( ^ω^)は悪魔と契約したようです(30)


―悲しい時、側にいてくれたのは誰?

―嬉しい時、一緒に笑ってくれたのは誰?

―いつから、こんな世界になった?

―いつも、こんな世界だった?



どんなに考えても、自分の眼に映る
世界だけが真実…だから…
…だから、もう一度だけ――。





( ^ω^)は悪魔と契約したようです


…ここは、どこだお…?
暗い…っ…痛いお…木?…いや木の柵…
これは…ああ、これは知ってるお…

( ^ω^)「ベッドだお…」


彼は、内藤ホライズン。通称ブーン。
ごく普通の高校生である。
恋に悩み、進学先に悩み、自身の
成長に悩みも持つ高校生なのだが―

( ^ω^)(悩み過ぎていろんな事を考えて
     いる内に1週間が過ぎたお…)


「ブーン!おいブーン、いるんだろ?!」

( ^ω^)「またドクオかお…」

('a`)「ブーーーーン!!」

まるで蠅みたいだお、と言おうして
ブーンはやめた。じぶんがまるで
蠅にたかられるアレのように思えたから。

( ^ω^)「…ドクオ」

ドクオ、と呼ばれたさっきから叫んで
いる彼の名は、鬱田ドクオ。
なんともメンタルが弱いので
学校に行きたくない時、ブーンは
決まって彼にこう言うのだ。

( ^ω^)「おまえ、童貞だろ?」

('a`)「どどど、童貞ちゃu…」

―そうして言い切る前に、カーテンを
締め切ってしまうのがここ1週間での
ブーンの習慣になっていた。


('a`)「……」

('a`)ウツダシノウ…


( ^ω^)(行ったみたいおね…)

( ^ω^)「……」


ブーンは、ずっと考えていた。
なんで、こんなに悩みを抱えて
生きていかなくちゃいけないのか。
自分は勉強も、運動もできないのに。
走ることは好きだけれど、それでも
一般の域を出そうにもないこんな自分が、
なんの主人公にもなれない自分が
生きている意味は…なんだうか?と。


( ^ω^)「…ジャンプでも読むかお」


考えていても、しかたない。
そう思ってここのところ毎日、ゲームや
漫画をすることで考えるのをやめている。

それでも、空しさはいつの日も
自分の心に降り注いでくるわけだが。

( ^ω^)「僕も主人公になりたいお…」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)(ん?でも漫画の主人公って
     結構過酷な人生な気がするお)

( ^ω^)「やっぱり今のは無しで―」

( ゚д゚)「お前の願い、聞いたぞゴルァ!」

( ^ω^)

( ^ω^)「お?」


なんだ、なんだコイツは?
どこから来たんだお?この引き籠もり
の部屋の密閉された空間に。
窓も扉も天井も床も、どこからも
音がしなかったのに―

―いや!とりあえず問いつめるお!
冷静に…落ち着いて…

( ^ω^)「お、おおお前は誰でひゅか?!」

(;^ω^)(噛んだお…)

( ゚д゚)「…俺か?俺は…そうだな…」

( ^ω^)(いいから早く言えお)

( ゚д゚)「―悪魔だ」

( ^ω^)「…は?」


―悪魔?悪魔って言ったかおコイツ?
え、なにそれこわい。悪魔、悪魔って
いえばあれかお。デスノート。いやあれは
死に神かお。えっと…じゃあ…あの
契約とかするアレかお?いやそんな―

( ゚д゚)「ゴルァ!」

(´゚ω゚`)「ふひゃああ!!」

(´゚ω゚`)「ふみゃあああ!!」

(´゚ω゚`)「ふひゃああああ!!」

( ゚д゚)「黙れゴルァ!」

( ^ω^)「…あ、はい」


( ^ω^)(びっくりして変な顔になったお)

( ゚д゚)「おい」

( ^ω^)「お?」

( ゚д゚)「俺はさっきも言った通り、悪魔だ。

     そして、お前が考えているような
     契約をするために来たんだ」

( ^ω^)「…け」

(´゚ω゚`)「契約ウウウウ!?」

( ゚д゚)「だまれ」

( ^ω^)「…あ、はい」



( ゚д゚)「契約方法は簡単だ。お前

     欲しいものは言う。俺はそれに
     値する代償をお前からもらう」

( ^ω^)「い、命だけは勘弁を…」

( ゚д゚)「命まではもらわん。生きてなくて
     は意味がないからな。」

( ^ω^)「じゃあ、なにを…?」

( ゚д゚)「そうだな。たとえば―」


その先を聞こうとした瞬間、突然の
目眩に襲われて―僕は倒れた。



×お前欲しいものは言う

〇お前は欲しいものを言う


―ここは、どこだお?

…またベッドの上?

…違う、なにも無いお。

なんで、こんなに真っ暗なんだお。

目は、開いているはずなのに。

なにもいない。なにも見えない
なにも聞こえ―いや、聞こえる。

小さな音がだんだん大きくなって
聞こえてくる。誰かの声も聞こえてくる。

それに続いて、何かが見える気がする。
見えてくる…いや違う。頭の中に、
そうまるで夢を見ているような映像が
流れ込んでくる―不思議な感覚。


…これは昔の記憶?

なにもできなかった過去の自分。
それに伴って今もなにもできない自分。
そんな自分が嫌で嫌でどうしようもなくて
必死に変えようとして―変われなくて…

ああ、いやだなにもかもが嫌だ。
変われない自分も、自分を見てくれない
周りの人間も全部が全部嫌になる。

じゃあ、どうしたら見てくれる?

良い行いをしたら?

ううん、それはみんなしていることだ。

じゃあ、なんだ?

…いや、そもそも誰にも見られたくない。

自分の成長は、自分でわかればいい。

それなら僕は…―僕は、強くなりたい!

…………
………
……



( ゚д゚)「…いい夢は見れたか?」

( ^ω^)「…お?」

( ゚д゚)「お前は強くなりたい。
     契約はそれでいいか?」

( ^ω^)「お…」

( ゚д゚)「ちなみにこの場合、お前から

     もらう代償は…お前の周囲との
     人間関係ということになる」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)(…ブーンの家族はどこか
     遠くに行ってしまったお…
     それで友達と言えるのも
     ドクオくらい…願いが叶う
     なら1人の友達なんて…)



―こうして僕は、悪魔と契約をした。


3時間休憩(ヽ´ω`)…


ブーンが得た能力。それはあの
魔人ネウロが持つ魔界777つ道具の一つ

『切ったという結果のみを残す能力』

を得た。間違いなくブーンは今、
人類最強の能力を得たのだ。

…………
………
……


( ゚д゚)「いいかよく聞けゴルァ!」

( ^ω^)「お」

( ゚д゚)「俺が今回、人間もといお前の

     もとに現れたのは偶然じゃねぇ。
     他の悪魔共が契約の力を使って
     人間に犯罪をさせてやがる!」

( ^ω^)「…犯罪!?」



( ゚д゚)「そうだ!そこで今回、その悪魔の
     虜になった奴を切ってほしい!」

( ^ω^)「?!…斬る?!」

( ゚д゚)「ああ、この際、漢字はどうでも
     いいが、とにかく切るんだ!」

( ^ω^)「それって死ぬんじゃ…」

( ゚д゚)「ゴルァ!相手は犯罪者だ!

     この際だから全部言うがほぼ
     全員、少なくとも3人以上は
     殺してるような奴だ!殺せ!」

( ^ω^)「ちょ」

( ゚д゚)「ちなみに俺は上位の悪魔で

     今回の事は人間界にいる全悪魔に
     事前注意を促していてな。
     やめなきゃ殺す、と。だが悪魔は
     人間界で十分な力が発揮できない
     から人間を媒介にしている。
     つまるところだ。お前が契約を
     した時点で他の契約した人間共
     がお前を狙ってくるのは確定
     事項なんだ。悪いな」


…………
………
……



( ^ω^)「こいつはやべぇお…」

( ^ω^)(つーか、僕引き籠もりですし)

―その時。ブーンは背中に大きな
恐怖を感じた。悪意のある空気が後ろ
から飛んでやってくる恐怖を。

( ^ω^)(これは…なんだお?恐怖?
     いや、これは…生存本能ッ!)

ブーンはわからない、わからないけれど
とにかく、後ろから飛んでくるこの恐怖を
避けなくてはいけない、そう思った。

―そして、ベッドから飛び―



―落ちた。

( ^ω^)「おごっ」


( ^ω^)(…なんだか寒気がするお…
     ん?こんな夏に寒気…?)

( ^ω^)「……!」

ベッドから飛び落ち、尻餅をついたままの
ブーンが見たのは氷ついたベッドだった。

「ふふふ。貴方が今の攻撃を避ける
 のはわかってます。」

「僕は全然わかんなかったです!」

…この声…口調…まさかあの2人…!?

( ^ω^)「そんなことはないはずだお…」

( ^ω^)「だって…」

( ^ω^)「!!」


( ><)「……!」

( <●><●>)「……。」


…!間違いないお。あれは…
わかんないんです=ビロードと
わかってますの2人だお!!

…ん?ていうか家に穴が空いてるお…
間違いなくあいつらだお…
いくら小学生の頃の友達だからって
こんなことは許されないお!!

( <●><●>)「…あなたが怒っているのは」

( ><)「わかんないんです!」

( ^ω^)「……」

( <●><●>)「……」

…あ、殴った。

( ><)「痛いんです!」

( <●><●>)「それはわかってます」


( <●><●>)「わかっています。あなたが
       今、怒っていることは」

( ^ω^)「…そうかお。なら弁償―」

( <●><●>)「するわけがないでしょう」

( ^ω^)「お?」

( <●><●>)「貴方が敵なのはわかってます。
       だから、殺します」

―そういうと、わかってますはブーンが
家の中にいるにも関わらずに家全体を
氷らせ始めた。ブーンの部屋は2階だ。
先ほどベッドに向けたのもあそらく彼の
能力によるものだろうと考えた。

一階は10秒ほどで氷りだしすでに2階
の窓も氷り始めようとしていた。



( ^ω^)(くっ…どうする…ここで
     能力を使わなければ僕は多分
     死ぬ…いや、氷ならば仮死
     状態から生き返るのかお…?)

( <●><●>)「この氷が溶けないことは
       わかってます」

( ^ω^)「……!」

溶けない氷…?…!まさかこれは!

( <●><●>)「貴方の能力がなにであれ

       私の絶対氷結(アイスドシェル)が
       溶けないのはわかってます」

( ^ω^)「……すまないお」
( ><)「謝った理由がわかんないんです」



『絶対氷結(アイスドシェル)』
―フェアリーテイルで出た氷魔法の
最終奥義。自身の命と引き替えに
どんな炎でも溶けない氷魔法。

( ^ω^)(まさかそれを自在に扱える
     能力だとは意外だったお…)


―ブーンがそれを放ったのは…一瞬。
すべての氷が細かく切り刻まれていた。

( <●><●>)「……」

( ^ω^)「僕には、信じられないお」

( <●><●>)「悪いことをしたのは
       よくわかっています」

( ^ω^)「君が、いや君たちが犯罪者
      だとは思えないお」

( ><)「黙りやがれなんです!」


(´-ω-`)ぐーすかぴー


( ^ω^)「……!」

( ><)「僕たちの未来はもう
     わけわかんないんです!」

( <●><●>)「…ビロード…ええ…
       そうですね、わかってます」

( ^ω^)(なんだお?なにがわかっ)

( ^ω^)「お!」

…消えた。ビロードが一瞬にして。
だが、ブーンも後ろに気配を感じ対応
しようとするが―前からはわかってます
の能力が発動するのが見えた。

( ^ω^)(これは―)


―殺らなきゃ、殺られる!

…だから、殺さなくちゃ!

殺して殺して殺し―!?



( ^ω^)「……?!!?」

( ^ω^)「…お…?


( ^ω^)(今の感覚は…?)

!!―それよりも、あの2人は!?


―ブーンは、無意識の内に閉じていた
目を開けて、更に瞳孔が開いた。

ブーンの目が見たものは、真っ二つに
切り裂かれたかつての友達。
そして、そんな原因を作った自分の力―

( ^ω^)「違う!!僕は何もしていない!」

( ^ω^)「僕は…ブーンはなにも…
      なにもしてないおおおお!!」


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