【遊戯王TF】遥「コナミさん?」コナミ「……」 (22)

TFSPでなんで一部のモブリストラされたんだろうとかDCとTFSPはなんで会話無しでデュエルばっかなんだろうとか考えてて思いついたネタ
・デュエル無し
・短編
・TF6→→(この辺の話)→→DC→→→→TFSP
・コナミ君はTF1~全部同一人物
・TF6の長谷部遥ストーリーやってないと遥ちゃんが何言ってるのか多分わからない所がある

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遥「こんにちは、コナミさん。何をなさってるんですか?」

コナミ「――」

遥「適当にブラブラしてるだけ? 相変わらずですね、あなたは」

遥「……もし暇なのでしたら、少し私に付き合って貰えませんか?」

コナミ「――――?」

遥「いえ、別に規則がどうとか誰かとデュエルするとかではなくてですね」

遥「少し、あなたとお話がしたいな、と。……ダメですか?」

コナミ「――、――」

遥「……ありがとうございます! それじゃ、早速行きましょう!」


シティ繁華街

遥「ここはいつも賑わってますね」

コナミ「――」

遥「そうですね。皆さんカードを買ったりデュエルしたり……」

コナミ「……」ガチャガチャ

遥「……アイテムターミナルって中身どうなってるんでしょうね、それ」

コナミ「!」


マフラーをゲット!


遥「あ、かわいいマフラーですね」

コナミ「――、――」

遥「え、これを私に?」

遥「えっと、その……」

コナミ「――?」

遥「――はい、大事にしますね。ありがとうございます」


アカデミア

遥「そういえば、コナミさんはアカデミアに通ってたことってあるんですか?」

コナミ「――、――」

遥「ネオ童実野校じゃないけど通ってた? じゃあ卒業してからネオドミノに来たんですか?」

コナミ「――――」

遥「デュ、デュエルが出来そうだったから、ですか……ブレませんね……」

遥「でも、コナミさんの学生時代って想像もつかないんですが、どんな感じだったんですか?」

コナミ「――」

遥「普通の学生生活だった? 本当ですか?」

コナミ「……」

言われて、昔の記憶に少し思考を寄せる。
三幻魔、破滅の光、ダークネス、etc……


コナミ「…………」

コナミ「――――」

遥「今と変わらずデュエルしてた、ですか」

遥「むー……そう言われると信じるほかありませんね……」

遥「コナミさんが通ってたアカデミアにも、麗華先輩みたいな方は居ましたか?」

コナミ「……――、――」

遥「先輩まんまなのが居た? やっぱり、どこでもそういう方は居るものなんですね」

コナミ「……」

遥「? コナミさん?」

コナミ「……――」

遥「いえ、なんでもないならいいんですけど……」


噴水広場

コナミ「――、――?」

遥「え、いつも持ってるけどメガネはかけないのか、ですか?」

遥「いえ……その……」

コナミ「?」

遥「あんまり似合わないというか、なんというか……」

コナミ「――――」

遥「かけてみてほしい、ですか……ではその……少しだけ」カチャ

遥「……ど、どうですか?」

コナミ「――――」

遥「似合ってる? ほ、本当ですか?」

コナミ「――、――」

遥「ありがとうございます。ふふ……」

遥「これなら、ずっとメガネかけててもいいかもしれませんね」

コナミ「?」


サテライト

遥「……」

コナミ「――、――?」

遥「サテライトはまだ苦手か、ですか? いえ、今はそんなこと――」

遥「……いえ、そうですね。まだ、苦手意識はあります」

コナミ「――」

遥「はい、やっぱりまだ怖いです。旧サテライトの方々は」

遥「ふふ、ダメですね。『先輩に追いつき追い抜く』なんて言っておきながらこのままでは」

コナミ「――――、――」

遥「……ありがとうございます。そうですね、『あなたが居れば長谷部遥としてどこまででも行ける』、そう言ったのでしたね、私は」

遥「……でもそれは、いつまでもあなたに頼ってばかりで――」

コナミ「?」

遥「いえ、何でもありません。そろそろ行きましょうか」


WRGP会場

遥「人が居ない大会会場っていうのも不思議な感じですね」

コナミ「――――」

遥「はい、ちょっと前まではWRGPなんて大きな大会をここでやって……」

遥「今でも、あれが夢なんじゃないかって思うことがあるくらいです。あんな大きな大会で私が優勝した、なんて」

コナミ「――、――――」

遥「ふふ、わかってますよ。少しでも大会当時のことを思い出せば、それが本当のことなんだって、すぐに納得できます」

遥「だって、私の隣にはあなたが居たんですから」

コナミ「……」

遥「だ、黙らないでくださいよ! 私が変なこと言ってるみたいじゃないですか!」

コナミ「――……」

遥「むう……確かにこんなこと言うのは私らしくないかもしれませんけども……」


遥「――WTGPに優勝して、WRGPも優勝して」

コナミ「?」

遥「私は、自分に自信が持てました。先輩に追いついて、追い抜いて……」

遥「先輩だけでなく、色々なものを手本にして、もっと素晴らしい長谷部遥になろうと、そう思えるようになりました」

遥「それもこれも、あなたが居てくれたから、なんです。コナミさん」

コナミ「……」

遥「きっと私は、あなたとならどこまででも行ける」

遥「……でもそれは、いつまでも続けられることではないんですよね」

コナミ「――、……」

遥「はい、知ってます。コナミさんが近い内にネオドミノを出ようとしてることは」

コナミ「……」


遥「――私も、この街を出ようと思うんです」

コナミ「! ……――、――?」

遥「いえ、この街のことはもちろん好きです」

遥「だけど――いえ、だからこそ、この街を離れなければいけない」

遥「色んなものを見て、色んなことを聞いて、色んな人に出会って――」

コナミ「……」

遥「コナミさんと一緒に行く、なんて言えればいいんでしょうけど、それは出来ません」

遥「ずっと頼っていてはいけないんです。コナミさんにも、この街にも」

コナミ「……」


遥「……コナミさんは――」

コナミ「?」

遥「コナミさんは、この街を出て何をなさるつもりなんですか?」

その問いかけに、意味なんて無いだろう。
なんと答えるかなど決まっているし、相手もそれをわかっていながら聞いている。

コナミ「――」

――デュエルを。と、ただ一言。
変わらない答え。決まっている答え。

遥「……ふふ、ごめんなさい。そうですね、聞くまでも無いことでした」

けれど、そのわかりきった答えに満足するように彼女は微笑む。
自分が今まで見てきた相手は、自分が今まで思っていた通りの相手だというように。


遥「でも、何の目標も無しにデュエルを続ける、というのは辛くないですか?」

コナミ「? ――――」

遥「ええ、はい。わかってます。あなたがそんなこと苦にもしないなんてことは」

遥「でもダメです。物事には目標があるべきなんです」

コナミ「……」

その言葉は、自分を気遣ってのものというよりは。

遥「そうですね……うーん…………そうだ!」

彼女なりに、別れに対する拒絶感になんとか折り合いをつけようとしているようで。

遥「コナミさん、次に私に会った時に、今よりもっと強くなられていたら、花丸をあげましょう!」

コナミ「――……」

遥「むっ、何度も言いますが花丸をバカにしてはいけませんよ!」

遥「この際ですからコナミさんには花丸の良さと規則遵守の大切さを――」

コナミ「……――……」

―――
――


遥「……もう、こんな時間ですか。寒くなってきましたね」

コナミ「――、――」

遥「はい。マフラー、使わせていただきますね」

遥「コナミさん、今日はありがとうございました。おかげで、良い思い出になりました」

コナミ「――」

遥「そうですね。少し寂しいですが、もうこれで一生会えないってわけじゃ――」

コナミ「! ……」

遥「これで、もう、会えないって、わけ、じゃ……」

そう言葉を紡ぐ彼女の声はどこか震えていて。
言葉とは裏腹に、もう会えないのではないかという不安に苛まれているように。

遥「……すみ、ません。別れ際にこれじゃ、恰好がつかないですね」


コナミ「――?」

遥「はい、もう大丈夫です」

遥「……改めて、次に会えるのがいつになるのかわかりませんが――」

遥「さようなら、コナミさん」

さようなら。彼女がいつも使う別れの言葉。
特に気取ることもなく、いつも通りの言葉を口にする。
また会えると、言外に言っているのだろう。

コナミ「――」

だからこちらも、いつも通りに言葉を返す。
ある種の予感を持ちながらも、それは彼女に言うことではない。

コナミ「……」

そうして、背を向け、彼女の元から去ろうとし――



遥「……――コナミさん」

コナミ「?」


そう言って、自分を呼び止めた彼女の姿はどこか哀しげで。
けれど、それもほんの一瞬。すぐに、今までのように微笑み――


遥「今まで、ありがとうございました」

遥「またいつか会いましょう。私――」


マフラーに隠れた口元が、震えているように見えたのは気のせいか。
今までの記憶にある以上の笑顔をこちらに向け、彼女はただ、一言だけ。


遥「……――私、あなたのことが、大好きです」

―――
――


ハイウェイ

コナミ「……」

彼女と別れた後も、ネオドミノを出るまでに、今までタッグを組んだ何人かに会った。

コナミ「……」

共通して皆が言っていたのは、ネオドミノを出る、ということ。
目指す所は違っても、皆が皆、自らの目的を決めて旅立とうとしていた。
そして、予感は確信に変わった。もう、彼ら彼女らが「コナミ」と会うことは無い。

コナミ「――……」

仮に出会うことがあったとしてもそれは、「コナミ」であって「コナミ」でない。
こちらが相手を知っていても、向こうはこちらを知らないだろう。
相互に認識ができないのなら、今生の別れと何が違おう。

コナミ「……」

そんな歪な別れ方。もうこれで――三度目か。
アカデミアを出て一度。ネオドミノで一度。そして今回。
今更何かを思うこともない。ただ――


――次に私に会った時に、今よりもっと強くなられていたら、花丸をあげましょう!


自分しか覚えていないことだけど。
次に彼女に会うことがあった時のために。

コナミ「――」

約束を守る程度はまあ、いいだろう。
ただ、いつも以上に。ただ、今まで以上に。

コナミ「……デュエル」




――私、あなたのことが、大好きです


自分しか覚えていないのだから。

コナミ「――……」

それくらいは、いいだろう。

終わり。
リストラされた中から出したのが遥ちゃんな理由は俺がTFモブで一番好きなキャラだからってだけで他に意味は特に無い。
十数レスですが読んでくださった方はありがとうございました。

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