姉「弟君~?何かゲーム貸して~?」弟「……え~?」(39)

姉「嫌なの?」

弟「いや、いいけどさぁ……」

姉「うん」

弟「……姉ちゃん、ゲーム下手くそじゃん」

姉「……そんな事ない」

弟「マリオ、クリア出来ないでしょ?」

姉「一面のお城まで行ったもんっ!」

弟「……下手くそじゃん」

姉「じゃあ、マリオじゃなくてもいいよ」

弟「う~ん……姉ちゃんはどんなゲームがしたいの?」

姉「なんでもいいよ」ニコニコ

弟「う~ん……そう言われるのが一番困るんだよなぁ……」

姉「あっ!お姉ちゃん、ぷよぷよ上手だよ!」

弟「………」

姉「三連鎖できるもんっ!」

弟(……こりゃ、パズルもダメだな)

姉「ねっ、ねっ?」

弟「……ちょっと待ってて。何か姉ちゃんに向いてるの探してみるよ」

――――――


弟「あったあった。これなんて、どう?」

姉「『新テーマパーク』?これ、どんなゲーム?」

弟「う~んとね、簡単に言うと、遊園地を作るゲームだね」

姉「面白そうっ!」

弟「あまりアクション要素ないし、ゆっくり出来るし、姉ちゃんに向いてると思うよ?」

姉「うんっ!じゃあ、早速やってみるねっ!」

姉「『スタンダード』と『シナリオ』……?これ、どっちにすればいいの?」

弟「シナリオで」

姉「うん、わかった。……あっ、『初級』がないっ!弟君、『中級』からしかないよ?」

弟「うん。じゃあ、中級で」

姉「………」

弟「……早く決定しなさい」

姉「………」

弟「……大丈夫だから、早く決定しなさい」

姉「……え~っと、これは?」

弟「遊園地の名前を決めるの」

姉「え~っと……じゃあ……『おねえちゃんパーク』っと……」カチカチ

弟「次は国選びね。難易度、優しい所選んだ方がいいよ?」

姉「え~っと……じゃあ、フランスか、エジプトか、インドか、中国……だね?」

弟「うん」

姉「え~っと……フランスのクリア条件は……五年以内に快適性と知名度の認定証を貰う……?」

弟「それはちょっと、難しいかもね?」

姉「え~っと……じゃあ、エジプトのクリア条件の五年以内に年間乗車券収入が百万円を超えるは……?」

弟「う~ん……結構、微妙……」

姉「じゃあ、インドの来場者の七割が満足している状態を一年間続ける……は?」

弟「これ、かなり難しいと思う」

姉「うぅ……じゃあ、中国の五年以内に総資金が百万円をこえるは?」

弟「多分、一番簡単だろうね。そこにしたら?」

姉「……百万円だよ?」

弟「早くしなさい」

―――――――


姉「……えっ、えっ?これ、何したらいいの?」

弟「遊園地作るの。アトラクション設置したり、道路作ったりして」

姉「……あっ、本当だ。え~っと、じゃあ、コーヒーカップ作ってみようかな?」

弟「………」


姉「……大丈夫だよね?」

弟「一々聞かなくていいから、やりたいように、やってみなさい」

姉「フフ、コーヒーカップ作ったよ?」

弟「うん」

姉「ほら?隣に観覧車も作ったよ?」ワクワク

弟「うん」

姉「ほらほら?ボート乗り場の作ったよ?」ワクワク

弟「うん」

姉「よ~し、じゃあ、後は道を繋げて完成だね?」

弟「……ジェットコースターとお化け屋敷は作らないの?」

姉「お姉ちゃん、怖いの乗れないからいらない」

弟「………」

姉「~♪」

姉「フフ、完成したよ?この後、どうすればいいの?」

弟「しばらく待ってたら、お客さんが来るよ」

姉「あっ、本当だ!お客さんが来たっ!」

弟「ねっ?」

姉「わっ、すごーいっ!ちゃんとコーヒーカップに乗ってくれてる!」

―――――――


姉「……ねぇ?この、お客さんの頭の上にある、吹き出しは何?」

弟「それはお客さんが今、思ってる事だね。楽しいとか、つまんないとか」

姉「へぇ、そうなんだ?何て言ってるの?」ワクワク

弟「………」

姉「ねぇ、ねぇ!?」ワクワク

弟「……ゴミが多くて汚ねぇなぁ」

姉「……えっ?」

弟「……乗り物少なくてつまんねぇよ」

姉「……えっ、えっ?」

弟「……腹、減ったなぁ。飯屋もねぇのかよこの遊園地はよぅ」

姉「!」

弟「……みたいな事を皆、思ってるね」

弟「……姉ちゃん?」

姉「うぅ……うぅ……皆、酷い……頑張って作ったのに……」グスッ

弟「ね、姉ちゃんっ……!泣く事ないじゃんっ!」

姉「だって……だって……おねえちゃんランドつまんないって……」グスグス

弟「ま、まぁ……出来たばっかりだし、仕方ないじゃん!?それに問題を一つずつ解決していったらいいんだしね!」アセアセ

姉「……うん」

弟「そしたらさっ……!おねえちゃんランドは面白いって言ってもらえるよ!?」

姉「……本当?」

弟「ホントホントっ……!だから、頑張ろうよっ……!?」

姉「……うん、わかった」

姉「……どうしたら、いいの?」

弟「とりあえず、『ショップ設置』で食べ物屋作ろうか?お腹減ってる人、いるみたいだし」

姉「うん、えっ~と……コレだね?『ウォーリーアイス』と『ドンキコーラ』?」

弟「うん、ソフトクリーム屋とジュース屋さんだね」

姉「えっ~と……じゃあ、ここに通路作って……ここは飲食街って事にしようかな?」カチカチ

姉「よし、できたよ!次は何をしたらいいの?」

弟「え~っと……次はゴミ問題だね」

姉「……ゴミ?」

弟「ほら、通路の所に空き缶とかあるでしょ?」

姉「あっ、本当だ?どうしてこんなのがあるの?」

弟「お客さんがポイ捨てしてるの」

姉「えっ……?酷い……」

弟「まぁまぁ……ちゃんと対処法はあるからさ」

姉「どうすればいいの?」

弟「え~っと……『設備設置』で『ゴミ箱』を所々に置くか……」

姉「うんっ!じゃあ、ゴミ箱置くっ!」カチカチ

弟「あっ……ちょっと待って……」

姉「あ~~~っ!」

姉「どどどどうしよ弟君!?設備設置の所にゴミ箱がないっ!?」

弟「……うん」

姉「『トイレ』と『木の柵』と『オレンジの木』と『カバの木』しかないよ!?」

弟「うん、そうだね」

姉「どうしようどうしよう……?『ゴミ箱』がないよ?どうしたらいいの!?」

弟「え~っと、それはね……」

姉「『トイレ』置けばいいの!?『トイレ』いっぱい作ったら、ゴミなくなるの!?」

弟「……とりあえず、落ち着きなさい」

弟「『ゴミ箱』は『研究開発』で開発進めないと作れないの」

姉「じゃあ、『研究開発』するっ!『研究開発』はどうやってしたらいいの!?」

弟「いや、それは後でいいから……とりあえず、落ち着いて……」

姉「だって、お姉ちゃんパーク、ゴミだらけなんだもんっ!」

弟「……そうだねぇ?」

姉「うぅ……折角…頑張って…作ったのに……お姉ちゃんパーク……」グスッ

弟「……ゴミ、掃除する方法は他にもあるからさ?」
姉「……本当?」

弟「本当本当。だから、泣くのやめなさい。それと、落ち着きなさい」

姉「……うん」

弟「え~っと、『スタッフ雇用』だね」

姉「『スタッフ雇用』?これ……?」カチッ

弟「うん、それだね」

姉「……わっ、いっぱい項目があるよ?」

弟「それの『スイーパー』って人」

姉「『スイーパー』?何それ……?」

弟「『掃除人』と書いて、『スイーパー』。その名の通り、掃除をする人だね」

姉「『スイーパー』って、『掃除人』って書くの?」

弟「……いや、違う…けど」

姉「……けど?」

弟「シティハンターって漫画で、そういう読み方させてたから」

姉「あっ!アニメは知ってるよ!?弟君、漫画も持ってるの!?お姉ちゃん、読みたいっ!」

弟「……いいけど、ゲームはどうするの?」

姉「あっ……」

弟「……ん?」

姉「シティハンターは……今度でいい……」シュン

弟「ついでに他の人の事も説明しておくね?」

姉「うん!ありがとう!」

弟「『メカニック』はアトラクションを修理する人」

姉「……修理?故障とかするの?」

弟「いや、老朽化って言うの?ずっと使ってると、アトラクションの耐久度が減っていって、最悪の場合……」

姉「うん」

弟「………爆発する」

姉「……え?」

弟「………」

姉「………」

弟「………」

姉「……嘘…だよね?」

弟「……いや、本当」

弟「……まぁ、二人ぐらい雇っておいたら、爆発はしないと思うからさ?」

姉「……うん」

弟「次は『ガードマン』の説明ね。『ガードマン』は『アウトロー』から、お姉ちゃんパークを守ってくれる人」

姉「『アウトロー』?誰、それ?」

弟「まぁ、簡単に言うとヤンキーだね」

姉「……お姉ちゃんパークは、ヤンキー入園禁止です」ボソッ

弟「その、ヤンキーの入園を断ってくれる人が『ガードマン』です。お姉ちゃんじゃ、断れないでしょ?」

姉「……出来るもん」ボソッ

弟「………」

姉「………」

弟「………」

姉「……お姉ちゃんパークは夢と希望を持った少年少女の為の遊園地です。あなたのような、ヤンキーの入園は拒否します」ボソボソ

弟「『ウサギ』と『グーチョくん』と『ミュージシャン』は通行人を楽しませてくれる人……?」

姉「……あれ?随分、説明が雜になったね?」

弟「う~ん……えっ~とね……?」

姉「?」

弟(こいつら、通常プレイじゃ糞の役にも立たないんだよなぁ……まぁ、お姉ちゃんは初見プレイだから、黙っておくか)

姉「……どうしたの?」

弟「あっ……いや、説明考えててね……!そうだっ!遊園地によく、着ぐるみマスコットとかいるでしょ!?」

姉「風船配ったり、握手してくれたり、一緒に写真撮ってくれたりする人?」

弟「そうそう!それそれ!」

弟「『ミュージシャン』は『ネズミ』」

姉「うん」

弟「『グーチョ君』は『女ネズミ』」

姉「うんうん」

弟「『ウサギ』は『アヒル』か『ハチミツベア』って、所だね」

姉「じゃあ、いっぱい雇わないといけないねっ!」

弟「……えっ?」

姉「じゃあ、とりあえず、全部二人ずつぐらい雇ってみようかな?」カチカチ

弟「……えっ、ちょっと」

姉「~~♪」カチカチ

姉「あれ?『ミュージシャン』は一人しか雇えないや?やっぱり、主役の『ネズミ』は一人だけなのかな?」

弟「そ…そうだね……」

姉「これで、ゴミはなくなるの?」

弟「う、うん……放っておいたら、『スイーパー』が勝手に掃除してくれるよ……」

姉「うんっ!じゃあ、次は何をしたらいいの?」

弟「え~っと……アトラクションが少ないって言われてるから……」

姉「うん」

弟「『ジェットコースター』か『ジゴクメグリ』作ってみれば……?」

姉「……お姉ちゃん、怖いヤツ乗れないもん」

弟「………」

姉「………」

弟「………」

姉「……メリーゴーランドとか作りたい」

弟「……じゃあ、研究開発しようか?」

姉「ゴミ箱作るの?」

弟「いや……確か、メリーゴーランドはすぐ作れたと思うから」

姉「えっ、本当!?じゃあ、研究開発するっ!」カチカチ

弟「え~っと……アトラクションと、ショップと、設備と、バスの研究が出来るから、それのアトラクションの所……」

姉「これだね?色々、開発出来るみたいだよ?」カチカチ

弟「え~っと……今、開発出来るのは……」

姉「うんうん」

弟「ジェットコースターに宙返りを加える為の『ループ』と、絶叫アトラクションの『スペースシャトル』か『マジックカーペット』……」

姉「うん」

弟「『メリーゴーランド』、飛行船の『アルバトロス』、お化け屋敷の『ホーンテッドマンション』……」

姉「うんうん」

弟「それに、ウォータースライダーの『アクアライド』か『カートレーシング』か『トレジャーアイランド』だね」

姉「種類がいっぱいあるね?最後の『トレジャーアイランド』って、どんな乗り物?」

弟「う~ん……船の乗り物だけど、説明が難しいな……多分、船の中で短編映画見るようなヤツだと思う……」

姉「それなら、お姉ちゃんにも乗れそうだね?じゃあ、それと『カートレーシング』と『メリーゴーランド』作ろうかな?」

弟「……残念ながら、開発出来るのは一ヶ月に一つまでです」

姉「……えっ!?」

弟「しかも、『カートレーシング』と『トレジャーアイランド』と『アクアライド』は三択です」

姉「……えっ、えっ?」

弟「……どれかを作れば、もう他のヤツは作る事は出来ません」

姉「………」

弟「………」

姉「……なんで、そんな意地悪するの?」

弟「……僕のせいじゃない」

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