アルミン「進撃のアルレルト兵団!!」 (297)

※以前に立てたSSの書き直しです。
色々忙しかったり、原作を見ていたらやりたいことがどんどん変わってしまい途中から放置してしまいました。落ち着いて来たのでゆっくりでも進めていきます。

※原作ネタバレ、キャラ崩壊、妄想設定あり



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430220280

―――850

ドシーーーンッ ドシーーーンッ


シュウウウウウウ

ジャン「目標接近!このままじゃ壁が破壊される!」

ミカサ「アルミン!」

アルミン「ああ!この僕の天才頭脳であいつを止めてみせるぞ!!」

アルミン「アルレルト兵団特別作戦班出撃!!」

エレン「俺達に任せろ!!」

ライナー「おう!」

アルミン「ヒストリア班、立体機動で攻撃!」

ヒストリア「よしきた!!」バシュッ

アルミン「人類の力を…」

ヒストリア「思い知れ!!」

―845―ウォール・マリア、シガンシナ区

アルミン「いでー!」ドサッ

不良少年「おら異端者!立てよ!!」

アルミン「ふっ!暴力に任せるなど獣だってできる。でも君の知能じゃ僕に何も言い返せないから、暴の力を行使する事しか出来ないのだろう!?」

不良少年「ああ!?台詞なげぇんだよ糞が!!」グイッ

アルミン「暴力反対!つまりそれは言い返せないから負けを認めたという事だ!文句あるなら言い返してみせろギザギザハート少年!」

ギザギザハート少年「いちいちむかつく奴だなコラ!!」

エレン「待て!!」ザッザッザッ

不良少年B「やべぇ!エレンが来た!!」

ギザギザハート少年「前にあいつ1人で強盗三人素手で追い返してアッカーマン親子助けたらしいぞ!」

不良少年C「やべぇよ。逃げろ!!」ザッザッザッ

エレン「逃げたか…」

アルミン「サンキューエレン!」

ミカサ「ぜえ…ぜえ…アルミン…だい…じょうぶ…」フラフラ

アルミン「あははは!僕はミカサの方が心配だよ!!」

エレン「相変わらず体力無いなミカサ」

ああ、あんたか
久しぶりだな

今度こそ信じていいのか…?

まだか

―――シガンシナ区山奥

ミカサ「ただいまー」

ミカサ母「お帰りなさい、ミカサ」

ザッザッ…

ケニー「おっと、すまねぇな、嬢ちゃん。通るぜ」

ミカサ「あ、はい、こんにちは」

ケニー「あばよ、また来れるかわからねぇがな」ガチャ

ミカサ父「はい、ありがとうございます」

ミカサ「…今のおじさん誰?」

ミカサ父「ああ…まあ、親戚みたいなものだよ」

ミカサ「ふーん…初めて見た」

ミカサ母「あら、今日もまた泥だらけにしてかえって来て…」

ミカサ「エレンとアルミンと追いかけっこしてたら畑に落ちちゃった」

ミカサ父「ははは、相変わらずドジっこだなぁ」

―――845

――


行ってらっしゃい


「エレン」

「…エレン、起きて」

エレン「…あ?」パチ

ミカサ「エレン、起きて、日が暮れちゃう」オロオロ

エレン「あ…すまん。寝てたみたいだ…」ゴシゴシ

ミカサ「…!エレン?」

ミカサ「どうして泣いてるの?」

エレン「…え?」



アルミン「どうしたエレン!誰かにいじめられたのか!?転んだのか!?あの日の失恋を思い出したのか!?」バッ

エレン「うわ、ビックリした!?」ビクッ

ミカサ「いじめられたの!?」オロオロ

エレン「ちがうちがう!」

アルミン「とりあえず、グリシャおじさんに診てもらおう!僕は天才だが医学の知識は無い!!」

エレン「いいよ。てか恥ずかしいから言うなよ」

ミカサ「あの、ハンネスさん…エレンが涙止まらないらしいけど大丈夫?病気じゃない?治る?」オロオロウルウル

ハンネス「ああ?どうさたエレン、遠い日の失恋でも思い出したのか?」

エレン「言うなよミカサ!!」

ハンネス「なんだ、違うのか」ブホォ

エレン「てか酒臭いよハンネスさん!」

カンカンカンカンカンカン!

ハンネス「お、調査兵団が帰って来たみたいだな」

アルミン「調査兵団!僕たちの憧れの調査兵団!」

エレン「英雄の凱旋だ!行くぞ2人とも!」ダダダ

ミカサ「わ、早いエレン~」トコトコ

アルミン「ははは、エレンはまだまだ子供だなぁ」

エレン「お前も子供だろ!」

ザワザワザワザワ

アルミン「う、こいつは…」

エレン「!」

ミカサ「!」


調査兵団「…」ボロ

「これだけしか帰って来れなかったのか…」

「今回もひどいな…」

エレン「そんな…」

ミカサ「…」オロオロ

アルミン「百人以上で行ったと聞いたが…20人もいないぞ…なんてこった…」


「レオン!レオン!」

団長「!」

「息子のレオンは…レオンはどこですか!?」

団長「…レオンの母親だ…持ってこい…」

スッ…

「…え?」


レオンのパンツ


団長「…それだけしか…取り返せませんでした…」

「でも…息子は、役に立ったのですよね!?息子の死は、人類の反撃の糧になったのですよね!?」

団長「…!!………もちろん……いや…」

団長「今回の調査で…我々は………今回も…」

団長「何の成果も得られませんでした!!」


アルミン「…なんてこった……早く僕も兵士になって…なんとかしなくては!!」

町民「ひでぇもんだな…兵士なんて税の無駄使いだ…」

エレン「!!」

ミカサ「!」

町民「これじゃ俺達の税で奴らにエサやって太らせてるようなもんだな」

エレン「この野郎っ!!」バシンッ

町民「いでっ!このガキ!なにすんだ!!」

ミカサ「エレン…だめ…」チョイチョイ

エレン「離せ!」バッ

ミカサ「あ…」オロオロ

アルミン「落ち着けエレン!外の世界を想像して精神を落ち着かせろ!」

エレン「外の世界に行くにはああいう大人が邪魔なんだよ!!」

アルミン「落ち着けっちゅーとるがな!!おじいちゃんの本アタアアアック!!」バシンッ!!

エレン「いでっ!」

アルミン「ミカサ!2人がかりで引っ張ってくぞ!」

ミカサ「うん!ん~」プルプル

エレン「…」

アルミン「くそー!2人がかりでも引っ張れない!」

エレン「うん、わかったよ。落ち着いたから、もう引っ張らなくていいから。服破けちゃうだろ」

――――――

エレン「はあ…くそ……俺も絶対にいつか調査兵団に入って…馬鹿にする奴らを見返してやるんだ」

ミカサ「調査兵団は…やめた方がいい…と思うの…」

エレン「お前も調査兵団をバカにしてるのか!?」

ミカサ「え、えと…そういう問題じゃ…」

アルミン「危ないからね…それに今日の彼みたいに何にもならずに死んでしまう可能性だってあるんだ」

エレン「なんだと!?」

アルミン「落ち着きなよエレン…実際にそうなる可能性もあるだろ。思考を止めたら駄目なんですよ」

エレン「…」

アルミン「まあ、気持ちはわかるよ。うん」

エレン「はあ…俺はただ外の世界に行きたいだけなのに…どいつもこいつも外に出るのは異端と言いやがる」

アルミン「百年間何事も起こらず平和に暮らしてこれたからね。でも…百年平和だからと言って、今日なにも無いという保証はどこにもない…」


ドガアアアアアアアアンッ!!!

ミカサ「」ビクウッ

アルミン「ワアアッツ!?」

エレン「地震って奴か!?」

アルミン「猛烈に嫌な予感がビンビンする…行くぞ!!」


その日、人類は思い出した…奴らに支配されていた恐怖を

鳥籠の中に捕らわれていた屈辱を…


シュウウウウウウ

超大型巨人「…」


エレン「あ…奴だ」

アルミン「巨!人!だあああっ!!」

ミカサ「」

超大型巨人「…」グオッ

アルミン「!!奴は扉を蹴り破るつもりだ!!」

エレン「え!?」

アルミン「扉を蹴り破られたら破片が飛び建物を破壊し侵入した巨人が人を襲う!早くみんな逃げさせろ!!あとエレンの母ちゃん家にいるだろ!!破片が飛ぶ前にいけ!」

エレン「わかった!さすがアルミンだぜ、頭の回転が早いな!!」

アルミン「誉めたって何も出ねーよ!!へへっ!」

ミカサ「あ…アウアウ…」オロオロ

アルミン「とりあえずエレンについて逃げとけミカサ!」

超大型巨人「…」ブンッ

ドガアアアアアアアアンッ!!!

アルミン「キタアアアアアアアア!!」



エレン「母さん!」ダダダ

カルラ「エレン!どうしたんだい?さっきの大きな音は…」

エレン「早く外に出て!」

カルラ「巨人が来たの!?」

ヒュウウウウウ…

ミカサ「わっ!破片が来るよ~!」

ドオオオオオンッ!!

ザザザッ

エレン「はあ…はあ……間一髪だ…」

カルラ「あと少しで下敷きになるとこだったね…」

ミカサ「良かったぁ」

ズシンズシンズシンズシンズシン!!

ガシャアアアアアンッ!!!

鎧の巨人「…」ガガガガガガ!!

アルミン「ぐわっ!なんかまた凄そうな巨人が来たぞ!!」

エレン「アルミン!」

ミカサ「早くみんなで避難しよう!」

アルミン「おう!!」

エレン「父さんはどこだよ、こんなときに!」

カルラ「…あの人は大丈夫。私達は避難するわよ」

エレン「お、おう…わかった」

アルミン「…そして巨人により制圧されたウォール・マリア……人類は人口の2割と領土の三分の一を失った…」

エレン「くそ…巨人ども……駆逐してやる。この世から…一匹残らず!」

ミカサ「エレン顔こわい」

アルミン「まあ、落ち着けエレン…巨人を駆逐するなんてたぶん無理だ」

エレン「お前は!何てこと言うんだアルミン!?」

アルミン「これは僕の仮説だが…恐らく巨人は何かの目的により生み出された人為的な存在だ。つまり巨人を倒しても意味は無い、どこかに黒幕がいるはずなんだ!!たぶん!!」

エレン「たぶんか!」

アルミン「たぶんだ!!」

エレン「よし、なら兵士になって…この世界を作り出した元凶を突き止めそいつを駆逐してやる!!」

アルミン「そうだ!!全ては外の世界を見るために!!行くぞー!」

ミカサ「おーっ!」

時は少し戻り844


エレン「…で、ミカサとかいう女の家に行くんだが…」

アルミン「女の子だって!?僕もいくぜ!独り占めはさせないよ!!」

エレン「お、おう」

アルミン「いいでしょ?グリシャおじさん!!」

グリシャ「ああ…構わんが」

アルミン「…うっ!?」キュピリィィィン

エレン「どうしたアルミン!」

アルミン「ミカサとかいう女の子の家で事件が起きたような第六感を感じた気がするっぽい!!」

グリシャ「はい?」

エレン「アルミンの勘はよく当たるんだ!父さん急ごう!」

グリシャ「あ、ああ…」


アッカーマン家


ミカサ「ねえ。お母さん…子供はどうしたらできるの?」

ミカサ母「さあ、お父さんなら知って…」

ミカサ父「いや知らないぞ!お父さんも知らないぞ!ぜんっぜん知らないぞぞぞー!!」ブンブンブンブン

ミカサ母「動揺し過ぎよあなた」

ミカサ「?」

コンコン

ミカサ父「おや、イェーガーさんが来たのかな?」

ガチャ

強盗「動くな!」バンッ

ミカサ父「ひっ!強盗だ!」

強盗2「そうだ!!」

ミカサ母「きゃー!」

強盗3「父親は殺せ…母親と娘は連れて行ってぐひひだ」

ミカサ「あ…あ…」オロオロ


強盗「お命ちょうだいいたす!」シャキーン

ミカサ父「うわあああ!」

ミカサ母「あなた!!」

ミカサ「お父さあああん!!」


バキイッ!!


強盗「ぐふぉー!!?」ズザザザッ

エレン「この強盗が!駆逐してやる!」ザッ

グリシャ「大丈夫ですか!アッカーマンさん!」

ミカサ父「イェーガー先生!」

アルミン「危機一髪でしたね、もう大丈夫ですよ!!」

ミカサ母「ありがとうございます!」

エレン「回し蹴りだぁ!」ブォンッ

強盗2「ギャッ」
強盗3「2レスで出番なくなるなんてー!」

グリシャ「エレンの格闘術は大人の格闘家並みの実力があるのだ」

アルミン「君がミカサだね。もう平気さ、エレンがやっつけてくれたからね!」

エレン「怖かったな…もう大丈夫だ」

ミカサ(ヒーローだ!!)

エレン「ほらよ。マフラーやるよ…最近寒いしな」

ミカサ「!」ドキン

エレン「暖かいか?」

ミカサ「うん…暖かい」

アルミン「お、イイ感じじゃないかね2人とも!」

―――――845

グリシャ「…」ザッザッザッ

グリシャ「エレン…これから私はお前に辛い運命を背負わせなくてはならない」

グリシャ「だが、大丈夫だろう…アルミンくんや、ミカサが側にいる。2人がエレンを支えてくれる…」

グリシャ「………」ザッ


―礼拝堂―


カツン カツン カツン



「レイス家の者たちよ」

ロッド「!誰だ!」

フリーダ「…」

グリシャ「…外にいる巨人どもを駆逐し、人類を解放してくれ」

ロッド「…それは…無理な相談だ」

グリシャ「このままでは壁の中の人類はいずれ滅びるんだ!私の妻や子供たちも!人類を解放してくれ!」

フリーダ「…ごめんなさい…出来ないわ」ザッ

グリシャ「…ならば、レイス家を根絶やしにし…力を奪わせてもらうしかないか…」

ロッド「フリーダ!」

フリーダ「あの男…巨人になる気だ!」

グリシャ「罪のない子まで[ピーーー]のは嫌だが、仕方ない…」ドスッ

フリーダ「みんな下がって!」ガリッ


ドオオオオオオオッ…






超大型巨人の出現により更に壁の内側へと追い込まれた人類…

格闘術の天才で熱血少年エレン、おとなしくて運動音痴なミカサ、そして自称超天才頭脳アルミンの三人は内地へ移った。

それから2年後…彼等は訓練兵団へと入団することになった。







847

キース「貴様は何者だ!!」

アルミン「シガンシナぁ区出身!アルミン・アルレルトです!!!」

キース「そうか!バカみてぇな名前だな!」

アルミン「じっちゃんに付けてもらった名前を侮辱するなぁ!!」

キース「声のデカい奴だ!お前には巨人の囮になってもらおうか!はい次!」グイッ

アルミン「なんてスパルタ教育なんだ!!」

キース「貴様は何者だ!!」

ミカサ「ひっ!?」ビクッ

キース「いや、ひっ!じゃなくて何者だって!?」

ミカサ「し…しがんシナ区出身!の、ミカサ・アッカーマンです!」ブルブル

キース「何しにここへきた!!!」

ミカサ「つ、強くなって…外の世界に行くためです!!」ビクビク

キース「…いや、やめとけ。本当に心配だ、うん」

ミカサ「で、でも…行きたいです!」ビクビク

キース「…そうか…うん、わかった。とりあえずそんなビクビクするな。私だっていじめようと思ってるわけじゃないんだよ…うん」

ミカサ「うう…」

エレン(大丈夫かよミカサ…)

キース「お前…本当に兵士になれるのか」

ミカサ「が、頑張ります」

キース「…何か特技はあるか?」

ミカサ「え…えっと………や……野菜作り………?」

キース「…」

ミカサ「…」

エレン「…」

キース「そうか…頑張れよ」

ミカサ「はい!!」

アルミン「教官!アッカーマンさん家の野菜は美味しいですよ」

キース「静かにしろ」

キース「貴様は何者だ!?」

ジャン「トロスト区出身、ジャン・キルシュタインです!」

アルミン「キルシュタイン…いい名前だ」

キース「何しにここへきた!?」

ジャン「憲兵になって内地へ行くためです!!」

エレン「あいつ恥ずかしげもなく…」

アルミン「まあまあ、別に人の自由ジャン」

ミカサ「…」オロオロ

キース「そうか…貴様、内地へ行きたいのか…ふん!!」ガン

ジャン「いたっ!!」ガクッ

キース「このくらいで倒れる奴が憲兵団など入れるものか!!」

アルミン「キビシーッ」

ジャン「おめぇ、さっきからうるせぇよこの野郎!!」ガバッ

アルミン「聞こえてた!!」

キース「静かにしろアホタレども!!!」

キース「貴様は何者だ!!!」

クリスタ「…」

クリスタ「……出身、クリスタ・レンズです」

アルミン「うそつけえええええええええ!!!」ビシイッ

クリスタ「!?」ビク

エレン「おいこら、アルミン…」

ユミル(なんだあいつ)

アルミン「君はいま嘘をついたね!顔の雰囲気、表情、声のトーン、仕種、可愛さから何となく察する事ができるよ!!」

クリスタ「!?」

アルミン「さっき出身と名前を言うとき一瞬間があったし暗い表情になった。君は自分を隠して偽って生きているな」

クリスタ「…」

アルミン「過去に何があったのか知らないが、自分の中に溜め込み過ぎるのは良くないぞ!!何かあれば僕に相談してくれたまえ!!人生相談窓口アルミンテレフォンは24時間年中無休だ!!」ドンっ

クリスタ「…ありがとう」クスッ

ユミル「笑った!?」

エレン「おい…アルミン。いい加減にしないと…」

アルミン「え?」

キース「…アルレルト…」ザッ

アルミン「すみませんでしたあああ!!!」

アルミン「ゼェ…ゼェ…この僕が走らされるなんて…」フラフラ

エレン「お疲れさん」

ミカサ「はい、お水」

アルミン「うん、ありがとう」

クリスタ「…」←水を渡そうとしたけどやめた

ユミル「…」


コニー「しかし…あの芋女まだ走らされてるぜ」

マルコ「芋食べてたからね…晩飯も抜きって言われてたし」

アルミン「確かに彼女の食べていた芋は美味しそうだったからね…食べたくなる気持ちも分かるよ」

ライナー「お、お前は入団式で騒いでた奴か」

アルミン「!えーと、君は…」

ライナー「ライナー・ブラウンだ」

ベルトルト「僕たちは呼ばれなかったからね」

エレン「俺はエレンだ、よろしくな」

エレン「えーと…お前は」

ベルトルト「僕はベルトルトだよ」

アルミン「なかなかイカス名前だね」

ベルトルト「はは、ありがとう」

ミカサ「私はミカサ・アッカーマンです」ペコ

ライナー「おう、よろしくな」

ジャン(ミカサって子、可愛いな)ジー

ベルトルト「…」

ライナー「…」

アルミン「!」

アルミン「二人とも…暗い顔してどうしたんだい?」

ベルトルト「!え!?」ビク

ライナー「ああ!兵士になるのに緊張してるんだよ、気にするな…ははは」

アルミン(…)


コニー「そういえばよ。なんでお前らは兵士になろうと思ったんだ?」

アルミン「お、いいことを聞いてくれるね!」

エレン「俺たちは外の世界に行くのが夢なんだ」

ミカサ「外の世界…見てみたいねぇ」ポワーン

コニー「外の世界?」

アルミン「そうだ!!炎の水!氷の大地!砂の雪原!そして広大なる海!」

エレン「外の世界は俺達の知らないものがたくさんあるんだ!!」

ミカサ「ワクワクするね」

コニー「よくわかんねぇけど何かすげぇな!!」

ジャン「ふん…」

アルミン「いつか外の世界に…行けるといいなぁ!!」キラキラキラキラ

―――夜

サシャ「はあ…はあ…」フラフラ

ドサッ

サシャ「…」

タッタッタ…

サシャ「」ピクッ

サシャ「ぐおおお!!!」バシュッ

クリスタ「きゃあああ!!?」ドサッ

サシャ「こ、これは…パァン!?」

クリスタ「あの…それだけだけど…取っておいたの」

「おい、お前…なにしてんだ?」ザッ

クリスタ「!」

ユミル「お前…いいことしようとしてただろ?」


クリスタ「…え?」



とりあえず今はここまで

―――――翌日―――



キース「これより姿勢制御の適性検査を始める!これすら出来ない奴は囮にすら使えん!即刻開拓地へ戻ってもらう!」

キース「では始め!」

サシャ「おー、簡単じゃないですか!」プラーン

コニー「へっ、天才の俺様には余裕だぜ」プラーン

眼鏡「…今期は出来るものが多いようだな」

エレン「よし、出来た!」

アルミン「エレン、見たまえ!僕の華麗なる姿勢制御を!」ピーン

エレン「すげぇ、全くブレが無い!!」

アルミン「僕は運動は苦手だが…僕の知能に掛かれば何をどのようにすれば綺麗に姿勢制御出来るのかくらいチョチョイのチョイと計算出来るのさ!」

ライナー「…」プラーン

ベルトルト「…」プラーン

アニ「…」プラーン

エレン「おお!あの三人もブレが無いぞ!」

アルミン「すごいぞ!本当に使うの初めてなのか疑わしい上手さだ!」


クリスタ「…」プルプル

ユミル「おう、お前も出来るじゃねぇか」

アルミン「よう、クリスタ!君もできたみたいだね!」

クリスタ「あ…アルミン……うん」


ミカサ「エレンとアルミンすごいなぁ…」

ジャン「おい、ミカサ!これを見ろ!」

ミカサ「?」チラ

ジャン「ほら、俺も上手いぞ、この華麗なる姿勢制御を…」ピーン

ミカサ「本当だ、すごい!」

アルミン「オイコラそこの馬面!!うちのミカサに何してんだ!!」

ジャン「!?」ビクッ

エレン「ミカサ!知らない人にはついていくなっていつも言ってるだろ!!こっちにこい!!」

ミカサ「うん、わかった」タッタッタ

ジャン「…」

ジャン「今のはひでぇよ」

エレン「とりあえずみんな出来たみたいだな…」

アルミン「そうだね、あとはミカサ…」


「きゃあああ!!?」グルンッ

エレン「!!」

アルミン「って、あああ!!?」



ミカサ「あ…嘘…」プラーン

キース「何をしているアッカーマン!体を起こせ!!」

ミカサ(体が起こせない…どうすればいいの?)

ミカサ(このままじゃ…)


アルミン「あっちゃああぁぁぁ、えらいこっちゃあああ!!!」

エレン「…お前と同じくらい運動音痴なアルミンでも出来たんだ。もう一度落ち着いてやってみろ」

ミカサ「うん」

アルミン「いいかいミカサ。背筋はまっすぐ、誤差はプラマイ五ミリくらいで首は南南東辺りに少し曲げ視線はまっすぐ、腰は微妙に曲げながら浮かす感じで脇の間を32センチちょうどに開きつつ足は45度開いた後、一秒に0.1ミリずつくらい開いて深呼吸を二秒間隔に…」

ミカサ「…そんな説明じゃわからない…」

アルミン「なんでわからないかなぁ!」

エレン「それは俺もわからんよ」

アルミン「よし、じゃあもう一度行くよ!」

エレン「冷静になれよ!」

ミカサ「うん…」プルプル

アルミン「はい!!」ギコギコ


ミカサ「きゃあああ!!?」グルンッ

ゴチーンッ

アルミン「あちゃー!」

エレン「んー…なんでかなぁ…」

ミカサ「…頭ぶつけた…」ヒリヒリ

エレン「ミカサ。いったん休もう」ポン

ミカサ「うん…」

ミカサ「…私…やっぱり兵士になれないのかも知れない…」

アルミン「ミカサ、諦めちゃダメだって!」

ミカサ「私は…体動かすの苦手だし、エレンみたいに力も無いし…アルミンみたいに頭も回らない……兵士には向いてない」シュン

エレン「…向いてないならそれでもいいんじゃないか」

アルミン「うおい!?」

エレン「確かにお前は運動音痴だし、しかも虫すら殺せないような奴だ…兵士なんかには向いてないよ」

ミカサ「…」

アルミン「まあ、エレンの言うことも最もだ。でも…ミカサはそれでいいのかい?」

ミカサ「…」グスッ

ミカサ「私は…エレンとアルミンと…一緒に戦って、一緒に平和を取り戻して……一緒に外の世界を探検したい」ゴシゴシ

アルミン「うん、そんなデッカイ目標があるなら…簡単に諦めちゃダメじゃないか!」

エレン「…わかった、ミカサ。お前はやるときはやる奴だ…心配するな。頑張れよ、お前ならやれるさ!」ポン

ミカサ「うん…頑張る」

女子寮

サシャ「…でねぇ…ブランコにのる感じでブラブラすればいいんですよ、姿勢制御。そういえば今日のパンですね…」

ミカサ(…サシャはとてもいい子。いい友達になれそう。たまに何を言ってるのかわからないけど)

サシャ「そうそう、姿勢制御ならアニがうまかったですよ。ほら、そこにいます」

ミカサ「!」


アニ「………なに?」ジロッ

ミカサ(目付き怖い)ビクッ


ミカサ「あ、あの…」オロオロ

アニ「…」

ミカサ「えっと…ぶら下がり方を教えてもらいたいんだけど…」オロオロ

アニ「姿勢制御のこと?」

ミカサ「うん。あの、迷惑なら…」オロオロ

アニ「別に迷惑ではないし…話聞くくらいなら付き合ってやるよ」

ミカサ(あれ、いい人なのかな)

アニ「…てか、オロオロし過ぎ」

ミカサ「あ、うん」オロオロ

―――男子寮

エレン「…で、ミカサの為に上手なやり方を聞きたいんだ…」

ベルトルト「んー、姿勢制御の仕方か…」

ライナー「…すまんが、あれに特別な技術がいるとは思えん。とても期待するような助言は出来そうに無いぞ」

エレン「やっぱりそうだよな…」

アルミン「僕の説明もわからないって言うし…」

エレン「あれは俺もわかんねぇよ」

ベルトルト「…ねぇ…君たちは、シガンシナ区出身なんだよね?」

アルミン「ああ、マイホームシガンシナだ!!」

ベルトルト「じゃあ知ってるはずだ。巨人の恐ろしさを…なのにどうして、兵士になろうと思ったの?」

ライナー「…」

エレン「…最初は巨人への憎しみがあった、家族や友人は生きてたが、それでも多数の犠牲者が出たからな」

ライナー「…ああ…」

アルミン「…」

エレン「でも…俺は今は違う。確かに巨人は脅威だが…それよりも俺は、自分の夢の為に兵士になることを誓ったんだ」

アルミン「ああ!巨人のいない自由な世界にして…外の世界を探検する!それが僕達の夢なんだ!!」

ライナー「…カッコいいじゃねぇか、自分の夢の為に生きるなんてな」

ベルトルト「…羨ましいな、自分の意志で生きていて」

ライナー「…俺にもあるぜ、絶対に曲げられないものが」

アルミン「!」

ライナー「帰れなくなった故郷に帰る…俺達にあるのはそれだけだ」

ライナー「絶対に…なんとしてもだ」

エレン「…」

アルミン「ん?迷子になって帰れなくなったって事?」

ライナー「いや、そうじゃなくてだな」
ライナー「…まあいい。明日はベルトの点検からしてみろ。次は上手く行くはずだ」

―――翌日

ミカサ「…」オロオロ

アニ「昨日言った通り落ち着いてやれば大丈夫だから…ほら、行ってきな」

ミカサ「うん…ありがとう」

キース「…覚悟はいいな」

ミカサ「はい!」

アルミン「頑張れミカサ!」
エレン「信じてるぞ!!」

サシャ「いけー、ミカサ!」
クリスタ「頑張って!」
ミカサ「…」プルプル

プラーン…

ミカサ「…できた…」

エレン「おお!」

グルンッ

ミカサ「ひゃあああ!?」ゴチーンッ

アルミン「ミカサアアアアア!!!」

アニ「あああ!?」

サシャ「ミカサアアアアア!!」

エレン「なんてこった!上手くいってたのに!!」

ミカサ「そ…そんな……」

キース「…降ろせ」

ミカサ「嘘……わたし…」ウルウル

キース「…ブラウス、アッカーマンと装備を交換しろ」

サシャ「はい?」

ミカサ「え?」

カチャカチャ…

ミカサ「…」プラーン

ミカサ「あれ、出来てる…」

キース「金具が故障していた。ここの故障など聞いたことが無いが…」

ミカサ「じゃあ…適性検査は…」

キース「問題ない。修練に励め」

ミカサ「やった!」

エレン「やったなおい!!」

サシャ「ミカサアアアアア!!」ガシィッ

アルミン「今夜はパーティーじゃ!」

アニ「ふ…」

キース(…一時的とは言え破損した金具で態勢を保っていたとは…)

キース(ミカサ・アッカーマン…こいつはいずれ化けるかも知れんな)

―――翌日、格闘訓練



アルミン「うおぉお…」フラフラ

ミカサ「ていあぁあ…」フラフラ

ペチンッ ペチンッ

アルミン「くおおお、やるなぁミカサぁ…」フラフラ

ミカサ「あ、アルミンこそぉ…」ゼェゼェ


エレン「なんだよ、お前ら…もう息切れしたのか?まだ20分くらいしか経ってねぇぞ」


アルミン「ああ、天才頭脳の僕も運動だけは苦手だ…」

ミカサ「ぜえ…ぜえ…ごほっ!ごほっ!」クラクラ

エレン「大丈夫かよミカサ」ポンポン


ジャン「てめぇ、なにミカサの背中ポンポンしてんだ羨ましい!」

エレン「はあ!?」

アルミン「君は相変わらず思春期真っ盛りだね」


ライナー「よう、今日も仲良しだなお前ら」

エレン「お、ライナー」

アルミン「今日も絶好調に筋肉もりもりだねライナー」

ミカサ「もりもり」

ライナー「ははは、褒めるなよ」

エレン「よし、ライナー。俺とやろうぜ」

ライナー「望むところだ!」バッ

アルミン「お!エレンとライナーの青春バトルか!?」

ミカサ「ガンバレー」

エレン「行くぞ、ライナー!」シュバババッ

ライナー「ぐっ、素早いジャブだ…だがこの程度では効かん!」タダダッ

ドカアッ!!

エレン「ぐああっっ!!」ビリビリ

アルミン「耐久力にスピードに強烈なタックル…すごいぞライナー!まるで鎧の巨人のようだ!」

エレン「だが、タックルの後が隙だらけだ!!」シュバッ

ライナー「ぐふぉっ!!」

アルミン「顔面ヒイイイット!!」

ミカサ「エレン凄い!」

エレン「あ、すまんライナー!顔面入っちまった!」

ライナー「ふ、大丈夫だ…痛いのは慣れている」

キース「10分の休憩を入れる!今のうちに体を休めておけ!!」

アルミン「お、10分休憩だとよ皆さん」

エレン「ゆっくり休んでおけよお前ら」

ミカサ「お菓子でるかな」

エレン「でねぇよ」

ライナー「ミカサ…お前なぁ…」


タッタッタ


クリスタ「みんな、水持ってきたよ」

アルミン「お、サンキュークリスタ!」

ライナー「悪いな、クリスタ」(結婚しよ)

ミカサ「ありがとう」ペコ

エレン「…ありがとよ」

ライナー「なんだ、嫌そうな顔だなエレン」

エレン「あいつは苦手なんだよ、なんかな」

アルミン「クリスタ!みんなに水配るのはいいが自分の体も休ませろよ!!」

クリスタ「え?あ…うん…」

アルミン「また今度訓練に混ざれよ!」

ライナー「そうだエレン…休憩が終わったらアニとやってみないか?」

エレン「アニ?ああ、あの目付き怖い奴?」

ミカサ「エレン…失礼」


アニ「…」



アルミン「僕もずっと観察してたがアニは上手い具合にサボッてるね。アニ・サボリハートだよ」


エレン「なんであいつとだよ?」

ライナー「実はあいつは対人格闘が滅茶苦茶強いんだ」

エレン「でも女の子だしなぁ…」

ライナー「心配するな、あいつは女なんて思えない強さだ。おっかなすぎて男の方がマシに思えるぞ」

ミカサ「とても失礼…」オロオロ


アニ「…」イラ


エレン「あれ、ちょっと怒ってないか?」

ライナー「まずい、聞こえたか!?」

アルミン「アニ!聞こえているんだろう!?眉間にシワが出来てるYoo!」

アニ「あ゛?」


ミカサ「あ、あの…」オロオロ

アルミン「なぁにサボってんだいアニ!そんなことじゃ憲兵団に行けないよ!?教官にばらしちゃうよ!?いいのかなぁ!?それともエレンと戦うのが怖いのかなぁ!?」

アニ「…」ギロ

アルミン「ひゃああ、いい目付きだアニさん!さぁさぁかかってこんかい!正々堂々と相手してやるぜ、エレンがな!!」

エレン「挑発しといて俺に振るなよ!?」

アニ「ふん!」バシイイインッ

ライナー「俺かよ!!」グルングルングルングルングルン

ミカサ「ライナーが五回転した!」

アニ「…わかったよ。相手してやればいいんでしょ?」

エレン「お前…本当に強いんだな」ワクワク


ミカサ「アルミン…なんでアニにあんなこと言ったの?」オロオロ

アルミン「ふっ…それは全て考えがあっての行動さ」

ミカサ「?」

アルミン「まずアニがエレンより強いのは一目でわかった。身体つきや筋肉のつき具合、姿勢、目付きや雰囲気でね。あとは、ライナーがエレンに倒されたのを見て「だからなに?私の方が強いわ」って顔をしていた」

アルミン「だからあえてアニを挑発し、エレンと戦わせエレンに更なる強さの境地を目指してもらい最強の兵士へ育て上げること。それが僕の目的だったのさ!」

ミカサ「アルミンってすごい!」

エレン「行くぞ!」ダッ

アニ(早い…けど)

アニ「わかりやすい動きだね」バッ

エレン「うお!?」グルン


ドサアッ!


エレン「ってぇ…油断した…まさか一発でやられるなんて…」

アニ「これでいいかい?」

エレン「お前…すごいな」

アニ「え?」

エレン「俺にもそれ教えてくれよ!」バッ

アニ「は!?ま、まあ…別に…いいけどさ…」

エレン「よろしく頼むな!」グッ

アルミン「ふっ、僕の予想通りの展開だ!」

ミカサ「私も覚えたい」

アルミン「僕もだ!」

エレン「こいつらにも頼むよ」

アニ「まあ…いいよ、別に」

ライナー「ふっ…友達ができて良かったな」



アニ「そうだ、アルミン…」

アルミン「おう!」

アニ「ふん!!」バシイイインッ

アルミン「あいたあああ!!!」グルングルングルン

エレン「アルミン…」

ミカサ「三回転…」オロオロ


クリスタ「きゃっ!」ドサッ

ユミル「まだまだ弱いなクリスタ」パンパン

クリスタ「うう…他人を傷付けるの…苦手だし」

ユミル「じゃあ何で兵士になったんだよ、アホか」

クリスタ「…役に立ちたいと思って…」

ユミル「ふん…」


ユミル「…!」



「…」

「…」


ユミル(なんだあそこの二人…妙にクリスタを見てるが)



―――――――

クリスタ「はあ…」

サシャ「今日もお疲れ様です。神様!」

クリスタ「お疲れ様…あと、神様はやめてね」

サシャ「クリスタ様、パァンを1つ」

クリスタ「はは…」スッ

ユミル「こら、食わすな、クリスタ。お前のだからお前が食え」

クリスタ「え…うん。ごめんねサシャ」

サシャ「がーん」

ユミル「謝る必要は無いぞクリスタ」


「ふふ」

「面白いね、貴女たちのやり取り」

クリスタ「!」

ユミル「…」

クリスタ「えっと…貴女たちは…」


エーベル「私はエーベル」

フロリアン「私はフロリアン。よろしくね、クリスタ」スッ

クリスタ「うん…よろしくね」スッ

ユミル「…」

エーベル「あ、この鍵が外に落ちてたんだけど…」

クリスタ「あ、その鍵は…」

サシャ「エレンがいつも持ってる奴ですね!」

エーベル「ありがとね」


エーベル「エレン!」

エレン「!えっと…あんたは」


エーベル「エーベルだよ、エレンの鍵でしょ?」

エレン「お、すまんな。落としてたみたいだ、ありがとう」

エーベル「いえいえ、仲良くしようね」

エレン「え?ああ、うん」


ライナー「おいおい、いきなり仲良くしようって…」

ベルトルト「まさかエレンに気があるんじゃないの?」

エレン「はあ?」

ミカサ「え…えと…」オロオロ

ライナー「気にするなミカサ、半分ジョークだ」

アルミン「あはは!エレンはモテモテだねえ羨ましい!!僕もずっと監視して応援してやるよ!!」

エレン「馬鹿言ってんじゃねぇよ」

アルミン(…あのエーベルとかいう子……何か隠してるな。エレンと接触することで何をする気だ?)





クリスタ「フロリアンはどうして兵士になったの?」

フロリアン「わたし?んー…」



フロリアン「姉さんに会うためかな」



クリスタ「…姉さん?」

―――対人制圧部隊 本拠地―――


女部下「隊長…情報が入りました」

ケニー「ご苦労さん。えっと…エレン・イェーガーがグリシャの息子である可能性が高いか…」

眼鏡部下「明後日、山の中で訓練が行われるようです」

ケニー「ちょうどいいな。用はその日に山の中でエレンが「あの力」を持っているか確かめればいいわけだろ?坊っちゃんよ」

ディルク「はい。ただしエレン・イェーガーも他の訓練生も命までは奪わないように」

ケニー「わぁってるよ、俺だって訓練生のガキ[ピーーー]ような趣味はねえ。まあ、いざとなったら仕方ねぇがな」

ディルク「期待してますよ、ケニー」

ケニー「おう」

ケニー(…アッカーマンのガキもいるのか…)

―――翌日―――


キース「今日はこの山の中にて訓練を行う。まずは昨日決まった班に分かれろ!!」

「はっ!!」

ゾロゾロ


1班

エレン、ミカサ、ライナー、アニ、ベルトルト、エーベル

2班

アルミン、クリスタ、ジャン、ユミル、サシャ、コニー、フロリアン



アルミン「他にも班はたくさんあるけど関係ないから省略だ!!」


キース「では、訓練の説明だ」


キース「班ごとに違うルートを通り、頂上まで登った後ここまで戻ってくるように。必ず時間内に戻れ、時間に応じて点数が決まる。制限時間を過ぎたら減点だ」

アルミン「みんな!僕に任せて全てを委ねろ!この天才頭脳で君たちを最適なルートへ導いてやる」

ミカサ「さすがアルミン!」

コニー「頼りにしてるぜ!」

クリスタ「あはは…」


エレン「大丈夫かな、アルミンとミカサ…体力無いし」

アルミン「エレンたちの班は優秀な人達が集まったねぇい!」

エレン「おう。頼りにしてるぜ、ライナー、ベルトルト、アニ」

ミカサ「みんなで頑張ろう」

ライナー「こりゃ一番は俺達かもな、なぁ?ははは!」

アニ「ライナー…ちょっと落ち着きな」

ベルトルト「…」



アルミン「あとエレン、君にこの紙を渡しておくよ」

エレン「なんだよ」

ミカサ「なに?」チラ

アルミン「クリスタからのラブレターだ」

クリスタ「!?」

エレン「嘘つけ」ピラ

ミカサ「え、ラブレター!?」

アルミン「嘘だよ、ミカサ」

エレン「…」

アルミン「というわけだ!」

エレン「…わかった」ガサガサ

ミカサ「え、なになに?」

エレン「男同士の秘密だよ」

ミカサ「なにそれ!」


エーベル「ん?エレン何を渡されたの?」

エレン「何でもねぇよ、そんな近づくなって」



『エーベルに注意』


アルミン「さあ、僕たちも行こうか!」

コニー「おう!!」

サシャ「おやつのパンも持って来ましたよ!」

コニー「さすがサシャだぜ!」

クリスタ「ちょっと…ピクニックじゃないなんだから…」

コニー「え!?」
サシャ「え!?」

クリスタ「いや、え じゃないから…」

ユミル「ほっとけそんなアホども」

クリスタ「そこまで言わなくても…」

ジャン(ミカサと同じ班が良かっなぁ…)

アルミン「とか考えてるんだろ!?ジャン!!」

ジャン「なんだよ!?」ビクッ


フロリアン「…あんたたちいつまで無駄話喋ってんのよ…」

1班


ライナー「よし、行くぞ」

エレン「おう!」

ミカサ「ふう…」ゴクゴク

ライナー「おいミカサ!今から水をごくごく飲むな!」

ミカサ「え!…でも…今日暑いし…」

エレン「ったく、今から水飲みまくってたら後が持たなくなるぞミカサ」

アニ「我慢しな」

ライナー「せめて、ごくごく飲まずにほんの少し口に含むくらいにしておけ」

ミカサ「うん、わかった」

ベルトルト「…」

ライナー「しかしあれだな。こうして皆で協力する訓練もいいもんだな。なあ、ベルトルト!」

ベルトルト「え!?ああ…そうだね、ははは」

アニ「…」

エレン「何だ、微妙な反応だなベルトルト」

ベルトルト「え、いや…」

ライナー「ベルトルトは人見知りだからな!」

ベルトルト「はは…」

エレン「もっと話そうぜ」

ベルトルト「…うん」

―――――

ライナー「ふう…ちょっと休憩にするか」

エレン「そうだな、そこの日陰で休もうぜ」

ミカサ「疲れた……足痛い」

アニ「もう痛いの?」

ミカサ「うん…」

エレン「しっかり休んどけよミカサ。ライナーとベルトルトはまだ行けそうだな」

ベルトルト「まあね」

ライナー「だが全員が同じ体力じゃないからな。皆に合わせて行動しなきゃならん」

ミカサ「面目ない…」

ライナー「気にすんな、少しずつ体力つければいいんだからよ」

エーベル「ねえ、向こうに行ったら良い景色見れそうじゃない?エレン」

エレン「え!?なんで俺だよ」

エーベル「一緒に行ってみようよ、エレン!」

ライナー「積極的だなお前」

ベルトルト「ヒューヒュー」

エーベル「やだ、そんなんじゃないからもう!」

ミカサ「あ…その…」オロオロ

アニ「あんたエレンにベタベタし過ぎだよ」

エーベル「仲良くなりたいだけですっ!エレン行こうよ!」

エレン「…一人で行けよ」

エーベル「えー、連れないのね!じゃあ私一人で行くからいいもん!」タッタッ

ライナー「…ここは獣が出るから一人じゃ危ないかも知れんぞ」

エレン「はあ?おいおい…危ないだろそれ」

ベルトルト「早く追いかけて行かなきゃ!エレン!」

ミカサ「わ、私も行く…」

エレン「大丈夫だよ、ミカサは休んどけ」

ミカサ「うん…」オロオロ

エレン「ったく世話かけさせやがって!」ザッザッ

エレン(…アルミンはエーベルに注意とか言ってたが…まあ、確かになんか変な奴だけど。でも見た感じ普通の女の子だし、たぶんアルミンの気にしすぎだろう)


エーベル「…」


エレン「おい、エーベル!ここは獣が出るから一人でうろついたら危ないぞ!」

エーベル「…じゃあ、景色見るのに満足するまで一緒にいてよ」

エレン「はあ?」

エーベル「見て…ここから見る景色」

エレン「あ?ああ…綺麗だな」

エーベル「外の世界はさぁ…もっと色々な綺麗な景色があるのかな」

エレン「!」

エーベル「私ね…小さい頃お姉さんから色々な本を読ませてもらって…外の世界のこともそれで知ったの」

エレン「俺も外の世界には興味ある。親友から聞いてな」

エーベル「一緒だね。私は…お姉さんが好きだった、いつかお姉さんと一緒に外の世界に行けたらな…と思ってた」

エレン「…」

エーベル「でも…お姉さんは、ころされた。しんでしまった」

エレン「え?」

エーベル「だから私は決めたの…お姉さんをころした奴を見つけて、そいつを食って、私がお姉さんの代わりに外の世界に行くんだって」

エレン「な、何言ってんだ…お前。顔こえぇよ」

エーベル「あ、ごめん!私、お姉さんのことになると…」

エレン「いや、いいよ。大事な家族にしぬのは辛いことだと思うし」

エーベル「ねえ…そういえばエレンの家族って元気なの?シガンシナ区だって聞いたけど」

エレン「母さんは今も元気だよ。ただ、父さんはどこに行ったのか知らないんだ…」

エーベル「…父さんの名前はグリシャ?」

エレン「………え?」



エレン「なんで知ってるんだよ?」


エーベル「…」



エーベル「ケニー」ボソ


ガチャッ!

エレン「!?」

ケニー「動くなよ、あと喋るんじゃねえぞ坊主。この銃弾でぶち抜かれたくなかったらな」

エレン(誰だ!?いつのまに…そうだ、エーベルは)

エーベル「ごめんね、エレン」

エレン(…え!?)



エーベル「私…あなたを食べなきゃいけないかもしれない」



その頃

ライナー「遅いな、あいつら」

ミカサ「ねえ、そろそろ二人呼びに行こうよ」

ベルトルト「そうだね」

アニ「…!」ピク

アニ「あんたたち、周り見て!」

ライナー「え?」

ベルトルト「!」

ガチャッ! ガチャッ!

眼鏡部下「動くな」ザッ

女部下「声も上げるんじゃないよ。大人しくしてなさい」ザッ

ライナー「な!?」

ミカサ「!?!?」ビクッ

アニ「誰だい…あんたたち」

女部下「エレンに用があってな。心配するな、大人しくしていれば命は奪わない」

ベルトルト「…」ダラダラ

ライナー「ふざけるな!!」

女部下「大人しくしてなさいと言ったでしょ。撃つわよ」ガチャッ

ミカサ「」ビクッ

ベルトルト「ライナー…ここは従っておこう」ボソ

ライナー「くっ…」


エレン「ど…どういう事だ、エーベル…」

エーベル「ケニー、そのまま動かさないでね」

ケニー「はいよ」

エーベル「ねえ…この鍵はグリシャからもらったんでしょ?」

エレン「!?」

ズキッ

エレン「!」


――エレン!腕を出しなさい!!



エレン「う!?と…父さんが…俺に注射を……」

エーベル「…」


エーベル「…そう…やっぱり…そうなの」


女部下「人質を連れてきました」ザッ

ミカサ「んー!んー!」ジタバタ

ケニー「おう、ご苦労様」

エレン「ミカサ!?」

ケニー「よう、久しぶりだな」

ミカサ「え…あ、親戚のおじさん!?」

ケニー「エレン。もっと思い出してみようか」スチャッ

エレン「!」

ケニー「お前は…父親に何をされ、何をした」

ミカサ「あ…あ…」ブルブル

エレン「ミカサを離せこの野郎!」

ケニー「関係ない話すんじゃねぇ!」ジャキッ

ミカサ「ひっ!?」

エーベル「…あのこどうなってもいいの?」

エレン「どいつもこいつも…ふざけやがって…!」ギリ


エレン「やめろおおお!!!」ビリビリッ


ケニー「ん!?」ビリッ

エーベル「!」ビリッ

女部下「うわっ!?」ビリビリッ

女部下「なんだ…体が動かない…」

ケニー「少しビリッと来たぜ…あれが王の力とやらか」

エーベル「ええ…私とケニーには少しビリッと感じるだけで通じないけどね」

エレン「なに言ってんだテメェら…」


エーベル「エレン…これでもう確信した。あなたは私の敵」

エレン「は!?ふざけるな!!」

エーベル「お前がふざけるな、それ以上お姉さんに似た顔で喋らないで」

エレン「はあ!?」

ケニー「…おい、エーベルお前…まさか」

エーベル「今ここで食ってやる」ザッ

ケニー「オイオイオイオイ!勝手にそんなことしたらロッドに怒られるぞ!!」

エーベル「どうせエレンを連れて帰っても父さんはウルクリン兄さんにエレンを食わせるわ。だから私が今ここで先に食う」

エレン「食うとかなんとか訳わかんねぇこと言ってんじゃねぇよ!!」

ケニー「ったく…好きにしやがれ糞が!」


エーベル「…さようなら」ガリッ

エレン「!?」


ボオオッ!!!





エーベル巨人「…」シュウウウウウ

とりあえず今はここまで

乙!


カアッ!!!


ライナー「!!?」

ベルトルト(あの光は巨人化!?)

アニ(なんで…いったい誰が)


眼鏡部下「…」


ライナー「ふんっ!!」ドンッ!

眼鏡部下「うおおっ!?」ガク

部下「貴様!止まれ…」

ベルトルト「うるさい!」ガンッ

アニ「ふっ!」ビシュッ

部下「ギャアアア」グルングルン

アニ「私はこいつらを抑えとく!二人は向こうに行ってみて!」

ベルトルト「ああ!わかった!」

ライナー「エレンとエーベルに何があった!?」


ザッザッザッザッ!


ライナー「あれは…!」

ベルトルト「!!」



エーベル巨人「…」


エレン「ライナー!ベルトルト!」

ベルトルト「3m級の巨人…」

ライナー「まさか…エーベルなのか!?」

エレン「…そうだ」

ライナー(くっ、全く気がつかなかった…なぜあいつが巨人に…)


ベルトルト(奴の目的はなんなんだ?)

ケニー「オイオイ、ガキが二匹来ちまったじゃねぇか」

ケニー「ま、エーベル一人で何とかなるだろ。俺は観戦しとくぜ」


エレン「あいつは俺を食うと言っていた…目的はさっぱりわからんが」

ベルトルト「…なんだって」

エーベル巨人「…」ズシンズシンズシンズシンズシン!

ベルトルト「来た!」

ライナー「幸いにも相手は3m級だ…俺達だけで何とかなるかも知れん」バシュッ

エーベル巨人「…」


ライナー「もらった!」ジャキッ


エーベル巨人「…」パキパキ

ベルトルト「!!ライナー、近づくな!!」

ライナー「なに!?」


ズシャアッ!!

ライナー「ぐああっ!?」ザザザッ

ベルトルト「ライナー!」

エレン「な…何が起こったんだ!?なんでライナーに傷がついてるんだよ!」

ライナー「くっ…奴の皮膚が全身が刃物になっている」

エレン「はっ!?」

ベルトルト(硬質化の応用か…全身の皮膚を細かい刃状に硬化させているんだ)

エーベル巨人「…」パキパキ

エレン「くそっ…もう訳わかんねぇ事ばっかで頭パンクしそうだ…」

ミカサ「エレン!ライナー!ベルトルト!」バタバタ

ケニー「おっと、じっとしてなよ嬢ちゃん」

ミカサ「な、なんでこんなことするの…?」オロオロ

ケニー「お嬢ちゃんは知る必要のねぇことだ」



エレン「くそ!とにかくこんな場所でまだしぬわけにはいかねぇ!」

ライナー「まずはこの場をどうにかすることを考えるぞ」

ベルトルト「ああ…」



エーベル(お姉さん…いま会いに行くからね…)


アニが毎回あの蹴りを放っていると思うと笑わずにはいられないww


その頃 2班(アルミン、クリスタ、ユミル、サシャ、コニー、ジャン、フロリアン)



コニー「班長!」

サシャ「班長!」


アルミン「ジャン班長!」


ジャン「なんだよ!つか俺が班長かよ!?」

アルミン「ああ!そうだ!!」

ジャン「勝手に決めんなよ!」

アルミン「ジャンは確かに口も人相も態度も悪いが、周りをよく見て現状を認識する能力を持っていると君の普段の訓練を見ていて感じた!」

アルミン「ねえ、クリスタ!?」

クリスタ「え!?」ビクッ

アルミン「ジャンはなんだかんだで頼りになる奴だよね!」

クリスタ「えっと…うん。私もジャンは頼りになると思うよ」

アルミン「馬術の天才クリスタ様からも素晴らしい評価を貰ったぞ!良かったジャン!」

クリスタ「あはは…」

ジャン「俺はそんな勇敢じゃねぇよ、アホか」

アルミン「アホかって言われたぞ、怒ってやれクリスタ!」

クリスタ「え…怒れって…」オロオロ

ジャン「クリスタじゃなくてお前に言ったんだよ」

ユミル「アルミン、ジャンは別にいいがクリスタを弄りすぎだ」

アルミン「わかった。ジャンなら弄っていいんだね」

ジャン(疲れる…)

クリスタ「もう。ジャン困ってるからやめてあげなよ」

アルミン「仕方ない、女神様に免じて許してやろう」

ジャン「俺が何したってんだよ!?」

サシャ「アルミーン、お腹すきましたー」

コニー「俺もー」

ユミル「何だよ、もう腹減ったのか?」

アルミン「うん。今の太陽の角度はちょうど12時くらいか。いったん昼飯と行こう!栄養を取るのも大事な行為だ!」

アルミン「と、いうわけでこの橋を渡った向こうで昼食を取ろう!!」

サシャ「わーいわーい!」ドタドタ

コニー「どっちが先に着くか競争だ!」ドタドタ

アルミン「こら走るな!」

サシャ「はい!」ピタ

コニー「おう!」ピタ

クリスタ「聞き分けいいね、二人とも」


フロリアン「きゃっ!」ズテンッ

アルミン「!!おっとっと、大丈夫か!?」

フロリアン「いったぁ…ごめん。こういう道の悪い場所慣れてないから転けちゃった」

ユミル「おいおい、膝ケガしてんじゃねぇか」

クリスタ「フロリアン、じっとしてて」

アルミン「おお、女神様の応急処置だ」

フロリアン「ん、ありがとう」

クリスタ「私がついててあげるからゆっくり行こう」

フロリアン「うん」

フロリアン(はあ…ドジった。こんなときに怪我するなんて…)

ユミル「…クリスタ。実は私も指に怪我したんだが」

コニー「それくらい舐めとけよ」

サシャ「フーフーしとけば治りますよ」

アルミン「絆創膏ならあるよ」

ユミル「…」

アルミン「よし、まずは怪我人から先にいかせてあげよう」

クリスタ「行こう」

フロリアン「うん…ごめんね」ヨロッ

アルミン「僕が後ろで見ていてあげよう。レッツインザgo!!」

ユミル「気をつけて歩けよ」

クリスタ「うん」


ギシッ ギシッ


アルミン「もう少しだぞ~向こうまで行けば休息&昼食だ!だが焦らずゆっくりだ!!」

クリスタ「ゆっくりでいいからね…もうすぐだよ」

フロリアン「ふう…やっと休める」ヨロッ

コトッ

フロリアン「!!」

クリスタ「!どうしたの…」

ユミル(フロリアンの服のポケットから何か落ちた)

アルミン「フロリアン!落ちたものはまた後で取りに行くから気にせず…」

フロリアン「ああ!!!」バッ

クリスタ「フロリアン!だめ危ない!!」

アルミン「うわっ、まずい!!」

グラッ

フロリアン「きゃあっ!!」

クリスタ「フロリアン!」ガシッ

フロリアン「あ……姉さんの…」

カチャンッ


ジャン「ギリギリでクリスタが助けたか!」

アルミン「クリスタ!そのまま引き上げろ!!」

クリスタ「くっ…」ギリギリ

アルミン「皆も協力するぞ!」

コニー「おう!」

サシャ「はい!」

ビキビキビキ

アルミン「ホワッ!!?」

クリスタ「え!!?」

フロリアン「あ…」

ジャン「やべえ、クリスタ達の足場にヒビが!あそこだけ脆くなってたんだ!!」

アルミン「ええい、踏んだり蹴ったりだ!!」ダッ

ビキイッ!!

クリスタ「きゃああっ!!」

フロリアン「あああっ!?」

アルミン「うおおおっ!!立体軌道で助けるぞ!!」バシュッ

ジャン「おう!」

サシャ「はいっ!」

コニー「俺達に任せろ!!」

ユミル「…下がってろ」ザッ

アルミン「え!?」

ユミル「んなんじゃ助けれねぇよ!!」バッ

サシャ「ユミル!?」


カアッ!!!


―――崖の下―――


パラッ…

クリスタ「…う…」

クリスタ「…あれ…私達は落ちて…」


クリスタ「…!!!」



ユミル巨人「…」



フロリアン「……はぁ…はぁ…」

フロリアン「な…なんで、巨人が…」


シュウウウ


ユミル「…悪いな。素人の立体軌道じゃ助けれねぇと思ったからよ…」


クリスタ「……ユ…ミル…?え…なんで?…え?」

フロリアン「…」


フロリアン「なに?あなた…何で巨人になれるのよ?何が目的で…」

ユミル「…お前も…何が目的だよ。クリスタに近づいて」

フロリアン「え!?」

クリスタ「え…?」

ユミル「気づいてないと思ったか?だいたいお前は私の巨人を見て冷静だ。私みたいな奴を見慣れてるって事だろ」

クリスタ「ど、どういう事…」

フロリアン「…」

ユミル「怪我人に問い詰めるのも可哀想だと思うがな。もし、クリスタに何かしようってんなら放っておけねぇんだ。いや、もしかしてお前そのくらいの怪我なら簡単に治るんじゃねぇか?私みたいにな」

クリスタ「え?」

フロリアン「…ふん。無理よ、私は。私は持ってないわ」

ユミル「そうかい」

クリスタ「ふ、二人とも…何の話…」

ユミル「そうだな、私の予想なら…たぶんお前はレイス家の本妻の娘で…目的はクリスタの監視といったところか?」

フロリアン「………」

クリスタ「な、何を…」

ユミル「クリスタ…お前だろ?レイス家の妾の娘ってのは」

クリスタ「!!」

クリスタ「なんで、それを…」

ユミル「前にある教会で聞いただけだ。私も自分の秘密を見せちまったんだ、お前も正直に話せよ」

クリスタ「!!」

ユミル「そうだろ?フロリアン」

フロリアン「…」

クリスタ「…うん…そうだよ」

ユミル「やっぱりな。で、お前はクリスタを監視しに来たと」

フロリアン「…それだけじゃないわよ」

ユミル「へえ、話せよ」

フロリアン「バカじゃないの、誰が話すのよ!」

クリスタ「…」

フロリアン「…ヒストリア…」

クリスタ「!!え、知ってるの…」

フロリアン「当たり前でしょ。てかさ…」

フロリアン「あんた。そんな子じゃなかったのにね」

クリスタ「…え?」


―――――――

ロッド「エーベル、フロリアン…お前達二人は訓練兵団に入ってヒストリアとエレンの監視を任せる」

エーベル「はい」

フロリアン「うん」

ロッド「ウルクリンは年齢が入れない年だし…ディルクは目的は分からんがケニーの下について離れようとしない。お前達が頼りなんだ」

フロリアン「わかった」

エーベル「わかりました、任せてくださいお父さん」

フロリアン「…」





―――――――

フリーダ「でね、この字の読み方は…」

ヒストリア「馬!」

フリーダ「そうそう、よく覚えたねヒストリア」

ヒストリア「!」

フリーダ「どうしたの」

ヒストリア「そこから女の子が見てる」

フリーダ「え?」


フロリアン「…」


フリーダ「フロリアン!なんでこんなとこまで…!」

フロリアン「お姉ちゃんと遊びたくて…」

フリーダ「もう、ついてきちゃ駄目って言ったのに」

ヒストリア「一緒に遊ぼうよ!」

フリーダ「…もう…今日だけだよ」



「ヒストリア…フロリアン。これから色々あるかも知れないけど、仲良くするんだよ」

――――――――

フロリアン「…ヒストリア。今の貴女は違うわ…」

クリスタ「違うって…何が…」

ユミル「…昔のお前がどんなだったかは知らねぇが、今のお前がいつも無理してんのはわかる」

クリスタ「え…」

ユミル「いい子だと思われたくて毎日無理して笑顔作っていいことしようとしてる」

クリスタ「そ、そんなこと…!」

ユミル「誤魔化すな、私も昔は同じようなだったから分かる…」

クリスタ「え…」

ユミル「…」

ユミル「おい、お前ら、なに隠れてんだ。聞いてたんだろ?出てこいよ」

クリスタ「!」

フロリアン「!」



アルミン「はーはっはっは!!さすがユミルだ!!勘がいいね!!」

サシャ「皆無事で良かったです!!」

コニー「えーと、よくわかんねぇけどユミルが巨人だけどいいやつだって事はわかったぜ!」

ユミル「もっと警戒しろよお前ら、巨人だぞ私」

ジャン「…」

アルミン「まあ、巨人の正体は人間で中には巨人の体を操る事が可能な人間もいるだろうって仮説を五年前から立てていた僕には特に驚く事ではないからね。ちょっとは驚いたけどね。わお!ってくらい」

ユミル「お前は何て言うか…色々とすげー奴だな」

サシャ「世の中には色々な人がいますからね」

コニー「ちょっと違うからって差別する方が問題あるよな」

サシャ「その通りです」

ユミル「…お前らはいい奴だが馬鹿だ」


ジャン「…ユミル、俺はそう簡単に信用しねぇぞ」

サシャ「ジャン酷い!」

コニー「ジャン最低!」

ジャン「うるせえ!お前らが単純過ぎるんだよ!!」

ユミル「はっ。まあそれが当然の反応だ……じゃあどうする?兵団に報告して私を捕らえるか?」

ジャン「いや、やめとくわ、めんどくさいし。報告すんのはもう少しお前の様子見たあとでいいだろ」

ユミル「…結局お前も甘いじゃねぇか」

アルミン「あっはっは、君はやっぱ根は良い奴なんだね!!」

ジャン「うるせえな…」


アルレルトさんパネェっす

アルミン「まあ、このことは僕らだけの秘密って奴にしようぜ!!」ヘヘッ

ユミル「ったく、バカな奴等だ…」


アルミン「…で、クリスタ」

クリスタ「!」

アルミン「僕は見てたぞ…君がフロリアンと一緒に落ちた時、君はフロリアンの下になり庇おうとした。まあ、そこはいいんだが」

アルミン「そんときのクリスタの表情、まるで『やっと楽になれる』って感じの表情だったぞ!!」

クリスタ「え…」

アルミン「クリスタ!!人を命懸けて助けようと思うのはいいことだがな、喜んで自分の命捨てるのはやめろよ!!もっと自分の命も大事にしろバカタレ!!!」

クリスタ「…っ!」

アルミン「なあ!クリスタ死んだら悲しいだろ!?」

コニー「当たり前だろ!」

サシャ「友達じゃないですかあああ!」ガシッ

クリスタ「わっ!?」

ジャン「簡単に死のうとするのはやめろよ。同期が死んだら気分悪い」

アルミン「クリスタ!わかったか!!」

クリスタ「うん…ごめん……ありがとう」

アルミン「さて、最後にフロリアンだが…君にはたくさん聞きたい事がある」

フロリアン「うーん、困ったわね。どうしよう私」

ジャン「反応軽いなオイ!?」

アルミン「よし、その調子で軽く君の事をもっと話してくれ!!」

フロリアン「いや、ごめん、詳しい話は無理よ」


アルミン「そうか!」

ジャン「そうかってオイ…」

クリスタ「…目的は私の監視だけじゃないって言ってたけど…」

フロリアン「うん…まあ、私は何もなければあなた達に何かしようとは思わないよ。私はね」

フロリアン「だいたい私さ…本当はレイス家の使命だとかどうでもいいのよね」

アルミン「ほう。ならレイス家について詳しく…」

フロリアン「無理。使命だのなんだのはどうでもいいけど、レイス家は私の家族だから不利になるようなことは言わないわ」

ジャン「…どうする、こいつ口ではこう言ってるが」

アルミン「わかった。フロリアンを信じて何事もなかったかのように普段通り一緒に暮らそう」

ユミル「おいおい、マジかよ!!」

ジャン「お前…警戒心がねぇのかよアルミン」

フロリアン「私が言うのもあれだけどもっと疑いなさいよ…」

クリスタ「私もフロリアンは大丈夫だと思う…なんとなく、そんな気がする」

フロリアン「なんとなくかい」

サシャ「神様が言うなら私も信じましょう!」

コニー「そうそう、ここまで一緒に過ごした同期じゃねぇか!」

アルミン「まあ、何って君の普段の姿は演技でなく素って感じだからね」

フロリアン「ええ?」

アルミン「君と一緒にいるエーベルは明らかに演技臭いと思ってたけど君は本当に自然体って感じなんだ。それが一番の信頼できる証拠だ!!」

フロリアン「意味わかんないわよ」

ジャン「ん?」

アルミン「お、どうしたんだい、ジャン」

ジャン「今向こうで光が見えなかったか?」

クリスタ「え?」

ユミル「…!あの煙は……まさか!」

フロリアン「…!」

フロリアン(まさか、エーベルここで巨人化したの!?何考えてんの!?)

ユミル「私みたいに巨人化できるやつがいたのかもしれん!」

アルミン「なんだってえええ!!そいつあぁ大事件だぞ!!!」

「待て」

サシャ「!!周りに複数います!」

コニー「なんだと!?」

アルミン「誰だ!?」


ザッ ザッ

「はじめまして…いきなりこんな物騒なものを向けて申し訳ない」


フロリアン「!」

ディルク「僕は対人制圧部隊、副隊長ディルク・レイス……そこの巨人に用があってきた」ザッ

ユミル「…私か…」

ディルク「隠れて君の姿を見ていた。まさか君のような存在が壁内に忍び込んでいたとは」

アルミン「む、レイスだと!」

サシャ「フロリアンのお兄さんですか!?」

フロリアン「ちょっ…こら!」

ディルク「……フロリアン…勝手に喋ったのかい?全く…」

フロリアン「な、名前だけだって!」

クリスタ「な、なんですか…貴方は、レイス家は何をしようとしているんですか!?」

ディルク「……君は、ヒストリアかい」

クリスタ「…そうです。ユミルをどうしようって言うんですか」

ディルク「壁内に知らない巨人が現れたんだよ。放って置くわけにはいかないだろう」

クリスタ「ユミルはなにもしないです!連れていかないで!」

ユミル「…クリスタ…」

アルミン「そうだ!せめてユミル拐う目的を事細かく詳細に語れ!!この黒髪ボーイめ!!カッコつけやがってこんちくしょい、べらんめえ!!!」

ディルク「元気な子だね」

アルミン「質ぅ問に答えんかあああい!!!僕の天才頭脳が怒りでヒイイイトするぞおおお!!!」

ディルク「…」

ジャン「アルミン、こんなときにふざけ…」

カチャッ

アルミン「と、先手必勝!!」パァンッ

ディルク「うっ、しまった!!」ビクッ

コニー「おお!」


ディルク「…!信煙弾だったか!?」

アルミン「よし、今のうちにこの場から離れろ!!」

ジャン「なるほど…あれは相手に隙を作るためにわざとギャーギャー騒いでいたのか。そして更に銃を撃ったと見せかけて実は信煙弾という騙し撃ちで一瞬相手を怯ませ…」

アルミン「解説は後でいいジャン!」

でも読者的には助かるジャン!

アルミン「クリスタ!今のうちにユミルと怪我してるフロリアン連れて逃げろ!」

クリスタ「え!アルミンは!?」

ユミル「…アルミン。私の巨人でやる。そっちの方が確実だろ」

アルミン「ダメだ!とにかくクリスタと一緒に離れろ!!あのディルクとかいうのももし巨人化できたらどうすんだ!!」

ユミル「…」

アルミン「そもそも!どうせクリスタ人質に取られでもしたらおとなしく従っちゃうだろ!?」

ユミル「はあ!?なに言ってんだお前!!」

アルミン「とにかく僕らなら大丈夫だ!奴等は僕らを殺せはしないはずだ!!」

ユミル「…わかったよ。離れりゃいいんだろ、行くぞ」

クリスタ「で、でも…本当に大丈夫なのアルミン!?」

アルミン「大丈夫だ!行けっ!!」

クリスタ「…ごめん!」

フロリアン「ちょっ…私も一緒に行くの?」


アルミン「ジャン!サシャ!コニー!僕らで足止めするぞ!」

コニー「よっしゃあ!」

サシャ「通しませんよー!」

ジャン「ああくそ…なんでこんなことに…」

ディルク「…」

ディルク「お前たち、エーベルの方へ行ってくれ。ここは僕一人で充分だ」

部下A「え…しかし…」

ディルク「エーベルはすぐに感情的になっちゃうから心配なんだ…それに向こうには気になる者もいる。あっちを頼んだ」

部下B「…わかりました」

パシューッ

ディルク「…さて」


コニー「来るか!」

サシャ「負けませんよ!」

ディルク「…アルミンくん。君の言う通り、僕は君たちをころせない。だが…」

ディルク「君たちみたいな訓練兵ごとき突破することは簡単だ」パシュッ

アルミン「来るぞ!」

ジャン「くっ!」


ギュンッ!!

アルミン「うわっ、はやっ!!」

ディルク「ふっ!!」

バチイイインッ

サシャ「ぎゃあっ!」ドシャッ

コニー「サシャ!」

ディルク「はっ!」ドフッ

コニー「ぐほっ!」

アルミン「くっ!この野郎め!!」パシューッ!

ディルク「っと!危ない!ワイヤーを武器に使うとはね…いい発想だ」サッ

アルミン「避けられた!」

ビシイッ!ビシイッ!

アルミン「いでえっ!!」ズザザッ

ジャン「うああ!」ドサッ

ディルク「…あとはユミルを追いかける」

アルミン「待っったんかあああい!!!」バンッ バンッ

ディルク「信煙弾にはもう騙されないよ!!」

アルミン「皆も一斉に撃て!!」

ジャン「なにするんだよ?」

アルミン「とにかく撃て!撃ちまくれ!!」

サシャ「ラジャー!」

コニー「わかったぜ!」

バンッ バンッ バンッ バンッ バンッ


シュウウウウウウ


ディルク「…!!!」

ディルク(なんという事だ…信煙弾の煙幕に囲まれた!?くそ…どこに…)

バッ!!

アルミン「よし、煙幕から出てきた!一斉ワイヤーアタック!!」

ジャン「了解!」バシュッ

バシュッ! バシュッ!

ディルク「くっ、危なっ!!」

ドスッ

ディルク(…!しまった…一本足にもらった)

―――1班


ライナー「くっ!」ザザッ

エレン「どうすりゃいいんだ…!」

ベルトルト「…」


エーベル巨人「…」ピキッ ピキッ

ベルトルト「あの巨人…常に全身を硬化出来るわけではないみたいだ…一斉に攻撃し続けていればいつか攻撃が通る瞬間があるかも知れない」

エレン「とは言っても…むやみに近づいたら切り刻まれるぞ」

ライナー「…」

エーベル巨人「…」ダダダッ

ライナー「来たぞ!!」

エレン「くっ!ベルトルトの言った通り一斉に行くぞ!」

ベルトルト「ああ…」

バシュッ!

ライナー「はああ!!」

エレン「止まれえ!!」

ガキイインッ ガキイインッ ガキイインッ

ベルトルト「…ダメか!」

エーベル巨人「…」ブンッ

ズシャッ!!

ベルトルト「ぎゃああっ!!」ガクッ

エレン「ベルトルト!」

ライナー「てめえっ!!」ダッ

エーベル巨人「…」ガシッ

ザシュッ!

ライナー「………っ!!!」ドサッ


エレン「ライナー!!」

エーベル巨人「…」ピキッ

エレン「てめえ!!何がしてぇんだオラア!!」ダダッ

ガキイインッ!!

エレン「くそっ…刃が通らな…」

ザクッ

「ぐああああああっ!!」

エレン「う、腕が…腕が!!」

ミカサ「エレン!!ライナー!ベルトルト!」

ケニー「…おい、エーベル!関係ねえガキまでころす気かよ!!」

ベリッ

エーベル「…うるさいわね、邪魔するやつが悪いのよ。それに死なないようにはしてるわ」

エレン「顔出しやがったな…てめえ、許さねえぞ!!」

エーベル「ふん…あなたは私にここで食われて終わりなのよ」

エーベル巨人「…」ガシッ

エレン「いて!!」グググッ

エーベル(さようなら、エレン)

エーベル巨人「…」カパッ

エレン「くそ…くそ!このまま…食われるのかよ…」

ミカサ「エレン!!エレンを離して!!離せえええ!!!」ギシッギシッ

ケニー「うお!?力が強くなってやがる!?」

エレン(…ミカサ…アルミン…みんな…)

エレン(母さん…父さん…俺は…)


エーベル(…うなじを噛み砕けば…)

エーベル巨人「…」カパアッ

ビリッ

エーベル(…!)

エーベル(え、なに?)


フリーダ「エーベル…あなたは私の力に憧れてるみたいだけどね」

フリーダ「こんなもの…無い方がいいんだよ」

エーベル(お姉さん…こんなときに邪魔しないで!!)

エーベル(私は…私が、お姉さんの果たせなかったことを、代わりに…)


エレン「俺は…まだ…」

エレン「死んでたまるかあああ!!!」

エーベル(…!?)

バキバキバキ!!!

ベリイッ!!!

ケニー「なっ!エレンの腕が!?」

ガシイッ!!

エーベル(…!!)

エーベル巨人「…」ギチッギチッ

ケニー「エレンの腕から…巨人の腕が生えやがった…」

エーベル(しまった!エレンの巨人の腕に逆に捕まってしまった!!)


ライナー「な…エレンが…」

ベルトルト「…巨人…」

バシッ!

ケニー「うおっ!?」

ギュンッ

ミカサ「あああああああああああ!!!」バシュウウウッ

エーベル(!!)

ザクッ!!!

エーベル巨人「…!!!」

エーベル(くっ…早すぎて硬化が間に合わなかった……まずい、深くえぐられた)

ドサッ!

ミカサ「はあ…はあ…」ヨロッ

ケニー「………ははっ……」


エレン「あああああああああ!!!」グググッ

エーベル(このままじゃエレンの腕に潰される…!)

ケニー「そこまでだてめえら!」バシュッ

ケニー「エーベル離しやがれエレン!」ゲシッ

エレン「ぐあっ!」

ケニー「出てこいエーベル!」

ベリイッ!!

エーベル「きゃっ!!」

ケニー「ったく、今日は帰るぞ!」バシュッ

エーベル「離しなさいよ!もう少しで…」

ケニー「途中からピンチだっただろうが」

エーベル「くっ…!」

ミカサ「…」ドサッ

エレン「…」ドサッ


ライナー「…」

ベルトルト「…」


ザッ

アニ「…何があったの?」

―――――

アルミン「よーし、もっと信煙弾撃ってやれ!!」

ディルク「くっ…調子に乗るなよ!!」パァンッ!!

ガキイインッ

アルミン「ぬあっ!?信煙弾だけに綺麗に当ててきた!!」

ジャン「何てやつだ…」

ディルク(…まずいな、ここまで目立つくらい煙を出されたら訓練兵団の教官が気付くかもしれん………仕方ない、後退か)

バシュウウウッ

ケニー「ディルクの坊主!今日は帰るぞ!!」

ディルク「ケニー!」

アルミン「む、誰だ!?」

ディルク「…訓練兵にしては良くやったよ。また会おう」パシュッ


コニー「逃げる気か!」

ジャン「そっちの方がいいだろ……ああ、やっと終わった…」






ディルク「…エレンがやはり王の力を持っていたのか」

ケニー「ああ。だが今日は色々ついてねぇな…また別の日でいいだろう。とりあえずフロリアンからの連絡も待つ」

エーベル「あの子は甘いから当てにならないわよ」

ディルク「…君はすぐ感情的に動きすぎだ」

エーベル「…うるさい…」

エーベル(絶対にわたしが力を奪ってやる)

―――――

クリスタ「はあ…はあ…」ザッザッ

ユミル「この辺りまで来れば大丈夫だろ」

フロリアン「…」

クリスタ「…ねえ…ユミル…」

ユミル「あ?」

クリスタ「ユミルは…なんで、巨人になってまで私達を助けたの?」

ユミル「…」

クリスタ「その…ユミルはいい人だから助けてくれたんだと思うけど………もしかしたら、ユミルが巨人だった事を知って…私達はユミルを恐れたかも知れないのに……」

ユミル「は、私がいい人だって?バカじゃねぇかお前」

ユミル「死んだら後味悪いだろうが…それだけだ」

クリスタ「今日だけじゃない……いつも私を助けてくれたりするし…」

ユミル「…」

クリスタ「いつも私の近くにいるのは…私の生い立ちや生まれた家と関係あるの?」

ユミル「…まあ、そうだな」

クリスタ「…」

ユミル「いや、似てたからかもな」

クリスタ「…え?私とユミルの生い立ちが?」

ユミル「まあ、だいたいな」

ユミル「…だがな、私とお前を一緒にすんなよ!私は偶然にも運良く生まれ変わる事ができた!」

クリスタ「え…」

ユミル「自分の名前を偽ったりなんかしていない!私はこの名前のまま生かした人生を送ってやるんだ、生まれ持った運命なんかないと立証してやる!!」

ユミル「それに比べてお前はなんだ!?おとなしくお前を邪魔者扱いするやつの言うこと聞いて、偽名使いながらいい人演じて無理して生きて、挙げ句には死にそうになると嬉しそうな面しやがって!!」

クリスタ「そ…そんなこと言ったって…どうすればいいのよ!!」

クリスタ「私は生まれた時から誰からも邪魔者として扱われた!生きてることを快く思われてなかった!!」

クリスタ「今日だって、そもそも私が訓練兵団にいなければあんな目にも会わなかったかも知れない!私は生きてるだけで迷惑になるの!!」



フロリアン「…はああ……っ」

ユミル「黙れ馬鹿!!てめえはその何でも自分のせいにする人の良すぎるとこがいけねぇんだよ!!もう少し自分勝手になれよ!!」



アルミン「うるせえええええええ!!!!!」

ユミル・クリスタ「!?」ビクウッ

アルミン「…と、言いたいところだが…自分の感情を発散するのもたまには大事だ。クリスタ!いつも溜め込みすぎは良くないぞ、さっきみたいにギャーギャー騒げば少しはスッキリしただろおう!?」

クリスタ「…」

ユミル「…いつの間に来てたんだよ」

アルミン「さっきだ。ところでユミル、君はいいお母さんになれそうだね」

ユミル「意味わからんこと言うな」

アルミン「クリスタ!君はあああ、さっき向こうで皆から言われた事をもう忘れたのかい!?」

クリスタ「え?」

サシャ「神様あああ!!」ガシッ

クリスタ「うわあっ!?」

サシャ「自分がいらないとか言わないでくださいよおおお!!!」

コニー「お前は馬鹿だ!俺より馬鹿だぜこの野郎!」

クリスタ「サシャ…コニー…」

ジャン「そうやって何でも自分に責任負わせずによ、もうちったぁ自分勝手に生きたっていいんだぜ」

アルミン「ジャンみたいにねっ!!」

ジャン「うるせえ」

アルミン「クリスタ!!辛い過去は消えないし一生背負わなきゃいけない。だが、過去ばっかりじゃなくて今と未来も見つめろ!!」

アルミン「今はこんな気のいい奴等に囲まれてるじゃないか!僕らと一緒に明るく楽しいキラキラハッピーな世界を目指そうぜい!!!」ビシイッ

クリスタ「…うん……本当、ごめんなさい……私……」グスッ

ユミル「…そろそろ帰るぞ」ポンッ

クリスタ「うん」

――――――訓練兵団医務室

「エレン!」「エレン!!」


…う…

アルミン「エレン!!」

エレン「あ…アルミンか?」

アルミン「大丈夫か!?君とライナーもベルトルトも大変だったね…話は聞いたよ」

エレン「う…みんなは…無事か?」

アルミン「ああ。ミカサはその時の記憶が無いらしいけど」

ミカサ「うん…なんでだろう。思い出せない」


ベルトルト(…エレンが巨人だったことは話してないよね)

ライナー(当たり前だろ、俺達だけで黙っておく)

アニ(エレンが私達の求めているものかも知れないからね。他人に話すわけにはいかない)


エレン「俺も途中から思い出せない……エーベルに掴まれたとこまでは覚えてるんだが…」


アルミン「…エーベルが巨人だったとは…」


フロリアン「…」

アルミン「まあ、また後で話そう。訓練に帰るよミカサ」

ミカサ「うん、早く元気になってね」

アニ「じゃあ私も帰るよ」

アルミン「四人とも怪我に負担かけないよう安静にね…」

エレン「おお、ありがとうな」


ライナー「…」
ベルトルト「…」
エレン「…」
フロリアン「…」

エレン「なあ…ライナー、ベルトルト。なんで俺は助かったんだ?」

ライナー「…悪い。俺も覚えていないんだ」

ベルトルト「まあ、皆が生きて帰れた。それで充分じゃないか」

エレン「…そうだな…」



クリスタ「四人とも、怪我は大丈夫?」ガチャ


フロリアン「あ、あんた…もうすぐ訓練でしょ、今さら見舞い?」

クリスタ「いや、頼まれて座学の課題を渡しに来たの」

フロリアン「あ、そう…」

クリスタ「何か他に欲しいものある?水くらいなら欲しいなら持ってくるけど」

ライナー(相変わらず優しい奴だぜクリスタ)

ライナー「そうだな、喉が乾いたから一杯頼む」

クリスタ「うん。はい」

ライナー「ありがとうな」スッ

ガクッ

ライナー「あ!!」

ガチャン!

クリスタ「あ、ごめんライナー!」

ライナー「いや俺こそすまん…水落としちまった」

クリスタ「ごめんね、今すぐ拭くから…」ゴシゴシ

ライナー「いや、俺がやるから…」

クリスタ「ライナーは無理しないで…大丈夫?他のとこにはかかってない?」

ライナー「ああ、大丈夫だ。ありがとう」

ライナー(結婚しよ)


クリスタ「じゃあ、戻るから。みんな早く元気になってね」

フロリアン「うん」

ガチャ

ライナー「…」

フロリアン「…」

ライナー「エレンとベルトルト寝ちまってるな」

フロリアン「疲れたんだろうね」

ライナー「…」

フロリアン(トイレ行きたくなってきた)

フロリアン「…よいしょ」ヨロッ

ライナー「おい、大丈夫かフロリアン」

フロリアン「大丈夫よ…いて!足まだ痛い…」

ライナー「おい、無理するな…」ガバッ

フロリアン「大丈夫…きゃっ!!」ズルッ

ガシッ!!

フロリアン「…う…」

ライナー「危ないとこだったな」

フロリアン「あ…ライナー…ありがとう」ドキンッ

ライナー「いや、どこか行きたいなら近くまで送ろう」

フロリアン「でも、ライナーも怪我…」

ライナー「俺は歩くのには問題ないがお前は足だろう、無理はダメだ。俺も途中まででいいから行こう」

フロリアン「…」

フロリアン(怪我してるのにわざわざそんな…しかも途中まで送るって言い方、私がどこに行きたいかも察してるから気を使ってるの?)

フロリアン(なにこいつ…カッコいいし優しいし気も使えるなんて……ライナー…)


フロリアン(…結婚したい)

わーお

ライナーモテるらしいからな

――――――訓練兵一年目最後の日

キース「貴様ら、この一年訓練によく耐えた!だが気を抜くなよ!まだ訓練兵は二年続く!!来年からも気を抜かず全力で訓練に励め!!」


キース「では、これより実技テストを行う!!この一年の成果を見せてみろ!!」




ザアアアアアアアア………

ザッ ザッ ザッ ザッ



アルミン「はあ…はあ…ぐええ………ゼホッ!フゴッホォ!!」

ミカサ「…」フラフラフラフラ←苦しすぎて喋れない


エレン「お前ら!もっと頑張れ!今年いっぱい頑張ったろ!!」

アルミン「心はやる気満々モードだよエレン!!!」ヨロッヨロッ

ミカサ「…」フラフラ

ミカサ「え…エレン…気にせず………先に…うえっ、ごほっ!!」

エレン「おいおい!大丈夫か!?」

ミカサ「ダイジョーブ」

アルミン「ミカサの言う通りだ!!僕らは気にせずに全力を尽くせ!!」

エレン「…わかったよ、追い付いてこいよ!」

ライナー「本当に最後まで走れるか?」

アルミン「ライナアーっ!!」

ライナー「荷物だけでもバレないように持つぞ!!」

ミカサ「そ……ソレジャ…ダメ……」フラフラ

アルミン「そうだ!!僕らは僕らの全力でやらなければ意味が無いんだ!!」

ライナー「…そうか。無駄な事をしようとしてすまんな、頑張れよ!!」ザッザッ

アルミン「よおおおし!行くぞアッカーマン!!」

ミカサ「お……オ~…」フラフラ


エレン・イェーガー
「座学以外の全ての成績が優秀で高い身体能力を持つ。特に対人格闘では並外れた力を見せる」


ミカサ・アッカーマン
「性格は大人しく平凡な普通の少女。身体能力は周りより低く争い事を好まない。しかし稀に別人の様な力を見せる事がある」

アルミン・アルレルト
「よく喋り騒がしいため訓練中は黙っていて欲しいが、頭の回転が早く記憶力が非常に優れている。身体能力は極端に低い」

アニ「…ライナー、あんたまた余計なことしようとして…」

ライナー「お、おう、すまん…」

ベルトルト「…僕らは戦士だってこと…忘れちゃいけないよ」

ライナー「…ああ…わかってるさ。必ず故郷へ帰るぞ」

アニ「うん」

ベルトルト「もう少し耐えれば帰れるんだ!」



ライナー・ブラウン
「屈強な肉体と精神力を持ち訓練兵たちのリーダー的存在になることが多い。ベルトルト、アニの三人と一緒にこそこそ何かを話しているときがあるがきっと幼なじみなのであろう」

ベルトルト・フーバー
「全ての成績が優秀であるが、自己主張をほとんどせず後ろで冷や汗をよくかいている。ライナー、アニとは三人でコソコソ何か話しているが幼なじみ以外は苦手な極度の人見知りなのだろうか」

アニ・レオンハート
「身体能力が高く成績も優秀だが無口で孤立気味な性格。しかし格闘訓練を通じて一部の者とは仲がいいようである。ライナー、ベルトルトとは三人でコソコソ何か話しているときがあり、友人がいることに私はホッとしている」

―――立体機動

ギュイイイイインッ


エレン「はあっ!!」ズバッ
ライナー「ふんっ!!」ズバッ
アニ「…」ズバッ
ベルトルト「…」ズバッ


コニー「すげぇ…やっぱあの四人が優秀だな…」

ジャン(くそ…またあいつらか。だが…)

ジャン「憲兵団は俺がなるんだ!!」バシュッ


ジャン(よし、目標を捉えた…)

ズバッ! ズバッ!

ジャン「あ!」

サシャ「わーい!」

コニー「ジャンの後ろにいて正解だったな!」

ジャン「てめーら!くそ、まだこれからだぞ!」




ジャン・キルシュタイン
「立体機動装置の扱いが優秀で、状況を認識する能力にも長けているが口が悪く運も悪い思春期な少年。母親から毎月手紙が来ているようである」

コニー・スプリンガー
「小回りのきく素早い立体機動が得意。頭の回転が鈍く少し馬鹿なところをもう少し何とかして欲しい。いまだに敬礼を間違えている」

サシャ・ブラウス
「勘が鋭く身体能力は高め。しかし、周りより何かがずれており、コニーと共に何とかして欲しいところである。よく食糧を盗むがもう対応するのも飽きてきた」

ズバッ!! ズバッ

ユミル「ふう…」

クリスタ「やっぱり凄いね、ユミルは…」バシュッ

ユミル「お前も以前よりは良くなってるよ」

アルミン「よう、クリスタ!君もよく頑張ってるYo!」

クリスタ「アルミン!」

ユミル「そうだな、お前よりはクリスタの方が何倍も優秀だ」

クリスタ「ちょっと、ユミル…」

アルミン「おうよ!!」

クリスタ「いや、おうよって」

ユミル「行くぞ、急がねぇと他の奴に取られる」

クリスタ「うん!」

アルミン「行けえええ!!」


ユミル
「常に落ち着いており全てにおいて優秀だがまだ力を隠しているところがある少女。クリスタ・レンズ訓練兵の隣にばかり居るが私は色々な意味で少し心配である」

クリスタ・レンズ
「優しい性格の持ち主で成績も順調上がってきている。以前は作った表情で無理している事が多かったが最近は少しずつ自然な表情を見せるようになっている。かわいい」

――――――――テスト終了 夜



フロリアン「…」ザッザッ

フロリアン「やっぱり近くまで来てた。久しぶりね兄さん」

ウルクリン「久しぶり。最近どうだい?」

フロリアン「ああ、エーベル達から聞いたと思うけど特に進展はないよ。まあ、まだエレンを連れて帰るのは無理だよ」

ウルクリン「フロリアン、少しだけレイスのこと話しちゃったみたいだけど大丈夫なのかい?」

フロリアン「最初はあいつら疑わないとかいうから甘いやつらだなぁ…って思ってたんだけどね。でも私も甘かったわ」

フロリアン「アルミンって奴さ、なんだかんだ言ってやっぱ私のこと毎日監視してんのよ、ユミルやジャンも。あいつら油断ならないわよ」

フロリアン「しかもアルミンって変に勘も鋭いしさ。でもやっぱり馬鹿なとこもあって訓練中うるさくて叱られるし…エレンとミカサも近くにあんなのいたら大変よね」

ウルクリン「…」

フロリアン「サシャとコニーって奴は本当にバカだよ、全く私を疑わないんだもん。バカな癖に人が良いしさ、まあ楽しい奴等だけどね」

フロリアン「あとライナーとかいうのもバカみたいに人が良いし………ああもう馬鹿!何でも無いわよ!」ボフッ

ウルクリン「!?」

フロリアン「あとヒストリア!あの子ね、前は毎日無理してて見てて少しイライラしてたんだけど最近は少しずつ自然になってきてさ。喋るようになってきてさ。姉さんの事や一緒に遊んで事は忘れてるみたいだけど」

ウルクリン「…ふふっ…」

フロリアン「な、なによ?」

ウルクリン「楽しそうに話すね」

フロリアン「な!そ、そんなこと無いわよ!!」

ウルクリン「いや、俺もさ…本当はそういうのに憧れていたんだ。レイス家の使命を果たす事を優先にしているけどね」

フロリアン「…」

ウルクリン「フロリアン。人には生まれ持った運命なんてない…みんな生まれた時から自由なんだ」

ウルクリン「だから君の好きなように生きたらいい。俺は止めない」

フロリアン「え…?」

ウルクリン「まあ、ゆっくり考えたらいいさ」

フロリアン「…兄さんは…どうして父さんの味方なの?あの人…年々おかしくなってるのに」

ウルクリン「…君は知らないだろうけど…本当は父さんは人類を本気で救おうとしていた。フリーダ姉さんのように」

ウルクリン「だが、ウーリおじさんもフリーダ姉さんも王の力の呪縛には勝てなかった…それで父さんは精神的におかしくなっていったんだ」

フロリアン「…」

ウルクリン「ディルクもエーベルもそれぞれの考えがあって行動している。俺はどちらの意志も尊重する」

ウルクリン「今までの継承者や父さんの無念の分も、次こそ俺が王の呪縛に勝ってみせる。それが俺のやりたい事だ」

フロリアン「…」

ウルクリン「近いうち…恐らく派手な兄妹喧嘩があるだろう」

フロリアン「そ、そんな…」

ウルクリン「だが、その時も君の自由に…本当にやりたいことを選べばいい。周りに流されるな…いいね」

フロリアン「…うん」

ウルクリン「じゃあね、元気そうで良かった」ザッザッ

フロリアン「兄さんも元気でね」


フロリアン(…派手な兄妹喧嘩か…)

フロリアン(私は…)


――――――

エーベル「父さん!?何を言ってるんですか!?

ディルク「…本気ですか?」

ロッド「ああ…」

ロッド「エレンはヒストリアに食わせる」


エーベル「…!!」


エーベル「どうしたの、父さん!!またおかしくなったの!?」

ロッド「今までがおかしかった、今は正常だ」

ディルク「じゃあ、なぜヒストリアに食わせるのかを…」


ウルクリン「…なるほど」

ディルク「兄さん!」

ウルクリン「そういえば…ヒストリアには記憶改竄が効いてたね」

エーベル「はぁ?」

ウルクリン「レイス家でない血の方が濃い可能性がある」

ウルクリン「だから、ヒストリアに賭けてみると?」

ロッド「そうだ…彼女なら王の力を呪縛無しに使いこなせるかも知れん」

ウルクリン「…わかった。俺も父さんに協力する」

ロッド「すまん…ありがとうウルクリン」

ディルク(…だからと言ってまたレイス家の人間で試すのか…不安だよ)

エーベル(何を言ってんのよ…お姉さんの力は私のものよ)

エーベル(なんでよ…なんであんな妾のガキなんかに…)

エーベル(お姉さんもあいつをよく可愛がってた……あんな汚ならしいガキを………許せない、ヒストリア……)

エーベル(消してやる)

ディルク(…また何か考えてるな…)


―――――――数週間後


サシャ「今日もいい天気ですねぇ」

コニー「川で泳ぎてぇ」

ザッザッザッ


憲兵「きみきみ、ちょっといいかな?」

サシャ「これはこれは憲兵さん、どうしたんでしょう!」

憲兵「実はこの辺りに最近強盗が出るんだ」

コニー「マジかよ、こえーな!」

憲兵「それで小柄で綺麗な女の子をよく狙うらしいんだよ」

サシャ「うひゃ!クリスタ危ないじゃないですか!!」

憲兵「その子にも教えてあげないとね。どこにいるんだい?」

コニー「馬小屋の掃除してたよな?確か」

憲兵「そうか、ありがとうね」

サシャ「はい!警備頑張ってください」


フロリアン「…!あんた達誰と話してたの?なにあれ憲兵?」

コニー「おう、この辺りに強盗が出るんだってよ」

フロリアン(…あの服…中央憲兵じゃない?まさか…)

フロリアン「どこに行ったの?あの人」

サシャ「クリスタの居場所を教えたらそっちに行きましたけど…」

フロリアン「…!!」

フロリアン(いや、まさかそんな……私が知る限り今このタイミングで手を出す理由がないし………いや)

フロリアン(もしエーベルなら…あり得るかも……ヒストリア!!)

フロリアン「あんた達!馬小屋に急ぐわよ!サシャは他の人呼んできて!!」

サシャ「え!?は、はい!」

コニー「どうしたんだよ!」

フロリアン「私の予感が正しかったら馬鹿が何か先走ったのよ!!」

アルミン「僕も行こう!!」バッ

フロリアン「わっ!?」

コニー「出たぜ、俺たちのアルミンだ!!」

アルミン「実は僕もさっき訓練所の3階の窓から見ていた…」

フロリアン「サシャじゃあるまいしよく会話が聞こえたわね」

アルミン「読唇術だよ」

コニー「スゲーなアルミン」

アルミン「僕も嫌な予感がビンビンしまくる!!行くぞ!!」

コニー「おう!」

馬小屋


クリスタ「ふう…」

馬「ブルル」

クリスタ「ん、今日も元気だね」ナデナデ

ジャキッ

クリスタ「!!」

憲兵「クリスタ…来てもらうぞ」

クリスタ「な…」



ユミル「なにやってんだオラ」ドフ

憲兵「ぐおっ!?」ガク

クリスタ「ユミル!」

ユミル「今さらクリスタになんの用だ…」

バッ

ユミル「う!?」

クリスタ「ユミル!?」

憲兵2「まだまだ居たんだよなぁ」ガシッ

憲兵3「クリスタだけに用があったが…ユミルも見てしまったから来てもらおうかな」

クリスタ「は、離して!」

憲兵1「よし、よくやった。近くの森の物置小屋に連れていけ、ここだと見られるかも知れん」

ダッダッダ…

ガチャ!

アルミン「クリスタ!」

コニー「…いないぞ」

フロリアン「くっ…もう連れていかれた?」

アルミン「…クリスタを連れたまま遠くまでいけないはずだから近くの場所に隠れているはずだ」

コニー「でも、クリスタは大丈夫なのか!?フロリアンの予想なら消されるかもしれないって言ってたぞ!」

フロリアン「もし、これをやらせたのがエーベルならね…でも、エーベルならそんなすぐにはころさないわ。気に食わない奴にはまず苦痛を与えるはず、あいつキレるとネチッこい性格になるから」

フロリアン「でもやっぱりすぐに助けた方がいい」

コニー「力づくで行くか!!」

アルミン「それじゃ駄目だ、下手な手に出たらさっさとクリスタを始末してしまうかもしれない」

アルミン「…訓練所には警報の鐘とメガホンがあったろう。それを使うぞ!!」ニヤニヤ

コニー「また何か考えてるなお前!!」

コニー「しかしよ、エーベルって話聞いてる限りヤバい奴なのか?」

フロリアン「…昔はあんなんじゃなかったよ。感情的にはなりやすかったけどあそこまでではなかった。姉さんが死んでからだよ、おかしくなったのは」

アルミン「まあ…元からおかしい人なんてほとんどいないさ。だいたいは過程と理由がある」

コニー「そうだな」



――――――山中の小屋

クリスタ「…」

ユミル(ちっ、全身縛られてる上にこんな暗いとこじゃ巨人になれねえ」

クリスタ「な…なにが目的なんですか?」


憲兵1「ヒストリアに消えてもらうことだよ」

クリスタ「!?」

ユミル「なんでだよまた急に」

憲兵2「ごたくはいい。やること済ませようぜ」

憲兵3「そうだな…へへ」

憲兵1「始末する前にヒストリアの体を好きにしていいらしいからな」

クリスタ「な…!?」

ユミル「てめえら…ふざけんなよ」

憲兵2「うるせえ黙れ!!」ガンッ

ユミル「ぐっ!!」

クリスタ「ユミル!!」

憲兵2「楽しもうぜ、ヒストリア」ポンッ

クリスタ「ひっ!」

憲兵3「ははは、ここじゃ誰も助けに来ないからなあああ!!!」

ユミル「やめろオラアアア!!!」



ゴンゴン ゴンゴン


クリスタ「!」

憲兵1「あ?」

憲兵2「警報?」






『巨人出現!!巨人出現!!壁の外に超大型巨人が出現したぞおおお!!!』


憲兵「!?」

クリスタ・ユミル「!?」

―――――

ゴンゴンゴン


アルミン『超大型巨人だあああああ!!!』

アルミン『ああ、超大型巨人が、蹴るぞ!蹴るぞ蹴るぞ!!あああああああ!!!壁を!!壁を破壊されてしまったあああああ!!えらいこっちゃあああああ!!!』

アルミン『みんな今すぐ逃げろおおおおおお!!!』


エレン「…俺達あとで教官に怒られるだろうな…」

ジャン「最悪、開拓地送りか…」

ミカサ「でも、クリスタの命が危ないから…」

エレン「ああ、そうだ」

――――――

憲兵1「超大型巨人って…おい、どうすんだよ!?」

憲兵2「逃げるのが先だ!こいつら縛られてるからどうせ侵入した巨人に食われる!!」

憲兵3「そうだな、逃げよう!そうしよう!!」

ダッダッダ…


ユミル「…今の…アルミンの声だよな…」

クリスタ「…うん」



ザザザッ

コニー「クリスタ!助けに来たぜ!」

サシャ「私も戻って来ました、大丈夫ですか!?」

クリスタ「サシャ!コニー!」

ライナー「ユミルも連れ去られてたのか…二人とも、もう大丈夫だ」

ユミル「ありがとよ」

クリスタ「ごめん…ありがとう…本当ごめん…」

クリスタ「私…また…みんなに迷惑を…」

ユミル「気にすんな」

クリスタ「気にしないなんて無理だよ…」グスッ

ユミル「…」

クリスタ「ユミルもまた巻き込まれた…なんで……もう嫌だよ……消えたい…」

サシャ「クリスタ…」

ユミル「…まだそんなこと言ってんのかよ、アホが!!嫌ならもっと抗え!!理不尽なものに屈するな!!諦めたらそれこそ奴等の思う壺だぞ!!」グイッ

クリスタ「…!!」

ザッザッ…

アルミン「…ユミルの言う通りだよ」

フロリアン「…」

クリスタ「!」

エレン「クリスタ…俺、正直前のお前が嫌いだった。だが最近は自然になってきて良くなったと思ったのによ、まだそんな自分の責任にばっかりしてんのかよ!」

ユミル「いいかクリスタ!お前は悪くない!!わかれ!!」

クリスタ「でも…」

エレン「でもじゃねえ!」グイッ

クリスタ「!?」

エレン「目を覚ませ!!」ゴチンッ!

クリスタ「いっ!?」


ビリッ


クリスタ「…!」



フリーダ(ヒストリア…また会おうね)



クリスタ「あ…思い…出した…」

ユミル「!」

憲兵1「おいコラ、巨人来てねぇじゃねぇか!!」

憲兵2「やべ、ヒストリア助けられてる!」


ミカサ「あ、戻ってきた」

アルミン「ちっ!早かったな!」

憲兵3「こうなったら仕方ない、無理やりにでもヒストリアを始末し…」


クリスタ「うるせえええええええええええええええ!!!」



憲兵「!?」


エレン「!?」

ユミル「!?」


クリスタ「私を始末するって!?誰が始末されてやるもんか!!やれるもんならやってみろおおお!!!」


サシャ「く…クリスタ?」

ジャン「どうした急に…お前らしくない」


クリスタ「どうしたもこうしたも、これが本当の私!!そしては私は…クリスタじゃない」



ヒストリア「ヒストリアだよっ!!!」ビシイッ

アルミン「クリスタ…いや、ヒストリア。何だか急にワイルドになったね」

ユミル「…お前…ビックリしたじゃねぇかマジで」

ヒストリア「そんな褒めないでよね!」

ユミル(…エレンが頭突きした時に何か私にもビリッと来た…そういう事か)

エレン「なんかわかんねぇけど…元気になったならいいことだ」

ヒストリア「エレンが頭突きしたら何か急に思い出したんだよ」

ヒストリア「フリーダ姉さんの事を…そして本当の私を!!」

憲兵1「ごちゃごちゃうるせえ!」ジャキッ

コニー「来たぞ!」

ヒストリア「うっさい間抜け憲兵!」ゲシッ

憲兵1「はう!!!」ガクッ

憲兵2「金的!?」

ヒストリア「間抜けな憲兵…略して、マヌ憲兵」


憲兵1「い…やだ…」

憲兵2「くっ…」

憲兵3「今日はやめだ!帰るぞ!!」

ヒストリア「ははは!どうだ、私はヒストリアだぞー!」

アルミン「かっこよかったよ!ヒストリア!」ポンッ

ヒストリア「あ、アルミンもカッコいいよもう!!」

ミカサ「かっこよかった」


フロリアン「…ヒストリア…」

ヒストリア「フロリアン!」

ヒストリア「忘れててごめん…でも、やっと思い出したよ。姉さんの事も、フロリアンと遊んだ事も!」

フロリアン「うん…」


ヒストリア「フロリアアアアン!!」ダキイッ

フロリアン「うわっ!?も、もう…あははは」

ユミル「ふっ…」

エレン「これで一件落着だな」


フロリアン(ああ…なんか…やっぱり良いな、こういうの…)

フロリアン(なんか…もう…)


フロリアン(ずっとこんな日が続けばいいのにな…)



――――――

ディルク「…エーベル、君は…」

エーベル「何よ、いいじゃない。どうせヒストリアにエレン食われたらディルク兄さんも困るんでしょ」

ディルク「だからと言って、程度があるだろう。やり過ぎだよ」

エーベル「……」

エーベル「兄さんには…わからないわよ…」

ディルク「…僕は戻るから頭を冷やしておきなよ」

ガチャ

エーベル「…」


バンッ!!


エーベル「…くそ…なんで………」

エーベル「自分が嫌になる…」



――――――――


ライナー「…なんだと?」

ベルトルト「来年のこの日に、エレンとヒストリアとフロリアンを故郷に連れて帰る」

アニ「…そうだね…それがいい」

ライナー「だが…」

ベルトルト「エレンやレイスの子供を連れて帰ればもう壁を壊さなくていいんだ。また壁を破壊するよりはマシだろ、ライナー」

ライナー「…ああ、そうだな」

アニ「来年か…」



そして訓練兵最後の年へ


ライナー達の関係キース教官にバレバレだけど頑張れ

117の後に書き忘れていた箇所がありましたので追加します。


117~118の間


ヒストリア「そうだ、フロリアン!姉さんは今どうしてるの!?」

フロリアン「…え!あ…」

フロリアン「ね、姉さんは…」

フロリアン「…」

ヒストリア「?」



フロリアン「…もう、死んじゃっているの…」

ヒストリア「…え」

フロリアン「…」

ヒストリア「う、嘘…なんで!?どうして!?」グイッ

フロリアン「そ、それは………ごめん、まだ言えない…」

ヒストリア「………」

ヒストリア「わかったよ。話せる時が来たら…詳しく教えてね」

フロリアン「ごめんね」

ヒストリア「いいのいいの。フロリアンも話すの辛そうだから無理してまで聞かないよ!」

ヒストリア「さぁて、そろそろ戻ろうか。行こ!」クルッ

ヒストリア「…」ゴシゴシ

フロリアン「…」


フロリアン(言えないよ…エレンのお父さんに殺されただなんて…)

フロリアン(黙ってるのは良いことなのか、悪いことなのか…どっちが正しいんだろう)


フロリアン(それとも…今の皆の関係を壊すのが怖いから言えないのかな)

訓練兵 最後の年



ザッザッザッザッザッザッ!!


アルミン「おおおおおお!!」

ミカサ「えっほ、えっほ!」

エレン「よし、二人ともいい調子だ!去年より体力も上がってるじゃないか!」

ミカサ「えへへ」

アルミン「だが、みんなも同じように成長している…もっともっと努・力をしなければ!!」


シュダダダダ!!


ヒストリア「ほーら、こっちだよ~!」

サシャ「待ってくださいよヒストリアー!」

コニー「早いぜお前!」


エレン「…ヒストリアめちゃくちゃパワーアップしてんな」

アルミン「うん、精神的に解放されると体の動きも良くなるもんだよ」

ミカサ「わ、私も頑張らなきゃ…」



ユミル「…」シュダダダダ!!

ヒストリア「ってうわ!!ユミル早いっ!!」

ユミル「ほら、もう抜かしてやったぞ。追い付いてみろ」

ヒストリア「負けないんだかんねぇ!!」シュダダダダ


アルミン「うんうん、若いっていいねぇ」

ミカサ「アルミンも同い年…」

格闘訓練

ライナー「ふんっ!!」

エレン「くそっ!また捕まったか…だが!」グンッ

ライナー「うお!?」ズドンッ

エレン「どうだ、アニに新しく教わった足技だ」

ライナー「ふう…いかんな、油断していた。さすがだ」


エレン「ベルトルトも来いよ、しようぜ!」

ベルトルト「あ、ぼく格闘訓練苦手だから…エレンには勝てないよ」

エレン「そんなことねぇよ、この前やったらお前強かったじゃないか。強いんだからもっと積極的になれよ」

ライナー「そうだぞ、さあやってやれベルトルト」

ベルトルト「…うん」

ズドンッ!!!


アルミン「あいだだだだだ!」

アニ「また私の勝ちだね」

アルミン「くっそぉ…やっぱアニは強いな…」

アニ「次はミカサ、来なよ」

ミカサ「う、うん!」

アルミン「やったれミカサー!!」


ミカサ「や、や~!」タッタッ

シュッ!

アニ「だいぶ動きは良くなってるけど、まだ固い」グイッ

ミカサ「わっ!」グルンッ

パシッ!


アニ「…と、もっと相手に読まれないように動かなきゃこういう風に反撃されちゃうよ」

ミカサ「う、うん。わかった」


アルミン「おいコラ、アニちょっと待て!!なんだそのぼくとミカサの明らかな扱いの差は!!」

アニ「なにが?」

アルミン「僕は容赦なく蹴り飛ばしたのにミカサには優しく蹴るどころか地面に倒れないように華麗にキャッチまでして!!」

アニ「ミカサは女の子だよ。当たり前でしょ」

アルミン「訓練では男女平等だあっ!!!」

ミカサ「ふ、二人とも…喧嘩はダメ…」オロオロ

―――――――女子寮


ミカサ「…サシャ。この芋どうしたの?」

サシャ「はい!実は外を散歩しているときに畑で美味しそうな芋を見つけまして。ヨダレ垂らしながら見てたら農家のお婆ちゃんがくれたんです!!」

ユミル「本当かよ、盗んだんじゃないだろうな」

ヒストリア「違うよ!私もその場にいたんだから。まあ、私もヨダレ垂らしながら見てたけどさ」

ユミル「汚ねぇ奴等だな」

サシャ「それでですね、皆でこの芋食べましょう!」

ミカサ「焼き芋がいい」

ヒストリア「賛成!賛成!」

広場


パチパチパチパチ…


サシャ「うほおおお、いい感じに焼けて来ましたよ!」

コニー「早く!早く!」

ヒストリア「芋っ!!」

エレン「わかったわかった、もう少し待てって」

ミカサ「皆で集まるのは楽しい」

ライナー「そうだな、ははは」

アニ「…」

ベルトルト「…」

アルミン「お、そろそろいいかな」スッ

ジャン「サシャ、味見してみろ」

サシャ「任せてください!もぐもぐ!ごっくん!美味しいです!!」

アルミン「さすがサシャ、ありがとう。さあ、皆で分けて食べようぜい!!」

コニー「よっしゃあああ!!」

アルミン「はい!まずはマルコ、お詫びに君からだ」

マルコ「何のお詫びかわからないけどありがとう」

マルコ「うん。よく焼けていて美味しいね」

アルミン「はい、エレンとミカサ」

エレン「ん、うめぇな」モグモグ

ミカサ「美味しいね」モグモグ

アルミン「へい、ヒストリア!」

ヒストリア「わーい、いただきます!!」モガモガ

アルミン「うん、まるで男みたいな良い食いっぷりだ」

ヒストリア「そ、そんな見つめないでよ//」

ユミル「お前さっき男みたいって言われたぞ」

アルミン「コニー!これはなんだ!」

コニー「芋だ!」

アルミン「よし、芋をやろう!」

コニー「やったぜ!」パクッ

アルミン「ジャン、パス!!」ポイッ

ジャン「うわ!投げんなよ危ねぇ!!」パシッ

アルミン「ははは!さすがジャン、ナイスキャッチだ!!」

ジャン「ったく、普通に渡せっつーの」

エレン「お前ら知らない内に仲良くなってるな」

アルミン「ジャンとは何かと一緒に行動するのが多かったからね」

ジャン「まあ、死に急ぎ野郎よりはマシだよ」

エレン「お前!なんでいつもそう…」

ライナー「こらこら、やめんかお前ら」

ミカサ「仲良くしようよ…」オロオロ

ジャン「お、おう…悪いな」

エレン「いや、俺もすぐに突っ掛かって悪かったよ」


アルミン「ライナーアニベルトルト!!芋だ、受け取りたまえ!!」

ライナー「おう、いただく」

ベルトルト「僕は小さいので…」

アルミン「遠慮すんな、でかいの食えよ!」

アニ「…」

アルミン「アニ!突っ立って無いで座って芋食え!どうした、元気ないぞ!」

アニ「いつもこんなでしょ私は」

アルミン「いや、そんなことないよ。じゃあ、アニには小さい芋ね」

アニ「なんかイラついた」グイッ

アルミン「いてて、そうそう!元気出せ!!」

アニ「ったく…」

ヒストリア「ユミル、フロリアン、芋だよ!」

ユミル「おう、貰おうか」

フロリアン「ん…よく考えたらこういうの初めて食べるかも」

ライナー「ずっとこんな楽しい時間が続けばいいのにな…」

エレン「ああ」

アルミン「必ずそんな世界を手に入れて見せるさ、僕の天才頭脳で!!」

コニー「カッコいいぜ!」

サシャ「天才神様ですね!!」



ミカサ「…アニ…アルミンの言う通り今日元気ないよ。どうしたの?」

アニ「なんでもないよ。気にしないで」

ミカサ「何かあったなら相談でも聞くよ?友達だから」

アニ「…ありがとう」

――――――

ライナー「今日も楽しかったなぁ…なあ!ベルトルト、アニ」

ベルトルト「…」

アニ「…」

ライナー「ど、どうしたんだよ、お前ら」

ベルトルト「ライナー…忘れてないかい?」

アニ「明日が、行動を開始する日だよ」

ライナー「…!」

ライナー「ああ…そうだったな」

ベルトルト「大丈夫か?今の君は…」

ライナー「大丈夫だ…心配するな。俺は、戦士だ」

ライナー「確かに訓練兵団の奴等は皆いいやつだし、出来たらずっとこんな生活を続けたいし、ヒストリアが可愛い。だが…何より優先すべきなのは故郷だ」

ライナー「エレンを連れて故郷に帰るぞ、明日。必ず」

ベルトルト「ああ…帰ろう!」

アニ「それで全てが終わるんだ」


――――――

ウルクリン「…で、あと半年後の訓練兵団解散式後に、ヒストリアとエレンを連れてくる計画だ」

ディルク「…」

エーベル「…」

ウルクリン「とりあえずそれだけ伝えに来た。じゃあまた」ガチャ


エーベル「…ついに、半年後か」

ディルク「そうだね…エーベル。今度は冷静にね」

エーベル「……兄さん」

ディルク「ん?」

エーベル「その時が来たら……」

ディルク「ああ。僕も全力で相手をしよう。加減はしない」

エーベル「…うん」

ディルク「…」ガチャ

エーベル「…」

エーベル(お姉さんの力は私が貰うんだ…絶対に、何をしてでも)












エーベル(……………それが…私の本当にしたいことなのだろうか)

―――――――


ケニー「つーわけで、半年後、エレンとヒストリアを拐うようロッドから任された」

ディルク「…途中まで素直に父さん…ロッド・レイスの命令通りに動く」


対人制圧部隊隊員「…」


ディルク「だが、父さんがエレンとヒストリアを連れ礼拝堂の地下に入ってから、我々は本格的に行動する」

ケニー「ヒストリアから注射を奪い、俺が巨人になりエレンを食うって訳だ」

女部下「…」

ケニー「ディルクの話なら、レイス家以外の人間は王の力を使いこなせないらしい。だが、所詮それは話で聞いただけ…」

ディルク「ああ…実際に別の血族で試した例は未だにない」

眼鏡部下「…」

ケニー「0%じゃねぇなら試してみる価値は充分にある」

ディルク「全ては人類を救うために」

ケニー「この糞みてぇな世界をひっくり返して根底から変えるために…お前らの力も貸してもらうぜ」


「はっ!!!」

―――男子寮


ライナー「…エレン」

エレン「ん?どうした、ライナー」

ライナー「実は少し話があってな…明日の昼の休憩時間に、裏の広場まで来てほしい」

エレン「話?今ここからじゃいけないのか?」

ライナー「ああ…明日の昼だ」

エレン「そうか…わかったよ。眠いから今日はもう寝る」

ライナー「ああ。ゆっくり寝ておけ」

ベルトルト「…」



アルミン(…)

―――女子寮


アニ「ヒストリア」

ヒストリア「ん?珍しいね、アニから声かけるの」

アニ「明日の昼…裏の広場まで来てほしい。話があるんだ」

ヒストリア「うん、いいよ。人生相談でも恋愛相談でもどんとこいだよ!!」

アニ「…ふふっ。ほんと元気になったね」

ヒストリア(アニが笑った!?)

アニ「じゃあ、頼むよ」



ユミル(…)



アニ「そういえば、フロリアンは?」

ヒストリア「フロリアンは外に行ったよ、何しに行ったかは知らないけど」

―――

フロリアン「…わかった。じゃあね兄さん」

ウルクリン「うん。明日詳しい話をするよ。1日でいいから家まで帰って来るんだよ」

フロリアン「うん…」

フロリアン(…私は……どっちの味方をすればいいんだろう…)


ライナー「お、フロリアンじゃないか?」

フロリアン「!!あ、え、ライナー!?」

フロリアン(やば、今の会話聞かれてないよね!?)

ライナー「1人で何してるんだ?」

フロリアン「え、あ…寝れないから夜風に当たってたの」

フロリアン(良かった…見られてないみたい)


ライナー「…実は明日、裏の広場まで来てほしいんだが…」

フロリアン「………え!?」

フロリアン(え、なに、裏の広場に来てほしいって…まさか、いやいやいや!私の馬鹿!なに考えてんの!!)

ライナー「どうした、顔が赤いぞ」

フロリアン「い、いや…その……」

フロリアン「私、明日…1日だけ実家に帰らなきゃいけないから……」

ライナー「…そうか、わかった。ならいい」

フロリアン(あれ、何かあっさりしてる…やっぱ私の変な期待し過ぎだったか)

ライナー「じゃあ、おやすみ。早く中に入れよ」

フロリアン「う、うん。おやすみ」

――――――翌日


ライナー「…」


ベルトルト「…」


アニ「…」



エレン「…で、どうしたんだよ。急にこんなとこに呼び出して」

ヒストリア「おーい」トテテテ

ライナー「来たな」

エレン「ヒストリア!?」

ヒストリア「あれ、エレンも呼ばれたの?」


ベルトルト「…じゃあ、話を始めよう」


エレン「おお、何だよ早くしろよ」


アニ「落ち着いて聞いて欲しい」

ヒストリア「いや落ち着いてるよ。三人が様子変だよ」

ライナー「…俺達は…」


ライナー「五年前、壁を破壊しにやってきた」


ベルトルト「!?」

アニ「!?」


エレン「…はっ!?」

ヒストリア「んん!?」



ベルトルト「ラ…ライナー!」

アニ(いきなりその話する奴があるか!もっと先に話すべきことあるだろ!!)

ライナー「俺が鎧の巨人で、こいつが超大型巨人って奴だ」

ベルトルト「な、何を言ってるんだ!」

アニ「…はあっ…」

ライナー「最初は人類殲滅が目的だったが、その必要はなくなった」

ライナー「お前たちが俺達についてきてくれたら、俺達はこれ以上壁を壊す必要はないんだ」

ライナー「わかるだろ?」


エレン「…いや全然わかんねえぞ!!」

ヒストリア「なにそれ新手のプロポーズ!?」

ライナー「お前が来てくれたらもう人類がこれ以上攻撃される心配も無いんだ。悪い話じゃないだろ」

エレン「いやだからわかんねえって!!」

ヒストリア「え…と……ドッキリじゃないよね?」キョロキョロ


ベルトルト「ライナー…落ち着いて…」

エレン「………」



エレン「お前さぁ…疲れてるんだよ」

ライナー「!?」

エレン「なあ?こうなってもおかしくないくらい大変だったんだろ?」


アニ「そ!そうだよ!ライナーは疲れてるんだよ!」

ベルトルト「…」


エレン「だいたいなぁ…お前が本当に鎧の巨人なら、なんでそんな相談を俺にしなけりゃいけないんだよ。んなこと言われて大人しくついて行くわけがねぇだろ」

ヒストリア「そりゃあね…」


ライナー「…!!」


ライナー「そうか…そりゃそうだよな……何を言ってるんだ俺は。本当に…おかしくなっちまったのか?」


エレン「…バカなこと言ってねぇで帰るぞ」

ヒストリア「昼からまた訓練あるんだよ!」


ライナー「…きっと…ここに居すぎちまったせいだ。こんな奴らがいるなんて知らずにいれば…俺は、こんな半端なクソ野郎にならずに済んだのに」

アルミン「…やっぱりそうだったのか」

エレン「アルミン!?」

ヒストリア「いたの!?」

ベルトルト「…!」

アルミン「君たちは前々から何かコソコソしてる感じだったからね。まあ何よりの根拠は…あの山での訓練の時、エーベルが巨人になっていたことを意外と冷静に話していたことだ」

ライナー「!」

アルミン「君達はエーベルが巨人だった事には驚いていたようだけど、巨人化という現象に対しては別に驚いていた感じじゃなかったからね」

アニ「…そんな前から気づいていたならなんで何もしなかったのさ」

アルミン「君たちから後悔や罪悪感の念を感じていたからさ。自分の罪を認めている人間に何かしてやろうと思うほど傲慢じゃないよ」

ベルトルト「…」

アルミン「だが、まさかこんなことになるなんて残念だ」


ミカサ「三人とも、ほ、本当なの!?」

サシャ「いきなりこんなことしようとするなんてひどいじゃないですかー!」

アニ「…私だって、本当は…」

コニー「くだらない冗談はやめて戻ろうぜ、オイ!」

ジャン「頼むからこういうのはよしてくれよ…」

ベルトルト「…っ」

エレン「…」


ライナー「…俺達は…ガキで、何一つ知らなかったんだよ。三年もお前らと一緒にいたせいだ…」

ライナー「俺にはもう…何が正しいのかわからん」

ヒストリア「…ライナー?」

エレン「…」


ライナー「ただ…俺がすべきことは。自分がした行いや結果に対し」ザッ


ライナー「戦士として。最後まで責任を果たすことだ」


エレン「…!!」

アルミン「くっ…」


アニ「ライナー…!」

ベルトルト「やるんだな!?今…ここで!」

ライナー「ああ!勝負は今、ここで決める!!」ザッ



アルミン「エレン!ヒストリア!逃げろ!!」


エレン「う…!」


ヒストリア「なっ!?」



ドオオオオオオオオッ!!!


鎧の巨人「…」ゴオオオオオ


超大型巨人「…」ゴオオオオオ


女型の巨人「…」ゴオオオオオ


ゴオオオオオオ…


エレン「くそ…なんだよ!何なんだお前らはぁ!!」

ミカサ「え?え?」オロオロ

アルミン「エレン!ミカサ!気持ちは分かるがシャキッとしろ、相手は巨人三体だっ!!」

ユミル「えらいことになっちまったな…」

ヒストリア「アルミン!どうしよう!?」

アルミン「戦うしかないだろう!」

サシャ「あ、あんな強そうなの三体とですか!?」

コニー「ああ…もう意味わからねぇ…」

マルコ「アルミン、言われていた通り立体機動装置を持ってきた!」

アルミン「おう、ナイスタイミングだマルコ!全員立体機動装置を装備しろ!エレンとヒストリアは下がれ!!」

ジャン「アルミン…あんなのに俺達が勝てると思うか?」

アルミン「心配するな…彼等三人には最大の弱点がある」

ジャン「弱点?」

ミカサ「待ってよ!」タタタッ

エレン「あ!ミカサ!」

ジャン「おい、近づいたら危ねぇ!」

女型の巨人「!」ピクッ

ミカサ「こんなのやめようよ!バカ!」ポカポカ

女型の巨人「…」

コニー「なんだ?アニが止まったぞ」

ユミル「なるほど…あいつら」

マルコ「僕等を潰してしまうのが怖いのか!」

アルミン「その通りだ!あの三人は僕等同期を潰すことを躊躇しているだ!!」

アニ(ごめんねミカサ…でも、どいてもらうよ)

スッ

ミカサ「わ!?」

女型の巨人「…」ポイッ

ミカサ「あたっ!」ズテッ

サシャ「ああ!ミカサが優しく掴まれて優しくどかされました!!」

アルミン「あの三人が僕等をころすことに躊躇している部分をつけば何とかなるかもしれない」

ジャン「そういうのは少し罪悪感もあるがな」

ヒストリア「仕方ないよ。まともに戦ったら簡単に潰されて終わっちゃうよ」

ライナー(あまり時間がたつと不利…さっさと終わらせて帰る)

鎧の巨人「…」ズシンッズシンッズシンッ

ジャン「来たぞ!」

アルミン「よし!全員戦闘用意!」

ヒストリア「よしきた!」

ミカサ「わ!私も戦う!」オロオロ

エレン「くそ…やってやる。そこから引きずり出してやるぞ!!!」

アルミン「よし!その意気だエレン!」

ユミル「超大型巨人は動かないな」

アルミン「ああ!とりあえず超大型巨人は警戒だけしつつ鎧と女型と戦うぞ!エレンとヒストリアは捕まらないよう離れて戦うかヤバくなったら逃げろ!!」

女型の巨人「…」ズシンズシンズシン!!

ジャン「早っ!!!」

コニー「こえーよ!!」

アルミン「全員女型から離れて後ろに回れ!出来たら足に攻撃!」

女型の巨人「…」バッ!

ヒストリア「危なっ!」ザザザッ

エレン「後ろに回る…もらったぞアニ!」ビュンッ

パシッ

女型の巨人「…」

エレン「な、ワイヤーを捕まれた!?」

ジャン「危ないな!」ザクッ

サシャ「おお!ジャンが女型の指を切りました!」

エレン「す、すまん」

鎧の巨人「…」ズシンッ!ズシンッ!

ユミル「くそ、来んな!」ビュンッ

マルコ「鎧は足が遅いのが救いだが…」

ヒストリア「このぉ!」ギュンッ

ユミル「おいヒストリア!むやみに突っ込むな!」

ガキイイイイイインッ!

ヒストリア「ぬあっ!固っ!?」

ユミル「だから言っただろ!?」

鎧の巨人「…」ブンッ

ヒストリア(やば…捕まる)

ギュンッ

アルミン「ヒストリア!危ないだろ!突っ込むな!」ガシッ

ヒストリア「あ、アルミン!ありがとう…」

鎧の巨人「…」

ヒストリア「ギリギリ捕まらずに済んだ…」

サシャ「どうすればいいんですかあれ!?」

コニー「全身固いとか反則だろ!」

アルミン「全くだ!まるで少年漫画のような能力だよ!」

ライナー(くそ…俺の巨人ではなかなかスピードが追いつけんな)

女型の巨人「…」ブンッ

エレン「く!動きが早い!」

コニー「エレンばっかり狙いやがって何が目的だ!」

ジャン「だからエレン狙うのが目的なんだよ!」

アルミン「こっちも大変そうだな!」

エレン「ああ…素早く器用な動きも得意で一部硬化もできる」

アルミン「厄介だな、鎧より嫌なタイプだ」

ミカサ「どうしよう…」

女型の巨人「…」ズシンッズシンッズシンッ

アルミン「くそ!とにかく攻撃!足を削げ!!」ビュンッ

エレン「うおお!!」パシッ

ジャン「いい加減止まれ!」

コニー「この野郎!」

ミカサ「やああ!」

ギュンッ

女型の巨人「…」ピクッ

アルミン「!全員目を瞑れ!」

エレン「え?」

ズシャアアアアアアッ!!!

ミカサ「きゃっ!」

ジャン「あの野郎!地面削って砂飛ばしてきやがった!!」

コニー「くそーっ!!」

女型の巨人「…」ブンッ

アルミン「アルミンタックル!」ドカッ

エレン「ぐはっ!?」

アルミン「危なかったね。もう少しで女型に捕まるところだった」

エレン「あ…ありがとうよ」

アニ(…そろそろか)

超大型巨人「…」シュウウウ

ジャン「おい、超大型巨人が消えてってるぞ」

アルミン「なんだって?」

ミカサ「ほんとだ」

シュウウウ…

アルミン(え?じゃあ何でベルトルトは超大型巨人になったんだ?何もしてないのに…)

アルミン「…!!」

アルミン「エレン、逃げろ!!ベルトルトが来るぞ!!」

エレン「え?」

ビュンッ!

エレン「うわっ!!」

ベルトルト「…捕まえたよ」パシッ

ミカサ「エレン!」

エレン「離しやがれてめぇ!ベルトルト!」

アルミン「くそ!僕としたことが気づかなかった!超大型巨人は初めからただの囮だった、僕等の目をそっちに向けさせる為の!!」

アルミン「ベルトルトは超大型巨人から出て隙を見てエレンを捕まえる計画だったんだ!近くに立体機動装置を隠して!!」

ジャン「ちっ…!」

ベルトルト「アニ、早く外に出よう」

女型の巨人「…」コクッ

ミカサ「アニ!エレンを返して!」

ライナー(ヒストリアも連れて行く!)

鎧の巨人「…」ズシンッズシンッ

ヒストリア「また来た!」

ユミル「ちっ…好き勝手しやがって!」ガリッ

カアアアアアッ!

ライナー(!)


ユミル巨人「…」シュウウウ

ヒストリア「ユミル!」

アルミン「よし!ユミルの巨人と協力しつつヒストリアを守りエレンを取り返せ!」

ライナー(あの巨人はまさか…俺達の仲間を食った奴か!?)

鎧の巨人「…」ブンッ!

ユミル巨人「ギィアアア!」バッ

ガシッ!

ユミル巨人「!!」

ヒストリア「な!?」

ライナー(…来てもらうぞ、ユミル)

ユミル(しまった…こいつ、私を拐う気なのか!?)

ライナー(ヒストリアはまたいつか連れて行けばいい)

アルミン「ライナー!まさかヒストリアからユミルにターゲットを変えたのか!?」

サシャ「ユミル!」

アルミン「全員追え!逃がすな!」

ヒストリア「ユミルを返せライナー!!」ギュンッ

カアアアアアッ!

アルミン「!」

超大型巨人「…」シュウウウ


ジャン「また超大型巨人!?」

ピシッ

アルミン「くそ!全員下がれえええ!」

ボオオオオオオッ!!!

ヒストリア「あっつ!!」

ミカサ「きゃああっ!!」

アルミン「熱の蒸気で進めない…くっそぉ!!!」



その後、エレンとユミルを連れたライナー、ベルトルト、アニは外へと逃げて行った…

それから少し遅れ騒ぎを聞きつけた駐屯兵団と憲兵団がかけつけた


ピクシス「…なるほどのぉ」

ハンネス「…そんな事態になってんのかよ」

アルミン「僕もよくわからないから詳しい事は分かりませんが、エレンの存在はよほど大きいものだそうです」

アルミン「なので、そんなエレンを放っておくわけにはいきません」

ピクシス「そうじゃな…だが、今は調査兵団が遠征に出ていてこの場にはいない。厳しいぞ」

アルミン「…巨人三体は僕等がやりますが、途中に出てくる無知性巨人をどうするか…」

リコ「ピクシス司令、憲兵から協力するというものが」

ピクシス「!」

アルミン「え?」

ジャン「憲兵から?」

ザッザッ


ケニー「よう」

アルミン「!」

ミカサ「おじさん!?」

ヒストリア「あ…あんたは…」

ケニー「久しぶりだな」

ヒストリア「てめえ!私の母親をころした奴だな!よくも!ぶっ飛ばしてやる!!」バタバタ

サシャ「ちょ!ヒストリア!」ガシッ

コニー「落ち着けって」

ケニー「そうだそうだ、落ち着けよ。まあ、目の前であんなの見せて悪いたぁ思ってるよ」

ヒストリア「ふー…ふー…」

アルミン「協力とは…どういう意味ですかな?」

ケニー「そのまんまの意味さ。優秀な部下も何人か連れて行く。途中の無知性巨人は俺達に任せておけ」

ヒストリア「怪しい!!」

ケニー「エレンが連れて行かれるのは俺達も困るからな。まあ、今回は目的が一致してるって事で仲良くしようぜ」

キース「私もいこうか、任せておけ」

アルミン「教官!」

ピクシス「では…駐屯兵団精鋭部隊、キース殿、憲兵団数名で104期訓練兵を周りの無知性巨人から守りながら鎧の巨人達を目指す」

ハンネス「は!」

ケニー「お前たち…嫌なら帰っていいんだぜ」

女部下「いえ、エレンがいなければ我々の夢を達成できませんから」

キース「…」

ピクシス「そして104期訓練兵はエレンを取り返すのを頼む」

アルミン「はい!それでもう一つ提案がありまして…まず、ライナー達を足止めするために三人程度で先に鎧の巨人を目指します」

ピクシス「む?」

アルミン「ヒストリアの馬を使って他の隊より先に行き足止めしておくんです。実はヒストリアの操る馬はものすごい早いから問題ありません。昼間でも巨人と遭遇せずシガンシナまで行けるくらい早いです」

ピクシス「マジかよ」

ヒストリア「照れるなー」

アルミン「で、ヒストリアの馬に乗るのはなるべく軽い人…もちろんヒストリアと僕とミカサの三人で行きます。ミカサは身長は高めですが脂肪も筋肉も少ないから細くて軽いです」

ミカサ「うん」

ピクシス「うむ、決まりじゃな」


アルミン「よし!エレンとユミルを取り返しに行くぞ!」

ヒストリア「待ってろ!今度は逃がさないんだかんね!」

おお…この面子で共闘とは胸熱

――――――

巨人「…」ニタァ

ズシンッズシンッズシンッ!

イアン「巨人接近!」

キース「お前たち、ここは我々がやるから先に行け!」

ハンネス「エレンを頼むぜ!」

ジャン「了解!行くぞお前ら!」

マルコ「ああ!」

サシャ「アルミン達は上手く先回りできましたかね」

コニー「大丈夫さ、ヒストリアとアルミンがいるんだ!」

ドシンドシンドシンドシンドシン!

ジャン「ぐっ…また巨人が…」

ズシャッ!

巨人「」シュウウウ

マルコ「!」

ケニー「へえ…対巨人用の立体機動装置は初めて使うが悪くねぇな」ギュンッ

ズシャッ! ズバッ!

巨人「」シュウウウ
巨人「」シュウウウ


コニー「す…すげぇな…あのオッサン…どんどん倒してやがる」

サシャ「今回は味方で良かったですね」

ジャン「本当にな…」

ハンネス「なんだあの憲兵…本当に憲兵の動きかよ」


女部下「隊長、あまり巨人の群れに突っ込んでは危険です!」

ケニー「心配すんな、どの程度なら突っ込んでも大丈夫か計算してやってるさ!」


キース「…あなたは、凄い腕の持ち主だな」

ケニー「あ?あんたこそやるみたいだな…」

キース「元調査兵団だからな」

ケニー「へえ…そうなのかい」

キース「…アッカーマンの末裔か」

ケニー「はっ、よくわかったな」

キース「動きでな…だいたい普通の人間が初めての巨人戦でそこまで戦えるわけは無い」

ケニー「その通りだ。まぁ流石に俺も長期戦は厳しいから、あんたにも期待してるぜ」


ハンネス(何でエレンが…あんな大変な目に目にあわなけりゃならないんだ)

ハンネス(イェーガー先生、あんたは今なにをしてるんだ)

―――――巨大樹の森

エレン「…う…」

ライナー「…覚めたか、エレン」

エレン「!お前ら!!」

ベルトルト「…」

アニ「…」


エレン「くそ!体が動かねぇ!!」ギシッギシッ

ベルトルト「拘束させてもらってるからね」

ユミル「よう、今日はお互い辛い日だな」

エレン「ユミル!」

エレン「そうだ…お前も巨人化してたよな!どういう事だ!?」

ユミル「さぁな」

エレン「さぁなじゃわからないだろ!!」

ユミル「私の事より自分の心配しろよ…お前と私、あいつらの故郷に連れてかれちまうらしいぞ」

アニ「ああ」

エレン「どういう事だ!なに考えてんだお前らは!?」

ライナー「…無理やり悪いとは思ってるさ。だが仕方ない事もある」

エレン「うるせえ!なにが仕方ない事だ!」ギシッ

ユミル「あんま暴れるのはよせ、下に落ちたら巨人のおやつになっちまうぞ」

ユミル「で、私らをどうする気だ?あんたらの仲間に食われちまうのか?」

エレン「は?」

ベルトルト「…君の想像に任せる」


パカラッパカラッパカラッパカラッパカラッ!!


ユミル「…ん?」

エレン「馬の足音?」

ライナー「なんだと?」バッ

アニ「あ…あれは」





ヒストリア「うおおおおおおおお!!!」パカラッパカラッパカラッ

アルミン「ようし、早いぞヒストリア行け行けー!!」

ミカサ「いた、大きな樹の上!」


ベルトルト「うわっ!?」

アニ「なにあれ早っ!早すぎ!!」

ユミル「…」

エレン「どうだ見たか!ヒストリアの操る馬はものすごく早いんだぞ!!」

ライナー「くっ…これは計算外だった!」

アニ「ライナー、ベルトルト。ここは任せて先に行って」

ベルトルト「アニ!」

アニ「ここまで来て失敗は許されない…私も後で行くから」

ライナー「わかった…すまん。頼んだぞ」

ユミル「ちっ、飽きねぇなお前らも」

ライナー「エレン、行くぞ」ガシッ

エレン「くそ!離しやがれこの腰巾着野郎!!」

ライナー「なに言ってんだお前は!!」

ベルトルト「…」


アニ「先には行かせないよ…」バッ


カアアアアアッ!!

アルミン「アニが巨人化するぞ!」

ヒストリア「くそ!邪魔しないでよね!!」


女型の巨人「…」ドシン!


ミカサ「…アニは私に任せて先に」

アルミン「なんだって!?」

ヒストリア「ちょ!ミカサ1人じゃ無理だって!」

ミカサ「大丈夫」

アルミン「…!」

アルミン「わかった。ミカサに任せよう」

ヒストリア「え!?」

ミカサ「うん、エレンをお願い」パシュッ!

ヒストリア「え、ちょ、まっ、本当に大丈夫なの!?」

アルミン「大丈夫だ…今のミカサなら」

ヒストリア「どういう事なのよさ!?」

アルミン「ミカサは昔からか弱い普通の女の子だけど…まれに普段の姿からは想像できない力を見せるときがあった」

アルミン「今のミカサはそのときの目だ!!」


アニ(アルミン、ヒストリア、先には行かせない)

女型の巨人「…」グオッ

ズシャッ!!

女型の巨人「…!」ガクッ

ギュイイイッ

ミカサ「アニ…邪魔はさせないよ」ギュンッ

アニ(な、ミカサ!?)

アニ(ミカサ…あんた1人で私に勝てるわけ…)

ビュンッ!!

アニ(!?)

ズシャッ!ズシャッ!!

女型の巨人「…!!!」グラッ

ミカサ「…」ジャキッ!

アニ(な…速い!?嘘…そんな…)

女型の巨人「アアアッ!!」ブオンッ!

ミカサ「うっ!」ビュンッ

ミカサ「はあああああっ!!!」

ザシュッ!!

アニ(バカな……本当にミカサの動きなの?一体なにが…)

ミカサ「なんで……友達だと思ってたのに!」

ズバッ!!

アニ(足をやられた!まずい!!早く再生を…)

ズバッ!!

アニ(ダメだ!追いつかない!!)

ミカサ「出てきて、アニ!」

アニ(そういえば…ライナーとベルトルトが前に言ってた…)


エーベルが巨人化した時、ミカサが普段の姿からは想像できない力を一瞬だが見せた。ミカサ自身は覚えてないみたいだが…

そういえば聞いたことがある。壁内には王家につかえる武家がいるって。ミカサはその末裔かもしれないね



アニ(あのときはまさかと思って信じてなかったけど……本当に…)

ミカサ「…」ビュンッ

アニ(私も本気で行かなきゃやられる!)

女型の巨人「ウアアアアアア!!」ズシンズシンズシン!!

ミカサ「!」

アニ(悪いけど加減はできないよミカサ!)

ビシュッ!!!

ミカサ「うっ!危なかった……やっぱりアニの蹴りは速い…」ザザッ

女型の巨人「…」グオッ

ミカサ「わっ、しまった!?」

ガシッ

女型の巨人「…」グググッ

アニ(捕まえたよ…これならもう動けない…)

ミカサ「…ぐっ…」ギチギチ



ミカサ「っああああああ!!」ズバババッ!!

アニ(な!指を切断して脱出した!?)

ミカサ「止まって!!」ビシュッ

ザクッ!ザクッ!

女型の巨人「!!」

アニ(両目をやられた…まずい…」

ミカサ(アルミンに言われた通りなら…うなじにいる)ジャキッ

女型の巨人「…」パキパキ

ガキイイイイイインッ!!

ミカサ「まだだっ!!」

ガキン!ガキン!ガキン!

アニ(くそ…速い!ギリギリだ…このままじゃ硬化が追いつかな…)

ミカサ「そこだぁっ!!」ビュンッ

ズバッ!!!


女型の巨人「!!!」


ベリベリベリ!!

メキ メキ…



ミカサ「はあ…はあ…これで、勝負はついた……出てきて」


アニ「…無理やりうなじをこじ開けるとは恐れ入ったよ」

ミカサ「…もうやめよう」

アニ「…」

アニ「なんでもう少し深く削がなかったの?そうしたら私ごとやれたのに」

ミカサ「…だって………友達だから…」

アニ「人類の敵なのに?」

ミカサ「でも…今までずっと一緒にいたんだもん…」

ミカサ「嫌だよ…こんなのは…」グスッ


アニ「…さっきは力も顔つきも別人みたいでビックリしたけど……またいつものミカサに戻っちゃってるじゃん」

アニ「ったく…相変わらず泣き虫な奴だね。あんた」

ミカサ「…」ゴシゴシ

――――――

ズシン!ズシン!ズシン!

鎧の巨人「…」

ベルトルト「く…だめだ。もう追いついたか」



パカラッパカラッパカラッパカラッパカラッパカラッ!!

アルミン「ようし!鎧の巨人だ!!飛び移るぞ!!」

ヒストリア「うん!私の親友をさらって…デコピンしてやるんだから!!」

バシュッ バシュッ

エレン「お前ら!」

ベルトルト「ライナー!エレンとユミルを手で隠せ!!」

鎧の巨人「…」グンッ

エレン「わ!この野郎!」


アルミン「ライナー!エレンとユミルを手で隠しやがったな!」ダッ

ヒストリア「ユミル姫を返してもらおうか!!」ザンッ


ユミル(アホかあいつは)


アルミン「エレンとユミルを解放しろ!身の代金は払わないぞ!!」

ベルトルト「ここまで来たんだ…解放するのは無理だ」

アルミン「わかった!身の代金なら出す!!」

ヒストリア「あらやだ、あっさり考え変えちゃってこの人は!!」ガビーンッ

ユミル「やる気あんのかあいつら」

エレン「いや、あれがやる気モードのアルミンだ」

ベルトルト「…」


アルミン「ええい、ちったぁ突っ込めベルトルト!ノリ悪いぞ!!」

ヒストリア「そうだ!そうだ!」

鎧の巨人「アオガオアエア!!!!!」片手ビシイッ!!

エレン「!?」

ユミル「!?」

ベルトルト「!?」

ライナー(しまった!ついつっこんでしまった!!)

アルミン「ふ…ライナーはまんまと乗せられてつっこんだみたいだね」

ヒストリア「でも惜しかったね。エレンやユミルを隠してる方の手で突っ込んでくれたら2人を助けられたのにね」

アルミン「ああ…ライナーは強敵だ」

ベルトルト「くっ…アルミン。君はやはり危険な存在だ、僕らにとって最大の脅威だよ」


エレン「いやそれは流石に言い過ぎだろ」

ユミル「なんだかんだでベルトルさんも言ってることおかしいぜ」



アルミン「ふふ…そう、これこそが僕のペースに巻き込む必殺技、ドッキリわんぱくアルレル闘法だ!!」

ヒストリア「アルレル東方!!凄い!!」

ライナー(もうめちゃくちゃだぜおい)

アルミン「ベルトルト…君たちの目的はなんだ?そもそも何故エレンを誘拐するんだ。趣味か?」

ベルトルト「…君には関係ない事だ。誰かがやらなきゃいけないんだよ」

アルミン「それじゃあこっちが納得できんだろ。話せよ。コミュニケーション取らなきゃこっちも君達の都合を理解できんよ。理由によっちゃこっちも考えるのに」

ベルトルト「言ったところでどうにもならないよ。エレンとユミルはこのまま連れて帰る」

アルミン「こんのワガママベルトめ!いい加減にしないとお前の腰ベルト緩めるぞ!!」

ベルトルト「好きにしなよ」

ヒストリア「ダメだ!もうエクレア製法が通じないよアルミン!」

アルミン「アルレル闘法だ!それにあんな役に立たん技もう使ってない!!」

ヒストリア「じゃあ何で使ったのさ!!」

ベルトルト「コント繰り広げて隙を狙うつもりだろうがそうはいかないよ」

ヒストリア「くそ…ノリが悪い!」

ユミル「本当に大丈夫なのかよあいつら」

エレン「大丈夫だ…アルミンならやってくれる!…はず!」


アルミン(どうする…どうすれば2人を助けられる…)



―回想―

ライナー「クリスタと結婚したい」

ベルトルト「アニと結婚したい」


―回想終了―


アルミン(そうか!!)


ヒストリア「くそ!ユミルとエレンを返しなさいよ!お尻ペンペンよ!」


アルミン「ヒストリア…後は僕に任せるんだ」ザッ

ヒストリア「え?」


アルミン「ベルトルト……いいのかい?このまま故郷に帰って」

ベルトルト「え?」

アルミン「このまま故郷に帰ったら…僕はアニと結婚しちゃうよ?」

ベルトルト「!?」

アルミン「さっきも僕がどうやって女型を退けたか教えてあげよう」


―――

アルミン「アニ、結婚しよう。君は美しい」

アニ「結婚して!」

―――

アルミン「という風に退けた」

ベルトルト「うわあああああああ!!!」

エレン「おお!ベルトルトがうろたえている!」

ヒストリア「マジでえええ!?」

ユミル「お前まで信じるなよ!?」

アルミン「あと鎧の巨人及びライナー!!」

鎧の巨人「!」

アルミン「このまま故郷に帰るなら僕はヒストリアとも結婚するよ。それでいいんだね?」

ライナー(!?)

アルミン「ちなみに式は明日だ!!」

ライナー「マジでえええ!?」

ユミル「鎧の巨人の中からライナーの声が」

エレン「さすがアルミンだ!2人が活動を停止した!!」


ヒストリア「ちょっ…いきなりプロポーズだなんて大胆すぎるよアルミン!!」

アルミン「ふふ…美少女2人に囲まれて幸せだなぁ。故郷から指をくわえて僕の幸せな姿を見ておくがいいさ。ふぁーはっはっは!!!」

ベルトルト「ぐぐぐ…」

ヒストリア「明日結婚式だなんて言われてもまだ心の準備が出来てないしまだ子供だし…あれ、結婚できるのかな?よし、今から憲兵団に電話して聞いて…あ、電話はこの世界に無いんだ。忘れて。ああもういきなり言われても困っちゃうよアルミン、いや、別に嫌じゃないんだけど恥ずかしいしもう…」

ヒストリア「アルミンのバカ!!」バキイッ

アルミン「いでっ!!」



ベルトルト「悪魔の末裔が!!」ジャキイイインッ


鎧の巨人「ネダヤシニシテヤル!!!」バッ



アルミン「よっしゃ、ライナーが両手を離した!!!」


ヒストリア「会場は…」ブツブツ

アルミン「今だヒストリア!!」

ヒストリア「え、いま結婚!?…ん?あ!ライナーが手を離してる!ユミル、いま助けるからね!!」バシュンッ

ベルトルト「は、しまった!」

ヒストリア「ユミル!エレン!もう平気だよ!」バシッ

ユミル「おう」

エレン「さすがだな、2人を信じてたぜ」


アルミン「さあ、これでエレンとユミルは取り返した!」

ベルトルト「くっ…」

ユミル「つーか、あんな嘘信じるなよ」

ベルトルト「え、嘘だったの!?」

ユミル「気づけよ!」

ヒストリア「え、私と結婚も嘘だったの!?」

ユミル「お前も気づけよ!」バシッ

アルミン「愉快だなぁ…あははは」

エレン「あははは」

ベルトルト「なごむな!!」

ベルトルト「君達…ふざけるのもいい加減にするんだ。ふざけ過ぎだマジで」

アルミン「まあ、落ち着けベルトルト」

ヒストリア「それは逆ギレって奴だよベルトルト。こっちが怒りたいのを我慢してふざけてあげてるのにさ!」

アルミン「だいたい本当に何なの君達は、何が目的なのさ。故郷ってどこだよ」

エレン「…だいたいテメェラ、壁を壊してたくさんの人間をころして…なんとも思わねえのかよ」

ライナー(…)

ベルトルト「…」

エレン「聞いてんのかよ!何か言ってみろよ人ごろしが!!」

アルミン「まあまあ落ち着いてエレン。その件に関しては彼等も反省している様子だ」

ベルトルト「…」

エレン「反省してるからなんだ。死んだ人間は生き返らない」

アルミン「その通りだ、いくら反省していても罪は消えない。だから君達には少しでも罪を償うため人類の役に立つ事も出来るはずだ」

ベルトルト「…無理だよ。ここまで来ておいて人類の味方にはなれない。僕等は戦士だ」

ライナー(…)

エレン「訳のわからねえ事を」

アルミン「よっぽどの理由があるんだな…こりゃ難しいぞ」

―――――

パカラッパカラッパカラッパカラッパカラッ!!

ジャン「!あれは…」


ミカサ「…」

アニ「…」


サシャ「ミカサとアニです!」

コニー「なにしてんだよ!」


ミカサ「あ、みんな来た」

アニ「やぁ。ライナー達なら向こうに行ったよ」

マルコ「…ん?まさか…ミカサが1人で?」

アニ「そうだよ。この子は戦ってる時の事よく覚えてないらしいけど」

ミカサ「うん…」

ジャン「は!?ミカサが!?」

マルコ「その話はいいよ…今はライナー達を追いかけないと」

サシャ「そうですよ、急ぎましょう!」

ジャン「アニ…お前後ろからなにかしたりしねぇだろうな」

アニ「しないよ。力も残ってない」

ミカサ「アニならもう大丈夫だよ。早く行こう」

コニー「おうよ!」

ミカサ「…あっ」オロオロ

ジャン「どうした急にオロオロして」

ミカサ「私の馬がない…」オロオロ

コニー「お前は休んでおけよ」

ミカサ「私も行きたい」

ジャン「わかったよ。後ろに乗れよ」

ミカサ「うん、ありがとう」

ジャン(ふっ…俺がミカサと一緒に乗れる日が来るとはな)

ミカサ「エレン…待っててね!」

鎧の巨人「…」


ジャン「いた!鎧の巨人だ」

マルコ「止まってるみたいだね」

サシャ「エレンとユミルも助けてるみたいです!」

コニー「さすがだぜ!」

ジャン「よし、全員鎧の巨人に飛び移れ!!」

コニー「ラジャー!」

ミカサ「うん!やーっ」バシュ


ミカサ「って、わわわ!飛ぶ方向間違えた!」ヒューンッ

ミカサ「わぷっ!」ベタッ


マルコ「何してるんだミカサ!」

サシャ「そこは鎧の巨人のお尻ですよ!」

ジャン(今は普段のミカサだな……女型に勝ったなんて信じられねぇ)

すごく今更ですが、このミカサは原作で親が生きてた頃をそのまま大きくした感じで見てください

アルミン「…きた!」

ベルトルト「…!」


スタッ スタッ


ジャン「よう。救出は成功したみたいだな」

ミカサ「アルミンはすごい!エレン、大丈夫!?」

エレン「お前ら!ああ…もう大丈夫だ」

アルミン「…あとは」

ベルトルト「…君達を逃がす気はないよ」ザッ

ユミル「ベルトルさんらはまだやる気満々のようだぞ」

ヒストリア「もう諦めてあんたらも壁内に戻ろう!」

コニー「そうだそうだ!話せばわかる!」

鎧の巨人「…」ズシンズシンズシン!

サシャ「わっ!鎧の巨人がまた動き出しました!」

ジャン「おいおい、お前ら…このまま逃げ通す気かよ」

エレン「馬鹿やってねぇでいい加減なんか話せよ!」

ベルトルト「…そっちこそ、さっさと逃げればいいのに何で逃げないんだ」

アルミン「どうせまた追いかけてくるだろ…それとな」

アルミン「みんなお前たちを見捨てたくないんだよ!戻ってきて欲しいんだよ!!ずっと一緒に暮らした同期だろうが!!」

コニー「お前ら…今まで一体なに考えて過ごしてたんだ?」

ヒストリア「二人にとったら私たちなんてどうでもいい存在だったの!?」

エレン「…もういい。こいつらは人類の害…俺達の敵だ」


ベルトルト「……どうでもいい訳ないだろ…」

ミカサ「!」


ベルトルト「誰が、人なんかころしたいと思うんだ!!誰が好きでこんなことやるもんかよ!!」

ベルトルト「…誰かに恨まれても、殺されても仕方のないことを、取り返しのつかないことをしてしまった。でも、僕等は…罪を受け入れ切れなかった」

ベルトルト「…けど、兵士を演じている間は……少しだけ楽だった」

アルミン「…」

ベルトルト「確かに僕はみんな騙した!けど、全てが嘘じゃない!本当に仲間だと思っていたよ!!」

ベルトルト「僕等に謝る資格なんかあるわけない、でも…ああ、誰か……お願いだ………誰か僕を見つけてくれ…」


アルミン「…もう、やめろよこんなの」

ベルトルト「ダメだ…できない」

エレン「…!」

ベルトルト「誰かがやらなきゃいけないんだ。誰かが、自分の手を血で染めないと」スッ

アルミン「…!!みんな、立体機動準備!!」

ヒストリア「え!?」

アルミン「巨人化する気だ!!」

ミカサ「え…そんな…」オロオロ


ベルトルト「ライナー…やるぞ」

ライナー(…わかった)


エレン「くそっ!何で…お前ら…!」

カアアアアアッ!!

ジャン「う…来るぞ!」

アルミン「誰かに罪を背負わせ、手を血で染めさせないといけない理不尽な世界など…クソ食らえだ!んな世界、この僕がぶっ壊してやる!!!」



エレン「ライナー…ベルトルト…この…」


エレン「裏切り者があああああ!!!」

ガリッ!



カアアアアアッ!!!


超大型巨人「…」

鎧の巨人「…」



コニー「く…また相手にしなきゃいけないのかよ」

ヒストリア「ほわあああああ!?」

サシャ「どうしましたヒストリア!?」

ヒストリア「あれあれあれ!!」

ユミル「…」



エレン巨人「オオオオオッ!!」ズシン!


アルミン「ぬあっ…エレンまでもが!!?」

ジャン「な、なんなんだよ一体…」

ミカサ「エレン!」

マルコ「ミカサ!むやみに近づかない方が…」

ミカサ「エレン!エレンなの!?」

エレン巨人「…」コクッ

アルミン「ちゃんと意識はあるみたいだ…」

エレン(俺は…巨人になってんのか!?何でこんなことに…無意識の内に手を噛んでいたが)

エレン(わからねえ…だが、これなら…ライナーと戦える)

エレン巨人「グオオオオオッ!!!」


ライナー(ついに巨人になったか…来るかエレン!)

アルミン「とりあえずエレンは自分で巨人をコントロール出来ているようだから安心しろ!ライナーはエレンの巨人中心に僕とミカサとジャンでサポートする!」

ミカサ「うん」

ジャン「了解だ!」

アルミン「ユミル、ヒストリア、マルコ、コニー、サシャは超大型巨人を頼んだぞ!」

ヒストリア「任せちゃってよ!引きずり出してやるぞベルトルト!!」ザッ

ズシンズシンズシンズシンズシン!!


エレン巨人「ガアアアアアアッ!!!」

アルミン「おお!やる気満々だなエレン!」

ミカサ「かっこいい!」

鎧の巨人「…」ドシンッドシンッ!


エレン巨人「オオオオオッ!!」グンッ

バキイイイイイッ!!!


エレン巨人「…!」


鎧の巨人「…」パキパキ

エレン(くそ…鎧の巨人の皮膚は巨人の力でも破壊できねえのかよ!?)

鎧の巨人「…」ブンッ!!

バキイイイイイッ!!

エレン巨人「アアアアアッ!!」ドシャアアッ!!

ジャン「鎧に殴り返された…!どうすんだ、エレンの攻撃がライナーに通じてないぞ!!」

アルミン「ああ、鎧の巨人がこれほどまで固いとはな……エレン!いったん下がれ!!」

エレン巨人「!」

ミカサ「私たちの攻撃も通じないし…どうすればいいんだろう」

アルミン「…いや、まてよ。もしかしたらいけるかもしれない」

ジャン「なんだ?」

アルミン「鎧の巨人の全身が全てあの固さだったら、あんな動きは出来ないはずだ……そういえば大昔使われていた鎧にも人体に覆えない部品があった…股の部分と」

ミカサ「確かに!間違えてライナーの巨人のお尻に飛んだとき股の部品は固そうじゃなかった!」

エレン(なにやってんだよ)

アルミン「やはりか!あとは…膝の裏側だ!!」

鎧の巨人「…」


ジャン「つまり…膝の裏側を俺達で削げばいいのか?」

アルミン「そうだ」

ミカサ「股の部分も?」

アルミン「そこは攻撃しなくていい」

アルミン「そして鎧の巨人がバランスを崩したら、エレン!極め技でライナーを攻撃してくれ!」

エレン巨人「!」

アルミン「あの皮膚の下は普通の巨人と同じはずだから…極め技なら効くはずだ!!」

×部品
○部分

この人の書くわんぱくなヒストリアがとても好き

アルミン「よし、行くぞ!ジャンは左足!ミカサは僕と右足!だっ!」

ジャン「わかった!」バシュッ

ミカサ「うん!」バシュッ

アルミン「無茶はすんなよ!!」

鎧の巨人「…」ズシン!

ライナー(何度来ても無駄だ…お前たちにこの鎧は破れん!)

ビュンッ ビュンッ

ライナー(! 左右に回った……膝の裏の弱い部分を狙う気だな。やらせん!)

鎧「…!」ブンッ

ジャン「うお!威嚇してきやがった!」ビュンッ

アルミン「ちっ、気づかれてるか」

鎧の巨人「…」ズシイインッ!!

ミカサ「こ、怖くて近づけないよ」

アルミン「やっぱ簡単にはいかないな…さすがライナーだ」

┣¨┣¨┣¨┣¨ドド!

ジャン「!」

エレン巨人「オオオオオッ!!」┣¨┣¨┣¨┣¨ドド

鎧「!!」

ガシイッ!!!

エレン巨人「ガアアアアアアッ!!」ギシギシ

ライナー(ぐっ…タックルしても無駄だ…離れろ!エレン!)

ドガアッ!!

エレン巨人「グウウッ!!」ドシャアアッ

鎧の巨人「…」ザッ

ミカサ「あ、エレンがタックルで返された!」

アルミン「だが、エレンのお陰で隙ができた!!」

ジャン「今だ!」ビュンッ

鎧「!!」

ライナー(しまった…エレンの相手をしていたら…早く避けねえと)

ザクッ!!

鎧の巨人「…!」ガクッ

ジャン「よし、片足はやった!」

ライナー(ちっ、この巨人じゃジャンの立体機動のスピードには勝てんか!)

アルミン「しっかり狙えよミカサ!」

ミカサ「うん!」

ズバッ ズバ!


鎧「…!!」ヨロッ
ドシンッ!!


ライナー(まずい…!両足をやられてまともに動けん…早く再生を…)

ガシイッ!!!


ライナー(!!)

エレン巨人「オオオオオッ!!!」グググッ

ライナー(捕まった!!)

アルミン「よしエレン!そのまま極め技で勝負をつけるんだ!!」

鎧の巨人「オオオオオッ!!」ミシミシッ

エレン(アルミンの言った通り、極め技なら効いてる!!勝負をつけるぜライナー!!)




ビュンッ! ビュンッ!

ヒストリア「よーし!行くぞ!」

サシャ「はい!」

コニー「任せとけ!」

ヒストリア「指揮は任せたマルコ!」

マルコ「僕!?」

ユミル「そうだな…バカしかいないからお前が頼りだ、マルコ」

ヒストリア「うん、そういう事よ!!」

マルコ「んな元気に言われても」

ヒストリア「目標、超大型巨人!行くぞっ!!」

超大型巨人「…」ブンッ!!!


サシャ「わ!パンチが来ますよ!!」

コニー「やべえ!デケェ!!」

マルコ「冷静に回避!デカいぶん動きが遅いから避けやすいはずだ!!」

ヒストリア「おうよ!!」


ズドオオオオオンッ!!!


サシャ「うひゃっ!!」

ビキビキ…

コニー「一発のパンチであれかよ…」

ユミル「動きはトロいが…一発でも食らえばアウトだな」

ヒストリア「うなじに行きたいところだけど、大きいからそこまで登る前に攻撃されちゃいそうだしね…困った事態だよ。ワイヤーも一発じゃあんなに届かないし」

ユミル「…仕方ないな。私に任せとけ」

ヒストリア「ユミル!」

ユミル「私の巨人なら素早く細かい動きも出来る。途中まで送ってやるよ」

マルコ「なるほど、それで立体機動の届く距離になったらそこから一気にうなじへ攻撃すればいいをだね」

ユミル「ああ、そうだ」

ヒストリア「よし、何だかいけそうな予感がしてきた!」

ユミル「よし、巨人になったらすぐ乗れ」ガリッ

カアアアアアッ!!

ユミル巨人「…」ザッ!!


超大型巨人「…」

ベルトルト(ユミル、巨人になったか…確かにライナーが言った通り僕らの仲間を食ったのと同じ巨人だ)

マルコ「よし、ユミルに飛び移って!」

サシャ「おお、なかなかいい乗り心地ですね」

マルコ「ちゃんとユミルの髪につかまって!落ちるよ!」

コニー「おう!…ん?この巨人デコ広くねぇか?」

サシャ「えっと…その、髪の毛につかまっても大丈夫ですかね?」

ヒストリア「ちょっと失礼だよ!それに、試しに引っ張ってみたけど丈夫だったから平気だよ!!」

ユミル(こいつら後で覚えてやがれ)


ユミル巨人「…」ダダダッ!!

超大型巨人「…!」

グオオッ!!

サシャ「わ!パンチがまた!」

ユミル巨人「…!!」バシュッ バシュッ

コニー「おう!簡単に避けたぜ。さすがユミルだ!」

ヒストリア「かっこいいよユミル!」


ベルトルト(くっ…素早い動きの巨人だ)

ユミル巨人「…」バシュッ バシュッ

超大型巨人「…」ブンッ!!

ヒストリア「当たらないよーだ!」

ベルトルト(上まで登って来る気か!!)


マルコ「よし、もうすぐだ!」

ヒストリア「いっけえええ、ユミル!!」

超大型巨人「…」ピシッ


ユミル(…!!やべ!)

ユミル巨人「…」ベリッ

ユミル「お前ら!私の巨人の髪の中に隠れろ!!」

ヒストリア「え!?」

マルコ「あ、そうか!みんな伏せろ!」

サシャ「!?」


超大型巨人「…」ボオオオオンッ!!!


ヒストリア「うわあっ!!?」


ゴオオオオオッ!!!


コニー「そうだ、あいつは熱い蒸気を放つんだ!!」

ユミル巨人「アアアアアッ!!!」

ヒストリア「ユミル!?無理しないで、下がって!!」

マルコ「くっ…ユミルは僕らを熱の蒸気から庇いながらうなじまで行くつもりだ!!」

コニー「おいおい、そんなことしたらユミルが一番危ないだろ!!」

サシャ「無茶しないでください!!」

ヒストリア「下がってユミル!!」

ユミル巨人「アアアアアッ!!!」バシュッ バシュッ

ベルトルト(くそ…まだ来るか!!?)

マルコ「やるしかない…ユミルがうなじまで行ったら一気に叩くぞ!!一瞬でケリをつけないとこの蒸気の中じゃ僕らもユミルも危ない!!」

ヒストリア「…わかった!ユミルもみんなも死なせはしない!!」

ユミル(くそ…もう少し持てよ)

ダダダ!!!

超大型巨人「!!」

サシャ「来ました!!」

ヒストリア「一気に叩けえ!!!」

コニー「おう!!」

バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!


ベルトルト(くっ…やられる!!?)


ヒストリア「うおおおりゃあぁぁ!!」

ベリベリベリッ!!

ベルトルト「うわあっ!!」

ヒストリア「どうだ!引き剥がしたぞ!!」

マルコ「よし、蒸気も止まった」

ユミル巨人「…」

コニー「ここまでだぜベルトルト!」

サシャ「勝負ありです!」


ベルトルト「…」

ベルトルト(やっぱり君達にはかなわないな)

ベルトルト「…ふっ…」


ヒストリア「ふっ………じゃないわバカ!!泣き虫!!」ガンガン!

ベルトルト「痛い痛い!」

ヒストリア「まずは迷惑かけたみんなに謝る!!」

ベルトルト「ちょっ…ちょっと待って、心の準備が…」





ギシギシギシギシギシギシ!!


エレン巨人「グオオッ!!」ギチギチギチ


鎧の巨人「アアアアアッ!!」ギリギリ


ライナー(くっ…ダメだ。足がダメージを負っていて振り払えん)


ジャン「鎧の巨人も抵抗してるが…いけそうだぞ!!」


アルミン「エレン!そのままケリを着けてやれえええ!!」

エレン(絶対に勝つ……勝ってやる…ライナーに!!)



ミカサ「頑張れエレン!ファイトだエレン!」


アルミン「目指せええええええ!!巨人チャンピオオオオオオン!!!」



エレン(とどめだ!!!)



グオオオオオオオッ!!!!!




ザッ…ザッ…


アニ「…」ザッ



アニ「…決着はついたようだね…」







鎧の巨人「」シュウウウウウ



超大型巨人「」シュウウウウウ






アニ「…私達の負けだよ」





ケニー「…ほう…あの巨人どもを倒すたぁ……すげぇ奴らだ」ヒュンッ


ハンネス「追いついた…!エレンは!?」


キース「ああ…成功したようだ」


ハンネス「は…はは!信じてたぜあいつら!!くそ…本当は俺も行きたかったんだ…」




女部下「…エレンはどうします?隊長…今ならいけますが」


ケニー「ま、今日は休ませてやれ…」


―――――

エレン「……う………」パチ


エレン「こ…ここは…」


アルミン「やあ、目が覚めたようだねエレン、ここは巨大樹の森だ」

エレン「…!ライナーとベルトルトは!?」

ミカサ「そこにいる」


ライナー「よう…参ったよエレン…お前に負けるとはな」

ベルトルト「…」

アニ「…」


ジャン「もうあいつらには戦える体力は無い…まあ俺達もだがな」

エレン「…そうか…俺達は、勝ったのか…」


アニ「…何で私達にトドメを刺さなかったの?」

ヒストリア「当たり前じゃん!何があっても私達は仲間ナカーマの友達だよ!」

サシャ「そうそう!」

コニー「そういう奴だな!」

アニ「はあ?」

アルミン「確かに君達のやった罪は許されないし償うべきだ…だが、今まで何年も一緒に暮らして君達が本当はいい人であることも知っている」

アルミン「簡単に君達を憎んだり敵視なんかできないよ」

ミカサ「うんうん」コクッ

ヒストリア「そう!それ!それが言いたかった!」

サシャ「解説ありがとうございます!」

ライナー「ふっ…こんな状況でも相変わらずだなお前らは…」

ベルトルト「すごいね君達は…」

ユミル「だが、これからこいつらはどうするんだ。壁内に戻れば死罪かもしれんぞ」

アルミン「ああ、それなら僕に提案がある!!」

エレン「ほぉ」

ミカサ「お~っ」

アルミン「君達は人類の味方についてもらう。表向きにはね。それなら君達は死罪になりはしないはずだ、重要な存在になるからね」

ライナー「…すまん…それは無理な話だ」

ベルトルト「ああ…故郷を見捨て壁内側につく事などできない」

アルミン「まあまあ、よく聞いてくれよ。表向きはって言っただろ?」

アニ「…どういう事?」

アルミン「君達自身にも故郷とやらにも何か事情があるのはだいたい察する事はできる。だから君達に故郷を裏切れとは言わないよ」

アルミン「でもさ…今のままじゃ君達は故郷に帰れないし、故郷を裏切る事も嫌だし、このまま壁内と争い続けるのも嫌だろう?」

ライナー「当たり前だ…」

ベルトルト「だから悩んでいるんだよ」

アルミン「じゃあ僕が卒業後に設立を考えている兵団に入ればいい」

アニ「え?」

エレン「は?」


アルミン「その名もアルレルト兵団!壁内も壁外も含めた世界全てを平和に導く兵団だっ!!!」ドオオオオオンッッ



ミカサ「アルレルト…兵団…」

アニ「なんじゃそりゃ」

ヒストリア「なんかかっこいい気がする!」

ユミル(…また何を言い出してんだこいつは)

ライナー「…ど…どういう事だそりゃ…」

エレン「お前…そんなの考えていたのか」

アルミン「ああ!他の兵団は壁内人類の事ばっかりで何か気に入らなかったからね!!」

ジャン「具体的になんだよそりゃ」

アルミン「この世界の謎を解き明かし、壁の内も外も含めた世界全てを救うのが目的だ。そのための障害となるのなら壁内だろうが壁外だろうが戦ってやるさ」

エレン「…」

アルミン「それなら君達も文句は無いだろう?全ては君達の故郷の為でもあるわけだし、壁内にいることで世界を救う手がかりが見つかるかもしれない」

ライナー「…そう…だな…」

ベルトルト「確かにそれなら悪くないかとは思うけど…でも…」

アニ「そんな上手く行くのかい?」

アルミン「わからないよ。でもそれは全ての事に言えるだろ、やってみなけりゃわからない。可能性が少しでもあるのなら自分の望む未来を目指して頑張ろうぜ!!」

エレン「面白そうじゃねぇか。俺もなんかやる気が出て来たぜ!」

ミカサ「頑張ろう~!」

ライナー「…だが…本当にいいのか…俺達は」

エレン「ああもう、しつこいな…もういいよ」

ベルトルト「エレン…」

エレン「正直言って俺はまだお前たちを完全に許すことはできない…だが、アルミンの言っていた通りお前らのいいとこも知ってる」

エレン「だから…しばらくは、お前らを信じてやる」

アニ「うん…ありがとう」

アルミン「まあ、本当に入るかどうかは考えてくれ!まだ卒業までは半年あるからね!」

ライナー「ああ…考えておくよ」

ヒストリア「これにて一件落着だね!」

アルミン「さっ!帰ろう!!」



その後…3人は裁判にかけられたが、104期生達の説得により人類に協力することで死罪にならず解決した。
そして彼等は再び訓練兵としての生活を許された

―――――――数ヶ月後



アルミン「訓練兵卒業まであと1ヶ月だっ!!」

エレン「なんか、早かったなぁ…」

コニー「色々あったなぁ」

ライナー「ああ…正直、俺達が一度エレンを連れ去ろうとしてからまた訓練兵団に戻れるとは思っていなかったよ」

ベルトルト「うん…」

アルミン「ま、今はまたみんなでワイワイ出来るんだからいいんだよ!!」

エレン「ま、俺はまだ…」

アルミン「んなこと言ってライナー達と楽しそうに話してるじゃないか」

エレン「う…うるせぇな!」

ジャン(もうすぐ卒業か…ミカサとはあんま仲良くはなれなかったな…)

アルミン「とか考えているんだろう!?」ズイッ

ジャン「うおっ!?」

アルミン「まあ頑張れ。若いっていいね~」

ジャン「お前も同い年だろうが!」

ライナー「お前もアニに気持ちを伝えておけよ」ポンッ

ベルトルト「な…なにを!?」

ライナー「見過ぎだ。俺でもわかるくらいな」

アルミン「全くだよ、ベルトルト」

エレン「俺がアニと格闘訓練してるとよく見てるよな」

ベルトルト「…」

ベルトルト「ライナーこそ!ヒストリアに気持ちを伝えたらどうなんだ!?」

ジャン「話題を変えたぞ」

ライナー「む…いや、ヒストリアが俺をどう思っているかわからんしな」

アルミン「なるへそ。それで怖いんだね」

ジャン「じゃあ、フロリアンにでも間接的に聞いてみたらどうだ?あいつら姉妹みたいだし何か知ってるかも知れねぇぞ」

ライナー「そうだな…フロリアンにそれとなく聞いてみるか」

アルミン「むう…それはどうかな…」

ライナー「よし、今聞いてくる!」ガタッ

アルミン「あ、待てライナー!」

エレン「行っちまったぞ」

ジャン「なんだよアルミン。別に止めなくていいだろ」

アルミン「いや…なんていうか…僕の勘がこう、フロリアンには聞かない方がいいと訴えてた気がしたんだが」

エレン「気のせいだろ、別に聞いたらいけない理由もないだろ」

アルミン「まあ…うん」

女子寮



ヒストリア「あああああ!また負けた!!」

フロリアン「わーい!また勝った!」

ミカサ「フロリアンは強い」

アニ「ほら、余所見してる場合じゃないよミカサ」

ミカサ「え?…あ、ああ!どうしよう!」オロオロ

フロリアン「もう一度やる?」

ヒストリア「やる!」

サシャ「私にもやらせてくださいよ~」

ガチャッ

ユミル「…なにしてんだお前ら」

アニ「…ビックリした…教官が来たかと思ったよ」

ヒストリア「チェスだよ、ユミルもやる」

ユミル「私はいい…てか誰が持って来たんだよそんなの」

フロリアン「私。実家のレイス家から拝借してきた」

ヒストリア「さっすが!やることがワイルドだよ!」

サシャ「どうせなら高級なお肉も持ってきて欲しかったですけどね」

ユミル「…てかよ、フロリアン。そろそろ自分の部屋に戻らねえと消灯の時間になるぞ」

フロリアン「あ、本当だ!じゃあ私は自分の部屋に戻るね!」

ヒストリア「また明日ね~!」

フロリアン「うん!またね!」

ヒストリア「あはは、フロリアンの笑顔は可愛いなぁ」

ユミル「なんだお前、そっちの趣味があんのか?」

アニ「ユミルが言うなよ…」

ユミル「あ?」

ミカサ「な…仲良くしようよ」オロオロ

ヒストリア「何の話かわからないけど、喧嘩は良くないよ!!」


―――外

フロリアン「…はぁ…外涼しい…」

フロリアン(今日も楽しかったなぁ…)

フロリアン(…これでいいのかな…)

ザッザッザッ

フロリアン「!」

ライナー「よう、フロリアン」

フロリアン「あ、ライナー?」

ライナー「話があるんだが」

フロリアン「え?」

ライナー「その…恥ずかしいんだが…聞きたい事があってな…」

フロリアン「う、うんうん!なに?何でも聞いてあげる!」

ライナー「実はな…」

フロリアン(な…なんだろう…まさか…いやいや、まさか…でもなに…何の話……)ドキドキドキドキ

ライナー「ヒストリアが俺の事どう思ってんのかなって」

フロリアン「…え?ヒストリア?……ヒストリアがどうしたの?」

ライナー「…ああ、実はな…内緒にしてて欲しいんだが、ヒストリアとけっこ…気になっていてな」

フロリアン「…」

ライナー「それで…ヒストリアは俺の事をどう思ってるのか気になってよ。お前なら何か知ってるかなと思ってな」

フロリアン「………あ……」


フロリアン「…ご、ごめん…知らないけど…」

フロリアン「でも、ライナーはいい人だから、悪くは思われてないと思うよ?」

ライナー「そうか、それだけでも少し安心した。また相談でも乗ってもらっていいか?」

フロリアン「え…う、うん…」

ライナー「ありがとうな、今日は遅いからもう寝よう。また明日」

フロリアン「うん…おやすみ…」

ザッザッザッ…

フロリアン「…」


ドクンッ ドクンッ


フロリアン「う…なにこれ…」

ドクンッ


フロリアン「うわ…ヤバい…何この感じ…」


フロリアン「やだ、ヒストリアに嫉妬してんの?私…やだ……」

フロリアン「ヒストリアのこと嫌いになりたく無いのに…」


フロリアン「………今日は…もう、寝よう…」


ザッ…ザッ…

―翌日―

チュンチュン…


ミカサ「いい朝だねー」

ヒストリア「鳥が鳴いてて素晴らしい朝だねー」

サシャ「美味しそうな鳥ですねー」

ユミル「お前…」

アニ「そろそろ朝食だ。食堂行くよ」

ミカサ「うん」

ヒストリア「ご飯!ご飯!」ガチャッ


フロリアン「…」ザッザッ


ヒストリア「あ、フロリアン!おはよー!」

フロリアン「あ、…ん、おはよう…」

ヒストリア「ん?どうしたのその微妙な挨拶ーっ!」ポンポン

フロリアン「…な…何でも無いよ…気にしないで」

サシャ「そうですか?なんだか寝不足な顔してますよ?」

ミカサ「どこか悪いの?」

フロリアン「…」

ヒストリア「ちょっと、本当に大丈夫なの?」

フロリアン「うん…大丈夫だから…もう…」

ヒストリア「心配だよ、何かあったら私がなんでも聞いて…」

フロリアン「何でも無いって言ってるじゃない!!ベタベタしないで!!!」


ヒストリア「!?」ビクッ

ユミル「なんだ?朝から騒がしいな」

ミカサ「…フロリアン?」

フロリアン「…あ…」

ヒストリア「あ…その…私、しつこすぎたね。ごめん…」

フロリアン「あ、いや……その…」


フロリアン「私こそ急に怒鳴って……」

ヒストリア「…今日はゆっくりしときなよ」

フロリアン「…うん…」

ヒストリア「…」

フロリアン「今は…そっとしておいて。ごめん…」

ヒストリア「うん…」


ヒストリア(どうしたんだろ……何か、悪いことしたかな私…)



フロリアン(ああもう…私バカだ、最低だ……あんな態度とって…)


フロリアン(…そういえばウルクリン兄さんから聞いた話もあるんだ……まだあれも私の結論が出せてないのに…)


フロリアン(はあ…私ってダメな奴だな)

フロリアン(……もうイヤだ………何も考えたくない)





ユミル「…どうしたんだよ、お前ら。昨日まで仲良かったのに」

ヒストリア「え、あ…わからないけど…」

ヒストリア「でも、今は…そっとしておいて方が……いいのかな…」

ユミル「…」



ミカサ「…」オロオロ



―――――

父さん!何をしようとしているの!?

エレン…!
腕を出しなさい!!


ゴオオオオオオオッ!!!



エレン「は!?」バッ


アルミン「エレン!大丈夫か!?」

エレン「…え?」

ライナー「さっきまでうなされていたぞ」

ベルトルト「悪夢でも見てたのか?」


エレン「う…頭いて…あれ、何だっけ………忘れた…」ズキッ


アルミン「そうか、まあ悪い夢を見たときは起きて気分転換が一番だ」

エレン「おう…」


エレン(父さんの夢を見てた気がするんだが…何だっけ…思い出せねぇ)

エレン(だいたい俺は何で巨人になれる?父さんは知ってたのか?父さんは今どこで何をやってんだよ…)


ザワッ…


フリーダ「…」



エレン「!?」


エレン(え、誰だ、なんだ今の記憶は………いつの…)


ズキッ


エレン(あれ…忘れた…何だっけ)



―そして、訓練兵団解散式



キース「お前たちは今日より訓練兵を卒業する。では、成績が優秀だった上位10名を発表する」


キース「首席、エレン・イェーガー」

エレン「俺!?てっきりライナーかと…」

ライナー「いいじゃねぇか」

アルミン「さすがエレンだ!」

ミカサ「やったね!」

キース「2番、ライナー・ブラウン」

ライナー「よし!」

キース「3番、ベルトルト・フーバー」

ベルトルト「…」

エレン「何か喋れよ」バシンッ

ベルトルト「あだっ!」

アルミン「うむ、やはり彼等は別格だね」

キース「4番、アニ・レオンハート」

アニ「ん…」

ミカサ「さすがアニだね!」

キース「5番、ジャン・キルシュタイン」

ジャン「よっしゃ、憲兵団だ!」

アルミン「アルレルト兵団への入団おめでとう!」

ジャン「憲兵団だっつーの!」

キース「6番、ヒストリア・レイス」

ヒストリア「やった!」

アルミン「さすがだ!ヒストリア!」

ユミル「良かったじゃねぇか」

キース「7番、マルコ・ボット」

マルコ「良かった、存在感が無くても入れた!」

アルミン「マルコは真の主人公だよ!」

キース「8番、コニー・スプリンガー」

コニー「ふ…俺は天才だ」

アルミン「天才同士頑張ろうぜ!」

キース「9番、サシャ・ブラウス」

サシャ「私も天才でした!!」

コニー「天才三人組か!」

ヒストリア「私も忘れないでよね!!」

アルミン「天才四天王だ!」

キース「10番、ミカサ・アッカーマン」

ミカサ「え、私が!?」

アルミン「やったね!ミカサ!」

エレン「お前はやるときはやる奴だからな」

アニ「おめでとう」

アルミン「アルレルト兵団に入りたい人この指とーまれ!!」

エレン「おう!」

ミカサ「おー!」

ヒストリア「はいはいはいはいはーい!!」

サシャ「はいはいはーい!」

コニー「俺に全て任せとけ!」

アルミン「お、みんなやる気満々だね!」

ライナー「俺達も入るぞ」

ベルトルト「ああ…故郷と壁内人類が争わずにすむ方法を見つけてみせる」

アニ「期待してるよ」

アルミン「おう!僕らも三人に期待してるよ!」


アルミン「…で、後は……ジャンとユミルは強制入団ね」

ジャン「何でだよ!」

ユミル「ふざけんなよお前」


キース「おい、なんだアルレルト兵団とは」

アルミン「僕が考えた兵団です!ザックレー総統からも『アルレルト兵団?別にいいんじゃね?』ってノリで許可を貰いました!」

キース「総統すげぇな!!」



フロリアン「…」

ヒストリア「あ、フロリアン!」

フロリアン「あ…ヒストリア。6番おめでとう」

ヒストリア「うん!」

フロリアン「…」

ヒストリア「…あの……フロリアン…1ヶ月前からずっと…なんか気まずい感じだしさ…」

フロリアン「…」

ヒストリア「ちゃんと話して欲しいんだ…言いたいことがあるなら」

フロリアン「…いや…私の問題だから、ヒストリアは悪くないよ」

フロリアン「…今日1日考えさせて」

ヒストリア「うん」


フロリアン(はあ………もうヒストリアに対しての身勝手な嫉妬もほとんど消えてるんだけど……自分のせいで、普通にしたくても気まずくてなかなか出来ない…)

フロリアン(……兄さんから聞いた話ならエレンとヒストリアを拉致する計画はあと3日後)

フロリアン(みんなに話してエレンとヒストリアを守るか…家族に協力するか…)


フロリアン(もう決めなきゃ…)

ザックレーはん適当ォー!


―――夜―――


アルミン「ふうーっ!訓練兵最後の食事も満足したぜ!!」

エレン「いつもメニューは変わらなかったけどな」

ミカサ「いいの」


ヒストリア「みんなぁ!今までありがとう!私、アルレルト兵団でがんばるよーっ!!」

ユミル「元気だな」

ヒストリア「ユミルも一緒にアルレルト兵団頑張ろうね!!」ポンっ

ユミル「な!?」

モブ「10番以内でいいなぁ…どうせ憲兵団に入るんだろ?」

ジャン「当たり前だろ。内地で快適に過ごすのが一番だ…壁外に行こうなんざアホの考えること…」

アルミン「でも半年前のエレン奪還作戦でノリノリだったよね」

ジャン「はあ!?あれはなぁ…ただテメェらみてぇな馬鹿ばっかりじゃ心配だからついて行ってやっただけでな…」

アルミン「そうか!アルレルト兵団もよろしく頼むよ!」

ジャン「…もう好きにしろ」

ライナー「…アルミンよ…そのアルレルト兵団の事だが、とりあえず先ずは何をするのか考えているのか?」

アルミン「ああ…まずはレイス家から知ってる限りの情報を聞き出す」

ベルトルト「フロリアンからは聞き出せないのか?」

アルミン「たぶんあの子が知ってるの一部だろうし別にいいよ」

アニ「けっこう適当だね…」

アルミン「ちょっと適当くらいが精神衛生上いいんですよ!」

エレン(レイス家は…何で俺を狙うんだ?)

アルミン「とりあえず…訓練兵を卒業したからそろそろ来ると思う。明日以降警戒しておこう」

エレン「今日は警戒しなくていいのかよ?」

アルミン「こんな日に来たら大騒ぎになってしまうよ。そんな自分から首を締めるような真似はしないと思うよ」

ミカサ「お腹いっぱいなってきた…サシャ半分あげる」

サシャ「うひゃあああい!!」パクパク


ヒストリア「…そういえばフロリアンは?」

コニー「おう。なんか走って外に出て行ったぞ」

ヒストリア「そっかぁ…」

ユミル「…」


ザッザッザッ!


フロリアン「はあ…はあ……待ってよ…ここまで来たら人いないから大丈夫でし」


エーベル「…ビックリした。急に追いかけて来ないでよ」

フロリアン「エーベルがこんなとこに居たからよ…しかも私が気づいたら逃げるし」

エーベル「あんたがなに考えてるかわからないからね」

フロリアン「はあ?エーベルこそなに考えてるかわからないわよ」

フロリアン「…何でこんな所にいるの?」

エーベル「何でって…」



パアンッ! パアンッ!



フロリアン「!!銃声!?」ビクッ


エーベル「ちょっと予定より早まってさ…」

フロリアン「な……き、聞いてないよ!?」

エーベル「お父さんの気分がまた変わっちゃってね。しかも凄い急いでる様子でさ…騒ぎになってもいいから今すぐ捕まえてこいって」

フロリアン「う…ウルクリン兄さんは何て言ってるの!?」

エーベル「お父さんに従うってさ。まあ、確かにエレンをレイス家の人間に食わせれば、後は記憶改竄も出来るから騒ぎになっても問題ないけどね」

フロリアン「…!!」

フロリアン(しまった……私が…変なことで勝手に頭を悩まして…考える事を放棄しなければ…)

フロリアン(もっと早く、エレンとヒストリアが拉致される事をみんなに伝えておけば…)

エーベル「あら、その様子なら他の人には伝えてないのね、安心した。そんな後悔した顔するくらいならさっさと言えば良かったのにさ」

エーベル「本当あんたって優柔不断ね」

フロリアン「…ぐっ…」

フロリアン「そうよ!優柔不断よ!ダメな奴よ私は!」

フロリアン「でも…他のみんなだって人のこと言えないでしょ!父さんは言ってる事もやってる事もコロコロ変わって訳わからないしウルクリン兄さんも父さんの意見に流されてばっかりだし!」

フロリアン「だいたいエーベルだって、いつまでもいつまでもクヨクヨ姉さんばっかり見てさ、どうせ訓練兵にいたときエレンにベタベタしてたの油断させる為じゃなくて本当は顔が姉さんに似てたからじゃないの!?」

エーベル「だっ…黙れ!!口を閉じろ!!」ガバッ

フロリアン「むぐっ!!」

エーベル「みんなおかしいわよ…姉さんも母さんも殺されたのに…今じゃさっぱり忘れたように…昔はあんな悲しんでたのに!!」

フロリアン「忘れてなんかないわよ!!今だって悲しいし生きてて欲しいしグリシャは許せないわ!!」

フロリアン「でも、いつまでも悲しんでたってどうにもならないじゃないの!!だからみんな、ダメな部分もあるけど、自分なりに頑張ってんのよ!!」

エーベル「私だってそうよ!!」

フロリアン「わかってるよ!でもエーベルは表に出し過ぎなんだよ!!」

エーベル「だいたいあんた年下の癖に呼び捨てすんな!!」

フロリアン「昔からじゃん!今更そんなこと言わないでよ!!」バッ

エーベル「いたっ!」ズテッ


フロリアン「はあ…はあ……みんな…ごめんなさい…私が優柔不断なせいで……今行くから、無事でいて!!」


タッタッタ…


エーベル「ぐっ…フロリアン、邪魔はさせないよ」

―少し時間は戻る―

ヒストリア「…そういえばフロリアンは?」

コニー「なんか走りって外に出て行ったぞ」

ヒストリア「そっかぁ…」

ユミル「…」



ユミル「ん?」ピクッ

アルミン「…む」ピクッ


アルミン「はっ!!!」キュピリリリリィィィンッ!!


エレン「うお!!?急にどうしたアルミン!!」

ミカサ「なに今の効果音」

アルミン「外から火薬のような銃のような匂いがする…」

エレン「え?」

ライナー「どういう事だ?」ガタッ

サシャ「確かに…なんか嫌な匂いを感じます」

コニー「マジかよ…俺は何も感じねぇぞ」

ジャン「おいおい…まさかこんなタイミングで…」



アルミン「微かに立体機動の音がする…ヒストリア!!」

ヒストリア「はい!?」ビクッ

アルミン「たぶんその後ろの窓から突っ込んで来るから避けろ!!早く!!」

ヒストリア「お、おうよ!」

アルミン「戦いたい人らは戦闘準備!戦いたくない人らは逃げるか教官を呼べ!」

ギィィィィィッ!!

ベルトルト「来る!」

パリイイイイイインッ!!!


ザッ!! ザッ!!

ケニー「ヒストリアとエレンを誘拐しに来たぜえええ、怖いオジサンがよぉ!!バァンッ!!バァンッ!!」


ヒストリア「来たあああああああああ!!!」

ケニー!!

アルミン「出たな!!」

ミカサ「おじさん…」オロオロ

サシャ「後ろからも来ます!!」

アルミン「エレン!君の後ろの窓から来る!避けろ!!」

エレン「んな!!?」


パリイイイイイインッ!!


ザッ!ザッ!

ディルク「ケニー…バンバン言ってる場合じゃないだろう…」

女部下「またふざけてるんですか隊長」

ケニー「なに言ってやがる、俺ぁ大真面目だぜ!!」ダダンッ

エレン「くっ…また来やがった」

アルミン「こんな早く来るとはな……対人制圧劇団め」

ケニー「お、その名前いいな坊主」

女部下「隊長」

ディルク「…」

ケニー「へいへい、わかったわかった怒るなよ」

コニー「目的はなんだ!!」

ケニー「だから、エレンとヒストリアの誘拐だっての」

ケニー「…あとな、この食堂から出ない方がいいぜ。俺の部下共が取り囲んでいるからな。下手に出る奴も外から入ろうとする奴もズドンだ」

女部下「この食堂は他の施設と別に建ててあるから助かった。取り囲みやすいからね」

ディルク「君達はもう訓練兵ではない…だから僕達も今回は手加減は無しだ」



ユミル「…フロリアンが外に出たあと来るとはな」

ヒストリア「え?」

ユミル「もしかしてフロリアンの奴がこいつらを呼んだんじゃねぇのか?」

ヒストリア「フ、フロリアンはそんなことしないよ!」

ユミル「わからねえだろ、お前はあいつを信用し過ぎだ。だいたい最近ずっと様子おかしかったじゃねぇかあいつ」

ヒストリア「…それでも信じる」

ユミル「…好きにしろよ」

アルミン(確かに…外にも複数の人影が見える。しかしこんな大胆な事をするとは……何か向こうにも策があるのか)

エレン「どうすんだよ、アルミン…ヤバいぞこの状況」

アルミン「ああ…色々考えて試行錯誤を試みた結果これは大ピンチだという結論に達した」

ミカサ「…」オロオロ

ライナー「こんな狭い場所じゃ巨人になってもマトモに戦えんぞ」

アニ「うん…外は夜だしね」

アルミン「食堂にも緊急用に立体機動装置はあるっちゃあるんだが数がとても足りない。それにケニ、ディルク…と、あの美人さんも厄介だぞ。顔つきや雰囲気からそう感じる」


ケニー「べちゃくちゃ喋くっててこの状況なんとか出来んのかよ?」

ジャン「ああ…くそ…もうここまでかよ…」

ケニー「おう、エレンとヒストリアさえ大人しく渡しゃ何もしねえよ」

マルコ「ジャン…」

ジャン「…そいつは…できねえな…」

ケニー「はっ!仲間想いな奴らだな」


ヒストリア「何よあんたら!急に現れて食堂荒らしてくれちゃってさ!誰があんたらについていくもんか!!このバカタレー!!」

ディルク「…ヒストリア。これは人類全体の為なんだ。それに心配しなくても君の命は大丈夫だよ」

ヒストリア「君の!?じゃあエレンの命はどうなのよ!!」

ディルク「…心配ない。記憶は生き続ける」

ヒストリア「はあ!?」

エレン「なんだよそれ…テメェら、知ってる事全て話しやがれ!」

アルミン「その言い方…エレンの命は結局ないみたいな言い方だな。ますます交渉に応じる事はできんよ」

ケニー「だが、いま抵抗すりゃ間違いなくテメェら全滅するぜ?」

アルミン「その通りだ!!」

アニ「おい」

アルミン(さて…この状況どうするか)

女部下「隊長…あまり時間はかけられません」

ケニー「そうだな…悪いが、力づくで行こうか」

ヒストリア「く、来るかこの野郎!」

ユミル「…ちっ…」ザッ

アルミン「ユミル!?」

ユミル「…私の巨人ならこの狭い場所でも戦える。隙を見てヒストリアとエレンを逃がせ!」

ヒストリア「ユミル、待って!?」

カアアアアアッ!!

ケニー「ちい!巨人になりやがったな!!」ガチャッ


ユミル巨人「アアアアアッ!!」

ケニー「ぐっ!はえぇっ!」

ヒストリア「ユミル!一人じゃ無理だって!なんで…」

サシャ「ヒストリア!近づいたら危ないですって!」


ディルク「ケニーに加勢してくれ、僕はエレンとヒストリアを捕まえる」

女部下「了解!」


アルミン「全員僕のとこに集まれ!エレンとヒストリアも急げ!!ユミルの行動を無駄にするな!」

エレン「何か考えがあるのか!?」

アルミン「ああ!」

ミカサ「なにを思いついたの!?」

ヒストリア「ユミル…死なないでね」ザッザッ

ディルク「何か企んでいるな!」ガチャッ

ブンッ!

ディルク「うお!?」

ガシャアアアンッ!

エレン「近づいてくんな!」

アルミン「ナイスだエレン!みんなもそのままもの投げて近づかせるな!!」

アルミン「…で、ベルトルト、ライナー!さっきの打ち合わせ通り頼む!」


ベルトルト「わかった!」

ライナー「行くぞ」

カアアアアアッ!!

ディルク「奴等も巨人化した!!」


超大型巨人(頭部のみ)「…」シュウウウウウ


鎧の巨人「…」ズシンッ

アルミン「みんな鎧の巨人の陰に隠れろ!!やれえ、ベルトルト!!」


超大型巨人「…」ピシッ


ボオオオオオオオオンッ!!!


ディルク「ぐっ…熱っ!!爆発と蒸気が…」


女部下「爆発!?」

ケニー「何が起こりやがった!!」

ユミル巨人「オオオッ!!!」ビュッ

ケニー「っと危ねぇ!!ちっ…ディルク!何が起こったんだ!?」

ディルク「超大型巨人が熱蒸気を発したんだ!!しかも蒸気で何も見えない……まさか…!」


バアンッ!バアンッ!!

ディルク(蒸気の中に撃っても手応えも声も無い…やはり、逃げたか!!)

ディルク(勢いの強い熱蒸気でこちらを近づかせず蒸気の力で近くのガラスを割り煙幕で姿の見えない内に脱出か……やるな)


ユミル(よし、脱出したようだな…)

ケニー「バキュウウウンッ!!」バキュウウウンッ

ユミル巨人「…!」サッ

女部下「捉えた!」バアンッ!

ユミル巨人「…っ!!」

ユミル(ちっ、足にもらった!)

ケニー「時間がねぇ、さっさと終わらせるぜ」バッ

ユミル巨人「!!」

ズバッ!!

―食堂の外―


眼鏡部下「中から熱蒸気が、何が起きた!?」

部下A「隊長達は無事だろうか…」

部下B「ん?」


タタタッ!


アルミン「みんな走れ!とにかく走り抜けろ!!」ブアッ

エレン「おう!ミカサもしっかりついてこい!!」

ミカサ「はあ…はあ…」

ライナー「周りには銃持った奴ばっかりか!!」

眼鏡部下「蒸気から出て来たぞ!逃がすな、エレンとヒストリアを捕らえろ!」

ヒストリア「うひゃっ!?」

ジャン「とにかく走れ!止まったら銃の餌食だ!」

コニー「おう!」

サシャ「怖いよー!!」

タタタッ!!

眼鏡部下「3班!奴らの前方に回り込め!!」


ザッザッザッ!!

部下C「逃がすかよ!」

部下D「止まれ!止まらんと撃つぞ!」

ベルトルト「前に回り込まれた!」

アルミン「くそ…まだ待ち伏せがいたのか!」

眼鏡部下「無駄な抵抗は止めておとなしくするんだ」ガチャッ


アニ「くっ…」ザッ

ライナー「よせアニ、あんなの相手に素手は無理だ」

ヒストリア「ああもう!なんでそこまでして追いかけたいのよ!サインでも欲しいの!?」

ジャン「くそっ…ここまでかよ…」


ケニー「その通りだぜ!!」ダンッ

部下「隊長!!」


エレン「ぐっ!あいつらも追いついたのか!?」

女部下「お前たちはよく頑張ったよ」

ディルク「でも…ここまでだ」

ヒストリア「ユミルは!?」


ザッ…


ユミル「すまねぇ…私1人じゃやっぱり厳しかった……」ボロッ

ヒストリア「ユミル!!」

ケニー「ほう…やっぱ巨人化能力者ってのはしぶといな」

サシャ「ユミル!怪我大丈夫ですか!?」

ミカサ「早く応急処置しなきゃ!」

ユミル「これくらいなら明日には治るが…今日はもう動けん」

ヒストリア「ぐっ…!よくもユミルを!!」

ケニー「俺だってユミルにボロボロにされちまってるよ、お互い様だ」

ディルク「さあ、エレンとヒストリアを引き渡せ」

ヒストリア「うるせえ!」

エレン「うるせえ!」


ライナー「外は暗くて巨人化ももう無理だ…」

ジャン「はあ…万事休すかよ…」


アルミン(どうする…立体機動装置も何の装備もない…周りは強敵だらけ………どうする!?)

ザッザッザッ!

フロリアン「みんな!!」タタタッ

アルミン「!!」

ヒストリア「フロリアン!」

ケニー「おっ?」

フロリアン「はあ…はあ…なに、この状況…」

フロリアン(ケニー…ディルク兄さんに……うわ、対人制圧部隊全戦力が来てるじゃん…なにこれ…どうすんのよ…)

フロリアン(私の決断が遅かったせいだ…)

ケニー「フロリアン、お前からもこいつらを説得してやれよ」

フロリアン「…え?」

ディルク「君ならわかるだろ?これがどれだけ重大なことか…何としてもエレンは連れて行かなければならない」

フロリアン「…」

ディルク「姉さんの死を見てなんとも思わなかったか?力を取り返してやりたいと思わなかったか?」

フロリアン「そ、そりゃ…姉さんは大好きだし…殺した奴は絶対許せないけど……でも、エレンは…何も悪くは……」

エレン「…え?」

ヒストリア「ちょっと、どういうこと?」

ディルク「…」

ユミル「…」

ユミル「フロリアン、お前じゃないのか?こいつらをここに呼んだのは」

フロリアン「…え?」

ユミル「どうなんだ」

フロリアン「ち、ちが…」

モブ訓練兵「そうだ、きっとあいつだよ」

モブ訓練兵「フロリアンは裏切ったんだ」

フロリアン「な…!」

ヒストリア「ちょっと待ってよ!」

ユミル「そうだ待てよ。私も確認で聞いてるだけだ、結論を急ぐなよ」

フロリアン「…わ、私じゃ…」

フロリアン(………)

フロリアン(いや、みんなを逃がすには…)

ユミル「…」

フロリアン「…ふん、そうよ。私が呼んだのよ。よくわかったわね、ユミル」

ヒストリア「ちょっ…え!?」

ケニー「はあ?」

ディルク「…」

ヒストリア「フロリアン!なに言ってるの…嘘だよね!?」

フロリアン「…」

フロリアン「黙りなさい」ドフッ!

ヒストリア「かはっ!?」ドサッ

サシャ「ヒストリア!?」

ライナー「お前…!」

フロリアン(うわあああ!ごめんごめんごめん!)

フロリアン「…おとなしくついてきなさいって言ってるの。このままじゃしぬわよ全員」

ヒストリア「な…なんで…」

フロリアン「あんた、銃貸しなさい」

部下A「え?」

フロリアン「早く貸しなさいって!」

部下A「は、はい!」

フロリアン「エレン!来なさい!来なきゃヒストリアの足吹っ飛ばすよ!!」

ミカサ「フロリアン…本気なの!?」

エレン「テメェ…なに考えてんだ!!」

ジャン「やっぱあいつは信用するべきじゃなかったのか…?」

フロリアン「あのね、今の自分達の状況を考えなさい。あんたらはどんな抵抗しようが対人制圧部隊には絶対にかなわない」

エレン「うるせえ!!」

アルミン「わかった。エレンを引き渡す」

エレン「えええ!!?」

ユミル「ヒストリアも好きに連れてけよ。私は何より自分の命が大事だ」

コニー「お前!?」

フロリアン「…そう…ありがとう…」

エレン「な…何でだよお前ら!!」

ライナー「何考えてんだおい!!」

ケニー「賢い選択だな、来いよエレン」グイッ

エレン「うわっ!?離しやがれ!!」

フロリアン「ねえ…ディルク兄さん。レイス領地礼拝堂の地下室でお祈りするのいつだっけ?」

ディルク「ん?何だい突然…とりあえず明日はお祈りより大事な事があるだろ」

フロリアン「そうだね、明日礼拝堂の地下室ね」

ディルク「ああ…」

ザッザッザッ…


コニー「おい。行かせていいのかよ!?」

アルミン「ああ。フロリアンの言ってた通り抵抗しても無駄に犠牲者が出ただけだ」

ミカサ「で…でも…」オロオロ

ユミル「まあ落ち着けよ。とりあえず明日取り返しに行けばいいだろ」

ジャン「明日って…場所とかわかるのかよ!?」

アルミン「それならさっきフロリアンが教えてくれたジャン」

ベルトルト「え?」

アルミン「レイス領地礼拝堂の地下室に…明日だ」

ライナー「ちょっと待て…じゃあ、フロリアンは…」

アニ「…演技だったの?」

アルミン「そうだね」

ジャン「…ユミル、お前が疑ってたのも演技なのか」

ユミル「最初はマジで疑ってたさ。だが、あいつの表情見てわかった」

アルミン「とりあえず今日は体力を回復し作戦を立てよう。あと、ライナー、ベルトルト、アニ、何か話せることあったら言ってくれ」

ライナー「…実はな…エレンがどうなるか何となくだが予想がつく」

アルミン「ほう」

ライナー「…エレンは…恐らく、レイス家の誰かに食われる」


―――――

エーベル「…なぁに、あんたも家戻るの?」

フロリアン「悪い?」

ヒストリア「…」

エレン「…」

エレン(くそ…全身縛られて身動きとれねぇし喋れねぇ…なんでこんな目に…)

エーベル「…はあ…疲れた。寝よ」

フロリアン「…」

ケニー「よう、フロリアン」

フロリアン「!」

ケニー「仲間逃がすためとは言え思い切った事やるじゃねぇか」

フロリアン「な…」

ケニー「悪いな、俺にはバレてるぜ」

フロリアン「…」

ケニー「だが、奴らとは一度本気でやってみたかった。今日は俺らの不意打ちだったからな…」

ケニー「明日が楽しみだな」


俺も楽しみ

――――――

アルミン「…で、明日の作戦だが…」

ミカサ「…」

ジャン「…」

ライナー「…」

アルミン「まず、ライナー達から聞いた話ならレイス家は誰かを巨人化させエレンを食うつもりらしい」

ベルトルト「ああ…おそらく彼等の目的はそうだ」

アニ「そして、その力は元々王家にあったものだと故郷では聞いている」

ライナー「しかもレイス家がその力を持てば記憶改竄も可能だ」

ユミル「エレンが食われる前に取り返さねぇとマズい事になるな」

アルミン「ああ。それで場所は恐らくここの事だ」バッ

アルミン「レイス領地内にある礼拝堂…ここの地下室」

アルミン「この中はたぶん対人制圧部隊が防衛しているはずだ。それらを突破しなくてはならない」

サシャ「またあんなのと戦わなきゃいけないんですか…」

アルミン「大丈夫、今日ほどは苦戦しないさ」

ミカサ「そうなの?」

アルミン「まず今日みたいに不意打ちじゃないから準備を万端にして挑めるし…エレンをここで食うという事は巨人化が可能なくらい広い空間だ」

ライナー「そうだな」

ジャン「だが、またあんな数で来られたらたまったもんじゃねぇぞ」

アルミン「うん。それも心配しなくていい…そんな一カ所にまとまって防衛する事はないと思う。何カ所かに分かれて居るはずだ。今回はずっと戦いやすいよ」

コニー「お、なんか行けそうな気がしてきたな」

アルミン「僕もだよ。巨人化も出来るし…しかし油断はいけない」

コニー「おう!」

アルミン「さあみんな!明日は必ずエレンとヒストリアを取り返すぞ!!これがアルレルト兵団最初の戦いだぁ!!」

ミカサ「おー!」

サシャ「おーっ!」

ライナー「おおお!!」

―レイス家―


フロリアン「…ふう…」

エーベル「…フロリアン」

フロリアン「!」

エーベル「わたしはあんたを信用してないからね…余計な事すんじゃないわよ」

フロリアン「…わかってるよ」

ザッザッザッ…

ディルク「…エレンとヒストリアは明日礼拝堂の地下室に連れて行くが…君はどうする?」

フロリアン「私は父さんの側にいる」

ディルク「そうか。わかった」

ディルク「ちゃんと風呂にも入っておけよ」

フロリアン「は~い」

ガチャッ

フロリアン(…さて…ここからどうするか…)

フロリアン(私1人じゃエレンとヒストリアを連れて逃げるのはまず無理。だから出来ることと言えば…父さんの側にいて時間を稼ぐ事だけど)

フロリアン「…あ、そういえばエレンとヒストリアは今…」

エーベル「父さんとウルクリン兄さんの所よ」

フロリアン(…ヒストリアとエレンにあのこと話さないよね…まさか…)

フロリアン「ちょっと出てくる」ガタッ

エーベル「フロリアン、父さんと兄さんのとこに行く気?」ポンッ

フロリアン「!!」

エーベル「余計な事しちゃダメでしょ?行っちゃダメ」

フロリアン「…っ」

エレン(…う…)

エレン(気絶してたのか?ここは…)ガタッ

ケニー「よう、目が覚めたようだなエレン」

エレン(ぐっ、お前は!)


ヒストリア「…」

ロッド「…ヒストリア…」カチャッ

ヒストリア「ぷはっ!てめぇ!私らをさらって何考えてんだこのクソジジイ!!」ガタッ

ギュッ

ヒストリア「!?」

ロッド「ヒストリア…今まですまなかった」

ヒストリア「はっ、………は!?」

ロッド「お前の為にはああするしか無かったんだ。本当はお前をこうして抱き締めるのを待ち望んでいたんだ」

ヒストリア「な…今更、んなこと言ってんじゃないわよ!!離せ!!」

ウルクリン「ヒストリア…落ち着くんだ」

ヒストリア「…!あんたは?」

ウルクリン「俺はウルクリン。フリーダ姉さんの弟で…フロリアンの兄だ」

ヒストリア「…な、何を考えてるのよ。あんたたちは」

ウルクリン「ヒストリア…姉さんが死んだのは知っているか」

ヒストリア「知ってるよ。原因はわからないけど…」

ウルクリン「フリーダ姉さんは…」

ウルクリン「そこにいるエレン・イェーガーの父親に殺された」


ヒストリア「………は?」

エレン(!!?)

エレン(何だって…親父が!?なに言ってんだ!?)

ヒストリア「…な…そんな話…信じるわけ!」

ウルクリン「嘘だと思うか…」

ロッド「…いい、ウルクリン…明日全て話す。あの場所で話した方がエレンの記憶を呼び覚ます事も出来るだろう」

ウルクリン「うん、わかった」

ロッド「ヒストリア…もう少しここにいてくれ。すまない」

ヒストリア「………」

ヒストリア(あのウルクリンとかいう人…嘘を言ってる感じじゃなかった…どういうこと?エレンのお父さんに?なんで?)

エレン(どういうことだよ…本当なのか?父さん!!)

―――翌日―――



ロッド「…ヒストリア…行くぞ」ガチャッ

ヒストリア「…」

ウルクリン「どうした?」

ヒストリア「なんで…姉さんがころされたの?」

ウルクリン「…それは向こうで詳しく話すよ。父さん、エレンは?」

ロッド「ディルクが先に運んで行った。私達も早く行くぞ」

フロリアン「待って、私も行く」

ロッド「そうだったな…エーベルは?」

フロリアン「え?見てないけど」

ウルクリン「…そうか」

フロリアン(エーベルもディルク兄さんも何か考えてるみたいだけど…私はとにかく時間を稼ぐ事に集中しよう)

ヒストリア「…」

フロリアン「ヒストリアは私が連れて行く」

ロッド「そうか。任せたよ」

フロリアン「ごめんね。礼拝堂につくまで拘束したままだけど我慢して」

ヒストリア「フロリアン」

フロリアン「!」

ヒストリア「姉さんは…エレンのお父さんに殺されたの?」

フロリアン「え…っ」

フロリアン(やっぱり聞いたんだ…どうしよう…)

ヒストリア「…なんで…姉さんは何かしたの?」

フロリアン「…」

ウルクリン「向こうで詳しく話すと言ったろ。早くして」

フロリアン「う…うん」

ロッド「さあ、馬車に乗って」

フロリアン「…」

フロリアン「父さん、カバン持つわ」

ロッド「ああ。助かる」

パシッ

フロリアン「きゃっ!」ズルッ

ガチャアアアンッ!!

ウルクリン「あ!!」

フロリアン「ご…ごめんお父さーん、注射器割れちゃっ…」

ガシイッ!!

ロッド「フロリアン!!」ギョロッ

フロリアン「!?」ビクウッ

ロッド「ダメだろ?注射器を壊したら…」

フロリアン「ご…ごめんなさ…」ビクビク

ウルクリン「全く、また注射器と薬持って来なきゃ」

―――礼拝堂地下

エレン「…」

エレン(訳の話からねぇままこんなとこまで来た…くそ、またさらわれて拘束されるなんて)

フロリアン「…エレン、ごめんね、少し辛抱して」ボソッ

エレン「!」

ウルクリン「…そろそろヒストリアが来る頃か」

フロリアン「…」

ロッド「…おいで、ヒストリア」

ヒストリア「…手をつかまないで」

ロッド「…親子だからいいだろ」

ヒストリア「うるさい」


ヒストリア「…!」ザッ

エレン(ヒストリア!)

ヒストリア「エレン!?ちょっと…なんでエレンがあんな格好なってんのよ!!なに考えてんの!?」

ロッド「落ち着けヒストリア…心配しなくてもエレンはすぐに解放される」

ウルクリン「…じゃあ、昨日の話の続きをしようか」

ヒストリア「そう、それ。どういう事なのよ」

フロリアン「あ…待って、私が話すから」

ウルクリン「いや、君は何もしなくていいよフロリアン…」

フロリアン「な!?」

ロッド「お前は注射器を落としたりして頼りないからな。まあ、そこも可愛いところだがこういう大事な時はな…」

フロリアン「あ、ちょっと…」

ヒストリア「…私は何も知らないから、今だけはおとなしくしてやるわ。さっさと話しなさいよ」

ウルクリン「…ここまで来るんだ」

ロッド「この場所と我々の血なら…エレンの記憶を呼び覚ます事も出来るだろう」

ヒストリア「は?」

エレン「…!?」

ロッド「ヒストリア…エレンの背中に触れろ」ポンッ

ウルクリン「さあ…ヒストリア」ポンッ

ヒストリア「…?」

フロリアン「ま、待って!」ガシイッ

ヒストリア「わ!?」

ウルクリン「フロリアン!?」

フロリアン「そ…そんな、見せようとしなくたって!口で説明すればいいじゃない!」

ロッド「言ってる事がめちゃくちゃだフロリアン」

フロリアン「う…!」

ウルクリン「どうしたんだ全く、離れろ」バッ

フロリアン「わっ!」

ロッド「さあ…ヒストリア」ガシッ

ヒストリア「あっ!」

ピタッ

エレン「…!!」

ビリッ

フロリアン「離して兄さん!」バタバタ

ウルクリン「全く、どうしたんだ!!」
ザッザッ…

エーベル「兄さん、そいつ眠らした方がいいわ」

ウルクリン「エーベル!」

フロリアン「!」

エーベル「そいつ私達の邪魔をする気だから」

ウルクリン「…そうか。邪魔されるわけにはいかないんだ、すまないフロリアン」

フロリアン「待って!わざわざあんなむごいの見せなくたって…」

ウルクリン「眠っててくれ」バシッ

フロリアン「う…っ」ガクッ

ドサッ

ウルクリン「…さて…」


ロッド「…見えるか…ヒストリア。彼の記憶が」

ヒストリア「こ…これは…!」

エレン「…!!!」


ゴオオオオオッ!!!


――――――


グリシャ「…人類を解放するか、力を渡すかを選択してくれ」

フリーダ「…それは無理…」

グリシャ「そうか…なら、仕方がない」スッ

ロッド「フリーダ!」

フリーダ「巨人化する!みんなは逃げて!」

エーベル「姉さん!一緒に逃げようよ!」

フリーダ「危ないから離れなさい!」

ウルクリン「姉さん!」

フリーダ「…」ガリッ


カアアアアアアッ!!


グリシャ巨人「オオオオオオオッ!!!」


フリーダ巨人「アアアアアアアアアアッ!!」


フロリアン「ママ…お姉ちゃん大丈夫?」

レイス母「大丈夫…信じなさい」グッ



―――――

ロッド「…グリシャは巨人の力を持っていた。そして彼の目的は…我々レイス家の持つある力だった」

エレン「…」

ヒストリア「…」


ロッド「それはフリーダが持っていた、全ての巨人を超越する神の力…しかし…」

ロッド「フリーダは経験が足りなかったのか力を使いこなす事ができなかった…」

――――――

グリシャ巨人「オオオオオオオッ!!」
フリーダ巨人「アアアアアアアアアアッ!!」

バシイイイッ!!

フリーダ(まずい…このままでは…)

ドオオオオンッ!!

グリシャ巨人「…」ググッ

フリーダ巨人「!!」

グシャッ!!


―――

ロッド「フリーダはグリシャに敗北した」

グリシャ巨人「…」ガパアッ

ガブッ!!

ウルクリン「あ…」

ディルク「姉さん!!」

エーベル「お姉ちゃあああああん!!!」

フロリアン「うわああああああああん!!!」

グリシャ巨人「…」ギロッ


―――――

ロッド「フリーダはグリシャに食われたのだ」

エレン「……」

ヒストリア「……」

ロッド「そしてグリシャは更に我々一家に襲いかかってきた…レイス家を根絶やしにするためだ」


――――――

グリシャ巨人「オオオオオオオッ!!」

レイス母「…あなた、ウルクリン!子供たちを連れて早く逃げなさい!」

ロッド「お前…まさか!」

ウルクリン「巨人化の注射を打つ気か母さん!?」

レイス母「無知性巨人でも…時間稼ぎにはなるはずよ」ザッ

フロリアン「お母さん!やだ!やだ!」

エーベル「お姉ちゃんをよくもおおお!!」

ディルク「くそおおお!!」

レイス母「エーベル!ディルク!あなたたちも逃げなさい!」

ドシンッ ドシンッ ドシンッ


ロッド「…すまない…」

レイス母「いえ…いつか、あなたが本当に望む世界が来ますように」


カアアアアアアッ!!


―――――

ロッド「私の妻は無知性巨人になったが…彼女の打った巨人は普通より強力な巨人だった。だからその内に私達は逃げることが出来た…しかし、神の力と娘のフリーダ…そして妻を失ったのだ」

エレン「…」

ヒストリア「…」

ロッド「そのあとはお前がよく知っているだろう。エレン」

ゴオオオオオッ…




―――――

エレン「父さん!何をしようとしてるの!?」

グリシャ「エレン……お前はこれからこの力を使いこなし地下室を目指さなくてはならない。この鍵を見るたびに思い出せ…使い方は、彼等の記憶が教えてくれるだろう」

エレン「…」

グリシャ「エレン…腕を出しなさい!」

エレン「あ…うああああああ!?」

カアアアアアアッ!!

エレン巨人「…」ゴオオオオオ…

グリシャ(…さあ、私を食らえ)


ガパアッ


バクッ!!!



シュウウウウウウウ………


エレン「…お……父…さん…?」


うわああああああああ!!!

―――――――

ロッド「思い出したか?父親の罪を…そして」

ロッド「お前がどのようにして力を手に入れたのか」


エレン「………」

エレン(親父が…本当に、ヒストリアの家族を………そして…)

エレン(俺が…父さんを………)

エレン「………」

ロッド「暴れる気力も無くなったみたいだな」

ヒストリア「ね…姉さん……」ボロボロ

ロッド「…姉さんの記憶が見えたか?」

ヒストリア「本当に…姉さんは、殺された……」ボロボロ

ロッド「そうだ。姉さんの仇を討ち、力を取り返さなくてはならない。ヒストリア…」

ヒストリア「…」


エーベル「ようやく記憶を思い出したのね…エレン」

エーベル「わかった?あんたの親父のせいで私らはめちゃくちゃにされたんだよ…親父の罪を償ってよ」

エレン「…」

ヒストリア「え…エレンは…」

エーベル「!」

ヒストリア「エレンは関係ないでしょ」

エーベル「は?」

ロッド「関係ないだと?彼はグリシャの息子だぞ」

ヒストリア「子供なら罪被らなきゃいけないの!?おかしいでしょそれ!!」

ロッド「…姉さ

ロッド「…姉さんの無念を晴らしたくないのか?」

ヒストリア「そりゃ…悲しいし、悪いけどグリシャさんを許すことは出来ないよ。でも…それとこれとは別でしょうが!」

ウルクリン「…ヒストリア…これは人類の命運がかかっているんだ」

ヒストリア「…え?」

ウルクリン「姉さんの持っていた力があれば…巨人から人類を守ることも全ての巨人を駆逐することも可能なんだ…しかし、グリシャにその力が奪われた。そして人類は今ここまで追い詰められている」

ロッド「この力は…レイス家の者で無いと使えない。エレンの中にその力がある限り、この地獄は続くのだ」

エレン「…」

ヒストリア「え…」

ロッド「ヒストリア…お前こそが力をふさわしい者だと私は判断した。だからこそここまで連れてきたのだ」

ヒストリア「え…なにそれ…つまり…私が…エレンを…」

ウルクリン「そうだ」

ヒストリア「で、出来るわけ無いじゃない!」

エーベル「あーもう面倒くさい。本人の話も聞いてあげましょ」カチャッ

ウルクリン「エーベル!?」

ロッド「お前…」

エーベル「ほら、言いたいことあるなら言いなさいよ」

エレン「…」

ヒストリア「…」

エレン「俺は…いらなかったんだ」

ヒストリア「…え?」

エレン「ヒストリア………俺を……食ってくれ」

エレン「俺の父さんはお前の家族を…大事な姉さんを殺した……そして、レイス家から力を奪い人類を追い詰めたんだ」

ヒストリア「…」

エレン「俺は生きてるだけで迷惑なんだ…もう辛いんだよ。生きていたって…」

ヒストリア「そ、そんなこと…」

エレン「俺は…いらなかったんだ」

ヒストリア「…」

エレン「ヒストリア…俺を食って、人類を救ってくれ」

ヒストリア「え…ちょっと…待って…」

ロッド「ヒストリア、打つんだ」

ウルクリン「これで巨人になりエレンを食えばいいんだ」

ヒストリア「待ってよ…まだ…」

ロッド「エレンもああ言っている。食べるのが彼の為でも人類の為でもあるんだ」

エレン「俺のせいで全てめちゃくちゃにしたんだ…食ってくれ、ヒストリア」

ヒストリア「…」

ヒストリア(な…なにこれ…どうしたらいいの…わからない……)

ロッド「さあ、注射器を持て」

ヒストリア「あ…」パシッ

ロッド「さあ」

ウルクリン「やるんだ」

エレン「…」

ヒュンッ!!

ロッド「!」

ヒストリア「え!?」

バシイッ

ディルク「よし、捕まえた」ヒュンッ

ウルクリン「ディルク!?」

ディルク「ケニー…注射器だ」

ケニー「ナイスだぜディルク」ヒュンッ

ロッド「貴様ら!何を考えている!」

ディルク「見ればわかるでしょう、父さん」

ケニー「俺がエレンを食うんだよ」

ウルクリン「…邪魔はさせない…」

カアアアアアアッ!!

ウルクリン巨人「オオオオオオオッ!!」

ケニー「ぐっ…巨人になりやがったな!」

ウルクリン(注射器を返してもらう)

ウルクリン巨人「オオオオオオオッ!!」

ボオオオオオオンッ!!

ディルク「ぐあっ!!?しまった、注射器を…」ポロッ

ケニー「なんつー爆風の蒸気だ!!」

ヒュンッ

ロッド「よくやったウルクリン…注射器は取り返した」パシッ

エーベル「…やっと隙が出来たわ」ガリッ

カアアアアアアッ!

エーベル巨人「…」ズシンッ

ウルクリン巨人「!!」

エーベル巨人「…」ガパアッ

ディルク「ぐっ…エーベル、エレンを食う気か」

ロッド「ええい、エーベルまでか!」

ケニー「邪魔すんなエーベル!」ヒュンッ

エーベル(ちっ!エレンは私が食うのよ!!)

ロッド「ウルクリン!奴らを止めろ!」

ウルクリン巨人「オオオオオオオッ!!」

ヒストリア「…う…」

ロッド「ヒストリア、早くするんだ。エレンも食われる事を望んでいる」

ヒストリア「…」

ヒストリア(どうすればいいの…私…)

ヒストリア(姉さんは殺されて…相手はエレンのお父さんで……しかもエレンに力がある限り人類が地獄だとか…私…どうすればいいのよ…)

ヒストリア(…そういえばフロリアンとも気まずいままだったな…)

ロッド「ヒストリア…やるんだ」

ヒストリア(…なんか……疲れちゃったな……)



「ヒストリアアアアアアアアアアアッ!!」


ヒストリア「…っ!!」

―礼拝堂前―


アルミン「ここだな……ついさっき馬車が止まった跡がある。間違いないぞ。あと微かにヒストリアの匂いがする」クンクン

ミカサ「さすがアルミン!」

サシャ「本当ですね、ヒストリアのフローラルな香りが残っています」クンクン

コニー「マジかよ、俺にはヒストリアの香りなんてわかんねえぞ」クンクン

ライナー「…」クンクン

ユミル「お前ら変態に見えるからやめろ…」

アルミン「ユミル。真面目な話ヒストリアの香り分かる?」

ユミル「…まぁな」

ミカサ「わかるの!?」

ライナー「お前も仲間だな」

サシャ「仲間ですね、ユミル!」

ユミル「なんの仲間だ!!」

ジャン「どんな状況でも相変わらず緊張感のねぇ奴等だな…」

アニ「それがこいつらの強さでもあるんだよ」

ベルトルト「うん、僕もそう思う」

ジャン「そうなのか?」

マルコ「アルミン…そろそろ入ろう」

アルミン「そうだね……野郎ども!準備はいいかーっ!?」


「おおおおおっ!!!」

アルミン「うん!いい返事!!」

ミカサ「行こう!」

ユミル(ヒストリア…無事でいろよ)



タッタッタッタッ………


アルミン「まず、この礼拝堂の地下室は…恐らく巨人化のできる広さがあるはずだ。そんな広い場所なら柱も複数あるかもしれない。そうなれば立体機動装置で有利に戦えるがそれは向こうもだ」

ジャン「しかも相手は強力な飛び道具だ…苦戦は必至だぞ」

アルミン「それならこっちだって巨人がいるさ」

ライナー「おう」

アニ「まあ…巨人化した方がいいかはその時の状況で決めるさ」

アルミン「そして対人制圧部隊を突破してもレイス家兄妹がいる。エーベルと…あと1人は巨人化してくる考えで行った方がいい」

コニー「でもエーベルの巨人は3m級だったんだろ?なんとかなるんじゃねぇか?」

ベルトルト「いや…ある程度巨人化を使いこなすようになればある程度大きさも変えることができるんだ…限界はあるけどね」

ベルトルト「巨人戦なら恐らく10m級でくることを想定した方がいい」

ユミル「…階段を抜けるぞ」

アルミン「おう」

ザッザッ


ミカサ「うわ…広い」

サシャ「なんか凄い柱がたくさん生えてますよ…綺麗ですね」

アルミン「ああ、つい弁当を食べたくなる美しい景色だが、今はそれどころではない」

ユミル「アルミン…わかるか?」ボソッ

アルミン「ん?」

ユミル「すぐ先の柱の影に複数隠れている」

アルミン「ああ…僕も今きづいてしまったところだよ」

ミカサ「ど…どうするの?」

ジャン「こっちから不意打ちするか?」

アルミン「…いや…」

アルミン「ユミル、アニ。巨人化で頼む」

ユミル「さっそくか」

アニ「巨人化は体力を消耗する…あまり簡単に使わない方がいいと思うけど」

アルミン「わかってるさ。向こうまでちょっと突っ走ってくれるだけでいい」

ライナー「…それで奴等をおびき寄せるのか?」

アルミン「そうだ。急に巨人が突っ込んできて慌てて出てきたところを後ろから叩く」

ベルトルト「わかった」

ユミル「それくらいなら巨人の負担も少ないな」

アニ「じゃあ…やるか」

カアアアアアアッ!!



部下A「…ん?いま後ろで光らなかったか?」

部下B「え?」


ズシンッズシンッズシンッズシンッズシンッズシンッ!!

部下C「な…この音は!」

女型の巨人「…」ズシンズシンズシン!!

ユミル巨人「…」ダダダダダダッ


部下D「巨人だあああああ!!」

部下E「まずい!先にに行かれた!」

部下A「止めろ!巨人を先に行かせるな!」バシュッ

バシュッ!バシュッ!

アルミン「出てきた!狙ええええ!!ワイヤーを足に撃て!!」ビシュッ!

ジャン「おらあああ!!」ビシュッ

ライナー「もらった!」ビシュッ

ビシュッ!ビシュッ!ビシュッ!

部下A「な…」
部下B「しまった!後ろから…」

ドスッ!ドスッ!

部下B「ぐぎゃっ!」
部下A「ちくしょう!ワイヤーで足にもらっちまった!」
部下C「いてーっ!」
部下D「もう帰りたい!」

サシャ「やった!うまく行きましたよ!」

アルミン「ああ!足を攻撃すればバランスも取れなくなるからしばらく動けないだろ!」

コニー「よっしゃ!行けそうな気がしてきたぜ!」

ジャン「油断すんな!」

部下E「ふ…やるな…行けよ。若者達よ…」


タッタッタッタッ…

ジャン「…」タッタッタ

アルミン「…」タッタッタ

ミカサ「つ…疲れてきた…」

アルミン「まだまだ先だぞ、ファイト!」

バシュッ!バシュッ!

アルミン「む」

マルコ「来た!!」

女部下「よし、いい位置に来た!囲め!」

眼鏡部下「はっ!」

その他部下「はっ!!」

スタッ

ジャン「…ちっ…囲まれたか」

女部下「悪く思うな…このまま一斉砲撃をかけろ!!」

モクモクモクモク…

女部下「…!!」

眼鏡部下「隊長…遠くから煙幕が!!」

女部下「なに!?どこから!?何故だ!」

ライナー「ふっ…」


モクモクモクモクモクモク…

眼鏡部下「なんて量の煙幕だ…視界が悪い」

その他部下「どこからこんな煙を用意したんだ!」

その他部下「撃ちますか!?」

女部下「やめろ!今の状況で無闇に撃てば仲間に当たる可能性がある!」

バシッ!バシッ!

その他部下「ぎゃっ!」

その他部下「ぐえっ!」

眼鏡部下「…!この視界の悪さで向こうから攻撃できるのか!?」

女部下「声を出すな!奴らは私達の声を目当てに攻撃してくる!」

女部下(くっ…どういう事だ…これだけの量の煙をどこから…)



アルミン(よし、向こうは混乱している様子だな…)

アルミン(ふっ…この作戦を教えてあげよう。まずはサシャの優れた視力聴力嗅覚で敵の居場所を察知してもらう)

アルミン(そして敵が複数いる地点の近くで巨人組全員を巨人化させすぐに巨人化を解き敵のいる地点へ向かう)

アルミン(そして僕らを見つけ敵もそこに密集してくる)

アルミン(その後時間差で巨人の残骸からでる大量の蒸気がこの敵の密集する地点まで流れてきて、大規模な煙幕となるのさ)

アルミン(その後、敵は視界が見えないから声で伝えあうしかない。その声を頼りにこちらから攻撃を仕掛けるという寸法さ!)

シュウウウウウ…


女部下(よし…煙が晴れてきた、ここから反撃に…)

眼鏡部下「な…!」

女部下「…!」



シュウウウウウ…




女部下「…いない!?奴等…さっきの煙に紛れてどこかに隠れたのか!?」

眼鏡部下「ぐっ…」

女部下(どこだ…どこにいる)



アルミン「よおおおし!飛び降りキックわ食らわしてやれえええ!!」

女部下「!?」

アニ「はあっ!!」ドカッ

その他部下「ぎゃっ!」

ベルトルト「はああっ!!」ドカッ

その他部下「うああ!!」

コニー「くらいやがれ!」ドカッ

その他部下「いだああっ!」

ミカサ「やーっ!」ドカッ

その他部下「かわいい!」

眼鏡部下「上から!?」

女部下「奴等…煙幕に紛れて上に逃げていたのか!?」


アルミン「さっきの煙の中じゃ前後左右は見えないから何があるかわからないけど…上なら見えなくても天井しか無いことはわかるからね」

女部下「!!」

ユミル「お前らもせっかく立体機動装置持ってんなら上に避難すりゃ良かったのにな」

女部下「くっ…」

女部下「だが…まだだ、ここからだぞ」ジャキッ


カアアアアアアッ!!

女部下「!」

アルミン「巨人化の光!?」

ジャン「今、向かうで光ったぞ!」

ライナー「まさか…!」

アニ「急いだ方がいいかもしれないよアルミン!」

アルミン「ああ…」

アルミン「ユミル!先に行ってくれ!君の巨人なら1人で突破できるだろ!」

ユミル「できるのはできるが…」

サシャ「ここは私達に任せてユミルは先に行ってください!」

ベルトルト「後から必ず追いつく」

ユミル「…わかった…すまん」

バシュッ!

女部下「行かせん!」

ジャン「お前を行かせねぇよ!」

アルミン「行くぞーっ!」

――――――

ゴオオオオオオ



ウルクリン巨人「オオオオオッ!!」

バギイッ!!!!!

ケニー「うお、壁を破壊しやがった!!なんつーパワーだ…やっぱり長男は伊達じゃねぇってか?」

ケニー「だが俺だってやられるわけにゃいかねえ!!バキュウウウウウン!!」


ディルク「エレンは君には食べさせない!うなじから出ろ!!」バアンッ!バアンッ!

エーベル巨人「…」ズシンッズシンッ!

ディルク「君のように自分勝手な理由で力を持たれては困るんだよ」

エーベル(自分勝手ですって?自分の考えが正しいと思っちゃってるあんたも自分勝手よ!)

エーベル巨人「オオオオオッ!!」



フロリアン「…う…」


フロリアン「…はっ!?」バッ


ウルクリン巨人「オオオオオッ!!」


フロリアン(なにこれ…ヤバいヤバいヤバい、こんなときに寝てる場合じゃない!)

フロリアン(ヒストリアは?)

エレン「ヒストリア…俺を、食って…人類を救ってくれ)

ロッド「ヒストリア…彼は食べられる事を望んでいる。人類の為にも神の力を手にするのだ」

ヒストリア「…」


フロリアン「…!!」

ヒストリア「わ…私は…」

フロリアン(ヒストリア…いつもみたいにもっと反抗して!)

ロッド「さあ、やるんだ!」

ヒストリア「…っ」

フロリアン「…!」ガバッ



ダダダダダダッ!!



フロリアン「ヒストリアアアアアアアアッ!!!」


ヒストリア「…っ!!」

フロリアン「はあ…はあ…」

ヒストリア「フロリアン…」

フロリアン「冷たく当たったりしてごめえええん!!!」


フロリアン「わたし、ヒストリアの味方だから!!」

ヒストリア「…!」

ロッド「フロリアン…今は割り込むな」

フロリアン「お父さんが割り込まないで」

ロッド「な!?」

フロリアン「…だから…ヒストリア……急に色々な事を知らされて、パニックになってるんだろうけど…」

フロリアン「周りばかり気にしなくていいから、自分を信じて。自分が本当にやりたい事を選んで。私は味方だから!」

ヒストリア「…」

フロリアン「…お姉さんを思い出して…」

―――――

ヒストリア「私…お姉ちゃんみたいになりたい」

フリーダ「…え!?」

フリーダ「いいよいいよ!ヒストリアは今のままでいいよ!私みたいになっちゃ駄目だよ!」





フリーダ「柵の外に出るなって言ったでしょ!!!私達は罪人なの!出ちゃ駄目なの!!」





フリーダ「ごめんね…ヒストリア…私、また…」


フリーダ「この力と初代王の亡霊は…この世にあってはいけない…」

―――――――


ヒストリア「…!!」

フロリアン「…」

ロッド「なにをしている…早く…」


ガラガラ…!

ロッド「!」

フロリアン「あ!戦いのせいで破片が!?」

ヒストリア「うわっ!?」

フロリアン「危ない!」

ロッド「ヒストリア、避けろ!」


ガシャアアアアアンッ!!

ヒストリア「うっ!?」ビクッ


ヒストリア「…?」



ユミル巨人「…」シュウウウウウ


ヒストリア「あ…ユミル!?」


ユミル巨人「…」ベリッ

ユミル「危ないところだったな…」

ヒストリア「あ…ありがとう…」

ユミル「…」

ロッド「構うな!早く注射を打つんだヒストリア!」

ヒストリア「…」

ユミル「…ヒストリア…」

ヒストリア「!」

ユミル「お前がどう生きようと勝手だ…お前の人生だからな」

ユミル「でもよ…これだけは聞いてくれ。お前がどんな選択をすることになっても…」

ユミル「胸張って生きろよ」


ヒストリア「…!!」


ユミル「…私もエレンを守っておいてやる。後はお前の好きにやれ」

バシュッ!

フロリアン「…」

ロッド「さあ…ヒストリア」

ロッド「打つんだ」



パリイイイイインッ!!!

ロッド「お前の中に神を宿し…私は、神の力がこの世界を救うと信じて……ん?」




壊れた注射器「」





ロッド「!?!?!?!?!?」




ロッド「ヒストリアッ!!!」ガバッ



ガシッ





ヒストリア「とおおおおおりゃあああああああ!!!」


ビタアアアアアアンッ!!!



ロッド「あああああああ!?」ビキイッ


ヒストリア「何が神だ!都合のいい逃げ道作って都合よく人を煽動して!!神なだけに紙のようにペラッペラなこと抜かしてんじゃないわよこの野郎、髪の毛引っこ抜くぞ!!!」

ヒストリア「これ以上…わけのわからないモノに抑えつけられてたまるかってんだ!!」

フロリアン「ヒストリア!!」タッタッ!

ヒストリア「フロリアン…行こう!エレンを助けて…このバカみたいな兄妹喧嘩を止める!!」

フロリアン「うん!」

ヒストリア「フリーダ姉さんが見たら悲しむわよ、こんな光景!姉さんに変わって私が拳骨して土下座させてクドクド説教してやる!!!」

フロリアン「ヒストリア、エレンの鎖の鍵!」

ヒストリア「おうよ!行くよ!」

ダダダダダダッ!!

エレン「…!?お前ら、なにしてんだよ!?レイス家が俺を食わなきゃいけないんだよ!!」

ヒストリア「ちょっとうるさい!」カチャカチャ

エレン「このまま俺が力を持ってたままじゃ人類が危ないんだ!ミカサもアルミンもみんなも、巨人が攻めてきて、もし犠牲になったら…」

ヒストリア「うるせーバカ!泣き虫!水虫!オタンコナス!イケメン!黙れ!」ガンガンガンガンガン!

エレン「痛い痛い痛い!」

フロリアン「おう、ワイルド」


ヒストリア「

イケメンww

ヒストリア「巨人の駆逐も人類守るのもどうだっていいんだ!!ただ私の望む未来に必要だからその過程として巨人と戦うし人類も守ってあげるだけ!!」

ヒストリア「だいたいあんたどうしちゃったのよ!!気持ちはわかるけどさ、もう少し落ち着きなさいよ!!あんたが死んだら悲しむ人はたくさんいるんだよ!!アルミンやミカサや皆が大事なら、まずは生きること考えろよこのアホが!!」

ヒストリア「他にやり方はいくらでもあるんだって証明してみせる!エレン、私はあんたの味方だから、もっとシャキッとしろ!!」

フロリアン「…もちろんグリシャがしたことは許されないし私は正直許せないよ………でも、きっと何か理由があるんだと思うし、理由もなくあんな事ができるわけない」

フロリアン「私が言うのも変かもしれないけど…もう少し父親と自分を信じてもいいじゃない」

エレン「………っ」


ウルクリン(ヒストリア、フロリアン!あいつら…)

エーベル(エレンを逃がす気!?やらせないわよ!!)

ケニー「はっはっは!!おもしれぇぜお前ら!!」

ディルク「ケニー…笑ってる場合じゃないだろう」

ケニー「わかってるさ、エレンを逃がしはしねぇ。だが…ああいうのも嫌いじゃない」


ユミル(ヒストリア…よくやった)


ヒストリア「早くエレンを解放しなきゃ…巨人も来るしユミルが危ない!!」

フロリアン「よし、外れた!!」

エーベル巨人「アアアアアアアッ!!」
ズシンッズシンッズシンッ!!

ヒストリア「!!」

フロリアン「まずい、エーベルが…」

ヒュンッ…!!

ドスッ!

エーベル巨人「!!?」グラッ

ヒストリア「あ!」

エーベル(ぐっ…目をやられた!?)

アニ「危ないところだったね…」ヒュッ

ベルトルト「よし、目は効いた」ジャキッ

ヒストリア「ベルトルト!アニ!」

ライナー「よし、間に合ったか!」

サシャ「エレンもヒストリアもフロリアンも無事です!」

コニー「でも…周りが凄いことになってるぞ!!」

アルミン「危機一髪だったなエレン!平気か!!」

ミカサ「エレン!」

エレン「…お前ら…」

ジャン「どうしたんだよ、半裸野郎…泣きそうな面しやがって」


ミカサ「エレン!」ダキイッ

エレン「!?」

ミカサ「良かった…無事で…生きてて良かった…」

エレン「…!!」

アルミン「エレン!何があったか知らないが元気出せ!君が生きていて本当に良かったよ」

アルミン「この状況を切り抜けるには…そして、僕らの目指す未来には君も必要だ!立て、エレン!!」

エレン「ミカサ…アルミン!」

ジャン「今回はミカサとベタベタすんのも許してやるからよ、さっさと立てや…調子が狂うぜ」

エレン「…すまない、みんな……俺は……」

エーベル巨人「オオオオオッ!」ズシンッズシンッ

アニ「片目だけ瞬時に回復させた!!」

ベルトルト「またくるぞ!」

ライナー「ぐっ…」

エレン「みんなを守りたい!!」ガリッ

カアアアアアアッ!!!

エーベル(…!!!)

エレン巨人「グオオオオオッ!!!!!」ガシイッ!!

エーベル巨人「!!!」ドシィンッ!!

エーベル(くっ…巨人化した…だが)

エーベル巨人「オオオオオッ!!」ザシュッ!

エレン巨人「!!!」

アルミン「予備の立体機動装置を持って来てるから、これを使ってエレンを援護してくれ、ヒストリア!フロリアン!」

ヒストリア「了解!」

アルミン「ライナー、アニはあっちの長男巨人!残りはケニーとディルクだ!」

ライナー「任せとけ」

ジャン「ちっ…仕方ねぇな。やってやろうじゃねぇか」

フロリアン「エレン、姉さんは硬質化を応用させて、全身の皮膚を細い刃状に硬化することができるの!」

アルミン「そいつは厄介だな。だが見た感じ長続きは出来ないみたいだな」

フロリアン「うん、そこが弱点なんだけど…エーベルは上手く攻撃と防御の時にだけ硬質化しているから」

ヒストリア「その一瞬の隙をつけばいいの?」

アルミン「そういう事だな」

エレン巨人「…」ズシンッ!

フロリアン「エーベル……あなたを止めてみせる」

エーベル(フロリアンにヒストリア…あんなクソ野郎の味方につくなんて…)

エーベル(そうだ、力を取り返すのが姉さんの為なんだ。姉さんの為に私は…)

エーベル巨人「アアアアアアアッ!!」

ライナー「行くぞ、アニ!」ガリッ

アニ「ああ!」ガリッ

カアアアアアアッ!!


鎧の巨人「…」ズシンッ!!

女型の巨人「…」ズシンッ!

ウルクリン巨人「…!」

ウルクリン(巨人が2体…俺に来るか。いいだろう)


フロリアン「あ、ライナー!アニ!兄さんの巨人も気をつけて!兄さんの巨人は高温の蒸気を利用して爆発を起こしたり炎を発する事が出来るの!!」

ライナー(なに!?)

ウルクリン(食らえ)

ウルクリン巨人「オオオオオッ!!!」

ボゴオオオオオッ!!!

アニ(んな!炎を吹き出した!?)

女型の巨人「…!!」グラッ

ライナー(あんな使い方は聞いた事がねぇ!!)


ヒストリア「うひゃ…何あれ、こわっ…」

アルミン「まるで少年漫画のような奴だな!!」



ディルク「僕らの相手は君達か」

ベルトルト「ああ…」

サシャ「私達104期の友情パワーで…」

コニー「成敗してやるぜ!」

ケニー「はっ!!おもしれぇガキどもだぜ!!」

ジャン「…ユミル、お前はヒストリア達の方に行け」

ユミル「なに?」

マルコ「でも…そんなことしたらこっちの戦力が…」

ジャン「いや。ここは俺達だけでしのぐ。ユミルはあっちに行ってやれ…ヒストリアもお前といる方がパワーアップするしな」

ユミル「…わかったよ。じゃあ私はあっちへ行かせてもらう」

バシュッ

ケニー「オイオイオイオイ。ユミルがいなくて本当に大丈夫なのか、お前ら」

ジャン「ああ、戦力を分散してそれぞれ時間かけるより、さっさとあっちを終わらせてもらってこっちに助けに来てもらう方がいいと判断した」

ベルトルト「なるほどな」

マルコ「それまで僕らは時間稼ぎか」

ケニー「いいだろう、それまで持ちこたえてみせろ!」

ディルク「行くぞ!」バアンッ!

マルコ「来るぞ、回避!」

サシャ「うひゃっ!」

ミカサ「怖いよぉ…」

コニー「大丈夫だ!友情パワーがあれば怖くない!」

ジャン「奴らの前方に行くなよ、なるべく死角に回れ!」

サシャ「了解!四角ですね!」

コニー「カクカクに動けって事か!?」

ジャン「死角だ!」

ケニー「バキュウウウンッ!!」バキュウウウンッ

ジャン「ぐあっ!こえぇ…柱に周りながら戦え!」

ミカサ「わかった!」

ディルク「…なかなかすばしっこい奴らだな」ジャキッ

ビュンッ

ディルク「!」

ベルトルト(後ろを取った!)ブオッ

ディルク「ぐっ!?」シャッ

ベルトルト「あ!外れた!?」

ディルク「いや、少しかすった…お前は他の奴よりやるみたいだな」


ケニー「おらおら、逃げてばっかりじゃつまんねえだろ!!」バキュウウウンッ

ジャン「くそっ!あいつ何て動きしやがる!!」

サシャ「逃げるだけで精一杯ですよ!」

コニー「攻撃する暇がねぇ!」

ケニー「もう一発、バキュウウウンッ!!」バアンッ!!

ミカサ「きゃっ!!」

ジャン「ミカサ!」

マルコ「大丈夫か!?」

ミカサ「痛い…頬にかすった…」ブルブル

サシャ「ミカサ…浅いから大丈夫です!」

ミカサ「痛い…」

ズキンッ

ミカサ「!!」

ズキンッ

ミカサ「痛っ!!」

コニー「おい!?」

ズキンッ!!


ミカサ「………っ!!」

ケニー「どうしたどうした………ん?」

ミカサ「…」

ジャン「…おい…ミカサ、大丈夫か?」

ミカサ「わかった」

ジャン「え?」

ケニー「!」

ミカサ「血縁関係があろうが関係ない………相手になってやる」ギラッ

ジャン「!?」

ベルトルト「あの目つきは…出たか!」

ケニー「ははっ!そうだ!久しぶりだな、その目つきを待っていたぜ!!」

ジャン(なんだ…急にミカサの目つきと雰囲気が変わった!?)

ミカサ「来い!」ギュンッ!!

ケニーが活躍する数少ないスレ
なんだかんだで結局熱い展開になるとこも好き

ビュブオッッ!!

ミカサ「はああ!!」

ガキイイイイィィィン!!!

ケニー「っと危ねぇ危ねぇ!!しっかり見てなきゃ食らっちまうな」ギリリ

ジャン「なんてスピードだ…本当にミカサかよあれ」

マルコ「ミカサもだけど…ケニーもとんでもないよ。小さいナイフでブレードを受け止めた」

ケニー「加減はなしだぜ!」ドゴォ!

ミカサ「ぐうっ!」ザザッ

ベルトルト「やはり今のミカサでも厳しいか、僕も加勢しよう」ビュンッ

ミカサ「ベルトルト!」

ケニー「いいぜ。兄ちゃんも混ざれよ」

ベルトルト「ジャン!残りの君達でもう一人を頼む!」

ジャン「ベルトルト…わかった!」

ディルク「さあ、来い…」ジャキッ

サシャ「来ますよ!右に避けてください!」

コニー「おう!」シャッ

ディルク「ん…攻撃先がわかるのか」

サシャ「あなたの視線でなんとなく!」

ジャン「バカだが、感覚は優秀だからな…助かるぜサシャ」

サシャ「誉めないでくださいよ~」


ミカサ「やああ!」

ビシュッ!

ケニー「バキュウウウンッ!!」ギュンッ

ミカサ「ぐっ!」ブオッ

ベルトルト「取った!」シャッ

ケニー「ふん!」ダンッ

ベルトルト「うわ、ジャンプした!」

ケニー「空中バキュウウウンッ!!」

ベルトルト「ぐっ!」ダンッ

ミカサ(よし、弾切れ…次の装填まで間がある)

ミカサ「もらった!」ビュンッ

ケニー「ちっ!」ブンッ

ミカサ「…っ!」グンッ

ビシイイイッ!!

ケニー「ぬ、ガードした!?」

ミカサ「対人格闘はアニに習って…ガードの仕方も覚えた」

ズシャッ!!

ケニー「ぐうっ!!一発貰っちまった!!」ガクンッ

ミカサ「はあ…はあ…」ザンッ

ベルトルト「よし、少しは動きが遅くなるはずだ…」



バアンッ!

マルコ「来る!」

コニー「冷静に見てりゃ何とかなるな!」

サシャ「でしょう!!」

ディルク「ふふ…君達はやはり優秀な兵士だ……」ジャキッ

ジャン「よし、弾切れの今を狙え!四方から攻撃しろ!」

マルコ「わかった!」

サシャ「もらいましたぁ!」

コニー「友情アタックだぁ!」

ディルク「…すぅ…」

ジャン「…!」

ドゴッ!ガンッ!バキッ!ドガァッ!

マルコ「んなあ!?」ズザザッ

サシャ「殴られましたぁ!」ズザザッ

コニー「母ちゃんにも殴られたことねぇのに!」ズザザッ

ジャン「いっ!!こいつ…」

ディルク「飛び道具を持った相手には接近戦が有利…基本はよくわかってるみたいだけど」

ディルク「僕は接近戦でも強いことまでは考えてなかったかい?」

ジャン「ちっ…そういや前、俺らは素手でやられたんだったな」

サシャ「うっかりしてました!」

コニー「こいつは強敵だぜ」

ディルク「さあ、そこをどけて貰うぞ!エレンと注射器は僕らがいただく」ギュンッ

マルコ「くっ…装填が完了したか」

ジャン「…サシャ、ちょっと聞いてほしいことがある。無理ならいい」

サシャ「はい、なんですか?」

コニー「なんだなんだ?」

サシャ「………ああ…どうですかねぇ…少し厳しい気もしますが…」

ジャン「だが、このまま普通にやっても勝負がつきそうにねぇ…試してみるだけでもどうだ?」

サシャ「わかりました。やってみましょう」

ディルク「余所見している暇はないぞ」ガチャッ

コニー「来るぞ!」

マルコ「…ジャンの作戦通りに」

ジャン「来い!」ギュンッ

ディルク「…!2カ所に分かれた?同時に狙ればいいだけだよ!」バアンッ!!バアンッ!!

ジャン「予想通りだ!!」

マルコ「いたっ!」ガクンッ

ジャン「マルコ!?」

マルコ「かすっただけだ、気にするな!」


サシャ「行きますよぉ!!」バシュッ!バシュッ!

ディルク「…!?」

ガキイイイイィィィン!!

ディルク「な!?」

コニー「よっしゃ!!」

ディルク「ワイヤーで銃口を破壊された!?ちいっ…」

サシャ「でも…片方にしか当たりませんでした!すみません!」

ジャン「いや、片方でも充分だ!行くぞ!」

ディルク「くっ…まだだ!」バアンッ!!

ジャン「ぐっ!少しかすった!!」ビシュッ!

マルコ「食らええっ!!」ブンッ!ブンッ!

ディルク「…!?刃を投げつけてきた!?」

ガキィィン!!

ディルク「危ない…」

コニー「隙が出来た!」ズシャッ!

サシャ「えーいっ!」ズシャッ!

ディルク(足に…!?)ガクンッ

ジャン「よし、あと一押しだ!!」バシュッ

ディルク「負けるかぁっ!!」ブンッ

バキイイイッ!!

ジャン「ってえぇぇ!!…うおおおおお!!」ガシッ!

ディルク「うあ!?」

ジャン「捕まえたぜ…、俺もな、死に急ぎ野郎に勝つために鍛えてたんだ!!」グオオッ!!

ディルク「しまっ…!」

ダアアアッン!!!

ディルク「かはっ…!」

サシャ「投げ技が決まりました!!」

コニー「今のお前カッコいいぜ!!」

ジャン「ぜえ…ぜえ…」フラッ


ディルク(投げ技で壁に叩き付けられた…いかん、相当なダメージが…)


ディルク「…ふっ……強いな、もうマトモに動けない……」

ジャン「はあ…ああ……」ガクンッ

マルコ「ジャン!」

サシャ「もう休んでください!」

ジャン「おう…少しだけ、休む…」


ゴオオオオオオ……


ズドオオオンッ!!

エレン巨人「…」ズシンッ!!

パラパラ…


エーベル巨人「…」パキパキ

ズシンッ!!

アルミン「くそ、何度攻撃しても上手く硬化される!エレンのパワーで吹っ飛ばしは出来るがダメージは無いぞ……しかも刃状の皮膚だから攻撃するエレンにもダメージを食らうと来てる」

フロリアン「うん…どこかに、隙が出来れば…」

エレン巨人「…」シュウウウウウ

ヒストリア「でやあああああ!!」ビュンッ

ガキイイイイィィィン!!

ヒストリア「くそ、膝の裏側もダメだ!!」ザザッ

アルミン「一時的な硬化だから膝の裏側を硬化しても問題ないんだ!厄介だなこいつは…」

ヒストリア「どうすりゃいいのよ…」

エーベル巨人「…」ズシンッ!

アルミン「よし、次は目だ!とにかく硬化できない部分を探る!!」

ヒストリア「了解!」

フロリアン「うん!」

バシュッ!!

エーベル(何度来ようが無駄よ…)

エーベル巨人「アアアアアアッ!!」ブンッ!

ヒストリア「あっぶな!!」

フロリアン「きゃっ!」ガクンッ

ヒストリア「あ、フロリアン!」

エーベル巨人「…」グオオッ!!

ヒストリア「!!」

エーベル(ヒストリア、このまま握って潰してやる!)

アルミン「ヒストリア、逃げろ!」ビュンッ

エレン巨人「…!!」ズシンッズシンッズシンッ!!



ビュンッ!!シュバッ!!

ヒストリア「あ!」

エーベル巨人「!!」

アルミン「おお!!」

ユミル巨人「…」ザンッ

ユミル「…危ないところだったな」

ヒストリア「ユ・ミール!!」

ユミル「誰だそりゃ!」

ヒストリア「これで助けられたのは今日で二度目だね、面目ない!」

ユミル「構わねえよ」

アルミン「お、ヒストリアの王子様の登場か!!」

ヒストリア「王子様!!」

ユミル「なんだお前らは!?」

フロリアン「ちょっと、ふざけてる場合じゃないって!」

エーベル(ふざけやがって…ボロ雑巾にしてやる!!)

エーベル巨人「…」ブンッ!!

シャッ!シャッ!

エーベル巨人「!!」

ヒストリア「どうだ、ユミルの巨人のスピードはスゴいんだぞ!」

ユミル巨人「…」

ヒストリア「これで私も勇気100倍だ!!」ジャキッ

アルミン「よし、ユミル、ヒストリアで敵を攪乱し好きを見て僕とフロリアンが目を攻撃。その後はエレンも含め一斉に攻撃だ。目が見えなければ相手もどこを硬化させたらいいかわからなくなるだろう」

フロリアン「うん…わかった」ザッ

エレン巨人「…」ザンッ

エーベル巨人「オオオオオッ!!」ズシンッズシンッズシンッ

ユミル巨人「アアアアアアッ!」シャッ!

ヒストリア「かかってきなさい!!」ギッ

ギュンッ!!ギュンッ!!

ヒストリア「おいついてみろ!!」ビュンッ

エーベル巨人「…」パキ

ガキイン!!

エーベル(すばしっこい奴め…鬱陶しいんだよ!!)

エーベル巨人「オオオオオッ!!」グオオッ

ユミル巨人「…!」ババッ

バカアアアンッ!!

ヒストリア「危ないなぁ!」ビクッ

ユミル「あいつはわかりやすい性格だな…焦ってイライラしてるのが動きからわかる」

アルミン「確かにあいつの能力は厄介だが…」ザッ

エーベル(くそ!ちょこまかちょこまかと、ふざけんじゃないわよ!!)

エーベル巨人「オオオオオッ!!」

アルミン「感情的になりやすいのが弱点だ!」ギュンッ

フロリアン「隙がデカくなってるよ!」ギュンッ

エーベル巨人「!!」

ドスッ! ドスッ!

エーベル(しまった!目を!)

アルミン「修復しづらいように刃は目に刺したままだ!一斉にかかれ!」

エレン巨人「オオオオオッ!!!」ガバッ

ドシイイイイインッ!!!

エーベル巨人「アアアアアアッ!!!」

アルミン「そのまま抑えつけろエレン!!目の見えない内にかかれ!!」

バシュッ!バシュッ!

ユミル巨人「ギアアアアッ!」

ヒストリア「はあああっ!」

ガキイイイイィィィン!

アルミン「とにかく色々な箇所に攻撃し続けろ!」ガキンッ!ガキンッ!

エレン巨人「グオオッ!!」グググッ

エーベル(くそ…見えない、予想で一部硬化させるしかない。このままじゃ…)

フロリアン「エーベル!」ギュンッ

ザシュッ!

エーベル(…!食らった!!)

ザシュッ! ザシュッ!

アルミン「よし、効き始めた!エレン、うなじをこじ開けて無理やり外に出してやれ!」

エレン巨人「…」ガシッ

ベキッ ベキッ!

メリメリメリ…

エーベル巨人「…」

エーベル(な…なんで私が負けるのよ…姉さんの為に…戦ってたのに)

ピリッ

エーベル「!!」

エレン(なんだ?いまエーベルのうなじに触れたら何か通ったような…)



フリーダ「…エーベル…」

エーベル「姉さん!なにしてるの、こんな時に私の中に来ないで!」

フリーダ「もういいんだよ」

エーベル「え?」

フリーダ「もう無理しなくていいんだよ…」

エーベル「無理って…」

フリーダ「今のエーベルを見て…私が喜ぶと思う?」

エーベル「だって…だって、私…」

フリーダ「うん。もう無理しなくていいから…本当はいい子なんだから」


ベキッ!


エーベル「うわあああああああああああ!!!」

ヒストリア「うなじから離した!!」ダッ

フロリアン「エーベル!」ザッ


エーベル「あ…あ…うわああ……あ…」

アルミン「どうした、様子が変だぞ!」

ユミル「…」


エーベル「ご…」

エーベル「ごめんなさい」

エーベル「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

フロリアン「エーベル!?どうしたの!?」

ヒストリア「ちょっと、大丈夫!?」

エーベル「私…私は……本当は嫌なのに……誰も傷つけたくないし殺したくも無いのに………」

エレン「…」



エーベル「ただ……お姉さんが望んでいたけど出来なかった…壁も巨人もない平和な世界が欲しかっただけなのに……」


フロリアン「…やっと、正気に戻ったの?」

エーベル「……やだ……正気に戻りたくない………正気に戻ったら私…心が本当に壊れてしまう………滅茶苦茶に生きてなきゃ自分を保てないの……お姉さんが死んでダメになったの」

ヒストリア「…エーベル…」

エーベル「はあ…はあ……私の巨人の破片…」ガシッ

ユミル「!」

ドスッ!

ヒストリア「なっ!?」

エーベル「しんじゃえ…私なんかしんじゃえ!!」ドスッ!ドスッ!

フロリアン「やめなさい!エーベル!バカ!!」ガシッ

ヒストリア「自分を刺すなんてなに考えてんの!!」

アルミン「やめるんだコラッ!!」

エーベル「もう嫌なの!生きてたって…辛いだけなの!!お姉さんが死んだ事を受け入れられなきて…誤魔化そうとして…無理に自分を保とうとして周りに感情をぶつけて……こんなクズになっちゃったんだ」

エーベル「私はもう死んだ方がいいのよ!!」

フロリアン「お願いだからやめて!しぬなんて馬鹿なこと考えないで!!」ボロボロ

エーベル「…なんで泣いてるのよ…私の事なんか嫌いじゃないの?」

フロリアン「嫌いなわけないじゃないの!好きだから、前のエーベルに戻って欲しくて……」

エーベル「…」

フロリアン「でも…ごめん…そんなに思い詰めてたなんて私も気づかなくて…ごめん!」ギュッ

エーベル「……フロリアン…」

エレン「…エーベル…」ザッ

エーベル「!」

エレン「ごめんなさい」

エーベル「!?」

アルミン「エレンが土下座した…」

エレン「…どんな理由があろうと…俺はお前の家族を…大事な姉さんをころした」

エレン「そしてそれのせいで…お前はこんなに苦しんでいた……そんなになるまで追い詰めてしまった」

エレン「俺の親父が…本当に、すまなかった」

エーベル「………」

フリーダ(ごめんね…エーベル。一緒に外の世界に出たいって約束してたのに、先にいなくなってしまって)

フリーダ(辛いだろうけど……過去ばかり見ないで。周りにいる人を大事にして優しくするんだよ…あなたは本当はいい子なんだから)


エーベル「…う…ぐす…」

フロリアン「エーベル…」

エーベル「うわあああああああああああん!!」ボロボロ


ヒストリア「…」

ユミル「今はもうそっとしておいてやれ」

ヒストリア「うん…」

エレン「…」

アルミン「エレン、気持ちはわかるがあまり気に病まないことだ」

エレン「…ああ…」

アルミン「きっと彼女は家族愛が強かったんだろう…」

アルミン「強すぎたからこそ…」



エーベル「う、うう、ぐすっ…あああぁぁぁ…」


フロリアン「…」



きっとエーベルは、もう二度と戦えないだろう…

キンッ! キキンッ!!

ミカサ「はあ…はあ…」ザザッ

ベルトルト「ふう…」ザッ

ケニー「久しぶりだ…こんな緊張感のある戦いは…」

ケニー「だが、いつまでもゆっくりしてられねぇ!!俺の夢のためにもな!!」

ミカサ「夢のためにこんなことをするの!?どんな夢なのそれ!」

ケニー「ガキにゃ関係のねぇことさ…バアンッ!バアンッ!!」





ウルクリン巨人「グオオオオオオオッ!!!」

ボオオオオオオッ!!

女型の巨人「アアアアアアッ!!」

アニ(くそ…巨人の皮膚が焼ける!女型の硬化能力じゃ防御が間に合わない)

鎧の巨人「オオオオオッ!!」ズシンッ!ズシンッ!

ウルクリン巨人「…」ピシッ

ボガアアアアアンッ!!

鎧の巨人「…!!!」
ドザザザザザザッ

ライナー(くっ…近づいても爆風で飛ばされちまう…だが、奴には硬化能力が無い)

アニ(攻撃の届く距離まで行ければ…!)

ウルクリン巨人「…」ドシンッ

ウルクリン(時間は掛けられない…一気に片を付ける)

ウルクリン巨人「グオオッ!!!」

ズシンッ!ズシンッ!ズシンッ!

女型の巨人「…!」

ウルクリン巨人「…」ブオンッ!!

女型の巨人「!!」ザザッ!

アニ(攻撃を仕掛けてきた…危なっ!)

ウルクリン巨人「オオオオオッ!!」
ボオオオオオッッ!!!

女型の巨人「!!!」

アニ(しまった…至近距離で!?ヤバい、うなじまで焼けてしまう…)

鎧の巨人「オオオオオッ!!」ガバッ

ウルクリン巨人「…!」

ボガアアアアアンッ!!!

鎧の巨人「…!!」ドザッ

アニ(炎が止まった…今のうちに離れる!)

ライナー(…なるほど……隙を見つけたぞ)

シュウウウ…

ライナー「アニ、出てこい」

アニ「!ライナー、どうしたのさ」シュウウウ

ライナー「あいつに攻撃を加える方法を思いついた」

アニ「…本当?」

ライナー「ああ、奴は炎と爆風を同時には出せない。どちらか1つずつでないと出せないんだ」

アニ「そうか…あんたを爆風で吹き飛ばした時に私への火は止まった」

ライナー「ああ…それで作戦だが…」

ウルクリン巨人「…」ズシンッ!ズシンッ!

ウルクリン巨人「オオオオオッ!!」

ボオオオオオッッ!!

鎧の巨人「…」ドシンッ!ドシンッ!

ウルクリン(鎧の巨人…また来るか。何度来ようが吹き飛ばしてやるぞ)

ウルクリン巨人「オオオオオッ!!」
ボガアアアアアンッ!!!

鎧の巨人「…!!」

ライナー(アニ…今だ!!)

バシュッ!!

ウルクリン(!!)

女型の巨人「…」グオオッ!!

ウルクリン(鎧の巨人の後ろからジャンプしてきた!?なんて奴だ…早く迎え撃たなくては…)

ウルクリン巨人「…」ゴオッ

アニ(あいつの攻撃が来る前に間に合え!!)

女型の巨人「アアアアアアッ!!」

ブンッ

ウルクリン(くっ…間に合わない!!)

バシイイイイイインッ!!!

ウルクリン巨人「…!!!」ズザザザッ

ライナー(ひるんだ…今のうちだ!)

鎧の巨人「オオオオオッ!!!」┣¨┣¨┣¨┣¨ドドド

ウルクリン巨人「…!」

ドオオオオオオオンッ!!!

ウルクリン(なんて強烈なタックルだ…まずい…)

ライナー(もう一発!)

鎧の巨人「オオオオオッ!!」

バカアアアアアアアンッ!!

ウルクリン巨人「グオオッ!!!」

鎧の巨人「オオオオオッ!!!」

ダアアアアアンッ!!!

ウルクリン(くそ…もう一度爆風で…)

ヒュンッ!

ウルクリン(!)

アニ「もらった!!」バシュッ

ウルクリン(巨人から出てきた!!)

ズバッ!!

ウルクリン巨人「…!!」

ライナー(よし!!)

アニ「出てきな!ここまでだよ」ベリッ!

ウルクリン「…うなじをこじ開けて無理やり巨人を動かせなくするとは…だいたんな事を…」

アニ「これで勝負はついた…大人しくしてな」ジャキッ

ウルクリン「わかったさ」

ライナー「…他のみんなは…だいたい終わったようだな」



ケニー「…ちっ…こりゃ分が悪いな」

ミカサ「!」

ケニー「ここまでやるたぁな。大した奴等だぜ」ザッ



ヒストリア「…これで…兄妹喧嘩は終わった?」

フロリアン「うん…とりあえずみんな戦う力は残ってないはずだよ」




ズル…ズル…

ロッド「はあ………はあ………いかん、このままでは…」

ロッド「父さん…ウーリ…フリーダ……僕が、今…」ペロッ


カアアアアアアアア!!

ヒストリア「…え!?」

フロリアン「まさか!」

アルミン「巨人化の光か!?」

ドオオオオオオオンッ!!!

エレン「な…なにが…」

アルミン「ロッド・レイスが巨人化したんだ!!」

ユミル「諦めの悪い奴だ…」

ヒストリア「な…なんか…どんどんデカくなってるよあの巨人!!」

フロリアン「お父さん…何の巨人を選んだのよ!!」

ミカサ「え…え!?な…なにあれ…」オロオロ

ジャン(いつものミカサに戻ってる)

ゴオオオオオッ………!!


ロッド巨人「…」ゴゴゴゴゴゴゴ…


アルミン「あの巨人…デカくて身動きが取れなくなってるぞ」

ヒストリア「何してんのよあの人は!?」

ウルクリン「……俺達レイス家も巨人に詳しい訳じゃないからな…使ってみなきゃ詳しくはわからないんだよ」

ディルク「だから慎重に選べと言ってたのは父さんなのに」

フロリアン「それより…どうすんのよ、これ…」

エーベル「…」

アルミン「


女部下「隊長!」

眼鏡部下「なんですかこの状況は!!」

ケニー「お前ら、こっちまでついて来ちまったのか!?」

その他部下「はい…」

コニー「おいやべぇよ…どんどんデカくなってるぞ」

アルミン「まずいぞ、このままじゃ天井が崩落して潰れてしまう!」

サシャ「一か八かで通り抜けますか!?」

ライナー「ダメだ…負傷者を抱えながら行けると思うか?」

ジャン「じゃあ、どうするんだよ!?」

ケニー「オイオイオイオイ、なんだ、このクソッタレな状況は…」

ベルトルト「超大型巨人の何倍もデカい…」


ロッド巨人「…」ゴゴゴゴゴゴ…!!

ライナー「俺の鎧の巨人で防ぐ、俺の近くに集まれ!」

アルミン「それはナイスアイデアだが…全員を守れるのか!?」

アニ「私もやるよ」

ベルトルト「僕もだ」

ライナー「ダメだ!ベルトルトの巨人はデカいが普通の巨人と皮膚は同じ…アニの巨人も硬化できるのは一部だけ、危険だ」

ユミル「だがよ、ここにゃ私らにレイス家兄妹に対人制圧部隊の奴等もいるんだ。全員を守りきれるのかよ」

ケニー「ああ?お前ら俺達も守るなんて考えてんのかよ?」

ユミル「私は別にどうでもいいが、アルミンとヒストリアがそう言ってうるせえんだよ。なんだかんだでお人好しな奴等だからな」

エーベル「…私が…」ズルッ

フロリアン「ダメ!エーベルの巨人も一部の硬化しか無理でしょ!無謀な事しないで!」

エーベル「でも…このままじゃ、みんなが…」

ミカサ「…」オロオロ


エレン(どうする…俺の巨人でも守りきるのは無理だ……どうすればいい……このままじゃ…)

エレン「…すまねぇ…みんな、俺がこんな力を持っていなければ、みんなを巻き込むこともなかった」

ジャン「なに言ってんだ、死に急ぎ野郎……んなことうじうじ気にするなんてらしくねぇぞ」

コニー「俺達は別に迷惑だなんて思っちゃいねぇよ」

サシャ「こんな状況です、しっかりしてください!」

アルミン「エレン!諦めるな!考え事は後でもできる…まずはどう切り抜けるのかを考えろ!!」

ミカサ「…みんなで、生きて帰ろうよ」

ヒストリア「そうだよ、いつまでもうじうじしないの!!」

エレン「…」

ウルクリン「…そうだ…父さんのバッグはあるか?」

フロリアン「うん、あるけど……あ!そうか!」ゴソゴソ

ヒストリア「どないしたの?」

ユミル「…」

フロリアン「…あった……『ヨロイ』…」

ミカサ「なにそれ?」

フロリアン「私達も使った事は無いからわからないけど……きっと、鎧の巨人みたいに硬化できるものだと思う」

アルミン「なんだってぇ!?」

フロリアン「…どうする、エレン。使ってみる?」

エレン「…」

ヒストリア「どんな結果になっても恨まないから、気にせず賭けてみりゃいいのよ!!」

アルミン「エレン…どうする、諦めて立ち尽くすか、賭けるか、選べ!」

エレン「…っ!!」バッ!!

ダダダダダダッ!!

エレン「うあああああああああ!!!」パキッ

ミカサ「エレン!」

アルミン「行けえええええええ!!!」


ドオオオオオオオンッ!!!


―――――――


パラッ パラッ…



エレン「…う……」

アルミン「エルェエンッ!!」

ミカサ「エルェエンッ!」

エレン「は!?ここは…みんなは無事か!?」

アルミン「ああ……みんなは…」


ヒストリア「すげぇ!エレンの巨人がカチカチのまま残ってる!!」ベタベタ

エレン巨人「」カチーン

サシャ「これがあれですか!…えーと…コーテツかって奴ですか!!」

コニー「コカ・コーラじゃなかったか?」

ユミル「硬質化だ」


アルミン「…無事だ」

ミカサ「とても元気」

エレン「…そうか…良かった…」

ジャン「よお…お前のおかげで何とか全員助かったよ」

エレン「…ああ…」

ジャン「なんだぁ、もっと喜べよ」

エレン「すまん…色々あったからな」

アルミン「こういう時は素直に喜んでいいんだぞ!!」

ベルトルト「ライナー!」

アニ「大丈夫?」

ライナー「…ああ…なんとかな。それより、他のみんなは大丈夫か?」

ベルトルト「ああ、無事だ」

アニ「エレンも硬質化に成功したみたいだ」

ライナー「そうか…上手く行ったようだな」


フロリアン「…良かった…みんな生きてる…」

ディルク「うん。まさかあの状況で全員が無事に脱出できたとはね」

ウルクリン「しかし…大きな問題が残っている」

ディルク「うん」



アルミン「ロッド・レイスの巨人が恐らく壁の方へ向かっている」

エレン「何だって!?」

ミカサ「大きいし皮膚は凄く熱いみたい…動きは遅いけど」

アルミン「つまり…早くロッド・レイスを何とかしなけりゃならない」


ケニー「その通りだ。状況は相変わらずクソッタレだぜ」ザッ

ミカサ「おじさん!他の人達も無事?」

ケニー「ああ…部下もしっかり全員生きてる」

ケニー「…で、なぜ俺達を助けようなんて考えたんだ?」


ヒストリア「私はあんたが嫌いだから別にどうでもいいのよ。でもレイス兄妹とは接点があったみたいだし…他に悲しむ人達がいるじゃないの」

女部下「…」

ディルク「…」

ケニー「…はっ!どっちにしろお人好しにも程があるぜ」


アルミン「僕もだいたいヒストリアと同じ理由だけど…まあ、何より、あなたに話したい事があってね」

ケニー「あん?」


アルミン「アルレルト兵団に勧誘したい」


ケニー「はあ?」


エレン「え!?」

ミカサ「ほんと!?」

ヒストリア「ちょっと、マジで!?」


アルミン「ああ…確かに今までは敵だが、たぶん目指してるものは近いと思うんだ……話せば仲良くなれそうだけど。まあ、ヒストリアは色々あったようだから嫌ならやめておくよ」


ヒストリア「………いや……世界全体、ライナー達の故郷もかかってる事に私が私情を挟むのもどうかと思うからね。アルミンとケニーが合意するならそれでいいよ」

アルミン「そうか…ありがとう」

ケニー「何を言い出すかと思やぁ……まぁ、今はそれどころじゃねぇだろ。ロッド・レイスを何とかするぞ」

ミカサ「うん」

ヒストリア「…で……あの人……もう人間には戻せないの?」

フロリアン「…うん…それは…」

ウルクリン「知性巨人を食わせるしかない」

ヒストリア「え!?」

ライナー「その通りだ。知性巨人を食わなければ無知性は人間に戻れない」

ヒストリア「で…でも、そんなの…」

ディルク「しかもあれは奇行種だ。僕らに興味を示さないんだよ」

エーベル「…」

フロリアン「…エーベル…自分を食わせようとか考えないでね」

エーベル「…でも…このままじゃ…」

エーベル「また、私の家族が…」

ヒストリア「………っ」


アルミン「…辛いが、他の方法を見つける時間なんか無い」

アルミン「知性巨人の誰かが食われに行くか、ロッド・レイスの巨人を倒すかだ」

ヒストリア「…そんなの…」

ディルク「…ヒストリア…父さんを嫌ってたんじゃないのか?」

ヒストリア「嫌いだけど…」

フロリアン「…私達家族の事に関係ないライナー達を巻き込むわけにもいかないし…」

ウルクリン「…父さんは倒す」ザッ

フロリアン「兄さん!?」

ウルクリン「…父さんは…本当はみんなや人類の事を第一に考えるような人だった。しかし、色々あって年々おかしくなっていった」

ウルクリン「自分の家族を食ったなんて知ったらあの人はもっと精神を病むよ」

ヒストリア「…」

ウルクリン「それに父さんも長いこと苦しんで来た…レイス家の、初代王の呪縛に」

ウルクリン「これが呪縛から解放されるいい機会なのかも知れない」

エレン「だが…あんなデカいのどうするってんだ」

ジャン「お前が寝てる間にも色々試したがな…熱くて近づけねぇし飛び道具もダメだ」

アルミン「そしてあんなデカい体から1mの弱点を探らなきゃいけない…マトモにやり合ってもダメだ」

ライナー「じゃあ、どうするんだよ」

ウルクリン「俺に考えがある…」

ディルク「!」

ウルクリン「エレン、ライナー、二人の巨人の力を借りたい。そして残りは攻撃できる範囲から手足に攻撃して少しでも動きを遅くしてくれ」

アルミン「何を考えたんだい兄ちゃん!教えてよ!」

ヒストリア「そうだよ教えてよ兄ちゃん!」

ウルクリン「…いや…言わない」

ヒストリア「ええ!?」

アルミン「…」

アルミン「わかった。詮索はやめておこう」

ウルクリン「助かる」

フロリアン「…お父さん…本当に、やるしか…」

ディルク「仕方ないさ……結局誰かが犠牲にならなければこの状況は解決しないんだ」

フロリアン「…」

ウルクリン「…あと、エーベルと負傷者は離れたところに」

エーベル「!わ、私も…」

ウルクリン「君は体も心も疲弊している。無茶はするな」

フロリアン「そうだよ…休んでいて」

アルミン「…さて…じゃあ、作戦を説明しよう」


ズシイイイイイインッ!!!


ズシイイイイイインッ!!!



ロッド巨人「…」シュウウウウウウ……



アルミン「…エレン、ライナー、ウルクリンさんの三人が巨人で戦う。そして残りの動ける僕らは対人制圧部隊の武器で少しでも手足にダメージを負わせる」

ミカサ「うん!」

サシャ「しかし…あんな巨体に効くんですかね…」

ユミル「まあ、これだけの人数で撃てば多少は効くだろ」

ヒストリア「…」

ユミル「どうした?ヒストリア」

ヒストリア「…なんでもないよ!!」テヘッ

ユミル「…誤魔化すな」

ヒストリア「あ!ユミル!攻撃準備しなきゃ!」

ユミル「…」


ウルクリン「エレン、ライナー、君達は硬質化の力を使いあの巨人の熱を防ぎながら巨人の頭に向かって欲しい」

エレン「…それでどうするんだ?」

ウルクリン「あの引きずっている顔を少しでも持ち上げて欲しいんだ。君達はパワーがありそうだから」

ライナー「………お前……まさか…」

エレン「え?」

ウルクリン「…父さんが来る。行くぞ」


ズシイイイイイインッ!!!


アルミン「よし!全員右腕に集中砲火だ!!」

ジャン「ああ!」

ミカサ「止まれー!」


フロリアン「…っ!」

ディルク「…ごめん…」


ケニー「撃つぞお前ら!!」



ヒストリア「わああああああ!!!」

ユミル「…」


バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!


ズシイイイイイイッ!!


エレン「行くぞ、ライナー!」

ライナー「わかった」

カアアアアアッ!!


鎧の巨人「…」ズシンッ!

エレン巨人「グオオオオオオッ!!」ズシンッ!


ズシイイイイイインッ!!!

ロッド巨人「…」

ゴオオオオオオオオ……


ドシンドシンドシン!!!

鎧の巨人「…」

エレン巨人「…」


ライナー(ぐっ…なんて熱だ…巨人の中でも熱いぞ)

エレン(硬質化した皮膚でもいつまでもつか分からねえ…さっさと済ませる!)

ロッド巨人「…」


鎧の巨人「…」ガシッ!

エレン巨人「…」ガシッ!


ライナー(よし、捕まえた…頭を持ち上げるぞ!)

鎧の巨人「オオオオオッ!!」グググググ

エレン巨人「グオオオオオオッ!!!」グググググ

エレン(重てえ…!ぐっ…持ち上がれこの野郎!!!)


グオオオオオオッ!!!



グンッ!!!

ロッド巨人「…」グググググ


ライナー(持ち上がった!)

エレン(何かするなら早くしてくれ!)


ウルクリン(よし、ありがとう…後は)


ウルクリン巨人「グオオオオオオッ!!!」

ズシンッ!ズシンッ!ズシンッ!

バッ!!


エレン巨人「!?」

エレン(ロッド・レイスの口の中に入った!?)

ライナー(やはりか…)


ヒストリア「…!ウルクリンのアンちゃん…口の中に入って行ったよ」

フロリアン「え!?」

ディルク「…まさか…兄さん、自爆するつもりか?」

フロリアン「ちょっ…自爆って…え!?」

ミカサ「どういうこと!?」

アルミン「ウルクリンさんの巨人は巨人の熱を利用し炎を生み出したり爆発を起こすことができた…」

アルミン「それを更に応用した技だ…自分の巨人の体ごと大爆発させる気かもしれない」

ヒストリア「そんなことしたら…」

フロリアン「そんな!待ってよ…!!」


ウルクリン(…すまない……フロリアンに言えば必ず止められると思ったから言わなかった)

ウルクリン(これを機会に、この壁の世界の何かを変えるべきなのだろう……そのためには昔からの宿命など邪魔な存在だ。もう…これからの時代には父さんや俺のような人間はいらない)

ウルクリン(アルレルト兵団の若者達…ケニー…そして、ディルク、エーベル、フロリアン)

ウルクリン(この世界を変えるにふさわしいのはきっと君達のような人間だ)

ウルクリン(俺はここで…父さんと共に眠りにつこう)

ウルクリン巨人「…」シュウウウウウウ……


ウルクリン(巨人の体全ての熱エネルギーを使い大爆発を起こす。これでうなじごと吹き飛ばす……)

ウルクリン(人類の未来は託した)



ドゴオオオオオオオオンッ!!!


フロリアン「うわああああああああああっ!!!」


ディルク「…兄さん…父さん…」

ヒストリア「…」



アルミン「…終わった…のか?」


ミカサ「…」


ベルトルト「…ん?」


アニ「あそこの巨人の肉片、様子が…」

アルミン「え!?」


ウネウネ…


ユミル「まずい、恐らくあれが弱点の1mの部分だ!再生しちまうぞ!!」

ミカサ「え!?」

アルミン「早く攻撃だ!」

ザッ!!

ヒストリア「私がやる!」

アルミン「!ヒストリア!?」

ユミル「お前…」

ヒストリア「うおおおおおお!!!」バシュッ


ギイイイイイイッ!!

ヒストリア(……あなたは…私の事をどう思っていたの?)


ヒストリア(再会したとき私を抱き締めたのは…あの言葉は本当だったの?嘘だったの?)

ギンッ!!


ヒストリア(ねえ……お父さん…)


ズバッ!!!




ピリッ…

ヒストリア「…!!」

―――――

ロッド「巨人を駆逐すればいいんだよ!何でわかってくれないんだ!!」



ウーリ「兄さん…僕がやってみせるよ」



フリーダ「私に任せて父さん」





ロッド「…弟も娘も…力を受け継いだが、結局、初代王の意志には勝てなかった」

ロッド「私がおかしいのか?私が間違っていたのか?助けてくれ…誰か……」





―――――

ヒストリア(お父さん…)

ロッド(……ヒストリア………お前もお前の母さんも苦しませることしか出来なかった、ダメな父親で、本当にすまなかった……)



ピリッ




「…トリア…」



ユミル「ヒストリア!!」


ヒストリア「…!!」ハッ

アルミン「大丈夫かヒストリア!!」


ヒストリア「だ…大丈夫…だから、二人ともそんなにイケメン面を近づけないでよ」

ユミル「なに言ってんだよ」

アルミン「さっきまで倒れていたぞ」



フロリアン「…ヒストリア!」

ヒストリア「フロリアン…」

フロリアン「本当に…大丈夫?」

ディルク「…君の手に掛けさせてしまって…」


ヒストリア「うん、本当に大丈夫だよ……むしろ、なんか吹っ切れた」



ヒストリア「お父さんの本当の声が聞けたから」

――――――1ヶ月後


コニー「…暇だなぁ…」

サシャ「暇ですねぇ…」

ミカサ「でも暇が好き」ボー

ライナー「アルレルト兵団ってよ…仕事ないんだな」

ジャン「ああ、しかも本部が訓練兵団施設の空き部屋ってところも斬新だ」

アルミン「1ヶ月前の疲れを癒すためにゆっくりしてるんだよ!もうすぐ頑張ってもらうぜ!」

アニ「本当に?ただやることが無いだけじゃないの?」

アルミン「失敬な!」

エレン「いや…しかし、こんなのんびりで本当に良いのか?」

アルミン「良いんだよ。マイペースが長生きの秘訣だ」

ユミル「なんかずれてないか」

ヒストリア「いやいや、のんびりは良いもんだよ。ねー」

フロリアン「ねー」


「おい」ガチャ

ベルトルト「!」

ケニー「せっかく俺らも参加してやったってのに…まだ仕事はねぇのか?」

アルミン「おう、もう少し待ってよ」

ケニー「呑気な奴らだぜ…」

ディルク「…これは確かに、昔からのんびりした性格のフロリアンには相性がいいところかもな」

フロリアン「うん、居心地最高よ」

ヒストリア「アンちゃんもどうよ」

ディルク「いや、僕は仕事の時に来るよ」

ケニー「…ふう…」

女部下「…本当に大丈夫ですかね、あいつら」

ケニー「はっ、まあ、俺は嫌いじゃねぇよ」


ケニー(…本当は…俺の夢はウーリと同じ世界を見ることだったんだ)

ケニー(…だが……)


ウーリ(この世界はいずれ必ず滅びる…)


ケニー(あのバカどもと一緒に世界が滅ぶやらなんやらを止めるってのもいいかもな……あのウーリが驚いた顔見るのも面白いかもしんねぇ)

ケニー(どうせ俺もいずれあの世に行くからよ…まぁ待ってろや。楽しい土産話持っていってやるからよ、ウーリ)


連載に寄せつつオリジナルの展開になるこの人の作風めっちゃ好き
考えるのは大変そうだが頑張ってくれ!

フロリアン「…そういえば、エーベルはどうなの?」

フロリアン「エーベルは今、レイス領地の牧場にいるよ」

ディルク「ああ、この前見に行ったら前よりはだいぶ落ち着いていた様子だ。それでもまだ疲弊してるけどね…」

フロリアン「…また会いに行こうかな」

ディルク「うん。良ければヒストリアも行ってくれてもいい」

ヒストリア「ん…私もついていっていいのかな?」

ディルク「確かに以前は君に色々嫉妬してたみたいだけど、今はもう大丈夫だよ」

フロリアン「今度一緒に行こう」

ヒストリア「うん!」



フロリアン「…」



エーベル(ごめん……フロリアンとディルク兄さんはまだ戦うってのに…)

フロリアン(いいんだよ、私達は好きでやってるんだから。エーベルも正直に生きなよ)

エーベル(うん………私、もう……血を見たくないから)



フロリアン「…」

ヒストリア「…そういえば、エーベルはどうなの?」

フロリアン「エーベルは今、レイス領地の牧場にいるよ」

ディルク「ああ、この前見に行ったら前よりはだいぶ落ち着いていた様子だ。それでもまだ疲弊してるけどね…」

フロリアン「…また会いに行こうかな」

ディルク「うん。良ければヒストリアも行ってくれてもいい」

ヒストリア「ん…私もついていっていいのかな?」

ディルク「確かに以前は君に色々嫉妬してたみたいだけど、今はもう大丈夫だよ」

フロリアン「今度一緒に行こう」

ヒストリア「ん…私もついていっていいのかな?」

ディルク「確かに以前は君に色々嫉妬してたみたいだけど、今はもう大丈夫だよ」

フロリアン「今度一緒に行こう」

ヒストリア「うん!」



フロリアン「…」



エーベル(ごめん……フロリアンとディルク兄さんはまだ戦うってのに…)

フロリアン(いいんだよ、私達は好きでやってるんだから。エーベルも正直に生きなよ)

エーベル(うん………私、もう……血を見たくないから)



フロリアン「…」


すいません、変なミスしました

―森の中―

エレン巨人「グオオオオオオッ!!」

ボシュウウウウウ!!


アルミン「頑張れエレーン!!」グッ

ミカサ「ファイトだエレーン!」ブンブン


ジャン「硬質化の調子はどうだ?」

アルミン「ああ…とりあえず洞窟で穴を塞ぐ練習をしているが、もう少しだな」

エレン(…だいぶ良くなってきた。マリア奪還も夢じゃなくなって来たか…)


アルミン「エレン、休憩しよう!」

エレン巨人「…」コクッ

ミカサ「お疲れ様」

ジャン「だがよ…俺達だけでウォール・マリアを奪還できるのか?」

アルミン「無理だね!」

ベルトルト「即答!?」

アニ「あんたね…」

アルミン「だから、調査兵団にも協力を頼むのさ、当然だろう!?」

エレン「そうだな…壁外に慣れてる調査兵団と行くべきだろう。そして…早く奪還しねえと」

アルミン「焦るなエレン。焦りすぎは身を滅ぼすぞ!」

ミカサ「ゆっくりでいいんだよ」

エレン「ああ」

ヒストリア「みんな~!お昼ご飯だよー!」

アルミン「おし。みんな、イッツ・ア・ランチtimeだ!!」

ミカサ「ランチtime!」

エレン「何語だよそれ…」

サシャ「ご飯!ご飯!」

ライナー「ほう、ヒストリアが全員ぶん作ってくれた弁当か?」

ヒストリア「そうだよ!」テヘッ

ライナー「けっこ……いや、美味しそうな弁当だ」

フロリアン「私も作ったんだよ、ライナー!」

ライナー「ん?ほう、フロリアンも作ったのか」

フロリアン「ほら、この蒸かし芋とか私が作ったんだ。食べてみて」

サシャ「え、芋!?私の為に!?」ピキーンッ

ユミル「お前じゃねぇよ」

ライナー「ん…美味いな」

フロリアン「あ…ありがとう!」

エレン「なんかフロリアンの奴、やけに嬉しそうだな…」

ミカサ「ライナーに美味しいって言われたからね」

エレン「ん?なんでライナーに言われたら嬉しいんだ?」

ミカサ「え」

アルミン「あははは、相変わらずのエレンっぷりだなぁ、オイ!!」

ジャン「お前って野郎は…」

ヒストリア「鈍感だなぁ、エレンは」

アルミン「あははは、ヒストリアもなかなかだよ」

こいつはゴリラ野郎ですね!

アルミン「お、これ美味いな。僕のお気に入りになりそうだよ」

ヒストリア「え、マジで!?」クルッ

ミカサ「ヒストリアが作ったの?」

ヒストリア「そうそうそうそう!!」


アルミン「君もいいお嫁さんになれそうだね、ヒストリア!!」

ヒストリア「お……お嫁さんだなんてそんないきなりプロポーズだなんて積極的すぎるー!!///」

ユミル「落ち着けアホトリア」


ジャン「そういや手作り弁当なんて久しぶりだな…母ちゃんに作ってもらった以来だ」

コニー「おう。俺も久しぶりに母ちゃんの料理食いてぇなぁ」

サシャ「そういえば私も長いこと家族に会ってないです」

ミカサ「元気かなぁ。お父さんとお母さん」

エレン(…そういえば……母さんは父さんのアレを知っていたのか?)

アルミン「うんうん。時間があれば会いに行きたいね。てか会いに行きたければ自由に行けばいいよ」

コニー「さすがアルミンだぜ!」

ミカサ「太っ腹アルミン!」

エレン「…俺も母さんに会いに行きたいな」

ミカサ「私も」

アルミン「うん、時間なら作るから行けばいいよ。ジャンも行きなよ」

ジャン「あ?別に会いたいなんて…」

ヒストリア「ジャン、この前もお母さんから手紙来てたね」

ジャン「うるせーな…別にうれしくねぇよ」

ヒストリア「嬉しいんだね」

アニ「…」

ミカサ「そういえばアニもお父さんがいるって聞いたけど…」

アニ「まぁね…今はどうしてるか知らないけど」

アルミン「そうか…君たちは帰りたくても帰れないんだな」

ライナー「まぁな…だが気にするな。会えるならなるべく会っておいた方がいいぞお前ら」

エレン「おう」

コニー「明日にでも行こうかな…」

ベルトルト「いつか巨人がいなくなって、壁外と壁内が争わなくていいようになればな…」

アニ「うん…」

ミカサ「…またアニ達が家族に会えるために私達も頑張るよ」

アニ「ありがとう」

エレン「そうだな…」

アルミン「じゃあ、そのためにはまず皆で楽しく飯を食おう!1日のエネルギーは食事からだ!!」

ヒストリア「ん~、美味いっ」モグモグ

ヒストリア「ひゃあっ!」ポロッ

サシャ「ああ!神様、もったいない」

ヒストリア「ひーん、服にこぼしちゃった」

ユミル「何やってんだ、お前は。ったく…」ゴシゴシ

ヒストリア「ああ…ごめん、ありがとうお母さ…じゃなくてユミル!」

ユミル「お前…いま何て言おうとした?」

ヒストリア「ごめん、本気で間違えかけた」ビッ

ユミル「あのなぁ…アホかお前は」

アルミン「いや、確かにユミルはお母さんみたいだ」

ミカサ「うん」

ユミル「はあ?」

ヒストリア「でしょでしょ!?」

ユミル「待てコラ!」

エレン「はははははは…」

―――調査兵団―――

ハンジ「…別の兵団の新兵から手紙?」


エルヴィン「ああ…あの巨人達を引き連れているらしい新兵の子ども達が作った兵団だ」

リヴァイ「ガキの集まりじゃねぇか…内容は?」

エルヴィン「我々調査兵団と協力しウォール・マリアを奪還したいそうだ」

ハンジ「ちょうどそれは私達も考えていたことだね。巨人の子ども達に会いたいと思っていたんだ」

リヴァイ「変なことすんじゃねぇぞ眼鏡」

エルヴィン「ああ…巨人の力があれば、マリア奪還も夢ではない」



ペトラ「団長!」


エルヴィン「!」

リヴァイ「どうした、ペトラ」

ペトラ「外に誰かが来ています…その…」

リヴァイ「誰だ?」


ペトラ「誰かは分かりませんが…腰パンの男が」

エルヴィン「!」



「わぁりぃ…遅れちまったぁ…」

ガチャッ

リヴァイ「…お前は……生きていたのか?」



レオン「俺の獲物は残ってんだろうな?」



ライナー「…次はマリア奪還か…」

ベルトルト「急がないとね…」

アニ「ああ、あまり時間をかけると、奴が来る……」

ベルトルト「猿が…」







エレン「…はっ!!」ガバッ

ミカサ「わ!?」

アルミン「どうしたエレン!?」

エレン「…思い出したんだ…少しだけ。父さんの記憶を」

エレン「…父さんの記憶には…あの日、キース教官と会っている姿があった」

アルミン「なんだってぇ!?」

ミカサ「え!?」

エレン「…聞かないと…父さんの話を」

エレン「近いうちに、キース教官と母さんのところに行くぞ」

―――ウォール・マリア シガンシナ区―――



獣の巨人「…」



獣の巨人「…遅いなぁ…あいつら…座標の奪取はどうしたんだ。時間切れになっちまうぜ?」


獣の巨人「まぁ、いいんだがな…」


バシュウウウウウ……


???「その時は俺が直接行けばいいだけだ」


アルレルト兵団 団員


ヒストリア・レイス
「レイス家の妾の娘で、辛い過去を歩んでいたが現在は仲間や本妻の家族と仲良く暮らしている元気で活発な少女。小柄な身体を生かした立体機動を得意とする」

ユミル
「巨人の力を持つ謎に包まれた少女。常にヒストリアの側におり、すぐに騒ぐ彼女を落ち着かせたりツッコミ役としても活躍する。口は悪いが人は悪くない」


ジャン・キルシュタイン
「冷静な判断力と優秀な現状認識能力を持つ、エレンをライバル視する思春期まっしぐら少年。立体機動を得意とする。アルミンとヒストリアによくいじられている」

サシャ・ブラウス
「食欲旺盛で元気な面白い女の子。五感が鋭く高性能センサーの如き力を発揮するが少しお馬鹿なのが玉に瑕である。ヒストリア、コニーと仲がいい」

コニー・スプリンガー
「サシャと並びお馬鹿だが仲間思いの優しい奴。小柄な身体で素早い動き発揮する。ヒストリア、サシャと共に色々な意味で突き抜ける」

マルコ・ボット
「優秀で頭のいい少年で指揮官向きと言われている。途中から存在を忘れられていたような気がするが大丈夫たぶん忘れてない大丈夫」

ライナー・ブラウン
「その人柄とカッコいい筋肉で仲間達から信頼を得る男。以前は不安定だったが今では戦士でも兵士でもない、ライナー・ブラウンという1人の男として生きている。鎧の巨人に変身する」

ベルトルト・フーバー
「背が高く口数が少なく後ろでよく冷や汗をかいているが最近は周りと打ち解けるようになった。全体的に優秀で頼りになる少年。超大型巨人に変身し主に蒸気発生係として活躍する」

アニ・レオンハート
「目つきが怖く無口な少女。しかし最近は皆と話すようになっており格闘術も教えている。ミカサと友達。女型の巨人に変身しその強烈なスピードとキックで敵を圧倒するアニさんである」



フロリアン・レイス
「レイス家の本妻の娘。ヒストリアと同い年で仲がいい。優しい性格だが、優柔不断なところがある。能力は全体的に平凡。ライナーをよく見ている」

ディルク・レイス
「レイス家の本妻の息子。元対人制圧部隊の副隊長で高い戦闘能力を持つ。冷静で厳しいところがあるが根は優しいらしい。ロッド似」


ケニー・アッカーマン
「元対人制圧部隊隊長。非常に高い戦闘能力を持ち敵対していた頃はアルレルト兵団が彼に勝ったことはない。独特の性格と口調で憎めないオッサンである」

エレン・イェーガー
「父親に多くの謎があり本人も謎だらけのイケメン少年。感情的になりやすいが最近は落ち着いてきている。全体的に能力が高く巨人に変身することができる。アルミン、ミカサと共に自由と外の世界を夢見ている」

ミカサ・アッカーマン
「おとなしい性格で争いごとを好まない少女でよくオロオロしている。特技は野菜作り。能力は平均より少し低いくらいだが、たまに別人のような目つきになり恐ろしいまでの身体能力を発揮する事がある。謎だらけ」


アルミン・アルレルト
「自称超大型天才頭脳と人類最強の洞察力と鎧の精神、脅威の勘を持つ騒がしい少年。アルレルト兵団を立ち上げ、世界全てを救うため仲間達と共に長き戦いの旅路へと向かう。しかし身体能力は低い。エレン、ミカサと共に明るい未来へ向かってレッツラゴーだ」










アルミン「まだまだ僕らの夢への道は長い!」

エレン「ああ…必ずこの世界を自由にして、外の世界を探検するんだ」

ミカサ「みんなも一緒にね」

アルミン「よーし、エレン!ミカサ!行くぞー!!」ダダダッ

エレン「よっしゃ!!」ダダダッ

ミカサ「おー…あ、待ってよ~」タッタッ




第一部 完



とりあえずここでいったん終了です。

続きは原作が進むか何か思いつけばまた書く予定です

乙、面白かった!
この面子で立ち向かえば猿にも勝てるかもな
王道の熱い展開にワクワクしたよ、ありがとう!

乙です
最初から読み返したけどまだ伏線残ってるな、気になる……
続きがくるのを期待してるぜー

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