歩「家族だ」(72)

歩「絶好のゾンビ日和…略してゾン日和だな」prr

歩「おっと電話か…はい、歩ですけど」

大先生「あ、アユムさんですかぁ?」

歩「ん、大先生。何か?」

大先生「実はぁ、お願いしたい事がありましてぇ…」

歩「はい。なんでも頼んでくださいよ」

大先生「ほんとですか!さすがアユムさんですねぇ。話が早くて助かりますぅ~」

歩「それで、お願いしたい事っていうのは?」

大先生「もうすぐで着くと思いますからぁ、後はそちらにお任せします~。では~」

歩「着く…?」ピンポーン

歩「うん?宅配便かねぇ」

歩「今出ますよ~っと」ガチャ

京子「こんにちは、相川さん」ニコッ

歩「き、京子!?」

京子「そ、そんなビックリしなくてもいいじゃないですか」

歩「だってお前、何百年とかの刑期があるんだろ?」

京子「もちろんです。もしかしたら此処一帯、草原になった頃出てこれるかもしれない位ですよ?」

歩「じゃ、じゃあなんで」

京子「まあまあ、立ってお話も何でしょう?まずは家に上がらせてくれませんか?」

京子「お邪魔しま~す…あれ、他の子達は居ないんですか?」

歩「今さっき買い物に出て行ったから、しばらく戻んないぞ」パタパタ

京子「へぇ…」

歩「ハルナに用事でもあったのか?」ジャー‥キュッ

京子「それだけで、大先生は牢屋からは出してくれませんよ」クスッ

歩「ほら、お茶でいいよな」コト

京子「あ、ありがとうございますね」

歩「んじゃ、どうしてここに?」ゴクゴク

京子「相川さんと暮らしたいって言ったらokでましたよ?」

歩「」ブフーッ

京子「冗談ですってばぁ」ケラケラ

歩「おま、心臓に悪いだろ!」

京子「大丈夫です。相川さんはゾンビですから」グッ

歩「いやガッツポーズされてもな…」

京子「あはは、冗談は置いておいてですね。先生の仕事の関係ですよ」

歩「大先生の?なんかあったのか」

京子「私は先生の管轄下なんですけど、先生が少し忙しくなっちゃうみたいで」

歩「それで俺に世話を任したい…って感じか」

京子「察しのいい人、好きですよ。相川さん」

歩「にしても良いのかね。俺だって別世界の一般人なんだが」

京子「とんでもないです。相川さんはもう、先生にとって右手のような人ですもん」

歩「な、なんか照れるな」

京子「…」モヤ

京子「いたぶりがいのありそうな生徒ですぅ~、とかも言ってましたね」シレッ

歩「あふん」

京子「い、一応、信頼は出来ますから。たまにスケベなのが引っ掛かりますけど」

歩「まいったな…」

京子「とにかく、そういうことですから。これからお世話になりますね」ペコリ

歩「ま、そーゆーことなら歓迎するさ。ようこそ、京子」

京子「はい。よろしくお願いします」

歩「ところで、着替えの服とかはあるのか?」

京子「替えが一着しかなくって…良かったら一緒に買いに行きません?」

歩「おう、もちろんだ」

京子「じゃあじゃあ、さっそく行きましょう!」グイグイ

歩「おいおい引っ張るなって!んな急かさなくてもいいだろ?」

京子「ダメですよ、時間が経つのは早いんです」

京子「相川さんって、意外と洋服のセンスあるんですね」

歩「意外とは心外だな。これでもユーやハルナの服を選んでやる事もあるんだぜ」

京子「…」ムー

歩「どうした?」

京子「私と居る時に、他の女の子の話はしないで下さい」ギュウ

歩「お、おい腕を掴むな。荷物が持ちにくいんだが」ガサガサ

京子「知りません。相川さんが責任もってきちんと持っていてください」ギュー

歩「んな無茶な…」ヨタヨタ

京子「…ふふ」

歩「一通り買ったが、買い忘れは無いか?」

京子「そうですね…あ、大事な物を忘れてました」ポン

歩「ん、なんだ」

京子「確か先生一押しの店があったはず。あ、こっちです」

歩「大先生の?なんだろうか」

京子「見てからのお楽しみですからね」

京子「どれにしようっかなあ…」

歩「…」ダラダラ

京子「うーん…あっちもいいけど、これもいいですね」

歩「なあ、京子」

京子「なんですか?相川さん」

歩「ここは一体どこなんだ…」

京子「あれ?来た事無いんですか?ランジェリーショップですよ」

歩「周囲の視線で俺の心臓がマッハなんですけどっ?」

京子「大丈夫です。相川さんは私の連れ添いで来てるんですから」

歩「全然大丈夫じゃなくね?」

京子「心配性ですね…なら相川さんが選んでください」

歩「何を」

京子「決まってるじゃないですか。私の下着ですよ」

歩「俺外で待ってるから」ダッ

京子「そうはいきませんから!」シュッ

歩「いつの間に回りこんだ…!?」

京子「逃がしませんよ?早く店を出るには、相川さんが私の下着を選んでくれないと」

歩「ぐぐぐ…」

京子「諦めてくれました?じゃあ早速、ここのサイズなんですけど…」カチャカチャ

歩「周囲の女性が羨ましそうな視線に変わったぞ…」

京子「そうですか?ただ大きいと困るだけなんですけど」タユン

歩「ひいぃっ?殺気!周囲の殺気が!」ビクビク

京子「相川さん、店内では静かにしてください」

歩「誰のせいだよ!」

京子「やっぱり黒かなって思うんですけど、どうですか?」

歩「ああうんいいんじゃないかな」

京子「でもこっちの赤もいいかなって」

歩「おおそうだなおれもどうかんだ」

京子「…日本の首都は?」

歩「それもいいなうんぴったりだ」

京子「もー!真面目に選んで下さい!」ポカッ

歩「無茶言うな!」

京子「相川さんはどんなのが好みなんですか?」

歩「そんな事聞かれてもな」

京子「いいじゃないですか。参考にしますから」

歩「うーん…これとか」

京子「ふうん…ストライプが好きなんですか?」

歩「いや別に、なんとなくだ」

京子「でもー、ストライプって中途半端ですよね。一色に決めるべきだと思います」

歩「!」クワッ

歩「違う、違うぞ京子。ストライプってのは逡巡ではなく、自然淘汰の深淵だ」

歩「単色では実現し得ないコントラスト、俺はそこをインシストする」

歩「いざ目にしたとき、普通は一色の単調な下着だと思うだろ?」

歩「でもストライプは違う。そんな常識を打ち破り、新世界をスカート内に創造するんだ」

歩「これを見てみろ。鮮やかな白と緑の淡色な旋律が心地良いだろう?戦慄もんだな」

歩「だから縞パンには夢が詰まってんだ。どうだ、感動するだろ!」

京子「…」

歩「…」

歩「あわわわわわ…」ガタガタ

キャーナニアレ ヘンタイヨヘンタイガイル カノジョサンモフビンダワ

歩「おろろろォーン…」オロオロ

京子「ぷっ…あははは!相川さんはほんとにおかしな人です!」ケラケラ

歩「ちが、断じて違うっ!」

京子「分かりましたっ。相川さんが選んでくれた、このストライプのにしますね!」

歩「もう好きにして…」ガックリ

歩「ただいまーっと」

京子「よいしょっと…」トコトコ

歩「?」

京子「はい、おかえりなさい。相川さん」

歩「なにやってんだ?」

京子「えへへ…これ、一度やってみたかったんです」

歩「はは、変なヤツだな」

京子「相川さんには負けます」クスリ

歩「ええと…部屋どうすっかな」

京子「別に、居間にごろ寝でも構いませんよ?」

歩「そりゃ悪いだろ。俺がここで寝るから、俺の部屋使うといい」

京子「でも追い出してるみたいで、気が引けます」

歩「気にすんなよ。俺はゾンビだからな。どこででも寝られるぜ」

京子「ダメです。せめて一緒に寝ましょう!」

歩「もっとダメやん」

京子「そうですよ、名案です。一緒に寝れば問題解決です」

歩「ハルナといい、魔装少女ってちょっと頭が変だろ」

京子「もう、失礼ですよ。おかしいのはハルナくらいです」

歩「いやいやお前も充分だ」

京子「おかしくないです。だから一緒に寝ましょう」

歩「やっぱりおかしいわ」

京子「むー」プクー

歩(ちょっと可愛い)

セラ「ただいま戻りました」

ハルナ「ハルナ様のお帰りだ!」

ユー『ただいま』

歩「おう、おかえりみんな」

ハルナ「バユム!凱旋門ぐらい用意しとけよな!」

歩「お前は常勝将軍か」

セラ「歩。靴が一人分多いようですが?」

歩「ああ、実はな」

京子「こんにちは。皆さん」

ユー『あなたは たしか 魔装少女の』

ハルナ「なんであんたがここにいんだ!」

セラ「牢に入れられたのはずでは?」

京子「ご挨拶ですね…まあいいです。私は今気分が良いので許してあげます」

ハルナ「珍しいな…まさか歩がまともになったとかか!」ガビーン

セラ「それはおめでたいですね。今夜は祭りです」

歩「おい」

京子「それはちょっと困るかな…実は相川さんと一緒に寝ることになりましたので」

ユー『それは 無い』=『お兄ちゃんとはユーが寝るの!』

ハルナ「またセクハラかっ!ナポエロンかっ!」ゲシッ

歩「それはちょっと無理があるだろっ」

歩「っていうか京子。誰もそんなこと言ってないぞ」

京子「もう決めちゃいましたから。決定事項でーす」ニコニコ

セラ「また厄介な…居候が増えましたね」

ユー『今 ライバルって 言おうとした』

セラ「ヘ、ヘルサイズ殿!」アタフタ

ハルナ「葉っぱの人なんで焦ってんの?」

京子「愛されてますねえ相川さん」

歩「ちっと分けてやりたいぐらいだ」

京子「ダメです。よければ私からもたくさんプレゼントしますよ?」クスッ

歩「…勘弁してくれ」

───。

歩「ナイスなバディ~、見よエブリバディ~っと」ジュージュー

京子「私も手伝いましょうか?」

歩「いや、すぐできるから座ってていいぞ」

京子「そうですか?なら相川さんを見てますね」

歩「おいおい、俺なんか見てても面白くないだろ」

京子「そんなことないです。相川さんは見てるだけで面白い人です」

歩「褒められてんのかね」

京子「もちろんですよ」

歩「よし出来上がり。晩飯にしようぜ」

京子「はい。私、食器並べておきます」

歩「お、悪いな」

ユー『お腹 すいた』=『ユーね、お腹と背中がくっ付いちゃいそうなの~!』

歩「おお、今できたからな。早く食べようぜ」

ハルナ「おっしゃ!今日はバリバリ食うからな!」フンス

セラ「この香り…どうすれば出せるのでしょうか?」

歩「まずは金属類を混合するのをやめような」

歩「吸い物のおかわりあっからな」

京子「あ、お願いします」

セラ「私にも是非」

歩「おう」

ハルナ「アユム!ご飯めっっちゃおかわり!」

歩「そんなに自己主張しなくても、ちゃんとあるぞ」

ユー『これ 何』

歩「ああ、そりゃナスの漬物だ。美味いぞ」

ユー『そうは見えない』

歩「そうか?ほら、好き嫌いせずまずは一口」スッ

ユー「…」アーン ハム

京子「!」

ユー『悪くない』=『思ったより美味しいかも!お兄ちゃんのおかげかなっ』

歩「だろ?愛情込めて作ったからな」

京子「…」

セラ「どうかしましたか?」

京子「いえ…別に」モグモグ

ユー『もう一つ』アーン

歩「しょうがないな。ほら、あー…」

京子「ユーさん、この海老美味しそうですよ」

ユー「むぐ」

ユー『歩の ナスが良かったのに』モグモグ

京子「それは私が貰ってあげます。さあ相川さん」

歩「ああ、ほれあーん」

京子「あーん」ハムッ

京子「ほんと…これ美味しいですね!」

ユー『私が 食べたかった』

京子「代わりにしその天ぷらあげますよ?」

ユー『歩のナスが良い』

京子「…」バチ

ユー「…」バチバチ

歩「ふ、二人ともまだおかわりあっから…」

ハルナ「なあ、なんであの二人は視線で戦ってんの?」モグモグ

セラ「痴情のもつれですね」ズズー

ハルナ「火スペかっ!」ビシッ

歩「あれー?俺なんか叩かれるような事したーっ?」

セラ「ふう。次、お風呂空いてますよ」

京子「あ、ありがとうございます」

ハルナ「葉っぱの人!今テレビに葉っぱの人の仲間映ってるから!見てみ!」

セラ「では、テレビでも見ていますか」

ハルナ「もう大変なんだ!アンリミテッドクローとか使ってんの!」

セラ「それは…鈎爪のことですか?」

歩「セラあがったのか?なら京子、入ったらどうだ?」

京子「相川さんこそ、先にどうぞ」

歩「ん、そうか。なら先にもらうかな…」ガララ

京子「よし…」

ユー『そうは いかない』

京子「ユーさん…!」

ユー『歩を誘惑するのはやめて』

京子「誘惑だなんて。私はただ、お返しがしたいだけですよ」

ユー「?」

京子「あの人にはお世話になりましたから。背中でも流してあげようかなって」

ユー「…」

京子「ユーさんも普段お世話になってるんじゃないですか?なら一緒にどうです?」

ユー「…」

ユー『乗った』

歩「ふんふふーん」ザバーッ

京子「失礼しますね」

ユー『お邪魔します』

歩「まずは落ち着け」ポム

京子「え、至極落ち着いてますけど…」

ユー『同じく まず落ち着くのは歩』

歩「無理ですはい、なんで二人はバスタオル一枚で入ってきてるんです?」

京子「二人でお背中を流してあげようと思って」

ユー『いつもの お礼に』

歩「もうその姿でご褒美というか…いや違う。俺入ってるから!」

京子「知ってますよ。じゃないとご奉仕できないじゃないですか」

ユー『まず私から タオルを』

京子「いいですよ、はい」

ユー「…」ゴシ

歩「はふん」

ユー「…」ゴシゴシ

歩(力加減が絶妙な…)

京子「相川さん変な顔してます。気持ち良いんですね」クス

ユー「…」バシャー

歩「ふはー」

歩「ありがとな、ユー」

ユー『問題ない』=『えへへ、お兄ちゃんのためなら何でもしちゃうよ!』

京子「じゃあ今度は私が前洗いますね」

ユー「!」

歩「それはいいですはい」

京子「遠慮はいりませんから。ね?」

歩「遠慮しなきゃダメな場合もあるだろ!」

京子「や、歩さんは…変な時に遠慮するクセがあって、こま、ります…」グググ

歩「いやああああ!見られちゃうぅ!」ギュー

ユー『頑張れ歩』=『負けないで!お兄ちゃん!』

歩「タオル死守した…」ゼエゼエ

京子「なんでそんなにガード固いんですか…」ゼエゼエ

ユー『歩の勝利 諦めて』

京子「なら一緒に浴槽入っちゃいましょう」

ユー『どうみても一人用』

京子「頑張れば入れます!」

歩「その努力を何故別の方向に向けられない」

京子「さあさあ相川さん、早速入りましょう」

歩「無理だろ…ただでさえ狭いのに、いろいろとサイズ的に」

京子「詰めればきっと入れます!」タユン

ユー「…」ペタ

歩「なんかユーが心なしか影を背負ってるんだが」

京子「?」

歩「分かった、髪洗ってくれ、それで勘弁してください」

京子「む、まあしょうがないですね。このままのぼせてもいけませんし」

ユー『それがいい』

京子「じゃあ、洗いますよー」シュコシュコ

歩「ああ。頼む」

京子「よいしょっと…前からしますね」ワシャワシャ

歩(絶景ポイントですね)

京子「相川さん意外と髪ありますねー」タユタユ

歩(目の前で巨峰がふたつ…)

ユー「…」ツネリッ

歩「あイタっ!」

京子「ご、ごめんなさい」

歩「あ、そっちじゃないんだ。ちょっと足ぶつけちゃって」

京子「そうですか?」

ユー『歩 にやけすぎ』=『もー、お兄ちゃんのえっち!』

歩「…すみません」

京子「よーし、流しますね」ザバー

歩「じゃあ、俺は先に出るからな。二人はもうちょっと入ってな」

京子「はい」

ユー『わかった』

京子「ふう…」チャポン

ユー「…」チャポン

京子「良いお湯ですね~…」プカリ

ユー「…」ジー

京子「…どうかしました?」タユン

ユー『少し分けて』

京子「えぇっ?」

京子「…ところで、そのメモ帳、ふやけてきましたよ」

ユー『予備ならいくらでもある』

京子「…そうですか?」

ユー『そっちこそ 歩の誘惑ばかりしていると その胸がふやける』

京子「ええー…。そこまで言います?」

ユー『男は狼 歩はオオクニヌシ』

京子「あは、相川さんは信用があるんですね」

ユー『冗談』

京子「ふふ、わかってますよ」

京子「さっぱりさっぱり」フキフキ

ユー『胸元が さっぱり』フキフキ

京子「…やけに引っ張るんですね。コンプレックスなんですか?」

ユー『歩が振り向かない』

京子「あの人凄くむっつりですもんね。でも大丈夫ですよ」

ユー「?」

京子「胸なんか無くても、ちゃんとユーさんの事見てくれてます」

ユー「…」

京子「信じられませんか?じゃあ、こうしましょう…」ボソボソ

ユー「…!」

39
歩「ふわ…そろそろ寝るかね」

京子「もうお休みですか?」

歩「ん、まあな。お前も早めに寝ろよ?」

京子「んふふ…もちろんです」ニコリ

歩「んじゃ、お休み」

京子「はい。お休みなさい」

ユー『お休み』

京子「…」

ユー「…」ウズッ

京子「まだですよ。寝付くまで待ちましょう」

ユー『歩は 寝付くのは早い』

京子「んー、ならそろそろ良いですかね」

ユー『突撃』

京子「はい。静かにいきましょう」

ユー『ドジは踏まない』

京子「私だって。こんなチャンスは二度とありませんからね」

ユー「…」ソロソロ

京子「…」ヌキアシサシアシ

ユー『こっち』クイ

京子「確かこの部屋でしたよね」ソロリ

ユー『ゆっくり』キィィ

京子「相川さんらしい、質素な部屋です」クス

ユー『歩はぐっすり』

京子「じゃあ、始めちゃいましょうか」

ユー『ラジャー』コクン


京子「んん…ちょっと狭いです」モソモソ

ユー『無理にでも詰める』イソイソ

京子「そうは言ってもぉ…」

ユー『だからその胸は邪魔だと』

京子「今はいいじゃないですかぁ…」

ユー「…」イソイソ


歩「ううん…」ゴロ

ユー「…!」ビクッ

京子「あ、そっち向いちゃいましたね」

ユー「…」ドキドキ

京子「あは、そんなに緊張しなくても」

ユー「…」フルフル

京子(小動物みたいでかわいー)


歩「…んぁ」ゴロ

ユー「…」シュン

京子「今度はこっちに…寝顔、いただきましたよ相川さん」

歩「ん~…」ムギュ

京子「わひっ」ピクン

ユー「!」

京子「わ…や…」フルフル

京子(だ、抱きしめられました…)ドキドキ


京子「ち、ちょっと…相川さん。抱きしめる相手間違えてます」グイグイ

ユー「…」グイグイ

歩「うぐぐ…」ギュー

京子「やあぁあわぁっ」ビクビクッ

ユー『歩は寝癖が悪い』

京子「そういう事は早く言ってくださいっ…!」グイグイ

歩「…んぐ」スリスリ

京子「ひんっ…擦り付けるのやめっ…!」

ユー『眺めは悪くない』

京子「た、たすけ…!」グイグイ


ユー「…」ジー

京子「見てないで助けてぇ…」グイ

歩「んぐ…」ギュー

京子「やあ…また強く…!」ペシペシ

ユー『抵抗が弱くなってきた』
京子「…!」ピクン

歩「ふぐぁ…」

京子「…もう諦めます」パッ

ユー『それが賢明』


京子「…」

ユー「…」

歩「くかー…」

京子「なんだか、愛しくなっちゃいますね」

ユー『賛同せざるをえない』

京子「くすっ…私達も寝ちゃいましょうか」

ユー「…」コクリ

京子「おやすみなさい…」

ユー『おやすみなさい』


―――――。

歩「ん…」モソ

歩「なんか…柔いモノが」ムニ

京子「ふ…」ピクン

歩「…」

京子「…んん」ギュウ

歩「…待て待て」グイグイ

京子「んー…」ギュウ!

歩「待ってぇ…っ!」グイグイ


歩「と、とにかく逃げないと…」ガシッ

歩「えっ」

ユー「…」クー

歩「あばばば」

ユー「…」クー

歩「ユーってこんなに力あったっけっ?」グイ

ユー「…」ギュッ

歩「あ、今幸せだわ」ホワ


京子「すー」ギュウ

ユー「くー」ギュッ

歩「昨日は何があったんだろう…」

歩「京子がまたなんか企んだとかか?」

歩「…ったく」

京子「ん…相川さん…」

ユー『…あゆむ』

歩「…ま、しゃーなしだな」


歩「ふう…何とか脱出に成功したぞ」

歩「朝飯作んないとな」

京子「相川ふぁん」フラフラ

歩「うぉ、京子か」

京子「んん…ふぁ」フラフラ

歩「おい、ふらついてるぞ?大丈夫か?」

京子「わたっ」フラッ

歩「危なっ」 ガシ

ドシン!


歩「いてて…」

京子「ん…あ、私…」

歩「大丈夫か?寝ぼけてたぞ」
京子「あはは…すいません」

歩「大丈夫ならいいんだけどな。あと、できれば早く起き上がりたいなと」

京子「あ…」

歩「頼む。こんなとこ誰かにみられたら…」

ユー『歩 飯の用意を』ピタ

歩「あ」


ユー「…」

歩「ち、違う。違うぞユー」

京子「えーっとですね…」

ユー「…」スタスタ

歩「ひぃっ!命だけは!」ビクビク

京子「って、あら?」

ユー『私も混ぜて』ススス

歩「なんでやねん」

京子「あは、そうしましょうか」

歩「じたいがはあくできない」

ハルナ「…で?朝からセクハラとか味噌汁の出汁にされたいのか?」

歩「滅相もございません…」

セラ「粘着力の失せたガムテープのような男ですね、あなたは」

歩「えっと…付箋ぐらいはあるかなって…」

セラ「は?」

歩「ごめんなさい!夢見ました!」

京子「あのー、相川さんは悪くないですよ」

ユー「…」コクコク

セラ「はあ…まぁ、今更な気がしますけど」フー

ハルナ「確かになー…変態度はaaa級だよな」ウンウン

歩「魔装少女が複数人必要なのかよ!」

京子「うーん、ハルナと私と先生でやっと押さえ込めそうですよね」

ユー『私なら 歩を一人で扱える』

セラ「ヘルサイズ殿、それはあまり自慢にはなりませんが…」

歩「俺は変態でいいからさ、もう飯にしましょうよ」

セラ「確かに、ほどよい時間です」

ハルナ「よっしゃ、今日もめっちゃ食うからなー」

京子「楽しみですね」

ユー『歩の料理は美味』

京子「ますます期待ですよ」

歩「んじゃ、飯にしよう」

ハルナ「はー、もうこれ何杯でもいけるだろっ!」ガツガツ

セラ「やはり朝は味噌汁に限ります」ズズ

ユー『また一段と 腕を上げた』

歩「はは、ありがとな」

京子「やっぱり美味しいですね。相川さんはすごいです」

歩「褒めても何もでないぜ?」

京子「あはっ!じゃあ代わりにお漬物いただきますね」

大先生「あ、私の分もお願いしますぅ」

歩「はいよ、すぐ用意する…ん?」

京子「先生!?」

歩「い、いつの間に!」

大先生「あらあら~?一緒に、いただきますって言いましたよぉ」

ユー『まったく気付かなかった』

セラ「気配をここまで消しますか…」

歩「ってか、仕事があるんじゃ?」

大先生「あ、はい~。それならもう終わらせましたから、大丈夫ですよぉ」

歩「え?ってことは…」

京子「…帰るんですよね」

大先生「はい、そうなります~」

大先生「すみませんねぇ、アユムさんにそう何日も迷惑をかけるわけにはいきませんからぁ」

歩「とんでもないっすよ」

ハルナ「なんだよ、もう帰るのか?」

セラ「えらく急な話ですね」

ユー『どうせなら あと一日くらい』

大先生「さすがに、服役中の子を預けるのは沽券に関わるといいますかぁ…」

京子「そう、ですよね」

大先生「ごめんなさい」

京子「…いえ。先生は悪くないですから」

歩「…とりあえず、飯を食ってからにしよう」

大先生「そうですねー。あ、私は卵かけごはんでお願いしますぅ」

セラ「…」

ハルナ「…」

ユー「…」

京子「…」

京子(そうですよね。帰るんですよね、私)

京子「ごちそうさまでした」カチャ

歩「おう、お粗末様」

大先生「急かすようで申し訳ないんですけどぉ…ヴィリエから催促きてますので…」

京子「はい、すぐ行きます」

ハルナ「なんかあっというまだった気がするなー」

京子「私もですよ」

セラ「慌しかったのは事実ですが…悪くはありませんでしたよ」

京子「そういってもらえると、嬉しいです」

ユー『次は 負けない』

京子「ふふっ…次が楽しみです」

歩「…京子」

京子「相川さん…相川さんは優しいです」

歩「え?」

京子「私のこと、温かく迎えてくれたから。ほんとーに、感謝してます」

歩「よせよ、照れるだろ」

京子「本音ですってば。でも、なんでですか?」

歩「なにがだ?」

京子「私は、いっぱいあなた達に迷惑かけたのに。どうして、そんな優しくしてくれるんですか?」

歩「どうしてってなぁ…」

ハルナ「うーん、こりゃあたしみたいな天才じゃなくても分かるだろ」

セラ「ふふふ…さすがに気恥ずかしいものですが」

ユー『でも せっかくだから 伝えてあげて』

歩「そうだな…京子」

京子「はい…?」

歩「一緒の家に住んでさ、一緒にお話したり、一緒に遊んだり」

歩「ご飯食べたり、じゃれあってさ。これって…何だと思う?」

京子「…それは」

歩「決まってるだろ?」


歩「家族だ」

京子「…!」

歩「そういうわけだからさ、気にしなくていいぞ」

京子「相川さん…」

大先生「…」ニコニコ

歩「また、帰ってこいよ?」

京子「…はいっ…はい!」

歩「大先生、次はいつごろですかね?」

大先生「う~ん…困りましたねぇ…」

大先生「あぁ…確か来月ごろにぃ、ちょっと用事がありましてぇ…また誰かにこの子を預かってもらわなくちゃいけませんねぇ」

京子「…先生!」

歩「ありがとうございます!」

ハルナ「どうせなら毎日くればいいのに」「

セラ「いえ、歩の気持ち悪さを味わうのは4年に一度でいいぐらいです」

ユー『歩は オリンピック級』

歩「うん、フォローになってないから」

京子「…くすくす」

京子「相川さん」

歩「おう」

京子「また、帰ってきてもいいですか?」

歩「もちろんだ、何たって──」

京子「家族、ですもんね!」

了。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月26日 (金) 17:58:56   ID: x6Uv9Vmm

なんか和むわ、乙

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