モバP「梨沙(14)と事務所で寝泊まり」 (42)

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的場梨沙(14)「P、最近パパが一緒にお風呂に入ってくれなくなったのよ」
的場梨沙(14)「P、最近パパが一緒にお風呂に入ってくれなくなったのよ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430043162/)

要はアイドル始めて2年経った梨沙と仲良くするだけの話です

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430407862

P「なに? 3日間家でひとり?」

梨沙「そうなのよ。パパとママが仕事で同じタイミングで家を空けることになっちゃって」

P「そうか。しかし、年頃の女の子が3日間ひとりきりっていうのは心配だな」

梨沙「パパとママもそう言ってたわ。でも3日も泊めてくれるような場所に心当たりがなくて」

P「できれば俺の部屋で預かりたいところだが……ま、世間の目があるし厳しいな」

ちひろ「だったらこうしたらどうでしょう」

P「うわっ、ちひろさんいたんですか?」

ちひろ「ひどいですね、最初からいましたよ」

梨沙「それで、何を言おうとしたの?」

ちひろ「プロデューサーさんの部屋に連れ込むのが問題なんですから、ここの事務所で2人が寝泊まりすればいいじゃないですか」

P「事務所で? 確かに、仮眠室にベッドや布団がありますから、数日暮らす分には問題ないと思いますけど」

梨沙「ちょ、ちょっと待って! え、アタシとPが2人きり?」

ちひろ「今までも遠征の時は同じホテルで夜を過ごしていたじゃない?」

梨沙「それはそうだけど! 事務所で完全に2人きりってなったら話が違う――」

prrrr

梨沙「あ、電話……もしもし? パパ、どうしたの? うん、うん……それが今、アタシとPが事務所で泊まるなんてバカみたいな提案が……」

梨沙「……え? 彼なら安心できるから任せる? いやいやいや、パパってばどんだけあいつのこと信用してるのよ! ねえちょっと――」



梨沙「……パパのお墨付きをもらってしまったわ」

ちひろ「プロデューサーさんはどうですか?」

P「俺は別に、梨沙さえよければ構いませんけど」

ちひろ「じゃあ決まりですね♪」

P「え、でも梨沙本人が乗り気じゃないのなら他の案を考えたほうが」

梨沙「……もういいわ。それで」

P「いいのか?」

梨沙「ま、まあ。たまにはアンタと2人きりっていうのも……でもあれよ、変なことしたら速攻でケーサツ呼ぶから」

P「そんなことをするつもりはないが」

梨沙「ならいいわ」

P「こうして、あれよあれよという間にお泊り初日の夜がやってきた」

梨沙「んしょっと……とりあえず、着替え一式と必要な物は持ってきたわ」

P「ご苦労さん。じゃあまずは、夕食食べるか」

梨沙「どっか行くの?」

P「この時間ならまだ社員食堂が開いてる。もちろん俺が奢ってやろう」

梨沙「社員食堂で奢るだけで胸張られても困るんだけど」

P「しょうがないだろ。俺だって懐事情はよろしくないんだ」

梨沙「まあいいわ。ここの食堂結構おいしいし。もちろんデザートもつけてくれるのよね」

P「今日もレッスン頑張ってたから、ご褒美だな」

梨沙「やたっ」ウキウキ

P「事務所に風呂はないから近くの銭湯にやってきたぞ」

梨沙「アタシ、こういうところ来るの初めてなのよねー。温泉なら何度も入ったことあるけど」

P「湯船が広いからって泳いじゃだめだぞ」

梨沙「知ってるわよ! 温泉なら入ったことあるって言ったでしょーが」

梨沙「アンタこそ、女湯を覗いたりとかしないでよね」

P「はーい。(ま、男湯にいながら女湯の風景を想像するだけでも結構いい気分だし)」

梨沙「あとヘンタイな妄想も禁止」

P「あれ、心読まれた?」

男湯にて

P「ふあー、生き返る~」カポーン

P「たまにはでかい湯船で思いっきり足を伸ばすのもいいなあ」

P「梨沙も銭湯を楽しんでくれていればいいが」

P「………」

P「……っと、いかんいかん。思わず裸のあいつを想像してしまうところだった」

P「しかし梨沙のやつ、日に日に体つきが大人びてきてるよな……」

P「………」タラー

風呂あがり


梨沙「なんで鼻にティッシュ詰めこんでるの?」

P「鼻血が出た」

梨沙「鼻血~? どうせ女湯の様子でも想像してたんでしょ。巨乳のおねーさんとかさ」

P「し、してないって……」

P「(梨沙の裸を妄想して鼻血が出ました、とか笑うに笑えんな)」

梨沙「ふーん。ま、信じてあげる。それよりP、コーヒー牛乳買ってよ。こういう場所じゃ定番なんでしょ?」

P「今では定番ってほどでもないけど……でもせっかくだし、一緒に飲むか」

梨沙「うんうん」

P「(子供らしい無邪気さを見せる梨沙だが、風呂あがりで頬が紅潮している彼女からは不思議な色気を感じる)」

P「雑念退散。俺は彼女のプロデューサー……」

梨沙「ん、なんか言った?」

P「いや、なにも」

再び事務所に戻って


P「テレビで野球でも観るか」

梨沙「うちのパパも野球好きなのよねー。アタシは正直よくわかんないんだけど」

P「なんだ。パパが好きなのに梨沙には合わなかったのか」

梨沙「アタシだって、なんでもかんでもパパに合わせるわけじゃないのよ」

P「そうか。なら、野球に関しては俺がお父さんに合わせてやろう。また親睦を深められそうだ」

梨沙「……アンタとパパって、仲いいわよね。なんかえらく信用されてるみたいだし」

P「梨沙と出会って2年。付きあいも長いからな」

梨沙「2年かあ。そうよね、もうそんなに経つのよね」

梨沙「アイドルになったばかりのころのアタシって、結構わがまま言ってた気がする」

P「そうだな。俺のことはロリコンの変態呼ばわりするし、ファンの視線はキモいって言うし」

梨沙「アンタがヘンタイなのはまだ疑ってるけどねー。……でも、Pはそんな生意気でわがままなアタシを見捨てなかった」

P「それが仕事だからな。俺にとっても初めての担当アイドルだったし、絶対人気アイドルに育ててみせようって気持ちも強かった」

梨沙「Pは、仕事はできる男よね。アタシが今そこそこ人気あるのも、アンタがプロデュースしてくれたおかげ……そこのところは、感謝してるのよ?」

P「………」

梨沙「なによ」

P「いや、珍しいこともあるもんだと思ってさ。梨沙が素直に感謝の言葉を口にするなんて、明日は季節外れの雪が降るかも」

梨沙「なっ……!? ひ、人がせっかく素直になってあげたのにその態度? もういいわ、あんなこと言って損した」プクー

P「ははは、ごめんごめん。うれしいよ、梨沙に感謝してもらえるのは」ナデナデ

梨沙「まったく」

梨沙「今回は許してあげる」

P「それはよかった」

梨沙「それと……ありがと」

P「ん? なにが」

梨沙「事務所に泊まってくれたこと。アンタだって、自分の部屋で眠った方が疲れもとれるでしょう?」

P「別にたいして変わらないさ。うちのベッド安物だし」

梨沙「でも、夜のお楽しみとかも」

P「それも毎日やるわけじゃないし………あ」

梨沙「……へー、やっぱりやってるんだ。そういうこと」ジロリ

P「い、今のはちょっとひどくないか。何気ない会話の中にそういう質問を仕込むのは」

梨沙「ヘンタイ」

P「うぐぅ」グサッ


そんなこんなで1日目終了

とりあえずここでいったん中断します

翌朝


P「起きろ梨沙。朝だぞ」

梨沙「むにゃむにゃ」

P「パジャマがはだけかけて目に毒だな……ほら、いつまでも気持ちよさそうな顔して寝るな。学校に遅刻するぞ」ユサユサ

梨沙「んにゅ……? あれ、P……って、なんでアンタがアタシの寝床に!? まさかうちに侵入して夜這い!?」

P「落ち着け。昨日から事務所に2人で泊まることになっただろ。あと俺はちゃんと違う部屋で寝たぞ」

梨沙「あ……そういえばここ、家じゃなくて事務所ね。寝起きで頭がぼーっとしてたわ」

P「遅刻しないように早く準備するんだぞ。じゃ」

梨沙「あれ、どこ行くの?」

P「いや、だってこれから制服に着替えるだろ? 俺がいたら邪魔だし」

梨沙「……あ、そっか。着替えを見られるのは確かに困るわね……うん」

P「………」

梨沙「………///」

P「え、なにこの妙な空気」

梨沙「いってきまーす」

P「ハンカチ持ったか」

梨沙「持った」

P「ティッシュは」

梨沙「持った」

P「防犯ブザー」

梨沙「持った」

梨沙「って、アンタはアタシの母親か!」

P「だって心配じゃん」

梨沙「あんまりやってると他の子にもウザがられるわよ、そういうの」

P「他の担当の子にはここまでしないよ。梨沙は特別だ」

梨沙「え? それってもしかして」ポッ

P「特別危なっかしいから、心配にもなる」

梨沙「………」

P「どうした」

梨沙「ヘンタイ」

P「なんで!?」

その日の夜

P「撮影お疲れ様。よかったぞ」

梨沙「このくらい当然よ。でも疲れたー。外はもう真っ暗ね」

P「今日は遅いし、事務所に帰る前にどこかで食べて帰ろうか」

梨沙「賛成」

P「ファミレスでたらふく食べた後のコーヒーは最高だな」

梨沙「へえ……すみません、コーヒーもうひとつください」

店員「かしこまりました」


数分後


店員「お待たせいたしました。コーヒーになります」

梨沙「来たわね。それじゃ早速」

P「ん? 砂糖もミルクも入れないのか」

梨沙「アンタも入れずに飲んでるじゃない」

P「いや、俺はブラックが好きだから。でも梨沙はまだ子供なんだし」

梨沙「平気よ、平気。アタシだってもう中学生なんだから」ゴク

梨沙「……にがぁ」

P「言わんこっちゃない」

梨沙「アンタ、なんでこんな苦いの飲めるのよ……」サトウダバー

P「味覚は人それぞれだからな。大人でもブラックが好きな人は多くないし」

事務所に帰って


梨沙「P、ここの問題どうやって解けばいいの?」

P「ああ、そこは前の式を代入してだな――」

梨沙「なるほど」

P「しかし、昔に比べると梨沙の宿題を教えるのも難しくなってきたなあ」

梨沙「大人なのに中学の問題が難しいの?」

P「数学なんて普段使わないからな。やらないことはすぐに忘れていくもんだ。さすがに小学校レベルの問題なら今でも大丈夫だけどさ」

梨沙「そういうものなのね。確かに、どんどん内容が難しくなってきてるけど」

P「来年には梨沙も高校受験だもんな。時間が経つのは早いもんだ」

梨沙「受験かあ。あと1年半くらいで中学卒業して、もうちょっと経ったら16歳。法律上は結婚できちゃうのよね」

P「さすがに結婚は気が早いな。相手だっていないだろ」

梨沙「相手? うーん……まあ、いないといえばいないけど……」チラ

P「? なんだその微妙な反応は。……まさか」

梨沙「ち、違うわよ。別にその」

P「お前、まだパパと結婚するの諦めてなかったのか? さすがにその年になってそれは……」

梨沙「違うわよ! アタシだってもうその辺の分別はついてるし!」

P「あら」

3日目


P「今日は学校が休みなので梨沙も朝から仕事に励んでいる」

カメラマン「いいよいいよー梨沙ちゃん! セクシーだよ!」

梨沙「ありがとうございまーす」ニコッ

P「もう撮影も手慣れたもんだな……成長したもんだ」

カメラマン「それじゃ次、キスするような感じのポーズをお願いね」

梨沙「はい」

P「キスか……」

P「(……この前梨沙が俺の頬にキスしてきたのは、結局なんだったんだろうか)」

P「(面白半分のイタズラだったのか、それとも……)」

P「(どうにも尋ねるのは気が引ける。梨沙もあれ以降何も言ってこないし)」

P「今日はお世話になりました」

梨沙「ありがとうございました」

カメラマン「こちらこそ。最後に梨沙ちゃんの可愛い写真を撮れたから、俺も心置きなく田舎に戻れるよ」

梨沙「えっ……いなくなっちゃうんですか?」

カメラマン「いろいろ事情があってね。梨沙ちゃんがデビューしたてのころから撮ってきたけど、今日でそれも終わりかな」

P「どうも、今までお世話になりました」

カメラマン「初めてこの子の宣材写真を撮った時、将来売れると直感で思ったもんだ。これからも頑張ってな、梨沙ちゃん」

梨沙「はい……ありがとうございました」

梨沙「………」

その日の夜


P「今日で共同生活も最後だな」

梨沙「そうね」

P「せっかくだし、映画でも見るか」

梨沙「映画? DVDでも借りてるの?」

P「おう。小梅から借りたのが1本ある」

梨沙「ふーん。小梅から……え、小梅?」

P「最近見た映画の中じゃ一番のおすすめらしい」ポチ

梨沙「ちょ、ちょっと待って。小梅がおすすめするってことは、それ」


キャアアアアアア

P「おーい、生きてるかー」

梨沙「……はっ! あ、アタシ今まで何やって」

P「ホラー映画を見ているうちにいつの間にか魂が抜けてたぞ」

梨沙「ああ……そういえばそうだったわね」

P「梨沙ってホラー苦手だったか?」

梨沙「あ、あの子が選んでくるやつは特別なのよ! なによあのゾンビの不意打ち、心臓止まるかと思ったわ」

P「すごい悲鳴あげてたもんな。今夜はひとりじゃ眠れなかったりして」

梨沙「さすがにそこまでじゃないわよ……」

消灯後

P「3日も使ってると、さすがにこの布団にも慣れてきたな」

P「………」ウトウト

ガチャ

P「?」

ごそごそ

P「梨沙か? どうし――」

もぞもぞ

P「わっ!? お前、いきなりなんで俺の布団にもぐりこんで」

梨沙「アンタのせいよ……」

P「え?」

梨沙「アンタが変なこと言うから、本当にひとりで眠れなくなっちゃったじゃない……」

P「マジか」

梨沙「だから、責任とって一緒に寝てよ」

P「いや、しかしだな」

梨沙「……だめ?」ウルウル

P「うっ……わかった。ただし布団は別にもう一枚持ってくる。それでいいな」

梨沙「うん」

P「(とりあえず別々の布団を並べて寝ることになったものの……正直緊張するな、これは)」

P「(すぐそばに年頃の女の子がいると考えるだけで、いろいろとくるものがある)」ドキドキ

梨沙「……ねえ、P」

P「な、なんだ?」

梨沙「今日、カメラマンの人が地元に帰るって言ってたでしょ?」

P「ちょっと寂しいな。今までたくさんお世話になってきたから」

梨沙「あれでさ、なんか時の流れみたいなのを感じたの。時間が経って、アタシの身体は大人に近づいて、そして今日みたいに誰かと別れることになって」


梨沙「……Pも、いつかはどこかに行っちゃうのかなって」

P「………」

P「時間が経てば、いろんなことが変わっていく。その中にはもちろん、親しい人との別れもある」

梨沙「………」

P「けど、それと同じ数だけ出会いもある。それこそ俺にとっちゃ、梨沙と出会えたことは僥倖以外の何物でもない」

梨沙「P……」

P「それに、俺は当分お前のそばにいるつもりだぞ? 何年も経ってお前がアイドルを辞めた後でも、事務所に遊びに来てくれれば歓迎するし」

P「だから、子どもがいちいちそういうことを心配するな」ナデナデ

梨沙「……子ども扱いしないでよね」

梨沙「でも……ありがと。ふふっ」

P「(至近距離で見た梨沙の笑顔は、髪をおろしていることも相まって……なんとも美しいと感じられるものだった)」


こうして、3日目の夜は同じ部屋で過ごしたのだった

翌朝、朝食中

P「お泊りも終わりだなー」

梨沙「そうね。結構楽しかったわ」

P「俺もだ」

梨沙「……あのさ」

P「ん?」

梨沙「アタシ……ううん。やっぱりなんでもない」

P「なんだそれ。悩み事とかあるなら早めに言ってくれ」

梨沙「そういうんじゃないから大丈夫よ。今はまだ、いいから。……そばにいてくれるんでしょ?」

P「……お、おう。もちろん」

梨沙「ならよし!」

P「えらく元気だな……ふわぁ」

梨沙「アンタはなんだか眠そうね」

P「ま、寝起きだからな……」

P「(梨沙が隣にいたせいでろくに眠れなかったことは黙っておこう……)」

P「(振り返ってみれば、改めて梨沙の色気を認識した3日間だった)」

梨沙「ほら、さっさとごはん食べて元気出しなさい。今日も仕事頑張るんでしょ!」

P「……ああ、そうだな」

P「(誘惑に負けないよう、頑張らないとな)」

P「俺は梨沙のプロデューサーだから、期待に応えられるよう頑張るよ」

梨沙「それでこそアタシのヘンタイプロデューサーね!」

P「ヘンタイは余計」


おわり

お付き合いいただきありがとうございました
梨沙のSS書く人が少ないなら自分で書くしかないじゃない

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