スーパー刑事ヒーロー大戦 (441)

このssは東映刑事ヒーロー中心による物語です。
登場するヒーローは全員刑事ヒーローです。

ただし登場する刑事ヒーローたちは以下の条件になります。
1.当然ですがヒーローが刑事である事
2.本編で現役警察官である事
(本編時に休職や退職、または本編後に刑事になったヒーローは除外されます)
※例.轟鬼さん、伊達さん、加賀美さんはこの条件にあてはまるので除外です



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1431182960



【プロローグ】


<1975年>


~神之孫島~


「Go!」


1975年、神之孫島という無人島にて人々には決して知られる事のない戦いが行われていた。

戦っているのは一体のロボット。

その名は『K』

警視庁の特別科学捜査室に配属された犯罪捜査用ロボットである。

そしてKが対する相手は…



「お前との戦いも今日が最後だぞK!バドーは不滅なのだ!」


「バドーめ!そうはさせん!この私がお前たちの野望を叩き潰してやる!」


[バドー犯罪シンジケート]


さまざまな特殊能力を持ったロボットを犯罪者にレンタルし、

犯罪をビジネスとして考えている悪の組織、それがバドーである。

そのバドーの巨大メカがKを襲う。

そのメカはなにやら巨大な兵器を取り出して都市部へ撃ち込もうとしていた。

Kはそれを阻止するために巨大メカの前で自らの全パワーを開放した。

そこへ一人の刑事が駆けつけた。



「ウォォォォォッ!」


「やめろ…やめるんだK!」


「おやっさん!来ないでください!」


「これじゃあ…お前さんは死んでしまうぞ!?」


「ずっと一緒にいてくれと約束したじゃないか!」


「すみません…どうやらその約束は果たせそうに…ありません。」


「これは私の男の仕事なんです!」


「男の仕事だと…?」


「おやっさんは以前言いましたよね。
男にはこうと決めたらどんなにつらくとも悲しくとも、
やり遂げなければならない仕事があるんだと!これは私だけに与えられた男の仕事だ!
そのやりかけた仕事を放り出すわけにはいかないんです!!」


Kとそれにおやっさんと呼ばれた刑事の間で行われる会話。

Kは自らを犠牲にバドーをこの世から消滅させようと覚悟した。

だが…



「そうはさせんぞK!」


「バドーめ!いい加減諦めろ!」


「お前は私と一緒にこの地で誰にも知られず永遠に眠るんだ!」


「黙れ、我がバドーは不滅だ!」


「冥土の土産だ、いい事を教えてやる!」


「私はこの地上に4体のロボットを遺した。」


「なんだと!?」


「4体はそれぞれある年代に目覚めるようプログラムされている。」


「1985年、1995年、2005年、それと2015年にな!」


「目覚めた彼らはその時代でもっとも邪悪な存在の力を得るだろう!」


「そしてKよ!」


「お前はこれで私を封じたと思っているがそうではないぞ!」


「たった今、計算したがお前の力では私を封じる事ができるのは精々40年が限界だ。」


「40年後、その頃にはお前などエネルギーが尽きてただの鉄屑になるだろう。」


「そうなれば私の勝ちだK!」


「フハハハハハハ!!」


高笑いで勝利の余韻に浸るバドー首領。

だがKは必死である伝言をおやっさんに遺そうとした。



「おやっさん!お願いがあります!」


「何だK!ワシに出来る事ならなんでも言ってみろ!」


「悔しいが…ヤツの言う通り私の力ではこいつを封じるのに40年が限界です!」


「だからそれまでに………………」


この直後の会話は周りの音が激しく本人たちにしか聞き取れなかった。

だがそれで十分であった。

確かにKの想いはおやっさんに伝わった。




((ドドドドドドドドッ!))



「K…」


「Kェ…」


「Kェェェェェェェッ!?」


そしてKと巨大メカはこの海岸の海中深くに沈められた。

唯一人、生き残ったおやっさんはこの光景を呆然と眺めるしかなかった…

おやっさん、そう呼ばれたのは芝大造。

彼こそがこの壮大な物語の中心人物である。






……


………


それから40年の歳月が流れた。



<2015年>


進ノ介「待て!ロイミュード!」


霧子「泊さん!ロイミュードを早く倒さないと人々に被害が出ます!」


ベルトさん「さぁ、進ノ介!変身だ!Start Your Engien!!」


進ノ介「変身ッ!」


((Drive Type Speed))


ドライブ「行くぜロイミュード!」


2015年。

市街地ではこの時代の新ヒーロー、仮面ライダードライブがある怪人と戦っていた。

その怪人とは…



No.110ロイミュード「ガァァァッ!」


ドライブ「こいつ…珍しいロイミュードだな。」


ベルトさん「こいつはNo.110ロイミュード!
以前キミが倒したNo.119ロイミュードと同じく、
警察組織で運用するために生前の私が封印していたロイミュードだ!」


ドライブ「相変わらずベルトさんアンタって人は…とにかく倒すぞ!ハンドル剣!」


ハンドル剣を手にしてバドーロイミュードと戦うドライブ。

戦いは一進一退の攻防戦。

ドライブはこれ以上勝負を長引かせまいと一気に仕掛けた。



((Drive Type Formula))


ドライブタイプフォーミュラー「よし、これで一気に決めるぜ!」


ベルトさん「進ノ介!トレーラー砲を使うんだ!」


((フォーミュラー!砲!))


ドライブタイプフォーミュラー「ハァッ!」


No.110ロイミュード「ギャァァァァッ!?」


トレーラー砲でNo.110ロイミュードを倒したドライブ。

だが、No.110ロイミュードは瀕死の重傷を負いながらも爆炎の中から這い出てきた。



No.110ロイミュード「まだだ…」


No.110ロイミュード「まだ俺は死ぬわけにはいかない…」


No.110ロイミュード「何故なら…」


No.110ロイミュード「俺には偉大なるバドー首領復活の使命がある…!」


ドライブ「あいつ…まだ生きてるぞ!?」


霧子「ていうかバドーってなんですか?」


ベルトさん「放っておくわけにはいかないな。進ノ介、トドメを刺すんだ!」


必死に逃げようとするNo.110ロイミュード。

だがドライブは敵を逃すまいと追撃しようとする。

するとそこへ突然、一人の老人が現れた。



老人「待て!ヤツを追うんじゃない!」


ドライブ「ちょっとお爺ちゃん!邪魔しちゃダメだよ!?」


老人「いいんじゃ!ヤツを行かせてやれ!」


No.110ロイミュード「なんだか知らんが…助かった!」


ドライブの追撃を妨害する老人。

その隙にNo.110ロイミュードの逃走を許してしまった…



~特状課~


進ノ介「ハァ、一体どうなってんだよ?」


ベルトさん「進ノ介、とりあえず落ち着きたまえ。過ぎた事は忘れた方がいい。」


進ノ介「忘れられるわけがないだろ!
ロイミュードは取り逃がすしおまけにその原因になった爺さんはどっかへいなくなるし…」


霧子「しかもその件を、さっき捜査一課の仁良課長にネチネチ嫌味を言われましたからね。」


進ノ介「まったく…あの爺さんは何だったんだ?」


特状課へ戻ってきた進ノ介。

先程の件を仲間の前で愚痴っていたそんな時だった。



究「ねぇ、そのロイミュードが言っていたバドーってこれの事かな?」


進ノ介「究ちゃん、ネットでバドーの件がわかったのか!」


究「バドー、1970年代に暗躍していた悪の犯罪組織の名前だね。
記録はあんまり残ってないけど、
ロボットを使って犯罪をビジネスのように取り扱うとんでもない連中だったみたいだよ。」


進ノ介「バドーってそんな昔のヤツらだったのか…」


ベルトさん「40年も前か。なるほど、道理で私のデータバンクにもないわけだ。」


究「それで当時の警視庁でもバドーに対するある対策部署が設置されたんだ。それが…」


老人「警視庁特別科学捜査室だ。」


進ノ介「あぁ――――ッ!爺さんアンタは!?」


突然進ノ介たちの前に現れたのは、

先程No.110ロイミュードを取り逃がすきっかけとなった老人であった。

この老人の正体は…?



追田「あ…アンタは…おやっさん!」


芝「よう、久しぶりだな現。」


進ノ介「現さん、この爺さんと知り合いなんですか?」


追田「確かに一応知り合いだ。
このおやっさんは俺たちの大先輩にあたる芝大造さんだ。
今は現役を引退して20年前から指導員として後人の育成に携わっているんが…」


進ノ介「どうかしたのか?」


追田「…」


芝老人の顔を見るなり急に青ざめた表情になる追田刑事。

その理由は…



追田「実はこの芝さんことおやっさんはかなりの厄介者でな…
おやっさんがいる特別科学捜査室は警視庁内では知る人ぞ知る島流し部署なんだよ。」


進ノ介「島流し部署!?」


霧子「まるでかつての特状課ですね。」


芝「フンッ!辞めてったヤツらが軟弱だっただけじゃ!」


追田「俺もかつては、
ヘマをやらかして危うくおやっさんのとこへ送られそうになって冷や汗かいたぜ。
警視庁でも特命係と特別科学捜査室行きになったら警察人生終わったも同然だからな…」


究「特命係って何だろ?」


進ノ介「それで爺さん、一体何の用があってわざわざ特状課に来たんだ?」


霧子「もしかしてさっきのロイミュードを逃がした謝罪に来られたんですか?」


芝は何の用でこの特状課へ来たのか?

その理由を問い質そうとするのだが…



芝「ところで仮面ライダーの泊進ノ介ってのはお前だな?」


進ノ介「そうだけど、その前にさっきの事を説明してくれ!
せっかく後一歩のところでロイミュードを倒せるところだったんだぞ!
何で邪魔したんだ!?」


芝「そんな事は後回しじゃ。
それよりも小僧、今すぐワシと一緒に来い!出かけるぞ!!」


進ノ介「ハァ…?」


結局、進ノ介の問いに答える事もなく芝老人は進ノ介を無理やり特状課から連れ出した。

そして二人はトライドロンに乗ってある場所へ向かう事になった。



芝「………という場所へ向かってくれ。この坊主はヘソを曲げて言う事を聞かなくてな。」


ベルトさん「OK、だがそろそろ理由を説明してくれてもいいと思うのだがね。」


進ノ介「そうだよ!
ロイミュードを取り逃がしたと思ったら今度は突然ある場所へ連れて行けって!
無茶苦茶にも限度があるぞ!爺さん!?」


芝「おやっさん。」


進ノ介「え…?」


芝「ワシを呼びたきゃおやっさんと呼べ。ライダー小僧。」


進ノ介「ら…ライダー小僧だって…!?」


おやっさんのペースに乗せられたままで不満を露にする進ノ介。

見かねたおやっさんは進ノ介にあるモノを渡した。



芝「ほれ、目的地に着くまで時間が掛かる。それまでにこのファイルに目を通しておけ。」


進ノ介「ようやく話す気になったか。けど…このファイルに一体何が書かれているんだ?」


芝「そのファイルにはワシがこの40年間に関わったバドーの事件を詳細に記してある。」


ベルトさん「40年!
まさかあなたは刑事を引退してからもずっとバドーを追い続けていたのか…!?」


芝「小うるさいベルトじゃのう。
ワシにはバドーを追い続けなければならない理由があるんじゃ。
それに連中もワシを追っておる、お互いさまじゃよ。」


進ノ介「お互いさま…?」


なにやら複雑な事情があるのだと察する進ノ介。

さっそくファイルに目を通そうとするが、書かれている内容を見て疑問を抱いた。



進ノ介「このファイル…宇宙刑事って書かれているぞ!何かの冗談か?」


ベルトさん「宇宙刑事だって!」


芝「ほぅ、ベルトの方は知っておるようじゃのう。
そうじゃ、銀河連邦警察より派遣された宇宙刑事の事じゃ。
1980年代、遠い宇宙の遥か彼方からやってきた彼らは地球の平和を守ってくれた。」


進ノ介「え…?嘘だろ…?宇宙刑事なんて本当にいるのか!?」


ベルトさん「信じられないのも無理はないがこれは本当の話だ。
一条寺烈こと宇宙刑事ギャバン、伊賀電こと宇宙刑事シャリバン、
それに沢村大こと宇宙刑事シャイダー。
この三人の宇宙刑事たちは宇宙犯罪組織マクー、マドー、不思議界フーマを相手に戦った。
とても勇敢な刑事たちだよ!」


芝「お前さんがこれから読むそのファイルは、
1980年代にワシがバドーを追っていた時に彼らと協力した事件なんじゃよ。」


進ノ介「宇宙刑事か。まったく、ベルトさんも爺さんもどこまで本気なんだか…」


進ノ介は二人の話を半信半疑で聞き流しながらファイルに目を通した。

さて、これより物語は時代を遡っていく事になる。

まずは30年前、1985年に起きたある事件を読み解いていこう。

とりあえずここまで

このssは一応前作
仮面ライダードライブvsレスキューポリス
仮面ライダードライブvsレスキューポリス - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428584406/)

の続きとなっています。
なので少しだけ前作の設定が入っているのでご注意ください




【FILE1.宇宙刑事編】



<1985年>


~警視庁~


「ここが警視庁か。」


「俺たちも一応刑事ですけど、警視庁に来るのは初めてですね。」


「ここに今回の事件の協力者がいるんですね。」


1980年代、世の中はバブル経済期に突入した。

そんな時代に地球は宇宙からの侵略者たちに狙われていた。

その侵略者たちの魔の手から地球を守り抜いたのが、

はるか銀河の彼方からやってきた三人の男たちであった。



烈「とりあえずまずは腹ごしらえだ。電、大、あんぱん食うか?」


電「烈隊長はいつもあんぱん食べてばかりですね。」


大「それよりも早く協力者の方に会いましょう。この警視庁内にいるんですよね。」


一条寺烈、伊賀電、沢村大の三人だ。

彼らは銀河連邦警察が誇る宇宙刑事である。

本来、彼らが地球の警察と協力する事など絶対にありえない。

だが今から数日前、とある宇宙犯罪組織が地球で活動していた事が発覚。

その組織はかつてこの警視庁の刑事が追っていた犯罪組織とも絡んでいる疑惑が浮上した。

そこで銀河連邦警察の最高責任者であるコム長官は、

その刑事と協力してこの事件を解決せよとの指令を烈たちに下した。

以上の理由で彼らは、この警視庁までやってきていた。



~特別科学捜査室~


電「ここに俺たちの協力者がいるんですね。」


大「でもここって…ただの倉庫じゃないんですか?」


烈「とにかく入ってみるぞ。失礼します!」


警視庁の職員から今回の事件の協力者がいる場所を聞き出した烈たち。

だが案内されたのは捜査一課でもなければ特殊な対策チームでもない。

部署の名前だけが立派な倉庫同然の小さな部屋であった。

とりあえず部屋のドアを開けてみると、そこには一人の中年の男がいた。

その男は…



芝「話は聞いておる。お前さんたちが銀河連邦の宇宙刑事か?」


烈「そうです、俺たちが宇宙刑事です!」


電「けどまさかこんな倉庫に人がいるなんて…」


大「どう見ても単なる左遷部署じゃないですか。」


芝「フンッ、左遷部署で悪かったな!今じゃこの部署にはワシしかおらんよ!」


烈「今じゃ…?それだと昔は居たように聞こえますけど?」


芝「ムッ!そんな事はどうでもいいわい!
それよりもお前さんたちはバドーの件でワシを尋ねに来たんじゃな?」


さっそく事件の本題に入った。

今回宇宙刑事たちが駆り出された事件、それはかつての組織が絡んでいた。



烈「かつて俺が壊滅させた宇宙犯罪組織マクー。
その宇宙犯罪組織マクーの首領ドン・ホラーの血筋を引く生き残りが、
バドーと名乗る組織の生き残りと手を組んだという情報があった。」


電「随分と不確かな情報ですね。」


大「しかもまだ手を組んだだけで悪事を働いてはいない。
だが、悪事を働く前に逮捕できればそれが理想的ですが…」


芝「フンッ、そんなあやふやな情報だけじゃろくに動く事ができんわい。
お前さんたち、他に何かネタはないのか?」


烈「えぇ、あるんですよ。
実はヤツらが近々自万党から立候補する、
新人立候補者の結城香織なる女性を狙っているとの話です!」


芝「結城…香織だと!?」


[結城香織]

その名を聞いた芝のおやっさんは驚きを隠せなかった。



電「そういえば近々選挙だったか。」


大「けどマクーの残党が新人の女性議員を狙うなんてどういう意味があるんでしょうか?」


芝「…」


烈「とにかく、俺は万が一のために結城香織さんをマークしておこうかと思う。
電と大はもうひとつ、気になる案件があるからそれを調べてくれ。」


電、大「「了解!」」


芝「ワシも同行しよう。少し気になる事があってな。」


烈「わかりました。それじゃ俺と一緒に…あれ?何だこの手紙は?」


部屋でなにやらある手紙を拾った烈。

こうして電と大は烈と別れて別行動を取る事になった。

烈は芝のおやっさんと一緒に自万党の本部へ向かった…



~自万党本部~


香織「お久しぶりですね芝さん。お変わりのないようでなによりですわ。」


芝「アンタは随分と変わったな、昔は単なる箱入り娘だったのに今じゃ議員候補か。」


香織「あれから色々とありましたから。
今ではこうしてみなさんのご支援で議員に立候補できるようになりましたので。」


烈「芝のおやっさん、彼女と知り合いなんですか?」


芝「まあな、昔の事件で少し関わったんだ。」


香織「一条寺さんですね、結城香織です。以後お見知りおきを。」


烈「はい!俺は一条寺烈です!よろしく勇気!」


自万党本部へやってきた烈と芝のおやっさん。

だが自万党本部は現在選挙に向けて大忙しの状況。

そんな中、彼らを取り合ってくれたのはターゲット自身である結城香織だけであった。



烈「すいませんね、こんな時期にいきなり押しかけてしまって…」


香織「お気になさらず、それよりもあなた方が来られた件ですが。」


芝「うむ、バドーの残党がアンタの命を狙っているという情報を得た。
ついてはワシらにアンタの警護を任せてほしいのだが…」


香織「警護…をですか?」


烈「勿論万が一という場合です。
それにあなたは女性だ、四六時中一緒にいるわけじゃないので安心してください!」


香織「ウフフ、頼もしい方ね。あなたはまるであの人みたいだわ。」


烈「え…あの人?」


香織「えぇ、私が昔大好きだったあの人みたい…」


芝「…」


烈「とにかく俺たちがいるから大船に乗ってください!
あ、そうだ。議員さんとなんて滅多に会える縁でもないしよろしければ握手でも…」


香織「…」


烈「…ってあれ?」


そう言って香織と握手をしようとする烈。

だが何故か香織はそんな烈の手を握ろうともしなかった。



<それから3時間後>


烈「うぅ…腹減ったな。」


芝「まったく、来ていきなり張り込みとはな…
あんな不確かなネタでここまでやるとはお前さんには少し呆れるよ。」


烈「ハハ、美人の頼みは断れませんってね。あ、これあんぱんです。よかったらどうぞ!」


芝「フンッ、頂くとするよ。ところであんぱん小僧。」


烈「あんぱん小僧って俺の事っすか?」


烈のジムニーに乗り込みさっそく自万党本部前で張り込みを開始する二人。

そんな最中、芝のおやっさんは先程から烈が気にしているある事について話を始めた。



芝「お前さん、さっき彼女に握手しようとしたが断られたとか思っとるか?」


烈「え…?ちがうんですか?」


芝「彼女は盲目なんだ。」


烈「盲目というと目の見えない…だから俺の握手に気付かなかったのか?」


芝「そうじゃ。少し彼女の話をしといてやる。
結城香織、あの娘の父親は今はもう死んじまったが昔は自万党の党首じゃった。」


烈「なるほど、若い彼女を担ぎ出したのは親父さんが政治家だったからか!」


芝「それだけじゃない。彼女は盲目の障害がある。
つまりそんな障害のある女性が議員に選ばれれば世間の注目の的になる事間違いなしだ。
あの美貌に盲目のハンデ、世間は悲劇のヒロインが困難に立ち向かうと思うじゃろ。
そうなれば彼女の当選は確実、もしかしたらトップ当選も夢じゃないかもしれんな。」


烈「なるほど、自万党の連中はそこまで考えて彼女を担ぎ出したわけか。
まったく、政治家ってのは裏じゃ何を考えてるのかわかりゃしないな…」


芝のおやっさんから結城香織の話を聞いてなにやらきな臭い感じがする烈。

どうやらバドーとマクーの残党が彼女を狙うのは間違いないようだ。

そんな時、烈は思い出したかのように先程部屋で見つけたある手紙を出した。



烈「そういえばさっき特別科学捜査室でこんな手紙を見つけたんですけどね。」


芝「手紙だと…?」


烈「ちょっと気になったもんですいません。
けどこの手紙、宛先は芝大造。つまりおやっさんの事ですよね。
それと…送り主が芝奈美さんと新条強と書いてあるんですけど…これは一体…?」


芝「…だ…」


烈「え…?」


芝「そいつは娘から送られた結婚式の招待状だ。」


烈「あ、娘さん結婚するんですか!おめでとうございます!それじゃ式には出席しないと!」


芝「いや、式には出席せん。」


烈「え…何でですか?大事なお嬢さんでしょ?」


芝「うるさい!人には色々と事情があるんだよ!」


烈「まったく、ムキになって。一体どうしたんですか?」


芝「…」


それ以降、口を閉ざす芝のおやっさん。

だがそんな時、張り込んでいる自万党本部に動きがあった。



((シュバッ!))


烈「あいつは…!」


芝「急いで追うぞ!」


「シャァァァッ!」


自万党本部に出現した怪しげな怪人たち。

それは…



クラッシャー「ギギッ!」


烈「お前たちはマクーの戦闘員のクラッシャーたち!」


芝「どうやらあんぱん小僧の読みは当たっていたようだな。」


烈「しかしこいつらの狙いは…」


芝「やはり結城香織の命か。まったくこれもあのお嬢ちゃんの因縁かもしれんな。」


烈「因縁…?」


なにやら察する芝のおやっさん。

その頃、電と大は別件である場所を訪れていた。



~結婚式場~


電「それでここに例の人物が居るようだな。」


大「しかしなんだって結婚式場なんかに?」


電「なんでも友人の結婚式に招かれたらしい。」


ここは結婚式場。

そこにはひと組の男女とそれにもう一人、流暢な英語を喋る騒がしい男がいた。

それは…



クリム「新条!Happy Wedding!」


新条「クリム、来てくれてありがとう!…と言っても式は明日なんだけど…」


由美「お姉ちゃん、結婚おめでとう。明日の結婚式はしっかりね!」


奈美「ありがとう由美。祝ってくれて嬉しいわ!」


奈美「それにしても意外ね。あなたの友人に科学者のお友達がいたなんて。」


クリム「HAHAHA!
新条とは大学時代からの友人でね。
その友人が結婚式を開くとなれば友として出席しないというわけにはいきませんよ!」


そこにいたのは、

先ほどの芝のおやっさんの手紙の差出人である新条と娘の奈美。

それになんと若き日のベルトさんこと生前のクリム・スタインベルトであった。



電「失礼ですがクリム・スタインベルトさんですね。
突然で悪いのですがあなたはある組織の者たちに狙われています!」


大「俺たちはあなたの護衛をするようにと言いつけられた者です。」


クリム「おいおい、冗談はやめてくれ。明日は友人の結婚式なんだぞ!」


新条「なんだか物騒な話になってしまったな。」


奈美「でもクリムさん、あなたの身が一番大事よ。ここは彼らの言う事を聞くべきだわ。」


クリム「わかった、そうするよ。キミたちは無事に式を挙げてくれ。」


こうして電と大に連れられてクリムは結婚式場から出た。



クリム「それで、私はどうなるのかな?」


電「暫くあなたを護衛しなければならない。」


大「ところであなたは科学者との事ですね。
あのアメリカで注目されているハーレー・ヘンドリクソン博士の弟子だとお聞きしました。」


クリム「なるほど、きな臭い連中が私を狙っているのか。友人の結婚式なのに全く残念だ。」


電「そういえばさっきチラッと見ましたが数人ほど警察の関係者らしき人がいましたね。
もしかしてさっきのご友人は警察の人間なんですか?」


クリム「あぁ、彼は新条強といって警視庁の刑事だ。
それに奥さんも芝奈美といって彼女の父親もなんと警視庁の刑事さ。」


大「なるほど、元上司の娘さんを嫁さんに…あれ?芝?」


電「もしかして芝のおやっさんの娘さんの事じゃ?」


電がそんな疑問を思った時であった。



((ブァァァッ!))


電「これは…空間が変わっていくぞ!?」


大「これは不思議界…いやちがう!魔空空間だ!?」


クリム「なんだ…これは!引きずり込まれる!?」


電「しまった!敵の狙いはクリムさんだ!」


『憎っくき宇宙刑事どもよ。この男は頂いていくぞ!』


それはあまりにも突然の出来事であった。

突如発生した魔空空間に引きずり込まれたクリム。

そして聞こえてきた謎の声。

果たしてクリムの行方は…?



~自万党本部前~


烈「あぁ…わかった。それじゃあお前たちは引き続き捜査の方を頼む。」


芝「お前のとこの後輩たちから連絡があったか。なんだと言っていた?」


烈「どうやらあっちにマクーのヤツらが現れてクリム氏を連れ去ったそうです。
クソッ!これでは結城香織が襲われるのも時間の問題だな!」


芝「フンッ、ジタバタしても仕方がない。落ち着いて相手の出方を待とうや。」


この状況で烈とは対照的に冷静さを見せる芝のおやっさん。

そんな時、烈は電たちからあったもうひとつ気になる報告を伝えてみた。



烈「そういえばさっき電たちが言ってたんですけど…
クリム氏がいた結婚式場に、
おやっさんの娘さんたちが明日の式のための打ち合わせに来てたらしいですよ。」


芝「そうか…」


烈「俺…実は両親を幼い頃に亡くした天涯孤独なんです。だから思うんですよ。
結婚式といえば人間にとっては晴れの舞台だ!
そんな日に子供はその晴れ姿を育ててくれた親に見せてあげたいと思うはずです!
俺も最近結婚式を挙げたんですけど…
やっぱり今は亡き両親に晴れ姿を見せてやりたかったのが心残りで…」


芝「…」


烈「だからおやっさん、どうか明日の結婚式に出てくれませんか?
娘さんの晴れ舞台なんだ。親父のアンタが行かなくてどうするんですか!」


自らの境遇を語る烈。

だがそんな烈に対して芝のおやっさんはこう告げた。



芝「なるほど、お前さんの言う事はよくわかる。
だがなぁ、男には誰になんと言われようとやり遂げなきゃいかん事がある。
ワシはその勤めを果たしとる最中だ。
それまでワシは自分の家族に関わる事を禁じとるんだ。」


烈「そんな…」


芝「それにな、娘はもう一人前だ。旦那もいる。
もう娘は十分幸せなはずじゃ、ワシなんかがいなくても大丈夫じゃろ。」


烈「おやっさん…このわからず屋め!」


烈にはわからなかった。

何故、芝のおやっさんはこれほどまで頑なに娘の結婚式に出席したがらないのだろうか?



~アジト~


アシュラーダ「初めましてクリム・スタインベル。私の名はアシュラーダ。
かつてこの宇宙を支配しようとした宇宙犯罪組織マクーの首領ドン・ホラーの血筋の者だ。」


クリム「宇宙犯罪組織マクーだと?私を拉致してどうする気だ!?」


アシュラーダ「キミの最高の頭脳を使って、
我らがマクーの同志であるバドーのロボットを強化してほしい。
無論、断った場合はどうなるかわかっているな!」


クリム「この私が生命を盾にされたくらいで要求を飲むとでも思うか!」


アシュラーダ「そう言うと思ったので催眠術をかけさせてもらう。
これでお前は我々マクーの操り人形と化す。さぁ…私たちのために働け!」


クリム「い…イエッサー…」


こうして催眠術に陥りマクーの手先となってしまったクリム。

命令を受けたクリムは、早速自らの手でバドーのロボットを強化する事になった。



<翌日>


烈「ふぁぁぁ…
朝まで張り込んでたが結局あの後は誰も現れやしないな。」


芝「油断するなよ。
そう見せかけておいて後で本命が乗り込んでくるかもしれんからな。」


香織「お早うございます、朝から精が出ますね。」


烈「あ、お早うございます!
あれ?朝から選挙の演説に出かけられるんですか?」


香織「はい、投票前ですから少しでも有権者の方に接しないといけませんから。」


烈「いやぁ~、今は亡きお父さまの跡を継がれるとはいえしっかりしてますなぁ!
うちのおやっさんなんて今日は娘の結婚式だというのに行く気はないと薄情なのにね…」


芝「フンッ!」


香織「結婚式…?それはおめでとうございます。」


早朝、自万党本部前で張り込みをしていた烈たちを労いに来た香織。

だが…その時…!




((ブワァァァァッ!))



芝「なんじゃこれは!?」


烈「いかん!これは魔空空間だ!香織さん離れて!」


香織「キャッ!?」


突如出現した魔空空間。

烈は咄嗟に香織だけを逃がしたが、自分たちは魔空空間に引きずり込まれてしまった。



~魔空空間~


烈「まさか魔空空間に引きずり込まれるとは!これは間違いなくマクーの仕業だ!」


アシュラーダ「その通り、だがさすがは一条寺烈。
咄嗟の判断で結城香織のみ逃がしたのはいい判断だ。おかげでこっちはやりやすくなった。」


烈「お前はアシュラーダ。
宇宙犯罪組織マクーの首領ドン・ホラーの血筋を引いていると聞いているぞ!」


芝「お前がマクーとかいうヤツか!お前たちの目的は一体何じゃ!答えんか!?」


アシュラーダ「フフ、目的を明かしてもいいがその前にこいつを見てくれたまえ。」


その時、アシュラーダの背後から不気味な怪人が姿を現した。

ロボットとマクーの宇宙生命体の合体した姿。

それは…



バドーモンスター「俺はバドーとマクーの力を結集させたバドーモンスターだ!」


烈「くっ…クリム氏を誘拐したのはこいつを作るためだったのか!」


芝「なるほど、その怪人を使って結城香織を襲うって腹積もりか!」


アシュラーダ「いいや、襲うのは結城香織ではなく…芝大造!お前の大事な者たちだ!」


バドーモンスター「ガァァッ!」


バドーモンスターは烈たちには目もくれずに魔空空間を抜け出していった。

向かった先は…



~結婚式場~


バドーモンスター「ククク!今日この式場で結婚する新条強と芝奈美!」


バドーモンスター「幸せの絶頂にあるお前たちを抹殺するのがこの俺の使命だ!」


バドーモンスター「一条寺烈と芝大造は魔空空間に閉じ込めた。」


バドーモンスター「邪魔者はいない!まったく、簡単な仕事だな!」


意気揚々と結婚式場の建物に入ろうとするバドーモンスター。

だがその行く手を遮る者たちが現れた!



電「待て!バドーモンスター!」


大「まだ俺たちが残っているぜ!」


バドーモンスター「お前たちは…伊賀電に沢村大!
なるほど、だがこれを見ても俺を攻撃する事ができるかな?」


クリム「う…うぅ…」


電「ヤツめ!捕えたクリム氏を人質に取ったのか!」


大「汚いヤツめ!これでは迂闊に手が出せん!」


バドーモンスター「そういう事だ、わかったら大人しくやられろ!」


捕えたクリムを盾するバドーモンスター。

これでは電と大は攻撃ができない。

その隙を突いてバドーモンスターは二人を攻撃してきた。



~魔空空間~


アシュラーダ「フフフ、今頃バドーモンスターは結婚式をメチャクチャにしているだろう。」


芝「クソッ!なんて事を…」


烈「大丈夫だおやっさん。
こんな事もあろうかと超次元高速機ドルギランにこの空間をサーチしてもらっている!
見ろ、迎えが来たぞ!」


((ブロロロロッ!))


魔空空間に現れたのはドルギランに格納されている宇宙刑事専用マシンのサイバリアンだ。

だが、ここでひとつ問題があった。

サイバリアンは一人乗りだ。

つまりサイバリアンに乗ってこの魔空空間から脱出できるのは一人しかない…

烈は一体どうするつもりなのか?



烈「おやっさん、ここは俺が引き止める!だから行ってくれ!」


芝「あんぱん小僧…お前何を言っとるんだ!?」


烈「俺にはわかる!
アンタは口ではきつい事を言っているが本当は娘さんの結婚式に行きたいんだろ!
なら行ってあげてくれ。俺の親はもういない…
だからアンタの娘さんに、それにおやっさん自身にも寂しい思いをさせたくないんだ!」


芝「あんぱん小僧…」


烈は自らの境遇をおやっさんの娘に重ねていた。

だがおやっさんの取った行動は烈にとって意外なモノであった。



((ドンッ!))


烈「おやっさん!」


芝「行くのはワシじゃない、お前だ小僧!お前が行ってヤツの凶行を止めてくれ!」


烈「そんな…おやっさん!ダメだ!アンタが娘さんの結婚式に出なくてどうするんだ!?」


芝「悪いがワシには怪人と戦える力なんてないわい。
だがお前さんにはその力があるんじゃろ。
だったらワシの代わりに娘の結婚式を守ってやってくれ。
父親なんてもんは遠くから子供の幸せを願ってればそれでいい、そういうもんじゃよ。」


烈「ダメだ…おやっさん!それではおやっさんは…」


芝「それにな…もうワシは見たくないんじゃ。
自分の所為で若い刑事が犠牲になる姿を見るのはな…」


烈「おやっさん!おやっさぁぁぁぁぁぁん!?」


必死に叫び続ける烈。

だが無情にもサイバリアンは魔空空間を抜け出していった。



~結婚式場~


電「うわっ!」


大「くっ…!?」


バドーモンスター「どうした、その程度か?
宇宙にその名を轟かせる宇宙刑事、どんな力かと思えば口ほどにもない…」


電「おのれ…」


大「人質さえいなければお前なんか…」


その頃、電と大はバドーモンスターを相手に苦戦を強いられていた。

するとそこへ猛スピードで駆けつけるマシンが…!



烈「ヂュゥッ!」


バドーモンスター「しまった!人質が!?」


電「烈隊長!隊長が人質のクリム氏を救出してくれたぞ!」


大「これで満足に戦えるな!」


烈「行くぞ、電!大!宇宙刑事の本当の力を今こそ見せる時だ!!」


遂に揃った三人の宇宙刑事たち。

彼らはそれぞれの宇宙船を呼び出し、そして…!




烈「蒸着ッ!」



電「赤射ッ!」



大「焼結ッ!」



烈は超次元高速機ドルギランから、電はグランドバースから、大はバビロスから、

超光速で彼らの身体にコンバットスーツが転送されてきた。

そしてコンバットスーツ装着した彼らの姿がこれだ!




ギャバン「宇宙刑事ギャバン!!」



宇宙刑事ギャバンが、コンバットスーツを蒸着するタイムは、僅か0.05秒に過ぎない!




シャリバン「宇宙刑事シャリバン!!」



宇宙刑事シャリバンは、僅か1ミリ秒で赤射蒸着を完了する。

灼熱の太陽エネルギーが、グランドバースの増幅システムにスパークする。

増幅された太陽エネルギーは、赤いソーラーメタルに転換され、

シャリバンに赤射蒸着されるのだ!



シャイダー「宇宙刑事シャイダー!!」



宇宙刑事シャイダーは僅か1ミリ秒で焼結を完了する。

ではその原理を説明しよう!

宇宙刑事シャイダーはバビロス号から発射されるプラズマブルーエネルギーを浴びて、

僅か1ミリ秒で焼結を完了するのだ! 



シャイダー「バドーモンスター!花嫁の晴れ舞台を台無しにはさせんぞ!」


シャリバン「そうだ、お前なんかにこの神聖な式場に立ち入る資格はない!」


ギャバン「そして今日、この場所に来れなかったおやっさんのために!
この結婚式だけは俺たち宇宙刑事の誇りにかけてなんとしても守ってみせる!!」


バドーモンスター「おのれ…宇宙刑事どもめ!?」


宇宙刑事たちとバドーモンスターの戦い。

式場では既に新条強、それに芝奈美、両名の婚礼の儀が執り行われていた。

だが結婚式の出席者たちは外で激闘が繰り広げられているなど夢にも思ってはいない。

この神聖な儀式を誰にも邪魔されるわけにはいかない。

ギャバンたちはその思いを胸に秘め、バドーモンスターと戦う!



ギャバン「ギャバンパンチ!」


バドーマクー「ぐがっ!」


シャリバン「シャリバンソーラーシュート!」


バドーマクー「ぐぉぉっ!?」


シャイダー「ビデオビームガン!」


バドーモンスター「うぎゃぎゃっ!?」


シャリバン「よし、俺たちの攻撃でヤツが疲弊している!」


シャイダー「ギャバン隊長!今です!」


ギャバン「オゥッ!」


怒りに燃える宇宙刑事たちの猛攻にさすがのバドーモンスターも防戦一方であった。

そして最後はギャバンによる攻撃だ!

※このシーンはこちらの曲を聞きながらお読みください

https://www.youtube.com/watch?v=wZSY2oVkK-w



ギャバン「レーザーブレード!」


バドーモンスター「ま…待て!俺は…!?」


ギャバン「問答無用!
俺を魔空空間から連れ出し、そして娘さんの無事をまかせてくれたおやっさんのために!
この結婚式を踏みにじろうとしたお前は絶対に許さん!!」


バドーモンスター「ひっ…ひぃぃ!?」



ギャバン「「ギャバンダイナミック!!」」



((ドバッ!))


バドーモンスター「ギャァァァァァァッ!!??」


まさに電光一閃!

宇宙刑事ギャバンの必殺技、ギャバンダイナミックがバドーモンスターを一刀両断した!



~魔空空間~


アシュラーダ「どうやら…終わったようだ。それでは私は失礼する。」


芝「待て、ワシはどうする気だ?」


アシュラーダ「今回の私の目的は果たせた。
宇宙刑事たちの目を逸らしてその間に逃走するのが私の計画。
今はまだヤツらには勝てない、もっと力とそれに権力をもたなければね…」


芝「なるほど、バドーモンスターはそのための囮だったわけか。」


その頃、魔空空間ではバドーモンスターの敗北を察したアシュラーダが、

その場から立ち去ろうとしていた。

だがアシュラーダは立ち去る前に芝はある事を問いかけた。



芝「最後にお前さんにひとつだけ聞きたい事がある。
今回、お前さんにバドーのロボットを与えたのは一体誰だ?」


アシュラーダ「それは教えられないな。そういう約束だ。
だが、ひとつだけ言える事がある。今回、私と取引したバドーの連中は、芝大造よ。
お前に深い恨みを持っている事だけは間違いないだろうな!」


芝「恨み…やはりワシを狙っているのか…バドーめ!」


アシュラーダ「それでは私は消えよう。
だがいつの日か必ずマクーを再興させて宇宙刑事たちに復讐してやる!」


そう言い残してアシュラーダはその場から去った。

残った芝のおやっさんはこの事件にはまだ裏が隠されている不安を抱いた。



~結婚式場~


芝「すまんな、そういうわけでヤツを取り逃がしてしまった。」


烈「いや、いいんです!おやっさんがこうして無事だっただけで十分ですよ!」


電「だがマクーの生き残りであるアシュラーダめ!
バドーモンスターを囮にして俺たちから逃げ切るとはなんてヤツだ!」


大「それにヤツはまた俺たちに戦いを挑もうとしている。懲りないヤツですよ。」


烈「まあいいさ、ヤツがまた何か悪事を働くならその時は俺たちが捕まえるだけだ!」


芝「そうだな、刑事なんてのは執念の塊みたいなもんだ。
諦めずに追い続けていればいつかは捕まえる事ができるだろうよ。」


その頃、結婚式場では丁度結婚式が終わりそこへ芝のおやっさんが烈たちと合流していた。

一連の事件の真相を烈たちに伝えるおやっさん。

烈は今回取り逃がしたアシュラーダを何年掛かろうが捕まえようと決意を固めていた。



烈「そういえばおやっさん、結局式には参加できませんでしたね。
すいません、俺がもっとしっかりしていればおやっさんも式に参加できたのに…」


電「でも娘さんキレイでしたよ!」


大「えぇ、ウエディングドレスも似合っていたしみんなに祝福されてましたからね!」


芝「それならええわい。ワシなんかいなくても娘が幸せでいてくれたらそれでな…」


烈「おやっさん…」


結局、結婚式に出席できなかった芝のおやっさん。

だが娘が幸せに結婚式を挙げたのならそれでいいと言う。

そんな芝のおやっさんを見て何か寂しさを感じる烈。

だが…



バドーモンスター「う…うぅ…まだ…俺は生きてるぞ!」


電「こいつ!隊長のギャバン・ダイナミックを受けて生きてるなんて!」


大「だがヤツはもうボロボロだ!もう一度攻撃すれば!」


烈「こうなれば今度こそ絶対に倒してやる!」


バドーモンスター「フフフ…お前たちとはもう戦わん…いや…もうこの時代に用はない!」


バドーモンスター「偉大なるバドー首領!この時代での私の使命は果たせた!」


バドーモンスター「さぁ、私をあなたがいる時代へ導いてくだされ!」



((ズォォォォッ!))



急いで戦闘態勢に入る烈たち。

だがそんな時、上空に突然奇妙なワームホールが開いた。

そしてバドーモンスターはそのワームホールに入ろうとする。

烈たちは急いでバドーモンスターがワームホールに入るのを止めようとするのだが…



芝「待て!ヤツを行かせてやれ!」


烈「そんな!」


電「ヤツを逃げせと言うんですか!」


大「一体何故です!?」


バドーモンスター「なんだか知らんが今のうちだ!」


なんと芝のおやっさんは烈たちにバドーモンスターを逃がせと言う。

その隙にワームホールへ逃走するバドーモンスター。

一体これはどういう事なのだろうか…?



<2015年>


進ノ介「あれ?ここで終わってる?この後はどうなったんだ!?」


芝「どうやら読み終わったようじゃのう。」


ベルトさん「宇宙犯罪組織マクー、恐ろしい連中だったな!」


現代、ファイルを読み終えた進ノ介。

だが何故か1985年の事件が記されているファイルは、

芝のおやっさんがバドーモンスターを逃がすところで終わっていた。



進ノ介「なぁ…この後どうなったんだよ?
バドーモンスターは?宇宙刑事たちは?それに何でアンタはヤツを追うのを止めた!?」


芝「そんなのは後だ。お前さんにはまだ読んでもらうファイルがあるからのぅ。」


進ノ介「ふざけるな!質問の答えになってないだろ!」


芝「いずれわかる事じゃ。それよりもファイルはあと2冊ある。
グズグズしているとファイルを読み終える前に目的地に着いちまうぞ。」


進ノ介「まったく大した秘密主義だよ!ベルトさんといい勝負だぜ…
もういい!何も話さないっていうなら俺だってこんなファイル読むもんか!」


これ以上付き合っていられないと駄々をこねる進ノ介。

だが、芝のおやっさんから告げられたあるヒーローの名を聞いた瞬間、

進ノ介の反応が変わった。



芝「次は1995年、レスキューポリスが関わった事件じゃ。」


進ノ介「レスキューポリス?もしかして特警ウインスペクターか!?」


芝「なんじゃ、知っておるのか?」


進ノ介「あぁ、この前一緒に事件を解決したんだ。
そうか、アンタはウインスペクターのみんなと協力して事件に当った事があるのか!」


芝「そうじゃ、確か…
特警ウインスペクターとは、平和を愛し、友情を信じ、人の命を守る為犯罪に立ち向かう。
…という連中じゃったか。」


進ノ介「そうそう、人命救助を使命にしてる警察官だよな!」


芝「だがあの時の事件はその守るべき命を犠牲にしなければいけない判断を迫られた。
ある意味もっとも過酷な事件といってもいい出来事じゃったわい。」


進ノ介「そんな事件があったのか…ちょっと待ってくれ!すぐにファイルを読むから!」


ベルトさん「なんだかんだで乗せられているぞ進ノ介…」


こうして2冊目のファイルを読む進ノ介。

それでは次に起きた事件、1995年へと遡ってみよう。

とりあえずここまで
次は1995年が舞台となります
まだ色々と謎が残ったまま終わりましたがその辺はあとで解決していくので少し我慢してください。




【FILE2.レスキューポリス編】


<1995年>


~警視庁~


竜馬「大樹!久しぶりだな!」


大樹「竜馬先輩こそ、お元気そうでなによりです!」


隼人「先輩たち初めまして、俺は叶隼人!
先輩たちの後を継いで日本を守ったSREDの隊長です!」


バイクル「それにしても懐かしい顔が揃っとるがね!」


ウォルター「あぁ、みんな我々の後輩たちだ!」


ソルドーザー「初めまして、SREDのみなさん。僕はソルドーザーです。よろしく。」


耕作「スゴイな、レスキューポリスが勢ぞろいだ!」


拳「あぁ、これだけの面子が揃えば向かうところ敵無しだぜ!」


玲子「けど、私たちレスキューポリスを集めて親睦会を開くってわけじゃなさそうね。」


1995年、警視庁の一室にあるメンバーが集まっていた。

特警ウインスペクター、特救指令ソルブレイン、特捜エクシードラフト、

かつてこの日本で活躍し、

現在は世界中で活動中のレスキューポリスがこの警視庁に集結していた。

そこへ、今回彼らを招集した人物が部屋へ入ってきた。



正木「みんな、挨拶はそこまでにしてくれ。さっそく事件の本題に入る!」


大樹「正木本部長、あなたが俺たちを招集したのですね!」


バイクル「やっぱり事件絡みだったがね。」


ウォルター「レスキューポリス全員が招集を掛けられたんだ。只事じゃないのは確かだな。」


竜馬「お前たち、私語は慎め。それで本部長、事件とは?」


正木「うむ、全ての発端は数日前に遡る。」


全レスキューポリスに招集命令をかけたのは、

あのレスキューポリスの創設者にして彼らの指導者でもある正木俊介本部長であった。

早速、事件の詳細を語る本部長。

事の発端は数日前、この警視庁である実験が行われた。



<数日前>


正木「それでは実験を開始したい。よろしいですかな、お二人共?」


ハーレー「OK!Mr.正木!」


クリム「我々が作った最新のロボットを今こそお見せしよう!」


正木「この二人、妙に不安だがこれでも一流の技術を持っているのは確かなはず…」


実験を行なったのは生前のクリム・スタインベルト。

それにクリムの師であるハーレー・ヘンドリクソン博士であった。

何故彼らがこの場所にいるのか?

それは警視庁で新たに運用するための新型ロボットを披露するためであった。

そして彼らが正木本部長の前に紹介したロボットがこれだ。



MX-A2「初メマシテ…私ハMX-A2デス。」


クリム「このロボットはあのMX-A1の新造機であるMX-A2!
私とハーレー博士がとある組織から依頼されて作ったNewマシン!!」


ハーレー「ワシらの手によりかつてのMX-A1とは比べ物にならない性能になっておる。
彼には犯人を傷つけずに捕まえる事が出来る特殊なシステムが組み込まれているんじゃ!」


正木「それでは起動実験を開始して頂きたい。」


こうして正木本部長の見守る中、起動実験は成功した。

…かに思えたのだが…



MX-A2「ギ…ギギ…」


正木「何だ!一体どうしたんだ!?」


クリム「これは…まさか暴走!」


ハーレー「NO!これでは大変な事が起きるぞ!?」


MX-A2「ガガ…ガガガ!」


こうしてMX-A2はクリム、ハーレーに危害を加えてさらに警察の追跡を振り切り逃亡。

今日に至ったのであった。



拳「随分とマヌケな話だ。」


隼人「だがMX-A1といえば聞いた事がある。
警視庁がロボット犯罪の重武装化に対処するために作った高火力のロボットだ。
しかし訓練中に暴走を起こし廃棄処分されたはずだ。」


大樹「その後、MX-A1は警視庁特殊装備開発班メンバーの一人が持ち出したと聞くが…」


耕作「ところで何故MX-A2は暴走してしまったんでしょうか?」


正木「うむ、ハーレー博士たちにMX-A2の製造を依頼した組織だが…
実はそれがかつてこの日本で暗躍していたバドーという組織だという事が判明した。」


竜馬「バドー?」


バドー、その名を聞きつけた一人の老刑事が部屋に押しかけてきた。



芝「バドーじゃと!?」


バイクル「おわっ!変なおっちゃんが押しかけてきよったがね!」


ウォルター「あなたは一体誰ですか!?」


正木「落ち着け二人とも、この人は芝のおやっさんだ。
かつて20年前、バドーの事件を捜査していた我々の大先輩だ。」


芝「正木!バドーが出たのならこのヤマはワシが担当するぞ!」


竜馬「そんな…何を勝手な事を…」


この事件を担当させろという芝のおやっさん。

するとそこへおやっさんに連れそうように一人の男が駆けつけてきた。



田村「おやっさんダメですよ!
いきなり押しかけてそんな駄々こねたって誰も聞いちゃくれませんから!」


竜馬「田村さん…田村直人さん!あなたどうして!?」


田村「アハハ、警視庁に復職して今はこの芝のおやっさんと組んでるんだよ。
ほら、おやっさんも。まずはみんなに挨拶でもしてから捜査協力するのが筋ですよ。」


芝「やかましいぞ田村!
バドーの事件は昔から特別科学捜査室が受け持つ事になっておるんじゃ!」


大樹「特別科学捜査室?」


玲子「聞いた事があります、なんでも警視庁の島流し部署だって…」


ソルドーザー「島流し部署!?」


隼人「本部長、一体どういう事なんですか?」


正木「うむ、この芝のおやっさんは長年バドーを追っている刑事なんだ。
今回、バドーが出たという事で私から芝のおやっさんに捜査の協力を頼んだ。」


バドーの捜査ならワシに任せろと息巻く芝のおやっさん。

だがレスキューポリスのメンバーの反応はというと…



大樹「せっかくですが…」


玲子「結構お歳ですし…」


ソルドーザー「それにそちらは二人しかいませんね。」


隼人「本部長、我々はチームで動いています。」


拳「いきなり部外者を入れられても…」


耕作「こんな事件、俺たちだけで解決してみせますよ!」


芝「なんじゃお前ら!人をバカにしよって!?」


田村「まあまあ抑えて…」


ソルブレイン、エクシードラフトのメンバーたちはさすがに反対した。

無理もない、本来部外者である芝のおやっさんを捜査に協力させる必要がないからだ。

だがそんな時だった。



竜馬「本部長、僕たちウインスペクターが彼らと行動を共にしようと思うのですが。」


ウォルター「隊長、本気ですか?」


バイクル「考え直した方がええがね!」


竜馬「バドーを知らない僕たちにとって長年バドーを追っていた経験は貴重なはずだ。
芝のおやっさん、僕たちウインスペクターと行動して頂きたい。」


芝「フンッ!まあよろしくな、レスキュー小僧。」


竜馬「れ…レスキュー小僧?」


田村「おやっさんは気に入った相手にあだ名を付ける癖があるんですよ。」


正木「それでは捜査会議はここまでだ。
ソルブレイン、エクシードラフトはMX-A2の足取りを追ってくれ。
ウインスペクターは芝のおやっさんと一緒に聞き込みを頼む!」



「「「了解!」」」



こうしてメンバーは各チームに別れて行動を開始した。

ウインスペクターは芝のおやっさんと田村直人を連れてある場所へと向かった。

とりあえずここまで

みなさんに残念なお知らせですがこのssにジャンパーソンは出てきません
彼は特捜ロボですが厳密には刑事じゃないので…
なのでちょっと設定だけ拝借させてもらいました

それと田村さんが竜馬さんと顔見知りっぽいですが
それは以前作者が書いたウインスペクターvsジバンのssで会った事があるとかそう思って頂ければ幸いです



~警察病院~


クリム「まったく…散々な目に合ったよ。」


ハーレー「ワシらがもっとしっかりしてればこんな事にはならなかったのだが。Sorry…」


芝「まあそれはともかく、
お前さんたちはバドーの事はこれっぽっちも知らなかったわけじゃな。」


竜馬「あなたたちはバドーという組織から、
警視庁の最新鋭のロボットを製造するように依頼されていただけのようですね。」


ハーレー「バドーとかいう組織はワシらにMX-A2の素体となるロボットを送ってきた。
ワシらはそのロボットにかつてのMX-A1の性能とそれに最新技術を与えたにしか過ぎん。」


クリム「基本設計は古かったが完成度は非常に高いロボットだったからね。」


直人「なるほど、これでバドー追跡の手掛かりが途絶えてしまいましたね。」


ここは警察病院。

竜馬たちはMX-A2の製造に携わっていたクリム、ハーレー、両名を事情聴取するが…

彼らはただロボットの製造を依頼されただけでバドーの手掛かりを掴む事はできなかった。



ハーレー「しかしあの素体ロボットの基本設計だが、
あれは間違いなくかつて日本のロボット工学の権威であった霧島博士の仕事じゃな。」


竜馬「霧島博士?」


ハーレー「Yes、ワシはかつてこの日本で霧島博士にロボット工学の技術を教わった。
霧島博士が作ったロボットはどれも見事な作品ばかりだった。
彼はまさにロボット工学における天才だと言ってもいいだろう!」


クリム「だがその霧島博士はもう亡くなってしまった。
ハーレー博士は亡き恩師である霧島博士に報いるために、
警視庁へ新型ロボットであるMX-A2を配備しようとしたんだよ。」


芝「霧島博士か…まさかアンタ方がそんな関係があったとはな…」


田村「おやっさん、霧島博士の事を知っているんですか?」


霧島博士の名前に何か思うところがあるおやっさん。

そんな時、一人の女性が病室へ入ってきた。

その女性とは…



香織「失礼します、あら?芝さんも来ていらっしゃったんですか?」


芝「結城香織、アンタか。」


竜馬「結城香織さんといえば確か…」


直人「10年前に自万党から立候補して初のトップ当選を果たした女性議員ですよ!」


バイクル「ワシも知っとるで!
確か10年前、どっかの犯罪者に狙われとったのにそれでも選挙に臨んだらしいって!」


ウォルター「彼女は盲目で身体的な障害を抱えている。
そんな彼女が困難にも負けずに選挙に挑んだ果敢な姿勢が、
世間に評価されたのがトップ当選を果たせた理由だと言われている!」


ハーレー「そんな女性政治家が何故ワシらの病室に?」


クリム「どう考えても単なるお見舞いというわけではなさそうだが…」


10年前、1985年にトップ当選を果たして自万党の女性議員となった結城香織。

そんな彼女がこの病室を訪れた理由。

それは…



香織「勿論、今回あなた方がこの危険な事件を引き起こした原因を調査するためです。」


竜馬「それは我々警察に任せてくれれば…」


香織「ですが今回の事件を引き起こしたのは警察に原因があると聞きます。
そんなあなた方に調査を任せるのはどうかと思いまして独自に調査をしているのです。」


バイクル「こりゃ手厳しい事言われたがね…」


ウォルター「それを言われると我々も弱いな。」


香織「これはまだオフレコの段階ですが、
もしこの件が大事件に発展すればあなた方レスキューポリス解散も視野に入れています。」


竜馬「か…解散!?」


直人「いくらなんでもそれはあんまりですよ!」


香織「そうでしょうか?
この事態を引き起こしたのはレスキューポリスなのですよ。
それ相応の責任を取ってもらわないと国民の皆さまに示しがつきませんわ。」


芝「嬢ちゃん、今度の閣僚入りを狙うのに必死のようじゃな。
そのレスキューポリス解散の口実は、
アンタが政界の閣僚入りを目指すための手柄取りの一貫じゃないのか?」


香織「芝さん、私はそこまで大それた考えは持っていませんわ。
ですがあなた方警察組織がもっとしっかりしていれば今回の事態は避けられたはずです。
その事をどうかお忘れなく。」


竜馬「わかっています。
例え今回の件で、
レスキューポリスが解散しようとこの事件は我々がなんとしても解決してみせます。」


ちなみにこれは余談になるが…

後日、この件をきっかけにレスキューポリスが解散に追い込まれる事になる。

だがそれはまた別の物語の事である。



直人「あ、そういえばこの病院にはおやっさんの娘さんが入院しているんですよね!」


バイクル「娘さん、どっか身体が悪いんかね?」


直人「いや、実は今度娘さんに赤ちゃんが生まれるんだよ。
おやっさんの初孫さ、これからはおやっさんはお爺ちゃんになるんですよね!」


芝「やかましいぞ田村!ワシのプライベートを勝手に喋るんじゃない!」


竜馬「それはおめでとうございます。
ならここは僕たちが引き受けますので少し会われてはどうですか?」


芝「フンッ、別にいいわい。長年家族を放ったらかしで仕事一筋だったからしのぅ。
10年前、ワシは娘の結婚式をすっぽかした父親じゃ!
それが今更のこのこ会いに行ったところで門前払いにされるに決まっとるわい…」


香織「やはり何かを生み出すのは女性の役割ですわね。
男が生み出すモノなんて所詮は争いの火種の元ばかり…だから私の父も…」


竜馬「父…?」


香織「いえ、なんでもありませんわ。
それでは芝さん、娘さんに元気な赤ちゃんが生まれるようにとお伝えください。」


なにやら複雑な心境で立ち去る香織。

そんな時、別室からある若い夫婦の話し声が聞こえてきた。



新条「奈美、遂に子供が生まれるのか!楽しみだ!」


由美「お姉ちゃん、おめでとう!」


奈美「うふふ、ありがとう二人とも。元気な赤ちゃんを産んでみせるわ。」


由美「けどお父さんはやっぱり来ないんだね…」


新条「10年前の結婚式にも来てくれなかったしな。」


奈美「しょうがないわ、きっとお仕事で忙しいのよ。」


直人「おやっさん、行ってあげた方が…」


芝「いいんじゃ!ワシの事は放っておいてくれ!」


竜馬「まったく、頑固だなぁ。」


バイクル「けど何でこんなに頑固なんだがね?」


ウォルター「あまり家庭の事情に触れない方がいい。色々と複雑なんだろう。」


頑なに家族の前に顔を出す事を拒む芝のおやっさん。

そんな時、芝のおやっさんはふとバイクルとウォルターの二人に注目していた。



芝「そういえばお前さんたち、ロボットの警官なんじゃな。」


バイクル「なんちゅうか今更な反応だがね。」


ウォルター「私たちは警視庁の最新技術で生まれたサポートドロイドですから!」


芝「まさかあいつの他にもロボットの警官が生まれるとは…世も末じゃのう。」


直人「そういえばこの部署にも昔、ロボットの刑事がいたんですよね。確か名前は…」


芝「K…ロボット刑事…Kじゃ…」


竜馬「ロボット刑事K?」


バイクル「ほぇ~!ワシらの先輩がおったんかいな!」


ウォルター「失礼ですがその方は今はどちらに?」


芝「ヤツは…」


芝のおやっさんが言おうとした時だった。

全捜査員に緊急連絡が通達された。

近隣をパトロールしていた巡回警官がMX-A2を発見。

直ちにレスキューポリスへ出動要請が下された!



~郊外~


警官A「うわぁぁぁっ!」


警官B「た…助けてぇ!?」


MX-A2「ギ…ギギ…」


竜馬「あれは…間違いない!MX-A2だ!」


バイクル「どうやらワシらが一番乗りらしいでね!」


ウォルター「隊長、ヤツはいくら最新鋭の性能があるといっても実戦はまだのはずです。」


竜馬「そこに付け込めば対処できるな!よし、行くぞ!」


赤い車、ナイトカスタムに乗り込む竜馬。

乗り込むと同時に車に搭載されているボタンを押した。



竜馬「プラスアップ!」



ボタンを押すと同時に香川竜馬の身体に真紅のソリッドスーツが装着された。

その姿は…



ナイトファイヤー「私はナイトファイヤー!
MX-A2、大人しく投降しろ。そうすればこちらも危害を加える気はない。」


MX-A2「ギギギ…!」


直人「ダメだ、ナイトファイヤーの言う事なんか聞こうとしないぞ!」


芝「それどころか武装してこっちに進んでくるわい!」


ナイトファイヤー「警告はした、これ以上人々に危害を加えるなら倒すまでだ!」


警告を告げたにも関わらず投降の意思を見せないMX-A2。

ウインスペクターたちは止むなくMX-A2を倒す事にした。



バイクル「バイスピア!」


ウォルター「ディスライダー!」


ナイトファイヤー「ケルベロスΔ!ショットモード!」


MX-A2「ギ…ギ…」


直人「やった!ウインスペクターがMX-A2をあっという間に倒したぞ!」


芝「…」


ナイトファイヤー「あっけない、こんなものなのか?」


ウインスペクターの攻撃で瞬く間に倒されたMX-A2。

だが…



MX-A2「ギ…ギギ…ガァァァァァァ!!」


バイクル「何でね!あいつ…いきなり立ち上がったで!」


ウォルター「それにヤツの身体が徐々に変わっていくぞ!」


ナイトファイヤー「まさかこのロボット…進化しているのか!?」


直人「まるで蛹が蝶になるような現象だ!」


芝「こりゃ…一体どういう事なんじゃ!?」


クリムたちは明かさなかったが…

実はこれは後にロイミュードと呼ばれる人工生命体の元になった技術である。

それによりMX-A2が進化した姿。

その名は…



バドーMX-A2「俺はバドーMX-A2!この時代に生まれたバドーの破壊ロボットだ!」


ナイトファイヤー「この時代?何の話をしている!?」


バドーMX-A2「余計な事を知る必要はない、お前たちはここで死ぬのだ!ワイヤーパンチ!」


バイクル「あわわ…あいつメッチャ強くなっとるで!」


ウォルター「さっきは進化するためにわざと攻撃を受けていたのか!」


ナイトファイヤー「くっ!このままではまずいな…」


芝「まずいぞ、あのレスキュー小僧たちだけじゃ負けちまう…他の連中は何をしとるんだ?」


直人「このままでは…」


バドーMX-A2の強大なパワーの前に次第に劣勢へと追い込まれるウインスペクター。

だがそんな時、田村直人が満を持して立ち上がった!



直人「どうやら僕の出番だな!」


芝「田村…お前何を言っとるんじゃ…?」


直人「おやっさん、黙っていてすみません。
僕はかつてバイオロンという組織と戦うために警視庁が生み出した機動刑事なんです。
その名も…!」


バドーMX-A2「やかましい!死ねぇっ!!」



((ドッガァァァァンッ!))



芝「た…田村!?」


バイクル「あかんがね…直人はんが…」


ウォルター「爆煙に包まれてしまった…」


ナイトファイヤー「いや待て、炎の中から誰かが出てくるぞ!」


燃え盛る炎から出てくる人影。

銀のメタルボディが輝くこの男の正体は…!



ジバン「警視庁秘密捜査官、警視正!機動刑事ジバン!!」


バドーMX-A2「ジバン…だと?」


ナイトファイヤー「ジバン、我々と一緒に戦ってくれるのですか!」


ジバン「あぁ、相手がバイオロンでなくても平和を脅かすのなら戦わなくてはならない!
ウインスペクター、私も一緒に戦うぞ!!」


バイクル「ジバンがいてくれたら百人力だがね!」


ウォルター「よし、反撃開始だ!」


こうしてウインスペクターに心強い仲間、機動刑事ジバンが加わった。

今こそ反撃の時!

のはずが…



バドーMX-A2「今だ、ハイパーサブリミナル発動!」


ジバン「ぐっ…」


ナイトファイヤー「苦しい…酷い頭痛だ!これは一体何だ!?」


バドーMX-A2「教えてやる!
これはかつて裏世界を牛耳っていた帯刀コンツェルンが開発したハイパーサブリミナル!
人間のトラウマを刺激して精神支配を行う事が可能なのだ!
をクリムとハーレーはこの機能を使い、
犯罪者どもの心理に作用させて自首を勧めるように運用してかったらしいな…」


芝「あの技術屋どもめ!人間の意思を機械で操ろうとするとはなんてヤツらじゃ!?」


ウォルター「それでは隊長たちは…」


バイクル「二人ともしっかりしたってや!」


突然の頭痛に悩まされるナイトファイヤーとジバン。

二人の脳裏にかつての忌まわしい記憶が蘇ってきた。



ナイトファイヤー「うぅ…仕方がなかったんだメサイヤ…許してくれ…」


ジバン「やめろ…バイオロン…よくも僕の身体をこんな機械に変えてくれたな!」


バイクル「隊長の中で今までの記憶から一番後味の悪い事件が蘇っとるわ…」


ウォルター「ジバンもかつて生身の身体を失った日の事を思い出しているぞ。」


バドーMX-A2「ジバンは過去のトラウマの中に憎しみを抱いている。これは利用できるぞ!」


((バチッ!))


ジバン「うぐ…わぁぁぁぁぁ!?」


芝「ヤツめ!田村の方に威力を上げおったぞ!」


ウォルター「一体何をする気なんだ!?」


ジバン「…」


ジバンへのハイパーサブリミナルを強めるバドーMX-A2。

そして起き上がったジバンはマクシミリアン TYPE-3を取り出した。

だが武器を向けた相手はバドーMX-A2ではなかった。



ジバン「行くぞ…!」


バイクル「ちょ…直人はん!何でワシらに武器を向けるんだがね?」


ウォルター「これは…まさか…」


ジバン「マクシミリアンガン…!」


芝「いかん!あいつワシらを撃ってきたぞ!まさかキサマ…田村を!?」


バドーMX-A2「その通り、機動刑事ジバンは私の操り人形と化した!
今のジバンは私の意のままに操る事ができる、ジバン!あの者たちを殺せ!!」


ジバン「了…解…マクシミリアンスティック…!」


ウォルター「やめるんだジバン!」


バイクル「ワシらが戦ってどうすんね!?」


マクシミリアンスティックを手にウインスペクターに攻撃を始めるジバン。

そして瞬く間にウォルターとバイクルは倒されてしまった。



バイクル「ギャッ!」


ウォルター「がはっ!?」


ナイトファイヤー「ウォルター…バイクル…これでは全滅してしまう…」


ジバン「次はお前だナイトファイヤー!」


ナイトファイヤー「ぐっ…なんとか動いてくれ…僕の身体!」


バドーMX-A2「バカめ、そんな恐怖に怯えた状態で何ができる?ジバン、ヤツを殺せ!!」


ジバン「マクシミリアンソード…!」


ナイトファイヤー「やめるんだジバン!僕たちは刑事だ!悪人に操られてはいけない!」


ジバン「ジバンエンド!」



((ズバッ!))



ナイトファイヤー「うわぁぁぁぁぁ!?」


ジバンの必殺技、ジバンエンドがナイトファイヤーの装甲を切り裂いた。

いくらジバンがナイトファイヤーよりも旧式とはいえ、

ハイパーサブリミナルによって精神が麻痺している竜馬など相手になるはずがなかった…



芝「やめるんじゃ田村!」


ジバン「…」


ナイトファイヤー「お…おやっさん…ダメだ…下がるんだ…殺されてしまうぞ…」


芝「ワシはどかんぞ!お前に人を殺させるわけにはいかん!」


ジバン「う…うぅ…」


ナイトファイヤー「ジバンが怯んだ!今だ、パイルトルネード!コーキングパンチャー!」


((バシャッ!))


ジバンが怯んだ一瞬の間にナイトファイヤーは、

パイルトルネードのゲル状の粘着弾を放ちジバンとバドーMX-A2の動きを拘束した。

そしてその隙に全員を連れてこの場から一時撤退しようとするのだが…



バドーMX-A2「ハァッ!バイクルとウォルターは捕らえたぞ!」


ウォルター「しまった!」


バイクル「隊長!」


ナイトファイヤー「なんという事だ!二人とも!?」


バドーMX-A2「聞けウインスペクター!
最早俺の力は完璧だ、これより俺は3時間後に堂々と正面から…
芝大造よ!お前の娘が入院している警察病院を襲ってやる!!」


芝「なんじゃと!?」


バドーMX-A2「これもかつてお前がバドーに敵対した罪!
芝大造、お前が過去にバドーに歯向かった罪を娘の命で償ってもらうぞ!」


ナイトファイヤー「おやっさん!とにかく今は逃げるんだ!」


こうしてナイトファイヤーは深手を負いながらも、

なんとか芝のおやっさんを連れてその場を脱出する事ができた。

だが、敵の魔の手は途絶えたわけではない。

これより3時間後、

彼らは宣言通り警察病院に入院している芝大造の娘である芝奈美の命を狙おうとしていた。



<3時間後>


~警察病院~


竜馬「これで殆どの入院患者は避難が完了しました。」


正木「うむ、敵が3時間の猶予を与えてくれたから病院関係者の避難はできた。だが…」


芝「奈美のヤツ…まさかこんな時に限って産気づいちまうとは…」


命辛々脱出できた竜馬たちは急いで警察病院へと急行して避難を指示した。

それにより病院関係者は迅速に避難する事ができたのだが、

運悪くこの状況下で奈美が出産間近になってしまった。

そのためターゲットである彼女の搬送ができずに止む無く病院で出産する事になった。



正木「結城香織議員が率先して、
病院関係者に避難を促してくれたおかげで迅速に避難は完了した。
だが…それ以上の救援は得られなかった。
これは元々警察が招いた不祥事、あとは我々に全て対応を丸投げされてしまったが…」


竜馬「なんとか娘さんを搬送する事はできないのですか?」


正木「ダメだ、医師から聞いたが早産のために今は母子共に危険な状態にあるとの事だ。
そんな状態で無理に搬送すれば間違いなく流産してしまうだろう。
いや、それどころか母体にも影響が出て最悪の場合、母子共に死亡する可能性もある。」


芝「クソッ!よりによってこんな事になっちまうとは…
田村は操られちまうし他の連中も捕まっちまった。
しかも旦那の新条も急な出張で出産に立ち会えないときやがる。
バカなヤツめ…
こんな事にならないようにわざわざ現場から外して事務仕事に回してもらったのに…」


正木「おやっさん、諦めないでください。
我々レスユーポリスがなんとしても娘さんと生まれてくる赤ちゃんを全力で守ります!」


竜馬「ですがどうする気ですか?」


竜馬の疑問に答えるかのように正木本部長は窓を開けて外の配置を見せた。

するとそこにいたのは…



大樹「正木本部長、特救指令ソルブレイン配備完了です!」


隼人「同じく特捜エクシードラフト、こちらも配備完了です!」


竜馬「スゴイ!全レスキューポリスを厳重警戒で配備させたのですね!」


正木「そうだ、この事件はなんとしても解決しなければならない。
それに母親からの要望でお腹の子供は自分の命を犠牲にしてでも産みたいとの事だ。
母親としては当然の願いだ、命を救うのはレスキューポリスの使命!
失敗は許されん。この任務はレスキューポリスが一丸となって全うするぞ!!」


竜馬「わかりました、僕もナイトファイヤーにプラスアップして待機します。
先ほどの戦闘でまだダメージが残っていますがそれでも戦えるはずだ!」


こうして正木本部長の指揮の下、前代未聞の異例の措置がなされた。

エクシードラフト、ソルレブイン、それにウインスペクターが二人の母子を守るために、

レスキューポリスが総動員で護衛する事になった!

この厳戒態勢の中、果たして赤ん坊は無事生まれるのだろうか?



~第一守衛~


バドーMX-A2「ギギ…約束の3時間が過ぎたぞ。約束通り芝大造の娘の命を貰いに来た!」


隼人「現れたなバドーMX-A2!
報告によるとヤツはあのナイトファイヤーを打ち負かしたとの事だ。みんな油断するな!」


拳「大丈夫ですよ隊長!
俺たちエクシードラフトはレスキューポリスでは最新鋭の装備ですからね!」


耕作「俺たちSREDが絶対に倒してみせます!」


バドーMX-A2の前に現れたのは叶隼人、村岡耕作、大熊拳、の三人であった。

彼らは自らの車輌であるSRED-02バリアス7、SRED-01スクラムヘッドへ乗車。

アクセスロックキャッチャーにEDRT-003アクセスロックSを差し込んだ。




隼人、耕作、拳「「「実装!!」」」



ドラフトレッダー「ドラフトレッダー!」


ドラフトブルース「ドラフトブルース!」


ドラフトキース「ドラフトキース!」



「「「特捜エクシードラフト!!」」」



バドーMX-A2「そうか、お前たちが特捜エクシードラフトか!」


多様化する犯罪から人々を守るために、3つの魂が炎となって燃えた!

これは明日の地球に愛と優しさを求めた、特別救急捜査隊である!

そう、最初の防衛陣は彼らSREDこと特捜エクシードラフトであった。



~第二守衛~


玲子「隊長、第一守衛に当たっていたエクシードラフトが敵と交戦中との事です。
あ、待ってください!そんな…嘘でしょ…?
敵はエクシードラフトの包囲を突破してすぐにこちらに向かってくるそうです!?」


大樹「そうか、そろそろ来るな。スタンバイしろ!」


ソルドーザー「隊長…あれを見てください!ヤツが来ました!」


バドーMX-A2「フフフ!
さすがのエクシードラフトもハイパーサブリミナルの前では無力だったぞ。
次はお前たちの番だ!」


大樹「バドーMX-A2!お前は俺たちが止める!」



大樹、玲子「「プラスアップ!」」



ソルギャロップ、ソルドレッカーに乗り込む西尾大樹と樋口玲子。

乗り込んだ彼らは車に搭載されているボタンを押した。

そして次の瞬間、車から出てきたのは彼らがソリッドスーツを装着した姿であった。



ソルブレイバー「ソルブレイバー!」


ソルジャンヌ「ソルジャンヌ!」


ソルドーザー「ソルドーザー!」



「「「特救指令ソルブレイン!!」」」



バドーMX-A2「特救指令ソルブレインか。無駄な事を…
エクシードラフトに続いてお前たちも倒してやる!ガァァッ!」


犯罪が高度化した時代。

人の命と心を救うために、自らの青春を賭けて立ちあがった若者たちがいた。

それが特装救急警察である!

続いての防衛陣である特救指令ソルブレイン。

彼らは超大型救助母艦ソリッドステイツIをバリケードにして、

敵を病院に一歩も近づけないようにした。



~警察病院~


正木「戦いが始まったようだ。
エクシードラフトが倒されたがまだソルブレインが頑張っている。
もし彼らが敗れれば、そうなれば我々が最後の砦になるだろう…」


芝「すまんな、ワシの娘の出産のためにお前さんたちを危険な目に合わせて…」


ナイトファイヤー「気にしないでください。それよりも今は娘さんの出産が大事です。」


正木「しかし敵は正面から正攻法で攻めて来ている。
これは敵が自らの力に余程の自信があるからか、それともこれはもしかしたら…」


ナイトファイヤー「まさか…表にいるヤツは囮?」


芝「有り得る話じゃ。
バドーがこんな正攻法で攻めてくるのはおかしい!もしかしたら伏兵がいるかもしれん!」


伏兵の存在を予期したナイトファイヤーたち。

その時、空から轟音が!



ジバン「ハァッ!来たぞ、ウインスペクター!」


芝「田村!」


ナイトファイヤー「くっ…まだ操られたままなのか!」


正木「待てナイトファイヤー!あれを見ろ!」


バイクル「隊長!」


ウォルター「すみません、敵に捕まってしまいました。」


空からやってきたのは未だに敵に洗脳されたジバンであった。

それに囚われたバイクルとウォルターの姿もそこにあった。



ジバン「大人しくしろ、さもなくばこの二体を破壊する。」


正木「バイクルたちを人質にする気か!汚いぞ!?」


芝「田村…お前というヤツは…!」


ナイトファイヤー「どうすればいいんだ…一刻を争う事態なんだぞ!」


操られたジバンは既に正気を失っていた。

だが既に一刻の猶予もない。おやっさんの娘は出産間近。

さらにバドーMX-A2まで迫ってきている。

こうなれば手段はひとつしか残っていなかった…



バイクル「隊長!ワシらごとジバンを撃つがね!」


ウォルター「私たちも刑事の端くれ!覚悟は出来ています!」


正木「やめろ!お前たち!」


ナイトファイヤー「確かに…それしか方法がないのかもしれない…ならばこうなれば!」


ナイトファイヤーはパイルトルネードを取り出し、その銃口をジバンに向けた。

ジバンも撃たせまいとバイクルとウォルターを盾にして身を防ごうとした。

まさに一触即発のこの場面!



芝「やめるんじゃ、その銃口を下げい…」


ナイトフィアヤー「おやっさん!ですが…」


芝「レスキュー小僧、お前の使命は人の命を助ける事なんじゃろ。
ならやめとけ、いくらワシの娘のためとはいえ仲間を巻き添えにしたら一生苦しむぞ。
ワシもかつて仲間を犠牲にしてしまった事がある、お前さんはそんな事をするな。」


ナイトファイヤー「おやっさん…」


ジバン「銃口を下げたか、だがそれでどうするつもりだ?
俺を倒さなければ、芝大造!お前の娘が死ぬ事になるのだぞ!わかっているのか!」


芝「あぁ、わかっとるわい。
ワシはお前が生まれる前から刑事やっとるんじゃ!悪ガキを相手にするのは慣れとる!」


バイクル「ちょっ!近づいたらあかんで!」


ウォルター「死ぬ気ですか!?」


ジバンを前に芝のおやっさんは何の武器も持たずに一人で立ちはだかった。

そしてなんと…!



芝「このバカモンが!」


((ゴンッ!))


ナイトファイヤー「なっ…ゲンコツ!?」


正木「信じられん、メタルヒーローの固い装甲を素手で殴ったぞ!」


ジバン「なっ…何をする…?」


芝「やかましいわい!悪い事したらゲンコツで叱りつけるのが親じゃ!
過去に何があったか知らんが今のお前はワシの特別科学捜査室の一員じゃ!
言ってみればお前はワシの息子みたいなもんじゃ!
悪い事したバカ息子をワシがゲンコツで叱りつけただけじゃ!」


ジバン「息子…?」


ジバン「叱りつける…?その拳に血がついてるぞ?」


正木「当然だ、メタルヒーローのボディは強固に作られているんだ。
素手で殴りつければ拳の方が傷つくに決まっている!」


ナイトファイヤー「ジバン、おやっさんはこんな拳の痛みよりも…
あなたにこれ以上悪さをしてほしくないと願ったから叱りつけたんだ!
頼む、あなたの良心がまだ残っているならこのおやっさんの想いを無駄にしないでくれ!」


ジバン「おやっさんの…想い…」


芝のおやっさんの拳から流れる血を見つめるジバン。

この暖かく、

そして熱い正義の血が心の奥底に封じ込まれたはずの田村直人の魂を呼び覚ました!



~第二守衛~


ソルブレイバー「うわっ!」


ソルジャンヌ「きゃっ!」


ソルドーザー「おわぁっ!」


バドーMX-A2「フハハハハ!
無様だなソルブレイン!さっきのエクシードラフトの方がまだ骨があったぞ!」


ソルジャンヌ「こいつ、強すぎるわ!」


ソルドーザー「僕たちでは手も足も出ません…」


ソルブレイバー「だからといって諦めてたまるか!
僕たちの後ろにはこれから生まれようとしてくる命があるんだぞ!」


その頃、第二守衛ではバドーMX-A2に苦戦するソルブレインの姿があった。

だがそれも既に限界。

最早これまでかと思われたまさにその時!



竜馬「待てー!」


直人「バドーMX-A2!ここからは俺たちが相手だ!」


ソルブレイバー「竜馬先輩!」


バドーMX-A2「それにお前は田村直人?お前…まさか正気に戻ったのか!?」


直人「残念だったな、おやっさんの熱い刑事魂が俺の魂を呼び覚ましてくれたんだ!」


バドーMX-A2「ならばもう一度洗脳してやる!今度はこの場にいる全員をな!」


バドーMX-A2はフルパワーでハイパーサブリミナルを発動させた。

その時、背後から人影が…



シンクレッダー「ドラフトレッダーからシンクレッダーに実装完了!
そして喰らえ!ビルドライバー!ドリルモードだ!!」


バドーMX-A2「ぐわっ!しまった…ハイパーサブリミナルが壊れた!?」


ドラフトブルース「これでもう洗脳はできないな!」


ドラフトキース「その装置がなくなればこっちのモンだぜ!」


直人「エクシードラフト、さっきやられたはずでは…?」


竜馬「例え何度やられようと守るべき人々がいる限り僕たちは何度でも立ち上がる!
それがレスキューポリス、いや…刑事としての使命だからですよ!ジバン!!」


バドーMX-A2「この…もう許さんぞ!
芝奈美を殺す前に…お前たちレスキューポリスを全員抹殺してやる!!」


バイクル「あー!あいつ病院の変電室ぶっ壊しよったで!」


ウォルター「いけない!このままでは手術室にいる娘さんが危険な事になるぞ!」


竜馬「おのれ…なんという事を!もう許さんぞ!」


直人「行くぞウインスペクター!俺たちも出動だ!」


変電室を攻撃して奈美の出産をなんとしても妨害するバドーMX-A2。

そんなバドーMX-A2に怒りを燃やした直人の全身が輝き始めた。

そしてその光の中から一人の戦士が姿を現した。



「対バイオロン法…」


「第1条:機動刑事ジバンは、いかなる場合でも令状なしに犯人を逮捕する事ができる。」


「第2条:機動刑事ジバンは、
相手がバイオロンと認めた場合、自らの判断で犯人を処罰する事ができる。」


「補足、場合によっては抹殺する事も許される。」


「第3条:機動刑事ジバンは、
人間の生命を最優先とし、これを顧みないあらゆる命令を排除する事ができる。」


「第5条:人間の信じる心を利用し、
悪のために操るバイオロンと認めた場合、自らの判断で処罰する事ができる。」


「第6条:子どもの夢を奪い、その心を傷つけた罪は特に重い。」


「第9条:機動刑事ジバンは、
あらゆる生命体の平和を破壊する者を、自らの判断で抹殺する事ができる。」



ジバン「機動刑事ジバン!!」



ドラフトキース「なんだこの物騒な条文は?」


シンクレッダー「これは対バイオロン法だ!」


ソルブレイバー「かつてバイオロンという組織が暗躍していた時に作られた法案。
犯罪組織バイオロンを取り締まるために機動刑事ジバンにのみ与えられた権限だ。」


バイオロン法を読み上げながら現れたのは田村直人が変身した機動刑事ジバン。



正木「竜馬、ウインスコードを持ってきたぞ!
ナイトファイヤーのソリッドスーツはダメージが酷くてこれ以上は無理だ。
クラステクターで戦うんだ!」


竜馬「わかりました!」


バイクル「隊長がウインスコードに乗り込んだで!」


ウォルター「それでは!」



竜馬「着化ッ!」



ウインスコードに乗り込んだ竜馬。

そして彼が真紅に輝くクラステクターを纏ったその姿は…!




ファイヤー「特警ウインスペクター!隊長ファイヤー!!」



ウォルター「それにウォルター!」


バイクル「バイクルだがね!」


特警ウインスペクターとは、

平和を愛し、友情を信じ、人の命を守る為犯罪に立ち向かう、

『警視庁特別救急警察隊』のことである!



「機動刑事ジバン!」


「特警ウインスペクター!」


「特救指令ソルブレイン!」


「特捜エクシードラフト!」


芝「大したもんじゃ…この時代のスーパー刑事が揃ったわい!」


正木「どうやらここが正念場のようだ。
この場にいる全警察官に告ぐ!改めて指令を下す!
バドーMX-A2の魔の手から、これから生まれてくる命を守るんだ!!」



「 「 「 了解!! 」 」 」



正木本部長からの指令が下された。

幼い命を守るために10人のメタルヒーローが立ち上がった!



~変電室~


ファイヤー「よし、ヤツの相手は他のみんながやってくれる!我々は変電室だ!」


ウォルター「なんとか装置は動かせそうですが…」


バイクル「ジャンパーケーブルが切断されとるね!これは修理できんがね…」


戦いをジバンたちにまかせてレスキュー活動を始めるウインスペクター。

だが変電室から手術室へ電力を供給するにはケーブルがなくてはならない。

この状況下でそんなモノがあるはずがない。

どうするのか…?



バドーMX-A2「喰らえ!ニーキックミサイル!」


ソルドーザー「おわぁぁっ!?」


ソルジャンヌ「ダメだわ!性能はバドーMX-A2の方が上よ!」


ソルブレイバー「性能が上ならこっちはチームワークだ!ボスワインダー!」


シンクレッダー「リボルバックG-3!ハイパーブラスターモード!」


ドラフトキース「リボルバックG-3!フリーズレーザーモード!」


ドラフトブルース「同じくリボルバックG-3!サンダーグレネードモード!」


ジバン「マクシミリアンガン!ラストシューティング!」


バドーMX-A2「う…ぐ…ギギギ…
このままではまずい…こうなれば手術室だけでも襲ってやる!ブレーダー!」


剣を突きたて、そのまま手術室目掛けて突進しようとするバドーMX-A2。

そして…




((ドシュッ!))



バドーMX-A2「やった…!うん…?なんだと!?」


芝「ぐ…うぅ…」


ジバン「おやっさんの身体にバドーMX-A2の剣が突き刺さっている!」


ソルブレイバー「バドーMX-A2の剣を身体を張って止めたのか!?」


芝「させんぞ…娘が大事な出産をしとるんじゃ…ワシは命に代えても守ってやるわい!」


バドーMX-A2「おのれ芝大造…よくも!
だがもう遅い、変電室を破壊したのだ。お前の娘は流産で終わるだろうな!」


変電室から電力が送られてこなければ手術は成功しない。

そのはずだったのだが…



「…ぁ…」


「…ぎゃぁ…」


「おぎゃぁぁぁぁ!」


ドラフトキース「これは…赤ん坊の泣き声だ!」


ドラフトブルース「それじゃあ!」


ソルジャンヌ「みんな聞いて!娘さんの出産は成功よ!」


バドーMX-A2「そんなバカな!電力が止まったはずなのにどうして!?」


何故電力が送られない状況で出産が成功したのか?

その疑問を解くためにバドーMX-A2は急いで変電室へ向かった。



~変電室~


ファイヤー「ウォォォッ!」


バイクル「隊長!自分の身体をケーブル代わりにするなんて無茶だがね!」


ファイヤー「だがこうするより方法がない…
二人は電圧機が熱暴走しないように冷却を行うんだ!!」


ウォルター「了解、マルチパック!ファイヤーバージョン!」


バドーMX-A2「こ…こいつら…正気か?自分の危険も顧みず…!?」


正木「ヤツの動きが止まった!今がチャンスだ!」


ソルブレイバー「了解!」


シンクレッダー「このチャンスを無駄にはしないぞ!」


先に動いたのはソルブレイバーとシンクレッダーであった。

動きを抑えられたバドーMX-A2に二人は怒りの攻撃をぶつけた。



ソルブレイバー「ケルベロス⊿!スラッシュモード!」


シンクレッダー「エンブレード!」


バドーMX-A2「ウギャギャ…これでは!?」


ファイヤー「ジバン、我々ウインスペクターの武器を使ってくれ!」


ジバン「よし、バドーMX-A2!この母子の命を奪おうとした罪は重いぞ!覚悟しろ!!」


ウインスペクターの武器を受け取ったジバン。

ウォルターのディスライダー、バイクルのバイスピア、

それにファイヤーのマックスキャリバーを装備した姿がこれだ。



ストロングジバン「特警ウインスペクターと機動刑事ジバンの力を結集した!」


ストロングジバン「これぞストロングジバンだ!」


バドーMX-A2「ストロング…ジバンだと!?」


ストロングジバン「今度こそ終わりだ!ストロングジバンエンド!!」


((ザシュッ!))


バドーMX-A2「ギャァァァァァッ!?」


こうしてレスキューポリスとジバンの活躍によりバドーMX-A2は倒された。

無事、赤ん坊が生まれて今回のレスキューポリスの任務は果たされた。



正木「みんな、ご苦労だった。赤ちゃんは無事産まれた!女の子だそうだぞ!」


芝「娘に代わってワシからも感謝したい。…その…ありがとうよ…」


バイクル「まったく!おやっさんも素直じゃないがね!」


ウォルター「お孫さんの名前はもう決まったのでしょうか?」


芝「さあな、だがまだならそうさな。サオリ…サオリと名づけてほしいもんじゃ。」


竜馬「サオリ…?その名前に何か意味があるのですか?」


芝「それはな…あいつの…Kのお袋さんの名前じゃよ。」


竜馬「K…ロボット刑事にお袋さん…?」


生まれてきた孫にサオリという名前を付けようとする芝のおやっさん。

竜馬はそんな芝のおやっさんを見てまだ何か重大な事を隠していると予感した。



拳「とにかく初孫おめでとうございます!」


耕作「敵も倒せたし何から何まで全部めでたいじゃないですか!」


直人「さぁ、早く顔を出してきたらどうですか?娘さんもきっと喜びますよ!」


芝「いや、事件はまだ終わっちゃいない。
ワシは全ての事件が解決するまで家族とは会わないようにしとるからな。」


竜馬「事件は終わっていない?それはどういう意味ですか?」


芝のおやっさんの言葉に竜馬が疑問を抱いたその時であった。



バドーMX-A2「まだだ…まだ…終わらんぞ!」


耕作「こいつ…まだ生きてたのか!」


拳「待った!空から何か…不気味な気配がするぞ!?」


((ズォォォォッ!))


バドーMX-A2「オォッ!これは偉大なるバドー首領…!」


バドーMX-A2「この時代での私の使命は終わりました!」


バドーMX-A2「さぁ、私をあなたさまの下へ導いてください!」


隼人「これは、どうなっているんだ…?
突然空に発生したワームホールにバドーMX-A2が吸い込まれていくぞ!?」


大樹「とにかくヤツを行かせてはならない!なんとしても阻止するんだ!」


突如発生したワームホールに吸い寄せられるバドーMX-A2。

レスキューポリスたちはバドーMX-A2の逃走を阻止しようと直ちにあとを追うのだが



芝「いかん!ヤツを止めるな!」


隼人「そんな…」


大樹「ヤツを止めてはならないなんてどういう事ですか!?」


バドーMX-A2「クク、今のうちに行かせてもらうぞ!」


だがこの時代でも芝のおやっさんは敵の逃走を許してしまった。

こうしてワームホールへと姿を消したバドーMX-A2…

レスキューポリスの面々はこの光景をただ呆然と見つめるしかなかった。



<2015年>


進ノ介「これからどうなるんだ…ってこのファイルもアンタが敵を逃がして終わりかよ!」


ベルトさん「ヌゥッ!バドーめ!卑劣なヤツらだ!」


芝「よし、読み終わったな。次は2005年に起きた事件のファイルを読め。」


進ノ介「ハァ…もうわかったよ…
どうせ何を言ってもアンタは俺の話なんか取り合ってくれないからな。」


再び現代。

結局、1995年に起きた事件も最後は芝のおやっさんが敵を逃がす場面で終わった。

進ノ介は3冊目のファイル、

2005年に起きた事件について記されたファイルを読むのだが…



進ノ介「S.P.D.…何だこれ?」


ベルトさん「S.P.D.とはまさか(Special Police Dekaranger)!
つまりあのアリエナイザーと戦った特捜戦隊デカレンジャーの事か!?」


芝「そうじゃ、2000年以降になるとまだ秘密裏にじゃが地球と異星間で交流ができた。
そうなるとやはり宇宙から犯罪者が現れるのもまた必然じゃ。
彼らはそんな宇宙からやってきた犯罪者を取り締まる宇宙警察の刑事たちなんじゃ!」


進ノ介「まあ宇宙人は以前にメガヘクスとかいうのと戦った事があるけど…
ていうか戦隊ってこの前一緒に戦ったニンニンジャーみたいなヤツらなのか?」


ベルトさん「その通り、彼らの先輩だよ!
28番目のスーパー戦隊である特捜戦隊デカレンジャー!
赤座伴番ことデカレッド、戸増宝児ことデカブルー、江成仙一ことデカグルーン。
それに女性メンバーの礼紋茉莉花ことデカイエローに胡堂小梅ことデカピンク!
燃えるハートでクールに戦う5人の刑事たち!キミのハートにターゲットロックだ!!」


進ノ介「デカレンジャーねぇ。
しかしこうして読んでると昔はスゴい刑事がたくさんいたんだなぁ…」


こうして3冊目のファイルを読む進ノ介。

それでは物語の舞台は10年前の2005年へと遡る…

とりあえずここまで
次の舞台は2005年、デカレンジャーが活躍した時代になります
けどまさかこのタイミングでデカレンジャー10YAERS AFTERの告知がなされるとは思わなかった
期待しています!
それとストロングジバンですがこれは放送当時の設定を流用しただけで実際には本編ではやっていません
どうかお間違いないように…




【FILE3.デカレンジャー編】



<2005年>


~デカベース~


ドギー「それではこれより捜査会議を始める。だがその前に言っておきたい事がある。
上層部からの指示で今回は我々宇宙警察の地球署と警視庁による初の合同捜査となる。」


ウメコ「聞いた聞いた~!合同捜査だって~!」


セン「今までアリエナイザー関連の事件は全部地球署が担当していたのにね。」


ジャスミン「どうやら今回は大事件に発展するの…かも?」


ホージー「フッ、No problem.
どんな事件だろうと俺たちデカレンジャーの手でスピード退治してやるだけさ!」


ここは地球署のデカベース。

そのデカルームにはこの地球署の署長であるドギークルーガー以下4人の刑事たちがいた。

ホージー、セン、ジャスミン、ウメコ、地球署が誇るデカレンジャーである。

さて、そんな彼らがいるデカルームへなにやら大声が響いてきた。




「「ウォォォォッ!!」」



バン「お待たせ!主役は遅れて登場!赤座伴番ただいま到着したぜ!!」


ホージー「バン!何でお前が!?」


セン「あれ?バンは確か…ファイヤースクワッドに転任したはずじゃ?」


ドギー「実はバンは、ファイヤースクワッドから地球署へ再び転任する事になったんだ。」


ウメコ「それってつまり出戻り?でも何で?」


バン「そりゃつまり…地球がピンチなんだ!俺がいなきゃダメって事だろ!」


ジャスミン「ちょっとサイコメトリーさせてもらうよ。
ふむふむ、遅刻50回、命令違反100回、さらに勤務中の早食いに早退、その他etc…
おまけに寮でのいびきがうるさくて同僚からクレーム多数により降格処分だってさ。」


バン「ちょ…ジャスミン!バラすなよ!?」


ウメコ「呆れた!転属する時はみんなで盛大に祝ってあげたのに!?」


セン「でもバンらしい転属理由だね、納得いくし。」


バン「別にそんなんじゃねーし!俺はだなぁ…」


ドギー「あの…そろそろ会議を始めていいか…?」


こうしてかつての仲間たちに迎えられ(?)再び地球署の任に就いたバン。

そして5人揃ったデカレンジャーに対してボスから事件の報告が告げられた。

今日はここまで

バンのファイヤースクワッドから地球署への転属理由はssオリジナルです
実際はファイヤースクワッドで頑張ってるはずだと思います
>159-160
そうですね
他のシリーズともクロスしてるので多少設定を整合しなきゃいけないので
公式さまですらクロスオーバーの際は世界観を把握しきれていませんし…



ボス「最近、この地球に住む宇宙移民が相次いで行方不明になった被害が報告されている。」


セン「なんでも被害者たちはある日突然何の前触れもなく行方不明になったとか。」


ジャスミン「おまけに、
被害者たちには何の接点もなければ因果関係もないのないない尽くし…」


ホージー「唯一共通してるのは、みんなある日突然忽然とデリートされたって事だけだ。」


ウメコ「私たちも何度か捜査してるけど結局何も手がかりは得られてないんだよね。」


バン「俺のいない間にそんな物騒な事件が起きてたのかよ!
けどボス、報告があるって事は何か重大な手がかりを掴んだって事ですよね?」


ボス「あぁ、そうだ。
ところでお前たち、かつてこの地球で破壊の限りを尽くしたヘルズ3兄弟を覚えているか?」


バン「ヘルズ3兄弟だって!?」


ホージー「Yes.勿論ですボス。」


ジャスミン「ヘルズ3兄弟、あいつらの事を忘れた事はないわ。」


ウメコ「私たちが最も苦戦した凶悪なアリエナイザーだもんね!」


セン「かつて79もの星を滅ぼし、100人以上のスペシャルポリスへの犠牲者を出した。
3兄弟の長男のブリッツ・ヘルズ、次男のボンゴブリン・ヘルズ、
それに末娘のサキュバス・ヘルズ。どれもみんな強敵だった相手です。
けど彼らはデリートされたはずでは?」


「そのヘルズ3兄弟に実はもう一人末っ子がいたのだよ。」


そう言うなり会議中にある男が現れた。

宇宙警察の上級幹部の制服を着たこの男は…



ウィーバル「初めまして、地球署の諸君。私は宇宙警察総裁ウィーバルだ。
今回の事件はヌマ・O長官に代わってこの私が直々に指揮を執るのでそのつもりでな。」


ウメコ「嘘…総裁だなんて!?」


バン「けど何で総裁がわざわざ地球まできたんすか?」


ウィーバル「今回の事件の被害者の中には、
この地球に訪れたまま行方不明になった宇宙警察の要人も含まれている。
よって、今回の捜査はこの私が直接陣頭指揮を執る。」


ホージー「Oh…どうやら本当に只事じゃないようだぜ…」


セン「ところでヘルズ3兄弟に末っ子がいたとはどういう事ですか?」


ウィーバル「名前はジョージ・ヘルズ。連中の三男にあたる男だ。
どうやらこの末っ子は3兄弟のやり方を嫌いこれまで絶縁状態にあったらしい。
だが所詮は悪の血筋を受け継ぎし者…
ヤツも自らに流れる悪の血に目覚めて犯罪に手を染めたのだろう。
そしてこの地球に潜伏してバドーという組織と手を組んだとの情報がある。」


バン「バドー?」


ウィーバル「バドーに関して詳しい人物を連れてきた。」


それからウィーバルは一人の女性を連れてきた。

その女性とは…



香織「初めまして地球署のみなさん。私の名は結城香織、自万党の女性議員です。」


バン「うわっ!美人さんだ!うちのスワンさんと同じくらいの年齢かな?」


ウメコ「この人、ウメコ知ってるよ!
確か10年前に警察の不祥事を暴いて一躍大臣になった人だよね!」


ジャスミン「確かレスキューポリスだったかしら?
そんな警察組織の不正を暴いて閣僚入りを果たしたと聞いたけど…」


ホージー「レディー、バダンについて説明をお願いします。」


香織「30年ほど前、この地球で暗躍した悪の組織の名です。
ここ何年か姿を潜めていましたがどうやらその末っ子と接触して再び動き出したとか…」


ジャスミン「なるほど、つまりバドーは元々地球にいた悪の組織なわけね。」


ウメコ「そうなるとバドーを取り締まるのは私たちじゃなくて地球の警察の仕事だよね?」


セン「だから今回警視庁との合同捜査になるわけか、納得だね。」


今回の事件に警視庁が関わる理由がようやくわかったバンたち。

ここで香織は今回警視庁から派遣された刑事を地球署のみんなに紹介した。



一条「私は一条薫です。
本来は長野県警の者ですが今回は警視庁からの要請で出向しました。」


香織「彼は一条刑事、かつて未確認事件で活躍した刑事です。」


ホージー「フッ、俺と同じ匂いを漂わせるスーパークールな男だ。新しい相棒に欲しいぜ!」


氷川「自分は氷川誠です。警視庁捜査一課から出向しました。」


香織「彼は氷川刑事、アンノウン事件で活躍したG3システムの装着者です。」


セン「生真面目そうな人だな、もっと肩の力を抜けばいいのに…」


北條「私は北條透、別にあなた方と仲良くする気はありませんが上からの命令ですので…」


香織「彼は北条刑事、彼も氷川刑事同様アンノウン事件で活躍した刑事です。」


ジャスミン「なんだか嫌味な性格そうだわ。くわばらくわばら…」


須藤「須藤雅史です、どうかよろしくお願いします。」


香織「彼は須藤刑事、先ほどの彼らほど大きな事件には関わっていませんが…
最近メキメキと犯人逮捕の検挙率を上げている将来有望なエリート刑事です。」


ウメコ「うほっ!イケメンだー♪」


こうして香織によって警視庁から派遣された4人の刑事が紹介された。

そんな中、バンは若い刑事たちの隅っこにいるある老人に注目した。



芝「フンッ…」


バン「何だあの爺さん?警視庁の刑事さんたちの中に紛れてるぜ?」


セン「本当だね、大体70歳くらいかな?」


ジャスミン「あの人たちの上司さん…かしら?」


芝「爺さんで悪かったのぅ!ワシは芝大造、バドーの専任捜査を担当しておる者じゃ!」


ドギー「コラ、お前たち失礼だぞ!一応説明しておこう。芝のおやっさんだ。
10年前に負傷して今は現場を離れて指導員の立場だが、
バドーが現れたので今回、特別に我々の捜査に加わってもらう事になった。」


芝「引退してもまだまだ若い者には負けんわい!」


ウメコ「えー!こんなお爺ちゃんが捜査に加わるの!?」


ホージー「Oh!クレイジーだぜ…」


ジャスミン「私はこういう年上の渋いお爺さんの方が好み…かも?」


セン「ジャスミンは年上好みだよね。」


最後に紹介された人物はこの時代の芝のおやっさんであった。

だがこの時の芝のおやっさんは、

10年前にバドーMX-A2から受けた傷が原因で現役を引退していた。

現在はこうして指導員という立場で警視庁に在籍しているのであった。



ウィーバル「クルーガー署長、今回は地球の警察と共同捜査になる。
これは地球の警察と宇宙警察にとって初の試みだ。
よって捜査員はそれぞれ警視庁と地球署の者とコンビを組んで捜査に臨んでもらいたい。」


香織「そうですね、地球と惑星間組織による初の共同作業ですもの。
これは政治的な面でからみてもとても意義のある事です。
今後とも両者の仲が友好になるよい機会になりますものね。」


ドギー「あまり捜査に政治的な思想を持ち込まないでほしいのですが…
それでは各捜査員の配置は俺が決める。まず、ホージーは一条刑事と組んでくれ。」


ホージー「よろしくベイビー!」


一条「こちらこそ…よろしく…ベ…ベイビ?」


ドギー「続いてセンは氷川刑事と組んでくれ。」


氷川「地球署の方と捜査できて光栄です!」


セン「まあまあ、とりあえず落ち着いて。リラックスしてくださいよ。」


ドギー「ジャスミンは北條刑事と頼む。」


ジャスミン「よろしく、あなた…あまり女性との相性はよくないっぽい?」


北條「まあ…気の強い女性はうんざりしましたから…」


ドギー「ウメコは須藤刑事と組んでくれ。」


須藤「胡堂さんですね、よろしくお願いします。」


ウメコ「ひゃっほー!さっすがボス!これでエリートの恋人GETだよ!」


こうして地球署と警視庁の各捜査員の配置が決まった。

だが、そんな中で一人だけ残っているのが…



バン「あのボス…俺がまだ残ってるんですけど…?」


ドギー「バンは芝のおやっさんと組むんだ。」


芝「なんじゃ、こんな小僧とか…」


バン「ちょ…ボス!何で俺がこんな爺さんと!?相棒!一緒に組もうぜ!」


ホージー「悪いな昔の相棒、
お前との関係はもう終わったんだ。これからは新しい相棒とやっていく。」


バン「何で別れた恋人風に言ってるんだよ!じゃあセンちゃん!」


セン「それでまずはここの範囲から捜査を…」


氷川「了解です、さすが地球署の方は仕事が早いですね。」


バン「さっそく捜査始めてるし…それじゃあジャスミン!」


ジャスミン「ふむふむ、
小沢という女性にライバル心を抱きながらも少しだけ恋心があったりなかったり…」


北條「こ…このわわ私が小沢さんにここ恋心なんて…じょじょじょ冗談でしょ…?」


バン「サイコメトリーであの胡散臭そうな北條って刑事の心を読んでるし…」


ウメコ「須藤さ~ん!
とりあえず親睦を兼ねて捜査の前にご飯食べに行きましょ♪私、いいお店知ってますよ!」


須藤「いいですけどワリカンでお願いします。それと領収書も忘れずに。」


バン「ウメコに至ってはもうデート気分だよ!
つうかあの須藤って刑事もワリカンとか領収書とかケチな感じがするし!?」


既に新たな相棒と信頼関係を築き始めているホージーたち。

最早バンが入り込む余地などはなかった。



バン「ボスぅ~!なんとかしてくださいよ~こんなの不当人事っすよ!?」


ドギー「大丈夫だ、お前たちは案外いいコンビになるかもしれん。」


ウィーバル「署長、あまり時間がない。早く捜査を開始してくれ。」


ドギー「了解しました。
とにかくみんな、突然の事で戸惑うだろうがすぐに捜査にかかってくれ!」



「「ロジャー!」」



バン「とほほ…」


こうして地球署と警視庁による合同捜査が開始された。

バンは嫌々ながらも芝のおやっさんとコンビを組んで捜査に当たる事になった。

とりあえずここまで

ネタバレになりますがウメコの男運の悪さは…



一条「さぁ、まずは犯罪者が集まりそうな場所へ行こう。」


ホージー「OK、相棒!頼りにしてるぜ!」


セン「シンキングポーズで何か閃くかも…」


氷川「なるほど、こうやって逆立ちすれば閃くんですね!僕もやってみます!」


北條「礼紋さん、あなたには期待していませんがその超能力捜査には期待していますよ。」


ジャスミン「喜んでいいのやら悪いのやら…」


ウメコ「それでそれでダ~リン!式の日取りはいつにする~?
あ、その前にご両親に挨拶に行かなきゃね、ウメコったら早とちりし過ぎだったよ!」


須藤「そうですね、まずは口座を夫婦の共同の名義にしましょう。」


各自、それぞれの相棒と順調に捜査を進めていた。

一方、バンはというと…



バン「あの…」


芝「なんじゃいツンツン小僧?」


バン「ツ…ツンツン小僧だって!?」


芝「そのツンツンした頭、ツンツン小僧じゃろ。」


バン「これはこういう髪型なの!え~と…おやっさんは家族はいないの?」


芝「10年前に娘が孫を生んどる。じゃが生まれてから一度も会った事はないのぅ。」


バン「あぁ…そうなんだ…
まったく…せっかくこっちから声かけたのに取り付くシマもありゃしないんだから…」


芝「余計なお世話じゃ、それよりもちゃんと前見て走れ。事故にあったらどうするんじゃ?」


バン「心配無用!俺、運転は得意なんだよね!
なんだったら俺の華麗なドライビングテクニックを味わってみるかい!」


芝「バカモン!スピードの出しすぎだ!?」


バンは芝のおやっさんと一緒にマシンドーベルマンに乗って捜査に出ていた。

だが、バンがどう接しようともおやっさんは無愛想な態度であった。

そこでバンは彼を驚かせようと車のスピードを上げるのだが…



シグナルマン「コラー!スピード違反だぞ!!」


バン「ゲ――――ッ!激走戦隊カーレンジャーのシグナルマン先輩!?」


シグナルマン「ムッ!またキサマか赤座伴番!
毎度毎度本官の前でスピード違反して今度という今度は絶対に許さんぞ!!」


バン「ちょ…ちょっと待って!これには深いようでそんなに深くもない事情があって!
ここにいる芝のおやっさんが無愛想だから、
スピードをぶっ飛ばしたら少しはリアクション取れるかなと思って…」


シグナルマン「キサマー!そんなふざけた理由で交通ルールを乱すとは許さん!
もう本官の堪忍袋の尾が切れたぞ!キサマは免許取り消しだ!!」


バン「め…免許取り消しって…!
そんな事になったら俺…デカレンジャーロボに乗れなくなるッスよ!
そうなったら誰が地球の平和を守るんすか!?」


シグナルマン「安心しろ、その時はチーキュの平和は本官が守る。
大体キサマらチーキュ署の連中は前から気に入らなかったんだ!
先にチーキュに赴任したのはこの本官が先なのにいつの間にか我が物顔で居座って!」


バン「あの…それ先輩の本音も含まれてますよ…」


シグナルマン「おまけに同期のクルーガーが、
チーキュ署の署長やってるからその事を女房のシグエに責められてなぁ…

『あなたの同期のクルーガーさんって署長なんですってね、羨ましいわぁ…』

…と家に帰るたびにネチネチ小言を言われる本官の気持ちがキサマにわかるかコラー!!」


バン「それもう俺たち全然関係ねーし!夫婦間の問題を仕事場に持ち出さないでー!?」


シグナルマン「まだあるぞ!本官はちゃ~んと知っているんだからな!
お前のとこのデカピンクとカーレンジャーのカーレッドが付き合って…」


バン「ダメダメー!そのネタはNGだから!?
大体あの人カーレッドじゃなくてレッドレーサーだからね!
仲間のアンタにまで間違われたらレッドレーサーさん泣いちゃうよ!!」


芝「何やっとるんじゃこいつら…?」


二人の言い争いを呆然と見つめている芝のおやっさん。

すると車の無線から連絡が入った。

その内容は…



芝「おい小僧!すぐに車に戻れ!」


バン「え…どうしたんすか?」


芝「たった今緊急連絡が入った。
ウメコって子と須藤の若造がヘルズ兄弟の末っ子の居場所を突き止めたそうだ!」


バン「チックショー!ウメコに先を越されたか…
こうしちゃいられないや、全速力で現場に急行だぜ!!」


シグナルマン「コラー!
本官の話はまだ終わってないぞ!本官の許可なく勝手に現場へ急行するんじゃなーい!!」


シグナルマン「あ、行ってしまった。」


シグナルマン「そういえば噂では赤座のヤツもファイヤースクワッドになったとか…」


シグナルマン「ハァ…同期も後輩もみんな本官よりも出世していくよな。」


シグナルマン「これ以上女房にネチネチと小言を言われるくらいなら…」


シグナルマン「本官も昇進試験…受けた方がいいかな…」


シグナルマン「おや…赤座たちが乗ってた車から何か落ちたみたいだな?何だこれは…?」


こうしてシグナルマンのコバーンベースを後にした二人は急いで現場へと急行した。

だがそこはなんと意外な場所であった。

とりあえずここまで

カーレンジャーからシグナルマン先輩でした

このssではボスと同期になってます

再来週までデカレン編ならもしかするとドライブは最終フォームもお呼びがかかるか?



~星間学校~


バン「ここ…学校じゃんか!」


芝「こんな場所に例の犯人が居るのか?」


ウメコ「そうだよ!ダ~リンが見つけたの!スゴイでしょ~!」


須藤「ウィーバル総裁がこの学校に潜伏しているとの情報を私に教えてくれました。」


ウメコ「さぁ、一気にスピード逮捕よ!」


ウメコたちの報告で現場へと駆けつけたバンたち。

だがそこは地球人と宇宙人の子供たちが通う星間学校。

その校内の一室に犯人はいた。

だがその人物の正体は意外な人物であった。



~教室~


バン「S.P.D.だ!ヘルズ兄弟め!どこにいる!?」


ホージー「出てこいジョージ・ヘルズ!お前はもう完全に包囲されている!」


セン「ところで見渡す限り…この部屋にはどう見ても子供たちしかいないね…?」


ジャスミン「しかも小学1年生の教室、本当にこんなところに犯人がいるの?」


ウメコ「いるもん!ダ~リンの捜査は完璧だもん!」


須藤「その通り、あそこに犯人はいますよ。」


須藤が指した方角にいたのは一人の少年であった。

なんとこの少年こそが…



ジョージ「ぼ…僕がジョージだけど…」


バン「おい…まだ子供じゃないかよ!」


セン「それも10歳にも満たない子供だよ。」


ジャスミン「本当にこの子がヘルズ兄弟の末っ子なの?」


須藤「間違いありません。
まだ幼いですがこの少年こそジョージ・ヘルズ。ヘルズ兄弟の末っ子ですよ。」


バンたちが探し出したヘルズ兄弟の末っ子であるジョージ・ヘルズ。

だがその正体はなんとまだ小学1年生の子供であった。

するとそこへまた誰かが教室へやって来た。



ウィーバル「諸君、ご苦労だった。あとは我々に任せたまえ。」


香織「この少年が…ジョージ・ヘルズなのですね。」


バン「ウィーバル総裁に結城議員までどうしてここに!?」


ウィーバル「勿論、キミたちの助っ人だよ。
ヘルズ兄弟といえば特キョウも手を焼かされた悪名高い凶悪犯だからね。
まあ正体はこんな年端もいかない少年だが見かけに騙されてはいけない。
きっと上の兄弟と同様、この弟も何か特殊能力があるに違いない。
校庭に部下を待機させてある。すぐにジョージ・ヘルズを確保したまえ!」


ジャスミン「けど…!」


北條「確かに見た目に騙されてはいけませんね。
我々が捜査する事件はどれも意外な人物が犯人だったりします。
斯く言う私も以前とある女性を侮ったために簀巻きにされた事が…」


氷川「ですが相手は子供です!なんとか穏便に…」


氷川がそう言った時であった。

教室内にどこからともなく奇妙な怪人が出現した。




「「キシャァァァッ!」」



バン「な…っ!金色のカニだ!」


ホージー「OH MY GOD…何だこいつは!?」


一条「いけない!他の生徒にまで被害が!」


氷川「大変です!校庭にいるウィーバル総裁の部下も襲われていますよ!」


ウィーバル「なんという事だ!私の部下までも…!?」



「「うわぁぁぁぁぁっ!?」」



そして金色のカニ怪人もいなくなり落ち着きを取り戻した。

だがその後の光景はメチャクチャに破壊された教室と校庭。

それに被害を受けたウィーバルの部下たちの姿であった…



ウィーバル「なんという事だ。
子供だからと侮った結果、酷い目に遭ってしまったではないか。」


須藤「これは…今すぐジョージ・ヘルズを逮捕しなければなりませんね。」


バン「待ってくれよ!
まだこの子がやったという証拠がないぜ!勝手に決めつけんなよ!」


セン「それにさっきまで教室での不可解な現象も判明していませんよ?」


ウィーバル「そんな事は後で尋問すればいくらでも吐いてくれる。」


氷川「ですが…!」


ウィーバル「それではこれを見たまえ。
たった今、私がジョージ・ヘルズのジャッジメントを試みたのだが…
宇宙最高裁判所の判決はこれだったぞ!」


ウィーバルがバンたちの前に突き出したモノ…

それは宇宙警察官なら誰もが携行しているSPライセンスであった。

そしてウィーバルのSPライセンスはジャッジメントモードになっており、

そこには『×』の表示が記載されていた。

それはつまり宇宙最高裁判所がジョージに対してデリート許可した事を意味する。

突然の事に恐怖に怯えて震え上がるジョージ。

だがそんなジョージの前に一人の少女がやってきた。



サオリ「ジョージちゃん!大丈夫だった!」


ジョージ「サオリお姉ちゃん助けて!僕…僕…何もやってないのに!?」


バン「あの…キミは誰だ?」


サオリ「私は新条サオリ、ジョージちゃんは私の弟みたいな子なんです!」


芝「新条…サオリ…まさか…?」


サオリ「ジョージちゃんとは昔からの幼馴染で弟のような子なんです!
だから私はわかるんです!ジョージちゃんは何もやっていません!お願い、信じて!」


突然現れてジョージを庇う一人の少女。

それはジョージよりも少し年上の新条サオリと名乗る少女であった。

誰もがジョージを敵視する中、サオリだけがジョージの味方だった。



ウィーバル「くだらん、子供の証言なんてまともに取り合える事ができるものか。」


バン「けど…」


ウィーバル「赤座刑事、キミも宇宙警察の一員ならわかるはずだ。
宇宙最高裁判所の決定は絶対的な正義に守られた完璧なものだよ。
それを否定するという事は宇宙警察そのものを否定するのと同じ事だ。
わかったら下がりたまえ!」


ジョージ「サオリお姉ちゃん!」


サオリ「お願い!ジョージちゃんを連れて行かないで!?」


ウィーバル「これより3時間後にジョージ・ヘルズを宇宙警察本部に連行する。
ジョージ・ヘルズは宇宙警察本部で処刑を行う!
これは我々宇宙警察が絶対的な正義である事を世に知らせるための正しい正義の行いだ!
この裁きを邪魔する者は何人たりとも許さん!!」


ウィーバルの言う通り、宇宙最高裁判所の決定は絶対である。

こうしてジョージ・ヘルズはウィーバルによって連行された。

そんな中、香織は一言だけこう漏らした。



香織「ジョージ…サオリ…こんな運命の偶然があるなんて…」


バン「偶然…?」


香織が咄嗟に呟いた一言。

その何気ない呟きを偶然耳にしたバン。

この一言が後にある人物の繋がりを意味する事になる。



~デカベース~


バン「クソッ!やっぱり納得いかねえよ…!」


一条「赤座刑事、落ち着くんだ!」


ホージー「バン、気持ちはわかるが…」


セン「宇宙最高裁判所は既にジョージ・ヘルズへのデリート許可を認めているからね。」


北條「上層部の決定は絶対、こればかりは宇宙警察だろうが警視庁だろうと同じですよ。」


ジャスミン「その決定を覆すなんて…どんな刑事になって出来やしないわ…」


ウメコ「ウメコちゃんゼクシィ卒業!そしてひよこクラブに入学!」


デカベースに戻ってきたバンたち。

既に事件はジョージ・ヘルズの逮捕という事で終わろうとしていた。

だがその結果に納得のできないバンの姿があった。



芝「フンッ、情けないのぅ。」


バン「なんだよ!おやっさんは何が言いたいんだよ!?」


芝「お前さんは上の命令を忠実に聞くために刑事になったのか?」


バン「そんなわけないだろ!
俺は宇宙一のスペシャルポリスを目指しているんだ!
そうだ…俺はかつて守れなかった子供がいた。
俺がスペシャルポリスを目指すのはあの子がかつて抱いていた夢だからだ!」


芝「なるほど、それがお前さんが刑事になった理由か。
だが上からの命令を鵜呑みにしてまともに捜査せずに事件を終わらせるお前さんを見て、
その子はお前さんの事を宇宙一のスペシャルポリスと認めてくれるのか?」


バン「今の俺を…あの子が…」


そう言って鏡に映る今の自分の姿を見つめるバン。

その姿を見て改めてある決意を固めた。



バン「そういえばあの子も生きてればさっきのジョージって子と同じくらいの歳だよな。」


バン「そうだ、俺は刑事だ。」


バン「俺はまだこの事件に納得なんかしちゃいない…!」


バン「みんな、俺はこの事件の捜査を続けるぜ!!」


芝「フンッ、さっきまでの不貞腐れたツラよりも幾分かマシになったのぅ。」


ホージー「だがバン、時間がないぞ。
総裁がジョージ・ヘルズを宇宙警察本部の処刑場に連れて行くまで3時間しかない!」


バン「3時間か、それまでに真実を暴けばいいんだな!
合点承知!おやっさん、ていうか新相棒!一緒に行こうぜ!」


芝「いいじゃろう、バドーを捕まえるのはワシの仕事じゃからな。」


こうして捜査を再開させるバンと芝のおやっさん。

だがタイムリミットは残り3時間しかない。

果たしてそれまでに真実を暴く事ができるのだろうか?



~星間学校~


芝「やはり思った通りじゃな。」


バン「ここってさっきの学校じゃんか。何でここに戻ってきてるんだよ?」


芝「ツンツン小僧、おかしいと思わんか?
先程、あの金色のカニが暴れたというのに校舎の鏡やガラスが一枚も傷ついておらんぞ。」


バン「鏡に…ガラス…?」


芝「普通あれだけ暴れたら鏡やガラスが一枚くらいぶっ壊れてもおかしくはない。
じゃが校舎にある鏡類は壊れていないどころか罅すら入っておらんのは変だと思わんか?」


バンと芝のおやっさんは先ほどの星間学校で現場検証を行っていた。

確かに校庭は被害を受けたが不思議と鏡やガラスの損傷はなかった。

そんな時、バンたちの前に一人の少女が現れた。



サオリ「あ…あの…」


バン「あ、キミはさっきのサオリちゃんだったね。」


サオリ「はい、ところでジョージちゃんは大丈夫なんですか?」


芝「心配いらん、まだ犯人と決まったわけではないわい。」


バン「そうそう!俺たちが必ず真実を暴いてみせるからね!
ところでサオリちゃんはさっきの事件で何かおかしなモノとか見なかった?
なんでもいいんだ。もしかしたら事件の手掛かりになるかもしれないからね!」


サオリ「手掛かり…そういえば!」


バン「何かあるのかい?」


サオリ「実はさっき…変な金色のカニがいなくなった後にこんなカードが落ちてたんです。」


芝「カード…?」


サオリから手渡された金色のカニが描かれたカードを調べるバン。

だがこの時、バンたちは気づいていなかった。

自分たちの他にも密かにこの証言を聞いていた者がいた事に…



『私だ、用事がない時は連絡をするなと言ったはずだが?』


「申し訳ありません、ですがヤツがヘマをやらかしていたようです。」


『どういう事だ?』


「どうやら先程、ヤツは契約モンスターのカードを落としたようです。」


『おのれ…面倒な事を…こうなればその子供と刑事たちを両方始末しろ!』


「ですが相手は宇宙警察です。簡単には…」


『それならばいいモノがある。
我らの盟友バドーが開発した巨大メカを渡してやる。それで宇宙警察を倒せ!』


誰かに連絡を取る怪しげな男。

そしてバンたちに忍び寄る魔の手が…!



~デカベース~


ウメコ「あ~!事件解決したらお腹空いちゃったね!」


ジャスミン「それなら恐竜やのカレーでも食べに行く?
アバアバアバアバアバレンジャー♪怖いものなしの向こう見ず♪ダイノガッツ♪」


北條「まったく、戦隊の黄色がカレー好きというのは本当のようですね。
私はそんな下品な食べ物は口にしない主義ですのでもっと上品なお店を選んでください。」


氷川「北條さん!地球署のみなさんにまで嫌味を言うのはやめてください!」


須藤「それでは事件解決と地球署と警視庁の親睦を兼ねて、
私の行きつけのレストランへ食事にでも行きましょう。
あ、お金の事は心配なさらないでください。私が全額支払ますよ。」


ウメコ「さっすがダ~リン!太っ腹!」


ジャスミン「おやおや、ウメコはすっかりお熱だね。」


セン「あれから2時間が経ったけどバンから何の連絡がないのが気になるね。」


ホージー「ヤツの事なら心配いらないだろう。」


その頃、地球署では既に事件解決のお祝いをしようというムードがあった。

だがそんな時、北條がある事を指摘した。



北條「ところで随分と羽振りがいいですね須藤さん。」


須藤「北條さん、どうかしましたか?」


北條「最初にあなたが胡堂さんと食事に行った時、あなたはワリカンで領収書も要求した。
そんなケチなあなたが全員に食事を奢る、何か不自然であると思いませんか?」


セン「確かに…ひょっとして何か大金を得るような出来事があったんじゃ?」


北條「同感です、私もそう思いました。
そこで先程、あなたの口座を調べたら出処不明の大金が振り込まれていました。
給料日でもないのに何故こんな大金が振り込まれていたのか説明してもらえますか?」


須藤「そ…それは…」


ジャスミン「ちょっと失礼、サイコメトリーさせてもらうよ。」


須藤「なっ…やめ…!?」


須藤の手に触れてサイコメトリーを行うジャスミン。

すると意外な事実が判明した。



ジャスミン「この男…とんだ食わせ者だわ!」


一条「一体何がわかったんだ!?」


ジャスミン「今から2年前の2002年、一時期大量の行方不明者が出る事件が発生したの。
でもその裏で行われていたのは、
13人の契約者によって行われるバトルロイヤルだった。
その戦いに生き残った者にはどんな願いも叶えられるというご褒美付きでね。」


氷川「そういえば2年前…僕も気になって捜査しましたが、
何人かが鏡の中から変な化物が襲ってくるという証言をしていましたね。
あの時は恐怖で錯乱したのかと思っていましたがまさか本当の事だったなんて…!」


北條「確か事件の出処はOREジャーナルというメディアでしたか。
結局、事件の内容が荒唐無稽過ぎて誰も相手にしませんでしたが…」


ジャスミン「その話は本当だったわけね。この男は鏡の世界に入る力を持っているわ。
バトルロイヤルが終わった後もその力を利用して悪事を働き続けたのよ!
ちなみに検挙率を上げているのもその力のおかげなのよ。」


ホージー「なるほど、それではつまり一連の事件は全てこいつの仕業か!」


セン「学校で俺たちの前で事件を起こしたのも自分が犯人じゃないと疑われないためか!」


ジャスミン「そしてもうひとつ、
なんとこいつには共犯者がいたのよ。その共犯者がなんと私たちが知っているあの…」


ジャスミンが言いかけたその時であった。

須藤は胸元のポケットから何かを取り出そうとしていた。



須藤「まったく、こんな事で真相を突き止められるとは思いませんでした。」


一条「須藤!動くな!」


氷川「あなたを逮捕する!」


須藤「それは無理ですよ、それにしても北條さん。
まさかあなたに暴かれるとは思わなかった。
私はあなたもこちら側の人間だと思っていたのですが…」


北條「見くびらないで頂きたい。私は常に正義の味方なんですよ。」


ホージー(正義の味方とか似合わないなと言わないでおこう…)


セン(正直俺もちょっとだけこの人の事疑っていたよ…)


ジャスミン(性格は嫌味だけど根はいい人なんだよね…)


ウメコ「え…嘘…ダ~リン嘘だよね…嘘だと言って!?」


須藤「胡堂さん、残念ですが婚約は破棄させてもらいます。
二人の共同口座は慰謝料としてたっぷり貰っておきますよ!」


須藤はカードデッキをかざすとそのまま鏡の中へと逃走してしまった。

こうなるとホージーたちに鏡の中に逃げ込んだ須藤を追う手段などありはしなかった。



ウメコ「一体どうしたら…あれ?」


「…」


ウメコ「あの…どうかしたんですか?」


「…」


ウメコ「へ…?あなたジャーナリスト?
あの今は取材お断りなんですけど…ってふむふむ…えぇ――――ッ!?」


「…」


ウメコたちに何かを申し出る青年。

この青年の正体は…?



~???~


芝「い…」


バン「…」


芝「おい…!」


バン「う…うぅ…」


芝「コラ!いい加減起きんか!?」


バン「あれ…おやっさん?それにここはどこだ?なんかおかしな世界に紛れたみたいだぜ。」


目が覚めたバン。

場所は先ほどの学校なのだがどうも様子がおかしい。

バンと芝のおやっさん以外の人の姿がなかったからだ。

それだけではない、看板や標識の文字が全部反対に見えていた。

それはまるで鏡の世界かのようであった。



バン「まさか…ここって鏡の世界か?」


芝「小僧、ここがどこか知っているのか?」


バン「以前…一度だけこんなヘンテコな世界に閉じ込められた事があるんだ。
そういえば…サオリちゃんは一体どこに行ったんだ?
確か俺たちと一緒にいたはずだぞ!?」


芝「わからん、ワシも気づいたらお前さんと二人きりじゃった。
この辺りを探してはみたが全然見当たらないんじゃ…」


「サオリという娘ならここにいるぞ!」


無人かと思われたこの世界に響き渡る謎の声。

そしてバンたちの前に一人の男が現れた。

この男の姿を見てバンはかつて遭遇したある事件の犯人を思い出した。



バン「お前は…間違いない!スペキオン星人ジェニオ!!
かつてそのミラーイリュージョンの能力を使って、
数々の星の人々を生きたまま鏡の中に取り込みポートレート化した、
ヘルズ兄弟に勝るとも劣らない凶悪犯じゃねーか!?」


ジェミニ「ジェニオ…?あんなヤツと一緒にするな。
俺の名はジェミニ、ジェニオの双子の弟だ!兄貴が世話になったらしいな!」


芝「それではお前が一連の事件の犯人じゃな!」


バン「目的は兄貴の復讐か…!?」


ジェミニ「フンッ、芸術肌を気取っていたバカな兄貴の事なんてどうでもいい。
俺は兄貴とは違って自分の能力を仕事のためにしか使わないのさ。
今回も依頼主からの命令でお前らを始末するだけさ。この娘も含めてな!」


サオリ「う…うぅ…」


バン「サオリちゃん!?」


この鏡の世界に現れたのはスペキオン星人ジェニオの双子の弟であるジェミニであった。

そしてジェミニが人質にしているのは…

たった一人だけジョージの無実を訴えていたサオリであった。



バン「その子を狙うのはさっきの証言のせいだな!」


ジェミニ「そうだ、この星での俺の仕事仲間がヘマをやらかしてな。
その後始末にお前ら全員をまとめてこのミラーワールドへ閉じ込めなくてはなぁっ!」


芝「なんちゅう事を…」


ジェミニ「だが俺は兄と違ってこれでも融通の利く方だ。
小娘、お前があのジョージ・ヘルズが一連の事件の犯人だと証言してくれるならばだ。
お前だけは許して元の世界に戻してやろう。
そうすれば今まで通りの平和な生活を送れるぞ。」


サオリ「…」


ジョージの有罪を証言するなら命を助けてやると持ちかけるジェミニ。

だがサオリの返答は…



サオリ「嫌よ!」


ジェミニ「お前…何を言っている?
自分が置かれているこの状況がわかっているのか!
所詮は血の繋がりのない赤の他人だろ。そんなヤツを庇ってどうする?」


サオリ「だって…ジョージちゃんは私の弟みたいな子だもん!
あの子…お兄さんやお姉さんがひとりぼっちだったんだよ。
私はあの子を裏切たくない!!」


ジェミニ「戯言を、お前がどう思うがあの小僧の罪はそう簡単には覆せん!
そこの刑事どもがいくら足掻こうとも無駄だ。
何故ならこの事件の背後には巨大な権力を持った御方がいるのだからな!」


サオリ「そんな事ないよ!私のパパは刑事さんだもん!
悪い事した人たちは何があっても捕まえるって言ってたよ!
それに…私の…私のお爺ちゃんも…」


バン「お爺ちゃん…?」


サオリ「私のお爺ちゃんも刑事だもん!パパとママが前に言ってたの!
私が生まれる時に大きな事件があって、
その時に助けてくれたのが刑事のお爺ちゃんとその仲間の人たちだって!」


芝「…」


サオリ「私…生まれてからまだ一度もお爺ちゃんに会った事はない…
けどわかるよ!お爺ちゃんは平和を守るために刑事のお仕事を頑張ってるはずだって!
そんなお爺ちゃんのいる警察がジョージちゃんを貶めるはずがないよ!!」


ジェミニ「生意気な小娘だ!」


サオリの言葉に苛立つジェミニ。

そんなサオリに手を上げようとした時であった。



芝「やめんか!これ以上この子を傷つけるのは許さんぞ!」


バン「おやっさん…?」


須藤「それならば最初はあなたに死んでもらいましょうか。」


ジェミニ「須藤、ようやく来たか。
ほれ、ボルキャンサーのカードだ。今度は落っことすなよ。」


須藤「まったくこんな子供のせいで我々の計画を台無しにされるとはね。
これも全ては保護者の責任というべきですね。芝さん、報いを受けてもらいますよ!」


バン「須藤…お前が犯人だったのか!
けどおやっさんが報いを受けるってどういう事なんだよ!?」


須藤「あぁ、それは…」


芝「余計な事は言わんでええわい!
それよりもワシを殺すなら殺せ!覚悟なんて30年も前からできとるわい!!」


バン「おやっさん!そんな…それなら先に俺をやれ!」


芝「やめんか!若いモンが年寄りよりも先に命を無駄にするな!
ワシはもう二度とあんな場面を見たくはないんじゃ!!」


自分の命を犠牲にしてバンとサオリを庇う芝のおやっさん。

ジェミニの銃弾が放たれようとするまさにその時であった!



ウメコ「待ちなさ――――いッ!!」


ジェミニ「ぐっ…宇宙警察か!」


須藤「そんな馬鹿な!何故奴らがこの場所に!?」


セン「大丈夫だったかいバン?」


ホージー「お前は相変わらず無茶しすぎだ!」


バン「みんな…一体どうして鏡の世界に来れたんだ?」


一条「それは彼の協力があったからだ!」


バンたちの前に現れた仲間たち。

そして鏡の中に一人だけ龍の仮面の戦士がいた。

彼こそがこのミラーワールドへホージーたちを導いた人物であった。



ジャスミン「夢よ踊れ♪この星のもとで♪ありがとね龍の騎士さん!」


ウメコ「けどもう大丈夫だよ。あとは私たちがカタを付けるからね!」


ホージー「悪いがこの話は刑事中心のssだ。刑事じゃないヤツは活躍できないんだ。Sorry.」


セン「あ、龍の騎士の人…トボトボと帰ってくね。きっと活躍したかったんだろうな…」


ジェミニ「須藤…このバカが!
お前が最初にヘマをしなければこんな事にならなかったのに!?」


須藤「うぅ…だがまだチャンスはある!全員をこの場で葬れば証拠は残されない!」


ジェミニ「お前たち宇宙警察を倒すためにあの御方から渡された力!使うなら今だ!!」



(( ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ! ))



地鳴りと共に現れたのは巨大ロボットであった。

これこそジェミニの依頼主が宇宙警察を倒すために送り込んだ刺客であった。



ジェミニ「かつてあのエージェントアブレラが、
バドーとそれに今は亡きクリム・スタインベルから、
コア・ドライビアとかいう技術を得て生み出した最強の怪重機!
その名もバドーキャプチャー2005だ!!」


バドーキャプチャー2005『ガ…ガガ!』


須藤「そして私も…変身ッ!」


シザース「私はシザース、仮面ライダーシザースだ!」


ホージー「巨大ロボットまで現れたか!」


一条「だがここはミラーワールド、被害は出ないはずだ!」


ウメコ「つまり思いっきり暴れられるってわけだね!須藤ォ…覚悟しなさい!!」


ジャスミン「ウメコが物凄い形相してるわ…」


バン「よーし!俺たちも行くぜ!」



「「「「「エマージェンシ!デカレンジャー!!」」」」」



バンたち地球署の刑事たちはSPライセンスをかざして変身ポーズを取る。

そして次の瞬間、眩い光の中から赤、青、緑、黄、桃の五色の戦士たちが現れた。



「一つ、非道な邪悪を憎み!」


「二つ、不思議な事件を追って!」


「三つ、未来の科学で捜査!」


「四つ、良からぬ宇宙の悪を!」


「五つ、一気にスピード退治!」


「S.P.D!」


デカレッド「デカレッド!」


デカブルー「デカブルー!」


デカグリーン「デカグリーン!」


デカイエロー「デカイエロー!」


デカピンク「デカピンク!」



「「「「「特捜戦隊デカレンジャー!!」」」」」



彼らこそ、

宇宙の犯罪者たちからこの地球を守るために、

燃えるハートでクールに戦う地球の平和を守る5人の戦士。

その名も特捜戦隊デカレンジャーである!



氷川「僕も負けてはいられないな!G3-Xアクティブ!」


G3-X「地球署のみなさん、僕も戦います!」


北條「これ以上我々警視庁の失態を積み重ねるわけにはいきませんからね。」


一条「警視庁の人間が起こした後始末は我々の手でケリをつける!」


デカグリーン「我々…じゃなくて俺たちでしょ。」


デカブルー「この事件は俺たち全員で解決しなきゃな!」


デカイエロー「そういう事!」


デカピンク「須藤…覚悟しなさい!」


芝「さぁ、行くぞツンツン頭!」


デカレッド「オゥッ!行くぜみんな!!」


デカスーツに身を包んだデカレンジャーたち。

悪を倒すためにデカレンジャーと警視庁の刑事たちが今こそ協力して戦うぞ。



シザース「ハァッ!シザースピンチ!」


デカグリーン「うわっ!意外と強い!」


シザース「そして現れよ!私の契約モンスターであるボルキャンサーよ!」


ボルキャンサー「ギャギャッ!」


デカイエロー「おまけに金色のカニカニ!?」


G3-X「それになんだかんだで強い!」


一条「意外と侮れない相手だ。」


シザースを相手に戦うデカブルーたち。

だがシザースの力は凄まじく逮捕するのは困難であった。



シザース「私が強いのは当然だ!
何故ならこれまで凡ゆる人間たちをボルキャンサーに食わせてきたのですからね!」


一条「なるほど、つまりこのミラーワールドに引きずり込んで…」


北條「そして殺した証拠を残さないためにモンスターに捕食させていたわけですか。」


G3-X「なんてヤツだ!お前なんか警察官じゃない!」


シザース「なんとでも言え!この力がある限り私は無敵だ!」


((FINAL VENT))


そしてシザースはシザースバイザーにファイナルベントのカードを装填。

一気に勝負に出た!



シザース「喰らえ!シザースアタック!!」


デカブルー「こんなの止めてやる!」


デカイエロー「デカレンジャーを甘く見るなっての!」


シザース「言ったはずだ!私の力は強化されていると!
お前たち如きでは私の必殺技を抑える事など出来はしないのだ!!」


((バシィッ!))


「「うわぁぁぁぁぁっ!?」」


シザースアタックに弾かれるデカブルーとイエロー。

だが…!



((ガシィッ!))


G3-X「よし、受け止めたぞ!」


シザース「そんな…G3-Xだと…?」


デカグリーン「それに俺もいるよ!」


シザース「それにデカグリーンまで!バカな…私の力は強化されているはずなのに!?」


G3-X「確かにお前の力は強化されているのかもしれない…
だが、僕にはお前を許せないという想いと…それに誰よりも負けない根性がある!!」


デカグリーン「そう、最後はやっぱり閃きよりも根性が勝るんだよね!!」


G3-X&デカグリーン「「ウォォォォォッ!!」」


シザース「ぐはぁっ!」


北條「氷川さんたちがシザースアタックを破った!一条さん今です!」


一条「わかっっている。
あの龍の騎士が教えてくれた、ヤツの弱点はベルトのカードデッキだ!」


((ダンッ!))


G3-Xとデカグリーンによって投げ飛ばされたシザース。

そしてそんなシザースのカードデッキを一条が狙撃用ライフルで撃ち抜いた。



一条「いかん!今度はモンスターが須藤を捕食しようとしているぞ!」


北條「恐らくカードデッキを破壊されたせいで契約が解除されたのでしょう。」


デカブルー「OK!あとは俺たちに任せろ!ディースナイパー!」


デカイエロー「ジャスミンのド~ンとやってみよう!ディーショット!」


デカブルー&デカイエロー「「ブルー&イエローフィニッシュ!!」」


ボルキャンサー「ギャァァァァッ!?」


デカブルーとデカイエローによる連携攻撃によりボルキャンサーは爆散。

須藤はその力の源を失ってしまった。



須藤「まだだ…私はまだ…」


デカピンク「どこへ行くのかな~?ダ~リン?」


須藤「あ、小梅さん!助けてくれ!私はまだキミの事を愛しているんだ!
さっきは敢えて逃げてしまったが…それも全てはキミを巻き込むまいと思っての事…
お願いだ!私を愛しているのなら助けてくれ!!」


デカイエロー「あいつ…ウメコに助けを乞うなんて…男の風上にも置けないヤツ!」


一条「急いで彼女を助けないと!」


デカグリーン「いや、ここはウメコに任せましょう。」


須藤が最後に泣きついたのはなんとウメコであった。

だがウメコは…



デカピンク「誰がお前なんかを助けるかぁぁぁぁぁッ!!」


須藤「ひぃっ!」


デカピンク「ディーナックル!オラァッ!」


須藤「ぐへっ!」


デカピンク「これは…コツコツ結婚資金を貯めた分!」


須藤「ごほっ!」


デカピンク「これはこの前…抜け駆けして結婚したマジレンジャーのマジブルーの分!」


須藤「おべっ!」


デカピンク「そして…」


デカピンク「そしてこれは…」


デカピンク「あのサル顔のカーレッドの分だぁぁぁぁぁぁッ!!!!」


須藤「グギャァァァァッ!?」


デカブルー「oh…須藤がウメコにマウントパンチでボコボコにされてるぜ…」


一条「こんな光景を以前にも見た事あるな。
あれは確か未確認生命体42号と戦った五代にそっくりだな。
あの怒りの鉄拳がまさにあの時のそれと同じだ。」


デカイエロー「女の純情を弄んだ男の末路ね」


デカグリーン「だからあの人はカーレッドじゃなくてレッドレーサーだって…」


須藤に対して鉄拳制裁するデカピンク。

怒りに駆られたデカピンクによって須藤はボコボコにされた。



デカレッド「行くぜ!ディーマグナム01!02!」


ジェミニ「おのれデカレンジャー!お前たちさえいなければ!」


芝「ツンツン小僧!子供は助けたぞ!後は思いっきりやってしまえ!」


そしてデカレッドvsジェミニの戦い。

デカレッドはジュウクンドーを駆使してジェミニを追い詰めていく。

そしてSPライセンスを取り出し、それをジェミニの前にかざした。



デカレッド「スペキオン星人ジェミニ!」


デカレッド「この星で大勢の人々をミラーワールドへ閉じ込めてその命を奪い…」


デカレッド「そして何の罪も無い少年に自らの濡れ衣を着せた罪でジャッジメント!」


アリエナイザーに対してはスペシャルポリスの要請により、

はるか銀河の彼方にある宇宙最高裁判所から判決が下されるのだ。




【 × 】



デカレッド「デリート許可!」


芝「小僧、やっちまえ!」


デカレッド「ディーマグナム02!ディーマグナム01セット!
ハイブリッドマグナム!ディーパワーチャージ!マグナムエクスキュージョン!!」


ジェミニ「ぐわぁぁぁぁぁっ!?」


芝「やったか!」


ディーマグナムを合体させたハイブリッドマグナムによりジェミニを命中。

辺りに大爆発が起きた。



ジェミニ「まだだ…こんなところで死んでたまるか!
俺には怪重機が残っている!バドーキャプチャー2005よ!こいつらを踏み潰せ!!」


バドーキャプチャー2005『ガァァァッ!』


デカレッド「クソッ!あいつ怪重機に乗り込みやがった!」


デカブルー「俺たちもデカマシンを呼ぶぞ!」


G3-X「そういえば戦隊の方々には巨大ロボットがあるんですよね!」


北條「個人的に興味はありますね。」


デカグリーン「待った、ここにデカマシンは呼べないよ。」


一条「そうか、ここはミラーワールドだ。
この世界は我々の世界とは似て異なる世界、呼ぶのは不可能なのか。」


デカイエロー「それにウメコはあの調子だし…」


デカピンク「この!この!どうして私に言い寄ってくる男は変なのばっかりなのよ!」


須藤「ずみ゛ま゛ぜん゛でじだ…も゛う゛がん゛べん゛じで…」


一条「やめるんだ胡堂刑事!これ以上は過剰暴行になるぞ!」


この世界にデカマシンを呼ぶ事はできない。

そう思われていたが…




((ブォォォォッ!))



デカレッド「おい!デカマシンが来たぜ!」


デカブルー「本当だ、俺たちのマシンだ!」


デカグリーン「それにもう一台デカバイクまで!ひょっとしてこれは!?」


なんとエンジン音を轟かせながら現れたのはデカマシンであった。

そしてデカマシンから通信が入った。



デカブレイク『無法な悪を迎え撃ち、恐怖の闇をぶち破る、夜明けの刑事!デカブレイク!』


デカスワン『真白き癒しのエトワール・デカスワン!』


デカレッド「テツ!それにスワンさん!」


デカブルー「そういえばあいつの事すっかり忘れてたな。」


デカイエロー「確か本部に報告へ行ってたんだっけ?」


デカブレイク『まったくこの僕を忘れるなんてナンセンスですよ!』


デカスワン『こんな事もあろうかと思ってデカマシンに、
ミラーワールドへ移動できる次元転送システムを開発しておいてよかったわ!
みんな、急いでデカマシンに乗って!パトシグナーは私が操縦するわ!』


救援に駆けつけたデカブレイクとデカスワンが運んできたデカマシンに乗り込むバンたち。

そして一気に特捜合体だ。




「「「超特捜合体!スーパーデカレンジャーロボ!!」」」



バドーキャプチャー2005『ギギ…!』


デカレッド「ジェミニ、今度こそ終わりだ!」


デカブレイク「行きますよ!」


「「「必殺…!ガトリングパンチ!!」」」



バドーキャプチャー2005『ギ…ギギギギ!?』


ジェミニ「こんなバカなぁぁぁぁぁ!?」


ミラーワールドで大爆発を起こすバドーキャプチャー2005。

ジェミニは今度こそ完全に倒された。



~現実世界~


一条「それでは私たちは須藤を連行します。」


北條「この男から洗いざらい吐かせてみますよ。」


須藤「早く連れて行ってくれ!これ以上ボコボコにされたくないよ!?」


ウメコ「喧しい!とりあえずこれで勘弁してやるわよ!
アンタと私の共同口座も慰謝料がわりに貰ってあげるんだから!!」


芝「須藤は警視庁に連行されて行きおったか。」


バン「よーし!これにて一件コンプリ…」


ホージー「待てバン!まだ終わってないぞ!」


サオリ「そうだよ!ジョージちゃんはどうなるの!?」


セン「既に3時間を過ぎている。
恐らく総裁はもうシャトルに乗っているはず、今からじゃ間に合わないよ!」


ジャスミン「ここにきて万事休す…」


テツ「先輩たち大丈夫ですよ。」


スワン「そうよ、ドギーがなんとかしてくれるわ。」


既に総裁のシャトルが地球から飛び立つ時刻が迫っていた。

その頃、総裁は…



~宇宙港~


ウィーバル「そうか、ジェミニが…それに須藤までもが。」


ウィーバル「報告は確かに受け取った。」


ウィーバル「だがどんなに真実を暴こうと、
宇宙最高裁判所の判決が下されたら最後、その者は判決を受けなければならない。」


ウィーバル「これは何者にも覆す事のできない決定事項なのだよ!」


ジョージ「そ…そんな…」


ここは宇宙港。

地球と宇宙間の窓口の役割を担っている港である。

その港に停留しているウィーバル総裁のシャトルは発進準備を進めていた。




(( ド ド ド ド ド ド ! ))



ウィーバル「この振動は何だ!」


ウィーバル「むっ!なにやら巨大な何かがこっちに向かってきているぞ!」


ウィーバル「あれは…まさか…デカベースクローラー!?」


ドギー「総裁!お待ちください!」


なんと宇宙港に現れたのは特捜起動した移動要塞であるデカベースクローラーであった。

そして中から出てきたボスが総裁に嘆願をするためにシャトルへ乗り込んだ。



ドギー「総裁、ジョージ・ヘルズ少年をこちらに渡してもらいます!」


ウィーバル「クルーガー署長、冗談はよしたまえ。
報告は聞いたがキミの部下たちが真相を暴いたそうじゃないか。
だがそれが何だと言うんだ?」


ドギー「それはどういう意味ですかな?」


ウィーバル「既にジョージ・ヘルズに宇宙最高裁判所からの判決は下された!
その結果はキミも知っての通りデリート許可だった。
我々宇宙警察は宇宙最高裁判所の完璧な判決によって罪を裁く事ができる。」


ドギー「回りくどい事は仰らずに要点を言ってはどうですか!」


ウィーバル「ならば言おう!
宇宙警察が一度でも宇宙最高裁判所の判決を覆してみろ!
その時は我々宇宙警察が統治するこの宇宙の平和の秩序が崩壊するのだぞ!?」


この宇宙の秩序を保たなければならないというウィーバルの言葉。

だがボスはそんなウィーバルの言葉を否定した。



ドギー「確かに俺たちは刑事だ、秩序は保たなければならない。
だが、その秩序とやらがあなたによって歪められたモノならば話しは別だ!」


ウィーバル「署長、何を言っている?」


ドギー「バンに言われてみて改めて事件を調べ直してみた。
そしたら驚いた事にこの地球で行方不明になった宇宙警察の高官は…
ウィーバル総裁、全てあなたの政敵になりうる人物ばかりだった!」


ウィーバル「クルーガー!キサマ…私を疑う気か!?」


ドギー「考えてみればこの事件はおかしな事ばかりだった。
突然の警視庁との合同捜査、
それに須藤に情報をリークさせてジョージの居場所を伝えたのも、
さらにジョージへのデリート許可のジャッジメントを下したのも…
全てアンタの仕業だな!ウィーバル総裁!」


ウィーバル「ククク、その通りだ。
宇宙広しと言えど宇宙最高裁判所の判決を操作できるのは、
宇宙警察のヌマ・O長官と銀河連邦警察のコム長官を除けば私しかいないだろ。」


ドギー「ジョージ・ヘルズを逮捕させるのもお前たちの罪を着せるためか。
あの凶悪なヘルズ兄弟となればたとえ幼い子供であろうと説得力があるからな!
無実の子供を陥れるなんて許さん!ウィーバル総裁、お前を逮捕する!!」


ウィーバル総裁を逮捕しようとするボス。

だがそうはさせまいとウィーバルはその正体を露にした。




((シュワァァァァッ!))



アシュラーダ「ガァァッ!私は魔空監獄獄長アシュラーダ!」


ジョージ「うわぁぁぁ!変な怪人が現れた!?」


アシュラーダ「ここでお前たちを皆殺しにして証拠を隠滅してやる!」


ドギー「なるほど、それがお前の正体か!
こうなればもう遠慮はいらないな。行くぞ!エマージェンシ!デカマスター!」


マスターライセンスを取り出してデカスーツを装着するボス。

その姿は…!



デカマスター「百鬼夜行をぶった斬る、地獄の番犬!デカマスター!!」


アシュラーダ「おのれ、地獄の番犬か!」


デカマスター「アシュラーダ!
己の地位を悪用して宇宙最高裁判所の判決を乱すとは絶対に許さん!
ディーソードベガ!ベカスラッシュ!!」


アシュラーダ「ま…待て!これを見ろ!」


アシュラーダに迫るディーソードベガ。

だがアシュラーダはそんなデカマスターにある物を見せた。



デカマスター「これは…
アシュラーダ!お前へのジャッジメントの判決!結果は…無効だと!?」


アシュラーダ「その通り、お前如きではこの私を裁く事は出来ないという証だ!
この私は宇宙警察の高官だ。
私たちは宇宙最高裁判所の判決から免れる事ができる特権があるのだよ!!」


デカマスター「キサマ…!」


アシュラーダ「まあいい。今回は見逃してやる。子供も返してやろう。
お互いここでやり合っても得にもならないからな…
だが、今のように理解したと思うが私を宇宙最高裁判所で裁く事は出来んぞ。」


デカマスター「あぁ、今はな。
だがいつの日かこの俺が…いや…
俺でなくても正義の意志を持つ刑事が必ずお前を裁くだろう!その事を忘れるな!!」


アシュラーダ「ククク、面白い事を言うヤツだ。
それでは最後にひとつだけ教えてやる!これで事件は終わったわけではないぞ!
お前たちはまだ重要な事を見落としている。その事を忘れるな!!」


デカマスター「重要な事…だと…?」


その言葉を残してアシュラーダは地球を去った。

だがアシュラーダはこの後、2012年に再び地球に訪れた宇宙刑事ギャバンと交戦。

ギャバンはとある宇宙海賊と協力して、

長年因縁のあったアシュラーダを退治する事に成功する。



サオリ「ジョージちゃん!」


ジョージ「お姉ちゃん!」


バン「二人とも無事で良かったぜ。」


ホージー「だが真犯人には逃げられてしまったな。」


テツ「ウィーバル総裁の正体は、
かつての宇宙犯罪組織マクーの首領ドン・ホラーの血筋であるアシュラーダでした。
特キョウは以前からこの事実に気づいていたのですが…」


ドギー「既にヤツの配下がこの宇宙警察にも入り浸っている。
迂闊にこの事実を公表するわけにはいかないから当面はヤツを泳がせるしかないな。」


セン「なんだか歯がゆい結果に終わりましたね。」


ジャスミン「肝心の悪の親玉は逃げ得してるしね。
もしかして今回の事件ってウィーバルが一番得をしたんじゃないのかな?」


ウメコ「それなら結城議員じゃないの?
あの人、今度は自万党の党首になるって話だよ。
今回の事件も無事終わったからきっと出世間違いなしだろうしね。」


芝「まあとりあえずはよかろう。
それよりも子供たちが助かっただけでもよかったわい。」


助け出されたサオリとジョージを見つめる芝のおやっさん。

バンはそんなおやっさんを見てある事を尋ねた。



バン「なぁ、おやっさん。おやっさんはどうして犯人がジョージじゃないと思ったんだ。」


芝「長年の経験と勘じゃ。それに…あの子のサオリの必死の叫びじゃのう。」


バン「叫び…?」


芝「あの時、あの子は必死にジョージの無実を叫んでおった。
まあ子供の言う事なんかまともに取り合う刑事はまずおらんじゃろう。
じゃがワシくらいはあの子の声を聞いてやってもいいかと思ったまでじゃ…」


バン「それってあの子がおやっさんの実の孫娘だからか?」


芝「…」


バン「やっぱり孫娘なんだな。それなら名乗りに行ってやればいいじゃねーか!」


芝「悪いがそれはできん。まだワシに果たさなければならない使命があるんじゃ。」


この時代でも家族と触れ合う事を禁じている芝のおやっさん。

だが、その時だった!



バドーキャプチャー2005『ガ…ガガ…!』


ホージー「What!怪重機がまだ生きているぞ!?」


バドーキャプチャー2005『偉大ナル…バドー首領…私ヲアナタノ下ヘ…!』


((ズォォォォッ!))


ジャスミン「空にぽっかりでっかい穴が!」


ウメコ「一体何が起きてるの!ウメコわかんないよ!?」


バン「落ち着け!あいつは虫の息だ!もう一度倒せばいいんだ!」


突然の事態に戸惑うデカレンジャー。

だが戸惑ってばかりではいられない。

バンは急いでワームホールへ逃げるバドーキャプチャー2005を追うのだが…



芝「ダメじゃ!ヤツを行かせてくれ!」 


バン「そんな…!?」


ホージー「oh!ヤツが行っちまうぞ!」


セン「ダメだ、ヤツの姿が見えなくなった。」


テツ「これではもう追う事は…」


やはりこの時代でも芝のおやっさんはバドーのロボットの追跡を妨げた。

そしてファイルはこの場面でページが終了した。



<2015年>


進ノ介「やっぱりこのファイルもアンタがバドーのロボットを逃がす場面で終わったか。
まったく、随分と後味の悪い終わり方じゃないか!
これじゃあまるでサイボーグ009で未完に終わった天使編を読んでる気分だぞ!?」


芝「安心せい、神々との闘い編も未完で終わっとるからのぅ。」


進ノ介「いや、そういう問題じゃなくて…」


ベルトさん「まあ落ち着け進ノ介。
それにしてもアリエナイザーの力を取り込むとはバドーとは恐ろしい連中だ!」


進ノ介「な~にが恐ろしい連中だ!
今まで黙ってたけどこれ敵のロボットの製造に生前のベルトさんが関わってるだろ!
本当はアンタが悪の黒幕なんじゃないか!?」


ベルトさん「やめるんだ進ノ介!私は悪くはない!悪いのはカーレッドだ!」


進ノ介「だからあの人はレッドレーサーだって!」


芝「ええいっ!いい加減にせんか!もう目的地に着くわい!」


進ノ介「目的地…?」


トライドロンのフロントガラスから周りの景色を覗き込む進ノ介。

気づけば車は海上を走っており、その海の向こうにある島が見えてきた。

その島の名は神之孫島。

1975年、ロボット刑事Kと犯罪組織バドーが戦った無人島であった。

その場所は全ての始まりでもあり、また終わりの場所でもあった。

とりあえずここまで

最初の注意書きにもあるようにこのssはあくまで刑事ヒーローが活躍するssです。
なので龍の騎士さんやカーレッドさんはお引取り願ってます

>>192
まあ本編次第ですね
現行のヒーロー番組を扱ってるからその辺のさじ加減が難しいですが…



~特状課~


霧子「ハァ…あれから数時間が経ちましたが泊さんたちから何の連絡もありませんね。」


究「あの後、バドーの事を調べてみたけど…
この40年間でバドーのロボットを何度か捕まえるチャンスがあったんだけど、
あの芝とかいうお爺さんがそのチャンスを全部潰していたようなんだ。」


追田「やっぱりそうだったのか。」


霧子「え…やっぱりってどういう事なんですか?」


ネットでバドーの事を調べていた究。

そこで知り得たのは進ノ介が読まされたファイルと同じ内容であった。

それを知って追田刑事は芝のおやっさんについてある事を霧子に話した。



追田「実はおやっさんには昔からよからぬ噂があったんだ。」


霧子「よからぬ噂…?」


追田「考えてもみろよ。
いくら昔は優秀な刑事だったからって窓際部署で40年も仕事を続けられるわけないだろ。」


究「普通は上司からやんわりと退職を勧められますからね。」


追田「それなのにおやっさんは定年まで刑事の職を勤め上げた。
それどころか今じゃ指導員として20年近くも本庁で勤務を続けている。
だから警視庁内でおやっさんに対してある疑惑が浮上したんだ。」


霧子「疑惑…?」


追田刑事が言う芝のおやっさんに関する疑惑。

それは…



追田「実はおやっさんはバドーと裏で通じてるんじゃなかって話だ。」


霧子「そんな!?」


追田「だがそう考えれば辻褄が合う。
芝のおやっさんはバドーの専任捜査を受け持つ傍らでヤツらと手を組んでいた。
同じ警察の仲間を疑うのは好かんがそれなら説明がつくんだ。
おやっさんがバドーと通じていたから最後はバドーのロボットを逃がした。
それに警視庁の刑事で居続ける理由もバドーの犯罪に手を貸すためだとすれば納得だ。」


霧子「けど…それだと…芝さんに連れて行かれた泊さんたちはどうなるんですか!?」


追田刑事から芝のおやっさんに関する疑惑を聞かされて不安に駆られる霧子。

だがそんな時、課長が部屋へ現れた。



本願寺「おや、みなさん。どうかしましたか?」


霧子「大変なんです課長!泊さんが!」


究「ところで課長…随分と大勢の人たちを連れてきましたけどこの人たちは…?」


本願寺「あぁ、この人たちはですねぇ…」


何故か課長は数人の男女を連れて部屋に現れた。

そして同じ頃…



~国家防衛局~


ブレン「バドー?」


真影「そう、40年前からこの日本で密かに暗躍する犯罪組織バドー。
そのバドーが番外個体のNo.110を利用していたのが判明した。」


ブレン「そのバドーとやらが我々と協力を結びたいと申し出たのですか?
まったく、勝手にロイミュードを操っておきながら今度は協力しろとは…
盗人猛々しいとはこの事ですね。」


真影「そう言うな。
彼らとの取引は我々にとって大いに役に立つ。
どうやらこの件には仮面ライダーも関わっているようだからね。
バドーが仮面ライダーを倒してくれるならばそれに越した事はない。」


ここは国家防衛局の一室。

そこにはロイミュードの参謀的存在であるブレン。

それにブレンと同じく最初期に作られた、

001ロイミュードことフリーズ/真影壮一の姿があった。



真影「私は今回のバドーの申し入れを受け入れるつもりだ。
彼らには私たちロイミュードに代わって仮面ライダー打倒を果たしてもらいたいからね。」


ブレン「ですがバドーなどという連中にライダーが倒せたら我等とて苦労はしませんよ。
私だってヤツにはこれまで何度も苦渋を飲まされてきましたからね。
そのせいでメディック如きにハートを寝取られて…おのれメディック!」


真影「ブレン、キミの性的思考はこの際どうでもいい。
だが確かにキミの言う通り我々ロイミュードは108体しかいない貴重な存在だ。
ここで悪戯に戦力を削ぐのは面白くはない。
そこである男に今回の件を任せる事にした。」


ブレン「ある男…?」


真影「あぁ、とても直情的な男で実に扱いが良かった。
刑事には刑事を、仮面ライダーには仮面ライダーをぶつければいい。
お互いに潰し合えば我々は手を汚さずして勝利する事ができる。」


そう言って不敵な笑みを浮かべる真影。

そんな真影の手には赤いミニカーことネオバイラルコアが握られていた。

そのネオバイラルコアは真影の手を離れて、

まるで何かに引き寄せられるかのように何処かへと飛んでいった。

とりあえずここまで

そろそろ現代のライダー編へと突入します



~神之孫島~


進ノ介「人の気配は無しか、どうやら本当に無人島のようだな。
それにしても海岸にはこの島には機械の残骸があちこちにあるけどこれは何だ?」


芝「ここは何も変わらんな。あの時のままじゃ…」


ベルトさん「Mr.芝、そろそろ話してくれてもいいと思うがね。」


芝「よかろう、それでは話そう。そうじゃ、あれは1973年の事じゃった…」


そして芝のおやっさんは語り始めた。

おやっさんが語ったのはかつてのバドーとの闘いの日々であった。

1970年代、バドーは悪の犯罪組織として活動を始めた。

当時の警察はそんなバドーにいつも出し抜かれてばかりだった。

そんなある日、

『マザー』と名乗る謎の人物から警視庁に一体のロボットが送られてきた。

それこそがロボット刑事K!

それ以後、おやっさんはロボット刑事Kと共にバドーと戦い続けた。



芝「ワシとKはバドーのロボットが引き起こす犯罪を追い続けた。
そしてワシらはとうとうバドーの首領の正体を知る事ができた!」


進ノ介「バドー首領の正体…それは一体誰だったんだ?」


芝「その者の名は霧島…霧島ジョージ。
かつて第二次世界大戦で日本軍でロボット工学の研究を行っていた科学者の子供じゃ。」


ベルトさん「霧島…それではバドー首領の正体は…
ハーレー・ヘンドリクソン博士の恩師でもある霧島博士の遺児だったのか!?」


芝「そうじゃ、そしてマザーとは…
霧島博士のもう一人の子供であるジョージの姉である霧島サオリだった。
霧島サオリは実の弟の犯罪を止めるためにワシら警視庁にKを与えたのじゃよ。」


進ノ介「ジョージとサオリ?
この名前は確か2005年の事件で…
まあ、それはともかくとしてだ。それでバドーはどうなったんだ?」


芝「話を戻そう。
1973年、バドーはこの島にワシの娘である奈美と由美を誘拐して卑怯にも人質に取った。
じゃがそこへ霧島ジョージの娘が我が身を犠牲に父親の横暴を止めようとした。」


進ノ介「家族を人質に…それじゃあアンタがこれまで家族を蔑ろにしてたのは…?」


芝「そしてそこへマザーが現れた。
霧島サオリはこれ以上弟の愚行を晒すまいと、
自らが操る巨大な女神ロボットマザーで弟と一緒に自爆した。
これで一応バドーによる一連の事件は終わったかに思えた…」


1973年、確かにバドーは一度滅びた。

だが…



芝「それから2年後の1975年、バドーは再び蘇ったのじゃ!」


進ノ介「そんな…マザーが命を落として倒したのにか!?」


芝「Kとワシは蘇ったヤツらを今度こそ倒すために再びこの島へとやってきた。
じゃが復活したヤツらは恐ろしい計画を企てておったのじゃ!」


ベルトさん「恐ろしい計画、それは一体…?」


芝「その計画…それは…」


芝のおやっさんはなにやら重苦しい表情でその計画を話した。

何故ならその計画が発動されていれば、

人類は1975年の時点で死滅していたかもしれないからだ。



芝「ヤツらは中央原子力研究所からあるモノを盗み出した。
それは超小型の原子力限定機。
バドーはその装置を悪用してこの地球にある全ての水を大爆発させようとしたんじゃ!」


ベルトさん「バドーめ、なんと恐ろしい企みを…!」


進ノ介「人間は、いや全ての生物は水がなければ生きてはいけない。
バドーはそんな恐ろしい事を企んでいたのかよ!?」


芝「Kはその企みを阻止するために命を賭してバドー首領が乗る巨大ロボに戦いを挑んだ。」


進ノ介「それで…Kはどうなったんだ?」


芝「わからん…」


進ノ介「わからんって…何だよそれ!アンタは間近で目撃していたんじゃないのか!?」


芝「本当にわからんのじゃ。
Kはバドー首領が乗る巨大ロボと一緒に海に沈んでいった。
あの戦いの後、ワシはKの姿を見てはおらん…」


そう言って悲痛な表情を浮かべる芝のおやっさん。

その顔を見て進ノ介はこの男もかつて大事な相棒を失ったのだと知った。

かつて進ノ介も芝のおやっさんと同じく、

相棒であり親友でもあった早瀬明に償えるはずもない傷を負わせてしまったからだ。



進ノ介「40年前、ここで何が起こったのかは大体わかったよ。
けど、バドー首領は既にこの海の底に眠っている。
それならもう何も心配する事はないはずじゃ…?」


芝「いいや、ワシにはそうは思えん。」


ベルトさん「あなたはバドー首領が密かに生きていると確信しているのか!」


芝「そうじゃ、ヤツは死んでなどおらん!
Kが命を賭した封印を40年の歳月を掛けて破ろうとしているのじゃ!」


進ノ介「なるほど、アンタが俺をこの場所に連れてきた意味がようやくわかったぜ。」


進ノ介は自分がこの場所に連れてこられた意味がようやくわかった。

つまり芝のおやっさんは、

仮面ライダーの力でこれから復活するであろうバドー首領を倒そうとしているのだ。



進ノ介「ところで、例のファイルを読んでいた気づいた事があるんだけど…
あのファイルにはアンタの他にもう一人だけ各時代に共通している人物がいるんだな。」


ベルトさん「共通している人物、それは誰だ?」


進ノ介「自万党の結城議員さ。
盲目でありながら女性議員で10年前に初の女性党首になった人だよ。
何故そんな立派な人が各時代でバドーが引き起こした事件に関わっていたのか、
ずっと引っかかっているんだ。」


芝「…」


進ノ介「なぁ、あの人はもしかして…」


進ノ介がある事を告げようとしたその時であった。





「「見つけたぞ!芝大造!」」




どこからともなく男の声が響いてきた。

その男とは…



照井「俺は風都署超常犯罪捜査課の刑事、照井竜!
芝大造、アンタの身柄を確保せよと命令を受けてここまでやってきた!」


進ノ介「風都署…?照井竜…?一体どういう事なんだ!?」


ベルトさん「なんという事だ…まさか彼が現れるとは…」


進ノ介「ベルトさん、ヤツについて知っているのか?」


ベルトさん「あぁ、彼は照井竜。風都署の刑事だ。そしてキミと同じ…」


照井「そんな事はどうでもいい!
芝大造、このまま抵抗せずに大人しく連行されるならこちらは何もしない。
だが抵抗するのなら…」


芝「フンッ!悪いがワシにはやらねばならん事があるのでな!大人しく捕まる気はない!」


照井「そうか、ならば仕方がない!」


照井の要求を拒否する芝のおやっさん。

だが照井は芝のおやっさんを無理矢理でも捕まえようと強硬手段に出ようとする…!



進ノ介「待て!」


照井「お前は…知っているぞ。
確かロイミュードとやらを相手にしている特状課の仮面ライダーだったな!そこを退け!
お前に用はない、用があるのは芝大造だけだ!」


進ノ介「悪いけど、理由も言わずに勝手に身柄を取り押さえるなんて…
それは刑事としてはどうかと思ってね!
納得する理由を聞かない限り、俺はアンタの邪魔をさせてもらうぜ!」


照井「やはり真影議員から聞いた通りの男だな。
こうなればキサマもこの俺のターゲットになるまでだ…!」


ターゲットを芝のおやっさんから進ノ介へと切り替える照井。

そして照井は胸元からあるモノを取り出した。

それはバイクのハンドルの形をしたベルト。

それに『A』の文字が刻まれたUSBメモリであった。



ベルトさん「あれはまさかガイアメモリ!ま…まずい!照井竜は戦う気だぞ!?」


進ノ介「戦うつもりだって…?
悪いが俺は一般刑事が相手だからって手加減する気はないけどね!」


照井「一般刑事だと…?」


照井「そうか、キサマ…俺の事を知らないんだな。」


照井「ならば俺の変身した姿をその目で焼き付けておけ!」


照井「変ッ……身ッ!」


((ACCEL!))


アクセルドライバーを装着した照井はパワースロットルを最大まで捻った。

そして次の瞬間、バイクの排気音と共に赤い装甲を纏った戦士が現れた!



アクセル「俺はアクセル!仮面ライダーアクセルだ!!」


進ノ介「アクセル…?しかも仮面ライダーだって!?」


ベルトさん「Exactly!
照井竜もキミと同じ刑事で仮面ライダーの仮面ライダーアクセルなんだ!
かつて彼はドーパントという怪人に家族を殺された。
その復讐に燃える照井は、謎の女シュラウドからライダーの力を与えられた!
それからは仮面ライダーアクセルとして風都に出没するドーパントを倒しているんだ!!」


進ノ介「仮面ライダーアクセルか。
まるで剛が変身する仮面ライダーマッハみたいなバイクの戦士みたいだな。
だけど、それなら俺だって負けてられないぜ!」


進ノ介「変身ッ!」


((Drive Type Speed))


そして進ノ介も仮面ライダードライブへ変身。

ドライブとアクセル、変身した二人のライダーが対峙した。



アクセル「そこを退け。
俺はお前を相手にする気はない。芝大造の身柄確保こそが今回俺に与えられた任務だ。」


ドライブ「悪いが俺はアンタが受けた命令に納得できない。
アンタが俺を納得させてくれるなら理由があるなら俺も戦いたくはないんだが…」


アクセル「それは無理だな。」


アクセル「何故なら…」


アクセル「俺に質問するなぁぁぁぁぁっ!!」


仮面ライダードライブvs仮面ライダーアクセル!

刑事でありそして仮面ライダーでもある二人の男たちが、

互いの主張を曲げる事ができずに拳をぶつけ合う事になってしまった…

とりあえずここまで

待ちに待った照井さんの登場です

ゴーゴーファイブの大門は…



【FILE4.仮面ライダー編】


ドライブ「ハンドル剣!」


アクセル「エンジンブレード!」


ベルトさん「ダメだ進ノ介!ライダー同士で戦ってはならない!」


芝「あの照井とかいう若造は、
何者かの命令を受けてワシを捕らえに来たのか。
そういえば昔もこんな事があったのぅ…」


そして仮面ライダードライブvs仮面ライダーアクセルの激しい戦いが行われた。

ドライブとアクセルの戦いを見つめながら芝のおやっさんは昔を思い出していた。

それは過去に起きた、

三つの事件のファイルには記されていないその後の展開についてであった。



<1985年>


電「これは一体どういう事なんですか!」


大「そうですよ!何故バドーのロボットを逃がすんですか!?」


芝「それは…」


1985年、

芝のおやっさんはバドーモンスターを逃がした事を電と大から責められていた。



<1995年>


大樹「敵がワームホールへ消えた…」


隼人「おやっさん!何故敵を逃がすような真似を!?」


芝「…」


1995年、

この時代でも芝のおやっさんは、

レスキューポリスのみんなから敵を逃がした事を責められていた。



<2005年>


氷川「芝さん!これは許されない事ですよ!」


ホージー「全くだぜ!後一歩まで敵を追い詰めたのにな!」


テツ「これは…ナンセンスです!」


芝「…」


そして2005年、

やはりそこにもみんなから責められる芝のおやっさんの姿があった。



<2015年>


ドライブ「俺とアンタ…まるで車とバイクの因縁ある対決みたいだな!
さぁ…改めて聞くぜ!
何故この人を捕まえようとするんだ!その理由を答えてもらおうか!!」


アクセル「だから俺に質問を…いや…いいだろう。
そこまで言うのなら教えてやる。
但し、勝負でこの俺に勝てたらの話だがな!」


ドライブ「なら…!」


ベルトさん「進ノ介、言っておくがタイプフォーミュラーは使えないぞ。
先程のNo.110との戦いでエネルギーを消耗している。
回復にはもう少し時間が掛かる。」


ドライブ「調子に乗って雑魚相手に大技使ったのが仇になったか。
だがヤツもフォームチェンジする気はないみたいだ。
それならこのままタイプスピードで真っ向から戦ってやるぜ!」


アクセル「ほぅ、フォームチェンジも行わずに真っ向勝負か。
どうやらお前は俺の知っているライダーたちと同じ直情型だな。
いいだろう。そういうのは…嫌いじゃない!」


フォームチェンジなど不要と通常フォームで戦いを続けるドライブとアクセル。

そして二人は一気に勝負に出た!



アクセル「振り切るぜ!」


((ENGINE!MAXIMUM DRIVE!))


ベルトさん「アクセルがマキシマムドライブを発動させた!必殺技を決める気だぞ!?」


ドライブ「それならこっちだって!行くぜ!」


((ヒッサーツ!))


ドライブ「ターンスラッシュ――――ッ!」


アクセル「ダイナミックエース――――ッ!」


ハンドル剣とエンジンブレード。

二つの剣が互いに火花散らせて激しく激突した。

その勝敗の行方は…!?



~洞窟~


No.110ロイミュード「ハァ…ハァ…」


No.110ロイミュード「この誰もいないはずの無人島に気配を感じる…」


No.110ロイミュード「どうやら仮面ライダーが追ってきたようだな。」


No.110ロイミュード「だが、俺もまだやられるわけにはいかない。」


No.110ロイミュード「偉大なるバドー首領にこの身を捧げなければならないのだ…」


No.110ロイミュード「だがそのバドー首領の姿が見えない。
かつての戦いでこの島に眠っているはずだが…何故姿を現してくださらないのだ?」


ここはドライブとアクセルが戦いを行っている場所から少し離れた洞窟。

そこではこの物語の冒頭にて逃走したNo.110ロイミュードの姿があった。

しかしNo.110ロイミュードはフォーミュラー砲によって瀕死の状態であった。

この神之孫島に辿り着いたと同時に力尽きていたのだ。

だがそんな瀕死のNo.110ロイミュードの前にある人物が現れた。



「見つけた…」


No.110ロイミュード「な…何だお前は…?」


「お前の身体…まだ不完全…力を貸そう。」


No.110ロイミュード「俺に力を貸すだと…だがどうする気だ!?」


「これを使う…」


No.110ロイミュード「うん?その赤いミニカーは…まさか…!?」


「…」


謎の人物が取り出したモノ。

それは先程、真影の手から離れたネオバイラルコアであった。

そして…



「「ギャァァァァァァッ!?」」



No.110ロイミュードの意志に反してその人物と強制的に融合させられた。

融合進化態へ変化するNo.110ロイミュード。

その真なる姿とは…?



ドライブ「うわっ!」


アクセル「くっ…やるな!」


ベルトさん「二人の必殺技は互角だった。まだ続ける気か!?」


アクセル「いいだろう、まだ手合わせしてわかったが…
泊進ノ介といったか、俺が見る限りお前は悪人ではなさそうだ。」


ドライブ「照井さん…アンタもどうやら真影に操られているってわけじゃなさそうだな。」


ドライブとアクセルの戦いは双方五分の引き分けに終わった。

そしてアクセルはドライブの実力を認めたのか、

今回、自分がこの島を訪れた目的を話した。



アクセル「俺がこの島に来たのは芝大造、確かにアンタの確保が目的だ。
だが、この俺とて理由も無しにそんな横暴な真似はしない。」


ドライブ「それなら何故こんな事を…?」


アクセル「それは、芝大造。
アンタが40年前のバドー事件で密かに回収した原子力限定機を、
この40年間、アンタは上層部からの命令を無視して未だに所持しているからだ!」


ドライブ「原子力限定機って…確かさっきの話に出てきた…」


ベルトさん「この地球上の水を爆発させるための機動装置のはずだ!
まさかあなたは…そんな危険なモノをこれまでずっと持ち続けていたというのか!?」


アクセル「俺は真影議員からアンタの身柄の確保、及び原子力限定機の回収を任された。
アンタが何を企んでいるのかは知らん。
だがそんな装置を一個人が持ち歩くのがどれだけ危険なのか理解しているはずだ。
わかったらこのまま大人しく来てもらおうか!」


芝「…」


照井から語られた芝のおやっさんに関する重大な事実。

それは芝のおやっさんが原子力限定機をこの40年間所持していたという事であった。

だが何故そのような事を…?




「「ホホホホホッ!」」



ドライブ「何だこの笑い声は…?」


アクセル「待て!何か現れたぞ!」


芝「これは…ありえん!この島は無人島のはずじゃ!」


ベルトさん「だが…これは…まさか!?」


そんな彼らの前に突如何者かが出現した。

その姿はまるで警察への憎しみを抱かせた出で立ちであった。



バドーポリスロイミュード「私は…バドーポリスロイミュード!」


ドライブ「バドーポリスロイミュードだって!?」


ベルトさん「間違いない!
こいつはさっき我々が取り逃がしたNo.110ロイミュードが、
ネオバイラルコアを使って人間と融合進化した姿だ!?」


アクセル「噂には聞いていたが…これがロイミュードか!面白い、相手になってやる!」


バドーポリスロイミュード「退け!お前たちに用はない!!」


((カッ!))


「「うわぁぁぁぁぁっ!?」」


バドーポリスロイミュードが放つ、

強力な破壊光線の前に為す術もなく圧倒されるライダーたち!



アクセル「くっ…あれがバドーとかいうヤツか!
やはり芝さん…アンタが裏でバドーと手を結んでいたというのは本当の話のようだな!」


芝「ちがう…ワシは…」


アクセル「とぼけるな!
今こうしてバドーの怪人が現れている!あれはアンタがこの島に怪人を招いたからだな!」


芝「確かにワシはこの島に怪人を招いた。だがそれは…」


ドライブ「そうだよ照井さん。もう少しこの人の話をちゃんと聞くべきだ。」


アクセル「言い訳無用!
泊、先輩刑事としてひとつ忠告しておいてやる!
何故、事件が起こると思う?
それは事件を起こす事で得をしようと企むヤツがいるからだ!」


ベルトさん「照井竜、キミは何が言いたいんだ?」


アクセル「芝さん、アンタはこの40年間に起きたバドー関連の事件。
アンタは最後に必ずロボットたちを逃がしていた。
それはロボットたちを逃がす事でバドーに恩を売っていたからじゃないのか!」


芝「それは…」


照井から過去の事件について問い質される芝のおやっさん。

だが進ノ介はそんな照井の推理に疑問を抱いていた。



ドライブ「確かに照井さんの言う事は間違ってはいない。」


ドライブ「現状で一番怪しいのはこの芝のおやっさんだ。」


ドライブ「だが、何かがおかしい。」


ドライブ「俺の刑事としての勘がそう訴えているんだ!」


この事件にはまだ何か隠された裏がある。

進ノ介の勘がそう訴えていた。

そしてそれは確信へと変わる。



バドーポリスロイミュード「ヌ゛ゥゥ!」


アクセル「ヤツめ…地面に手を触れているぞ。何をしているんだ?」


ベルトさん「恐らくヤツは地面を伝って我々の動きを素早く察知しているんだ!」


ドライブ「地面を伝って…?」


バドーポリスロイミュードの遠隔操作による攻撃は完璧であった。

ライダーたちがどんなに避けようとも居場所を追跡して確実に攻撃を行っていた。


アクセル「このままではまずいぞ!」


ドライブ「とにかくジャンプして避けよう!」


((バッ!))


バドーポリスロイミュード「!?」


ジャンプして攻撃を避けるライダーたち。

するとどうした事だろうか?

二人が空中にいる間、

バドーポリスロイミュードは二人の位置を把握する事ができなかった。



アクセル「あいつ…何故攻撃してこない?」


ベルトさん「恐らくだが…
我々がジャンプした事で地面から離れて位置が把握できないのでは?」


アクセル「それなら普通に目で追えばいいはずだが…」


ドライブ「ひょっとしてあいつは…目が見えないんじゃ?」


その発想に思い至った時であった。

進ノ介の脳裏に先ほどの照井の言葉が思い出された。

『それは事件を起こす事で得をしようと企むヤツがいるからだ!』

そしてこれまでずっと引っかかっていた謎がひとつに繋がった!



ドライブ「繋がった!全ての謎が解けた!!」


ベルトさん「進ノ介!それは本当か!」


アクセル「謎…一体何の話だ!?」


ドライブ「照井さん、まずはヤツを倒す!俺の言う通りに協力してくれ!」


アクセル「お前…俺の話を聞けよと…
まあいいだろう。とにかくこのロイミュードを倒したらだな!」


地上に降り立ったアクセルはそのままバイクフォームへ変形。

そして背中にドライブを乗せると、

敵の攻撃を受け流すほどの猛スピードを繰り出し大ジャンプ。

二人の仮面ライダーは空高く舞い上がった!



ドライブ「このまま一気にいくぜ!」


アクセル「よし、メモリブレイクならぬロイミュードブレイクだ!」


((ヒッサーツ!フルスロットル!))


((ACCEL!MAXIMUM DRIVE!))


ドライブ「スピードロップ――――ッ!!」


アクセル「アクセルグランツァ――――ッ!!」


ドライブ&アクセル「「超急降下ライダ――――ッ!ダブルキ――――ック!!」」


バドーポリスロイミュード「ア゛ァァァァァ!?」


ドライブとアクセルのライダーダブルキックが決まった。

バドーポリスロイミュードはその場に倒れ込んでしまった。



アクセル「危なかった。
力は凄まじいがこいつは戦い慣れしてなかったからそこに付け入る隙があったな。」


ベルトさん「進ノ介、それでこのNo.110の融合者の正体は誰なんだ?」


ドライブ「その前にこの一連の事件を振り返ってみたいんだ。」


芝「振り返るじゃと…?」


ドライブ「そうだ、1985年の事件からね。」


進ノ介はこの事件の真犯人の正体は過去の事件から関連していると説明した。

それと同時に芝のおやっさんもまた過去の事件を思い返していた。



<1985年>


烈「二人とも落ち着け!俺は芝のおやっさんが犯人ではないと確信している!」


電「確信って…何を根拠にそんな事を…?」


烈「二人も知っているはずだ。おやっさんはこの通り不器用な人だ。
だが、娘の結婚式を守るために敢えてこの俺を魔空空間から出してくれた。
そんな人がバドーなんかと手を組むと思うか?俺はそうは思わない!」


大「それでは隊長はこの事件をどうお考えなのですか?」


烈「あぁ、そもそもこの事件は最初から何かが変だった。」


電「変…って一体何がですか?」


烈「最初にあった事を思い出せ。
そもそも俺たちは結城議員の護衛をするために張り込みまでした。
だが肝心の結城議員は結局傷ひとつなく無事だったのは変だとは思わんか?」


大「そういえば…それじゃあまさか!?」


1985年、一乗寺烈はこの事件の背後に潜む犯人を暴こうとしていた。



<1995年>


竜馬「待ってくれみんな!」


直人「芝のおやっさんはこの事件の犯人なんかじゃない!」


拳「ですが香川隊長、現状で一番怪しいのはこの芝のおやっさんですよ?」


ソルドーザー「他に犯人がいるとは思えません。」


玲子「残念だけど芝さんが犯人だとしか私たちには思えません。」


竜馬「いいや、芝のおやっさんは我が身を盾に娘の出産を守った。」


直人「そして悪に操られたこの俺をその拳が血まみれにしながら正気に戻してくれた。」


竜馬「そんな人がバドーと手を組んでいたなんてどうしても考えられないんだ!」


ウォルター「確かに…」


バイクル「ならこの事件の真相はどうなっとるがね?」


竜馬「それに関してだがこの事件で一人だけ得をした人物がいる。
その人物は今回の事件を利用して僕たちレスキューポリスを潰そうと企んだんだ。」


1995年、竜馬と直人は芝のおやっさんの無実を信じた。

そして本当の黒幕がレスキューポリスを潰そうという企みに気づいた。



<2005年>


バン「みんな、俺は芝のおやっさんが犯人だとは思えねえ!」


セン「けどバン、現状では芝のおやっさんが一番怪しいはずじゃ…?」


バン「いや、相棒は実の孫のために身体を張って守った。
それにジョージ・ヘルズを逮捕した時、それに反発したのはおやっさんだぜ。
もしおやっさんが犯人だったらジョージ・ヘルズに罪を擦り付けるはずだ。
そうしなかったのはおやっさんが犯人じゃないっていう確かな証拠だぜ!」


ジャスミン「ちょっと失礼。うん、バンの言う通りかも…
今、芝のおやっさんをサイコメトリーしたけど私もおやっさんが犯人じゃないと思う。」


ホージー「だがそれならこの事件の黒幕は…?」


バン「それについて一人だけ怪しい人物がいる。今回俺たちを招集したウィーバル。
だがウィーバルはそのために日本政府からある議員を呼び出したはずだろ。
その人がウィーバルと無関係だなんて絶対に思えないんだ!」


ウメコ「ちょっと待ってよバン!それだと犯人は…?」


2005年、バンたちもまた黒幕の正体にたどり着いていた。



<2015年>


バドーポリスロイミュード「うぅぅ…」


アクセル「オォッ!ロイミュードと人間の融合が解けるぞ!」


ベルトさん「しかも融合していたのは…これは女性だ!」


ドライブ「そうだ、やはりアンタだったんだな!」


そして2015年の現代、

ドライブによって遂にその正体を暴かれる黒幕は…



香織「う…うぅ…」


アクセル「こ…この人は!?」


ベルトさん「彼女は結城香織!
30年前に初のトップ当選を果たして政界入りした自万党の女性議員!
その後の活躍を続けて10年前には自万党の党首になった人物じゃないか!?」


ドライブ「そうだ、この40年間に起き続けたバドーの黒幕は全て彼女だったんだ!」


芝「そうじゃ、この娘が今のバドーを取り仕切っておるんじゃ。」


遂に明かされた黒幕の正体。

それはこの40年間に起きたバドー関連の事件において必ず関わっていた人物。

すなわち結城香織であった。



アクセル「なんという事だ…まさか議員が悪の組織のボスだったなんて!」


ドライブ「驚く程の事じゃないさ。
今回、アンタに芝のおやっさんを捕らえるように命じた真影もその正体はロイミュードだ。」


アクセル「なんだと!おのれ…この俺を騙すとは真影め!絶対に許さんぞ!」


ベルトさん「今はその話は置いておこう。それよりもだ…」


芝「やはりアンタが今のバドーを仕切っておったのか。」


香織「…」


ベルトさん「Mr.芝、彼女の正体に気づいていたのか?」


芝「これでも40年バドーを追い続けていたんじゃ。嫌でも正体に気づくわい。」


ドライブ「けどまだわからない事がある。何故彼女はバドーの一員なんだ?
バドーが活躍していた70年代当時はこの人はまだ10代だったはず。
そんな子供の頃にバドーと関わりがあるわけが…」


香織「関わりならあるわ。
何故なら私は…かつてこの海に沈んだバドー首領の実の娘だからよ…」


香織の口から明かされた事実。

それは香織こそが40年前に海に沈んだバドー首領の娘だというのだ。



芝「そうじゃ、彼女はバドー首領の娘じゃった。」


ドライブ「芝のおやっさんもその事実を知っていたのか!」


芝「うむ、43年前の1973年の事じゃった。
バドーを追っていたKは当時の自万党の結城議員の邸宅を捜査していた。
そこで出会ったのがこの結城香織なんじゃ。」


香織「当時、10代の多感な身でありながら盲目だった私は彼を初めての友達だと思ったわ。
いえ、もしかしたらそれ以上の感情を持ち合わせていたのかも…
彼もまた自身のロボットである負い目を感じつつも私と親しくなってくれたわ。」


ドライブ「そんな…ロボット刑事と犯罪組織の首領の実の娘なんて…
その二人の関係がうまくいくはずがないだろう!?」


香織「あなたの言う通りだわ。そう、うまくいく事は決してなかった…」


そして香織は話を続けた。

1973年、香織の父である霧島ジョージは、

先ほどの芝のおやっさんの話通りに娘たちを人質に取って、

この島にKと芝のおやっさんを呼び出した。

だがその現場に実は香織もいたのだ。



香織「私は父にKと戦うのをやめて自首してくれと頼んだわ。
けど、父はその要求に応じてくれなかった…
父は私の言う事なんて聞かずにそのままKと戦ったわ。
私はその戦いに巻き込まれて重傷を負ってしまった…」


芝「それからKとワシは瀕死の重傷だった彼女を島から連れ出して手当してやった。
次に彼女が目覚めたのは全てが終わった後じゃった…」


香織「私は悲観に暮れていたわ。
結局父は海の底に沈み、Kもまた私の前から姿を消した。
私は愛する人たちを失ってしまった。寂しくて悲しかった。
あの頃の私の心にはぽっかりと大きな穴が空いてしまったのよ。」


ドライブ「心に大きな穴…」


香織「けどそんな悲しみに暮れる私にある転機が訪れたわ。
それは、私の父である霧島ジョージが遺言を残していた事よ。」


ベルトさん「遺言?」


香織「そう、父はこうなる事を予見して4体のロボットを製作していた。
4体のロボットは目覚めたと同時にそれぞれの時代において、
もっとも邪悪な存在の力を得る事を使命としていたわ。
そして私には父の表の顔であった自万党の議員となって、
政財界のトップに立てと命じたのよ!」


ドライブ「それぞれの時代?
それじゃあ1985年、1995年、2005年、
そしてこの2015年に現れたバドーのロボットたちは!?」


『そうだ、全てはこの私を復活させるための生贄なのだ!』


その時であった。

突如、どこからともなく不気味な声が聞こえてきた。

そして空には三つのワームホールが開いた!




((ブワァァァァァッ!))



バドーモンスター「バドー首領!1985年よりバドーモンスター参上致しました!」


バドーMX-A2「1995年よりバドーMX-A2にございます!」


バドーキャプチャー2005『2005年ヨリバドーキャプチャー2005デアリマス!』


バドーポリスロイミュード「そして2015年に目覚めたこの俺、
バドーポリスロイミュード!これよりあなたさまにこの身を捧げますぞ!!」


((バッ!))


ドライブ「なっ…
ワームホールから現れたのは過去の時代に現れたバドーのロボットたちだ!」


ベルトさん「そのロボットたちが次々と海に飛び込んだぞ!?」


アクセル「何だ…一体何がどうなっている…?」


芝「もしやこれは…」


次々と海へと飛び込むバドーのロボットたち。

そして海から得体の知れない巨大で不気味なモノが浮かび上がろうとしていた。




(( ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ))



ドライブ「ま…まずい!
よくわからないけどこれは何かまずい事が起きそうな気がするぞ!?」


ベルトさん「うむ、バドー首領が40年の歳月を経て蘇ろうとしているのだ!」


芝「今じゃ小僧!
さっきのタイプなんとかになって目覚めたてのバドー首領を攻撃するんじゃ!!」


アクセル「攻撃だと…?」


芝「そうじゃ!目覚めたばかりならヤツも隙があるはずじゃ!
今のうちに攻撃すれば倒す事が出来るはず!バドー首領は必ず倒さなくてならん!
それがワシとロボット刑事Kの悲願なんじゃ!!」


ドライブ「そうか…
だからアンタは各時代でバドーのロボットたちを逃がしていたんだな。
全てはこの時のために、バドー首領が海の底から復活して確実に倒すためにか!」


芝のおやっさんの真意を読み取ったドライブ。

そしてパワーを回復させたシフトフォーミュラを召喚。

そのままタイプフォーミュラーへとフォームチェンジする。



((Drive Type Formula))


ドライブタイプフォーミュラー「出てこいバドー首領!
海の底から現れたと同時にトレーラー砲をぶっ放してやるぜ!!」


((TRIAL!))


アクセルトライアル「事情はイマイチ把握できんがまあいい。
同じ仮面ライダーの好でこの俺も協力してやる!ヤツが現れた瞬間、同時攻撃だ!!」


ドライブタイプフォーミュラー、

それにアクセルトライアルへとフォームチェンジして戦闘態勢を整えるライダーたち。

そんな中、遂に海より巨大な物体が現れる。

それこそがこの時代に目覚めつつあるバドー首領であった!




『 『 ガァァァァッ!! 』 』



ベルトさん「ヤツが現れた!今がチャンスだ!」


((フルフルフォーミュラ大砲!))


ドライブタイプフォーミュラー「トレーラー砲!発射!!」


((TRIAL!MAXIMUM DRIVE!))


アクセルトライアル「マシンガンスパイク!!」


芝「オォッ!ライダーの必殺技が見事に命中したぞい!」


ベルトさん「やったか!」


全パワーで攻撃を放ったライダーたち。

だが…



バドー首領『愚か者め、この程度の攻撃で私を仕留められると思ったのか?』


芝「この声…バドー首領か?」


ドライブタイプフォーミュラー「そんな…俺たちが放った全力の一撃を…」


アクセルトライアル「いとも簡単に受けきったというのか…?」


香織「お父さま…長い眠りからようやく目覚めたのですね。」


バドー首領『うむ、長い眠りだった。
これというのも芝大造、キサマとロボット刑事Kの所為だ!
だが、それと同時に感謝もしているぞ。
お前たちのおかげで私はさらなる力を持てたのだからな!!』


芝「霧島ジョージ…40年経ってもその腐った性根は治らんかったか!」


バドー首領『それに…
どうやら私が欲しかった物をお前自身が持ってきてくれたみたいだからな!』


((シュバッ!))


芝「あ、いかん!
ワシが肌身離さず持ち続けていた原子力限定機が奪われてしまったわい!?」


どこからか生えてきた触手に、

おやっさんの胸元のポケットにしまわれていた原子力限定機が奪われた。

そして原子力限定機は海中から出現した巨大な物体に設置され、遂にその正体を現した!



スーパーバドーマザー『ウゥゥッ!』


バドー首領『これぞスーパーバドーマザー!
1973年の戦いの後、
私は我が姉の霧島サオリが運用していたマザーの残骸を回収して作り上げた傑作だ!
そしてそれに4つの時代のバドーのロボットたちと、
芝大造がこの40年間ずっと所持していた原子力限定機を取り込んだ最終兵器なのだよ!!』


ドライブタイプフォーミュラー「で…でかい…」


ベルトさん「恐らく100mはあるぞ!」


アクセルトライアル「おのれ…なんという化物を作り出してくれたんだ!」


芝「ヤツめ…かつてワシとKが戦ったバドーマザーをさらにパワーアップさせたのか!?」


バドー首領『そうだ!かつての戦いの後、私はさらなる力を求めた!
他の犯罪者どもにロボットを提供したのも全ては私の力を高めるためだ!
40年前と同じく私は今度こそこの地球を死の星に変えてやる!』


ドライブタイプフォーミュラー「やめろ!
そんな事をしたら…お前だって生きてく場所が無くなるんだぞ!?」


バドー首領『地球などバドーにとってはひとつの星に過ぎないのだ。
この星を破壊して鉱物の塊にすれば案外高く売れるかもしれんからなぁ。
そのために私は娘に命じて、
宇宙犯罪組織マクーに縁のあったウィーバルと手を組んでいたのだよ!』


スーパーバドーマザーの出現、

それに暴かれるバドー首領の野望に恐怖するライダーたち。

だがそんな時、ある奇妙な光景が彼らの目に飛び込んだ。

それはスーパーバドーマザーの眉間の部分。

その部分に拘束具にて磔にされた鋼鉄の男の姿があった…



ドライブタイプフォーミュラー「あの磔にされているのはまさか…」


芝「あれは…K…ワシの相棒…ロボット刑事Kじゃ!?」


香織「あぁ…K…あんなに傷ついて…」


バドー首領『ロボット刑事K!
深海にて今日まで40年もの長きに渡り私をこの場所に封じていた!
これは我らバドーに逆らいし愚か者へのよい見せしめとなるだろう!!』


アクセルトライアル「キサマ…
自らを犠牲にしてまで人々の平和を守ったロボット刑事をよくも!」


ドライブタイプフォーミュラー「絶対に許さないぞ!!」


改めてバドー首領に正義の怒りを向ける仮面ライダーたち。

だがそんなバドー首領は彼らに圧倒的な力の差を見せつけた。



バドー首領『行け!スーパーバドーマザー!この場にいる刑事どもを抹殺するのだ!!』


スーパーバドーマザー『ガァァァッ!!』


((カッ!))


((ドッガァァァァァンッ!))


「「うわぁぁぁぁぁぁっ!?」」


スーパーバドーマザーの破壊光線がライダーたちを襲った。

変身が解けて倒れこむ進ノ介たち。

最強の悪のロボットが目覚めた今、これに対抗出来る手段はあるのだろうか…?

とりあえずここまで
タイプトライドロン出したいのでここから先の展開は今日の放送を見た後で書きます

>>284
彼もヒーローやってた時は離職してたので除外しました…期待してたらゴメンなさい

このSSの内容とはほぼ関係ないけど>>1に書いてある伊達さんって後藤さんの間違い?
オーズの伊達さんじゃなかったらすまない


展開的にタイプトライドロンは厳しいかなぁ

>>318
香織さん目が見えとる



<1985年>


烈「一連の事件の犯人は結城香織だ!」


大「なんという事だ。まさかターゲットである彼女自身が…」


電「するとこの事件は全て彼女が選挙でトップ当選を果たすための自作自演なんですか?」


烈「そうだ、そう考えれば全部の辻褄が合う!
恐らくだが元々の計画は俺たちを誘き寄せるための罠だったんだ。
それにおやっさんの娘の結婚式を教えたのはこの俺自身だ。
その事を知ったからこそターゲットを娘さんに変更した。そうですねおやっさん?」


芝「その通りじゃ…
結城香織はかつてのバドー首領の娘。
ワシはなんとしてもバドーを倒さなければならん。
そのためにバドーのロボットたちを、
わざと逃がして彼女の犯行になる証拠を得なければならんのじゃ。」


電「だが証拠といってもそんなモノがどこに…?」


大「そうですね、今の段階で彼女が怪しいと思える物的な証拠はありませんし…」


烈「いや、証拠ならあるぞ!」


1985年、宇宙刑事たちは結城香織こそが一連の事件の黒幕と確信を得ていた。

だが肝心の証拠がないのでは手も足も出せない。

だが烈はそんな不利な状況を打開するある方法を思いつくのだが…



<1995年>


竜馬「最も怪しいのは結城香織議員だ!」


直人「あの自万党の女性議員だな!」


大樹「そんな…彼女が一連の事件の黒幕だなんて…」


隼人「信じられない…!?」


竜馬「いや、そうとも限らない。
彼女は僕たちレスキューポリスの解散に躍起になっていた。
何故だと思う?
恐らく今後のバドーとして、
活動に支障を来さないようにレスキューポリスを潰そうとしているんだ!」


直人「おやっさんの娘さんを狙ったのも、
事件の直前に俺が娘さんの出産の事を迂闊にも彼女の前で話してしまったからだろう。
だから狙われてしまったんだ。」


正木「竜馬たちの話、私は信じるぞ。
実は先ほど本庁に問い合わせたら上層部からレスキューポリスの解散を迫られた。
近々それが確定になるかもしれんという話だ。」


バイクル「それじゃあワシらクビっちゅう事だかね?」


ウォルター「隊長、我々はこのまま黙って見ているしかないのですか!?」


竜馬「いや、方法ならある。多少荒っぽい事になるかもしれんが…」


1995年、レスキューポリスは既に上層部に解散を迫られていた。

そんな時、竜馬が取ろうとする方法とは…



<2005年>


バン「全ての黒幕は結城香織議員だぜ!」


セン「確かにウィーバルと関わりがあったんだ。
彼女自身に何の疑いもないというのは不自然ではあるけど…」


ジャスミン「残念だけど証拠がナッシングよ。」


テツ「証拠がなければどんな名刑事でも逮捕できませんよ。ナンセンス…」


氷川「先ほど、本庁に須藤を連行した北條さんたちから連絡がありましたが…
どうやら須藤は依頼主がウィーバル以外にいる事を知らされてはいないみたいですね。」


ホージー「oh…こいつはピンチだな…」


ウメコ「せめて須藤から誰が黒幕か証言させれば証拠になるのに…」


バン「いいや、証拠ならもうひとつあるぜ!」


2005年、この時代でも結城香織が黒幕であるという証拠がなかった。

だがそんな時、バンから思わぬ提案が…



<2015年>





……


………


バドー首領『フハハハハ!このバドーマザーの威力!お前たちはここで死ぬのだ!!』


進ノ介「クソッ!どうしたら…!?」


照井「俺たちの力だけではダメなのか…?」


芝「うぅ…そうか…
ワシは気絶しておったのか…?
まったく走馬灯みたく昔の思い出が蘇ってきたわい。」


進ノ介「おやっさん、こんな時に何を言ってるんだよ?」


2015年、芝のおやっさんは暫くの気絶から目を覚ますとそこには傷ついた進ノ介と照井。

そしてバドーマザーに乗り込み勝ち誇っているバドー首領の姿があった。



照井「何か…打つ手はないのか…?」


芝「悪いが万策尽きたわい。
本当ならさっきのライダー小僧の一撃で仕留めたかったのじゃが…
如何せんヤツの力の方が上だったとは予想外じゃった。
こうなる事を見越してこれまで原子力限定機を肌身離さず持っていたのに…」


進ノ介「おやっさんがこれまで、
上層部から何度も要求されても頑なに渡さなかったのは…
原子力限定機がバドーの手に渡るのを阻止していたからなのか。
この強さを前にすると納得だな…」


ベルトさん「いや、待て!まだ方法はあるぞ!」


進ノ介「ベルトさん本当か!それはどんな方法だ?」


ベルトさん「うむ、バドーは過去にも事件を起こしている。
だがその事件は、
過去にドライブと同様に特殊な力を持った刑事たちの活躍によって解決された。
つまり過去の事件で活躍した刑事たちを呼び出せばいいんだ!」


照井「なるほど、過去に活躍した刑事たちをこの場に呼べばいいという話か。」


進ノ介「そうか、それなら…」


芝「いや、ならん!」


この場に過去の刑事たちを呼ぼうとするベルトさん。

だがそれを芝のおやっさんは猛反対した。



芝「彼らは過去の事件で十分に戦ってくれた!これ以上戦わせる事はできん…」


ベルトさん「そんな事を言っている場合ではない!
こうしている間にもバドーはこの地球を滅ぼそうとしているのだぞ!?」


進ノ介「待ったベルトさん!
おやっさん、彼らをここに呼ぶ方法。実は知っているんじゃないのか?」


芝「…」


芝のおやっさんは強ばった表情になりながら40年前の事件を話した。

それは1975年、バドーマザーを封じる直前の出来事…



<1975年>


K「おやっさん!お願いがあります!」


芝「何だK!ワシに出来る事ならなんでも言ってみろ!」


K「悔しいが…ヤツの言う通り私の力ではこいつを封じるのに40年が限界です!」


K「だからそれまでに………………」


これはこの物語のプロローグにて行われた会話の一部。

だが、この会話には続きがあった。



K「私と同じ、特殊な力を持った刑事たちを集めてください!」


芝「特殊な力を持った刑事じゃと…?」


K「そうです。
未来において必ずや私と同じ…
いや、それ以上の力を持ったスーパー刑事が必ず現れるはずです!」


芝「スーパー刑事…」


K「若い力を持った彼らを集めて40年後に蘇るであろうバドー首領を倒すのです!!」


それが40年前、

芝のおやっさんが聞いたロボット刑事Kの最後の言葉であった。



<2015年>


芝「Kは予見しておった。
未来において自分と同等かそれ以上の力を持った刑事が現れると…じゃが…」


進ノ介「おやっさん、アンタはひょっとして…」


芝「そうじゃ、ワシはかつての戦いでKを見殺しにしてしまった。
本当なら1975年にKではなく年老いたワシの方が死なねばならなかったんじゃ…」


ベルトさん「それでは我々特状課だけを呼んだのは
必要最小限の者たちだけで事件を解決したかったというわけだね?」


芝「あぁ、お前さんたちを巻き込んですまなかったと思っておるよ。」


そう進ノ介たちに謝罪する芝のおやっさん。

それからおやっさんは再び思い出していた。

過去に起きた3つの事件の顛末を…



<1985年>


烈「あのワームホールだ!
バドーモンスターが入っていったワームホール!
あそこに真の黒幕、バドー首領がいるに違いない!!」


電「そうか、それなら!」


大「隊長、行きましょう!」


芝「ダメじゃ!行ってはいかん!」


烈「おやっさん…何故ですか?」


芝「あのワームホールの向こうに何があるのかワシにもわからんのじゃ…
行ったら最後、もしもこの世界に帰れなくなったらどうする気じゃ?
お前さんたちにはまだ宇宙刑事としての使命が残っておるはずじゃろ!」


そう言って芝のおやっさんはワームホールに入ろうとする宇宙刑事たちを止めた。



<1995年>


竜馬「このワームホールだ。
バドーMX-A2が逃げたワームホール、この穴の中に飛び込むんだ!」


大樹「なるほど、この穴の向こうになら証拠が!」


直人「それしか方法はないようだな!」


隼人「よし、行くぞみんな!」


芝「いいや…ダメじゃ!」


正木「おやっさん、どういう事だ?」


芝「この先は何が起こるかわからん。
あとの事はワシに任せるんじゃ。バドーの事件はワシの仕事じゃからな…」


直人「しかしおやっさん…」


芝「田村、お前も今日で部署を変えてもらう。
もうこんな頑固な年寄りと一緒に仕事せんでいいぞ。」


1995年、この時代でもワームホールへ突入しようとするレスキューポリスを、

芝のおやっさんは止めていた。



<2005年>


バン「このワームホールだ!ワームホールの先に真の黒幕が必ずいるはずだ!!」


ホージー「OK!」


セン「やっぱりそれしかないようだね!」


ジャスミン「そうね、ここはドンと行ってみよー!」


テツ「僕も先輩たちにお供しますよ!」


氷川「同じく同行させてもらいます!」


ウメコ「よーし!行っくよー!」


芝「いや、行くでない!
行ったら二度と帰って来れんかもしれんのじゃぞ!」


バン「心配すんなよおやっさん。俺たちはこれまで何度も…」


芝「今回ばかりはワシの言う通りにしてもらうぞ!
ワシはもう若いモンがいなくなる光景を見たくはないんじゃ!
あとの事はワシに任せろ。元々バドーを追うのはワシの仕事じゃからな…」


2005年、ワームホールへ入ろうとするデカレンジャーたちを止めた。

そう、全ては若い刑事たちを守ろうとしての行動であった。



<2015年>


芝「そういうわけじゃ。
確かにバドーが開けたあの時を越えるワームホール。
あの中を潜ればこの世界に来れるかもしれんが…
ワシはこの場所へ来ようとする彼らを止めた。
だから彼らはここには来ないじゃろう。」


ベルトさん「なるほど、あなたはそこまでして若い刑事たちの身を案じていたのか。」


照井「仲間を想う気持ちはどこの刑事も一緒だな。」


進ノ介「それでおやっさんの話を聞いた刑事たちはちゃんとわかってくれたのか?」


芝「たぶんな。
ワシの話を聞いたと同時に何処かへいなくなってしまった。
恐らくこんなワシに愛想を尽かしたんじゃろう。」


進ノ介「…」


芝のおやっさんから過去に起きた事件の真相を告げられた進ノ介。

だが進ノ介はその話にひとつだけ違和感を覚えた。



進ノ介「今の話だが、ひとつだけおかしな点がある。
かつての事件で活躍した刑事たち、彼らは本当に大人しく引き下がったのか?」


芝「ライダー小僧、お前…何が言いたいんじゃ?」


照井「あぁ、今の話だが俺も少しだけ引っ掛かっている。」


進ノ介「そうだ…
かつておやっさんと共に戦ったスーパー刑事たちがそんな簡単に手を引くはずがない!」


ベルトさん「それでは進ノ介…まさか!?」


バドー首領『何だ…一体何の話をしている…?』


その時であった。

進ノ介はある気配を感じ取った。

それはまるで何か大いなる意志が近づく感覚であった。



進ノ介「感じる…俺には感じるぞ!強大な何かがこの場所へ近づいてくる!」


芝「そんな…まさか…!」


香織「一体何が起こるというの?」


照井「どうやら悪党にはわからんようだな。
時を越えて過去の時代からスーパー刑事たちがやってくるのさ!」


バドー首領『愚かな!そんな事が出来るはずがあるまい!
たとえワームホールに入れたとしても私の導き無しで入れば最後、
永久にワームホールの中から出られなくなるのだぞ!?』


バドー首領の言う通りである。

3体のバドーロボットたちがこの時代に召喚されたのはバドー首領の導きがあったからだ。

それ以外の者がこのワームホールに入れば永久に彷徨い続けるのだが…

しかしこの時、バドー首領は気付かなかった。

機能停止しているはずのロボット刑事Kの目が密かに光を発していた事を…

そしてワームホールより何かが飛び出してきた。



烈「ヂュゥッ!」


電「トォッ!」


大「ハァッ!」


進ノ介「あぁっ!ワームホールの中から三人の男たちが飛び出てきたぞ!」


芝「そんな…お前たちはあんぱん小僧の宇宙刑事!?」


烈「宇宙刑事参上!」


電「待たせてすみませんおやっさん!」


大「けどここからは俺たちも参戦しますよ!」


なんとワームホールより現れたのは1985年の事件で活躍した宇宙刑事たちであった。

だがそれだけではない。

さらなる刑事たちがワームホールの中から次々とその姿を現した!



((ブォォォォッ!))


竜馬「宇宙刑事だけじゃないぞ!レスキューポリス参上!!」


直人「おやっさん!俺たちも協力させてください!」


大樹「あの巨大なロボット…」


隼人「あれが真の黒幕か!」


芝「レスキュー小僧…それに田村まで!」


進ノ介「今度はレスキューポリスが各車輌に乗って現れた!」


ベルトさん「まだ来るぞ!次に現れるのはまさか!?」


次に現れたのは各車輌に乗ってワームホールを潜り抜けてきたレスキューポリスたち。

そして最後に現れる刑事たちは…!



バン「特捜戦隊参上!やったぜ!一番乗りだ!!」


ホージー「No、一番最後のようだぞ…」


セン「けど最終決戦には間に合ったようだよ。」


ジャスミン「ホッ、道中無事にたどり着けてよかったでござる。」


ウメコ「でも知らない人たちがいっぱいいる~!」


テツ「過去のスーパー刑事のみなさんですね!なんか…いい!」


氷川「僕も参戦させてもらいますよ!」


芝「今度はツンツン小僧のデカレンジャーまで…」


最後に現れたのは2005年の事件にて活躍した、

デカレンジャーとG3ユニットの氷川誠であった!

そして今この場に、過去の事件で活躍した全てのスーパー刑事が揃った!!



進ノ介「スゴイ!全てのスーパー刑事が揃ったんだ!」


バドー首領『な…何故だ?
私の導き無しでワームホールから無事に出られるはずがないのに!?』


正木「それはロボット刑事のおかげだ!」


香織「Kのおかげ…?」


ドギー「俺たちはおやっさんと別れた後、すぐにワームホールへ入った!」


スワン「けど中はただの真っ暗闇。
右も左もわからなくて大変だったけど、そこで小さな光を見つけたの。」


烈「それこそが俺たちを導いた希望の光!」


竜馬「40年前に人知れず命を賭して、
この地球に生きる全ての者たちを守ったロボット刑事K!」


バン「ロボット刑事Kが俺たちをこの場所に導いてくれたのさ!!」


バドー首領『おのれ…Kめぇ…!』


まさかの事態に悔しがるバドー首領。

そして現れたスーパー刑事たちは全員ある使命を持ってこの戦いに挑もうとしていた!



芝「バカモン!お前たち何でこんな場所まで…」


烈「すみません。けどおやっさん、これが俺たちの仕事だからですよ!」


直人「そうです、ワームホールに入った時に朧げながら過去の戦いを見ました。
ロボット刑事Kはこう言っていた。

『男にはこうと決めたら、
どんなにつらくとも悲しくともやり遂げなければならない仕事があるんだ!』

これは俺たちにとってもやり遂げなければならない仕事なんです!」


竜馬「あぁ、それにもうひとつ僕たちにはやらなければならない事がある。
それは40年前の事件で活躍したロボット刑事Kの救出だ!
命を助けるのは僕たちレスキューポリスの使命!そこに人間もロボットも関係ない!!」


バン「そういう事!俺たちは同じ刑事、みんなおやっさんの仲間なんだぜ!!」


芝「みんな…すまん…」


この場に現れたスーパー刑事たちを前に涙をこぼす芝のおやっさん。

だがそれとは対照的にバドー首領の表情は怒りに満ちていた。



バドー首領「おのれ、こうなれば!香織、ネオバイラルコアを渡せ!」


香織「さぁ、どうぞお父さま。」


バン「あいつ…ロボットから降りてきたぞ!しかも変なミニカーを受け取った!」


ベルトさん「結城香織がバドー首領に渡したのはネオバイラルコアだ!何をする気だ!?」


バドー首領「フンッ、こうなれば私が直接戦うしかあるまい!」


スーパーバドーマザーから降りてネオバイラルコアを渡されたバドー首領。

するとどうだろうか?

ネオバイラルコアのメモリを利用してバドーの技術であるモノが複製された。

なんとそれは…ドライブドライバーであった!


バドー首領「変……身!」


そしてドライブドライバーを使い変身したその姿は…!




((Drive Type Badr))



バドードライブ「変身完了!
我が名は偉大なるバドーが生み出した仮面ライダーバドードライブ!!」


進ノ介「バドードライブだって…?」


照井「何故ヤツは仮面ライダーに変身できるんだ!?」


ベルトさん「なるほど、先ほどのネオバイラルコアにはドライブに関するデータが…
それをバドー首領は読み取って自身の力に変えてしまったのだな!?」


バドードライブ「その通りだ!
知っての通り、我々バドーはロイミュードとも手を組んでいる。
そのロイミュードたちから、
最新のスーパー刑事である仮面ライダードライブのデータを得た。
連中はそうまでしてお前たちを倒したいそうだぞ!」


烈「未来にも悪の組織は生き残っているんだな。」


竜馬「だが僕たちは負けない!」


バン「そうさ、俺たちはスーパー刑事だからな!
この時代のスーパー刑事のルーキー!お前たちもまだ戦えるよな!」


進ノ介「当然だ!
偉大な先輩たちを前にしていつまでも倒れているわけにはいきませんからね!!」


照井「俺も行けるぜ!」


ベルトさん「みんな、今こそ変身だ!Start Your Engine!!」


遂に勢揃いしたスーパー刑事たち。

そして彼らはそれぞれ変身ポーズを取った!



烈「蒸着ッ!」


電「赤射ッ!」


大「焼結ッ!」


直人「ハァッ!」


竜馬「着化ッ!」


直人、玲子「「プラスアップ!」」


隼人、耕作、拳「「「実装ッ!」」」


氷川「G3-Xアクティブ!」


「「エマージェンシ!デカレンジャー!」」


照井「変ッ…身!」


進ノ介「最後は俺だ!変身ッ!!」


そして次々と変身していくスーパー刑事たち。

変身した彼らの姿がこれだ!



ギャバン「宇宙刑事ギャバン!」


シャリバン「宇宙刑事シャリバン!」


シャイダー「宇宙刑事シャイダー!」


ジバン「機動刑事ジバン!」


「「特警ウインスペクター!」」


「「特救指令ソルブレイン!」」


「「特捜エクシードラフト!」」


G3-X「G3-X!」


「「特捜戦隊デカレンジャー!」」


アクセル「仮面ライダーアクセル!」


ドライブ「仮面ライダードライブ!」


ギャバン「時を越えて!」


ファイヤー「我らスーパー刑事ヒーロー!」


デカレッド「ここに集結だぜ!」


ドライブ「さぁ、バドー!ひとっ走り付き合えよ!!」


メタルヒーロー:ギャバン、シャリバン、シャイダー、ジバン

レスキューポリス:ウインスペクター、ソルブレイン、エクシードラフト

スーパー戦隊:デカレンジャー

仮面ライダー:G3-X、アクセル、ドライブ

総勢24人の刑事たちがバドーに立ち向かう!



正木「オォッ!
メタルヒーロー、スーパー戦隊、それに仮面ライダー、
全てのスーパー刑事ヒーローがここに集結したか!」


正木「みんな、今こそ力をひとつに合わせてバドーを…」


正木「40年に及ぶバドーの事件に終止符を打つのだ!!」


芝「すまんみんな、バドーを倒してKを…ワシの相棒を救ってくれ!」



「 「 「 了解っ!! 」 」 」



正木本部長の号令により全てのスーパー刑事が動き出す!

全てはバドーの野望を挫くため、

そして40年前にたった一人で立ち向かったロボット刑事Kを救うために!

今こそ戦え!スーパー刑事ヒーローたち!!

とりあえずここまで
全員集合です

>>321
あ、そうですね間違えてました
伊達さんじゃなくて後藤さんでしたすいません

>>325
タイプトライドンやっぱり難しいかな…?
香織さんは…なんか雰囲気で察したとかそう思ってください



バドードライブ「小癪な、返り討ちにしてやる!」


ドライブ「バドードライブは俺が相手をする!みんなはバドーマザーを頼む!」


デカレッド「任せろ!行くぜ!猪突猛進だ!」


デカピンク「ちょーっと!待った!」


デカグリーン「…ってウメコ。どうしたんだよ?」


デカピンク「せっかくこれだけの人数が揃ったんだから、カラーシャッフルしない?」


ファイヤー「カラーシャッフルだって?」


バイクル「つまりどういうこっちゃがね?」


ウォルター「わかりやすく説明すると、
メタルヒーロー、戦隊、ライダーの垣根を越えて同じ色の刑事と組んで戦うという事だ。」


ギャバン「面白そうだ、やってみようか!」


こうしてデカピンクの提案で各スーパー刑事によるカラーシャッフルが行われた。

まずは…



デカピンク「まずは赤!燃える炎のレッドチームだよ!」


デカレッド「赤といえばこの俺、デカレッドだぜ!」


アクセル「振り切るぜ!」


シャリバン「さすが赤はどのチームにも必ず一人はいるんだな!」


シンクレッダー「やはりリーダーのシンボルカラーだからな!」


ファイヤー「よし、行くぞみんな!」


カラーシャッフルの結果、

最初に戦うのはファイヤー、デカレッド、シンクレッダー、アクセル、シャリバン、

計5名のレッドチームだ!



デカレッド「ジュウクンドー!ムーンサルトショット!」


シャリバン「スパークボンバー!」


アクセル「エースラッシャー!」


シンクレッダー「ヘビーサイクロン!マグナムカートリッジ!」


ファイヤー「行くぞ!マックスキャリバー!」


スーパーバドーマザー『ウゥ…』


レッドチームによる力強い攻撃。

さすがのスーパーバドーマザーも為す術もないぞ。



デカピンク「お次はクールでニヒルな青!ブルーチーム!」


デカブルー「OK!俺たちは赤とは違って暑苦しいのは似合わないのさ。」


シャイダー「よし、俺たちの番だな!」


ドラフトブルース「頑張りましょう!」


G3-X「まさか青の戦士がこんなにいるだなんて…感激です!」


ソルブレイバー「行くぞ!」


続いて戦うのは、

デカブルー、G3-X、シャイダー、ソルブレイバー、ドラフトブルース、

この5名によるブルーチームである!



デカブルー「ディースナイパー・ジャンプショット!」


G3-X「GX-05アクティブ!」


シャイダー「シャイダーキック!」


ソルブレイバー「ボスワインダー!」


ドラフトブルース「ビルドライバー!ドリルモード!」


ブルーチームによる俊敏な攻撃が炸裂。

これにはスーパーバドーマザーもひとたまりもない。

続いては…



デカピンク「お次は知性派な緑、グリーンチーム!」


デカグリーン「シンキングポーズ!」


ウォルター「逆立ちになってはみたがこれ何か意味があるのだろうか?」


デカピンク「あちゃー、このチームはハズレだったみたい。次行ってみよー!」


さて、次なるチームは…



デカピンク「お次は桃といえば女の子!私たち女子チームだよ!」


デカスワン「よろしくねソルジャンヌさん。」


ソルジャンヌ「こちらこそよろしくお願いします!」


デカピンク「女子力全開!ウメコ爆弾キック!」


ソルジャンヌ「スタンバトン!」


デカスワン「スワンイリュージョン!」


デカピンク「さぁ、トドメはマーフィー!ディーバズーカ!」


デカピンク、ソルジャンヌ、デカスワン「「「ディーバズーカ!発射!!」」」


デカピンク、ソルジャンヌ、デカスワンによる女子チーム。

女子チームの華麗な技によりスーパーバドーマザーは翻弄させられた。



デカピンク「お次は力持ちなら黄色!イエローチームだよ!」


バイクル「行くでね!ジャスミンちゃん!」


デカイエロー「私はこっちのチーム枠かい…」


ソルドーザー「ジャスミンさん、どうぞよろしく。」


ドラフトキース「腕が鳴るぜ!」


((ガシッ!))


バイクル「よっしゃ!このままワシらの力でバドーマザーを押し倒すんだがね!」


ソルドーザー「けど…重いですねぇ…」


ドラフトキース「根性だ!根性!!」


ジャスミン「ジャスミンの…ドンッと行ってみよォォォォッ!!」


((ドシィィィィンッ!))


イエローチームの底力が発揮!

スーパーバドーマザーを押し倒したぞ!



デカピンク「そして最後は純白の正義を表す銀色!シルバーチーム!」


ギャバン「よろしく勇気!」


デカマスター「どんな敵だろうとディーソードベガで斬り倒すのみ!」


ジバン「私も参戦させてもらうぞ!」


デカブレイク「このチーム…なんかいい!」


最後はギャバン、デカマスター、ジバン、デカブレイクによるシルバーチームの出番だ。



ギャバン「久しぶりドギー。宇宙警察学校以来だな。」


デカマスター「ギャバンこそ久しぶりだな!
宇宙刑事としてのお前の活躍は俺の耳にも入っているぞ!」


ギャバン「ところであいつは…シグナルマンはどうしてる?地球に配属されたと聞くが?」


デカマスター「あぁ、たまに飲みに行ってるが愚痴が酷くてな…
やれ昇進試験に落ちたとか単身赴任はもう限界だとか奥さんの愚痴が恐いとかなぁ。」


ギャバン「そうか、あいつも大変だなぁ…」


デカブレイク「あのー!おじさんたち!今は世間話している場合じゃありませんよ!?」


ジバン「そうだ、世間話はこいつを倒した後でたくさんできるからな!!」


ギャバンとデカマスターの世間話はここまで。

最後の攻撃を加えるためにシルバーチームは武器を構えた!



デカブレイク「ブレスロットル!正拳アクセルブロー奥義!必殺拳ソニックハンマー!!」


スーパーバドーマザー『ガ…ガガ…』


デカブレイク「ボス!今ですよ!三人同時に斬りかかってください!」


デカマスター「わかった!ディーソードベガ!」


ギャバン「レーザーブレード!」


ジバン「マクシミリアンソード!」


デカマスター&ギャバン&ジバン「「「トリプルスラッシュ!!!」」」


スーパーバドーマザー『グ…ガガガ…!?』


デカブレイクの殺拳ソニックハンマーが命中。

そしてその後にデカマスター、ギャバン、ジバンによるトリプルスラッシュが炸裂!

これにはスーパーバドーマザーといえどひとたまりもなかった。



バドードライブ「ハァァァッ!」


ドライブ「くっ…やるな!40年間海の底で引きこもってた割には強いじゃないか!」


バドードライブ「当然だ!
1973年の戦いで死にかけた時に、
サイボーグ手術を受けて私の身体は半分機械で構成されているのだよ!
そして最新のこのベルト、キサマ如き若造に遅れは取らん!」


ドライブ「いいや、それでも俺たちが勝つ!
そのベルト、能力はコピーできてもベルトさんのように意思があるわけじゃない。
単なる紛い物に俺たちが負けてたまるか!」


バドードライブ「紛い物だと…?
キサマ、警察官にあるまじき言葉を吐くのだな。
このベルトは紛い物ではないぞ。
何故ならお前のベルトと同じく人間の意思が宿っているからな!」


ドライブ「人間の意思…?そのベルトに…?」


ベルトさん「ありえない!
霧島ジョージ、キミはこの40年間ずっと深海に引きこもっていた。
その間、そのドライバーに誰の意思を植え付けたというのだ!?」


仮面ライダードライブvsバドードライブの戦い。

激戦の最中、バドー首領は自分のベルトはドライブ以上の性能があると言うが…

ベルトさんの指摘通り、ドライブドライバーのベルトには確かに人間の意思が宿される。

だが霧島ジョージはこの40年間、深海に閉じ込められていた。

意思を宿せる人間などいるはずがないのだが…?



バドードライブ「姉だよ。」


ドライブ「何…?」


バドードライブ「我が姉、霧島サオリだ。
私は1973年に一度敗れた時に密かに姉の遺体も回収しておいた。
だが私と違って姉の身体はサイボーグ手術でも助けられないほど酷い状態だった。
そこでバドーマザーのメインメモリに姉の意思だけを保存しておいた。
そしてそれをこのベルトに移した!」


ベルトさん「それでは…そのベルトには本当に…霧島サオリの意思が…?」


バドードライブ「そうだ!我が姉、霧島サオリの意思がこのベルトに宿っている!
このベルトに宿っている意思は何の罪もない人間だったモノだ!
お前たち刑事はそれを傷つける事ができるのか…?」


ベルトさん「なんと汚い真似を…!」


まさに非道というべきであろう。

かつて弟の愚行を自らの命を持って阻んだ霧島サオリ。

確かに彼女は既に死んでいる。

だが弟の霧島ジョージの手によりその意思をベルトに封じ込まれてしまった。

これでは手も足も出せない…のか…?



ドライブ「ハンドル剣…!」


ベルトさん「進ノ介!ヤツを攻撃する気か!?」


バドードライブ「フッ、それが何を意味するかわかるかな?
キサマら刑事もまた我々と同じく目的のためならどんな手も厭わない、
卑劣な者たちであるという何よりの証なのだよ!」


ドライブ「そうかもしれないな。
けどなんと言われようと…俺はアンタを止めなきゃいけないんだ!
かつての芝のおやっさんだってそうだ…
アンタを止めるために周りからどれだけ疎まれようと決して諦めなかった!
そしてこれはお前のお姉さんが望んだ事なんだからな!」


バドードライブ「姉が…望んだ事…だと?」


ドライブ「あぁ、そうだ!
アンタのお姉さんである霧島サオリは命を捨ててまでバドーの野望を阻止しようとした!
そのお姉さんの意思を俺は無駄にする事はできない!
だから何があろうと俺はアンタを倒す!!」


バドードライブ「小僧が…ほざくな…!」


たとえそれが非情の手段だとしても刑事としての使命を全うしようとするドライブ。

そんな時、ドライブの前に一人の女性が駆けつけてきた。



りんな「進ノ介くん!お待たせ!」


ドライブ「りんなさん!どうしてここに!?」


りんな「あなたの行動は常に把握済みなの!
それよりもタイプフォーミュラーが敗れた今こそ、新たな力を使う時よ!」


ベルトさん「りんな、それでは完成したのだね!」


りんな「まだ未完成だけどね、シフトトライドロンよ!」


ドライブ「シフトトライドロン、これが俺の新たな力か!」


りんなが持ってきたのは新たなるシフトカー、シフトトライドロンであった。

そしてドライブはシフトブレスにシフトトライドロンを装填。

新たなる力へと進化する!




((Drive Type Tridoron))



ドライブタイプトライドロン「これが俺の新しい力…タイプトライドロン!」


ベルトさん「そうだ、ドライブとトライドロンが融合したタイプトライドロンだ!
そして同じく私と進ノ介の意思もこの身体へと融合された!
今、我々の心はひとつなのだ!!」


バドードライブ「タイプトライドロンだと…
そんなのは聞いてないぞ…?
だがどんなに姿が変わろうともこのバドードライブの敵ではない!!」


ドライブタイプトライドロン「行くぞ!」


新たなる力、仮面ライダードライブタイプトライドロンを発現。

バドードライブを相手に戦うぞ!



ドライブタイプトライドロン「喰らえ!これが俺たちの新しい力だ!!」


((カモン!フレア!スパイク!シャドー!タイヤ!カキマゼール!アタック!1.2.3!))


バドードライブ「ぐぉぉっ!?」


香織「そんな…お父さまが…」


バドードライブ「そんな…何故ここまでの戦力差が…スペックではこちらが上だぞ…?」


ドライブタイプトライドロン「確かにスペックじゃそうかもしれないな!
だがアンタにはスペック以上に、ドライブとして欠けているモノがあるんだよ!」


バドードライブ「欠けているモノだと…それは何だ?」


ドライブタイプトライドロン「それは…心だ!
俺とベルトさんは心をひとつにして戦っている!
だがアンタのドライブには…その心が無い…
アンタのベルトに宿っている霧島サオリの意思はこの戦いを拒否しているんだよ!」


バドードライブ「姉がこの戦いを拒否しているだと…?
姉さんめ…40年前と同じく私の邪魔をする気だな!だが…そうはさせん!」


戦況が不利だと悟ったバドー首領は、

娘の香織を連れて再びスーパーバドーマザーへと乗り込んだ。

そしてこの場にいるスーパー刑事たちを蹴散らそうとする!



ドライブタイプトライドロン「あいつ…まだ諦めないのかよ!」


芝「いかん!このままではみんなが危ないぞ!?」


デカレッド「ヘヘッ!舐めんなよ!」


ギャバン「俺たちがこの程度で負けてたまるか!」


ファイヤー「みんなの必殺技をヤツにぶつけるんだ!!」


だがスーパー刑事たちも負けてはいない。

それぞれの最強武器を手に、スーパーバドーマザーを迎え撃つ!



ギャバン「ギャバン・ダイナミック!!」


シャリバン「シャリバン・クラッシュ!!」


シャイダー「シャイダー・ブルーフラッシュ!!」


ジバン「オートデリンガー!ファイナルキャノン!!」


ファイヤー「ギガストリーマー!マキシムモード!プラズマ光波弾!発射!!」


ソルブレイバー「パイルトルネード!トルネードバースト!!」


シンクレッダー「エンブレード装填!サイクロンノバ!!」


G3-X「GXランチャー!発射!!」


デカレンジャ「「スワットモードON!
SPライセンスセット!ディーリボルバーMAXパワー!ストライクアウト!!」」


デカマスター「ディーソードベガ!ベガインパルス!!」


デカブレイク「高速拳ライトニングフィスト!!」


デカスワン「スワンレインボー!!」


((ACCEL!UP GRADE!BOOSTER!))


アクセルブースター「ブーストスラッシャー!!」


スーパーバドーマザー『グ…ガガ…ギャギャギャ…!?』


バドードライブ『このままではさすがにもたないか!こうなれば計画を早めるまでだ!』


スーパー刑事たちの必殺技が一斉に炸裂!

これにはさすがのスーパーバドーマザーもひとたまりもなかった。

だが…




(( ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ! ! ))



デカレッド「あぁーっ!バドーマザーが空飛んでるぞ!」


ファイヤー「ヤツは何処へ向かう気だ?」


正木「そうかわかったぞ!
ヤツは今こそ40年前に果たせなかった計画を実行するつもりだ!」


デカスワン「飛んでいるという事は恐らく衛星軌道上まで上昇して、
そこでスーパーバドーマザーの力で地球の水を一斉に爆破させるつもりなんでしょうね。」


デカピンク「それじゃあ地球上の水を全部爆発させちゃっていうあの計画を…」


ギャバン「今度こそ実行するつもりなのか!なんという事を!?」


バドードライブ『フハハハハ!さらばだ!スーパー刑事の諸君!!』


不気味な高笑いを残しながら飛び去るスーパーバドーマザー。

スーパーバドーマザーは一路衛星軌道上に飛び立った。



~スーパーバドーマザー内部~


バドードライブ「ククク、これで私の勝利は確実だ!
スーパーバドーマザーはあと10分で大気圏離脱するだろう。
そして衛星軌道上にて原子力限定機による照射ビームを発射!
そうすればこの星の水は全て爆発する!」


バドードライブ「今こそ40年前に果たせなかった、
この星の水を全て爆破させて死の星に変える恐るべき計画を…!」


バドードライブ「私は今こそ実行するぞ!!」


香織「お父さま…」


スーパーバドーマザー内部にて勝利を確信しているバドードライブ。

だがしかし、勝利の余韻に浸るのはまだ早かった。



ドライブタイプトライドロン「そうはさせないぜ!」


ベルトさん「まだ我々がいる!」


芝「バドー首領、お前さんの思い通りにはさせんわい!」


バドードライブ「キサマら…何故ここに!?」


ベルトさん「Mr.芝のおかげだ。キミの行動は彼が一番把握していたからね。」


芝「今回こそお前さんを逃すわけにはいかないからのぅ。
みんなが一斉攻撃をしている間にこのライダー小僧と一緒に乗り込んでおいたんじゃ。」


バドードライブ「おのれキサマら…どこまで私の邪魔をすれば気がすむのだ!?」


ドライブタイプトライドロン「何度だって阻止してやるよ。
お前たちバドーからこの地球に生きる全ての者たちを守るためになぁっ!!」


なんとそこにはドライブと芝のおやっさんがスーパーバドーマザーに乗り込んでいた。

そして対峙するドライブタイプトライドロンとバドードライブ。

今、最後の戦いが始まる!



【FILE5.最終決戦】


~神之孫島~


ジバン「なんという事だ。スーパーバドーマザーが飛び立ってしまうとは…」


デカレッド「心配無用!俺たちにだって空飛ぶマシンがあるぜ!」


デカブルー「YES!デカウイングロボの出番だ!」


ギャバン「俺たちも呼ぶぞ、電子星獣ドルー!」


シャリバン「グランドバース!」


シャイダー「バビロス!」


それぞれのマシンを呼ぶスーパー刑事たち。

だが…



デカレッド「あれ…?デカウイングロボこないぞ?」


デカスワン「変ねぇ?この時代のデカマシンが来てくれてもいいはずなのに?」


アクセル「そういえば聞いた事がある。
お前たちスーパー戦隊は数年前に起きたレジェンド大戦でマシンを損失しているはずだ。」


デカピンク「レジェンド大戦!?」


デカイエロー「なんか全戦隊が勢揃いしたっぽい響きね。」


デカグリーン「それじゃあ…この時代のデカウイングロボは既に失われているって事か!」


そう、デカレンジャーのデカウイングロボはこの時代ではまだ修復中であった。

それに宇宙刑事たちの宇宙母艦も…



ギャバン「おかしいな…ドルーが来ないぞ?」


シャリバン「我々の宇宙母艦は宇宙刑事からの命令を受信すれば、
たとえ何万光年の彼方だろうと瞬時に現れるはずなんですけど…?」


シャイダー「何故現れないんだ?」


アクセル「以前聞いたがあなた方宇宙刑事はこの時代では現役を引退している。」


りんな「だからアクセス権限が、
新たに任命された宇宙刑事たちへ既に譲渡されているのよ。」


ファイヤー「我々レスキューポリスにもあれだけの高度まで上昇できる装備は無い…」


ウォルター「私のディスライダーでもあの高度までは行けません。」


バイクル「それじゃあワシらは…打つ手無しなんか!?」


大気圏離脱するスーパーバドーマザーを追いかける手段が無い。

それを知り愕然とするスーパー刑事たち。



りんな「いいえ!方法はあるわ!」


デカスワン「あなた、確かドライブって子のところの科学者さん?もしかしてあなた!」


りんな「そうよ!こんな事もあろうかと思って用意していたのよ!
私がこの島までこれたのもそれに乗って来たからなのよ!」


デカレッド「ていうか科学者って何でこんな事もあろうかとってセリフが好きなんだ?」


デカグリーン「さあ…?」


なにやら思惑のあるりんな。

その頃、スーパーバドーマザー内部では激しい戦いが繰り広げられていた。



~スーパーバドーマザー内部~


ドライブタイプトライドロン「ウォォォッ!」


バドードライブ「ヌンッ!」


芝「ライダー小僧とバドー首領の一騎打ちじゃわい!」


ベルトさん「進ノ介!この戦い絶対に負けられないぞ!」


香織「お父さま…」


ドライブタイプトライドロンvsバドードライブ

既に内部は圧倒的なGにより生身の人間はまともに動く事などできない。

そんな中で行われている熾烈極まる決戦。

そして二人は遂に互いの必殺技を繰り出そうとする!




((フルフルスピードビッグ大砲!))



ドライブタイプトライドロン「トレーラー砲!トレーラービッグインパクト!!」


バドードライブ「ハァッ!バドーロップ!!」


芝「二人の必殺技がぶつかっておる!」


香織「一体…どっちが勝つの…?」


タイプトライドロンのトレーラービッグインパクト!

対するバドードライブは必殺キックのバドーロップを放った!

凄まじい技の激突!

果たして勝つのは…!?



バドードライブ「フハハハハ!私の勝ちだな!
このスーパーバドーマザーから無限に供給されるエネルギーのおかげだよ!」


ドライブ「そ…そんな…タイプトライドロンが…」


ベルトさん「やはりまだ未完成だったか。」


バドードライブ「フンッ、これで私の勝ちだ!この時代のスーパー刑事よ!死ね!!」


((バシィィィッ!))


ドライブ「うわぁぁぁぁぁっ!?」


芝「ライダー小僧!!」


全力で撃ち込んだトレーラービッグインパクト。

だがバドードライブはその一撃に耐えてみせた。

そして戦いで力を使いきったドライブは、

バドードライブのキックにより超高度から外に放出されてしまった。



バドードライブ「これでこの時代のスーパー刑事は倒した。
だがまだ終わってはいない。
芝大造、キサマをこの手で殺さなければまた何を仕出かすのかわからんからな。」


芝「覚悟は出来ておるわい!殺すならさっさとやるがいいわい!」


バドードライブ「よい覚悟だ。ならば死ねぇぇぇぇぇっ!!」


バドー首領の魔の手が芝のおやっさんに及ぼうとした。

だが…その時!




((ガコンッ!))



バドードライブ「この音は…
バドーマザーの眉間に封じたロボット刑事Kの拘束具が外れた音…一体誰が!?」


香織「お父さま、もう終わりにしましょう。」


バドードライブ「香織…お前がやったのか…何故だ…?」


香織「先ほども言ったでしょうが…40年前Kを失って私は寂しかった。
ですがそんな時にお父さまから40年後に必ず蘇るという声を聞きました。
その時の私はもしかしたら…
深海に沈んだKを救える事ができるのではないかと思ったのです。」


芝「それじゃあ…お前さんはまさか…?」


香織「この40年間、私がお父さまに従っていたのは肉親の情からではありません。
40年前、盲目を患い孤独だった私と親しくなってくれたKを救いたかったからです!」


バドードライブ「おのれ…香織!実の父を裏切る気か!?」


この40年間、唯一信頼していた娘に裏切られたバドー首領。

それは激しい憎悪となり実の娘の香織を手に掛けようとする!

既にスーパー刑事はいない。

誰もがそう思った。

いや、ちがう。

一人だけいた。

それは…この40年間…たった一人でこの巨大マシンを封じていた鋼鉄の男!



((ガシャンッ!))


バドードライブ「な…何だ…?」


香織「金属が打つような音だわ。」


((ガシャンッ!)) ((ガシャンッ!))


芝「これは聞き覚えのある足音じゃ…」


芝「そうか…そうじゃったのか…」


芝「お前は…この40年間…ずっとワシらを守ってくれたのじゃな…」


そして三人の前にあるモノが現れた。

それは傷つき、ボロボロになった一体のロボット。

約40年前、全てのスーパー刑事の元祖ともなったヒーロー。

その名は…!



K「私は…K!ロボット刑事Kだ!!」


芝「K!目覚めたのじゃな!?」


香織「あぁ…K…よくぞ無事で…」


バドードライブ「何故だ…何故お前が…
お前は40年間バドーマザーを封じてエネルギーはすっかり空となっているはずだぞ!?」


K「確かに…私のエネルギーは既に全量0に近い…だがバドー首領。
この私…ロボット刑事Kは…
お前たちバドーが悪事を働く限り…何度でも蘇り…その野望を阻止してやる!!」


ロボット刑事K!

伝説のスーパー刑事が40年という長い眠りから遂に目覚めた!!



バドードライブ「だから…なんだと言うのだ!」


K「ぐわっ!」


バドードライブ「やはりか。
所詮キサマはロボット、40年もの間ずっと整備もされずにいればこんなモノだ!
だが私は違うぞ!
最新技術によって得た新たな力、バドードライブを駆使しているのだからな!!」


芝「なんという事じゃ…Kは限界寸前じゃ…」


香織「このままでは一方的にやられるだけ…どうしたらいいの?」


40年前は無敵の強さを誇ったロボット刑事K。

だが40年の歳月は残酷であった。

最新の技術で戦うバドードライブには手も足も出ないK。

だがそんな時、Kに救いの手が差し伸べられた。

それはなんとも意外な人物からであった。



(…K…)


(K…しっかりするのです…)


K「この声…あなたは…マザー…?」


(そうです。私です。あなたを作り出した母である霧島サオリです。)


K「マザー、ですがあなたは1973年に死んではずでは…?」


(確かに私の肉体は40年前に失われました。
ですが弟のジョージが、
このバドードライバーを使って私の意思を保存してくれたのです。)


K「それではあなたは本当にマザーなのですね!よかった…よくぞご無事で!」


それは密かにKにのみ送られた声。

バドードライブのベルトに封じられたマザーこと霧島サオリの声であった。

実は先ほどドライブタイプトライドロンが放ったトレーラービッグインパクト。

進ノ介たちの熱い想いが霧島サオリを目覚めさせていた。

その霧島サオリはKを勝たせるべくある助言をするのだが…

それはKにとってあまりにも残酷なものであった。



(K…お前が勝つにはたったひとつしか方法がありません。)


K「マザー、私はどうすればよいのですか?」


(バドードライブのベルト、つまり私を撃つのです!)


K「そんな…そんな事をすればマザーが!?」


(構いません、どうせ私は40年前に死んでいたのです。)


K「ですが…それでも私には…確かに私はロボットだ。
ですがそんな私にとってあなたは実の母親なのです!
それを撃つ事なんて…私にはできない!」


自らを撃てというマザー。

だがKはマザーを撃つ事などできるはずがなかった…

そんな時、マザーはある事を告げた。

それは40年前、Kが芝のおやっさんに告げたある言葉であった。



(男にはこうと決めたら…)


(どんなにつらくとも悲しくともやり遂げなければならない仕事がある。)


(そのやりかけた仕事を放り出すわけにはいかない…のでしょう。)


K「それは…確か40年前に私がおやっさんに言った言葉…」


(K、バドーを倒すのはお前の仕事なのです。)


(お前はその仕事を全うする事を考えなさい。)


(これは…私が息子のお前にしてあげる…親としての最後の務めです。)


バドードライブ「何だ…動きが鈍くなった…故障か?」


それを最後にマザーの声は途切れた。

そしてKは己に残された最後の力を込めた。



K「ロボット破壊銃…!」


バドードライブ「や…やめろ…!?」


K「マザー…お袋さん…ゴメンなさい…」


(ありがとう…K…)


((バシュゥゥッ!))


破壊銃でバドードライブドライバーを撃ち抜くK。

しかしKは確かに聞いた。

母の最期の言葉を…



バドー首領「変身が解けてしまった…
なんという事だ…よくも姉さんを…!
おのれK!キサマ…ロボットの分際で人を殺すとは!しかも自分の生みの親をだぞ!?」


芝「喧しいわい!
自分の姉を散々利用してきたお前にKを非難する資格は無いぞ!」


香織「そうですわお父さま…もう諦めましょう!」


バドー首領「ぬぅぅ…だが私にはまだ計画が…!」


芝「何が計画じゃ。
そんなモンはワシから原子力限定機を奪った時点で既に失敗しておるんじゃよ。」


バドー首領「なんだと!どういう事だ!?」


その時であった。




((ビーッ!ビーッ!ビーッ!))



突如スーパーバドーマザー内部に異常が告げられた。

原子力限定機の機能が不安定になり計画が実行できなくなってしまったからだ。


バドードライブ「な…何故…?」


芝「おめでたいヤツじゃ。
ワシは最初から本物の原子力限定機なんぞ持ってきてはおらんわい。」


バドードライブ「それでは…あれは偽物…?
キサマ…正義の警察官がそんな卑怯な真似をして恥ずかしいと思わんのか!?」


後一歩というところで計画を頓挫され焦りを隠せないバドー首領。

こうなればスーパーバドーマザーを地上へ下ろして、

計画を延期しようかと思われたまさにその時!

奇跡は起きた!!




((ゴォォォォッ!))



バドードライブ「こちらに近づいてくる飛行物体だと…?」


芝「もしや地上にいたスーパー刑事たちか!」


バドードライブ「いいや、あり得んぞ!
この時代に来たヤツらは飛行能力のあるマシンを有してはいないはず…
この高度まで追いつけるはずがない!?」


確かにバドー首領の言う通り…

この時代にやってきたスーパー刑事には飛行能力を有するマシンは無い。

そう、マシンが無いのは『この時代にやってきたスーパー刑事』の話だが…



ソルブレイバー「ソリッドステイツ-Ⅰ!テイクオフ!」


りんな「前回の戦いで壊れたSS-Ⅰ!こんな事もあろうかと思って修理しておいたのよ!」


ギャバン「逃がしはしないぞ!バドー!」


デカレッド「俺たちから逃げられると思うなよ!」


正木「だがSS-Ⅰに大気圏離脱する性能は無い。
スーパーバドーマザーが大気圏離脱する前に倒さなければならん!」


デカグリーン「ヤツが大気圏離脱するまで後30秒、ギリギリだ。」


ジバン「大丈夫、俺たちなら必ずやり遂げてみせる!」


ファイヤー「そうだ、僕たちはスーパー刑事!
全ての人々を守る使命を背負った者たち、今こそ使命を全うする時だ!!」


なんと現れたのは前作『仮面ライダードライブvsレスキューポリス』にて大破したはずの、

この時代の特救指令ソルブレインの大型母艦ソリッドステイツ-Ⅰであった。

りんなの修理により復活したソリッドステイツ-Ⅰ。

そしてさらに…!



ドライブ「俺たちもいるぜ!さっきの借りを返してやる!」


ベルトさん「先ほどスーパーバドーマザーから投げ飛ばされた際にSS-Ⅰに拾われてね!」


りんな「進ノ介くん!それにスーパー刑事のみんな!
この開発中のシフトカーにみんなの全パワーを注ぎ込んで!
そうすればドライブはさらなる力を得る事が出来るわ!!」


ギャバン「よし、みんな!ドライブにパワーを送れ!」


ファイヤー「今こそ我々スーパー刑事の力を結集するんだ!」


デカレッド「受け取れルーキー!これが俺たちスーパー刑事の魂だ!」



「 「 「オゥッ!!」 」 」



この場にいる全スーパー刑事の力がりんなの開発中であるシフトカーに注がれた。

そして新たなシフトカー、シフトスーパーポリスが完成。

それをシフトブレスに装填したドライブは新たな姿へと変わった。




((Drive Type Super Police))



ベルトさん「Marvelous!
全てのスーパー刑事の力を合わせたドライブの新たなる姿!
その名も、ドライブタイプスーパーポリスだ!!」


ドライブタイプスーパーポリス「タイプスーパーポリス…
ロボット刑事…宇宙刑事…機動刑事…レスキューポリス…特捜戦隊…
スーパー刑事みんなの想いが込められたこの力!使わせてもらうぜ!!」


((ヒッサーツ!フルスロットル!))


ドライブタイプスーパーポリス「行くぜ!スーパーバドーマザー!!」


ギャバン「みんな!ドライブに続け!」


ファイヤー「今こそバドーを倒すぞ!」


デカレッド「俺たちの本当の力を見せてやるぜ!」


ドライブタイプポリスと共にSS-Ⅰから一斉に大ジャンプするスーパー刑事たち。

そしてスーパー刑事の最後の必殺技が繰り出された!




「「ス―――パ―――刑事!ヒ―――ロ―――ッ!!」」



「「必殺ッ!!」」



「「キィィィィィィック―――ッ!!!!」」



スーパーバドーマザー『グ…ギャギャギャギャ…ギャァァァァァッ!!???』



((ドッガァァァァァァンッ!!))



まさに間一髪…!

大気圏離脱直前のスーパーバドーマザーに、

スーパー刑事たちによる必殺技であるスーパー刑事ヒーロー必殺キックが炸裂。

これによりスーパーバドーマザーは大気圏内で大爆発を起こす。

スーパー刑事ヒーローたちは見事バドーの野望を阻止する事に成功した。



~特状課~


究「何…この爆発…?」


本願寺「一体何が起きたんですか!?」


追田「まさか…恋女房の仕業か!?」


霧子「泊さん…」


その頃、特状課でもスーパーバドーマザーの大爆発が確認されていた。

みんながこの大爆発を呆然と見つめる中、進ノ介の安否を気遣う霧子。

するとどこからともなく聞き覚えのある声が…




「ぉ…ぃ…」



霧子「この声…もしかして泊さん?」


究「けど進ノ介くんの姿はどこにも見えないよ…?」


「おーい!」


追田「あー!あそこだ!空を見ろ!?」


進ノ介「おーい!みんなー!」


ベルトさん「Mission Complete!」


霧子「泊さん!」


本願寺「それにクリムちゃんも!」


上空を見上げる特状課一同。

なんとそこにはSS-Ⅰから、

傷つきボロボロになりながらも満面の笑みで手を振る進ノ介とベルトさんの姿があった!



進ノ介「みんな、ただいま!」


霧子「泊さん…一体何があったんですか!?」


芝「詳しい話は後じゃ、誰かこの二人を急いで本庁に連行してくれんか。」


バドー首領「…」


SS-Ⅰから出てきたのは進ノ介たちの他にもロボット刑事Kと芝のおやっさん。

それにバドー首領である霧島ジョージと結城香織の姿があった。



K「香織さん、あなたも父親の悪事に加担していた。恐らくその事で罪に問われるだろう。」


香織「えぇ、覚悟はしているわ。」


K「すまない、私を蘇らせるためにあなたに罪を犯させてしまって…」


香織「気にしないで…私はあなたさえ無事でいればそれでいいの。」


K「いつかあなたが出所する時まで、私は必ず待っているよ。」


香織「ありがとう…K…」


潔く自分の罪を認める香織。

だが父親の霧島ジョージは違った…



バドー首領「フハハハハ!
芝大造、これでようやく肩の荷が下ろせたと思ったか?
確かにキサマのこれまでの警察人生はまさに我々バドーとの戦いの日々だった!
結果は我々バドーの敗北に終わった。だがキサマはどうだ?
知っているぞ!この40年間、家族を放ったらかしにしていたんだとな!
これからキサマは一体何を支えに生きていくつもりなんだ?
結局キサマも私と同じく何もかも失ったんだよ!!」


芝「確かに…そうかもしれんな…
この40年間、ワシの人生はバドー壊滅に捧げていた。
そのために家族を犠牲にして…じゃがワシは後悔なんかしておらんよ。
家族が今もどこかで無事ならそれでいい…」


K「おやっさん…」


進ノ介「大丈夫だよおやっさん。
おやっさんは家族を犠牲になんかしていない。その証拠にあれを見てくれ!」


進ノ介が指したところに本願寺課長に連れられて数人の男女が現れた。

それは…



奈美「お父さん大丈夫なの!」


由美「もう、歳なんだから無茶しないでよ!」


新条「おやっさん、ご無沙汰しています。」


芝「お前たち…奈美…由美…ワシの娘たちがどうして…?」


ベルトさん「それに新条まで!」


なんと現れたのは芝のおやっさんの娘たちである奈美と由美。

それに奈美の夫である新条であった。

さらにもう一人…



サオリ「お爺ちゃん!」


芝「お前…もしかして…サオリか?」


サオリ「はい、お爺ちゃんの孫の新条サオリです!」


芝「10年前にチラッと会っただけじゃが大きくなったのぅ…」


本願寺「芝さんが特状課へ来た事を知ったご家族の方々がウチへ押しかけてきたんです。
一人娘のサオリさんがこのたび警察学校を卒業したんでその報告へ来たんだそうですよ。」


芝「警察って…お前まさか…」


サオリ「はい、将来はお父さんやお爺ちゃんのような刑事を目指しているの!
10年前、お爺ちゃんが助けてくれたの…後で知って…
私もお爺ちゃんみたいな立派な刑事さんになりたいの!」


かつて2005年の事件で一度だけ祖父と対面した孫娘のサオリ。

あれから10年、彼女は立派に成人して祖父であるおやっさんと同じ警察官になっていた。



バドー首領「な…何故だ…?芝大造は家族を捨てたはずでは…?


バドー首領「私とて家族はあった。」


バドー首領「だがそれはキサマら刑事によってその幸せを踏み潰された…」


バドー首領「それなのに何故…私が逮捕され…ヤツが幸せになれるんだ!?」


そんな幸せな家族の光景に怒り狂う霧島ジョージ。

だが進ノ介にはその理由がわかっていた。



進ノ介「簡単だよ、おやっさんは家族を捨ててなんかいなかったんだ。」


バドー首領「なんだと…?」


進ノ介「俺は過去のバドー関連の事件を知った。
その事件でお前たちバドーは原子力限定機欲しさにおやっさんの家族を狙ったな。
だからおやっさんはバドーから家族を守るために敢えて家族と疎遠になったんだ!」


バドー首領「まさか…」


進ノ介「それに引き換えアンタは何だ?
実の娘である結城香織を政財界を牛耳るために利用して、
さらには姉である霧島サオリをも巻き込んだ!
アンタは家族をなんだと思っているんだ!?」


バドー首領「それがなんだと言うんだ!」


進ノ介「おやっさんは影ながら家族を守っていた!
だがアンタは逆に家族を利用し続けた!おやっさんとアンタは同じなんかじゃない!
大切な人たちを守り続けたおやっさんを馬鹿にする資格なんかアンタには無いぞ!!」


バドー首領「私が家族に見捨てられた哀れな存在だとでもいうのか…ふざけるな!」


自分の敗北が家族を利用したからだと告げられ戸惑いを隠せないバドー首領。

だが進ノ介はさらに続けた。



進ノ介「なら最後にひとつだけ教えてやる!
1973年とそれにKがバドードライブを撃った時、何故アンタだけ助かったと思う?
それは姉である霧島サオリが肉親であるアンタを助けようとしたからだ!」


バドー首領「ね…姉さんが…私を…助けた?」


進ノ介「そうだ、どんな悪人だろうと霧島サオリにとってアンタはたった一人の弟だ。
今ならそれがわかるだろう。
あの時も今もアンタは霧島サオリに命を救われていたんだよ!」


バドー首領「そんな…姉さんが…」


進ノ介「アンタにだって家族がいたはずだ。霧島サオリに結城香織。
二人とも悪人であるアンタを手助けしていた。
何故もっと家族と向き合えなかった…?
そうすればアンタだってこんな悪事を働かずにすんだのに…」


バドー首領「あ…あぁ…」


今まで虚勢を張り続けたバドー首領。

だが進ノ介の言葉を聞き愕然として膝をついた。

その時、バドー首領の顔が次第に窶れていた。

それはまるでおとぎ話の浦島太郎と同じく、

海から帰ってきた一人の男がようやく永い夢から覚めて哀れな老人と化していた。



芝「バドー首領、霧島ジョージ。
この40年に渡る数々の犯罪行為により逮捕する!」


K「同じく娘の結城香織、あなたもバドーに加担した罪で逮捕します。」


((ガシャンッ!))


進ノ介「霧島ジョージと結城香織、二人の親子に手錠が掛けられた。」


ベルトさん「これで40年に及ぶバドー事件に終止符が打てたな。
デカレンジャー的に言えばこれにて一件コンプリートというべきかな。」


霧子「デカレンジャー?一体何の話ですか…?」


進ノ介「話せば長くなるぜ、なにせ40年に渡る難事件だからな。」


こうしてバドー首領霧島ジョージ、及び娘の結城香織は特状課のメンバーが見守る中、

警視庁特別科学捜査室のロボット刑事Kと芝のおやっさんの手により逮捕された。

40年という長き歳月を経て解決された一連の事件。

それは決して円満的な解決とはいえないものであった。

だが、それでもスーパー刑事たちの活躍がなければ決して解決できなかっただろう。

ありがとう、スーパー刑事たち!



【エピローグ】


~特別科学捜査室~


進ノ介「ここが特別科学捜査室か。」


霧子「事件解決の挨拶に来たんですけど…なんか騒がしいですね?」


ベルトさん「何かあったのだろうか?」


事件解決から三日後、特別科学捜査室を訪れる進ノ介たち。

だが室内は何故か妙に騒がしかった。

その理由は…



竜馬「やあ進ノ介、遅かったじゃないか!」


進ノ介「竜馬さん!けど竜馬さんがここに!?」


バイクル「隊長だけじゃなかとね!」


ウォルター「既にみんな来ているぞ!」


烈「遅いぞルーキー!」


バン「まったく、一番の後輩が最後に遅れるなんてなってねーぞ!」


ホージー「バン…遅刻の常習犯のお前が言うなよ。」


なんと部屋には既にかつて芝のおやっさんと共に戦ったこの時代のスーパー刑事がいた。

だが何故彼らがここへ現れたのか…?



進ノ介「けど…何でみんなここへ?」


竜馬「キミと同じ理由だよ。事件解決のお祝いにやって来たんだよ。」


バン「けどみんな考えてる事は一緒なんだな。」


烈「まさか全員揃ってくるとは思わなかったがな!」


芝「まったく、若いモンは騒々しいわい。」


そう、事件解決を祝してやってきたのは進ノ介たちだけではなかった。

かつて芝のおやっさんと関わった彼らも同じだったのだ。



スワン「霧島博士って40年以上も前からこんな高性能なロボットを…
同じ科学者としてちょっと尊敬しちゃうわね。」


りんな「ちょっとK!もうちょっと身体整備させてくれない!いいでしょ!」


K「ハ…ハァ…」


進ノ介「ハハ、りんなさん俺たちよりも先に来てKの身体弄りまわしてるよ。」


ウメコ「ねぇ霧子ちゃん…アンタもちゃんと男を捕まえておきなさいよ。
そうじゃないと私みたくねぇ…変な男に騙されるんだから!コンチクショー!」


ジャスミン「ほらほらウメコ。若い子に変に絡んじゃダメだからね。」


セン「やっぱり俺が面倒見るしかないかな。」


霧子「この人たち一体何でしょうか?」


擊「まったく…
俺たち宇宙刑事がこんな部屋の掃除ためだけにわざわざバード星から呼び出すなんて…」


快「こんなの計算ではありえない…」


舟「そうか?俺は可愛い女の子と会えて結構嬉しいけど♪」


烈「ほらほら、文句言うな!お前たち今回は出番無かったんだからな!次頑張れ!!」


親睦を深める仲間たち。

かつては単なる物置だった特別科学捜査室の部屋が見違えるように明るくなっていた。

そんなみんなを見つめながら進ノ介は芝のおやっさんと話した。



進ノ介「おやっさん、長い間お疲れさまでした。」


芝「フンッ、まだまだこれからじゃよ。」


進ノ介「え…これからってどういう意味だよ?」


K「上層部から正式に辞令が下されてね。
この特別科学捜査室を復活させる事になったんだよ。」


竜馬「今まで芝のおやっさん一人だけだったからね。
ロボット刑事Kが復活した事でその役割をまた担えると上が判断したんだよ。」


バイクル「隊長も上の連中に特別科学捜査室復活に口添えしたんだで。」


直人「おやっさん、俺もまたお世話になりますよ!今度は嫌とは言わせませんからね!」


サオリ「お爺ちゃん、これからよろしくね!」


K「おやっさん、またみんなで一緒に頑張りましょう。」


芝「まったく騒がしくなるわい。
まあ孫も警察官になったしのぅ、この子が一人前になるまでもう少し頑張るとするか。」


こうして活動を再開させる特別科学捜査室。

みんながこの事を喜ぶ中、進ノ介は今回の事件でどうしても気になる事があった。



進ノ介「それにしてもおやっさんも人が悪いよな。
あの原子力限定機が偽物だった事をずっと隠してたなんて…
それで本物はどこにあるんだよ?」


芝「本物…?あぁ…それは…実は無くしちまったんじゃ。」


進ノ介「え…?」


烈「ちょっと…おやっさん…?」


竜馬「それ…嘘でしょう…?」


芝「いや、大マジじゃ。
10年前に気づいたら無くなってたわい。だから仕方なく偽物を作ったんじゃよ。」


バン「なんだって――――ッ!?全然一件コンプリートしてねーじゃんかよ!!??」


芝「そんな大声で叫ぶな。
安心せい、どうせあんなモンはバドーマザーが壊れた今じゃ単なるガラクタじゃ。」


進ノ介「いや…それでも地球の生物全てを滅ぼすかも知れない破壊兵器なんだけど…」


呑気にお茶を啜りながらどうでもよさそうに話す芝のおやっさん。

さて、無くしたかと思われた肝心の原子力限定機だが実は意外な場所にあった。



~コバーンベース~


シグナルマン「ハァ…」


シグナルマン「昇進試験…今度こそ受かるかと思ったのに…」


シグナルマン「またダメだった…どうしよう…また女房にネチネチと愚痴を言われるよ。」


シグナルマン「何で落ちるのかな?筆記試験は完璧なのに…」


ここはシグナルマンの管轄であるコバーンベース。

昇進試験の結果を見ながら今日も誰も訪れないであろうこの場所を守るシグナルマン。

そんなコバーンベースの落し物入れだがひとつだけある物が置かれていた。

それはなんと今回の事件でバドーが狙っていた原子力限定機であった!



シグナルマン「最後にここへ人が来たのは確か…」


シグナルマン「10年前に赤座のヤツが変な爺さんと一緒にやってきた時か。」


シグナルマン「あの時、あいつら何か変な物を忘れて行ったんだよな。」


シグナルマン「あいつら、いつになったらこれを取りに来るんだろうか?」


シグナルマン「それにしても…」


シグナルマン「今日も…誰も通らない…」


まさかこの落し物入れに入っている物が地球を滅ぼすかも知れない破壊兵器だとは知らず、

地球は今日もシグナルマンによって(本人すら自覚なく)人知れず守られていた。


スーパー刑事ヒーロー大戦 【完】

これにて本編終了です。

それと今回登場人物が多いので登場人物の紹介をさせて頂きます。



【登場人物紹介】


<全時代の共通人物>


芝大造:階級警部→(2005年以降)指導員


この物語の中心的人物であり2015年では特別科学捜査室所属にただ一人だけ在籍している。

40年前からバドーを追い続けている昔気質の不器用な刑事。


結城香織:自万党議員


1985年より自万党から立候補した女性議員。

その正体はバドー首領である霧島ジョージの娘。


新条強、芝奈美、芝由美


芝大造の娘たちとその婿。

父親からは絶縁されているがその愛情はちゃんと感じていた。


新条サオリ:階級巡査


1995年に生まれた芝大造の孫娘。

彼女の名前はロボット刑事Kの生みの親である霧島サオリの名前から取られている。



<2015年の登場人物>


~特状課~


泊進ノ介/仮面ライダードライブ:階級巡査


特状課に所属する仮面ライダー。

今回は芝大造に駆り出されて一連の事件の謎に迫る。

おやっさんから付けられたあだ名はライダー小僧。


ベルトさん/クリム・スタインベルト


泊進ノ介の相棒。

生前は今回のバドー事件に全て関わっている、ある意味元凶。


詩島霧子、沢神りんな、西城究、本願寺純、追田現八郎


特状課のメンバーであり泊進ノ介の頼れる仲間たち。

今回の物語でも進ノ介の身を案じて色々とサポートしてくれる。


照井竜/仮面ライダーアクセル:階級警視

風都署の超常犯罪捜査課に所属する刑事。

その正体は風都の街を守る仮面ライダーアクセル。

今回の物語では真影からの命令で芝大造の身柄を拘束するために現れた。


~ロイミュード~


真影壮一/フリーズロイミュード


国家防衛局長官兼参議院議員。

今回のバドー事件でバドーへ密かに支援を行った。


ブレン/ブレンロイミュード


ホモ



<2005年の登場人物>


~デカレンジャー~


赤座伴番/デカレッド

通称バン

アリエナイザーを取り締まる地球署所属の刑事で特捜戦隊デカレンジャーのデカレッド。

ファイヤースクワッドに転属されたが諸々の事情でクビ…ではなく転属となった。

おやっさんから付けられたあだ名はツンツン小僧。


戸増宝児/デカブルー


通称ホージー

捜戦隊デカレンジャーのデカブルー。

射撃の腕なら地球署一である。


江成仙一/デカグルーン

通称セン

捜戦隊デカレンジャーのデカグリーン。

逆立ちでのシンキングポーズで事件について思わぬ発想を閃く。


礼紋茉莉花/デカイエロー

通称ジャスミン

捜戦隊デカレンジャーのデカイエロー。

エスパーとしての超能力で今回の事件に多大な貢献をする。


胡堂小梅/デカピンク


通称ウメコ

捜戦隊デカレンジャーのデカピンク。

チームのムードメーカーだが最近婚活が気になり出した様子。

そのせいでこの物語でもあるトラブルが…


ドギー・クルーガー/デカマスター


通称ボス

捜戦隊デカレンジャーを束ねる地球署の署長。

かつては地獄の番犬として犯罪者たちに恐れられた名刑事。


姶良鉄幹/デカブレイク


通称テツ

特キョウ所属でありながら同時に地球署にも所属する若手刑事。


白鳥スワン/デカスワン


地球署のメカニック担当。

今回はその技術でデカマシンをミラーワールドへ召喚させる事に成功する。



~警視庁~


氷川誠/G3-X:階級警部補


かつてのG3ユニットのメンバーにしてアンノウン事件で活躍した刑事。

今回の物語では地球署との合同捜査のために召集された。


一条薫:階級警部補


かつての未確認生命体事件で活躍した刑事。

彼もまた今回の物語では地球署との合同捜査のために召集された。


北條透:階級警部補


かつてのアンノウン事件で活躍した刑事。

その腕を買われて氷川と同じく今回の事件に召集された。


須藤雅史/仮面ライダーシザース:階級警部補


警視庁捜査一課所属の刑事。

だがその正体はかつてのミラーワールド事件で暗躍していた仮面ライダーの一人。

事件の隠滅の傍ら、ウメコに結婚詐欺紛いを働くがそれが仇となり逆にボコボコにされた。


シグナルマン/(本名)シグナルマン・ポリス・コバーン


ポリス星からやってきたコバーンベースに勤務するおまわりさん。

実は後から地球へやってきたデカレンジャーたちを敵視している。


~アリエナイザー~


ジョージ・ヘルズ


かつてのヘルズ三兄弟の末っ子。

まだ幼いが悪事ばかり働く上の兄弟たちを見限り絶縁。

それ以後は地球にてその正体を知られずに生きていた。

2005年の新条サオリには弟のように可愛がられている。

今回の事件ではその出生のせいで無理やり罪を擦り付けられそうになった。


スペキオン星人ジェミニ


過去にデカレンジャーがデリートしたスペキオン星人ジェニオの双子の弟。

能力と姿は瓜二つ。

だが兄と違って弟は犯罪に美学を抱いてはいない。



<1995年の登場人物>


~特警ウインスペクター~


香川竜馬/ファイヤー/ナイトファイヤー:階級警視正


特警ウインスペクター隊長。

かつては日本を守るために活動していたが、

現在はインターポールに召かれて世界で活躍の場を広げている。

今回は正木本部長に召集されて日本へ帰国した。

おやっさんから付けられたあだ名はレスキュー小僧。


バイクル&ウォルター


同じく特警ウインスペクターのサポートドロイド。

名古屋弁を話すバイクルに冷静沈着なウォルターのコンビだ。


~特救指令ソルブレイン~


西尾大樹/ソルブレイバー:階級警視正


ウインスペクターに続いて日本を守った特救指令ソルブレインの隊長。

ソルブレイン解散後は改良型ソリッドスーツ部隊の指導要員に任命され大阪に派遣された。

しかし今回の事件により正木本部長に召集された。


樋口玲子/ソルジャンヌ:階級警視


特救指令ソルブレインの女性隊員。

ソルブレイン解散後は大樹と同じく、

改良型ソリッドスーツ部隊の指導要員として名古屋へ派遣された。


ソルドーザー:階級警部


バイクルやウォルターと同じ人間ではないバリアブル・レスキュードロイド。


~特捜エクシードラフト~


叶隼人/ドラフトレッダー/シンクレッダー:階級警視正


特捜エクシードラフトの隊長。

ウインスペクター、ソルブレイン、から日本の平和を託されている。


村岡耕作/ドラフトブルース:階級警視


特捜エクシードラフトの隊員。

性格はクールだが結構人情派である。


大熊拳/ドラフトキース:階級警視


特捜エクシードラフトの隊員。

三人の隊員の中では一番格闘技に長けている。



田村直人/機動刑事ジバン:階級巡査→ジバンの時は警視正


バイオロンと戦った刑事。

かつてバイオロンとの戦いで重傷を負うが改造手術により機動刑事ジバンとして蘇った。

バイオロン壊滅後は各地を転々としていたが1995年では特別科学捜査室勤務。


正木俊介:階級警視監


レスキューポリスであるウインスペクター、ソルブレイン、エクシードラフトの創立者。

今回もまた新たなレスキューポリスを建てる計画だったがMX-A2の暴走で頓挫する。


ハーレー・ヘンドリクソン


ベルトさんこと生前のクリムの恩師。

実はバドー首領の霧島ジョージの両親からロボット工学を学んでいた。



<1985年の登場人物>


一乗寺烈/宇宙刑事ギャバン


宇宙犯罪組織マクーを倒すために遥か彼方、バード星よりやってきた宇宙刑事。

銀河連邦警察に所属しており、マクー壊滅後は銀河パトロール隊太陽系地区隊長となる。

2015年現在は銀河連邦警察の隊長に就任している。

ちなみに宇宙刑事の中では唯一人の妻帯者でかつての相棒であるミミー結婚している。

おやっさんから付けられたあだ名はあんぱん小僧。


伊賀電/宇宙刑事シャリバン


日本の森林パトロール隊員であったがマクーとの戦いに巻き込まれ重傷を負う。

その後、バード星で治療を受けた際に銀河連邦警察からスカウトされ宇宙刑事になる。

ギャバンがマクーを壊滅させた後は新たに地球地区担当になり、

宇宙犯罪組織マドーを倒すために尽力を注いだ。

実はイガ星の民の末裔でマドー壊滅後はイガ星地区担当となる。

現在は宇宙刑事を引退して後輩である日向快がシャリバンを継いでいる。


沢村大/宇宙刑事シャイダー


ギャバン、シャリバンに続いて地球地区担当になり不思議界フーマと戦った。

ちなみにシャイダーとはクビライと戦った太古の伝説の戦士シャイダーに由来する。

だが実は彼こそが本当に戦士シャイダーの末裔だった事が判明する。

フーマ壊滅後は太陽系地区担当となる。


十文字擊、日向快、烏丸舟


新しく宇宙刑事に任命された若いスーパー刑事たち。

今回は残念ながら活躍の場は無かった。



宇宙警察総裁ウィーバル/魔空監獄獄長アシュラーダ


2005年の時代において頭角を現した魔空監獄獄長アシュラーダ。

だがその正体は、

1985年の時代で暗躍したドン・ホラーの血筋である魔空監獄獄長アシュラーダであった。

1985年、2005年と何度もスーパー刑事の追跡から逃げ延びたアシュラーダ。

だが2012年、宇宙刑事ギャバンはとある海賊戦隊と協力してアシュラーダを倒した。

バドーとも影で手を組んでおり、

地球を壊滅させた後はウィーバルのルートで資源の塊となった地球を売り渡す予定だった。



<1975年の登場人物>


ロボット刑事K


1973年にマザーが警視庁に送った謎のロボット。

バドー壊滅を使命とするK。

今回の物語では1973年のバドー壊滅の2年後に復活したバドーを40年間封印していた。



<バドーのロボットたち>


バドー首領/仮面ライダーバドードライブ


本名:霧島ジョージ

かつてのロボット工学の権威である霧島博士の息子だが悪の道へと走りバドーを組織した。

Kによる封印から40年の歳月を掛けて復活を遂げる。

その際にロイミュードからの技術提供を受けてドライブのライダーシステムを盗用。

バドードライブの能力を得た。


No.110ロイミュード/バドーポリスロイミュード


前作にて登場したNo.119ロイミュードと同じく、

本来なら警視庁で運用されるはずだったロイミュード。

だが、バドーの手により破壊衝動に目覚める。

その後、ネオバイラルコアで結城香織と融合してバドーポリスロイミュードへと進化した。



バドーキャプチャー2005


かつてこの地球で暗躍していたエージェントアブレラが遺した遺産。

だがそれはバドーが用意した素体ロボットに、

クリム・スタインベルトの技術を悪用した巨大ロボットである。


バドーMX-A2


レスキューポリス以後、近未来の犯罪に対応するために開発されたMX-A1。

その2号機がMX-A2である。

だがその正体はバドーが寄越した悪のロボットであった。


バドーモンスター


宇宙犯罪組織マクーがクリム・スタインベルトの技術と、

バドーの素体ロボットを転用して作った最悪のモンスター。



<今回名前のみの登場だったヒーローたち>


MX-A1/特捜ロボジャンパーソン


警視庁が極秘に開発していたMX-A1

残念だがその計画はMX-A1の暴走により失敗に終わった。

だが警視庁特殊装備開発班メンバーであった三枝かおるに改修され、

特捜ロボジャンパーソンとして復活。

人知れず数々の悪の組織と戦ったぞ。


カーレッド/レッドレーサー


激走戦隊カーレンジャーのカーレッド…じゃなくてレッドレーサー。

過去にウメコと…いえなんでもありません。


龍の騎士/仮面ライダー龍騎


かつて須藤と共に戦った13人の仮面ライダーの一人。

その正体はOREジャーナルの記者である城戸真司なのだが、

刑事ではないため今回は活躍する事ができなかった。


マジブルー/小津麗


魔法戦隊マジレンジャーのマジブルー

めでたく結婚したのだが先に抜けがけされたとウメコから目の敵にされている。

これにてこのssは完結です。

これだけ登場人物の多いクロスを書くのは今回限りにしたいです…
二代目ギャバンたちですがやはり初代を目立たせたかったので、
今回は最後にチラッとだけしか出ませんでした。
期待してたらごめんなさい…

それとタイプトライドロンですがこのssでは真影が退場する前に書いてしまったので、
正直本編とはちょっと話の整合性が合わないかも…
このssでは一応未完成なのが負けた理由かなと。

色々と思うところがありますがいずれ本当にスーパー刑事ヒーロー大戦を東映さまに作って欲しいです。
それではお休みなさい。

スーパーヒーロー大戦GP【外伝】仮面ライダーBLACKvs仮面ライダー3号
スーパーヒーロー大戦GP【外伝】仮面ライダーBLACKvs仮面ライダー3号 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434029212/)

久しぶりにてつをさんが活躍するssをどうぞ

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