楽「ニセコイはもう終わりだ」 (76)

ニセコイssです。
アニメ2期記念に書きます!
基本的には楽×千棘ですので、よろしくお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430803561

俺はこいつが嫌いだった。

暴力的だし、ガサツだし、ゴリラだし、全っ然好みでも何でもなかった。

だけど……。

千棘「……ん?どうしたの?」

楽「あ、わりぃ。起こしたか?」

色々あった。

友達作り手伝ったり、林間学校では成り行きで裸も見ちまった。

海でコイツを本気で怒らせた。

そして文化祭を経て仲直りした。

コイツの母ちゃん、花さんの秘書もやった。

他にもたくさん、たくさん色んなことを経験してきた。



千棘と二人で。


千棘「んーん、それは別にいいけど…まだ寝ないの?」

楽「…なんか色々考えてたら寝付けなくてなぁ」

千棘「……」

いつの間にか、千棘が隣にいることが当たり前になっていた。

隣にいることが自然で、当然のことで、だから高校時代の俺は、無意識の内に考えないようにしていたのだろう。

千棘「…なに考えたの?」

楽「ん?…高校時代のこととか」




千棘「……………ふーん」

楽「……別に他の女のこと考えてたってわけじゃないけど?」

千棘「なっ!べ、別にそんなこと思ってないわよ!勘違いしないでくれる!?」

楽「……へいへい」





コイツを女として見ることを。

千棘「別に私が嫉妬とか……そんなのするわけないでしょ!アンタとは別に恋人ってわけじゃないし!」

楽「………」

千棘「な、なによその目は!ぶん殴るわよ!?」

楽(嫉妬なんて一言も言ってはいないんだが……まぁいいか)

楽「…悪かった悪かった、俺の勘違いだったよ」

千棘「ふん!…わ、わかればいいのよ」プイ

楽「……」



俺たちは大学生になった。



関係は相変わらず、偽物のカップルであり、偽物の関係である。

だけど……。



千棘「……ねぇ」

楽「…んだよ?」

千棘「………………ホントに他の子のこととか考えてなかったのよね?」

楽「……」

千棘「……」

楽「…考えてねーよ」

千棘「嘘だ」

楽「嘘じゃない」

千棘「間があったもん」

楽「ちげーよ、まさかもう一度聞かれると思わなくてビックリしただけだ」

千棘「眼が嘘吐いてる眼だもん」

楽「どんな眼だよ」

千棘「抱いて」

楽「……」

千棘「もっかい抱いてよ、楽」

楽(……こりゃ明日の1限はサボりかなぁ)


ちょっぴり、良くない関係に発展している。



ーーーーーーーーーーーーーーーー




第1話 ドウセイ


楽「は?同棲??」

楽の父「おう、急で悪りぃけど、そういうことになったから明日から嬢ちゃんと2人で頑張ってくれや」

楽「待て待て待て!!なんだよそれ!?そんな話一言も聞いてねぇぞ親父!?」

楽の父「だから急で悪りぃって言っただろ?」

楽「軽過ぎるだろ!?」

俺は無事、志望していた大学に合格していた。

実家から通うには少し遠い。

そして、同じ大学に合格したのは桐崎千棘。

俺の彼女。

偽物だけど。

楽の父「と、言ってもな〜?向こうともそういう話で進めちまったし、もうどうしようもねぇんだ、諦めも肝心だぜ楽?」

楽「いやいやいやいや!?流石にそれはマズイだろ!?親父達は俺たちの関係知ってるだろ!?なのに同棲なんてー」

楽の父「皆が怪しんでる」

楽「…え?」

楽の父「3年付き合ってまるで進展してねぇカップルなんて普通いねぇからな。流石にアイツらもおかしいと思ったんだろうなぁ」

楽「じゃ、じゃあー」

楽の父「下手すりゃ戦争だ」

楽「!!」

楽の父「…楽よ、すまねぇがこちとら命かかってんだ。後4年間、嬢ちゃんと同棲してくれ。同棲まですりゃ流石にアイツらも疑うなんてこたぁねぇだろうしよぉ」

楽「…ち、千棘はなんて?」

楽の父「……本人に聞いてみな」

楽「……」

楽(あと4年も同棲だと!?いやいやいや無理無理無理!無理だってさすがに!少年誌的にも!千棘もさすがにコレは断るだろ!?でも、戦争になるのも困るし……あーもぉぉ!!どうすればいいんだぁぁぁああ!!!!)

次の日


千棘「いやー荷物いっぱい持ってきちゃった!大丈夫かなぁ?」

楽「オイ待てコラ」

千棘「?なによ?別にアンタの生活スペースにまで侵入するつもりはないわよ?」

楽「いや、そうじゃなくて」

千棘「どしたの?なんか忘れ物?」

楽「だから、そういうのではなくて」

千棘「……なに?」キョトン

楽(なんでそんな普通なんだぁぁぁあああ!!??)


こうして俺と千棘の同棲生活が始まった。





第1話 END


アニメ2期スタートしてますね!
あのOP斬新で好きです。

個人的にはゴリラが1番好きなんすけど、春ちゃんもお気に入りです。

ゴリラもっと人気出てほしいですメインゴリラなんですから…

こんな感じでゆる〜く、長〜く、書いていくつもりですので、どうぞよろしくお願いします!

質問とか不適切な表現があれば指摘してください!

集『はぁぁぁああ!?同棲!?』

楽『いっ!?…馬鹿野郎!鼓膜破れるかと思ったわ!』

集『いや、だって…え?なに??どうしてそうなったんだ?』

楽『それが急に決まってよー…ったくあの親父達は何考えてんだか…』

舞子集。

小学生の時からの友達。

集は都内の大学に合格したのでついに離れ離れになった。

楽(だからと言って、別にさびしーとか、そんなことは思ってない。断じて!)

千棘との同棲が始まって一週間。

入学式なども終わり、ようやく落ち着いた頃。

集から電話が来た。




第2話 トモダチ


集『…ビックリしたぁ、橘さんが国立大学に合格したって言うぐらいビックリしたわ』

楽『例えが酷くないかお前?』

集『……実際のとこどうなの?』

楽『は?』

集『その、同棲生活は?』フフーン

楽『……鼻息荒いのはアレか?言っとくが千棘とそんな関係にはなってないからな』

集『え、そうなの?なんだーつまんね』

楽『アホか!俺たちは付き合ってないんだぞ!?そんなことになるわけねーだろ!』

集『いやいや、例え恋人同士じゃなくても男女が一緒に住んでたら……ねぇ?』

楽『あのなぁ…』

全く失礼な奴である。

俺たちは決してそんな関係ではないし、今後そういった関係になるつもりもない!

断言しておこう!


集『よく耐えられるなぁ…………もしや楽?』

楽『なんだよ?』





集『…………ED?』

楽『じゃあな』

集『ストーップストーップ!ウソウソごめん冗談だから冗談!』

楽(割とガチで聞いてきた気がするのが余計腹立つわ!!)

言っておくが俺は決して……そんなことはなく、ちゃんと正常である。


楽(…つーかアイツ無用心過ぎんだよなぁ……この前だってー)



ーーーーーーーーーー







千棘「…何見てんの?」

楽「んー…ドラマ」

千棘「どんなドラマ?」

楽「サスペンス…お前こういうの観るのか?」

千棘「ううん、あんまり観ないよ。楽はいつも観てるの?」

楽「いや、適当にテレビ付けたらこれだったってだけ」

千棘「…ふーん」

楽「なんか観たい番組でもあんのか?」

千棘「ううん、別にないけど…もうちょっとそっち詰めて。私も観る」

楽「あいよー」



千棘「……ふー…やっぱりお風呂は最高ねー!日本って本当最高だわー!」トサ

楽「………あの、千棘さん?」

千棘「なに?」

楽「なんか……近くね?」

楽(近いっていうか、最早密着してるじゃねぇか!…しかも風呂上がりだからか良い匂いが……って、いかんいかん!正気になれ一条楽!意識するな!心を落ち着かせろ!心を無にするんだ!)

千棘「…そう?」ズイ

楽「!?」

楽(な、なんだこれは…この右腕に当たっている感触は……まさか…まさかこれは……千棘の…千棘嬢のおっp)









千棘「…っと、そういや髪乾かしてなかったわ」スッ

楽「え…」

千棘「?…どうしたの?」

楽「い、いや!なんでもない!!」

千棘「??」


楽「………はぁ」



ーーーーーーーーーーーーー




楽『……………はぁ』

集『ん?どうしたー?』

楽『……いや』

集の言うとおり、周りから見れば俺たちはいつそんな関係になってもおかしくないのだろう。

正直、こんな状態で4年間も俺の理性が保つとは思えないし。

楽(まぁ、手を出そうにもアイツの方が俺より強いから、そういうことになる可能性は薄いが…)





そもそも、俺たちは恋人ですらない。

楽『はぁ……』

集『あの…ホント悪かったからさ、そうやって溜息で会話するの止めてくれよ。悲しくなるじゃん!』

楽『あー……わりぃ』

集『……なんか、色々大変そうだなぁ?』



楽『…正直な、色々大変で疲れてる』



集『桐崎さんと何かあったのか?』

楽『何かあったってほどじゃないんだけどな』

集『?』

楽『なんか……変なんだよアイツ』

集『変?』

楽『こう上手く言えないんだけど、普段は普通なのに、時々なんかビクビクしてるというか…何かを怖がってるというか…』



………………………………。。




集『お巡りさーん!!』

楽『ちがぁぁぁあう!!』

一旦終わります。

また9時ぐらいに書き込むと思います。





ー2日前ー


千棘「え?」

楽「ん?だからサークルの新歓コンパに誘われててよ。授業が同じで仲良くなった友達に誘われたから行ってみようかと思って…」


千棘「………でもそれって、飲み会でしょ?止めといた方が良いわよ」


楽「さすがに無理矢理飲まされたりとかは無いんじゃないか?」


千棘「その飲み会……女の子もいるのよね?」


楽「へ?あぁ…まぁそりゃいるんじゃねぇか?そもそもその友達ってのも女子だし」








千棘「………………へぇ?」

楽「!?」ゾクッ

楽(な、なんだ?一瞬悪寒が…気のせいか?)


千棘「わかったわ」


楽「え?」


千棘「私も行く」







楽「……え?」

千棘「…何?何か問題でもあるの?」


楽「いや、でもお前、動物研究サークルになんか興味あるのか?」


千棘「別に」


楽「じゃあ何で?飲み会お金かかるみたいだぞ?」




千棘「そうじゃなくて…っ」ギリッ

楽「?…どうしたんだよさっきから?なんか様子おかしいぞ?」


千棘「!…ちがっ!……ううん、ごめん…でしゃばり過ぎた」


楽「いや、あの……」


千棘「……いいよ、行ってきて」


楽「……」


千棘「……お風呂、沸かしておくから」


楽(………千棘?)


千棘「………気をつけてね」





ーーーーーーーーーーーー






楽『……って感じのことがあって』


集『………あー』


楽『なんかいつもの千棘らしくないというかなんというか…どうも調子狂ってなぁ』


集『……なるほどねぇ』


楽『集?』


集『いや、桐崎さんも苦労してんだな〜って』


楽『どういうことだ?』


集『そっかぁ………いや、まぁ分かってはいたんだけど……確かに意外と言えば意外かも』


楽『えっと…俺にも分かるように説明してくれ』

集『ん?まぁそうだな。楽は相変わらず罪な男ということだ』


楽『え?最終的に俺のせいなのこれ?』


集『桐崎さんも大変なんだろうな〜』


楽『……お前、わざとだろ?』


集『そう怒るなって!こういうのは自分で考えるもんだと思うよ俺は』


楽『……』


集『ま、相談ぐらいには乗ってやるって!またなんかあったら電話してくれ』

楽『…わーったよ、まぁ俺の気のせいかもしれねぇしな…』


集『あ、そうだ楽、一つ聞いてもいいか?』


楽『?なんだよ?』











集『お前…あの後、小野寺とは結局どうなったの?』


第2話 END

ゴリラがツンデレじゃなくてヤンデレになってますが許してください。

ゴリラ本当可愛いですよね。

ss界では高確率で不遇なポジションになる所も好きです。笑

なのでせめてこのssでは………。。(葛藤)

授業が終わった時のことだった。


「ねぇねぇ、一条君って彼女いるの?」


「どんな子?写メ見せてよ」


「同じ大学?」


楽「……えっと…」


こういう時どう躱せばいいのだろう。

アイツとの関係は相変わらずニセモノカップルで、だからこういう時、つい躊躇してしまう。

楽(そもそもアイツの写メ持ってないし、どんな子?と、聞かれても世界一可愛いゴリラです、と答えるわけにもいかないしなぁ…)

第3話 イワカン



楽(さて、どうするべきかー)


千棘「ダーリン?」


楽「うお……」


なんという絶妙なタイミング、狙っていたかのようなタイミングで俺の彼女(偽)、桐崎千棘が現れた。


楽(こいつ…いつから背後に)


千棘「なにしてたの?」


楽「えっと…」


と、俺が答える前に周りにいる3人が反応した。


「あ、もしかして彼女さん?」


「わー!すっごい可愛い!」


「ハーフなの?」


楽「えーと…」


千棘「……楽のお友達?」


楽「あー…さっき授業でたまたまな。」


千棘「……そ」

千棘「はじめまして、経営学部の桐崎千棘と申します。よろしくお願いします」


「……あ、うん、よろしくね」


「よ、よろしく」


「……」


楽「……」


違和感。

千棘はなんというか、もっとフランクな感じで、誰とでもすぐに仲良くなれるような、そんな感じの奴だ。


なのに、なんだこれ?


声にまるで感情が込められていない。


冷たい。


本当に千棘が喋っていたのか疑っちまう。




ここ最近、千棘に対してどこか違和感を感じていた。






その違和感の正体が何なのか、今の俺にはまだわからなかった。



ー帰り道ー



楽「どっかで飯食べて帰るかー?こんな時間だし」


千棘「……」


楽「おい、千棘さーん?」


千棘「……ねぇ」


楽「んー?」


千棘「あの子達……いつも一緒なの?」


楽「いや?今日授業で一緒になったばかりだ。そう言っただろ?」


千棘「……そう…だったかしらね」

楽「?…どうした?」


千棘「……別に」


楽「……なんだよ、言いたいことあるなら言えよ」


千棘「……」


楽「おい、黙ってちゃ分かんねー」






千棘「うっさい!!」

楽「!?」

千棘「……あ」


楽「お前…いい加減に」


千棘「ごめんなさい!」


楽「……しろよ?」


楽(……え?)


千棘「ごめん…突然叫んだりして」

楽「いや……あの」


千棘「大丈夫だから…ごめんね?変な態度取って…」


楽「いや…それはいいんだけど、お前……」


千棘「……なに?」ニコ


楽「…………」


楽(……なんだよその作り笑い)

楽「なぁ……千棘?」


千棘「ん?」


楽「俺、なんかしたか?」


千棘「……え?」


楽「最近、お前なんか悩んでるのかなって……なんとなくだけど…」


千棘「……」

楽「あのさ、まぁあんまり頼りにはなんねーかもしれないけど、なんだかんだ3年間一緒にいたんだ……だから、なんか困ってるなら力になりたいと……思う」


千棘「……楽」


楽「あー…いや、まぁ俺に出来ることなんてたかが知れてると思うけどな?だけど一応俺も男だし、少しぐらい頼ってくれてもー」


千棘「楽」

楽「な、なんだよ?」


千棘「…ありがとね」


楽「ーーー」


よかった。


今度は作り笑いじゃねぇ。



楽「……おう」


千棘「……うん」

楽「……」


千棘「……」


楽(なんだこの空気……何このフワフワした焦れったい感じ……すげぇ居心地悪いんだが)


楽「あ、あれかお前!もしかして!」


千棘「?なによ?」





楽「またダイエットでもしてんのか?」

千棘「」

楽「だからストレス溜まって……あのなぁ、過度に食べないようになると身体によくないんだぞ?」


千棘「……」


楽「せっかくだし!今日は焼肉でも食べに行くか!肉食ってしっかり体力つけないとー」


千棘「ばかぁぁぁぁぁぁあ!!」

楽「ごふっ!?」

千棘「アンタねぇ!女の子に向かってなんてこと言うのよ!」


楽「」チーン


千棘「そもそも『また』って何よ!そんなことしてないわよ!!それとも遠回しに太ったとでも言いたいの!?ぶっ飛ばすわよアンタ!!」

楽(……もうぶっ飛ばしてるじゃねぇか)




………やっぱりこれだよな。

千棘「ちょっとアンタ!聞いてんの!?」


いつもの千棘とのやりとり。


懐かしい高校時代。


まだ一ケ月ちょっと前まで高校生だったのに、ずいぶんと懐かしく感じる。


あの頃の、コイツとの関係が好きだった。


なんでも言い合って、よく喧嘩するけど、なんだかんだ信用していて……なにより。



コイツの隣りは居心地がいい。

きっと、


俺は、そんなぬるま湯の関係に依存していたのだろう。



だから気付けなかった。

だからわからなかった。

少しずつ。

確実に。





そんな幻想はもう崩壊しかけていたことに。


第3話END

話数書くの怠いんで、今から無しにします。
よろしくお願いします。

まだ5月の中旬の頃の話。

楽「暑い……これは春ではない」

千棘「なーにブツブツ言ってんのよ?ほら、早く行くわよー!……あ、あそこじゃない!?ほら!早く早く!」

楽(……元気な奴)

俺たちは水族館に来ていた。



先日のこと。



千棘「わー魚がいっぱいいるわね!」

楽「…あー、あそこの水族館か」

昔行ったことがある水族館だ。

そこをニュース番組の特集で放送している。

千棘「わ〜スッゴ〜い」

楽「……」

1人、金髪が目がキラキラさせていた。

千棘「ねぇねぇ、ねぇねぇ!」

楽「……なんだよ」

千棘「行きたい!」

楽(おう、じゃあいってらっしゃい!…みたいな返事すればまた不機嫌になるんだろうなぁ)

千棘「ねー楽ぅ?」

楽「子供かお前は!あと、袖掴むな!服伸びる!」

千棘「行くわよ」ズイ

楽「……はい」

こういった経緯で水族館へ2人で遊びに来ていた。

千棘「わ〜ホントに広いわね!」

楽「…ふぅ、中は涼しいな」

千棘「わ、アレ鮫じゃない?」


千棘「あ、凄い色したのがいる!ほら、行くわよ!」

楽「……へーい」

楽(なんかガキのお守りをしている気分だ…)

楽(それと気になるのが…)


周りからすごい見られている。

もちろん、俺ではなく千棘が、だ。




正直、アイツは可愛い。

そこら辺のモデルにゃ負けないぐらいには可愛いくて美人だ、それは認める。

大学生になって少し色気とかも出てきたように感じる。

おかげでコイツが外出歩くと周りを釘付けにしてしまう。


楽(……一応、コブ付きだけどな)

楽「おい、千棘ー!あんまり離れんな、迷子になるぞー」

千棘「失礼ね!迷子になんてなるか!」


ザワ


今のは牽制。

1人にするとすぐナンパされし、だからコイツが声を掛けられないためにわざと大きな声で呼んだ。

楽(え?アレが彼氏?だって?…うるせーよそれぐらい自覚してるわ!)

楽「……千棘、そろそろ移動すんぞ」ボソ

千棘「え、まだ見たい魚が…」

楽「いいから、行くぞ」グイ

千棘「え、ちょ……手……///」

楽「……」

千棘「……うぅ///」


楽(なんで俺、こんなにイライラしてんだろ?)

千棘「あー楽しかった!」

楽「だー疲れた!」

ここの水族館は海の近くに建てられている。

水族館を回った後、二人で海辺を散歩していた。

千棘「これぐらいでへばってんじゃないわよ、ホントモヤシね」

楽「うっせー…普通だ普通」

千棘「……ふふ」

楽「……」

楽(…上機嫌みたいだな)

楽(もう悩みは解決したのだろうか…?)

千棘「わー…良い景色だね」

楽(だったら良い。また元どおりだ、きっと)



千棘「楽」

楽「…ん?」


千棘「……今日はありがと」

楽「え…お、おう?」


楽「…なんだ突然?お礼なんて…」

千棘「その……えと…………」

楽「……?」

千棘「〜〜っ」

楽「……千棘?」


千棘「あ、アンタと一緒に来られて……楽しかった!」




楽「………は?」



千棘「……そ、それだけ」

楽「えーと……千棘さん?」

千棘「な…なによ?なんか文句ある!?」

楽「いや……その…」



楽「俺も……お前も来られて楽しかった…と、思う」

千棘「……そ、そう」

楽「…お、おう」

千棘「……」

楽「……」

千棘「か、帰りましょうか」

楽「……そうだな」


俺たちの関係は、少しずつだが……変わってきているのかもしれない。

ふと、そう思った。

今日はここまでで。
続きは明日書けたら書きます。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月13日 (水) 22:52:30   ID: DImaQT0y

明日が遅い!遅いんだ!

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