司会「第一回文学者トーナメント開催です!」(20)

司会「さあやってまいりました、第一回文学者トーナメント!優勝は果たして誰の手に!?」

解説「いやあ、たのしみですね!」

司会「それでは第一試合、選手入場です!」

即興なんでgdgdかも

司会「まず赤は明治の文豪、夏目漱石だぁ!」

漱石「イギリス行ったらノイローゼになったわwwww」

司会「青は夭逝の天才、中島敦!」

中島「喘息さえなければ!畜生…」

試合開始ッ!

司会「漱石の先制攻撃だぁ!」

漱石「『こ こ ろ』」

司会「で、でたーー!いきなり最高傑作だああああ!これはポイントが高い!」

解説「さすが文豪だと言わしめる圧倒的なリアリティの心情描写の鬱ストーリーですね。いつ読んでも、新たな発見がある」

司会「それに対して、中島は…」

中島「『山 月 記』」

司会「こちらも負けてはいない!名作だあああああ!」

解説「凄まじい芸術性を持った格調高い文章ですね。
   李徴の気持ちは、創作をする人には痛いほどわかるでしょう。」

司会「二人の作品が出ましたがどうおもわれます?」

解説「二つとも高校の現国の教科書には必ず載っている、有名かつ価値のある作品です。
   文学好きにはたまらないでしょう。しかし、」

司会「しかし?」

解説「ぶっちゃけ若いやつにはわからん」

司会「ああ…」

解説「私の学生時代の理系の友人は、山月記を『なんでこんなわかりにくい表現使うんや!』と一蹴したり、
    こころを『ただkが勝手に自殺しただけやろ何が面白いんや』とさんざんに言ったりしたのを今でも覚えてます」

司会「は、はあ…(なんか始まった)」

解説「だいたいどうしてそんなにも文章の鑑賞が甘いんですか
    まあ面白いかどうかはそれぞれとしても文に対する考察がなってn」

司会「で、では結果を!審査員のみなさん、よいと思う方の札を挙げてください!」

審査員たち「夏夏中夏中夏中中中夏」

司会「おおっ!5-5です!引き分けもう一戦です」

解説「まずいな…このままだと中島は不利です」

司会「なぜです?」

審査員たち「夏夏中夏中夏中中中夏」

司会「おおっ!5-5です!引き分けもう一戦です」

解説「まずいな…このままだと中島は不利です」

司会「なぜです?」

誤爆したすまん

解説「中島は喘息で若くして亡くなっていますので、作品が圧倒的に少ないんですよ。
   確かに彼は天才ですが、このまま長期戦に持ち込まれれば知名度で負ける」

司会「なるほど…」

解説「それに比べ、漱石は作品の数もジャンルも多い。中島は次で決めなければ勝ちはないですね」

司会「それでは、両者は次の作品を出してください!」

漱石「『吾 輩 は 猫 で あ る』」

司会「これも傑作です!読んだことはなくとも名前は聞いたことのある人は非常に多いっ!」

解説「知名度は抜群ですし、単純に面白いんですよね」

司会「対する中島は…」

中島「『李 陵』」

司会「で、出たああああ!ぶっちゃけ私はこれと山月記以外は中島の作品を知りませんが、
   これまた傑作です!」

解説「李陵と蘇武と司馬遷の心情を中国の歴史書に即しながら見事に描ききったのは、やはり彼の卓越した文章力のなせる業。
   素晴らしいの一言に尽きます」

司会「さあ、結果は!」

審査員たち「中夏中中夏夏中夏中中」
 
司会「おおおおおおおおおっ!なんと、中島の勝利!」

解説「どちらも本当にすごい作品ですからね。甲乙つけがたいでしょうが、
    彼の言葉を借りるなら、李陵は『格調高雅、意趣卓逸、一読して作者の非凡を思わせる』とでも言いましょうか、
    頭一つ抜けていますね」

司会「というわけで、中島は二回戦に進出!今のお気持ちはどうですか、中島選手?」

中島「芥川賞はとれなかったが、せめてこの場では優勝を狙いたい」

司会「ありがとうございました、それでは第二試合、選手入場です!」

司会「赤は天才批評家、小林秀雄!」

小林秀雄「だから平家物語に無常観はそこまで関係ないだろ!いい加減にしろ!」

司会「青は東大医学部出身で理数系にも教養の深い文学批評家、加藤周一!」

加藤周一「文学というのは……」

解説「この組み合わせもまた大物ですね。どちらも日本を代表する思想家でしょう」

試合開始ッ!

小林「『文 化 に つ い て』」

司会「おお!なんと難解な文章でしょうか!いかにも彼らしいっ!」

解説「確かにこれは非常に難しいです。恥ずかしながら私もはっきり理解してるとは言い難いですね。
    というのは……」

司会「というのは……?」

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