦艦レ級「変態が代表じゃ平井全員が変態になっちまうだろ?その目線で代表名乗っちゃいけねぇよ」ジトッ

提督「……!」クルッ

戦艦レ級「ったく……アタシの裸なんか見て面白いのか?」

提督「……いや……面白いとか面白く無いとかそういうんじゃないんだよ……ただ……レ級ちゃんの方向いたら自然にだな……」

戦艦レ級「……見るなら普通ヲ級だろ、何でよりによってアタシなんだよ……」

提督「……オホンッ!……まぁ……それはそれとして……!!」

戦艦レ級「ん、あ、あぁ……何だ?」

提督「……ヲ級ちゃんとレ級ちゃんが出会った場所って……戦場とかじゃないよな?どこで会ったの?」

戦艦レ級「え?……アイツとの出会い?何で?」

提督「いや、何となく気になるじゃん、友達同士の出会いの場所って……」

戦艦レ級「そういうもんか……?まぁいっか……アイツとはマリアナ大棲地……って分かるか?」

提督「深海の大都市みたいな所ってヲ級ちゃんが言ってたな……」

戦艦レ級「そんくらい覚えてるなら十分だ、そこの中級学業所で偶然隣同士になった時が出会いだ」ジャーッ ザパーッ

戦艦レ級「……ぷはっ……ふぅ……まぁずっと座って話すのも何だし、どっか落ち着けるとこで話すか?」

提督「そうだな、そろそろ上がってもいい頃だし……」キョロッ

提督「龍田さんのお仕置きの第二波が来る前に逃げないと……」

戦艦レ級「……アタシは別にいいけど、もう風呂に浸からなくていいのか?」

提督「俺は大丈夫だけど、レ級ちゃんは体冷やしてない?」

戦艦レ級「どうせ寝るときゃ海ん中だ、ここで冷えようが関係ねぇよ、それに提督の身が心配だし……」

提督「そうか、じゃあ……先上がるか、ヲ級ちゃんは後で来るだろ……」

戦艦レ級(あ……ヲ級に体見てもらうの……まぁ……後でいいか)

空母ヲ級(……おいレ級、どこに行くんだ)

戦艦レ級(ゲ……テレパシー……あ、あぁ?ヲ級?)

空母ヲ級(……全く……まぁ、考えていることはだいたい分かっている、後で腹を見せてもらうからな)

戦艦レ級(お、おう……じゃ、アタシは提督と一緒にちょっと落ち着けるとこ行くから)

空母ヲ級(……分かった、後で迎えに来てくれ、終わったらまたテレパシーで呼ぶ)

戦艦レ級(あいよ)

戦艦レ級「……っし、提督、上がろうぜ」

提督「お、おう」

カララッ ヒタッヒタッ カララッ ピシャッ

ジャーアタシ、ムコウノカゴニフクイレテッカラ  オーウ

脱衣所

提督「…………?」バサァッ

提督「……」クンッ

提督「あれ……?服が綺麗になってる…………」キョロッ

洗濯妖精「……」テテテーッ 

提督「……」チラッ

洗濯妖精「……?」クビカシゲ

提督「あ……ご苦労さまです」ペコッ

洗濯妖精「……」ペコッ タタターッ

提督「……なるほど……これは助かる」スッ 

キュッ バサッ

スタスタスタッ 


廊下

ガチャッ ギィッ バタンッ

提督「…………」キョロキョロッ

提督「まだレ級ちゃんは来てないのか」

提督「……お……ベンチあるじゃん……」ギシッ

提督「っふぅ~……やっぱリラックスっていいもんだな……」

提督(…………風呂あがりのこの妙な気持ちを落ち着きはなんなんだろうな……)

提督「…………」

提督「…………っはぁ~……」

ガチャッ ギィッ

提督「お、来た……」

戦艦レ級「よっ……悪いなぁ遅れて」ワシャワシャッ

提督「おっす……って……あれ?フード被らないの?」

戦艦レ級「何かフード被ったら気持ち悪くてよ、風呂あがりの効果か……あ、変じゃないよな?」

提督「いや、大丈夫だけど……あ、よく見たらマフラーも手に持ってるのか」

戦艦レ級「まーな……たまには首もとをスッキリさせてもいいだろ?」

提督「それがいい……それに結構その格好も似合ってるぞ」

戦艦レ級「そうか?ただマフラーとフード取っただけだぜ?」

提督「それだけでも薄着に見える、結構好きだな」

戦艦レ級「……ふぅん……ま……いいか……行こうぜ、どっかいいとこあるか?」

提督「そうだなぁ……じゃあ……適当に歩きながら話すか」

戦艦レ級「そーだな……場所探しながら歩けば見つかんだろ、落ち着けるとこ」テクテクッ

提督「だなー……」テクテク



提督「……で?ヲ級ちゃんとはどうやって出会ったんだ?」

戦艦レ級「何てこたぁねぇ、中学業で一緒だった、それだけだっての……」

提督「結構気になる、聞いていいか?」

戦艦レ級「まぁいいけどよ……確かあれは……何年前だろうなぁ……?」

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数年前 深海 マリアナ大棲地中級学業所


空母棲姫「その時、この砲身Aに重力を凝縮し……」

戦艦レ級「………………」ボッケーッ

空母棲姫「レ級14!ちゃんと聞いてる!?」

戦艦レ級「へ?あ、聞いてます……」

戦艦レ級(ど、どうしよう……今日ノート提出なのに……)

戦艦レ級(何がなんだかさっぱり分かんねぇ……これじゃまた……)

戦艦レ級「…………ん?」チラッ

空母ヲ級「…………」スヤスヤ

戦艦レ級(…………あ、これ……見えるんじゃ……)ノゾキッ

空母ヲ級「……ん……ぅう……」シュルルッ モゾッ

空母ヲ級「……ぷふ……ふへぇ……」ムギュゥッ

戦艦レ級(……な、なんちゅー格好で寝てんだよ……しょ、触手枕って……)

空母ヲ級「ムヒュゥー……ムフュー……」

戦艦レ級「…………ックク……」

戦艦レ級(やべぇ……深海魚みてぇな顔で……ダメだアタシ……まだ授業中だ……)

空母ヲ級「……クフゥーー……ンゥーーッ……」カプッ

空母ヲ級「…………チゥチゥ……」チュゥウー

戦艦レ級「っくふぅーっ!!ックックックックック……!」


空母棲姫「であるか……レ級14……!!」ポキッ


戦艦レ級(ダメだっ!駄目すぎるこの顔……!やべぇ……女がしていい顔じゃねぇって……!)

戦艦レ級「ぶふぅっ!!ダメだ……笑っちまう……」

空母棲姫「…………オイ……」ガシッ

戦艦レ級「っ!せ、せんせ」ビクゥッ

空母棲姫「…………チョットコイ……ミナソコノ オソロシサヲ オシエテヤル……」

戦艦レ級「ま、待って先生!此れはヲ級が居眠りして変な顔……先生!せんせぇぇーーい!!!」

ガララッ ピシャッ!!


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戦艦レ級「これがアタシのヲ級とのファーストコンタクトってやつだ」

提督「……」

戦艦レ級「どうした?」

提督「……いや……確かに真面目なときに面白いことされる時の笑いの沸点って尋常じゃないくらい低くなるけどさ……」

空母ヲ級「この阿呆の笑いの沸点の低さには感服ものだろう?馬鹿はよく笑う生き物だ」

吹雪「……私も聞いていいですか?」チラッ

戦艦レ級「……アタシたちの話何か面白くねぇって、予想以上に普通だからよ……」

蓮舫ちゃんも眠らせてあげなきゃ、じゃ、おやすみ!

乙っぽい

蓮舫?そんな襟が目立つ艦娘いたっけ・・・?

>>649
完全に寝ぼけてた…連装砲ちゃんだ

もうすぐ始めるでち

提督「お、吹雪ちゃんにヲ級ちゃん、起きてよかったの?」

吹雪「えぇ、さっき叢雲ちゃんに許可を貰いましたので」

空母ヲ級「こいつがお前を探してる途中で私達と会ってな、それじゃあって事で一緒に探してたんだ」

戦艦レ級「…………当事者が居ると話しにくいっての……タイミング考えろよな」

空母ヲ級「お前がいつまでたっても連絡しないからだろうが」

戦艦レ級「まーだ10分も経ってねぇよ」

空母ヲ級「10分も待てば十分だ、で?話すのか?」

戦艦レ級「そりゃ、こいつが聞きたがってるなら話すけどよ……」チラッ

提督「……」ワクワク

吹雪「……」キラキラ

戦艦レ級「……んぁー、わーかったからそんな目すんな……ったくよ……それからだな……」


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マリアナ大棲地 中級学業所 昼休み


戦艦レ級「あー……ひどい目に遭った…………あんのクソ棲姫……手加減しろっての……」ガタッ

空母ヲ級「…………あ……」チラッ

戦艦レ級「……っさってと……昼飯昼飯っと……」

空母ヲ級「あ……あの……!」アワッ

戦艦レ級「ん?」

空母ヲ級「さっきは……その……私のせいであんなことに……先生を怒らせるようなことを……」

戦艦レ級「いや、気にすんな……ってあれ?お前、飯は?いつも隣で食ってんだろ」

空母ヲ級「…………そ、それが……忘れて来ちゃって……」

戦艦レ級「マジ?大丈夫かよ……頭働かねぇんじゃねーの?」

空母ヲ級「だ、大丈夫です……!私こう見えても我慢強い性格なので……」

戦艦レ級「我慢で乗り切っちゃ駄目だろ……ほら、これやるよ」スッ

空母ヲ級「え……?い、いいんですか?こんな大きな竜宮焼き……」

戦艦レ級「気にすんな、アタシ塩気強いの嫌いだし、残飯処理と思って感謝せず食っとけ」

空母ヲ級「……あ、ありがとうございます……!」



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空母ヲ級「……お前に敬語で話していた時の話か……我ながら馬鹿な判断をしたものだ……」

戦艦レ級「何時からだっけ?そんな眉間にシワ寄った性格になったのは」

空母ヲ級「お前と出会ってすぐだ……ハァ……」

吹雪(深海に学校……?)

提督(予想以上に青春してるな……羨ましい……)

提督「……そっから、休みとかも一緒に過ごしてヲ級ちゃんがどんどん毒されてったわけだ」

空母ヲ級「来る日も来る日もこいつが付きまとってな……帰り道が一緒だったのがいけなかった……」

戦艦レ級「あん?」

空母ヲ級「……高等学を受け始めた頃の話だ……この馬鹿がいきなり寝床に押しかけてきてな……」

戦艦レ級「……?」

マリアナ大棲地 ヲ級の寝床

空母ヲ級「…………」スヤスヤ

戦艦レ級「おーい、ヲ級ー?」ヒョコッ

空母ヲ級「……ん……レ級……どうした?」ムニャムニャ

戦艦レ級「よっ、遊びに来てやったぜ?感謝しろよな?」

空母ヲ級「そりゃどうも余計なお世話で……って……何でお前制服なんだ?」ムクッ

戦艦レ級「さっきまで補習だったからな……いやぁーなかなかきついもんだぜ?歴史の授業ってのは」ドサッ

空母ヲ級「マトモに授業を受けないからそうなるんだ、少しは頭を動かせ」

戦艦レ級「アタシにそれができるかよ、あ、そうだそうだ……これ、お前好きだろ?焼きガニ」カサッ

空母ヲ級「お、いいな……悪くない」

戦艦レ級「一緒に食おうぜ~」バキッ ポリッポリッ

空母ヲ級「相変わらず殻ごと食う癖は治らないな……そのうち口が血まみれになるぞ……」

戦艦レ級「はは、そういうお前は空を残す主義って考えは抜けないんだなぁ、勿体ねぇ」ボリッボリッ 

空母ヲ級「お前が異常過ぎるだけだ…………」モグモグッ

空母ヲ級「っ……にしても……」チラッ

戦艦レ級「?」

空母ヲ級「お前、どこの棲地に配属されるんだ?お前の事だから高等抜けたらすぐ配属だろ?」

戦艦レ級「バーッカ、お前いきなり配属されてどうすんだよ。遊べねぇだろ」

空母ヲ級「だが……お前のような脳ミソが娯楽と喧嘩で構成された馬鹿を受け入れる特技部なんて無いだろ……」

戦艦レ級「……へへっ、アタシには秘策があるんだよ」

空母ヲ級「全く期待していないが聞いておこう……」

戦艦レ級「いつものようにお前に付いて行けば」

空母ヲ級「私は医学部を受験するつもりだが……」

戦艦レ級「お、イガクブか、何かよくわかんねぇけど面白そうだな、アタシもそこ受けりゃいいのか?」

空母ヲ級「…………まずお前は医学部が何か知ってるのか?」

戦艦レ級「え?」

空母ヲ級「……はぁぁ……」








数十分後

空母ヲ級「だから……あぁもう……要は特技部の中で一番難しい所だってことだ!!」

戦艦レ級「…………」クカーッ

空母ヲ級「…………あぁぁ……もう……!!もうっ!!!」

戦艦レ級「んぁ?あー……すげーなー……い草部って」ムニャァ

空母ヲ級「……はぁぁぁ…………」


オトドケモノデース!!


空母ヲ級「?……レ級、ちょっと出てくる」

エット……クウボヲキュウサンデスネ……エェ、ソウデスガ……レキュウサンカラ……

ハ?レキュウカラ?

空母ヲ級「……」ドサッ

戦艦レ級「お、アタシからのプレゼントやっと来たか、ほら、開けてみろって」

空母ヲ級「……お、おお……」ベリッベリベリッ

空母ヲ級「…………」ゴソッ

空母ヲ級「…………何も入っていないが……?」

戦艦レ級「ふふふ…………そう……何も入れてねぇ」

空母ヲ級「………………箱を渡したのか……?着払いで……」

戦艦レ級「その通りっ!それにそれはアタシ用だっアタシこれからここで暮らすからさ、
      荷物整理がしやすいようにここに整理用の箱持ってきときゃ家で荷物整理する時に持って帰れるだろ?」

空母ヲ級「うん、お前やっぱり馬鹿だ」

マリアナ大棲地 レ級の寝床

ゴッチャァーーッ


空母ヲ級「全く……とんだプレゼントだな、押し付けがましいにも程がある」

戦艦レ級「いやぁ……ここまで計算が外れるたぁ思わなかった……」イソイソッ

空母ヲ級「ちょっと考えたら分かるだろう……」

戦艦レ級「お前みたいに頭よくねぇんだよ、バカ差別はやめろっての」ゴソゴソッ

空母ヲ級「はぁ……で……お前、本当に私の所に来るのか?」

戦艦レ級「おうよ、お前んとこが戦艦お断りじゃないならすぐにでも行くつもりだぜ」ビッ ペタッ ベリッ

空母ヲ級「いや、私は別に問題ないが……本当に特技部入試を……?」

戦艦レ級「あったりめぇだ、今日からみっちり勉強してやるからな、お前も付き合えよ?」

空母ヲ級「集中できそうにないな……」アハハ

戦艦レ級「そうでもないかも知れねぇぜ?保証はしねぇけど」

空母ヲ級「…………まぁ……いいか……落ちたらお前のせいにするからな」

戦艦レ級「へへ、まぁそんときゃそん時だ」

空母ヲ級「……ったく……」フッ


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戦艦レ級「まーった……懐かしい話引っ張りだしやがったな……」

空母ヲ級「あれさえ無ければ私はもう少しマシな点数を取ってた……お前のせいで何日無駄にしたか……」

戦艦レ級「でも結局入試点数ベスト10には入れたし良かったじゃねぇかよ」

空母ヲ級「お前はカンニングして補欠合格だったがな……私のどこの答えを見てたんだ……」

戦艦レ級「アタシはお前のやつを完全にコピーしてたんだけど……」

空母ヲ級「………………」

空母ヲ級「字が汚すぎて読めなかったのか……?確かに今でもお前の字はタコが這ったような字だが」

戦艦レ級「……」コクッ

提督「あー……確かにレ級ちゃん……字汚そうだな……」

戦艦レ級「我ながら酷いもんだぜ、時々自分でも読めねぇもん」

提督「あ、レ級ちゃんもそういうことあるの?俺も時々あるんだよなぁ……」

戦艦レ級「だろ?やっぱアタシだけじゃねぇんだよなこういうのって……」ウンウン

戦艦レ級「提督も字ぃ汚えの?」

提督「まぁかなり酷いって言われるな……吹雪ちゃんは読めなさそう」

戦艦レ級「おーアタシだけじゃないんだよなぁー……」


吹雪「字が汚い人は意地も汚いってよく言われるんです、字には性格が出るって」

空母ヲ級「……提督の性格はどうなんだ?

吹雪「……あの人は……結構嘘つきです、恥をヲ級さんたちのせいにした事……まだ私は許してません、だから字が汚いんですよ」

空母ヲ級「……息を吐くように嘘を吐くレ級よりはマシだ、最近は正直者になってきたがな……」

吹雪「……」

空母ヲ級「…………」


空母ヲ級「お互いダメな奴を持つ身だな……」フゥ

吹雪「……」コクッ

私そのもの、諸君らが愛してくれた>>1は寝落ちた!何故だ!!

ほんっとすまねぇ、夜に書くよ

過労だからさ……

しかし、医学部か。深海の医療技術と川底の癒し、後は吹雪が艦娘の医療技術を身に付ければ二丁目はもう最強になれるな。

ところで、最終兵器レ級ってことは霧よりも強い?
それとも、霧は別の機関とかだから軍の戦力とはカウントされないってこと?

もうすぐ始めるっぺ

提督「ってか、深海で字ってどうやって書くんだ?何か特殊な何かがあるのか?」

空母ヲ級「人間の紙に書く字とは違う、私達の読み書きは……なんて言えばいいんだ……?」

戦艦レ級「ありゃ人間には分からねぇよ、   はさ、」

提督「え?」

戦艦レ級「?」

提督「今なんて言ったんだ?」

戦艦レ級「   だけど」

提督「……?吹雪ちゃん、聞こえた?」

吹雪「いえ……」

戦艦レ級「   だっての、分かんねぇの?」

空母ヲ級「レ級、それは深海用の単語だ、人間には通じないぞ」

戦艦レ級「マジか……ってか人間は深海棲艦の言葉ってどうな風に聞こえるんだ?」

提督「深海棲艦の言葉か……何だろう、モスキート音みたいな……何か喋ってるって言うのは分かるんだけど……」

吹雪「声のような音……?」

提督「そうそう、そんな感じ」

戦艦レ級「    ~……~~~  」

空母ヲ級「ってことは~、こんな言葉は?って言ってる」

提督「キィー……ィンィンッ……って感じかな……」

戦艦レ級「うへ……マジか?気持ち悪ぃ……じゃあ、これは?   ~~ ==?>」「?  」


ソレ、オトナノカ? ヘヘッテキトウニハナシタダケダッ 



物陰

摩耶「ずいぶん楽しそうに話してんなぁ……深海棲艦と艦娘なのに……」

加古「そーだねぇー……」

摩耶「……お前は深海棲艦見るの初めてだっけ?」

加古「んー……ショージキ興味ないっつーか……山に住むサルみたいなやつだろぉ?見かた変えりゃ仲間にもなるだろーし」

摩耶「そんなもんか」

加古「猿かに合戦じゃサルは思いきり悪だけど、桃太郎じゃ仲間だしねぇ」

摩耶「相変わらず例えが下手糞だな……何だその例え方」

加古「いーでしょ、通じんだから……ふぁぁ……っ……あたし寝るわぁ……」

摩耶「……おーう……」チラッ

カァッカァッ

摩耶「1700か……そろそろあいつら帰さねぇと提督がうるせぇな…………おーい!二丁目共ー!」タタッ

呉鎮守府 波止場

ザザァーッ……ザザァーーッ……

金剛「フンフンフーン♪ライジングサーンッ♪」ルンルンッ

金剛「ウィーアーッザワーッ♪れっつーざとぅっぷっ♪ビーックワイエッツ!!ユーッ!!」シャキーンッ

白雪『…………』

金剛「……ワッツ?」チラッ

白雪『…………』ハァ

金剛「姫?あんなトコで一人で何やってるんデース?」タタッ



白雪「……」

金剛「ヘーイ姫!何やってるんデース?」

白雪「あ……金剛さん…………」シュンッ

金剛「随分ブルーな顔してますネ、どうしたんデース?」

白雪「い、いえ……何も……」

金剛「んー?」

白雪「………………」

白雪「……あの……沖縄の事ですけれど……」

金剛「オキナワ?」

白雪「えぇ……やっぱり私は……納得出来ないんです……」

金剛「納得って……何を納得するんデスか?」

白雪「……何故あんな大作戦に私達を使わなかったのか……」

白雪「入居中の艦娘や治療中の艦娘が多く、作戦遂行が困難だから……など……」

白雪「金剛さんは勿論、トラック島には大和さんがいるし……駆逐艦も私を含め睦月さんや夕立さんも出撃可能でした!」

白雪「重巡も軽巡も治療中の艦娘は勿論居ましたがそれでも多摩さんや飢餓状態の狼さんが居たのに!!!」

金剛「……ンー……確かに言われてみればそうデース……」

白雪「……戦力が有り余っているのに出撃できないなんて……私……悔しいですよ……!」

金剛「…………姫……」

白雪「……横須賀鎮守府の艦隊に……姉さんが一緒に出撃してたんです……」

金剛「ブッキー?でもブッキー達の鎮守府は……」

白雪「……はい……でもさっき軍のラジオではっきり聞こえたんです……『駆逐艦吹雪を含む横須賀の艦隊』って」

白雪「あんな小さな鎮守府の艦娘も出撃していたのに……私達呉が出撃しないなんて……」

金剛「……ふんふん……確かにちょっと変デスネ……」

白雪「…………」

金剛「……」スクッ

白雪「……金剛さん?」

金剛「提督に聞いて見マス、姫がこんな悲しい顔してるのに提督が黙ってるわけがありまセン!」

白雪「で、でも司令官は今……」

金剛「善は急げデス!」グィッ

白雪「え、えっちょっと!」

提督室

白雪「や、やっぱり……司令官に直接は……」

金剛「いいから!ここは任せなサイ!」

金剛「…………」スゥーッ

金剛「ッテートk「提督!やはり私は反対だ!!!」ヒィィッ!?」

白雪「!」


長門『今更和解など出来るものか!!』

~!……?

長門『あぁそうだ……!確かに奴の戦術はずば抜けている……しかし奴には艦娘を思いやる力がない!!』

長門『奴は所詮艦娘を道具としか思っていない!だからあんな発言ができる!!!そんな奴に背中を預けられるものか!!!』

金剛「……な、長門秘書艦……ブチギレモードデス……」

白雪「……艦娘を道具としか扱っていない……?」

金剛「……ど、どっちにしろ……今突入するのは無理デス……ここは一旦……」

白雪「……」

金剛「姫?何やってるデス?」

白雪「……もう少しだけ……聞かせて下さい……」

長門『…………っ……!!』ギリッ

金剛「お、オウ……歯ぎしりが外に響くなんて……」

長門『…………私は奴が憎い……!!能ある若者が奴のせいで何人潰されたと思っている……!』

長門『提督……!お前もその一人だろう!!お前をその階級にしたのは一体誰だ!!!』

長門『………………』

長門『ならばお前は傲慢と身勝手を正当化するというのか!!才ある若者が奴の毒牙にかかるのを無視するのか!!!』


白雪「…………」

金剛「……」

白雪「一体誰のことを言っているんでしょうか……?」

金剛「……横須賀提督……だと思いマス」

白雪「横須賀……?」

金剛「……」コクッ

金剛「名前はムラカミハジメ……あの天龍サンと叢雲サンと龍田サンを運用している提督デース……」

白雪「……それって……」

金剛「……棲地攻略の片手間にパパっと棲姫を沈められる化け物3人組デス……叢雲サンは知ってマスカ?」

白雪「え、えぇ……私の妹ですから……多少は……」

金剛「ぶっちゃけ姉デスケドネー……15年前の艦娘と今年できたてホヤホヤの艦娘じゃ年期が違いマース」ハハ

白雪「ま……まぁ……そうですけど……」アハハ

白雪「と、ところで、その村上さんは……どんな人なんですか?」

金剛「よく言われるのが……鬼?」

白雪「お、鬼……」


金剛「他にも悪口製造機、現代の悪魔、クソ提督、ゴミ、人間のクズ、オーメルの仲介人、レズ趣味の嫌味野郎とか……
    他の鎮守府からの悪口は留まる事を知りまセン……」

白雪「で、でも……そんな人と長門秘書艦が何でいがみ合うんですか……?」

金剛「…………さぁ……」

金剛「……でも……」

白雪「……?」

金剛「何でそんな集団に二丁目のブッキーが混じってたんでショウ……?」

白雪「そこが分からないんです……一体この数週間の間に何があったんでしょうか……?」

金剛「……ウーン……あ、もしかしたらブッk」

バァンッ!!!

金剛「へぶっ!?」ドゴーンッ

陸奥「長門!!どこに行くの!?」

長門「…………」

バターンッ!!!!

白雪「あ……なが……」

長門「…………」

長門「…………っ!!」ダッ!!


白雪「…………」

金剛「…………ナ、ナイス……ビッグセヴェン……」ピクピクッ

白雪「……長門……秘書艦……」

白雪「…………」

【提督室】

白雪「……」グッ

コンコンッ

白雪「白雪です、し、失礼します!」

ガチャッ バタンッ

白雪「…………」

呉督「…………」ボソボソッ

白雪「………………うん……ふむ……ふむ……」

呉督「…………」ボソッ

白雪「……そんな事が……えぇ……え?」

呉督「…………」

白雪「和平……横須賀とですか……?」

呉督「…………」コクッ

白雪「なるほど……ですが……それでは長門さんの思いは……」

呉督「…………」ボソボソッ

呉督「…………」メソラシ

白雪「……それは余りに無責任では?お話を聞く限りでは長門さんは司令官を信用しています……」

白雪「村上さんは経験の浅いあなたを信用せず提督学校に留まるよう薦めた……それは間違いないですね?」

呉督「……」コクッ

白雪「それを長門さんは制止を振り切る形で呉鎮守府に着任させた……」

白雪「つまり長門さんは、あなたの実力を見込み、不仲を覚悟してあなたを司令官にしたんです」

白雪「司令官の考えが間違っているわけではないですがそのような考えでは長門さんは納得しないと思います」

呉督「…………ハァ……」ガクッ

白雪「……司令官……」

呉督「…………」ピクッ

白雪「………………」

呉督「…………」ボソッ

白雪「……わからないって……何がですか?」

呉督「…………」ボソボソ

白雪「…………それは……長門さんがあなたを信用したから……じゃないんですか……?」

呉督「…………」ボソボソッ

白雪「……え……?成績も良くなかったんですか……?」

呉督「…………」コクッ ボソボソッ

白雪「…………」

呉督「………………」ボソボソッ

白雪「じゃ……じゃあ……もしかして長門さん……」

呉督「?」

白雪「……自分の想い人を批判されて……それで……?」

呉督「……ぇ?」

白雪「……でもそんな……長門さんがそんな身勝手なはずが……!」

呉督「…………」フルフルッ

白雪「…………?」

呉督「…………僕が告白したせいで……」

白雪「し、司令官が……!?」

呉督「……………………………………」コクッ ボソボソッ ボソボソボソボソボソボソボソッ

白雪「…………」

白雪(だいたいの人のせいじゃない……)

フッ……和平ではなく和解だった……

甘味処 間宮前

間宮「…………」サッサッサッ

間宮「…………ふぅ……今日はもう来ないかしら……」カラッ ガッ

ガララララッピシャッ カチッ

間宮「よしっ……おーわりっと……」

長門「…………」ザッザッザッザッザッ

間宮「あ、お疲れ様です」ペコリッ

長門「あぁ……」ザッザッザッザッ

間宮「……出掛けるのかしら……?」




同時刻 横須賀鎮守府 工廠

川内「夜の探照灯はもうちょっと暗めのほうがいいと思うんだよねぇ……」

明石「そうですか?少し過剰だったほうが万が一の目眩ましにもなりますし……」

川内「それがそうじゃないんだ、明るすぎるとかえって敵艦が見えなくなるんだよ……だから2カンデラくらい暗くして」

明石「ふむふむ……このくらいかしら」パッ 

川内「お、いい感じ、これならよく見えるっ」

ッギィッ バタンッ

提督「川内ちゃん、ここにいたんだ」

空母ヲ級「川内、もう帰るぞ」

川内「えーもうそんな時間ー?もうちょっと明石と夜戦装備の話したかったのにぃ」

空母ヲ級「吹雪もレ級も無事だったんだ、ここに居る理由はもうないだろう、な?」チラッ


吹雪「川内さぁん!!」タタッ ダキッ

川内「お、吹雪ぃ!もう大丈夫なの?」

吹雪「はい!!」

川内「そっか……全く、びっくりしたんだから……今度は無茶しないようにね?」ナデッ

吹雪「えぇ……川内さんも……サポートありがとうございました!」

川内「ううん、吹雪もよく頑張った……お疲れ様っ」


戦艦レ級「……待つ人……ねぇ……」

空母ヲ級「……そうだな……」

戦艦レ級「なぁ、お前帰ったらどうすんだ?」

空母ヲ級「前浜棲地ではなく北方棲地に向かう……カ級にあの機材の使い方を教わらないとな……」

戦艦レ級「あの機材……?あぁ……手足か……」

空母ヲ級「あぁ……」

戦艦レ級「……」

空母ヲ級「手足が生えた姿じゃないと、姫に顔向け出来ないだろう?」

戦艦レ級「……だな……」

空母ヲ級「…………」ホロッ

戦艦レ級「………………」グシッ

空母ヲ級「…………悪い……」

戦艦レ級「…………」ポンッ

空母ヲ級「…………」フッ

提督「んじゃ……帰るかっ……明石さん、横須賀さんにお世話になったって言っといてくれる?」

明石「あ、はい!あ、それと提督……これをっ」ガチャッ ガチャッ ドサッ

提督「……ん?これは?」

明石「うちの弾薬と備蓄燃料の一部です……ていとk……じゃない、叢雲さんが足しにしてくれって……」

提督「叢雲さんが……あ、ありがとうございます」

明石「深海棲艦を運用するとなると大変でしょうけど……頑張ってください!」ペコッ


ハッチアケマスッ オゲンキデ!

アリガトウゴザイマシターッ








太平洋沖……

吹雪「……」カポッ クンクン

吹雪「叢雲ちゃん……二丁目で灯油を使ってるって知ってたのかな?」

提督「え?灯油なの?」

吹雪「えぇ……川内さん、ちょっと嗅いでみてくれます?」スッ

川内「……ん?」クンクン

川内「あ、ホントだ……」

提督「……いつの間に叢雲ちゃん……俺達の基本を知ったんだろ……」

朝、か……少し、休んでくるね

暇だから夕寝の前に何か書くでち

吹雪ちゃんが瑞鶴来てたときに布団で何してたのか詳しく教えてくだち

外伝だから本編にかかわらんよ、読み飛ばして問題ぬえ

憲兵「ドーモ。>>762=サン。憲兵です。」

---------------------------------------

二丁目鎮守府

提督「…………えー……次の療養艦娘は……」

吹雪「……あ、新しい艦娘名鑑ですか?」

提督「あぁ、こないだ呉から来たんだ、こないだ吹雪ちゃんも写真撮っただろ?」

吹雪「でもあれって3日前のやつですよ?そんなに早く出来るものなんですか?」

提督「ま、まぁ……そうだな……」

提督(提出期限ギリギリまで存在忘れてたとは言えない……)

吹雪「ふぅん……私も写ってるんですか?」

提督「うん、二丁目鎮守府の艦娘んとこにちょろっとね」ペラッペラッ

提督「ほれ」スッ

吹雪「あ、本当……って……」

提督「どした?」

吹雪「……」

提督「何かそんなこと言ってたような気がするけど……何で?」

吹雪「……」ユビサシ

提督「……あら……」


『舞鶴鎮守府 秘書艦  吹雪改二』


提督「……」

吹雪「…………吹雪改二……」

提督「」

はわっわわわw
書き直しなのです!!でち公のせいなのです!!

二丁目鎮守府

提督「…………えー……次の療養艦娘は……」

吹雪「……あ、新しい艦娘名鑑ですか?」

提督「あぁ、こないだ呉から来たんだ、こないだ吹雪ちゃんも写真撮っただろ?」

吹雪「でもあれって3日前のやつですよ?そんなに早く出来るものなんですか?」

提督「ま、まぁ……そうだな……」

提督(提出期限ギリギリまで存在忘れてたとは言えない……)

吹雪「ふぅん……私も写ってるんですか?」

提督「うん、二丁目鎮守府の艦娘んとこにちょろっとね」ペラッペラッ

提督「ほれ」スッ

吹雪「あ、本当……って……」

提督「どした?」

吹雪「……吹雪改二?」

提督「あぁ、新しく建造されたみたいだ」

吹雪「……私の改二……へぇ……」

提督「……いい気分ではなさそうだな」

吹雪「えぇ……自分と同じような格好をした人がいるのは……あまり……」

提督「……でも別人なんだろ?」

吹雪「そうですけど……うーん……」

吹雪「瑞鶴さんは、呉の瑞鶴さんと仲がいいって聞いたことはありますけど……どうなんだろう……」




W島防衛基地

瑞鶴改「私と瑞鶴?そりゃぁまぁ、一応仲いいっちゃいいけど……?」

吹雪『やっぱり…………どうやって仲良くなれたんですか?』

瑞鶴改「私の場合は、呉と演習した時に終わったあと話したらウマが合ったって感じね……」

吹雪『演習……ですか』

瑞鶴改「違う鎮守府の艦娘と話すなんて事、普通は演習くらいしか無いわよ?」

吹雪『じゃあ……』

瑞鶴改「吹雪が吹雪改二と触れ合うことはほぼ無いわ、向こうが怪我して療養でもしない限りね」

吹雪『…そうですか……』

舞鶴鎮守府

吹雪改二「……」

吹雪改二「…………吹雪ちゃん……かぁ……」

吹雪改二「……どんな人なんだろ……」

時津風「二丁目のしれーにも会いたいよねー」

吹雪改二「うん……それにしても……」

舞督「………………」

吹雪改二「平和ですね……ここも……」

舞督「そりゃ、日本海側やしな、しゃーない」

利根「まぁ、言えば自分を見るようなものだから性格次第で好きにもなるし大嫌いにもなるのじゃ
    吾輩は吾輩のかいにを見るのは大好きじゃなぁ」

睦月「……私は嫌いかなぁ……」

利根「何故じゃ?」

睦月「あの自信ありげな顔……あれを私がやってると思うとちょっと……」

利根「ふーむ……」

外伝2 深海棲艦の繁殖方法は?


前浜町 灯台

空母ヲ級「……何……!?」

提督「いや、どうなんだろうなぁって……」

空母ヲ級「……私とそういうことをしたいのか……?」

提督「いやいや!そうじゃなくて!人間と深海棲艦との間でこう……」

空母ヲ級「……私は別に構わない……提督が望むなら……私はこの肌を提督に見せる覚悟がある……」スッ

提督「そういう訳じゃないんだ!アダルトじゃない!生物学的な感じで聞くだけだから!!」

空母ヲ級「……そ……そうなのか……?」

提督「……を、ヲ級ちゃんを犯したらレ級ちゃんに消し炭にされるだろ……そんな命を軽々しく捨てる男じゃないよ……」

空母ヲ級「…………そうか……」

提督「…………」

空母ヲ級「…………」チラ

空母ヲ級「……結論から言うと……可能だと思う……」モジモジ

提督「そ……そうなんだ……どんな子ができるんだ……?」

空母ヲ級「…………知らん!……」

提督「そうかぁ…………」

空母ヲ級「…………」

空母ヲ級「……気になるのか……?」

提督「まぁ……興味本位だけど……」

空母ヲ級「………………」

提督「……何かこの話題……マズイな」

空母ヲ級「……そうだな……」


ザザーンッ ザザーンッ


提督「そもそも深海棲艦に男って居るの?」

空母ヲ級「少数ながら存在している、存在そのものが貴重だから殆ど海上に出ないが」

提督「そうなんだ、って事は子作りとかも男を使うのか?」

空母ヲ級「……股間内に誰かの体液が侵入すればそれでいい……男のぺ、ペニスが一番ちょうど良く、入りやすい……らしい」

空母ヲ級「だが、人型になると懐妊する可能性がかなり低くなってしまう……鬼以降はもっと確率が低いらしい」

提督「って事は深海棲艦の人型がイ級達と比べて少ないのは……」

空母ヲ級「個体数が少ないからだ……と言っても非人型と比べてだがな」

提督「へぇ……駆逐とか人型じゃない軽巡は深海棲艦的にどういう扱いなの?」

空母ヲ級「私は何とも思わんがレ級曰くあいつらはペットらしいな」

提督「全長数メートルのペットか……すげぇな……あんなデカイのに……」

空母ヲ級「私はあんな化け物を飼うのは御免だ……私達と比べて性欲も半端じゃ無いらしいし……」

提督「……何か想像したくないものを想像してしまった気がする……」

空母ヲ級「……」

空母ヲ級「それと、レ級をその気にさせるなら気をつけろ」

提督「へ?」

空母ヲ級「数日は慰み者にされるぞ」

提督「き……気をつけます」

というわけで続きはまた深夜に

さぁ、色々書いてみてもいいかしら!?

夜 横須賀鎮守府 天龍と龍田の部屋

天龍「…………」プシュッ!!!!

天龍「っとっとっと……」ズズッ

天龍「…………」グビッグビッグビッ

天龍「っかぁー!うめっ……!!」

ガチャッ バタンッ

叢雲「ったく、アンタまた飲んでんの?酒は禁止ってアイツから言われてんじゃないの?」

天龍「バッカおめぇ、酒は禁止って言われたけどビールは禁止って言われてねぇだろ?ビールは酒じゃねぇ、ジュースだジュース」

叢雲「出た、謎理論、そのうち肝臓やっても知らないわよ?」スッ ゴトッ

天龍「……ん?お前ウィスキー飲めたっけ?」

叢雲「いいでしょ、少しくらい背伸びしたって……」カランッ

天龍「ま、ぶっ倒れなきゃ何飲んでも構いやしねぇけどよ」

叢雲「その時はあんたが介抱すればいいでしょ?」トットット

天龍「めんどくせぇな……仕事は終わったのか?」グビッ

叢雲「まぁね」コクッ

叢雲「っ……きっついわね……」

天龍「ギャラクシーウォーズって酒だ、ヤベェぞそれ、俺でも5杯が限界だ」

叢雲「ぎゃらくしーうぉーず?聞いたことないわね」

天龍「どこぞの野球漫画で出た酒を再現したやつだとさ、一杯でオッサン一人が暴れるくらいらしい」

叢雲「…………」ポワポワ

天龍「……大丈夫か?」

叢雲「そりぇを早く言いなしゃいよぉ~ったくぅ~……ヒック」

天龍「お、おい叢雲……?」

叢雲「私にめいひゃくかけんじゃないわよぉ~!っほらっほらぁ!のみなしゃいよ!!」

天龍「ま、まて!それはやべ……んぐっ!?」ズコムッ

叢雲「あたいからのおごりよぉ~……たーんとのみなさぁい……」

天龍「んっ……んぐ……んんん……」ゴクッゴクッゴクッ

ゴトッ

天龍「………………」

叢雲「っへっへっへっへっへ……?」

天龍「………………むらくもぉ……?」

叢雲「んん……?なぁーにー?」

天龍「っくく……」

天龍「…………こぁいか?」

叢雲「っすごっく!こわい!!」

天龍「だろぉ?みんなわかっちゃいねぇんだよぉ~俺は怖いんだぜぇ?」

叢雲「ふっふっふ!」

アッハッハッハッハッハッハ!!!


部屋の外

龍田「…………」

龍田「…………え……私……どこで寝ればいいの……?」

龍田「…………」ボウゼン

加古「ふぁぁ……あれ……?龍田じゃん、何やってんの?」

龍田「加古?」

加古「あー加古だよぉ?」

龍田「……」ハァ

加古「ずいぶん辛気くさい顔してねぇ、天龍と喧嘩でもしたの?」

龍田「あの子と喧嘩したら命がいくつあっても足りないわ……ちょっとお部屋に入れないだけよー」チラッ


ギャハハッ!!オメーヤッパオモシレェーナァー!!! デショォーー!?


加古「うわ……外からでも酒臭いのが伝わるじゃん……叢雲と天龍?」

龍田「……」コクッ

加古「はは……悪酔いするとめんどくさそうだしねぇ……あの二人……」

龍田「……全く……困ったわねぇ……」


ダダダダダッ!!

若葉「はぁ!はぁっ!!龍田さん!加古さん!!叢雲秘書艦は何処に……!?」

龍田「若葉?どうしたの?」

若葉「どうしたもこうしたもありません……!呉の長門秘書艦が……!!」

龍田「な……!?」

若葉「……失礼します!!」バンッ!!


若葉「…………」

叢雲「もういっぱいどぉーぞ!!」トットット

天龍「おぉっ!悪いねぇー!ほんじゃあ一口……!」グビッ!

叢雲「……ん?あー若葉!アンタものむぅー?」

若葉「……い、いえ……それよりも……!」

叢雲「ん?なにぃ?」

若葉「……あぁもう……!役立たずが……!」


バターンッ!!

若葉「龍田さん!!」

龍田「な……何?」

若葉「……酔いが完全に覚めるまでこの二人を部屋から出さないで下さい!!」

龍田「あ……うん、ごめんね?」

若葉「加古さんは提督に長門さんが来たことを伝えて下さい!私は長門さんを提督室にお連れします!!」

加古「お……おう……」

若葉「お願いします……全く……肝心な時によくもまぁ……!!」ダダダッ!!

横須賀鎮守府 提督室

横督「…………」

横督「……薄汚れた貴様にはお似合いの面構えだ、いい顔になったじゃないか」

長門「…………」

横督「…………」

長門「…………提督……」

横督「何だ」

長門「お前は何故、人を簡単に傷つけることが出来る」

横督「傷つけているつもりはない、向こうが勝手に傷ついているだけだ」

長門「明らかに悪質だ、お前は人間に恨みでもあるのか?」

横督「ない」

長門「なら何故!!」

横督「貴様はそんな戯言を言うために呉から横須賀に飛んできたのか?呉も随分堕ちたものだな、秘書艦が暇を持て余すとは」

長門「黙れ!!私はお前の嫌味を聞きに来たわけではない!!!」

横督「ならば貴様も言いたいことをさっさと言え、お前のような鉄屑を相手にしているほど暇ではない」

長門「っ……!」

横督「言いたいことが無いならば今すぐ視界から消えろ、貴様と会話するくらいならドブネズミと会話している方が気分がいい」

長門「あぁそうか!!私も貴様のような性根の腐りきった男と会話したくて会話している訳ではない!!!」

長門「少しでも信用しようとした私が馬鹿だった……!!お前が望むならお望みの本題に入ってやる!!!」

長門「私がここに来たのは……!!」スッ

チャカッ

長門「お前を殺すためだ!!!」

横督「…………」

長門「…………」

横督「武器を持つだけで随分と偉くなるな……これだから意思の強い女は……」スクッ

長門「動くな!!」

横督「断る」

タァンッ!!

長門「…………私は本気だ……!!動くな……!!」

横督「……」

長門「…………」

横督「……」ハァ

長門「……手を上げろ」

横督「何故だ」

長門「いいから手を上げろ!!殺されたいのか!!」

横督「私を殺しに来たのだろう?何故手を上げさせる必要がある、腕に自身がないのか?」

横督「貴様ほどの女が手のひらサイズの拳銃の扱いに困るようには思えんがな」

長門「…………っ……」

横督「……何だ、撃たんのか?」

長門「…………」カタカタッ

長門「私はこの十数年……!!貴様の傲慢な態度に」

横督「御託を並べる暇があるなら早く殺したらどうだ」

長門「ぐ……!!」

横督「引き金に力を入れるだけで十数年貴様を苦しめた男が消えるというのになぜそれをやらん」

長門「…………」

長門「…………」

横督「…………」

長門「…………」スッ フラッ

ゴトッ 

横督「何故銃を落とす」

長門「…………く……何故だ……!何故お前を撃つことができない……!」

横督「……」

長門「……私はお前が憎い……!彼を侮辱し、彼を邪魔し続けたお前が憎くてたまらない!!」

長門「なのに……なのに何故だ!!何故お前を殺すことができない!!!」

横督「……」

長門「何故お前を信頼してしまうのだ!!!」

長門「何故心の底からお前を恨むことができないんだ!!」

長門「…………」

横督「先に言っておく」

長門「……」

横督「私は正直者だ、書類上の都合や作戦のために偽の情報を流すことはあるが、貴様ら艦娘や提督との会話で嘘をついたことはない」

長門「…………」

横督「提督という職業は艦娘との信頼関係が最も重要視される」

横督「無論艦娘も同じだ、艦娘は提督に信頼されなければ作戦を遂行することなどできない」

横督「信頼されん役立たずは解体されるか、誰からも相手にされず腐りきるのを待つだけだ」

長門「……その通りだ……」

横督「…………仮にも上官に銃を向けるなど、もっての外だな」

長門「……あぁ……」

横督「………………」スッ


チャカッ  ッタァン!!


長門「……っは……!?」ガクッ

横督「……」タァンッタァンッタァンッ

長門「っ……!!」ドサァッ

長門(……な……何故……!?)

横督「一度の気の迷いとはいえ、提督に銃を向ける行為は重罪だ、貴様を暫くの間拘束する」

長門「…………う……ぐ……ぅ!!がっ……!」

横督「悲劇のヒロインを演じれば許されるとでも思ったか、鉄屑が」

バァンッ!!

加古「提督!!銃声が……って……うぇえ!?長門さん!?」

横督「こいつを独房にぶち込んでおけ、呉のクズ共には私が連絡しておく」

加古「あ、あぁ……怪我の治療は……?」

横督「罪人に治療など必要ない、痛みで死ぬような奴など我が軍には必要ないからな」

前浜町 灯台

提督「はぁー……っつかれたぁ……」

吹雪「お疲れ様です、司令官」

川内「何か自分ちでもないのに帰ってきたって感じがするなぁ……っふぅー……」クッテェ

提督「だなぁ……すっかり暗くなっちゃったし…………ってあれ?レ級ちゃんたちは?」

吹雪「流石に疲れたみたいで先に棲地に帰っちゃいましたよ?明日の準備しなきゃって」

提督「そっか、じゃあ俺達も帰るか、さすがに二人共疲れたろ?」

川内「まぁねぇ……さすがに昼も夜も働き詰めじゃあ疲れるわ……」コキコキッ

吹雪「……そう思うと……何だかどっと疲れちゃいました……あのベッド、あんまり寝心地が良くなくて……」

提督「だろうなぁ……何か固そうだったし……とりあえず帰るか」

吹雪「はいっ……あ、今日の夕飯は……」

川内「出前でいいんじゃない?今から作る訳にはいかないでしょ」

提督「さすがにそうだな……疲れた体に鞭打つのはもう勘弁だ……えっと……寿司かなぁっと」スッ ポチポチッ

提督「あ、はい、じゃあ一番いいので、はい、はい……愛知県、後乃木市……はい、前浜町、二丁目…………」

川内「……それにしてもさ……あ、吹雪ってうちの秘書艦とあの提督と仲悪いの知ってる?」

吹雪「えぇ、前聞いたことがあります」

川内「うん……で、確かにあの人は嫌な奴だけど……長門さんが憎しみを抱くほどではないんじゃないかって思ったんだ……」

川内「そりゃあ……屑とか、奇声を上げるとか言われて腹立ったけど……何で長門さんはあの人を目の敵にするんだろう……」

吹雪「……うーん……感受性……?」

川内「なのかなぁ……」

提督「……っふぅ……あ、吹雪ちゃん川内ちゃんってわさびいける?」

吹雪「大丈夫です、多分」

川内「私も大丈夫」

提督「ほっ……良かった…………」チラッ

携帯『新着メール 1件』

提督「…………?」


父上『何時帰るんだお前は』


提督「あ゛……やっべ……」ポチポチポチッ

携帯『今週の金曜、つまり3日後』

提督「よっし……送信……っと」

提督「……さ、行くか」

吹雪「はい!」

おまけ

>>691

利根「深海棲艦のレ級の強さは個体差があるらしいの、少なくとも二丁目のレ級は蒼き鋼1つ分と言われておる
    真偽は定かではないが深海棲艦とやりおうた後の千早群像の反応を見るとタ級数十を相手に苦戦を強いられたそうな
    しかし初戦闘でタ級艦隊を退けるということは彼らのポテンシャルは相当なものかも知れんな……」ウムウム


-----------------------------------------------

傭兵鎮守府の作戦説明風景

依頼主が横須賀の場合


横督「作戦を説明する」

横督「貴様らの任務は戦艦棲鬼の撃破、及び周辺に蔓延る深海棲艦共を全て消すことだ」

横督「ルート、索敵、増援の排除は我らが引き受ける、貴様らは決められた範囲内の敵をすべて消せ」

横督「言わんでも分かるだろうが、戦艦棲鬼の障壁はかなり凝固なものとなっている、とは言っても所詮は鬼の障壁だ」ピッピピッ

横督「無論弱点も存在する、戦艦棲鬼の艤装の砲身部に位置するジェネレーター、ここは射撃時であっても障壁の範囲から外れている、
    そこを狙うと障壁に過剰な負荷がかかり、艤装もろともパージしなければならんそうだ」

横督「調べれば調べる程杜撰な作りだ、深海棲艦の中でも指折りの無能なのだろう」

横督「……また、棲地内には深海棲艦最強を嘯くレ級が存在する、だが調べた結果これも改造種の成れの果てだ、
    皮だけがレ級のイ級以下だ、脅威にはならん」


横督「貴様には必要ないだろうが、今回も支援艦娘を薦めておく、叢雲、天龍、アイオワの三人が候補だ、必要なら言え」

横督「以上だ」

横督「金を稼ぎたいならこの任務はうってつけの任務だ、意地汚い金食い虫にはお似合いの内容だからな」





二丁目の場合

提督「あ、どうも……二丁目です、実はちょっとお願いしたいことがありまして……」

提督「二丁目の近辺に敵対する深海棲艦が出てきたんです、リ級とかタ級で、明らかに敵意を向けてくる種です」

提督「で、任務なんですけど、今回はそれをできるだけ遠洋で倒して欲しいんです、お願いできますかね?」

提督「町の人達が怯えるとかわいそうなので、あ、勿論謝礼はします」

提督「それで、必要な時はうちからも支援艦娘を出します、深海棲艦のレ級とヲ級ですけど……彼女らは味方なので!
    ちょっと報酬は減るかもしれませんけど……十分戦えると思います……はい」

提督「えー、これで以上となります……どうか……お願いします……」ブツンッ



横須賀鎮守府 棲鬼撃破
この任務を受諾しますか?

Yes No


支援艦娘を選んで下さい

叢雲
天龍
アイオワ



前浜町二丁目鎮守府 深海棲艦撃破
この任務を受諾しますか?

Yes No


支援艦娘を選んで下さい

戦艦レ級

空母ヲ級

アーマードコア風にやってみたがうまく行かなかった

しばらく寝る!

乙でち

前々から思ってたがアイオワって実装されてないよね?

>>810
無論じゃ、実装されたらどうなるんだろう
うちの鎮守府Z1すら来てない

確かに不憫だの…反省せねば

さ、はじめっか

夜 二丁目鎮守府 ソファの上

TV『……この疑問にお応えするのは評論家の清水さん!』

吹雪「最近この人良く出ますよね」

提督「確かに」

川内「んー」

TV『最近の世の中について一言で申し上げますと、なっていないの一言ですね』

TV『海が遮断されて十数年、日本の経済力は大幅に低下しています』

TV『これは一種の国民性の表れとも取れますね、一人が暗くなるとみなが暗くなってしまう』

川内「……ふぅん……」

吹雪「……」

川内「ふんふん……」スッ バリッ

川内「醤油せんべいのほうが好きかも……」バリッ

提督「そう?」

川内「サラダ味ってのがよく分かんないんだよねぇ……何処がサラダ味なの?」

提督「あれ、野菜じゃないぞ、サラダ油と塩でサラダ味だからな、よく間違えるらしいけど」

川内「え!?そうなの!?」

提督「俺も最近気になったから調べたけどやっぱサラダ油だった、ややこしいよなぁ……」

川内「っへぇ~……」

吹雪「ふーん……ってことは塩味なんだ……」パリッ

吹雪「……確かにサラダじゃないですよね……」

提督「だよなぁ……」ピッ

TV『やあマイク、今日はこの名車をレストアしようと思うんだ』

TV『おぉ!トヨタのハチロク!日本の名車じゃないか!』

TV『一時期は日本の漫画にも登場した名車さ!でも、この車にはその面影すら残っていない』

TV『確かに、フロントバンパーの腐食が激しく、見た所ブレーキも摩耗しているみたいだ』

提督「……お、レストア番組だ」

吹雪「車……ですか?」

提督「ま、好きな人はよく見るけど積極的に見るシロモノじゃないよな……」ピッ

川内「確か今の時間って水曜のドキュメンタリーみたいなのやってなかった?」

提督「あぁ、特集的なやつか、今日何やってたっけ?」ピッ


TV『……忘れてはいけない、日本の海』

TV『深海棲艦から国民を守り、毎日休むこと無く働く日本の海軍に迫る……』

提督「……艦娘特集かぁ」

川内「あ、これ私出るかも」

提督「マジ?」

川内「結構前にテレビが取材に来たの、多分それだと思う」

提督「へぇ~……有名鎮守府になると違うもんだなぁ……」

吹雪「うちに来ても見るものありませんしねぇ……」

提督「だなぁ……やっぱ大規模鎮守府は見どころも多いんだろ?」

川内「そんな驚くようなものは置いてないはずだけど……」

TV『東洋一の軍港とも言われ、今でもその異名に恥じない』

提督「結構評価されてんのなぁ……」

川内「はは……」

吹雪「…………」

TV『現代の海軍の主力とも言える存在、それが艦娘、100年もの昔の艦艇の魂を持つ少女たちだ』

提督「…………」

川内「……」

吹雪「100年前……」

提督「覚えてるものなの?」

吹雪「あまり深くは……でも確かに覚えてるような気がします……」

TV『100年前の記憶を頼りに日々戦いを挑む少女たち、その目はどこか遠くを見ているようだった』

川内「何かに誘発されて思い出すことはよくあるらしいね、長門秘書艦も強い光が嫌いみたいだし」

吹雪「長門さんも?」

川内「うん、何か車のライトとか灯台の光を直接見ると嫌な記憶を思い出すらしいよ」

提督「……ふぅん……」

吹雪「私もなんです…何故か知らないけど探照灯の光を受けるのが嫌いで……」

提督(吹雪ちゃんもか……長門さんが沈んだ理由は割と有名だけど吹雪ちゃんはどうやって沈んだんだっけ?)

提督「……何か心当たりがあるの?」

吹雪「いえ……よく分からないです……」

提督「そうか……」

川内「……あ、赤城さん達だ」

TV『…………』ピシュッ バッ!!

TV『艦娘の弓から小型の戦闘機が射出される』

TV『戦闘機はかつての名機、零式艦上戦闘機を小型化し、機動力と火力を増加させたものだ』

TV『かつて同種の人間相手に猛威を振るったこれらの名機も今は人類を守る要として働いている』

提督「実際どうなの?赤城さん達って」

川内「実際すごいよ、航空戦力はうちが一番だしね」

提督「へー……」



1時間後

TV『…………』

提督「っふぅ……ドキュメンタリーだけあって見応えあるな……」コキコキッ

吹雪「って……あれ?川内さん出てました?」

川内「カットされてたみたい……ま、あんな事言っちゃぁねぇ……」ハァ

吹雪「……一体何を……?」

川内「別に、夜は好き?って聞いただけ、テレビ的にアウトな発言だったみたい……」

提督(そりゃ……テレビスタッフの男たちは誤解するだろうよ……)

川内「……にしても、長門秘書艦、かなりノリノリで話してたなぁ」

提督「あー、確かに」

川内「いつもの固い顔じゃなくて時折ドヤ顔が混じってたっていうか……」

吹雪「私達は私達の身を守るだけでなく、全国民を背負っているのですっ!……カッコ良かったなぁ……」キラキラ

提督「はは……吹雪ちゃんとは正反対な人だからなぁ……あの人」

吹雪「……それ、どういうことですか?」

深夜 洗面所

吹雪「……」シャカシャカッ

川内「…………フフヒィ?」シャカシャカ

吹雪「……んー?」シャカシャカッ

川内「ふぁのはー、ふぁんはっへ?」シャカシャカッ

吹雪「…………」ペッ

吹雪「吐き出してからじゃないと聞き取れませんよ」ジャーッ カランッ ジャーッ

吹雪「っ……」クチュクチュッ ペッ

吹雪「っふぅ……」

川内「……っ」ペッ

川内「あれじゃん、なんだっけ……私って何時帰るんだっけ?」ジャーーッジャーッ カランッ ジャァーーッ

川内「……」クチュクチュッ ペッ

吹雪「明後日だったような、木曜だったはずですよ?」

川内「あ、そっか……」

吹雪「体とか、問題無いですか?」

川内「今のところはどこに問題があるとかはないよ?」

吹雪「なら、良かったです」

川内「……ふぁぁ……眠い……」ムニャムニャ

吹雪「あれ?夜は好きだったんじゃないですか?」

川内「夜は好きだけどさ……さすがに昼も夜も目ぇ開けてたら眠くなるよ……今日は夜に寝よっと……」

吹雪「普通はそうなんですけどね……」アハハ

川内「これを気に生活リズム戻すのもいいかもねぇ……」

吹雪「呉の皆、驚くかもしれませんね」

川内「無い無い、私が夜に寝たら体調不良を疑われるんだから……」

吹雪「そ、そうなんだ……普段一体どんな生活してるんですか……?」

川内「昼寝て夜起きる……かな?白雪が来てからは昼も起きてたけどね」ヘヘッ

吹雪「……へぇ……艦娘だからこそ出来る生活ですね……」




提督の部屋

提督「…………」カチャカチャッ

提督「……まぁあとで塗るか……とりあえずアークビートルDは完成っと」

提督「…………にしても……」チラッ

提督「いいもんだなぁ……メダロット……もっと立体化してくれたらいいんだけど……」

提督「……」ギィッ

ピコンッ

提督「ん?」カチッ


呉々厨『長門秘書艦、知りませんか?』


提督「……?」カタカタッ

出前二丁『いえ……?』

呉々厨『そうですか、すみません』


提督「……夜遊びにでも行ったのか……?」

提督(……にしても……)カチャカチャッ

提督(…………川底棲艦の調査、最近してない気がするな……)

提督(そういえばお……尾崎さんだったか尾口さんだったか……)

提督(あの人のロ級の調査、どうなったんだろう……)シュッシューッ

提督(今度電話してみるかな……)

提督(………………)

提督(いや、明日行くか、市役所の近くだよな)


コンコンッ


提督「ん?」

吹雪『吹雪です……』ボソッ

提督「吹雪ちゃん?いいよ、入って入って」

吹雪「失礼しますっ」スゥーッスゥーッパタン

提督「今日はお疲れ、吹雪ちゃん」

吹雪「司令官も、昨日、今日とずっと頑張ってくれたんですよね……」

提督「前線で戦ってくれた吹雪ちゃんらに比べると、俺の実力なんて……」

提督「それに一番頑張ってくれたのはヲ級ちゃんと川内ちゃんだ、俺はただ画面見て慌てふためいてただけだからな…」

吹雪「それでも、私達を助けようと一生懸命だったんでしょう?」

提督「ま……そうだけど」

吹雪「なら、それでいいんです、司令官は戦闘向きじゃないんですから」

提督「そういうもんか」

吹雪「そういうものですよ、ちょっと前までは戦闘も期待されてましたけど、今は違いますからね…」

提督「…………」カタカタッ カチッ


【前浜町二丁目鎮守府】


提督「……まぁ……療養鎮守府って言われるくらいだからな……海軍のネットじゃそう呼ばれてるみたいだ」

吹雪「でしょ?」

提督「……ま、それもありか……」ギィッ

吹雪「…………」

提督「…………」

吹雪「ねぇ、司令官」

提督「ん?」

吹雪「もともとこの鎮守府って、どういう目的で作られたんでしょうか……?」

提督「さぁ……元々老人が住んでた家だったとは聞いてるけど……」

吹雪「……昔って?」

提督「2~3年前だって」

吹雪「わ、割と最近ですね……」

提督「俺も思った、鎮守府化してからは誰が前に提督やってたのかも、吹雪ちゃんの前に居た艦娘についても教えられてないな…」

吹雪「近所の人には?」

提督「そもそもここに海軍系の施設があった事すら知らなかったらしい」

吹雪「……そ、そうなんだ……」

提督「ま、妙に詮索する必要もないだろ、確かに気になるけど……」

吹雪「ま……まぁそうですけど……」

提督「……まぁ、気になるよなぁ……」

吹雪「えぇ……」

提督「だが、気にしても仕方ない」ガタッ

提督「…………」

吹雪「……ん?」

提督「……どうした?」

吹雪「司令官、またプラモデル買ったんですか?」

提督「今回は買ったな、さすがに惹かれるだろ……これは」

吹雪「……司令官の事は理解してるつもりですけど……」カチャッ

吹雪「…………うーん……こればっかりはよく分かりません……そんなに惹かれるものなんですか?」

提督「惹かれるだろ、吹雪ちゃんだって新しいバスロマンが出たら買ってるじゃん」

吹雪「あれは生活や疲労回復に深く関わるから買ってるんです、バスロマンはただの道楽じゃないんですから」

提督「うぐ……まぁ……そうだな……」

吹雪「………………で、司令官、仕事は終わったんですか?」

提督「仕事?」

吹雪「えぇ、沖縄の報告書とか、療養記録とか……」

提督「あぁ……横須賀さんがやってくれるみたいだよ?」

吹雪「……いつ聞いたんですか?それ」

提督「さっき横須賀さんからチャットが来て、それで任せた」

吹雪「……全くっ……人望が厚いですね」

提督「素直な褒め言葉として受け取っていいか?」

吹雪「嫌味です」

提督「ですよねぇ……」

吹雪「……楽ばっかりするからいざというときに苦しむんですよ」

提督「人生は一度きりだからな」

吹雪「全っ然理由になってません!」

提督「ははは……悪い悪い……そうだな、じゃあ明日の仕事を軽く済ませるからそれで許してくれよ」

吹雪「……まぁ、いいですけど……」

次の日 呉鎮守府

陸奥「……長門……」

大淀「…………提督、この事は伏せておいたほうが……」

呉督「……」フルフル

呉督「……ここは正直に話すべき……だ……」

大淀「……ですが、鎮守府内で混乱が起こってしまうと、作戦行動に支障が……」

呉督「……こうなった場合……先生はどうするか……分かっていル……」ボソ

呉督「……」ボソッ

呉督「……」ボソボソ

陸奥「……そう言うなら、任せるわ……」

呉督「……」コクッ

呉督「……皆を……集めてくれ」

陸奥「了解よ」





前浜町二丁目鎮守府 朝 提督の部屋

提督「……ん?何だ……?」カチッ

提督「こんな朝っぱらから……自由参加の会議……ちょっと覗いてみるか」カチッ


佐督『とにかく、今は長門の行方を探すのが先決でしょ!!』

ラバ督『呉の提督同様深海棲艦に拉致されていてはまたしても指揮に支障が……』

佐督『先の沖縄の件で深海棲艦の動きが本土侵攻じゃないってことは分かりきった事よ!
    それに提督を拉致った直後にまた長門を拉致るほど向こうは馬鹿じゃないわ』

ラバ督『なら、横須賀と呉とのゴタゴタと言うわけですか、となると長門の身柄は彼の手に?』

佐督『えぇ、その通りよ……全く……あの人間の屑が、艦娘まで毒牙にかけるっての……?』チッ

ラバ督『……彼ならやりかねません、全く、迷惑な存在だ……単冠はどうです?』

単冠督『私も佐世保さんと同意見よ、彼の横暴な態度は全ての海軍施設を混乱に陥れている』

単冠督『……正直な所、長門も村上も、それに彼も……海軍にとっては邪魔な存在でしか無いわ』

ラバ督『……ほう……』

単冠督『横須賀が切れ者だというけど、オーバースペック艦娘を上手く運用出来るだけで、実際はただの提督と変わりないもの』

佐督『それに、男のくせにレズが好み……気持ち悪いったらありゃしないわ』

単冠督『……呉も横須賀も、潰し合うならさっさと潰し合えばいいのよ、過去の栄光だけが取り柄で……他と変わらないんだから』

佐督『……長門は潰しちゃ駄目よ、あんなクールで可愛い子は他に居ないもの、消えるのは呉のアイツと村上だけよ』

ラバ督『…………艦娘は大事にしなければ……』


ブツッ


提督「何か……色々大変そうだな……」

吹雪『司令かーん!朝食ー!取らないんですかー!?』

川内『先食べちゃうよー!?』

提督「あー!今行く―!」

提督(ま、時間が解決するだろ)ガタッ 

スゥーッ スゥーパタンッ

眠いぞ!……だが……悪くない……

少し思ったのだけれど東南アジア方面はどうなっているんだろう?

>>904

利根「東南アジア方面の国々は特に国自体は変わってはおらん、だが観光収入がほぼ0になってしまったが故に
    一部の金持ちがホームレスに転落するような事態が起こっておることは確かじゃ。
    ま、空も海も閉鎖された上にリゾートホテルなど、過去の遺物となっておる今の時代では、当然っちゃ当然じゃが」

睦月「艦娘は確かフリゲートのサマディクンと唯一のフィリピン艦娘のラジャが有名ですよね」

利根「そうじゃな、特にラジャの艦娘としての能力は米軍のそれと変わらぬが、たった一人でフィリピン全域を請け負っておる」

睦月「でもどうしてフィリピンの艦娘は彼女だけなんでしょうか?」

利根「さぁのう……恐らく艦娘の歴史がまだ浅く、浸透しきっていないからだと思うぞ……現に艦娘を運用している国はまだ
    日本、アメリカ、ドイツ、イギリス、ロシア、中国などの先進国のみの運用となっておる」

利根「それに艦娘は1人で1艦隊分の能力じゃ、どの国にも艦娘が必要という訳ではないのだろう」

利根「現にオーストラリアやベトナムの海軍はアメリカの旧式艤装……男たちが水上で海を守っておる状態らしい」

睦月「男の人?まだ現役なんですか?」

利根「兵器というものは長持ちするものじゃ、1911の拳銃が未だに使われているのだぞ?それと比べるとまだまだ男も現役じゃ」

睦月「へぇ~」



※無論独自設定じゃ

>>1の本気を見るのです!
始めるのです

朝食後

吹雪「……水質調査委員にですか?」

提督「うん、川底棲艦についてわかったことの情報交換をしようと思ってな……」

川内「水質調査……?海の?」

提督「川の水質だよ、尾……なんだっけ……?」

吹雪「尾口さんです」

提督「そうそう、尾口さんって女の人が川底棲艦のロ級を研究しててな……今日そこにいこうと思うんだ」

川内「へぇー……じゃあ私も行っていい?」

提督「勿論、そのつもりで川内ちゃんにも声をかけたんだからな」

川内「私も色々気になるしね、川底棲艦って……って事は川のヲ級とレ級も行くの?」チラッ

ヲ級『ヲ?』コポコポッ

レ級『……?』

提督「勿論だ、だから今日一日くらい鎮守府開けるからどうしようかなぁって悩んでるんだ……」

川内「あー……確かに仮にも海軍施設だしねぇ……」

吹雪「……ヲ級さんとレ級さんに任せる……訳にはいかないですよね……」

提督「…………ヲ級ちゃんならまだ大丈夫かもしれないけど……」

川内「レ級さんか……」

提督「さすがにこれ以上電話を犠牲にする訳にはいかないからな……」

川内「……うーん……じゃ、私残ろうか?」

提督「いや、それじゃ川内ちゃん暇だろ?」

川内「大丈夫大丈夫、呉の時は働き詰めだったし、それに療養って休むことでしょ?久々にゴロゴロ出来るってやつよ」

提督「……でも、いいのか?」

川内「あ、でもテレビは独り占めするからね、恨まないでよ?」ニシシッ

吹雪「…いいんですか?」

川内「うん、提督らの家は私がちゃんと守るからさっ」




数十分後

提督「じゃあ悪い、行ってくるよ」

吹雪「鍵は持ってるので戸締まりお願いしますね」

ヲ級「ヲッヲー」バイバイ

レ級「ッ!」フリフリ

川内「いってらっしゃーい」


ガラララッ ピシャッ カチッ


川内「……さて………テレビでも見て休もうかなぁーっと」ゴロッ

川内「…………」

川内(……留守番かぁ……興味本位で体験してみたけど……)キョロキョロ

川内(まさかここまで静かになるとはねぇ……何か新鮮……)

川内(うちの鎮守府は毎日どこかしら騒いでるからなぁ……昼間はランニングの声と那珂の歌声でうるさいしっ)ピッ

TV『きれいな歌声ランキング第一位は~』

川内「っふぅ~……にしても……昼間起きるのも悪くないねっ……」ボンヤリ

川内「……」ゴロッ

川内「…………」ピッ

TV『自分の都合でしょ!そんなの!!』

TV『それの何が悪いんだよっ!!』

川内「…………うーん……」ピッ

TV『京都の旅、今回の旅は』

川内「…………」ピッ

TV『比叡ざ』ブツッ

川内「よっ……と」ムクリッ

川内「…………喉乾いた……」スタスタッ

川内「えーっと……お茶は確か……冷蔵庫に……」バタッ

川内「あったあった……」バタンッ チョポポッ コトッ

川内「…………にしても……狭くもなく広くもないって感じ……」バタッ ゴトッ バタムッ

川内「これがちょうどいいのかな……?」ゴクッ

川内「……っぷは……冷たぁ…………」



ピンポーンッ


川内「っ!」ビクッ

川内「来客……?と、取り敢えず出ないと……」

川内「は、はーい!」タッタッタッタ


カチッ ガラッ


川内「はい、どちら様でしょうか……?」

戦艦レ級「よっ」

川内「れ、レ級……さん?こんな目立つ時間に出て大丈夫なの?」

戦艦レ級「いや……アタシも不安だったんだけどさ……割と受け入れられてよ……」

川内「そ、そうなの?」

戦艦レ級「あぁ、何かそこら辺の人間とすれ違っても会釈?だっけ、挨拶してくれたし……」

戦艦レ級「あのガッコーの前通っても多少変な目で見られるけどガキ共がベタベタ触ってきやがってさ……どうなってんだか……」ポリポリ

川内「……結構色んなとこ散歩してんのね……」

戦艦レ級「ま、そういうこった……提督達は?」

川内「出かけてる、今は私一人だけ」

戦艦レ級「はぁーん……さては捨てられたな?」ニヤッ

川内「んなわけ無いでしょ!ただの留守番っ!!」

戦艦レ級「はは、冗談だって、んじゃ、邪魔するぜっ」

川内「…………ま、話し相手ができていいけどさ、何か飲む?」

戦艦レ級「なんだっけ、お茶?ってのが飲みたい」

川内「はいはい」

戦艦レ級「……にしてもまぁ……相変わらずワケの分かんねぇものばっか置いてあんなぁ……」

川内「人間数人が快適に暮らすにはなくてはならないものばっかみたいだね……はいお茶」コトッ

戦艦レ級「お、悪いな……」スッ

戦艦レ級「……茶色い液体か……」クンクン

戦艦レ級「…………何だ……この匂い……」クンッ

戦艦レ級「…………よく分かんねぇけど、悪い匂いじゃねぇな……」

川内「……」

戦艦レ級「…………」ゴクッ

川内「……!」

戦艦レ級「……ん……っ……んぐ……」ゴクッゴクッ

川内「……美味しい?」

戦艦レ級「……っはぁ……」コトッ

戦艦レ級「……うめぇ……何味か分かんねぇけど……」

川内「そ、そう?」ホッ

戦艦レ級「これが人間のお茶か……へぇー……何か分かんねぇけど懐かしい気分になるなぁ……」

川内「でしょ?私もあんま飲んでないけど、冷えたお茶って何か懐かしい気分になるよねぇ……」

戦艦レ級「何だろうな、この気分って……悪い気分じゃねぇけど……何だろうな、物寂しいってのかな?」

川内「……あー分かる、ぼんやりしちゃうよねぇ」

戦艦レ級「だなぁ……あ、ソファ座るぞ」

川内「どうぞ~、ま私も座るけど」ポスッ

戦艦レ級「はぁ……」ポソッ

戦艦レ級「ヲ級の奴、修復中は恥ずかしいから来るなってさ……」

川内「修復?」

戦艦レ級「そ、修復、手足生やす処置をするんだとよ、ミッドウェーの修復装置をカ級が修理したらしいからさ」

川内「ミッドウェーって……MIは今防衛基地があるし近づけないんじゃ……?」

戦艦レ級「水上はな、深海は誰も近寄れねぇからよ」

川内「……あぁ……確かに艦娘は深海に入れないしねぇ……ま、いいか……」

戦艦レ級「…………」

川内「…………あれ」

戦艦レ級「……ん?どした?」

川内「今の発言、かなりやばいんじゃないの?」

戦艦レ級「あ、確かに……」

川内「……ま、いいか……目ぇ瞑っといてあげる」

戦艦レ級「サンキュー」

後乃木市 河川水質保全委員会

吹雪「ここが……」

提督「想像してたよりかなり研究施設チックだな……へぇー……」ツンツンッ

門番「……ZZzz……ハッ!?」

門番「ご、ご用件は?」

提督「前浜町二丁目鎮守府の者です、川底棲艦の件でお話を通しておきましたが……」

門番「あー……えっと……あはい、来てますね、お入り下さい」ガラララッ

提督「ありがとうございまーす」

吹雪「失礼します」ペコッ

提督「…………」スタスタッ

吹雪「あの人、寝てましたよね……」テクテクッ

提督「ま、門番とか警備員って疲れるもんだしな……えっと……正面から入るんだよな……」

吹雪「えぇ……多分、自動ドアがありますしそこくらいしか入る場所ないですし……」

提督「だな……じゃ、入るか」


ウィーンッ



河川水質保全委員会 展示場


提督「へぇ……結構色々あるんだなぁ……」

吹雪「川って川底棲艦以外にもいろいろいるんですね……」

提督「……」

吹雪「司令官?」

提督(げ、ゲンゴロウが居る……だと……?あの川に……?マジか、浄水ネ級すげぇ……)

提督「……にしても……尾口さん遅いな……」

吹雪「確かに……あ、来ましたよ」

提督「お、来た来た」

タッタッタ

尾口さん「すみません!遅れてしまって……!お久しぶりです、提督さんと吹雪ちゃん!」ペコッ

提督「どうも、お久しぶりです」ペコッ

吹雪「お久しぶりです、尾口さん!」ピシィッ

尾口さん「久しぶり、吹雪ちゃん、元気にしてた?」

吹雪「はい!」

ヲ級「ヲッ?」チャプッ

レ級「ン……?」ダレ?

提督「2人とも挨拶しな、君達の研究をしている尾口さんだ」

尾口さん「あ……虫母ヲ級と……沢蟹レ級ですか!?」

提督「えぇ、うちの家族として一緒に暮らしてる子たちです」

尾口さん「わぁ……ちょ、ちょっと触っていいですか!?」

提督「優しくお願いしますね?」

尾口さん「は、はい!」スッ

ヲ級「ヲヲーッ?……ヲヲッ…………ヲッ!」ニコッ

尾口さん「か、かわぇぇ……!!」

吹雪「……!?」

尾口「なになにこの子すっごいかわいい!!やばいっ!!」ギュゥーーッ!!!

ヲ級「ヲッ……ヲヲ……」クルシイ

吹雪「お、尾口さん……」

提督「……あはは……」

吹雪「司令官……この溺愛っぷり……」

提督「…………うん」

吹雪&提督(……佐世保さんそっくりだ……)





佐世保鎮守府

佐督「ねぇヲ級……長門ちゃんが居なくなっちゃったのよ……どうしよう……」スリスリ

ヲ級「ヲヲー……ヲ?」

佐督「そう、私の大切な子……横須賀からは音沙汰なし……呉からも音沙汰なし……困っちゃうわ……」スリスリ

ヲ級「ヲヲ……ヲヲ……」ナデナデ

佐督「うふ……ありがとう……」ナデッ

ヲ級「ヲヲ~……」ポワポワ




水質保全委員会 研究室


尾口「殺気は取り乱しちゃってすみません……えっと……ここが研究室になります」

提督「研究室か……」

吹雪「すごい……壁に水槽が……」

泥リ級『……?』

泥リ級『……っ!』ニコッ

尾口「皆いい子たちですよ、研究室という名の飼育室と呼んでも間違いないですから」フフンッ

ヲ級「ヲー……」

泥リ級『……』

ヲ級「ヲッ」

泥リ級『……』フフッ

ヲ級「……ヲ」ホッ

提督「へぇ……リ級までを飼育してるんですね……他の種は?」

尾口「中々釣れなくて……取れるのはロ級とイ級ばかりなんですよ……」

提督「釣る……か……」

尾口「えぇ……リ級に聞いても詳しいことは分からないみたいで……ヲ級達とお話が聞けるいい機会です……ね?」

ヲ級「ヲー?」

レ級「レッ!」

尾口「うわぁ……可愛すぎる……うぅん……」ナデナデ

レ級「アウ……」テレッ

尾口「照れたかおも素敵……」ナデナデ

レ級「ヤ……シッポ……メ……ェン……」クネッ


吹雪「司令官、白衣、これで大丈夫ですか?」

提督「髪の毛とかちゃんとまとめた?」

吹雪「えぇ、出てませんか?」クルッ

提督「うん、大丈夫だ……そろそろ髪切ったら?」

吹雪「確かにちょっと伸びてきたかも……」

提督「だんだんポニーテールじみてきたな、いっそそのままポニーテールにする?」

吹雪「長いと乾きにくいから嫌です」

提督「じゃ、今度切りに行くか」

吹雪「そうですね……よし……じゃあ、入りましょうか」


プシューッ

プシューッガッチャンッ

はわわわ!!!またしても途中までのヤツを……!!
たたりじゃ!たたりじゃあ!!!すまぬ!今のは忘れてくれたも!!
夜に絶対書くから!!

吹雪「司令官、白衣、これで大丈夫ですか?」

提督「髪の毛とかちゃんとまとめた?」

吹雪「えぇ、出てませんか?」クルッ

提督「うん、大丈夫だ……そろそろ髪切ったら?」

吹雪「確かにちょっと伸びてきたかも……」

提督「だんだんポニーテールじみてきたな、いっそそのままポニーテールにする?」

吹雪「長いと乾きにくいから嫌です」

提督「じゃ、今度切りに行くか」

吹雪「そうですね……よし……じゃあ、入りましょうか」

ヲ級「ヲ……ヲッ」スポッ 

ヲ級「ヲ……?ヲッヲッ……?」

吹雪「ヲ級、帽子取らないと着れないよ……」

ヲ級「ヲ……」ヌギッ

ヲ級「ヲッ!!」スポッ

ヲ級「……ヲヲッ」ドヤッ

レ級「ンッ」グッジョブ

提督「よし、全員白衣着たな?じゃ、入るか」


プシューッ

プシューッガッチャンッ


無菌室

ゴォゥッゴォゥ……

吹雪「うわぁ……何だか物々しいというか……」

提督「ヤバめの雰囲気……だな」

尾口「ここは、まぁ見ての通り無菌室ですね、ここでは川底棲艦の細胞を利用した汚染水の浄化薬や……」スッ

尾口「ロ級やイ級など、深海棲艦で言う駆逐艦に部類される子たちの唾液成分を利用した腸内洗浄薬の生成などを行っています」

吹雪「唾液で?」

尾口「えぇ、他の人型にもそういった能力はあるけど、このロ級やイ級は他の種とは違って過剰すぎないからね…」

尾口「まだ試薬すら出来てない状況だけど、これが完成したらきっと正露丸を超える整腸剤になるわ……」

提督「へぇ~……製薬会社じゃないのにすごいなあ……」

ヲ級「……?」ダエキ?

レ級「……テトク」ツンツン

提督「ん?」

レ級「……?」ユビサシ

提督「あぁ、あれは確か金ロって言うらしい、金色のロ級だ」

レ級「キンロ……」

レ級「…………」

レ級「……」ジィー

尾口「……ねぇ、吹雪ちゃん……」

吹雪「はい?」

尾口「……あの子……喋ってない?」

吹雪「えぇ、最近簡単な言葉なら喋れるようになって……」

尾口「…………す、すごい……かわいい……」

では吾輩は仕事に行くのじゃ

ただいま、もうすぐ始めるぞよ

棲地MI 深海

潜水カ級「…………」チュィーーンッ ゴボボボボッ

潜水カ級「…………」バチバチバチッ

空母ヲ級「随分時間がかかるんだな……」

潜水カ級「天才の私がこのくらい苦労する損傷……くっ……原型を留めてるだけマシねぇ……」

空母ヲ級「さっきから泡で何も見えないが……そんなに苦労するものなのか?」

潜水カ級「何、天才の腕を疑うというの?」

空母ヲ級「言葉のどこかに天才を挟まなきゃ何も喋れない天才(笑)の腕が信用できるとでも?」

潜水カ級「溶接するわよアンタ……ちょっと頭いいからっていい気になって……」ギロッ

空母ヲ級「あぁ……悪かった悪かった……全く……沸点の低い奴だな…」

潜水カ級「おバカさんのために私が働いてるなんて……屈辱よ……」バチバチバチッ

空母ヲ級「それはすまないと思っている」

潜水カ級「……フン……わかればいいのよ……」ギュィーーンッ ガンッガンッ

潜水カ級「…………あの筋金入りのおバカさんはどうしたの?」

空母ヲ級「レ級か、あいつは今二丁目鎮守府に居る」

潜水カ級「二丁目って……あの人間のいるとこ?」バチバチッ

空母ヲ級「そうだ、友人にグロテスクな光景は見せたくないからな……それに……」

潜水カ級「…………それに?」カチャッ

空母ヲ級「……アイツ……無理して笑顔を作ったり馬鹿をやっているようだ……かなり心はズタズタだろう」

空母ヲ級「……休ませてやるべきだ……心に傷をつけた原因の私が近くにいるとアイツも休まらないだろうしな」

潜水カ級「…………ふぅん…………天才の私の計算だと、妥当な判断といえるわね」

空母ヲ級「だろう?」フッ

潜水カ級「ただ、まだアンサーには達していないわ」

空母ヲ級「……何故だ?」

潜水カ級「……さっさと怪我を直してアイツに元気な姿を見せる、そこまで出来ないと天才の答えとは言えないわね」

空母ヲ級「ほう……深海一のアホの割にはまともなことを言うな」

潜水カ級「はいはい、嫉妬は怪我を直してからにしなさい」カチッ

グィィーーーーン……

潜水カ級「治ったわ、覚悟ができたら機材に入れてあげる」

空母ヲ級「私は何時でも準備出来ている、さっさと入れてくれ」

潜水カ級「…………ふふ……そう?」スッ カチッカチッ

空母ヲ級「……このカプセル……大丈夫だろうな……?」

潜水カ級「天才のこの私が直した機械よ、ケチは許さないわ……じゃあ閉めるわね」ウィーーンッ プシュウウーーッ

空母ヲ級『…………頼む……っ』

潜水カ級「カプセル内排水完了…治療箇所、全身…と……麻酔不可か…まぁ当然ね……」ピッピッピッピッ

潜水カ級「行くわよ、ヲ級」ピピピッ

空母ヲ級『…………あぁ……』

潜水カ級「治療開始……っ……耳塞がないと……」ピピーーーッ


ギィイイーーーーンッ……!!! ブゥーーーーンッ!!ジジジーーッ!!!


空母ヲ級『ぐ……うぐぁ……ああぁああああ!!!!!ぐぁああああああーー!!あぁあーー!!!あぁあああー!!!!!!』

潜水カ級(ひ、ヒィイィーーー!!なんでこのおバカさんはこんな苦行を承諾できるのぉー!?お馬鹿さん!おバカさんよぉー!!)メソラシ

空母ヲ級『ぐぁああああああああああああ!!!うぅうー!!っぐぅう!!ぅああああ!!!!』

後乃木市 水質保全委員会 無菌室

川ヲ級「ヲ?」

吹雪「これはピペット……だったはず、実験器具だよ」

ヲ級「ヲー」ナルホド

吹雪「……それにしても……すごいね……」

ヲ級「ヲ……」コクッ

吹雪「ヲ級たちの頑張りは人間たちも伝わってるってことだよね……」

ヲ級「ヲ?」

吹雪「まぁ、頑張ってないかもしれないけど、ヲ級たち川底棲艦がいるから今の川が綺麗なんだよ?」

ヲ級「ヲー…ヲヲ…?」

吹雪「うん、本当」

ヲ級「ヲッ……ヲヲヲ……ヲ~……」テレテレ モジモジ

吹雪「ふふ、偉い偉い」ナデナデ

ヲ級「ヲ~」

吹雪「……あれ?レ級は?」キョロキョロッ



研究室 奥の部屋


研究員A「これが……沢蟹……ありえないわ……完全に深海棲艦じゃない……」

レ級「ン~……レ?……レー…」

研究員B「すごいな……これがうわさに聞く沢蟹レ級か……」

研究員C「僕達の予想をはるかに超す知能ですね……」

レ級「……ニシシッ」ニコニコ

研究員D「でも妙ですね先輩、沢蟹レ級は人に対する警戒心が高いはずなのに…こうも懐くなんて」

研究員A「恐らく警戒心がプラス値に働いているから……この子、人に尽くすのも躊躇わないようね…」

研究員D「へぇ~……」

レ級「……ン?」

研究員A「?」

レ級「……ゴシュジ……」キョロキョロ

レ級「……ウー……ウゥ……」ウルウル

研究員B「うわっ!な、泣いちまった!博士何やったんですか!?」

研究員A「わ、私じゃないわよ……?」

レ級「ウェェェ……フェェェェッ!ゴシュジ……ゴシュジー……!」

研究員D「ごしゅじ……ご主人?飼い主を探しているんでしょうか……?」

研究員A「……恐らくそうね……でも……何処に……」

吹雪「…………あれぇ……?」

ヲ級「ヲヲヲー!ヲヲヲーッ!」キョロキョロ

吹雪「レ級!どこなのー!?」

吹雪「おかしいなぁ……あの子がそう簡単に遠くに行くはずがないのに……」

ヲ級「ヲーヲー!? ヲヲーヲー!?」キョロキョロッ オロオロ

吹雪「うーん……無菌室の外には出て無いと思うけど……」キョロキョロ

吹雪「……まさか……自動ドアの向こうとか……」

テクテクテクッ

ウィーーンッ!


研究室 手前の部屋

吹雪「……ひ、広い……ここは……?」

ヲ級「ヲー……」オロオロ

吹雪「研究室……無菌室とは違うのかな……」

吹雪「…………レ級ー!?」

ヲ級「ヲッヲッ……」オロオロ

ヲ級「ヲヲー……」ウルウル

吹雪「うぅ……何処行ったの……?司令官も尾口さんもいつの間にか居ないし……」



研究室 端っこ


コポポポッ コポポポポッ


提督「これは……培養植物……でしたっけ?」

尾口「えぇ、ここは特に川底棲艦と関係しない場所なんですけど……この水が綺麗に保たれているのはさっきの浄化薬のおかげでもあるんです」

尾口「おかげでおびただしい量のタニシをすくう必要もなくなりました……あれはキツい」

提督「最近タニシもあんまり見ませんしねぇ……」

尾口「ホントですよ……」

提督「…………へぇ……あ、これ……メダカ……」

尾口「絶滅危惧種ですよ、私もここで始めてみたんです……かわいいなぁ……」

提督「メダカか……」

尾口「昔はたくさん居たんでしょ?」

提督「いや、僕の頃はもうすでに絶滅危惧種でしたね……そんなに居ませんでした」

尾口「そうなんですか……」

提督「…………」

尾口「…………」


レキュウー!! 


提督「……ん?吹雪ちゃんの声?」

尾口「レ級を探してる……まさかレ級が迷子に!?」

提督「おいおい……どんだけ広いんですかここ……」

尾口「ドン・キホーテ並みです」

提督「まじかよ……そんなところで迷子になったらヤバイですね……」

尾口「えぇ!ヤバイです!早く探さないと……」スタスタ

棲地MI 深海

シュウウウーーーーッ

空母ヲ級「…………っはぁ……っはぁぁ……っはぁぁ……うっ……っくはぁ……ぁ……」

潜水カ級「だ、大丈夫!?」タタッ

空母ヲ級「……う……うぅ……っぐ……」

潜水カ級「ヲ級!」

空母ヲ級「私は…………治ったのか……?」グッパッグッパッ

潜水カ級「えぇ……治ってるわ……」

空母ヲ級「……手足か……」グッ ムクッ

空母ヲ級「……悪くない……五体満足はいいものだな……」

空母ヲ級「…………カ級」

潜水カ級「……」

空母ヲ級「……その、悪いんだが……」メソラシ

潜水カ級「分かってるわ……」

空母ヲ級「あぁ…………大至急服を持ってきて欲しい……全裸では恥ずかしくて仕方がない……」フルフル

潜水カ級「……待ってて、すぐに貰ってくるから!」ドシュゥーンッ

空母ヲ級「…………靴も頼むぞ!空母用だ!」


ガッテンショウチノスケヨー テンサイニマカセナサァーイ!



空母ヲ級「…………」

空母ヲ級「……」シャガミッ

空母ヲ級「……はぁ……」

ヲ級(隻眼)「お前……ここで何をしている?」

空母ヲ級「……え……?」

ヲ級(隻眼)「……」

空母ヲ級「え……せ、先輩!?沈んだんじゃ!?」

ヲ級(隻眼)「…………何で裸なんだ……?剥かれたのか?」

空母ヲ級「え、ぇえあ、こ、これは色々と訳が……」

ヲ級(隻眼)「……まぁ何でもいい…………噂は亡き北方様から聞いている……色々と大変らしいな」

空母ヲ級「え、えぇ……まぁ……先輩は一体……どうして?」

ヲ級(隻眼)「……私の思っていた以上に傷が浅かったようだ、それで復活が早まったんだ」

空母ヲ級「……って事は……また呉に報復を……?」

ヲ級(隻眼)「そう考えていたが、水鬼様のご命令だ……『人間の地に一切の手出し不可』だとさ……」ハァ

空母ヲ級「……そうですか……」

ヲ級(隻眼)「それで暇だから散歩がてらここに来てみれば……全裸のお前が座っていた……と言うことだ……」

空母ヲ級「……」

ヲ級(隻眼)「……こうして話すのも久しぶりだな、あのレ級は元気か?」

空母ヲ級「……えぇ……」

ヲ級(隻眼)「そうか……艦娘に目をやられて以来お前たちと話していないからな……」

空母ヲ級「…………」

ヲ級(隻眼)「……お前は追われる身だろう?今は」

空母ヲ級「まだ、不出来による敵認定騒ぎが完全に冷めたわけではありませんから、未だにね……」

ヲ級(隻眼)「そうか…………」

空母ヲ級「…………すみません……」

ヲ級(隻眼)「…………そうだな……じゃあ今日は何も見なかったことにしてやろう……」スクッ

ヲ級(隻眼)「……がんばれよっ」ポンッ

空母ヲ級「え、えぇ……ありがとうございます」

ヲ級(隻眼)「……服はちゃんと着るんだぞ~」スゥーッ

空母ヲ級「え、あ、はい!」


空母ヲ級「…………まだか……カ級……いい加減恥ずかしさが限界だぞ……!」

おい!俺を寝落ちさせるなぁ!死ぬまで書かせろよ!

畜生、何故意識が持たんのだ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月13日 (水) 16:36:51   ID: 5LXsC6cs

毎回更新するのを楽しみにしてます

2 :  SS好きの774さん   2015年05月16日 (土) 23:54:53   ID: vMHCnp0p

更新楽しみです

3 :  SS好きの774さん   2015年05月26日 (火) 00:24:23   ID: scH5uCwK

龍田のツボ押しマッサージ受けてみたい

4 :  SS好きの774さん   2015年05月29日 (金) 08:14:40   ID: s30K7Z8B

オーメルの仲介役wwww

5 :  SS好きの774さん   2015年06月04日 (木) 15:10:16   ID: MQRS62Qp

http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1433201747

じすれ

6 :  SS好きの774さん   2015年06月16日 (火) 21:39:58   ID: qBHt8EA5

え、終わり?

7 :  SS好きの774さん   2015年06月19日 (金) 22:56:27   ID: vMhDcThF

荒らしの性で終わってしまった…続き楽しみにしてたのに……残念で仕方ない。

8 :  SS好きの774さん   2015年06月20日 (土) 21:42:44   ID: 5Kfga00Y

本当に終わりですか?ショックだわー

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