武内P「一番好きなアイドルですか?」 (279)


凛「」ガタッ


武内P「…」チラッ


卯月「…で、昨日は大変だったですよぉ」

かな子「それは大変だったね…」

智絵里「で、でも卯月ちゃんのせいじゃないし、気にしない方が…」

卯月「うぅ、ありがとうございます…」

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未央「プロデューサー?」

武内P「!、すみません」

武内P「……笑顔が、素敵な人でしょうか」

未央「えー、ちょっと範囲広すぎない?もう少し具体的には?」

武内P「……そう、ですね」


ベテトレ「休憩終わりだ!次のレッスンを始めるぞ!」


未央「はい!…プロデューサー、今度までにちゃんと考えておいてね」

武内P「…はい」


凛「…それで、プロデューサーのタイプってどんなだったの?」

未央「それがさぁ、あれから何度も聞いてるんだけどいっつもはぐらかされて」

卯月「うーん、興味がない…なんてことはないですよね?」

未央「あー男色k…」

凛「ないから、ノンケだから」

未央「だ、だとしたら好きな人がいて、言いたくても言えないとか?」


卯月「わぁー、だとしたら誰なんでしょう?」

凛「…笑顔が良いって言われた人の中にいるとか?」

未央「私言われたよ!」

卯月「私も言われました!」

凛「……違うみたいだね」

未央「いやいや、私たちに言えないってことは、私たちの中にいるってことも考えられる」

未央「これは調査する必要があるね!」


みく「絶対こっちの方が良いに決まってるにゃ!」

李衣菜「この前みくの言う通りにやったらすべったじゃん!もう嫌だよ!」

みくりーな「「う~」」

みくりーな「「解散!!」」

武内P「では、明日のテレビ番組出演もキャンセルということで」

みくりーな「「アスタリスク、再結成(にゃー)!!」」

武内P「分かりました、では先ほどの打ち合わせ通りにお願いします」

みく「わ、わかったにゃ…」

李衣菜「…はい」


未央「あの二人の扱い方も様になってきたねぇ」

卯月「慣れって怖いですよね」

凛「…流石にあの二人はないんじゃない?」

未央「いやー分からないよ?恋は突然って言うし、特にみくにゃんに対して何も思い入れが無いとは思えないんだよね」

卯月「どうしてそう思うんですか?」

未央「だってさ、ストライキまでしてデビューを要求したみくにゃんを最後にデビューさせたんだよ?」

未央「何も考えなしにそんなことするとは思いにくいじゃん」

凛「反省させるためじゃないの?」

未央「うーん…それだけじゃないと思うんだけどなぁ」


武内P「では、明日の午後はバラエティ番組に出演ということで…」

李衣菜「プ、プロデューサー!もっとロックなお仕事とかないんですか?ここ最近バラエティばっかりな気がするんですけど!」

みく「にわかロッカーな李衣菜ちゃんにはお似合いにゃ、明日もそのネタで頑張るにゃー」

李衣菜「は、はぁー?そっちこそ、前の食わず嫌い王は傑作だったじゃん!」

みく「にゃ!?そ、その話を思い出させないで欲しいにゃ…」

武内P「…多田さん、一つ質問があります」

李衣菜「ぐぬぬ…え?あっ、はい!」


武内P「多田さんにとって、ロックとは何ですか?」


李衣菜「え”?え…っと…」

武内P「私はロックについて詳しくないので、どのような仕事がロックな仕事なのか、教えてください」

李衣菜「そ、それは…クールで、かっこよくて…皆から憧れてて…」

武内P「…」

李衣菜「つまり、その…自分がロックだと思ったものがロック、だと…思います」

武内P「具体的には?」

李衣菜「……」


みく「…Pチャン、もういいでしょ?李衣菜ちゃんにロックについて聞いても答えなんて出ないにゃ」

李衣菜「そ、そんなこと…ない!」

みく「でも李衣菜ちゃんギター弾けないし、好きなバンドでさえあやふやでしょ?」

李衣菜「……」

みく「それなのにロックが何かなんて、語れるわけないよ」


武内P「…では、お二人に宿題を出したいと思います」

李衣菜「…え?宿題?」

武内P「はい、ロックとは何か、明日までに答えを出してください」

みく「…待ってPチャン、明日までに二人でって…も、もしかして」

武内P「はい。もう一度、前川さんの部屋に泊まってもらいます」

武内P「多田さんのご両親は、私が説得しますので」

みくりーな「「えええええええええ!?」」


未央「おぉ、なんか面白いことになってるね」

卯月「ロックとは何か、ですか…」

凛「…強引な話の流れだったけど、なんでまた急に…」

卯月「うーん…何か、深い考えが…」

未央「まっ、明日になれば分かるでしょ。あの二人なら大丈夫だよ!」

卯月「はい、そうですよね!」

凛「…そうだね」


武内P「おはようございます。結論は…でましたか?」

李衣菜「…はい!」

みく「…まぁ、とりあえずって感じだけどにゃ」

武内P「では、聞かせてください。多田さんにとって、ロックとはなんですか?」


李衣菜「…分かりません!」


武内P「…それが答えですか?」

李衣菜「はい。一晩みくちゃんと悩みましたけど、結局答えはわかりませんでした」

李衣菜「…でも!」

李衣菜「やっぱりロックなアイドルを目指したいです!だから、これから探させてください!」

李衣菜「私にとってのロックが何なのか、その答えを!」

武内P「…分かりました。多田さんの意思を尊重したいと思います」

武内P「…一緒に、考えていきましょう」

李衣菜「はい!」


みく「…やれやれにゃ」

武内P「ありがとうございました、前川さん」

みく「べ、別に構わないにゃ。…でも、今回はちょっと大変だったから、貸しにしとくにゃ」

武内P「はい、私に出来ることであれば、何でも」

みく「…期待しとくにゃん♪」ニコッ


未央「うんうん、私の思ってた通りになったね!」

卯月「うぅ・・・いい話でした」

凛「…それはともかく、確かになんか信頼してる雰囲気あるね」

未央「あぁ、そういえばそのために二人を付けまわしてたんだっけ」

卯月「忘れてました!」

凛「…明日からは凸レーションにつくんだっけ?」

未央「うん!私の予想では…きらりちゃんが怪しいかも」

凛「…他二人だとまずいからね」

卯月「どうしてですか?」

凛「…卯月は知らなくても良いよ」


訂正

×未央「うん!私の予想では…きらりちゃんが怪しいかも」

○未央「うん!私の予想では…きらりんが怪しいかも」


みりあ「やったー!勝ったー!」

莉嘉「Pくんの負けー!」

武内P「…そのようですね」

きらり「うぇへへ!とゆーことは?」

莉嘉「Pくんがきらりちゃんの物まねだー!」

武内P「」


莉嘉「Pくんはーやーく!」

武内P「……わかり、ました」

莉嘉「中途半端は駄目だよ?本気でやってね!」

きらり「楽しみだにぃー☆」

みりあ「うん!どんな風になるんだろー?」



未央「…」ザワ…ザワ…

凛「…」

卯月「あはは…」



武内P「にょ、にょわー!は”ぁ”ぴ”は”ぁ”ぴ”す”る”に”ぃ☆」


未央「wwwwwwwwwwww」

凛「」キュン

卯月「わあー」


きらり「うきゃー!Pちゃん上手いにぃ★」ガバッ

武内P「も、諸星さん!?」

莉嘉「ププ…まぁ、イントネーションは、良かったよね…w」

みりあ「プロデューサーすごーい!」


武内P「…では、そろそろ出発します」

莉嘉「えーもうちょっと遊んでいこうよー!」

武内P「時間的にそろそろ出発しないと、余裕を持って出れないので…」

莉嘉「ちぇー、帰ったら続きやろうね!」

武内P「…検討しておきます」

みりあ「えっと…OKって意味だったよね莉嘉ちゃん?やったー!」

武内P「いや…あの…」

きらり「よぉーっし!みんなぁ、しゅっぱーつ!」

みりか「「おー!!」」

武内P「…」


未央「ふふっ…なんというか、家族みたいだよね…w」

卯月「ですよねぇ、微笑ましいです!」

凛「同意しにくいけど、それよりいつまで笑ってるの」

未央「いや…ごめん、まだ余韻が…プフッ」

凛「…」

卯月「着いていってみたいですけど…私たちも仕事がありますよね…」

未央「大丈夫!こんなこともあろうかとプロデューサーにマイクつけといたから」

凛「は?」

卯月「それなら後で話が聴けますね!」


武内P「あの…諸星さん」

きらり「どぉしたの?」

武内P「なぜ、ずっと手を繋いでいるのですか?」

莉嘉「だってPくん普通に一緒に歩いてても警察の人こっちみるじゃん」

みりあ「だから、きらりちゃんに守ってもらうの!」

きらり「そういうことだにぃ!お巡りさんからPちゃんをバッチシ守るからね☆」


武内P「いえ…その必要は…」

みりあ「あっ!あっちのお店がアクセサリー屋さんっぽいよ!」

莉嘉「ほんと!?よぉしゴー!」

みりあ「あ、待ってー!」

きらり「いこ?Pちゃん!」

武内P「…はい」


みりあ「こっちの髪飾りはどうかな?」

莉嘉「うーん…それならこっちかなー」


武内P「…」

きらり「…Pちゃんは、こういう場所苦手?」

武内P「いえ、そういうわけではないのですが…どうしていればいいのか、経験がないので」

きらり「あはっ☆ならきらりのアクセサリーを選んでほしいにぃ!一緒に探せばきっと楽すぃと思うよ!」

武内P「…そうですね。あまり自信はありませんが、努力します」

きらり「うぇへへ!えっとねぇそれじゃあ…」


きらり「今日はありがとね、Pちゃん!」

武内P「はい、私も貴重な経験が出来て、とても楽しかったです」

莉嘉「次はもうちょっとエスコートしなきゃ駄目だけどねー」

武内P「…頑張ります」

みりあ「また一緒に来よーね?」

武内P「えぇ、必ず」

きらり「…」ニコニコ


凛「…」

未央「うわっ、まずいよしぶりん!その顔はNGだよ!」

卯月「きらりちゃん幸せそうでしたねー」

凛「…」

未央「やめてしまむー!これ以上しぶりん百面相で遊ばないで!」

卯月「明日は杏ちゃん達でしたっけ?楽しみです!」

これはかめれおんのしぶりん


武内P「…どうしても、駄目でしょうか?」

かな子「…ごめん、なさい」

智絵里「かな子ちゃん…」

杏「…」

かな子「私、我慢できないんです…」プルプル

武内P「何か、何か方法はあるはずです!一緒に打開策を…」

かな子「駄目なんです!」

智絵里「!」ビクッ

かな子「わた、私には…」

杏「…」


かな子「お菓子が食べれないなんて、絶対に無理ですぅー!!」ダダッ

智絵理「か、かな子ちゃん!」タタッ


武内P「…」

杏「…プロデューサー」

武内P「!、双葉さん…起きていたのですか」

杏「そりゃあんだけ騒がれたら起きるよ、そんなに前の健康診断ヤバかったの?」


武内P「…BMIは正常でした。しかし、空腹時の血糖値の数値が…」

杏「んー?」チラッ

杏「うわぁ」

武内P「このままでは生活習慣病はもちろん、うつ病等にかかるおそれもあります」

武内P「ご両親とも話したのですが、若いから大丈夫と取り合ってもらえず…」

杏「…で、どうすんの?たぶんお菓子食べられないなら、アイドル活動無理だと思うよ」

武内P「…」


かな子「…」

智絵里「…」

かな子「…ごめんね、智絵里ちゃん。迷惑かけちゃって…」

智絵里「う、ううん…」

かな子「…私ね、アイドルになる時に一度ダイエットしてみようって思った時があるの」

かな子「でも、ものすごくイライラしちゃって…お父さんとお母さんにも、当たっちゃって…」

智絵里「…そうだったんだ」


かな子「…智絵里ちゃん」

智絵理「?」

かな子「私、アイドル活動…」


武内P「三村さん!!」


かな子「!」


かな子「プ、プロデューサーさん…私…」

武内P「三村さん、お話があります」

かな子「…はい」

武内P「アイドル活動を続ける続けない以前に、このままだと確実に何らかの生活習慣病にかかります」

武内P「私は、それを見逃すことは出来ません」

かな子「…」

武内P「ですが、三村さんにとってお菓子がとても大切な存在であることは、理解したつもりです」

武内P「なので…」

武内P「これから3ヵ月の間、三村さんの食事管理を私が行います」


かな子「…へ?」

武内P「夕食を除き、朝食・昼食・間食を私が提供しますので、それ以外の食事はしないでください」

かな子「ええ!?わ、私のためにそんな…」

武内P「お願いします!1週間…1週間だけ私にチャンスをください!」

武内P「その間に、必ず満足のいく結果を出してみせます!」

かな子「!」


杏「…それで、今はプロデューサーのごはんで頑張ってるんだ」

かな子「うん♪お弁当もお菓子もとってもおいしいんだよ!」

杏「毎日献立とか砂糖の量とか計算してるんでしょ?すごいなぁ…」

智絵里「…」ジー

かな子「智絵里ちゃんも食べる?すごくおいしいよ」

智絵里「え!?えと…うん」

杏「…」ティン


杏「…あ、プロデューサー」

武内P「はい、なんでしょうか?」

杏「かな子ちゃんにお弁当作ってるらしいけど、それって一人も二人も変わらないよね?」

武内P「…まぁ、そうですね。量を増やすだけなので」

杏「なら、杏と智絵里ちゃんにも作ってよ。かな子ちゃんだけ別の食事って可哀想でしょ?」

武内P「…そう、ですね。確かに配慮が足りませんでした。明日から持ってきます」

杏「よろしく~」


未央「…へー、プロデューサーすごいじゃん!」

卯月「最近料理の本を読んでいたのは、かな子ちゃんのためだったんですね」

未央「これは私も作ってもらおっかなぁー」

卯月「んー…私も食べてみたいですけど、流石に大変なんじゃ…」

未央「なら、お菓子とかを少しだけ分けてもらうってのは?」

卯月「そうですね、今度頼んでみましょう!」


莉嘉「いってきまーす!」

美嘉「あ、ちょっと莉嘉!今日の昼食どうするの?」

莉嘉「えへへー、Pくんが作ってくれるからいらないんだー!」

美嘉「…へ?」

莉嘉「じゃーねー!」

美嘉「…え?」


武内P「……」

ちひろ「プロデューサーさんおは…ってどうしたんですかその重箱!」

武内P「…その、色々ありまして」

ちひろ「はぁ…」


凛「…調べたけど、本当に体を案じているだけで他意はないみたいだね」モグモグ

未央「そ、そうなんだ…どうやって調べたのかは聞かないでおくね」

卯月「この豆腐ハンバーグすごくおいしいです!」

未央「さ、さて…残りはらんらんとみなみんとアーニャ!この中に本命がいるのか、それとも今までの中にいるのか!」

未央「続きはwebで!」


武内P「演劇の練習の相手役を…私がですか?」

蘭子「うむ」

武内P「…それは構いませんが、私よりも,、他の経験者の方に協力を求めた方が良いのではないでしょうか?」

蘭子「…此度の舞台は、身分の異なる者たちによる禁忌の物語」

蘭子「我が闇の力をもってしても、皆の魂を解放するには時を刻む。…ゆえに」

蘭子「今こそ瞳を持つ者の力を受け、真の魔王へと覚醒を果たすと(↑)き(↓)!」

武内P「…分かりました。どこまでできるか分かりませんが、協力します」

蘭子「!」パァァ

蘭子「フフ…感謝する、これがその魔術書になる」

武内P「これは…」


温かな日々を夢見た。

薄氷の平穏。積み木の天秤。瓦礫の上の揺籃。

眠りにつけば二度と訪れないような、残酷で優しい昨日。



武内P「――――問おう、貴方が私のマスターか?」


蘭子「いかにも!我が名は神崎蘭子、血の盟約に従いここに契約は完了した」

武内P「そのようですね。…しかし、随分と可愛らしいマスターに当たったものです」アゴクイッ

蘭子「」キュン

蘭子「ぶ、無礼な!気安く触れるでない!」パシッ

武内P「これは失礼を、以後気を付けましょう」

蘭子「…フン」


蘭子「ナァーハッハッハッハ、口ほどにもない。人に生まれし者どもよ、慄き、そして平伏せ!!! 我が覇道の為に贄となるのだ!!! 」

武内P「流石ですねマスター、向かうところ敵なしといったところでしょうか」

蘭子「フフ…今回はアナタもそれなりに頑張っていたようね、祝福を授けましょう」

武内P「身に余る光栄です。貴方のためならば、どんな困難にも立ち向かって見せましょう」

蘭子「…えぇ、期待しているわ」


蘭子「馬鹿な…我が結界を破るとは…」

武内P「お下がりくださいマスター、敵は相当な手練れの様子」

蘭子「だ、だが…」

武内P「ご安心を、敵がどれだけ強大であっても、貴方だけは守ってみせます」

武内P「我が命に代えても」ギュッ

蘭子「プ…プロ…」トゥンク…


武内P「…」ジャキッ

蘭子「何の真似だ…我が下僕よ」

武内P「…」

蘭子「くっ、よもや瞳を曇らせるとは…」

武内P「…」ブンッ

蘭子「!」


―――バァァァン


蘭子「ああっ!!」


蘭子「…っ、いたっ…い」

武内P「…」

蘭子「……」

武内P「…」チャキ

蘭子「…っ」

武内P「!」ドクンッ

武内P「…ぐ、あぁ…が…」

武内P「がぁあああああああぁあああああああああああ」

蘭子「!?」

武内P「っ!!」


―――ドスッ


蘭子「…そんな」

武内P「………」

蘭子「我が下僕よ、目を覚ませ…」

武内P「………」

蘭子「言ったでしょう?蒼を倒すって、…私を、守ってくれるって…」

武内P「………」

蘭子「…お願い」

蘭子「還ってきて!我が友よ!!」


―――ドォォォォォォォォォォォン


武内P「…魔力は満たされた。魂の導きに従い、ここに再び血の契約を結ぼう」

蘭子「あ…あぁ…」

武内P「…遅れてすみません、マスター。ただいま戻りました」

蘭子「…遅すぎるわ、ばかもの」ウルッ


蘭子「蒼は倒れた…後は」

武内P「このふざけた戦争に、終止符を打ちましょう」

蘭子「…うむ、そうだな」

武内P「…マスター。短い間でしたが、貴方と共に戦えたこと…誇りに思います」

蘭子「…私も、アナタが私の下僕で、本当に良かった」

武内P「…」ダキッ

蘭子「ぴっ!」


武内P「…出来ることなら、このまま離れたくはない」

蘭子「」

武内P「これが世界の理ならば、なんて残酷なことでしょうか」

蘭子「」

武内P「…」

蘭子「」

武内P「…神崎さん?」


蘭子「…」プシュゥゥゥ

武内P「すみません、つい演技に力が入ってしまい…」

蘭子「いや、あの…その…」

武内P「今度は落ち着てやるので、もう一度あの場面からやり直し…」

蘭子「わわ、私はっ、その…きゅ、急用を思い出したので!」ピュー

武内P「か、神崎さん!」


凛「…どうしたの?何か騒がしかったけど」

武内P「渋谷さん、すみません…近日から始まる舞台に向けて、神崎さんの従者役として練習に付き合っていたのですが…」

凛「…ん?ちょっと待って、蘭子の従者役ってアーニャでしょ?それをプロデューサーがやったの?」

武内P「え?いえ…セリフや内容も男性のものだと思いますが…」

凛「…見せて、台本」

武内P「は、はい…」

凛「…」ペラッ

凛「…ふーん」


未央「いやぁ楽しみだよね、今度の大舞台!」

卯月「確か、楓さんや幸子ちゃんも特別枠で参加してくれるんですよね」

未央「うん!私たちも気合入れて、舞台稽古頑張ろー!」

卯月「はい!頑張ります!」

未央「もちろん、プロデューサーの本命探しも忘れないようにね!」


美波「…それじゃ、今日はお疲れ様でした」

武内P「はい、明日もよろしくお願いします」

アーニャ「おやすみなさい、美波」

美波「うん!またね、アーニャちゃん」


――――バタンッ、ブゥゥゥゥン


武内P「…」

アーニャ「…」

武内P「…」

アーニャ「…」


武内P「…アナスタシアさん、何か、気になるものでもあるのですか?」

アーニャ「ズヴェズダ…星を、見ようとしていました」

武内P「星、ですか…」

アーニャ「ダー、…でも、やっぱり見えませんね」

武内P「…街灯などの光が強いせいで、星を見るには厳しいと思います」

アーニャ「…」

アーニャ「…合宿の時は、とても良く見えました」

武内P「…そうですね。あの夜景は、とても綺麗でした」


アーニャ「プロデューサーも、そう思いますか?」

武内P「はい。どの季節でも、満点の星空には、心動かされるものがあります」

アーニャ「ヤーパニマーユ…あー、分かります。また、見てみたいです」

武内P「…えぇ、また皆さんと行けるように、これからも頑張りましょう」

アーニャ「…ダー」

アーニャ「…」

武内P「…どうか、されましたか?」

アーニャ「…ニェートゥ。何でも…無いです」

武内「…」


――――キキッ


武内P「私もここから歩いて帰りますので、今日はこれで」

運転手「分かりました。お疲れ様です」


――――バタンッ、ブゥゥゥゥン


アーニャ「…プロデューサー、どうして降りたのですか?」

武内P「…アナスタシアさん。少しだけ、お時間よろしいでしょうか?」

アーニャ「…?」


武内P「どうぞ」

アーニャ「…ありがとうございます」

武内P「…」ゴクッ

アーニャ「…」

武内P「……新曲のことで、何か悩んでいることがあるんですか?」

アーニャ「!」


アーニャ「…どうして、分かりましたか?」

武内P「…新田さんから、話を聞きました。アナスタシアさんが、何か悩んでいるように見える…と」

アーニャ「…美波が?」


美波『本当は、私が助けてあげたいんですけど…』

美波『アーニャちゃんが私に相談しないってことは、私に言いにくいことだと思うんです。…だから』

美波『プロデューサーさん、アーニャちゃんのこと…助けてあげてくれませんか?』


武内P「…そう、頼まれました」

アーニャ「…」

武内P「新田さんは、アナスタシアさんのことを良く見ているのですね」

アーニャ「…はい、とてもありがたいです」


アーニャ「…でも、どうして新曲について悩んでいると、思ったのですか?」

武内P「前に、作詞家の方と真剣に話されていた時のことを思い出しまして、その時は違和感を感じませんでしたが…」

武内P「新田さんの話を聞いて、あの時アナスタシアさんは、困っていたのではないか…そう思ったからです」

アーニャ「…」

武内P「…違いますか?」

アーニャ「…プラーヴィリナ、その通りです」


アーニャ「実は、Memoriesの時も…悩んでいました」

アーニャ「歌詞に感情を込める…とても、難しいです」

武内P「…そうですね。歌唱力だけでなく、表現力も試される難しい曲でした」

武内P「しかし、新田さんやアナスタシアさんも、とても上手く歌われていたと思いますが…」

アーニャ「…Memoriesは、大切な人…自分が愛している人との別れを悲しむ歌でした」

アーニャ「なので、相手が美波だったら、私はどう思うか…そう考えて歌いました」

アーニャ「…でも、今度の新曲は異性に対しての…淡い恋心を唄う歌詞…」

アーニャ「…私には、その歌詞の表現が…難しいです」

武内P「…」


アーニャ「プロデューサーは、どうすればいいと思いますか?」

武内P「…」

武内P「…申し訳ありません、私にも、どのようにすれば上手く歌えるのか、分かりません」

武内P「ですが、一つだけお伝えできることがあるとすれば…」

武内P「作詞家の方が話されたことは忘れて、自由に歌ってみては、どうでしょうか?」

アーニャ「…え?」


武内P「作詞家の方は、異性に対しての恋歌だと話されたと思いますが、それを必ず守る必要はないと思います」

アーニャ「…そうなのですか?」

武内P「もちろん、そうした方がいい時もあります。しかし、アナスタシアさんがそのままだと歌いにくいのであれば、変えても良いと思います」

アーニャ「…でも、美波が上手く歌えて…わ、私が迷惑かけて…」

アーニャ「…また、美波の負担になったら…って」ウルッ

アーニャ「それが…しんぱいで…」

武内P「!」


武内P「アナスタシアさん…」

アーニャ「…」グスッ

武内P「…」

武内P「Ничего, всё в порядке.」(大丈夫です)

アーニャ「!」


武内P「…新田さんは、皆さんのことがよく見えている一方で、負担を抱え過ぎてしまうところもあります」

武内P「ですが、もう同じことは起こさせません。私が責任を持って、皆さんの体調管理を行います」

武内P「私を、信じていただけないでしょうか?」スッ

アーニャ「…」

アーニャ「Спасибо.プロデューサー」スッ

アーニャ「あなたを、信じますね」ギュッ


――――♪


アーニャ「あ、すみません…私の携帯ですね」

武内P「いえ、どうぞ取ってください」

アーニャ「ダー、ありがとうございます」


――――ピッ


武内P「…」

小梅「…」

武内P「!?」


武内P「し、白坂さん…いつからそこに?」

小梅「ついさっき…かな?」

武内P「…具体的には?」

小梅「缶コーヒー飲むところ」

武内P「……」

小梅「…邪魔だった?」

武内P「いえ…そうではないのですが…」


武内P「白坂さんは…仕事の帰りですか?」

小梅「うん、新作映画の続編の撮影がまだ続いているんだぁ」

武内P「そうなんですか、お疲れ様です」

小梅「プロデューサーさんも、お疲れ様?」

武内P「は…いえ、まだこれからです。もっと頑張らなければいけないので」

小梅「…」ニコッ

小梅「あんまり無茶しちゃだめだよ?」

武内P「はい」


小梅「…それじゃ、私は先にいくね?」

武内P「はい、おやすみなさい」

小梅「あんまり遅くなっちゃだめだよ?」

武内P「分かっています。アナスタシアさんもすぐに送るので」

小梅「誰かに声をかけられても振り返っちゃだめだよ?」

武内P「…?はい、分かりました」

小梅「じゃ、バイバイ」ノシ


「あれ、プロデューサーさんじゃないですか?こんなところで何しているんですか?」


武内P「!」


「…ん?聞こえてないのかな…プロデューサーさーん?」


武内P「…」


「プーローデューサーさーん、私が声をかけてあげてるんですよー!!」


武内P「…」


「プロデューサーさーん、こっち向いてくださいよー、聞こえてますよねー?」


武内P「…申し訳ありません」


「あ、やっぱり聞こえてるじゃないですかー」


武内P「今、私はそちらを向くことはできません」


「はい?どういうことですか?」


武内P「私にはやらなければならないことがあります」

武内P「もう二度と、同じ失敗を繰り返さないためにも…」

武内P「私は、まだそちらに行けません」


「……そうですかー」

「なら、仕方ないですね」


武内P「…」


「皆のこと…お願いします」


武内P「はい」


「…さようなら、プロデューサー」


武内P『…生霊、ですか?』

小梅『うん、女子寮の周辺には多いんだぁ』

小梅『未練が残ったまま、アイドルを辞めることになった子の霊が…いっぱい』

武内P『…』

小梅『中には強い霊もいるから、プロデューサーさんも気をつけてね?』

武内P『…はい、ありがとうございます』


アーニャ「プロデューサー?」

武内P「!…すみません。では、時間も遅いですし、寮まで送ります」

アーニャ「…あの、プロデューサー。ちょっといいですか?」

武内P「はい、なんでしょう?」

アーニャ「…実は、さっきの電話はパパからだったのですが…今、プロデューサーと一緒にいることを、話してしまって…その」

アーニャ「ぜひ、その方と会ってお話がしたい…と」

武内P「…え?」


未央「嫌な…事件だったね」

卯月「…」

凛「…」ハァ


武内P「…勝手に殺さないでください。マイクが見つかった時は、嫌な汗が流れましたが」

未央「いやぁ…あはは、ごめんね?」

武内P「今回の件は少し度が過ぎています。罰として、皆さんには日野さんのロケに参加してもらいます」

未央「」


凛「そのロケ、プロデューサーも同行するの?」

武内P「…そうですね、万が一のために私も同行します」

凛「そう」

卯月「が、頑張りましょう…未央ちゃん」

未央「…はは、まぁなるようになるよね」


武内P「…」

ちひろ「お疲れ様です、プロデューサーさん」

武内P「あぁ、千川さん…お疲れ様です」

ちひろ「聞きましたよ?プロデューサーさんのお気に入りのアイドルが誰なのか、皆探っているとか」

武内P「…」


ちひろ「そういえば、前にお酒の席で話されていましたよね」

ちひろ「未央ちゃんは、皆を笑顔にするアイドル」

ちひろ「凛ちゃんは、笑顔が見てみたいアイドル」

ちひろ「そして、卯月ちゃんは…」

武内P「せ、千川さん…」

ちひろ「フフッ…皆には秘密にしておきますね?」

武内P「…お願いします」


以上です。二次創作ネタが嫌いな人はすまんな、でも私は好きです

こんな完璧超人武内Pじゃないわという方はごめんなさい、でも私は好きです


デレパを聞いてから>>41をネタにしたかった

武内君めちゃすこ


>>64 かめれおん氏は本当に良い絵を描かれますよね、毎週楽しみでした

ぜひ2クール目も描いて欲しいものです

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