男「異世界流し!?」【安価】 (494)

執行官「不服か?」

男「い、いや、てっきり死刑だと思ってたから……」

執行官「この世界からいなくなるのだから同じだと思うが」

男「それは……だが、本当に異世界に送る以外、何もしないのか!?」

執行官「しつこいな。殺してほしいのか?」

男「………」

執行官「図星か。まぁお前の境遇に同情してない訳じゃない。民衆も刑を軽くしろと署名運動起こしたくらいだ」

男「……何だか申し訳ないな」

執行官「そう思うなら、この人物を見つけたら捕まえて、これを押すんだな」

男「スイッチ?」

執行官「こっちの世界に戻る装置だ。ただし、登録した生体反応を感知しなくては起動しない」

男「やっぱり裏があったのか」

執行官「あくまで“ついで”だ。お前が異世界で何をしようと俺の知った事ではない」

男「あそ」

執行官「じゃあな」

男「ああ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430146400


 牢屋から出た俺は目隠しをされた。

 視界はおろか、音も、臭いも、触感さえも分からない状態で移動は続き、どこか大きな音のする部屋へと連れてこられた。

「男、せめてもの手向けだ。この世界の技術の総べてを使ってお前に特殊な能力を与えてやる」

「特殊な能力……」

 男が願った能力とは?


1、生物兵器にしてくれ
2、地球の生物の能力を使えるようにしてくれ
3、身体能力を10倍にしてくれ
4、格闘技や暗殺術を仕えるようにしてくれ

 安価↓1


 こうして俺は改造された。

 地球上の生物の持つ特殊な能力を使用できる者として異世界へと向かうことになった。

 しばらくして荘厳な音が鳴り響く。いったい何が始まると言うのか。

「じゃあな、元気にやれよ」

 そういえば、この執行官の声はどうやって聞こえ……。

「エスパー能力も与えてやれば良かったかな」

 くそ、選択肢になかったじゃねぇか。

「楽しくやれよ」

 返事もできぬまま、俺はすぅと意識を深みに落としていった。。。

異世界

男「……ここは」キョロキョロ

男(ここが異世界……って空に島が浮いてる!? ラピュタかっ!?)

男「……何だか楽しそうなところに来てしまったみたいだ」

男(そうだ、この世界での偽名を考えないと……)


とりあえずの偽名


安価↓1(三文字以内で)

ソル「ソルで良いか。昔ネトゲで使ってたアカウント名だから、しっくりくるしな」

ソル「まず知らなくてはならないのは、この世界の食物連鎖だな」

ソル(空飛ぶ島があるんだから、ドラゴンとかいてもおかしくないが、それ以上に人がいるのかどうかが心配だ)

ソル「もし人が世界を支配してたら、空飛んでたら撃ち落とされそうだからな。歩いて移動しよう」


??「あなた……誰?」


話しかけてきたのは?


安価↓1

名前:
種族:
性別:
備考:

リナ「あなた……誰?」

ソル「俺はソル。ちょっと訳アリの旅人だ」

ソル(脚がない。そういう種族なのか?)

リナ「訳あり?」

ソル「ああ、まぁ記憶喪失っていうか、この世界の事を何も分からないっていうか」

リナ「あー、たまにいますよね。そういう人」

ソル「多いのか?」

リナ「異世界から来た人や、忘却の魔物に襲われた人は、自分の事を見失ってそのまま朽ち果てるんです♪」

ソル「……恐ろしいことをあっさりと」

リナ「よければ街まで案内しましょうか?」

ソル「良いのか?」

リナ「はいっ! 私、暇なので♪」

ソル(どうやらこの世界には人がいるみたいだな……)

平原

ソル「へぇ、死んでるんだ?」

リナ「もう少し驚いてください」

ソル「いや、だって俺記憶喪失だし」
ソル(というか、この世界何が起きても驚くだろうからある意味ここで慣れとかないと……)

リナ「この世界では、魔力を一定以上残しちゃうと魂と定着して幽霊になっちゃうんです」

ソル「一定量ってどれくらい?」

リナ「うーん、軽く中央大陸魔法師団全員分くらい?」

ソル「すごい奴だったんだな」

リナ「えっへん♪」

ソル(見た目が可愛いから強そうに見えない……)


リナの髪形、髪色、肌の色

安価↓1

髪形:
髪色:
肌の色:

ソル(黒人っぽいけど、髪の色は赤い。もしかしたら黒肌の子は魔力が高いのかな?)

リナ「ちなみに、私は魔力をある程度失うと消えちゃうんでお手伝いとかできないですよ?」

ソル「ああ、要らないよ」

リナ「要らないんですかぁ!?」ガーン

ソル「いや、どっちだよ」

リナ「だってぇぇぇぇ、私って魔力が高い人にしか見えないんですよぉおおおお!」

ソル「そうなの?」

リナ「だからずっと寂しくて……ぐすん」

ソル(なんか急にフレンドリーじゃない?)

リナ「魔力は使えないですけど、記憶喪失のあなたに知識面のお手伝いはできますよ♪」

ソル「ああ、それは助かる」

リナ「えへへ///」

ソル(可愛いな……)

黄昏の街

ソル「……なんか周りは昼なのに、街中だけ暗くない?」

リナ「ああ、街全体が光の魔力を吸い取ってるんですよ。黒曜石でできた街ですからね。その代り冬も温かいんですよ♪」

ソル「リナは温かさとか感じるの?」

リナ「もちろんです! 寒い時は温めてくださいね?(嘘ですけど)」

ソル「次嘘ついたら成仏してもらうからね」

リナ「何でわかったんですか!?」

ソル(何の生き物の力か分からんけど、勘が鋭くなったみたいだな……いや、昔からか?)

リナ「ささ、いきましょ♪」ギュッ

ソル「お、おう……」

ソル(触ることもできるのか……)

リナ「この世界は色んな種族の方がいるんですよー♪」

ソル「一番権力があるのは?」

リナ「うーん、エルフですかねぇ。でもあの人たちは北の森から出てこないですから、実質的には人間ですかね」

ソル(どの世界でもたくましいんだなぁ……)

リナ「エルフが人型だけに使用できる魔法を定期的に作ってくれるので、魔族には負けないですね」

ソル「ふーん」

リナ「ま、私は魔族に殺されちゃったんですけどネッ♪」

ソル「まじか」

リナ「若気の至りってやつですよ……」フッ

ソル「今も若いじゃねぇか」

リナ「ふふっ、乙女の秘密です♪」

ソル「……?」

ソル(とりあえずはこの世界で生きられるようになる。生きる目的はそれから見つけよう)

黄昏の街入口

門番「おい、こっちで手続きしやがれ」

ソル(随分口が悪いんだな……)

リナ「黄昏の街は悪い人がいっぱいいますからね。気を付けてくださいね」

門番「ん? どうした、名前と出身を書けよ」

ソル「いや、すまん。俺は記憶喪失でソルという名前以外何も分からないんだ」

門番「ちっ、また迷人かよ」

ソル「入れないか?」

門番「金も持ってないのか?」

ソル「悪い、何もない」

門番「………」

リナ「ソルさんソルさん!」

ソル「?」

リナ「喧嘩は得意ですか?」

ソル「いや、どうだろ?」

ソル(地球上の生物の力を使用できるから、それなりには自信があるけど……)

リナ「もし、おありなら、“コロッセウム”に参加したいと言ってください」

ソル「嫌な予感しかしねぇよ」

門番「何ブツブツ言ってんだ?」

ソル「いや、すまん。ちょっと待ってくれ」

門番「?」

ソル「………」


1、この街を諦める
2、コロッセウムに参加する


安価↓1

ソル(まぁ参加してみるか)

ソル「コロッセウムに参加させてくれ」

門番「お前、記憶がないんじゃ?」

ソル「ああ、この世界のシステムは何となく、な」

門番「ふーん、ま、お前みたいなのでも見た目はマシだからな。盛り上がるか」

ソル「ちなみに一回勝ったらどのくらい貰えるんだ?」

門番「一番下のランクで夕飯が喰えるくらいじゃねぇか?」

リナ「まずはそれにしましょう!」

ソル「………」

コロッセウム


<ワーワーッ
<コロセーッ
<イイゾーッ

リナ「ちょっ、ななな、なんでっ!?」


ドラゴン「ぎしゃぁあああああ!!」ゴォオオッ


ソル「お、おお……これがドラゴンか…」ゴクリ

リナ「なんでBクラスに挑んでるんですかぁああああ!?」

赤に黒とか落ち着かなそう……

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira075107.jpg


 試合開始直後、ソルは両腕で胸元をがっちりと隠し、身を小さく収めた。

 その姿は、まるでシャコのように静かで、威圧感があった。

 ドラゴンは大きな咆哮と共に、前足を上げる。

 ドラゴンと言えば炎を吐いたり、牙で攻撃するイメージが強いが、コロッセウムで火を吐かれると困るので喉の火炎袋は除去している。

 実質、もっとも攻撃力の高い踏みつけに出たドラゴンだったが、


(遅いし、怖くない!)


 一番記憶に新しいテラフォーマーズのシャコパンチを頭に浮かべていたソルは、振り下ろされた前足に向かって、


「うぉおおおおおお!」


 鋭い一撃を繰り出した!



 バギンッ!!


 何かが壊れる音がして、続けてドラゴンが悲鳴に似た叫びをあげた。

 観客にとって初めて聴くそれは、甘美で、非常に心地よい響きだった。


「ぉおおぉおぉおおお! 殺せ! 殺せ!!」


 Bクラスは勝つというよりも生き残ることが前提の戦い。
 
 そのサバイバルを五分の戦いへと昇華させたソルは、もはや人々の虜であった。


 だが、ソルは動けなかった。


 なぜなら――、


「骨……折れちまった…」


 壊れる音は、彼の骨が折れる音だったからである。


 即座に爬虫類や軟体動物に見られる再生能力を使って、骨の位置を正常にしたものの、痛みが消えたわけじゃない。

 痛覚を遮断する能力も備わっているが、それを使う事が命に係わる可能性を怖れたソルは、ただひたすら痛みに耐えた。

 ドラゴンが体勢を整える。観客から落胆の声があがった。

 なぜなら、試合時間が一分前に迫っていて、戦況からソルが勝てるようには思えなかったからだ。


 そして、終了の鐘が鳴った。


 人々は残念そうにしながらも、一か月ぶりのBクラスの生き残りに拍手を送った。

 コロッセウムは野蛮な場所ではない。生き残った者には惜しみない賞賛を送るのだ。



「ふぅ……死ぬかと思った」


 待合室で壁にもたれるソル。

 どうやら生物の能力を使う事は生命力を消耗するようだ。

リナ「もう!! 心配したんですから!!」

ソル「悪い悪い。自分の力を過信してたみたいだ」

リナ「……生き残って…良かった」ギュッ

ソル「リナ……?」

リナ「少しだけ……このままで…」

ソル「………」ポンポン





受付「お疲れ様でした! 報酬をどうぞ!」

ソル「えっと……ありがとうございます」ガシャッ

リナ「おーーーっ、すごいですねぇ♪」

ソル「多いのか?」

リナ「一週間豪遊できますよ!」

ソル「そうか」

ソル(とりあえずは寝床だな……)

商店街

ソル「リナはどうするんだ?」

リナ「え?」

ソル「これからも俺と一緒にいるのか?」

リナ「………」

ソル「俺はまだこの世界に対して何もできない。お前が望んでいるような事は……」

リナ「な、なぜそれを!?」

ソル「分かりやす過ぎるだろ。あのタイミングで俺を見つけて、いろいろ案内して世話するとか……」

リナ「………」

ソル「手伝えることがあったら手伝ってやりたいが、そうそう簡単な事じゃないんだろう?」

リナ「……は、い」

ソル「悪いな」

リナ「……いつか」

ソル「?」

リナ「いつか、あなたが誰かを助けられるくらいになったら、まずは私を助けてくれますか!?」

ソル「……ああ、約束しよう」

リナ「ありがとうございます!」ギューッ

ソル「……悪いことしたかな」

ソル(例え見返りを求めていたって、世話をしてくれたことには違いないんだ。もっと……)


『あんたのせいで!』


ソル「……っ」

ソル(そうだ、な。下手な期待はさせない方がいい。例え幽霊相手でも……)

奴隷商「兄さん」

ソル「?」

奴隷商「さっきの試合、すごかったなぁ」

ソル「あ、ああ。見てたのか」

ソル(情けない試合を……)

奴隷商「見たところあんたは異世界人だ」

ソル「分かるのか?」

奴隷商「あっしほどの目利きなら簡単にね」

ソル「そうか……」

奴隷商「よかったら奴隷買わねぇか? 何かと大変だろ?」

ソル「奴隷……」

奴隷商「おや、奴隷のいない世界だったのか?」

ソル「かつては……いた」

奴隷商「なら話は早い。どっちみち誰かの奴隷になるんだ。気にすることなく買ってくれ」

ソル「………」


安価↓1~3(奴隷候補。後で多数決します)

名前:
種族:
性別:
備考:

ピグ
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira075108.jpg

こ、こういう事?(錯乱)

レノ
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira075110.jpg


フローナもいる?
もう多数決いく?

多数決いこっか^^


1、ピグ
2、レノ
3、フローナ


どの子を奴隷にする?


多数決安価↓1~5(同一IDはどちらもなしで)

奴隷商「兄さんは本当に運が良い! 奴隷の中でも最高種族と呼ばれるチチル族がいるんでさー」

ソル(チチル族か……なんだか可愛い響きだな)

奴隷商「見た目も美しく、気も効いて、力もある。奴隷になるべく生まれたと言っても過言じゃない」

ソル「じゃあ、その子にしようか」

ソル(女の子だったら凛としてそうだな。男の子だったら美少年っぽいな……)

奴隷商「おい、ピグを連れてこい!」

奴隷「へいっ」





ソル「」

ピグ「……あ、あの…」プルプル

奴隷商「へへっ、この筋肉、すげぇでしょ」

ソル「あ、ああ……」

ソル(ボディビルダーに可愛い女の子がくっついた化物だった)

ピグ「よ、よろしくです……///」モジモジ

ソル「こちらこそ……」

ソル(上手くやれるだろうか……)

ソル「………」テクテク

ピグ「………」ドシドシ

ソル「な、なぁ」

ピグ「ひっ!?」

ソル「あ、いや、そんな怯えないでくれっ」

ピグ「あ、は、はいっ!」ビシッ

ソル「君は、生まれた時から奴隷だったのか?」

ピグ「……はい」

ソル「そうか……」

ソル(生まれた時から……か)

街外れの宿

受付「ちっ、チチル族は外で寝かしてくれよっ」

ソル「なんだって!?」

受付「はぁ? あたり前だろうが! 奴隷の宿じゃねぇんだよここは!」

ピグ「あ、あの……僕は外で「駄目だ」

ピグ「えっ?」

ソル「行くぞ」

ピグ「は、はい……」

受付「変な奴……」チッ

ソル「……うーん、どうやらどこの宿も泊まれそうにないなぁ……」

ピグ「………」

ソル「ん? どうした?」

ピグ「何故……ですか?」

ソル「……知りたいか?」

ピグ「あ、い、いえっ、僕がご主人様のお気持ちを知るなんて百年早っ――」


ソル「俺も同じだったからだ」


ピグ「えっ?」

ソル「子供の頃、な。よく親父に締め出しをくらってさ。寒空の下寝床を探して街を歩くのは辛かったな……」

ピグ「………」

ソル「奴隷として買ったけど、俺たちは仲間だ。楽しいことも苦労も共に分かち合おうぜ」ニッ

ピグ「………」プルプル

ソル「ピグ?」

ピグ「ご主人様ぁあああああ」ギューッ

ソル「ヘッドロックはやばい」ギリギリ

ピグ「一生ついて行きます!!」

ソル(俺が天国に逝きそうだ)フラフラ

ピグ「あ、ご、ごめんなさいっ!」アセアセ

ソル「大丈夫だ……」

ピグ「でも、これからどうしたら……」オロオロ


??「あんたら、寝床がないのか?」


ソル・ピグ「「?」」


現れたのは?

安価下1
名前:
種族:
性別:
備考:

セラ「なんだったら、ウチに来るかい?」ゼンラーッ

ソル「ぶっ!?」

ピグ「/////」

セラ「あー、悪いけど裸については触れないでちょうだい」

ソル「い、いや、そういうわけには」チラチラ///

セラ「ちょ、そんな風にみられるの久しぶりだから照れちまうよ///」サッ

ピグ「不可逆の呪法ですね」

ソル「?」

セラ「ああ、服という概念を脱いじまった時点で、私はもう二度と服を着れないのさ」

ソル「言ってる意味が……」

ピグ「裸以外の同じ状態を二度と経験することができないんです」

ソル「つまり、パンツ穿いて脱いだら、もうはけないのか?」

セラ「まぁ、服なんて脱いじまえば気にならねぇわな」アハハ///

ソル(……あの顔、嘘をついている…)

セラ「とにかくおいで。寝床くらいならあるよ」

ソル「ああ……」

地下道

ソル「地下施設か」

セラ「まぁ、住めば都さ。暗いから変な目で見られないしねっ」アハハッ

ピグ「僕が自由に動ける高さの地下道とかすごいです!」ドシンドシンッ

ソル「セラ一人で?」

セラ「いいや、この地下道にはいろんな種族が生きてるよ」

ソル「ふぅん……」

セラ「それで、どうする? 泊まるかい?」

ソル「……ああ、そうさせてもらう」

ピグ「………」ホッ

ソル「脱皮の能力があれば風呂とかいらない」ヌギッ

ピグ「う、うわぁああ!? ご主人様!?」

ソル「あ、ああ、すまん。これは俺の特殊能力だ」

ピグ「か、皮が……」ブクブク

ソル(大きい体の割に気が小さいなぁ……)

セラ「ソル、ピグ、これ食べるかい?」

ソル「ああ、悪いな」モグモグ

ピグ「美味しいです♪」モグモグ

セラ「……なぁソル。あんたって」

ソル「お前の望みは敵わないぞ」

ピグ「……えっ?」

セラ「……お見通しって訳かい」

ピグ「どういう……」

ソル「その呪いを解いてほしいんだろ?」

セラ「……ああ」

ピグ「でも、気にしないって」

ソル「こんなに綺麗な姉ちゃんが気にしないわけないだろ」

セラ「っ///」バッ

ピグ(セラさん照れてる……)

ソル「俺は異世界から来たんだ」

セラ・ピグ「えっ!?」

ソル「だから、魔法とか呪いとか一切知識もなければ使う事もできない」

ソル(魔力は幽霊が見えるくらいには高いらしいが、まぁ黙っておくか……)

セラ「それで奴隷に対して優しいのか……」

ピグ「ご主人様……」グスッ

ソル「ピグ、気にするな。俺は来るべくして来たんだ。帰りたいとも思っていない」

ピグ「……そうですか」

ピグ(そんなはずない……誰だって故郷が恋しいはず……)

ソル「そう言う訳だから、呪いは俺にどうしようもない」

セラ「でも、腕は立つ」

ソル「………何をさせようって言うんだ?」ギロッ

ピグ「ひっ!?」ビクッ

セラ「っ」ゾクッ

ソル「俺にこの世界の住人を殺せと?」ゴゴゴゴ

セラ「だ、だって……あたしは…もうあいつを殺すことしか…」プルプル

ソル「あいつ?」

セラ「この街のボス、グリードさ!」

ピグ「ひっ!?」ビクッ

ソル「?」

ソル(ピグが名前を聞いただけで怖れた?)

セラ「グリードさえいなければあたしは今頃……」プルプル

ソル「……話を聞いたところで、何もできんぞ」

セラ「……分かってる。悪いね。気を遣わせて」

ソル「宿代くらいは払う」

セラ「そうしてくれるとありがたいね」

ピグ(グリード……怖い…)ブルブル

ソル「………」

明け方 街

ソル「………」テクテク

ソル(俺は地球に捨てられた身。生きる目的を失い、価値を失い、夢を壊した)

ソル「その俺が、誰を助けられるって言うんだ……」

ソル「それに、セラを助けるならリナを……」

ソル(違うっ、俺は誰も助けなどは……)


ソルはどうする?


1、リナを助ける
2、セラを助ける
3、自分の為に生きる

安価↓1

ソル「誰かを助ける為には、それをするに値する人間にならなくてはならない」

ソル(俺が犯した罪は、俺がきちんとした立場にあれば赦されていた……)

ソル「二人には悪いが、俺は自分の為に生きる」


ピグ「ご主人様ー」タタタッ


ソル「ピグ?」

ピグ「セラさんから伝言を頼まれました」

ソル「……?」

ピグ「ありがとう、と」

ソル「……そうか」

ピグ「ご主人様?」

ソル「ピグ、この街で市民権を得るにはいくらいるんだ?」

ピグ「……ご主人様なら「ピグが、だ」

ピグ「……僕は、無理です」

ソル「………」

昼 奴隷市場

奴隷商「チチル族が市民権を? ははっ、無理言っちゃいけねぇ」

ソル「俺が冗談言ってるように見えるか?」ジッ

奴隷商「あっしだってこの商売に命かけてるんでさぁ。そんな言葉に応える気はねぇよ」

ソル「……そうか」

奴隷商「例えピグが市民権を得たとしても、迫害されるだけですよ」

ソル「だろうな」

奴隷商「種族の壁を超えることはできないんでさぁ」

ソル「……だろうな」

奴隷商(危険思想だな。グリード様に報告せねば……)


 この日もソルはBクラスに挑んだ。Aクラス以上はBクラスで一度でも勝利せねばならないからだ。

 今回の相手はオークの最上位一族“オークキング”だ。

 知識は人並みだが、残虐性がすさまじく、女を一か月間犯し続けて親の前に捨てる非道を嬉々として行うような種族だ。

 ソルはピグからその話を聞いて、怒り以上に哀しみに満ちていた。

「試合開始!」

 開始の鐘が鳴ると同時に、ソルは指から蜘蛛の糸を飛ばした。

 粘着性の強いそれはオークの視界を奪った。オークは必死に剥ぎ取ろうとするが、鋼鉄よりも強いそれは離れない。

(昨日一晩考えた、俺なりの戦い方……)

 コロセウムは武器の持ち込みを自由としている。

 ソルは槍を選んだ。身の丈ほどの柄があり、頭ほどの長さの刃を持った槍だ。

 柄の部分を蜘蛛の糸で体と繋ぐ。軟体動物の能力で体と同化する。


 立派な体の一部となったそれは、自由に射程距離を変えられる立派な武器となった。


 


 勝負は一瞬で決した。

 ソルの右腕から大砲のごとく放たれた槍は視界を奪われたオークの頭蓋骨を粉砕した。

 あっという間の出来事に観客はしばし呆然とした後、


「うぉおおおお! すげぇえええ!」


 惜しみない拍手を送った。

 ソルは糸を切り取り、武器を降ろした。

 しかし、完勝に酔いしれる事はない。

 ソルにとってこれは勝利ではない。


 ただの――捕食だった。


 

ピグ「ご主人様強すぎです!」ギューッ

ソル「お前の方が……つ。つよ…」ギチギチ

ピグ「ぎゃぁああ、す、すみません!」パッ

ソル「今日も美味しいものが食べられるな」

ピグ「は、はいっ!」



グリード「よぉ、かっこよかったぜぇ」ハハハ



ソル「……お前は?」

ピグ「ぐ、グリード様!?」

ソル(こいつがグリード……)


 グリードを見た瞬間、ソルはある人物を思い出した。

(ド・フラミンゴみたいなやつだな……)

 そして後悔した。ソルは二度と、ジャンプを読むことはできないのだ。


 グリードは下卑た笑いを続けながら、その手をソルの肩に下ろす。

「おもしれぇやつだな」

 身体をやたら触りたがる者は、他人を見下している傾向にある。

 ソルは一瞬にしてグリードの人間性を見抜いた。

 独裁者。それが彼の本質だ。

「なぁ兄弟」
「グリード、お前に兄弟と呼ばれる所以はない」

 即座に返すもグリードは気にした様子もなく、

「ははっ、悪かったよ。また会おう」

 と、笑いながら去って行った。

 ソルはグリードの背中を追いながら、静かに、思考を研ぎ澄ましていった。

飲食街

ソル「ピグの好きな食べ物ってなんだ?」

ピグ「ぼ、僕なんて木の実で十分ですよ!

ソル「いや、俺もこの世界の食べ物を知らないからさ。美味しいものを探したいんだ」

ピグ「……ホレング炒めとかどうですか?」

ソル「ホレング?」

ピグ「緑のお野菜とお肉を炒めた料理なんですけど、以前のご主人様がよく食べてました」

ソル「以前の?」

ピグ「あはは、その……前のご主人様は…死んじゃって……」

ソル「ああ、それはすまない」

ピグ「い、いえっ、大丈夫です!」ブンブン

ソル「じゃあ、食いに行くか♪ ホレング炒め!」

ピグ「は、はいっ!」

屋台

ソル「青椒肉絲みたいなもんか」モグモグ

ピグ「……これが…ご主人様の好きな……」モグモグ

ソル「どうだ?」

ピグ「……お、おいひっ…」グスッ

ソル「よく噛んでな……」ナデナデ

ピグ「ひゃいっ……」モグモグ

ソル「………」モグモグ

ソル(よし、俺は俺の為に生きる。まずは――)





――ピグを、奴隷から解放する。



ソル「……市民権を得るためには、家と金か」

ソル(そろそろ魔法についての概念も知りたいな。AクラスはBクラスの魔物を倒した者達がいるという事は魔法を使うことなど造作もないだろう)

ソル「ピグ、お使い頼まれてくれるか?」

ピグ「あ、はいっ」

ソル「チチル族って知識もあるんだろ?」

ピグ「特に自然の知識は自信あります!」

ソル「そうか、なら住める土地を探してきてくれ」

ピグ「この街でですか?」

ソル「いや、ピグが住みたい場所でいいぞ」

ピグ「……頑張ります」

ソル「どうした?」

ピグ「い、いえ、前のご主人様も同じことを最初に頼んでくれたなって」

ソル「そうか……」

ピグ「行ってきます!!」ダッ

ソル「……さて」

魔法ギルド

ソル「魔法について教えてもらえるか?」

受付「あなたの階級は?」

ソル「ああ、俺、この街の市民じゃないんだ」

受付「お帰りください」

ソル「……(魔法使いってのは閉鎖的なのか?)」



??「………」


ソルの前に現れたのは、

安価下1
名前:
種族:
性別:
備考:

ツキカゲ「ふむ、異界人か」チャキッ

受付「ひっ!?」

ソル「………」

ツキカゲ「我はツキカゲ、侍なり」スーッ

ソル「刀……侍。この世界にもいるのか?」

ツキカゲ「ほう? そなたの世界にもいたのか?」ジャキッ

受付「そ、外でやってください!」

ソル「あんた、魔法とは縁がなさそうだな。誰の差し金だ?」

ツキカゲ「勘も鋭い。良き戦士だ」

ソル「グリードか……」

ツキカゲ「恨みはないが、死んでもらう!」ザンッ

ソル(早いっ!?)サッ

ツキカゲ(ほう?)ジャキッ

受付「」

ギルド外

ソル「ちっ」バシュッ

ソル(蜘蛛の糸あって良かったー)スパイダーマッ

ツキカゲ「………」ジャキッ

ソル「ここまで……っ!?」

ツキカゲ「………」ゴゴゴゴゴ

ソル(身体が……盛り上がっていく)

ツキカゲ「ぐぉおおおおおおっ!」

ソル(人狼!?)

ツキカゲ「っ!」ダンッ

ソル「はやっ!?」

ツキカゲ「……腕が切れても生えるか」

ソル「はぁはぁはぁっ」

ソル(生えてくるけど体力使うんだよ!)クソッ

ツキカゲ「次は殺す……」ジャキッ

ソル「その前に聞きたいことがある」

ツキカゲ「……却下する」ダンッ

ソル「くそっ!」バッ

ツキカゲ(身体から羽根が……?)

ソル「しゅっ!!」ダンッ


ソル(空までは来られねぇだろ)バサバサッ


ツキカゲ「……面妖な」ジャキッ

ソル「このまま逃げるか?」

ソル(軟体動物や単細胞生物の再生(分裂)能力で羽根を作って空も飛べるのか)

ツキカゲ「……それで有利になったつもりか?」グググッ

ソル「なんだ……何を…」ゾクッ

ソル(野生の勘が警鐘を鳴らしてる!?)


ツキカゲ「……斬ッ」ブンッ


ソル「!?」


 人狼の最も特徴的な点は身体能力の高さにあるが、それ以上に危険な面がある。

 人と狼の狭間に生きる者。人狼の姿をとった彼らは通常の数倍の魔力を有するのだ。

 そして、魔法に昇華することがなくても、彼らは魔力を使って様々なことができる。

 その一つが、ツキカゲの魔力を乗せた遠距離斬撃だ。


 放たれた一閃は蒼い光となり、空をはばたくソルへと向かった。


「くそっ、どうすれば……」

 ソルにできる事は少ない。逃げようにも空を飛ぶことに慣れていない彼に急旋回などできるはずもなく、また迎撃する方法も分からない。

 羽根をしまって堕ちるか、防御するかの二択である。



――ドォンッ


ツキカゲ「………」チャキッ

ソル「……ぐぅううっ!?」ガシャァッ

ソル(や、屋根に落ちて助かった……)ハァハァ

ツキカゲ「………」ダンッ

ソル「くそっ……」

ソル(そうだ! 一か八か……)スゥ…



ツキカゲ「……いない?」



ソル「………」ギタイ

ソル(擬態することで視界からは逃れられるが、臭いだけは……くそっ)

ツキカゲ「………」

ツキカゲ「……ふんっ!!」ザンッ

ソル「」ドサッ

ツキカゲ「………」ジャキッ

ソル「」ドクドクドク

ツキカゲ(……首だけでも)グッ

ソル「」ザンッ

ツキカゲ「こんな男に賞金を懸けるとは、グリードも地に落ちたか?」

ソルのクビ「」

ツキカゲ「……ふん」

地下道

ソル「はぁはぁはぁっ」ドキドキドキ

ソル(ぶ、分裂成功して良かったぁあああああ)ドキドキドキ

ソル「じ、人体に影響ないよな?」

セラ「うるさいねぇ。何言ってんだい?」

ソル「セラ!!」ギュッ

セラ「ひぃっ!?」カァ///

ソル(い、生きてるよな俺!? 触れなくなってないよなっ!?)ギューッ

セラ(お、男の人に触られたぁあぁぁぁぁ///)フラフラ

ソル「……え?」

セラ「ぷしゅー///」

セラ「ツキカゲってこの街でも最強の賞金稼ぎじゃない!?」

ソル「あれ、変なしゃべり方やめたのか?」

セラ「……も、もうお嫁にいけないもん…///」グスッ

ソル「悪かったよ……」

セラ「まぁ元々見られてはいけない部分を大勢に見られた訳だけど……///」ハァ…

ソル「ところで、その呪いはグリードにかけられたのか?」

セラ「違うわ。私に呪いをかけたのは……」



セラ「リナという魔術師よ」



グリードの屋敷

グリード「ふぅん、あっさり死んだんだな」

ツキカゲ「………」

グリード(相変わらず賞金首相手にしかしゃべらない奴……)

ツキカゲ「………」

グリード「まぁいいや。賞金もってけ」

ツキカゲ「………」コクリ

グリード「さて、ご主人様のいなくなったピグをどうするか」



グリード(“また”俺の手で主を失って、可哀想な奴だ)クククッ



平原

ピグ「………」タタタッ

ピグ(この辺は地盤が安定してないなぁ……)

リナ「………」 

ピグ「あっちも探してみよう……」タタタッ

リナ「………」

ピグ「ご主人様に喜んでもらうんだ……」タタタッ

リナ「……ごめん…」スカッ

リナ(もうあなたに触れる事すらできない……)ツーッ

ピグ「………」タタタッ

リナ「………」

ソル「リナがセラに呪いをかけて、それを命令したのがグリード……か」

ソル(とにかく、まずはリナと会わな……)フラッ

ソル「そう……か、血の量が…」ドサッ

セラ「ソル!?」

ソル「く……そ…」





回想

男「俺が……総理を殺す?」

?「ああ、お前ほどの男なら余裕だろ?」

男「だ、だが、あの人は俺達みたいな奴でも平等に……」

?「だからだよ。平等なんてのはクソだ。あいつの所為で多くの人間が不満を抱いている」

男「………」

?「さぁ、やるのか、やらないのか」

男「……俺は…」

ソル「柔らかいものが……」サワサワ

セラ「ちょ/// ふ、太ももだめっ///」

ソル「あ、セラ……」

セラ「起きた?」

ソル「ああ、すまん」ムクッ

セラ「大丈夫?」

ソル「自分でもよく分からないんだ」

セラ「……私と一緒だね」

ソル「だな」ニッ

セラ「……私、元に戻りたい」

ソル「話を聞かせてくれるか?」

セラ「………」コクリ

回想

セラ「お父様、こちらへっ」タタタッ

貴族「ははは、急がなくてもコロセウムは逃げやしないよ」

セラ「………」ドンッ

グリード「……おっと、大丈夫か?」

セラ「あ、は、はい……」

貴族「悪いね、うちの娘はお転婆で」

グリード「いえいえ、気にしないでください」ニコッ

セラ「………///」

貴族「ほう、君はAクラスの闘士か」

グリード「たまたまです。私はこれしか能がないので」

貴族「……気に入った!」


 グリードはコロセウムでも大人気の闘士だった。
 私とお父様は、爽やかに笑う彼をとても気に入っていたわ。

貴族「あ……が…」ドサッ

グリード「ははははっ!」

セラ「い、いや……」

グリード「おい、お前」

リナ「………」

グリード「ハーフエルフ……いや、だいぶ人間よりだが魔法には自信ありそうだな」

リナ「………」

グリード「ちっ、面白くねぇ。貴族ってのはどうしてこうも変わり者を好くかねぇ」

ピグ「ごしゅじ――」

リナ「!! 来ちゃ――」


グリード「ひひっ! なんだよぉ! 感情あるんじゃねぇか!」ジャキッ


リナ「やめなさい!」

グリード「………」ピタッ

ピグ「あ……ああ…」プルプル

グリード「チチル族ごときに……」チッ

グリード「あいつを助けてほしければ、お前の生徒であるこの娘に呪いをかけろ」

リナ「………」

セラ「い、いや……」

グリード「さぁどうする?」ニヤニヤ

セラ「り、リナ? 嘘よね? 私たちは……」

リナ「……どんな呪いでも良いのか?」

グリード「ああ、良いぜ。俺は面白いのが好きだ!」

リナ「ならば、不可逆の呪いをかけよう」

グリード「?」

リナ「一度でも概念を外せば、二度とそれを持つことができない」

グリード「分かりやすく言え」

リナ「服を脱げば服を着れなくなる。下着を脱げば下着をはけなくなる」

グリード「ほぉ」ニヤニヤ

セラ「……いやぁ」

~~~

セラ「私はその後、グリードの命令で服を脱いだ。その後、親族や他の貴族から迫害されて、ここに逃げ込んだの」

ソル(ピグまで関わってたのかよ……)

セラ「私は絶対にあいつを許さない! セラも! 何もかも忘れてるピグも!」

ソル「……セラ、実は……」



ツキカゲ「……生きていたとはな」ドンッ



ソル「なっ!?」

セラ「ツキカゲ!?」

ツキカゲ「セラとかいう女を探していたのだが……我は運が良い」チャキッ

ソル「くそっ……」

ソル(どうする? セラを無視して戦うか?)

セラ「………」プルプル

ソル「くそっ……」

ソル「……俺は俺の為に戦う」

セラ「………」

ツキカゲ「覚悟したか……」ジャキッ

ソル「あんた、今なら悲惨な事にならねぇから退かないか?」

ツキカゲ「酔狂な」

ソル「悪いけど、苦しんで死んでくれ」ビュッ

ツキカゲ「!?」ビクッ

ソル「……セラ、お前はどこかに隠れてろ」

ツキカゲ「……!? かっ…はっ……」ビクンビクンッ

セラ「な、何が!?」

ソル「……人間に毒が吐けないと思って油断したんだろうな」

セラ「毒……?」

ツキカゲ「」ビクンビクンッ

ソル「運が良ければ死なないだろ」

ソル(それにしても、俺の身体万能すぎだろ……)

グリードの屋敷

ピグ「………」ブルブル

グリード「そんな怯えんなよ。チチル族ってのは本当にめんどくせぇな」

ピグ(ご、ご主人様……)

リナ「くそ……私がこいつに触れることができれば……」

リナ(魔力を使えば弱らせることくらいはできるけど……)

グリード「さて、チチル族の筋肉質な体を引きちぎったら上半身はどうなるのかな?」

ピグ「ひっ!?」ビクッ

リナ「……っ」グググッ

リナ(この男は何としても殺さなきゃ……)


グリード「見えてねぇとでも思ってんのか?」


リナ「!?」

グリード「出てこいよ」

リナ「………」



グリード「旅人よぉ」


ソル「………」

リナ「ソル……」

ソル「グリード、俺はお前がこの街で何しようがどうでもいい」

グリード「?」

ソル「俺はこの世界のイレギュラーだ。善悪もなければ正しいことが何かも分からない」

グリード「………」

ソル「だからこそ、俺の命を狙ったツケは払ってもらう」

グリード「俺に勝つ気か?」

ソル「勝つ? 違うな」




ソル「俺はお前を殺すだけだ」ビュッ




グリード「“防御”」ブゥン

ソル「っ!(これが魔法……)」

グリード「あぶねぇあぶねぇ。なんだよ今の」

グリード「“火弾”」ボッ

ソル「……っ」ビクッ

ソル(そうか、野生の本能が火にビビってんだ……)

グリード「なんだよ、よく分かんねぇやつ……だなっ!」ブゥンッ

ソル「ちっ!」ダッ

グリード「ははっ! 速いな! まるでガゼルだ!」

ソル(再生能力で爪を一気に伸ばし、甲殻類の硬さまで研ぎ澄ます!)ジャキンッ

グリード「ほう?」

ソル「しゃぁああ!」ブンッ

グリード「“停滞”」ブゥンッ

ソル「……く、そ…」

グリード「惜しかったな。だが良いことを教えてやる。世界の理だ」

ソル「………」グググッ



グリード「剣は魔法に勝てない。一生な」



リナ「ソルーーーーーっ!!」ブゥンッ

ソル「!!?」バッ

グリード「なっ!?」

リナ「私の魔法知識を全て注ぎ込んだわっ!」

ソル(分かる……これが魔法)

リナ「……あとは……おね…が…」シュゥゥゥゥ

ソル「“停滞”!」

グリード「“反発”!」

ソル「“消去”!」

グリード「“解除”!」

ソル「終わりだ!!」ザシュッ


グリード「……ごふっ…」

グリード(魔法を使いながら、直接攻撃まで!?)フラフラ


ソル「悪いな。俺には動物的本能もあるんだ」

グリード「……く…そ」ドサッ

後日


セラ「本当に……行ってしまうの?」

ソル「ああ」

ピグ「ぐすっ、ご主人様ぁ……」ギュッ

ソル「もうお前のご主人様はセラだ。しっかり護るんだぞ」ギュッ

ピグ「ひゃいっ!」ギューッ

ソル「………」

セラ「ソル!」ギュッ

ソル「セラ……」

セラ「本当に……ありがとう」チュッ

ソル「……(頬にキス///)」

街道

ソル「……魔法知識を得て分かったことがある」

ソル(この世界は広い。とても……とても)

ソル「とりあえずは中央王国へ向かってみるか」

ソル(リナ。君の知識は俺が生きるために使わせてもらうよ……)


 こうして、ソルの旅が始まった。

 それは、永く続く物語。

 誰も知らない――お話。



第一部 完



乙でした。
・・・・中央王国、やはり貴方か。

街道

ソル「……迷った」

ソル(リナは旅人じゃなかったから方向を示す魔法とか知らないのか……)

ソル「あー、どうすれば……」



??「………」



現れたのは?

安価下1
名前:
種族:
性別:
備考:

ルナ「ほう、こんなところに人間か」

ソル「……あんたは?」

ルナ「悪いな。庶民に名乗る趣味はない」

ソル「……あっそ」

ルナ「………」

ソル「………」

ルナ「おい」

ソル「………」

ルナ「おい、庶民」

ソル「………」

ルナ「殺すぞ?」ブゥン

ソル「なんだよ」
ソル(手から光の剣を取り出した……魔法剣という奴か…)

ルナ「………」


 ルナは自信があった。

 目の前にいる情けない庶民に対して、負ける訳がないと。

 だからこそ、痛めつける程度で終わらせようと慈悲が働いた。

 庶民にとっては暴君そのものでも、彼にだって優しさはある。


「今すぐ我の奴隷となれ。さすれば命は助けてやる」


 ひどく傲慢な物言いだったが、彼は自身にの奴隷になる事こそ至上の悦びであると思っていた。

 やはりこれは慈悲なのだ。


 だが、一方でソルは彼ら上級貴族の思考など知った事ではない。

 むしろ、平等の國で生まれたからこそ起きる疑問をぶつけたい衝動にかられた。

 この疑問をぶつけたところで返答は知れている。

 だが、ぶつけずにはいられなかった。


「あのさ――」





 ――あんた、何様?



 

>>100 お久しぶりです。久しぶりに帰ってきました。


今日はここまで! また続きのお楽しみに!

超懐かしい、この板の安価スレ作者と言えばまずこの人が思い浮かぶ。
上から目線だけど、文章力・投下速度・画力全部上がって、なんかパワーアップして帰ってきた感

>>109 あざっす! 色々と修行してきました!
投下速度に関しては単純に時間があっただけなので、これからどうなるか分かりませんがお使いよろしくです♪


少しだけ続きー


ルナ「なっ!? 貴様っ! この上級貴族“レゴール”にしか与えられない金竜≪コンリュウ≫の刺繍が目に入らないのか!?」

ソル(また良く分からん単語を……)

ソル「いや、すまない、俺はこの世界の理を知らないのでな」

ルナ「貴様は異世界人だというのか?」ピクッ

ソル「……あ、ああ」

ルナ「そうか……ならば、死ね」ジャキンッ

ソル「そうなるのか……」


 街道の脇には小川と森がある。

 ソルは迷った。このまま森に逃げ込むか、それとも一戦交えるか。

 だが、どちらの選択を選ぶにせよ、彼には聞いておかなければならない事があった。

「なぜ異世界人なら殺すんだ?」

 異世界人を憎む理由。答えによっては今後、“誰として生きていくか”を決めなければならない重要な質問だ。

 ルナは、銀色に光る長剣を構えながら、無表情で答える。


「異世界人はこの世界を食い荒らす屑だ。……いや、害虫だ」


 そして、ルナは長剣の刃をゆっくりとなぞる。するとそこに光る文字が浮かんだ。

 ソルにはそれが何を意味するか理解できた。リナの遺産は予想以上に恩恵があるようだ。

(先ほどの魔法と合わさった人間のみが使える英知の結晶“魔法剣”。こいつは厄介だな)

 地球上の生物全ての力が使えたとしても、地球には“魔法がない”。

 一度として存在した事のないそれを相手にする以上、遺伝子レベルで対処法をしらないのだ。

 その所為でミカヅキには殺されかけた。グリードにはてこずった。


 目の前の男は、先に戦った二人よりも、強い。


「逃げるか……」


 ソルは小さく呟くと、そそくさと森へ飛びこむ。


「貴様!! 待てっ!!」


 背中から罵声が響く。ルナという人物は戦闘能力は高そうだが、少しばかり頭が悪いようだ。


(待てと言われて待つ奴がいるのか……)


 森の中は暗く、ソルの行く先を案じているかのようだった。

森の中

ソル「さて、森の中はじめじめしてて、虫の本能が安らいでいるようだけど……」

ソル(だからって、道が分からないのもなぁ……)

ソル「つーかそもそも、生き物の本能で方角くらい分からないのかよ」


 ソルの言い分はおおむね正しい。

 だが、誤算だったのはここが地球ではない事。

 磁場の影響を受けて方角を知る虫や、太陽の位置や風で方向を決める動物の本能は通じない世界なのだ。


ソル「さて……どうしたものか…」



?「………」


誰が現れる?安価下1

名前:
種族:
性別:
備考:

ソル「とりあえず適当に……」

カラ「その服……あなた地球の人?」

ソル「え……?」

カラ「うわぁ! 地球の人だぁ!」ギューッ

ソル「ちょっ、あ、えっ?」

カラ「私の名前はカラ! あなたは!?」

ソル「俺はソルだ」

ソル(何この綺麗可愛い生き物……)

カラ「えへへ、ちなみにどこの国の人ですか?」

ソル「……日本」

カラ「ハラショー!」

ソル(ロシア人?)

カラ「日本のアニメ文化最高でーす!」ギューッ

ソル「それについては全面同意だが、君はどこの国の?」

カラ「あはは、私は物心ついた頃から国を転々としてたから良く分からないよ」

ソル(金髪碧眼で見た目にはとても日本人に見えないが、異世界に飛んだ弊害が何か分からないしな……)

カラ「これからよろしくでーす」

ソル「は?」

カラ「?」

森の中

ソル(自分より背が低い外人さんって新鮮だな)

カラ「~~~♪」

ソル「どうして異世界に?」

カラ「人をいっぱい殺し過ぎて、異世界流しに会いました」エヘヘ

ソル「マジか……」

カラ「でも、もう人殺さなくて良いので最高です♪」

ソル(こんな子が人を殺し過ぎた!?)

カラ「ソルさんはどうなんですか?」

ソル「俺は……まぁ似たようなもんだ」

カラ「えへへ♪ おそろいですね♪」

ソル(何この可愛い生き物、結婚しよ)

カラ「ちなみに、私は四次元ポケットを持ってるんですよ♪」

ソル「四次元ポケット?」

カラ「何か欲しいモノを言ってください♪」

ソル「……今週のジャンプ?」

カラ「ふむふむ」グググッ

ソル(その豊満な胸元に手を突っ込んだ!?)

カラ「じゃーん♪ がっぺーごー」つジャンプ

ソル「お、おおっ……」プルプル

カラ「えへへ、便利でしょ♪」

ソル「………」ペラッペラッ

カラ「……日本人はアニメと漫画の為に生きてるって本当だったのデース」ヤレヤレ





ソル「いや、やっぱジャンプは最高だわ」フーッ///

カラ「満足した?」

ソル「大満足♪」ナデナデ

カラ「えへへ///」

ソル「そう言えばカラはこっちに来てどのくらい経つんだ?」

カラ「そうですね、ざっと一週間くらいでしょうか?」

ソル(じゃあ、リナから魔法知識を受け継いだ俺の方が詳しいのか?)

カラ「食べ物も引き出せるので、この森でしばらく遊んでたのです♪」エッヘン

ソル(自慢することか?)

カラ「さっきからガサガサと人が近づいてるけど知り合い?」

ソル「ルナか……いや、なんか命狙われてて」

カラ「殺す?」

ソル「……っ!?」ゾクッ

ソル(なんて冷たい目だ……)


 ソルは戦慄した。

 自分も人を殺め、大罪を犯し、この世界に辿りついた。

 しかし、少女の目には自分が苛まれ続けているような罪の意識がない。

 むしろ人を殺す事が自分のライフワークであるかのような立ち振舞いは、彼女と人殺しを切る事はできないんじゃないかとさえ思えてくる。


カラ「………」

ソル「カラ!」ヒョイッ

カラ「およっ!?」ギュッ

ソル「逃げるぞ」グググッ

カラ「え?」

ソル(鳥の力!)ダンッ



ソル「最初からこうしてれば良かった」

カラ「おーーーっ! 空飛んでまーす!」

ソル「カラの力は後天的なものか?」

カラ「はいっ! こっちの世界に来る時にくれました!」

ソル(やはり、異世界へと送る際に異能を付与してるみたいだな……)

カラ「ソルのこの力も?」

ソル「ああ、地球上の全ての力を使える」

カラ「わお、テラフォですね」

ソル「やっぱそうなるよな」ハハ…

西の街 クルーン

ソル「はぁ……はぁ…」

カラ「疲れましたか?」

ソル「ああ、悪い。この力は体力使うんだ」

カラ「私の場合は胸元から引き出せるモノしか持ってこれないですし、万能ではないですね」

ソル「というと?」

カラ「自分より大きなモノは引っ張りだせないでーす。長いモノや重いモノも」

ソル「そうか……」

ソル(おそらく逆立ち状態になれば持ちだせるのだろうが、言う必要はないな……)

カラ「それより、ソルさんはこの街に泊まるですか?」

ソル「ああ、女の子を野宿させる訳にはいかないからな」

カラ「……日本男児の癖にイケメンでーす♪」ギュッ

ソル「はは、こんな所で外人の女の子と仲良くなりたい願望が叶うとは」

ソル(まずはこの街のシステムを知らないと……)


この街の住人

安価下1

名前:
種族:
性別:
備考:

ブラン「おい、そこのバカップル」

カラ「バカップル! ハラショー!」ギューッ

ソル「使い方あってんのか?」

ブラン「お前らここの街の奴じゃないだろ?」

ソル「ああ、今ここにきたんだ」

ブラン「悪い事は言わない、さっさと逃げるんだな」

ソル「へ?」

ブラン「この街は今、魔族に襲われてるからな」

<ギャーッ
<タスケテーッ
<シヌーッ

ソル「………」

カラ「おー……悲鳴が…」

ブラン「忠告はしたぜ? じゃあな」フンッ

ソル「………」

カラ「どうします?」



ソルはどうする?


1、街の人を助けよう
2、放っておこう
3、様子を見に行こう


安価下1

ソル「様子を見に行こう」

カラ「助けるのではなく?」

カラ(日本人は無類のお節介か無関心と聞いてますが……)

ソル「俺は人を助けられる立場じゃない。大体どっちが正義でどっちが悪かも分からないような状態でどっちに味方しろってんだ」

カラ「!」

カラ回想

『くそ……お前ら悪は…かな……ら…』
『うわぁあああ! 父ちゃぁーーーん!』
『この人殺し! 鬼! 悪魔!』
『返せ! 父ちゃんを返せ!』


『よくやった』
「あの……私のやった事は間違いだったのでしょうか?」
『それはお前が決める事じゃない』
「……はい」

~~~

カラ(この人は、一方的な押し付けをしない……)


 カラは胸に熱いモノを感じた。

 それは、自分の人生を肯定も否定もせず、ただ受け入れてくれそうな彼に対する淡い期待だった。

 殺した相手の家族に恨まれ、依頼者からは蔑まれ、飼い主からは何の答えも得られない。

 そんな空虚な人生を送ってきたカラにとって、初めての感情だった。


ソル「行こう」

カラ「う、うん」ギュッ

ソル(手を握って……?)

カラ「……ダメ?」ジッ///

ソル「いや、ダメじゃない……」プイッ///

カラ「えへへ///」

ゴグオーク「やれやれぇ!」

ゴグオーク「ひゃっはー!」グイッ

村娘「いやぁあああ!?」

ブラン「やめろっ!」ドンッ

ゴグオーク「ぎゃんっ!」ドサッ

ブラン「今のうちに逃げろ!」

村娘「は、はいっ!」

ブラン(人間を孕ます事にしか興味のない屑共が統制をとって村を襲うだと!?)

ゴグオーク「あいつ、邪魔だな」

ゴグオーク「殺そう」

ゴグオーク「おで、男でも、良い」

ブラン「!」ゾクッ

ブラン(冗談じゃない。たまたま寄った村でオークにケツを貫かれるなんて死んでもごめんだ!)

ゴグオーク「行くぞ!」ダッ

ブラン「くっ!」

ソル「……何て量の豚だ」

カラ「あれってもしかして、ファンタジーで女性を襲う魔物?」

ソル「よく知ってるな。最近ではやたらと女騎士と絡まされる下品な種族だ」

カラ「ファッキンピッグですね」

ソル「汚い言葉を使うな」コツン

カラ「ハラショー。お父さんみたいです」ギューッ

ソル「まだ若いんだけどな……」

カラ「えへへ///」

ソル「まぁいいか……」



??「ん、あれは?」


ゴグオークを従える魔族

安価下1

名前:
種族:
性別:
備考:

ゼマ「ふむ、あの汚らわしい白の魔力は異世界人ですか」

ゼマ(しかも二匹も。ここ最近やたらと増えてますねぇ)

ゼマ「殺しますか」ブゥン


ソル「魔力!?」ビクッ


 ゼマの誤算は異世界人だと侮った事だ。

 異世界人に魔力の理を理解できるはずがないと。

 本来であれば剥き出しの魔力を放つはずがなく、地獄帝の息子にふさわしい濃縮された魔術で殺すはずだったのに。

 そして、その甘さこそが彼を地方で村を襲う程度の役職に収まっている理由であり、ソルに気づかれる要因だった。


カラ「およ?」

ソル(何て魔力量だ!? 防げるのか!?)グッ


 ソルは迷いと共に後悔した。

 リナの魔法には自分の魔力量を測るモノがあったのに、それをしなかったのだ。

 その所為で、自分の実力を知らない彼にできることは――、


ソル「こっちだ!」


 逃げる事だけだった。


ブラン「喰らえ!」ドンッ

ゴグオーク「…ぎゃんっ」ゴロンゴロン

ブラン「くそっ、キリがない……」ハァハァ

ブラン(武器の使えない俺にはタックルしかない。だが、こいつらの厚い脂肪をぶち破る事なんてできない……)クッ

<ヤメテェエエエ!
<ヒギィイイッ
<い、イヤァアアア

ブラン「くそっ、俺には誰も救えないのか!?」




?「待たせたな!!」ダンッ

ブラン「!?」



さっそうと現れた騎士団の名前


安価下1

騎士団の名前:
騎士団の特徴:
騎士団のシンボルマーク:


その隊長

安価下2

名前:
種族:
性別:
備考:

メグ「我はメグ! 中央大陸を護るバライロンが騎士隊長だ!」

ゴグオーク「お、女騎士」ジュルリ///

メグ「醜きオーク! 我らバライロンのシンボル薔薇の下に、粛清の時だ!」

騎士「ふっ、騎士は華麗に舞い、華麗に殺す」ダッ

騎士「醜きは罪」ダッ

騎士「美しさは正義」ダッ


ブラン「うげ、バライロン……」


メグ「久しいなブランフォード」

ブラン「その高慢な物言い、相変わらずだな」

メグ「美しき者は常に気高くあらねばならん。貴様も屠ってやろうか?

ブラン(俺のヘルムの下見た事ないくせに。いや、別にイケメンじゃないけど)

ゴグオーク「ひゃっはーっ! 女騎士おかしほ――」ザンッ

ゴグ/ /オーク「」ゴロンゴロン

メグ「ふん、我の後ろをとろうなど1000年早い」

ブラン(相変わらず美しい剣筋だ。悔しい……)


 後に、クルーンの奇跡と呼ばれるこの戦は、バライロンの介入により一気に沈静化した。

 一部の村娘はゴグオークに襲われてしまったが、税の収める量の少ない街では生き残っただけでも儲けものだった。

 ゴグオークは自分たちが不利であると悟った瞬間、散り散りに逃げだした。

 村人のほとんどはバライロンに感謝したが、あの瞬間、ブランに助けてもらった村娘だけは彼に頭を下げたと言う。



 一方で、クルーンの奇跡が人間側の圧勝であったもう一つの理由が進行していた。



「ほほほっ! 異世界人の癖に逃げ脚だけは早いようですね!」

 地獄界の魔族は魔界の魔族よりも魔力量が少ない分、魔術の完成度が高い。

 ゼマは最初こそ雑な魔力の塊を放っていたが、今は一撃で対象者だけを消すような魔術に切り変えていた。

「くそっ、このままじゃマズイな」

 カラを抱えたまま走るソルの額からは汗が流れる。

 熱さではなく焦りからくるそれは、カラを決断させた。

「ソル、そのまま私を抱えていて」

 そうお願いすると、ソルは胸元に手を突っ込んだ。

 そして、みっちりと挟まった手を引き抜くと、筒状の長いモノがソルの目に飛び込んだ。


 ――それは、ライフル銃。


「固定させずに撃てるのか!?」

 ソルの問いにカラは笑いながら、

「なかなか難しいけど、やってみます」

 と答えた。


 カラは土台のないライフル銃を放つ経験があった。

 それは、とある国の重要人物を殺す依頼を受けた時、高層ビルの屋上から狙いを定めている時の事だった。

 突如として開いたドアには黒服の男たちが数人、ハンドガンを持って迫ってきた。

 カラは迷いなく飛び降りた。自分の命一つで任務を達成できるのなら安いモノだ。


 そして重力に意識を奪われながらも、彼女の放った弾丸は真っすぐと対象人物の脳天を貫き、地面へと突き刺さった。


 その後、落下する彼女を助けた人物が誰なのかカラは知らない。気づいたら自宅のベッドで寝ていたからだ。



(あの時に比べたら、まだまし!)

 だが、それは過信だった。

 落下は一方向だが、不安定な度合いは無数の方向へ揺れる。

 ライフル銃は切っ先が一ミリでもずれると狙った場所をすぎる時にはとてつもない方向へと向かう。


「……くそっ」


 彼女は初めて銃を握っている時に悪態をついた。

 それは、初めての執着であり、ソルを護りたいと言う熱意だったのだが、彼女はまだ気づいてはいない。


 一方でソルは自分にできる事を考えていた。

 カラが相手を倒せるとは思っていない。だが、最善を尽くす事が後々の打開に繋がるのなら、やれる事を精いっぱいやりたい。

 地球での記憶、リナの知識、地球上の生物の遺伝子。

 それら全てを利用すれば、一つの方法が浮かび上がる。

「カラ、まだ撃つな。もう少しだけ待て」

「え?」

 ソルはそう告げると、自身の肩に意識を込めた。

 ゆっくりと変態していく肩甲骨はブブブという羽音と共に、半透明の数枚の翅を形成した。


 蜻蛉≪トンボ≫。


 空中で制止できる数少ない生物。それが蜻蛉だ。

 カラをお腹で抱きかかえたままゆっくりと浮上する。そして、背面飛行へと切り替える。

「カラ、俺が魔法で土台を作る。お前は射撃に全てをかけろ」

 相手がどんな防御魔法を使うか分からないが、こちらのライフル銃の知識まではないはず。

 油断さえしてくれれば勝機を見えてくるはず。ソルはカラのお腹をより強く抱いた。

「ハラショー……」

 カラは今すぐソルを抱きしめたい気分だった。

 信頼関係を結んだ事のない彼女にとって、初めて受ける真っすぐな感情はあまりに綺麗で儚く大切なモノだったからだ。

 しかし、今は我慢しなくては。


 信頼には信頼を。


 カラはスコープに目を当て、ゆっくりと照準をゼマに合わせた。

 そして――、



 ダンッ!!


 薬莢に火がついた音ではない。射撃の反動でソルの作った土台が壊れた音が平原に響く。

 しかし、放たれた弾丸は音を置き去りにして、一直線にゼマへと向かう。

「なん――」

 ゼマは知らなかった。

 この世界に、魔術以外で音の壁を超えるモノが存在する事。

 そして、自分の魔術を発動するまでに、弾丸の速さに比べて途方もない時間がかかることを。


「ぐぁあああああ!?」


 地獄の雄叫び。

 ゼマの喰らってきた魂が一斉に悲鳴を上げる。

(くそっ、今ので一万人以上の魂が死滅した!!)

 地獄の貴族は人間の魂を自身の魂と同化させる事で、命の数を増やす。

 その方法は魔界の魔族からも忌み嫌われるほどの外道とされていたが、ゼマを助けたのは紛れもない人の魂だった。

「くそっ! そう簡単には死なないか!?」

「もう一発!?」

 カラは再び、銃を引き上げる。

 だが、二発目を放つ必要はなかった。

「ひ、ひぃいい!?」

 ゼマにとって未知の武器であるライフル銃は、地獄帝に存在するありとあらゆる凶器よりも怖ろしく感じた。

 そして彼は逃げ口上を放つことなく、その場から――消えた。

ソル「はぁはぁはぁ……」ドサッ

カラ「ソル!!」ギュッ

ソル「よくやったな」ナデナデ

カラ「うぅ……嬉しいよぉ」ギューッ///

ソル(殺し屋だったとしたら、あまり誉められたことがないのか?)


 ソルは迷った。カラとの今後の関係を決めていない今、あまり誉めすぎたり依存するような発言をするのはどうかと。

 だが、一方でカラとは今後一生を左右するような関係になりたいとも思っていた。

 だから――、


ソル「カラ、今の戦いは、お前の今までを全て肯定するような、そして俺と二人で初めて成立する攻撃だった」

カラ「ソル……」ウルウル

ソル「これが……“絆”だ」

カラ「……き…ずな?」

ソル「ああ、とても大切な、俺とお前だけにしか作れないモノだ」ナデナデ

カラ「……は、はらしょー」ポロポロ///

ソル「街の様子を見に行くか……」フラフラ

カラ「ソル! 私が見に行ってくるよ!」タタタッ

ソル「すまん……」ドサッ

ソル「………」

ソル(絆……か)

ソル(日本人の絆を壊した人間が……何を)



ルナ「見つけたぞ!!」ガサガサっ



ソル「ルナ!?」

ルナ「貴様ぁ……よくも…よくも……」ハァハァ

ソル(めちゃくちゃ怒ってらっしゃる!?)

ルナ「絶対に殺すぅうううう!」ブンッ

ソル(斬られ――)



 ――ギィィィンッ!!



ルナ「誰だ!?」グググ

メグ「………」グググ

ソル「……?」

ソル(助けてくれたのか?)

ルナ「貴様、バライロンのっ」

メグ「そういうあなたは南のトーチ領の貴族、ルナ=マリアーデ様ではないですか」

ルナ「邪魔をするな中央王国の犬がぁ」グググッ

メグ「ここはあなたが好き勝手できる場所ではありませんよ」スッ

ルナ「くっ!」ギィンッ

ソル(すごい、実力が拮抗している……)

ルナ「こいつは異世界人だ! 異世界人は旧教徒の神に従って殺さねばならん!」

メグ「トーチ領は旧教徒信者の集まりだと聞いていたが、やはりそうか」

ルナ「リニエスを侮辱する気か!」

メグ「リニエス様は神ではあるが唯一ではない! 盲信するのはやめなさい!」

ルナ「この……中央王国の穢れた悪魔主義めぇ!」ブゥンッ

ソル(この世界でも宗教が対立を生んでいるのか……)


ブラン「メグ! ……って、ルナ様!?」


ルナ「ブラン!」パァッ

ソル「えっ?」

メグ「……そうか。ブランフォードはトーチ領の元騎士だったな」チャキッ

ルナ「久しぶりだな! ブラン!」

ブラン「え、ええ(なんでトーチ領のプリンスがこんな所に?)」

ルナ「この男と連れの女は異世界人だ! この世界から魔力を吸い取るゴミだ! 粛清せねば!」

メグ「ほう、異世界人?」

ソル「なぜそうなる。俺にはよく分からん」

ブラン「ああ、ルナの言ってる事はあながち間違いじゃないんだ」

ソル「?」

ブラン「異世界人と言うのは、大きな空っぽの器みたいなものなんだ」

ソル「からの器?」

ブラン「ああ、この世界に着た瞬間に、コップで水をがぼっと掬うように魔力を吸収するんだ」

ソル「あ……」

ソル(それで俺はリナが見えたのか……)

ブラン「そして、魔力の高さは戦力の大きさでもある。昔から異世界人の一部は村を壊滅させるような悪さをしてきたのさ」

ソル「……それで」

ルナ「ふん、分かったら自害しろ」

メグ「……だが、かつて世界を救った英雄は異世界人だった」

ルナ「……ちっ」

ソル「?」

途中ですがいったんここまで!

今回は一応前作から数千年経った世界設定です!

メグ「それは旧教徒の聖典にも書いてあるはずだが?」

ルナ「………」

メグ(痛い所を突かれたらだんまりな所、旧教徒は皆そうだけど教えなのかしら)ハァ…

ブラン「いや、それよりもルナ様は1人でここに?」

ルナ「ふんっ、俺が1人旅は不安か?」

ブラン「いや、はぁ、まぁ……」

ルナ「相変わらず正直な奴だ」

ブラン「不器用なだけだがな」ハハっ

メグ「異世界人よ、悪いタイミングだったな」

ソル「いや、大丈夫だ。それより、空飛ぶ髑髏の王冠被った魔族って知ってるか?」

メグ・ブラン「「!?」」ビクッ

ソル「?」

ソル「俺を置いて血相変えて走っていった……」

ソル(何かすごい奴なのかあいつ……)

カラ「ソル! 村人たちは皆無事だったみたい!」

ソル「そうか……」

カラ「少し襲われてたけど、割とある話みたいだし」

ソル「まぁ、あんな下品な奴らならなぁ……」

カラ「どうする? 街に行くか?」

ソル「うーん、何か私たちが行ったら邪魔みたいな雰囲気だったかも」

カラ「……仕方ない。掴まれ」

ソル「?」

訂正(ソルとカラがゲシュタルト崩壊したため)

ソル「俺を置いて血相変えて走っていった……」

ソル(何かすごい奴なのかあいつ……)

カラ「ソル! 村人たちは皆無事だったみたい!」

ソル「そうか……」

カラ「少し襲われてたけど、割とある話みたいだし」

ソル「まぁ、あんな下品な奴らならなぁ……どうする? 街に行くか?」

カラ「うーん、何か私たちが行ったら邪魔みたいな雰囲気だったかも」

ソル「……仕方ない。掴まれ」

カラ「?」

ひっくりかえった家

カラ「ひっくり返ったら大きなものでも引き出せた……」

ソル(理論上はほぼどんなものでも引き出せそうだな……)

カラ「でも、引っくり返ってる……」

ソル「大丈夫だ、俺に任せろ」

ソル(地球上の生物の力と魔法の力を組み合わせれば……)ドクンッ

カラ(おお、身体が一回り大きくなった!)ドキドキ

ソル「ぐぬぬ……」グググッ


――ズズーン


ソル「ふぅ、これで大丈夫」

カラ「すごいや!」ギューッ

ソル「これで家の心配はいらないな」

カラ「うん!」

ちょっと色々あるので、日付変わるまでこのままで!

第二部が終わったら、以前のようなシステムで行こうと思うので、三名ほど新規を募集します!

安価下1~3

名前:
種族:
性別:
備考:

寝てしまいましたorz
今からいっぱい書きますよ!

後、最終的なソルの職業決めますので、考えておいてください!

候補としては

1、喫茶シアンマゼンダを引き継ぐ
2、どこかで孤児院を開く
3、どこかの街の用心棒になる
4、どこかの街の何でも屋さんになる

その他でもかまいませんので!

家の中

ソル(カラといれば家の心配も、食事の心配もいらない)モグモグ

ソル(ハンバーグうめぇ……)

ソル「だが、これでいいのか……?」

カラ「あー、良いお湯だった~♪」ゼンラー

ソル「ちょっ///」

カラ「へ?」バインバイン

ソル(トランジスタグラマーガール……死語か)オゥ///

カラ「もしかして……欲情した?」チラッ///

ソル「す、するかっ」プイッ

カラ「だよねー! こんな穢れた身体なんて!」アハハ

ソル「穢れた?」ピクッ

カラ「………」

待って待って前作知らない人少なくないだろうし、あくまで昔からの読者がニヤリとする程度にした方がいいと思います。前作ネタ

カラ「……任務を遂行するために」

ソル「……そっか」ナデナデ

カラ「嫌いになった?」

ソル「何故?」

カラ「だって……知らない男の臭いが…」

ソル「いや、そもそもお前の事を女と思ってないから」

カラ「酷いっ!?」

ソル「俺はもっとスタイル良くて美人で優しい女が好きなんだよ」

カラ「むぅーーーーっ!」

ソル「俺達は、さ」

カラ「?」

ソル「俺達はお互いに“傷モノ”なんだ」

カラ「ソルも?」

>>160その辺は安価に任せます! もし喫茶店になったとしても、数千年前なので、前作とは全く違う事になるので大丈夫です!

ソル「俺は国の為に……自分を殺した」

カラ「………」

ソル「それは日本人として絶対に許されない事だし、俺は一生あの時の自分を許しはしない」

カラ「ソル……」

ソル「だけど、地球の、日本のソルは死んだ。死んだんだ」

カラ「………」

ソル「残ったのは傷が付いた器。俺も、カラも」ニッ

カラ「……うん」コクリ

ソル「さ、もう寝ろ。俺は一応一回りしてくる」

カラ「おやすみ」チュッ

ソル「ほっ……」カァ///

カラ「ふんっ/// 女として見てないんでしょっ///」タタタッ

ソル(嘘に決まってんだろ……)ハァ…

家の周り

ソル「うわぁ、見事に街道のど真ん中に置いちまったな……」

ソル(明日破壊しなきゃ……)

ソル「破壊して……どうする?」

ソル「………」


メグ「異世界人」


ソル「うひゃっ!?」ビクッ

メグ「何を驚く。気配に気づいていただろう」

ソル「一応……だよ///」

ソル(犬か猫だと思ってた……)ポリポリ

ソル「えっと……ブライアンのメグライアンだっけ?」

メグ「バライロンが騎士団長、メグだ!」フッ

ソル(覚え切れるかっての。漫画とか何ですぐに名前覚えられるの?)

ソル「えっと、その騎士団長様が、何の用で?」

メグ「……二つ、頼みたい事があってやってきた」

ソル「……どうぞ?」

メグ「聞いてくれるのか!?」パァッ///

ソル(クールからのにこりんぱ可愛い……)

ソル「いや、聞くだけだぞ。受けるかどうかは別だ」

メグ「そ、そうだな。いや、すまん……

メグ「一つ目の頼みごとは、我らと共に中央王国へと来てほしい」

ソル「えっ」

メグ「これは少々複雑な事情があるのだが、我らが王は今、


異世界人を集めている」


ソル「………」

メグ「中央王国には七つの騎士団が存在するが、我らバライロン以外は全員異世界人を連れてきた」

ソル「何故バライロンは?」

メグ「我らは国を護る矛であり顔だ。異世界人を探して護るべき者を護れなければ本末転倒だろう」

ソル「確かに……」

メグ「ああ、勘違いしないでくれ。他の騎士団の多くも同じ考えだ。見つかったのは運が良かったのだろう」

ソル「で、俺達に来てほしいと?」

メグ「達? 他に要るのか!?」ギュッ

ソル「!?(や、柔らかい!?)」カァ///

メグ「二人も異世界人が見つかるなんて! 僥倖だ!!」

ソル「………」

メグ「安全は我らバライロンが命を懸けて護る。だから頼む。一緒に来てほしい」ペコリ

ソル「……先に、もう一つの願いを聞いてもらって良いか?」

メグ「……そ、それは……」モジモジ///

ソル「?」

メグ「じ、実はな、私は幼き頃からバライロンの顔として、リーダーとしてやってきたんだ」ジッ///

ソル(何でそんな色っぽい顔!?)

メグ「その所為か……うむ、変なキャラクターが定着してしまってな……」モジモジ

ソル「まぁ、ちょっと古風な感じだよな」

メグ「……本当の私は…その………すごく…」

ソル「すごく?」



メグ「甘えん坊なのだ!!」カァ///



ソル「」

家の中

カラ「………」プクーーーッ

ソル「いや、その、なんだ。……すまん」

メグ「にゃぁにゃぁ///」スリスリ

カラ(見回りに出た癖に帰ってきたら女連れてきた!)プンスカ

ソル「メグの事はおいといて、これからの事を考えよう」

カラ「………」コクリ

ソル「中央王国は異世界人を集めている。そして、少なくとも六人の異世界人が見つかっている」

カラ「何のために?」

ソル「知ってるのか?」

メグ「王様の考える事なんて、私みたいなダメな奴には思いつきもしないにゃー」ギューッ///

ソル(絶世の美女だけに、ギャップ萌えっ)フモッ///

カラ「ちょっとライフル銃取り出すから待ってて」ギロッ

ソル「やめてください」

ソル「これが漫画とかなら、異世界人を七人集めたら願いが叶うとかなんだろうけど……」

カラ「ベタすぎまーす」

ソル「だよな。それに俺達いれたら八人だ。別の目的があるのだろう」

ソル(それも騎士団長に言えないような秘密が……)

カラ「私は……ソルに任せる」

ソル「カラ……」

ソル「俺は――」



1、中央王国に行く(国王に会いに行く)
2、中央王国に行く(様子を見て会うか決める)
3、自分たちの道を行く


安価下1

ソル「……よし、行こう」

カラ「うん」コクリ

メグ「やったぁ/// 大好きソル!」ギューッ///

ソル「いや、普段気を張ってる分、甘えたいのは分かった。だが、好きってなんだ好きって」

メグ「だってソル、カッコいいだもん」スリスリ

カラ(最大のライバルができた……)ガーン

ソル「まぁいいや。それじゃあ、送っていくよ」

メグ「わーい///」

バライロン 野営

騎士「団長!」

騎士「おかえりなさい!」

メグ「うむ。異常なかったか?」

騎士「はっ! 村の周囲問題なしです!」

メグ「よし。そろそろ交代の時間だろう。肌の手入れをして寝るんだ」

騎士「はっ!」

ソル(バライロンって美男美女を集めてる騎士団らしいけど、ほんとキラキラしてんな……)

メグ「ここまで送ってもらってすまない」サッ

ソル「う、うん……(すごいギャップ…)」プルプル///

メグ「………ばか」ボソッ///

ソル「じゃ」タタタッ



メグ(ふぇぇ……幸せだよぉ///)ニヘラ



騎士「?」

中央王国

 かつては英知を極め、文化の発祥だった中央王国。

 人々は活気に溢れ、自分たちの生活の為、街の発展の為、中央王国の栄光の為に働き続ける。

 「全ての道は中央王国から始まる」

 格言が示すように、中央大陸に根付く文化、種族、言語は、中央王国を基礎にしていた。それは、旧教徒を崇拝する南領も、新教徒が増え続ける西領も同じだった。

 その中央王国の中心部、首都グランドベイルには一際大きな道が城へと続いている。その石畳の地面は紅く彩られ、遠くから見ると紅い絨毯のように荘厳で美しい。人々はその紅い道を“英知の美が敷き詰められた道≪レイビルラジューム≫”と呼んだ。

 中央王国の王が住む城をベイルキャッスルと呼ぶ。ベイルキャッスルへ入るには必ずレイビルラジュームを通らなくてはならない。

 美の騎士団バライロンは兜も、鎧も脱ぎ、その道を進む。

 何故なら、人は英知の美を前にして武を持つ事を許されないからだ。

 ソルとカラは地球では到底実現しえない広さ≪地球の世界一広い道路の数倍≫に感嘆の吐息を漏らした。


 二人はこの時の感動を一生忘れなかったという。


 

ベイルキャッスル内

ソル「はぁ……異文化に触れるって幸せ」ポワポワ

カラ(ソルの気の抜けた顔!)ジッ///

メグ(ソルの気の抜けた顔!)ジッ///

ベル「それで、これからどうするの?」ニマニマ

メグ「そうだな。今から――」

??「………」ザッ



安価下1

騎士団の名前:
騎士団の特徴:グランドベイルを守護する騎士団
騎士団のシンボルマーク:


その隊長

安価下2

名前:
種族:
性別:
備考:

クロア「おや、中央王国の尻軽騎士団が今更何しに来たって言うんだい?」

メグ「クロア……」

ソル(黒髪黒眼、日本人みたいだな……肌は真っ白だけど)

カラ「尻軽?」

メグ「戯言だ。耳に入れるな」

クロア「はっ、顔さえよければ実力を問わず、恋愛よりも顔の良いモノ同士での結婚を推奨しているお前らを誰が尊敬するものか」

メグ「……っ」プルプル

ソル(たぶん、騎士団にはそれぞれ貴族が統括してて、それの集まりが元老院とか呼ばれてて、そいつらの意向でそんなことになってるんだろうなぁ……)

クロア「どうだ。私だってそれなりの顔しているぞ。今夜あたり、お前の――」ビクッ

ソル「………」ジッ

クロア(何だこいつ……この殺気…)

ソル「言って良い事と悪い事の区別くらい、つけような」

メグ「………」キュンキュンッ///

カラ「危うくハンドガンで撃ち殺す所だったでーす」ハハハ

客間

ソル「うわぁ、広いなぁ……」

メグ「……くそっ!」ガンッ

カラ「どうどう」

メグ「何故あいつが自由騎士団の団長なんかやってるんだ!」クソックソッ

ソル「何かおかしい事があるのか?」

メグ「どう考えたっておかしい! だってあいつは!!」



ジョン「それ以上は言っちゃいけねぇよ」



ソル「?」

メグ「ジョン殿……」

カラ「新キャラ……」

ジョン「ここを守護する騎士団は毎年王様が決める。そこに疑問を抱く事は――許されない」ジッ

メグ「……分かっている」

ジョン「ま、俺は君の意外な一面を見れただけでラッキーだったけどな」ハハハ

カラ「どっか行っちゃった」

メグ「……///」プルプル

ソル「メグ、今の人は?」

メグ「辺境の地、レイム地方を守護する騎士団の団長ジョンだ。普通の男だが、それ故に王様からの信頼は高い」

ソル「ふぅん、まぁ普通のおっさんって感じだったな」

カラ「それより王様とはいつ会えるの?」

メグ「小一時間したら使いの者が来る。それまで大人しくしていろ」

カラ「どっか行っちゃった」

ソル「大人しくしてるか……」

ソル「そうだ、今のうちに! カラ、ペンとコピー用紙を数枚出してくれ!」

カラ「はーい」スッ

ソル「………」カキカキ

カラ「これは?」

ソル「魔力を測定する魔術だ」スッ

カラ「ほえ?」

ソル「手を置いて」

カラ「了解でーす」ペタ

ソル「“測定”」ブゥン




カラ:魔力量……23000



ソル「まぁ今の状態じゃ、多いのか少ないのかはいまいち分からんな」

カラ「ソルはどのくらい?」

ソル「………」ペタ



ソルの魔力量

安価下1


ソル「……8800か」

カラ「わーい、勝ったー♪」

ソル(何か多いみたいな感じで言われてたから若干ショック)ズーン

カラ「ふふんっ、美少女の勝利ねっ」ブイッ

ソル(逆に考えればカラに魔術を教えればより戦力に――)



ソル「戦力にする必要が……あるのか?」



カラ「え?」

ソル「いや、待て。そうだ。この流れはおかしい」

カラ「???」

ソル(俺達は何者でもなかったはずだ。それがいつの間にか王様と謁見する立場にまで……)



 ソルは戦慄した。

 まるで、“見えざるモノの導き”にフラフラと導かれたような流れに。

 自分たちの存在意義が、“これから起きる何か”のためにあるような雰囲気に。

 漠然と、だが確実にそれは存在していて、自分達を枠に収めようとしている。


 一体、これから何が起きるのか。


 ソルはコピー用紙をくしゃくしゃに潰した。


カラ「負けたのがそんなに悔しかった?」

ソル「………」

円卓の会議場

メグ「……え?」

クロア「何を呆けている」

ジョン「決定事項だからねぇ」ヤレヤレ

メグ「い、いや待て。何を……」

クロア「これだから顔だけの馬鹿は……」チッ

メグ「違う! 私が言いたいのは!」

クロア「違わないんだよ!! お前が甘いだけだ!」ドンッ

メグ「っ!!」



クロア「異世界人が奪った魔力を世界に還す。当然の事だ」



メグ(認めない……私は…)ガタガタ




第二部 完


第三部は本筋が解決した後の話になります!


ソルの異世界での最終職業の案をお願いします!

その後で多数決をとりますので!

候補
1、喫茶シアンマゼンダを引き継ぐ
2、どこかで孤児院を開く
3、どこかの街の用心棒になる
4、どこかの街の何でも屋さんになる


これ以外であればお願いします!

16:40分までいくつでも可

安価下お願いします!

本筋が解決したあとって何?
募集キャラのドラマ全部すっ飛ばして新展開に行くってこと?

>>195 募集キャラ(本筋で募集したキャラ)のドラマは四部で展開しますよー。

最初の街の人達も、ルナもブランも、騎士団の人達も出て来ますよー。

三部は世界観をもっとはっきりさせるために存在します^^

2部と3部の間の出来事はあえて省略って手法でいいのかな

>>199 いえ、

時系列は
第一部⇒第二部⇒第四部     本筋解決⇒    第三部(未来の出来事)

となります。
まぁ、参加者の方が考えたキャラをいっぱい出したいという>>1のわがままだと思ってください^^

それでは、多数決いきます!

1、喫茶シアンマゼンダを引き継ぐ
2、どこかで孤児院を開く
3、どこかの街の用心棒になる
4、どこかの街の何でも屋さんになる
5、盆栽屋
6、さすらいの旅人
7、道場主

安価下1~10(もしくは17:00になるまで)

同一IDは無効となります!

それではお願いします^^

あと、先の安価で作ってくれたコートディーマーちゃんですけど、
僕の実力で言葉遊びできるか不安なので期待しないでくださいね?
(西尾維新先生の本を読みなおさなきゃ)

安価は下で

それでは何でも屋さんにします!

はっきりと言っちゃうと以前三人募集枠外に小一時間すぎても投稿された方もいらっしゃいますので(その時は更新してなかっただけかも?)
、気が向いたら登場します!

では、場所は中央大陸の東部、失われた砂漠ロースタル地方にしますね!
現在は四季折々、緑豊かな水の都と化しております!


 ロースタル地方は、かつて死の砂漠と呼ばれ、魔族や異世界から来たはみ出し者(妖怪や悪魔)の巣窟だった。

 しかし、今では緑と青に溢れ、人々の幸福満足度は世界でもトップクラスだった。

 その功労者はとある貴族だったのだが、それを覚えている者はいない。。。



ソル「何でも屋を始めてみたものの……」

【ソルの何でも屋】

ソル「……誰もこねぇ…」ハァ…

ソル「今日は休みに……」

ノモ「こんにちは!」バタンッ

ソル「ひぇっ!?」ビクッ

ノモ「あのっ、あのあのっ! 良いですか!?」

ソル「ちょっと落ちつこうか」つお茶

ノモ「わぁい、ノモお茶大好き♪」ゴクゴク

ソル(明るい子だなぁ……)

ノモ「……ぷはぁ///」ニコニコ

ソル「落ちついた?」

ノモ「はいっ☆」

ソル「そっか」ナデナデ

ソル「で、依頼かな?」

ノモ「そそ、そうなんですよ! わざわざ西の国から来たんですよ!」エッヘン

ソル(わざわざの遣い方がおかしい……)

ソル「で? 依頼ってのは?」

ノモ「西の街で噂を聞いたのですが、ソルさんって薬を作れるんですよね!」

ソル「あ、ああ……(噂広まり過ぎじゃない?)」

ノモ「さらに出産に詳しいとか!」キラキラ

ソル(い、いや、あの時は俺しかいなかったから……)

ソル「ん? まさか……」

ノモ「……えへへ///」

ソル「子供がいるのに西から来たのか!?」ガタンッ

ノモ「はいっ♪」

二階の部屋

ノモ「えー、大丈夫ですよー♪」

ソル「良いから寝ろ」ハァ…

ソル(久しぶりの客が妊婦だとは……)

ノモ「あ、あのっ……」モジモジ

ソル「ん?」

ノモ「父親の事とか聞かないんですか?」

ソル(子供視点で話を進めるあたり、子煩悩だな)

ソル「いるのか?」

ノモ「それが……そのぉ」エヘヘ

ソル「?」

ソル「ちょっと西の街滅ぼしてくるわ」スクッ

ノモ「わわわっ! やめてくださいー!」アセアセ

ソル「………」

ノモ「うぅ……」ウルウル

ソル「ちょっと待ってろ」ダダダッ

ノモ「?」

物置き

ソル(確か、過去を覗くアイテムが……)ガサゴソ

ソル「あった」テーテテー♪

二階

ソル「……oh」

手鏡の中

オークのような貴族「いひひひひひ」パンパンッ

ノモ(目隠し)「こ、これがっ、ひんっ! 儀式なのっ! でっ! しょうか!」パンパンッ


ソル(余計に滅ぼしたくなってきた……)

ソル「お前、自分の産む子供の父親も知らないで良いのか?」

ノモ「……良いんです。だって、この子は私の子供だから」サスサス

ソル「………」

ノモ「まぁほんとはカッコいい旦那さんだったら良いなぁなんて思ってるんですけどねっ!」エヘヘ

ソル「………」


 ソルは迷った。

 過去を改変する魔術も使える。ノモの子種を消す魔術も使える。子種を変換する魔術も使える。

 だが、本人が望んでいないのに、それをして良いのだろうか。

 もちろん、地球の頃にあった道徳感情に起因する迷いではない。

 単純に何でも屋として、この世界のソルとして、どうしたらいいか迷っていたのだ。


 そして――、


安価下1


1、過去を改変する(レイプされた事実を消す)
※ノモはレイプされた事を覚えていない
2、子種を消す
3、子種を誰かとの子供に変える
4、このまま置いておく


 ソルはそっとお腹に手を置いた。まだ二ヵ月程度では何も分からない。ただのお腹だ。

 将来きっと、ノモは後悔することになる。

 この子供を産んだ事ではない。

 不細工に育った我が子の嘆きをどうする事も出来ず後悔するのだ。

 だから、その時の為の保険だけかけておこう。

 いつか、ノモに好きな人ができた時の為に、その時に好きな人との子を産む選択肢を得られるように、


 遅延の魔術を――。


 

ノモ「え、そんなにかかるんですか!?」

ソル「ああ、相手がそういう種族だったみたいだ。だから、しばらくは自分の事を妊婦だと思わなくてもいいぞ」

ノモ「はーい♪」

ソル「一応、何かあった時の為にこれを持ってろ」つ紙

ノモ「これは?」

ソル「これがあれば俺と連絡がとれる。何かあったらいつでも呼べ」

ノモ「ありがとうございます!」

ソル「これからどうする?」

ノモ「しばらくこの国を旅してみようと思います」

ソル「そうか」

ノモ「本当にありがとうございます。ぜひ出産の立会お願いしますね」ニコッ

ソル「……ああ」



 ソルは明るく旅立つノモの背中を見て、これで良かったのか自問自答した。

 この地方独特の温かい風は、その答えを運んではくれなかった。



 


 さて、突然だが俺はいくつかの孤児院を建てている。

 その中の一つが、歩いて数分の所にあり、そこには数十人の孤児たちが暮らしている。

「あ、ソルだ!」 
「やっつけろ!」
「うわーーーーっ!」

 孤児院に行くと、いつも子供たちが俺を敵に見立てて襲いかかってくる。

 可愛い。

 だが、彼ら子供たちはそれぞれに事情を抱え、悩み、苦しんでいる。

 だから、いつだって俺を見る目は、

『僕達を見捨てないよね?』

 だ。

 その目は弱く、卑屈で、陰鬱なものだった。

 そんな彼らを世話するのは、昔奴隷商から買った1人の元奴隷だ。


「ソル様」


 レノ。中央大陸の言葉で『安いおもちゃ』。

 その名を俺は変えるように指示したが、調教されつくした彼女は首を横に振った。


『私は、安いおもちゃだからこそ意義があるのです』


 俺はその時、震える拳の収める場所が見つからず、血が出るほど握ったのを覚えている。

西の街ってクルーンのこと?
ブランが登場した場所でもあるけど


「レノ元気かい?」


 俺は、この孤児院に来ると必ずレノにそう尋ねる。

 するとレノは、透き通るような銀の髪をくりくりと弄りながら、


「元気です……ので///」


 と、目線を逸らす。

 おねだりの合図だ。

 だが、俺はそれに気付かない振りをして、話を進める。

「それは良かった。じゃあ、これを皆にあげてくれ」

 と、麻袋に入れた果物を渡す。

「……は、い」

 レノは残念そうにそれを受け取る。

 すっかり性奴隷と化した彼女にとって、俺は彼女の欲情を満たす主人でしかなく、それは俺にとって屈辱的なモノだった。


 彼女にとって、俺は彼女を犯した屑共と同じモノなのだ。


 だから、俺は彼女の記憶も、過去も、今も変えたりはしない。

 ただ彼女と真っすぐに向き合い、自分という存在を、ソルという存在を彼女の中で膨らませていくのだ。

 いつか、俺に対しておねだりをしなくなった時、少しだけ頭を撫でてやろうと思う。

「今日も綺麗だよ、レノ」
「嬉しいです……ので///」

 まぁ……当分先になりそうだ。

寝落ち?

>>225 すまん、ちょっと私用だった。

続きー。(安価募集もあるよ!)

>>223そうかもしれませんし、そうじゃないかもしれません! 今の所はそこを決めてはないです!

南領 スルー砂漠

ルナ「……ふん」

ブラン「ルナ様、俺は砂漠とか苦手なんですけど」アチィ

ルナ「悪いな。最近どうもこの辺りで悪い噂ばかり流れてるんだ」

ブラン(だからって、俺は元騎士なんだから他の奴に頼れば良いのに)

ルナ「今、俺の事を人望ない奴だと思っただろ?」

ブラン「! い、いや……」

ルナ「……まぁいい、行くぞ」

ブラン(ルナのぼっちゃんは高貴ゆえにネガティブ思考で困る)ヤレヤレ

カルマ「これはこれはルナ様!」

ルナ「ふん、成り上がり風情が」チッ

カルマ「…………へへ、まぁ、ゆっくりしていってくだせぇ」

ブラン(今の間は随分と……)

ルナ「ゆっくりする気はない」ジャキッ

カルマ「……おっと、これはなんですかい?」

ルナ「死にたくなければ答えろ。



お前は白か、それとも黒か」ジッ



カルマ「……白に決まってるじゃねぇですか」

ルナ「………」ブゥン

カルマ「………」ジッ

ブラン「………」



ブラン「あれは黒だな」

ルナ「そんな事は分かっている」

ブラン「は?」

ルナ「なぜブラン、貴様を連れてきたか考えてみろ」

ブラン「……まさか」

ルナ「ああ、そうだ。あいつは使える」

ブラン「い、いや、俺は不器用な人間だからはっきり言ってくれなきゃ分からねぇよ!」

ルナ「……嘘をつけ」

ブラン「……マジでやるのか」

ルナ「いずれな」

ブラン(こりゃぁ、まずいことになりそうだ……)ハァ…

ルナ(俺は旧教徒に正義がない事を知った。……ならば)



ルナ「俺が、この国を変えるのみ」



ソルの何でも屋さん

コート「………」ジーッ

ソル「やめろ喋るな」

コート「喋るな、とは私に言っているのか?」

ソル「そうだ。お前が喋ると碌な事がない」

コート「六な事がない?」

ソル「……あ」バッ


ソルの宝くじ 19872186

当選くじ   19872181


ソル「あ……ああ……」ガクッ

コート「どうじゃ!? 六な事がなかったか!?」

ソル「頼む、黙っててくれ」

コート「仕方ない奴じゃ。ほれ、美少女を呼んでやるから機嫌を直せ」

ソル「美少女!?」

コート「ほれ、微少女じゃ!」

微少女(ビキニ)「ちょっと、いきなりなにこれー!?」

ソル「び、微妙だ……」

微少女「最低!!」パチンッ

ソル「碌な事がない!!」

コート「カカカッ!」

二章と三章の間の四章(過去)で色々あったのか、ああややこしい。

第一部

・ソル
・リナ
・ピグ
・セラ

第二部

・ソル
・カラ
・メグ
・ルナ
・ブラン
・クロア
・ジョン
・ゼマ

第三部

・ソル
・ノモ
・レノ
・カルマ
・コート

>>232 なんだったら番外編だと思ってください^^

次の出会い

安価下1~3(>>233のメンバーなら再登場おっけーです!)

名前:
種族:
性別:
備考:

第一部⇒第二部⇒第四部     本筋解決⇒    第三部(未来の出来事)
で、今三部って認識でいいんですよね?

おお、見事に男のいかつい三人が……

今回は混ぜますので、順不同で登場します!

>>239

そうです! 第三部で世界設定を作ってから、第四部で話を展開させていきますので、今回の三人のように立ち位置がはっきりとしたキャラも大歓迎です!

南領

スルー砂漠 とある部屋

カルマ「おい、武器はどれくらい用意できたんだ」

ジャラ「キキキッ! 軽く国を一つや二つ滅ぼせるくらいには用意したぜっ」

オットー「生意気な地獄のガキが。オラの仲間を傷つけるような武器だったら承知しねーぞ」

ジャラ「知るかバーカ! 俺は俺のやりたいようにやるんだよ!」

オットー「何だと!!」

カルマ「やめろっ!」

オットー「……カルマッソ。あんたの実力は認めちゃるが、ルナの坊主をどう言いくるめるんじゃ」

カルマ「まぁ、大人には色々とやり方があんだよ」

ジャラ「きききっ! 俺はどうでも良いけどねっ!」

オットー(西の紛争から仲間と逃げてきたらこれか……つくづくついちょらん)ハァ…

カルマ「じゃあ俺はルナの次期国王と喋ってくるから、準備進めとけよ」

オットー「わかっちゃ」

ジャラ「了解!」キキキッ

別の部屋

カルマ「へへへっ、お待たせしやした」

ルナ「貴様、何様のつもりだ?」ゴッ

カルマ「っ!」ドサッ

ルナ「成り上がり如きが純血(上流貴族の事)を待たせるとは死罪に値するぞ」

カルマ「へへっ、申し訳ねぇ」

カルマ(結局旧教徒に囚われてるじゃねぇか糞ガキが!)

ルナ「それで、準備はどうなんだ?」

カルマ「任せて下せぇ。


“この国を傷一つ付けず”戦える武器ばかり用意しやした」


ルナ「この国の全ては宝だ。心しとけよ」

カルマ「へへぇ!」

ルナ(さて、後はブランがうまくやってくれるか……)

カルマ(本当に馬鹿な奴だ……)クックック

とある場所 レゴールの集い


ブラン「………」

老人「顔を上げろ」

ブラン「………」

老人「貴様、レゴールどころかこの国の生まれですらないな?」

ブラン「……ああ」

老人「汚らわしい。金竜様が嘆いておられる」

ブラン(なんだこの、腐った臭いと、散りばめられた毒々しい色の塊は……)

老人「ああ、この世界は異世界人によって腐敗していきます」

老人「どうか、あなたの復活を……」

老人「あなたの復活を」

老人「あなたの復活を」


ブラン(くそっ……めんどくせぇこと押しつけやがって……)



 レゴール。

 南領において古くから国の行く先を決めてきた上流貴族の名称である。

 彼らは時に自らを純血、時に神の子と呼ぶ。

 自分たち以外を一切認めず、排他を極めた存在だった。


 彼らの中でも、“神に愛された子達”≪レゴルド≫と呼ばれる者たちがいる。


 レゴルドになるためには、異世界人の血を呑まねばならない。

 だが、異世界人の血は、甘く、中毒性のあるもので、一度飲めば病みつきになる。

 そうして、いつしかレゴルド達は当初の目的(レゴルドになる為の儀式)を忘れ、


 ただただ異世界人を貪る化物となり果てていた。


 普段は食欲を抑えるために、自ら毒の煙を吸っている。

 ブランは、そんな彼らを見て、強い嫌悪感と恐怖に駆られた。

 だが、目的を果たせていない以上、逃げるわけには行かなかった。


ブラン「あんたらに聴きたい事がある」


 ブランの声は、毒の煙を貫通して、レゴルド達の耳に届くのだろうか。

 

一方

ソル「………」

ラドク「………」

ソル「えっと……?」

ラドク「貴様か、ゼマと三度戦って三度退けたという人間は」

ソル(うわぁ、めんどくさい繋がりの人が来たよ)

ラドク「我と戦え……いや、違うな」フム

ソル「………」

ラドク「この世界に、悪い奴はいるか?」

ソル「さぁ?」

ラドク「貴様!!」ガンッ

ソル「机を壊すなぁ!!」ウワァ!!

ラドク「この世界に悪がいないはずなかろう!!」

ソル「……どうかな」

ラドク「何?」

ソル「俺は善悪なんてのは過去にしかつかないもんだと思っている」

ラドク「ほう?」

ソル(相変わらず地獄の人達は新しい考えにどん欲だなぁ)ハハ…

ソル「何故なら、俺達は今こうして何かをする時に善悪なんて考えないからだ。もちろん、自分の損得を考えたり、他人の損得を測ったりする。だが、それは悪か? 誰かが得をすれば誰かが損をするんじゃないのか?」

ラドク「その為なら誰かが損をして良いと?」

ソル「ダメなのか? 少なくとも俺は自分の得の為に生活してるぞ?」

ラドク「だが、限界があるだろう」

ソル「人を殺したりか?」

ラドク「そうだ」

ソル「だから、法律がある。規律がある。騎士団がいる」

ラドク「ならば、なぜ人は殺される」

ソル「それは単純な事だ」

ラドク「?」



ソル「護る側が未熟なのだ」


ラドク「ほう?」

ソル「殺す側は殺すための道具を仕入れる、訓練を積む、状況を作る。少なくとも努力をしている」

ラドク「それを称賛しろと?」

ソル「それは主観の問題だ。俺はそんな無駄な努力するくらいなら畑でも耕してろと思う」

ラドク「ふむ」

ソル「一方で護る側というのは自分たちの方が圧倒的に不利であると言うのに、努力が足りない」

ラドク「具体的には?」

ソル「自分たちの都合の良いように人を信じ、怠惰を許し、小事を見逃す」

ラドク「……それは悪だと言うのか?」

ソル「だから善悪はない。それをしなくても良いならしなければいい。だが、殺す側は必ずその隙を見つけ、狙い、そして目的を達成する」

ラドク「……興味深い考えだ」

ソル「だから、人々は過去を悔み、恨み、悪を決めるのだ」

ラドク「それが……悪」


ソル「だから、お前がこの世界にいる悪い奴を殺すのは不可能なんだ」

ラドク「なるほど。じゃあ、悪かった奴はいるか?」

ソル「そうだな……」




ソル「悪かった奴は大体友達だよ」ニッ




ラドク「なるほど」フム

ラドク「しかしこうなると、我はゼバの命に従えないではないか」

ソル「まぁ、そうなるな」

ラドク「どうすればいい?」

ソル「その場合は、自分の中でやりたい事を決めるんだ」

ラドク「やりたい事?」

ソル「正義悪を決めるのではなく、護りたいものをきめるんだ」

ラドク「護りたいモノ……」

ソル「ゼマは暴虐だったけど、それはこの世界の綺麗さに嫉妬してただけなんだ。だから、地獄と同化させて少しでも家族に、仲間に光を見せたかった」

ラドク「ふむ……」

ソル「君は、何を護りたくて悪を探してたんだい?」

ラドク「我は……」

ソル「行っちゃった……」

ノエル「やっほー♪」

レノ「………」

ソル「あぶねぇ。もう少しで失神させる所だった……」フゥ

二人「「?」」

ソル「今日は何?」

ノエル「あのねあのねっ!




来週、南領に旅行行くんだ!」




ソル「へぇ、もうそんな時期か!」

ソル(毎年違う領に旅行してたけど、今年は南寮か。あそこは砂漠やジャングル、他にも遺跡とか芸術都市とか色々あるから楽しそうだな)

レノ「あ……あの…」モジモジ

ソル「ん?」

レノ「いっ「ソルも一緒に行こうよ!」

レノ「………」プクーッ

ソル「いや、俺は無理だ」

ノエル「……べーっだ!」プリプリ

レノ「………」ペコリタタタッ



ソル「やれやれ、元気なのは良い事なんだが」ハハ…



ソル「さて……」



ソルの同居人は誰?

安価下1

既出のキャラでも新キャラでも良いです!

ソル「グレンの爺を迎えに行かないと」





不老樹の根元

グレン「ふんっ! ふんっ!」ゴッゴッ

ソル「まぁた不老樹を倒そうとしてる……」

グレン「おおっ! ソル! 遅かったのぉ!」

ソル「遅かったじゃねぇよ。不老樹の木は削る事ができないから不老樹なんだろうが」

グレン「はははっ、いつかどうにかなるかと思ってのぉ」

ソル「一本しかない腕を酷使してたら、いつかご飯食べさせてもらわなきゃいけなくなるぞ?」

グレン「その時にはレノかノエルに世話してもらうわい! 下の世話もな!」

ソル「本当に70才かよ……」

グレン「がははははっ!」

ソル「大体不老樹削れたらどうするつもりだよ」

グレン「無論、神に挑む」

ソル「だから、神は皆、別の世界にいったんだって」

グレン「ならばなぜフレイヤは存在する?」

ソル「あの人はその……女神だからだよ」

グレン「ふん、屁理屈を」

ソル「とにかく、もっと自分の体に優しくなれよ!」

グレン「若い奴には分からんのだろうな。この気持ちが」

ソル「?」

グレン「とにかく、ワシはこの木の一部をどうにかするんじゃ!」

ソル「もう好きにしてくれ」ヤレヤレ

グレン「ふんっふんっ!」

ソル(南領への護衛を頼もうと思ったが、無理そうだな……)

ソル「あいつに頼むか……」


もう一人の同居人


安価下1

既出のキャラでも新キャラでも良いです!

お隣さんとかいないの?

夜、食卓

ソル「………」モグモグ

グレン「………」モグモグ

フリッツ「………」モグモグ

ソル「………」モグモグ

グレン「………」モグモグ

フリッツ「………」モグモグ





ソル「ねぇ何で俺んちに住んでるの!?」ガタッ




グレン「ソル、飯時くらい静かにせんか」

フリッツ「そうだぜ、グレンの旦那」ハハハ

ソル「むさくるしいよこれ!? ノエルとかレノは孤児院で寝てるし、流石の俺も住み心地最悪だよ!」

グレン「おぬしにはいっぱい女がおるではないか」

フリッツ「そうだぜ、毎日毎日相手を変えて、恥ずかしいとは思わないのか旦那」

ソル「……女の子が来る度にその筋肉を見せびらかす爺と、その子の財布から金盗む外道盗賊のせいで、


俺は半年以上も誰かといちゃいちゃしてねぇんだよぉおおお!」ウワァァァァン


グレン「可哀相な奴」

フリッツ「やれやれ」

>>263 全部筋肉爺と外道盗賊が追い返します。

ソル「そ、そう言うお前らだって女の陰がねぇじゃねぇか」

グレン「そうかの?」モグモグ

フリッツ「まぁ、色々あるんだよ男には」モグモグ

ソル「俺も男だっつーの!?」

グレン「落ちつけ小僧」

ソル「こんな時だけ大人ぶるな!!」

フリッツ「女紹介してやろうか?」

ソル「黙れ外道!」

フリッツ「盗賊ですらなくなった」ハハハ


ソル「……え、二人には彼女いるの?」


グレン「もちろんじゃ」

フリッツ「まぁ」

ソル「」

ソル「え、ち、ちなみにグレンは誰と……?」


グレン「ワシはの」


グレンの彼女

安価下1既出でも新キャラでも良いです!

グレン「ノエルじゃ」

ソル「はぁあああああ!?」ガタンッ

グレン「落ちつけ、味噌汁が零れる」

ソル「ちょちょちょ、落ちつけって、ノエルはまだJKだぞ? 未成年だぞ? 女の子だぞ?」

グレン「愛があれば年齢なぞ気にする必要はない」モグモグ

ソル「……………もしかして不老樹を削ろうとしてるのって、若返りの副作用があるって噂を信じて?」

グレン「………………………///」

ソル「この爺純情だったぁああああ!」ウワァアアア!

グレン「今時の爺はこんなもんじゃ」

ソル「え、じゃ、じゃあフリッツは?」

フリッツ「俺は……」

フリッツの彼女

安価下1既出でも新キャラでも可!

フリッツ「ピグと付き合っている///」


ソル「ピグは男だぁああああ!」ガシャァンッ


グレン「ふん、性別ごときで小さい男じゃ」

フリッツ「お、俺は本気なんだよ!」

ソル「……マジで…マジで付き合ってんの?」

フリッツ「……あいつ、意外に可愛い声で鳴くんだよ」

ソル「よし、殺す。表出ろ」ゴゴゴゴ

フリッツ(意外に過保護だった!!)

グレン「よっこらせっと、不老樹を削りに行ってくるかのう」

フリッツ「俺もピグの所に……」

ソル「いや、ちょっと待ってくれ」

二人「?」

ソル「グレン、ノエルと付き合ってるなら話は別だ。頼みたい事がある」

グレン「ぬ?」

ソル「あいつらが来週から南の領に旅行行くのは知っているか?」

グレン「ふむ、話は聞いておる?」

フリッツ「俺も」

ソル「実は南領は今、内紛が起きかけている」

グレン・フリッツ「「!!」」


ソル「東領の人間が手を出して良い案件ではないけど、彼女達の旅行を潰す訳には行かないだろ」


フリッツ「俺もやるぜ」

ソル「お前、普通の盗賊なんだから皆の護衛してろ」

フリッツ「」

ソル「俺が誓約でここから動けないの知ってるのはあんたら二人だけだ。これがバレたら世界勢力がまた動いてしまう」

グレン「地獄界もおぬしがおるから大人しくしてるんじゃしのぉ」

ソル「一応、助っ人を頼もうとは思うが、グレン、頼まれてくれるか?」

グレン「ふん、マイスイートハニーを危険な目に遭わせられるか!」

ソル「よし。じゃあ、頼んだぞ」

フリッツ「よっしゃ!」

女神の庭


ソル「フレイヤさん!」

フレイヤ「やぁソル。今日も楽しそうだねぇ」

ソル「何でこの世界がめちゃくちゃになるのを停めないんだ!」

フレイヤ「それが約束だからさ」

ソル「約束?」

フレイヤ「そう、神々は地上の出来事に触れない。それが、彼との……」

ソル「……また、昔の話か」

フレイヤ「いや、君にはそう昔の……いや、そうだな」

ソル「?」

フレイヤ「まぁ、君は君のやりたいようにやればいい。私はいつだって君の味方だ」

ソル「………くそっ」シュンッ


フレイヤ「全く。本当に酷な事を頼む奴だ」ヤレヤレ


旅行当日

グレン「さぁ行こうかのぉハニー!」ガハハハ

ノエル「クソ爺が一緒なんて最高!」ゲシゲシ

ソル(付き合ってる……?)

フリッツ(付き合いにも色々あるだろ。色々な)

ピグ「行ってらっしゃいフリッツ……///」

フリッツ「ああ、君の大切なモノを護ってみせる」キラキラ

ピグ「帰ってきたら、いっぱいぎゅーしようね?」ウルウル///

フリッツ「ああ、約束だ」キラキラ


ソル(ボディビルダーみたいな身体と抱き合ってる辺り、本気なんだな……)


ソル「さて、そろそろ助っ人が……」


助っ人二名

安価下1・2

新規でも既出でも可

新規なら
名前:
種族:
性別:
備考:

※ただし南領のキャラと、ラドクはなしでお願いします!

リナ「やっほーソル、久しぶりー」フワフワ

ソル「だいぶ魂が固定されてきてるね」

リナ「エルフの血のおかげかな」アハハ

ソル「ゲブ。本当に行くのか?」

ゲブ「ゲブゲブ! だっておで、孤児院の保護者だし!」

ソル(こんな不安な助っ人もないよ!)

グレン「まぁまぁ、ワシがいれば十分じゃからのぉ!」

ソル「爺が一番心配なんだよ。間違ってもこの子たちほったらかして戦いに没頭するなよ?」

グレン「分かっておる!」

ソル「心配だ……」

レナ「行ってくるね」

ソル「ああ、皆気をつけて」

孤児達「「はーい♪」」

安価には新婚旅行とあるがノモは何処へ?

ソルの自室

ソル「………」ウロウロ

ソル「………」ウロウロ

ソル「………」ウロウロ




ソル「あぁぁあぁぁぁぁぁ! 心配だぁあああああ!」




コート「心肺が停まった?」

ソル「うぐっ」フラフラ

コート「軟体になった?」

ソル「ふにゃ」ベシャッ

コート「かかかっ、面白いのぉ」

ソル「ひゃめへふれ」フニャフニャ

コート「全く、ユーモアのない奴じゃ」パチンッ

ソル「死ぬかと思った」

>>286 ノモもいます! 描写してないだけです!

コート「孤児院の奴らが心配なのじゃろ?」

ソル「ああ、そうだよ!」

コート「ならば、良い事をしてやろうか?」

ソル「良い事?」

コート「ああ、良い事じゃ」ニシシ

ソル「不安だ……」



コート「別れるのが不安なら“分かれればよい”!」ザンッ


ソ/ /ル「えっ」

ソル「何が」シュンッ

??「お、おわっ!? これ何!?」

ソル「こ、子供の俺!?」

コート「分けたのじゃ」カカカ

ソル(俺の能力はなくなったはず……これもこいつの力!?)

コート「名付けてやれ」

ソル「………」



ソルの分身(子供)の名前

安価下1

ソル「ゲドーにしよ」

ゲドー「ゲドーにしよ」

ソル「え?」

ゲドー「え?」

コート「身体を分けただけじゃからの。意識は同調しておる」カカカ

ソル「どうすれば?」

ゲドー「どうすれば?」

コート「まぁ縛るしかないじゃないかの?」ロープ

ソル「」

東領のはずれ

グレン「大丈夫かの? ノエル」

ノエル「……ちょっとだけ休ませて」ギュッ

グレン(可愛いのぉ)

ノエル「ちょっとだけ……なんだかね」ハァハァ

グレン「がはは」

ノエル(その笑い方、下品なのにどうして嫌いになれないんだろう)ギューッ

グレン(ワシはこの子に生きる目的を貰った。この子が笑って死ぬまで生き続けなくてはな)

ゲブ「げ、ゲブっ」ハァハァ

ノモ「あなた大丈夫?」スッ

ゲブ「あ、ああ……悪い」

ノモ「ううん、夫婦だもの。気にしないで」

レノ「………」

孤児「レノ?」

レノ「何?」

孤児「なんだか寂しそうな顔してる」

レノ「……そ、そんなことないもん…」

フリッツ「はぁはぁ、けっこう大変だなぁ旅行も」


 こうして、孤児院の子達は旅行に出発した。

 果たして行く先にあるのは、楽しい旅行か、それとも……。



ゲドー「……体力は子供かよ」ハァハァ



 頑張れゲドー! 頑張れソル! 君の未来には何かが待っている!


 続く。。。

ちょっと私用なので離れます。


グレンとノエルの出会いを書いて欲しいと言う意見もありましたが、どうしましょう?

この後の展開

安価下1

1、グレンとノエル
2、南領旅行の続き

あ、後、ゲブとレノとノモの展開ですけど、けっこうガチの鬱展開が良いのか、ライトな展開が良いのかどっちでしょう?



1、鬱展開
2、ライトな展開


安価下1~5 多数決 続きはできたら日付変わった1時くらいからになります!多数決の締め切りはそれまでです!

ん、安価投げといていいのかな?

名前 コウメ
種族 人間
性別 女
備考 中国の「三国志」で有名な天才軍師、諸葛孔明の知識、経験を受け継ぐ19歳。
が、本人は多くの人を傷付けたその記憶、知識を疎んじていたためにどちらかと言えば武闘派。
一見不真面目で奔放、飄々として適当な性格だがいざという時はその力を使い道を開く。
バトンのように刀を回転させつつ戦う逆手二刀流の使い手。

あ、絵か、勘違いしてたw
グレンとノエルで。


 東の領から南の領へ直接行く場合、船の手段が最もオーソドックスではあったものの、孤児達の多くが海で死にかけた経験があるため陸路に決まった。

 今回の引率者であるグレンは、その老体とは思えぬ筋肉質な身体で獣道を進みやすくするため草を刈りながら進む。

「グレンー、私疲れちゃったなー」

 道中、ノエルはほとんどをグレンの背中で休んでいた。

 その光景は孤児院の責任者であるレノからすれば幾ばくかの不満はあるものの、彼女はそれどころではなくゲブとノモの方ばかりチラチラと見ていた。

 後ろ髪を少し残しただけの凹凸の激しい醜悪な顔。ごつごつとした寸胴な身体。
 皮膚の色はどす黒く、臭いだけは日頃の食事で抑えられている。
 ゲブはとても誰かに愛されるような男ではなかった。

 悲惨な事に運動効率の悪い不細工な身体は体力の消費も激しかった。獣道を入る前から息を切らしていたゲブを支えているノモの呼吸も荒い。

 だが、二人の表情に苦痛の二文字はない。

「あなた、大丈夫?」

 ノモが明るく問うと、ゲブは「はひゅ、はひゅ」と空気を漏らしながら、

「ら、らいりょうる」

 と、答えた。孤児達はその姿を見て、バカにしたり、羨ましく思ったり、嫉妬したりした。

 自分たちの方が姿形がまともなのに、何故特別な愛を享受できないのか。

 レノはその答えを知っている。
 だが、それを口にした瞬間、自分が孤児達を支える聖なる乙女から、昔のような誰かに依存しなくては生きていけないような醜女≪しこめ≫になるのではないかと恐怖にかられる。
 だから、必死に堪える。


『私の方が、本当の愛をあなたに捧げられる』


 そう口にする事を――。

 

フリッツ「リナ……だっけ?」

リナ「はい? なんでしょう?」

フリッツ「結局君はお化けなの?」

リナ「ふむぅ、その問いには何て答えたら良いか……」

フリッツ「というと?」

リナ「エルフと言う種族の成り立ちについては知ってる?」

フリッツ「都市伝説程度には」

リナ「ちょっと言ってみて」

フリッツ「あ、ああ。はるか昔に北の大地が時と決別した夜。数人の男女が肉体を時に奪われた。残った魂は死体と同化するも時に置き去りにされた彼らは永久に近い人生を歩む事となる」

リナ「まぁ、ほとんど正解ね。エルフには二種類いて、私はそっちのエルフの魂が少しだけ混じってたの。だから、人よりも長生きしてたし、死んでも人間の魂がエルフの魂にしがみついて幽霊となっていた」

フリッツ「なっていた?」

リナ「実は昔、ソルの魂にエルフの魂だけ同化しちゃった事があってね。その時に人間の魂だけ消えちゃったから、今は私はエルフそのものなの」

フリッツ「えぇ!?」

リナ「ああ、もちろん自我を保つにはソルの魂を少し分けてもらわないといけないから、彼にはすごく迷惑をかけているわ」

フリッツ「ソルはほんとお節介だなぁ……」

リナ「だねー。でも、フリッツ君もそのおかげで今こうして楽しんでいられるんでしょ?」

フリッツ「……まぁ///」

リナ「じゃあ、しっかりと引率しなきゃね♪」

フリッツ「おっす!」

森、少し広い場所。

グレン「今日はここで野宿じゃ」

孤児達「はーい」

ゲブ「ノモ……はぁはぁ、あり…ごふっ」ゲロゲロ

孤児「うわぁああ!? ゲブが吐いたぁああ!?」

孤児「きもちわりぃいいい!」

ノモ「大丈夫!?」トントントン

ゲブ「おろろろろろろ」

孤児「くせーよ!」

孤児「最低!」

グレン「………」

ノエル「………」ソワソワ

グレン(本当は孤児達を怒ってやりたいんじゃなノエル……偉い子じゃ)ポンポン

ノエル「ふぇ?」

グレン「何でもない」ニコッ

ノエル「……バカ///」フンッ

孤児「マジでゲブやめろよ!」ゲシゲシ

孤児「最悪!!」

ゲブ「す、すまん……」ピッピッ

孤児「うわぁあ! 喋るなよぉおお!」

孤児「ゲロが飛んできたぁああああ!」

孤児「うわぁあぁぁん!」

ノモ「あなた達! 言っていい事と「ノモ!」

ノモ「……レノ?」

レノ「……その言葉を言ってはダメ」

ノモ「何で……ゲブは悪くない」

レノ「いいえ、ゲブは悪いわ」

ノモ「!!」

フリッツ「皆! ちょっとこっち来てー! 手品を見せてやろう♪」

孤児「はーい!」タタタッ

ノモ「………」

レノ「………」

ゲブ「……あ…あ…」オロオロ

ノモ「どうして悪いの? 誰だってしんどくなったら吐いてしまうよ!」

レノ「………」

ノモ「レノ! ゲブは悪くない! 悪くないよ!」

レノ「………」

グレン「……の「グレン、ダメ」

グレン「ノエル……」

ノエル(私は分かる。悪いのはゲブよ……)

グレン「………」ギュッ

ノエル「………」ギュッ


レノ「ゲブ、あなたは何故自分が咎められているか分かりますね?」


ノモ「レノ!!」

ゲブ「……………分かり、ます」シュン…

ノモ「ゲブ!?」

ゲブ「おでは……、ノモに良い所を見せようと……本当は…辛かったのに……」ポロポロ

ノモ「あなた……」ポロポロ

ゲブ「おではいつだってそうだ……騙されてノモを傷モノにしたり、レノに償いきれない悪い事をしたり……おで…おで…」

ノモ「う……うぅ……」

レノ「………」ツーッ

グレン「………」

ノエル「グレン……、私の事…好き?」ウルウル

グレン「ああ、世界で一番、愛しておる」ギュッ

ノエル「その片腕で、私の事ずっと抱きしめていてね」ギュッ///

グレン「……ああ」

奴隷は人間でないと思ってるんじゃなかったの?

ノモ「レノ……ごめんなさい」

レノ「良いの。あなたは悪くない」

ノモ「いいえ、私も悪いわ。だって私は……ゲブの妻だからっ」

レノ「っ!」ズキッ


ノエル(あぁ……レノには強烈な一撃ね……)


ノモ「さぁあなた、あっちで着替えましょ。後で洗濯しないと」

ゲブ「ありがとう……ありがとうノモ……」

レノ「………」

レノ(私は……嫉妬で他人を咎め、そこで生まれた絆に嫉妬して……)

レノ「……私は…」ツーッ



ゲドー「はぁはぁっ、追いついたーっ!」ハァハァ



ノエル「あれ誰?」

グレン「さぁ? 孤児じゃないな」

レノ「……う…うぅ…」ポロポロ

ゲドー「レノ!?」ダッ

>>324 レノは奴隷ではなくなっているので、ゲブからすれば人間かなと!

>>326
なるほど、では人間が奴隷身分になったら?

>>324
未来の話だし、多分改心したんじゃない?
ソルが悪かったヤツはみんな友達言うてるしさ

まともに取り合わなくていいと思う

ゲドー「大丈夫かレノ!!」バッ

レノ「……ソル?」

ノエル「え?」

グレン(ほう、ワシは闘気から見抜いたが、レノはどうやって見抜いたのか興味あるのぉ)

ゲドー「大丈夫だレノ。俺が護ってやる」

レノ「……っ」ズキッ


ノエル「あー、ソル最低ね」

リナ「まぁそこが良いとこでもあるんだけどね」


ゲドー「……危険は…ないのか?」

レノ「………」ギュッ

ゲドー「レノ?」

レノ「……あ…ああ……うわぁああああああああ」ポロポロポロポロ

ゲドー「大丈夫、大丈夫だレノ」ポンポン

グレン(これで女として見ていないのだから、ソルと言う男は罪深いのぉ)ヤレヤレ

>>327 ゲブなら人間が奴隷になったら奴隷扱いするくらい短絡的な人間だと思います!そこには打算とかなくて、どれだけ見た目が綺麗だろうと元々高貴な存在だろうと平気で奴隷扱いする。変な欲がないのがゲブかと!

>>329 キャラ愛で成り立つ安価ssなので、こんな風に真剣になってもらえるととても嬉しいです!

別の場所 テント

ゲドー「ほんと、だいぶ魂が安定してきたね」

リナ「へへ、後少しで実体化もできるかも?」

リナ(そうなったらソルに襲いかかってやるんだ)グヘヘ

ゲドー「嫌な予感しかしねぇ」ゾクッ

レノ「………」ギューッ


グレン「さっきからべったりじゃのぉ」

ノエル「まぁ、レノは本当に寂しい奴だと私も思う」

ノエル(まるでアイドル時代の私みたい……)

グレン「……ワシがおるぞ」ポンポン

ノエル「分かってるわよ馬鹿」ペチペチ

グレン(お腹ペチペチされるとムラムラするわい)ハハハ


フリッツ「ソル、見回り終わったぜ」

ゲドー「ああ、悪いな」

フリッツ(少し遠くに村があったんだが、一面焼け野原だった)ボソボソ

ゲドー「………」


ゲドー(ルナ……何をするつもりだ?)

ノエルって子役じゃなかったっけ、アイドルだっけ?

少し離れた泉

ゲブ「……っ」パンパンッ

ノモ「んっ……」パンパンッ


【夫婦の時間なので割愛】


焼け野原の向こう

ルナ「話が違うぞ!」

カルマ「話……ね」パチンッ

傭兵「………」ガシッ

ルナ「なっ!?」

傭兵「………」グイッ

ルナ「何をする! 離せ!」

カルマ「くくくっ、馬鹿な男だ」

ジャラ「きききっ! もっと燃やそうぜ!」

オットー「亜人の旗を立てた村は燃やすなよ!」

カルマ「分かってるっつーの」



カルマ「さぁ、浄化の時間だ!」ハハハハハッ



続く。

>>333 アイドル兼子役で! というより地球設定は話の都合で多少の誤差はあると思います!

>>335
了解了解ー

リクエスト絵はどしたん?
今日はこれで終了?

ちょっと間の話を盛りすぎたので、南領のキャラとかこっちの勢力とかまとめますね!

日付変わったら、騎士団長とかの絵も書けたら(いいな)と思ってます!

中央王国の騎士団の残りも決めますね!


中央王国七つの騎士団

1、
騎士団の名前:グランドベイル自由騎士団
騎士団の団長:クロア
シンボルマーク:太陽
特徴:グランドベイルを守護する実質最も地位の高い騎士団

2、
騎士団の名前:バライロン
騎士団の団長:メグ
シンボルマーク:薔薇
特徴:美男美女を集めた七つの騎士団の顔

3、
騎士団の名前:安価下1
騎士団の団長:ジョン
シンボルマーク:安価下2
特徴:辺境の地を護らされる実質一番弱い騎士団


安価下1・2お願いします!

>>337 家帰らないと絵は描けないんですよ;;いつも大体0時以降なので、絵の更新は0時以降だと思ってください^^

安価は下

中央王国七つの騎士団

1、
騎士団の名前:グランドベイル自由騎士団
騎士団の団長:クロア
シンボルマーク:太陽
特徴:グランドベイルを守護する実質最も地位の高い騎士団

2、
騎士団の名前:バライロン
騎士団の団長:メグ
シンボルマーク:薔薇
特徴:美男美女を集めた七つの騎士団の顔

3、
騎士団の名前:テオクス
騎士団の団長:ジョン
シンボルマーク:亀
特徴:辺境の地を護らされる実質一番弱い騎士団


騎士団と付けないと騎士団がつかないのでお気を付けください^^


残り四つの騎士団

騎士団の名前:
騎士団の団長:
シンボルマーク:

安価下1~4

解放騎士団ウィッシュ
団長 レイナード(男)
教科書掲載レベルの天才老師。
シンボル 狼

あざっす!あざっす!

家帰ったらまとめますね! 後世界地図も描いた方がよさげかな。(シアンの頃に描いたような気もするけど)

今回は中央大陸だけで収めとかないと話が収集つかなそうですね(前回が収拾ついたとは思っていない笑)

では、少し離れますね!

たんおつでーす!
イラスト楽しみだなあ…
この際騎士団隊長集合絵とか欲しい(シンボル込みで)

おおそれっぽい

乙でした。

☆今回の話登場人物まとめ

孤児院メンバー
グレン・ゲブ・ノモ・ノエル・レノ・フリッツ・リナ
孤児達・ゲドー


南領
神に愛されし子達(レゴルド)
・元老院っぽいおじいちゃんたち
・王族
・上流貴族(純血・レゴール)
ルナ
・貴族
・成り上がり貴族
カルマ(騎士団)
・その他
ブラン・ジャラ・オットー(亜人騎士団)

その他
カルマ(行方不明)
ソル(緊縛)
コート(ソルで遊び中)

中央王国と南領との境界線を護る騎士団をお選びください。


安価下1

1、ウィッシュ
2、ランディア勇壮騎士団
3、マガリス
4、ゾグロノア


 中央王国には数多くの伝統がある。

 例えば、美男美女で構成される中王国の顔、騎士団バライロンは毎年とある時期になると大陸の各地を馬で巡行する。

 例えば、レイム地方でかつて、伝説級の存在が封印されていたと言われる祠に王は毎年訪れる。

 そして、南領との境目、中央王国南の関所でも、伝統的な行事が開かれていた。


「ぐぬぬ……」


 銀色に近い白髪を逆立てる勢いで、老騎士レイナードは熱くなっていた。

 目の前には中央大陸では最もポピュラーなボードゲームが置いてある。箱のような形をしたそれは、中で小さな駒が戦争を広げていた。


「ふふふ、どうした? もう終わりか?」


 豊穣の女神フレイヤは、意地の悪い笑みを浮かべ、レイナードを煽る。

「ま、まだじゃっ」

 かつて、天才軍師と呼ばれ、現在では世界最高峰の頭脳を持つと言われたレイナードも、やはり女神相手では敵わないのか。

 部下たちは落胆の顔を隠せず、関所は暗いムードに包まれていた。

「今年負けたらお前の爺さんからの負けがちょうど1000に達するぞ」

 レイナードは自分の家系を馬鹿にされたような気がしてムッとした。部下たちはあの冷静沈着で怒った所を見た事がない騎士団長が感情を露わにしていて、驚きを隠せなかった。

「ええいっ、うるさいっ! ワシは負けん! 負けんぞ!」

 彼は叫びながら改めて戦況を確認する。戦力的にはほぼ勝ち目がない。唯一残された道は戦力の半分を注いだ飛車の存在。

「ふふふ、レイナード。お前の考えは痛いほど分かる。そうじゃな。


 あの唯一の敗戦も、英雄となるべき存在が1人でもいれば勝てたのに」


 くくく、と笑うフレイヤは女神と言うより悪魔そのもの。身体をのそっと動かすと、露出の多い絹の衣から胸の一部分が零れ、騎士たちの心を惑わせる。

「悔しいがその通りじゃ。ワシはずっとかつての英雄シアンに匹敵する存在を探しておった。じゃが、一度としてその半分に到達する者すら現れなかった……」

 レイナードの言葉を聞いて、フレイヤがふんと鼻で笑い、彼の顎髭を掴む。そして、グイと引きこんで睨みつけた。

「あのなぁクソガキ。シアンの時代にはお前が想像もつかないような、それこそ“たった一体で世界を破壊し尽くすような兵器”ですらあいつの敵だったんだぞ」

 それは怒りか、哀しみか。

 女神の言葉にレイナードは後悔する。

 世界を破壊の危険から救う代わりに、フレイヤは多くのモノを失ったのだ。

 それを、ただ“自分の願い”の為だけに欲するなんて。

「まぁ、これから起きる戦いは、ちょっとお前の手に余るかもな」
「えっ!?」

 フレイヤは基本的に世界の情勢に口出ししない。

 それを破ると言う事は――、

「チェック。私の勝ちだ」

 いつの間にか、箱庭の戦争はスパイによってレイナードの王が殺されて終わっていた。

 王の隣では、最強の飛車が哀しげに立ち尽くしていた――。


 ☆☆☆

 南領はかつて亜人で溢れていた。共和国を名乗り、人間達の争いに干渉することなく自身の世界を形成していた。

 だが、貪欲な人間達は領土を欲した。南領には強い魔力を生みだす原石があり、古代文明の跡が多く存在していたからだ。

 そして、亜人から領土を奪い取った人間達は、歴史を書き変えた。レゴルド達は自身を始祖と名乗り、南領を“世界の始まり”と謳うまでに至った。

 南領は魔石の輸出国となった。中央大陸全土に出荷され、別大陸とも取引をした。レゴルドは富と知識を得た。


 今から1000年前、南領は世界で最も強大で巨大な国となった。


 しかし、レゴルド達が異世界の人間を喰らうようになってから数十年の時が経て、その呪いであるかの如く原石の発掘事業が滞った。

 実際、異世界人を召喚する施設を建てた所為で、異世界人が現れる度に原石から魔力を吸いつくした事が原因だった。

 とある研究機関が異世界人の召喚が原因であると提唱した事もある。その時はすぐに暗殺された。


 異世界人が反旗を翻し施設を破壊するまでの数百年の間で、南領の多くは砂漠と化した。


 そして今では人の住めない砂漠の中心部で、亜人たちがひっそりと暮らすようになった。

 かつて、東領が砂漠だった頃、同じ過ちを犯した事を、知る者はいない――。

南領のどこか 牢獄


ルナ「くそっ! だせっ! このっ!」ガンガンッ

ルナ(こうなったら、魔法剣で無理やり!)ブゥン


――ジュッ


ルナ「……は?」シュン

騎士「悪いな、この部屋は魔力を奪われた原石からできている。お前程度の魔力では何もできやしないぜ」

ルナ「貴様は俺が誰か……」

騎士「そういうお前らクソ貴族こそ、俺達が何者か分かってるのか!?」バッ


 ずんぐりとした騎士が兜をとると、そこには歪んだ顔があった。身体は茶の体毛で覆われ、両目の大きさとついている位置が違う。中途半端に開いた口からは涎が常に垂れ続け、ルナはその姿をおぞましいと思った。


騎士「ふん、その顔が見たかったんだ」

ルナ「貴様、亜人ごときが何を偉そうな――」



騎士「亜人ごとき!?」ガンッ



ルナ「っ!?」ビクッ

騎士「亜人が生まれる条件をお前は知っているのか!」ガンガン

ルナ「亜人が生まれる条件……?」

騎士「ふん……しらねぇならそのまま死ね」プイッ

ルナ「……どういう事なんだ。亜人は魔族と人が禁忌に触れた結果ではないのか?」

騎士(魔力の枯渇した土地では人が形を保てなくなる。そんな事も知らずにこいつら人間は!!)

ルナ「………」



ルナ「俺は、一体どうしたら……」



1、ソルに連絡する。
2、もう少しここで考える。
3、騎士に話しかける。


安価下1

ルナ(俺はいつだって答えを自分で決めてきた。自分の目で見て、言葉で学んで、人から聞いて)

ルナ「だが、それだけではダメだったんだ。俺の選んだモノ全てが間違っている可能性だってあったと言うのに……」クソッ

騎士(貴族の癖に変な奴だ……)フンッ

ルナ(これは良い機会だ。もっと考えよう、世界について、自分について、国について……)

騎士(オットー様……俺達を…助けてくだせぇ……)

気になったんですがsageてませんか?

>>376 あ、安価ssに参加してたので下げ進行になってました笑

レゴルド達の儀式場

老人「な、何を……!?」

オットー「ふんっ、分かってるだろうが!」ジャキッ

異形騎士「………」

異形騎士「………」

老人(あ、亜人共かっ……)クソッ

オットー「やれっ!」


異形騎士達「「ぉおおおおおお!!」」ダダダッ


ブラン「うぉおおおおおおっ!」ドガァァァンッ

オットー「!?」

自業自得とはいえまともな手駒がブランしかいない・・・

オットー「き、貴様はっ! 騎士崩れのブラン!?」

ブラン「よぉ、久しぶりだな」

ブラン(ルナにこの爺達を殺すように言われてたけど、やっぱ無理だよなぁ……)ハァ

オットー「邪魔をするな!」

老人「ひ、ひぃいい!」

ブラン「いや、俺だってそりゃ放っておきたいけどよ」

オットー「ならばっ!」



ブラン「やっぱ、どうせなら正義の騎士になりてぇ訳じゃん?」ニヤリ



オットー「く、クソヤロウが……」

ブラン(とはいえ、この人数はきついな……)ヤレヤレ



―――ズズゥンッ!!



一同「「!?」」




ラドク「悪い奴は……いねぇか?」ニマァ…

ラドク「おーおー、あいつらの言うとおり、悪そうな奴がうじゃうじゃいるじゃねぇか」ゴゴゴゴゴ

老人「ひ、ひぃ……っ!」

ラドク(なんだこいつら、やたら魔力を溜めこんでる割にビビりまくりやがって)



??「た、助けて!!」



ラドク「?」


レゴルド達に捕まっていた異世界人

安価下1
名前:
種族:
性別:
備考:

名前:ジン
種族:異世界人
性別:男
備考:『地球の全ての知識』を特典としてもらっていた男。原始的な銃からマヨネーズまで正しい作り方を知っている。

ユーミィ「助けてよ!」

ラドク「あぁ?」

ラドク(何だこの小さいの。虫か?)

ユーミィ「あちしは花の妖精、あの人たちに襲われてたのっ」

老人達「「ち、ちがっ!」」ブンブン

ラドク「………」


ラドクの中で計算が進む。。。。。。



ラドク「よし、お前ら悪い奴」コロス

老人達「「や、やっぱりぃ~~~」」ガーン

ブラン(何か分からんがもう俺の手に負える話じゃねぇな)ヤレヤレ

南領 聖都イルナミ

イルナミ王「なっ!? く、クーデターじゃと!?」

護衛「はっ! 各地で暴徒が出現、この城にも数十人侵入しております!」

イルナミ王「我が国が世界を創ってから数千年。よもやこんなことが……」アセアセ

護衛「………」

イルナミ王「と、とにかく、貴族どもに命を懸けて……」

異形護衛「………」

イルナミ王「な……」

異形護衛「あんたら王族は知ってるだろう。俺らが生まれる理由を」フラフラ

イルナミ王「あ……あぁ…」プルプル

イルナミ王(異世界人を召喚する度に廃棄物が産まれると聞いておったが、よもやこんな所まで)クルナ…

異形護衛「数十年仕えてきた俺をそんな目で見るのか……」クソッ

異形護衛(何も考えないあんたは、ただの気の優しい王様だったぜ……)ジャキッ

イルナミ王「!!」


 銀の甲冑からはみ出る肉片は、異形の者に皮膚すらない事を示していた。

 異形の者は自身の命がそう遠くない事を知っている。かつて魔術師に変体魔法をかけてもらった時に、元の姿に戻る事を願ったら、皮膚がなくなるから死ぬと言われていたからだ。

 それでも、彼は元の姿に戻ってしまった。

 それは王に自身の恨みを知ってもらいたい訳でも、知らしめたい訳でもない。


 ただ、普段の優しい王なら、自分が家系的に何も誇れるモノのない存在であると知っていながら護衛に任命してくれた王なら、自分の事を認めてくれるのではないかと、思ってしまったからだった。

 そして、その為なら死んでも良いとさえ思ったのだ。


「く、来るなぁ! ゴミがぁ!」


 錯乱する王を見て、異形の者は血の涙を流した。肉片と混じり、ボトボトと落ちる涙は、赤く、そして汚かった。



「あぁぁぁぁぁああぁぁぁ!!」



 異形の者は叫びと共に、剣を振り上げる。

 かつて、王から貰った銀の剣を――。




 ――ギィィィンッ!!


 剣戟のつんざくような音が響く。王は泡を吹いて倒れ、近くに立っていた鎧のオブジェが音を立てて崩れる。

「邪魔を……するな…」



 誰が来た?


安価下1今まで出たキャラの中でお願いします。(ただし戦闘できなさそうな奴はNG)

グレン

ゼマ「ほほほっ、亜人よ、その剣を納めなさい」

異形「じゃま……はぁはぁ…する…な」

ゼマ「おや、その鎧の下はどうなってるのです?」

異形「おれには……皮膚…ごふっ…」

ゼマ「やれやれ、本当に困ったものです。人間と言うモノは」ブゥン

異形「………」

ゼマ「選びなさい。“王の命を諦めると言うのなら、あなたに新しい人生を与えましょう”」

異形「お……れに?」ハァハァ

ゼマ「さぁ、どうします? 時間はありませんよ?」

異形「お、おれは……」




異形「いぎ……た…い」グスッ




ゼマ「本当に、難儀な契約をしてくれたものです。ソルも」ブゥン

魔族「お、俺は……」

ゼマ「今日からあなたは私の部下です。しっかり働くのですよ、ほほほ」

魔族「が、頑張ります!!」

ゼマ(あーやだやだ、なまじ国王の護衛とかしてたから真っすぐすぎです)ヤレヤレ

王「……ん? ひ、ひぃ!?」

ゼマ「………」

王「た、助けてくれぇ……」ガタガタ

ゼマ「ほほほっ、誰があなたごときの命を奪うと?」

王「……へ?」

ゼマ「自分の体をごらんなさい?」

王「?」


 王は、近くに落ちていた銀の甲冑を拾った。そして、自分の体を確認すると、叫び声を上げた。


王「ひ、ひぃいい!? 化物ぉおおお!?」

ゼマ「それがあなたの心ですよ、ほほほ」

魔族「王……」

ゼマ「大丈夫ですよ。十分に反省したら、元に戻りますからね」

魔族「あ、ありがとうございます!」

ゼマ(自分をゴミのように扱った王を助けてお礼を……まったく、人は綺麗過ぎていけませんね)ホホホ

ジャラ「きききっ! 南領めちゃくちゃだぜ!」

ジャラ(次は東領あたりをぶっ壊してやるかなぁ)ニタニタ



――ザクッ



ジャラ「……へ?」



ジャラを刺したのは誰?

安価下1

ルナ

ルナ「………」グググッ

ジャラ「て……めぇ…」ゴフッ

ルナ「……はぁ!!」ブゥンッ

ジャラ「ぐぅううう!?」バリバリバリ

ルナ「よくも、俺の国を好き勝手にしてくれたな!」

ジャラ「てめぇ……捕まってたんじゃ……」

ルナ「貴様に話す必要はない」グリッ

ジャラ「ちく……しょ…う」ドサッ




ルナ「……うっ…」クラッ




ルナ(全魔力を一つの原石に注ぎ込んで暴発させる……危ない賭けだった)ドサッ

ルナ「……くそ…まだ……」グググッ

ルナ(俺の国を……まも…る……)




ゲドー「ルナっ!!」バッ



ルナ「……だ…れ……だ…」ハァハァ

グレン「これはいかんのぉ」

フリッツ「………」スッ

リナ「こら泥棒さん」メッ

フリッツ「あはは///」

ゲドー「魔力が切れかけてる……俺の分を…」ブゥン

ルナ「……これは…ソル……なのか?」

ゲドー「久しぶりだな、ルナ」

ルナ「……また、助けられたというのか…」クッ

ルナ(俺はいつかお前に並んで……)

ゲドー「馬鹿、それを言ったら俺は何度皆に助けられたと思ってんだよ。お互い様だ」

ルナ「………」

レノ「………」

ノモ「レノ?」

ゲブ「早く手当てしなきゃ……」オロオロ

ゲドー「レノ、お前の判断は間違ってねぇ」

レノ「!」

ゲドー「誰かの為に自分の意見を我慢してたら、いつか大切なモノを見失うぞ」

レノ「……私は…」

ノエル「?」



レノ「皆さん! 今すぐ帰ります!」

孤児達「「えーーーっ!?」」

レノ「帰り道、コペル(東領の大きな街)によって演劇見て帰りましょう?」ニコッ

孤児達「「やったー!!」」


レノ「………」プルプル

ノエル「行こう、レノ」ギュッ

ノモ「大丈夫、あなたが正しいわ」ギュッ

レノ「……は、い」ウルウル


ゲドー(子供たちの笑顔を奪う事が、怖かったんだな……)


グレン「ソル……」

ゲドー「ああ……」


 数万年と及ぶ歴史上で、一度だけ発令された“同盟間所持禁止生物”。単一国家が私利私欲のために対象者を置いてはならないと世界全国家が同意した取り決めだが、ソルは二人目の対象者となった。

 ソルは自らを征服国家の存在しない東領に縛る事で、全世界から戦争の火種を消す事に成功した。

 だが、火種は一つではない。

 今回のような種族や宗教上の戦争は、自らが滅びるとしても神の名の下に動き続ける事がある。


 ソル、いやゲドーはグレンと共に南領の内紛に介入する。


 同時に、フレイヤに炊きつけられたレイナード率いる騎士団ウィッシュ。地獄帝の命を受けた死神ラドク。

 復活したルナ率いる南領貴族同盟の騎士たち。

 大きなうねりは小さな火種を瞬く間に消し去って、ついに、



 内紛は終結したのである。



「くそっ、俺は……俺はっ!」

 牢獄でカルマッソは涙を流す。

 彼はかつて、妻との子が亜人であると知り、南領から逃亡を図った。

 しかし、貴族たちはそれを許さず、亜人を生んだ妻とその子供を殺した。

 残ったカルマッソは復讐を誓った。


 いつか、正当なる報いを与えるために。


 だが、それが叶う事はなかった。

 牢獄は、冷えた空気を淀ませるばかりだった……。

女神の園

ソル「何でレイナードの爺さんを煽ったんだ?」パチッ

フレイヤ「煽ってなどおらん」パチっ

ソル「ボードゲームで負けた事がないなんて嘘をついて」パチっ

フレイヤ「そ、それはっ! 実際にあれは負けたことなどないっ」パチっ

ソル「あれより簡単な将棋で俺に勝った事がないのに?」パチっ

フレイヤ「……それは…」

ソル「俺にシアンの影を重ねているんだな?」

フレイヤ「………」

ソル「まぁ、分からないでもない。話を聞く限り、俺と違って若く、勇猛果敢で、優しい男だ」

フレイヤ「それは貴様も変わらないではないか」

ソル「いいや、俺は地球上の生物の力で若返っただけで、医者をやってた頃は……な」

フレイヤ「……私にも地球の事は分からんからな」

ソル「はい、王手」

フレイヤ「殺す」

ソル「またのお楽しみに」ポンポン

フレイヤ「ああ、そうだ。忘れておった」

ソル「?」




フレイヤ「私もそろそろ、旅立とうと思う」




第三部 完

あれ、もう三部終わりか。乙でした。

地図創るの忘れてた……orz

さて、第四部はどうします?


1、第二部の続き
2、第三部の続き
3、番外編で喫茶店復活


安価下1~5多数決で!

※喫茶店の場合、前回登場したキャラ名前を羅列して、選んでもらいます。

それでは、質問等も受け付けますので!

多数決は終わるか、僕が家に帰るまでです!では!

2部が過去で3部が未来(今)だっけ、3部で

>>402 そうです! なのでゲブとかは出てこない可能性が高いです!

安価は下

キャラ募集はあるの?
1

>>405 大体登場人物は出尽くした感ありますけど、ヒロインを既存人物にするか新しくするか決めないとダメでしょうね!
なので募集はあると思います!

じゃあ、多数決は1で第二部の続きで行きます!

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira075521.jpg
世界地図完成^^

第四部

 中央王国全土に“原石を提出するように”お触れが回った。

 それは、魔力が内在してあるものから、空っぽのものまで、全てが対象だった。

 中央大陸は屈指の魔術大国であり、そのほとんどが原石を使用する。

 人々は突如として奪われた事実を認めることができず、しばらく呆けていたという。


◇ホテルミランダ スイートルーム◇


カラ「ソル! これはすごいぞ!」

ソル「ああ、なんていうか……その…豪華だな」

ソル(文化の粋を集めたって感じだな。だけど、俺らがここに泊めてもらえる理由は何なんだ?)

クロア「不満そうな顔だな」フンッ

ソル(メグと言い争っていた騎士団の団長……)

クロア「クロアだ。グランドベイルを護っている」スッ

ソル「……ソルだ」ギュッ

クロア(ふむ、まぁまぁの魔力だな)

クロア「そちらの女性も」スッ

カラ「……いや、しない」

クロア「そんなこと言わずに」ハハ

カラ「………」



カラ「お前からは、殺気に似た何かを感じる」


クロア「!?」

ソル「カラ!?」

カラ「ソルは医者だから分からないかもしれないが、私には分かる」

ソル「え、何で俺が医者だって……」

カラ「視線だったり、指の豆だったり、情報漏らし過ぎだ」

ソル(すげぇ……)

クロア「いや、すまない。……そうか、信じてもらえないなら仕方ないな」

カラ「信じる信じないの問題じゃない。“危険なんだ”」

クロア「……そうか」

ジョン「だってよ、クロア」ハハハ

クロア「うるさい」ギロッ

ジョン「ひゅーっ」

ソル「あなたは……」

ジョン「俺はジョンだ、よろしく」スッ

ソル「俺はソルだ。よろしく頼む」ギュッ

ジョン「お嬢ちゃんも俺とはしてくれるかな?」スッ

カラ「………」ギュッ

ジョン(ふむ、異世界人の中では一番高いか?)

クロア(本当に小器用な男だ……好かん)フンッ

クロア「それでは、しばらくの間ここで好きに過ごしてくれ」

ソル「期間は?」

クロア「分からん。だが、不自由はさせん」

カラ「何が目的?」

ジョン「いや、すまん。毎年の儀式なんだよ」

ソル「毎年?」

ジョン「そうそう、異世界人を七人祭壇に祭って、国民でお祈りをする。それだけさ」

ソル(それだけの為にメグはあれだけ嬉しそうな顔を?)

ジョン「まぁそういう訳だから、ゆっくりしてってくれ」バイバイ

カラ「………」

ソル「らしいけど」

カラ「……信用できない」

ソル「……だなぁ」

ソル(メグもいないし、どうしたものか……)

ちょっと安価置いて離れます!


異世界人は全員で八人ですが、募集するのは三名です!
異世界人といっても地球人じゃなくても良いです! ただし、ホテルに入れるくらいの大きさでお願いします!


安価↓1~3


名前:
種族:
性別:
備考:

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira075526.jpg
チェックおっけー^^

おっさんむずかしすぎぃ……
目つきが鋭いって、釣り目とは違うよね?

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira075528.jpg

おっさん描きなれてないにしてはグレゴリーかと!

アクアちゃん容姿の特徴がねぇ……

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira075529.jpg
んー、少し活発さがなかったかな?

騎士団まとめ
1、
騎士団の名前:グランドベイル自由騎士団
騎士団の団長:クロア
シンボルマーク:太陽
特徴:グランドベイルを守護する実質最も地位の高い騎士団

2、
騎士団の名前:バライロン
騎士団の団長:メグ
シンボルマーク:薔薇
特徴:美男美女を集めた七つの騎士団の顔

3、
騎士団の名前:テオクス
騎士団の団長:ジョン
シンボルマーク:亀
特徴:辺境の地を護らされる実質一番弱い騎士団

4.
騎士団の名前:解放騎士団ウィッシュ
団長 レイナード(男)
教科書掲載レベルの天才老師。
シンボル 狼

5.
騎士団の名前:ランディア勇壮騎士団
団長:アレン
備考:王国の精鋭部隊を率いるハンサムボーイ。騎士の見本のような正義感にして忠臣。
   剣の腕は『ただの一流』程度だが、本当の武器はその意思の強さと、異常なまでのタフさにあり、
   どれだけ戦っても剣の勢いが衰えず、やがて相手の体力が限界にきて剣を落としてしまう。
   オットーとはライバル関係にあり、以前は互いを嫌悪していたが今は多少認め合っている。
シンボルマーク: 銀色の鷹

6.
騎士団名:マガリス
団長:デロンギ
シンボル:蟲

7、
騎士団名:ゾグロノア
ガガロ(男で魔導色サイボーグ)
シンボルマークは機械

ちょっとだけ離れるので、その間に騎士団の序列を決めてもらおうと思います!

自由騎士団が序列は上ですが、実力差ではないので、

安価↓1~7
適当にレスしてください。

コンマ下一桁が騎士団の強さ、コンマ下二桁目が騎士団の序列になります。

※ただし自由騎士団は二桁目関係なしで。

上のレスの順番がコンマ判定の対応順なので!

それでは、お願いします!※人がいなかったらID重複オッケーで^^

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira075530.jpg

悲報:シンボルマークを考えて中学生かなと自問自答する。

このレスもコンマ入りで七つってことで^^集計していきまーす!

二桁目が序列 一桁目が強さ

92自由騎士
04バライロン
09テオクス
31ウィッシュ
77ランディア
18マガリス
14ゾグロノア

並べ替えて

序列順
1位 自由騎士   強さ2
2位 ランディア  強さ7
3位 ウィッシュ  強さ1
同列4位 マガリス 強さ8
同列4位 ゾグロノア強さ4
辺境枠 テオクス  強さ9
特別枠 バライロン 強さ4


ひそかに良い感じになってるような気がするのは俺だけ?

序列順
1位 自由騎士   強さ2
 クロア引き入る王都を護る騎士団
 強さよりも護る事を優先とするため、戦力的にはさほど強くない

2位 ランディア  強さ7
 精鋭部隊。強さを求めたため、バライロンを断った団長アレンが率いる。
 戦いを求めて中央大陸を巡回する。戦争時は率先して出兵する。

3位 ウィッシュ  強さ1
 レイナード率いる中央大陸南の関所を護る老齢の騎士団。
 強さよりも狡猾さが勝り、相手は終始負けた気がせず負ける。

同列4位 マガリス 強さ8
 デロンギ率いる亜人(この場合は融合種を指す)の騎士団。
 いつも甲冑を身に着け、人前に姿をさらさない。
 蟲の力でかなり強い。

同列4位 ゾグロノア強さ4
 ガガロ率いる機械兵の騎士団。
 かつて世界を破壊しかけた最強兵器九十九のパーツが彼らには組み込まれている。

辺境枠 テオクス  強さ9
 隊長ジョンは弱いが、その分育てるのが得意で、またレイムという特殊な場所で過ごすため魔力が高い。
 魔法騎士で構成されてるのはテオクスだけ。

特別枠 バライロン 強さ4
 中央王国の顔であり、いかに顔が良いかで構成されている。
 メグの指導によりここまで強くなったが、つい数十年前までは戦った事すらなかった。

ソル「そういえば、他の異世界人ってのはどこにいるんだろう」

カラ「あっち」スッ

ソル「なんでわかるんだ?」

カラ「臭い」

ソル「……あ、ほんとだ」

ソル(男も、女もいるのか)スンスン

カラ「そこまでは分からない」ジトーッ

ソル「うっ、な、なんも言ってない……///」

カラ「鼻の下伸びてる」テクテク

ソル「あはは……はぁ」

ソル(なんかクロアと喋ってから、性格が……)

カラ(あの黒髪女、私に嫌な事思い出せて……)イライラ

プール

ソル「………」

アクア「あははっ♪」マッテェ

ノエル「あははっ♪」ツカマエテミテェ♪

グレゴリー「………」

チェック「………」ニコニコ

ジェイ「………」

カラ「………」

ソル(後一人足りない?)


残り一人

安価↓1

名前:
種族:
性別:
備考:

プール「………」ゴゴゴゴ

ソル「ん?」

ジン「ぴぎゃぁあああ!」ビシャァンッ

ソル「ぷ、プールから水が吹き上がったぁ!?」ビシャビシャビシャ

ノエル「ちょっと、ジンー/// 冷たいよぉ///」

ソル(あ、あの子可愛い///)

カラ「………」ジトーッ

ソル「そ、そうか、異世界人と言っても、地球人だけじゃないもんな」

チェック「ねぇ君たち?」ニコニコ

ソル「!?」ゾクッ

カラ「………」スッ

チェック「アハハ、僕にビビったかな? でも心配しないで、僕はいつもこうだから」アハハ

ソル(なんだこいつ!? まともじゃないぞ!?)

カラ(底知れない何かを感じる……)

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira075531.jpg


ごめんちゃい、おやすみなさい^^

そういやジャラが属していた組織って何処?

>>455 ジャラの組織はまだ出してないので、今後安価で出るかもしれませんね!
地獄帝の理念に反する組織っぽいので、魔族でも良いと思います!

ああ、ごめん今起きただけ。
どっちみちしばらく安価出さない(と言いながら出すことあるけど)ので、安心してください

ソル「えっと、それじゃあ君たちは……」

ノエル「お金いっぱいもらえるからー☆彡」テヘッ

アクア「元の世界に帰る方法を教えてもらえるからです」

チェック「あはは! この国の事知りたいでしょ?」

グレゴリー「私は戦う場所が欲しい」

ジェイ「無回答ー☆」

ジン「ぼ、ぼくは悪いスライムじゃないよっ」

カラ「………」

ソル(少なからずこの国に信用してるのか……)



 それから数日、メグと話す機会もなくホテルで時間をつぶした。

 同じ異世界人とはいえ、まともに会話が成立したのはノエルとアクアだけだった。

 チェックとは会話のキャッチボールができても、どこか意思疎通をかわせている気がしない。

 グレゴリーはただ、弓矢を整備し続け、ジェイは姿を見せなかった。

 ジンは……プールと同化していた(笑)。



 そして、二つの月が重なりかけている夜。



エントランス

ソル「……眠れないな」

ソル(……ん?あれは…)


 そこにいたのは?

安価↓1

ソル「あれは……クロアと女の人?」


ネーラ「ね? 言ったとおりでしょ?」

クロア「ふん……、貴様の能力は確かに役に立ったようだが、生死は保証せんぞ」

ネーラ「ふふ、私はね。人を売り続けてきた。だから生き残れたのよ」

クロア「生き残れた……ね」

クロア(積極的に元老院の連中にケツふって、それで生きたと言い張るのだから可哀想な奴だ)

ネーラ(私は生きる……生きて、必ず幸せになる)


ソル(何を言ってるんだ……?)


クロア「儀式に必要な人数は7人だが、多いに越したことはない。精々生き残れるように祈っておくんだな」フンッ

ネーラ「………」

ソル(生き残る? まるで7人が……)

今回は次の投下まで随分長いな
まあ3章とつじつま合わせなきゃならんし仕方ないけど

メグの自室(シャワー室)


 透き通るような純白の肌に水滴が滴る。なだらかな双丘の先端はぴんとそそり立っていた。

 細く、しなやかな指が乳房を押しつぶし、ゆっくりと形を変えながら、腹部へとなぞる。

 腰まで伸びた髪は光を乱反射し、染み一つない背中にぺったりと張り付いていた。


 鼻歌を交える気分ではない。メグの表情は暗く、そして怒りに満ちていた。


 下唇を噛むと、ぷつりと血がこぼれた。

 彼女はそれをお湯で流すこともせず、ただ、呆然と――、




「メグ!! ちょっと話……が…」



 突如として現れた男、黒髪に黒い瞳、中央大陸の人間とは明らかに違う柔らかい顔の造り。

 ソルはメグの裸体を目にした瞬間、ゆっくりと視線を下から上へとなぞり、彼女を気まずそうに見つめた。



 軽快な破裂音が響き、ソルは仰向けに地面へと倒れた。



 メグは、少しだけ嬉しそうな顔で、シャワー室を閉めた。

>>465 ちょっと寄生獣見ながらだったので、遅すぎですよねorz
明日更新にします(ビシッ)

明日って日曜? それとも月曜?

>>468 今日なんで日曜ですね! 昼頃に更新と夜に更新できると思います!

ごめんね、ご飯食べたら一気に行きますー!一応、この後の展開は最後まで考えてますので^^

メグ「ちょ、い、いきなり何!?」

ソル(患者で何人も見てきたはずなのに……なんで興奮してんだよ俺ェ…)アセアセ

ソル「あ……」ムラムラ

ソル(このタイミングで地球上のすべての生き物の性欲が発揮してるんだ……)

メグ「何その目!? へ、変態!」カァ///

ソル「……お、落ち着け……俺…」クッ

メグ「………?」

ソル(大丈夫。今までずっと耐えられたんだ……)


メグ「ご、ごめん……/// 痛くしたかにゃ?」ギューッ


ソル「あ、駄目だこれ」

ベッド

ソル「………」

メグ「~~~♪」ギューッ

ソル(や、やってしまった……)ダラダラダラ

メグ「……ソルの顔が整っていてよかった」エヘヘ

ソル(でもまぁ、軟体動物パワーで最後皮ドーム作って中に出してないしな……)

メグ「幸せになろうね♪」ギューッ

ソル「……生きられるのか?」

メグ「………」

数分後。。。

カラ「……この臭い…」ゴゴゴゴゴッ

メグ「~~~♪」ギュッ

ソル「いやまぁ、その、なんだ」

カラ「ずるい」

ソル「落ち着け。ほんと今それどころじゃないから」

カラ「じゃあ約束」

ソル「………」


カラと約束しますか?

1、約束する
2、約束はできない

安価↓1

ソル「約束はできない」

カラ「……分かった」

ソル(随分とあっさり……)

カラ「自分で襲うから」

ソル「」

メグ「茶番はそこまでにしてくれないか」フンッ

カラ「妻気取りか? 中に射精されてない癖に」ゴゴゴゴ

メグ「えっ」

ソル「なんで!? ……あ」

メグ「……どういう事?」ゴゴゴゴゴ

ソル「それはその……」

ソル「はい、あなたの事が大切だから外に射精しました」

ソル(本当は責任とれないからだけど)

メグ「じゃあ、また愛してくれるの?」ギュッ

ソル「ど、どうだろ……」

カラ「約束はできないぞ?」フフンッ

メグ「一度はしてもらったし」フフンッ

カラ「………ちっ」

ソル「そ、それよりっ! 俺たちは本当に何のためにここにいるんだ!?」

メグ「それは……」



チェック「あはは、俺たちを生贄にするためだよね?」ニヤニヤ



三人「「「!?」」」

ソル(一体何なんだこいつ!? 全然感情が読めないぞ!?)

チェック「ね、そうだよね? バライロンの隊長さん」アハハハハ

メグ「………」

チェック「沈黙は答えか」フフフ

ソル「生贄とは?」

メグ「……異世界人は非常に大きな魔力を有しているという話は前にしたな?」

ソル「器が大きいんですよね?」

メグ「ああ、それと同時に、常に魔力を取り込み続ける吸収装置でもある」

チェック「ふーん?」ニコニコ

カラ「という事は、あふれた分はどうなる?」

メグ「あふれるのよ」

カラ「?」

メグ「あふれた魔力は霧散して消える。もう戻ってくることは……ない」

ソル「という事は……異世界人は存在してるだけで害悪だと?」

メグ「……一部の人間はそう考えている」

チェック「あははっ、それ以外の何者でもないじゃん!」

チェック「立ち位置が分からないね」ニヤニヤ

ソル「そうだ。メグはこんなことばらしたら!」

メグ「……私は大丈夫だ。……大丈夫」

ソル(なんだよ、全然大丈夫じゃねぇだろその顔……)ギュッ

メグ「あ……」ギュッ

チェック「いいね! 愛情だねぇ!」パチパチ

カラ「殺すぞ?」ジャキッ

チェック「へぇ、銃が出てくるのか。面白いね」モミモミ

カラ「死ね」グッ


チェック「死ぬのは君かもよ?」ニコニコ


――ビュッ‼


カラ(矢!?)バッ

グレゴリー「………」

ソル「グレゴリー……あんた…」

ごめんちゃい! 中途半端ですがきょうはここまで!

展開として、二種類用意してるんですが、

1、異世界人と騎士団がそれぞれ手を組んで争うパターン
2、異世界人と騎士団が対立するパターン

どっちが良いですか?


安価↓多数決1~5 お願いしますおやすみなさい!

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