男「…」ナデナデ 幼馴染「んっ、男?」(51)

男「何?」ナデナデ

幼「えっと、その」

男「ん?」ナデナデ

幼「何で、私の頭なでてるの?」

男「いやぁ…」ナデナデ

男「なんか無性になでたくなってね」ナデナデ

男「と言うことで、あと一時間くらいなでさせて?」ナデナデ

幼「一時間!?」

男「イエス、一時間」ナデナデ

幼(朝、急に誰かに頭を触られたと思ったら)

幼(幼馴染の男が膝立ちで私のベッドの傍に居て)

幼(私の頭をなでなでしていた)

幼(正直意味がわかんないけど…)

幼「ちょ、ちょっと、長くない?」

男「別に長くないんじゃない?」ナデナデ

幼「な、長いよ!一時間は!」

男「まぁまぁ」ナデナデ

幼「ちょっと、喋ってる間くらいはなでるのを…」

男「よしよし」ナデナデ

幼「私の話、聞く気ないの?男」

男「あるよ、何でも話してよ、幼」ナデナデ

男「俺たち、お隣さんで、幼馴染だろ?」ナデナデ

男「何でも聞くよ?」ナデナデ

幼「頭をなでるのを、一旦やめてよぅ、男」

男「まぁまぁ」ナデナデ

幼「まぁまぁじゃなくって!」

男「なでられるの嫌?」ナデナデ

幼「う、嫌…じゃ、ないけど…」

男「あぁ、心が潤うなぁ」ナデナデ

幼「…」

男「あ、幼、ひょっとして眠い?」ナデナデ

幼「…まぁね」

男「眠かったら寝ても良いよ?」ナデナデ

幼「…寝てたのを起こされたんだけどね?」

男「あ、やっぱり寝てたんだ?」ナデナデ

幼「わかってたでしょ?」

幼「私、パジャマ姿で、ベッドで横になってたよね?」

幼「今、多分9時くらいだよね?」

幼「ついさっき、男に頭なでられるまで、寝てたってわかるよね?」

男「まぁ、わかってたけど」ナデナデ

幼「私が心の広い幼馴染で良かったね?男」

男「うん」ナデナデ

幼「年頃の女の子が寝ている部屋に勝手に入ってきて」

幼「いきなり頭をなでるなんて、犯罪だよ?」

男「おばさんが起こして良いって言ってくれたから」ナデナデ

幼「むー…お母さんめー」

男「休日だからって、こんな時間まで寝てるなんて」ナデナデ

男「幼らしくないんじゃない?」ナデナデ

幼「昨夜、やる事があったから…」

幼「ちょっとだけ夜ふかししてたんだよぅ」

男「そうかそうか」ナデナデ

幼「…もう。ちょっと起き上がるから、そこどいて」

男「…」ナデナデ

幼「…」

男「…」ナデナデ

幼「…起こす気が無いんだね?」

男「今の位置が一番なでやすいからね」ナデナデ

幼「私、本当に一時間、このままなでられ続けるのかな?」

男「そうしたい」ナデナデ

男「正確にはあと53分だけど」ナデナデ

男「本当にイヤなら言ってね?」ナデナデ

幼「え?時間測ってるの?」

男「あ、うん。携帯でキッチリ測ってる」ナデナデ

幼「…」

幼「あの…この状態だとさ…」

男「何?」ナデナデ

幼「逆光と手のひらのせいで、男の表情が見えないんだけど…」

男「まぁ、そうだろうね」ナデナデ

幼「男、ホントに楽しい?」

男「楽しいと言うよりも」ナデナデ

男「幸せ…だな」ナデナデ

幼「幸せ?」

男「よく晴れた休日の朝」ナデナデ

男「可愛い幼馴染の頭をなでる事が出来るなんて」ナデナデ

男「俺は幸せだ」ナデナデ

幼「…そうなの?」

男「うん。俺は世界一の幸せ者だ」ナデナデ

幼「…そう、なんだ」

幼(今、可愛いって言われた…)

幼(えへへっ嬉しいっ)

男「お?幼もなでられるの、まんざらでもないのな?」ナデナデ

幼「えっ?何で?」

男「いや、顔が緩んできたからさ」ナデナデ

幼「あ、あぁ、うん。えへへー。頭なでられるの、大好きだから!」

男「そうかそうか」ナデナデ

幼「…」

男「…」ナデナデ

幼「…ねぇ」

男「何?」ナデナデ

幼「…腕、疲れない?」

男「全然?」ナデナデ

幼「…そう」

男「…」ナデナデ

幼「…」

男「…今日は本当に良い天気だなぁ」ナデナデ

幼「男が邪魔で、外の様子が良く見えません」

男「良い天気なんだよ、幼」ナデナデ

幼「ちょっとどいて、窓の外を見せるって言う選択肢はないんだ?」

男「…なでられなくなっちゃうから」ナデナデ





幼「…男、そろそろ時間じゃない?」

男「そ、そうだね」ナデナデ

男「そろそろ、この幸せなスーパーなでなでタイムは終了するね」ナデナデ

幼「スーパーなでなでタイムって…」

男「…幼」ナデナデ

幼「な、なぁに?」

男「今日、何の日か覚えてる?」ナデナデ

幼「今日?海の日でしょ?」

男「それ以外にも、意味のある日なんだけど」ナデナデ

幼「…」

男「…」ナデナデ

幼「男の誕生日って事?」

男「…当たり」ナデナデ

幼「お誕生日おめでとう、男」

男「…うん、ありがとう、幼」ナデナデ

幼「追いつかれたなー。18歳に」

男「追いついたな、18歳に」ナデナデ

幼「…」

男「…」ナデナデ

幼「え?」

男「…」ナデナデ

幼「誕生日の話、終わり?」

男「…む」ナデナデ

幼「む?」

男「あ、あのな、幼」ナデナデ

幼「むー?」

男「俺、今日で18歳になったんだ」ナデナデ

幼「うん。ちゃんと覚えてたよ?」

幼「プレゼントだって、ちゃんと用意してあるからね!」

男「それでね」ナデナデ

男「俺、18歳になったら、やろうと思ってた事があってね」ナデナデ

幼「それが私の頭をなでる事なの?」

男「ち、違う…」ナデナデ

男「…」ナデナデ

幼「それは私に関係する事なの?」

男「あ、あぁ。幼が居ないと出来ない事だよ」ナデナデ

幼「じゃあ、真剣に聞くから、せめて座らせて?」

男「い、いや。このままでいいから、聞いてくれ」ナデナデ

幼「う、うん。聞くよ」

男「…すぅ…はぁ」ナデナデ

幼(深呼吸しながらも、なでるのは止めないんだ…)

男「よし!言うぞ?」ナデナデ

幼「う、うん」

男「お、俺は…お前の事が好きなんだ、幼」ナデナデ

幼「えっ?」

男「小さい頃からずっと一緒で」ナデナデ

男「幼の方は俺の事を…」ナデナデ

男「出来の悪い弟とか思ってるかもしれないけど」ナデナデ

幼「…」

男「俺は、幼の事を…普通の女の子として、好きなんだ」ナデナデ

幼「男…」

男「…」ナデナデ

幼「…ちょっと、本気で、どいて欲しい」

男「…」ナデナデ

幼「お手洗いっ!」

男「あっ、ご、ごめんっ」

幼「…」
ダダッ



幼(はわー!)

幼(男が、私の事、好きって!)

幼(顔が緩むのが自分でもわかっちゃったから)

幼(走ってトイレに逃げてきちゃったけど…)

幼(うー!嬉しすぎるっ!)

幼(り、両想いだったんだっ!)

幼(やったっ!やったっ!)
ピョンピョン

幼(あ!昨日準備したプレゼント!)

幼(丁度良かった!)

幼(わー!幸せの予感っ!)

コンコン

幼母「ちょっと!幼!早くトイレから出て頂戴!」

幼「はっ!?」

幼母「私も使いたいのよっ!」

幼「ご、ごめん。すぐ出るからっ」



幼「…」

男「…」

幼(部屋に戻ったら…)

幼(お隣さんで、幼馴染で…)

幼(私と両想いのはずの男が…)

幼(土下座していた…)

幼(意味がわかんないんだけど…)

幼「あの…男?」

男「ごめん、幼っ」

幼「な、何が?」

男「お、幼…トイレ、相当我慢してたんでしょ?」

幼「え?」

男「だ、だからあんなに必死に走って…」

幼「ち、違う!違うよ、男!」

幼「て言うか、顔上げてよ!」

男「無理だっ!」

幼「え?何で?」

男「今、俺の顔を、幼に見られたくない!」

幼「そんな事言われても…」

幼「じゃあ、私が着替えたいんだけどって言ったら、どうするの?」

男「…あ、あの…ごめん…」

幼「もう!」

幼「それじゃ…」
ガサゴソ

幼「男、これ、誕生日プレゼント!」

男「…」

幼「ほら!ちゃんと受け取ってよ!」

男「…あ、ありがと」

幼「!」

幼「お、男、泣いてたの?」

男「…ごめん」

幼「な、何で泣くの?」

男「今日、幼に告白しようと思ってた」

男「ずっと前から思ってた」

男「いつもなら、起きてる時間なのに」

男「幼、まだ寝てて」

男「寝顔見てたら、恥ずかしくなって…」

幼「それで頭をなでてたの?」

男「…うん」

幼「小一時間も?」

男「…恥ずかしくて、幼の顔、見られなかったんだ」

幼「むー!この照れ屋さんめ!」

幼「18歳のくせに!子供か!」

男「そしたら幼がトイレに行きたいのを…」

男「ずっと邪魔してたのかと思って…」

幼「だから、それは違うってば!」

男「…ほんと、ごめん」

幼「…とりあえずさ、そのプレゼント開けてみてよ」

ガサゴソ
男「こ、これ、指輪?」

幼「ふふふー。コレ手作りなんだよ?」

男「え?マジで?」

幼「お兄ちゃんに教わりながらね、コツコツ作ってたんだ!」

男「幼の兄ちゃん、彫金師だもんな…」

幼「凄いでしょ?シルバークレイって言う粘土なんだよ!」

男「イルカがモチーフのリング…」

幼「男、イルカ好きでしょ?」

幼「だからイルカのデザインにしてみたんだ!」

幼「…どうかな?」

男「これを幼が…すごいよ、幼!」

男「これ、本当に凄く良いっ!」

幼「ふふふー。それになんと…」

幼「じゃーん!私の分も作ったんです!」

幼「ペアリングだよ!ペアリング!」

男「幼…」

幼「…この指輪、さ?」

男「うん?」

幼「左手の薬指に、はめても、良いよ?」

男「え?」

幼「これがさっきの男の告白に対する、私の返事っ!」

男「幼…?」

幼「あ、でも、ちゃんとした言葉にもしておかないとねっ!」

幼「…さっき、走って出て行ったのはねー」

幼「嬉しすぎて、顔が緩むのが自分でもわかったからだよっ!」

男「え?」

幼「緩んだ顔を男に見られたく無かったんだよ!」

男「お、幼…それって?」

幼「私も、男の事が大好きだよっ!」




男「…」ナデナデ

幼「んっ、男?」

男「おはよう、幼」ナデナデ

幼「また、こんな事を…」

男「幼の寝顔が可愛いのが悪いと思う」ナデナデ

幼「か、可愛いのが悪いってどう言う事よ!」

男「何ていうか、自分を抑えられなくなっちゃう」ナデナデ

幼「今日、初デートの日だよね?」

男「うん」ナデナデ

幼「これは、照れ隠しなんだよね?」

男「…」ナデナデ

幼「おりゃーー!」
ガバッ

ギュッ

ドサッ

男「お、幼…」

幼「私だって恥ずかしいんだから!」

幼「わかった?」

男「わ、わかった。ごめん、幼」

幼「それじゃ、私、着替えるから、部屋の外で待ってて」

男「う、うん」

幼「それとも、ここで見ていく?」

男「そ、外で待ってるよ!」

幼「あ、男、ちょっと!」

男「ん?なn

幼「えいっ」
チュッ

男「!」

幼「こ、これで、引き分けだからね?」

男「ひ、引き分け?何が?」

幼「今のキスは…」

幼「照れ隠しへの仕返しなんだからっ!」



おわり

これで終わりです
読んでくれる人が居たら嬉しいです

今回は「1のみを書くスレ」の24さんのレスからアイデア頂きました

次スレは
幼馴染「どうしてこんな事に…」男「…」
ってタイトルで立てると思います

見かけたら読んでくれると嬉しいです

では。

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