「児童虐待合唱団」 (19)


・単なる詩の綴り、ただの気分転換


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「扇風機に当たる僕」


「閑古鳴く昼寝時」


「水平線の一本上で」


「ぽつんと寂しく入道雲」


「なあ父さん」


「どうして僕は」


「生きてるんだろう」


「割目の入った蝶番」


「縁側に寝そべる太陽」


「庭から見える向こう一面」


「向日葵が真上を指している」


「僕に家はない」


「道もなければ」


「靴もない」


「見放されたこの僕に」


「消し炭みたく火がおこれば」


「塵となって風にのり」


「黄色い海も青い海も」


「ぴゅうっと一吹き越えて行ける」


「だけどもそれは通り雨」


「だけどもそれは油蝉」


「彼らもまた」


「夏が嫌い」


「泥だらけで帰る子ども」


「腹の空かした良い笑顔」


「帰り際にこっちを向いて」


「またすぐに駆けて行く」


「なあ父さん」


「僕はどこで」


「間違えたんだろう」

おしまい

暗い気分になりたかっただけ

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