加蓮「貴方が育てたアイドルの晴れ姿…だよ」 (30)

ああ もう一度君の姿を見たかった

柔らかな微笑み 美しいその姿 全てにおいて愛おしい君に

どうかもう一度だけ………

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P「ごめんよ訓練が長引いちゃってさ、大分待たせちゃったろ?」


加蓮「ううん、大丈夫だよ。こんなご時世だし前線の危険な所の配属じゃなかっただけ感謝しなきゃね。」


P「そうだな。 普段は恨めしいこの弱い体のおかげで警備任務だけで済んでるようなものだからな。兵士としては喜んでいい所か迷う所だけど。」


加蓮「私は、貴方と一緒に居れるからよかったと思ってるよ? それともPさんは私と一緒に居るのは……嫌?」

P「そんな事あるはず無いだろう? お前と一緒に居れる事が何よりの幸せだよ加蓮」


加蓮「ありがとうとっても嬉しい。私もPさんと居れて幸せ、たいして生きてきた訳じゃないけれど今が一番幸せ」


P「ハハハッ そこまで言ってもらえると男冥利に尽きるって所かな。 僕だってお前みたいな子を奥さんにできるんだから、一生分の幸運を使ってしまっていてもおかしくはない位だよ。」


加蓮「楽しみね、結婚式。 まさか出来るとは思ってなかったよ」


P「そこは僕と、お前の友達に感謝しなきゃな。立派な式にはできないかもなんて申し訳なさそうな顔をしていたけれど、気持ちだけでも感謝しなければいけない位なのに本当に頭が上がらないよ」


壁に掛けられた純白のウエディングドレスを見つめる二人の眼には、希望の光が写っていた。

えー 現時点じゃ訳わからんかもしれませんが一応しっかりと意味はわかるようにするつもりです

そんなに長くはならないと思いますが書き溜めなんかもしてないんで気長にお付き合いくださいな

翌日

同僚「しかし警備任務ってのも暇な話だよなあ。一日中こうして外壁の上でぼさーっと立ってるだけなんだもんなあ、安全とはいえ腕がなまっちまうよ」


P「それも前線にでてくれてる仲間達のおかげだろう。 あいつらのおかげでなんとか均衡は保ってるけれど不味くなったら俺達だって前線送りだ」


同僚「俺はその方がいいかもしれねえなあ。お前と違って体が弱い訳でもないし恋人もいねえしよ。 お前もうすぐ式なんだろ? もちろん呼んでくれるよな?」


P「ああもちろんそのつもりだよ。 僕の残り少ない友人の一人だからな。丁重にもてなさせてもらうつもりさ」


同僚「まあお前の結婚もめでたいけれど、個人的には他の招待客が楽しみなんだよ。お前も加蓮ちゃんも友達かわいい子多いからなあ……」

とりあえずこれから仕事ですので本日分は終了です

明日更新させていただきます

同僚「生きる希望が無い物としては一縷の望みをかけてたりするんだよ。あの花屋の子とかすごい俺の好みなんだよな」


P「花屋? 凛のことか。 確かにちょっと愛想は悪いかもしれないけれどいい子だよ。看板娘だし仕事も一生懸命やる、今じゃすっかり下町のアイドルだからな」


同僚「俺なんかじゃ釣り合わない事も解ってるんだけどな。それに前線に出てる奴らが帰ってきた時に殺されちまうよ、結構ファン多いからよ凛ちゃん」


P「それを言ったら僕だって不味いよ。自分で言うのも何だけれど加蓮も綺麗だからなあ。結構人気あったと思うんだよ」


同僚「へっ なんだ惚気話か? お前は大丈夫だよ、ずっと昔からお互いチラチラ気にしててよ。むしろ周りがやきもきしてたもんだ」

ID違いますが>>1です

P「なっ……そうだったのか? 全く知らなかった。まさかばれてたとは思わなかったよ」


同僚「お前も加蓮ちゃんもいい意味でわかりやすい人間だからな。みんな祝福してくれるさ、やっとかって呆れ混じりにな」


同僚「そういやお前知ってるか? 昨日伝令が一人帰ってきたらしいんだけど、そいつの話だとお向こうさん新兵器出してきたらしいぞ」


P「新兵器? なんだか嫌な話だな。形勢が崩れたりなんて事にならなければいいけど、心配だなあ」


同僚「なんでもそいつの話だと銃とかいう鉄の玉を飛ばす武器らしい。遠くからも攻撃できるものだから太刀打ちできなかったとか言ってたな」


P「そんな事ただの一般兵の僕「に話していいのか?下手しなくても懲罰ものだろう?」


同僚「いいんだよ。どうせこの場にはお前しかいないし口が堅いのは昔からの付き合いで知ってる」

すっかりトリップの存在忘れてました 感謝します

同僚「それに知った所でどうにもならない事もあるからなあ。この話もそうだ、まだ事実かどうかも分からないしそれに対応するのはもっと上の連中の仕事さ」


カーンカーンカーンカーン


P「緊急招集の鐘? 急ごう何かあったみたいだ」


本部前

軍人「諸君らに集まって貰ったのは他でもない、我が軍の戦況の事だ」


軍人「北の前線部隊が敵方新兵器によって壊滅状態に落ちたとの知らせが入った。そして本日同じく北の別部隊も壊滅状態に落ちた」


軍人「よって我々は事態の緊急性と防衛線の内側に敵方が侵入している可能性から新たに隊を派遣する事を決定した」


軍人「派遣対象となるのは、〜隊 〜隊 〜隊 〜隊 を先遣隊として出す。本隊に関しては追って連絡する。以上」

P「覚悟はしていたつもりだったけれどこんなに急とはね、流石に堪えるよ」


同僚「そんな事言ってる暇ないだろう! 今日はもういいから行って来い。しゃがみ込んでる場合じゃない、立ってホラ」


P「すまん…… 行ってくるよ、ありがとう」

P「帰ったよ」


加蓮「あっ Pさん 今日は随分早いんだね?ご飯はもう済んでるの?」


P「加蓮落ち着いて聞いてくれ。僕、僕は先遣隊として前線に出ることになったよ。向こうの新兵器で情勢が変わってきてるみたいでね」


加蓮「……本当なの?」


P「こんな嘘つかないさ、ジョークだとしても笑えない最悪の部類だよ」


加蓮「手震えてるよ? ほら大丈夫だから」


恐怖に不安に震える僕の手をそっと優しく包み込む彼女の手はとても暖かかった

一時的なものかもしれない でも不思議と震えは止まった

そうだ 僕はこの子を守らなければいけないんだ

この笑顔のある場所を失わない為にも

加蓮「戦争が始まった時に覚悟はしたつもりだったの、もしもが起こらない可能性なんて無いんだって。」


加蓮「Pさんが戦場に出るのはとても怖い、でも信じてるよ私。きっと無事に帰ってくるって」


加蓮「いつもと同じ様に私の大好きな笑顔を浮かべてただいまって帰ってくるのを待ってるよ」


P「ありがとう……加蓮。絶対に僕は帰ってくるよ、帰ってきたら必ず結婚式をしよう」


加蓮「うん 必ずだよ。約束だよ。約束…破ったら怒るからね……」


出兵前日

同僚「とうとう…だな。俺もかけあってはみたけどやっぱりダメだったよ。ごめんな…本当に」


P「何、お前が謝る事じゃないさ僕だって兵士なんだ今までが恵まれていたくらいだよ」


同僚「お前は俺が生きて帰らせるよ。必ず」


P「帰るならお前も一緒だ。結婚式来てくれるんだろ?」


同僚「……そうだな、一緒に生きて帰ろう。 ほらもう行けよ待ってるんだろ加蓮ちゃん?」


P「そうだな 悪いけど行かせてもらうよ」

P「ただいま加蓮………その格好」


加蓮「おかえりなさいPさん。どうかな?」


家に帰った僕を迎えたのはウエディングドレスに身を包んだ加蓮だった

「美しい」その一言につきる姿に言葉を失う。


加蓮「Pさん? おーいPさんってば」


P「あ、ああごめんごめんあまりに綺麗だったものだからつい見とれてしまったよ。しかしどうしたんだ?約束は帰ってきてからだろ?」


加蓮「ほらPさん明日から行っちゃうでしょう? この姿を向こうでの生きる糧にしてくれたらなーなんてさ」

P「ありがとう加蓮、僕はすごくいい女性を奥さんにもらうんだって改めて実感したよ。忘れないように写真撮っていいかな?」


加蓮「ちょっと恥ずかしいけどいいよ。そのかわりちゃんと綺麗に撮ってよね?」


P「ああもちろんだよ。ちょっと待っててくれ。今カメラを取ってくるから」

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