【たぶんR18】  魔王「結婚してください!」 勇者「はい!?」 (261)


勇者「魔王よ!我が国の王の命令により、あなたの悪事を砕きにまいりました!」

勇者「考えを改めない場合は、あなたを討伐することになります!」

勇者「まずはお話をしましょう!出てきてくださいませ!」



魔王「結婚してください!」

勇者「はい!?」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430665951



魔王「ほ、本当ですか?ありがとうございます!」

勇者「え、ちょ、なに!?」

魔族1「おめでとうございます、魔王様!」

魔族2「おめでとうございます!」

魔族3「ヤッターヤッター!メデタイメデタイ!」

王様「ほっほっほ、作戦大成功じゃな」

魔王「ありがとう陛下さん、幸せになります!」

魔族たち「「わーっしょいわーっしょい! 魔王様バンザーイ!」」



勇者「まてコラぁぁぁ!!!」



勇者「どういうことですか、国王?!」

勇者「魔王がよからぬことをたくらんでいるから、話をしてこいとおっしゃったではないですか!」

国王「はっはっは、痛いじゃないか勇者よ」

近衛兵長「勇者様、落ち着いてください」

国王「質言はとったぞよ、頑張って良い奥さんになるのじゃぞ」

勇者「どーーーいう事だぁぁああああ!!」



魔王「勇者さん」

勇者「ひゃい!?」

魔王「ああ、本当にかわいい…!」

魔王「勇者の印を持つ子供が生まれたと聞いたとき、両親を守らねばと子供心に敵対心を持っておりました」

魔王「父は魔界と人間界の結界をきちんと守り続けてきました」

魔王「それなのに、なぜ勇者が生まれてしまったのか、なぜ父を脅かすものが生まれてしまったのか、天を憎みました」

魔王「けれど…ああ! 王都へ連れられてきてはしゃぐあなたを魔水晶で見て、一目惚れしてしまったのです!」

魔王「5歳も年下の幼い女の子に、心臓を鷲掴みにされるなど、魔王子として完全なる不覚!」

魔王「けれど、もうだめだった…俺は次期魔王、あなたは幼くも勇者…敵なのに、惚れてしまったんだ!」



すみません、ちょっと接続機械がすごくあっつくなっててこわいので
ここまでで一旦インターネット切ります
失礼します

ありがとうございます
言質、まじで気がつかなかったです…何故ああなった
今日もすごい熱を発する無線LANを心配しつつ、いきまーす



勇者「すいません、ナルシストはちょっと遠慮したいです」

魔王「ああっごめんなさい!感極まって…!」

勇者「だいたい私、返事してません!無効です!やりなおしを要求します!」

国王「おや、やりなおしたらOKしてくれるのかな」

勇者「それとこれは別です!」

勇者「それより魔の者と人が結婚って大丈夫なんですか? あと私ご覧の通り腕っぷしばかりで魔法なんて縁もゆかりも…」

魔王「全然問題ありません! 俺なんて逆に魔法ばっかりで筋力は人並みなのでちょうど良いと思います!」

勇者「そうじゃなーーーい!!」



元魔王「全員ストップ!」

元魔王「そのくらいにしてもらおう、今日は解散したまえ!」

国王「なんだよー、ここからが楽しいんじゃないかね?」

魔族たち「「………」」 (正座中)

元魔王「いい加減にしないか陛下、勇者殿が困っているだろう」

元魔王「息子、お前もだ あまりしつこいと嫌われるぞ」

魔王「はい…」

勇者「(うわわわ、魔王の父親…似てるけど、よりいっそう強面だ!)」

元魔王「勇者殿、すぐに王都へ送り返そう ついでに国王陛下と人間の兵も送る」

勇者「はわっ あ、ありがとうございます!」

勇者「(ふぉぉぉっ良いヒトだ! あ、そうだ、魔王は…)」

魔王「………」 ショボーン

勇者「………」 キュン



勇者「はっ 私は何を考えて!」

元魔王「え、どうした」

勇者「何でもありません!送還お願いします!」



王都、傭兵ギルド寄宿舎、食堂。。。


勇者「はー… ものすっごく疲れた…」

女傭兵「こっちはこっちで大騒ぎだったわよ~」

女傭兵「勇者ちゃんが出発したあと王サマと主要騎士がごそっと居なくなっちゃって~」

勇者「ああ、近衛兵からちらっと聞いたよ… 魔王から転移魔法石を貰ってたんだって…」

女傭兵「ふーん で、どうだったのよ~」

勇者「何が?」

女傭兵「魔王よ~ぅ イケメン?強面?チャラい感じ?」

勇者「あー…強面かな、でも最初から喧嘩腰で向かってたからよく見てなかったのが正直な話…」

女傭兵「詳しく聞きた~い!」

勇者「ぬぅ… 黒髪でしかめっ面で、でも笑ったらへにゃってして…そうそう、親子そろって角生えてたよ、インパラっぽいの」

女傭兵「ぶふぅっっ」 (酒)

勇者「大丈夫!?」

女傭兵「一番大事じゃないの~!角! 真上?横から後ろ?」

勇者「え、ええっと…横から後ろに、んでやや上にねじれる感じ…だったかな」

女傭兵「やば~い、萌える!」

勇者「ええー…」



寮母「お待ちどうさん、チキンカツ定食特盛2つにデザートのプリンが4つだよ!」

女傭兵「あ、きたきた~ありがとうママ」

寮母「あんまり勇者ちゃんいじめるんじゃないよ、うちの娘が悪いね」

勇者「いえ、仲良くしてもらってますので…いただきまーす」

女傭兵「いっただきまーす」





魔王城、食堂。。。


魔王「……」 ドンヨリ

元魔王「やれやれ、なんであんな方法になるかな…」

魔王母「まさか国王陛下も協力して勇者を騙すなんてねぇ」

魔王「だって、俺魔王だし、顔怖いし…ちょっと悪っぽい方がいいかなって…」

元魔王「冗談でももうやめてくれ…心臓に悪いだろう、魔族を嫌われてしまったらどうするんだ」

魔王「はーい…」

霊メイド「食後のお茶でございます」 フワフワ

魔王母「ありがとう、あら、この砂糖は?」

霊メイド「妖精たちが暇なのかいたずらがひどかったので、角砂糖をわたしてみたら…こうなっておりました」

魔王母「かわいいわねえ! ……あ、いいこと考えたわ!あなた、息子!耳をかしてちょうだいな」

元魔王「どうした、おまえ」

魔王「なに、母さん」

魔王母「(コソコソ…)」



三日後、魔王城、応接室。。。


勇者「うう…まさかまた求婚されるんじゃないだろうな…」

勇者「しかもドレス着せられるし、巨乳の姫様のおさがりだなんて恐れ多いし、ぶかぶかだし…(主に胸が)」

勇者「それよりも!なんで私なのよー…辛いよぅ…」

魔執事「お待たせいたしました、魔王様は先に植物ドームでお待ちです、どうぞこちらへ」

勇者「ひゃい!」



魔王「勇者さん!」

勇者「魔王…」



わーきゃーどたばたころころきゃーきゃー


魔王「………」

勇者「………」

魔執事「こ、これ!お前さんたちはこっちにおいで!」

妖精たち「「きゃーっ」」


勇者「びっくりした…」

魔王「すまない、妖精たちはどこでも遊び回るから、怪我はない?」

勇者「……」

勇者「(んー、うーん、やっぱり強面だなぁ、でも話し方が丁寧だからか怖くはないんだよな…)」

勇者「(女傭兵がすごく反応してた角も、似合ってるだけでおかしくはないし…)」

魔王「……」

魔王「(あわわわわ、ど、どうしよう、怒ってるのかな…何も言ってくれない…!)」



魔王「勇者さん、お茶とケーキを用意してもらってるのでお席へどうぞ?」

魔王「(と、とにかく紳士に、真摯に!)」

勇者「は、はいっ」 カチコチ

勇者「(い、椅子!ひいてくれる魔王て!なんじゃこのジェントルマン魔王は!)」






コソコソ…







さて、このままもう少しじれじれっとぽわぽわっと恋心を育ませたいですか?
それか、ちゃっちゃとエッチぃ展開にしたいですか?
ご意見をちょいと募集してみようかなと思うのですが…
特に無ければ、じれじれコースの予定です

ありがとうございます
まさかの全員一致そしてハードルあがっちまった…ガクガク…
19時まで待とうと思ったので、そして怖くなってきたのでここらで締め切ります
あと、R18っつーても過度な期待はしないでくだされ
少女漫画·小説脳ですよ、自分




勇者「美味しい…デス」 カチコチ

魔王「よかった、薬草の実をつかっているのでお口に合うか、少し不安でした」

勇者「え、果物じゃないの?甘くて美味しいよ?」

魔王「一応在るんですが、魔界では大きく育たないんです…」

魔王「薬草類のほうがよく育つことから、品種改良が進んでいまして、こういう甘い植物もたくさん収穫されますよ」

勇者「生のってある?食べてみたい!」

魔王「もちろんです!この辺りの鉢植えの木が、ケーキの上にのっているオレンジ色の実がつくんですよ」

勇者「え、もいじゃっていいの?」

魔王「2、3個くらいならバレませんよ」

勇者「…常習犯?」

魔王「まあ、魔王ですので」



霊メイド「もう、魔王様ったらまた勝手にもいじゃってますよ」 フワフワ

犬庭師「あの薬樹、鉢の数増やしておくか」

霊メイド「そーやって甘やかしてたら元魔王様にしかられますよ」




       勇者「美味しい!」

       魔王「こっちの白い実も食べてみます?」

       勇者「ありがとう… う、酸っぱい…」

       魔王「くくっ」

       勇者「騙したな!」

       魔王「す、すみません!可愛らしかったものでつい…」

       勇者「え…」

       魔王「あ…」




犬庭師「あんなの見てたら、甘やかしたくなりますって」

霊メイド「くぅ、否定できないわ…」




勇者「(し、しまった…! 餌付けでなついてしまうところだった!)」

魔王「(可愛いよぅぅ…! どうしよう、いじめたくなる!)」

勇者「え、ええと!お茶も薬草ですかっ」

魔王「あ、ああっ そうだね、普通の茶葉もあるけど、薬草茶は効能で選べるから人気ですよ」

勇者「この薬草茶はどんな効能?」

魔王「ん…と…(ゴクゴク) ブレンドしてあるから解りに く…」 グラッ

勇者「え」


      どさっ

勇者「魔王?!」



犬庭師「な、なんだ?急に魔王様が!」

霊メイド「!! あそこ、妖精がいる!」 ヒュン



勇者「魔王?魔王! しっかりしろ!」

魔王「う…  …頭が、熱い…」

犬庭師「今、弟子に医者を呼ばせたっす!勇者さん、ゆすんねえほうがいい!」

勇者「あ、そ、そうか…ごめんなさい…」

霊メイド「妖精捕まえたわ!こいつ、なにか持ってる!」

妖精「わーきゃー」 ジタバタ

勇者「よ、妖精…?」

犬庭師「なんだこりゃ…角砂糖?」

妖精「にゃー、にゃー」 フルフル

犬庭師「テーブル?砂糖…欲しかったのか?ならもっていっていいから、ちょっとおとなしくしてな」

妖精「うーにゃーうー! あー、あー!!」 ブンブン

霊メイド「うーん、わからないのよ…言葉がわかるのって前魔王后様か、執事さんかしら、困ったわ」



勇者「ひゃう!?」

犬庭師「勇者さん!」



魔王「ゆう、しゃ…」 ギュー

勇者「あわわわ…!?」

犬庭師「こりゃいったい…」

犬弟子「師匠!お医者連れてきました! あと執事さんも!」

犬庭師「弟子!偉いぞ!」

猫医者「魔王様、勇者さんを離してくだされ、診察しますぞ」

魔王「…やだ…」 ギュー

勇者「か、勘弁してよぉ…!何が起きてるの!心臓破裂するぅ!」 ゾクゾク

猫医者「ふーむ、直前に何か召し上がりましたかな」

勇者「お茶ですっ!ケーキがまだ残ってる方のお茶が魔王の飲んでた分です!」

猫医者「ふむ、先にこちらを調べましょうか… 試験紙を…」

勇者「早めにお願いします! ちょ、魔王!お尻さわるなバカ!病人じゃ叩くに叩けない!」 ビクビク

魔王「うー、んん…」 モソモソ



犬庭師「執事さんっ 妖精が何か訴えてるんですが、解らないんですよ、通訳お願いします」

魔執事「ええ分かりました、妖精さんをこちらへ」

妖精「わー、にゃー!」

魔執事「おや、君は確か…勇者さんに、お砂糖を届ける役目でしたね」

妖精「にゃ! うーうー、きゃー、わー」

魔執事「ふんふん…」



勇者「はやくなんとかしてぇぇぇ」




魔王「……キュゥ…」   (気絶中)

勇者「はー、はー…」  (結局殴った)

霊メイド「大丈夫ですよー、正当防衛ですって」

犬庭師「流石に、胸もんじゃったらもう庇えないですわぁ、魔王様…」 ヤレヤレ


魔執事「わかりましたよ、妖精は犯人を見たのを伝えたかったそうです」

猫医者「薬草茶に薬が仕込まれておりました、媚薬の一種ですな」

猫医者「かなり濃度が高い、下手をすると致死量ですぞ」

霊メイド「なんですって!?」

猫医者「魔王様は基本毒物に鈍いですからな、無事で何よりです、すぐ解毒剤を用意します」

犬弟子「医務室に運ぶのは俺が担ぎます!」

犬庭師「では執事さん、犯人を取っ捕まえに行きますよ!許せん!」

魔執事「勿論ですとも、妖精、頼みますよ」

妖精「にゃー…」 ピョンッ

勇者「え、何…?」

妖精「うー、う!」





勇者「えっと、それ、くれるの?」

妖精「あい!」

勇者「…?」

犬庭師「さっきもってた角砂糖じゃないか」

魔執事「ああ、彼女は勇者にプレゼントを届ける演出役だったのですよ」

勇者「…これ、バラが掘ってある…」

霊メイド「あ、そういえば昨日…魔王様と元魔王后様と元魔王様で何か相談してました!」

霊メイド「これを渡す算段をつけてたんですね…」

勇者「そうなんだ…あなたが作ってくれたの?」

妖精「う! みー、にゅあー!」

魔執事「『掘ったのは私!デザインは魔王!』 だそうですよ」

勇者「そうなんだ、ありがとう」

勇者「ま、こいつには… 起きたら、ついでに言ってあげようかな」

魔執事「喜びますよ、良かったですね、妖精」

妖精「むい!」

今さらやけどエロをぶち込むなら、こんな感じの展開で二人とも媚薬を飲んじゃって、そのままエッチに
した後も、初な二人でSEXから始まる恋をやるのかと思った

>>38
正解です



次の日。。。


魔王「どわぁっ!!」 ガバッ

魔王「え、あ  俺の部屋…」

魔王「ええっと…勇者とケーキ食べてて、ケリンの木の実つまみ食いして、お茶のんで… そのあと、どうなったんだ…?」

  バターーンッ!(ドア)

勇者?「お尻揉まれた!胸揉まれた!」

魔王「ぎゃーっ!?」 ビクーンッ

勇者?「最低だ!結婚なんかするか!」 ウニュウニュ

魔王「………おい、スライム…」

スライム(勇者顔)「あれー、ばれちゃいましたー」

魔王「さすがに、男らしすぎる…一瞬ビックリしたが…」 ハァ

魔王「着替えてくる…お前は出なさい」

スライム「はーい」 ピョンピョン



魔王「あーびっくりした…何が胸揉まれた!だ… いたずらっ子め」

魔王「俺の使い魔のくせに、存在がテキトーなんだからなぁ」

魔王「はぁ、寝汗でべったべた…ついでにシャワー浴びるか」 タオルマキマキ

魔王「おーいスライム、留守番頼むわ」 ガチャ

勇者「ひゃっ!?」

魔王「スライムー、また勇者の格好かよ、止めてくべはらっ」 勇者「イヤァァァァ!!」
                       バッチーーーーン!(ビンタ)

魔王「な、なんで…」

スライム「すんませーん、勇者さんがいらっしゃいましたよって言おうとしたら」

スライム「既に魔王様がほぼ全裸の状態で登場してしまったもんで、遅かったでーす」

魔王「まじかよぉ…」

スライム「ついでに、勇者さんが魔王様に痴漢されたのは事実です、媚薬が原因ですけど」

スライム「そのあと勇者さんの拳骨で気絶なさいましたよ」

魔王「………俺、印象最悪じゃね…?」

スライム「ですねえ」



応接室。。。


勇者「いやぁぁぁ、男のひとの裸、見ちゃったよぉぉぉ」

霊メイド「よしよし」

魔メイド「お部屋にご案内したとき、スライム君が居ましたよね?」

霊メイド「たぶん、入れ違いになっちゃったのね…で、だらしない格好の魔王様と八会わせた、と」

魔メイド「ほら、勇者さん、男の裸なんか見ても減るものじゃないし、腐るわけでもないですし」

霊メイド「そうですよ、ご安心くださいな」

勇者「うぅー…」 グスン

勇者「筋肉達磨どもしか見てなかったから、あんなほっそりした体、どきどきして仕方ないんですぅ!」

勇者「私、変態なんだぁぁぁぁ いやぁぁぁぁぁ」

メイドたち「「ああー、なるほど…」」

魔メイド「騎士とか傭兵とかですよね、まわりにいる男性って」

霊メイド「というより、脈ありっぽいわね、ちょっと安心したわ」





今日はこのへんで失礼しますー
また明日、お会いできましたらどうぞよろしくです

魔王細いのか
強面らしいからマッチョを勝手に想像してた

>>45
同じく
インテリヤクザみたいな感じかな?

>>45>>46
そんな感じかもしれないです、インテリヤクザ
そんで本人も、自分のキャラ付けが難しいようです …というか迷走中?
紳士で真摯を目指してるのに、角はえてるし魔王だしそれっぽさも必要なのかな、とか
ちなみに勇者は、アンテナポニテのイメージで、前髪眉上パッツン?かなー、と(ニマニマ)



一時間後。。。


魔王「申し訳なかった」

勇者「叩いてごめんなさい」

スライム「僕もごめんなさいでした」 プルプル

魔メイド「はい、それじゃあ仲直りってことでお茶にしましょう」

魔王「うん…」

勇者「は、はいっ」

スライム「僕もクッキー食べたーい」 プルルン

魔メイド「はいはい、こっちで用意してますよ」

魔メイド「では、ごゆっくりどうぞ」 ペコリ



勇者「(あうぅぅ…気まずいよー…)」

魔王「勇者さん」

勇者「はいっ」

魔王「昨日今日と、不埒な行為をした事、重ねて謝罪します…」

勇者「ふえぅっ あ、いや、どっちも事故ですから!もう大丈夫です!」 ワタワタ

魔王「いえ、なにかさせてください!」

勇者「あの、じゃ、じゃあ、今身に付けてるもの、何か下さい!」

魔王「えっ」

勇者「あ、え…な、何を言ってるんでしょうね私は!なんでもないです!あははははっ」

魔王「…これでいいかな?」

勇者「え、えっ あ、カフスボタン…」

魔王「これをこうして…ん、よし」 パキッ カチャカチャ

勇者「わぁ…!」

魔王「はいこれ、イヤーカフ型にしてみたけど、どうかな」

勇者「すごい、魔法だ…!」

勇者「って、違くて!なんでもないって言ったじゃないですか!」



魔王「お揃いで持てたらうれしいなって思ったんですが、駄目ですか?」

勇者「あうー…」

勇者「で、でも、片方だけになっちゃいますよ?」

魔王「ああ、いいんですよ これもイヤーカフにします」

魔王「カフスボタンは別のがありますから」

勇者「あううー…」

魔王「謝罪だっていうのに、喜んじゃってすみません…」

魔王「どうしよう、にやけて止まらない…」 フルフル

勇者「本当にもう…あうぅぅぅ…」

魔王「貰ってください、ね?」

勇者「…はい」

魔王「ありがとう」



魔メイド「やっばい、たまらん」 ハナヂ

スライム「いやあ、意外な展開ですぜ、姐さん」

魔メイド「そろそろ仕事しないとなのに、もうちょっと見てたい!」



     魔王「今度、宝石商よぶかな…」

     勇者「ちょっと!何を言い出すんですか!」

     魔王「指輪…だと剣にぎるのに邪魔ですよね、やっぱりアームバングルとかかな」

     勇者「買う方向で話を進めないで下さい!遠慮させてください!なんか怖いです!!」



魔メイド「いやー、萌えるわぁ」

スライム「出歯亀っすよね、僕らって」

勇者ちょろいな 支援

>>52
ちょろくないと、先に進めないことに気がついたのですよ
いつも皆様ありがとうございます




妖精「にーうーゆー」 パタパタ

勇者「あ、昨日の妖精さんだ」

魔王「ありがとう、持ってきてくれたんだね」

妖精「むい!」 コトン

勇者「なんだかカラフルなのがいっぱい…」

魔王「最近魔界で流行っているマシマルっていうお菓子だよ、はいお駄賃」

妖精「にゅ!」 フカフカモチモチ

勇者「へー、柔らかいんだ」

魔王「そのまま食べてもいいし、お茶に入れると溶けてとろみがつく」

魔王「なかなか需要に供給が追い付かなくて、人間界に出荷するのは見送りになってるそうだ」

勇者「わ、そんな貴重なお菓子を…でも遠慮なくいただきます!」

魔王「どうぞ」

魔王「(やっぱり、宝石とかよりは食い物の方がなついてくれそうだな…ふむ)」

勇者「おいしーい!」

妖精「あむあむ」

魔王「俺は軽く炙るのも好きだな」 ボンッ

勇者「いいなぁ」

魔王「何個か焼いとこうか? 妖精、串かピン持ってきて」

妖精「あいっ」

勇者「あ、そうじゃなくって…魔法っていいなーって思って…」

勇者「でも炙ったマシマルは欲しいです」




妖精「んまー」 ハフハフ

勇者「うんんーっ もちってしててとろっとして何この食感!」

魔王「お気に召したようで何より」

魔王「で、妖精はいつまでいるのかな?(意:二人にさせろや)」

妖精「めっ(意:やなこった)」

魔王「ほほーう、言葉はわからんが、意味はわかった気がするぞ」 ガタンッ

妖精「るぃっ(意:やんのかコラ)」 シュッシュッ

    むんずっ

魔王「ちょっとコイツ、庭に置いてきますね」

妖精「みーぎーにゅー(意:はーなーせー)」 ジタバタ

勇者「あ、はい…」

勇者「仲良しさんですねぇ」 モグモグ



角を曲がったところ。。。


魔王「で、何があった、妖精」 スタスタ

妖精「!?」

魔王「わざと俺につまみ出されようとしてただろう?何か用事があったんじゃないのか?」

妖精「……あいっ」 コクリ

魔王「執事のとこにいくぞ、一緒にこい」

妖精「あい!」



お茶の間。。。


勇者「ふわぁぁぁ、眠くなっちゃいますよー…」 アクビー

勇者「こんなにのんびり過ごすの、どのくらいぶりでしょうかね」

勇者「筋トレ、組手、講座…魔王城にきてから免除されてますし、オヤツいただいてるばっかりです…」

勇者「……太っちゃいそうですね、順調に餌付けされてますよ、私…」 ウツブセ





    すよーーー…


魔王「戻りました」

勇者「ふぁ、はいっ」ガバッ

魔王「どうしました?」

勇者「なんでもないですっ」

勇者「(やばい、ヨダレたれてないよね!?)」



魔王「ちょっと提案があるのですが、聞いていただけますか」

勇者「はい、どうぞ? (ほ、セーフ…)」

魔王「デートしましょうか」

勇者「は……(ごふっ)…あぶねっ 何でですか?!」

魔王「ちっ」

勇者「舌打ちしましたよこのヒト! いや種族は人じゃないけど!」

魔王「さすがにもう引っ掛かってもらえませんでしたね、残念」

勇者「癖で『はい』って言っちゃうの、直すようにしてますので!」

魔王「それで、デートなんですけど」

勇者「安定の強引!」

魔王「俺としては、結婚を前提としたお付き合いをしたいなと願っているのですが」

魔王「勇者さんがけっこう押しに弱いなと判断しましてね?もう少し押してみようかなと」

勇者「うー…」

魔王「もうすぐ国王の誕生際ですし、人間界に出て、屋台めぐりなんてどうかなと」

勇者「屋台!」

魔王「デートっていうより、一緒にお祭りに行きませんか?っていうお誘いです」

魔王「幸い、父が居ますので結界の保護は任せてしまおうかなと思ってますし」

勇者「あ…」




勇者「ま、まずいよ、魔王が城からあまり離れると、結界が緩んでしまうはずじゃ?!」

魔王「そうだね、『魔王』が、ひとりも居なくなると確かに、まずいことになるよ」

魔王「魔族のほとんどは、人間界に興味はあっても侵略なんかは考えてない、法律もあるしね」

魔王「でも、法で裁けるのは住民だけだ…魔獣や自我を失った者共に、意味はない」

勇者「だからこそ、魔王が結界の中にいる間、人間はいたずらに魔界を刺激してはいけないと定められたんでしょ」

魔王「そういうことだよ、維持ができれば大丈夫さ」

勇者「……あ!!そうか、元魔王様がお城にいらっしゃれば、問題ないんだ!」

魔王「正解! 『魔王』の血を持つ者が、結界の内側にいる間、結界は維持され続ける」

魔王「でも丸1日以上はなれてしまうと、体に異変が起きるらしいから、外泊はできないけどね」

勇者「え、魔王自身にもよくないことが起きるの? やめた方がいいんじゃ…」

魔王「勇者と一緒に出掛けたいんだ、1日くらい耐えて見せるさ」

勇者「う…」

魔王「父には以前から、デートの時にはよろしく頼むって言ってあるんだ、たぶん大丈夫」

魔王「勇者さん…お願い、ね?行こうよ」

勇者「う、うーー…わかりましたぁ…」

魔王「…ぃよっしゃぁ!」

勇者「ふぁっ」 ビクッ

魔王「あ、ごめんっ 俺が小さい頃、よく両親がデートに行ってて、でも俺は留守番でさ…」

魔王「誰か出掛けるなんてしたことないから、嬉しくてつい…」

勇者「そうなんだ…」


魔王「誰かと出掛けるなんてしたことないから、嬉しくてつい…」

が正しいです、失礼いたしました




魔王「またきてね?」

勇者「う、うん…」 マッカッカ

魔メイド「はい、お送りいたしますよー魔法陣にのってくださいね」





    スタスタ…

魔王「…さて、どうなるかな…なぁ、妖精?」

妖精「にゅいっ」 パタパタ

魔執事「魔王様、失礼いたします」

魔王「ああ、例の犯人はどうなった?」

魔執事「申し訳ございません、獄中にてすでに息を引き取っておりました」

魔執事「毒のカプセルを含んでいたようですが、捕縛した時点で口内は私と他三名が責任をもって調べました」

魔王「ああ、俺も父も執事を信用している」

魔執事「この首を賭けて誓います」

魔王「おおぅ、そこまでしなくていいよ!」

妖精「みゅっ」 ビクビク

魔執事「失礼をいたしました」

妖精「ういぅ」

魔執事「不自然な点がいくつかございました、資料を用意しておりますので確認をお願い致します」

魔王「ああ、すぐいく」





妖精「……ふにゅ」 ウムッ

    パタパタパタパタ スタッ (薬草ドーム、花卉ゾーン)

    ゴソゴソ… テッテレーン♪

アナウンス《妖精は魔界の蜂蜜を手に入れた!》

妖精「にゅい!」 ムフーッ


    パタパタパタパタ…



妖精「にゅーいっ」

魔王「ん、どうした妖精?」

妖精「あい!」 グイグイ

魔執事「おや、妖精アイテムの魔界の蜂蜜ですね」

魔王「…どこからこの小瓶は出てくるんだ?」

魔執事「それは突っ込んではいけませんよ、妖精なんですから」

魔王「そういうもんなのか…小指くらいのサイズの小瓶が亜空間から現れる…のか」 困惑

魔執事「ちなみに中身は、元気が出るおまじないのかかった蜂蜜でございますよ」

魔執事「どういう《元気》かは、使うタイミングで変わるそうですが…」

魔王「なにそれ怖い」

妖精「のぃ」 (意:飲め)

魔王「ごめん、ちゃんと調べてからにさせて、今すぐ使うのは怖い」





傭兵ギルド、寄宿舎。。。


勇者「女傭兵ちゃーんっ!!」 バーンッ

女傭兵「ちょっと!着替え中よ!」 バタバタ

勇者「ごめん!」

女傭兵「はいはい、それでどうしたのよ」

勇者「大変なんだよっ!で、デートに誘われてしまったよ!」

女傭兵「詳しく聞かせなさい!」



      。。。しばらくお待ちください。。。



女傭兵「ふんふん…ならば、お祭り初日は避けるべきね」

勇者「え、なんで!?」

女傭兵「なんやかんや、楽しみだったのね…でも、魔王を何度も連れ出すわけにいかないでしょう?」

女傭兵「第一角よ、角!! 目立つこと必至でしょ!」

勇者「ああっ!」 ガーンッ

女傭兵「完全に忘れてたわね、この娘…」

勇者「だって、角があるのが普通な見た目なんだもん!かっっっこいいんだもん!!」

女傭兵「お、もうすでに惚れたか?」 ウリウリ

勇者「そ、そういうわけでは…」 ワタワタ





勇者「まだよくわかんない…のが、正直なところ」

勇者「すっごく親切で、ちょっといたずらっ子っぽいとこもあって」

勇者「あと、お菓子ごちそうになったよ、それから薬樹の実をいっしょにこっそり食べたりとか、楽しかったなぁ」

女傭兵「…餌付けされてる?」

勇者「………………違うもん…」

女傭兵「うーん、強面さんで角ありでしょう?しかも結構長い角でやせ形長身かー」

女傭兵「人混みが割れて怖がられるか、勇者ちゃんと同じ趣味の女子に囲まれるか、だね」 ニヤニヤ

勇者「うぅー…」

女傭兵「とりあえず、角だけは何とかしないとお祭りどころじゃないね」

女傭兵「三日目くらいなら色々とはっちゃけた人たちも増えてくる頃だからさ」

女傭兵「何人か集めて角飾りつけて参加してみようかな、出店に置いといてもらえば調子にのって買う人もいそうだし」

勇者「なるほど…あ、でもその前に魔王に聞いてみるよ」

勇者「魔法で角隠したり小さくしたりできないか聞いてみるよ」

女傭兵「そうね、そっちが先だわ いけない、先走るところだったわ」


勇者の最後の部分の台詞がだぶってたので、こっちにします↓

勇者「なるほど…あ、でももしかしたら、角隠したり小さくしたりできるかも…先に聞いてみるね」

失礼しました



翌日。。。


魔王「ああ、角なら縮めることができるからな、問題はないよ」 ニュンニュン

魔王「完全には隠せないけど、このくらいなら帽子で隠せるでしょ?」

勇者「………っ」 キューンッ

魔王「ど、どうしたの?」

勇者「…か、かわいいっ 角、ちっちゃい…!」

魔王「え」

勇者「やばいです、友人の趣味が今、理解できました…!」

勇者「大きい角の魔王も格好いいですけど、小さい角、かわいい…!」

魔王「そ、そう、か」

魔王「え、というか、格好いい、の?」

勇者「あ」



魔王「………」 プシュー

勇者「………」 プシュー







       魔メイド「いやぁ、初々しい…」

       霊メイド「きゃー、真っ赤か!かわいいっ」

       妖精「みゅん」



国王誕生祭、初日。。。
(待ち合わせ場所、時計塔広場)


勇者「………」 ソワソワ

ワイワイガヤガヤ…
キャーキャー

勇者「魔王、まだかな…」

魔王「すまない、待たせてしまったようだ」

勇者「ひゃぁ!!」

魔王「す、すまないっ」

勇者「あわわ、だ、大丈夫! ちょっと早すぎただけだから!」

勇者「楽しみで部屋でじっとしてられなくて出てきちゃって… どうしたの?」

魔王「かわいい…ワンピース似合うな」

勇者「っ!!」 プシュー

勇者「ま、魔王だって、か、格好いいよっ!帽子もっ」

魔王「え、あ、ど、どうもありがとう…」 プシュー

魔王·勇者「………」 マッカ


魔王「ん、んんっ…ええっと、ちょっと提案があるんだが」

勇者「あ、はいっ」



魔王「勇者魔王で呼ぶの、やめておこうと思うんだ」

魔王「一応、護衛が一般客に紛れてついてきてはいるんだが、わざわざ危険を呼び込む必要もないしな」

勇者「そっか、魔族だってばれたら囲まれちゃうしかもしれないもんね、滅多に人間界に出てこないもん」

魔王「いや、勇者が人気者だからっていう意味でいったんだが…」

勇者「そうかなー、使い勝手のいい傭兵くらいにしか思われてないよ?」

魔王「…まあいいか… それで、呼び名なんだけど」

魔王「ユウって呼んでいいかな?」

勇者「うん、いいよ そのまんまだね」 クスッ

勇者「じゃあ、魔王はマオって呼ぶね!」

魔王「女っぽくないか…?」

勇者「大丈夫だよー、私の方が男っぽいから釣り合うよ!」

魔王「そうだな、ではユウ、行こうか」

勇者「うん、よろしくねマオ!」





       魔族護衛1「バカップルにしか見えん…」

       魔族護衛2「あれだけ普通に話してて、よくバレてないわね、さすがお祭り空気感…!」



ユウ「キャーすごーい、花吹雪!」

マオ「優しい魔力でいっぱいだな…心地いい」

ユウ「魔力って漂うものなの?」

マオ「普通はすぐに霧散してしまうよ、でもこれだけ沢山魔法使いがいると途切れないみたいだな」

マオ「何よりあちこちで大道芸人や詩人たちに警備が混じっているし、常時警戒系の魔法を発動しているんだろうね」

ユウ「ふーん?」

マオ「(…ふむ、本当に魔力を感じ取れないみたいだな…)」

ユウ「マオ、次あれ食べよう!おっきいソーセージがあるよ!」

マオ「ああ、今いく」

ユウ「おじさーん、二本くださーい!」

ソーセージ屋台のオヤジ「あいよ!」

マオ「でかっ そして安っ! 赤字じゃないのかこれ…オヤジさん、お金置いとくぞ」

ソーセージ屋台のオヤジ「まいどー、ほらおつりだ 可愛い彼女にケチャップ多目な!」

ユウ「ありがとう!」

マオ「か、彼女……っ」

ユウ「あ…」 カァァァ

ソーセージ屋台のオヤジ「なんだいまだ付き合いたてか?可愛いな、お二人さん!」 ガハハ

マオ「ど、どうも…」

ユウ「あり、ありがとうおじさん、またねっ」 アタフタ



ユウ「はひー、びっくりした…」

マオ「俺は嬉しかったけどな」

ユウ「はうぅ…」

マオ「ユウ、早く食べないとケチャップ垂れるよ」 (すでに完食)

ユウ「おっと」 パクッ

マオ「う…」

マオ「(い、いかん…変な想像してしまう…っ)」

ユウ「?」 パキッ モグモグ

マオ「(うぅ…!)」 ビクゥゥッ





        魔族護衛1「あ、むっつりがいるぞ」

        魔族護衛2「えっと、ごめん、意味がわかんないわよー…?」 モグモグ

        魔族護衛1「男特有の現象だ、気にするな (俺もですけどね…くぅっ)」 ビクンッ



実際に起きた、はじめてのお祭りでの出来事が少し混じっております(笑)
こっちが謝るのもなんか変だしどうしたらよかったんでしょうね…
あ、爪が無事伸びてきましたッス!指はまだ短いけど、一応順調です




ユウ「さて、次なに食べよっかな~」

マオ「あっユウ!みて、綿キャンディ売ってるよ!」

ユウ「え、あのフワフワのやつ!?」

マオ「お祭りでしか食べれないって聞いてたけど、行列できてるよ…」

ユウ「是非とも食べておかないと!」

マオ「うん、行こう!」




子供たち「ありがと、おじちゃん!」

綿キャンディ屋台のオヤジ「落っことさんようにな~」

マオ「お、もうちょっとだ」

ユウ「皆一年ぶりだもんね、いい笑顔ですな」 シミジミ

マオ「急におっさんぽくなったぞ」

ユウ「やー、小さい子って可愛いなあって」



マオ「そっか、子ども好きなんだ」

ユウ「うん、時々孤児院で遊んだりとかしてるの まあ皆はおやつのボンボンが目当てだろうけど…」

マオ「え、ボンボンってお酒使ったお菓子じゃなかったっけ?」

ユウ「あれ、お砂糖とかキャラメルとかのお菓子の総称だと思ってた」

マオ「それだと、綿キャンディもボンボンになるよ?」

ユウ「よく知らないで持っていってた…今度孤児院行く前に調べておかなきゃ」

マオ「俺も…あ、料理長に聞けば早いかな」

ユウ「それだっ!」


綿キャンディ屋台のオヤジ「はいまいど! 次のカップルさん、どうぞ!」

マオ「あ、はーい」

ユウ「はーいっ」


マオ・ユウ「(……返事してしまったー!!)」


マオ「ふ、普通の2つで!いいよね、ユウ!」

ユウ「は、はい!!」

綿キャンディ屋台のオヤジ「あいよーっ」


     ガーーーーーーーッ (綿キャンディ製造中)




ユウ「え、ええっと、おごってもらっちゃって、ありがとう…」 モキュモキュ

マオ「いえいえ」 モキュモキュ

ユウ「………えっとですね」

マオ「うん?」

ユウ「…なんかさっきから、屋台にいくたびカップルって認識されるのってなんか、こう…」

ユウ「わーーーってなるんですけど、どうしたらいいのでしょうか」

マオ「…ごめん、そんなに嫌だった…?」

ユウ「わかんない…でも、嫌なわけじゃない、デス」

マオ「なんでカタコト…」

ユウ「う、うぅー…  うー…」 ムシリムシリ

マオ「…ユウ……勇者?」








勇者「マオ…魔王が、好きです」

魔王「!!!」





魔王「いよっしゃぁぁああああ!」 ギューッ

勇者「ひゃぁぁぁぁ!」

魔王「大事にするから!大好きですから!」

勇者「わかったからはなしてぇぇ!?」

魔王「ようやく念願叶ったんですよ、離すものですか!」

勇者「!! 魔おぅ…マオ、帽子脱げる!」

マオ「やばっ」

ユウ「危ないなあもうっ」

マオ「魔力がコントロールできなくなってしまって…すみません」

ユウ「いつの間にか、設定忘れるところだったわ…」

マオ「本当にありがとう…嬉しい」

ユウ「あああ、あの、でも…結婚はちょっと待ってほしいの!」

ユウ「その、色々と問題ありそうだし、ええっと、心の準備がっ…!」

マオ「職業については、問題ないですよ?」

マオ「そちらのトップが色々根回ししてくださいましたので」

ユウ「おうさま、かぁぁぁぁぁ…!」(小声)

マオ「そういうことです、それに俺もちゃんと仕事してますよ?まあ基本書類ばっかりですけど」

ユウ「私なんか剣ふってるばっかりだもの…」

マオ「もちろん、ユウ自身も普通の民のような生活では無かったでしょうけれど、こちらもそこそこ特殊なものです」

マオ「たくさん話し合いましょう、ね?」

ユウ「うん…!」




  スコンッ!

マオ「あいたっ」

ユウ「マオ?」

マオ「…あ、あー…護衛からの合図だ、何かあったみたいですね」

ユウ「石に色が塗ってあるね…これ、当たったの?大丈夫?」

マオ「痛いですけど怪我するほどではないと思います、すみませんがちょっと行きますのでここにいてください」

ユウ「うん、いってらっしゃい」









???「見ろ、男が離れた」

???「やるか?」

???「節操ねえなあアンタ、賛成だ」





魔族護衛1「申し訳ありません、魔王様」

魔王「大丈夫です、大事になる前に報告していただけて助かりました」

魔王「それじゃあ戻りますので、またお願いしますよ」

魔族護衛1「はっ」



マオ「ユウ、おまたせー……ユウ?」


食べかけの綿キャンディが落ちているベンチ「……………」


マオ「……護衛!ユウを探してくれ!!何かあったみたいだ!」

魔族護衛1.2「!!!」




マオ「ユウ、ユウーーーッ!!」

魔族護衛1「ユウ様ーーーーっ!!」

魔族護衛「……?なんでしょう、今、変な音が」


       ……キィィィィイイイインッ……
            ズドーーーン!!

三人「「!!??」」

     うわーーーっ なんだーー

     何か落ちてきたー

     わーぎゃー

マオ「……!」

魔族護衛1「まおっ…我が主!」

魔族護衛2「お待ちください、主ーーッ!」






。。。十分前。。。

ユウ「うん、いってらっしゃい」


      わいわいがやがや
         キャーあははは


ユウ「……暇ー…綿キャンディおいしー…」 モキュモキュ

ユウ「早く戻ってきてよぅ…」 ジワ…ゴシゴシ



男1「暇なら一緒に回ってくんない?」

男2「俺ら良い喫茶店知ってますんで、いきましょうよ」

男3「おいおい、せっかくのお祭りで喫茶店かよ、だが良いな、ゆっくり話せる」


ユウ「……綿キャンディおいしー…」 モキュモキュ

男1「あ、あのー…」

ユウ「まだかなー…」 モキュモキュ

男1「おい、無視すんなよ!!」 ガシッ

ユウ「ハァ…」
     グイ、ギリギリギリ…!

男1「いだだだだだだだ!?」

ユウ「すみません、人を待ってますので、お引き取りください」



男3「乱暴はよくない、だが威勢のいい女性は好みだ」 グイッ!

ユウ「!!」

男1「うぐ…いってえなこの…!」

男2「まあまあ、無事確保できたんだし早速行こうか」

男3「うん…?(結構筋肉質だな…薬、多目に使っ)」


ユウ「セイッ!」
       ズドンッ!!





男3「グハッ!!」 グラッ

ユウ「じゃあねっ!」

男1「まてこらー!!」

男2「アダッ!」 ムギュッ

ユウ「ほいっ」 ピョンッ


      だだだだだ……  ガクンッ

ユウ「!?」 ビターーンッ!

男1「よし、かかった!」

男2「いってぇな… 多少は乱暴しても許される感じじゃね?」

男3「こんな小さいみぞでも、充分足止めになるな」

ユウ「う、く…(やばい、足ひねった…!)」

男1「よし、連れていくぞ」



ユウ「……っ 来い、クリカラ!!!」

男1「は?」


        ズォッ   キィィィィイイイインッ

         ズドーーーン!!


男たち「!?」

ユウ「はぁっ…はー…   退きなさい、私に触るな!」





魔王「……なるほど、それであの男どもが怪我だらけな訳だ」

ユウ「う、うえぅぅ、死んじゃうぅぅぅ、魔王ー、治してえぇぇぇ…」  号泣

魔王「そう簡単に死なないから落ち着きなさい、ユウ」

男たち「「………」」 ガタガタブルブル

魔王「はぁ、思い知ったでしょうあなたたち?俺の彼女に手を出した、その結果だ」

男1「は、はい…本当に申し訳ございませんでした…」

男2「こえええよぉぉぉ…棒が伸びたり太くなったりするよぉぉぉ…」

男3「まさか、魔王の細君だなどと、梅雨ほども知らず…無礼をいたしました…」

魔王「や、まだ結婚してないけど…というか、なんで魔王って…」

男3「必死に《魔王、魔王ーーーーっ》って呼んでおりましたので…」

ユウ「いやぁぁっ 言わないでよ!」

魔王「うーん、まあいいけど…とりあえず」


     ゴンゴンゴンッッッ!!(拳骨)

男たち「「ぎゃぁぁっ!!」」

魔王「これでよし、と」

男1「う、あ、あれ…」 ジュゥゥゥゥ…

男3「怪我が治っていく…う、イデデデデ!?」

男たち「「あだだだだいだだだいででいだだだあいたただだだ!!?」」

魔王「悪いな、魔王だからか殴らないと治癒魔法が使えないんだ、ついでになおる最中、ものすっごく痛いんですよ」(大嘘)

魔王「まあ、悪さをした代償だと思えば安いものでしょう?警備兵につき出すわけでもないし、怪我も治るし」



  んぎゃぁぁぁぁぁ…(断末魔)


魔王「さて、ユウ…(勇者だとはバレていないんですよね?)」

ユウ「うん…(聖剣の形状、棒っぽくしておいたから、剣には絶対見えてないはず)」

魔王「ああ、そういえば棒が伸びたり太くなったりって言ってたな…じゃあ大丈夫かな」

ユウ「うーん」

男1「ぬ、ぉぉっぉおおお…」 ブルブル

魔王「ああ、もう動けるんだ、結構頑丈だね」

男1「なんで、ここまで…!」

魔王「大目に見たほうだと思うんだけど?」

魔王「魔界だと、女子供に性的乱暴目的で連れ込んだりした場合、未遂でも投獄と強制労働ですよ」

魔王「実際に性的暴行なんかしたら、即日死刑だ」

男1「……申し訳ございませんでした…」

魔王「懲りたら、もう二度と誰にもこんなことするんじゃありませんよ」

男1「はい…」

魔王「それじゃあ帰りますよ、ユウ?」

ユウ「う、うん…」





魔王「あーぁ、彼らのせいですっかり夕方ですね…」

ユウ「……」

魔王「魔王だってバレちゃったし、明日はもっと変装しないとな」

ユウ「……」

魔王「…ユウ?」

ユウ「…魔王……」 ヘナッ

魔王「勇者!!どうしたんですか?どこか怪我を?」 オロオロ

勇者「……」

勇者「怖かった…必死だったからか、さっきまでは平気だったのに…あ、足が震えて…」

魔王「勇者…!」 ギュッ

勇者「ごめん…なさい…」

魔王「悪いのは彼らです!勇者が謝ってはいけないんですよ!」

勇者「…魔王…」 ギュゥ

魔王「勇者…一緒に城へ帰りますか?」

勇者「え…?」

魔王「こんな状態で一人にしたら…消えてしまいそうで怖い」

勇者「……」

魔王「勇者を守らせて欲しい」

勇者「……ひっく…ぅ…うええぇぇぇん…!」

魔王「勇者…」





魔王城。。。


霊メイド「お帰りなさいま…せ?」

魔メイド「まあ、勇者さん!」

勇者「…………」 プシュー

魔王「ただいま、すまないが勇者を風呂へ」 姫ダッコ

魔王「(ちょっとトラブルがあった、色々とケアを頼む)」 ヒソヒソ

魔メイド「! (承知いたしました)」 ヒソヒソ

霊メイド「足にお怪我を?」

勇者「う、ううん…ちょっと立てなくなっただけ、もう大丈夫…」

魔メイド「ご無理なさらないでくださいませ、お運びします」 ヒョイッ

勇者「わあ!?」

霊メイド「すみません、私透けちゃうのでお荷物くらいしか持てなくて」

魔メイド「ヘーキヘーキ、女の子くらいだっこできるわよー」

勇者「歩けますよおぉぉぉ」




魔執事「お帰りなさいませ」

魔王「ただいま」

魔執事「報告は受けております、お部屋の準備も後輩にこっそりさせております」

魔王「ああ、それで彼女らは知らなかったんだね」

魔執事「はい …その、魔王様、差し出がましいとは思いますが…」

魔執事「避妊用の魔法薬と殺精子魔法剤を寝室にご用意しております」

魔王「ブーーッ」

魔執事「その、一応まだ恋人でございますからね、エチケットでございますよ」

魔王「まて、そんなつもりでは…!」

お久しぶりでございますー
無事、指の治療終了いたしました
5ミリくらい短いままですが、指の形をもとに戻すのを優先しての治療でしたので、悔いはないです
あとは爪の出っ張った部分を切り取れる長さになるまで注意しながら、仕事復帰しますッス
右手だけ見るなら、ほぼ普通の指になってるので気を付けないと右手で物拾っちゃったりするのでしびれて痛いです(笑)
皆様、どうぞ寝不足にはご注意を… 自分みたいに大怪我してからじゃおそいですわ、マジで
それでは続き、いきまーす



魔王城、銭湯。。。


勇者「………へふぅ」 ホカホカ

魔メイド「はい、洗髪おわりましたよー」

勇者「髪の毛洗ってもらうのって、こんなに気持ちよかったんだ…これはたまんないです」 トローン

魔メイド「ええ、元魔王后様の御髪を専門で洗う大役を任された先輩に、ビシバシ鍛えられましたので!」

勇者「本当に良いのかなぁ…ただの勇者なのに…」 ブクブク

魔メイド「大丈夫です!魔王様の御命令でございますので!」

魔メイド「それと、足首の治癒魔法は魔王様にバレないように細工してありますので、ご安心くださいませ」

勇者「何から何までありがとうございます」

魔メイド「そろそろあがりますか?お着替えは魔王様が用意していたものから選んでまいりましたよ」

勇者「ありがとう、でもなんで着替えがあるの…」

魔メイド「魔王様のことですし、勇者さん限定で目視による計測とか出来そうですわ…むっつりですし」

勇者「ありがたいけど怖い」

魔メイド「まあそういうところが、魔王様ですものねー」





魔王私室。。。

魔王「へっくしっ!!」





魔王私室、応接ルーム。。。


魔王「ふー、さっぱりした」 ゴシゴシ

スライム「お疲れ様ですー、髪乾かしますよー」 プルルン

魔王「ああ、頼むよ」

スライム「よいしょっと!」

         ムニュムニュモゴモゴ…

魔王「シャワーのあとはやっぱり、スライムドライヤーだなぁ」

スライム「無機物っぽい言い方はやめてくださいよ!」 プルプルモソモソ



霊メイド「魔王様、失礼しまきゃぁぁぁぁーーーっ!?」

魔王「その声は霊メイドか」 ←(頭がスライムで被われているのでよく見えていない)

スライム「はいはーい、終わりですー」 スポンッ

霊メイド「び、びっくりした…!髪乾かしてただけでしたか…」

魔王「ねえ勇者は?」

霊メイド「魔メイドがすぐにつれてまいりますわ」

魔王「そうか…」

魔王「うちのスライムはバブル系じゃなくてこんにゃくゼリー系なので、常時プルプルしてます」
スライム「変装中以外は、基本あんまりベタつかないよ~」 プルルン
魔王「変装中もすごくプルプルしているので違和感がすごいんです、どうやって変装してるのかは謎ですが…」

…だそうです。(作者)



魔メイド「よくお似合いです!」

勇者「う、うぅ…可愛い過ぎだよう…」 豪華ワンピース

魔メイド「ドレスじゃないのが残念なくらいなのですが!」

勇者「無理ぃぃぃ…」

魔メイド「はい魔王様、勇者さんをお連れしましたよ」 コンコン

(魔王「!!」) ガターン!

勇者「うわっ?!」

魔王「待ってたよ、勇者!入ってはいって!」

勇者「へぁぅっ!」

魔王「勇者の寄宿舎に連絡ついてるんだよね?」

魔メイド「はい、滞りなく」

魔王「ん、ありがとー んじゃまた明日!」

魔・霊メイド「「失礼いたします」」

勇者「え、ちょ、二人っきりですか!?」




勇者「………」 カァァァァ

魔王「……あ…えっと、最初に言っておくと!」

魔王「城に連れてきた段階では、全くやましい気持ちは無かったので!そこはご理解いただきたいです!」

勇者「…今は?」

魔王「…………………………ごめんなさい、ちょっとあります…」

魔王「で、でも!無理矢理とかは絶対しませんので!」

勇者「うん、信用してる」

魔王「あ、あれ…」

勇者「男のヒトだもんね、そういうもんなのは何となくわかるよ…」

勇者「下世話な話を大声で喋っちゃうようなオッサンも身近にいたしね」 アハハ

魔王「それもそれでどうかと思うよ!?」

お久しぶりでございます、激しい頭痛で死にかけてました
脱水症状なりかけだったようです、会社の応急処置ですぐ治ったので無事です
以前はスッゴク寒いところで、今の職場が服がしぼれるくらい汗をかくあっつい所なもんで…
急激な寒暖差に体が付いていけなくなったみたいです
ここ数日家に帰っても汗が止まらなかったんで、すでにヤバかったようです
麦茶と塩水飲まされるとは思いませんでした… ゲフォ
それではいきます



勇者「えーと…どうしたらいいかな」

魔王「え」

勇者「や、その…どういうことをするのかは知ってるんだけど…」

勇者「どうやってそういう行為をはじめるのかは聞いたことが無くてですね…えーと、えっと」 モジモジ

勇者「ぬ、脱ぎまsu                あ、はい…」
         魔王「まだ脱がなくていいです!」

魔王「(ああぁぁぁもう!危ねえなあ!!)」

勇者「(ひぃぃぃぃ、恥ずかしすぎてどうしたらいいかわかんない!)」




 コンコンッ

魔執事「魔王様、お夕食をお持ちいたしました」

魔執事「軽めでとの指示でございましたので、お部屋でのほうがよろしいかと思いまして」

魔王「お、おう!ありがとうな、執事!」

魔執事「勇者さん、こちらのお部屋へどうぞ」

勇者「は、はい!!」

魔執事「食器はのちほど回収いたしますので、食後はそのままお休みくださいませ」

魔王「ああ、ありがとう」

魔執事「それでは失礼いたします」


魔王「………勇者、大丈夫か?」

勇者「う、うん…まだ心臓ばくばくしてるけど…」 グッタリ

魔王「脱がなくてよかったな」

勇者「ごめんなさい」




   食後。。。


勇者「ごちそうさまでした!」

魔王「サンドイッチなんて久々に食べましたね、案外ペロッと完食できましたよ」

勇者「…魔王ってさ、言葉づかいが丁寧なのと雑なのと、頻繁に混ざるよね」

魔王「あ、あー…それはその…」

勇者「もしかして、無理してる?」

魔王「…いえ、気をつけて使うようにはしています、無理してる訳では…」

勇者「………」

魔王「…こんな顔ですし、角はえてますし、ね…」

魔王「これで言葉が汚かったりしたら、完全に悪者ですから」

勇者「そこはほらアレだよ、汚い言葉づかいをしなければいいんだって!気ぃ緩んだ程度なら普通の感じだと思うよ?」

勇者「私なんて最初から魔王にタメ口だったし、今更治らなくなっちゃったよ」

魔王「勇者はそういう所が元気でいいと思います…い、いいと思う、ぞ ?」

勇者「あはは、結局どっちにしろガタガタになるね!」

魔王「うぐ」

勇者「そんで、どっちの魔王も好きだよ」


皆様、いつもありがとうございます



  ぎゅぅぅぅぅっ

魔王「………!」

勇者「ちょ、ま、魔王っ! 苦しいよ!」 ペシペシ

魔王「…本っ当に………あなたはタチが悪い!どうしてそうやって俺を試すような事を…!」

勇者「なんで!?何もしてないよっ」

魔王「俺がどれだけ我慢していると思ってるんですか!」

魔王「好きな女の子と部屋で二人きりなんですよ、辛いんですよ!追い討ちぶちこまないでくださいよ!」

勇者「なんかごめんなさい?でもどうしろと!」

魔王「…勇者……抱きたい…っ!」

勇者「………!」

魔王「俺のものになってほしい、俺だけの女にしたい!そういう状況なんだよ!わかってよ!!」




魔王「勇者、ゆうしゃ…!ユウ…!」 ギュゥゥゥ

勇者「…魔王…」 ギュ

勇者「大事にしてよ…?」

魔王「っ! あああ、当たり前だ!」

勇者「うん、信じる」

魔王「勇者…」

勇者「ま、まお…」


  ガチッ!




勇者「いったぁ…!」

魔王「……あ、口切れた…」




翌朝。。。


魔メイド「おはようござうおっ」 ビクンッ

魔王「おはよう…」 ドヨーン

勇者「おはようございます…」 グッタリ

霊メイド「ええっと…何があったのか、聞いても大丈夫でしょうか?」

魔王「たぶん、緊張のあまり二人とも床で寝てた…それだけです」

勇者「気がついたらカーテンの下が明るくなってました…背中がメキメキいってる…」

魔メイド「…猫医者さんを呼んでまいりますわ」

魔王「ああ、頼む…あと、眠気覚ましに酸っぱいものもってきて…」

勇者「すみませんが私もください…」

霊メイド「かしこまりました」




霊メイド「(何も起きなかったみたいですね、つまんない…)」

魔メイド「(やっぱり魔王様、へたれですねぇ)」



魔執事「魔王様、朝食中申し訳ございません 緊急速達便でございます」

魔王「おや、どなたでしょう…んん、王子ですか」

勇者「ぶぶぅっ!!」 (リンゴジュース)

魔王「どうしたんですか、勇者!」

勇者「ご、ごめん…気にしないで中読んで…」 ゴシゴシ

魔王「?  …えーと…」



=============================

前略、魔王殿

貴殿が結婚すると聞いて大急ぎでパーティの準備をしました
ボクは勇者と魔王の結婚式には必ず出席するつもりだが
その前にぜひとも前祝いをさせてほしい
日時は別紙を確認してください
それでは城で会いましょう
                 敬具 王子

============================= (要点部分のみ抜粋)


魔王「…長いなあ、おい…便箋三枚によくもここまでだらっだらと…」

勇者「(うぷ…)」

魔王「要点だけ読むと、大体こういうことだよな?」

魔執事「そのようでございますね」

魔王「そんでもってパーティは明後日か…バカだろ、こいつ」

魔王「大体俺は、王子といつ親友になったんだ」

魔執事「魔王様、お言葉が乱暴になっております」

魔王「おお、いけないいけない…」

魔執事「…勇者さん!お顔色が真っ青です!!」

魔王「勇者!」

勇者「気持ち悪い…なんで王子に会わなきゃいけないの…!」


勇者「これ、私、どうしても出ないとだめかな…」

魔王「うーん…絶対二人でこいって書いてありますよね…」

勇者「うう…」

魔王「何かあったんですね…絶対嫌ならお断りの手紙を出しますよ」

勇者「…や、それで魔王の印象悪くなるとまずいよね…いくしかないな…」

勇者「絶対離れないでよ、本当に離れないでよ…!」

魔王「あ、ああ それは大丈夫です、でも何があったんですか…?」

勇者「…ストーカー…探偵雇って張り込まれてたの…毎日手紙とお花と贈り物がきて…怖かった…」

魔王「それ、は…うわぁ…」

勇者「もちろん全部王様に返却したよ…王子に直接返したら何されるかわかんない…」



魔執事「もしかして、国王陛下が魔王様と勇者さんの結婚を推していらっしゃったのは、それが原因なのでしょうか…」




勇者「今思うと、たぶんそうかもしれない」

魔王「む…俺としては願ったり叶ったりだが、なんかむかつくなそれは」

魔執事「ともかく、警備の手配を急ぎます」

魔執事「メイドの皆さん、ドレスの準備をお願いしますよ」

魔メイド「新規では間に合いません、魔王様のご用意されたドレスの改造許可をください」

魔王「わかった、全力で頼みましたよ」

メイド衆「「はい!!」」

魔王「そうだ、勇者のイヤーカフをちょっと貸してください」

勇者「? はい」

魔王「《現在地点送信、救難信号機能》を追加、っと」

魔王「俺のには《勇者現在地点・救難信号 受信》をつけてっと…はい、着けて」

勇者「あ、ありがとう」

魔王「これでよっぽどのことが起こらない限りは勇者の居場所を特定できるから、万が一はぐれた時用に」

魔王「…あとは王子がおかしな真似にでないといいんだけどね…」



王都、傭兵ギルド寄宿舎、談話室。。。


勇者「………ということがあってね、一応報告に来ました」

女傭兵「ふーん、ずいぶんと進展があったわね、結婚式楽しみだわ!」

勇者「今はそこじゃないよう!王子の対策を!」

傭兵A(オッサン)「しかしよぅ、急いで準備したっつう割には準備万端整ってるのは気のせいかぁの?」

勇者「なんかね、魔王の部下が数人、王城で働いてるんだけど…あ、王様公認でだよ」

勇者「その彼らからの報告では『国中の要人のお使いが城で話し合いをしてる』らしいのね」

勇者「どう見ても前々から顔を見てる人たちばっかりだってさ」

傭兵B(ヤンキー風)「きな臭すぎだろぃ」

傭兵A「え、魔族の人混じってたのか?気がつかんかったわい」

勇者「そこかい」

女傭兵「とにかく、魔王さんのそば離れちゃダメよ?」

勇者「うん、しっかり引っ付いとく」

傭兵A「カッカッカ!すっかりホの字だな!! ワシもたまには嫁といちゃついてみるかね」

傭兵B「くっそー、俺も嫁さん欲しい!」

お待たせしてすいません、重めの喘息と肺炎で寝込んでいました
なんとか復帰しました、いきます



舞踏会当日。。。

勇者「う、うう…」 ガクガク

魔王「大丈夫…じゃないな、ほらつかまって」

勇者「も、もう隅っこの方でいいよぉ…」

魔王「そうもいかないだろうけど…」



     あのピンクのドレスが勇者様なの?
     まー素敵ー
     あらあら、あんなに縮こまって
     となりの男性どなたかしら
     礼式だがローブ姿とは…
     妙に静かだな


勇者「…すごい見られてない…?」

魔王「礼装なんだけどローブじゃまずかったかな…タキシードは似合わなくて」

魔王「あと杖も隠し持ちやすいんだ、ホラ」

勇者「え、袖にはいってたの?」

魔王「普段は手のひらサイズにしてしまってあるんだ、使うときに必要な長さに調整しつつ引っ張り出す感じ」

魔王「威圧感が必要なときは装飾もついでにくっつけたり」

勇者「まさかのカスタマイズ!」


王子「みなさん、ようこそ 今日はボクの親友の結婚前祝いだ、楽しんでいってください」

      王子ー!
      殿下―!


勇者「う、ぐ…」

魔王「だーから、いつ親友になったんだ俺たちは」 ハァ

勇者「ま、まおう…」

魔王「わかっています、さっさと挨拶して帰りましょう」


魔王「殿下、この度は…」

王子「やあ魔王殿、突然招いて申し訳ない!ほらほら、フード取りなよ!久々に角拝ませてよ」 グイッ

魔王「う、うわっ!!」 バサッ




   ざわっ…!

王子「なんだよー魔王殿、なんで角小さくしてるのさあ、カッコいいのに」

魔王「やめてくれ!」

勇者「魔王!落ち着いて!」

魔王だけに踊りもma!oh!上手のはず



    キャーーッ!!

   つ、角だ…!
   魔族!
   なんで魔族が!
   勇者様!


勇者「ああ、もう!これだから差別的な都会は困るのよ…っ」

魔王「…やれやれ…」


王子「はいはーい、みんな落ち着いて!ボクと魔王殿は親友なんだよ、大丈夫ですよ!」

王子「今回は、魔界の為政者・魔王殿と、人間界の英雄・勇者殿の結婚を間近に控えての前祝いなんだ」

王子「魔界っていっても人間界とそう変わらない社会がきちんと作られてる、一つの国だととらえてもらった方がいいからね」

王子「でも驚かそうと思って黙ってたのは謝るよー、騒がせちゃって、ゴメーン」 テヘッ


    ざわざわ……


勇者「とりあえず、助かったかな…」 ゲンナリ

魔王「…何なんだろうな、この胸くそ悪い違和感…」 イライラ




王子「いやぁゴメンゴメン、こんな大騒ぎになっちゃうとは思わなくてさ」

魔王「…俺はまさか、初対面でこんなにも馴れ馴れしくされるとは思いませんでしたよ」(小声)

王子「ほら、いろいろと必要になるんですよ、こういうアレは、ね」

勇者「……」 ビクビク

王子「勇者さん、昔のボクが本当に失礼しました」

王子「今は心から祝福したいと思っています、どうかお祝いだけでも…」


   ツルッ  「キャァ!!」   勇者「危ない!」
      ガシャンッ   バシャーーンッ!


魔王「勇者!」

メイド「ひ、っひい……!ももも申し訳ございません!」

勇者「あちゃぁ…やっちゃった……」

勇者「ごめん、魔王…ドレスが…」

魔王「仕方ありませんよ、あなたに怪我がなくてよかった そちらのメイドさんも」

王子「な、なんてことを…!」

メイド「申し訳ございません!お許しください!」

王子「今すぐっ!出ていきなさい、すぐに!」

魔王「殿下、待ってくれ」

王子「本当にすまない、勇者さ…」

魔王「待てといっているんだ、殿下! それはあんまりだ!」


王子「な…」

魔王「勇者もメイドさんも、怪我がなかったんだ、それでなぜ良しと出来ない!」

王子「し、しかし!勇者さんのドレスが…!」

魔王「替えは用意してある、着替えれば良いだけだろう?」

勇者「え、そうなの?なんかごめん…」

魔王「いい、こういう場面ではあり得る事故だ それに洗えばお茶会くらいには使えるさ」

勇者「富豪思考と庶民派思考の両立って魔王だからこそなんだね…」

魔王「?」

王子「バカな…この壊れた銀のグラス1つで、その娘の給金の何十倍もするんだぞっ!?」

魔王「こんな金属のグラスくらい直せば使えるじゃないか、ほらっ」 グニュッグニグニ

王子「うわっ…」

魔王「俺を親友だと言い張るくらいなんだ、これで終わりにしろ!」

魔王「メイドさんももう、怯えなくていい …ああでも働きずらいだろうしうちで雇うから来るといい」

メイド「え、ええっ?!」

勇者「その方がいいと思うよ、そうしなよ」 ウンウン

魔王「こんな大勢の前で叱るようじゃまだまだだな、殿下」


王子「…チッ……」




控え室。。。

勇者「はあ、怖かった…」 ビショビショ

魔王「……」 ブツブツ

勇者「あのー、魔王、着替えるから出てほしいんだけど…」

魔メイド「私どもがおりますから、大丈夫ですよ?」 (←待機してた)

魔王「……すまない勇者、少しだけ離れる」

勇者「へ、なんで?!」

魔王「……さっきからする違和感だ、確かめてくる…」

勇者「で、でも…!」

魔王「本当にすまない、すぐ戻る!行ってくる!」

勇者「魔王!」

魔メイド「あーもー、なんでこうフラグ作っちゃうかなーもー!」

霊メイド「いや、フラグとか言わないでよ、絶対なにか起こっちゃうじゃないの!」

勇者「あの、フラグって」

魔・霊メイド「「聞いちゃダメ!」」

勇者「ハイ…」




明かりの届かない中庭暗部。。。


  ドカッ!

王子「……どういうつもりだ、うまくやれといっただろう…」

メイド「も、申し訳、ござ…」

王子「ましてや勇者に助けられるとか、あり得なさすぎだろう?」

メイド「」

王子「…チッ、気絶したか、まあいい…お前はしくじるなよ」

そっくりなメイド「ひっ…!」

王子「お前ら、これをここから離しておけ そのあとは好きにしていい」

黒服「……(コクリ)」 スタスタ…

王子「あと三人か、二回しかしくじれないぞ、しっかりやれ」

そっくりなメイドたち「「は、はい…」」


王子「そろそろ戻らないと影武者に申し訳ないな、いくか」




霊メイド「はぁぁぁ…不安しかないわよ」

勇者「はなれないでって言ったのに…ふたりがいるからまだ大丈夫だけど…」

魔メイド「魔王様が戻られるまではしっかりついていますからね!」

霊メイド「いったいどうしたんでしょうね、魔王様…かなり不審がっていましたけど」

勇者「うん…… あー、ごめん、ちょっとトイレ…」

魔メイド「はーい たしかこっちでしたね、ドアのところで待ってますので」

勇者「ごめんね、ちょっといってくる」






  じゃーー…

勇者「ふう、すっきりー」

???「……」

勇者「ドレス姿でおトイレって面倒だよなぁ…  っ!?」
                    ガシッ ガタン!!


そっくりなメイド(気弱)「も、申し訳ございません…」




数分後。。。


魔メイド「はい、間違いないですの!誘拐ですの!」

霊メイド「やられましたわ!!結局やられました!!そして魔王様もいまだ行方不明ですわ!」

魔執事「パニックなのは分かりましたからキャラをもとに戻して説明してください」

霊メイド「はい 普通にトイレの使用音と、洗面所で手を洗う音、そのあと急に無音になりました」

魔メイド「もちろん、その段階でおかしいと判断してすぐ中を確認して無人でしたので、執事さんを呼びに走りました」

魔執事「ふむ、相当用意周到でしたか…こちらの包囲網を完全に抜かれてしまっています…」



魔王「やられたか…」

魔メイド「魔王様っ!!」

霊メイド「どこいってたのですか!勇者さんが……!」

魔王「……すみません、実を言うとこうなるのはわかってたんです、だが手口が想像を遥かに越えていました」

魔メイド「ま、まさか!!わざと誘拐させたって言うんですか!」

魔王「それは絶対ありません!その前にきちっと捕まえるはずでしたよ!」

魔王「確認する不審な箇所が多くて、その隙にやられました…」

魔執事「言い訳は後にしましょう!場所は特定できていますか、魔王様」

魔王「ああ、勇者の居場所を検索かけてるんだが、引っ掛からない箇所があります」

魔王「ついでに強い魔力が集まってるのにそれを隠ぺいする技法がかかってるから、すぐわかりましたよ」

魔・霊メイド「「助けに行けよ!」」

魔王「いや、行きたいんですけど通れないんですよ!」

魔執事「はいはい、新キャラ発掘しなくていいですからね さっさと行きますよ」

魔王「いや、だから、通れないんです!」







勇者「えー、はい、勇者です」

勇者「なんだかよくわからない内に、なんだかよくわからない寝室っぽいところに放り込まれました」

勇者「なんかクローゼットとか机とか、全体的に白すぎて気持ち悪いです」

勇者「あとお布団が異常にぼよんぼよんしてて眠れるような場所じゃありませんよ、ここ… あだっ」 ボヨンボヨン


王子「意外と一人言多いみたいですね、勇者さん」

勇者「ああ、ようやくお話し相手がいらっしゃったと思えば、殿下でしたか」

勇者「(……うー、出来れば話なんかしたくないです!)」

王子「ふふ、冷静を装っていらっしゃるようですが、手が震えておりますよ」 ソッ

勇者「っっ!!」 ゾゾゾゾッ

王子「ああ、この手も頬も肌も、魔王のものになってしまっているなんて…父はなんて罪深い事をしたのか」

王子「別に魔の者達を差別するつもりなんてありませんけど、魔の頂点と人の希望を結ぶなど、おかしな話です」

王子「あなたと結ばれるべきは王の血族であるべきでしょう?このボクがふさわしいはず」

王子「間違いはすべて、正すべきでしょう? あなたが魔王を捨ててくれれば修正は可能ですから」


王子「あなたの全ては、ボクのものだ、そうでないことは正しくない、そうでしょう?」





ああ、そうだったーーー
最初に魔王に出会った日、毛嫌いしそうだった原因がこれだ…


勇者「ナルシストは本当にご勘弁ください」

王子「?」

勇者「(そしてこの理解できてない部分!本物のナルシスト!!本当に嫌!)」

勇者「と、ともかく、結ばれるべきとか間違いとか、そういうのは全然ないので!」

勇者「好きあっていたらそれでいいと思うんです!血とか関係ないと思うので!」

勇者「そ、そりゃ最初は王様と魔王の強引さからですし、流されっぱなしですけど、最初から好きだって言ってくれてっ!」

王子「勇者さん、そういうのいりませんから」

王子「好きとか嫌いとかで王族は結婚できませんから、そういうのいらないんですよ」

王子「男と女なら、抱けるように出来てるんです、王族は」

勇者「ちょ、ほ、本当に目がヤバいぃぃぃぃ!!」


こんなところでR18展開になるのは嫌だー!



王子「勇者さん、勇者…」

勇者「ぎゃーっっ!呼び捨てやめてぇぇええええ!」

王子「ふふ、悲鳴すら甘露…」 カチャカチャゴソゴソ

勇者「本格的に気持ち悪いぃぃぃぃっ!!」

勇者「…でっぎょぇぇええあああああっ!!!?ベルト取るなズボン脱ぐなパンツ脱ぐなやめろぉぉおおお!!」

王子「おや、もしかして処女? ふーん、まだ魔王は手をつけてないのか…」 ニヤ

勇者「ぎゃぁあああああ¥$&*=+#%?&※!!!」

王子「大丈夫、色々と薬も用意させてるし、楽しませてあげますよ?痛みなんか感じない内に虜にさせてーー」



                                                   ピーーー
勇者「フルボッキサイズが傭兵仲間の通常サイズにも満たないソーセージで処女膜傷つけられるとか思うなよこの●●●●●!!」


ごめんなさい、修正してませんでした

●●●●●(ピーーー)!!」

になるはずでした、ごめんなさい


勇者「処女膜傷つかないから強姦証明できなくて泣き寝入りさせるつもりか!」

勇者「そんなものでよく寝取っると思ったよ逆に感心するよ!」

勇者「あ、念のため言っとくと、傭兵連中って男女関係なくその辺で着替えとかしちゃうんですよ!」

勇者「それで全裸で筋肉披露とか始めちゃうんで!そういう連中のモノはうっかり見慣れちゃってるんで!」

勇者「なので!!そんな小さい物体見ると逆に気持ち悪いんでやめてください!!!!!」





王子「 」 (凝固)



勇者「処女膜傷つかないから強姦証明できなくて泣き寝入りさせるつもりか!」

勇者「そんなものでよく寝取れると思ったよ逆に感心するよ!」

勇者「あ、念のため言っとくと、傭兵連中って男女関係なくその辺で着替えとかしちゃうんですよ!」

勇者「それで全裸で筋肉披露とか始めちゃうんで!そういう連中のモノはうっかり見慣れちゃってるんで!」

勇者「なので!!そんな小さい物体見ると逆に気持ち悪いんでやめてください!!!!!」





王子「 」 (凝固)




勇者「はあ、はあ… よ、よし、時間は稼げそう…逃げなきゃ…」

勇者「ぬぉぉぉぉ、でまかせとはいえ、なんてことを言っちゃったんだ私…ぐはぁ、恥ずかしい…」


勇者「ん、うく…なにこれ、カギが動かない…!」 ガチャガチャ



王子「開きませんよ、魔力を持たない勇者さんでは、ね」 サワッ

勇者「ひっ!!」

王子「ふ、ふふ…!まさか勇者さんの口からあんなに卑猥な単語がポンポン出てくるとは…」

王子「思わず固まってしまいましたよ、でも…これはこれでそそられます」

勇者「う、あ…! (動けない…!魔法か、これ…!)」 ミシッ…

王子「ほら、口をあけてください、ソーセージなんでしょ?くわえてくださいよ」

勇者「い……んぎぃぃ…!」 ギシギシ…

王子「堕としてあげますよ、徹底的に、ね…」

勇者「んぐぃぃぃ…!」




148と149、なぜか修正する前のとした方のと両方が投稿されてしまっています
148を無視してください、失礼いたしました

>>135
舞踏会シーンは都合上入れられませんでした、ごめんなさい
集められたお客さん全員、サクラのようなものです、使用人とかにそれっぽい格好させて演技させてます

>>145
さあどうなるでしょう
だがしかし、もう遅いので明日に続きます、失礼します


本当に皆様、ありがとうございます
まだ苦しいですが、がんばります



  ドゴォォォンッ!!
     ズガガガガキィンッ!!


王子「!?」

勇者「うぁっ!!」



    ガランッガラガラ…ドスンッ

魔王「さすがにこの方法は思い付かなかったな…魔杖と聖剣での同時攻撃が解除方法か」

黒服(赤髪)「魔王様のポテンシャルの広さに圧倒されております」

黒服(金髪)「まさか、本当にやってのけてしまうとは…」


勇者「魔王!」

王子「な、ななんな…」

魔王「わざとらしくどもってなくていいから、勇者から貧相なケツをどかしやがれ王子」 ゲシッ

王子「ぶはっ」

勇者「まお…」

魔王「勇者、あとで色々聞きたいことがあるんで覚悟しておくように、ね?」

魔王「とにかく無事でよかった…」

勇者「え、ええっと…聞こえてた感じですか?」

魔王「結界とか色々と頑張ってた感じはあったけど、防音には意識がいってなかったんでしょうね、丸聞こえでしたよ」

勇者「あ、あれああああれは嘘だからね!そんなわけないからね!?更衣室はちゃんと別々にあるよ!」

魔王「うん、あとで聞きますよ」

勇者「助けてくれてありがとう、だけどひぃぃぃぃ!!」

魔王「…まあ、ちゃんとお礼は言う辺りが勇者らしいですけどね」





魔王「それでは黒服さんがた、王子の拘束、その他もろもろお願いしますね」

黒服「「はいっ」」



勇者「…って、魔王!その手…!!」

魔王「聖剣を握ったときに焼かれてしまったんですよ、火傷は初めてで、魔法での治癒方法がちょっとわからなくて」

勇者「ああぁぁ…!」

魔王「…心配しなくても、クリカラは無事ですよ、ほら」

クリカラ《!、!!、!》

魔王「扉をこじ開けようとしたときに突っ込んできたんですよ、よっぽどあなたが心配だったんでしょう」

魔王「そこの黒服さんたちが解除方法を教えてくれて、聖剣《クリカラ》に訳を話して協力をーーー」

勇者「違う!」

魔王「ゆ、勇者…?」

勇者「魔王…あ、あなた魔族の長なのに、聖剣に触るのが、どれほど危険か…!」

勇者「死んじゃったら、どうするんだよぉぉ…!」

魔王「…いや、聖剣と会話ができる段階で、そんな死ぬほどのダメージは受けない確信がありましたよ?」

勇者「……うん、それはそうだろうけど…でもっ危険なのは変わらないじゃないか!」

魔王「ええっと… まあ確かに、前例のないことをやってのけた自覚はありますけど、一応魔王ですから」

魔王「刀傷に火傷するのに比べれば、握って火傷するくらいなら耐えきれると思ったので」

魔王「クリカラ自身も手加減してくれてましたし、何より…」

魔王「勇者を奪われるかもしれないときに、考えてる暇なんて無かったので」




。。魔王突入数分前。。。

   バタバタバタバタ……


魔王「この先上の階の、ゲストルームの4つ目です」

魔メイド「んもうっそこらじゅうに妨害魔法が大量でどはんっ!!」
                        ゴンッ

霊メイド「!? なにこれ、魔力の壁がーー」

魔王「人間の魔力と、魔族の魔力とを区別する結界です…これのせいで、先に進めないんです」

魔王「場所はわかってるのに…助けにいけない…っ」

魔執事「これほど巨大な魔力では、人間側の協力者は相当でしょう…ほころびを見つければ、展開は早いかと」

魔王「…たぶんこれ、ただの魔力じゃないんだよな…勇者の力のほうが近いんだ」


メイド「!!」

魔メイド「ま、魔王様!あの女性…っ」

魔王「グラスを落とした時のメイドさんか…ん、いやまて、違う…?」

メイド「あ、ああ…っ」

魔王「似てる…けど、別人?でも…」

メイド「ど、どうしよう、おねえちゃ…」

メイド「仕方ないわ、末のを探すためよ!」

メイド「もう、あんな目に遭うのはイヤよ…!」


霊メイド「へ、え、ええっ!?」

魔メイド「そ、そっくりってレベルじゃないじゃん!完全に同じ顔…!?」

魔王「これは…」



………

魔王「つまり、末の妹さんを捕まえている黒服の二人組が、王子の直属な訳ですか」

メイド(接)「同時に私たちの指導保護役でもあります」

メイド(壱)「私たちは年子で元々顔も似ていて…それがどういうわけか、王子の利用価値に必要だったそうで…」

メイド(壱)「魔法とは違う、呪い…なのでしょうか、そういうのをかけられて完全に同じ顔にされました」

メイド(参)「殿下の命令には完全服従ですが、裏側では私たちをかばってくれていました…怪我も治してくれて…」

メイド(参)「きっと、彼らなら殿下の結界について何か知っているはずです」

魔メイド「……メイドばっかりでなんかわかりにくっ」

霊メイド「まあまあ…」



黒服(赤髪)「彼女らを助けられるのでしたら、どうなってもいい」

黒服(金髪)「我らの命、どうぞお使いください」

魔王「!?」

黒服(赤髪)「逆らえば死ぬ、それが当然 同胞を幾度も失った」

黒服(金髪)「女性まで巻き添えにするのは、もう、耐えられない…」

黒服(赤髪)「末のは、保護している、残りわずかの同胞がちゃんと手当てしている、魔法も使える」

黒服「「我ら全員魔王に従う、勇者への暴挙を許さない」」

魔王「こ、れは…だいぶ想定外だなぁ…」

黒服(赤髪)「それだけ、我々は殿下の悪行を握りつぶさせられてきた…そろそろお返しする時が来た、ということかと」

魔王「あー…収集つくのか、これ…」




。。。


魔王「……で、色々な方面から、恨みに恨まれきってる王子だからな」

魔王「弱味握られて逆らえずにねじ伏せられてた部分が全部蜂起したってところだ、ほぼほぼ協力的だったな」

勇者「それであんなに大勢いるんだ…」

魔王「結界を壊す方法も、黒服たちがちゃんと調べてくれてたおかげだ」

勇者「魔杖と聖剣の同時攻撃だっけ、私が捕まってるんだから普通は出来ないよね」

魔王「あとのことなんか考えてなかったからな…勇者のえげつない怒号であせったのもあったけど」

勇者「いーうーなー やめてー」

魔王「勇者を助ける方法が不確かでもあって、勇者の危機に駆けつけたクリカラがいて手段がそろった」

魔王「そこからはもう、体が勝手に動いてた…必死だった」

勇者「うん…」

魔王「不安にさせたのは謝る…でも、俺も…」

勇者「わかってる、私もかっとなって泣いたりしてごめん、不安だっただけなの」

魔王「そうだね…」

勇者「うん……っ」


魔執事「あの、魔王様…そろそろ勇者さんをおひざから解放していただけませんか?」

魔王「いやだ」

魔執事「怪我や呪いなどを受けていないか検査したいのですが…」

魔王「抱っこしてても問題ないだろう?」

魔執事「魔王様っ」

勇者「魔王、大丈夫だから、ちょっとだけ離して、ね?」 ナデナデ

魔王「……いやだ、絶対駄目」

勇者「魔王…」

魔王「俺のせいで…勇者を失いかけた、俺の大事なひとを…」

魔王「離れないって約束したのに、不安要素を取り除くことに気をとられて、手を離してしまった…俺が…」

勇者「もういいんだってば、魔王…」



    バターーーーンッ!

姫「お兄様ぁぁああああああああああああ!!」

勇者「んげっ!?」

王子「妹!!」 ガバッ

姫「このっ……! ドカスのアンポンタンのカボチャパンツぅぅぅうううう!」
                      バチーーーンッ!

                  王子「ごべんなざい!!」

勇者「あああ、姫様が…」

魔王「怖ぁっ!?」


姫「大変申し訳ございませんでしたわ、勇者様!」

姫「金輪際勇者様にお兄様を絶対近づけないよう、お約束いたしますわ!どうかお許しを!」

王子「いででででで」 メキメキメキ

勇者「ひ、姫様!殿下の股関が裂けてしまいますから!もうその辺で結構です!惨事を見たくありません!」

姫「ああもう…!本当に謝罪の言葉が見つかりません!」

魔王「(う、うへぇ…巨乳な姫さんが王子をマタサキする様って、トラウマになりそうだ… ウプッ)」

王子「」 (瀕死)

姫「お兄様…本当に何てことを… 力尽くで奪った愛になんの価値があると言うのです!この大馬鹿!」

勇者「…愛なんか無いみたいだよ、姫様」

姫「ぇ…」

勇者「男と女なら、誰でも抱けるんだってさ 私が勇者だから、欲しかっただけなんだよ」

姫「そんな…だってお兄様は…」

勇者「だから、私が勇者を辞めれば、もう襲われなくて済むんです」

勇者「なのですみません、もう…あなたの勇者は続けられそうにないです」


魔王「ゆ、勇者…?」


勇者「姫とは同い年で、小さい頃の勇者の仕事って遊び相手だったんだよ」

姫「そ、そうですわ!勇者様はワタクシだけの勇者様でしたのよ!」

姫「その勇者様をお兄様のお嫁さんにしてしまえば、勇者様はずーーっとワタクシの勇者様でしたのに!」

魔王「…ちょっと待て、つまり殿下をそそのかしたのは姫さんですか?!」

姫「あっ!?」 ビクッ

勇者「まあ、そういうこと」

勇者「なので《姫様の勇者》は、廃業させていただきます」

姫「ま、待って!そんな…!」

勇者「私は…」



魔王「あーーーもう、ハッキリ言わせていただきます!」


魔王「勇者は俺のお嫁さんです!モノじゃない!!」

勇者「まおう!?」

魔王「魔族もヒトも関係なく、あんたたちが勇者を愛してて大好きだっていうんなら、俺も正々堂々と戦うつもりだった!」

魔王「でも…《勇者》っていうモノが欲しいだけなら、関係ない」

魔王「どんなに手を使ってでも、勇者は渡せない!」



魔王「勇者は、俺の嫁だ! 愛してんだ!!!」





全員「「「…………」」」




魔王「俺は何を言ってるんでしょうね…」 ハズカシイ

勇者「う、嬉しかったよ!ありがとう魔王!」 ブルブル

魔王「勇者…こういうときは、笑うか慰めるかどっちかにしておいてください…」

勇者「ブフーーーッ」

魔王「遠慮ないですね…」 サメザメ

勇者「げふんげふんっ! …魔王!」

魔王「はい」

勇者「愛してます、魔王のお嫁さんにしてください」




魔王「…い、いいんですか…?」

勇者「こんなヘタレで激情屋で…そのくせカッコいい魔王の嫁なんて、他人に譲れるかっての!」


魔王「勇者…!」 ギューッ

勇者「ま、また私何か地雷踏んだのかー!?」

魔王「もう無理!連れて帰るからな!止めるなよ!」

魔執事「はい、どうぞどうぞ」

魔メイド「え」

霊メイド「ちょ、あ、私たちも戻ります!」


  バタバタ…
     シュィィィーン……

          勇者「んぇぁーーーーー!?」




姫「…お兄様…」

王子「はあ…失恋ってこういうもんなのかなーなんてね」

魔執事「おや、恋や愛は必要なかったのでは?」

王子「だってさぁ、将来会ったこともないどっかのお嬢さんと結婚させられるんだよ?」

王子「それなら妥協できる相手のほうが納得できるって思ったんだよなー、残念」

黒服(赤髪)「そんなもので失恋だなどと言わないでいただきたい」

黒服(金髪)「…赤、まだ引きずってたか…」

王子「でもさ、正直言って抱きたいと思う女抱いた方が子作りもはかどるだろー?子供作るだけなんだから」

姫「お兄様………さすがにそれは品性下劣ですわ」


黒服(赤髪)「自分、本当に魔界で働こうかな…」

黒服(金髪)「みんなでいくか…無理だわ、もう…」

メイド(壱)「私どももまいります!」

メイド(参)「あ、あの、でももとに戻してほしいです…」

メイド(接)「ずーっとこの顔だから、もとがわかんないけどさ」 アハハ




王様「はい、戻したよ」 パンッ

メイド「「へ?」」


魔執事「おお、これはこれは陛下殿」

王子・姫「「父上?!」」

王様「皆、うちの子供らが本当に申し訳ない…親友と舞踏会をすると聞き、信用してしまったわしが愚かだった」

王様「まさか勇者を呼んでいたとは《影》から聞くまで知らなんだ…対応が遅れに遅れた事、謝罪する」

王様「勇者と魔王には明日、詫びにいく で、息子と娘には今からみっちりマナー講座だな」

王様「では、明日以降から全てについて対応させていただくので、今日は一旦解散していただきたい」

王様「ああ、黒服派と四姉妹のメイドについては、魔王と相談して決める予定だ、どうしたいか考えておくように」

王様「ではな」



王子・姫「「い、いやあああああああ!!?」」 ズルズル




黒服(赤髪)「え、えっと、どうしよう…何も出来なかったんだけど…」

黒服(金髪)「…とりあえず、寝るか」



メイド(末)「おねえちゃぁぁーーーん!」

メイド(三人)「「末ちゃん!!」」

メイド(参)「って、あれ…?末ちゃんだよね?」

メイド(末)「うえええええええん!いっちゃんつぐちゃんさんちゃん!!」

メイド(壱)「あっ!末ちゃん、あたしたちと髪の色が違う!」

メイド(接)「壱姉ちゃんも目の色が違うよ!参ちゃんも!」

メイド(参)「そうか…陛下がもとに戻してくれたんだ…やっぱり陛下はすごい…!」

メイド(壱)「私…こんな髪だっけ?なんか固くなった気がする」

メイド(接)「自分の体じゃないみたい…」



黒服(赤髪)「い、壱…?!」

メイド(壱)「え?」

黒服(赤髪)「そんな…急にいなくなったと思ってた…君が…あの娘だったのか…!?」

メイド(壱)「えっと…?」


黒服(金髪)「お、まさかの再会か?」 ニヤニヤ

メイド(末)「?」


またしても、喘息の発作をおこしました
なんか名前が原因なんだろうか…
名は体を表すってやつですかね
ちょっとだけいきます



魔王城。。。

       ストンッ

勇者「ふおわっ!?」

魔王「ん、到着」

勇者「はー、うう、この内臓がふわってなるようなのはどうにかならないの…?」

魔王「うーん、慣れかなぁ」 ナデナデスタスタ

勇者「……ええっと、そろそろおろしてくれないかな」

魔王「ダメ、このまま連れてく」

勇者「魔王…」

魔王「勇者をつれていくのは俺だけ」

勇者「むー」

魔王「でも、魔法陣酔いおこして弱ってる勇者もなかなか可愛いよ」

勇者「うわぁ」

魔王「はい、部屋についたよ」

勇者「…っ」 ビクッ

魔王「…勇者、逃げるなら今のうちに頼む」

魔王「部屋に入ったらもう、離す気はないよ?」

勇者「……魔王…」

魔王「勇者…」 ギュゥゥゥ

勇者「………うん」 ギュゥ

魔王「……」


      ガチャ、バタン…


勇者「魔王…」 オロオロ

魔王「勇者、勇者っ…!」 ギュゥゥゥッ

勇者「い、痛いよっ」

魔王「すまない、でも、離したくない…っ」

勇者「まおう…」

魔王「勇者…」

勇者「ん、んーーっ」 ビクンッ

魔王「んく、ふぁ…」

勇者「ぷはっ い、いきなりキスするなぁ…」 カァァ

魔王「ふー、じゃあキスさせろって言えばいいのか?」 ニヤ

勇者「そういう問題じゃにゃぁぁっ!?」

魔王「んー」 ペロペロ

勇者「な、ちょ、なめっなめるとかひゃぁぁぁぁ」

魔王「う゛、化粧変な味…」

勇者「顔洗ってくるっ」

魔王「ダメー」 モニュンッ

勇者「ひゃぁぁぁぁああああ」 ビクッビクッ

魔王「おお、胸柔らかい」 モニモニ

勇者「何するんだよぉぁぁ…」 フラッ

魔王「おわっと!?」 ガシ

勇者「あ、あれ、力がはいらにゃぃ…」

魔王「……」 ゴクッ



魔王「よいしょっと」 ボスンッ

勇者「あうっ」

魔王「さあ、ベッドの上ですよ、勇者?」

勇者「ぁぁあのさ、あの、ほ、本当に、し、しちゃうの…?」

魔王「…………逃げなかったのは、勇者でしょう?ここでやめろだなんて言うのは卑怯です」

勇者「い、いわ ない」

魔王「無理矢理はしませんけど…」

勇者「嫌だとは言わない!嫌な訳じゃない!こ、怖いの!」

勇者「すっごく痛いって聞いたことあるから…そこが怖い…」

魔王「勇者…」

勇者「たぶん、嫌だとか怖いとかやめてとかいっぱい言うと思うから、先に謝っとく!ごめん!」

魔王「え、ええと…そこはどうしよう…大丈夫だなんて言えないし…」

勇者「……魔王って、どうて
           魔王「言わないでくださいやめてください」

勇者「ご、ごめん」

魔王「本当にこのまま襲いますよ」

勇者「ちょちょちょ、ちょ  ーーーっ」

魔王「はい、だまりなさいっと んちゅー」

勇者「んんんんんーーー!?」


魔王「ふはっ …あのですね、俺は勇者一筋なんですよ、他の女なんて興味ないんです」

勇者「んにゅぁ、はぁ、はぁ…」 ビクビク

魔王「…勇者?」

勇者「ぁ…」 ピクンッ

魔王「……」 ナデナデ

勇者「あんっ!」 ビクンッ

魔王「(うわ、やばい…声可愛い…)」

魔王「ぬ、脱がしますよ?」

勇者「まってぇ…背中のリボンはずしてくれたら自分で脱ぐよぉ…」 クラクラ

魔王「疑問系を使ったのが間違いでしたね、無しです  脱がします」

勇者「う、うわぁぁぁ」

       ぬがしぬがしごそごそ

勇者「ううーっ」 シュバッ

魔王「こら、シーツに潜るな!」

勇者「だったらまじまじ見ないでよ!」

魔王「ダーメ」 バサッ

勇者「うわぁっ!」

魔王「ああ、勇者のおっぱい!」 モニモニ

勇者「やだぁぁぁあっ!痛いよ!やだーっ!!」

魔王「すまん、強すぎましたか…じゃあもう少し…」 フニフニ

勇者「んんっん、んう、あう、あん……」 ビクンッ

魔王「お、腰が動いた」

勇者「!?」

魔王「なでたらどうなるかな」 サワサワ

勇者「ーーーー!!??」 ビクンビクン

魔王「うわ、すげー…可愛いよ、勇者…エロくて可愛いくてたまんねぇ」

勇者「はぁ、はぁ、はぁ…も、もう…さわっちゃだめぇ…」

魔王「ふー…ちょっと待ってて… はい、これ」

勇者「リンゴ水?」

魔王「そう、飲んでおいて」

勇者「んー…あれ、甘い、ハチミツ入ってる?」 コクコク

魔王「ああ、妖精が持ってきた《魔界の蜂蜜》っていうレアアイテムだ」

勇者「ふえっ 飲んじゃってよかったの?」

魔王「飲ませたかったんだよ …そろそろかな」

勇者「ん?なんか…」

勇者「なにこれ、なんぅ…っ」 クチュン

勇者「………!?」

魔王「色んな意味で、元気になる効果があるそうだよ」

勇者「あ、あついよう…まおうー…」

魔王「ほら、嫌なことされた分、やりかえしてもいいんだよ?」 ズボンパンパン

勇者「魔王の……」

魔王「俺にされたこと、やり返していいんだよ それとも怖い?」

勇者「怖くない!」 ムカッ

勇者「このっこのこの!」 モニモニモニモニ

魔王「ん、くぅぅぅぅ……」 ビクッビクッ

魔王「はあ、はあ…勇者…こすってみて?」

勇者「こ、こう?」 コスコス

魔王「くっはぁぁあ……!」 ガクガク

魔王「はー、はー…!勇者…」 ゴソゴソ

勇者「ひっ」

魔王「勇者…!」 ギンギン

勇者「ひ、ひにゃぁああああああ!? 黒光りする物体が!!」

魔王「勇者が欲しくてたまらなくなるとこうなるんだ…勇者のここに…」 クチュン

勇者「きゃあ!?」

魔王「ああ、すごい…こんなにぬるぬるになって…あのハチミツがちゃんと効いてるんだね」

魔王「でも出来るだけ痛くしたくないんだ、ここにも塗っておこうね」 ヌチュヌチュ

勇者「い、いつの間にもってきたの!って  あん、あん!ゆ、ゆびが…!」 ビクビク

魔王「勇者の中に、俺の指が二本も入ってるよ、エッロいなあ」 グチュグチュ

勇者「ひ、ひあ、ひあああ…!」

魔王「勇者…愛してる…」

勇者「まおう…」

魔王「いくよ…っ」 グチュッ

勇者「んっ んーーーっんんんーーー!!!」 ビクビク

魔王「んぐ、くはっ き、きつ、い…!」

魔王「勇者っ力ぬいてくれ…!」

勇者「あ、あ、はぅ…」 ガクガク

魔王「ユウ…」 ギュッ

勇者「はーー、はあ、はあ…な、なんだ…そんなに痛くないや…あははっ…」

魔王「……すまん、勇者」

勇者「ふぇ?」

魔王「まだ…先端しか入ってない…」

勇者「ぐはっ」

魔王「勇者のここ、ちっちゃい…のか?」

勇者「し、知るかぁぁあああああ!!! 魔王のがでかいんじゃないのかふかはぁ!?」

魔王「うわっ!!」


     ズチュルッ ギュプッ



勇者「あ、ひ、ぃた、ぁ…」 ブルブル

魔王「…あ……全部入った、な」

勇者「い、いたいよぉ……」

魔王「…すまなかった…こんな一気にねじ込むつもりは…」


勇者「だ、だめ…やっぱりだめ…こわい…動いちゃだめ…」

魔王「…わかった、静かにしてるから、抱き締めててもいいか?」

勇者「んぃっ ひ、あひん…!」 グチュッ

魔王「…やわらかいのに、こんなに締め付けて…」

魔王「痛いよな…ごめん、でも、俺…気持ちよくて…っ!」



勇者「ま、おう…キスして…」

勇者「少しおさまってきたから…だから、ね」

勇者「まおうだけずるい、わたしも…気持ちよくしてくれなきゃやだぁ……っ」



魔王「~~~~~~~~~~~~~~~~っっっっ!!!」




     ギシッギシッギシッ

魔王「はぁ、はぁっ!」

勇者「あっあん、あうっ!!」

魔王「やばい、腰が止まらん…!」

勇者「は、はげっしっ」 ガクガク

魔王「んぐっく…駄目だ、出るっきつい、気持ちいい…!」

勇者「ひっ…!」

魔王「お、ここか…!中がすげえ震えてる…」

勇者「いやっいやいや……!こわいよぉ……!」 ギュゥゥッ

魔王「勇者…愛してる」

勇者「ま、まお、魔王…! 好き、大好きぃぃ…!」

魔王「……うぐぅぅ!」


      ドクンッドクンッ










魔王「ユウ、起きられるか?」

勇者「無理、腰痛い、なんでそんなに元気なの、絶対切れてる、終わってから超痛い」

魔王「ごめんなさい」

勇者「体拭いてください、魔王汁でどろどろです」

魔王「本当にごめんなさい」 フキフキ

勇者「おわった直後に抜いてぶっかけるとか意味わかりません、どんだけ回復早いんですか」

魔王「申し訳ありません」 ゴシゴシ

魔王「で、でも…また中に出したら痛いだろうし辛いだろうなと思って…でも我慢できなくて、しごいたらすぐ出ちゃって」

勇者「絶倫」

魔王「もう許してくれよー…ああ、本当にごめん、こんなに出血してる…」

勇者「破瓜だけじゃないよねこれ絶対、明らかに外側が切れてるよね」

魔王「薬あったはずだからちょっとまってて…本当にごめん…」

勇者「……うん、そろそろ許すよ」




一方そのころ、メイド用ロッカールーム。。。


魔メイド「出てきませんねえ…もうお昼になるんですけど…」

霊メイド「ま、ドウテー魔王じゃあ大ハッスルしちゃってるでしょ、当分出てこないと思うわ」

妖精「うにゅ」

魔メイド「とりあえず、薬湯がっつり作っておきましょうか 勇者さん、起きあがれないでしょうから」

霊メイド「そうねー、お風呂か体拭くだけかは、あとで判断するしかないか」

そんなこんなで、昼過ぎ。。。



勇者「……」 グッタリ

魔王「勇者…」 ダッコ中

勇者「ん、まおうー…」 スリスリ

魔王「食事、できそうかな?ほら、勇者の好きな薬樹の実が入ったゼリーもありますよ」

勇者「ゼリー食べたい…けど動くの辛いよ」

魔王「はい、あーんして」

勇者「あーん、んむー」 モキュモキュ

勇者「おいしい」

魔王「よかった、他のはどうします?」

勇者「んーん、ゼリーだけでいいよ、まだちょっと眠くて…」

魔王「そうですか、じゃ、もう一回あーん」

勇者「あーん」

すいません、また病気してました
おまたせしてすいません、続きいきます



魔王「勇者?」

勇者「すー…」

魔王「寝ちゃいましたか、無理させてしまいましたね…」

魔王「はー、仕事したくない…」 スリスリ

勇者「うーん…」 モゾモゾ



枕「ミシミシ」

勇者「うーん…」 ギュー



魔王「……」   隣の部屋で仕事中

魔メイド「魔王様ー…?」

魔王「んー」

魔メイド「今入っても大丈夫ですか?勇者さんはご無事ですか?」

魔王「うん、どうぞ」

魔メイド「失礼いたします…」 コソコソ

魔王「ちょっとー…片付けたから、そんなにおっかなびっくりじゃなくても…」

魔メイド「いえ、情事のあとですから…」

魔王「情事は違うって!」

魔メイド「冗談です、勇者さんをお風呂につれていきますね」

魔王「ああ、よろしく」

魔メイド「勇者さん失礼しますねー、起きてくださいませー」 ユサユサ

勇者「うーん…」

夕方。。。



     ………どたどたどたどたっ

猫医者「ん、なんか想騒々しいのう」

魔王「猫先生ぃぃぃいいい!勇者が起きねぇぇええ!」 バターーーンッ!

勇者「ぐーー…」 zzZZ

魔王「それになんかいつの間にか、謎のゼリー状な膜でおおわれてるんだけど!いったい何事!?」

猫医者「え」

魔王「思い当たるのっていうと先生処方の薬か、妖精の持ってきたハチミツくらいなんですが!」

猫医者「まず落ち着いてくだされ、魔王様」

魔王「*+=&$¥~#%+&?!」

魔メイド「……えいっ」 膝カックン

魔王「?!!」 ガクッ

魔メイド「診察をお願いします、先生」

猫医者「ええ、診察台に寝かせてくだされ」

勇者「すぴー…」zZZ

魔王「い、いってぇ…」 ウズクマリ

猫医者「うーむ、どうやら薬とハチミツの組み合わせがよくなかったと思われますかな」

猫医者「とりあえず謎の膜はハチミツが主成分のようなので、妖精の話を聞きましょうか」

妖精「みゅっ」 ビクンッ

魔王「いたのか、妖精!」

魔執事「どうやら本人もよくわかっていないようですが、《薬のむ、つかうのダメ》と言ってますね」

魔執事「魔王様、お薬はどのタイミングで服用させましたか?」

魔王「リンゴ水にハチミツと薬を両方混ぜておいたんだ」

魔王「その、まあなんだ、イチャイチャしてて疲れて喉乾いた頃だろうなって時に飲ませて…」

猫医者「ふーむ…」

お久しぶりです
なんか症状が重くなってきてますがまだ生きてます(苦笑い)
たまにしか更新できてなくてすみません
ちょっとだけいきます



勇者「ん…んー?」 モソモソ

勇者「ううー…なに… 動けない…」

魔王「勇者!」

魔メイド「勇者さん!」

猫医者「おお、目が覚めましたか よかった」

勇者「…?」

魔王「勇者、よかった…! ゆすっても何しても目を覚まさないから…っ」

魔王「よかった、本当によかった!!愛しています、勇者!」



勇者「勇者…って、何でしょうか?」

魔王「…勇者?」

勇者「私はユウサです、勇者だなんて名前じゃありません」

魔王「え」

勇者「あと、あなたはどなたですか?頭に着けてるのって何かキャラクターのコスプレ角飾りですか」

勇者「ここは…壁も家具も真っ白ですけど病院ですか?事故にでもあったのかな…」
 


魔王「ゆ、勇者…?」


いつもありがとうございます
がんばります


ユウサ(勇者)「…つまり、この体はその女性勇者さんのもので、私がなぜか入り込んでしまった、という状況であってますか?」

魔執事「恐らく、ですけれど……ええと、ユウサさんでしたね」

ユウサ「はい」

魔執事「魔王様は、その…勇者さんとは恋仲でして、先ほどの強引な…えー…」

ユウサ「なんとなくわかりましたよ、いきなり抱っこされたりチューしようとしたのもそういうことでしょ」

魔執事「本当に申し訳ございません」

ユウサ「もういいよ…殴ってごめんって言っておいて」

ユウサ「それにしても、本当に別人になっちゃったなぁ…薄緑の髪とかワケわかんない」

魔メイド「魔執事さん、猫先生!妖精の鱗粉集めてきました!」

猫医者「ありがとうございます、これで妖精の蜂蜜の効果を打ち消せるはずです」

魔執事「うまくいくといいのですが…」

ユウサ「妖精…うわぁ、ファンタジーだなぁ…」



»»»結論«««
ダメでした。



ユウサ「えー、どうしよう、帰れないじゃない」

猫医者「文献を調べて参ります…」 トボトボ

魔執事「私もいって参ります! もう少々お待ちくださいね、ユウサ殿」

ユウサ「はーい…」

魔メイド「あ、あの! お茶どうぞ!」

ユウサ「ありがとう」





ユウサ「…ねえ、メイドさん…ちょっと聞きたいんだけど…」

魔メイド「はい、どうされましたか?」

ユウサ「勇者と魔王ってさ、というより人間と魔族の間に子供できるの?」

魔メイド「えーと、外見がそれほど大きく違わないことが条件ですが、可能ですよ」

霊メイド「生前の私がそうでしたよ、半魔メイドって呼ばれておりました」

ユウサ「そうなんだ…」

魔メイド「いかがされました?」

ユウサ「いやぁ…そうなると、魔王も勇者も跡継ぎって必要でしょ?生まれる子供はどっちになるんだろうなーって」

霊メイド「勇者は神が決めるそうですよ?世襲じゃありませんから、お子様は魔王様の跡継ぎになられますよ」

ユウサ「……そうか…だとすると…」

魔メイド「ユウサさん…?」

ユウサ「もしかしたら、今のこの状況って、その神様にとって嫌な場合なんじゃない?」

ユウサ「…次の勇者の準備のために、この体から女勇者さんの魂を引っこ抜いたとかっていう可能性ってある…?」

メイドズ「「………え!?」」

ありがとうございます!




場所???。。。


《勇者?》『眠い…』

《勇者?》『でも起きなきゃ…魔王、きっと泣いちゃうもんね』

《勇者?》『…でもどうしたらいいのか…』



《勇者?》『ああ、ダメだ…真っ暗だし…足元どころか今、自分が立ってるのか横になってるのかさえ、分かんなくなってる…』

《勇者?》『魔王…会いたいよ…』






《白い珠》『…勇者…  今生勇者よ…』

《勇者?》『え…?』

ありがとうございます
続きます!




《白い珠》『よし、無事に連れ出せたみたいだよ』

《白い珠》『ここがどこかは考えない方向でよろしく頼むよ』

《勇者?》『え…っと』

《白い珠》『今の君は、とても不安定な状態だよ』

《白い珠》『勇者と魔王が愛しあうなんて、予想もしていない状況よ』

《白い珠》『そこで神々はこれから生まれてくる赤ちゃんから新たな勇者を選んだよ』

《白い珠》『でも、更なる予想外がおきたよ…勇者、君がいなくなっちゃうかもしれないよ』

《白い珠》『正確に言うと、このままじゃ存在そのものが消滅するよ』



《勇者?》『しょうめつ…』

《白い珠》『存在そのものが消滅しちゃったら、魔王はどうなるんだろうよ』

《白い珠》『記憶が改ざんされるわけじゃないよ?消えちゃうんだよ?』

《白い珠》『求愛したことも、一緒におやつを食べたことも、デートしたことも…全部覚えてるのによ』

《白い珠》『隣や目の前にいた誰かが…ううん、誰もいないのに、何もない空間に話しかけてたことになっちゃうかもよ』

《白い珠》『多分、狂うよね、おかしくなっちゃうよ、心が壊れていくかもよ』

《勇者?》『う、あ…あ、あああああ…』

《白い珠》『だから、助けに来たのよ』

《勇者?》『た、たすけ…?』

《白い珠》『他の神たちと相談して、今、君の体に別人の魂を仮どめしてあるよ』

《白い珠》『今のうちなら大丈夫、でもそんなに長くは持たない…あと1日くらいしかないよ』

《白い珠》『選択肢をあげる、選んでほしいよ』




《白い珠》『1つ目:君にかかわったあらゆるすべての人間から、魔族から、君の記憶を消去・改ざんする』

《白い珠》『この場合は君を別人にすり替えるよ…全く無関係などこかの貴族のお嬢さんの記憶を改ざんして用意する準備が出来てるよ』

《白い珠》『2つ目:君が死んだことにする』

《白い珠》『これはとても簡単、偽物の君を用意するだけだよ』

《白い珠》『今君の体に入っている別人の魂を取り出すだけでもいい、その場合は偽物の体に君の魂を押し込むだけだよ』

《白い珠》『但し、どちらを選んでも、君は二度と、あらゆるすべての知り合いから隔離されるんだよ…』

《白い珠》『そういうわけだから、選んで…でも、時間は残り少ないよ…』




《勇者?》『…消滅する理由を聞いてもいいですか…?それからあなたは?』

《白い珠》『ボクは白い珠、世界を作ってる神の一部』

《白い珠》『神は一人であり複数でもあり、それは複製だったり、全く別だったり、それが神々よ』

《白い珠》『消滅する理由は…勇者は一人しか存在できないせいだよ』

《白い珠》『普通は、勇者が死んだあとにどこかの女性のお腹に勇者の印がついた卵子が作られて、そのうち次の勇者が生まれてくるよ』

《白い珠》『それが…予想外の出来事に動揺したんだよ、君が死ぬ前に卵子が準備されちゃったんだよ』

《白い珠》『もうすでに、受精卵になってしまったよ、回避が間に合わなかったよ…』



《白い珠》『…そろそろ選んでもらっていいかなよ? 本当に時間がないよ』

《勇者?》『タマさん…』

《タマ》『ちょ、ちょっと!!省略し過ぎでしょ!!?』

《タマ》『ってぎゃーーーー!! もう固着されちゃったよーーー!』

《勇者?》『固着?』

《タマ》『うあぁぁぁぁぁ…はあ』

《タマ》『ここでは呼び名が重要なんだよ、魂がむき出しなせいなんだよ』

《タマ》『自分の存在は、自分以外の何かに認識された方法で強制的に固着するようになっちゃうんだよ』

《勇者?》『…つまりそれって……私がタマさんって呼んじゃったせいですか……』

《タマ》『そういうこと…』

《勇者?》『ご……ごめんなさい…』




《勇者?》『……あれ…?ちょっと待って、それなら…!』





魔王城、屋上


魔王「はぁぁぁぁ…」  ←影背負ってる



魔執事「おいたわしや…」 グスン

魔メイド「どうしたものかしらね… あら、ユウサさん」

ユウサ「…ちょっと魔王と話したいんだ、いいかな」

魔王「話…?まあいいですけど」

ユウサ「さんきゅー、となり座るよ」 ヨイコラショ


ユウサ「ひっぱたいたのは謝るよ、いい加減影しょいっぱなしはやめてくれよ」

魔王「あ、いえ…それはもう大丈夫です」

魔王「勇者が無事かどうか分からないことが気がかりで…仕事が手につきません…」

魔王「それに、どういう経緯か分かりませんが、ユウサ嬢の元の体のことも心配です、御家族もきっと心配されて…」

ユウサ「あーそっか、話してなかったね」

ユウサ「私って《先天性多魂症》の副人格だから、元の体は大丈夫だよ」

魔王「……ん?」



ユウサ「えーっと、多重人格とかって聞いたことあるかな?こっちではどういう風に解釈してる?」

魔王「…聞いたことはある、全く別の人格が宿っているかのような言動をする、精神の病だろう」

ユウサ「そうか、全部病気のくくりね… 私の住んでる国では、先天性と後天性に別れることが医学的に解明されてるよ」

ユウサ「《先天性多魂症》は、病気じゃなくて個性であって、《後天性多魂症》は魔王の言う通り心の病気」

ユウサ「後天性の場合は精神的あるいは肉体的なショックなんかから体と心を守ろうとして、全く別の魂が宿る現象なの」

ユウサ「んで、受精卵2つが何かの拍子でくっついて一個の卵子になっちゃった場合とか、あるいは細胞分裂の段階で魂が2つ以上有ることが確認されると、《先天性多魂症》になるの」

ユウサ「これは病気じゃないんだよ、あくまでも、そういう個性なんだ」

ユウサ「あ、その前に魂って分かる?人格を司る物質でね、自分の意思で別の魂を吸収して多重人格になった場合は、また別の呼び方があってー……」


魔王「す、すまない、その辺りでもういいです!!」 混乱中

ユウサ「そう? 私の主人格が医者を目指してたから、私もつられて勉強してたから詳しいよ?」

魔王「猫先生としてください、そういう類いの話は!」


訂正です

ユウサ「あ、その前に魂って分かる?人格を……」

→ユウサ「あ、その前に魂の定義方法なんだけど、人格を……」

が、正しいです
申し訳ありませんでした




ユウサ「まあとにかく、元の体の方は大丈夫だからさ、あたしのことは心配要らないけど」

ユウサ「勇者さんはどうなっちゃうんだろうね…」

魔王「…会いたい…ユウ…」

ユウサ「多分、偶然じゃないよねー、勇者さんの名前とあたしの名前が似てるのって」

魔王「名前…?」

ユウサ「あれ、ユウって勇者さんの名前でしょ?」

魔王「……勇者は勇者なんだが?」

ユウサ「ん、んんーーー…?」

魔王「『ユウ』は、祭りに出掛けたときに、変装用につけた呼び名だ」

ユウサ「………うん、オーケー分かった、ここでは名前で呼ぶっていう概念が向こうと違ってるみたいだね」

魔王「よくわからんが、そういうものか」

ユウサ「あたしだってわかんないよー」



魔王「…ユウサ嬢、ありがとう」

ユウサ「えー、感謝されるようなことしてないじゃん?」

魔王「いや、勇者が今も眠ったままだったら、もっと落ち込んでいただろう」

魔王「別人とはいえこうして話ができて、少し安心しているんだ…勇者はまだ無事だって思えるから…」

魔王「だから、ありがとう」

ユウサ「なんか照れくさいからやめてよー」

魔王「手、触れてもいいか? 勇者に…ユウに伝わるか分からないけど」

ユウサ「ああ、いいよ」



魔王「………ユウ、早く帰ってきてくれ…愛してる…」 ギュ


ユウサ「うっひゃー、あたしが言われてる訳じゃないのに照れるねー」 ニヤニヤ

魔王「茶化さないでくれ…  ん?」

ユウサ「え? なんだこれ、熱い!手があっつぅぅぅ?!  ぅあ…?」 グラッ



      ブツンッ



魔王「ユウサ嬢!?」



※※※どこか※※※


         ビュォォォォォオオオオ……


ユウサ『真っ白な世界だ』

ユウサ『……落ちていってるのか、吹き上げられてるのか、わかんないけど』

ユウサ『なんかすごく風にあおられてるのは分かる』


ユウジロウ『ユウサ!』

ユウサ『あ、ユウジロウ!』

ユウジロウ『どうなってんだ、これ!?飛んでるぞ!』

ユウサ『あたしが知るかー!』



ユウ『まって、まってー! まだ帰っちゃダメーー!』

ユウサ『えっと、誰?』

ユウジロウ『俺らは飛んでるのに、あの人走ってないか?』

ユウサ『いや、状況が飲み込めないし』

ユウ『私、ユウ!タマさんから聞いたよ、助けてくれてありがとうーーー!』

ユウサ『!!じゃあ、あなたが勇者なんだね?』

ユウ『ううん、もう勇者じゃない!勇者は一人しか存在できないんだって! だから、私は今日からユウ!』

ユウ『消えずにすんだよ!あなたのおかげなの!ありがとうーーー!』

ユウサ『あはは、会えて良かったよ!魔王さんと仲良くねー!』

ユウ『ありがとうーーー!』

ユウサ『そんじゃ、バイバーイ!』

ユウ『元気でねーーー!!』



      ……ビュォォォォォオオオオ……




ユウジロウ『…泣いてんのか』

ユウサ『泣いてない』

ユウジロウ『そうか』

ユウサ『…そういや、面と向かって話すの初めてだね』

ユウジロウ『そうだなー、お前、そんな顔してたんだな』

ユウサ『同じ顔じゃん』

ユウジロウ『ははっそうかよ』

ユウサ『…自分の意思じゃないんだろうけど、迎えに来てくれてサンキュー、《主人格》』

ユウジロウ『当然だ! お前と俺は、二つで一つだろ』

ユウジロウ『居なくなった間、どんだけ心のなかが空っぽになってたと思ってんだ』

ユウジロウ『早く帰るぞ、《副人格》』

ユウサ『うん!』





ユウ『はあ、はあ、はーー…』

タマ『…驚いたよ、まさか自力で会いにいっちゃうなんてよ』

ユウ『あはは…どうしてもお礼、いいたかったの…はぁ、ふー…疲れた…』

タマ『そろそろ君も帰るんだよ』

ユウ『うん、ありがとうございました、タマさん』

タマ『結局なんだよー…』

ユウ『ふふ、ヒントをありがとう、《白い珠》さん』

《白い珠》『!!』

ユウ『私が勇者じゃなければ、次の勇者と私の両方が存在しても大丈夫なんですね』

《白い珠》『……保証はしかねるよ、でも、きっと君なら大丈夫だよ』

《白い珠》『もとに戻してくれてありがとうなんだよ』

ユウ『私のせいですから、お礼言われても…』

《白い珠》『また何かあったらいつでも助けるよ、君はきっと…』

《白い珠》『…ううん、やめておこうよ、きっとなにも起きないよ、きっとね』

ユウ『?』

《白い珠》『さあ、もうお行き…愛しい彼が泣いちゃってるよ』

ユウ『うん、ありがとう《白い珠》さん、さようなら…』



《白い珠》『(…出来れば、今後は見守るだけであるよう、我らは願う…)』

《白い珠》『(さて、マニュアルを作り直さねば… もう二度と、失敗できない、しっかりしなければ…)』


魔王「ユウ!!ユウサ嬢!」

魔メイド「た、大変!猫先生を呼んできます!」

霊メイド「魔王様!」

魔王「嘘だろ…なんで、今さっきまで普通に話してたのに…」

魔王「起きてくれ、目ぇあけてくれ、ユウ、ユウ…!」









ユウ「あ、はい」 ガバッ

魔王「ユウ!?」 ビクーンッ


ユウ「…あ、動ける」

魔王「ゆ、ユウぅぅぅ…!」 ギュー

ユウ「痛いよ、魔王…ごめん、心配かけた」

魔王「ユウだよな、ユウサ嬢じゃないよな?!」

ユウ「うん…ああ、彼女はユウサっていうんだ…会えてよかった…」

魔王「ユウ?」

ユウ「私の代わりに急に呼び出されてた子ね、無事に帰れたと思うよ、もう大丈夫」

ユウ「それから…私はもう」


魔メイド「##さぁああん!!」 扉バーンッ

霊メイド「魔王様、##さんのご様子は!」

猫医者「皆さん落ち着いてくだされ!焦っても状況は変わりませぬぞ!」 ドタドタ


霊メイド「よかったー!##さん目をさましました!」

霊メイド「あ、あら?」

魔メイド「え?あれっ?」

魔王「…今のって、ユウを呼んでたんだよな? なんでその部分だけ聞こえないんだ?」

ユウ「あー…ごめん、今それを言おうとしてたの」

ユウ「えっと、その…私、ただのユウになっちゃってね…もう、その呼び方が出来ないの」

魔王「…ん?」

ユウ「ゆ、う、しゃ じゃなくなっちゃったんだ…」

メイドズ「「ええーーーーっ!?」」

魔王「………ああ、なるほど」

ユウ「反応薄い!」

魔王「え、だってユウはユウだろ?まさかそれじゃなくなったからって俺のそばから離れるわけじゃないだろうな?」

ユウ「当然! 帰ってくるために##じゃ無くなるのを選択したんだもの!」

魔王「そうか…よかった…」

ユウ「本当にごめん、心配かけて」

ユウ「ありがとう…大好き」

魔王「ユウ…!」








それからしばらくしてーーーその日。
人間界にはじめて、大勢の魔者が観光に訪れたーーー



魔者たち
「おーすっげー、人間界だー」
「ママー、はやくはやくー」
「魔王様とユウ様の結婚パレードだ、早くしないと場所うまっちまうぞ!」
ワイワイガヤガヤ

人間たち
「あれが魔族か…ほとんどはモンスターみたいだけど、見た目は人っぽいのもいるんだな…」
「モンスターみたいのは魔物で、人っぽいのが魔者だってさ」
「見た目は違っても、親子はちゃんと親子なんだなぁ、人間と似たようなもんじゃねえか」
「恐ろしいもんだ…でも、なぜかねえ、怖がってたほどじゃあないねえ」
ザワザワ…


ユウ「う、うう…」 カチコチ

魔王「そんなに固まらなくても…」

ユウ「だだだだだだだって、王族のパレードみたいじゃないか、こんなに国中の人がっ」

ユウ「魔族たちもいっぱいきてるんだよ、何も起きなければいいけど…」

魔王「大丈夫だろ、観光代理店にきちんと監督させてるし、何か起きても何とかしてくれるさ」

ユウ「あうあう…」

魔王「落ち着け、ほら」 ギュ

ユウ「うぅ…」



  わああああぁぁぁーーー!


ユウ「ひゃっ」

魔王「ほら、皆山車のほう見てるし、バレないバレない」 ニヤリ

ユウ「ざ、罪悪感がハンパナイ…」

魔王「さあ、今日は思いっきり遊ぶぞ、ユウ!」

ユウ「まってよ、マオ!」

マオ「あはははは!」

ユウ「もぉ…ふふっ あはは!」





マオ「……」 チラ

観光客たち「「ワァァァァーーーーー!!!」」 ワイワイガヤガヤ

マオ「(…まだ、動かないでくれよな…)」 ボソッ


ユウ「ねえ、マオ…」

マオ「! どうしたの、ユウ」

ユウ「やっぱり気になるよー、魔翌力で動く人形だっていっても、代理にまかせっぱなしはちょっと…」

マオ「そうは言っても、焼き鳥と綿キャンディ両手に持っててじゃ説得力ないかな」

ユウ「う、しょ、食欲に罪は無いよ!」

マオ「ふふ、ごめんね」

    (ジャンプ)
マオ「簡易飛行魔法で先回りして、山車見に行こうか? 予定より早いけどまあ大丈夫だろうし」

ユウ「うん、そうしたい!  …ん、予定?」

マオ「っ! ごめん、そこはスルーしておいて」

ユウ「? うん、わかった… ちょっと待って、買ったオヤツ全部食べちゃうから」 モグモグ

マオ「オヤツなんだ、それ…」

魔力が魔翌力になってました、すいません、訂正です


  ワイワイガヤガヤ…ワアアァァァァーーー…

ユウ「うわぁーすごい、すごい!ちっちゃい頃に見た王弟様の結婚パレードよりすっごーい!」

マオ「魔界も協力してるんだからなー、魔法の規模はでかいよな」

マオ「ああでもそのパレード見たかったなー…ちっちゃいユウと一緒に…」

ユウ「えー、多分泣き叫んだと思うよ、まだ【例のアレ】自体を知らない子供だったし」  *(例のアレ=勇者)

マオ「魔水晶で盗み見してただけで一目惚れしたんだ、会いたくてしかたなかった…」

マオ「でも、顔怖いのはガキの頃から自覚してたからすげー我慢してたぞ」

ユウ「それについては感謝するよ…」

ユウ「いろんな魔獣とかに接触してなれてきた今だからこそマオがカッコいいって思えるけど、当時では無理」

マオ「絵本の王子様より?」

ユウ「おい、そんなところまで盗み見してたのか…?」 (低い声)

マオ「ごめんなさい!」



肉屋の奥さん「アラ見て奥さん、そこのカップルさん可愛いわねぇ」

靴屋の奥さん「あらまあ可愛い彼女さんだこと!彼氏さん暑くないのかしらねえ、あんな分厚いローブ着てて」

魚屋の奥さん「ちょっとお、おしゃべりしてちゃ見逃しちゃうわよ!ほら、山車が近くまで来てーーー」




            ズドガァァアアアン!!!


キャァァァーーーー!
うわーーー、ぎゃーーー!!


ユウ「た、大変!」

マオ「ユウ、動かないで!」 ガシッ

ユウ「!?」


        謎の男1「討ち取ったりぃぃぃいいい!」

        謎の男2「静かにしろ馬鹿、撤収だ」

        謎の男1「何言ってやがる、せっかく##を…っといけねえ、今は女英雄サマだっけか」

        謎の男1「女英雄サマと魔王サマを殺せたんだ、派手に名乗り出て終わってやろうぜ!」


魔王「よし、確保」

魔族護衛達「「はっ!!」」

謎の男1「ぎゃーーっ」

謎の男2「やっぱりな」

魔王「なんだ、ずいぶん冷めてるなアンタ」

謎の男2「…我々は今、隷属の首輪を装着しております」

謎の男2「こうやってしくじることも想定内だったものと思われます」

謎の男2「巻き添えになる前に早く離れてください、口封じが発動します」

謎の男1「くっそぉ、はなせ!!ちくしょう、あの山車カラだったのかよ!」

謎の男2「見苦しいぞ、やめろ」

謎の男1「何もできないまま終わってたまるか!魔王!あんただけでもっっ!!」

魔王「あ、首輪ならもう無力化してあるぞ」 バキッボキッ ポーイ

魔王「ほら、なんともない」

男達「「…え?」」

ユウ「わーお、さっすが魔王様」

魔王「そんなに褒めるなよ、照れるじゃないか」

ユウ「褒めてない、あまりにも無敵すぎて呆れてる」



魔王「……見つけたっ」

魔王「王城の左尖塔の最上階だ!絶対逃がすな!」

魔族護衛達「「はっ!!」」

魔族護衛1「最寄りのチームは!?」

魔族護衛2「C班だ、とっくに連絡した! 行くぞっ」

     ダダダダダッ…

ユウ「え、お城…?それに尖塔…」

魔王「コイツらを捕まえる直前まで繋がってた魔力が急に切れたからな、消える前にたどれてよかった」

魔王「相手も馬鹿じゃないんだろう、あのまま口封じが発動してくれたらそのほうが正確に辿れたんだが惜しいことをした」

ユウ「死んじゃうじゃないか!駄目だよ!」

魔王「うん、ユウならそう言うと思ったから壊したんだよ?範囲を絞るのが遅くなったけど彼らなら逃がさないよう間に合うはず」

魔王「それよりユウ、ちょっと聞きたいんだけど…この国の王様って、重婚なの?」

ユウ「はあ?お妃様は一人だよ?」

魔王「うーん…じゃあ彼女は一体…」


魔族護衛3「魔王様、爆弾魔たちを一旦人間の兵団に預けてまいります」

魔王「あ、うん よろしく」

魔族護衛3「はいっ ほら、いくよ…心配しなくても魔界で裁くことになるから安心しなよ、未遂なら罰の奉仕活動くらいですむから」

謎の男1「……」 ドヨン

謎の男2「なんでそんなに明るく言えるんですか…」

魔族護衛3「だって俺経験者だもん、前科持ちでも護衛兵団に入れたんだよ?大丈夫だよー」

謎の男2「え、ええー……」


魔王「さてと、ゆっくり追いかけますか」

ユウ「うん…」

ユウ「ねえマオ、お城で働いてる誰かが、あの男たちに命令したのかな…? そんなのやだな…」

魔王「…ちょっと違うかな…あの城に住んでる人間だ、多分な」

ユウ「………え?」





  ざわざわ…

下がってくださーい
現場検証です、さわらないでくださいー

あれが魔王か、でけーな…
ユウ様みれたー、かわいかったー
いやー、さすが魔王様だ


  ざわざわ……

すみません、今度は目をやってしまいまして…隔月更新のままです…本当にすみません…
しかも転移ですか…読者様には本当にご迷惑を…すみません
明日にはまたちょっとですけど更新したいです、すみません。

ありがとう…続きます。


魔王「はいどーも、魔王でーす」 扉バーンッ!

王妃「ひっ」

ユウ「ちょっとマオ! って、え?王妃様?」

魔族護衛1「隷属の首輪用送信装置を所持しておりました、間違いございません」

魔王「ご苦労様、ちょっと下がってて… さて、まずは動機聞かせてもらえる?」

魔王「まあ大方…息子の嫁を奪ったからーとかそういう…」

王妃「息子に嫁はまだおりませんわ、第一王家の嫁ですのよ?易々とは決められませんわ」

魔王「あ、はい」 (←片思い拗らせた例)

王妃「ワタクシ、魔の者達が嫌いですの …という理由じゃあ納得できないお顔ね」

魔王「当たり前だろ、あの山車にはユウものる予定だったんだぞ」

王妃「そうねえ…旦那の不実な態度が切っ掛けかしら… 息子も娘も、ワタクシの子じゃありませんの」

魔王「…ん?」

ユウ「ええっ 抱っこなさった姿絵が、いっぱい出回っていましたよ?」

王妃「そうね…出産から何日もたってからよ、あれを描かれたのは… あれは、旦那とワタクシの妹の子供」

ユウ「…!?」

王妃「ワタクシはね、妹の代理なのよ…出産のあと、『役目は終わったから、いっぱい男侍らすんだ~バイバーイ』 って言い残して出ていったわ…」

魔王「うわぁ」

王妃「最初は旦那が追い出したのかと思ったんだけど…調査結果は全部卑猥な内容だったわ…」

ユウ「うっわー…」

王妃「そんな状態なのに、平然とワタクシにすり替えて、何事もなかったように仕事して…少しはへこみなさいよ、仕事馬鹿…!」 扇子ミシミシ

従者「ひいっ おおおおお落ち着いてくださいませ…!」


王妃「ちょっとこらしめてやろうと思って、色々やらかしてみたけど…全部どこふく風、仕事優先なんだもの」

王妃「もちろん、国が大事でしょうよ!でもね、男としてどうなのよ!がっつり騙されてんのよ!なんで見逃しちゃってんのよ!」

王妃「あと、ワタクシ!婚約者居たんですのよ!? なのに妹が帰ってこないと正式な結婚出来ませんだぁ?!ふざけるなですわぁーーーーー!!」 扇子バキィッ

王妃「もうとっくに新しいお相手と結婚なさいましたわ!! ワタクシばっかりめんどくさいことに!」

王妃「失踪扱いになってるのがワタクシなんですのよ!?ここにいるのに!」 ダンッ

王妃「こうなったらもう、徹底的に嫌がらせしてやろうって思うに決まってませんこと!? やってやりましたわよぉ!」





ユウ「…妹様も妹様ですけど、姉様も姉様だね… ビッチと短気か…」

魔王「やべえ、もう関わりたくない…でも仕事はしないとな…」



  ギャーギャーワーワー




十分後……


王妃「はあ、はあ…」

魔王「もうそろそろいいでしょうかー…」

王妃「ええ、落ち着きましたわ」

王妃「それで、どうして襲撃がバレたのかしら?」

魔王「昔っからそういうカンはよく冴えてるもんでね…魔界って一応世襲制なんだけど、現魔王を倒せたらそいつが新魔王になれちまうっていう迷惑なルールが有るせいで、小さい頃から毒とか暗殺とか、訓練受けてたのでね…」

ユウ「ああ、だから紅茶に薬混ぜられてた時も、なんとか助かったのか…」  (>>33 付近参照)

魔王「まあねー… それはともかく、ユウがもし傷つけられでもしてたら、俺はあなたを許せなかった…この国潰すくらい出来たと思いますよ」

魔王「今回は負傷者ゼロですし、ここで終わりにしますけど(関わりたくねえからな) ゲホンッ 今後二度とこんな大騒動起こさないでください」

王妃「…あなたがたを巻き込んだことについては反省しますわ、でも…」

魔王「あとのことは、この国にお任せします ねえ、陛下?」

国王「…ああ、私の妻が申し訳なかった…」

王妃「旦那様!?いつからそこに!」

国王「けっこう最初の方から…驚いた、君があんなに怒鳴れる人だったとは…」

国王「##の消失によってごたついていたために、ユウ嬢への謝罪もまだ正式に出来ていないのに、このような事態…重ねて謝罪しよう」

ユウ「あ、いいいいいえいえいえい!もう充分です!大丈夫です!」

国王「そうか… それに…妻、すまない…私が逃げていたせいで…」

王妃「旦那様…」

国王「私とて、ショックじゃないわけ無いんだ…それに…」



魔王「(今のうちに行こうか…)」 コソコソ

ユウ「(そうだね…もう関わりたくない…)」 ヒソヒソ

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