ゆりゆりss みわ「明日先輩とデートなんだ~」(54)

注意書き
・需要あるかわからんけど、ゆりゆり3のssです
・書き溜めあり
・ゆり要素あり
・原作読んでた方が分かりやすいかも
・初スレたてで緊張してます

それでは投下していきたいと思います

みわ「明日先輩とデートなんだ~」

そう言いながらにっこり笑うみわに思わずドキッとする。
同時にみわを独り占めできる先輩を少し憎らしく思う。

加奈「ふーん」

敢えて気のない返事をしてしまう。

私とみわは高校に入学してからすぐに仲良くなった。
何をするにしても一緒だったし、それが楽しかった。

いつ頃からだったろうか、私はみわの一挙手一投足を意識するようになった。
みわの何気ない表情にドキッとしたり、何気ない言葉にときめいたり。
それが私の初恋。

みわは誰に対しても優しくて、もどかしく思うこともあった。
私以外の人に優しくしないでよ。私だけを見てよ。

そうした気持ちは焦りを生み、もっとみわと親しくなりたいと思った。

だから私は他の人の悪口を言った。

なんかオカマの芸能人でみわっていなかったっけ?

>>6そうなの?
テレビ笑点くらいしか見ないからよくわからん
ってか見てくれてる人いたんだ嬉し

共通の敵を作れば、誰かを嫌いであるという感情を共有すれば、みわともっと親しくなれるんじゃないか。
そう思った。

でもみわは、他人を嫌いになるにはあまりにも優し過ぎた。

数週間後、私はみわが「加奈ちゃんが言う人の悪口を聞くのが辛い」と級友に漏らしたらしいことを知った。
裏切られた気がして悲しかった。
みわと私は、恋人同士ではないにしろ、親友だと思ってた。
だから、みわが私に不満を抱くなんて、思いもしなかった。

そこで素直に謝れれば良かったのだけれど、そうはできなかった。
「私は裏切られた被害者である」という意識が強過ぎたんだと思う。
今思えば本当に自分勝手な話だ。

それから、私とみわは全く関わることがなくなった。
というより、私が意識的にみわをさけていた。
何度も謝ろうと思ったけど、無理だった。
そのまま一ヶ月が過ぎた。

もうこのままみわとの関係も途絶えてしまうのかな、と思い始めた矢先、みわから謝られた。
本人に直接言わなきゃいけないことなのに、陰口みたいに言ってごめん、って。
そうじゃないんだよ。そんなんじゃないんだよ。
私は自分のこの気持ちに気づいて欲しかったんだよ。
そう思ったけど、私もみわが嫌がるようなことしてごめん、って言ってひとまず仲直りした。

あとで知った話、みわは私に謝るのにかなりの勇気を要したらしい。
そしてその後押しをしたのがめぐみ先輩だった。
そのときの縁で、今みわとその先輩はつき合っている。
仲直りのきっかけを作ってくれたことには感謝しているけれど、みわの彼女というポジションを考えると、その先輩には嫉妬してしまう。

見てる人居るのかな......もうちょい続けてみます


私の方が先にみわを好きになったし、絶対私の方がみわを好きだ。
先輩なんかに負けてられない。
彼女なんて特別な関係じゃなくても、ずっと一緒にいられるってことを証明してやる。

加奈「みわ」

みわ「ん?」

加奈「その...ずーっと友達でいてよね」

みわ「...うん!」

そのときのみわの笑顔がまぶしくて、今後どんなことがあってもこの笑顔だけは守りたいと思った。

未定る

>>15ありがとう元気出た



翌日、みわは先輩と昼からデートだし、ちょうどテスト明けで週末にこなさなければならない課題も少なかったから、私は午前中クーラーの効いた部屋でダラダラ過ごしていた。

退屈なので、みわとやりとりした過去のメールをぼんやり眺める。

そこには、「先輩は中学の頃に絵のコンクールで特選をとったことがある」だとか、「先輩のお父さんが厳格な人で、背筋が伸びてないってだけでよく叩かれたらしい」などなど、私にとってはどうでもいい先輩の情報ばかり。

加奈(みわ、先輩の話する時すごい楽しそうだよね)

加奈(いつか私の話もこんなふうにしてくれたらな)

昼過ぎになり、そろそろ昼食をとろうと思って起き上がったとき、ちょうど携帯が鳴った。
見るとみわから電話だ。なんだろう。今は先輩とデート中のはずだけど。

加奈「みわ、どうしたの?」

みわ『か、加奈ちゃん......先輩が....へ、部屋で...く、くびを、首吊って......』

加奈「え?」

みわ『だから.......せせせ先輩がぁぁぁぁぁああああああぁぁぁ!!!!!!』

加奈「ちょっ、みわ、落ち着いて!」

加奈「先輩が...部屋で首吊ってるの?」

みわ『うん......』

加奈「......死んでるの?」

みわ『うん......うん...う、ぁぁぁああああ!』

加奈「警察に知らせなきゃ...」

先輩は割と近所の学生寮にすんでいたから、私は警察に通報したあとみわの所へ急いだ。
先輩の寮に着くと、泣きじゃくるみわが、たまりかねたように私の胸に飛び込んできた。
天井からぶら下がる先輩の体が揺れているのを見ると、さっきまでみわは先輩の体にとりすがって泣いていたようだ。
ただただ鳴き声をあげるだけのみわが痛々しくて、守りたくて、私は強くみわを抱きしめた。

警察の調査が済んで、先輩は自殺と断定された。
自殺の動機に関しては警察から聞くことはできなかった。
先輩、みわとデートの約束までしておいて、何でこんな時に自殺なんて......

その疑問は、思わぬ形で解決されることになる。

先輩の自殺の翌々日、私の家をみわが訪ねてきた。

加奈「いきなりどうしたの?」

みわ「...これ、読んでみて...」

そう言って手渡されたのは、一通の手紙。
差出人の名前を見ると、ミミズののたくったような字で「高野めぐみ」とある。

加奈「これって......」

みわ「うん、多分先輩が自殺の直前に投函した手紙」

私は封筒の中から手紙を取り出し、読み始めた。

   みわちゃんへ
唐突で驚くかもしれないけれど、わたし、みわちゃんに隠してたことがあるの。
世間では、同性愛に対する偏見があるって、みわちゃんもしってるよね。
わたしもみわちゃんとつき合うようになって、それなりの覚悟はしてた。

だから、彼女がいるってばれて大学で嫌がらせを受けても平気だった。
みわちゃんの笑顔が見られれば、それだけで良かった。幸せだった。
でもね、2ヶ月程前から、嫌がらせの一環としてカツアゲされるようになった。
お金が足りなくて、満足に食事もできない日が続いた。

親に仕送りを増やしてもらおうにも、理由を聞かれたらなんて答えればいいのかわからなくて。
前に言ったよね?わたしのお父さん、すごく厳格なの。
みわちゃんとつき合ってるなんて言ったら、強制的に別れさせられるに決まってる。
それだけは絶対嫌だった。なんとしてもそれだけは避けたかった。

だから仕事を始めた。短時間でたくさんお金が得られる職業。売春。
ごめんね。みわちゃんを裏切ってるって意識はあった。
でも、みわちゃんのためにやってるんだって意識の方が強かった。バカだよね。

最初はそれでも順調にいってた。でも最近、厄介な人の相手をしちゃって。
その人にヤク漬けにされたの。そこからはホントにあっという間。
売春でできたわずかな貯金も、薬を買ったらすぐ底をついちゃった。

今も、ペンを握るこの手の上をゴキブリがウジャウジャ這ってる。
何匹かはわたしの右目を食べてるし、口の中にも5,6匹ワサワサしてる。
もう、多分私はだめ。明日のデートの約束、すっぽかすことになってごめんね。

わたし以外にいい人を見つけて、みわちゃんには幸せになって欲しい。私の分まで。
さようなら。
                  めぐみ


眠いから少し寝る
多分10時までには投下再開する

ゆりゆりすると思ってスレ開いたのにこの仕打ち…

こういう系は鬱率高いのはわかってたがただのアフターのアフターかと思ってたら…

その内容の悲痛さに、私は何も言えなかった。
みわの顔を見ると、そこには何の感情も浮かんでいないようだった。

加奈「......」

みわ「......」

二人ともしばらくは無言だったが、やがてみわが口を開いた。

みわ「先輩が嫌がらせを受ける原因を作ったのはね、多分私なの」 

加奈「......」

みわ「私が先輩にデートの誘いのメールを頻繁に送ってたから」

みわ「何かのきっかけでそれが周りの人の目に留まったんだと思う」

加奈「そんなこと...」

みわ「絶対そうだよっっ!!!」

加奈「」

みわ「......私が、もっと...気を使ってれば......」

加奈「......」

みわ「私って......先輩から頼りにされてなかったのかなぁ?」

みわ「恋人同士なんだし、痛みは分け合って、楽しみは共有するものだと思ってた」

みわ「先輩...一人で抱え込むなんて...」

みわ「...先輩を、自殺に追い込んだ連中が憎い......」

みわ「でも......それよりも...っ!先輩の苦しさに気づけなかった自分が...っ!」

みわ「情けなくて、悔しくて、憎くて、憎くて憎くて憎くてっっっっ!!!!」

みわ「仕方ないの.......っ!!!」

加奈「みわ......」

今は何を言ってもみわに届かない気がした。
それほどに、みわの激情の壁は厚かった。

みわ「ごめんね、邪魔しちゃって。私帰るね」

加奈「あっ、おいっ!」

呼び止める間もなく、みわは部屋を出て行った。

それから二日後、みわは殺人未遂で逮捕された。
先輩をカツアゲしていた一人をつきとめて、包丁で刺し殺そうとしたが失敗したらしい。
包丁の切っ先はその人の脇腹を5cmほど切り裂いたが、致命傷とはならなかった。
逆に周りから返り討ちにあって、みわは集団リンチを受けた。

みわが逮捕されてから、私は毎日のように面会に行った。
初めのうちは、先輩の復讐を目標になんとか持ちこたえていたようだが、日を追うにつれてどんどんやせ衰えていった。
今ではもう過去のみわからは想像できないほどに頬が痩け、目は落ち窪み、唇はその潤いをことごとく失っていた。

加奈「みわ、ちゃんと食べてるか?」

みわ「......」

加奈「私は友達を失いたくない」

加奈「今を乗り切れば、きっとまたいいことがあるからさ、頑張ってよ...お願いだから」

みわ「......」

加奈「みわ......」

みわ「..........ん..................く...........たい........」

加奈「うん?」

みわ「...ごめんね.......約束、守れない......みたい........」

加奈「約束?」

そこであぁと納得する。みわは「ずーっと友達でいよう」という約束のことを言っているのだと。
でもそれが守れないっていうのは......
!みわが言わんとすることに気づき、鳥肌が立つ。

加奈「おい、みわ、それって........」

拘置所の人「時間です、面会時間は終わりです」

みわはガラスの向こうで何も言わずに立ち上がり、私の視界から消えようとする。

加奈「みわ...みわ!やめろ!それだけは...それだけはやめろよぉ!」

私の声が聞こえているであろうにも関わらず、みわは全く意に介さない様子で歩を進める。
そしてそのまま私の視界から消えた。

その日、みわは独房で、ズボンで首を吊って自殺した。

結局私は、みわとずっと友達でいることも、みわの笑顔を守ることもかなわなかった。
みわは私のいる現世よりも、先輩のいる死後の世界を選んだ。
私は先輩に完敗し、私の初恋は遂に実らなかった。


私も自殺しようかとも思った。
だけど、私が自殺したとしても、みわの隣にはいられないだろう。
そこは先輩がいるべき所だから。
だから生きる。みわの分まで、私が。

現世では辛いことばかりだったろうけど、天国では幸せになってね、みわ。


おわり

見てくださった人は本当にありがとうございました
ゆり展開期待した人はゴメンなさいw

みわちゃんも加奈ちゃんもめぐみ先輩もみんな大好き!
またゆりゆりでss書きたいと思います
そのときはまたよろしくお願いします

次は>>1で嘘つかないように、それと鬱エンドならそういう旨もね

いや、深夜だから基本的に鬱展開でも注意書きは要らないだろ……

まぁ乙

>>48
鬱の注意はいらんが、書き溜めありでゆり要素ありと書いておいてないのが問題
希望を持つのが間違いなのか…

>>49
1です
書き溜めは最後までしてあったけど投下中に眠くなって寝た
ゆり要素ありは、女の子同士の恋愛感情という意味で使ったけど、ちと無理があったかと反省してる

いやそもそも注意書き自体要らないから

速報は注意書きを完備してないと叩かれることが多い
逆に深夜は注意書きがあると叩かれることが多い

ちょっとした文化差があるので覚えておくといい

>>52
ありがとう
今後気をつける

あと外野レスには極力反応してはいけない。

今は夏休みだから特に変な荒らしをひきつけることにもなりかねん

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